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特表2023-513447調整可能なブレードを有する抗力兼揚力ベースの風力タービンシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-31
(54)【発明の名称】調整可能なブレードを有する抗力兼揚力ベースの風力タービンシステム
(51)【国際特許分類】
   F03D 7/06 20060101AFI20230324BHJP
   F03D 3/06 20060101ALI20230324BHJP
   F03D 1/06 20060101ALI20230324BHJP
   F03D 7/04 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
F03D7/06 B
F03D3/06 E
F03D3/06 G
F03D1/06 B
F03D7/04 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545089
(86)(22)【出願日】2020-10-03
(85)【翻訳文提出日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 IB2020059302
(87)【国際公開番号】W WO2021148859
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】202011003425
(32)【優先日】2020-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】520498217
【氏名又は名称】アガーウォール、ラケシュ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アガーウォール、ラケシュ
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA05
3H178AA13
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB31
3H178CC05
3H178DD32Z
3H178DD54Z
3H178EE02
3H178EE05
3H178EE07
3H178EE08
3H178EE13
3H178EE23
3H178EE35
(57)【要約】
調節可能なブレードを有する抗力兼揚力ベースの風力タービンシステムであって、基礎構造上に配置された1つ又は複数の出力駆動ロータであって、各出力ロータが、1つ又は複数の一次制御機構を使用して1つ又は複数のアームに接続される、1つ又は複数の出力駆動ロータを備え、1つ又は複数のそれぞれのアームにより回転可能に取付けられた1つ又は複数のブレードパネル組立体であって、各ブレードパネル組立体が、1つ又は複数のアームのそれぞれに回転可能に取付けられた補助回転シャフトと、1つ又は複数の一次制御機構によって制御される、補助回転シャフトに接続された取付け機構であって、各ブレードパネル取付け機構が、1つ又は複数のサブブレードパネルが回転することを可能にし、それにより風がブレードパネルを部分的に又は全体的に通過することを阻止する及び/又は可能にするように、1つ又は複数の二次制御機構を使用して取付け装置の1つ又は複数の枢支点において枢動可能である1つ又は複数のサブブレードパネルを収容する、取付け機構と、1つ又は複数の処理モジュール、1つ又は複数の一次制御機構、及び1つ又は複数の二次制御機構に接続された1つ又は複数の主制御装置(MCU:Main Control Unit)に結合された、システム制御パラメータを読み取るための1つ又は複数のセンサと、1つ又は複数の出力駆動ロータの回転トルクを1つ又は複数のエネルギー形態に変換するように構成された出力機構と、を備える1つ又は複数のブレードパネル組立体を特徴とする、システム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調節可能なブレードを有する抗力兼揚力ベースの風力タービンシステムであって、
基礎構造上に配置された1つ又は複数の出力駆動ロータであって、各出力ロータが、1つ又は複数の一次制御機構を使用して1つ又は複数のアームに接続される、1つ又は複数の出力駆動ロータ
を備え、
前記1つ又は複数のそれぞれのアームにより回転可能に取付けられた1つ又は複数のブレードパネル組立体であって、各ブレードパネル組立体が、
前記1つ又は複数のアームのそれぞれに回転可能に取付けられた補助回転シャフトと、
前記1つ又は複数の一次制御機構によって制御される、前記補助回転シャフトに接続された取付け機構であって、各ブレードパネル取付け機構が、1つ又は複数のサブブレードパネルが回転することを可能にし、それにより風が前記ブレードパネルを部分的に又は全体的に通過することを阻止する及び/又は可能にするように、1つ又は複数の二次制御機構を使用して前記取付け装置の1つ又は複数の枢支点において枢動可能である前記1つ又は複数のサブブレードパネルを収容する、取付け機構と、
1つ又は複数の処理モジュール、前記1つ又は複数の一次制御機構、及び前記1つ又は複数の二次制御機構に接続された1つ又は複数の主制御装置(MCU:Main Control Unit)に結合された、システム制御パラメータを読み取るための1つ又は複数のセンサと、
前記1つ又は複数の出力駆動ロータの回転トルクを1つ又は複数のエネルギー形態に変換するように構成された出力機構と、
を備える1つ又は複数のブレードパネル組立体を特徴とする、システム。
【請求項2】
前記MCUが、処理モジュールに接続され、且つ、
前記1つ又は複数のセンサを使用して、風向、風速、前記1つ又は複数の出力駆動ロータの回転速度、最大推力点に対する前記1つ又は複数のブレードパネル取付け機構の個々の角度位置、及び各前記ブレードパネル取付け機構に対する力を動的に判定又は制御するように構成され、且つ、
前記風による部分回転中の順方向抗力及び/又は揚力を最適化し且つ前記風に逆らう部分回転中の逆方向抗力を減少させるために、前記一次制御機構を使用して各回転中に動的に前記風に対する前記1つ又は複数のブレードパネル組立体のそれぞれの迎え角を個別に且つ集合的に調節するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記MCUが、前記処理モジュールに接続され、且つ、逆方向抗力を減少させ、突風の間のトルクを調整するだけでなく滑らかにし、且つ、所定の速度を超える風から前記システムを保護するために、前記1つ又は複数の二次制御機構を使用して前記1つ又は複数のサブブレードパネルの開口を調節するように構成されて、前記システムへの如何なる損傷も防ぎながら中断のない確実且つ最適な産出能力を保証する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ又は複数の出力駆動ロータが、一続きに又は平行な配置で前記基礎構造上に水平に、垂直に、若しくはそれらの間に角度を付けて配置され得る、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ又は複数のアームが、前記1つ又は複数の出力駆動ロータのそれぞれの任意の若しくはいずれかの端部又は両端部間の一セクション或いはそれらの組合せから径方向に又は接線方向に延在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ又は複数のサブブレードパネルが、前記1つ又は複数のブレードパネル組立体のそれぞれの取付け機構内又は外側で垂直に又は水平に又は或る角度で開くように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ又は複数のサブブレードパネルが、金属、非金属、合金、ポリマー、繊維、ガラス、セラミック、木材、又はそれらの組合せから選択された材料で作られる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つ又は複数の一次制御機構及び前記二次制御機構が、カムフォロワー機構、サーボ・モータ、ベルト及びプーリ機構、チェーン及びスプロケット機構、ギヤリング機構、線形及び回転アクチュエータ、レバー機構、遠心機、油圧式機械、空気制御、数値制御、ステッパ・モータ、電磁モータ、電磁石、ねじアクチュエータ、溝読取り機、デジタル及びアナログ制御のうちの1つ若しくは複数又はそれらの組合せから選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記1つ又は複数のセンサが、方位センサ、速度センサ、加速度計、ジャイロ・センサ、磁力計、配向センサ、溝読取り機、突起読取り機、光学読取り機、圧力センサ、放射線センサ、穿孔円盤読取り機、磁気センサ、ホール効果センサ、重力スイッチ、傾きセンサ、エンコーダ、位置センサ、回転速度計、運動センサ、又はそれらの組合せを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
風力タービンシステムのためのブレードパネル組立体であって、
前記風力タービンシステムの前記1つ又は複数の回転アームに回転可能に取付けられた補助回転シャフト
を備え、
前記1つ又は複数の制御機構を介して前記補助回転シャフトに接続される取付け機構であって、1つ又は複数のサブブレードパネルが開き且つ/又は閉じるために回転することを可能にし、それにより風が前記ブレードパネルを部分的に又は完全に通過することを阻止する及び/又は可能にするように、1つ又は複数の制御機構を使用して前記取付け機構上の1つ又は複数の枢支点において枢動可能である前記1つ又は複数のサブブレードパネルを収容する、取付け機構と、
処理モジュール、前記1つ又は複数の制御機構に接続され、且つ、1つ又は複数のセンサ、外部の接続されたソース、フィードバック機構、制御装置、プログラム可能なデバイス、及びそれらの組合せから選択された情報へのアクセスを有する、主制御装置(MCU)と、
を特徴とし、
前記MCUが、順方向トルクを最大化し、逆方向抗力を減少させ、突風の間のトルクを調整するだけでなく滑らかにし、且つ、所定の速度を超える風から前記システムを保護するために、前記1つ又は複数の制御機構を使用して前記1つ又は複数のサブブレードパネルの開口を調節するように構成されて、前記システムへの如何なる損傷も防ぎながら中断のない確実且つ最適な産出能力を保証する、ブレードパネル組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、再生可能エネルギー生成システム及び装置に関する。特に、本開示は、調整可能なブレードを有する抗力兼揚力ベースの風力タービンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景欄で議論される主題は、背景欄で言及されているということのみをもって、先行技術であるとみなされるべきではない。同様に、背景欄で言及された課題、又は背景欄の主題に関連する課題は、先行技術において以前に認識されていたと仮定されるべきではない。背景欄の主題は、単に種々のアプローチを示すものであり、それら自体も請求項の技術の実施に相当し得るものである。
【0003】
再生可能エネルギーは、しばしばクリーンエネルギーと呼ばれ、世界中でますます主要なエネルギー源の1つとなっている。再生不可能な資源の枯渇、汚染の増加、電力需要の増大により、世界は今、環境を害することなくエネルギー需要を満たすために、再生可能エネルギーに注目している。再生可能エネルギーの代表的なものに、太陽エネルギーと風力エネルギーがある。風車は何世紀も前から存在し、世界の多くの地域で最も安価なエネルギー源を提供している。
【0004】
モノポールタワーに3枚ブレードの水平軸風力タービンを搭載した風車の基本的なプラットフォーム構成はあまり変わっていない。しかし、風車のサイズは、ハブの高さで6~7倍、ロータの直径で6~8倍、定格出力で30~50倍と大きくなっている。今日の風力タービンは、大型のモニュメントやビルに匹敵する大きさでありながら、風車の寿命を通じて動的かつ複雑な負荷に耐えることができる。風力タービンの多くは、3枚のブレードを持つタービンを鋼管製のタワーに取付けたものである。ブレードが2枚のものや、コンクリート製や鋼鉄製の格子状のタワーはあまり一般的ではない。タワーは地上から100フィート(30m)以上の高さにあり、高度の高いところでは風速が速くなるため、風力発電に有利である。
【0005】
タービンは、プロペラのようなブレードで風のエネルギーを受け止める。風と接触するブレードの面積は、飛行機の翼と同様に、円形に回転するブレードの全面積の数分の1程度である。風が吹くと、ブレードの片側に低圧の空気層が形成される。この低圧空気のポケットがブレードを引き寄せ、ロータを風向きと直角に回転させる力を揚力という。この揚力は、ブレードの前面にかかる風の総力よりも常に小さく、ブレードを風方向に押し出そうとする力(抗力)は約300%以上となる。抗力を部分的に揚力に変換することで、ロータはプロペラのように回転する。このロータの回転を、一連の歯車によって1分間に約18回転から約1,500回転~1,800回転まで高速化し、タービンの発電機が地域の電力網に合わせた交流電力を作り出す。
【0006】
タービンの主要部品であるギア、ロータ、発電機などは、流線型の筐体であるナセルと呼ばれる筐体の中に収められている。タービンタワーの上に設置されるナセルは、ヘリコプターが着陸できる大きさのものもある。また、風速55mを超える強風による被害を防ぐため、ロータの回転数を調節するコントローラーも重要な部品として確立されている。風速計で連続的に風速を測定し、そのデータをタービンのコントローラーに送る。ブレーキはナセル内にあり、緊急時には機械的、電気的、又は油圧的にロータを停止させる。
【0007】
風向と風に対するブレードのピッチがなす角度を「迎え角」という。この迎え角が大きいほど揚力が大きくなるが、さらに角度が大きくなり、約20度以上になると、ブレードは揚力を減少させはじめる。つまり、最適なトルクを発生させる理想的な回転翼のピッチ角が存在する。
【0008】
このプロペラのような風車ブレードの設計は、風の揚力エネルギーだけをトルクという使用可能な軸動力に変換するものと言える。これは、風がブレードの上を滑るときに、風を減速させることによって、風からエネルギーを取出すことによって実現される。
【0009】
したがって、ブレードの接触面積を増やし、低風速だけでなく200km/hを超える高風速上でも機能し、効率及び費用対効果が改善され、保守が容易な設計を備える、調整可能なブレードを有する抗力兼リフトベースの風力タービンシステムが必要とされている。
【0010】
本発明の目的は、ブレードを直角ではなく風と共に回転させることにより抗力及び揚力が付加され効率が向上される、調整可能なブレードを有する抗力兼揚力ベースの風力タービンシステムを提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、抗力を主推進力とし、各回転内の回転位置に応じてブレードの迎え角を動的に変化させることにより揚力を付加することである。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、独自の軸で回転可能なサブブレードパネルからなり、その作動風速範囲を5m/s未満から80m/sを超えるまで増加させるブレード組立体を提供することである。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、風力タービンをより低コストで保守を容易にすることである。
【発明の概要】
【0014】
本発明の第1の態様によれば、調節可能なブレードを有する抗力兼揚力ベースの風力タービンシステムが提供される。このシステムは、基礎構造上に配置された1つ又は複数の出力駆動ロータを備え、各出力ロータは、1つ又は複数の一次制御機構を使用して1つ又は複数のアームに接続される。1つ又は複数のそれぞれのアームにより回転可能に取付けられた1つ又は複数のブレードパネル組立体が、1つ又は複数のアームのそれぞれに回転可能に取付けられた補助回転シャフトと、1つ又は複数の一次制御機構によって制御される、補助回転シャフトに接続された取付け機構であって、各ブレードパネル取付け機構が、1つ又は複数のサブブレードパネルが回転することを可能にし、それにより風がブレードパネルを部分的に又は全体的に通過することを阻止する及び/又は可能にするように、1つ又は複数の二次制御機構を使用して取付け装置の1つ又は複数の枢支点において枢動可能である1つ又は複数のサブブレードパネルを収容する、取付け機構と、1つ又は複数の処理モジュール、1つ又は複数の一次制御機構、及び1つ又は複数の二次制御機構に接続された1つ又は複数の主制御装置(MCU:Main Control Unit)に結合された、システム制御パラメータを読み取るための1つ又は複数のセンサと、1つ又は複数の出力駆動ロータの回転トルクを1つ又は複数のエネルギー形態に変換するように構成された出力機構と、を備える。
【0015】
本発明の1つの実施形態によれば、MCUが、処理モジュールに接続され、且つ、1つ又は複数のセンサを使用して、風向、風速、1つ又は複数の出力駆動ロータの回転速度、最大推力点に対する1つ又は複数のブレードパネル取付け機構の個々の角度位置、及び各ブレードパネル取付け機構に対する力を動的に判定又は制御するように構成され、且つ、風による部分回転中の順方向抗力及び/又は揚力を最適化し且つ風に逆らう部分回転中の逆方向抗力を減少させるために、一次制御機構を使用して各回転中に動的に風に対する1つ又は複数のブレードパネル組立体のそれぞれの迎え角を個別に且つ集合的に調節するように構成される。
【0016】
本発明の1つの実施形態によれば、MCUが、処理モジュールに接続され、且つ、逆方向抗力を減少させ、突風の間のトルクを調整するだけでなく滑らかにし、且つ、所定の速度を超える風からシステムを保護するために、1つ又は複数の二次制御機構を使用して1つ又は複数のサブブレードパネルの開口を調節するように構成されて、システムへの如何なる損傷も防ぎながら中断のない確実且つ最適な産出能力を保証する。
【0017】
本発明の1つの実施形態によれば、1つ又は複数の出力駆動ロータが、一続きに又は平行な配置で基礎構造上に水平に、垂直に、若しくはそれらの間に角度を付けて配置され得る。
【0018】
本発明の1つの実施形態によれば、1つ又は複数のアームが、1つ又は複数の出力駆動ロータのそれぞれの任意の若しくはいずれかの端部又は両端部間の一セクション或いはそれらの組合せから径方向に又は接線方向に延在する。
【0019】
本発明の1つの実施形態によれば、1つ又は複数のサブブレードパネルが、1つ又は複数のブレードパネル組立体のそれぞれの取付け機構内又は外側で垂直に又は水平に又は或る角度で開くように構成される。
【0020】
本発明の1つの実施形態によれば、1つ又は複数のサブブレードパネルが、金属、非金属、合金、ポリマー、繊維、ガラス、セラミック、木材、又はそれらの組合せから選択された材料で作られる
【0021】
本発明の1つの実施形態によれば、1つ又は複数の一次制御機構及び二次制御機構が、カムフォロワー機構、サーボ・モータ、ベルト及びプーリ機構、チェーン及びスプロケット機構、ギヤリング機構、線形及び回転アクチュエータ、レバー機構、遠心機、油圧式機械、空気制御、数値制御、ステッパ・モータ、電磁モータ、電磁石、ねじアクチュエータ、溝読取り機、デジタル及びアナログ制御のうちの1つ若しくは複数又はそれらの組合せから選択される。
【0022】
本発明の1つの実施形態によれば、1つ又は複数のセンサが、方位センサ、速度センサ、加速度計、ジャイロ・センサ、磁力計、配向センサ、溝読取り機、突起読取り機、光学読取り機、圧力センサ、放射線センサ、穿孔円盤読取り機、磁気センサ、ホール効果センサ、重力スイッチ、傾きセンサ、エンコーダ、位置センサ、回転速度計、運動センサ、又はそれらの組合せを含む。
【0023】
本発明の第2の実施形態によれば、風力タービンシステムのためのブレードパネル組立体が提供される。ブレードパネル組立体は、風力タービンシステムの1つ又は複数の回転アームに回転可能に取付けられた補助回転シャフトを備える。1つ又は複数の制御機構を介して補助回転シャフトに接続される取付け機構は、1つ又は複数のサブブレードパネルが開き且つ/又は閉じるために回転することを可能にし、それにより風がブレードパネルを部分的に又は完全に通過することを阻止する及び/又は可能にするように、1つ又は複数の制御機構を使用して取付け機構上の1つ又は複数の枢支点において枢動可能である1つ又は複数のサブブレードパネルを収容する。主制御装置(MCU)が、処理モジュール、1つ又は複数の制御機構に接続され、且つ、1つ又は複数のセンサ、外部の接続されたソース、フィードバック機構、制御装置、プログラム可能なデバイス、及びそれらの組合せから選択された情報へのアクセスを有する。MCUが、順方向トルクを最大化し、逆方向抗力を減少させ、突風の間のトルクを調整するだけでなく滑らかにし、且つ、所定の速度を超える風からシステムを保護するために、1つ又は複数の制御機構を使用して1つ又は複数のサブブレードパネルの開口を調節するように構成されて、システムへの如何なる損傷も防ぎながら中断のない確実且つ最適な産出能力を保証する。
【0024】
本発明の上記で言及された特徴の態様が詳細に理解され得るように、上記で簡単に要約された本発明の説明は、その一部が添付図面に例示されている実施形態を参照することによって持たれることができる。しかしながら、添付の図面は、この発明の典型的な実施形態のみを例示し、したがって、その範囲を限定するものとみなされないことに留意されたい、この発明は、他の同様に有効な実施形態を認めることができる。
【0025】
本発明のこれら及び他の特徴、利益及び利点は、以下の本文図を参照することによって明らかになり、同様の参照番号は、図全体にわたって同様の構造を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A】本発明の実施形態による、垂直軸配置の抗力兼揚力ベースの風力タービンシステムの等角図を示す。
図1B】本発明の実施形態による、図1Aの抗力兼揚力ベースの風力タービンシステムの正面図を示す。
図1C】本発明の実施形態による、図1Aの抗力兼揚力ベースの風力タービンシステムの上面図を示す。
図2A】本発明の実施形態による、システム内の主制御装置(MCU)として機能するグルーブリーダーの形態のカムフォロワーの配置を示す。
図2B】本発明の実施形態による、システム内の主制御装置(MCU)として機能するグルーブリーダーの形態のカムフォロワーの配置を示す。
図2C】本発明の実施形態による、システム内の主制御装置(MCU)として機能するグルーブリーダーの形態のカムフォロワーの配置を示す。
図3A】本発明の実施形態による、閉じたサブブレードパネルを有するブレードパネル組立体を示す。
図3B】本発明の実施形態による、部分的に開いた/閉じたサブブレードパネルを有するブレードパネル組立体を示す。
図3C】本発明の実施形態による、開いたサブブレードパネルを有するブレードパネル組立体を示す。
図4A】本発明の実施形態による、水平軸配置の抗力兼揚力ベースの風力タービンシステムの等角図を示す。
図4B】本発明の実施形態による、図4Aの抗力兼揚力ベースの風力タービンシステムの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書では、実施形態及び例示的な図面を用いて本発明を例示的に説明するが、当業者は、本発明が説明された図面又は図面の実施形態に限定されず、種々の構成要素の規模を表すことを意図していないことを認識するであろう。さらに、本発明の一部を形成し得るいくつかの構成要素は、図示を容易にするために、特定の図に図示されない場合があり、そのような省略は、概説された実施形態を何ら限定するものではない。図面及びそれに対する詳細な説明は、本発明を開示された特定の形態に限定することを意図したものではなく、それどころか、本発明は、添付の請求項によって定義される本発明の範囲内に入るすべての変更、同等物、及び代替物を対象とするものであることを理解されたい。本明細書を通じて使用される場合、単語「may」は、必須の意味(すなわち、しなければならないという意味)ではなく、寛容な意味(すなわち、する可能性を有するという意味)で使用されている。さらに、単語「a」又は「an」は「少なくとも1つ」を意味し、単語「複数」は、特に言及しない限り、「1つ以上」を意味する。さらに、本明細書で使用される専門用語及び言い回しは、専ら説明のために使用され、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。含む」、「構成する」、「有する」、「含む」、又は「関与する」などの言葉、及びその変形は、広範であり、その後に記載された主題、同等物、及び記載されていない追加の主題を包含することを意図しており、それら及び他の添加物、成分、整数又はステップを除外することは意図していない。同様に、用語「からなる」は、適用される法的目的のために用語「を含む」又は「を含む」と同義であるとみなされる。文書、行為、材料、装置、物品等に関するいかなる議論も、本発明の文脈を提供する目的でのみ本明細書に含まれるものである。これらの事項の一部又は全部が、先行技術基盤の一部を形成していること、又は本発明に関連する分野における一般的な一般知識であったことを示唆又は表明するものではない。
【0028】
以下、本発明を添付図面を参照して様々な実施形態により説明するが、添付図面において使用される参照数字は、説明全体を通じて同様の要素に対応する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化される可能性があり、本明細書に記載された実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、実施形態は、この開示が徹底的かつ完全なものとなり、当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように提供される。以下の詳細な説明において、記述された実施形態の様々な側面について、数値及び範囲が提供される。これらの数値及び範囲は、例としてのみ扱われるべきであり、特許請求の範囲を限定することを意図していない。さらに、実施態様の様々な面に適しているとして、多数の材料が特定される。これらの材料は例示として扱われるものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。さらに、本明細書で使用される専門用語及び言い回しは、単に説明のために使用され、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0029】
本発明は、複数の調節可能なブレードパネル組立体を有し、各ブレードパネル組立体自体が複数の制御可能な(回転可能な)サブブレードパネルからなる抗力兼揚力ベースの風力タービンシステムを提供するものである。本発明は、その新規かつ独創的な配置により、各回転中に各ブレードパネル組立体の入射角を独立して連続的に変更することができ、部分回転中に前進抗力を最適化し、又は逆抗力を低減し、ある程度の揚力を発生させることが可能である。この配置は、風がメインロータの回転に対して接線方向に吹き、軸方向には吹かないように構成されている。メインロータ又はロータは、垂直、水平、又はその間の任意の角度で配置することができ、それぞれがロータ長さの任意の場所でロータに接続されたそれぞれのアームに固定された1つ又は複数のブレードパネル組立体を備えている。ブレードパネル組立体のこれらの補助シャフトは、主制御装置と制御装置(カム機構、アクチュエータなど)によって制御され、風向きに対するブレードパネルの入射角を調整し、各回転サイクル中に連続的に変化させることができる。タービンとメインロータの回転によるエネルギーを利用するために、出力装置が設けられている。
【0030】
さらに、各ブレードパネル組立体は、可動又は制御可能なサブブレードパネルで構成されているため、通常の風/運転状態では、サブブレードパネルは、空気を遮断し(風が当たる面積を最大にし)、最大の前方抗力と揚力を発生させる閉位置にある。しかし、風速がある所定の限界を超え始めると、各ブレードパネル組立体のサブブレードパネルを独立して開き(部分的又は完全に)、ブレードパネルに過剰な空気を部分的又は完全に通過させることができる。このようにサブブレードパネルを独立に制御することで、風速が30倍以上変化しても、前進トルクを一定に保つことができる。この設計により、過大な風速の中で回転を制御するためのブレーキが不要になる。この方法では、収集した回転力を必要に応じて他のエネルギーに変換することができる。
【0031】
次に、本発明の様々な実施形態に係る図面を参照して、本発明を説明する。
【0032】
図1Aは、本発明の実施形態による、垂直軸配置の抗力ベースの風力タービンシステム(100)の等角図である。図1Aに示すように、抗力ベースの風力タービンシステム(100)(以下、「システム(100)」という)は、垂直軸配置で配置されている。しかしながら、本発明のシステム(100)は、本発明の範囲から逸脱することなく、垂直軸、水平軸、又はその間の任意の位置に配置されてもよいことが、当業者には理解されよう。他の種類の配置も、本明細書で後に説明する本発明の他の実施形態で説明されている。より良い説明と理解の明確化のために、図1Aのシステム(100)の正面図と上面図も、それぞれ図1B~1Cに示されている。
【0033】
図1Aに示すように、システム(100)は、ベース構造(120)上に配置された1つ又は複数の出力駆動ロータ(102)を備える。ベース構造(120)は、システム(100)が所望の高さを達成し、またシステム(100)の構成要素を収容することを可能にする構造として理解され得る。高さは、アプリケーションの種類に応じて、1メートルから数百メートルまでの範囲であってもよい。その意味で、ベース構造(120)は、(図1A及び図1Bに示されるように)システム(100)の構成要素を収容するための1つ以上の脚(1204)及び1つ以上の水平/垂直プラットフォーム(1202)を有するタワー等であってもよいが、これに限られない。さらに、1つのシステム(100)において複数の風車が使用される場合、複数のベース構造(120)が存在することが可能である。1つ以上の出力駆動ロータ(102)は、システム(100)に使用される配置のタイプ(水平、垂直など)に応じて、ベース構造(120)上に垂直又は水平に、あるいはその間の任意の角度で、直列又は並列配置で配置されることができる。1つ以上の出力駆動ロータ(102)は、回転タービン全体のハブとして機能し、システム(100)によって生成されたエネルギーを収集し、電気、機械、油圧、熱などを含むがこれらに限定されない他のエネルギー伝達ガジェットに伝達する手段となる。
【0034】
説明を簡単にするために、図1A-1Cに示す実施形態では、1つの出力駆動ロータ(102)のみがベース上に垂直に配置されるように示されている。さらに、1つ以上の出力駆動ロータ(102)は、1つ以上のアーム(104)で接続されている。1つ以上のアーム構造は、1つ以上の出力駆動ロータ(102)のそれぞれのどちらかの端部又は両方の端部又はどちらかの端部の間の区間から放射状又は接線方向に延びていてもよい。例えば、4つのアーム(104)は、図1Aに示す出力駆動ロータ(102)の上端から半径方向に(90度離れて)延びている。1つ以上のアーム(104)は、一次制御機構(106)を用いて1つ以上の出力駆動ロータ(102)と接続されている。「一次制御機構(106)」という用語は、複数のタイプの機構及び複数のタイプの機構/配置の組み合わせを含むことが想定される。
【0035】
その意味で、1つ以上の一次制御機構(106)及び二次制御機構(110)は、カムフォロワー機構、サーボ・モータ、ベルト及びプーリ機構、チェーン及びスプロケット機構、線形及び回転アクチュエータ(1066)、ギヤリング機構、レバー機構、遠心機、油圧式機械、空気制御、数値制御、ステッパ・モータ、電磁モータ、電磁石、ねじアクチュエータ、溝読取り機、デジタル及びアナログ制御のうちの1つ若しくは複数又はそれらの組み合わせから選択されるが、それに限定されない。例えば、図1A-1Bに示す実施形態は、一次制御機構(106)として、溝読取り機(1062)機構、線形アクチュエータ、制御棒(1064)、回転アクチュエータ(1066)、線形軸受、歯車機構等の形態のカム及びフォロワーの使用を示している。
【0036】
図1A-1Cの実施形態で使用されるカムフォロワー(1062)機構は、図2A-2Cでより詳細に示されている。図2A-2Cは、本発明の主制御装置(MCU)(112)として作用するグルーブリーダーの形をしたカムフォロワー機構を示す図である。図2Aでは、カムフォロワー(1062)機構がMCU(112)内に配置されていることが示されている。図2B及び図2Cは、それぞれ同上の開封図及び分解図である。図2A~2Cから分かるように、MCU(112)は、ハウジング(202)を含んでいる。さらに、カム(204)は、その周囲に所定の幅の溝を有する、所定の形状を有する、ハウジング(202)内に配置され、4つのアーム(104)のそれぞれに沿ってリニアアクチュエータのそれぞれの制御棒(1064)と接続された4つのフォロワー(206)によって囲まれている。フォロワー(206)はそれぞれ、カム(204)の輪郭上を移動するように構成されたカム溝に適合する適切なサイズの2つの自由に回転するホイール/ベアリング(208)を備えています。溝の形状は、予め定義された風向きを北と仮定して360°一回転する間に、各ブレードパネル組立体の迎え角を最適化するように、予めプログラムされている。この溝組立体を時計回りに90°回転させると、すべてのブレードの最適な風向きが、既存の北方向から東方向に90°変化する。
【0037】
ハウジング(202)内のこの完全な溝組立体の回転は、主制御装置(MCU)(112)の制御下でモータ(はっきりとは見えない)によって駆動される方向制御ギア(1068)とかみ合う、より小さい駆動ギア(1070)からなるギア組立体によって達成され、風力タービンシステム(100)が風のすべての方向で最適に活動することを保証する。駆動ギア(1070)は、ハウジング(202)が取付けられた方向制御ギア(1068)を、風向センサからの入力に応じて所望の方向に回転させるのを助ける。さらに、構成要素を所定の位置に固定し、滑らかな相対運動を可能にするための(ベアリング、リベット、小さな車輪、ロッドなど)のような1つ又は複数の補助構成要素(208)も提供されてもよい。
【0038】
上述した、又は図1A-1C及び図2A-2Cに示された一次制御機構(106)の全ての構成要素及び連結は、例示的なものに過ぎないことに留意されたい。これらは、一次制御機構(106)が純粋に機械的であり、なおかつ自動操作のために予め構成可能であり得ることを例示している。しかしながら、上記の構成要素は、上記の一次制御機構(106)で挙げたような他の電気的構成要素によって単に置換されてもよい。本発明は、カムフォロワー機構(1062)又は線形/回転アクチュエータ(1066)の代わりに、単に電気モータを採用してもよい。さらに、1つ以上の出力駆動ロータ(102)と1つ以上のアーム(104)(又は任意の可動部品)の間の接続は、電磁石(例えば、ハウジング(202)内)を含み、磁気浮上を利用して可動部品間の摩擦を最適化(低速風時に排除&高速風時に上昇)してもよい。このようにして、必要な部品(及び可動部品)の数を減少させることができる。
【0039】
図1Aに戻ると、システム(100)は、1つ以上のそれぞれのアーム(104)と回転可能に接続された1つ以上のブレードパネル組立体(108)をさらに備える。図1A~1Cに示すように、各アーム(104)は、それぞれのアーム(104)の遠端にある1つのブレード組立体(108)と接続されている。図1から分かるように、各ブレードパネル組立体(108)は、1つ以上のアーム(104)のそれぞれに回転可能に取付けられた補助回転シャフト(1084)からなり、1つ以上の一次制御機構(106)を介して接続されている。一次制御機構(106)は、補助回転シャフト(1084)を回転させ、それによって各ブレードパネル組立体(108)の迎え角を変化させる。また、補助回転シャフト(1084)と接続された取付け機構(1082)が提供される。取付け機構は、フレーム、接続手段、嵌め込み手段等のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0040】
図示の例では、取付け機構は、正方形、長方形又は任意の多角形の形状を有することができるブレードフレームを含むように示されている。さらに、各取付け機構(1082)(この例ではブレードフレームである)は、取付け機構(1082)の1つ以上のピボットポイントでピボット可能な1つ以上のサブブレードパネル(1086)を有している。これは、取付け機構(1082)と接続された1つ以上の副制御機構(110)によって可能となる。これにより、1つ以上のサブブレードパネル(1086)が回転(開閉)し、それにより、風がブレードパネルを部分的又は完全に通過することを阻止及び/又は許容することができる。別の実施形態では、取付け機構(1082)は、接続手段を介して(フレームを必要とせずに)補助回転シャフト(1084)に直接、枢動可能な1つ又は複数のサブブレードパネル(1086)を回転可能に固定/取付けることを含んでもよい。
【0041】
図3A-3Cは、(a)閉じた状態、(b)部分的に開いた/閉じた状態、(c)開いた状態のサブブレードパネル(1086)を有するブレードパネル組立体(108)を示している。図1A-1C及び図3A-3Cは、サブブレードパネル(1086)が水平方向に回動し、各列に1つとして分割されている実施形態を例示している。しかし、他の実施形態では、サブブレードパネル(1086)は、垂直方向又は斜めに枢動し、各列に1つずつ分割されてもよい。さらに別の実施形態では、(チェス盤のように)各行及び列に複数のサブブレードパネル(1086)があってもよく、各サブブブブレードパネル又はサブブレードパネル(1086)のグループは独立して動作する。その上、1つ以上のサブブレードパネル(1086)は、金属、非金属、合金、ポリマー、繊維、ガラス、セラミック、木材、又はそれらの組み合わせから選択される材料で作られているが、これらに限定されることはない。ブレードパネル組立体(108)は、改良を提供する既存の風力タービンを修正するために使用することもできるため、それ自体が新規かつ発明的である。
【0042】
前述したように、二次制御機構(110)は、1つ以上のサブブレードパネル(1086)の枢動運動を促進するように構成される。その意味で、二次制御機構(110)は、カムフォロワー機構、サーボ・モータ、ベルト及びプーリ機構、チェーン及びスプロケット機構、ギヤリング機構、線形及び回転アクチュエータ(1066)、レバー機構、遠心機、油圧式機械、空気制御、数値制御、ステッパ・モータ、電磁モータ、電磁石、ねじアクチュエータ、溝読取り機、デジタル及びアナログ制御、又はそれらの組み合わせの1又は2から選ばれるが、これだけに限定されるものではない。
【0043】
図1A~1Cに示される例示的な実施形態では、二次制御機構は、各取付け機構(1082)に取り付けられた制御ロッド、モータ(110)、回転アクチュエータ、及びレバーを含む。制御棒は、1つ以上の副ブレードパネル(1086)のそれぞれと連結され、サーボ・モータは、制御棒と連結される。サーボ・モータは制御ロッドを動かし、制御ロッドは順番に1つ以上のサブブレードパネル(1086)のそれぞれを動かして完全に開く、部分的に開く/閉じる、又は完全に閉じるようにする。
【0044】
さらに、システム(100)は、補助回転シャフト(1084)、取付け機構(1082)、1つ以上のサブブレードパネル(1086)及び1つ以上の出力駆動ロータ(102)のうちの1つ以上と結合された1つ以上のセンサ(図示せず)から構成されている。つ以上のセンサは、方向センサ、速度センサ、加速度計、ジャイロ・センサ、磁力計、方向センサ、溝読取り機、突起読取り機、光学読取り機、圧力センサ、放射線センサ、穿孔円盤読取り機、磁気センサ、風速計、ホール効果センサ又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるわけではない。これらのセンサは、システム(100)が実装される場所に応じて、システム(100)において必要とされる場所に配置されてもよい。
【0045】
さらに、システム(100)が主制御装置(MCU(112))も含むという主制御機構(106)の間に前述したように、主制御装置(MCU(112))は、システム(100)が主制御装置(106)を含む。本発明の実施形態に従って、MCU(112)は、一般に、1つ以上のアーム構造(104)と1つ以上の出力駆動ロータ(102)の間に配置される。複数の出力駆動ロータ(102)及び複数のMCU(112)を含む他の実施形態では、各出力駆動ロータ(102)(及びその接続部品)と共にそれぞれのMCU(112)が存在してもよい。一次制御機構(106)とは別に、MCU(112)は、処理モジュール(図示せず)をさらに含むか、又は処理モジュールと接続されてもよい。図1Aに示されるものと同様の実施形態では、出力駆動ロータが1つしかない場合、処理モジュールは、カムフォロワ(1062)と共にハウジング(202)内に配置されてもよい。複数の出力駆動ロータ(102)及び複数のMCU(112)を含む他の実施形態では、各MCU(112)に処理モジュールが配置されてもよいし、システム全体に対して単一の集中的に配置された処理モジュールが存在してもよい。処理モジュールを有するMCU(112)は、1つ以上のセンサ、1つ以上の一次制御機構(106)及び1つ以上の二次制御機構(110)と接続される。処理モジュールは、1つ以上のセンサ、入力装置から入力を受信することができ、又はLAN/WAN、インターネットなどを通じて外部接続することができ、また、受信した入力に基づいて、1つ以上の一次制御機構(106)及び1つ以上の二次制御機構(110)、並びに方向制御機構に制御コマンドを提供することが可能である。
【0046】
処理モジュール(図示せず)は、機械可読命令を格納するように構成されたメモリユニットなどのコンピューティング能力を含んでもよい。機械可読命令は、CD-ROM、DVD-ROM、フラッシュドライブなどの非一時的な機械可読媒体からメモリユニットにロードされてもよいが、これらに限定されるものではない。あるいは、機械可読命令は、コンピュータプログラムの形態でメモリユニットにロードされてもよい。その態様におけるメモリユニットは、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリなどからなる群から選択されてもよい。さらに、処理モジュールは、メモリユニットと動作可能に接続されたプロセッサを含む。様々な実施形態において、プロセッサは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、汎用プロセッサ及び特定用途向け集積回路(ASIC)の形態のARMベース又はマルチコアベースのプロセッサであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0047】
別の実施形態では、処理モジュールは、マイクロコントローラであってもよい。マイクロコントローラは、メモリ及びプログラム可能な入出力周辺機器と共に、1つ以上のCPU(プロセッサコア)を含んでもよい。強誘電体RAM、NORフラッシュ又はOTP ROMの形態のプログラムメモリも、少量のRAMと同様に、チップ上に含まれることが多い。さらに別の実施形態では、処理モジュールはマイクロプロセッサである。マイクロプロセッサは、多目的、クロック駆動、レジスタベースの、デジタル集積回路であってよく、入力としてバイナリデータを受け入れ、そのメモリに格納された命令に従ってそれを処理し、出力として結果を提供する。マイクロプロセッサは、組合せ論理と逐次デジタル論理の両方を含み、SBCのように動作することができる。さらに別の実施形態では、処理モジュールは、制御機能、外部ネットワークからロードされた処理を有するリモート接続された外部インタフェースであってもよい。
【0048】
さらに、システム(100)は、図1A-1Bに示すように、1つ以上の出力駆動ロータ(102)と接続された出力機構(114)を備え、出力機構(114)は、ベース上の1つ以上のプラットフォーム(1202)に配置されてもよい。出力機構(114)は、1つ以上の出力駆動ローター(102)の回転トルクを1つ以上のエネルギー形態に変換するように構成される。エネルギー形態は、用途に応じて、電気的、機械的等であってもよい。その意味で、1つ以上の出力機構(114)は、(電気エネルギーを生成するための)発電機を含んでもよいし、機械エネルギー歯車、ベルト、チェーン、ポンプなどを生成するための出力機構(114)は、製作付属品及び固定ハードウェア並びに異なる種類のベアリング及び摩擦低減付属品、(要件に従ってロータからの回転を増加/減少させるための)比率変換器、及び歯車及びベルトなどを用いた方向変換器なども含むことができる。簡単に言うと、出力機構(114)は、システム(100)内、サイト内、又はそれ以外の場所でのエネルギー変換又はある点から別の点へのエネルギー転送のための補助装置を含むすべてのインフラストラクチャからなることが想定される。
【0049】
以下は、図1A~1Cに示す抗力ベース風力タービンシステム(100)の実施形態(垂直軸)の動作方法である。
【0050】
本発明は、時速数マイルから時速数百マイルの範囲の風速から、その構造に損傷を与えることなく(サイクロン嵐であっても)、最大の風力エネルギーを利用することができることは既に上述したとおりである。これは、本発明の2つのユニークな革新的機能を用いて可能になる。
(1)ブレードパネル組立体(108)は、ロータが回転するたびにその角度位置に応じて動的に自軸上で回転し、前方抗力と揚力を最適化するとともに、後方抗力を減少させる。
(2)ブレードパネル組立体(108)のピボット可能なサブブレードパネル(1086)は、風との接触面積を変えるためにピボット(開閉)でき、余分な風がパネル組立体を通過し、高速風時の損傷を防ぐことができる。
【0051】
次に、上述した特徴を用いた動作方法について詳細に説明する。図1Aの実施形態を参照すると、風は前方方向に流れていると仮定する(黒で輪郭を描いた白矢印で表される)。アーム(104)は4つあり、それぞれが1つのブレードパネル組立体(108)と接続されている(従って、4つのブレードパネル組立体(108))。ブレードパネル組立体(108)の補助回転シャフト(1084)は、それぞれのアーム構造(104)により支持され、一次制御機構(106)を介して制御される。したがって、各ブレードパネル組立体(108)は、補助回転シャフト(1084)を中心に、0~270度、回転するように構成されているが、これに限定されない。ただし、それぞれのアーム構造体(104)と補助回転シャフト(1084)との間に、一次制御機構(106)としてモータを使用する場合には、ブレードパネル組立体(108)の360度の回転も可能である。
【0052】
本システム(100)の動作開始前であっても、風が既に流れていること、流れる風によってブレードパネル組立体(108)が回転しているかどうか、各ブレードパネル組立体(108)に一定の力が作用しているだろうこと、4つのアーム(104)が一定の角度位置にあるだろうことなど、一定の条件を理解することは明らかである。したがって、まず、これらのパラメータを決定する必要がある。そこで、1つ以上のセンサの助けを借りた処理モジュールは、風向き、風速、1つ以上の出力駆動ロータ(102)の回転速度、1つ以上のアームの個々の角度位置、及び1つ以上のセンサを用いた各ブレードフレーム(1082)にかかる力などを動的に決定するが、これらに限定されるものではない。
【0053】
さらに、風向き、アプリケーションに必要な回転方向、及び各ブレードパネル組立体(108)上の力に応じて、1つ以上のセンサを使用する処理モジュールは、システム(100)上の最大推力点、すなわちシステム(100)を所望の方向に回転させるであろう最大力点を決定するように構成される。
【0054】
例えば、図1C(システム(100)の上面図)に示すように、所望の回転は反時計回りであり(太い黒矢印で示すように)、最大抗力は右側のブレードパネル組立体(108)にある(図に示すように)最も右側のブレードパネル組立体(108)の抗力はシステム(100)を風と共に反時計回り方向に回転させる。前方への推進力を最大化し、後方への抗力を最小化するために、他の3つのパネルでは、MCU(112)によってそれらの迎え角が最適な位置に連続的に変更される。図1Cを続けると、最も左の位置にあるブレードパネル組立体(108)は、風に逆らって動く際に逆抗力が発生しやすく、反時計回りの回転に問題をもたらすので、左ブレードパネル組立体(108)を風向と平行に、あるいはわずかに内側/外側に方向付けて風との接触領域を最小化し、ある程度の可能な前進揚力を発生させることができる。同様に、(それぞれ図1Cの下と上に示すように)前と後ろのブレードパネル組立体(108)は、前方抗力及び/又は揚力を生成して、それぞれのアーム(104)から反時計回り方向(&逆方向ではない)にトルクを加えるように配向される。注意すべき点は、これら2つのブレードは抗力だけでなく揚力も発生させており、揚力が風向きに対して直角であるにもかかわらずこれら両方の力は相加的であるが、反時計回りの回転に同期していることである。上記のすべてのパラメータは、(処理モジュールを有する)MCU(112)により、1つ以上のセンサの助けを借りて動的に決定される。さらに、「動的に決定する」という用語は、上記の全てのパラメータが、1回だけでなく、各回転を通じて連続的に決定されていることを意味するために使用されていることに留意されたい。これにより、所望の結果を得るためのシステム(100)に対するより良い制御が得られる。
【0055】
MCU(112)は、各回転中に各取付け機構(1082)の迎え角を動的に調整し、回転ごとにその処理を繰り返すように構成されている。そこで、図1Cに示すように、4つのブレードパネル組立体(108)の各々は、MCU(112)の制御下で一次制御機構(106)を用いてそれぞれの補助回転シャフト(1086)を中心に回転することによって最適化された迎え角を有する位置を徐々に交換し続け、前進トルクを最適化するために所望の向きを達成することが可能である。図1Cに示される4つのブレードパネル組立体(108)の位置は象徴的であり、例えば、アーム(104)が90度反時計回りに回転すると、右側のブレードパネル組立体(108)は(図1Cに示すように最も上)の位置に移動し、後ろのものは左へ、左は前(図1Cに示すように下)に、前/下は右へ動き、360度の回転内にn数の他の中間位置があってパネルは(各種)マイコンのコントロール下で順にこれらの位置で繰り返される。
【0056】
注意すべき点は、(図1Cの)左側のブレードパネル組立体(108)が前方(すなわち底部位置)に移動するとき、それは回転してその迎え角を約120度±90度変え、それまで前部にあったブレードパネルによって保持されていた内向きから外向きへ移動することである。この急激な回転は、逆推力の発生が最小かつ最短となる回転位置で、あらかじめプログラムされている。主制御装置(MCU(112))は、図2Bに示されるような単純な溝リーダー又はプログラミングを伴う複雑な電子コントローラ(図示せず)であり得る主制御機構(106)を使用して、上述の機能性を促進する。
【0057】
示される例示的な実施形態において、一次制御機構(106)は、溝リーダー(1062)の形態のカムフォロワー、制御ロッド(1064)、線形アクチュエータ、回転アクチュエータ(1066)等を含む。図2B及び2Cを参照すると、カムの輪郭は、回転の大部分において中心からゆっくりと離れる溝を伴っており、回転のごく一部において突然内側に移動して一周することがわかる。ここで、図2Bは西から東への風向き、図2Cは北から南への風向きの輪郭位置を示しており、図1A-Cは南から北への風向きのブレード組立体位置を示している。すでに述べたように、フォロワー(206)はカム(204)の周りの溝でその輪郭の周りを回転する&さらに制御棒(1064)に取付けられている。パネルとアームの動きは、フォロワー(206)が溝の中で動くことを強制し、溝の形状が制御ロッド(1064)において前後(直線運動)を引き起こすことで、直線及び回転アクチュエータ(1066)を通じてブレードパネル組立体にパネルの迎え角を最適化するよう強制する。
【0058】
カム(204)の輪郭の異なる部分が、ブレードパネル組立体(108)の回転を引き起こす役割を担っていることに留意されたい。例えば、突然のディッピング部分は、ブレードパネル組立体(108)の大きな回転を引き起こす可能性があり、最も下のブレードの位置に達する前に最も左のブレードパネル組立体(108)が必要とする約120度±90度の回転のようなものである。したがって、カム(204)の絶対位置は、風向きに関して大きな役割を果たす。風向きが反対であった場合、各ブレードパネル組立体(108)の望ましい方向がその位置で180度変わるため、図2Bのようにカムプロファイルのディッピング位置が反対側で必要になると仮定してみる。そこで、風向きの変化が感知/決定された後、MCU(112)は、図1Bに示す駆動ギア(1070)と制御ギア(1068)を用いて、小型モーター(図面では完全に見えない)により駆動されて、カム組立体(202)を所望の方向に回転させる。
【0059】
上述の構成要素及びその方法が、1つ以上のブレードパネル組立体(108)の所望の回転を引き起こす、機械的一次制御機構(106)の一例であることに留意されたい。すなわち、上述の構成要素及びその方法を用いて、当業者は、1つ以上のブレードパネル組立体(108)の自動又は半自動の動的回転機構を実現することができるということである。しかしながら、上述の機械的手段は、電気、電子、油圧、空気圧の部品、例えばモータ(ステッパ・モータ/サーボ・モータ、ピストンなどのような)に置き換えて、使用する部品の数を容易に減らすことができ、なおかつ動的な迎え角変更機構を実行することができる。これらとは別に、一次/二次制御機構(106)のリストで述べた他の手段も、本発明の範囲から逸脱することなく使用することができる。
【0060】
さらに、本明細書で使用される「最適化」という用語は、前方抗力及び揚力の増加及び減少の両方をカバーすることが想定されていることに留意されたい。というのも、いくつかの天候条件では、前方抗力を減少させることが望ましい場合があるからである。そこで、本発明は、そのようなことも可能としている。
【0061】
本発明の実施形態によれば、風速が風力タービンシステム(100)の全体的な設計目標を超える嵐などのシナリオが存在する場合がある。例えば50メートル/秒の風速は、既存のどの風力タービンでもトルクを発生させるには高すぎると考えられる。そこで、このようなシナリオにおいて、本発明は、危険な高速の風を、ブレードパネル組立体(108)にぶつけるのではなく、風が通過することを可能にする全てのサブブレードの適切な開口によって通過させるユニークな能力を提供する。この能力により、本発明は損傷を避けるだけでなく、そのような厳しい環境条件下でもエネルギーを生成し続けることができる。
【0062】
これは、本発明の各ブレードパネル組立体(108)自体が、回動可能な1つ以上のサブブレードパネル(1086)でできているために達成される(図3参照)。図1Aの例から引き続き、風速が(システム(100)によって感知された)所定の限界を超えたとき、処理モジュールを介してMCU(112)は、1つ以上の二次制御機構(110)を用いて1つ以上のサブブレードパネルの開度を調整するようにさらに構成される。これにより、風はブレードフレーム(1082)を何の制限もなく通過することができる。二次制御機構(110)は、逆抗力を低減することができるだけでなく、突風時のトルクを調整するだけでなく平滑化し、システム(100)を異常速度から保護することも可能である。これとは別に、システム(100)の損傷を防止しながら、風速の非常に大きな変動があっても、中断することなく、信頼性の高い最適な容量出力が得られるようにするものである。
【0063】
1つ以上のサブブレードパネル(1086)が開閉するだけでなく、部分的に開くことができるため、本発明を高速風とは別の複数のシナリオに使用することができる。これにより、本発明は、例えば、数秒間不規則に風が噴き出して風速が上昇する突風が発生した場合もこの突風に耐えて、一定の出力を得ることができる。風力の変動は、一般に風速の20%以内の増減で検知される。この20%という過大な風力は、このような突風の際にタービンシステムに170%以上の過負荷を与える可能性がある。このような過大な風力は、わずかな時間ではあるが、発電量に波及し、長時間続くと発電設備を劣化させたり、永久的な損傷を与える可能性がある。
【0064】
本発明による風力発電システム(100)は、風速3m/s以下の低風速で発電を開始できるため、風速10~20m/sの中風で速やかに定格のフル稼働に到達することが可能である。風の良いところでは、風速20m/sを超えて、30m/sから40m/sの風が吹くことも普通にある。本発明のシステム(100)において、1つ以上のサブブレードパネルは、最適な一定を維持するために出力を調整するために部分的に開くことができる。したがって、本発明は、1つ以上のサブブレードを制御して、その設計された最適全負荷風速を超えて、80m/s以上まで、一定の出力を発生させることができるが、これに限定されない。この設計は、最適速度の10倍までの風速変動で、タービンシステム(100)からの出力トルクが設計最大値を維持するように制御することができる。
【0065】
本発明の別の実施形態に従って、本システム(100)は、水平軸抗力ベースの風力タービンシステム(100)として実施することもできる。この実施形態は、図4A及び図4Bに示されている。この実施形態は、水平軸(又は角度)方向、複数の出力駆動ロータ(102)、出力駆動ロータ(102)の両端の複数のアーム構造、中央又はそれぞれのMCU(112)など、図1A~1Cで言及されたが図示されていない、より広い側面をカバーすることを意図している。本実施形態で使用される全ての構成要素及び動作原理は、図1Aの垂直軸実施形態のものと同じであるが、構成要素の数と設計だけが異なっている。
【0066】
図4Aに、ベース構造(120)に取り付けられた水平軸抗力ベースの風力タービンシステム(100)が示されている。先述したように、ベース構造(120)は、1つ以上の脚部(1204)を有し、システム(100)の構成要素を収容するための1つ以上のプラットフォーム(1202)を有するタワー、柱等であってもよいが、これに限定されるものではない。この実施形態では、出力機構(114)は、ベース構造(120)の上部に配置される。実施形態は、1つ以上の出力駆動ロータ(102)から出力機構(114)(この場合、発電機)へ回転エネルギーを伝達するための、それぞれのMCU(112)及びギア、シャフト、プーリ-ベルト、チェーン-スプロケット等の一次制御機構(106)を介していずれかの側で出力機構(114)と接続されている、1つ以上(図4Aに示すように、直列配置の場合、2つとする)を例示している。処理モジュールは、集中的に配置されてもよいし、それぞれのMCU(112)に配置されてもよい。さらに、1つ以上のアーム(104)(例えば、図4Aに示すように4+4)は、2つの出力駆動ローター(102)のそれぞれの両端から放射状(90度離れて)に延びる(パネルを実質的に45度離して作る)。
【0067】
さらに、1つ又は複数のアーム(104)は、それぞれのブレードパネル組立体(108)と接続されている。この実施形態は、本明細書のように垂直軸の配置とは異なり、垂直軸設計における1つのアーム構造の代わりに、2つの平行なアーム(104)がブレードパネル組立体(108)を取り付ける(そこでも同様のアーム構造が使用可能である)。ここでも、各ブレードパネルは、一次制御機構(106)を使用して回転させることができる補助回転シャフト(1086)と、二次制御機構(110)を使用して枢動可能な1つ以上のサブブレードパネル(1086)とを有する。そのため、水平軸抗力兼揚力ベースの風力タービンシステム(100)の設計は、出力機構(114)の両側に平行に配置された2つの風力タービン(両側の間に示される45度のオフセットがあり、必要であれば±180度まで)のように見えるかもしれない。
【0068】
出力機構(114)は、ハウジング(図4Aに示すような箱型)上に配置され、そこから2つのMCU(112)が側面で接続されていることが分かるように、出力機構(114)は、ハウジング(図4Aに示すような箱型)上に配置されている。垂直軸配置と同様に、箱型ハウジングは、風力タービン機構全体を風向きに応じて回転させるために使用されるギア組立体に接続されている。例えば、現在、風向は上部ブレードパネル組立体(108)に対して垂直であるように示されているが、風向が1つ以上の出力駆動ロータ(102)に対して軸方向となる場合、風力タービン機構全体の風向きが常にトップブレードパネル組立体(108)に対して垂直のままであるように、風車機構全体を90度回転させることができる。
【0069】
操作方法も垂直軸システム(100)の場合と同じステップを踏む。図4Bに示すように、風は左から右へ流れており、1つ以上の出力駆動ロータ(102)の所望の回転方向は時計回りであることが分かる。再び、MCU(112)及び処理モジュールは、1つ以上のセンサを用いて、風向、風速、1つ以上の出力駆動ローター(102)の回転速度、最大推力点に対する1つ以上のアームの個々の角度位置及び各取付け機構(1082)上の力を動的に判断する。そこで、前方抗力と揚力を最大化するために、(図4Bに見られるように)上半分の風ブレード組立体は、最大可能面積と90度までの最適な入射(迎え)角を提供するような方法で配向される。
【0070】
例えば、最上部のブレードパネル組立体(108)は風方向に対して垂直に保たれて、前方抗力と風によるパネルの動きを生み出す最大面積を提供し、風に対して動いている最下部のブレードは風方向に対して平行に保たれて、風が当たる面積を最小にして逆抗力を最小化させる。同様に、すべての1つ以上のブレードパネル組立体(108)は、各ブレードパネル組立体(108)の所定の回転位置に基づいて、風に対する部分回転中に迎え角を最適化(増加又は減少)して前方抗力及び/又は揚力を増加し、逆抗力を減少させるために回転中の特定の位置で所定の向きになるように構成されている。
【0071】
さらに、垂直軸システム(100)と同様に、風速が増加した場合、風と接触するブレードの有効面積を減らすことによって前進推力を減らし、突風時のトルクを調整するとともに平滑化し、設計限界を超える速度からシステム(100)を保護するために、一つ以上の二次制御機構(110)を使用して一つ以上のサブブレードパネルの開度が調整される。これにより、システム(100)の損傷を防止しながら、中断することなく信頼性の高い最適な全容量出力を確保することができる。
【0072】
上記の実施形態は、1つの出力駆動ロータ(102)と出力機構(114)の片側の4つのアームで容易に動作し得ることは、当業者には理解されるであろう。しかし、二重の機構は、複数の出力駆動ロータ(102)及びタービンを組み合わせて単一のシステム(100)を形成する方法を証明ために示したに過ぎない。同様に、より多くの数の出力駆動ロータ(102)及び直列/並列接続、及び各側のアームの減少又は増加を伴う多くのそのような機構が、本発明の範囲から逸脱することなく可能である。
【0073】
図4A及び4Bに示される実施形態の1つの利点は、構造全体に物理的バランスを提供しながら、いずれかの出力駆動ロータ(102)の両方の組の構成要素を独立して構成することができ、又は互いに補完することができることである。簡略化のため、図面では2つのセットを1つのロータに表示しているように見える。
【0074】
垂直軸、水平軸、又はその中間の角度のいずれで実施するかに関係なく、本発明の2つの新規かつ発明的な特徴は、一方が故障した場合に、お互いをカバーすることを可能にするものである。そこで、以下の特徴は、本発明の動作を妨げることなく、柔軟性とトラブルシューティング能力を示すものである。
【0075】
例えば、次のようなものである。別の実施態様では、1つ以上のサブブレードパネル(1086)の枢動可能な動作は、ブレードパネル組立体(108)のそれぞれを制御するMCU(212)の動的回転機構なしで本発明を動作させることを可能にする。回動動作とは、サブブレードをその取付け機構に対して回転移動させて開閉させることができる任意の配置と定義することができる。
【0076】
補助回転シャフト(1086)上のブレードパネルの回転が機能しない場合、又はブレードパネル組立体(108)のいずれか又はすべてにおいて回転アクチュエータ(1066)に問題がある場合のシナリオが存在する可能性がある。そして、その場合、不具合のあるブレードパネル組立体(108)のいずれか又はすべての組立体は、それぞれのアーム構造(104)と直列に突出した直線位置に保たれることができる。このような実施態様では、補助制御機構は、最大抗力を発生する風での移動中にサブブレードパネルを閉じ、風に対する回転中にすべてのサブブレードを、すべてのパネルで開き、前進抗力を最大化し、後退抗力を減少させる。これは、いずれかのブレードパネル組立体(108)の回転機構が動作していない場合に行うことができる。
【0077】
同様に、別の実施態様では、システム(100)の最適設計限界を超える高速風を伴う好ましくない気象条件があり、サブブレードパネル(1086)の回動動作が働いていない場合があり得る。そこで、その場合、エネルギー生成を中断することなくシステム(100)の損傷を防ぐために、システム(100)は、ブレードパネル組立体(108)を動的に回転させ、所望の方向に回転し続けるために必要な最小の迎え角の位置でそれらを方向付けるよう構成する。このようなシナリオでは、すべてのブレードパネル組立体(108)は、風の方向に対して実質的に平行な位置に配向されることがある。用語「実質的に」は、本明細書では、タービン及びシステム(100)を動作させ続けるために前方抗力を発生させるためにわずかな角度があることを示すために使用されている。さらに、一次制御機構(106)がサーボ・モータ又はステッパ・モータ、あるいは補助回転シャフト(1084)を動的に回転させることができる他の任意のモータであれば、これは容易に行うことができることに留意されたい。また、いずれか、2つ、又はすべてのブレード組立体の回動可能な1つ又は複数のサブブレードパネル(1086)が動作していない、又は使用されていない場合に行うことができる。この実施態様は、本発明が通常のブレードパネル(枢動可能なサブブレードパネル(1086)なし)で使用される場合に役立つことがある。
【0078】
上記のすべての説明とは別に、先行技術と比較して、以下のような運用上の違いがある。
- 風は、先行技術の設計では軸方向であったのに対し、メインロータの回転に対して接線方向で吹いている。
- ロータの推力は、先行技術の設計における揚力と比較して、抗力(その大部分)によって生成される。
- 抗力と揚力は、先行技術の設計では抗力が直角であったのに対し、回転方向で付加される。
- 同じ出力を得るためにブレードで掃引される面積は、先行技術の設計と比較してはるかに小さい。
- タワーにかかる総推力と出力との比が、発明されたプロセスにおいてはるかに良好である。
- ブレードパネル組立体は、先行技術設計の単一ブレードと比較して、多くのサブブレードパネルで構成されている。
- 風速が一定であっても、各ブレードの絶対角度は一回転で270度以上変化する。
- 風車パネルの製作、設置、運搬が容易である。
- 本発明の一次制御機構及び二次制御機構のいずれか一方又は両方が、本発明を機能させ、より高い出力を達成することが可能である。
【0079】
また、本発明は、先行技術に比べ、多くの利点を提供する。
1.掃引面積1平方メートルあたりの超高エネルギー出力。
2.軽量なタービン設計。
3.現場での加工・組立が容易
4.超高出力大型タービンでも扱いやすい寸法の部品を採用。
5.小型部品の採用により、困難な現場への資材運搬が容易。
6.メンテナンスに特別なインフラを必要としない。
7.低風速(5km/h以下でも)でも効率よく発電できる。
8.200km/h以上の風速でも発電が可能であり、システムの損傷や発電の中断がない。
9.サイクロン的な風速に対して、発電を停止することなく保護する機能を内蔵している。
10.安全ブレーキ機構が不要。
11.縦型ロータのため、回転エネルギーが地面に伝わりやすい。
12.エネルギーハーベスティングは、縦型ロータの設計において、多目的に使用できる。
【0080】
一般に、本明細書で使用する「モジュール」という語は、ハードウェア又はファームウェアに具現化された論理、あるいは、例えばJava、C、又は組立体などのプログラミング言語で書かれたコンピュータ実行可能命令の集合を指す。モジュール内の1つ以上のコンピュータ実行可能命令は、EPROMなどのファームウェアに埋め込まれていてもよい。モジュールは、ゲートやフリップフロップなどの接続された論理ユニットを構成してもよく、プログラマブルゲートアレイやプロセッサなどのプログラマブルユニットを構成してもよいことが理解されよう。本明細書に記載されたモジュールは、ソフトウェア及び/又はハードウェアモジュールのいずれかとして実装されてもよく、任意のタイプのコンピュータ可読媒体又は他のコンピュータ記憶デバイスに格納されてもよい。
【0081】
さらに、1つ以上の動作が、特定のモジュール、デバイス、又はエンティティによって実行される、又は他の方法で関連するものとして説明されてきたが、動作は、任意のモジュール、デバイス、又はエンティティによって実行される、又は他の方法で関連するものであってもよい。このように、モジュールによって実行されるものとして説明されてきた任意の機能又は操作は、代替的に、異なるモジュールのセット、サーバー、クラウドコンピューティングプラットフォームによって実行される可能性があり、又はそれらの組み合わせによって実行される可能性がある。
【0082】
ティングプラットフォーム、又はそれらの組み合わせによって実行され得る。本開示の技術は、様々な技術を使用して実装され得ることを理解されたい。例えば、本明細書に記載された方法は、適切なコンピュータ可読媒体に常駐する一連のコンピュータ実行可能命令によって実装され得る。適切なコンピュータ可読媒体は、揮発性(例えば、RAM)及び/又は不揮発性(例えば、ROM、ディスク)メモリ、搬送波及び伝送媒体を含んでもよい。例示的な搬送波は、ローカルネットワーク又はLAN、WAN及びインターネットなどの公にアクセス可能なネットワークに沿ってアナログ/デジタルデータスチームを搬送する電気信号、電磁信号又は光信号の形態をとることができる。
【0083】
また、以下の議論から明らかなように特に別段の記載がない限り、本明細書を通じて、「制御」、「取得」、「計算」、「記憶」、「受信」、又は「決定」などの用語を利用する議論は、コンピュータシステムの作用及び処理を指すことが理解されるべきである。又は同様の電子計算装置において、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを、コンピュータシステムのメモリ、レジスタ、又は他のそのような情報記憶、送信又は表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに処理及び変換することである。
【0084】
これらの実施形態に対する様々な変更は、説明及び添付図面から当業者には明らかである。本明細書に記載された様々な実施形態に関連する原理は、他の実施形態に適用することができる。したがって、本明細書は、添付図面と共に示された実施形態に限定されることを意図したものではなく、本明細書に開示又は示唆された原理及び新規かつ発明的な特徴と一致する最も広い範囲を提供するものである。したがって、本発明は、本発明及び添付の特許請求の範囲の範囲内に入る他のすべてのそのような代替案、修正及び変形を保持することが予想される。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
【国際調査報告】