(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】バッテリ製造中にバッテリバンクを使用するバッテリ充放電
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230323BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20230323BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20230323BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
H02J7/00 303C
H02J7/02 F
H02J7/00 302C
H01M10/44 P
H01M10/48 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548750
(86)(22)【出願日】2021-01-11
(85)【翻訳文提出日】2022-08-23
(86)【国際出願番号】 IB2021050171
(87)【国際公開番号】W WO2021161110
(87)【国際公開日】2021-08-19
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519445152
【氏名又は名称】テクトロニック コードレス ジーピー
【氏名又は名称原語表記】Techtronic Cordless GP
【住所又は居所原語表記】100 Innovation Way Anderson SC 29621 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100196449
【氏名又は名称】湯澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】ファトゥー、デニス ガストン
(72)【発明者】
【氏名】スブラマニアン、アディティア
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA04
5G503BA02
5G503BB02
5G503CA08
5G503EA05
5G503GD03
5G503GD06
5G503HA02
5H030AA10
5H030BB01
5H030BB21
5H030FF24
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
装置が、複数のバッテリを含むバッテリセットの製造中に複数のバッテリに電気的に接続するように構成された充電回路を含む。装置は、複数のバッテリの各バッテリの形成プロセス中に、複数のバッテリに電荷を供給し、形成プロセス中に、複数のバッテリから電荷を受け取るように構成されたバッテリバンクをさらに含む。バッテリバンクは、バッテリバンクが、バッテリセットの複数のバッテリごとに、少なくとも閾値充電率に基づいて特定の数のバッテリを同時に充電し、バッテリセットの複数のバッテリごとに、少なくとも閾値放電率に基づいて特定の数のバッテリを同時に放電することを可能にする少なくとも1つの属性を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の複数のバッテリを含むバッテリセットの製造中に、製造ラインの形成ステーションに前記第1の複数のバッテリを配置した際に、前記第1の複数のバッテリに電気的に接続するように構成された充電回路と、
前記充電回路に結合されたバッテリバンクであって、前記バッテリバンクは、前記第1の複数のバッテリの各バッテリの第1の形成プロセス中に、前記第1の複数のバッテリに電荷を供給し、前記第1の形成プロセス中に、前記第1の複数のバッテリから前記電荷を受け取るように構成される、バッテリバンクと、
を備える装置であって、
前記充電回路は、前記形成ステーションに第2の複数のバッテリを配置した際に、前記バッテリセットの前記第2の複数のバッテリに電気的に接続するようにさらに構成され、
前記バッテリバンクは、前記第2の複数のバッテリの各バッテリの第2の形成プロセス中に、前記第2の複数のバッテリに前記電荷を供給し、前記第2の形成プロセス中に、前記第2の複数のバッテリから前記電荷を受け取るようにさらに構成され、
前記バッテリバンクの少なくとも1つの属性は、前記バッテリバンクが、前記バッテリセットの複数のバッテリごとに、少なくとも閾値充電率に基づいて特定の数のバッテリを同時に充電することを可能にし、
前記バッテリバンクの前記少なくとも1つの属性は、前記バッテリバンクが、前記バッテリセットの複数のバッテリごとに、少なくとも閾値放電率に基づいて前記特定の数のバッテリを同時に放電することをさらに可能にする、
装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの属性は、前記バッテリバンクのエネルギー貯蔵容量、前記バッテリバンクのインピーダンス、前記バッテリバンクのバッテリの数、又は前記バッテリバンクのセルタイプのうちの1つ又は複数を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記製造ラインは、前記形成ステーションに結合され、前記第1の複数のバッテリ及び前記第2の複数のバッテリに対してエージングプロセスを実行するように構成された、1つ又は複数のエージングステーションをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記充電回路及び前記バッテリバンクに結合されたコントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記バッテリバンクから前記第1の複数のバッテリへの前記電荷の移動、前記第1の複数のバッテリから前記バッテリバンクへの前記電荷の戻し、前記バッテリバンクから前記第2の複数のバッテリへの前記電荷の移動、及び前記第2の複数のバッテリから前記バッテリバンクへの前記電荷の戻しを制御するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記第1の形成プロセスと関連付けられた1つ又は複数のパラメータの指標を受け取るようにさらに構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ又は複数のパラメータは、前記電荷の移動と関連付けられた電圧レベル又は電流量のうちの1つ又は複数を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記コントローラは、第1のコマンドを受け取るように構成されたコマンドインタフェースを含み、前記コントローラは、前記第1のコマンドに応答して、前記バッテリバンクから前記第1の複数のバッテリへの前記電荷の移動を開始するようにさらに構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記コマンドインタフェースは、第2のコマンドを受け取るようにさらに構成され、前記コントローラは、前記第2のコマンドに応答して、前記第1の複数のバッテリから前記バッテリバンクへの前記電荷の戻しを開始するようにさらに構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記バッテリバンクは、複数のリチウムイオンバッテリ(LiB)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記バッテリバンクは、複数の鉛酸バッテリを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記バッテリバンクは、複数のナトリウムイオンバッテリ(NIB)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
第1の複数のバッテリを含むバッテリセットの製造中に、製造ラインの形成ステーションに前記第1の複数のバッテリを配置した際に、充電回路を前記第1の複数のバッテリに接続することと、
前記第1の複数のバッテリの各バッテリの第1の形成プロセス中に、バッテリバンクから前記第1の複数のバッテリに電荷を供給することと、
前記第1の形成プロセス中に、前記第1の複数のバッテリから前記バッテリバンクで前記電荷を受け取ることと、
前記形成ステーションに第2の複数のバッテリを配置した際に、前記充電回路を前記バッテリセットの前記第2の複数のバッテリに接続することと、
前記第2の複数のバッテリの各バッテリの第2の形成プロセス中に、前記バッテリバンクから前記第2の複数のバッテリに前記電荷を供給することと、
前記第2の形成プロセス中に、前記第2の複数のバッテリから前記バッテリバンクで前記電荷を受け取ることと、
を含む方法であって、
前記バッテリバンクの少なくとも1つの属性は、前記バッテリバンクが、前記バッテリセットの複数のバッテリごとに、少なくとも閾値充電率に基づいて特定の数のバッテリを同時に充電することを可能にし、
前記バッテリバンクの前記少なくとも1つの属性は、前記バッテリバンクが、前記バッテリセットの複数のバッテリごとに、少なくとも閾値放電率に基づいて前記特定の数のバッテリを同時に放電することをさらに可能にする、
方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの属性は、前記バッテリバンクのエネルギー貯蔵容量、前記バッテリバンクのインピーダンス、前記バッテリバンクのバッテリの数、又は前記バッテリバンクのセルタイプのうちの1つ又は複数を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記バッテリバンク及び前記充電回路に結合されたコントローラによって、前記第1の形成プロセスと関連付けられた1つ又は複数のパラメータの指標を受け取ることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ又は複数のパラメータは、前記電荷の移動と関連付けられた電圧レベル又は電流量のうちの1つ又は複数を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第1の複数のバッテリを含むバッテリセットの製造中に、製造ラインの形成ステーションに前記第1の複数のバッテリを配置した際に、前記第1の複数のバッテリに電気的に接続するように構成された充電回路、
前記充電回路に結合されたバッテリバンクであって、前記バッテリバンクは、前記第1の複数のバッテリの各バッテリの第1の形成プロセス中に、前記第1の複数のバッテリに電荷を供給し、前記第1の形成プロセス中に、前記第1の複数のバッテリから前記電荷を受け取るように構成される、バッテリバンク、であって、
前記充電回路は、前記形成ステーションに第2の複数のバッテリを配置した際に、前記バッテリセットの前記第2の複数のバッテリに電気的に接続するようにさらに構成され、
前記バッテリバンクは、前記第2の複数のバッテリの各バッテリの第2の形成プロセス中に、前記第2の複数のバッテリに前記電荷を供給し、前記第2の形成プロセス中に、前記第2の複数のバッテリから前記電荷を受け取るようにさらに構成され、
前記バッテリバンクの少なくとも1つの属性は、前記バッテリバンクが、前記バッテリセットの複数のバッテリごとに、少なくとも閾値充電率に基づいて特定の数のバッテリを同時に充電することを可能にし、
前記バッテリバンクの前記少なくとも1つの属性は、前記バッテリバンクが、前記バッテリセットの複数のバッテリごとに、少なくとも閾値放電率に基づいて前記特定の数のバッテリを同時に放電することをさらに可能にする、充電回路、バッテリバンクと、
前記充電回路及び前記バッテリバンクに結合されたコントローラであって、前記コントローラは、前記第1の複数のバッテリ、前記第2の複数のバッテリ、及び前記バッテリバンクの間の前記電荷の移動を制御するように構成される、コントローラと、
を備えるシステム。
【請求項17】
前記コントローラは、前記第1の形成プロセスと関連付けられた1つ又は複数のパラメータの指標を受け取るようにさらに構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ又は複数のパラメータは、前記電荷の移動と関連付けられた電圧レベル又は電流量のうちの1つ又は複数を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記コントローラは、第1のコマンドを受け取るように構成されたコマンドインタフェースを含み、前記コントローラは、前記第1のコマンドに応答して、前記バッテリバンクから前記第1の複数のバッテリへの前記電荷の移動を開始するようにさらに構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記コマンドインタフェースは、第2のコマンドを受け取るようにさらに構成され、前記コントローラは、前記第2のコマンドに応答して、前記第1の複数のバッテリから前記バッテリバンクへの前記電荷の戻しを開始するようにさらに構成される、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月14日に申請された、米国特許出願第16/792,049号の優先権を主張するものであり、同出願は、全体として参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、一般に、バッテリに関し、より詳細には、バッテリ製造中にバッテリバンクを使用するバッテリ充放電に関する。
【背景技術】
【0003】
さまざまな形のバッテリの使用は、今日の世界でほとんどどこにでも存在するようになった。電動工具(例えば、ドリル、のこぎり、草刈り機、送風機、研磨機など)、小型電気製品(例えば、ミキサ、ブレンダ、コーヒーグラインダなど)、通信デバイス(例えば、スマートフォン、パーソナル・デジタル・アシスタントなど)、及びオフィス機器(例えば、コンピュータ、タブレット、プリンタなど)などの、ポータブル又はコードレスデバイスがますます普及しているので、さまざまな化学的性質及び構成のバッテリ技術の使用は、普通である。
【0004】
バッテリ製造は、通常、物理的組み立てプロセス、形成プロセス、及び他のプロセスなどの複数のプロセスを含む。形成プロセスは、バッテリセルを繰り返し充電及び放電して、バッテリセルの作業物質を作成又は活性化することを含み得る。本明細書で言及するように、特定の形成プロセスは、複数のバッテリ、バッテリ群、又はバッテリのサブセットに対して実行される。例えば、本明細書で言及するように、第1の形成プロセスを第1の複数のバッテリ(又は第1のバッテリ群若しくはバッテリのサブセット)に対して実行してもよく、第1の形成プロセスの後に、第2の形成プロセスを第2の複数のバッテリ(又は第2のバッテリ群若しくはバッテリのサブセット)に対して実行してもよい。
【0005】
形成プロセスは、大量のエネルギーの使用を伴う可能性があり、結果としてバッテリセル製造工場のエネルギーフットプリントが大きくなる。例えば、バッテリセル製造工場は、別のバッテリ群を反復的に充電及び放電する前などに、数時間又は数日にわたってバッテリ群を反復的に充電及び放電し得る。各バッテリ群を反復的に充電及び放電することが比較的大量のエネルギーを使用する場合、バッテリ製造のコストが高くなる可能性があり、放電の結果としてエネルギーが浪費され、製造設備にエネルギーを供給する送電網に不必要な負担をかける。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の少なくともいくつかの態様によるバッテリセル製造工場は、バッテリバンクを使用して形成プロセスを実行するように構成される。例えば、主電源電力供給(例えば、送電網)を使用して形成プロセス中にバッテリ群を充電し、次に抵抗負荷を使用してバッテリ群を放電する代わりに、形成プロセスの充電部分の間にエネルギーをバッテリパックからバッテリ群に提供し、次に、形成プロセスの放電部分の間にバッテリバンクに戻すことができる。形成プロセスの完了後、バッテリバンクに貯蔵されたエネルギーは、1つ又は複数の他の形成プロセス中に、1つ又は複数の他のバッテリ群を充電するために使用することができる。結果として、エネルギーは複数のバッテリ群の間で「リサイクル」され、主電源電力供給を使用してバッテリを充電し、次に抵抗負荷を介してバッテリを放電する製造プロセスなどの、ある特定の他の製造プロセスと比較して、エネルギー消費が削減され、形成プロセスを遂行するために利用されるシステムのエネルギー効率が改善される。
【0007】
バッテリバンクは、複数のバッテリ群の間でエネルギーの「リサイクル」を可能にする少なくとも1つの属性を有する。少なくとも1つの属性は、バッテリバンクが、少なくとも閾値充電率に基づいて各形成プロセス中に特定の数のバッテリを同時に充電し、少なくとも閾値放電率に基づいて形成プロセス中に特定の数のバッテリを同時に放電することを可能にする。さらに、少なくとも1つの属性は、バッテリバンクが、複数の形成プロセス中に複数のバッテリ群を反復的に充電及び放電することを可能にする。
【0008】
例示すると、いくつかの実装形態で、各バッテリ群は、数百個のバッテリ、数千個のバッテリ、又は別の数のバッテリなどの比較的多数のバッテリを含む。この場合、バッテリバンクは、バッテリ群の合計エネルギー貯蔵容量以上のエネルギー貯蔵容量など、比較的大きなエネルギー貯蔵容量を有し得る。代替として、又は加えて、バッテリバンクのインピーダンスは、閾値充電率、閾値放電率又はその両方を可能にするように設定され得る。いくつかの実装形態で、バッテリバンクのインピーダンスは、バッテリ群の合計インピーダンスと整合される。
【0009】
代替として、又は加えて、いくつかの実施例で、バッテリバンクに含まれるバッテリの数は、バッテリバンクのエネルギー貯蔵容量がバッテリ群の合計エネルギー貯蔵容量以上であるように選択され得る。代替として、又は加えて、いくつかの実装形態で、バッテリバンクの特定のセルタイプが、閾値充電率、閾値放電率又はその両方を可能にするように選択される。
【0010】
当然のことながら、バッテリバンクを使用したエネルギーの「リサイクル」は、通常、バッテリバンクの放電及び再充電中の熱エネルギー散逸に起因する寄生エネルギー損失などのエネルギー損失と関連付けられる。エネルギー損失を補償するために、再充電回路(例えば、「トップオフデバイス」)をバッテリバンクに含むか、又は結合することができる。再充電回路は、エネルギー損失を考慮するためにバッテリバンクを再充電するように構成され得る。さらに例示すると、再充電回路は、主電源電力供給又は発電機などの電源への接続を含み得る。いくつかの実装形態で、再充電回路は、タイマ回路及びスイッチを含む。タイマ回路は、スイッチを作動させることによって、バッテリバンクを電源に定期的に結合するように構成され得る(例えば、例示的な実施例として、形成プロセスの閾値数に達した際又は閾値時間間隔の後)。バッテリバンクを再充電した後、(例えば、スイッチの作動を停止させることによって)再充電回路を電源から切断することができる。
【0011】
本開示のある特定の態様と関連付けられた1つの追加の技術的利点は、ブラックアウト事象、ブラウンアウト事象、又はその両方などの供給停止を受ける可能性がある配電網への依存が軽減されることである。例えば、バッテリセル製造工場は、多くの場合、発展途上国に位置し得る。いくつかの発展途上国で、配電網によって供給される電力は、信頼性に欠け、供給停止(例えば、ブラックアウト事象、ブラウンアウト事象、又はその両方)を受ける可能性がある。本開示の態様によるバッテリバンクを使用して形成プロセスを実行することによって、形成プロセス中のバッテリに供給される電力の中断が軽減又は回避され得る。結果として、いくつかの事例では、バッテリバンクの使用が、停電に起因する形成プロセスの中断によって引き起こされるバッテリの損傷の回避を可能にし、バッテリの歩留まりを向上させることができる。
【0012】
上記は、以下の本発明の詳細な説明がよりよく理解され得るように、本発明の特徴及び技術的利点をかなり大まかに概説した。本発明の特許請求の範囲の主題を形成する、本発明の追加の特徴及び利点を以下に説明する。開示された概念及び具体的な実施形態が、本発明の同じ目的を遂行するための他の構造を修正又は設計するための基礎として容易に利用され得ることは、当業者によって認識されるべきである。同様に、そのような均等構成が、添付の特許請求の範囲に明記された本発明の趣旨及び範囲から逸脱しないことは、当業者によって了解されるべきである。本発明に特有であると考えられる新規な特徴は、その組織及び動作方法の両方に関して、さらなる目的及び利点とともに、添付図と関連して考慮されるとき、以下の説明からよりよく理解されるであろう。しかしながら、各図は、例示及び説明のみを目的として提供され、本発明の限定の定義として意図されていないことが明確に理解されるはずである。
【0013】
本発明のより完全な理解のために、ここで、添付図面と併用される以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示のいくつかの態様による、形成ライン、充電回路、及びバッテリバンクを含むシステムを示す。
【
図2】本開示のいくつかの態様による、
図1のシステムの別の視点を示す。
【
図3】本開示のいくつかの態様による、
図1又は
図2のシステムによって実行され得る方法を例示するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照すると、システムの特定の例示的な実施例が描写され、全体として100に指定される。特定の実施例で、システム100は、バッテリセル製造工場に対応するか、又はその中に含まれる。
【0016】
図1の実施例で、システム100は、製造ライン102、コントローラ110、充電回路128、及びバッテリバンク130を含む。製造ライン102は、バッテリセット140の製造中に動作を実行するように構成される。いくつかの実施例で、バッテリセット140は、数千個のバッテリ又は別の数のバッテリなどの、特定の数のバッテリを含む。いくつかの実装形態で、製造ライン102は、バッテリセット140を大量生産するための製造プロセスを実行するように構成される。バッテリセット140は、非限定的な例示的な実施例として、リチウムイオンバッテリ(LiB)、ナトリウムイオンバッテリ(NIB)、固体バッテリ、又は他のバッテリを含み得る。
【0017】
コントローラ110は、製造ライン102、充電回路128、及びバッテリバンク130に結合される。いくつかの実施例で、コントローラ110は、コマンドインタフェース112を含む。特定の実施例で、コントローラ110は、プロセッサと、プロセッサに結合され、製造ライン102の1つ又は複数の動作などの、本明細書で説明した1つ又は複数の動作を開始、実行、又は制御するためのプロセッサによって実行可能な命令を格納するように構成されたメモリとを含む。
【0018】
システム100の動作中に、製造ライン102は、バッテリセット140と関連付けられた製造動作を実行する。例示すると、いくつかの実施例で、製造ライン102は、バッテリセット140の第1の複数のバッテリ142(例えば、バッテリセット140の第1の適切なサブセット)を受け取り、第1の複数のバッテリ142に対してある特定の製造プロセスを実行するように構成される。
図1の実施例で、製造ライン102は、第1の複数のバッテリ142の各バッテリの第1の形成プロセスを実行するように構成される。製造ライン102は、バッテリセット140のバッテリに含まれるセルの特性を制御するように構成されたインフラストラクチャを含む。
【0019】
例えば、
図2を参照すると、本開示による
図1の製造ライン102の代表的な態様を例示するブロック図が示されている。
図2に例示された実施例で、製造ライン102は、形成ステーション206を含む。形成ステーション206は、充電回路128に結合される。いくつかの実装形態で、製造ライン102は、エージングステーション204及びエージングステーション208などの、形成ステーション206に結合された1つ又は複数のエージングステーションをさらに含む。製造ライン102は、分類ステーション210、試験ステーション212、並びに検査及び識別ステーション214を同様に含む。
図2に描写されたステーションの数、タイプ、及び順序は、例示的なものであり、他の実装形態は、異なる数のステーション、異なるタイプのステーション、異なる順序のステーション、又はそれらの組み合わせを含み得ることが留意される。
【0020】
動作中、コントローラ110は、製造ライン102の動作を開始又は制御する。例えば、コントローラ110は、エージングステーション204によって実行されるエージングプロセスの動作を開始又は制御するように構成され得る。いくつかの実装形態で、エージングステーション204は、バッテリセット140の製造中に環境エージングプロセスを実行するように構成され、エージングステーション208は、バッテリセット140の製造中に高温エージングプロセスを実行するように構成される。別の実装形態で、エージングステーション204は、バッテリセット140の製造中に高温エージングプロセスを実行するように構成され、エージングステーション208は、バッテリセット140の製造中に環境エージングプロセスを実行するように構成される。他の実装形態で、異なる数のエージングプロセス又は異なる数のエージングステーションを使用することができる。
【0021】
いくつかの実施例で、コントローラ110は、エージングステーション204によって実行されるエージングプロセスの完了を決定し、エージングステーション204から形成ステーション206への第1の複数のバッテリ142の移動を開始するように構成され得る。いくつかの実装形態で、1つのステーションから別のステーションへの第1の複数のバッテリ142の移動は、製造ライン102の自動搬送システムを作動させることを含む。自動搬送システムは、非限定的な例示的な実施例として、エージングステーション204から形成ステーション206へなど、1つのステーションから別のステーションへと1つ又は複数の第1の複数のバッテリ142を移動させるように構成され得る。第1の複数のバッテリ142は、輸送中に搬送システムに対して所望の向き及び/又は位置に第1の複数のバッテリを保持するように構成されたトレー又は他の機構などの1つ又は複数の容器で搬送システムを介して輸送され得る。
【0022】
充電回路128は、第1の複数のバッテリ142が形成ステーション206に到着した際に、第1の複数のバッテリ142に電気的に接続するように構成される。例えば、いくつかの実装形態で、充電回路128は、第1の複数のバッテリ142のバッテリ端子に付着するように構成された複数のリード線を含む。形成ステーション206は、バッテリ端子が複数のリード線にアクセスできるように第1の複数のバッテリ142を方向づけるなど、電気的接続を容易にする方式で第1の複数のバッテリ142を方向づけるように構成された、バッテリレセプタクル又は他のタイプの構成要素を含み得る。
【0023】
第1の複数のバッテリ142が第1の形成プロセスの充電フェーズを容易にするために形成ステーション206に位置している間に、バッテリバンク130は、第1の複数のバッテリ142に電荷132を供給するように構成される。例えば、バッテリバンク130は、充電回路128を介して(例えば、第1の形成プロセス中に第1の複数のバッテリ142に取り付けられた充電回路128の1つ又は複数のリード線を使用して)第1の複数のバッテリ142に電荷132を移動させるように構成され得る。第1の形成プロセスは、充電フェーズ中に第1の複数のバッテリ142に提供された電荷132又は電荷132の一部が充電回路128を介してバッテリバンク130に戻される放電フェーズを同様に含む。例えば、バッテリバンク130は、第1の形成プロセスの放電フェーズ中に第1の複数のバッテリ142から電荷132の少なくとも一部を受け取るように構成され、ここで放電フェーズは、第1の複数のバッテリ142に電荷132を提供した後に(例えば、充電フェーズの後に)起こる。例えば、バッテリバンク130は、充電回路128を介して(例えば、第1の形成プロセス中に第1の複数のバッテリ142に取り付けられた充電回路128の1つ又は複数のリード線を使用して)第1の複数のバッテリ142から電荷132を受け取るように構成され得る。
【0024】
いくつかの実施例で、形成ステーション206は、第1の形成プロセス中の特定の数の充電/放電サイクル、第1の形成プロセス中の特定の時間継続の間、1つ若しくは複数の他の基準に基づいて、又はそれらの組み合わせで、第1の複数のバッテリ142を反復的に充電及び放電するように構成される。いくつかの実装形態で、第1の形成プロセスは、第1の複数のバッテリ142のアノードの表面上に1つ又は複数の層を作成することを含む。1つ又は複数の層は、例示的な実施例として、固体電解質相間(SEI)層を含み得る。コントローラ110は、バッテリバンク130を使用して第1の複数のバッテリ142を充電することによって、バッテリバンク130を使用して第1の複数のバッテリ142を放電することによって、又はその両方など、第1の複数のバッテリ142の充電又は放電を制御することによって1つ又は複数の層の作成を開始するように構成され得る。コントローラ110は、第1の複数のバッテリ142のアノードの表面上にSEI層を作成する、第1の複数のバッテリ142に提供される電流の範囲及び電圧の範囲を決定するように構成され得る。いくつかの実装形態で、SEI層の作成は、バッテリセルの性能及び安定性を向上させる。
【0025】
特定の実施例で、コントローラ110は、第1の形成プロセスの完了を検出することに応答して、形成ステーション206からエージングステーション208への第1の複数のバッテリ142の移動を開始するように構成され、ここで第1の形成プロセスの完了は、単一の充電/放電サイクル又は複数の充電/放電サイクルに続いて起こり得る。第1の形成プロセスの後、1つ又は複数の他の動作が第1の複数のバッテリ142に対して実行され得る。例示すると、いくつかの実施例で、エージングプロセスが、第1の形成プロセスの後、エージングステーション208において、第1の複数のバッテリ142に対して実行される。いくつかの実施例で、エージングステーション204は、環境エージングプロセス(例えば、室温(RT)エージングプロセス)又は高温(HT)エージングプロセスのうちの一方を実行するように構成され、エージングステーション208は、環境エージングプロセス又は高温エージングプロセスのうちの他方を実行するように構成される。いくつかの実装形態で、1つ又は複数のエージングプロセスの使用は、1つ又は複数の層(例えば、SEI層)の安定化を可能にする。いくつかの実施例で、SEI層は、(例えば、1つ又は複数のエージングプロセスの完了後に、第1の複数のバッテリ142と関連付けられた、電圧特性、インピーダンス特性、又は電流特性のうちの1つ又は複数を試験することによって)1つ又は複数のセル欠陥について検査される。RTエージングプロセス又はHTエージングプロセスの使用は、バッテリの化学的性質、さまざまな電解質溶媒及び添加物の使用、1つ若しくは複数の他のパラメータ、又はそれらの組み合わせに関連し得る。特定のエージングプロセスは例示のために説明されており、他の実装形態は、
図2の実施例を参照して説明したものとは異なる数、タイプ、又は順序のエージングプロセスを含み得ることを認識されたい。例えば、異なるバッテリの化学的性質又は製造プロセスは、異なる数、タイプ、又は順序のエージングプロセスと関連付けられる場合がある。
【0026】
さらに例示すると、エージングプロセスに関連して、バッテリセルは、ある特定の充電レベルまで(例えば、100%充電状態(SOC)まで)充電され得、プロセスに応じてある特定の温度(例えば、RT又はHT)に留まることができる。例えば、コントローラ110は、第1の複数のバッテリ142を100%SOCまで充電し、1つ又は複数のエージングプロセスを開始する間、後、又は前に、100%SOCを検証するように構成され得る。コントローラ110は、セル電圧及び交流内部抵抗(ACIR)などの、エージングプロセス中の1つ又は複数のバッテリセルパラメータを監視するように構成され得る。
【0027】
エージングプロセスが完了した際に、コントローラ110は、1つ又は複数のバッテリセルパラメータを検証するように構成され得る。コントローラ110は、1つ又は複数のバッテリセルパラメータの検証に基づいて、バッテリセルを「合格」又は「不合格」にするように構成され得る。例示すると、コントローラ110は、エージングプロセスの完了後に、セル電圧がセル設計に応じた特定の電圧閾値よりも大きいことを検証するように構成され得る。代替として、又は加えて、いくつかの製作プロセスで、コントローラ110は、エージングプロセスの完了後に、セルACIRがACIR閾値よりも小さいことを検証するように構成される。
【0028】
検証の後に、検証動作を満たすバッテリを「合格」として承認し、梱包及び出荷のために準備することができる。1つ又は複数の検証動作を満たすことができないセルを有するバッテリは、拒絶される(例えば、廃棄又はリサイクルされる)か、フラグを付けられる(例えば、検証動作に不適合、又は「合格」していないとして)か、又は1つ若しくは複数の他の動作を受ける可能性がある。いくつかの実施例で、バッテリは、第1級(例えば、「最高」性能のバッテリ用)、第2級(例えば、典型的な性能特性を有するバッテリ用)、及び第3級などの複数の等級と関連付けられた等級付けシステムに従って(例えば、セル試験又は検証中に決定されるセル性能に基づいて)「等級付け」される。バッテリは、等級付けシステムに基づいて異なるデバイスに実装され得る。一例として、第1級と関連付けられたバッテリは、第1のタイプのデバイスに実装され得、第2級と関連付けられたバッテリは、第2のタイプのデバイスに実装され得、第3級と関連付けられたバッテリは、廃棄又はリサイクルされ得る。他の実装形態で、異なる数の等級(例えば、2つの等級、4つの等級、又は別の数の等級)を使用することなどによって、1つ又は複数の他の等級付けシステム又は技術が使用され得る。一態様で、等級付けシステムは、顧客によって指定された特定の等級に合致するバッテリを各顧客に提供するなど、異なる顧客にバッテリを分配するために使用され得る。セルがいずれの顧客要件も満たさない場合、それは廃棄/リサイクルされなければならない。
【0029】
いくつかの実施例で、分類ステーション210は、バッテリセット140の分類を実行するように構成される。例えば、分類ステーション210は、第1の複数のバッテリ142のバッテリを分類する第1の分類プロセスを実行するように構成され得る。特定の実装形態に応じて、バッテリ分類は、エージングステーション204、208によって実行されるエージングプロセスの前、間、又は後に実行することができる。いくつかの実施例で、バッテリ分類は、例示的な実施例として、バッテリ性能又は容量に基づいてバッテリを等級付け及び分類することを含む。
【0030】
図2の実施例で、試験ステーション212は、バッテリセット140の試験を実行するように構成される。例えば、試験ステーション212は、第1の複数のバッテリ142の第1の試験プロセスを実行するように構成され得る。いくつかの実施例で、バッテリ試験は、各複数のバッテリの開回路電圧(OCV)試験、各複数のバッテリの交流内部抵抗(ACIR)試験、1つ若しくは複数の他の試験、又はそれらの組み合わせを含む。
【0031】
いくつかの実施例で、検査及び識別ステーション214は、バッテリセット140の検査、バッテリセット140の識別、又はそれらの組み合わせを実行するように構成される。例えば、検査及び識別ステーション214は、第1の複数のバッテリ142の第1の目視検査及び識別(例えば、カメラ又は別のデバイスを使用して)を実行するように構成され得る。
【0032】
いくつかの実施例で、検査及び識別ステーション214によって実行される検査及び識別は、バッテリセット140の1つ又は複数のバッテリの出荷状態電圧を検証することを含み得る。いくつかの実施例で、検査及び識別ステーション214は、(例えば、複数のバッテリの各出荷状態電圧を並行して試験することによって)バッテリセット140の各バッテリの出荷状態電圧を試験するように構成される。別の実施例で、検査及び識別ステーション214は、出荷状態電圧検証用のバッテリセット140のサンプルをランダムに又は疑似ランダムに選択することなどによって、バッテリセット140のサンプルの出荷状態電圧を検証するように構成される。いくつかの実装形態で、検査及び検証は、バッテリ電圧チェック、バッテリ・インピーダンス・チェック、及び目視チェックを実行することを含む。代替として、又は加えて、バッテリ電圧チェック、バッテリ・インピーダンス・チェック、及び目視チェックのうちの1つ又は複数が、分類ステーション210によって実行される分類中に実行され得る。いくつかの実施例で、バッテリ電圧チェック、バッテリ・インピーダンス・チェック、及び目視チェックは、非侵入的であり、バッテリセルの特定の状態(例えば、「ネイティブ」状態)を変更することなく実行される。
【0033】
図1に戻って参照すると、第1の複数のバッテリ142及び製造ライン102を参照して説明した1つ又は複数の動作は、バッテリセット140の第2の複数のバッテリ144(例えば、第1の複数のバッテリ142とは異なる、バッテリセット140の第2の適切なサブセット)などの、バッテリセット140の他のバッテリに関して実行され得る。例示すると、形成ステーション206は、製造ライン102によるバッテリセット140の製造中に第2の複数のバッテリ144を受け取るように構成され、充電回路128は、上述のように、形成ステーション206に第2の複数のバッテリ144を配置した際に、第2の複数のバッテリ144に電気的に接続するように構成される。
【0034】
バッテリバンク130は、第2の複数のバッテリ144の各バッテリの第2の形成プロセスの充電フェーズ中に、第2の複数のバッテリ144に電荷132を供給するように構成される。バッテリバンク130は、第2の形成プロセスの放電フェーズ中に第2の複数のバッテリ144から電荷132の少なくとも一部を受け取るように構成される。
【0035】
いくつかの実施例で、バッテリセット140の各バッテリは、形成プロセスの完了前などに、バッテリバンク130を使用して特定の出荷状態電圧レベルまで充電(又は放電)される。例示すると、ある特定の出荷、貯蔵、及び取り扱い技術は、バッテリのある特定の充電レベル(例えば、80パーセント充電、50パーセント充電、20パーセント充電、又は別のパーセント充電)を伴う場合がある。いくつかの実施例で、複数のバッテリの充電状態は、バッテリバンク130を充電又は放電することによる複数のバッテリの形成プロセスの完了前に、特定の出荷状態電圧レベルに設定される。
【0036】
いくつかの実装形態で、コントローラ110は、製造ライン102の動作を制御するように構成される。例えば、コントローラ110は、バッテリバンク130から第1の複数のバッテリ142への電荷132の移動、第1の複数のバッテリ142からバッテリバンク130への電荷132の少なくとも一部の戻し、バッテリバンク130から第2の複数のバッテリ144への電荷132の移動、及び第2の複数のバッテリ144からバッテリバンク130への電荷132の少なくとも一部の戻しを制御するように構成され得る。
【0037】
さらに例示すると、いくつかの実装形態で、コントローラ110は、第1の形成プロセス中に実行される充電/放電サイクルの実行回数を追跡する値を格納するように構成されたカウンタを含むか、又はこれに結合される。コントローラ110は、この値が充電/放電サイクルの閾値回数を満たすことに応答して第1の形成プロセスの完了を検出するように構成され得る。別の実施例で、値は、第1の形成プロセスの実行時間継続を追跡し、コントローラ110は、値が閾値時間継続を満たすことに応答して、第1の形成プロセスの完了を検出するように構成される。他の実装形態では、他の技術をコントローラ110が利用して、形成プロセス中の充電/放電サイクルの制御を容易にすることができる。
【0038】
いくつかの実装形態で、コマンドインタフェース112は、製造ライン102の動作と関連付けられた1つ又は複数のコマンドを受け取るように構成される。例えば、コマンドインタフェース112は、例示的な実施例として、製造工場コンピュータシステムから、製造ライン102の1つ若しくは複数のセンサ若しくは他のデバイスから、又はそれらの組み合わせから、1つ又は複数のコマンドを受け取ってもよい。
【0039】
特定の実施例として、コマンドインタフェース112は、第1のコマンド114を受け取るように構成され得、コントローラ110は、第1のコマンド114に応答して、バッテリバンク130から第1の複数のバッテリ142への電荷132の移動を開始するように構成され得る。第1のコマンド114は、複数のバッテリが形成ステーション206に到着し、複数のリード線を介して充電回路128に電気的に結合されたことを指示するなど、製造ライン102の搬送システムによって提供されるフィードバックに基づいて、コマンドインタフェース112で受け取ることができる。代替として、又は加えて、第1のコマンド114は、複数のバッテリが形成プロセスを始める準備ができていることを指示する、ユーザ端末又はコンピュータからなどのユーザ入力に基づいて受け取ることができる。別の実施例として、コマンドインタフェース112は、第2のコマンド116を受け取るように構成され得、コントローラ110は、第2のコマンド116に応答して、第1の複数のバッテリ142からバッテリバンク130への電荷132の戻しを開始するように構成され得る。第2のコマンド116は、上述のカウンタが閾値カウントに到達したこと、又は上述の追跡値が閾値時間継続に到達したことを指示する出力など、形成プロセス中に実行される充電/放電サイクルの追跡に基づいて受け取ることができる。上述の第1のコマンド114及び第2のコマンド116を提供するための代表的な機構は、限定としてではなく、例示の目的で提供されており、他の技術及び機構を利用して、第1のコマンド114、第2のコマンド116、又は他のコマンドをコマンドインタフェース112に提供し、製造ライン102のさまざまな動作及び製造ライン102の異なるステーションで実行されるさまざまなプロセスを制御してもよいことが留意される。
【0040】
いくつかの実施例で、コントローラ110は、第1の複数のバッテリ142の第1の形成プロセスなどの形成プロセスと関連付けられた1つ又は複数のパラメータ118の指標を受け取るように構成される。いくつかの実施例で、1つ又は複数のパラメータ118は、電荷132の移動と関連付けられた電圧レベル120又は電流量122のうちの1つ又は複数を含む。例示すると、いくつかの実装形態で、充電回路128は、可変抵抗デバイス(例えば、抵抗器バンク)などの特定の回路を含み、コントローラ110は、第1の形成プロセス中に、電圧レベル120及び電流量122を第1の複数のバッテリ142に、バッテリバンク130に、又はその両方に適用するように可変抵抗デバイスを調節するように構成される。
【0041】
いくつかの実施例で、コントローラ110は、単一の形成プロセスの充放電サイクルを独立して制御するように構成される。例えば、第1の形成プロセスは、第1の充放電サイクル及び第1の充放電サイクル後の少なくとも第2の充放電サイクルを含み得、コントローラ110は、各充放電サイクルの充電部分及び放電部分を独立して制御するように構成され得る。
【0042】
さらに例示すると、特定の実施例で、コントローラ110は、第1の充放電サイクルの充電部分の間に、第1の複数のバッテリ142を第1の量及び第1の時間継続の間充電し、第1の充放電サイクルの放電部分の間に、第1の複数のバッテリ142を第2の量及び第2の時間継続の間放電するように構成される。特定の実施例で、コントローラ110は、第2の充放電サイクルの充電部分の間に、第1の複数のバッテリ142を第3の量及び第3の時間継続の間充電し、第2の充放電サイクルの放電部分の間に、第1の複数のバッテリ142を第4の量及び第4の時間継続の間放電するように構成される。いくつかの実装形態で、コントローラ110は、バッテリバンク130の特定の状態(例えば、バッテリバンク130の充電レベル)、充電回路128の特定の状態(例えば、充電回路128における電圧又は電流)、1つ若しくは複数の他のパラメータ、又はそれらの組み合わせに応答してなど、第1の量、第2の量、第3の量、第4の量、第1の時間継続、第2の時間継続、第3の時間継続、及び第4の時間継続を独立して決定するように構成される。したがって、コントローラ110は、複数のバッテリに関して実行される単一の形成プロセス中に、異なる継続時間を有する充放電サイクルを提供し得る。
【0043】
バッテリバンク130は、バッテリバンク130が、バッテリセット140の複数のバッテリごとに、少なくとも閾値充電率124に基づいて特定の数のバッテリを同時に充電することを可能にする少なくとも1つの属性を有する。バッテリバンク130の少なくとも1つの属性は、バッテリバンクが、バッテリセット140の複数のバッテリごとに、少なくとも閾値放電率126に基づいて特定の数のバッテリを同時に放電することをさらに可能にする。
【0044】
例示すると、いくつかの実装形態で、各複数のバッテリ(例えば、第1の複数のバッテリ142及び第2の複数のバッテリ144)は、数百個のバッテリ、数千個のバッテリ、又は別の数のバッテリなどの比較的多数のバッテリを含む。この場合、バッテリバンク130は、バッテリセット140の各複数のバッテリのエネルギー貯蔵容量以上のエネルギー貯蔵容量など、比較的大きなエネルギー貯蔵容量を有し得る。この実施例で、バッテリバンク130の少なくとも1つの属性は、バッテリバンク130のエネルギー貯蔵容量を含む。
【0045】
代替として、又は加えて、いくつかの実施例で、バッテリバンク130の少なくとも1つの属性は、バッテリバンク130と関連付けられたインピーダンスを含む。例示すると、バッテリバンク130のインピーダンスは、閾値充電率124、閾値放電率126又はその両方を可能にするように設定され得る。
【0046】
代替として、又は加えて、いくつかの実施例で、バッテリバンク130の少なくとも1つの属性は、バッテリバンク130のバッテリの数を含む。例えば、バッテリバンク130に含まれるバッテリの数は、バッテリバンクのエネルギー貯蔵容量が、バッテリセット140の各複数のバッテリのエネルギー貯蔵容量以上であるように選択され得る。
【0047】
代替として、又は加えて、いくつかの実装形態で、バッテリバンク130の少なくとも1つの属性は、バッテリバンク130のセルタイプを含む。いくつかの実施例で、バッテリバンク130の特定のセルタイプが、閾値充電率124、閾値放電率126又はその両方を可能にするように選択される。さらに例示すると、バッテリバンク130は、非限定的な例示的な実施例として、複数のリチウムイオンバッテリ(LiB)134、複数の鉛酸バッテリ136、若しくは複数のナトリウムイオンバッテリ(NIB)138、複数の固体バッテリ、複数のレドックスフローバッテリ、又は他のバッテリを含み得る。いくつかの実施例で、推定ライフサイクルが最も長いタイプのバッテリが、バッテリバンク130内に実装される。代替として、又は加えて、バッテリバンク130のセルタイプは、容積エネルギー密度パラメータを増加させるように(例えば、バッテリバンク130によって占有される物理空間の量を減少させるように)選択され得る。代替として、又は加えて、バッテリバンク130のセルタイプは、ワット時当たりドル($/Wh)パラメータなどのエネルギーコストパラメータを減少させるように(例えば、バッテリバンク130の製作又は設置と関連付けられたコストを減少させるように)選択され得る。
【0048】
いくつかの実装形態で、バッテリバンク130の少なくとも1つの属性は、バッテリバンク130のエネルギー容量(例えば、セルの数、セルのサイズ、又はその両方)を含む。エネルギー容量は、製造ライン102と関連付けられた生産能力(例えば、生産されるセルの数)に基づいて決定され得る。例えば、製造ライン102の生産能力が1週間当たり0.25ギガワット時(GWh)である場合、バッテリバンク130のエネルギー容量は、生産能力よりも約30%大きくてもよく(この実施例では結果として1週間当たりおよそ0.325GWhのエネルギー容量となる)、それは、いくつかの状況ではバッファリング及び低充電に適応し得る。バッテリバンク130のセルは、管理(例えば、アクセスの容易さ)及び安全性のために個別のユニットに分割(例えば、区画)され得る。バッテリバンク130のサイズ(又はバッテリバンク130の各区画のサイズ)は、システム100を含む工場のサイズに基づいて、管理及び安全性の考慮に基づいて、並びに工場に沿った目標電力分配に基づいて決定され得る。
【0049】
いくつかの実施例で、充電回路128は、少なくとも閾値充電率124及び閾値放電率126に基づいてバッテリ充放電を可能にする1つ又は複数の属性を有する。例示すると、充電回路128は、バッテリセット140の各複数のバッテリの端子に接続するように構成された複数のリード線を含み得、各リード線は、少なくとも閾値充電率124及び閾値放電率126に基づいてバッテリ充放電を可能にする特定の太さ(例えば、ワイヤゲージ)を有し得る。
【0050】
代替として、又は加えて、いくつかの実施例で、充電回路128はインピーダンス整合回路を含む。いくつかの実装形態で、コントローラ110は、インピーダンス整合回路に結合され、インピーダンス整合回路を制御して、形成ステーション206における各複数のバッテリとバッテリバンク130との間のインピーダンス整合を実行するように構成される。いくつかの実施例で、コントローラ110は、動的インピーダンス整合(例えば、バッテリの数又はバッテリのタイプが、ある形成プロセスから別の形成プロセスに変化する場合)を実行するように構成される。さらに例示すると、いくつかの事例では、第1の複数のバッテリ142の第1のバッテリの数(例えば、バッチサイズ)は、第2の複数のバッテリ144の第2のバッテリの数と異なってもよく、第1の複数のバッテリ142の第1のバッテリタイプは、第2の複数のバッテリ144の第2のバッテリタイプと異なってもよく、又はその両方であってもよい。この場合、コントローラ110は、第1の複数のバッテリ142に関して実行される第1の形成プロセスと関連付けられた第1のインピーダンスから、第2の複数のバッテリ144に関して実行される第2の形成プロセスと関連付けられた第2のインピーダンスへと、インピーダンス整合回路を使用して充電回路128のインピーダンスを調節するように構成され得る。
【0051】
いくつかの実装形態で、システム100は、バッテリバンク130に含まれているか、又は結合されている、再充電回路150(例えば、「トップオフデバイス」)を含む。再充電回路150は、バッテリバンク130の放電及び再充電中の熱エネルギー散逸に起因する寄生エネルギー損失などのエネルギー損失を考慮するためにバッテリバンク130を再充電するように構成され得る。さらに例示すると、再充電回路150は、主電源電力供給又は発電機などの電源への接続を含み得る。代替として、又は加えて、再充電回路150は、1つ又は複数のソーラパネルなどの別の電源への接続を含み得る。
【0052】
いくつかの実装形態で、再充電回路150は、タイマ回路及びスイッチを含む。タイマ回路は、スイッチを作動させることによって、バッテリバンク130を電源に定期的に結合するように構成され得る(例えば、例示的な実施例として、形成プロセスの閾値数に達した際、閾値時間間隔の後、又は特定の数の追加の形成プロセス若しくは充放電サイクルに十分な充電容量などの閾値充電容量にバッテリバンク130が到達した際)。バッテリバンク130を再充電した後、(例えば、スイッチの作動を停止させることによって)再充電回路150を電源から切断することができる。
【0053】
いくつかの実装形態で、コントローラ110は、製造ライン102又は製造ライン102の1つ若しくは複数の特定のステーションと関連付けられた、1つ又は複数の環境パラメータを制御するように構成される。一例として、形成ステーション206は、エンクロージャを含むか又はこれに対応することができ、コントローラ110は、エンクロージャの1つ又は複数のセンサに、及びエンクロージャの1つ又は複数の制御デバイス(例えば、アクチュエータ)に結合され得る。コントローラ110は、1つ又は複数のセンサからセンサデータを受け取り、1つ又は複数の制御デバイスに1つ又は複数の制御信号を提供して1つ又は複数の環境パラメータを(例えば、形成プロセス前、形成プロセス中、形成プロセス後、又はそれらの組み合わせで)調節するように構成され得る。例えば、センサデータは、エンクロージャの周囲温度を指示することができ、コントローラ110は、サーモスタットデバイスに制御信号を提供してエンクロージャ内の周囲温度を(例えば、目標温度又は目標温度範囲内に)調節するように構成され得る。代替として、又は加えて、別の実施例で、センサデータは、エンクロージャの周囲湿度を指示し、コントローラ110は、加湿器/除湿器デバイスに制御信号を提供してエンクロージャの周囲湿度を(例えば、目標湿度又は目標湿度範囲内に)調節するように構成される。
【0054】
いくつかの実施例で、バッテリバンク130は、形成ステーション206として共通のエンクロージャ内に統合される。この場合、バッテリバンク130は、形成ステーション206と同じ環境パラメータの適用を受ける可能性がある。別の実施例で、バッテリバンク130は、形成ステーション206のエンクロージャの外部にある。いくつかの実装形態で、バッテリバンク130は、形成ステーション206のエンクロージャの外部にあるバッテリバンクエンクロージャ内に統合される。この場合、コントローラ110は、製造ライン102と関連付けられた1つ又は複数の環境パラメータとは独立して、バッテリバンク130と関連付けられた1つ又は複数の環境パラメータを制御するように構成され得る。例えば、いくつかの実装形態で、バッテリバンク130は、大きなバッテリ貯蔵容量を有し、1つ又は複数の形成プロセス中にバッテリバンク130を反復的に充電及び放電することは、大量の熱を発生させる。この場合、コントローラ110は、(例えば、バッテリバンクエンクロージャの温度センサによって提供される温度データに応答してバッテリバンクエンクロージャのサーモスタットを制御することによって)形成ステーション206のエンクロージャの周囲温度とは独立して、バッテリバンクエンクロージャの周囲温度を調節し得る。代替として、又は加えて、コントローラ110は、バッテリバンクエンクロージャの周囲湿度を調節するように構成され得る。
【0055】
いくつかの事例では、形成ステーション206のエンクロージャの1つ又は複数の環境パラメータとは独立して、バッテリバンクエンクロージャの1つ又は複数の環境パラメータを制御することは、バッテリバンク130の動作寿命を改善し得る。例えば、形成ステーション206で実行される形成プロセスは、バッテリバンク130の動作寿命にとって不十分又は最適でない可能性がある、特定の環境パラメータのセットを伴う場合がある。形成ステーション206のエンクロージャの1つ又は複数の環境パラメータとは独立して、バッテリバンクエンクロージャの1つ又は複数の環境パラメータを制御することによって、いくつかの事例では、バッテリバンク130の動作寿命を延長することができる。
【0056】
コントローラ110は、エージングステーション204、208などの製造ライン102の他の態様と関連付けられた環境条件を監視及び制御するように構成され得る。さらに、コントローラ110は、非限定的な実施例として、環境エージング段階に対して第1の温度及び湿度制御を提供し、形成段階に対して第2の温度及び湿度制御を提供し、高温エージング段階に対して第3の温度を提供するなど、製造ラインの異なる段階の環境条件を独立して制御するように構成され得る。
【0057】
いくつかの実施例で、バッテリセル製造工場におけるバッテリバンク130の実装のために、「回収期間」を決定することができる。例えば、いくつかの事例では、バッテリバンク130の設置は、バッテリセル製造工場の比較的大きな資本支出を招く。資本支出は、形成プロセス中に配電網からバッテリを充電し、次に抵抗デバイスを使用してバッテリを放電するシステムなどの、ある特定の従来システムと関連付けられた電力支出の削減によって相殺(又は「返済」)することができる。さらに例示すると、表1は、低電力コスト国、中電力コスト国、及び高電力コスト国の例示的な実施例について、回収期間と関連付けられたある特定の例示的なパラメータを例示する。
【0058】
【0059】
表1の実施例で、エネルギーコストは、国ごとにキロワット時当たりドル($/KWh)で与えられる。表1は同様に、国ごとに、最初にシステム100を充電する(例えば、バッテリバンク130を充電する)ためのコスト、(例えば、上述のように再充電デバイスを使用して)システム100を再充電するための1年当たりの追加コスト、及び形成プロセスを容易にするある特定の従来のグリッドベースの充電/放電技術と関連付けられたコスト(それぞれドル($)単位)の例を例示する。表1の実施例で、これらの例示的なパラメータに対する回収期間は、低電力コスト国、中電力コスト国、及び高電力コスト国について、それぞれ、18.6年、8.8年、及び4.5年である。
【0060】
図1のある特定の実施例が、第1の複数のバッテリ142及び第2の複数のバッテリ144を参照して説明されているが、製造ライン102は、バッテリセット140の任意の数のサブセットに対して反復的に動作を実行することができることが留意される。例えば、形成ステーション206で実行される形成プロセスは、バッテリセット140の3つ以上のサブセットに対して反復的に実行することができる。
【0061】
いくつかの実施例で、コントローラ110は、製造ライン102に複数の動作を同時に実行させるように構成される。例えば、製造ライン102は、形成ステーション206によって第1の複数のバッテリ142に対して実行される第1の形成プロセスと同時に、エージングステーション204を使用して第2の複数のバッテリ144に対してエージングプロセスを実行することなどによって、第1の形成プロセスと同時に1つ又は複数の他の動作を実行するように構成され得る。別の実施例として、エージングステーション208で第1の複数のバッテリ142に対して実行されるエージングプロセスは、形成ステーション206によって第2の複数のバッテリ144に対して実行される第2の形成プロセスと同時に実行され得る。追加の実施例として、いくつかの実装形態で、製造ライン102は、エージングステーション208で第1の複数のバッテリ142に対して実行されるエージングプロセスと同時に、及び形成ステーション206によって第2の複数のバッテリ144に対して実行される第2の形成プロセスと同時に、エージングステーション204を使用してバッテリセット140の別の複数のバッテリに対して別のエージングプロセスを実行するように構成される。
【0062】
図1及び
図2を参照して説明した1つ又は複数の態様は、ある特定の他の従来のバッテリ製造技術と比較してエネルギー消費を削減する。例えば、主電源電力供給を使用して形成プロセス中にバッテリ群を充電し、次に抵抗負荷を使用してバッテリ群を放電する代わりに、エネルギーをバッテリバンク130からバッテリ群に提供し、次に、形成プロセス中にバッテリバンク130に戻すことができる。形成プロセスの完了後、エネルギーは、1つ又は複数の他の形成プロセス中に、1つ又は複数の他のバッテリ群を充電するために使用することができる。結果として、エネルギーが複数のバッテリ群の間で「リサイクル」され、主電源電力供給を使用してバッテリを充電し、次に抵抗負荷を介してバッテリを放電する製造プロセスなどの、ある特定の他の製造プロセスと比較してエネルギー消費が削減される。
【0063】
図3を参照すると、方法の特定の例示的な実施例が描写され、全体として300に指定される。いくつかの実施例で、方法の動作は、
図1及び
図2のシステム100によって実行される。
【0064】
方法300は、302において、第1の複数のバッテリを含むバッテリセットの製造中に、製造ラインの形成ステーションに第1の複数のバッテリを配置した際に、充電回路を第1の複数のバッテリに接続することを含む。例えば、充電回路128は、充電回路128の複数のリード線を第1の複数のバッテリ142のバッテリ端子に接続することなどによって、製造ライン102の形成ステーション206で第1の複数のバッテリ142に接続され得る。
【0065】
方法300は、304において、第1の複数のバッテリの各バッテリの第1の形成プロセス中に、バッテリバンクから第1の複数のバッテリに電荷を供給することをさらに含む。例えば、充電回路128は、第1の形成プロセス中に形成ステーション206でバッテリバンク130から第1の複数のバッテリ142に電荷132を供給するように構成される。
【0066】
方法300は、306において、第1の形成プロセス中に、バッテリバンクで第1の複数のバッテリから電荷を受け取ることをさらに含む。例えば、バッテリバンク130は、第1の形成プロセス中に形成ステーション206で第1の複数のバッテリ142から電荷132を受け取るように構成される。
【0067】
方法300は、308において、形成ステーションに第2の複数のバッテリを配置した際に、充電回路をバッテリセットの第2の複数のバッテリに接続することをさらに含む。例えば、充電回路128は、充電回路128の複数のリード線を第2の複数のバッテリ144のバッテリ端子に接続することなどによって、製造ライン102の形成ステーション206で第2の複数のバッテリ144に接続され得る。
【0068】
方法300は、310において、第2の複数のバッテリの各バッテリの第2の形成プロセス中に、バッテリバンクから第2の複数のバッテリに電荷を供給することをさらに含む。例えば、充電回路128は、第2の形成プロセス中に形成ステーション206でバッテリバンク130から第2の複数のバッテリ144に電荷132を供給するように構成される。
【0069】
方法300は、312において、第2の形成プロセス中に、第2の複数のバッテリからバッテリバンクで電荷を受け取ることをさらに含む。例えば、バッテリバンク130は、第2の形成プロセス中に形成ステーション206で第2の複数のバッテリ144から電荷132を受け取るように構成される。
【0070】
バッテリバンクは、バッテリバンクが、バッテリセットの複数のバッテリごとに、少なくとも閾値充電率に基づいて特定の数のバッテリを同時に充電し、バッテリセットの複数のバッテリごとに、少なくとも閾値放電率に基づいて特定の数のバッテリを同時に放電することを可能にする少なくとも1つの属性を有する。例えば、少なくとも1つの属性は、バッテリバンクのエネルギー貯蔵容量、バッテリバンクのインピーダンス、バッテリバンクのバッテリの数、又はバッテリバンクのセルタイプのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0071】
いくつかの実施例で、方法300は、バッテリバンク及び充電回路に結合されたコントローラによって、第1の形成プロセスと関連付けられた1つ又は複数のパラメータの指標を受け取ることをさらに含む。例えば、コントローラ110は、1つ又は複数のパラメータ118の指標を受け取ってもよい。いくつかの実施例で、1つ又は複数のパラメータは、電荷132の移動と関連付けられた電圧レベル120又は電流量122のうちの1つ又は複数を指示する。
【0072】
図3の方法300を参照して説明した1つ又は複数の態様は、ある特定の他の従来のバッテリ製造技術と比較してエネルギー消費を削減する。例えば、主電源電力供給を使用して形成プロセス中にバッテリ群を充電し、次に抵抗負荷を使用してバッテリ群を放電する代わりに、エネルギーをバッテリバンク130からバッテリ群に提供し、次に、形成プロセス中にバッテリバンク130に戻すことができる。形成プロセスの完了後、エネルギーは、1つ又は複数の他の形成プロセス中に、1つ又は複数の他のバッテリ群を充電するために使用することができる。結果として、エネルギーが複数のバッテリ群の間で「リサイクル」され、主電源電力供給を使用してバッテリを充電し、次に抵抗負荷を介してバッテリを放電する製造プロセスなどの、ある特定の他の製造プロセスと比較してエネルギー消費が削減される。
【0073】
本発明及びその利点について詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換及び改変を本明細書で行うことができることを理解されたい。そのうえ、本出願の範囲は、本明細書に説明したプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図していない。当業者が本発明の開示から容易に認識することになるように、本明細書で説明した対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行するか、又は実質的に同じ結果を達成する、現存するか又は後に開発されることになるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法又はステップは、本発明に従って利用され得る。それゆえ、添付の特許請求の範囲は、そのようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法又はステップをその範囲内に含むことを意図している。
【0074】
そのうえ、本出願の範囲は、本明細書に説明したプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法及びステップの特定の実施形態に限定されることを意図していない。
【国際調査報告】