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特表2023-513242廃棄プラスチックの遠心分離による密度分別
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】廃棄プラスチックの遠心分離による密度分別
(51)【国際特許分類】
   B29B 17/02 20060101AFI20230323BHJP
   B03B 5/28 20060101ALI20230323BHJP
   B03B 7/00 20060101ALI20230323BHJP
   B03B 5/34 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
B29B17/02 ZAB
B03B5/28 Z
B03B7/00
B03B5/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548424
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(85)【翻訳文提出日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 US2021017322
(87)【国際公開番号】W WO2021163091
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】62/972,266
(32)【優先日】2020-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594055158
【氏名又は名称】イーストマン ケミカル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129311
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 規之
(72)【発明者】
【氏名】デブルイン,ブルース・ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】パーカー,ケニー・ランドルフ
(72)【発明者】
【氏名】エヴェレット,チャールズ・スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】コリングス,カイル・リン
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン,ジェームズ・スチュアート
【テーマコード(参考)】
4D071
4F401
【Fターム(参考)】
4D071AA43
4D071AA53
4D071AA62
4D071AB14
4D071AB23
4D071DA15
4F401AA08
4F401AA13
4F401AA22
4F401BA13
4F401CA26
4F401CA29
4F401CA46
4F401CA47
4F401CA48
4F401CA49
4F401EA34
4F401EA46
4F401EA57
4F401FA04Z
4F401FA07Z
(57)【要約】
本明細書では、混合プラスチック廃棄物を分別する方法およびシステムを提供する。この方法は、一般に混合プラスチック廃棄物をPET富化流と1つ以上のPET減少流に分別する工程を含む。この分別工程は、2つ以上の密度分別段階の組合せを用いて達成できる。例示的な密度分別段階には、浮沈式分別器および遠心力式分別器が含まれる。PET富化流およびPET減少流を、回収しおよび/または下流の化学的再資源化プロセスに誘導できる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄プラスチックの分別方法であって、
(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)微粒子を第1の密度分別段階に導入する工程、および
(b)前記第1の密度分別段階からの産出流を第2の密度分別段階に供給する工程を含み、
前記第1および第2の密度分別段階の一方は、遠心式分別段階であり、前記第1および第2の密度分別段階の他方は、浮沈式密度分別段階である、方法。
【請求項2】
前記第1の密度分別段階は、P少なくとも90%のPETに関する分別効率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の密度分別段階は、少なくとも90%のPETに関する分別効率を有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の密度分別段階は前記高密度分別段階であり、前記第2の密度分別段階は前記低密度分別段階である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の密度分別段階は、前記産出流としての第1のPET富化流、およびPETが低減された重質物富化流を生成する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の密度分別段階は、前記第1のPET富化流を、第2のPET富化流およびポリオレフィン富化流に分別する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のPET富化流および/または前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、PVCが富化されている、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のPET富化流および/または前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、ポリオレフィンが低減されている、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記重質物富化流および/または前記高密度の微粒子状プラスチック固体流は、1.41g/ccを超える密度を有する非プラスチック固体および/または重質プラスチックを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の分別段階から前記産出流として第1のPET富化流を回収する工程、および前記第2の分別段階から第2のPET富化流を回収する工程をさらに含み、前記第2のPET富化流は、乾燥プラスチック基準で、前記第1のPET富化流よりも高い濃度のPETを有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のPET富化流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも55重量%のPETを含み、および/または前記第2のPET富化流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも90重量%のPETを含む、請求項6または10に記載の方法。
【請求項12】
塩および/または糖類を水と混合して濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液を生成する工程、および前記濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液を前記第1または第2の密度分別段階のうちの少なくとも一方に供給する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項13】
前記濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液は、糖類、あるいは酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、および/または水酸化物などの非ハロゲン化塩を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液は、炭酸カリウムを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記炭酸カリウムを含む濃厚塩溶液は、前記第1の密度分別段階に供給される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
苛性成分と水を混合して苛性溶液を生成する工程、および前記苛性溶液を前記MPW微粒子、前記第1の密度分別段階、前記産出流、前記第2の密度分別段階、および/または前記第1または前記第2の密度分別段階からの1つ以上のPET富化流またはポリオレフィン富化流に供給する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項17】
別の苛性成分は、前記第1の密度分別段階および/または前記第2の密度分別段階に導入されない、および/または前記MPW微粒子は、前記第1の密度分別段階に導入される前に別の抗菌処理段階に供されない、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
廃棄プラスチックの分別方法であって、
(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)微粒子を高密度の浮沈式密度分別段階に導入する工程、および
(b)前記高密度の浮沈式密度分別段階からの産出流を低密度の遠心式密度分別段階に供給する工程を含み、
前記高密度の分別段階は、1.35g/cc超、および/または1.45g/cc未満である目標分別密度を有し、
前記低密度の分別段階は、前記高密度の分別段階の目標分別密度より少なくとも0.01g/cc低い目標分別密度を有する、方法。
【請求項19】
前記高密度の浮沈式密度分別段階は、少なくとも90%のPETに関する分別効率を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記低密度の遠心式密度分別段階は、少なくとも90%のPETに関する分別効率を有する、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記高密度の浮沈式密度分別段階は、前記産出流としての第1のPET富化流、およびPETが低減された重質物富化流を生成する、請求項18または19に記載の方法。
【請求項22】
前記低密度の遠心式密度分別段階は、前記第1のPET富化流を第2のPET富化流およびポリオレフィン富化流に分別する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のPET富化流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも75重量%のPETを含み、および/または前記第2のPET富化流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも90重量%のPETを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
塩および/または糖類を水と混合して濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液を生成する工程、および前記濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液を、前記高密度の浮沈式密度分別段階または低密度の遠心式密度分別段階のうちの少なくとも一方に供給する工程をさらに含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項25】
前記濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液は、糖類、あるいは酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、および/または水酸化物などの非ハロゲン化塩を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液は、炭酸カリウムを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記炭酸カリウムを含む濃厚塩溶液は、前記高密度の浮沈式密度分別段階に供給される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
苛性成分と水を混合して苛性溶液を生成する工程、および前記苛性溶液を前記MPW微粒子、前記高密度の浮沈式密度分別段階、前記産出流、前記低密度の遠心式密度分別段階、および/または前記高密度の浮沈式密度分別段階または前記低密度の遠心式密度分別段階からの1つ以上のPET富化流またはポリオレフィン富化流に供給する工程をさらに含む、請求項18、19または20に記載の方法。
【請求項29】
別の苛性成分が、前記高密度の浮沈式密度分別段階および/または前記低密度の遠心式密度分別段階に導入されない、および/または前記MPW微粒子が、前記高密度の浮沈式密度分別段階に導入される前に別の抗菌処理段階に供されない、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
廃棄プラスチックの分別方法であって、
(a)MPW微粒子を高密度の浮沈式密度分別段階に導入して、微粒子状プラスチック固体産出流および前記産出流よりも高い平均微粒子状プラスチック固体密度を有する高密度の微粒子状プラスチック固体流を生成する工程、および
(b)前記微粒子状プラスチック固体産出流の少なくとも一部分を遠心式密度分別段階に供給して、中密度の微粒子状プラスチック固体流および低密度の微粒子状プラスチック固体流を生成する工程を含み、
前記高密度の微粒子状プラスチック固体流の平均微粒子状プラスチック固体密度は、前記中密度の微粒子状プラスチック固体流の平均微粒子状プラスチック固体密度より高く、前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、前記低密度の微粒子状プラスチック固体流の平均微粒子状プラスチック固体密度より高い平均微粒子状プラスチック固体密度を有する、方法。
【請求項31】
前記産出流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも75重量%のPETを含み、および/または前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも90重量%のPETを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、乾燥プラスチック基準で、少なくとも0.1重量%かつ10重量%以下の量のPVCをさらに含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記高密度の微粒子状プラスチック固体流は、乾燥プラスチック基準で10重量%未満のPETを含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項34】
前記低密度の微粒子状プラスチック流は、乾燥プラスチック基準で10重量%未満のPETを含む、請求項30または31に記載の方法。
【請求項35】
前記高密度の微粒子状プラスチック固体流の質量流量は、乾燥プラスチック基準で前記産出流の質量流量未満である、請求項32または33に記載の方法。
【請求項36】
前記高密度の微粒子状プラスチック固体流の質量流量は、乾燥プラスチック重量基準で、前記高密度の浮沈式密度分別段階に導入される前記MPW微粒子の20重量%以下である、請求項30または31に記載の方法。
【請求項37】
前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、前記低密度の微粒子状プラスチック固体流に対してPETが富化されている、請求項30または31に記載の方法。
【請求項38】
前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、前記高密度の微粒子状プラスチック固体流に対してPETが富化されている、請求項30または31に記載の方法。
【請求項39】
前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、前記低密度の微粒子状プラスチック固体流と前記高密度の微粒子状プラスチック固体流の組合せに対してPETが富化されている、請求項30または31に記載の方法。
【請求項40】
前記低密度の微粒子状プラスチック固体流および前記高密度の微粒子状プラスチック固体流は、組み合わされて単一流になる、30または31に記載の方法。
【請求項41】
前記低密度の微粒子状プラスチック固体流は、前記中密度の微粒子状プラスチック固体流に対してポリオレフィンが富化されている、請求項30または31に記載の方法。
【請求項42】
廃棄プラスチックの分別方法であって、
(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)微粒子を第1の遠心式密度分別段階に導入する工程、および
(b)前記第1の遠心式密度分別段階からの産出流を第2の遠心式密度分別段階に供給する工程を含む、方法。
【請求項43】
前記MPW微粒子は、ポリエチレンテレフタラート(PET)とポリオレフィンの組合せを少なくとも50重量%の量で含む、請求項1、19、30、または42に記載の方法。
【請求項44】
前記MPW微粒子は、少なくとも5重量%のPETを含む、請求項1、19、30、または42に記載の方法。
【請求項45】
請求項1、19、30、または42に記載の方法によって生成されたPET富化プラスチック材料。
【請求項46】
乾燥プラスチック基準で少なくとも90重量%のPETを含む、請求項45に記載のPET富化プラスチック材料。
【請求項47】
乾燥プラスチック基準で10重量%以下のポリオレフィンを含む、請求項45に記載のPET富化プラスチック材料。
【請求項48】
乾燥プラスチック基準で1重量%以下のナイロンを含む、請求項45に記載のPET富化プラスチック材料。
【請求項49】
乾燥プラスチック基準で10重量%以下の多成分ポリマーを含む、請求項45に記載のPET富化プラスチック材料。
【請求項50】
乾燥プラスチック基準で10重量%以下の多層ポリマーを含む、請求項45に記載のPET富化プラスチック材料。
【請求項51】
請求項1、19、30、または42に記載の方法によって生成されたポリオレフィン富化プラスチック材料。
【請求項52】
乾燥プラスチック基準で10重量%未満のPETを含む、請求項51に記載のポリオレフィン富化プラスチック材料。
【請求項53】
乾燥プラスチック基準で10重量%未満のPVCを含む、請求項51に記載のポリオレフィン富化プラスチック材料。
【請求項54】
乾燥プラスチック基準で少なくとも0.1重量%のナイロンを含む、請求項51に記載のポリオレフィン富化プラスチック材料。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]本技術の実施態様は一般的に、混合プラスチック廃棄物を、PET富化流と1つ以上のPET減少流に分別する方法を対象とする。
[0002]プラスチック材料の再資源化には、慣例的に、個々の消費者および企業からの混合プラスチック廃棄物材料を高純度(すなわち少なくとも99.9%)の個々のプラスチック成分に精製することが必要となる。この高い純度水準を達成するために、混合プラスチック廃棄物は、典型的には、自治体の再資源化施設(材料回収施設すなわちMRFとしても知られている)や再生施設などの1ヶ所以上の処理施設に送られる。MRFでは、典型的には、最初に混合プラスチック廃棄物を大量の同一の材料に分別することができる。例えば、色付きプラスチックを透明なプラスチックから分別できる。ガラス、紙、金属もまた、プラスチックから分別できる。ポリエチレンテレフタラート(PET)プラスチックを、他種のプラスチックから分別できる。多くの場合には、この分別の少なくともいくつかの初期段階は、人手で実施される。その他の段階では、光学的選別機および磁気的選別機などの機械を用いて、再資源化物中に存在する種々の材料のより微細な選別を実施する。再生施設では、追加の分別プロセスを実施して、高純度のプラスチック成分を準備する。例えばPET再生施設は、(通常は任意の量の他のプラスチック材料とともに)PETを受け入れて、高純度のPETプラスチック材料を製造する。
【0002】
[0003]上述の分別プロセスおよび精製プロセス中には、相当量の有用なプラスチックを含む廃棄プラスチックの流れが発生する。特に、着色プラスチック、水の流れ、金属、重質プラスチックと軽質プラスチック、粉塵などの廃棄材料とともに、これらのプロセスから典型的にはいくらかの量のPETが除去される。ポリオレフィンなどの一定量の他の再資源化可能なプラスチック材料もまた、最終的にこれらの廃棄物の流れに入り込む。これらのプロセス中に取り出されたプラスチック材料は、通常は他の廃棄物とともに埋立地に行き着くことになる。従って、回収されたプラスチック材料を再資源化プロセスに使用できるように、分別精製施設からの廃棄物を含む混合プラスチック廃棄物から有用なプラスチック材料を回収する方法が当該技術分野では必要とされている。
【発明の要旨】
【0003】
[0004]一実施態様に従って、廃棄プラスチックの分別方法が提供される。この方法は、(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)微粒子を第1の密度分別段階に導入する工程、および(b)第1の密度分別段階からの産出流を第2の密度分別段階に供給する工程を含む。さらに、第1および第2の密度分別段階の一方は遠心式分別段階であり、第1および第2の密度分別段階の他方は浮沈式密度分別段階である。
【0004】
[0005]別の実施態様に従って、廃棄プラスチックの分別方法が提供される。この方法は、(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)微粒子を高密度の浮沈式密度分別段階に導入する工程、および(b)浮沈式密度分別段階からの産出流を低密度の遠心式密度分別段階に供給する工程を含む。高密度分別段階は、1.35g/cc超、および/または1.45g/cc未満である目標分別密度を有する。低密度分別段階は、高密度分別段階の目標分別密度より少なくとも0.01g/cc低い目標分別密度を有する。
【0005】
[0006]別の実施態様に従って、廃棄プラスチックの分別方法が提供される。この方法は、(a)MPW微粒子を高密度の浮沈式密度分別段階に導入して、微粒子状プラスチック固体の産出流およびこの産出流よりも高い平均微粒子状プラスチック固体密度を有する高密度の微粒子状プラスチック固体流を生成する工程、および(b)微粒子状プラスチック固体の産出流の少なくとも一部分を遠心式密度分別段階に供給して、中密度の微粒子状プラスチック固体流および低密度の微粒子状プラスチック固体流を生成する工程を含む。高密度の微粒子状プラスチック固体流の平均微粒子状プラスチック固体密度は、中密度の微粒子状プラスチック固体流の平均微粒子状プラスチック固体密度よりも大きい。中密度微粒子状プラスチック固体流は、低密度微粒子状プラスチック固体流の平均微粒子状プラスチック固体密度より大きい平均微粒子状プラスチック固体密度を有する。
【0006】
[0007]別の実施態様に従って、廃棄プラスチックの分別方法が提供される。この方法は、(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)微粒子を第1の遠心式密度分別段階に導入する工程、および(b)第1の遠心式分別段階からの産出流を第2の遠心式密度分別段階に供給する工程を含む。
【0007】
[0008]別の実施態様に従って、上述の方法のいずれかによって生成されたポリエチレンテレフタラート(PET)富化プラスチック材料が提供される。
[0009]別の実施態様に従って、上述の方法のいずれかによって生成されたポリオレフィン富化プラスチック材料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[0010]図1は、本発明の一実施態様による、混合プラスチック廃棄物(MPW)をポリエチレンテレフタラート(PET)富化流とPET減少流とに分別するための一般的なプロセスを示す。
図2】[0011]図2は、本発明の一実施態様による、2つの密度分別段階を利用して、MPWをPET富化流とPET減少流とに分別するための一般的なプロセスを示す。
図3】[0012]図3は、本発明の一実施態様による、MPWをPET富化流とPET減少流とに分別するための詳細なプロセスを示す。
図4】[0013]図4は、本発明の一実施態様による、MPWをPET富化流とPET減少流とに分別するための詳細なプロセスを示す。
図5】[0014]図5は、本発明の一実施態様による、MPWをPET富化流とPET減少流とに分別するための詳細なプロセスを示す。
図6】[0015]図6は、本発明の一実施態様による、MPWをPET富化流とPET減少流とに分別するための詳細なプロセスを示す。
図7】[0016]図7は、本発明の一実施態様による、MPWをPET富化流とPET減少流とに分別するための詳細なプロセスを示す。
図8】[0017]図8は、本発明の一実施態様による、MPWをPET富化流とPET減少流とに分別するための詳細なプロセスを示す。
図9】[0018]図9は、本発明の一実施態様による、2つの密度分別段階を利用して、MPWをPET富化流とPET減少流とに分別するための一般的なプロセスを示す。
図10】[0019]図10は、本発明の一実施態様によるプラスチック分別施設およびプロセスを示す。
図11】[0020]図11は、本発明の一実施態様による廃棄プラスチック分別システム、微粒子状プラスチック固体処理施設、および化学的再資源化施設の配置を示す。
図12】[0021]図12は、本発明の一実施態様による微粒子状プラスチック固体処理施設およびプロセスを示す。
図13】[0022]図13は、本発明の一実施態様によるMPWの化学的再資源化の一般的なプロセスを示す。
図14】[0023]図14は、本発明の一実施態様による一般的な密度分別段階を示す。
【発明の詳細な説明】
【0009】
[0024]数字の列が示される場合に、当然なことではあるが、各数字は最初の数字または最後の数字と同じように修飾され、かつ各数字は「あるいは」の関係にあり、すなわち場合によって、各数字は「少なくとも」あるいは「最大」あるいは「以下」となる。例えば、「少なくとも10重量%、20、30、40、50、75…」は、「少なくとも10重量%、または少なくとも20重量%、または少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも75重量%」などと同一であることを意味する。
【0010】
[0025]特に明記しない限りは、全ての濃度または量は、重量を基準とする。
[0026]MPWに表示される重量%は、第1段階の分別に供給される、かつ塩溶液または苛性溶液などのいずれかの希釈剤/溶液を添加する前のMPW中の重量である。
【0011】
[0027]本明細書全体を通して、「MPW」の引用により、微粒子状プラスチックまたはMPW微粒子または寸法が縮小されたプラスチックまたは分別工程へのプラスチック供給原料を指している。例えば、「MPW中の成分の重量百分率」の引用により、微粒子状プラスチックまたは寸法が縮小されたプラスチックまたは苛性溶液または塩溶液と混合する前に第1段階の分別に供給されるプラスチックに対して、同様の重量百分率を述べてかつ指している。
【0012】
[0028]一般的に本明細書では、廃棄プラスチックの分別方法、ならびに廃棄プラスチック分別システムから得られた微粒子状プラスチック固体を処理するための施設およびシステムについて説明する。図1に示すように、一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、この方法は一般に、混合プラスチック廃棄物(MPW)10をポリエチレンテレフタラート(PET)富化流20とPET減少流30とに分別する工程を含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、同一または異なる組成を有してもよい少なくとも2つのPET富化流を含む。さらに一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、少なくとも2つのPET減少流を含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、分別工程は、1つ以上の密度分別段階の使用を含む。これらの流れは異なる組成を含むが、PET富化流20およびPET減少流30のそれぞれは、少なくとも90重量%のプラスチック材料を含む。さらにPET減少流30中のPETの濃度は、PET富化流20中のPETの濃度よりも低く、PET富化流20中の濃度は、PET減少流30中のPETの濃度よりも高い。
【0013】
[0029]混合プラスチック廃棄物(MPW)は、様々な形態で提供されてもよい。例えば、MPWは、物品の全体、微粒子(例えば、粉砕されペレット化された繊維状プラスチック粒子)、縛られた梱包品(例えば圧縮され縛られた物品全体)、縛られていない物品(すなわち梱包または包装されていない物品)、容器(例えば、箱、袋、トレーラー、鉄道車両、ローダーバケットなど)、堆積物(例えば、建物内のコンクリート厚板)、および/または物理的に運搬されるばら材料(例えばコンベアベルト上の粒子)または空気圧で運搬されるばら材料(例えば、搬送パイプ内で空気と混合された微粒子)の形態であってもよい。MPWは、限定はされないが、地方自治体の再資源化施設または再生施設またはその他の機械的または化学的選別施設または分別施設、あるいは直接的に家庭/企業から排出される製造後かつ使用前の再資源化物(すなわち未処理の再資源化物)を所有する製造業者または工場または商業生産施設または小売業者または販売業者または卸売業者、埋立て地、あるいはドックまたは船上、またはその上にある倉庫などの様々な供給源から提供されてもよい。
【0014】
[0030]プラスチックには、25℃、1気圧で固体である任意の有機合成ポリマーが含まれる。ポリマーは、熱可塑性ポリマーであってもよく、熱硬化性ポリマーであってもよい。ポリマーの数平均分子量は、少なくとも300、または少なくとも500、または少なくとも1,000、または少なくとも5,000、または少なくとも10,000、または少なくとも20,000、または少なくとも30,000、または少なくとも50,000、または少なくとも70,000、または少なくとも90,000、または少なくとも100,000、または少なくとも130,000であってもよい。ポリマーの重量平均分子量は、少なくとも300、または少なくとも500、または少なくとも1,000、または少なくとも5,000、または少なくとも10,000、または少なくとも20,000、または少なくとも30,000、または少なくとも50,000、または少なくとも70,000、または少なくとも90,000、または少なくとも100,000、または少なくとも130,000、または少なくとも150,000、または少なくとも300,000であってもよい。
【0015】
[0031]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ポリマーの数平均分子量は、少なくとも300、または少なくとも1,000、または少なくとも5,000、または少なくとも10,000、または少なくとも50,000、または少なくとも130,000であってもよい。ポリマーの数平均分子量は、300~500,000、または1,000~400,000、または5,000~300,000、または10,000~250,000、または50,000~200,000、または100,000~150,000であってもよい。ポリマーの重量平均分子量は、少なくとも300、または少なくとも1,000、または少なくとも10,000、または少なくとも50,000、または少なくとも100,000、または少なくとも150,000、または少なくとも300,000であってもよい。ポリマーの重量平均分子量は、300~1,000,000、または1,000~750,000、または10,000~600,000、または50,000~500,000、または100,000~450,000、または150,000~400,000、または300,000~350,000であってもよい。
【0016】
[0032]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、使用済み後および/または生産後(または使用前)の材料を含む。
[0033]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、本明細書に記載される1つ以上のプラスチック固体を含み、この固体は未処理であってもよく、または機械的な寸法の縮小および/または前処理を受けていてもよい。
【0017】
[0034]プラスチックの例として、25℃、1気圧で固体であるプラスチックが含まれる。一実施態様では、またはいずれかの他の実施態様との組合せでは、MPWには、限定はされないが、PETおよびPENなどの繰返しテレフタラートまたはナフタラート単位を含む成分、あるいは繰返しフラン酸単位を含む成分などの繰返し芳香族または環状単位を有する成分を含むポリエステルなどのプラスチック成分が含まれ、かつPETの定義範囲内ではあるが、MPWには、繰返しテレフタラート単位と、以下の1種以上の残基または部分を有するポリエステル成分もまた含まれると言うことができる:TMCD(2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール)、CHDM(シクロヘキサンジメタノール)、プロピレングリコール、またはNPG(ネオペンチルグリコール)、イソソルビド、イソフタル酸、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、および/またはジエチレングリコールまたはそれらの組合せ、およびPLA、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、およびアジピン酸ポリエチレンなどの脂肪族ポリエステル;ポリオレフィン(例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリプロピレン、高密度ポリプロピレン、架橋ポリエチレン、非晶質ポリオレフィン、および前記ポリオレフィンのいずれか1種の共重合体)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロブタジエンスチレン(ABS)、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロースなどのセルロース系原料、およびビスコースなどの再生セルロース;エポキシ化合物、ポリアミド、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレン系アロイ、ポリ(メチルメタクリラート)、スチレン含有ポリマー、ポリウレタン、ビニル系ポリマー、スチレンアクリロニトリル、タイヤ材料以外の熱可塑性エラストマー、ならびに尿素含有ポリマーおよびメラミン。
【0018】
[0035]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは熱硬化性ポリマーを含有する。MPW中に存在する熱硬化性ポリマーの量の例としては、MPW重量に対して、少なくとも1重量%、または少なくとも2重量%、または少なくとも5重量%、または少なくとも10重量%、または少なくとも15重量%、または少なくとも20重量%、または少なくとも25重量%、または少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%を挙げてもよい。MPW中に存在する熱硬化性ポリマーの量は、MPW重量に対して、少なくとも1重量%、または少なくとも10重量%、または少なくとも20重量%、または少なくとも40重量%であってもよい。MPW中に存在する熱硬化性ポリマーの量は、MPW重量に対して、1~80重量%、または10~70重量%、または20~60重量%、または40~50重量%であってもよい。
【0019】
[0036]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、少なくともその一部分が、3未満、または1.8~2.8のアシル置換度を有するセルロース誘導体、例えば酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロースなどのセルロース原料から得られるプラスチックを含む。
【0020】
[0037]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、少なくともその一部分が、ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、およびそれらの共重合体などの繰返しテレフタラート単位を有するポリマーから得られるプラスチックを含む。
【0021】
[0038]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、少なくともその一部分が、複数のジシクロヘキサンジメタノール部分、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール部分、またはそれらの組合せを有する共重合ポリエステルから得られるプラスチックを含む。
【0022】
[0039]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、少なくともその一部分が、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン-1、およびそれらの共重合体から得られるプラスチックを含む。
【0023】
[0040]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、少なくともその一部分が、眼鏡フレームすなわち架橋ポリエチレンから得られるプラスチックを含む。
【0024】
[0041]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、少なくともその一部分が、プラスチック瓶から得られるプラスチックを含む。
[0042]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、少なくともその一部分がおむつから得られるプラスチックを含む。
【0025】
[0043]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、少なくともその一部分が、スタイロフォーム(登録商標)(Styrofoam)すなわち発泡ポリスチレンから得られるプラスチックを含む。
【0026】
[0044]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、少なくともその一部分が、フラッシュ紡糸された高密度ポリエチレンから得られるプラスチックを含む。
【0027】
[0045]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、SPI(プラスチック工業会)によって確立された追いかけ合う矢印の三角形(chasing arrow triangle)内の番号1~7の樹脂識別記号を有するプラスチックを有する、あるいはそのプラスチックから得られたプラスチックを含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWの少なくとも一部分は、一般的には機械的に再資源化されない1種以上のプラスチックを含む。これらには、番号が3(ポリ塩化ビニル)、5(ポリプロピレン)、6(ポリスチレン)、および7(その他)のプラスチックが含まれる。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、MPW中のプラスチック重量に対して、少なくとも0.1重量%、または少なくとも0.5重量%、または少なくとも1重量%、または少なくとも2重量%、または少なくとも3重量%、または少なくとも5重量%、または少なくとも7重量%、または少なくとも10重量%、または少なくとも12重量%、または少なくとも15重量%、または少なくとも20重量%、または少なくとも25重量%、または少なくとも30重量%、または少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも65重量%、または少なくとも85重量%、または少なくとも90重量%の番号:3、5、6、7、またはそれらの組合せを有するプラスチック、あるいはそれらに対応するプラスチックを含む。MPWは、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%の少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、または少なくとも4種の異なる種類の樹脂IDコードを有するプラスチック、あるいはそれらのプラスチックから得られるプラスチックを含んでもよい。
【0028】
[0046]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、MPW中のプラスチック重量に対して、少なくとも0.1重量%、または少なくとも1重量%、または少なくとも10重量%、または少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、または少なくとも90重量%の番号:3、5、6、7、またはそれらの組合せを有するプラスチック、あるいはそれらに対応するプラスチックを含む。MPWは、MPW中のプラスチック重量に対して、0.1~99.9重量%、または1~99重量%、または10~98重量%、または25~97重量%、または50~95重量%、90~93重量%の番号:3、5、6、7、またはそれらの組合せを有するプラスチック、あるいはそれらに対応するプラスチックを含む。MPWは、少なくとも30重量%、少なくとも50重量%、少なくとも70重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%の少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、または少なくとも4種の異なる種類の樹脂IDコードを有するプラスチック、あるいはそれらのプラスチックから得られるプラスチックを含んでもよい。MPWは、30~99重量%、または50~98重量%、または70~97重量%、または90~95重量%の1~4種、あるいは2~3種の異なる種類の樹脂IDコードを有するプラスチック、あるいはそれらのプラスチックから得られるプラスチックを含んでもよい。
【0029】
[0047]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PETおよびポリオレフィンの組合せは、乾燥プラスチック基準で、MPWの少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%を構成する。PETは、乾燥プラスチック基準で、MPWの少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%を構成してもよい。PVCは、MPWの少なくとも0.001重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、または少なくとも0.25重量%を構成してもよく、および/または5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.75重量%以下、または0.5重量%以下を構成してもよい。PETおよびPVCは、MPWの重量に対して、上述のこれらの量のいずれかで組み合わせてもよい。
【0030】
[0048]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PETおよびポリオレフィンの組合せは、乾燥プラスチック基準で、MPWの少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%を構成する。PETおよびポリオレフィンの組合せは、乾燥プラスチック基準で、MPWの50~99.9重量%、または75~99重量%、または90~95重量%を構成してもよい。PETは、乾燥プラスチック基準で、MPWの少なくとも5重量%、または少なくとも20重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも75重量%、または少なくとも90重量%を構成してもよい。PETは、乾燥プラスチック基準で、MPWの5~99重量%、または20~98重量%、または50~97重量%、または75~96重量%、または90~95重量%を構成してもよい。PVCは、MPWの0.001~5重量%、または0.01~3重量%、または0.05~2重量%、または0.1~1重量%、または0.25~0.75重量%を構成してもよい。PETおよびPVCは、MPWの重量に対して、上述のこれらの量のいずれかで組み合わせてもよい。
【0031】
[0049]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、多成分ポリマーを含む。本明細書で使用される用語「多成分ポリマー」は、少なくとも1つの他のポリマー固体および/または他の非ポリマー固体に組み合わせられ、付着し、または物理的および/または化学的に会合する少なくとも1つの合成ポリマーまたは天然ポリマーを含む物品および/または微粒子を指す。ポリマーは、PET、オレフィン、および/またはナイロンなどの合成ポリマーまたは合成プラスチックであってもよい。非ポリマー固体は、アルミニウムなどの金属であってもよい。多成分ポリマーは、金属化プラスチックを含んでもよい。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、多層ポリマー形態の多成分プラスチックを含む。本明細書で使用される用語「多層ポリマー」は、PETと、物理的および/または化学的に会合して2つ以上の物理的に異なる層となる少なくとも1つの他のポリマー固体および/または非ポリマー固体とを含む多成分ポリマーを指す。ポリマーまたはプラスチックは、遷移領域が2つの層の間に存在する場合でも、例えば遷移領域が接着剤による接着層または共押出層内に存在する場合でも、多層ポリマーと見做される。2つの層の間の接着剤は、層であるとは見做さない。多層ポリマーは、PETを含む層、およびそのうちの少なくとも1層がPETとは異なる合成ポリマーまたは天然ポリマー、またはエチレンテレフタラート繰返し単位を持たないポリマー、またはアルキレンテレフタラート繰返し単位を持たないポリマー(「非PETポリマー層」)、またはその他の非ポリマー固体である1層以上の追加の層を含んでもよい。非PETポリマー層の例としては、ナイロン、ポリ乳酸、ポリオレフィン、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール、ポリビニルアルコール、および/またはPET含有物品および/または微粒子に会合する他のプラスチックまたはプラスチックフィルム、および乳清タンパク質などの天然ポリマーが挙げられる。多層ポリマーは、PET層以外に少なくとも1つの追加のポリマー層が存在するという条件の下で、アルミニウムなどの金属層を含んでもよい。これらの層は、接着剤による接着またはその他の手段で接着されていてもよく、物理的に隣接していてもよく(すなわちフィルムに対し押し付けられた物品であってもよく)、粘着性を付与されていてもよく(すなわち加熱されて貼り合わせたプラスチックであってもよく)、共押出したプラスチックフィルムであってもよく、またはその他の方法でPETに付着されていてもよい。多層ポリマーは、同一のまたは類似の方法で他のプラスチックを含む物品に会合されたPETフィルムを含んでもよい。MPWは、単一の物理的な相として組み合された、PETの形態の多成分ポリマー、およびポリオレフィン(例えばポリプロピレン)などの少なくとも1つの他のプラスチック、および/または他の合成または天然ポリマーを含んでもよい。例えばMPWは、単一の物理的な相として組み合わされた、相溶化剤、PET、および少なくとも1つの他の合成または天然ポリマープラスチック(例えば非PETプラスチック)を含む異種混合物を含む。本明細書で使用される用語「相溶化剤」は、物理的混合物(すなわちブレンド)中に少なくとも2つの他の不混和性ポリマーを共に複合させることができる薬剤を指す。
【0032】
[0050]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、乾燥プラスチック基準で、20重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、または0.1重量%以下のナイロンを含む。MPWは、乾燥プラスチック基準で、0.01~20重量%、0.05~10重量%、0.1~5重量%、または1~2重量%のナイロンを含んでもよい。MPWは、乾燥プラスチック基準で、40重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、または1重量%以下の多成分ポリマーを含んでもよい。MPWは、乾燥プラスチック基準で、0.1~40重量%、1~20重量%、または2~10重量%の多成分ポリマーを含んでもよい。MPWは、乾燥プラスチック基準で、40重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、または1重量%以下の多層ポリマーを含んでもよい。MPWは、乾燥プラスチック基準で、0.1~40重量%、1~20重量%、または2~10重量%の多層ポリマーを含んでもよい。
【0033】
[0051]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、非プラスチック固体は、MPWの少なくとも0.1重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも4重量%、または少なくとも6重量%を構成し、および/またはMPWの25重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、または2.5重量%以下を構成する。非プラスチック固体は、MPWの0.1~25重量%、または1~15重量%、または2~10重量%を構成してもよい。非プラスチック固体には、不活性フィラー材料(例えば、炭酸カルシウム、含水ケイ酸アルミニウム、アルミナ三水和物、および硫酸カルシウム)、金属、岩石、砂、ガラス、添加剤(例えば、増粘剤、顔料および着色剤、難燃剤、抑制剤、UV阻害剤および安定剤、導電性金属または炭素、ならびにステアリン酸亜鉛、ワックス、およびシリコーンなどの離型剤)などが含まれてもよい。
【0034】
[0052]非プラスチック固体はまた、段ボール紙からのセルロース繊維材料などのセルロース系材料を含んでもよい。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、セルロース系材料は、MPWの少なくとも0.01重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%、または少なくとも0.5重量%を構成し、および/またはMPWの20重量%以下、15重量%以下、12重量%以下、または10重量%以下を構成する。セルロース系材料は、MPWの0.01~20重量%、0.1~15重量%、0.5~10重量%、または1~5重量%を構成してもよい。このようなセルロース系材料は、例えば後述の密度分別プロセス中に、プラスチック粒子の分別を妨げる可能性がある。従って、MPWを本明細書に記載のプラスチック分別プロセスに供給する前に、摩擦洗浄機または他のプロセスを使用して、MPWから段ボール紙および/または他のセルロース系材料を取り除いてもよい。
【0035】
[0053]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、液体は、MPWの少なくとも0.01重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、または少なくとも1重量%を構成し、および/またはMPWの25重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、または2.5重量%以下を構成する。液体は、MPWの0.01~25重量%、0.1~10重量%、0.5~5重量%、または1~2.5重量%を構成してもよい。
【0036】
[0054]MPWは、(使用後または製造後または使用前の)再資源化織物を含んでもよい。織物は、天然繊維および/または合成繊維、錬紡布、織糸、不織布、服地、織生地、および前述の品目のいずれかから作製されるまたはそれを含む製品を含んでもよい。織物は、織られた、編まれた、結ばれた、縫われた、房状にされた、フェルト作業で実施されるような繊維と共に押圧された、刺繍された、縁飾りされた、かぎ針編みされた、撚り合された布、あるいは不織布および材料であってもよい。本明細書で使用される「織物」は、繊維、小片または規格外の繊維または織糸または織生地、あるいは遊離繊維および織糸の任意の他の供給源を含む織物、または他の製品から分別された織物および繊維を含む。織物はまた、短繊維、連続繊維、織り糸、トウバンド、撚糸および/または紡績糸、織糸から製造された生機、生機を湿式加工して製造された完成品生地、および完成品生地またはその他の生地から製造された衣類を含む。織物には、衣服、内装家具、および産業用の織物を含む。織物には、製造後の織物または使用後の織物、あるいはその両方が含まれる。
【0037】
[0055]衣服区分での織物(ヒトが着用する、または身体用に製造された物品)の例としては、スポーツコート、スーツ、ズボン、カジュアル用または作業用パンツ、シャツ、靴下、スポーツウェア、ドレス、下着、雨用上着などの外出着、防寒用上着やコート、セーター、防護服、ユニフォーム、およびスカーフ、帽子、手袋などの服飾品が挙げられる。内装家具区分の織物の例としては、室内装飾品およびソファーカバー、カーペットおよびラグ、カーテン、およびシーツ、枕カバー、羽毛布団、掛け布団、マットレスカバーなどの寝具;ならびにリネン、テーブルクロス、タオル、手ぬぐい、および毛布が挙げられる。産業用織物の例として、輸送(自動車、飛行機、電車、バス)用シート、フロアマット、トランク用裏地、およびヘッドライナー;ならびに屋外用家具およびクッション、テント、リュックサック、旅行鞄、ロープ、コンベアベルト、カレンダーロール用フェルト、研磨用布、雑巾、土壌浸食用織布および地質用織布、農業用マットおよび網、個人用保護具、防弾チョッキ、医療用包帯、縫合糸、テープなどが挙げられる。
【0038】
[0056]織物として分類される不織布は、湿式不織布およびそれから製造された物品の区分を含まない。同一の機能を有する様々な物品を乾式プロセスまたは湿式プロセスから製造できるが、乾式不織布から製造された物品は織物として分類される。本明細書に記載の乾式不織布から形成できる適切な物品の例には、個人用、消費者用、産業用、食品サービス用、医療用の物品、および他種の目的用途のための物品を含んでもよい。具体例としては、限定はされないが、乳児用尻拭き、流せる尻拭き、使い捨ておむつ、トレーニングパンツ、生理用ナプキンやタンポンなどの女性用衛生用品、大人用失禁パッド、下着またはブリーフ、およびペット用トレーニングパッドが含まれてもよい。その他の例としては、(個人介護用や家庭用などの)消費者用、および(食品サービス用、健康管理用、専門分野用などの)産業用の拭き取り布を含む、様々な乾式または湿式拭き取り布が挙げられる。不織布はまた、枕、マットレス、室内装飾品のための詰め物、ベッド上掛けや掛け布団の詰め綿として使用してもよい。医療分野および産業分野では、本発明での不織布は、医療用および産業用顔面マスク、防護服、帽子、および靴カバー、使い捨てシート、外科用上衣、掛け布、包帯、および医療包帯剤に使用されてもよい。さらに、本明細書に記載の不織布は、地質用織布および防水用帆布、油吸収パッドおよび化学吸収パッドなどの環境用織布、ならびに防音材または断熱材、テント、材木用および土壌用カバーおよびシート材などの建築材料に使用してもよい。不織布はまた、カーペットの裏地、消費財、工業製品、および農産物のための包装材、断熱材または防音材、および種々の衣料品など、その他の消費者の目的用途に使用してもよい。本明細書に記載の乾式不織布はまた、輸送(例えば、自動車または航空機)用、商業用、住宅用、産業用、または他の特殊用途を含む様々な濾過用途に使用してもよい。例としては、消費者向けまたは産業用の空気または液体フィルター(ガソリン、オイル、水など)のフィルター要素が挙げられ、これには、精密濾過用に使用されるナノ繊維布、ならびにティーバッグ、コーヒーフィルター、ドライヤーシートなどの目的用途が含まれる。さらに本明細書に記載の不織布を使用して、限定はされないが、ブレーキパッド、トランク用裏地、房状カーペット、および下地パッドを含む、自動車用の様々な部品を形成してもよい。
【0039】
[0057]織物は、単一種または複数種の天然繊維、および/または単一種または複数種の合成繊維を含んでもよい。織物繊維の組合せの例として、全て天然繊維、全て合成繊維、2種以上の天然繊維、2種以上の合成繊維、1種の天然繊維と1種の合成繊維、1種の天然繊維と2種以上の合成繊維、2種以上の天然繊維と1種の合成繊維、および2種以上の天然繊維と2種以上の合成繊維が挙げられる。
【0040】
[0058]天然繊維には、植物由来または動物由来の繊維が含まれる。天然繊維は、セルロース、ヘミセルロース、およびリグニンであってもよい。植物由来の天然繊維の例には、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、および木粉;ならびに小麦わら、稲わら、マニラ麻、ココナツ外皮繊維、綿、亜麻、麻、ジュート、バガス、カポック、パピルス、ラミー、トウ、つる、ケナフ、アバカ、ヘネケン、サイザル麻、大豆、穀物わら、竹、葦、エスパルト繊維、サトウキビ残渣、サバイ草、トウワタフロス繊維、パイナップル葉繊維、スイッチグラス、リグニン含有植物などが含まれる。動物由来繊維の例には、羊毛、絹、モヘア、カシミア、山羊毛、馬毛、鳥類の繊維、ラクダ毛、アンゴラ毛、およびアルパカ毛が含まれる。
【0041】
[0059]合成繊維は、少なくとも部分的に化学反応によって合成または誘導体化された繊維、あるいは再生された繊維であり、合成繊維として、限定はされないが、レーヨン、ビスコース、マーセル法で処理された繊維、あるいはリヨセル(テンセルとしても知られる)、キュプロ、モダールなどの他種の再生(天然セルロースの可溶性セルロース誘導体への変換およびそれに続く再生)セルロース、ポリ酢酸ビニルなどの酢酸塩、ナイロンを含むポリアミド、PETなどのポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレンなどのオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリ硫酸塩、ポリスルホン、スパンデックスまたはエラスタンとして知られるポリエーテル尿素などのポリエーテル、ポリアクリル酸塩、アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、スルホポリエステルの各繊維、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0042】
[0060]織物は、上述の任意の形態であってもよく、例えば細断、粉砕、破砕、摩滅、微粉化、または切断によって寸法を縮小して、寸法を縮小した織物としてもよい。織物は高密度化してもよい。高密度化するプロセスの例としては、摩擦力によって発生する熱、または押出によって生成される粒子、または織物に加えられる他の外部からの熱によって織物を凝集させて、織物の一部または全部を軟化または溶融させるプロセスが含まれる。
【0043】
[0061]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW中の織物(織物繊維を含む)の量は、MPWの重量に対して、少なくとも0.1重量%、または少なくとも0.5重量%、または少なくとも1重量%、または少なくとも2重量%、または少なくとも5重量%、または少なくとも8重量%、または少なくとも10重量%、または少なくとも15重量%、または少なくとも20重量%の織物または織物繊維から得られる材料である。MPW中の織物(織物繊維を含む)の量は、MPWの重量に対して、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、8重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、0.01重量%以下、または0.001重量%以下であってもよい。
【0044】
[0062]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW中の織物(織物繊維を含む)の量は、MPWの重量に対して、少なくとも0.1重量%、または少なくとも1重量%、または少なくとも5重量%、または少なくとも10重量%、または少なくとも20重量%の織物または織物繊維から得られる材料である。MPW中の織物(織物繊維を含む)の量は、MPWの重量に対して、0.1~50重量%、または1~40重量%、または5~35重量%、または10~30重量%、または20~25重量%の織物または織物繊維から得られる材料であってもよい。
【0045】
[0063]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、別の処理施設、例えば地方自治体の再資源化施設または再生施設からの廃棄物の流れとして提供される。MPWは、乾燥プラスチック基準で、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%のPETを含む、および/または99重量%以下、98重量%以下、97重量%以下、96重量%以下、または95重量%以下のPETを含む、MRFまたは再生廃棄物の流れを含んでもよい。MPWは、20~99重量%、50~98重量%、75~97重量%、または90~95重量%のPETを含む、MRFまたは再生廃棄物の流れを含んでもよい。
【0046】
[0064]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、乾燥プラスチック基準で、50重量%~90重量%のPETを含む着色PET廃棄物の流れを含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、乾燥プラスチック基準で、25重量%~75重量%のPETを含む湿潤微粉廃棄物の流れを含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、乾燥プラスチック基準で80重量%~98重量%のPETを含む渦電流発生(金属)廃棄物の流れを含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、乾燥プラスチック基準で、40重量%~80重量%のPETを含むフレーク状の廃棄物の流れを含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、乾燥プラスチック基準で、95重量%~99重量%のPETを含むプラスチック粉塵廃棄物の流れを含む。
【0047】
[0065]本明細書に記載の分別プロセス、特にこの実施態様での第1の密度分別段階へのMPW供給原料は、未処理のMPW、あるいは圧縮梱包を解かれ(debaled)、(例えば、MPW粒子を形成するために)寸法の縮小処理を受け、またはその他の方法で処理または前処理されたMPWを含んでもよい。そのような条件でも、分別プロセス、特に第1の密度分別段階へのMPW供給原料は、上述の量でのプラスチック成分および非プラスチック成分を含んでもよい。しかしながら一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、分別プロセス、特に第1の密度分別段階へのMPW供給原料は、以下の説明のように、1種以上の特定の成分を比較的少量で含んでもよく、または全く含まなくてもよい。
【0048】
[0066]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW供給原料は、乾燥基準でMPW供給原料の総重量を100重量%として、20重量%以下、15重量%以下、12重量%以下、10重量%以下、8重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、または1重量%以下の生物系廃棄物材料を含む。MPW供給原料は、乾燥基準でMPW供給原料の総重量を100重量%として、0.01~20重量%、0.1~10重量%、0.2~5重量%、または0.5~1重量%の生物系廃棄物材料を含んでもよい。本明細書で使用される用語「生物系廃棄物」は、生きている生物由来または有機起源の材料を指す。例示的な生物系廃棄物材料としては、限定はされないが、綿、木材、おがくず、食物屑、動物および動物の部分、植物および植物の部分、および天然肥料が挙げられる。
【0049】
[0067]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW供給原料は、乾燥基準でMPW供給原料の総重量を100重量%として、20重量%以下、15重量%以下、12重量%以下、10重量%以下、8重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、または1重量%以下のセルロース加工製品を含む。MPW供給原料は、乾燥基準でMPW供給原料の総重量を100重量%として、0.01~20重量%、0.1~10重量%、0.2~5重量%、または0.5~1重量%のセルロース加工製品を含んでもよい。本明細書で使用される用語「セルロース加工製品」は、セルロース系繊維を含む、非天然(すなわち人工または機械加工の)物品およびそれらの小片を指す。セルロース加工製品の例としては、限定はされないが、紙および段ボール紙が挙げられる。
【0050】
[0068]上述のように、MPWは非プラスチック固体を含んでもよい。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWから非プラスチック固体を除去するために、別の分別プロセスは必要とされず、または含まれない。しかし一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW供給原料が分別プロセス、特に第1の密度分別段階に供給される前に、MPW中の少なくとも一部の非プラスチック固体は分別されてもよい。いずれにしても、MPW供給原料は、乾燥基準でMPW供給原料の総重量を100重量%として、20重量%以下、15重量%以下、12重量%以下、10重量%以下、8重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、または1重量%以下の非プラスチック固体を含んでもよい。MPW供給原料は、乾燥基準でMPW供給原料の全重量を100重量%として、0.01~20重量%、0.1~10重量%、0.2~5重量%、または0.5~1重量%の非プラスチック固体を含んでもよい。
【0051】
[0069]分別後に、PET富化流20は一般的に、乾燥基準で、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%のPETを含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、乾燥基準で、70~99.9重量%、80~99重量%、または90~98重量%のPETを含む。
【0052】
[0070]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20では、未希釈固体の乾燥基準で、MPW流10またはPET減少流30またはその両方でのPETの濃度に対して、PETの濃度が富化されている。例えば、PET富化流20が分別後に液体または他の固体で希釈されている場合でも、この富化は、未希釈のPET富化流20中の濃度を基準としかつ乾燥基準とする。PET富化流20は、MPW流10、PET減少流30、またはその両方に対して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも500%、少なくとも600%、少なくとも700%、少なくとも800%、少なくとも900%、または少なくとも1000%である、以下の数式で決定されるPET富化率を有してもよい。
【0053】
【数1】
【0054】
式中、PETeは、未希釈の乾燥重量基準でのPET富化流20中のPETの濃度であり、
PETmは、乾燥重量基準でのMPW流10中のPETの濃度であり、
PETdは、乾燥重量基準でのPET減少流30中のPETの濃度である。
【0055】
[0071]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、MPW流10、PET減少流30、またはその両方に対して、少なくとも10%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも500%、または少なくとも1000%である、上記の式で決定されるPET富化率を有してもよい。PET富化流20は、MPW流10、PET減少流30、またはその両方に対して、10%~100,000%、100%~50,000%、200%~40,000%、300%~30,000%、500%~20,000%、または1000%~10,000%である、上記の式で決定されるPET富化率を有してもよい。
【0056】
[0072]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20ではまた、MPW流10、PET減少流30、またはその両方中のハロゲン濃度に対して、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびアスタチン(At)などのハロゲン、および/またはPVCなどのハロゲン含有化合物が富化されている。PET富化流20は、MPW流10に対して、少なくとも1%、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも500%である、以下の数式で決定されるPVC富化率を有してもよい。
【0057】
【数2】
【0058】
式中、PVCeは、未希釈の乾燥重量基準でのPET富化流20中のPVCの濃度であり、
PVCmは、未希釈の乾燥重量基準でのMPW流10中のPVCの濃度であり、
PVCdは、未希釈の乾燥重量基準でのPET減少流30中のPVCの濃度である。
【0059】
[0073]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、MPW流10に対して、少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも400%、または少なくとも500%である、上記の式で決定されるPVC富化率を有する。PET富化流20は、MPW流10に対して、1%~50,000%、10%~40,000%、50%~30,000%、100%~20,000%、200%~15,000%、300%~10,000%、400%~5,000%、または500%~1,000%である、上記の式で決定されるPVC富化率を有してもよい。
【0060】
[0074]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、乾燥基準で、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、または少なくとも2重量%、および/または10重量%以下、8重量%以下、または6重量%以下のハロゲンおよび/またはハロゲン含有化合物を含む。PET富化流20は、乾燥基準で、0.1~10重量%、0.5~8重量%、1~6重量%、または2~5重量%のハロゲンおよび/またはハロゲン含有化合物を含んでもよい。しかし当然のことではあるが、PET富化流(およびPET減少流)中のハロゲン濃度が、少なくとも一部分のMPW供給原料中のハロゲン含量に基づくことによって、PET富化流には遥かに少量のハロゲンが存在する場合もある。PET富化流20は、乾燥基準で、1000ppm以下、500ppm以下、100ppm以下、50ppm以下、15ppm以下、10ppm以下、5ppm以下、または1ppm以下のハロゲンおよび/またはハロゲン含有化合物を含んでもよい。
【0061】
[0075]本明細書に記載のように、プラスチックの分別は、1つ以上の密度分別段階を用いて達成できる。典型的なPETプラスチックの密度(約1.27~1.40g/cc)および典型的なPVCプラスチックの密度(1.15~1.7g/cc)は重複するので、密度分別プロセスでは一般に、分別プロセス後にPETプラスチックとともに同一流中にある程度の量のPVCが残留する。従って一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW10中のPVC含量は、PET富化流20とは別のPVC富化流としては分別されない。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW10中のPVC含量の少なくとも50重量%は、PET富化流20中にPETとともにMPWから分別される。PET富化流20は、乾燥基準で、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、または少なくとも2重量%、および/または10重量%以下、8重量%以下、または6重量%以下のPVCを含んでもよい。PET富化流20は、乾燥基準で、0.1~10重量%、0.5~8重量%、1~6重量%、または2~5重量%のPVCを含んでもよい。
【0062】
[0076]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20中のPVC含量は、下流の化学的再資源化プロセスでPET富化流20のPETポリマーを処理する前には、PET富化流20から分別されない。例えば、PET富化流20中の少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、または少なくとも100重量%のPVCが、下流の化学的再資源化プロセスでPET富化流20中のPETポリマーを処理すると、PET富化流20中に残留する可能性がある。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20中の少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%、または少なくとも100重量%のPVCが、下流の化学的再資源化プロセス中でPET富化流20中のPETポリマーを処理すると、PET富化流20中に残留する。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20中の50~100重量%、または75~99重量%、または90~95重量%のPVCが、下流の化学的再資源化プロセス中でPET富化流20中のPETポリマーを処理すると、PET富化流20中に残留する。
【0063】
[0077]別の例では、PET富化流20中の50重量%未満、40重量%未満、30重量%未満、20重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.1重量%未満のPVCが、PET富化流20中のPETポリマーを処理する前にPET富化流20から分別されてもよい。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20中の50重量%未満、25重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、1重量%未満、または0.1重量%未満のPVCが、PET富化流20中のPETポリマーを処理する前にPET富化流20から分別される。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20中の0.001~50重量%、0.01~25重量%、0.1~10重量%、0.5~5重量%、または1~2重量%のPVCが、PET富化流20中のPETポリマーを処理する前にPET富化流20から分別される。
【0064】
[0078]本明細書に記載の密度分別法は、PET富化流20から、より重い(より高い密度の)プラスチックおよびより軽い(より低い密度の)プラスチックを分別および取り出すことができる。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、より軽いプラスチック成分、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが低減されていて、これら成分は一般的にPETおよびPVCよりも著しく低い密度を有し、従って1つ以上の密度分別段階でPETおよびPVCから分別できる。同様に、PET富化流20は一般的に、例えばPETおよびPVCよりも高い密度を有するポリテトラフルオロエチレンなどの重いプラスチックが低減されている。PET富化流20は、乾燥基準で、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、または1重量%以下のポリオレフィンを含んでもよい。PET富化流20は、乾燥基準で、50重量%以下、25重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、または1重量%以下のポリオレフィンを含んでもよい。PET富化流20は、乾燥基準で、0.01~50重量%、0.1~25重量%、0.2~10重量%、0.5~5重量%、または1~2重量%のポリオレフィンを含んでもよい。
【0065】
[0079]さらにMPW10由来の他のプラスチック成分および非プラスチック成分は、密度分別法または他の分別方法によってPET(およびPVC)から分別されてもよい。例えば一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、乾燥基準で、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、または0.1重量%以下の接着剤を含む。PET富化流20は、乾燥基準で、0.001~2重量%、0.01~1重量%、または0.1~0.5重量%の接着剤を含んでもよい。典型的な接着剤として、カーペットの接着剤、ラテックス、スチレンブタジエンゴムなどが挙げられる。
【0066】
[0080]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、PET減少流30に比較してナイロンが低減されている。ナイロンまたはナイロンポリマーは、ポリアミドから構成される合成ポリマーのファミリー(すなわち、アミド結合によって連結された繰返し単位)であり、一般的に溶融処理された繊維、フィルムの形態であり、あるいは他の形状である。特定の流れ中のナイロン含量は、通常は流れ中の窒素含量によって測定または表示してもよい。PET富化流20は、個々の流れ中の窒素原子の重量%の基準で計算して、PET減少流30中のナイロン濃度に対して、それぞれナイロンで少なくとも10%、または少なくとも25%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも97%、または少なくとも98%分低減させてもよい。試料採取法は、それぞれの流れから無作為に試料を採取する工程、場合によってはそれぞれの流れから2週間に亘って24時間毎に2個の試料を採取する工程、および水分含量が10重量%未満になるまで乾燥させる工程を含んでもよい。このような計算を実行する式は、以下の数式に示す通りである。
【0067】
【数3】
【0068】
式中、窒素重量%は流れ中の窒素原子の重量%であり、
dPETはPET減少流であり、
ePETはPET富化流である。
【0069】
[0081]PET富化流20は、MPW10の流れに対して、式1中のePET中の窒素重量%に代えてMPW中の窒素重量%(MPW流中の窒素原子の重量%)を代入して同じ式を用いて、上述と同じ量でナイロンの濃度を低減させてもよい。
【0070】
[0082]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、PET富化流20に比較してナイロンの濃度が富化されている。PET減少流30は、個々の流れ中の窒素原子の重量%の基準で計算して、PET富化流20中のナイロン濃度に対して、それぞれナイロン濃度で少なくとも10%、または少なくとも25%、または少なくとも50%、または少なくとも75%、または少なくとも100%、または少なくとも150%、または少なくとも200%、または少なくとも250%、または少なくとも300%、または少なくとも350%、または少なくとも400%、または少なくとも450%、または少なくとも500%、または少なくとも600%、または少なくとも700%、または少なくとも800%、または少なくとも1000%分富化させてもよい。試料採取法は、それぞれの流れから無作為に試料を採取する工程、場合によってはそれぞれの流れから2週間に亘って24時間毎に2個の試料を採取する工程を含んでもよい。このような計算を実行する式は、以下の数式に従う。
【0071】
【数4】
【0072】
式中、窒素重量%は流れ中の窒素原子の重量%であり、
dPETはPET減少流であり、
ePETはPET富化流である。
【0073】
[0083]PET減少流30は同じ式2を用いて、式2中のePET中の窒素重量%に代えてMPW中の窒素重量%(MPW流中の窒素原子の重量%)を代入して、MPW10の流れに対して、それぞれナイロンの濃度で少なくとも10%、または少なくとも25%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%分富化させてもよい。
【0074】
[0084]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、乾燥基準で、1重量%以下、0.5重量%以下、0.1重量%以下、0.05重量%以下、または0.03重量%以下のナイロンを含む。PET富化流20は、乾燥基準で、0.001~10重量%、0.005~5重量%、または0.01~1重量%、または0.02~0.1重量%のナイロンを含んでもよい。
【0075】
[0085]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、MPW10、PET減少流30、またはその両方に比較して、多層ポリマーが低減されている。PET富化流20は、乾燥基準で、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、または0.1重量%以下の多層ポリマーを含んでもよい。PET富化流20は、乾燥基準で、0.01~10重量%、0.05~5重量%、または0.1~2重量%、または0.5~1重量%の多層ポリマーを含んでもよい。
【0076】
[0086]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、MPW10、PET減少流30、またはその両方に比較して、多成分ポリマーが低減されている。PET富化流20は、乾燥基準で、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、または0.1重量%以下の多成分ポリマーを含んでもよい。PET富化流20は、乾燥基準で、0.01~10重量%、0.05~5重量%、または0.1~2重量%、または0.5~1重量%の多成分ポリマーを含んでもよい。
【0077】
[0087]さらに一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、乾燥基準で、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、または0.1重量%以下のプラスチック充填剤および固形添加剤を含む。PET富化流20は、乾燥基準で、0.001~4重量%、0.01~2重量%、または0.1~1重量%のプラスチック充填剤および固形添加剤を含んでもよい。例示的な充填剤および添加剤には、二酸化ケイ素、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ガラス、ガラスビーズ、アルミナ、および本明細書に記載のプロセスでプラスチックまたは他の成分と化学的に反応しない他の固形不活性物が含まれる。
【0078】
[0088]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、0.2重量%以下、または0.1重量%以下のセルロース系材料を含む。PET富化流20は、0.001~4重量%、0.01~2重量%、または0.1~1重量%のセルロース系材料を含んでもよい。
【0079】
[0089]以下により詳細に記載されるように、一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、本明細書に記載の前処理工程(例えば摩擦洗浄工程)および/または分別プロセスは、多層ポリマーまたは他の多成分ポリマーの形態でPETに会合するナイロンおよび他のポリマーまたは非ポリマー固体を分別する際に、特に効果的となる可能性がある。会合の形式に関係なく、前処理および/または分別プロセスは、PETからナイロンおよび/または他のポリマーおよび非ポリマー固体を効果的に解離および分別でき、それによってこれらの成分の分別効率を高めることが可能になる。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、乾燥基準で、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.5重量%以下、または0.1重量%以下の会合したPET-ナイロンを含む。PET富化流20は、乾燥基準で、0.001~5重量%、0.01~2重量%、または0.1~1重量%の会合したPET-ナイロンを含んでもよい。PET富化流20は、乾燥基準で、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、2重量%以下、または1重量%以下の、MPW中および/または第1の分別段階に供給されるMPW供給原料流中に存在する会合したPET-ナイロンを含んでもよい。PET富化流20は、乾燥基準で、0.01~20重量%、0.1~10重量%、または1~5重量%の、MPW中および/または第1の分別段階に供給されるMPW供給原料流中に存在する会合したPET-ナイロンを含んでもよい。
【0080】
[0090]PET減少流30中のPETの重量濃度は、通常は、それぞれ未希釈の乾燥重量基準で、PET富化流20中のPETの濃度、またはMPW供給原料10中のPETの濃度、またはMPW供給原料10およびPET富化流20中のPETの濃度よりも低い。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30はまた、PET富化流20中のPVCの濃度、またはMPW供給原料10中のPVCの濃度、またはMPW供給原料10およびPET富化流20の両方中のPVCの濃度に比較して、PVCの濃度が低減されている。PET減少流は、乾燥プラスチック基準で、10重量%以下、8重量%以下、6重量%以下、4重量%以下、2重量%以下、または1重量%以下のPVCを含んでもよい。PET減少流は、乾燥プラスチック基準で、0.01~10重量%、0.1~5重量%、または1~2重量%のPVCを含んでもよい。
【0081】
[0091]PETからのポリオレフィンの分別により、PET減少流30は、未希釈の固体乾燥基準で、MPW供給原料10、またはPET富化流20、またはその両方中のポリオレフィンの濃度に比較して、ポリオレフィンが富化されている。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、MPW流10に対して、またはPET富化流20に対して、またはその両方に対して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも100%、少なくとも125%、少なくとも150%、少なくとも175%、少なくとも200%、少なくとも225%、少なくとも250%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも500%、少なくとも600%、少なくとも700%、少なくとも800%、少なくとも900%、または少なくとも1000%である、以下の数式で決定されるポリオレフィン富化率を有する。
【0082】
【数5】
【0083】
式中、POdは、未希釈の乾燥重量基準でのPET減少流30中のポリオレフィンの濃度であり、
POmは、乾燥重量基準でのMPW流10中のPOの濃度であり、
POeは、PET富化流20中のPOの濃度である。
【0084】
[0092]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、MPW流10に対して、またはPET富化流20に対して、またはその両方に対して、少なくとも10%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも500%、または少なくとも1000%である、上記の式で決定されるポリオレフィン富化率を有する。PET減少流30は、MPW流10に対して、またはPET富化流20に対して、またはその両方に対して、10%~50,000%、100%~40,000%、200%~30,000%、500%~20,000%、または1000%~10,000%である、上記の式で決定されるポリオレフィン富化率を有する。
【0085】
[0093]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30はまた、MPW流10、PET富化流20、またはその両方中のハロゲンの濃度に比較して、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびアスタチン(At)などのハロゲン、および/またはPVCなどのハロゲン含有化合物が低減されている。PET減少流30は、MPW流10またはPET富化流20に対して、少なくとも1%、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%である、以下の数式で決定されるPVC減少率を有してもよい。
【0086】
【数6】
【0087】
式中、PVCmは、未希釈の乾燥重量基準でのMPW流10中のPVC濃度であり、
PVCdは、未希釈の乾燥重量基準でのPET減少流30中のPVC濃度であり、
PVCeは、未希釈の乾燥重量基準でのPET富化流20中のPVC濃度である。
【0088】
[0094]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、MPW流10またはPET富化流20に対して、少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%である、上記の式で決定されるPVC減少率を有してもよい。PET減少流30は、MPW流10またはPET富化流20に対して、1%~100%、10%~99%、25%~98%、50%~97%、75%~96%、または90%~95%である、上記の式で決定されるPVC減少率を有してもよい。
【0089】
[0095]一実施態様では、または他の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30はまた、MPW流10、PET富化流20、またはその両方中のPETの濃度に比較してPETが低減されている。PET減少流30は、MPW流10またはPET富化流20に対して、少なくとも1%、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、または少なくとも90%である、以下の数式で決定されるPET減少率を有してもよい。
【0090】
【数7】
【0091】
式中、PETmは、未希釈の乾燥重量基準でのMPW流10中のPETの濃度であり、
PETdは、未希釈乾燥重量基準でのPET減少流30中のPETの濃度であり、
PETeは、未希釈の乾燥重量でのPET富化流20中のPETの濃度である。
【0092】
[0096]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、MPW流10またはPET富化流20に対して、少なくとも1%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、または少なくとも90%である、上記の式で決定されるPET減少率を有する。PET減少流30は、MPW流10またはPET富化流20に対して、1%~100%、10%~99%、25%~98%、50%~97%、75%~96%、または90%~95%である、上記の式で決定されるPET減少率を有する。
【0093】
[0097]上記の実施態様のいずれかでの富化率または減少率は、1週間に亘る、または3日に亘る、または1日に亘る平均値であってもよく、入口から出口まで流れるMPWの滞留時間を考慮に入れて、測定は、プロセスの出口で採取された試料をMPWの試料が由来するMPW全体量に合理的に相関させるように実施されてもよい。例えばMPWの平均滞留時間が2分の場合には、その試料が互いに相関するように、入口試料の2分後に出口試料を採取するようにする。
【0094】
[0098]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、乾燥プラスチック基準で、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または少なくとも98重量%のポリオレフィンを含む。PET減少流30は、乾燥プラスチック基準で、少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも90重量%、または少なくとも98重量%のポリオレフィンを含んでもよい。PET減少流30は、乾燥プラスチック基準で、50~100重量%、75~99重量%、または90~98重量%のポリオレフィンを含んでもよい。
【0095】
[0099]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、MPW10、PET富化流20、またはその両方に比較して、ナイロンが富化されている。PET減少流30は、乾燥プラスチック基準で、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、または少なくとも2重量%、および/または10重量%以下、8重量%以下、6重量%以下、または4重量%以下のナイロンを含んでもよい。PET減少流30は、乾燥プラスチック基準で、0.1~10重量%、0.5~8重量%、1~6重量%、または2~4重量%のナイロンを含んでもよい。PET減少流中のナイロン対PET富化流中のナイロンの重量比は、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも50:1、または少なくとも100:1であってもよい。
【0096】
[0100]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、MPW10、PET富化流20、またはその両方に比較して、多層ポリマーが富化されている。しかし一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、MPW10に比較して、多層ポリマーが低減されている。PET減少流30は、乾燥プラスチック基準で、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.1重量%、または少なくとも1重量%、および/または10重量%以下、8重量%以下、6重量%以下、または4重量%以下の多層ポリマーを含んでもよい。PET減少流30は、乾燥プラスチック基準で、0.001~10重量%、0.01~8重量%、0.1~6重量%、または1~4重量%の多層ポリマーを含む。PET減少流中の多層ポリマー対PET富化流中の多層ポリマーの重量比は、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも50:1、または少なくとも100:1であってもよい。
【0097】
[0101]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、MPW10、PET富化流20、またはその両方に比較して、多成分ポリマーが富化している。しかし一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、MPW10に比較して、多成分ポリマーが低減されている。PET減少流30は、乾燥プラスチック基準で、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.1重量%、または少なくとも1重量%、および/または10重量%以下、8重量%以下、6重量%以下、または4重量%以下の多成分ポリマーを含んでもよい。PET減少流30は、乾燥プラスチック基準で、0.001~10重量%、0.01~8重量%、0.1~6重量%、または1~4重量%の多成分ポリマーを含んでもよい。PET減少流中の多成分ポリマー対PET富化流中の多成分ポリマーの重量比は、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも50:1、または少なくとも100:1であってもよい。
【0098】
[0102]上述のように、一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、分別工程は少なくとも1つの密度分別段階を含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、分別工程は、少なくとも2つの密度分別段階(すなわち第1および第2の密度分別段階)を含む。少なくとも1つの密度分別段階は、浮沈式密度分別段階および/または遠心力式密度分別段階を含んでもよい。浮沈式密度分別段階は、成分の密度差に基づいて供給混合物の成分を分別できる、水などの液状媒体を保持するタンク、容器、または他の適切な容器を指す。液状媒体より密度の高い成分はタンクの底部に沈降し、液状媒体より密度の低い成分は液面に浮遊する。様々な機械的手段を用いて、沈降成分を重量物または「高密度」流として回収し、かつ浮遊成分を軽量物または「低密度」流として回収してもよい。
【0099】
[0103]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、液状媒体は水を含む。塩、糖類、および/またはその他の添加剤を液状媒体に添加して、例えば液状媒体の密度を増加させ、かつ浮沈式分別段階の目標分別密度を調整してもよい。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、液状媒体は濃厚塩溶液を含む。1つ以上のそのような実施態様では、塩は塩化ナトリウムである。しかし1つ以上の他の実施態様では、塩は、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、および/または水酸化物などの非ハロゲン化塩である。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、液状媒体は、臭化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硝酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、酢酸カリウム、臭化カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化セシウム、塩化鉄、塩化ストロンチウム、塩化亜鉛、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、および/または硝酸銀を含む濃厚塩溶液を含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、塩は苛性成分である。濃厚塩溶液は、7を超える、8を超える、9を超える、または10を超えるpHを有してもよい。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、塩は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および/または炭酸カリウムを含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、塩は炭酸カリウムである。好都合なことに、濃厚塩溶液が炭酸カリウムおよび/または他の苛性成分(例えば、水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムなどの水酸化物)を含む場合には、病原体および悪臭を制御するための別の苛性成分の使用を回避できる。従って一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、別の苛性成分を密度分別段階に導入しない。さらに濃厚塩溶液が苛性成分を含む場合に、および/または別の苛性成分が本明細書に記載の分別プロセスに添加される場合に、苛性成分は病原体を殺傷でき(または病原体の増殖を阻害でき)、かつその場で(例えば密度分別プロセスで)臭気を除去できる。これにより、病原体や臭気を制御するための個別の単位操作が不要になる。従って一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、前記密度分別段階に導入される前に、別の抗菌処理段階には供されない。本明細書で使用される用語「抗菌処理段階」は、特に病原体を殺傷する(または病原体の増殖を阻害する)および/または原料から臭気を除去するための専用の単位操作を指す。
【0100】
[0104]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、液状媒体はショ糖などの糖類を含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、液状媒体は、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロベンゼン、硫酸ジメチル、および/またはトリクロロエチレンを含む。液状媒体の特定の成分および濃度は、分別段階の所望の目標分別密度に応じて選択してもよい。
【0101】
[0105]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、遠心力式密度分別段階は、渦巻きを利用して成分の密度差に基づいて供給混合物の成分を分別する装置を指す。この装置は、遠心加速度によって密度のより低い成分が渦巻きの中心部に向かって移動し、密度のより高い成分が中心部から離れて移動するように構成できる。遠心力式密度分別段階は、サイクロン分別器であってもよい。遠心力式密度分別段階は、流体抵抗に対するその向心力の比率に基づいて成分を分別する液状媒体を含む液体サイクロン分別器であってもよい。以下により詳細に説明するように、好都合なことに、液体サイクロン分別器中の摩擦および/または苛性溶液は、多層ポリマー材料中の個々のプラスチック成分を分別するのに効果的である可能性がある。従って1つ以上の液体サイクロン分別器を使用すると、ナイロンおよびプラスチックフィルムからのPETの分別効率、ならびにPETフィルムからの他のプラスチックまたは非プラスチックの分別効率を高めることができる。これにより、PET富化流中のナイロンおよびプラスチックフィルムの含量を低減させる、および/またはPET減少流(例えばオレフィン富化流)中のPETを低減させる効果を発揮できる。遠心力式密度分別段階では、浮沈式段階に関する上述と同じ液状媒体または異なる液状媒体のいずれかを使用してもよく、また例えば液状媒体の密度を増加させ、かつ目標の分別密度を調整するために、塩、糖類、および/または他の添加剤を含んでもよい。遠心力式密度分別段階は、垂直または角度の付いた/傾斜した装置を含んでもよい。実施態様に依らずに、遠心力式密度分別段階では、原料混合物が中間位置に供給され、重質流または軽質流のうちの一方が供給部の上方の位置から除去され、他方が供給部の下方の位置から除去されるように構成されてもよい。遠心力式密度分別段階は、密度のより高い材料のための壁出口の上方の位置に、密度のより低い材料のための中央出口を含んでもよい。
【0102】
[0106]少なくとも2つの密度分別段階を利用する実施態様を以下に説明する。
[0107]図2に示すように、一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、廃棄プラスチックの分別方法は、少なくとも2つの密度分別段階140、150を含む。その特定の実施態様では、この方法は、通常は廃棄プラスチック(MPW)混合粒子110を第1の密度分別段階140に導入する工程、および第1の密度分別段階140からの産出物142を第2の密度分別段階150に供給する工程を含む。密度分別段階140、150は、本明細書で定義されるように、密度分別プロセスを実行する任意のシステムまたは単位操作であってもよい。密度分別段階140、150のうちの少なくとも1つは、遠心力式分別段階または浮沈式分別段階を含んでもよい。第1の密度分別段階140および第2の密度分別段階150のそれぞれは、遠心力式分別段階および/または浮沈式分別段階を含んでもよい。
【0103】
[0108]PET富化材料流120を生成するために、密度分別段階140、150のうちの一方は、通常は低密度分別段階を含み、他方は、通常は高密度分別段階を含む。本明細書で定義されるように、低密度分別段階の目標分別密度は、高密度分別段階の目標分別密度よりも低い。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、低密度分別段階の目標分別密度は、PETの密度よりも低く、高密度分別段階の目標分別密度は、PETの密度よりも高い。
【0104】
[0109]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、低密度分別段階の目標分別密度は、1.35g/cc未満、1.34g/cc未満、1.33g/cc未満、1.32g/cc未満、1.31g/cc未満、または1.30g/cc未満であり、および/または少なくとも1.25g/cc、少なくとも1.26g/cc、少なくとも1.27g/cc、少なくとも1.28g/cc、または少なくとも1.29g/ccである。
【0105】
[0110]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、高密度分別段階の目標分別密度は、低密度分別段階の目標分別密度よりも、少なくとも0.01g/cc、少なくとも0.025g/cc、少なくとも0.05g/cc、少なくとも0.075g/cc、少なくとも0.1g/cc、少なくとも0.15g/cc、または少なくとも0.2g/cc高い。高密度分別段階の目標分別密度は、低密度分別段階の目標分別密度よりも、0.01~20g/cc、0.025~18g/cc、0.05~15g/cc、0.075~12g/cc、0.1~10g/cc、0.15~5g/cc、または0.2~1g/cc高くてもよい。
【0106】
[0111]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、高密度分別段階の目標分別密度は、少なくとも1.31g/cc、少なくとも1.32g/cc、少なくとも1.33g/cc、少なくとも1.34g/cc、少なくとも1.35g/cc、少なくとも1.36g/cc、少なくとも1.37g/cc、少なくとも1.38g/cc、少なくとも1.39g/cc、または少なくとも1.40g/ccであり、および/または1.45g/cc以下、1.44g/cc以下、1.43g/cc以下、1.42g/cc以下、または1.41g/cc以下である。
【0107】
[0112]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、低密度分別段階の目標分別密度は、1.25~1.35g/cc、1.26~1.34g/cc、1.27~1.33g/cc、1.28~1.32g/cc、または1.29~1.31g/ccの範囲にあり、および/または前記高密度分別段階の目標分別密度は、1.35~1.45g/cc、1.36~1.44g/cc、1.37~1.43g/cc、1.38~1.42g/cc、または1.39~1.41g/ccの範囲にある。
【0108】
[0113]当然のことであるが、本明細書に示される目標分別密度は、分別プロセスで使用される濃厚塩溶液の密度を目標とするのではなく、分別するプラスチック密度を目標とすることを指し、その濃厚塩溶液の密度はプラスチック材料での目標分別密度と同じであってもなくてもよい。例えば典型的な浮沈式分別段階では、プラスチックと濃厚塩溶液の密度は同じ、あるいは実質的に同じである。しかしながら、典型的な液体サイクロン分別段階では、濃厚塩溶液の密度は、通常は目標プラスチック密度よりも高くはなく、濃厚塩溶液の密度は目標プラスチック密度よりも低くてもよい。さらに当然のことであるが、請求されまたは提示される目標分別密度値またはその範囲は、目的に依らずかつ塩溶液の密度に依らず、そのプロセスが請求されまたは提示される目標分別密度値内の数値で実際にプラスチックを分別できる場合には、確立されたあるいは満足されたと見做される。
【0109】
[0114]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、液体サイクロン分別器は、通常は0.95~1.45g/ccの液体密度を有する濃厚塩溶液とともに使用する。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、液体サイクロン分別器は、1.25~1.35g/ccの液体密度を有する濃厚塩溶液、および1.25~1.35g/ccの目標プラスチック分別密度とともに使用してもよい。このような実施態様では、一般により高いPET純度が可能となるが、収率の損失は大きくなる。液体サイクロン分別器はまた、0.95~1.20g/ccまたは1.00~1.10g/ccの密度を有する濃厚塩溶液、および1.25~1.35g/ccの目標プラスチック分別密度とともに使用してもよい。このような実施態様では、一般にPET純度は低下するが、PETの収率は高くなる。従って1つ以上の液体サイクロン密度分別器を使用する場合には、濃厚塩溶液の密度を、所望のPET純度および/または収率の仕様に基づいて、選択、調整、または制御してもよい。
【0110】
[0115]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、前記第1の密度分別段階140または第2の密度分別段階150のうちの少なくとも1つは、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%のPETに関する密度分別効率を有する。前記第1の密度分別段階140または第2の密度分別段階150のうちの少なくとも1つは、90~99.9%、95~99.5%、または98~99%のPETに関する密度分別効率を有してもよい。
【0111】
[0116]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、前記第1の密度分別段階140および第2の密度分別段階150のそれぞれは、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%のPETに関する密度分別効率を有する。前記第1の密度分別段階140および第2の密度分別段階150のそれぞれは、90~99.9%、95~99.5%、または98~99%のPETに関する密度分別効率を有してもよい。
【0112】
[0117]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の密度分別段階140は低密度分別段階であり、第2の密度分別段階150は高密度分別段階である。第1の密度分別段階140は、ポリオレフィン富化流としての第1のPET減少流132、および第2の密度分別段階150に供給されるPET富化産出流142を生成できる。PET富化産出流142はまた、PVCが富化されていてもよい。ポリオレフィン富化流としての第1のPET減少流132は、乾燥プラスチック基準で、10重量%未満、5重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.25重量%未満、または0.1重量%未満のPET、および/または10重量%未満、8重量%未満、6重量%未満、4重量%未満、2重量%未満、または1重量%未満のPVCを含んでもよい。ポリオレフィン富化流としての第1のPET減少流132は、乾燥プラスチック基準で、0.001~10重量%、0.01~5重量%、0.1~2重量%、または0.5~1重量%のPVCを含んでもよい。
【0113】
[0118]第2の密度分別段階150に供給されるPET富化産出流142は、第2のPET富化流120、およびPETよりも密度の高いプラスチックおよび/または他の材料を含む、重質物富化流としての第2のPET低減流134に分別される。第2のPET富化流120はまた、PVCが富化されていてもよい。第2のPET富化流120は、ポリオレフィンが低減されていてもよい。重質物富化流としての第2のPET減少流134は、10重量%未満、5重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、または0.1重量%未満のPETを含んでもよい。重質物富化流としての第2のPET減少流134は、0.001~10重量%、0.01~5重量%、または0.1~1重量%のPETを含んでもよい。
【0114】
[0119]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、重質物富化流としての第2のPET減少流134はさらに、密度が1.45g/ccを超える非プラスチック固体および/または重質プラスチックを含む。非プラスチック固体は、砂、金属、および/またはガラスを含んでもよい。第2のPET富化流120は、機械的固液分別および/または乾燥に供されて、それによってPET富化プラスチック材料製品を提供できる。
【0115】
[0120]他の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の密度分別段階140は高密度分別段階であり、第2の密度分別段階150は低密度分別段階である。第1の密度分別段階140は、重質物富化流としての第1のPET減少流132、および第2の密度分別段階150に供給されるPET富化産出流142を生成できる。PET富化産出流142はまた、PVCが富化されていてもよい。PET富化産出流142はまた、ポリオレフィンが富化されていてもよい。重質物富化流としての第1のPET減少流132は、10重量%未満、5重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.25重量%未満、または0.1重量%未満のPETを含んでもよい。重質物富化流としての第2のPET減少流134は、0.001~10重量%、0.01~5重量%、または0.1~1重量%のPETを含んでもよい。
【0116】
[0121]さらに一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、重質物富化流としての第1のPET減少流132はさらに、1.41g/ccを超える、1.42g/ccを超える、1.43g/ccを超える、1.44g/ccを超える、または1.45g/ccを超える密度を有する非プラスチック固体および/または重質プラスチックを含む。非プラスチック固体は、砂、金属、および/またはガラスを含んでもよい。
【0117】
[0122]第2の密度分別段階150に供給されたPET富化産出流142は、第2のPET富化流120およびポリオレフィン富化流としての第2のPET減少流134に分別される。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第2のPET富化流120はまた、PVCが富化されている。ポリオレフィン富化流としての第2のPET減少流134は、乾燥プラスチック基準で、10重量%未満、5重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.25重量%未満、または0.1重量%未満のPET、および/または10重量%未満、8重量%未満、6重量%未満、4重量%未満、2重量%未満、または1重量%未満のPVCを含んでもよい。ポリオレフィン富化流としての第2のPET減少流134は、乾燥プラスチック基準で、0.001~10重量%、0.01~5重量%、0.1~2重量%、または0.5~1重量%のPVCを含んでもよい。第2のPET富化流120は、機械的固液分別および/または乾燥に供されて、それによってPET富化プラスチック材料製品を提供できる。
【0118】
[0123]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、上記の実施態様のいずれかに従って説明された第1のPET富化流142および第2のPET富化流120は、PET富化材料製品として回収できる。但し第2のPET富化流120は、乾燥基準で、第1のPET富化流142よりもより高い濃度のPETを含むことができる。第1のPET富化流142は、乾燥プラスチック基準で、少なくとも55重量%、少なくとも75重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも98重量%、または少なくとも99重量%のPETを含んでもよい。第2のPET富化流120は、乾燥プラスチック基準で、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、少なくとも99.5重量%、少なくとも99.8重量%、または少なくとも99.9重量%のPETを含んでもよい。
【0119】
[0124]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1のPET富化流142は、乾燥プラスチック基準で、55~99.9重量%、75~99.8重量%、90~99.5重量%、または95~99重量%のPETを含んでもよい。第2のPET富化流120は、乾燥プラスチック基準で、90~100重量%、95~99.9重量%、98~99.8重量%、または99~99.5重量%のPETを含んでもよい。
【0120】
[0125]浮沈式および/または遠心力式密度分別段階の特定の設備を利用する実施態様を以下に説明する。当然のことではあるが、以下に説明される実施態様は、別段の記載がない限り、一般的には上述と同じまたは類似の流れ組成物、分別効率、およびその他の特徴を有する。
【0121】
[0126]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の密度分別段階140および第2の密度分別段階150のそれぞれは、浮沈式密度分別段階を含む。
【0122】
[0127]図3に示すように、一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の浮沈式密度分別段階240は低密度分別段階であり、第2の浮沈式密度分別段階250は高密度分別段階である。
【0123】
[0128]図3を参照すると、混合プラスチック廃棄物(MPW)微粒子210は、プラスチック造粒機208または他の供給源から低密度の浮沈式分別段階240に供給される。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW微粒子210を、本明細書に記載の固体プラスチック微粒子として提供する。本明細書に記載の液状媒体は、低密度の浮沈式段階240に供給される混合プラスチック廃棄物微粒子210と混合してもよい。液状媒体は、MPW微粒子供給物210と混合することなく、低密度の浮沈式段階240に直接供給してもよい。液状媒体は、以下に考察するプロセス内の1つ以上の別の位置に供給されてもよく、例えば第1の分別段階240からの出口流242内に、および/または直接的に第2の分別段階250内に供給されてもよい。当然のことであるが、本実施態様および以下に説明する他の実施態様で使用される液状媒体は、分別段階の所望の目標分別密度に応じて選択してもよい。
【0124】
[0129]図3に示す実施態様では、濃厚塩溶液260は、塩成分262を水264と混合して液状媒体として濃厚塩溶液260を生成することによって調製される。表示のように、濃厚塩溶液260は、第1の浮沈式分別段階240および第2の浮沈式分別段階250の両方に供給される。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、同一の濃厚塩溶液260を分別段階240、250の両方に供給し、各分別段階への濃厚塩溶液260の流量は、第1の浮沈式段階240または第2の浮沈式段階250のうちの一方での塩濃度が、第1の浮沈式段階240または第2の浮沈式段階250のうちの他方での塩濃度よりも高くなるように独立して制御される。図3に示すような実施態様では、各分別段階への濃厚塩溶液260の流量は、第1の浮沈式段階240での塩濃度が、第2の浮沈式段階250での塩濃度よりも低くなるように独立して制御される。塩濃度および/または流量を必要に応じて選択または変更して、それぞれの密度分別段階内で所望の目標分別密度および分別効率を達成できる。当然のことであるが、図3に示す同一または類似のプロセスが、本技術の範囲内で糖類溶液または他の液状媒体を用いて実行されてもよい。
【0125】
[0130]苛性溶液270をまた、調製してMPW微粒子210と混合してもよく、あるいは第1の浮沈式段階240に個別に添加してもよい。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、苛性溶液270は、以下に考察するプロセス内の1つ以上の別の位置に供給されてもよく、例えば第1の分別段階240からの出口流242内に、直接的に第2の分別段階250内に、および/または第1の分別段階240または第2の分別250からの1つ以上の富化流内に供給されてもよい。苛性溶液270は、苛性成分272を水274と混合して調製してもよい。苛性溶液270はまた、加熱してもよく(図示せず)、プロセス装置での洗浄剤および/または殺菌剤として作用し、病原体を殺傷し、かつ流れおよび/または装置内の臭気を低減する。苛性溶液270は、通常は塩基(または強塩基)溶液を含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、苛性溶液は、7を超える、8を超える、9を超える、または10を超えるpHを有する。苛性溶液270は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、および/または水酸化セシウムなどの水酸化化合物を含んでもよい。苛性溶液270は、2~100mg/Lの苛性成分濃度を有してもよい。但し上述のように、濃厚塩溶液は苛性成分を含んでもよい。従って一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、別の苛性溶液および/または苛性成分は、密度分別段階には導入されない。
【0126】
[0131]低密度の浮沈式段階240は、重質物産出流241および低密度(軽質物)流243を含む少なくとも2つの産出物を生成し、この低密度流は、主として一般に重質物産出流241よりも低い密度を有するプラスチックを含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、重質物産出流241は、PETが富化している。重質物産出流241は、PVCが富化していてもよい。低密度流243は、ポリオレフィンが富化していてもよい。
【0127】
[0132]図3の実施態様では、低密度の浮沈式段階240からの低密度流243および重質物産出流241の両方とも水245で濯がれる。低密度流241から得られる湿潤軽質プラスチック248は乾燥され、場合によっては下流のプラスチック化学的再資源化プロセスでの使用のために貯蔵される。
【0128】
[0133]濯ぎ後にPET富化の重質物産出流242は、高密度の浮沈式段階250に供給される。高密度の浮沈式段階250は、高密度の重質物富化流251および中密度のPET富化流253を含む少なくとも2つの産出物を生成する。高密度の重質物富化流251の密度は、それぞれの流れのプラスチック全体の密度に基づいて、中密度のPET富化流253の密度よりも高い。さらに中密度のPET富化流253は、それぞれの流れのプラスチック全体の密度に基づいて、上述の低密度のポリオレフィン富化流243よりも高い密度を有する。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、中密度のPET富化流253はまた、PVCが富化されている。次いで、高密度の浮沈式段階250からのPET富化流253を水245で濯いで、湿潤PET富化プラスチック製品流220を生成して、下流のプラスチック再資源化工程での使用のために乾燥させてもよい。高密度の浮沈式段階250からの高密度の重質物流251は、場合によっては低密度流243からの湿潤軽質プラスチックと混合して水245で濯いで乾燥させてもよく、あるいは高密度の重質物流251は、軽質プラスチックとは別個に濯いで乾燥させてもよい。複数の濯ぎ工程を図3に示すが、当然のことであるが、本明細書に記載の濯ぎ工程は1回以上であれば回数は任意である。濯ぎ工程により、装置、流れ、および最終生成物中の特定の残留物(例えば塩からのハロゲン化物)の量を低減できるが、一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、分別プロセスおよび下流の化学的再資源化プロセスは、これらの残留物を除去しなくとも実施できる。
【0129】
[0134]それぞれの分別後のプラスチックを濯ぐために用いる水は、1つ以上の固液分別装置246内で回収できる。回収された水247は、システム内での使用のために、例えば塩または苛性溶液と混合するために、あるいは濯ぎ水として再利用するために、濾過290されてもよく、および/または再循環292させてもよい。これに加えてあるいはこの代わりに、懸濁した固体成分282は、凝集プロセス280によって濯ぎ水247から回収されてもよく、これにより清澄化した水流284および/またはパージ水流286も生成してもよい。
【0130】
[0135]図4に示すように、一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の浮沈式密度分別段階340は高密度分別段階であり、第2の浮沈式密度分別段階350は低密度分別段階である。
【0131】
[0136]図4に示す実施態様は、図3の実施態様に類似しているので両実施態様間の相違点のみを以下に説明する。
[0137]図4の実施態様では、MPW微粒子210は、まず高密度の浮沈式分別段階340に供給される。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、濃厚塩溶液260のそれぞれの分別段階への流量は、第1の浮沈式段階340での塩濃度が第2の浮沈式段階350での塩濃度よりも高くなるように独立して制御される。重要なこととして、例えば目標分別密度の密度またはそれに近い密度を有する塩溶液を提供することで、濃厚塩溶液260を密度分別段階の目標分離密度を設定および/または調整するために使用してもよい。
【0132】
[0138]高密度の浮沈式段階340は、軽質物産出流343および軽質物産出流343のプラスチックより密度が高いプラスチックを含む高密度(重質物)流341を含む少なくとも2つの産出物を生成する。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、軽質物産出流343は、PETが富化されている。軽質物産出流343は、PVCが富化されていてもよい。高密度流341は、PETが低減され、PVCが低減され、および/またはポリオレフィンが低減されていてもよい。
【0133】
[0139]図4の実施態様では、高密度の浮沈式段階340からの高密度流341および軽質物産出流343の両方とも水245で濯がれる。高密度流341から得られた湿潤重質プラスチック348は乾燥されて、場合によっては下流のプラスチック化学的再資源化プロセスでの使用のために貯蔵される。
【0134】
[0140]濯ぎ後にPET富化軽質物産出流342は、低密度の浮沈式段階350に供給される。低密度の浮沈式段階350は、低密度の軽質物富化流353および中密度のPET富化流351を含む少なくとも2つの産出物を生成する。低密度の軽質物富化流353の微粒子状プラスチック固体の密度は、中密度のPET富化流351の微粒子状プラスチック固体の密度よりも低い。さらに中密度のPET富化流351の微粒子状プラスチック固体の密度は、それぞれの流れのプラスチック全体の密度に基づいて、上述の高密度ポリオレフィン減少流341の微粒子状プラスチック固体の密度よりも低い密度を有する。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、中密度のPET富化流351はまた、PVCが富化されてもいる。次いで、低密度の浮沈式段階350からのPET富化流351を水245で濯いで、湿潤PET富化プラスチック製品流220を生成して、下流のプラスチック再資源化工程での使用のために乾燥させてもよい。低密度の浮沈式段階350からの低密度の軽質物流353は、場合によっては高密度流341からの湿潤重質プラスチックと混合して、水245で濯いで乾燥させてもよく、あるいは低密度の軽質物流353は、重質プラスチックとは別個に、濯いで乾燥させてもよい。
【0135】
[0141]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の密度分別段階140および第2の密度分別段階150のそれぞれは、遠心力式密度分別段階を含む。
【0136】
[0142]図5に示すように、一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の遠心力式密度分別段階440は低密度分別段階であり、第2の遠心力式密度分別段階450は高密度分別段階である。
【0137】
[0143]図5を参照すると、混合プラスチック廃棄微粒子210が、プラスチック造粒機208または他の供給源から低密度遠心力式分別段階440に供給される(図5ではサイクロン分別器として示すが、当然のことであるが本明細書の技術に従ってその他の遠心力式分別器を使用してもよい)。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ドロップボックス406または他の固体分別システムを用いて、分別段階に供給される前に、混合プラスチック廃棄微粒子210から重質固体412を除去してもよい。低密度の遠心力式分別段階440は、液体サイクロン分別器であってもよい。水は、下流の濯ぎプロセス由来の流れからの再資源化物247として液体サイクロンに供給されてもよく、あるいは専用の給水物(図示せず)として別に加えられてもよい。濃厚塩溶液(図示せず)を上述のように調製して、混合プラスチック廃棄微粒子210と混合してもよく、または低密度の遠心力式分別段階440内に直接供給してもよい。液体サイクロン分別器で濃厚塩溶液を使用すると、水のみを使用する液体サイクロン分別離器に比較して、目標分離密度での分別効率を向上できる。それぞれの分別段階への濃厚塩溶液の流量により、第1の遠心力式分別段階440での塩濃度が第2の遠心力式分別段階450での塩濃度よりも低くなるように独立して制御できる。
【0138】
[0144]苛性溶液270はまた、(図5に示すように)MPW微粒子210と混合して低密度の遠心力式分別段階440に供給してもよく、あるいはMPW微粒子210を含まずに遠心力式分別段階に別個に添加してもよい。
【0139】
[0145]低密度の遠心力式分別段階440は、PET富化の重質物産出流441および重質物産出流441よりも密度の低いプラスチックを含む低密度(軽質物)流443を含む少なくとも2つの産出物を生成する。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、重質物産出流441は、PETが富化されている。重質物産出流441は、PVCが富化されていてもよい。低密度流443は、ポリオレフィンが富化されていてもよい。
【0140】
[0146]低密度の遠心力式分別段階440からの低密度流443および重質物産出流441を両方とも水245で濯ぐ。低密度流443から得られた、PETが低減された湿潤軽質プラスチックを、水245で濯ぎ246にかけて、PET減少流448を生成して乾燥498してもよく、場合によっては下流のプラスチック再資源化プロセスでの使用のために貯蔵してもよい。
【0141】
[0147]濯ぎ後にPET富化の重質物産出流442は、高密度の遠心力式分別段階450に供給される。低密度の遠心力式分別段階440に類似して、濃厚塩溶液(図示せず)を重質物産出流442と混合して、高密度の遠心力式分離段階450に供給してもよい。しかし他の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、濃厚塩溶液は、重質物産出流442と混合することなく、高密度の遠心力式分別段階450に直接供給してもよい。
【0142】
[0148]高密度の遠心力式分別段階450は、高密度の重質物流451および中密度のPET富化軽質物流453を含む少なくとも2つの産出物を生成する。高密度の重質物流451の密度は、それぞれの流れのプラスチック全体の密度に基づいて、中密度のPET富化軽質物流453の密度よりも高い。さらに中密度のPET富化流453は、それぞれの流れのプラスチック全体の密度に基づいて、上述の低密度のポリオレフィン富化流443よりも高い密度を有する。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、中密度のPET富化流453はまた、PVCが富化されている。次いで、高密度の遠心力式分別段階450からのPET富化流453は、水245で濯いで、湿潤PET富化プラスチック製品流220を生成して、下流のプラスチック再資源化プロセスでの使用のために乾燥496されてもよい。高密度の遠心力式分別段階450からの高密度の重質物流451は、場合によっては低密度流443からの湿潤軽質プラスチックと混合して、水245で濯ぎ246にかけて、PET減少流448を生成して乾燥498してもよく、あるいは高密度の重質物流451は、軽質プラスチックとは別個に濯いでかつ乾燥させてもよい。
【0143】
[0149]図6に示すように、一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の遠心力式密度分別段階540は高密度分別段階であり、第2の遠心力式密度分別段階550は低密度分別段階である。
【0144】
[0150]図6に示す実施態様は、図5の実施態様に類似しているので、両実施態様間の相違点のみを以下に説明する。
[0151]図6の実施態様では、混合プラスチック廃棄微粒子210は、まず高密度の遠心力式分別段階540に供給される。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、それぞれの分別段階への濃厚塩溶液(図示せず)の流量により、第1の遠心力式分別段階540での塩濃度が第2の遠心力式分別段階550での塩濃度よりも高くなるように独立して制御されてもよく、従って第1の遠心力式分別段階540の目標分別密度は、第2の遠心力式分別段階550の目標分別密度よりも高くなる。
【0145】
[0152]高密度の遠心力式分別段階540は、PET富化の軽質物産出流543および軽質物産出流543より高い密度を有するプラスチックを含む高密度(重質物)流541を含む少なくとも2つの産出物を生成する。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、軽質物産出流543は、PETが富化されている。軽質物産出流543はまた、PVCが富化されていてもよい。高密度流541は、PETが低減され、PVCが低減され、および/またはポリオレフィンが低減されてもよく、かつPETよりも高い密度を有するプラスチックが富化されていてもよい。
【0146】
[0153]高密度の遠心力式分別段階540からの高密度流541および軽量物産出流543の両方とも、水245で濯ぎ246をかけられる。高密度流541から得られた、PETが低減された湿潤重質プラスチック548は、乾燥598され、場合によっては下流のプラスチック再資源化プロセスでの使用のために貯蔵される。
【0147】
[0154]濯ぎ後にPET富化の軽質物産出流542は、低密度の遠心力式分別段階550に供給される。低密度の遠心力式分別段階550は、低密度の軽質物流553および中密度のPET富化重質物流551を含む少なくとも2つの産出物を生成する。低密度の軽質物流553の密度は、それぞれの流れのプラスチック全体の密度に基づいて、中密度のPET富化重質物流551の密度よりも低い。さらに中密度のPET富化流551は、それぞれの流れのプラスチック全体の密度に基づいて、上述の高密度のポリオレフィン低減流541よりも低い密度を有する。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、中密度のPET富化流551はまた、PVCが富化されている。次いで、低密度の遠心力式分別段階550からのPET富化流551は、水245で濯ぎ246をかけられて、湿潤PET富化プラスチック製品流220を生成し、かつ下流のプラスチック再資源化工程での使用のために乾燥596されてもよい。低密度の遠心力式分別段階550からの低密度の軽量物流553は、場合によっては、高密度流541からの湿潤重質プラスチックと混合されて、水245で濯ぎ246をかけられて、PET減少流548を生成して乾燥598させてもよく、あるいは低密度の軽質物流553は、重質プラスチックとは別個に濯いで乾燥させてもよい。
【0148】
[0155]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の密度分別段階140および第2の密度分別段階150のうちの一方は浮沈式密度分別段階を含み、第1の密度分別段階140および第2の密度分別段階150のうちの他方は遠心力式密度分別段階を含む。
【0149】
[0156]再度図2を参照すると、一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の密度分別段階140は浮沈式密度分別段階であり、第2の密度分別段階150は遠心力式分別段階である。1つ以上のそのような実施態様では、廃棄プラスチック分別方法は、一般に、MPW微粒子110を浮沈式分別段階に導入する工程、および浮沈式分別段階からの産出物142を遠心力式分別段階中に供給する工程を含む。
【0150】
[0157]再度図2を参照すると、一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の密度分別段階140は遠心力式分別段階であり、第2の密度分別段階150は浮沈式分別段階である。1つ以上のそのような実施態様では、廃棄プラスチック分別方法は、MPW微粒子110を遠心力式分別段階に導入する工程、および遠心力式分別段階からの産出物142を浮沈式分別段階に供給する工程を含む。
【0151】
[0158]図7に示すように、一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1密度分別段階640は高密度の浮沈式分別段階であり、第2密度分別段階650は低密度の遠心力式分別段階である。
【0152】
[0159]図7に示す実施態様は、図4の実施態様に類似していて、従って両実施態様間の相違点のみが以下に説明される。
[0160]図7の実施態様では、MPW微粒子210は、まず高密度の浮沈式分別段階640に供給される。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、それぞれの分別段階への濃厚塩溶液260の流量を独立的に制御して、各段階での所望の目標分別密度および分別効率を達成する。
【0153】
[0161]高密度の浮沈式段階640は、軽量物産出流643および高密度(重質物)流641を含む少なくとも2つの産出物を生成する。PET富化軽量物産出流643は濯ぎ246にかけられ、低密度の遠心力式分別段階650に供給される。低密度の遠心力式分別段階650は、低密度の軽質物富化流653および中密度のPET富化流651を含む少なくとも2つの産出物を生成する。低密度の軽質物富化流653の微粒子状プラスチック固体の密度は、中密度のPET富化流651の微粒子状プラスチック固体の密度よりも低い。さらに中密度のPET富化流651の微粒子状プラスチック固体は、高密度のポリオレフィン減少流641の微粒子状プラスチック固体よりも低い密度を有する。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、中密度のPET富化流651はまた、PVCが富化されている。次いで、低密度の遠心力式分別段階650からのPET富化流651を水245で濯ぎ246にかけて、PET富化の湿潤プラスチック製品流220を生成でき、下流のプラスチック再資源化プロセスで使用するために乾燥させてもよい。低密度の遠心力式分別段階からの低密度の軽量物流653を、場合によっては高密度流641からの湿潤重質プラスチックと混合して、水245で濯ぎ246をかけて、PET減少流648を生成して乾燥させてもよく、あるいは低密度の軽量物流653は、重質プラスチックとは別個に濯ぎをかけて乾燥させてもよい。
【0154】
[0162]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、本明細書に記載の混合プラスチック廃棄物分別システムおよびプロセスから得られる微粒子状プラスチック固体を処理する設備およびシステムもまた提供される。特に微粒子状プラスチック固体処理設備は、少なくとも1つの密閉構造、および微粒子状プラスチック固体を、処理施設およびプラスチック化学的再資源化設備に相互接続するプラスチック固体輸送システム内に選択的に堆積させるように構成された少なくとも1つの密閉構造に会合されたバッチまたは連続搬送システム、および/または少なくとも1つの密閉構造内に少なくとも1つの在庫貯蔵部を備える。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、バッチまたは連続搬送システムは、長尺高架式コンベア、フロントエンドローダー、および/またはトラックのうちの1つ以上を含む。
【0155】
[0163]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、混合プラスチック廃棄物(本明細書ではMPWとも呼ばれる)を含む供給原料から、多量の微粒子状プラスチック固体が提供される。図8を参照すると、そのような供給原料710が提供されている。供給原料710は、本明細書に記載の任意の混合廃棄プラスチック材料、例えば回収施設またはプラスチック再生施設から得られるプラスチック材料であってもよい。混合プラスチック廃棄物供給原料710は、一般的には、2.54cm(1インチ)超、1.91cm(0.75インチ)超、または1.27cm(0.5インチ)超の少なくとも1種の寸法を有する、使用済み容器などのプラスチック固体を含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、混合プラスチック廃棄物供給原料710は、1.27cm~25.4cm、1.91cm~19.1cm、または2.54cm~12.7cmである少なくとも1種の寸法を有するプラスチック固体を含む。
【0156】
[0164]混合プラスチック廃棄物供給原料710はまた、一度に2.54cm(1インチ)超の少なくとも1種の寸法にされた複数のプラスチック固体を含んでもよいが、この固体を、圧縮、押圧、または他の方法でベールなどの大きな単位に凝集してもよい。しかしながら、2.54cm(1インチ)超、1.91cm(0.75インチ)超、または1.27cm(0.5インチ)超の少なくとも1種の寸法を有するプラスチック固体は、本明細書に記載の分別および/または再資源化プロセスには理想的ではない。従って一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、供給原料710は、粉砕、細断、切断、破砕、または他の微粉砕プロセスなどの機械的サイズ縮小操作715に供されて、これによりサイズ縮小操作に供給される材料よりも小さいサイズを持つ粒子を生成する。機械的サイズ縮小操作715には、プラスチックを粉砕、圧縮、またはベールに成形する以外のサイズ縮小を含んでもよいことに留意することが重要である。
【0157】
[0165]機械的サイズ縮小715に続いて、混合プラスチック廃棄物の粒子を、本明細書に記載の分別プロセス740に誘導して、分別プロセス740への供給流に対比してポリエチレンテレフタラート720が富化された少なくとも1つの流れ、およびポリオレフィン730が富化された少なくとも1つの流れとして粒子を選別する。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、分別工程740からの富化流720、730は、続いて化学的再資源化プロセスに使用できる。
【0158】
[0166]図9はより詳細な実施態様を示し、この態様では、混合プラスチック廃棄物は、ポリエチレンテレフタラートまたはポリオレフィンのいずれかが富化された選別済みプラスチック粒子流とされる。
【0159】
[0167]図に示すように、上述のように様々な供給源から得ることができる(供給原料としての)未選別の混合プラスチック廃棄物710は、例えば列車やトレーラートラックによって現場まで輸送される。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、未選別のプラスチック廃棄物は、プラスチック廃棄物の過去の使用に関連し得る様々な有機汚染物質または残留物を含む可能性がある。例えばプラスチック廃棄物は、特にプラスチック材料が食品または飲料の包装に使用された場合には、食品または飲料からの汚染を含む可能性がある。従って混合プラスチック廃棄物はまた、プラスチック廃棄物内に存在する食品または飲料の残留物を増殖させかつそれらを消化する微生物汚染物質、および微生物が生成した化合物も含む可能性がある。混合プラスチック廃棄物を構成するプラスチック固体の表面に存在し得る微生物の例としては、大腸菌、サルモネラ菌、クロストリジウム・ディフィシル菌、黄色ブドウ球菌、リステリア・モノサイトゲネス菌、表皮ブドウ球菌、緑膿菌、および蛍光菌が挙げられる。様々な微生物が、悪臭の原因となる化合物を生成する可能性がある。臭気発生化合物の例としては、硫化水素、ジメチルスルフィド、メタンチオール、プトレシン、カダベリン、トリメチルアミン、アンモニア、アセトアルデヒド、酢酸、ブタン酸、プロパン酸、および/または酪酸が挙げられる。従って、混合プラスチック廃棄物は有害臭の懸念を示す可能性があることが分かっている。従って一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、混合プラスチック廃棄物は、処理が可能になるまで、さらに輸送用コンテナ、密閉鉄道車両、または密閉トレーラーなどの密閉空間内に保管されてもよい。特定の実施態様では、混合プラスチック廃棄物は、プラスチック廃棄物の選別が実施される場所に到達すると、密閉された空間内に、1週間以内、5日以内、3日以内、または2日以内、または1日以内保管される。
【0160】
[0168]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、混合プラスチック廃棄物または微粒子状プラスチック固体によって発生するいずれの臭気も、プラスチックが含まれる収納部内の上部空間にある空気の試料採取によって評価できる。例えば臭気は、ガスクロマトグラフィーなどを用いて、試料中に存在する任意の臭気原因化合物の濃度を直接測定して定量的に評価してもよい。加えておよび/または代わりに、臭気は、上部空間にある空気試料の臭いを嗅いで、続いて各試料に臭気格付けを割り当てる一定数の個人で構成される「臭気審査団」を用いて定性的に評価してもよい。次いで臭気調査団の調査結果を統計的に解析して、特定のプラスチック材料に対して臭気改善の手順を取る必要があるか否かを判断してもよい。
【0161】
[0169]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、混合プラスチック廃棄物は、未選別のまたは予備選別されたプラスチックのベール、またはその他の大きな凝集形態で提供される。ベールまたは凝集したプラスチックは、それらを分断する初期のプロセスに供される。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、プラスチックベールを、例えば、ベールを分断するように、例によってはベールが含まれるプラスチックを細断するように構成された歯または刃を備えた1本以上の回転軸を備えるディベーラー702に移送してもよい。他の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ベールまたは凝集したプラスチックを、それらがより小さいサイズのプラスチック片に細断される切断機704に移送してもよい。次いで圧縮梱包の開梱および/または断裁されたプラスチック固体は、ガラス、金属、および岩石などの種々の非プラスチック重質材料が除去される選別プロセス706に供されてもよい。この選別プロセス706は、手によってまたは機械によって実施してもよい。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、選別機は、光センサ、磁石、または篩を用いて重質材料を識別かつ除去してもよい。
【0162】
[0170]上記の説明のように、混合プラスチック廃棄物は、混合されたまたは他の形態で共に会合された2つ以上の合成または天然ポリマー成分および/または非ポリマー固体を含む多層ポリマーおよび/または他の多成分ポリマーを含んでもよい。ナイロンやポリオレフィンなどのPETよりも密度の低いポリマー成分をPETと組み合わせたりまたは会合すると、そのような多層プラスチックおよび多成分プラスチックの実効密度はまた、PETの密度よりも低くなる。従って密度分別プロセス中に、そのような多層ポリマーおよび多成分ポリマーは、ポリオレフィン富化流などのPET減少流に分別される。同様に、金属や重質プラスチックなどのPETよりも密度の高いポリマーおよび非ポリマーの固体成分をPETと組み合わせたりまたは会合すると、そのような多層プラスチックおよび多成分プラスチックの実効密度はまた、PETの密度よりも高くなる。従って密度分別プロセス中に、そのような多層ポリマーおよび多成分ポリマーは、重質物富化流などのPET減少流に分別される。これにより、PET富化流中で許容可能な程度の高いPET純度が得られる可能性はあるものの、PET減少流に分別される混合したあるいは会合したPETにより、顕著なPET収率の損失が生じる可能性がある。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、混合プラスチック廃棄物は、密度分別プロセスに供給される前に、1つ以上の予備洗浄および/または摩擦洗浄プロセス(図示せず)を受けてもよい。上記のように、そのような予備洗浄および/または摩擦洗浄プロセスは、多層ポリマーまたは他の多成分ポリマーの形態でPETに会合するナイロンおよび他の合成または天然ポリマーまたは非ポリマー固体を分別する際に特に効果的である可能性がある。例えば、そのようなプロセス中にプラスチック物品および/または微粒子に付与される摩擦により、多層ポリマー中の個々のプラスチック成分を引き離しかつ解離させることができる。研磨機および/またはその他のサイズ縮小プロセスは、同様の効果をもたらす可能性がある。加えてまたは代わりに、苛性溶液および/または熱の使用によってもまた、多層ポリマー中の個々の成分、特に接着剤によって会合された成分を解離させることができる。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、1つ以上の密度分別プロセス、特に苛性液体を使用するおよび/または微粒子に摩擦を付与する密度分別プロセス(例えば液体サイクロン)はまた、多層ポリマーまたは他の多成分ポリマーの個々の成分を解離するのに効果的である可能性がある。多成分ポリマーが、PET、相溶化剤、および単一相に複合化された少なくとも1つの他の合成または天然ポリマーまたは非ポリマー固体の異種混合物を含む場合には、摩擦洗浄機および/またはサイクロンは、特に十分な熱および高pHの苛性溶液によって、これらの成分を解離するのに十分なエネルギーを付与することができる。
【0163】
[0171]他の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、混合プラスチック廃棄物は、既にいくつかの初期分別プロセスおよび/またはサイズ縮小プロセスを受けている可能性がある。特に混合プラスチック廃棄物は、粒子またはフレークの形態であってもよく、袋などのある種の容器で提供されてもよい。これらのプラスチック固体の組成およびそれらが受けた可能性のある前処理の種類に応じて、プラスチック微粒子は、ディベーラー702、切断機704、および/または重質物除去拠点706を迂回して、さらなるサイズ縮小のための造粒設備708に直接移送されてもよい。
【0164】
[0172]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、圧縮梱包の開梱または分断されたプラスチック固体は、プラスチック固体が磨滅され、細断され、または他の方法でサイズが縮小される粉砕設備または造粒設備708に移送される。プラスチック材料は、2.54cm(1インチ)未満、1.91cm(3/4インチ)未満、または1.27cm(1/2インチ)未満の平均D90粒径を有する粒子としてもよい。造粒設備を出るプラスチック材料の平均D90粒子サイズは、0.16cm(1/16インチ)~2.54cm(1インチ)、0.32cm(1/8インチ)~1.91cm(3/4インチ)、0.64cm(1/4インチ)~1.59cm(5/8インチ)、または0.95cm(3/8インチ)~1.27cm(1/2インチ)であってもよい。
【0165】
[0173]サイズが小さくなったところで、微粒子状プラスチックを、本明細書に記載されるような密度分別プロセスに供給してもよい。但し一般的には、密度分別プロセスは、異なる密度を有する少なくとも2つのプラスチック流を生成する第1の密度分別段階740および第2の密度分別段階750を含む。各分別器を出るそれぞれの流れは、機械的脱水プロセス746にかけられる。第1の密度分別段階740からのプラスチック流の少なくとも一部分は、第2の密度分別段階750に移送され、ここで再度異なる密度の少なくとも2つのプラスチック流が生成される。図9に示すように、第1の密度分別段階740からの生成物流は、第2の密度分別段階750からの生成物流と混合される。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、これらの流れは、高密度ポリオレフィンおよび低密度ポリオレフィンを含むポリオレフィン富化流を含む。第2の密度分別段階750からの他の生成物流は、ポリエチレンテレフタラート富化流であってもよい。次いで生成物流を乾燥796、798させて、一定量のポリオレフィン富化プラスチック固体730およびポリエチレンテレフタラート富化プラスチック固体720を生成する。
【0166】
[0174]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、このプロセスは、1つ以上の一定量の微粒子状プラスチック固体を生成する。そのような一定量の微粒子状プラスチック固体は、70重量%を超える、75重量%を超える、80重量%を超える、85重量%を超える、90重量%を超える、または95重量%を超えるポリエチレンテレフタラートを含む。一定量の微粒子状プラスチック固体は、70~99重量%、75~95重量%、または80~90重量%のポリエチレンテレフタラート(PET)を含んでもよい。
【0167】
[0175]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、一定量の微粒子状プラスチック固体は、20重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、7.5重量%未満、5重量%未満、2.5重量%未満、または1重量%未満のハロゲンおよび/またはポリ塩化ビニルなどのハロゲン含有化合物を含む。一定量の微粒子状プラスチック固体は、0.1~10重量%、0.5~3重量%、1~2.5重量%、または1.25~2重量%のポリ塩化ビニルなどのハロゲンを含んでもよい。
【0168】
[0176]本明細書に記載のように、ハロゲン化物含有塩を用いて、微粒子状プラスチック固体の密度分別を支援してもよい。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ハロゲン化物の存在により、設備の金属類によっては下流でのプラスチック処理設備および化学的再資源化設備に悪影響を及ぼす可能性があるので、分別された微粒子状プラスチックを洗浄してこれらの塩残留物(およびハロゲン化物)を除去することが望ましい。従って一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、一定量の微粒子状プラスチック固体は、400ppm未満、300ppm未満、200ppm未満、または100ppm未満のハロゲン化物を含む。ハロゲン化物の濃度をこれらの濃度未満に保持することにより、処理設備を構築する特定の金属に及ぼすハロゲン化物による腐食の影響を低減または回避できる。
【0169】
[0177]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、一定量の微粒子状プラスチック固体は、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、または1重量%未満の水分量を含む。一定量の微粒子状プラスチック固体は、0.1~4重量%、0.5~3重量%、0.75~2.5重量%、または1~2重量%の水分量を含んでもよい。
【0170】
[0178]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、一定量の微粒子状プラスチック固体は、少なくとも0.1重量%、少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、または少なくとも40重量%の、270℃かつ1気圧未満で相変化しない固体材料を含む。本明細書で指す相変化とは、融解、気化、昇華のことであってもよい。一定量の微粒子状プラスチック固体に存在する固体材料としては、ガラス、アルミニウム金属、鉄金属(鋼やステンレス鋼など)、その他の非鉄金属、岩石、鉱物、架橋ポリエチレン(PEX)、ポリテトラフルオロエチレン、炭酸カルシウム、および/またはポリ塩化ビニルが挙げられる。
【0171】
[0179]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、微粒子状廃棄プラスチック固体の分別は、抗菌特性を保有する化学組成物で粒子を処理して、それによって処理済みの微粒子状プラスチック固体を生成することを含む。本明細書での考察のように、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、および/または他の苛性成分を、様々な密度分別プロセスを支援するのに使用してもよい。水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、および/または他の苛性成分は、微粒子状プラスチック固体内に存在する微生物の増殖を制御し、および/またはその微生物の濃度を低下させるのに十分な量で使用される。その一部が病原性であり得る微生物を一定量の微粒子状プラスチック固体内で制御することの利点は、ヒトおよび動物の健康の観点から容易に明白なことである。但し微粒子状プラスチック固体の表面で微生物が増殖すると、悪臭を放つ有機残留物分解生成物または微生物代謝産物が生成される可能性がある。従って微生物の濃度を制御することにより、プラスチック固体内に含まれる悪臭を放つ化合物の濃度も減少させることができる。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、抗菌組成物による処理により、10CFU/g未満、10CFU/g未満、10CFU/g未満、10CFU/g未満、または10CFU/g未満の微生物含量を有する一定量の微粒子状プラスチック固体を生成できる。
【0172】
[0180]一定量の微粒子状プラスチック固体内に存在する微生物の濃度は、米国薬局方(United States Pharmacopeia)34(6)<61>非滅菌製品の微生物検査:微生物計数試験、およびISO4833-2:2015である食物連鎖の微生物学-微生物の計数のための水平方法-第2部:表面播種技術による30℃でのコロニー数を含むいくつかの手法のうちの1つに従って試験してもよく、上述の両手法は、これら全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0173】
[0181]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、分析の基本的な方法は、プラスチックを試料採取する工程、試料を調製する工程、その試料の一部分を栄養培地に播種する工程、微生物の増殖のためにプレートを保温する工程、次いで発生したコロニーを計数する工程を含む。
【0174】
[0182]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、一定量の微粒子状プラスチック材料の試料採取は、一定量内の種々の位置から少なくとも5個の無作為試料を収集して実施され、各試料の重さは約10~100gである。あるいは5個の無作為試料を、最初に大きな試料(例えば、2.27kg(5ポンド))を収集して、次いでそれらの最初の大きな試料から10~100gの試料を採取して得てもよい。この試料の採取は、微粒子状プラスチック固体の全体量の状態を表示することを目的としている。
【0175】
[0183]上記のいずれかの方法からの試料調製法を、規格内に記載される医薬品試料または食品試料を微粒子状プラスチック固体試料に置き換えて適合させてもよい。これら試料は、無菌状態で収集され、ポリマー袋などの無菌容器に入れられ実験室に運ばれ、その実験室では、試料の一部をポリマー袋、あるいはガラス製またはプラスチック製の瓶/カップなどの適切な容器内に秤量する。典型的には、試料重量の10倍である一定量の適切な緩衝液/希釈液を添加する。使用可能な典型的な緩衝液/希釈剤には、pH7.0の塩化ナトリウム-ペプトン緩衝液、pH7.2のリン酸緩衝液、大豆カゼイン消化培養液、ペプトン水、およびバターフィールドリン酸希釈液が含まれる。1L当たりに1gのポリソルベート80などの界面活性剤を添加して、表面を湿潤させてプラスチックからの微生物の除去を増強してもよい。容器を密閉して、次いで手でまたは機械装置のいずれかで混合する。例示的な機械装置には、軌道式撹拌機または手首運動式攪拌機、および超音波発生浴が含まれる。この混合は30秒以上~30分以内で実施する。より高い汚染濃度の定量を可能にするために、さらに希釈してもよい。
【0176】
[0184]試料調製に続いて、標準的な方法に従って、微生物(例えば細菌および真菌)の培養用の栄養培地に試料の一部分を微生物にとって適切な温度および回数で播種する。最後に得られたコロニーを数えて、得られた細菌および真菌の濃度をコロニー数に希釈倍率を乗じて決定する。
【0177】
[0185]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、一定量の微粒子状プラスチック固体は、他の一定量のプラスチック固体、特に他の一定量の微粒子状プラスチック固体から取り分けられる。一定量の微粒子状のプラスチック固体は、壁で囲まれた容器に閉じ込められることなく床部または他の台座の上に積み上げられてもよいという点で、包装されていなくてもよく、すなわち「開放的」であってもよい。
【0178】
[0186]図10は、一実施態様に従って、または前述の実施態様のいずれかと組合せでは、例示的なプラスチック分別施設700を示す。この施設700は、本明細書に記載の混合プラスチック廃棄物を受け入れる基盤構造を備える。このような基盤構造は、列車、トラック、または(施設が水域の近くにある場合には)船などの任意の有用な移動手段による(未選別のプラスチック廃棄物供給原料710として図10に示される)混合プラスチック廃棄物の輸送に適応でき、混合プラスチック廃棄物を移動手段から降ろすのを支援する設備を含む。移動手段から降ろされると、廃棄プラスチック710は、上述のように処理されて混合廃棄プラスチック粒子を生成できる。次にこれらの粒子は、図2~7に示されかつ本明細書に記載される例示的な分別プロセスを有する廃棄プラスチック分別システム745に運搬712される。施設内の荷降ろし基盤構造と廃棄プラスチック分別システムとの間の距離に応じて、微粒子状の廃棄プラスチックを輸送するのに使用される輸送システムは、微粒子状材料を輸送できるならいずれの形態であってもよい。例示的な搬送システムには、空気圧コンベア、ベルトコンベア、バケットコンベア、振動コンベア、スクリューコンベア、カートオントラックコンベア、牽引コンベア、トロリーコンベア、フロントエンドローダー、トラック、およびチェーンコンベアが含まれる。
【0179】
[0187]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、未選別廃棄プラスチック荷降ろし拠点と廃棄プラスチック分別システムとの間の距離は、1609.34m(1マイル)未満、1371.60m(1500ヤード)未満、1143m(1250ヤード)未満、914.40m(1000ヤード)未満、685.80m(750ヤード)未満、457.20m(500ヤード)未満、228.60m(250ヤード)未満、または91.44m未満(100ヤード)である。
【0180】
[0188]廃棄プラスチック分別システム745内で微粒子状廃棄プラスチック固体を分別した後に、少なくとも2つの微粒子状プラスチック流が生成され、一方はポリエチレンテレフタラートが富化されていて、他方はポリオレフィンが富化されている。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、これらの異なる流れは、それぞれまたは両方が同時に、下流の化学的再資源化プロセスに直接的に搬送722、732されて、あるいは貯蔵領域724、734に搬送723、733されて下流の化学的再資源化プロセスへの移送に向け待機させてもよい。
【0181】
[0189]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、以下でより詳細に考察される貯蔵領域724、734は、分別システムからの流れを受け入れる微粒子プラスチック固体用入口、および下流の化学的再資源化プロセスに輸送するために密閉構造物内から微粒子状プラスチック固体を取り出す微粒子状プラスチック固体用出口を含む密閉構造物である。この入口および出口は、密閉構造物内または密閉構造物外に配置してもよい、密閉構造物に会合する搬送システムによって相互接続されていてもよい。搬送システムは、それによって運搬される微粒子状プラスチック固体流を迂回させる装置、かつ一定量の前述の微粒子状プラスチック固体として密閉構造物内にそれらを堆積させる装置を備えてもよい。
【0182】
[0190]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、密閉構造物内に堆積された微粒子状プラスチック固体の一定量は、76.46m(100yd)を超える、382.28m(500yd)を超える、または764.56m(1000yd)を超える。微粒子状プラスチック固体の一定量は、少なくとも24時間、少なくとも7日間、少なくとも14日間、または少なくとも21日間に亘って、下流の化学的再資源化プロセスを稼働させるのに十分な量としてもよい。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、一定量は取り分けられた量である。一定量は、分別プロセスと連続的な液体連通または連続的な固体連通/固体連通ではないという点で、分別プロセスからは取り分けられていてもよい。
【0183】
[0191]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、微粒子状プラスチック固体は、任意の相当な時間長さに亘って密閉構造物内に堆積させることなく、密閉構造物の微粒子状プラスチック固体の入口と出口との間で直接的に移送されてもよい。しかし微粒子状プラスチック固体の流入が、微粒子状プラスチック固体に対する下流での必要量に追随するのに十分でない場合には、密閉構造物内に堆積させた一定量で存在する微粒子状プラスチック固体を利用して不足分を補足してもよい。微粒子状プラスチック固体の流入が、微粒子状プラスチック固体に対する下流での必要量よりも多い場合には、微粒子状プラスチック固体の一部分は、その後の使用のために密閉構造物内に堆積させてもよい。従って経時的には、微粒子状プラスチック固体は、密閉構造物内に貯蔵される一定量を追加してもよく、かつその一定量から取り出されてもよく、それにより一定量内で存在する微粒子状プラスチック固体は循環することになる。
【0184】
[0192]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、一定量の微粒子状プラスチック固体は、全1ヶ月に亘って少なくとも764.56m(1000yd)の体積を有し、その1ヶ月間に亘る一定量の微粒子状プラスチック固体内のD90粒子サイズは、2.54cm(1インチ)未満、1.91cm(3/4インチ)未満、または1.27cm(1/2インチ)未満である。密閉構造物内に貯蔵される一定量内の微粒子状プラスチック固体の月平均のD90粒子サイズは、0.16cm(1/16インチ)~2.54cm(1インチ)、0.32cm(1/8インチ)~1.91cm(3/4インチ)、0.64cm(1/4インチ)~1.59cm(5/8インチ)、または0.95cm(3/8インチ)~1.27cm(1/2インチ)であってもよい。
【0185】
[0193]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、一定量の微粒子状プラスチック固体は、少なくとも764.56m(1000yd)、少なくとも1911.39m(2500yd)、少なくとも3822.77m(5000yd)、少なくとも7645.55m(10,000yd)、または少なくとも15,291.10m(20,000yd)である、少なくとも24時間、少なくとも48時間、または少なくとも72時間に亘る一定量の一部となっている微粒子状プラスチック固形分を含む。
【0186】
[0194]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、少なくとも2つの組成的に異なる一定量のプラスチック固体は、共同設置される。1つ以上の特定の実施態様は、プラスチック固体の少なくとも第1および第2の共同設置された一定量を対象とし、ここで第1の量のプラスチック固体は、その表面にある微生物の濃度を低減するように処理されていないプラスチック材料を含み、第2の量のプラスチック固体は、その表面にある微生物の濃度を低減するように処理されているプラスチック材料を含む。第1の量のプラスチック固体は、本明細書に記載されるような混合廃棄プラスチックを含んでもよい。第1の量は、機械的粉砕プロセスを受けていないベールなどのバルク形態のプラスチック固体を含む。あるいは、第1の量は、粉砕、細断、切断、ベール分解、ペレット化、または造粒などのサイズ縮小操作を受けたプラスチック固体を含む。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の量は密閉構造物内に収容する必要はなく、風雨に曝される密閉されていない堆積物として存在してもよい。特定の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第2の量のプラスチック固体は、第1の量のプラスチック固体に対してポリエチレンテレフタラートまたはポリオレフィンのいずれかが富化されたプラスチック固体を含む。第2の量のプラスチック固体はまた、本明細書に記載のような機械的粉砕プロセスに供されてもよい。
【0187】
[0195]他の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の量のプラスチック固体は、本明細書に記載のようなその表面の微生物の濃度を低減するために処理された、かつ本明細書に記載の品質を有するプラスチック固体、特に微粒子状プラスチック固体を含む。特定の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の量のプラスチック固体は、ポリエチレンテレフタラートまたはポリオレフィンのいずれかが富化された微粒子状プラスチック固体を含む。特定の実施態様では、第1の量のプラスチック固体は、第2の量のプラスチック固体に比較してポリオレフィンが富化されていて、第2の量プラスチック固体は、第1の量のプラスチック固体に比較してポリエチレンテレフタラートが富化されている。第2の量のプラスチック固体は、機械的粉砕プロセスに供されたプラスチック固体を含んでもよい。
【0188】
[0196]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、プラスチック固体の第1および第2の共同設置された量は、混合されてなく、別の個々の量として維持される。第1の量のプラスチック固体は、第1の密閉構造物内に収容されてもよく、第2の量のプラスチック固体は、別の第2の密閉構造物内に収容されてもよい。第1および第2の密閉構造物は、互いに対して(その構造物が縦方向に整列される)直列に、あるいは(その長手方向の構造物が横方向に離される)平行に配置されてもよい。但し、第1量および第2量のプラスチック固体が混合されることなく共通の密閉構造物内に収容されることは、それらの量のプラスチック固体に関する技術の範囲内である。例えば、第1の量と第2の量のプラスチック固体を直列に配置してもよい(すなわち、密閉構造物の隣接する両端部に堆積させて、密閉構造物の長さ方向に対して横方向に延びる壁によって分別する)。あるいは、第1の量のプラスチック固体を、第2の量のプラスチック固体に対して平行に配置してもよい(すなわち、密閉構造物の長さ方向に対し平行に延びる壁の両側に配置される)。特定の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の密閉構造物は、第2の密閉構造物物から1609.34m(1マイル)未満、1371.60m(1500ヤード)未満、1143m(1250ヤード)未満、914.40m(1000ヤード)未満、685.80m(750ヤード)未満、457.20m(500ヤード)未満、228.60m(250ヤード)未満、または91.44m(100ヤード)未満に配置される。
【0189】
[0197]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1および/または第2の密閉構造物はそれぞれ、それぞれの一定量のプラスチック固体をその構造物内の1つ以上の積重物に堆積させるように、あるいはプラスチック固体を下流の化学的再資源化プロセスに輸送するように構成されたコンベア装置内に直接的に堆積させるように作動可能な高架式搬送システムを備える。
【0190】
[0198]図11は、プラスチック固体を処理する施設800が廃棄プラスチック分別システム745とプラスチック化学的再資源化施設900との間に位置する別の実施態様を示す。廃棄プラスチック分別システム745は、混合廃棄プラスチックを、ポリエチレンテレフタラートが富化された少なくとも1つの流れとポリエチレンテレフタラートが低減された少なくとも1つの流れに分別するように構成された、本明細書に記載の任意のプロセス、システム、または設備であってもよい。廃棄プラスチック分別システム745からの1つ以上のこれらの産出流は、プラスチック固体処理施設800に送達される。以下でより詳細に説明するように、プラスチック固体処理施設800は、プラスチック化学的再資源化施設900に向かう途中の微粒子状プラスチック固体の移送および/または貯蔵の拠点として用いられてもよい。
【0191】
[0199]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、混合プラスチック廃棄物から分別されたプラスチック固体を処理する施設800は、本明細書に記載のいずれかの密閉構造物などの密閉構造物、およびその密閉構造物に会合する長尺高架式コンベアを含む。図12は、例示的なプラスチック固体処理施設800を概略的に示す。プラスチック固体処理施設800は、廃棄プラスチック分別システム745と共同設置されてもよい。プラスチック固体処理施設は、廃棄プラスチック分別システムから、1609.34m(1マイル)未満、1371.60m(1500ヤード)未満、1143m(1250ヤード)未満、914.40m(1000ヤード)未満、685.80m(750ヤード)未満、457.20m(500ヤード)未満、228.60m(250ヤード)未満、または91.44m(100ヤード)未満に配置してもよい。
【0192】
[0200]また上述の実施態様と同様に、プラスチック固体を処理する施設800は、本明細書に記載のように構成され、かつ本明細書に記載の微粒子状プラスチック固体流のいずれかを処理するように構成された、少なくとも第1の密閉構造物824および第2の密閉構造物834を備えてもよい(図13を参照)。但し特定の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、プラスチック固体施設800は、微粒子状プラスチック固体施設内の混合プラスチック廃棄物分別システム745からポリエチレンテレフタラート富化流820を受け入れるように構成された第1の密閉構造物824を含む。プラスチック固体施設800はまた、前記微粒子状プラスチック固体施設800内の混合プラスチック廃棄物分別システム745からのポリエチレンテレフタラート減少流830を受け入れるように構成された第2の密閉構造物834を含んでもよい(図13を参照)。
【0193】
[0201]図12に示すように、コンベアシステム723を用いて、微粒子状プラスチック固体を廃棄プラスチック分別システム745からプラスチック固体処理施設800に、あるいは図12に示す実施態様では、第1の密閉構造物824内の長尺高架式コンベア825に輸送してもよい。コンベアシステム723は、場合によっては、移送タワー780、1つ以上のブリッジ790、または微粒子状プラスチック固体を効率的に輸送するのに必要なまたは望ましいその他の構造を含んでもよい。搬送システムは、機械式または空気圧式であってもよい。長尺高架式コンベア825は、高架式コンベア825の長さ方向に沿って異なる位置で、微粒子状プラスチック固体流をプラスチック固体輸送システム840および/または少なくとも1つの微粒子状プラスチック固体の在庫積重物826に選択的に堆積させるように構成されている。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、高架式コンベア825は、密閉構造物824の内部に配置され、および/またはその内部を貫通して延びていてもよい。あるいは、高架式コンベア825は、密閉構造物824に対し外部に設置されてもよいが、密閉構造物824の内部と連通している1つ以上の斜溝、出入口、導管部などを備えてもよい。従って2つ以上の微粒子状プラスチック固体の在庫積重物826は、上述のような単一の密閉構造物内にまたは隣接する密閉構造物内に、並列にまたは直列に配置されるように堆積させてもよい。
【0194】
[0202]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、高架式コンベア825は、構造物824の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%、または全長に亘って延びている。他の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、高架式コンベア825は、実質的に密閉構造物824の長さ方向に延びている。さらに一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、高架式コンベア825は、密閉構造物824の長さの95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、または60%以下で延びている。密閉構造物824の長さに対するコンベア825の長さの関係は、密閉構造物824内でコンベア825によって堆積される一定量の微粒子状プラスチック固体の積上げ安息角に依存してもよい。そのような一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、コンベア825の長さは、積重物826の中心からその最も外側の底縁部までの距離未満の密閉構造物824の実質的に全長であってもよい。
【0195】
[0203]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、長尺高架式コンベア825は、ベルトコンベア、空気圧コンベア、振動コンベア、またはスクリューコンベアなどの、本明細書で説明のいずれかの型のコンベアを備えてもよい。特定の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、高架式コンベア825は、コンベアに沿って、例えば微粒子状プラスチック固体を密閉構造物の床部に誘導して微粒子状プラスチック固体の積重物826を形成する斜溝内に移動させて、微粒子状プラスチック固体の少なくとも一部を迂回させるように構成された、コンベアの長さ方向に沿って配置された1つ以上の可動ゲートまたはワイパーを含むベルトコンベアを備える。他の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、高架式コンベア825は、コンベア825の長さの少なくとも一部分を横断し、かつコンベア上を移動する微粒子状プラスチック固体の少なくとも一部分を密閉構造物の床部に迂回させるように構成された、トリップスタッカー827などの移動可能な部材を備える。高架式コンベア825および微粒子状プラスチック固体を迂回させる構造物は、得られる積重物826の頂点が高架式コンベア825の直下に存在しないような角度で、その固体が密閉構造物の床部に誘導されるように構成されてもよい。
【0196】
[0204]上述のように、長尺コンベア825は、それによって密閉構造物824内の少なくとも1つの在庫積重物826に運搬される微粒子状プラスチック固体流を選択的に堆積させるように構成されている。少なくとも1つの在庫積重物826は、任意の量の本明細書に記載の微粒子状プラスチック固体を含んでもよい。少なくとも1つの在庫積重物826の目的および機能は、以下でさらに考察されるが、一般に少なくとも1つの在庫積重物826は、廃棄プラスチック分別システム745による微粒子状プラスチック固体の生成が、下流のプラスチック化学的再資源化プロセス900による微粒子状プラスチック固体に対する要求量と完全に一致しない場合に活用される。
【0197】
[0205]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、一般に少なくとも1つの在庫積重物826は、一定量の(図12に示される)ポリエチレンテレフタラートが富化された微粒子状プラスチック固体および/または一定量のポリエチレンテレフタラートが低減された微粒子状のプラスチック固体(図示せず)を含む。これらの一定量の微粒子状プラスチック固体は、必ずしもそうである必要はないが、プラスチック固体処理施設800と共同設置されてもよい廃棄プラスチック分別システム745によって生成される。
【0198】
[0206]長尺コンベア825はまた、それによってプラスチック固体輸送システム840内に運搬される微粒子状プラスチック固体流を選択的に堆積させるように構成されている。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、プラスチック固体輸送システムは、プラスチック固体処理施設800および密閉構造物824を、特に下流のプラスチック化学的再資源化プロセス900と相互接続する1つ以上のコンベヤを備える。プラスチック固体輸送システム840は、粒子状プラスチック固体処理施設800と加溶媒分解設備920との間でポリエチレンテレフタレート富化流を輸送するように構成された第1のコンベア822を備えてもよい(図13を参照)。プラスチック固体輸送システム840はさらに、プラスチック固体処理施設800と、部分酸化ガス化設備930および熱分解設備940のうちの少なくとも1つとの間でポリエチレンテレフタラート減少流を輸送するように構成された第2のコンベヤ832を備えてもよい(図13を参照)。
【0199】
[0207]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、プラスチック固体輸送システム840は、プラスチック固体処理施設800から微粒子状プラスチック固体を受け入れるように構成された装置842、および微粒子状プラスチック固体を下流のプラスチック化学的再資源化プロセス900に輸送するための搬送設備822を備える。受入れ装置842は、パドルフィーダーなどの微粒子状プラスチック供給装置844(図12参照)に作動可能に接続された貯蔵槽またはホッパーを備えてもよく、これにより処理施設800から下流の再資源化プロセスへの輸送を開始する。さらにフロントエンドローダー846または類似の機構を使用して、微粒子状プラスチック固体を微粒子状プラスチック供給装置844内に装填してもよい。パドルフィーダーは、本技術の範囲内で微粒子状プラスチック固体を移動または装填するためにも使用できる他の機構とは区別され、これには、ホッパーの底部に接続されたスクリューまたはベルトコンベアを含む「減量」フィーダーを含む。次いで微粒子状プラスチック供給装置844は、微粒子状プラスチック固体を搬送設備822に誘導して、プラスチック化学的再資源化プロセス900に輸送する。
【0200】
[0208]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、搬送設備822は、本明細書に記載の微粒子状プラスチック固体の搬送に適する任意のコンベアを含む。例示的なコンベアとしては、空気圧式コンベア、ベルトコンベア、バケットコンベア、振動コンベア、スクリューコンベア、カートオントラックコンベア、牽引コンベア、トロリーコンベア、およびチェーンコンベアが挙げられる。特定の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、搬送設備822は、プラスチック固体処理施設800およびプラスチック化学的再資源化施設900を相互接続する空気圧式プラスチック搬送導管823、導管823内の微粒子状プラスチック固体を輸送するための原動力を提供する送風機821、および場合によっては導管823の遠位端またはその近傍に配置されてもよい少なくとも1つの集塵機(図示せず)を含む空気圧式コンベアを備える。
【0201】
[0209]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、プラスチック化学的再資源化施設900は、加溶媒分解設備920、部分酸化(「POX」)ガス化設備930、または熱分解設備940を備える。加溶媒分解設備920は、加メタノール分解設備またはPET加溶媒分解設備などのエステル加溶媒分解設備を含んでもよい。プラスチック固体処理施設800は、プラスチック化学的再資源化施設900から1609.34m(1マイル)未満、1371.60m(1500ヤード)未満、1143m(1250ヤード)未満、914.40m(1000ヤード)未満、685.80m(750ヤード)未満、457.20m(500ヤード)未満、228.60m(250ヤード)未満、または91.44m(100ヤード)未満に配置されてもよい。
【0202】
[0210]図13には、ポリエチレンテレフタラートが富化された微粒子状プラスチック固体流820およびポリエチレンテレフタラートが低減された微粒子状プラスチック固体流830を生成するように作動可能な廃棄プラスチック分別システム745を含む例示的なプラスチック固体再資源化プラントを概略的に示す。次いで各流れは、密閉構造物824、834のそれぞれに運搬され、それら構造物はそのような流れを操作かつ処理するように構成された本明細書に記載のいずれかの密閉構造物を含んでもよい。特定の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、密閉構造物は、図12に示す密閉構造物を含み、この密閉構造物は、構造物内に微粒子状プラスチック固体を堆積させるように、あるいはプラスチック固体輸送システム内に微粒子状プラスチック固体を堆積させるように作動可能な高架式コンベア825を備える。
【0203】
[0211]密閉構造物824、834のそれぞれは、それぞれの構造物と施設との間に配置された微粒子状プラスチック固体輸送システムを通して、少なくとも1つのそれぞれの下流のプラスチック化学的再資源化施設に微粒子状プラスチック固体流を提供するように構成される。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第1の密閉構造物824は、微粒子状プラスチック固体流を加溶媒分解プロセス920に供給するように構成され、そのプロセスでは、エステル、アルコール、および重質有機加溶媒分解副産物と軽質有機加溶媒分解副産物などの加溶媒分解副産物を含む種々の加溶媒分解生成物が生成される。ポリエチレンテレフタラートが富化された微粒子状プラスチック固体流は、PET加溶媒プロセスに供給されてもよく、そのプロセスでは、テレフタル酸ジメチル(DMT)、エチレングリコール(EG)、メタノール、および軽質有機加溶媒分解副産物および/または重質有機加溶媒分解副産物などの加溶媒分解副産物を含む種々の加溶媒分解生成物が生成される。
【0204】
[0212]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、第2の密閉構造物834は、微粒子状プラスチック固体流、特にポリエチレンテレフタラートが低減され場合によってはポリオレフィンが富化された流れを、(コンベア832などの)第2の微粒子状プラスチック固体輸送システムによるPOXガス化設備930、加溶媒分解設備920、または熱分解設備940のうちの少なくとも1つに提供するように構成される。POXガス化設備930は、場合によっては石炭またはPETコークス(石油コークス)などの固形化石燃料と組み合わせて、固体を受け入れるように構成されてもよい。POXガス化設備930は、合成ガス932、場合によってはメタノール流またはアセチル流などの化学物質の製造に適する品質の合成ガス流を生成するように作動可能である。熱分解設備940は、熱分解ガス942、(熱分解油などの)熱分解液体944、および熱分解残留物、例えば熱分解重質ワックスおよび熱分解炭化物(図示せず)などの様々な熱分解生成物および副産物を生成するように作動可能であってもよい。加溶媒分解設備920は、溶媒の存在下でプラスチック固体(通常はPET)の少なくとも一部分を分解して、テレフタル酸ジメチルなどの主カルボキシル生成物、およびエチレングリコールなどの主グリコール生成物を生成するように構成されてもよい。
【0205】
[0213]図13に示すプラスチック固体再資源化プラントは、複数の手法で操作してもよい。一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、微粒子状プラスチック固体は、プラスチック化学的再資源化施設900が稼働している間に、微粒子状プラスチック固体輸送システム840内に連続的に堆積される。このような稼働方式では、例えば高架式コンベア825によって運搬される微粒子状プラスチック固体は、最初は密閉構造物824、834中の在庫積重物826内に配置されずに、微粒子状プラスチック固体輸送システム840に直接的に移送される。
【0206】
[0214]他の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的プラスチック再資源化施設900が稼働していない際には、微粒子状プラスチック固体は少なくとも1つの在庫積重物826内に堆積される。廃棄プラスチック分別プロセス745から受け入れた微粒子状プラスチック固体に対する要求が存在しない場合には、高架式コンベア825によって運搬される固体を密閉構造物の床部に向けて迂回させて、微粒子状プラスチック固体は、1つ以上の在庫積重物826内に配置させてもよい。
【0207】
[0215]他の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、微粒子状プラスチック固体は、プラスチック化学的再資源化施設900が稼働中に、前もって密閉構造物824、834内に生成された少なくとも1つの在庫積重物826から微粒子状プラスチック固体輸送システム840内に装填される。特定の例によっては、廃棄プラスチック分別プロセス745は微粒子状プラスチック固体を生成していないが、プラスチック化学的再資源化施設900を稼働し続けることが望ましい。これは、フロントエンドローダー846またはベルトローダーを使用して、微粒子状プラスチック固体を輸送システム840の貯蔵槽またはホッパー内に堆積させて達成できる。但しこの操作を達成するためには、その他の設備も使用してもよい。例えば、フロントエンドローダーを使用する場合には、少なくとも1つの在庫積重物から微粒子状プラスチック固体輸送システムへの微粒子状プラスチック固体の移送は、ベルトローダーを使用して連続的に輸送システムに供給するのとは対照的にバッチ方式で実施される。
【0208】
[0216]他の一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、微粒子状プラスチック固体は、高架式コンベア825および少なくとも1つの在庫積重物826の両方から微粒子状プラスチック固体輸送システム840に同時に堆積される。特定の例によっては、廃棄プラスチック分別プロセス745からの微粒子状プラスチック固体の比率は、プラスチック化学的再資源化施設900による微粒子状プラスチック固体の要求全体量を供給するには不十分である。従って微粒子状プラスチック固体は、高架式コンベア825から微粒子状プラスチック固体輸送システム840内に直接的に堆積させてもよく、かつ上述のように1つ以上の在庫積重物826から引き出されてもよい。
【0209】
[0217]一実施態様では、または上述の実施態様のいずれかとの組合せでは、2つ以上の下流のプラスチック化学的再資源化施設が稼働する。従って密閉構造物のうちの少なくとも1つからの微粒子状プラスチック固体を用いて、再資源化施設に供給する。第1の密閉構造物は、ポリエチレンテレフタラートが富化された微粒子状プラスチック固体流を処置または処理でき、第2の密閉構造物は、ポリエチレンテレフタラートが低減された微粒子状プラスチック固体流を処置または処理できる。それぞれの密閉構造物に会合する高架式コンベアは、微粒子状プラスチック固体流を第1および第2の微粒子状プラスチック固体輸送システムおよび/または第1および第2の在庫積重物に同時に堆積させるように構成されてもよい。従ってポリエチレンテレフタラート富化流の堆積は、それぞれの輸送システム内で前記ポリエチレンテレフタラートが減少流の堆積とともに同時に起こる。但し、微粒子状プラスチック固体がそれぞれの密閉構造物から供給される方式は必ずしも同一である必要はなく、異なる方式が同時に使用されてもよいと考えられる。例えば、ポリエチレンテレフタラートが富化された微粒子状プラスチック固体は、高架式コンベアから直接的に第1の微粒子状プラスチック固体輸送システムに供給されてもよく、ポリエチレンテレフタラートが低減された微粒子状プラスチック固体は、そのような固体の1つ以上の在庫積重物から第2の微粒子状プラスチック固体輸送システムに供給されてもよい。一方の密閉構造物では、微粒子状固体プラスチック固体を1つ以上の在庫積重物に堆積させること、また他方の密閉構造物では、廃棄プラスチック分別プロセスから微粒子状プラスチック固体を全く受け入れないようにすることも可能である。
【0210】
[0218]本発明の様々な実施態様でのさらなる利点は、本明細書での開示内容の検討により当業者には明確になる。当然なことではあるが、本明細書に別段の指示がない限り、本明細書に記載の様々な実施態様は必ずしも相互に排除されるものではない。例えば一実施態様で説明または提示される特徴は、他の実施態様にも含まれてもよいが、必ずしも含まれるものではない。従って、特定の実施態様の種々の組合せおよび/または統合は、本明細書で提供される開示内容によって包含される。
【実施例
【0211】
[0219]以下の実施例は、本発明の一実施態様によるプラスチックを分別するプロセスを説明する。但し当然のことであるが、本実施例は説明のためにのみ提供されており、本発明の全体的な範囲を限定するとは解釈されるべきではない。
【0212】
[0220]本実施例では、図4に示す上述のプロセスと同様に、様々な混合プラスチック廃棄物供給原料を、第1の高密度の浮沈式分別段階(目標分別密度:1.4g/cc)およびそれに続く第2の低密度の浮沈式分別段階(目標分別密度:1.3g/cc)を含む分別プロセスに供給した。炭酸カリウムを用いて浮沈式段階のための濃厚塩溶液を調製した。以下の表1は、様々なプラスチック含量および他の廃棄物成分を有する種々の供給原料源を用いる試験のための供給原料および生成物流の組成を示す。重質物富化流(すなわち1.4g/ccを超える平均プラスチック密度を有するプラスチック流)は、これらの試験ではこの流れの回収量は無視できる程度であったので、表1には示していない。全ての百分率は、流れの総重量を100重量%として重量百分率で示される。ナイロン含量は、測定された窒素(N)原子重量に基づいて示される。
【0213】
【表1-1】
【0214】
【表1-2】
【0215】
[0221]さらに抗菌データを、混合プラスチック廃棄物供給原料の様々な試料に対して収集して、上述の密度分別プロセスでの炭酸カリウムを使用することでも、別の抗菌剤を使用することを必要とせずに抗菌効果が提供されることが実証された。試料1~4は、前述の密度分別プロセスで使用された炭酸カリウム媒体で処理された。処理済みおよび未処理のプラスチックの抗菌データを、本明細書に記載の試験手順を用いて収集した。標準寒天培地(plate count agar=PCA)基質上で増殖させた培養物を用いて、細菌の計数を実施した。サブローデキストロース寒天(Sabouraud dextrose agar=SDA)基質上で増殖させた培養物を用いて、真菌数を計数した。結果を以下の表2に示す。表に見るように、上述の密度分別プロセスは、プラスチック内の細菌および真菌の数を低減するのに非常に効果的であることが示された。
【0216】
【表2】
【0217】
定義
[0222]当然のことではあるが、以下の説明は、定義された用語の限定的な記述の一覧とすることを意図するものではない。例えば文脈中に定義された用語の使用を伴なう場合には、その他の別の定義がその前述の説明中に含まれてもよい。
【0218】
[0223]本明細書で使用される用語「a」、「an」、および「the」は、1つ以上を意味する。
[0224]本明細書で使用される用語「および/または」は、2つ以上の項目の列記に使用される場合には、記載された項目のうちのいずれか1つが単独で用いられてもよい、あるいは記載された項目の2つ以上の任意の組合せで用いられてもよいことを意味する。例えば、組成物が成分A、B、および/またはCを含むと記載される場合には、組成物はAのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの組合せ、AとCの組合せ、BとCの組合せ、または、A、B、およびCの組合せを含んでもよい。
【0219】
[0225]本明細書で使用される用語「抗菌処理段階」は、特に病原体を殺傷する(または病原体の増殖を阻害する)、および/または供給原料から臭気を除去するための専用の単位操作を指す。
【0220】
[0226]本明細書で使用される用語「生物系廃棄物」は、生きている生物由来の材料または有機起源の材料を指す。例示的な生物系廃棄物材料には、限定はされないが、綿、木材、おがくず、食物屑、動物および動物の部分、植物および植物の部分、ならびに天然肥料が含まれる。
【0221】
[0227]本明細書で使用される用語「苛性」は、病原体を殺傷しおよび/または臭気を低減するための洗浄剤として本技術で使用できる任意の塩基性溶液(例えば、強塩基、濃厚弱塩基溶液など)を指す。
【0222】
[0228]本明細書で使用される用語「遠心式密度分別」は、材料の分別が主に遠心力によって実施される密度分別プロセスを指す。
[0229]本明細書で使用される用語「化学的再資源化」は、廃棄プラスチックポリマーを、それら自体で有用であり、および/または別の化学物質製造プロセスへの供給原料として有用である低分子量ポリマー、オリゴマー、モノマー、および/または非ポリマー分子(例えば水素および一酸化炭素)に化学的に転換する工程を含む廃棄プラスチック再資源化プロセスを指す。
【0223】
[0230]本明細書で使用される用語「化学的再資源化施設」は、廃棄プラスチックの化学的再資源化によって再資源化物含有製品を製造するための施設を指す。化学的再資源化施設は、(i)前処理、(ii)加溶媒分解、(iii)熱分解、(iv)クラッキング、および/または(v)POXガス化の工程のうちの1つ以上を用いてもよい。
【0224】
[0231]本明細書で使用される用語「共同設置された」は、共通の物理的な位置に、および/または互いに1609.34m(1マイル)以内に配置される少なくとも2つの対象物の特徴を指す。
【0225】
[0232]本明細書で使用される用語「相溶化剤」は、物理的混合物(すなわちブレンド)中で、他の方法では非混和性の少なくとも2つのポリマーを一緒に組み合わせることができる薬剤を指す。
【0226】
[0233]本明細書で使用される用語「含むこと(comprising)」、「含む(comprises)」、および「含む(comprise)」は、用語の前に記載される主題から、用語の後に記載される1つ以上の要素に移行するために使用される非限定の移行用語であり、移行用語の後に記載される1つ以上の要素は、必ずしも主題を構成する唯一の要素ではない。
【0227】
[0234]本明細書で使用される用語「伝導(conducting)」は、バッチ方式および/または連続方式での材料の輸送を指す。
[0235]本明細書で使用される用語「クラッキング(cracking)」は、炭素-炭素結合を破壊して、複合有機分子をより単純な分子に分解することを指す。
【0228】
[0236]本明細書で使用される用語「D90」は、分布の90%がこれより小さな粒子サイズを有し、10%がこれより大きな粒子サイズを有する直径を表す。
[0237]本明細書で使用される用語「密度分別プロセス」は、少なくとも部分的に材料のそれぞれの密度に基づいて材料を分別する工程を指す。さらに、用語「低密度分別段階」および「高密度分別段階」は、相対的な密度分別プロセスを指し、低密度分別段階の目標分別密度は、高密度分別段階の目標分別密度よりも低い。
【0229】
[0238]本明細書で使用される用語「減少または低減された(depleted)」は、(乾燥重量基準で)特定成分の濃度が対照物質または流れ中のその成分の濃度よりも低いことを指す。
【0230】
[0239]本明細書で使用される用語「直接的に由来する(directly derived)」は、廃棄プラスチックに起因する少なくとも1つの物理的成分を有することを指す。
[0240]本明細書で使用される用語「富化された(enriched)」は、(乾燥重量基準で)特定成分の濃度が対照物質または流れ中のその成分の濃度よりも高いことを指す。
【0231】
[0241]本明細書で使用される用語「ハロゲン化物」は、負電荷を有するハロゲン原子(すなわちハロゲン化物イオン)を含む組成物を指す。
[0242]本明細書で使用される用語「ハロゲン」は、少なくとも1個のハロゲン原子を含む有機または無機化合物、イオン種、あるいは元素種を指す。
【0232】
[0243]本明細書で使用される用語「有すること(having)」、「有する(has)」、および「有する(have)」は、上述の「含むこと(comprising)」、「含む(comprises)」、および「含む(comprise)」と同様の非限定の意味を有する。
【0233】
[0244]本明細書で使用される用語「重質有機加メタノール分解副生成物」は、沸点がDMTよりも高い加メタノール分解副生成物を指す。
[0245]本明細書で使用される用語「重質有機加溶媒分解副生成物」は、加溶媒分解施設の主テレフタリル生成物より高い沸点を有する加溶媒分解副生成物を指す。
【0234】
[0246]本明細書で使用される用語「含むこと(including)」、「含む(include)」、および「含まれた(included)」は、上述の「含むこと(comprising)」、「含む(comprises)」、および「含む(comprise)」と同様の非限定の意味を有する。
【0235】
[0247]本明細書で使用される用語「間接的に由来する(indirectly derived)」は、i)廃棄プラスチックに起因するが、ii)廃棄プラスチックに由来する物理的成分は保有しない、指定の再資源化物を有することを指す。
【0236】
[0248]本明細書で使用される用語「取り分けられた(isolated)」は、動的にまたは静的に他の材料から分離されている1つ以上の対象物がそれ自体またはそれら自体で存在する特徴を指す。
【0237】
[0249]本明細書で使用される用語「軽質有機加メタノール分解副生成物」は、沸点がDMTよりも低い加メタノール分解副生成物を指す。
[0250]本明細書で使用される用語「軽質有機加溶媒分解副生成物」は、加溶媒分解施設の主テレフタリル生成物よりも低い沸点を有する加溶媒分解副生成物を指す。
【0238】
[0251]本明細書で使用される用語「セルロース加工製品」は、セルロース繊維を含む、非天然(すなわち人工または機械加工の)物品およびその断片を指す。セルロース加工製品の例としては、限定はされないが、紙および段ボール紙が挙げられる。
【0239】
[0252]本明細書で使用される用語「加メタノール分解副生成物」は、テレフタル酸ジメチル(DMT)、エチレングリコール(EG)、またはメタノールではない、加メタノール分解施設から取り出された任意の化合物を指す。
【0240】
[0253]本明細書で使用される「混合プラスチック廃棄物」すなわちMPWは、製造後の(または使用前の)プラスチック、使用後のプラスチック、またはそれらの混合物を指す。プラスチック材料の例には、限定はされないが、ポリエステル、1種以上のポリオレフィン(PO)、およびポリ塩化ビニル(PVC)が含まれる。さらに本明細書で使用される「廃棄プラスチック」は、限定はされないが、ポリエステル、ポリオレフィン(PO)、および/またはポリ塩化ビニル(PVC)などの任意の製造後の(または使用前の)プラスチックおよび使用後のプラスチックを指す。
【0241】
[0254]本明細書で使用される用語「多成分ポリマー」は、少なくとも1つの他のポリマー固体および/または非ポリマー固体と組み合わせられ、付着し、あるいは物理的および/または化学的に会合した少なくとも1つの合成または天然ポリマーを含む物品および/または微粒子を指す。
【0242】
[0255]本明細書で使用される用語「多層ポリマー」は、PET、ならびに2つ以上の物理的に異なる相でともに物理的および/または化学的に会合した少なくとも1つの他のポリマーおよび/または非ポリマー固体を含む多成分ポリマーを指す。
【0243】
[0256]本明細書で使用される用語「部分酸化(POX)ガス化」すなわち「POX」は、炭素含有供給原料の合成ガス(一酸化炭素、水素、および二酸化炭素)への高温転換を指し、この転換は、炭素をCOに完全に酸化するのに必要な化学量論量の酸素よりも少ない酸素量で実施される。POXガス化への供給原料は、固体、液体、および/または気体を含んでもよい。
【0244】
[0257]本明細書で使用される「PET」は、ポリエチレンテレフタラートのホモポリマー、あるいは変性剤で変性された、またはイソフタル酸、ジエチレングリコール、TMCD(2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール)、CHDM(シクロヘキサンジメタノール)、プロピレングリコール、イソソルビド、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、および/またはNPG(ネオペンチルグリコール)などのエチレングリコールおよびテレフタル酸以外の残基または部分を含むポリエチレンテレフタラート、あるいは(それらが繰返しエチレングリコールに基づく単位を含むか否かにかかわらず)繰返しテレフタラート単位およびTMCD(2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール)、CHDM(シクロヘキサンジメタノール)、プロピレングリコール、またはNPG(ネオペンチルグリコール)、イソソルビド、イソフタル酸、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、および/またはジエチレングリコール、またはそれらの組合せの1つ以上の残基または部分を含むポリエステルを意味する。
【0245】
[0258]本明細書で使用される用語「高架式」は、密閉構造物内の一定量の微粒子状プラスチック固体の最大高さより上にある構造物の物理的位置を指す。
[0259]本明細書で使用される用語「部分酸化(POX)ガス化施設」すなわち「POX施設」は、廃棄プラスチックおよびそれに由来する供給原料のPOXガス化を実行するのに必要な全ての設備、ライン、および制御部を含む施設を指す。
【0246】
[0260]本明細書で使用される用語「PET加溶媒分解」は、ポリエステルテレフタラート含有プラスチック供給原料が溶媒の存在下で化学的に分解されて主テレフタリル生成物および主グリコール生成物を生成する反応を指す。
【0247】
[0261]本明細書で使用される用語「物理的再資源化」(「機械的再資源化」としても知られる)は、廃棄プラスチックを溶融する工程、およびこの溶融プラスチックを新たな中間生成物(例えばペレットまたはシート)および/または新たな最終製品(例えばボトル)に形成する工程を含む廃棄プラスチック再資源化プロセスを指す。通常は、物理的な再資源化によりプラスチックの化学構造が変化することはない。
【0248】
[0262]本明細書で使用される用語「主として」は、50重量%を超えることを意味する。例えば、プロパンを主とする流れ、組成物、供給原料、または製品は、50重量%を超えるプロパンを含む流れ、組成物、供給原料、または製品である。
【0249】
[0263]本明細書で使用される用語「前処理」は、(i)粉砕、(ii)微粒子化、(iii)洗浄、(iv)乾燥、および/または(v)分別の各工程のうちの1つ以上を用いて化学的再資源化のための廃棄プラスチックを調製することを指す。
【0250】
[0264]本明細書で使用される用語「熱分解」は、不活性(すなわち実質的に無酸素)雰囲気中の高温での1つ以上の有機材料の加熱分解を指す。
[0265]本明細書で使用される用語「熱分解炭化物」は、熱分解から得られる200℃かつ1気圧で固体である炭素含有組成物を指す。
【0251】
[0266]本明細書で使用される用語「熱分解ガス」は、熱分解から得られる25℃で気体である組成物を指す。
[0267]本明細書で使用される用語「熱分解重質ワックス」は、熱分解炭化物、熱分解ガス、または熱分解油ではない、熱分解から得られるC20+炭化水素を指す。
【0252】
[0268]本明細書で使用される用語「熱分解油」すなわち「pyoil」は、熱分解から得られる25℃かつ1気圧で液体である組成物を指す。
[0269]本明細書で使用される用語「熱分解残留物」は、熱分解ガスまたは熱分解油ではなく、主として熱分解炭化物および熱分解重質ワックスを含む、熱分解から得られる組成物を指す。
【0253】
[0270]本明細書で使用される用語「再資源化物」は、廃棄プラスチックに直接的および/または間接的に由来する組成物であること、あるいはその由来する組成物を含むことを指す。
【0254】
[0271]本明細書で使用される用語「分別効率」は図14を指し、図中に分別装置950、(低密度成分(A)、中密度成分(B)、および高密度成分(C)を含む)供給原料960、(低密度成分(A)の)生成物流970、および(中密度成分(B)および高密度成分(C)の)生成物流980を示し、
ここで、生成物流970(単位時間あたり)に関して、
生成効率=Aの生成物重量/Aの供給量;
汚染効率=Bの生成物重量/Bの供給量;
汚染効率=Cの生成物重量/Cの供給量;
生成純度=Aの生成物重量/(A+B+Cの生成物量)であり、
ここで、生成物流980(単位時間あたり)に関して、
汚染効率=Aの生成物重量/Aの供給量;
生成効率=Bの生成物重量/Bの供給量;
生成効率=Cの生成物重量/Cの供給量;
生成純度=(B+Cの生成物重量)/(A+B+Cの生成物量)である。
【0255】
[0272]本明細書で使用される用語「浮沈式密度分別」は、材料の分別が主として選択された液状媒体中で浮遊または沈降によって引き起こされる密度分別プロセスを指す。
[0273]本明細書で使用される用語「加溶媒分解」または「エステル加溶媒分解」は、エステル含有供給原料が溶媒の存在下で化学的に分解されて主カルボキシル生成物および主グリコール生成物を生成する反応を指す。加溶媒分解の例には、加水分解、加アルコール分解、および加アンモニア分解が含まれる。
【0256】
[0274]本明細書で使用される用語「加溶媒分解副生成物」は、加溶媒分解設備の主カルボキシル(テレフタリル)生成物ではない、加溶媒分解設備の主グリコール生成物ではない、または加溶媒分解設備へ供給された主溶媒ではない、加溶媒分解設備から取り出された任意の化合物を指す。
【0257】
[0275]本明細書で使用される用語「テレフタリル」は、以下の基を含む分子を指す。
【0258】
【化1】
【0259】
[0276]本明細書で使用される用語「主テレフタリル」は、加溶媒分解設備から回収された主要なまたは重要なテレフタリル生成物を指す。
[0277]本明細書で使用される用語「グリコール」は、分子あたりに2つ以上の-OH官能基を含む成分を指す。
【0260】
[0278]本明細書で使用する用語「主グリコール」は、加溶媒分解設備から回収される主要なグリコール生成物を指す。
[0279]本明細書で使用される用語「目標分別密度」は、これより上の密度で密度分別プロセスに供された材料がより高密度の産出物に優先的に分別され、およびこれより下の密度でその材料がより低密度の産出物に分別される密度を指す。目標分別密度として所定の密度値が特定化され、その数値より高い密度を有する全てのプラスチックおよび他の固体材料を高密度の産出物に分別し、かつその数値より低い密度を有する全てのプラスチックおよび他の固体材料を低密度の産出物に分別することが意図される。但し密度分別プロセスでの実際の材料の分別効率は、滞留時間、および特定材料の密度の目標密度分別値への相対的な近接性を含む、種々の要因に依存する可能性がある。
【0261】
[0280]本明細書で使用される用語「廃棄プラスチック」は、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリオレフィン(PO)、および/またはポリ塩化ビニル(PVC)などの使用済み、廃物、および/または処分済みのプラスチック材料を指す。廃棄プラスチックはまた、合計で10重量%未満であり、かつ廃棄プラスチック含量中で個別に1重量%未満であるいくつかの微量プラスチック成分を含んでもよい。一実施態様または複数の実施態様では、廃棄プラスチックはまた、合計で50重量%未満、40重量%未満、30重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、または10重量%未満であるいくつかの(PETおよびポリオレフィン以外の)微量プラスチック成分を含んでもよく、場合によっては個別に30重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、または1重量%未満の廃棄プラスチック含量を示してもよい。
【0262】
[0281]本明細書で使用される語句「少なくとも一部分」は、全量または全時間の少なくとも一部分を含み、最大としてその全量または全時間を含む。
[0282]本明細書で使用される「下流」は、
a.場合によっては1つ以上の中間の単位操作部、容器、または設備を通して、分解炉の輻射部からの出口流に流体(液体または気体)連通、または配管連通にある、あるいは、
b.目標の単位操作部、容器、または設備が、(炉および関連する全ての下流分別設備を含む)分解施設の敷地境界内に留まると仮定した場合に、場合によっては1つ以上の中間の単位操作部、容器、または設備を通して、分解炉の輻射部からの出口流に流体(液体または気体)連通、または配管連通にある目標の単位操作部、容器、または設備を意味する。
開示された実施態様には限定されない特許請求の範囲
[0283]上述の本発明の好ましい形態は、例示としてのみ使用されるべきであり、本発明の範囲を解釈するために限定的な意味で使用されるべきではない。上述の例示的な実施態様に対する改変は、本発明の趣旨から逸脱することなく、当業者なら容易に実施できる可能性がある。
【0263】
[0284]本発明は、以下の特許請求の範囲内に定める本発明の文言上の範囲から実質的に逸脱はしていないが本発明の文言上の範囲外にある任意の設備に関連しているので、本発明の合理的に公正な範囲を決定および評価するために、本発明者らは、均等論に依拠する意図があることをここに主張する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-10-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄プラスチックの分別方法であって、
(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)微粒子を第1の密度分別段階に導入する工程、および
(b)前記第1の密度分別段階からの産出流を第2の密度分別段階に供給する工程を含み、
前記第1および第2の密度分別段階の一方は、遠心式分別段階であり、前記第1および第2の密度分別段階の他方は、浮沈式密度分別段階である、方法。
【請求項2】
前記第1の密度分別段階は、少なくとも90%のPETに関する分別効率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の密度分別段階は、少なくとも90%のPETに関する分別効率を有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の密度分別段階は高密度分別段階であり、前記第2の密度分別段階は低密度分別段階である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の密度分別段階は、前記産出流としての第1のPET富化流、およびPETが低減された重質物富化流を生成する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の密度分別段階は、前記第1のPET富化流を、第2のPET富化流およびポリオレフィン富化流に分別する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のPET富化流は、PVCが富化されている、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記重質物富化流は、1.41g/ccを超える密度を有する非プラスチック固体および/または重質プラスチックを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の分別段階から前記産出流として第1のPET富化流を回収する工程、および前記第2の分別段階から第2のPET富化流を回収する工程をさらに含み、前記第2のPET富化流は、乾燥プラスチック基準で、前記第1のPET富化流よりも高い濃度のPETを有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のPET富化流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも55重量%のPETを含み、および/または前記第2のPET富化流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも90重量%のPETを含む、請求項6またはに記載の方法。
【請求項11】
塩および/または糖類を水と混合して濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液を生成する工程、および前記濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液を前記第1または第2の密度分別段階のうちの少なくとも一方に供給する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項12】
前記濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液は、炭酸カリウムを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
廃棄プラスチックの分別方法であって、
(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)微粒子を高密度の浮沈式密度分別段階に導入する工程、および
(b)前記高密度の浮沈式密度分別段階からの産出流を低密度の遠心式密度分別段階に供給する工程を含み、
前記高密度の分別段階は、1.35g/cc超、および/または1.45g/cc未満である目標分別密度を有し、
前記低密度の分別段階は、前記高密度の分別段階の目標分別密度より少なくとも0.01g/cc低い目標分別密度を有する、方法。
【請求項14】
前記高密度の浮沈式密度分別段階は、少なくとも90%のPETに関する分別効率を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記高密度の浮沈式密度分別段階は、前記産出流としての第1のPET富化流、およびPETが低減された重質物富化流を生成し、
前記低密度の遠心式密度分別段階は、前記第1のPET富化流を第2のPET富化流およびポリオレフィン富化流に分別し、
前記第1のPET富化流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも75重量%のPETを含み、および/または前記第2のPET富化流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも90重量%のPETを含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
廃棄プラスチックの分別方法であって、
(a)MPW微粒子を高密度の浮沈式密度分別段階に導入して、微粒子状プラスチック固体産出流および前記産出流よりも高い平均微粒子状プラスチック固体密度を有する高密度の微粒子状プラスチック固体流を生成する工程、および
(b)前記微粒子状プラスチック固体産出流の少なくとも一部分を遠心式密度分別段階に供給して、中密度の微粒子状プラスチック固体流および低密度の微粒子状プラスチック固体流を生成する工程を含み、
前記高密度の微粒子状プラスチック固体流の平均微粒子状プラスチック固体密度は、前記中密度の微粒子状プラスチック固体流の平均微粒子状プラスチック固体密度より高く、前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、前記低密度の微粒子状プラスチック固体流の平均微粒子状プラスチック固体密度より高い平均微粒子状プラスチック固体密度を有する、方法。
【請求項17】
前記産出流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも75重量%のPETを含み、および/または前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも90重量%のPETを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、乾燥プラスチック基準で、少なくとも0.1重量%かつ10重量%以下の量のPVCをさらに含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、前記低密度の微粒子状プラスチック固体流に対してPETが富化されている、請求項16または17に記載の方法。
【請求項20】
前記低密度の微粒子状プラスチック固体流および前記高密度の微粒子状プラスチック固体流は、組み合わされて単一流になる、16または17に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0263
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0263】
[0284]本発明は、以下の特許請求の範囲内に定める本発明の文言上の範囲から実質的に逸脱はしていないが本発明の文言上の範囲外にある任意の設備に関連しているので、本発明の合理的に公正な範囲を決定および評価するために、本発明者らは、均等論に依拠する意図があることをここに主張する。
本明細書は以下の発明の態様を包含する。
[1]
廃棄プラスチックの分別方法であって、
(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)微粒子を第1の密度分別段階に導入する工程、および
(b)前記第1の密度分別段階からの産出流を第2の密度分別段階に供給する工程を含み、
前記第1および第2の密度分別段階の一方は、遠心式分別段階であり、前記第1および第2の密度分別段階の他方は、浮沈式密度分別段階である、方法。
[2]
前記第1の密度分別段階は、P少なくとも90%のPETに関する分別効率を有する、[1]に記載の方法。
[3]
前記第2の密度分別段階は、少なくとも90%のPETに関する分別効率を有する、[1]または[2]に記載の方法。
[4]
前記第1の密度分別段階は前記高密度分別段階であり、前記第2の密度分別段階は前記低密度分別段階である、[1]または[2]に記載の方法。
[5]
前記第1の密度分別段階は、前記産出流としての第1のPET富化流、およびPETが低減された重質物富化流を生成する、[4]に記載の方法。
[6]
前記第2の密度分別段階は、前記第1のPET富化流を、第2のPET富化流およびポリオレフィン富化流に分別する、[5]に記載の方法。
[7]
前記第2のPET富化流および/または前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、PVCが富化されている、[5]に記載の方法。
[8]
前記第2のPET富化流および/または前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、ポリオレフィンが低減されている、[5]に記載の方法。
[9]
前記重質物富化流および/または前記高密度の微粒子状プラスチック固体流は、1.41g/ccを超える密度を有する非プラスチック固体および/または重質プラスチックを含む、[5]に記載の方法。
[10]
前記第1の分別段階から前記産出流として第1のPET富化流を回収する工程、および前記第2の分別段階から第2のPET富化流を回収する工程をさらに含み、前記第2のPET富化流は、乾燥プラスチック基準で、前記第1のPET富化流よりも高い濃度のPETを有する、[1]または[2]に記載の方法。
[11]
前記第1のPET富化流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも55重量%のPETを含み、および/または前記第2のPET富化流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも90重量%のPETを含む、[6]または[10]に記載の方法。
[12]
塩および/または糖類を水と混合して濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液を生成する工程、および前記濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液を前記第1または第2の密度分別段階のうちの少なくとも一方に供給する工程をさらに含む、[1]または[2]に記載の方法。
[13]
前記濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液は、糖類、あるいは酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、および/または水酸化物などの非ハロゲン化塩を含む、[12]に記載の方法。
[14]
前記濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液は、炭酸カリウムを含む、[13]に記載の方法。
[15]
前記炭酸カリウムを含む濃厚塩溶液は、前記第1の密度分別段階に供給される、[14]に記載の方法。
[16]
苛性成分と水を混合して苛性溶液を生成する工程、および前記苛性溶液を前記MPW微粒子、前記第1の密度分別段階、前記産出流、前記第2の密度分別段階、および/または前記第1または前記第2の密度分別段階からの1つ以上のPET富化流またはポリオレフィン富化流に供給する工程をさらに含む、[1]または[2]に記載の方法。
[17]
別の苛性成分は、前記第1の密度分別段階および/または前記第2の密度分別段階に導入されない、および/または前記MPW微粒子は、前記第1の密度分別段階に導入される前に別の抗菌処理段階に供されない、[12]に記載の方法。
[18]
廃棄プラスチックの分別方法であって、
(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)微粒子を高密度の浮沈式密度分別段階に導入する工程、および
(b)前記高密度の浮沈式密度分別段階からの産出流を低密度の遠心式密度分別段階に供給する工程を含み、
前記高密度の分別段階は、1.35g/cc超、および/または1.45g/cc未満である目標分別密度を有し、
前記低密度の分別段階は、前記高密度の分別段階の目標分別密度より少なくとも0.01g/cc低い目標分別密度を有する、方法。
[19]
前記高密度の浮沈式密度分別段階は、少なくとも90%のPETに関する分別効率を有する、[18]に記載の方法。
[20]
前記低密度の遠心式密度分別段階は、少なくとも90%のPETに関する分別効率を有する、[18]または[19]に記載の方法。
[21]
前記高密度の浮沈式密度分別段階は、前記産出流としての第1のPET富化流、およびPETが低減された重質物富化流を生成する、[18]または[19]に記載の方法。
[22]
前記低密度の遠心式密度分別段階は、前記第1のPET富化流を第2のPET富化流およびポリオレフィン富化流に分別する、[21]に記載の方法。
[23]
前記第1のPET富化流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも75重量%のPETを含み、および/または前記第2のPET富化流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも90重量%のPETを含む、[22]に記載の方法。
[24]
塩および/または糖類を水と混合して濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液を生成する工程、および前記濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液を、前記高密度の浮沈式密度分別段階または低密度の遠心式密度分別段階のうちの少なくとも一方に供給する工程をさらに含む、[18]または19に記載の方法。
[25]
前記濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液は、糖類、あるいは酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、および/または水酸化物などの非ハロゲン化塩を含む、[24]に記載の方法。
[26]
前記濃厚塩溶液および/または濃厚糖類溶液は、炭酸カリウムを含む、[24]に記載の方法。
[27]
前記炭酸カリウムを含む濃厚塩溶液は、前記高密度の浮沈式密度分別段階に供給される、[26]に記載の方法。
[28]
苛性成分と水を混合して苛性溶液を生成する工程、および前記苛性溶液を前記MPW微粒子、前記高密度の浮沈式密度分別段階、前記産出流、前記低密度の遠心式密度分別段階、および/または前記高密度の浮沈式密度分別段階または前記低密度の遠心式密度分別段階からの1つ以上のPET富化流またはポリオレフィン富化流に供給する工程をさらに含む、[18]、[19]または[20]に記載の方法。
[29]
別の苛性成分が、前記高密度の浮沈式密度分別段階および/または前記低密度の遠心式密度分別段階に導入されない、および/または前記MPW微粒子が、前記高密度の浮沈式密度分別段階に導入される前に別の抗菌処理段階に供されない、[25]に記載の方法。
[30]
廃棄プラスチックの分別方法であって、
(a)MPW微粒子を高密度の浮沈式密度分別段階に導入して、微粒子状プラスチック固体産出流および前記産出流よりも高い平均微粒子状プラスチック固体密度を有する高密度の微粒子状プラスチック固体流を生成する工程、および
(b)前記微粒子状プラスチック固体産出流の少なくとも一部分を遠心式密度分別段階に供給して、中密度の微粒子状プラスチック固体流および低密度の微粒子状プラスチック固体流を生成する工程を含み、
前記高密度の微粒子状プラスチック固体流の平均微粒子状プラスチック固体密度は、前記中密度の微粒子状プラスチック固体流の平均微粒子状プラスチック固体密度より高く、前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、前記低密度の微粒子状プラスチック固体流の平均微粒子状プラスチック固体密度より高い平均微粒子状プラスチック固体密度を有する、方法。
[31]
前記産出流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも75重量%のPETを含み、および/または前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、乾燥プラスチック基準で少なくとも90重量%のPETを含む、[30]に記載の方法。
[32]
前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、乾燥プラスチック基準で、少なくとも0.1重量%かつ10重量%以下の量のPVCをさらに含む、[30]または[31]に記載の方法。
[33]
前記高密度の微粒子状プラスチック固体流は、乾燥プラスチック基準で10重量%未満のPETを含む、[30]または[31]に記載の方法。
[34]
前記低密度の微粒子状プラスチック流は、乾燥プラスチック基準で10重量%未満のPETを含む、[30]または[31]に記載の方法。
[35]
前記高密度の微粒子状プラスチック固体流の質量流量は、乾燥プラスチック基準で前記産出流の質量流量未満である、[32]または[33]に記載の方法。
[36]
前記高密度の微粒子状プラスチック固体流の質量流量は、乾燥プラスチック重量基準で、前記高密度の浮沈式密度分別段階に導入される前記MPW微粒子の20重量%以下である、[30]または[31]に記載の方法。
[37]
前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、前記低密度の微粒子状プラスチック固体流に対してPETが富化されている、[30]または[31]に記載の方法。
[38]
前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、前記高密度の微粒子状プラスチック固体流に対してPETが富化されている、[30]または[31]に記載の方法。
[39]
前記中密度の微粒子状プラスチック固体流は、前記低密度の微粒子状プラスチック固体流と前記高密度の微粒子状プラスチック固体流の組合せに対してPETが富化されている、[30]または[31]に記載の方法。
[40]
前記低密度の微粒子状プラスチック固体流および前記高密度の微粒子状プラスチック固体流は、組み合わされて単一流になる、[30]または[31]に記載の方法。
[41]
前記低密度の微粒子状プラスチック固体流は、前記中密度の微粒子状プラスチック固体流に対してポリオレフィンが富化されている、[30]または[31]に記載の方法。
[42]
廃棄プラスチックの分別方法であって、
(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)微粒子を第1の遠心式密度分別段階に導入する工程、および
(b)前記第1の遠心式密度分別段階からの産出流を第2の遠心式密度分別段階に供給する工程を含む、方法。
[43]
前記MPW微粒子は、ポリエチレンテレフタラート(PET)とポリオレフィンの組合せを少なくとも50重量%の量で含む、[1]、[19]、[30]、または[42]に記載の方法。
[44]
前記MPW微粒子は、少なくとも5重量%のPETを含む、[1]、[19]、[30]、または[42]に記載の方法。
[45]
[1]、[19]、[30]、または[42]に記載の方法によって生成されたPET富化プラスチック材料。
[46]
乾燥プラスチック基準で少なくとも90重量%のPETを含む、[45]に記載のPET富化プラスチック材料。
[47]
乾燥プラスチック基準で10重量%以下のポリオレフィンを含む、[45]に記載のPET富化プラスチック材料。
[48]
乾燥プラスチック基準で1重量%以下のナイロンを含む、[45]に記載のPET富化プラスチック材料。
[49]
乾燥プラスチック基準で10重量%以下の多成分ポリマーを含む、[45]に記載のPET富化プラスチック材料。
[50]
乾燥プラスチック基準で10重量%以下の多層ポリマーを含む、[45]に記載のPET富化プラスチック材料。
[51]
[1]、[19]、[30]、または[42]に記載の方法によって生成されたポリオレフィン富化プラスチック材料。
[52]
乾燥プラスチック基準で10重量%未満のPETを含む、[51]に記載のポリオレフィン富化プラスチック材料。
[53]
乾燥プラスチック基準で10重量%未満のPVCを含む、[51]に記載のポリオレフィン富化プラスチック材料。
[54]
乾燥プラスチック基準で少なくとも0.1重量%のナイロンを含む、[51]に記載のポリオレフィン富化プラスチック材料。
【国際調査報告】