(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(54)【発明の名称】B型肝炎ウイルスのスピロ環式阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07D 515/20 20060101AFI20230327BHJP
A61K 31/554 20060101ALI20230327BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20230327BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20230327BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230327BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230327BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230327BHJP
C12Q 1/6888 20180101ALN20230327BHJP
【FI】
C07D515/20 CSP
A61K31/554 ZNA
A61P31/12
A61P1/16
A61P35/00
A61P29/00
A61K45/00
C12Q1/6888 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548761
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(85)【翻訳文提出日】2022-10-04
(86)【国際出願番号】 EP2021053099
(87)【国際公開番号】W WO2021160617
(87)【国際公開日】2021-08-19
(32)【優先日】2020-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517423431
【氏名又は名称】オスペダーレ・サン・ラッファエーレ・エッセエッレエッレ
(71)【出願人】
【識別番号】521026172
【氏名又は名称】イスティトゥート・ナツィオナーレ・ディ・ジェネティカ・モレコラーレ-イエンネジエンメ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ロマーノ・ディ・ファビオ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンチェンツォ・スンマ
(72)【発明者】
【氏名】レーダ・イヴァノヴァ・ベンケヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ラッファエーレ・デ・フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】ロレーナ・ドンニチ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ・グイドッティ
(72)【発明者】
【氏名】マッテオ・イアンナコーネ
(72)【発明者】
【氏名】アドルフォ・プランディ
(72)【発明者】
【氏名】マリレーニア・デ・マッテオ
(72)【発明者】
【氏名】ピエトロ・ランダッツォ
【テーマコード(参考)】
4B063
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA13
4B063QA18
4B063QQ08
4B063QQ10
4B063QQ28
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR08
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR62
4B063QR77
4B063QR79
4B063QS25
4B063QX01
4C084AA19
4C084MA02
4C084NA14
4C084ZA75
4C084ZB11
4C084ZB26
4C084ZB33
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086CB31
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA75
4C086ZB33
(57)【要約】
本発明は、B型肝炎ウイルス(HBV)の阻害剤である化合物に関する。本発明の化合物は、単独で又はHBV感染及び関連状態を処置、寛解、予防若しくは治癒するための他の薬剤と組み合わせて有用である。本発明はまた、前記化合物を含有する医薬組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】
[式中、
Cyは、アリール又はヘテロアリールであり、
m及びnの各々は、独立に1又は2であり、
R
1は、H、F、Br、Cl又はCH
3であり、
R
2は、
- OH、ハロゲン、CN、C
1~6アルキル、ヒドロキシC
1~6アルキル、ハロC
1~6アルキル、ハロC
1~6アルコキシ、C
1~6アルコキシ及びNH
2からなる群から各々独立に選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されてもよい、5又は6員のヘテロアリール環、
- ハロC
1~4アルキル、並びに
- C(=O)NR
3R
4
からなる群から選択され、
R
3及びR
4の各々は、
- 水素、
- C
1~3アルキル
- ハロC
1~4アルキル、並びに
- メチル、F、Cl、CHF
2及びCF
3からなる群から各々独立に選択される1つ若しくは複数の置換基で場合により置換されてもよい、C
3~5シクロアルキル
からなる群から独立に選択され、
又はR
3及びR
4は、それらが結合している窒素原子と一緒に、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン及びチオモルホリンからなる群から選択される環状アミンを形成し、前記環状アミンの各々は、メチル、フッ素、CHF
2及びCF
3からなる群から各々独立に選択される1つ若しくは複数の置換基で場合により置換されてもよく、
Ra、Rb、Rc及びRdは、水素、ハロゲン、メチル、CN、CHF
2及びCF
3からなる群から各々独立に選択される]
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項2】
R
2が、
- OH、ハロゲン、CN、メチル及びトリフルオロメチルからなる群から各々独立に選択される1つ若しくは複数の置換基で場合により置換されてもよい、5員のヘテロアリール環、又は
- C(=O)NR
3R
4であり、R
3がHであり、R
4が、C
1~3アルキル、ハロC
1~4アルキル、並びにメチル、フッ素及びCF
3からなる群から各々独立に選択される1つ若しくは複数の置換基で場合により置換されてもよい、C
3~5シクロアルキルからなる群から選択され、
又はR
3及びR
4が、それらが結合している窒素原子と一緒に、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン及びピペリジンからなる群から選択される環状アミンを形成し、前記環状アミンの各々が、メチル、フッ素及びCF
3からなる群から各々独立に選択される1つ若しくは複数の置換基で場合により置換されてもよい、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項3】
Ra、Rb、Rc及びRdが、水素、Cl、F、メチル及びCHF
2からなる群から各々独立に選択される、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項4】
mが1であり、nが2であり、又は
mが2であり、nが2であり、又は
mが1であり、nが1であり、又は
R
1がH若しくはClであり、
好ましくは、
mが1であり、nが2であり、R
1がH若しくはClであり、又は
mが2であり、nが2であり、R
1がH若しくはClであり、又は
mが1であり、nが1であり、R
1がH若しくはClである、
請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項5】
【化2】
は、
【化3】
を表す、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項6】
R
2が、
【化4】
である、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項7】
以下のリスト:
- N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7'-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボニル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- 8'-クロロ-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-1-(2-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-2-オキソアセチル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- 1-(2-(シクロプロピルアミノ)-2-オキソアセチル)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-8'-クロロ-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-8'-クロロ-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-8'-クロロ-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-8'-クロロ-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-8'-クロロ-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-8'-クロロ-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-8'-クロロ-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;及び
- 8'-クロロ-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド
から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項8】
医学的使用のための、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項9】
HBV感染及び/又はHBV感染と関連する状態の処置及び/又は予防における使用のための、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物、薬学的に許容される塩、溶媒和物又は立体異性体であって、好ましくは、前記HBV感染と関連する状態が、慢性B型肝炎、HBV/HDV同時感染、HBV/HCV同時感染、HBV/HIV同時感染、HBV感染からの炎症、壊死、硬変、肝細胞癌腫、肝代償不全及び肝傷害からなる群から選択される、使用のための化合物、薬学的に許容される塩、溶媒和物又は立体異性体。
【請求項10】
それを必要とする個体におけるHBV感染の処置、根絶、低減、減速若しくは阻害における、並びに/又はそれを必要とする個体におけるHBV感染と関連するウイルス負荷の低減における、並びに/又はそれを必要とする個体におけるHBV感染の再発の低減における、並びに/又はそれを必要とする個体におけるHBV感染からの肝傷害の緩解の誘導における、並びに/又は潜在性HBV感染を患う個体におけるHBV感染の予防的処置における使用のための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物、薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。
【請求項11】
請求項8から10のいずれか一項に記載の使用のための化合物、薬学的に許容される塩、溶媒和物又は立体異性体であって、前記使用が、少なくとも1つの更なる治療剤と組み合わせた使用であり、好ましくは、前記少なくとも1つの更なる治療剤が、治療用ワクチン、RNA干渉治療剤/アンチセンスオリゴヌクレオチド、免疫調節物質、STINGアゴニスト、RIG-Iモジュレーター、NKTモジュレーター、ILアゴニスト、インターロイキン若しくは別の免疫作用タンパク質、治療用及び予防用ワクチン、免疫チェックポイントモジュレーター/阻害剤、HBV侵入阻害剤、cccDNAモジュレーター、HBVタンパク質発現の阻害剤、HBV RNAを標的化する薬剤、カプシド集合阻害剤/モジュレーター、コア若しくはXタンパク質標的化剤、ヌクレオチド類似体、ヌクレオシド類似体、インターフェロン若しくは修飾インターフェロン、別個の若しくは未知の機序のHBV抗ウイルス剤、シクロフィリン阻害剤、sAg放出阻害剤、HBVポリメラーゼ阻害剤、ジヌクレオチド、SMAC阻害剤、HDV標的化剤、ウイルス成熟阻害剤、逆転写酵素阻害剤、並びにHBV RNA不安定化剤若しくはHBVタンパク質発現の別の小分子阻害剤、又はそれらの組合せからなる群から選択され、前記治療用ワクチンが、好ましくは、HBsAG-HBIG、HB-Vac、ABX203、NASVAC、GS-4774、GX-110(HB-110E)、CVI-HBV-002、RG7944(INO-1800)、TG-1050、FP-02(Hepsyn-B)、AIC649、VGX-6200、KW-2、TomegaVax-HBV、ISA-204、NU-500、INX-102-00557、HBV MVA及びPepTcellから選択され、前記RNA干渉治療剤が、好ましくは、TKM-HBV(ARB-1467)、ARB-1740、ARC-520、ARC-521、BB-HB-331、REP-2139、ALN-HBV、ALN-PDL、LUNAR-HBV、GS3228836及びGS3389404から選択され、前記免疫調節物質が、好ましくは、TLRアゴニストであり、好ましくは、TLR7、TLR8又はTLR9アゴニストであり、好ましくは、RG7795(RO-6864018)、GS-9620、SM360320(9-ベンジル-8-ヒドロキシ-2-(2-メトキシ-エトキシ)アデニン)、AZD 8848(メチル[3-({[3-(6-アミノ-2-ブトキシ-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-ピリン-9-イル)プロピル][3-(4-モルホリニル)プロピル]アミノ}メチル)フェニル]アセテート)及びARB-1598から選択され、前記RIG-Iモジュレーターが、好ましくは、SB-9200であり、前記ILアゴニスト又は他の免疫作用タンパク質が、好ましくは、INO-9112又は組換えIL12であり、前記免疫チェックポイントモジュレーター/阻害剤が、好ましくは、BMS-936558(Opdivo(ニボルマブ))又はペムブロリズマブであり、前記HBV侵入阻害剤が、好ましくは、Myrcludex B、IVIG-Tonrol又はGC-1102であり、前記cccDNAモジュレーターが、好ましくは、直接cccDNA阻害剤、cccDNA形成又は維持の阻害剤、cccDNAエピジェネティックモディファイヤー及びcccDNA転写の阻害剤から選択され、前記カプシド集合阻害剤/モジュレーター、コア若しくはXタンパク質標的化剤、直接cccDNA阻害剤、cccDNA形成若しくは維持の阻害剤又はcccDNAエピジェネティックモディファイヤーが、好ましくは、BAY 41-4109、NVR 3-778、GLS-4、NZ-4(W28F)、Y101、ARB-423、ARB-199、ARB-596、AB-506、JNJ-56136379、ASMB-101(AB-V102)、ASMB-103、CHR-101、CC-31326、AT-130及びRO7049389から選択され、前記インターフェロン又は修飾インターフェロンが、好ましくは、インターフェロンアルファ(IFN-α)、ペグ化インターフェロンアルファ(PEG-IFN-α)、インターフェロンアルファ-2a、組換えインターフェロンアルファ-2a、ペグインターフェロンアルファ-2a(Pegasys)、インターフェロンアルファ-2b(Intron A)、組換えインターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-2b XL、ペグインターフェロンアルファ-2b、グリコシル化インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-2c、組換えインターフェロンアルファ-2c、インターフェロンベータ、インターフェロンベータ-1a、ペグインターフェロンベータ-1a、インターフェロンデルタ、インターフェロンラムダ(IFN-λ)、ペグインターフェロンラムダ-1、インターフェロンオメガ、インターフェロンタウ、インターフェロンガンマ(IFN-γ)、インターフェロンアルファコン-1、インターフェロンアルファ-n1、インターフェロンアルファ-n3、アルブインターフェロンアルファ-2b、BLX-883、DA-3021、PI 101(AOP2014としても公知)、PEG-infergen、Belerofon、INTEFEN-IFN、アルブミン/インターフェロンアルファ2a融合タンパク質、rHSA-IFNアルファ2a、rHSA-IFNアルファ2b、PEG-IFN-SA及びインターフェロンアルファバイオベターから選択され、前記別個の若しくは未知の機序のHBV抗ウイルス剤が、AT-61((E)-N-(1-クロロ-3-オキソ-1-フェニル-3-(ピペリジン-1-イル)プロパ-1-エン-2-イル)ベンズアミド)、AT130((E)-N-(1-ブロモ-1-(2-メトキシフェニル)-3-オキソ-3-(ピペリジン-1-イル)プロパ-1-エン-2-イル)-4-ニトロベンズアミド)、その類似体、REP-9AC(REP-2055)、REP-9AC'(REP-2139)、REP-2165及びHBV-0259から選択され、前記シクロフィリン阻害剤が、好ましくは、OCB-030(NVP-018)、SCY-635、SCY-575及びCPI-431-32から選択され、前記HBVポリメラーゼ阻害剤が、好ましくは、エンテカビル(Baraclude、Entavir)、ラミブジン(3TC、Zeffix、Heptovir、Epivir及びEpivir-HBV)、テルビブジン(Tyzeka、Sebivo)、クレブシン、ベシホビル、アデホビル(hepsera)、テノホビルから選択され、好ましくは、前記テノホビルが、フマル酸テノホビルジソプロキシル(Viread)、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩(TAF)、テノホビルジソプロキシルオロチン酸塩(DA-2802)、テノホビルジソプロキシルアスパラギン酸塩(CKD-390)、AGX-1009及びCMX157から選択される塩形態であり、前記ジヌクレオチドが、好ましくは、SB9200であり、前記SMAC阻害剤が、好ましくは、ビリナパントであり、前記HDV標的化剤が、好ましくは、ロナファミブであり、前記HBV RNA不安定化剤又はHBVタンパク質発現の他の小分子阻害剤が、好ましくは、RG7834又はAB-452である、使用のための化合物、薬学的に許容される塩、溶媒和物又は立体異性体。
【請求項12】
請求項1から7のいずれか一項に記載の使用のための化合物、薬学的に許容される塩、溶媒和物又は立体異性体を、単独で、又は少なくとも1つの更なる治療剤及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む、医薬組成物であって、好ましくは、前記少なくとも1つの更なる治療剤が、治療用ワクチン、RNA干渉治療剤/アンチセンスオリゴヌクレオチド、免疫調節物質、STINGアゴニスト、RIG-Iモジュレーター、NKTモジュレーター、ILアゴニスト、インターロイキン若しくは別の免疫作用タンパク質、治療用及び予防用ワクチン、免疫チェックポイントモジュレーター/阻害剤、HBV侵入阻害剤、cccDNAモジュレーター、HBVタンパク質発現の阻害剤、HBV RNAを標的化する薬剤、カプシド集合阻害剤/モジュレーター、コア若しくはXタンパク質標的化剤、ヌクレオチド類似体、ヌクレオシド類似体、インターフェロン若しくは修飾インターフェロン、別個の若しくは未知の機序のHBV抗ウイルス剤、シクロフィリン阻害剤、sAg放出阻害剤、HBVポリメラーゼ阻害剤、ジヌクレオチド、SMAC阻害剤、HDV標的化剤、ウイルス成熟阻害剤、逆転写酵素阻害剤、並びにHBV RNA不安定化剤若しくはHBVタンパク質発現の別の小分子阻害剤、又はそれらの組合せからなる群から選択され、前記治療用ワクチンが、好ましくは、HBsAG-HBIG、HB-Vac、ABX203、NASVAC、GS-4774、GX-110(HB-110E)、CVI-HBV-002、RG7944(INO-1800)、TG-1050、FP-02(Hepsyn-B)、AIC649、VGX-6200、KW-2、TomegaVax-HBV、ISA-204、NU-500、INX-102-00557、HBV MVA及びPepTcellから選択され、前記RNA干渉治療剤が、好ましくは、TKM-HBV(ARB-1467)、ARB-1740、ARC-520、ARC-521、BB-HB-331、REP-2139、ALN-HBV、ALN-PDL、LUNAR-HBV、GS3228836及びGS3389404から選択され、前記免疫調節物質が、好ましくは、TLRアゴニストであり、好ましくは、TLR7、TLR8又はTLR9アゴニストであり、好ましくは、RG7795(RO-6864018)、GS-9620、SM360320(9-ベンジル-8-ヒドロキシ-2-(2-メトキシ-エトキシ)アデニン)、AZD 8848(メチル[3-({[3-(6-アミノ-2-ブトキシ-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-ピリン-9-イル)プロピル][3-(4-モルホリニル)プロピル]アミノ}メチル)フェニル]アセテート)及びARB-1598から選択され、前記RIG-Iモジュレーターが、好ましくは、SB-9200であり、前記ILアゴニスト又は他の免疫作用タンパク質が、好ましくは、INO-9112又は組換えIL12であり、前記免疫チェックポイントモジュレーター/阻害剤が、好ましくは、BMS-936558(Opdivo(ニボルマブ))又はペムブロリズマブであり、前記HBV侵入阻害剤が、好ましくは、Myrcludex B、IVIG-Tonrol又はGC-1102であり、前記cccDNAモジュレーターが、好ましくは、直接cccDNA阻害剤、cccDNA形成又は維持の阻害剤、cccDNAエピジェネティックモディファイヤー及びcccDNA転写の阻害剤から選択され、前記カプシド集合阻害剤/モジュレーター、コア若しくはXタンパク質標的化剤、直接cccDNA阻害剤、cccDNA形成若しくは維持の阻害剤又はcccDNAエピジェネティックモディファイヤーが、好ましくは、BAY 41-4109、NVR 3-778、GLS-4、NZ-4(W28F)、Y101、ARB-423、ARB-199、ARB-596、AB-506、JNJ-56136379、ASMB-101(AB-V102)、ASMB-103、CHR-101、CC-31326、AT-130及びRO7049389から選択され、前記インターフェロン又は修飾インターフェロンが、好ましくは、インターフェロンアルファ(IFN-α)、ペグ化インターフェロンアルファ(PEG-IFN-α)、インターフェロンアルファ-2a、組換えインターフェロンアルファ-2a、ペグインターフェロンアルファ-2a(Pegasys)、インターフェロンアルファ-2b(Intron A)、組換えインターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-2b XL、ペグインターフェロンアルファ-2b、グリコシル化インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-2c、組換えインターフェロンアルファ-2c、インターフェロンベータ、インターフェロンベータ-1a、ペグインターフェロンベータ-1a、インターフェロンデルタ、インターフェロンラムダ(IFN-λ)、ペグインターフェロンラムダ-1、インターフェロンオメガ、インターフェロンタウ、インターフェロンガンマ(IFN-γ)、インターフェロンアルファコン-1、インターフェロンアルファ-n1、インターフェロンアルファ-n3、アルブインターフェロンアルファ-2b、BLX-883、DA-3021、PI 101(AOP2014としても公知)、PEG-infergen、Belerofon、INTEFEN-IFN、アルブミン/インターフェロンアルファ2a融合タンパク質、rHSA-IFNアルファ2a、rHSA-IFNアルファ2b、PEG-IFN-SA及びインターフェロンアルファバイオベターから選択され、前記別個の若しくは未知の機序のHBV抗ウイルス剤が、AT-61((E)-N-(1-クロロ-3-オキソ-1-フェニル-3-(ピペリジン-1-イル)プロパ-1-エン-2-イル)ベンズアミド)、AT130((E)-N-(1-ブロモ-1-(2-メトキシフェニル)-3-オキソ-3-(ピペリジン-1-イル)プロパ-1-エン-2-イル)-4-ニトロベンズアミド)、その類似体、REP-9AC(REP-2055)、REP-9AC'(REP-2139)、REP-2165及びHBV-0259から選択され、前記シクロフィリン阻害剤が、好ましくは、OCB-030(NVP-018)、SCY-635、SCY-575及びCPI-431-32から選択され、前記HBVポリメラーゼ阻害剤が、好ましくは、エンテカビル(Baraclude、Entavir)、ラミブジン(3TC、Zeffix、Heptovir、Epivir及びEpivir-HBV)、テルビブジン(Tyzeka、Sebivo)、クレブシン、ベシホビル、アデホビル(hepsera)、テノホビルから選択され、好ましくは、前記テノホビルが、フマル酸テノホビルジソプロキシル(Viread)、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩(TAF)、テノホビルジソプロキシルオロチン酸塩(DA-2802)、テノホビルジソプロキシルアスパラギン酸塩(CKD-390)、AGX-1009及びCMX157から選択される塩形態であり、前記ジヌクレオチドが、好ましくは、SB9200であり、前記SMAC阻害剤が、好ましくは、ビリナパントであり、前記HDV標的化剤が、好ましくは、ロナファミブであり、前記HBV RNA不安定化剤又はHBVタンパク質発現の他の小分子阻害剤が、好ましくは、RG7834又はAB-452である、医薬組成物。
【請求項13】
HBV感染及び/又はHBV感染と関連する状態の処置及び/又は予防における使用のための、請求項12に記載の医薬組成物であって、好ましくは、前記HBV感染と関連する状態が、慢性B型肝炎、HBV/HDV同時感染、HBV/HCV同時感染、HBV/HIV同時感染、HBV感染からの炎症、壊死、硬変、肝細胞癌腫、肝代償不全及び肝傷害からなる群から選択される、医薬組成物。
【請求項14】
それを必要とする個体におけるHBV感染の処置、根絶、低減、減速若しくは阻害における、並びに/又は、それを必要とする個体におけるHBV感染と関連するウイルス負荷の低減における、並びに/又は、それを必要とする個体におけるHBV感染の再発の低減における、並びに/又は、それを必要とする個体におけるHBV感染からの肝傷害の緩解の誘導における、並びに/又は、潜在性HBV感染を患う個体におけるHBV感染の予防的処置における使用のための、請求項12又は13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物、薬学的に許容される塩、溶媒和物又は立体異性体を合成する方法であって、以下の工程:
【化5】
- 式(6)の化合物を、式(9)の化合物、式R
2COOHの酸及び式R
2COClの塩化アシルからなる群から選択される薬剤と反応させる工程、
【化6】
- 式(7)又は(8)の化合物を、式NHR
3R
4のアミンと反応させる工程
のうち少なくとも1つを含み、
以下の工程:
- 式(6)の化合物をメチル2-クロロ-2-オキソアセテートと反応させて、式(7)の化合物を得る工程、
- 塩基の存在下で式(7)の化合物を加水分解して、式(8)の化合物を得る工程
のうち少なくとも1つを更に含んでもよい、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、B型肝炎ウイルス(HBV)の阻害剤である化合物に関する。本発明の化合物は、単独で又はHBV感染及び関連状態を処置、寛解、予防若しくは治癒するための他の薬剤と組み合わせて有用である。本発明はまた、前記化合物を含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
B型肝炎ウイルス(HBV)は、感染した血液及び体液との接触によって広がり、重症度の変動する急性及び慢性壊死性炎症性肝臓疾患を引き起こす、ヘパドナウイルス科のエンベロープ型の、部分的に二本鎖DNA(dsDNA)のウイルスである(Guidotti LG、Chisari FV. Annu Rev Pathol. 2006; 1:23~61頁)。HBV脂質エンベロープは、3つのインフレームウイルスエンベロープタンパク質(大、中及び小)を含有し、その各々は、B型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)決定基を有する(Seeger C、Mason WS. Virology. 2015年5月; 479-480:672~86頁)。このエンベロープは、コアタンパク質の240のモノマーから構成されるタンパク質シェル又はカプシドを封入し、各モノマーは、B型肝炎ウイルスコア抗原(HBcAg又はCp)決定基を有する。カプシドは、今度は、ウイルスゲノムの部分的に二本鎖の、弛緩した環状DNA(rcDNA)形態並びにウイルスポリメラーゼの分子を封入する。大エンベロープタンパク質の、肝細胞膜上の特異的受容体との相互作用によって感受性細胞(すなわち、肝細胞)に侵入すると、カプシドが細胞質中に放出され、核膜で輸送される。次いで、rcDNAが核中に放出され、細胞ポリメラーゼによって、ウイルス転写鋳型を表す共有結合閉環状DNA(cccDNA)と呼ばれるエピソーム「ミニ染色体」に修復される。ウイルスDNAのマイナス鎖は、ウイルスの構造的(エンベロープ及びコア)及び非構造的(ポリメラーゼ、プレコア及びX)タンパク質に翻訳される3.5、2.4、2.1及び0.7kbのmRNA種をコードする。細胞質への輸送後、3.5kbのRNA(プレゲノムRNAと呼ばれる)のうちの1つが、その対応するmRNAから翻訳されているコア及びポリメラーゼタンパク質と相互作用することによって新生カプシド中に選択的にパッケージングされる。これらのカプシド内で、ウイルスポリメラーゼは、プレゲノムRNAを単一の(-)鎖DNA分子に逆転写し、これは、ウイルスポリメラーゼ媒介性DNA(+)鎖合成のための鋳型として働き、線形DNA中間体の付着構造によって、それらは弛緩した環状二本鎖分子に変換される。これらのHBV DNAを含有する「成熟した」カプシドの画分は、核に輸送されて戻され、ここで第2鎖合成が完了し、両鎖の末端がライゲーションされ、cccDNAのプールの増幅につながる。カプシドの別の画分は、独立に翻訳され、小胞体(ER)様構造の膜に転位置されているウイルスエンベロープタンパク質に結合する。結合後、エンベロープ型カプシドは、ERのルーメン中に出芽し、感染性ビリオンとして細胞を出て、感染の新規サイクルを開始する。
【0003】
したがって、HBVコアタンパク質及び関連カプシドは、HBVライフサイクルの必須成分及び調節因子である。全長コアタンパク質Cp183又はそのN末端ドメインCp149は集合して、主にT=4の正二十面体カプシドとなる。カプシド集合、プレゲノムRNAパッケージング及びcccDNA維持におけるその決定的な役割のために、HBVコアタンパク質及び関連カプシドが、関心の高い抗ウイルス標的として広く認識されていることは驚くべきことではない(Durantel D、Zoulim F; J Hepatol. 2016年4月;64(付録1):S117-S131)。
【0004】
世界保健機関(WHO)統計によれば、HBV感染は私たちの時代の主要な医学的災難の1つである。静脈内薬物乱用によっても、誕生時に母から乳児へも伝達される性行為感染症として、世界人口の3分の1が、人生のある時点でHBVに感染している(Burns GS、Thompson AJ; Cold Spring Harb Perspect Med. 2014年10月 30;4(12))。これらの人々のほとんどは、ウイルスの除去に成功しているが、2億5000万人を超える人々は持続的に感染したままであり、これらの個人のうちおよそ900,000人が、慢性感染の合併症(すなわち、硬変及び/又は肝細胞癌腫)のために毎年死亡する。HBV感染は、サハラ以南のアフリカ、太平洋、特にアジアで非常に風土性である。慢性HBV感染率が高い地域には、中東、インド亜大陸、南及び中央アメリカ並びに東ヨーロッパの南部及び中央ヨーロッパの地域も含まれる。近年、主に流行地からの移民の流入により、西欧諸国でも慢性キャリアの数が着実に増加している。更に、HBVは、肝炎デルタウイルス(HDV)に対するヘルパーウイルスとして作用し、留意すべきは、HBVとHDVに同時感染した1500万人を超える人々は、硬変及び肝代償不全への急速な進行の増大したリスクを有するということである(Hughes、S.A.ら Lancet 2011、378、73~85頁)。
【0005】
HBsAgに対する中和抗体を誘発する良好な耐容性を示すワクチンは、新たなHBV感染を効率的に予防するが、既に持続的に感染している数百万人にとっては治療的可能性はない(Zoulim, Durantel D; Cold Spring Harb Perspect Med. 2015年4月 1;5(4))。これらの個体の治療は、主に、ウイルス生成を抑制するが、肝臓からHBVを根絶せず、生涯の処置を必要とする、直接作用性抗ウイルス(DAA)薬(例えば、テノホビル、ラミブジン、アデホビル、エンテカビル又はテルビブジン)に依存している。患者のコホートは、ペグ化インターフェロン-α(PEG-IFN-α)に基づく治療を依然として受け取るが、これは、制限された処置期間及びより高いHBsAg血清転換率の利点を有するが、より大きな副作用の重大な欠点を有する。そのため、PEG-IFN-αを受け取っている患者の数は、漸減している。
【0006】
HBVのカプシド形成プロセスを標的化する、種々の化学的クラスの阻害剤(カプシド集合モジュレーター又はCAMとも呼ばれる)が開発中であり、それらには、ヘテロアリールジヒドロピリミジン(HAP)及びスルファモイルベンズアミド(SBA)が含まれる。例えば、Novira Therapeutics社は最近、HBV感染のヒト化マウスモデルを利用して、CAM及びPEG-IFN-αの組合せが、DAAを用いてこれまでに観察されたものよりも高い抗ウイルス活性を有することを示した。NVR3-778、このクラスのCAMの第1のメンバーは、第1b相の概念実証臨床研究において、HBV DNA及び血清HBV RNAの両方において有意な低減を示した。この化合物は、最近製造中止となった。Janssenによって開発された化合物JNJ-56136379(又はJNJ-6379)は、強力な抗ウイルス活性を最近実証し、現在、第2相臨床試験中である。
【0007】
2017年1月5日に公開されたWO2017/001655A1は、構造:
【0008】
【0009】
を有する環化スルファモイルアリールアミド誘導体に関する。
【0010】
WO2017/001655A1において開示される化合物は、6位でN-フェニル-カルボキサミドによって置換されている3,4-ジヒドロ-2H,7H-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン1,1-ジオキシド誘導体を含む。ここで開示されるいくつかの誘導体は、スピロ縮合オキセタン、テトラヒドロフラン又はピロリン環を有する。WO2017/001655A1は、スピロ縮合環がアミド基又はオキサラミド基で更に官能化されている化合物を開示又は示唆していない。
【0011】
HBV直接抗ウイルス剤が遭遇する可能性がある課題の中には、毒性、変異原性、選択性の欠如、不十分な有効性、不十分なバイオアベイラビリティ、低い溶解度及び/又はオフターゲット活性があり、現在まで、上記で同定された構造クラスのいずれにもHBV患者の処置のための薬物として承認されている化合物は存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Guidotti LG、Chisari FV. Annu Rev Pathol. 2006; 1:23~61頁
【非特許文献2】Seeger C、Mason WS. Virology. 2015年5月; 479-480:672~86頁
【非特許文献3】Durantel D、Zoulim F; J Hepatol. 2016年4月;64(付録1):S117-S131
【非特許文献4】Burns GS、Thompson AJ; Cold Spring Harb Perspect Med. 2014年10月 30;4(12)
【非特許文献5】Hughes、S.A.ら Lancet 2011, 378, 73~85頁
【非特許文献6】Zoulim、Durantel D; Cold Spring Harb Perspect Med. 2015年4月 1;5(4)
【非特許文献7】Tu M.ら、Current Topics in Medicinal Chemistry、2013、13、857~866頁
【非特許文献8】Chem. Soc. Rev.、2009、38、606~631頁
【非特許文献9】「Design of Prodrugs」、H. Bundgaard、Elsevier編、1985
【非特許文献10】E.L. Eliel及びS.H. Wilen、Stereochemistry of Carbon Compounds、John Wiley & Sons、New York、1994、1119~1190頁
【非特許文献11】Bergら、「Pharmaceutical Salts」、J. Pharm. Sci.、1977:66:1~19頁
【非特許文献12】Journal of Organic Chemistry (1981)、46(11)、2221~5頁
【非特許文献13】Org.Proc.Res.Develop、2011、15、73~83頁
【非特許文献14】Ladnerら、Antimicrob Agents Chemother、1997、41、1715~20頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
これらの欠点のうち少なくとも1つを克服することができる、又は効力の増大、バイオアベイラビリティの増大若しくは安全ウィンドウの増大などの更なる利点を有する更なるHBV阻害剤が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、公知のスルファモイルアリールアミド誘導体の化学修飾によって得られた小分子薬を提供する。特に、本発明の化合物は、ピロール環を含み、縮合三環性コアの特定の位置にアミド若しくはオキサラミド置換基を有する三環系コア構造を特徴とする。本発明において発見された化学種は、改善された薬物動態特性、良好な動態学的溶解度、マウス及びヒト肝細胞における安定性、低いin vivoクリアランス及び正の肝臓対血漿中濃度を有する極めて強力なHBV阻害剤をもたらす。代謝調節における肝臓の重要な役割及びB型肝炎疾患によって影響を受ける主要な組織であるという事実を考慮すると、肝選択的分布プロファイルを有するHBV阻害剤を設計することは、安全な薬物候補の開発における重要な戦略である(Tu M.ら、Current Topics in Medicinal Chemistry、2013、13、857~866頁)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の化合物は、B型肝炎ウイルス(HBV)の阻害剤である。
【0017】
したがって、本発明の目的は、一般式(I):
【0018】
【0019】
[式中、
Cyは、アリール又はヘテロアリールであり、
m及びnの各々は、独立に1又は2であり、
R1は、H、F、Br、Cl又はCH3であり、
R2は、
- OH、ハロゲン、CN、C1~6アルキル、ヒドロキシC1~6アルキル、ハロC1~6アルキル、ハロC1~6アルコキシ、C1~6アルコキシ及びNH2からなる群から各々独立に選択される1つ若しくは複数の置換基で置換されてもよい、5又は6員のヘテロアリール環、
- ハロC1~4アルキル、並びに
- C(=O)NR3R4
からなる群から選択され、
R3及びR4の各々は、
- 水素
- C1~3アルキル
- ハロC1~4アルキル、並びに
- メチル、F、Cl、CHF2及びCF3からなる群から各々独立に選択される1つ若しくは複数の置換基で置換されてもよい、C3~5シクロアルキル
からなる群から独立に選択され、
又はR3及びR4は、それらが結合している窒素原子と一緒に、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン及びチオモルホリンからなる群から選択される環状アミンを形成し、前記環状アミンの各々は、メチル、フッ素、CHF2及びCF3からなる群から各々独立に選択される1つ若しくは複数の置換基で置換されてもよく、
Ra、Rb、Rc及びRdは、水素、ハロゲン、メチル、CN、CHF2及びCF3からなる群から各々独立に選択される]
で示される化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0020】
本明細書において以下に開示される実施形態は、安定な化合物をもたらす任意の可能な方法で互いに組み合わせることができる。すべてのこのような組合せは、本発明の範囲内にある。
【0021】
好ましい実施形態では、R2は、
- OH、ハロゲン、CN、メチル及びトリフルオロメチルからなる群から各々独立に選択される1つ若しくは複数の置換基で置換されてもよい、5員のヘテロアリール環、又は
- C(=O)NR3R4であり、R3がHであり、R4が、C1~3アルキル、ハロC1~4アルキル、並びにメチル、フッ素及びCF3からなる群から各々独立に選択される1つ若しくは複数の置換基で置換されてもよい、C3~5シクロアルキルからなる群から選択され、
又はR3及びR4が、それらが結合している窒素原子と一緒に、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン及びピペリジンからなる群から選択される環状アミンを形成し、前記環状アミンの各々が、メチル、フッ素及びCF3からなる群から各々独立に選択される1つ若しくは複数の置換基で置換されてもよい。
【0022】
好ましい実施形態では、Ra、Rb、Rc及びRdは、水素、Cl、F、メチル及びCHF2からなる群から各々独立に選択される。
【0023】
別の好ましい実施形態では、mは1であり、nは2であり、又はmは1であり、nは1であり、又はmは2であり、nは2である。好ましくは、mは1であり、nは2である。
【0024】
また別の好ましい実施形態では、R1は、H又はClである。好ましくは、mは1であり、nは2であり、R1は、H又はClである。好ましくは、mは2であり、nは2であり、R1は、H又はClである。好ましくは、mは1であり、nは1であり、R1は、H又はClである。
【0025】
更に好ましい実施形態では、Cyはフェニルである。好ましくは、Cyはフェニルであり、Ra~Rdのいずれか2つは、独立にF、Cl又はCHF2であり、Ra~Rdの他の2つはHである。
【0026】
なお更に好ましい実施形態では、
【0027】
【0028】
は、
【0029】
【0030】
を表す。
【0031】
また別の好ましい実施形態では、R2は、
【0032】
【0033】
である。
【0034】
好ましくは、本発明の化合物は、
- N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7'-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボニル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- 8'-クロロ-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-1-(2-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-2-オキソアセチル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- 1-(2-(シクロプロピルアミノ)-2-オキソアセチル)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (S)-8'-クロロ-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-8'-クロロ-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-8'-クロロ-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-8'-クロロ-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-8'-クロロ-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-8'-クロロ-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- (R)-8'-クロロ-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;
- N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド;及び
- 8'-クロロ-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド
からなる群から選択され、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体である。
【0035】
次いで、本発明はまた、式(I-A)、(I-B)及び/又は(I-C):
【0036】
【0037】
の化合物又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を提供し、すべての置換基は、上記で定義される通りである。
【0038】
好ましくは、式(I-A)、(I-B)又は(I-C)の化合物では、R1は、Cl若しくはHであり、及び/又は式(I-A)、(I-B)又は(I-C)の化合物では、R2は-C(=O)NR3R4である。
【0039】
好ましくは、本発明の化合物は、式(I-AA)、(I-AB)又は(I-AC):
【0040】
【0041】
[式中、
R1は、H又はClであり、
R2は、
- OH、ハロゲン、CN、メチル、トリフルオロメチル(trifluormethyl)からなる群から各々独立に選択される1つ若しくは複数の置換基で置換されてもよい、5又は6員のヘテロアリール環、又は
- C(=O)NR3R4
であり、
R3及びR4の各々は、
- 水素、
- メチル、
- ハロC1~4アルキル、並びに
- メチル、フッ素及びCF3からなる群から各々独立に選択される1つ若しくは複数の置換基で置換されてもよい、C3~5シクロアルキル
からなる群から独立に選択され、
又はR3及びR4は、それらが結合している窒素原子と一緒に、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン及びピペリジンからなる群から選択される環状アミンを形成し、前記環状アミンの各々は、メチル、フッ素及びCF3からなる群から独立に選択される1つ若しくは複数の置換基で置換されてもよい]
又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を有する。
【0042】
実施形態のいずれかの更なる組合せもまた、本発明の範囲にあることが想定される。
【0043】
好ましい態様では、上記で定義されるような化合物、薬学的に許容される塩、溶媒和物又は立体異性体は、医学的使用のためのものである。好ましくは、上記で定義されるような化合物、薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体は、HBV感染及び/又はHBV感染と関連する状態の処置及び/又は予防における使用のためのものである。好ましくは、前記HBV感染と関連する状態は、慢性B型肝炎、HBV/HDV同時感染、HBV/HCV同時感染、HBV/HIV同時感染、HBV感染からの炎症、壊死、硬変、肝細胞癌腫、肝代償不全及び肝傷害からなる群から選択される。
【0044】
いっそうより好ましくは、上記で定義されるような化合物、その薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体は、それを必要とする個体におけるHBV感染の処置、根絶、低減、減速若しくは阻害における、並びに/又は、それを必要とする個体におけるHBV感染と関連するウイルス負荷の低減における、並びに/又は、それを必要とする個体におけるHBV感染の再発の低減における、並びに/又は、それを必要とする個体におけるHBV感染からの肝傷害の緩解の誘導における、並びに/又は、潜在性HBV感染を患う個体におけるHBV感染の予防的処置における使用のためのものである。
【0045】
好ましい化合物は、試験濃度(1.0マイクロモル~0.1マイクロモルの範囲)で50%を超えるHBV阻害及び/又は0.5マイクロモル未満の本明細書において以下に定義されるようなEC50を示す。HBV阻害は、HBV発現並びに/又は複製の阻害を示す。本発明の化合物の阻害活性は、本明細書において以下に記載されるように、又は当技術分野で公知の任意の他の技術で測定できる。
【0046】
好ましくは、上記で定義されるような化合物、薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体は、少なくとも1種の更なる治療剤と組み合わせて使用するためのものである。好ましくは、前記の組合せでの使用は、少なくとも1つの更なる治療剤の投与を含む。
【0047】
本発明の目的は、上記で定義されるような化合物、薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を単独で、又は少なくとも1つの更なる治療剤及び少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物でもある。
【0048】
好ましくは、少なくとも1つの更なる治療剤は、抗HBV剤又はHBV抗ウイルス剤である。より好ましくは、少なくとも1つの更なる治療剤、抗HBV剤又はHBV抗ウイルス剤は、治療用ワクチン、RNA干渉治療剤/アンチセンスオリゴヌクレオチド、免疫調節物質、STINGアゴニスト、RIG-Iモジュレーター、NKTモジュレーター、ILアゴニスト、インターロイキン若しくは別の免疫作用タンパク質、治療用及び予防用ワクチン、免疫チェックポイントモジュレーター/阻害剤、HBV侵入阻害剤、cccDNAモジュレーター、HBVタンパク質発現の阻害剤、HBV RNAを標的化する薬剤、カプシド集合阻害剤/モジュレーター、コア若しくはXタンパク質標的化剤、ヌクレオチド類似体、ヌクレオシド類似体、インターフェロン若しくは修飾インターフェロン、別個の若しくは未知の機序のHBV抗ウイルス剤、シクロフィリン阻害剤、sAg放出阻害剤、HBVポリメラーゼ阻害剤、ジヌクレオチド、SMAC阻害剤、HDV標的化剤、ウイルス成熟阻害剤、逆転写酵素阻害剤、並びにHBV RNA不安定化剤若しくはHBVタンパク質発現の別の小分子阻害剤、又はそれらの組合せからなる群から選択される。
【0049】
好ましくは、治療用ワクチンは、HBsAG-HBIG、HB-Vac、ABX203、NASVAC、GS-4774、GX-110(HB-110Eとしても公知)、CVI-HBV-002、RG7944 (INO-1800としても公知)、TG-1050、FP-02 (Hepsyn-B)、AIC649、VGX-6200、KW-2、TomegaVax-HBV、ISA-204、NU-500、INX-102-00557、HBV MVA及びPepTcellから選択される。
【0050】
好ましくは、RNA干渉治療剤は、siRNA、ddRNA又はshRNAである。好ましくは、RNA干渉治療剤は、TKM-HBV (ARB-1467としても公知)、ARB-1740、ARC-520、ARC-521、BB-HB-331、REP-2139、ALN-HBV、ALN-PDL、LUNAR-HBV、GS3228836及びGS3389404から選択される。
【0051】
好ましくは、免疫調節物質は、TLRアゴニストである。好ましくは、TLRアゴニストは、TLR7、TLR8又はTLR9アゴニストである。好ましくは、TLR7、TLR8又はTLR9アゴニストは、RG7795(RO-6864018としても公知)、GS-9620、SM360320(9-ベンジル-8-ヒドロキシ-2-(2-メトキシ-エトキシ)アデニン)、AZD 8848(メチル[3-({[3-(6-アミノ-2-ブトキシ-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-ピリン-9-イル)プロピル][3-(4-モルホリニル)プロピル]アミノ}メチル)フェニル]アセテート)及びARB-1598から選択される。
【0052】
好ましくは、RIG-Iモジュレーターは、SB-9200である。好ましくは、ILアゴニスト又は他の免疫作用タンパク質は、INO-9112又は組換えIL12である。好ましくは、免疫チェックポイントモジュレーター/阻害剤は、BMS-936558(Opdivo(ニボルマブ))又はKEYTRUDA(登録商標)(ペムブロリズマブ)である。好ましくは、HBV侵入阻害剤は、Myrcludex B、IVIG-Tonrol又はGC-1102である。
【0053】
好ましくは、cccDNAモジュレーターは、直接cccDNA阻害剤、cccDNA形成若しくは維持の阻害剤、cccDNAエピジェネティックモディファイヤー及びcccDNA転写の阻害剤から選択される。
【0054】
好ましくは、カプシド集合阻害剤/モジュレーター、コア若しくはXタンパク質標的化剤、直接cccDNA阻害剤、cccDNA形成若しくは維持の阻害剤又はcccDNAエピジェネティックモディファイヤーは、BAY 41-4109、NVR 3-778、GLS-4、NZ-4(W28Fとしても公知)、Y101、ARB-423、ARB-199、ARB-596、AB-506、JNJ-56136379、ASMB-101(AB-V102)、ASMB-103、CHR-101、CC-31326、AT-130及びRO7049389から選択される。
【0055】
好ましくは、インターフェロン若しくは修飾インターフェロンは、インターフェロンアルファ(IFN-α)、ペグ化インターフェロンアルファ(PEG-IFN-α)、インターフェロンアルファ-2a、組換えインターフェロンアルファ-2a、ペグインターフェロンアルファ-2a(Pegasys)、インターフェロンアルファ-2b(Intron A)、組換えインターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-2b XL、ペグインターフェロンアルファ-2b、グリコシル化インターフェロンアルファ-2b、インターフェロンアルファ-2c、組換えインターフェロンアルファ-2c、インターフェロンベータ、インターフェロンベータ-1a、ペグインターフェロンベータ-1a、インターフェロンデルタ、インターフェロンラムダ(IFN-λ)、ペグインターフェロンラムダ-1、インターフェロンオメガ、インターフェロンタウ、インターフェロンガンマ(IFN-γ)、インターフェロンアルファコン-1、インターフェロンアルファ-n1、インターフェロンアルファ-n3、アルブインターフェロンアルファ-2b、BLX-883、DA-3021、PI 101(AOP2014としても公知)、PEG-infergen、Belerofon、INTEFEN-IFN、アルブミン/インターフェロンアルファ2a融合タンパク質、rHSA-IFNアルファ2a、rHSA-IFNアルファ2b、PEG-IFN-SA及びインターフェロンアルファバイオベターから選択される。ペグインターフェロンアルファ-2a、ペグインターフェロンアルファ-2b、グリコシル化インターフェロンアルファ-2b、ペグインターフェロンベータ-1a及びペグインターフェロンラムダ-1が、特に好ましい。より詳しくは、ペグインターフェロンアルファ-2aが好ましい。
【0056】
好ましくは、別個の若しくは未知の機序のHBV抗ウイルス剤は、AT-61((E)-N-(1-クロロ-3-オキソ-1-フェニル-3-(ピペリジン-1-イル)プロパ-1-エン-2-イル)ベンズアミド)、AT130((E)-N-(1-ブロモ-1-(2-メトキシフェニル)-3-オキソ-3-(ピペリジン-1-イル)プロパ-1-エン-2-イル)-4-ニトロベンズアミド)、その類似体、REP-9AC(REP-2055)、REP-9AC'(REP-2139)、REP-2165及びHBV-0259から選択される。
【0057】
好ましくは、シクロフィリン阻害剤は、OCB-030(NVP-018としても公知)、SCY-635、SCY-575及びCPI-431-32から選択される。
【0058】
好ましくは、前記HBVポリメラーゼ阻害剤は、エンテカビル(Baraclude、Entavir)、ラミブジン(3TC、Zeffix、Heptovir、Epivir及びEpivir-HBV)、テルビブジン(Tyzeka、Sebivo)、クレブシン、ベシホビル、アデホビル(hepsera)、テノホビルから選択される。好ましくは、テノホビルは、塩形態である。好ましくは、テノホビルは、フマル酸テノホビルジソプロキシル(Viread)、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩(TAF)、テノホビルジソプロキシルオロチン酸塩(DA-2802としても公知)、テノホビルジソプロキシルアスパラギン酸塩(CKD-390としても公知)、AGX-1009及びCMX157から選択される塩形態である。
【0059】
好ましくは、ジヌクレオチドは、SB9200である。好ましくは、SMAC阻害剤は、ビリナパントである。好ましくは、HDV標的化剤は、ロナファミブである。
【0060】
好ましくは、HBV RNA不安定化剤又はHBVタンパク質発現の他の小分子阻害剤は、RG7834又はAB-452である。
【0061】
好ましくは、少なくとも1つの更なる治療剤は、B型肝炎の処置及び予防において有用な薬剤である。好ましくは、少なくとも1つの更なる治療剤は、抗HDV剤、抗HCV剤及び/又は抗HIV剤である。
【0062】
好ましくは、少なくとも1つの更なる治療剤は、HBVポリメラーゼ阻害剤、インターフェロン、ウイルス侵入阻害剤、BAY 41-4109、逆転写酵素阻害剤、TLR-アゴニスト、AT-61((E)-N-(1-クロロ-3-オキソ-1-フェニル-3-(ピペリジン-1-イル)プロパ-1-エン-2-イル)ベンズアミド)、AT-130((E)-N-(1-ブロモ-1-(2-メトキシフェニル)-3-オキソ-3-(ピペリジン-1-イル)プロパ-1-エン-2-イル)-4-ニトロベンズアミド)及びそれらの組合せからなる群から選択され、HBVポリメラーゼ阻害剤は、好ましくは、ラミブジン、エンテカビル、テノホビル、アデホビル、テルビブジン、クレブジンのうち少なくとも1つであり、TLRアゴニストは、好ましくは、SM360320(9-ベンジル-8-ヒドロキシ-2-(2-メトキシ-エトキシ)アデニン)、AZD 8848(メチル[3-({[3-(6-アミノ-2-ブトキシ-8-オキソ-7,8-ジヒドロ-9H-プリン-9-イル)プロピル][3-(4-モルホリニル)プロピル]アミノ}メチル)フェニル]アセテート)及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0063】
好ましくは、本発明の化合物は、上記で定義されるような1つ、2つ又はそれより多い更なる治療剤と組み合わせて使用するためのものである。
【0064】
好ましくは、本発明の医薬組成物は、上記で定義されるような1つ、2つ又はそれより多い更なる治療剤を含む。
【0065】
好ましい実施形態は、前記医薬組成物は、HBV感染及び/又はHBV感染と関連する状態の処置及び/又は予防において使用するためのものであり、前記のHBV感染と関連する状態は、好ましくは、慢性B型肝炎、HBV/HDV同時感染、HBV/HCV同時感染、HBV/HIV同時感染、HBV感染からの炎症、壊死、硬変、肝細胞癌腫、肝代償不全及び肝傷害からなる群から選択される。好ましくは、前記医薬組成物は、それを必要とする個体におけるHBV感染の処置、根絶、低減、減速若しくは阻害において、並びに/又は、それを必要とする個体におけるHBV感染と関連するウイルス負荷の低減において、並びに/又は、それを必要とする個体におけるHBV感染の再発の低減において、並びに/又は、それを必要とする個体におけるHBV感染からの肝傷害の緩解の誘導において、並びに/又は、潜在性HBV感染を患う個体におけるHBV感染の予防的処置において使用するためのものである。
【0066】
一実施形態では、本発明は、本発明の化合物の、若しくは本発明の医薬組成物の1若しくは複数の用量を含有する少なくとも1つの薬学的に許容されるバイアル若しくは容器及び任意選択で、a)哺乳類におけるその使用のための使用説明書及び/又はb)薬学的に許容される希釈剤を含有する点滴バッグ若しくは容器を含むキットを提供する。
【0067】
本発明の更なる目的は、慢性B型肝炎、HBV/HDV同時感染、HBV/HCV同時感染、HBV/HIV同時感染、HBV感染からの炎症、壊死、硬変、肝細胞癌腫、肝代償不全及び肝傷害を含む、HBV感染及び関連状態を処置、寛解、又は予防する方法であって、対象に治療有効量の上記で定義されるような化合物を投与する工程を含む、方法である。
【0068】
本発明の更なる目的は、例えば実施例に含まれる合成スキームに従って、上記で定義されるような化合物、薬学的に許容される塩、溶媒和物又は立体異性体を合成する方法である。特に、本発明は、上記で定義されるような化合物、薬学的に許容される塩、溶媒和物又は立体異性体を合成する方法を提供し、前記方法は、以下の工程:
【0069】
【0070】
- 式(6)の化合物を、式(9)の化合物、式R2COOHの酸及び式R2COClの塩化アシルからなる群から選択される薬剤と反応させる工程、
【0071】
【0072】
- 式(7)又は(8)の化合物を、式NHR3R4のアミンと反応させる工程
のうち少なくとも1つを含み、
前記方法は、以下の工程:
- 式(6)の化合物をメチル2-クロロ-2-オキソアセテートと反応させて、式(7)の化合物を得る工程、
- 塩基の存在下で式(7)の化合物を加水分解して、式(8)の化合物を得る工程
のうち少なくとも1つを更に含んでもよい。
【0073】
式(6)の化合物を式(9)の化合物と反応させる工程は、標準条件下で、例えば、極性溶媒(例えば、DMF若しくはEtOH)中、及び/又は有機塩基(例えば、DIPEA若しくはDBU)の存在下、及び/又はRTで実施することができる。
【0074】
式(6)の化合物を式R2COOHの酸と反応させる工程は、標準カップリング条件下で実施することができる(例えば、Chem. Soc. Rev.、2009、38、606~631頁を参照されたい)。
【0075】
式(6)の化合物を式R2COClの塩化アシルと反応させる工程は、標準条件下で、例えば、極性非プロトン性溶媒(例えば、MeCN)中、及び/又は有機塩基(例えばTEA)の存在下、及び/又は0℃~室温の温度で実施することができる。
【0076】
式(7)又は(8)の化合物を式NHR3R4のアミンと反応させる工程は、標準条件下で、例えば、アミドカップリング条件下、又はTHFのような溶媒中、高温で試薬を撹拌することによって実施することができる。
【0077】
式(6)、(7)又は(8)の化合物は、実施例の合成スキームに記載される通りに調製することができる。
【0078】
特に、式(6)の化合物をメチル2-クロロ-2-オキソアセテートと反応させて式(7)の化合物を得る工程は、標準条件下で、例えば、極性非プロトン性溶媒(例えば、MeCN)中、及び/又は有機塩基(例えばDIPEA)の存在下、及び/又は0℃~RTで実施することができる。
【0079】
また特に、塩基の存在下で式(7)の化合物を加水分解して式(8)の化合物を得る工程は、標準条件下で、例えば、極性非プロトン性溶媒(例えば、THF)中、水酸化ナトリウムのような塩基を用いる処置によって、及び/又は0℃~RTで実施することができる。
【0080】
本発明の更なる目的は、1つ又は複数の上記で定義されるような化合物の有効量の又はその薬学的に許容されるプロドラッグを、単独で、又は他の活性化合物及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物である。
【0081】
本発明は、その範囲内に上記の式(I)、式(I-A)又は式(I-AA)の化合物のプロドラッグを含む。一般に、このようなプロドラッグは、式(I)、式(I-A)又は式(I-AA)の化合物の機能的誘導体となり、必要な式(I)、式(I-A)又は式(I-AA)の化合物にin vivoで容易に変換可能である。好適なプロドラッグ誘導体の選択及び調製のための従来の手順は、例えば、「Design of Prodrugs」、H. Bundgaard、Elsevier編、1985年に記載されている。
【0082】
プロドラッグは、活性薬物を放出するために体内で形質転換を必要とする、また親薬物分子を上回る改善された送達特性を有する生物活性物質(「親薬物」又は「親分子」)の薬理学的に不活性な誘導体でありうる。in vivoでの形質転換は、例えば、カルボン酸、リン酸若しくは硫酸エステルの化学的若しくは酵素的加水分解又は感受性官能基の還元若しくは酸化などのいくつかの代謝プロセスの結果としてでありうる。
【0083】
本発明はまた、本開示の化合物のすべての好適な同位体のバリエーションを含む。本開示の化合物に組み込むことができる同位体の例として、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、17O、18O、18F及び36Clなどの同位体が挙げられる。本開示のある特定の同位体のバリエーション、例えば、3H又は14Cなどの放射性同位体が組み込まれるものは、薬物及び/又は基質組織分布研究において有用である。更に、重水素2Hなどの同位体を用いる置換は、より大きな代謝安定性に起因するある特定の治療的利点を提供しうる。本開示の化合物の同位体のバリエーションは、一般に、例示的方法によってなどの従来の手順によって、又は好適な試薬の適当な同位体のバリエーションを使用して本明細書において以下に実施例において記載される調製によって調製できる。
【0084】
本発明は、その範囲内に、式(I)、式(I-A)又は式(I-AA)の化合物の、又は関連塩の溶媒和物、例えば、水和物、アルコラートなどを含む。
【0085】
更に、本明細書において開示される化合物は、互変異性体として存在する場合があり、1つの互変異性体構造のみが示されているとしても、すべての互変異性体形態が本発明の範囲によって包含されるものとする。
【0086】
本発明の化合物は、不斉中心、キラル軸及びキラル面を有する場合があり(E.L. Eliel and S.H. Wilen、Stereochemistry of Carbon Compounds、John Wiley & Sons、New York、1994、1119~1190頁に記載の通り)、ラセミ化合物、ラセミ混合物として、及び個々のジアステレオマーとして生じ、光学異性体を含むすべてのありうる異性体及びその混合物、を有し、このような立体異性体のすべてが本発明に含まれる。
【0087】
本発明の化合物及び中間体の純粋な立体異性形態は、技術分野で公知の手順の適用によって得ることができ、本発明の範囲によって包含されるものとする。特に、「純粋な立体異性形態」又は「立体異性的に純粋」は、少なくとも80%の、好ましくは、少なくとも85%の立体異性的に過剰な化合物を示す。例えば、鏡像異性体は、そのジアステレオマー塩の選択的結晶化によって、又はキラル固定相を使用するクロマトグラフィー技術によって互いに分離できる。純粋な立体異性的な異性体形態はまた、反応物が立体異性的に生じるという条件で、適当な出発材料の対応する純粋な立体異性的異性体形態から導くことができる。「鏡像異性的に純粋な」という用語は、鏡像異性体比を考慮して同様に解釈されるべきである。
【0088】
任意の成分において任意の変数(例えば、R1及びR2など)が、1回よりも多く生じる場合、各出現でのその定義は、すべての他の出現で独立している。また、置換及び変数の組合せは、このような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容できる。置換基から環構造中に引かれた線は、示された結合が置換可能な環原子のいずれかと結合している可能性があることを表す。環構造が多環性である場合には、結合は、近位環の好適な炭素原子のいずれかとのみ結合されるということが意図される。
【0089】
容易に入手可能な出発材料から化学的に安定である、当技術分野で公知の技術並びに以下に示される方法によって容易に合成できる化合物を提供するために、本発明の化合物上の置換基及び置換パターンは、当業者によって選択できるということは理解される。置換基がそれ自体が2つ以上の基で置換される場合には、安定な構造が結果として生じる限り、これらの基は同一炭素上である場合も異なる炭素上である場合もあるということが理解される。「置換されてもよい」という語句は、「非置換であるか又は1つ若しくは複数の置換基で置換されている」という語句と同等であるととられるべきであり、このような場合には、好ましい実施形態は、0~3つの置換基を有する。より詳しくは、0~2つの置換基がある。
【0090】
「1つ又は複数の置換基」という表現は、特に、1、2、3、4又はそれより多い置換基、特に、1、2、3又は4つの置換基、より特には、1、2又は3つの置換基を指す。
【0091】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、指定数の炭素原子を有する分岐及び直鎖飽和脂肪族炭化水素基を含むものとする。例えば、「C1~6アルキル」は、直鎖又は分岐配置で1、2、3、4、5又は6個の炭素を有する基を含むと定義され、具体的に言えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、i-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどを含む。好ましくは、「C1~6アルキル」とは、「C1~4アルキル」又は「C1~3アルキル」を指す。より好ましくは、「C1~6アルキル」又は「C1~3アルキル」とは、メチルを指す。
【0092】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」は、酸素架橋によって結合された示された数の炭素原子のアルキル基を表す。「アルコキシ」はしたがって、上記のアルキルの定義を包含する。好ましくは、アルコキシは、直鎖又は分岐C1~6アルコキシ基、C1~4アルコキシ基、C1~3アルコキシ基、又はC1~2アルコキシ群である。好適なアルコキシ基の例として、それだけには限らないが、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、s-ブトキシ又はt-ブトキシが挙げられる。好ましいアルコキシ基として、メトキシ、エトキシ及びt-ブトキシが挙げられる。
【0093】
本明細書で使用される場合、「ハロC1~6アルキル」及び「ハロC1~6アルコキシ」という用語は、1個又は複数(特に、1~3個)の水素原子がハロゲン原子、特に、フッ素又は塩素原子によって置き換えられているC1~6アルキル又はC1~6アルコキシ基を意味する。ハロC1~6アルコキシ基は、好ましくは、直鎖又は分岐ハロC1~4アルコキシ基、より好ましくは、ハロC1~3アルコキシ基、更により好ましくはハロC1~2アルコキシ基、例えば、OCF3、OCHF2、OCH2F、OCH2CH2F、OCH2CHF2又はOCH2CF3、及び最も好ましくは、OCF3又はOCHF2である。ハロC1~6アルキル基は、好ましくは、直鎖又は分岐ハロC1~4アルキル基、より好ましくは、ハロC1~3アルキル基、更に好ましくは、ハロC1~2アルキル基、例えば、CF3、CHF2、CH2F、CH2CH2F、CH2CHF2、CH2CF3又はCH(CH3)CF3である。更に好ましくは、ハロC1~6アルキル、ハロC1~4アルキル基、ハロC1~3アルキル基のいずれか1つは、CF3、CHF2、CH(CH3)CF3、CH2CF3又は(CH3)2CF3を指す。
【0094】
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシC1~6アルキル」という用語は、1個又は複数(特に、1~3個)の水素原子がヒドロキシ基によって置き換えられているC1~6アルキル基を意味する。例示的例として、それだけには限らないが、CH2OH、CH2CH2OH、CH(CH3)OH及びCHOHCH2OHが挙げられる。
【0095】
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、炭素原子及び水素原子を含む単環式又は多環式芳香環を意味する。示される場合には、このような芳香環は、1個又は複数のヘテロ原子を含む場合があり、ひいては、「ヘテロアリール」とも呼ばれる。本発明に従うヘテロアリール基の例示的例として、5又は6員のヘテロアリール、例えば、チオフェン、オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピリミジン、ピラジン及びピリジンが挙げられる。本発明に従う好ましいアリールは、フェニルである。本発明に従う好ましいヘテロアリールは、ピリジルである。更に好ましい5員のヘテロアリール環は、オキサジアゾール及びオキサゾールである。前記オキサジアゾールは、好ましくは、1個のメチル基で置換されている。
【0096】
本明細書で使用される場合、「C3~5シクロアルキル」という用語は、3、4又は5個の炭素原子を有する飽和環状炭化水素(シクロアルキル)を意味し、シクロプロピル、シクロブチル又はシクロペンチルの総称である。前記飽和環は、少なくとも1個の炭素原子が、N、O及びSから、特に、N及びOから選択されるヘテロ原子によって置き換えられるように、1個又は複数のヘテロ原子(「ヘテロシクリル」又は「複素環式環」又は「ヘテロシクロアルキル」とも呼ばれる)を含有してもよい。好ましくは、前記C3~5シクロアルキルは、シクロプロピルである。
【0097】
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を含み、そのうちフッ素、塩素及び臭素が好ましい。特に、フッ素及び塩素は、位置Ra、Rb、Rc又はRdにおけるハロゲンに好ましい。また特に、塩素は、位置R1におけるハロゲンに好ましい。更に特に、フッ素は、C3~5シクロアルキル又は環状アミンの置換基であるハロゲンに好ましい。
【0098】
「ヘテロ原子」という用語は、本明細書において定義されるような環構造又は飽和骨格中の炭素又は水素以外の原子を指す。通常のヘテロ原子は、N(H)、O、Sを含む。
【0099】
式(I)、(I-A)又は(I-AA)の化合物の遊離塩基並びにその薬学的に許容される塩及び立体異性体が、本発明に含まれる。本明細書において例示される具体的な化合物の一部は、アミン化合物のプロトン化塩である。1個又は複数のN原子を含有する式(I)、(I-A)又は(I-AA)の化合物は、N原子のうち任意の1個、一部又はすべてでプロトン化されうる。「遊離塩基」という用語は、非塩形態のアミン化合物を指す。包含される薬学的に許容される塩は、本明細書において記載される具体的な化合物について例示された塩だけでなく、式(I)、(I-A)又は(I-AA)の化合物の遊離形態の通常の薬学的に許容される塩も含む。記載された具体的な塩化合物の遊離形態は、当技術分野で公知の技術を使用して単離されうる。例えば、遊離形態は、希薄な塩基水溶液、例えば、希薄なNaOH、炭酸カリウム、アンモニア及び重炭酸ナトリウム水溶液を用いて処置することによって再生できる。遊離形態は、ある特定の物理的特性、例えば、極性溶媒中での溶解度において幾分かそのそれぞれの塩形態とは異なる場合があるが、酸及び塩基塩はそうでなければ、本発明の目的上、そのそれぞれの遊離形態と薬学的に同等である。
【0100】
本化合物の薬学的に許容される塩は、塩基性又は産生部分を含有する本発明の化合物から、従来の化学法によって合成できる。一般に、塩基性化合物の塩は、好適な溶媒又は溶媒の種々の組合せ中でイオン交換クロマトグラフィーによって、又は遊離塩基を化学量論量若しくは過剰の所望の塩形成性無機若しくは有機酸と反応させることによって調製される。同様に、酸性化合物の塩は、適当な無機又は有機塩基との反応によって形成される。好ましい実施形態では、本発明の化合物は、少なくとも1つの酸性プロトンを有し、例えば、適当な塩基との反応によって対応するナトリウム又はカリウム塩が形成されうる。
【0101】
したがって、本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、塩基性の本化合物を、無機若しくは有機酸と、又は酸性化合物を、無機若しくは有機塩基と反応させることによって形成されるような、本発明の化合物の従来の非毒性塩を含む。例えば、従来の非毒性塩として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などといった無機酸から導かれたもの並びに酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、 グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ-安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、トリフルオロ酢酸などといった有機酸から調製された塩が挙げられる。従来の非毒性塩として、無機塩基、例えば、カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム又はカルシウムから導かれるもの並びにエチレンジアミン、リジン、トロメタミン、メグルミンなどといった有機塩基から調製された塩が更に挙げられる。好ましくは、本発明の薬学的に許容される塩は、式(I)、式(I-A)又は式(I-AA)の化合物の1当量及び無機又は有機酸又は塩基の1、2又は3当量を含有する。より詳しくは、本発明の薬学的に許容される塩として、酒石酸塩、トリフルオロ酢酸塩又は塩化物塩がある。
【0102】
本発明の化合物が酸性である場合には、好適な「薬学的に許容される塩」とは、無機塩基及び有機塩基を含む薬学的に許容される非毒性塩基から調製された塩を指す。無機塩基から導かれた塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などを含む。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩は特に好ましい。薬学的に許容される有機非毒性塩基から導かれた塩として、第一級、第二級及び第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミンの塩並びに塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタインカフェイン、コリン、N,N1-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミントリプロピルアミン、トロメタミンなどが挙げられる。
【0103】
上記の薬学的に許容される塩及び他の通常の薬学的に許容される塩の調製は、Bergら、「Pharmaceutical Salts」、J. Pharm. Sci.、1977:66:1~19頁により十分に記載されている。
【0104】
生理学的条件下で、化合物中の脱プロトン化酸性部分、例えば、カルボキシル基が陰イオン性である場合があり、次いで、この電子電荷が、プロトン化又はアルキル化塩基性部分、例えば、第四級窒素原子の陽イオン電荷に対して内部で平衡が失われる場合があるので、本発明の化合物は、潜在的に内部塩又は双性イオンであるということも留意される。
【0105】
本発明の化合物は、ヒト及び動物の健康のための種々の適用において使用を見出す。本発明の化合物は、B型肝炎ウイルス(HBV)の阻害剤である。
【0106】
本発明の文脈では、HBVは、HBVの任意の公知の単離菌、遺伝子型、株などでありうる。特に、B型肝炎ウイルスは、8つの主な遺伝子型(A~Hと名付けられた)に分類されており、2つの更なる遺伝子型(I及びJ)が暫定的に提案された。HBV遺伝子型は、全ヌクレオチド配列において4.0~7.5%異なるいくつかの亜遺伝子型に更に分けられている。HBV遺伝子型は、多数のウイルス学的及びおそらくはいくつかの臨床パラメータにおいて実質的に異なるが、感染の進化におけるHBV遺伝子型の正確な役割には、議論の余地がある。地理的分布のために、世界のほとんどの地域において、2又は3つのHBV遺伝子型のみが共循環し、それによって、遺伝子型比較が制限されている。
【0107】
本発明の化合物は、HBV感染の処置及び/又は予防にとって有用なB型肝炎ウイルス(HBV)の阻害剤である。特に、本発明の化合物は、HBV感染の処置及び/又は予防にとって有用なB型肝炎ウイルス(HBV)コア(HBc)タンパク質の阻害剤である。
【0108】
本明細書において提供される化合物、組成物及び方法は、慢性B型肝炎、HBV/HDV同時感染、HBV/HCV同時感染、HBV/HIV同時感染、HBV感染からの炎症、壊死、硬変、肝細胞癌腫、肝代償不全及び肝傷害を含む、HBV感染及び関連状態の処置、寛解又は予防にとって特に有用であると思われる。
【0109】
本発明では、「HBV感染」という表現は、それだけには限らないが、B型肝炎、好ましくは、慢性B型肝炎、HBV/HDV同時感染、HBV/HCV同時感染、HBV/HIV同時感染を含む、HBVによる感染に起因するありとあらゆる状態を含む。
【0110】
HBV感染は、広範な肝臓合併症につながり、これらのすべては、HBV感染と関連した状態として意図される。本明細書で使用される場合、「HBV感染と関連する状態」は、好ましくは、B型肝炎、慢性B型肝炎、HBV/HDV同時感染、HBV/HCV同時感染、HBV/HIV同時感染、HBV感染からの炎症、壊死、硬変、肝細胞癌腫、肝代償不全及び肝傷害からなる群から選択される。
【0111】
「HBV感染を処置、根絶、低減、減速又は阻害すること」のような表現は、HBV感染、HBV感染の症状又はHBV感染を発症する可能性を治療、治癒、軽減、緩和、変更、治療(remedy)、改善、好転する、又は影響を及ぼすことを目的として、HBV感染、HBV感染の症状又はHBV感染を発症する可能性を有する患者への治療剤、すなわち、本発明の化合物(単独又は別の医薬品と組み合わせた)の適用若しくは投与、又は患者から得た摘出組織若しくは細胞系統(例えば、診断又はex vivo適用のために)への治療剤の適用若しくは投与を示すために使用される。このような処置は、薬理ゲノミクスの分野から得られた知識に基づいて、具体的に目的に合わせる又は修飾することができる。
【0112】
処置の有効性は、HBeAg、HBsAg、HBV DNAレベル、ALT活性レベル、血清HBVレベルなどの測定などによって、ウイルス負荷の定量化又は他の感染の証拠を使用して決定でき、それによって、処置用量、処置頻度及び処置の長さの調整が可能になる。
【0113】
HBeAgは、B型肝炎e-抗原を表す。この抗原は、ウイルスが活発に複製しているときに感染した血液中を循環するB型肝炎ウイルスに由来するタンパク質である。
【0114】
ALTは、アラニントランスアミナーゼを表し、アミノ酸アラニンからアルファ-ケトグルタル酸へのアミノ基の転移に関与して、グルタミン酸及びピルビン酸を生成する酵素である。ALTは、主に肝臓及び腎臓に局在し、心臓及び骨格筋中により少ない量を有する。ALTは一般的に、肝臓機能検査の一部として臨床的に測定される。
【0115】
本発明の化合物は、HBV感染を患っている個体においてウイルス負荷を低減できる。限定されない実施形態では、本発明の化合物は、それを必要とする個体において治療の際にウイルス負荷の低減を、最小で1又は2ログ減少から最大で約8ログ減少をもたらす。
【0116】
本明細書で使用される場合、「HBV感染からの肝傷害の緩解」という表現は、ウイルス抗原が臓器から消失した(及び免疫系がもはや肝臓細胞を攻撃しない)という事実によって、慢性壊死性炎症性肝臓疾患が停止されたことを意味する。
【0117】
本明細書で使用される場合、「予防的に処置すること」という用語は、何も生じていない場合には障害若しくは疾患発生がないこと、又は障害若しくは疾患の発生が既にある場合には、更なる障害若しくは疾患発生がないことを意味する。また、障害又は疾患と関連する症状の一部又はすべてを予防する能力が考慮される。予防的処置の一例は、肝臓移植片に感染する(慢性感染患者における肝臓移植の場合には)又は新生児に感染する(分娩時にウイルスに感染させる慢性感染母体の場合には)リスクの低減の必要性も示しうる。
【0118】
本明細書で使用される場合、「HBV感染の再発を低減すること」とは、患者が数年の静止状態後にHBV複製の再活性化及びHBV感染と関連する状態、例えば、肝炎の増悪を有しうることを示す。これらの患者は、HBV感染と関連する状態を発生する、例えば、肝細胞癌腫発生のリスクに依然としてある可能性がある。抗ウイルス療法はまた、HBsAg陽性である患者並びにHBV再活性化の中程度~高度のリスクを有すると予測される、免疫抑制療法を用いる治療を必要とする、HBsAg陰性であり、B型肝炎コア抗体陽性である患者のための予防として推奨される。
【0119】
本発明の化合物は、標準的薬学のプラクティスに従って、単独で、又は医薬組成物中で薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と組み合わせて哺乳動物、好ましくは、ヒトに投与されうる。一実施形態では、本発明の化合物は、動物に投与されうる。化合物は、経口的又は静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直腸及び局所経路の投与を含む非経口的に投与されうる。
【0120】
本発明はまた、1つ又は複数の本発明の化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。有効成分を含有する医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性若しくは油性懸濁液、分散性散剤若しくは顆粒剤、エマルジョン、ハード若しくはソフトカプセル剤又はシロップ若しくはエリキシルのような経口使用に好適な形態でありうる。経口使用用に意図される組成物は、医薬組成物の製造の技術分野で公知の任意の方法に従って調製でき、このような組成物は、薬学的に洗練された、口当たりの良い調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤及び保存剤からなる群から選択される1つ又は複数の薬剤を含有しうる。錠剤は、錠剤の製造に適している非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物中に有効成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性の希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム、造粒及び崩壊剤、例えば、微晶質セルロース、クロスカルメロースナトリウム、コーンスターチ又はアルギン酸、結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニル-ピロリドン又はアラビアガム並びに滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクでありうる。錠剤は、コーティングされない場合もあり、又は薬物の不快な風味をマスクするために、若しくは消化管における崩壊及び吸収を遅延し、それによって、長期間にわたって持続作用を提供するために、公知の技術によってコーティングされる場合もある。例えば、水溶性の風味マスキング材料、例えば、ヒドロキシプロピル-メチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロース又は時間遅延材料、例えば、エチルセルロース、酪酸酢酸セルロースが使用されうる。
【0121】
経口使用用製剤はまた、有効成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンと混合されるハードゼラチンカプセル剤として、又は有効成分が水溶性担体、例えば、ポリエチレングリコール若しくはオイル媒体、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン若しくはオリーブ油と混合されるソフトゼラチンカプセル剤として提示されうる。
【0122】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤との混合物中に活性材料を含有する。このような賦形剤として、沈殿防止剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル-ピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴムがあり、分散又は湿潤剤は、天然に存在するリン脂質、例えば、レシチン又はアルキレンオキシドの脂肪酸との縮合生成物、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン又はエチレンオキシドの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール又はエチレンオキシドの、脂肪酸由来の部分エステル及びヘキシトールの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート又はエチレンオキシドの、脂肪酸由来の部分エステル及びヘキシトール無水物の縮合生成物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエートでありうる。水性懸濁液はまた、1種又は複数の保存料、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸エチル又はn-プロピル、1種又は複数の着色剤、1種又は複数の香味剤及び1種又は複数の甘味剤、例えば、スクロース、サッカリン若しくはアスパルテームを含有しうる。
【0123】
油性懸濁液は、植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油又はココナッツ油に、又は鉱油、例えば、流動パラフィンに有効成分を懸濁することによって製剤化できる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、ハードパラフィン又はセチルアルコールを含有しうる。口当たりの良い経口調製物を提供するために、甘味剤、例えば、上記で示されるもの及び香味剤を添加できる。これらの組成物は、抗酸化物質、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール又はアルファ-トコフェロールの添加によって保存できる。
【0124】
水の添加による水性懸濁液の調製に好適な分散性散剤及び顆粒剤は、分散又は湿潤剤、懸濁剤及び1つ又は複数の保存料との混合物中で有効成分を提供する。好適な分散又は湿潤剤及び懸濁剤は、上記で既に記載されたものによって例示されている。更なる賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤及び着色剤も存在してもよい。これらの組成物は、抗酸化物質、例えば、アスコルビン酸の添加によって保存できる。
【0125】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態でありうる。油性相は、植物油、例えば、オリーブ油若しくはラッカセイ油又は鉱油、例えば、流動パラフィン又はこれらの混合物でありうる。好適な乳化剤は、天然に存在するホスファチド、例えば、ダイズレシチン及び脂肪酸由来のエステル又は部分エステル及びヘキシトール無水物、例えば ソルビタンモノオレエート及び前記部分エステルの、エチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートでありうる。エマルジョンはまた、甘味剤、香味剤、保存料及び抗酸化物質を含有しうる。
【0126】
シロップ及びエリキシルは、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースを用いて製剤化できる。このような製剤はまた、粘滑薬、防腐剤、香味剤及び着色剤及び抗酸化物質を含有しうる。
【0127】
医薬組成物は、滅菌注射用水溶液の形態でありうる。使用できる許容されるビヒクル及び溶媒の中には、水、リンゲル溶液及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。
【0128】
滅菌注射用製剤はまた、有効成分が油性相に溶解されている滅菌注射用水中油型マイクロエマルジョンでありうる。例えば、有効成分をまず、ダイズ油及びレシチンの混合物中に溶解することができる。次いで、油溶液を水及びグリセロール混合物中に入れ、マイクロエマルジョン(microemulstion)を形成するように処理する。
【0129】
局所ボーラス注射によって、注射用溶液又はマイクロエマルジョンを患者の血流中に入れることができる。或いは、本化合物の一定循環濃度を維持するような方法で溶液又はマイクロエマルジョンを投与することが有利でありうる。このような一定濃度を維持するために、連続静脈内送達デバイスを利用できる。このようなデバイスの一例として、Deltec社 CADD-PLUS(商標)モデル5400静脈内ポンプがある。
【0130】
医薬組成物は、筋肉内及び皮下投与のための滅菌注射用水性又は油性懸濁液の形態でありうる。この懸濁液は、上記で言及された好適な分散又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して公知の技術に従って製剤化できる。滅菌注射用製剤はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液のような、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の滅菌注射用溶液又は懸濁液でありうる。更に、溶媒又は懸濁媒体として滅菌硬化油が従来使用される。この目的のために、合成モノ-又は次グリセリドを含む任意の無菌性硬化油を使用できる。更に、脂肪酸、例えば、オレイン酸は、注射用物質の調製において用途がある。
【0131】
本発明の化合物はまた、薬物の直腸投与のために坐剤の形態で投与できる。これらの組成物は、薬物を、常温で固体であるが、直腸温度で液体であり、したがって、直腸中で融解して、薬物を放出する好適な非刺激性賦形剤と混合することによって調製できる。このような材料として、ココアバター、グリセリン化ゼラチン、硬化植物油、種々の分子量のポリエチレングリコール及びポリエチレングリコールの脂肪酸エステルの混合物が挙げられる。
【0132】
局所使用のために、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー剤、溶液又は懸濁液などが使用される。(本出願の目的のために、局所適用は、マウスウォッシュ及び含嗽剤を含まなければならない)
【0133】
本発明の化合物は、好適な鼻腔内ビヒクル及び送達デバイスの局所使用によって、又は当業者に周知の経皮皮膚パッチの形態を使用して経皮経路によって鼻腔内形態で投与できる。経皮送達システムの形態で投与するために、もちろん、投与される投与量は、投与レジメンを通じて断続的よりも連続となる。本発明の化合物はまた、ココアバター、グリセリン化ゼラチン、硬化植物油、種々の分子量のポリエチレングリコール及びポリエチレングリコールの脂肪酸エステルの混合物などの基剤を使用する坐剤として送達できる。
【0134】
本発明の化合物は、化合物を標的とするように設計された、リポソーム又は他のマイクロ粒子又は他のナノ粒子中で提示できる。許容されるリポソームは、中性である、負電荷を有する、又は正電荷を有する場合があり、電荷は、リポソーム成分の電荷及びリポソーム溶液のpHの関数である。リポソームは、普通、リン脂質及びコレステロールの混合物を使用して調製できる。好適なリン脂質として、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスホチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトールが挙げられる。リポソームの血液循環時間を改善するためにポリエチレングリコールを添加できる。 許容されるナノ粒子として、アルブミンナノ粒子及び金ナノ粒子が挙げられる。
【0135】
本発明の化合物がヒト対象中に投与される場合には、1日投与量は、普通、処方医師によって決定され、投与量は、一般に、年齢、体重、性別及び個々の患者の応答並びに患者の症状の重症度に従って変わる。
【0136】
1つの例示的適用では、化合物の好適な量が、抗HBV処置を受けている哺乳動物に投与される。投与は、一般に、1日あたり約0.01mg/体重1kg~約100mg/体重1kgの間の量、好ましくは、1日あたり約0.01mg/体重1kg~約60mg/体重1kgの間、好ましくは、1日あたり約0.1mg/体重1kg~約50mg/体重1kgの間、好ましくは、1日あたり約0.5mg/体重1kg~約40mg/体重1kgの間で生じる。
【0137】
本化合物はまた、同時、別個又は逐次投与のための公知の治療剤と組み合わせて有用である。
【0138】
一実施形態では、本発明の化合物は、少なくとも1つ又は複数の更なる治療剤、特に、抗HBV剤と組み合わせて使用できる。
【0139】
本発明の化合物がHBV感染の処置及び/又は予防において使用するためのものであることを示すことは、化合物が、HBV感染の処置、根絶、低減、減速又は阻害のために有効であることを示す。
【0140】
治療剤は、HBV感染又はHBV感染と関連する状態の処置及び/又は予防及び/又は寛解においてよく使用される任意の薬剤である。治療剤は、当技術分野で公知である。
【0141】
「抗HBV剤」又はより簡単に「HBV抗ウイルス剤」という用語はまた、その天然形態又は化学的に修飾された及び/若しくは安定化されたもののいずれかの治療用核酸、抗体又はタンパク質である化合物を含む。B型肝炎ウイルス(HBV)株は、少なくとも1つの抗HBV剤に対して耐性でありうるので、「薬物耐性」としても定義される。治療用核酸という用語は、それだけには限らないが、ヌクレオチド及びヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドを含み、そのうちの制限されない例として、アンチセンスオリゴヌクレオチド、miRNA、siRNA、shRNA、治療用ベクター及びDNA/RNA編集成分が挙げられる。
【0142】
抗HBV剤という用語はまた、免疫調節によってHBV感染を処置可能である化合物、すなわち、免疫調節物質又は免疫調節性化合物を含む。免疫調節物質の例として、インターフェロン-α(IFN-α)、ペグ化インターフェロン-α又は自然免疫系の刺激物質、例えば、Toll様受容体7及び/又は8アゴニスト並びに治療用又は予防用ワクチンが挙げられる。本発明の一実施形態は、本明細書に詳述されるような式(I)、(I-A)又は(I-AA)の化合物又はその任意の亜群の、免疫調節性化合物、より詳しくは、Toll様受容体7及び/又は8アゴニストとの組合せに関する。
【0143】
更なるHBV抗ウイルス剤は、例えば、治療用ワクチン、RNA干渉治療剤/アンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、siRNA、ddRNA、shRNA)、免疫調節物質(例えば、TLRアゴニスト(例えば、TLR7、TLR8又はTLR9アゴニスト)、STINGアゴニスト、RIG-Iモジュレーター、NKTモジュレーター、ILアゴニスト、インターロイキン又は他の免疫活性タンパク質、治療用及び予防用ワクチン及び免疫チェックポイントモジュレーター、HBV侵入阻害剤、cccDNAモジュレーター(例えば、直接cccDNA阻害剤、cccDNA形成又は維持の阻害剤、cccDNAエピジェネティックモディファイヤー、cccDNA転写の阻害剤など)、HBVタンパク質発現の阻害剤、HBV RNAを標的化する薬剤、カプシド集合阻害剤/モジュレーター、コア若しくはXタンパク質標的化剤、ヌクレオチド類似体、ヌクレオシド類似体、インターフェロン若しくは修飾インターフェロン、別個の若しくは未知の機序のHBV抗ウイルス剤、シクロフィリン阻害剤、sAg放出阻害剤、HBVポリメラーゼ阻害剤、ジヌクレオチド、SMAC阻害剤、HDV標的化剤、ウイルス成熟阻害剤、逆転写酵素阻害剤、HBV RNA不安定化剤及びHBVタンパク質発現の別の小分子阻害剤から選択できる。
【0144】
特に、以前から公知である抗HBV剤、例えば、インターフェロン-α(IFN-α)、ペグ化インターフェロン-α、3TC、テノホビル、ラミブジン、エンテカビル、テルビブジン及びアデホビル又はそれらの組合せと、式(I)、(I-A)又は(I-AA)の化合物又はその任意の亜群との組合せを、併用療法において医薬として使用できる。本発明の化合物と組み合わせることができる更なる治療剤の更なる例として、ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、アバカビル、ddAエムトリシタビン、アプリシタビン、アテビラピン、リバビリン、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、シドホビル、エファビレンツ、ネビラピン、デラビルジン及びエトラビリンが挙げられる。
【0145】
本発明の化合物に関連して「投与」という用語及びその変形(例えば、化合物を「投与すること」)とは、化合物又は化合物のプロドラッグを処置を必要とする動物の系の中に導入することを意味する。本発明の化合物又はそのプロドラッグが、1つ又は複数の他の活性薬剤(例えば、細胞傷害性薬剤など)と組み合わせて提供される場合には、「投与」及びその変形は、化合物又はそのプロドラッグ及び他の薬剤の同時及び逐次導入を含むように各々理解される。
【0146】
一部の実施形態では、パルス投与は、総パルス用量が、同一組成物の連続投与から予測されるものよりも低いことが多いので連続処置よりも有効である。各パルス用量を低減でき、処置の経過にわたって投与される薬物の総量は、最小化される。個々のパルスを患者に、数時間の期間、例えば、約2、4、6、8、10、12、14又は16時間にわたって、又は数日、例えば、2、3、4、5、6若しくは7日にわたって連続的に送達できる。
【0147】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、指定の量の指定の成分を含む生成物並びに指定の量の指定の成分から直接的又は間接的に結果として生じた任意の生成物を包含するように意図される。
【0148】
「治療上有効量」という用語は、本明細書で使用される場合、研究者、獣医、医師又は他の臨床医によって求められている組織、系、動物又はヒトにおいて生物学的又は医学的応答を誘発する活性化合物又は医薬品の量を意味する。
【0149】
本発明を以下の限定されない例によって説明し、生物学的データを提示する。
【0150】
材料及び方法
化学
一般
特に断りのない限り、市販の試薬及び溶媒(HPLC等級)を更に精製することなく使用した。
【0151】
具体的には、実験方法の説明において以下の略語が使用されている場合がある:
NMR:核磁気共鳴、1H:プロトン、MHz:メガヘルツ、Hz:ヘルツ、HPLC:高性能液体クロマトグラフィー、LC-MS:液体クロマトグラフィー質量分析、s:秒、min:分、h又はhr:時間、mg:ミリグラム、g:グラム、Ml:マイクロリットル、mL:ミリリットル、mmol:ミリモル、nm:ナノメートル、μM:マイクロモル、M:容積モル濃度又はモル濃度、Rt:分での保持時間、anh:無水物、ss:飽和溶液、aq:水溶液、sat.aq.:飽和水溶液、MW:マイクロ波、Boc:tert-ブチルオキシカルボニル保護基、DCM:ジクロロメタン、DIAD:ジシソプロピルアゾジカルボキシレート、DMF:ジメチルホルムアミド、DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン、DMSO:ジメチルスルホキシド、EtOH:エタノール、EtOAc:酢酸エチル、IPA:イソプロピルアミン、LiHMDS:リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、MeOH:メタノール、MeCN:アセトニトリル、PE:石油エーテル、PMB:p-メトキシベンジル保護基、PyBop:ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、TFA:トリフルオロ酢酸、eq.:当量、RT:室温、TBDMS:tert-ブチルジメチルシリル、TEA:トリエチルアミン、THF:テトラヒドロフラン、pTSA:パラ-トルエンスルホン酸、TBTU:2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウムテトラフルオロボレート。
【0152】
別に示される場合を除き、すべての温度は、℃(摂氏度)又はK(ケルビン)で表されている。
【0153】
1H-NMRスペクトルは、Avance II 300 MHz Brukerスペクトロメーターを用いて得た。化学シフトは、百万分率(ppm、δ単位)で表されている。カップリング定数は、ヘルツ(Hz)で表されており、開裂パターンは、s(一重線)、bs(広いシグナル)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、quint(五重線)、m(多重線)として記載されている。
【0154】
LC-MS分析は、SQDスペクトロメーター、シングル四重極質量検出器、及びTUV検出器を備えたUPLC Acquity Waters Systemによって、カラム1:ACQUITY UPLC BEH SHIELD、RP18(2.1×50mm、id=1.7μM)、カラム2:ACQUITY UPLC HSS T3、RP18(2.1×50mm、id=1.8μM)及びカラム3:ACQUITY UPLC BEH SHIELD、RP18(2.1×100mm、id=1.7μM)を使用して実施した。カラム温度40℃。サンプル温度25℃。相Aは、水(HiPerSolv Chromanorm水 VWR HPLC-MS用)+0.05%トリフルオロ酢酸によって構成され、相Bは、CH3CN(HiPerSolv ChromanormアセトニトリルSuperGradient VWR、UPLC/UHPLC機器に適している)+0.05%トリフルオロ酢酸によって構成され、流速:0.5mL/分、UV検出(DIODEアレイ)200nm、100~1000m/zの範囲におけるESI+及びESI-検出。
【0155】
方法1:カラム1、実行時間:3分、実行勾配:2.80分で5%B~100%B+0.2分間の100%B、平衡化時間:0.8分、イオン化モード:ESI+。
方法2:カラム2、実行時間:4分、実行勾配:3.5分で0%B~45%B+0.05分で45%B~100%B+0.45分間の100%B、平衡化時間:0.8分、イオン化モード:ESI+。
方法3:カラム3、実行時間:6分、実行勾配:5分で5%B~100%B+1分間の100%B、平衡化時間:2分。
方法4:カラム3、実行時間:6分、実行勾配:5分で5%B~50%B+0.2分で50%B~100%B+0.8分間の100%B、平衡化時間:2分、イオン化モード:ESI+。
方法5:カラム1、実行時間:3分、実行勾配:2.80分で5%B~100%B+0.2分間の100%B、平衡化時間:0.8分、イオン化モード:ESI+。
方法6:カラム2、実行時間:4分、実行勾配:3.5分で0%B~45%B+0.05分で45%B~100%B+0.45分間の100%B、平衡化時間:0.8分、イオン化モード:ESI+。
方法7:カラム3、実行時間:6分、実行勾配:5分で5%B~100%B+1分間の100%B、平衡化時間:2分、イオン化モード:ESI+。
方法8:カラム3、実行時間:6分、実行勾配:5分で5%B~50%B+0.2分で50%B~100%B+0.8分間の100%B、平衡化時間:2分、イオン化モード:ESI+。
方法9:カラム1、実行時間:4分、実行勾配:3.00分で5%B~100%B+1分間の100%B、平衡化時間:0.8分、イオン化モード:ESI+。
方法10:カラム1、実行時間:4分、実行勾配:3.00分で5%B~100%B+1分間の100%B、平衡化時間:0.8分、イオン化モード:ESI+。
方法11:カラム1、実行時間:3分、実行勾配:2.80分で40%B~100%B+0.2分間の100%B、平衡化時間:0.8分、イオン化モード:ESI+。
方法12:カラム3、実行時間:6分、実行勾配:5分で25%B~70%B+1分間の100%B、平衡化時間:2分、フロー:0.5mL/分、イオン化モード:ESI+。
方法13:カラム2、実行時間:4分、実行勾配:3.5分で0%B~60%B+0.05分で60%B~100%B+0.45分間の100%B、平衡化時間:0.8分、イオン化モード:ESI+。
方法14:カラム2、実行時間:4分、実行勾配:3.5分で0%B~30%B+0.05分で30%B~100%B+0.45分間の100%B、平衡化時間:0.8分、イオン化モード:ESI+。
【0156】
合成
本発明の更なる態様によれば、式(I)の化合物又はその塩を調製する方法が提供される。以下のスキームは、本発明の化合物を合成するために使用できる合成スキームの例である。以下のスキームでは、十分に確立された技術に従って、保護基を用いて反応性基を保護でき、脱保護できる。以下のスキームでは、十分に確立された技術に従って、保護基を用いて反応性基を保護でき、脱保護できる。以下のスキーム及び段落では、R1、R2、R3、R4、Ra、Rb、Rc、Rd、Cy、n及びmは、式(I)において上記で本明細書において定義される通りである。
【0157】
標準化学法に従って本発明のある特定の化合物を本発明の他の化合物に変換できるということは、当業者によって理解されるであろう。本発明の化合物は、以下のスキーム1及びスキーム2において示された一般的な経路に従って調製できる:
【0158】
【0159】
R1= Hである、スキーム1において化合物(1)として示される、エチル4-(クロロスルホニル)-3-フルオロ-1-メチル-1H-ピロール-2-カルボキシレートを、WO2017/001655に記載される手順に従って調製した。スキーム1によれば、求核性-OH置換基を有する第一級アミン誘導体(2)を、適当な塩基の存在下で化合物(1)と反応させて、対応するスルホンアミド生成物(3)を得る。テトラヒドロフラン(tethrahydrofuran)のような溶媒中での、強力な非求核性塩基、例えば、LiHMDSの存在下での、アリールアミン又はヘテロアリールアミンとの(3)の反応は、エチルカルボキシレートをアリールアミド誘導体(4)に変換する。フッ素上のOHの分子内求核攻撃によるその後の環化ステップによって、化合物(5)の三環性コアが得られる。化合物(5)中の特定の保護基(PG、スキーム1において示されるような)に応じて、生成物を脱保護及び/又は更なる官能化ステップによって更に精緻化できる。特に、窒素がN-Boc誘導体であるような場合には、酸性処置によってBocを除去することができ、得られたNHを、例えば、アミド又はオキサラミド誘導体に更に変換することができる、又は例えば、還元アミノ化化学を介してアルキル化することができる。本発明の特定の実施形態では、一般式(5)の化合物では、保護された窒素は、N-COOEt又はN-PMBであり、保護基は、標準化学、例えば、エチルカルバメートに対するトリメチルシリルヨージド及びp-メトキシベンジル基(PMB)に対する水素化を介して切断できる。更に注目に値するのは、スキーム1に示されたステップの特定の順序を変更して、合成戦略の効率を最適化できるということである。
【0160】
スキーム1に示された化合物(5)を脱保護すると、一般構造(6)の高度な中間体が得られ、Zは、スキーム1に示されたCl-、CF3COO-、p-トリルSO3-などといった対イオンである。式(6)の化合物を、適当なカップリング条件下で塩化アシル又はエステルのようなR2-COOH又はその誘導体と反応させて、式(I)の化合物を得る。特に、R2が-(C=O)NR3R4である式(I)の化合物は、
スキーム2に示されるように得られる。
【0161】
【0162】
R1がHである式(I)の化合物は、標準的なハロゲン化法を介してR1がハロゲンである式(I)の化合物に変化できる(例えば、Journal of Organic Chemistry (1981)、46(11)、2221~5頁を参照されたい)。
【0163】
スキーム中の手順を、以下に示される化合物の合成のために使用でき、適当な立体化学的配置を有する出発材料を選択することによって、単一ジアステレオ異性体及び/又は鏡像異性体としての化合物の合成のために同様に使用できる。
【0164】
別に示されない場合には、出発材料及び/又は中間体は、市販の供給源から入手したか、又は化学文献において公知の合成手順を介して得ることができた。試験手順の記載においてある特定の化合物の市販の供給源を示すことは、提供される場合には、単に熟練した化学者にとっての容易な参照のためであり、その特定の市販の化合物のみを使用するために示すものと解釈されるべきではない。
【0165】
以下の段落では、記載1~28は、本発明の化合物及びその塩を作製するために使用される中間体の調製を例示する。実施例は、本発明の化合物及びその塩の調製を例示する。化合物が1つより多いキラル中心を有する場合には、ジアステレオ異性体の混合物として、又は単一の異性体として存在しうることが理解される。ラセミ及びキラル化合物の両方とも、本発明の範囲内にある。示された手順は、単に熟練した化学者への補助のために提供される。出発材料は、言及される記載又は実施例のバッチから必ずしも調製されていない場合もある。
【0166】
記載D1:rac-エチル4-(N-(1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル)スルファモイル)-3-フルオロ-1-メチル-1H-ピロール-2-カルボキシレート(D1)
化合物D1を以下のスキームに従って調製した:
【0167】
【0168】
無水MeCN(2mL)中のエチル4-(クロロスルホニル)-3-フルオロ-1-メチル-1H-ピロール-2-カルボキシレート(100mg、0.37mmol)及びtert-ブチル3-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(237078、Fluorochem社、CAS:889949-18-2、80.2mg、0.37mmol)の溶液を、TEA(0.15mL、1.11mmol)で処置した。反応物を室温で30分間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮し、EtOAcで希釈し、5%クエン酸溶液及びブラインを用いて洗浄し、Na2SO4(無水)で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質D1(131mg、0.29mmol、収率=78.6%)を、次の合成ステップにおいてそのようなものとして使用した。方法1: Rt=1.70分; m/z=450.3(M+H)+。
【0169】
記載D2:6'-((3,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-1-イウム1',1'-ジオキシドクロリド(D2)
化合物を以下のスキームに従って調製した:
【0170】
【0171】
ステップ1:
無水THF(3mL)中のD1(130mg、0.29mmol)及び3,4-ジフルオロアニリン(001459、Fluorochem社、CAS:63-11-4、30μL、0.304mmol)の溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中、1M)(1.45mL)を室温で滴加した。60分後、反応物を水を用いてクエンチし、DCMで希釈し、5%クエン酸水溶液及びブラインを用いて洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル3-((5-((3,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)-4-フルオロ-1-メチル-1H-ピロール)-3-スルホンアミド)-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(154mg、0.289mmol、定量的収率)を泡状物質として得、これを更に精製することなく使用した。方法1: Rt=1.70分; m/z=533.4(M+H)+。
【0172】
ステップ2:
DMF(2.9mL)中の、ステップ1から得た化合物(154mg、0.289mmol)の溶液に、炭酸セシウム(282.7mg、0.868mmol)を添加し、反応混合物を135℃で1時間、油浴で撹拌した。反応物をEtOAcで希釈し、水(×3)を用いて洗浄した。有機層をNa2SO4(無水)で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮し、tert-ブチル6'-((3,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-1-カルボキシレート1',1'-ジオキシド(148mg、0.289mmol、定量的収率)を固体として得た。方法1: Rt=2.19分; m/z=513.2(M+H)+。
【0173】
ステップ3:
ステップ2から得た化合物(148mg、0.290mmol)を、DCM(2mL)中に溶解し、ジオキサン中の1M HCl(0.29mL、0.290mmol)を一度に用いて処置した。室温で1時間撹拌した後、溶媒を除去し、塩酸塩としてD2(130mg、定量的収率)を得、なんら生成することなく次のステップにおいて使用した。方法1: Rt=1.33分; m/z=413.2(M+H)+。
【0174】
記載D3:メチル(R)-2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセテート(D3)
【0175】
【0176】
無水DCM(3mL、0.047mol)中の(2R)-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパンアミンヒドロクロリド(U23940、AurumPharmacuticals社、CAS:177469-12-4、500mg、3.34mmol)及びN-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(1.16mL、6.69mmol)の等モル溶液に、メチル2-クロロ-2-オキソアセテート(0.31mL、3.34mmol)を0℃、窒素雰囲気下で滴加した。反応物を0℃で30分間撹拌し、次いで、氷及び水を用いてクエンチした。有機相を1 N HCl(3×20mL)及びブラインを用いて洗浄した。有機相をNa2SO4(無水)で乾燥させ、次いで、濾過し、濃縮して、D3(567mg、収率=85%)を無色の固体として得、これをそのようなものとして次の合成ステップにおいて使用した。 方法1:Rt=1.12分、m/z=200.1(M+H)+。
【0177】
記載D4:ナトリウム(R)-2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセテート(D4)
【0178】
【0179】
THF(2mL、0.025mol)中のD3(567mg、2.85mmol)の溶液に、水(1mL、0.056mol)中に事前に溶解した水酸化ナトリウム(113.89mg、2.85mmol)を室温で添加した。反応物を室温で一晩撹拌し、次いで、トルエン(30mL)で希釈し、減圧下で蒸発乾固させた。この手順を2回繰り返して、白色の粉末を得た。生成物を真空ポンプ下で一晩更に乾燥させて、D4(562mg、収率=95%)を白色の粉末として得た。方法13:Rt=1.25分、m/z=130.1(M+H)+。
【0180】
記載D5:tert-ブチル(3R)-3-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(D5)
【0181】
【0182】
ステップ1:
tert-ブチル3-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(Fluorochem社、カタログ番号237078、CAS:889949-18-2)(500mg、2.31mmol)及び(-)-O,O'-ジ-p-トルオイル-D-タルトレート(0.5当量、445mg、1.15mmol)の混合物を、IPA(2.5mL、0.033mol)中に懸濁し、混合物を、ほとんど溶解するまで超音波処理した。得られた懸濁液を65℃で数分間加熱し、再び超音波処理し、均質な混合物を得た。淡黄色の溶液を65℃で加熱した。5分後、混合物は白色の懸濁液になり、65~70℃で18時間撹拌し続けた。懸濁液を室温で1時間にわたって冷却させた。懸濁液を濾過し、固体を少量のイソプロパノールですすいだ。粗物質を真空下で一晩乾燥させて、tert-ブチル(3R)-3-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート-ヘミ-(-)-O,O'-ジ-p-トルオイル-D-タルトレート(tatrate)(345mg、0.43mmol、y=36.4%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.39 (s, 9 H) 1.62 - 1.79 (m, 1 H) 1.79 - 2.03 (m, 1 H) 2.35 (s, 3 H) 3.03 - 3.51 (m, 6 H) 5.57 (s, 1 H) 6.83 - 8.03 (m, 1 H) 7.28 (d, J=8.07 Hz, 2 H) 7.80 (d, J=8.16 Hz, 1 H).
【0183】
ステップ2:
tert-ブチル(3R)-3-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート-ヘミ-(-)-O,O'-ジ-p-トルオイル-D-タルトレート(350mg、0.43mmol)を、水(1mL)及びエチルアセテート(1mL)中に懸濁した。混合物を氷浴で冷却し、6N HCl(0.14mL、0.840mmol)を滴加した。得られた二相混合物を0℃で1時間撹拌した。層を分離し、水性相をEtOAc(×1)を用いて洗浄した。水相を0℃に冷却し、3M NaOH水溶液(0.28mL、0.840mmol)で処置した。混合物を0℃で1時間撹拌した。得られた溶液をMeTHF(5×10mL)で抽出し、減圧下で濃縮して、tert-ブチル(3R)-3-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(134mg、0.620mmol)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.45 (s, 9 H) 1.67 - 1.85 (m, 1 H) 1.86 - 2.05 (m, 1 H) 2.40 (br s, 2 H) 3.14 - 3.59 (m, 6 H).
【0184】
記載D6:tert-ブチル(3S)-3-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(D6)
【0185】
【0186】
D6を、tert-ブチル3-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(Fluorochem社、カタログ番号237078、CAS:889949-18-2)(500mg、2.31mmol)及び(+)-O,O'-ジ-p-トルオイル-D-タルトレート(0.5当量、445mg、1.15mmol)から出発して、D5について記載されたように調製した。1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ ppm 1.45 (s, 9 H) 1.61 - 1.81 (m, 1 H) 1.82 - 2.15 (m, 3 H) 3.51 (m, 6 H).
【0187】
記載D7:エチル(R)-4-(N-(1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル)スルファモイル)-3-フルオロ-1-メチル-1H-ピロール-2-カルボキシレート(D7)
【0188】
【0189】
D7を、tert-ブチル3-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレートの代わりにD5から出発して、D1について記載されたように調製した。方法1: Rt=1.70分; m/z=450.3(M+H)+。
【0190】
記載D8:エチル(S)-4-(N-(1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-3-イル)スルファモイル)-3-フルオロ-1-メチル-1H-ピロール-2-カルボキシレート(D8)
【0191】
【0192】
D8を、tert-ブチル3-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレートの代わりにD6から出発して、D1について記載されたように調製した。方法1: Rt=1.70分; m/z=450.3(M+H)+。
【0193】
記載D9:tert-ブチル4-((5-(エトキシカルボニル)-4-フルオロ-1-メチル-1H-ピロール)-3-スルホンアミド)-4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン-1-カルボキシレート(D9)
【0194】
【0195】
D9を、tert-ブチル3-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレートの代わりに1-Boc-4-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)ピペリジン(Fluorochem社、cat 469124、CAS:203186-96-3)から出発して、D1について記載されたように調製した。方法1: Rt=1.89分; m/z=464.4(M+H)+。
【0196】
記載D10:エチル4-(N-(1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-(ヒドロキシメチル)アゼチジン-3-イル)スルファモイル)-3-フルオロ-1-メチル-1H-ピロール-2-カルボキシレート(D10)
【0197】
【0198】
D10を、tert-ブチル3-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-カルボキシレートの代わりに1-Boc-3-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)アゼチジン(Fluorochem社、cat 502710、CAS:1262411-27-7)から出発して、D1について記載されたように調製した。方法1: Rt=1.83分; m/z=436.4(M+H)+。
【0199】
記載D11:(R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシドヒドロクロリド(D11)
【0200】
【0201】
3,4-ジフルオロアニリンの代わりにステップ1においてD7及び3-クロロ-4-フルオロアニリン(001682、Fluorochem社、CAS:367-21-5)から出発して、化合物D2について記載されたように同様に調製した。方法1: Rt=1.42分; m/z=429.23(M+H)+。
【0202】
記載D12:(S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシドヒドロクロリド(D12)
【0203】
【0204】
3,4-ジフルオロアニリンの代わりにステップ1においてD8及び3-クロロ-4-フルオロアニリン(001682、Fluorochem社、CAS:367-21-5)から出発して、化合物D2について記載されたように同様に調製した。
【0205】
記載D13:N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシドヒドロクロリド(D13)
【0206】
【0207】
3,4-ジフルオロアニリンの代わりにステップ1においてD9及び3-クロロ-4-フルオロアニリン(001682、Fluorochem社、CAS:367-21-5)から出発して、化合物D2について記載されたように同様に調製した。方法1: Rt=1.44分; m/z=443.3(M+H)+。
【0208】
記載D14:N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシドヒドロクロリド(D14)
【0209】
【0210】
3,4-ジフルオロアニリンの代わりにステップ1においてD10及び3-クロロ-4-フルオロアニリン(001682、Fluorochem社、CAS:367-21-5)から出発して、化合物D2について記載されたように同様に調製した。方法1: Rt=1.40分; m/z=415.3(M+H)+。
【0211】
記載D15:(R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシドヒドロクロリド(D15)
【0212】
【0213】
3,4-ジフルオロアニリンの代わりにステップ1においてD7及び3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロアニリン(101786、Fluorochem社、CAS:445303-96-8)から出発して、化合物D2について記載されたように同様に調製した。方法1: Rt=1.37分; m/z=445.16(M+H)+。
【0214】
記載D16:(S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシドヒドロクロリド(D16)
【0215】
【0216】
3,4-ジフルオロアニリンの代わりにステップ1においてD8及び3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロアニリン(101786、Fluorochem社、CAS:445303-96-8)から出発して、化合物D2について記載されたように同様に調製した。方法1: Rt=1.37分; m/z=445.16(M+H)+。
【0217】
記載D17:N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシドヒドロクロリド(D17)
【0218】
【0219】
D9及び3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロアニリン(101786、Fluorochem社、CAS:445303-96-8)から出発して、化合物D2について記載されたように同様に調製して、D17を得た。方法1: Rt=1.39分; m/z=459.3(M+H)+。
【0220】
記載D18:N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシドヒドロクロリド(D18)
【0221】
【0222】
3,4-ジフルオロアニリンの代わりにステップ1においてD10及び3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロアニリン(101786、Fluorochem社、CAS:445303-96-8)から出発して、化合物D2について記載されたように同様に調製した。方法1: Rt=1.35分; m/z=431.25(M+H)+。
【0223】
記載D19:エチル(S)-2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセテート(D19)
【0224】
【0225】
エチル2-クロロ-2-オキソアセテートから出発し、(2R)-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパンアミンヒドロクロリドの代わりに(2S)-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパンアミンヒドロクロリドを使用して、化合物D3について記載されたように同様に調製して、D19を無色の油状物として得た。方法2; Rt=2.84分。m/z=214.34(M+H)+。
【0226】
記載D20:ナトリウム(S)-2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセテート(D20)
【0227】
【0228】
D19から出発して、化合物D4について記載されたように同様に調製した。方法6; Rt=1.34分。m/z=186.3(M+H)+。
【0229】
記載D21:エチル2-オキソ-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)アセテート(D21)
【0230】
【0231】
エチル2-クロロ-2-オキソアセテートから出発し、(2R)-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパンアミンヒドロクロリドの代わりに2,2,2-トリフルオロエチルアミンヒドロクロリドを使用して、化合物D3について記載されたように同様に調製して、D21を白色の固体として得、これをそのようなものとして次の合成ステップにおいて使用した。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.29 (t, J=7.11 Hz, 3 H) 3.83 - 4.08 (m, 2 H) 4.27 (q, J=7.12 Hz, 2 H) 9.35 - 9.70 (m, 1 H). 方法6; Rt=2.32分. m/z=200.2 (M+H)+.
【0232】
記載D22:ナトリウム2-オキソ-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)アセテート(D22)
【0233】
【0234】
D21から出発して、化合物D4について記載されたように同様に調製した。方法6; Rt=1.22分。m/z=172.1(M+H)+。
【0235】
記載D23:エチル2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセテート(D23)
【0236】
【0237】
エチル2-クロロ-2-オキソアセテートから出発し、(2R)-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパンアミンヒドロクロリドの代わりに2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチルアミンヒドロクロリドを使用して、化合物D3について記載されたように同様に調製して、D23を無色の油状物として得、これをそのようなものとして次の合成ステップにおいて使用した。方法6; Rt=3.54分。m/z=228.13(M+H)+。
【0238】
記載D24:ナトリウム2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセテート(D24)
【0239】
【0240】
D23から出発して、化合物D4について記載されたように同様に調製した。方法6; Rt=1.07分。m/z=200.15(M+H)+。
【0241】
記載D25:エチル2-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-2-オキソアセテート(D25)
【0242】
【0243】
エチル2-クロロ-2-オキソアセテートから出発し、(2R)-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパンアミンヒドロクロリドの代わりに3,3-ジフルオロアゼチジンヒドロクロリドを使用して、化合物D3について記載されたように同様に調製して、D25を淡橙色の固体として得、これをそのようなものとして次の合成ステップにおいて使用した。方法2; Rt=2.40分。m/z=194.12(M+H)+。
【0244】
記載D26:ナトリウム2-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-2-オキソアセテート(D26)
【0245】
【0246】
D25から出発して、化合物D4について記載されたように同様に調製した。方法6; Rt=0.92分。m/z=166(M+H)+。
【0247】
記載D27:メチル2-(シクロプロピルアミノ)-2-オキソアセテート(D27)
【0248】
【0249】
(2R)-1,1,1-トリフルオロ-2-プロパンアミンヒドロクロリドの代わりに3,3-ジフルオロアゼチジンヒドロクロリドを使用して、化合物D3について記載されたように同様に調製して、D27(1.869g、収率=73%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.56-0.69 (m, 3H), 2.74 (br d, J=3.94 Hz, 1H), 3.76 (s, 3H), 8.95 (br s, 1H). 方法1: Rt=0.66分, m/z=143.96 (M+H)+.
【0250】
記載D28:ナトリウム2-(シクロプロピルアミノ)-2-オキソアセテート(D28)
【0251】
【0252】
D27から出発して、化合物D4について記載されたように同様に調製し、D28(984mg、6.51mmol)を白色の粉末として得た。方法13: Rt=0.78分; m/z=130.11(M+H)+。
【実施例】
【0253】
(実施例E1)
N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E1)
【0254】
【0255】
DMF(1mL、0.013mol)中のD2(30mg、0.070mmol)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(29.56mg、0.070mmol)及びナトリウム(R)-2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセテートD4(13.84mg、0.070mmol)の溶液に、DIPEA(47μL、0.270mmol)を室温で滴加した。反応混合物を同一条件で30分間撹拌し、次いで、EtOAcで希釈し、1N NaOH(水溶液)を用いて洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質をFraction-Lynx(H2O/CH3CN+1‰ TFA)によって精製して、E1をおよそ40%の収率で得た。NMR: 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6+TFA) δ ppm 1.22 - 1.39 (m, 3 H) 1.92 - 2.40 (m, 2 H) 3.44 - 4.18 (m, 7 H) 4.40 - 4.72 (m, 3 H) 7.30 - 7.57 (m, 3 H) 7.75 - 7.92 (m, 1 H) 8.29 (m, 1 H) 9.21 - 9.37 (m, 1 H) 9.44 (br dd, J=8.16, 2.84 Hz, 1 H). 方法3: Rt= 3.54分; m/z=580.32 (M+H)+.
【0256】
(実施例E2)
N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7'-メチル-1-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボニル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E2)
【0257】
【0258】
D2(8.96mg、0.02mmol)をMeCN(1mL)中に懸濁し、TEA(8μL、0.06mmol)を一度に用いて処置し、白色の懸濁液を得た。この混合物に、5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-カルボニルクロリド(MeCN中、1.17M、30μL)(Org.Proc.Res.Develop、2011、15、73~83頁)を、0℃で一度に添加した。反応物を室温で15分間撹拌した。反応物をMeOHによってクエンチし、溶媒を除去し、次いで、DCM中に溶解し、ブライン及び5%クエン酸水溶液を用いて洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、残渣をMeOH(15mL)中に溶解し、ゆっくり濃縮した。この手順を5回繰り返して、粗生成物を得、これを分取HPLC(H2O、CH3CN 0.1% HCOOH)によって精製して、およそ40%の収率でE2を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.04 - 2.45 (m, 2 H) 2.60 (s, 3 H) 3.82 (d, J=4.68 Hz, 5 H) 3.98 - 4.40 (m, 2 H) 4.45 - 4.70 (m, 2 H) 7.28 - 7.57 (m, 3 H) 7.73 - 7.93 (m, 1 H) 8.20 - 8.63 (m, 1 H) 9.37 - 9.62 (m, 1 H). 方法3: Rt = 3.08分; m/z = 523.25 (M+H)+.
【0259】
(実施例E3)
8'-クロロ-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E3)
【0260】
【0261】
DCM(1mL)中のE1(13.45mg、0.020mmol)の撹拌溶液に、二塩化スルフリル(2μL、0.020mmol)(2mLのDCM中の20μLのSO2Cl2の事前に調製した保存溶液から200μLを使用)を0℃で添加した。反応物を0℃で30分間撹拌し、第2当量のSO2Cl2を添加した。反応物を1時間撹拌し、次いで、NaHCO3飽和溶液の添加によって停止させ、DCMで希釈し、有機相を相分離器によって分離し、減圧下で濃縮した。粗物質を分取HPLC(H2O、CH3CN 0.1% TFA)によって精製して、E3をおよそ20%の収率で得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6+TFA) δ ppm 1.25 - 1.40 (m, 3 H) 1.89 - 2.38 (m, 2 H) 3.38 - 4.18 (m, 7 H) 4.37 - 4.80 (m, 3 H) 7.25 - 7.55 (m, 2 H) 7.66 - 7.95 (m, 1 H) 8.48 - 8.67 (m, 1 H) 9.14 - 9.40 (m, 1 H) 9.64 (t, J=3.94 Hz, 1 H). 方法3: Rt= 3.74分; m/z=614.22 (M+H)+.
【0262】
(実施例E4)
(R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E4)
【0263】
【0264】
エタノール(1.1572mL、0.020mol)中のD11(35mg、0.08mmol)及びD3(24.05mg、0.11mmol)の撹拌溶液に、DBU(22.9mg、0.150mmol)を一度に添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応物を、MeCNで希釈し、分取HPLC(H2O、CH3CN 0.1% TFA)によって精製して、E4(31.3mg、0.052mmol、y=70%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.31 (t, J=6.88 Hz, 3 H) 1.96 - 2.38 (m, 2 H) 3.48 - 3.67 (m, 2 H) 3.75 - 4.12 (m, 5 H) 4.39 - 4.74 (m, 3 H) 7.41 (t, J=9.08 Hz, 1 H) 7.51 (d, J=2.93 Hz, 1 H) 7.61 - 7.69 (m, 1 H) 7.96 (dt, J=6.79, 2.57 Hz, 1 H) 8.30 (d, J=10.18 Hz, 1 H) 9.30 (dd, J=13.94, 9.08 Hz, 1 H) 9.42 (d, J=4.68 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.69分; m/z = 596,2 (M+H)+.
【0265】
(実施例E5)
(S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E5)
【0266】
【0267】
D11の代わりにD12から出発して、化合物E4について記載されたように同様に調製し、E5(23.54mg、0.039mmol、y=61%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6 + TFA) δ ppm 1.30 (dd, J=7.01, 2.15 Hz, 3 H) 1.99 - 2.39 (m, 2 H) 3.83 (s, 7 H) 4.44 - 4.72 (m, 3 H) 7.39 (t, J=9.12 Hz, 1 H) 7.46 - 7.55 (m, 1 H) 7.58 - 7.72 (m, 1 H) 7.96 (dd, J=6.79, 2.48 Hz, 1 H) 8.28 (d, J=6.05 Hz, 1 H) 9.30 (t, J=9.26 Hz, 1 H) 9.41 (d, J=11.65 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.69分; m/z = 596,1 (M+H)+.
【0268】
(実施例E6)
(R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E6)
【0269】
【0270】
D11の代わりにD15から出発して、化合物E4について記載されたように同様に調製し、E6(20.62mg、0.034mmol、y=65%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.31 (t, J=6.79 Hz, 3 H) 2.04 - 2.37 (m, 2 H) 3.20 - 4.16 (m, 7 H) 4.42 - 4.74 (m, 3 H) 7.02 - 7.45 (m, 2 H) 7.51 (d, J=3.03 Hz, 1 H) 7.81 (br dd, J=8.25, 3.85 Hz, 1 H) 8.02 (br d, J=5.14 Hz, 1 H) 8.30 (d, J=9.81 Hz, 1 H) 9.30 (dd, J=14.21, 9.08 Hz, 1 H) 9.49 (d, J=4.31 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.54分; m/z = 612,28 (M+H)+.
【0271】
(実施例E7)
(R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E7)
【0272】
【0273】
D11の代わりにD13から出発して、化合物E4について記載されたように同様に調製し、E7(19.45mg、0.032mmol、y=61%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.21 - 1.38 (m, 3 H) 1.44 - 1.72 (m, 2 H) 2.00 - 2.20 (m, 2 H) 2.99 - 3.20 (m, 1 H) 3.27 - 4.19 (m, 6 H) 4.36 - 4.48 (m, 2 H) 4.57 - 4.75 (m, 1 H) 7.41 (t, J=9.08 Hz, 1 H) 7.51 (s, 1 H) 7.59 - 7.68 (m, 1 H) 7.88 - 7.92 (m, 1 H) 7.96 (dd, J=6.79, 2.57 Hz, 1 H) 9.33 (dd, J=8.80, 4.77 Hz, 1 H) 9.40 (s, 1 H). 方法3: Rt = 3.61分; m/z = 610.25 (M+H)+.
【0274】
(実施例E8)
(R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E8)
【0275】
【0276】
D11の代わりにD17から出発して、化合物E4について記載されたように同様に調製し、E8(17.64mg、0.028mmol、y=58%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.29 (dd, J=6.97, 3.48 Hz, 3 H) 1.45 - 1.71 (m, 2 H) 2.10 (br d, J=13.11 Hz, 2 H) 3.10 (br s, 1 H) 3.47 - 3.56 (m, 2 H) 3.83 (s, 3 H) 4.02 - 4.16 (m, 1 H) 4.35 - 4.49 (m, 2 H) 4.55 - 4.77 (m, 1 H) 6.98 - 7.44 (m, 2 H) 7.51 (s, 1 H) 7.81 (br dd, J=8.57, 3.53 Hz, 1 H) 7.90 (s, 1 H) 8.01 (dd, J=6.24, 2.38 Hz, 1 H) 9.33 (dd, J=8.80, 4.58 Hz, 1 H) 9.45 (s, 1 H). 方法3: Rt = 3.46分; m/z = 626.3 (M+H)+.
【0277】
(実施例E9)
(R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E9)
【0278】
【0279】
D11の代わりにD14から出発して、化合物E4について記載されたように同様に調製し、E9(11.49mg、0.02mmol、y=41%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.33 (dd, J=7.01, 1.97 Hz, 3 H) 3.75 - 3.91 (m, 3 H) 4.01 - 4.20 (m, 2 H) 4.45 - 4.77 (m, 5 H) 7.41 (t, J=9.12 Hz, 1 H) 7.53 (s, 1 H) 7.63 - 7.76 (m, 1 H) 7.91 - 8.05 (m, 1 H) 8.63 (d, J=5.41 Hz, 1 H) 9.30 (t, J=9.17 Hz, 1 H) 9.44 (d, J=4.22 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.71分; m/z = 582,23 (M+H)+.
【0280】
(実施例E10)
(R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E10)
【0281】
【0282】
D11の代わりにD18から出発して、化合物E4について記載されたように同様に調製し、E10(17.04mg、0.028mmol、y=61%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.32 (dd, J=7.01, 2.25 Hz, 3 H) 3.84 (s, 3 H) 4.07 - 4.16 (m, 2 H) 4.46 - 4.77 (m, 5 H) 6.97 - 7.46 (m, 2 H) 7.53 (s, 1 H) 7.79 - 7.90 (m, 1 H) 8.04 (br d, J=6.14 Hz, 1 H) 8.62 (d, J=5.41 Hz, 1 H) 9.30 (t, J=8.89 Hz, 1 H) 9.51 (d, J=4.13 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.56分; m/z = 598,16 (M+H)+.
【0283】
(実施例E11)
(S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E11)
【0284】
【0285】
D11の代わりにD16から出発して、化合物E4について記載されたように同様に調製し、E11(22.24mg、0.036mmol、y=50%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6+TFA) δ ppm 1.24 - 1.38 (m, 3 H) 2.02 - 2.39 (m, 2 H) 3.53 - 4.10 (m, 7 H) 4.40 - 4.77 (m, 3 H) 6.94 - 7.42 (m, 2 H) 7.49 (d, J=2.48 Hz, 1 H) 7.71 - 7.87 (m, 1 H) 7.98 - 8.07 (m, 1 H) 8.27 (d, J=6.97 Hz, 1 H) 9.30 (t, J=9.17 Hz, 1 H) 9.48 (d, J=11.28 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.54分; m/z = 612.34 (M+H)+.
【0286】
(実施例E12)
(S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E12)
【0287】
【0288】
DMF(0.5mL)中のD13(10mg、0.020mmol)及びD20(6.48mg、0.030mmol)の溶液を、N,N-ジシソプロピルエチルアミン(0.01mL、0.060mmol)を室温で用いて処置し、次いで、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(9.28mg、0.02mmol)を一度に添加した。反応物を、室温で一晩撹拌し、次いで、分取HPLC(H2O、CH3CN 0.1% TFA)によって直接精製して、E12(4.44mg、0.007mmol、y=35%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.29 (dd, J=6.97, 3.21 Hz, 3 H) 1.43 - 1.72 (m, 2 H) 2.02 - 2.19 (m, 2 H) 2.99 - 3.20 (m, 1 H) 3.47 - 3.59 (m, 2 H) 3.73 - 3.91 (m, 3 H) 4.09 (br dd, J=12.98, 3.26 Hz, 1 H) 4.43 (br d, J=2.29 Hz, 2 H) 4.56 - 4.77 (m, 1 H) 7.41 (t, J=9.08 Hz, 1 H) 7.51 (s, 1 H) 7.64 (ddd, J=9.03, 4.26, 2.66 Hz, 1 H) 7.90 (s, 1 H) 7.96 (dd, J=6.88, 2.57 Hz, 1 H) 9.33 (dd, J=8.80, 4.86 Hz, 1 H) 9.39 (s, 1 H). 方法3: Rt = 3.61分; m/z = 610.25 (M+H)+.
【0289】
(実施例E13)
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E13)
【0290】
【0291】
D13から出発し、D20の代わりにD22を使用して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E13(4.08mg、0.007mmol、y=32%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.44 - 1.73 (m, 2 H) 2.09 (br d, J=13.57 Hz, 2 H) 3.11 (br s, 1 H) 3.33 - 3.44 (m, 1 H) 3.53 - 3.55 (m, 1 H) 3.83 (s, 3 H) 3.92 - 4.18 (m, 3 H) 4.43 (s, 2 H) 7.41 (t, J=9.08 Hz, 1 H) 7.51 (s, 1 H) 7.64 (ddd, J=9.08, 4.26, 2.61 Hz, 1 H) 7.88 - 7.92 (m, 1 H) 7.96 (dd, J=6.79, 2.57 Hz, 1 H) 9.31 - 9.48 (m, 2 H). 方法3: Rt = 3.52分; m/z = 596.14 (M+H)+.
【0292】
(実施例E14)
(S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E14)
【0293】
【0294】
D17及びD20から出発して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E14(6.25mg、0.01mmol、y=43%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6+TFA) δ ppm 1.28 (br s, 3 H) 1.45 - 1.69 (m, 2 H) 2.10 (br d, J=7.34 Hz, 2 H) 3.01 - 3.22 (m, 1 H) 3.30 - 3.64 (m, 2 H) 3.83 (br d, J=9.26 Hz, 3 H) 4.02 - 4.22 (m, 1 H) 4.42 (br d, J=6.97 Hz, 2 H) 4.52 - 4.78 (m, 1 H) 6.91 - 7.56 (m, 3 H) 7.66 - 8.17 (m, 3 H) 9.23 - 9.37 (m, 1 H) 9.37 - 9.49 (m, 1 H). 方法3: Rt = 3.46分; m/z = 626.32 (M+H)+.
【0295】
(実施例E15)
N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E15)
【0296】
【0297】
D17から出発し、D20の代わりにD24を使用して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E15(4.67mg、0.007mmol、y=31%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.44 - 1.70 (m, 8 H) 2.10 (br d, J=13.30 Hz, 2 H) 2.97 - 3.16 (m, 1 H) 3.43 (br s, 2 H) 3.79 - 3.88 (m, 3 H) 4.06 (br d, J=13.20 Hz, 1 H) 4.41 (s, 2 H) 7.00 - 7.45 (m, 2 H) 7.47 - 7.57 (m, 1 H) 7.74 - 7.85 (m, 1 H) 7.85 - 7.93 (m, 1 H) 8.01 (dd, J=6.10, 2.15 Hz, 1 H) 8.65 - 8.90 (m, 1 H) 9.32 - 9.56 (m, 1 H). 方法3: Rt = 3.57分; m/z = 640,36 (M+H)+.
【0298】
(実施例E16)
(S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E16)
【0299】
【0300】
D14から出発して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E16(3.11mg、0.005mmol、y=25%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.33 (dd, J=7.06, 2.02 Hz, 3 H) 3.75 - 3.91 (m, 3 H) 4.01 - 4.20 (m, 2 H) 4.46 - 4.79 (m, 5 H) 7.41 (t, J=9.12 Hz, 1 H) 7.53 (s, 1 H) 7.69 (ddt, J=9.09, 4.44, 2.45, 2.45 Hz, 1 H) 7.98 (dt, J=6.79, 2.34 Hz, 1 H) 8.63 (d, J=5.41 Hz, 1 H) 9.30 (t, J=9.22 Hz, 1 H) 9.44 (d, J=4.13 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.71分; m/z = 582,23 (M+H)+.
【0301】
(実施例E17)
N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-1-(2-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-2-オキソアセチル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E17)
【0302】
【0303】
D14から出発し、D20の代わりにD26を使用して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E17(1.05mg、0.002mmol、y=9%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 3.82 (br d, J=7.43 Hz, 3 H) 3.94 - 4.17 (m, 2 H) 4.29 - 4.46 (m, 2 H) 4.52 (br d, J=6.88 Hz, 2 H) 4.66 (br d, J=6.33 Hz, 2 H) 4.80 (br s, 2 H) 7.24 - 7.42 (m, 1 H) 7.44 - 7.56 (m, 1 H) 7.59 - 7.78 (m, 1 H) 7.85 - 8.10 (m, 1 H) 8.48 - 8.71 (m, 1 H) 9.33 - 9.53 (m, 1 H). 方法3: Rt = 3.52分; m/z = 562,11 (M+H)+.
【0304】
(実施例E18)
(S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E18)
【0305】
【0306】
D18から出発して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E18(3.69mg、0.006mmol、y=31%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.28 - 1.37 (m, 3 H) 3.72 - 3.95 (m, 3 H) 3.99 - 4.23 (m, 2 H) 4.39 - 4.82 (m, 5 H) 6.98 - 7.44 (m, 2 H) 7.49 - 7.57 (m, 1 H) 7.77 - 7.91 (m, 1 H) 7.99 - 8.10 (m, 1 H) 8.62 (d, J=5.32 Hz, 1 H) 9.24 - 9.36 (m, 1 H) 9.51 (d, J=4.22 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.57分; m/z = 598,23 (M+H)+.
【0307】
(実施例E19)
1-(2-(シクロプロピルアミノ)-2-オキソアセチル)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E19)
【0308】
【0309】
D18から出発し、D20の代わりにD28を使用して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E19(2.6mg、0.005mmol、y=21%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.51 - 0.74 (m, 4 H) 2.72 - 2.77 (m, 1 H) 3.77 - 3.91 (m, 3 H) 3.95 - 4.17 (m, 2 H) 4.45 - 4.74 (m, 4 H) 6.94 - 7.46 (m, 2 H) 7.48 - 7.57 (m, 1 H) 7.77 - 7.92 (m, 1 H) 7.99 - 8.12 (m, 1 H) 8.55 - 8.65 (m, 1 H) 8.76 (d, J=5.32 Hz, 1 H) 9.50 (s, 1 H). 方法3: Rt = 3.22分; m/z = 542,26 (M+H)+. 0.05
【0310】
(実施例E20)
(R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E20)
【0311】
【0312】
D11から出発し、D20の代わりにD22を使用して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E20(5.87mg、0.01mmol、y=13%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.94 - 2.41 (m, 2 H) 3.47 - 4.26 (m, 9 H) 4.38 - 4.73 (m, 2 H) 7.38 (t, J=9.08 Hz, 1 H) 7.50 (d, J=4.13 Hz, 1 H) 7.57 - 7.71 (m, 1 H) 7.89 - 8.04 (m, 1 H) 8.29 (s, 1 H) 9.26 - 9.46 (m, 2 H). 方法3: Rt = 3.59分; m/z = 582,16 (M+H)+.
【0313】
(実施例E21)
(R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E21)
【0314】
【0315】
D11から出発し、D20の代わりにD24を使用して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E21(4.95mg、0.008mmol、y=25%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.44 - 1.62 (m, 6 H) 1.99 - 2.37 (m, 2 H) 3.45 - 4.02 (m, 7 H) 4.34 - 4.72 (m, 2 H) 7.38 (t, J=9.08 Hz, 1 H) 7.50 (s, 1 H) 7.65 (dtd, J=8.85, 4.29, 4.29, 2.75 Hz, 1 H) 7.96 (dd, J=6.79, 2.57 Hz, 1 H) 8.29 (d, J=2.48 Hz, 1 H) 8.55 (d, J=26.00 Hz, 1 H) 9.40 (d, J=17.15 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.85分; m/z = 610,25 (M+H)+.
【0316】
(実施例E22)
(R)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E22)
【0317】
【0318】
D11から出発して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E22(5.79mg、0.01mmol、y=45%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.31 (dd, J=7.01, 2.52 Hz, 3 H) 2.08 - 2.30 (m, 2 H) 3.53 - 4.13 (m, 7 H) 4.44 - 4.72 (m, 3 H) 7.41 (t, J=9.08 Hz, 1 H) 7.51 (d, J=2.38 Hz, 1 H) 7.61 - 7.69 (m, 1 H) 7.96 (dd, J=6.79, 2.48 Hz, 1 H) 8.28 (d, J=6.14 Hz, 1 H) 9.32 (t, J=9.35 Hz, 1 H) 9.42 (d, J=11.74 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.69分; m/z = 596,21 (M+H)+.
【0319】
(実施例E23)
(R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E23)
【0320】
【0321】
D15から出発して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E23(7.04mg、0.011mmol、y=36%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.31 (dd, J=7.01, 2.43 Hz, 3 H) 2.01 - 2.38 (m, 2 H) 3.45 - 4.18 (m, 7H) 4.37 - 4.80 (m, 3 H) 7.00 - 7.45 (m, 2 H) 7.51 (d, J=2.66 Hz, 1 H) 7.72 - 7.87 (m, 1 H) 7.95 - 8.09 (m, 1 H) 8.27 (d, J=7.15 Hz, 1 H) 9.32 (t, J=9.26 Hz, 1 H) 9.49 (d, J=11.28 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.55分; m/z = 612,21 (M+H)+.
【0322】
(実施例E24)
(R)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E24)
【0323】
【0324】
D15から出発し、D20の代わりにD24を使用して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E24(6.4mg、0.01mmol、y=33%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.44 - 1.62 (m, 6 H) 2.05 - 2.34 (m, 2 H) 3.24 - 4.12 (m, 7 H) 4.36 - 4.70 (m, 2 H) 6.95 - 7.44 (m, 2 H) 7.51 (s, 1 H) 7.71 - 7.87 (m, 1 H) 7.95 - 8.10 (m, 1 H) 8.28 (s, 1 H) 8.57 (d, J=29.00 Hz, 1 H) 9.49 (d, J=16.41 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.69分; m/z = 626,32 (M+H)+.
【0325】
(実施例E25)
(S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E25)
【0326】
【0327】
D12から出発し、D20の代わりにD22を使用して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E25(9mg、0.015mmol、y=42%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6 + TFA) δ ppm 1.94 - 2.41 (m, 2 H) 3.47 - 4.26 (m, 9 H) 4.38 - 4.73 (m, 2 H) 7.38 (t, J=9.08 Hz, 1 H) 7.50 (d, J=4.13 Hz, 1 H) 7.57 - 7.71 (m, 1 H) 7.89 - 8.04 (m, 1 H) 8.29 (s, 1 H) 9.26 - 9.46 (m, 2 H). 方法3: Rt = 3.58分; m/z = 582,30 (M+H)+.
【0328】
(実施例E26)
(S)-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E26)
【0329】
【0330】
D12から出発し、D20の代わりにD24を使用して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E26(6mg、0.01mmol、y=27%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6+TFA) δ ppm 1.44 - 1.62 (m, 6 H) 1.99 - 2.37 (m, 2 H) 3.45 - 4.02 (m, 7 H) 4.34 - 4.72 (m, 2 H) 7.38 (t, J=9.08 Hz, 1 H) 7.50 (s, 1 H) 7.65 (dtd, J=8.85, 4.29, 4.29, 2.75 Hz, 1 H) 7.96 (dd, J=6.79, 2.57 Hz, 1 H) 8.29 (d, J=2.48 Hz, 1 H) 8.55 (d, J=26.00 Hz, 1 H) 9.40 (d, J=17.15 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.84分; m/z = 610,32 (M+H)+.
【0331】
(実施例E27)
(S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E27)
【0332】
【0333】
D16から出発し、D20の代わりにD22を使用して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E27(10mg、0.017mmol、y=39%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.99 - 2.36 (m, 2 H) 3.43 - 4.28 (m, 9 H) 4.43 - 4.72 (m, 2 H) 6.97 - 7.43 (m, 2 H) 7.49 (d, J=4.03 Hz, 1 H) 7.72 - 7.86 (m, 1 H) 8.02 (br d, J=5.78 Hz, 1 H) 8.28 (s, 1 H) 9.26 - 9.41 (m, 1 H) 9.48 (s, 1 H). 方法3: Rt = 3.43分; m/z = 598,30 (M+H)+.
【0334】
(実施例E28)
(S)-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E28)
【0335】
【0336】
D16から出発し、D20の代わりにD24を使用して、化合物E12について記載されたように同様に調製し、E28(8.36mg、0.013mmol、y=31%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6 +TFA) δ ppm 1.46 - 1.59 (m, 6 H) 1.98 - 2.38 (m, 2 H) 3.42 - 4.11 (m, 7 H) 4.35 - 4.70 (m, 2 H) 6.90 - 7.42 (m, 2 H) 7.43 - 7.56 (m, 1 H) 7.70 - 7.90 (m, 1 H) 7.92 - 8.11 (m, 1 H) 8.28 (s, 1 H) 8.39 - 8.69 (m, 1 H) 9.47 (d, J=16.05 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.69分; m/z = 626,32 (M+H)+.
【0337】
(実施例E29)
(S)-8'-クロロ-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E29)
【0338】
【0339】
E11から出発して、化合物E3について記載されたように同様に調製し、E29(1.07mg、0.002mmol、y=6%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.30 (d, J=6.97 Hz, 3 H) 1.99 - 2.38 (m, 2 H) 3.39 - 4.23 (m, 7 H) 4.39 - 4.77 (m, 3 H) 6.96 - 7.48 (m, 2 H) 7.81 (br dd, J=8.30, 3.90 Hz, 1 H) 7.91 - 8.08 (m, 1 H) 8.58 (d, J=5.78 Hz, 1 H) 9.32 (t, J=9.17 Hz, 1 H) 9.70 (d, J=7.61 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.73分; m/z = 646,24 (M+H)+.
【0340】
(実施例E30)
(R)-8'-クロロ-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E30)
【0341】
【0342】
E7から出発して、化合物E3について記載されたように同様に調製し、E30(1.52mg、0.002mmol、y=9%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6 +TFA) δ ppm 1.25 - 1.33 (m, 3 H) 1.44 - 1.73 (m, 3 H) 1.99 - 2.19 (m, 2 H) 3.00 - 3.23 (m, 1 H) 3.28 - 3.45 (m, 1 H) 3.45 - 3.62 (m, 1 H) 3.81 (s, 3 H) 4.01 - 4.17 (m, 1 H) 4.43 (s, 2 H) 4.55 - 4.74 (m, 1 H) 7.39 (t, J=9.03 Hz, 1 H) 7.56 - 7.69 (m, 1 H) 7.94 (dd, J=6.79, 2.57 Hz, 1 H) 8.21 (s, 1 H) 9.32 (dd, J=8.85, 4.54 Hz, 1 H) 9.57 (s, 1 H). 方法3: Rt = 3.80分; m/z = 644.28 (M+H)+.
【0343】
(実施例E31)
(R)-8'-クロロ-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E31)
【0344】
【0345】
E9から出発して、化合物E3について記載されたように同様に調製し、E31(0.6mg、0.001mmol、y=6%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.31 (dd, J=6.97, 2.38 Hz, 3 H) 3.82 (d, J=1.47 Hz, 3 H) 4.01 - 4.24 (m, 2 H) 4.45 - 4.82 (m, 5 H) 7.38 (t, J=9.08 Hz, 1 H) 7.62 - 7.74 (m, 1 H) 7.91 - 8.01 (m, 1 H) 9.01 (d, J=5.04 Hz, 1 H) 9.27 (t, J=9.26 Hz, 1 H) 9.59 (d, J=5.23 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.90分; m/z = 616,19 (M+H)+.
【0346】
(実施例E32)
(R)-8'-クロロ-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[アゼチジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E32)
【0347】
【0348】
E10から出発して、化合物E3について記載されたように同様に調製し、E32(0.47mg、0.001mmol、y=3%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6+TFA) δ ppm 1.31 (dd, J=7.01, 2.61 Hz, 3 H) 3.77 - 3.87 (m, 3 H) 4.01 - 4.23 (m, 2 H) 4.46 - 4.80 (m, 5 H) 6.97 - 7.43 (m, 2 H) 7.76 - 7.91 (m, 1 H) 8.02 (br d, J=4.95 Hz, 1 H) 9.01 (d, J=5.04 Hz, 1 H) 9.27 (t, J=8.94 Hz, 1 H) 9.67 (d, J=5.13 Hz, 1 H). 方法3: Rt = 3.74分; m/z = 632,5 (M+H)+.
【0349】
(実施例E33)
(R)-8'-クロロ-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E33)
【0350】
【0351】
E4から出発して、化合物E3について記載されたように同様に調製し、E33(4mg、0.006mmol、y=14%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6+TFA) δ ppm 1.31 (dd, J=6.83, 5.27 Hz, 3 H) 1.97 - 2.38 (m, 2 H) 3.42 - 4.16 (m, 7 H) 4.44 - 4.75 (m, 3 H) 7.41 (t, J=9.12 Hz, 1 H) 7.64 (ddd, J=9.06, 4.29, 2.61 Hz, 1 H) 7.95 (dt, J=6.79, 2.48 Hz, 1 H) 8.61 (d, J=12.20 Hz, 1 H) 9.30 (dd, J=13.57, 8.99 Hz, 1 H) 9.62 (s, 1 H). 方法3: Rt = 3.88分; m/z = 630,2 (M+H)+.
【0352】
(実施例E34)
(R)-8'-クロロ-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E34)
【0353】
【0354】
E6から出発して、化合物E3について記載されたように同様に調製し、E34(2.75mg、0.001mmol、y=16%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6 + TFA) δ ppm 1.30 (dd, J=6.74, 5.36 Hz, 3 H) 2.07 - 2.35 (m, 2 H) 3.39 - 4.18 (m, 7 H) 4.33 - 4.83 (m, 3 H) 6.91 - 7.48 (m, 2 H) 7.72 - 7.88 (m, 1 H) 8.00 (br d, J=6.14 Hz, 1 H) 8.60 (d, J=12.01 Hz, 1 H) 9.29 (dd, J=14.08, 9.03 Hz, 1 H) 9.69 (s, 1 H). 方法3: Rt = 3.73分; m/z = 646,3 (M+H)+.
【0355】
(実施例E35)
(R)-8'-クロロ-N-(3-(ジフルオロメチル)-4-フルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-((1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピペリジン-4,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E35)
【0356】
【0357】
E8から出発して、化合物E3について記載されたように同様に調製し、E35(1.6mg、0.002mmol、y=11%)を得た。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6 +TFA) δ ppm 1.25 - 1.35 (m, 3 H) 1.43 - 1.73 (m, 2 H) 1.99 - 2.17 (m, 2 H) 2.99 - 3.19 (m, 1 H) 3.28 - 3.45 (m, 1 H) 3.45 - 3.61 (m, 1 H) 3.81 (s, 3 H) 3.99 - 4.20 (m, 1 H) 4.42 (s, 2 H) 4.55 - 4.75 (m, 1 H) 7.22 (t, J=54.00 Hz, 1 H) 7.32 - 7.38 (m, 1 H) 7.74 - 7.87 (m, 1 H) 7.99 (dd, J=6.24, 2.29 Hz, 1 H) 8.21 (s, 1 H) 9.32 (dd, J=8.89, 4.49 Hz, 1 H) 9.64 (s, 1 H). 方法3: Rt = 3.65分; m/z = 660.41 (M+H)+.
【0358】
(実施例E36)
N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E36)
【0359】
【0360】
化合物を、D4の代わりにD20を使用して、E1の合成について記載されたようにD2から調製した。NMR: 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6+TFA) δ ppm 1.22 - 1.39 (m, 3 H) 1.92 - 2.40 (m, 2 H) 3.44 - 4.18 (m, 7 H) 4.40 - 4.72 (m, 3 H) 7.30 - 7.57 (m, 3 H) 7.75 - 7.92 (m, 1 H) 8.29 (m, 1 H) 9.21 - 9.37 (m, 1 H) 9.44 (br dd, J=8.16, 2.84 Hz, 1 H). 方法3: Rt= 3.54分; m/z=580.32 (M+H)+.
【0361】
(実施例E37)
8'-クロロ-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7'-メチル-1-(2-オキソ-2-(((S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)アミノ)アセチル)-2'H,4'H,7'H-スピロ[ピロリジン-3,3'-ピロロ[3,4-b][1,4,5]オキサチアゼピン]-6'-カルボキサミド1',1'-ジオキシド(E37)
【0362】
【0363】
化合物を、E3の合成について記載されたのと同じ手順を使用して、E36から調製した。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6+TFA) δ ppm 1.25 - 1.40 (m, 3 H) 1.89 - 2.38 (m, 2 H) 3.38 - 4.18 (m, 7 H) 4.37 - 4.80 (m, 3 H) 7.25 - 7.55 (m, 2 H) 7.66 - 7.95 (m, 1 H) 8.48 - 8.67 (m, 1 H) 9.14 - 9.40 (m, 1 H) 9.64 (t, J=3.94 Hz, 1 H). 方法3: Rt= 3.74分; m/z=614.22 (M+H)+.
【0364】
生物学
アッセイ
細胞及び培養条件
HepAD38細胞系統(Ladnerら、Antimicrob Agents Chemother、1997、41、1715~20頁)をHBV阻害アッセイのために使用した。HepAD38は、胆芽腫細胞系統HepG2(ATCC(登録商標)番号:HB-8065(商標))由来のサブクローンであり、TET-OFFシステム:ドキシサイクリン、テトラサイクリンのクラスに属する抗生物質の添加が、HBV複製を抑制し、一方でその除去が、細胞上清におけるHBVウイルス粒子放出を可能にするプロセスのスイッチをオンにする、においてテトラサイクリン応答性プロモーターの転写制御下でHBVゲノムを発現する。HepAD38細胞株は、10%のウシ胎児血清、1%のグルタミン、1%のペニシリン/ストレプトマイシン、0.4mg/mlのG418及び0,3μg/mlのテトラサイクリンを補給したDMEM/F12で維持される。HBV阻害アッセイのために、ビリオン生成を可能にするためにドキシサイクリン不含培地が使用される。
【0365】
抗HBV活性in vitro
HBV阻害活性in vitroを、96マルチウェルプレート実施した。最初の(一次)スクリーニングの際に、化合物を、0.02μM、0.1μM、0.5μM及び1μMの濃度で3連で最初に試験した。選択された化合物について、1:2段階希釈を使用して8点用量反応曲線を得た(一次スクリーニングの際に観察された阻害の程度に応じて0.01μM、0.1μM、0.4μM又は5μMから出発して)。用量反応曲線から、半数効果濃度(EC50)を算出できる(以下も参照されたい)。
【0366】
より詳細には、通常、DMSO保存溶液に溶解された化合物を、100μlの上記の培地(ドキシサイクリンを有さない)中で2×の最終の所望の濃度に希釈し、3つの反復物で96ウェルプレートにプレーティングした。
【0367】
同時に、HBV産生を誘導するためにドキシサイクリン不含培地で十分に予め洗浄されたHepAD38細胞を、100μlのドキシサイクリン不含培地中2*104個細胞で懸濁し、プレートの各ウェルに添加して、保存溶液及び化合物希釈のために使用された200μlのDMSOの最終アッセイ容量を得たが、DMSOは常に、0.5%の最終濃度でアッセイにおいて存在した。
【0368】
プレートを37℃で96時間インキュベートし、次いで、細胞生存力アッセイ及び細胞外HBV定量化に付して、化合物の細胞傷害性能及び抗ウイルス剤活性の両方を評価した。
【0369】
細胞毒性を、細胞生存力(Cell Titer Blue、Promega社)と直接関連する、細胞の代謝活性を測定する市販の蛍光アッセイによって評価した。抗HBV活性を、直接qPCRを用いた細胞外HBV DNAの定量化によって評価した。特に、上清を収集し、細胞片清澄化のために遠心分離し、溶解バッファー(1mM 1,4-ジチオトレイトール、0.2%ドデシル硫酸ナトリウム)の添加によってビリオンからウイルスDNAを抽出し、95℃で10分間インキュベートした。次いで、サンプルを1:40希釈し、リアルタイムPCR増幅を、SYBR緑色アッセイ(Power SYBR(商標) Green PCR Master Mix-Thermo Fisher Scientific社)及び特異的HBVプライマー(HBV-DF:5'-ATTTGTTCAGTGGTTCGTAGGG-3'(配列番号1)、HBV-DR:5'-CGGTAAAAAGGGACTCAAGATG-3'(配列番号2))を用いて実施した。
【0370】
各化合物の抗ウイルス活性データは、EC50値として報告される(Table 1(表1)レジェンドを参照されたい)。データ精緻化及びEC50算出のために、Excel及びGraphpad Prismプログラムが通常使用される。
【0371】
結果
本明細書において記載される例示された化合物を、上記のアッセイにおいて試験した。すべての化合物は、用量反応曲線のすべての濃度で有意な細胞毒性を示さなかった(化合物効力に依存する、0.01μM、0.1μM、0.4μM又は5μMのうち最大試験用量)。
【0372】
HBV阻害の結果は、以下のTable 1(表1)に報告されている。
【0373】
【0374】
【0375】
【0376】
【配列表】
【国際調査報告】