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特表2023-513777フラットベッドダイカットマシン、ストリッピングマシン又はブランキングマシンにツーリングボードを取り付けるための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(54)【発明の名称】フラットベッドダイカットマシン、ストリッピングマシン又はブランキングマシンにツーリングボードを取り付けるための装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/26 20060101AFI20230327BHJP
   B26F 1/00 20060101ALI20230327BHJP
   B26F 1/38 20060101ALI20230327BHJP
   B23Q 3/00 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
B26D7/26
B26F1/00 A
B26F1/38 Z
B23Q3/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549029
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(85)【翻訳文提出日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 EP2021051509
(87)【国際公開番号】W WO2021160410
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】20020068.1
(32)【優先日】2020-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】リウ シェリー
(72)【発明者】
【氏名】ジャケ ベルナール
【テーマコード(参考)】
3C016
3C021
3C060
【Fターム(参考)】
3C016AA02
3C021JA04
3C021JA09
3C021JA10
3C060AA01
3C060AA04
3C060BA03
3C060BC27
3C060BD01
3C060BG11
3C060BH02
(57)【要約】
フラットベッドダイカットマシン、ストリッピングマシン又はブランキングマシンにツーリングボード(14)を取り付けるための取り付け装置(12)が、ツーリングボード(14)をマシンから取り外し又はマシンに挿入できるロック解除位置から、ツーリングボード(14)をマシンに固定できるロック位置に移動可能な少なくとも1つの第1のクランプジョー(38)と、可動ピストン(54)及びピストン(54)に結合されたピストンロッド(56)を含む少なくとも1つのアクチュエータ(18)とを備え、アクチュエータ(18)は、少なくとも1つの第1のクランプジョー(38)をロック位置からロック解除位置に移動させるように構成され、アクチュエータ(18)は、第1のクランプジョー(38)に対して固定位置を有する取り付け点(60)を介して少なくとも1つのクランプジョー(38)に結合される。さらに、取り付け装置(12)を含む取り付けアセンブリ(10)を提供する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットベッドダイカットマシン、ストリッピングマシン又はブランキングマシンにツーリングボード(14)を取り付けるための取り付け装置(12)であって、
ツーリングボード(14)を前記マシンから取り外し又は前記マシンに挿入できるロック解除位置から、ツーリングボード(14)を前記マシンに固定できるロック位置に移動可能な少なくとも1つの第1のクランプジョー(38)と、
可動ピストン(54)及び該ピストン(54)に結合されたピストンロッド(56)を含む少なくとも1つのアクチュエータ(18)と、
を備え、前記アクチュエータ(18)は、前記少なくとも1つの第1のクランプジョー(38)を前記ロック位置から前記ロック解除位置に移動させるように構成され、前記アクチュエータ(18)は、前記第1のクランプジョー(38)に対して固定位置を有する取り付け点(60)を介して前記少なくとも1つのクランプジョー(38)に結合される、
ことを特徴とする取り付け装置(12)。
【請求項2】
前記アクチュエータ(18)は、スイベルジョイントを介して前記第1のクランプジョー(38)に結合される、
請求項1に記載の取り付け装置(12)。
【請求項3】
前記取り付け装置(12)は、前記第1のクランプジョー(38)をそのロック位置に向かって動かすように配置された少なくとも1つの閉鎖ばね(20)を含む、
請求項1又は2に記載の取り付け装置(12)。
【請求項4】
前記閉鎖ばね(20)は、前記ピストンロッド(56)によって構成される第1の当接面(64)と、前記取り付け装置(12)内に固定位置を有する第2の当接面(66)との間にクランプされる、
請求項3に記載の取り付け装置(12)。
【請求項5】
前記閉鎖ばね(20)は、前記ピストンロッド(56)と同軸的に配置され、具体的には前記ピストンロッド(56)を取り囲む、
請求項4に記載の取り付け装置(12)。
【請求項6】
前記取り付け装置(12)は、前記クランプジョー(38)の支持及び移動のためのリニアガイド(42)を有する、
請求項1から5のいずれかに記載の取り付け装置(12)。
【請求項7】
前記クランプジョー(38)は、金属板で形成された少なくとも1つのガイド部分(44)を含み、前記アクチュエータ(18)は、前記ガイド部分(44)に結合される、
請求項1から6のいずれかに記載の取り付け装置(12)。
【請求項8】
前記ガイド部分(44)は、前記クランプジョー(38)の移動方向に延びる少なくとも1つの細長いスリット(46)を有し、前記取り付け装置(12)は、前記スリット(46)を貫通して延びることによって前記クランプジョー(38)を案内する少なくとも1つの突出部(48)を有する、
請求項7に記載の取り付け装置(12)。
【請求項9】
前記装置(12)は、前記クランプジョー(38)に固定されて前記ツーリングボード(14)に係合するように構成されたクランププロファイル(50)を備える、
請求項1から8のいずれかに記載の取り付け装置(12)。
【請求項10】
前記取り付け装置(12)は、前記少なくとも1つの第1のクランプジョー(38)に対するカウンターベアリングを構成する少なくとも1つの第2のクランプジョー(40)を備え、前記第1及び第2のクランプジョー(38、40)は、互いの間に前記ツーリングボード(14)をクランプするように構成される、
請求項1から9のいずれかに記載の取り付け装置(12)。
【請求項11】
前記アクチュエータ(18)は、前記第2のクランプジョー(38)に固定される、
請求項10に記載の取り付け装置(12)。
【請求項12】
前記取り付け装置(12)は、前記マシン内の前記ツーリングボード(14)の位置を調整するように構成された少なくとも1つの調整装置(24)を備える、
請求項1から11のいずれかに記載の取り付け装置(12)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第2のクランプジョー(40)は、前記調整装置(24)によって前記クランプジョー(38、40)の移動方向に沿って変位することができる、
請求項12、及び請求項10又は11に記載の取り付け装置(12)。
【請求項14】
両端部(32、34)を有する少なくとも1つのブリッジ(28)が設けられ、前記第1のクランプジョー(38)は、前記ブリッジ(28)の第1の端部(32)に変位可能に取り付けられ、前記第2のジョー(40)は、前記ブリッジ(28)の反対側の第2の端部(34)に変位可能に取り付けられる、
請求項1から13のいずれかに記載の取り付け装置(12)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載の取り付け装置(12)と、前記少なくとも1つの第1のクランプジョー(38)によって前記取り付け装置(12)に取り外し可能に変位可能に取り付けることができるフレーム(16)及び/又はツーリングボード(14)とを含む取り付けアセンブリ(10)であって、ツーリングボード(14)は前記フレーム(16)に取り付け可能である、
ことを特徴とする取り付けアセンブリ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットベッドダイカットマシン、ストリッピングマシン又はブランキングマシンにツーリングボード(tooling board)を取り付けるための取り付け装置、及び取り付け装置を含む取り付けアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
フラットベッドダイカットマシン、フラットベッドストリッピングマシン又は部品分離マシン(part separation machines)は、とりわけ包装用の紙、厚紙、段ボール又はプラスチックを加工する生産ラインの一部であることができる。例えば、隣接するフラットベッドストリッピング装置を有するフラットベッドダイカットマシンでは、同じシート上の複数のブランクが打ち抜かれた後に分離される。
【0003】
異なる包装の加工を可能にするために、それぞれのマシンには、加工すべき包装の種類に固有の交換可能なツーリングボードが取り付けられる。フラットベッドダイカットマシンでは、これらのツーリングボードが、例えば切断用ナイフ又は圧力パッドが取り付けられた圧力プレートであることができる。通常、ツーリングボードは、加工物の運搬方向に対して側面からマシンに挿入される。さらに、ツーリングボードは、いわゆる万能ツールとすることができる。
【0004】
マシンは、非常に高い精度で動作することが不可欠である。従って、交換可能なツーリングボードは、前のステーションの切断端部(edges of cut)と正確に位置合わせされ、正確に位置合わせされた状態を保つために安定した姿勢で保持されなければならない。ダイカットマシン又はストリップマシンのように上側及び下側交換ツールが提供される場合には、さらにこれらのツールを互いに正確に位置合わせする必要がある。
【0005】
フラットベッドダイカットマシン、ストリッピングマシン又はブランキングマシンに交換可能なツーリングボードを取り付けるために、通常、これらのマシンはクランプ機構及び調整機構を含む。しかしながら、通常、既知の機構は複雑であって数多くの部品を含み、従って材料投入及び取り付け時間に関してコストがかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、フラットベッドダイカット、ストリッピング又はブランキングマシンのためのコスト効率が高くて組み立てが容易な取り付けアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、フラットベッドダイカットマシン、ストリッピングマシン又はブランキングマシンにツーリングボードを取り付けるための取り付け装置であって、ツーリングボードをマシンから取り外し又はマシンに挿入できるロック解除位置から、ツーリングボードをマシンに固定できるロック位置に移動可能な少なくとも1つの第1のクランプジョーと、可動ピストン及びこのピストンに結合されたピストンロッドを含む少なくとも1つのアクチュエータとを備え、アクチュエータが、少なくとも1つの第1のクランプジョーをロック位置からロック解除位置に移動させるように構成され、アクチュエータが、第1のクランプジョーに対して固定位置を有する取り付け点を介して少なくとも1つのクランプジョーに結合された、取り付け装置によって達成される。
【0008】
クランプジョーに対して固定位置を有する取り付け点を介してアクチュエータが少なくとも1つのクランプジョーに結合されることにより、取り付け装置の組み立てはとりわけ単純であり、わずかな数の独立部品しか取り扱わずに済む。従来の取り付け装置とは対照的に、アクチュエータをクランプジョーに接続する歯車が存在しない。すなわち、取り付け装置を組み立てた後には、クランプジョーに対するアクチュエータの位置が固定されて調整することができない。このため製造コストを低く抑えることができ、取り付け装置を素早く組み立てることができる。
【0009】
取り付け点は、クランプジョーに直接、又はクランプジョーに固定された結合要素に設けられることが好ましく、すなわちアクチュエータは、クランプジョーに直接、又は結合要素を介して結合することができる。カップリング要素は、必要に応じてアクチュエータとクランプジョーとの間の隙間を克服するように機能するディスタンスピース(distance piece)とすることができる。
【0010】
アクチュエータが作動すると、その長さは非作動状態時の長さに比べて増加することができる。
【0011】
1つの実施形態によれば、アクチュエータは、スイベルジョイントを介して第1のクランプジョーに結合される。アクチュエータは、幾何学的及び位置的公差を克服するためにスイベルジョイントによって曲がる(buckle out)ことができる。
【0012】
スイベルジョイントの回転軸は、クランプジョーの移動方向に対して横方向であることができる。
【0013】
取り付け装置は、例えば第1のクランプジョーをそのロック位置に向かって動かすように配置された少なくとも1つの閉鎖ばね(closing spring)を含む。これにより、取り付け装置をとりわけエネルギー効率良く動作させることができる。具体的には、アクチュエータが作動していない時には閉鎖バネによってクランプジョーを確実にロック位置に保持することができる。従って、第1のクランプジョーをそのロック位置に保持するために電気エネルギーを供給する必要がない。
【0014】
ツーリングボードの交換が必要な場合には、第1のクランプジョーをロック位置からロック解除位置に移動させるためにアクチュエータを短時間にわたって作動させるだけでよい。
【0015】
例えば、アクチュエータが作動すると、閉鎖ばねが圧縮されることによって弾性エネルギーが蓄積され、この弾性エネルギーを使用して第1のクランプジョーをロック解除位置からロック位置に移動させることができる。
【0016】
1つの実施形態によれば、閉鎖ばねは、ピストンロッドにおける第1の当接面と、取り付け装置内に固定位置を有する第2の当接面との間にクランプされる。この結果、閉鎖ばねは規定位置に保持される。第1の当接面がピストンロッドによって構成されるため、コンパクトな設計が達成される。
【0017】
閉鎖ばねはピストンロッドと同軸的に配置することができ、具体的にはピストンロッドを取り囲む。ピストンロッドは、ばねがアクチュエータによって圧縮された時に曲がらないように閉鎖ばねのガイドとして機能する。
【0018】
取り付け装置は、例えばクランプジョーの支持及び移動のためのリニアガイドを有する。この結果、クランプジョーは高精度で移動する。
【0019】
具体的には、クランプジョーは、金属板で形成された少なくとも1つのガイド部分を有し、ガイド部分にアクチュエータが結合される。金属板部品は、非常に容易に安価で製造することができる。金属板部品を使用することにより、取り付け装置の総コストを非常に低く抑えることができる。
【0020】
1つの実施形態によれば、ガイド部分は、クランプジョーの移動方向に延びる少なくとも1つの細長いスリットを有し、取り付け装置は、スリットを貫通して延びることによってクランプジョーを案内する少なくとも1つの突出部を有する。これにより、単純かつ効果的なリニアガイドが提供される。
【0021】
ツーリングボードの非常に安定した取り付けを行うために、取り付け装置は、クランプジョーに固定されてツーリングボードに係合するように構成されたクランププロファイルをさらに含むことができる。従って、クランプジョーはツーリングボードと直接係合しない。このプロファイルは、クランプジョーによって加えられるクランプ力がツーリングボード上でより均等に分散することによって、ツーリングボードがその取り付け位置に非常に安定して保持されることを可能にする。
【0022】
クランププロファイルは、その全長に沿ってツーリングボードに係合することが好ましい。
【0023】
例えば、クランプジョー及びクランププロファイルは、ねじ留め、溶接などによって互いに接続される。
【0024】
しかしながら、別の実施形態によれば、クランププロファイルを省略してクランプジョーがツーリングボードに直接係合することもできる。
【0025】
1つの実施形態によれば、取り付け装置は、少なくとも1つの第1のクランプジョーに対するカウンターベアリングを構成する少なくとも1つの第2のクランプジョーを備え、第1及び第2のクランプジョーは、具体的には直接又はクランププロファイルを介して互いの間にツーリングボードをクランプするように構成される。この構成は、ツーリングボードがその取り付け位置に安定して保持される一因にもなる。具体的には、第2のジョーがカウンターベアリングを構成しているため、マシンの動作中にツーリングボードが意図せず動いてしまうのを抑制するのに十分な保持力がツーリングボードに発揮される。
【0026】
第1のクランプジョー及び第2のクランプジョーは、ツーリングボードを十分に支えるために重複して存在することが好ましい。
【0027】
この場合、クランププロファイルが2つの第1のクランプジョーを接続し、さらなるクランププロファイルが2つの第2のクランプジョーを接続する。
【0028】
アクチュエータは、直接又はカップリング要素を介して第2のクランプジョーに固定することができる。この結果、アクチュエータが第1のクランプジョーに結合されて第2のクランプジョーに固定されることにより、取り付け装置内にツーリングボードを挿入するためにアクチュエータを作動させることによって第1及び第2のクランプジョー間の距離が増加する。これによって取り付け装置の単純な開放機構が提供される。
【0029】
取り付け装置は、マシン内のツーリングボードの位置を調整するように構成された少なくとも1つの調整装置をさらに備えることができる。この結果、ツーリングボードの位置を高精度で微調整することができる。
【0030】
例えば、調整装置は、ツーリングボードの位置を調整するためにユーザが操作できる設定ねじを含む。従って、調整装置の動作は非常に単純である。
【0031】
具体的には、少なくとも1つの第2のクランプジョーが、調整装置を介してクランプジョーの移動方向に沿って変位することができる。第2のクランプジョーの変位は線形変位であることが好ましい。従って、クランプジョーの移動方向はボードの移動方向に一致する。マシン内のツーリングボードの位置は、少なくとも1つの第2のクランプジョーの変位によって移動する。
【0032】
1つの実施形態によれば、両端部を有する少なくとも1つのブリッジが設けられ、第1のクランプジョーは、ブリッジの第1の端部に変位可能に取り付けられ、第2のジョーは、ブリッジの反対側の第2の端部に変位可能に取り付けられる。従って、ブリッジはクランプジョーのためのマウントとして機能して、取り付け装置に十分な安定性をさらに与える。具体的には、ブリッジは、取り付け装置の一方の側面から取り付け装置の反対側の側面まで延びる。
【0033】
上記目的は、上述した取り付け装置と、少なくとも1つの第1のクランプジョーによって取り付け装置に取り外し可能に変位可能に取り付けることができるフレーム及び/又はツーリングボードとを含み、ツーリングボードがフレームに取り付け可能である取り付けアセンブリによってさらに達成される。フレームは、異なるサイズのツーリングボードのためのアダプタとして機能する。これにより、異なるサイズのツーリングボードに対する取り付け装置の調整を可能にする複雑な調整手段を設ける必要がないため、取り付け装置を非常に単純に保つことができる。
【0034】
取り付け装置には、取り付け装置内に収まるサイズを有するツーリングボードを直接取り付け、クランプジョーを介して固定することができる。この場合、フレームは不要である。ツーリングボードが取り付け装置内に収まるサイズよりも小さい場合又は大きい場合には、例えばねじ留めによってツーリングボードにフレームを解放可能に取り付け、このフレームと取り付けられたツーリングボードとを共に取り付け装置に取り付けることができる。この場合は、ツーリングボードではなくフレームが取り付け装置内でクランプされる。
【0035】
以下の説明及び添付図から本発明のさらなる特徴及び利点を導出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】ロック状態にある本発明の取り付け装置を含む本発明の取り付けアセンブリの長手方向断面図である。
図2】取り付け装置がロック解除状態にある図1の取り付けアセンブリの長手方向断面図である。
図3】本発明の取り付け装置の斜視図である。
図4図3の取り付け装置のさらなる斜視図である。
図5図3の取り付け装置のさらなる斜視図である。
図6図3の取り付け装置のさらなる斜視図である。
図7図3の取り付け装置の側面図である。
図8図3の取り付け装置を正面図である。
図9図3の取り付け装置を後面図である。
図10図3の取り付け装置の上面図である。
図11】本発明による取り付け装置の調整装置の断面図である。
図12】本発明による取り付け装置の別の調整装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1及び図2は、それぞれ本発明による取り付けアセンブリ10の長手方向断面図である。
【0038】
取り付けアセンブリ10は、フラットベッドダイカット、ストリッピング又はブランキングマシンにツーリングボード14を取り付けるための取り付け装置12を含む。図1では、取り付け装置12をロック状態で示し、図2では、取り付け装置をロック解除状態で示す。
【0039】
取り付け装置12は、ツーリングボード14、又はツーリングボード14とツーリングボード14に取り付けられたフレーム16とを保持することができ、図1に示すツーリングボード14は広すぎて取り付け装置12内に収まらないため、フレーム16が、取り付け装置12にツーリングボード14を取り付けるためのアダプタとして機能する。具体的には、フラットベッドダイカットマシン、ストリッピングマシン又はブランキングマシンには、フレーム16を介して異なるサイズのツーリングボード14を取り付けることができる。
【0040】
しかしながら、ツーリングボード14が適切な寸法を有する場合には、フレーム16を必要とすることなくツーリングボード14を取り付け装置12に取り付けることができる。
【0041】
以下では、図1図10を参照しながら取り付け装置12についてさらに説明しており、図3図10には取り付け装置をさらに詳細に異なるビューで示す。
【0042】
取り付け装置12は、取り付け装置12をロック状態からロック解除状態に移行させる少なくとも1つのアクチュエータ18と、アクチュエータ18が作動していない時に取り付け装置12をロック状態に保つ少なくとも1つの閉鎖ばね20とを含む。
【0043】
アクチュエータ18を案内するためにベアリング21が設けられる。図示の実施形態では、ベアリング21が2つのガイド要素22を含む。
【0044】
さらに、フラットベッドダイカット、ストリッピング又はブランキングマシン内のツーリングボード14の微調整を可能にするために、取り付け装置12は少なくとも1つの調整装置24を含む(図1及び図2を参照)。
【0045】
さらに、取り付け装置12は、ツーリングボード14をマシン内で中心化するように構成されたセンタリング装置26を含む(図3図6を参照)。
【0046】
取り付け装置12は、中央ブリッジ28と、ブリッジの両端で下向きに突出してクランププロファイル50を担持するアーム29とを有する2つのC字型ビーム25を含む。ボード14は、クランププロファイル50間にクランプすることができる。
【0047】
図示の実施形態では、各ブリッジ28が、合同な2つの金属板部品30を含む。金属板部品30は、ねじ、リベットなどによって互いに固定することができる。また、ブリッジ28毎に少なくとも2つのスペーサ27が設けられる。各ブリッジ28は、両端部32、34を有する。
【0048】
各ブリッジ28には、1つのアクチュエータ18及び1つの閉鎖ばね20が設けられる。
【0049】
ブリッジ28の一方の側では、クロスバー36がブリッジ28同士を接続する。取り付け装置12は、クロスバー36を介して、例えばねじ留めによってフラットベッドダイカットマシン、ストリッピングマシン又はブランキングマシンに固定することができる。
【0050】
ブリッジ28とクロスバー36又はクランププロファイル50とは、互いに垂直に位置合わせされることが好ましい。
【0051】
アーム29は、クランプジョーによって定められる。各ブリッジ28には、第1のクランプジョー38及び第2のクランプジョー40が取り付けられる。第2のクランプジョー40は、第1のクランプジョー38のためのカウンターベアリングを構成する。
【0052】
第1のクランプジョー38は、ブリッジ28の第1の端部32に変位可能に取り付けられ、第2のクランプジョー40は、ブリッジ28の反対側の第2の端部34に変位可能に取り付けられる。これにより、第1のクランプジョー38及び第2のクランプジョー40は、ツーリングボード14又はフレーム16を互いの間にクランプするように構成される。
【0053】
第1のクランプジョー38は、ツーリングボード14又はフレーム16をマシンから取り外し又はマシンに挿入できるロック解除位置から、ツーリングボード14又はフレーム16をマシンに固定できるロック位置に移動可能である。
【0054】
具体的には、アクチュエータ18が、少なくとも1つの第1のクランプジョー38をロック位置からロック解除位置に移動させるように構成される。
【0055】
第2のクランプジョー40も、微調整手段のみのために移動可能である。しかしながら、クランプジョー40はアクチュエータ18によって作動されない。
【0056】
例えば、各クランプジョー38、40は、移動方向に約5mm~10mmだけ移動可能である。
【0057】
取り付け装置12は、クランプジョー38、40の支持及び移動のためのリニアガイド42をさらに含む。
【0058】
図1及び図2で最もよく分かるように、各クランプジョー38、40は、シート金属で形成された、具体的には互いに合同であることが好ましい2つのシート金属部品で形成されたガイド部分44を含む。しかしながら、他の材料も可能である。
【0059】
各ガイド部分44は、クランプジョー38、40の移動方向に延びる2つの細長いスリット46を有する。
【0060】
取り付け装置12は、スリット46を貫通して延びることによってクランプジョー38、40を案内する複数の突出部48を有する。図示の実施形態では、突出部48が、ブリッジ28に固定された直方体の塊(cuboid chunks)である。
【0061】
スリット46を有するガイド部分44及び突出部48は、共にリニアガイド42を形成する。
【0062】
さらに、各クランプジョー38、40のガイド部分44に固定されて、ツーリングボード14又はフレーム16を好ましくはその全長に沿って係合させるように構成されたクランププロファイル50が設けられる。クランププロファイル50は、2つの第1のクランプジョー38又は2つの第2のクランプジョー40を接続する(図3を参照)。
【0063】
クランプジョー38、40の各々は、2つの金属板部品間に固定されることによって金属板部品を互いに対して固定位置に保持する固体部品52を含む。従って、固体部品52は、クランプジョー38、40の十分な安定性を確実にする。固体部品52は、クランププロファイル50をクランプジョー38、40に固定する役割も果たす。
【0064】
アクチュエータ18は、可動ピストン54と、ピストン54に結合されたピストンロッド56とを含む。可動ピストン54は、シリンダ58に収容される。
【0065】
閉鎖ばね20は、ピストンロッド56と同軸的に配置され、具体的にはピストンロッド56を取り囲む。この結果、ピストンロッド56は閉鎖ばね20を支持して案内する。
【0066】
閉鎖ばね20は、クランプジョー38をそのロック位置に向かって移動させるように配置される。換言すれば、閉鎖ばね20は、第1のクランプジョー38を第2のクランプジョー40の方に押しやる。
【0067】
閉鎖ばね20を規定位置に保持するために、閉鎖ばね20は第1の当接面64と第2の当接面66との間にクランプされる(図1及び図2を参照)。
【0068】
図示の実施形態では、第1の当接面64がアクチュエータ18、具体的にはピストンロッド56によって構成され、第2の当接面66が取り付け装置12内に固定位置を有する。具体的には、第2の当接面はガイド要素22の一方に提供される。
【0069】
しかしながら、当接面64、66をマシン内の他の場所に配置して、閉鎖ばね20をピストンロッド56から独立して取り付けることもできる。
【0070】
図示の実施形態では、アクチュエータ18が、第1のクランプジョー38に対して固定位置を有する取り付け点60(図1及び図2を参照)を介して第1のクランプジョー38に結合される。従って、取り付け装置12が組み立てられた後には、第1のクランプジョー38に対するアクチュエータ18の距離が固定される。具体的には、アクチュエータ18は、第1のクランプジョー38のガイド部分44に結合される。
【0071】
取り付け点60は、第1のクランプジョー38に直接設けられる。しかしながら、例えばクランプジョー38とアクチュエータ18との間のより大きな距離を克服する必要がある場合には、第1のクランプジョー38に固定されたさらなる結合要素に取り付け点60を設けることも可能である。
【0072】
ピストンロッド56は第1のクランプジョー38に結合され、ピストン54を含むシリンダ58は第2のクランプジョー40に結合される。しかしながら、部品の配置は逆にすることもできる。
【0073】
図10で分かるように、アクチュエータ18は、スイベルジョイント62を介してクランプジョー38に結合される。
【0074】
図11は、図1及び図2に示す調整装置24の詳細な断面図である。
【0075】
第2のクランプジョー40の各々に1つの調整装置24が設けられる。
【0076】
調整装置24は、具体的には第2のクランプジョー40に対して回転することはできるが第2のクランプジョー40に対して線形的に移動したり又は別様に変位したりしないように第2のクランプジョー40に固定された設定ねじ68を含む。より正確には、設定ねじ68は、第2のクランプジョー40の固体部品52を貫通して延びてこの固体部品52に固定される。
【0077】
この構成は、間に第2のクランプジョー40をクランプする2つのベアリング70、72によって達成される。任意に、2つのベアリング70、72の一方は設定ねじ68と一体的に形成され、他方のベアリング70、72は設定ねじ68に固定される。
【0078】
設定ねじ68は、一端にユーザが把持して回転させることができるノブ74を含む。
【0079】
設定ねじ68は、取り付け装置12のクロスバー36などに回転的かつ線形的に固定されたナット80のそれぞれの雌ねじ78に係合するねじ山76を他端に含む。
【0080】
設定ねじ68は、回転するとナット80のねじ山76にねじ込まれ、又はねじ山76から外れる。これによってナット80が固定されるので、第2のクランプジョー40がクランプジョー38、40の移動方向に線形的に移動する。
【0081】
図12は、別の実施形態による調整装置24の断面図である。
【0082】
この調整装置は、図11に示す調整装置24と同じ機構に基づく。
【0083】
しかしながら、図12による調整装置24は、ナット80の代わりに、設定ねじ68がねじ込まれる雌ねじ付きボルト82を含む。
【0084】
設定ねじ68は、回転するとボルト82にねじ込まれ、又はボルト82から外れる。
【0085】
ボルト82はクロスバー36によって支持され、具体的にはクロスバー36にしっかりと固定されることなく、クロスバー36又はクロスバー36に結合された別の要素に当接する。
【0086】
以下では、上述した図を参照しながら取り付け装置12の取り扱い及び機能について説明する。
【0087】
ツーリングボード14を挿入又は交換する必要がある場合には、アクチュエータ18を作動させる。具体的には、アクチュエータ18は取り付け装置12を開くためにのみ使用され、取り付け装置12を閉じるためには使用されない。
【0088】
各アクチュエータ18の作動は、ピストン54に加圧空気を適用することによって、具体的にはシリンダ58を加圧空気で満たすことによって発生する。この結果、ピストン54が移動することによってアクチュエータ18が伸び、アクチュエータ18に接続された第1のクランプジョー38がそのロック位置からそのロック解除位置に移動するようになる。この動きを図1及び図2によって可視化する。
【0089】
具体的には、第1のクランプジョー38は、閉鎖ばね20の力に抗して移動する。
【0090】
第1のクランプジョー38が移動すると、当接面64、66が互いの方に移動するため閉鎖ばね20が圧縮される。これによって閉鎖ばね20が弾性エネルギーを蓄える。
【0091】
平行な第2のブリッジ28及びそのアクチュエータ18においても、同時に同じ動きが発生している。
【0092】
この状態でアクチュエータ18が作動して閉鎖ばね20が圧縮されると、ツーリングボード14又はフレーム16を取り付け装置12に挿入することができる。
【0093】
ツーリングボード14又はフレーム16はクランププロファイル50によって支持されているので、ツーリングボード14又はフレーム16の挿入中には、たとえ取り付け装置12が依然としてロック解除状態にあるとしても、クランププロファイル50がツーリングボード14又はフレーム16の容易な交換を促す。
【0094】
挿入時には、センタリング装置26がツーリングボード14又はフレーム16と係合することにより、ツーリングボード14を取り付け装置12内で紙又は厚紙の移動方向に対して垂直な方向に中心化する。
【0095】
ツーリングボード14の挿入後には、具体的には加圧空気の供給を停止することによってアクチュエータ18を停止させることができる。
【0096】
再びシリンダ58内の空気圧が低下すると、閉鎖ばね20のばね力によって第1のクランプジョー38がそのロック位置に戻る。
【0097】
ツーリングボード14の位置の微調整が必要な場合には、調整装置24を介して第2のクランプジョー40をクランプジョー38、40の移動方向に沿って変位させることができる。
【0098】
具体的には、ユーザがノブ74を回転させることによってそれぞれの第2のクランプジョー40を移動させることができる。具体的には、ノブ74又は設定ねじ68が回転すると、第2のクランプジョー40が線形的に移動する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】