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特表2023-513550現場での保護を行うためのモジュール構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-31
(54)【発明の名称】現場での保護を行うためのモジュール構造
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/28 20060101AFI20230324BHJP
   E04B 1/343 20060101ALI20230324BHJP
   E04B 1/342 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
E04G21/28 A
E04B1/343 101
E04B1/342 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548203
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(85)【翻訳文提出日】2022-09-21
(86)【国際出願番号】 GB2021050256
(87)【国際公開番号】W WO2021156625
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】2001631.7
(32)【優先日】2020-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522315091
【氏名又は名称】バム ナットル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BAM NUTTALL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジョン プロテロ
(57)【要約】
本発明は、構造物の建設中に現場の少なくとも一部を囲うモジュール式組立体、建設地事業所に関する。当該モジュール式組立体は、各々が2つの柱状体と屋根用梁を含む複数の門型フレームであって、前記柱状体と屋根用梁の各々は複数の組立済みユニットを含む、複数の門型フレームと、各柱状体用のジャッキアップフレームと、各々が前記屋根用梁のうちの少なくとも1つに取り付けられる少なくとも2つの第1レールと、該少なくとも2つの第1レールに摺動可能に取り付けられる少なくとも1つの第2レールと、前記現場を完全に囲って前記屋根用梁の上方に取り付けられるように構成される複数の可撓性材料製パネルを備える。前記第2レール(又は前記第2レールの各々)は、少なくとも1つの持ち上げ装置摺動可能に受けるように構成される。前記組立済みユニットは、現場で接続されるように構成され、かつ前記ジャッキアップフレームを用いて持ち上げられることで、前記門型フレームを構成する。前記第1レールの各々及び前記第2レール(又は前記第2レールの各々)は、現場で前記門型フレームに取り付けられるように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の建設中に現場を少なくとも部分的に囲むためのモジュール式組立体であって、
各々が2つの柱状体と屋根用梁を含む複数の門型フレームであって、前記柱状体と屋根用梁の各々は複数の組立済みユニットを含む、複数の門型フレームと、
各柱状体用のジャッキアップフレームと、
各々が前記屋根用梁のうちの少なくとも1つに取り付けられる少なくとも2つの第1レールと、
該少なくとも2つの第1レールに摺動可能に取り付けられる少なくとも1つの第2レールと、
前記現場を完全に囲って前記屋根用梁の上方に取り付けられるように構成される複数の可撓性材料製パネルを備え、
前記第2レール又は前記第2レールの各々は、少なくとも1つの持ち上げ装置を摺動可能に受けるように構成され、
前記組立済みユニットは、現場で接続されるように構成され、かつ前記ジャッキアップフレームを用いて持ち上げられることで、前記門型フレームを構成し、
前記第1レールの各々及び前記第2レール又は前記第2レールの各々は、現場で前記門型フレームに取り付けられるように構成される、
モジュール式組立体。
【請求項2】
請求項1に記載のモジュール式組立体であって、前記第1レールの各々は、複数の屋根用梁に取り付けられる、モジュール式組立体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のモジュール式組立体であって、前記少なくとも2つの第1レールは、前記第1レールのそれぞれの中心間の距離が約10m~約20mであるように取り付けられる、モジュール式組立体。
【請求項4】
請求項1、2、又は3に記載のモジュール式組立体であって、各々が前記少なくとも2つの第1レールに摺動可能に取り付けられる1対の第2レールを含む少なくとも1組の第2レールを備え、
第2レールの各対は、複数の分離部材によって離間され、二重レールシステム上で使用するように構成された少なくとも1つの持ち上げ装置を受けるように構成されている、
モジュール式組立体。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のモジュール式組立体であって、該組立体の移動を可能にするように構成された複数の基礎レールをさらに含む、モジュール式組立体。
【請求項6】
請求項5に記載のモジュール式組立体であって、前記門型フレームの各々は、各々が前記複数の基礎レールのうちの1つの上で摺動可能に取り付けられるボギー台車によって運ばれる、モジュール式組立体。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のモジュール式組立体であって、2つの部分を含み、
前記2つの部分の各部分は複数の門型フレームを含み、
前記2つの部分の各部分は一度組み立てられた部分を分割できるように前記基礎レール上で独立して摺動可能である、
モジュール式組立体。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のモジュール式組立体であって、当該モジュール式組立体の端部に隣接して取り付けられる少なくとも1つの縁部レールシステムをさらに備え、前記縁部レールシステム又は前記縁部レールシステムの各々は、
各々が前記屋根用梁の少なくとも1つに取り付けられている少なくとも2つの第3レールと、
該少なくとも2つの第3レールに摺動可能に取り付けられて縁部レールシステムを形成し、少なくとも1つの持ち上げ装置を摺動可能に受けるように構成された少なくとも1つの第4レールと、
前記少なくとも1つの第4レールは、前記少なくとも1つの第2レールと前記少なくとも1つの第4レールとの間での持ち上げ装置の移動を可能とするように前記少なくとも1つの第2レールと位置合わせ可能であるように構成される、
モジュール式組立体。
【請求項9】
請求項8に記載のモジュール式組立体であって、少なくとも2つの前記縁部レールシステムを含み、前記縁部レールシステムの各々は、当該組立体のそれぞれの縁部に隣接して配置される、モジュール式組立体。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載のモジュール式組立体であって、前記少なくとも1つの第2レールに摺動可能に取り付けられた少なくとも1つの持ち上げ装置をさらに備える、モジュール式組立体。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載のモジュール式組立体であって、前記門型フレームの前記組立済みユニットはトラスで構成される、モジュール式組立体。
【請求項12】
請求項1~11のいずれかに記載のモジュール式組立体であって、複数の端部トラスをさらに含む、モジュール式組立体。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載のモジュール式組立体であって、前記複数の門型フレームは少なくとも2つの異なる高さである、モジュール式組立体。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載のモジュール式組立体であって、前記パネルが熱伝導性の布で形成される、モジュール式組立体。
【請求項15】
請求項14のいずれかに記載のモジュール式組立体であって、前記熱伝導性布はPVCコーティングされたポリエステルである、モジュール式組立体。
【請求項16】
請求項1~15のいずれかに記載のモジュール式組立体であって、防音材のパネルをさらに含む、モジュール式組立体。
【請求項17】
請求項1~16のいずれかに記載のモジュール式組立体を組み立てる方法であって、
複数のジャッキアップフレームを位置決めするステップと、
複数の組立済みユニットを提供し、かつ前記ジャッキアップフレームを使用して、前記組立済みユニットから各々が2本の柱状体及び屋根用梁を備える複数の門型フレームを同期して組み立てるステップと、
少なくとも2つの第1レールを少なくとも1つの屋根用梁に取り付けるステップと、
少なくとも1つの第2レールを前記少なくとも2つの第1レールに摺動可能に取り付けるステップと、
少なくとも1つの持ち上げ装置を少なくとも1つの第2レールに摺動可能に取り付けるステップと、
可撓性材料の複数の巻き上げパネルを前記門型フレームの頂部に取り付けるステップと、
を有し、
前記取り付けステップは、前記屋根用梁がそれぞれの柱状体に接続された後、前記柱状体が必要な高さまで構築される前に行われる。
方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、当該モジュール式組立体の移動を可能にするように構成された基礎レールを提供するステップを含み、
当該モジュール式組立体は、前記建設現場に隣接して組み立てられ、その後前記レールに沿って摺動され、
前記複数のジャッキアップフレームを位置決めするステップは、前記ジャッキアップフレームを前記基礎レールに沿って転がすステップを含む、
方法。
【請求項19】
構造物の建設中に現場を少なくとも部分的に囲むためのモジュール式組立体の部品のキットであって、
各々が2本の柱状体と屋根用梁とを含むユニット複数の門型フレームを形成する複数の組立済みユニットと、
前記複数の門型フレームの各々用の一対のジャッキアップフレームと、
複数の第1レールと、
少なくとも1本の第2レールと、
可撓性材料製の複数の事前に巻き上げられたパネル、
を備えるキット。
【請求項20】
構造物を建設するための現地事業所を提供する請求項1~17のいずれかに記載のモジュール式組立体の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設現場に対して環境中の部材からの保護を提供する分野と、建設物から既存の周辺環境を保護することに関する。
【背景技術】
【0002】
構造物が建設されるときはいつでも、環境から建設物を保護することを考慮する必要がある。雨、風、温度、光量などの外的要因は、いずれも工事の生産性を低下させる可能性がある。これらの要因は、大規模な工事や建設事業に大きな影響を与えるおそれがある。また、工事が周辺地域に与える影響を調査する必要もある。このことは特に、建設物が原子力発電所のような精密さ、一貫性、及び説明責任が重要視される建物である場合に顕著になる。建設工事が周辺に与える影響を軽減するためには、従来の工事ではどうしても非効率的な方法で行わざるを得ない。日照時間、天候、及び騒音などの影響により、1日の平均工事時間は制限される。このことは特に、光害が問題な問題であるダークスカイ保護区に建設地がある場合に顕著になる。
【0003】
建設が始まる前であっても、開発合意書(DCO)という形で建設開始の許可を得るために、かなりの時間とコストをかけなければならない。建設地の立地及び建設する建物の種類によっては、総予算に占めるDCOの取得費用の割合が大きくなる場合もある。DCO申請時に最も問題となる問題の一つは、建設が候補地に与える影響を実証することである。建設工事に対する既存の環境の受けるであろう影響の大きさを詳細に調査する必要がある。このため、影響を完全に把握することを保証するためには高いコストがかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このコストを削減する方法を発見することは有利になると考えられる。また、建設の生産性を低下させる外的要因を低減又は除去する方法を提供することも有利になると考えられる。
【0005】
本発明は、周辺環境から現場を密閉することができるモジュール式組立体を提供する。当該モジュール式組立体は、閉鎖密閉された環境で構造物を建設するために必要なすべての要素を含む複数の部材から製造される。
【0006】
本発明の第1態様によれば、構造物の建設中に現場を少なくとも部分的に囲むためのモジュール式組立体が提供される。当該モジュール式組立体は、各々が2つの柱状体と屋根用梁を含む複数の門型フレームであって、前記柱状体と屋根用梁の各々は複数の組立済みユニットを含む、複数の門型フレームと、各柱状体用のジャッキアップフレームと、各々が前記屋根用梁のうちの少なくとも1つに取り付けられる少なくとも2つの第1レールと、該少なくとも2つの第1レールに摺動可能に取り付けられる少なくとも1つの第2レールと、前記現場を完全に囲って前記屋根用梁の上方に取り付けられるように構成される複数の可撓性材料製パネルを備える。前記第2レール又は各第2レールは、少なくとも1つの持ち上げ装置を摺動可能に受けるように構成される。前記組立済みユニットは、現場で接続されるように構成され、かつ前記ジャッキアップフレームを用いて持ち上げられることで、前記門型フレームを構成する。各第1レール及び前記第2レール又は各第2レールは、現場で前記門型フレームに取り付けられるように構成される。
【0007】
好適には当該モジュール式組立体は、前記少なくとも1つの第2レールに摺動可能に取り付けられた少なくとも1つの持ち上げ装置をさらに備える。前記持ち上げ装置(又は各持ち上げ装置)は、現場で前記門型フレーム上に取り付けられるように構成されている。
【0008】
構造物の建設中に現場を囲むためのモジュール式組立体を提供することによって、前記現場は、周辺地域への影響を低減することができる。当該モジュール式組立体は、騒音、光、埃、振動、及び現場から出る過剰気圧を低減又は除去することができる。当該モジュール式組立体は、湿度及び/又は温度が制御された環境を提供することができる。本発明は、外部条件からの影響を受けない建設を提供することを可能にする。密閉されているため、前記構造物の建設は天候の影響を受けない。従って作業が、悪天候のために中断されることはない。前記建設は、24時間、中断も不稼働時間なしに、完璧な状態で行うことができる。従って確実性と生産性が改善され得る。前記環境を制御することができるため、前記工事の品質が向上し得る。本発明は、天候に左右されやすい機器を中断することなく搬入することができる。
【0009】
当該モジュール式組立体の利点は、前記構造物の建設が連続的に行われ得ることである。悪天候によって時間は失われない。当該モジュール式組立体は前記現場からの光害を防ぐので、前記建設を夜間でも行うことができる。現場によっては、ダークスカイ保護区に指定された地域にある場合があるので、建設中に光が漏れないようにすることが重要である。
【0010】
本発明のモジュール式組立体は、前記建設現場と環境の2つの保護を実現する。
【0011】
門型フレームの中心間の距離は、約5m~約30mで、好適には約10m~約25mで、より好適には約15m~約20mであってよい。当該モジュール式組立体は好適には、隣接する門型フレーム間で接続されるように構成された複数の部材を含む。前記複数の部材は、前記門型フレームの間の分離を維持するように構成される。
【0012】
理解されるように、「中心」という用語は、第1の梁、トラス、又は細長部材の中心線と、第2の梁、トラス、又は細長部材との間の距離を指称する周知の技術用語である。
【0013】
当該モジュール式組立体は、前記建設現場の要求に応じた大きさにされる。当該組立体は、該組立体から建設される前記構造物までの最小水平距離が約3m~約15mで、好適には約4m~約10mであるような大きさにされてもよい。当該モジュール式組立体は、該組立体から建設される前記構造物までの最小垂直距離は、約3m~約10m、好適には約4m~約6mであるような大きさにされてもよい。
【0014】
当該モジュール式組立体は、建設される前記構造物の第1側部での当該組立体から建設される前記構造物までの最小距離が少なくとも8m、好適には少なくとも10mであるような大きさ及び位置に設定されてもよい。このようにして、当該組立体への材料の供給のためのアクセス経路が提供され得る。
【0015】
前記屋根用梁を形成するための各組立済みユニットは、約5m~約20mの間、好適には約12m~約18mの間の長さを有してよい。特に好適実施形態では、前記屋根用梁を形成するための各組立済みユニットは、約16m以下の長さを有する。長さが16m以下の前記組立済みユニットを提供することは、前記組立済みユニットが従来のローリーによって容易に配送されることを保証し得る。
【0016】
前記屋根用梁を形成するための各組立済みユニットは、約1m~約10mで、好適には約2m~約5mの断面幅を有してよい。好適実施形態では、屋根用梁を形成するための各組立済みユニットの断面幅は約2mである。前記屋根用梁を形成する各組立済みユニットは約1m~約10mで、好適には約2m~約5mの断面高さを有してよい。好適実施形態では、屋根用梁を形成するための各組立済みユニットの断面幅は約2mである。好適実施形態では、屋根用梁を形成するための各組立済みユニットの断面高さは約4mである。前記屋根用梁を形成するための各組立済みユニットの断面形状は、正方形、台形、三角形、又は任意の他の適切な形状であってもよい。好適実施形態では、前記屋根用梁を形成するための各組立済みユニットの断面形状は、三角形である。
【0017】
前記柱状体を形成するための各組立済みユニットは、約5m~約20mで、好適には約12m~約18mの長さを有していてもよい。特に好適実施形態では、前記柱状体を形成するための各組立済みユニットは、約16m以下の長さを有する。長さが16m以下の前記組立済みユニットを提供することにより、従来のローリーで配送できることを保証し得る。
【0018】
前記柱状体を形成するための各組立済みユニットは、約1m~約10m、好適には約2m~約5mの断面幅を有してよい。前記柱状体を形成するための各組立済みユニットの断面形状は、正方形、台形、三角、又は任意の他の適切な形状であってもよい。好適実施形態では、前記屋根用梁を形成するための各組立済みユニットの断面形状は、三角形である。
【0019】
しかし理解されるように、前記屋根用梁及び柱状体は、当該モジュール式組立体の要求される全体寸法、及び当該モジュール式組立体内に提供されるべき要求される総持ち上げ能力に従って、サイズ決定されてもよい。
【0020】
好適には当該モジュール式組立体は、前記屋根用梁と前記柱状体との間の接続部を形成するための組立済みユニットを含む。
【0021】
好適実施形態において、前記第1レールの各々は、複数の屋根用梁に取り付けられる。好適には前記第1レールの各々は、前記屋根用梁の縦方向軸に対して実質的に垂直に取り付けられる。前記少なくとも2つの第1レールは、前記第1レールのそれぞれの中心間の距離が約10m~約20mであるように取り付けられてもよい。好適には、中心間の距離は約12m~約18mであり、より好適には約14m~約16mである。
【0022】
好適実施形態では、当該モジュール式組立体は少なくとも1組の第2レールを備え、各組は、前記少なくとも2つの第1レールに摺動可能に取り付けられる。第2レールの各対は、複数の分離部材によって離間され、二重レールシステム上で使用するように構成された少なくとも1つの持ち上げ装置を受けるように構成されている。各組の第2レールの対は、約1m~約5mで、好適には約2m~約4m離間してもよい。第2レールの複数の組が供される場合、サイズ-すなわち第2レール間の距離-の異なる組が供されてよく、若しくは各組は同じサイズを有してよく、又は同じサイズの組と異なるサイズの組との組み合わせが供されてもよい。
【0023】
前記第2レール又は各第2レールは好適には、前記第1レールに対して垂直に摺動可能に取り付けられる。
【0024】
当該モジュール式組立体は、該モジュール式組立体に対する前記持ち上げ装置又は各持ち上げ装置の相対位置を決定する手段を含んでもよい。有利には、そのような決定手段を提供することは、従来の手段を使用するよりも、前記部材が正確にかつより迅速に位置決めされることを保証することによって、前記構造物の建設の精度及び効率を高めることを可能にする。あるいはその代わりに、前記持ち上げ装置又は各持ち上げ装置の相対位置を決定する手段は、前記持ち上げ装置又は各持ち上げ装置を建設される前記構造物上又はその近くの基準点と比較する。好適には前記持ち上げ装置又は各持ち上げ装置の相対位置を決定する手段は、前記第2レール又は各第2レールを支持する前記第1レールに対する前記持ち上げ装置又は各持ち上げ装置を支持する前記第2レール又は各第2レールの位置をそれぞれ決定し、かつ、前記持ち上げ装置又は各持ち上げ装置を支持する前記第2レール又は各第2レールに対する前記持ち上げ装置又は各持ち上げ装置の相対位置を決定するように構成された複数のセンサを含む。前記又は各持ち上げ装置の相対位置を決定する手段は、前記持ち上げ装置に対する前記持ち上げ装置の持ち上げフックの相対位置を決定する手段をさらに含んでもよい。このようにして、当該モジュール式組立体又は建設される前記構造物のいずれかに対する持ち上げフックの相対的な位置が、3次元で決定され得る。
【0025】
あるいはその代わりに、前記持ち上げフックの相対位置を決定する手段は、各持ち上げフックに取り付けられた無線トランシーバーと、当該モジュール式組立体全体の既知の位置に配置された複数の送信機を備え、各送信機は、固有のIDを有する信号を送信するように構成されてもよい。全地球測位システム(GPS)と同様の方法で、特定の持ち上げトランシーバーでの各一意信号の到達時刻が、前記位置を決定するのに利用され得る。他の任意の適切な屋内測位システム(IPS)が使用されてもよい。このようなシステムは、1つ以上のこのような無線トランシーバーを位置決め及び設置されるべき部材に取り付けることによって、建設中の前記構造物内の前記部材を正確に位置決め及び設置するのにも使用され得る。
【0026】
当該組立体は、該組立体の移動を可能にするように構成された基礎レールをさらに含んでもよい。ボギー台車は、前記基礎レールに摺動可能に取り付けられ、門型フレームを運ぶように構成されてもよい。各ボギー台車は好適には、前記レールに対する前記ボギー台車の位置をロックする手段を含む。前記位置をロックする手段は、ブレーキ、ロックピンなどを含んでよい。当該組立体は、該組立体の第1縁部に沿って配置された第1組の基礎レールと、当該組立体の前記第1縁部に対向する第2縁部に沿って配置された第2組の基礎レールとを含んでよい。基礎レールの各組は好適には、2つの基礎レールを含む。理解されるように、基礎レールのサイズ及び数は、当該モジュール式組立体のサイズ及び重量に従って決定される。
【0027】
基礎レールの代わりに、当該組立体は、前記門型フレームのボギー台車を受けるための細長い-好ましくは鋼鉄製の-チャネルを含んでもよい。
【0028】
当該モジュール式組立体が移動できるように構成された基礎レールと共に建設された場合、一度組み立てた当該組立体を移動させることができるという利点がある。これにより、建設開始後に必要に応じて大型の装置を入れることが可能となり、あるいは、完成した構造物から当該組立体を移動して解体することができる。
【0029】
当該組立体は2つの部分を含み、各部分は複数の門型フレームを含み、各部分は一度組み立てられた部分を分割できるように前記基礎レール上で独立して摺動可能であってもよい。
【0030】
2つの部分を有する当該モジュール式組立体が、移動できるように構成された基礎レールと共に構築されている場合、これは、当該組立体は一度組み立てられても分割することができるという利点を有している。これにより、建設開始後、必要に応じて大型の装置を入れることができる。
【0031】
前記第1レールは、当該モジュール式組立体の長さと実質的に等しい長さを有してよい。前記第1レールは、当該モジュール式組立体の長さの約50%~約100%の長さを有してもよい。
【0032】
当該モジュール式組立体が2つの部分で提供される場合、前記第1レールは、当該モジュール式組立体の一の部分の長さに実質的に等しい長さを有してよい。さらに当該モジュール式組立体は、2組の第1レール及び対応する第2レールからなる組を2組含んでよい。第1組は当該モジュール式組立体の前記第1部分内に設けられ、かつ、第2組は当該モジュール式組立体の前記第2部分内に設けられる。前記第1組と前記第2組は、要求に応じて異なるサイズであってもよい。前記第1組の第1レールと前記第2組の第1レールとの位置合わせは、前記第2レールが前記第1組の第1レールから前記第2組の第1レールへ移送可能で、かつその逆の移送も可能であるようにされ得る。
【0033】
当該モジュール式組立体は、該組立体の縁部に隣接して取り付けられた少なくとも1つの縁部レールシステムをさらに備えてもよい。前記縁部レールシステム又は各縁部レールシステムは、各々が前記屋根用梁の少なくとも1つに取り付けられている少なくとも2つの第3レールと、該少なくとも2つの第3レールに摺動可能に取り付けられて縁部レールシステムを形成し、少なくとも1つの持ち上げ装置を摺動可能に受けるように構成された少なくとも1つの第4レールと、を含む。前記少なくとも1つの第4レールは、前記少なくとも1つの第2レールと前記少なくとも1つの第4レールとの間での持ち上げ装置の移動を可能とするように前記少なくとも1つの第2レールと位置合わせ可能であるように構成される。
【0034】
前記少なくとも2つの第3レールは、該第3レールのそれぞれの中心間の距離が約3m~約15mであるように取り付けられてよい。好適には、中心間の前記距離は約5m~約10mであり、より好適には約6m~約8mである。
【0035】
各縁部レールシステムは少なくとも1組の第4レールを含んでよく、各組は前記少なくとも2本の第3レールに摺動可能に取り付けられた1対の第4レールを含む。第4レールの各対は、複数の分離部材によって離間され、二重レールシステム上で使用するように構成された少なくとも1つの持ち上げ装置を受けるように構成される。
【0036】
好適には、前記第4レール又は各第4レールは、前記第3レールに対して垂直に摺動可能に取り付けられる。好適実施形態では、各縁部レールシステムは、2つの第3のレールを含む。
【0037】
当該モジュール式組立体は、少なくとも2つのそのような縁部レールシステムを含んでよく、各縁部レールシステムは、当該組立体のそれぞれの縁部に隣接して配置される。
【0038】
有利には、少なくとも1つの縁部レールシステムを供することにより、材料を配送ローリー等から当該モジュール式組立体内の必要な位置へより容易かつ効率的に移送することが可能となる。
【0039】
前記第1レール、第2レール、第3レール、及び第4のレールは、好適にはIビームであり、好適には鋼で形成される。
【0040】
当該モジュール式組立体の前記少なくとも1つの第2レール及び/又は前記少なくとも1つの第4レールは、複数の持ち上げ装置を担持してよい。前記持ち上げ装置はクレーンであってよい。
【0041】
前記門型フレームの前記組立済みユニットは、トラス構造から形成されてもよい。
【0042】
当該モジュール式組立体は、端壁を形成して該端壁の端部を閉鎖する複数の端部トラスを含んでよい。各端部トラスは、複数の事前組立端部トラスユニットで形成されてもよい。前記複数の端部トラスは好適には、実質的に垂直に配置され、端部門型フレームの前記屋根用梁に接続される。当該組立体は、隣接する端部トラスを接続するように構成された複数の部材をさらに含んでよい。前記端部トラスは好適には、建設材料など用の入口を提供するように構成される。前記入口は、ファブリックパネルで形成されたドアを含んでよい。あるいは前記入口は、任意の適切な固体材料で形成されたドアによって形成されてもよい。固形ドアは、現場で組み立てられた部材から形成されてもよい。
【0043】
当該モジュール式組立体を構成する前記組立済みユニットは、ローリーで建設現場まで輸送され得る。
【0044】
当該モジュール式組立体は、全体が同じ高さである必要はない。異なる高さの複数の門型フレームが用いられてもよい。
【0045】
前記ファブリックパネルは、保温性布から形成されてもよい。防音材は、前記保温性布に代えて、又は前記保温性布と共に用いられてよい。
【0046】
布地は、間隔を空けて配置される少なくとも2つの層で形成されてもよい。断熱層は、前記保温性布の層の間に設けられてもよい。前記保温性布地の層及び前記断熱層は、連続的に挟まれた材料を形成するようにキルティングされてもよい。
【0047】
前記騒音低減パネルの布地は、間に適切な充填材を有する二重外装で形成されてもよい。
【0048】
有利には、筐体を形成するために保温性布のパネルを提供することによって、組立体内の環境を制御することが可能になる。特に、低い通気性を有する保温性布の使用は、コンクリートを流し込むための最低温度を2℃及び上昇と仮定すると、コンクリートを流し込むことができる一年の割合を、少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%増加させてもよい。この増加は、組立体を直接加熱する必要はなく、単に人、照明および設備が、増加を可能にするために十分な間接加熱を提供する。
【0049】
前記パネルの外側表面は塗装されてもよい。有利には、前記パネルを塗装することによって、当該組立体が環境に溶け込むのを容易にし得る。
【0050】
本発明の第2態様によれば、上述のモジュール式組立体を組み立てる方法が提供される。当該方法は、複数のジャッキアップフレームを位置決めするステップと、複数の組立済みユニットを提供し、かつ前記ジャッキアップフレームを使用して、前記組立済みユニットから各々が2本の柱状体及び屋根用梁を備える複数の門型フレームを同期して組み立てるステップと、少なくとも2つの第1レールを少なくとも1つの屋根用梁に取り付けるステップと、少なくとも1つの第2レールを前記少なくとも2つの第1レールに摺動可能に取り付けるステップと、少なくとも1つの持ち上げ装置を少なくとも1つの第2レールに摺動可能に取り付けるステップと、可撓性材料の複数のパネルを前記門型フレームの頂部に取り付けるステップと、を有する。前記取り付けステップは、前記屋根用梁がそれぞれの柱状体に接続された後、前記柱状体が必要な高さまで構築される前に行われる。
【0051】
好適には前記複数の門型フレームを同期して組み立てるステップは、前記ジャッキアップフレーム内に第1事前組立柱状体ユニットを位置決めするステップと、複数の事前組立屋根用梁ユニットを接続して複数の屋根用梁を形成するステップと、前記の位置決めされた事前組立柱状体ユニットの各々の組にそれぞれの形成された屋根用梁を接続するステップと、前記取付けステップの後、各事前組立柱状体ユニットを同期してジャッキアップして、前記ジャッキアップフレーム内にさらなる事前組立柱状体ユニットを位置決めして接続するステップを含む。理解されるように、各事前組立柱状体ユニットを同期してジャッキアップして、前記ジャッキアップフレーム内にさらなる事前組立柱状体ユニットを位置決めして接続するステップは、前記門型フレームが所望の高さになるまで繰り返される。あるいは、前記屋根用梁が接続される前に、2つ以上の事前組立柱状体ユニットが位置決めされ、かつジャッキアップされてもよい。
【0052】
有利なことに、屋根の高さの部材-たとえば前記第1レール、第2レール、持ち上げ装置、及び事前巻き上げパネル-を取り付けることにより、高所で実施される作業の要件が低減される。これにより、当該モジュール式組立体を組み立てる際の安全性と効率が向上する。
【0053】
好適には当該方法は、前記建設現場に隣接して組み立てられ、その後前記レールに沿って摺動されるような当該モジュール式組立体の移動を可能にするように構成された基礎レールを提供することを含む。前記複数のジャッキアップフレームを位置決めするステップは、前記ジャッキアップフレームを前記基礎レールに沿って転がすステップを含む。
【0054】
本発明の第3態様によれば、構造物の建設中に現場を少なくとも部分的に囲むためのモジュール式組立体の部品のキットが提供される。当該キットは、各々が2本の柱状体と屋根用梁とを含むユニット複数の門型フレームを形成する複数の組立済みユニットと、各門型フレーム用の一対のジャッキアップフレームと、複数の第1レールと、少なくとも1本の第2レールと、可撓性材料製の複数の事前に巻き上げられたパネルを備える。
【0055】
本発明の第4態様によれば、本明細書に記載のモジュール式組立体の使用が提供される。該モジュール式組立体は、構造物の建設のための現場事業所を提供する。
【0056】
一旦すべての機器が当該モジュール式組立体の内部に設置されると、前記すべての機器は天候に対して密閉され、外部との接触を最低限または全くせずに前記構造物の建設を開始することが可能である。現場が密閉されているため、周辺環境への影響評価を行う必要がなく、大きなコスト削減につながる。
【0057】
本明細書で使用する場合、縦方向という用語は、部材又は特徴部分の大きな寸法に沿った方向を意味する。同様に、横方向という用語は、部材又は特徴部分の小さい方の寸法に沿った縦方向に対して垂直な方向を意味する。
【0058】
本明細書に記載されているように、前記屋根用梁は好適には、当該モジュール式組立体の横方向に配置される。本明細書に記載の前記第1レールは-提供される場合には第3のレールも-好適には、当該モジュール式組立体の縦方向に沿って配置される。本明細書に記載の前記前記第2レールは-提供される場合には前記第4レールも-好適には、当該モジュール式組立体の横方向に沿って配置される。しかし理解されるように、前記第1レールは-提供される場合には前記第3レールも-当該モジュール式組立体の横方向に沿って配置されてもよい。本実施形態では、前記第2レールは-提供される場合には前記第4レールも-当該モジュール式組立体の縦方向に沿って配置される。
【0059】
本発明の一態様における任意の特徴は、任意の適切な組み合わせで、本発明の他の態様に適用されてもよい。特に、方法の態様は、装置の態様に適用されてもよく、その逆もまた然りである。さらに、ある局面における任意の、いくつかの、及び/又は、すべての特徴は、任意の適切な組み合わせで、他の局面における任意の、いくつかの、及び/又は、すべての特徴に適用することができる。
【0060】
また、本発明の任意の態様において説明及び定義された様々な特徴の特定の組み合わせは、独立して実施及び/又は供給及び/又は使用することができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本発明は、例としてのみ、添付の図面を参照してさらに説明される。
【0062】
図1】モジュール式組立体の基本骨組みの部材を示す概略分解図である。
図2】時間線Tに沿ったモジュール式組立体のポータルの組立の概略図である。
図3】ジャッキアップフレーム及び架設フレーム、並びに予め組み立てられたユニットで形成されたコラムのユニットを表している。
図4】屋根用梁を形成する予め組み立てられたユニットを表している。
図5】横方向レール及び縦方向レールが、いかにして組立体の2軸に沿った持ち上げ装置の移動を可能にするように配置されるのかを示す概略図である。
図6】簡略化されたレール及び持ち上げ装置の配置の詳細図である。
図7図5に示されるレールのより詳細な斜視図である。
図8】レール及び持ち上げ装置を含む門型フレームを表す概略図である。
図9】屋根用梁の上方に位置する展開された布のロールを表す概略図である。
図10】建設現場を囲む組み立てられたモジュール式組立体を示している。
図11】2つの部品が他からどのように離れることができるかを示す組み立てられたモジュール式組立品を示している。
図12】建設現場がモジュール式組立体によって覆われているときと覆われていないときの建設現場における建設の活動量を比較するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1は、モジュール式組立体100の基本的な骨組みの要素を示す図である。 本明細書で説明するように、モジュール式組立体は、従来の建設現場よりも工場施設に近い環境において、原子力発電所などの構造物を建設するための現場事業所を形成するものである。モジュール式組立体の基本骨組みの部材は、鋼材で作られている。一般的には、複数の構造フレームに対角部材を挿入したトラス構造である。 対角部材は、フレームを安定させるのに役立つ。
【0064】
モジュール式組立体は、複数の門型フレーム102を含む。門型フレームの使用により、中間柱状体に邪魔されない見通しのよい空間を提供できる幅広の囲いを作成することができる。各門型フレームは、2本の柱状体104と屋根用梁106を備える。屋根用梁と柱状体の間の接合部は剛性であり、梁の曲げモーメントを柱に伝達することが可能である。従って屋根用梁は大きな距離に及ぶことができるので、途切れることのない空間を提供することができる。モジュール式組立体は、その長さ方向に平行な一連の門型フレームを含む。通常門型フレームは5~25メートル間隔で配置される。図1に示すモジュール式組立体は、門型フレームが20m間隔で設けられる第1部分107aと、門型フレームが15m間隔で設けられる第2部分107bとを有する。門型フレームは、モジュール式組立体100の骨格を形成している。完成した組立体の各端部には、多数の端部トラス108が設けられている。各端部トラス108は、モジュール式組立体の全高を延ばす。各端部トラス108は、0.5m~2mの幅を有する。一旦組み立てられるとモジュール式組立体を完全に包むことになる布製の外装又は覆い110が提供される。覆いは、複数の個別パネルを含む。パネルは、布が広げられる前に屋根用梁の上部に配置される布のロールの形態で提供される。ロールのサイズは、必要な布の長さによって決定され、それはモジュール式組立体の高さと幅に依存することになる。
【0065】
好適実施形態では、モジュール式組立体はスキッドレール112上に構築され、モジュール式組立体の各側は2つのスキッドレールで支持されている。これにより、モジュール式組立体が現場の上に直接建設されない場合、組み立てた後に移動させることができる。これは、構造物が例えば原子炉である場合が考えられ得る。この場合、スキッドレールは、組立済みユニットが現場に搬入される前又は組み立てが行われる前に敷設される。
【0066】
モジュール式組立体のすべての部材は、組立済みユニットとして供給され、個別の部品として建設現場に持ち込まれる。これらの組み立て済みユニットは、ローリーで現場に搬入できる大きさである。一般的には、16m×4m×4m程度の大きさである。現場に搬入された組立済みユニットは、ボルトなどで連結され、モジュール式組立体の柱状体と屋根用梁を形成する。
【0067】
組み立てられた門型フレームの大きさは、モジュール式組立体内に建設される構造物の大きさに依存する。典型的には、高さは60m程度、幅は120m程度、長さは200m程度である。しかし、本発明はこのような寸法に限定されない。
【0068】
図2は、モジュール式組立体の1つの門型フレームがどのように構築されるかを示すタイムラインを表す。理解されるように、図2は、時間とともに形成される1つの門型フレームのみを示すが、この手順は、すべての門型フレームに対して実質的に同時に実施される。上記で説明したように、組立品は個々の組立済みユニットで現場に搬入され、現場で組立品が構築される。
【0069】
モジュール式組立体の基礎は、現場の特定の地盤条件に合わせて設計された2つのストリップ基礎から構成されている。ストリップ基礎は、ボギー台車に取り付けられたジャッキアップタワー204が配置される一対のレール202を含む。ジャッキアップタワー204と台車は、予め組み立てられたユニットで構成されている。基礎レールは、レールの方向へのモジュール式組立体の移動を可能にするように構成されている。ジャッキアップタワーは、地上において事前に組み立てられるか、又は、事前に組み立てられてから搬入される。
【0070】
各門型フレーム102は、2本の柱状体104と屋根用梁106を備える。各門型フレームの柱状体104の構築は、同時かつ組立体の屋根が実質的に水平を保つように同期されながら構築される。各柱状体は、複数の組立済みユニット206を含む。各組立済みユニット206は、上述したようなトラス構造からなる。最下部の、図示のように、組立済みユニット206は、台車によって正しい位置に配置され、架設フレーム208を形成する。しかし理解されるように、門型フレームが完全に形成されると、組立済みユニット206は、柱状体104と屋根用梁106との間の接合部を形成するので、柱状体の最上部の組立済みユニットとなる。その後、ジャッキアップタワー204は、他の組立済み柱状体ユニットを追加することによって、柱状体104を必要な高さに構築するのに用いられる。架設フレーム208は、門型フレームの一部であり、終始所定の位置に留まる。
【0071】
図3は、ジャッキアップタワー204と架設フレーム208をより詳細に示す模式図である。
【0072】
各組立済みユニット206が柱状体104に加えられると、その組立済みユニット206は外され、連結棒が各門型フレーム102の間に接続される。連結棒は、安定性のためにのみ提供され、耐荷重構造の一部を形成しない。追加の対角筋交い部材が、壁の平面と屋根の平面との両方において、門型フレーム間に設けられることで、側面負荷-たとえば風による負荷-に耐えるようにモジュール式組立体に十分な剛性を付与する。
【0073】
柱がある高さに達すると、屋根用梁106が組み立てられてよい。例えば屋根用梁は、各柱状体の第1組立済みユニットが所定位置に設けられて架設フレームに接続された後に、組み立てられて、対応する柱に接続されてもよい。屋根用梁は、複数の組立済みユニット210から低い高さで組み立てられる。図4は、屋根用梁106と、屋根用梁を形成する組立済みユニット210とを示す図である。各組立済みユニット210は、上述したようなトラス構造を含む。これらの組立済みトラス構造ユニットは、梁が柱状体の上部の所定の位置に持ち上げられる前に、屋根用梁を形成するために互いにボルトで固定される。屋根用梁はクレーンで柱状体の上に吊り上げられる。屋根に設置されるすべての機器は、地上から移動式クレーンで設置される。照明を含むすべての機器は、柱状体がジャッキアップされる前に設置される。
【0074】
少なくとも2本の縦方向(第1)レール502は、柱状体が全高まで建設される前に、屋根用梁106の下にボルトで留められるか、さもなければ固定される。図に示す例、特に図5では、モジュール式組立体の第1部分は、7つのそのような主要縦方向レールを備えていることが示されている。縦方向レールは、複数の門型フレーム間にまたがり、モジュール式組立体の第1部分の長さにまで及ぶ。各縦方向レールは、屋根用梁によって支持されている。この具体例では、縦方向レールの中心間の距離は約15mであるが、吊り上げ要件に応じて15m以外の距離でもよい。
【0075】
少なくとも1つの横方向(第2)レール504は、ボギー台車600によって少なくとも2つの主縦方向レール502に摺動可能に取り付けられている。横方向レールは、縦方向レールに対して実質的に垂直になるように摺動可能に取り付けられている。好適実施例では、図示されるように、横方向レールは、対で提供されて離間部材によって離間される。一組を構成する横方向レール同士は、約3m離れている。図に示す実施形態では、特に図5において、モジュール式組立体の第1部分は、4つのそのような組の横方向レールを備えていることが示されている。横方向レールの各組は、1つ以上の持ち上げ装置を支持するように構成されている。これについては、以下でより詳細に説明する。しかし図6に示されているように、2つのボギー台車600によって縦方向レール502に摺動可能に接続され、そこに摺動可能に接続された持ち上げ装置602を有する単一の横方向レール504を設けてもよい。このような簡易版のレール及び持ち上げ装置システムは、持ち上げ荷重が相対的に小さい場合に使用することができる。
【0076】
縦方向レールと横方向レールの両方、そして実際に持ち上げ装置、さらに屋根用梁に接続される照明などの他の部材は、柱状体が全高にジャッキアップされる前に追加される。屋根に対する縦方向レールと横方向レールの組み立ては、図5に最もよくあらわされている。図5は、少なくとも1つの横方向レール及び少なくとも2つの縦方向レールが、組立体の2つの軸に沿った持ち上げ装置の移動を可能にするように配置されている様子を示す、モジュール式組立体の概略斜視図である。
【0077】
図5から見て取れるように、2つの縁部レールシステムが、モジュール式組立体のそれぞれの縦方向縁部に沿って提供される。図7は、縁部レールシステム700をより詳細に示している。各縁部レールシステム700は、屋根用梁に接続され、上述の主縦方向レールと同様の方法で配置された2つの縦方向縁部(第3)レール702及び704を含む。各縁部レールシステム700はまた、縦方向縁部レール702、704に摺動可能に取り付けられた少なくとも1つの横方向縁部(第4)レール706をも含む。好適実施例では、図に示すように、横方向縁部レール702及び704は対で供され、離間部材708によって離間される。1つの組を構成する横方向縁部レールは、約3m離間している。図示された実施形態では、特に図5において、モジュール組立体の第1部分は、各縁部レールシステム上に配置された4対のこのような横方向縁部レールを備えていることが示されている。横方向レールの各組は、1つ以上の持ち上げ装置を支持するように構成されている。縁部レールシステムは、システムが縦方向縁部レール702及び704に沿って移動することを可能にするボギー台車710を含む。持ち上げ装置は、レール706、504の下側のボギー台車712によって、システムのレール502、702、704の下方で運ばれる。
【0078】
上述したように、主縦方向レール502は、屋根用梁の下方に配置され、屋根用梁によって支持されている。横方向レール504は、主縦方向レールの下方に配置され、主縦方向レールに摺動可能に取り付けられている。横方向レールは、オーバーヘッドボギー台車によって縦方向レール上に取り付けられる。これにより、横方向レールが縦方向レールに沿って、ひいてはモジュール式組立体の長さに沿って走行することができる。持ち上げ装置は、横方向レールの下側にある台車によって横方向レールに接するように取り付けられている。これにより、昇降装置は、横方向レールの下側に沿って、つまりはモジュール式組立体の幅を横切って走行することができる。縦方向レールと横方向レールの配置により、持ち上げ装置は必要に応じてモジュール式組立体の上下に移動することができる。これにより、持ち上げ装置を必要な場所に正確に移動させることができる。複数の持ち上げ装置を、建設現場のホットスポットに移動させることができる。持ち上げ装置は、筐体の中で邪魔になることはない。
【0079】
精密な建設を可能にするために、モジュール式組立体と比較した、持ち上げ装置と持ち上げフックの相対位置を決定する手段が提供される。持ち上げ装置と持ち上げフックの相対位置を決定する手段は、複数のセンサを備える。前記複数のセンサは、横方向レールを支持する縦方向レールに対する、持ち上げ装置を支持する横方向レールの位置、及び、持ち上げ装置を支持する横方向レールに対する持ち上げ装置の位置をそれぞれ決定するように構成される。持ち上げ装置の相対位置を決定する手段は、持ち上げ装置に対する前記持ち上げ装置の持ち上げフックの相対位置を決定する手段をさらに備える。
【0080】
持ち上げ装置はクレーンであってもよい。クレーンは、上述したように、モジュール式組立体の幅及び長さに沿って移動することができる。
【0081】
上述したように、図7は、図5のより詳細な図である。一旦モジュール式組立体の初期の枠組みが組み立てられ、縦方向のレールと横方向のレールが屋根用梁に接続されると、クレーンは、横方向のレール504の上に持ち上げられる。その時初めて、柱状体104は完全な高さまでジャッキアップされる。上述したように、縁部レールシステム700は、現場の側部に設けられる。クレーンは、現場に搬入され、現場の側面のアクセス道路を越えて縁部レールシステムに沿って走行する。縁部レールシステム700は、持ち上げ装置が移載される横行レールに到達するまで、組立体に沿って移動する。その後、縁部レールシステムのレールは、横方向レールと位置合わせされる。レール504とレール706が互いに位置合わせされると、持ち上げ装置は、横方向レール504上に移されることができる。持ち上げ装置の数は、フック提供の密度が建設活動の量を反映することができるような数である。使用中、持ち上げ装置は、必要に応じて、縁部レールシステムから主横方向レールへ、及び、主横方向レールから縁部レールシステムへ移送され得る。例えば縁部レールシステムは、アクセス道路に沿って配置されたローリーから主要な建設現場へ搬入された部材を移送するために用いられ得る。さらに、縁部レールシステムは、一の組の主横方向レールから他の組の主横方向レールへ持ち上げ装置を移し、任意の1箇所における持ち上げ密度を高め、あるいは任意の1箇所における持ち上げ能力を増加させるのに用いられ得る。
【0082】
屋根が全高にジャッキアップされる前に、図9に示すように、布製ロール900も屋根の上側に設置される。ロールは巻かれた状態で設置される。ロールは、任意の適切な手段によって屋根用梁106の上側に固定される。各ロールは、個々の布製パネルを提供する。ロールは、ルーフの中央に対で配置されている。複数のロールは、モジュール式組立体の長さに沿って提供される。各ロールの幅は、門型フレームの第1端から隣接する門型フレームの第1端までの距離と実質的に同じであってもよい。しかし、これは必須ではなく、幅はこれより大きくてもよいし、小さくてもよい。必要なのは、ロールパネルの幅がモジュール組立体の長さを網羅するのに十分であることである。ロールを広げるとき、一方のロールは骨組みの片側に、他方のロールは骨組みの反対側に広げられる。モジュール式組立体の両端には、組立体の両端に広げられることで組立体を完全に囲うように配置されたさらなるロールが設けられている。
【0083】
布製ロールが配置される前に、連結棒が、安定性と支持性を確保するために各屋根用梁の間で固定される。
【0084】
屋根用梁106の上側に位置する布製ロール900は、モジュール式組立体が組み立てられて所定の位置にロックされ、持ち上げ装置などの機器が内部に設置されると、組立体のいずれかの側を下にして広げられる。ロール状の布地は、ローリーで現場に搬入することができる。
【0085】
布製ロールに使用される生地は、ロール状で供給できるような可撓性が必要である。ロールの巻回がほどかれると、布製パネルは、モジュール組立体の屋根と壁を形成するように広がる。布地は組立体の側面で落下して広がることで、モジュール式組立体を密閉する。パネルは締め付けされ、かつ、緩められる。門型フレームに直接隣接するように現場事業所を設置することも可能である。この場合、布地を広げてこれらを覆うことができる。このような実施形態では、現場事業所を通してモジュール式組立体の内部へ直接アクセスすることができる。この場合、ロールの長さを長くして、網羅される追加の表面積を調節される。
【0086】
布地は、モジュール式組立体内の温度を調節するのに必要な熱的性質を有していてもよい。可能な布地は、PVCコーティングされたポリエステルであり得る。しかし当業者であれば、任意の適切な材料が使用され得ることを理解するであろう。本発明は、上述した材料に限定されない。各現場の特定の要件に応じて、異なる環境に対して異なる布地を使用してもよい。例えば、騒音衝撃を大幅に低減するために、より頑丈な保護が必要とされる場合があり、追加の遮蔽が提供される場合が考えられる。騒音の影響を軽減するために、生地は複合材料で構成され、あるいは適切な充填材を挟んだ二重外装で形成されたりすることがある。
【0087】
また、現場事業所の囲い内部の湿度を管理することも重要である。そのために、ヒーターや除湿機などの機器が囲いに導入されてもよい。
【0088】
組立体の門型フレームが全高までジャッキアップされると、端部トラス108が組立体のいずれかの端部にボルト留めされるか、または他の方法で接続される。端部トラスは、組立体の各端部に位置する門型フレームに接続され、布製パネル(図示せず)で形成された少なくとも1つの出入り口を備える。端部トラスが設置されると、組立体の端部壁を覆うように配置された布製ロールが広げられ、所定位置に固定される。
【0089】
図には、2つの異なる高さの門型フレームが示されていることに留意されたい。従って、モジュール式組立体全体が同じ高さであることは必須ではない。図10は、2つの異なる高さの部分を含む組立てられたモジュール式組立体を表している。このような組立品は、例えば原子炉と冷却タービンのように、2つの異なる高さの構造物がモジュール式組立品内に構築される場合に使用され得る。当業者は、これらは本発明の特徴でないことを理解するであろう。本発明のモジュール式組立体は、内部に建設される構造物の種類によって制限されない。モジュール式組立体が全体として同じ高さであってもよいことは、当業者には理解されるだろう。本願は、特に原子力発電所の建設地への適用を想定して設計された。しかし当業者であれば、このような建設現場に限定されない構造物であることを理解するであろう。
【0090】
図示された例では、モジュール式組立体は2つの部分で構築される。前記2つの部分とは、主要な建設現場の第1端部から離れて配置される第1部分と、建設現場の第2端部から離れて配置される部分である。モジュール式組立体の各部分が完成すると、各部分は建設現場上の所定の位置に移動されることで、(図10に示すように)完全な囲いを形成する。
【0091】
使用中、モジュール式組立体は建設現場の環境を保護する。建設工事は、外的要因の影響を大幅に軽減させる密閉組立体の空間内で行うことができる。同様に、建設活動も外部環境への影響を低減させるだろう。
【0092】
建設工事の生産性を決定する重要な要素は資材の処理であり、上述のように、本モジュール式組立体は、その資材の処理を可能にする複数の持ち上げ装置を備えている。各持ち上げ装置は、組立体内のどの位置にも設置できるような20トンのフックを有する。このような「一群」の20トンフックを使用することで、モジュール式組立体内の任意の位置での持ち上げ能力は大幅に向上し得る。本実施例では、最大170トンまでの個々の持ち上げが可能となる。
【0093】
建設資材は、モジュール式組立体の端部に設けられた備蓄及び処理領域に供給される。 その後、資材はこれらの領域から、例えば上述したような縁部レールシステムを使用して移送される。
【0094】
これまで説明したように、図示された実施例のモジュール式組立体は、スキッドレール上で構築されている。上述したように、これにより、モジュール式組立体の建設は、実際の建設現場の領域に隣接して行うことが可能となる。またこの特徴により、モジュール式組立体を分割することも可能となる。モジュール式組立体を分割することにより、特に重い、あるいは大きな機器を組立品に入れることができる側面開口部が提供される。その後組立体は再び摺動して開口部を閉じることができる。また組立体をレールに沿って戻すように摺動させて、完成した構造物からモジュール式組立体を分解することもできる。
【0095】
図12は、建設現場がモジュール式組立品で覆われている場合と、従来の野外の建設現場での建設活動の量を比較したグラフである。
【0096】
建設現場がモジュール式組立体で覆われている場合、行われ得る活動量はかなり一定していることがわかる。これは、外的要因が活動量に与える影響が小さいためである。活動量が大きく変化する従来のむき出しの建設に比べ、現場事業所である本モジュール式組立体は大きな利点を供する。建設活動量が大きく変化するのは、悪天候や利用可能な光量などの要因によるものと考えられる。活動量を一定にすることで、工事にかかり得る時間についてのより良いフォワードプランニングが可能となり、建設時間が短縮され、コストが削減される。また活動量を一定にすることで、建設現場の部材をいつ搬入する必要があるのかをより効率的に計画することも可能となる。
【0097】
モジュール式組立体は、構造物の建設期間中も設置されたままである。これは数年に及ぶかもしれないが、モジュール式組立体の外で建設が行われた場合よりも大幅に短縮される。建設が終わると、モジュール式組立体は解体される。解体されたユニットは、ローリーで現場から運び出すことができる。解体されたユニットは、別の現場で使用され得る。
【0098】
本発明の範囲は、上述した実施形態に限定されないことは、当業者には理解されよう。 この明細書での記載は、本発明を開示し、かつ、当業者が本発明を実施することを可能にするために実施例を用いている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2022-10-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の建設中に現場を少なくとも部分的に囲むためのモジュール式組立体であって、
各々が2つの柱状体と屋根用梁を含む複数の門型フレームであって、前記柱状体と屋根用梁の各々は複数の組立済みユニットを含む、複数の門型フレームと、
各柱状体用のジャッキアップフレームと、
各々が前記屋根用梁のうちの少なくとも1つに取り付けられる少なくとも2つの第1レールと、
該少なくとも2つの第1レールに摺動可能に取り付けられる少なくとも1つの第2レールと、
前記現場を完全に囲って前記屋根用梁の上方に取り付けられるように構成される複数の可撓性材料製パネルを備え、
前記第2レール又は前記第2レールの各々は、少なくとも1つの持ち上げ装置を摺動可能に受けるように構成され、
前記組立済みユニットは、現場で接続されるように構成され、かつ前記ジャッキアップフレームを用いて持ち上げられることで、前記門型フレームを構成し、
前記第1レールの各々及び前記第2レール又は前記第2レールの各々は、現場で前記門型フレームに取り付けられるように構成される、
モジュール式組立体。
【請求項2】
請求項1に記載のモジュール式組立体であって、前記第1レールの各々は、複数の屋根用梁に取り付けられる、モジュール式組立体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のモジュール式組立体であって、前記少なくとも2つの第1レールは、前記第1レールのそれぞれの中心間の距離が約10m~約20mであるように取り付けられる、モジュール式組立体。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のモジュール式組立体であって、各々が前記少なくとも2つの第1レールに摺動可能に取り付けられる1対の第2レールを含む少なくとも1組の第2レールを備え、
第2レールの各対は、複数の分離部材によって離間され、二重レールシステム上で使用するように構成された少なくとも1つの持ち上げ装置を受けるように構成されている、
モジュール式組立体。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のモジュール式組立体であって、該組立体の移動を可能にするように構成された複数の基礎レールをさらに含む、モジュール式組立体。
【請求項6】
請求項5に記載のモジュール式組立体であって、前記門型フレームの各々は、各々が前記複数の基礎レールのうちの1つの上で摺動可能に取り付けられるボギー台車によって運ばれる、モジュール式組立体。
【請求項7】
請求項に記載のモジュール式組立体であって、2つの部分を含み、
前記2つの部分の各部分は複数の門型フレームを含み、
前記2つの部分の各部分は一度組み立てられた部分を分割できるように前記基礎レール上で独立して摺動可能である、
モジュール式組立体。
【請求項8】
請求項1又は2に記載のモジュール式組立体であって、当該モジュール式組立体の端部に隣接して取り付けられる少なくとも1つの縁部レールシステムをさらに備え、前記縁部レールシステム又は前記縁部レールシステムの各々は、
各々が前記屋根用梁の少なくとも1つに取り付けられている少なくとも2つの第3レールと、
該少なくとも2つの第3レールに摺動可能に取り付けられて縁部レールシステムを形成し、少なくとも1つの持ち上げ装置を摺動可能に受けるように構成された少なくとも1つの第4レールと、
前記少なくとも1つの第4レールは、前記少なくとも1つの第2レールと前記少なくとも1つの第4レールとの間での持ち上げ装置の移動を可能とするように前記少なくとも1つの第2レールと位置合わせ可能であるように構成される、
モジュール式組立体。
【請求項9】
請求項8に記載のモジュール式組立体であって、少なくとも2つの前記縁部レールシステムを含み、前記縁部レールシステムの各々は、当該組立体のそれぞれの縁部に隣接して配置される、モジュール式組立体。
【請求項10】
請求項1又は2に記載のモジュール式組立体であって、前記少なくとも1つの第2レールに摺動可能に取り付けられた少なくとも1つの持ち上げ装置をさらに備える、モジュール式組立体。
【請求項11】
請求項1又は2に記載のモジュール式組立体であって、前記門型フレームの前記組立済みユニットはトラスで構成される、モジュール式組立体。
【請求項12】
請求項1又は2に記載のモジュール式組立体であって、複数の端部トラスをさらに含む、モジュール式組立体。
【請求項13】
請求項1又は2に記載のモジュール式組立体であって、前記複数の門型フレームは少なくとも2つの異なる高さである、モジュール式組立体。
【請求項14】
請求項1又は2に記載のモジュール式組立体であって、前記パネルが熱伝導性の布で形成される、モジュール式組立体。
【請求項15】
請求項14のいずれかに記載のモジュール式組立体であって、前記熱伝導性布はPVCコーティングされたポリエステルである、モジュール式組立体。
【請求項16】
請求項1又は2に記載のモジュール式組立体であって、防音材のパネルをさらに含む、モジュール式組立体。
【請求項17】
請求項1又は2に記載のモジュール式組立体を組み立てる方法であって、
複数のジャッキアップフレームを位置決めするステップと、
複数の組立済みユニットを提供し、かつ前記ジャッキアップフレームを使用して、前記組立済みユニットから各々が2本の柱状体及び屋根用梁を備える複数の門型フレームを同期して組み立てるステップと、
少なくとも2つの第1レールを少なくとも1つの屋根用梁に取り付けるステップと、
少なくとも1つの第2レールを前記少なくとも2つの第1レールに摺動可能に取り付けるステップと、
少なくとも1つの持ち上げ装置を少なくとも1つの第2レールに摺動可能に取り付けるステップと、
可撓性材料の複数の巻き上げパネルを前記門型フレームの頂部に取り付けるステップと、
を有し、
前記取り付けステップは、前記屋根用梁がそれぞれの柱状体に接続された後、前記柱状体が必要な高さまで構築される前に行われる。
方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、当該モジュール式組立体の移動を可能にするように構成された基礎レールを提供するステップを含み、
当該モジュール式組立体は、前記建設現場に隣接して組み立てられ、その後前記レールに沿って摺動され、
前記複数のジャッキアップフレームを位置決めするステップは、前記ジャッキアップフレームを前記基礎レールに沿って転がすステップを含む、
方法。
【請求項19】
構造物の建設中に現場を少なくとも部分的に囲むためのモジュール式組立体の部品のキットであって、
各々が2本の柱状体と屋根用梁とを含むユニット複数の門型フレームを形成する複数の組立済みユニットと、
前記複数の門型フレームの各々用の一対のジャッキアップフレームと、
複数の第1レールと、
少なくとも1本の第2レールと、
可撓性材料製の複数の事前に巻き上げられたパネル、
を備えるキット。
【請求項20】
構造物を建設するための現地事業所を提供する請求項1又は2に記載のモジュール式組立体の使用。
【国際調査報告】