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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】改良された弁制御式噴霧システム
(51)【国際特許分類】
   B05B 12/00 20180101AFI20230323BHJP
   F16K 11/044 20060101ALI20230323BHJP
   B05B 17/00 20060101ALI20230323BHJP
   B05B 12/16 20180101ALI20230323BHJP
【FI】
B05B12/00 Z
F16K11/044 Z
B05B17/00 101
B05B12/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548176
(86)(22)【出願日】2021-02-12
(85)【翻訳文提出日】2022-08-17
(86)【国際出願番号】 US2021017963
(87)【国際公開番号】W WO2021163567
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】62/976,892
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595170502
【氏名又は名称】スプレイング システムズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】クロスビー, デイヴィッド ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィンター, ティモシー ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3H067
4D073
4D074
4F035
【Fターム(参考)】
3H067AA03
3H067BB02
3H067BB12
3H067CC32
3H067CC46
3H067CC60
3H067DD05
3H067DD12
3H067DD32
3H067DD45
3H067EC07
3H067ED02
3H067FF11
3H067GG12
3H067GG28
4D073AA04
4D073BB03
4D073CA01
4D073CA12
4D073CA20
4D073CB03
4D073CB07
4D074AA05
4D074BB02
4D074CC04
4D074CC22
4D074CC34
4D074CC39
4D074CC44
4D074CC45
4D074CC57
4F035AA02
4F035BA03
4F035BA06
4F035BC06
(57)【要約】
液体噴霧部と、噴霧部に対する液体を制御する制御部とを有する液体噴霧システム。制御装置は、噴霧部に対する液体の供給を制御するために複数の位置の間で動作可能なバルブを含み、噴霧部への液体の供給が終了した後にのみ、噴霧部から逆流ラインへの液体の流れを可能にする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体噴霧システムであって、
少なくとも1つの液体噴霧ノズルを有する液体噴霧部と、
前記少なくとも1つの噴霧ノズルから放出するために、液体供給部から前記噴霧部への液体の流れを制御する液体制御装置であって、前記液体制御装置は、液体供給ポートおよび液体逆流ポートを有する弁本体を有する液体制御弁を含む、液体制御装置と、
前記液体供給部から前記液体供給ポートに液体を導く第1の液体供給ラインと、
前記液体供給ポートから前記噴霧部に液体を導く第2の液体供給ラインと、
前記噴霧部への液体の供給が終了したときに、前記第2の液体供給ライン内の液体を前記噴霧部から離れるように導くために、前記逆流ポートに結合された逆流ラインと、
を備え、
前記制御弁は、弁ステムを有し、
前記制御弁は、(1)第1の位置と、(2)第2の位置との間、更に、(3)第3の位置に前記弁ステムを移動させるように動作可能であり、
前記第1の位置は、前記第1の液体供給ラインから前記液体供給ポートを通る前記第2の液体供給ラインへの液体の方向を可能にする為の前記液体供給ポートと、前記逆流ポートを通る前記逆流ラインへの液体の流れを遮断しながら、少なくとも一つの噴霧ノズルから放出する為の液体供給部と、を開放し、
前記第2の位置は、前記逆流ポートを通る前記逆流ラインへの液体の流れを遮断し続けながら、第1の液体供給ラインから前記液体供給ポートを通る前記第2液体供給ラインへの液体の前記供給を遮断し、
前記第3の位置において、前記弁ステムは、前記第3の位置に移動する間、前記第1の液体供給ラインから前記液体供給ポートを通る液体の流れを遮断し続ける一方で、前記第2の液体供給ラインから前記液体逆流ラインへの液体の流れが前記液体供給ポートが閉鎖されている場合にのみ可能となるように、前記第2の液体供給ライン内に残っている液体が前記逆流ポートおよび逆流ラインを通って逆流することを可能にする為に前記逆流ポートを開放する、液体噴霧システム。
【請求項2】
前記弁ステムは、前記液体供給ポートおよび逆流ポートの両方を通って延び、前記第1の位置において、液体供給ポートから前記第2の液体供給ラインへの液体の流れを可能にすると同時に、前記逆流ポートを通る流れを遮断し、前記第2の位置において、前記液体供給ポートおよび逆流ポートの両方を通る液体の流れを同時に遮断し、前記弁ステムが前記第3の位置に移動すると、前記供給ポートを通る液体の流れを遮断し続け、次いで、前記逆流ポートを開放して、前記第2の液体供給ライン内に残っている液体を前記逆流ラインに流すことを可能にする、請求項1に記載の液体噴霧システム。
【請求項3】
前記弁ステムが、前記弁本体内で相対的な長手方向移動のために螺合支持され、前記第1の位置、第2の位置および第3の位置の間で前記弁ステムを移動させるように前記弁ステムを選択的に回転させるために前記弁ステムに結合されたモータを含む、請求項1に記載の液体噴霧システム。
【請求項4】
請求項3に記載の液体噴霧システムであって、前記モータの動作を制御するための制御装置を含み、前記制御装置は、前記弁ステムによって担持されて前記弁部材と共に前記第1の位置、第2の位置および第3の位置の間を移動するためのスイッチと、前記モータの動作を制御し、前記弁ステムの前記第1の位置および第3の位置の間の移動を制限するために前記スイッチによって係合可能な前記弁本体上の一対の長手方向に間隔を置いて配置されたセンサとを含む、液体噴射システム。
【請求項5】
前記弁ステムは、前記弁ステムが前記第2の位置および第3の位置にあるときに前記液体供給ポートを閉鎖する第1の密封部材と、前記弁ステムが前記第1の位置および第2の位置にあるときに前記逆流ポートを閉鎖する第2の密封部材とを担持する、請求項1に記載の液体噴射システム。
【請求項6】
前記第1の密封部材は、前記弁部材に装着され、相対移動の為にバネで付勢されており、前記弁ステムが前記第1の位置から前記第2の位置および第3の位置に移動すると、前記第1の密封部材が前記液体供給ポートを閉鎖する一方で、前記第2の位置および第3の位置への前記弁ステムの連続した移動を可能にする、請求項5に記載の液体噴射システム。
【請求項7】
前記弁本体は、前記液体供給ポートと前記逆流ポートとの間を連通する細長い液体流路を有し、前記弁ステムは、前記第1の位置、第2の位置および第3の位置の間の前記細長い流路内で往復運動するように装着され、前記第2の液体供給ラインは、前記液体供給ポートと逆流ポートとの間の中間の場所で前記細長い液体通路と連通し、前記弁ステムは、前記第1の位置において、前記液体供給ポートから前記細長い液体流路を通って前記第2の液体供給ラインへの液体の流れを可能にすると同時に、前記逆流ポートを通る前記液体の流れを遮断し、前記第2の位置において、前記液体供給ポートを通る前記細長い液体流路への液体の流れを遮断すると同時に、前記逆流ポートを通る前記細長い流路からの液体の流れを遮断し、前記第3の位置への移動に付随して、前記逆流ポートを開放して、前記第2の液体供給ラインからの液体と前記細長い流路および逆流ポートを通って前記逆流ラインへの液体の連通を可能にし、前記液体供給部から前記液体供給ポートを通って前記細長い流路への液体の流れを遮断し続ける、請求項1に記載の液体噴射システム。
【請求項8】
液体噴霧システムにおいて、
少なくとも一つの液体噴霧ノズルを有する液体噴霧部と、
前記少なくとも1つの噴霧ノズルから放出するために、液体供給部から前記噴霧部への液体の流れを制御する液体制御装置であって、前記液体制御装置は、液体供給ポート、液体出口ポート、液体逆流ポートを備えた弁本体を有する液体制御弁を含む、液体制御装置と、
前記液体供給部から前記液体供給ポートに液体を導く第1の液体供給ラインと、
前記液体出口ポートから前記噴霧部に液体を導く第2の液体供給ラインと、
前記噴霧部への液体の供給が終了したときに、前記第2の液体供給ライン内の液体を前記噴霧部から離れるように導くために、前記逆流ポートに結合された逆流ラインと、
を備え、
前記制御弁は、弁ステムを有し、
前記制御弁は、(1)第1の位置と、(2)第2の位置との間、更に、(3)第3の位置に前記弁ステムを移動させるように動作可能であり、
前記第1の位置は、前記第1の液体供給ラインから前記液体供給ポート及び液体出口ポートを通って前記第2の液体供給ラインへの液体の方向を可能にする為の前記液体供給ポートと、前記逆流ポートを通る前記逆流ラインへの液体の流れを遮断しながら、少なくとも1つの噴霧ノズルから放出する為の液体噴霧部と、を開放し、
前記第2の位置は、前記第1の液体供給ラインから前記液体供給ポートおよび前記出口ポートを通って前記第2の液体供給ラインへの液体の流れを遮断すると同時に、前記逆流ポートを通る前記逆流ラインへの液体の流れを遮断し、
前記第3の位置において、前記弁部材は、前記第3の位置に移動する間、前記第1の液体供給ラインから前記液体供給ポート及び出口ポートを通る液体の流れを遮断し続ける一方で、前記第2の液体供給ライン内に残っている液体が前記逆流ポートおよび逆流ラインを通って逆流することを可能にし、前記第2の液体供給ラインから前記液体逆流ラインへの液体の流れが、前記液体供給ポートが閉鎖されている場合にのみ可能となるように、前記逆流ポートを開放する、液体噴霧システム。
【請求項9】
前記弁本体は、前記液体供給ポートと前記逆流ポートとの間を連通する液体流路を有し、前記第2の液体供給ラインは、前記液体供給ポートと前記液体逆流ポートとの間の場所で前記弁本体の液体流路に連通している、請求項8に記載の液体噴霧システム。
【請求項10】
前記弁ステムが、前記弁本体液体流路および前記液体供給ポートおよび逆流ポートの両方を通って延び、前記第1の位置において、前記逆流ポートを通る流れを同時に遮断しながら、液体供給ポートから液体出口ポートおよび第2の液体供給ラインへの液体の流れを可能にし、前記第2の位置において、前記液体供給ポートおよび逆流ポートの両方を通る液体の流れを同時に遮断し、前記弁ステムが前記第3の位置に移動すると、前記供給ポートを通る液体の流れを遮断し続け、次いで、前記逆流ポートを開放して、前記第2の液体供給ライン内に残っている液体が前記逆流ラインに流れることを可能にする、請求項9に記載の液体噴霧システム。
【請求項11】
前記弁ステムが、前記弁本体内で相対的に長手方向に移動するように螺合支持され、前記第1の位置、第2の位置および第3の位置の間で前記弁ステムを移動させるように前記弁ステムを選択的に回転させるために前記弁ステムに結合されたモータを含む、請求項9に記載の液体噴射システム。
【請求項12】
前記弁ステムは、前記弁ステムが前記第2の位置および第3の位置にあるときに前記液体供給ポートを閉鎖する第1の密封部材と、前記弁ステムが前記第1の位置および第2の位置にあるときに前記逆流ポートを閉鎖する第2の密封部材とを担持する、請求項9に記載の噴霧システム。
【請求項13】
前記第1の密封部材は、前記弁ステムに装着され、相対移動の為にバネで付勢されており、前記弁ステムが前記第1の位置から前記第2の位置に移動すると、前記第1の密封部材が前記液体供給ポートを閉鎖する一方で、前記弁ステムが前記第2の位置および第3の位置に移動し続けることを可能にする、請求項12に記載の噴霧システム。
【請求項14】
前記弁ステムが、前記第1の密封部材に対して長手方向に間隔を置いて配置された第2の環状密封部材を担持し、前記密封部材は、前記弁ステムが前記第1の位置および第2の位置にあるときに前記逆流ポートを通る前記逆流ラインへの液体の流れを遮断し、前記弁ステムが前記第3の位置に移動するときに、前記第2の液体供給ラインから液体出口ポートおよび逆流ポートを通って前記逆流ラインへの液体の流れを可能にするために、前記逆流ポートを開放する位置まで前記弁ステムによって担持される、請求項13に記載の噴霧システム。
【請求項15】
液体噴霧システムにおいて、
液体流路を画定し、前記液体流路と流体連通する放出オリフィスをそれぞれ有する複数の噴霧ノズルを支持する噴霧ブームと、
液体供給部から前記噴霧ブーム液体流路への液体の流れを制御する制御弁であって、前記制御弁は、液体供給ポートおよび液体逆流ポートを有する弁本体を有する、制御弁と、
前記液体供給部から前記液体供給ポートに液体を導く為に前記供給ポートに結合された第1の液体供給ラインと、
前記液体供給ポートから前記噴霧ブーム液体流路に液体を導く為の第2の液体供給ラインと、
前記噴霧ブームへの液体の供給が終了したときに、前記第2の液体供給ライン内の液体を前記噴霧ブームから離れるように導く為に、前記逆流ポートに結合された逆流ラインと、
を備え、
前記制御弁は、(1)第1の位置と、(2)第2の位置との間、更に、第3の位置に選択的に移動できる弁部材を有し、
前記第1の位置は、前記第1の液体供給ラインから前記液体供給ポートを通る前記第2の液体供給ラインへの液体の方向を可能にする為の前記液体供給ポートと、前記逆流ポートを通る前記逆流ラインへの液体の流れを遮断しながら、前記複数の噴霧ノズルから放出する為の液体噴霧部と、を開放し、
前記第2の位置は、前記第1の液体供給ラインから前記液体供給ポートを通って前記第2の液体供給ラインへの液体の流れを遮断すると同時に、前記逆流ポートを通る前記逆流ラインへの液体の流れを遮断し続け、
前記第3の位置において、前記第3の位置への移動中、前記弁部材は、前記第1の液体供給ラインから前記液体供給ポートを通る液体の流れを遮断し続ける一方で、前記第2の液体供給ライン内に残っている液体が前記逆流ポートを通って前記逆流ラインに逆流することを可能にし、前記第2の液体供給ラインから前記液体逆流ラインへの液体の流れが、前記液体供給ポートが閉鎖されている場合にのみ可能となるように、前記逆流ポートを開放する、液体噴霧システム。
【請求項16】
前記弁本体は、前記液体供給ポートと前記逆流ポートとの間を連通する液体流路を有し、前記第2の液体供給ラインは、前記液体供給ポートと前記液体逆流ポートとの間の場所で前記弁本体液体流路に連通している、請求項15に記載の液体噴霧システム。
【請求項17】
前記弁部材が、細長い弁ステムであり、前記細長い弁ステムは、液体供給ポート及び逆流ポートの両方を通って延び、前記第1の位置において、前記逆流ポートを通る流れを同時に遮断しながら、液体供給ポートを通る液体の前記第2の液体供給ラインへの流れを可能にし、前記第2の位置において、前記液体供給ポート及び流体逆流ポートの両方を通る液体の流れを同時に遮断し、前記第3の位置に前記弁ステムが移動する際、前記供給ポートを通る液体の流れを遮断し続け、その後、前記第2の液体供給ラインに残っている液体が前記逆流ラインに流れることを可能にする、請求項1に記載の液体噴霧システム。
【請求項18】
前記弁ステムが、相対的な長手方向移動のために前記弁本体内に螺合支持され、前記第1の位置、第2の位置および第3の位置の間で前記弁ステムを移動させるように前記弁ステムを選択的に回転させるために前記弁ステムに結合されたモータを含む、請求項17に記載の液体噴霧システム。
【請求項19】
前記第1の密封部材が前記弁ステムに装着され、前記弁ステムが前記第1の位置から前記第2の位置に移動する際、前記第1の密封部材が前記液体供給ポートを閉鎖する一方で、前記弁ステムが前記第2の位置および第3の位置に連続して移動することを可能にする為に相対移動するようにバネで付勢される、請求項17に記載の噴霧システム。
【請求項20】
前記弁ステムは、前記第1の密封部材に対して長手方向に間隔を置いて配置された第2の環状密封部材を担持し、前記第1の密封部材は、前記弁ステムが前記第1の位置および第2の位置にあるときに、前記逆流ポートを通って前記逆流ラインへの液体の流れを遮断し、前記弁ステムが前記第3の位置に移動する際、前記第2の液体供給ラインから液体出口ポートおよび前記逆流ポートを通って前記逆流ラインへの液体の流れを可能にする為に前記逆流ポートを開放する位置まで、前記弁ステムによって担持される、請求項18に記載の噴霧システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
【0002】
[0001]この特許出願は、2020年2月14日に出願された米国仮特許出願第62/976892号の利益を主張するものであり、これは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
[発明の分野]
【0004】
[0002]本発明は、一般に弁制御式噴霧システムに関し、特に、動作中および液体供給の遮断時に噴霧ノズルへの液体の流れを制御するための改良された弁システムに関する。
【0005】
[発明の背景]
【0006】
[0003]農業用噴霧器は、典型的には、それぞれの制御弁によって選択的に制御される噴霧ノズルのグループを有する長い噴霧ブームを有し、各制御弁は、グループの噴霧ノズルへの液体の伝達または停止を可能にするために個別に作動される。一つ又は複数のグループの噴霧ノズルへの液体の終端は、たとえば、非作物植生などへの噴霧を防止するために、しばしば圃場の端部付近で必要である。このような噴霧システム用の制御弁は、一般に、互いに対して横並びの関係で且つそれらが制御する噴霧ノズルから離れた位置に連動またはマニホールドされて装着されている。各制御弁は、それぞれのグループの噴霧ノズルへの液体の流れを選択的に制御するために、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な弁要素を備える。
【0007】
[0004]制御弁は、制御弁を通って噴霧ノズル又はグループの噴霧ノズルへの液体供給ラインに、加圧された液体の方向を可能にする1つの位置と、弁の液体入口ポートを閉鎖してライン内に残っている下流の液体を液体供給タンクへの再循環のために戻りラインに向け直す第2の位置との間で回転可能なボール弁を含むことが知られている。しかしながら、ボール弁が閉鎖位置に回転する間、液体入口ポートは、戻りラインへのポートが開放する前に完全には閉鎖せず、その結果、入口ポートが完全に閉鎖する前に制御弁を通して高圧液体が噴出することになる。今日の洗練された農業用噴霧器では、現場に向けられた液体は、多くの場合、噴霧ノズルに向けられた液体の量によって監視され、弁遮断前の戻りラインへの液体の方向転換は、液体化学薬品の使用を監視する際の精度に影響を与える。そのような発生を防止するための提案がなされてきたが、そのような提案は比較的複雑で高価であり、複数の弁機構を必要としている。
【目的および発明の概要】
【0008】
[0005]本発明は、液体入口送りに基づいて噴霧器に供給する液体のより効率的かつ正確な監視を可能にする弁制御式噴霧システムを提供することを目的とする。
【0009】
[0006]本発明の別の目的は、化学的使用の正確な監視に影響を与え得る制御弁を介して液体の望ましくないバーストを生じさせることなく、噴霧ノズルへの液体供給を遮断するように動作可能な、上記に特徴付けられた弁制御式噴霧システムを提供することである。
【0010】
[0007]さらなる目的は、噴霧ノズル送りライン内の下流の液体の方向を液体供給への戻りラインに向ける前に、噴霧ノズルへの液体供給を完全に遮断するように動作可能な液体供給制御弁を有する上記種類の弁制御式噴霧システムを提供することである。
【0011】
[0008]他の目的は、構成および動作が比較的簡単で、経済的な製造および信頼できる使用に適した上記の種類の弁制御システムを提供することである。
【0012】
[0009]本発明の他の目的および利点は、以下の詳細な説明を読んだとき、および図面を参照したときに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明による制御弁を有する例示的な噴霧システムの概略図である。
図2図2は、図1に示す噴霧システムに含まれる噴霧ノズルアセンブリの1つとそれに関連する逆止弁の拡大された断片部分であり、逆止弁が閉鎖位置にあることを示す。
図3図3は、逆止弁が開放位置にあることを示す、例示された逆止弁の拡大された断片部分である。
図4図4は、制御モジュールの中央液体ポートに垂直な面で取られた、例示された制御モジュールの1つの拡大された垂直断面であり、中央液体供給ポートから制御弁の出口ポートに液体を伝達する為に開放位置にある弁ステムを示す。
図5図5は、図4と同様の垂直断面であるが、下降位置にある弁ステムを示しており、これは、戻りラインと連通する逆流または戻りポートを開放しながら、液体供給ポートから出口ポート、噴霧ノズルへの液体の流れを遮断する。
図6図6は、図5に示す制御モジュールの垂直断面であって、図5の面に垂直な面で取ったものである。
図7図7は、図4と同様の制御モジュールの部分断面であり、弁ステムが開放位置にあり、出口ポートを介して液体を噴霧ノズルに連通させることができることを示す。
図8図8図7と同様の図であるが、弁ステムが中間位置にあり、噴霧ノズルに対する液体出口ポートへの液体の流れおよびモジュールの逆流又は戻りポートへの液体の流れを遮断している。
図9図9は、図5および図6と同様の部分断面図であり、下降位置にある弁ステムを示すが、下降位置にある弁ステムは、入口ポートを通る液体の流れを遮断し、液体の逆流または戻りポートへの戻り流を可能にする。
図9A図9Aは、図9の下部弁ステムの拡大された引伸ばし図である。
図10図10は、例示された制御モジュールの電気モータおよび弁ステム駆動装置の拡大斜視図である。
図11図11は、図7の11-11線の面で取られた制御モジュールの拡大水平断面である。
図12図12は、例示された制御モジュールの電気モータおよび弁ステム駆動装置の側面図である。
図13図13は、図12の13-13線の面で取られたモータ及び弁ステム駆動装置の断面である。
【0014】
[0024]本発明は、様々な修正および代替構成に影響されやすいが、その特定の例示された実施形態は、図面において示されており、以下に詳細に説明される。しかしながら、本発明を開示された構造形態に限定する意図はないことが理解されるべきである。反対に、その意図は、本発明の精神および範囲内にある全ての修正、代替構造、および均等物をカバーすることである。従って、本発明は、農薬噴霧システム用の機械一式の装着された制御弁に関連して説明されるが、本発明は他のタイプの液体噴霧または移送システム用の制御弁にも同様に適用可能であることが理解されよう。
【0015】
【好ましい実施形態の詳細な説明】
【0016】
[0025]ここで、より具体的に図面の図1を参照すると、噴霧される液体の量を収容する供給タンク11と、それぞれが、液体が放出される複数の噴霧ノズル14を有する複数の噴霧部12と、本発明による噴霧器制御弁15のグループとを含む例示的な農業用噴霧システム10が示されており、これらの噴霧制御弁15は、互いに連動またはマニホールドされて互いに並んで装着され、供給タンク11から噴霧部12への液体の流れを制御するように適合されている。基本的に、噴霧システム10は、上記に引用した米国特許第6036107号に開示されたものと同様であり、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
[0026]農業用噴霧器において慣例的であるように、噴霧システム10は、供給タンク11と制御弁15のグループとの間の、液体を制御弁15に伝達するための供給ライン18と、各制御弁15とそれぞれの噴霧部12との間の、液体を噴霧部に送付するための放出ライン19と、制御弁15と供給タンク11との間の戻り連通を提供する戻りライン20と、制御弁15のグループと供給タンク11との間にシステム圧力の調節を容易にするための調節弁22を有する調節ライン21と、を含む。
【0018】
[0027]例示された噴霧システム10の供給ライン18は、供給タンク11からの液体の手動による流れの停止を可能にする遮断弁24と、供給ライン18内の液体を加圧するポンプ25と、供給ライン18からの破片を濾過するストレーナ26と、手動による流れの調節を可能にする絞り弁28とを含む。また、供給ライン18は、この場合、ポンプ25の下流の点で供給ライン18から分岐して供給タンク11に戻る戻りライン29を含む。図1に示すように、この戻りライン29は、攪拌器30を含み、この攪拌器30は、供給タンク11内に置かれ、戻りライン29を通る流量に基づいて供給タンク11内の液体を混合する。戻りライン29には絞り弁31も設けられており、この絞り弁31は、戻りライン20を通る流量を調整し、攪拌器30の混合速度を調整するように手動で調整することができる。例示された噴霧システム10は、既知の方法でグループの制御弁15及び調節弁22の各々に動作できるように接続されたコンピュータで動作する噴霧器制御装置35を備えている。
【0019】
[0028]図2および図3に描写されるように、例示された噴霧ノズル14は、従来型のものであってもよく、この場合、各ノズルは、噴霧部12の液体供給ブーム40と流体連通するように支持されたステム39を有するノズル本体38を有し、これは次に、それぞれの供給ライン19に結合される。噴霧ノズル14は、それぞれ、共通に譲渡された米国特許第4660598号に開示されているような、それぞれの逆止弁41を有している。供給ライン19を介して噴霧ノズル14に送付される液体の圧力が付勢バネ42の力を超えると、加圧された液体は、図3に示すように、入口管48の上流端46から離れてダイアフラム45を付勢して、液体が入口管48を通って流れ、噴霧ノズルから放出されることを可能にする。加圧された液体が供給源から遮断されると、バネ42は、ダイヤフラムを強制的に管48の上流端部と密封係合させて、更なる液体が噴霧ノズル14から放出または滴下することを防止する。
【0020】
[0029]噴霧部12の制御弁15は、それぞれモジュール構成を有し、上述した米国特許第6036107号に開示されたものと同様の方法で連動またはマニホールドで装着される。制御弁15は、図4図6に示すように、主弁本体50と、主弁本体50に対して下方に支持された下弁本体51と、主弁本体50の上に支持された電動弁制御モータ52とを有している。この場合、主弁本体50は、上方に開口する環状カラー54を有し、この環状カラー54は、環状密封リング56を介してモータ52のハウジングの環状装着部55を受容して支持し、下部弁体51は、密封Oリング59を介して主弁本体50の下端内部に支持された上方に延びる小径ハブ部58を有する。主弁本体50は、供給ライン18から液体を受け取るための中央横向きの主液体供給ポート60を含み、下弁本体51は、液体供給ポート60と連通する為の中央垂直液体通路62を有する。次に、中央垂直通路62は、横断通路64と連通し、この横断通路64は、液体出口ポート65と、弁本体51の下端に隣接する減少された下流の逆流又は戻りポート66とを有する。制御弁15は、互いに連通する複数の制御弁の液体供給ポート60および液体供給ライン18と連動しており、各液体出口ポート65は、それぞれの液体供給ライン19に噴霧部12に結合され、各液体逆流または戻りポート66は、戻りライン20に結合されている。
【0021】
[0030]本実施形態の重要な特徴に従って、各制御弁15は、単一の弁ステム70を有し、主液体供給ポート60から出口ポート65およびそれぞれの供給ライン19、ならびに液体逆流または戻りポート66および戻りライン20への液体の流れを制御する。この目的のために、弁ステム70は、主弁本体50と、液体供給ポート60と、下部弁本体51の中央液体供給通路62とを通って中央に延びる。この場合、弁ステム70は、主弁本体50および下弁本体51の全長にわたって延びており、その下端は、下部の逆流または戻りポート66を介して位置決め可能である。弁ステム70(図9A)の下端の周囲には環状シール71が支持されており、後述するように、縮径逆流または戻りポート66との接触を密封する。製造を容易にするために、この場合の弁ステム70は、上部70aと下部70bとをネジ付き継手72によって互いに安定して固定している。
【0022】
[0031]液体供給ポート60から各噴霧ノズル14の中央通路部62および出口ポート65への液体の供給を制御するために、図4に描写されるように、環状シール75が、主液体供給ポート60内の棒70上に支持される。主環状シール75は、環状シール75の上側の座金79と座金79の上方で棒に固定された上Eクリップ80との間に介在されたコイルバネ78によって、棒70に固定されたEクリップ76に対して下方に付勢されている。この場合、Oリングシール81が、環状シール75内の弁ステム70に対して周囲の関係で装着される。
【0023】
[0032]弁ステム70を開放位置と閉鎖位置との間で昇降させるために、電気モータ52は弁ステム70に動作できるように結合される。この目的のために、電気モータ52は、12V DCの可逆モータであってもよく、弁蒸気部70の上方の駆動列86に応じて支持された出力シャフト88を回転させるために駆動列86に結合された駆動シャフト85を有する。出力シャフト88の回転に伴う弁ステム70の制御された昇降を容易にするために、弁ステム70の上端に取り付けられた光スイッチフラグ89が、出力シャフト88のネジ部90に螺合支持されている。スイッチフラグ89は、出力シャフト88の駆動回転によってスイッチフラグ89およびその下面に結合された弁ステム70が弁本体50、51に対して上昇または下降するように、回転に対して保持される。スイッチフラグ89、従って弁ステム70の昇降を案内するために、フラグスイッチ89の一方側の横脚部89aは、モータハウジング(図11)内部に固定されたガイドトラック92内部を移動するように案内される。
【0024】
[0033]スイッチフラグ89は、弁ステム70の上下動を制御するために、ガイドフラグ部89aとは反対側に薄い脚部89bを有し、電気モータ52を制御してスイッチフラグ89の上下動を制限する光センサ95a,95bとの間で弁ステム70と共に移動可能であり、弁ステム70となる。この場合、光センサ95aおよび95bは回路基板96(図10)に結合されており、回路基板96は、適切なオペレータ制御を介して電気モータ52の動作およびセンサ95a、95b間の弁ステム70の移動をもたらす。
【0025】
[0034]本実施形態の更に重要な態様に従って、各制御弁15は、弁ステム70が完全に閉鎖して、主液体入口ポート60と中央流路62との間の、出口ポート65から噴霧部12への出口ポート65への連通を密封してから、出口ポート65および供給ライン19から逆流または戻りポート66への連通を可能にするように動作可能である。図4および図7に描写するように、電気モータ52が出力シャフト88を回転させてフラグスイッチ89およびそれに結合された弁ステム70を、フラグスイッチ部89bが上部光学センサ95aに接触した状態で上方位置まで上昇させたとき、弁ステム70によって担持された環状シール75は、制御モジュールの主入口ポート60から中央および横断通路部62、65および出力ポート65への液体の伝達を可能にする開放位置まで上昇され、噴霧システム12への液体の伝達を可能にする。下部E-クリップ76は、環状シール75をそのような上昇位置または開放位置に担持し支持する。同時に、弁ステム70の下端が持ち上げられ、逆流または戻りポート66内で閉鎖位置に位置され、環状シール71は、中央通路62および出口ポート60の両方から逆流または戻りポート66への液体の通過を防止する。
【0026】
[0035]出口ポート65および噴霧部12への液体の連通を防止するために、電気モータ52は、回路基板96の制御下で逆方向に動作され、出力シャフト88を逆方向に回転させて、光学スイッチフラグ89および弁ステム70を、図8に示されるように、逆流および戻りポート66が閉鎖したままである間、液体入口ポート60の両方を最初に閉鎖する中間位置まで下方に下降させる。このような中間位置において、環状シール75は入口ポート60を閉鎖する位置に付勢され、一方、下部弁ステム70は逆流ポート66を閉鎖し続けることが分かる。駆動モータ52の継続動作および出力駆動シャフト88の回転は、さらに、弁ステム70を、弁ステム70の下端の環状シール71が縮径逆流または戻りポート66を越えて配置されるのに十分な距離だけ降下させる。このような移動の間、環状シール75は、その閉鎖位置で付勢バネ78によって付勢されたままであり、弁ステム70および環状シール75を支持するEクリップ76は、弁ステム70と共に下方に移動し続ける(図6および図9)。弁ステム70および光スイッチフラグ89を、フラグ部89bが下部光センサ95bに接触する高さまで下げると、弁ステム70の下端および環状シール65は、縮径出口または戻りポート66を越えて配置され、それによって、下流の液体が逆流出口66を通って戻りライン20に排出されて戻されることを可能にする入口ポート60は、逆流または戻りポート66を開放する前に完全に閉鎖されているので、液体が噴霧部12に遮断されている間に、入口ポート60から戻りポート66および戻りライン15への液体のバーストまたはその他の連通、または液体化学物質などの信頼できる監視に著しく影響する供給液体のその他の感知可能な損失がないことが理解されるであろう。
【0027】
[0036]噴霧を再開するために、駆動モータ52を逆方向に動作させて、スイッチフラグ89および弁ステム70を、最初に逆流または戻りポート66を閉鎖する位置まで上昇させ、一方、環状シール75は入口ポート60を閉鎖する位置に付勢されたままであり、次いで弁ステム70を引き続き上昇させて、光学スイッチフラグ部89bが上部光学センサ95aに係合する高さまで上昇させることができる。このような更なる移動により、E-クリップ76は、図4に示すように、環状シール75を持ち上げて主液体供給ポート60を開放し、液体を噴霧部12に連通させる。
【0028】
[0037]上述のことから、液体化学物質の使用の正確な監視に影響を与え得る制御弁を介して液体の望ましくないバーストを生じることなく、噴霧ノズルへの液体供給を遮断してオンにするように動作可能な弁制御噴霧システムが提供されることが分かる。弁システムは、噴霧システムの戻りラインへの液体の排水を可能にする前に、噴霧ノズルへの液体を完全に遮断するように制御される単一の弁ステムを利用する。また、弁制御システムは、構成および動作が比較的単純であり、経済的な製造および信頼性のある使用に適していることが分かる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9-9A】
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】