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特表2023-513563様々な植物に抵抗性を誘導するバシラスサチリスJCK-1398菌株、これを用いたマツ材線虫病防除用組成物及び防除方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-31
(54)【発明の名称】様々な植物に抵抗性を誘導するバシラスサチリスJCK-1398菌株、これを用いたマツ材線虫病防除用組成物及び防除方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/20 20060101AFI20230324BHJP
   A01P 21/00 20060101ALI20230324BHJP
   A01N 63/22 20200101ALI20230324BHJP
   A01N 43/653 20060101ALI20230324BHJP
   C12N 15/31 20060101ALI20230324BHJP
   C12N 15/61 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
C12N1/20 A
A01P21/00 ZNA
A01N63/22
A01N43/653 C
C12N1/20 E
C12N15/31
C12N15/61
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548597
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(85)【翻訳文提出日】2022-10-05
(86)【国際出願番号】 KR2020018113
(87)【国際公開番号】W WO2021162226
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】10-2020-0017232
(32)【優先日】2020-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】308026861
【氏名又は名称】インダストリー ファウンデーション オブ チョンナム ナショナル ユニバーシティー
(71)【出願人】
【識別番号】519183896
【氏名又は名称】ナショナル インスティテュート オブ フォレスト サイエンス
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL INSTITUTE OF FOREST SCIENCE
【住所又は居所原語表記】57, Hoegiro, Dongdaemun-gu, Seoul 02455 Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】513281404
【氏名又は名称】プサン ナショナル ユニバーシティ インダストリー-ユニバーシティ コーポレーション ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジン-チョル
(72)【発明者】
【氏名】パク,エ ラン
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ヒ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】スン,ミン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,セ-イン
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ヨン-ス
(72)【発明者】
【氏名】キム,ナム ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュン ホン
(72)【発明者】
【氏名】リ,サン-ヒョン
【テーマコード(参考)】
4B065
4H011
【Fターム(参考)】
4B065AA19X
4B065AC20
4B065CA47
4H011AB03
4H011BA06
4H011BB09
4H011BB21
(57)【要約】
【課題】 松及び様々な植物に誘導抵抗性活性を有するバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株(受託番号KCTC 14084BP)及びこれを有効成分として含む殺虫剤又は抗菌剤組成物、植物病又は害虫防除用組成物及びこれを用いた防除方法を提供する。
【解決手段】本発明のバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株は、奇主に抵抗性を誘導することによって、様々な植物病原因害虫、線虫及び菌に対する防除活性を有することを実験的に確認した。したがって、本発明のバシラスサチリスJCK-1398菌株は、関連植物病防除用途に有用に用いることができ、葉面散布による広範囲地域散布が可能なので、低コストでマツ材線虫病の拡散を防止できることが期待される。
【選択図】 図7C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病害虫に対する植物の誘導抵抗性(induced resistance)を活性化する受託番号KCTC 14084BPのバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株。
【請求項2】
前記菌株は、配列番号33のgyrA塩基配列を含む、請求項1に記載の菌株。
【請求項3】
前記菌株は、マツ材線虫病、唐辛子細菌性斑点病、芝ダラースポット病及びトマトサビダニからなる群から選ばれる1種以上の植物病又は害虫に対する防除効果を示す、請求項1に記載の菌株。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項の菌株、該菌株の培養物、該培養物の濃縮物、該培養物の乾燥物及び前記菌株の培養上澄液からなる群から選ばれる1種以上を含む殺虫剤又は抗菌剤組成物。
【請求項5】
前記組成物は、マツ材線虫(Bursaphelenchus xylophilus)及びトマトサビダニ(Aculops lycopersici)からなる群から選ばれる1種以上に対する殺虫活性を示す、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物は、キサントモナスユーベシカトリア(Xanthomonas euvesicatoria)及びスクレロチニアホモエオカルパ(Sclerotinia homoeocarpa)からなる群から選ばれる1種以上に対する坑菌活性を示す、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか一項の菌株、該菌株の培養物、該培養物の濃縮物、該培養物の乾燥物及び前記菌株の培養上澄液からなる群から選ばれる1種以上を含む植物病又は害虫防除用組成物。
【請求項8】
前記植物病又は害虫は、マツ材線虫病、唐辛子細菌性斑点病、芝ダラースポット病及びトマトサビダニからなる群から選ばれる、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は、合成農薬との合剤用に使用される、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記合成農薬は、テブコナゾール(tebuconazole)である、請求項8に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大韓民国山林庁の支援下で課題番号FE0702-2016-02によってなされたものであり、当該課題の研究管理専門機関は国立山林科学院、研究事業名は「用役研究事業」、研究課題名は「誘導抵抗性を用いた環境親和的マツ材線虫病防除剤開発及び検定」、主管機関はジョンナム大学校産学協力団、研究期間は2019.04.19~2019.11.29である。
【0002】
本特許出願は、2020年2月12日に大韓民国特許庁に提出された大韓民国特許出願第10-2020-0017232号に対して優先権を主張し、当該特許出願の開示事項は本明細書に参照によって組み込まれる。
【0003】
本発明は、松及び様々な植物において抵抗性を誘導するバシラスサチリスJCK-1398菌株、これを用いた植物病防除用組成物及び防除方法に関する。
【背景技術】
【0004】
マツ材線虫(Bursaphelenchus xylophilus)によるマツ材線虫病は、韓国内及び海外において松に深刻な被害を誘発しており、近年、気候変化による山林生態系環境の変化に伴って複雑な様相を示しながら急速に広がっている。
【0005】
マツ材線虫病の主要原因としてはマツ材線虫が知られてきており、奇主、病源体、媒介虫、環境要因間の複雑な相互作用によって松を枯死させる、防除し難い山林病害虫であり、一旦感染すると治療されず、ほぼ全ての松が枯死してしまう。
【0006】
このようなマツ材線虫病の防除のために様々な方法が提示されているが、予防方法は、樹幹注入による防除方法がほぼ唯一である。しかし、樹幹注入用に多用されているアバメクチン(abamectin)及びエマメクチン安息香酸塩(Emamectin benzoate)は、薬効持続期間が2年と短く、注入時期も限定的であり、日本のグリーンガードは高価であって、汎用適用に限界がある。
【0007】
また、樹幹注入は、薬剤価格の問題の他、広範囲な地域の予防に不向きであるという問題もあり、高い山岳地帯にある松林には接近し難いため、効果的な方法と言えない。その上、Kuroda及びKenmochi(Pine Wilt Disease Conference,IUFRO,2016)は、マツ材線虫病を防除するための殺線虫剤の反復した樹幹注入が却って、感染していない松を殺す原因を提供すると警告した。
【0008】
このため、土壌灌注又は葉面散布などを用いた、広範囲の地域を効果的に防除できる環境にやさしい薬剤の開発が至急な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者らは、松及び様々な植物において抵抗性を誘導する微生物製剤を開発しようとした。その結果、本発明の新規なバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株に、マツ材線虫病の原因線虫を含む様々な植物病源体に対する防除効果があり、この効果がこの菌株の抵抗性誘導活性に起因することを究明し、本発明を完成するに至った。
【0010】
したがって、本発明の目的は、病害虫に対する植物の誘導抵抗性(induced resistance)を活性化する受託番号KCTC 14084BPのバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、バシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株、該菌株の培養物、該培養物の濃縮物、該培養物の乾燥物、前記菌株の培養上澄液及びこれらの組合せからなる群から選ばれる1種以上を有効成分として含む殺虫剤又は抗菌剤組成物を提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、バシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株、該菌株の培養物、該培養物の濃縮物、該培養物の乾燥物、前記菌株の培養上澄液及びこれらの組合せからなる群から選ばれる1種以上を有効成分として含む植物病又は害虫防除用組成物を提供することである。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、バシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株、前記菌株の培養物、該培養物の濃縮物、該培養物の乾燥物、前記菌株の培養上澄液及びこれらの組合せからなる群から選ばれる1種以上を用いた植物病又は害虫防除方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、松及び様々な植物において抵抗性を誘導する微生物製剤を開発しようとした。その結果、本発明の新規なバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株に、マツ材線虫を含む様々な植物病原因線虫及び菌に対する誘導抵抗性活性があることを究明した。
【0015】
本発明は、病害虫に対する植物の誘導抵抗性(induced resistance)を活性化する受託番号KCTC 14084BPのバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株、該菌株の培養物などを有効成分として含む殺虫剤又は抗菌剤組成物、及び植物病又は害虫防除用組成物に関する。
【0016】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0017】
本発明の一態様は、受託番号KCTC 14084BPのバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株に関する。
【0018】
前記菌株は、配列番号33のgyrA塩基配列を含むことを特徴とする。
【0019】
前記配列番号33の塩基配列は、公知菌株であるCP021892と99%の相同性を有し、両菌株間に1%の相違性が認められ、新規な菌株として判明された。
【0020】
前記バシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株のgyrA(Gyrase A subunit)塩基配列は、GenBankデータベースとNCBIデータベースのBlast検索によって確認された。
【0021】
前記得られた新規な菌株をバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株と命名し、2019年12月19日付で生物資源センター(Korean Collection for Type Cultures)に寄託し、受託番号KCTC 14084BPを受け取った。
【0022】
前記バシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株は、トマト植物体から分離及び同定して得ることができ、該菌株の菌体性状は次の通りである:
【0023】
棒状の円筒形桿菌で、鞭毛があって活発に運動し、菌体の中央に円形又は卵円形の芽胞(spore)を形成する。通常の培養器でもよく発育し、灰白色の大きな群集を形成し、その周囲は放射状をなす。芽胞を有するので、乾燥や高温に対する抵抗力がきわめて強く、菌体は、グリコーゲンを含有するグラム陽性菌であって、多数の炭水化物を分解して酸を生成する。D-グルコース、L-アラビノース、スクロースなどの炭素源をエネルギ源として使用する。
【0024】
本発明の一実施例によれば、前記バシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株の誘導抵抗性活性を、松及び様々な植物体を用いた実験から確認した(図3図9)。
【0025】
前記バシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株は、誘導抵抗性(induced resistance)活性により、病害虫防除活性を有する。
【0026】
前記バシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株は、植物病原性線虫、害虫、又は植物病原性細菌及び真菌(かび)が誘発する植物病又は害虫防除活性を有する。
【0027】
前記線虫は、マツ材線虫(Bursaphelenchus xylophilus)であってよいが、これに限定されるものではない。
【0028】
前記害虫は、トマトサビダニ(Aculops lycopersici)であってよいが、これに限定されるものではない。
【0029】
前記細菌及び真菌は、キサントモナスユーベシカトリア(Xanthomonas euvesicatoria)及び/又はスクレロチニアホモエオカルパ(Sclerotinia homoeocarpa)であってよいが、これに限定されるものではない。
【0030】
前記植物病は、マツ材線虫病、唐辛子細菌性斑点病及び/又は芝ダラースポット病であってあってよいが、これに限定されるものではない。
【0031】
したがって、本発明のバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株は、奇主に抵抗性を誘導して植物病原性線虫、細菌、真菌、害虫の生長を阻害する活性によって植物病防除活性を有する。
【0032】
また、前記バシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株は、既存の誘導抵抗性物質との合剤処理時に上昇効果を誘発し、環境親和的に植物病を防除するために使用可能である。
【0033】
前記バシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株との合剤に使用する誘導抵抗性物質は、アシベンゾラル-エス-メチル(Acibenzolar-S-methyl,ASM)及び/又はサリチル酸メチル(Methyl salicylate,MeSA)であってよいが、これに限定されるものではない。
【0034】
また、前記バシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株は、既存合成殺菌剤(合成農薬)との合剤処理時に、上昇効果を誘発して常用濃度以下の合成農薬使用時にも、常用濃度使用と類似のレベル又はそれ以上の植物病防除効果を有する。したがって、合成殺菌剤の常用濃度使用量を減らすと同時に、環境親和的に植物病を防除するために使用可能である。
【0035】
前記バシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株との合剤に使用する合成農薬は、テブコナゾール(tebuconazole)、イプロジオン(iprodione)、フルジオキソニル(fludioxonil)、ベノミル(benomyl)及び/又はジフェノコナゾール(difenoconazole)であってよいが、これに限定されるものではない。
【0036】
本発明の他の態様は、受託番号KCTC 14084BPのバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株、該菌株の培養物、該培養物の濃縮物、該培養物の乾燥物、前記菌株の培養上澄液及びこれらの組合せからなる群から選ばれる1種以上を含む殺虫剤又は抗菌剤組成物に関する。
【0037】
したがって、本発明は、バシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株、該菌株の培養物、該培養物の濃縮物、該培養物の乾燥物、前記菌株の培養上澄液及びこれらの組合せからなる群から選ばれる1種以上を含む殺虫剤又は抗菌剤微生物製剤を提供することができ、該微生物製剤を処理することによって殺虫又は坑菌方法を提供することができる。
【0038】
前記微生物製剤は、通常の方法で剤形化でき、乾燥粉末又は液状肥料の形態で製造できる。具体的に、本発明に係る微生物製剤は、液状の形態で製造されてよく、そこに増量剤を添加して粉末の形態で使用してもよく、それを剤形化して顆粒化させてもよい。ただし、その剤形に特に限定されない。
【0039】
本発明において、前記微生物製剤は、菌株又はその培養物に添加剤、増量剤、栄養剤などの付加剤を添加して製造することができる。このとき、添加剤としては、ポリカルボキシレート、リグノスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸カルシウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルアリールスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、トリポリリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールポリマー、ポリオキシアルキルオンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ナフタレンホルムアルデヒドスルホン酸ナトリウム、トリトン100及びツイン80からなる群から選ばれる1つ以上を使用することができ、増量剤及び栄養剤としては、スキムミルク(培地)、黄な粉、コメ、小麦、黄土、珪藻土、ベントナイト(bentonite)、デキストリン、ブドウ糖及び澱粉からなる群から選ばれる1つ又は2つ以上を使用し、崩解剤としては、ベントナイト(bentonite)、タルク(talc)、ダイヤライト(dialite)、カオリン(kaolin)及び炭酸カルシウム(calcium carbonate)からなる群から選ばれる1つ以上を使用することができる。
【0040】
また、本発明は、前記微生物製剤を土壌又は植物に処理することによって植物体に抵抗性を誘導させる方法を提供する。このとき、処理方法としては、一般に行っている方法、すなわち、散布(例えば、噴霧、ミスティング、アトマイジング、粉末散布、顆粒散布、水面施用、常施用など)、土壌施用(例えば、混入、灌注など)、表面施用(例えば、塗布、塗抹法、被服など)、浸漬、毒餌、燻煙試用などによって行うことができる。その使用量は、その剤形、被害状況、適用方法、適用場所などによって適切に決定できる。
【0041】
本発明において、前記方法によって処理される製剤に含まれている微生物の有効量は、耕作地面積(m2)につき1~1×10100の微生物数で含まれてよい。また、前記方法のうち、散布によって処理される製剤に含まれている微生物の有効量は、mlにつき1~1×10100の微生物濃度で含まれてよく、浸漬によって処理される組成物に含まれている微生物の有効量は、mlにつき1~1×10100の微生物濃度で含まれてよい。
【0042】
本発明のさらに他の態様は、受託番号KCTC 14084BPのバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株、該菌株の培養物、該培養物の濃縮物、該培養物の乾燥物、前記菌株の培養上澄液及びこれらの組合せからなる群から選ばれる1種以上を含む植物病又は害虫防除用組成物に関する。
【0043】
本発明の前記各組成物は、有効成分である前記菌株、その培養物、培養物の濃縮物、培養物の乾燥物及び/又は前記菌株の培養上澄液の他に菌体を含む培養物、菌体の抽出物、それらの濃縮液、濃縮物、乾燥物、さらには必要によって希釈液、希釈物などを含むことができ、培養液、培養物を処理して得られるあらゆる状態のものを含むことができる。
【0044】
前記菌株の培養法、抽出法、分離法、濃縮法、乾燥法、希釈法などは、特に限定されない。
【0045】
前記菌株を培養するための培地としては、一般に、脱脂乳、ホエー、カゼインなどの牛乳タンパク質、糖類、酵母エキスなどを含んでおり、培養方法としては、一般の各種好気的又は嫌気的な方法を適当に用いることができる。
【0046】
前記菌株を培養した後には、必要によって培養物又はその上澄液を濃縮、乾燥、希釈することもできる。
【0047】
また、遠心分離法又は膜分離法を用いて培養物の上澄液と菌体を分離し、菌体を濃縮した状態で回収することもできる。また、菌体に超音波処理又は酵素処理などを行って菌体内の成分を抽出するか、培養物又はその上澄液、菌体又はその抽出物などを乾燥させることもできる。これらは、本発明の前記組成物の有効成分として使用することができる。
【0048】
前記菌株及びそれを含む各組成物の重複する内容は、本明細書の複雑性を考慮して省略する。
【発明の効果】
【0049】
本発明は、松及び様々な植物に誘導抵抗性活性を有するバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株(受託番号KCTC 14084BP)及びこれを有効成分として含む殺虫剤又は抗菌剤組成物、植物病又は害虫防除用組成物及びこれを用いた防除方法に関し、本発明のバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株が奇主に抵抗性を誘導することによって様々な植物病原因害虫、線虫及び菌に対する防除活性を有することを実験的に確認した。したがって、本発明のバシラスサチリスJCK-1398菌株は、関連植物病防除用途に有用に使用可能であり、葉面散布による広範囲地域散布が可能なので、低コストでマツ材線虫病の拡散を防止できることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株による誘導抵抗性関連遺伝子の発現を確認した図である。
図2】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株のgyrA塩基配列の系統図分析結果を示す図である。
図3A】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株のマツ材線虫病防除効果を確認したものであり、赤松の幼苗に対するJCK-1398菌株培養液の幼苗検定結果を病進展曲線で示す。
図3B】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株のマツ材線虫病防除効果を確認したものであり、JCK-1398菌株培養液(a)、無処理区(b)及び無接種区(c)処理された赤松の幼苗を示す。
図4A】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株のマツ材線虫病防除効果を確認したものであり、JCK-1398菌株のO.D600=0.8での培養液、培養濾液及び細胞分画のマツ材線虫病防除効果を示す。
図4B】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株のマツ材線虫病防除効果を確認したものであり、JCK-1398菌株培養液(a)、JCK-1398菌株培養濾液(b)、JCK-1398菌株細胞分画(c)、無処理区(d)及び無接種区(e)処理された赤松の幼苗を示す。
図5A】本発明の一実施例によってバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株培養液の処理時期によるマツ材線虫病防除効果を確認したものであり、赤松の幼苗に対するJCK-1398菌株培養液の幼苗検定結果を病進展曲線で示す。
図5B】本発明の一実施例によってバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株培養液の処理時期によるマツ材線虫病防除効果を確認したものであり、マツ材線虫接種60日後のJCK-1398菌株培養液防除効果を示す。
図5C】本発明の一実施例によってバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株培養液の処理時期によるマツ材線虫病防除効果を確認したものであり、マツ材線虫接種2週前-1週前処理(a)、3週前-1週前処理(b)、4週前-1週前処理(c)、無処理区(d)及び無接種区(e)処理された赤松の幼苗を示す。
図6】本発明の一実施例によってバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株培養液の処理濃度によるマツ材線虫病防除効果を確認した図である。
図7A】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株のマツ材線虫病防除効果を確認したものであり、赤松の成木に対するJCK-1398菌株培養液の幼苗検定結果を病進展曲線で示す。
図7B】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株のマツ材線虫病防除効果を確認したものであり、1~2次圃場試験を用いたバシラスサチリスJCK-1398菌株の防除効果を示す。
図7C】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株のマツ材線虫病防除効果を確認したものであり、JCK-1398菌株噴霧乾燥粉末50倍希釈液(a)、エマメクチン安息香酸塩(b)及び無接種区(c)処理された赤松の成木を示す。
図8】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398 20%SC製剤と誘導抵抗性物質であるASM及びMeSAとの合剤のマツ材線虫病防除効果を確認した図である。
図9】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398 20%SC製剤とJCK-1398 10%SC製剤の様々な濃度でのマツ材線虫病防除効果を確認した図である。
図10A】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398 10%SC製剤の30年生成木に対するマツ材線虫病防除効果を確認したものであり、無人ヘリコプターを用いた実用化評価結果を病進展曲線で示す。
図10B】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398 10%SC製剤の30年生成木に対するマツ材線虫病防除効果を確認したものであり、材線虫接種6月後の発病率を示す。
図11】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株培養液の唐辛子細菌性斑点病防除効果を確認した図である。
図12】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株培養液の芝ダラースポット病防除効果を確認した図である。
図13】本発明の一実施例に係るバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株20%SC製剤のトマトサビダニ防除効果を確認した図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
病害虫に対する植物の誘導抵抗性(induced resistance)を活性化する受託番号KCTC 14084BPのバシラスサチリス(Bacillus subtilis)JCK-1398菌株に関する。
【実施例
【0052】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は単に本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されるものと解釈されないことは、当業界における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
【0053】
実施例1.誘導抵抗性を誘導する菌株の選抜
【0054】
マツ材線虫病に対して誘導抵抗性を誘導する菌株を見出すために、様々な植物から500余個の植物由来微生物菌株を分離した。PR-1プロモーターにGUSが標識されたベクターが形質転換されたシロイヌナズナを用いて分離した500余個の植物由来微生物菌株から誘導抵抗性を誘導する菌株(25個菌株)を選抜し、その結果を下記の表1に示した。
【0055】
【表1】
【0056】
実施例2.松カルス(callus)を用いたインビトロ(in vitro)誘導抵抗性検定
【0057】
上記の実施例1で選抜した25個菌株に対して、赤松の松カルスの誘導抵抗性関連遺伝子の発現を確認した。
【0058】
具体的に、12ウェルマイクロプレートで500ulのLM培地を用いて松誘導抵抗性菌株を600nmの吸光度(OD600)で0.8になるまで培養させた後、培養液500ulを100mgの赤松の松カルス表面に処理し、暗条件の25℃、50rpm振盪培養器で24時間カルス表面と松誘導抵抗性菌株培養液とを十分に反応させた。その後、遠心分離機を用いて600xg、5~10分間遠心分離し、反応の完了したカルスを分離した。分離されたカルスからRNAを抽出した後にcDNAを合成し、また、RT-PCR又はqRT-PCRを用いて特異的に増加する誘導抵抗性遺伝子の発現を確認し、その結果を図1及び表2に示した。qRT-PCRに使用した誘導抵抗性関連遺伝子は、下記表3に示した。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
図1及び表2から確認できるように、選抜した25個菌株のうち、本発明のバシラスサチリスJCK-1398菌株がPR-1b family、PR-3 family class 4、PR-4 family、PR-5 family、PR-9 family、PR-10 family、抗微生物ペプチド(Antimicrobial peptide)及びメタロチオネイン様タンパク質(Metallothionein-like protein)などのタンパク質を作る遺伝子を特異的に増加させることを確認した。
【0062】
実施例3.分子生物学的同定及び系統学的分類
【0063】
バシラスサチリスJCK-1398菌株をTSA(Tryptic soy agar,Difco)固体培地にストリーキングした後、30℃で1日間静置培養した。得られた単一コロニーを、滅菌したループを用いてTSB(Tryptic soy broth,Difco)液体培地に接種した後、30℃で1日間150rpmで振盪培養した。その後、ELPIS-BiotechのDOKDO-プレップバクテリアゲノムDNA精製キットを用いて、プロトコルにしたがって菌株のgDNA(genomic DNA)を抽出した。抽出されたgDNAとイントロンバイオテクノロジー(iNtRON Biotechnology)のPCR-プレミックス(Polymerase chain reaction-premix)及びgyrA(Gyrase A subunit)遺伝子を増幅し得るプライマーセットを混合した後、PCRを用いて前記JCK-1398菌株のgyrA遺伝子を増幅した。PCRに用いられたプライマーセットは、次の表4に示す。
【0064】
【表4】
【0065】
PCRは、95℃で5分から始まって、95℃で30秒、55℃で30秒、72℃で30秒を30回反復した後、72℃で7分、12℃で増幅を終えた。増幅されたPCR産物に対する塩基配列分析は、ゼノテック(デジュン、大韓民国)に依頼し、JCK-1398菌株のgyrA(配列番号33)遺伝子の塩基配列を得た。得られたgyrA遺伝子の塩基配列をNCBIのnBlast検索を用いてGenBankデータベースの塩基配列と比較した。また、GenBankデータベースから類似性の高いgyrA遺伝子塩基配列を確保し、BioEdit Sequence Alignment Editorを用いてJCK-1398菌株のgyrA遺伝子塩基配列と全ての塩基配列を整列し、メガプログラムバージョン6.0を用いてブートストラップトライアルセット(boot-strap trials set)1,000条件でNJ(neighbour-joining)アルゴリズムに基づいて系統学的に分析し、その結果を図2に示した。
【0066】
【表5】
【0067】
図2から確認できるように、JCK-1398菌株は、バシラスサチリス(Bacillus subtilis)菌株と同定された。
【0068】
実施例4.マツ材線虫病防除効果確認
【0069】
バシラスサチリスJCK-1398菌株培養液のマツ材線虫病に対する防除効果を確認するために、赤松(Pinus densiflora)3~4年生幼苗(直径5.5mm前後、身長が土壌から約35~45cm)を用いて幼苗検定を行った。
【0070】
4-1.JCK-1398菌株培養液の製造
【0071】
20%のグリセロール溶液に懸濁して-80℃の超低温冷凍庫(deep freezer)に貯蔵されていたJCK-1398菌株を、TSAで30℃、約24時間静置培養した。その後、試験管にTSBを入れ、入口を綿栓で塞いで滅菌した後、培養されたJCK-1398菌株の1つのコロニーを白金耳でかいてTSBに接種した後、30℃、150rpmで約24時間好気条件でさらに振盪培養した。滅菌した50mlのTSBが含まれた250ml三角フラスコに、UVスペクトルフォトメーター600nmで光学密度(optical density)の値が1.0になるようにJCK-1398菌株培養液を入れ、懸濁液を製造した。その後、30℃、150rpmで約24時間好気条件で振盪培養した。
【0072】
4-2.JCK-1398菌株培養液の散布
【0073】
まず、JCK-1398菌株培養液が葉に吸着しやすくなるように、250ug/mlツイン20を松当たりに5mlずつ十分に前処理した後、2時間乾燥させた。その後、前記実験例4-1で培養されたJCK-1398菌株培養液を、250ug/mlツイン20含有の水溶液に、光学密度の値が0.8レベルになるように溶解させた後、微細噴射器に入れ、松当たりに5mlずつ葉面散布した。
【0074】
4-3.マツ材線虫(Bursaphelenchus xylophilus)の培養
【0075】
PDA(Potato dextrose agar,Difco)培地に、マツ材線虫が餌とするボトリティスシネレア(Botrytis cinerea)を接種し、25℃培養器で7日間静置培養した。培養されたボトリティスシネレア上にマツ材線虫(Bursaphelenchus xylophilus,国立山林科学院)を接種した後、25℃培養器で7日間静置培養した。培養されたマツ材線虫は、漏斗法(Baermann funnel method)を用いて収穫した後、光学顕微鏡下で数を調べて20,000匹/mlレベルに調整した。
【0076】
4-4.マツ材線虫病防除効果確認
【0077】
実験例4-2のJCK-1398菌株培養液が葉面散布で前処理された松の木質部1cm程度を、滅菌した刃で内皮深層部位まで切開した後、滅菌した脱脂綿を横0.5cm、縦1cmにして切開部位に挿入し、分離したマツ材線虫を100ulずつ2,000匹接種(JCK-1398菌株培養液などの薬剤処理1週後に接種)し、接種された部位はパラフィルムで密封して乾燥しないようにした(樹皮剥皮接種法)。マツ材線虫接種45日後に枯れ程度を観察し、その結果を、図3A図3B及び表6に示した。
【0078】
【表6】
【0079】
図3A図3B及び表6から確認できるように、JCK-1398菌株培養液は、赤松の幼苗においてマツ材線虫病に対して24%の低い発病度を示しており、無処理区に比して71.4%の防除価を示した。
【0080】
実施例5.インビトロ(in vitro)殺線虫活性評価
【0081】
5-1.JCK-1398菌株培養濾液及び防除対象線虫の確保
【0082】
実施例4-1と同じ方法でJCK-1398菌株を培養した後、遠心分離機を用いて13,000rpmで30分間遠心分離して培養濾液を収穫し、培養濾液を滅菌されたマイクロシリンジフィルター0.2umを用いて除菌した。
【0083】
サツマイモネコブ線虫(Meloidogyne incognita)は、クァンジュ広域市ジョンナム大学校親環境農業センターの温室で人為的にサツマイモネコブ線虫に感染したトマト根から卵を獲得し、漏斗法を用いて卵から孵化した幼虫(2齢幼虫)を分離して実験に使用した。マツ材線虫は、実施例4-3と同じ方法で収穫した。
【0084】
5-2.JCK-1398菌株培養濾液及び線虫の確保
【0085】
実施例5-1で確保した各線虫の懸濁液を、96ウェルマイクロプレートの各ウェルにそれぞれ入れた後、JCK-1398菌株培養濾液を0.625~20%濃度になるように処理し、ウェルの最終体積が100ulになるようにした。試料処理後に、96ウェルプレートを30秒間撹拌し、相対湿度100%プラスチック容器に入れて室温保管した。試料処理72時間後に、光学倒立顕微鏡下で下記計算式を用いて殺線虫率を確認した。全ての実験は3回反復し、その結果を下記表7に示した。
【0086】
[計算式]
【0087】
殺線虫率(%)=[(処理区の致死率-対照群の致死率)/(100-対照群の致死率)]×100
【0088】
【表7】
【0089】
前記表7から確認できるように、サツマイモネコブ線虫は、20%培養濾液処理区では97.45%、10%培養濾液処理区では13.15%の殺線虫活性を示しており、5%以下の濃度では殺線虫活性を示していないことが分かる。
【0090】
一方、マツ材線虫は、いかなる処理区でも殺線虫活性が見られなかったが、これは、バシラスサチリスJCK-1398のマツ材線虫病に対する防除効果が、直接の殺線虫活性ではなく誘導抵抗性による効果であることを示唆する。
【0091】
実施例6.マツ材線虫病防除効果を奏する誘導抵抗性物質確認
【0092】
実施例5の結果に基づいて、バシラスサチリスJCK-1398菌株のマツ材線虫病に対する防除効果を奏する誘導抵抗性物質の存在(培養液、培養濾液及び細胞分画)を確認した。JCK-1398菌株の培養は、実施例4-1と同じ方法で光学密度の値が0.8になるように調整して行った。
【0093】
JCK-1398菌株の培養液を遠心分離(1,300rpm、15分)して培養濾液と細胞分画とに分けた。沈殿した細胞分画は、遠心分離前に使用したのと同じ体積のリン酸塩緩衝食塩水(phosphate-buffered saline)を添加して懸濁した。各試料(培養液、培養濾液及び細胞分画)が葉に吸着しやすくなるように、250ug/mlツイン20を松当たりに5mlずつ十分に前処理した後、2時間乾燥させた。その後、培養液、培養濾液及び細胞分画を、250ug/mlツイン20含有の水溶液に、光学密度の値が0.8レベルになるように溶解させた後、微細噴射器に入れ、松当たりに5mlずつ葉面散布した。この時、対照群として、殺線虫物質であるエマメクチン安息香酸塩(Emamectin benzoate)を10%メタノール含有の水溶液に20mg/mlレベルに溶解させた後、樹幹注入した。その結果は、図4A図4B及び表8に示す。
【0094】
【表8】
【0095】
図4A図4B及び表8から確認できるように、JCK-1398菌株培養液及び培養濾液ではそれぞれ61.7%及び64.2%の防除効果を示しているが、細胞分画では42%の多少低い防除効果を示している。
【0096】
このような結果は、本発明のJCK-1398菌株によるマツ材線虫病防除効果は、細胞外に分泌する分泌物による効果であることを示唆する。
【0097】
実施例7.マツ材線虫病防除効果を奏する最適処理時期確認
【0098】
実施例6の結果に基づいて、バシラスサチリスJCK-1398菌株培養液のマツ材線虫病インビボ(in vivo)検定によって最適処理時期を確認した。インビボ検定は、赤松3~4年生幼苗(直径5.5mm前後、身長が土壌から約35~45cm)を用いて行った。
【0099】
実施例4-1と同じ方法でJCK-1398菌株を培養して光学密度値が0.8レベルになるように調整した後、培養液を松当たりに5mlずつ葉面散布した。この時、培養液処理は、その時期を別々にし、マツ材線虫接種2週前と1週前、4週前と1週前、及び4週前と1週前に2回ずつ行ったし、マツ材線虫の接種は、前記実施例4-4と同じ方法で2回目の培養液処理7日後に行った。最後に、マツ材線虫接種60日後に枯れ程度を観察し、その結果を図5A図5C、表9及び表10に示した。
【0100】
【表9】
【0101】
【表10】
【0102】
図5A図5C、表9及び表10から確認できるように、接種49日までは処理時期に関係なくマツ材線虫病の発病度が類似のレベルに保たれたが、その後には処理時期によって大きく変化することが分かった(図5A)。結果的に、接種2週前-1週前(59.2%)処理時に、4週前-1週前(20.4%)及び4週前-1週前(38.8%)処理時に比べて優れた防除効果を示した。
【0103】
実施例8.マツ材線虫病防除効果を奏する最適処理濃度確認
【0104】
実施例7の結果に基づいて、バシラスサチリスJCK-1398菌株噴霧乾燥粉末のマツ材線虫病インビボ(in vivo)検定によって最適処理濃度を確認した。同様に、インビボ検定は、赤松3~4年生幼苗を用いて行った。
【0105】
具体的に、下記表11の方法で製造したJCK-1398菌株の噴霧乾燥粉末を、滅菌水を用いて50倍、500倍及び5,000倍希釈液にした後、前記実施例4-2と同じ方法で松に7日間隔で2回葉面散布した。最後に、マツ材線虫は、前記実施例4-4と同じ方法で前記希釈液2次処理7日後に接種し、マツ材線虫接種55日後に枯れ程度を観察し、その結果を図6及び表12に示した。
【0106】
【表11】
【0107】
【表12】
【0108】
図6及び表12から確認できるように、JCK-1398菌株噴霧乾燥粉末の50倍希釈液(85.5%)処理時に、500倍(60.47%)及び5,000倍(69.77%)希釈液に比べて優れた防除効果を示した。
【0109】
実施例9.マツ材線虫病防除効果確認
【0110】
上記の結果に基づいて、バシラスサチリスJCK-1398菌株の成木におけるマツ材線虫病に対する防除効果を確認するために、さらに、15年生赤松(根元直径8~11cm、高さ6~8m)を用いて圃場試験を行った。圃場試験は、2018年(1次圃場試験)及び2019年(2次圃場試験)に2回行った。1次圃場試験は、JCK-1398菌株培養液の噴霧乾燥粉末を使用(実施例8と同じ方法で製造)し、2次圃場試験は、JCK-1398菌株培養液の噴霧乾燥粉末をJCK-1398 20%SC(乳剤)に剤形化して使用した。JCK-1398 20%SC製剤は、JCK-1398噴霧乾燥粉末20.0%、CR-NF 135B 4.5%、キサンタンガム0.03%、消泡剤0.1%、水75.37%の組成で剤形化した。
【0111】
JCK-1398菌株培養液の噴霧乾燥粉末及びJCK-1398 20%SC製剤を、250ug/mlツイン20含有の水溶液にそれぞれ50倍及び2000倍に希釈後に噴霧器に入れ、松当たりに約1Lずつ葉面散布した。葉面散布は、1月間隔で2回処理した。前記2次処理1週後に、樹幹注入方法により、1次圃場試験には松当たりに20,000匹ずつ、2次圃場試験には10,000匹ずつマツ材線虫を接種した。この時、対照群としては、アファーム(エマメクチン安息香酸塩2.15%、乳剤、シンジェンタ)を胸高直径当たりに1mlずつ樹幹注入し、アファームは、マツ材線虫接種1週前に1回処理した。無処理区は、薬剤無しで250ug/mlツイン20のみを同一に処理した。その結果を図7A図7C、表13及び表14に示す。
【0112】
【表13】
【0113】
【表14】
【0114】
図7A図7C、表13及び表14から確認できるように、JCK-1398菌株培養液噴霧乾燥粉末50倍希釈液(JCK-1398)及びJCK-1398 20%SC製剤(20%SC製剤)は、無処理区に比してそれぞれ65.5%及び68.8%の防除効果を示した。2回の圃場試験から、JCK-1398菌株のマツ材線虫病に対する防除効果再現性を確認した。
【0115】
実施例10.合剤によるマツ材線虫病防除上昇効果確認
【0116】
実施例の結果に基づいて、バシラスサチリスJCK-1398菌株の誘導抵抗性物質であるアシベンゾラル-エス-メチル(Acibenzolar-S-methyl,ASM)及びサリチル酸メチル(Methyl salicylate,MeSA)との合剤の成木におけるマツ材線虫病に対する防除効果を確認するために、さらに、15年生赤松(根元直径8~11cm、高さ6~8m)を用いて圃場試験を行った。
【0117】
JCK-1398 20%SC製剤、ASM 5%SC製剤、MeSA 20%EC-LV製剤をそれぞれ2000倍希釈、0.1mM、0.5mMで製造した。JCK-1398 20%SC+ASM 5%SCの合剤とJCK-1398 20%SC+MeSA 20%EC-LVの合剤は、最終濃度が各単剤処理区濃度の半量が含まれるように製造した。各試料は、噴霧器に入れ、松当たりに約1Lずつ1月間隔で2回処理した。前記2次処理1週後に、樹幹注入方法で10,000匹ずつマツ材線虫を接種した。この時、対照群としては、アファーム(エマメクチン安息香酸塩2.15%、乳剤、シンジェンタ)を胸高直径当たりに1mlずつ樹幹注入したし、アファームは、マツ材線虫接種1週前に1回処理した。無処理区は、薬剤無しで250μg/mlツイン20のみを同一に処理した。その結果を図8及び表15に示す。
【0118】
【表15】
【0119】
図8及び表15から確認できるように、JCK-1398 20%SC製剤、ASM5% SC製剤、MeSA 20% EC-LV製剤は、無処理区に比してそれぞれ23.1%、27.3%及び33.9%の防除効果を示した。一方、JCK-1398 20%SC+ASM 5%SCの合剤とJCK-1398 20%SC+MeSA 20%EC-LVの合剤は、無処理区に比してそれぞれ46.2%と53.8%の上昇した防除効果を示した。
【0120】
したがって、バシラスサチリスJCK-1398菌株は、誘導抵抗性物質であるASM及びMeSAと共に処理された時に、シナジー効果によってマツ材線虫病をより効果的に防除できることを確認した。
【0121】
実施例11.航空散布用製剤製造及びマツ材線虫病に対する防除効果確認
【0122】
バシラスサチリスJCK-1398菌株の成木に対して航空散布によるマツ材線虫病の防除効果を確認するために、新しい製剤を製造した。JCK-1398 10%SC製剤は、JCK-1398噴霧乾燥粉末10.0%、CR-NF 135B 3.0%、キサンタンガム0.01%、消泡剤0.1%、プロピレングリコール5.0%、ベンゾ酸ナトリウム0.2%、水81.69%の組成で剤形化した。
【0123】
JCK-1398 10%SC製剤とJCK-1398 20%SC製剤(既存製剤、実施例9)をそれぞれ、10倍、100倍及び500倍希釈液にした後、3年生松に接種2週前と1週前に、7日間隔で松当たりに100ul(既存処理量の50分の1)ずつ2回葉面散布した。最後に、マツ材線虫は、前記実施例4-4と同じ方法で前記希釈液2次処理7日後に接種したし、マツ材線虫接種40日後に枯れ程度を観察し、その結果を図9及び表16に示した。
【0124】
【表16】
【0125】
図9及び表16から確認できるように、JCK-1398 20%SC製剤と比較すると、JCK-1398 10%SCは10倍希釈液(87.9%)、100倍希釈液(79.3%)及び500倍希釈液(86.2%)のいずれの濃度においても安定した防除効果を示した。したがって、今後の航空散布のためにJCK-1398 10%SCを最終製剤として選抜した。
【0126】
実施例12.航空散布用JCK-1398 10%SC製剤のマツ材線虫防除実用化評価
【0127】
上記の結果に基づいて、航空散布用JCK-1398 10%SC製剤の成木におけるマツ材線虫病に対する防除効果を確認するために、30年生赤松を用いて圃場試験を行った。
【0128】
JCK-1398 10%SC製剤の50倍希釈液を製造した後、無人ヘリコプターを用いてジンジュ試験林450M2に3.6L(80L/1haレベル)を無人航空機で航空散布した。航空散布は、マツ材線虫接種2月前、1月前及び1月後に3回処理した。前記2次処理1月後に、実施例9と同じ方法で松当たりに20,000匹ずつマツ材線虫を接種した。その結果を図10A図10B及び表17に示す。
【0129】
【表17】
【0130】
図10A図10B及び表17から確認できるように、材線虫接種6月後に、JCK-1398 10%SC製剤(20.0%)は、無処理区(73.3%)に比して非常に低い発病率を示した。すなわち、72.7%の防除効果を示すことにより、JCK-1398 10%SC製剤は、圃場でも幼苗検定と同様に非常に効果的にマツ材線虫病を防除できることを確認した。
【0131】
実施例13.様々な植物病防除効果確認
【0132】
バシラスサチリスJCK-1398菌株の誘導抵抗性効果に基づいて、適用拡大実験のためにJCK-1398菌株培養液の噴霧乾燥粉末を用いて様々な植物病に対する防除効果を確認した。
【0133】
13-1.唐辛子細菌性斑点病(病原菌:×anthomonas euvesicatoria)防除効果確認
【0134】
実施例8と同じ方法でJCK-1398菌株の噴霧乾燥粉末をそれぞれ500倍及び5,000倍に希釈した溶液に界面活性剤250ug/mlツイン20を添加した後、8~9葉枝唐辛子(フンノン種子社、ブルタブ唐辛子)に土壌灌注及び葉面散布方法でポットにつき20mlずつ処理した。各試料はいずれも唐辛子細菌性斑点病菌株接種源接種4日前に処理した。この時、対照群としては、合成農薬殺菌剤であるソンボサイクリン水和剤(oxytetracydine、(株)ソンボ化学)及びイルプム水和剤(オキソリン酸20% WP、(株)ドンバンアグロ)をそれぞれ定量(1,000倍希釈液)で処理したし、無処理区は、薬剤無しで250ug/mlツイン20のみを同一に処理した。
【0135】
その後、唐辛子細菌性斑点病菌株(Xanthomonas euvesicatoria)をTSAで30℃、約48時間静置培養した後に、滅菌水2mlを使用してセルを収穫した。収穫した唐辛子細菌性斑点病原菌は、UVスペクトルフォトメーターを用いて600nmで光学密度の値が0.1になるように希釈し、接種源を製造した。接種源は、幼苗につき5mlずつ葉面散布した。接種した幼苗は、25±2℃の生育室で湿度95%を3日間維持した。その後、一定灌水と葉面に水をやりながら発病度を観察し、その結果を図11及び表18に示した。
【0136】
全ての処理は3回反復で行い、全ての実験は2回反復した。Abbasiによって発病程度を0~6の指数で測定し、唐辛子の葉に形成された唐辛子細菌性斑点病の発病度を確認した。発病程度の指数基準は次の通りである:
【0137】
0=発病皆無、
1=1~2個の小さな半点が1~2枚の葉で発生、
2=複数の半点が複数の葉に発生、
3=多い半点が凝集して葉に発生、
4=多い半点が凝集して多くの葉に発生、
5=深刻な発病と共に脱葉発生、
6=植物体死ぬ。
【0138】
【表18】
【0139】
図11及び表18から確認できるように、バシラスサチリスJCK-1398の噴霧乾燥粉末5,000倍希釈溶液を土壌灌注処理した場合に、52.1%の防除効果を示しており、葉面散布した場合に、31.3%の防除効果を示している。また、500倍希釈溶液を土壌灌注処理した場合に、37.5%の防除効果を示しており、葉面散布した場合に、20.8%の防除効果を示している。したがって、JCK-1398菌株培養液を唐辛子に処理する場合に、抵抗性を効果的に誘導し、唐辛子細菌性斑点病防除に有用であると期待される。
【0140】
13-2.芝ダラースポット病(病原菌:Sclerotinia homoeocarpa)防除効果確認
【0141】
JCK-1398培養液の希釈液は、実施例4-1と同じ方法でJCK-1398菌株を培養した後、UVスペクトルフォトメーターを用いて600nmで光学密度の値が0.08になるように希釈したものを100倍希釈溶液として、0.008になるように希釈したものを1,000倍希釈溶液として使用した。JCK-1398 20%SCは、滅菌水を使用して100倍及び1,000倍に希釈したJCK-1398培養液希釈液を用いて製造した。無処理区は、ツイン20が250ug/mlレベルで添加された溶液を使用し、対照群としては、テブコナゾール25%EC(ホリクア乳剤)を定量(2,000倍希釈液)及び半量(4,000倍希釈液)使用した。
【0142】
各試料はいずれも、芝ダラースポット病菌株接種源接種4日前に土壌灌注処理したし、JCK-1398培養液は、100倍及び1,000倍希釈液として単剤処理するか、それぞれテブコナゾール25%EC 4,000倍希釈液と合剤処理し、JCK-1398 20%SCは、100倍及び1,000倍希釈液で単剤処理するか、それぞれテブコナゾール25%EC 4,000倍希釈液と合剤処理した。
【0143】
その後、芝ダラースポット病菌株(Sclerotinia homoeocarpa)の菌叢を横×縦2×2mmサイズの寒天プラグ(agar plug)に切り離してPDA培地に接種した後に、5日間25℃恒温器で培養した。2回滅菌されたふすま-もみ殻培地(ふすま9g、もみ殻1.5g、蒸留水10ml)に、培養された菌株の菌叢を横×縦1×1cmサイズに切って5個ずつ移植した後、バイオシリストッパーのみで入口を塞ぎ、25℃恒温器で7日間培養した。その後、培養された菌を培地と共に粉碎機に入れ、蒸留水110ml及び1.1mlのストレプトマイシン硫酸塩(streptomycin sulfate)200ug/mlを入れて摩砕した。
【0144】
最後に、播種して約1月間成長させたクリーピングベントグラス(creeping bentgrass)のポット中央に1cm程度の穴をあけた後、摩砕した接種源をポットにつき3.3mlずつ接種した。接種した芝は、湿度95%、温度25℃で、無処理区と処理区間の差異が見られるまで観察を行った。ポット全面積に対する発病した面積を調べて発病度(disease severity)を算出したし、処理区につき3ポット2反復で実験を行い、その結果を図12及び表19に示した。
【0145】
【表19】
【0146】
図12及び表19から確認できるように、JCK-1398培養液(100倍希釈液及び1,000倍希釈液)及びJCK-1398 20%SC(100倍希釈液)を単剤処理した場合にはいずれも無処理区と類似の発病度を示した。一方、JCK-1398培養液(100倍希釈液)をテブコナゾール25%EC 4,000倍希釈液と合剤処理した場合に、97.26%の高い防除効果を示したし、JCK-1398 20%SC(100倍希釈液及び1,000倍希釈液)をテブコナゾール25%EC 4,000倍希釈液と合剤処理した場合にも、それぞれ84.93%及び73.97%の防除効果を示し、濃度依存的に防除効果を示すことが分かった。したがって、本発明のJCK-1398菌株培養液を使用する場合に、芝ダラースポット病防除時に使用する化学農薬処理量を格段に減少させることができると期待される。
【0147】
13-3.トマトサビダニ(害虫:Aculops lycopersici)防除効果確認
【0148】
JCK-1398 20%SCは、滅菌水を使用して250倍、500倍及び1,000倍に希釈したJCK-1398培養液希釈液を用いて製造した。無処理区は、ツイン20が250ug/mlレベルで添加された溶液を使用したし、対照群としては、線虫炭液剤(ホスチアゼート30%SL、(株)ファームハンノン)を定量(4,000倍希釈液)使用した。
【0149】
各試料は、4~5葉枝ソガントマト(Lycopersicon esculentum Mill)に1株につき20mlずつ土壌灌注処理した。この時、JCK-1398 20%SCは、3日間隔で2回処理したし、線虫炭液剤は1回処理した。その後、サビダニの発生適正温度及び湿度(25~28℃、30%)を保持してサビダニを自然発病させた。薬剤2次処理2週後に、サビダニが発病したし、サビダニ発病2週後に地上部の長さを測定してサビダニに対する防除効果を調べ、その結果を図13及び表20に示した。
【0150】
【表20】
【0151】
図13及び表20から確認できるように、JCK-1398 20%SC 250倍、500倍及び1,000倍希釈液処理区は、地上部の長さがそれぞれ26.13cm、21.75cm、15.88cmであって、濃度が上がるほど地上部の長さが長くなることが分かった。一方、対照群として使用したホスチアゼート30%SL 4,000倍希釈液は32cmと地上部の長さが最も長かったし、無処理区は16.83cmと最も短かった。したがって、JCK-1398菌株培養液をトマトに処理する場合に、抵抗性を効果的に誘導し、トマトサビダニ防除時に有用であると期待される。
【受託番号】
【0152】
寄託機関名:生物資源センター
受託番号:KCTC 14084BP
受託日:20191219
【産業上の利用可能性】
【0153】
松及び様々な植物において抵抗性を誘導するバシラスサチリスJCK-1398菌株、これを用いた植物病防除用組成物及び防除方法に関する。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
【配列表】
2023513563000001.app
【国際調査報告】