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特表2023-513783強化UZM-39アルミノシリケートゼオライトを使用したトルエンの不均化
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(54)【発明の名称】強化UZM-39アルミノシリケートゼオライトを使用したトルエンの不均化
(51)【国際特許分類】
   C07C 6/00 20060101AFI20230327BHJP
   C01B 39/48 20060101ALI20230327BHJP
   B01J 29/70 20060101ALI20230327BHJP
   C07C 15/08 20060101ALI20230327BHJP
   C07C 15/04 20060101ALI20230327BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20230327BHJP
【FI】
C07C6/00
C01B39/48
B01J29/70 Z
C07C15/08
C07C15/04
C07B61/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549056
(86)(22)【出願日】2021-02-11
(85)【翻訳文提出日】2022-09-14
(86)【国際出願番号】 US2021017633
(87)【国際公開番号】W WO2021167834
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】16/793,527
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598055242
【氏名又は名称】ユーオーピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】ボルディン、エドウィン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス、クリストファー ピー.
(72)【発明者】
【氏名】エイブラムス、マルタ リー
【テーマコード(参考)】
4G073
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G073BA04
4G073BA57
4G073BA63
4G073BB03
4G073BD21
4G073CZ41
4G073FA10
4G073FA12
4G073FA15
4G073FB01
4G073FB02
4G073FB12
4G073FB24
4G073FB26
4G073FB30
4G073FB36
4G073FC12
4G073FC24
4G073FC25
4G073FC26
4G073FC27
4G073FD01
4G073FD02
4G073FD08
4G073FD12
4G073FD18
4G073FD24
4G073FE04
4G073GA01
4G073GA03
4G073GA11
4G073GA12
4G073GA13
4G073GA14
4G073GB02
4G073GB03
4G073UA04
4G073UB39
4G169AA02
4G169BA07A
4G169BA07B
4G169BB01A
4G169BC01A
4G169BC02A
4G169BC08A
4G169BC17A
4G169BC35A
4G169BC38A
4G169BC66A
4G169BD01A
4G169BD03A
4G169BD06A
4G169CB43
4G169DA05
4G169FC08
4G169ZA32A
4G169ZA32B
4G169ZC02
4G169ZC04
4G169ZD01
4G169ZD03
4H006AA02
4H006AC27
4H006BA71
4H006BC10
4H006BC11
4H006DA15
4H039CA11
4H039CJ90
(57)【要約】
処理されたUZM-39ゼオライトを利用するトルエン不均化プロセスが記載される。本プロセスは、パラキシレン及びベンゼンを含む流出物流を生成する。流出物流中のベンゼンとキシレンとのモル比(Bz/X)は、1.00~1.14の範囲にあり得、流出物流中のパラキシレンとキシレンとのモル比(pX/X)は、0.80~1.0の範囲にあり得、トルエンの変換率は、20%~40%であり得る。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルエンを含む供給物と微多孔質結晶性ゼオライトを含む触媒とを不均化条件で接触させて、パラキシレン及びベンゼンを含む流出物流を生成することを含むトルエン不均化プロセスであって、前記流出物流中のベンゼンとキシレンとのモル比が1.00~1.14の範囲にあり、前記流出物流中のパラキシレンとキシレンとのモル比が0.80~1.0の範囲にあり、トルエンの変換率が20%~40%である、プロセス。
【請求項2】
前記微多孔質結晶性ゼオライトが、焼成、イオン交換及び焼成後、並びに無水基準で、少なくともAlO及びSiO四面体単位の三次元骨格、並びに
M1 N+Al(l-x)Siy’z”
の実験式によって表される水素形態の実験的組成物を有する、TUN及びIMFゼオタイプのコヒーレント成長複合物を構成し、
式中、M1は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、亜鉛、アンモニウムイオン、水素イオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの交換性陽イオンであり、「a」は、M1と(Al+E)とのモル比であり、0.05~50で変化し、「N」は、M1の加重平均原子価であり、+1~+3の値を有し、Eは、ガリウム、鉄、ホウ素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される元素であり、「x」は、Eのモル分率であり、0~1.0で変化し、y‘は、Siと(Al+E)とのモル比であり、9超~実質的に純粋なシリカで変化し、z”は、Oと(Al+E)とのモル比であり、等式:
z”=(a・N+3+4・y’)/2
によって決定される値を有し、
前記ゼオライトが、それが少なくとも表B1に記載されるd層間隔及び強度を有するX線回折パターンを有することを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【表1】
複数の重なり合う反射からなる複合ピーク
【請求項3】
前記触媒が、少なくとも1つの強化処理工程で強化されている、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの強化処理工程が、シリカを組み込むための少なくとも1つの処理を含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記触媒が、前記少なくとも1つの強化処理工程後に蒸気処理される、請求項3に記載のプロセス。
【請求項6】
前記ベンゼンとキシレンとのモル比が、1.00~1.08の範囲にある、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記ベンゼンとキシレンとのモル比が、1.00~1.08の範囲にあり、前記パラキシレンとキシレンとのモル比の範囲が、0.80~0.95の範囲にある、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記パラキシレンとキシレンとのモル比が、0.80~0.90の範囲にある場合、キシレンに対する選択性が、52%を超えるか、若しくは前記パラキシレンとキシレンとのモル比が、0.80~0.90の範囲にある場合、軽留分に対する選択性が、3.5%未満であるか、又はその両方である、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記不均化条件が、200℃~600℃の範囲の温度、1.4~4.5MPa(g)の範囲の圧力、0.1~10hr-1の範囲の重量時間空間速度、又は0.25:1~10:1の範囲の水素と炭化水素との比、のうちの1つ以上を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
環損失が1.5%未満である、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の記載)
本出願は、2020年2月18日に出願された、米国特許出願第16/793,527号からの優先権を主張し、その全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ゼオライトは、微多孔質であり、AlO及びSiO四面体を共有する角から形成される、結晶性アルミノシリケート組成物である。ゼオライトは、天然に存在するものも合成によって調製されるものも、様々な工業プロセスにおいて使用される。合成ゼオライトは、Si、Alの好適な供給源、及びアルカリ金属、アルカリ土類金属、アミン、又は有機アンモニウム陽イオンなどの構造指向剤を用いる水熱合成を介して調製される。構造指向剤は、ゼオライトの細孔内に存在し、最終的に形成される特定の構造に大きく関与する。これらの種は、アルミニウムに関連する骨格電荷のバランスをとり、空間充填剤としても機能することができる。ゼオライトは、均一な寸法の細孔開口部を有し、顕著なイオン交換能力を有し、永久ゼオライト結晶構造を構成する任意の原子を著しく変位させることなく、結晶の内部空隙全体に分散される、吸着相を可逆的に脱着することが可能であることを特徴とする。ゼオライトは、炭化水素転化反応のための触媒として使用することができ、これは、細孔の外側表面上、並びに細孔内の内部表面上で起こり得る。
【0003】
TNU-9と称される1つの特定のゼオライトは、最初に2004年にHongらによって開示され(J.Am.Chem.Soc.2004,126,5817-26)、次いで2005年に付与された韓国特許第480229号において開示された。この報告書及び特許に、合成の完全な報告書(J.Am.Chem.Soc.2007,129,10870-85)が2007年に続いた。これらの論文は、ナトリウムの存在下での可撓性ジカチオン性構造指向剤、1,4-ビス(N-メチルピロリジニウム)ブタンジブロミドからのTNU-9の合成について記載している。TNU-9の構造が解明された後(Nature,2006,444,79-81)、International Zeolite Association Structure Commissionは、このゼオライト構造型にTUNのコードを与え、International Zeolite Association Structure Commission(http://www.iza-structure.org/databases/)によって管理されている、Atlas of Zeolite Framework Typesを参照されたい。TUN構造型は、各チャネルが四面体配位原子の10員環によって画定される、3つの相互に直交するチャネルのセットを含有することが見出された。加えて、2つの異なるサイズの10員環チャネルが構造内に存在する。
【0004】
別の特定のゼオライトであるIM-5は、Benazziらによって1996年に初めて開示され(仏国特許出願公開第96/12873号、国際公開第98/17581号)、これは、ナトリウムの存在下で、可撓性ジカチオン性構造指向剤、1,5-ビス(N-メチルピロリジニウム)ペンタンジブロミド又は1,6-ビス(N-メチルピロリジニウム)ヘキサンジブロミドからのIM-5の合成を記載している。IM-5の構造がBaerlocherらによって解明された後(Science,2007,315,113-6)、International Zeolite Structure Commissionは、このゼオライト構造型にIMFのコードを与えた(Atlas of Zeolite Framework Typesを参照)。IMF構造型はまた、各チャネルが四面体配位原子の10員環によって画定されるチャネルの3つの相互に直交するセットを含有することが見出されたが、三次元における接続性は、2.5nmごとに中断され、したがって拡散は、いくらか限定される。加えて、複数の異なるサイズの10員環チャネルが構造内に存在する。
【0005】
出願人は、以前に、UZM-39と称される新しい材料のファミリーを開発した。材料のトポロジーは、TNU-9及びIM-5で観察されたものと同様である。これらの材料は、米国特許第8,642,823号、同第8,940,952号、同第8,946,497号、及び同第8,846,998号に記載されているように、様々な炭化水素変換プロセスにおいて使用され得る。
【0006】
キシレン異性体は、様々な重要な工業用化学物質の原料として石油から大量に生産される。キシレン異性体のうちの最も重要なものは、ポリエステルの主要供給原料であるパラキシレンであり、多くのベース需要によって高い成長率を享受し続けている。オルトキシレンは、大規模ではあるが成熟した市場を有する無水フタル酸を生成するために使用される。メタキシレンは、可塑剤、アゾ染料、及び木材保存剤などの製品において使用され、より小規模であるが量が増大している。
【0007】
芳香族炭化水素の中で、キシレンの全体的な重要性は、工業用化学物質の供給原料としてのベンゼンの重要性に匹敵する。キシレン又はベンゼンのいずれも、ナフサの改質によっては需要を満たすのに十分な量で石油から生成されない。したがって、キシレン及びベンゼンの生成を増加させるために、他の炭化水素の変換が必要である。多くの場合、トルエンは、選択的に不均化されて、ベンゼン及びC芳香族化合物を得て、それから個々のキシレン異性体が回収される。
【0008】
パラ選択的トルエン不均化は、トルエンをベンゼン及びキシレンに変換する目的で、1980年代に商業化されたプロセスであり、典型的には0.85を超える高いパラキシレンと総キシレンとのモル比(pX/Xモル比)を有する。この技術は、パラキシレンから誘導されるポリエステル及び他の化学品の需要が存在するが、他のキシレンの需要が限定される場合に、特に所望される。高いpX/Xは、当初、触媒を炭素及び/又はコークスで「選択」して、MFI細孔径を狭め、MFI結晶の外側表面の酸部位を被覆することによって達成された。その後、シリカを触媒上に堆積させることによって、同様の結果が達成されることがわかった。
【0009】
米国特許第4,016,219(B1)号(Kaeding)は、少なくとも0.5質量%の量のリンの添加によって変性されたゼオライトを含む触媒を使用するトルエン不均化のためのプロセスを開示している。ゼオライトの結晶にリン化合物を接触させて、ゼオライトとリン化合物とを反応させる。次いで、変性ゼオライトは、示されたマトリックス材料に組み込まれ得る。
【0010】
米国特許第4,097,543(B1)号(Haagら)は、制御されたプレコーキングを経たゼオライトを使用した、パラキシレンの選択的生成のためのトルエン不均化について教示している。ゼオライトは、IB族~VIII族の様々な元素でイオン交換され得、様々な粘土及び他の多孔質マトリックス材料と複合化され得る。
【0011】
米国特許第6,114,592(B1)号(Gajdaら)は、トルエンの選択的不均化のための改善されたプロセスの組み合わせを教示している。組み合わせは、トルエン供給原料の選択的水素化、続いて、リン酸アルミニウム結合剤に油滴を落としたゼオライト触媒と接触させて、パラキシレンの高収量を達成することを含む。
【0012】
米国特許第6,429,347(B1)号(Boldingh)は、プレコーキング条件で触媒をコークス形成供給物と接触させることによって選択的に触媒をプレコーキングした後、リン酸アルミナと結合したMFIゼオライトを含む触媒を使用して、パラキシレンの選択的生成のためのトルエン不均化反応を教示している。
【0013】
これらのプロセスでは、選択されるゼオライトは、MFI骨格を有するZSM-5であった。これらの触媒を使用すると、十分な量のコークス又はシリカの堆積によって、パラキシレンとキシレンとのモル比(pX/X)は、0.24~0.90以上の平衡レベルから増加し得る。これは、pX/Xのモル比を増加させるが、これには、常に、ベンゼンとキシレンとのモル比(Bz/X)が1の理論値を有意に超える増加が伴う。pX/Xモル比が高いほど、Bz/Xモル比は高い。
【0014】
理論に拘束されることを望むものではないが、Bz/Xモル比の増加は、総キシレン収量の損失によって引き起こされることは明らかである。一般的には、パラキシレン収量が特定のレベルを超えて増加するにつれて、総キシレン収量は、典型的には減少する。これは避けられないと考えられ、Bz/Xモル比を最小にするために、コークスやシリカの使用を最適化するための研究が多く行われてきた。pX/Xモル比を0.90以上に増加させるために最良のシリカ堆積技術を使用すると、30%のトルエン転換率、H/HC=2、WHSV=4の不均化条件、400psigの圧力で、最大1.4のBz/Xモル比値を見ることはごく一般的である。
【0015】
したがって、pX/Xモル比が高く(例えば、0.70以上)、Bz/Xモル比が1.2未満である改善されたトルエン不均化プロセスの必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】トルエン不均化プロセスの一実施形態の図である。
図2】30%変換率での様々な触媒について、pX/Xモル比の関数としてのBz/Xモル比を示すグラフである。
図3】30%変換率での様々な触媒について、pX/Xモル比の関数としてのトルエンに対する選択性を示すグラフである。
図4】30%変換率での様々な触媒について、pX/Xモル比の関数としての軽留分(C1~C6)に対する選択性を示すグラフである。
図5】達成されたpX/Xモル比に対してプロットされた様々な触媒について、30%の変換率を達成するために必要な温度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一態様は、トルエン不均化プロセスである。一実施形態では、プロセスは、トルエンを含む供給物と微多孔質結晶性ゼオライトとを不均化条件で接触させて、パラキシレン及びベンゼンを含む流出物流を生成することを含み、流出物流中のベンゼンとキシレンとのモル比(Bz/X)は、1.00~1.14の範囲にあり、流出物流中のパラキシレンとキシレンとのモル比(pX/X)は、0.80~1.0の範囲にあり、トルエンの変換率は、20%~40%である。
【0018】
本発明は、UZM-39と称されるアルミノシリケートゼオライトの触媒的使用に関する。UZM-39は、International Zeolite Association Structure Commission(http://www.iza-structure.org/databases/)によって管理されているAtlas of Zeolite Framework Typesに記載されているように、トポロジカル構造がTUNに関連するゼオライトであり、そのメンバーは、TNU-9と称されている。しかしながら、UZM-39は、そのX線回折パターン(XRD)を含むいくつかのその特性においてTNU-9とは異なる。UZM-39は、Atlas of Zeolite Framework Typesに記載されているように、IMFにも関連しており、そのメンバーは、IM-5と称された。UZM-39の調製及び使用について記載している、各々全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,642,823号、同第8,940,952号、同第8,946,497号、及び同第8,846,998号に示されるように、UZM-39は、そのX線回折パターンを含むいくつかのその特性においてTNU-9及びIM-5とは異なる。驚くべきことに、不均化条件中、pX/Xモル比が0.75を超えるまで強化工程を経たUZM-39は、過剰なベンゼンを生成することなく、高いpX/Xモル比と高い総キシレン選択性との固有の組み合わせを有していたことが見出された。
【0019】
UZM-39は、
Na k+Al1-xSi
の実験式で表される、合成されたままの無水基準における実験的組成物を有し、
式中、「n」は、Naと(Al+E)とのモル比であり、0.05~0.5の値を有し、Mは、亜鉛、周期表の第1族(IUPAC1)、第2族(IUPAC2)、第3族(IUPAC3)、ランタニド系列、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される金属(複数可)を表し、「m」は、Mと(Al+E)とのモル比であり、0~0.5の値を有し、「k」は、金属M(複数可)の平均電荷であり、Tは、反応物R及びQから誘導される有機構造指向剤(複数可)であり、Rは、3~6個の炭素原子を有するΑ,Ω-ジハロゲン置換アルカンであり、Qは、6個以下の炭素原子を有する少なくとも1つの中性モノアミンであり、「t」は、有機構造指向剤(複数可)からのNと(Al+E)とのモル比であり、0.5~1.5の値を有し、Eは、ガリウム、鉄、ホウ素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される元素であり、「x」は、Eのモル分率であり、0から1.0の値を有し、「y」は、Siと(Al+E)とのモル比であり、9超~25で変化し、「z」は、Oと(Al+E)とのモル比であり、等式:
z=(n+k・m+3+4・y)/2
によって決定される値を有し、
式中、Mは、ただ1つの金属であり、次いで、加重平均原子価は、1つの金属の原子価、すなわち+1又は+2である。しかしながら、2つ以上のM金属が存在する場合、
k+=Mm1 (k1)++Mm2 (k2)++Mm3 (k3)++Mm4 (k4)++...
の総量、
及び加重平均原子価「k」は、以下の式によって与えられる。
【0020】
【数1】
【0021】
UZM-39は、反応性のナトリウムの供給源、有機構造指向剤T(複数可)、アルミニウム、ケイ素、層状材料のシードL、及び任意選択的にE、M、又はその両方を組み合わせることによって調製された反応混合物の水熱結晶化によって合成され得る。アルミニウムの供給源としては、アルミニウムアルコキシド、沈殿アルミナ、アルミニウム金属、水酸化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミニウム塩、及びアルミナゾルが挙げられるが、これらに限定されない。アルミニウムアルコキシドの具体例としては、アルミニウムsec-ブトキシド及びアルミニウムオルトイソプロポキシドが挙げられるが、これらに限定されない。シリカの供給源としては、テトラエチルオルトシリケート、コロイダルシリカ、沈殿シリカ、及びアルカリシリケートが挙げられるが、これらに限定されない。ナトリウムの供給源としては、水酸化ナトリウム、臭化ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、及びケイ酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
Tは、反応物R及びQから誘導される有機構造指向剤(複数可)であり、Rは、3~6個の炭素原子を有するΑ,Ω-ジハロゲン置換アルカンであり、Qは、6個以下の炭素原子を有する少なくとも1つの中性モノアミンを含む。Rは、1,3-ジクロロプロパン、1,4-ジクロロブタン、1,5-ジクロロペンタン、1,6-ジクロロヘキサン、1,3-ジブロモプロパン、1,4-ジブロモブタン、1,5-ジブロモペンタン、1,6-ジブロモヘキサン、1,3-ジヨードプロパン、1,4-ジヨードブタン、1,5-ジヨードペンタン、1,6-ジヨードヘキサン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、3~6個の炭素原子を有するΑ,Ω-ジハロゲン置換アルカンであり得る。Qは、1-エチルピロリジン、1-メチルピロリジン、1-エチルアゼチジン、1-メチルアゼチジン、トリエチルアミン、ジエチルメチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルブチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、メチルエチルプロピルアミン、メチルエチルイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、シクロペンチルアミン、メチルシクロペンチルアミン、ヘキサメチレンイミンなどの、6個以下の炭素原子を有する少なくとも1つの中性モノアミンを含む。Qは、複数の6個以下の炭素原子を有する中性モノアミンの組み合わせを含み得る。
【0023】
Lは、層状ゼオライトのうちの少なくとも1つのシードを含む。好適なシードゼオライトは、30未満~50nmの少なくとも1つの寸法で結晶厚さを有する微多孔質ゼオライトである層状材料である。微多孔質材料は、2nm未満の細孔径を有する。シード層状ゼオライトは、合成中のUZM-39コヒーレント成長複合物とは異なるゼオタイプのものである。好適な層状材料の例としては、UZM-4M(米国特許第6776975号)、UZM-5(米国特許第6613302号)、UZM-8(米国特許第6756030号)、UZM-8HS(米国特許第7713513号)、UZM-26(米国特許出願公開第2010/0152023(A1)号)、UZM-27(米国特許第7575737号)、BPH、FAU/EMT材料、BEA若しくはゼオライトベータ、MCM-22P及びMCM-22、MCM-36、MCM-49、MCM-56、ITQ-1、ITQ-2、ITQ-30、ERB-1、EMM-10P及びEMM-10、SSZ-25、及びSSZ-70などのMWWファミリーのメンバー、並びにPREFER(プレフェリエライト)、NU-6などのより小さな微多孔質材料などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
Mは、周期表の第1族(IUPAC1)、第2族(IUPAC2)、第3族(IUPAC3)、又はランタニド系列、及び又は亜鉛からの金属(複数可)のうちの少なくとも1つの交換性陽イオンを表す。Mの具体例としては、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、イットリウム、ランタン、ガドリニウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。反応性のMの供給源としては、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、又は酢酸塩からなる群が挙げられるが、これらに限定されない。Eは、ガリウム、鉄、ホウ素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される元素であり、好適な反応性の供給源としては、ホウ酸、オキシ水酸化ガリウム、硝酸ガリウム、硫酸ガリウム、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
反応性の所望の構成要素の供給源を含有する反応混合物は、式:
a-b NaO:bMn/2O:cRO:dQ:1-eAl:eE:fSiO:gH
による酸化物のモル比に関して記載され得、
式中、「a」は、10~30の値を有し、「b」は、0~30の値を有し、「c」は、1~10の値を有し、「d」は、2~30の値を有し、「e」は、0~1.0の値を有し、「f」は、30~100の値を有し、「g]は、100~4000の値を有する。加えて、反応混合物中には、反応物中のSiOの量に基づいて、1~10重量%のシードゼオライトLがあり、例えば、反応物混合物中に100gのSiOが存在する場合、1~10gのシードゼオライトLが添加される。実施例は、UZM-39につながる反応混合物について、いくつかの特定の添加順序を示す。しかしながら、少なくとも6つの出発材料が存在するために、多くの添加順序が可能である。例えば、シード結晶Lは、反応混合物に最後の成分として、反応性のSi供給源に、又は他の好適な時点で添加され得る。また、アルコキシドが使用される場合、アルコール加水分解生成物を除去するための蒸留又は蒸発工程を含むことが好ましい。有機構造指向剤R及びQは、プロセス中の多くの時点で反応混合物に別々に又は一緒に添加され得るが、RとQとを室温で一緒に混合し、混合された混合物を0~10℃に維持された反応性のSi、Al、及びNa供給源の冷却された混合物に添加することが好ましい。あるいは、RとQとの混合物を、室温で混合した後、冷却し、0~10℃の温度を維持しながら、反応性のSi、Al、及びNaの供給源を有機構造指向剤混合物に添加し得る。代替の実施形態では、試薬R及びQは、別々に又は一緒に、室温で反応混合物に添加され得る。
【0026】
次いで、反応混合物を、150℃~200℃、155℃~190℃、又は160℃~180℃の温度で、自発性圧力下で撹拌した密閉反応容器中で、1日~3週間の期間、好ましくは3日間~12日間の時間にわたって反応させる。結晶化が完了した後、固体生成物が、濾過又は遠心分離などの手段によって不均質混合物から単離され、次いで、脱イオン水で洗浄され、最大100℃の周囲温度で空気中で乾燥される。
【0027】
合成されたままのTUN及びIMFのゼオタイプのコヒーレント成長複合物であるUZM-39は、少なくとも下記表A1~A3に記載されるd層間隔及び相対強度を有するX線回折パターンによって特徴付けられる。本明細書の回折パターンは、銅のKα線CuKαを利用して、典型的な実験用粉末回折計を用いて得られた。角度2シータ(2θ)によって表される回折ピークの位置から、試料の特徴的な面間距離dhklは、Braggの等式を使用して計算され得る。
【0028】
強度は、X線回折パターン上の最も強いピークを表す線に対する100の値に起因する相対強度スケールに基づいて計算され、次いで、非常に弱い(vw)は、5未満を意味し、弱い(w)は、15未満を意味し、中程度(m)は、15~50の範囲を意味し、強い(s)は、50~80の範囲を意味し、非常に強い(vs)は、80超を意味する。強度はまた、上記の範囲を含むものとして示すことができる。データ(面間隔及び強度)が得られるX線回折パターンは、多数の反射によって特徴付けられ、そのうちのいくつかは、より高い強度のピークにショルダーを形成する広いピーク(複数可)である。ショルダーの一部又は全ては、分解されない可能性がある。これは、特定のコヒーレント成長複合物構造の低結晶化度の試料、又はX線の有意な広がりを引き起こすのに十分小さい結晶を有する試料の場合であり得る。これはまた、回折パターンを生成するために使用される機器又は作動条件が、この場合に使用されるものとは著しく異なる場合であり得る。当業者によって理解されるとおり、パラメータ2θの決定は、人為的及び機械的誤差の両方を受けやすく、これは組み合わせて、2θの各報告値に対して±0.4°の不確実性を課し得る。この不確実性はまた、当然ながら、2θ値から計算されるd層間隔の報告値で現れる。この不正確さは、当分野全体を通して一般的なものであり、本結晶性物質を相互に、及び先行技術の組成物との差異を妨げる程十分ではない。
【0029】
UZM-39のX線回折パターンは、多くのピークを含有する。UZM-39のそれらのピーク特性は、様々なコヒーレント成長複合物構造について表A1~A3に示される。追加のピーク、特に非常に弱い強度のピークも存在し得る。コヒーレント成長複合物構造のUZM-39ファミリー中に存在する中強度又はより高強度の全てのピークは、少なくとも表A3に表される。
【0030】
表A1は、UZM-39のX線回折パターンの選択されたd層間隔及び相対強度を含有する。相対強度は、TUN及びIMFゼオタイプの様々な相対量を有するUZM-39材料をカバーする範囲として示される。
【0031】
【表1】
複数の重なり合う反射からなる複合ピーク
【0032】
ゼオライトは、表A2に記載される少なくともd層間隔及び強度を有するX線回折パターンによって更に特徴付けられ得、d層間隔及び強度は、コヒーレント成長複合物構造の構成要素の異なる相対濃度で提供される。
【0033】
【表2】
【0034】
ゼオライトは、表A3に記載される少なくともd層間隔及び強度を有するX線回折パターンによってまた更に特徴付けられ得、d層間隔及び強度は、コヒーレント成長複合物構造の構成要素の異なる相対濃度で提供される。
【0035】
【表3】
【0036】
表A2及び表A3において、「高」という用語は、指定構成要素の60~95質量%を指し、「中」という用語は、指定構成要素の25~70質量%を指し、「低」という用語は、指定構成要素の5~40質量%を指す。いくつかのピークは、より強いピーク上のショルダーであり得、いくつかのピークは、複数の重なり合う反射からなる複合ピークであり得る。
【0037】
UZM-39材料は、少なくとも600℃、又は最大で少なくとも700℃、又は最大で少なくとも800℃の温度まで熱的に安定である。UZM-39材料は、60%を超える総細孔容積の百分率として微細孔容積を有し得る。
【0038】
高解像度走査型電子顕微鏡法によるUZM-39生成物の特性評価によって、UZM-39が、多くの場合スターバーストクラスター配列で、長方形の棒状粒子に集合する旋盤で形成されることが示される。
【0039】
UZM-39は、TUN及びIMFゼオタイプのコヒーレント成長複合物構造である。コヒーレント成長複合物構造は、両方の構造が所与の試料中の結晶の主要部分に存在することを意味する。このコヒーレント成長複合物構造は、2つのゼオタイプ構造が、それらの結晶構造の少なくとも平面突起に沿って原子のほぼ同一の空間的配置を有し、同様の細孔トポロジーを有する場合に可能である。各頂点は四面体部位(又はT部位)であり、各スティックの中央には、角共有の酸素原子がある。これらの突起に沿って、TUNとIMFとの両ゼオタイプは、6-環及び10-環と連結された5-環の鎖のほぼ同一の突起を含有し、平面に対して垂直に走るチャネルを形成している。
【0040】
TUNとIMFとの両ゼオタイプは、三次元10-環ゼオライトであり、一平面上にほぼ同一の突起を有するため、2つの構造は、それによって、互換性のある平面で界面を有する他構造の結晶からコヒーレントに成長し、コヒーレント成長複合物構造を形成し得る。
【0041】
コヒーレント成長複合物構造は、2つのモレキュラーシーブの物理的混合物ではない。電子回折、透過電子顕微鏡法、及びX線回折分析を用いて、材料が物理的混合物の代わりにコヒーレント成長複合物構造であることを示す。通常、電子回折とTEM画像化との組み合わせは、1つの結晶内の両方の構造の存在の直接的証拠を提供するため、1つがコヒーレント成長複合物構造を生成したかどうかを判定する際に最も確実である。
【0042】
コヒーレント成長複合物構造ゼオライトは、様々な量の2つの構造型を有し得るため、一部の回折線の相対強度及び線幅は、コヒーレント成長複合物構造中に存在する各構造の量に応じて変化することを理解されたい。X線粉末回折パターンの変化の度合いは、特定の構造については理論的に予測可能であるが、コヒーレント成長複合物構造のより可能性の高いモードは、本質的にランダムであり、したがって、計算のベースとして大きな仮説モデルを用いなければ予測は困難である。
【0043】
TNU-9とIM-5との物理的な混合物とは異なり、高解像度画像化を使用する透過型電子顕微鏡法(TEM)分析及び計算による光学ディフラクトグラムは、UZM-39がTUN及びIMFゼオタイプのコヒーレント成長複合物構造からなることを示す。
【0044】
加えて、UZM-39ゼオライトは、XRDパターンのリートベルト分析によって特徴付けられ得る。リートベルト分析は、Rietveldによって開発された最小二乗手法(Journal of Applied Crystallography1969、2:65-71)であり、理論線XRDプロファイルが測定XRDパターンに可能な限り密接に一致するまで改良し、強く重複する反射を含有するUZM-39などの試料から構造情報を導出する好ましい方法である。多くの場合、XRDディフラクトグラムにおいて2つの異なる相の量を定量化するために使用される。リートベルト法の精度は、結晶子サイズ(ピークの広がり)、ピーク形状関数、格子単位セル定数、及びバックグラウンドフィットなどのパラメータによって決定される。出願人は、使用される条件下で、報告値の誤差が±5%になり得ることを判定した。出願人はまた、使用されるリートベルトモデルが、10%未満の値で少数複合物構造相構成要素の量を定量化することができなかったことも判定した。しかしながら、少数構成要素の量は、モデルパターンに対して比較することによって、視覚的に5%を超えるレベルで見られ得る。様々なUZM-39試料に対するリートベルト改良の結果は、UZM-39が0を超え100重量%未満のIMFゼオタイプ、及び100重量%未満で0重量%を超えるTUNゼオタイプを含有することを示す。別の実施形態では、UZM-39は、5重量%を超え95重量%未満のIMFゼオタイプ、及び95重量%未満で5重量%を超えるTUNゼオタイプを含有し、更に別の実施形態では、UZM-39は、10を超え90重量%未満のIMFゼオタイプ、及び90重量%未満で10重量%を超えるTUNゼオタイプを含有する。合成条件を変更することによって、広範囲のコヒーレント成長複合物構造が可能である。
【0045】
合成されたままのUZM-39材料は、その細孔内にいくらかの交換性又は電荷平衡陽イオンを含有する。これらの交換性陽イオンは、他の陽イオンと交換性であり得るか、又は有機陽イオンの場合、制御された条件下で加熱することによって除去され得る。イオン交換によって直接UZM-39ゼオライトからいくつかの有機陽イオンを除去することも可能である。UZM-39ゼオライトは、特定の用途での使用に、用途に合わせるために、多くの手段で変性させることができる。変性としては、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第6,776,975(B1)号のUZM-4Mの場合に概説されるように、焼成、イオン交換、蒸気処理、様々な酸抽出、アンモニウムヘキサフルオロシリケート処理、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。条件は、米国特許第6,776,975号に示されるものよりも苛酷であり得る。変性させる特性としては、多孔性、吸着性、Si/Al比、酸度、熱安定性などが挙げられる。
【0046】
焼成、イオン交換及び焼成後、並びに無水基準で、変性微多孔質結晶性ゼオライトUZM-39(UZM-39M)は、少なくともAlO及びSiO四面体単位の三次元骨格、並びに
M1 N+Al(l-x)Siy’z”
の実験式によって表される水素形態の実験的組成物を有し、
式中、M1は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アンモニウムイオン、水素イオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの交換性陽イオンであり、「a」は、M1と(Al+E)とのモル比であり、0.05~50で変化し、「N」は、M1の加重平均原子価であり、+1~+3の値を有し、Eは、ガリウム、鉄、ホウ素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される元素であり、xは、Eのモル分率であり、0~1.0で変化し、y’は、Siと(Al+E)とのモル比であり、9超~実質的に純粋なシリカで変化し、z”は、Oと(Al+E)とのモル比であり、等式:
z”=(a・N+3+4・y’)/2
によって決定される値を有する。
【0047】
水素形態では、焼成、イオン交換及び焼成して、NH除去した後、UZM-39は、表B1~B3に示されるXRDパターンを示す。UZM-39のそれらのピーク特性は、様々なコヒーレント成長複合物構造について表B1~B3に示される。追加のピーク、特に非常に弱い強度のピークも存在し得る。コヒーレント成長複合物構造のUZM-39ファミリー中に存在する中強度又はより高強度の全てのピークは、少なくとも表B3に表される。
【0048】
表B1は、UZM-39のX線回折パターンの水素形態の選択されたd層間隔及び相対強度を含有する。相対強度は、TUN及びIMFゼオタイプの様々な相対量を有するUZM-39材料をカバーする範囲として示される。
【0049】
【表4】
複数の重なり合う反射からなる複合ピーク
【0050】
ゼオライトは、表B2に記載される少なくともd層間隔及び強度を有するX線回折パターンによって更に特徴付けられ得、ここでは、d層間隔及び強度は、コヒーレント成長複合物構造の構成要素の異なる相対濃度で提供される。
【0051】
【表5】
【0052】
ゼオライトは、表B3に記載される少なくともd層間隔及び強度を有するX線回折パターンによってまた更に特徴付けられ得、ここでは、d層間隔及び強度は、コヒーレント成長複合物構造の構成要素の異なる相対濃度で提供される。
【0053】
【表6】
【0054】
表B2及び表B3において、「高」という用語は、指定構成要素の60~95質量%を指し、「中」という用語は、指定構成要素の25~70質量%を指し、「低」という用語は、指定構成要素の5~40質量%を指す。いくつかのピークは、より強いピーク上のショルダーであり得、いくつかのピークは、複数の重なり合う反射からなる複合ピークであり得る。
【0055】
本明細書でゼオライト出発材料の割合又はゼオライト生成物の吸着特性などを指定する場合、ゼオライトの「無水状態」が、別段記載がない限り意図される。「無水状態」という用語は、物理的に吸着された水及び化学的に吸着された水の両方を実質的に含まないゼオライトを指すために本明細書で用いられる。
【0056】
トルエン不均化中に達成されるpX/X比を増加させるために、UZM-39又はUZM-39Mが強化され得る。強化とは、トルエン不均化中に0.24の平衡値を有意に上回るpX/Xモル比を増加させる工程を示すことを意味する。3つの既知の例は、炭素の堆積、シリカでの処理、及び炭素及び/又はシリカの堆積後の蒸気処理である。
【0057】
驚くべきことに、不均化条件中に達成されたpX/Xモル比が0.6を超えるまで強化工程を経たUZM-39を含む触媒は、過剰なベンゼンを生成することなく、高いpX/Xモル比と高い総キシレン選択性との固有の組み合わせを有していたことが見出された。
【0058】
触媒は、不均化触媒の製作を容易にする、強度を提供する、製作コストを低減する、又はこれらの組み合わせを目的とする耐火性結合剤又はマトリックスを更に含み得る。結合剤は、組成物中で均一で、プロセスで使用される条件に対して比較的耐火性であり得る。好適な結合剤としては、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、クロミア、チタニア、ボリア、トリア、酸化亜鉛、及びシリカのうちの1つ以上などの無機酸化物が挙げられ得る。アルミナ及び/又はシリカは、好ましい結合剤である。結合触媒中に存在するゼオライトの量は、著しく変化し得るが、通常、触媒の30~90質量パーセント、好ましくは50~80質量パーセントの量で存在する。
【0059】
シリカを堆積させるための例示的な強化工程は、ゼオライトをテトラエチルオルトシリケート(TEOS)などのケイ素試薬に曝露し、続いて焼成工程を含む。シリカ処理による例示的な強化は、シリカをゼオライトに組み込む。シリカの堆積による強化は、ゼオライトの処理によってもたらされ得るか、耐火性酸化物と結合する前にゼオライト上で行われ得るか、又は結合触媒上で行われ得る。
【0060】
一態様では、UZM-39は、強化前に金属酸化物結合剤とともに押し出され得る。イオン交換されたゼオライト粉末は、シリンダ又はトリローブとして押し出され得、耐火性金属酸化物は、SiO、TiO、ZrO、Al、又はこれらの混合物を含む。一態様では、耐火性金属酸化物は、SiOであり得る。ゼオライト及び耐火性金属酸化物の相対的配合量は、変化し得る。触媒押出物中のゼオライト含有量は、50重量%超、又は55重量%超、又は60重量%超、又は65重量%超、又は95重量%未満、又は90重量%未満、又は80重量%未満であり得る。押出物のサイズ及び形状は、既知の技術的範囲内で変化し得、シリンダ及び1.6mmのトリローブが好ましい。押出物の幅は、0.75mm~4mm、又は1.0mm~3mmであり得る。
【0061】
乾燥押出物は、350℃~600℃の範囲の温度で、5分~6時間空気中で焼成され得る。15分~4時間、又は30分~3時間の時間が、許容可能であり得る。400℃~550℃、又は450℃~550℃の温度が、許容可能であり得る。任意選択的に、押出物は、10:1:1の重量比の水:硝酸アンモニウム:押出物を使用して、75℃で1時間イオン交換され得る。イオン交換された場合、押出物は、脱イオンHOで複数回すすがれる。利用される場合、必要に応じてイオン交換が繰り返され得る。次いで、最終乾燥押出物は、上に記載されるように焼成され得る。
【0062】
シリカによる強化処理は、試料を容器に入れ、有機溶媒を添加することによって進行し得る。一態様では、添加される有機溶媒の量は、表1から決定され得る。容器は、有機溶媒の還流温度で1時間加熱され得、その間に水がシステムから除去され得る。次いで、ケイ素試薬が容器に添加され得る。一態様では、ケイ素試薬としては、ケイ素アルコキシドが挙げられるが、これらに限定されない。好適なケイ素アルコキシドとしては、テトラメチルオルトシリケート(TMOS)、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)、テトラプロピルオルトシリケート(TPOS)、テトライソプロピルオルトシリケート(TiPOS)、テトラブチルオルトシリケート(TBOS)が挙げられるが、これらに限定されない。ケイ素試薬は、部分的に加水分解されたアルコキシド又はケイ素のシロキサンであり得る。好適な供給源は、Evonikから入手可能なDynaslan(登録商標)Silbond(登録商標)ファミリーの製品うちの1つであり得る。ケイ素試薬は、クロロシランであり得る。使用されるケイ素試薬の濃度は、試料重量に基づいて5~25重量%の範囲にあり得る。
【0063】
ケイ素試薬が添加されると、容器の内容物は、5分~8時間、又は30分~4時間の還流で反応し得る。還流後、溶媒は、試料から除去され得る。好適な溶媒除去方法は、デカンテーション、蒸留、又は減圧蒸留を伴い得る。次いで、試料を、少なくとも175℃~最大600℃の熱処理工程に曝露して、強化触媒を形成し得る。この強化処理は、所望のpX/X選択性を達成するために必要な回数だけ繰り返され得る。
【0064】
炭素の堆積による強化は、より高い温度、より低い圧力、より高い空間速度、又はより高い水素と炭化水素との比のうちの1つ以上を含む、後続の不均化工程に対する条件下でもたらされ得る。そのような炭素堆積条件は、100kPa~4MPaの絶対圧力、及び0.2~10hr-1の液体時間空間速度を含み得る。条件は、反応温度よりも少なくとも50℃高い入口温度、反応圧力よりも少なくとも100kPa低い圧力又は好ましくは後続の不均化工程において利用される圧力の半分以下の圧力のうちの1つ以上を含み得る。好ましくは、遊離水素と供給原料コークス形成炭化水素とのモル比は、後続の不均化工程で利用されるものの半分以下である。より低い圧力及び/又はより低い水素/炭化水素比は、発熱芳香族飽和反応の割合を低下させ、したがって温度上昇を制限し、結果は、比較的平らな温度プロファイルであるべきである。したがって、典型的な温度範囲は、300℃~700℃であり、典型的な水素とコークス形成供給物との範囲は、0.01~5である。炭素の堆積による強化は、5~40質量%の炭素、好ましくは10~30質量%の炭素の触媒炭素含有量をもたらし得る。炭素を堆積するためのコークス形成供給物は、以下に記載される不均化工程への供給原料を含み得る。一態様では、トルエン、又は好ましくは芳香族化合物を含む当該技術分野で既知の他の特定の炭化水素若しくは混合物が、コークス形成供給物として使用され得る。
【0065】
UZM-39は、炭素及び/又はシリカで1回以上強化され得る。強化は、ゼオライトを含む触媒の中に炭素又はシリカを組み込み得る。「中に」とは、表面の中又は表面の上を意味し、炭素又はシリカの強化が、ゼオライト結晶の外側表面上、並びに/又は存在する任意の耐火性酸化物の外側表面上及び/若しくは細孔構造内に材料を堆積し得ることを示すことを意味する。理論に拘束されることを望むものではないが、「中に」とは、ゼオライトの微細孔内への材料の堆積を記載するものではない。一実施形態では、強化は、ゼオライト上で行われ得るか、当該耐火性酸化物と結合する前にゼオライト上で行われ得るか、又はUZM-39若しくはUZM-39Mを含む、結合触媒上で行われ得る。不均化条件で所望の選択性が達成されるまで、個々の強化工程が繰り返され得る。一態様では、pX/Xが、0.6超、又は0.7超、又は0.8超、又は0.85超、又は0.9超になるまで、強化工程は、行われ得る。
【0066】
炭素の堆積又はシリカの堆積による強化に続いて、強化UZM-39は、任意選択的に蒸気処理を経ることができる。強化後の蒸気処理は、不均化中に達成されるpX/Xを増加させ得る。しかしながら、蒸気処理はまた、ゼオライト又は触媒の活性を低減し得る。一態様では、蒸気処理条件は、100℃~750℃、又は200℃~700℃、又は450℃~650℃の温度、0.1~0.5、又は0.15~0.35の水の分圧、10分~26時間、又は30分~6時間の時間を利用し得る。一態様では、不均化中の高いpX/X比は、強化工程(複数可)によって、又は強化工程(複数可)と蒸気処理工程(複数可)との組み合わせによって達成され得る。蒸気処理工程及び強化工程は、高pX/Xを達成するために見出される任意の順序で行われ得る。
【0067】
本発明の強化UZM-39ゼオライトは、トルエン不均化プロセスにおいて触媒又は触媒担体として利用され得る。
【0068】
トルエン不均化プロセスは、トルエンを含む供給物流を不均化条件でゼオライトを含む触媒と接触させて、ベンゼン及びキシレンを含む流出物流を得ることを含む。本発明のものなどの選択的不均化プロセスでは、触媒は、十分な量のコークス又はシリカの堆積によって、0.24~0.60以上の平衡レベルからパラキシレンとキシレンとのモル比(pX/X)を増加させるために、1つ以上の処理工程によって強化され得る。この強化は、pX/Xモル比を増加させるが、それは、以前に、ベンゼンとキシレンとのモル比(Bz/X)が1の理論値を有意に超える増加を伴った。pX/Xモル比を0.90以上に増加させるために最適なシリカ堆積技術を使用すると、30%のトルエン転換率、H/HC=2、WHSV=4hr-1を含み得る不均化条件、2.8MPa(g)の圧力で、最大1.4のBz/Xモル比値を見ることは一般的であった。
【0069】
理想的には、トルエン不均化プロセスは、反応からのキシレン収量を最大化しながら、可能な限り高いトルエン変換率で作動する。一態様では、トルエン変換率は、20重量%超、又は25重量%以上、又は28重量%超、又は30重量%超、又は32重量%超、又は35重量%超、又は50重量%未満、又は40重量%未満、又は35重量%未満であり得る。
【0070】
不均化反応のための供給物は、トルエン、任意選択的にC芳香族化合物との組み合わせを含み得、好適には1つ又は様々な供給源から誘導される。供給原料は、例えば、ナフサから、触媒的改質、又は熱分解に続いて水素化処理をして、芳香族化合物に富む生成物を得ることによって合成的に生成され得る。供給原料は、芳香族炭化水素と非芳香族炭化水素との混合物からの芳香族炭化水素の抽出、及び抽出物の分画によって、そのような生成物から好適な純度で誘導され得る。例えば、芳香族化合物は、改質物から回収され得る。供給物は、少なくとも80質量%のトルエン、又は85%を超えるトルエン、又は90%を超えるトルエン、又は95%を超えるトルエン、又は更には98.5%を超えるトルエンを含み得る。供給物は、90質量%を超える芳香族化合物、又は95%を超える芳香族化合物、又は98%を超える芳香族化合物、又は99%を超える芳香族化合物、又は更には99.5%を超える芳香族化合物を含み得る。一態様では、供給原料は、10質量%以下の非芳香族化合物を含有し得る。一態様では、供給物は、10質量%以下のベンゼンを含有し得る。一態様では、供給物は、10質量%以下のキシレンを含有し得る。一態様では、供給物は、10質量%以下のA9芳香族化合物を含有し得る。望ましくは、非芳香族化合物、ベンゼン、キシレン、及びA9芳香族化合物は、0質量%に近い。一態様では、本項において列挙される条件のうちの全て又はいずれかの混合は、供給物の特性評価に適用され得る。
【0071】
不均化反応条件は、200℃~600℃、又は300℃~450℃、又は350℃~425℃の範囲の温度が挙げられ得る。圧力は、1.0MPa~7.0MPa、又は1.4MPa(g)~4.5MPa(g)、又は2.0MPa(g)~3.5MPa(g)の範囲にあり得る。不均化反応は、広範囲の空間速度にわたってもたらされ得、より高い空間速度は、変換を犠牲にしてパラキシレンのより高い比をもたらす。重量時間空間速度(WHSV)は、0.5~10hr-1、又は1.0~7hr-1、又は1.0~5hr-1の範囲にあり得る。水素と炭化水素との比は、供給原料炭化水素と比較した遊離水素のモル比に基づいて計算される。0.5を超える、及び好ましくは1~5の範囲の炭化水素に対する水素の周期的増加によって、ソフトコークスの水素化による触媒の再生が可能になり得る。水素と炭化水素との比は、0.25~10、又は0.5~5の範囲にあり得る。
【0072】
流出物中のパラ-キシレンとキシレンとのモル比(pX/X)は、選択的トルエン不均化プロセスにおける重要な要素である。平衡pX/Xは、トルエン不均化条件において0.24であるため、パラ選択的トルエン不均化プロセスは、0.25を超える、又は0.30を超えるpX/Xを含む流出物を生成する。トルエン不均化プロセスからの流出物は、0.60超、又は0.70超、又は0.75超、又は0.80超、又は0.85超、又は0.90超のpX/Xモル比を有し得、0.98未満、又は0.96未満、又は0.94未満であり得る。
【0073】
理想的には、トルエン不均化プロセスは、1.00の流出物中のベンゼンとキシレンとのモル比(Bz/X)で作動する。1.00のBz/Xは、生成されたベンゼンのモルごとに、キシレンのモルが生成されることを示す。1.00に近いBz/X比が好ましく、一態様では、Bz/Xモル比は、1.20未満、又は1.16未満、又は1.12未満、又は1.08未満、又は1.06未満、又は1.05未満、又は1.04未満、又は1.03未満、又は1.02未満、又は1.01未満、及び1.00超、又は0.99超、又は0.98超であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、Bz/X比は、0.25~0.95の範囲のpX/Xモル比にわたって、0.98~1.20の範囲にある。いくつかの実施形態では、Bz/X比は、0.25~0.95のpX/Xモル比にわたって、0.98~1.16の範囲にある。いくつかの実施形態では、Bz/X比は、0.25~0.95の範囲のpX/Xモル比にわたって、0.98~1.12の範囲にある。いくつかの実施形態では、Bz/X比は、0.25~0.95の範囲のpX/Xモル比にわたって、0.98~1.08の範囲にある。いくつかの実施形態では、Bz/X比は、0.25~0.90の範囲のpX/Xモル比にわたって、0.98~1.06の範囲にある。いくつかの実施形態では、Bz/X比は、0.25~0.85の範囲のpX/Xモル比にわたって、0.98~1.05の範囲にある。いくつかの実施形態では、Bz/X比は、0.25~0.85の範囲のpX/Xモル比にわたって、0.98~1.02の範囲にある。いくつかの実施形態では、Bz/X比は、0.25~0.80の範囲のpX/Xモル比にわたって、0.98~1.01の範囲にある。いくつかの実施形態では、Bz/X比は、0.80~0.95の範囲のpX/Xモル比にわたって、1.00~1.20の範囲にある。いくつかの実施形態では、Bz/X比は、0.80~0.95の範囲のpX/Xモル比にわたって、1.00~1.16の範囲にある。いくつかの実施形態では、Bz/X比は、0.80~0.95の範囲のpX/Xモル比にわたって、1.00~1.12の範囲にある。いくつかの実施形態では、Bz/X比は、0.80~0.95の範囲のpX/Xモル比にわたって、1.00~1.08の範囲にある。いくつかの実施形態では、Bz/X比は、0.80~0.90のpX/Xモル比にわたって、1.00~1.06の範囲にある。
【0074】
供給物がベンゼン又はキシレンを含有する場合、供給物中のベンゼン又はキシレン又はパラキシレンの量は、Bz/X比及びpX/X比を決定するために生成物中の量から差し引かれる。言い換えれば、
Bz/Xモル比=(Bz生成物-Bz供給物)/(X生成物-X供給物)。
【0075】
加えて、パラキシレンと総キシレンとのモル比は、pX/Xモル比=(pX生成物-pX供給物)/(X生成物-X供給物)=PXXによって決定され得る。
【0076】
ベンゼンとキシレンとのモル比Bz/Xと、パラキシレンとキシレンとのモル比pX/Xとの間の関係が存在し、Bz/Xが増加すると、pX/Xが増加する。驚くべきことに、UZM-39を含む触媒は、従来より既知である触媒に比べて、この問題が有意に少ない。したがって、pX/Xが0.60~1.0の範囲内にある場合、Bz/Xは、1.00~0.375PXX+0.825の範囲にあり得、ここでは、PXXは、パラキシレンとキシレンとのモル比である。理論に拘束されるものではないが、この等式は、当業者が、0.60のpX/Xで、Bz/Xが1.00~1.05の範囲にあり得ると計算することを可能にする。0.80のpX/Xで、Bz/Xは、1.00~1.13の範囲にあり得る。0.90のpX/Xで、Bz/Xは、1.00~1.16の範囲にあり得る。
【0077】
全てのpX/X比でのキシレンに対する非常に高い選択性は、0.8を超えるpX/Xモル比でさえ、UZM-39を使用して作製された強化触媒を利用して達成され得る。キシレンに対する選択性は、pX/Xモル比が0.3~0.9以上の範囲で52%を超え得るか、又はpX/Xモル比が0.3~0.85以上の範囲で53%を超え得るか、又はpX/Xモル比が0.3~0.85以上の範囲で54%を超え得るか、又はpX/Xモル比が0.3~0.8以上の範囲で55%を超え得る。一態様では、本項において列挙される条件のうちの全て又はいずれかの混合は、0.6~0.95の範囲のpX/Xモル比、又は0.8~0.95の範囲のpX/Xモル比で適用され得る。
【0078】
軽留分(例えば、C~C炭化水素)に対する非常に低い選択性は、全てのpX/Xのモル比において、更に0.8を超えるpX/Xモル比において、UZM-39を使用して作製された強化触媒を利用して達成され得る。軽留分に対する選択性は、pX/Xモル比が0.3~0.9以上の範囲で3.5重量%未満であり得るか、又はpX/Xモル比が0.3~0.9以上の範囲で3重量%未満であり得るか、又はpX/Xモル比が0.3~0.85以上の範囲で2重量%未満であり得るか、又はpX/Xモル比が0.3~0.8以上の範囲で1.5重量%未満であり得るか、又は更にpX/Xモル比が0.3~0.8以上の範囲で1重量%未満であり得る。一態様では、本項において列挙される条件のうちの全て又はいずれかの混合は、0.6~0.95の範囲のpX/Xモル比、又は0.8~0.95の範囲のpX/Xモル比で適用され得る。
【0079】
本発明の強化触媒は、低い環損失を有し得る。環損失は、生成物中の単環芳香族化合物のモルを、供給物中の単環芳香族化合物のモル数で差し引き、供給物中の単環芳香族化合物のモル数で除して、100を掛けることによって計算され得る。したがって、環損失=(Ar生成物-Ar供給物)/(Ar供給物100である。単環芳香族化合物は、ベンゼン、トルエン、キシレン、9個の炭素の芳香族化合物分子、10個の炭素の芳香族化合物分子などを含み得る。単環芳香族化合物は、ナフタレンを含まない。理論に拘束されるものではないが、軽留分に対する選択性及び環損失は、クラッキングに比例し得る。すなわち、軽留分に対する高い選択性を有する触媒は、高い環損失も有し得る。軽留分は、1~6個の炭素原子を有する非芳香族炭化水素を示す。一態様では、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、及びシクロヘキサンは、軽留分を含み得る。一態様では、環損失は、1.5%未満、又は1.4%未満、又は1.3%未満、又は1.2%未満、又は1.1%未満、又は1.0%未満、又は0.8%未満、又は0.65%未満、又は0.5%未満であり得る。
【0080】
一態様では、業界は、不均化中のメチル基の保持を望んでいる。ベンゼンは、ベンゼン1モル当たりゼロモルのメチル基、トルエンは、トルエン1モル当たりの1モルのメチル基、キシレンは、2モル有するなど。流れ中のメチルとフェニルとの比は、流れ中のメチル基のモル数を、流れ中の単環芳香族化合物のモル数で除することによって計算され得る。一態様では、生成物のメチルとフェニルとの比は、供給物のメチルとフェニルとの比と同様であり得る。MPPは、生成物流のメチルとフェニルとの比を、供給物流のものによって除することによって計算される。MPPは、0.96、又は0.97、又は0.98、又は0.99を超えて、1.0未満であり得る。
【0081】
強化UZM-39ゼオライトは、図1に例示されるものなどのトルエン不均化プロセスにおいて使用され得る。トルエン不均化プロセスは、複数のモジュールを含み得る。一態様では、トルエンを含む供給物流100は、第2の流れ304と組み合わされて、反応ゾーン200に送られる混合供給物流102を形成する。不均化プロセス内で、供給物流又は混合供給物流は、反応ゾーンの流出物に対する間接熱交換によって最初に加熱され得、次いで、燃焼加熱器内で更に加熱され得る。次いで、得られた蒸気流は、1つ以上の個々の反応器を備え得る反応ゾーンを通過し得る。供給物は、望ましくは、10質量%未満のベンゼン、10質量%未満のキシレン、10質量%未満のA9芳香族化合物、及び10重量%未満の非芳香族化合物を含有する。ベンゼン、キシレン、A9芳香族化合物、及び非芳香族化合物は、混合供給物流102において5質量%未満であり得る。望ましくは、これらの全ては、0質量%に近い。
【0082】
反応ゾーン200は、1つ以上の反応器を含み得る。1つ以上の反応器は、UZM-39を含む触媒の固定床(複数可)が位置する、固定床反応器であり得る。固定された円筒形の触媒床を有する単一の反応容器を使用することが好ましいが、必要に応じて、触媒の移動床又は半径方向流動反応器を利用した他の反応構成が用いられ得る。反応ゾーン200における反応条件は、前述のような不均化反応条件を含み得る。
【0083】
混合流102の反応ゾーンへの通過は、水素、生成物炭化水素、及び未変換供給物炭化水素を含む蒸気流出物204の生成をもたらす。反応ゾーン200から流出物204が発生し、ここでは、流出物204は、混合供給物流102に存在するものよりも高い濃度のpXを有する。一態様では、PXXは、0.6超、又は0.7超、又は0.8超、又は0.85超、又は0.9超であり得る。流出物204は、分離ゾーン300に送られて、未反応トルエンを生成物ベンゼン及びキシレンから分離し得る。この流出物は、通常、反応ゾーンに入る流れに対する間接熱交換によって冷却され得、次いで、空気又は冷却水の使用を通して更に冷却され得る。流出物流の温度は、1分子当たり6個以上の炭素原子を有する供給物及び生成物炭化水素の実質的に全ての濃縮をもたらすのに十分な熱交換によって低下させられ得る。得られた混合相流は、気液分離器に送られ得、そこで、2つの相が分離され、そこから、水素に富む蒸気が、反応ゾーンへの第1の再循環流中で再循環される。
【0084】
分離ゾーン300は、1つ以上の蒸留カラムを含み得る。分離器からの濃縮物は、ストリッピングカラムに送られ得、そこで流出物中に存在する実質的に全てのC及び軽質炭化水素が、オーバーヘッド流に濃縮され、プロセスから除去される。不均化流出物流と称される芳香族化合物に富む流れは、正味のストリッパー底部として回収され得る。一態様では、ベンゼンカラム及びトルエンカラムが存在し得る。不均化流出物流は、分離ゾーン内のベンゼンカラム及びトルエンカラムに供給され得る。ベンゼンを含む第1の流れ302は、芳香族化合物複合物における他の反応操作に分離及び利用され得るか、又は販売のためにタンクに送られ得る。一態様では、第1の流れ302は、ベンゼンカラムからのオーバーヘッド流であり得る。トルエンを含む第2の流れ304が分離され得る。一態様では、第2の流れ304の全て又は一部は、混合供給物流102の一部として反応ゾーンに再循環され得る。一態様では、第2の流れ304は、10質量%未満のベンゼン、又は5質量%未満のベンゼン、又は3質量%未満のベンゼン、又は1質量%未満のベンゼンを含む。一態様では、第2の流れ304は、本質的にベンゼンを含まない。「本質的に含まない」とは、0.1質量%未満を意味する。一態様では、第2の流れ304は、10質量%未満のキシレン、又は5質量%未満のキシレン、又は3質量%未満のキシレン、又は1質量%未満のキシレンを含む。一態様では、第2の流れ304は、本質的にキシレンを含まない。一態様では、第2の流れ304は、トルエンカラムのオーバーヘッド流であり得る。一態様では、ベンゼンカラムからの底流は、トルエンカラムに供給し得る。キシレンを含む第3の流れ306が分離され得る。
【0085】
第3の流れ306は、所望のパラキシレン純度に応じて、そのまま利用され得るか、又はpX精製セクション400に送られ得る。一態様では、分離ゾーン又はpX精製セクションはまた、エチルベンゼン転換及び脱アルキル化のための触媒的アルキル芳香族化合物ゾーンも含み得る。精製セクション400は、1つ以上のpX精製デバイスを含み得る。多くのpX精製デバイスが知られており、これらとしては、UOPから入手可能なParex(商標)プロセスのような結晶化プロセス及び吸着分離プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。各場合において、最大100%pXを含む精製pX流404が形成され得る。精製セクション400はまた、メタキシレン(mX)及びオルトキシレン(oX)を含む廃棄物流402も生成し得る。廃棄物流402はまた、エチルベンゼン(EB)も含み得る。廃棄物流は、プロセスからパージされ得る。廃棄物流の例示的な使用は、UOPから入手可能なIsomar(商標)プロセスなどのキシレン異性化プロセスへの供給物としてのものであり得る。キシレン異性化生成物は、精製セクション400に再循環され得る。
【0086】
本発明の一態様は、トルエン不均化プロセスである。一実施形態では、プロセスは、トルエンを含む供給物と微多孔質結晶性ゼオライトを含む触媒とを不均化条件で接触させて、パラキシレン及びベンゼンを含む流出物流を生成することを含み、流出物流中のベンゼンとキシレンとのモル比は、1.00~1.14の範囲にあり、流出物流中のパラキシレンとキシレンとのモル比は、0.80~1.0の範囲にあり、トルエンの変換率が20%~40%である。
【0087】
いくつかの実施形態では、ベンゼンとキシレンとのモル比は、1.00~1.08の範囲にある。
【0088】
いくつかの実施形態では、微多孔質結晶性ゼオライトは、焼成、イオン交換及び焼成後、並びに無水基準で、少なくともAlO及びSiO四面体単位の三次元骨格、並びに
M1 N+Al(l-x)Siy’z”
の実験式によって表される水素形態の実験的組成物を有する、TUN及びIMFゼオタイプのコヒーレント成長複合物を構成し、
式中、M1は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、亜鉛、アンモニウムイオン、水素イオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの交換性陽イオンであり、「a」は、M1と(Al+E)とのモル比であり、0.05~50で変化し、「N」は、M1の加重平均原子価であり、+1~+3の値を有し、Eは、ガリウム、鉄、ホウ素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される元素であり、「x」は、Eのモル分率であり、0~1.0で変化し、y’は、Siと(Al+E)とのモル比であり、9超~実質的に純粋なシリカで変化し、z”は、Oと(Al+E)とのモル比であり、等式:
z”=(a・N+3+4・y’)/2
によって決定される値を有し、
ゼオライトは、それが少なくとも表B1に記載されるd層間隔及び強度を有するX線回折パターンを有することを特徴とする。
【0089】
【表7】
複数の重なり合う反射からなる複合ピーク。
【0090】
いくつかの実施形態では、触媒は、少なくとも1つの強化処理工程で強化されている。
【0091】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの強化処理工程は、シリカを組み込むための少なくとも1つの処理を含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、触媒は、少なくとも1つの強化処理工程後に蒸気処理される。
【0093】
いくつかの実施形態では、ベンゼンとキシレンとのモル比は、1.00~1.08の範囲にあり、パラキシレンとキシレンとのモル比の範囲は、0.80~0.95の範囲にある。
【0094】
いくつかの実施形態では、パラキシレンとキシレンとのモル比が0.80~0.90の範囲にある場合、キシレンに対する選択性は、52%を超える。
【0095】
いくつかの実施形態では、パラキシレンとキシレンとのモル比が、0.80~0.90の範囲にある場合、軽留分に対する選択性は、3.5%未満である。
【0096】
いくつかの実施形態では、不均化条件は、200℃~600℃の範囲の温度、1.4~4.5MPa(g)の範囲の圧力、0.1~10hr-1の範囲の重量時間空間速度、又は0.25:1~10:1の範囲の水素と炭化水素との比のうちの1つ以上を含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、環損失は、1.5%未満である。
【0098】
本発明の別の態様は、トルエン不均化プロセスである。一実施形態では、プロセスは、トルエンを含む供給物と微多孔質結晶性ゼオライトを含む触媒とを不均化条件で接触させて、パラキシレン及びベンゼンを含む流出物流を生成することを含み、流出物流中のベンゼンとキシレンとのモル比が1.00~1.20の範囲にあり、流出物流中のパラキシレンとキシレンとのモル比が0.60~1.0の範囲にあり、ゼオライトは、焼成、イオン交換及び焼成後、並びに無水基準で、少なくともAlO及びSiO四面体単位の三次元骨格、並びに
M1 N+Al(l-x)Siy’z”
の実験式によって表される水素形態の実験的組成物を有する、TUN及びIMFゼオタイプのコヒーレント成長複合物を構成し、
式中、M1は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、亜鉛、アンモニウムイオン、水素イオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの交換性陽イオンであり、「a」は、M1と(Al+E)とのモル比であり、0.05~50で変化し、「N」は、M1の加重平均原子価であり、+1~+3の値を有し、Eは、ガリウム、鉄、ホウ素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される元素であり、「x」は、Eのモル分率であり、0~1.0で変化し、y‘は、Siと(Al+E)とのモル比であり、9超~実質的に純粋なシリカで変化し、z”は、Oと(Al+E)とのモル比であり、等式:
z”=(a・N+3+4・y’)/2
によって決定される値を有し、
ゼオライトは、それが少なくとも表B1に記載されるd層間隔及び強度を有するX線回折パターンを有することを特徴とする。
【0099】
【表8】
複数の重なり合う反射からなる複合ピーク。
【0100】
いくつかの実施形態では、トルエンの変換率は、20%~40%である。
【0101】
いくつかの実施形態では、ゼオライトは、炭素の堆積のための処理、シリカの堆積のための処理、又はその両方から選択される少なくとも1つの強化で強化されている。
【0102】
いくつかの実施形態では、触媒は、少なくとも1つの強化処理工程後に蒸気処理される。
【0103】
いくつかの実施形態では、ベンゼンとキシレンとのモル比は、1.00~1.08の範囲にあり、パラキシレンとキシレンとのモル比は、0.80~0.95の範囲にある。
【0104】
いくつかの実施形態では、パラキシレンとキシレンとのモル比が0.80~0.90の範囲にある場合、キシレンに対する選択性は、52%を超える。
【0105】
いくつかの実施形態では、パラキシレンとキシレンとのモル比が、0.80~0.90の範囲にある場合、軽留分に対する選択性は、3.5%未満である。
【0106】
いくつかの実施形態では、不均化条件は、200℃~600℃の範囲の温度、1.4~4.5MPa(g)の範囲の圧力、0.1~10hr-1の範囲の重量時間空間速度、又は0.25~10の範囲の水素と炭化水素との比のうちの1つ以上を含む。
【0107】
本発明の別の態様は、トルエン不均化プロセスである。一実施形態では、プロセスは、トルエンを含む供給物と微多孔質結晶性ゼオライトを含む触媒とを不均化条件で接触させて、パラキシレン及びベンゼンを含む流出物流を生成することを含み、PXXは、流出物流中のパラキシレンとキシレンとのモル比であり、BXは、流出物流中のベンゼンとキシレンとのモル比であり、PXXが0.60~1.0の範囲にある場合、BXは、1.00~0.375PXX+0.825の範囲にある。
【0108】
特定の場合では、合成された生成物の純度は、そのX線粉末回折パターンを参照して評価され得る。したがって、例えば、試料が純粋であると述べられている場合、この試料のx線パターンが結晶性不純物に起因する線を含まないことのみが意図されており、非晶質物質が存在しないことを意図するものではない。
【0109】
本発明をより完全に説明するために、以下の実施例が記載される。実施例は例示目的に過ぎず、添付の特許請求の範囲に記載されるような本発明の広範な範囲に対する過度の限定として意図するものではないことを理解されたい。
【実施例
【0110】
UZM-39ゼオライト材料を、米国特許第8,642,823号、同第8,940,952号、同第8,946,497号、及び同第8,846,998号に記載されている手順に従って、28のSiO/Al比で調製した。型A、B、及びCのUZM-39は、上に記載されているとおりであり、それぞれ材料中で、高、中、及び低相対濃度のTUNを有する。MFI#1は、UOPから入手可能な38のSiO/Al比のMFIゼオライトである。MFI#2は、Zeolystから入手可能な23のSiO/Al比のMFIゼオライトである。
【0111】
標準的触媒押出
ゼオライトを、典型的には、強化前に押出成形した。別段記載がない限り、イオン交換されたゼオライト粉末を、35重量%のSiOを有する1/16インチのシリンダ又はトリローブとして押し出し、一晩乾燥させた。乾燥押し出し物を、空気中550℃で2~4時間焼成した。場合によって、押出物を、10:1:1の重量比の水:硝酸アンモニウム:押出物を使用して、75℃で1時間イオン交換した。イオン交換された場合、試料を、脱イオンHOで複数回すすいだ。イオン交換を3回繰り返し、最終乾燥押出物を、空気中450~500℃で4時間焼成した。
【0112】
一般的な強化手順:
強化される試料をガラス製丸底フラスコに入れ、適切な量の表1の有機溶媒を添加した。ディーン・スタークトラップ及び冷却器を丸底フラスコに取り付け、追加の溶媒で充填し、錫箔で絶縁した。フラスコを加熱マントルで1時間加熱還流し、その後、ディーン・スタークトラップを排液し、フラスコから取り外した。特に指定がない限り、試料重量に基づいて、テトラエチルオルトシリケート又は他のケイ素試薬を、14重量%でフラスコに添加した。冷却器を再度取り付け、フラスコの内容物を2時間の還流で反応させた。次いで、溶媒を、デカンテーション、蒸留、又は減圧蒸留を介して試料から除去した。次いで、試料を、少なくとも175℃の熱処理工程を通して、強化触媒を形成した。強化処理を必要な回数だけ繰り返し、所望のpX/X選択性を達成した。
【0113】
【表9】
【0114】
実施例1.C型UZM-39を5回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0115】
実施例2.C型UZM-39を6回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0116】
実施例3.C型UZM-39を7回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0117】
実施例4.C型UZM-39を3回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0118】
実施例5.C型UZM-39を5回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0119】
実施例6.C型UZM-39を5回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0120】
実施例7.C型UZM-39を7回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0121】
実施例8.C型UZM-39をトリローブとして押し出し、3回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0122】
実施例9.C型UZM-39をトリローブとして押し出し、5回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0123】
実施例10.C型UZM-39をトリローブとして押し出し、6回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0124】
実施例11.C型UZM-39をトリローブとして押し出し、7回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0125】
実施例12.C型UZM-39をトリローブとして押し出し、溶媒としてメシチレン及び3回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用し、ここでは、溶媒除去方法としてデカンテーションを利用した。
【0126】
実施例13.C型UZM-39をトリローブとして押し出し、溶媒としてメシチレン及び4回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用し、ここでは、溶媒除去方法としてデカンテーションを利用した。
【0127】
実施例14.C型UZM-39をトリローブとして押し出し、溶媒としてメシチレン及び5回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用し、ここでは、溶媒除去方法としてデカンテーションを利用した。
【0128】
実施例15.C型UZM-39をトリローブとして押し出し、溶媒としてメシチレン及び6回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用し、ここでは、溶媒除去方法としてデカンテーションを利用した。
【0129】
実施例16.C型UZM-39を、溶媒としてメシチレン及び4回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用し、ここでは、溶媒除去方法としてデカンテーションを利用した。
【0130】
実施例17.C型UZM-39を、溶媒としてメシチレン及び5回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用し、ここでは、溶媒除去方法としてデカンテーションを利用した。
【0131】
実施例18.C型UZM-39を、溶媒としてメシチレン及び28%濃度のTEOSでの3回の処理サイクルを用いた調製で使用し、ここでは、溶媒除去方法としてデカンテーションを利用した。
【0132】
実施例19.B型UZM-39を3回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0133】
実施例20.B型UZM-39を4回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0134】
実施例21.B型UZM-39を5回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0135】
実施例22.トルエン不均化において先に実行されたトルエン工程における標準的TEOSによって平均4サイクルの強化で平均して、先の供給物との接触から3%のC含有量を有する、B型の押出UZM-39材料の複合物を作製した。
【0136】
実施例23.B型UZM-39を、溶媒としてトルエン及びケイ素供給源としてTEOSを使用した、1.9の溶媒:触媒比、並びに溶媒除去法としてロータリーエバポレーションを用いる調製において使用した。3回の強化工程を行った。
【0137】
実施例24.実施例23の材料を、1.9の溶媒:触媒比でトルエン中10%のTEOSを用い、溶媒除去法としてロータリーエバポレーションを使用する調製において1回処理した。
【0138】
実施例25.B型UZM-39を2回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用し、ここでは、ロータリーエバポレーションが溶媒除去方法であった。
【0139】
実施例26.B型UZM-39を3回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用し、ここでは、ロータリーエバポレーションが溶媒除去方法であった。
【0140】
実施例27.A型UZM-39を、溶媒としてメシチレン及び2回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用し、ここでは、溶媒除去方法としてデカンテーションを利用した。
【0141】
実施例28.トルエン不均化を実行した後の実施例2の触媒を焼成し、次いで、650℃、0.2のHO分圧で、20分間蒸気処理することによって、更に強化した。
【0142】
実施例29.トルエン不均化を実行した後の実施例3の触媒を焼成し、次いで、650℃、0.2のHO分圧で、20分間蒸気処理することによって、更に強化した。
【0143】
比較例30~56.実施例30~49は、MFI#1で作製される。実施例50~56は、MFI#2で作製される。
【0144】
比較例30.MFI#1を溶媒としてヘキサンを使用して3回の処理サイクルを用いた調製で使用した。
【0145】
比較例31.MFI#1を3回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0146】
比較例32.MFI#1を3回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0147】
比較例33.MFI#1を4回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0148】
比較例34.MFI#1を3回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0149】
比較例35.MFI#1を4回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0150】
比較例36.MFI#1を3回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0151】
比較例37.MFI#1を4回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0152】
比較例38.MFI#1を3回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用し、ここでは、溶媒を蒸留によって除去した。
【0153】
比較例39.MFI#1を、70%のゼオライト含有率でTiOを用いて押し出し、標準的処理サイクルで4回処理した。
【0154】
比較例40.MFI#1を3回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0155】
比較例41.MFI#1を2回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0156】
比較例42.MFI#1を、ヘキサン中20%のTEOSを使用した3回の処理サイクルの前に、標準的調製で使用した。
【0157】
比較例43.MFI#1を、溶媒としてヘキサンを使用した3回の処理サイクル、その後に続く190℃の加熱工程を用いた標準的調製で使用した。
【0158】
比較例44.MFI#1を、溶媒としてヘキサンを使用した3回の処理サイクル、及び溶媒除去方法として蒸留を用いた標準的調製で使用した。
【0159】
比較例45.MFI#1を、溶媒としてn-オクタンを使用した2回の処理サイクル、及び溶媒除去方法としてデカンテーションを用いた標準的調製で使用した。
【0160】
比較例46.MFI#1を、溶媒としてn-デカンを使用した3回の処理サイクル、及び溶媒除去方法としてデカンテーションを用いた標準的調製で使用した。
【0161】
比較例47.MFI#1を、シクロヘキサン中10.2%のTMOSを使用した3回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0162】
比較例48.MFI#1を、トルエン中14%のTBOSを使用した2回の処理サイクル、及び溶媒除去方法としてロータリーエバポレーションを用いた標準的調製で使用した。
【0163】
比較例49.MFI#1を、Evonikから入手可能なTEOS誘導生成物であるDynaslan Silbondの4回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0164】
比較例50.MFI#2を3回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0165】
比較例51.MFI#2を3回の処理サイクルを用いた標準的調製で使用した。
【0166】
比較例52.MFI#2を、米国特許第4,629,717号に記載されている方法を使用して、70%のゼオライト含有率でZrOを用いて球形形態で作製した。次いで、70/30のMFI/ZrOの球体を3回の処理サイクルで強化した。
【0167】
比較例53.MFI#2を、1回の処理サイクル、及び溶媒除去方法としてロータリーエバポレーションを用いた標準的調製で使用した。
【0168】
比較例54.MFI#2を、2回の処理サイクル、及び溶媒除去方法としてロータリーエバポレーションを用いた標準的調製で使用した。
【0169】
比較例55.MFI#2を、3回の処理サイクル、及び溶媒除去方法としてロータリーエバポレーションを用いた標準的調製で使用した。
【0170】
比較例56.MFI#2を標準的調製で使用し、ここでは、溶媒としてメシチレン中14%のTEOSの1サイクル使用し、溶媒除去方法としてデカンテーションを使用した。
【0171】
触媒試験手順:
触媒を、公称100重量%のトルエンの供給物を使用して、不均化反応において試験した。不均化反応条件は、4hr-1のWHSV、2の水素と供給物とのモル比、2.8MPa(g)(400psig)の圧力、及び350℃~460℃の温度であった。達成された結果を表2に示し、30重量%の目標全体のトルエン変換率で比較した。
【0172】
図2は、生成物中のベンゼンとキシレンとのモル比(Bz/X)対達成されたパラキシレンモル比(pX/X)としてプロットされた表2の結果を示す。MFI#1を使用して作製された触媒は、黒丸に濃い黒色のトレンドライン、MFI#2を使用して作製された触媒は、白丸に灰色のトレンドライン、UZM-39を用いて作製された本発明の触媒は、白四角に破線のトレンドラインで示される。全てのpX/X比において、UZM-39を使用して作製された強化触媒は、pX/Xが0.8を超える場合でも、非常に低いBz/X比を示す。MFIゼオライトを使用して作製された触媒は、0.85を超えるpX/Xにおいて、1.17を超えるBz/X比を有する。
【0173】
図3は、生成物中のキシレン選択性対達成されたパラキシレンモル比(pX/X)としてプロットされた表2の結果を示す。MFI#1を使用して作製された触媒は、黒丸に濃い黒色のトレンドライン、MFI#2を使用して作製された触媒は、白丸に灰色のトレンドライン、UZM-39を用いて作製された本発明の触媒は、白四角に破線のトレンドラインで示される。全てのpX/X比において、UZM-39を使用して作製された強化触媒は、pX/Xが0.8を超える場合でも、非常に高いキシレンに対する選択性を示す。UZM-39を使用して作製された触媒は、0.8を超える、又は0.85を超える、又は0.9を超えるpX/Xにおいて、52%を超える、又は53%を超える、又は54%を超えるキシレン選択性を有し得る。
【0174】
図4は、生成物中の軽留分(C1~C6非芳香族炭化水素)に対する選択性対達成されたパラキシレンモル比(pX/X)としてプロットされた表2の結果を示す。MFI#1を使用して作製された触媒は、黒丸に濃い黒色のトレンドライン、MFI#2を使用して作製された触媒は、白丸に灰色のトレンドライン、UZM-39を用いて作製された本発明の触媒は、白四角に破線のトレンドラインで示される。全てのpX/X比において、UZM-39を使用して作製された強化触媒は、pX/Xが0.8を超える場合でも、軽留分に対する非常に低い選択性を示す。UZM-39を使用して作製された触媒は、0.8を超える、又は0.85を超える、又は0.9を超えるpX/Xにおいて、3.5重量%未満、又は3重量%未満、又は2重量%未満、又は1.5重量%未満、又は更に1重量%未満の軽留分に対する選択性を有し得る。
【0175】
図5は、トルエンの変換率が30%に到達するのに必要な温度対達成されたパラキシレンモル比(pX/X)としてプロットされた表2の結果を示す。MFI#1を使用して作製された触媒は、黒丸に濃い黒色のトレンドライン、MFI#2を使用して作製された触媒は、白丸に灰色のトレンドライン、UZM-39を用いて作製された本発明の触媒は、白四角に破線のトレンドラインで示される。
【0176】
強化UZM-39触媒は、完全に固有である。その驚くほど低いBz/Xモル比に加えて、それは、より高い総キシレン収量、より低い環損失、より低い軽留分(例えば、C~C炭化水素)、及び同様のpX/Xモル比を有する他のどの触媒よりも良好なメチル/フェニル保持を示す。
【0177】
【表10-1】
【0178】
【表10-2】
【0179】
特定の実施形態
以下を特定の実施形態と併せて説明するが、本明細書は、前述の説明及び添付の特許請求の範囲の範囲を例解するものであり、限定することを意図するものではないことが理解されよう。
【0180】
本発明の第1の実施形態は、トルエンを含む供給物と微多孔質結晶性ゼオライトを含む触媒とを不均化条件で接触させて、パラキシレン及びベンゼンを含む流出物流を生成することを含むプロセスであり、流出物流中のベンゼンとキシレンとのモル比は、1.00~1.14の範囲にあり、流出物流中のパラキシレンとキシレンとのモル比は、0.80~1.0の範囲にあり、トルエンの変換率は、20%~40%である。本発明の一実施形態は、ベンゼンとキシレンとのモル比が1.00~1.08の範囲にある、本項における先行する実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、微多孔質結晶性ゼオライトが、焼成、イオン交換及び焼成後、並びに無水基準で、少なくともAlO及びSiO四面体単位の三次元骨格、並びに
M1 N+Al(l-x)Siy’z”
の実験式によって表される水素形態の実験的組成物を有する、TUN及びIMFゼオタイプのコヒーレント成長複合物を構成する、本項における先行する実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、
式中、M1は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、亜鉛、アンモニウムイオン、水素イオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの交換性陽イオンであり、「a」は、M1と(Al+E)とのモル比であり、0.05~50で変化し、「N」は、M1の加重平均原子価であり、+1~+3の値を有し、Eは、ガリウム、鉄、ホウ素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される元素であり、「x」は、Eのモル分率であり、0~1.0で変化し、y‘は、Siと(Al+E)とのモル比であり、9超~実質的に純粋なシリカで変化し、z”は、Oと(Al+E)とのモル比であり、等式:
z”=(a・N+3+4・y’)/2
によって決定される値を有し、
ゼオライトは、それが少なくとも表B1に記載されるd層間隔及び強度を有するX線回折パターンを有することを特徴とする。
【0181】
【表11】
複数の重なり合う反射からなる複合ピーク。
【0182】
本発明の一実施形態は、触媒が、少なくとも1つの強化処理工程で強化されている、本項における先行する実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、少なくとも1つの強化処理工程が、シリカを取り込むための少なくとも1つの処理を含む、本項における先行する実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、触媒が、少なくとも1つの強化処理工程後に蒸気処理される、本項における先行する実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、ベンゼンとキシレンとのモル比が1.00~1.08の範囲にあり、パラキシレンとキシレンとのモル比の範囲が0.80~0.95の範囲にある、本項における先行する実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、パラキシレンとキシレンとのモル比が0.80~0.90の範囲にある場合、キシレンに対する選択性が52%を超える、本項における先行する実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、パラキシレンとキシレンとのモル比が0.80~0.90の範囲にある場合、軽留分に対する選択性が3.5%未満である、本項における先行する実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、不均化条件が、200℃~600℃の範囲の温度、1.4~4.5MPa(g)の範囲の圧力、0.1~10hr-1の範囲の重量時間空間速度、又は0.251~101の範囲の水素と炭化水素との比のうちの1つ以上を含む、本項における先行する実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、環損失が1.5%未満である、本項における先行する実施形態から本項における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。
【0183】
本発明の第2の実施形態は、トルエンを含む供給物と微多孔質結晶性ゼオライトを含む触媒とを不均化条件で接触させて、パラキシレン及びベンゼンを含む流出物流を生成することを含むプロセスであり、流出物流中のベンゼンとキシレンとのモル比は、1.00~1.20の範囲にあり、流出物流中のパラキシレンとキシレンとのモル比は、0.60~1.0の範囲にあり、ゼオライトは、焼成、イオン交換及び焼成後、並びに無水基準で、少なくともAlO及びSiO四面体単位の三次元骨格、並びに
M1 N+Al(l-x)Siy’z”
の実験式によって表される水素形態の実験的組成物を有する、TUN及びIMFゼオタイプのコヒーレント成長複合物を構成し、
式中、M1は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、亜鉛、アンモニウムイオン、水素イオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの交換性陽イオンであり、「a」は、M1と(Al+E)とのモル比であり、0.05~50で変化し、「N」は、M1の加重平均原子価であり、+1~+3の値を有し、Eは、ガリウム、鉄、ホウ素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される元素であり、「x」は、Eのモル分率であり、0~1.0で変化し、y‘は、Siと(Al+E)とのモル比であり、9超~実質的に純粋なシリカで変化し、z”は、Oと(Al+E)とのモル比であり、等式:
z”=(a・N+3+4・y’)/2
によって決定される値を有し、
ゼオライトは、それが少なくとも表B1に記載されるd層間隔及び強度を有するX線回折パターンを有することを特徴とする。
【0184】
【表12】
複数の重なり合う反射からなる複合ピーク。
【0185】
本発明の一実施形態は、トルエンの変換率が20%~40%である、本項における先行する実施形態から本項における第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、ゼオライトが、炭素の堆積のための処理、シリカの堆積のための処理、又はその両方から選択される少なくとも1つの強化で強化されている、本項における先行する実施形態から本項における第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、触媒が、少なくとも1つの強化処理工程後に蒸気処理される、本項における先行する実施形態から本項における第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、ベンゼンとキシレンとのモル比が1.00~1.08の範囲にあり、パラキシレンとキシレンとのモル比が0.80~0.95の範囲にある、本項における先行する実施形態から本項における第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、パラキシレンとキシレンとのモル比が0.80~0.90の範囲にある場合、キシレンに対する選択性が52%を超える、本項における先行する実施形態から本項における第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、パラキシレンとキシレンとのモル比が0.80~0.90の範囲にある場合、軽留分に対する選択性が3.5%未満である、本項における先行する実施形態から本項における第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。本発明の一実施形態は、不均化条件が、200℃~600℃の範囲の温度、1.4~4.5MPa(g)の範囲の圧力、0.1~10hr-1の範囲の重量時間空間速度、又は0.25~10の範囲の水素と炭化水素との比のうちの1つ以上を含む、本項における先行する実施形態から本項における第2の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てである。
【0186】
本発明の第3の実施形態は、トルエンを含む供給物と微多孔質結晶性ゼオライトを含む触媒とを不均化条件で接触させて、パラキシレン及びベンゼンを含む流出物流を生成することを含むプロセスであり、PXXは、流出物流中のパラキシレンとキシレンとのモル比であり、BXは、流出物流中のベンゼンとキシレンとのモル比であり、PXXが0.60~1.0の範囲にある場合、BXは、1.00~0.375PXX+0.825の範囲にある。
【0187】
更に詳述することなく、前述の説明を使用して、当業者が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明を最大限まで利用し、かつ本発明の本質的な特性を容易に確認することができ、本発明の様々な変更及び修正を行い、様々な使用及び条件に適合させることができると考えられる。したがって、先行する好ましい特定の実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、いかなるようにも本開示の残りを限定するものではなく、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれる様々な修正及び同等の構成を網羅することを意図するものである。
【0188】
上記では、全ての温度は摂氏度で記載され、全ての部及び百分率は、別途記載のない限り、重量基準である。

図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルエンを含む供給物と微多孔質結晶性ゼオライトを含む触媒とを不均化条件で接触させて、パラキシレン及びベンゼンを含む流出物流を生成することを含むトルエン不均化プロセスであって、前記流出物流中のベンゼンとキシレンとのモル比が1.00~1.14の範囲にあり、前記流出物流中のパラキシレンとキシレンとのモル比が0.80~1.0の範囲にあり、トルエンの変換率が20%~40%である、プロセス。
【請求項2】
前記微多孔質結晶性ゼオライトが、焼成、イオン交換及び焼成後、並びに無水基準で、少なくともAlO及びSiO四面体単位の三次元骨格、並びに
M1 N+Al(l-x)Siy’z”
の実験式によって表される水素形態の実験的組成物を有する、TUN及びIMFゼオタイプのコヒーレント成長複合物を構成し、
式中、M1は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、亜鉛、アンモニウムイオン、水素イオン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの交換性陽イオンであり、「a」は、M1と(Al+E)とのモル比であり、0.05~50で変化し、「N」は、M1の加重平均原子価であり、+1~+3の値を有し、Eは、ガリウム、鉄、ホウ素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される元素であり、「x」は、Eのモル分率であり、0~1.0で変化し、y‘は、Siと(Al+E)とのモル比であり、9超~実質的に純粋なシリカで変化し、z”は、Oと(Al+E)とのモル比であり、等式:
z”=(a・N+3+4・y’)/2
によって決定される値を有し、
前記ゼオライトが、それが少なくとも表B1に記載されるd層間隔及び強度を有するX線回折パターンを有することを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【表1】
複数の重なり合う反射からなる複合ピーク
【請求項3】
前記触媒が、少なくとも1つの強化処理工程で強化されており、前記少なくとも1つの強化処理工程が、シリカを組み込むための少なくとも1つの処理を含む、請求項2に記載のプロセス。

【国際調査報告】