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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(54)【発明の名称】流用検知システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20230327BHJP
【FI】
G16H40/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548984
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(85)【翻訳文提出日】2022-10-06
(86)【国際出願番号】 US2021017242
(87)【国際公開番号】W WO2021163051
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】62/975,056
(32)【優先日】2020-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】バージェス,ブレンダン
(72)【発明者】
【氏名】ユスフィ,ムスタファ
(72)【発明者】
【氏名】フェルケ,マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】プレツィオッティ,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ラトラカ,ゲイリー
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
流用イベントの証拠を生成する方法が提供される。方法は、薬を含む調剤キャビネットにおけるトリガーイベントを検知することを含む。方法は、トリガーイベントの検知に応じて、記録を取得するように1つまたは複数の監視デバイスを起動することを含む。記録は、流用と疑われるイベントを含む。方法は、記録と関連する1つまたは複数の取引記録を生成することを含む。方法は、データベースにおいて、1つまたは複数の取引記録に基づいて、複数の記録をフィルタすることを含む。複数の記録は、流用と疑われるイベントが生じたかを特定する記録を含む。流用と疑われるイベントが生じた特定に応じて、方法は、流用と疑われるイベントが生じたことを示すアラートを生成することを含む。装置及びコンピュータプログラム製品を含む関連したシステム及び製造の物品も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬の自動化調剤のためのシステムであって、
薬を含む少なくとも1つの調剤キャビネットと、
前記少なくとも1つの調剤キャビネットを含む検知領域を有する監視デバイスと、
少なくとも1つのデータプロセッサと、
命令を格納する少なくとも1つのメモリと、を備え、
前記1つのデータプロセッサが前記命令を実行すると、
前記少なくとも1つの調剤キャビネットにおいてトリガーイベントを検知することと、
前記トリガーイベントの検知に応じて、少なくとも1つの調剤キャビネットにおける流用と疑われるイベントを有する記録を取得するように、前記監視デバイスを有する1つまたは複数の監視デバイスを起動することと、
記録に関連する1つまたは複数の取引記録を生成することと、
少なくとも取得した流用と疑われるイベントを有する記録の一部に前記1つまたは複数の取引記録をリンクすることと、
流用と疑われるイベントが生じたかを特定するように、前記1つまたは複数の取引記録に基づいて、記録を有する複数の記録をフィルタすることと、
流用と疑われるイベントが生じた旨の特定に応じて、流用と疑われるイベントが生じたことを示すアラートを生成することと、
を含む操作をもたらす、システム。
【請求項2】
前記リンクすることは、前記1つまたは複数の取引記録を、
少なくとも記録の一部の間の前記トリガーイベントの開始時間及び終了時間を示すタイムスタンプと、
少なくとも記録の一部を取得した1つまたは複数の監視デバイスの監視デバイスの監視デバイス識別子と、
の1つまたは複数とリンクすることを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記操作は、前記少なくとも1つの調剤キャビネットにおいて、リンクされた前記1つまたは複数の取引記録と、記録の少なくとも一部とを格納することを有する、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
複数の記録は、前記少なくとも1つの調剤キャビネットから離れたデータベースにおいてフィルタされる、請求項1から3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記操作は、前記少なくとも1つの調剤キャビネットから離れたデータベースにおいて、前記1つまたは複数の取引記録と、1つまたは複数の監視デバイスによって取得された記録とをアクセスすることをさらに有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記操作は、フィルタされた取引記録と記録とに基づいて、流用と疑われるイベントが生じたことを特定することをさらに有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記トリガーイベントは、個人が患者の部屋に入ることと、閾値時間にわたって、個人が前記少なくとも1つの調剤キャビネットの既定の近さ以内に位置することと、個人が少なくとも1つの調剤キャビネットと相互作用することとの1つまたは複数を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
記録は、動画、画像及び音声記録の少なくとも1つを有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記監視デバイスは、前記少なくとも1つの調剤キャビネットの上に配置され、1つまたは複数の監視デバイスの第2監視デバイスは、前記少なくとも1つの調剤キャビネットに結合された補助デバイスの上に配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
取得された流用と疑われるイベントは、前記補助デバイスにおける補助監視デバイスハブから、前記少なくとも1つの調剤キャビネットにおける主監視デバイスハブに送信される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つまたは複数の取引記録は、臨床医識別子、患者識別子、取引タイプ、取引識別子、目撃者識別子、及び薬タイプの1つまたは複数を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記操作は、
記録に基づいて、少なくとも1つの調剤キャビネットから取り出された薬の量を検知することであって、流用と疑われるイベントが生じたことの特定は、検知された薬の量が期待された薬の量と異なることを特定することを有する、取り出された薬の量を検知することをさらに有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
薬を含む少なくとも1つの調剤キャビネットにおいてトリガーイベントを検知することと、
前記トリガーイベントの検知に応じて、少なくとも1つの調剤キャビネットにおける流用と疑われるイベントを有する記録を取得するように、1つまたは複数の監視デバイスを起動することであって、監視デバイスの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの調剤キャビネットを含む検知領域を有する、1つまたは複数の監視デバイスを起動することと、
記録に関連する1つまたは複数の取引記録を生成することと、
少なくとも取得した流用と疑われるイベントを有する記録の一部に前記1つまたは複数の取引記録をリンクすることと、
流用と疑われるイベントが生じたかを特定するように、前記1つまたは複数の取引記録に基づいて、記録を有する複数の記録をフィルタすることと、
流用と疑われるイベントが生じた旨の特定に応じて、流用と疑われるイベントが生じたことを示すアラートを生成することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記リンクすることは、前記1つまたは複数の取引記録を、
少なくとも記録の一部の間の前記トリガーイベントの開始時間及び終了時間を示すタイムスタンプと、
少なくとも記録の一部を取得した1つまたは複数の監視デバイスの監視デバイスの監視デバイス識別子と、
の1つまたは複数とリンクすることを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの調剤キャビネットにおいて、リンクされた前記1つまたは複数の取引記録と、記録の少なくとも一部とを格納することを有する、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
複数の記録は、前記少なくとも1つの調剤キャビネットから離れたデータベースにおいてフィルタされる、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの調剤キャビネットから離れたデータベースにおいて、前記1つまたは複数の取引記録と、1つまたは複数の監視デバイスによって取得された記録とをアクセスすることをさらに有する、請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
フィルタされた取引記録と記録とに基づいて、流用と疑われるイベントが生じたことを特定することをさらに有する、請求項13から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記トリガーイベントは、個人が患者の部屋に入ることと、閾値時間にわたって、個人が前記少なくとも1つの調剤キャビネットの既定の近さ以内に位置することと、個人が少なくとも1つの調剤キャビネットと相互作用することとの1つまたは複数を有する、請求項13から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
記録は、動画、画像及び音声記録の少なくとも1つを有する、請求項13から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
1つまたは複数の監視デバイスは、前記少なくとも1つの調剤キャビネットの上に配置される第1監視デバイスと、前記少なくとも1つの調剤キャビネットに結合された補助デバイスの上に配置される第2監視デバイスとを有する、請求項13から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
取得された流用と疑われるイベントは、前記補助デバイスにおける補助監視デバイスハブから、前記少なくとも1つの調剤キャビネットにおける主監視デバイスハブに送信される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記1つまたは複数の取引記録は、臨床医識別子、患者識別子、取引タイプ、取引識別子、目撃者識別子、及び薬タイプの1つまたは複数を有する、請求項13から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
記録に基づいて、調剤キャビネットから取り出された薬の量を検知することであって、流用と疑われるイベントが生じたことの特定は、検知された薬の量が期待された薬の量と異なることを特定することを有する、取り出された薬の量を検知することをさらに有する、請求項13から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
プログラムコードを含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、
少なくとも1つのデータプロセッサが前記プログラムコードを実行すると、
薬を含む少なくとも1つの調剤キャビネットにおいてトリガーイベントを検知することと、
前記トリガーイベントの検知に応じて、少なくとも1つの調剤キャビネットにおける流用と疑われるイベントを有する記録を取得するように、1つまたは複数の監視デバイスを起動することであって、監視デバイスの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの調剤キャビネットを含む検知領域を有する、1つまたは複数の監視デバイスを起動することと、
記録に関連する1つまたは複数の取引記録を生成することと、
少なくとも取得した流用と疑われるイベントを有する記録の一部に前記1つまたは複数の取引記録をリンクすることと、
流用と疑われるイベントが生じたかを特定するように、前記1つまたは複数の取引記録に基づいて、記録を有する複数の記録をフィルタすることと、
流用と疑われるイベントが生じた旨の特定に応じて、流用と疑われるイベントが生じたことを示すアラートを生成することと、
を含む操作をもたらす、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項26】
薬を含む少なくとも1つの調剤キャビネットにおいてトリガーイベントを検知する手段と、
前記トリガーイベントの検知に応じて、少なくとも1つの調剤キャビネットにおける流用と疑われるイベントを有する記録を取得するように、1つまたは複数の監視デバイスを起動する手段であって、監視デバイスの少なくとも1つは、前記少なくとも1つの調剤キャビネットを含む検知領域を有する、1つまたは複数の監視デバイスを起動する手段と、
記録に関連する1つまたは複数の取引記録を生成する手段と、
少なくとも取得した流用と疑われるイベントを有する記録の一部に前記1つまたは複数の取引記録をリンクする手段と、
流用と疑われるイベントが生じたかを特定するように、前記1つまたは複数の取引記録に基づいて、記録を有する複数の記録をフィルタする手段と、
流用と疑われるイベントが生じた旨の特定に応じて、流用と疑われるイベントが生じたことを示すアラートを生成する手段と、
を備える、装置。
【請求項27】
請求項13から24のいずれか一項に記載された機能のいずれかを実行する手段をさらに備える、請求項26に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2020年2月11日に出願され、「流用検知システム」と題された米国仮出願第62/975,056号に基づく優先権を主張し、その全体は、参照によって本明細書に含まれる。
【0002】
本明細書にて説明される主題は、一般的に、医薬品の管理に関し、より特定的に流用検知システムのためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
流用とは、個人的な使用や個人的な利益のために、物質を受領、所有、及び/または消費することを法的に許可されていない第三者に制御された及び/または高価値の物質を譲渡することを指してもよい。高価な処方薬及び/または制御されている処方薬、特にアヘン剤、オピオイド、麻薬は、特に流用されやすい場合がある。例えば、臨床医が患者に処方された鎮痛剤を投与する、または処方された鎮痛剤を廃棄する代わりに、処方された鎮痛剤を許可されていない個人的な使用のために保管するとき、処方された鎮痛剤が流用され得る。一般的に、薬の流用の証拠を生成し、流用を特定することは困難である。カメラは、脈絡なく何時間も映像を記録するだけで、実際の薬の流用を明確に示さない可能性がある。このようなシステムは、信頼性が低く、保守が困難で、高価であり、かなりの量のデバイスリソース(例えば、パワー、処理時間、メモリ、ネットワーク帯域幅など)を必要とする場合がある。
【発明の概要】
【0004】
コンピュータプログラム製品を含むシステム、方法、および製造品は、薬に関わる取引を取得する1つ以上の監視デバイスと、取得された取引に対応し、容易に分類できる流用の証拠を生成する流用コントローラを使用して、薬の流用を防止するために提供される。
【0005】
方法が提供されてもよい。方法は、薬を含む少なくとも1つの調剤キャビネットでトリガーイベントを検出することを含んでもよい。方法は、トリガーイベントの検出に応答して、少なくとも1つの調剤キャビネットにおいて流用と疑われるイベント(possible diversion event)を有する記録を取得するために、1つまたは複数の監視デバイスを起動することを含んでもよい。1つまたは複数の監視デバイスのうち、少なくとも1つは、少なくとも1つの調剤キャビネットを含む検知領域を有してもよい。方法は、記録に関する1つまたは複数の取引記録を生成することをさらに含んでもよい。方法は、少なくとも取得された流用と疑われるイベントを有する記録の一部に1つまたは取引記録をリンクすることをさらに含んでもよい。方法は、流用と疑われるイベントが生じたか否かを特定するように、1つまたは複数の取引記録に基づいて、記録を有する複数の記録をフィルタすることをさらに含んでもよい。方法は、流用と疑われるイベントが生じたことの特定に応じて、流用と疑われるイベントが生じたことを示すアラートを生成することをさらに含んでもよい。
【0006】
ある態様において、リンクすることは、1つまたは複数の取引記録を、記録の少なくとも一部の間でトリガーエベントの開始時間及び終了時間を示すタイムスタンプと、記録の少なくとも一部を取得した1つまたは複数の監視デバイスの監視デバイスの監視デバイス識別子との1つまたは複数にリンクすることを含む。
【0007】
ある態様において、方法は、少なくとも1つの調剤キャビネット、リンクされた1つまたは複数の取引記録、及び記録の少なくとも一部を格納することをさらに含む。
【0008】
ある態様において、複数の記録は、少なくとも1つの調剤キャビネットから遠隔なデータベースにおいてフィルタされる。
【0009】
ある態様において、方法は、少なくとも1つの調剤キャビネットから遠隔なデータベース、1つまたは複数の取引記録、及び1つまたは複数の監視デバイスによって取得された記録を分析することをさらに含む。
【0010】
ある態様において、方法は、フィルタされた取引記録と記録とに基づいて、流用と疑われるイベントが生じたことを特定することをさらに含む。
【0011】
ある態様において、トリガーイベントは、個人が患者の部屋に入ること、個人が閾値の時間において少なくとも1つの調剤キャビネットの既定の近さ以内に位置すること、個人が少なくとも1つの調剤キャビネットに作用することの1つまたは複数を含む。
【0012】
ある態様において、記録は、少なくとも1つの動画、画像、及び音声記録を有する。
【0013】
ある態様において、1つまたは複数の監視デバイスは、少なくとも1つの調剤キャビネットに配置された第1監視デバイスと、少なくとも1つの調剤キャビネットと結合された補助デバイスに配置された第2監視デバイスとを有する。ある態様において、取得された生じ得る流用イベントは、補助デバイスにおける補助監視デバイスハブから、少なくとも1つの調剤キャビネットにおける主監視デバイスハブに送信される。
【0014】
ある態様において、1つまたは複数の取引記録は、臨床医識別子、患者識別子、取引タイプ、取引識別子、目撃者識別子、及び薬タイプの1つまたは複数を有する。
【0015】
ある態様において、方法は、記録に基づいて、少なくとも1つの調剤キャビネットから取り出される薬の量を検知することをさらに含む。生じ得る流用イベントが生じたとの特定は、検知される薬の量が、期待される薬の量と異なることを特定することを含んでもよい。
【0016】
本主題の実施例は、本明細書で提供される説明と一致する方法と同様に、1つまたは複数の機械(例えば、コンピュータ等)に、説明された特徴の1つまたは複数を実施する操作をもたらすように操作可能な、具体的具現化された機械可読媒体を有する物品も含んでもよい。同様に、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサに結合された1つまたは複数のメモリを含んでもよいコンピュータシステムが説明される。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体または機械可読記憶媒体を含んでもよいメモリは、1つまたは複数のプロセッサに本明細書に記載された1つまたは複数の動作を実行させることをもたらす1つまたは複数のプログラムを含む、符号化する、格納する、またはそのようなことを行うことができる。本主題の実施例の1つまたは複数と一致するコンピュータで実施される方法は、1つのコンピュータシステムまたは複数のコンピュータシステムに属する1つまたは複数のデータプロセッサによって実施されてもよい。このような複数のコンピュータシステムは、1つまたは複数の接続を通じて、接続され、データ及び/またはコマンドまたは他の命令等を交換することができる。接続は、例えば、複数のコンピュータシステムのうち1つまたは複数の間の直接的な接続を通じて、ネットワーク(例えば、インターネット、無線ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、有線ネットワーク等)上の接続を含んでもよい。
【0017】
本明細書にて説明する本主題の1つまたは複数の変形例の詳細は、添付の図面及び以下の説明において示されている。本明細書にて説明する本主題の他の特徴及び利点は、説明、図面及び請求項から明確になる。開示される本主題の特定の特徴は、制御される及び/または高価な物質の流用を検知及び/または抑制することに関して例示的な目的において説明されるが、このような特徴が限定的であることを意図していないと容易に理解できる。本開示の後の請求項は、保護対象の範囲を規定することを意図している。
【0018】
添付の図面は、本明細書の一部に含まれ、その一部を構成し、本明細書にて開示される主題の特定の態様を示し、説明とともに、開示された実施例に関連するいくつかの原理を説明することを容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】いくつかの例示的な実施の形態による流用検知システムを示すシステム図である。
図2】いくつかの例示的な実施の形態による監視システムを示す他のシステム図である。
図3】いくつかの例示的な実施の形態による調剤キャビネットを示す。
図4A】いくつかの例示的な実施の形態による調剤キャビネット及び補助デバイスの側面図を模式的に示す。
図4B】いくつかの例示的な実施の形態による調剤キャビネット及び補助デバイスの側面図を模式的に示す。
図4C】いくつかの例示的な実施の形態による調剤キャビネット及び補助デバイスの側面図を模式的に示す。
図5A】いくつかの例示的な実施の形態による調剤キャビネット及び補助デバイスと結合した監視システムの例を示す。
図5B】いくつかの例示的な実施の形態による調剤キャビネット及び補助デバイスと結合した監視システムの例を示す。
図6】いくつかの例示的な実施の形態によって、監視システムの記録に関連した1つまたは複数の取引記録を示すデータベースの例を示す。
図7】いくつかの例示的な実施の形態による流用の証拠を生成するプロセスを示すフローチャートである。
図8】いくつかの例示的な実施の形態によるコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実用的である場合、類似の構造、特徴または要素を類似の参照番号によって示す。
【0021】
薬の流用を含む流用と疑われるイベントは、薬の配合、調剤、投与及び/または廃棄の間の時間のいずれかの時点において生じ得る。例えば、流用は、多様である可能性があり、調剤することが許可されているより多くの用量の取り出し、用量を取り出して不正な用量と交換すること、制御された液体物質を塩水または他の液体と交換すること、及び/または類似の形態を含む。例えば、オピオイド、モルヒネ、ヒドロモルフォン、フェンタニル等の処方された鎮痛剤は、処方された鎮痛剤の調剤、投与及び廃棄の間に十分な管理監督がないため、特に流用されやすい可能性がある。例えば、特に自動化調剤キャビネット等の医療施設における調剤キャビネットは、複数の臨床医にとってアクセス可能である可能性がある。さらに、異なる臨床医が薬の調剤、投与及び廃棄の責任を有する可能性がある。したがって、流用が検知された場合であっても、流用が実際に生じたときを特定し、流用が実際に生じたことの証拠を入手し、流用をした個人を特定することが難しい可能性がある。
【0022】
医療施設のセキュリティシステムに接続されたカメラは、一般的に、医療施設における部屋の画像、動画、及び/または音声を記録するように使用されてもよく、セキュリティチームが記録された画像、動画及び/または音声を選り分けることができる。しかしながら、このようなシステムは、部屋の中の調剤キャビネットにアクセスした個人、調剤キャビネットにおいて何がアクセスされ、アクセス及び/または廃棄されるべきものが何だったのか等に関する有益な情報をセキュリティチームに提供しない。このようなシステムは、セキュリティチームに有益な情報を提供せず、セキュリティチームに特定の部屋に誰が入室したのかを特定するために数千時間のセキュリティ動画をレビューすることを求める可能性がある。さらに、カメラは、正確に誰が調剤キャビネットにアクセスし、調剤キャビネットから何が取り出され、調剤キャビネットにおいて正しい量の薬が取り出されたか及び/または廃棄されたかの明確な画像を提供できないように配置されている可能性がある。
【0023】
本明細書にて説明される流用検知システムは、望ましくは、薬の流用の有益な証拠を生成してもよく、証拠は、流用をした個人をより容易に特定することを助けてもよい。例えば、本明細書にて説明される流用検知システムは、1つまたは複数の流用イベントをとらえる1つまたは複数の監視デバイスを有する監視システムを有してもよい。本明細書にて説明される流用検知システムは、流用イベントに関連する1つまたは複数の取引記録を生成するように流用コントローラを含んでもよい。取得された流用及び関連する取引記録は、調剤キャビネットに送信されまたはそこに格納されてもよく、及び/または流用イベントの証拠を提供するように後でフィルタされるようにデータベースに送信及びそこに格納されてもよい。取引記録も、流用イベントにリンクされてもよい。少なくとも取得された流用イベントを含む記録の一部に1つまたは複数の取引記録をリンクすることは、記録のそれぞれの部分を関連した取引記録によってより容易にフィルタすることを可能にする。これは、流用イベントが生じたか否かを特定するために必要なデバイスリソース(例えば、パワー、処理時間、メモリ、ネットワーク帯域幅等)を減少させることを可能にする。例えば、このような構成は、取引記録及び/または記録の関連のある部分をより速く分類し、流用が生じたかを速く及び/または効率良く特定し、流用イベントが生じた場合、流用イベントに関連する個人、薬及び/または患者を速く及び/または効率良く特定することを助ける。したがって、少なくとも流用と疑われるイベントを含む記録の一部に取引記録をリンクすることは、流用が生じたこと及び流用に関連した臨床医または患者を特定するために要する時間を大幅に減少し、流用イベントが生じることまたは続くことを抑制し、及び/または流用が生じる可能性を減少させることができる。
【0024】
ある例示的な実施の形態において、流用検知システムは、例えば、薬を取って及び/または未使用の薬を返却するために調剤キャビネットにアクセスする個人に関連したデータ、及び/または実際の流用イベントまたは流用と疑われるイベントに関連したデータを少なくとも取得することによって、調剤キャビネットに保管される薬へのアクセスを監視及び/または追跡するように構成されてもよい。例えば、流用検知システムは、1つまたは複数の監視デバイスから、調剤キャビネットにアクセスする個人、調剤キャビネットにおいて取り出され及び/または廃棄される薬等の画像、動画、及び/または音声の記録を取得してもよい。流用検知システムは、例えば、調剤キャビネットにアクセスする個人の指紋、虹彩パターン、網膜パターン、手書き署名、音声等を取得するためのバイオメトリクススキャンを実行してもよい。代わって及び/または加えて、流用検知システムは、調剤キャビネットにアクセスする個人を一意的に識別する識別番号及び/またはパスワードを受信するように構成されてもよい。代わって及び/または加えて、流用検知システムは、取得された画像、動画、及び/または音声記録に関する1つまたは複数の取引記録を生成するように構成されてもよい。
【0025】
1つまたは複数の監視デバイスからデータを取得して、1つまたは監視デバイスから取得した記録にデータをリンクして、調剤キャビネットにおいてローカルにデータを格納する及び/または後でフィルタ及び/またはアクセスするようにデータをデータベースに送信することによって、流用検知システムは、より容易に流用イベントが生じたことを特定し及び/または流用を実行する個人を特定することを助けるように、流用イベントの証拠を生成してもよい。本明細書にて説明される流用検知システムは、流用イベントがリアルタイムで検知されたとき、または流用イベントが生じた後、流用をした個人を特定することを助けてもよい。本明細書にて説明される流用検知システムは、加えて及び/または代わって、調剤キャビネットから取り出された薬において不一致があるか(例えば、調剤キャビネットにおいて間違った量の薬が返却され、及び/または廃棄されている等)を特定することによって、流用イベントが生じたかを検知することを助ける。
【0026】
図1は、例示的な実施の形態による流用検知システム100を示すシステム図を示す。流用検知システム100は、流用コントローラ110と、少なくとも1つの調剤キャビネット130と、補助デバイス170と、監視システム135と、1つまたは複数のデータシステム160と、クライアント140とを含んでもよい。図1に示すように、流用コントローラ110と、調剤キャビネット130と、補助デバイス170と、監視システム135と、1つまたは複数のデータシステム160と、クライアント140とは、ネットワーク150を通じて通信的に結合されてもよい。流用コントローラ110は、調剤キャビネット130、補助デバイス170、及び/または監視システム135に結合され、またはその一部を形成してもよい。ある実施の形態において、クライアント140は、調剤キャビネット130、補助デバイス170、及び/または監視システム135に結合され、またはその一部を形成してもよい。ネットワーク150は、例えば、公衆陸上移動体通信網(PLMN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、バーチャルローカルエリアネットワーク(VLAN)、インターネット等を含むいずれかの有線及び/または無線のネットワークであってもよい。
【0027】
図1に示すように、調剤キャビネット130は、識別デバイス147を含んでもよい。識別デバイス147は、例えば、調剤キャビネット130にアクセスする個人の指紋、虹彩パターン、網膜パターン、手書き署名、音声等を取得するように構成されたバイオメトリクスリーダーであってもよい。代わって及び/または加えて、識別デバイス147は、例えば、キーボード及び/またはキーカードスキャナを通じて、調剤キャビネット130にアクセスする個人の識別番号及び/またはパスコードを受信するように構成されてもよい。キーカードスキャナは、例えば、近距離無線通信(NFC)、無線周波数識別(RFID)、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード等を含む任意の方法でこのデータ(例えば、識別番号及び/またはパスコード)を取得してもよいと理解されよう。
【0028】
また図1を参照すると、監視システム135は、例えば、ビデオカメラ、静止画像カメラ、音声リコーダ等を含むいずれかの記録デバイスであってもよい第1監視デバイス135A及び第2監視デバイス135B等の1つまたは複数の監視デバイスを含んでもよい。1つまたは複数の監視デバイスは、調剤キャビネット130を含む検知領域を有してもよい。ある実施の形態において、監視システム135は、1つまたは複数の監視デバイスと結合される動作センサを含む。加えて及び/または代わって、監視デバイスは、暗黒環境または他の低照度環境において、画像及び/または動画を記録できるものであってもよい。第1及び第2監視デバイス135A、135Bは、調剤キャビネット130、調剤キャビネット130に(例えば、有線または無線接続を通じて)結合した1つまたは複数の補助デバイスを含んでもよい補助デバイス170、または患者の部屋の一部に結合され、そこに配置され、またはその一部を形成してもよい。監視システム135は、例えば、薬を取り出す及び/または返却するように、調剤キャビネット130にアクセスする個人の画像、動画及び/または音声記録を取得するように構成されてもよい。
【0029】
さらに、図2は、本主題の実施例と一致する監視システム135の例示を示す。図2に示すように、監視システム135は、第1監視デバイス135A、第2監視デバイス135B、第3監視デバイス135C、第4監視デバイス135D、第5監視デバイス135E、第6監視デバイス135F、第7監視デバイス135G、及び第8監視デバイス135Hを含んでもよい。監視システム135は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10、または11以上の監視デバイスを含んでもよいと認識されよう。図2に示すように、第1及び第2監視デバイス135A、135Bは、調剤キャビネット130に配置され、主監視デバイスハブ137に結合される。第1及び第2監視デバイス135A、135Bは、調剤キャビネット130において、臨床医の顔及び/または手を取得してもよい。この例示において、第1及び第2監視デバイス135A、135Bは、記録(例えば、動画、音声及び/または静止画)を取得してもよく、流用コントローラ110(例えば、検知エンジン115)は、記録と関連する1つまたは複数の取引記録を生成してもよい。検知エンジン115は、記録及び/または関連した取引記録を、第1及び第2監視デバイス135A、135Bから、調剤キャビネット130の主監視デバイスハブ137に送信してもよい。
【0030】
図2に示す例において、補助デバイス170は、有線または無線接続を通じて(例えば、ネットワーク150を通じて)、調剤キャビネット130に結合されてもよい第1補助デバイス170A及び第2補助デバイス170Bを含む。第1補助デバイス170Aは、ネットワーク150を通じて主監視デバイスハブ137と通信してもよい第1補助監視デバイスハブ137Aを含んでもよい。第1補助デバイス170Aは、記録を取得してもよい第3及び第4監視デバイス135C、135Dを含んでもよく、検知エンジン115は、記録と関する1つまたは複数の取引記録を生成してもよい。検知エンジン115は、記録及び/または関連した取引記録を、第3及び第4監視デバイス135C、135Dから、第1補助監視デバイスハブ137Aに送信してもよい。第1補助監視デバイスハブ137Aから、検知エンジン115は、主監視デバイスハブ137に記録及び/または関連した取引記録を送信してもよい。
【0031】
ある実施の形態において、第2補助デバイス170Bは、第2補助監視デバイスハブ137Bを含んでもよく、第2補助監視デバイスハブ137Bは、第1補助監視デバイスハブ137Aと同様に、ネットワーク150を通じて主監視デバイスハブ137と通信してもよい。第2補助デバイス170Bは、記録を取得できる第5監視デバイス135E、第6監視デバイス135F、及び第7監視デバイス135Gを含んでもよい。検知エンジン115は、第5及び第6監視デバイス135E、135Fからの記録に関連した1つまたは複数の取引記録、及び/または関連した取引記録を第5及び第6監視デバイス135E、135Fから第2補助監視デバイスハブ137Bに生成してもよい。第2補助監視デバイスハブ137Bから、検知エンジン115は、記録及び/または関連した取引記録を主監視デバイスハブ137に送信してもよい。しかしながら、ある実施の形態において、検知エンジン115は、記録及び/または関連した取引記録を第7監視デバイス135G(または1つまたは複数の他の監視デバイス)から主監視デバイスハブ137に直接送信してもよい。ある実施の形態において、第8監視デバイス137Hは、1つの補助デバイス170から離れて、患者の部屋における他の位置において配置されてもよい。検知エンジン115は、第8監視デバイス135Hからの記録及び/または関連した記録を、ネットワーク150を通じて主監視デバイスハブ137に直接送信してもよい。
【0032】
図3は、いくつかの実施例による調剤キャビネット130を示す。図3に示すように、調剤キャビネット130は、例えば、第1引き出し220A、第2引き出し220B、第3引き出し220C、第4引き出し220D等を含む複数の引き出しを含んでもよい。調剤キャビネット130の監視システム135は、例えば、図2において説明された監視デバイスと同一または類似であってもよい第1カメラ210A、第2カメラ210B、第3カメラ210C、第4カメラ210D、第5カメラ210E等を含む複数のカメラを含んでもよい。一方で、調剤キャビネット130は、キーボード、モニタ、タッチスクリーン等を含んでもよい入力/出力デバイス230をさらに含んでもよい。入力/出力デバイス230は、識別装置135B及び/またはクライアント140の一部であってもよいと認識されよう。例えば、調剤キャビネット130をアクセスする個人は、入力/出力デバイス230を通じて、個人を一意的に特定する識別番号及び/またはパスコードを入力してもよい。さらに、調剤キャビネット130は、図示された数量と異なる数量のカメラ及び/または引き出しを含んでもよい。
【0033】
図3に示すように、監視システム135におけるそれぞれのカメラは、異なる視野を有してもよく、1つまたは複数のトリガーイベントの検知によって起動されてもよい。例えば、第1カメラ210Aは、調剤キャビネット130にアクセスする個人の顔を含む画像、音声及び/または動画を取得するように構成された前向きカメラであってもよい。第1カメラ210Aは、個人が入力/出力デバイス230に相互作用すると起動されてもよい。一方で、第2カメラ210B、第3カメラ210C、第4カメラ210D、及び第5カメラ210Eは、対応する引き出しの内部の画像及び/または動画を取得するように構成された下向きカメラであってもよい。例えば、第2カメラ210Bは、第1引き出し220Aが開けられたことに応じて起動されてもよい。第2カメラ210Bは、薬が第1引き出し220Aから取り出される及び/または第1引き出し220Aに返却される画像及び/または動画をさらに取得してもよい。代わって及び/または加えて、第3カメラ210Cは、第2引き出し220Bが開けられたことに応じて起動されてもよい。第3カメラ210Cは、薬が第2引き出し220Bから取り出される及び/または第2引き出し220Bに返却される画像及び/または動画をさらに取得してもよい。
【0034】
いくつかの例示的な実施の形態において、第1カメラ210A、第2カメラ210B、第3カメラ210C、第4カメラ210D、及び/または第5カメラ210Eは、個人が調剤キャビネット130にアクセスするとき等のトリガーイベント(下記においてより詳細に説明される)の検知によって、起動されてもよい。例えば、個人が調剤キャビネット130にアクセスして、未使用の薬を第1引き出し220Aに返却すると、第2カメラ220Bは、第1引き出し220Aに未使用の薬を返却する個人の画像及び/または動画を取得するように起動されてもよい。これらの画像及び/または動画は、例えば、未使用の薬に細工しようとすることを含む流用の証拠を提供してもよい。代わって及び/または加えて、第1カメラ220Aは、個人の顔を含む画像及び/または動画を取得するように起動されてもよい。これらの画像及び/または動画、及び検知エンジン115によって生成された関連した取引記録は、調剤キャビネット130に薬を返却する個人の身元を裏付けるように使用されてもよい。
【0035】
代わって及び/または加えて、監視システム135は、調剤キャビネット130の引き出しから取り出された薬の数、または用量における薬の量(例えば、錠剤の数)を数えるように使用されてもよい。例えば、検知エンジン115は、対応する引き出しに向かっている少なくとも1つのカメラ(例えば、第2カメラ210B、第3カメラ210C、第4カメラ210D、及び第5カメラ210E)からの記録に基づいて、特定の引き出しから取り出された薬の量を特定してもよい。流用コントローラ110は、記録に基づいて、調剤キャビネット130の引き出しから正しい量の薬が取り出されたのかを特定してもよい。
【0036】
例えば、入力/出力デバイス230を通じて、流用コントローラ110は、臨床医に対して、入力/出力デバイス230において、引き出しから取り出した薬の量を示し、薬のタイプまたは薬に関する他の情報を示すバーコードまたは他の識別子をスキャンすること等を要求してもよい。取得された記録に基づいて、検知エンジン115は、検知された量を記録してもよく、検知された量を1つまたは複数のユーザ入力に基づいて期待された量に比較してもよい。比較に基づいて、検知エンジン115は、検知された量が期待された量に対応しないとき、流用と疑われるイベントが生じたことを特定してもよい。ある実施の形態において、流用イベントの検知または流用と疑われるイベントの検知に応じて、検知エンジン115は、1つまたは複数のアラートを生成してもよい。実際に取り出された薬の量を、臨床医によって取り出されるまたは廃棄されるべき薬の量と容易に及び正確に比較できるため、このような構成は、流用の検知を改善するように助けてもよい。このような構成は、(例えば、バーコードスキャンによって)間違った薬が取り出された及び/または期限切れの薬が取り出されたかを検知することを助けてもよい。
【0037】
構成は、システムのユーザのために確立されてもよい。構成は、起動するセンサまたは入力デバイスを特定してもよい。構成は、起動されたセンサまたは入力デバイスによって収集されるべき情報の特定を含んでもよい。例えば、起動のためにカメラが特定されると、取得する画像の数が構成によって特定されてもよい。ある実施例において、構成は、収集された情報の充分さを特定するための分析エンジンを特定してもよい。例えば、起動のためにカメラが特定されると、画像認識エンジンは、画像が適切な証拠記録(例えば、顔認識、薬認識、光学文字認識等)のための望ましい要素を特定するかを決定するように特定されてもよい。他の例示において、音声取得デバイスが特定されると、分析は、音量検知、音声認識、キーワードまたは発話認識等を含んでもよい。
【0038】
構成のセットは、適切な構成を動的に選択するように規定されてもよい。選択は、物質のタイプ(例えば、制御された物質の取引)、ユーザまたはユーザ分類(例えば、特定のユーザ、閾値のリスクスコアを有するユーザ、「ジュニア」看護スタッフ、派遣看護師(traveling nurses)等)、目撃セッションの時間(例えば、日中、夜間、平日、祝日等)、目撃場所(例えば、ユーザが担当するケアエリアの外で薬にアクセスしているか)、またはユーザまたは調剤取引の検知可能な特徴に基づいてもよい。システムは、構成の関連するパラメータを受信し、検証する制御要素を提供することによって、構成の定義を容易にするように、1つまたは複数のグラフィカルユーザインタフェースを含んでもよい。
【0039】
図4A図4Cは、調剤キャビネット130と、(例えば、有線または無線接続を通じて)調剤キャビネット130に結合されてもよい第1及び第2補助デバイス170A、170Bの側面図を示す。図示されるように、1つまたは複数の監視デバイスが、様々な位置において配置されてもよい。例えば、調剤キャビネット130において、第1監視デバイス(例えば、第1カメラ210A)は臨床医の顔及び/または入力/出力デバイス230のキーボード(図5Aも参照)を取得するように配置されてもよく、第2カメラ(例えば、第2カメラ210B)は調剤キャビネット130の引き出しを移動させて及び/または調剤キャビネット130から薬を取り出す臨床医を取得するように配置されてもよく、第3カメラ(例えば、第3カメラ210C)は引き出しの内容を取得するように配置されてもよい。図4Bに示すように、第1補助デバイス170Aは、調剤キャビネット130の引き出しを移動させて及び/または第1補助デバイス170Aの引き出し(図5Bも参照)から薬を取り出す臨床医を取得するように配置されてもよい第4カメラ(例えば、第4カメラ210D)と、引き出しの内容を取得するように配置されてもよい第5カメラ(第5カメラ210E)とを含んでもよい。ある実施の形態において、第2補助デバイス170Bは、患者の部屋の1つまたは複数の領域を取得する第6カメラ(例えば、第6カメラ210F)を含む。
【0040】
図1をまた参照すると、1つまたは複数のデータシステム160は、インベントリシステム160A、患者ケアシステム160B、管理システム160C及び電子医療記録(EMR)システム160Dを含んでもよい。ある実施の形態において、トリガーイベントが生じると、監視システム135が調査的ワークフローを開始し(例えば、監視デバイスを通じて、動画、静止画、音声等を記録する)、記録に対応する1つまたは複数の取引記録を生成し、アラートを生成すること等をもたらす。トリガーイベントは、臨床医(または他の個人)が、患者の部屋に入室するとき、閾値時間(例えば、30秒、1分、5分、30分、または1時間以上)にわたって調剤キャビネット130から既定距離(例えば、1、2、3、4、または5フィート以上)内であるとき、調剤キャビネット130にアクセスしようとするまたはするとき、及び/または調剤キャビネット130の識別デバイス147に相互作用するときに生じてもよい。トリガーイベントは、加えてまたは代わって、1つまたは複数の監視デバイスが少なくとも部分的に塞がれた及び/または暗くなるとき等に生じてもよい。トリガーイベントは、加えてまたは代わって、流用者である可能性があると以前特定された個人が患者の部屋に入室したことを流用検知システムが検知したときに生じてもよい。
【0041】
例えば、調剤キャビネット130から患者のために薬を調剤する臨床医は、監視システム135に調査用ワークフローを開始することをもたらしてもよく、流用コントローラ110に調査用ワークフローに対応する取引記録を生成することをもたらしてもよい。それぞれの取引記録は、例えば、取引の開始及び/または終了時間を示すタイムスタンプと、臨床医の臨床医識別子と、調剤キャビネット及び/または補助デバイスのデバイス識別子と、患者の患者識別子と、調剤キャビネットから取り出された薬の薬識別子と、薬キャビネットから取り出された薬の量と、処方箋オーダー識別子と、インベントリ情報と、患者状態と、シフト識別子と、位置追跡識別子と、電子健康記録識別子と、取引タイプと、目撃者の識別子等とに対応する1つまたは複数の取引の値を含んでもよい。代わって及び/または加えて、臨床医が患者からの未使用の薬を廃棄するように廃棄ステーションを用いることは、タイムスタンプと、臨床医の臨床医識別子と、廃棄を目撃した他の臨床医の臨床医識別子と、廃棄ステーションのデバイス識別子と、患者の患者識別子と、廃棄される薬の識別子と、廃棄される薬の量等とを含む他の取引記録の生成をトリガーしてもよい。本明細書において使用されるように、薬の「廃棄」は、施設のガイドライン及び/または政府の規則による物質の処理を意味してもよい。例えば、処方された鎮痛剤の正しい廃棄は、制御された物質が、1人または複数人の目撃者の存在下において、専用の容器(例えば、廃棄ステーション)に収集されることを要してもよい。
【0042】
流用コントローラ110は、トリガーイベントが検知されるとき、トリガーイベントが検知された後にトリガーイベントにおいて既定時間間隔(例えば、30秒、1分、30分、1時間、12時間毎に等)において、及び/またはトリガーイベントが検知された後連続的に、取引記録を生成してもよい。取引記録は、監視システム135の記録にリンクされ、調剤キャビネット130に送信され、及び/またはそこにローカルで格納されてもよい。ある実施の形態において、取引記録は、監視システム135の記録にリンクされ、流用が生じたことを検知し、流用者である可能性がある者を特定するように、後でアクセスし及び/またはフィルタするようにデータベースに送信されてもよい。図6は、調剤キャビネット130及び/または流用コントローラ110のデータベース120において格納される1つまたは複数の記録に対応する流用コントローラ110によって生成される取引記録602の例示を示す。
【0043】
加えて及び/または代わって、監視システム135の1つまたは複数の監視デバイスが少なくとも部分的に塞がれる等のトリガーイベントの検知に応じて、流用コントローラ110は、クライアント140においてユーザインタフェース145を通じて提供されてもよい通知を含んでもよいアラートをトリガーしてもよい。例えば、通知は、ショートメッセージサービス(SMS)テキスト、イーメール、ウェブページ、アプリケーション等を通じて提供されてもよい。加えて及び/または代わって、トリガーイベントの検知に応じて、流用コントローラ110は、監視システム135の1つまたは複数の監視デバイスのサンプリングレートの増加、動画及び/または画像を白黒の代わりにカラーで記録すること、監視システム135に追加の電子及び/またはメモリリソースを転用すること等をもたらしてもよい。
【0044】
取得され、例えば、流用コントローラ110、監視システム135、及び/または識別デバイス147によって監視システム135の記録にリンクされたデータ(例えば、取引記録)の少なくとも一部は、対応する記録とともに、調剤キャビネット130において格納されてもよく、及び/またはネットワーク150を通じて流用コントローラ110(または流用コントローラ110に結合されたデータベース120)に送信されてもよい。
【0045】
代わって及び/または加えて、流用コントローラ110は、ネットワーク150を通じて、インベントリシステム160A、患者ケアシステム160B、管理システム160C、電子医療記録(EMR)システム160D等の1つまたは複数のデータシステム160からのデータを受信してもよい。1つまたは複数のデータシステム160は、非取引データを提供してもよいと認識されよう。例えば、EMRシステム160Dは、例えば、過去のオピオイドの使用等を含む患者の病歴をそれぞれ含む複数の電子医療記録(EMRs)を格納してもよい。患者のためにEMRを作成、更新、及び/または取り出すためにEMRシステム160Dと相互作用する臨床医は、タイムスタンプ取引記録を生成してもよいが、電子医療記録自体は取引記録ではなくてもよい。同様に、流用コントローラ110が、1つまたは複数の医療施設を通じた薬の流れに関するデータを提供できるいずれかの数のコンピュータシステムと結合されてもよいと認識されよう。1つまたは複数の医療施設を通じた薬の流れは、例えば、届けられ、インベントリシステム160Aに入れるところから調剤キャビネット130から吐出されるところまで、患者ケアシステム160Bを通じて患者に投与され、及び/または調剤キャビネット130において処理されることで最終的に廃棄されることを含む。例えば、インベントリシステム160Aは、1つまたは複数の医療施設において入手可能な薬の供給を追跡するように構成されてもよい。患者ケアシステム160Bは、例えば、患者制御鎮痛剤ポンプを含む患者に薬を投与するための1つまたは複数のデバイスを含んでもよい。管理システム160Cは、例えば、個人データ、シフトスケジュール、休暇日等を含む1つまたは複数の医療施設における職員を追跡してもよい。
【0046】
ある実施の形態において、インベントリシステム160A、患者ケアシステム160B、管理システム160C、及び/またはEMRシステム160Dは、例えば、患者記録、介護する者の記録、薬記録等を含む電子医療管理記録を提供してもよい。患者記録は、例えば、患者識別子、患者位置、人口統計、健康データ(例えば、痛みスケール、バイタル等)、介護する者の割り当て等を含んでもよい。介護する者の記録は、例えば、介護する者の識別子、介護する者のスケジュール及び/または実働時間、介護する者の位置、介護する者の患者割り当て等を含んでもよい。薬記録は、例えば、薬投与の日及び/または時間、投与された薬の識別、投与された薬の強さ及び/または濃度、投与された薬の用量、投与された薬の用量形態、薬オーダーの日及び/または時間、オーダーされた薬の強さ及び/または濃度、オーダーされた薬の用量、オーダーされた薬の用量形態等を含んでもよい。
【0047】
流用コントローラ110において受信されたデータ(例えば、取得された記録、取引記録、及び非取引記録)は、リアルタイムにおいて流用コントローラ110によって評価されてもよく、及び/または後の時間における評価のための流用コントローラ110と結合されるデータベース120において格納されてもよい。例示の実施の形態において、流用コントローラ110は、流用コントローラ110において受信され、及び/またはデータベース120において格納されたデータに基づいて、薬の流用、薬の流用を示す怪しい行動等を検知して、流用または怪しい行動をフラグ(flag)する機械学習を含んでもよい。流用コントローラ110は、加えて及び/または代わって、取引記録を生成すること、取引記録を対応する記録にリンクすること、1つまたは複数の関連した取引記録に基づいて取引記録をフィルタすること、及び/またはフィルタされた取引記録に基づいて1つまたは複数のアラートをトリガーすることによって、薬の流用または薬の流用と疑われることを検知するように構成された検知エンジン115を含んでもよい。
【0048】
ある実施の形態において、検知エンジン115を通じて、流用検知システム100は、流用が生じたまたは生じた可能性があることを示す変則的な行動を検知し、または他の方法で特定してもよい。変則的な行動は、上述のトリガーイベントを含んでもよい。ある実施の形態において、変則的な行動は、一致しない時間及び/または異常な頻度で調剤キャビネットにアクセスすることと、廃棄及び/または返却された薬における不規則性と、同じ臨床医を薬の廃棄の目撃者として日常的に選択することと、臨床医が他の臨床医の後に閾値量の時間内に薬管理デバイスを日常的にアクセスしてテールゲートする(tailgating)ことと、退院した及び/または死亡した患者のための薬の取り出しと、過剰な取消及び/または無視等を含んでもよい。例えば、患者に割り当てられた1人の介護する者は、(例えば、管理システム160Cからのデータによって示されるように)一致しない時間において、同じ患者に割り当てられた他の介護する者に対して異常な頻度で、及び/またはその個人の予定されたシフトと一致しない時間で、調剤キャビネットにアクセスする可能性がある。他の例示として、介護する者は、患者が痛みにおける変化を報告しない場合であっても、他の介護する者に対して、シフト中に薬のより高い合計用量の投与を調剤し、記録してもよい。代わって及び/または加えて、患者は、介護する者が患者に、患者に割り当てられた他の介護する者と同じ合計用量の薬を投与した場合においても、不十分な鎮痛作用を報告する可能性がある。介護する者が調剤キャビネット130から薬を調剤するときから、患者に薬を投与して、廃棄のために調剤キャビネット130に未使用の薬を返却するときまで、異常に長い時間が経過する場合がある。
【0049】
図7は、いくつかの実施例によって、流用検知システム(例えば、流用検知システム100)によって、薬が流用された可能性があるような流用と疑われるイベントを特定するように証拠を生成するプロセス700を示す。流用と疑われるイベントは、薬の配合、調剤、投与及び/または廃棄の間のいずれかの時点において生じ得る。例えば、流用イベントは、多様である可能性があり、調剤することが許可されているより多くの用量の取り出し、用量を取り出して不正な用量と交換すること、制御された液体物質を塩水または他の液体と交換すること、間違ったタイプの薬の取り出し、及び/または類似の形態を含む。流用検知システムは、薬を含む少なくとも1つの調剤キャビネットを含んでもよい。流用検知システムは、加えて及び/または代わって、少なくとも1つの調剤キャビネットを含む検知の領域を有する監視デバイスを含んでもよい。
【0050】
702において、流用コントローラ(例えば、流用コントローラ110)は、薬を含む調剤キャビネット(例えば、調剤キャビネット130)におけるトリガーイベントを検知してもよい。調剤キャビネットは、有線または無線接続を通じて流用コントローラに結合されてもよい。ある実施の形態において、トリガーイベントは、臨床医(または他の個人)が、患者の部屋に入室すること、調剤キャビネットに結合された移動検知デバイスによって検知される、個人が閾値時間(例えば、30秒、1分、5分、30分、または1時間以上)にわたって調剤キャビネットから既定距離(例えば、1、2、3、4、または5フィート以上)内に配置されること、個人が調剤キャビネットにアクセスするまたはしようとすること、及び/または個人が調剤キャビネットの識別デバイス(例えば、識別デバイス147)、または調剤キャビネットの引き出し及び/または調剤キャビネットに結合された入力/出力デバイス等の調剤キャビネットの他の部分(または補助デバイス)に相互作用することを含んでもよい。トリガーイベントは、加えてまたは代わって、1つまたは複数の監視デバイスが少なくとも部分的に塞がれた及び/またはダメージを受けることを含んでもよい。トリガーイベントは、加えてまたは代わって、流用者である可能性があると以前特定された個人が患者の部屋に入室したことを流用検知システムが検知することを含んでもよい。
【0051】
704において、流用コントローラは、トリガーイベントの検知に応じて、記録を取得するように1つまたは複数の監視デバイスを起動してもよい。記録は、流用キャビネットにおいて生じた流用と疑われるイベントを含む可能性がある。1つまたは複数の監視デバイス(例えば、監視システム135からの1つまたは複数の監視デバイス)は、ビデオカメラ、静止画カメラ、音声リコーダ等を含むいずれかの記録デバイスを含んでもよい。監視デバイスは、調剤キャビネット、調剤キャビネットに結合した補助デバイス等の補助デバイス、及び/または患者の部屋に結合され、そこに配置され、またはその一部を他の方法によって形成してもよい。監視デバイスは、例えば、薬を取り出す及び/または返却するように調剤キャビネットにアクセスする個人の画像、動画及び/または音声記録を取得するように構成されてもよい。
【0052】
ある実施の形態において、トリガーイベントを検知すると、監視システムは、例えば、1つまたは複数の監視デバイスを移動させ、1つまたは複数の監視デバイスの焦点及び/またはズームを変更し、及び/または(例えば、調剤キャビネットにおける、調剤キャビネットの引き出し内における、補助デバイスにおける、及び/または他の位置における)追加の監視デバイスを起動させてもよく、例えば、調剤キャビネット内の薬を操作する個人の手の俯瞰撮影等の特定の角度における個人の画像及び/または動画を取得してもよい。704における起動は、取引に適用可能な構成に基づいて動的であってもよい。704における起動は、構成のセットから適切な構成を選択するために必要な基準を収集することを含んでもよい。
【0053】
706において、1つまたは複数の取引記録は、流用コントローラによって生成されてもよい。ある実施例において、1つまたは複数の取引記録は、少なくとも流用と疑われるイベントを有する記録の部分にリンクされてもよい。例えば、取引記録は、記録において取得された流用と疑われるイベントに関連されてもよい。それぞれの取引記録は、例えば、取引の開始及び/または終了時間を示すタイムスタンプと、臨床医の臨床医識別子と、調剤キャビネット及び/または補助デバイスのデバイス識別子と、(例えば、調剤キャビネット、補助デバイスの上またはその中に、または他の位置に配置される)監視デバイスの監視デバイス識別子と、患者の患者識別子と、調剤キャビネットから取り出された薬の薬識別子と、薬キャビネットから取り出された薬の量と、処方箋オーダー識別子と、インベントリ情報と、患者状態と、シフト識別子と、位置追跡識別子と、電子健康記録識別子と、取引タイプと、目撃者の識別子等と、に対応する1つまたは複数の取引の値を含んでもよい。代わって及び/または加えて、臨床医が患者からの未使用の薬を廃棄するように廃棄ステーションを用いることは、タイムスタンプと、臨床医の臨床医識別子と、廃棄を目撃した他の臨床医の臨床医識別子と、廃棄ステーションのデバイス識別子と、患者の患者識別子と、廃棄される薬の識別子と、廃棄される薬の量等と、を含む他の取引記録の生成をトリガーしてもよい。したがって、取引記録は、薬を取り出す及び/または返却するように調剤キャビネットにアクセスする1人または複数人の個人に関連するデータを含んでもよい。
【0054】
加えて及び/または代わって、監視システム及び/または流用コントローラは、例えば、調剤キャビネット及び/または補助デバイスから薬を取り出す、及び/または調剤キャビネット及び/または補助デバイスに未使用の薬を返却するように、調剤キャビネット、補助デバイス及び/または患者ケア室にアクセスする個人に関連する取引記録を取得するように構成されてもよい。代わって及び/または加えて、例えば、調剤キャビネット及び/または補助デバイスへのログイン及び/またはログアウト、調剤キャビネット及び/または補助デバイスにおける患者及び/または薬の検索、患者記録レビュー、調剤キャビネット及び/または補助デバイス内の薬を数えて記録すること、薬の充填及び再充填、調剤キャビネット及び/または補助デバイスからの薬を入れること(loading)及び/または戻すこと(unloading)、不一致の記録、取引(例えば、調剤、充填/再充填、入れること/戻すこと、数えること、廃棄、返却等)の取消等の間における取引記録を取得してもよい。
【0055】
上記のように、1つまたは複数の取引記録を生成することは、少なくとも取得された流用と疑われるイベントを含む記録の部分に1つまたは複数の取引記録をリンクすることを含んでもよい。例えば、1つまたは複数の取引記録は、トリガーイベント(例えば、取引)の開始及び/または終了時間を示すタイムスタンプ、記録を取得した監視デバイス(例えば、調剤キャビネット及び/または補助デバイス)に結合され、デバイスを特定するデバイス識別子、(例えば、調剤キャビネット、補助デバイス、または他の位置の上またはその中に配置された)記録のうち関連を有する部分を取得した監視デバイス監視デバイス識別子、調剤キャビネットをアクセスした臨床医を特定する臨床医識別子、調剤キャビネットから取り出され及び/または廃棄された薬を特定する薬識別子等に関連した取引記録を格納することによって、記録の全部または一部にリンクされてもよい。少なくとも取得された流用と疑われるイベントを含む記録の一部に1つまたは複数の取引記録をリンクすることは、記録のそれぞれの部分を関連した取引記録によってより容易にフィルタすることを可能にする。これは、流用イベントが生じたか否かを特定するために必要なデバイスリソース(例えば、パワー、処理時間、メモリ、ネットワーク帯域幅等)を減少させることを可能にする。例えば、このような構成は、取引記録及び/または記録の関連のある部分をより速く分類し、流用が生じたかを速く及び/または効率良く特定し、流用イベントが生じた場合、流用イベントに関連する個人、薬及び/または患者を速く及び/または効率良く特定することを助けることができる。したがって、少なくとも流用と疑われるイベントを含む記録の一部に取引記録をリンクすることは、流用が生じたこと及び流用に関連した臨床医または患者を特定するために要する時間を大幅に減少し、流用イベントが生じることまたは続くことを抑制し、及び/または流用が生じる可能性を減少させることができる。
【0056】
ある実施の形態において、生成された取引記録と、リンクされた記録の少なくとも一部とは、調剤キャビネットにおいて主監視デバイスハブに送信される。したがって、708において、1つまたは複数の取引記録と、1つまたは複数の監視デバイスにおいて取得される記録とは、調剤キャビネットにおいて格納されてもよい。例えば、生成された取引記録と、リンクされた記録の少なくとも一部とは、1つまたは複数の監視デバイスから直接送信されてもよい。他の例示として、生成された取引記録と、リンクされた記録の少なくとも一部とは、まず、1つまたは複数の補助デバイスにおいて位置する補助監視デバイスハブに送信され、その後に、調剤キャビネットにおける主監視デバイスハブにおいて送信されてもよい。言い換えれば、調剤キャビネットは(例えば、主監視デバイスハブを通じて)、生成された取引記録と、リンクされた記録の少なくとも一部を(例えば、一時的に)受信及び/または格納してもよい。
【0057】
710において、1つまたは複数の取引記録と、1つまたは複数の監視デバイスによって取得された関連する記録とは、流用コントローラに結合されたデータベースにおいてアクセスされてもよい。ある実施の形態において、生成された取引記録と、リンクされた記録の少なくとも一部とは、流用コントローラと結合されたデータベースに送信されてもよい。例えば、生成された取引記録と、リンクされた記録の少なくとも一部とは、1つまたは複数の監視デバイス、補助監視デバイスハブ、及び/または主監視デバイスハブから直接送信されてもよい。したがって、ある実施の形態において、生成された取引記録と、リンクされた記録の少なくとも一部とは、まず、調剤キャビネットに送信され、その後、流用コントローラに結合されたデータベースに送信されてもよい。流用コントローラに結合されたデータベースは、主監視デバイスハブ及び/または調剤キャビネットに対して遠隔に配置されてもよい。
【0058】
712において、記録を有する複数の記録は、データベースにおいて、1つまたは複数の取引記録に基づいて、流用と疑われるイベントが生じたかを特定するように、フィルタされてもよい。例えば、1つまたは複数の取引記録が選択されてもよい。1つまたは複数の取引記録の選択に基づいて、流用コントローラは、流用コントローラと結合したデータベースをアクセスしてもよく、調剤キャビネットから離れたディスプレイ等の流用コントローラと結合したユーザ入力/出力を通じて、少なくとも選択された取引記録とリンクされた記録の一部を表示してもよい。
【0059】
714において、流用コントローラは、フィルタされた取引記録と記録とに基づいて、流用と疑われるイベントが生じたことを検知してもよい。例示の実施の形態において、流用コントローラは、取引記録及び/または記録に基づいて、薬の流用を示す怪しいまたは変則的な行動等に基づいて流用と疑われるイベントが生じたことを検知して、流用または行動をフラグしてもよい。例えば、流用コントローラは、(記録とリンクされた取引記録に基づいて特定されてもよい)流用と疑われるイベントに関連した個人が、変則的な行動を示したことを特定してもよい。
【0060】
変則的な行動は、上述のトリガーイベントを含んでもよい。ある実施の形態において、変則的な行動は、一致しない時間及び/または異常な頻度で調剤キャビネットにアクセスすることと、廃棄及び/または返却された薬における不規則さと、同じ臨床医を薬の廃棄の目撃者として日常的に選択することと、臨床医が他の臨床医の後に閾値量の時間内に薬管理デバイスを日常的にアクセスしてテールゲートする(tailgating)ことと、退院した及び/または死亡した患者のための薬の取り出しと、過剰な取消及び/または無視等を含んでもよい。ある実施の形態において、変則的な行動は、1つまたは複数の監視デバイスがブロックされたまたは少なくとも部分的に塞がれたことを特定することを含んでもよい。例えば、1つまたは複数のセンサ(例えば、光センサ、移動センサ等)は、1つまたは複数の監視デバイスがブロックされたまたは少なくとも部分的に塞がれたことを特定してもよい。
【0061】
716において、流用コントローラは、流用と疑われるイベントが生じたことの特定に応じて、流用と疑われるイベントが生じた及び/または生じた可能性があることを示すアラートを生成してもよい。アラートは、クライアント、調剤キャビネット、及び/または遠隔ディスプレイにおいてユーザインタフェースを通じて提供されてもよい通知を含んでもよい。例えば、通知は、ショートメッセージサービス(SMS)テキスト、イーメール、ウェブページ、アプリケーション等を通じて提供されてもよい。加えて及び/または代わって、監視システムの1つまたは複数の監視デバイスが少なくとも部分的に塞がれる等の初期トリガーイベントの検知に応じて、流用コントローラは、アラートをトリガーしてもよい。
【0062】
加えて及び/または代わって、流用コントローラは、流用と疑われるイベントが生じた旨の特定に応じて、環境における調剤キャビネットまたは他のハードウェアを制御するようにメッセージを送信してもよい。例えば、制御メッセージは、調剤キャビネットをロックするように、または他の方法で、調剤キャビネットの1つまたは複数の引き出しへのアクセスを防止するように送信されてもよい。加えて及び/または代わって、流用コントローラは、流用と疑われるイベントが生じた旨の特定に応じて、調剤キャビネットへのアクセスを許可する前に追加の目撃者、追加の証拠収集、または他の権限を要求してもよい。したがって、本明細書にて説明される流用検知システムは、望ましくは、流用を生じさせた個人をより容易に及び早急に特定するように助ける薬の流用の有益及び分類可能な証拠を生成させてもよい。
【0063】
図8に示すように、コンピュータシステム800は、プロセッサ810、メモリ820、記憶デバイス830、及び入力/出力デバイス840を含んでもよい。プロセッサ810、メモリ820、記憶デバイス830、及び入力/出力デバイス840は、システムバス850を通じて互いに接続されてもよい。プロセッサ810は、コンピュータシステム800内の実行のために命令を処理することができる。ある例示的な実施の形態において、プロセッサ810は、シングルスレッド(single-threaded)プロセッサであってもよい。代わって、プロセッサ810は、マルチスレッド(multi-threaded)プロセッサであってもよい。プロセッサ810は、入力/出力デバイス840を通じて提供されるユーザインタフェースのためのグラフィカル情報を表示するように、メモリ820、及び/または記憶デバイス830に格納される命令を処理できる。
【0064】
メモリ820は、コンピュータシステム800内に情報を格納する揮発性または不揮発性等のコンピュータ可読媒体である。メモリ820は、例えば、構成対象データベースを表すデータ構造を格納してもよい。記憶デバイス830は、コンピュータシステム800のための永続的なストレージを提供できる。記憶デバイス830は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、またはテープデバイス、または他の適切な永続的なストレージ手段であってもよい。入力/出力デバイス840は、コンピュータシステム800のための入力/出力操作を提供する。ある例示的な実施の形態において、入力/出力デバイス840は、キーボード及び/またはポインティングデバイスを含んでもよい。様々な実施の形態において、入力/出力デバイス840は、グラフィカルユーザインタフェースを表すディスプレイユニットを含む。
【0065】
例示的な実施の形態において、入力/出力デバイス840は、ネットワークデバイスのために入力/出力操作を提供してもよい。例えば、入力/出力デバイス840は、1つまたは複数の有線及び/または無線ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット)とともに通信するイーサネットポートまたは他のネットワークポートを含んでもよい。
【0066】
ある例示的な実施の形態において、コンピュータシステム800は、様々な形式におけるデータの分類、分析及び/または格納のために使用できる様々な双方向なコンピュータソフトウェアアプリケーションを実行するように使用されてもよい。代わって、コンピュータシステム800は、ソフトウェアアプリケーションを実行するように使用されてもよい。これらのアプリケーションは、様々な機能、例えば、計画機能(例えば、スプレッドシートドキュメント、ワードドキュメント及び/または他のいずれかの対象物の生成、管理、編集)、コンピュータ機能、通信機能等を実行するように使用されてもよい。アプリケーションは、様々なアドイン機能を含んでもよく、または独立したコンピュータ製品及び/または機能であってもよい。アプリケーション内の起動によって、機能は、入力/出力デバイス840を通じて提供されるユーザインタフェースを生成するように使用されてもよい。ユーザインタフェースは、生成されてもよく、コンピュータシステム800(例えば、コンピュータスクリーンモニタ等)によってユーザに提示されてもよい。
【0067】
いくつかの実施の形態は、流用検知に関する証拠生成を説明する。追加的にまたは代替的に追従を確認するように、特徴が含まれてもよい。例えば、システムの態様は、学校内において、特定の学生に薬を調剤するように提供されてもよい。説明された特徴は、どの学生がどの薬を特定の場所及び時間において摂取したかを示す証拠の生成を容易にする。関連を有するデータ点の誘導された収集は、初心者(例えば、子供)に、適切な薬を効率的に及び安全に受け取ることを可能にする。
【0068】
本明細書にて説明される主題の1つまたは複数の態様または特徴は、デジタル電子回路、統合された回路、特別に設計されたASICs、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはその組み合わせによって実現されてもよい。これらの様々な態様または特徴は、データおよび命令を記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスから受信して及びデータおよび命令をそこに送信するように結合された、特殊用途または汎用用途であってもよい少なくとも1つのプログラム可能プロセッサを含むプログラム可能システム上で実行可能及び/または解釈可能である1つまたは複数のコンピュータプログラムにおける実施を含んでもよい。プログラム可能なシステムまたはコンピュータシステムは、クライアント及びサーバを含んでもよい。クライアント及びサーバは、互いから離れており、通常、通信ネットワークを通じて相互作用する。クライアント及びサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いに対してクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。
【0069】
これらのコンピュータプログラムは、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、構成要素、またはコードとも称され、プログラム可能なプロセッサ用の機械命令を含み、高レベルの手続き型及び/またはオブジェクト指向プログラミング言語、及び/またはアセンブリ/機械言語で実装してもよい。本明細書にて使用されるように、用語「機械可読媒体」は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、及びプログラマブルロジックデバイス(PLD)等、機械命令及び/またはデータをプログラム可能プロセッサに提供するために使用され、機械命令を機械可読信号として受信する機械可読媒体を含む、いずれかのコンピュータプログラム製品、装置及び/またはデバイスを示す。用語「機械可読信号」は、プログラム可能プロセッサに機械命令及び/またはデータを提供するように使用するいずれかのシグナルを示す。機械可読媒体は、例えば、非一過性のソリッドステートメモリまたは磁気ハードドライブまたは任意の同等の記憶媒体のように、そのような機械命令を非一過的に格納できる。機械可読媒体は、代わってまたは加えて、例えば、1つまたは複数の物理プロセッサコアに関連するプロセッサキャッシュまたは他のランダムアクセスメモリのように、そのような機械命令を一時的に格納できる。
【0070】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に記載の主題の1つまたは複数の態様または特徴は、例えば陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)モニタ等、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイスと、例えばマウスまたはトラックボール等、それによってユーザがコンピュータに入力を提供できるキーボード及びポインティングデバイスと、を有するコンピュータ上に実装されてもよい。デバイスの他の種類は、ユーザとの相互作用を提供するように使用されてもよい。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または感触フィードバック等のいずれかの形式の感覚フィードバックであってもよく、ユーザからの入力は、音響、音声、触覚の入力を含むいずれかの形式で受信されてもよい。その他の入力デバイスとしては、タッチスクリーン、またはシングルポイントまたはマルチポイントの抵抗性または容量性トラックパッド等の他のタッチセンサーデバイス、音声認識ハードウェア及びソフトウェア、光学スキャナ、光学ポインタ、デジタル画像キャプチャデバイス、及び関連解釈ソフトウェア等が含まれる。
【0071】
上記の説明及び請求項において、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数の」等の語句には、要素または特徴の接続リストが続いて現れてもよい。用語「及び/または」は、2つまたは3つ以上の要素または特徴のリストにおいて生じてもよい。使用される文脈によって他に暗示的または明示的に矛盾しない限り、そのような語句は、記載された要素または特徴のいずれかを個別に、または記載された要素または特徴のいずれかを他の記載された要素または特徴と組み合わせている旨を意味することを意図する。例えば、語句「少なくともA及びBの1つ」、「A及びBの1つまたは複数」、及び「A及び/またはB」は、それぞれ、「Aのみ、Bのみ、またはA及びBをあわせて」との旨を意味することを意図している。3つ以上の物品を含むリストにおいても、同様な解釈を意図している。例えば、少なくとも「A、B、Cの1つ」、「A、B及びCの1つまたは複数」、「A、B、及び/またはC」は、それぞれ、「Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBをあわせて、A及びCをあわせて、B及びCをあわせて、またはA及びB及びCをあわせて」との旨を意味することを意図している。用語「基づいて」の使用は、記載されていない特徴または要素があってもよいように「少なくとも一部に基づいて」との旨を意味することを意図している。
【0072】
本明細書にて使用されるように「ユーザインタフェース」(相互作用インタフェース、グラフィカルユーザインタフェース、またはUIとも称される)は、入力信号を受信し、または電子情報を提供し、及び/またはいずれかの受信入力信号に応じてユーザに情報を提供するように、データフィールド及び/または他の制御要素を含むネットワークに基づくインタフェースを示してもよい。制御要素は、UIを介して提示されるダイヤル、ボタン、アイコン、選択可能な領域、または他の知覚可能な指標を含んでもよく、それらと相互作用(例えば、クリック、タッチ、選択等)するとき、UIを提示するデバイスのデータの交換を開始させる。UIは、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、FLASH(登録商標)、JAVA(登録商標)、.NET(登録商標)、ウェブサービス、またはリッチサイト要約(RSS)等の技術を全体または部分的に使用して実装されてもよい。いくつかの実施の形態では、UIは、説明された1つまたは複数の態様によって通信する(例えば、データを送信または受信する)ように構成されたスタンドアロンクライアント(例えば、シッククライアント、ファットクライアント)に含まれてもよい。通信は、医療デバイスまたはそれと通信しているサーバとの間であってもよい。
【0073】
本明細書にて使用されるように、用語「特定」または「特定する」は、多様な動作を包含する。例えば、「特定する」は、ユーザの介入なく、ハードウェア要素を通じて、算出する、計算する、処理する、引き出す、生成する、取得する、参照する(例えば、表、データベースまたは他のデータ構造において参照する)、確認すること等を含んでもよい。「特定する」は、ユーザの介入なく、ハードウェア要素を通じて、解消する、選択する、確立させること等を含んでもよい。
【0074】
本明細書にて使用されるように、用語「提供」または「提供する」は、多様な動作を包含する。例えば、「提供する」は、後の取り出しのために記憶デバイスの位置において値を格納すること、少なくとも1つの有線または無線の通信媒体を通じて、受信者に直接値を送信すること、値の参照を送信または格納すること等を含んでもよい。「提供する」は、ハードウェア要素を通じて、エンコードする、デコードする、暗号化する、復号化する、検証する、確認すること等を含んでもよい。
【0075】
本明細書にて使用されるように、用語「メッセージ」は、情報を通信する(例えば、送信または受信する)ための多様な形式を包含する。メッセージは、XMLドキュメント、固定フィールドメッセージ、カンマ区切りメッセージ等の機械可読な情報の蓄積を含んでもよい。ある実施の形態において、メッセージは、情報の1つまたは複数の表現を送信するように使用される信号を含んでもよい。単数において記載されると、メッセージが、複数の部分において、構成、送信、格納、受信等されてもよいと理解されよう。
【0076】
本明細書において使用されるように、用語「対応」または「対応する」は、2つ以上の対象、データセット及び/または情報等の間の構造的、機能的、定量的及び/または定性的な相関又は関係を包含し、望ましくは、対応または関係が、1つまたは2つ以上のオブジェクト、データセット、及び/または情報等の1つ又は複数を、同一又は同等であるように見えるように変換するために用いられてもよい。対応関係は、閾値、値域、ファジーロジック、パターンマッチング、機械学習評価モデル、またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を使用して評価されてもよい。
【0077】
いずれかの実施の形態において、生成または検知されたデータは、「遠隔」なデバイスまたは位置に転送されてもよく、ここで、「遠隔」は、プログラムが実行される位置またはデバイスとは異なる位置またはデバイスを意味する。例えば、遠隔な位置は、同じ都市における異なる位置(例えば、オフィス、研究室等)、異なる都市における他の位置、異なる州における他の位置、異なる国における他の位置等であってもよい。そのため、ある物品が、他の物品から「遠隔」であると示されているとき、2つの物品が同じ部屋内にあってもよいが分離され、または少なくとも異なる部屋または異なる建物内であって、及び少なくとも1マイル、10マイル、または少なくとも100マイル離れていてもよいことを意味する。情報を「通信」することは、適切な通信チャネル(例えば、プライベートまたはパブリックネットワーク)上で、電気信号として情報を示すデータを送信することを意味する。物品を「転送する」ことは、物品を物理的に移動させて、または(可能である場合)他の方法によって、ある位置または次の位置にその物品を移すいずれかの手段を意味し、少なくともデータの場合において、データを運ぶ媒体を物理的に移動させる、またはデータを通信することを含む。通信メディアの例示は、他のコンピュータまたはネットワークされたデバイスへのネットワーク接続、及びインターネットまたはイーメール送信及びウェブサイトに記録された情報を含むとともに、ラジオまたは赤外線送信チャネルを含む。
【0078】
本明細書にて使用されるように、用語「制御」または「制御する」は、多様な動作を含む。例えば、デバイスを「制御する」ことは、デバイスの操作状態または機能状態を調節するように1つまたは複数のメッセージを送信することを含んでもよい。メッセージは、変更を示すように、デバイスのプロセッサによって実行される特定の命令を含んでもよい。「制御する」ことは、制御されるデバイスによってその後の取り出しのための記憶デバイスの位置における値を記憶することと、少なくとも1つの有線または無線通信媒体を通じて制御されるデバイスに直接値を送信することと、値に対する参照値を送信または記憶することと等を含んでもよい。例えば、制御メッセージは、制御されたデバイスのパワー源からのパワーのレベルを調節する値を含んでもよい。他の例示として、制御メッセージは、光、音声プレイバック、モータ、ロック、ポンプ、ディスプレイ、サーボ、または本明細書にて説明されるデバイスの他の構成要素等の制御されたデバイスの構造的要素を起動または無効化してもよい。「制御する」は、制御されたデバイスによって使用される構成値を調節することによってデバイスの間接的な制御を含んでもよい。例えば、制御メッセージは、デバイス特徴(例えば、温度、レート、周波数等)のための閾値を含んでもよい。閾値は、メモリ位置に記憶されてもよく、操作において制御されたデバイスによって参照されてもよい。
【0079】
本明細書において説明された主題は望ましい構成によって、システム、装置、方法及び/または物品によって実施されてもよい。上記の説明において記載された実施の形態は、本明細書にて説明された主題と一致する全ての実施の形態を示さない。これらは、単に、説明された主題に関する態様と一致するいくつかの例示である。上記で、いくつかの変形例が詳細に説明されているが、他の改造または追加は可能である。特に、さらなる特徴及び/または変形例は、本明細書にて説明されたものに加えて提供されてもよい。例えば、上記で説明された実施の形態は、開示された特徴の様々な組み合わせ及びサブコンビネーション、及び/または上記で開示された複数のさらなる特徴の組み合わせ及びサブコンビネーションに関してもよい。加えて、添付の図面に示された及び/または本明細書にて説明されたロジックフローは、望ましい結果を得るためには、示された特定の順番または連続的な順番を必要としない。他の実施の形態は、後続の請求項の範囲内にあってもよい。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7
図8
【国際調査報告】