(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(54)【発明の名称】指向性菌糸体繊維を形成する方法
(51)【国際特許分類】
A23L 13/00 20160101AFI20230327BHJP
A23J 3/00 20060101ALI20230327BHJP
A23J 3/22 20060101ALI20230327BHJP
A23L 19/00 20160101ALI20230327BHJP
【FI】
A23L13/00 Z
A23J3/00 504
A23J3/22
A23L19/00 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548998
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(85)【翻訳文提出日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 US2021017494
(87)【国際公開番号】W WO2021163216
(87)【国際公開日】2021-08-19
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520480784
【氏名又は名称】エマルジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ホワイトリー, ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】ハギンズ, ミッチェル タイラー
【テーマコード(参考)】
4B016
4B042
【Fターム(参考)】
4B016LC02
4B016LE03
4B016LG14
4B016LP03
4B042AC05
4B042AD36
4B042AE03
4B042AK16
4B042AP23
(57)【要約】
食肉代替製品を形成する方法は、真菌細胞が菌糸塊の乾燥質量の40重量%より高いタンパク質含有量を有する菌糸塊を産生するように、真菌細胞を成長培地中で成長させるステップを含む。方法は、菌糸塊を成長培地から分離するステップを含む。方法は、菌糸塊を型の基部に配置するステップを含む。方法は、フォロアを介して菌糸塊に一軸圧力を適用して、65体積%~85体積%の範囲の水分含有量を有し、型の形状に対応する形状を有する圧縮された菌糸塊を産生するステップを含む。圧縮された菌糸塊の複数の繊維は、適用された一軸圧力の方向と直交する方向に整列する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食肉代替製品を形成する方法であって、
真菌細胞が菌糸塊の乾燥質量の40重量%より高いタンパク質含有量を有する菌糸塊を産生するように、前記真菌細胞を成長培地中で成長させるステップ;
前記菌糸塊を前記成長培地から分離するステップ;
前記菌糸塊を型の基部に配置するステップであって、前記型が前記基部から伸びる側壁を有し、少なくとも前記型の前記基部が穿孔されている、ステップ;ならびに
フォロアを介して前記菌糸塊に一軸圧力を適用して、65体積%~85体積%の範囲の水分含有量を有し、前記型の形状に対応する形状を有する圧縮された菌糸塊を産生するステップを含み、
前記圧縮された菌糸塊の複数の繊維が、適用された前記一軸圧力の方向と直交する方向に整列する、方法。
【請求項2】
前記型の前記側壁が穿孔されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮された菌糸塊が鶏胸肉として成形されるように、前記型が鶏胸肉のような形状をしている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記一軸圧力が、25psi~300psiの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記菌糸塊が、x-y平面で前記型内において配向され、前記一軸圧力がz方向に適用される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記圧縮された菌糸塊をスライス平面に沿ってスライスして、それによって前記スライス平面に位置する前記複数の繊維の少なくとも一部を、前記スライス平面の配向に従って直交方向に整列させるステップ
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記スライス平面が、前記x-y平面に沿って配向され、それによって前記複数の繊維の一部を前記スライス平面と平行にし、鶏肉の食感をもたらす、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記スライス平面が、z-x平面に沿って配向され、それによって前記複数の繊維の一部を前記スライス平面と直交させ、牛肉の食感をもたらす、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記スライス平面が、前記x-y平面に沿って0度~60度の角度で配向され、それによって前記複数の繊維の一部を平行から、平行より0~60度傾斜させ、魚肉の食感をもたらす、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記圧縮された菌糸塊が、0.00035kgf/mm
2~0.018kgf/mm
2の範囲の硬さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記菌糸塊を前記成長培地から分離することにより、90重量%より高い水分含有量を有する分離された菌糸塊が産生される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
食肉代替製品を形成する方法であって、
菌糸塊の乾燥質量の40重量%より高いタンパク質含有量を有する前記菌糸塊を提供するステップ;
前記菌糸塊を型に配置するステップ;および
フォロアを介して前記菌糸塊に一軸圧力を適用して、65体積%~85体積%の範囲の水分含有量を有し、前記型の形状に対応する形状を有する圧縮された菌糸塊を産生するステップ
を含み、
前記圧縮された菌糸塊の複数の繊維が、適用された前記一軸圧力の方向と直交する方向に整列する、方法。
【請求項13】
前記圧縮された菌糸塊が鶏胸肉として成形されるように、前記型が鶏胸肉のような形状をしている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記一軸圧力が、25psi~300psiの範囲である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記菌糸塊が、x-y平面で前記型内において配向され、前記一軸圧力がz方向に適用される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記圧縮された菌糸塊をスライス平面に沿ってスライスし、それによって前記スライス平面に位置する前記複数の繊維の少なくとも一部を、前記スライス平面の配向に従って直交方向に整列させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記スライス平面が、前記x-y平面に沿って配向され、それによって前記複数の繊維の一部を前記スライス平面と平行にし、鶏肉の食感をもたらす、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記スライス平面が、z-x平面に沿って配向され、それによって前記複数の繊維の一部を前記スライス平面と直交させ、牛肉の食感をもたらす、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記スライス平面が、前記x-y平面に沿って0度~60度の角度で配向され、それによって前記複数の繊維の一部を平行から、平行より0~60度傾斜させ、魚肉の食感をもたらす、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記圧縮された菌糸塊が、0.00035kgf/mm
2~0.018kgf/mm
2の範囲の硬さを有する、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年2月14日に出願された米国特許仮出願第62/976,957号の利益および優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本開示は一般的に、真菌菌糸体に基づく食肉代替製品の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
非動物供給源に由来する高タンパク質含有量を提供することができる食用製品に対する需要はますます高まっている。個人の健康に関する認識の高まりが動因となって、タンパク質および繊維などの非動物供給源の構成成分を含む食用製品は、動物タンパク質に基づく製品より健康な代替品であると考えられている。特に、肉の組成および食感を模倣するが、非動物性の構成成分で構成され、ウシ、ニワトリ、およびブタなどの動物への依存を低減し、そのような動物によって課されるカーボンフットプリントを低減することができる食肉代替品の需要が高まっている。このように、非動物性食用製品の大規模生産および受け入れを促進することができる非動物性のタンパク質源が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本明細書に記載する実施形態は、一般的に、その食感および形態が動物の肉に類似する食肉代替製品を得るために指向性菌糸体繊維を形成する方法に関する。
【0005】
一部の実施形態では、食肉代替製品を形成する方法は、真菌細胞が菌糸塊の乾燥質量の40重量%より高いタンパク質含有量を有する菌糸塊を産生するように、真菌細胞を成長培地中で成長させるステップ;菌糸塊を成長培地から分離するステップ;菌糸塊を型の基部に配置するステップであって、型が基部から伸びる側壁を有し、少なくとも型の基部が穿孔されているステップ;およびフォロアを介して菌糸塊に一軸圧力を適用して、65体積%から85体積%の間の水分含有量を有し、型の形状に対応する形状を有する圧縮された菌糸塊を産生するステップを含み、圧縮された菌糸塊の複数の繊維は、適用した一軸圧力の方向と直交する方向に整列する。圧縮された菌糸体を異なる平面に再配向することおよびカットまたはスライスを作製することによって、鶏肉および牛肉などの異なる型の動物の肉に対応し得る様々な硬さおよび粘り強さの値をもたらすことができる。
【0006】
以下により詳細に考察される前述の概念および追加の概念(但し、そのような概念は相互に矛盾しない)の全ての組合せは、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると企図されることを認識すべきである。特に、本開示の最後に現れる特許請求される主題の全ての組合せは、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると企図される。
【0007】
本開示の前述の特色および他の特色は、添付の図面と共に以下の説明および添付の特許請求の範囲からより十分に明らかとなるであろう。これらの図面は、本開示に従ういくつかのインプリメンテーションのみを表し、したがってその範囲の限定ではないと考えられることを理解した上で、本開示を、添付の図面を使用することを通してさらに具体的かつ詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態に従う、指向性菌糸体繊維を形成する例としての方法のフローチャートである。
【0009】
【
図2】
図2Aは、
図1の方法によって得られた菌糸体ブロックの透視図である。
【0010】
図2B~2Dは、異なる平面に沿って得た
図2Aの菌糸体ブロックの断面図を例証する。
【0011】
【
図3】
図3Aは、一実施形態に従う、穿孔された基部を有する型の透視図である。
【0012】
図3Bは、別の実施形態に従う、穿孔された基部および穿孔された側壁を有する型の透視図を例証する。
【0013】
【
図4】
図4Aは、別の実施形態に従う、異なる配向でカットされ、肉の異なるカットに対応する圧縮された菌糸体の硬さの値のプロットを例証する。
【0014】
図4Bは、別の実施形態に従う、異なる配向でカットされ、肉の異なるカットに対応する圧縮された菌糸体の粘り強さの値のプロットを例証する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明全体を通して添付の図面を参照する。図面では、本文がそれ以外であることを規定していない限り、類似の記号は典型的に、類似の構成成分を同定する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載されている例示的なインプリメンテーションは、限定的でないことを意味する。本明細書に提示される主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他のインプリメンテーションを利用してもよく、他の変化を行ってもよい。本開示の態様を、本明細書に一般的に記載されるように、および図面に例証されるように、広く多様な異なる構成で配置する、置換する、組み合わせる、および設計することができ、それらの全ては、明示的に企図され、本開示の一部を構成することが容易に理解されるであろう。
【0016】
詳細な説明
本明細書に記載される実施形態は一般的に、その食感および形態が動物の肉に類似する食肉代替製品を得るために指向性菌糸体繊維を形成する方法に関する。特に、本明細書に記載される様々な実施形態は、真菌細胞を成長させて菌糸塊を産生する、菌糸塊を分離する、菌糸塊を型の基部に配置する、およびフォロアを介して菌糸塊に一軸圧力を適用して、圧縮された菌糸塊を産生する方法を提供する。菌糸塊に一軸圧力を適用することにより、力と直交する平面において長い繊維が産生される。圧縮された菌糸塊の複数の繊維を、適用した一軸圧力の方向に直交する方向に整列させることができる。食感の変化は、圧縮された菌糸塊を既定の平面に沿ってスライスすることによって達成され得る。様々な実施形態はまた、食品または食肉代替製品を形成するために食品添加物を添加することにも関する。食肉代替製品は、菌糸塊の乾燥質量の40重量%より高いタンパク質含有量を有する菌糸塊を含み得る。
【0017】
真菌菌糸体を成長させて、そこから食品を形成する方法の様々な実施形態は、例えば:(1)非動物供給源、すなわち真菌菌糸体からのタンパク質を含む食品を提供し、それにより動物供給源のタンパク質に対する依存を低減させ、そのカーボンフットプリントを低減させること;および(2)本物の肉のような感触および味を有するが、高いタンパク質含有量を送達する食肉代替製品を提供することを含む、1つまたは複数の利益を提供し得る。
【0018】
図1は、一実施形態に従う、食肉代替製品を形成するための例としての方法100のブロック図を例証する。簡単な概要では、方法100は、102で、真菌細胞を成長培地中で成長させるステップを含み得る。方法100は、104で、菌糸塊を成長培地から分離するステップを含み得る。方法100は、106で、菌糸塊を型に配置するステップを含み得る。方法100は、108で、菌糸塊に一軸圧力を適用して、圧縮された菌糸塊を形成するステップを含み得る。方法100は、110で、圧縮された菌糸塊をスライス平面に沿ってスライスするステップを含み得る。
【0019】
さらに詳細に、方法100は、102で、真菌細胞を成長培地中で成長させるステップを含み得る。真菌細胞は、Aspergillus、Fusarium、Neurospora、およびMonascus属を含む子嚢菌門および接合菌門からの真菌を含み得る。他の種は、BasidiomycotaおよびLentinula属の食用変種を含む。1つの属はNeurosporaであり、これは固相発酵を通して食品生産に使用される。Neurospora属は、非常に効率的なバイオマス産生ならびに複合糖質を分解する能力で知られている。Neurosporaのある特定の種に関して、公知のアレルゲンは検出されておらず、マイコトキシンレベルも産生されない。糸状菌の単独培養に加えて、複数の株を一度に培養して、最終バイオマスのタンパク質、アミノ酸、ミネラル、食感、および風味のプロファイルを調整することができる。
【0020】
成長培地は、数キログラムの真菌菌糸体を成長させることが可能なバット(vat)などの容器に含有され得る。成長培地を、最初の成長培地と呼ぶことができる。方法100は、真菌細胞が菌糸体を産生するように真菌細胞を成長培地中で成長させるステップを含み得る。成長培地は、栄養素(例えば、糖、窒素含有化合物、またはホスフェート含有化合物)を含み得る。成長培地は、糖、窒素含有化合物、およびホスフェート含有化合物のうちの1つまたは複数を含み得る。糖は、5g/L~50g/Lの範囲であり得る。例えば、糖は、包括的に5g/L、10g/L、20g/L、30g/L、40g/L、または50g/Lであり得る。糖は、スクロース、グルコース、フルクトース、糖蜜、または糖の混合物を含み得る。窒素含有化合物は、0.5g/L~10g/Lの範囲であり得る。例えば、窒素含有化合物は、包括的に0.5g/L、1g/L、2g/L、3g/L、4g/L、5g/L、または10g/Lであり得る。窒素含有化合物は、水酸化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、尿素、酵母エキス、ペプトン、または窒素含有化合物の混合物を含み得る。ホスフェート含有化合物は、0.1g/L~5g/Lの範囲であり得る。例えばホスフェート含有化合物は、包括的に0.1g/L、0.2g/L、0.3g/L、0.4g/L、0.5g/L、1g/L、2g/L、3g/L、4g/L、または5g/Lであり得る。ホスフェート含有化合物は、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸、またはホスフェート含有化合物の混合物であり得る。
【0021】
真菌細胞は、包括的に25℃~40℃の範囲の温度で成長させることができる。真菌細胞は、包括的に12時間~48時間の範囲で成長させることができる。成長しつつある真菌細胞は、5g/L~20g/Lの真菌細胞乾燥重量の収量を産生することができる。菌糸体は、40重量%(乾燥重量)より高いタンパク質含有量を有し得る。一部の実施形態では、菌糸体は、包括的に50%~65%(乾燥重量)のタンパク質含有量を有し得る。菌糸体は、少なくとも25mg/g粗タンパク質のメチオニンとシステインとの合計含有量を有し得る。
【0022】
一部の実施形態では、方法100は、ある体積のブロスを除去するステップ(例えば、吸い上げたブロス)を含む。吸い上げたブロスは、真菌細胞および成長培地を含有し得る。例えば、吸い上げたブロスは、真菌細胞および成長培地を含有する溶液を含み得る。ある体積のブロスを除去するステップは、ある体積のブロスを個別に除去するステップを含み得る。例えば、ある体積のブロスを、バッチプロセスにおいてブロスを含有する容器から吸い上げる、またはブロスから連続的に除去することができる。例えば、ある体積のブロスを、ブロスを含有する容器から連続プロセスで流出させることができる。
【0023】
方法100は、ブロスを含有する容器に新鮮な成長培地を加えるステップを含み得る。ブロスは、発酵ブロスであり得る。栄養素(例えば、糖、ホスフェート含有化合物、または窒素含有化合物)をバッチ成長構成で加えることができる。例えば、栄養素を既定の時間後(例えば、包括的に1時間、2時間、3時間、6時間、または12時間後)に加えることができる。新鮮な成長培地の栄養素がない場合またはその少なくとも1つの濃度を、操作102に記載される最初の成長培地の栄養素の濃度にすることができる。新鮮な成長培地は、最初の成長培地における真菌細胞の成長の間、最初の成長培地から失われた成長培地の体積より大きい、小さい、または等しい体積を有し得る。
【0024】
一例では、6時間後、新鮮な成長培地中の糖、ホスフェート含有化合物、および窒素含有化合物の濃度が増加する。栄養素をブロスに加えて新しいブロスを作製する。栄養素をブロスに加えて、新しいブロスの糖、ホスフェート含有化合物、および窒素含有化合物の濃度を、最初の成長培地の糖、ホスフェート含有化合物、および窒素含有化合物のそれぞれの濃度にする。
【0025】
一例では、少なくとも12時間後、ブロスの50%~95%を除去することができる。栄養素(例えば、糖、ホスフェート含有化合物、または窒素含有化合物)を含有する新鮮な培地を加えることができる。ブロスの栄養素濃度を、新鮮な成長培地を加えることによって増加させることができる。
【0026】
栄養素は、連続成長構成で加えることができる。例えば、ある体積のブロス(例えば、包括的に0.01体積%、1体積%、5体積%、10体積%、25体積%、50体積%、または95体積%)を、真菌細胞および成長培地を含有する容器から除去することができる。新鮮な成長培地を、ブロスを含有する容器に加えることができる。新鮮な成長培地は、連続流として提供することができる。容器中のブロスの体積を、指定されたレベルに留まるようにモニターすることができる。例えば、容器中のブロスの体積は、固定された体積に留まることができる。加えられる新鮮な成長培地の体積は、容器から失われたブロスの体積と等しくなり得る。
【0027】
方法100は、真菌細胞が菌糸塊の乾燥質量の40重量%より高いタンパク質含有量を有する菌糸塊を産生するように、真菌細胞を成長培地中で成長させるステップを含み得る。例えば、菌糸塊は、菌糸塊の乾燥質量の、包括的に45重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、または90重量%のタンパク質含有量を有し得る。
【0028】
方法100は、104で、菌糸塊を成長培地から分離するステップを含む。菌糸塊を成長培地から分離するステップは、重力による濾別(gravity straining)、遠心分離、ベルトプレス、フィルタープレス、機械プレス、ドラム乾燥、または任意の他の適したプロセスを使用して実施することができる。分離された菌糸塊は、90重量%より高い水分含有量を有し得る。例えば、分離された菌糸塊は、包括的に91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、96重量%、97重量%、98重量%、または99重量%の水分含有量を有し得る。分離プロセスの間、菌糸塊を水、エタノール、酸、塩基、または他の溶媒によって洗浄することができる。回収した濾液を再利用してもよく、または捨ててもよい。菌糸塊の細胞壁を、例えば溶解することを通して破壊することができる。溶解は、pHを4未満もしくは9より上に調整することによって、溶解酵素を加えることによって、温度を40℃~60℃の範囲に1時間~24時間の範囲で上昇させることによって、または任意の他の適した溶解方法によって実施してもよい。分離後、添加物(例えば、食品添加物)を菌糸塊と混合することができる。添加物は、例えば菌糸塊が食品に形成される場合、植物性または動物性タンパク質、脂肪、乳化剤、増粘剤、安定剤、および香味料を含み得る。
【0029】
方法100は、106で、菌糸塊を型に配置するステップを含み得る。菌糸塊を型に配置するステップは、菌糸塊を型の基部に配置するステップ、菌糸塊を型に入れるステップ、または菌糸塊を型に加えるステップを含み得る。型は、様々な形状およびサイズの型であり得る。例えば、型は、基部から伸びる側壁を有し得る。側壁は、菌糸塊を型の内部で保持することができる。一部の実施形態では、型の側壁は穿孔されている。一部の実施形態では、型の基部を、さらにまたはあるいは穿孔することができる。例えば、型の基部は、穴または穿孔を有し得る。一部の実施形態では、圧縮された菌糸塊が鶏胸肉として成形されるように、型は鶏胸肉のような形状をしている。他の実施形態では、型は、ササミ(chicken tender)、ステーキ(例えば、サーロイン、リブアイ、フィレミニヨン等)、または動物性の肉製品に類似の任意の他の適した形状のような形状をしている可能性がある。
【0030】
方法100は、108で、菌糸塊に一軸圧力を適用して、圧縮された菌糸塊を形成するステップを含み得る。菌糸塊に一軸圧力を適用するステップは、フォロアを介して圧力を適用して、圧縮された菌糸塊を産生するステップを含み得る。フォロアは、様々な形状およびサイズのフォロアであり得る。例えば、フォロアは、型に適合する形状を有するプレスまたは蓋を含み得る。フォロアは、菌糸塊に圧力を伝達し、65体積%~85体積%の範囲の水分含有量を有する圧縮された菌糸塊を形成することができる。例えば、圧縮された菌糸塊は、包括的に65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、または85重量%の水分含有量を有し得る。圧縮された菌糸塊は、型の形状に対応する形状を有し得る。菌糸塊に一軸圧力を適用することにより、菌糸体繊維が整列し、適用した一軸圧力に直交する平面で菌糸塊を形成する。菌糸塊に一軸圧力を適用する前に、菌糸体繊維を、菌糸塊全体にランダムな配向で配置してもよい。菌糸塊に一軸圧力を適用後、菌糸体繊維は、一軸圧力の方向に直交する平面で整列する。
【0031】
一部の実施形態では、一軸圧力の圧力は、25psi~300psiの範囲であり得る。例えば、圧力は包括的に25psi、50psi、75psi、100psi、125psi、150psi、175psi、200psi、225psi、250psi、275psi、または300psiであり得る。一部の実施形態では、菌糸塊は、x-y平面で型内において配向され、一軸圧力は、z方向に適用される。一部の実施形態では、圧縮された菌糸塊は、0.007kgf/mm2~0.018kgf/mm2の範囲の硬さを有する。
【0032】
方法100は、110で、圧縮された菌糸塊をスライス平面に沿ってスライスするステップを含み得る。圧縮された菌糸体をスライス平面に沿ってスライスするステップにより、スライス平面に位置する複数の繊維の少なくとも一部を、スライス平面の配向に従って直交方向に整列させることができる。ブロックの異なる平面を通してカットすることによって、スライス平面の配向に基づいて圧縮された菌糸体のカット表面で繊維が特定の方向に整列した基材片(substrate piece)を形成することができる。例えば、スライス平面は、x-y平面に対して包括的に0度、10度、20度、30度、40度、50度、または60度の角度で配向され得、カット表面で圧縮された菌糸体に含まれる菌糸体繊維は、それぞれのスライス平面に対して平行に、包括的に平行より10度、20度、30度、40度、50度、または60度傾斜して整列する。食品処理ラインでは、刃を垂直または水平に整列してもよい。相対的なスライス平面を達成するために、圧縮された菌糸体を再配向した後、カットして従来の食品処理設備に組み込むことができる。
【0033】
一部の実施形態では、菌糸塊は、x-y平面で型内において配向され、一軸圧力はz方向に適用される。一部の実施形態では、スライス平面は、x-y平面に沿って配向され、それによって複数の繊維の一部をスライス平面と平行にし、鶏肉の食感をもたらす。一部の実施形態では、スライス平面は、z-x平面に沿って配向され、それによって複数の繊維の一部をスライス平面と直交させ、牛肉の食感をもたらす。一部の実施形態では、スライス平面は、x-y平面に沿って0度~60度の角度で配向され、それによって複数の繊維の一部を平行から、平行より0度~60度傾斜させ、魚肉の食感をもたらす。
【0034】
以下は、真菌を成長させて、40重量%より高いタンパク質含有量を有する菌糸塊を得る一部の例である。これらの例は、単に例証目的のためであり、本開示をいかなる形状または形態にも限定しないと解釈すべきである。
【0035】
一例では、Neurospora crassa(N.crassa)を、10Lベンチトップ反応器においてバッチ構成で成長させた。N.crassaを最初に寒天スラントで成長させ、32℃で3日間インキュベートする。N.crassaの分生子または胞子を、250mLのベント付きフェルンバッハフラスコに移し、オービタルシェーカーテーブル上、32℃で48時間成長させる。得られた菌糸体を、以下の培地を含有するベンチトップ10L反応器に無菌的に移す:20g/Lスクロース、2g/L硝酸アンモニウム、2g/Lリン酸二水素カリウム、1g/L硝酸ナトリウム、0.2g/L硫酸マグネシウム、0.1g/L塩化カルシウム、および微量元素。曝気を0.75vvmに設定し、撹拌を250rpmに設定する。pHを、6N水酸化ナトリウム緩衝液を使用して5.8に調整し、維持する。24時間後、菌糸体を、チーズクロスを使用して採取し、サイダープレス中で脱水し、74℃に設定した脱水器中で完全に乾燥させる。総細胞乾燥重量は9.5g/Lである。タンパク質解析は、57重量%の粗タンパク質含有量を生じる。アミノ酸解析は、繊維様菌糸塊に関して1.0のPDCAASスコアを生じる。繊維様菌糸塊は、26mg/g粗タンパク質のメチオニンとシステインとの合計含有量を有する。
【0036】
別の例では、N.crassaを、10Lベンチトップ反応器においてバッチ構成で成長させた。N.crassaを最初に寒天スラントで成長させ、32℃で3日間インキュベートする。N.crassaの分生子または胞子を、250mLのベント付きフェルンバッハフラスコに移し、オービタルシェーカーテーブル上、32℃で48時間成長させる。得られた菌糸体を、以下の培地を含有するベンチトップ10L反応器に無菌的に移す:20g/Lスクロース、2g/L硝酸アンモニウム、1g/Lリン酸二水素カリウム、0.2g/L硫酸マグネシウム、0.1g/L塩化カルシウム、および微量元素。曝気を0.75vvmに設定し、撹拌を250rpmに設定する。pHを、6N水酸化ナトリウム緩衝液を使用して5.8に調整し、維持する。24時間後、菌糸体を、チーズクロスを使用して採取し、サイダープレス中で脱水し、74℃に設定した脱水器中で完全に乾燥させる。総細胞乾燥重量は9g/Lである。タンパク質解析は、55重量%の粗タンパク質含有量を生じる。アミノ酸解析は、繊維様菌糸塊に関して1.0のPDCAASスコアを生じる。繊維様菌糸塊は、26mg/g粗タンパク質のメチオニンとシステインとの合計含有量を有する。
【0037】
別の例では、N.crassaを、10Lベンチトップ反応器においてバッチ構成で成長させた。N.crassaを最初に寒天スラントで成長させ、32℃で3日間インキュベートする。分生子を、250mLのベント付きフェルンバッハフラスコに移し、オービタルシェーカーテーブル上、32℃で48時間成長させる。得られた菌糸体を、以下の培地を含有するベンチトップ10L反応器に無菌的に移す:30g/Lスクロース、3g/L硝酸アンモニウム、1g/Lリン酸二水素カリウム、0.2g/L硫酸マグネシウム、0.1g/L塩化カルシウム、および微量元素。曝気を0.75vvmに設定し、撹拌を250rpmに設定する。pHを、6N水酸化ナトリウム緩衝液を使用して5.8に調整し、維持する。24時間後、菌糸体を、チーズクロスを使用して採取し、サイダープレス中で脱水し、74℃に設定した脱水器中で完全に乾燥させる。総細胞乾燥重量は11g/Lである。タンパク質解析は、63重量%の粗タンパク質含有量を生じる。アミノ酸解析は、繊維様菌糸塊に関して1.0のPDCAASスコアを生じる。繊維様菌糸塊は、27mg/g粗タンパク質のメチオニンとシステインとの合計含有量を有する。
【0038】
別の例では、N.crassaを、10Lベンチトップ反応器においてバッチ構成で成長させた。N.crassaを最初に寒天スラントで成長させ、32℃で3日間インキュベートする。分生子を、250mLのベント付きフェルンバッハフラスコに移し、オービタルシェーカーテーブル上、32℃で48時間成長させる。得られた菌糸体を、以下の培地を含有するベンチトップ10L反応器に無菌的に移す:20g/Lスクロース、3.25g/L尿素、1g/Lリン酸二水素カリウム、0.2g/L硫酸マグネシウム、0.1g/L塩化カルシウム、および微量元素。曝気を0.75vvmに設定し、撹拌を250rpmに設定する。pHを、6N水酸化ナトリウム緩衝液を使用して5.8に調整し、維持する。24時間後、菌糸体を、チーズクロスを使用して採取し、サイダープレス中で脱水し、74℃に設定した脱水器中で完全に乾燥させる。総細胞乾燥重量は8.5g/Lである。タンパク質解析は、56重量%の粗タンパク質含有量を生じる。アミノ酸解析は、1.0のPDCAASスコアを生じる。繊維様菌糸塊は、25mg/g粗タンパク質のメチオニンとシステインとの合計含有量を有する。
【0039】
別の例では、N.crassaを、10Lベンチトップ反応器においてバッチ構成で成長させた。N.crassaを最初に寒天スラントで成長させ、32℃で3日間インキュベートする。分生子を、250mLのベント付きフェルンバッハフラスコに移し、オービタルシェーカーテーブル上、32℃で48時間成長させる。得られた菌糸体を、以下の培地を含有するベンチトップ10L反応器に無菌的に移す:20g/Lスクロース、2g/L硝酸アンモニウム、1g/Lリン酸二水素カリウム、0.2g/L硫酸マグネシウム、0.1g/L塩化カルシウム、および微量元素。曝気を0.75vvmに設定し、撹拌を250rpmに設定する。pHを、15%水酸化アンモニウム緩衝液を使用して5.8に調整し、維持する。24時間後、菌糸体を、チーズクロスを使用して採取し、サイダープレス中で脱水し、74℃に設定した脱水器中で完全に乾燥させる。総細胞乾燥重量は10g/Lである。タンパク質解析は、60重量%の粗タンパク質含有量を生じる。アミノ酸解析は、1.0のPDCAASスコアを生じる。繊維様菌糸塊は、26mg/g粗タンパク質のメチオニンとシステインとの合計含有量を有する。
【0040】
別の例では、N.crassaを、10Lベンチトップ反応器においてバッチ構成で成長させた。N.crassaを最初に寒天スラントで成長させ、32℃で3日間インキュベートする。分生子を、250mLのベント付きフェルンバッハフラスコに移し、オービタルシェーカーテーブル上、32℃で48時間成長させる。得られた菌糸体を、以下の培地を含有するベンチトップ10L反応器に無菌的に移す:20g/Lスクロース、2g/L硝酸アンモニウム、1g/Lリン酸二水素カリウム、0.2g/L硫酸マグネシウム、0.1g/L塩化カルシウム、および微量元素。曝気を0.75vvmに設定し、撹拌を250rpmに設定する。pHを、6N水酸化ナトリウム緩衝液を使用して5.8に調整し、維持する。12時間後、10g/Lスクロースおよび1g/L硝酸アンモニウムを系に加える。全体で24時間後、菌糸体を、チーズクロスを使用して採取し、サイダープレス中で脱水し、74℃に設定した脱水器中で完全に乾燥させる。総細胞乾燥重量は12g/Lである。タンパク質解析は、60重量%の粗タンパク質含有量を生じる。アミノ酸解析は、繊維様菌糸塊に関して1.0のPDCAASスコアを生じる。繊維様菌糸塊は、26mg/g粗タンパク質のメチオニンとシステインとの合計含有量を有する。
【0041】
別の例では、N.crassaを、10Lベンチトップ反応器においてバッチ構成で成長させた。N.crassaを最初に寒天スラントで成長させ、32℃で3日間インキュベートする。分生子を、250mLのベント付きフェルンバッハフラスコに移し、オービタルシェーカーテーブル上、32℃で48時間成長させる。得られた菌糸体を、以下の培地を含有するベンチトップ10L反応器に無菌的に移す:20g/Lスクロース、2g/L硝酸アンモニウム、1g/Lリン酸二水素カリウム、0.2g/L硫酸マグネシウム、0.1g/L塩化カルシウム、および微量元素。曝気を0.75vvmに設定し、撹拌を250rpmに設定する。pHを、6N水酸化ナトリウム緩衝液を使用して5.8に調整し、維持する。24時間後、培地の90%を採取し、新しい培地を、系全体を10Lに戻すように上記の濃度で加える。新しい連続バッチ時間を12時間に短縮する。12時間毎に90%を採取し、流加培養プロセスを再度繰り返す。プロセスを60時間行った。採取した細胞乾燥重量は9.5g/Lである。タンパク質解析は、60重量%の粗タンパク質含有量を生じる。アミノ酸解析は、繊維様菌糸塊に関して1.0のPDCAASスコアを生じる。繊維様菌糸塊は、26mg/g粗タンパク質のメチオニンとシステインとの合計含有量を有する。
【0042】
別の例では、N.crassaを、10Lベンチトップ反応器においてバッチ構成で成長させた。N.crassaを最初に寒天スラントで成長させ、32℃で3日間インキュベートする。分生子を、250mLのベント付きフェルンバッハフラスコに移し、オービタルシェーカーテーブル上、32℃で48時間成長させる。得られた菌糸体を、以下の培地を含有するベンチトップ10L反応器に無菌的に移す:20g/Lスクロース、2g/L硝酸アンモニウム、1g/Lリン酸二水素カリウム、0.2g/L硫酸マグネシウム、0.1g/L塩化カルシウム、および微量元素。曝気を0.75vvmに設定し、撹拌を250rpmに設定する。pHを、6N水酸化ナトリウム緩衝液を使用して5.8に調整し、維持する。24時間後、培地の90%を採取し、新しい培地を、系全体を10Lに戻すように上記の濃度で加える。新しい連続バッチ時間を12時間に短縮する。12時間毎に90%を採取し、流加培養プロセスを再度繰り返す。プロセスを60時間行った。チーズクロスによって濾別およびプレス後、全ての培地を収集してオートクレーヴし、20g/Lスクロース、2g/L硝酸アンモニウム、および1g/Lリン酸二水素カリウムのみを加えて再利用する。繰り返し流加培養プロセスを全体で60時間行う。採取した細胞乾燥重量は9.5g/Lである。タンパク質解析は、60重量%の粗タンパク質含有量を生じる。アミノ酸解析は、繊維様菌糸塊に関して1.0のPDCAASスコアを生じる。繊維様菌糸塊は、26mg/g粗タンパク質のメチオニンとシステインとの合計含有量を有する。
【0043】
細胞の維持および分生子の単離方法を本明細書に記載する。Neurospora crassa(N.crassa)野生型株(FGSC#4815)を、真菌遺伝子保存センター(fungal genetic stock center)から購入した。接種のために使用した細胞を、2%フォーゲルの50×塩、0.01%微量元素溶液、0.005%ビオチン、1.5%スクロース、および1.5%寒天で構成される寒天スラント上、-20℃で保存した。成長実験を、凍結した寒天スラントから取り出した細胞を新しい寒天スラントに移して開始し、30℃の完全な暗所で2~3日間インキュベートした。分生子を標準的な方法を使用してスラントから単離し、バッチ液中培養実験のために、新鮮なフォーゲル培地(2%フォーゲルの50×塩、0.01%微量元素溶液、0.005%ビオチン、および1.0%グルコース)100mL中に接種した。光学濃度約0.7の間の分生子懸濁物(フォーゲル培地中で1mL)を各培養物に加えた。
【0044】
バッチ成長方法を本明細書に記載する。成長実験を、新鮮な残留水分1L中で行った。バッチ培養を、一定の光の下、30℃で1~3日間(120rpm)インキュベートした。バイオマスの採取は、減圧濾過フラスコを使用して実施し、その後105℃で乾燥させた。
【0045】
糸状菌の粗タンパク質含有量は、追加の窒素源を補充することによって増加させることができる。非限定的な例としては、気体様アンモニア、液体アンモニア、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、酵母エキス、尿素、ペプトン、または他の有機窒素源を補充することが挙げられる。窒素源を、他のpH緩衝構成成分と共に加えることができる。非限定的な例としては、酸、ホスフェート、ボラート、スルフェート、および塩基が挙げられる。
【0046】
以下は、真菌を成長させて、指向性菌糸体繊維を形成する一部の例である。これらの例は、単に例証目的のためであり、本開示をいかなる形状または形態にも限定しないと解釈すべきである。
【0047】
一例では、Neurospora crassa(N.crassa)を、200Lの撹拌タンクバイオリアクターにおいて予め設定した条件下で成長させた。十分に成長させた後、N.crassaバイオマス(菌糸体)を、200PEMナイロンメッシュバッグを通して収集した。この段階での菌糸体の水分含有量はおよそ95%であった。高い水分の菌糸体を、基部およびフォロアからなる穿孔されたステンレス鋼の型に加える。基部は、圧縮の際に液体を逃がすための穿孔を有する5つの固定された面を有する。ブロックに間隙が確実に形成されないように、高い水分の菌糸体が必要である。高い水分の菌糸体は、アップルソースおよびチーズカードのコンシステンシーを有し、いくぶん流動的である。100psiの圧力を型の蓋に適用して、菌糸体をおよそ75%の水分含有量の堅固なブロックへと圧縮する。ブロックを複数の方向にスライスして、異なる方向に整列した繊維を達成することができる。
【0048】
別の例では、Neurospora crassa(N.crassa)を、200Lの撹拌タンクバイオリアクターにおいて予め設定した条件下で成長させた。十分に成長させた後、N.crassaバイオマス(菌糸体)を、200PEMナイロンメッシュバッグを通して収集した。この段階での菌糸体の水分含有量はおよそ95%であった。高い水分の菌糸体を、基部の底もしくは側面のいずれかが特定の形状を有するか、またはフォロアの蓋が特定の形状を有する特注の型に加える。100psiの圧力を型の蓋に適用すると最終的な菌糸体は、ブロックではなくて鶏胸肉のような特定の形状を有する。新しい形状はなおも、適用された力に対して垂直な平面の方向に整列する繊維を有する。
【0049】
圧縮された菌糸塊を、単一の方法または方法の組合せで使用することができる。例えば、圧縮された菌糸塊を、100℃未満の温度(例えば、包括的に90℃、80℃、75℃、または50℃)の乾燥環境またはスチーム環境下で1~60分間調理することができる。圧縮された菌糸塊は、100℃~200℃の温度範囲(例えば、包括的に100℃、125℃、150℃、または200℃)の乾燥環境またはスチーム環境下で1~60分間調理することができる。圧縮された菌糸塊は、100℃未満の水浴で1分間~120分間(例えば、包括的に1、2、5、10、20、40、60、80、100、または120分間)調理することができる。
【0050】
一部の実施形態では、圧縮された菌糸塊を保存することができる。圧縮された菌糸塊は、追加の成分を含み得る。圧縮された菌糸塊を調理することができる。圧縮された菌糸塊は、0℃未満の周囲条件もしくは真空条件で冷凍することができ、および/または5℃未満の周囲条件もしくは真空条件下で冷蔵することができる。圧縮された菌糸塊は、密封容器中で無起源に保存することができる。
【0051】
圧縮された菌糸塊を産生することは、圧縮された菌糸塊の食感を調整することを含み得る。圧縮された菌糸塊の食感は、菌糸塊の化学洗浄によって調整することができる。あるいは、食感は、菌糸塊の水分含有量を制御することによって変更することができる。食感はまた、菌糸塊の成長および形態を決定する異なる栄養素を加えることを通して変更することもできる。最終的な菌糸塊の密度は、より重いまたはより軽い最終製品を産生するために、最初の水分含有量および乾燥条件を変更することによって制御することができる。
【0052】
食肉代替品は、圧縮された菌糸塊を60℃未満の温度で脱水し、60%未満の水分含有量を達成することによって形成することができる。次に、脱水された菌糸塊を、食品添加物、香味料、または着色料を含有するマリネード中で再湿潤化する(rehydrate)ことができる。最初のスライスまたはプレス方向に応じて、鶏肉代替品または牛肉代替品などの異なる肉代替品に対応する異なる食感を作製することができる。
【0053】
食肉代替製品は、10重量%~100重量%の範囲(例えば、包括的に10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、または100重量%)の圧縮された菌糸塊を含み得る。食肉代替製品は、0重量%~100重量%の範囲(例えば、包括的に0重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、または100重量%)の水分含有量を有し得る。一部の実施形態では、繊維様菌糸塊は、10重量%~50重量%の範囲であり、水分含有量は、50重量%~90重量%の範囲である。一部の実施形態では、食肉代替製品は、1重量%~20重量%の範囲(例えば、包括的に1重量%、2重量%、5重量%、10重量%、15重量%、または20重量%)の可溶性タンパク質を含む。食肉代替製品は、0.01重量%~5重量%の範囲(例えば、包括的に0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、1重量%、2重量%、または5重量%)の増粘剤含有量を含み得る。食肉代替製品は、0重量%~10重量%の範囲(例えば、包括的に0重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、5重量%、または10重量%)の脂肪源を含み得る。
【0054】
食肉代替製品は、矯味矯臭剤(flavorant)を含み得る。矯味矯臭剤は、香味料または食品添加物を含み得る。例えば、矯味矯臭剤は、ナッツ由来の油、野菜由来の油、植物由来の油、および動物由来の油などの油を含み得る。矯味矯臭剤は、スパイス(例えば、黒コショウ、フェンネル、マスタード、ナツメグ、シナモン、ショウガ、カイエンペッパー、クローブ等)を含み得る。矯味矯臭剤は、風味粉末(例えば、オニオン粉末、ニンニク粉末、BBQ粉末、サワークリーム粉末、レモン粉末、ライム粉末等)を含み得る。
【0055】
食肉代替製品は、少なくとも20mg/グラム粗タンパク質のメチオニンとシステインとの合計含有量を含み得る。一部の実施形態では、食肉代替製品中のメチオニンとシステインとの合計含有量は、20mg/グラム~30mg/グラムの範囲(例えば、包括的に20mg/グラム、25mg/グラム、または30mg/グラム)である。食肉代替製品は、1のPDCAASスコアを有し得る。食肉代替製品は、2~9の範囲(例えば、包括的に2、3、4、5、6、7、8、または9)の内部pHを有し得る。食肉代替製品は、20重量%~70重量%の範囲(例えば、包括的に20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、または70重量%)のタンパク質乾燥重量を有し得る。食肉代替製品は、5重量%~30重量%の範囲(例えば、包括的に5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、または30重量%)の繊維乾燥重量を有し得る。食肉代替製品は、0重量%~20重量%(例えば、包括的に0重量%、1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、または20重量%)の乾燥脂肪重量を有し得る。食肉代替製品は、55より大きいCIE L*値によって表される色を有し得る。鶏肉代替製品は、包括的に0.00035kgf/mm2~0.018kgf/mm2の範囲の硬さを有し得る。硬さは、鶏肉代替製品が生の状態であるか、調理された状態であるかに依存し得る。
【0056】
食肉代替製品は、鶏肉代替製品、牛肉代替製品、豚肉代替製品、仔牛肉代替製品、または魚肉代替製品を含み得る。食肉代替製品は、10重量%~90重量%(例えば、包括的に10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、または90重量%)の圧縮された菌糸塊を含み得る。
【0057】
鶏肉代替製品は、水平にスライスされた繊維を含み得る。鶏肉代替製品は、50重量%~90重量%(例えば、包括的に50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、または90重量%)の水を含み得る。鶏肉代替製品は、10重量%~50重量%(例えば、包括的に10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、または50重量%)のN.crassaなどに由来の真菌菌糸体を含み得る。鶏肉代替製品は、1重量%~20重量%(例えば、包括的に1重量%、2重量%、5重量%、10重量%、または20重量%)の可溶性タンパク質を含み得る。可溶性タンパク質は、とりわけエンドウ、卵白、およびジャガイモを含み得る。鶏肉代替製品は、0.01重量%~5重量%(例えば、包括的に0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、1重量%、2重量%、または5重量%)の増粘剤を含み得る。増粘剤は、とりわけペクチン、カラギーナン、および寒天を含み得る。鶏肉代替製品は、0重量%~10重量%(包括的に、0重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、または10重量%)の脂肪源を含み得る。脂肪源は、とりわけ野菜の油、種子を含み得る。鶏肉代替製品は、調味料を含み得る。鶏肉代替製品は、様々な物理的特性を有し得る。例えば、鶏肉代替製品は、2~9(例えば、包括的に2、3、4、5、6、7、8、または9)の範囲の内部pHを有し得る。鶏肉代替製品は、40重量%~70重量%(例えば、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、または70重量%)のタンパク質乾燥重量を有し得る。鶏肉代替製品は、5重量%~30重量%(例えば、包括的に5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、または30重量%)の繊維乾燥重量を有し得る。鶏肉代替製品は、0重量%~10重量%(包括的に、0重量%、1重量%、2重量%、4重量%、5重量%、または10重量%)の脂肪乾燥重量を有し得る。鶏肉代替製品は、55より大きいCIE L*値を有し得る。鶏肉代替製品は、包括的に0.00035kgf/mm2~0.018kgf/mm2の範囲の硬さを有し得る。硬さは、鶏肉代替製品が生の状態であるか、調理された状態であるかに依存し得る。
【0058】
牛肉代替製品は、45度の角度でスライスされたまたは「バイアスカット(bias cut)」と呼ばれる繊維を含み得る。牛肉代替製品は、50重量%~90重量%(例えば、包括的に50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、または90重量%)の水を含み得る。牛肉代替製品は、10重量%~50重量%(例えば、包括的に10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、または50重量%)のN.crassaなどに由来の真菌菌糸体を含み得る。鶏肉代替製品は、1重量%~20重量%(例えば、包括的に1重量%、2重量%、5重量%、10重量%、または20重量%)の可溶性タンパク質を含み得る。可溶性タンパク質は、とりわけエンドウ、卵白、およびジャガイモを含み得る。鶏肉代替製品は、0.01重量%~5重量%(例えば、包括的に0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、1重量%、2重量%、または5重量%)の増粘剤を含み得る。増粘剤は、とりわけペクチン、カラギーナン、および寒天を含み得る。鶏肉代替製品は、0重量%~10重量%(包括的に、0重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、または10重量%)の脂肪源を含み得る。脂肪源は、とりわけ野菜の油、種子を含み得る。牛肉代替製品は、調味料を含み得る。牛肉代替製品は、様々な物理的特性を有し得る。例えば、牛肉代替製品は、2~9(例えば、包括的に2、3、4、5、6、7、8、または9)の範囲の内部pHを有し得る。牛肉代替製品は、40重量%~70重量%(例えば、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、または70重量%)のタンパク質乾燥重量を含み得る。牛肉代替製品は、5重量%~30重量%(例えば、包括的に5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、または30重量%)の繊維乾燥重量を有し得る。牛肉代替製品は、0重量%~10重量%(包括的に、0重量%、1重量%、2重量%、4重量%、5重量%、または10重量%)の脂肪乾燥重量を有し得る。牛肉代替製品は、包括的に0.00035kgf/mm2~0.011kgf/mm2の範囲の硬さを有し得る。硬さは、牛肉代替製品が生の状態であるか、調理された状態であるかに依存し得る。
【0059】
肉代替製品は、0重量%~90重量%(例えば、包括的に0重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、または90重量%)の水を含み得る。肉代替製品は、10重量%~100重量%(例えば、包括的に10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、または100重量%)のN.crassaなどに由来の真菌菌糸体を含み得る。肉代替製品は、1重量%~20重量%(例えば、包括的に1重量%、2重量%、5重量%、10重量%、または20重量%)の可溶性タンパク質を含み得る。可溶性タンパク質は、とりわけエンドウ、卵白、およびジャガイモを含み得る。肉代替製品は、0重量%~5重量%(例えば、包括的に0重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、1重量%、2重量%、または5重量%)の増粘剤を含み得る。増粘剤は、とりわけペクチン、カラギーナン、および寒天を含み得る。肉代替製品は、0重量%~50重量%(包括的に0重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、または50重量%)の脂肪源を含み得る。脂肪源は、とりわけ野菜の油、種子を含み得る。肉代替製品は調味料を含み得る。
【0060】
圧縮された菌糸塊の風味は、異なる油を加えることによって増強することができる。油の非限定的な例としては、ナッツ由来、野菜由来、植物由来、および動物由来の油が挙げられる。油は、消泡剤として、真菌の炭素源として作用する複数の使用目的を有するように、および菌糸塊の細胞外/細胞内に組み入れられるように、食品等級の残留水流に加えることができる。あるいは、油を、採取後または調理後に菌糸塊に組み入れることができる。
【0061】
圧縮された菌糸塊の食感は、圧縮された菌糸塊の化学洗浄によって調整することができる。あるいは食感を、圧縮された菌糸塊の水分含有量を制御することによって変更することができる。食感はまた、圧縮された菌糸塊の成長および形態を決定する異なる栄養素を加えることを通しても変更することができる。最終的な圧縮された菌糸塊の密度は、最初の水分含有量および乾燥条件を変更して、より重いまたはより軽い最終製品を産生することによって制御することができる。
【0062】
図2Aは、菌糸体ブロックの透視図である。一部の実施形態では、菌糸塊は、x-y平面で型内において配向され、一軸圧力はz方向に適用される。圧力は、z方向に沿って適用することができ、菌糸塊は、x-y平面で型内において配向される。菌糸体ブロックは、一軸圧力および固定された境界を使用して形成することができる。一部の実施形態では、一軸圧力の圧力は、90psi~110psiの範囲である。例えば、圧力は、包括的に90psi、95psi、100psi、105psi、または110psiであり得る。
【0063】
図2Bは、菌糸体ブロックの断面図を例証する。
図2Bは、z-y平面またはz-x平面での菌糸体ブロックの断面スライスを示す。一部の実施形態では、スライス平面は、z-x平面に沿って配向され、それによって複数の繊維の一部に牛肉の食感をもたらす。一部の実施形態では、スライス平面は、z-y平面に沿って配向され、それによって複数の繊維の一部に牛肉の食感をもたらす。
【0064】
図2Cは、菌糸体ブロックの断面図を例証する。
図2Cは、x-y平面における菌糸体ブロックの断面スライスを示す。一部の実施形態では、スライス平面は、x-y平面に沿って配向され、それによって複数の繊維の一部に鶏肉の食感をもたらす。
【0065】
図2Dは、菌糸体ブロックの断面図を例証する。
図2Dは、x-y平面に対して斜めの菌糸体ブロックの断面スライスを示す。一部の実施形態では、スライス平面は、x-y平面に沿って0度~60度の角度で配向され、それによって複数の繊維の一部に魚肉の食感をもたらす。例えば、スライス平面は、x-y平面に沿って包括的に0度、10度、20度、30度、40度、50度、または60度の角度で配向され得る。
【0066】
図3Aは、一実施形態に従う型300aの透視図である。型300aは、その中全体に複数の穿孔304a(例えば、穴、スリット、間隙、開口部等)を画定する基部302aを含む。穿孔304aは、パターンで配置することができる(例えば、規則的な間隔、周期的、ランダムな間隔等)。穿孔304aは、菌糸塊から水分を分離させることができる。穿孔304aは、一軸圧力が適用された場合に菌糸塊から水分を分離させることができる。型300aは、ステンレス鋼で作製することができる。
【0067】
図3Bは、別の実施形態に従う、型300bの透視図を例証する。型300bは、基部302bおよび側壁306bを含み、そのそれぞれが全体に複数の穿孔304b(例えば、穴、スリット、間隙、開口部等)を画定する。穿孔304bは、パターンで配置することができる(例えば、規則的な間隔、周期的、ランダムな間隔等)。穿孔304bは、菌糸塊から水分を分離させることができる。穿孔304bは、一軸圧力が適用された場合に、菌糸塊から水分を分離させることができる。型300bは、ステンレス鋼で作製することができる。基部302bおよび側壁306bは、異なる材料で作製することができる。
【0068】
図4Aは、異なる配向でカットされている圧縮された菌糸体の硬さの値の棒グラフを例証する。
図4Bは、肉の異なるカットに対応する、異なる配向でカットされている圧縮された菌糸体の粘り強さの値の棒グラフを例証する。圧縮された菌糸体は、圧縮され、スライスされ、脱水され、および再湿潤化された菌糸塊を含み得る。圧縮された菌糸体はバイアスカットを有し得る。バイアスカットは、x-y平面から45度の角度で傾斜しているスライス平面を含み得る。圧縮された菌糸体は水平カットを有し得る。水平カットは、x-y平面に複数の繊維を含み得る。バイアスカットは、調理されたビーフステーキの硬さおよび粘り強さに厳密に一致することができるが、水平カットは、調理された鶏胸肉の硬さおよび粘り強さに相関する。
【0069】
本明細書は、多くの特定のインプリメンテーションを詳細に含有するが、これらは本発明の範囲または特許請求される範囲に対する限定であると解釈してはならず、むしろ特定の本発明の特定のインプリメンテーションに対して特異的な特色の説明であると解釈すべきである。個別のインプリメンテーションの文脈で本明細書に記載されるある特定の特色もまた、単一のインプリメンテーションと組み合わせてインプリメントすることができる。逆に、単一のインプリメンテーションの文脈で記載される様々な特色を、複数のインプリメンテーションで個別にまたは任意の適した部分組合せでインプリメントすることもできる。その上、特色はある特定の組合せで作用すると上で記載され、および当初そのように特許請求され得るが、特許請求される組合せからの1つまたは複数の特色を、一部の例において組合せから削除することができ、特許請求される組合せは、部分組合せまたは部分組合せの変形形態を対象としてもよい。
【0070】
同様に、操作は図面および表において特定の順序で表されているが、これは、そのような操作が、所望の結果を達成するために、示される特定の順序でもしくは連続する順序で実施しなければならないこと、または全ての例証される操作を実施しなければならないことを必要とすると理解してはならない。ある特定の状況では、マルチタスク動作および並列処理が有利であり得る。その上、上記のインプリメンテーションにおける様々なシステムの構成成分の分離は、全てのインプリメンテーションにおいてそのような分離を必要とすると理解してはならず、記載されるプログラム構成成分およびシステムを一般的に、単一のソフトウェア製品に組み込むことができ、または複数のソフトウェア製品にパッケージングすることができると理解すべきである。
【0071】
このように、本発明の特定のインプリメンテーションが記載されている。他のインプリメンテーションは、以下の特許請求の範囲の範囲内である。一部の例では、特許請求の範囲で列挙された行動は、異なる順序で実施することができ、それでもなお所望の結果を達成することができる。加えて、添付の図面に表されるプロセスは、所望の結果を達成するために、示される特定の順序または連続する順序を必ずしも必要としない。ある特定のインプリメンテーションでは、マルチタスク動作および並列処理が有利であり得る。
【0072】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの」、「1つの(an)」、および「その」は、本文が明らかにそれ以外であることを指示していない限り、複数形を含む。このように、例えば、「1つのメンバー」という用語は、単一のメンバーおよびメンバーの組合せを意味すると意図され、「1つの材料」は、1つまたは複数の材料またはその組合せを意味すると意図される。
【0073】
本明細書で使用される場合、「約」および「およそ」という用語は一般的に、記載の値のプラスマイナス10%を意味する。例えば、約0.5は、0.45~0.55を含み、約10は、9~11を含み、約1000は900~1100を含むであろう。
【0074】
「例示的な」という用語は、本明細書で様々な実施形態を記載するために使用される場合、そのような実施形態が、起こり得る実施形態の起こり得る例、代表、および/または例証であることを示すことを意図する(およびこのような用語は、そのような実施形態が必然的に並外れた最上級の例であることを暗示することを意図しない)ことに注意すべきである。
【0075】
「連結された」、「接続された」等の用語は、本明細書で使用される場合、2つのメンバーを互いに直接または間接的に結合することを意味する。そのような結合は、静止的(例えば、永続的)または移動可能(例えば、除去可能または解放可能)であり得る。そのような結合は、2つのメンバーによって、または互いに単一の統合体として一体形成されている2つのメンバーと任意の追加の中間メンバーによって、または互いに結合されている2つのメンバーもしくは2つのメンバーと任意の追加の中間メンバーによって達成され得る。
【0076】
様々な例示的な実施形態の構築および配置は単なる例示であることに注目することは重要である。ごく一部の実施形態が本開示において詳細に記載されているが、本開示を再検討する当業者は、本明細書に記載の主題の新規教示および利点から実質的に逸脱することなく多くの改変(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状、および割合、パラメーターの値、設置配列、材料の用途、色、配向等の変形形態)が可能であることを容易に認識するであろう。他の置換、改変、変化、および省略もまた、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な例示的な実施形態の設計、操作条件、および配置において行われ得る。
【0077】
本明細書を通して「1つの実施形態」、「一実施形態」、または類似の言語への言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特色、構造、または特徴が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書を通して「1つの実施形態において」、「一実施形態において」という語句、または類似の言語の出現は全て、同じ実施形態を指してもよいが、必ずしもその必要はない。同様に、「インプリメンテーション」という用語の使用は、本開示の1つまたは複数の実施形態に関連して記載される特定の特色、構造、または特徴を有するインプリメンテーションを意味するが、それ以外であることを示す明白な相関がない場合、インプリメンテーションは、1つまたは複数の実施形態に関連してもよい。
【0078】
本明細書は、多くの特定のインプリメンテーションを詳細に含有するが、これらは本発明の範囲または特許請求される範囲に対する限定であると解釈してはならず、むしろ特定の本発明の特定のインプリメンテーションに対して特異的な特色の説明であると解釈すべきである。個別のインプリメンテーションの文脈で本明細書に記載されるある特定の特色もまた、単一のインプリメンテーションと組み合わせてインプリメントすることができる。逆に、単一のインプリメンテーションの文脈で記載される様々な特色を、複数のインプリメンテーションで個別にまたは任意の適した部分組合せでインプリメントすることもできる。その上、特色はある特定の組合せで作用すると上で記載され、および当初そのように特許請求され得るが、特許請求される組合せからの1つまたは複数の特色を、一部の例において組合せから削除することができ、特許請求される組合せは、部分組合せまたは部分組合せの変形形態を対象としてもよい。
【0079】
同様に、操作は図面および表において特定の順序で表されているが、これは、そのような操作が、所望の結果を達成するために、示される特定の順序でもしくは連続する順序で実施しなければならないこと、または全ての例証される操作を実施しなければならないことを必要とすると理解してはならない。ある特定の状況では、マルチタスク動作および並列処理が有利であり得る。その上、上記のインプリメンテーションにおける様々なシステムの構成成分の分離は、全てのインプリメンテーションにおいてそのような分離を必要とすると理解してはならず、記載されるプログラム構成成分およびシステムを一般的に、単一のソフトウェア製品に組み込むことができ、または複数のソフトウェア製品にパッケージングすることができると理解すべきである。
【0080】
このように、本発明の特定のインプリメンテーションが記載されている。他のインプリメンテーションは、以下の特許請求の範囲の範囲内である。一部の例では、特許請求の範囲で列挙された行動は、異なる順序で実施することができ、それでもなお所望の結果を達成することができる。加えて、添付の図面に表されるプロセスは、所望の結果を達成するために、示される特定の順序または連続する順序を必ずしも必要としない。ある特定のインプリメンテーションでは、マルチタスク動作および並列処理が有利であり得る。
【国際調査報告】