IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイションの特許一覧

特表2023-513137インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法
<>
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図1
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図2
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図3
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図4
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図5
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図6
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図7
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図8
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図9
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図10
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図11
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図12
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図13
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図14
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図15
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図16
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図17
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図18
  • 特表-インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】インプラントのための拡張デバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20230323BHJP
   A61F 2/958 20130101ALI20230323BHJP
【FI】
A61F2/24
A61F2/958
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547257
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(85)【翻訳文提出日】2022-09-30
(86)【国際出願番号】 US2021016736
(87)【国際公開番号】W WO2021158863
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】62/971,086
(32)【優先日】2020-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エラン・ゴールドバーグ
【テーマコード(参考)】
4C097
4C267
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097SB10
4C267AA05
4C267AA06
4C267AA55
4C267AA56
4C267BB28
4C267CC19
4C267EE03
4C267EE11
(57)【要約】
拡張デバイスを利用してインプラントを拡張するためのデバイス、システム、および方法が使用され得る。インプラント展開システムは、インプラントの内面を加圧してインプラントを拡張するように構成され、中心体の長さに沿って直径が減少するプロファイルを有する中心体を有する膨張可能な本体部を備え得る。膨張可能な本体部は、拡大特性が変化する複数のセグメントを備え得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラントのための拡張デバイスであって、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置決めされるとともに長さを有する中心体と、を有する、膨張可能な本体部であって、前記中心体は、前記インプラントの内面を加圧して前記インプラントを拡張させるように構成されるとともに、前記第1の端部から前記第2の端部まで前記中心体の長さに沿って直径が減少するプロファイルを有する、膨張可能な本体部を備える拡張デバイス。
【請求項2】
前記プロファイルは、テーパ付きプロファイルである請求項1に記載の拡張デバイス。
【請求項3】
前記プロファイルは、角度付きプロファイルである請求項1または請求項2に記載の拡張デバイス。
【請求項4】
前記中心体は、複数のセグメントを備え、前記複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは、前記複数のセグメントのうちの別のセグメントのプロファイル角度とは異なる角度であるプロファイル角度を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項5】
前記中心体は、複数のセグメントを備え、前記複数のセグメントの各セグメントは、互いに同じ角度であるプロファイル角度を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項6】
前記複数のセグメントの各々は、前記複数のセグメントの互いの最大直径とは異なる最大直径を有する請求項4または請求項5に記載の拡張デバイス。
【請求項7】
前記中心体は、複数のセグメントを備え、複数の撮像マーカをさらに備え、各マーカは、前記複数のセグメントのうちのそれぞれの1つのセグメントの位置を示すように構成される請求項1から6のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項8】
前記複数の撮像マーカのうちの少なくとも1つの撮像マーカは、放射線不透過性マーカを含む請求項7に記載の拡張デバイス。
【請求項9】
前記複数の撮像マーカの少なくとも1つの撮像マーカは、前記膨張可能な本体部の内側空洞内に位置決めされるか、または前記膨張可能な本体部の壁上に位置決めされる請求項7または請求項8に記載の拡張デバイス。
【請求項10】
前記中心体は、各々一定の直径を有する複数のセグメントを備え、前記複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは、前記複数のセグメントのうちの別のセグメントとは異なる直径を有する請求項1から9のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項11】
前記膨張可能な本体部は、非コンプライアントである請求項1から10のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項12】
前記膨張可能な本体部は、セミコンプライアントである請求項1から10のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項13】
前記膨張可能な本体部は、前記インプラントを展開するために展開装置の細長シャフトに結合され、前記膨張可能な本体部は、展開されていない構成になるように構成されるとともに、展開された構成まで膨張させられるように構成され、前記膨張可能な本体部の内側空洞を膨張させるための膨張内腔をさらに備える請求項1から12のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項14】
前記膨張可能な本体部は、前記膨張可能な本体部の膨張後に、前記膨張可能な本体部の定められたプロファイルを超えて拡大しないように構成される請求項1から13のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項15】
前記膨張可能な本体部の前記第1の端部は、近位端であり、前記膨張可能な本体部の前記第2の端部は、遠位端である請求項1から14のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項16】
インプラントのための拡張デバイスであって、
第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置決めされるとともに前記インプラントの内面を加圧して前記インプラントを拡張するように構成されている中心体と、を有する膨張可能な本体部であって、前記中心体は、複数のセグメントを備え、前記複数のセグメントの各セグメントは、互いに異なるプロファイルを有する、膨張可能な本体部と、
各撮像マーカが前記複数のセグメントのうちの1つのセグメントの位置を示すように構成される複数の撮像マーカと、
を備える拡張デバイス。
【請求項17】
前記複数の撮像マーカは、放射線不透過性マーカを含む請求項16に記載の拡張デバイス。
【請求項18】
前記撮像マーカは、前記膨張可能な本体部の長手方向軸に沿って互いに離間する請求項16または請求項17に記載の拡張デバイス。
【請求項19】
前記複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは、前記複数のセグメントのうちの別のセグメントのプロファイル角度とは異なる角度であるプロファイル角度を有する請求項16から18のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項20】
前記複数のセグメントの各セグメントは、互いに同じ角度であるプロファイル角度を有する請求項16から18のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項21】
前記複数のセグメントの各セグメントは、前記複数のセグメントの互いの最大直径とは異なる最大直径を有する請求項16から20のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項22】
前記複数の撮像マーカの各マーカの位置は、前記複数のセグメントのうちのそれぞれ1つのセグメントの位置を示す請求項16から21のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項23】
前記中心体は、テーパ付きプロファイルを有する請求項16から22のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項24】
前記中心体は、角度付きプロファイルを有する請求項16から23のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項25】
前記複数の撮像マーカは、前記膨張可能な本体部の内側空洞内に位置決めされるか、または前記膨張可能な本体部の壁上に位置決めされる請求項16から24のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項26】
前記膨張可能な本体部は、非コンプライアントである請求項16から25のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項27】
前記膨張可能な本体部は、セミコンプライアントである請求項16から25のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項28】
前記膨張可能な本体部は、前記インプラントを展開するために展開装置の細長シャフトに結合され、前記膨張可能な本体部は、展開されていない構成になるように構成されるとともに、展開された構成まで膨張させられるように構成され、前記膨張可能な本体部の内側空洞を膨張させるための膨張内腔をさらに備える請求項16から27のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項29】
前記膨張可能な本体部は、前記膨張可能な本体部の膨張後に、前記膨張可能な本体部の定められたプロファイルを超えて拡大しないように構成される請求項16から28のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項30】
前記膨張可能な本体部の前記第1の端部は、近位端であり、前記膨張可能な本体部の前記第2の端部は、遠位端である請求項16から29のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【請求項31】
インプラント展開システムであって、
対象体内の展開部位へ展開されるように構成されているインプラントであって、前記インプラントの内側空洞に面する角度付き内側プロファイルを有する、インプラントと、
前記インプラントの前記内側空洞内に位置決めされるように構成されているとともに、前記インプラントに向かって加圧して前記インプラントを拡張させるように構成されている中心体を有する膨張可能な本体部であって、前記中心体は、前記インプラントの前記角度付き内側プロファイルに嵌合するように角度を付けられたプロファイルを有する、膨張可能な本体部と、
を備えるインプラント展開システム。
【請求項32】
前記インプラントは、長さを有し、前記中心体は、前記インプラントの長さより大きい長さを有する請求項31に記載のインプラント展開システム。
【請求項33】
前記中心体は、複数のセグメントを備え、前記複数のセグメントの各セグメントは、互いに異なるプロファイルを有する請求項31または請求項32に記載のインプラント展開システム。
【請求項34】
前記膨張可能な本体部は、展開されていない構成になるように構成されるとともに、展開された構成まで膨張させられるように構成される請求項31から33のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【請求項35】
前記膨張可能な本体部は、前記膨張可能な本体部の膨張後に前記膨張可能な本体部の定められたプロファイルを超えて拡大しないように構成される請求項31から34のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【請求項36】
インプラント展開システムであって、
細長シャフトを有する、インプラントを展開するための展開装置と、
前記細長シャフトに結合される膨張可能な本体部であって、膨張可能な本体部は、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置決めされるとともに長さを有する中心体と、を有し、前記中心体は、前記インプラントの内面を加圧して前記インプラントを拡張するように構成され、前記第1の端部から前記第2の端部までの前記中心体の前記長さに沿って直径が減少するプロファイルを有している、膨張可能な本体部と、
を備えるインプラント展開システム。
【請求項37】
前記プロファイルは、テーパ付きプロファイルである請求項36に記載のインプラント展開システム。
【請求項38】
前記プロファイルは、角度付きプロファイルである請求項36または請求項37に記載のインプラント展開システム。
【請求項39】
前記中心体は、複数のセグメントを備え、前記複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは、前記複数のセグメントのうちの別のセグメントのプロファイル角度とは異なる角度であるプロファイル角度を有する請求項36から38のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【請求項40】
前記中心体は、複数のセグメントを備え、前記複数のセグメントの各セグメントは、互いに同じ角度であるプロファイル角度を有する請求項36から39のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【請求項41】
前記複数のセグメントの各々は、前記複数のセグメントの互いの最大直径とは異なる最大直径を有する請求項39または請求項40に記載のインプラント展開システム。
【請求項42】
インプラントをさらに備え、中心体は、前記インプラントの角度付き内側プロファイルに嵌合するように角度を付けられたプロファイルを有する請求項46から58のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【請求項43】
膨張可能な本体部の第1の端部は、近位端であり、膨張可能な本体部の第2の端部は、遠位端である請求項46から59のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【請求項44】
インプラント展開システムであって、
細長シャフトを有する、インプラントを展開するための展開装置と、
前記細長シャフトに結合される膨張可能な本体部であって、膨張可能な本体部は、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置決めされる中心体であって、前記インプラントの内面を加圧して前記インプラントを拡張するように構成されている中心体と、を有し、前記中心体は、複数のセグメントを備え、前記複数のセグメントの各セグメントは、互いに異なるプロファイルを有する、膨張可能な本体部と、
前記細長シャフトに結合される複数の撮像マーカであって、各々が前記複数のセグメントのうちのそれぞれの1つのセグメントの位置を示すように構成されている複数の撮像マーカと、
を備えるインプラント展開システム。
【請求項45】
インプラントの内面に向かって加圧される中心体を有する膨張可能な本体部を利用して前記インプラントを拡張するステップであって、前記膨張可能な本体部は、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置決めされた中心体と、を有し、前記中心体は、長さを有するとともに、前記第1の端部から前記第2の端部までの前記中心体の長さに沿って直径が減少するプロファイルを有する、ステップを含む方法。
【請求項46】
前記中心体は、複数のセグメントを備え、前記方法は、前記インプラントを拡張するために前記複数のセグメントのうちの1つのセグメントを選択するステップをさらに含む請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記複数のセグメントの各セグメントは、前記複数のセグメントの互いの最大直径とは異なる最大直径を有する請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記複数のセグメントのうちの前記選択された1つのセグメントを、前記複数のセグメントのうちの前記選択された1つのセグメントの最大直径まで膨張させて、前記インプラントを拡張するステップをさらに含む請求項46または請求項47に記載の方法。
【請求項49】
撮像された複数の撮像マーカに基づき前記複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントを識別するステップをさらに含む請求項46から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記インプラントを前記複数の撮像マーカのうちの少なくとも1つの撮像マーカと位置合わせするステップをさらに含む請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記中心体は、テーパ付きプロファイルを有し、前記インプラントは、人工心臓弁を備える請求項45から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記膨張可能な本体部の前記第1の端部は近位端であり、前記膨張可能な本体部の前記第2の端部は遠位端である請求項45から51のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、参照により全体が本明細書に組み込まれている、2020年2月6日に出願された米国仮出願第62/971086号の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、インプラントに関係するシステム、デバイス、および方法、ならびに拡張(dilation)のデバイス、システム、および方法について説明する。
【背景技術】
【0003】
様々な疾病が個人の身体に影響を及ぼし得る。そのような疾病は、個人の心臓の病気であり得、大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、および肺動脈弁を含む、個人の心臓弁の疾病を含み得る。狭窄は、たとえば、心臓弁の動作および個人の全体的な健康に影響を及ぼす可能性のあるよく見られる、重大な弁疾患である。
【0004】
患者の心臓の一部を置換するか、または修復し得るインプラントが提供され得る。人工心臓弁などの人工インプラントは、患者の心臓の一部を置き換えるために提供され得る。人工大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、および肺動脈弁さえも提供され得る。
【0005】
インプラントは、患者の身体の所望の部分に経皮的に、低侵襲的に展開(deploy)され得る。そのような展開は経カテーテルで行われるものとしてよく、そこではカテーテルは個人の血管系を通して展開され得る。
【0006】
そのようなインプラントの展開の際に、インプラントは、そのようなインプラントのために拡大(expand)された構成を提供するように拡張されなければならない。そのようなインプラントの過拡大または不足拡大を回避し、そのようなインプラントを適切に展開するために、インプラントを特性的に拡張させるように注意を払わなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明のシステムおよび方法は、拡張デバイスを利用してインプラントを拡張するためのデバイス、システム、および方法に関し得る。そのようなデバイス、システム、および方法は、インプラントを拡張するために膨張されるように構成された膨張可能な本体部を備え得る。様々な実施形態において、インプラントのための拡張デバイスが提供されてよい。拡張デバイスは、第1の端部と第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に位置決めされ、長さを有する中心体を有する膨張可能な本体部を備え得る。中心体は、インプラントの内面を加圧してインプラントを拡張させるように構成され得、第1の端部から第2の端部まで中心体の長さに沿って直径が減少するプロファイルを有し得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
様々な実施形態において、インプラントのための拡張デバイスが提供されてよい。拡張デバイスは、第1の端部と第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に位置決めされ、インプラントの内面を加圧してインプラントを拡張するように構成されている、中心体を有する膨張可能な本体部を備え得る。中心体は、複数のセグメントを備え、複数のセグメントの各セグメントは互いに異なるプロファイルを有し得る。複数の撮像マーカは、各々、複数のセグメントのうちのそれぞれの1つのセグメントの位置を示すように構成され得る。
【0009】
様々な実施形態において、インプラント展開システムが提供され得る。インプラント展開システムは、対象体内の展開場所へ展開されるように構成され、インプラントの内側空洞に面する角度付き内側プロファイルを有するインプラントを備え得る。インプラント展開システムは、インプラントの内側空洞内に位置決めされるように構成され、インプラントに向かって加圧してインプラントを拡張させるように構成されている中心体を有する膨張可能な本体部を備え得、中心体はインプラントの角度付き内側プロファイルに嵌合するように角度を付けられたプロファイルを有する。
【0010】
様々な実施形態において、インプラント展開システムが提供され得る。インプラント展開システムは、インプラントを展開するための、細長シャフトを有する、展開装置を備え得る。インプラント展開システムは、細長シャフトに結合され、第1の端部と第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に位置決めされ、長さを有する中心体を有する膨張可能な本体部を備えるものとしてよく、中心体はインプラントの内面を加圧してインプラントを拡張するように構成され、第1の端部から第2の端部までの中心体の長さに沿って直径が減少するプロファイルを有している。
【0011】
様々な実施形態において、インプラント展開システムが提供され得る。インプラント展開システムは、インプラントを展開するための、細長シャフトを有する、展開装置を備え得る。インプラント展開システムは、細長シャフトに結合され、第1の端部と第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に位置決めされ、インプラントの内面を加圧してインプラントを拡張するように構成されている中心体を有する膨張可能な本体部を備えるものとしてよく、中心体は複数のセグメントを備え、複数のセグメントの各セグメントは互いに異なるプロファイルを有する。インプラント展開システムは、細長シャフトに結合され、各々複数のセグメントのうちのそれぞれの1つのセグメントの位置を示すように構成されている、複数の撮像マーカを備え得る。
【0012】
様々な実施形態において、方法が、提供され得る。この方法は、インプラントの内面に向かって加圧される中心体を有する膨張可能な本体部を利用してインプラントを拡張することを含むものとしてよく、膨張可能な本体部は第1の端部と第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に位置決めされた中心体を有し、中心体は長さを有し、第1の端部から第2の端部までの中心体の長さに沿って直径が減少するプロファイルを有する。
【0013】
様々な実施形態において、方法が、提供され得る。この方法は、インプラントの内面に向かって加圧される中心体を有する膨張可能な本体部を利用してインプラントを拡張することを含むものとしてよく、膨張可能な本体部は第1の端部と第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に位置決めされた中心体を有し、中心体は複数のセグメントを備え、複数のセグメントの各セグメントは互いに異なるプロファイルを有する。
【0014】
この方法は、インプラントを、各々複数のセグメントのうちのそれぞれの1つのセグメントの位置を示すように構成されている複数の撮像マーカのうちの少なくとも1つの撮像マーカと位置合わせすることを含み得る。
【0015】
本明細書において説明されている様々な実施形態において、システム、デバイス、および方法は、対象体内に展開されるか、または実行され得る。被験者は、(限定はしないが)内科患者、獣医科患者、動物モデル、死体、ならびに心臓および血管系(たとえば、擬人化ファントムおよび外植片組織)のシミュレータを含む。
【0016】
これらおよび他の特徴、態様、および利点は、限定はしないが、本開示を例示することを意図されている、図面を参照しつつ以下に説明される。図面において、類似の参照文字は、類似の実施形態全体を通して一貫して対応する特徴を示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の一実施形態による拡張デバイスの斜視図である。
図2図1に示されている拡張デバイスの断面図である。
図3】インプラントが膨張可能な本体部の周りに位置決めされている図1に示されている拡張デバイスの斜視図である。
図4図1に示されている拡張デバイスの近位端面図である。
図5図1に示されている拡張デバイスの遠位端面図である。
図6】本開示の一実施形態による拡張デバイスの断面図である。
図7】本開示の一実施形態による拡張デバイスの断面図である。
図8】本開示の一実施形態によるインプラントの断面図である。
図9】本開示の一実施形態による拡張デバイスの断面図である。
図10】本開示の一実施形態による展開装置の側面図である。
図11】本開示の一実施形態による展開装置の側面図である。
図12】シースが引っ込められた状態にある図11に示されている展開装置の側面図である。
図13】シースが引っ込められた状態にある図11に示されている展開装置の側面図である。
図14】大動脈弁に接近している展開装置の概略図である。
図15】大動脈弁尖を拡大する拡張デバイスの概略図である。
図16】大動脈弁輪内の適所にあるインプラントの概略図である。
図17】大動脈弁輪内の適所にあるインプラントおよび本開示の一実施形態による拡張デバイスの概略図である。
図18】本開示の一実施形態による拡張デバイス装置により大動脈弁輪内で拡大されたインプラントの概略図である。
図19】本開示の一実施形態による展開されたインプラントの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次の説明および例は、本開示のいくつかの例示的な実施形態を詳細に示している。当業者であれば、本開示の範囲に包含される数多くの変更形態および修正形態があることを理解するであろう。したがって、いくつかの例示的な実施形態の説明は本開示の範囲を限定するとみなされるべきではない。
【0019】
図1は、本開示の一実施形態による、インプラントに対する拡張デバイス10の斜視図を例示している。拡張デバイス10は、第1の端部または近位端14と、第2の端部または遠位端16と、第1の端部または近位端14と第2の端部または遠位端16との間に位置決めされ、長さ20(図2においてマークされている)を有する中心体18とを有する膨張可能な本体部12を備え得る。
【0020】
膨張可能な本体部12の第1の端部または近位端14は、膨張可能な本体部12を展開するために利用され得、様々な実施形態において同様にインプラントを展開するために利用され得る展開装置のシャフト22に結合され得る。膨張可能な本体部12の第2の端部または遠位端16は、膨張可能な本体部12の対向端部を形成し、拡張デバイス10の先端を含み得る。
【0021】
中心体18は、インプラントの内面を加圧してインプラントを拡張するように構成されている膨張可能な本体部12の加圧部分を備え得る。中心体18は、インプラントに向かって加圧しインプラントを拡張して、インプラントに力を印加しインプラントを拡張し得る。中心体18は、インプラントと接触してインプラントを加圧するように構成されている外面を有するように構成され得る。様々な実施形態において、中心体18は、別の構造物で覆われてよく、さらに、他の構造物を通してインプラントの内面を加圧し得る。
【0022】
図2は、拡張デバイス10の中間線に沿った拡張デバイス10の断面図を例示している。中心体18は、第1の端部または近位端14から第2の端部または遠位端16までの中心体18の長さ20に沿って直径が減少するプロファイルを有するように図示されている。プロファイルは、テーパ付きプロファイルである。プロファイルは、第2の端部または遠位端16に向かう方向で下向きに角度を付けられた角度付きプロファイルである。プロファイル角度は、中心体18の長さに沿って変化しない単一の角度であってよい。様々な実施形態において、たとえば図6に示されるように、角度は、中心体18の長さに沿って変化し得る。中心体18のプロファイルは、第1の端部または近位端14に近い中心体18の直径26が、第2の端部または遠位端16に近い中心体18の直径28まで徐々に減少するような、段階的テーパを有していてもよい。プロファイルは、中心体18が周囲に延在する長手方向軸24に関して対称的であり得る。
【0023】
中心体18は、図1および図2に示されているような錐台の形状を有するものとしてよく、これは円錐形錐台を含み得るか、または様々な実施形態における別の形の錐台を含み得る(たとえば、ピラミッド形状または別の形状)。
【0024】
膨張可能な本体部12の端部14、16は、膨張可能な本体部12に結合するシャフトまたは内腔の直径まで外形が小さくなる形状を有し得る。たとえば、第2の端部または遠位端16は、中心体18の遠位部分に結合し得、中心体18の遠位部分の直径28(たとえば、膨張内腔30の直径)より小さい直径の大きさまで先細りになり得る。遠位端16は、遠位端16が被験者の一部に接触したとしても、傷つけることのないように構成され得る。近位端14は、中心体18の近位部分に結合し得、中心体18の近位部分の直径26(たとえば、シャフト22の直径)よりも小さい直径の大きさまで先細りになり得る。近位端14は、中心体18の近位部分から近位である方向で下方に先細りになり得る。
【0025】
膨張可能な本体部12は、膨張可能な本体部12の外面を形成し得、膨張可能な本体部12を膨張させるために流体を充填するように構成されている内側空洞34を囲み得る壁32によって形成され得る。膨張可能な本体部12内の流体の圧力は、膨張可能な本体部12の中心体18または加圧部分がインプラントを拡張することを可能にする力をもたらし得る。内側空洞34は、図2において、単一の空洞を備えるように示されているが、様々な実施形態において、他の構成も利用され得る。たとえば、別々であるか、または互いに流体連通し得る複数の室が利用されてもよい。様々な実施形態において、膨張可能な本体部12は、別々に膨張し得る、または一緒に膨張し得る、別個の膨張可能な本体部などの、別個の本体部を備え得る。
【0026】
膨張可能な本体部12の壁32は、膨張可能な本体部12が非コンプライアントになるように構成され得る。したがって、膨張可能な本体部12は、膨張圧力の条件を満たすかまたはそれを超えたときに膨張しないように構成され得、膨張可能な本体部12の定められたプロファイルが、膨張圧力に達するかまたはそれを超えたときに変化しないように構成され得る。膨張可能な本体部12は、定められたプロファイルで予形成され得る。膨張可能な本体部12は、膨張可能な本体部の膨張後に膨張可能な本体部12の定められたプロファイルを超えて拡大しないように構成され得る。たとえば、膨張可能な本体部12が膨張圧力に達すると、膨張可能な本体部12の直径26、28は、追加の膨張圧力がもたらされた後にそれ以上増大しないように構成され得る。様々な実施形態において、膨張可能な本体部12は、セミコンプライアントであってもよい。様々な実施形態において、膨張可能な本体部12は、コンプライアントであってよく、膨張可能な本体部12を膨張させる流体の量は、膨張可能な本体部12のサイズを制御するように制御され得る。
【0027】
膨張可能な本体部12を膨張させるように構成されている膨張内腔30が提供され得る。膨張内腔30は、膨張可能な本体部12の内側空洞34を膨張させるように構成され得る。膨張内腔30は、膨張可能な本体部12の内側空洞34内に延在し得、流体を中に通して内側空洞34を充填し、したがって膨張可能な本体部12を膨張させるように構成されているチャネル36を備え得る。さらに、膨張内腔30は、流体をチャネル36を通して内側空洞34から引き出し、膨張可能な本体部12を萎ませるように構成され得る。膨張内腔30は、膨張内腔30に流体を出し入れして膨張可能な本体部12の膨張を制御するために利用され得るポート38(図11においてマークされている)と流体連通し得る。
【0028】
膨張可能な本体部12は、展開装置の内腔に位置決めされるため展開されていない構成となるように構成されてもよく、図1図5に示されているように展開された構成まで膨張されるように構成されてもよい。膨張内腔30は、膨張可能な本体部12を膨張させて膨張可能な本体部12を展開された構成に移動するために利用され得、膨張可能な本体部12を萎ませて膨張可能な本体部12を展開されていない構成に移動するために利用され得る。
【0029】
膨張可能な本体部12は、中心体18の長さに沿って複数のセグメントを備え得る。セグメントは、各々インプラントの内面を加圧してインプラントを拡張するように構成されている中心体18の部分を備え得る。複数のセグメントは、各々複数のセグメントの各セグメントと互いに異なるプロファイルを有し得る。異なるプロファイルは、各セグメントの異なる最大直径によるものとしてよい。たとえば、図2に示されているように、複数のセグメントの各々(たとえば、セグメント40a、40b)は、複数のセグメントの互いの最大直径とは異なる最大直径を有する。中心体18のセグメント40a(角括弧で示されている)は、セグメント40aの近位部分において最大直径42aを有する角度付きプロファイルを有する。中心体18のセグメント40b(角括弧によって示されている)は、セグメント40aの最大直径42aよりも大きい、セグメント40bの近位部分における最大直径42bを有する角度付きプロファイルを有する。図2におけるそのような特徴は、中心体の長さ20に沿った中心体18の連続的なテーパ付きプロファイルによるものである。セグメント40bを囲むインプラントは、したがって、セグメント40aを囲むインプラントよりも大きい直径まで拡大される。様々な実施形態において、複数のセグメントは、各々複数のセグメントの各セグメントと互いに異なるプロファイルを有し得るか、または複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは、複数のセグメントのうちの別のセグメントのプロファイルとは異なるプロファイルを有し得る。中心体18のセグメントは、図2に示されているように互いに重なり合うか、または互いに分離していてもよい。
【0030】
図2に示されている複数のセグメントの各セグメントは、互いに同じ角度であるプロファイル角度を有する。図2におけるそのような特徴は、中心体18の長さ20に沿った中心体18の単一のプロファイル角度によるものである。
【0031】
セグメントは、結果として異なる最大直径をもたらす異なるプロファイルを有するだけでなく、たとえば図6に示されているように、様々な実施形態において互いに異なるプロファイル角度を有し得る。様々な実施形態において、セグメントは、同じ最大直径を有しながら異なるプロファイル角度を有する(たとえば、同じ最大直径まで外向きに延在するが角度が異なる)ことによって、異なるプロファイルを有し得る。さらに、様々な実施形態において、異なるプロファイルは、各セグメントの異なる形状の結果生じるものであってよく、たとえば、セグメントは、図2に示されているような直線的プロファイル形状を有していてもよく、さらに別のセグメントは、様々な実施形態において湾曲した形状または他の形状を有し得る。
【0032】
セグメントは、インプラント、または複数の異なるインプラントを、様々な拡大直径に拡大するように構成され得る。たとえば、膨張可能な本体部12は、中心体18上のインプラントの位置に応じてインプラントを最大直径42aまたは最大直径42bまで拡大するように構成され得る。インプラントがセグメント40a上に位置決めされる場合、インプラントは、最大直径42aまで拡大される。インプラントがセグメント40b上に位置決めされる場合、インプラントは、最大直径42bまで拡大される。このようにして、使用者は、中心体18の上にインプラントを選択的に位置決めすることによってインプラントが拡大される程度を選択し得る。
【0033】
さらに、セグメントは、インプラントの角度付き内側プロファイルに嵌合するように角度を付けられたプロファイルを有するように構成され得る。図8は、たとえば、膨張可能な本体部12上に位置決めされた図3にも示されている、インプラント46の一実施形態の断面図を例示している。インプラントの特徴は、わかりやすくするため、図示されていない。たとえば、人工心臓弁尖は、インプラント46が人工心臓弁である一実施形態においてわかりやすくするために図8に図示されていない場合がある。インプラント46は、インプラント46の内側空洞47に面する角度付き内側プロファイルを有する。インプラント46は、第1の端部または近位端50より狭い第2の端部または遠位端54を有し、遠位端54から近位端50まで角度付き内側プロファイルを形成する内面53を有している。インプラント46は、「V」字型インプラント、またはそうでなければ円錐形錐台の内側形状を有するインプラントとみなされ得るか、または様々な実施形態において別の形の錐台(たとえば、ピラミッド形状または別の形状)を備え得る。インプラントは、内側プロファイルと同じである外部プロファイルを有し得るか、または様々な実施形態において異なっていてもよい。インプラント46は、図8に示されているように拡大された内径55まで拡大するように構成され得る。
【0034】
中心体18のセグメントは、インプラント46の内側プロファイルに嵌合するプロファイルを有し得る。それぞれのセグメントのプロファイル角度は、角度付き内側プロファイルに嵌合するように角度付き内側プロファイルのプロファイル角度と同じ角度であり得るか、または角度付き内側プロファイルにそのまま嵌合するようにわずかに異なる角度であってもよい。角度付き内側プロファイルとの嵌合は、セグメントの外面とインプラントの内面53との間の大きな接触表面積を許し得る。図3は、たとえば、中心体18のそれぞれのセグメント42c、42dの周りに延在する2つのインプラント44、46を含む膨張可能な本体部12の斜視図を例示している。中心体18は、インプラント44、46の内側空洞内に位置決めされる。インプラント44、46は、各々、拡大の異なる直径を有し得、インプラント44、46の長さが異なることにより、またインプラント44、46のそれぞれの近位端48、50および遠位端52、54のところの直径が異なることにより、インプラント44、46の異なる内側プロファイルを有し得る。インプラント44は、たとえば、インプラント46の近位端50の直径よりも小さい、インプラント46の遠位端54の直径よりも小さい、直径を近位端48で有する。インプラント44、46の内側プロファイルの角度は同じである。
【0035】
セグメント42c、42dは、インプラント44、46の角度付き内側プロファイルに嵌合するように角度を付けられたプロファイルを有し得る。したがって、図3に示されているように、セグメント42cのプロファイルは、インプラント44の角度付き内側プロファイルに嵌合し、セグメント42dのプロファイルは、インプラント46の角度付き内側プロファイルに嵌合する。したがって、セグメント42c、42dの外面とそれぞれのインプラント44、46の内面との間に大きな接触表面積が存在する。大きな接触表面積は、膨張可能な本体部12がそれぞれのインプラント44、46を拡張する力を印加する能力を改善し得る。
【0036】
図3に示されているように、膨張可能な本体部12は、インプラントを様々な拡大直径まで拡張し得る。インプラント44は、遠位セグメント42cの最大直径56まで拡張され、インプラント46は、近位セグメント42dの最大直径58まで拡張され得る。したがって、同じ膨張可能な本体部12は、異なるインプラントを異なる拡大直径まで拡張するように構成され得る。さらに、膨張可能な本体部12は、同じインプラントを異なる拡大直径まで拡張するように構成され得る。インプラント44は、たとえば、直径56まで拡大され得、使用者は、直径56におけるインプラント44の展開の品質レベルなど、インプラント44の特性を決定し得る。使用者がインプラント44をさらに拡大することを選択した場合、膨張可能な本体部12は、萎ませられて、セグメント42cによりインプラント44に印加される力を低減し得、次いで、膨張可能な本体部12は、遠位に摺動され、たとえばセグメント42dの周りにインプラント44を位置決めし得る。使用者は、次いで、必要ならば、インプラント44を直径58まで拡大するために、膨張可能な本体部12を再び膨張させ得る。したがって、膨張可能な本体部12は、中心体18上のインプラントの位置を変化させることによってインプラントを漸進的に拡大するために利用され得る。
【0037】
インプラント44、46は、各々、展開後、拡大された内径まで拡大するように構成され得る。インプラント46の拡大された内径55は、たとえば図8に示されている。中心体18は、したがって、それぞれのインプラント44、46の拡大された内径と同じ最大直径56、58を有するセグメント(図示されている)を備え得る。さらに、インプラント44に関して、中心体18は、インプラント44の拡大された内径よりも大きい最大直径を有するセグメント42dを備える。インプラント46に関して、中心体18は、インプラント46の拡大された内径よりも小さい最大直径を有するセグメント42cを備える。したがって、異なる拡大された内径を有する様々なインプラントは、拡張デバイス10を用いて拡張され得る。さらに中心体18は、インプラント44、46の長さよりも大きい長さを有し、それにより、インプラント44、46に関する中心体18の可変位置決めを可能にする。
【0038】
図2を再び参照すると、拡張デバイス10は、複数の撮像マーカ60を備え得る。複数の撮像マーカ60は、各々、複数のセグメントのうちのそれぞれの1つのセグメントの位置を示すように構成され得る。撮像マーカ60は、放射線不透過性マーカまたは撮像されるように構成されている他の形態のマーカを含み得る。たとえば、撮像マーカ60は、心エコー検査法または別の形態のX線撮像または超音波撮像で見られるように構成されているエコー源性マーカを含み得る。撮像マーカ60は、蛍光透視または別の形態の撮像法で見られるように構成され得る。撮像マーカ60は、中心体18の長さに沿って互いに離間し得る。撮像マーカ60は、膨張可能な本体部12の長手方向軸24に沿って互いに離間し得る。撮像マーカ60は、互いに等間隔で離間し得るか、または別の間隔が利用されてもよい。撮像マーカ60は、膨張可能な本体部12の長手方向軸24を囲むものとしてよい。
【0039】
撮像マーカ60は、図2に示されているように内側空洞34内に位置決めされ得、膨張内腔30上に位置決めされ得る。様々な実施形態において、撮像マーカ60は、別の場所に位置決めされてもよい。たとえば、撮像マーカ60は、様々な実施形態において膨張可能な本体部12上に位置決めされてもよい。図9は、たとえば、撮像マーカ61が膨張可能な本体部12の壁32上に位置決めされ、軸24の周りの円周方向に延在する一実施形態を例示している。撮像マーカ61は、たとえば、壁32の内側にあってもよい。壁32は、複数の層(たとえば、二重層、三重層など)を含んでもよく、撮像マーカ61は、そのような層の間に位置決めされてもよい。また、撮像マーカ61は、必要ならば、壁32の表面に位置決めされてもよい(たとえば、壁32に印刷されてもよい)。望むとおりに他の構成も利用され得る。
【0040】
図3を参照すると、撮像マーカ60は、それぞれのセグメントの位置に対応する各撮像マーカ60によって複数のセグメントのうちのそれぞれの1つのセグメントの位置を示すように構成され得る。複数の撮像マーカ60のうちの各マーカの位置は、複数のセグメントのうちのそれぞれ1つのセグメントの位置を示し得る。撮像マーカ60aは、たとえば、セグメント42cの近位部分に位置決めされ、したがって、セグメント42cの端部、およびしたがってセグメント42cの位置を示し得る。撮像マーカ60bは、セグメント42dの近位部分に位置決めされ、したがって、セグメント42dの端部、およびしたがってセグメント42dの位置を示し得る。複数の撮像マーカ60の各々は、複数のセグメントのうちのそれぞれ1つのセグメントの位置を示すようにインプラントに関する適所に配置されるように構成され得る(たとえば、ほかにも位置はあるがとりわけセグメントのところ、またはセグメントの端部のところなど)。したがって、使用者は、展開手順において、撮像マーカ60a、bを撮像し、インプラント44がセグメント42cの周りに位置決めされていることを使用者が知るようにインプラント44をマーカ60aと位置合わせし得る。使用者は、撮像マーカ60とセグメントの位置との間の対応関係を知っているものとしてよく、したがって、インプラント44が膨張可能な本体部12の所望のセグメント上にあることを確実にするために撮像マーカ60に関してインプラント44を位置決めすることができるものとしてよい。
【0041】
別の例として、使用者がインプラント44を撮像マーカ60aと位置合わせし、インプラント44を最大直径56まで拡張させた後、使用者は、インプラント44をさらに拡張させることを望む場合がある。使用者は、次いで、膨張可能な本体部12を萎ませ、次いで、撮像マーカ60bがインプラント44と位置合わせされるまで膨張可能な本体部12を遠位に摺動させ得る。使用者は、次いで、インプラント44を最大直径58まで拡張し得る(たとえば、インプラント44が最大直径58まで拡大するように構成された場合)。使用者は、マーカ60aとマーカ60bとの間の撮像マーカ60の数をカウントして、インプラント44がセグメント42dの周りに延在していることを認識し得る。様々な実施形態において、撮像マーカ60の連番は、それぞれのセグメントの最大直径または他の特性を示し得る。たとえば、順に一列に並んでいる各撮像マーカ60は、最大直径の追加のミリメートルまたは直径の別のサイズを表し得る。したがって、使用者は、3つの撮像マーカをカウントして、3つの追加のまたはそれより少ないミリメートルの最大直径が膨張可能な本体部12のそのセグメントによってもたらされることを認識し得る。膨張可能な本体部12の追加の特性は、撮像マーカ60によって示され得る。たとえば、セグメントの角度は、撮像マーカ60によって示されてもよく、順次一列に並ぶ各撮像マーカ60は角度付きプロファイルの角度の追加の度数または角度の別の変化を表す。撮像マーカ60は、たとえば、撮像マーカが英字、単語、数字、または特性を示す他のマーキングの形状で形成されることによって膨張可能な本体部12の特性を直接的に示し得る。
【0042】
撮像マーカ60は、インプラントに関する膨張可能な本体部12の位置の位置合わせまたは再位置合わせを行うための離散的な離間する目盛線として働き得る。
【0043】
図4は、膨張可能な本体部12の第1の端面図または近位端面図を例示している。図5は、膨張可能な本体部12の第2の端面図または遠位端面図を例示している。
【0044】
図6は、複数のセグメントの各々が、複数のセグメントの互いのプロファイル角度と異なる角度であるプロファイル角度を有する、膨張可能な本体部の一実施形態を例示している。膨張可能な本体部62は、膨張可能な本体部12と同様に構成され、第1の端部または近位端64と、第2の端部または遠位端66と、第1の端部または近位端64と第2の端部または遠位端66との間に位置決めされ、長さを有する中心体68とを備える。中心体68は、インプラントの内面を加圧してインプラントを拡張するように構成されている膨張可能な本体部62の加圧部分を備え得る。中心体68は、第1の端部または近位端64から第2の端部または遠位端66までの中心体68の長さに沿って直径が減少するプロファイルを有するように図示されている。プロファイルは、遠位端66に向かう方向で下向きに角度を付けられた、テーパ付きプロファイルおよび角度付きプロファイルである。プロファイル角度は、中心体の長さに沿って変化する。
【0045】
複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは、複数のセグメントのうちの別のセグメントのプロファイル角度と異なる角度であるプロファイル角度を有する。たとえば、セグメント70bは、隣接するセグメント70aのプロファイル角度より大きい角度であるプロファイル角度を有し得る。さらに、セグメント70cは、隣接するセグメント70bおよびセグメント70aのプロファイル角度より大きい角度であるプロファイル角度を有し得る。各セグメント70a~70cはまた、他のセグメントの最大直径とは異なるより大きい直径を有する。セグメント70a~70cの様々な角度は、それぞれのセグメント70a~70cのプロファイル角度に合うプロファイル角度を有する様々なインプラントを拡張するために利用され得る。たとえば、同じ膨張可能な本体部62は、異なるインプラントを拡張するために使用され得る。さらに、様々な実施形態において、セグメント70a~70cの様々な角度は、同じインプラントを、使用者がもしそうしたければ異なる角度で、拡張するために利用され得る。たとえば、使用者は、最初に高角度のセグメント70cでインプラントを拡張し、インプラントを急速に拡張したい場合がある。次いで、使用者は、展開の後の段階においてよりゆっくりとインプラントを拡張させるように、低角度のセグメント70aで同じインプラントを拡張させたい場合がある。
【0046】
撮像マーカ72a~72cは、撮像マーカ60と同様に、それぞれのセグメント70a~70cの位置を示すために利用され得る。
【0047】
図7は、各セグメントが他のセグメントと異なる最大直径を有する膨張可能な本体部の一実施形態を例示している。膨張可能な本体部74は、膨張可能な本体部12と同様に構成され、第1の端部または近位端76と、第2の端部または遠位端78と、第1の端部または近位端76と第2の端部または遠位端78との間に位置決めされ、長さを有する中心体80とを備える。中心体80は、インプラントの内面を加圧してインプラントを拡張するように構成されている膨張可能な本体部74の加圧部分を備え得る。中心体80は、近位端76から遠位端78までの中心体80の長さに沿って直径が減少するプロファイルを有するように図示されている。
【0048】
プロファイルは、段付きプロファイルである。たとえば、各セグメント82a~82cは、その長さに沿って一定の直径を有し、複数のセグメント82a~82cの少なくとも1つは、複数のセグメントのうちの別のセグメントとは異なる直径を有する。さらに、セグメント82a~82cの各々は、互いに異なる直径を有する。セグメント82bは、最大直径がセグメント82aの最大直径より小さいプロファイルを有する。セグメント82cは、最大直径がセグメント82bの最大直径より小さいプロファイルを有する。セグメント82a~82cの様々な直径は、様々なインプラントを異なる直径まで拡張させるために利用され得る。さらに、様々な実施形態において、セグメント82a~82cは、同じインプラントを様々な直径まで拡張させるために利用され得る。インプラントは、一定の直径を有する内側プロファイルを有し得、したがって各セグメント82a~82cは、そのインプラントの一定の直径プロファイルに嵌合するプロファイルを有している。しかしながら、セグメント82a~82cは、必要ならば、角度付きプロファイルを有するインプラントを拡張するためにも利用され得る。
【0049】
撮像マーカ84a~84cは、撮像マーカ60と同様に、セグメント82a~82cのそれぞれの位置を示すために利用され得る。
【0050】
本明細書において開示されている膨張可能な本体部は、膨張可能な本体部とともに使用するために専用であってもよい展開装置を介してインプラントの所望の展開場所に送達され得るか、またはインプラント用の展開装置を介して送達され得る。たとえば、図10は、インプラント用の展開装置90の実施形態を例示している。展開装置90は、ハンドル92と、ハンドル92に結合されている細長シャフト94と、細長シャフト94の端部でカプセル96によって囲まれているインプラント保持領域とを備え得る。細長シャフト94は、カプセル96の遠位端にノーズコーン98を備え得る。展開装置90は、展開装置90の、カプセル96からインプラントを放出することを含み得、細長シャフト94を所望の配向に偏向させることを含み得る、動作を作動させるための作動機構100を備え得る。展開装置90は、自然心臓弁を拡張するための、またはインプラントを最初に拡張するための拡張デバイスをさらに含んでもよい。
【0051】
膨張可能な本体部は、展開装置90に結合される、たとえば細長シャフト94に結合され得る。図2に示されている膨張内腔30は、たとえば、展開装置90の一部を貫通し得、ポート102を介して、または別の手段を介してアクセスされ得る。
【0052】
図11は、インプラントを放出するための機能なしで利用され得る展開装置104の一実施形態を例示している。展開装置104は、インプラントを覆うシース108を有する細長シャフト106を備え得る。展開装置104の近位端は、膨張内腔にアクセスするためのポート38を備え得る。細長シャフト106は、被験者の所望の部分に偏向するように可撓性を有するように構成され得る。細長シャフト106は、図10に示されている作動機構100と同様に構成され得る作動機構を用いるなどして操縦可能であってもよい。
【0053】
図12を参照すると、シース108は引っ込められ、膨張可能な本体部12を露出させ得る。膨張可能な本体部12は、展開されていない、萎んでいる、または拡大されていない状態であり得る。図示されているように、そのような構成では、膨張可能な本体部12は、展開装置の内腔内に位置決めされるように構成される。膨張可能な本体部12は、ポート38を介して膨張させられ、たとえば、図13に示されているような展開されていない、萎んでいる、または拡大されていない状態よりも大きい直径およびサイズを有する展開された、膨張した、または拡大された状態まで膨張可能な本体部12を移動するものとしてよい。次いで、膨張可能な本体部12は、萎まされ得、シース108は、膨張可能な本体部12の上に延在し膨張可能な本体部12を覆うものとしてよい。
【0054】
展開装置の構成は、図10図13に示されている構成と異なり得る。図10図13に示される以外のタイプの展開装置も利用され得る。
【0055】
図14図19は、本明細書において開示されている拡張デバイスを利用する例示的な方法を例示している。本明細書に開示される方法は、図14図19に示されているステップと異なる場合がある。図14を参照すると、拡張デバイスは、人工心臓弁であるインプラントの展開において利用され得る。人工心臓弁は、人工大動脈心臓弁を含み得るか、または様々な実施形態において、僧帽弁、三尖弁、または肺動脈心臓弁などの別の形態の人工心臓弁を含み得る。様々な実施形態におけるインプラントは、心臓弁修復を含む、心臓の一部の修復を含み得る、修復のために利用され得る。様々な実施形態におけるインプラントは、ほかにもあるがとりわけ、ステントを含む他の形態の医療用インプラントを含み得る。インプラントは、本明細書において開示されている膨張可能な本体部が中に位置決めされる内側空洞を有するように構成され得る。この方法は、インプラントの内面に向かって加圧される中心体を有する膨張可能な本体部を利用してインプラントを拡張することを含むものとしてよい。様々な実施形態において、他の方法も利用され得る。
【0056】
図14は、大動脈心臓弁を置換する一方法におけるステップを例示している。たとえば図10に示されているような展開装置90が、自然大動脈心臓弁110に接近するために利用され得る。細長シャフト94は、カプセル96が大動脈弓を通して自然大動脈心臓弁110に接近することを可能にするように偏向され得る。
【0057】
細長シャフト94が心臓内の所望の位置に到達した後、カプセル96は、引っ込められ得る。図15を参照すると、膨張可能な本体部の形態の拡張デバイスは、大動脈弁輪を拡大するために自然心臓弁尖112に圧迫するように膨張され得る。様々な実施形態において、本明細書において開示されている拡張デバイスの実施形態は、そのような動作を実行するために利用され得る。
【0058】
次いで、図16を参照すると、インプラント114が部分的に展開されてもよく、これは、カプセル96からインプラント114を解放することを含み得る。インプラント114は、まだ、完全に拡大されたまたは展開された構成でない場合があり、使用者はインプラント114を大動脈弁輪内で軸方向に位置決めすることができるものとしてよい。図示されているようなインプラント114は、代替大動脈心臓弁を備える。インプラント114は、図3に示されているインプラント44、46のプロファイルに類似する、角度付きプロファイルを有する。インプラント114は、図3に示されているインプラント44、46と同様に構成され得る。
【0059】
図16を参照すると、膨張可能な本体部12などの本明細書において開示されている膨張可能な本体部は、インプラント114の内側空洞内に位置決めされ得る。膨張可能な本体部12は、展開されていない、拡大されていない、または膨張していない状態であってよく、したがって、膨張可能な本体部12の位置は、インプラント114に関して軸方向に変化するように構成され得る。使用者は、インプラント114が一緒に拡張する膨張可能な本体部12のセグメントのうちの1つのセグメントを選択することができるものとしてよい。使用者は、インプラント114の所望の拡大直径またはインプラント114のプロファイルを含み得る、本明細書において開示されている様々な基準に基づきそのようなセグメントを選択し得る。たとえば、インプラント114がある直径まで拡大することになる一実施形態において、対応する直径を有する膨張可能な本体部12のセグメントが、インプラント114を拡張するために使用される。使用者は、インプラントの所望の拡大直径に基づきインプラントを拡張するためのセグメントを選択し得る。さらに、インプラント114がある内側角度付きプロファイルを有する一実施形態において、そのようなプロファイルに嵌合する膨張可能な本体部のセグメントが、インプラント114を拡張するために使用されてもよい。
【0060】
膨張可能な本体部12のどのセグメントがインプラント114を拡張させるかを決定するために、複数の撮像マーカ60が撮像され得る。たとえば、蛍光透視法または心エコー検査法または他の撮像方法が利用され得る。使用者は、撮像された複数の撮像マーカ60に基づき複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントを識別し得る。使用者は、撮像マーカ60を調べ、膨張していない膨張可能な本体部12をインプラント114に関して定められた場所までインプラント114に関して摺動することによって膨張可能な本体部12のどのセグメントがインプラント114を拡張させるかを選択し得る。インプラントは、複数の撮像マーカ60のうちの少なくとも1つと位置合わせされ得る。たとえば、図17に示されているように、撮像マーカ60は、インプラント114を拡大するために拡張されるセグメントに対応するインプラント114の近位部分と位置合わせされ得る。膨張されていない膨張可能な本体部12は、所望の撮像マーカ60がインプラント114の部分と位置合わせされ、膨張可能な本体部12のセグメントが選択されるまで、摺動され得る。
【0061】
膨張可能な本体部12のセグメントは、展開部位に近い局部解剖学的構造(たとえば大動脈弁輪のサイズ)に基づきインプラント114を拡張するために使用され得る。
【0062】
様々な実施形態において、膨張していない膨張可能な本体部12のセグメントは、初期拡張動作に使用され、次いで、膨張していない膨張可能な本体部12の第2のセグメントは、第2の拡張動作に使用され、というように続き得る。したがって、インプラント114は、膨張可能な本体部12の様々なセグメントにより徐々に拡張され得る。様々な実施形態において、使用者は、膨張可能な本体部12を徐々に膨張させ、インプラント114の直径および所望の位置をチェックし得、次いで、一連のステップで膨張可能な本体部12を膨張させ続け得る。
【0063】
膨張可能な本体部12は、インプラント114が別の拡張デバイスを介して以前に拡大されているものとしてよいバルーン拡張後の手技において利用されてよい。
【0064】
膨張可能な本体部12は、最終的には、図18に示されているように膨張され得る。膨張は、複数のセグメントのうちの選択された1つのセグメントを、複数のセグメントのうちの選択された1つのセグメントの最大直径まで膨張させて、インプラントを拡張することを含み得る。説明されているように、膨張可能な本体部12は、非コンプライアントであり得、膨張可能な本体部12は、膨張可能な本体部12の定められた直径以上には拡大しない。複数のセグメントのうちの選択された1つのセグメントは、複数のセグメントのうちの選択された1つのセグメントの最大直径を超えて膨張することのないように構成され得る。したがって、膨張可能な本体部12は、ポート(たとえば図10に示されているようなポート102)を介して完全に膨張し得、膨張可能な本体部12は、インプラント114を拡大する正確な直径を有し得る。したがって、インプラント114の過剰拡大または不正確に膨張した膨張可能な本体部12に基づくインプラント114の不足拡大に関する懸念の原因が緩和され得る。さらに、膨張可能な本体部12の中心体18が、インプラント114の角度付き内側プロファイルに嵌合するように角度を付けられたプロファイルを有する一実施形態において、次いで、比較的大きな接触表面積が、インプラント114への拡張力の均一な印加に利用され得る。
【0065】
次いで、膨張可能な本体部12は、萎まされ、引き出され得る。膨張可能な本体部12は、展開装置90とともに引き出され得る。次いで、別個の展開装置が膨張可能な本体部12に利用される一実施形態において、そのような展開装置も同様に引き出され得る。
【0066】
図19を参照すると、インプラント114は、大動脈弁輪内に展開されたままであってもよい。他の形態の方法が望むとおりに利用され得る。
【0067】
本明細書において開示されているステップは、膨張可能な本体部12に関して開示されているが、本明細書において開示されている他の形態の拡張デバイスおよび膨張可能な本体部も、同様に利用され得る。図10に示されている展開装置は、利用されているものとして開示されているが、他の形態の展開装置、たとえば、ほかにもあるがとりわけ図11図13に示されている展開装置が利用され得る。本明細書において開示されている拡張装置を展開するために、対象体内の所望の場所にインプラントを送達するために利用されるのとは別の展開装置が利用されてもよい。シース、膨張内腔、ポート、および拡張デバイス保持領域などの図11図13に示されている展開装置の特徴は、本明細書において開示されているシステムおよび方法の展開装置の任意の実施形態とともに利用され得る。
【0068】
本明細書において開示されているステップは、人工大動脈弁の展開に関して開示されているが、これらのステップは、様々な他の形態の心臓弁および他の形態のインプラントに利用され得る。インプラントは、ほかにもあるがとりわけ、ステントもしくは濾過器、または診断デバイスを含み得る。本明細書において開示されている展開装置は、インプラントを展開するために利用されるだけでなく、本明細書において開示されている拡張デバイスの実施形態を利用し、展開するためにも利用され得る。インプラントは、たとえば、図2に示されているシャフト22の周りに延在してもよく、本明細書において開示されている拡張デバイスを含む展開装置から展開されてもよい。本明細書において開示されている拡張デバイスは、図10に示されている装置などの展開装置に結合されてよく、これは拡張デバイスを展開し得る。
【0069】
展開装置は、人工心臓弁の形態のインプラントを展開するように構成され得るか、またはほかにもあるがとりわけ、ステントもしくは濾過器、または診断デバイスなどの他の形態のインプラントを展開するように構成され得る。
【0070】
ほかにもあるがとりわけ、ステントもしくはフィルタなどの他の形態のインプラントは、本明細書において開示されているインプラントと同様に構成され得る。たとえば、本明細書の実施形態に従って利用されるインプラントは、本明細書において説明されているような角度付き内側プロファイルを有し得るか、または望むとおりに他のプロファイルを有し得る。インプラントは、たとえば、様々な実施形態において、均一な内側プロファイルを有し得る。インプラントは、インプラントが囲む軸、たとえばインプラントの長手方向軸から半径方向外向きに拡大するように構成され得る。
【0071】
様々な実施形態において、本明細書で開示されている膨張可能な本体部の配向は、展開装置に関して逆にされてもよい。したがって、たとえば図1に示されているような一実施形態において、膨張可能な本体部12は、第1の端部または近位端14が遠位に面する構成となり、第2の端部または遠位端16が近位に面する構成となるように逆にされ得る。したがって、そのような構成において、第1の端部または近位端14は、遠位に面する端部であり、第2の端部または遠位端16は、近位に面する端部である。本明細書において開示されている膨張可能な本体部の任意の実施形態が、そのようにして利用され得る。そのような構成において、インプラントの対向する配向が提供されてもよい。したがって、経心尖展開(大動脈弁に対するものなど)、または自然僧帽弁への経中隔送達などの、自然弁を通る反対方向の流れを有する自然弁へのインプラントの展開、などの他の形態の送達が利用されてもよい。したがって、様々な実施形態において、膨張可能な本体部およびインプラントの配向は、望ましい結果が得られるように、望むとおりに本明細書において示されている位置から逆にされ得る。
【0072】
本明細書において開示されているシステムは、インプラント展開システムまたは本明細書において開示されているコンポーネントを利用し得る他の形態のシステムを含み得る。たとえば、本明細書において開示されているようなインプラントおよび膨張可能な本体部は、インプラント展開システムを含み得る。本明細書において開示されているような膨張可能な本体部および展開装置は、インプラント展開システムを備え得る。他の形態のシステムも提供され得る。本明細書において開示されているコンポーネントは、様々な実施形態において、別々にまたは組み合わせて利用され得る。
【0073】
膨張可能な本体部は、様々な被験者および手技に利用され得る。被験者は、(限定はしないが)内科患者、獣医科患者、動物モデル、死体、ならびに心臓および血管系(たとえば、擬人化ファントムおよび外植片組織)のシミュレータを含む。手技は、(限定はしないが)医学的手技および訓練手技を含む。
【0074】
本明細書において開示されている展開装置および装置群ならびにシステムは、経カテーテル大動脈弁移植術(TAVI)を含み得る、様々な手技において使用され得る。本明細書に開示されている展開装置およびシステムは、被験者の心臓への、経大腿アクセスを含む、経動脈アクセスに利用され得る。様々な実施形態において、展開装置は、僧帽弁、三尖弁、および肺置換および修復のために同様に利用され得る。展開システムは、経大腿または経頸手技であってもよい、経動脈手技を含む、経カテーテル経皮手技に利用されてもよい。ほかにもあるがとりわけ経心尖手技もまた利用され得る。
【0075】
本明細書において開示されているような方法は、ほかにも場所はあるがとりわけ(被験者の部分はほかにもあるがとりわけ、他の動脈、血管、または他の血管系)、肺動脈および大静脈を含む、自然弁を利用しない場所において利用され得る。ステントまたは他の形態のインプラントなどのインプラントは、被験者のそのような部分に送達され得る。
【0076】
本明細書において開示されているような使用者は、ほかにも使用者はいるがとりわけ、外科医、医師、または他の医療専門家を含み得る。
【0077】
実施形態の特徴は、修正されるか、置換されるか、除外されるか、または組み合わされ得る。
【0078】
それに加えて、本明細書における方法は、特に説明されている方法に限定されず、本明細書において開示されているシステムおよび装置を利用する方法を含み得る。
【0079】
方法のステップは、本明細書において開示されるシステム、装置、および方法により、修正されるか、除外されるか、またはそれに追加され得る。
【0080】
本明細書において開示されている実施形態の特徴は、展開装置から独立して、または本明細書において開示されている他のコンポーネントから独立して実装され得る。システムの様々な装置は、独立して実装され得る。
【0081】
最後に、本明細書の態様は特定の実施形態を参照することによって強調されているが、当業者であれば、これらの開示されている実施形態が本明細書において開示されている主題の原理を例示しているに過ぎないことを容易に理解するであろうことは理解されるべきである。したがって、開示されている主題は、本明細書において説明されている特定の方法論、プロトコル、および/または試薬、などにいかなる形でも限定されないことは理解されるべきである。したがって、開示されている主題の様々な修正または変更または代替的構成は、本明細書の精神から逸脱することなく本明細書の教示に従って行うことができる。最後に、本明細書において使用されている用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、請求項だけで定義される、本明細書において開示されているシステム、装置、および方法の範囲を制限することを意図していない。したがって、システム、装置、および方法は、正確に図示され説明されているとおりのものに限定されない。
【0082】
システム、装置、および方法のいくつかの様々な実施形態は、本明細書において説明されており、これはそれを実施するために発明者に知られている最良の態様を含む。もちろん、これらの説明されている実施形態の変更形態は、上記の説明を読んだ後、当業者にとって明確になる。発明者は、当業者がそのような変更形態を適宜採用することを期待しており、発明者らは、本明細書に特に説明されている以外のやり方でシステム、装置、および方法が実施されることを意図している。したがって、システム、装置、および方法は、適用法により許されているとおりに付属の請求項に記載されている主題のすべての修正形態および等価形態を含む。さらに、本明細書に特に断りのない限り、または文脈に明確に矛盾しない限り、上で説明されている実施形態の任意の組合せがその可能なすべての変更形態において、システム、装置、および方法によって包含される。
【0083】
システム、装置、および方法の代替的な実施形態、要素、またはステップのグルーピングは、限定として解釈されるべきではない。各グループメンバーは、個別に、または本明細書において開示されている他のグループメンバーとの任意の組合せで、参照され、請求され得る。利便性および/または特許性のために、1つまたは複数のグループメンバーは、グループに含まれ、またはグループから削除されてもよいことが認識される。そのような包含または削除が行われるときに、本明細書は、修正されたとおりにグループを含むとみなされ、したがって、付属の請求項で使用されるすべてのマーカッシュ群の記述に適合する。
【0084】
別段の指示のない限り、本明細書および請求項において使用されている特徴、項目、量、パラメータ、特性、語、などを表現するすべての数は、すべての場合において「約」という語で修飾されていると理解されるべきである。本明細書において使用されているように、「約」という語は、そのように修飾された特徴、項目、量、パラメータ、特性、または語が、変動し得る近似を包含し、それでも、本明細書でおいて説明されている所望の動作またはプロセスを実行することができることを意味する。
【0085】
本明細書でおいて特に断らない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、システム、装置、および方法を説明する文脈において使用されている英語原文中の「a(1つの、ある、訳さない)」、「an(1つの、ある、訳さない)」、「the(それ、前記、訳さない)」という語、および類似の指示対象は、(特に付属の請求項において)単数および複数の両方をカバーするものと解釈されるべきである。本明細書に記載されているすべての方法は、本明細書において特に断りのない限り、または文脈に明確に矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書において提供されるあらゆる例、または例示的な文言(たとえば、「など」)の使用は、システム、装置、および方法をより際立たせることだけを意図されており、請求項に別の記載がない限り、システム、装置、および方法の範囲に制限を課すものではない。本明細書中のいかなる文言も、システム、装置、および方法の実施に不可欠な任意の非請求要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0086】
本明細書において参照され識別されるすべての特許、特許公報、および他の刊行物は、たとえば、システム、装置、および方法に関連して使用されることもあり得る、そのような刊行物において説明されている組成および方法を説明し、開示することを目的として全体が参照により個別に、明示的に本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は、本出願の出願日以前に開示のために単独で提供されている。この点に関していかなることも、本発明者らが、先行する発明により、または他の何らかの理由からそのような開示に先行する権利を与えられないことを認めるものとして解釈されるべきではない。これらの文書の内容に関する日付または表現に関するすべての陳述は、出願人に入手可能な情報に基づいており、これらの文書の日付または内容の正しさに関するいかなる承認をも構成しない。
【0087】
例示的な実施形態
開示されている主題の上で説明されている実装形態に鑑みて、本出願は、以下に列挙される追加の実施例を開示する。分離された一実施例の1つの特徴、または組み合わせた実施例の複数の特徴、および任意選択で、1つまたは複数のさらなる実施例の1つまたは複数の特徴との組合せも、本出願の開示の範囲内に収まるさらなる実施例であることに留意されたい。
【実施例1】
【0088】
インプラントのための拡張デバイスであって、第1の端部と第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に位置決めされた中心体を有し、長さを有する膨張可能な本体部であって、中心体はインプラントの内面を加圧してインプラントを拡張させるように構成され、第1の端部から第2の端部まで中心体の長さに沿って直径が減少するプロファイルを有する、膨張可能な本体部を備える、拡張デバイス。
【実施例2】
【0089】
プロファイルは、テーパ付きプロファイルである、実施例1に記載の拡張デバイス。
【実施例3】
【0090】
プロファイルは、角度付きプロファイルである、実施例1または実施例2に記載の拡張デバイス。
【実施例4】
【0091】
中心体は、複数のセグメントを備え、複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは複数のセグメントのうちの別のセグメントのプロファイル角度と異なる角度であるプロファイル角度を有する、実施例1~3のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例5】
【0092】
中心体は、複数のセグメントを備え、複数のセグメントの各セグメントは互いに同じ角度であるプロファイル角度を有する、実施例1~4のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例6】
【0093】
複数のセグメントの各々は、複数のセグメントの互いの最大直径とは異なる最大直径を有する、実施例4または実施例5に記載の拡張デバイス。
【実施例7】
【0094】
中心体は、複数のセグメントを備え、複数のセグメントのうちのそれぞれの1つのセグメントの位置を示すように各々構成される複数の撮像マーカをさらに備える実施例1~6のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例8】
【0095】
複数の撮像マーカのうちの少なくとも1つは、放射線不透過性マーカを含む、実施例7に記載の拡張デバイス。
【実施例9】
【0096】
複数の撮像マーカのうちの少なくとも1つは、膨張可能な本体部の内側空洞内に位置決めされるか、または膨張可能な本体部の壁上に位置決めされる、実施例7または実施例8に記載の拡張デバイス。
【実施例10】
【0097】
中心体は、各々一定の直径を有する複数のセグメントを備え、複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは複数のセグメントのうちの別のセグメントと異なる直径を有する、実施例1~9のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例11】
【0098】
膨張可能な本体部は、非コンプライアントである、実施例1~10のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例12】
【0099】
膨張可能な本体部は、セミコンプライアントである、実施例1~10のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例13】
【0100】
膨張可能な本体部は、インプラントを展開するために展開装置の細長シャフトに結合され、膨張可能な本体部は、展開されていない構成になるように構成され、展開された構成まで膨張させられるように構成され、膨張可能な本体部の内側空洞を膨張させるための膨張内腔をさらに備える、実施例1~12のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例14】
【0101】
膨張可能な本体部は、膨張可能な本体部の膨張後に、膨張可能な本体部の定められたプロファイルを超えて拡大しないように構成される、実施例1~13のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例15】
【0102】
膨張可能な本体部の第1の端部は近位端であり、膨張可能な本体部の第2の端部は遠位端である、実施例1~14のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例16】
【0103】
インプラントのための拡張デバイスであって、
第1の端部と第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に位置決めされ、インプラントの内面を加圧してインプラントを拡張するように構成されている、中心体を有する膨張可能な本体部であって、中心体は複数のセグメントを備え、複数のセグメントの各セグメントは互いに異なるプロファイルを有する、膨張可能な本体部と、
各撮像マーカが複数のセグメントのうちの1つのセグメントの位置を示すように構成される複数の撮像マーカとを備える、拡張デバイス。
【実施例17】
【0104】
複数の撮像マーカは、放射線不透過性マーカを含む、実施例16に記載の拡張デバイス。
【実施例18】
【0105】
撮像マーカは、膨張可能な本体部の長手方向軸に沿って互いに離間する、実施例16または実施例17に記載の拡張デバイス。
【実施例19】
【0106】
複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは、複数のセグメントのうちの別のセグメントのプロファイル角度と異なる角度であるプロファイル角度を有する、実施例16~18のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例20】
【0107】
複数のセグメントの各セグメントは、互いに同じ角度であるプロファイル角度を有する、実施例16~18のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例21】
【0108】
複数のセグメントの各々は、複数のセグメントの互いの最大直径とは異なる最大直径を有する、実施例16~20のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例22】
【0109】
複数の撮像マーカのうちの各マーカの位置は、複数のセグメントのうちのそれぞれ1つのセグメントの位置を示す、実施例16~21のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例23】
【0110】
中心体は、テーパ付きプロファイルを有する、実施例16~22のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例24】
【0111】
中心体は、角度付きプロファイルを有する、実施例16~23のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例25】
【0112】
複数の撮像マーカは、膨張可能な本体部の内側空洞内に位置決めされるか、または膨張可能な本体部の壁上に位置決めされる、実施例16~24のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例26】
【0113】
膨張可能な本体部は、非コンプライアントである、実施例16~25のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例27】
【0114】
膨張可能な本体部は、セミコンプライアントである、実施例16~25のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例28】
【0115】
膨張可能な本体部は、インプラントを展開するために展開装置の細長シャフトに結合され、膨張可能な本体部は、展開されていない構成になるように構成され、展開された構成まで膨張させられるように構成され、膨張可能な本体部の内側空洞を膨張させるための膨張内腔をさらに備える、実施例16~27のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例29】
【0116】
膨張可能な本体部は、膨張可能な本体部の膨張後に、膨張可能な本体部の定められたプロファイルを超えて拡大しないように構成される、実施例16~28のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例30】
【0117】
膨張可能な本体部の第1の端部は近位端であり、膨張可能な本体部の第2の端部は遠位端である、実施例16~29のいずれか一項に記載の拡張デバイス。
【実施例31】
【0118】
インプラント展開システムであって、
対象体内の展開部位へ展開されるように構成され、インプラントの内側空洞に面する角度付き内側プロファイルを有するインプラントと、
インプラントの内側空洞内に位置決めされるように構成され、インプラントに向かって加圧してインプラントを拡張させるように構成されている中心体を有する膨張可能な本体部であって、中心体はインプラントの角度付き内側プロファイルに嵌合するように角度を付けられたプロファイルを有する、膨張可能な本体部とを備える、インプラント展開システム。
【実施例32】
【0119】
インプラントは長さを有し、中心体は、インプラントの長さより大きい長さを有する、実施例31に記載のインプラント展開システム。
【実施例33】
【0120】
中心体は、複数のセグメントを備え、複数のセグメントの各セグメントは互いに異なるプロファイルを有する、実施例31または実施例32に記載のインプラント展開システム。
【実施例34】
【0121】
インプラントは、拡大された内径まで拡大するように構成され、複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは、拡大された内径と同じ最大直径を有する、実施例33に記載のインプラント展開システム。
【実施例35】
【0122】
インプラントは、拡大された内径まで拡大するように構成され、複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは、拡大された内径より大きい最大直径を有する、実施例33または実施例34に記載のインプラント展開システム。
【実施例36】
【0123】
インプラントは、拡大された内径まで拡大するように構成され、複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは、拡大された内径より小さい最大直径を有する、実施例33~35のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例37】
【0124】
複数のセグメントのうちのそれぞれの1つのセグメントの位置を示すように各々構成される複数の撮像マーカをさらに備える、実施例33~36のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例38】
【0125】
複数の撮像マーカの各々は、複数のセグメントのうちのそれぞれ1つのセグメントの位置を示すようにインプラントに関する適所に配置されるように構成される実施例37に記載のインプラント展開システム。
【実施例39】
【0126】
中心体のプロファイルは、角度付き内側プロファイルのプロファイル角度と同じ角度であるプロファイル角度を有する、実施例31~38のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例40】
【0127】
インプラントは、人工心臓弁を備える、実施例31~39のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例41】
【0128】
膨張可能な本体部に結合された細長シャフトを有する展開装置をさらに備える、実施例31~40のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例42】
【0129】
膨張可能な本体部は、非コンプライアントである、実施例31~41のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例43】
【0130】
膨張可能な本体部は、セミコンプライアントである、実施例31~41のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例44】
【0131】
膨張可能な本体部は、展開されていない構成になるように構成され、展開された構成まで膨張させられるように構成される、実施例31~43のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例45】
【0132】
膨張可能な本体部は、膨張可能な本体部の膨張後に、膨張可能な本体部の定められたプロファイルを超えて拡大しないように構成される、実施例31~44のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例46】
【0133】
インプラント展開システムであって、
細長シャフトを有する、インプラントを展開するための展開装置と、
細長シャフトに結合され、第1の端部と第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に位置決めされ、長さを有する中心体を有する膨張可能な本体部であって、中心体はインプラントの内面を加圧してインプラントを拡張するように構成され、第1の端部から第2の端部までの中心体の長さに沿って直径が減少するプロファイルを有している、膨張可能な本体部とを備える、インプラント展開システム。
【実施例47】
【0134】
プロファイルは、テーパ付きプロファイルである、実施例46に記載のインプラント展開システム。
【実施例48】
【0135】
プロファイルは、角度付きプロファイルである、実施例46または実施例47に記載のインプラント展開システム。
【実施例49】
【0136】
中心体は、複数のセグメントを備え、複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは複数のセグメントのうちの別のセグメントのプロファイル角度と異なる角度であるプロファイル角度を有する、実施例46~48のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例50】
【0137】
中心体は、複数のセグメントを備え、複数のセグメントの各セグメントは互いに同じ角度であるプロファイル角度を有する、実施例46~49のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例51】
【0138】
複数のセグメントの各々は、複数のセグメントの互いの最大直径とは異なる最大直径を有する、実施例49または実施例50に記載のインプラント展開システム。
【実施例52】
【0139】
中心体は、複数のセグメントを備え、複数のセグメントのうちのそれぞれの1つのセグメントの位置を示すように各々構成される複数の撮像マーカをさらに備える、実施例46~51のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例53】
【0140】
複数の撮像マーカは、放射線不透過性マーカを含む、実施例52に記載のインプラント展開システム。
【実施例54】
【0141】
複数の撮像マーカは、膨張可能な本体部の内側空洞内に位置決めされるか、または膨張可能な本体部の壁上に位置決めされる、実施例52または実施例53に記載のインプラント展開システム。
【実施例55】
【0142】
中心体は、各々一定の直径を有する複数のセグメントを備え、複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは複数のセグメントのうちの別のセグメントと異なる直径を有する、実施例46~54のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例56】
【0143】
膨張可能な本体部は、非コンプライアントである、実施例46~55のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例57】
【0144】
膨張可能な本体部は、セミコンプライアントである、実施例46~55のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例58】
【0145】
膨張可能な本体部は、展開されていない構成になるように構成され、展開された構成まで膨張させられるように構成され、膨張可能な本体部の内側空洞を膨張させるための膨張内腔をさらに備える、実施例46~57のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例59】
【0146】
インプラントをさらに備え、中心体は、インプラントの角度付き内側プロファイルに嵌合するように角度を付けられたプロファイルを有する、実施例46~58のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例60】
【0147】
膨張可能な本体部の第1の端部は近位端であり、膨張可能な本体部の第2の端部は遠位端である、実施例46~59のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例61】
【0148】
インプラント展開システムであって、
細長シャフトを有する、インプラントを展開するための展開装置と、
細長シャフトに結合され、第1の端部と第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に位置決めされ、インプラントの内面を加圧してインプラントを拡張するように構成されている、中心体を有する膨張可能な本体部であって、中心体は複数のセグメントを備え、複数のセグメントの各セグメントは互いに異なるプロファイルを有する、膨張可能な本体部と、
細長シャフトに結合され、各々複数のセグメントのうちのそれぞれの1つのセグメントの位置を示すように構成されている、複数の撮像マーカとを備える、インプラント展開システム。
【実施例62】
【0149】
複数の撮像マーカは、放射線不透過性マーカを含む、実施例61に記載のインプラント展開システム。
【実施例63】
【0150】
複数の撮像マーカは、膨張可能な本体部の長手方向軸に沿って互いに離間する、実施例61または実施例62に記載のインプラント展開システム。
【実施例64】
【0151】
複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは、複数のセグメントのうちの別のセグメントのプロファイル角度と異なる角度であるプロファイル角度を有する、実施例61~63のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例65】
【0152】
複数のセグメントの各セグメントは、互いに同じ角度であるプロファイル角度を有する、実施例61~63のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例66】
【0153】
複数のセグメントの各々は、複数のセグメントの互いの最大直径とは異なる最大直径を有する、実施例61~65のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例67】
【0154】
複数の撮像マーカのうちの各マーカの位置は、複数のセグメントのうちのそれぞれ1つのセグメントの位置を示す、実施例61~66のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例68】
【0155】
中心体は、テーパ付きプロファイルを有する、実施例61~67のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例69】
【0156】
中心体は、角度付きプロファイルを有する、実施例61~68のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例70】
【0157】
複数の撮像マーカは、膨張可能な本体部の内側空洞内に位置決めされるか、または膨張可能な本体部の壁上に位置決めされる、実施例61から69のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例71】
【0158】
膨張可能な本体部は、非コンプライアントである、実施例61~70のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例72】
【0159】
膨張可能な本体部は、セミコンプライアントである、実施例61~70のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例73】
【0160】
膨張可能な本体部は、展開されていない構成になるように構成され、展開された構成まで膨張させられるように構成され、膨張可能な本体部の内側空洞を膨張させるための膨張内腔をさらに備える、実施例61~72のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例74】
【0161】
インプラントをさらに備え、中心体は、インプラントの角度付き内側プロファイルに嵌合するように角度を付けられたプロファイルを有する、実施例61~73のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例75】
【0162】
膨張可能な本体部の第1の端部は近位端であり、膨張可能な本体部の第2の端部は遠位端である、実施例61~74のいずれか一項に記載のインプラント展開システム。
【実施例76】
【0163】
インプラントの内面に向かって加圧される中心体を有する膨張可能な本体部を利用してインプラントを拡張することであって、膨張可能な本体部は第1の端部と第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に位置決めされた中心体を有し、中心体は長さを有し、第1の端部から第2の端部までの中心体の長さに沿って直径が減少するプロファイルを有する、拡張することを含む方法。
【実施例77】
【0164】
中心体は、複数のセグメントを備え、方法は、インプラントを拡張するために複数のセグメントのうちの1つのセグメントを選択することをさらに含む、実施例76に記載の方法。
【実施例78】
【0165】
複数のセグメントの各々は、複数のセグメントの互いの最大直径とは異なる最大直径を有する、実施例77に記載の方法。
【実施例79】
【0166】
インプラントを拡張する際に到達すべき直径に基づきインプラントを拡張するために複数のセグメントのうちの1つのセグメントを選択することをさらに含む、実施例77または実施例78に記載の方法。
【実施例80】
【0167】
複数のセグメントのうちの選択された1つのセグメントを、複数のセグメントのうちの選択された1つのセグメントの最大直径まで膨張させて、インプラントを拡張することをさらに含む、実施例77~79のいずれか一項に記載の方法。
【実施例81】
【0168】
複数のセグメントのうちの選択された1つのセグメントは、複数のセグメントのうちの選択された1つのセグメントの最大直径を超えて膨張しないように構成される、実施例77~80のいずれか一項に記載の方法。
【実施例82】
【0169】
撮像された複数の撮像マーカに基づき複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントを識別することをさらに含む、実施例77~81のいずれか一項に記載の方法。
【実施例83】
【0170】
インプラントを複数の撮像マーカのうちの少なくとも1つの撮像マーカと位置合わせすることをさらに含む、実施例82に記載の方法。
【実施例84】
【0171】
中心体は、テーパ付きプロファイルを有し、インプラントは、人工心臓弁を備える、実施例76~83のいずれか一項に記載の方法。
【実施例85】
【0172】
膨張可能な本体部の第1の端部は近位端であり、膨張可能な本体部の第2の端部は遠位端である、実施例76~84のいずれか一項に記載の方法。
【実施例86】
【0173】
インプラントの内面に向かって加圧される中心体を有する膨張可能な本体部を利用してインプラントを拡張することであって、膨張可能な本体部は第1の端部と第2の端部、および第1の端部と第2の端部との間に位置決めされた中心体を有し、中心体は複数のセグメントを備え、複数のセグメントの各セグメントは互いに異なるプロファイルを有する、拡張することと、
インプラントを、各々複数のセグメントのうちのそれぞれの1つのセグメントの位置を示すように構成されている複数の撮像マーカのうちの少なくとも1つの撮像マーカと位置合わせすることとを含む、方法。
【実施例87】
【0174】
複数の撮像マーカは、放射線不透過性マーカを含む、実施例86に記載の方法。
【実施例88】
【0175】
複数の撮像マーカは、膨張可能な本体部の長手方向軸に沿って互いに離間する、実施例86または実施例87に記載の方法。
【実施例89】
【0176】
複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントは、複数のセグメントのうちの別のセグメントのプロファイル角度と異なる角度であるプロファイル角度を有する、実施例86~88のいずれか一項に記載の方法。
【実施例90】
【0177】
複数のセグメントの各セグメントは、互いに同じ角度であるプロファイル角度を有する、実施例86~88のいずれか一項に記載の方法。
【実施例91】
【0178】
複数のセグメントの各々は、複数のセグメントの互いの最大直径とは異なる最大直径を有する、実施例86~90のいずれか一項に記載の方法。
【実施例92】
【0179】
中心体は、テーパ付きプロファイルを有し、インプラントは、人工心臓弁を備える、実施例86~91のいずれか一項に記載の方法。
【実施例93】
【0180】
中心体は、角度付きプロファイルを有する、実施例86~92のいずれか一項に記載の方法。
【実施例94】
【0181】
撮像された複数の撮像マーカに基づき複数のセグメントのうちの少なくとも1つのセグメントを識別することと、
インプラントを拡張するために複数のセグメントのうちの1つのセグメントを選択することとをさらに含む、実施例86~93のいずれか一項に記載の方法。
【実施例95】
【0182】
膨張可能な本体部の第1の端部は近位端であり、膨張可能な本体部の第2の端部は遠位端である、実施例86~94のいずれか一項に記載の方法。
【符号の説明】
【0183】
10 拡張デバイス
12 本体部
14 第1の端部または近位端
16 第2の端部または遠位端
18 中心体
20 長さ
22 シャフト
24 長手方向軸
26、28 直径
30 膨張内腔
32 壁
34 内側空洞
36 チャネル
38 ポート
40a、40b セグメント
42a、42b 最大直径
42c、42d セグメント
46、44 インプラント
47 内側空洞
50、48 第1の端部または近位端
53 内面
54、52 第2の端部または遠位端
55 拡大された内径
56 最大直径
58 最大直径
60 撮像マーカ
60a 撮像マーカ
60b 撮像マーカ
61 撮像マーカ
62 膨張可能な本体部
64 第1の端部または近位端
66 第2の端部または遠位端
68 中心体
70a、70b、70c セグメント
72a~c 撮像マーカ
74 膨張可能な本体部
76 第1の端部または近位端
78 第2の端部または遠位端
80 中心体
82a~c セグメント
84a~c 撮像マーカ
90 展開装置
92 ハンドル
94 細長シャフト
96 カプセル
98 ノーズコーン
100 作動機構
102 ポート
104 展開装置
106 細長シャフト
108 シース
110 自然大動脈心臓弁
112 自然心臓弁尖
114 インプラント
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】