(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】体外循環路を準備するためのデバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 1/36 20060101AFI20230323BHJP
【FI】
A61M1/36 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547903
(86)(22)【出願日】2021-02-15
(85)【翻訳文提出日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 IB2021051238
(87)【国際公開番号】W WO2021165810
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】102020000003308
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516213079
【氏名又は名称】ユーロセッツ エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ペトラリーア,アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ゲッリ,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】フォンタニーリ,パオロ
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA02
4C077DD08
4C077DD12
4C077DD21
4C077DD26
4C077EE01
4C077GG02
4C077KK19
(57)【要約】
体外循環路の準備をするためのデバイス(1)は:可撓性材料で作られて、液体の拘束容量(3)を画定する、バッグ(2)と;バッグ(2)に関連付けられ、かつ作動液を内側に導入するために拘束容量(3)の内側に配設された、第1の通過ポート(4a)が設けられた、少なくとも第1のダクト(4)と;バッグ(2)に関連付けられ、かつ前記作動液を外側へ流出させるために、拘束容量(3)の内側に配設された第2の通過ポート(5a)が設けられた、少なくとも第2のダクト(5)と;バッグ(2)に関連付けられ、かつ作動液を内側に再導入するために、拘束容量(3)の内側に配設された第3の通過ポート(6a)が設けられた、少なくとも第3のダクト(6)と;バッグ(2)に関連付けられ、拘束容量自体及び作動液に存在する空気を外側へ流出させるために、拘束容量(3)の内側に配設された、第4の通過ポート(7a)が設けられた、少なくとも第4のダクト(7)と、を備える。デバイス(1)は一方向弁手段(8)を備え、一方向弁手段(8)は、第3のポート(6a)が位置されたポイントで第3のダクト(6)と関連付けられ、かつ作動液が拘束容積(3)から第3のダクト(6)へ通過するのを防止するよう適合される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体外循環路を準備するためのデバイス(1)であって、
可撓性材料で作られて、流体の拘束容量(3)を画定する、バッグ(2)と、
前記バッグ(2)に関連付けられ、かつ作動液を内側に導入するために、前記拘束容量(3)の内側に配設された第1の通過ポート(4a)が設けられた、少なくとも第1のダクト(4)と、
前記バッグ(2)に関連付けられ、かつ前記作動液を外側へ流出させるために、前記拘束容量(3)の内側に配設された第2の通過ポート(5a)が設けられた、少なくとも第2のダクト(5)と、
前記バッグ(2)に関連付けられ、かつ前記作動液を内側に再導入するために、前記拘束容量(3)の内側に配設された第3の通過ポート(6a)が設けられた、少なくとも第3のダクト(6)と、
前記バッグ(2)に関連付けられ、かつ前記拘束容量自体及び前記作動液中に存在する空気を外側へ流出させるために、前記拘束容量(3)の内側に配置された第4の通過ポート(7a)が設けられた、少なくとも第4のダクト(7)と、を備え、
前記デバイス(1)は、一方向弁手段(8)を備え、前記一方向弁手段(8)は、前記第3のポート(6a)が位置されたポイントで前記第3のダクト(6)に関連付けられ、かつ前記作動液が前記拘束容積(3)から前記第3のダクト(6)へ通過するのを防止するよう適合されることを特徴とする、デバイス(1)。
【請求項2】
前記一方向弁手段(8)は、前記第3のポート(6a)の少なくとも1つの拘束チャンバ(9)を画定し、前記拘束チャンバ(9)には、前記拘束容量(3)の内側において前記第3のポート(6a)から流出する作動液の通過を可能にするよう適合された、少なくとも1つの閉鎖可能な開口部(9a)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス(1)。
【請求項3】
前記一方向弁手段(8)は、前記拘束チャンバ(9)及び前記閉鎖可能な開口部(9a)を画定する、可撓性材料で作られたバッグのタイプであることを特徴とする、請求項2に記載のデバイス(1)。
【請求項4】
前記一方向弁手段(8)は、可撓性材料で作られて、少なくとも3辺に沿って共に封止された、少なくとも2枚のシートを備えることを特徴とする、請求項2または3に記載のデバイス(1)。
【請求項5】
前記閉鎖可能な開口部(9a)は、前記第3のポート(6a)に実質的に面することを特徴とする、請求項2~4のうちいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項6】
前記拘束容量(3)の内側に配設された前記作動液に拘束された空気の、気泡分離手段(10)を備えることを特徴とする、請求項1~5のうちいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項7】
前記気泡分離手段(10)は、前記一方向弁手段(8)の周りに配設されることを特徴とする、請求項6に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記気泡分離手段(10)は、気泡分離チャンバ(11)を画定し、前記気泡分離チャンバ(11)の壁は、空気及び液体が浸透可能であり、前記一方向弁手段(8)及び前記第4のポート(7a)は、前記気泡分離チャンバ(11)の内側に配設されることを特徴とする、請求項7に記載のデバイス(1)。
【請求項9】
前記第1のダクト(4)は、前記第2のダクト(5)と一致し、前記第1のポート(4a)は、前記第2のポート(5a)と一致することを特徴とする、請求項1~8のうちいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項10】
前記第1のダクト(4)は、前記第2のダクト(5)から離されることを特徴とする、請求項1~8のうちいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項11】
前記第1のダクト(4)は、前記第4のダクト(7)と一致し、前記第1のポート(4a)は、前記第4のポート(7a)と一致することを特徴とする、請求項10に記載のデバイス(1)。
【請求項12】
前記拘束容量(3)は、前記開口部(9a)の近くにおいて、前記ダクト(4、5、6、7)の長手方向延長に対して横断方向に、最大断面を有することを特徴とする、請求項1~11のうちいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項13】
前記バッグ(2)は、少なくとも第1の側方縁部(3a)を備え、前記第1の側方縁部(3a)は、前記拘束容量(3)を少なくとも部分的に区切り、かつ前記拘束容量自体から内部に面した凹面(13)を画定することを特徴とする、請求項9に記載のデバイス(1)。
【請求項14】
前記第1の側方縁部(3a)は、少なくとも部分的に湾曲した延長を有することを特徴とする、請求項10に記載のデバイス(1)。
【請求項15】
前記第1のダクト(4)、第2のダクト(5)、及び第3のダクト(6)は、それぞれ前記バッグ(2)の第1のゾーン(14)、第2のゾーン(15)、及び第3のゾーン(16)に配設され、前記第1のゾーン(14)は、前記バッグ(2)の上部分に配設され、前記第2のゾーン(15)及び前記第3のゾーン(16)は、前記バッグ(2)の下部分に配設されることを特徴とする、請求項1~14のうちいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【請求項16】
前記第1の側方縁部(3a)は、前記第1のゾーン(14)を前記第3のゾーン(16)に接続することを特徴とする、請求項10、11、または12のうちいずれか一項に記載のデバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体外循環路を準備するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
公知のように、患者の心臓機能が一時的に遮断される特定の外科手術において、所謂「人工心肺」装置を使用して、体外血液循環が実施される。
【0003】
人工心肺機器は、患者から入って来る血液を濾過するよう適合された、濾過デバイス(「静脈リザーバ」とも知られる)と、この濾過デバイスから離れる血液の温度を調節するよう適合された、熱交換器と、患者にポンプで戻すよう意図された血液に、正確な酸素供給を提供するよう適合された、酸素供給器と、を含む一連のデバイスを備える。詳細には、患者から入ってくる血液は、関連のポンプユニットによって酸素供給器へ送られる。
【0004】
体外循環路を使用する前に、所謂専門用語で、循環路自体の準備、すなわち内部の空気を除去するために、溶液による充填を行なうことが必要である。
【0005】
この動作は、一般的にバッグを使用して行なわれる。このバッグは、閉じた循環路を画定するため、かつ循環路自体の内側に包含された空気を外側へ押しやるために、体外循環路の様々なデバイスに接続される。詳細には、このタイプのバッグには、作動液が導入される第1のダクトと、体外循環路を構成する様々なデバイスを通して流すために、この液体をバッグの外部へ流すよう適合された、第2のダクトと、作動液をバッグの内側に再導入するよう適合された、第3のダクトと、空気が外部へ逃げるのを可能にするよう適合された、第4のダクトと、が設けられる。
【0006】
作動液が、循環路の反対方向にも流れ抜けるのを防止するために、一般的に一方向弁が、バッグの外側に、作動液をバッグ自体に運ぶパイプに沿って位置付けられる。
【0007】
しかしこの解決策はいくつかの欠点を有する。
【0008】
詳細には、第1のダクトを介してバッグの中に導入される作動液は、同時に、第2のダクト及び第3のダクトを介して、すなわち2つの反対方向に流れ出る場合がある。それによって、バッグ、またはバッグへ接続されたダクトの内側に包含された空気の一部が、体外循環路に向けて押しやられることになる場合があり、この空気はそこから移動させるより、むしろ適切に気泡を分離しなければならない。
【0009】
したがって、今まで使用されたデバイスは、準備動作中に体外循環路の効果的に気泡を分離するのを保証しないことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の主な目的は、中に包含された空気を好都合かつ効果的な方法で除去するための、体外循環路を準備するためのデバイスを考案することである。
【0011】
この目的内で、本発明の1つの目標は、実施が単純、及び低コスト、ならびに操作が安全である、デバイスを考案することである。
【0012】
本発明の別の目標は、使用が簡単、合理的、容易、効果的で、同様に低コストの解決策内で、先行技術の前述の欠点を克服できる、体外循環路を準備するためのデバイスを考案することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目標は、請求項1に記載の体外循環路を準備するための本デバイスによって実現される。
【0014】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図表における非限定例の表示によって示された、体外循環路を準備するためのデバイスにおける、好ましいが排他的ではない実施形態の説明から、より明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1の実施形態における、本発明によるデバイスの正面立面図である。
【
図2】第2の実施形態における、本発明によるデバイスの正面立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
これらの図を詳細に参照すると、参照番号1は、体外循環路を準備するための装置を全体的に示す。
【0017】
デバイス1は、可撓性材料で作られて液体の拘束容積3を画定するバッグ2と、バッグ2に関連付けられた複数のダクト4、5、6、7とを備え、それらは、少なくとも第1のダクト4、少なくとも第2のダクト5、少なくとも第3のダクト6、及び少なくとも第4のダクト7であり、それぞれには、第1のポート4a、第2のポート5a、第3のポート6a、及び第4のポート7aが設けられ、それらは拘束容積3の内側に配置される。
【0018】
詳細には、第1のポート4aは、作動液を拘束容積3の内側に導入できるよう適合され、第2のポート5aは、作動液を外側へ流出できるよう適合され、第3のポート6aは、作動液を拘束容積3の内側に再導入するよう適合され、第4のポート7aは、拘束容積自体及び作動液に存在する空気を外側への流出できるようにする。
【0019】
図に示される実施形態において、第1のダクト4は、第2のダクト5及び第4のダクト7から離される。
【0020】
しかし、第1のダクト4が第2のダクト5から離された場合に、第1のダクトが第4のダクト7と一致し得ることを排除できない。この場合、図示しないが、作動液が拘束容積3の内側に導入された第1のポート4aは、容積自体に存在する空気が外側へ運ばれる第4のポート7aと一致する。したがって上述のダクトは、代替として作動液を導入するためのダクトとして、かつ空気を流出させるためのダクトとして使用される。
【0021】
別の実施形態において、図示しないが、第1のダクト4は第2のダクト5と一致する。したがってこの実施形態において、第1のポート4aは、第2のポート5aと一致する。この場合、例えばYタイプまたはルアーロックタイプの取付具は、作動液を拘束容積3の内側に導入するための上記のダクトに沿って設けられる。さらにこの場合、上述のダクトは、代替として、作動液を拘束容積3の内側に導入するためのダクトとして、かつ液体を拘束容積自体から流出させるためのダクトとして、使用される。
【0022】
第2のダクト5及び第3のダクト6は、例えば遠心ポンプ及び酸素供給器などの、体外循環路を構成するデバイスの介在によって、互いに接続される。詳細には、これらのデバイスは、入口において第2のダクト5に、及び出口において第3のダクト6に、接続される。
【0023】
本発明によると、デバイス1は、一方向弁手段8を備える。一方向弁手段8は、第3のポート6aが位置されたポイントで第3のダクト6に関連付けられ、かつ作動液が拘束容積3から第3のダクト自体へ流れるのを防止するよう適合される。したがって、弁手段8は、作動液が第3のダクト6から拘束容積3へのみ流れるよう、しかしその逆には流れないよう、適合される。
【0024】
好ましくは、弁手段8は、第3のポート6aの少なくとも1つの拘束チャンバ9を画定するよう形状付けられる。このような拘束チャンバ9には、少なくとも1つの閉鎖可能な開口部9aが設けられ、それは、第3のポート6aから拘束容量3の内側に流出し、しかしその逆には流れないという、作動液の移動を可能にするよう適合される。
【0025】
そのとき第3のポート6aは、弁手段8によって画定された拘束チャンバ9の内側に配置される。
【0026】
換言すると、開口部9aを縁取るフラップは、開口部自体を閉鎖するよう互いに接近することによって、作動液が拘束チャンバ9の外側にあるときに、作動液の流れを防止し、その一方で、フラップが互いから離れることによって、作動液が拘束チャンバ9の内側に拘束されているときに、作動液の流れを可能にするよう、開口部9aを画定する。
【0027】
より詳細には、弁手段8は、可撓性材料で作られたバッグタイプであり、拘束チャンバ9及び開口部9aを画定する。そのとき第3のポート6aは、弁手段8によって画定されたバッグによって包まれる。
【0028】
特定の実施形態において、一方向弁手段8は、可撓性材料で作られて、互いに隣接した少なくとも3辺に沿って共に封止された、少なくとも2枚のシート8aを備え、そのうち1辺を介して第3のダクト6は通過する。シート8aにおける非封止の辺は、封鎖可能な開口部9aを画定する。
【0029】
図から判るように、開口部9aは、第3のポート6aと実質的に面する。
【0030】
有利には、デバイス1は、拘束容量3の内側に配設された作動液に拘束された空気の、気泡分離手段10をさらに備える。
【0031】
適切には、気泡分離手段10は、一方向弁手段8の周り、すなわち一方向弁手段8を囲んで配設される。
【0032】
より詳細には、気泡分離手段10は、気泡分離チャンバ11を画定し、その壁は、空気及び液体が浸透可能であり、その内側には、弁手段8及び第4のポート7aの両方が配置される。
【0033】
気泡分離手段10は、例えば微細孔メッシュで作られる。微細孔メッシュは、第3のダクト6を介して拘束容積3の内側に再入した作動液中において、まだ存在する空気が、第4のダクト7を介して逃げるのを促進するよう適合される。
【0034】
例えばバッグ2は、互いに重複し、かつ封止された、可撓性材料の2枚のシートで作られるか、または拘束容量3を画定するよう共に一体化で作られる。そのとき拘束容量3は、2枚の重複したシートの結合によって画定された、複数の周縁部によって縁取られる。
【0035】
好ましくは、拘束容量3は、開口部9aが位置されたポイントにおいて、ダクト4、5、6、7の長手方向延長に対して、横断方向に認められた最大断面を有する。
【0036】
詳細には、拘束容量3は、拘束容量自体の内部に面した凹面13を画定する、第1の側方縁部3aによって縁取られる。換言すると、第1の側方縁部3aは、外部に面した「突出部」を画定するよう、形状付けられる。
【0037】
適切には、図から視認できるように、第1の側方縁部3aは、少なくとも部分的な湾曲延長部を有する。
【0038】
図から判るように、第1のダクト4、第2のダクト5、及び第3のダクト6は、それぞれバッグ2の第1のゾーン14、第2のゾーン15、及び第3のゾーン16に位置付けられる。第1のゾーン14は、バッグ2の上部分に配設され、第2のゾーン15及び第3のゾーン16は、バッグ自体の下部分に配設される。同様に、第4のダクト7も、第1のゾーン14が位置されたポイントに配設される。本明細書で使用される用語「上」及び「下」は、使用中にバッグが一般的に配設される位置に関する。
【0039】
より詳細には、第1の側方縁部3aは、第1のゾーン14及び第3のゾーン16を、互いに接続する。
【0040】
有利には、第2のゾーン15は、第3のゾーン16よりも低い高さに配置され、そのため第2のポート5aも、第3のポート6aよりも低い高さに配置される。
【0041】
好ましくは、拘束容量3は、第3のゾーン16を第2のゾーン15に接続する、少なくとも1つの実質的に湾曲した低縁部3bによっても縁取られる。上述のように、第2のゾーン15は、第3のゾーン16よりも低い高さに配置されるため、低縁部3bは、第2のゾーン15に近付きながら下降するパターンを有する。
【0042】
そのとき拘束容量3は、第2の側方縁部3cによって縁取られる。第2の側方縁部3cは、第1の側方縁部3aの反対側において、第2のゾーン15が位置されたポイントに配置される。第2の側方縁部3c及び低縁部3bの区間は、第2のポート5aの頂部に配置された、作動液の集積コラム17を画定する。集積コラム17は、上述の最大断面よりも大幅に小さい断面を有する。
【0043】
本発明の動作は以下のとおりである。
【0044】
体外循環路、したがって体外循環路を構成する関連のデバイスが、第2及び第3のダクト5及び6に接続された後、作動液は第1のダクト4を介してバッグ2の内側に導入される。
【0045】
拘束容量3の内側に入る作動液は、第2のダクト5を流れ抜けるよう、第2のポート5aに向けて進むよう運ばれる。より詳細には、作動液は、集積コラム17に集まる。
【0046】
弁手段8は、拘束容量3に内側に導入された作動液が、第3のポート6aを介して第3のダクト6に入るのを防止する。より詳細には、拘束チャンバ9の外側における作動液の存在のため、開口部9aは閉鎖し、それによって作動液自体が流れるのを防止する。
【0047】
次に、作動液は全て、第2のポート5aを介して、体外循環路及び体外循環路を構成する関連のデバイスに到達するよう、第2のダクト5に流入する。
【0048】
一旦体外循環路を通ると、体外循環路は作動液で充填され、作動液は第3のダクト6の内側に入り、第3のポート6aを介して拘束容量3の内側に再入する。
【0049】
より詳細には、第3のポート6aを流出する作動液は、初めに弁手段8によって画定された拘束チャンバ9の内側に拘束され、次にそこから開口部9aを介して流出することによって、拘束容量3の内側に流れる。
【0050】
第3のダクト6を介して拘束容量3の内側に戻る液体は、ダクト自体の内側及び体外循環路の内側に拘束された空気を共に運び、この空気は、第4のダクト7を介して外部へ排出される。
【0051】
図2に示される第2の実施形態において、弁手段8を流出する作動液は、空気、より詳細には微細泡の、第4のポート7aを介した流出を促進させるために、気泡分離チャンバ11の内側に拘束される。
【0052】
説明した発明は、意図した目標を実現することが確認された。特に、本発明に関するデバイスは、第3のポートを囲むよう配置された一方向弁手段の存在のおかげで、自主的に、すなわち別のデバイスの補助なしで、作動液が、優先的な経路を追って体外循環路に拘束された空気を除去し、それによって空気が、第3のダクトの内側に入るのを回避することを保証できることが強調される。
【0053】
追加として、一方向弁手段を囲むよう配置された気泡分離手段は、作動液に存在する微細泡の流出を促進させる。
【国際調査報告】