(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-31
(54)【発明の名称】折りたたみ式ポール
(51)【国際特許分類】
A45B 9/02 20060101AFI20230324BHJP
【FI】
A45B9/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547687
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(85)【翻訳文提出日】2022-09-30
(86)【国際出願番号】 EP2021052355
(87)【国際公開番号】W WO2021156220
(87)【国際公開日】2021-08-12
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507189965
【氏名又は名称】レキスポルト アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホーファー,マルコ
(57)【要約】
4つ又は5つの管状部分7~9を有する折りたたみ式ポール1であって、折りたたみ式ポール1が組み立てられると、管状部分7~9は、プラグイン接続部によって互いに接続され、ポール軸32に沿って配向し、ポールが折りたたまれると、少なくとも2つ又は3つの管状部分8、8'、9が、可動な接続部材16のみによって互いに接続され、ポール柄部2が最上の管状部分7に配置され、ポール先端部23が最下の管状部分9に配置されている。折りたたみ式ポールは、軸方向貫通孔64を有する円錐形閉鎖プラグ18が、プラグイン接続部のプラグ領域49、17''内に取り外し可能に挿入、好ましくはねじ留めされ、後続の管状部分に対してプラグ領域49、17''を閉鎖し、これらの円錐形閉鎖プラグ18のそれぞれは、軸方向スリット63を有し、軸方向スリット63を通して、プルケーブル16が貫通孔64内に径方向に導入され得ることを特徴とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つの管部(7~9)を有する折りたたみ式ポール(1)であって、前記折りたたみ式ポール(1)の組立て状態において、前記管部(7~9)は、プラグ嵌合接続部でポール軸(32)に沿って配向するように互いに接続され、折りたたみ状態において、少なくとも2つ又は少なくとも3つの管部(8、8’、9)は、可動な接続部材(16)のみを介して互いに接続され、ポール柄部(2)が最上の管部(7、7’)に配置され、ポール先端部(23)が最下の管部(9)に配置されており、
前記プラグ嵌合接続部のうちの少なくとも1つは、外部クランプ機構(10)及び/又は形状嵌合式ラッチ装置(50)を用いて実現されており、
前記外部クランプ機構(10)は、第1の管部(7)に固定され、前記第1の管部(7)の内径よりも小さいか又は前記第1の管部(7)の内径とほぼ等しい外径を有して前記第1の管部(7)内に変位可能に取り付けられた第2の管部(8)は、前記外部クランプ機構(10)によって相対的な軸方向位置が固定され得、
前記形状嵌合式ラッチ装置(50)は、第2の管部(8)に実装され、前記第2の管部(8)は、第1の管部(7)の内径よりも小さいか又は前記第1の管部(7)の内径とほぼ等しい外径を有し、前記第2の管部(8)は、前記第1の管部(7)内に押し込まれ得、前記形状嵌合式ラッチ装置によって相対的な軸方向位置が固定され得、
少なくとも一つの更なるプラグ嵌合接続部は、単なるプラグ嵌合接続部の形態で設計され、嵌合状態において、管部(8、8’、9)は、軸の一方向にのみ固定され、
前記管部(7~9)は、少なくとも1つのプルケーブル(16)を介して互いに接続され、前記少なくとも1つのプルケーブル(16)は、前記最下の管部(9)に固定されるとともに、上側の又は前記最上の管部(7)に固定され、少なくとも1つ又は少なくとも2つの中央管部(8、8’)の内部空間(31)を通って延在するように配置されており、
前記折りたたみ式ポール(1)は、前記更なるプラグ嵌合接続部が嵌め合わされ、次いで、前記外部クランプ機構(10)が解放された状態又は前記形状嵌合式ラッチ装置(50)が解放された状態で、前記プルケーブル(16)が張られる程度まで前記第2の管部(8)が前記第1の管部(7)から引き出され、前記外部クランプ機構(10)又は前記形状嵌合式ラッチ装置(50)が固定されることによって、前記折りたたみ状態から前記組立て状態に移行され得るように設計されており、
前記更なるプラグ嵌合接続部のうちの少なくとも1つは、一方の管部に、ガイドスタブ(17)を有するように設計され、前記ガイドスタブ(17)には、前記プルケーブル(16)用の軸方向に延在する中央貫通孔が設けられ、前記ガイドスタブ(17)は、固定部(37、17’)によって前記管部に堅く固定され、軸方向反対側には前記折りたたみ式ポールが前記折りたたみ状態にあるときに露出するとともに他の管部内に押し込まれ得るスタブ領域(49、17’’)を有し、前記固定部(37、17’)及び前記スタブ領域(49、17’’)は、前記プルケーブル(16)用の軸方向貫通孔を有し、
前記折りたたみ式ポール(1)は、
軸方向貫通孔(64)を有する円錐形終端スタブ(18)が、後続の管部に対して前記スタブ領域(49、17’’)を閉鎖するように、前記スタブ領域(49、17’’)内に取り外し可能に挿入され、この円錐形終端スタブ(18)は、軸方向スロット(63)を有し、前記軸方向スロット(63)によって、前記プルケーブル(16)は前記軸方向貫通孔(64)内に径方向に導入され得ることを特徴とする、
折りたたみ式ポール。
【請求項2】
各円錐形終端スタブ(18)は、前記ポールが前記折りたたみ状態にあるときに露出する円錐状テーパー領域を有し、この円錐状テーパー領域は、前記円錐形終端スタブ(18)が把持され得るとともに、ねじ留め若しくはねじ留め解除及び/又は掛止若しくは掛止解除が行われ得る手段(18’)を有し、これらの手段は、好ましくは少なくとも2つの、特に好ましくは対向して配置された、ノッチ(18’)の形態で設計され、好ましくは前記ノッチ(18’)は前記ポールの前記軸に接する平面を形成する相互に平行な表面を有する
ことを特徴とする、請求項1に記載の折りたたみ式ポール。
【請求項3】
軸方向貫通孔(64)を有するそれぞれの円錐形終端スタブ(18)は、好ましくはラッチ要素又はバヨネット式閉鎖具を用いて、前記スタブ領域(49、17’’)内に取り外し可能にねじ留め及び/又は掛止され、それにより、前記スタブ領域(49、17’’)を後続の管部に対して閉鎖し、及び/又は、
前記折りたたみ式ポール(1)は、少なくとも4つ又は少なくとも5つの管部(7~9)を有する折りたたみ式ポールであり、前記折りたたみ状態において、少なくとも3つの管部(8、8’、9)は、可動な接続部材(16)のみを介して互いに接続され、前記更なるプラグ嵌合接続部を介して接続することができ、軸方向貫通孔(64)を有するそれぞれの円錐形終端スタブ(18)は、前記スタブ領域(49、17’’)内に取り外し可能に挿入、好ましくはねじ留めされ、それにより、前記スタブ領域(49、17’’)を後続の管部に対して閉鎖し、これらの円錐形終端スタブ(18)のそれぞれは、軸方向スロット(63)を有し、前記軸方向スロット(63)によって、前記プルケーブル(16)が、前記軸方向貫通孔(64)内に径方向に導入され得る
ことを特徴とする、請求項2に記載の折りたたみ式ポール。
【請求項4】
前記手段は、ちょうど2つの対向して配置されたノッチ(18’)の形態で設計され、前記ノッチ(18’)は、前記ポールの前記軸に接する平面を形成する相互に平行な表面を有し、これら表面は、前記軸方向スロット(63)が延在している方向に平行に延在している
ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の折りたたみ式ポール。
【請求項5】
2つ又は3つの最下の管部(8’、9)は、上述した単なるプラグ嵌合接続部を介して互いに接続され、前記3つの管部(8)の最上の又はそれに続く管部は、その上端部に終端スタブ(34)を有し、この終端スタブ(34)は、前記管部(8)から上方に突出する頭部領域(34a)と、前記終端スタブ(34)を前記管部(8)に堅く固定する首部領域(34b)とを有し、前記頭部領域及び前記首部領域は、2つの別個の部品の形態で設計され、前記2つの別個の部品は、好ましくはラッチ要素又はバヨネット式閉鎖具を用いて、一方が他方に取り外し可能に挿入、好ましくは取り外し可能にねじ留め及び/又は掛止され得る
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の折りたたみ式ポール。
【請求項6】
最上の終端スタブ(65)が前記第1の管部(7)内に設けられ、前記プルケーブル(16)は、この最上の終端スタブ(65)に固定され、前記プルケーブル(16)が張っていないとき、特に好ましくは前記最上の終端スタブ(65)が下部領域に縮径部(67)を有する段状貫通孔(66)を有することによって、前記プルケーブル(16)が前記最上の終端スタブ(65)から上方に引き出され得るようになっており、好ましくは前記プルケーブル(16)は結び目又は圧着部(30)によってこの段部に捕捉される
ことを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の折りたたみ式ポール。
【請求項7】
前記第1の管部(7)の上に、更なる管部(7’、59)があり、前記第1の管部(7)は、前記更なる管部(7’、59)内に変位可能に押し込まれ得るとともに、外部クランプ機構(10)によって軸方向の様々な位置に固定され得、前記最上の終端スタブ(65)は、更なるプルケーブル(16’)によってこの更なる管部(7’、59)に接続され、前記外部クランプ機構(10)が解放されたとき、前記第1の管部(7)は前記更なる管部(7’、59)から引き抜かれ得ないようになっている
ことを特徴とする、請求項6に記載の折りたたみ式ポール。
【請求項8】
前記更なるプルケーブル(16’)は、前記更なる管部の上端部に又はそこに固定された柄部に取り外し可能に固定され、好ましくは自由に回転しないようになっており、好ましくは、場合によっては前記柄部のカバーが取り外されると、前記更なるプルケーブル(16’)の固定部が、例えばフック接続部を用いて、非破壊的な方法で外側から自由にされることによって、この更なるプルケーブル(16’)の固定部が取り外され得る
ことを特徴とする、請求項7に記載の折りたたみ式ポール。
【請求項9】
ホルダー部材(27、37)における前記プルケーブル(16)の固定部は、好ましくは最下の管部(9)の前記ホルダー部材上に設けられた螺旋ばね(39)によって、弾性的にばね付勢された設計であり、前記プルケーブル(16)は、前記螺旋ばねの内部空間を通って延在するように配置され、好ましくは、前記プルケーブル(16)の少なくともある特定の部分、好ましくは前記プルケーブルの長手方向における全長は、張力抵抗性及び非弾性設計であり、特に好ましくは、前記螺旋ばね(39)は、円錐形終端スタブ(18)がない状態で前記ガイドスタブ(17)の前記中央貫通孔を通して引き抜くことができ、及び頭部領域(34a)がない状態で終端スタブ(34)を通して引き抜くことができるような外径を有する
ことを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の折りたたみ式ポール。
【請求項10】
前記プルケーブル(16)は、プラスチックコーティングが設けられるか又はプラスチック内に封入された、可撓性であり、長手方向に張力抵抗性を有し、及び非弾性の材料からなる
ことを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の折りたたみ式ポール。
【請求項11】
前記第1の管部(7)は、最上の又は上から2番目の管部であり、好ましくは前記第2の管部(8)は下方向において上述の管部に隣接する第1の中央管部(8)であり、前記少なくとも1つのプラグ嵌合接続部は、形状嵌合式ラッチ装置(50)によって実現され、好ましくは前記ラッチ装置(50)はばね付勢された径方向ラッチピン(51)を有し、好ましくは前記径方向ラッチピン(51)は、前記第2の管部(8)の径方向貫通ボア(53)内に、ばね部材(52)の作用に抗して前記径方向貫通ボアを通って突出するように保持され、又は外側から終端スタブ(34)における溝に係合し、好ましくは前記第2の管部(8)と並んで更なる中央管部(8’)及び最下の管部(9)もあり、前記最下の管部(9)には先端部(23)が設けられ、前記最下の管部(9)及び前記2つの中央管部(8、8’)は、前記更なるプラグ嵌合接続部を介して互いに接続される
ことを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の折りたたみ式ポール。
【請求項12】
前記管部(7~9)は、前記ポールが前記組立て状態にあるとき、最上の中央管部(8)を最上の管部(7)内に本質的に全て押し込むことができるような寸法であり、好ましくは、更なる追加の管部(7’、59)がある場合、前記最上の管部(7)をこの更なる追加の管部(7’、59)内に本質的に全て押し込むことができるような寸法である
ことを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の折りたたみ式ポール。
【請求項13】
前記プルケーブル(16)は、ホルダー部材(27、37)が設けられることによって、最下の管部(9)及び/又は最上の管部(7)に固定され、このホルダー部材は、それぞれの前記管部(7、9)に軸方向に固定され、前記プルケーブル(16)が前記ホルダー部材に固定されている
ことを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の折りたたみ式ポール。
【請求項14】
好ましくは径方向に周囲を囲む、外方を向く支持フランジ(21)が、前記固定部(37)と前記スタブ領域(49)との間に設けられ、前記嵌合状態において、前記支持フランジは、前記他の管部の管端部に当たって及び/又は前記管端部に設けられた管終端カフ(19)に当たって軸方向に停止する
ことを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の折りたたみ式ポール。
【請求項15】
前記折りたたみ式ポールは、長さ調節機構、好ましくは力嵌合式に作用して前記ポールの長さを調節するように構成された外部クランプ機構を更に有する
ことを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の折りたたみ式ポール。
【請求項16】
前記円錐形終端スタブ(18)は、1部品として形成され、
剛性要素として、前記プルケーブル(16)が前記軸方向貫通孔(64)内に径方向に導入され得る既定の幅を有する軸方向スロット(63)を有するか、又は、
可撓性要素として、前記スタブ領域から解放された状態において、前記プルケーブル(16)を前記軸方向貫通孔(64)内に径方向に導入するための、好ましくは復元力に抗して拡張される、可変の幅を有する軸方向スロット(63)を有し、又は、
可撓性要素として、好ましくはフィルムヒンジ(93)を介して接続された、2つの円錐形終端スタブ半体(96)を有し、前記フィルムヒンジ(93)は、前記2つの円錐形終端スタブ半体(96)を前記軸方向貫通孔(64)の片側のみにおいて接続している
ことを特徴とする、請求項1~15のいずれか1項に記載の折りたたみ式ポール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイキング及びノルディックウォーキングに使用されるポールであるが、最も広義では、例えば、クロスカントリースキー又はアルペンスキー、登山等の他のタイプのスポーツにも使用されるポールの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
特に、限定はしないが、ハイキング又はノルディックウォーキングの分野では、長さを調節可能であるポール設計が知られている。この調節能を使用することができると、一方では、ポールの長さを要件に沿って調節することができ、他方では、ポールを最小限の収納サイズまで小さくすることもできる。すなわち、ポールを、例えばバックパック等に収納することができるほど非常に小さく、長さを低減するように構成することもできる。小さな直径のいわゆる内管が、いくらかより大きな直径の外管内に変位可能に取り付けられ、管部の相対位置を固定機構によって固定することができる、そのような設計は、例えば、特許文献1から既知であり、又は特許文献2若しくは特許文献3からも既知である。
【0003】
そのような設計を使用する場合、個々の管部が異なる直径を有することが必須であり、加えて、特に小さな収納サイズを達成することができるように、管を一方が他方に挿入された状態で実際に大きく変位させることもできることを確実にする必要がある。
【0004】
したがって、特に、通常最も細い管が配置される下部領域では、ポールは非常に細くなり、したがって、いくつかの用途については十分なレベルの固有剛性を有しなくなるという結果になり得る。加えて、上記の文書に開示される設計は、個々のポール管部の相対位置を、これらのポール管部を互いに対して回転させることによって確保する必要があり、そのためには、対応する回転力を手動で加えることが必要であるため、使用者にはあまり肯定的に捉えられないことが多い。
【0005】
異なる管部の互いに対する軸方向位置を内部の固定機構によって固定しない代替的な機構が、例えば、特許文献4から既知であり、又は特許文献5若しくは特許文献6若しくは特許文献7からも既知である。しかしながら、これらの外部設計は、3つ以上のポール管を互いに挿入された状態で変位可能に取り付けるのには適しないことが多く、そのため、収納サイズが十分に小さくならないという結果にもなり得る。
【0006】
いわゆる折りたたみ式ポールが、例えば、特許文献8から既知であり、これらの折りたたみ式ポールでは、個々のポールセグメントがプラグ嵌合接続部によって接続される。この場合、ポールセグメントは、本質的に同じ直径を有することができ、ポールセグメントは、プルケーブルを介して互いに接続され、それにより、個々のポールセグメントをともに嵌合させると、これらのセグメントは、このプルケーブルが張力を受ける結果として、互いに堅く接続される。これらの設計の問題は、可撓性のプルケーブルで個々のポールセグメントを互いに接続する必要があり、可撓性のプルケーブルがこれらのセグメントの中を通る必要があることである。そのような設計は、製造及び保守が簡単ではなく、様々な顧客要件に従って組み立てることも難しいことを意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国実用新案第29706849号
【特許文献2】独国特許第49708829号
【特許文献3】欧州特許出願公開第1450906号
【特許文献4】国際公開第2010/085905号
【特許文献5】独国特許第69401765号
【特許文献6】欧州特許出願公開第1217224号
【特許文献7】欧州特許出願公開第0098898号
【特許文献8】国際公開第2012/104424号
【発明の概要】
【0008】
ここで、本発明が提供される。本発明の目的は、特に、モジュール性、組立てに関する単純さ、変更に関する単純さ、及び部品の修理又は交換に関する単純さの観点で改善された折りたたみ式ポールを提供することである。
【0009】
この目的は、特許請求の範囲において請求される折りたたみ式ポールによって達成される。
【0010】
具体的には、本発明は、少なくとも3つ又は少なくとも4つ、好ましくは5つの管部を有する折りたたみ式ポールであって、折りたたみ式ポールの組立て状態において、管部は、プラグ嵌合接続部で、ポール軸に沿って配向するように互いに堅く接続され、折りたたみ状態において、少なくとも2つ又は少なくとも3つの管部が、可動な接続部材のみを介して互いに接続され、ポール柄部が最上の管部に配置され、ポール先端部が最下の管部に配置された、折りたたみ式ポールに関する。
【0011】
プラグ嵌合接続部のうちの少なくとも1つは、ここでは、外部クランプ機構及び/又は形状嵌合式ラッチ装置を用いて実現されている。
【0012】
1つの接続部を、例えばレバーを有する外部クランプ機構の形態で設計することも可能であり、更なる接続部を、(外部又は内部に配置された)形状嵌合式ラッチ装置の形態で設計することも可能である。この場合、外部クランプ機構は、より柄部の近くに設けられるか、又はポール柄部が配置された管部上に設けられることが好ましく、形状嵌合式ラッチ装置から構成される接続部は、それに続いて下方向にある。
【0013】
クランプ機構は、第1の管部に固定され、第2の管部は、第1の管部の内径よりも小さいか又は第1の管部の内径とほぼ等しい外径を有し、それ自体、第1の管部内に変位可能に取り付けられ、第2の管部は、外部クランプ機構によって相対的な軸方向位置が固定され得る。
【0014】
代替の又は追加の形状嵌合式ラッチ装置は、第2の管部上に実装され、第2の管部は、第1の管部の内径よりも小さいか又は第1の管部の内径とほぼ等しい外径を有し、第2の管部は、第1の管部内に押し込まれ得、形状嵌合式ラッチ装置によって相対的な軸方向位置が固定され得る。
【0015】
更なるプラグ嵌合接続部は、ここでは、単なるプラグ嵌合接続部の形態で設計され、嵌合状態において、管部は、プルケーブルによってまとまっていない場合、軸の一方向にのみ固定される。
【0016】
管部は、少なくとも1つのプルケーブルを介して互いに接続され、少なくとも1つのプルケーブルは、最下の管部に固定されるとともに、最上の管部に固定され、少なくとも2つ又は3つの中央管部の内部空間を通って延在するように配置されている。
【0017】
折りたたみ式ポールは、(更なる)プラグ嵌合接続部を嵌合させられるか、又はプルケーブルの連続的な引っ張りによって一方が他方内に挿入された状態で摺動させられ、次いで、外部クランプ機構が解放され、又はラッチ装置が解放された状態で、プルケーブルが張られる程度まで第2の管部を第1の管部から引き出され、外部クランプ機構又は形状嵌合式ラッチ装置が固定されることによって、折りたたみ状態から組立て状態に至らせる又は移行させることができるように設計されている。またこれは、更なるプラグ嵌合接続部が軸の双方向に固定されることを意味する。
【0018】
使用される可能なラッチ装置は、様々な設計で提供され、例えば、国際公開第2018/224417号に開示される、外部ロッカーを有するラッチ装置、また、国際公開第2019/129484号に記載される、内側に配置されるラッチ装置として提供される。
【0019】
ラッチ装置は、以下のように構成され得ることが好ましい。すなわち、外管上に固定されるクランプ装置の開口内に押し込まれ得る内管部の形状嵌合式の取り外し可能な軸方向固定作用のためのクランプ装置として構成される。クランプ装置は、周囲を囲むプラスチック製カフを有し、プラスチック製カフの外側にはクランプレバーが取り付けられ、クランプレバーは、ポール軸に対して垂直に配置される軸部材を介して、ばね部材の復元力に抗して傾斜することができるようになっている。プラスチック製カフは、軸部材用の貫通開口及び/又は孔を有する2つの突出部を有し、クランプレバーは、軸部材の周りに傾斜することができるように、これらの突出部間に取り付けられている。プラスチック製カフは、径方向貫通開口を有する。クランプレバーは、クランプ装置を解放するために外部からアクセス可能な圧力印加領域を有する第1のレバーアームと、軸部材と反対側に配置された第2のレバーアームとを有する。第2のレバーアームは、ポール軸に対して本質的に径方向に配置されたクランプ突出部を有し、クランプ突出部は、プラスチック製カフの径方向貫通開口を通してプラスチック製カフの軸方向貫通孔内に係合し、2つの管を軸方向に固定するために、内管又は内管に接続されるガイドインサートの溝又は孔内に形状嵌合式に係合する。しかしながら、上記とは異なる技術的解決策によって、内管を外管内にクランプすることも可能である。
【0020】
更なるプラグ嵌合接続部又はそのうちの少なくとも1つは、一方の管部に、ガイドスタブを有するように設計され、ガイドスタブは、プルケーブル用の軸方向に延在する中央貫通孔が設けられ、固定部によって上記管部に堅く固定され、軸方向反対側に、ポールの折りたたみ状態において露出するとともに、他の管部内に押し込まれ得るスタブ領域を有し、固定部及びスタブ領域は、プルケーブル用の軸方向貫通孔を有する。
【0021】
スタブ領域において、後続の管部に対してスタブ領域を閉鎖するように、各プラグ嵌合接続部には、プルケーブル用の軸方向貫通孔を有する円錐形終端スタブがある。円錐形終端スタブは、スタブ領域内に取り外し可能に固定、例えばねじ留め又は掛止され、各円錐形終端スタブ又はこれらの円錐形終端スタブのうちの少なくとも1つは、プルケーブルを貫通孔内に径方向に導入することができる軸方向スロットを有する。
【0022】
プルケーブルを貫通孔内に径方向に導入するための軸方向スロットは、円錐形終端スタブがスタブ領域から取り外されると、露出状態になる、すなわち、露出又は開放され得る。
【0023】
円錐形終端スタブの軸方向スロットは、様々な方法で設計することができる。通常、円錐形終端スタブは、1部品として形成される。そのため、円錐形終端スタブは、剛性要素として、本質的に既定の幅を有し、円錐形終端スタブがスタブ領域から取り外されると、プルケーブルを貫通孔内に径方向に導入することができる軸方向スロットを有することが可能である。
【0024】
代替として又は加えて、円錐形終端スタブは、可撓性要素として、幅が可変であり、スタブ領域から取り外された状態において、プルケーブルを貫通孔内に径方向に導入するために、好ましくはある特定の復元力に抗して拡張される、軸方向スロットを有することも可能である。
【0025】
また、軸方向スロットは、好ましくはフィルムヒンジを介して接続された、2つの円錐形終端スタブ半体を有する可撓性要素としての円錐形終端スタブによって提供することも可能である。フィルムヒンジは、2つの円錐形終端スタブ半体を貫通孔の片側のみにおいて接続している。そのような円錐形終端スタブ部品は、2部品として、すなわち、フィルムヒンジなしで形成することも可能であるが、組立て状態において2つの半体が互いに対して正確に配置されるように、位置決め補助手段が設けられることを確実にすべきであり、これは、特に、ガイドスタブ内における固定のために雄ねじが設けられる場合に重要である。円錐形終端スタブ半体は、ここでは、好ましくは本質的に対称な設計であり、中央の軸方向分離面によって画定される。そのような円錐形終端スタブは、スタブ領域から(例えば、ねじって外すことにより)取り外すことができ、その後、軸方向スロットを露出させるように、フィルムヒンジを介してある特定の程度まで旋回して開放することができる。ただし、円錐形終端スタブが完全に旋回して開放することは必須ではない。2つの半体は、プルケーブルの導入に向けて円錐形終端スタブを開放するために、軸方向スロットの付近においてある程度広がれば十分である。ここでは、フィルムヒンジは、円錐形終端スタブの軸方向端面に設けられることが好ましい。円錐形終端スタブの取付け/ねじ留め状態において、軸方向スロットの平行な隙間は0であり、又はねじの部分領域においてはより小さい。したがって、例えば、力嵌合による締付けを最後のねじ山に伝達することが可能であり、したがって、終端スタブの望ましくないねじが外れる作用を防止することが可能である。フィルムヒンジの場合では、通常、当接面が互いに対して平行な状態で突き当たることが通常である(すなわち、スロットは、スタブが取付け状態にあるときにはほとんど開放しないが、スタブが取り外されると開放することが可能である)。加えて、当接面が互いに対して僅かに円錐状に延在する場合、(これらの面は、取付け動作中、互いに対して平行な状態で突き当たることから)外径の僅かな増加によって、固定作用を達成することが可能である。当然ながら、これは、この面が互いに対して平行なままであり、(部分領域において)終端スタブの雄ねじが増大する場合に生じることも可能である。
【0026】
本明細書において、「取り外し可能」とは、特に円錐形終端スタブに関して、円錐形終端スタブを、場合によっては工具を用いて可逆的に、例えば、接着等の強固な材料接合部(例えば、取り外し可能なねじロック液等を除く)を解放する必要なく、非破壊的な方法で分離することができることを意味すると理解すべきである。例えば、円錐形終端スタブは、ラッチ接続部によって解放することができ又はねじって外すことができ、再び掛止又はねじ留めすることもできる。
【0027】
円錐形終端スタブは、ラッチ接続部を解放することによる取外し又はねじって外すことができ、プルケーブルを貫通孔内に挿入し、貫通孔から取り外すことができるようにする、軸方向に延在する横方向スロットを有する又は設けることができ、その円錐形終端スタブを有する提案される設計によって、そのような折りたたみ式ポールは、プルケーブルを破壊することなく可逆的な方法で、容易に分解することが可能である。このために、プラグ嵌合接続部の解放に続いて、第1の工程において、最下の円錐形終端スタブのねじ留めを解除することが可能であり、又は、ラッチ接続部の解放によって最下の円錐形終端スタブを分離することが可能であり、その後、プルケーブルを、場合によっては固定されたばねとともに、最下の管部から引き出すことが可能である。これにより、最下の管部が自由になる。次いで、最下の管部の円錐形終端スタブは、スタブのスロットを用いてプルケーブルから取り外され得る。次に続く管部の円錐形終端スタブのねじ留めを解除し、又はラッチ接続部を解放することによって取り外すと、次いで、軸方向スロットによって円錐形終端スタブをケーブルから分離することが可能であり、ケーブルを、この更なる後続の管部を通して引っ張ることが可能である。またこれにより、下から2番目の管部も自由になり、この管部を、例えば、別のものに置き換える又は交換することが可能になる。円錐形終端スタブの横方向スロットは、プルケーブルを、僅かな抵抗で、円錐形終端スタブの貫通孔内に掛止するか若しくは貫通孔から掛止を解除することができるように構成することができ、又は、上述したように、軸方向に多少分離した2つの円錐形終端スタブ半体を貫通孔の片側のみにおいて接続するフィルムヒンジを用いて実現することも可能である。
【0028】
円錐形終端スタブは、例えば熱可塑性材料製の射出成形部品の形態で製造されることが好ましい。可能な材料の例は、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、及びその混合物又はそのガラス繊維強化された物である。
【0029】
スタブ領域もそのような材料からなることが等しく可能であるが、スタブ領域は、金属で製造することもできる。円錐形終端スタブを雌ねじ内にねじ留めする必要があることから、そのようなねじをスタブ領域に設ける必要がある場合、この雌ねじは、スタブ領域に直接設けることができるか、又は、プラスチック若しくは金属製の別個の雌ねじインサートを設けることも可能である。この雌ねじインサートは、スタブ領域内に挿入され、好ましくは接着及び/又は圧入によってスタブ領域内に固定される。
【0030】
第1の好ましい実施形態は、各円錐形終端スタブが、ポールが折りたたみ状態にあるときに露出する円錐状テーパー領域を有し、この円錐状テーパー領域は、円錐形終端スタブを把持することができるとともに、ねじ留め若しくはねじって外すことができるか、又は、ラッチ接続部を確立若しくはラッチ接続部から解放することができる手段を有することを特徴とする。これらの手段は、少なくとも2つ、又はちょうど2つの、特に対向して配置されたノッチ、段部、又は肩部(例えば、機械加工された凹部)の形態で設計されることが好ましく、ポールの軸に接する平面を形成する相互に平行な表面を有することが好ましい。
【0031】
これらの手段は、ちょうど2つの対向して配置された段部又はノッチの形態で設計することができ、ポールの軸に接する平面を形成する相互に平行な表面を有する。これらの表面は、軸方向スロットが延在する方向に対して平行に延在する。したがって、例えば、一般的なオープンエンドレンチを使用して、それぞれの円錐形終端スタブを容易にねじり外し及び再びねじ留めする、又は、ラッチ接続部を確立する若しくはラッチ接続部から解放することが可能である。
【0032】
更なる好ましい一実施形態は、2つ又は3つの最下の管部が、上述の更なるプラグ嵌合接続部を介して互いに接続され、3つの管部の後続の又は最上の管部は、上端部に終端スタブを有し(終端スタブは、プルケーブル用の貫通孔を有し、プルケーブルは、この孔内に自由に延在し、固定されていない)、この終端スタブは、管部から上方に突出する頭部領域と、終端スタブを管部に堅く固定する首部領域とを有し、頭部領域及び首部領域は、一方が他方に挿入された状態で取り外し可能にねじ留め又は掛止することができる2つの別個の部品の形態で設計されていることを特徴とする。この設計は、保守の容易さを更に増す。なぜなら、上述したように、下側の2つの管部をケーブルから分離し、終端スタブの頭部領域を、例えばねじって外し、次いで、ケーブルを同様にこの更なる管部を通して簡単に引っ張ることにより、後続の又は最上の管部は、プルケーブルから取り外して分離することが可能であるためである。このように、下から見て第3の管部(又は、3つの単なるプラグ嵌合接続部を有する4つの部分がある場合は第4の管部)を分離することも可能である。
【0033】
更なる好ましい一実施形態は、最上の終端スタブが第1の管部内に設けられ、プルケーブルは、この最上の終端スタブに固定され、プルケーブルが張っていないとき、プルケーブルを最上の終端スタブから上方に引き出すことができるようになっていることを特徴とする。このことは、特に好ましくは、最上の終端スタブが、下部領域に縮径部を有する少なくとも1つの段状貫通孔を有することによって達成され、プルケーブルは、好ましくは、結び目又は好ましくは圧着部によってこの段部に捕捉される。この設計は、プルケーブルが張っていないとき、プルケーブルを最上の終端スタブから上方に引き出すことも可能であるため、保守の容易さを更にまた増す。ここでも、最上の終端スタブの頭部領域及び首部領域は、一方が他方に挿入された状態で取り外し可能にねじ留めされ得る2つの別個の部品の形態で設計することが可能である。
【0034】
第1の管部の上に、(また)更なる管部が設けられ得、第1の管部は、更なる管部内に変位可能に押し込まれ得るとともに、外部クランプ機構によって軸方向の様々な位置に固定され得、最上の終端スタブは、更なるプルケーブルによってこの更なる管部に接続され、外部クランプ機構が解放されたとき、第1の管部を更なる管部から引き出すことができないようになっている。
【0035】
更なるプルケーブルは、好ましくは回転しないように、更なる管部の上端部に又はそこに固定された柄部上に取り外し可能に固定されていることが好ましく、場合によっては柄部のカバーが取り外されると、この更なるプルケーブルの固定部が、例えばフック接続部を用いることで、非破壊的な方法で外側から自由にされることによって、更なるプルケーブルの固定部は、好ましくは解放され得る。
【0036】
ポールは、2つの単なるプラグ嵌合接続部を介して互いに接続される3つの下側管セグメントと、3つの下側管セグメントに続く、第3の管セグメントが摺動作用を有して内部に係合する第4の管セグメントとを有するポールであることが好ましい。プルケーブルの張りを達成するように第3の管セグメントと第4の管セグメントとの間の軸方向相対位置を最大に設定することによって、プルケーブルは張る。このために、形状嵌合を伴うクランプ機構が、第3の管セグメントと第4の管セグメントとの間に設けられることが好ましい。また、第5の最上の管セグメントがあることも好ましい。第5の最上の管セグメントは、ここでも第4の管の外径よりもいくらか大きい内径を有し、第4の管がこの第5の管セグメント内に摺動作用するように取り付けられている。第5の管セグメントには、ポール柄部も固定されている。上述したように、また以下に詳細に記載するように、第4の管セグメントと第5の管セグメントとの間の軸方向における相対位置は、例えばレバーを有する例えば外部クランプ機構を用いて、可変であるように固定され得る。また、クランプ機構は内部機構とすることも可能である。
【0037】
(最下にある、すなわち最下の管部に固定された)ホルダー部材におけるプルケーブルの固定部は、好ましくは(螺旋又はエラストマー)ばねを最下の管部のホルダー部材に設けることによって、弾性的にばね付勢された設計とすることができ、プルケーブルは、螺旋ばねの内部空間を通って延在するように配置される。好ましくは、プルケーブルの少なくともある特定の部分は、特に好ましくはプルケーブルの長手方向における全長は、張力抵抗性及び非弾性設計である。螺旋ばねは、円錐形終端スタブがない状態ではガイドスタブの貫通孔を通って引き抜かれ得、及び頭部領域がない状態では終端スタブを通って引き抜かれ得るような外径を有することが好ましい。
【0038】
プルケーブルは、可撓性であり、長手方向に張力抵抗性及び非弾性の材料からなることが好ましく、プラスチックコーティングが設けられるか又はプラスチック内に封入されることが好ましい。ここでは、軸方向スロットを有する円錐形終端スタブの特定の構成により、別個のホースを有するプルケーブルの従来技術のシースは不要となり、更には不都合となる。プラスチックコーティングを有する又はプラスチック層に封入されたそのようなプルケーブルは、ポール内に最適にガイドされてその機能を果たすことができるが、円錐形終端スタブ又はそのスロットを通してもガイドされ得る。
【0039】
ここで、更なる好ましい一実施形態は、第1の管部が最上の管部であり、第2の管部が、下方向において上述の管部に隣接する第1の中央管部であることを特徴とする。これにより、特に簡単な取扱いが可能になる。加えて、この設計は、通常、最大直径を有する最上の管部を有し、クランプ機構を高い位置に有するため、ポール軸に沿った理想的な重量分散ももたらされる。ケーブルを張るため形状嵌合式ラッチ装置の場合、第1の管部は、最上の又は上から2番目の管部であり、第2の管部は、下方向において上述の管部に隣接する第1の中央管部である。ラッチ装置は、例えば、ばね付勢された径方向ラッチピンを有し、この径方向ラッチピンは、第2の管部の径方向貫通ボア内に、ばねの作用に抗してボアを通って突出するように保持されることが好ましい。ばね部材は、板ばね、例えばばねプレートであることが好ましく、板ばねの第1の端部に、ラッチピンが固定、例えばリベット留めされることが有利である。ここでは、板ばねの第2の端部は、ポールの長手方向軸に沿って設けられた終端スタブチャネル内に、自己係止作用によって突出することが好ましい。自己係止作用は、例えば返し部によって達成され、返し部は、ばねプレートの場合、ばねプレートの第2の端部に配置されている。終端スタブは、第2の管部の上部に保持されることが好ましい。特定の好ましい一実施形態によれば、終端スタブは、その頭部によって、第1の管部内に押し込まれて固定され、第2の管部の上端部に当接するカラーを有する。底部においてカラーに隣接する終端スタブ首部は、第1の管部と第2の管部との間の重なり合う領域において、第2の管部内に押し込まれることが好ましい。
【0040】
更なる好ましい一実施形態は、好ましくはプラグ嵌合接続部が軸方向に押し合わされると回転を固定する及びまた好ましくは自動的に係止する形状嵌合接続部の存在を確実にすることによって、軸方向停止位置において、プラグ嵌合接続部によって接続された管部が、ポール軸の周りの互いに対する回転に抗して固定されるように更なるプラグ嵌合接続部が設計されていることを特徴とする。これは、特に、例えば、ポール先端部及びポール柄部が双方とも非対称設計である場合、すなわち、それぞれが歩行方向において特別に設計される場合に重要である。
【0041】
更なる好ましい一実施形態は、管部が(特に長さに関して、また、特に上から2番目の管部が最上の管部内に嵌合する可能な深さに関して)、ポールが組立て状態にあるとき、最上の中央管部を最上の管部内に本質的に全て押し込むことができるか、又は短い部分のみが飛び出したままとなるように押し込むことができるような寸法であることを特徴とする。これにより、折りたたみ状態において、4つの管部を有する折りたたみ式ポールの場合、最上の2つの管部はほぼ完全に一方が他方に挿入された状態に押し込まれ、下側の2つの管部を互いに緩く、プルケーブルのみを介して接続することができ、加えて、ある特定の程度までジグザグ様式で配置することができる状況がもたらされる。これにより、最小の収納サイズがもたらされる。
【0042】
特に好ましい一実施形態によれば、ここでは好ましくはプラスチックから形成される閉鎖部材は、頭部及び首部を有し、首部は、好ましくはホルダー部材の上端部内に嵌合することができ、雄ねじ付きボアによってその上端部内にねじ留めすることができ、又は、バヨネット式閉鎖具によってその上端部内に嵌合し回転作用で掛止することができる。このために、ホルダー部材は、その上部領域において雌ねじ付きボアを有することが好ましい。特に好ましい一実施形態によれば、閉鎖部材は、ここでは、軸方向において螺旋ばねの上に配置される。ガイド部材が、停止部材として、螺旋ばねと閉鎖部材との間に設けられることが好ましく、このガイド部材又は停止部材は、螺旋ばねに当接する径方向フランジと、螺旋ばね内に突出する軸方向ガイド部とを有する。停止部材の径方向フランジは、ここでは、閉鎖部材の明確な停止面又は支持面としての役目を果たす。したがって、下側ケーブル取付け手段、すなわち底部において結び目又は圧着部を有するプルケーブルは、ガイド部材、螺旋ばね、及び閉鎖部材とともに、使用者がポール管から取り外すことを容易にするユニットを構成する。ケーブルを交換するために、使用者は、ホルダー部材から閉鎖部材を解放し、上記ユニットを取り外し、場合によってはプルケーブルの下端部における結び目又は圧着部を解放する(ケーブルユニット全体を取り外すことができるため、結び目又は圧着部を解放する絶対的な必要性はない)。したがって、ケーブルを上部から、好ましくは柄頭部を通して引き出すことが可能である。ここで提案される折りたたみ式ポールの更なる好ましい一実施形態は、更なるプラグ嵌合接続部が、一方の管部において、ガイドスタブ(好ましくは1部品でプラスチックからなる)を有し、ガイドスタブは、プルケーブル用の軸方向に延在する貫通孔が設けられ、固定部によって上記管部に堅く固定され、軸方向反対側に、他の管部内に押し込まれ得るスタブ領域を有するように設計されることを特徴とする。好ましくは径方向に周囲を囲む外方を向く支持フランジが、固定部とスタブ領域との間に設けられ、嵌合状態において、支持フランジは、他の管部の管端部に当たって及び/又はそこに設けられた管終端カフに当たって軸方向に停止する。この軸方向停止機能部は、ポール軸の周りに非対称に形成されることが好ましく、及び/又は、スタブ領域は、他の管部の方に向く端部において、少なくとも部分的な円錐状テーパー領域を有することが更に好ましい。
【0043】
一般的には、ポール柄部は、例えば、特にハンドループ又はグローブの形態の手保持装置を固定するフック様装置を有するポール柄部とすることができることが好ましい。変位可能又は回転可能な内部ラッチ手段が、フック様装置の領域に配置され、手保持装置上に設けられたループ形状、リング形状、又はアイレット形状の装置が、本質的に上からフック様装置内に押し込まれ、フック様装置内に自己係止作用によって固定されるようになっている。フック様装置は、ポール柄部の上部領域において手の側に配置されることが好ましい。フック様装置は、保持スパイク又は保持ピンを備えることが更に好ましい。保持スパイク又は保持ピンは、好ましくはポール軸に対して本質的に平行に配置され、柄部本体から手の側に向かってオフセットされて導入スロットが形成され、又は柄部本体における切込みの形態で設けられている。導入スロットの深さは、保持スパイク又は保持ピンの幅及び厚さよりも大きいことが好ましい。具体的には、換言すれば、ポール柄部は、国際公開第2006/066423号に開示されているものであることが特に好ましい。ポール柄部に関する限り、上記文書の開示は、本明細書の開示内容に明示的に含まれる。
【0044】
更なる好ましい一実施形態によれば、ポール柄部は、例えば、欧州特許第2168641号に開示されているような人間工学的な設計を有する。特に有利な一実施形態によれば、ポール柄部は、その柄頭部に取外し可能なカバーを有する。
【0045】
柄頭部は、下端部に軸方向貫通ボアを有することが好ましく、軸方向貫通ボアを通して、プルケーブルの上端部が柄頭部内に突出する。上側ケーブル取付け手段は、例えば、プルケーブルの上端部が結び目又は圧着部を有するように構成することができる。カバーを取り外すことにより、ポール柄部を取り外す(例えば、スイベルフックから取り外す)必要なく、使用者がプルケーブルの上端部にアクセスし、ポールからプルケーブルを引き出すことが可能になるとともに、内部のフックに係合したプルケーブルと一緒に、軸受部材をポールから引き出すことが可能になる。更なる好ましい一実施形態によれば、ポール先端部は、先端部本体及びバッファーを備える。先端部本体及び/又はポール本体の最下部は、バッファーの中央開口を通過するように配置されている。バッファーは、上記中央開口内でポール本体に対して軸方向に制止することができるように変位可能に取り付けられる。バッファーは、形状嵌合接続を用いて、ポール本体に対して軸方向に異なる少なくとも2つの位置に固定することができる。先端部本体は、ラッチトラックを有することが好ましく、軸方向位置を固定するために、このラッチトラックに、バッファー内に取り付けられるラッチ本体を形状嵌合によって係合させることができる。ラッチ本体は、バッファー内又はバッファー上に旋回可能及び/又は変位可能及び/又は堅く取り付けられる。ラッチ本体は、外側において関節結合するラッチレバーの形態で設計されることが特に好ましい。ラッチレバーは、バッファーの非対称の転がり面の方に向くその下端部が、外側スリーブ上に関節結合するようにし、その上端部が、バッファーの制止位置において、ポール管及び/又は内側スリーブの周りを少なくとも部分的に形状嵌合によって把持するようにする。ラッチレバーは、解放するために、外側スリーブから離れるように旋回することができる。具体的には、換言すれば、ポール先端部は、ノルディックウォーキング用途のために特に設計されたもの、例えば、国際公開第2008/037098号に記載のものとすることができる。ポール先端部の設計に関する限り、上記文書の開示は、本願の開示内容に明示的に含まれる。
【0046】
そのような折りたたみ式ポールの更なる好ましい一実施形態は、外部クランプ機構の場合、外部クランプ装置は、管部の少なくとも1つの軸方向部分の周りを本質的に直接把持するとともに、締まった状態において、その部分をクランプするプラスチック製カフを備えることを特徴とする。プラスチック製カフは、少なくとも管部を把持する領域において、プラスチック製カフの円周をこの領域において可変にする少なくとも1つの軸方向スロットを有し、残りの軸方向領域において、本質的に周囲を囲む設計である。それぞれの突出部が、プラスチック製カフにおいて、上記スロットのいずれの側にも配置されている。これらの突出部は、共軸の貫通開口を有し、この貫通開口は、管部の軸に対して本質的に垂直に設けられ、この貫通開口を通って横断ピンが係合する。横断ピンは、第2の突出部の外側に停止部を有し、第1の突出部の外側に、クランプレバーの回転軸を有する。この回転軸は、横断ピンの軸に対して垂直かつ管部の軸に対して平行に配置されている。クランプレバーは、クランプ装置が締められると、プラスチック製カフの周りを少なくとも部分的に把持するレバーアームを有する。クランプレバーは、回転軸の周りに偏心して延在する転回領域を有し、この転回領域により、クランプのためにクランプレバーを締付位置に旋回させることによって、停止部と第1の突出部の外側に配置された相手面との間の隙間を低減することが可能である。相手面は、少なくとも一部が第1の突出部における窪みに配置された金属部材の形態で設計されることが好ましい。相手面は、平坦面の形態で、又は曲率半径が転回領域の曲率半径に本質的に適合された凹状面の形態で設計されることが更に好ましい。プラスチック製カフは、その上部に、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの、軸方向に延在するスロットを有することが更に好ましい。これらのスロットのうちの少なくとも1つは、2つの突出部間に設けられ、これらのスロットは、円周の周りに均一に分散されることが好ましく、及び/又は、上述の停止部は、調節可能な設計であることが更に好ましい。停止部は、好ましくはねじ山を有するように形成され、横断ピンは、相手側ねじ山を有するように形成される。停止部は、ナット又はねじの形態で設計され、調節工具が係合するために、周囲を囲む歯部形状及び/又はタング及び/又は溝を有することが好ましい。換言すれば、クランプ機構は、例えば、特許文献4に開示されているようなものとすることができることが好ましい。クランプ機構に関する限り、上記文書の開示は、本願の開示内容に明示的に含まれる。
【0047】
ケーブルを張るために折りたたみ式ポールが外部クランプ機構の代わりに形状嵌合式ラッチ装置を有する場合、ポールは、全体的に長さ調節可能な様式で構成することができる。ここでは、長さ調節可能な機構は、前段落で記載したように、力嵌合式に作用する外部クランプ機構とすることができる。クランプ機構は、好ましくは、第2の管部の入れ子式の長さ調節のために使用され、このために、第1の管部に固定されている。下側中央管部は、長さ調節可能な構成であることが好ましい。折りたたみ式ポールが長さ調節可能な構成である場合、折りたたみ式ポールは、好ましくは上部において第1の管部に隣接する追加の管部を有することが好ましく、この追加の管部にポール柄部が固定されている。外部クランプ機構は、最上の管部に固定されている。
【0048】
ポール管は、アルミニウム又は炭素で本質的に構成されることが好ましい。炭素による設計の場合、個々の管部間の移行領域は、例えばアルミニウム製の安定化スリーブによって補強される。更なる実施形態は、従属請求項において詳述される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】
図1は、折りたたみ状態にある4つの管部を有するポールの図であり、下側の2つの管部は、緩んだ配置であり、プルケーブルのみを介して接続されるようになっており、上側の2つの管部は、一方が他方に挿入された状態で最大限押し込まれ、外部クランプ機構を介して互いに対する軸方向位置が固定されている図である。
【
図2】
図2は、嵌合状態にある
図1に係る折りたたみ式ポールを通る軸方向断面図である。
【
図3】
図3は、折りたたみ状態にあるポールの第2の実施形態の図であり、ポールは、ケーブルを張るために、外部クランプ機構の代わりに形状嵌合式ラッチ装置を有する図である。
【
図4】
図4は、a)嵌合状態にある
図3に係る折りたたみ式ポールを通る軸方向断面図、及びb)Vに係るケーブルを張るための役目を果たす第1の管部と第2の管部との間のラッチ機構の領域を通る断面図、及びc)
図4a)に示されているUに係る図、及びd)
図4a)に示されているTに係る図である。
【
図5】
図5は、折りたたみ状態にあるポールの第3の実施形態の図であり、ポールは、ケーブルを張るために形状嵌合式ラッチ装置を有し、長さを調節するために外部クランプ機構を有する。
【
図6】
図6は、a)嵌合状態にある
図5に係る折りたたみ式ポールを通る軸方向断面図、並びにb)外部クランプ機構の長さ調節領域の領域及び上側ケーブル取付け手段の領域を通る断面図、並びにc)
図6a)に示されているRに係る図、並びにd)
図6のa)に示されているQに係る図、並びにe)
図6a)に示されているPに係る図である。
【
図7】
図7は、a)
図4b)及び
図6c)に係る終端スタブを通る軸方向部分断面図、並びにb)形状嵌合式外部機構に対する終端スタブの図、並びにc)b)に係る終端スタブのねじ外し可能な最上部の図、並びにd)
図7c)のO-O線に沿った軸方向断面図である。
【
図8】
図8は、a)軸方向スロットを示す円錐形終端スタブの側面図、及びb)ノッチのうちの1つを示すa)に係る図に対して横方向から見た円錐形終端スタブの側面図、及びc)円錐形終端スタブの平面図である。
【
図9】
図9は、a)最上の終端スタブの側面図、並びにb)プルケーブル及び更なるプルケーブル用の2つの貫通孔を通る、a)のK-K線に沿った最上の終端スタブの概略中央断面図である。
【
図10】
図10は、a)ケーブル固定部材を上から見た図、並びにb)ケーブル固定部材の側面図、並びにc)更なるプルケーブルの上側固定部材の図、並びにd)キャビティの床部及び固定スタブを示す、カバーの取外しによって開放された柄頭部の内部の図である。
【
図11】
図11は、フィルムヒンジを介して接続された2つの半体を有する円錐形終端スタブの図である。
【
図12】
図12は、嵌合状態におけるポールの更なる実施形態の図であり、ポールは、ケーブルを張るために、上部に外部クランプ機構を有し、この下に、形状嵌合式ラッチ装置を有し、それぞれにおいて、左側には、嵌合状態のポールの図が示され、右側には、クランプ機構及びプルケーブル等を露出させるように、管を伴わない図が示された図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。図面は、単に例示のための役目を果たし、限定として解釈されないものとする。
【0051】
4つの管部7~9を有する折りたたみ式ポール1の例示的な一実施形態が、
図1及び
図2に示されている。
図1は、折りたたみ状態、すなわち、最上の2つの管部が一方が他方内に完全に押し込まれ、下側の2つの管部が最上の2つの管部の横に並んで折りたたまれた様式で配置された状態の折りたたみ式ポール1を示しており、
図2は、組み立てた状態の折りたたみ式ポールを示している。
【0052】
具体的には、そのようなポールは、最上の管部7を備え、ポール柄部2がその最上部に固定されている。この例では、このポール柄部2は、非対称設計である。歩行方向において前方には、最上部に斜角が付いており、そこに手保持装置用のホルダー機構に関するトリガーノブ5を有し、いくらか後方には、前側にスロット4が設けられたピンの形態で設計される保持ノーズ3を有する。このポール柄部は、例えば、国際公開第2006/066423号から既知のものであり、例えば、国際公開第2006/066424号から既知のグローブ又はハンドループとともに、すなわち、親指と人差し指との間に、保持ノーズ3の上にガイドされ、スロット4内に自己係止作用によって係止され得るループを有する手保持装置とともに使用することができるものである。ポール柄部は、グリップ領域6も有し、グリップ領域6は、通常、握りやすいコーティングを伴う領域の形態で設計される。
【0053】
外部クランプ機構10が、上記最上の管部の下端部に配置されている。管(これは全ての管部に当てはまる)は、基本的に、アルミニウム又は炭素複合材料で作製される管とすることが可能である。この具体例では、クランプ機構は、特許文献4から既知の外部クランプ機構であるが、特許文献7又は特許文献6に係るクランプ機構とすることもできる。
【0054】
この具体例では、クランプ機構10の上部領域は、通常はプラスチックからなる周囲保持領域13を介して管部7上に固定され、上側管部7は、特に保持領域13の下の包囲領域において、軸方向に延在するスロットを有し、それにより、領域13の下に配置されるカフの実際のクランプ領域は、外管7を、押し込まれている内管8の上に堅くクランプするようにし、したがって、外管7と内管8との間に力嵌合接続を確立することができる。これに応じて、周囲保持領域13の下にはスロット付きクランプ領域14があり、スロットは、2つの突出部の間に延在し、この2つの突出部には、軸方向クランプ部材12を形成する、横断方向に延在するピンが貫通している。ピンは、例えばナットによって後側で固定され、ここでは前側に示されている側において、軸方向横断部材を介してレバー11に接続されている。軸方向横断部材は、レバーの回転点を形成する。レバー11の支点には、偏心器の形態で設計されるフォーク様の2つの拡張部を有し、クランプレバー11は、ここで示されている共締め状態において、レバーがポール管又はクランプ装置の周りに旋回した場合、締付けが生じるほど大きくスロットが縮小し、レバーが外方に旋回すると、偏心器が2つの突出部をある特定の程度まで広げ、締付けを解放することから、この締付けが低減するようになっている。
【0055】
最上の管部7において、2つの中央管部のうちの上側8が、内側から押し込まれている。したがって、この上側中央管部8の外径は、最上の管部7の内径よりもごく僅かに小さいものに対応し、それにより、遊びが最小限であるにもかかわらず、変位能力が保証されている。ここでは、最上の管部7は、中央管部のうちの上側8を内部に最大限収容し、そのため、収納サイズが最小限に抑えられる。ここでは、管部8は、上側固定スタブ27に当たって停止するまで押し込まれることが通常である。
【0056】
2つの中央管部のうちの上側8には、下側の更なる中央管部8’が続き、下側中央管部8’は、ここではある程度折り重なっており、上側中央管部8と同じ管直径を有する。上側中央管部8と下側中央管部8’との間には、プラグ嵌合接続部17が設けられるが、ここでは接続されていない。プラグ嵌合接続部17は、ガイドスタブ49を有し、ガイドスタブ49は、先端部に円錐状のテーパー18を有する。ガイドスタブ49は、2つの管部のうちの下側8’に固定され、固定領域37で下側中央管部8’に押し込まれている。他方の管部8は、特に管の端部を保護するためであるが、回転止めのためにも、上側管終端カフ15を有することが通常である(下記を参照)。
【0057】
円錐状テーパー領域18は、スロット付きの円錐形終端スタブの形態で設計され、プラグ嵌合接続部17の円筒形領域内に、取り外し可能に挿入、好ましくはねじ留め又はラッチされている。このために、円錐形終端スタブ18は、プラグ嵌合接続部17の円筒形領域に係合する領域において、雄ねじ又は内部ラッチ要素(例えば突出部)を有し、プラグ嵌合接続部17の円筒形領域は、その内側において、対応する雌ねじを有するか、又は、ラッチ式クリップ接続の場合、例えば、対向して位置付けられたボアの形態の孔を有し、この孔に弾性を有して取り付けられて可動な突出部がラッチできる。ねじ留め及びねじ留め解除を容易にするために、円錐形終端スタブ18は、露出した円錐状テーパー領域において、軸方向に対向して位置付けられた2つのノッチ18’を有し、その軸方向に延在するフランクが、工具を使用して円錐形終端スタブ18のねじ留めを解除することができるように、平行に延在する。
【0058】
2つの中央管部のうちの下側8’の対向する端部に、下側管終端カフ19が設けられている。ここでも折返し状態において、下側管終端カフ19には、最下の管部9が続き、最下の管部9は、この例ではバテッド管であり、最上部分では2つの中央管部8、8’と同じ直径を有するが、下方に向かって縮径する。
【0059】
ポール先端部23が、上記最下の管部9の下端部に固定され、このポール先端部は、非対称設計である。すなわち、最下領域において、ポール先端部は、斜角が付けられ、後方に向かってテーパーが付いたゴム製バッファー25を有する。この場合、ゴム製バッファー25は、少なくとも2つの位置の間で調節することができる程度に調節可能であるようにも設計される。すなわち、ここに図示されている位置では、硬質先端部24が、ゴム製バッファー25における穴を通過するように配置され、凍った地面又は砂利道に好適となるが、調節レバー26を右に向かって倒すと、バッファーが下方に変位し、調節レバー26を再び引き上げることで、その位置に固定することが可能であり、この位置では、先端部24がある程度バッファー25の開口内に隠れ、したがって、地面に接触するのは非対称バッファーの転がり面だけになる。換言すれば、この先端部は、例えば、国際公開第2008/037098号から既知のものである。
【0060】
上端部において、最下の管部9は、同様に、既に記載した例と本質的に同一に形成されたプラグ嵌合接続部17を有し、すなわち、先端部に円錐状のテーパー18を有するとともに、下側中央管部8’の下端部に押し込むことができるような外径を有するガイドスタブ49がある。
【0061】
ここで、円錐状テーパー領域18は、この場合も、プラグ嵌合接続部17の円筒形領域内にねじ留めされるスロット付きの円錐形終端スタブの形態で設計されている。このために、円錐形終端スタブ18は、プラグ嵌合接続部17の円筒形領域内に係合する領域において、雄ねじを有し、プラグ嵌合接続部17の円筒形領域は、その内側において、対応する雌ねじを有する。ねじ留め及びねじ留め解除を容易にするために、円錐形終端スタブ18は、露出した円錐状テーパー領域において、軸方向に対向して位置付けられた2つのノッチ18’を有し、その軸方向に延在するフランクが、工具を使用して円錐形終端スタブ18のねじ留めを解除することができるように、平行に延在する。
【0062】
ここで、個々の管部は、可撓性だが引張り抵抗のあるプルケーブル16を介して接続されている。プルケーブル16は、例えば、引張り抵抗性のプラスチックファイバー、例えば、超高分子量ポリエチレン(=UHMWPE、又は高弾性率ポリエチレン=HMPE、例えば、Dyneema(登録商標))、メタ系アラミド又はパラ系アラミド(例えば、Kevlar(登録商標))等で作製され、モノフィラメントである、及び/又は編組され、及び/又は被覆されている。同様に、被覆可能なワイヤケーブルを有することが可能である。プルケーブル16は、0.25mm~6mm、好ましくは0.4mm~3mm、特に好ましくは0.5mm~2mmの太さを有することが好ましい。プルケーブルの引張り強度を保証するために、例として、例えば、担体材料内に封入することが可能な超高分子量ポリエチレン(=UHMWPE、又は高弾性率ポリエチレン=HMPE)で作製される、複数の平行モノフィラメントで作製されるマルチフィラメント、又は、例えば、担体材料内に個別に及び/又は編組の形態で封入することが可能な超高分子量ポリエチレン(=UHMWPE、又は高弾性率ポリエチレン=HMPE)で作製される、複数の編組モノフィラメントで作製されるマルチフィラメントを使用することが好ましい。鎖様のプルケーブルも可能である。鎖様のプルケーブルにより、個々の管部8’及び9は、一方が他方内に挿入された状態で押し込まれる2つの上側管部7、8と一緒に、この位置では緩く接続される。このことは、運搬のために有利であり、個々の部品を紛失することを防止する。プルケーブル16のある特定の部分、特に折りたたみのために提供される部分には、好ましくはPVCホースの形態の保護シースを設けることができる。プルケーブルは、好ましくは可撓性であるが引張り抵抗のあるプルケーブルであり、0.5mm~1.5mmの範囲の太さを有し、例えば、熱可塑性材料製のコーティングによって封入されるか又はコーティングが設けられた、ゲル紡糸によって得られる編組されたUHMWPEファイバーで作製される。
【0063】
図2は、嵌合状態にあるとき、すなわち、2つの下側管部8’及び9が一方が他方内に挿入された状態で嵌合し、2つの上側管部7、8が互いから最大限離れて伸ばされたときの、上記ポールを通る軸方向断面を示している。ポールは、
図1に示されている折りたたみ位置から、
図2の組み立てられた状態に次のようにして移行させることができる。すなわち、最下のポール管部9を、プラグ嵌合接続部17を用いて2つの中央管部のうちの下側8’に押し込み、その後(又はその前に)、中央部分8’を、対応するプラグ嵌合接続部17を用いて他方の中央部分8に押し込み、次いで、レバー11を解放することによって外部クランプ機構10を解放し、その後、管8を管7から伸長させる。これは、プルケーブル16が最下の管部9及び最上の管部7の内側に固定されていることから、
図2に示されているように、プルケーブル16がぴんと張った状態に達するまで行われる。そして、この位置において、外部クランプ機構10を再び固定することによってポールが固定される。管部8、及び8’間並びに管部8’及び9間のプラグ嵌合接続部は、それ自体では、軸の一方向のみに固定をもたらすが、これにより、軸の他方方向にも固定され、安定する。
【0064】
図4b及び
図6cは、ケーブルの張りが、外部クランプ機構10の代わりに形状嵌合式ラッチ機構によって可能になる、代替の例示的な実施形態を示している。
図6bに示されているクランプ機構は、
図2に示されているものと同様であるが、第2の管部8の上部の長さを調節する機能を果たす。プルケーブルの上側取付け点がここには示されている。プルケーブルは、上端部において圧着され、この圧着部30によって、プルケーブルが終端スタブ34の貫通孔35を通過することを防止する。追加の管部59に隣接する管部8は、更なるプルケーブル16’を介して、柄頭部に、又は、追加の管部の上端部と柄部との間に固定部材として固定されるケーブルに、接続される。この更なるプルケーブル16’の長さは、管部8が、ちょうど追加の管部59内でこうしてなおも十分にガイドされる程度だけ、追加の管部59から下方に延出することができるように設定される。これにより、管部8が追加の管部59内に常に十分に嵌合し、2つの管部を分離し得ないことを確実にする。
【0065】
図6bの右側に挿入図として提示されている細部は、管部7内に固定されたプラスチックリング内に接着された、例えば金属製のねじ付きスリーブ内に、終端スタブ34をその雄ねじを用いてねじ留めすることができる方法を示している。
【0066】
終端スタブ34は、
図7aに示されているように、チャネル54も有する。チャネル54内には、板ばね52の上端部が突出し、板ばね52が自己係止作用によって、この例では返し部55によって固定されている。ラッチピン51が、板ばね52の下端部に、例えばリベット留めによって、固定されている。ラッチ機構を解放するために径方向にラッチピンに圧力を加えると、板ばねが締め付けられ、ラッチピン51の少なくとも一部が貫通孔35を通ってポール管の内部空間31に入る。
【0067】
更なる好ましい一実施形態によれば、終端スタブ34は、特許文献8に係るクランプ機構、すなわち、ばね付きロッカーを備える形状嵌合式外部クランプ機構(
図7b及びcを参照)のために設計することもできる。このロッカーの先端部は、形状嵌合のために、外側から、上記終端スタブ34に設けられた周囲溝69内に係合する。終端スタブ34は、下部領域34bを有し、下部領域34bによって、管部8内に固定、好ましくは接着又は堅くクランプされている。終端スタブ34は、管部8内にカラー34cに至るまで押し込まれる。周囲溝69には、上方向において、管部8と本質的に同じ外径を有する延長領域70が続く。この延長領域70により、管部8及び上記終端スタブ34から構成されるユニットが、後続の管部7内で常に十分にガイドされることが確実になる。
【0068】
記載したように、終端スタブ34は、下部領域70/34b内にねじ留めされる頭部領域34aを有することが好ましい。そのような頭部領域34aは、通常、1つ以上の軸方向スロットも有し、プルケーブル用の狭い軸方向貫通孔を有するとともに、スタブの下部領域内に突出する領域において雄ねじ72を有する。延長領域は、雌ねじを有する対応する上部領域を有し、終端スタブ34の下部領域は、大きな直径の連続的な軸方向貫通孔を有する。管部8がプルケーブルから分離される場合、それに対応して、上述したように、2つの下側管部を分離した後、頭部領域34aのねじ留めを解除することが可能になり、次いで、プルケーブルを、管部8を通して上方に引っ張ることが可能になり、したがって、この管部も分離することが可能になる。
【0069】
また、
図4b及び
図6cの2つの代替の例示的な実施形態において、第2の管部8は、プルケーブル用の軸方向貫通孔35を有するそれぞれの終端スタブ34を有する。終端スタブ34の頭部34aは、ここでは、ポールが組立て状態にある場合、第2の管部8の上部に隣接する第1の管部7内に導入され、一方、カラー34cは、第2の管部8の上端部に当接し、首部34bによって、第2の管部8の上端部内に突出する。上述したように、頭部34aは、別個の部品の形態で設計されることが好ましく、終端スタブ34の下部内に挿入、好ましくはねじ留めされ得る。
図7bは、終端スタブ34を、ある程度ねじが外された位置において示しており、そのため、雄ねじ72が見て取れる。首部34bは、第2の管部8内に固定された任意選択のインサート部材62の上端部に当たってとまっているか、又はこの管部内で直接とまっている。インサート部材62は、その外壁によって、第2の管部8の内壁に当接し、貫通ボア53を有する。貫通ボア53は、第2の管部8の貫通ボア53と位置合わせされるか又は一致し、それにより、ラッチピン51は、ポール管の内部空間31からこの貫通ボア53を通って外方に突出することができる。
【0070】
図3及び
図4aに示されているとともに、
図5及び
図6aにも示されている例示的な実施形態に係るポールは、人間工学的な形状のポール柄部2を有し、ポール柄部2の柄頭部57は、開放又は取外しすることができるカバー58を有する。このカバー58を開放又は取外しした場合、プルケーブル16の上端部又は上述の圧着部30は、柄頭部57におけるキャビティを通して、又は更なるプルケーブル16’のケーブル固定部(後述)によってアクセス可能であり、これは、特に、後述される下側ケーブル取付け手段の構成と組み合わせて、摩耗が生じた際には、プルケーブルを交換することを可能にする。
【0071】
プラグ嵌合接続部17は、2部品で形成されている。スタブ領域49は、別個の部品として設計される円錐形終端スタブの形態の円錐状テーパー領域18を有する頭部を有し、ここでは首部によって、固定部の上部内に突出する。ここでは、スタブ領域49を、例えばプラスチックで構成することが可能であり、固定部37をアルミニウム又は複合材料で構成することが可能である。
図4c及び
図6dに示されている例示的な実施形態において、プラグ嵌合接続部17は、スタブ領域49と固定部37との間に周囲フランジ21を有せず、それにより、2つの管部8’及び9は、オフセットなしで互いに当接する。2つの管部が互いに当接する領域は、ここでは管終端カフ19によって取り囲まれている。
図4d及び
図6eに示されている例示的な実施形態において、プラグ嵌合接続部17は、ホルダー部材37及び閉鎖部材56、円錐形終端スタブ18から2部品で形成されている。閉鎖部材56は、ここでは、首部56bにおいて雄ねじ付きボアを有し、雌ねじ付きボアを有するホルダー部材37の上端部内にねじ留めされている。代替として、閉鎖部材又は円錐形終端スタブ(及び同じく他の部材上)に対する接続は、非破壊的な方法、例えばバヨネット式閉鎖具若しくはラッチ要素において、又は取り外し可能な接合技術によっても容易に解放することができる他のタイプの接続によって実現することも可能である。ここでは、閉鎖部材は、プラグ嵌合接続部又はガイドスタブ17のスタブ領域49と同様に、管部8’及び9間に形成することが可能である。
図4d及び
図6eには示されていないが、上側停止部材40が閉鎖部材56と螺旋ばねとの間に配置されることが有利である。ホルダー部材37は、ここでは、雌ねじ付きボアを有する上部領域と、下側管部9の上端部に当接する肩部を有する中央領域と、また、プラグ嵌合接続部を下側管部の上端部に効果的に保持する下部領域とを有する。
【0072】
次に、
図8に、下側の3つの管部8、8’、9の間の2つのプラグ嵌合接続部に使用される、特別に構成された円錐形終端スタブが示される。この円錐形終端スタブ18は、プルケーブル16用の軸方向貫通孔64を有する。円錐形終端スタブ18は、スタブ領域49内に突出する領域において雄ねじ68も有する。さらに、円錐形終端スタブ18は、全長にわたって延在する単一の軸方向スロット63を有し、これにより、プルケーブルの圧着部等を解放する必要なく、円錐形終端スタブ18をプルケーブルから分離することが可能になる。この理由は、対応する固定部が実際に長期にわたる保持作用を有することを確実にするのは圧着部のみであることから、プルケーブルが圧着部によってそれぞれの要素に固定されることが好ましいためである。したがって、単にねじを外し、再びねじ留めすることが可能であるだけでなく、スロットを用いることで円錐形終端スタブをプルケーブルから分離することもできる場合が非常に有利である。
【0073】
円錐形終端スタブは、スタブ領域49から突出する円錐形領域において設けられた2つの横方向ノッチ18’を更に有する。これらのノッチ18’は、軸方向に延在するフランクを有し、これらのフランクは、平行に位置付けられ、オープンエンドレンチ又は同様の工具を使用して、円錐形終端スタブ18を容易に把持し、ねじを外し又はねじ留めすることができるようになっている。
【0074】
図9は、最上の終端スタブ65を示している。終端スタブ65は、最上の管部7を越えて突出する頭部領域77と、最上の管部7に堅く固定される首部領域78とを有する。この最上の終端スタブ65には、プルケーブル16用の段状貫通孔66が設けられている。段状貫通孔は、プルケーブルをガイドすることができる幅狭領域67と、段部73に続くように配置される更なる領域とを有する。これにより、プルケーブルを、最終的にこの更なる領域に位置付けられることになる圧着部によって上記上側終端スタブ65に固定することが可能になるが、プルケーブルの引っ張りを緩める場合、スタブから上方に引き出すことも可能になる。加えて、更なるプルケーブル16’用の第2の貫通孔74があり、この第2の貫通孔は、他方の方向に非常に大きく段が付けられている。この更なるプルケーブルは、上方向に引っ張られ、したがって、ここでは、圧着部30が段部76に突き当り、更なるプルケーブル16’が縮径部75を通って延在することが可能である。
【0075】
図10a及びbに示されているように、最上部において、ケーブル固定部材によって更なるプルケーブル16’が固定される。固定部材79は、追加の管部59上に位置付けられる又は追加の管部59内の最上部に固定され得るプレート領域を有する。このために、後退領域81が、例えば、追加の管部59の上側キャビティ内に係合する。領域81には、更なるプルケーブル16’用の貫通孔82が設けられている。このプルケーブル上に設けられる可能性があるフック86を、ケーブル固定部材79を通してガイドすることを可能にするために、貫通孔には横方向拡張部83が存在することが可能である。次いで、固定部材は、カバーが取り外されると、
図10dにおいて上から示されている柄部の床部91の下部領域に当接する。プルケーブルは、上側ループ85を形成するように上部に固定され、ループは、圧着部84によって固定される。このループ85は、フック86によって把持され、フック86は、実際の軸受部材88内の回転可能なスタブ87に取り付けられる。この回転能力は、プルケーブルがねじれないようにすることが可能である一方で、管が互いに対して回転することから有利である。軸受部材88は、下方に円錐状にテーパーが付いており、上部に保持リング89を有する。軸受部材88は、その下方に円錐状にテーパーが付いた領域によって、柄頭部のキャビティ90の床部91における貫通開口92内の段部又はケーブル固定部材79上に当接する。
【0076】
また、更なるプルケーブル16’は、外側のクランプ部を解放することにより、追加の管部59及び最上の管部7を互いに最大限一方を他方に挿入した状態で押し込むことによって、容易に解放することも可能であり、その結果、更なるプルケーブル16’の張りが緩められる。そして、軸受部材を保持リング89によって柄頭部から上方に引き出すことが可能であり、フック86をループ85から分離することが可能であり、その後、最上の管部7を追加の管部59から下方に引き出すことが可能である。
【0077】
したがって、スロット付きの円錐形終端スタブ、及び頭部領域34aのねじを外すことができる終端スタブ34に伴い、折りたたみ式ポールを非破壊的に分解し、再び組み立てることが可能であり、部品を交換したり、新しくしたり、又は別様に変更したりすることが可能である。
【0078】
図11は、2つの円錐形終端スタブ半体96からなる円錐形終端スタブ18を示している。2つの半体は、フィルムヒンジ93を介して1部品として接続されている。円錐形終端スタブ半体96は、本質的に対称な設計であり、中央の軸方向仮想分離面で分離されている。2つの半体96がフィルムヒンジ93の周りに互いに旋回して接すると、軸方向貫通孔64を形成し、スロット63は、当接面間の隙間によって形成される。円錐形終端スタブ18を、雄ねじ68を介してスタブ領域内にねじ留めすると、接触面が当接する結果として、スロット63は閉鎖する。2つの半体が互いに対して最大限正確に位置決めされることは、特に雄ねじ68のために重要であるが、これを確実にするために、ここに示されているように、ラッチ接続部の形態で設計することもできる位置決めスタブ94及び対応する位置決め凹部95(止まり穴の形態)を、接触面に設けることが可能である。他の形状嵌合及び/又は力嵌合接続部も可能であるが、これらの接続部は、取り外し可能である必要がある。
【0079】
ここでは、フィルムヒンジ93は、軸方向端面97において、片側のみ、すなわち、嵌合状態において形成される貫通孔64の片側のみに配置され、それにより、軸方向スロット63は、純粋に自由になっており、プルケーブルを挿入することができる。
【0080】
図12は、5つの管部を有するポールの更なる例示的な一実施形態を示している。部分9及び8’間及び同じく部分8’及び8間の最下の2つの接続部は、対応する円錐形終端スタブ18を有する単なるプラグ嵌合接続部の形態で設計されている。この実施形態では、そのようなプラグ嵌合接続部を1つのみ設けることもでき、すなわち、この実施形態では、4つの管部を有する設計とすることも可能であり、すなわち、ここには示されている部分8’が、その例では存在しない。また、ここでは、管部8とその上に設けられた更なる管部7との間に外部ラッチ接続部が設けられ、また、最上の管部7’と上記更なる管部7との間に外部クランプ機構が設けられている。プルケーブルは、単一のプルケーブルの形態で、この構造体の全体を通って延在し、最下の管部9及び最上の管部7’に固定されている。
【符号の説明】
【0081】
1 折りたたみ式ポール
2 ポール柄部
3 保持ノーズ
4 スロット
5 トリガーボタン
6 2のグリップ領域
7 第1の管部
7’ 最上の管部、追加の管部
8 第2の管部
8’ 更なる中央管部
9 下側管部
10 外部クランプ機構
11 クランプレバー
12 軸方向クランプ部材
13 10の周囲保持領域
14 10のスロット付きクランプ領域
15 上側管終端カフ
16 プルケーブル
16’ 第1の管部と追加の管部との間の更なるプルケーブル
17 ガイドスタブ又はプラグ嵌合接続部
17’ 貫通孔を有するそれぞれの下側管における17の固定領域
17’’ 貫通孔を有するスタブ領域
18 17の円錐状テーパー領域、円錐形終端スタブ
18’ ノッチ、段部、肩部、フライス加工凹部
19 下側管終端カフ
20 21における19の当接面
21 17の下側ホルダーの支持フランジ
22 19における21の当接面
23 ポール先端部
24 先端部材
25 ゴム製バッファー
26 調節レバー
27 16用のホルダー部材又は上側固定スタブ
28 27における16用の中央貫通孔
29 27の上部における28の拡張領域
30 16における圧着部
31 管内の内部空間
32 ポール軸
33 シム
34 終端スタブ
34a 34の頭部領域
34b 34の首部領域、管部内に嵌合する領域
34c 34のカラー
35 34における16用の軸方向貫通孔
36 17における16用の軸方向貫通孔
37 ホルダー部材又は固定部
38 39用の36の拡張部
39 螺旋ばね
40 39用のガイド部材又は停止部材
41 39用のガイド部材又は終端部材
42 40/41の径方向フランジ
43 40/41の軸方向ガイド部
44 19の係合部
45 44における径方向外側軸方向リブ
46 44における径方向外側軸方向溝
47 21の内側における径方向内側軸方向溝
48 21の内側における径方向内側軸方向リブ
49 17のスタブ領域
50 ラッチ装置
51 ラッチピン
52 ばね部材
53 8及び62における径方向貫通ボア
54 34内の軸方向チャネル
55 52の保持手段
56 閉鎖部材
56a 56の頭部
56b 56の首部
56c 56の軸方向貫通孔
57 柄頭部
58 57のカバー
59 追加の管部、最上の管部
60 長さ調節のための外部クランプ機構
61 保護シース
62 インサート部材
63 18における軸方向延在スロット
64 18における軸方向貫通孔
65 最上の終端スタブ
66 65におけるプルケーブル用の段状貫通孔
67 66における縮径部
68 18の雄ねじ
69 34の70における周囲溝
70 34の延長領域
71 34aにおけるスロット
72 34aのスタブの雄ねじ
73 66における段部
74 上方向における更なるプルケーブル用の65における段状貫通孔
75 66における縮径部
76 74における段部
77 65の頭部領域
78 65の首部領域、管部内に嵌合する領域
79 柄頭部のキャビティにおける床部の下の追加の管部に対するケーブル固定部材
80 79のプレート領域
81 79の後退領域
82 更なるプルケーブル16’用の貫通孔
83 更なるプルケーブルを固定する拡張部/軸方向溝
84 更なるプルケーブル16’の上側ループの圧着部
85 更なるプルケーブルの上側ループ
86 85の固定用のフック
87 回転可能なスタブ
88 軸受部材
89 88の保持リング
90 柄頭部におけるキャビティ
91 90の床部
92 91における貫通開口
93 フィルムヒンジ
94 位置決めスタブ
95 位置決め凹部
96 円錐形終端スタブ半体
97 軸方向端面
98 適所に接着された雌ねじ付きスリーブ
【国際調査報告】