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特表2023-513323ネットワークにおいてノードデバイスを選択的にコミッショニングする方法及びコーディネータデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】ネットワークにおいてノードデバイスを選択的にコミッショニングする方法及びコーディネータデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04W 80/02 20090101AFI20230323BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20230323BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20230323BHJP
【FI】
H04W80/02
H04W84/18
H04W56/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548712
(86)(22)【出願日】2021-02-08
(85)【翻訳文提出日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 EP2021052947
(87)【国際公開番号】W WO2021160555
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/074754
(32)【優先日】2020-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】20169167.2
(32)【優先日】2020-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ツァン ツィーチョン
(72)【発明者】
【氏名】ドン ペイリャン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA14
5K067DD25
5K067EE25
5K067HH22
(57)【要約】
コーディネータデバイスによって作成されたネットワークにおいてコーディネータデバイスによってノードデバイスを選択的にコミッショニングする方法が開示される。コーディネータデバイス及びノードデバイスは、コーディネータデバイスによって記録されるコミッショニング開始時間に関するコーディネータ時間的インディケーション及びノードデバイスによって記録されるコミッショニング開始時間に関するノード時間的インディケーションが互いに同じ又は時間的に非常に類似若しくは近いことをチェックし確認するために互いにインタラクトする。この場合、コーディネータデバイスは、ノードデバイスをコーディネータデバイスによって作成されたネットワークに参加させることによりノードデバイスをコミッショニングする。これは、所望の又は予期されるノードデバイスのみが、コーディネータデバイスによって作成され管理されるネットワークに参加されることを確実にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーディネータデバイスによって作成されたネットワークにおいて前記コーディネータデバイスによってノードデバイスを選択的にコミッショニングする方法であって、前記コーディネータデバイス及び前記ノードデバイスの各々は、時間基準に従って動作し、コミッショニング開始時間を記録し、当該方法は、
前記コーディネータデバイスによって、ネットワーク利用可能メッセージを送信するステップと、
前記コーディネータデバイスによって、前記ノードデバイスから、前記ノードデバイスの前記コミッショニング開始時間に関するノード時間的インディケーションを含む参加要求を受信するステップと、
前記コーディネータデバイスによって、コーディネータ時間的インディケーションが前記ノード時間的インディケーションとマッチするのを決定するステップと、
前記コーディネータデバイスによって、前記ノードデバイスを前記ネットワークに参加させることにより前記ノードデバイスをコミッショニングするステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ネットワーク利用可能メッセージは、前記コーディネータデバイスの前記コミッショニング開始時間に関するコーディネータ時間的インディケーションを含み、前記参加要求は、前記コーディネータ時間的インディケーションが前記ノード時間的インディケーションにマッチすると決定することに応答して前記ノードデバイスによって送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記送信するステップは、前記コーディネータデバイスによって、前記ネットワークの利用可能性を示すビーコンメッセージを前記ネットワーク利用可能メッセージとしてブロードキャストすること、及び前記コーディネータデバイスによって、前記ノードデバイスからビーコン要求メッセージを受信することに応答して、前記ネットワークの利用可能性を示すビーコン応答メッセージを前記ネットワーク利用可能メッセージとして送信することのいずれかを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記コーディネータ時間的インディケーションが前記ノード時間的インディケーションとマッチするのを決定するステップは、
前記コーディネータデバイスによって、前記コーディネータデバイスの前記コミッショニング開始時間と前記ノードデバイスの前記コミッショニング開始時間との時間差を算出するステップと、
前記コーディネータデバイスによって、前記時間差が予め定められた閾値よりも小さいと判断するステップと、
を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記コーディネータデバイスの前記コミッショニング開始時間に関する前記コーディネータ時間的インディケーションは、前記コーディネータデバイスがパワーアップされてから前記ネットワーク利用可能メッセージが前記コーディネータデバイスによって送信されるまでの第1の経過時間を含み、前記ノードデバイスの前記コミッショニング開始時間に関する前記ノード時間的インディケーションは、前記ノードデバイスがパワーアップされてから前記参加要求が前記ノードデバイスによって送信されるまでの第2の経過時間を含み、前記算出するステップは、前記第1の経過時間と前記第2の経過時間との時間差を算出することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記コーディネータデバイス及び前記ノードデバイスは、同期され、実質的に同時にパワーアップされ、前記コーディネータデバイスの前記コミッショニング開始時間に関する前記コーディネータ時間的インディケーションは、前記コーディネータデバイスがパワーアップされた第1の時間を含み、前記ノードデバイスの前記コミッショニング開始時間に関する前記ノード時間的インディケーションは、前記ノードデバイスがパワーアップされた第2の時間を含み、前記算出するステップは、前記第1の時間と前記第2の時間との時間差を算出することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記送信されるネットワーク利用可能メッセージは、前記ネットワークの作成後の時間ウィンドウ内で前記コーディネータデバイスによって生成される複数のフラグのうちの1つを含み、前記参加要求は、当該フラグを含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記コーディネータ時間的インディケーションが前記ノード時間的インディケーションとマッチするのを決定するステップは、前記参加要求に含まれる前記フラグが前記複数のフラグのうちの1つとマッチするのを決定することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記送信されるネットワーク利用可能メッセージは、前記コーディネータデバイスから限定されたホップ数内のノードデバイスに送信される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記コーディネータデバイス及び前記ノードデバイスの各々は、メディアアクセス制御(MAC)データ処理プロトコルサブレイヤに従って動作し、前記コーディネータ時間的インディケーション及び前記ノード時間的インディケーションは、それぞれ前記ネットワーク利用可能メッセージ及び前記参加要求のMAC送信オフセットフィールドに含まれる、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記決定するステップは、前記MACデータ処理プロトコルサブレイヤによって実行される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
コーディネータデバイスであって、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法に従って当該コーディネータデバイスによって作成されたネットワークにおいてノードデバイスを選択的にコミッショニングするように構成されるコーディネータデバイス。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法に従って選択的にコミッショニングされるように構成されるノードデバイス。
【請求項14】
照明器具を含む、請求項13に記載のノードデバイス。
【請求項15】
少なくとも1つのプロセッサで実行された場合、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を含む、コンピュータプログラムプロダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ネットワークのノードデバイスを管理する分野に関し、より具体的には、ネットワークにおいてノードデバイスを選択的にコミッショニングする方法及びコーディネータデバイス(coordinator device)に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、データ通信ケイパビリティを有する、照明デバイス及びIoT(Internet of Things)デバイス、並びにeMTC(enhanced Machine-Type Communication)をサポートするデバイス等、電気又は電子デバイスが、複数の相互接続されるデバイスから成るネットワークに展開されることが多くなっている。
【0003】
異なるネットワークにおける役割に依存して、一般にノードデバイス若しくは端末デバイス、又はルータデバイスと呼ばれる、これらのデバイスは、ノードデバイス間の通信及び場合によってはバックエンドデバイス又はバックエンドサーバ等、リモートデバイスとの通信のための、ネットワークアダプタ又はトランシーバモジュール等、通信インターフェースを含み得る。
【0004】
通信インターフェースは、例えば、無線ネットワークのための指定されたZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、及びWiFi(登録商標)ベースのプロトコル、並びにDALI(登録商標)(Digital Addressable Lighting Interface)、DSI(Digital Serial Interface)、DMX(Digital Multiplex)、KNX(及びKNXベースのシステム)等の有線バスネットワーク、並びに独自の(proprietary)通信技術及びプロトコル等、ネットワーク化されたデバイス又はノードによってデータを交換するためのネットワークプロトコルに従って動作してもよい。
【0005】
さらに、通信インターフェースは、例えば、指定された2G/3G/4G/5Gセルラー通信等、無線モバイル通信規格、並びに長距離ワイドエリアネットワーク(Long Range Wide Area Network:LoRaWAN)、及び狭帯域IoT(Narrowband IoT:NB-IoT)等の他の長距離無線通信技術、又は独自の通信技術、並びに/又は有線データ交換通信技術に従って動作してもよい。
【0006】
ZigBee(登録商標)ノードデバイス等、IoTノードデバイスに関して、コミッショニングは、無線IoTネットワークを確立するための最初のステップである。しかしながら、コミッショニングプロセスは、一般に、ZigBee(登録商標)コーディネータデバイスは、コーディネータデバイスによって作成されたネットワークが参加に供されている時点でノードデバイスが参加するネットワークを検索している限り、これらのノードデバイスを自身のネットワークに参加させる、引き入れる又は集めることができるという意味でオープンである。
【0007】
異なるネットワークに属する2つ以上のコーディネータデバイスが同時にネットワーク参加アクションを実行する場合、ノードデバイスは、利用可能なネットワークにランダムに参加することになる。この場合、ノードデバイスが間違ったネットワークに参加するのをさらに容易にし、ネットワーク接続性に問題を引き起こし、動作競合(operation confliction)をもたらすことになる。
【0008】
特定のノードデバイスのグループのみが特定のネットワークに参加することを確実にするやり方は、コーディネータデバイスに、コーディネータデバイスのネットワークに参加することを許可されたノードデバイスの識別子を記憶させることである。しかしながら、このアプローチは、コーディネータデバイスに余分な記憶負担を課し、ノードデバイスの識別子を記憶手段に入力するために多大な手動労力を必要とする。その上、このようなアプローチは、特定のネットワークにおいて予期されるノードに関連する不確実性に起因して実際のアプリケーションには本質的に非実用的である。
【0009】
US2016248629A1は、異なるZigBeeパブリックプロファイルに属するデバイスをコンフィギュレーション及びコミッショニングすることができるコミッショニングツールを開示している。
【0010】
「XBee /XBee-PRO S2C Zigbee RF module」は、新しいデバイスがネットワークに追加される必要がある場合、ネットワーク上で短時間参加許可をイネーブルにすることにより、望ましくないデバイスが参加するのを防止することを提案している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それゆえ、すべてのノードデバイスが正しいIoTネットワークに参加することができることを保証するコミッショニング方法が真に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の第1の態様では、コーディネータデバイスによって作成されたネットワークにおいてコーディネータデバイスによってノードデバイスを選択的にコミッショニングする方法であって、コーディネータデバイス及びノードデバイスの各々は、時間基準(time basis)に従って動作し、コミッショニング開始時間(commissioning start time)を記録し、当該方法は、
- コーディネータデバイスによって、ネットワーク利用可能メッセージ(network-available message)を送信するステップと、
- コーディネータデバイスによって、ノードデバイスから、ノードデバイスのコミッショニング開始時間に関するノード時間的インディケーション(node temporal indication)を含む参加要求を受信するステップと、
- コーディネータデバイスによって、コーディネータ時間的インディケーション(coordinator temporal indication)がノード時間的インディケーションとマッチする(match)のを決定するステップと、
- コーディネータデバイスによって、ノードデバイスをネットワークに参加させることによりノードデバイスをコミッショニングするステップと、
を含む、方法が提示される。
【0013】
本開示は、時間ベースの選択的コミッショニング方法(time-based selective commissioning method)が、ノードデバイスがコーディネータデバイスによって作成された正しい又は適切な又は意図されたネットワークに参加するのを保証するために使用されることができるという洞察に基づく。
【0014】
一実施形態において、コーディネータ時間的インディケーション及びノードデバイス時間的インディケーションは、それぞれコーディネータ及びノードデバイスのコミッショニング開始時間を含む。
【0015】
とりわけ、本開示の一実施形態による解決策は、コーディネータデバイスによって、それぞれコーディネータデバイス及びノードデバイスによって記録され、それぞれコーディネータデバイス及びノードデバイスのパワーアップされた時間(powered-up time)に関するコミッショニング開始時間が、互いに同じ又は時間的に非常に類似若しくは近いことをチェックすることに依存する。コーディネータデバイス及びノードデバイスのパワーアップ時間(powering up time)間の時間的近接又は等しさ(temporal proximity or equality)は、コーディネータデバイスによって作成されたネットワークが、ノードデバイスが参加するための正しいネットワークであることを保証するのに役立つ。これは、コーディネータデバイス及びノードデバイスがパワーアップされるとコミッショニングを開始するというシナリオに基づく。
【0016】
一実施形態において、本開示の方法は、コーディネータデバイスが、ノードデバイスと共に、コーディネータデバイス及びノードデバイスが同時にパワーアップされていること、又はノードデバイスがコーディネータデバイスのパワーアップのすぐ後にパワーアップされていることを決定するための二重チェック(twofold check)を実行する場合に特に有利である。このシナリオに関する一実施形態において、参加要求は、コーディネータ時間的インディケーションがノード時間的インディケーションにマッチすると決定することに応答してノードデバイスによって送信される。
【0017】
本開示の解決策の実施のために、コーディネータデバイスは、先ず、コーディネータデバイスによって作成されたネットワークの利用可能性(availability)を示すネットワーク利用可能メッセージを送信する。ネットワーク利用可能メッセージは、コーディネータデバイスのコミッショニング開始時間に関するコーディネータ時間的インディケーションを含む。ネットワーク利用可能メッセージを受信すると、ノードデバイスは、コーディネータデバイスに参加要求を送信し、コーディネータデバイスによって作成されたネットワークへの参加を要求する。参加要求の送信は、コーディネータ時間的インディケーションがノードデバイスのコミッショニング開始時間に関するノード時間的インディケーションにマッチするとノードデバイスが判断することに特に依存してもよい。
【0018】
その後、コーディネータデバイスは(再度)、コーディネータ時間的インディケーション及びノード時間的インディケーションが互いにマッチするのを決定及び確認する(confirm)。これは、コーディネータデバイス及びノードデバイスの両方のコミッショニング開始時間が互いに同じ又は非常に類似することを判断するものである。その後、コーディネータデバイスは、ノードデバイスをネットワークに参加させることによりノードデバイスをコミッショニングする。
【0019】
それゆえ、一実施形態において、本開示の方法は、コーディネータデバイス及びノードデバイスの両方のコミッショニング開始時間の双方向チェックを実行し、それぞれコーディネータデバイス及びノードデバイスのコミッショニング開始時間に関するコーディネータ時間的インディケーション及びノード時間的インディケーションが互いにマッチする場合にのみノードデバイスがコーディネータデバイスによって作成又は所有されているネットワークに参加することを可能にする。この2重チェックは、コーディネータデバイスのパワーアップと同時又はその後にオンされたノードデバイスのみがネットワークに参加すること、及びコーディネータデバイスのパワーアップ前に既にパワーアップされているノードデバイス等他のノードデバイスが偶発的に又は誤ってネットワークに参加しないことを保証する。
【0020】
当該方法は、ネットワークへの参加が許可されるノードデバイスの識別子を記憶するためのコーディネータデバイスによる余分なストレージを必要とせず、これは、特にコーディネータデバイスが通常強力なストレージ容量を持たないことを考えると、有利である。
【0021】
一実施形態において、選択的コミッショニングは、本質的に、コーディネータデバイス及びノードデバイスを同時にオンすることによって実現され、これは、簡単で制御が容易であり、特別な制御指示を必要としない。
【0022】
本開示の一実施形態において、送信するステップは、コーディネータデバイスによって、ネットワークの利用可能性を示すビーコンメッセージをネットワーク利用可能メッセージとしてブロードキャストすることを含む。
【0023】
この場合、ネットワークに参加しようとするノードデバイスは、いわゆるパッシブスキャンモード(passive scan mode)で動作することができる。すなわち、ノードデバイスは、コーディネータデバイスによって作成されたネットワークの存在又は利用可能性を示す、ネットワーク利用可能メッセージである、ビーコンメッセージをただリッスンし、待つ。斯かるビーコンメッセージを受信することにより、ノードデバイスは、ネットワークが参加すべき正しいネットワークであるかどうかを確認及び判断することができる。
【0024】
これは、コーディネータデバイスが、ノードデバイスがネットワークに参加することが許可される時間をより柔軟に制御することを可能にする。具体的には、コーディネータデバイスがノードデバイスよりも前にオンされた場合、コーディネータデバイスは、ネットワークを作成するための準備を行い、ネットワークに参加することが想定及び許可されるノードデバイスをオン又はパワーアップさせるためのメッセージ又は指示(instruction)又は誘因(induction)を送信することができる。その後、コーディネータデバイスは、ビーコンメッセージをブロードキャストし、ノードデバイスにネットワークへの参加を促す。
【0025】
本開示の他の実施形態において、送信するステップは、コーディネータデバイスによって、ノードデバイスからビーコン要求メッセージを受信することに応答して、ネットワークの利用可能性を示すビーコン応答メッセージをネットワーク利用可能メッセージとして送信することを含む。
【0026】
この場合、ネットワークに参加しようとするノードデバイスは、いわゆるアクティブスキャンモード(active scan mode)で動作する。このモードでは、ノードデバイスは、ビーコン要求メッセージを送信し、ネットワークへの参加を要求する。ビーコン要求メッセージを受信すると、コーディネータデバイスは、ビーコンメッセージ、すなわち、ビーコン応答メッセージをノードデバイスに送信する。ビーコン応答メッセージは、コーディネータデバイスのコミッショニング開始時間に関するコーディネータ時間的インディケーションを含む。その後、ノードデバイスは、コーディネータ時間的インディケーションがノード時間的インディケーションとマッチするかどうかをチェックすることによりネットワークが参加すべき正しいネットワークであるかどうかをチェック及び判断する。
【0027】
コーディネータデバイスとノードデバイスとの上記のインタラクションプロシージャ(interaction procedure)は、特にコーディネータデバイス及びノードデバイスが同時にパワーアップされるシナリオの場合、実施するのが容易である。ノードデバイスが利用可能なネットワークを積極的に探すことは、全体的なコミッショニング効率を向上させるのに役立つことができる。
【0028】
本開示の一実施形態において、コーディネータ時間的インディケーションがノード時間的インディケーションとマッチするのを決定するステップは、
- コーディネータデバイスによって、コーディネータデバイスのコミッショニング開始時間とノードデバイスのコミッショニング開始時間との時間差を算出するステップと、
- コーディネータデバイスによって、時間差が予め定められた閾値よりも小さいと判断するステップと、
を含む。
【0029】
コーディネータ時間的インディケーションがノード時間的インディケーションにマッチすると判断するために、コーディネータデバイスは、2つのデバイスがほぼ同時にコミッショニングを開始するかどうかをチェックする。これは、コーディネータデバイスのコミッショニング開始時間とノードデバイスのコミッショニング開始時間との時間差を算出すること、及び、時間差が10秒等の予め定められた閾値よりも小さい場合にマッチが存在すると判断することにより実現される。
【0030】
ノードデバイスは、同様にコーディネータインディケーションがノードインディケーションとマッチすることを判断する。
【0031】
このような判定ステップは、単純な算術演算及び比較が関与し、多くの計算資源を必要とせずコーディネータデバイスによって容易に実行されることができる。
【0032】
本開示の一実施形態において、コーディネータデバイスのコミッショニング開始時間に関するコーディネータ時間的インディケーションは、コーディネータデバイスがパワーアップされてからネットワーク利用可能メッセージがコーディネータデバイスによって送信されるまでの第1の経過時間を含み、ノードデバイスのコミッショニング開始時間に関するノード時間的インディケーションは、ノードデバイスがパワーアップされてから参加要求がノードデバイスによって送信されるまでの第2の経過時間を含み、算出するステップは、第1の経過時間と第2の経過時間との時間差を算出することを含む。
【0033】
この場合、コーディネータ時間的インディケーション及びノード時間的インディケーションの両方は、それぞれコーディネータデバイス及びノードデバイスのコミッショニング開始時間を示すために算出される相対時間(relative time)である。このアプローチは、コーディネータデバイス及びノードデバイスが同期される及び/又は同時にパワーアップされるか否かに関係なく、様々なシナリオに一般的に適用可能である。
【0034】
コーディネータデバイス側では、コミッショニング開始時間は、コーディネータデバイスがコミッショニングを開始したことを示すレディメッセージ(ready message)を送信してから、ネットワーク利用可能メッセージがコーディネータデバイスによって送信されるまでの経過時間として算出される。ノードデバイスがコーディネータデバイスと同時に開始されても、コーディネータデバイスよりも後に開始されても、ノードデバイスのコミッショニング開始時間は、ノードデバイスのパワーアップから参加要求がノードデバイスによって送信されるまで単純に算出されることになる。
【0035】
時間的インディケーションとして相対時間を使用することは、例えばコーディネータデバイス及びノードデバイスのシステム時間におけるあり得る偏差が相殺されることができ、方法の正確な実施を保証するのに役立つという点で有利である。一方、時間的インディケーションとして絶対時間(absolute time)を使用することも簡単で分かりやすい。
【0036】
本開示のさらなる実施形態において、コーディネータデバイス及びノードデバイスは、同期され、実質的に同時にパワーアップされ、コーディネータデバイスのコミッショニング開始時間に関するコーディネータ時間的インディケーションは、コーディネータデバイスがパワーアップされた第1の時間を含み、ノードデバイスのコミッショニング開始時間に関するノード時間的インディケーションは、ノードデバイスがパワーアップされた第2の時間を含み、算出するステップは、第1の時間と第2の時間との時間差を算出することを含む。
【0037】
これは、コーディネータデバイス及びノードデバイスが同期され、同時にパワーアップされる場合に特に適用可能である。この場合、コーディネータ時間的インディケーション及びノード時間的インディケーションは、絶対時間であることができる。絶対時間は、コーディネータデバイス又はノードデバイスのパワーアップ時間と等価であってもよい。判定ステップは、両デバイスの記録されたパワーアップ時間の単純且つ算術計算が関与するので、さらにいっそう簡単である。
【0038】
本開示の一実施形態において、送信されるネットワーク利用可能メッセージはさらに、ネットワークの作成後の時間ウィンドウ内でコーディネータデバイスによって生成されるフラグを含み、参加要求はさらに、当該フラグを含む。
【0039】
コーディネータデバイス及びノードデバイスが、それらのコミッショニング開始時間が互いに同じ又は非常に類似すると決定することができることを保証するための補足措置として、コーディネータデバイスは、コーディネータデバイスによるネットワークの作成後の短期間等の時間ウィンドウ内に、限定された数のフラグを生成する。コーディネータデバイスはさらに、短期間内に送信される各ネットワーク利用可能メッセージに1つのフラグを含め、それゆえ、ネットワーク利用可能メッセージは、斯かるフラグを含む。
【0040】
フラグは、乱数であってもよい。フラグの数は限定されるので、フラグを含む送信されるネットワーク利用可能メッセージの数も限定される。この短期間内でパワーアップされるノードデバイスのみが、フラグと一緒にネットワーク利用可能メッセージを受信することになる。それゆえ、ノードデバイスは、ノードデバイスが受信するネットワーク利用可能メッセージが斯かるフラグを含む場合、ノードデバイスはコーディネータデバイスと本質的に同じ時間にパワーアップされていると判断することができる。
【0041】
ノードデバイスは、フラグを含むネットワーク利用可能メッセージを受信すると、先ずコーディネータ時間的インディケーションがノード時間的インディケーションとマッチすることを決定し、その後フラグが存在することを確認する。これにより、ノードデバイスは、コーディネータデバイスのコミッショニング開始時間が、自身のコミッショニング開始時間と同じ又は非常に類似することを、2つの異なる基準によって確認する。また、参加要求を送信する際に、ノードデバイスは、受信したフラグを参加要求に含める。
【0042】
したがって、本開示の一実施形態において、コーディネータ時間的インディケーションがノード時間的インディケーションとマッチするのを決定するステップはさらに、当該フラグがコーディネータデバイスによって送信される複数のフラグのうちの1つとマッチするのを決定することを含む。
【0043】
コーディネータデバイスは、ノードデバイスからの参加要求に含まれるフラグが先に生成され送信されたフラグである場合、ノードデバイスがネットワークに参加するのを許容できると判断する。これは、コーディネータデバイスが不要な又は望ましくないノードデバイスを自身のネットワークに引き込むことを防止する追加措置である。
【0044】
本開示の一実施形態において、ネットワーク利用可能メッセージは、コーディネータデバイスから限定されたホップ数内のノードデバイスに送信される。
【0045】
これにより、ビーコン応答又はネットワークビーコンメッセージであり得る、ネットワーク利用可能メッセージの送信は、指定範囲に制限される。一例として、ネットワーク利用可能メッセージの送信は、コーディネータデバイスから2ホップ離れたノードデバイスに限定され、これは、ネットワーク利用可能メッセージを受信するノードデバイスが3ホップ以上離れている場合、ネットワーク利用可能メッセージは破棄されることを意味し、これにより、より大きなフィールドへの不必要な送信が回避される。
【0046】
本開示の一実施形態において、コーディネータデバイス及びノードデバイスの各々は、メディアアクセス制御(MAC:Medium Access Control)データ処理プロトコルサブレイヤに従って動作し、コーディネータ時間的インディケーション及びノード時間的インディケーションは、それぞれネットワーク利用可能メッセージ及び参加要求のMAC送信オフセットフィールド(MAC transmission offset field)に含まれる。
【0047】
MACサブレイヤ(MAC sub-layer)は、システム間で通信データがどのように処理されるべきかを概念化したオープンシステムインターコネクション(OSI:Open System Interconnections)モデルによって定義されるデータリンクレイヤの一部である。
【0048】
コーディネータデバイスとノードデバイスとの間でやり取りされるメッセージ、すなわち、コーディネータ時間的インディケーションを含むネットワーク利用可能メッセージ及びノード時間的インディケーションを含む参加要求をMACサブレイヤメッセージとして送信することは、ネットワークが動作する無線チャネルのトラフィックを減らす利点がある。
【0049】
本開示の一実施形態において、決定するステップは、MACデータ処理プロトコルサブレイヤによって実行される。
【0050】
ネットワークにおけるソースデバイスから宛先デバイスへのメッセージの伝送は、通常、MACサブレイヤ及び/又はネットワークレイヤが関与する。メッセージのブロードキャストのために、ネットワークレイヤは、通常、ソースデバイスから宛先デバイスにメッセージを転送するためにMACサブレイヤブロードキャストに依存する。すなわち、メッセージは、通常、メッセージが同じネットワーク内を伝搬する場合、データ処理のためにネットワークレイヤに行かない。
【0051】
それゆえ、本開示において、MACレイヤにおける、コーディネータ時間的インディケーションがノード時間的インディケーションにマッチするのを決定する実装は、計算資源の使用の観点でより効率的である。全体として、より良いパフォーマンスが、下位のMACサブレイヤで判定を行うことにより実現される。
【0052】
本開示の第2の態様は、コーディネータデバイスであって、本開示の第1の態様による方法に基づいて当該コーディネータデバイスによって作成されたネットワークにおいてノードデバイスを選択的にコミッショニングするように構成されるコーディネータデバイスを提供する。
【0053】
本開示の第3の態様は、本開示の第1の態様による方法に基づいて選択的にコミッショニングされるように構成されるノードデバイスを提供する。
【0054】
本開示の一実施形態において、ノードデバイスは、照明器具を含む。
【0055】
本開示の方法は、建物又はスタジアムにおける照明機能等、照明器具を含む多数のノードデバイスをコンフィギュレーション又はコミッショニングするために有利に使用されることができる。
【0056】
本開示の第4の態様では、少なくとも1つのプロセッサで実行された場合、少なくとも1つのプロセッサに本開示の第1の態様による方法を実行させる命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体を含む、コンピュータプログラムプロダクトが提供される。
【0057】
本開示の上述の及び他の特徴及び利点は、添付の図面を参照する以下の説明から最も良く理解されるであろう。図面において、同様の参照数字は、同一の部品又は同一の若しくは同等の機能若しくは動作を実行する部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1】2つのコーディネータデバイスが複数のノードデバイスをコミッショニングする図を概略的に示す。
図2】本開示の一実施形態によるコーディネータデバイスによってネットワークを作成する方法の一実施形態をフローチャートタイプの図で概略的に示す。
図3】本開示によるコーディネータデバイスによってノードデバイスを選択的にコミッショニングする方法の一実施形態をフローチャートタイプの図で概略的に示す。
図4】MACサブレイヤビーコンペイロードの詳細なフォーマットの一例を概略的に示す。
図5】本開示によるノードデバイスを選択的にコミッショニングするように構成されるコーディネータデバイスの一実施形態を概略的に示す。
図6】本開示による選択的にコミッショニングされるように構成されるノードデバイスの一実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
ここで、本開示によって企図される実施形態が、添付の図面を参照してより詳細に述べられる。開示される主題は、本明細書に記載の実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。むしろ、図示される実施形態は、主題の範囲を当業者に伝えるために例示として提供される。
【0060】
本開示は、ネットワークにおける照明デバイスをコミッショニングするコーディネータデバイスによって作成されるネットワークのノードデバイスとして機能する照明デバイスを参照して以下に詳述される。当業者は、本開示が照明デバイスのネットワークをコミッショニングすることに限定されず、背景技術のパートに示されるように、ネットワーク通信接続性が可能な多種多様なノードデバイスのネットワークに適用可能であることを理解するであろう。
【0061】
図1は、2つのコーディネータデバイス10及び20が複数のノードデバイス11~18及び21~27をコンフィギュレーションする図100を概略的に示している。
【0062】
ZigBee(登録商標)ネットワーク等のIoT(Internet of Thing)ネットワークの展開が進むにつれ、同一建物内又はコミュニティの近隣内等、同一サイトに複数のノードデバイスを含む2つ以上のネットワークを含むことが多くなっている。図1に示される図において、2つのコーディネータデバイス10、20によってそれぞれ作成された2つのネットワーク19、29が同一サイトに存在する。
【0063】
それぞれのネットワーク19、29を作成した後、コーディネータデバイス10、20は、ノードデバイスをネットワーク19、29に参加させることにより、ノードデバイス、すなわち、照明デバイス11~18、21~27をコミッショニングするように動作する。実際には、配備又は設置計画に基づいて、特定の照明デバイスは特定のネットワークに参加すべきである一方、他の照明デバイスは他の(複数の)ネットワークに参加すべきであることが必要とされる。図1の例では、図1に破線で示されるように、照明デバイス11~18はコーディネータデバイス10によって作成されたネットワーク19に参加し、照明デバイス21~27はコーディネータデバイス20によって作成されたネットワーク29に参加するように設計されている。
【0064】
しかしながら、例えば2つ以上の異なるコーディネータデバイスによるこれらのノードデバイスのコミッショニングは、厄介な問題に遭遇する可能性がある。すなわち、特に2つのコーディネータデバイス10、20が同時に動作してノードデバイス11~18、21~27をネットワーク19、29に参加させる又は引き込む場合、いくつかのノードデバイスが誤ったネットワークに参加する可能性がある。図1の例において、各ノードデバイスによる矢印は、当該ノードデバイスが参加するネットワークを示している。ノードデバイス13、27の脇の矢印で示されるように、ノードデバイス13、27は間違って誤ったネットワークに引き込まれていることが分かる。
【0065】
この場合、顧客が自身で問題を解決しようとするのは非常に困難である。実際のところ、ほとんどの場合、訓練を受けた技術者又はエンジニアが問題解決に当たる必要がある。
【0066】
また、プロジェクトの進行中、多くのノードデバイスが頻繁にネットワークに参加又は離脱することになり、ノードデバイスが誤ったネットワークに参加する可能性が高くなる。
【0067】
以下に詳述される、コーディネータデバイスによってノードデバイスを選択的にコミッショニングする方法は、上記の問題を回避するための解決策を提供する。
【0068】
図2は、本開示の一実施形態によるコーディネータデバイスによってネットワークを作成する方法30の例示的なステップをフローチャートタイプの図で概略的に示している。
【0069】
ZigBee(登録商標)コーディネータとして動作するモデム又はドングル等のコーディネータデバイスは、ネットワークを開始又は作成することができるデバイスであり、ネットワークのためのチャネル、パーソナルエリアネットワーク識別子(PAN ID:Personal Area Network identifier)、セキュリティポリシ、及びスタックプロファイルを選択することを担う。コーディネータデバイスは、ネットワークを開始した後、ノードデバイス又は端末デバイス等のローデバイス(raw device)をネットワークに参加させることができる。
【0070】
本開示では、コーディネータデバイスがパワーアップされた後、新しいネットワークを作成する前に、ステップ31「コーディネータはチャネルをスキャンする(coordinator scanning channels)」において、図1のコーディネータデバイス10等のコーディネータデバイスは、すべてのチャネルをスキャンし、ステップ32「ネットワークが存在する?(network existing?)」において、異なるコーディネータデバイスによって作成されたあり得る既存のネットワークを発見する。既存のネットワークは、ノードデバイスが参加するために開かれている。
【0071】
ステップ32でコーディネータデバイス10が開いている又は既存のネットワークを見つけない場合、コーディネータデバイス10は、ステップ35「コーディネータは新しいネットワークを作成する(coordinator creating a new network)」に進み、新しいネットワークを作成する。コーディネータデバイス10は、フィールドエンジニア又は技術者のモバイルフォンにレディメッセージを送信してもよく、又は、フィールドエンジニア又は技術者にノードデバイスがパワーアップされることができることを示すために光学インジケータをオンにしてもよい。また、コーディネータデバイス10は、ノードデバイス11~18をパワーアップさせるためのリレードライブメッセージ(relay drive message)を送信してもよい。その後、コーディネータデバイス10は、新しいネットワーク19を作成する。
【0072】
コーディネータデバイス10があるチャネルでネットワーク参加許可のビーコンメッセージを受信する場合、すなわち、ステップ32において、図1のコーディネータデバイス20によって作成されたネットワーク29等、既に開かれ、ノードデバイスが参加するために利用可能であるネットワークがあると判断される場合、コーディネータデバイス10は、当該ネットワーク29のコミッショニング開始時間を検出し、ステップ33「既存のネットワークのコミッショニング開始時間が最近記録されている?(commissioning start time of the existing network recently recorded?)」において、既存のネットワークのコミッショニング開始時間が最近記録されているかどうかをチェックする。
【0073】
当該ネットワーク29のコミッショニング開始時間が、コーディネータデバイス10によって開かれる又は作成されるべき新しいネットワーク19のコミッショニング開始時間と明らかに異なる場合、すなわち、ステップ33の判定結果が否定的である場合、コーディネータデバイス10はステップ35に進み、上述のように新しいネットワークを作成する準備をする。
【0074】
一方、既存のネットワーク29のコミッショニング開始時間が、コミッショニング開始時間は記録されたばかりであることを示す場合、すなわち、ステップ33の判定結果が肯定的である場合、既存のネットワーク29のコミッショニングはまだ進行中である可能性が高い。この場合、望ましくないノードデバイスが既存のネットワーク29に引き込まれる又は参加されるのを防ぐために、ステップ34「コーディネータはしばらくの間待機する(coordinator waiting for a while)」において、コーディネータデバイス10は、自身のコミッショニング開始時間が既存のネットワーク29のコミッショニング開始時間と異なるようにするために、しばらくの間、例えば数分、待機する。
【0075】
その後、コーディネータデバイス10は、ステップ35に進み、新しいネットワーク19を作成する準備をする。コーディネータデバイス10は、フィールドエンジニアのモバイルフォンにレディメッセージを送信してもよく、又は、フィールドエンジニアにノードデバイスがパワーアップされることができることを示すためにライトをオンにしてもよい。また、コーディネータデバイス10は、ノードデバイス11~18をパワーアップさせるためのリレードライブメッセージを送信してもよい。
【0076】
コーディネータデバイス10は、干渉の少ないチャネルにおいて新しいネットワーク19を作成し、ノードデバイスが新しいネットワーク19に参加することを可能にするためにネットワーク許可参加コマンド(network permit join command)を送信してもよい。
【0077】
図3は、本開示の一実施形態によるコーディネータデバイスによってネットワークにおけるノードデバイスを選択的にコミッショニングする方法40の例示的なステップをフローチャートタイプの図で概略的に示している。
【0078】
図3の方法では、コーディネータデバイスは既にパワーアップされ、ノードデバイスが参加するためのネットワークを作成していると仮定する。これは、例えば、ネットワーク許可参加コマンドを送信してノードデバイスが参加するのを可能にすることにより実現される。また、コミッショニングされるべき、すなわち、コーディネータデバイスによって作成されたネットワークに参加することが意図されるすべてのローノードデバイスもパワーアップされていると仮定する。
【0079】
コーディネータデバイスが先ずパワーアップされ、その後ノードデバイスがパワーアップされる図2を参照して述べたシナリオ以外に、コーディネータデバイス及びノードデバイスの両方がそれらのシステム時間で同期され、同時にパワーアップされることも可能である。
【0080】
ステップ41「コーディネータデバイス及びノードデバイスはそれぞれのコミッショニング開始時間を記録する(coordinator device and node device recording respective commissioning start time)」において、コーディネータデバイス及びノードデバイスの両方は、絶対時間又は相対時間であってもよい、コミッショニング開始時間を記録する。
【0081】
絶対時間として記録されるコミッショニング開始時間の例としては、コーディネータデバイス又はノードデバイスがパワーアップされたときのシステムクロック時間が挙げられる。これは、コーディネータデバイス及びノードデバイスが同期され、同時にパワーアップされる場合に適用可能である。
【0082】
対照的に、コミッショニング開始時間を相対時間として記録する際、コーディネータデバイスは、コミッショニング開始時間を時間0秒としてカウントし、コミッショニング開始時間からの経過時間を記録するタイマを開始する。コーディネータデバイスの0秒は、コーディネータデバイスがパワーアップされたときの時間であってもよく、又は、コーディネータデバイスがノードデバイスをパワーアップさせるためにレディメッセージを送信したときの時間であってもよい。また、コーディネータデバイスがロー又は未コミッショニングノードデバイスのパワーアップ時間を知ることも可能である。この場合、コーディネータデバイスは、ノードデバイスがオン又はパワーアップされるとコミッショニング開始時間を記録することができる。
【0083】
ノードデバイスは、同様にコミッショニング開始時間を相対時間として記録し、これは、一般に、ノードデバイスがパワーアップされたときからカウントされる経過時間である。
【0084】
したがって、相対時間として記録されるコミッショニング開始時間は、コミッショニングが開始したとみなされてから、コーディネータ又はノードデバイスが、後述するように、ネットワーク利用可能メッセージ又は参加要求であってもよい、メッセージを送信するまでの、時間経過と共にインクリメントされる変数である。
【0085】
相対時間は、コーディネータデバイスが先ずパワーアップされ、パワーアップされた後、ノードデバイスが参加するためのネットワークを作成する前に、しばらくの間待機する必要があるシナリオに特に適用可能である。当業者であれば、相対的なコミッショニング開始時間は、コーディネータデバイス及びノードデバイスが同期されるか否か、又は同時にスタートアップされるか否かとは無関係に、他のシナリオにも適用可能であることを想定することができる。
【0086】
ステップ42「コーディネータデバイスは、オプションとして、コーディネータデバイスのコミッショニング開始時間に関するコーディネータ時間的インディケーションを含む、ネットワーク利用可能メッセージを送信する(the coordinator device transmitting a network-available message, optionally, comprising coordinator temporal indication related to commissioning start time of coordinator device)」において、コーディネータデバイスは、コーディネータデバイスによって作成されたネットワークが参加のために利用可能であることを示す、ネットワーク利用可能メッセージを送信する。さらに、ネットワーク利用可能メッセージは、絶対時間又は相対時間のいずれかである、コーディネータデバイスによって記録されたコミッショニング開始時間に関する、コーディネータ時間的インディケーション、すなわち、時間インディケーション(time indication)も含む。
【0087】
ノードデバイスによって採用されるチャネルスキャンモードに依存して、ネットワーク利用可能メッセージは、異なるやり方でコーディネータデバイスによって送信される異なるメッセージであってもよい。
【0088】
アクティブスキャン方式では、ノードデバイスが、利用可能なネットワークを検出するためにビーコン要求パケットを送出する。したがって、コーディネータデバイスは常時ビーコンパケットを送信する必要はない。
【0089】
実際には、ロー又は未コミッショニングノードデバイスは、あるチャネルでビーコン要求を送出し、オープンネットワークからの応答を待つことになる。コーディネータデバイスは、ノードデバイスからビーコン要求メッセージを受信すると、ビーコン応答をノードデバイスに送信する。オプションとして、ビーコン応答は、コーディネータデバイスのコミッショニング開始時間に関するコーディネータ時間的インディケーションを含む。
【0090】
パッシブスキャン方式では、コミッショニングされるべきノードデバイスは、利用可能なネットワークをチェックするためにチャネルにおけるパケットをただリッスンする。コーディネータデバイスは、該コーディネータデバイスによって作成されたネットワークの存在をノードデバイス及び他のノードデバイスに知らせるためにネットワークビーコンを送出し続ける。ネットワークビーコンは、コーディネータデバイスのコミッショニング開始時間に関するコーディネータ時間的インディケーションを含む。
【0091】
ビーコン応答又はネットワークビーコンメッセージにおけるコーディネータデバイスのコミッショニング開始時間に関するコーディネータ時間的インディケーションは、例えばZigBee(登録商標) 3.0で定義される、MACサブレイヤビーコンペイロードパラメータとして含まれてもよい。
【0092】
図4は、MACサブレイヤビーコンペイロード(MAC sub-layer beacon payload)の詳細なフォーマットの一例50を概略的に示している。具体的には、リザーブ(Reserved)ビット51及びTxオフセット(Tx Offset)52が、コーディネータ又はノード時間的インディケーション、すなわち、コーディネータデバイス又はノードデバイスによって記録されるコミッショニング開始時間の送信を実現するために使用されてもよい。
【0093】
図4に示されるように、リザーブビット51は、選択的コミッショニングが適用される又は有効であるかどうかを示すために使用されてもよい。例えば、「01」がビット16、17に設定される場合、これは選択的コミッショニングが有効であることを表す。
【0094】
さらに、「Txオフセット」52は、コミッショニング開始時間を格納するために使用されてもよい。このセクションは24ビットを含み、それぞれコミッショニングが開始したときの時間又はコミッショニングが開始してからの経過時間を記録する、絶対時間又は相対時間を格納してもよい。
【0095】
送信されるネットワーク利用可能メッセージにコーディネータ時間的インディケーションを含めることに加えて、コーディネータデバイスはさらに、フラグを生成して、送信されるネットワーク利用可能メッセージに含めてもよい。
【0096】
フラグは、コミッショニングプロシージャが開始されたときからの、小さな時間ウィンドウ等、非常に短い期間内にコーディネータデバイスによって生成される乱数であってもよい。
【0097】
具体的には、アクティブスキャン方式の場合、特に大規模なネットワークでは、コーディネータデバイスは、コミッショニングプロシージャの始めに多くのビーコン要求を受信することになる。コーディネータは、自身のネットワークにコミッショニング又は参加されるべきノードデバイスの数に依存して、限定された数のフラグを生成し、コーディネータデバイスが送信するネットワーク利用可能メッセージ、すなわち、ビーコン応答メッセージにフラグを含める。当該短い期間後に送信されるビーコン応答メッセージは、通常の状態に戻り、乱数を含まない。
【0098】
パッシブスキャンの場合、コーディネータデバイスは常にネットワークビーコンを送信し、ノードデバイスはただリッスンすることになる。コーディネータは、同様にコミッショニングに使用される乱数を含むネットワークビーコンを制御し、コミッショニングプロシージャ開始後の短期間内に送信されるネットワークビーコンのみがフラグとして乱数を含むようにする。
【0099】
これらの特別なネットワークビーコンはノードデバイスにブロードキャストされ、ゆえに、この時にパワーアップされているすべてのノードデバイスが乱数を含むネットワークビーコンを受信するようにする。また、ノードデバイスがこれらの乱数を受信する時間ウィンドウは短く、これは予期せぬノードデバイスをこのネットワークに引き込むことを困難にする。
【0100】
また、「Txオフセット」52は、コーディネータデバイスによって生成されるフラグを格納するために使用されてもよい。
【0101】
図3に戻ると、ステップ43において、コーディネータデバイスからネットワーク利用可能メッセージを受信するノードデバイスは、コーディネータ時間的インディケーションとノード時間的インディケーションとを比較し、2つの時間的インディケーションが互いにマッチすることを決定する。
【0102】
具体的には、ノードデバイスは、コーディネータデバイスによって記録されるコミッショニング開始時間と、ノードデバイス自身によってローカルに記録されるコミッショニング開始時間との時間差を算出する。時間差が十分に小さい、例えば、0.5秒等、予め定められた閾値よりも小さい場合、ネットワーク利用可能メッセージにおけるコミッショニング開始時間は、ノードデバイスのコミッショニング開始時間と同様であると判断される。これは、現在利用可能なネットワークが、ノードデバイスが参加すべきネットワークであることを示唆する。
【0103】
ネットワーク利用可能メッセージがフラグとして乱数も含む場合、ノードデバイスは先ず、コーディネータ時間的インディケーションがノード時間的インディケーションとマッチすることを決定する。現在利用可能なネットワークが参加すべき正しいネットワークであることが分かると、ノードデバイスは、コーディネータデバイスから受ける乱数を記憶する。そうでない場合、ノードデバイスは、乱数を破棄し、他のネットワークに参加するための他のメッセージを待つ。
【0104】
コーディネータデバイスによって作成されたネットワークが、自身が参加すべきネットワークであることを確認した後、ノードデバイスは、ステップ44において、コーディネータデバイスに、アソシエーション要求(association request)等、参加要求を送信する。
【0105】
ノードデバイスは、参加要求を送信する際に、自身のコミッショニング開始時間、及び、オプションとして、受信したフラグも参加メッセージに含め、これにより、コーディネータデバイスも、コーディネータデバイスのコミッショニング開始時間及びノードデバイスのコミッショニング開始時間が互いにマッチすることをチェックし確認してもよい。
【0106】
コミッショニング開始時間が相対時間である場合、参加要求にノード時間的インディケーションとして含まれるノードデバイスのコミッショニング開始時間は、時間0から参加メッセージが送信されるときまでとして算出される。
【0107】
当業者であれば、ノードデバイスは、ネットワーク利用可能メッセージを受信した直後に自身のコミッショニング開始時間を含む参加要求を送信できることを想定することができる。これも、コーディネータデバイスが、次のステップにおいて、ノードデバイスのコミッショニング開始時間がコーディネータデバイスのコミッショニング開始時間と同じ又は非常に近いことを決定することを可能にする。
【0108】
ステップ45において、コーディネータデバイスは、参加要求を受信し、ノードデバイスのコミッショニング開始時間がコーディネータデバイスのコミッショニング開始時間と類似することを決定すべくチェックする。コーディネータデバイスは、ノードデバイスと同様にチェックを行うことができる。
【0109】
送信された参加要求に受信したフラグも含まれる場合、コーディネータデバイスは、受信したフラグが、自身が生成しノードデバイスに送信したフラグのうちの1つであることをチェックする。これは、コーディネータデバイスによって記録されるコミッショニング開始時間と、ノードデバイスによって記録されるコミッショニング開始時間とが互いに同じ又は非常に類似することをさらに確認する。
【0110】
ノードデバイスのコミッショニング開始時間がコーディネータデバイスのコミッショニング開始時間と類似又は同じであることを確認すると、ステップ46において、コーディネータデバイスは、ノードデバイスがネットワークに参加するのを許可し、これは標準プロトコルに従って実行されてもよい。
【0111】
一例として、コーディネータデバイスは、ノードデバイスのショートアドレスを含む、アソシエーション応答(association response)をノードデバイスに送信してもよい。その後、ノードデバイスはネットワークキーを適用し、データ要求を送出する。その後、コーディネータデバイスは、ネットワークキーをノードに返す。
【0112】
ネットワークキーの検証に成功した場合、コミッショニングプロセスは完了する。コミッショニング後、Txオフセットは、元のパラメータ(original parameter)として使用されてもよい。
【0113】
以上、コーディネータデバイスと同時、又はコーディネータデバイスのすぐ後にオン又はパワーアップされるノードデバイスのみが、コーディネータデバイスによって作成されたネットワークに参加するのを許可する、コーディネータデバイスによってノードデバイスを選択的にコミッショニングする方法が述べられている。これにより、ネットワークに参加することが望ましいノードデバイスのみがネットワークに引き込まれ、コーディネータノードデバイスがパワーアップされる前にパワーアップされているノードデバイス等、他のノードデバイスが間違ってネットワークに参加されるのを防止することが保証される。
【0114】
図5は、上述した方法を実行するように構成されるコーディネータデバイス60を概略的な図で示している。
【0115】
コーディネータデバイス60は、コーディネータデバイス60によって作成されたネットワーク内のノードデバイスとの、上述したネットワーク利用可能メッセージ、参加メッセージ等、メッセージ又はデータパケットの無線(62)又は有線(63)交換のためのネットワークアダプタ又はトランシーバ(Tx/Rx)モジュール等の通信インターフェース61を動作させる。ネットワーク化されたコーディネータデバイス及びノードデバイスによってデータを交換するためのネットワークプロトコルは、無線ネットワークのためのZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、及びWiFi(登録商標)ベースのプロトコル、並びにDALI(登録商標)(Digital Addressable Lighting Interface)、DSI(Digital Serial Interface)、DMX(Digital Multiplex)、及びKNX(又はKNXベースのシステム)等の有線バスネットワーク、並びに他の独自のプロトコル等を含んでもよい。
【0116】
さらに、コーディネータデバイス60は、少なくとも1つのマイクロプロセッサ(μP)、又はコントローラ64、及び、とりわけ、例えば、コーディネータデバイスのネットワークアイデンティティ66、並びにノードデバイスの識別子(ID)、MAC(Media Access Control)アドレス、及び加入者情報等、ノードデバイスに関する情報を記憶するための少なくとも1つのデータリポジトリ又はストレージ又はメモリ65を含む。また、データリポジトリ65は、コーディネータデバイス60によって記録されるコミッショニング開始時間を記憶してもよい。データリポジトリ65の代わりに、少なくとも1つのプロセッサ又はコントローラ64にアクセス可能な別個のメモリ又はストレージが設けられてもよい。
【0117】
少なくとも1つのマイクロプロセッサ又はコントローラ64は、コーディネータデバイス60の内部データ通信及び制御バス69を介して通信インターフェース61及び少なくとも1つのデータリポジトリ又はストレージ65と通信可能にインタラクトし、制御する。少なくとも1つのマイクロプロセッサ又はコントローラ64は、例えばノードデバイスを制御するための、1つ又は複数の選択的コミッショニングアルゴリズム又はアプリケーション、及びMACサブレイヤ機能を含むノードデバイス100のプロトコルスタックを動作させ、上述したノードデバイスを選択的にコミッショニングする方法を実行してもよい。
【0118】
図6は、上述した方法に従って図5のコーディネータデバイス60によってコミッショニングされるように構成されるノードデバイス70を概略的な図で示している。
【0119】
ノードデバイス70は、制御部又は制御デバイス710と、照明モジュール721、好ましくは、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)照明モジュール又は複数のLED照明モジュールを含む、照明器具又は照明デバイス720等の負荷とを含む。負荷の動作は、例えば、リモート又はバックエンドサーバ(図示せず)等の遠隔制御デバイスから又は遠隔制御デバイスを介して制御デバイス710により制御されてもよい。
【0120】
制御デバイス710は、ネットワーク内の別のノードデバイスとの(すなわち、いわゆるノード間デバイス通信)、及びコーディネータデバイスとのメッセージ又はデータパケットの短距離無線(72)又は有線(73)交換のためのネットワークアダプタ又はトランシーバ(Tx/Rx)モジュール等の通信インターフェース71を動作させる。ネットワーク化されたデバイス又はノードによってデータを交換するためのネットワークプロトコルは、無線ネットワークのためのZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、及びWiFi(登録商標)ベースのプロトコル、並びにDALI(登録商標)(Digital Addressable Lighting Interface)、DSI(Digital Serial Interface)、DMX(Digital Multiplex)、及びKNX(又はKNXベースのシステム)等の有線バスネットワーク、並びに他の独自のプロトコル等を含んでもよい。
【0121】
さらに、制御デバイス710は、少なくとも1つのマイクロプロセッサ(μP)、又はコントローラ75、及び、とりわけ、ノードデバイスの識別子(ID)、MAC(Media Access Control)アドレス、及び加入者情報等、他のノードデバイス及びノードデバイス自身のアドレス情報77を記憶するための少なくとも1つのデータリポジトリ又はストレージ又はメモリ76を含む。また、データリポジトリ76は、ノードデバイス70がコーディネータデバイスから受信する、コーディネータデバイスによって記録されるコミッショニング開始時間に関するコーディネータ時間的インディケーションと、自身が記録するコミッショニング開始時間に関する自身の時間的インディケーションとを記憶してもよい。データリポジトリ76の代わりに、少なくとも1つのプロセッサ又はコントローラ75にアクセス可能な別個のメモリ又はストレージが設けられてもよい。
【0122】
少なくとも1つのマイクロプロセッサ又はコントローラ75は、制御デバイス710の内部データ通信及び制御バス79を介して通信インターフェース71及び少なくとも1つのデータリポジトリ又はストレージ76と通信可能にインタラクトし、制御する。少なくとも1つのマイクロプロセッサ又はコントローラ75は、1つ又は複数のアルゴリズム又はアプリケーション、及びMACサブレイヤ機能を含むノードデバイス70のプロトコルスタックを動作させ、コーディネータデバイスとインタラクトし、コーディネータデバイスによって選択的にコミッショニングされる方法を実行してもよい。
【0123】
照明器具又は照明デバイス720は、データ通信及び制御バス79に接続し、接続リンク74を介して少なくとも1つのマイクロプロセッサ又はコントローラ710によってデータ通信及び制御バス79から制御される。
【0124】
当業者であれば、照明器具又は照明デバイス720以外に又はそれに加えて、アクセスポイントデバイス又は地理的ルーティングデバイス(geographic routing device)等、任意の電気的負荷が接続リンク74を介して制御バス79に接続されてもよいことを理解するであろう。
【0125】
本開示は、上記で開示される例に限定されず、任意のデータ通信、データ交換及びデータ処理環境、システム又はネットワークで使用するために、発明的技能を適用する必要なしに、添付の特許請求の範囲に開示される本開示の範囲を越えて当業者によって変更及び拡張されることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】