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2023-513748高効率の大気ウォーターハーベスティング装置およびその使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(54)【発明の名称】高効率の大気ウォーターハーベスティング装置およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20230327BHJP
【FI】
B01D53/26 220
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548907
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(85)【翻訳文提出日】2022-10-06
(86)【国際出願番号】 US2021016261
(87)【国際公開番号】W WO2021162894
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】62/976,824
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/053,428
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522319985
【氏名又は名称】ウォーター ハーベスティング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】スミス, テイバー ハーデスティ
(72)【発明者】
【氏名】クオ, デイビッド エス.
(72)【発明者】
【氏名】カプースチン, ユージーン エー.
(72)【発明者】
【氏名】マルチョン, ブルーノ
(72)【発明者】
【氏名】マニアー, ファイサル シャフィクレフマン
【テーマコード(参考)】
4D052
【Fターム(参考)】
4D052AA00
4D052CB00
4D052FA01
4D052GA01
4D052GA03
4D052GB01
4D052GB02
4D052GB03
4D052GB07
4D052HA00
4D052HA09
4D052HA49
4D052HB05
(57)【要約】
周囲空気から水を捕獲するためのウォーターハーベスティングシステム、およびそのようなシステムを使用する方法が、本明細書に提供される。本システムおよび方法は、空気からの水を吸着するために水捕獲材料を使用する。例えば、水捕獲材料は、金属有機構造体であってもよい。本システムおよび方法は、水蒸気の形態でこの水を脱着し、水蒸気は、液体水へと凝縮され、収集される。液体水は、飲用水として使用するために好適である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲空気から水を捕獲するためのウォーターハーベスティングシステムであって、
吸着/脱着ユニットであって、
少なくとも1つのモジュールが吸着モードで動作し、並行して、残りのモジュールのうち少なくとも1つが脱着モードで動作するように構成される複数のモジュールであって、
各モジュールは、少なくとも1つの構造要素を備え、
各構造要素の少なくとも一部は、少なくとも1つの水捕獲材料を支持し、
前記少なくとも1つの水捕獲材料は、前記モジュールが吸着モードにあるとき、周囲空気からの水を吸着し、前記モジュールが脱着モードにあるとき、水蒸気の形態で水を脱着する、
複数のモジュールと、
少なくとも1つのモジュールを吸着モードから脱着モードに切り替えることと、少なくとも1つのモジュールを脱着モードから吸着モードに切り替えることとを並行して行うように構成されるモード切替構造と
を備える吸着/脱着ユニットと、
脱着モードにある前記少なくとも1つのモジュールの近位に位置付けられ、水蒸気を液体水へと凝縮させるように構成される少なくとも1つの凝縮装置と、
吸着モードにある各モジュール内に周囲空気を引き込み、それによって、前記少なくとも1つの水捕獲材料による前記周囲空気からの水の吸着を支援するように構成される少なくとも1つの空気循環ユニットと
を備えるウォーターハーベスティングシステム。
【請求項2】
前記モード切替構造は、回転機構を備え、前記複数のモジュールは、前記回転機構に接続され、ロータリー構成において配列される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
脱着モードにある前記少なくとも1つのモジュールから脱着した水蒸気を前記少なくとも1つの凝縮装置に再方向付けするように構成される少なくとも1つの蒸気再方向付けユニットをさらに備える、請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
各モジュールは、前記構造要素をともに保持するためのフレームをさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
周囲空気から水を捕獲するためのウォーターハーベスティングシステムであって、
少なくとも1つの構造要素を備える吸着/脱着ユニットであって、
各構造要素の少なくとも一部は、少なくとも1つの水捕獲材料を支持し、
前記少なくとも1つの水捕獲材料は、吸着モードにあるとき、周囲空気からの水を吸着し、脱着モードにあるとき、水蒸気の形態で水を脱着する、
吸着/脱着ユニットと、
前記少なくとも1つの構造要素の近位に位置付けられ、水蒸気を液体水へと凝縮させるように構成される少なくとも1つの凝縮装置と、
(i)吸着モードで動作する前記少なくとも1つのモジュール内に周囲空気を引き込み、それによって、前記モジュール内の前記少なくとも1つの水捕獲材料による前記周囲空気からの水の吸着を支援することと、(ii)前記少なくとも1つの凝縮装置を冷却するために空気を循環させることとを同時に行うように構成される少なくとも1つの空気循環ユニットと
を備えるウォーターハーベスティングシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの構造要素は、導体要素である、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記吸着/脱着ユニットは、前記少なくとも1つの構造要素を直接加熱し、廃熱を最小限にするように構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの構造要素に接続されるか、または前記少なくとも1つの構造要素のまわりに位置付けられる少なくとも1つの熱交換多岐管をさらに備える、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの構造要素は、少なくとも1つのプレートである、請求項1~8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプレートは、前記モジュール内で半径方向に配列されるか、または相互に対して平行に配列される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
周囲空気から水を捕獲するためのウォーターハーベスティングシステムであって、
吸着/脱着ユニットであって、
ロータリー構成において配列される複数のモジュールであって、
各モジュールは、少なくとも1つの導体要素を備え、
各導体要素の少なくとも一部は、少なくとも1つの水捕獲材料でコーティングされ、
前記少なくとも1つの水捕獲材料は、前記モジュールが吸着モードにあるとき、周囲空気からの水を吸着し、前記モジュールが脱着モードにあるとき、水蒸気の形態で水を脱着する、
複数のモジュールと、
回転機構であって、前記複数のモジュールは、前記回転機構上に搭載され、少なくとも1つのモジュールを吸着モードから脱着モードに切り替えることと、少なくとも1つのモジュールを脱着モードから吸着モードに切り替えることとを並行して行うように構成される、回転機構と
を備える吸着/脱着ユニットと、
脱着モードにある前記少なくとも1つのモジュールの近位に位置付けられ、水蒸気を液体水へと凝縮させるように構成される少なくとも1つの凝縮装置と、
吸着モードにある各モジュール内に周囲空気を引き込み、前記吸着/脱着ユニット内の前記空気を循環させ、それによって、前記少なくとも1つの水捕獲材料による前記周囲空気からの水の吸着を支援するように構成される少なくとも1つの空気循環ユニットと
を備えるウォーターハーベスティングシステム。
【請求項12】
脱着モードにある前記少なくとも1つのモジュールから脱着した水蒸気を前記少なくとも1つの凝縮装置に再方向付けするように構成される少なくとも1つの蒸気再方向付けユニットをさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの凝縮装置は、ロータリー構成において配列される前記複数のモジュールの内部に位置付けられる、請求項11または請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの導体要素は、少なくとも1つの金属プレートである、請求項1~13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの金属プレートは、前記モジュール内で半径方向に配列されるか、または相互に対して平行に配列される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの水捕獲材料は、金属有機構造体を備える、請求項1~15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの水捕獲材料は、デシカント材料を含む、請求項1~15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
脱着モードにある1つまたはそれより多くのモジュールを封止するように構成される封止構造をさらに備える、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの凝縮装置から前記液体水を受け取るように構成される少なくとも1つの収集ユニットをさらに備える、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
吸着、脱着、および凝縮を監視および制御するように構成される制御システムをさらに備え、前記制御システムは、少なくとも1つのセンサおよび少なくとも1つのプロセッサユニットを備える、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項21】
気流が、前記少なくとも1つの凝縮装置から退出し、前記システムは、少なくとも1つの再循環ユニットをさらに備え、前記少なくとも1つの再循環ユニットは、前記少なくとも1つの凝縮装置から退出する前記気流を脱着モードにある少なくとも1つのモジュールに再利用するように構成される、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
いかなる実質的な空気の損失もなく、前記液体水を重力によって収集するように構成される少なくとも1つのフロート弁をさらに備える、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの凝縮装置から退出する前記液体水を前記少なくとも1つのフロート弁を通して受け取るように構成される少なくとも1つの収集ユニットをさらに備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記吸着/脱着ユニットを保持するための少なくとも1つの格納ユニットと、少なくとも1つの凝縮装置と、少なくとも1つの空気循環ユニットとをさらに備える、前記請求項のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
請求項1~3および17~24のいずれか1項に記載のウォーターハーベスティングシステムを使用して周囲空気から水を採集する方法であって、
a)吸着モードにある少なくとも1つのモジュールにおいて周囲空気からの水を吸着することと、
b)脱着モードにある残りのモジュールのうち少なくとも1つにおいて水の少なくとも一部を脱着することと、
c)前記少なくとも1つの凝縮装置を使用して、脱着モードにある前記少なくとも1つのモジュールから解放された前記水蒸気の少なくとも一部を凝縮させ、液体水を生成することであって、ステップ(a)~(c)は、同時に生じる、ことと、
d)吸着モードにある少なくとも1つのモジュールを脱着モードに切り替え、脱着モードにある残りのモジュールのうち少なくとも1つを吸着モードに切り替えることと
を含む方法。
【請求項26】
請求項4~9および17~24のいずれか1項に記載のウォーターハーベスティングシステムを使用して周囲空気から水を採集する方法であって、
a)前記少なくとも1つの水捕獲材料による水の吸着を支援するために、かつ前記少なくとも1つの凝縮装置の冷却を支援するために、吸着モードにある少なくとも1つのモジュール内に周囲空気を引き込むことであって、前記空気は、吸着および冷却を支援するために再循環または再利用される、ことと、
b)前記少なくとも1つの水捕獲材料からの水の少なくとも一部の脱着を支援するために、脱着モードにある残りのモジュールのうち少なくとも1つを加熱することと、
c)前記少なくとも1つの凝縮装置を使用して、脱着モードにある前記少なくとも1つのモジュールから解放された前記水蒸気の少なくとも一部を凝縮させ、液体水を生成することと
を含む方法。
【請求項27】
請求項10~24のいずれか1項に記載のウォーターハーベスティングシステムを使用して周囲空気から水を採集する方法であって、
a)吸着モードにある少なくとも1つのモジュールにおいて周囲空気からの水を吸着することと、
b)脱着モードにある残りのモジュールのうち少なくとも1つにおいて水の少なくとも一部を脱着することと、
c)前記少なくとも1つの凝縮装置を使用して、脱着モードにある前記少なくとも1つのモジュールから解放された前記水蒸気の少なくとも一部を凝縮させ、液体水を生成することであって、ステップ(a)~(c)は、同時に生じる、ことと、
d)吸着モードにある少なくとも1つのモジュールを脱着モードへと回転させ、脱着モードにある残りのモジュールのうち少なくとも1つを吸着モードへと回転させることと
を含む方法。
【請求項28】
気流が、前記少なくとも1つの凝縮装置から退出し、前記方法は、前記少なくとも1つの凝縮装置から退出する前記気流を脱着モードにある少なくとも1つのモジュールに再利用することをさらに含む、請求項25~27のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年2月14日に出願された米国仮特許出願第62/976,824号、および2020年7月17日に出願された米国仮特許出願第63/053,428号に対する優先権を主張し、米国仮特許出願第62/976,824号および米国仮特許出願第63/053,428号は、その全体が参照することによって本明細書に援用される。
【0002】
(分野)
本開示は、概してウォーターハーベスティングに関し、より具体的には、金属有機構造体および/または他の水捕獲材料を使用して周囲空気から水を採集するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
世界の人口の大きな割合が、水不足を経験している。大気中の水蒸気および水滴の形態の水は、地球規模の水問題に対処するために使用され得る天然資源である。湿った空気からの結露および霧の捕獲は、空気から水を捕獲する試みの例であるが、そのようなプロセスは、100%の相対湿度または大量のエネルギーのいずれかの頻繁な存在を要求する。したがって、そのようなプロセスは、空気から水を捕獲するための商業的に実行可能な解決策ではない。概して、Kim et al., Science 356, 430-434(2017)を参照されたい。
【0004】
当該技術分野において所望されるものは、最小限のエネルギー要件を伴って周囲空気から水を採集し得、低グレードエネルギー源(例えば、太陽光)によって電源供給され得る商業的に実行可能なシステムおよび方法である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(簡単な概要)
いくつかの局面では、周囲空気から水を捕獲するためのウォーターハーベスティングシステムが提供され、ウォーターハーベスティングシステムは、吸着/脱着ユニットと、少なくとも1つの凝縮装置と、少なくとも1つの空気循環ユニットとを備える。いくつかの実施形態では、吸着ユニットは、複数のモジュールと、モード移行構造とを備える。
【0006】
いくつかの実施形態では、複数のモジュールは、少なくとも1つのモジュールが吸着モードで動作し、並行して、残りのモジュールのうち少なくとも1つが脱着モードで動作するように構成され、各モジュールは、少なくとも1つの構造要素を備え、各構造要素の少なくとも一部は、少なくとも1つの水捕獲材料を支持し、少なくとも1つの水捕獲材料は、モジュールが吸着モードにあるとき、周囲空気からの水を吸着し、モジュールが脱着モードにあるとき、水蒸気の形態で水を脱着する。
【0007】
いくつかの実施形態では、モード切替構造は、少なくとも1つのモジュールを吸着モードから脱着モードに切り替えることと、少なくとも1つのモジュールを脱着モードから吸着モードに切り替えることとを並行して行うように構成される。いくつかの実施形態では、モード切替構造は、回転機構を備え、複数のモジュールは、回転機構に接続され、ロータリー構成において配列される。
【0008】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの凝縮装置は、脱着モードにある少なくとも1つのモジュールの近位に位置付けられ、水蒸気を液体水へと凝縮させるように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの空気循環ユニットは、吸着モードにある各モジュール内に周囲空気を引き込み、それによって、少なくとも1つの水捕獲材料による周囲空気からの水の吸着を支援するように構成される。
【0010】
いくつかの局面では、周囲空気から水を捕獲するためのウォーターハーベスティングシステムが提供され、ウォーターハーベスティングシステムは、吸着/脱着ユニットと、少なくとも1つの凝縮装置と、少なくとも1つの空気循環ユニットとを備える。
【0011】
いくつかの変形例では、吸着/脱着ユニットは、少なくとも1つの構造要素を備え、各構造要素の少なくとも一部は、少なくとも1つの水捕獲材料を支持し、少なくとも1つの水捕獲材料は、吸着モードにあるとき、周囲空気からの水を吸着し、脱着モードにあるとき、水蒸気の形態で水を脱着する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの構造要素は、導体要素であり、導体要素は、導体要素上にコーティングされる水捕獲材料から水の脱着を促進するために電気を流すことによって抵抗加熱される。
【0012】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの凝縮装置は、少なくとも1つの構造要素の近位に位置付けられ、水蒸気を液体水へと凝縮させるように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの空気循環ユニットは、(i)吸着モードで動作する少なくとも1つのモジュール内に周囲空気を引き込み、それによって、モジュール内の少なくとも1つの水捕獲材料による周囲空気からの水の吸着を支援することと、(ii)少なくとも1つの凝縮装置を冷却するために空気を循環させることとを同時に行うように構成される。
【0014】
いくつかの局面では、周囲空気から水を捕獲するためのウォーターハーベスティングシステムが提供され、ウォーターハーベスティングは、吸着/脱着ユニットと、少なくとも1つの凝縮装置と、少なくとも1つの空気循環ユニットとを備える。いくつかの実施形態では、吸着/脱着ユニットは、ロータリー構成において配列される複数のモジュールと、回転機構とを備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、各モジュールは、少なくとも1つの導体要素を備え、各導体要素の少なくとも一部は、少なくとも1つの水捕獲材料でコーティングされ、少なくとも1つの水捕獲材料は、モジュールが吸着モードにあるとき、周囲空気からの水を吸着し、モジュールが脱着モードにあるとき、水蒸気の形態で水を脱着する。
【0016】
いくつかの実施形態では、複数のモジュールは、回転機構上に搭載され、回転機構は、少なくとも1つのモジュールを吸着モードから脱着モードに切り替えることと、少なくとも1つのモジュールを脱着モードから吸着モードに切り替えることとを並行して行うように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの凝縮装置は、脱着モードにある少なくとも1つのモジュールの近位に位置付けられ、水蒸気を液体水へと凝縮させるように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの空気循環ユニットは、吸着モードにある各モジュール内に周囲空気を引き込み、吸着/脱着ユニット内の空気を循環させ、それによって、少なくとも1つの水捕獲材料による周囲空気からの水の吸着を支援するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
(図面の簡単な説明)
本出願は、本明細書に含まれる付随の図面と併せて解釈される以下の説明を参照することによって最も良く理解されることができる。本明細書における図面は、縮尺通りに描かれていない。
【0020】
図1図1は、水捕獲材料でコーティングされる例示的プレート様構造要素を描写する。
【0021】
図2A図2Aおよび図2Bは、水捕獲材料でコーティングされる複数の例示的構造要素を通して流れる気流を描写する。
図2B図2Aおよび図2Bは、水捕獲材料でコーティングされる複数の例示的構造要素を通して流れる気流を描写する。
【0022】
図3A図3Aは、フレームによってともに保持される、水捕獲材料でコーティングされる複数の構造要素を含む例示的モジュールを描写する。
図3B図3Bおよび図3C(分解図)は、ロータリー構成において配列され、回転基部(ロータリーカルーセル)の上に搭載される6つのモジュールで作り上げられる例示的吸着/脱着ユニットを描写する。
図3C図3Bおよび3C(分解図)は、ロータリー構成において配列され、回転基部(ロータリーカルーセル)の上に搭載される6つのモジュールで作り上げられる例示的吸着/脱着ユニットを描写する。
【0023】
図4A図4Aは、ロータリー構成におけるモジュールの例示的配置を描写する。この図では、モジュール1~5は吸着モードにあり、モジュール6は脱着モードにある。
図4B図4Bは、各例示的ステップにおける各モジュールのモードを示す表を描写する。例えば、ステップ6において、モジュール2~6は吸着モードにあり、モジュール1は脱着モードにある。
【0024】
図5A図5Aおよび図5Bは、ロータリー構造またはカルーセルを伴う例示的ウォーターハーベスティングシステムを描写する。
図5B図5Aおよび図5Bは、ロータリー構造またはカルーセルを伴う例示的ウォーターハーベスティングシステムを描写する。
図5C図5Cおよび図5Dは、例示的循環式周辺温度凝縮装置を描写し、各図の右側に組立の分解図を伴う。
図5D図5Cおよび図5Dは、例示的循環式周辺温度凝縮装置を描写し、各図の右側に組立の分解図を伴う。
【0025】
図6図6は、水捕獲材料でコーティングされる例示的プレート様構造要素を描写し、水捕獲材料は、脱着を受ける。
【0026】
図7図7は、大気から水を収集するために本明細書に説明されるウォーターハーベスティングシステムを使用する吸着、脱着、および凝縮の例示的プロセスを描写する。
【0027】
図8A図8B、および図8Cは、例示的ウォーターハーベスティングシステムにおけるモジュールの重量の変化を示すグラフを描写する。
図8A図8Aは、吸着モードにあるモジュールの重量の増加を描写する。
図8B図8Bは、脱着モードにあるモジュールの重量の減少を描写する。
図8C図8Cは、複数回の吸着/脱着サイクル中のモジュールの重量変化を描写する。
【0028】
図9図9は、1,000回より多くの吸着/脱着サイクルの間の、種々の時間点で測定された例示的ウォーターハーベスティングシステムを用いた相対的な水の取り込みを示すグラフを描写する。
【0029】
図10図10は、周囲空気から水捕獲材料への水の拡散を可能にするように構造要素を設計および配列する際に検討されるパラメータの例示的概略図を描写する。この図は、縮尺通りではない。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(詳細な説明)
以下の説明は、例示的方法、パラメータ等について述べる。しかしながら、そのような説明は、本開示の範囲の限定として意図されるのではなく、例示的実施形態の説明として提供されることを認識されたい。
【0031】
いくつかの局面では、周囲空気から水を捕獲するためのウォーターハーベスティングシステムが、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、システムは、少なくとも1つの吸着/脱着ユニットと、少なくとも1つの凝縮装置と、少なくとも1つの空気循環ユニットとを含む。吸着/脱着ユニットは、水捕獲材料を含む複数のモジュールを有する。システムが定常状態で動作しているとき、モジュールのうち少なくとも1つは吸着モードにあり、同時に、残りのモジュールのうち少なくとも1つは脱着モードにある。吸着モードでは、所与のモジュール内の水捕獲材料は、周囲空気からの水を吸着する。空気循環ユニットは、吸着モードにある各モジュール内に周囲空気を引き込み、それによって、水捕獲材料による周囲空気からの水の吸着を支援する。次いで、モジュールが脱着モードに切り替えられると、モジュールは、水蒸気または蒸気の形態で水を脱着する。
【0032】
ある局面では、本明細書に提供されるシステムは、少なくとも1つのモジュールを吸着モードから脱着モードに切り替え、残りのモジュールのうち少なくとも1つを脱着モードから吸着モードに切り替える切替構造をさらに含む。いくつかの変形例では、モード切替構造は、複数のモジュールが搭載されるロータリー構造である。ロータリー構造は、少なくとも1つのモジュールを吸着モードから脱着モードに移行させ、残りのモジュールのうち少なくとも1つを脱着モードから吸着モードに移行させるために回転する。
【0033】
脱着モードにある所与のモジュールから水が脱着すると、脱着モードにある少なくとも1つのモジュールの近位に位置付けられる少なくとも1つの凝縮装置を介して、水蒸気が液体水へと凝縮される。液体水は、次いで、貯蔵タンクによって収集され得る。いくつかの変形例では、本明細書に説明されるシステムは、脱着モードにある所与のモジュールから脱着した水蒸気を凝縮装置に再方向付けする少なくとも1つの蒸気再方向付けユニットをさらに含む。
【0034】
他の局面では、吸着/脱着ユニットと、少なくとも1つの凝縮装置と、少なくとも1つの空気循環ユニットとを備える、周囲空気から水を捕獲するためのウォーターハーベスティングシステムも本明細書に提供され、少なくとも1つの空気循環ユニットは、(i)吸着モードで動作する少なくとも1つのモジュール内に周囲空気を引き込み、それによって、モジュール内の少なくとも1つの水捕獲材料による周囲空気からの水の吸着を支援することと、(ii)少なくとも1つの凝縮装置を冷却するために空気を循環させることとを同時に行う。事実上、空気循環ユニットによって引き込まれた周囲空気は、再循環または再利用され、少なくとも2つの異なる目的、すなわち、水を吸着することと、凝縮装置を冷却することとを達成し得る。
【0035】
本明細書に説明されるウォーターハーベスティングシステムは、水の採集の効率および容易性を増加させる。いくつかの局面では、各吸着/脱着サイクルのための時間が短縮され得る。いくつかの実施形態では、圧縮機が不要になり、これは、動作の騒音をより少なくし、費用をより低くする。他の局面では、同時の吸着/脱着は、ウォーターハーベスティングシステムのより効率的な設計を可能にする。いくつかの変形例では、本明細書に説明されるシステムは、圧縮機もしくは別個の冷却機構、仕切弁、チャンバ、または真空ポンプを要求しない。
【0036】
他の局面では、本明細書に提供されるシステムを使用して周囲空気から水を捕獲する方法も、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、方法は、吸着モードにある少なくとも1つのモジュールにおいて周囲空気からの水を吸着することと、脱着モードにある残りのモジュールのうち少なくとも1つにおいて水の少なくとも一部を脱着することと、少なくとも1つの凝縮装置を使用して、脱着モードにある少なくとも1つのモジュールから解放された水蒸気の少なくとも一部を凝縮させ、液体水を生成することであって、吸着、脱着、および凝縮は、並行して生じる、ことと、吸着モードの少なくとも1つのモジュールを脱着モードに切り替え、脱着モードの残りのモジュールのうち少なくとも1つを吸着モードに切り替えることとを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの水捕獲材料による水の吸着を支援するために、かつ少なくとも1つの凝縮装置の冷却を支援するために、吸着モードにある少なくとも1つのモジュール内に周囲空気を引き込むことであって、空気は、吸着および冷却の両方を支援するために再循環または再利用される、ことと、少なくとも1つの水捕獲材料からの水の少なくとも一部の脱着を支援するために、脱着モードにある残りのモジュールのうち少なくとも1つを加熱することと、少なくとも1つの凝縮装置を使用して、脱着モードにある少なくとも1つのモジュールから解放された水蒸気の少なくとも一部を凝縮させ、液体水を生成することとを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、方法は、吸着モードにある少なくとも1つのモジュールにおいて周囲空気からの水を吸着することと、脱着モードにある残りのモジュールのうち少なくとも1つにおいて水の少なくとも一部を脱着することと、少なくとも1つの凝縮装置を使用して、脱着モードにある少なくとも1つのモジュールから解放された水蒸気の少なくとも一部を凝縮させ、液体水を生成することであって、吸着、脱着、および凝縮は、並行して生じる、ことと、吸着モードにある少なくとも1つのモジュールを脱着モードへと回転させ、脱着モードにある残りのモジュールのうち少なくとも1つを吸着モードへと回転させることとを含む。
【0039】
システム、およびウォーターハーベスティングのためにそのようなシステムを使用する方法が、以下にさらに詳細に説明される。
【0040】
吸着/脱着ユニット
いくつかの実施形態では、周囲空気から水を捕獲するためのウォーターハーベスティングシステムは、吸着/脱着ユニットを備える。いくつかの実施形態では、吸着/脱着ユニットは、複数のモジュールおよびモード切替構造を備える。
【0041】
a)モジュール
いくつかの実施形態では、複数のモジュールは、少なくとも1つのモジュールが吸着モードで動作し、並行して、残りのモジュールのうち少なくとも1つが脱着モードで動作するように構成される。いくつかの実施形態では、複数のモジュールは、ロータリー構成において配列される。いくつかの実施形態では、複数のモジュールは、回転基部に接続されるか、またはその上に搭載される。
【0042】
いくつかの実施形態では、各モジュールは、少なくとも1つの構造要素を備える。図1を参照すると、例示的プレート様構造要素1020は、吸着層1022および1024によってコーティングされる。構造要素1020は、構造要素の両側にコーティングされる水捕獲材料を支持し、構造要素は、例えば電気を流すことによって加熱され得る加熱基板である。ある変形例では、各吸着層は同一のまたは異なる水捕獲材料を有してもよいことを理解されたい。他の変形例では、各吸着層は、同一のまたは異なる厚さを有してもよい。さらに他の変形例では、構造要素の片側のみが吸着層によってコーティングされる。
【0043】
いくつかの実施形態では、吸着/脱着ユニットは、少なくとも1つの構造要素を直接加熱するように構成され、廃熱を最小限にし得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの構造要素は、導体要素である。いくつかの実施形態では、導体要素は、導体要素に電気を流すことによって抵抗加熱される。いくつかの実施形態では、導体要素は、金属または金属プレートである。
【0044】
図6を参照すると、構造要素1020は、導体要素(または抵抗基板)である。脱着中、構造要素1020は、それに電気6000を流すことによって抵抗加熱され、それによって、導体要素1020上にコーティングされる水捕獲材料でできている吸着層1022および1024からの蒸気6100の形態での水の脱着を支援する。
【0045】
図2Aおよび図2Bを参照すると、隣接する構造要素間の間隙を通して吸着/脱着ユニット内に流れる空気流れが、描写されている。吸着中、周囲空気は、隣接する構造要素の間隙を通して流れ、吸着層が周囲空気からの水を吸着することを可能にする。図2Aは、隣接する構造要素(それぞれ1020および1030、ならびに1030および1040)間の間隙(1025および1035)とともに、かつその間隙の間で流れる空気(一組の矢印1045によって表される)とともに、平行に配列される複数の例示的プレート様構造要素1020、1030、および1040を描写する。図2Bは、隣接する構造要素間の間隙、およびその間隙の間に流れる空気(一組の矢印1045によって表される)とともに、半径方向に配列される複数の例示的プレート様構造要素(2000)を描写する。この図に描写されるように、各構造要素は、吸着層で両側をコーティングされる加熱基板である。例えば、構造要素1020は、吸着層1022および1024で両側をコーティングされる。ある変形例では、各吸着層は同一のまたは異なる水捕獲材料を有してもよいことを理解されたい。他の変形例では、各吸着層は、同一のまたは異なる厚さを有してもよい。さらに他の変形例では、構造要素の片側のみが吸着層によってコーティングされる。
【0046】
いくつかの実施形態では、導体要素に印加される電力は、Eadsを水捕獲材料またはMOF層内への水の吸着熱として水の脱着率dm/dtが以下の方程式によって電力Wと関係するため、脱着時間を最適化するように合わせられ得る。
【数1】
【0047】
したがって、基板Rの電気抵抗およびそれに流れる電流Iは、電力Wが以下の方程式を通してRおよびIと関係するため、最適な脱着率のために調整され得る。
【数2】
【0048】
いくつかの実施形態では、構造要素は、吸着段階中、周囲空気から水捕獲材料への水の拡散を可能にするように設計および配列される。図10を参照すると、水捕獲材料の層7022および7024が、隣接する構造要素上にコーティングされ、例示的空気分子7020が、それらの構造要素間の間隙を通過するドットとして示される。いくつかの実施形態では、再び図10を参照すると、構造要素は、d/v>c×(w/2)/Dとなるように設計および配列され、式中、(i)dは吸着段階中の、構造要素間の間隙を通した(水蒸気を含まない)空気による進行の深度であり、(ii)vは吸着段階中の、構造要素を通した(水蒸気を運搬する)空気の平均速度であり、(iii)cは定数であり、(iv)wは隣接する構造要素上の水捕獲材料層7022と7024との間の平均間隔であり、(v)Dは拡散定数または水蒸気の拡散率である。
【0049】
d/v>c×(w/2)/Dにおいて、不等式表記の左辺、すなわちd/vは、「走行時間」と称され、tTransと示され得る。定数cを伴わない不等式表記の右辺、すなわち(w/2)/Dは、「拡散時間」と称され、tDiffと示され得る。条件d/v>c×(w/2)/Dは、tTrans>c×tDiffのように等価表現され、または、空気分子の走行時間が水蒸気の拡散時間のあるパーセンテージよりも大きいと記述される。例えば、cが30%の場合、構造要素は、走行時間が拡散時間の30%より大きいように配列される。
【0050】
いくつかの変形例では、定数cは、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、または少なくとも約75%、または、約1%~約5%、約5%~50%、約10%~約50%、約30%~約75%、または約50%~150%である。
【0051】
いくつかの実施形態では、構造要素は、モジュールを形成するために半径方向に、連続して、または平行に配列される。いくつかの実施形態では、構造要素は、ともに溶接されるか、ともにはんだ付けされるか、ともに圧縮状態に保持されるか、または任意の他の手段によって電気的に接続される。図3Aを参照すると、例示的モジュール3010は、複数のプレート様構造要素2000を含み、複数のプレート様構造要素2000は、水捕獲材料でコーティングされ、フレーム3012によって半径方向に配列され、ともに保持される。
【0052】
いくつかの実施形態では、構造要素は、可撓性を有する。いくつかの実施形態では、構造要素は、均等に間隔を空けることと、各要素が相互に接触することを阻止することとを維持するために張力下に保持される。いくつかの実施形態では、張力機構は、ホイッフルツリーまたはホイップルツリーである。いくつかの実施形態では、ホイップルツリーは、1つまたはそれより多くの可撓性部材によって形成される。
【0053】
いくつかの実施形態では、複数のモジュールは、円筒を形成するように構成される。図3Bおよび図3Cを参照すると、例示的吸着/脱着ユニット3000は、6つのモジュール(3010、3020、3030、3040、3050、および3060)を含み、6つのモジュールは、ロータリー構成において配列され、モード切替構造3002上に搭載される(図3B)。ここで描写されるモード切替構造は、ロータリーカルーセルである。図3Cの分解図に描写されるように、モード切替構造3002は、回転基部3004を含む。6つのモジュールが図3Bおよび図3Cの例示的吸着/脱着ユニット内に描写されているが、他の変形例では、吸着/脱着ユニットは複数のモジュール内に任意の数のモジュールを含み得ることを理解されたい。
【0054】
いくつかの実施形態では、モジュールは、モジュールのうち1つまたはそれより多くが脱着のエリア内に移動させられ、モジュールのうち1つまたはそれより多くが吸着のエリア内に移動させられるように回転させられる。いくつかの実施形態では、モジュールの回転は、ベルトを通してモータによって駆動される回転プレートによって実施される。いくつかの実施形態では、モジュールの回転は、1つまたはそれより多くのギヤのシステムを通してモータによって駆動される回転プレートによって実施される。
【0055】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの構造要素が、少なくとも1つのプレートである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプレートは、モジュール内で半径方向に配列されるか、または相互に対して平行に配列される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプレートは、水捕獲材料の片側または両側に各々独立にコーティングされる。
【0056】
いくつかの変形例では、プレートは、半径方向に配列されるか、または相互に対して平行に配列され、隣接するプレート間に間隙が存在する。プレートは、任意の好適な金属を含む任意の好適な材料から作製され得る。例えば、いくつかの変形例では、プレートは、アルミニウムを含む。いくつかの変形例では、プレートは、固体金属を含む。一変形例では、プレートは、羽根の形状にある。
【0057】
ある変形例では、プレートは、平坦な表面を有する。他の変形例では、各プレートは、通気性設計を有し、その表面は、プレートと水捕獲材料との間の熱膨張不一致を可能にする水捕獲材料エリア(例えば、正方形)を成すように格子パターンの小さなチャネルと交差する。他の変形例では、各プレートは、水の吸着/脱着性能および/または信頼性を高め得るトポグラフィ特徴を伴う粗い表面を有する。一変形例では、トポグラフィ特徴は、穴、凹凸、隆起部、または溝、またはそれらの任意の組み合わせである。別の変形例では、プレートは、メッシュを含む。例えば、一変形例では、プレートは、アルミニウムメッシュを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、各プレートの長さに対する隣接するプレート間の間隙の相対的な隔たりは、最適な空気流れを達成し、水の吸着を最大限にする。いくつかの変形例では、隣接するプレート間の間隙は、プレートの長さの約1%~約5%である。
【0059】
いくつかの実施形態では、プレートは、約10ミクロン~約500ミクロン、または約50ミクロン~500ミクロン、または約10ミクロン~約50ミクロンの厚さを各々有する水捕獲材料の層でコーティングされる。層の厚さが、(例えば、より厚い層と比較して)より速い吸着および脱着を可能にし得る。他の実施形態では、プレートは、約0.1~約1cmの厚さを各々有する水捕獲材料の層でコーティングされる。層のそのような厚さは、(例えば、より薄い層と比較して)より大量の水の生成を可能にし得る。
【0060】
ある実施形態では、プレート上の水捕獲材料の各層は、多孔性を有する。いくつかの変形例では、多孔性は、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%、もしくは約40%~約90%、約50%~90%、約40%~約80%、約50%~約80%、または約60%~80%である。他の実施形態では、水捕獲材料の層は、多孔性を有しない。
【0061】
いくつかの実施形態では、水捕獲材料の層の厚さの比は、プレートの厚さよりも大きい。プレートの両側が水捕獲材料でコーティングされるある実施形態では、水捕獲材料の第1の(例えば、上部)層の厚さとプレートの厚さと水捕獲材料の第2の(例えば、底部)層の厚さとの比は、水の脱着と、チャンバ内でプレートを加熱するために使用されるエネルギーとを最適化する。層が多孔性を有しないいくつかの変形例では、水捕獲材料の各層の厚さは、少なくともプレート厚さの半分よりも大きくあり得る。
【0062】
前述のいくつかの変形例では、水捕獲材料の層は、1またはそれより多くの付加的な成分と混合され得る。いくつかの変形例では、バインダーが、層の中に混合され得る。ある変形例では、有機バインダーが使用され得る。ある変形例では、シリコンバインダーが使用され得る。一変形例では、シリコン樹脂バインダーが使用され得る。ある変形例では、層は、伝達を加速させるために熱伝導性に役立つ1またはそれより多くの材料をさらに含み得る。一変形例では、層は、黒鉛をさらに含む。
【0063】
ある変形例では、水捕獲材料は、プレート上で均一に分散される。当技術分野において公知の任意の好適な技法が、プレートに対して水捕獲材料の層をコーティングするために採用され得る。例えば、一変形例では、水捕獲材料の層は、プレート上に堆積させられる。
【0064】
b)水捕獲材料
いくつかの実施形態では、各構造要素の少なくとも一部は、少なくとも1つの水捕獲材料を支持する。いくつかの実施形態では、各構造要素の少なくとも一部は、少なくとも1つの水捕獲材料でコーティングされる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの水捕獲材料は、モジュールが吸着モードにあるとき、周囲空気からの水を吸着し、モジュールが脱着モードにあるとき、水蒸気の形態で水を脱着する。
【0065】
いくつかの変形例では、水捕獲材料は、金属有機構造体(MOF)を備える。MOFは、有機配位子に接続される繰り返し二次構造単位(SBU)を有する多孔性材料である。いくつかの変形例では、SBUは、1つまたはそれより多くの金属または金属含有錯体を含んでもよい。他の変形例では、有機配位子は、酸および/またはアミン官能基(単数または複数)を有する。ある変形例では、有機配位子は、カルボン酸基を有する。
【0066】
本明細書に提供されるシステムにおいて、水を吸着および脱着することが可能である任意の好適なMOFが採用されてもよい。一変形例では、Al(OH)(HPDC)の構造を有するMOF-303が使用されてもよく、HPDCは、1H-ピラゾール-3,5-ジカルボン酸塩(3,5-PyzDCとも称され得る)を表す。他の好適なMOFは、例えば、CAU-10、MIL-53、MOF-801、MOF-841、およびMIL-160を含んでもよい。例えば、Kalmutzki et al., Adv. Mat., 30(37), 1704304 (2018); Furukawa et al., J. Am. Chem. Soc. 2014, 136, 4369-4381を参照されたい。MOFの組み合わせも使用されてもよい。
【0067】
いくつかの変形例では、MOFは、約0.5nm~約1nm、または約0.7nm~約0.9nmの空孔サイズを有する。ある変形例では、MOFは、親水性空孔構造を有する。ある変形例では、MOFは、酸および/またはアミン官能基を含む親水性空孔構造を有する。ある変形例では、MOFは、可逆的水吸着を可能にする1Dチャネルを有する。
【0068】
いくつかの変形例では、水捕獲材料は、微孔性リン酸アルミニウム(AlPO4-LTA)である。例えば、Y.Tuet al, Joule, Vol 2, Issue 8(15), 1452-1475 (2018)を参照されたい。
【0069】
他の変形例では、水捕獲材料は、デシカント材料である。任意の好適なデシカント材料が使用され得る。
【0070】
本明細書に説明される水捕獲材料の任意の組み合わせも使用され得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、水捕獲材料は、基板への接着に関してその性質を向上させるためにバインダーと混合される。
【0072】
c)モード切替構造
いくつかの実施形態では、モード切替構造は、少なくとも1つのモジュールを吸着モードから脱着モードに切り替え、少なくとも1つのモジュールを脱着モードから吸着モードに切り替えるように構成される。いくつかの実施形態では、モード切替構造は、回転機構を備え、複数のモジュールは、回転機構に接続され、ロータリー構成において配列される。
【0073】
いくつかの変形例では、システムは、ロータリー構成において配列される、少なくとも1つの水捕獲材料を含む複数のモジュールを有する吸着/脱着ユニットと、回転機構であって、複数のモジュールは、回転機構上に搭載され、少なくとも1つのモジュールを吸着モードから脱着モードに切り替え、少なくとも1つのモジュールを脱着モードから吸着モードに切り替えるように構成される、回転機構と、脱着モードにある少なくとも1つのモジュールの近位に位置付けられ、水蒸気を液体水へと凝縮させるように構成される少なくとも1つの凝縮装置と、吸着モードにある各モジュール内に周囲空気を引き込み、吸着/脱着ユニット内の空気を循環させ、それによって、少なくとも1つの水捕獲材料による周囲空気からの水の吸着を支援するように構成される少なくとも1つの空気循環ユニットとを含む。前述の一変形例では、少なくとも1つの凝縮装置は、ロータリー構成において配列される複数のモジュールの内部に位置付けられる。前述の一変形例では、周囲空気から引き込まれた空気は、1つより多くの目的、例えば、水を吸着すること、および凝縮装置を冷却することを達成するために再循環または再利用される。
【0074】
図5Aおよび図5Bを参照すると、ロータリーモード切替構造またはカルーセルおよび格納ユニット5010を伴う例示的ウォーターハーベスティングシステム5000の2つの図が描写される。空気循環デバイス5004(図5Aに描写されるファン)は、カルーセルの側方から周囲空気5102を引き込み、吸着モードにあるモジュール3010を通して、および蒸気再方向付けデバイス5006(本実施例では凝縮ファン)のまわりに巻かれた凝縮装置5008(図5Bの凝縮コイル)を通して空気を流れさせ、カルーセルの上部で空気5100を外に吹き出させる。図5Bにおける断面図は、カルーセルモータ5002を含むカルーセル3002を描写する。
【0075】
封止構造
いくつかの実施形態では、ウォーターハーベスティングシステムは、脱着モードにある1つまたはそれより多くのモジュールを封止するように構成される封止構造をさらに含む。いくつかの実施形態では、封止構造は、吸着モードにある1つまたはそれより多くのモジュールから、脱着モードにある1つまたはそれより多くのモジュールを完全にまたは部分的に隔離する。いくつかの実施形態では、封止構造は、各モジュール内にある。いくつかの実施形態では、封止構造は、各モジュールの外部にある。いくつかの実施形態では、封止構造は、部分的に各モジュール内にあり、部分的に各モジュールの外部にある。
【0076】
いくつかの実施形態では、水捕獲材料でコーティングされる構造要素は、モジュールを形成するようにフレーム内に入れられる。いくつかの実施形態では、フレームまたはエンクロージャは、脱着中に部分的にまたは完全に封止され、吸着中に開放される。
【0077】
凝縮装置
いくつかの実施形態では、ウォーターハーベスティングシステムは、少なくとも1つの凝縮装置をさらに含む。いくつかの実施形態では、凝縮装置は、脱着モードにある少なくとも1つのモジュールの近位に位置付けられ、水蒸気を液体水へと凝縮させるように構成される。
【0078】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの凝縮装置は、ロータリー構成において配列される複数のモジュールの内部に位置付けられる。
【0079】
ある実施形態では、ウォーターハーベスティングシステムは、1つまたはそれより多くの凝縮装置を含む。凝縮装置は、モジュールのうち1つまたはそれより多くの近位に位置付けられる。いくつかの変形例では、複数の凝縮装置が使用される。複数の凝縮装置が使用される一変形例では、凝縮装置は、直列にまたは並列に配列される。
【0080】
いくつかの実施形態では、凝縮装置は、管である。いくつかの実施形態では、水蒸気は、管の内側で凝縮される。いくつかの実施形態では、管は、コイル構造を有するか、または管のコイルである。いくつかの実施形態では、管は、空気を循環させるか、または凝縮装置の外部に吹き出させることによって冷却される。いくつかの実施形態では、循環させられるか、または凝縮装置の外部に吹き出される空気は、吸着に使用される空気である。いくつかの実施形態では、循環させられるか、または凝縮装置の外部に吹き出される空気は、低温貯蔵で冷却される空気である。いくつかの実施形態では、凝縮装置は、冷蔵サイクルの低温側で冷却される。いくつかの実施形態では、凝縮装置は、例えば冷蔵サイクルまたは低温貯蔵をベースとするアクティブチラーである。
【0081】
図5Cを参照すると、例示的凝縮装置5008は、凝縮コイルであり、蒸気再方向付けデバイス5006(本実施例では凝縮ファン)のまわりに巻かれる。蒸気再方向付けデバイス5006は、脱着モードにあるモジュールにおいて発生させられる水蒸気または蒸気5202を凝縮装置5008(本実施例では凝縮コイル)内に再方向付けるか、または吸引し、水蒸気を液体水へと凝縮させる。
【0082】
図5Dを参照すると、凝縮後、水5200は、その収集を可能にするフロート弁5012内に(例えば、重力によって)方向付けられる。凝縮気流5104は、その後、周辺空気内への水分およびエネルギーの損失を最小限にするために、脱着モードにあるモジュール3060内に再循環させられる。
【0083】
空気循環ユニット
いくつかの実施形態では、ウォーターハーベスティングシステムは、少なくとも1つの空気循環ユニットを備える。いくつかの実施形態では、空気循環ユニットは、吸着モードにある各モジュール内に周囲空気を引き込み、それによって、周囲空気からの少なくとも1つの水捕獲材料による水の吸着を支援するように構成される。
【0084】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの空気循環ユニットは、(i)吸着モードで動作する少なくとも1つのモジュール内に周囲空気を引き込み、それによって、モジュール内の少なくとも1つの水捕獲材料による周囲空気からの水の吸着を支援することと、(ii)少なくとも1つの凝縮装置を冷却するために空気を循環させることとを同時に行うように構成される。
【0085】
蒸気再方向付けユニット
いくつかの実施形態では、ウォーターハーベスティングシステムは、少なくとも1つの蒸気再方向付けユニットを備える。いくつかの実施形態では、蒸気再方向付けユニットは、脱着モードにある少なくとも1つのモジュールから脱着した水蒸気を少なくとも1つの凝縮装置に再方向付けするように構成される。ある変形例では、蒸気再方向付けユニットは、ファンまたは容積式ポンプである。
【0086】
凝縮装置再循環気流
いくつかの実施形態では、ウォーターハーベスティングシステムは、少なくとも1つの再循環ユニットを備える。いくつかの実施形態では、再循環ユニットは、凝縮コイルから退出する気流を少なくとも1つの脱着モジュールに再利用するように構成される。
【0087】
水収集ユニット
いくつかの実施形態では、ウォーターハーベスティングシステムは、少なくとも1つのフロート弁を備え、いかなる空気の損失、またはいかなる実質的な空気の損失もなく、凝縮された液体水を重力によって収集するように構成される。
【0088】
いくつかの実施形態では、ウォーターハーベスティングシステムは、液体水を受け取るように構成される少なくとも1つの収集ユニットを備える。いくつかの実施形態では、ウォーターハーベスティングシステムは、少なくとも1つの凝縮装置から退出する液体水を少なくとも1つのフロート弁を通して受け取るように構成される少なくとも1つの収集ユニットを備える。いくつかの変形例では、水収集ユニットは、貯蔵タンクである。
【0089】
制御システム
いくつかの実施形態では、ウォーターハーベスティングシステムは、吸着、脱着、および凝縮を監視および制御するように構成される制御システムを含む。いくつかの実施形態では、制御システムは、1つまたはそれより多くのセンサと、1つまたはそれより多くのプロセッサユニットとを含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、制御システムは、モジュールに送達される電力量を増加または減少させ、脱着率を加速または減速させるために使用される。いくつかの実施形態では、制御システムは、水蒸気が、脱着エリアもしくは脱着モードにあるモジュールから除去される率、および/または、空気が、脱着エリアもしくは脱着モードにあるモジュール内に押動される率を増加または減少させるために使用される。いくつかの実施形態では、制御システムは、モジュールが脱着モードで費やす時間を増加または減少させるために使用される。いくつかの実施形態では、制御システムは、モジュールが吸着モードにおいて費やす時間量を増加または減少させるために使用される。いくつかの実施形態では、制御システムは、吸着中、空気がモジュールを横断して移動させられる率を増加または減少させるために使用される。
【0091】
いくつかの実施形態では、制御システムは、温度および湿度等の環境条件に基づいてウォーターハーベスティングシステムを監視および制御する。いくつかの実施形態では、温度または湿度センサは、吸着モジュール(吸着モードにあるモジュール)および脱着モジュール(脱着モードにあるモジュール)の内側または近傍に設置される。
【0092】
いくつかの実施形態では、制御システムは、吸着または脱着量を個々に最適化するのではなく、複数の吸着および脱着サイクルにわたって捕獲される水の全体量を最大限にするためにウォーターハーベスティングシステムを監視および制御する。
【0093】
いくつかの実施形態では、制御システムは、(i)各モジュールが脱着モードに切り替わる前に吸着モードで費やす時間(合計吸着時間)が、そのモジュール内の水捕獲材料に水をほとんどしみこませるためにちょうど十分であり、(ii)各モジュールが吸着モードに切り替わる前に脱着モードで費やす時間(合計脱着時間)が、そのモジュールにおいて水捕獲材料によって捕獲された水のほとんどを脱着するためにちょうど十分であるようにモジュールまたは吸着/脱着ユニットの回転のための時間ステップが調節され得るように設計されることができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、制御システムは、吸着率と一致するように脱着の加速または減速させるために、蒸気再方向付けユニットの速度と、構造要素を加熱するために提供される電力量とを制御する。同様に、脱着率と一致するように吸着率を加速または減速させるために、空気循環ユニットの速度が増加または減少させられ得る。異なる温度および湿度レベルは吸着および脱着のために必要とされる時間に影響を及ぼすため、この制御は重要であり得る。
【0095】
電力源
いくつかの変形例では、本明細書に提供されるシステムは、1つまたはそれより多くの太陽光電力源(単数または複数)をさらに含む。ある変形例では、システムは、光起電力(PV)電池またはパッシブソーラーキャプタ、またはその組み合わせをさらに含む。
【実施例
【0096】
(実施例)
以下の実施例は、単なる例示であり、本開示のいかなる局面をいかように限定することも意味されない。
【0097】
(実施例1)
飲用水を生成するためのウォーターハーベスティングシステム
ウォーターハーベスティングシステム
5~15%の有機バインダーと混合されたMOF粉末(本実施例においてはMOF-303)から成るMOF層ペーストを導電性基板(導体要素)上に薄膜として堆積させた。硬化後、優れた機械的および熱的性質を用いて、MOF層を基板に密に結着させた。MOF層でコーティングされた一連のこれらの基板を電気的に接続し、モジュール内に組み立てた。基板間の小さな間隙は、空気が流れることを可能にした。
【0098】
カルーセルと呼ばれるロータリー構造内でモジュールを組み立てた(図3Aおよび図3B)。1つまたはそれより多くのモジュールが吸着モードにある間、他のモジュールが脱着モードにあるようにカルーセルを構築した。本実施例では、カルーセルは、吸着モードにある5つのモジュールと、脱着モードにある1つのモジュールとを伴う合計6つのモジュールから成った(図4A)。カルーセルを回転させると、モジュールは、位置Nから位置N+1に移動し、吸着モードを開始し、最終的には脱着モードに入った(図4B)。
【0099】
吸着モードにあるモジュールでは、空気が、中央ファンを使用して、構造の中心を通して、吸引され、水分がMOF層によって捕獲されることを可能にするMOF層基板の間に押進された(図5Aおよび図5B)。モジュールが脱着モードに入ると、電流が、基板内を通過し、それらを加熱した(図6)。
【0100】
脱着MOF層から外に出た蒸気は、脱着の領域から凝縮のエリアに移動させられた。本実施例では、蒸気は、小型ファンによってモジュールから脱着エリア内に吸引され、カルーセルの内側に設置された螺旋管タイプの凝縮装置に送られた(図5A図5B、および図5C)。蒸気は、コイルのまわりを流れる空気によって室温まで冷却され、コイルは、水を凝縮させ、収集タンクの内側に収集されるように下方に流した。図7を参照すると、周囲空気5102は、吸着モードにあるモジュール(単数または複数)3010へと循環させられ、モジュール(単数または複数)3010は、凝縮装置5008を冷却することと、空気5100を送出することと、蒸気6100として水を脱着モードにあるモジュール(単数または複数)3060から脱着することと、凝縮装置5008を用いて蒸気6100を水へと凝縮させることと、水タンク5204を用いて水を収集することとを行うために、空気5102を再循環または再利用した。
【0101】
結果
図8A図8B、および図8Cは、システムの性能の例を示す。図2Aおよび図2Bに図示されるモジュールは、精密スケールで設置された。吸着中(図8A)、モジュールの重量は、約3グラムの水が吸着するまで急速に増加した。指数関数フィットは、52秒の時定数をもたらした。脱着中(図8B)、モジュールの重量はさらにより急速に減少し、約3グラムの水が脱着した。指数関数フィットは、40秒の時定数をもたらした。図8Cは、複数の吸着/脱着サイクルを示し、水を極めて効率的に採集するためのこのシステムの能力を実証する。図9は、システムの信頼性を示す。1,000回より多くの吸着/脱着サイクルの後、水の取り込みに変化はなく、これは、システムの優秀なロバスト性を実証する。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
【国際調査報告】