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特表2023-513577加溶媒分解反応器パージ副産物流の化学的再生
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-31
(54)【発明の名称】加溶媒分解反応器パージ副産物流の化学的再生
(51)【国際特許分類】
   C10J 3/00 20060101AFI20230324BHJP
   C10G 1/10 20060101ALI20230324BHJP
   C10G 9/00 20060101ALI20230324BHJP
   C08J 11/10 20060101ALI20230324BHJP
【FI】
C10J3/00 A
C10G1/10
C10G9/00
C08J11/10 ZAB
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548654
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(85)【翻訳文提出日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 US2021017381
(87)【国際公開番号】W WO2021163132
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】62/972,287
(32)【優先日】2020-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594055158
【氏名又は名称】イーストマン ケミカル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129311
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 規之
(72)【発明者】
【氏名】デブルイン,ブルース・ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】ビティン,ダリル
(72)【発明者】
【氏名】スリヴェンスキー,デヴィッド・ユージン
(72)【発明者】
【氏名】ウー,シャンチュン
(72)【発明者】
【氏名】トラップ,ウィリアム・ルイス
(72)【発明者】
【氏名】キーヴァー,トラヴィス・ワイン
(72)【発明者】
【氏名】エカート,マイケル・ポール
(72)【発明者】
【氏名】シューマン,ジャクリン・エリン
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー,ティモシー・グレン
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,ジャスティン・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ラング,デヴィッド・ミルトン
(72)【発明者】
【氏名】エデンス,アーロン・ナサニエル
【テーマコード(参考)】
4F401
4H129
【Fターム(参考)】
4F401AA08
4F401AA22
4F401BA01
4F401BA06
4F401CA67
4F401DA09
4H129AA01
4H129BA04
4H129BC02
4H129BC06
4H129BC11
4H129BC33
4H129CA22
4H129DA03
4H129FA02
4H129NA20
4H129NA21
4H129NA43
4H129NA46
(57)【要約】
混合プラスチック廃棄物を処理するための化学的再生施設がここに提供される。そのような施設は、混合プラスチック廃棄物流を処理する能力を有し、様々な再生設備、たとえば、加溶媒分解設備、熱分解設備、クラッカー設備、部分酸化ガス化設備、エネルギー生成/エネルギー生産設備、および固化設備などを利用する。これらの個々の設備の1つ以上からの流れを他の設備の1つ以上への供給物として用いて、高価な化学成分の回収を最大にし、使用できない廃棄流を最小限に抑えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加溶媒分解設備からの反応器パージ副産物流を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、(iii)クラッカー設備、および(iv)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む、廃プラスチックを処理する方法。
【請求項2】
別の処理流を(i)~(iv)の設備および/または(v)固化設備のうちの少なくとも1つの設備に導入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記反応器パージ副産物流および前記別の処理流は(i)~(v)の設備のうちの異なる設備に導入される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記別の処理流は(ii)~(v)の設備のうちの1つから生じる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記別の処理流はPO富化廃プラスチック流を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記反応器パージ流は前記加溶媒分解設備の加溶媒分解反応器から連続的に取り出される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記反応器パージ副産物流の少なくとも一部はPOXガス化設備に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記POXガス化設備は液体供給ガス化装置を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記POXガス化設備は固体供給ガス化装置を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記反応器パージ副産物流は、少なくとも25重量パーセントのジメチルテレフタリル、および少なくとも100ppmかつ25重量パーセント以下の1以上の非テレフタリル固体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記反応器パージ副産物流は、10rad/秒のせん断速度および250℃の温度で動作するV80-40ベーンスピンドル付きBrookfield R/Sレオメーターを用いて測定した場合に少なくとも0.01ポワズ(P)かつ10P以下の粘度を有し、かつ、前記反応器パージ副産物流は少なくとも100ppmおよび/または60,000ppm以下の不揮発性触媒化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
(a)PET含有廃プラスチックを処理するのに用いられた加溶媒分解設備から反応器パージ副産物流を取り出すこと、ならびに
(b)前記反応器パージ副産物流の少なくとも一部を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、(iii)クラッカー設備、および(iv)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む、廃プラスチックを処理する方法。
【請求項13】
前記取り出しは連続的に行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記取り出しはバッチ式で行われる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記PET含有廃プラスチックは、少なくとも10重量パーセントの繊維品を含む供給原料に少なくとも部分的に由来する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記加溶媒分解設備は主テレフタリルおよび主グリコールを生成し、前記反応器パージ副産物流は前記主テレフタリルの沸点よりも高い中間範囲の沸点を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記加溶媒分解設備からの別の副産物流を(i)部分酸化(POX)設備、(ii)熱分解設備、(iii)固化設備、(iv)クラッカー設備、および(v)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記反応器パージ副産物流および前記別の副産物流は(i)~(v)の設備のうちの異なる設備に導入される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記反応器パージ副産物流および前記別の副産物流は組み合わせられて混合流を形成し、前記混合流は(i)~(v)の設備のうちの少なくとも1つの設備に導入される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)流をポリエチレンテレフタラート富化(PET富化)流とポリオレフィン富化(PO富化)流に分離すること、
(b)前記PET富化流の少なくとも一部を加溶媒分解設備での加溶媒分解に供して主グリコール産物、主テレフタリル産物、および反応器パージ副産物流を含む少なくとも1つの副産物流を形成すること、ならびに
(c)前記加溶媒分解設備からの前記副産物流の少なくとも一部を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、(iii)固化設備、(iv)クラッカー設備、および(v)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む、廃プラスチックを処理する方法。
【請求項21】
前記PET富化流は、前記PET富化流の総重量基準で少なくとも60重量パーセントのPETおよび40重量パーセント以下のポリオレフィンを含み、前記PO富化流は、前記PO富化流の総重量基準で少なくとも60重量パーセントのポリオレフィンおよび40重量パーセント以下のPETを含み、前記PET富化流は、前記PET富化流の総重量基準で10重量パーセント以下のハロゲンを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記反応器パージ副産物流は、前記加溶媒分解設備から取り出されるときに200~350℃の範囲の温度を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記導入は連続的に行われる、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記導入はバッチ式で行われる、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記混合プラスチック廃棄物流は、流れの総重量基準で少なくとも10重量パーセントの繊維品を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記加溶媒分解設備は加メタノール分解設備を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記反応器パージ副産物流を(i)~(v)の設備のうちの少なくとも2つの設備に導入することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記方法を連続プロセスとして実施する、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は商業規模の施設で行われる、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記加溶媒分解設備は他の設備(i)~(v)のうちの少なくとも1つと共に設置され、以下の(A)~(F)の記載、すなわち:
(A)前記加溶媒分解設備と前記他の設備は、少なくとも1つの動力を共有する;
(B)前記加溶媒分解設備と前記他の設備は、少なくとも1つの管理グループを共有する;
(C)前記加溶媒分解設備と前記他の設備は、少なくとも1つの境界を共有する複数の当事者により所有かつ/あるいは運営される;
(D)前記加溶媒分解設備と前記他の設備は、少なくとも1つの導管で接続されている;
(E)前記加溶媒分解設備と前記他の設備は、エネルギー交換ゾーンを介してエネルギーを共有する;および
(F)前記加溶媒分解設備と前記他の設備は、それらの地理的中心から測定して、互いに50マイル(約80km)以内にある
のうち少なくとも1つが該当する、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
主溶媒を用いてポリエステル含有廃プラスチックを主グリコールおよび主テレフタリルに処理するための加溶媒分解設備内で形成される加溶媒分解副産物組成物であって、前記組成物の総重量基準で、少なくとも25重量パーセントの前記主テレフタリル、および
前記組成物の総重量基準で、100重量ppmから25重量パーセントの非テレフタリル固体を含む、組成物。
【請求項32】
前記加溶媒分解副産物組成物は非ニュートン流体である、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記加溶媒分解副産物組成物は、前記組成物の総重量基準で、少なくとも10重量パーセントの量のテレフタル酸ジメチルを含む、請求項31に記載の組成物。
【請求項34】
前記加溶媒分解副産物組成物は、10rad/秒のせん断速度および250℃の温度で動作するV80-40ベーンスピンドル付きBrookfield R/Sレオメーターを用いて測定した場合に少なくとも0.01ポアズ(P)の粘度を有し、
前記加溶媒分解副産物組成物は少なくとも100ppmおよび/または60,000ppm以下の不揮発性触媒化合物を含み、当該不揮発性触媒化合物は、チタン、亜鉛、メトキシド、アルカリ金属、アルカリ土類金属、スズ、残留エステル化触媒、残留重縮合触媒、アルミニウム、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項31に記載の組成物。
【請求項35】
前記加溶媒分解副産物組成物は、少なくとも100重量パーセント、かつ25重量パーセント以下の総固形分を有する、請求項31に記載の組成物。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]廃棄物、特に非生分解性廃棄物は、1回の使用後に埋立地に廃棄されると環境に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、環境の観点から、できるだけ多くの廃棄物を再生することが望ましい。しかし、従来の再生技術では再生できない、あるいは経済的に再生不可能な低価値廃棄物の流れが依然として存在する。また、従来の再生方法の中には、それ自体が経済的に回収も再生もできない廃棄物流を生成し、その結果、廃棄あるいは他の方法で処理しなければならないさらなる廃棄物流が生じるものがある。
【0002】
[0002]したがって、経済的に実行可能な方法で、様々な種類のプラスチックを含む多様な廃棄物を化学的に再生できる大規模な施設が必要である。理想的には、そのような施設はさらなる廃棄物流の生成を最小限にし、生成効率を高め、かつ環境への影響を最小限に抑えながら商業的に価値のある最終産物を提供するものであればよい。
【発明の概要】
【0003】
[0003]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、加溶媒分解設備からのポリオレフィン含有副産物流を、(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、(iii)固化設備、(iv)クラッカー設備、および(v)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む。
【0004】
[0004]一側面では、本技術は、加溶媒分解副産物組成物に関し、この組成物は、組成物の総重量基準で少なくとも90重量パーセントのポリオレフィンおよび1重量パーセント以下のPETを含み、10rad/秒かつ250℃で少なくとも100ポアズの粘度を有する。
【0005】
[0005]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、混合廃プラスチック(MWP)流をポリエチレンテレフタラート富化(PET富化)流とポリオレフィン富化(PO富化)流に分離すること、PET富化流の少なくとも一部を加溶媒分解設備での加溶媒分解に供して主グリコール産物、主テレフタリル産物、およびポリオレフィン含有副産物流を含む少なくとも1つの副産物流を形成すること、ならびに加溶媒分解設備からの副産物流の少なくとも一部を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、(iii)固化設備、(iv)クラッカー設備、および(v)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む。
【0006】
[0006]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、(a)混合プラスチック廃棄物(МPW)流をポリエチレンテレフタラート富化(PET富化)流とポリオレフィン富化(PO富化)流に分離すること、(b)PET富化流の少なくとも一部を加溶媒分解設備での加溶媒分解に供すること、ならびに(c)PO富化流の少なくとも一部を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備での熱分解、または(iii)エネルギー生成/エネルギー生産設備での化学変換に供することを含む。
【0007】
[0007]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)をポリエチレンテレフタラート富化(PETに富む)流とポリオレフィン富化(PO富化)流に分離すること、および(b)PO富化流の少なくとも一部を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備での熱分解、または(iii)エネルギー生成/エネルギー生産設備での化学変換に供することを含み、PO富化流は、少なくとも50重量パーセントのPOを含み、以下の性質(i)~(vii)、すなわち(i)5重量パーセント以下の灰分、(ii)250重量ppm(乾量基準)以下のハロゲン含有量、(iii)5重量パーセント以下の窒素含有化合物、(iv)10重量パーセント以下のポリエチレンテレフタラート、(v)1ppm以下の水銀含有量、(vi)100ppm以下のヒ素含有量、および(vii)10rad/秒のせん断速度および250℃の温度で動作するV80-40ベーンスピンドル付きBrookfield R/Sレオメーターを用いて測定した場合の25,000ポアズ未満の溶融粘度のうち1つ以上を有する。
【0008】
[0008]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、少なくとも50重量パーセントのポリオレフィン(PO)を含む供給流を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、および(iii)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含み、供給流の少なくとも一部は3類~7類プラスチックに分類されないプラスチックを含む。
【0009】
[0009]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、ポリオレフィン(PO)を含む廃プラスチック流および加溶媒分解副産物流を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、および(iii)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む。
【0010】
[0010]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、(a)ポリエチレンテレフタラート(PET)含有廃プラスチック流を加溶媒分解設備に導入して主テレフタリル産物、主グリコール産物、および少なくとも1つの加溶媒分解副産物流を少なくとも形成すること、ならびに(b)ポリオレフィン含有廃プラスチック流および加溶媒分解副産物流の少なくとも一部を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、および(iii)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうち少なくとも1つに導入することを含む。
【0011】
[0011]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)流をポリエチレンテレフタラート富化(PET富化)流とポリオレフィン富化(PO富化)流に分離すること、(b)PET富化流の少なくとも一部を加溶媒分解設備に導入して主テレフタリル流、主グリコール流、および少なくとも1つの加溶媒分解副産物流を少なくとも形成すること、ならびに(c)PO富化流の少なくとも一部および加溶媒分解副産物流の少なくとも一部を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、および(iii)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうち少なくとも1つに導入することを含む。
【0012】
[0012]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、加溶媒分解設備からのグリコール塔底副産物流を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、(iii)固化設備、(iv)クラッカー設備、および(v)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む。
【0013】
[0013]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、(a)PET含有廃プラスチックの処理に用いられた加溶媒分解設備からグリコール塔底副産物流を取り出すこと、ならびに(b)副産物流の少なくとも一部を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、(iii)固化設備、(iv)クラッカー設備、および(v)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む。
【0014】
[0014]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)流をポリエチレンテレフタラート富化(PET富化)流とポリオレフィン富化(PO富化)流に分離すること、(b)PET富化流の少なくとも一部を加溶媒分解設備での加溶媒分解に供して主グリコール産物、主テレフタリル産物、およびグリコール塔底副産物流を含む少なくとも1つの副産物流を形成すること、ならびに(c)加溶媒分解設備からの副産物流の少なくとも一部を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、(iii)固化設備、(iv)クラッカー設備、および(v)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む。
【0015】
[0015]一側面では、本技術は、ポリエステルテレフタラート含有廃プラスチックを処理して主グリコール、主テレフタリル、および主溶媒を形成する加溶媒分解設備内で形成される加溶媒分解副産物組成物に関し、この組成物は、組成物の総重量基準で少なくとも60重量パーセントのポリエステル部分含有オリゴマーと、主グリコールと、主グリコール以外の少なくとも1種のグリコールとを含み、主グリコール以外の少なくとも1種のグリコール:主グリコールの重量比は少なくとも0.5:1である。
【0016】
[0016]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、加溶媒分解設備からの反応器パージ副産物流を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、(iii)クラッカー設備、および(iv)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む。
【0017】
[0017]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、(a)PET含有廃プラスチックの処理に用いられた加溶媒分解設備から反応器パージ副産物流を取り出すこと、ならびに(b)副産物流の少なくとも一部を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、(iii)クラッカー設備、および(iv)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む。
【0018】
[0018]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)流をポリエチレンテレフタラート富化(PET富化)流とポリオレフィン富化(PO富化)流に分離すること、(b)PET富化流の少なくとも一部を加溶媒分解設備での加溶媒分解に供して主グリコール産物、主テレフタリル産物、および反応器パージ副産物流を含む少なくとも1つの副産物流を形成すること、ならびに(c)加溶媒分解設備からの副産物流の少なくとも一部を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、(iii)固化設備、(iv)クラッカー設備、および(v)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む。
【0019】
[0019]一側面では、本技術は、ポリエステル含有廃プラスチックを処理して主グリコール、主テレフタリル、および主溶媒を形成する加溶媒分解設備内で形成される加溶媒分解副産物組成物に関し、この組成物は、組成物の総重量基準で少なくとも25重量パーセントの主テレフタリル、および組成物の総重量基準で100重量ppm~25重量パーセントの1種以上の非テレフタリル固体を含む。
【0020】
[0020]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、加溶媒分解設備からのテレフタリル塔底副産物流を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、(iii)固化設備、(iv)クラッカー設備、および(v)エネルギー生成/エネルギー生産設備80のうちの少なくとも1つに導入することを含む。
【0021】
[0021]特定の実施態様では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、(a)PET含有廃プラスチックの処理に用いられた加溶媒分解設備30からテレフタリル塔底副産物流を取り出すこと、ならびに(b)副産物流の少なくとも一部を(i)部分酸化(POX)ガス化設備50、(ii)熱分解設備60、(iii)固化設備40、(iv)クラッカー設備、および(v)エネルギー生成/エネルギー生産設備80のうちの少なくとも1つに導入することを含む。
【0022】
[0022]特定の実施態様では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)流をポリエチレンテレフタラート富化(PET富化)流とポリオレフィン富化(PO富化)流に分離すること、(b)PET富化流102の少なくとも一部を加溶媒分解設備30での加溶媒分解に供して主グリコール産物、主テレフタリル産物、およびテレフタリル塔底副産物流を含む少なくとも1つの副産物流を形成すること、ならびに(c)加溶媒分解設備30からの副産物流の少なくとも一部を(i)部分酸化(POX)ガス化設備50、(ii)熱分解設備60、(iii)固化設備40、(iv)クラッカー設備、および(v)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む。
【0023】
[0023]一側面では、本技術は、ポリエステルテレフタラート含有廃プラスチックを処理して主グリコール、主テレフタリル、および主溶媒を形成する加溶媒分解設備内で形成される加溶媒分解副産物組成物に関し、この組成物は、流れの総重量基準で少なくとも70重量パーセントのポリエステル部分(moiety)含有オリゴマーと、少なくとも1ppbかつ/または25重量パーセント以下の置換テレフタリル成分とを含み、この組成物は主テレフタリルの沸点よりも高い中間範囲の沸点を有する。
【0024】
[0024]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、加溶媒分解設備からの加溶媒分解副産物流を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、(iii)クラッカー設備、および(iv)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む。
【0025】
[0025]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、(a)PET含有廃プラスチックの処理に用いられた加溶媒分解設備から加溶媒分解副産物流を取り出すこと、ならびに(b)加溶媒分解副産物流の少なくとも一部を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、(iii)クラッカー設備、および(iv)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む。
【0026】
[0026]一側面では、本技術は、廃プラスチックを処理する方法に関し、この方法は、(a)混合プラスチック廃棄物(MPW)流をポリエチレンテレフタラート富化(PET富化)流とポリオレフィン富化(PO富化)流に分離すること、(b)PET富化流の少なくとも一部を加溶媒分解設備での加溶媒分解に供して主グリコール産物、主テレフタリル産物、および少なくとも1つの副産物流を形成すること、ならびに(c)加溶媒分解設備からの加溶媒分解副産物流の少なくとも一部を(i)部分酸化(POX)ガス化設備、(ii)熱分解設備、(iii)固化設備、(iv)クラッカー設備、および(v)エネルギー生成/エネルギー生産設備のうちの少なくとも1つに導入することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】[0027]図1は、本技術の実施態様による化学的再生施設の主な工程を示す概略構成図である。
図2】[0028]図2は、本技術の実施態様による加溶媒分解設備の主な工程を示す概略構成図である。
図3】[0029]図3は、本技術の実施態様による加メタノール分解設備の主な工程を示す概略構成図である。
図4】[0030]図4は、本技術の実施態様による固化設備の主な工程を示す概略構成図である。
図5】[0031]図5は、本技術の実施態様による熱分解設備の主な工程を示す概略構成図である。
図6】[0032]図6は、本技術の実施態様による分解設備の主な工程を示す概略構成図である。
図7】[0033]図7は、本技術の実施態様に従い構成されたクラッカー炉(cracker furnace)の概略図である。
図8】[0034]図8は、本技術の実施態様による部分酸化(POX)ガス化設備の主な工程を示す概略構成図である。
図9】[0035]図9は、本技術の実施態様によるエネルギー生成/生産設備の主な工程を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[0036]数列が示される場合、各数は最初の数または最後の数と同じように修飾され、「または」の関係にある(すなわち、各数は場合によって「少なくとも」、または「最大」もしくは「以下」である)ものとする。たとえば、「少なくとも10重量パーセント、20、30、40、50、75・・・」は、「少なくとも10重量パーセント、または少なくとも20重量パーセント、または少なくとも30重量パーセント、または少なくとも40重量パーセント、または少なくとも50重量パーセント、または少なくとも75重量パーセント等」と同じ意味である。
【0029】
[0037]特に明記しない限り、すべての濃度または量は重量による。本明細書で使用される場合、「含有する(containing)」および「含む(including)」という用語は、制限のないものであり、「含む(comprising)」と同義である。
【0030】
[0038]混合プラスチック廃棄物(MPW)について表される重量百分率は、第1段階の分離に供される、塩または苛性溶液などの希釈剤/溶液を添加する前のMPWの重量である。
【0031】
[0039]本記載を通して、MPWについて述べる場合は、粒状プラスチックもしくはMPW粒子もしくはサイズを小さくしたプラスチック、または分離工程へのプラスチック供給原料についてのサポートをも提供する。たとえば、MPW中の成分の重量百分率を述べる場合は、粒状プラスチックもしくはサイズを小さくしたプラスチック、または苛性溶液もしくは塩溶液と混ぜ合わせる前のプラスチックの同じ重量百分率についても説明し、裏づけを提供する。
【0032】
[0040]次に図1を参照すると、混合プラスチック廃棄物を含む流れ100を処理するための化学的再生施設10の概略図が示される。図1に一般的に示される化学的再生施設10は、前処理設備20を加溶媒分解設備30、固化設備40、部分酸化(POX)ガス化設備50、熱分解設備60、クラッカー設備70、エネルギー生成/生産設備80、および再利用(再生)設備90のうちの1つ以上と組み合わせたものを含む。なお、これらの設備のそれぞれを含むように示されているが、本技術の実施態様による化学的再生施設は、上記の設備のすべてを含む必要はなく、これらの施設のうちの2つ以上、3つ以上、または4つ以上を含めばよい。本明細書に記載の化学的再生施設を用いて、混合プラスチック廃棄物を再生成分品または様々な最終用途材料の形成に使用される化学中間体に変換してもよい。
【0033】
[0041]本明細書で使用される場合、「化学的再生」という用語は、廃棄物である可塑性重合体を、それ自体が有用かつ/あるいは別の化学的生産方法の供給原料として有用な、より低分子量の重合体、オリゴマー、モノマー、および/または非重合性分子(たとえば、水素および一酸化炭素)に化学的に変換する工程を含む廃プラスチックの再生方法を指す。「化学的再生施設」は、廃プラスチックの化学的再生により再生成分品を生産する施設である。本明細書で使用される場合、「再生成分」という用語は、本明細書では、i)少なくとも一部が直接または間接的に再生廃棄物に由来する物理的な成分(たとえば、化合物、分子、または原子)を指す名詞として、またはii)少なくとも一部が直接または間接的に再生廃棄物に由来する特定の組成物(たとえば、化合物、重合体、原料、生成物、または流れ)を修飾する形容詞として用いられる。
【0034】
[0042]本明細書で使用される場合、「直接的に由来する」という用語は、廃プラスチックに由来する少なくとも1種の物理的成分を有することを意味し、「間接的に由来する」は、i)廃プラスチックから生じるが、ii)廃プラスチックに由来する物理的成分を有することに基づかない、指定の再生成分を有することを意味する。
【0035】
[0043]化学的再生施設は物理的再生施設ではない。本明細書で使用される場合、「物理的再生」(「機械的再生」としても知られる)という用語は、廃プラスチックを溶融し、溶融プラスチックを新しい中間品(たとえば、ペレットまたはシート)および/または新しい最終製品(たとえば、ビン)に成形する工程を含む再生方法を指す。一般に、物理的再生は、再生されるプラスチックの化学構造を変えない。一実施態様では、あるいは前述実施態様のいずれかとの組合せでは、本明細書に記載の化学的再生施設は、物理的再生施設からの廃棄物流および/または物理的再生施設では一般的に処理できない廃棄物流を受け取って処理するように構成されてもよい。
【0036】

前処理設備
[0044]再び図1を参照すると、混合プラスチック廃棄物の流れ100は、まず前処理設備20に導入されてもよい。本明細書で使用される場合、「廃プラスチック」という用語は、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリオレフィン(PO)、および/またはポリ塩化ビニル(PVC)などの使用済み、くず、および/または廃棄プラスチック材料を指す。本明細書で使用される場合、「混合プラスチック廃棄物」すなわちMPWは、工場廃(すなわち消費者に行き届かない)プラスチック、消費者廃プラスチック、またはそれらの混合物を指す。プラスチック材料の例としては、ポリエステル、1種以上のポリオレフィン(PO)、およびポリ塩化ビニル(PVC)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、本明細書で使用される場合、「廃プラスチック」は、任意の工場廃(すなわち消費者に行き届かない)および消費者廃プラスチック(ポリエステル、ポリオレフィン(PO)、および/またはポリ塩化ビニル(PVC)などであるがこれらに限定されない)を指す。一つ以上の実施態様では、廃プラスチックは微量の他の(PETおよびポリオレフィン以外の)プラスチック成分も含んでもよく、それらは流れ100における廃プラスチックの総量に対して合計で50重量パーセント未満、40重量パーセント未満、30重量パーセント未満、20重量パーセント未満、15重量パーセント未満、または10重量パーセント未満であり、必要に応じて、個別に30重量パーセント未満、20重量パーセント未満、15重量パーセント未満、10重量パーセント未満、または1重量パーセント未満を表してもよい。
【0037】
[0045]再生施設10での処理に適したプラスチックとしては、25℃、1気圧で固体である任意の有機合成重合体を挙げることができる。重合体は、熱可塑性または熱硬化性重合体であってもよい。重合体の数平均分子量(Mn)は、少なくとも300、または少なくとも500、または少なくとも1000、または少なくとも5,000、または少なくとも10,000、または少なくとも20,000、または少なくとも30,000、または少なくとも50,000、または少なくとも70,000、または少なくとも90,000、または少なくとも100,000、または少なくとも130,000であってもよい。重合体の重量平均分子量(Mw)は、少なくとも300、または少なくとも500、または少なくとも1000、または少なくとも5,000、または少なくとも10,000、または少なくとも20,000、または少なくとも30,000、または少なくとも50,000、または少なくとも70,000、または少なくとも90,000、または少なくとも100,000、または少なくとも130,000、または少なくとも150,000、または少なくとも300,000であってもよい。
【0038】
[0046]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、再生施設10で処理されるMPWとしては、ポリエステルなどのプラスチック成分、たとえば芳香族または環状の繰り返し単位を有するもの(ポリエチレンテレフタラート(PET)および/またはポリエチレンナフタラート(PEN)など、テレフタラートまたはナフタラートの繰り返し単位を含むもの)などを挙げることができるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「PET」は、ポリエチレンテレフタラートのホモポリマー、または変性剤で変性された、もしくはエチレングリコールおよびテレフタル酸以外の残基または部分、たとえばイソフタル酸、ジエチレングリコール、TMCD(2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール)、CHDM(シクロヘキサンジメタノール)、プロピレングリコール、イソソルビド、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、および/またはNPG(ネオペンチルグリコール)を含むポリエチレンテレフタラート、あるいはテレフタラート繰り返し単位(エチレングリコールに基づく繰り返し単位を含むかどうかには関係なく)ならびにTMCD(2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール)、CHDM(シクロヘキサンジメタノール)、プロピレングリコール、またはNPG(ネオペンチルグリコール)、イソソルビド、イソフタル酸、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、および/もしくはジエチレングリコール、またはそれらの組合せの1つ以上の残基もしくは部分を含むポリエチレンテレフタラートを意味する。
【0039】
[0047]あるいは、またはさらに、ポリエステルはフラナート繰り返し単位を含んでもよい。本明細書で提供されるPETの定義内ではあるが、特筆すべきことに、化学的再生施設10での処理に適したポリエステルはまた、テレフタラート繰り返し単位ならびにTMCD(2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール)、CHDM(シクロヘキサンジメタノール)、プロピレングリコール、またはNPG(ネオペンチルグリコール)、イソソルビド、イソフタル酸、1,4-ブタンジオール、1,3-プロパンジオール、および/もしくはジエチレングリコール、またはそれらの組合せ、ならびに脂肪族ポリエステル、たとえばPLA、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、およびポリエチレンアジパートの1つ以上の残基もしくは部分;ポリオレフィン(たとえば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリプロピレン、高密度ポリプロピレン、架橋ポリエチレン、非晶質ポリオレフィン、および上記ポリオレフィンのいずれか1つの共重合体)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロブタジエンスチレン(ABS)、セルロース系材料、たとえば酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、(酢酸/プロピオン酸)セルロース、(酢酸/酪酸)セルロース、およびビスコースなどの再生セルロース;エポキシド、ポリアミド、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリカルボナート、ポリフェニレン系合金、ポリメタクリル酸メチル、スチレン含有重合体、ポリウレタン、ビニル系重合体、スチレンアクリロニトリル、タイヤ以外の熱可塑性エラストマー、尿素含有重合体およびメラミンを有し得る。
【0040】
[0048]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設10に導入されるMPWは、熱硬化性重合体を含んでもよい。MPW中に存在する熱硬化性重合体の量の例は、MPWの重量基準で少なくとも1重量パーセント、または少なくとも2重量パーセント、または少なくとも5重量パーセント、または少なくとも10重量パーセント、または少なくとも15重量パーセント、または少なくとも20重量パーセント、または少なくとも25重量パーセント、または少なくとも30重量パーセント、または少なくとも40重量パーセントであってもよい。
【0041】
[0049]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設10に導入されるMPWは、少なくとも一部がセルロース系材料、たとえば3未満または1.8~2.8のアシル置換度を有するセルロース誘導体から得られるプラスチックを含む。例としては、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、(酢酸/プロピオン酸)セルロース、および(酢酸/酪酸)セルロースが挙げられる。
【0042】
[0050]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生設備10に導入されるMPW流は、テレフタラート繰り返し単位を有する重合体(ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、およびそれらの共重合ポリエステル)から少なくとも一部が得られるプラスチックを含む。
【0043】
[0051]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生設備10に導入されるMPW流は、複数のジシクロヘキサンジメタノール部分(2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール部分、またはそれらの組合せを有する共重合体など)から少なくとも一部が得られるプラスチックを含む。
【0044】
[0052]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設10に導入されるMPW流は、少なくともその一部が低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン-1、およびそれらの共重合体から得られるプラスチックを含む。
【0045】
[0053]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設10に導入されるMPW流は、少なくとも一部が眼鏡フレームまたは架橋ポリエチレンから得られるプラスチックを含む。
【0046】
[0054]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設10に導入されるMPW流は、少なくとも一部がプラスチック瓶から得られるプラスチックを含む。
【0047】
[0055]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設10に導入されるMPW流は、少なくとも一部がおむつから得られるプラスチックを含む。
【0048】
[0056]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設10に導入されるMPW流は、少なくとも一部が発泡スチロール、すなわち発泡ポリスチレンから得られるプラスチックを含む。
【0049】
[0057]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設10に導入されるMPW流は、少なくとも一部がフラッシュ紡糸高密度ポリエチレンから得られるプラスチックを含む。
【0050】
[0058]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設10に導入されるMPW流は、SPIにより確立された、chasing arrow traiangleの中に1~7の番号が付けられた樹脂識別記号を有するプラスチック、またはそれを有するプラスチックから得られたプラスチックを含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWの少なくとも一部は、一般に機械的に再生されない1種以上のプラスチックを含む。これらには、3(ポリ塩化ビニル)、5(ポリプロピレン)、6(ポリスチレン)、および7(その他)の番号のプラスチックが含まれる。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、MPW中のプラスチックの重量基準で、少なくとも0.1重量パーセント、または少なくとも0.5重量パーセント、または少なくとも1重量パーセント、または少なくとも2重量パーセント、または少なくとも3重量パーセント、または少なくとも5重量パーセント、または少なくとも7重量パーセント、または少なくとも10重量パーセント、または少なくとも12重量パーセント、または少なくとも15重量パーセント、または少なくとも20重量パーセント、または少なくとも25重量パーセント、または少なくとも30重量パーセント、または少なくとも40重量パーセント、または少なくとも50重量パーセント以上、または少なくとも65重量パーセント、または少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセントの3、5、6、7の番号を有する、あるいはそれに対応するプラスチックまたはそれらの組合せを含む。
【0051】
[0059]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの異なる種類の樹脂識別記号を有する、あるいはそれを有するプラスチックから得られるプラスチックを含む。
【0052】
[0060]化学的再生施設10に導入されるMPWは、再生繊維品を含んでもよい。繊維品は、天然および/または合成繊維、粗紡、ヤーン、不織ウェブ、生地、織物、および前述の項目のいずれかから作られた、あるいはそれらを含む製品を含んでもよい。繊維品は織る、編む、結ぶ、縫う、あるいは房状にすることができ、圧縮繊維、たとえばフェルト、刺繍、ひも、かぎ針編み、編組を含んでもよく、あるいは不織ウェブおよび材料を含んでもよい。繊維品としては、織物、および繊維品から分離された繊維、または繊維を含む他の製品、くずまたは規格外の繊維もしくはヤーンもしくは織物、またはその他の束ねられていない繊維および糸の起源を挙げることができる。繊維品としては、短繊維、連続繊維、ヤーン、繊維束、撚糸および/または紡績糸、ヤーンから作られた生機の織物、生機の織物を湿式加工して製造された完成品の織物、完成品の織物またはその他の織物から作られた衣類も含まれ得る。繊維品には、衣服、インテリア家具、および産業用の種類の繊維品が含まれる。繊維品には、工場廃(消費者に行き届かない)繊維品もしくは消費者廃繊維品、またはその両方が含まれ得る。
【0053】
[0061]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、繊維品は、人間が身に着ける、あるいは身体のために作られたものとして一般に定義できる衣服を含むことができる。このような繊維品としては、スポーツコート、スーツ、ズボン、およびカジュアルパンツもしくはワークパンツ、シャツ、ソックス、スポーツウェア、ドレス、下着、上着(レインジャケット、防寒ジャケットおよびコートなど)、セーター、防護服、ユニフォーム、アクセサリー(スカーフ、帽子、手袋など)を挙げることができる。インテリア家具類の繊維品の例としては、家具の室内装飾品およびスリップカバー、カーペットおよびラグ、カーテン、寝具(シーツ、枕カバー、羽毛布団、掛け布団、マットレスカバーなど)、リネン、テーブルクロス、タオル、手ぬぐい、および毛布が挙げられる。産業用繊維品の例としては、輸送手段(自動車、飛行機、電車、バス)の座席、フロアマット、トランクライナー、および天井材;屋外用家具およびクッション、テント、バックパック、旅行かばん、ロープ、コンベアベルト、圧延フェルト、磨き布、雑巾、土壌浸食防止布および土止め繊維材、農業用マットおよびスクリーン、個人用保護具、防弾チョッキ、医療用包帯、縫合糸、テープなどが挙げられる。
【0054】
[0062]繊維品として分類される不織ウェブには、湿式不織ウェブおよびそれから製造された物品の類は含まれない。同じ機能を有する様々な物品を乾式法または湿式法で製造することができるが、乾式不織ウェブから製造された物品を繊維品と分類する。本明細書に記載の乾式不織ウェブから形成され得る適切な物品の例としては、個人用、消費者用、産業用、食品提供用、医療用、および他の最終用途のためのものを挙げることができる。具体例としては、乳児用おしりふき、流せるおしりふき、使い捨ておむつ、トレーニングパンツ、女性用衛生用品(生理用ナプキンやタンポンなど)、大人用失禁パッド、下着、またはブリーフ、およびペット用トレーニングパッドなどを挙げることができるが、これらに限定されない。他の例としては、消費者向け(個人のケアまたは家庭用)および産業用途(食品提供、健康管理、または専門分野など)を含む、様々な乾式または湿式の拭き取り繊維が挙げられる。不織ウェブは、枕、マットレス、および室内装飾品の詰め物、ならびにキルトや掛け布団の詰め物としても使用できる。医療および産業分野では、本発明の不織ウェブを、消費者用、医療用、および産業用フェイスマスク、防護服、帽子、および靴カバー、使い捨てシート、手術用ガウン、滅菌布、包帯、および包帯剤に使用することができる。
【0055】
[0063]また、本明細書に記載の不織ウェブは、環境用織物、たとえば土止め繊維材および防水布、油および化学薬品吸収パッド、ならびに建築用材料、たとえば防音または断熱材、テント、材木および土壌のカバーおよびシートに使用することができる。不織ウェブをその他の消費者用最終用途、たとえばカーペットの裏地、消費者用、産業用、農業用の物品の梱包、断熱材または防音材、および様々な種類の衣服にも使用してもよい。
【0056】
[0064]本明細書に記載の乾式不織ウェブを、輸送手段(たとえば、自動車または飛行機)、商業、住宅、工業、または他の特殊用途を含む様々な濾過用途に使用してもよい。例としては、消費者向けまたは工業用の空気または液体フィルター(ガソリン、油、水など)のフィルター要素、たとえば精密濾過に用いられるナノ繊維ウェブ、さらにはティーバッグ、コーヒーフィルター、ドライヤーシートなどの最終用途を挙げることができる。さらに、本明細書に記載の不織ウェブを用いて自動車用の様々な部品(ブレーキパッド、トランクライナー、カーペットタフティング、およびアンダーパッドが挙げられるがこれらに限定されない)を形成してもよい。
【0057】
[0065]繊維品は、一種類または複数種類の天然繊維および/または一種類または複数種類の合成繊維を含んでもよい。繊維品用繊維の組合せの例としては、すべて天然、すべて合成、2種類以上の天然繊維、2種類以上の合成繊維、1種類の天然繊維と1種類の合成繊維、1種類の天然繊維と2種類以上の合成繊維、2種類以上の天然繊維と1種類の合成繊維、および2種類以上の天然繊維と2種類以上の合成繊維が挙げられる。
【0058】
[0066]天然繊維は、植物由来のものまたは動物由来のものを含む。天然繊維としては、セルロース、ヘミセルロース、およびリグニンが挙げられる。植物由来の天然繊維の例としては、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、および木粉、ならびに他の植物繊維、たとえばコムギわら、イネわら、アバカ、ココヤシ繊維、綿、亜麻、麻、ジュート、バガス、カポック、パピルス、ラミー、ラタン、つる、ケナフ、アバカ、ヘネケン、サイザル麻、大豆、穀物わら、竹、葦、エスパルト草、バガス、サバイ草、トウワタフロス繊維、パイナップル葉繊維、スイッチグラス、リグニン含有植物などが挙げられる。動物由来繊維の例としては、羊毛、絹、モヘア、カシミア、山羊毛、馬毛、鳥類繊維、ラクダ毛、アンゴラ毛、およびアルパカ毛が挙げられる。
【0059】
[0067]合成繊維は、少なくとも部分的に化学反応によって合成あるいは誘導された繊維、または再生繊維であり、レーヨン、ビスコース、シルケット加工繊維、または他の種類の再生セルロース(天然セルロースから可溶性セルロース誘導体への変換およびその後の再生)、たとえばリヨセル(テンセル(商標)としても知られる)、キュプラ、モダール、ポリ酢酸ビニルなどのアセタート、ナイロンを含むポリアミド、PETなどのポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレンなどのオレフィン系重合体、ポリカーボネート、ポリ硫酸塩、ポリスルホン、スパンデックスまたはエラスタンとして知られるポリエーテル尿素などのポリエーテル、ポリアクリラート、アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、スルホポリエステル繊維、ならびにそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
[0068]繊維品は、上述の形態のいずれであってもよく、図1に示すように、前処理設備20で1つ以上の前処理工程にさらされた後に化学処理施設10の残りの区域で処理されてもよい。前処理工程の例としては、サイズを小さくした繊維品を作るために繊維品の供給原料を切断、細断、破砕、粉砕、微粉化、あるいは裁断することによるサイズ減少が挙げられるが、これに限定されない。繊維品を高密度化してもよい。高密度化する処理の例としては、押出により作られた粒子の摩擦力により生じる熱、または繊維品に加えられる他の外部熱で繊維品を凝集させて繊維品の一部または全部を軟化あるいは溶融させる処理が挙げられる。
【0061】
[0069]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ライン100のMPW流中の繊維品(繊維品の繊維を含む)の量は、MPWの重量基準で少なくとも0.1重量パーセント、または少なくとも0.5重量パーセント、または少なくとも1重量パーセント、または少なくとも2重量パーセント、または少なくとも5重量パーセント、または少なくとも8重量パーセント、または少なくとも10重量パーセント、または少なくとも15重量パーセント、または少なくとも20重量パーセントの、繊維品または繊維品の繊維から得られる材料である。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、流れ100のMPW中の繊維品(繊維品の繊維を含む)の量は、MPW流100の重量基準で50重量パーセント以下、40重量パーセント以下、30重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下、0.05重量パーセント以下、0.01重量パーセント以下、または0.001重量パーセント以下である。MPW流100中の繊維品の量は、MPW流100の総重量基準で0.1~50重量パーセント、5~40重量パーセント、または10~30重量パーセントの範囲であってもよい。
【0062】
[0070]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設10(または化学的再生施設10内の後続の処理設備のいずれか)に導入される混合プラスチック廃棄物は1種以上の不活性成分を含んでもよく、それらは一般に少なくとも混合廃プラスチックの一部に添加剤として存在する。たとえば、そのような不活性成分は特に、プラスチックが本明細書に記載の繊維品を含む場合にプラスチック中に存在し得る。このような不活性成分の例としては、炭酸カルシウム、砂、二酸化チタン、および水または他の水性溶媒に溶けないその他の硬い結晶性固体を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0063】
[0071]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設10(または化学的再生施設10内の設備のいずれか1つ)への供給流中に存在する不活性成分の量は、供給流の総重量基準で少なくとも0.001重量パーセント、少なくとも0.0025重量パーセント、少なくとも0.005重量パーセント、少なくとも0.0075重量パーセント、少なくとも0.010重量パーセント、少なくとも0.025重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、少なくとも0.075重量パーセント、少なくとも0.100重量パーセント、もしくは少なくとも0.150重量パーセント、かつ/または0.50重量パーセント以下、0.45重量パーセント以下、0.40重量パーセント以下、0.35重量パーセント以下、0.30重量パーセント以下、0.25重量パーセント以下、もしくは0.20重量パーセント以下であってもよい。化学的再生施設10への供給流100中に存在する不活性成分の量は、流れ100の総重量基準で0.002~0.5重量パーセント、0.005~0.40重量パーセント、または0.100~0.25重量パーセントの範囲であってもよい。
【0064】
[0072]その代わりに、あるいはこれに加えて、化学的再生施設10(または化学的再生施設10内の設備のいずれか1つ)への供給流中に存在する不活性成分の量は、流れ100の総重量基準で少なくとも0.35重量パーセント、少なくとも0.40重量パーセント、少なくとも0.45重量パーセント、少なくとも0.50重量パーセント、少なくとも0.55重量パーセント、少なくとも0.60重量パーセント、少なくとも0.65重量パーセント、少なくとも0.70重量パーセント、もしくは少なくとも0.75重量パーセント、かつ/または3重量パーセント以下、2.5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1.5重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.75重量パーセント以下、0.60重量パーセント以下、0.55重量パーセント以下、もしくは0.50重量パーセント以下であってもよい。供給流100中の不活性成分の量は、供給流100の総重量基準で0.35~3重量パーセント、0.40~2.5重量パーセント、または0.50~2重量パーセントの範囲であってもよい。
【0065】
[0073]化学的再生施設10に導入される混合プラスチック廃棄物の供給流100は、消費者廃および/または工場廃(消費者に行き届かない)プラスチック材料を含んでもよい。前述のように、このようなプラスチックは、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリオレフィン(PO)、および/またはポリ塩化ビニル(PVC)を含み得る。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PETとPOは組合せで混合プラスチック廃棄物の少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントを構成してもよく、一方、PVCは、MPWの総重量基準で少なくとも0.001重量パーセント、少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、少なくとも0.1重量パーセント、少なくとも0.25重量パーセント、もしくは少なくとも0.5重量パーセント、かつ/または5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.75重量パーセント以下、または0.5重量パーセント以下を構成してもよい。混合プラスチック廃棄物中のPVCの量は、MPW流100の総重量基準で0.001~5重量パーセント、0.01~3重量パーセント、または0.1~2重量パーセントの範囲であってもよい。
【0066】
[0074]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、混合プラスチック廃棄物は、MPW流または組成物の総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントのPETを含んでもよい。
【0067】
[0075]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、混合プラスチック廃棄物は、MPWの総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、かつ/または75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、または35重量パーセント以下のポリオレフィン(PO)を含んでもよい。MPW流100中のPOの量は、流れ100の総重量基準で5~75重量パーセント、10~60重量パーセント、または20~35重量パーセントの範囲であってもよい。
【0068】
[0076]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、多成分重合体を含む。本明細書で使用される場合、「多成分重合体」という用語は、少なくとも1種の他の重合体および/もしくは非重合体固体と物理的かつ/または化学的に混合、結合、あるいは他の形で結びつけられた少なくとも1種の合成または天然重合体を含む、物品および/または粒子を指す。重合体は、合成重合体またはプラスチック、たとえばPET、オレフィン、および/またはナイロンであってもよい。非重合体固体は、金属、たとえばアルミニウムであってもよい。多成分重合体は、金属化プラスチックを含んでもよい。
【0069】
[0077]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、多層重合体の形態の多成分プラスチックを含む。本明細書で使用される場合、「多層重合体」という用語は、物理的かつ/または化学的に結びつけて2つ以上の物理的に異なる層になっているPETならびに少なくとも1種の他の重合体および/または非重合体固体を含む、多成分重合体を指す。重合体またはプラスチックは、2つの層の間に遷移帯が存在し得る場合(接着層または共押出層に存在し得る場合など)があるが多層重合体と見なされる。2つの層の間の接着剤は層とは見なされない。多層重合体は、PETを含む層および1つ以上のさらなる層を含んでもよく、さらなる層の少なくとも1つはPETと異なる合成もしくは天然重合体、またはエチレンテレフタラート繰り返し単位を有さない重合体、またはアルキレンテレフタラート繰り返し単位を有さない重合体(「非PET重合体層」)、または他の非重合体固体である。
【0070】
[0078]非PET重合体層の例としては、PET含有物品および/または粒子と結びつけられたナイロン、ポリ乳酸、ポリオレフィン、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール、ポリビニルアルコール、および/または他のプラスチックもしくはプラスチックフィルム、ならびに天然重合体、たとえば乳清タンパク質が挙げられる。多層重合体は、PET層以外に少なくとも1つのさらなる重合体層が存在するという条件で、金属層、たとえばアルミニウムを含んでもよい。各層は、接着剤による接着または他の手段で、物理的に隣接させる(すなわち物品をフィルムに押し付ける)、粘着性を付与する(すなわちプラスチックを加熱して貼り合わせる)、共押出プラスチックフィルム、あるいは他の方法でPET含有物品に取り付けられてもよい。多層重合体は、同じまたは似た方法で他のプラスチックを含む物品と結びつけられたPETフィルムを含んでもよい。MPWは、PETおよび少なくとも1種の他のプラスチック、たとえばポリオレフィン(たとえばポリプロピレン)、および/または他の合成もしくは天然重合体が単一の物理相に組み合わせられた形態の多成分重合体を含んでもよい。たとえば、MPWは、単一の物理相に組み合わせられた、相溶化剤、PET、および少なくとも1種の他の合成または天然重合体プラスチック(たとえば非PETプラスチック)を含む不均質な混合物を含む。本明細書で使用される場合、「相溶化剤」という用語は、本来は混和しない少なくとも2種の重合体を混ぜ合わせて物理的混合物(すなわちブレンド)にすることができる薬剤を指す。
【0071】
[0079]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、プラスチックの乾量基準で20重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、または0.1重量パーセント以下のナイロンを含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、プラスチックの乾燥重量基準で0.01~20重量パーセント、0.05~10重量パーセント、0.1~5重量パーセント、または1~2重量パーセントのナイロンを含む。
【0072】
[0080]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、プラスチックの乾量基準で40重量パーセント以下、20重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の多成分プラスチックを含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、プラスチックの乾量基準で0.1~40重量パーセント、1~20重量パーセント、または2~10重量パーセントの多成分プラスチックを含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、プラスチックの乾量基準で40重量パーセント以下、20重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の多成分プラスチック層を含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、プラスチックの乾量基準で0.1~40重量パーセント、1~20重量パーセント、または2~10重量パーセントの多層プラスチックを含む。
【0073】
[0081]混合プラスチック廃棄物は、非プラスチック固体、たとえば泥、充填剤、石、砂、食品、セルロース類(紙や厚紙など)、およびガラスも含んでもよく、これらは、MPWの総重量基準で、混合プラスチック廃棄物の少なくとも0.1重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも4重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも6重量パーセント、かつ/または25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2.5重量パーセント以下、もしくは2重量パーセント以下を構成してもよい。MPW供給流100中の非プラスチック固体の量は、MPW流100の総重量基準で0.1~25重量パーセント、1~20重量パーセント、または2~8重量パーセントの範囲であってもよい。
【0074】
[0082]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは、MPW流または組成物の総重量基準で少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.1重量パーセント、少なくとも0.5重量パーセント、もしくは少なくとも1重量パーセント、かつ/または25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、25重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、もしくは2.5重量パーセント以下の液体を含んでもよい。MPW中の液体の量は、MPW流100の総重量基準で0.01~25重量パーセント、0.5~10重量パーセント、または1~5重量パーセントの範囲であってもよい。
【0075】
[0083]混合プラスチック廃棄物は、3類~7類プラスチックに分類されないプラスチックを含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW中の3類~7類プラスチックに分類されないプラスチックの総量は、MPW流の総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、もしくは少なくとも75重量パーセント、かつ/または95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、もしくは35重量パーセント以下であってもよい。MPW中の3類~7類プラスチックに分類されないプラスチックの総量は、流れの総重量基準で5~95重量パーセント、20~80重量パーセント、または25~75重量パーセントの範囲であってもよい。
【0076】
[0084]導入される混合プラスチック廃棄物(または前処理設備20から取り出される前処理済みプラスチック流)はいくつかの形態、たとえば、限定されないが、物品全体、または粉末状もしくはペレット状にされたか繊維に成形された粒子などであってもよい。本明細書で使用される場合、「混合プラスチック廃棄物粒子」または「MPW粒子」は、1インチ(約2.5cm)未満の平均粒径を有する混合プラスチック廃棄物を指す。MPW粒子は、たとえば細断あるいは切断された粉末状プラスチック粒子、またはプラスチックペレットを含み得る。物品全体またはほぼ全体を前処理設備20に導入する場合、MPWを混合プラスチック廃棄物粒子に変えるために1つ以上の粉末化またはペレット化工程を用いてもよい。その代わりに、あるいはそれに加えて、前処理設備20に導入される混合プラスチック廃棄物の少なくとも一部は、既に粒子の形態であってもよい。
【0077】
[0085]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW原料は、乾量基準でMPW供給原料の総重量を100重量パーセントとすると、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下のバイオ廃棄物材料を含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW供給原料は、乾量基準でMPW供給原料の総重量を100重量パーセントとすると、0.01~20重量パーセント、0.1~10重量パーセント、0.2~5重量パーセント、または0.5~1重量パーセントのバイオ廃棄物材料を含む。本明細書で使用される場合、「バイオ廃棄物」という用語は、生きた生物に由来するか有機起源の材料を指す。模範的なバイオ廃棄物材料としては、綿、木材、おがくず、生ごみ、動物および動物の一部、植物および植物の一部、ならびに肥料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
[0086]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW供給原料は、乾量基準でMPW供給原料の総重量を100重量パーセントとすると、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の製造セルロース製品を含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW供給原料は、乾量基準でMPW供給原料の総重量を100重量パーセントとすると、0.01~20重量パーセント、0.1~10重量パーセント、0.2~5重量パーセント、または0.5~1重量パーセントの製造セルロース製品を含む。本明細書で使用される場合、「製造セルロース製品」という用語は、セルロース繊維を含む、非天然(すなわち、人または機械によって作られた)物品およびそのくずを指す。模範的な製造セルロース製品としては、紙および厚紙が挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
[0087]上述のように、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWは非プラスチック固体を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPWから非プラスチック固体を除去するために別個の分離処理は必要でなく、含まれない。しかし、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW供給原料を分離処理、特に第1の密度分離段階処理に供給する前に、MPW中の非プラスチック固体の少なくとも一部を分離してもよい。それとは関係なく、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW供給原料は、乾量基準でMPW供給原料の総重量を100重量パーセントとすると、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の非プラスチック固体を含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、MPW供給原料は、乾量基準でMPW供給原料の総重量を100重量パーセントとすると、0.01~20重量パーセント、0.1~10重量パーセント、0.2~5重量パーセント、または0.5~1重量パーセントの非プラスチック固体を含む。
【0080】
[0088]前処理設備20に導入されると、混合プラスチック廃棄物は、化学的再生用に準備するために1つ以上の工程を経てもよい。本明細書で使用される場合、「前処理」という用語は、以下の工程、すなわち(i)粉末化、(ii)粒子化、(iii)洗浄、(iv)乾燥、および/または(v)分離のうち1つ以上を用いて化学的再生用の廃プラスチックを準備することを指す。本明細書で使用される場合、「前処理設備」という用語は、廃プラスチックの前処理を実行するのに必要なすべての機器、ライン、および制御を含む設備を指す。本明細書に記載の前処理設備は、化学的再生用の混合プラスチック廃棄物の準備を行うための任意の適切な方法を採用してもよい。
【0081】
[0089]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、図1に示される前処理設備20は、混合プラスチック廃棄物を特定の種類のプラスチックに富む2つ以上の流れに分離するための分離ゾーン(図示せず)を含んでもよい。たとえば、分離ゾーンは、図1に一般的に示されるように、混合プラスチック廃棄物をPET富化流102とPO富化流104に分離してもよい。さらに、非プラスチック不溶性成分105aおよび非プラスチック可溶性成分105bの流れを前処理設備20から取り出し、化学的再生施設10内または外部の様々な場所に送ってもよい。
【0082】
[0090]化学的再生施設10の分離設備20で使用できる適切な種類の分離技術の例としては、機械分離および密度分離が挙げられ、密度分離としては浮沈分離および/または遠心密度分離を挙げることができる。本明細書で使用される場合、「浮沈分離」という用語は、材料の分離が主に選択された液体媒体中の浮遊または沈降により引き起こされる密度分離処理を指し、「遠心密度分離」という用語は、材料の分離が主に遠心力により引き起こされる密度分離処理を指す。一般に、「密度分離処理」という用語は、材料のそれぞれの密度に少なくとも部分的に基づいて、材料を少なくとも高密度の排出物と低密度の排出物に分離する処理を指す。
【0083】
[0091]浮沈分離を前処理設備20で用いる場合、液体媒体は水を含んでもよい。塩、糖類、および/または他の添加剤を液体媒体に加え、たとえば液体媒体の密度を増加させ、浮沈分離段階の目標分離密度を調整してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、液体媒体は濃縮塩溶液を含む。1つ以上のそのような実施態様では、塩は塩化ナトリウムである。しかし、1つ以上の他の実施態様では、塩は非ハロゲン化塩、たとえば酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、および/または硫酸塩である。
【0084】
[0092]なお、本明細書でいう目標分離密度は目標プラスチック密度を指し、分離処理に用いられる濃縮塩溶液の密度(プラスチック材料の目標分離密度と同じであってもなくてもよい)とは別のものである。たとえば、典型的な浮沈分離段階では、プラスチックと濃縮塩溶液の密度は同じか実質的に同じである。しかし、典型的な液体サイクロン分離段階では、濃縮塩溶液密度は一般に目標プラスチック密度よりも大きくなく、濃縮塩溶液密度は目標プラスチック密度よりも小さくてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、液体サイクロン分離器を1.25~1.35g/ccの密度を有する濃縮塩溶液および1.25~1.35g/ccの目標プラスチック分離密度と共に使用する。そのような実施態様は一般に、より高いPET純度を可能にするが、大きな収率損失につながる。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、液体サイクロン分離器を1.00~1.20g/ccまたは1.10~g/ccの密度を有する濃縮塩溶液および1.25~1.35g/ccの目標プラスチック分離密度と共に使用する。そのような実施態様は一般に、PET純度の低下につながるが、PET収率は高い。
【0085】
[0093]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、液体媒体は、臭化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硝酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、酢酸カリウム、臭化カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化カルシウム、塩化セシウム、塩化鉄、塩化ストロンチウム、塩化亜鉛、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、および/または硝酸銀を含む濃縮塩溶液を包含する。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、液体媒体は、スクロースなどの糖類を含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、液体媒体は、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロベンゼン、硫酸ジメチル、および/またはトリクロロエチレンを含む。液体媒体の特定の成分および濃度は、分離段階の所望の目標分離密度に応じて選択できる。
【0086】
[0094]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、前処理設備20での分離後、分離された廃プラスチック流(または、一実施態様または前述の実施態様のいずれかとの組合せでは混合プラスチック廃棄物流)を必要に応じて洗浄して、無機の非プラスチック固体、たとえば泥、ガラス、充填剤、および他の非プラスチック固体材料を除去し、かつ/あるいは生体成分、たとえば細菌および/または食物を除去してもよい。また、得られた廃プラスチック(分離されているかどうかにかかわらず)を流れの総重量基準で5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.25重量パーセント以下の水(または液体)の水分量になるまで乾燥してもよい。
【0087】
[0095]図1にも示されるように、非プラスチック成分流105を前処理設備20から取り出してもよい。非プラスチック成分流105は可溶性成分および不溶性成分を含んでもよく、前処理設備内の1つ以上の場所から発生してもよい。可溶性成分は、たとえば水100gに対して少なくとも50g、少なくとも55g、少なくとも60g、少なくとも65g、少なくとも70g、少なくとも75g、少なくとも80g、少なくとも85g、少なくとも90g、少なくとも95g、または少なくとも99gの溶解度(25℃、1気圧で測定)を有する、実質的に水に溶ける成分であってもよい。可溶性成分の例としては、塩、糖、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
[0096]図1に示すように、前処理設備20での分離後、非プラスチック可溶性成分流105bを設備20から取り出して廃水処理設備(図示せず)に送ってもよい。非プラスチック可溶性成分の水性流105bは、流れの総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも3重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、かつ/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、7重量パーセント以下、もしくは5重量パーセント以下の可溶性非プラスチック成分を含んでもよい。非プラスチック可溶性成分の水性流105bは、流れの総重量基準で1~50重量パーセント、2~45重量パーセント、または5~25重量パーセントの範囲の量の可溶性非プラスチック成分を含んでもよい。この流れの残りは水であるか、水を含んでもよい。
【0089】
[0097]1つ以上の実施態様では、図1にも示されるように、非プラスチック不溶性成分流もライン105aを経て前処理設備20から取り出してもよい。前処理設備20から取り出される非プラスチック不溶性成分としては、有機物(食品またはセルロース製品、たとえば紙やボール紙など)、さらには泥、ガラス、金属、石、TEFLON(登録商標)、不活性物質充填ポリオレフィン、たとえばポリプロピレンおよびポリエチレン、ケイ素、およびそれらの組合せが挙げられる。少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、または少なくとも25重量パーセント、かつ/または75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、もしくは25重量パーセント以下の非プラスチック不溶性成分は、バイオマスまたは他の有機材料を含んでもよく、あるいは、非プラスチック不溶性成分の量は、流れの総重量基準で5~75重量パーセント、10~60重量パーセント、または20~50重量パーセントの範囲であってもよい。
【0090】
[0098]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、流れ105b中の非プラスチック不溶性成分は、流れの総重量基準で少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、もしくは少なくとも80重量パーセント、かつ/または95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、もしくは65重量パーセント以下の金属を含んでもよく、あるいは、流れの総重量基準で45~95重量パーセント、50~85重量パーセント、または60~80重量パーセントの範囲の量で金属を含んでもよい。
【0091】
[0099]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、非プラスチック不溶性成分流105bは、流れの総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの有機化合物を含んでもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、非プラスチック不溶性成分流105bは、流れの総重量基準で99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、または5重量パーセント以下の有機化合物を含んでもよく、あるいはその流れは、流れの総重量基準で5~95重量パーセント、15~85重量パーセント、25~75重量パーセント、または30~50重量パーセントの量の有機化合物を含んでもよい。
【0092】
[0100]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、非プラスチック不溶性成分流105bは、流れの総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの無機化合物を含んでもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、非プラスチック不溶性成分流105bは、流れの総重量基準で99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、または5重量パーセント以下の無機化合物を含んでもよく、あるいは流れの総重量基準で5~80重量パーセント、10~60重量パーセント、または15~40重量パーセントの量の無機化合物を含んでもよい。無機化合物の例としては、金属、半金属(ケイ素など)、石、泥、ガラス、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0093】
[0101]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、前処理設備20から取り出された非プラスチック不溶性流105aを後続の処理設備に送ってもよく、そこで流れから1種以上の構成成分を取り出してさらに活用してもよい。たとえば、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、非プラスチック不溶性流105a中の成分の少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントをさらに処理、再生、かつ/あるいは販売してもよい。たとえば、金属成分を取り出して金属回収施設(図示せず)に売却してもよい。あるいは、非プラスチック不溶性成分の20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、または1重量パーセント以下をさらに処理、再生、かつ/あるいは販売してもよい。
【0094】
[0102]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、前処理設備20からの非プラスチック不溶性成分の少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントを、図1に示すように部分酸化(POX)ガス化装置50に導入してもよい。あるいは、非プラスチック不溶性成分の20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、または1重量パーセント以下をPOXガス化装置50に導入してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、成分の少なくとも一部を産廃埋立地または他の処理施設(図示せず)に輸送してもよい。
【0095】
[0103]図1に一般的に示すように、前処理設備20から取り出されたPO富化プラスチック流104(または外部供給源からのPO富化廃プラスチック流)を、化学的再生施設10内のいくつかの設備のうちの1つ以上に送ってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ポリオレフィン富化(PO富化)プラスチック流104の少なくとも一部または全部を以下、すなわち(i)部分酸化(POX)ガス化設備50、(ii)熱分解設備60、(iii)クラッカー設備70、(iv)エネルギー生成/生産設備80、および(v)再利用設備90のうち少なくとも1つに直接または間接的に送ってもよい。これらの種類の設備のそれぞれの様々な実施態様について、図を参照し、上記設備の2つ以上を化学的再生施設10内でどのように互いに統合してもよいかの具体例と共に以下に述べる。
【0096】
[0104]前述の1つ以上の実施態様では、混合プラスチック廃棄物流100を前処理設備20内でPET富化流102とPO富化流104に分離してもよい。本明細書で使用される場合、「富化」という用語は、基準材料または流れにおける特定の成分の濃度よりも高いその特定の成分の濃度(乾燥重量基準で)を有することを意味する。本明細書で使用される場合、特に述べない限り、すべての重量百分率は乾量基準で記載される。したがって、前処理設備20で形成され、かつ/あるいは前処理設備20から取り出された廃プラスチックのPET富化流102は、前処理設備20に導入された混合廃棄物供給流100中のPET濃度よりも高いPET濃度を有してもよい。同様に、前処理設備20で形成され、かつ/あるいは前処理設備20から取り出されたPO富化廃プラスチック流104は、前処理設備20に導入された混合プラスチック廃棄物流100中のPO濃度よりも高いPO濃度を有してもよい。
【0097】
[0105]一実施態様では、PET富化流102は、MPW流、PET減少流、またはその両方におけるPETの濃度と比較して、未希釈の固体乾量基準でPETの濃度が高められている。たとえば、PET富化流102が分離後に液体または他の固体で希釈される場合、富化は未希釈のPET富化流中の濃度を基準とし、乾量基準である。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流102は、以下の数式で決定した場合、MPW流、PET減少流、またはその両方に対して、少なくとも10パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも40パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも100パーセント、少なくとも125パーセント、少なくとも150パーセント、少なくとも175パーセント、少なくとも200パーセント、少なくとも225パーセント、少なくとも250パーセント、少なくとも300パーセント、少なくとも350パーセント、少なくとも400パーセント、少なくとも500パーセント、少なくとも600パーセント、少なくとも700パーセント、少なくとも800パーセント、少なくとも900パーセント、または少なくとも1000パーセントのPET富化率(%)を有する:
【0098】
【数1】
【0099】
(式中、PETeは未希釈の乾燥重量基準でのPET富化流102中のPETの濃度、PETmは乾燥重量基準でのMPW流中のPETの濃度、PETdは乾燥重量基準でのPET減少流中のPETの濃度である)。
【0100】
[0106]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流102は、MPW流もしくはPET減少流、またはその両方におけるハロゲンの濃度と比較してハロゲン、たとえばフッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびアスタチン(At)、および/またはハロゲン含有化合物、たとえばPVCも富化されている。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流102は、以下の数式で決定した場合、MPW流に対して少なくとも1パーセント、少なくとも3パーセント、少なくとも5パーセント、少なくとも7パーセント、少なくとも10パーセント、少なくとも15パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも40パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも100パーセント、少なくとも125パーセント、少なくとも150パーセント、少なくとも175パーセント、少なくとも200パーセント、少なくとも225パーセント、少なくとも250パーセント、少なくとも300パーセント、少なくとも350パーセント、少なくとも400パーセント、少なくとも500パーセントのPVC富化率(%)を有する:
【0101】
【数2】
【0102】
(式中、PVCeは未希釈の乾燥重量基準でのPET富化流102中のPVCの濃度、PVCmは未希釈の乾燥重量基準でのMPW流中のPVCの濃度、PVCdは未希釈の乾燥重量基準でのPET減少流中のPVCの濃度である)。
【0103】
[0107]PETからのポリオレフィンの分離により、PET減少流は、未希釈の固体乾量基準で、MPW供給流もしくはPET富化流、またはその両方におけるポリオレフィンの濃度と比較して、ポリオレフィンが富化されている。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流は、以下の数式で決定した場合、MPW流に対して、あるいはPET富化流102に対して、あるいはその両方に対して、少なくとも10パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも40パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも100パーセント、少なくとも125パーセント、少なくとも150パーセント、少なくとも175パーセント、少なくとも200パーセント、少なくとも225パーセント、少なくとも250パーセント、少なくとも300パーセント、少なくとも350パーセント、少なくとも400パーセント、少なくとも500パーセント、少なくとも600パーセント、少なくとも700パーセント、少なくとも800パーセント、少なくとも900パーセント、または少なくとも1000パーセントのポリオレフィン富化率(%)を有する:
【0104】
【数3】
【0105】
(式中、POdは未希釈の乾燥重量基準でのPET減少流中のポリオレフィンの濃度、POmは乾燥重量基準でのMPW流中のPOの濃度、POeはPET富化流中のPOの濃度である)。
【0106】
[0108]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流は、ハロゲン、たとえばフッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびアスタチン(At)、ならびに/またはハロゲン含有化合物、たとえばPVCもMPW流、PET富化流、またはその両方におけるハロゲンの濃度に対して減少している。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流は、以下の数式で決定した場合、MPW流もしくはPET富化流102またはその両方に対して、少なくとも1パーセント、少なくとも3パーセント、少なくとも5パーセント、少なくとも7パーセント、少なくとも10パーセント、少なくとも15パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも25パーセント、少なくとも30パーセント、少なくとも35パーセント、少なくとも40パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも65パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも75パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも85パーセント、少なくとも90パーセントのPVC減少率(%)を有する:
【0107】
【数4】
【0108】
(式中、PVCmは未希釈の乾燥重量基準でのMPW流中のPVC濃度、PVCdは未希釈の乾燥重量基準でのPET減少流中のPVC濃度、PVCeは未希釈の乾燥重量基準でのPET富化流102中のPVC濃度である)。
【0109】
[0109]一実施態様では、あるいは前述の他のいずれかの実施態様との組合せでは、PET減少流はまた、以下の数式で決定した場合、MPW流、PET富化流、またはその両方におけるPETの濃度に対してPETが減少している。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流は、以下の数式で決定した場合、MPW流もしくはPET富化流102またはその両方に対して、少なくとも1パーセント、少なくとも3パーセント、少なくとも5パーセント、少なくとも7パーセント、少なくとも10パーセント、少なくとも15パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも25パーセント、少なくとも30パーセント、少なくとも35パーセント、少なくとも40パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも65パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも75パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも85パーセント、少なくとも90パーセントのPET減少率(%)を有する:
【0110】
【数5】
【0111】
(式中、PETmは未希釈の乾燥重量基準でのMPW流中のPET濃度、PETdは未希釈の乾燥重量基準でのPET減少流中のPET濃度、
[0110]PETeは未希釈の乾燥重量基準でのPET富化流102中のPET濃度である)。
【0112】
[0111]上記の実施態様のいずれかにおける富化率または減少率は、1週間、または3日、または1日の平均として測定でき、測定は、入口から出口へ流れるMPWの滞留時間を考慮すべく、MPW処理の出口で採取された試料を試料の採取元である大容量のMPWと合理的に相関させるために実施できる。たとえば、前処理設備20(または前処理設備20内の分離ゾーン)におけるMPWの平均滞留時間が2分である場合、試料が互いに相関するように、出口の試料は投入試料の2分後に採取される。
【0113】
[0112]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、分離ゾーンまたは前処理設備20を出るPET富化流102は、PET富化流102の総重量基準で少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、少なくとも97重量パーセント、少なくとも99重量パーセント、または少なくとも99.5重量パーセントのPETを含んでもよい。PET富化流102は、前処理設備20に導入されたPETの総量の少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントを含んでもよい。
【0114】
[0113]PET富化流102はPVCも富化されていてもよく、たとえば、PET富化流102の総重量基準で少なくとも0.1重量パーセント、少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも3重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、かつ/または10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下のハロゲン(PVCなど)を含んでもよく、あるいは、流れの総重量基準で0.1~10重量パーセント、0.5~6重量パーセント、または0.5~3重量パーセントの量のハロゲン(PVCなど)を含んでもよい。
【0115】
[0114]前処理設備20(または分離ゾーン)から取り出されたPET富化流102は、POも減少していてもよい。本明細書で使用される場合、「減少」という用語は、基準材料または流れにおける特定の成分の濃度よりも低いその特定の成分の濃度(乾燥重量基準で)を有することを意味する。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流102は、PET富化流102の総重量基準で45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下のPOを含んでもよい。
【0116】
[0115]なお、しかし、PET富化流(およびPET減少流)中のハロゲン濃度は、少なくとも部分的にMPW供給原料中のハロゲン含有量に基づく、したがって、より少ない量のハロゲンがPET富化流に存在する場合がある。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、乾燥重量基準で1000ppm以下、500ppm以下、100ppm以下、50ppm以下、15ppm以下、10ppm以下、5ppm以下、または1ppm以下のハロゲンおよび/またはハロゲン含有化合物を含む。
【0117】
[0116]PET富化流102は、前処理設備20に導入されるPOの総量の10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流102はまた、PET富化流102の総重量基準で45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下のPET以外の成分を含んでもよい。
【0118】
[0117]同様に、PO富化流104は、PO富化流104の総重量基準で少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、少なくとも97重量パーセント、少なくとも99重量パーセント、または少なくとも99.5重量パーセントのPOを含んでもよい。PO富化流104はまた、PVCが減少していてもよく、たとえば、PO富化流104の総重量基準で5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下のハロゲンまたはPVCを含んでもよい。PO富化流104は、前処理設備20に導入されるPOの総量の少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントを含んでもよい。
【0119】
[0118]前処理設備20から取り出されたPO富化流104はまた、PETが減少していてもよい。たとえば、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PO富化流104は、PO富化流104の総重量基準で45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下のPETを含んでもよい。
【0120】
[0119]PO富化流104は、前処理設備20に導入されるPETの総量の10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PO富化流104はまた、PO富化流104の総重量基準で45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下のPO以外の成分を含んでもよい。
【0121】
[0120]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PO富化流104は、以下の特徴の1つ以上を有してもよい:
[0121]5重量パーセント以下、4.5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3.5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2.5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1.5重量パーセント以下、1重量パーセント以下、または0.5重量パーセント以下の灰分;
[0122]250重量ppm以下、225重量ppm以下、200重量ppm以下、175重量ppm以下、150重量ppm以下、125重量ppm以下、100重量ppm以下、75重量ppm以下、50重量ppm以下、25重量ppm以下、10重量ppm以下、または5重量ppm以下(乾量基準で)のハロゲン含有量;
[0123]5重量パーセント以下、4.5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3.5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2.5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1.5重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.75重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.25重量パーセント以下の窒素含有化合物;
[0124]5重量パーセント以下、4.5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3.5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2.5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1.5重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.75重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.25重量パーセント以下の含酸素化合物;
[0125]10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、4重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下のポリエチレンテレフタラート;
[0126]1ppm以下、0.75ppm以下、0.50ppm以下、0.25ppm以下、0.10ppm以下、または0.05ppm以下の水銀含有量;
[0127]100ppm以下、75ppm以下、50ppm以下、25ppm以下、10ppm以下、5ppm以下のヒ素含有量;および
[0128]10rad/秒のせん断速度および250℃の温度で動作するV80-40ベーンスピンドル付きBrookfield R/Sレオメーターを用いて測定した場合、25,000ポアズ未満、15,000ポアズ未満、10,000ポアズ未満、もしくは5000ポアズ未満、または1~5000ポアズ、または500~3000ポアズの溶融粘度。
【0122】
[0129]ここで、すべての重量は、PO富化流104の総重量に基づく。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PO富化流104は、上記の特徴のうち1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、またはすべてを含み得る。
【0123】
[0130]灰分は、ASTM D5630-13に従い、非灰成分を熱蒸発させ、灰を重量測定することにより決定できる。ハロゲン含有量は、Uniquant X線蛍光または燃焼イオンクロマトグラフィーにより決定できる。窒素含有化合物は、窒素分析またはCHN分析装置を用いて測定できる。水銀およびヒ素の含有量は、ICP-OESを用いて測定できる。
【0124】
[0131]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PO富化流104は、少なくとも1ポアズ、少なくとも5ポアズ、少なくとも50ポアズ、少なくとも100ポアズ、少なくとも200ポアズ、少なくとも300ポアズ、少なくとも400ポアズ、少なくとも500ポアズ、少なくとも600ポアズ、少なくとも700ポアズ、少なくとも800ポアズ、少なくとも900ポアズ、少なくとも1000ポアズ、少なくとも1500ポアズ、少なくとも2000ポアズ、少なくとも2500ポアズ、少なくとも3000ポアズ、少なくとも3500ポアズ、少なくとも4000ポアズ、少なくとも4500ポアズ、少なくとも5000ポアズ、少なくとも5500ポアズ、少なくとも6000ポアズ、少なくとも6500ポアズ、少なくとも7000ポアズ、少なくとも7500ポアズ、少なくとも8000ポアズ、少なくとも8500ポアズ、少なくとも9000ポアズ、少なくとも9500ポアズ、または少なくとも10,000ポアズの溶融粘度を有してもよい。あるいは、またはさらに、PO富化流104は、10rad/秒のせん断速度および250℃の温度で動作するV80-40ベーンスピンドル付きBrookfield R/Sレオメーターを用いて測定した場合に25,000ポアズ以下、24,000ポアズ以下、23,000ポアズ以下、22,000ポアズ以下、21,000ポアズ以下、20,000ポアズ以下、19,000ポアズ以下、18,000ポアズ以下、または17,000ポアズ以下の溶融粘度を有してもよい。PO富化流の溶融粘度は、1~25,000ポアズ、100~20,000ポアズ、または2000~17,000ポアズの範囲であってもよい。
【0125】
[0132]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PO富化流104は、流れの総重量基準で4重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下の接着剤を含む。
【0126】
[0133]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、下流の化学的再生処理でPET富化流20中のPET重合体を処理すると、PET富化流20中のPVCの少なくとも50重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、少なくとも99重量パーセント、または少なくとも100重量パーセントがPET富化流20に残る。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、下流の化学的再生処理でPET富化流20中のPET重合体を処理すると、PET富化流20中のPVCの50~100重量パーセント、または75~99重量パーセント、または90~95重量パーセントがPET富化流20中に残る。
【0127】
[0134]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、MPW10、PET減少流30、またはその両方に対して、多層プラスチックが減少している。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、乾量基準で10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、または0.1重量パーセント以下の多層プラスチックを含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、乾量基準で0.01~10重量パーセント、0.05~5重量パーセント、または0.1~2重量パーセント、または0.5~1重量パーセントの多層プラスチックを含む。
【0128】
[0135]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、MPW10、PET減少流30、またはその両方に対して多成分プラスチックが減少している。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、乾量基準で10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、または0.1重量パーセント以下の多成分プラスチックを含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、乾量基準で0.01~10重量パーセント、0.05~5重量パーセント、または0.1~2重量パーセント、または0.5~1重量パーセントの多成分プラスチックを含む。
【0129】
[0136]図1に示すように、PET富化流102およびPO富化流104の両方を化学的再生施設内の1つ以上の下流処理設備に導入してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流102の少なくとも一部を加溶媒分解設備30に導入してもよく、PO富化流104の少なくとも一部を熱分解設備60、分解(クラッカー)設備70、部分酸化(POX)ガス化設備50、固化設備40、およびエネルギー生成/生産設備80のうちの1つ以上に直接または間接的に導入してもよい。その代わりに、あるいはそれに加えて、流れの全体または一部を産廃埋立地に送り、かつ/あるいはさらに処理し、かつ/あるいは販売してもよい。本技術の1つ以上の実施態様による、各種類の設備のさらなる詳細、ならびにこれらの設備のそれぞれと1つ以上の他の設備との統合については、以下でさらに詳細に述べる。
【0130】
[0137]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、本明細書に記載の前処理工程および/または分離処理は、多層プラスチックまたは他の多成分プラスチックの形態でPETと結びつけられたナイロンおよび他のプラスチックを分離するのに特に有効である。結びつきの方式に関わらず、前処理および/または分離処理は、PETからナイロンおよび/または他のプラスチックを有効に解離かつ分離してこれらの成分の分離効率を高めてもよい。
【0131】
[0138]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、乾量基準で5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、または0.1重量パーセント以下の結びつけられたPET-ナイロンを含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、乾量基準で0.001~5重量パーセント、0.01~2重量パーセント、または0.1~1重量パーセントの結びつけられたPET-ナイロンを含む。
【0132】
[0139]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、第一の分離段階に供されるMPWおよび/またはMPW供給原料の流れに存在する結びつけられたPET-ナイロンのうち、乾量基準で20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下を含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流20は、第一の分離段階に供されるMPWおよび/またはMPW供給原料の流れに存在する結びつけられたPET-ナイロンのうち、乾量基準で0.01~20重量パーセント、0.1~10重量パーセント、または1~5重量パーセントを含む。
【0133】
[0140]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、MPW10、PET富化流20、またはその両方に対して多層プラスチックが富化されている。しかし、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、MPW10に対して多層プラスチックが減少している。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、乾量基準で少なくとも0.001重量パーセント、少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.1重量パーセント、もしくは少なくとも1重量パーセント、かつ/または10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、もしくは4重量パーセント以下の多層プラスチックを含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、乾量基準で0.001~10重量パーセント、0.01~8重量パーセント、0.1~6重量パーセント、または1~4重量パーセントの多層プラスチックを含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流中の多層プラスチック対PET富化流中の多層プラスチックの重量比は、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも50:1、または少なくとも100:1である。
【0134】
[0141]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、MPW10、PET富化流20、またはその両方に対して多成分プラスチックが富化されている。しかし、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、MPW10に対して多成分プラスチックが減少している。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、乾量基準で少なくとも0.001重量パーセント、少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.1重量パーセント、もしくは少なくとも1重量パーセント、かつ/または10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、もしくは4重量パーセント以下の多成分プラスチックを含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流30は、乾量基準で0.001~10重量パーセント、0.01~8重量パーセント、0.1~6重量パーセント、または1~4重量パーセントの多成分プラスチックを含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET減少流中の多成分プラスチックとPET富化流中の多成分プラスチックの重量比は、少なくとも1:1、少なくとも2:1、少なくとも5:1、少なくとも10:1、少なくとも50:1、または少なくとも100:1である。
【0135】
[0142]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PO富化流104を1つ以上の下流設備に送る前に前処理設備20内でさらに処理してもよい。たとえば、PO富化流104の少なくとも一部または全部を必要に応じて粉末化かつペレット化(あるいは微小ペレット化)してもよく、あるいは流れの全部または一部を上記の下流設備の1つ以上に直接送ってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、固体の全部または一部(分離ゾーンから直接でも、粉末化および/またはペレット化の後でも)を直接送ってもよいし、他の固体と混ぜ合わせてもよいし、液体と混ぜ合わせてスラリーを形成してもよい。
【0136】
[0143]粉末化の場合、前処理設備20内からのPO富化薄片を粉砕機に送ってもよく、ここで薄片(または他の固形物)を複数の切削刃またはディスクと接触させ、投入材料の粒径を小さくする。所望の最終粒径を達成するために刃の数および大きさを選択できる。サイズを小さくした後、特定の粒径分布を有する最終固体流を提供すべく、得られた材料を選別してもよい。
【0137】
[0144]ペレット化の場合、供給流を溶融押出機に導入でき、そこで供給流を加熱し、溶融して少なくとも240℃、少なくとも245℃、少なくとも250℃、少なくとも255℃、少なくとも260℃、かつ/または310℃以下、305℃以下、300℃以下、290℃以下、280℃以下、275℃以下、270℃以下、265℃以下、もしくは260℃以下の温度で溶融重合体を形成する。次いで、溶融重合体を複数の穴を有するダイプレートに通し、得られた重合体鎖を(必要に応じて水中で)切断し、ペレットを形成する。得られたペレットは、最長寸法に沿って測定した場合、少なくとも0.5mm、少なくとも0.75mm、少なくとも0.90mm、少なくとも1mm、少なくとも1.1mm、少なくとも1.25mm、かつ/または2.25mm以下、2.1mm以下、2mm以下、1.75mm以下、もしくは1.6mm以下の平均粒径を有してもよい。
【0138】
[0145]なお、本明細書では単一の化学的再生施設10の一部として記載されているが、前処理設備20、加溶媒分解設備30、熱分解設備60、分解設備70、部分酸化(POX)ガス化設備50、固化設備40、エネルギー生成/生産設備80、および再生設備90の1つ以上は、異なる地理的位置に配置されてもよく、かつ/あるいは異なる営利団体により運営されてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、前処理設備20、加溶媒分解設備30、熱分解設備60、分解設備70、部分酸化(POX)ガス化設備50、固化設備40、エネルギー生成/生産設備80、および再生設備90のそれぞれは同じ事業体により運営されてもよいが、他の場合には、前処理設備20、加溶媒分解設備30、熱分解設備60、分解設備70、部分酸化(POX)ガス化設備50、固化設備40、エネルギー生成/生産設備80、および再生設備90の1つ以上は、異なる事業体によって運営されてもよい。
【0139】
[0146]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設10は、かなりの量の混合プラスチック廃棄物を処理できる商業規模の施設であってもよい。本明細書で使用される場合、「商業規模の施設」という用語は、1年間で平均したときに、1時間あたり少なくとも500ポンド(約227kg)の平均年間供給速度を有する施設を指す。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設(または前処理設備20、加溶媒分解設備30、熱分解設備60、分解設備70、部分酸化(POX)ガス化設備50、固化設備40、エネルギー生成/生産設備80、および再利用設備90のいずれか1つ)への平均供給速度は、1時間あたり少なくとも1000ポンド(約450kg)(lbs/時)、少なくとも1500ポンド(約680kg)、少なくとも2000ポンド(約907kg)、少なくとも2500ポンド(約1130kg)、少なくとも3000(約1360kg)ポンド、少なくとも3500ポンド(約1590kg)、少なくとも4000(約1810kg)ポンド、少なくとも4500(約2040kg)ポンド、少なくとも5000(約2270kg)ポンド、少なくとも5500ポンド(約2500kg)、少なくとも6000ポンド(約2720kg)、少なくとも6500ポンド(約2950kg)、少なくとも7500ポンド(約3400kg)、少なくとも10,000ポンド(約4540kg)、少なくとも12,500ポンド(約5670kg)、少なくとも15,000ポンド(約6800kg)、少なくとも17,500ポンド(約7940kg)、少なくとも20,000ポンド(約9070kg)、少なくとも22,500ポンド(約10200kg)、少なくとも25,000ポンド(約11300kg)、少なくとも27,500ポンド(約12500kg)、少なくとも30,000(約13600kg)ポンド、もしくは少なくとも32,500(約14700kg)ポンド、かつ/または500,000ポンド(約227000kg)以下、450,000ポンド(約204000kg)以下、400,000ポンド(約181000kg)以下、350,000ポンド(約159000)以下、300,000ポンド(約136000kg)以下、250,000ポンド(約113000kg)以下、200,000ポンド(約90700kg)以下、150,000ポンド(約68000kg)以下、100,000ポンド(約45400kg)以下、75,000ポンド(約34000kg)以下、50,000ポンド(約22700kg)以下、もしくは40,000ポンド(約18100kg)以下であってもよく、あるいは、1000~500,000lbs/時(約450~227000kg/時)、3500~250,000lbs/時(約1590~113000kg/時)、または10,000~100,000lbs/時(約4540~45400kg/時)の範囲であってもよい。設備が2つ以上の供給流を含む場合、平均年間供給速度は、より高容量の供給流に基づいて決定される。
【0140】
[0147]さらに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設10(または、前処理設備20、加溶媒分解設備30、熱分解設備60、分解設備70、部分酸化(POX)ガス化設備50、固化設備40、エネルギー発生/生産設備80、および再生設備90のうちのいずれか1つ)を連続的に運転してもよい。
【0141】
[0148]これに加えて、あるいはその代わりに、化学的再生施設(または前処理設備20、加溶媒分解設備30、熱分解設備60、分解設備70、部分酸化(POX)ガス化設備50、固化設備40、およびエネルギー発生/生産設備80のいずれか)の少なくとも一部をバッチ式またはセミバッチ式で運転してもよい。場合によっては、設備は、在庫を管理し各設備への一貫した流量を確保するために、設備の部分間または設備間に複数のタンクを含んでもよい。
【0142】
[0149]さらに、図1に示される設備の2つ以上は互いに共に設置されてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、設備の少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはすべてが共に設置されてもよい。本明細書で使用される場合、「共に設置された」という用語は、処理または支援装置もしくは設備の少なくとも一部が2つの設備間で共有される設備を指す。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、図1に示される設備のうちの2つ以上が共に設置されている場合、設備は次の基準(i)~(v)のうち少なくとも1つを満たし得る:(i)設備は少なくとも1つの動力を共有する;(ii)設備は少なくとも1つの管理グループを共有する;(iii)設備は少なくとも1つの境界を共有する当事者により所有かつ/あるいは運営される;(iv)設備は少なくとも1つの導管で接続されている;(v)設備は、地理的中心から測定して、互いに40マイル(約64km)以内、35マイル(約56km)以内、30マイル(約48km)以内、20マイル(約32km)以内、15マイル(約24km)以内、12マイル(約19km)以内、10マイル(約16km)以内、8マイル(約13km)以内、5マイル(約8km)以内、2マイル(約3km)以内、または1マイル(約2km)以内にある。上記のうち少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、またはすべてが当てはまってもよい。
【0143】
[0150](i)に関して、適切な動力の例としては、蒸気システム(熱電供給および配電システム)、冷却水システム、伝熱流体システム、工場または計器用空気システム、窒素システム、水素システム、発電および配電システム(8000Vを超える配電など)、廃水/下水道システム、貯留施設、輸送ライン、フレアシステム、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0144】
[0151](ii)に関して、管理グループおよび施設の例としては、緊急要員(消防および/または医療)、第三者供給業者、政府の監視団体、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。政府の監視団体としては、たとえば規制機関または環境機関、ならびに市、郡、州レベルの地方自治体および税務機関を挙げることができる。
【0145】
[0152](iii)に関して、境界は、たとえば、フェンスライン、敷地境界線、門、または第三者が所有する土地または施設の少なくとも1つの境界との共通の境界であってもよい。
【0146】
[0153](iv)に関して、導管は、流体導管、たとえば気体充填導管もしくは液体充填導管、または電気導管であってもよい。場合によっては、2つのユニットが上で列挙したものから選択された1つ以上の導管を共有してもよい。流体導管を用いて2つのユニット間で処理流または動力を送ってもよい。たとえば、1つの設備(たとえば、加溶媒分解設備30)の入口を導管を介して別の設備(たとえば、POXガス化設備50)の入口と流動的に接続してもよい。場合によっては、ある設備の出口と別の設備の入口との間の一時保管は、90日以下、75日以下、60日以下、40日以下、30日以下、25日以下、20日以下、15日以下、10日以下、5日以下、2日以下、または1日以下であってもよい。
【0147】
[0154]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、前処理設備20から取り出された上記の流れ(非プラスチック不溶性流105a、PO富化流104、およびPET富化流102を含む)の1つ以上は、固体であるか、固体を含んでもよい。そのような流れの例としては、固体輸送装置およびシステムにより輸送可能な固体粒子、ならびに溶融物およびスラリーを挙げることができる。
【0148】
[0155]図1に示される化学的再生施設内の特定の設備のさらなる実施態様を以下でさらに詳細に説明する。

加溶媒分解設備
[0156]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET富化流102の少なくとも一部を加溶媒分解設備30に導入してもよい。本明細書で使用される場合、「加溶媒分解」または「エステル加溶媒分解」という用語は、エステル含有供給物が溶媒の存在下で化学分解されて主カルボキシル産物および主グリコール産物を形成する反応を指す。「加溶媒分解設備」は、廃プラスチックおよびそれに由来する供給原料の加溶媒分解を行うのに必要なすべての機器、ライン、および制御を含む設備である。本明細書で使用される場合、「主カルボキシル」という用語は、加溶媒分解設備から回収される主要または重要なカルボキシル産物を指す。本明細書で使用される場合、「主グリコール」という用語は、加溶媒分解設備から回収される主要なグリコール産物を指す。
【0149】
[0157]加溶媒分解を受けるエステルがPETを含む場合、加溶媒分解設備で行われる加溶媒分解はPET加溶媒分解であってもよい。本明細書で使用される場合、「PET加溶媒分解」という用語は、ポリエステルテレフタラート含有供給物を溶媒の存在下で化学分解し主テレフタリル産物および主グリコール産物を形成する反応を指す。本明細書で使用される場合、「主テレフタリル」という用語は、加溶媒分解設備から回収される主要または重要なテレフタリル産物を指す。本明細書で使用される場合、「グリコール」という用語は、分子あたり2つ以上の-OH官能基を含む成分を指す。本明細書で使用される場合、「テレフタリル」という用語は、以下の基を含む分子を指す:
【0150】
【化1】
【0151】
[0158]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解中に形成される主要なテレフタリルとしてはテレフタル酸またはテレフタル酸ジメチル(またはそれらのオリゴマー)などのテレフタリルが挙げられ、一方、加溶媒分解中に形成される主要なグリコールとしてはエチレングリコールおよびジエチレングリコールなどのグリコールが挙げられる。本技術の1つ以上の実施態様によるPET加溶媒分解設備の主な工程を図2に一般的に示し、その詳細については後述する。
【0152】
[0159]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解で使用される主要な溶媒は、少なくとも1つの-OH基を有する化合物を含む。適切な溶媒の例としては、水(この場合、加溶媒分解を「加水分解」と呼ぶことがある)、アルコール(この場合、加溶媒分解を「加アルコール分解」と呼ぶことがある)、たとえばメタノール(この場合、加溶媒分解を「加メタノール分解」と呼ぶことがある)またはエタノール(この場合、加溶媒分解を「加エタノール分解」と呼ぶことがある)、グリコール、たとえばエチレングリコールまたはジエチレングリコール(この場合、加溶媒分解を「加グリコール分解」と呼ぶことがある)、またはアンモニア(この場合、加溶媒分解を「加アンモニア分解」と呼ぶことがある)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0153】
[0160]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、溶媒は、溶媒流の総重量基準で少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの主溶媒を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、溶媒は、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の他の溶媒または成分を含んでもよい。
【0154】
[0161]加溶媒分解設備30が主溶媒としてメタノールを利用する場合、その設備を加メタノール分解設備と呼ぶことがある。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、図1の化学的再生施設10は加メタノール分解設備を含んでもよい。
【0155】
[0162]ここで、図2および3を参照する。PET加溶媒分解設備230(図2)およびPET加メタノール分解設備330(図3)の主な工程の概略図を示す構成図が示されている。加溶媒分解中、PETは化学分解されて主グリコールおよび主テレフタリルが形成されてもよい。加溶媒分解設備230への供給原料が混合プラスチック廃棄物を含む場合、主グリコールおよび主テレフタリルは再生成分を含み、図2に示すように、再生成分グリコール(r-グリコール)206および再生成分テレフタリル(r-テレフタリル)208を含む。さらに、いくつかの加溶媒分解副産物流も生成される。これについては、以下で詳細に述べる。
【0156】
[0163]同様に、加メタノール分解中にPETは化学分解され、主グリコールとしてのエチレングリコール(EG)および主テレフタリルとしてのテレフタル酸ジメチル(DMT)が形成されてもよい。PETが廃棄プラスチックを含む場合、EGおよびDMTはいずれも、図3に示されるように、主グリコール流がr-EG流306を含み、主テレフタリル流がr-DMT流308を含むように再生成分を含んでもよい。さらに、いくつかの副産物流も生成される。これについては、以下で詳細に述べる。
【0157】
[0164]再び図2を参照する。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解設備230から取り出されたr-グリコール流206は、加溶媒分解設備30で形成された主グリコールの少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントを含んでもよい。また、それは99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、または75重量パーセント以下の量の主グリコールを含んでもよく、あるいは、流れの総重量基準で45~99重量パーセント、50~95重量パーセント、または55~90重量パーセントの範囲の量で主グリコールを含んでもよい。
【0158】
[0165]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、r-グリコール流206は、流れの総重量基準で少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも7重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも12重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、もしくは少なくとも25重量パーセント、かつ/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、もしくは15重量パーセント以下の主グリコール以外の成分を含んでもよく、あるいは流れの総重量基準で0.5~45重量パーセント、1~40重量パーセント、または2~20重量パーセントの量の主グリコール以外の成分を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、主グリコール以外の成分は、PETの形成に用いられる他の修飾グリコールを含んでもよい。このようなグリコールの例としては、シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、ネオペンチルグリコール、およびそれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0159】
[0166]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解設備230から取り出された再生成分の主テレフタリル(r-テレフタリル)流208は、加溶媒分解設備30で形成された主テレフタリルの少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントを含んでもよい。また、それは主テレフタリルの99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、または75重量パーセント以下を含んでもよく、あるいは、それは流れの総重量基準で45~99重量パーセント、50~95重量パーセント、または55~90重量パーセントの範囲の量で主テレフタリルを含んでもよい。
【0160】
[0167]r-テレフタリル流208は、流れの総重量基準で少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも7重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも12重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、もしくは少なくとも25重量パーセント、かつ/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、もしくは15重量パーセント以下の主テレフタリル以外の成分を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で0.5~45重量パーセント、1~40重量パーセント、または2~20重量パーセントの量で主テレフタリル以外の成分を含んでもよい。
【0161】
[0168]図2に示すように、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、溶媒202、204の1つ以上の流れを加溶媒分解設備230から取り出してもよい。溶媒は、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、もしくは少なくとも95重量パーセントの、加溶媒分解設備30で用いられる主溶媒を含んでもよい。それはまた、溶媒流の1つの重量基準で99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、または75重量パーセント以下の主溶媒を含んでもよく、あるいは、流れの総重量基準で45~99重量パーセント、50~95重量パーセント、または55~90重量パーセントの範囲の量で溶媒を含んでもよい。
【0162】
[0169]加溶媒分解設備230から取り出された溶媒流202、204の1つはまた、流れの総重量基準で少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも7重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも12重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、もしくは少なくとも25重量パーセント、かつ/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、もしくは1重量パーセント以下の主溶媒以外の成分を含んでもよく、あるいは、流れの総重量基準で0.5~45重量パーセント、1~40重量パーセント、または2~20重量パーセントの量で主溶媒以外の成分を含んでもよい。
【0163】
[0170]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、溶媒流202、204(または302、304)のうちの少なくとも1つは、流れの総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、もしくは少なくとも40重量パーセント、かつ/または75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、もしくは5重量パーセント以下の量で主要なグリコール(すなわちエチレングリコール)を含んでもよく、あるいは、主要なグリコール(すなわちEG)は、流れの総重量基準で1~75重量パーセント、5~65重量パーセント、または15~50重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。
【0164】
[0171]加溶媒分解設備が、図3に示される加メタノール分解設備330である場合、加溶媒分解設備30から取り出された再生成分グリコール流306は再生成分エチレングリコール(r-EG)を含み、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントのEGを含んでもよい。それはまた、流れの総重量基準で99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、または75重量パーセント以下のEG、または45~99重量パーセント、50~95重量パーセント、もしくは55~90重量パーセントの範囲の量のEGを含んでもよい。
【0165】
[0172]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、r-EG流は、流れの総重量基準で少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも7重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも12重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、もしくは少なくとも25重量パーセント、かつ/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、もしくは15重量パーセント以下のEG以外の成分を含んでもよく、あるいは、流れの総重量基準で0.5~45重量パーセント、1~25重量パーセント、または2~15重量パーセントの範囲の量でこれらの成分を含んでもよい。EG以外の成分は、PETの形成に用いられる他の修飾グリコールを含んでもよい。このようなグリコールの例としては、前述のものの1種以上を挙げることができる。
【0166】
[0173]さらに、加溶媒分解設備が加メタノール分解設備である場合、r-テレフタリルはDMTを含んでもよく、加メタノール分解設備330から取り出された再生成分DMT(r-DMT)流308は、流れの総重量基準で少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントのテレフタル酸ジメチル(DMT)を含んでもよい。それはまた、流れの総重量基準で99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、または75重量パーセント以下のDMT、または45~99重量パーセント、50~95重量パーセント、もしくは55~90重量パーセントの範囲の量のDMTを含んでもよい。
【0167】
[0174]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、r-DMT流は、流れの総重量基準で少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも7重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも12重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、もしくは少なくとも25重量パーセント、かつ/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、もしくは15重量パーセント以下のDMT以外の成分を含んでもよく、あるいは、流れの総重量基準で0.5~45重量パーセント、1~25重量パーセント、または2~15重量パーセントの範囲の量のこれらの成分を含んでもよい。
【0168】
[0175]図3の加メタノール分解設備330の図に示されるように、メタノール306、308の1つ以上は、加メタノール分解設備330内で形成されるか、そこから取り出されてもよい。溶媒は、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントのメタノールを含んでもよい。それはまた、99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、または75重量パーセント以下のメタノールを含んでもよく、あるいは、流れの総重量基準で45~99重量パーセント、50~95重量パーセント、または55~95重量パーセントの範囲の量のメタノールを含んでもよい。
【0169】
[0176]メタノール流306、308はまた、少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも7重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも12重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、もしくは少なくとも25重量パーセント、かつ/または45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、もしくは1重量パーセント以下のメタノール以外の成分を含んでもよく、あるいは、これらの成分は、流れの総重量基準で0.5~45重量パーセント、1~25重量パーセント、または2~15重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。本明細書に記載される溶媒流の組成は、処理内の溶媒の流れ、処理から取り出される溶媒の流れ、および/または加メタノール分解設備330内で処理に加えられる溶媒の流れを指す場合がある。
【0170】
[0177]再生成分主グリコールおよび再生成分主テレフタリルを含む流れ、ならびに主溶媒流を提供することに加えて、1つ以上の加溶媒分解(または加メタノール分解)副産物流を加溶媒分解設備230(または加メタノール分解設備330)内の1つ以上の場所から取り出してもよい。本明細書で使用される場合、「副産物」または「加溶媒分解副産物」という用語は、加溶媒分解設備の主カルボキシル(または主テレフタリル)産物でも、加溶媒分解設備の主グリコール産物でも、加溶媒分解設備に供給される主溶媒でもない任意の化合物を指す。加溶媒分解設備が加メタノール分解設備である場合、副産物を加メタノール分解副産物と呼ぶことがある。本明細書で使用される場合、「加メタノール分解副産物」という用語は、加メタノール分解設備から取り出されたDMTでもEGでもメタノールでもない任意の化合物を指す。
【0171】
[0178]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解(または加メタノール分解)設備から取り出された1つ以上の副産物流は、重質有機副産物および/または軽質有機副産物を含み得る。本明細書で使用される場合、「重質有機加溶媒分解副産物」という用語は、加溶媒分解設備の主テレフタリル産物の沸点よりも高い沸点を有する加溶媒分解副産物を指し、「軽質有機加溶媒分解副産物」という用語は、加溶媒分解設備の主テレフタリル産物の沸点よりも低い沸点を有する加溶媒分解副産物を指す。本明細書で使用される場合、「重質有機加メタノール分解副産物」という用語は、DMTよりも高い沸点を有する加メタノール分解副産物を指し、「軽質加メタノール分解副産物」という用語は、DMTよりも低い沸点を有する加メタノール分解副産物を指す。加メタノール分解および加溶媒分解の両方の設備の具体的な副産物の例を以下にさらに詳細に説明する。
【0172】
[0179]図2および3に示すように、加溶媒分解設備230および加メタノール分解設備330からいくつかの副産物流を取り出してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、少なくとも1つの副産物流は、流れにおける有機物の総重量基準で少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、加溶媒分解(または加メタノール分解)設備から生成される主グリコール(またはEG)の沸点よりも高い沸点を有する有機化合物を含んでもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、副産物は、流れにおける有機物の総重量基準で25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の、主グリコール(またはEG)の沸点よりも低い沸点を有する成分を含んでもよい。
【0173】
[0180]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解(または加メタノール分解)設備から取り出された少なくとも1つの副産物流は、流れにおける有機物の総重量基準で少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、加溶媒分解(または加メタノール分解)設備から生成される主グリコール(またはEG)の沸点よりも高く主テレフタリル(またはDMT)の沸点よりも低い沸点を有する有機化合物を含んでもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、副産物は、流れにおける有機物の総重量基準で25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の、主グリコール(またはEG)の沸点よりも低く主テレフタリル(またはDMT)の沸点よりも高い沸点を有する成分を含んでもよい。
【0174】
[0181]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解(または加メタノール分解)設備からの副産物流のうちの1つ以上における有機化合物のうち、流れにおける有機物の総重量基準で少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの有機化合物は、加溶媒分解(または加メタノール分解)設備から生成される主テレフタリル(またはDMT)の沸点よりも高い沸点を有してもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、副産物は、流れにおける有機物の総重量基準で25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の、主テレフタリル(またはDMT)の沸点よりも低い沸点を有する成分を含んでもよい。
【0175】
[0182]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解(または加メタノール分解)設備からの副産物流のうちの1つ以上における有機化合物のうち、流れにおける有機物の総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、かつ/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下は、加溶媒分解(加メタノール分解)設備から生成される主グリコール(またはEG)の沸点より低い沸点を有する。これに加えて、あるいはその代わりに、副産物は、流れにおける有機物の総重量基準で25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の、主グリコール(またはEG)の沸点より高い沸点を有する成分を含んでもよい。
【0176】
[0183]再び図2および3を参照して、加溶媒分解設備230および加メタノール分解設備330の運転について詳細に説明する。簡単にするために、以下の説明は、特に述べない限り、加溶媒分解および加メタノール分解設備の両方に一般的にあてはめられる。図2および3に示すように、混合プラスチック廃棄物210および溶媒212(またはメタノール312)の流れを(別々にまたは一緒に)加溶媒分解設備230(または加メタノール分解設備330)に導入してもよい。まず、流れを必要に応じて非PET分離ゾーン220に通過させてもよく、そこでPET以外の成分の総量の少なくとも50パーセントが流れから分離される。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、非PET成分は、PETよりも低い沸点(または密度)を有してもよく、そのゾーンから蒸気として除去できる。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、これらの非PET成分は液体として設備230または330に入ってもよい。その代わりに、あるいはそれに加えて、非PET成分の少なくとも一部は、PETよりもわずかに高いまたは低い密度を有してもよく、液体として分離されてもよい。最後に、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、非PET成分をPET含有液相から固体として分離してもよい。
【0177】
[0184]非PET分離ゾーン220で分離される非PET成分の一例はポリオレフィンである。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PET含有流から分離された非PET成分の少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントは、ポリオレフィン、たとえばポリエチレンおよび/またはポリプロピレンを含む。図2に点線で一般的に示すように、加溶媒分解設備230内の非PET分離ゾーン220の全体または一部は加溶媒分解反応ゾーン240の上流にあってもよいが、非PET分離ゾーン220の全体または一部は反応ゾーン240の下流にあってもよい。図3に示すように、加メタノール分解設備330内の非PET分離ゾーン220を加メタノール分解反応ゾーン340の上流に配置してもよい。
【0178】
[0185]非PET分離ゾーン220で用いられる分離技術としては、抽出、濾過、傾瀉、サイクロン分離または遠心分離、手動除去、磁気による除去、化学分解、ガス化および脱気、蒸留、ならびにそれらの組合せを挙げることができるが、これらに限定されない。これらの技術のうちの1つ以上を、加溶媒分解反応ゾーン240の前および/もしくは後、または加メタノール分解反応ゾーン340の前に非PET分離ゾーン220で用いてPET含有流から非PET成分を分離してもよい。
【0179】
[0186]非PET分離ゾーン220を出る、今やPETが富化している流れ214は、PET含有流214の総重量基準で25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、または0.5重量パーセント以下のPET(またはそれらのオリゴマーおよびモノマー分解産物)および溶媒以外の成分を含んでもよい。加溶媒分解反応ゾーン240または加メタノール分解反応ゾーン340の上流の非PET分離ゾーン220を出るPET含有流214は、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の他の種類のプラスチック(ポリオレフィンなど)を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、非PET分離ゾーン220を出るPET含有流214は、混合プラスチック廃棄物流210を介して非PET分離ゾーン220に導入される非PET成分の総量の45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、または2重量パーセント以下を含んでもよい。
【0180】
[0187]図2および3に示されるように、ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)を介して加溶媒分解設備230(または加メタノール分解設備330)から非PET成分を除去してもよい。得られたポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)は、ポリオレフィン含有副産物流の総重量基準で少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも92重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、少なくとも97重量パーセント、少なくとも99重量パーセント、または少なくとも99.5重量パーセントのポリオレフィンを含んでもよい。
【0181】
[0188]ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)中に存在するポリオレフィンは、主にポリエチレン、主にポリプロピレン、またはポリエチレンとポリプロピレンの組合せを含んでもよい。本明細書で使用される場合、「主に」という用語は、流れまたは組成物の総重量基準で所定の成分が少なくとも50重量パーセントであることを意味する。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ポリオレフィン含有副産物流中のポリオレフィンは、ポリオレフィン含有副産物流中のポリオレフィンの総重量基準で少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも92重量パーセント、少なくとも94重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、少なくとも97重量パーセント、少なくとも98重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントのポリエチレンを含む。
【0182】
[0189]あるいは、ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)中のポリオレフィンは、ポリオレフィン含有副産物流中のポリオレフィンの総重量基準で少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも92重量パーセント、少なくとも94重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、少なくとも97重量パーセント、少なくとも98重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントのポリプロピレンを含む。
【0183】
[0190]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ポリオレフィン含有副産物流216a、bは、ポリオレフィン含有副産物流216a、bの総重量基準で10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.75重量パーセント以下、0.50重量パーセント以下、0.25重量パーセント以下、0.10重量パーセント以下、または0.05重量パーセント以下のPETを含む。さらに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ポリオレフィン含有副産物流216a、bは、ポリオレフィン含有副産物流の総重量基準で少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、少なくとも0.10重量パーセント、少なくとも0.50重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、もしくは少なくとも1.5重量パーセント、かつ/または40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、もしくは2重量パーセント以下のポリオレフィン以外の成分を含み、あるいは、流れの総重量基準で0.01~40重量パーセント、0.10~15重量パーセント、または0.5~5重量パーセントの範囲の量でポリオレフィン以外の成分を含有してもよい。
【0184】
[0191]全体として、ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)は、ポリオレフィン含有副産物流216a、bの総重量基準で少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの有機化合物を含む。ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)は、ポリオレフィン含有副産物流の総重量基準で少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも3重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、もしくは少なくとも15重量パーセント、かつ/または40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、もしくは1重量パーセント以下の非有機成分を含んでもよく、あるいは流れの総重量基準で0.5~40重量パーセント、1~15重量パーセント、または2~5重量パーセントの範囲の量で非有機成分を含んでもよい。
【0185】
[0192]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)は、ポリオレフィン含有副産物流の総重量基準で少なくとも0.1重量パーセント、少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも1.5重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも2.5重量パーセント、少なくとも3重量パーセント、少なくとも3.5重量パーセント、少なくとも4重量パーセント、少なくとも4.5重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも8重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも12重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも18重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも22重量パーセント、もしくは少なくとも25重量パーセント、かつ/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、もしくは2重量パーセント以下の1種以上の非反応性固体を含んでもよく、あるいは流れの総重量基準で0.1~50重量パーセント、2~25重量パーセント、または3~15重量パーセントの範囲の量で非反応性固体を含んでもよい。
【0186】
[0193]非反応性固体は、PETと化学反応しない固体成分を指す。非反応性固体の例としては、砂、泥、ガラス、プラスチック充填剤、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)を含む副産物流のうち1つ以上は、流れの総重量基準で100重量ppm~50重量パーセント、500重量ppm~10重量パーセント、または1000重量ppm~5重量パーセントの量で非反応性固体を含んでもよい。
【0187】
[0194]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ポリオレフィン含有副産物流は、少なくとも100重量ppm、少なくとも250重量ppm、少なくとも500重量ppm、少なくとも750重量ppm、少なくとも1000重量ppm、少なくとも1500重量ppm、少なくとも2000重量ppm、少なくとも2500重量ppm、少なくとも5000重量ppm、少なくとも7500重量ppm、あるいはポリオレフィン副産物流の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも1.5重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、もしくは少なくとも25重量パーセント、かつ/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の1種以上の充填剤を含み、あるいはその流れは、流れの総重量基準で100ppm~50重量パーセント、500ppm~20重量パーセント、または2500ppm~2重量パーセントの範囲の量で充填剤を含んでもよい。
【0188】
[0195]充填剤の例としては、チキソトロピック剤(発煙シリカおよび粘土(カオリン)など)、顔料、着色剤、難燃剤(アルミナ三水和物、臭素、塩素、ホウ酸塩、およびリンなど)、抑制剤(ワックス系材料など)、UV阻害剤または安定剤、導電性添加剤(金属粒子、炭素粒子、導電性繊維など)、離型剤(ステアリン酸亜鉛、ワックス、シリコーンなど)、炭酸カルシウム、および硫酸カルシウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0189】
[0196]ポリオレフィン含有副産物流は主に液体であってもよいが、少なくともいくらかの蒸気および/または固体をさらに含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)は、10rad/秒のせん断速度および250℃の温度で動作するV80-40ベーンスピンドル付きBrookfield R/Sレオメーターを用いて測定した場合、少なくとも1ポアズ、少なくとも10ポアズ、少なくとも25ポアズ、少なくとも50ポアズ、少なくとも75ポアズ、少なくとも90ポアズ、少なくとも100ポアズ、少なくとも125ポアズ、少なくとも150ポアズ、少なくとも200ポアズ、少なくとも250ポアズ、少なくとも300ポアズ、少なくとも350ポアズ、少なくとも400ポアズ、少なくとも450ポアズ、少なくとも500ポアズ、少なくとも550ポアズ、少なくとも600ポアズ、少なくとも650ポアズ、少なくとも700ポアズ、少なくとも750ポアズ、少なくとも800ポアズ、少なくとも850ポアズ、少なくとも900ポアズ、もしくは少なくとも950ポイズ、かつ/または25,000ポアズ以下、24,000ポアズ以下、23,000ポアズ以下、22,000ポアズ以下、21,000ポアズ以下、20,000ポアズ以下、19,000ポアズ以下、18,000ポアズ以下、17,000ポアズ以下、16,000ポアズ以下、15,000ポアズ以下、14,000ポアズ以下、13,000ポアズ以下、12,000ポアズ以下、11,000ポアズ以下、10,000ポアズ以下、9000ポアズ以下、8000ポアズ以下、7000ポアズ以下、6000ポアズ以下、5000ポアズ以下、4500ポアズ以下、4000ポアズ以下、3500ポアズ以下、3000ポアズ以下、2500ポアズ以下、2000ポアズ以下、1750ポアズ以下、1500ポアズ以下、1250ポアズ以下、1200ポアズ以下、1150ポアズ以下、1100ポアズ以下、1050ポアズ以下、1000ポアズ以下、950ポアズ以下、900ポアズ以下、800ポアズ以下、750ポアズ以下の粘度を有してもよい。
【0190】
[0197]ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)の粘度は、10rad/秒のせん断速度および250℃の温度で動作するV80-40ベーンスピンドル付きBrookfield R/Sレオメーターを用いて測定した場合、少なくとも500ポアズ、少なくとも750ポアズ、少なくとも900ポアズ、もしくは少なくとも950ポイズ、かつ/または25,000ポアズ以下、20,000ポアズ以下、17,000ポアズ以下、15,000ポアズ以下、12,000ポアズ以下、11,000ポアズ以下、10,000ポアズ以下、5000ポアズ以下、2500ポアズ以下、1250ポアズ以下、1000ポアズ以下の粘度を有してもよく、あるいは、ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)の粘度は、500~25,000ポアズ、1000~15,000ポアズ、または5000~12,500ポアズの範囲であってもよい。
【0191】
[0198]ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)は、非ニュートン流体であってもよく、かつ/あるいはずり減粘流体であってもよい。本明細書で使用される場合、「非ニュートン」という用語は、粘度がせん断速度、時間、または変形履歴に依存する流体を表す。本明細書で使用される場合、「ずり減粘」は、せん断速度と共に粘度が低下する非ニュートン流体を指す。たとえば、ずり減粘流体は、少なくとも260℃、少なくとも270℃、または少なくとも280℃の場合、1rad/sよりも1000rad/sでより低い粘度を有する。
【0192】
[0199]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、以下で詳細に述べるように、ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)の少なくとも一部または全部を1つ以上の下流設備に送る前にペレット化または微小ペレット化してもよい。
【0193】
[0200]ペレット化する場合、供給流を溶融押出機に導入し、そこで加熱かつ溶融し、少なくとも240℃、少なくとも245℃、少なくとも250℃、少なくとも255℃、少なくとも260℃、かつ/または310℃以下、305℃以下、300℃以下、290℃以下、280℃以下、275℃以下、270℃以下、265℃以下、もしくは260℃以下の温度で、あるいは240~280℃、245~275℃、もしくは255~265℃の範囲の温度で溶融重合体を形成する。次いで、溶融重合体を、複数の穴を有するダイプレートに通し、得られた重合体鎖を(必要に応じて水中で)切断してペレットを形成する。得られたペレットは、最長寸法に沿って測定した場合、少なくとも0.5mm、少なくとも0.75mm、少なくとも0.90mm、少なくとも1mm、少なくとも1.1mm、少なくとも1.25mm、かつ/または2.25mm以下、2.1mm以下、2mm以下、1.75mm以下、もしくは1.6mm以下、あるいは0.5~2.25mm、0.9~2.1mm、もしくは1~2mmの範囲の平均粒径を有してもよい。
【0194】
[0201]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)は、25℃の温度で測定した場合、少なくとも0.75g/cm、少なくとも0.80g/cm、少なくとも0.85g/cm、少なくとも0.90g/cm、少なくとも0.95g/cm、少なくとも0.99g/cm、かつ/または1.5g/cm以下、1.4g/cm以下、1.3g/cm以下、1.2g/cm以下、1.1g/cm以下、1.05g/cm以下、または1.01g/cm以下の密度を有してもよい。密度は、0.80~1.4g/cm、0.90~1.2g/cm、または0.95~1.1g/cmであってもよい。
【0195】
[0202]非PET分離ゾーン220から取り出されると、ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)は、少なくとも200℃、少なくとも205℃、少なくとも210℃、少なくとも215℃、少なくとも220℃、少なくとも225℃、少なくとも230℃、もしくは少なくとも235℃、かつ/または350℃以下、340℃以下、335℃以下、330℃以下、325℃以下、320℃以下、315℃以下、310℃以下、305℃以下、もしくは300℃以下の温度を有してもよく、あるいはそれは、200~350℃、215~330℃、220~340℃、もしくは235~300℃の範囲の温度であってもよい。
【0196】
[0203]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)は、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、主テレフタリル(または、設備が加メタノール分解設備330である場合にはDMT)よりも高温で沸騰する成分を含んでもよい。
【0197】
[0204]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解設備230からのポリオレフィン含有副産物流216a、b(または加メタノール分解設備330からの流れ316)は、ポリオレフィン含有副産物流の総重量基準で少なくとも90重量パーセント、少なくとも92重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、少なくとも97重量パーセント、少なくとも99重量パーセント、もしくは少なくとも99.5重量パーセントのポリオレフィン、および/または1重量パーセント以下、0.75重量パーセント以下、0.50重量パーセント以下、0.25重量パーセント以下、もしくは0.10重量パーセント以下のPETを含んでもよい。流れはまた、10rad/秒のせん断速度および250℃の温度で動作するV80-40ベーンスピンドル付きBrookfield R/Sレオメーターを用いて測定した場合に、少なくとも100ポアズ、少なくとも150ポアズ、少なくとも200ポアズ、少なくとも250ポアズ、少なくとも300ポアズ、少なくとも350ポアズ、少なくとも400ポアズ、少なくとも450ポアズ、または少なくとも500ポアズの粘度を有してもよい。
【0198】
[0205]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解設備230(または加メタノール分解設備330)からのポリオレフィン含有副産物流の全部または一部を化学的再生施設内の他の設備のうちの1つ以上に導入してもよい。再び図1を参照すると、このことが副産物流110によって一般的に表されている。図1に示される副産物流110は、本明細書に記載の副産物流のいずれか1つ以上を、別個に、または他の副産物流の1つ以上と組み合わせて含んでもよい。
【0199】
[0206]図1に示すように、加溶媒分解設備30からの副産物流110の全部または一部を、化学的再生施設10内の他の処理設備の1つ以上に送ってもよい。このような設備としては、たとえば(i)固化設備40、(ii)部分酸化(POX)ガス化設備50、(iii)熱分解設備60、(iv)クラッカー設備70、および(v)エネルギー生成/生産設備80を挙げることができる。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ポリオレフィン含有副産物流のうち少なくとも10重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントを、供給流としてあるいは供給流と共に、(i)~(v)の設備の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、またはすべてに導入してもよい。
【0200】
[0207]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解設備30からの少なくとも1つの他の副産物流も、ポリオレフィン含有副産物流と同時に(i)固化設備40、(ii)部分酸化(POX)ガス化設備50、(iii)熱分解設備60、(iv)クラッカー設備70、および(v)エネルギー生成/生産設備80のうちの1つに導入してもよい。本明細書で使用される場合、「下流設備」という用語は、上記の設備の1つ以上を総称する。
【0201】
[0208]同時に導入する場合、ポリオレフィン含有副産物流を他の副産物流とは別に導入してもよいし、2つを先に合わせて、混合流を下流設備に導入してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ポリオレフィン含有副産物流を他の副産物流と同じ下流設備に導入してもよいが、1つ以上の他の実施態様では、ポリオレフィン含有副産物流を他の副産物流とは別の下流設備に導入してもよい。加溶媒分解設備30からの3つ以上の副産物流を下流の処理設備(たとえば、熱分解設備60、クラッカー設備70、固化設備40、エネルギー生成/生産設備80、および/またはPOXガス化設備50)に導入する場合、他の副産物流の少なくとも1つをポリオレフィン含有副産物流と同じ設備に導入してもよく、かつ/あるいは他の副産物流の少なくとも1つをポリオレフィン含有副産物流とは別の下流設備に導入してもよい。
【0202】
[0209]再び図2および3を参照する。流れ214として非PET分離ゾーン220から出るPET含有流(溶解したPETならびにその分解産物および溶媒を含む)を、次いで加溶媒分解反応ゾーン240(または加メタノール分解反応ゾーン340)に移してもよく、導入されたPETの分解の少なくとも50パーセントはそこで起こってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応ゾーン240(または340)内の反応媒体を撹拌する、あるいはかき混ぜてもよく、1つ以上の温度制御装置(熱交換器など)を用いて目標反応温度を維持してもよい。
【0203】
[0210]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解反応器の平均反応温度は、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃、少なくとも70℃、少なくとも75℃、少なくとも80℃、もしくは少なくとも85℃、かつ/または350℃以下、345℃以下、340℃以下、335℃以下、330℃以下、325℃以下、320℃以下、315℃以下、310℃以下、300℃以下、もしくは295℃以下であってもよく、あるいは50~350℃、60~325℃、または85~295℃の範囲であってもよい。
【0204】
[0211]加溶媒分解反応器内の圧力は、大気の重量ポンド毎平方インチゲージ圧(psig)で5以内、少なくとも10以内、少なくとも15以内、少なくとも20以内、少なくとも25以内、少なくとも30以内、少なくとも35以内、少なくとも40以内、少なくとも45以内、または少なくとも50以内であってもよく、あるいは大気のpsigで少なくとも55以内、少なくとも75以内、少なくとも90以内、少なくとも100以内、少なくとも125以内、または少なくとも150であってもよい。加溶媒分解反応器内の圧力は、大気のバールゲージ圧(barg)で少なくとも0.35、少なくとも0.70、少なくとも1、少なくとも1.4以内、少なくとも1.75、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも2.75、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも3.75、少なくとも5、少なくとも6.25、かつ/または大気のbargで10.35以下、8.6以下、または6.9以下であってもよい。
【0205】
[0212]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応ゾーン240(または340)における反応媒体の平均滞留時間は、少なくとも1分、少なくとも2分、少なくとも5分、少なくとも10分、もしくは少なくとも15分、かつ/または12時間以下、11時間以下、10時間以下、9時間以下、8時間以下、7時間以下、6時間以下、5時間以下、4時間以下、3時間以下、2時間以下、もしくは1時間以下であってもよく、あるいは1分~12時間、5分~7時間、または15分~1時間の範囲であってもよい。
【0206】
[0213]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解設備230(または加メタノール分解設備330)に導入されたPETの総重量の少なくとも50パーセント、少なくとも55パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも65パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも75パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも85パーセント、少なくとも90でパーセント、少なくとも95パーセント、または少なくとも99パーセントは、反応器流出流として反応ゾーン240(または340)を出るときに分解される。
【0207】
[0214]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応器流出パージ流を反応ゾーン240(または340)から取り出してもよく、少なくとも一部を、図2の加溶媒分解設備のライン218および図3の加メタノール分解設備のライン318として示される反応器パージ副産物流として、図1に示す化学的再生施設10内の1つ以上の下流設備に送ってもよい。反応器パージ副産物流218(または318)は、加溶媒分解設備230(または加メタノール分解設備330)から生成される主テレフタリル(または、加メタノール分解の場合はDMT)の沸点よりも高い中間範囲の沸点を有してもよい。
【0208】
[0215]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、図2(または3)に示される反応器パージ副産物流218(または318)は、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、主テレフタリル(またはDMT)の沸点よりも高い沸点を有する成分を含んでもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、副産物流は、少なくとも0.10重量パーセント、少なくとも0.25重量パーセント、少なくとも0.50重量パーセント、少なくとも0.75重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも8重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも12重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、もしくは少なくとも17重量パーセント、かつ/または30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、もしくは2重量パーセント以下の、主テレフタリルよりも(またはDMTよりも)高い沸点を有する化合物を含んでもよく、あるいは、それらは流れの総重量基準で0.10~30重量パーセント、0.50~20重量パーセント、または1~15重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。
【0209】
[0216]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応器パージ副産物流218(または318)は、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の、主テレフタリル(またはDMT)の沸点よりも低い沸点を有する成分を含んでもよい。さらに、または別の実施態様では、反応器パージ副産物流218(または318)は、反応器の温度よりも少なくとも5℃、少なくとも10℃、少なくとも15℃、少なくとも20℃、もしくは少なくとも25℃、かつ/または50℃以下、45℃以下、40℃以下、35℃以下、30℃以下、25℃以下、20℃以下、もしくは15℃以下高い融解温度を有してもよく、あるいはそれは5~50℃高い、または10~40℃高い、または15~30℃高い範囲であってもよい。
【0210】
[0217]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応器パージ副産物流218は、組成物の総重量基準で少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの主テレフタリルを含む。加溶媒分解設備が図3に示されるような加メタノール分解設備である場合、反応器パージ副産物流318は、流れの総重量基準で少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントのDMTを含んでもよい。
【0211】
[0218]さらに、反応器パージ副産物流218(または318)は、少なくとも100ppm、かつ流れの総重量基準で25重量パーセント以下の1種以上の非テレフタリル固体を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応器パージ副産物流218(または318)の非テレフタリル固体の総量は、少なくとも150ppm、少なくとも200ppm、少なくとも250ppm、少なくとも300ppm、少なくとも350ppm、少なくとも400ppm、少なくとも500ppm、少なくとも600ppm、少なくとも700ppm、少なくとも800ppm、少なくとも900ppm、少なくとも1000ppm、少なくとも1500ppm、少なくとも2000ppm、少なくとも2500ppm、少なくとも3000ppm、少なくとも3500ppm、少なくとも4000ppm、少なくとも4500ppm、少なくとも5000ppm、少なくとも5500ppm、少なくとも6000ppm、少なくとも7000ppm、少なくとも8000ppm、少なくとも9000ppm、少なくとも10,000ppm、もしくは少なくとも12,500ppm、かつ/または流れの総重量基準で25重量パーセント以下、22重量パーセント以下、20重量パーセント以下、18重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下であってもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で150ppm~22重量パーセント、500ppm~15重量パーセント、または1500ppm~5重量パーセントの範囲であってもよい。
【0212】
[0219]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応器パージ副産物流218(または318)は、流れの総重量基準で少なくとも100重量ppm、少なくとも250重量ppm、少なくとも500重量ppm、少なくとも750重量ppm、少なくとも1000重量ppm、少なくとも1500重量ppm、少なくとも2000重量ppm、少なくとも2500重量ppm、少なくとも3000重量ppm、少なくとも3500重量ppm、少なくとも4000重量ppm、少なくとも4500重量ppm、少なくとも5000重量ppm、少なくとも5500重量ppm、少なくとも6000重量ppm、少なくとも6500重量ppm、少なくとも7000重量ppm、少なくとも7500重量ppm、少なくとも8000重量ppm、少なくとも8500重量ppm、少なくとも9000重量ppm、少なくとも9500重量ppm、あるいは流れの総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも8重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、もしくは少なくとも12重量パーセント、かつ/または25重量パーセント以下、22重量パーセント以下、20重量パーセント以下、17重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下、10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、もしくは1重量パーセント以下、あるいは7500重量ppm以下、5000重量ppm以下、もしくは2500重量ppm以下の総固形分を有してもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で100ppm~25重量パーセント、500ppm~15重量パーセント、または1000ppm~10重量パーセントの範囲であってもよい。固体の例としては、不揮発性触媒化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0213】
[0220]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応器パージ副産物流218(または318)は、少なくとも100ppm、少なくとも250ppm、少なくとも500ppm、少なくとも750ppm、少なくとも1000ppm、少なくとも1500ppm、少なくとも2000ppm、少なくとも2500ppm、少なくとも3000ppm、少なくとも3500ppm、少なくとも4000ppm、少なくとも4500ppm、少なくとも5000ppm、少なくとも7500ppm、少なくとも10,000ppm、もしくは少なくとも12,500ppm、かつ/または60,000ppm以下、50,000ppm以下、40,000ppm以下、35,000ppm以下、30,000ppm以下、25,000ppm以下、20,000ppm以下、15,000ppm以下、もしくは10,000ppm以下の不揮発性触媒化合物を含んでもよく、あるいはそのような化合物は、流れの総重量基準で100~60,000ppm、500~30,000ppm、または1000~10,000ppmの範囲の量で存在してもよい。適切な不揮発性触媒化合物の例としては、チタン、亜鉛、メトキシド、アルカリ金属、アルカリ土類金属、スズ、残留エステル化触媒、残留重縮合触媒、アルミニウム、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0214】
[0221]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応器パージ副産物流218(または318)は、10rad/秒のせん断速度および250℃の温度で動作するV80-40ベーンスピンドル付きBrookfield R/Sレオメーターを用いて測定した場合、少なくとも1ポアズ(P)、少なくとも2P、少なくとも5P、少なくとも10P、少なくとも20P、少なくとも30P、少なくとも40P、少なくとも50P、少なくとも60P、少なくとも70P、少なくとも80P、少なくとも90P、少なくとも100P、少なくとも200P、少なくとも300P、少なくとも400P、少なくとも500P、少なくとも600P、かつ700P、少なくとも800P、少なくとも900P、少なくとも1000P、少なくとも1500P、少なくとも2000P、少なくとも2500P、少なくとも3000P、少なくとも3500P、少なくとも4000P、少なくとも4500P、少なくとも5000P、少なくとも5500P、少なくとも6000P、少なくとも6500P、少なくとも7000P、少なくとも7500P、少なくとも8000P、少なくとも8500P、少なくとも9000P、少なくとも10,000P、少なくとも11,000P、少なくとも12,000P、少なくとも13,000P、少なくとも14,000P、もしくは少なくとも15,000P、かつ/または25,000P以下、20,000P以下、15,000P以下、12,000P以下、10,000P以下、8000P以下、6000P以下、5000P以下、3000P以下、2000P以下、1500P以下、1000P以下、750P以下、500P以下、100P以下、75P以下、50P以下、もしくは25P以下の粘度を有する。
【0215】
[0222]反応器パージ副産物流218(または318)は、10rad/秒のせん断速度および250℃の温度で動作するV80-40ベーンスピンドル付きBrookfield R/Sレオメーターを用いて測定した場合、少なくとも100ポアズ(P)、少なくとも500P、少なくとも1000P、少なくとも2500P、少なくとも5000P、少なくとも10,000P、もしくは少なくとも15,000P、かつ/または25,000P以下、20,000P以下、15,000P以下、12,000P以下、10,000P以下、8000P以下の粘度を有してもよく、あるいはそれは100~25,000P、500~15,000P、または1000~10,000Pの範囲であってもよい。
【0216】
[0223]反応ゾーン240(または340)から取り出され、かつ/あるいは下流設備の1つ以上に導入されるときの反応器パージ副産物流218(または318)の温度は、少なくとも130℃、少なくとも135℃、少なくとも140℃、少なくとも145℃、少なくとも150℃、少なくとも155℃、少なくとも160℃、少なくとも165℃、少なくとも170℃、少なくとも175℃、少なくとも180℃、少なくとも185℃、少なくとも190℃、少なくとも195℃、少なくとも200℃、少なくとも205℃、少なくとも210℃、少なくとも215℃、少なくとも220℃、少なくとも225℃、少なくとも230℃、少なくとも245℃、少なくとも250℃、少なくとも255℃、少なくとも260℃、少なくとも265℃、少なくとも270℃、少なくとも275℃、少なくとも280℃、少なくとも285℃、少なくとも290℃、少なくとも295℃、または少なくとも300℃であってもよい。
【0217】
[0224]これに加えて、あるいはその代わりに、反応ゾーン240(または340)から取り出され、かつ/あるいは下流設備の1つ以上に導入されるときの反応器パージ副産物流218(または318)の温度は、350℃以下、345℃以下、340℃以下、335℃以下、330℃以下、325℃以下、320℃以下、315℃以下、310℃以下、305℃以下、300℃以下、295℃以下、290℃以下、285℃以下、280℃以下、275℃以下、270℃以下、265℃以下、260℃以下、255℃以下、または250以下℃であってもよい。
【0218】
[0225]反応ゾーン240(または340)から取り出される反応器パージ流の温度は、少なくとも150℃、少なくとも175℃、少なくとも200℃、少なくとも225℃、もしくは少なくとも250℃、かつ/または350℃以下、330℃以下、325℃以下、310℃以下、もしくは300℃以下であってもよく、あるいは150~350℃、200~330℃、もしくは250~330℃の範囲であってもよい。
【0219】
[0226]反応器をパージするとき、それを連続的に行っても断続的に行ってもよく、得られた反応器パージ副産物流を連続的または断続的に下流設備の1つに導入してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解または加メタノール分解設備(すなわち反応器)への供給流が高い不活性成分(繊維品を含む混合廃プラスチックの再生により生じるものなど)の含有量を有する場合、反応器パージ流を連続的に加溶媒分解(または加メタノール分解)反応器から取り出してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応器への供給流中の不活性成分の量が反応器供給流の総重量基準で少なくとも0.25重量パーセント、少なくとも0.35重量パーセント、少なくとも0.40重量パーセント、少なくとも0.45重量パーセント、少なくとも0.50重量パーセント、または少なくとも0.55重量パーセントである場合、反応器パージを連続的に行ってもよい。
【0220】
[0227]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解または加メタノール分解設備(すなわち反応器)への供給流がより低い不活性成分含有量を有する場合、断続的に加溶媒分解(または加メタノール分解)反応器から反応器パージ流を取り出してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応器への供給流中の不活性成分の量が反応器供給流の総重量基準で0.40未満、0.35以下、0.35以下、0.30以下、0.25以下、0.20以下、0.15以下、または0.10以下である場合、反応器パージを断続的に(すなわちバッチ式で)行ってもよい。
【0221】
[0228]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応器パージ流の少なくとも一部をペレット化、粒状化、または薄片化して固体を形成してもよく、その固体の少なくとも一部を本明細書に記載の1つ以上の下流設備に移してもよい。ペレット化は、より高い架橋度(たとえば、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、または少なくとも10の鎖長)を有する反応器パージ流の場合に実行されてもよく、粒状化および薄片化は、より低い架橋度(たとえば、6未満、5以下、4以下、または3以下の鎖長)を有する反応器パージ流の場合に実行されてもよい。
【0222】
[0229]ペレット化する場合、溶融供給物の流れを必要に応じてフィルターに通してもよく、得られた濾液をペレット製造装置に供給してもよい。ペレット製造装置では、溶融供給物を複数の穴を有するダイプレートに通し、得られた重合体鎖を(必要に応じて水中で)切断してペレットを形成する。得られたペレットは、最長寸法に沿って測定した場合、少なくとも0.5mm、少なくとも0.75mm、少なくとも0.90mm、少なくとも1mm、少なくとも1.1mm、少なくとも1.25mm、かつ/または2.25mm以下、2.1mm以下、2mm以下、1.75mm以下、もしくは1.6mm以下、または0.5~2.25mm、0.9~2.1mm、もしくは1~2mmの範囲の平均粒径を有してもよい。
【0223】
[0230]粒状化する場合、溶融供給物の流れを必要に応じてフィルターに通してもよく、得られた濾液を造粒装置に供給してもよい。造粒装置では、溶融供給物を円筒状のロトフォームに導入し、回転させて溶融流の滴を移動ベルト上に堆積させる。ロトフォームへの供給物の温度は、少なくとも230℃、少なくとも235℃、少なくとも240℃、少なくとも245℃、少なくとも250℃、もしくは少なくとも255℃、かつ/または270℃以下、265℃以下、260℃以下、255℃以下、もしくは250℃以下、または230~270℃、240~265℃、もしくは250~260℃の範囲であってもよい。
【0224】
[0231]少なくとも27℃、少なくとも30℃、少なくとも32℃、少なくとも35℃、かつ/または50℃以下、45℃以下、40℃以下、35℃以下、もしくは32℃以下、または27~50℃、30~45℃、もしくは30~40℃の範囲の温度を有する水または他の適切な流動媒体をベルトに垂らし、それにより溶融滴を冷却し固化させてもよい。次いで、固形粒状物を回収し、必要に応じて、本明細書に記載の化学的再生施設10内の1つ以上の場所に送ってもよい。得られた粒状物は、最大粒子寸法に沿って測定した場合、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも1.5mm、少なくとも2mm、少なくとも2.5mm、少なくとも3mm、少なくとも3.5mm、もしくは少なくとも4mm、かつ/または8mm以下、7.5mm以下、7mm以下、6.5mm以下、6mm以下、あるいは1~8mm、1.5~7.5m、2~7mm、もしくは4~6mmの範囲の平均粒径を有してもよい。
【0225】
[0232]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ベルト薄片製造装置またはドラム薄片製造装置を用いて重合体材料の薄片を形成してもよい。ベルト薄片製造装置で薄片化する場合、溶融供給物の流れをフィルターに通してもよく、得られた濾液を、粒状化について説明したのと似た方法で円筒状のロトフォームに供給してもよい。しかし、薄片化の際、ロトフォームの回転を減速あるいは停止して、溶融供給物の流れをベルト上に直接堆積させてもよい。ベルト上の材料の所望の厚みを達成するために、ロトフォームおよびベルトの速度、ならびにロトフォームおよび溶融物の温度を調整してもよい。一般に、ロトフォームへの供給物の温度は、少なくとも230℃、少なくとも235℃、少なくとも240℃、少なくとも245℃、少なくとも250℃、もしくは少なくとも255℃、かつ/または270℃以下、265℃以下、260℃以下、255℃以下、もしくは250℃以下、または230~270℃、240~265℃、もしくは250~260℃の範囲内であってもよい。
【0226】
[0233]ベルトに溶融重合体のシートまたは層状に置かれると、少なくとも27℃、少なくとも30℃、少なくとも32℃、少なくとも35℃、かつ/または50℃以下、45℃以下、40℃以下、35℃以下、もしくは32℃以下、または27~50℃、30~45℃、もしくは30~40℃の範囲内の温度を有する水または他の適切な流動媒体をベルトに垂らし、それによって溶融材料を冷却し、固化させてもよい。固体片または薄片を形成し、回収し、必要に応じて、本明細書に記載の化学的再生施設10内の1つ以上の場所に送る。得られる薄片の平均厚みは、薄片の最も厚い部分に沿って測定した場合、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも1.5mm、少なくとも2mm、少なくとも2.5mm、かつ/または4mm以下、3.5mm以下、3mm以下、2.5mm以下、2mm以下、1.5mm以下、1mm以下、もしくは0.75mm以下、または0.5~4mm、もしくは1~3mm、もしくは1~2mmの範囲であってもよい。
【0227】
[0234]ドラム薄片製造装置で薄片化する場合、供給流をフィルターに通してもよく、得られる溶融濾液を、内部が冷却された回転ドラムの表面に堆積させてもよい。材料が冷却されたドラム表面に接触すると、それは固化し、スクレーパーまたは固定刃を用いて薄片状の材料を除去してもよい。得られる薄片の平均厚みは、薄片の最も厚い部分に沿って測定した場合、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも1.5mm、少なくとも2mm、少なくとも2.5mm、かつ/または4mm以下、3.5mm以下、3mm以下、2.5mm以下、2mm以下、1.5mm以下、1mm以下、もしくは0.75mm以下、または0.5~4mm、もしくは1~3mm、もしくは1~2mmの範囲であってもよい。
【0228】
[0235]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、図2に加溶媒分解設備230に関して一般的に示すように、加溶媒分解設備30内の反応ゾーンからの流出流は、先に詳細に述べたように、反応器の下流に位置する非PET分離ゾーン220に必要に応じて送られてもよい。図2に示すように、反応器の上流の非PET分離ゾーン220に加えて、またはその代わりに、この反応器後の非PET分離ゾーン220を用いてもよい。
【0229】
[0236]図2および3に一般的に示されるように、反応ゾーン240(または加メタノール分解設備330内の340)、または存在する場合は非PET分離ゾーン220から得られる流出流222を、生成物分離ゾーン250(または350)に通過させてもよく、ここで、生成物分離ゾーン250(または350)に導入された供給流中の主溶媒(またはメタノール)の少なくとも50重量パーセントが分離される。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、主溶媒(または加溶媒分解設備が加メタノール分解設備である場合はメタノール)の総量の少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセントが生成物分離ゾーン250(または350)で供給流から分離されてもよい。
【0230】
[0237]図2および3に示すように、主溶媒222を主に含む流れ222(または加メタノール分解設備の場合はメタノール322を主に含む流れ)は、生成物分離ゾーン250(または350)から除去されてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、この主溶媒流222(またはメタノール流322)は、流れの総重量基準で少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの主溶媒(またはメタノール)を含んでもよい。
【0231】
[0238]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、この主溶媒流222(またはメタノール流322)の少なくとも一部または全部を、加溶媒分解設備230(または加メタノール分解設備330)の入口に再循環させ、PET含有またはPET富化廃プラスチックの新しい流れと共に再導入してもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、溶媒流222(またはメタノール流322)の少なくとも一部または全部を化学的再生施設10内または外部の他の設備の1つ以上に送ってもよい。
【0232】
[0239]さらに、図2および3に示すように、生成物分離ゾーン250(または350)は、主グリコール富化流224および主テレフタリル富化流226、あるいは設備が図3に示される加メタノール分解設備である場合、EG富化流324およびDMT富化流326を提供するように構成されてもよい。
【0233】
[0240]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、主グリコール流224(またはEG流324)は、流れの総重量基準で少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセントの主グリコール(またはEG)を含んでもよい。これは、生成物分離ゾーン250(または350)に導入される主グリコール(またはEG)の総重量の少なくとも40パーセント、少なくとも45パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも55パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも65パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも75パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも85パーセント、少なくとも90パーセント、または少なくとも95パーセントに相当してもよい。
【0234】
[0241]同様に、主テレフタリル流226(またはDMT流326)は、流れの総重量基準で少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセントの主テレフタリル(またはDMT)を含んでもよい。これは、生成物分離ゾーン250(または350)に導入された主テレフタリル(またはDMT)の総重量の少なくとも40パーセント、少なくとも45パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも55パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも65パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも75パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも85パーセント、少なくとも90パーセント、または少なくとも95パーセントに相当してもよい。
【0235】
[0242]主溶媒(またはメタノール)、主グリコール(またはEG)、および主テレフタリル(またはDMT)が富化された流れを提供するために、任意の適切な分離装置または方法を生成物分離ゾーン250(または350)で使用できる。適切な分離方法の例としては、蒸留、抽出、傾瀉、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。このような方法に関連する機器としては、カラム、容器、デカンター、膜、およびそれらの組合せを挙げることができる。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、溶媒を主グリコールから(または加メタノール分解の場合、メタノールをEGから)分離するために少なくとも1つの分離工程を行ってもよく、主テレフタリルから主グリコール(またはDMTからEGを)を分離するために少なくとも1つの他の分離工程を行ってもよい。
【0236】
[0243]図2および3に示すように、生成物分離ゾーン250(350)から取り出された主グリコール流224(324)をグリコール分離ゾーン260に送ってもよく、ここで導入された流れ224中の主グリコールの少なくとも50重量パーセントが分離されてもよい。加溶媒分解設備が加メタノール分解設備である場合、図3に示すように、グリコール分離ゾーンは、そこに導入された流れ324から少なくとも50重量パーセントのEGを分離するために使用されるEG分離ゾーン360である。グリコール分離ゾーン260(またはEG分離ゾーン360)は、任意の適切な装置を含んでもよく、あるいは分離を行うのに必要な任意の適切な方法(蒸留(共沸蒸留を含む)、抽出、濾過、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない)を採用してもよい。
【0237】
[0244]図2および3に示すように、グリコール分離ゾーン260(またはEG分離ゾーン360)は、生成物分離ゾーン250(または350)から取り出されたグリコール流224(またはEG流324)から残りの溶媒(またはメタノール)の少なくとも一部を分離するように構成されてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、グリコール(またはEG)分離ゾーン204(または304)から取り出された溶媒(またはメタノール)の流れは、流れの総重量基準で少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの溶媒(またはメタノール)を含んでもよい。
【0238】
[0245]さらに、図2および図3に示すように、再生成分グリコール流206(または再生成分EG流306)およびグリコール沈殿物流228(またはEG沈殿物流328)もグリコール分離ゾーン260(または360)から取り出してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、r-グリコール流206およびグリコール沈殿物流228(またはr-EG流306およびEG沈殿物流328)は、各流れの総重量基準で25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の溶媒(またはメタノール)を含んでもよい。
【0239】
[0246]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、グリコール分離ゾーン260(またはEG分離ゾーン360)は、主グリコール206富化流を提供するように構成されてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、グリコール富化流206は、流れの総重量基準で少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも97重量パーセントの主グリコールを含んでもよい。
【0240】
[0247]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、グリコール分離ゾーン260から取り出されるグリコール流206は、流れの総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの再生成分グリコールを含んでもよい。これは、加溶媒分解設備230で生成されたr-グリコールの総量の少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、少なくとも97重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントに相当してもよい。
【0241】
[0248]加溶媒分解設備が図3に示されるような加メタノール分解設備330である場合、EG分離ゾーン360は、EG富化流306を提供するように構成される。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、EG分離ゾーン360から取り出されたEG流306は、流れの総重量基準で少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも97重量パーセントのEGを含んでもよい。
【0242】
[0249]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、EG分離ゾーン360から取り出されたEG流306は、流れの総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの再生成分EGを含んでもよい。これは、加メタノール分解設備で生成されたEGの総量の少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、少なくとも97重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントに相当してもよく、それをさらなる処理、保管、および/または使用に送ってもよい。
【0243】
[0250]図2および3に示すように、グリコール分離ゾーン260(または、加メタノール分解の場合、EG分離ゾーン360)はまた、グリコール塔底副産物流228(すなわちEG塔底副産物流)を提供するように構成されてもよい。「グリコール底」または「グリコール塔底」または「グリコール沈殿物」という用語は、主グリコールの沸点より高いが主テレフタリルよりも低い沸点(または共沸点)を有する、主グリコール以外の成分を指す。同様に、「EG底」または「EG塔底」または「EG沈殿物」という用語は、主グリコールの沸点より高いが主テレフタリルよりも低い沸点(または共沸点)を有する、主グリコール以外の成分を指す。
【0244】
[0251]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、グリコール塔底(すなわちグリコール沈殿物)副産物流228(または、加メタノール分解の場合、EG塔底すなわちEG沈殿物流328)は、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、主グリコール(またはエチレングリコール)の沸点よりも高い沸点を有する成分を含んでもよい。
【0245】
[0252]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、グリコール塔底(すなわちグリコール沈殿物)副産物流228(または、加メタノール分解の場合、EG塔底すなわちEG沈殿物流328)は、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の、主グリコール(またはエチレングリコール)の沸点よりも低い沸点を有する成分を含んでもよい。グリコール塔底(すなわちグリコール沈殿物)副産物流228(または、加メタノール分解の場合、EG塔底すなわちEG沈殿物流328)は、主グリコール(またはエチレングリコール)の沸点よりも高い中間範囲の沸点を有してもよい。
【0246】
[0253]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、塔底(すなわちグリコール沈殿物)副産物流228(または、加メタノール分解の場合、EG塔底すなわちEG沈殿物流328)は、10rad/秒のせん断速度および250℃の温度で動作するV80-40ベーンスピンドル付きBrookfield R/Sレオメーターを用いて測定した場合、少なくとも0.01ポアズ(P)、少なくとも0.05P、少なくとも0.10P、少なくとも0.25P、少なくとも0.50P、少なくとも1P、少なくとも2P、少なくとも3P、少なくとも5P、少なくとも8P、かつ/または15P以下、12P以下、10P以下、8P以下、6P以下、5P以下、3P以下、2P以下、1P以下、もしくは0.5P以下、または0.01~15P、0.05~10P、もしくは0.10~5Pの範囲の粘度を有してもよい。
【0247】
[0254]グリコール塔底(すなわちグリコール沈殿物)副産物流228(または、加メタノール分解の場合、EG塔底すなわちEG沈殿物流328)の総固形分は、流れの総重量基準で10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下であってもよい。
【0248】
[0255]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、グリコールは、流れの総重量基準で少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも92重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、少なくとも97重量パーセント、少なくとも98重量パーセント、少なくとも99重量パーセント、または少なくとも99.5重量パーセントの、ポリエステル部分を含むオリゴマーを含んでもよい。本明細書で使用される場合、「ポリエステル部分」という用語は、ポリエステルの部分もしくは残基、またはポリエステル部分もしくは残基の反応生成物を指す。
【0249】
[0256]オリゴマーは、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、もしくは少なくとも8のモノマー単位、かつ/または30以下、27以下、25以下、22以下、20以下、17以下、15以下、12以下、もしくは10以下のモノマー単位の鎖長、あるいは2~30のモノマー単位、3~25のモノマー単位、もしくは5~20のモノマー単位の範囲の鎖長を有してもよい。オリゴマーは、たとえばPETを含む、処理されるポリエステルの部分を含み得る。
【0250】
[0257]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、塔底(すなわちグリコール沈殿物)副産物流228(または、加メタノール分解の場合、EG塔底すなわちEG沈殿物流328)は、流れの総重量基準で少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、少なくとも0.10重量パーセント、少なくとも0.50重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、もしくは少なくとも1.5重量パーセント、かつ/または40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、もしくは2重量パーセント以下のオリゴマー以外の成分を含み、あるいはこれらの成分は、流れの総重量基準で0.01~40重量パーセント、0.10~30重量パーセント、または1~20重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。
【0251】
[0258]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、オリゴマーは、テレフタル酸ジメチル以外の少なくとも1種のエステル、テレフタル酸以外の少なくとも1種のカルボン酸、および/またはエチレングリコール以外の少なくとも1種のグリコールの部分をさらに含む。たとえば、オリゴマーは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-シクロヘキサン-ジメタノール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタンジオール-(2,4)、2-メチルペンタンジオール-(1,4)、2,2,4-トリメチルペンタン-ジオール-(1,3)、2-エチルヘキサンジオール-(1,3)、2,2-ジエチルプロパン-ジオール-(1,3)、ヘキサンジオール-(1,3)、1,4-ジ-(ヒドロキシエトキシ)-ベンゼン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、2,4-ジヒドロキシ-1,1,3,3-テトラメチル-シクロブタン、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタンジオール、2,2-ビス-(3-ヒドロキシエトキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシプロポキシフェニル)-プロパン、イソソルビド、ハイドロキノン、BDS-(2,2-(スルホニルビス)4,1-フェニレンオキシ))ビス(エタノール)、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル-4,4’-ジカルボン酸、ジフェニル-3,4’-ジカルボン酸、2,2,-ジメチル-1,3-プロパンジオール、ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、およびそれらの組合せのうちの1種以上の部分を含んでもよい。
【0252】
[0259]塔底(すなわちグリコール沈殿物)副産物流228(または、加メタノール分解の場合、EG塔底すなわちEG沈殿物流328)は、主グリコール(または、加メタノール分解の場合、エチレングリコール)を流れの総重量基準で少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも3重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、もしくは少なくとも8重量パーセント、かつ/または30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、12重量パーセント以下、もしくは10重量パーセント以下の量で含んでもよく、あるいは、流れの総重量基準で0.5~30重量パーセント、1~25重量パーセント、または5~20重量パーセントの範囲の量で主グリコール(またはエチレングリコール)を含んでもよい。主グリコール(またはエチレングリコール)は、それ自体(遊離状態)または別の化合物の部分として存在し得る。可能性のある他の主グリコールのその他の例としては(処理されるPETまたは他の重合体の具体的な種類に応じて)、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、および2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0253】
[0260]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、グリコール塔底(すなわちグリコール沈殿物)副産物流228は、主グリコール以外の少なくとも1種のグリコールをさらに含んでもよい。加メタノール分解の場合、EG塔底すなわちEG沈殿物流328は、EG以外の少なくとも1種のグリコールを含んでもよい。他のグリコールのいくつかの例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-シクロヘキサン-ジメタノール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタンジオール-(2,4)、2-メチルペンタンジオール-(1,4)、2,2,4-トリメチルペンタン-ジオール-(1,3)、2-エチルヘキサンジオール-(1,3)、2,2-ジエチルプロパン-ジオール-(1,3)、ヘキサンジオール-(1,3)、1,4-ジ-(ヒドロキシエトキシ)-ベンゼン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、2,4-ジヒドロキシ-1,1,3,3-テトラメチル-シクロブタン、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタンジオール、2,2-ビス-(3-ヒドロキシエトキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシプロポキシフェニル)-プロパン、イソソルビド、ヒドロキノン、BDS-(2,2-(スルホニルビス)4,1-フェニレンオキシ))ビス(エタノール)、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。他のグリコールは、エチレングリコールでなくてもよいし、エチレングリコールを含んでいなくてもよい。
【0254】
[0261]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、主グリコール(または加メタノール分解の場合はエチレングリコール)以外のグリコールは、グリコール塔底(すなわちグリコール沈殿物)副産物流228(または加メタノール分解の場合はEG塔底すなわちEG沈殿物流328)中に、流れにおけるグリコールの総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、もしくは少なくとも75重量パーセント、かつ/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、もしくは35重量パーセントの量、あるいは流れの総重量基準で5~75重量パーセント、10~60重量パーセント、または15~45重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。
【0255】
[0262]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、主グリコール(またはエチレングリコール)以外の少なくとも1種のグリコールと主グリコール(またはエチレングリコール)との重量比は、少なくとも0.5:1、少なくとも0.55:1、少なくとも0.65:1、少なくとも0.70:1、少なくとも0.75:1、少なくとも0.80:1、少なくとも0.85:1、少なくとも0.90:1、少なくとも0.95:1、少なくとも0.97:1、少なくとも0.99:1、少なくとも1:1、少なくとも1.05:1、少なくとも1.1:1、少なくとも1.15:1、少なくとも1.2:1、または少なくとも1.25:1である。これに加えて、あるいはその代わりに、主グリコール(またはエチレングリコール)以外の少なくとも1種のグリコールと主グリコール(またはエチレングリコール)との重量比は、5:1以下、4.5:1以下、4:1以下、3.5:1以下、3:1以下、2.5:1以下、2:1以下、1.5:1以下、1.25:1以下、または1:1以下であり、あるいは0.5:1~5:1、または0.75:1~3.5:1、または0.95:1~1.25:1の範囲であってもよい。
【0256】
[0263]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解設備230(または加メタノール分解設備330)から取り出され、かつ/あるいは図1に示される下流設備の1つ以上に導入された塔底(すなわちグリコール沈殿物)副産物流228(または、加メタノール分解の場合、EG塔底すなわちEG沈殿物流328)は、加溶媒分解設備230(または加メタノール分解設備330)から取り出されるとき、少なくとも150℃、少なくとも155℃、少なくとも160℃、少なくとも165℃、少なくとも170℃、少なくとも175℃、少なくとも180℃、少なくとも185℃、少なくとも190℃、もしくは少なくとも195℃、かつ/または260℃以下、255℃以下、250℃以下、245℃以下、240℃以下、235℃以下、230℃以下、もしくは225℃以下の温度を有してもよく、あるいは、温度は150~260℃、175~250℃、または190~240℃の範囲であってもよい。流れ228(または328)は、液体、溶融物、スラリー、または複数の固体粒子の形態であってもよい。
【0257】
[0264]再び図2を参照する。主テレフタリルを主に含む流れ226を生成物分離ゾーン250からテレフタリル分離ゾーン270に通過させてもよく、ここでテレフタリル分離ゾーンに導入された流れにおける主テレフタリルの少なくとも50重量パーセントが分離される。設備が図3に示される加メタノール分解設備である場合、DMTを主に含む流れ326を生成物分離ゾーン350からDMT分離ゾーン370に通過させてもよい。加溶媒分解設備230のテレフタリル分離ゾーン270(または加メタノール分解設備330のDMT分離ゾーン370)は、任意の適切な装置を含んでもよく、あるいは分離を実施するのに必要な任意の適切な方法(蒸留(共沸蒸留を含む)、抽出、濾過、結晶化、洗浄、乾燥、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない)を採用してもよい。
【0258】
[0265]図2および3に示すように、テレフタリル分離ゾーン270(またはDMT分離ゾーン370)は、主テレフタリルが富化された流れ208(またはDMTが富化された流れ308)を提供するように構成されてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル流208(またはDMT流308)は、流れの総重量基準で少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも97重量パーセントのテレフタリル(またはDMT)を含んでもよい。これは、加溶媒設備230(または加メタノール分解設備330)で生成されたテレフタリル(またはDMT)の総量の少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、少なくとも97重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントに相当してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル分離ゾーンから取り出されるテレフタリル流208(またはDMT流308)は、流れの総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの再生成分テレフタリルを含んでもよい。テレフタリル流208(またはDMT流308)は、さらなる処理、保管、および/または使用に送られてもよい。
【0259】
[0266]加溶媒分解設備が図3に示されるような加メタノール分解設備330である場合、DMT分離ゾーン370は、再生成分DMT(r-DMT)が富化された流れ308を提供するように構成されてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、r-DMT流308は、流れの総重量基準で少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも97重量パーセントのr-DMTを含んでもよい。これは、加メタノール分解設備330で生成されたr-DMTの総量の少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、少なくとも97重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントに相当してもよい。
【0260】
[0267]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、DMT分離ゾーン370から取り出されるDMT流308は、流れの総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの再生成分DMTを含んでもよい。r-DMT流308は、さらなる処理、保管、および/または使用に送られてもよい。
【0261】
[0268]図2に示すように、テレフタリル分離ゾーン270はまた、テレフタリル塔底(すなわちテレフタリル沈殿物)副産物流232を提供するように構成されてもよい。「テレフタリル底」または「テレフタリル塔底」または「テレフタリル沈殿物」という用語は、主テレフタリルの沸点よりも高い沸点(または共沸点)を有する、主テレフタリル以外の成分を指す。同様に、図3の加メタノール分解設備330に示されるDMT分離ゾーン370も、テレフタリル塔底(すなわちテレフタリル沈殿物)副産物流332を提供するように構成されてもよい。「テレフタリル底」または「テレフタリル塔底」または「テレフタリル沈殿物」という用語は、主テレフタリルの沸点よりも高い沸点(または共沸点)を有する、主テレフタリル以外の成分を指す。
【0262】
[0269]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)は、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、主テレフタリル(またはDMT)の沸点よりも高い沸点を有する成分を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)は、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の、DMTの沸点よりも低い沸点を有する成分を含んでもよい。テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)は、主テレフタリル(またはDMT)の沸点よりも高い中間範囲の沸点を有してもよい。
【0263】
[0270]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)は、10rad/秒のせん断速度および250℃の温度で動作するV80-40ベーンスピンドル付きBrookfield R/Sレオメーターを用いて測定した場合に、少なくとも0.01ポアズ(P)、少なくとも0.05P、少なくとも0.10P、少なくとも0.25P、少なくとも0.50P、少なくとも1P、少なくとも2P、少なくとも3P、少なくとも5P、少なくとも6P、もしくは少なくとも8P、かつ/または10P以下、8P以下、6P以下、5P以下、3P以下、2P以下、1P以下、0.5P以下、0.1P以下、0.05P以下、もしくは0.025P以下の粘度を有してもよく、あるいは、0.01~10P、0.05~6P、または1~5Pの範囲の粘度を有してもよい。
【0264】
[0271]テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)の総固形分は、流れの総重量基準で10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下であってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル沈殿物副産物流232(またはDMT沈殿物副産物流332)は、粒状化、ペレット化、または薄片化により形成されたDMTの粒子を含んでもよい。粒子が存在する場合、粒子を粒子のまま輸送してもよいし、液体と混ぜ合わせてスラリーを形成してもよい。
【0265】
[0272]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)は、流れの総重量基準で少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも92重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、少なくとも97重量パーセント、少なくとも98重量パーセント、少なくとも99重量パーセント、または少なくとも99.5重量パーセントの、ポリエステルの部分を含むオリゴマーを含んでもよい。オリゴマーは、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、もしくは少なくとも8のモノマー単位、かつ/または30以下、27以下、25以下、22以下、20以下、17以下、15以下、12以下、もしくは10以下のモノマー単位の鎖長を有してもよく、あるいはそれは、2~30モノマー単位、4~25モノマー単位、または5~20モノマー単位の範囲であってもよい。
【0266】
[0273]オリゴマーは、処理されるポリエステル、たとえばPETの部分を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル塔底副産物流は、流れの総重量基準で少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.05重量パーセント、少なくとも0.10重量パーセント、少なくとも0.50重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、もしくは少なくとも1.5重量パーセント、かつ/または40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、もしくは2重量パーセント以下の、オリゴマー以外の成分を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で0.01~40重量パーセント、0.10~30重量パーセント、または1~10重量パーセントの範囲であってもよい。
【0267】
[0274]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、オリゴマーは、テレフタル酸ジメチル以外の少なくとも1種のエステル、テレフタル酸またはDMT以外の少なくとも1種のカルボン酸、および/またはエチレングリコール以外の少なくとも1種のグリコールの部分をさらに含む。たとえば、オリゴマーは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4-シクロヘキサン-ジメタノール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタンジオール-(2,4)、2-メチルペンタンジオール-(1,4)、2,2,4-トリメチルペンタン-ジオール-(1,3)、2-エチルヘキサンジオール-(1,3)、2,2-ジエチルプロパン-ジオール-(1,3)、ヘキサンジオール-(1,3)、1,4-ジ-(ヒドロキシエトキシ)-ベンゼン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン、2,4-ジヒドロキシ-1,1,3,3-テトラメチル-シクロブタン、2,2,4,4-テトラメチルシクロブタンジオール、2,2-ビス-(3-ヒドロキシエトキシフェニル)-プロパン、2,2-ビス-(4-ヒドロキシプロポキシフェニル)-プロパン、イソソルビド、ハイドロキノン、BDS-(2,2-(スルホニルビス)4,1-フェニレンオキシ))ビス(エタノール)、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル-4,4’-ジカルボン酸、ジフェニル-3,4’-ジカルボン酸、2,2,-ジメチル-1,3-プロパンジオール、ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、およびそれらの組合せのうちの1種以上の部分をさらに含んでもよい。
【0268】
[0275]テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)はまた、副産物流の総重量基準で少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、もしくは少なくとも95重量パーセント、かつ/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、もしくは40重量パーセント以下の、主テレフタリル(または、加メタノール分解の場合はDMT)を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で40~99重量パーセント、50~90重量パーセント、または55~90重量パーセントの量で存在してもよい。
【0269】
[0276]さらに、テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)は、少量の主グリコール(または、加メタノール分解の場合はエチレングリコール)を含んでもよい。考えられる主グリコールの例としては(処理されるPETまたは他の重合体に応じて)、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、および2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールを挙げることができるが、これらに限定されない。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)は、流れの総重量基準で10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下の主グリコール(またはエチレングリコール)を含んでもよい。
【0270】
[0277]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)は、流れの総重量基準で10重量パーセント以下、8重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下の、主テレフタリル(またはDMT)以外のテレフタリル(またはカルボキシル)を含んでもよい。
【0271】
[0278]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)は、少なくとも1種の置換テレフタリル成分をさらに含んでもよい。本明細書で使用される場合、「置換テレフタリル」という用語は、少なくとも1つの置換された原子または基を有するテレフタリル成分を指す。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)は、テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)の総重量基準で少なくとも1重量ppb、少なくとも100重量ppb、少なくとも500重量ppb、あるいは少なくとも1重量ppm、少なくとも50重量ppm、少なくとも1000重量ppm、少なくとも2500重量ppm、少なくとも5000重量ppm、少なくとも7500重量ppm、もしくは少なくとも10,000重量ppm、あるいは少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、もしくは少なくとも5重量パーセント、かつ/または25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下、0.05重量パーセント以下、もしくは0.01重量パーセント以下の置換テレフタリル成分を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で100ppb~20重量パーセント、100ppm~10重量パーセント、または2500ppm~5重量パーセントの範囲で存在してもよい。
【0272】
[0279]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、主テレフタリル(または、加メタノール分解の場合はDMT)以外のテレフタリルは、テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)中に、流れにおけるテレフタリルの総重量基準で少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、もしくは少なくとも75重量パーセント、かつ/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、もしくは35重量パーセント以下の量で存在してもよく、あるいは、流れの総重量基準で15~75重量パーセント、20~65重量パーセント、または25~50重量パーセントの量で存在してもよい。
【0273】
[0280]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、主テレフタリル以外の少なくとも1種のテレフタリルと主テレフタリルの重量比は、少なくとも0.5:1、少なくとも0.55:1、少なくとも0.65:1、少なくとも0.70:1、少なくとも0.75:1、少なくとも0.80:1、少なくとも0.85:1、少なくとも0.90:1、少なくとも0.95:1、少なくとも0.97:1、少なくとも0.99:1、少なくとも1:1、少なくとも1.05:1、少なくとも1.1:1、少なくとも1.15:1、少なくとも1.2:1、または少なくとも1.25:1である。これに加えて、あるいはその代わりに、主テレフタリル以外の少なくとも1種のテレフタリルと主テレフタリルの重量比は、5:1以下、4.5:1以下、4:1以下、3.5:1、3:1以下、2.5:1以下、2:1以下、1.5:1以下、1.25:1以下、または1:1以下であり、あるいはそれは、0.5:1~5:1、0:75:1~3.5:1、または1:1~2.5:1の範囲であってもよい。
【0274】
[0281]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解設備230(または加メタノール分解設備330)から取り出されたテレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)、および/または図1に示された下流設備の1つ以上に導入されたテレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)は、加溶媒分解設備230(または加メタノール分解設備330)から取り出されるとき、少なくとも150℃、少なくとも155℃、少なくとも160℃、少なくとも165℃、少なくとも170℃、少なくとも175℃、少なくとも180℃、少なくとも185℃、少なくとも190℃、もしくは少なくとも195℃、かつ/または260℃以下、255℃以下、250℃以下、245℃以下、240℃以下、235℃以下、230℃以下、もしくは225℃以下の温度を有してもよく、あるいはそれは、150~260℃、175~250℃、または195~225℃の範囲であってもよい。
【0275】
[0282]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)は、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、DMTの沸点より高い沸点を有する成分を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル塔底すなわち沈殿物副産物流232(またはDMT塔底すなわち沈殿物副産物流332)は、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の、DMTの沸点よりも低い沸点を有する成分を含んでもよい。
【0276】
[0283]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解設備230(または加メタノール分解設備330)から取り出された上記の副産物流(ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)、テレフタリル(またはDMT)沈殿物流232(または332)、および反応器パージ副産物流218(または318)を含む)は、固体であるか、固体を含んでもよい。そのような流れの例としては、固体輸送装置およびシステムにより輸送可能な固体粒子、ならびに溶融物およびスラリーを挙げることができる。
【0277】
[0284]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ポリオレフィン含有副産物流216a、b(または316)をペレット化または微小ペレット化してガス化装置に送るか、製品流として販売してもよい。
【0278】
[0285]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル沈殿物232(またはDMT沈殿物332)を任意の適切な方法で(たとえば、ドラム薄片製造装置によって)粒状物または薄片の形にし、粒状物または薄片をPOXガス化設備50、ならびに/またはさらなる輸送、保管、使用、および/もしくは廃棄に送ってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、テレフタリル沈殿物232(またはDMT沈殿物332)を液相流として(たとえば、溶融物またはスラリーとして)POXガス化設備50および/またはエネルギー生成/生産設備80へ輸送してもよい。
【0279】
[0286]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応器パージ副産物流218(または318)を任意の適切な方法で(たとえば、ドラム薄片製造装置で)粒状物または薄片の形にしてもよく、粒状物または薄片をPOXガス化設備50、ならびに/またはさらなる輸送、保管、使用、および/もしくは廃棄に送ってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応器パージ副産物流218(または318)を液相流として(たとえば、溶融物またはスラリーとして)POXガス化設備50および/またはエネルギー生成/生産設備80に輸送してもよい。反応器からの除去が連続的である場合、上記のうちの1つ以上が起こり得る。これは、たとえば、図1に示す加溶媒分解(または加メタノール分解)設備30または化学的再生施設10への供給物中の不活性成分の総含有量が供給流の総含有量基準で0.40重量パーセント未満、0.35重量パーセント以下、0.30重量パーセント以下、0.25重量パーセント以下、0.20重量パーセント以下、0.15重量パーセント以下、または0.10重量パーセント以下である場合に起こり得る。
【0280】
[0287]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応器パージ副産物流218(または318)を任意の適切な方法でペレットまたは微小ペレットの形にしてもよく、ペレットはPOXガス化設備50に輸送されてもよく、かつ/あるいはさらなる輸送、保管、使用、および/または廃棄に送られてもよい。反応器からの除去がバッチ式である場合、上記のうちの1つ以上が起こり得る。これは、たとえば、図1に示す加溶媒分解(または加メタノール分解)設備30または化学的再生施設10への供給物中の不活性成分の総含有量が供給流の総含有量基準で少なくとも0.40重量パーセント、少なくとも0.45重量パーセント、少なくとも0.50重量パーセント、少なくとも0.55重量パーセント、または少なくとも0.60重量パーセントである場合に起こり得る。
【0281】
[0288]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、グリコール沈殿物228(またはEG沈殿物328)を液相流としてPOXガス化設備50および/またはエネルギー生成/生産設備80に輸送してもよい。反応器からの除去が連続的である場合、上記のうち1つ以上のことが起こり得る。
【0282】
[0289]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、加溶媒分解副産物流のうちの1つ以上の全部または一部を加溶媒分解設備30から取り出し、さらなる処理、保管、販売、および/または廃棄に送ってもよい。これは、上記のポリオレフィン含有副産物流、反応器パージ副産物流、グリコール塔底副産物流、およびテレフタリル塔底流のうち1つ以上を含んでもよい。
【0283】

固化設備
[0290]再び図1を参照する。化学的再生施設10は固化設備40も含んでもよい。本明細書で使用される場合、「固化」という用語は、物理的手段(たとえば冷却)および/または化学的手段(たとえば沈殿)により、非固体材料を固体材料にすることを指す。「固化設備」は、廃プラスチック由来の供給原料の固化を行うのに必要なすべての機器、ライン、および制御を含む設備である。
【0284】
[0291]次に図4を参照すると、図1に一般的に示される化学的再生施設10での使用に適した固化設備40の概略図が示される。図4に示すように、固化設備40に導入される供給流112は、化学的再生施設内の1つ以上の場所から生じてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、固化設備40への供給流は、(i)前述の1つ以上の加溶媒分解(または加メタノール分解)副産物流110、(ii)熱分解油流120、および(iii)熱分解残留物流122のうちの少なくとも1つを含んでもよい。熱分解油および熱分解残留物の定義は、本明細書の後続の項に示され、加溶媒分解(または加メタノール分解)副産物の定義は、先の項に示されている。
【0285】
[0292]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、これらの流れ110、120、122のうちの1つ以上を固化設備40に連続的に導入してもよく、かつ/あるいはこれらの流れ110、120、122のうちの1つ以上を断続的に導入してもよい。複数の種類の供給流が存在する場合、それぞれを別々に導入してもよいし、流れの全部または一部を混ぜ、混合流を固化設備40に導入してもよい。混合する場合、連続またはバッチで(断続的に)行ってもよい。
【0286】
[0293]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、固化設備40への供給流112は、固化設備40に導入される供給流の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、1つ以上の加溶媒分解副産物流110を含んでもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、固化設備40への供給流は、固化設備40に導入される供給流の総重量基準で99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の、1つ以上の加溶媒分解副産物流110を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で1~99重量パーセント、10~90重量パーセント、または20~80重量パーセントの範囲の量で1つ以上の加溶媒分解流を含んでもよい。
【0287】
[0294]固化設備40に導入される加溶媒分解副産物流110は、加溶媒分解副産物流または固化設備40に導入された流れの総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。
【0288】
[0295]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、固化設備40への供給流112は、固化設備40に導入される供給流の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの熱分解油を含んでもよい。
【0289】
[0296]これに加えて、あるいはその代わりに、固化設備40への供給流112は、固化設備40に導入される供給流112の総重量基準で99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の熱分解油を含んでもよい。固化設備40に導入される熱分解油120は、固化設備40に導入された熱分解油120の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。
【0290】
[0297]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、固化設備40への供給流112は、固化設備40に導入された供給流112の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの熱分解残留物122を含んでもよい。
【0291】
[0298]これに加えて、あるいはその代わりに、固化設備40への供給流112は、固化設備40に導入される供給流の総重量基準で99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の熱分解残留物122を含んでもよい。固化設備40に導入される熱分解残留物122は、固化設備40に導入された熱分解残留物122の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。
【0292】
[0299]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、混合供給流112における流れのいずれか1つと別の流れとの重量比は、少なくとも1:10、少なくとも1:9、少なくとも1:8、少なくとも1:7、少なくとも1:6、少なくとも1:5、少なくとも1:4、少なくとも1:3、少なくとも1:2、少なくとも1:1.5、もしくは少なくとも1:1、かつ/または10:1以下、9:1以下、8:1以下、7:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、3:1以下、2:1以下、1.5:1以下、もしくは1:1以下であってもよく、あるいはそれは、1:10~10:1、1:5~5:1、または1:3~3:1の範囲であってもよい。
【0293】
[0300]図4に一般的に示される固化設備40は、供給流112を冷却し、少なくとも部分的に固化するための冷却ゾーン442、および必要に応じてそれに続くサイズ減少ゾーン444を含む。冷却ゾーン442を離れると、流れの全部または一部は固化材料であってもよい。場合によっては、固化材料は、シート、ブロック、または塊、粒子、ペレット、微小ペレット、または粉末の形であってもよい。1つ以上の実施態様では、供給流が部分的にしか固化されていない場合、冷却ゾーンから取り出された流れは、固相および液相の両方を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、固相の少なくとも一部を除去してもよく、液相の全部または一部を固化設備40から取り出して(必要であれば化学的再生施設内の)別の設備(たとえば、加溶媒分解設備30など)に導入してもよい。実施態様によっては(図示せず)、固化設備40は、冷却ゾーン442に加えて、またはその代わりに、液体流から特定の成分を化学的に沈殿(固化)させるための沈殿ゾーンも含んでもよい。
【0294】
[0301]図4に示すように、固化設備40はまた、冷却ゾーン442(および/または沈殿ゾーン、図示せず)から取り出された固体材料のサイズを小さくし、複数の粒子を形成するためのサイズ減少ゾーン444を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、サイズ減少ゾーン444で実行されるサイズ減少工程は、固化材料のより大きな断片または塊を破砕する、砕く、切断する、あるいは粉砕して粒子を形成することを含んでもよい。他の実施態様では、固化設備40への供給流の少なくとも一部は、サイズ減少ゾーン444で利用される従来のペレット化装置でペレット化される前に少なくとも部分的に冷却されてもよい。
【0295】
[0302]粒子がどのように形成されるかに関係なく、固化設備40から取り出された得られた固体は、少なくとも50ミクロン、少なくとも75ミクロン、少なくとも100ミクロン、少なくとも150ミクロン、少なくとも250ミクロン、少なくとも350ミクロン、少なくとも450ミクロン、少なくとも500ミクロン、少なくとも750ミクロン、もしくは少なくとも0.5、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも5mm、もしくは少なくとも10mm、かつ/または50mm以下、45mm以下、40mm以下、30mm以下、35mm以下、30mm以下、25mm以下、20mm以下、15mm以下、10mm以下、5mm以下、2mm以下、1以下mm、もしくは750ミクロン以下、500ミクロン以下、250ミクロン以下、もしくは200ミクロン以下の平均粒径を有してもよく、あるいはそれは、50~750ミクロン、または100~500ミクロン、または150~250ミクロン、または0.5~50mm、または1~35mm、または5~25mmの範囲であってもよい。
【0296】
[0303]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、固体は粉末を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、固体は任意の形状のペレットを含んでもよい。固体は、固体の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。
【0297】
[0304]図4に示すように、固化設備40から取り出された固体は、(i)熱分解設備60、(ii)エネルギー生成/生産設備80、(iii)POXガス化設備50、および(iv)再利用または再生設備90のうちの少なくとも1つに送られてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、固体は設備(i)~(iv)の1つのみに送られてもよく、他の実施態様では、固体は設備(i)~(iv)の2つ以上または3つ以上に送られてもよい。
【0298】
[0305]1つ以上の下流設備に送られる場合、ライン114内の固体を固体(たとえば、粉末またはペレット)として設備に輸送あるいは導入してもよいし、液体流(図示せず)と合わせてスラリーを形成してもよい。適切な液体の例としては、水、アルコール、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、固体の少なくとも一部を加熱して固体を少なくとも部分的に溶融し、得られた溶融物を上記の設備の1つ以上に導入してもよい。必要に応じて、固体の少なくとも一部を産廃埋立地(図示せず)に送ってもよい。
【0299】

熱分解設備
[0306]図1に示すように、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設10は、熱分解設備60を備えてもよい。本明細書で使用される場合、「熱分解」という用語は、不活性(すなわち、実質的に無酸素)の雰囲気下で1種以上の有機物質を高温で熱分解することを指す。「熱分解設備」は、廃プラスチックおよびそれに由来する供給原料の熱分解を行うのに必要なすべての機器、ライン、および制御を含む設備である。
【0300】
[0307]次に図5を参照すると、本技術の1つ以上の実施態様による化学的再生施設での使用に適した熱分解施設60の概略図が示されている。図5に示すように、供給流116を熱分解設備60の入口に導入してもよく、そこで不活性環境で高温熱分解できる。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解設備60への供給流116は、(i)前述の少なくとも1つの加溶媒分解副産物流110、(ii)廃プラスチック104のPO富化流、ならびに(iii)固化設備40からの粒子および/または溶融物のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0301】
[0308]これらの流れのうち1つ以上を熱分解設備60に連続的に導入してもよく、あるいはこれらの流れのうち1つ以上を断続的に導入してもよい。複数の種類の供給流が存在する場合、それぞれを別々に導入してもよいし、流れの全部または一部を混ぜ、混合流を熱分解設備60に導入してもよい。混合する場合、連続またはバッチで(断続的に)行ってもよい。
【0302】
[0309]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解設備60への供給流は、熱分解設備60に導入される供給流116の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、少なくとも1つの加溶媒分解副産物流110を含んでもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、熱分解設備60への供給流116は、熱分解設備60に導入される供給流116の総重量基準で95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の、少なくとも1つの加溶媒分解副産物流110を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で1~99重量パーセント、10~90重量パーセント、20~80重量パーセント、または25~75重量パーセントの範囲であってもよい。
【0303】
[0310]熱分解設備60に導入された少なくとも1つの加溶媒分解副産物流110は、加溶媒分解副産物流または熱分解設備60に導入された流れの総重量基準で、かつ/あるいは供給流116の総重量基準で、少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。
【0304】
[0311]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解設備60への供給流116は、熱分解設備60に導入された供給流116の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントのPO富化廃プラスチックを含んでもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、熱分解設備60への供給流116は、熱分解設備60に導入された供給流116の総重量基準で95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下のPO富化廃プラスチックを含んでもよく、あるいは、供給流の総重量基準で1~95重量パーセント、5~85重量パーセント、または10~75重量パーセントの範囲の量を含んでもよい。
【0305】
[0312]熱分解設備60に導入されるPO富化廃プラスチックは、熱分解設備60に導入されたPO富化廃プラスチック104の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。PO富化廃プラスチックは、図1に示される前処理設備20から生じてもよく、かつ/あるいはPO富化廃プラスチックの別の供給源(図示せず)から生じてもよい。流れは、プラスチック溶融物の形態、または粒子の形態であってもよく、あるいはスラリーを含んでいてもよい。
【0306】
[0313]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解設備60への供給流116は、熱分解設備60に導入される供給流116の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、固化設備40からの固体含有流114(たとえば、粒子、スラリー、および/または溶融物)を含んでもよい。
【0307】
[0314]これに加えて、あるいはその代わりに、熱分解設備60への供給流116は、熱分解設備60に導入される供給流116の総重量基準で95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の、固化設備40からの固体含有流114を含んでもよい。
【0308】
[0315]熱分解設備60に導入されるPO富化廃プラスチック流104は、熱分解設備60に導入される固化設備40からの固体含有流114(たとえば、粒子、スラリー、および/または溶融物)の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。固体含有流は、粒子、スラリー、または溶融物の形態であってもよく、図1に示される固化設備40から生じてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、粒子は液体中に存在して供給物がスラリーの形態となってもよい。
【0309】
[0316]図5に示すように、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PO富化廃プラスチック流104を、たとえば加溶媒分解設備30からの副産物流110、固化設備40からの固体含有流114を含む他の流れのうちの1つ以上と組み合わせて混合熱分解供給流116を形成してもよい。混合流116は、混合流116の総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、かつ/または99重量パーセント以下、90重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、または40重量パーセント以下のPOまたはPO富化流104を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で5~95重量パーセント、10~90重量パーセント、20~80重量パーセント、または25~75重量パーセントの範囲の量を含んでもよい。
【0310】
[0317]これに加えて、あるいはその代わりに、化学的再生施設10の一部からのPO富化廃プラスチックと少なくとも1つの他の処理流との混合流は、供給流116の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、かつ/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の、ポリオレフィン以外の成分を含んでもよい。
【0311】
[0318]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、混合流における流れ104、110、114のいずれか1つと別の流れとの重量比は、少なくとも1:10、少なくとも1:9、少なくとも1:8、少なくとも1:7、少なくとも1:6、少なくとも1:5、少なくとも1:4、少なくとも1:3、少なくとも1:2、少なくとも1:1.5、もしくは少なくとも1:1、かつ/または10:1以下、9:1以下、8:1以下、7:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、3:1以下、2:1以下、1.5:1以下、もしくは1:1以下であってもよく、あるいは1:10~10:1、1:5~5:1、または1:3~3:1の範囲の量であってもよい。
【0312】
[0319]図5に一般的に示されるように、熱分解設備60は、熱分解反応器542、および反応器流出流117から生成物の流れを分離するための分離ゾーン544を含む。熱分解反応器内に存在する間、供給物の少なくとも一部は、熱分解油、熱分解ガス、および熱分解残留物を含む熱分解流出流117を生成する熱分解反応に供されてもよい。本明細書で使用される場合、「熱分解ガス」という用語は、25℃で気体である、熱分解から得られる組成物を指す。本明細書で使用される場合、「熱分解油」という用語は、25℃かつ1気圧で液体である、熱分解から得られる組成物を指す。本明細書で使用される場合、「熱分解残留物」という用語は、熱分解ガスでも熱分解油でもない、主に熱分解炭および熱分解重質ワックスを含む、熱分解から得られる組成物を指す。本明細書で使用される場合、「熱分解炭」という用語は、200℃かつ1気圧で固体である、熱分解から得られる炭素含有組成物を指す。本明細書で使用される場合、「熱分解重質ワックス」という用語は、熱分解炭でも熱分解ガスでも熱分解油でもない、熱分解から得られるC20以上の炭化水素を指す。
【0313】
[0320]一般に、熱分解は、導入された供給物の化学的および熱的分解を伴う処理である。すべての熱分解処理は一般に、実質的に酸素を含まない反応環境を特徴とするが、熱分解処理をたとえば反応器内の熱分解反応温度、熱分解反応器内の滞留時間、反応器の種類、熱分解反応器内の圧力、および熱分解触媒の有無によりさらに定義してもよい。
【0314】
[0321]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応器542は、たとえば、スクリュー押出機、管状反応器、タンク、撹拌タンク反応器、ライザー反応器、固定床反応器、流動床反応器、ロータリーキルン、真空反応器、マイクロ波反応器、またはオートクレーブであってもよい。熱分解反応器542は、単一の反応容器、あるいは直列または並列に配置された同じ種類または異なる種類の2つ以上の反応容器を含んでもよい。
【0315】
[0322]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応は、酸素を実質的に含まない雰囲気中、または周囲の空気と比較してより少ない酸素を含む雰囲気中で供給原料を加熱かつ変換することを含み得る。たとえば、熱分解反応器542内の雰囲気は、反応器の内部容積基準で5体積パーセント以下、4体積パーセント以下、3体積パーセント以下、2体積パーセント以下、1体積パーセント以下、または0.5体積パーセント以下の酸素ガスを含んでもよい。
【0316】
[0323]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応器542に導入される供給流116は、供給原料または供給流116を熱分解反応器542に導入し、かつ/あるいは熱分解反応器542内の様々な反応を促すのに使用され得る浮揚ガス流および/または供給ガス流115を含んでもよい。たとえば、浮揚ガスおよび/または供給ガス115は、窒素、二酸化炭素、および/または蒸気を含むか、それらから本質的になるか、それらからなってもよい。浮揚ガスおよび/または供給ガスは、熱分解反応器542に導入する前に廃プラスチックまたは混合供給流116に加えられてもよく、かつ/あるいは熱分解反応器542に直接加えられてもよい。
【0317】
[0324]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解は、蒸気を含むか、本質的にそれからなるか、それからなる浮揚ガスおよび/または供給ガスの存在下で実施されてもよい。たとえば、熱分解は、浮揚ガスの総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの蒸気を含む供給ガスおよび/または浮揚ガスの存在下で行われてもよい。
【0318】
[0325]これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解は、浮揚ガスの総重量基準で99重量パーセント以下、90重量パーセント以下、80重量パーセント以下、70重量パーセント以下、60重量パーセント以下、50重量パーセント以下、40重量パーセント以下、30重量パーセント以下、または20重量パーセント以下の蒸気を含む供給ガスおよび/または浮揚ガスの存在下で行われる。理論に縛られることは望まないが、熱分解反応器542内に蒸気が存在すると、水性ガスシフト反応を促進でき、それにより熱分解反応中に生成され得る任意のハロゲン化合物の除去を促進できると考えられる。水蒸気は、熱分解反応器542に導入する前に廃プラスチックまたは廃プラスチック由来の供給流116に加えられてもよく、かつ/あるいは熱分解反応器542に直接加えられてもよい。
【0319】
[0326]これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解は、還元ガス(水素、一酸化炭素、またはそれらの組合せなど)を含むか、それから本質的になるか、それからなる浮揚ガスおよび/または供給ガスの存在下で行われてもよい。還元ガスは、供給ガスおよび/または浮揚ガスとして機能してもよく、熱分解反応器へ供給原料を導入しやすくしてもよい。還元ガスは、熱分解反応器542に導入する前に廃プラスチックまたは廃プラスチック由来の供給流116に加えられてもよく、かつ/あるいは熱分解反応器542に直接加えられてもよい。
【0320】
[0327]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解は、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの少なくとも1種の還元ガスを含む供給ガスおよび/または浮揚ガスの存在下で行われてもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解は、99重量パーセント以下、90重量パーセント以下、80重量パーセント以下、70重量パーセント以下、60重量パーセント以下、50重量パーセント以下、40重量パーセント以下、30重量パーセント以下、または20重量パーセント以下の少なくとも1種の還元ガスを含む供給ガスおよび/または浮揚ガスの存在下で行われ、あるいはそれは、流れの総重量基準で5~99重量パーセント、15~90重量パーセント、または20~75重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。
【0321】
[0328]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解は、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの水素を含む供給ガスおよび/または浮揚ガス115の存在下で行われてもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解は、99重量パーセント以下、90重量パーセント以下、80重量パーセント以下、70重量パーセント以下、60重量パーセント以下、50重量パーセント以下、40重量パーセント以下、30重量パーセント以下、または20重量パーセント以下の水素を含む供給ガスおよび/または浮揚ガスの存在下で行われ、あるいは、それは流れの総重量基準で5~70重量パーセント、10~60重量パーセント、または15~50重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。
【0322】
[0329]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解は、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの一酸化炭素を含む供給ガスおよび/または浮揚ガスの存在下で行われてもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解は、99重量パーセント以下、90重量パーセント以下、80重量パーセント以下、70重量パーセント以下、60重量パーセント以下、50重量パーセント以下、40重量パーセント以下、30重量パーセント以下、または20重量パーセント以下の一酸化炭素を含む供給ガスおよび/または浮揚ガスの存在下で行われ、あるいは、それは流れの総重量基準で5~70重量パーセント、10~60重量パーセント、または15~50重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。
【0323】
[0330]さらに、特定の最終生成物の生成を促すように熱分解反応器内の温度を調整してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応器内の熱分解温度は、少なくとも325℃、少なくとも350℃、少なくとも375℃、少なくとも400℃、少なくとも425℃、少なくとも450℃、少なくとも475℃、少なくとも500℃、少なくとも525℃、少なくとも550℃、少なくとも575℃、少なくとも600℃、少なくとも625℃、少なくとも650℃、少なくとも675℃、少なくとも700℃、少なくとも725℃、少なくとも750℃、少なくとも775℃、または少なくとも800℃であってもよい。
【0324】
[0331]これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応器内の熱分解温度は、1,100℃以下、1,050℃以下、1,000℃以下、950℃以下、900℃以下、850℃以下、800℃以下、750℃以下、700℃以下、650℃以下、600℃以下、550℃以下、525℃以下、500℃以下、475℃以下、450℃以下、425℃以下、または400℃以下であってもよい。
【0325】
[0332]より具体的には、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応器内の熱分解温度は、325~1,100℃、350~900℃、350~700℃、350~550℃、350~475℃、425~1,100℃、425~800℃、500~1,100℃、500~800℃、600~1,100℃、600~800℃、650~1,000℃、650℃~800℃の範囲であってもよい。
【0326】
[0333]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応器内の供給原料の滞留時間は、少なくとも0.1秒、少なくとも0.2秒、少なくとも0.3秒、少なくとも0.5秒、少なくとも1秒、少なくとも1.2秒、少なくとも1.3秒、少なくとも2秒、少なくとも3秒、または少なくとも4秒であってもよい。あるいは、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応器内の供給原料の滞留時間は、少なくとも1分、少なくとも2分、少なくとも3分、少なくとも4分、少なくとも5分、少なくとも6分、少なくとも7分、少なくとも8分、少なくとも9分、少なくとも10分、少なくとも20分、少なくとも30分、少なくとも45分、少なくとも60分、少なくとも75分、または少なくとも90分であってもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応器内の供給原料の滞留時間は、6時間以下、5時間以下、4時間以下、3時間以下、2時間以下、90分以下、60分以下、45分以下、30分以下、15分以下、または45秒以下、30秒以下、25秒以下、または20秒以下であってもよく、あるいはそれは、約0.1~45秒、0.5~30秒、1~20秒、または1~90分、5~45分、または7~15分の範囲であってもよい。
【0327】
[0334]さらに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応器内の供給原料の滞留時間は、100秒以下、90秒以下、80秒以下、70秒以下、60秒以下、50秒以下、40秒以下、30秒以下、20秒以下、10秒以下、9秒以下、8秒以下、7秒以下、6秒以下、5秒以下、4秒以下、3秒以下、2秒以下、または1秒以下であってもよい。より具体的には、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応器内の供給原料の滞留時間は、0.1~10秒、0.5~10秒、30分~4時間、30分~3時間、1時間~3時間、または1時間~2時間の範囲であってもよい。
【0328】
[0335]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応器内の圧力を少なくとも0.1バール、少なくとも0.2バール、少なくとも0.3バール、かつ/または60バール以下、50バール以下、40バール以下、30バール以下、20バール以下、10バール以下、8バール以下、5バール以下、2バール以下、1.5バール以下、または1.1バール以下の圧力に維持してもよい。本明細書で使用される場合、「バール」という用語は、特に明記しない限り、ゲージ圧を指す。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応器内の圧力は、少なくとも約10バール、少なくとも20バール、少なくとも30バール、少なくとも40バール、少なくとも50バール、少なくとも60バール、もしくは少なくとも70バール、かつ/または100バール以下、95バール以下、90バール以下、85バール以下、80バール以下、75バール以下、70バール以下、65バール以下、もしくは60バール以下であってもよく、あるいはそれは、10~100バール、20~80バール、または30~75バール範囲であってもよい。
【0329】
[0336]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応器内の圧力を大気圧、または0.1~100バール、または0.1~60バール、または0.1~30バール、または0.1~10バール、または1.5バール、0.2~1.5バール、または0.3~1.1バールの範囲に維持してもよい。
【0330】
[0337]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解触媒は、熱分解反応器542に導入する前に供給原料に導入されてもよく、かつ/あるいは熱分解反応器542に直接導入されてもよい。さらに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、触媒は以下のもの、すなわち:(i)固体酸、たとえばゼオライト(たとえば、ZSM-5、モルデナイト、ベータ、フェリエライト、および/またはゼオライト-Y);(ii)超酸、たとえばジルコニア、チタニア、アルミナ、シリカ-アルミナ、および/または粘土のスルホン酸化、リン酸化、またはフッ素化形態;(iii)固体塩基、たとえば金属酸化物、混合金属酸化物、金属水酸化物、および/または金属炭酸塩、特にアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、および/または希土類金属のものなど;(iv)ハイドロタルサイトおよびその他の粘土;(v)金属水素化物、特にアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、および/または希土類金属の水素化物;(vi)アルミナおよび/またはシリカ-アルミナ;(vii)ルイス酸、金属テトラクロロアルミナート、または有機イオン液体などの均一系触媒;(viii)活性炭または(ix)それらの組合せを含み得る。
【0331】
[0338]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解触媒は均一系触媒または不均一系触媒を含んでもよい。
[0339]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解触媒はメソ構造触媒、たとえばMCM-41、FSM-16、Al-SBA-15、またはそれらの組合せを含んでもよい。
【0332】
[0340]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解触媒は、シリカ-アルミナ、アルミナ、モルデナイト、ゼオライト、微孔性触媒、マクロ多孔性触媒、またはそれらの組合せを含んでもよい。
【0333】
[0341]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応器中の熱分解反応は、触媒が実質的に存在しない状態で起こる。そのような実施態様では、反応器内の熱伝達を促すために、非触媒性の保温性不活性添加物、たとえば砂をさらに熱分解反応器に導入してもよい。このような無触媒の熱分解処理を「熱による熱分解」と呼ぶことがある。
【0334】
[0342]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解反応器542内の熱分解反応は、熱分解触媒が実質的に存在しない状態で、350℃~550℃の範囲の温度、0.1~100バールの範囲の圧力、0.2秒~4時間または0.5時間~3時間の滞留時間で起こってもよい。
【0335】
[0343]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応器542から取り出される熱分解流出物117は、少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、または少なくとも75重量パーセントの熱分解油を含んでもよく、それは加熱された反応器542を出る際、熱分解流出物117中で蒸気の形態であってもよい。このような蒸気は次いで凝縮され、熱分解油になってもよい。
【0336】
[0344]これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解流出物117は、99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、または25重量パーセントの熱分解油を含んでもよく、それは加熱された反応器を出る際、熱分解流出物中で蒸気の形態であってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解流出物は、20~99重量パーセント、25~80重量パーセント、30~85重量パーセント、30~80重量パーセント、30~75重量パーセント、30~70重量パーセント、または30~65重量パーセントの範囲の熱分解油を含んでもよい。
【0337】
[0345]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解流出物117は、少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、または少なくとも80重量パーセントの熱分解ガスを含んでもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解流出物117は、99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、または45重量パーセント以下の熱分解ガスを含んでもよい。
【0338】
[0346]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解流出物117は、1~90重量パーセント、10~85重量パーセント、15~85重量パーセント、20~80重量パーセント、25~80重量パーセント、30~75重量パーセント、または35~75重量パーセントの熱分解ガスを含んでもよい。
【0339】
[0347]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解流出物117は、少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも3重量パーセント、少なくとも4重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも6重量パーセント、少なくとも7重量パーセント、少なくとも8重量パーセント、少なくとも9重量パーセント、または少なくとも10重量パーセントの熱分解残留物を含んでもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解流出物117は、60重量パーセント以下、50重量パーセント以下、40重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、9重量パーセント以下、8重量パーセント以下、7重量パーセント以下、6重量パーセント以下、または5重量パーセント以下の熱分解残留物を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解流出物117は、0.1~25重量パーセント、1~15重量パーセント、1~8重量パーセント、または1~5重量パーセントの範囲の熱分解残留物を含んでもよい。
【0340】
[0348]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解流出物117は、15重量パーセント以下、14重量パーセント以下、13重量パーセント以下、12重量パーセント以下、11重量パーセント以下、10重量パーセント以下、9重量パーセント以下、8重量パーセント以下、7重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、または0.5重量パーセント以下の遊離水を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「遊離水」は、熱分解ユニット60に事前に加えられた水および熱分解ユニット60で生成された水を指す。
【0341】
[0349]本明細書に記載の熱分解設備60は、熱分解油流120、熱分解ガス流118、および熱分解残留物流122を生成してもよく、これらは、それらの配合に基づき、様々な下流設備および/または用途で直接使用されてもよい。熱分解油、熱分解ガス、および熱分解残留物の様々な特性および性状を以下に示す。なお、以下の特性および性状はすべて別々に列挙される場合があるが、熱分解ガス、熱分解油、および/または熱分解残留物の以下の特性および/または性状のそれぞれは、相互に排他的ではなく、組み合わせられてもよく、任意の組合せで存在してもよい。
【0342】
[0350]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、分子当たり4~30個の炭素原子を有する炭化水素(たとえば、C4~C30炭化水素)を主に含んでもよい。本明細書で使用される場合、「Cx」または「Cx炭化水素」という用語は、分子当たり合計「x」個の炭素を含む炭化水素化合物を指し、その数の炭素原子を有するすべてのオレフィン、パラフィン、芳香族、複素環、および異性体を包含する。たとえば、ノルマルブタンおよびイソブタン、ならびにブテンおよびブタジエン分子のそれぞれは、一般的な記載「C4」に該当する。
【0343】
[0351]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントのC4~C30炭化水素含有量を有してもよい。
【0344】
[0352]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、C5~C25の炭化水素、C5~C22の炭化水素、またはC5~C20の炭化水素を主に含んでもよい。たとえば、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントのC5~C25炭化水素、C5~C22炭化水素、またはC5~C20炭化水素を含んでもよい。
【0345】
[0353]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、または少なくとも55重量パーセントのC5~C12炭化水素含有量を有してもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、または50重量パーセント以下のC5~C12炭化水素含有量を有してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、10~95重量パーセント、20~80重量パーセント、または35~80重量パーセントの範囲のC5~C12炭化水素含有量を有してもよい。
【0346】
[0354]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、または少なくとも30重量パーセントのC13~C23炭化水素含有量を有してもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、または40重量パーセント以下のC13~C23炭化水素含有量を有してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、1~80重量パーセント、5~65重量パーセント、または10~60重量パーセントの範囲のC13~C23炭化水素含有量を有してもよい。
【0347】
[0355]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油の重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも3重量パーセント、少なくとも4重量パーセント、もしくは少なくとも5重量パーセント、かつ/または15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、9重量パーセント以下、8重量パーセント以下、7重量パーセント以下、または6重量パーセント以下の、C24以上の炭化水素の含有量を有してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、1~15重量パーセント、3~15重量パーセント、または5~10重量パーセントの範囲のC24以上の炭化水素の含有量を有してもよい。
【0348】
[0356]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120中の最大濃度を有する2種の脂肪族炭化水素(分岐または非分岐アルカンおよびアルケン、ならびに脂環式炭化水素)は、C5~C18、C5~C16、C5~C14、C5~C10、またはC5~C8(両端の値を含む)の範囲である。
【0349】
[0357]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120はまた、様々な量のオレフィンおよび芳香族を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、または少なくとも40重量パーセントのオレフィンおよび/または芳香族を含んでもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、90重量パーセント以下、80重量パーセント以下、70重量パーセント以下、60重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、1重量パーセント以下のオレフィンおよび/または芳香族を含んでもよい。
【0350】
[0358]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120はまた、様々な量のオレフィンを含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、または少なくとも65重量パーセントのオレフィンを含む。これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、90重量パーセント以下、80重量パーセント以下、70重量パーセント以下、60重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、 35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、または1重量パーセント以下のオレフィンを含んでもよく、あるいは、オレフィンは、流れの総重量基準で1~90重量パーセント、5~80重量パーセント、または15~70重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。
【0351】
[0359]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、9重量パーセント以下、8重量パーセント以下、7重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の芳香族含有量を有してもよい。本明細書で使用される場合、「芳香族」という用語は、ベンゼン、トルエン、キシレン、およびスチレンなどの芳香族部分を含む任意の化合物の総量(重量で)を指す。
【0352】
[0360]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも3重量パーセント、少なくとも4重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも6重量パーセント、少なくとも7重量パーセント、少なくとも8重量パーセント、少なくとも9重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも11重量パーセント、少なくとも12重量パーセント、少なくとも13重量パーセント、少なくとも14重量パーセント、もしくは少なくとも15重量パーセント、かつ/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、もしくは20重量パーセント以下のナフテン(たとえば、環状脂肪族炭化水素)含有量、あるいは流れの総重量基準で1~50重量パーセント、2~40重量パーセント、または5~25重量パーセントの範囲のナフテン含有量を有してもよい。
【0353】
[0361]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、または少なくとも65重量パーセントのパラフィン(たとえば直鎖または分岐アルカン)含有量を有してもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、99重量パーセント以下、97重量パーセント以下、95重量パーセント以下、93重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、または30重量パーセント以下のパラフィン含有量を有してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、流れの総重量基準で25~90重量パーセント、35~90重量パーセント、または50~80重量パーセントの範囲のパラフィン含有量を有してもよい。
【0354】
[0362]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、パラフィンとナフテンの重量比は、熱分解油の総重量基準で少なくとも1:1、少なくとも1.5:1、少なくとも2:1、少なくとも2.2:1、少なくとも2.5:1、少なくとも2.7:1、少なくとも3:1、少なくとも3.3:1、少なくとも3.5:1、少なくとも3.75:1、少なくとも4:1、少なくとも4.25:1、少なくとも4.5:1、少なくとも4.75:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、少なくとも7:1、少なくとも8:1、少なくとも9:1、少なくとも10:1、少なくとも13:1、少なくとも15:1、または少なくとも17:1であってもよい。
【0355】
[0363]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、組み合わせられたパラフィンおよびナフテンと芳香族との重量比は、熱分解油流120の総重量基準で少なくとも1:1、少なくとも1.5:1、少なくとも2:1、少なくとも2.5:1、少なくとも2.7:1、少なくとも3:1、少なくとも3.3:1、少なくとも3.5:1、少なくとも3.75:1、少なくとも4:1、少なくとも4.5:1、少なくとも5:1、少なくとも7:1、少なくとも10:1、少なくとも15:1、少なくとも20:1、少なくとも25:1、少なくとも30:1、少なくとも35:1、または少なくとも40:1であってもよい。
【0356】
[0364]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、もしくは少なくとも45重量パーセント、かつ/または99重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、もしくは70重量パーセント以下の組み合わせられたパラフィンおよびオレフィン含有量を有してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、流れの総重量基準で25~90重量パーセント、35~90重量パーセント、または50~80重量パーセントの範囲の組み合わせられたパラフィンおよびオレフィン含有量を有してもよい。
【0357】
[0365]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で少なくとも0.01重量パーセント、少なくとも0.1重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、もしくは少なくとも5重量パーセント、かつ/または20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、14重量パーセント以下、13重量パーセント以下、12重量パーセント以下、11重量パーセント以下、10重量パーセント以下、9重量パーセント以下、8重量パーセント以下、7重量パーセント以下、もしくは6重量パーセント以下の量の含酸素化合物または重合体を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で0.01~20重量パーセント、0.1~15重量パーセント、または1~10重量パーセントの範囲であってもよい。含酸素化合物および重合体は、酸素原子を含むものである。
【0358】
[0366]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、9重量パーセント以下、8重量パーセント以下、7重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、または0.1重量パーセント以下の量でヘテロ原子化合物または重合体を含んでもよい。ヘテロ原子化合物または重合体は、窒素、硫黄、またはリンを含む任意の化合物または重合体を含む。他の任意の原子は、熱分解油流120中に存在するヘテロ原子、ヘテロ化合物、またはヘテロ重合体の量を決定する目的で、ヘテロ原子とは見なされない。
【0359】
[0367]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、または0.5重量パーセント以下の水を含む。
【0360】
[0368]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で5重量パーセント未満、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.4重量パーセント以下、0.3重量パーセント以下、0.2重量パーセント以下、または0.1重量パーセント以下の固体を含む。
【0361】
[0369]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油は、熱分解油流120の総重量基準で少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、もしくは少なくとも85重量パーセント、かつ/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、もしくは60重量パーセント以下の原子状炭素を含む。
【0362】
[0370]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも6重量パーセント、少なくとも7重量パーセント、少なくとも8重量パーセント、少なくとも9重量パーセント、もしくは少なくとも10重量パーセント、かつ/または30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、14重量パーセント以下、13重量パーセント以下、12重量パーセント以下、もしくは11重量パーセント以下の原子状水素を含み、あるいはそれは、流れの総重量基準で5~30重量パーセント、7~20重量パーセント、または10~15重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。
【0363】
[0371]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で10重量パーセント以下、9重量パーセント以下、8重量パーセント以下、7重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、または0.5重量パーセント以下の原子状酸素を含む。
【0364】
[0372]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で1,000ppm未満、500ppm以下、400ppm以下、300ppm以下、200ppm以下、100ppm以下、または50ppm以下の原子状硫黄を含む。
【0365】
[0373]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で1,000ppm未満、500ppm以下、400ppm以下、300ppm以下、200ppm以下、100ppm以下、または50ppm以下の金属を含む。
【0366】
[0374]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で1,000ppm未満、500ppm以下、400ppm以下、300ppm以下、200ppm以下、100ppm以下、または50ppm以下の金属を含む。
【0367】
[0375]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、熱分解油流120の総重量基準で1,000ppm未満、500ppm以下、400ppm以下、300ppm以下、200ppm以下、100ppm以下、または50ppm以下のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含む。
【0368】
[0376]なお、開示された炭化水素の重量百分率はすべて、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC-MS)を用いて決定されてもよい。
[0377]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、15℃で少なくとも0.6g/cm、少なくとも0.65g/cm、もしくは少なくとも0.7g/cm、かつ/または1g/cm以下、0.95g/cm以下、0.9g/cm以下、もしくは0.9g/cm以下の密度を有してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、15℃で0.6~1g/cm、0.65~0.95g/cm、または0.7~0.9g/cmの範囲の密度を有する。
【0369】
[0378]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、15℃で少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも31、少なくとも32、もしくは少なくとも33、かつ/または50以下、49以下、48以下、47以下、46以下、もしくは45以下のAPI比重を有してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、15℃で28~50、29~58、または30~44の範囲のAPI比重を有する。
【0370】
[0379]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、ASTM D-5399に従って測定した場合、少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも85℃、少なくとも90℃、少なくとも95℃、少なくとも100℃、少なくとも105℃、少なくとも110℃、もしくは少なくとも115℃、かつ/または250℃以下、245℃以下、240℃以下、235℃以下、230℃以下、225℃以下、220℃以下、215℃以下、210℃以下、205℃以下、200℃以下、195℃以下、190℃以下、185℃以下、180℃以下、175℃以下、170℃以下、165℃以下、160℃以下、155℃以下、150℃以下、145℃以下、140℃以下、135℃以下、130℃以下、125℃以下、もしくは120℃以下の中間沸点を有してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120は、75~250℃、90~225℃、または115~190℃の範囲の中間沸点を有してもよい。本明細書で使用される場合、「中間沸点」は、熱分解油の沸点の温度の中央値を指し、熱分解油の50体積パーセントは中間沸点より高温で沸騰し、50体積パーセントは中間沸点より低温で沸騰する。
【0371】
[0380]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120の沸点範囲は、ASTM D-5399に従って測定した場合に、熱分解油の10パーセント以下が少なくとも250℃、少なくとも280℃、少なくとも290℃、少なくとも300℃、または少なくとも310℃の最終沸点(FBP)を有するものであってもよい。
【0372】
[0381]次に熱分解ガス流118について記載する。熱分解ガス流118は、熱分解ガスの総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも3重量パーセント、少なくとも4重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも6重量パーセント、少なくとも7重量パーセント、少なくとも8重量パーセント、少なくとも9重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも11重量パーセント、少なくとも12重量パーセント、少なくとも13重量パーセント、少なくとも14重量パーセント、もしくは少なくとも15重量パーセント、かつ/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、もしくは20重量パーセント以下のメタン含有量を有してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解ガス流118は、1~50重量パーセント、5~50重量パーセント、または15~45重量パーセントの範囲のメタン含有量を有してもよい。
【0373】
[0382]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解ガス流118は、熱分解ガスの総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも3重量パーセント、少なくとも4重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも6重量パーセント、少なくとも7重量パーセント、少なくとも8重量パーセント、少なくとも9重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、もしくは少なくとも25重量パーセント、かつ/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、もしくは30重量パーセント以下のC3炭化水素含有量を有してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解ガス流118は、1~50重量パーセント、5~50重量パーセント、または20~50重量パーセントの範囲のC3炭化水素含有量を有してもよい。
【0374】
[0383]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解ガス流118は、熱分解ガス流118の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも3重量パーセント、少なくとも4重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも6重量パーセント、少なくとも7重量パーセント、少なくとも8重量パーセント、少なくとも9重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも11重量パーセント、少なくとも12重量パーセント、少なくとも13重量パーセント、少なくとも14重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも16重量パーセント、少なくとも17重量パーセント、少なくとも18重量パーセント、少なくとも19重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、もしくは少なくとも25重量パーセント、かつ/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、もしくは30重量パーセント以下のC4炭化水素含有量を有してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解ガス流118は、1~50重量パーセント、5~50重量パーセント、または20~50重量パーセントの範囲のC4炭化水素含有量を有してもよい。
【0375】
[0384]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解ガス流118は、熱分解ガスの総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、もしくは少なくとも60重量パーセント、かつ/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、もしくは65重量パーセント以下の、組み合わせられたC3およびC4炭化水素含有量(C3またはC4の炭素鎖長を有するすべての炭化水素を含む)を有してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解ガス流118は、10~90重量パーセント、25~90重量パーセント、または25~80重量パーセントの範囲の、組み合わせられたC3/C4炭化水素含有量を有してもよい。
【0376】
[0385]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解ガス流118は、少なくとも1ppm、少なくとも2ppm、少なくとも3ppm、少なくとも4ppm、少なくとも5ppm、少なくとも6ppm、少なくとも7ppm、少なくとも8ppm、少なくとも9ppm、少なくとも10ppm、少なくとも11ppm、少なくとも12ppm、少なくとも13ppm、少なくとも14ppm、もしくは少なくとも15ppm、かつ/または1,000ppm以下、500ppm以下、400ppm以下、300ppm以下、200ppm以下、もしくは100ppm以下の硫黄含有量を含み、あるいはそれは、流れの総重量基準で1~1000ppm、2~500ppm、または3~100ppmの範囲であってもよい。
【0377】
[0386]理論に縛られることは望まないが、C3およびC4炭化水素の生成は、より高い熱分解温度(たとえば、550℃を超える温度)、特定の触媒の種類の選択、または特定の触媒(たとえばZSM-5)が存在しないことにより促進される可能性があると考えられる。
【0378】
[0387]次に熱分解残留物流122について記載する。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解残留物流122は、熱分解残留物流122の総重量基準で少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセントのC20以上の炭化水素を含む。本明細書で使用される場合、「C20以上の炭化水素」は、分子当たり少なくとも20個の全炭素を含む炭化水素化合物を指し、その数の炭素原子を有するすべてのオレフィン、パラフィン、および異性体を包含する。
【0379】
[0388]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解残留物流122は、熱分解残留物流122の総重量基準で15重量パーセント以下、14重量パーセント以下、13重量パーセント以下、12重量パーセント以下、11重量パーセント以下、10重量パーセント以下、9重量パーセント以下、8重量パーセント以下、7重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、または0.5重量パーセント以下の水を含む。
【0380】
[0389]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解残留物流122は、熱分解残留物流122の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの炭素含有固体を含む。
【0381】
[0390]これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解残留物流122は、99重量パーセント以下、90重量パーセント以下、80重量パーセント以下、70重量パーセント以下、60重量パーセント以下、50重量パーセント以下、40重量パーセント以下、30重量パーセント以下、20重量パーセント以下、10重量パーセント以下、9重量パーセント以下、8重量パーセント以下、7重量パーセント以下、6重量パーセント以下、5重量パーセント以下、または4重量パーセント以下の炭素含有固体を含む。本明細書で使用される場合、「炭素含有固体」は、熱分解により生じ、25℃かつ1気圧で固体である炭素含有組成物を指す。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、炭素含有固体は、炭素含有固体の総重量基準で少なくとも20重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、または少なくとも90重量パーセントの炭素を含む。
【0382】
[0391]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解残留物流122は、パラフィン以上の、または0.25:1以上、0.3:1以上、0.35:1以上、0.4:1以上、もしくは0.45:1以上のC:H原子比を含む。
【0383】
[0392]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、分離された熱分解残留物流122は、熱分解残留物流122の総重量基準で40重量パーセント以下、30重量パーセント以下、20重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の熱分解油を含む。
【0384】
[0393]図5に示されるように、熱分解施設60から取り出された熱分解ガス流118、熱分解油流120、および熱分解残留物流122を(i)クラッカー設備70、(ii)エネルギー生成/生産設備80、(iii)POXガス化設備50、および(iv)固化設備40のうちの1つ以上に送ってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油、熱分解ガス、および/または熱分解残留物のうちの1種以上を設備(i)~(iv)の1つにのみ送ってもよく、他の実施態様では、熱分解油、熱分解ガス、および/または熱分解残留物のうちの1種以上を設備(i)~(iv)の2つ以上に送ってもよい。
【0385】
[0394]特に、図5に示されるように、熱分解ガス118の全部または一部を(i)エネルギー生成/生産設備80、(ii)クラッカー設備70、および(iii)POXガス化設備50の少なくとも1つに送ってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油120の全部または一部を(i)エネルギー生成/生産設備80、(ii)クラッカー設備70、(iii)POXガス化設備50、および(iv)固化設備40の少なくとも1つに送ってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解残留物122の全部または一部を(i)エネルギー生成/生産設備80、(ii)固化設備40、および(iii)POXガス化設備50の少なくとも1つに送ってもよい。
【0386】
[0395]必要に応じて、熱分解ガス流118、熱分解油流120、および熱分解残留物流122の1種以上を、産廃埋立地または他の処理設備に送ってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解ガス流118、熱分解油流120、および熱分解残留物流122のそれぞれは、各流れの総重量基準で少なくとも1パーセント、少なくとも5パーセント、少なくとも10パーセント、少なくとも15パーセント、少なくとも20パーセント、少なくとも25パーセント、少なくとも30パーセント、少なくとも35パーセント、少なくとも40パーセント、少なくとも45パーセント、少なくとも50パーセント、少なくとも55パーセント、少なくとも60パーセント、少なくとも65パーセント、少なくとも70パーセント、少なくとも75パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも85パーセント、少なくとも90パーセント、または少なくとも95パーセントの再生成分を有してもよい。
【0387】

分解設備
[0396]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解設備60からの1つ以上の流れの少なくとも一部を分解設備70に導入してもよい。本明細書で使用される場合、「分解」という用語は、複雑な有機分子を炭素-炭素結合を壊してより単純な分子にすることを指す。「分解設備70」は、廃プラスチック由来の供給原料の分解を行うのに必要なすべての装置、ライン、および制御を含む設備である。本明細書で使用される場合、「クラッカー」および「分解」という用語は、交換可能に使用される。
【0388】
[0397]次に図6を参照すると、本技術の1つ以上の実施態様に従って構成された分解設備70が示されている。図6に示すように、分解設備70は、クラッカー供給流160を熱分解してクラッカー流出物119を形成するための少なくとも1つのクラッカー炉642、さらには、クラッカー炉の流出物を処理して少なくとも1つのオレフィン流128および少なくとも1つのパラフィン流140を形成するのに用いられる機器を含む下流分離ゾーン644を含む。
【0389】
[0398]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解設備60からの熱分解ガス流118(前述のように形成され、かつ/あるいは組成を有してもよい)および/または熱分解油流120(前述のように形成され、かつ/あるいは組成を有してもよい)の少なくとも一部をクラッカーユニット70に導入してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油流120の少なくとも一部をクラッカー炉642の少なくとも1つの入口に導入してもよく、熱分解ガス流118の少なくとも一部をクラッカー炉642の上流および/または下流の場所に導入してもよい。
【0390】
[0399]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、1つ以上の加溶媒分解副産物流110を単独で、または1つ以上の他の流れと組み合わせて分解設備70の入口に導入してもよい。加溶媒分解副産物流110は、先に詳細に述べたように、単一の加溶媒分解副産物、または2種以上の異なる加溶媒分解副産物を含んでもよい。
【0391】
[0400]図6に示すように、熱分解ガス流118および/または熱分解油流120、および/または加溶媒分解副産物流110をクラッカー供給原料と共にまたはクラッカー供給原料としてクラッカー設備70に導入して、分解供給流160を形成してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー供給原料は、クラッカー供給流160の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの熱分解ガス、熱分解油、または組み合わせられた熱分解ガスおよび熱分解油を含んでもよい。
【0392】
[0401]あるいは、またはさらに、クラッカー供給流160は、クラッカー供給流160の総重量基準で95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、または20重量パーセント以下の熱分解ガス、熱分解油、または熱分解ガスと熱分解油の組合せを含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で5~95重量パーセント、10~90重量パーセント、15~85重量パーセント、または20~80重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。
【0393】
[0402]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー供給流160は、クラッカー供給流160の総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、もしくは少なくとも95重量パーセント、かつ/または95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、もしくは20重量パーセント以下の、熱分解ガスおよび熱分解油以外の炭化水素供給物を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で5~95重量パーセント、10~90重量パーセント、20~80重量パーセント、25~75重量パーセント、または30~70重量パーセントの範囲の量を含んでもよい。
【0394】
[0403]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー供給流160は、主にC2~C4の炭化水素を含む組成物、または主にC5~C22の炭化水素を含む組成物を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「主にC2~C4の炭化水素」という用語は、少なくとも50重量パーセントのC2~C4の炭化水素成分を含む流れまたは組成物を指す。C2~C4の炭化水素流または組成物の具体的な種類の例としては、プロパン、エタン、ブタン、およびLPGが挙げられる。
【0395】
[0404]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー供給流160は、供給物の総重量基準で少なくとも50重量パーセント、もしくは少なくとも55重量パーセント、もしくは少なくとも60重量パーセント、もしくは少なくとも65重量パーセント、もしくは少なくとも70重量パーセント、もしくは少なくとも75重量パーセント、もしくは少なくとも80重量パーセント、もしくは少なくとも85重量パーセント、もしくは少なくとも90重量パーセント、もしくは少なくとも95重量パーセント、かつ/または供給物の総重量基準で100重量パーセント以下、もしくは99重量パーセント以下、もしくは95重量パーセント以下、もしくは92重量パーセント以下、もしくは90重量パーセント以下、もしくは85重量パーセント以下、もしくは80重量パーセント以下、もしくは75重量パーセント以下、もしくは70重量パーセント以下、もしくは65重量パーセント以下、もしくは60重量パーセント以下のC2~C4の炭化水素または直鎖アルカンを含んでもよい。クラッカー供給物は、主にプロパン、主にエタン、主にブタン、またはこれらの成分の2種以上の組合せを含んでもよい。
【0396】
[0405]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー供給流160は、主にC5~C22の炭化水素を含む組成物を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「主にC5~C22の炭化水素」は、少なくとも50重量パーセントのC5~C22の炭化水素成分を含む流れまたは組成物を指す。例としては、ガソリン、ナフサ、中間留分、軽油、灯油などが挙げられる。
【0397】
[0406]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー供給流160は、流れ160の総重量基準で少なくとも20重量パーセント、もしくは少なくとも25重量パーセント、もしくは少なくとも30重量パーセント、もしくは少なくとも35重量パーセント、もしくは少なくとも40重量パーセント、もしくは少なくとも45重量パーセント、もしくは少なくとも50重量パーセント、もしくは少なくとも55重量パーセント、もしくは少なくとも60重量パーセント、もしくは少なくとも65重量パーセント、もしくは少なくとも70重量パーセント、もしくは少なくとも75重量パーセント、もしくは少なくとも80重量パーセント、もしくは少なくとも85重量パーセント、もしくは少なくとも90重量パーセント、もしくは少なくとも95重量パーセント、かつ/または100重量パーセント以下、もしくは99重量パーセント以下、もしくは95重量パーセント以下、もしくは92重量パーセント以下、もしくは90重量パーセント以下、もしくは85重量パーセント以下、もしくは80重量パーセント以下、もしくは75重量パーセント以下、もしくは70重量パーセント以下、もしくは65重量パーセント以下、もしくは60重量パーセント以下のC5~C22またはC5~C20の炭化水素を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で20~99重量パーセント、25~95重量パーセント、30~90重量パーセント、または35~85重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。
【0398】
[0407]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー供給流160は、供給物の総重量基準で少なくとも0.5重量パーセント、もしくは少なくとも1重量パーセント、もしくは少なくとも2重量パーセント、もしくは少なくとも5重量パーセント、かつ/または40重量パーセント以下、もしくは35重量パーセント以下、もしくは30重量パーセント以下、もしくは25重量パーセント以下、もしくは20重量パーセント以下、もしくは18重量パーセント以下、もしくは15重量パーセント以下、もしくは12重量パーセント以下、もしくは10重量パーセント以下、もしくは5重量パーセント以下、もしくは3重量パーセント以下のC15およびさらに重質の(C15以上の)含有量を有してもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で0.5~40重量パーセント、1~25重量パーセント、または2~30重量パーセントの範囲であってもよい。
【0399】
[0408]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー炉642に導入されるクラッカー供給流160は、真空ガス油(VGO)、水素化真空ガス油(HVGO)、または常圧ガス油(AGO)を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー炉642に導入されるクラッカー供給流160は、流れ160の総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、もしくは少なくとも90重量パーセント、かつ/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、もしくは50重量パーセント以下の少なくとも1種のガス油を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で5~95重量パーセント、10~90重量パーセント、20~80重量パーセント、または25~75重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。
【0400】
[0409]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー炉642はガス炉を含んでもよい。ガス炉は、対流ゾーンの入口にあるコイルの入口で主に蒸気相の供給物(供給物の50重量パーセント超が蒸気である)を受け取る(あるいは受け取るように操作されるか構成される)、少なくとも1つのコイル(「ガスコイル」)を有する炉である。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガスコイルは、対流区画内のコイルの入口への主にC2~C4供給原料、または主にC2~C3供給原料を受け取ってもよく、あるいは、コイルへのクラッカー供給物の重量基準、あるいは対流ゾーンへのクラッカー供給物の重量基準で50重量パーセントを超えるエタン、および/もしくは50パーセントを超えるプロパン、および/もしくは50パーセントを超えるLPG、またはこれらの場合のいずれか1つにおいて少なくとも60重量パーセント、または少なくとも70重量パーセント、または少なくとも80重量パーセントを受け取る少なくとも1つのコイルを有してもよい。
【0401】
[0410]クラッカー炉642がガス炉である場合、炉は2つ以上のガスコイルを有してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、炉のコイルの少なくとも25パーセント、またはコイルの少なくとも50パーセント、またはコイルの少なくとも60パーセント、または対流ゾーン内もしくは対流室758内のすべてのコイルはガスコイルである。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガスコイルは、対流ゾーンへの入口にあるコイルの入口で、供給物の少なくとも60重量パーセント、または少なくとも70重量パーセント、または少なくとも80重量パーセント、または少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセント、または少なくとも97重量パーセント、または少なくとも98重量パーセント、または少なくとも99重量パーセント、または少なくとも99.5重量パーセント、または少なくとも99.9重量パーセントが蒸気である蒸気相供給物を受け取る。
【0402】
[0411]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー炉642は分割炉を含んでもよい。分割炉はガス炉の一種である。分割炉は、同じ炉内、または同じ対流ゾーン内、または同じ対流室758内に、少なくとも1つのガスコイルおよび少なくとも1つの液体コイルを含む。液体コイルは、対流ゾーンへの入口のコイルの入口で、主に液相の供給物(供給物の50重量パーセント超が液体である)を受け取るコイル(「液体コイル」)である。
【0403】
[0412]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー供給流を熱による気体分解装置で分解してもよい。
[0413]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー供給流を蒸気の存在下で熱による気体蒸気分解装置で分解してもよい。蒸気分解は、蒸気の存在下で炭化水素を高温分解すること(分解)を指す。
【0404】
[0414]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解油または熱分解ガスを別の供給流と組み合わせる場合、そのような混合は、分解炉の上流または内部で起こり得る。あるいは、熱分解油を含む供給流とそれ以外のクラッカー供給物を別々に炉に導入してもよく、同じ炉内の別々の管に供給することで互いを隔離しながら炉の一部または全部に同時に通過させてもよい(たとえば分割炉)。
【0405】
[0415]次に図7を参照すると、1つ以上の実施態様での使用に適した分解炉の概略図が示される。図7に示すように、分解炉は、対流区画746、輻射区画748、および対流区画746と輻射区画748との間に位置する交差区画750を含んでもよい。交差区画750は、対流区画746と輻射区画748との間に配置され、それらと流体の流れを連通させる。
【0406】
[0416]対流区画746は、高温の煙道ガスから熱を受け取る炉742の一部であり、クラッカー流160が通過する管またはコイル752a、bの列を含む。対流区画746では、クラッカー流160は、そこを通過する高温の煙道ガスからの対流により加熱される。なお、図7では水平に配置された対流区画管752aおよび垂直に配置された輻射区画管752bを含むものとして示されているが、任意の適切な構成で管752を配置できる。たとえば、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、対流区画管752aは垂直であってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、輻射区画管752bは水平であってもよい。さらに、単一の管として示されているが、クラッカー炉は、少なくとも1つの分岐管、屈曲管、U字管、エルボ管、またはそれらの組合せを含み得る1つ以上の管またはコイル752を含んでもよい。複数の管またはコイルが存在する場合、それらを並列および/または直列に配置してもよい。
【0407】
[0417]輻射区画748は、主に高温ガスからの輻射により熱が加熱管に伝達される炉742の区画である。輻射区画748はまた、炉742の下部に熱を導入するための複数のバーナー756を含む。炉742は、輻射区画748内の管752bを囲み収容する火室754を含み、その中にバーナー756が配置される。交差区画750は、対流区画746と輻射区画748を接続するための配管を含み、加熱されたクラッカー流160を一方の区画から他方の区画へ、あるいは炉の内部から外部へ移動させることができる。
【0408】
[0418]高温の燃焼ガスが炉の排気筒を通って上へ上昇すると、ガスは対流区画746を通過してもよく、そこで廃熱の少なくとも一部を回収し、対流区画を通過するクラッカー流116を加熱するのに用いてもよい。
【0409】
[0419]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、分解炉742は、単一の対流(予熱)区画および単一の輻射区画を有してもよく、他の実施態様では、炉は共通の対流区画を有する2つ以上の輻射区画を含んでもよい。排気筒(図示せず)付近の少なくとも1つの誘引通風(ID)ファン760は炉742を通る高温の煙道ガスの流れを制御して、その加熱特性を制御できる。さらに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、1つ以上の熱交換器760を用いて炉流出物119を冷却してもよい。1つ以上の実施態様(図示せず)では、分解されたオレフィン含有炉流出物119を冷却するために、図7に示される炉の出口にある交換器(たとえば、移送ライン熱交換器すなわちTLE)に加えて、またはその代わりに液体急冷流を用いてもよい。
【0410】
[0420]動作中、炉742の入口に導入されたクラッカー供給流160は、対流区画746を通過して交差区画750に入り、ここで、流れは少なくとも500℃、少なくとも510℃、少なくとも520℃、少なくとも530℃、少なくとも540℃、少なくとも550℃、少なくとも555℃、少なくとも560℃、少なくとも565℃、少なくとも570℃、少なくとも575℃、少なくとも580℃、少なくとも585℃、少なくとも590℃、少なくとも595℃、少なくとも600℃、少なくとも605℃、少なくとも610℃、少なくとも615℃、少なくとも620℃、少なくとも625℃、少なくとも630℃、少なくとも635℃、少なくとも640℃、少なくとも645℃、少なくとも650℃、少なくとも660℃、少なくとも670℃、もしくは少なくとも680℃、かつ/または850℃以下、840℃以下、830℃以下、820℃以下、810℃以下、800℃以下、795℃以下、790℃以下、785℃以下、780℃以下、775℃以下、770℃以下、765℃以下、760℃以下、755℃以下、750℃以下、745℃以下、740℃以下、735℃以下、730℃以下、725℃以下、720℃以下、715℃以下、710℃以下、705℃以下、700℃以下、695℃以下、690℃以下、685℃以下、680℃以下、675℃以下、670℃以下、665℃以下、660℃以下、655℃以下、650℃以下、645℃以下、640℃以下、635℃以下、もしくは630℃以下の温度を有してもよい。
【0411】
[0421]動作中、炉742の入口に導入されたクラッカー供給流160は、対流区画746を通過して交差区画750に入り、ここで、流れは少なくとも500℃、少なくとも525℃、少なくとも550℃、少なくとも575℃、少なくとも600℃、少なくとも625℃、少なくとも650℃、少なくとも675℃、もしくは少なくとも680℃、かつ/または850℃以下、825℃以下、800℃以下、775℃以下、750℃以下、725℃以下、700℃以下、675℃以下、650℃以下、もしくは630℃以下、または500~850℃、550~750℃、もしくは600~825℃の範囲の温度を有してもよい。
【0412】
[0422]交差区画の加熱されたクラッカー流160は、次いで炉742の輻射区画748を通過する。輻射区画748では、流れ160を熱分解して軽質炭化水素、たとえばエチレン、プロピレン、および/またはブタジエンを生成してもよい。炉742の輻射区画748内のクラッカー流160の滞留時間は、少なくとも0.1秒、もしくは少なくとも0.15秒、もしくは少なくとも0.2秒、もしくは少なくとも0.25秒、もしくは少なくとも0.3秒、もしくは少なくとも0.35秒、もしくは少なくとも0.4秒秒、もしくは少なくとも0.45秒、かつ/または2秒以下、もしくは1.75秒以下、もしくは1.5秒以下、もしくは1.25秒以下、もしくは1秒以下、もしくは0.9秒以下、もしくは0.8秒以下、もしくは0.75秒以下、もしくは0.7秒以下、もしくは0.65秒以下、もしくは0.6秒以下、もしくは0.5秒以下、または0.1~2秒、0.15~0.65秒、もしくは0.2~0.6秒の範囲であってもよい。
【0413】
[0423]炉の出口から取り出されるオレフィン含有流出流の温度は、少なくとも640℃、もしくは少なくとも650℃、もしくは少なくとも660℃、もしくは少なくとも670℃、もしくは少なくとも680℃、もしくは少なくとも690℃、もしくは少なくとも700℃、もしくは少なくとも720℃、もしくは少なくとも730℃、もしくは少なくとも740℃、もしくは少なくとも750℃、もしくは少なくとも760℃、もしくは少なくとも770℃、もしくは少なくとも780℃、もしくは少なくとも790℃、もしくは少なくとも800℃、もしくは少なくとも810℃、もしくは少なくとも820℃、かつ/または1000℃以下、もしくは990℃以下、もしくは980℃以下、もしくは970℃以下、もしくは960℃以下、もしくは950℃以下、もしくは940℃以下、もしくは930℃以下、もしくは920℃以下、もしくは910℃以下、もしくは900℃以下、もしくは890℃以下、もしくは880℃以下、もしくは875℃以下、もしくは870℃、もしくは860℃以下、もしくは850℃以下、もしくは840℃以下、もしくは830℃以下、または730~900℃、750~875℃、または750~850℃の範囲であってもよい。
【0414】
[0424]再び図6を参照する。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解設備60からの熱分解ガス118の全部または一部を分解炉642の入口に導入してもよく、あるいは、クラッカー設備70の分離ゾーン644の上流または分離ゾーン内の位置の、炉の出口の下流に熱分解ガス118の全部または一部を導入してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、分離ゾーン644は、炉流出物119の成分を分離するための少なくとも1つの分別カラム、および分別の前に炉流出物119の圧力を上げるための少なくとも1つの圧縮段階を含む。分離ゾーン644内またはその上流に導入される場合、熱分解ガス流118は、圧縮の最終段階の上流、または分離ゾーン644の分別区画内の少なくとも1つの分別カラムの入口の前に導入されてもよい。
【0415】
[0425]分解設備70に入る前に、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解設備60からのそのままの熱分解ガス流を、前処理ゾーン65で1つ以上の分離工程に供して1種以上の成分を流れから除去してもよい。このような成分の例としては、アルデヒド、含酸素化合物、窒素含有化合物、硫黄含有化合物、二酸化炭素、水、ガス化金属、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー設備70に導入される熱分解ガス流118は、熱分解ガス流118の総重量基準で少なくとも0.1重量パーセント、少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも1.5重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも2.5重量パーセント、少なくとも3重量パーセント、少なくとも3.5重量パーセント、少なくとも4重量パーセント、少なくとも4.5重量パーセント、もしくは少なくとも5重量パーセント、かつ/または30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、もしくは1重量パーセント以下の、上で挙げた成分の1種以上を含み、あるいはそれは、流れの総重量基準で0.1~30重量パーセント、0.5~25重量パーセント、または1~20重量パーセントの範囲の量で存在してもよい。
【0416】
[0426]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、分解設備70は単一の分解炉を備えてもよく、あるいは、並行して運転される少なくとも2つ、または少なくとも3つ、または少なくとも4つ、または少なくとも5つ、または少なくとも6つ、または少なくとも7つ、または少なくとも8つ、またはそれ以上の分解炉を有してもよい。いずれかの炉、または各炉は、気体分解装置、液体分解装置、または分割炉であってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、炉642は、炉を経て、あるいは炉内の少なくとも1つのコイルを経て、あるいは炉内の少なくとも1つの管を経て、炉642へのクラッカー供給物の重量基準で少なくとも50重量パーセント、または少なくとも75重量パーセント、または少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセントのエタン、プロパン、LPG、またはそれらの組合せを含むクラッカー供給流を受け取る気体分解装置であってもよい。
【0417】
[0427]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、炉642は、少なくとも50重量パーセント、または少なくとも75重量パーセント、または少なくとも85重量パーセントの(25℃かつ1気圧で測定した場合)炭素数C5~C22の液体炭化水素を含むクラッカー供給流160を受け取る、液体またはナフサ分解装置であってもよい。
【0418】
[0428]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、オレフィン(エチレン、プロピレン、ブタジエン、またはそれらの組合せ)の収率は、少なくとも15パーセント、または少なくとも20パーセント、または少なくとも25パーセント、または少なくとも30パーセント、または少なくとも35パーセント、または少なくとも40パーセント、または少なくとも45パーセント、または少なくとも50パーセント、または少なくとも55パーセント、または少なくとも60パーセント、または少なくとも65パーセント、または少なくとも70パーセント、または少なくとも75パーセント、または少なくとも80パーセントであってもよい。本明細書で使用される場合、「収率」という用語は、(ある質量の供給原料から生成された生成物の質量)/(供給原料の質量)×100%を指す。オレフィン含有流出流119は、流出流の総重量基準で少なくとも30重量パーセント、または少なくとも40重量パーセント、または少なくとも50重量パーセント、または少なくとも60重量パーセント、または少なくとも70重量パーセント、または少なくとも75重量パーセント、または少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセント、または少なくとも97重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントのエチレン、プロピレン、またはエチレンおよびプロピレンを含む。
【0419】
[0429]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、オレフィン含有流出流は、オレフィン含有流出流119の総重量基準で少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセントのC2~C4オレフィンを含んでもよい。流れは、主にエチレン、主にプロピレン、または主にエチレンおよびプロピレンを含んでもよい。
【0420】
[0430]オレフィン含有流出流119中のエチレン対プロピレンの重量比は、少なくとも0.2:1、少なくとも0.3:1、少なくとも0.4:1、少なくとも0.5:1、少なくとも0.6:1、少なくとも0.7:1、少なくとも0.8:1、少なくとも0.9:1、少なくとも1:1、少なくとも1.1:1、少なくとも1.2:1、少なくとも1.3:1、少なくとも1.4:1、少なくとも1.5:1、少なくとも1.6:1、少なくとも1.7:1、少なくとも1.8:1、少なくとも1.9:1、もしくは少なくとも2:1、かつ/または3:1以下、2.9:1以下、2.8:1以下、2.7:1以下、2.5:1以下、2.3:1以下、2.2:1以下、2.1:1以下、2:1以下、1.7:1以下、1.5:1以下、もしくは1.25:1以下であってもよく、あるいはそれは、0.2:1~3:1、0.4:1~2.5:1、または0.7:1~2.2:1の範囲であってもよい。
【0421】
[0431]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー炉の出口を出ると、大量の望ましくない副産物の生成を防止し下流装置の汚染を最小限に抑えるために、オレフィン含有流出流119をすぐに冷却(たとえば急冷)してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、急冷または冷却工程中に炉からのオレフィン含有流出流119の温度を35~485℃、35~375℃、または90~550℃だけ低下させて500~760℃の温度にしてもよい。
【0422】
[0432]冷却工程は、炉流出流119が炉を出た直後、たとえば、1~30ミリ秒、5~20ミリ秒、または5~15ミリ秒以内に行われる。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、急冷工程は熱交換器で高圧の水または蒸気との間接的な熱交換により行われるが、他の実施態様では、流出物を急冷液に直接接触させて急冷工程を実施する。急冷液の温度は、少なくとも65℃、もしくは少なくとも80℃、もしくは少なくとも90℃、もしくは少なくとも100℃、かつ/または210℃以下、もしくは180℃以下、もしくは165℃以下、もしくは150℃以下、もしくは135℃以下であってもよく、あるいはそれは、65~210℃、80~180℃、もしくは90~165℃の範囲であってもよい。
【0423】
[0433]急冷液を用いる場合、接触を急冷塔で行ってもよく、ガソリンおよび同様の沸点範囲のその他の炭化水素成分を含む液体流を急冷塔から取り出してもよい。場合によっては、クラッカー供給物が主に液体(またはC5~C22およびさらに重質の炭化水素)である場合に急冷液を使用してもよく、クラッカー供給物が主に蒸気(またはC2~C4炭化水素)である場合に熱交換器を用いてもよい。
【0424】
[0434]次いで、得られた冷却流出流を気液分離器で分離し、たとえば、必要に応じて中間冷却および液体除去を伴う1~5の圧縮段階を有するガス圧縮機で蒸気を圧縮する。第1セットの圧縮段階の出口におけるガス流の圧力は、7~20バールゲージ(barg)、8.5~18barg、または9.5~14bargの範囲である。
【0425】
[0435]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解ガス流118の全部または一部を圧縮機の最終段階の上流および初期圧縮段階の1つ以上の下流に導入してもよい。たとえば、熱分解ガス118を分離ゾーン644内の圧縮機(図示せず)の第1段階の前、第1段階と第2段階の間、第2段階と第3段階の間、第3段階と第4段階の間、第4段階と第5段階の間、または第5(すなわち最終)段階の後にガス流と混合してもよい。圧縮の後半の段階の後に導入される場合、熱分解ガスの全部または一部は、圧縮された炉流出物119と混合される前に別の圧縮機または圧縮段階で圧縮されていてもよい。混合されると、熱分解ガスの圧力は、混合される流れの圧力から20psi以内、50psi以内、100psi以内、または150psi以内である。
【0426】
[0436]得られた圧縮流を酸性ガス除去剤と接触させてCO、CO、およびHSなどの酸性ガスを除去するために処理してもよい。酸性ガス除去剤の例としては苛性および様々な種類のアミンが挙げられるが、これらに限定されない。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、単一の接触器を用いてもよいが、他の実施態様では、二重カラムの吸収塔・回収塔構成を用いてもよい。
【0427】
[0437]次いで、処理された圧縮オレフィン含有流119を必要に応じて中間段間冷却および液体分離を伴う別の圧縮機でさらに圧縮してもよい。得られた圧縮流は、20~50バール、25~45バール、または30~40バールの範囲の圧力を有する。任意の適切な水分除去方法、たとえば、分子篩または他の同様の処理などを用いることができる。次いで、得られた流れを分別区画に送ってもよく、そこでオレフィンと他の成分を分離して、様々な高純度の生成物または中間流にしてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、熱分解ガスの全部または一部を第2圧縮機の1つ以上の段階の前および/または後に導入してもよい。同様に、熱分解ガスの圧力は、混合される流れの圧力から20psi以内、50psi以内、100psi以内、または150psi以内である。
【0428】
[0438]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、圧縮システムの吸引圧力は、少なくとも0.01barg、少なくとも0.05barg、少なくとも0.1barg、かつ/または1.1barg以下、0.95barg以下、0.90barg以下、0.85barg以下であってもよく、第1の圧縮段階の出口は、少なくとも1.3barg、少なくとも1.4barg、少なくとも1.5barg、もしくは少なくとも1.6barg、かつ/または4barg以下、3.75barg以下、3.5barg以下、3.25barg以下、3barg以下、2.9barg以下、2.8barg以下、もしくは2.7barg以下であってもよい。
【0429】
[0439]第2の圧縮段階の出口は、少なくとも3.8barg、少なくとも3.9barg、少なくとも4barg、少なくとも4.5barg、少なくとも5barg、もしくは少なくとも5.5barg、かつ/または11barg以下、10.5barg以下、10barg以下、9barg以下、8.5barg以下、8barg以下、7barg以下、6.5barg以下、6.4barg以下、6.3barg以下であってもよく、第3の圧縮段階の出口は、少なくとも8.7barg、少なくとも8.8barg、少なくとも8.9barg、少なくとも9barg、少なくとも10barg、少なくとも12barg、もしくは少なくとも14barg、かつ/または30barg以下、27barg以下、25barg以下、20barg以下、15barg以下、13.5barg以下、13.4barg以下、もしくは13.25barg以下であってもよい。第4の圧縮段階の出口は、少なくとも14.2barg、少なくとも14.3barg、もしくは14.4barg、かつ/または23.5barg以下、23.4barg以下、23.3barg以下、もしくは23.2barg以下であってもよい。第5圧縮段階の出口は、存在する場合、少なくとも27.5barg、少なくとも27.7barg、もしくは少なくとも27.9barg、かつ/または46barg以下、45.5barg以下、45.2barg以下であってもよい。第5の圧縮段階が存在しない場合、第4の圧縮段階の出口圧力は、少なくとも30barg、少なくとも32barg、少なくとも35barg、少なくとも37barg、もしくは少なくとも40barg、かつ/または65barg以下、60barg以下、もしくは57barg以下であってもよい。
【0430】
[0440]第1段階の吸引圧力は0.1~0.8bargの範囲であってもよく、第1段階の出口圧力は1.6~2.7bargであってもよい。第2段階の出口圧力は4~6bargであってもよく、第3段階の出口圧力は9~13bargであってもよい。第4段階は14~23bargの出口圧力を有してもよく、第5段階(存在する場合)は28~45bargの出口圧力を有してもよい。第1段階の吸引圧力は0.1~1bargの範囲であってもよく、第1段階の出口圧力は1.5~3.75bargの範囲であってもよく、第2段階の出口圧力は14.5~27bargの範囲であってもよい。第4段階の出口圧力は、特にたとえば第4段階が最終段階である場合、30~60bargの範囲であってもよい。
【0431】
[0441]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、圧縮後、オレフィン含有炉流出物119を分離ゾーン内の少なくとも1つの分別塔に導入してもよい。本明細書で使用される場合、「分別」という用語は、異なる沸点を有する2種以上の物質を分離する一般的な処理を指す。分別を利用する装置および処理の例としては、蒸留、精留、除去、および気液分離(一段階)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0432】
[0442]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー設備70の分離区画644は、1つ以上の任意の適切な種類の分別塔を含んでもよい。例としては、脱メタン塔、脱エタン塔、脱プロパン塔、エチレン分別塔、プロピレン分別塔、脱ブタン塔、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「脱メタン塔」という用語は、低沸限界成分がメタンである塔を指す。同様に、「脱エタン塔」および「脱プロパン塔」は、それぞれエタンおよびプロパンを低沸限界成分とする塔を指す。「エチレン分別塔」という用語は、エチレンを低沸限界成分とする塔を指し、同様に「プロピレン分別塔」は、プロピレンを低沸限界成分とする塔を指す。
【0433】
[0443]分別区画が少なくとも1つのオレフィン産物流128および少なくとも1つのパラフィン流140を提供するように、任意の適切な塔配置を用いてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、分離ゾーン644は、少なくとも2つのオレフィン流、たとえばエチレンおよびプロピレン、ならびに少なくとも2つのパラフィン流、たとえばエタンおよびプロパン、さらにはたとえばメタンおよびより軽質の成分、ならびにブタンおよびより重質の成分などのさらなる流れを含むさらなる流れを提供できる。
【0434】
[0444]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、分離ゾーン644からのオレフィン流140は、オレフィン流の総重量基準で少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、もしくは少なくとも95重量パーセント、かつ/または100重量パーセント以下、99重量パーセント以下、97重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、もしくは80重量パーセント以下のオレフィンを含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で50~99重量パーセント、55~97重量パーセント、または90~97重量パーセントの範囲であってもよい。
【0435】
[0445]オレフィンは、主にエチレンまたは主にプロピレンであってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、オレフィン流は、オレフィン流におけるオレフィンの総重量基準で少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、もしくは少なくとも95重量パーセント、かつ/または99重量パーセント以下、97重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、もしくは65重量パーセント以下のエチレンを含んでもよく、あるいはそれは、流れにおけるオレフィンの総重量基準で50~99重量パーセント、75~97重量パーセント、または80~95重量パーセントの範囲であってもよい。
【0436】
[0446]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、オレフィン流は、オレフィン流128の総重量基準で少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、もしくは少なくとも60重量パーセント、かつ/または80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、もしくは45重量パーセント以下のエチレンを含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で20~80重量パーセント、30~70重量パーセント、または40~60重量パーセントの範囲であってもよい。
【0437】
[0447]その代わりに、あるいはそれに加えて、オレフィン流は、オレフィン流中のオレフィンの総重量基準で少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、もしくは少なくとも95重量パーセント、かつ/または99重量パーセント以下、97重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、もしくは65重量パーセントのプロピレンを含んでもよく、あるいはそれは、流れにおけるオレフィンの総重量基準で50~99重量パーセント、75~97重量パーセント、または80~95重量パーセントの範囲であってもよい。
【0438】
[0448]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、オレフィン流は、オレフィン流128の総重量基準で少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、もしくは少なくとも60重量パーセント、かつ/または80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、もしくは45以下のプロピレンを含んでもよく、あるいはそれは、流れにおけるオレフィンの総重量基準で50~99重量パーセント、75~97重量パーセント、または80~95重量パーセントの範囲であってもよい。
【0439】
[0449]存在する場合、分離ゾーン644は、メタンおよびより軽質の(CO、CO、H)成分をエタンおよびより重質の成分から分離する脱メタン塔を利用してもよい。脱メタン塔は、少なくとも-145℃、もしくは少なくとも-142℃、もしくは少なくとも-140℃、もしくは少なくとも-135℃、かつ/または-120℃以下、-125℃以下、-130℃以下、-135℃以下の温度で運転されてもよく、あるいはそれは、-145~-120℃、-142~-125℃、または-140~-130℃の範囲であってもよい。脱メタン塔からの主に液体流である塔底は、エタンおよびより重質の成分の総量の少なくとも50パーセント、または少なくとも55パーセント、または少なくとも60パーセント、または少なくとも65パーセント、または少なくとも70パーセント、または少なくとも75パーセント、または少なくとも80パーセント、または少なくとも85パーセント、または少なくとも90パーセント、または少なくとも95パーセント、または少なくとも99パーセントを含む。
【0440】
[0450]存在する場合、分離ゾーン644は脱エタン塔を利用してもよく、そこでC2およびより軽質の成分を分別蒸留してC3およびより重質の成分から分離する。脱エタン塔は、少なくとも-35℃、もしくは少なくとも-30℃、もしくは少なくとも-25℃、もしくは少なくとも-20℃、かつ/または-5℃以下、-10℃以下、-15℃以下、-20℃以下の塔頂温度で運転されてもよく、あるいはそれは、-35~-5℃、-30~-10℃、または-25~-15℃の範囲であってもよく、また、少なくとも3barg、もしくは少なくとも5barg、もしくは少なくとも7barg、もしくは少なくとも8barg、もしくは少なくとも10barg、かつ/または20barg以下、もしくは18barg以下、もしくは17barg以下、もしくは15barg以下、もしくは14barg以下、もしくは13barg以下の塔頂圧力、あるいは3~20barg、5~18barg、または8~15bargの範囲の塔頂圧力であってもよい。
【0441】
[0451]脱エタン塔は、塔で塔頂流に導入されたC2およびより軽質の成分の総量の少なくとも60パーセント、または少なくとも65パーセント、または少なくとも70パーセント、または少なくとも75パーセント、または少なくとも80パーセント、または少なくとも85パーセント、または少なくとも90パーセント、または少なくとも95パーセント、または少なくとも97パーセント、または少なくとも99パーセントを回収する。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、脱エタン塔から取り出される塔頂流は、塔頂流の総重量基準で少なくとも50重量パーセント、または少なくとも55重量パーセント、または少なくとも60重量パーセント、または少なくとも65重量パーセント、または少なくとも70重量パーセント、または少なくとも75重量パーセント、または少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントのエタンおよびエチレンを含む。
【0442】
[0452]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、脱エタン塔からのC2およびより軽質の塔頂流をエタン-エチレン分別塔(エチレン分別塔またはエチレン回収塔)でさらに分離してもよい。エタン-エチレン分別塔では、エチレンおよびより軽質の成分の流れを塔頂から、すなわち塔の上半分から側流として取り出してもよく、エタンおよびより重質の任意の残留成分を塔底流で除去してもよい。
【0443】
[0453]エチレン分別塔は、少なくとも-45℃、もしくは少なくとも-40℃、もしくは少なくとも-35℃、もしくは少なくとも-30℃、もしくは少なくとも-25℃、もしくは少なくとも-20℃、かつ/または-15℃以下、-20℃以下、もしくは-25℃以下、または-45~-15℃、-40~-20℃、もしくは-35~-25℃の塔頂温度、かつ少なくとも10barg、もしくは少なくとも12barg、もしくは少なくとも15barg、かつ/または25barg以下、22barg以下、20barg以下の塔頂圧力、または10~25barg、12~22barg、もしくは15~20bargの範囲の塔頂圧力で運転されてもよい。塔頂流(エチレンが富化されていてもよい)は、流れの総重量基準で少なくとも70重量パーセント、または少なくとも75重量パーセント、または少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセント、または少なくとも97重量パーセント、または少なくとも98重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントのエチレンを含んでもよく、ライン128で示されるように、さらなる処理、保管、または販売のために下流の処理ユニットに送られてもよい。
【0444】
[0454]エタン-エチレン分別塔からの塔底流は、塔底流の総重量基準で少なくとも40重量パーセント、または少なくとも45重量パーセント、または少なくとも50重量パーセント、または少なくとも55重量パーセント、または少なくとも60重量パーセント、または少なくとも65重量パーセント、または少なくとも70重量パーセント、または少なくとも75重量パーセント、または少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセント、または少なくとも98重量パーセントのエタンを含んでもよい。前述のように、回収されたエタンの全部または一部を単独で、または熱分解油および/もしくは熱分解ガスと組み合わせて、ライン150で示されるように追加の供給原料としてクラッカー炉の入口に再循環させてもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、エタンの全部または一部を分解設備70からパラフィン産物流140として取り出してもよい。
【0445】
[0455]存在する場合、分離ゾーン644は脱プロパン塔を利用してもよく、そこでC3およびより軽質の成分は塔頂蒸気流として除去され、C4およびより重質の成分は液体底部で塔から出る。脱プロパン塔は、少なくとも20℃、もしくは少なくとも35℃、もしくは少なくとも40℃、かつ/または70℃以下、65℃以下、60℃以下、55℃以下、または20~70℃、35~65℃、もしくは40~60℃の範囲の塔頂温度、かつ少なくとも10barg、もしくは少なくとも12barg、もしくは少なくとも15barg、かつ/または20barg以下、もしくは17barg以下、もしくは15barg以下の塔頂圧力、または10~20barg、12~17barg、もしくは12~15bargの範囲の塔頂圧力で運転されてもよい。脱プロパン塔は、塔で塔頂流に導入されたC3およびより軽質の成分の総量の少なくとも60パーセント、または少なくとも65パーセント、または少なくとも70パーセント、または少なくとも75パーセント、または少なくとも80パーセント、または少なくとも85パーセント、または少なくとも90パーセント、または少なくとも95パーセント、または少なくとも97パーセント、または少なくとも99パーセントを含んでもよい。
【0446】
[0456]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、脱プロパン塔から除去される塔頂流は、塔頂流の総重量基準で少なくとも50重量パーセント、または少なくとも55重量パーセント、または少なくとも60重量パーセント、または少なくとも65重量パーセント、または少なくとも70重量パーセント、または少なくとも75重量パーセント、または少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセント、または少なくとも98重量パーセントのプロパンおよびプロピレンを含む。
【0447】
[0457]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、脱プロパン塔からの塔頂流をプロパン-プロピレン分別塔(プロピレン分別塔またはプロピレン回収塔)に導入してもよく、そこでプロピレンおよび任意のより軽質の成分は塔頂流として除去され、プロパンおよびより重質の成分は塔底流として塔を出る。プロピレン分別塔は、少なくとも20℃、もしくは少なくとも25℃、もしくは少なくとも30℃、もしくは少なくとも35℃、かつ/または55℃以下、50℃以下、45℃以下、40℃以下、または20~55℃、25~50℃、もしくは30~45℃の範囲の塔頂温度、かつ少なくとも12barg、もしくは少なくとも15barg、もしくは少なくとも17barg、もしくは少なくとも20barg、かつ/または20barg以下、もしくは17barg以下、もしくは15barg以下、もしくは12barg以下の塔頂圧力で運転されてもよく、あるいはそれは、12~20barg、もしくは15~17bargの範囲であってもよい。塔頂流(プロピレンが富化されていてもよい)は、流れの総重量基準で少なくとも70重量パーセント、または少なくとも75重量パーセント、または少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセント、または少なくとも97重量パーセント、または少なくとも98重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントのプロピレンを含んでもよく、図6にライン128で示されるように、さらなる処理、保管、または販売のために下流の処理ユニットに送られてもよい。
【0448】
[0458]プロパン-プロピレン分別塔からの塔底流は、塔底流の総重量基準で少なくとも40重量パーセント、または少なくとも45重量パーセント、または少なくとも50重量パーセント、または少なくとも55重量パーセント、または少なくとも60重量パーセント、または少なくとも65重量パーセント、または少なくとも70重量パーセント、または少なくとも75重量パーセント、または少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセント、または少なくとも98重量パーセントのプロパンを含んでもよい。前述のように、回収されたプロパンの全部または一部を単独で、または熱分解油および/もしくは熱分解ガスと組み合わせて、ライン150で示されるように追加の供給原料として分解炉の入口に再循環させてもよい。これに加えて、あるいはその代わりに、プロパンの全部または一部を分解設備70からパラフィン産物流140として取り出してもよい。パラフィン産物流140は、本明細書に記載の再生成分パラフィン産物流(r-パラフィン)を含んでもよい。
【0449】
[0459]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、脱プロパン塔からの塔底流の少なくとも一部を、C4およびより軽質の成分、たとえばブテン、ブタンおよびブタジエンをC5以上の成分から分離するために脱ブタン塔に送ってもよい。脱ブタン塔は、少なくとも20℃、もしくは少なくとも25℃、もしくは少なくとも30℃、もしくは少なくとも35℃、もしくは少なくとも40℃、かつ/または60℃以下、もしくは65℃以下、もしくは60℃以下、もしくは55℃以下、もしくは50℃以下の塔頂温度、および少なくとも2barg、もしくは少なくとも3barg、もしくは少なくとも4barg、もしくは少なくとも5barg、かつ/または8barg以下、もしくは6barg以下、もしくは4barg以下、もしくは2barg以下の塔頂圧力で運転されてもよい。脱ブタン塔は、塔頂流として塔に導入されたC4およびより軽質の成分の総量の少なくとも60パーセント、または少なくとも65パーセント、または少なくとも70パーセント、または少なくとも75パーセント、または少なくとも80パーセント、または少なくとも85パーセント、または少なくとも90パーセント、または少なくとも95パーセント、または少なくとも97パーセント、または少なくとも99パーセントを回収してもよい。
【0450】
[0460]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、脱ブタン塔から除去される塔頂流は、塔頂流の総重量基準で少なくとも30重量パーセント、または少なくとも35重量パーセント、または少なくとも40重量パーセント、または少なくとも45重量パーセント、または少なくとも50重量パーセント、または少なくとも55重量パーセント、または少なくとも60重量パーセント、または少なくとも65重量パーセント、または少なくとも70重量パーセント、または少なくとも75重量パーセント、または少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントのブタン、ブテン、ブタジエン、それらの異性体、およびそれらの組合せを含む。脱ブタン塔からの塔底流は、流れの総重量基準で少なくとも50重量パーセント、または少なくとも60重量パーセント、または少なくとも70重量パーセント、または少なくとも80重量パーセント、または少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの量で主にC5およびより重質の成分を含む。脱ブタン塔の塔底流をさらなる分離、処理、保管、販売、または使用のために送ってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、脱ブタン塔からの塔頂流、すなわちC4を抽出または蒸留処理などの任意の従来の分離方法に供して、ブタジエンのより富化された流れを回収してもよい。
【0451】
[0461]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、クラッカー設備70内の少なくとも1つの流れは、流れの総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの再生成分を有してもよい。
【0452】

部分酸化(POX)ガス化設備
[0462]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設は部分酸化(POX)ガス化設備50を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「部分酸化」という用語は、炭素含有供給物を合成ガス(一酸化炭素、水素、および二酸化炭素)に高温で変換し、化学量論量未満の酸素の存在下で変換が行われることを指す。POXガス化への供給物は、固体、液体、および/または気体を含んでもよい。「部分酸化ガス化設備」は、廃プラスチックおよびそれに由来する供給原料のPOXガス化を行うのに必要なすべての機器、ライン、および制御を含む設備である。
【0453】
[0463]次に図8を参照すると、1つ以上の実施態様による化学的再生施設での使用に適したPOXガス化設備50の概略図が示される。図8に示すように、供給流124をPOXガス化設備50に導入してもよく、ここで供給物の少なくとも一部を化学量論量未満の酸素の存在下で合成ガスに変換できる。図8に一般的に示される1つ以上の実施態様では、POXガス化設備50への供給流は、(i)PO富化廃プラスチック104、(ii)固化粒子含有流または溶融物114、(iii)少なくとも1つの加溶媒分解副産物流110、(iv)熱分解ガス流118、(v)熱分解油流120、(vi)熱分解残留物流122、または(vii)非プラスチック不溶性成分流のうちの1つ以上を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、これらの流れの1つ以上を連続的にPOXガス化設備50に導入してもよく、あるいはこれらの流れの1つ以上を断続的に導入してもよい。複数の種類の供給流が存在する場合、それぞれを別々に導入してもよいし、流れの全部または一部を混合して混合流124をPOXガス化設備50に導入してもよい。混合する場合、混合は連続またはバッチ方式で行われてもよい。
【0454】
[0464]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、POXガス化設備50への供給流124は、POXガス化設備50に導入される供給流の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの1つ以上の加溶媒分解副産物流を含んでもよい。
【0455】
[0465]これに加えて、あるいはその代わりに、POXガス化設備50への供給流は、POXガス化設備50に導入された供給流の総重量基準で95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の1つ以上の加溶媒分解副産物流を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で1~95重量パーセント、5~90重量パーセント、20~80重量パーセント、または30~70重量パーセントの範囲の量を含んでもよい。
【0456】
[0466]POXガス化設備50に導入される加溶媒分解副産物流110は、POXガス化設備50に導入された加溶媒分解副産物流110の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。
【0457】
[0467]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、POXガス化設備50への供給流124は、POXガス化設備50に導入される供給流124の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、熱分解油流120からの熱分解油を含んでもよい。
【0458】
[0468]これに加えて、あるいはその代わりに、POXガス化設備50への供給流124は、POXガス化設備50に導入される供給流124の総重量基準で95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の、流れ120からの熱分解油を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で1~95重量パーセント、5~90重量パーセント、20~80重量パーセント、または30~70重量パーセントの範囲の量を含んでもよい。
【0459】
[0469]POXガス化設備50に導入される熱分解油流120は、POXガス化設備50に導入された熱分解油流120の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。
【0460】
[0470]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、POXガス化設備50への供給流124は、POXガス化設備50に導入された供給流124の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、熱分解残留物流122からの熱分解残留物を含んでもよい。
【0461】
[0471]これに加えて、あるいはその代わりに、POXガス化設備50への供給流124は、POXガス化設備50に導入される供給流124の総重量基準で95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の、流れ122からの熱分解残留物を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で1~95重量パーセント、5~90重量パーセント、20~80重量パーセント、または30~70重量パーセントの範囲の量を含んでもよい。
【0462】
[0472]POXガス化設備50に導入される熱分解残留物流124は、POXガス化設備50に導入された熱分解残留物流124の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。熱分解残留物は、固体、溶融物、またはスラリーの形態であってもよい。
【0463】
[0473]図8にも示されるように、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、POXガス化設備50への供給流124は、POXガス化設備50に導入された供給流124の総重量基準で少なくとも0.25重量パーセント、少なくとも0.5重量パーセント、少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、かつ/または80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、もしくは3重量パーセント以下の、図1に示す前処理設備20から回収された非プラスチック不溶性成分流105aを含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で1~80重量パーセント、5~75重量パーセント、または5~25重量パーセントの範囲の量を含んでもよい。
【0464】
[0474]これに加えて、あるいはその代わりに、POXガス化設備50への供給流124は、POXガス化設備50に導入される供給流124の総重量基準で95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の非プラスチック不溶性成分を含んでもよい。
【0465】
[0475]POXガス化設備50に導入される非プラスチック不溶性成分105aの流れ105aは、POXガス化設備50に導入される熱分解残留物流124の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。熱分解残留物は、固体、溶融物、またはスラリーの形態であってもよい。
【0466】
[0476]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、POXガス化設備50への供給流124は、POXガス化設備50に導入された供給流124の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、流れ104からのPO富化廃プラスチックを含んでもよい。
【0467】
[0477]これに加えて、あるいはその代わりに、POXガス化設備50への供給流124は、POXガス化設備50に導入される供給流124の総重量基準で95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下のPO富化廃プラスチックを含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で1~95重量パーセント、5~90重量パーセント、20~80重量パーセント、または30~70重量パーセントの範囲の量を含んでもよい。
【0468】
[0478]POXガス化設備50に導入されたPO富化廃プラスチック流104は、POXガス化設備50に導入されたPO富化廃プラスチックの総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。PO富化プラスチック流は、図1に示される化学的再生施設10の前処理設備20から生じてもよく、かつ/あるいは別の供給源(図示せず)から生じてもよい。流れは、プラスチック溶融物の形態であってもよく、あるいは粒子またはスラリーの形態であってもよい。
【0469】
[0479]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、POXガス化設備50への供給流124は、POXガス化設備50に導入される供給流124の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、固化設備40からの固体含有流および/または溶融物流114を含んでもよい。
【0470】
[0480]これに加えて、あるいはその代わりに、POXガス化設備50への供給流は、POXガス化設備50に導入される供給流124の総重量基準で95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の、固化設備40からの固体含有流および/または溶融物を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で1~95重量パーセント、5~90重量パーセント、20~80重量パーセント、または30~70重量パーセントの範囲の量を含んでもよい。
【0471】
[0481]POXガス化設備50に導入される固体含有流および/または溶融物流は、POXガス化設備50に導入される固体または溶融物流114の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。固体含有流または溶融物は、図1に示される化学的再生施設10の固化設備40から生じてもよく、かつ/あるいは別の供給源(図示せず)から生じてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、固体含有流114は、スラリーまたは固体粒子の形態であってもよい。
【0472】
[0482]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PO富化廃プラスチック流104を他の流れのうちの1つ以上、たとえば加溶媒分解設備30からの副産物流110、固化設備40からの固体含有流114、および/または少なくとも1つの流れ(たとえば、熱分解設備60からの熱分解ガス118、熱分解油120、および熱分解残留物122)と混合して混合流124を形成してもよい。
【0473】
[0483]混合流は、混合流の総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、かつ/または99重量パーセント以下、90重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、または40重量パーセント以下のPOまたはPO富化流104を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で5~99重量パーセント、10~90重量パーセント、15~85重量パーセント、または20~70重量パーセントの範囲の量を含んでもよい。
【0474】
[0484]これに加えて、あるいはその代わりに、PO富化廃プラスチック104と化学的再生施設10の一部からの少なくとも1つの他の処理流との混合流は、供給流の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも2重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、かつ/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下の、ポリオレフィン以外の成分を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で1~50重量パーセント、2~40重量パーセント、または5~20重量パーセントの範囲の量を含んでもよい。
【0475】
[0485]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、混合流における流れのいずれか1つの流れと別の流れとの重量比は、少なくとも1:10、少なくとも1:9、少なくとも1:8、少なくとも1:7、少なくとも1:6、少なくとも1:5、少なくとも1:4、少なくとも1:3、少なくとも1:2、少なくとも1:1.5、もしくは少なくとも1:1、かつ/または10:1以下、9:1以下、8:1以下、7:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、3:1以下、2:1以下、1.5:1以下、もしくは1:1以下、または1:10~10:1、1:5~5:1、もしくは1:2~2:1の範囲であってもよい。
【0476】
[0486]図8に一般的に示すように、POXガス化設備50は、POXガス化反応器(またはガス化装置)540を含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、POXガス化ユニットは気体供給ガス化装置、液体供給ガス化装置、または固体供給ガス化装置を含んでもよい。より具体的には、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、POXガス化ユニットは液体供給POXガス化を行ってもよい。本明細書で使用される場合、「液体供給POXガス化」は、POXガス化処理であって、処理への供給物が25℃かつ1気圧で液体である成分を主に(重量で)含む処理を指す。
【0477】
[0487]これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、POXガス化ユニットは気体供給POXガス化を行ってもよい。本明細書で使用される場合、「気体供給POXガス化」は、POXガス化処理であって、処理への供給物が25℃かつ1気圧で気体の成分を主に(重量で)含む処理を指す。
【0478】
[0488]これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、POXガス化ユニットは固体供給POXガス化を行ってもよい。本明細書で使用される場合、「固体供給POXガス化」は、POXガス化処理であって、処理への供給物が25℃かつ1気圧で固体である成分を主に(重量で)含む処理を指す。
【0479】
[0489]気体供給、液体供給、および固体供給POXガス化処理には、25℃かつ1気圧で異なる相を有する少量の他の成分を同時に供給してもよい。したがって、気体供給POXガス化装置には液体および/または固体を同時に供給できるが、これらは気相POXガス化装置に供給される気体の量よりも(重量で)少ない量でのみ供給される。液体供給POXガス化装置には気体および/または固体を同時に供給できるが、これらは液体供給POXガス化装置に供給される液体の量よりも少ない量(重量)でのみ供給される。また、固体供給POXガス化装置には気体および/または液体を同時に供給できるが、これらは固体供給POXガス化装置に供給される固体の量よりも(重量で)少ない量でのみ供給される。
【0480】
[0490]特定の実施態様では、気体供給POXガス化装置への総供給物は、少なくとも60重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、25℃かつ1気圧で気体である成分を含んでもよく、液体供給POXガス化装置への総供給物は、少なくとも60重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、25℃かつ1気圧で液体である成分を含んでもよく、固体供給POXガス化装置への総供給物は、少なくとも60重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、25℃かつ1気圧で固体である成分を含んでもよい。
【0481】
[0491]POXガス化設備に導入される固体粒子の粒径は、望ましくは、使用中のガス化装置が許容できる最大径よりも大きくない。多くの石炭供給ガス化装置は、石炭をガス化ゾーンに供給する前に所望の大きさに粉砕または製粉してもよい。熱処理過程により高密度化する所望の固体粒径を達成するためにそのような粉砕または製品操作に頼ることは、適切な場合もそうでない場合もある。というのも、1つ以上の実施態様では、供給原料によっては、廃プラスチック由来の固体の弾性または弾性のばらつきが、石炭または石油コークスのようなより硬くて脆い炭素質燃料源との共造粒または共粉砕中に潰れ(pancaking)、小板(platelet)形成、または汚れ(smearing)につながる可能性があるからである。
【0482】
[0492]しかし、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、固体を含む前述の流れのうち1つ以上を固体化石燃料と共に固体化石燃料粉砕または製粉操作に供給して、粒子のサイズを小さくしてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、製粉機または粉砕機に供給される粒子のサイズは使用中のガス化装置が受け取れる最大サイズよりも大きくてもよく、あるいは製粉もしくは粉砕の後またはガス化装置に供給されるときの固体化石燃料の平均粒径(それぞれ最大寸法で平均粒径の中央値で測定される)よりも大きくてもよい。しかし、必要に応じて、固体粒子に存在する熱可塑性物質の含有量および重合体の種類のばらつきにより、粒子は使用中のガス化装置が受け取れる最大サイズ以下、あるいは製粉もしくは粉砕の後またはガス化装置に供給されるときの固体化石燃料の平均目標粒径(それぞれ最大寸法で平均粒径の中央値として測定される)以下のサイズであってもよい。
【0483】
[0493]ガス化装置540に導入される固体粒子の実際の粒径は、使用されるガス化装置の種類により変動し得る。たとえば、最大寸法が1/4インチ(約0.6cm)以上の平均粒径を有する粒子は噴流式の石炭ガス化装置で処理できない。しかし、固定床または移動床のガス化装置はより大きな粒径を受け入れることができる。固定床または移動床のガス化装置に供給される粒子の適切なサイズの例は、12インチ(約30.5cm)以下、または8インチ(約20.3cm)以下、または6インチ(約15.2cm)以下、または5インチ(約12.7cm)以下、または4インチ(約10.2cm)以下、または3.75インチ(約9.5cm)以下、または3.5インチ(約8.9cm)以下、または3.25インチ(約8.3cm)以下、または3インチ(約7.6cm)以下、または2.75インチ(約7.0cm)以下、または2.5インチ(約6.4cm)以下、または2.25インチ(約5.7cm)以下、または2インチ(約5.1cm)以下、または1.75インチ(約4.4cm)以下、または1.5インチ(約3.8cm)以下、または1.25インチ(約3.2cm)以下であってもよい。
【0484】
[0494]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、サイズは、少なくとも2mm、または少なくとも1/8インチ(約0.3cm)、または少なくとも1/4インチ(約0.6cm)、または少なくとも1/2インチ(約1.3cm)、または少なくとも1インチ(約2.5cm)、または少なくとも1.5インチ(約3.8cm)、または少なくとも1.75インチ(約4.4cm)、または少なくとも2インチ(約5.1cm)、または少なくとも2.5インチ(約6.4cm)、または少なくとも3インチ(約7.6cm)、または少なくとも3.5インチ(約8.9cm)、または少なくとも4インチ(約10.2cm)、または少なくとも4.5インチ(約11.4cm)、または少なくとも5インチ(約12.7cm)、または少なくとも5.5インチ(約14.0cm)であってもよい。このような比較的大きな粒子は、特にアップドラフト型の固定床または移動床ガス化装置での使用により適している可能性がある。
【0485】
[0495]多くのガス化装置の設計では、複数の目的のために化石燃料(石炭または石油コークス)および固体のサイズを小さくする。粒子は、(i)物質移動の制限により、ガス化装置内での反応を速くするため、(ii)固体が高濃度のときに安定で流体であり流動的なスラリーを生じるため、(iii)処理機器、たとえば高圧ポンプ、バルブ、および隙間の狭い供給物噴射装置を通過するため、(iv)製粉機または粉砕機とガス化装置との間のスクリーンを通過するため、または(v)固体化石燃料を乾式供給ガス化装置に運ぶのに用いられる気体と共に運ばれるために、化石燃料源と同様に小さいサイズである。
【0486】
[0496]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化装置に導入される粒子のサイズは、望ましくは、5インチ(約12.7cm)以下、または4インチ(約10.2cm)以下、または1インチ(約2.5cm)以下、または1/4インチ(約0.6cm)以下、または2mm以下である。より大きなサイズは、固定床または移動床のガス化装置、特にアップドラフト型のガス化装置に供給して、十分に炭化していない、すなわち灰に変わっていない固体として床に接触できるのに十分な密度を提供するのに有用である。
【0487】
[0497]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化装置供給原料中の固体は2mm以下の粒径を有してもよい。この実施態様は、乾式供給ガス化装置およびスラリー供給ガス化装置を含む噴流式のガス化装置、ならびに流動床ガス化装置にとって特に魅力的である。本明細書全体で使用される場合、異なる基準(たとえば平均値)が示されない限り、記載のサイズは、粒子の少なくとも90重量パーセントが記載のサイズの最大寸法を有するか、あるいは90重量パーセントがその粒径に指定された篩を通過することを意味する。いずれの条件も粒径指定を満たす。噴流式ガス化装置の場合、2mmを超えるサイズの固体粒子は、特にガス化条件が2mm以下の粒子寸法を有する化石燃料をガス化するように確立された場合、完全にガス化することなく噴流式ガス化装置のガス化ゾーンで吹き飛ばされる可能性がある。
【0488】
[0498]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、そのまま、または化石燃料と混ぜ合わせられた、またはガス化装置供給物中の、またはガス化ゾーンに導入された固体粒子のサイズは2mm以下である(すなわち、10メッシュを通過する粒子を構成する)か、または1.7mm以下(12メッシュを通過する粒子)、または1.4mm以下(14メッシュを通過する粒子)、または1.2mm以下(16メッシュを通過する粒子)、または1mm以下(18メッシュを通過する粒子)、または0.85mm以下(20メッシュを通過する粒子)、または0.7mm以下(25メッシュを通過する粒子)、または0.6mm以下(30メッシュを通過する粒子)、または0.5mm以下(35メッシュを通過する粒子)、または0.4mm以下(40メッシュを通過する粒子)、または0.35mm以下(45メッシュを通過する粒子)、または0.3mm以下(50メッシュを通過する粒子)、または0.25mm以下(60メッシュを通過する粒子)、0.15mm以下(100メッシュを通過する粒子)、0.1mm以下(140メッシュを通過する粒子)、または0.07mm以下(200メッシュを通過する粒子)、または0.044mm以下(325メッシュを通過する粒子)、または0.037mm以下(400メッシュを通過する粒子)である。別の実施態様では、高密度化された繊維品凝集粒子のサイズは、少なくとも0.037mm(すなわち、90パーセントが400メッシュ上に留められる)である。
【0489】
[0499]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、POXガス化設備50に導入される固体粒子は、必要に応じて篩い分けした後、使用されるガス化装置の種類の設計パラメータの範囲内でガス化するために許容できる粒径を有する。粒子および固体化石燃料の粒径を、スラリーの安定性を保持しガス化装置のガス化ゾーンに入る前に高い固体濃度で分離するのを回避するために十分に適合させることができる。スラリー中の固体/液体間もしくは固体/固体間にせよ、乾燥供給物中の固体/固体間にせよ、液体供給原料中の固体/液体間にせよ、相分離する供給原料組成物は、ラインを塞ぎ、ガス化され高密度化された繊維品凝集体の局在化したゾーンを作り、化石燃料/高密度化された繊維品凝集体の一貫性のない比率を生み、合成ガス組成の一貫性に影響を与える可能性がある。供給原料組成物の安定性を決定するために考慮すべき変数には粒子の最適な粒径の設定が含まれ、最適な粒径を決定するための変数には、粉砕された石炭のかさ密度、スラリーが使用される場合はスラリー中の全固体の濃度、または乾燥供給物中の固体/固体濃度、採用される任意の添加剤、たとえば界面活性剤/安定剤/粘度調整剤の有効性、およびガス化装置への噴射ノズルを通る供給原料組成物の速度および乱流が含まれる。
【0490】
[0500]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、混合プラスチック廃棄物に由来する固体粒子の最大粒径を、粉砕された固体化石燃料の最大粒径と類似(上下)するように選択してもよい。ガス化装置供給原料に用いられる混合プラスチック廃棄物に由来する固体粒子の最大粒径は、ガス化装置供給原料中の最大固体化石燃料サイズよりも50パーセント以下だけ大きくてもよく、または45パーセント以下、または40パーセント以下、または35パーセント以下、または30パーセント以下、または25パーセント以下、または20パーセント以下、または15パーセント以下、または10パーセント以下、または5パーセント以下、または3パーセント以下、または2パーセント以下、または1パーセント以下だけ、ガス化装置供給原料中の最大固体化石燃料サイズよりも大きくてもよく、あるいは、ガス化装置供給原料中の最大固体化石燃料サイズ以下または未満であってもよい。必要に応じて、上述のようにガス化装置原料に用いられる混合プラスチック廃棄物に由来する固体粒子の最大粒径は、記載された値の範囲内(それより大きくも小さくもないことを意味する)であってもよい。最大粒径は、粒子分布の最大サイズで決定されるのではなく、メッシュで篩い分けして決定される。最大粒径は、粒子の試料の少なくとも90体積パーセントを通過させる最初のメッシュで決定される。たとえば、試料の90体積パーセント未満が300メッシュ、次いで100メッシュ、50メッシュ、30メッシュ、16メッシュを通過するが、14メッシュでは成功した場合、その試料の最大粒径は、少なくとも90体積パーセントが通過できる最初のメッシュのサイズに対応すると見なされ、この場合は1.4mmの最大粒径に対応する14メッシュである。
【0491】
[0501]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化装置540への供給流は、最長寸法で測定した場合に少なくとも0.01インチ(約0.3mm)、少なくとも0.025インチ(約0.6mm)、少なくとも0.05インチ(約1.3mm)、少なくとも0.075インチ(約1.9mm)、少なくとも0.10インチ(約2.5mm)、少なくとも0.25インチ(約6.4mm)、少なくとも0.50インチ(約12.7mm)、かつ/または1インチ(約25.4mm)以下、0.75インチ(約19.1mm)以下、0.60インチ(約15.2mm)以下、0.50インチ(約12.7mm)以下の粒径を有するポリオレフィン薄片または粒子を含んでもよく、あるいはそれは、少なくとも0.01~1インチ(約0.3~25.4mm)、0.025~0.75インチ(約0.6~19.1mm)、または0.05~0.6インチ(約1.3~15.2mm)であってもよい。粒子の形状は、薄片、ペレット、微小ペレットであってもよく、形状は均一でも不均一でもよい。
【0492】
[0502]混合プラスチック廃棄物に由来する固体粒子は、ガス化装置に供給される最終目的の固体供給物として分離できる。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化装置に供給される固体化石燃料および砂以外のすべての固体原料のうち、ガス化装置に供給された固体を含むすべての流れの累積重量基準で、少なくとも80重量パーセント、または少なくとも85重量パーセント、または少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセント、または少なくとも96重量パーセント、または少なくとも97重量パーセント、または少なくとも98重量パーセント、または少なくとも99重量パーセント、または少なくとも99.5重量パーセント、または100重量パーセントは、混合プラスチック廃棄物に由来の固体粒子を含んでもよい。
【0493】
[0503]供給原料流をガス化装置内のガス化ゾーンに導入する前に、混合プラスチック廃棄物に由来の固体粒子を任意の場所で供給原料流の1種以上の化石燃料成分と混ぜ合わせてもよい。固体化石燃料粉砕装置は、固体化石燃料粒子のサイズを小さくしながら混合プラスチック廃棄物に由来の固体粒子を固体化石燃料と混合するためのエネルギー源を提供することができる。したがって、ガス化装置に供給するための目標サイズを有する混合プラスチック廃棄物由来の固体粒子を混ぜ合わせるための望ましい場所の1つは、他の固体化石燃料源(たとえば、石炭、石油コークス)を粉砕するのに用いられる装置内である。この場所は、スラリー供給ガス化装置では特に魅力的である。というのも、可能な限り高い安定固体濃度を有する供給物を用いることが望ましく、より高い固体濃度ではスラリーの粘度も高くなるからである。化石燃料粉砕装置で用いられるトルクおよびせん断力は高く、固体化石燃料(たとえば石炭)スラリーのせん断減粘挙動と相まって、混合プラスチック廃棄物由来の固体粒子と粉砕された化石燃料との良好な混合を化石燃料粉砕装置内で得ることができる。
【0494】
[0504]混合プラスチック廃棄物由来の固体粒子を化石燃料源と混ぜ合わせるための他の場所は、製粉機または粉砕機に供給する主な化石燃料ベルトに積載された化石燃料上、または化石燃料が製粉機または粉砕機へのベルトに積載される前の主な化石燃料上、または特に貯蔵タンクが撹拌されているとき、最終サイズに粉砕された化石燃料のスラリーを含む化石燃料スラリー貯蔵タンク内であってもよい。
【0495】
[0505]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化供給流124が液体またはスラリーを含む場合、それは、1種以上の液体、たとえば水を、供給原料流の重量基準で少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、または少なくとも20重量パーセント、または少なくとも25重量パーセント、または少なくとも27重量パーセント、または少なくとも30重量パーセントの量で供給原料流中に含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、原料流中に存在する液体は、ガス化装置に供給されるすべての液体の重量基準で少なくとも95重量パーセント、少なくとも96重量パーセント、少なくとも97重量パーセント、少なくとも98重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの水を含んでもよい。別の実施態様では、化学的に合成され、酸素または硫黄または窒素原子を含む化学添加物以外に、供給原料流の液体分は、ガス化装置540に供給されるすべての液体の重量基準で少なくとも96重量パーセント、少なくとも97重量パーセント、少なくとも98重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントが水であってもよい。
【0496】
[0506]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、原料流124中に存在する水は廃水ではなく、言い換えると、供給原料流を作るために固体に供給される水は廃水ではない。望ましくは、採用される水は化学物質を合成するための任意の処理から産業廃棄されておらず、都市廃水でもない。供給流124を形成するために使用される水は、淡水または飲料水であってもよい。
【0497】
[0507]供給原料流124はまた、前述のように、少なくとも粉砕された石炭と、化学的再生施設10内の1つ以上の場所から生じた1種以上の他の種類の固体とを含んでもよい。望ましくは、供給原料流124は水も含む。供給原料流中の水の量は、0重量パーセントから50重量パーセントまで、または10重量パーセントから40重量パーセントまで、または20重量パーセントから35重量パーセントまでの範囲であってもよい。供給原料流は、水を含むスラリーを含んでもよい。
【0498】
[0508]石炭、水、およびプラスチックに加え、他の添加剤、たとえば粘度調整剤およびpH調整剤を供給原料流124に添加し含有させてもよい。供給流124中の添加剤の総量は、供給原料流の重量基準で0.01重量パーセント~5重量パーセント、または0.05重量パーセント~5重量パーセント、または0.05~3重量パーセント、または0.5~2.5重量パーセントの範囲であってもよい。個々の添加剤の量も、これらの記載された範囲内であってもよい。
【0499】
[0509]粘度調整剤(界面活性剤を含む)は、スラリー中の固体濃度を改善できる。粘度調整剤の例としては、アルキル置換アミン系の界面活性剤、たとえばアルキル置換アミノ酪酸、アルキル置換ポリエトキシル化アミド、およびアルキル置換ポリエトキシル化四級アンモニウム塩;スルホン酸塩、たとえばスルホン酸アンモニウム、カルシウム、およびナトリウムなどの有機スルホン酸塩、特にリグニンおよびスルホアルキル化した褐炭を有するもの;リン酸塩;ならびにポリオキシアルキレンアニオン性または非イオン性界面活性剤、ならびにそれらの組合せが挙げられる。
【0500】
[0510]アルキル置換アミノ酪酸界面活性剤のより具体的な例としては、N-ココ-β-アミノ酪酸、N-獣脂-β-アミノ酪酸、N-ラウリル-β-アミノ酪酸、およびN-オレイル-β-アミノ酪酸が挙げられる。N-ココ-β-アミノ酪酸。
【0501】
[0511]アルキル置換ポリエトキシル化アミド界面活性剤のより具体的な例としては、ポリオキシエチレンオレアミド、ポリオキシエチレン獣脂アミド、ポリオキシエチレンラウリルアミド、およびポリオキシエチレンココアミドが挙げられ、5~50個のポリオキシエチレン部分が存在する。
【0502】
[0512]アルキル置換ポリエトキシル化四級アンモニウム塩界面活性剤のより具体的な例としては、塩化メチルビス(2-ヒドロキシエチル)ココアンモニウム、塩化メチルポリオキシエチレンココアンモニウム、塩化メチルビス(2-ヒドロキシエチル)オレイルアンモニウム、塩化メチルポリオキシエチレンオレイルアンモニウム、塩化メチルビス(2-ヒドロキシエチル)オクタデシルアンモニウム、および塩化メチルポリオキシエチレンオクタデシルアンモニウムが挙げられる。
【0503】
[0513]スルホン酸塩のより具体的な例としては、スルホン化ホルムアルデヒド縮合物、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、ベンゼンスルホン酸-フェノール-ホルムアルデヒド縮合物、およびリグニンスルホン酸塩が挙げられる。
【0504】
[0514]リン酸塩のより具体的な例としては、リン酸三ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、三リン酸ナトリウムまたは三リン酸カリウムが挙げられる。
[0515]ポリオキシアルキレンアニオン性または非イオン性界面活性剤の例は、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドに由来の1つ以上の繰り返し単位、または1~200個のオキシアルキレン単位を有する。
【0505】
[0516]望ましくは、界面活性剤は陰イオン性界面活性剤、たとえば有機スルホン酸塩である。その例は、有機スルホン酸のカルシウム、ナトリウム、およびアンモニウム塩、たとえば2,6-ジヒドロキシナフタレンスルホン酸、褐炭スルホン酸、およびリグニンスルホン酸アンモニウムである。
【0506】
[0517]pH調整剤の例としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物(水酸化ナトリウムなど)の水溶液、およびアンモニウム化合物(20~50重量パーセントの水酸化アンモニウム水溶液など)が挙げられる。ガス化装置に入る前の(石炭粉砕装置内またはスラリーを含む任意の下流容器内などの)供給原料組成物に水酸化アンモニウム水溶液を直接加えてもよい。
【0507】
[0518]供給原料流124中の固体(たとえば、化石燃料およびプラスチック、または存在する場合はプラスチック由来の固体)の濃度は、スラリーの安定限界、または目標固体濃度でガス化装置へ供給原料をポンプ輸送または供給する能力を超えてはならない。望ましくは、スラリーの固形分は、少なくとも50重量パーセント、または少なくとも55重量パーセント、または少なくとも62重量パーセント、または少なくとも65重量パーセント、または少なくとも68重量パーセント、または少なくとも69重量パーセント、または少なくとも70重量パーセント、または少なくとも75重量パーセントであるべきであり、残りは水および液体添加剤を含んでもよい液相である。上限は、ガス化装置の設計に依存するため、特に限定されない。しかし、固体化石燃料供給物の実用的なポンプ能力の限界、およびスラリー中の固体の均一な分布の維持を考えると、固体化石スラリー供給スラグ形成ガス化装置の場合の固体含有量は、望ましくは75重量パーセントまたは73重量パーセントを超えてはならず、残りは水および液体添加剤を含んでもよい液相である(上記のように、気体は重量百分率の計算に含まれない)。
【0508】
[0519]POXガス化装置への供給原料流124は、それがスラリーの形態である場合、5分、または10分、または15分、または20分、または1/2時間、または1時間、または2時間、安定なことが望ましい。
【0509】
[0520]供給原料スラリーは、その初期粘度が100,000cP以下の場合、安定していると見なされてもよい。以下の方法で初期粘度を求めることができる。500~600gの十分に混合された試料を、周囲条件(たとえば、25℃、約1気圧)で600mLリットルのガラスビーカーに静置する。スラリーを十分に混ぜた(たとえば、固体の均一な分布が形成された)後、1.83/秒のせん断速度で動作するV80-40ベーン付きBrookfield R/Sレオメーターをビーカーの底までスラリーに沈める。指定の時間の後、回転開始時の粘度の読み取り値が得られ、これが初期粘度の読み取り値である。
【0510】
[0521]粘度測定開始時の最初の測定値が指定の時間に100,000cP以下の場合、スラリーは安定していると見なされる。あるいは、0.5rpmの速度で回転するLV-2スピンドル付きBrookfield粘度計で同じ手順を用いてもよい。異なる機器を使用すると異なる粘度値が得られるため、使用した機器の種類を報告する必要がある。ただし、違いに関係なく、報告された時点で粘度が100,000cP以下の場合にのみ、スラリーはどちらの方法でも安定していると見なされる。
【0511】
[0522]供給原料流124中の固体の量およびそれらの粒径は、安定かつポンプ輸送可能なスラリーを維持しながら固形分を最大にするように調整される。ポンプ輸送可能なスラリーは、周囲条件(たとえば25℃、1気圧)で30,000cP未満、または25,000cP以下、または23,000cP以下、望ましくは20,000cP以下、または18,000cP以下、または15,000cP以下、または13,000cP以下の粘度を有するものである。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、供給原料流124は、少なくとも1000cP、少なくとも2000cP、少なくとも3000cP、少なくとも4000cP、少なくとも5000cP、少なくとも6000cP、少なくとも7000cP、少なくとも8000cP、少なくとも9000cP、または少なくとも10,000cPの粘度を有する。あるいは、またはさらに、供給原料流124は、10,000cP以下、7500cP以下、5000cP以下、または4500cP以下の粘度を有し、あるいはそれは、1000~10,000cP、または2000~7500cP、または3000~5000cPの範囲であってもよい。
【0512】
[0523]粘度が高くなると、実際にポンプ輸送するにはスラリーが濃すぎる。スラリーのポンプ輸送性を決定するための粘度測定は、粒子の均一な分布が得られるまでスラリーの試料を混合し、その後すぐに0.5rpmの速度で回転するLV-2スピンドル付きBrookfield粘度計をよく混ざったスラリーに沈め、即座に読取りを行うことで得られる。あるいは、1.83/秒のせん断速度で動作するV80-40ベーンスピンドル付きBrookfield R/Sレオメーターを用いてもよい。異なるせん断速度の2つのレオメーターでの測定値は異なる値を出すため、測定方法が報告される。ただし、上記のcP値はいずれのレオメーター装置および手順にもあてはまる。
【0513】
[0524]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化供給原料流124は、立方フィート当たり少なくとも58.5ポンド(lb/ft)(約937kg/m)、少なくとも59lb/ft(約945kg/m)、少なくとも59.5lb/ft(約953kg/m)、かつ/または64lb/ft(約1025kg/m)以下、63.5lb/ft(約1017kg/m)以下、63lb/ft(約1009kg/m)以下、62.5lb/ft(約1001kg/m)以下、62lb/ft(約993kg/m)以下、61.5lb/ft(約985kg/m)以下、61lb/ft(約977kg/m)以下、もしくは60.5lb/ft(約969kg/m)以下の密度を有してもよく、あるいはそれは、58.5~64lb/ft(約937~1025kg/m)、59~63.5lb/ft(約945~1017kg/m)、または59.5~63lb/ft(約953~1009kg/m)であってもよい。
【0514】
[0525]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化供給原料流124は、立方フィート当たり少なくとも72ポンド(lb/ft)(約1153kg/m)、少なくとも72.5lb/ft(約1161kg/m)、少なくとも73lb/ft(約1169kg/m)、少なくとも73.5lb/ft(約1177kg/m)、少なくとも74lb/ft(約1185kg/m)、かつ/または76lb/ft(約1217kg/m)以下、75.5lb/ft(約1209kg/m)以下、75lb/ft(約1201kg/m)以下、もしくは74.5lb/ft(約1193kg/m)以下の密度を有してもよく、あるいはそれは、72~76lb/ft(約1153~1217kg/m)、72.5~75.5lb/ft(約1161~1209kg/m)、または73~75lb/ft(約1169~1201kg/m)であってもよい。
【0515】
[0526]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化供給原料流124は、酸素剤流152と共にガス化反応器540に導入されてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、供給原料流124および酸素剤流152は、たとえば典型的には少なくとも500psig、少なくとも600psig、少なくとも800psig、または少なくとも1,000psig(少なくとも35barg、少なくとも40barg、少なくとも55barg、または少なくとも70barg)の圧力を有する、加圧されたガス化ゾーンに噴射装置で噴霧されてもよい。
【0516】
[0527]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、酸素剤流152は、空気を含んでもよい酸化ガスを含む。より具体的には、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、酸素剤流152は、空気中に見られるよりも多い量に酸素が富化されているガスを含む。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、酸素剤流152は、ガス化装置540の反応(燃焼)ゾーンに噴射される酸素剤流152中の総モル基準で少なくとも25モルパーセント、少なくとも35モルパーセント、少なくとも40モルパーセント、少なくとも50モルパーセント、少なくとも60モルパーセント、少なくとも70モルパーセント、少なくとも80モルパーセント、少なくとも90モルパーセント、少なくとも95モルパーセント、少なくとも97モルパーセント、少なくとも99モルパーセント、または少なくとも99.5モルパーセントの酸素を含む。反応ゾーンに供給される酸素の特定の量は、供給原料流に対する量および充填される供給原料流の量、処理条件、ならびに反応器の設計を考慮して、ガス化反応から得られた合成ガスにおいて供給原料流中の成分に対してほぼ最大または最大の一酸化炭素および水素の収率を得るのに十分であり得る。
【0517】
[0528]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、蒸気(および/または水)はガス化ゾーンに供給されない。あるいは、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、蒸気および/または水は、図8の流れ154で示されるように、ガス化ゾーンに供給されてもよい。
【0518】
[0529]酸素剤流152に加え、他の還元可能な酸素含有ガス、たとえば、二酸化炭素、窒素、または空気を反応ゾーンに供給してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、二酸化炭素または窒素が富化されたガス流(たとえば、空気中に見られるモル量よりも多い量、すなわち少なくとも2モルパーセント、少なくとも5モルパーセント、少なくとも10モルパーセント、または少なくとも40モルパーセントの二酸化炭素または窒素を有するガス流)はガス化装置に充填されない。存在する場合、これらのガスは、供給原料をガス化ゾーンに推進するためのキャリアガスとして機能し得る。ガス化ゾーン内の圧力によりこれらのキャリアガスは圧縮され、ガス化ゾーンへの導入のための推進力を提供できる。
【0519】
[0530]1つ以上の実施態様では、ガス流は、流れの総重量基準で少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、かつ/または50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント、または30重量パーセント以下のキャリアガスを含み、あるいはそれは、5~50重量パーセント、10~45重量パーセント、または15~40重量パーセントの範囲であってもよい。
【0520】
[0531]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、0.01モルパーセントまたは0.02モルパーセントを超える二酸化炭素を含むガス流は、ガス化装置またはガス化ゾーン540に供給されない。これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、77モルパーセント超、70モルパーセント以下、50モルパーセント以下、30モルパーセント以下、10モルパーセント以下、5モルパーセント以下、または3モルパーセント以下の窒素を含むガス流は、ガス化装置またはガス化ゾーンに充填されない。さらに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、0.1モルパーセント超、0.5モルパーセント以下、1モルパーセント以下、または5モルパーセント以下の水素を有する気体水素含有流は、ガス化装置またはガス化ゾーンに充填されない。さらに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、0.1モルパーセント超、0.5モルパーセント以下、1モルパーセント以下、または5モルパーセント以下のメタンを含有するメタンガス流は、ガス化装置またはガス化ゾーンに充填されない。特定の実施態様では、ガス化ゾーンに導入される唯一のガス流は酸素剤流152であり、これは上述のような酸素に富むガス流である。
【0521】
[0532]図8に示すように、本明細書に記載の他の処理流の1つ以上に加え、化石燃料流156もガス化装置に導入してもよい。化石燃料流は1種以上の炭素系材料を含んでもよく、その例としては、天然ガス、石炭、石油コークス、石油、バイオマス、およびそれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されない。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ラインの化石燃料流156は、ガス化装置に導入される全供給物の少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、もしくは少なくとも95重量パーセント、かつ/または99重量パーセント以下、95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、または5重量パーセント以下を構成してもよい。これは、ガス化装置が気体供給ガス化装置であっても、液体供給ガス化装置であっても、固体供給ガス化装置であっても当てはまり得る。
【0522】
[0533]ガス化処理は、前述のように、部分酸化ガス化反応であってもよい。一般に、水素および一酸化炭素の生成を促進するために、酸化処理はガス化供給原料の完全ではなく部分的な酸化を伴うため、炭素および水素結合の100パーセントを完全に酸化させるのに必要な量に対して酸素が少ない環境で操作できる。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化装置の総酸素必要量は、ガス化供給原料の炭素含有量を一酸化炭素に変換するのに理論上必要な量を少なくとも5パーセント、少なくとも10パーセント、少なくとも15パーセント、または少なくとも20パーセント超えてもよい。一般に、理論上の必要量を10~80パーセント上回る総酸素供給量で満足のいく動作が得られる。たとえば、炭素1ポンド(約454g)あたりの酸素の適切な量の例は、炭素1ポンド(約454g)あたり0.4~3.0ポンド(約181~1361g)の遊離酸素、炭素1ポンド(約454g)あたり0.6~2.5ポンド(約272~1134g)の遊離酸素、炭素1ポンド(約454g)あたり0.9~2.5ポンド(約408~1134g)の遊離酸素、または炭素1ポンド(約454g)あたり1.2~2.5ポンド(約544~1134g)の遊離酸素であってもよい。
【0523】
[0534]供給原料流124と酸素剤流152の混合は、供給原料と酸素剤の別々の流れを導入して反応ゾーン内で互いに衝突させることにより、完全に反応ゾーン内で行うことができる。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、酸素剤流152をガス化装置540の反応ゾーンに火炎伝播速度を超える高速で導入し、供給原料流124との混合を改善する。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、酸素剤流126を毎秒25~500フィート(約7.6~152.4m)、毎秒50~400フィート(約15.2~121.9m)、または毎秒100~400フィート(約30.5~121.9m)の範囲の速度で反応器540のガス化ゾーンに噴射してもよい。これらの値は、噴射装置とガス化ゾーンとの境界面における気体状の酸素剤流152の速度、または噴射装置の先端速度である。
【0524】
[0535]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化供給原料流124および酸素剤流152の一方または両方を、必要に応じて少なくとも200℃、少なくとも300℃、または少なくとも400℃の温度に予熱してもよい。しかし、採用されるガス化処理は供給原料を効率的にガス化するために供給原料流124を予熱する必要はなく、予熱処理工程は処理のエネルギー効率を低下させる可能性がある。
【0525】
[0536]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、採用されるガス化技術の種類は、合成ガスを生成する部分酸化噴流式ガス化装置であってもよい。この技術は、固定床(あるいは移動床と呼ばれる)ガス化装置および流動床ガス化装置とは異なる。使用されてもよい模範的なガス化装置は米国特許第3,544,291号に示されており、その全開示内容は、本開示と矛盾しない範囲で参照により本明細書に組み込まれる。
【0526】
[0537]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化装置540は無触媒(ガス化装置540が触媒床を含まず、ガス化処理が無触媒であることを意味し、触媒が個別の未結合の触媒としてガス化ゾーンに導入されないことを意味する)であってもよい。さらに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化処理は、スラグ形成ガス化処理でなくてもよく、すなわち、ガス化ゾーンで溶融スラグが形成されて耐火壁に沿って流れ落ちるようなスラグ形成条件(灰の融解温度より十分に高温)下では操作されない。
【0527】
[0538]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化ゾーン、および必要に応じてガス化装置540内のすべての反応ゾーンは、少なくとも1000℃、少なくとも1100℃、少なくとも1200℃、少なくとも1250℃、もしくは少なくとも1300℃、かつ/または2500℃以下、2000℃以下、1800℃以下、もしくは1600℃以下で運転されてもよく、あるいはそれは、1000~2500℃、1200~2000℃、または1250~1600℃の範囲であってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、反応温度は自己発生的であってもよい。有利なことに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、定常状態モードで動作するガス化装置は自己発生的な温度にあり、ガス化ゾーンを加熱するために外部エネルギー源を用いる必要がない。
【0528】
[0539]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化装置540は、主に気体供給ガス化装置である。
[0540]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化装置540は非スラグ形成ガス化装置であるか、スラグを形成しない条件で運転される。
【0529】
[0541]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化装置540は動作中に負圧下になくてもよく、むしろ動作中に正圧下にあってもよい。本明細書で使用される場合、「負圧」は大気圧未満の圧力を指し、「正圧」は大気圧を超える圧力を指す。
【0530】
[0542]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化装置は、少なくとも200psig(1.38MPa)、少なくとも300psig(2.06MPa)、少なくとも350psig(2.41MPa)、少なくとも400psig(2.76MPa)、少なくとも420psig(2.89MPa)、少なくとも450psig(3.10MPa)、少なくとも475psig(3.27MPa)、少なくとも500psig(3.44MPa)、少なくとも550psig(3.79MPa)、少なくとも600psig(4.13MPa)、少なくとも650psig(4.48MPa)、少なくとも700psig(4.82MPa)、少なくとも750psig(5.17MPa)、少なくとも800psig(5.51MPa)、少なくとも900psig(6.2MPa)、少なくとも1000psig(6.89MPa)、少なくとも1100psig(7.58MPa)、または少なくとも1200psig(8.2MPa)のガス化ゾーン(または燃焼室)内の圧力で運転されてもよい。
【0531】
[0543]これに加えて、あるいはその代わりに、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化装置は、1300psig(8.96MPa)以下、1250psig(8.61MPa)以下、1200psig(8.27MPa)以下、1150psig(7.92MPa)以下、1100psig(7.58MPa)以下、1050psig(7.23MPa)以下、1000psig以下(6.89MPa)、900psig(6.2MPa)以下、800psig(5.51MPa)以下、または750psig(5.17MPa)以下のガス化ゾーン(または燃焼室)内の圧力で運転されてもよい。適切な圧力範囲の例としては、400~1000psig、425~900psig、450~900psig、475~900psig、500~900psig、550~900psig、600~900psig、650~900psig、400~800psig、425~800psig、450~800psig、475~800psig、500~800psig、550~800psig、600~800psig、650~800psig、400~750psig、425~750psig、450~750psig、475~750psig、500~750psig、または550~750psigが挙げられる。
【0532】
[0544]一般に、ガス化装置反応器540内のガスの平均滞留時間は、処理能力を上げるために非常に短くてもよい。ガス化装置は高温高圧で運転されるため、非常に短い時間枠で供給原料の実質的に完全なガス変換が起こることができる。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化装置内のガスの平均滞留時間は、30秒以下、25秒以下、20秒以下、15秒以下、10秒以下、または7秒以下であってもよい。
【0533】
[0545]ガス化装置540から下流機器、およびその間の配管を汚染するのを避けるため、得られる合成ガス流126はわずかまたはゼロのタール含有量を有してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、ガス化装置540から排出される合成ガス流126は、合成ガス流中のすべての凝縮性固体の重量基準で4重量パーセント以下、3重量パーセント以下、2重量パーセント以下、1重量パーセント以下、0.5重量パーセント以下、0.2重量パーセント以下、0.1重量パーセント以下、または0.01重量パーセント以下のタールを含んでもよい。測定の目的上、凝縮性固体は15℃の温度かつ1気圧で凝縮する化合物および元素である。タール生成物の例としては、ナフタレン、クレゾール、キシレノール、アントラセン、フェナントレン、フェノール、ベンゼン、トルエン、ピリジン、カテコール、ビフェニル、ベンゾフラン、ベンズアルデヒド、アセナフチレン、フルオレン、ナフトフラン、ベンゾアントラセン、ピレン、アセフェナントリレン、ベンゾピレン、および他の高分子量の芳香族多核化合物が挙げられる。タール含有量はGC-MSDで測定できる。
【0534】
[0546]一般に、ガス化容器から排出される未処理の合成ガス流126は、水素、一酸化炭素、および二酸化炭素などのガスを含み、燃料源および反応条件に応じて、メタン、硫化水素、および窒素などの他のガスを含んでもよい。
【0535】
[0547]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、未処理の合成ガス流126(ガス化装置から排出され、スクラビング、シフト、または酸性ガス除去によるさらなる処理の前の流れ)は、乾量基準かつ未処理の合成ガス流126中のすべての気体(25℃かつ1気圧で気体である元素または化合物)のモル基準のモルパーセントで以下の組成を有してもよい:
●15~60モルパーセント、18~50モルパーセント、18~45モルパーセント、18~40モルパーセント、23~40モルパーセント、25~40モルパーセント、23~38モルパーセント、29~40モルパーセント、31~40モルパーセントの水素含有量;
●20~75モルパーセント、20~65モルパーセント、30~70モルパーセント、35~68モルパーセント、40~68モルパーセント、40~60モルパーセント、35~55モルパーセント、または40~52モルパーセントの一酸化炭素含有量;
●1.0~30モルパーセント、2~25モルパーセント、2~21モルパーセント、10~25モルパーセント、または10~20モルパーセントの二酸化炭素含有量;
●2.0~40モルパーセント、5~35モルパーセント、5~30モルパーセント、または10~30モルパーセントの水分含有量;
●0.0~30モルパーセント、0.01~15モルパーセント、0.01~10モルパーセント、0.01~8モルパーセント、0.01~7モルパーセント、0.01~5モルパーセント、0.01~3モルパーセント、0.1~1.5モルパーセント、または0.1~1モルパーセントのメタン含有量;
●0.01~2.0モルパーセント、0.05~1.5モルパーセント、0.1~1モルパーセント、または0.1~0.5モルパーセントのHS含有量;
●0.05~1.0モルパーセント、0.05~0.7モルパーセント、または0.05~0.3モルパーセントのCOS含有量;
●0.015~3.0モルパーセント、0.02~2モルパーセント、0.05~1.5モルパーセント、または0.1~1モルパーセントの硫黄含有量;および/または
●0.0~5モルパーセント、0.005~3モルパーセント、0.01~2モルパーセント、0.005~1モルパーセント、0.005~0.5モルパーセント、または0.005~0.3モルパーセントの窒素含有量。
【0536】
[0548]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、合成ガス流126は、少なくとも0.65、少なくとも0.68、少なくとも0.70、少なくとも0.73、少なくとも0.75、少なくとも0.78、少なくとも0.80、少なくとも0.85、少なくとも0.88、少なくとも0.90、少なくとも0.93、少なくとも0.95、少なくとも0.98、または少なくとも1の水素/一酸化炭素モル比を含む。ガス成分は、FID-GCおよびTCD-GCまたはガス流の成分を分析するために認められた他の任意の方法で決定されてもよい。
【0537】
[0549]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、合成ガス流126は、再生成分合成ガス(r-合成ガス)であってもよく、合成ガス流の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、少なくとも95重量パーセント、または少なくとも99重量パーセントの再生成分を有してもよい。
【0538】

エネルギー生成/生産設備
[0550]再び図1を参照する。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学的再生施設10は、エネルギー生成/生産設備80も含んでもよい。本明細書で使用される場合、「エネルギー生成/生産設備80」は、供給原料の化学的変換(たとえば、燃焼)を介して供給原料132からエネルギー(すなわち熱エネルギー)を生成する設備である。
【0539】
[0551]次に図9を参照すると、1つ以上の実施態様による化学的再生施設での使用に適したエネルギー生成/生産設備80の概略図が示される。図9に示すように、エネルギー生成/生産設備80に導入される供給流は、(i)PO富化廃プラスチック104、(ii)固体粒子含有流または溶融物114、(iii)少なくとも1つの加溶媒分解副産物流110、(iv)熱分解ガス流118、(v)熱分解油流120、(vi)熱分解残留物流122、および(vii)クラッカー設備70からの重質(たとえばC5以上)流のうちの1つ以上を含んでもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、これらの流れ(i)~(vii)の1つ以上を連続的にエネルギー生成/生産設備80に導入してもよく、あるいはこれらの流れの1つ以上を断続的に導入してもよい。複数の種類の供給流が存在する場合、それぞれを別々に導入してもよいし、流れの全部または一部を混合して混合流をエネルギー生成/生産設備80に導入してもよい。混合する場合、混合は連続またはバッチ方式で行われてもよい。
【0540】
[0552]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、エネルギー生成/生産設備80への供給流132は、エネルギー生成/生産設備80に導入される供給流の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの少なくとも1つの加溶媒分解副産物流110を含んでもよい。
【0541】
[0553]これに加えて、あるいはその代わりに、エネルギー生成/生産設備80への供給流は、エネルギー生成/生産設備80に導入される供給流の総重量基準で95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の少なくとも1つの加溶媒分解副産物流110を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で1~95重量パーセント、5~90重量パーセント、10~85重量パーセント、20~70重量パーセント、または30~60重量パーセントの範囲であってもよい。
【0542】
[0554]エネルギー生成/生産設備80に導入される加溶媒分解副産物流110は、エネルギー生成/生産設備80に導入される加溶媒分解副産物流110の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。前述のように、加溶媒分解副産物流110は、存在する場合、加溶媒分解設備30から取り出された加溶媒分解副産物のうち1種以上を含んでもよい。
【0543】
[0555]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、エネルギー生成/生産設備80への供給流132は、エネルギー生成/生産設備80に導入される供給流の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、熱分解油流120からの熱分解油を含んでもよい。
【0544】
[0556]これに加えて、あるいはその代わりに、エネルギー生成/生産設備80への供給流132は、エネルギー発生/生産施設80に導入される供給流132の総重量基準で95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の熱分解油を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で1~95重量パーセント、5~90重量パーセント、10~85重量パーセント、20~70重量パーセント、または30~60重量パーセントの範囲で存在してもよい。
【0545】
[0557]エネルギー生成/生産設備80に導入される熱分解油流120は、エネルギー生成/生産設備80に導入される熱分解油流120の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。
【0546】
[0558]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、エネルギー生成/生産設備80への供給流134は、エネルギー生成/生産設備80に導入される供給流132の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、熱分解残留物流122からの熱分解残留物を含んでもよい。
【0547】
[0559]これに加えて、あるいはその代わりに、エネルギー生成/生産設備80への供給流132は、エネルギー生成/生産設備80に導入される供給流132の総重量基準で95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の熱分解残留物を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で1~95重量パーセント、5~90重量パーセント、10~85重量パーセント、20~70重量パーセント、または30~60重量パーセントの範囲であってもよい。
【0548】
[0560]エネルギー生成/生産設備80に導入される熱分解残留物流122は、エネルギー生成/生産設備80に導入される熱分解残留物流122の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。熱分解残留物は、固体、溶融物、またはスラリーの形態であってもよい。
【0549】
[0561]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、エネルギー生成/生産設備80への供給流132は、エネルギー生成/生産設備80に導入される供給流132の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、PO富化廃プラスチック流104からのPO富化廃プラスチックを含んでもよい。
【0550】
[0562]これに加えて、あるいはその代わりに、エネルギー生成/生産設備80への供給流132は、エネルギー生成/生産設備80に導入される供給流132の総重量基準で95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下のPO富化廃プラスチックを含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で1~95重量パーセント、5~90重量パーセント、10~85重量パーセント、20~70重量パーセント、または30~60重量パーセントの範囲であってもよい。
【0551】
[0563]エネルギー生成/生産設備80に導入されるPO富化廃プラスチック流104は、エネルギー生成/生産設備80に導入されるPO富化廃プラスチック流104の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。PO富化プラスチック流104は、図1に示される前処理設備20から生じてもよく、別の供給源(図示せず)から生じてもよい。流れ104は、プラスチック溶融物の形態であってもよく、粒子またはスラリーの形態であってもよい。
【0552】
[0564]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、エネルギー生成/生産設備80への供給流132は、エネルギー生成/生産設備80に導入される供給流132の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの、固化設備40からの固体または溶融物を含む固体含有流114を含んでもよい。
【0553】
[0565]これに加えて、あるいはその代わりに、エネルギー生成/生産設備80への供給流132は、エネルギー生成/生産設備80に導入される供給流132の総重量基準で95重量パーセント以下、90重量パーセント以下、85重量パーセント以下、80重量パーセント以下、75重量パーセント以下、70重量パーセント以下、65重量パーセント以下、60重量パーセント以下、55重量パーセント以下、50重量パーセント以下、45重量パーセント以下、40重量パーセント以下、35重量パーセント以下、30重量パーセント以下、25重量パーセント以下、20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、2重量パーセント以下、または1重量パーセント以下の、固化設備40からの固体または溶融物を含む固体含有流114を含んでもよく、あるいはそれは、流れの総重量基準で1~95重量パーセント、5~90重量パーセント、10~85重量パーセント、20~70重量パーセント、または30~60重量パーセントの範囲であってもよい。
【0554】
[0566]エネルギー生成/生産設備80に導入される固体含有流114は、エネルギー生成/生産設備80に導入される固化設備40からの固体または溶融物の総重量基準で少なくとも1重量パーセント、少なくとも5重量パーセント、少なくとも10重量パーセント、少なくとも15重量パーセント、少なくとも20重量パーセント、少なくとも25重量パーセント、少なくとも30重量パーセント、少なくとも35重量パーセント、少なくとも40重量パーセント、少なくとも45重量パーセント、少なくとも50重量パーセント、少なくとも55重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも65重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも75重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも85重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントの総再生成分を有してもよい。固体含有流114は、図1に示される固化設備40から生じてもよく、別の供給源(図示せず)から生じてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、固体含有流114はスラリーの形態であってもよい。
【0555】
[0567]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、混合流における流れのうちいずれか1つと別の流れとの重量比は、少なくとも1:10、少なくとも1:9、少なくとも1:8、少なくとも1:7、少なくとも1:6、少なくとも1:5、少なくとも1:4、少なくとも1:3、少なくとも1:2、少なくとも1:1.5、もしくは少なくとも1:1、かつ/または10:1以下、9:1以下、8:1以下、7:1以下、6:1以下、5:1以下、4:1以下、3:1以下、2:1以下、1.5:1以下、もしくは1:1以下であってもよく、あるいはそれは、1:10~10:1、1:5~5:1の範囲、または1:2もしくは2:1であってもよい。
【0556】
[0568]任意の種類のエネルギー生成/生産設備80を用いてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、エネルギー生成/生産設備80は、少なくとも1つの炉または焼却炉を備えてもよい。焼却炉は、気体供給、液体供給、または固体供給されてもよく、すなわち、気体、液体、または固体を受け入れるように構成されてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、焼却炉は、固体、気体、および液体の組合せを受け入れるように構成されるか、受け入れてもよい。焼却炉または炉の具体例としては、ロータリーキルンおよび液体化学分解装置が挙げられるが、これらに限定されない。炉または焼却炉内の燃焼温度は、少なくとも800℃、少なくとも825℃、少なくとも850℃、少なくとも875℃、もしくは少なくとも900℃、かつ/または1200℃以下、1175℃以下、1150℃以下、もしくは1125℃以下、または800~1200℃、850~約1150℃、もしくは900~1125℃であってもよい。
【0557】
[0569]焼却炉または炉は、供給流132中の炭化水素成分の少なくとも一部を酸素剤流158と共に熱により燃焼させるように構成されてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、酸素剤流158は、酸素剤流158の総モル基準で少なくとも5モルパーセント、少なくとも10モルパーセント、少なくとも15モルパーセント、少なくとも20モルパーセント、もしくは少なくとも25モルパーセント、かつ/または70モルパーセント以下、65モルパーセント以下、60モルパーセント以下、55モルパーセント以下、50モルパーセント以下、45モルパーセント以下、40モルパーセント以下、35モルパーセント以下、30モルパーセント以下、または25モルパーセント以下の酸素を含み、あるいはそれは、流れの総モル基準で5~70モルパーセント、10~55モルパーセント、または10~25モルパーセントの範囲の量を含んでもよい。酸素剤流158の他の成分は、たとえば、窒素または二酸化炭素を含んでもよい。他の実施態様では、酸素剤流158は空気を含む。
【0558】
[0570]エネルギー生成/生産ゾーンでは、そこに導入された供給流132の少なくとも50重量パーセント、少なくとも60重量パーセント、少なくとも70重量パーセント、少なくとも80重量パーセント、少なくとも90重量パーセント、または少なくとも95重量パーセントを燃焼させてエネルギーおよび燃焼ガス(たとえば、水、一酸化炭素、二酸化炭素、およびそれらの組合せ)流170を形成してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、硫黄および/または窒素含有化合物などの化合物を除去するために供給流132の少なくとも一部を処理して、燃焼ガス流170中の窒素および硫黄酸化物の量を最小限に抑えてもよい。
【0559】
[0571]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、エネルギー生成/生成設備により生成されたエネルギー134の少なくとも一部を用いて、処理流を直接的または間接的に加熱してもよい。たとえば、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、エネルギー134の少なくとも一部を用いて流れ172中の水を加熱して蒸気を形成し、かつ/あるいは流れ172内の蒸気を加熱して過熱蒸気を形成してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、生成されたエネルギーの少なくとも一部を用いて、伝熱媒体(たとえば、THERMINOL(登録商標)など)の流れを加熱してもよい。伝熱媒体自体は、温められると1つ以上の処理流に熱を伝達するのに利用できる。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、エネルギーの少なくとも一部を用いて処理流を直接加熱してもよい。
【0560】
[0572]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、エネルギー生成/生産設備80からのエネルギーの少なくとも一部で加熱された処理流は、本明細書に記載の設備のうちの1つ以上、たとえば、加溶媒分解設備30、熱分解設備60、クラッカー設備70、POXガス化設備50、固化設備40のうちの1つからの処理流であってもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、生産設備80は別の地理的領域にあってもよいが、1つ以上の他の実施態様では、エネルギー生成/生産設備80の少なくとも一部は、それ以外の設備の1つの中またはその付近に配置されてもよい。たとえば、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、図1に示されるような化学的再生施設内のエネルギー生成/生産設備80は、加溶媒分解設備30内のエネルギー生成/生産炉、およびPOXガス化設備50内の別のエネルギー生成/生産炉を含んでもよい。
【0561】

再利用/再生設備
[0573]一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、図1に示される化学的再生施設10からの1つ以上の流れはまた、別の、一般には外部の施設90でのさらなる再利用および/または再生のために送られてもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、再利用/再生設備に送られた流れは別の関係者に販売されてもよく、また一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、化学施設10の操作者は受領者に支払わなければならない場合がある。
【0562】
[0574]図1に示すように、一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、固化設備40からの固体含有流の少なくとも一部を外部施設でさらに再利用かつ/あるいは再生してもよい。一実施態様では、あるいは前述の実施態様のいずれかとの組合せでは、PO富化流104の少なくとも一部を再利用/再生設備90で使用してもよい。そのようなPO富化流104は先行の処理工程(たとえば、洗浄、サイズ減少、乾燥、望ましくない成分の分離)に供されていてもよく、前処理設備20から得られる流れをその後にさらに販売かつ使用してもよい。
【0563】
[0575]化学処理施設10への供給流100が、供給流100の総重量基準で20重量パーセント以下、15重量パーセント以下、10重量パーセント以下、5重量パーセント以下、または2重量パーセント以下の非PET材料を有し得る場合、これらの非PET成分の少なくとも一部の再利用および/または再生は、化学的再生施設10内で流れの全部または一部をさらに処理するのに比べて経済的あるいは有益な可能性がある。
【0564】

定義
[0576]当然のことだが、以下の記述は、定義された用語を排他的に列挙することを意図するものではない。たとえば、文脈で定義された用語の使用を伴う場合など、他の定義が以上の説明で示されている場合がある。
【0565】
[0577]本明細書で使用される場合、「a」、「an」、および「the」という用語は、1またはそれ以上を意味する。
[0578]本明細書で使用される場合、「および(ならびに、かつ)/または(もしくは、あるいは)」という用語は、2つ以上の項目の列挙に用いられる場合、列挙された項目のいずれか1つが単独で用いられてもよく、列挙された項目の2つ以上の任意の組合せが用いられてもよいことを意味する。たとえば、組成物が成分A、B、および/またはCを含むと記載されている場合、組成物はAのみを含んでも、Bのみを含んでも、Cのみを含んでも、AとBの組合せを含んでも、AとCの組合せを含んでも、BとCの組合せを含んでも、AとBとCとの組合せを含んでもよい。
【0566】
[0579]本明細書で使用される場合、「含む(備える)」(comprising、comprises、comprise)という用語は、用語の前に記載された主語から、用語の後に記載された1つ以上の要素に転換するのに用いられる非限定的な転換用語であり、この転換用語の後に列挙された要素だけが主語を構成する要素であるわけではない。
【0567】
[0580]本明細書で使用される場合、「有する(having、has、have)」という用語は、上記の「含む(備える)」と同じく非限定的な意味を持つ。
[0581]本明細書で使用される場合、「含む(including、include、included)」という用語は、上記の「含む(備える)」と同じく非限定的な意味を持つ。
【0568】
[0582]本明細書で使用される場合、「主に」という用語は、50重量パーセントを超えることを意味する。たとえば、主にプロパンである流れ、組成物、供給原料、または製品は、50重量パーセントを超えるプロパンを含む流れ、組成物、供給原料、または製品である。
【0569】
[0583]本明細書で使用される場合、「富化」という用語は、基準材料または流れにおける特定の成分の濃度よりも高いその成分の濃度(乾燥重量基準で)を有することを意味する。
【0570】

開示された実施態様に限定されない特許請求の範囲
[0584]上記の技術の形態は、例示としてのみ使用されるべきであり、本技術の範囲を解釈するために限定的な意味で使用されるべきではない。当業者は本技術の精神から逸脱することなく上記の例示的な実施態様に対する変更を容易になし得る。
【0571】
[0585]本発明者らは、以下の特許請求の範囲に記載された技術の文字通りの範囲から実質的に逸脱しないがその範囲外である任意の装置に関連する本技術の合理的に公正な範囲を決定かつ評価するために、均等論に依拠する意図をここに述べる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】