(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(54)【発明の名称】中に懸濁された審美的設計を有する液体組成物の保管に適合されたボトル
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20230327BHJP
A61K 8/04 20060101ALI20230327BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230327BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20230327BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20230327BHJP
A61K 8/9706 20170101ALI20230327BHJP
A61K 8/99 20170101ALI20230327BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20230327BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20230327BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
B65D83/00 K
A61K8/04
A61K8/34
A61K8/81
A61K8/73
A61K8/9706
A61K8/99
A61K8/9789
A61K8/19
A61Q5/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548390
(86)(22)【出願日】2021-02-12
(85)【翻訳文提出日】2022-08-09
(86)【国際出願番号】 US2021070145
(87)【国際公開番号】W WO2021163728
(87)【国際公開日】2021-08-19
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ バルトルッチ
(72)【発明者】
【氏名】マーク アンソニー ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】エミリー ラオ ヒッキー
【テーマコード(参考)】
3E014
4C083
【Fターム(参考)】
3E014PA03
3E014PB08
3E014PC03
3E014PD12
3E014PD13
3E014PF10
4C083AA031
4C083AA111
4C083AB501
4C083AC071
4C083AD071
4C083AD091
4C083AD111
4C083AD241
4C083AD261
4C083AD301
4C083AD351
4C083AD371
4C083BB05
4C083BB07
4C083CC38
4C083DD05
4C083DD23
4C083DD39
4C083DD41
4C083DD47
4C083EE07
4C083EE50
(57)【要約】
包装がボトル、インサート、及びオーバーキャップを有する、液体美容製品中に懸濁された設計を維持するための方法及び包装。インサートは、輸送及び取り扱い後にポンプの浸漬チューブによって穿孔することができる、穿孔可能な膜を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装であって、
a.中空内部を画定するインサート壁と、開口部を画定するリップと、前記開口部の遠位にある穿孔可能な膜と、を備えるインサートと、
b.中空内部を画定するボトル、及び前記インサートの少なくとも一部分を前記中空内部内に受容可能である開口部を画定するネック部と、
c.前記ネック部に取り外し可能に固定されたオーバーキャップであって、前記インサートの前記中空内部内に受容可能であるプラグ部分を備える、オーバーキャップと、
を備える、包装。
【請求項2】
前記インサートが、インサート外壁及びインサート内壁を通って延びる1つ以上の孔、好ましくは2つ以上の孔、より好ましくは3つ以上の孔を更に備える、請求項1に記載の包装。
【請求項3】
前記プラグ部分が、前記孔を越えて延び、前記孔を封止する、請求項2に記載の包装。
【請求項4】
前記孔が、約0.001インチ(25.4μm)~約0.1インチ(2540μm)の直径、好ましくは約0.005インチ(127μm)~約0.06インチ(1524μm)の直径、より好ましくは約0.008インチ(203.2μm)~約0.04インチ(1016μm)の直径を有する、請求項2~3に記載の包装。
【請求項5】
前記プラグ部分が、中空内部と、キャップの遠位の端部にある穿孔可能な膜と、を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の包装。
【請求項6】
前記ボトルの少なくとも一部分が透明である、請求項1~5のいずれか一項に記載の包装。
【請求項7】
前記ボトルが、約200mL~約1500mL、好ましくは約300mL~約1000mL、より好ましくは約500mL~約1000mLの容積を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の包装。
【請求項8】
前記包装が、輸送及び取り扱いに適合されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の包装。
【請求項9】
液体組成物が、クレンジング相及び有益相を含み、前記クレンジング相と前記有益相とは、視覚的に個別の相であり、物理的に接触しており、前記ボトルの少なくとも一部分にわたって懸濁された審美的設計を形成する、請求項1~8のいずれか一項に記載の包装。
【請求項10】
前記有益相は、脂肪アルコールと、アニオン性、両性、双極イオン性、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される二次二次界面活性剤と、を含むゲルネットワークを備える、請求項9に記載の包装。
【請求項11】
前記クレンジング相はaを更に含み、前記クレンジング相は、ビニルポリマー、セルロース誘導体及び変性セルロースポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、カロブゴム、グアーガム、カラヤゴム、カラギーナン、ペクチン、寒天、マルメロ種子、デンプン、藻類コロイド、微生物学的ポリマー、デンプン系ポリマー、アルギン酸系ポリマー、アクリレートポリマー、無機水溶性物質、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構造化剤を更に含む、請求項9~10に記載の包装。
【請求項12】
前記設計が、輸送試験後に実質的に変化しない、請求項9~11に記載の包装。
【請求項13】
液体製品中の懸濁設計を保存するための方法であって、
a.請求項1に記載のボトルを提供し、
b.前記ボトルを液体美容ケア製品で、ヘッドスペースを有する目標充填レベルまで充填し、前記液体美容ケア製品中に設計を懸濁し、
c.請求項1に記載のインサートを前記開口部を通して前記中空内部内に、前記インサートが前記ネック部とスナップ嵌合するまで挿入し、前記インサートが孔を備え、
前記インサートが挿入された直後、前記ヘッドスペースが2%未満であり、
d.液体組成物の一部分が、前記孔を通って前記インサートの中空内部に入り、
e.請求項1に記載のオーバーキャップを取り付け、
前記設計が、輸送試験後に実質的に変化せず、前記ボトルが、保存された懸濁設計を含む前記液体製品を含む、
方法。
【請求項14】
前記インサートが挿入された直後、前記ボトルには、ヘッドスペースが実質的にない、又はヘッドスペースが全くない、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ボトルが、前記オーバーキャップの取り付け後に過圧力を有する、請求項13~14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中に懸濁された審美的設計を有する液体組成物の保管に適合されたボトル、より具体的には、インサートを含む輸送構成及びポンプを含む使用構成を有するボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の消費者は、効果的であり、かつ、店舗の棚及びウェブページ/アプリにおいて人目をひく外観を有する、美容ケア製品を望んでいる。いくつかの例では、人目をひく外観を有する美容ケア製品は、中に懸濁された、スワール又は他のパターンなどの審美的設計を有する透き通ったシャンプーであり得る。
【0003】
消費者はまた、ポンプディスペンサを備えた容器内に保管された美容ケア製品を望むことがある。ポンプディスペンサは、手頃な価格であり、分注される製品の量の制御を簡単にする。更に、ポンプは、美容ケア製品のための、特にシャワーの際に使用されるシャンプー製品、コンディショナー製品、及び/又はボディウォッシュ製品のための、消費者が好むオーバーボトル及びチューブであり得る。消費者は、より大きなボトル(例えば、≧300mL)のこれらの製品を購入する傾向があるが、これらのボトルは、消費者が片手のみで容器を握って保持しながら、製品を反対側の手に、あるいは反対側の手に保持しているスポンジ、シャワーパフ、ヘチマ、ウォシュクロス、又は他の洗浄器具に分注するので、ボトル又はチューブ中に包装されている場合にはシャワーの際に分注しづらいことがある。
【0004】
審美的設計が美容ケア製品中に懸濁されると、輸送、取り扱い、家庭での保管、保管施設、及び/又は店舗の棚を含む、流通チャネル全体を通して設計を保存することが困難になり得る。ヘッドスペースを含む容器内に存在する任意の空気、浸漬チューブ若しくはポンプ内に閉じ込められた空気、又は更には、容器が充填されるときに一般的に生じる小さな泡は、輸送及び取り扱い中に容器が傾いたとき、ひっくり返ったとき、及び/又は押し付けられたときに、設計を通って移動し、その一部分を壊滅させることがある。
【0005】
現在、特定のエアロゾル(化学推進剤の代わりに圧縮空気を使用するエアロゾルディスペンサを販売するAiropack(登録商標)(オランダ)から市販されている)及びエアレスポンプ(YONWOO(登録商標)(韓国仁川)からのUltra Jumboなど)など、シャンプー製品中に審美的設計を維持し得るバリア包装の解決策がある。しかしながら、バリア包装にはいくつかの欠点がある。第1に、エアロゾルディスペンサの使用は、個別のポンプとは対照的に、製品を連続的に分注するにつれて消費者の習慣の変化を必要とするので、この用途について消費者に好まれないことがある。また、エアロゾルは、各国固有の規制に準拠する必要がある。更に、エアロゾルの最大サイズは、最大ピストン直径によって制限され、Airopack(登録商標)では、容器の40%が、圧縮空気で充填されたデッドボリュームである。消費者は、比較的大量(例えば、≦300mL)のシャンプーを購入する傾向があるので、この体積を収容するAeropack(登録商標)ディスペンサは、人間工学的に使用が困難になる。YONWOOからのUltra Jumboは、最も大きなエアレスポンプである。しかしながら、最大サイズはわずか300mLであり、これは、300mL超のサイズに対する消費者の需要を満たさない。また、Ultra Jumboの充填プロセスは、スケールアップすることが困難であり、溢れやすい。更に、Ultra Jumboは、ヘッドスペース内のエアボイドに対して脆弱であり、これにより、シャンプー中に懸濁された設計が乱される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、輸送、取り扱い、及び/又は保管中に設計を中断することなく、懸濁された審美的設計を有する流動可能な液体美容ケア製品を保管するポンプディスペンサを備えた容器が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
包装であって、(a)中空内部を画定するインサート壁と、開口部を画定するリップと、開口部の遠位にある穿孔可能な膜と、を備えるインサートと、(b)中空内部を画定するボトル、及びインサートの少なくとも一部分を当該中空内部内に受容可能である開口部を画定するネック部と、(c)ネック部に取り外し可能に固定されたオーバーキャップであって、インサートの中空内部内に受容可能であるプラグ部分を備える、オーバーキャップと、を備える、包装。
【0008】
ポンプディスペンサであって、(a)中空内部を画定するインサート壁と、開口部を画定するリップと、開口部の遠位にある穿孔された膜と、を備えるインサートと、(b)中空内部を画定するボトル、及びインサートの少なくとも一部分を当該中空内部内に受容可能である開口部を画定するネック部と、(c)浸漬チューブ及びポンプアセンブリを備えるポンプであって、浸漬チューブは、ポンプアセンブリに流体接続されており、浸漬チューブは、インサートの中空内部内に受容可能であり、かつ穿孔された膜を通って延びている、ポンプと、を備える、ポンプディスペンサ。
【0009】
液体製品中の懸濁設計を保存するための方法であって、(a)中空内部を画定するボトル及び開口部を画定するネック部を提供し、(b)ボトルを液体美容ケア製品で、ヘッドスペースを有する目標充填レベルまで充填し、液体美容ケア製品中に設計を懸濁し、(c)インサートを開口部を通して中空内部内に、インサートがネック部とスナップ嵌合するまで挿入し、インサートが孔を備え、インサートが挿入された直後、ヘッドスペースが2%未満であり、液体組成物の一部分が、孔を通ってインサートの中空内部に入り、オーバーキャップをネック部に取り付け、オーバーキャップは、中空のインサート内部内に延び、孔を封止する、プラグ部分を備え、設計が、輸送試験後に実質的に変化せず、ボトルが、保存された懸濁設計を含む液体製品を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本特許又は出願書類には、カラーで現像された少なくとも1つの写真が含まれる。カラー写真を伴った本特許又は特許出願公開の複製は、要請があれば、必要な手数料を支払うことにより、特許庁より提供されるであろう。
【0011】
本明細書は、本発明の主題を具体的に指摘して明確に特許請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、添付図面と関連させた次の説明によってより容易に理解することができると考えられる。
【
図1A】中に懸濁された装飾を有する液体シャンプー製品を充填した直後の、ポンプを備えるボトルの写真である。
【
図1B】中に懸濁された装飾を有する液体シャンプー製品を充填した直後の、キャップクロージャを備えるボトルの写真である。
【
図1C】輸送試験(ISTA 6A)の後の、
図1Aのボトルの写真である。
【
図1D】輸送試験(ISTA 6A)の後の、
図1Bのボトルの写真である。
【
図2A】輸送構成における実施形態の斜視図である。
【
図4B】液体製品で充填されたボトルの断面図である。
【
図4C】インサートがボトルに部分的に配置された状態のボトルの断面図である。
【
図4D】インサートがボトルのネック部に配置されている、ボトルの断面図である。
【
図4E】オーバーキャップがボトル上にねじ込まれている状態(本明細書では輸送構成と呼ばれる)のボトルの断面図である。
【
図4F】オーバーキャップが除去され、浸漬チューブがインサート内へと部分的に配置されている、ボトルの断面図である。
【
図4G】ポンプがネック部の上部に組み付けられており、浸漬チューブが膜を穿孔した、ボトルの断面図である。
【
図4H】ポンプがボトルの上へとねじ込まれており、製品を使用する準備が整っている、ボトルの断面図である。
【
図5A】輸送構成における第2の実施形態の斜視図である。
【
図7B】液体製品で充填されたボトルの断面図である。
【
図7C】インサートがボトルに部分的に配置された状態のボトルの断面図である。
【
図7D】インサートがボトルのネック部に配置されている、ボトルの断面図である。
【
図7E】オーバーキャップがボトル上にねじ込まれた状態(本明細書では輸送構成と呼ばれる)のボトルの断面図である。
【
図7F】チューブがオーバーキャップの膜を穿孔し、インサート内へと部分的に配置された、ボトルの断面図である。
【
図7G】ポンプがオーバーキャップの上部に組み付けられており、浸漬チューブがインサートの膜を穿孔した、ボトルの断面図である。
【
図7H】ポンプがボトルの上へとねじ込まれており、製品を使用する準備が整っている、ボトルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ほとんどの液体美容製品は、かなりのヘッドスペースを有する容器で販売されている。輸送及び取り扱い中に、ヘッドスペースからの空気は液体製品を通って移動する。従来の液体美容製品では、製品が均一であるので、これは問題にならない。しかしながら、懸濁設計を有する製品では、ヘッドスペースからの空気が液体製品を通って移動し、設計が壊滅され、製品が汚く、かつ安っぽく見えるようになる。
【0013】
ヘッドスペースをなくす1つの方法は、ボトルを過充填することにより、特に高速包装設備では大規模に汚れ、無駄になることがある。ボトルが過充填されると、液体製品は、ボトル及び包装ライン上へと溢れ出る。全てを洗浄しなければならなくなり、泡立ったシャンプー及びボディウォッシュ、並びに/又はコンディショナーの残留物を除去することは困難である場合がある。あるいは、手でボトルを満たすことができるが、これは大規模の場合に実用的ではない。
【0014】
過充填されたボトルが実用的である場合であっても、ボトルがポンプを有するときに効果的ではないことが分かった。
図1Aは、中に懸濁された装飾を有する液体シャンプー製品を充填した直後の、ポンプを備えるボトルの写真である。ポンプが挿入されたときに、ヘッドスペースが実質的にないことを保証するために、このボトルは過充填されていた。
図1Bは、中に懸濁された装飾を有する液体シャンプー製品を充填した直後の、キャップクロージャを備えるボトルの写真である。
図1Aと同様に、
図2Aのボトルは過充填されており、したがって、ヘッドスペースが実質的になかった。
【0015】
図1A及び
図1Bのボトルを充填して閉じた後に、写真を撮影し、ISTA(登録商標)6Aの輸送試験の、試験ブロック2(衝撃-落下#1)、3(動荷重下での振動)、4(衝撃:第2のシーケンス(落下))にそれぞれ対応するシーケンス3、4、及び5(以下、「輸送試験」)をボトルに対して行った(ASTMセットアップを使用して、6-Amazon.com-Over Boxing(2018年4月)を実行した)。この試験は、電子商取引(e-Commerce)フルフィルメントの一般的なシミュレーション試験である。
【0016】
この試験を実施する前に、ポンプを備えるボトル(
図1A)とキャップを備えるボトル(
図1B)の両方における懸濁設計が輸送試験後に実質的に変化しないままであると仮定した。
図1C及び
図1Dは、それぞれ、
図1A及び
図1Bのボトルの輸送試験の直後に撮影された写真である。
図1Dは、
図1Bと同様に見える。しかしながら、
図1Cは、
図1Cとは非常に異なるように見える。
図1Cの丸で囲まれた領域に示されるように、懸濁設計は実質的に損傷している。このボトルが販売される場合、視覚的に魅力的であり、かつ高品質の効果的な製品を暗示することが想定される懸濁設計は、むしろ安っぽく見える。
【0017】
キャップを備えるボトル(
図1B及び
図1D)は、輸送試験中に空気が全く形成されず、したがって、懸濁設計は、輸送試験中、実質的に変化しない。しかしながら、輸送試験により、ポンプが存在する場合(
図1A及び
図1C)、ボトルが過充填されている、したがって、ヘッドスペースが実質的にないときでも、輸送中にボトルに空気が導入され得ることが証明された。気泡は液体製品を通って移動し、懸濁設計を混濁させ得るので、空気は問題となる。
【0018】
輸送試験により、ボトルがポンプによって閉じられている場合、直接消費者への又は小売業者へのいずれかの輸送及び取り扱い中に、ボトルが傾いたとき、ひっくり返ったとき、及び/又は押し付けられたときに、ポンプを通って空気がボトルに入ることが証明された。また、輸送試験により、輸送及び取り扱い中に空気が存在すると、設計を有意に混濁させ得ることが分かった。
【0019】
輸送中にボトルに入る空気の量を制限するために、ボトルのネック部とスナップ嵌合することができるインサート、及びオーバーキャップは、輸送中のボトル内の空気の量を低減できることが見出された。インサートの挿入直後、ボトルは、5%未満、あるいは3%未満、あるいは2%未満、あるいは1%未満、あるいは0.5%未満、あるいは0.2%未満のヘッドスペースを有する。いくつかの例では、インサートの挿入直後、ボトルには、ヘッドスペースが実質的にない、又は全くない。
【0020】
美容ケア製品内に閉じ込められる空気を全て低減することは困難である。充填後、典型的な美容ケア製品は、約4%の空気を有し、視覚的に識別できない極めて小さな泡内に閉じ込められることがある。シャンプーが典型的なボトル又はポンプに包装されている場合、経時的に、これらの泡が、ラプラス圧力に起因して結合して、より大きな泡になる。これらのより大きなボトルは、液体美容ケア製品の応力が空気と液体との間の密度差を支持するのに十分なほど高くない場合、最終的にヘッドスペースを生じる。したがって、液体美容ケア製品が、目に見える泡を含まずにボトルに包装されている場合でも、24~48時間以内にヘッドスペースが形成され得る。液体美容製品の降伏応力を増大させることにより、泡が小さい泡からより大きい泡へと、かつ、ヘッドスペースへと移行することを止めることができるが、高い降伏応力を有する製品は、展延性がより低く、かつ、分注が難しいことに起因して、消費者にはあまり受け入れられない。本明細書で論じるように、気泡、特に大きな気泡、及びヘッドスペースは、輸送及び取り扱い中に懸濁設計を壊滅させることがある。
【0021】
オーバーキャップがボトルのネック部にねじ込まれた、又はスナップ嵌合された場合、わずかな過圧力が存在し、それにより、降伏応力を損なうことなく、泡の移行を止めることが見出された。
【0022】
ボトルは、ISTA(登録商標)6Aのシーケンス番号1~5(6-Amazon.com-Over Boxing(2018年4月)、全ての試験についてASTMセットアップを使用)を実行した後に、懸濁設計が実質的に無傷である場合に、輸送試験に合格することができる。本明細書で使用するとき、「実質的に無傷」とは、肉眼(近視、遠視、若しくは乱視を補正するように適合された標準的な矯正レンズ、又は他の矯正視力を例外とする)のヒトの観察者が、標準的な100ワットの白熱電球の照度に少なくとも相当する照明の下で、およそ1フィート(0.30メートル)の距離から、懸濁設計が乱されている1つ以上の大きな領域を視覚的に識別できないことを意味する。
【0023】
いくつかの例では、パターン混濁は、液体美容製品の断面を取り、断面の何%が混濁されているかを判定することによって評価され得る。断面の面積の10%未満、あるいは7%未満、あるいは5%未満、あるいは3%未満、あるいは1%未満が混濁され得る。
【0024】
輸送及び取り扱いの後、オーバーキャップを除去することができ、インサートの膜を通してポンプを挿入することができる。
【0025】
図2A及び
図2Bは、中に懸濁された設計を有する液体製品の保管に適合されている包装90を示す。輸送構成では、
図2A及び
図2Bに示すように、包装90は、中空内部を画定するボトル110と、インサート10の少なくとも一部分を中空内部内に受容可能である開口部114と、を備えることができる。ボトルは、約200mL~約1500mL、あるいは約300mL~約1000mL、あるいは約500mL~1000mLの容積を有し得る。開口部114は、ポンプを使用して分注される製品での中空内部の充填を容易にするのに十分な大きさの幅(図示の例では、直径)を有し得る。そのような幅は、好ましくは、30ミリメートル以上かつ100ミリメートル以下、あるいは75mm以下、あるいは50mm以下、あるいは25mm以下である。インサート10は、ボトル110とスナップ嵌合することができ、具体的には、インサート10は、(
図4Dに示し、以下に説明するように)ネック部115の上縁部とスナップ嵌合するリップ17を有することができる。
【0026】
図2A及び
図2Bに示す輸送構成では、包装90は、オーバーキャップ50を含む。ボトル110の雄ねじ119を蓋51の雌ねじ59と対合させながら、蓋51をボトル110に対して回転させることによって、オーバーキャップ50を、ボトル110に取り外し可能に固定することができる。オーバーキャップ50は、蓋の下側に恒久的に接合され得るプラグ部分55を備える。
【0027】
インサート10は、中空内部と、プラグ部分55の少なくとも一部分をインサートの中空内部内に受容可能である開放端15と、を有することができる。プラグ部分55は、インサートの膜14及び基部まで全体的に延びていなくてもよい。プラグ部分55は、インサートの全ての孔12を覆うように延びることができる。プラグ14は、インサートの内側にシールを形成することができる。
【0028】
インサート10は、インサート外壁13からインサート内壁を貫通して延びる1つ以上の孔12を備えることができる。孔は、ボトルのネック部を通して挿入されると、液体製品がインサートの中空内部へと浸み込むことが可能になり、ボトルが溢れ、事実上ヘッドスペースがなくなることを防止する。一例では、孔の直径は、約0.001インチ(25.4μm)~約0.1インチ(2540μm)、あるいは約0.005インチ(127μm)~約0.06インチ(1524μm)、あるいは約0.008インチ(203.2μm)~約0.04インチ(1016μm)、あるいは約0.01インチ(254μm)~約0.02インチ(508μm)であり得る。孔の数、間隔、及び位置は変動させることができる。インサートは、1つの孔、あるいは約2個~約10個の孔、あるいは約2個~約7個の孔、あるいは約2個~約4個の孔を含むことができる。インサートは、
図2Bに示すように、片側に孔を有してもよく、又は、インサートは、インサートの外周の2つ以上の位置に孔を有してもよい。孔は、均等に離間していてもよく、又はランダムに離間していてもよい。
【0029】
図3A及び
図3Bは、包装から液体製品を分注するために使用することができるポンプ70を有する、包装90の使用構成を示している。ポンプ70は、浸漬チューブ72と、ポンプアセンブリ71と、を備えることができる。浸漬チューブ72とポンプアセンブリ71とは、ポンプディスペンサを形成するために組み付けられる別個の部品であってもよい。あるいは、浸漬チューブ72とポンプアセンブリ71とは、1つの部品であってもよい。
【0030】
図3A及び
図3Bに示す使用構成では、ポンプ70は、クロージャ73を含む。ボトル110の雄ねじ119をクロージャ73の雌ねじ79と対合させながら、蓋73をボトル110に対して回転させることによって、クロージャ73を、ボトル110に取り外し可能に固定することができる。
【0031】
図3A及び
図3Bに示した実施形態では、オーバーキャップは、ポンプが取り付けられる前に除去される。他の実施形態では、オーバーキャップは、浸漬チューブによって穿孔可能であってもよく、除去する必要がないことがある。ポンプは、エンドユーザによって組み付けられても、又は包装を店舗の棚に置く前に店舗で組み付けられもよい。あるいは、ポンプは再利用可能であってもよく、ユーザは、店舗で、ボトル、インサート、及びオーバーキャップを備え得る新しい包装を購入し、使用前に、再利用可能なポンプを取り付けることができる。
【0032】
インサート10は、中空内部を画定するインサート本体11と、ポンプ70の少なくとも一部分、具体的には浸漬チューブ72をインサートの中空内部内に受容可能である開放端15と、を備えることができる。挿入されると、浸漬チューブ72は、インサート本体11の底部に配置されたいくつかのリブ又はフィンを介して膜14と接触するように誘導される。この構成では、消費者は、ポンプ上の上部を押すことによって浸漬チューブに膜14を穿孔させ、それにより、浸漬チューブは、ボトルに保管された液体と流体連通することが可能になる。次いで、消費者はポンプをボトルに固定する。次いで、消費者は、アクチュエータ74をポンピングすることによって液体製品を放出することができる。膜14は、インサートの開放端15の遠位にあるインサート10の端部に配置され得る。
【0033】
ボトル110は、透明又は半透明であってもよく、それにより、ユーザは、ボトル110の外部から製品中に懸濁されている設計を見ることができる。あるいは、ボトル110は不透明であってもよく、任意選択で、消費者が懸濁設計を見ることができる1つ以上の透明又は不透明な窓を有してもよい。
【0034】
ボトル、オーバーキャップ、及びインサートは、同じ材料から作製されても、又は異なる材料から作製されてもよい。ボトル、インサート、及び任意選択でオーバーキャップを有することが望ましい場合があり、同じ材料又は材料の組み合わせから作製されてもよく、それにより、より容易にリサイクルすることができる。ボトル、インサート、及び/又はオーバーキャップは、ポリマー性によるものであってもよく、具体的には、実質的に又は全体的に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、及び/又はポリエチレンナフタレート(PEN)を含んでもよい。一例では、ボトルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)で作製することができ、インサート及びオーバーキャップは、ポリプロピレン(PP)で作製することができる。別の例では、ボトル、インサート、及び/又はオーバーキャップは、限定されないが、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、任意選択でテレフタル酸含量が高い脂肪族-芳香族コポリエステル、任意選択でテレフタル酸含量が高い芳香族コポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、熱可塑性デンプン(TPS)、及びこれらの混合物を含む持続可能な材料並びに/又は持続可能な材料と他の材料との組み合わせ及びブレンドから作製することができる。好適な材料は、同一出願人による米国特許第8,083,064号に開示されている。
【0035】
図4A~
図4Hは、
図2A、
図2B、
図3A、及び
図3Bに示した実施形態のための輸送構成及び使用構成を組み付ける工程を示す、包装又はその一部分の断面図である。工程は以下のとおりである。
【0036】
工程1:空のボトルを提供する。
図4Aは、中空内部111を有するボトル110の断面図である。
【0037】
工程2:液体製品で、空のボトルを目標充填体積まで充填する。
図4Bは、中空内部111が液体製品112で充填されている、ボトル110の断面図である。中空内部111は、液体製品112で完全には充填されておらず、したがって中空内部111はヘッドスペース113を有する。液体製品112は、中に懸濁された設計を含む。
【0038】
工程3:インサートをネック部を通して中空空洞に配置する。
図4Cは、インサート10がネック部115を通して中空内部111内に配置されている状態のボトル110の断面図である。
図4Cでは、インサート110は完全には挿入されておらず、製品112はヘッドスペース内へと移動し始める。
【0039】
工程4:ネック部にインサートを配置する。
図4Dは、インサート10がネック部115を通して中空内部111内に完全に挿入されている、ボトル110の断面図である。インサート10は、ボトル110とスナップ嵌合することができる。一例では、ネック部115は、ネック部115と係合するリップ17を含むインサート10と係合することができる。
図4Dに示すように、製品112は、この工程中に孔12を通ってインサートに入り、ボトル内のヘッドスペースを実質的になくすることができる。ヘッドスペースをなくすことは、液体製品中に懸濁された設計を気泡が壊滅させることを防止するために重要であり得る。
【0040】
工程5:オーバーキャップをボトルに取り付ける。
図4Eは、オーバーキャップ50がボトル110のネック部115に取り外し可能に固定されている状態のボトル110の断面図である。この構成では、プラグ部分55は、インサート10の中空内部11内へと延びている。プラグ部分55は、孔を越えて延び、液体製品がインサートの中空内部に入る又はそこから出ることを防止するシールを形成する。
図4Eは、輸送構成を示している。包装は、店舗に又は直接消費者に輸送されているときを含む運搬中、常に輸送構成とすることができる。工程1~4が正しくプリフォームされる場合、懸濁設計は、輸送試験後に実質的に無傷であり得る。
【0041】
工程6:オーバーキャップを除去し、インサートの中空空洞を通してポンプを挿入し始め、浸漬チューブが最初である。
図4Fでは、オーバーキャップが除去される。
図4Fは、インサート10を通して、ポンプ70が挿入され、浸漬チューブ72が最初であることを示している。
図4Fでは、膜14は、穿孔されていない。
【0042】
工程7:ポンプを挿入し続け、膜を穿孔する。
図4Gは、膜を穿孔した後のポンプ70を示している。
【0043】
工程8:クロージャをボトルに取り付け、その後、ポンプディスペンサ包装を初めて使用する準備が整う。
図4Hでは、クロージャ73がボトル110に固定されている。浸漬チューブ72は、ボトル110の基部の近くにあり、ディスペンサ包装90を初めて使用する準備が整っている。
【0044】
図4Iは、
図4Cに示す膜14の拡大断面図である。この例では、膜14は、膜がインサート上でボトルにある孔を完全に覆うことができるように、インサート10の底部に組み付けられている。膜は、アルミニウム箔で作製することができ、押し通し型ブリスター包装において使用されるものと同様の仕様を使用して、20マイクロメートルの硬質アルミニウム箔で作製することができる。接着剤又はヒートシールコーティング、あるいは既知の他の組み付け技術のいずれかを使用することによって、インサートに膜を組み付けることができる。ヒートシールが使用される場合、膜は、強力シールを促進する層を含むことができる。ヒートシール層は、低密度ポリエチレン(LDPE)を含むことができる。あるいは、膜は、容易に穿孔することができる他の材料で作製され得る。一例として、アルミニウムは、PET層で置換され得る。別の例では、膜は、射出成形によってインサートの直ぐ上にも形成され得る。更に別の例では、膜厚は0.3mmである。別の例では、膜は、穿刺力を減少させるために、その構造を弱めるいくつかのV字形の溝を有するように成形される。膜は、輸送試験に耐えることができる。
【0045】
図4Jは、
図4Gに示す膜の拡大断面図である。この例では、薄膜14は、ポンプの挿入中に浸漬チューブ72によって穿孔される。
【0046】
図5A及び
図5Bは、中に懸濁された設計を有する液体製品の保管に適合されている包装90’を示す。輸送構成では、
図2A及び
図2Bに示すように、包装90’は、中空内部を画定するボトル110’と、インサート10’の少なくとも一部分を中空内部内に受容可能である開口部114’と、を備えることができる。
【0047】
図5A及び
図5Bに示す輸送構成では、包装90’は、オーバーキャップ50’を含む。ボトル110’の雄ねじ119’を蓋51’の雌ねじ59’と対合させながら、蓋51’をボトル110’に対して回転させることによって、オーバーキャップ50’を、ボトル110’に取り外し可能に固定することができる。オーバーキャップ50’は、蓋の下側に恒久的に接合され得るプラグ部分55’を備える。この実施形態では、プラグ部分55’は、蓋51’の遠位にある膜54’を有することができる。オーバーキャップ50’は、蓋51’に、膜54’を露出することができる開口部52’を有することができる。
【0048】
インサート10’は、中空内部と、プラグ部分55’の少なくとも一部分をインサートの中空内部内に受容可能である開放端15’と、を有することができる。プラグ部分55’は、インサートの膜14’及び基部まで全体的に延びていなくてもよい。プラグ部分55は、インサートの全ての孔を覆うように延びることができる。プラグ14は、インサートの内側にシールを形成することができる。
【0049】
インサート10’は、インサート外壁13’からインサート内壁を貫通して延びる1つ以上の孔12’を備えることができる。
【0050】
図6A及び
図6Bは、包装から液体製品を分注するために使用することができるポンプ70’を有する、包装90’の使用構成を示している。ポンプ70’は、浸漬チューブ72’と、ポンプアセンブリ71’と、を備えることができる。
【0051】
図6A及び
図6Bに示した使用構成では、ボトル’110と、インサート’10と、オーバーキャップ50’と、ポンプ’70と、を含む。
【0052】
図6A及び
図6Bに示した実施形態では、オーバーキャップは、ポンプを取り付けられる前に除去されない。オーバーキャップ50’の膜’54は、浸漬チューブ‘72の端部によって穿孔可能であってもよく、除去する必要がない。ポンプは、エンドユーザによって組み付けられても、又は包装を店舗の棚に置く前に店舗で組み付けられもよい。
【0053】
図7A~
図7Hは、
図4A、
図4B、
図5A、及び
図5Bに示した実施形態のための輸送構成及び使用構成を組み立てる工程を示す、包装又はその一部分の断面図である。工程は以下のとおりである。
【0054】
工程1:空のボトルを提供する。
図7Aは、中空内部111’を有するボトル110’の断面図である。
【0055】
工程2:液体製品で、空のボトルを充填する。
図7Bは、中空内部111’が、中に懸濁された設計を有する液体製品112’で充填されている、ボトル110’の断面図である。
【0056】
工程3:インサートをネック部を通して中空空洞に配置する。
図7Cは、インサート10’がネック部115’を通して中空内部111’内に配置されている状態のボトル110’の断面図である。
図7Cでは、インサート110’は完全には挿入されておらず、製品112はヘッドスペース内へと移動し始める。
【0057】
工程4:ネック部にインサートを配置する。
図7Dは、インサート10’がネック部115’を通して中空内部111’内に完全に挿入されている、ボトル110’の断面図である。
図7Dに示すように、製品112’は、この工程中に孔12’を通ってインサートに入り、ボトル内のヘッドスペースを実質的になくすることができる。
【0058】
工程5:オーバーキャップをボトルに取り付ける。
図7Eは、オーバーキャップ50’がボトル110’のネック部115’に取り外し可能に固定されている状態のボトル110’の断面図である。この構成では、プラグ部分55’は、インサート10’の中空内部11’内へと延びている。
図7Eは、輸送構成を示している。工程1~4が正しくプリフォームされる場合、懸濁設計は、輸送試験後に実質的にタクトであり得る。
【0059】
工程6:オーバーキャップの上部にポンプを組み付け、オーバーキャップの遠位端にある膜を通して浸漬チューブを挿入し、インサートの中空空洞を通してポンプを挿入し始め、浸漬チューブが最初である。
図7Fでは、オーバーキャップが除去される。
図7Fは、オーバーキャップの膜を通して、ポンプ70’が挿入され、浸漬チューブ72’が最初であることを示している。
図7Fでは、インサートの膜14’は穿孔されておらず、オーバーキャップの膜が穿孔されている。
【0060】
工程7:ポンプを挿入し続け、インサートの膜を穿孔する。
図7Gは、インサートの膜とオーバーキャップの膜の両方を穿孔した後のポンプ70’を示している。
【0061】
工程8:ポンプをオーバーキャップにスナップ嵌合し、その後、ポンプディスペンサ包装を初めて使用する準備が整う。
図7Hでは、ポンプ70’がオーバーキャップ50’に固定されている。浸漬チューブ72’は、ボトル110’の基部の近くにあり、ディスペンサ包装90’を初めて使用する準備が整っている。
【0062】
図7Iは、
図7Cに示す膜14’の拡大断面図である。この例では、膜14’は、インサート10’の底部に成形され得る。
【0063】
図7Jは、
図7Gに示す膜14’の穿孔の拡大断面図である。この例では、薄膜は、ポンプの挿入中に浸漬チューブ72’によって穿孔される。
【0064】
製品
多くの消費者は、使い勝手が良いという利益をもたらすと共に、審美的に満足な製品外観を有する、シャンプー、コンディショナー、及びボディウォッシュを含む液体美容ケア製品を望んでいる。いくつかの例では、第2相(例えば、シート状のマイクロカプセル及び/又はゲルネットワークスワール)が液体美容ケア製品の少なくとも一部分にわたって懸濁されているときに、審美的に満足な製品の外観が作成され得る。第2を個別にかつ安定して保つことは困難であり得る。いくつかの例では、本明細書に記載したボトル及びインサートを使用することに加えて、組成物を配合することが有利であることがあり、したがって、相安定性である。いくつかの例では、各相の適切なレオロジー(例えば、粘度、降伏応力及び/又は剪断応力)のバランスを取ることができ、それにより、製品は消費者に受け入れられ、互いに物理的に接触している懸濁した個別の安定相が維持される。
【0065】
液体美容ケア製品は、クレンジング相及び有益相を含有することができる。クレンジング相は、1つ以上の洗浄性界面活性剤と任意選択的に構造化剤とを含むことができる、界面活性剤系を含有することができる。いくつかの例では、クレンジング相は、視覚的に透き通っていてもよく、光透過率は、以下に記載される光透過率法によって測定した場合、60%超、あるいは80%超である。他の例では、クレンジング相は、濁って、曇って、又は更には不透明に見えることがある。クレンジング相は、着色されていてもよく、無色であってもよく、又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0066】
有益相は、不透明又は半透明であってもよく、シャンプー組成物全体にわたって、又はシャンプー組成物の1つ以上の部分にわたって懸濁されてもよい。一例では、有益相は、ゲルネットワークを含有することができ、ゲルネットワークとは、少なくとも1つの脂肪アルコール、少なくとも1つの界面活性剤、及び水又は他の好適な溶媒を含有することができる層状及び/又は小胞性の固形結晶性相を指す。別の例では、有益相は、参照により本明細書に組み込まれる、2020/0188243に記載されるような、層状又は帯状、シート状又はリボン状の形態を有するシート状マイクロカプセルを含有することができる。有益相は、均一であっても、不均一であっても、又はそれらの組み合わせであってもよい。有益相は、
図1A及び
図1Bに示すように、スワールを含む規則的なパターン及び/又は不規則なパターンを含む審美的設計を形成するための任意の好適な形状(単数又は複数)であり得る。形状は、非限定的な例である、泡、ストライプ、クロスハッチング、ジグザグ、花模様、花弁、ヘリンボーン、マーブル、直線、中断ストライプ、チェック模様、まだら模様、すじ模様、クラスター模様、スペックル模様、斑点模様、リボン、らせん模様、スワール模様、配列模様、ふ入り模様、波形模様、スパイラル模様、ツイスト模様、曲線模様、縞、レース模様、かご織模様、蛇行を含むがこれらに限定されない正弦波模様、及びこれらの組み合わせに似ている審美的設計を形成することができる。
【0067】
ゲルネットワークに加えて、有益相は、コンディショニング成分(例えば、カチオン性付着ポリマー、30nm超の平均粒径を有するシリコーン、架橋シリコーンエラストマー)、抗ふけ活性物質(例えば、ジンクピリチオン)、審美的成分(例えば、マイカ)、及びこれらの組み合わせなど、クレンジング相を曇らせ得る又は不透明にし得る成分を含む追加の成分を含有することができる。追加の成分は、ゲルネットワークを混濁させて、ゲルネットワーク構造の崩壊を引き起こし、溶媒を押し出して、審美的パターンを壊滅させ、シャンプー組成物があまり効果的に見えなくすることがあるので、注意深く選択され得る(例えば、成分の塩濃度が高くなりすぎることはない)。
【0068】
クレンジング相は、約0.01~約20Pa、あるいは約0.01~約10Pa、あるいは約0.01~約5dPaの降伏応力(Herschel-Bulkley、剪断速度10-2~10-4におけるPa)を有することができる。降伏応力は、TA Instrumentsから入手可能なDiscovery Hybrid Rheometer(DHR-3)を使用して、剪断速度100~1.0e-4 1/sでのフロースイープ(flow sweep)によって、26.7℃で測定する。Hershel-Bulkleyモデルを適用するために、10-2~10-4s-1の剪断速度での対数空間内のモデルを適合させるためのTAのソフトウェアを使用する。
【0069】
クレンジング相及び/又は有益相は、約0.01~約15の粘度を(2s-1におけるPa.sでの)有することができる。クレンジング相は、約0.1~約4Pa.s、あるいは約0.1~約2Pa.s、あるいは約0.1~約1Pa.sの粘度(100s-1におけるPa.sでの)を有することができる。
【0070】
有益相は、950s-1の剪断速度で約100Pa~約300Pa、あるいは950s-1の剪断速度で約130Pa~約250Pa、あるいは950s-1の剪断速度で約160Pa~約225Paの剪断応力を有することができる。降伏応力は、TA Instrumentsから入手可能なDiscovery Hybrid Rheometer(DHR-3)を使用して、初期剪断速度0.1から最終剪断速度1100 1/sでのフローランプ(flow ramp)によって、25℃で測定する。
【0071】
クレンジング相と有益相との重量比は、約1:2~約99:1、あるいは約1:1~約98:2、あるいは約3:1~約97:3、あるいは約4:1~約96:4、あるいは約4:1~約20:1、あるいは約4:1~約10:1、あるいは約4:1~約9:1、あるいは約4:1~約7:1であり得る。
【0072】
本明細書で使用するとき、用語「流体」は、液体及びゲルを含む。
【0073】
本明細書で使用するとき、「混合物」は、材料の単純な組み合わせ、及びそのような組み合わせから得ることができる任意の化合物を含むことを意味する。
【0074】
本明細書で使用するとき、「分子量」又は「M.Wt.」は、特に記述のない限り、重量平均分子量を指す。分子量は、業界標準法であるゲル浸透クロマトグラフィ(gel permeation chromatography、「GPC」)を使用して測定される。分子量は、グラム/モルの単位を有する。
【0075】
本明細書で使用するとき、「シャンプー組成物」は、シャンプー、シャンプーコンディショナー、コンディショニングシャンプー、及び他の界面活性剤ベースの液体組成物などのシャンプー製品を含む。
【0076】
本明細書で使用するとき、用語「安定している」とは、クレンジング相及び有益相が、肉眼(近視、遠視、若しくは乱視を補正するように適合された標準的な矯正レンズ、又は他の矯正視力を例外とする)のヒトの観察者には、標準的な100ワットの白熱電球の照度に少なくとも相当する照明の下で、およそ1フィート(0.30メートル)の距離から、移行していない個別の相として見えることを意味する。
【0077】
本明細書で使用するとき、「実質的に含まない」とは、成分を、約0重量%~約3重量%、あるいは約0重量%~約2重量%、あるいは約0重量%~約1重量%、あるいは約0重量%~約0.5重量%、あるいは約0重量%~約0.25重量%、あるいは約0重量%~約0.1重量%、あるいは約0重量%~約0.05重量%、あるいは約0重量%~約0.01重量%、あるいは約0重量%~約0.001重量%含み、かつ/又は、代替的には成分を含まないことを意味する。本明細書で使用するとき、「含まない」は0重量%を意味する。
【0078】
本明細書で使用するとき、用語「含む(include、includes、及びincluding)」は非限定的であることを意味し、それぞれ「含む(comprise、comprises、及びcomprising)」を意味すると理解される。
【0079】
全ての百分率、部、及び比は、特に規定のない限り、本明細書に記載される組成物の総重量に基づく。全てのこのような重量は、列挙された成分に関する場合、活性成分濃度に基づいており、したがって市販材料に含まれ得るキャリア又は副生成物を含まない。
【0080】
別段の注記がない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在する場合のある不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0081】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、かかるより大きい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれる、より狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0082】
クレンジング相
多相シャンプー組成物は、組成物の約5重量%~約95重量%、好ましくは約10重量%~約90重量%、より好ましくは約20重量%~約80重量%の量で存在し得るクレンジング相を含むことができる。クレンジング相は、水相であり得る。
【0083】
いくつかの例では、クレンジング相は、30nm超の平均粒径を有するシリコーン若しくは他の粒子、分散したゲルネットワーク相、液晶を形成する合成ポリマー、及び/又はカチオン性界面活性剤を含めて、相を曇らせる、濁らせる、又は不透明にすることがある成分を実質的に含まない、又は含まないことがある。
【0084】
他の例では、クレンジング相は、小さな粒子シリコーン(すなわち、30nm以下の平均粒径を有するシリコーン)を含んでもよく、カチオン性付着ポリマー、香料、及び/又は染料を選択することができる。
【0085】
洗浄性界面活性剤
クレンジング相は、1つ以上の洗浄性界面活性剤を含有することができる。理解され得るように、洗浄性界面活性剤は、油及び他の汚れの除去を容易にすることによって、毛髪、皮膚及び毛包などの汚れたものに対して洗浄の恩恵をもたらす。界面活性剤は、一般に、界面活性剤が分解し、油及び他の汚れの周りにミセルを形成することができ、次いで、すすぎ落とすことができ、これにより、汚れたものからこれらを取り除くことができるそれらの両親媒性の性質のために、このような洗浄を容易にする。シャンプー組成物の好適な界面活性剤は、カチオン性ポリマーを有するコアセルベートの形成を可能にするアニオン性部分を含むことができる。好適な洗浄性界面活性剤は、クレンジング相及び隣接する有益相(単数又は複数)中の他の成分と適合することができる。洗浄性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0086】
本組成物における界面活性剤は、所望の洗浄性能及び発泡性能が提供されるよう十分な濃度でなければならない。クレンジング相は、クレンジング相の約1重量%~約50重量%、あるいは約3重量%~約45重量%、あるいは約5重量%~約40重量%、あるいは約7重量%~約35重量%、あるいは約8重量%~約30重量%、あるいは約8重量%~約25重量%、あるいは約10重量%~約20重量%、あるいは約11重量%~約24重量%、あるいは約12重量%~約23重量%の範囲の濃度で界面活性剤系を含有し得る。クレンジング相の好ましいpH範囲は、約3~約10、あるいは約5~約8、あるいは約5~約7である。
【0087】
クレンジング相は、クレンジング相の約1重量%~50重量%、あるいは約3重量%~約40重量%、あるいは約5重量%~約30重量%、あるいは約6重量%~約25重量%、あるいは約8重量%~約25重量%の範囲の濃度で1つ以上のアニオン性界面活性剤を含有し得る。アニオン性界面活性剤は、一次界面活性剤であってもよい。
【0088】
シャンプー組成物は、シャンプー基剤中に1つ以上の洗浄性界面活性剤を含む。洗浄性界面活性剤構成成分は、シャンプー組成物に含められて洗浄性能を提供する。洗浄性界面活性剤は、アニオン性、双極イオン性、両性、カチオン性、又はこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。いくつかの例では、洗浄性界面活性剤は、アニオン性、双極イオン性、両性、又はこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。このような界面活性剤は、本明細書に記載される成分と物理的及び化学的に適合すべきであるか、又はさもなければ過度に製品の安定性、審美性、若しくは性能を損なうべきではない。n=1であるラウレス-n-硫酸ナトリウム(「SLE1S」)が、本明細書において特に好適である。SLE1Sは、より高いモルエトキシレート当量と比較したとき、特に、高レベルのコンディショニング活性物質を含有するシャンプー組成物において、より効率的な起泡性及び洗浄性が可能となる。
【0089】
好適なアニオン性洗浄性界面活性剤としては、ヘアケア又は他のパーソナルケアシャンプー組成物に使用されることが知られているものが挙げられる。アニオン性洗浄性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムとラウレス-n硫酸ナトリウムとの組み合わせであってよい。組成物中のアニオン性界面活性剤成分の濃度は、所望の洗浄性能及び起泡性能を提供するのに十分でなければならず、一般にその組成物の約5重量%~約30重量%、あるいは約8重量%~約30重量%、あるいは約8重量%~約25重量%、あるいは約10重量%~約17重量%の範囲である。
【0090】
本明細書における使用に好適な追加のアニオン性界面活性剤には、式ROSO3M及びRO(C2H4O)xSO3M(式中、Rは、約8~約18個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、xは、1~10であり、Mは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、及びトリエタノールアミンカチオンなどの水溶性カチオンであるか、又は2個のアニオン性界面活性剤アニオンを持つ二価のマグネシウムイオンの塩である)のアルキル及びアルキルエーテルサルフェートが挙げられる。アルキルエーテルサルフェートは、エチレンオキシド及び約8~約24個の炭素原子を有する一価アルコールの縮合生成物として作製されてもよい。アルコールは、例えば、ココナッツ油、ヤシ油、パーム核油、若しくはタローなどの脂肪から誘導され得るか、又は合成であり得る。
【0091】
他の好適なアニオン性界面活性剤としては、一般式[R1-SO3M]の有機硫酸の水溶性塩が挙げられる。R1は、13~17個の炭素原子、あるいは13~15個の炭素原子を有する直鎖の脂肪族炭化水素基である。Mは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、及びトリエタノールアミンカチオンなどの水溶性カチオンであるか、又は2個のアニオン性界面活性剤アニオンを持つ二価のマグネシウムイオンの塩である。これらの物質は、SO2及びO2と、好適な鎖長のノルマルパラフィン(C14~C17)との反応により生成され、パラフィンスルホン酸ナトリウムとして市販されている。
【0092】
使用に好適な追加のアニオン性界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ココイル硫酸モノエタノールアミン、トリデセス硫酸ナトリウム、トリデシル硫酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリンナトリウム、メチルココイルタウリンナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウレススルホコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
シャンプー組成物は、本明細書に記載のアニオン性洗浄性界面活性剤構成成分と組み合わせて用いる追加の界面活性剤を更に含んでもよい。好適な追加の界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0094】
本組成物に用いるのに好適なその他のアニオン性、双極イオン性、両性、カチオン性、非イオン性、又は任意の追加の界面活性剤の非限定的な例は、M.C.Publishing Co.により発行されたMcCutcheon’s,Emulsifiers and Detergents,1989 Annaual、並びに米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号、同第2,438,091号、及び同第2,528,378号に記載されている。
【0095】
本明細書に記載のシャンプー組成物は、サルフェート系界面活性剤を実質的に含まなくてもよい。
【0096】
1つ以上の追加のアニオン性界面活性剤は、イセチオネート、サルコシネート、スルホネート、スルホスクシネート、スルホアセテート、アシルグリシネート、アシルアラニネート、アシルグルタメート、ラクテート、ラクチレート、グルコースカルボキシレート、アンホアセテート、タウレート、リン酸エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。その場合、アルキルは、7~17個の炭素原子、あるいは9~13個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖アルキル鎖として定義される。その場合、アシルは、式R-C(O)-(式中、Rは、7~17個の炭素原子、あるいは9~13個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖のアルキル鎖である)として定義される。
【0097】
好適なイセチオネート界面活性剤としては、イセチオン酸でエステル化され水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物を挙げることができる。イセチオネート界面活性剤のための好適な脂肪酸は、メチルタウリドのアミドなど、ココナッツ油又はパーム核油から誘導され得る。イセチオネートの非限定的な例は、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、水素添加ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルイセチオン酸ナトリウム、オレイルメチルイセチオン酸ナトリウム、パームカーネルオイル(palm kerneloyl)イセチオン酸ナトリウム、ステアロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0098】
サルコシネートの非限定的な例は、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸TEA、ココイルサルコシン酸アンモニウム、ラウロイルサルコシン酸アンモニウム、ダイマージリノレイルビス-ラウロイルグルタメート/ラウロイルサルコシネート、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム(Disodium Lauroamphodiacetate)、ラウロイルサルコシン酸、ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、ココイルサルコシン酸カリウム、ラウロイルサルコシン酸カリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、オレオイルサルコシン酸ナトリウム、パルミトイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸TEA、ラウロイルサルコシン酸TEA、オレオイルサルコシン酸TEA、パーム核サルコシン酸TEA、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0099】
スルホスクシネート界面活性剤の非限定的な例としては、N-オクタデシルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二アンモニウム、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、N-(1,2-ジカルボキシエチル)-N-オクタデシルスルホコハク酸四ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステル、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0100】
スルホアセテートの非限定的な例としては、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸アンモニウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0101】
アシルグリシネートの非限定的な例としては、ココイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0102】
アシルアラニネートの非限定的な例としては、ココイルアラニン酸ナトリウム、ラウロイルアラニン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-l-アラニン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0103】
アシルグルタメートの非限定的な例は、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸アンモニウム、ココイルグルタミン酸二アンモニウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイル加水分解コムギタンパクグルタミン酸ナトリウム、ココイル加水分解コムギタンパクグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸二カリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸二カリウム、ココイル加水分解コムギタンパクグルタミン酸カリウム、ココイル加水分解コムギタンパクグルタミン酸二カリウム、カプリロイルグルタミン酸ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸二ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸カリウム、カプリロイルグルタミン酸二カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二カリウム、水素添加タローグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸二カリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸二ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸二カリウム、ココイル/水素添加タローグルタミン酸ナトリウム、ココイル/パルモイル/サンフラワーオイル(sunfloweroyl)グルタミン酸ナトリウム、水素添加タローオイル(tallowoyl)グルタミン酸ナトリウム、オリボイル(olivoyl)グルタミン酸ナトリウム、オリボイルグルタミン酸二ナトリウム、パルモイルグルタミン酸ナトリウム、パルモイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸TEA、水素添加タローオイルグルタミン酸TEA、ラウロイルグルタミン酸TEA、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0104】
アシルグリシネートの非限定的な例としては、ココイルグリシン酸ナトリウム、ラウロイルグリシン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0105】
ラクテートの非限定的な例としては、乳酸ナトリウムを挙げることができる。
【0106】
ラクチレートの非限定的な例としては、ラウロイル乳酸ナトリウム、ココイル乳酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0107】
グルコースカルボキシレートの非限定的な例としては、ラウリルグルコシドカルボン酸ナトリウム、ココイルグルコシドカルボン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0108】
アルキルアンホ酢酸塩(alkylamphoacetates)の非限定的な例としては、ココイルアンホ酢酸ナトリウム、ラウロイルアンホ酢酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0109】
アシルタウレートの非限定的な例としては、メチルココイルタウリン酸ナトリウム、メチルラウロイルタウリン酸ナトリウム、メチルオレオイルタウリン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0110】
クレンジング相は、クレンジング相の約0.25重量%~約50重量%、あるいは約0.5重量%~約30重量%、あるいは約0.75重量%~約15重量%、あるいは約1重量%~約13重量%、あるいは約2重量%~約10重量%の範囲の濃度で、1つ以上の両性及び/又は双極イオン性及び/又は非イオン性の共界面活性剤を含有し得る。共界面活性剤は、より素早く泡を生成し、より容易なすすぎを促進し、かつ/又はケラチン性組織への不快感を緩和する役割を果たすことができる。共界面活性剤は更に、より望ましい質感、容積、及び/又は他の特性を有する泡の生成を補助し得る。
【0111】
本明細書における使用に好適な両性界面活性剤には、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができる脂肪族二級及び三級アミンの誘導体が挙げられるが、これらに限定されず、ここで脂肪族置換基の1つの置換基が約8~約18個の炭素原子を含み、1つは例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートなどのアニオン水溶性基を含む。例としては、3-ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、3-ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示に従ってドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることによって調製されるものなどのN-アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号の教示に従って製造されるものなどのN-高級アルキルアスパラギン酸、及び米国特許第2,528,378号に記載されている生成物、並びにこれらの混合物が挙げられる。両性界面活性剤は、ラウロアンホ酢酸のようなベタイン群から選択することができる。
【0112】
本明細書における使用に好適な双極イオン性界面活性剤には、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体が挙げられるが、これらに限定されず、脂肪族基は直鎖又は分枝鎖であることができ、脂肪族置換基の1つは約8~約18個の炭素原子を含み、1つの置換基は、アニオン性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含む。本明細書における使用に好適な他の双極イオン性界面活性剤には、高級アルキルベタインを含むベタイン、例えば、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ-カルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシプロピル)アルファ-カルボキシエチルベタイン、及びこれらの混合物が挙げられる。スルホベタインとしては、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス-(2-ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、及びこれらの混合物を挙げることができる。他の好適な両性界面活性剤としては、アミドベタイン及びアミドスルホベタインが挙げられ、RCONH(CH2)3ラジカル(式中、RはC11~C17アルキルである)がベタインの窒素原子に結合している。
【0113】
起泡体積又は質感を向上させるために本組成物における使用に好適な非イオン性共界面活性剤には、ラウリルジメチルアミンオキシド、ココジメチルアミンオキシド、ココアミドプロピルアミンオキシド、ラウリルアミドプロピルアミンオキシドなど、又はラウレス-4~ラウレス-7のようなアルキルポリエトキシレートのような水溶性物質と、ココモノエタノールアミド、ココジエタノールアミド、ラウロイルモノエタノールアミド、アルカノイルイソプロパノールアミド、並びにセチルアルコール及びオレイルアルコールのような脂肪アルコール、並びに2-ヒドロキシアルキルメチルエーテルなどの非水溶性成分が含まれる。
【0114】
本明細書において共界面活性剤として更に好適な物質には、1,2-アルキルエポキシド、1,2-アルカンジオール、分枝鎖又は直鎖アルキルグリセリルエーテル(例えば欧州特許第1696023(A1)号に記載されている)、1,2-アルキル環状カーボネート、及び1,2-アルキル環状サルファイト、特にアルキル基が、直鎖又は分枝鎖構成にある6~14個の炭素原子を含有するものが含まれる。他の例としては、C10又はC12αオレフィンをエチレングリコール(例えば、ヒドロキシエチル-2-デシルエーテル、ヒドロキシエチル-2-ドデシルエーテル)と反応させることにより誘導されるアルキルエーテルアルコールが挙げられ、これは、米国特許第5,741,948号、同第5,994,595号、同第6,346,509号、及び同第6,417,408号に従って作製され得る。
【0115】
他の非イオン性界面活性剤は、グルコースアミド、アルキルポリグルコシド、スクロースココエート、ラウリル硫酸スクロース、アルカノールアミド、エトキシル化アルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。非イオン性界面活性剤は、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、イソステアレス-2、トリデセス-3、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸PEG-2、モノステアリン酸ソルビタン、ラウリン酸グリセリル、ラウレス-2、コカミドモノエタノールアミン、ラウラミドモノエタノールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0116】
共界面活性剤は、ココモノエタノールアミド、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルアミンオキシド、ラウリルアンホ酢酸ナトリウム;アルキルグリセリルエーテル、アルキル-ジ-グリセリルエーテル、1,2-アルキル環状サルファイト、1,2-アルキル環状カーボネート、1,2-アルキル-エポキシド、アルキルグリシジルエーテル、及びアルキル-1,3-ジオキソラン(アルキル基は、直鎖又は分枝鎖構成において6~14個の炭素原子を含有する);総炭素含有量が直鎖又は分枝鎖の6~14個の炭素原子である1,2-アルカンジオール、メチル-2-ヒドロキシ-デシルエーテル、ヒドロキシエチル-2-ドデシルエーテル、ヒドロキシエチル-2-デシルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0117】
カチオン性界面活性剤は、製剤のpHでプロトン化されたアミンから誘導されてもよく、例えばビス-ヒドロキシエチルラウリルアミン、ラウリルジメチルアミン、ラウロイルジメチルアミドプロピルアミン、ココイルアミドプロピルアミンなどである。また、カチオン性界面活性剤は、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド及びラウロイルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの脂肪四級アンモニウム塩から誘導されてもよい。
【0118】
アルキルアンホ酢酸塩は、製品の低刺激性及び泡立ちを改善するために、本明細書における組成物中で使用される好適な界面活性剤である。最も一般的に使用されるアルキルアンホ酢酸塩は、ラウロアンホ酢酸塩及びココアンホ酢酸塩である。アルキルアンホ酢酸塩は、モノアセテート及びジアセテートで構成され得る。アルキルアンホ酢酸塩のいくつかのタイプでは、ジアセテートは、不純物又は意図しない反応生成物である。しかしながら、ジアセテートの存在は、アルキルアンホ酢酸塩の15%を超える量で存在する場合、種々の好ましくない組成物特徴を引き起こし得る。
【0119】
本明細書における使用に好適な非イオン性界面活性剤は、グルコースアミド、アルキルポリグルコシド、スクロースココエート、スクロースラウレート、アルカノールアミド、エトキシル化アルコール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。1つの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、イソステアレス-2、トリデセス-3、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸プロピレングリコール、ステアリン酸PEG-2、モノステアリン酸ソルビタン、ラウリン酸グリセリル、ラウレス-2、コカミドモノエタノールアミン、ラウラミドモノエタノールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0120】
存在する場合、組成物は、レオロジー調整剤を含んでもよく、当該レオロジー調整剤は、セルロース系レオロジー調整剤、架橋アクリレート、架橋無水マレイン酸コ-メチルビニルエーテル、疎水的に改質された会合性ポリマー、又はこれらの混合物を含む。
【0121】
電解質は、使用される場合、それ自体を組成物に添加してもよく、又は原材料の1つの中に含まれる対イオンを介してその場で形成されてもよい。電解質は、リン酸塩、塩化物、硫酸塩又はクエン酸塩を含むアニオン、及びナトリウム、アンモニウム、カリウム、マグネシウム又はこれらの混合物を含むカチオンを含み得る。電解質は、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム又は硫酸アンモニウムであってもよい。電解質は、組成物の重量を基準にして、約0.1重量%~約15重量%、あるいは約1重量%~約6重量%、あるいは約3重量%~約6重量%の量で組成物に添加されてもよい。
【0122】
構造化剤
クレンジング相は、シャンプー組成物中で安定している個別の製品相を、輸送、取り扱い、流通、並びに店舗、倉庫、又は消費者の家の棚での保管を含めて経時的に維持するのに役立ち得る高い低剪断粘度を提供するのに役立つように構造化剤(例えば、Lubrizol(登録商標)から入手可能なCarbopol(登録商標)Aqua SF-1ポリマー)を含むことができる。クレンジング相は、クレンジング相中の有益相を懸濁するために、及び/又は組成物の粘度を調整するために効果的な濃度で構造化剤を含むことができる。そのような濃度は、クレンジング相の約0.05重量%~約10重量%、あるいは約0.3重量%~約5.0重量%、あるいは約1.5重量%~約5.0重量%の範囲であり得る。しかし、理解され得るように、特定のグリセリドエステル結晶が含まれる場合には、特定のグリセリドエステル結晶が好適な懸濁剤又は構造剤として作用し得るので、構造化剤は必要でない場合もある。
【0123】
好適な構造化剤としては、アニオン性ポリマー及び非イオン性ポリマーを挙げることができる。ビニルポリマー、例えば、CTFA名Carbomerを有する架橋アクリル酸ポリマー、セルロース誘導体及び変性セルロースポリマー、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、硫酸セルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性セルロース、セルロース粉末、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、カロブゴム、グアーガム、カラヤゴム、カラギーナン(carragheenin)、ペクチン、寒天、マルメロ種子(シドニア・オブロンガ・ミル(Cydonia oblonga Mill))、デンプン(コメ、トウモロコシ、ジャガイモ、コムギ)、藻類コロイド(藻類抽出物)、微生物学的ポリマー、例えば、デキストラン、サクシノグルカン、プレラン(pulleran)、デンプン系ポリマー、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、アルギン酸系ポリマー、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アクリレートポリマー、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、並びに無機水溶性物質、例えば、ベントナイト、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、ラポナイト、ヘクトナイト、及び無水ケイ酸が本明細書において有用である。
【0124】
他の好適な構造化剤としては、アシル誘導体、長鎖アミンオキシド、及びこれらの混合物として分類できる結晶性構造化剤を挙げることができる。このような構造化剤の例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,741,855号に記載されている。好適な構造化としては、16~22個の炭素原子を有する脂肪酸のエチレングリコールエステルが挙げられる。構造化剤は、モノステアレートとジステアレートの両方のエチレングリコールステアレートであり得るが、特に約7%未満のモノステアレートを含有するジステアレートであり得る。他の好適な構造化剤としては、約16~約22個の炭素原子、あるいは約16~18個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミドが挙げられ、その好適な例としては、ステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノイソプロパノールアミド、及びステアリン酸モノエタノールアミドステアレートが挙げられる。他の長鎖アシル誘導体としては、長鎖脂肪酸の長鎖エステル(例えば、ステアリルステアレート、セチルパルミテートなど)、長鎖アルカノールアミドの長鎖エステル(例えば、ステアラミドジエタノールアミドジステアレート、ステアラミドモノエタノールアミドステアレート)、及び前述のグリセリルエステルが挙げられる。長鎖アシル誘導体、長鎖カルボン酸のエチレングリコールエステル、長鎖アミンオキシド、及び長鎖カルボン酸のアルカノールアミドも構造化剤として使用してよい。
【0125】
構造化剤として使用するのに好適な他の長鎖アシル誘導体としては、N,N-ジヒドロカルビルアミド安息香酸及びその可溶性塩(例えば、Na、K)、特に、この分類のN,N-ジ(水素添加)C16、C18及びタローアミド安息香酸種が挙げられ、これらはStepan Company(Northfield,Ill.,USA)から市販されている。
【0126】
構造化剤として使用するのに好適な長鎖アミンオキシドの例としては、アルキルジメチルアミンオキシド、例えば、ステアリルジメチルアミンオキシドが挙げられる。
【0127】
他の好適な構造化剤としては、少なくとも約16個の炭素原子を有する脂肪酸アルキル部分を有する一級アミン(その例としては、パルミタミン又はステアラミンが挙げられる)、及びそれぞれ少なくとも約12個の炭素原子を有する2つの脂肪酸アルキル部分を有する二級アミン(その例としては、ジパルミトイルアミン又はジ(水素添加タロー)アミンが挙げられる)が挙げられる。更に他の好適な構造化剤としては、ジ(水素添加タロー)フタル酸アミド、及び架橋無水マレイン酸-メチルビニルエーテルコポリマーが挙げられる。
【0128】
他の好適な構造化剤としては、結晶性グリセリドエステルが挙げられる。例えば、好適なグリセリドエステルは、水素添加ヒマシ油(トリヒドロキシステアリン又はジヒドロキシステアリンなど)である。追加の結晶性グリセリドエステルの例としては、12-ヒドロキシステアリン酸の実質的に純粋なトリグリセリドを挙げることができる。12-ヒドロキシステアリン酸は、完全に水素添加した12-ヒドロキシ-9-cis-オクタデセン酸のトリグリセリドの純粋形態である。理解され得るように、多くの追加のグリセリドエステルが可能である。例えば、水素化プロセスの変化及びヒマシ油の自然変化により、ヒマシ油からの追加の好適なグリセリドエステルの製造が可能になり得る。
【0129】
粘度調整剤
任意選択的に、粘度調整剤を使用して、クレンジング相のレオロジーを調整してもよい。好適な粘度調整剤としては、全てB.F.Goodrich Companyから入手可能な商品名Carbopol934、Carbopol940、Carbopol950、Carbopol980、及びCarbopol981を有するCarbomer、Rohm and Hassから入手可能な商品名ACRYSOLL22を有するアクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー、Amercholから入手可能な商品名AMERCELLポリマーHM-1500を有するノノキシニルヒドロキシエチルセルロース、全てHerculusから供給される商品名BENECELを有するメチルセルロース、商品名NATROSOLを有するヒドロキシエチルセルロース、商品名KLUCELを有するヒドロキシプロピルセルロース、商品名POLYSURF 67を有するセチルヒドロキシエチルセルロース、並びに全てAmercholから供給される、商品名CARBOWAXPEG、POLYOX WASR、及びUCONFLUIDSを有するエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド系ポリマーを挙げることができる。塩化ナトリウムもまた、粘度調整剤として使用することができる。他の好適なレオロジー調整剤としては、架橋アクリレート、架橋無水マレイン酸コメチルビニルエーテル、疎水変性会合性ポリマー、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0130】
有益相
有益相は、シート状マイクロカプセル、及び/又は1つ以上の脂肪アルコールを含有し得るゲルネットワークを含むことができる。
【0131】
ゲルネットワーク
有益相は、1つ以上の脂肪アルコールを含有し得るゲルネットワークを含むことができる。ゲルネットワークは、コンディショニング効果を提供することができる。
【0132】
本明細書で使用するとき、用語「ゲルネットワーク」とは、以下に指定されるような少なくとも1つの脂肪アルコール、以下に指定されるような少なくとも1つの二次界面活性剤及び/又は脂肪酸、並びに水及び/又は他の好適な溶媒を含む層状又は小胞性の固形結晶性相を指す。層状相又は小胞性相は、脂肪アルコール及び/又は脂肪酸並びに二次界面活性剤及び/又は脂肪酸を含む第1の層と、それと交互の、水又は他の好適な溶媒を含む第2の層と、から構成される二重層を含む。別の例では、ゲルネットワークは、少なくとも1つの脂肪酸、少なくとも1つの二次界面活性剤、並びに水及び/又は他の好適な溶媒を含むことができる。本明細書で使用するとき、用語「固形結晶」とは、1種以上の脂肪アルコールを含むゲルネットワーク中の層の融解遷移温度未満の温度において形成される、層状相又は小胞性相の構造を指す。
【0133】
多相シャンプー組成物は、シャンプー組成物の約1重量%~約90重量%、あるいは約2重量%~約50重量%、あるいは約5重量%~約40重量%、あるいは約7重量%~約30重量%、あるいは約10重量%~約25重量%の量で存在し得る有益相を含むことができる。有益相は、以下に記載される光透過率法によって測定した場合、55%未満、あるいは50%未満、あるいは40%未満、あるいは30%未満、あるいは25%未満の透過率を有することができる。いくつかの例では、有益相は、構造化剤を実質的に含まなくてもよい。他の例では、有益相は、カチオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤を含まなくてもよい。
【0134】
本明細書に記載されるゲルネットワークは、冷却された後に、視覚的に個別の相としてクレンジング相と組み合わせられる別個のプレミックスとして調製することができる。ゲルネットワーク構成成分の調製は、以下並びに実施例においてより詳細に論じられる。
【0135】
続いて、冷却して事前形成したゲル網状組織構成成分を、洗浄性界面活性剤構成成分を含むシャンプー組成物の他の構成成分に加える。理論に束縛されることを意図しないが、冷却して事前形成したゲル網状組織構成成分をシャンプー組成物の洗浄性界面活性剤及び他の構成成分に組み込むと、最終シャンプー組成物において実質的に平衡化した層状分散物(「ELD」)の形成を可能にすると考えられる。ELDは、シャンプー組成物内に存在する可能性がある洗浄性界面活性剤、水、及び塩のような他の任意の構成成分と実質的に平衡化している、事前形成したゲル網状組織構成成分から得られる、分散層状相又は小胞性相である。この平衡化は、事前形成したゲル網状組織構成成分と、シャンプー組成物の他の構成成分の組み込みに際して起こり、製造後、約24時間以内に効果的に完結する。ELDが形成されているシャンプー組成物は、改善された乾湿コンディショニング効果を毛髪に提供する。
【0136】
明確化のため、本明細書で使用するとき、用語「ELD」は、語句「ゲルネットワーク相」と同一の、本発明のシャンプー組成物の構成成分を指す。
【0137】
プレミックス及び最終シャンプー組成物内の、ELDの形態のゲル網状組織の存在は、X線分析、光学顕微鏡法、電子顕微鏡法、及び示差走査熱量計のような当業者に既知の手段により、確認することができる。示差走査熱量測定法の方法は、以下に記載される。X線分析法としては、米国公開特許出願第2006/0024256(A1)号を参照のこと。
【0138】
シャンプー組成物中(すなわち、ELD)のゲルネットワーク相のスケールサイズは、約10nm~約500nmの範囲であり得る。シャンプー組成物中のゲルネットワーク相のスケールサイズは、約0.5μm~約10μmの範囲であり得る。あるいは、シャンプー組成物中のゲルネットワーク相のスケールサイズは、約10μm~約150μmの範囲であり得る。
【0139】
シャンプー組成物中のゲルネットワーク相のスケールサイズ分布は、HoribaモデルLA910レーザー散乱粒径分布分析器(Horiba Instruments,Inc.)(Irvine California,USA)を使用して、レーザー光線散乱技術により測定することができる。本発明のシャンプー組成物におけるスケールサイズ分布は、1.75gのシャンプー組成物と、30mLの3%NH4Cl、20mLの2%Na2HPO4
.7H2O、及び10mLの1%ラウレス-7とを組み合わせて、混合物を形成することにより、測定することができる。この混合物は次いで5分間攪拌される。使用される個々のHoriba instrumentに応じて、1~40mLの範囲のサンプルを採取し、次いで、Horiba instrumentの指数がスケールサイズ測定に必要な88~92%Tになるまで、75mLの3%NH4Cl、50mLの2%Na2HPO4.7H2O、及び25mLの1%ラウレス-7を含有するHoriba instrumentに注入する。いったん、これが達成されると、循環の2分後に、Horiba instrumentを通して測定され、スケールサイズ測定がもたらされる。ゲル網状組織構成成分が融解するよう、シャンプー組成物に存在する全ての脂肪物質の融解転移温度以上に加熱されたシャンプー組成物のサンプルを使用して、この後の測定が行われる。この後の測定によって、スケールサイズ分布が、シャンプー中の残りの物質の全てについて取られ、その後、これを最初のサンプルのスケールサイズ分布と比較することができ、分析の助けとなる。
【0140】
脂肪アルコール
本発明のゲルネットワーク構成成分は、少なくとも1つの脂肪アルコールを含むことができる。個々の脂肪アルコール化合物又は2つ以上の異なる脂肪アルコール化合物の組み合わせを選択してもよい。
【0141】
本発明における使用に適した脂肪アルコールとして、約16~約70個の炭素原子、あるいは約16~約60個の炭素原子、あるいは約16~約50個の炭素原子、あるいは約16~約40個の炭素原子、あるいは約16~約22個の炭素原子を有するものを挙げることができる。これらの脂肪アルコールは、直鎖又は分枝鎖アルコールであってよく、飽和又は不飽和であってよい。好適な脂肪アルコールの非限定例としては、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、C21脂肪アルコール(1-ヘンエイコサノール)、C23脂肪アルコール(1-トリコサノール)、C24脂肪アルコール(リグノセリルアルコール、1-テトラコサノール)、C26脂肪アルコール(1-ヘキサコサノール)、C28脂肪アルコール(1-オクタコサノール)、C30脂肪アルコール(1-トリアコンタノール)、C20~40アルコール(例えば、Performacol 350及び425アルコール、New Phase Technologiesから入手可能)、C30~50アルコール(例えば、Performacol 550アルコール)、C40~60アルコール(例えば、Performacol 700アルコール)、セチルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0142】
約16~約70個の炭素原子を有する1つ以上の脂肪アルコールを含む異なる脂肪アルコールの混合物は、約16個未満の炭素原子、又は約70個超の炭素原子を有するある程度の量の1つ以上の脂肪アルコール、又はその他の脂肪両親媒性物質も含み得るものであり、更には、得られるゲルネットワーク相が少なくとも約25℃、あるいは少なくとも約28℃、あるいは少なくとも約31℃、あるいは少なくとも約34℃、あるいは少なくとも約37℃の溶解転移温度を有することができる限りは本発明の範囲内のものと考えられる。
【0143】
本発明で使用するのに好適なこのような脂肪アルコールは、天然の若しくは植物由来のものであってよく、又はそれらは合成由来のものであってもよい。
【0144】
有益相は、ゲルネットワーク相の一部として、有益相の少なくとも約2.8重量%、あるいは約2.8重量%~約25重量%、あるいは約4重量%~約23重量%、あるいは約5重量%~約20重量%、あるいは約6重量%~約18重量%、あるいは約7重量%~約15重量%、あるいは約8重量%~約13重量%の量の脂肪アルコールを含んでもよい。
【0145】
本発明の実施形態では、ゲル網状組織構成成分中の脂肪アルコールと二次界面活性剤の重量比は、約1:9より大きい、あるいは約1:5~約100:1、あるいは約1:1~約50:1である。
【0146】
二次界面活性剤
また本発明のゲルネットワーク構成成分は、二次界面活性剤を含んでもよい。本明細書で使用するとき、「二次界面活性剤」とは、脂肪アルコール及び水と組み合わせられ、シャンプー組成物の他の構成成分と区別したプレミックスとしての本発明のゲル網状組織を形成する、1つ以上の界面活性剤を指す。二次界面活性剤は、クレンジング相の洗浄性界面活性剤構成成分とは別個であり、クレンジング相の洗浄性界面活性剤構成成分に加えられる。しかし、二次界面活性剤は、上記の洗浄性界面活性剤構成成分のために選択されるものと同一又は異なる種類の界面活性剤(単数又は複数)であってよい。
【0147】
本発明の有益相は、事前形成したゲルネットワーク相の一部として、有益相の約0.01重量%~約15重量%、あるいは約0.5重量%~約12重量%、あるいは約0.7重量%~約10重量%、あるいは約1重量%~約6重量%の量の二次界面活性剤を含む。
【0148】
好適な二次界面活性剤としては、アニオン性、双極イオン性、両性、カチオン性及び非イオン性界面活性剤が挙げられる。二次界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、及び非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択されてもよい。本発明で使用するのに好適な二次界面活性剤に関しての追加の説明は、米国特許出願公開第2006/0024256(A1)号を参照されたい。
【0149】
更に、約16~約22個の炭素原子の鎖長を持つ疎水性末端基を有する特定の二次界面活性剤である。このような二次界面活性剤では、疎水性テール基は、アルキル、(最大3つの二重結合を含む)アルケニル、アルキル芳香族、又は分枝状アルキルであってよい。二次界面活性剤は、約1:5~約5:1の重量比で脂肪アルコールに対してゲル網状組織構成成分中に存在してもよい。SLE1Sは、SlE1Sが泡立ちの良い非常に効率的な界面活性剤であるため、特に有用であり得る。高レベルのコンディショニング活性物質を含むシャンプー組成物において、SLE1Sは、起泡性及び洗浄性を更に増大させることができる。
【0150】
上記で指定した2種以上の界面活性剤の混合物を、本発明の二次界面活性剤として使用してよい。
【0151】
ゲルネットワークプレミックスの例としては、米国特許第8,361,448号及び米国特許出願公開第2017/0367955号に見出すことができ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0152】
脂肪酸
脂肪アルコール又は二次界面活性剤のいずれかと組み合わせてゲルネットワークを形成することができる好適な脂肪酸の非限定的な例としては、不飽和及び/又は分岐長鎖(C8~C24)液体脂肪酸又はこれらのエステル誘導体、不飽和及び/又は分岐長鎖液状アルコール又はこれらのエーテル誘導体、並びにこれらの混合物を挙げることができる。脂肪酸は、カプリン酸及びカプリル酸などの短鎖飽和脂肪酸を含んでもよい。理論によって制限されるものではないが、脂肪酸若しくはアルコールの不飽和部分、又は脂肪酸若しくはアルコールの分枝状部分は、界面活性剤の疎水性鎖を「混乱」させ、ラメラ相の形成を誘導する役割を果たすと考えられる。好適な液体脂肪酸の例として、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、エライジン酸、アラキドン酸(arichidonic acid)、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、及びこれらの混合物を挙げることができる。好適なエステル誘導体の例として、イソステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸プロピレングリコール、イソステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、及びこれらの混合物を挙げることができる。アルコールの例として、オレイルアルコール及びイソステアリルアルコールを挙げることができる。エーテル誘導体の例として、カルボン酸イソステアレス若しくはカルボン酸オレス、又はイソステアレスアルコール若しくはオレスアルコールを挙げることができる。構造剤は、約25℃未満の融点を有するとして定義され得る。
【0153】
シート状マイクロカプセル
いくつかの例では、シャンプー製品は、層状又は帯状、シート状又はリボン状の形態を有するシート状マイクロカプセルを含有することができる。シャンプー製品は、約0.05重量%~約10重量%、あるいは約0.1重量%~約5重量%のシート状マイクロカプセルを含むことができる。シート状マイクロカプセルは、幅よりも薄い厚さを有し、約0.01~約1mm、あるいは約0.4~約0.8mmの厚さを有し得る(シートの中央で測定)。シート状マイクロカプセルは、幅及び/又は長さが約2mm~約20mm、あるいは幅及び/又は長さが約5mm~約20mm、あるいは幅及び/又は長さが約8mm~約15mmであり得る。形状は、円形、花弁、三角形、長方形、長円形、及び/又は正方形を含むがこれらに限定されない任意の幾何学的形状であり得る。これらの形状は、それらの厚さがそれらの長さ及び/又は幅よりも小さいため、非球状である。
【0154】
シート状マイクロカプセルは、ジェランフィルムであり得、約30~約40部のアルギン酸ナトリウム、約40~約50部のジェランガム、約5~約10部のポリビニルアルコール、約5~約10部のヒドロキシルメチルセルロースナトリウムを含み得る。マイクロカプセルはまた、メントール、ペパーミント油、乳酸メンチル、ホホバ油、ビタミンE並びに染料、他の抽出物及び/又は香料を含んでもよい。マイクロカプセルであるDream Petalsは、Sandream Impact LLC(Fairfield New Jersey)から入手可能である。
【0155】
シート状マイクロカプセルをシャンプー製品に組み込むことは、複雑であり得る。シート状マイクロカプセルは、折り重なる、破断する、丸まる、又は別様に所望の形状を維持することができない場合がある。その結果、ボトル内での外観が望ましい水準を満たさなくなる。製品の適切なレオロジーを維持することにより、所望の形状を維持しながらシャンプー製品中に分布されたシート状マイクロカプセルが得られる。
【0156】
カチオン性グアーポリマー
カチオン性ポリマーは、カチオン置換したガラクトマンナン(グアー)ガム誘導体であるカチオン性グアーポリマーであってもよい。グアーガム誘導体のための好適なグアーガムは、グアープラントの種から天然に産出される材料として得ることができる。理解され得るように、グアー分子は、交互に位置するマンノース単位上の単員ガラクトース単位が一定の間隔で分枝する直鎖状マンナンである。マンノース単位は、βb(1-4)グリコシド結合によって互いに結合している。ガラクトース分岐は、αa(1-6)結合によって生じる。グアーガムのカチオン性誘導体は、ポリガラクトマンナンのヒドロキシル基と反応性第四級アンモニウム化合物との間の反応を介して得ることができる。グアー構造へのカチオン性基の置換の程度は、上述の必要なカチオン性電荷密度を提供するのに十分であり得る。
【0157】
カチオン性グアーポリマーは、約3,000,000g/モル未満の重量平均分子量(「分子量」)を有することができ、約0.05meq/g~約2.5meq/gの電荷密度を有することができる。あるいは、カチオン性グアーポリマーは、1,500,000g/モル未満、約150,000g/モル~約1,500,000g/モル、約200,000g/モル~約1,500,000g/モル、約300,000g/モル~約1,500,000g/モル、及び約700,000,000g/モル~約1,500,000g/モルの重量平均分子量を有することができる。カチオン性グアーポリマーは、約0.2meq/g~約2.2meq/g、約0.3meq/g~約2.0meq/g、約0.4meq/g~約1.8meq/g、及び約0.5meq/g~約1.7meq/gの電荷密度を有することができる。
【0158】
カチオン性グアーポリマーは、約1,000,000g/モル未満の重量平均分子量を有することができ、約0.1meq/g~約2.5meq/gの電荷密度を有することができる。カチオン性グアーポリマーは、900,000g/モル未満、約150,000~約800,000g/モル、約200,000g/モル~約700,000g/モル、約300,000~約700,000g/モル、約400,000~約600,000g/モル、約150,000g/モル~約800,000g/モル、約200,000g/モル~約700,000g/モル、約300,000g/モル~約700,000g/モル、及び約400,000g/モル~約600,000g/モルの重量平均分子量を有することができる。カチオン性グアーポリマーは、約0.2meq/g~約2.2meq/g、約0.3meq/g~約2.0meq/g、約0.4meq/g~約1.8meq/g、及び約0.5meq/g~約1.5meq/gの電荷密度を有する。
【0159】
シャンプー組成物は、シャンプー組成物の約0.01重量%~約0.7重量%未満、約0.04重量%~約0.55重量%、約0.08重量%~約0.5重量%、約0.16重量%~約0.5重量%、約0.2重量%~約0.5重量%、約0.3重量%~約0.5重量%、及び約0.4重量%~約0.5重量%のカチオン性グアーポリマーを含み得る。
【0160】
カチオン性グアーポリマーは、一般式IIに適合する第四級アンモニウム化合物から形成することができ、
【0161】
【化1】
式中、R
3、R
4、及びR
5は、メチル基又はエチル基であり、R
6は、一般式IIIのエポキシアルキル基であるか、
【0162】
【化2】
又は、R
6は、一般式IVのハロヒドリン基である、のいずれかであり、
【0163】
【化3】
式中、R
7は、C
1~C
3アルキレンであり、Xは、塩素又は臭素であり、Zは、Cl-、Br-、I-、又はHSO
4-などのアニオンである。
【0164】
好適なカチオン性グアーポリマーは一般式Vに適合することができ、
【0165】
【化4】
式中、R
8は、グアーガムであり、R
4、R
5、R
6、及びR
7は、上の定義と同様であり、Zは、ハロゲンである。好適なカチオン性グアーポリマーは式VIに適合することができ、
【0166】
【0167】
好適なカチオン性グアーポリマーとしてはまた、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどのカチオン性グアーガム誘導体を挙げることができる。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの好適な例としては、Solvay S.A.から市販されているJaguar(登録商標)シリーズ、Rhodiaから市販されているHi-Careシリーズ、並びにAshland Inc.から市販されているN-Hance及びAquaCatを挙げることができる。Jaguar(登録商標)C-500は、0.8meq/gの電荷密度及び500,000g/モルの分子量を有し、Jaguar Optimaは、約1.25meg/gのカチオン性電荷密度及び約500,000g/モルの分子量を有し、Jaguar(登録商標)C-17は、約0.6meq/gのカチオン性電荷密度及び約2,200,000g/モルの分子量を有し、Jaguar(登録商標)(登録商標)及び約0.8meq/gのカチオン性電荷密度、Hi-Care1000は、約0.7meq/gの電荷密度及び約600,000g/モルの分子量を有し、N-Hance3269及びN-Hance3270は、約0.7meq/gの電荷密度及び約425,000g/モルの分子量を有し、N-Hance3196は、約0.8meq/gの電荷密度及び約1,100,000gモルの分子量を有し、AquaCat CG518は、約0.9meq/gの電荷密度及び約50,000g/モルの分子量を有する。N-Hance BF-13及びN-Hance BF-17は、ホウ酸塩(ボロン)非含有グアーポリマーである。N-Hance BF-13は約1.1meq/gの電荷密度及び約800,000の分子量を有し、N-Hance BF-17は約1.7meq/gの電荷密度及び約800,000の分子量を有する。BF-17は、約1.7meq/gの電荷密度及び約800,000の分子量を有する。BF-17は、約1.7meq/gの電荷密度及び約800,000の分子量を有する。BF-17は、約1.7meq/gの電荷密度及び約800,000の分子量を有する。BF-17は、約1.7meq/gの電荷密度及び約800,000の分子量を有する。
【0168】
カチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー
カチオン性ポリマーは、ガラクトマンナンポリマー誘導体であってもよい。好適なガラクトマンナンポリマーは、モノマー対モノマー基準で2:1より大きいマンノース対ガラクトースの比を有することができ、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体、又は正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体であり得る。本明細書で使用するとき、用語「カチオン性ガラクトマンナン」は、カチオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。用語「両性ガラクトマンナン」は、ポリマーが正味の正電荷を有するようにカチオン性基及びアニオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。
【0169】
ガラクトマンナンポリマーは、マメ科植物の種子の内胚乳に存在し得る。ガラクトマンナンポリマーは、マンノースモノマーとガラクトースモノマーとの組み合わせから構成される。ガラクトマンナン分子は、特定のマンノース単位上の単員ガラクトース単位が一定の間隔で分岐した直鎖状マンナンである。マンノース単位は、β(1-4)グリコシド結合によって互いに結合されている。ガラクトース分岐は、α(1-6)結合によって生じる。マンノースモノマーとガラクトースモノマーとの比は、植物種によって様々であり、気候の影響も受ける場合がある。非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、モノマー対モノマー基準で2:1より大きいマンノースとガラクトースとの比を有し得る。マンノース対ガラクトースの好適な比はまた、3:1超、又は4:1超であってもよい。マンノース対ガラクトース比の分析は、当該技術分野において周知であり、典型的には、ガラクトース含量の測定に基づく。
【0170】
非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体の調製に用いられるガムは、植物の種又はマメなどの天然物質から得ることができる。様々な非グアーガラクトマンナンポリマーの例としては、タラガム(マンノース3部/ガラクトース1部)、イナゴマメ又はカロブ(マンノース4部/ガラクトース1部)、及びカッシアガム(マンノース5部/ガラクトース1部)が挙げられる。
【0171】
非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、約1,000g/モル~約10,000,000g/モルの分子量、及び約5,000g/モル~約3,000,000g/モルの分子量を有し得る。
【0172】
本明細書に記載のシャンプー組成物は、約0.5meq/g~約7meq/gのカチオン性電荷密度を有するガラクトマンナンポリマー誘導体を含み得る。このガラクトマンナンポリマー誘導体は、約1meq/g~約5meq/gのカチオン性電荷密度を有し得る。ガラクトマンナン構造へのカチオン性基の置換度は、必要なカチオン性電荷密度をもたらすのに十分であり得る。
【0173】
ガラクトマンナンポリマー誘導体は、非グアーガラクトマンナンポリマーのカチオン性誘導体であってもよく、これは、ポリガラクトマンナンポリマーのヒドロキシル基と反応性第四級アンモニウム化合物との反応によって得られる。カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体の形成に使用する好適な第四級アンモニウム化合物としては、上記で定義された一般式II~VIに適合するものが挙げられる。
【0174】
上記の試薬から形成されるカチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、一般式VIIにより表すことができ、
【0175】
【化6】
式中、Rはガムである。カチオン性ガラクトマンナン誘導体は、ガムヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドであることができ、これは、より具体的には、一般式VIIIによって表すことができる。
【0176】
【0177】
ガラクトマンナンポリマー誘導体は、正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体であってもよく、これは、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体がアニオン性基を更に含む場合に得られる。
【0178】
カチオン性非グアーガラクトマンナンは、約4:1より大きいマンノース対ガラクトースの比、約100,000g/モル~約500,000g/モルの分子量、約50,000g/モル~約400,000g/モルの分子量、並びに約1meq/g~約5meq/g、及び約2meq/g~約4meq/gのカチオン性電荷密度を有することができる。
【0179】
シャンプー組成物は、組成物の少なくとも約0.05重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体を含んでもよい。シャンプー組成物は、組成物の約0.05重量%~約2重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体を含んでもよい。
【0180】
カチオン性デンプンポリマー
好適なカチオン性ポリマーはまた、水溶性カチオン性変性デンプンポリマーであってもよい。本明細書で使用するとき、用語「カチオン性変性デンプン」とは、デンプンがより小さい分子量に分解される前にカチオン性基が付加されたデンプン、又はデンプンの変性後にカチオン性基が付加されて所望の分子量に達したデンプンを指す。用語「カチオン変性デンプン」の定義には、両性変性デンプンも含まれる。用語「両性変性デンプン」とは、カチオン性基及びアニオン性基が付加されたデンプン加水分解物を指す。
【0181】
本明細書に記載のシャンプー組成物は、組成物の約0.01重量%~約10重量%、及び/又は約0.05重量%~約5重量%の範囲のカチオン性変性デンプンポリマーを含むことができる。
【0182】
本明細書に開示されるカチオン性変性デンプンポリマーは、約0.5%~約4%の結合窒素の百分率を有する。
【0183】
カチオン性変性デンプンポリマーは、約850,000g/モル~約15,000,000g/モル、及び約900,000g/モル~約5,000,000g/モルの分子量を有することができる。
【0184】
カチオン性変性デンプンポリマーは、約0.2meq/g~約5meq/g、及び約0.2meq/g~約2meq/gの電荷密度を有し得る。このような電荷密度を得るための化学変性としては、デンプン分子にアミノ基及び/又はアンモニウム基を付加することを挙げることができる。このようなアンモニウム基の非限定的な例としては、ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド、ジメチルステアリルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド、及びジメチルドデシルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリドなどの置換基を挙げることができる。更なる詳細は、Solarek,D.B.,Cationic Starches in Modified Starches:Properties and Uses,Wurzburg,O.B.,Ed.,CRC Press,Inc.(Boca Raton,Fla.),1986,pp113-125に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。カチオン性基は、より小さな分子量に分解される前にデンプンに付加されてもよく、又は、カチオン性基は、このような変性の後に付加されてもよい。
【0185】
カチオン性変性デンプンポリマーは、約0.2~約2.5のカチオン性基の置換度を有してもよい。本明細書で使用するとき、カチオン変性デンプンポリマーの「置換度」とは、置換基によって誘導体化された各無水グルコース単位上のヒドロキシル基の数の平均値である。各無水グルコース単位は、置換に利用できる3個の可能なヒドロキシル基を有しているため、可能な最大置換度は3である。置換度は、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数として、モル平均基準で表される。置換度は、当該技術分野で周知のプロトン核磁気共鳴分光(「1H NMR」)法を使用して決定することができる。好適な1H NMR法としては、「Observation on NMR Spectra of Starches in Dimethyl Sulfoxide,Iodine-Complexing,and Solvating in Water-Dimethyl Sulfoxide」,Qin-Ji Peng and Arthur S.Perlin,Carbohydrate Research,160(1987),57-72;及び「An Approach to the Structural Analysis of Oligosaccharides by NMR Spectroscopy」,J.Howard Bradbury and J.Grant Collins,Carbohydrate Research,71,(1979),15-25に記載されているものが挙げられる。
【0186】
化学変性前のデンプン源は、塊茎、マメ科植物、穀草、及び穀物などの様々な供給源から選択され得る。例えば、デンプン源としては、コーンデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ワキシーコーンスターチ、オートムギデンプン、キャッサバデンプン、もち麦、もち米(waxy rice)デンプン、グルテン状ライススターチ、もち米(sweet rice)デンプン、アミオカ、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、オートムギデンプン、サゴデンプン、もち米(sweet rice)、又はこれらの混合物を挙げることができる。好適なカチオン性変性デンプンポリマーは、分解カチオン性トウモロコシデンプン、カチオン性タピオカ、カチオン性ジャガイモデンプン、及びこれらの混合物から選択され得る。カチオン性変性デンプンポリマーは、カチオン性コーンスターチ及びカチオン性タピオカである。
【0187】
デンプンは、より小さな分子量へと分解する前又は変性させた後に、1つ以上の追加の変性を含むことができる。例えば、これらの変性としては、架橋、安定化反応、リン酸化反応、及び加水分解を挙げることができる。安定化反応としては、アルキル化及びエステル化を挙げることができる。
【0188】
カチオン性変性デンプンポリマーは、加水分解デンプン(例えば、酸、酵素、若しくはアルカリ分解)、酸化デンプン(例えば、過酸化物、過酸、次亜塩素酸塩、アルカリ、若しくは任意の他の酸化剤)、物理的/機械的に分解させたデンプン(例えば、加工装置のサーモメカニカルエネルギー入力によるもの)、又はこれらの組み合わせの形態でシャンプー組成物に含まれてもよい。
【0189】
デンプンは水に容易に溶解することができ、水中で実質的に半透明な溶液を形成することができる。組成物の透過率は、紫外可視(「UV/VIS」)吸光度測定法によって測定される。この測定法は、Gretag Macbeth Colorimeter Colorを用いて、サンプルのUV/VIS光の吸収率又は透過率を測定する。600nmの光波長が、シャンプー組成物の透明度を特徴付けるのに適していることが示されている。
【0190】
アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー
シャンプー組成物には、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマーを含めることができ、このコポリマーは、約1.0meq/g~約3.0meq/gの電荷密度を有する。カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとの合成カチオン性コポリマーであってよい。
【0191】
好適なカチオン性ポリマーは、以下を含むことができる。
(i)次式IXのアクリルアミドモノマー:
【0192】
【化8】
式中、R
9は、H又はC
1~4アルキルであり、R
10及びR
11は、独立して、H、C
1~4アルキル、CH
2OCH
3、CH
2OCH
2CH(CH
3)
2、及びフェニルからなる群から選択されるか、一緒になってC
3~6シクロアルキルである。
(ii)式Xに適合するカチオン性モノマー:
【0193】
【化9】
式中、k=1であり、v、v’、及びv’’はそれぞれ、独立して、1~6の整数であり、wは0、又は1~10の整数であり、X
-はアニオンである。
【0194】
カチオン性モノマーは、式Xに適合して、式中、k=1、v=3で、w=0、z=1であり、X-がCl-であって、次の構造(式XI)を形成することができる。
【0195】
【0196】
理解され得るように、上記の構造は、ジクワットと称されてもよい。
【0197】
カチオン性モノマーは、式Xに適合することができ、式中、v及びv’’はそれぞれ3であり、v’=1、w=1、y=1であり、X-はCl-であって、次の式XIIの構造を形成する。
【0198】
【0199】
式XIIの構造は、トリクワットと称することができる。
【0200】
アクリルアミドモノマーは、アクリルアミド又はメタクリルアミドのいずれかであり得る。
【0201】
カチオン性コポリマーは、AM:TRIQUATであり得、これは、アクリルアミドと1,3-プロパンジアミニウム,N-[2-[[[ジメチル[3-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]アンモニオ]アセチル]アミノ]エチル]2-ヒドロキシ-N,N,N’,N’,N’-ペンタメチル-,トリクロリドとのコポリマーである。AM:TRIQUATはまた、ポリクオタニウム76(polyquaternium 76、PQ76)としても知られている。AM:TRIQUATは、1.6meq/gの電荷密度及び1,100,000g/モルの分子量を有し得る。
【0202】
カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマー及びカチオン性モノマーを含んでもよく、カチオン性モノマーは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジテルチオ(ditertio)ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;エチレンイミン、ビニルアミン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン;トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0203】
カチオン性コポリマーは、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性モノマーを含むことができる。
【0204】
カチオン性コポリマーは、(1)(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマー、並びに/又は加水分解に対して安定なカチオン性モノマーのコポリマーと、(2)(メタ)アクリルアミド、カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマー、及び(メタ)アクリルアミドを主成分とするモノマー、並びに/又は加水分解に対して安定なカチオン性モノマーのターポリマーと、から形成され得る。カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーは、四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルであってもよい。四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、アルキル基及びアルキレン基内のC1~C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートであってもよい。四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、メチルクロリドで四級化されたジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのアンモニウム塩からなる群から選択され得る。四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、アルキルハライドで、又はメチルクロリド若しくはベンジルクロリド若しくはジメチルサルフェート(ADAME-Quat)で四級化されたジメチルアミノエチルアクリレートであってもよい。カチオン性モノマーは、(メタ)アクリルアミドを主成分とする場合、アルキル基及びアルキレン基内のC1~C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドである、又はアルキルハライドで、若しくはメチルクロリド若しくはベンジルクロリド若しくはジメチルサルフェートで四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドである。
【0205】
(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマーは、アルキル基及びアルキレン基内のC1~C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドであってもよい。(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマーは、アルキルハライドで、特にメチルクロリド又はベンジルクロリド又はジメチルサルフェートで四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドであってもよい。
【0206】
カチオン性モノマーは、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーであってよい。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド以外に、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーは、OECD加水分解試験に対して安定であるとみなされ得るあらゆるモノマーであり得る。カチオン性モノマーは加水分解に対して安定であることができ、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーは、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、及び水溶性カチオン性スチレン誘導体からなる群から選択され得る。
【0207】
カチオン性コポリマーは、アクリルアミドと、メチルクロリドで四級化された2-ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート(ADAME-Q)と、メチルクロリドで四級化された3-ジメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド(DIMAPA-Q)と、のターポリマーであり得る。カチオン性コポリマーは、アクリルアミド及びアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドから形成することができ、このアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドは、約1.0meq/g~約3.0meq/gの電荷密度を有する。
【0208】
カチオン性コポリマーは、約1.1meq/g~約2.5meq/g、約1.1meq/g~約2.3meq/g、約1.2meq/g~約2.2meq/g、約1.2meq/g~約2.1meq/g、約1.3meq/g~約2.0meq/g、及び約1.3meq/g~約1.9meq/gの電荷密度を有することができる。
【0209】
カチオン性コポリマーは、約100,000g/モル~約2,000,000g/モル、約300,000g/モル~約1,800,000g/モル、約500,000g/モル~約1,600,000g/モル、約700,000g/モル~約1,400,000g/モル、及び約900,000g/モル~約1,200,000g/モルの分子量を有することができる。
【0210】
カチオン性コポリマーは、トリメチルアンモニオプロピルメタクリルアミドクロリド-N-アクリルアミドコポリマーであり得、これは、AM:MAPTACとしても知られている。AM:MAPTACは、約1.3meq/gの電荷密度及び約1,100,000g/モルの分子量を有し得る。カチオン性コポリマーは、AM:ATPACであり得る。AM:ATPACは、約1.8meq/gの電荷密度及び約1,100,000g/モルの分子量を有し得る。
【0211】
合成ポリマー
カチオン性ポリマーは、
i)1つ以上のカチオン性モノマー単位、及び任意に、
ii)負電荷を有する1つ以上のモノマー単位、及び/又は
iii)非イオン性モノマー、から形成される合成ポリマーであり得る。
ここで、コポリマーのその後の電荷は正電荷である。これらの3種のモノマーの比は「m」、「p」及び「q」で表され、「m」は、カチオン性モノマーの数であり、「p」は、負電荷を有するモノマーの数であり、「q」は、非イオン性モノマーの数である。
【0212】
カチオン性ポリマーは、式XIIIの構造を有する、水溶性又は分散性で、非架橋型の合成カチオン性ポリマーであり得、
【0213】
【化12】
式中、Aは以下のカチオン性部分のうちの1つ以上のものであってよく、
【0214】
【化13】
式中、@は、アミド、アルキルアミド、エステル、エーテル、アルキル、又はアルキルアリールであり、
Yは、C1~C22アルキル、アルコキシ、アルキリデン、アルキル、又はアリールオキシであり、.
Ψyは、C1~C22アルキル、アルキルオキシ、アルキルアリール又はアルキルアリールオキシであり、
Zは、C1~C22アルキル、アルキルオキシ、アリール又はアリールオキシであり、
R1は、H、C1~C4の直鎖又は分枝鎖アルキルであり、
sは、0又は1であり、nは、0又は≧31であり、
T及びR7は、C1~C22アルキルであり、
X
-は、ハロゲン、ヒドロキシド、アルコキシド、サルフェート又はアルキルサルフェートである。
【0215】
上記の構造中、負電荷を有するモノマーは、R2’がH、C1~C4の直鎖又は分枝鎖アルキルであり、R3が下記のとおりであることによって定義され、
【0216】
【化14】
式中、Dは、O、N、又はSであり、
Qは、NH
2又はOであり、
uは、1~6であり、
tは、0~1であり、
Jは、以下の元素P、S、Cを含有する酸素化された官能基である。
【0217】
上記の構造中、非イオン性モノマーは、R2’’がH、C1~C4の直鎖又は分枝鎖アルキルであり、R6が直鎖又は分枝鎖のアルキル、アルキルアリール、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルアリールオキシであり、bが、以下のように定義され、
【0218】
【化15】
式中、G’及びG’’は互いに独立して、O、S、又はN-Hであり、Lは、0又は1である。
【0219】
好適なモノマーとして、アミノアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アミノアルキル(メタ)アクリルアミド;少なくとも1つの二級、三級、若しくは四級アミン官能基、又は窒素原子を含有する複素環基、ビニルアミン若しくはエチレンイミンを含むモノマー;ジアリルジアルキルアンモニウム塩;これらの混合物、これらの塩、及びこれらに由来するマクロモノマーを挙げることができる。
【0220】
好適なカチオン性モノマーの更なる例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジテルチオ(ditertio)ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチレンイミン、ビニルアミン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドを挙げることができる。
【0221】
好適なカチオン性モノマーとしては、式-NR3
+(式中、各Rは、同一であるか又は異なり得、水素原子、1~10個の炭素原子を含むアルキル基、又はベンジル基であってもよく、任意にヒドロキシル基を有し、かつアニオン(対イオン)を含む)の四級モノマーを挙げることができる。好適なアニオンの例としては、塩化物、臭化物などのハロゲン化物、サルフェート、ヒドロサルフェート、アルキルサルフェート(例えば、1~6個の炭素原子を含む)、ホスフェート、シトレート、ホルメート、及びアセテートが挙げられる。
【0222】
好適なカチオン性モノマーとしてはまた、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドも挙げることができる。更なる好適なカチオン性モノマーとしては、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリドを挙げることができる。
【0223】
負電荷を有するモノマーの例としては、ホスフェート又はホスホネート基を含むαエチレン性不飽和モノマー、αエチレン性不飽和モノカルボン酸、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、スルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物、及びスルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物の塩が挙げられる。
【0224】
負電荷を有する好適なモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸の塩、α-アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、α-アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の塩、2-スルホエチルメタクリレート、2-スルホエチルメタクリレートの塩、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の塩、及びスチレンスルホネート(SS)を挙げることができる。
【0225】
非イオン性モノマーの例としては、酢酸ビニル、αエチレン性不飽和カルボン酸のアミド、αエチレン性不飽和モノカルボン酸と水素化又はフッ素化アルコールとのエステル、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート(すなわちポリエトキシル化(メタ)アクリル酸)、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、ビニルニトリル、ビニルアミンアミド、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、及びビニル芳香族化合物を挙げることができる。
【0226】
好適な非イオン性モノマーとしてはまた、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、2-エチル-ヘキシルアクリレート、2-エチル-ヘキシルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、及び2-ヒドロキシエチルメタクリレートも挙げることができる。
【0227】
合成カチオン性ポリマーと結合するアニオン性対イオン(X-)は、そのポリマーが、水、シャンプー組成物、又はシャンプー組成物のコアセルベート相に溶解可能又は分散可能なままであると共に、その対イオンが、シャンプー組成物の必須成分と物理的にも化学的にも相溶性である、又は製品の性能、安定性、若しくは審美性を著しく損なわない限り、いずれの既知の対イオンであってもよい。好適な対イオンの非限定例としては、ハロゲン化物(例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)、サルフェート、及びメチルサルフェートを挙げることができる。
【0228】
本明細書に記載されるカチオン性ポリマーはまた、傷んだ毛髪、特に化学的に処理された毛髪に、代用の疎水性F層をもたらすことによって修復するのに役立ち得る。微視的に薄いF層は天然の耐候性を提供しつつ、水分の封じ込めを助け、更なる傷みを防ぐ。化学的な処理により、毛髪のキューティクルが傷み、その防御作用を持つF層が毛髪から剥がれ落ちてしまう。F層が剥がれ落ちるにつれ、毛髪は親水性が増すようになる。化学的に処理された毛髪にリオトロピック液晶を塗布すると、その毛髪は更に疎水性になり、外観も触感も、未処理の毛髪のようになることが分かった。いずれの理論にも束縛されるものではないが、リオトロピック液晶複合体は疎水性の層又は膜を形成し、天然のF層が毛髪を保護するのと同様に、毛髪繊維をコーティングして毛髪を保護すると考えられる。疎水層は、毛髪を、一般的には未処理の毛髪のようなより健康的な状態に戻し得る。リオトロピック液晶は、本明細書に記載される合成カチオン性ポリマーをシャンプー組成物の前述のアニオン性洗浄性界面活性剤構成成分と合わせることにより形成される。合成カチオン性ポリマーの電荷密度は比較的高い。カチオン電荷密度が比較的高い一部の合成ポリマーは、主にそれらの異常な線形の電荷密度のためにリオトロピック液晶を形成しないことに留意されたい。このような合成カチオン性ポリマーは、参照により組み込まれる国際公開第94/06403号に記載されている。本明細書に記載される合成ポリマーは、傷んだ毛髪に対するコンディショニング性能を向上させる安定したシャンプー組成物に配合することができる。
【0229】
リオトロピック液晶を形成し得るカチオン性合成ポリマーは、約2meq/gm~約7meq/gm、及び/又は約3meq/gm~約7meq/gm、及び/又は約4meq/gm~約7meq/gmのカチオン性電荷密度を有する。カチオン性電荷密度は約6.2meq/gmである。このポリマーはまた、約1,000~約5,000,000、及び/又は約10,000~約2,000,000、及び/又は約100,000~約2,000,000の分子量を有する。
【0230】
有益剤の増強されたコンディショニング性能と付着性能を提供するが必ずしもリオトロピック液晶を形成しないカチオン性合成ポリマーは、約0.7meq/gm~約7meq/gm、及び/又は約0.8meq/gm~約5meq/gm、及び/又は約1.0meq/gm~約3meq/gmのカチオン性電荷密度を有し得る。ポリマーはまた、約1,000g/モル~約5,000,000g/モル、約10,000g/モル~約2,000,000g/モル、及び約100,000g/モル~約2,000,000g/モルの分子量を有する。
【0231】
カチオン性セルロースポリマー
好適なカチオン性ポリマーは、セルロースポリマーであってもよい。好適なセルロースポリマーとしては、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩を挙げることができ、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と呼ばれており、Dwo/Amerchol Corp.(Edison,N.J.,USA)より、Polymer LR、JR及びKGシリーズのポリマーとして入手可能である。カチオン性セルロースの他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩を挙げることができる。これらの物質は、Dow/Amerchol Corp.から、Polymer LM-200の商品名で入手可能である。カチオン性セルロースの他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム67と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシド及びトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩を挙げることができる。これらの物質は、Dow/Amerchol Corp.から、SoftCAT Polymer SL-5、SoftCAT Polymer SL-30、Polymer SL-60、Polymer SL-100、Polymer SK-L、Polymer SK-M、Polymer SK-MH、及びPolymer SK-Hという商品名で入手可能である。
【0232】
更なるカチオン性ポリマーは、参照により本明細書に組み込まれるCTFA Cosmetic Ingredient Dictionary、第3版、Estrin、Crosley及びHaynes編(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.(Washington,D.C.)(1982年))にも記載されている。
【0233】
複合コアセルベートの形成について分析するための技術は、当該技術分野において既知である。例えば、任意の選択された希釈段階における組成物の顕微鏡分析を利用して、コアセルベート相が形成されたかどうかを確認することができる。こうしたコアセルベート相は、組成物における追加の乳化相として確認され得る。染料を使用すると、コアセルベート相を組成物中に分散している他の不溶性相と区別するのを補助することができる。カチオン性ポリマーの使用及びコアセルベートに関する更なる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,272,164号に開示されている。
【0234】
シリコーン
シャンプー組成物は、シリコーンコンディショニング剤を含むことができる。シリコーンコンディショニング剤は、有益相及び/又はクレンジング相であり得る。好適なシリコーンコンディショニング剤は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はこれらの組み合わせを含むことができる。シリコーンコンディショニング剤を含む場合、剤は、組成物の約0.01重量%~約10重量%、クレンジング相、有益相、又は組成物の約0.1重量%~約8重量%、約0.1重量%~約5重量%、及び/又は約0.2重量%~約2重量%で含まれ得る。好適なシリコーンコンディショニング剤、及びシリコーン用の任意選択の懸濁剤の例が、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び同第5,106,609号に記載されており、そのそれぞれが参照により本明細書に組み込まれる。好適なシリコーンコンディショニング剤は、25℃で測定して約20センチストークス(「csk」)~約2,000,000csk、約1,000csk~約1,800,000csk、約50,000csk~約1,500,000csk、及び約100,000csk~約1,500,000cskの粘度を有し得る。
【0235】
分散したシリコーンコンディショニング剤粒子は、約0.01μm~約50μmの範囲の体積平均粒径を有し得る。小さい粒子を毛髪に塗布する場合、体積平均粒径は、約0.01μm~約4μm、約0.01μm~約2μm、約0.01μm~約0.5μmの範囲であり得る。大きい粒子を毛髪に塗布する場合、体積平均粒径は、典型的には、約5μm~約125μm、約10μm~約90μm、約15μm~約70μm、及び/又は約20μm~約50μmの範囲である。
【0236】
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂、並びにシリコーンの製造を議論する項を包含するシリコーンついての更なる資料が、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,vol.15,2d ed.,pp 204-308,John Wiley&Sons,Inc.(1989)に見出され、参照により本明細書に組み込まれている。
【0237】
本明細書に記載のシャンプー組成物に適したシリコーンエマルションとしては、米国特許第4,476,282号、及び米国特許出願公開第2007/0276087号に記載されている説明に従って調製された不溶性ポリシロキサンのエマルションを挙げることができ、これらの各々は、参照によって本明細書に組み込まれる。好適な不溶性ポリシロキサンとしては、α,ωヒドロキシ末端ポリシロキサン、又はα,ωアルコキシ末端ポリシロキサンなどの、約50,000~約500,000g/モルの範囲内の分子量を有するポリシロキサンが挙げられる。不溶性ポリシロキサンの平均分子量は、約50,000~約500,000g/モルの範囲内であることができる。例えば、不溶性ポリシロキサンの平均分子量は、約60,000~約400,000;約75,000~約300,000;約100,000~約200,000の範囲内であってもよく、又は平均分子量は約150,000g/モルであってもよい。不溶性ポリシロキサンは、約30nm~約10マイクロメートルの範囲内の平均粒径を有することができる。平均粒径は、例えば、約40nm~約5マイクロメートル、約50nm~約1マイクロメートル、約75nm~約500nmの範囲内であってもよく、又は、約100nmであってもよい。
【0238】
本明細書に記載のシャンプー組成物に適したシリコーンの他の種類としては、i)25℃で測定したときに約1,000,000csk未満の粘度を有する流動性物質であるシリコーン流体(シリコーン油など)、ii)少なくとも1つの一級、二級、又は三級アミンを含有する、アミノシリコーン、iii)少なくとも1つの四級アンモニウム官能基を含有するカチオン性シリコーン、iv)シリコーンゴム(25℃で測定したときに1,000,000csk以上の粘度を有する物質を含む)、v)高架橋ポリマーシロキサン系を含むシリコーン樹脂、vi)少なくとも1.46の屈折率を有する高屈折率シリコーン、及びvii)これらの混合物を挙げることができる。
【0239】
あるいは、シャンプー組成物は、シリコーンを実質的に含まなくてもよい。
【0240】
水性キャリア
クレンジング相及び有益相は両方とも、水性キャリアを含むことができる。したがって、シャンプー組成物の配合物は、(周囲条件下で)注ぎ込み可能な液体の形態であり得る。クレンジング相は、クレンジング相の約15重量%~約95重量%、あるいは約50重量%~約93重量%、あるいは約60重量%~約92重量%、あるいは約70重量%~約90重量%、あるいは約72重量%~約88重量%、あるいは約75重量%~約85重量%存在し得る水性キャリアを含有することができる。有益相は、有益相の約25重量%~約98重量%、あるいは約40重量%~約95重量%、あるいは約50重量%~約90重量%、あるいは約60重量%~約85重量%、あるいは約65重量%~約83重量%存在し得る水性キャリアを含有することができる。
【0241】
この水性キャリアは、水、又は水と有機溶媒との混和性混合物を含んでもよく、一態様では、特に他の構成成分の微量成分として組成物中に偶発的に組み込まれる場合を除き、最小限の有機溶媒を有するか、又は有意な濃度の有機溶媒を有していない水を含んでもよい。
【0242】
シャンプー組成物において有用な水性キャリアは、水を含むことができる。別の例では、シャンプー組成物は、低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液を含むことができる。低級アルキルアルコールは、1~6個の炭素を有する一価アルコール、一態様では、エタノール及びイソプロパノールを含むことができる。多価アルコールとして、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールを挙げることができる。
【0243】
任意成分
理解され得るように、本明細書に記載されるシャンプー組成物は、組成物の特性及び特徴を目的に合わせて調整するために種々の任意成分を含み得る。理解され得るように、好適な任意成分は周知であり、一般に、本明細書に記載されるシャンプー組成物の必須成分と物理的及び化学的に相溶性である任意の成分を含み得る。任意成分は、その他の点では、製品安定性、審美性、又は性能を過度に損なってはならない。任意の構成成分は、クレンジング相及び/又は有益相であり得る。任意成分の個々の濃度は、一般に、シャンプー組成物の約0.001重量%~約10重量%の範囲であってよい。クレンジング相中の任意の構成成分は、半透明なシャンプー組成物の透明度を損なわない成分に更に限定することができる。
【0244】
シャンプー組成物に含まれ得る好適な任意の構成成分としては、付着補助剤、コンディショニング剤(炭化水素油、脂肪酸エステル、シリコーンなど)、抗ふけ剤、懸濁剤、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、起泡増進剤、殺シラミ剤、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、及びビタミンを挙げることができる。CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,第10版(Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.(Washington,D.C.)より出版)(2004)(以下「CTFA」)に、本明細書の組成物に添加され得る様々な非限定的な物質が記載されている。
【0245】
シャンプー組成物に含まれ得る好適な任意の構成成分は、アミノ酸を含むことができる、含まれ得る。好適なアミノ酸としては、例えば、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン、及びこれらの誘導体などの水溶性ビタミン、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸及びこれらの塩などの水溶性アミノ酸、ビタミンA、D、E及びこれらの誘導体などの水不溶性ビタミン、チロシン、トリプタミン及びこれらの塩などの水不溶性アミノ酸を挙げることができる。
【0246】
追加の化粧品材料
シャンプー組成物は、1つ以上の追加の化粧品材料を更に含むことができる。例示的な追加の化粧品材料として、粒子、着色剤、香料マイクロカプセル、ゲルネットワーク、及びスキンシリコーンなどの他の不溶性スキンコンディショニング剤又はヘアコンディショニング剤、ヒマワリ油又はヒマシ油などの天然油を挙げることができるが、これらに限定されない。追加の化粧品材料は、粒子、着色剤;香料マイクロカプセル;ゲルネットワーク;スキンシリコーンなどの他の不溶性スキンコンディショニング剤又はヘアコンディショニング剤、ヒマワリ油又はヒマシ油などの天然油;及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0247】
抗ふけ活性物質
シャンプー組成物はまた、抗ふけ活性物質を含有してもよい。抗ふけ活性物質は、クレンジング相及び/又は有益相中に存在し得る。ピロクトンオラミンなどの可溶性抗ふけ活性物質が、クレンジング相又は有益相中に存在し得る。ピリジンチオン(例えば、ジンクピリチオン)などの不溶性抗ふけ活性物質が、有益相に存在し得る。いくつかの例では、クレンジング相は、不溶性抗ふけ活性物質を実質的に含まなくてもよい。ふけ防止活性物質の好適な非限定例としては、ピリジンチオン塩、アゾール、硫化セレン、粒子状イオウ、角質溶解剤、及びこれらの混合物が挙げられる。このような抗ふけ活性物質は、組成物の構成成分と物理的及び化学的に適合すべきであり、さもなければ過度に製品の安定性、審美性、又は性能を損なうべきではない。組成物中に存在する場合、抗ふけ活性物質は、組成物、有益相、又はクレンジング相の約0.01重量%~約5重量%、あるいは約0.1重量%~約3重量%、あるいは約0.3重量%~約2重量%の量で含まれる。
【0248】
試験方法
毛髪湿潤感触摩擦測定(最終すすぎ摩擦及び初期すすぎ摩擦):
一般集団の毛髪の8インチの長さで4グラムのヘアピースを測定に使用する。水温を100°Fにセットし、硬度はガロン当たり7グレインであり、流量は1分当たり1.6リットルである。液体形態のシャンプーの場合、シリンジを使用して、0.2mLの液体シャンプーを毛髪の全長を覆うように、ジグザグパターンでヘアピースに均一に塗布する。エアロゾル泡形態のシャンプーの場合、泡シャンプーを秤上の秤量皿に分配する。0.2グラムの泡シャンプーを秤量皿から取り、スパチュラを用いて毛髪の全長を覆うように、ヘアピースに均一に塗布する。次いで、ヘアピースを最初に30秒間泡立て、水で30秒間すすぎ、再び30秒間泡立てる。次に、流速を1分当たり0.2リットルに低減する。ヘアピースを、1800グラム重でクランプに挟み込み、低速で水を流しながら、全長にわたって引っ張る。引っ張り時間は30秒である。摩擦は、5kgのロードセルを有する摩擦分析器で測定される。すすぎ下での引っ張りを合計21回繰り返した。合計で21の摩擦値を集計する。最終すすぎ摩擦は、最後の7点の平均摩擦であり、初期すすぎ摩擦は初期の7点の平均である。初期に対する最終の差分は、初期すすぎ摩擦から最終すすぎ摩擦を減算することによって計算される。
【0249】
光透過率
%Tは、紫外/可視(UV/VI)分光法を使用して測定することができ、これは、サンプルを通るUV/VIS光の透過を決定する。600nmの光波長が、サンプルを通した光透過率の程度を特徴付けるのに適していることが示されている。典型的には、使用される特定の分光光度計に関する特定の指示に従うことが最良である。一般に、透過率パーセントを測定する手順は、分光光度計を600nmに設定することによって開始する。次いで、較正「ブランク」を実行して、読み出し値を100パーセントの透過率に較正する。次いで、特定の分光光度計に適合するように設計されたキュベット内に単一の試験サンプルを配置し、600nmの分光光度計により%Tを測定する前に、サンプル内に気泡がないことを確実にするように注意する。
【0250】
組み合わせ
A.包装であって、
a.中空内部を画定するインサート壁と、開口部を画定するリップと、開口部の遠位にある穿孔可能な膜と、を備えるインサートと、
b.中空内部を画定するボトル、及びインサートの少なくとも一部分を中空内部内に受容可能である開口部を画定するネック部と、
c.ネック部に取り外し可能に固定されたオーバーキャップであって、インサートの中空内部内に受容可能であるプラグ部分を備える、オーバーキャップと、を備える、包装。
B.包装であって、
a.中空内部を画定するインサート壁と、開口部を画定するリップと、開口部の遠位にある穿孔された膜と、を備えるインサートと、
b.中空内部を画定するボトル、及びインサートの少なくとも一部分を中空内部内に受容可能である開口部を画定するネック部と、
c.浸漬チューブ及びポンプアセンブリを備えるポンプであって、浸漬チューブは、ポンプアセンブリに流体接続されており、浸漬チューブは、インサートの中空内部内に受容可能であり、かつ穿孔された膜を通って延びており、
包装は、ポンプディスペンサである、ポンプと、
d.任意選択で、ネック部に取り外し可能に固定されたクロージャと、を備える、包装。
C.インサートが、インサート外壁及びインサート内壁を通って延びる1つ以上の孔、好ましくは2つ以上の孔、より好ましくは3つ以上の孔を更に備える、段落A~Bに記載の包装。
D.プラグ部分が、2つ以上の孔を越えて延び、孔を封止する、段落Cに記載の包装。
E.孔の直径が、約0.001インチ(25.4μm)~約0.1インチ(2540μm)、好ましくは約0.005インチ(127μm)~約0.06インチ(1524μm)、より好ましくは約0.008インチ(203.2μm)~約0.04インチ(1016μm)、あるいは約0.01インチ(254μm)~約0.02インチ(508μm)であり得る、段落C~Dに記載の包装。
F.プラグ部分が、中空内部と、キャップの遠位の端部にある穿孔可能な膜と、を備える、段落A~Eに記載の包装。
G.ボトルが、約200mL~約1500mL、好ましくは約300mL~約1000mL、より好ましくは約500mL~約1000mLの容積を備える、段落A~Fに記載の包装。
H.ボトル開口部は直径を有し、直径が、75mm以下、好ましくは50mm以下、好ましくは25mm以下である、段落A~Gに記載の包装。
I.ボトルの少なくとも一部分が透明である、段落A~Hに記載の包装。
J.から作製することができるボトル、オーバーキャップ、及び/又はインサートが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、及び/又はポリエチレンナフタレート(PEN)、及びこれらの組み合わせを含む、段落A~Iに記載の包装。
K.包装が、輸送及び取り扱いに適合されている、段落A~Jに記載の包装。
L.液体組成物が、その中に懸濁された設計を含む、段落A~Kに記載の包装。
M.設計が、輸送試験後に実質的に変化しない、段落A~Lに記載の包装。
N.プラグ部分が、中空内部と、キャップの遠位の端部にある穿孔された膜と、を備える、段落A~Mに記載の包装。
O.浸漬チューブは、プラグ部分の中空内部内に受容可能であり、浸漬チューブは、プラグの穿孔された膜を通って延びている、段落Nに記載の包装。
P.液体製品中の懸濁設計を保存するための方法であって、
a.中空内部を画定するボトル及び開口部を画定するネック部を提供し
b.ボトルを液体美容ケア製品で、ヘッドスペースを有する目標充填レベルまで充填し、液体美容ケア製品中に設計を懸濁し、
c.インサートを開口部を通して中空内部内に、インサートがネック部とスナップ嵌合するまで挿入し、インサートが孔を備え、
インサートが挿入された直後、ヘッドスペースは、ボトルの容積の5%未満、好ましくは3%未満、より好ましくは1%未満、更により好ましくは0.2%未満であり、
d.液体組成物の一部分が、孔を通ってインサートの中空内部に入り、
e.オーバーキャップをネック部に取り付け、オーバーキャップは、中空のインサート内部内に延び、孔を封止する、プラグ部分を備え、
設計が、輸送試験後に実質的に変化せず、ボトルが、保存された懸濁設計を含む液体製品を含む、方法。
Q.インサートが挿入された直後、ボトルには、ヘッドスペースが実質的にない、又はヘッドスペースが全くない、段落Pに記載の方法。
R.ボトルが、オーバーキャップの取り付け後に過圧力を有する、段落P~Qに記載の方法。
S.液体製品がシャンプーである、段落P~Rに記載の方法。
T.液体製品が、10-2~10-4s-1の剪断速度で約0.01~約20の、Herschel-Bulkleyモデルに従うと約0.01~約20Pa、好ましく約0.01~約10Pa、あるいは約0.01~約5Paの、降伏応力を有する、段落P~Sに記載の方法。
U.請求項13に記載の保存された懸濁設計を有する液体組成物を分注するための方法であって、
a.オーバーキャップを除去することと、
b.浸漬チューブ及びポンプアセンブリを備えるポンプを提供することであって、浸漬チューブが、ポンプアセンブリに流体接続されている、提供することと、
c.浸漬チューブをインサートの中空空洞を通して挿入することと、
d.膜を穿孔することと、
e.ポンプを固定することと、
f.保存された懸濁設計を有する液体組成物を分注することと、を含む、方法。
【0251】
ヘアケア製剤分野の当業者の技術範囲内での本開示の他の修正が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されよう。本明細書における全ての部、百分率(%)、及び比は、別途指定されない限り、重量基準である。いくつかの構成成分は、供給元から希釈溶液として供給され得る。記載した濃度は、特に規定のない限り、活性物質の重量パーセントを表す。また、香料及び/又は防腐剤の濃度は、以下の実施例に含まれてもよい。
【0252】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0253】
相互参照される文書又は関連特許若しくは出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0254】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】