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特表2023-513594骨プレートホールキャップ、骨プレートシステム、及びそれらを使用する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-31
(54)【発明の名称】骨プレートホールキャップ、骨プレートシステム、及びそれらを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20230324BHJP
【FI】
A61B17/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549076
(86)(22)【出願日】2021-02-12
(85)【翻訳文提出日】2022-10-11
(86)【国際出願番号】 US2021017888
(87)【国際公開番号】W WO2021163511
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】62/976,662
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521358121
【氏名又は名称】パラゴン28・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PARAGON 28, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100224616
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 志聡
(72)【発明者】
【氏名】ダコスタ,アルバート
(72)【発明者】
【氏名】ハント,リチャード デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド,スパンキー
(72)【発明者】
【氏名】ハートソン,カイル ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,シェイン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL27
4C160LL29
4C160LL30
4C160LL32
4C160LL42
4C160LL57
4C160LL59
(57)【要約】
骨プレートシステムは、例えば、骨プレートと少なくとも1つの骨プレートホールキャップとを備える。骨プレートは、第1の表面と、骨係合表面と、複数の貫通開口部とを有する本体を含む。骨プレートホールキャップは、第1の表面と、第2の表面と、周面とを有する本体を含む。骨プレートホールキャップは、骨プレートの貫通開口部の少なくとも1つに固定可能である。骨プレートホールキャップが貫通開口部に固定されたとき、骨プレートホールキャップの第2の表面は、骨プレートの骨係合面に隣接して配置される。貫通開口部内に固定された骨プレートホールキャップを有する骨プレートは、骨プレートホールキャップを横切る骨プレートの部分において、骨プレートホールキャップのない骨プレートの対応する箇所と比較して、前記部分の曲げ強度を増加させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体を含む骨プレートであって、前記骨プレートの本体は、第1の表面と、骨係合表面と、前記第1の表面から前記骨係合表面まで延びる複数の貫通開口部と、を有し、複数の前記貫通開口部は、前記骨プレートの前記第1の表面と前記骨係合表面との間に延びる内面を画定する、前記骨プレートと、
本体を含む少なくとも1つの骨プレートホールキャップであって、前記骨プレートホールキャップの本体は、第1の表面と、第2の表面と、少なくとも1つの前記骨プレートホールキャップの前記第1の表面と前記第2の表面との間に配置された周面と、を有し、少なくとも1つの前記骨プレートホールキャップは、前記骨プレートの前記複数の貫通開口部のうちの少なくとも1つの前記貫通開口部内に固定可能である、少なくとも1つの前記骨プレートホールキャップと、
を備え、
前記骨プレートホールキャップが複数の前記貫通開口部のうちの少なくとも1つの前記貫通開口部に固定されたとき、前記骨プレートホールキャップの前記第2の表面は、前記骨プレートの前記骨係合表面に隣接して配置され、
複数の前記貫通開口部のうちの1つに固定された少なくとも1つの骨プレートホールキャップを有する骨プレートは、骨プレートホールキャップを横切る骨プレートの部分において、骨プレートホールキャップのない骨プレートの対応する箇所と比較して、前記部分の曲げ強度を増加させる、
骨プレートシステム。
【請求項2】
前記骨プレートホールキャップの前記第1の表面及び/又は前記第2の表面は、前記骨プレートホールキャップを、前記骨プレートに挿入するように、及び/又は、前記骨プレートから取り除くように操作可能な雄型ドライブツールを受け入れるように構成されている、
請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項3】
前記骨プレートホールキャップの前記第1の表面に取り付け可能なカバーを更に備える、
請求項2に記載の骨プレートシステム。
【請求項4】
前記カバーは、縫合糸を受け入れるための通路を有する、
請求項3に記載の骨プレートシステム。
【請求項5】
前記カバーは第1の材料を含み、前記骨プレートホールキャップは、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、
請求項4に記載の骨プレートシステム。
【請求項6】
前記骨プレートホールキャップの前記第1の表面又は前記第2の表面は、前記骨プレートホールキャップを、前記骨プレートに挿入するように、及び/又は、前記骨プレートから取り除くように操作可能な雌型ドライブツールを受け入れるように構成されている、
請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項7】
前記骨プレートホールキャップの前記第1の表面は、縫合糸を受け入れるためのアイレットを有する、
請求項6に記載の骨プレートシステム。
【請求項8】
前記骨プレートホールキャップの前記第1の表面は、凸面を有するボタンを規定し、前記骨プレートホールキャップの前記第2の表面は、前記骨プレートホールキャップを、前記骨プレートに挿入するように、及び/又は、前記骨プレートから取り除くように操作可能な雄型ドライブツールを受け入れるように構成されている、
請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項9】
前記ボタンは、前記骨プレートの複数の前記貫通開口部のうちの少なくとも1つの前記貫通開口部を完全に横切って延びる、
請求項8に記載の骨プレートシステム。
【請求項10】
前記骨プレートホールキャップは、モノリシック骨プレートホールキャップを含む、
請求項9に記載の骨プレートシステム。
【請求項11】
前記ドライブツールは、標準的なドライブツールを含む、
請求項2に記載の骨プレートシステム。
【請求項12】
前記ドライブツールは、六角ドライブを含む、
請求項2に記載の骨プレートシステム。
【請求項13】
前記骨プレートホールキャップの前記第2の表面は、前記骨プレートの複数の前記貫通開口部のうちの少なくとも1つの前記貫通開口部を完全に横切って延びるように構成された表面を含む、
請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項14】
少なくとも1つの前記骨プレートホールキャップは、前記骨プレートホールキャップの前記第1の表面から前記骨プレートホールキャップの前記第2の表面まで延びる貫通開口を備える、
請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項15】
前記骨プレートホールキャップ内に配置された張力装置を更に備え、前記張力装置は縫合糸に取り付け可能である、
請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項16】
前記骨プレートの複数の前記貫通開口部のうちのいくつかは、テーパー状の内側ねじを含み、少なくとも1つの前記骨プレートホールキャップの前記周面は、対応するテーパー状の外側ねじを含む、
請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項17】
少なくとも1つの前記骨プレートホールキャップの前記テーパー状の構成は、2度から10度の間の角度を有する、
請求項16に記載の骨プレートシステム。
【請求項18】
少なくとも1つの前記骨プレートホールキャップの前記テーパー状の構成は、6度の角度を有する、
請求項17に記載の骨プレートシステム。
【請求項19】
少なくとも1つの前記骨プレートホールキャップは、前記骨プレートホールキャップの前記第1の表面と前記第2の表面との間の第1の厚さを有し、
複数の前記貫通開口部のうちの少なくとも1つの前記貫通開口部の周囲の前記骨プレートは、前記骨プレートの前記第1の表面と前記骨係合表面との間の第2の厚さを有し、
前記第1の厚さは前記第2の厚さと同じである、
請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項20】
前記骨プレートは金属を含む、
請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項21】
前記骨プレートホールキャップは金属を含む、
請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項22】
前記骨プレートホールキャップはバイオポリマー材料を含む、
請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項23】
前記骨プレートの複数の前記貫通開口部のうちの少なくとも1つの前記貫通開口部は、圧縮開口部を含む、
請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項24】
少なくとも1つの前記骨プレートホールキャップは、複数の骨プレートホールキャップを含む、
請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項25】
複数の骨固定要素を更に備え、
複数の前記骨固定要素は、前記骨プレートを患者の骨に固定するために、前記骨プレートの複数の前記貫通開口部の少なくともいくつかを通って延在可能である、
請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項26】
複数の骨スクリューを更に備え、
複数の前記骨スクリューは、前記骨プレートを患者の骨に固定するために、前記骨プレートの複数の前記貫通開口部の少なくともいくつかを通って延在可能である、
請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項27】
請求項1に記載の骨プレートシステムを提供することと、
少なくとも1つの前記骨プレートホールキャップを、前記骨プレートの複数の前記貫通開口部のうちの1つの前記貫通開口部内に選択的に固定することと、
骨にアクセスすることと、
前記骨プレートホールキャップを前記骨の外面に隣接させ、前記骨プレートホールキャップが関節線上に配置されるように、前記骨プレートを選択的に位置決めすることと、
前記骨プレートの複数の前記貫通開口部の他の少なくともいくつかの前記貫通開口部を通って延びる複数の固定要素で前記骨プレートを前記骨に固定することと、
を含み、
複数の前記貫通開口部のうちの1つの前記貫通開口部に少なくとも1つの前記骨プレートホールキャップを有する骨プレートは、関節線に隣接して配置され固定された、骨プレートホールキャップのない骨プレートと比較して、関節線に隣接して固定された骨プレートの曲げ強度を増加させる、
外科的方法。
【請求項28】
第1の表面と、第2の表面と、前記第1の表面から前記第2の表面まで延びる複数の貫通開口部とを有する骨プレートを提供することと、
骨プレートホールキャップであって、第1の表面と、第2の表面と、前記骨プレートホールキャップの前記第1の表面と前記第2の表面との間に延在する周面とを有する、前記骨プレートホールキャップを提供することと、
前記骨プレートホールキャップを、前記骨プレートの複数の前記貫通開口部のうちの1つの前記貫通開口部内に選択的に固定することと、
骨にアクセスすることと、
前記骨プレートホールキャップを前記骨の外面に隣接させ、前記骨プレートホールキャップが関節線上に配置されるように、前記骨プレートを選択的に位置決めすることと、
前記骨プレートの複数の前記貫通開口部の他の少なくともいくつかの前記貫通開口部を通って延びる複数の固定要素で前記骨プレートを前記骨に固定することと、
を含み、
複数の前記貫通開口部のうちの1つの前記貫通開口部に少なくとも1つの前記骨プレートホールキャップを有する骨プレートは、関節線に隣接して配置され固定された、骨プレートホールキャップのない骨プレートと比較して、関節線に隣接して固定された骨プレートの曲げ強度を増加させる、
外科的方法。
【請求項29】
前記骨プレートホールキャップを、前記骨プレートの複数の前記貫通開口部のうちの1つの前記貫通開口部内に選択的に固定することは、
前記骨プレートホールキャップを、複数の前記貫通開口部のうちの1つの前記貫通開口部内に係止することを含む、
請求項28に記載の外科的方法。
【請求項30】
前記骨プレートの複数の前記貫通開口部のうちのいくつかの前記貫通開口部は、テーパー状の内側ねじを有し、
少なくとも1つの前記骨プレートホールキャップの前記周面は、テーパー状の外側ねじを有する、
請求項28に記載の外科的方法。
【請求項31】
前記骨プレートホールキャップを、前記骨プレートの複数の前記貫通開口部のうちの1つの前記貫通開口部内に選択的に固定することは、
ツールを用いて前記骨プレートホールキャップにおけるドライブ特徴と係合し、骨プレートホールキャップを回転させて複数の前記貫通開口部のうちの1つの前記貫通開口部内に取り付けることを含む、
請求項28に記載の外科的方法。
【請求項32】
前記骨プレートホールキャップを、前記骨プレートの複数の前記貫通開口部のうちの1つの前記貫通開口部内に選択的に固定することは、
前記骨プレートホールキャップの前記第1の表面を前記骨プレートの前記第1の表面に隣接して配置し、前記骨プレートホールキャップの前記第2の表面を前記骨プレートの前記第2の表面に隣接して配置することを含む、
請求項28に記載の外科的方法。
【請求項33】
前記骨プレートホールキャップを、前記骨プレートの複数の前記貫通開口部のうちの1つの前記貫通開口部内に選択的に固定することは、
前記骨プレートホールキャップの前記第1の表面を前記骨プレートの前記第1の表面に隣接して配置し、前記骨プレートホールキャップの前記第2の表面を前記骨プレートの前記第2の表面における前記貫通開口部を完全に横切って延在するように配置することを含む、
請求項28に記載の外科的方法。
【請求項34】
第1の材料を含むカバーを提供することと、
前記カバーを前記骨プレートホールキャップの前記第1の表面に固定することと、
を更に含み、
前記骨プレートホールキャップは、前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、
請求項33に記載の外科的方法。
【請求項35】
縫合糸を前記骨プレートホールキャップに固定することを更に含む、
請求項34に記載の外科的方法。
【請求項36】
前記縫合糸を固定することは、前記縫合糸を前記骨プレートホールキャップにおける通路に通すことを含む、
請求項35に記載の外科的方法。
【請求項37】
前記縫合糸を固定することは、前記縫合糸を前記骨プレートホールキャップにおけるアイレットに通すことを含む、
請求項35に記載の外科的方法。
【請求項38】
前記縫合糸を軟組織に固定することを更に含む、
請求項35に記載の外科的方法。
【請求項39】
前記縫合糸を腱に固定することを更に含む、
請求項35に記載の外科的方法。
【請求項40】
前記骨プレートホールキャップ内でラチェットを操作することを更に含み、
前記ラチェットは、前記縫合糸に取り付けられている、
請求項39に記載の外科的方法。
【請求項41】
第2の骨プレートホールキャップであって、第1の表面と、第2の表面と、前記第2の骨プレートホールキャップの前記第1の表面と前記第2の表面との間に延在する周面とを有する、前記第2の骨プレートホールキャップを提供することと、
前記第2の骨プレートホールキャップを、複数の前記貫通開口部のうちの異なる1つの前記貫通開口部内に選択的に固定することと、
を更に含む、
請求項40に記載の外科的方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年2月14日に出願され、「骨プレートホールキャップ、骨プレートシステム、及びそれらを使用する方法」を題とした米国仮特許出願第62/976,662号に基づいて優先権を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、骨折した骨又は損傷した骨等の骨の修復、又は、足及び足首等の骨の変形の矯正に関する。
【背景技術】
【0003】
骨プレートは、整形外科において、例えば、骨折後の骨セグメントの固定に使用される。通常、骨プレートは、ネジを挿入するための穴が開いた金属棒又はプレートであり、骨折した部分を固定するか、及び/又は、変形を修正するために使用される。
【0004】
ねじの脱落を防止するために、ねじのヘッドを骨プレートに固定するための固定要素が使用されてきた。例えば、取り付けられたねじが動かないように、固定要素が、取り付けられたねじの頂部と係合するように骨プレートに取り付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の態様は、骨折した骨又は損傷した骨等の骨の修復、又は、足及び足首等の骨の変形の矯正のために提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
骨プレートシステムの一実施形態を提供することにより、先行技術の欠点が克服されるとともに、更なる利点が提供される。本開示の一実施形態に係る骨プレートシステムは、例えば、骨プレート及び少なくとも1つの骨プレートホールキャップを含む。骨プレートは、第1の表面と、骨係合表面と、第1の表面から骨係合表面まで延びる複数の貫通開口部とを有する本体を備える。複数の貫通開口部は、骨プレートの第1の表面と骨係合表面との間に延在する内面を画定する。少なくとも1つの骨プレートホールキャップは、第1の表面と、第2の表面と、少なくとも1つの骨プレートホールキャップの第1の表面と第2の表面との間に配置された周面とを有する本体を備える。少なくとも1つの骨プレートホールキャップは、骨プレートの複数の貫通開口部のうちの少なくとも1つ内に固定可能である。骨プレートホールキャップが複数の貫通開口部の少なくとも1つに固定されたとき、骨プレートホールキャップの第2の表面は、骨プレートの骨係合表面に隣接して配置される。複数の貫通開口部の1つに固定された少なくとも1つの骨プレートホールキャップを有する骨プレートは、骨プレートホールキャップを横切る骨プレートの部分において、骨プレートホールキャップのない骨プレートの対応する箇所と比較して、前記部分の曲げ強度を増加させる。
【0007】
別の実施形態では、外科的方法が提供される。当該外科的方法は、例えば、第1の表面と、第2の表面と、第1の表面から第2の表面まで延びる複数の貫通開口部とを有する骨プレートを提供することと、第1の表面と、第2の表面と、骨プレートホールキャップの第1の表面と第2の表面との間に延在する周面とを有する骨プレートホールキャップを提供することと、骨プレートホールキャップを、骨プレートの複数の貫通開口部のうちの1つ内に選択的に固定することと、骨にアクセスすることと、骨プレートホールキャップを骨の外面に隣接させ、骨プレートホールキャップが関節線上に配置されるように、骨プレートを選択的に位置決めすることと、骨プレートの複数の貫通開口部の他の少なくともいくつかを通って延びる複数の固定要素で骨プレートを骨に固定することと、を含む。複数の貫通開口部のうちの1つに少なくとも1つの骨プレートホールキャップを有する骨プレートは、関節線に隣接して配置され固定された、骨プレートホールキャップのない骨プレートと比較して、関節線に隣接して配置されて固定された骨プレートの曲げ強度を増加させる。
【0008】
本開示のこれら、並びに他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて開示される本開示の様々な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0009】
明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を示し、本明細書の詳細な説明とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。図面は、好ましい実施形態を説明することのみを目的としており、本開示を限定するものと解釈されるべきではない。業界の標準的な慣行に従い、さまざまな特徴が一定の縮尺で描かれていないことを強調しておきたい。実際に、説明を明確にするために、さまざまな特徴の寸法を任意に増減することができる。本開示の前述、並びに他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて開示される以下の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る骨プレートシステムの上面斜視図である。
図2】本開示の一実施形態に係る、図1の骨プレートシステムの分解上面斜視図である。
図3】本開示の一実施形態に係る、図1の骨プレートシステムの側面斜視図である。
図4】本開示の一実施形態に係る、図1の骨プレートシステムの上面斜視図である。
図5】本開示の一実施形態に係る、図1の骨プレートシステムの底面斜視図である。
図6】本開示の一実施形態に係る、図1の骨プレートシステムの側面図である。
図7】本開示の一実施形態に係る、図1の骨プレートシステムの拡大端面図である。
図8】本開示の一実施形態に係る、図1の骨プレートホールキャップの拡大上面斜視図である。
図9】本開示の一実施形態に係る、図8の骨プレートホールキャップの底面斜視図である。
図10】本開示の一実施形態に係る、図8の骨プレートホールキャップの側面図である。
図11】本開示の一実施形態に係る、図8の骨プレートホールキャップの上面図である。
図12】本開示の一実施形態に係る、図8の骨プレートホールキャップの底面図である。
図13】本開示の一実施形態に係る骨プレート及び骨プレートホールキャップの、図1の線13-13に沿った拡大分解断面図である。
図14】本開示の一実施形態に係る骨プレート及び骨プレートホールキャップの、図1の線13-13に沿った拡大断面図である。
図15】本開示の一実施形態に係る別の骨プレートホールキャップの上面斜視図である。
図16】本開示の一実施形態に係る、図15の骨プレートホールキャップの底面斜視図である。
図17】本開示の一実施形態に係る骨プレートホールキャップの、図15の線17-17に沿った断面図である。
図18】本開示の一実施形態に係る骨プレートホールキャップの開口部に受け入れ可能なカバーの上面斜視図である。
図19】本開示の一実施形態に係る別の骨プレートホールキャップの上面斜視図である。
図20】本開示の一実施形態に係る別の骨プレートシステムの斜視図である。
図21】本開示の一実施形態に係る、図20の骨プレートシステムの分解斜視図である。
図22】本開示の一実施形態に係る、図20の骨プレートホールキャップの拡大上面斜視図である。
図23】本開示の一実施形態に係る、図22の骨プレートホールキャップの底面斜視図である。
図24】本開示の一実施形態に係る、図22の骨プレートホールキャップの側面図である。
図25】本開示の一実施形態に係る、図22の骨プレートホールキャップの上面図である。
図26】本開示の一実施形態に係る、図22の骨プレートホールキャップの底面図である。
図27】本開示の一実施形態に係る別の骨プレートシステムの斜視図である。
図28】本開示の一実施形態に係る、ラチェット機構を有する別の骨プレートホールキャップの上面斜視図である。
図29】本開示の一実施形態に係る別の骨プレートシステムの分解斜視図である。
図30】本開示の一実施形態に係る、骨プレートホールキャップを有する骨プレートシステムを使用する外科的方法のフローチャートである。
図31】本開示の一実施形態に係る別の骨プレートホールキャップの拡大上面図である。
図32】本開示の一実施形態に係る別の骨プレートホールキャップの拡大上面斜視図である。
図33】本開示の一実施形態に係る別の骨プレートホールキャップの拡大上面斜視図である。
図34】本開示の一実施形態に係る、図33の骨プレートシステムの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
全体的には、本明細書に開示されるのは、骨プレートホールキャップ、骨プレートシステム、並びに、骨折した骨又は損傷した骨等の骨の修復のための、又は、足及び足首等の骨の変形の矯正のための方法である。骨プレートホールキャップ、骨プレートシステム、及び方法は、骨の他のタイプの修復にも適用可能であることを理解されたい。
【0012】
詳細な説明及び以下の特許請求の範囲において、近位、遠位、前方又は底側、後方又は背側、内側、外側、上方及び下方という用語は、自然の骨、関節(又は他の解剖学的構造)の関連配置、又は方向に関する参照に従って、骨、関節(又は他の解剖学的構造)、又はインプラントの特定の部又は部分を示すための標準的な用法によって定義される。例えば、「近位(proximal)」は胴体に最も近い装置又は器具の部分を意味し、「遠位(distal)」は胴体から最も遠い装置又は器具の部分を示す。方向の用語については、「前方(anterior)」は身体の前側に向かう方向を意味し、「後方(posterior)」は身体の後方に向かう方向を意味し、「内側(medial)」は身体の正中線に向かう方向を意味し、「外側(lateral)」は側面に向かう方向、又は身体の正中線から離れる方向を意味し、「上方(superior)」は上方向を意味し、「下方(inferior)」は別の物体又は構造の下方向を意味する。更に、具体的に、足及び/又は足首に関して、「背側(dorsal)」という用語は足の上部を指し、「底側(plantar)」という用語は足の底を指す。
【0013】
同様に、位置又は方向は、解剖学的構造又は表面に参照して本明細書で使用することができる。例えば、ここで、器具、ガイド、システム、及び関連する方法(及びそれらの構成要素)は、足首の骨での使用に関して本明細書で説明されているので、足、足首、及び下肢の骨を使用して、器具、ガイド、システム、及び関連する方法(及びその構成要素)の表面、位置、方向、又は向きを説明することができる。更に、本明細書に開示される器具、ガイド、システム、及び関連する方法、並びにそれらの態様、構成要素、特徴などは、簡潔にするために、身体の片側(例えば、左又は右の足首)に関して説明することができる。しかし、人体は対称線(正中線)を中心に、比較的対称的又は鏡映的であるため、器具、ガイド、システム、及び関連する方法、並びにそれらの態様、構成要素、特徴などについて、本明細書で説明され、及び/又は示されたものは、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、同じ又は同様の目的で身体の別の側面での使用又は関連付けのために、変更、改変、修正、再構成、又はその他の変更をすることができる。例えば、患者の右足首に関して本明細書に記載された器具、ガイド、システム、及び関連する方法、並びにそれらの態様、構成要素、特徴などは、患者の左足首で同様に機能するようにミラーリングすることができる。更に、本明細書に開示される器具、ガイド、システム、及び関連する方法、並びにそれらの態様、構成要素、特徴などは、簡潔にするために、足首に関して説明されているが、器具、ガイド、システム、及び関連する方法(及びその構成要素)は、人体(又は他の哺乳類動物の体)の他の関節でも使用することができる。
【0014】
図1から図3は、本開示の一実施形態に係る骨プレートシステム10を示す。例えば、骨プレートシステム10は、骨プレート20と、複数の固定要素100及び200と、少なくとも1つの骨プレートホールキャップ300とを含むことができる。本説明から、骨プレート20と骨プレートホールキャップ300との組み合わせが、特に、固定要素が、対応する貫通開口部30に取り付けられていない場合(図2)の骨プレート20に対して、増した強度を提供できることが理解されるであろう。
【0015】
図3を参照すると、骨プレートシステム10は、第1の骨又は部分12、及び第2の骨又は部分14に取り付けるように操作可能である。骨プレート20と骨プレートホールキャップ300との組み合わせは、骨の領域、例えば、関節線JLにわたって骨プレート20に増した強度を提供することができる。例えば、ねじが挿入されていない骨プレートの貫通開口部は、その位置において曲げには本質的に弱い。構造部材又は骨プレートホールキャップで貫通開口を充填することにより、骨プレートの貫通開口が空のままである場合と比較して、骨プレートホールキャップを有する骨プレートの曲げ強度を改善する、又は強化することができる。以下で更に説明するように、骨プレートホールキャップの構成は、追加の支点又は腱のテンショナー(tensioner)を提供することができる。いくつかの実施形態では、骨プレートホールキャップの構成は、軟組織への固定に用いられるアイレット(eyelet)、又は軟組織テープ用の「滑車支点」(”pulley fulcrum”)、及び所定の方向の引っ張り/ベクトルを提供することができる。
【0016】
図4及び図5を参照すると、骨プレート20は、第1の表面22と、骨係合表面等の第2の表面24とを有する本体21を備えることができる。第1の端部26は、第1の骨部分12(図3)に取り付けるように操作可能であり、第2の端部28は、第2の骨14(図3)に取り付けるように操作可能である。骨プレート20はまた、骨プレート20の第1の表面22から第2の表面24まで延びる1つ又は複数の貫通開口部30を含むことができる。骨プレート20は、骨プレート20の第1の表面26から第2の表面28まで延びる圧縮スロット等の1つ又は複数の貫通開口部45を含むことができる。貫通開口部30は、ねじ付き貫通孔であってもよく、類似的な構成であってもよい。貫通開口部30は、固定要素、例えば、骨スクリュー100(図3)を、第1の骨12(図3)、例えば、遠位骨、及び第2の骨14(図3)、例えば、近位骨に挿入するために用いることができる。少なくとも1つの貫通開口部30を使用して、固定要素、例えば、骨スクリュー100を第2の骨14(図3)、例えば、近位骨に挿入することができる。圧縮スロット45は、固定要素200の挿入を可能にすることができ、当該固定要素200は、遠位骨及び近位骨12(図3)が移動又は圧縮される間に、圧縮スロット45内で移動することができる。
【0017】
図6及び図7に示すように、骨プレート20は、骨プレート20の長さに沿って延びる湾曲した第2の表面24を有することができる。例えば、底面24は、それが取り付けられるべき骨皮質又は骨部分の自然な形状に適合するように構成することができる。他の実施形態では、骨プレートの第2の表面は平坦又は平面であってもよい。骨プレート20は、例えば、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム等の金属、又は、ポリマー、複合材料等を含むがこれらに限定されない生体適合性材料から作製されてもよい。
【0018】
再び図2を参照すると、骨スクリュー100は、近位部分102と遠位部分104とを有する細長い本体101を含むことができる。近位部分102は、遠位部分104の直径よりも大きいサイズの直径を有してもよい。例えば、遠位部分104は、骨プレート20の貫通開口部30を通過するようにサイズ設定された直径を有することができる。近位部分102は、骨プレート20の貫通開口部30とかみ合って係合するようにサイズ設定された直径を有することができる。近位部分102は、ねじ付き近位部分であってもよく、例えば、骨プレート20のねじ付き貫通開口部30とかみ合って係合するようにねじ込まれ、骨プレート20を患者の骨に固定する。遠位部分104は、ねじ付き遠位部分であってもよく、例えば、患者の骨に係合するようにねじ込まれ、骨プレート20を患者の骨に固定する。遠位部分104は、例えば、骨を保全するように構成され、又は、サイズ及び形状を設定することができる。いくつかの実施形態では、ねじ付き遠位部分104は、例えば、多孔質固定を提供するテクスチャー又はコーティングを有してもよい。近位部分102は、例えば、骨スクリュー100を挿入するか又は取り除くための六角ドライバーなどのツールと係合するための凹部又はドライブ特徴106を有することができる。
【0019】
骨スクリュー200は、近位部分202と遠位部分204とを有する細長い本体201を含むことができる。近位部分202は、遠位部分204の直径よりも大きいサイズの直径を有してもよい。例えば、遠位部分204は、骨プレート20の貫通開口部又は圧縮スロット45を通過するようにサイズ設定された直径を有することができる。近位部分202は、骨プレート20の圧縮スロット45とかみ合って係合するようにサイズ設定された直径を有することができる。近位部分202は、円錐台形の構成を有してもよく、骨プレート20の圧縮スロット45の部分とかみ合って係合するようにサイズ設定されている。遠位部分204は、ねじ付き遠位部分であってもよく、例えば、患者の骨に係合して骨プレート20を患者の骨に固定するようにねじ込まれる。遠位部分204は、例えば、骨を保全するように構成され、又は、サイズ及び形状を設定することができる。いくつかの実施形態では、ねじ付き遠位部分204は、例えば、多孔質固定を提供するテクスチャー又はコーティングを有してもよい。骨スクリュー200の近位部分202は、例えば、骨スクリュー200を挿入するか又は取り除くための六角ドライバーなどのツールと係合するための凹部又はドライブ特徴206を有することができる。骨スクリュー100及び骨スクリュー200は、例えば、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム等の金属、又は他の適切な材料等を含むがこれらに限定されない生体適合性材料から作製されてもよい。
【0020】
図8乃至図12は、骨プレートホールキャップ300を示し、骨プレートホールキャップ300は、第1の表面322と第2の表面324とを有する本体301と、骨プレートホールキャップ300の第1の表面322と第2の表面324との間に配置された周面326とを含むことができる。周面326は、骨プレート20(図2)の複数の貫通開口部30(図2)のうちの1つに拘束されるか又は固定されるようにサイズ設定することができる。周面326は、骨プレート20の貫通開口部30とかみ合って係合するようにサイズ設定することができる。例えば、周面326は、例えば、骨プレート20のねじ付き貫通開口部30とかみ合って係合するねじ付き周面であってもよい。骨プレートホールキャップ300は、骨プレートホールキャップ300の本体301の第1の表面322から骨プレートホールキャップ300の本体301の第2の表面324まで延びる貫通開口330を含むことができる。本体301の貫通開口330は、例えば、骨プレートホールキャップ300を骨プレート20(図2)に挿入するか又は取り除くための六角ドライバーなどのツールと係合するためのドライブ特徴を有することができる。例えば、図11に示すように、骨プレートホールキャップ300は中実のブランクディスクにより形成することができる。本体301の貫通開口330は、ドリルで直径D1を有する6つの穴を開け、次にドリルでディスクの中心に直径D2を有する穴をあけることによって形成することができる。
【0021】
図13及び図14を参照すると、いくつかの実施形態では、骨プレートホールキャップ300は、骨プレート20の複数の貫通開口部30(図13)のうちの少なくとも1つ内に固定及び/又は係止されることができる。例えば、骨プレート20の貫通開口部30(図13)は、骨プレート20の第1の表面22から第2の表面24までのテーパー状の構成を有することができる。骨プレートホールキャップ300の周面326(図13)は、骨プレートホールキャップ300の第1の面322から第2の面324までの、かみ合わせるテーパー状の外周構成を有することができる。骨プレートホールキャップ300のテーパー状の構成は、約2度から約10度、約4度から約8度、6度の角度A1で配置されてもよく、又は適切な角度で配置されてもよい。骨プレート20の貫通開口部30(図13)のテーパー状の構成は、約2度から約10度、約4度から約8度、6度の角度A2で配置されてもよく、又は適切な角度で配置されてもよい。骨プレートホールキャップ300は、骨プレートホールキャップ300の第1の表面322と第2の表面324との間において、第1の厚さT1(図13)を有してもよい。貫通開口部30の周りの骨プレート20は、骨プレート20の第1の表面22と第2の表面24との間において、第2の厚さT2(図13)を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の厚さT1(図13)は、第2の厚さT2(図13)と同じであってもよい。骨プレート20の他の貫通開口部30(図2)は同様に構成されてもよく、1つ以上の同様に構成された骨プレートホールキャップ300は、他の貫通開口部に取り付けられてもよいことが理解されるであろう。
【0022】
図14に示すように、骨プレートホールキャップ300が貫通開口部30内に固定及び/又は係止されたとき(図13)、骨プレートホールキャップ300の第2の表面324は、骨プレート20の第2の表面24に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、骨プレートホールキャップの第1の表面322は、骨プレート20の第1の表面22と整合することができる。
【0023】
図15乃至図17は、本開示の別の実施形態に係る骨プレートホールキャップ400を示している。骨プレートホールキャップ400は、骨プレートホールキャップ400の本体401が貫通開口を含まないことを除いて、骨プレートホールキャップ300(図8から図12)と基本的に同様である。例えば、本体401は、本体401の全厚を通って延在しない凹部又はキャビティ425を含むことができる。
【0024】
図18は、本開示の一実施形態による、骨プレートホールキャップ30(図8)の貫通開口330(図8)、又は、骨プレートホールキャップ400(図15)の凹部425(図15)内に受け入れ可能なカバー500を示す。例えば、カバー500は、軟組織ボタン又はカバーとして操作可能な本体501を含むことができる。カバー500は、上部502と下部504とを含むことができ、上部502と下部504とは、骨プレートホールキャップ30(図8)の貫通開口部33(図8)又は骨プレートホールキャップ400(図15)の凹部425(図15)に圧入されるようにサイズ設定することができる。他の実施形態では、カバー500は、スナップ嵌め方式、又は他の適切な接続で骨プレートホールキャップに取り付けることができる。カバー500の第1の表面522は、骨プレートホールキャップ30(図8)の第1の表面322(図8)又は骨プレートホールキャップ400の第1の表面422(図15)と整合可能であってもよい。上部502は、中実のカバーであってもよく、軟組織又は腱に取り付けるための1つ又は複数の縫合糸550を用いて操作可能な1つ又は複数のホール505を含んでもよい。他の実施形態では、カバーの本体のホールは、楕円形、スロット、又は他の適切な構成であってもよい。カバーは、バイオポリマー材料、金属、又は他の適切な材料であってもよい。カバーは、骨プレートホールキャップを形成するために使用される材料よりも柔らかい材料により形成することができる。再び図8を参照すると、他の実施形態では、骨プレートホールキャップ300は、軟組織又は腱に取り付けるために、1つ又は複数の縫合糸(図示せず)を用いて操作可能な1つ又は複数のホール又は通路360を含んでもよい。例えば、ホール360は、第1の表面322から貫通開口330を画定する内面332まで延在することができる。外科医は、1つ以上の縫合糸で使用する所望のホール又は通路を選択できるように、第1の表面の周りに他のホール又は通路を設けることもできることを理解されたい。
【0025】
図19は、本開示の別の実施形態に係る、骨プレートホールキャップ600を示す。骨プレートホールキャップ600は、骨プレートホールキャップ400の本体601が雄型ドライブツールを受け入れるように構成されていなく、代わりに、雌型ソケットドライブを受け入れるように構成されていることを除いて、骨プレートホールキャップ400(図8から図12)と基本的に同様である。例えば、本体601は、突起640、例えば、六角形の突起などを含む凹部625を有することができる。突起640は、軟組織又は腱に取り付けるためのホール又は通路645を有することができる。適切なカバー(図示せず)は、骨プレートホールキャップ600の本体601の凹部625を覆うように構成することができる。カバーは、バイオポリマー材料、金属、又は他の適切な材料であってもよい。カバーは、骨プレートホールキャップを形成するために使用される材料よりも柔らかい材料により形成することができる。
【0026】
図20及び図21は、本開示の一実施形態に係る別の骨プレートシステム11を示す。例えば、骨プレートシステム11は、骨プレート20(その一部のみが示されている)と、複数の固定要素100(そのうちの2つのみが示されている)と、少なくとも1つの骨プレートホールキャップ700とを含むことができる。本説明から、骨プレート20と骨プレートホールキャップ700との組み合わせは、特に固定要素が、対応する貫通開口部30に取り付けられていない場合(図21)に、骨プレート20に増した強度を提供できることが理解されるであろう。更に、骨プレートホールキャップ700は、ボタン部750、及び取り付け部710を含むことができる(図21)。例えば、ボタン部750は、骨プレートホールキャップ700上で進行/動作する可能性がある腱又は他の軟組織からの刺激及び摩耗から守るように動作可能である。
【0027】
図22乃至図26は、骨プレートホールキャップ700を示している。骨プレートホールキャップ700は、外側に延びる第1の表面722と、第2の表面724と、骨プレートホールキャップ700の第1の表面722と第2の表面724との間に配置された周面726とを有する本体701を備えることができる。周面726は、骨プレート20(図21)の貫通開口部30(図21)の1つ内に拘束されるか又は固定されるようにサイズ設定することができる。例えば、周面726は、骨プレート20(図21)の貫通開口部30(図21)とかみ合って係合するようにサイズ設定することができる。周面726はまた、骨プレート20(図21)のネジ付き貫通開口部30(図21)とかみ合って係合するネジ付き周面であってもよい。第1の表面722は、第1の表面722が骨プレート20(図20)の第1の表面22(図20)の上に延在するように、凸面のようにわずかに湾曲していてもよい。骨プレートホールキャップ700は、骨プレートホールキャップ700の本体701の第2の表面722内に延在するキャビティ又は凹部725(図23及び図26)を含むことができる。本体701のキャビティ又は凹部725(図23及び図26)は、例えば、骨プレートホールキャップ700を骨プレート20に挿入するか又は骨プレート20から取り除くための六角ドライブなどのツールと係合するためのドライブ特徴を有することができる(図21)。
【0028】
いくつかの実施形態では、取り付け部710(図21)は、骨プレートホールキャップ300(図8)の本体301(図8)と基本的に同じように構成及び形成することができる。いくつかの実施形態では、ボタン部750(図21)及び取り付け部710(図21)は、別々に形成されて、一緒に取り付けられてもよい。
【0029】
図27は、本開示の一実施形態に係る別の骨プレートシステム15を示す。例えば、骨プレートシステム15は、骨プレート20と、複数の固定要素100及び200と、少なくとも1つの骨プレートホールキャップ800とを含むことができる。本説明から、骨プレート20と骨プレートホールキャップ800との組み合わせは、特に固定要素が、対応する貫通開口部に取り付けられていない場合に、骨プレート20に増した強度を提供できることが理解されるであろう。更に、骨プレートホールキャップ800は、ボタン部850及び取り付け部(図27には図示せず)を含むことができる。例えば、ボタン部850は、骨プレートホールキャップ800上で進行/動作する可能性がある腱又は他の軟組織からの刺激及び摩耗から守るように動作可能である。図示された本実施形態では、骨プレートホールキャップ800は、骨プレートホールキャップ700(図20)のボタン部750(図20)と比較して、骨プレートホールキャップ800のボタン部850がより大きい、又はより高いプロフィールを有し得ることを除いて、骨プレートホールキャップ700(図20)と基本的に同じである。より高いボタン部は、ボタン部850を横切る腱に張力を加えて、その領域の軟組織の安定性を高めるように動作可能である。
【0030】
いくつかの実施形態では、取り付け部は、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム等の金属から形成されてもよく、ボタン部は、PEEK又はPE材料等のポリマーなどのより柔らかい材料により形成されてもよい。他の実施形態では、骨プレートホールキャップ700は、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム等の金属、PEEK、PE等のポリマー、又は複合材料、及び/又はそれらの組み合わせから形成されたモノリシック、一体型、及び/又は単一物品構造であってもよい。
【0031】
図28は、本開示の別の実施形態に係る骨プレートホールキャップ900を示す。骨プレートホールキャップ900は、前述した複数の骨プレートホールキャップと基本的に同じであってもよいが、ただし、骨プレートホールキャップ900の本体901が、張力特徴又は巻き上げ特徴950、例えば、縫合糸975に取り付け可能なラチェット機構を含むことができる点で前述した複数の骨プレートホールキャップと異なる。いくつかの実施形態では、ラチェットアセンブリは、骨プレートホールキャップ900の本体の貫通開口又はキャビティ内に設置してもよく、又は骨プレートホールキャップ900の貫通開口又はキャビティに取り付けられるカバーに統合してもよい。
【0032】
図29は、本開示の別の実施形態に係る骨プレートシステム19を示す。例えば、骨プレートシステム19は、骨プレート20と、複数の固定要素100及び200と、複数の骨プレートホールキャップ300とを含むことができる。本説明から、骨プレート20と骨プレートホールキャップ300との組み合わせは、特に固定要素が、対応する貫通開口部30内に設置されていない場合に、骨プレート20に増した強度を提供できることが理解されるであろう。
【0033】
本明細書の説明から、骨プレートホールキャップの様々な実施形態は、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム等の金属、PEEK、PE等のポリマー、又は複合材料、及び/又はそれらの組み合わせから形成されてもよいことが理解されるであろう。
【0034】
骨プレートホールキャップは、異なる取り付け手段を使用して、骨プレートの貫通開口部内に動作可能に固定及び/又は係止され得ることが理解されるであろう。例えば、骨プレートホールキャップは、締まり嵌め、カムロック構成、キーロック構成、又は他の適切な方法を使用して、骨プレートの貫通開口部内に動作可能に固定及び/又は係止することができる。いくつかの実施形態では、骨プレートホールキャップは、骨プレートよりも薄いサイズであってもよく、第1の表面と骨係合表面との間の貫通開口部に固定又は係止されるように構成することができる。
【0035】
図30は、本開示の別の実施形態に係る外科的方法1000を示す。本開示の骨プレートシステムを使用する外科的方法1000は、骨固定、例えば、患者の腕、手、脚、又は足の骨固定の達成、及び/又は固定のための関節の準備に適用可能である。方法1000は、例えば、1100において、第1の表面と、第2の表面と、第1の表面から第2の表面まで延びる複数の貫通開口部とを有する骨プレートを提供することと、1200において、骨プレートホールキャップであって、第1の表面と、第2の表面と、前記骨プレートホールキャップの第1の表面と第2の表面との間に延在する周面とを有する、前記骨プレートホールキャップを提供することと、1300において、骨プレートホールキャップを、骨プレートの複数の貫通開口部のうちの1つ内に選択的に固定することと、1400において、骨にアクセスすることと、1500において、骨プレートホールキャップを骨の外面に隣接させ、骨プレートホールキャップが関節線上に配置されるように、骨プレートを選択的に位置決めすることと、1600において、骨プレートの他の複数の貫通開口部のいくつかを通って延びる複数の固定要素を用いて、骨プレートを骨に固定することと、を含み、少なくとも複数の貫通開口部のうちの1つに骨プレートホールキャップを有する骨プレートは、関節線に隣接して固定された、骨プレートホールキャップのない骨プレートと比較して、関節線に隣接して固定された骨プレートの曲げ強度を増加させる。
【0036】
この方法は、例えば、一時固定ピン、オリーブワイヤ、k-ワイヤなどを挿入して、骨プレートを遠位骨及び近位骨の所定の位置に保持することを更に含むことができる。そして、医師は、蛍光透視法を利用して、骨プレートが遠位骨及び近位骨上に所望の位置に配置されていることを確認することができる。
【0037】
図31は、本開示の一実施形態に係る別の骨プレートホールキャップ1700を示す。骨プレートホールキャップ1700は、本体1701を有し、本体1701は、第1の表面1722及び第2の表面1724と、内面1732と、第1の表面1722と第2の表面1724との間に、骨プレートホールキャップ1700の内面1732の反対側(例えば、内側ではなく外側)に配置された周面1726とを含むことができる。周面1726は、1つ又は複数の貫通開口部(例えば、骨プレート20(図2)に示された貫通開口部30)内に拘束されるか又は固定されるようなサイズ設定することができる。更に、周面1726は、骨プレート20の貫通開口部30とかみ合って係合するように(少なくとも図2を参照して示され、説明されるように)サイズ設定されてもよい。例えば、周面1726は、骨プレート20のねじ付き貫通開口部30とかみ合って係合するねじ付き周面であってもよい。骨プレートホールキャップ1700は、貫通開口1730を含むことができ、貫通開口1730は、骨プレートホールキャップ1700の本体1701の第1の表面1722から骨プレートホールキャップ1700の本体1701の第2の表面1724まで、内面1732に沿って延びる。本体1701の貫通開口1730は、例えば、骨プレートホールキャップ1700を、骨プレート20(図2)に挿入するか、又は骨プレート20(図2)から取り除くためのツール(例えば、六角ドライブ、トルクス(Torx,登録商標)ドライブなど)と係合するためのドライブ特徴を有してもよい。例えば、図11に示されるように、骨プレートホールキャップ1700は中実のブランクディスクにより形成することができる。本体1701の貫通開口1730は、ドリルで直径D1を有する6つの穴を開け、次にドリルでディスクの中心に直径D2を有する穴をあけることによって形成することができる。
【0038】
骨プレートホールキャップ1700は、横断部材1740を含むように更に示されている。横断部材1740は、内面1732の第1の部分から、第1の部分から貫通開口1730の実質的に反対側にある、内面1732の第2の部分まで延在し、貫通開口1730を直径方向に横切って延在するように示されている。縫合糸及び/又は縫合テープ(例えば、本明細書で前において説明したもの)は、骨プレートホールキャップと解放可能に結合されるように(例えば、通す)、横断部材1740に対して下方向に通され、貫通開口1730内で横断部材1740の下を通過し、その後、横断部材1740に対して上方向に通されてもよい。横断部材1740は、骨プレートホールキャップ1700の第1の表面1722と同じ高さに(又は、上方向若しくは下方向に僅かにオフセットするように)配置されるように示されている。
【0039】
いくつかの実施形態では、骨プレートホールキャップ1700が複数の横断部材を含み得ることが考えられる。貫通開口1730に隣接して及び/又は横切って配置された横断部材1740と同様及び/又は類似である(例えば、相互に垂直であってもよく、60度ごとなどの様々な間隔で離間されていてもよく、貫通開口部1730の内面1732の周りに不均一に離間されていてもよい)。横断部材1740はまた、横断部材1740に対して斜め又は直交する角度でそこから延びる1つ又は複数の突起を有するように構成されてもよい(そのうちのいくつかは、内面1732と接触して、又は開口部1730内/隣接して終了してもよい)。いくつかの実施形態では、横断部材1740は、骨プレートホールキャップ1700を操作するための従来のドライブ器具(例えば、六角、トルクスなど)を実装できるように配置することができる。いくつかの実施形態では、横断部材1740及び骨プレートホールキャップ1700の特定の形状に適合するドライブ特徴を備えた器具が、外科用キットの一部として提供することができる。図31に示すように、横断部材1740は、横断部材1740の上部に配置された平坦部を備えた実質的に円筒形の形状を有するように示されている。いくつかの実施形態では、横断部材1740は、実質的に円筒形の形状の周りに配置された1つ又は複数のフラットを含むことができる。更に、横断部材1740はまた、いくつかの実施形態では、代替の幾何学形状(例えば、六角形、八角形、対称的幾何形状、非対称的幾何形状など)を有してもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、横断部材1740は、骨プレートホールキャップ1700の本体1701の内面1732と一体であってもよい。更に、いくつかの実施形態では、横断部材1740は、骨プレートホールキャップ1700の本体1701の内面1732と結合されてもよい。横断部材1740はまた、図31に示される静的構成とは対照的に、動的構成を有してもよい。例えば、横断部材1740は、本体1701の内面1732の1つ又は複数の部分に固定及び/又は結合されながら、その長手方向軸の周りを回転するように構成することができる。このような動的構成は、横断部材1740と接触している間の縫合糸の動きが、横断部材1740をその長手方向軸を中心に回転させて、横断部材1740の下に/横断部材を通して縫合糸を通すことに適応することができる。
【0041】
ここで図32を参照すると、本開示の一態様に係る別の骨プレートホールキャップ1800が示されている。骨プレートホールキャップ1800は本体1801を有し、本体1801は、第1の表面1822及び第2の表面1824と、内面1832と、第1の表面1822と第2の表面1824との間に、骨プレートホールキャップ1800の内面1832の反対側(例えば、内側ではなく外側)に配置された周面1826とを含むことができる。周面1826は、1つ又は複数の貫通開口部(例えば、骨プレート20(図2)に示された貫通開口部30)内に拘束されるか又は固定されるようなサイズ設定することができる。更に、周面1826は、骨プレート20の貫通開口部30とかみ合って係合するように(少なくとも図2を参照して示され、説明されるように)サイズ設定されてもよい。例えば、周面1826は、骨プレート20のねじ付き貫通開口部30とかみ合って係合するねじ付き周面であってもよい。骨プレートホールキャップ1800は、貫通開口1830を含むことができ、貫通開口1830は、骨プレートホールキャップ1800の本体1801の第1の表面1822から骨プレートホールキャップ1800の本体1801の第2の表面1824まで、内面1832に沿って延びる。本体1801の貫通開口1830は、例えば、骨プレートホールキャップ1800を、骨プレート20(図2)に挿入するか、又は骨プレート20(図2)から取り除くためのツール(例えば、六角ドライブ、トルクス(Torx,登録商標)ドライブなど)と係合するためのドライブ特徴を有してもよい。例えば、図11に示されるように、骨プレートホールキャップ1800は中実のブランクディスクにより形成することができる。本体1801の貫通開口1830は、ドリルで直径D1を有する6つの穴を開け、次にドリルでディスクの中心に直径D2を有する穴をあけることによって形成することができる。
【0042】
骨プレートホールキャップ1800は、ピボット部材(pivot member)1840を含むように更に示されている。 図32に示されるように、ピボット部材1840は、貫通開口1830から上方向に延び、実質的に半球又は弓形の形状を有する。いくつかの実施形態では、ピボット部材1840は、実質的に半球又は弓形の形状を有し、その一部は、貫通開口1830内に配置されている。代替の実施形態では、ピボット部材1840は、本明細書に示され、説明されたもの以外の1つ又は複数の形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、骨プレートホールキャップ1800は、ピボット部材1840へのアクセス及びピボット部材1840の操作を容易にするように(例えば、位置決め、縫合糸の通しなど)、骨プレートホールキャップ1800の周面1826上に配置された1つ又は複数のアクセスポイント又は開口部を有してもよい。ピボット部材1840は、貫通開口1830内に配置され、貫通開口1830の大部分を占めるように示されている。ピボット部材1840は、ピボット部材1840が骨プレートホールキャップ1800の本体1801とは独立して動くことができる(例えば、旋回、回転などが可能である)ように、骨プレートホールキャップ1800の本体1801の内面1832に解放可能、回転可能、及び/又は旋回可能に結合することができる。ピボット部材1840は更に、ピボット部材1840の外面の第1の部分から、外面の第2の部分まで延びる穿孔1842を含むように示されている。穿孔1842を通って流体連通を形成することができる。図32に示されるように、穿孔1842は、ピボット部材1840を通って実質的に接線方向に(例えば、直径方向ではなく)延在するが、別の実施形態では、ピボット部材1840に対して他の構成を有することができる(例えば、直径方向に、線形的又は非線形的、対称的又は非対称的な経路に沿って延びる)。穿孔1842は、骨プレートホールキャップ1800を上記縫合糸と解放可能に結合するように、本明細書で先に示されて説明されたような縫合糸又は縫合テープが穿孔1842内に通す(例えば、受け入れる、通過されるなど)ことができるように構成される。通す/結合するとき、ピボット部材1840は、通す縫合糸に対する骨プレートホールキャップ1800の自由回転を可能にする。このような自由回転は、移植を容易にすることができる。例えば、骨プレートホールキャップ1800の1つ又は複数のねじ山を、本明細書で先に示されて説明されたような骨プレートの相補的なねじ山と係合させる。いくつかの実施形態では、縫合糸が患者の骨及び/又は骨プレートに隣接して配置されるように、ピボット部材1840は、縫合糸がピボットの開口部の外面を通過し、下方向において貫通開口部1830を通すように構成されてもよい。ピボット部材1840は、骨プレートホールキャップ1800の第1の表面1822と同じ高さに(又は、上方向又は下方向において僅かにオフセットするように)配置することができる。いくつかの実施形態では、ピボット部材1840の大部分は、貫通開口1830内でピボット部材1840の自由回転が許容されるように貫通開口1830内に封入されてもよい(貫通開口部1830は、ソケット又は他の同様の保持空間/キャビティとして機能することができる)。いくつかの実施形態では、ピボット部材1840は、骨プレートホールキャップ1800を操作するための従来のドライブ器具(例えば、六角、トルクスなど)が実装できるように配置することができる。いくつかの実施形態では、ピボット部材1840及び骨プレートホールキャップ1800の特定の形状に適合するドライブ特徴を備えた器具が、外科用キットの一部として提供することができる。
【0043】
ここで、図33から図34を参照すると、本開示の一態様に係る、骨プレート1920及び別の骨プレートホールキャップ1900を含む骨プレートシステム1910が示されている。骨プレートホールキャップ1900は本体1901を有し、本体1901は、第1の表面1922及び第2の表面1924と、内面1932と、第1の表面1922と第2の表面1924との間に、骨プレートホールキャップ1900の内面1932の反対側(例えば、内側ではなく外側)に配置された周面1926とを含むことができる。周面1926は、1つ又は複数の貫通開口部(例えば、骨プレート20(図2)に示された貫通開口部30)内に拘束されるか又は固定されるようなサイズ設定することができる。更に、周面1926は、骨プレート20の貫通開口部30とかみ合って係合するように(少なくとも図2を参照して示され、説明されるように)サイズ設定されてもよい。例えば、周面1926は、骨プレート20のねじ付き貫通開口部30とかみ合って係合するねじ付き周面であってもよい。骨プレートホールキャップ1900は、貫通開口1930を含むことができ、貫通開口1930は、骨プレートホールキャップ1900の本体1901の第1の表面1922から骨プレートホールキャップ1900の本体1901の第2の表面1924まで、内面1932に沿って延びる。本体1901の貫通開口1930は、例えば、骨プレートホールキャップ1900を、骨プレート20(図2)に挿入するか、又は骨プレート20(図2)から取り除くためのツール(例えば、六角ドライブ、トルクス(Torx,登録商標)ドライブなど)と係合するためのドライブ特徴を有してもよい。例えば、図11に示されるように、骨プレートホールキャップ1900は中実のブランクディスクにより形成することができる。本体1901の貫通開口1930は、ドリルで直径D1を有する6つの穴を開け、次にドリルでディスクの中心に直径D2を有する穴をあけることによって形成することができる。
【0044】
骨プレートホールキャップ1900は、骨プレート1920と解放可能に結合されるように示され、骨プレート1920は、骨プレート20、及び/又は本明細書に示され、説明された他の骨プレートと同様及び/又は類似であってもよい。骨プレートホールキャップ1900の周面1926は、周面1926の周りに円周方向に配置されたねじ山を含むように示され、前記ねじ山は、骨プレート1920の相補的な開口部内に配置された相補的なねじ山1921と係合する。骨プレートシステム1900は、骨プレートホールキャップ1900に対して下方に配置された弾性部材1940を含むように更に示されている。いくつかの実施形態では、弾性部材1940は、ニチノール又は形状記憶特性を有することが知られている他の材料により構成することができる。弾性部材1940は、骨プレートホールキャップ1900(例えば、第2の表面1924)及び/又は骨プレート1920の一部と(解放可能に又は他の方法で)結合することができる。更に、弾性部材1940は、圧入構成を有するように構成することもできる。いくつかの実施形態では、弾性部材1940は、骨プレートホールキャップ1900及び/又は骨プレート1920との係合及び/又は結合を容易にするように構成されたねじ切り及び/又は他の係合特徴を含むことができる。弾性部材1940は、実質的に円筒形の形状を有するように示されている。いくつかの実施形態では、例えば、図33から図34に示すように、弾性部材1940は、垂直方向寸法よりも大きい横方法寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、弾性部材1940は、骨プレートホールキャップ1900の貫通開口1930と同様又は類似の形状及び寸法を有する貫通開口を含むことができる。弾性部材1940は、骨プレートホールキャップ1900の第2の表面1924と同じ高さに(又は、上方向又は下方向において僅かにオフセットするように)配置することができる。いくつかの実施形態では、弾性部材1940は、骨プレートホールキャップ1900を操作(例えば、移植、除去など)するための従来のドライブ器具(例えば、六角、トルクスなど)が実装できるように配置することができる。いくつかの実施形態では、弾性部材1940及び骨プレートホールキャップ1900の特定の形状に適合するドライブ特徴を備えた器具が、外科用キットの一部として提供することができる。
【0045】
骨プレートホールキャップ1700、1800、1900(及び骨プレートシステム1910の1つ又は複数の構成要素)は、(例えば、互換性/相互互換性を有するように)1つ又は複数の、前に示され説明されたシステム及び/又はその構成要素と併せて実装することができる。例えば、骨プレートホールキャップ1700、1800、1900(又は、いくつかの態様では、骨プレートホールキャップ1700、1800、1900のうちの1つ又は複数)は、骨プレートシステム10及び/又は他の類似的な骨プレートシステムと併せて実装することができる。例えば、骨プレート20は、骨プレートホールキャップ1700、1800、1900、並びに様々な貫通開口部30内に配置された弾性部材1940と併せて実装することができる。更に、骨プレートホールキャップ1700、1800、1900は、様々な縫合糸、縫合テープ、又は外科処置及び軟組織固定処置方法で一般的に使用される他の類似的な構成要素と適合することができる。
【0046】
本明細書から、少なくとも1つの骨プレートホールキャップを使用する骨プレートホールキャップ及び骨プレートシステムは、以下の利点を提供できることが理解されるであろう、すなわち、関節線上、例えば、高い屈曲状況にある骨プレートの強度を高めることができることと、腱の支点又はインプラント後の張力手段(tensioning means)を提供し、軟組織に優しいボタン/カバーを提供することと、軟組織の調整及び取り付けのために縫合糸/テープを取り付けるための補助手段、例えば、骨プレートのホールに取り付ける縫合糸アンカーを提供することとの利点を含む。更に、骨プレートの1つ又は複数の貫通開口部を充填又は占有する本開示の技術は、骨プレートを骨に取り付けるために使用されない貫通開口部への骨の成長を抑制することができる。
【0047】
本明細書の教示に基づいて当業者によって認識され得るように、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の上記及び他の実施形態に対して多数の変更及び修正を行うことができる。本明細書の教示に基づいて当業者によって認識され得るように、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の上記及び他の実施形態に対して多数の変更及び修正を行うことができる。添付の要約及び図面を含む明細書に開示されているインプラントの構成要素は、代替の構成要素又は特徴、例えば、当業者に知られているのと同じ、同等又は類似の目的を果たし、そのような代替な構成要素又は特徴によって、意図された目的のために同様な機能を提供する、別の実施形態で開示されたものなどに置き換えることができる。更に、インプラントは、本明細書で説明及び図示した実施形態よりも多い又は少ない構成要素又は特徴を含むことができる。したがって、現在好ましい実施形態のこの詳細な説明は、本開示を限定するものではなく、例示として解釈されるべきである。
【0048】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、開示を限定することを意図していない。本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形も含むことを意図している。更に、用語「備える(comprise)」(及び「備える(comprise)」の任意の形態、例えば、「comprises」及び「comprising」)と、用語「有する(have)」及び「有する(have)の任意の形態、例えば、「has」及び「having」)と、用語「含む(include)」及び「含む(include)の任意の形態、例えば、「includes」及び「including」)と、用語「包含する(contain)」及び「包含する(contain)」の任意の形態、例えば、「contains」及び「containing」)とは、制限のない連結詞(open-ended linking verbs)である。したがって、1つ又は複数のステップ又は要素を「備える」、「有する」、「含む」、又は「包含する」方法又はデバイスは、それらの1つ又は複数のステップ又は要素を有するが、これらの1つ又は複数のステップ又は要素のみを有することには限定されない。同様に、1つ又は複数の特徴を「備える」、「有する」、「含む」、又は「含有する」、方法のステップ又はデバイスの要素は、それらの1つ又は複数の特徴を有するが、それらの1つ又は複数の特徴のみを有することには限定されない。更に、特定の方法で構成されたデバイス又は構造は、少なくともその方法で構成されるが、リストされていない方法で構成することもできる。
【0049】
本開示は、好ましい実施形態を参照して説明された。本明細書で説明された構築的及び動作的な実施形態は、同様な一般的な特徴、特性、及び一般的なシステム動作を提供する複数の可能な構成の例示であることを理解されたい。他の人は、前述した詳細な説明を読んで理解することで、変更や変更を思いつくでしょう。本開示は、そのような全ての修正及び変更を含むものと解釈されることを意図している。
図1
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【国際調査報告】