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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(54)【発明の名称】大環状ULK1/2阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 498/08 20060101AFI20230327BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230327BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230327BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230327BHJP
   A61K 31/282 20060101ALI20230327BHJP
   A61K 31/529 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
C07D498/08 CSP
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K31/282
A61K31/529
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549144
(86)(22)【出願日】2021-02-12
(85)【翻訳文提出日】2022-09-30
(86)【国際出願番号】 US2021018038
(87)【国際公開番号】W WO2021163627
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】62/977,039
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513037649
【氏名又は名称】ソーク インスティテュート フォー バイオロジカル スタディーズ
(71)【出願人】
【識別番号】517006821
【氏名又は名称】サンフォード バーナム プレビーズ メディカル ディスカバリー インスティテュート
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】コスフォード、 ニコラス ディー.ピー.
(72)【発明者】
【氏名】バカス、 ニコル エー.
(72)【発明者】
【氏名】ショー、 ルーベン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】リンパート、 アリソン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ブラン、 ソーニャ エヌ.
【テーマコード(参考)】
4C072
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C072AA03
4C072AA06
4C072BB02
4C072BB07
4C072CC04
4C072CC12
4C072EE09
4C072FF09
4C072GG01
4C072GG07
4C072GG09
4C072UU01
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZC201
4C084ZC202
4C084ZC411
4C084ZC412
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB22
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC20
4C086ZC41
4C086ZC75
4C206AA01
4C206JB16
4C206MA02
4C206MA04
4C206NA05
4C206ZB26
4C206ZC20
4C206ZC41
4C206ZC75
(57)【要約】
本開示は、がんを含むULK媒介性疾患の処置および予防における化合物、組成物、製剤およびそれらの使用方法を対象とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
(式中、
は、水素、1つもしくは複数のR10で任意選択で置換されたアルキル、またはハロゲンであり;
は、水素、ハロゲン、-CN、-OR21、-SR21、-S(=O)R22、-S(=O)22、-NO、-NR2324、-NR21S(=O)22、-S(=O)NR2324、-C(=O)R22、-OC(=O)R22、-C(=O)C(=O)R22、-C(=O)OR21、-C(=O)NR21OR21、-OC(=O)OR21、-C(=O)NR2324、-OC(=O)NR2324、-NR21C(=O)NR2324、-NR21S(=O)NR2324、-NR21C(=O)R22、-NR21C(=O)OR21、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR20で独立して任意選択で置換されており;
、X、X、およびXは、それぞれ独立して、存在しないか、アルキレン、-O-、-NR-、または-S-であり;
およびAは、それぞれ独立して、炭素環または複素環であり;
各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-OR31、-SR31、-S(=O)R32、-S(=O)32、-NO、-NR3334、-NR31S(=O)32、-S(=O)NR3334、-C(=O)R32、-OC(=O)R32、-C(=O)C(=O)R32、-C(=O)OR31、-C(=O)NR31OR31、-OC(=O)OR31、-C(=O)NR3334、-OC(=O)NR3334、-NR31C(=O)NR3334、-NR31S(=O)NR3334、-NR31C(=O)R32、-NR31C(=O)OR31、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR30で独立して任意選択で置換されており;
各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-OR41、-SR41、-S(=O)R42、-S(=O)42、-NO、-NR4344、-NR41S(=O)42、-S(=O)NR4344、-C(=O)R42、-OC(=O)R42、-C(=O)C(=O)R42、-C(=O)OR41、-C(=O)NR41OR41、-OC(=O)OR41、-C(=O)NR4344、-OC(=O)NR4344、-NR41C(=O)NR4344、-NR41S(=O)NR4344、-NR41C(=O)R42、-NR41C(=O)OR41、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR40で独立して任意選択で置換されており;
各Rは、独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR50で独立して任意選択で置換されており;
Lは、3~12個の原子の鎖であり、ここで、前記鎖は、1つもしくは複数のR60で任意選択で置換されているアルキレン鎖またはヘテロアルキレン鎖であり、ここで、前記ヘテロアルキレン鎖中の各原子は、-CR-、-NR-、-O-、または-S-から独立して選択され;
各RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR60で独立して任意選択で置換されており;
あるいは、RおよびRは、それらが結合している炭素と一緒になって、1つもしくは複数のR60で任意選択で置換されたシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを形成するか;
あるいは、RおよびRが一緒になってオキソを形成するか、あるいは、隣接するRが一緒になって二重結合を形成するか、あるいはRが、鎖中の異なる原子からのRまたはRと結合して、1つもしくは複数のR60で任意選択で置換されたシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを形成し;
各Rは、独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR80で独立して任意選択で置換されており;
あるいは、Rが、鎖中の異なる原子からのRまたはRと結合して、1つもしくは複数のR80で任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し;
各R10は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各R20は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各R21は、独立して、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つのR1aで独立して任意選択で置換されており;
22は、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1bで独立して任意選択で置換されており;
23およびR24は、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1cで独立して任意選択で置換されており;
あるいは、R23およびR24は、それらが結合している窒素原子と一緒になって1つもしくは複数のR1dで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し;
各R30は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各R31は、独立して、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1aで独立して任意選択で置換されており;
各R32は、独立して、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1bで独立して任意選択で置換されており;
各R33およびR34は、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1cで独立して任意選択で置換されており;
あるいは、R33およびR34は、それらが結合している窒素原子と一緒になって1つもしくは複数のR1dで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し;
各R40は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各R41は、独立して、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1aで独立して任意選択で置換されており;
各R42は、独立して、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1bで独立して任意選択で置換されており;
各R43およびR44は、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1cで独立して任意選択で置換されており;
あるいは、R43およびR44は、それらが結合している窒素原子と一緒になって1つもしくは複数のR1dで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し;
各R50は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各R60は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各R80は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各R1a、R1b、R1c、およびR1dは独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各Rは、独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のハロゲン、-OH、-NH、またはC~Cアルキルで独立して任意選択で置換されており;
各Rは、独立して、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のハロゲン、-OH、-NH、またはC~Cアルキルで独立して任意選択で置換されており;
各RおよびRは、独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のハロゲン、-OH、-NH、またはC~Cアルキルで独立して任意選択で置換されており;
あるいは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1つもしくは複数のハロゲン、-OH、-NH、C~Cアルキルで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し;
nは、0~4の整数であり;ならびに
mは、0~4の整数である)
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が、水素またはハロゲンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、水素またはフッ素である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
が、水素である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
各R10が独立して、ハロゲン、-CN、-OR、NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
各R10が、独立して、ハロゲン、-CN、または-OHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が、ハロゲン、-CN、-S(=O)R22、-S(=O)22、-NO、-S(=O)NR2324、-C(=O)R22、-C(=O)OR21、-C(=O)NR21OR21、-C(=O)NR2324、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つまたは複数のR20で独立して任意選択で置換されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
が、ハロゲン、CN、-NO、またはC~Cアルキルであり、ここで、前記アルキルは、1つまたは複数のR20で任意選択で置換されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
が、ハロゲン、-CN、または-CFである、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
が、Br、Cl、または-CFである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
が、-CFである、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
各R20が独立して、ハロゲン、-CN、-OR、NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
各R20が、独立して、ハロゲン、-CN、または-OHである、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
が、n個のR置換基で置換された6員アリールまたは6員ヘテロアリールである、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
が、n個のR置換基で置換されたフェニルまたはピリジルである、請求項1から14のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
が、
【化2】
である、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
nが1または2である、請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
nが1である、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
各Rが独立して、ハロゲン、-CN、-OR41、-S(=O)R42、-S(=O)42、-NR41S(=O)42、-S(=O)NR4344、-C(=O)R42、-OC(=O)R42、-C(=O)OR41、-C(=O)NR4344、-NR41S(=O)NR4344、-NR41C(=O)R42、C~Cアルキル、またはシクロアルキルであり、ここで、前記アルキル、および前記シクロアルキルは、1つもしくは複数のR40で独立して任意選択で置換されている、請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
各Rが独立して、ハロゲン、-CN、S(=O)42、-NR41S(=O)42、-S(=O)NR4344、-C(=O)NR4344、C~Cアルキル、またはシクロアルキルである、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
各Rが独立して、フッ素、-C(=O)NR4344、またはC~Cアルキルである、請求項1から20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
各Rが独立して、-C(=O)NHR43、またはC~Cアルキルである、請求項1から21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
nが、1であり;
が、-C(=O)NH(C~Cアルキル)である、請求項1から22のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
が、
【化3】
である、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
各R40が独立して、ハロゲン、-CN、-OR、NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
各R40が、独立して、ハロゲン、-CN、または-OHである、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
が、
【化4】
である、請求項1から26のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
が、m個のR置換基で置換されたフェニルまたはピリジルである、請求項1から27のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項29】
が、m個のR置換基で置換されたフェニルである、請求項1から28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項30】
が、
【化5】
である、請求項1から29のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項31】
各Rが独立して、ハロゲン、-CN、-OR31、-SR31、-NO、-NR3334、-S(=O)NR3334、-OC(=O)R32、-C(=O)OR31、-OC(=O)OR31、-C(=O)NR3334、-OC(=O)NR3334、-NR31C(=O)NR3334、-NR31C(=O)R32、-NR31C(=O)OR31、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキル、前記アリール、および前記ヘテロアリールは、1つもしくは複数のR30で独立して任意選択で置換されている、請求項1から30のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項32】
各Rが独立して、ハロゲン、-CN、-OR31、-SR31、-NR3334、-OC(=O)R32、-C(=O)NR3334、-NR31C(=O)R32、-NR31C(=O)OR31、C~Cアルキル、シクロアルキル、またはアリールであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキルおよび前記アリールは、1つもしくは複数のR30で独立して任意選択で置換されている、請求項1から31のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項33】
各Rが独立して、ハロゲン、-OR31、-NR3334、-OC(=O)R32、-NR31C(=O)R32、-NR31C(=O)OR31、またはC~Cアルキルである、請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項34】
各Rが独立して、フッ素、塩素、臭素、-O(C~Cアルキル)、-OH、-NH、またはC~Cアルキルである、請求項1から33のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
各Rが独立して、フッ素、塩素、臭素、または-OMeである、請求項1から34のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項36】
が、-OMeである、請求項1から35のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項37】
mが1または2である、請求項1から36のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項38】
mが1である、請求項1から37のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項39】
各R30が独立して、ハロゲン、-CN、-OR、NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである、請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項40】
各R30が、独立して、ハロゲン、-CN、または-OHである、請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項41】
が、
【化6】
である、請求項1から40のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項42】
が、-O-または-NR-である、請求項1から41のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項43】
が、-NH-または-N(Me)-である、請求項1から42のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項44】
が、-NH-である、請求項1から43のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項45】
が、-O-または-NR-である、請求項1から44のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項46】
が、-NH-または-N(Me)-である、請求項1から45のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項47】
が、-NH-である、請求項1から46のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項48】
が、-O-である、請求項1から47のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項49】
が、-O-である、請求項1から48のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項50】
Lが3~8個の原子の鎖であり、前記鎖中の各原子は、-CR-または-O-から独立して選択される、請求項1から49のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項51】
各RおよびRが、独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、もしくはヘテロシクロアルキルであり;ここで、前記アルキル、前記シクロアルキル、および前記ヘテロシクロアルキルは、1つもしくは複数のR60で独立して任意選択で置換されているか;または
隣接するRが一緒になって二重結合を形成する、請求項1から50のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項52】
各RおよびRが、独立して、水素、C~Cアルキル、もしくはシクロアルキルであるか;または
隣接するRが一緒になって二重結合を形成する、請求項1から51のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項53】
Lが、
【化7】
から選択される、請求項1から52のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項54】
【化8-1】
【化8-2】
【化8-3】
から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは立体異性体。
【請求項55】
請求項1から54のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項56】
それを必要とする対象におけるULK媒介性疾患を処置する方法であって、請求項1から54のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、または請求項55に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項57】
前記ULK媒介性疾患が、異常なオートファジーを特徴とする、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記異常なオートファジーが、治療的に誘発されたものである、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記疾患ががんである、請求項56から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記がんが、肺がん、乳がん、または膵臓がんである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記肺がんが、非小細胞肺がんである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記膵臓がんが、膵管腺癌である、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記乳がんが、トリプルネガティブ乳がんである、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記疾患が、結節性硬化症(TSC)またはリンパ管平滑筋腫症(LAM)である、請求項56から58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記化合物が、追加の治療剤と同時投与される、請求項56から64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記追加の治療剤が、mTOR阻害剤、カルボプラチン、MEK阻害剤、およびPARP阻害剤からなる群から選択される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記追加の治療剤が、標準治療薬である、請求項65または66に記載の方法。
【請求項68】
前記化合物または前記医薬組成物を投与することにより、前記対象においてATG13が分解される、請求項56から67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
ULK媒介性疾患の前記処置のための医薬の調製における、請求項1から54のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項70】
ULK媒介性疾患の処置に使用するための、請求項1から54のいずれか一項に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月14日出願の「Macrocyclic ULK1/2 Inhibitors(大環状ULK1/2阻害剤)」と題する米国特許仮出願第62/977,039号に対する優先権を主張し、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府支援研究に関する声明
本発明は、NIH/NCIにより付与されたT32助成金番号1T32CA211036に基づく政府の支援によってなされたものである。政府は、本発明に特定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
オートファジーは、損傷したタンパク質、タンパク質複合体およびオルガネラの排除のための中心的な細胞機構である。この保存されたプロセスは、胚発生中の適切な細胞および組織の恒常性ならびに病原体に対する防御に必要であることに加えて、栄養素欠乏およびその他のストレスに対する細胞の応答において重要な役割を果たす。オートファジー経路における欠陥は、感染症、神経変性障害およびがんを含むある特定のヒト病状に関連している。これらの高度に保存された基本的な細胞機能にもかかわらず、オートファジーが異なるカーゴについてどのように始動されるかという分子のおよび生化学的詳細、ならびにリソソームとの最終的な融合のためのオートファゴソーム始動から始まるステップの調整は、あまり理解されないままである
【発明の概要】
【0004】
本明細書で提供されるのは、unc-51様オートファジー活性化キナーゼ(ULK)タンパク質の阻害剤である。いくつかの実施形態では、阻害剤はULK1を阻害する。いくつかの実施形態では、阻害剤はULK1に特異的である。いくつかの実施形態では、阻害剤はULK1およびULK2の両方を阻害する。場合によっては、本明細書で提供される阻害剤は、がんを含む種々の疾患の処置に有用である。
【0005】
多くの場合には、ULK1およびULK2は、哺乳動物細胞におけるオートファジーを制御する重要なタンパク質である。ある特定の場合には、ULK1およびULK2は、いくつかの上流シグナルによる栄養欠乏の条件下で活性化され、その後にオートファジーの始動が続く。オートファジーの始動におけるULK1およびULK2の要件は、栄養欠乏との関係において研究されている。ULK1は、オートファジーにとって最も重要であるように見えるが、場合によっては、ULK1およびULK2は、高い機能的冗長性を示す。ULK1とULK2のキナーゼドメインは、78%の配列相同性を共有しており、場合によっては、ULK2がULK1の損失を補償し得ることを示唆している。場合によっては、ULK1とULK2の両方が阻害されている場合にのみ、栄養素依存性オートファジーが排除されることがある。場合によっては、例えば、治療的利益を提供するのに、本明細書で提供される任意の方法などで、がん細胞におけるオートファジーを正常化するのに、または他の有益な結果を提供するのに、ULK1のみの阻害で十分である。その他の場合には、ULK1およびULK2の阻害は、腫瘍縮小、腫瘍細胞死、または腫瘍増殖速度の低下などの治療的利益をもたらす。
【0006】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される化合物はULKの阻害剤である。いくつかの実施形態では、化合物は、ULK1を阻害する。いくつかの実施形態では、化合物は、ULK1阻害剤である。いくつかの実施形態では、化合物は、ULK1に特異的である。いくつかの実施形態では、化合物は、ULK1およびULK2の両方を阻害する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される疾患は、ULK1に特異的な阻害剤で処置可能である。場合によっては、ULK2は、ULK1機能の損失を補償することがある。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される疾患は、ULK1とULK2の両方を阻害する化合物による処置を必要とする。
【0007】
本明細書において、ある特定の実施形態で提供されるのは、ULK阻害剤として有用な化合物である。いくつかの実施形態では、化合物は、がんを含む種々の疾患の処置に有用である。ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、式(I):
【化1】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0008】
いくつかの実施形態では、
は、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、またはハロゲンであり;
は、水素、ハロゲン、-CN、-OR、-SR、-S(=O)R、-S(=O)R、-NO、-NRR、-NRS(=O)R、-S(=O)NRR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NROR、-OC(=O)OR、-C(=O)NRR、-OC(=O)NRR、-NRC(=O)NRR、-NRS(=O)NRR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
、X、X、およびXは、それぞれ独立して、存在しないか、アルキレン、-O-、-NR-、または-S-であり;
およびAは、それぞれ独立して、炭素環または複素環(例えば、アリールまたはヘテロアリール)であり;
各RおよびRは、独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-SR、-S(=O)R、-S(=O)R、-NO、-NRR、-NRS(=O)R、-S(=O)NRR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)C(=O)R、-C(=O)OR、-C(=O)NROR、-OC(=O)OR、-C(=O)NRR、-OC(=O)NRR、-NRC(=O)NRR、-NRS(=O)NRR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
各Rは独立して、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
Lは、3~12個(例えば、3~8個)の原子の鎖であり、この鎖は、置換もしくは非置換アルキレン、または置換もしくは非置換ヘテロアルキレンであり;
各Rは独立して、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
nは、0~4の整数(または0~Aの環サイズから2を引いた値)であり;
mは、0~4の整数(または0~Aの環サイズから2を引いた値)である)
【0009】
ある特定の実施形態では、任意選択で(optionally)置換された任意の基は、1つまたは複数の置換基で任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、本明細書で置換された任意の基は、1つまたは複数の置換基で置換されている。本明細書のある特定の実施形態では、各置換基は、ハロゲン、オキソ、-CN、-OR、-S(=O)R、-NRR、-S(=O)NRR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NRR、-OC(=O)NRR、-NRC(=O)NRR、-NRC(=O)R、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、およびフェニルから独立して選択される。特定の実施形態では、置換基のR基はさらに置換されていない。
【0010】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物において、Rは、水素、1つまたは複数のR10で任意選択で置換されたアルキル、またはハロゲンである。
【0011】
ある特定の実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、-CN、-OR21、-SR21、-S(=O)R22、-S(=O)22、-NO、-NR2324、-NR21S(=O)22、-S(=O)NR2324、-C(=O)R22、-OC(=O)R22、-C(=O)C(=O)R22、-C(=O)OR21、-C(=O)NR21OR21、-OC(=O)OR21、-C(=O)NR2324、-OC(=O)NR2324、-NR21C(=O)NR2324、-NR21S(=O)NR2324、-NR21C(=O)R22、-NR21C(=O)OR21、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR20で独立して任意選択で置換されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、X、X、X、およびXは、それぞれ独立して、-O-、-NR-、または-Sである。
【0013】
ある特定の実施形態では、AおよびAは、それぞれ独立して、アリールまたはヘテロアリールである。ある特定の実施形態では、AおよびAは、それぞれ独立して、6員アリールまたは6員ヘテロアリールである。
【0014】
いくつかの実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-OR31、-SR31、-S(=O)R32、-S(=O)32、-NO、-NR3334、-NR31S(=O)32、-S(=O)NR3334、-C(=O)R32、-OC(=O)R32、-C(=O)C(=O)R32、-C(=O)OR31、-C(=O)NR31OR31、-OC(=O)OR31、-C(=O)NR3334、-OC(=O)NR3334、-NR31C(=O)NR3334、-NR31S(=O)NR3334、-NR31C(=O)R32、-NR31C(=O)OR31、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR30で独立して任意選択で置換されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-OR41、-SR41、-S(=O)R42、-S(=O)42、-NO、-NR4344、-NR41S(=O)42、-S(=O)NR4344、-C(=O)R42、-OC(=O)R42、-C(=O)C(=O)R42、-C(=O)OR41、-C(=O)NR41OR41、-OC(=O)OR41、-C(=O)NR4344、-OC(=O)NR4344、-NR41C(=O)NR4344、-NR41S(=O)NR4344、-NR41C(=O)R42、-NR41C(=O)OR41、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR40で独立して任意選択で置換されている。
【0016】
ある特定の実施形態では、各Rは、独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR50で独立して任意選択で置換されている。
【0017】
いくつかの実施形態では、Lは、3~8個の原子の鎖である。特定の実施形態では、鎖は、アルキレン鎖またはヘテロアルキレン鎖であり、そのいずれも、1つまたは複数のR60で任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、ヘテロアルキレン鎖中の各原子は、-CR-、-NR-、-O-、または-S-から独立して選択される。
【0018】
ある特定の実施形態では、各RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。特定の実施形態では、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR60で独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、RおよびRは、それらが結合している炭素と一緒になって、1つまたは複数のR60で任意選択で置換されたシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを形成する。ある特定の実施形態では、RおよびRが一緒になってオキソを形成するか、または、隣接する(adjacent)Rが一緒になって二重結合を形成するか、またはRが、鎖中の異なる原子からのRまたはRと結合して、1つもしくは複数のR60で任意選択で置換されているシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを形成する;
【0019】
ある特定の実施形態では、各Rは、独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR80で独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、Rは、鎖中の異なる原子からのRまたはRと結合して、1つもしくは複数のR80で任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成する。
【0020】
ある特定の実施形態では、各R10は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。いくつかの実施形態では、各R20は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。
【0021】
ある特定の実施形態では、各R21は、独立して、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つのR1aで独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、R22は、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1bで独立して任意選択で置換されている。
【0022】
ある特定の実施形態では、R23およびR24は、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1cで独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、R23およびR24は、それらが結合している窒素原子と一緒になって1つもしくは複数のR1dで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成する;
【0023】
いくつかの実施形態では、各R30は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。
【0024】
ある特定の実施形態では、各R31は、独立して、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1aで独立して任意選択で置換されている。
【0025】
いくつかの実施形態では、各R32は、独立して、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1bで独立して任意選択で置換されている。ある特定の実施形態では、各R33およびR34は、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1cで独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、R33およびR34は、それらが結合している窒素原子と一緒になって1つもしくは複数のR1dで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成する。
【0026】
ある特定の実施形態では、各R40は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。いくつかの実施形態では、各R41は、独立して、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1aで独立して任意選択で置換されている。ある特定の実施形態では、各R42は、独立して、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1bで独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、各R43およびR44は、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1cで独立して任意選択で置換されている。ある特定の実施形態では、R43およびR44は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1つもしくは複数のR1dで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成する。
【0027】
いくつかの実施形態では、各R50は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。ある特定の実施形態では、各R60は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。いくつかの実施形態では、各R80は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。
【0028】
ある特定の実施形態では、各R1a、R1b、R1c、およびR1dは独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。いくつかの実施形態では、各Rは、独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のハロゲン、-OH、-NH、またはC~Cアルキルで独立して任意選択で置換されている。ある特定の実施形態では、各Rは、独立して、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のハロゲン、-OH、-NH、またはC~Cアルキルで独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のハロゲン、-OH、-NH、またはC~Cアルキルで独立して任意選択で置換されている。ある特定の実施形態では、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1つもしくは複数のハロゲン、-OH、-NH、またはC~Cアルキルで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成する。ある特定の実施形態では、nは、0~4の整数である。いくつかの実施形態では、mは、0~4の整数である。
【0029】
特定の実施形態では、化合物は、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0030】
いくつかの実施形態では、Rは、水素またはハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rは、水素またはフッ素である。いくつかの実施形態では、Rは、水素である。いくつかの実施形態では、各R10は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。いくつかの実施形態では、各R10は、独立して、ハロゲン、-CN、または-OHである。
【0031】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、-CN、-S(=O)R22、-S(=O)22、-NO、-S(=O)NR2324、-C(=O)R22、-C(=O)OR21、-C(=O)NR21OR21、-C(=O)NR2324、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR20で独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、-CN、-NO、またはC~Cアルキルであり、ここで、アルキルは、1つもしくは複数のR20で任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、-CN、または-CFである。いくつかの実施形態では、Rは、Br、Cl、または-CFである。いくつかの実施形態では、Rは、-CFである。
【0032】
いくつかの実施形態では、各R20は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。いくつかの実施形態では、各R20は、独立して、ハロゲン、-CN、または-OHである。
【0033】
いくつかの実施形態では、Aは、フェニルまたはピリジル置換である。いくつかの実施形態では、Aは、n個のR置換基で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、Aは、
【化2】
である。
【0034】
特定の実施形態では、nは1または2である。より特定の実施形態では、nは1である。
【0035】
いくつかの実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-OR41、-S(=O)R42、-S(=O)42、-NR41S(=O)42、-S(=O)NR4344、-C(=O)R42、-OC(=O)R42、-C(=O)OR41、-C(=O)NR4344、-NR41S(=O)NR4344、-NR41C(=O)R42、C~Cアルキル、またはシクロアルキルであり;ここで、アルキル、およびシクロアルキルは、1つもしくは複数のR40で独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-S(=O)42、-NR41S(=O)42、-S(=O)NR4344、-C(=O)NR4344、C~Cアルキル、またはシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、フッ素、-C(=O)NR4344、またはC~Cアルキルである。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、-C(=O)NHR43、またはC~Cアルキルである。いくつかの実施形態では、nは、1であり、Rは、-C(=O)NH(C~Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Rは、
【化3】
である。
【0036】
いくつかの実施形態では、各R40は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。いくつかの実施形態では、各R40は、独立して、ハロゲン、-CN、または-OHである。
【0037】
いくつかの実施形態では、Aは、
【化4】
である。
【0038】
いくつかの実施形態では、Aは、フェニルまたはピリジルである。いくつかの実施形態では、Aは、フェニルである。いくつかの実施形態では、Aは、
【化5】
である。
【0039】
いくつかの実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-OR31、-SR31、-NO、-NR3334、-S(=O)NR3334、-OC(=O)R32、-C(=O)OR31、-OC(=O)OR31、-C(=O)NR3334、-OC(=O)NR3334、-NR31C(=O)NR3334、-NR31C(=O)R32、-NR31C(=O)OR31、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR30で独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-OR31、-SR31、-NR3334、-OC(=O)R32、-C(=O)NR3334、-NR31C(=O)R32、-NR31C(=O)OR31、C~Cアルキル、シクロアルキル、またはアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキルおよびアリールは、1つもしくは複数のR30で独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、-OR31、-NR3334、-OC(=O)R32、-NR31C(=O)R32、-NR31C(=O)OR31、またはC~Cアルキルである。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、フッ素、塩素、臭素、-O(C~Cアルキル)、-OH、-NH、またはC~Cアルキルである。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、フッ素、塩素、臭素、または-OMeである。いくつかの実施形態では、各Rは、-OMeである。
【0040】
いくつかの実施形態では、mは1または2である。いくつかの実施形態では、mは1である。
【0041】
いくつかの実施形態では、各R30は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。いくつかの実施形態では、各R30は、独立して、ハロゲン、-CN、または-OHである。いくつかの実施形態では、Aは、
【化6】
である。
【0042】
いくつかの実施形態では、Xは、-O-または-NR-である。いくつかの実施形態では、Xは、-NH-または-N(Me)-である。いくつかの実施形態では、Xは、-NH-である。
【0043】
いくつかの実施形態では、Xは、-O-または-NR-である。いくつかの実施形態では、Xは、-NH-または-N(Me)-である。いくつかの実施形態では、Xは、-NH-である。
【0044】
いくつかの実施形態では、Xは、-O-である。いくつかの実施形態では、Xは、-O-である。
【0045】
いくつかの実施形態では、Lは、3~8個の原子の鎖であり、鎖中の各原子は、-CR-または-O-から独立して選択される。いくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、1つもしくは複数のR60で独立して任意選択で置換されており;あるいは隣接するRが一緒になって二重結合を形成する。いくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して、水素、C~Cアルキル、もしくはシクロアルキルであり;あるいは隣接するRが一緒になって二重結合を形成する。特定の実施形態では、Lは、(置換または非置換)
【化7】
から選択される。
【0046】
一態様では、本明細書で提供されるのは、本明細書で提供される化合物のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、静脈内または腹腔内注射用に製剤化される。
【0047】
一態様では、本明細書で提供されるのは、ULK1またはULK2媒介性疾患の処置を必要とする対象においてULK1またはULK2媒介性疾患を処置する方法であって、本明細書に提供される化合物のいずれか1つの化合物または医薬組成物を対象に投与することを含む、方法である。いくつかの実施形態では、ULK1またはULK2媒介性疾患は、異常なオートファジーを特徴とする。いくつかの実施形態では、異常なオートファジーは治療的に誘発されたものである。
【0048】
いくつかの実施形態では、疾患は、がんである。いくつかの実施形態では、がんは肺がん、乳がん、または膵臓がんである。いくつかの実施形態では、肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)である。いくつかの実施形態では、がんは膵臓がんである。いくつかの実施形態では、膵臓がんは膵管腺癌である。いくつかの実施形態では、がんは乳がんである。いくつかの実施形態では、乳がんはトリプルネガティブ乳がん(TNBC)である。
【0049】
いくつかの実施形態では、疾患は、結節性硬化症(TSC)またはリンパ管平滑筋腫症(lymphangioleiomyomatosis)(LAM)である。
【0050】
いくつかの実施形態では、化合物は追加の治療剤と同時投与される。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、ラパマイシンの機械的標的(mTOR)阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、カルボプラチンである。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MEK)阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、トラメチニブである。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、オラパリブである。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、標準治療薬である。
【0051】
いくつかの実施形態では、化合物を投与することにより、対象におけるオートファジー関連タンパク質13(ATG13)を分解する。
【発明を実施するための形態】
【0052】
定義
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で言及されるすべての特許および刊行物は、参照により組み込まれる。
【0053】
本明細書および特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、その内容に別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。
【0054】
「アルキル」は、炭素原子および水素原子のみからなる直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカルを指し、これは、任意選択で、1つまたは複数の二重結合または三重結合により不飽和であってもよく、好ましくは1~15個の炭素原子を有する(すなわち、C~C15アルキル)。ある特定の実施形態では、アルキルは、1~6個の炭素原子を含む(すなわち、C~Cアルキル)。他の実施形態では、アルキルは、1~3個の炭素原子を含む(すなわち、C~Cアルキル)。ある特定の実施形態では、アルキル基は、メチル、エチル、1-プロピル(n-プロピル)、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、1-ブチル(n-ブチル)、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソ-ブチル)、1,1ジメチルエチル(tert-ブチル)、1-ペンチル(n-ペンチル)から選択される。アルキルは、単結合によって分子の残りの部分に結合している。特に明記しない限り、用語「アルキル」およびその等価物は、直鎖、分岐鎖、および/または環式アルキル基を包含する。場合によっては、「アルキル」は、環式および非環式(直鎖および/または分岐鎖)アルキル成分の両方を含む。アルキル基が「直鎖」と記載されている場合、言及されたアルキル基は追加のアルキル基で置換されておらず、非分岐鎖である。アルキル基が「飽和」と記載されている場合、言及されたアルキル基は、二重または三重の炭素-炭素結合(例えば、アルケンまたはアルキン)を含有しない。
【0055】
「アルキレン」または「アルキレン鎖」は、二価アルキル基を指し、これは、飽和していても、1つまたは複数の二重結合または三重結合を有していて不飽和であってもよい。
【0056】
「アリール」は、芳香族単環式または芳香族多環式炭化水素環系を指す。芳香族単環式または芳香族多環式炭化水素環系は、水素および炭素のみを含有し、5~18個の炭素原子を含有し、ここで、環系の環の少なくとも1つは芳香族であり、すなわち、ヒュッケル理論による、環式の非局在化(4n+2)π電子系を含有する。アリール基が由来する環系としては、ベンゼン、フルオレン、インダン、インデン、テトラリンおよびナフタレンなどの基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
「Cx~y」または「C~C」という用語は、アルキル、アルケニル、またはアルキニルなどの化学部分と組み合わせて使用される場合、鎖内にx~y個の炭素を含有する基を含むことを意味する。例えば、「Cx~yアルキル」という用語は、鎖内にx~y個の炭素を含有する直鎖アルキルおよび分岐鎖アルキル基を含む飽和または不飽和炭化水素基を指す。「Cx~yアルケニル」および「Cx~yアルキニル」という用語は、長さおよび可能な置換が上記のアルキルに類似しているが、それぞれ少なくとも1つの二重結合または三重結合を含有する不飽和脂肪族基を指す。
【0058】
「シクロアルキル」は、環の各原子が炭素である飽和環を指す。シクロアルキルは、単環および多環、例として、3~10員の単環式環、6~12員の縮合二環式環、6~12員のスピロ環式環、および6~12員の架橋環を含み得る。ある特定の実施形態では、シクロアルキルは、3~10個の炭素原子を含む。他の実施形態では、シクロアルキルは、5~7個の炭素原子を含む。シクロアルキルは、単結合によって分子の残りの部分に結合してもよい。単環式シクロアルキルの例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。多環式シクロアルキルラジカルとしては、例えば、アダマンチル、ノルボルニル(すなわち、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルネニル、デカリニル、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどが挙げられる。
【0059】
「ハロ」、あるいは「ハロゲン」または「ハロゲン化物」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。いくつかの実施形態では、ハロは、フルオロ、クロロ、またはブロモである。
【0060】
「ハロアルキル」は、1つまたは複数のハロラジカル、例えば、トリフルオロメチル、ジクロロメチル、ブロモメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1-クロロメチル-2-フルオロエチルなどで置換された、上で定義したアルキルラジカルを指す。いくつかの実施形態では、ハロアルキルラジカルのアルキル部分は、本明細書に記載のように任意選択で置換されている。
【0061】
「ヘテロアルキル」は、アルキル基の炭素の1つまたは複数がヘテロ原子で置き換えられているアルキル基を指す。例示的なヘテロ原子には、N、O、Si、P、B、およびS原子が含まれ、好ましくはN、O、およびSである。ヘテロ原子の原子価は炭素原子の原子価と同一でなくてもよく、例えば、アルキルのメチレン(CH)は、ヘテロアルキルにおいてNH基、S基、O基などで置き換えられ得ることに留意されたい。
【0062】
「ヘテロアルキレン」は、アルキレン基の炭素の1つまたは複数がヘテロ原子で置き換えられているアルキレン基を指す。例示的なヘテロ原子には、N、O、Si、P、B、およびS原子が含まれ、好ましくはN、O、およびSである。
【0063】
「ヘテロシクロアルキル」は、炭素原子および少なくとも1個のヘテロ原子を有する飽和または不飽和(例えば、非芳香族)環(例えば、1つまたは複数の炭素基がヘテロ原子で置換されているシクロアルキル)を指す。例示的なヘテロ原子には、N、O、Si、P、B、およびS原子が含まれる。ヘテロシクロアルキルは、単環式環および多環式環、例として、3~10員の単環式環、6~12員の縮合二環式環、6~12員のスピロ環式環、および6~12員の架橋環を含み得る。ヘテロシクロアルキルラジカル中のヘテロ原子は、任意選択で酸化されている。1つまたは複数の窒素原子が存在する場合、任意選択で四級化される。ヘテロシクロアルキルは、原子価が許す限り、ヘテロシクロアルキルの任意の炭素原子または窒素原子など、ヘテロシクロアルキルの任意の原子を介して分子の残りの部分に結合している。ヘテロシクロアルキルラジカルの例としては、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、および1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
「ヘテロアリール」は、炭素原子および1つまたは複数のヘテロ原子を含む芳香環を指す。例示的なヘテロ原子には、N、O、Si、P、B、およびS原子が含まれる。本明細書で使用される場合、ヘテロアリール環は、単環式または二環式および縮合環系または架橋環系環から選択することができ、ここで、環系の環の少なくとも1つは芳香族であり、すなわち、ヒュッケル理論による、環式の非局在化(4n+2)π電子系を含有する。ヘテロアリールラジカル中のヘテロ原子は、任意に酸化されていてもよい。1つまたは複数の窒素原子が存在する場合、任意選択で四級化される。ヘテロアリールは、ヘテロアリールの炭素原子または窒素原子など、原子価が許す限り、ヘテロアリールの任意の原子を介して分子の残りの部分に結合することができる。ヘテロアリールの例としては、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンズインドリル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2-d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2-c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、フロ[3,2-c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソキサゾリル、5,8-メタノ-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6-ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a-オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2-d]ピリミジニル、ピリド[3,4-d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,5-c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、チエノ[3,2-d]ピリミジニル、チエノ[2,3-c]プリジニル、およびチオフェニル(すなわち、チエニル)、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
「塩」または「薬学的に許容される(pharmaceutically acceptable)塩」という用語は、当技術分野で周知のさまざまな有機および無機の対イオンに由来する塩を指す。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸で形成され得る。塩の由来のもととなる無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。塩の由来のものとなる有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基で形成され得る。塩の由来のもととなる無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどが挙げられる。塩の由来のもととなる有機塩基としては、例えば、第一級、第二級、および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂など、具体的にはイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩基付加塩は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩から選択される。
【0066】
「薬学的に許容される」という語句は、本明細書では、過度な毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題もしく合併症を伴わず、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに好適な、合理的な利益/リスク比に見合う、それらの化合物、材料、組成物および/または剤形を意味するために使用される。
【0067】
本明細書で使用される「薬学的に許容される賦形剤」または「薬学的に許容される担体」という語句は、液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料などの薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクルを意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者に有害でないという意味で「許容される」。薬学的に許容される担体として機能することができる材料のいくつかの例としては、(1)ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖;(2)トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体;(4)粉末状トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)カカオバターおよび座薬ワックスなどの賦形剤;(9)ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油などの油;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチル、ラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張生理食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;および(21)医薬製剤に使用される他の非毒性適合性物質、が挙げられる。
【0068】
ある特定の実施形態では、疾患または障害に関連する「予防する」または「予防すること」という用語は、統計試料において、未処置対照試料と比較して、処置試料における障害または状態の発生を低減するか、または未処置対照試料と比較して、障害または状態の1つもしくは複数の症状の発症を遅らせるかまたはその重症度を低減する化合物を指し得る。
【0069】
「置換された」という用語は、構造の1つもしくは複数の炭素またはヘテロ原子上の水素を置き換える置換基を有する部分を指す。「置換」または「で置換された」とは、そのような置換が置換原子および置換基の許容される原子価に従うという暗黙の但し書きを含み、置換によって、安定な化合物、例えば、転位、環化、脱離などによって自発的に転換されない化合物がもたらされることが理解されるであろう。本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、有機化合物のすべての許容される置換基を含むことが企図される。広い態様では、許容される置換基には、有機化合物の非環式および環式置換基、分岐鎖および非分岐鎖置換基、炭素環式および複素環式置換基、芳香族および非芳香族置換基が含まれる。許容可能な置換基は、適切な有機化合物について、1つまたは複数であり、同じであっても異なっていてもよい。本開示での目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基および/またはヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に記載の有機化合物の任意の許容可能な置換基を有し得る。基が置換されているか非置換であるかが特定されていない実施形態では、基は、非置換であることが意図される。
【0070】
置換基としては、本明細書に記載の任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシル)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメートなど)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、アラルキル、炭素環、複素環、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、芳香族およびヘテロ芳香族部分、が挙げられる。いくつかの実施形態では、置換基には、本明細書に記載の任意の置換基、例えば:ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ(=O),チオキソ(=S)、シアノ(-CN)、ニトロ(-NO)、イミノ(=N-H)、オキシモ(=N-OH)、ヒドラジノ(=N-NH)、-R-OR、-R-OC(O)-R、-R-OC(O)-OR、-R-OC(O)-N(R、-R-N(R、-R-C(O)R、-R-C(O)OR、-R-C(O)N(R、-R-O-R-C(O)N(R、-R-N(R)C(O)OR、-R-N(R)C(O)R、-R-N(R)S(O)(tは1または2)、-R-S(O)(tは1または2)、-R-S(O)OR(tは1または2)、および-R-S(O)N(R(tは1または2);ならびにアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキルであって、それらのいずれも、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ(=O),チオキソ(=S)、シアノ(-CN)、ニトロ(-NO)、イミノ(=N-H)、オキシモ(=N-OH)、ヒドラジン(=N-NH)、-R-OR、-R-OC(O)-R、-R-OC(O)-OR、-R-OC(O)-N(R、-R-N(R、-R-C(O)R、-R-C(O)OR、-R-C(O)N(R、-R-O-R-C(O)N(R、-R-N(R)C(O)OR、-R-N(R)C(O)R、-R-N(R)S(O)(tは1または2)、-R-S(O)(tは1または2)、-R-S(O)OR(tは1または2)、および-R-S(O)N(R(tは1または2)、によって任意選択で置換されていてもよいもの;を含めてもよく;、式中、各Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルから独立して選択され、式中、各Rは、原子価が許す限り、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ(=O),チオキソ(=S)、シアノ(-CN)、ニトロ(-NO)、イミノ(=N-H)、オキシモ(=N-OH)、ヒドラジン(=N-NH)、-R-OR、-R-OC(O)-R、-R-OC(O)-OR、-R-OC(O)-N(R、-R-N(R、-R-C(O)R、-R-C(O)OR、-R-C(O)N(R、-R-O-R-C(O)N(R、-R-N(R)C(O)OR、-R-N(R)C(O)R、-R-N(R)S(O)(tは1または2)、-R-S(O)(tは1または2)、-R-S(O)OR(tは1または2)、および-R-S(O)N(R(tは1または2)、によって任意選択で置換されていてもよく;式中、各Rは、直接結合または直鎖もしくは分岐鎖アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン鎖から独立して選択され、各Rは、直鎖もしくは分岐鎖アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン鎖である。
【0071】
本明細書で使用される「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」または「処置(treatment)」という用語は、予防的におよび/または治療的に、のいずれかで、疾患もしくは状態症状を緩和すること、軽減すること、または改善すること、追加の症状を予防すること、症状の根本的な原因を改善することもしくは予防すること、疾患もしくは状態を阻害すること、例えば、疾患もしくは状態の発症を停止させること、疾患もしくは状態を緩和すること、疾患もしくは状態の退縮を引き起こすこと、疾患もしくは状態によって引き起こされる状態を緩和すること、または疾患もしくは状態の症状を止めることを含み得る。
【0072】
種々の場合に、「してもよい(may)」は、他の指定された構成成分の代替として、またはそれに加えて使用され得る任意の代替物を指す。
【0073】
本発明の化合物はまた、それらの化合物の結晶および非晶質形態、薬学的に許容される塩、ならびに同じタイプの活性を有するこれらの化合物の活性代謝産物を含み、例えば、化合物の多形、疑似多形、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形(無水物を含む)、配座多形、および非晶質形態、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0074】
オートファジー
ある特定の場合には、オートファジーは、細胞が種々のタンパク質およびオルガネラを異化して、細胞生存に必要なビルディングブロックおよび重要な代謝産物を提供する栄養素の損失に対する細胞応答である。場合によっては、オートファジーは、時間の経過と共に細胞の損傷に伴って蓄積するタンパク質凝集体および欠陥オルガネラを除去することにより、多くの組織において重要な恒常性維持の役割を果たす。遺伝学では、すべての真核生物にわたって保存されているオートファジーのコア構成成分を最初に定義したが、異なるオートファジー複合体が互いをどのように制御するか、ならびにオートファジー誘導に関与する生化学的イベントの正確な時間的および空間的順序の分子レベルでの詳細は、現在のところあまり理解されていないと、通常考えられている。
【0075】
健康な個体において、正常なオートファジーは、ある特定の場合には、発生の重要な時期に栄養ストレスに応答してエネルギー源のバランスを取るための重要なプロセスである。ある特定の場合には、オートファジーは、ミスフォールドまたは凝集したタンパク質の除去、ミトコンドリア、小胞体、およびペルオキシソームなどの損傷したオルガネラの除去、ならびに細胞内病原体の排除においてハウスキーピングの役割も果たす。したがって、オートファジーは多くの場合、生存機構と考えられている。種々の場合に、オートファジーは、特定のオルガネラ、リボソーム、およびタンパク質凝集体の除去において、非選択的または選択的である。細胞内凝集体および損傷したオルガネラの排除に加えて、ある特定の場合には、オートファジーは細胞老化および細胞表面抗原提示を促進し、ゲノム不安定性から保護し、壊死を防止または阻害し、それによりがん、神経変性、心筋症、糖尿病、肝臓病、自己免疫疾患、および感染などの疾患の予防、処置、または阻害に重要な役割を果たす。
【0076】
場合によっては、オートファジー経路における欠陥は、感染症、神経変性障害、およびがんを含む多くのヒトの病状に関連している。場合によっては、オートファジーの役割は、がんのさまざまな発生段階において異なっており;例えば、場合によっては、最初はオートファジーががんに対する予防効果を有するが、腫瘍が発生すると、がん細胞は、ある特定の場合には、オートファジーを自身の細胞保護のために利用する。一部のがんでは、制御不能な細胞増殖を引き起こし、結果として腫瘍またはその他のがん組織が形成される突然変異も、オートファジーの変化に影響を与える。場合によっては、がん細胞におけるオートファジー経路のこれらの変化により、がん細胞の生存性および永続性が向上する。場合によっては、これにより、標準的がん処置に応答して、細胞がアポトーシスおよび細胞死に抵抗するようになり、がん治療の有効性が低下する。ある特定の場合には、がん細胞を殺傷するのではなく、治療薬は、がん組織の増殖を停止させる効果しかなく、がん組織は処置により細胞増殖抑制期に入る。したがって、場合によっては、がん組織は処置中に殺傷されず、増殖が単に停止するだけである。処置が中止されると、がん組織は増殖を再開できるため、患者の症状および合併症が増加する。これを考慮すれば、場合によっては、オートファジーを破壊する治療薬を追加すると、がん細胞の細胞増殖抑制反応をがん細胞死に変換する効果がある。
【0077】
ある特定のがんでは、がんによって引き起こされるオートファジーの変化が、がん細胞の生存にとって重要である。がんの原因となる突然変異は制御不能な細胞増殖をもたらすため、場合によっては、これらの細胞はオートファジーに依存して栄養素の消費を適切に制御し、健康な細胞の死を引き起こす状況で細胞の生存を確保する。したがって、細胞内のオートファジーを阻害する方法は、ある特定の場合には、追加のがん治療薬を必要とせずにがんを処置する方法を提供する。したがって、細胞内のオートファジーを阻害する方法は、ある特定の場合には、追加のがん治療を必要としないがんの処置方法を提供する。
【0078】
ULK1およびULK2
多くの場合には、ULK1および/またはULK2は、哺乳動物細胞におけるオートファジーの制御において重要なタンパク質である。ある特定の場合には、ULK1および/またはULK2は、いくつかの上流シグナルによる栄養欠乏の条件下で活性化され、その後にオートファジーの始動が続く。オートファジーの開始におけるULK1および/またはULK2の要件は、栄養欠乏との関係において研究されている。
【0079】
ある特定の場合には、ULK1、ATG13、FIP200(200kDaの接着斑キナーゼファミリー相互作用タンパク質)、およびオートファジー関連タンパク質101(ATG101)を組み合わせたULK1複合体は、オートファジー応答が開始されたときのオートファゴソームの始動および形成に関与する第1のタンパク質複合体の1つである。さらに、ULK1は、セリン/スレオニンキナーゼであるオートファジー経路のコア保存構成成分として固有のものであると考えられており、オートファジーを制御する化合物を開発する機会の特に固有の標的となっている。ULK1を阻害する薬剤の臨床治療指数にとって同様に重要なことに、ULK1を完全に欠くように遺伝子操作されたマウスは、重大な病状を伴わないで生存可能である。したがって、多くの場合、ULK1選択的キナーゼ阻害剤は、正常な組織では耐容性が良いが、生存のためにULK1媒介性オートファジーに依存するようになった腫瘍細胞ではそうではない。
【0080】
場合によっては、ULK1機能が阻害されると、ULK2はULK1の機能的役割を引き継ぐ。したがって、場合によっては、ULK1とULK2の両方に有効な阻害剤が、この影響を緩和するために望ましい。
【0081】
化合物
本開示は、種々の疾患の処置に使用するための化合物および塩、ならびにそれらの製剤を提供する。いくつかの実施形態では、化合物は、ULK阻害剤である。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、ULK1阻害剤である。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、特異的ULK1阻害剤である。いくつかの実施形態では、化合物は、ULK1およびULK2の両方の阻害剤である。
【0082】
一態様では、本開示は、式(I):
【化8】
の構造を有する化合物、またはその薬学的に許容される塩、を提供する。
【0083】
このような化合物の置換基は、以下のように本明細書に記載されている;
は、水素、1つもしくは複数のR10で任意選択で置換されたアルキル、またはハロゲンであり;
は、水素、ハロゲン、-CN、-OR21、-SR21、-S(=O)R22、-S(=O)22、-NO、-NR2324、-NR21S(=O)22、-S(=O)NR2324、-C(=O)R22、-OC(=O)R22、-C(=O)C(=O)R22、-C(=O)OR21、-C(=O)NR21OR21、-OC(=O)OR21、-C(=O)NR2324、-OC(=O)NR2324、-NR21C(=O)NR2324、-NR21S(=O)NR2324、-NR21C(=O)R22、-NR21C(=O)OR21、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR20で独立して任意選択で置換されており;
、X、X、およびXは、それぞれ独立して、存在しないか、アルキレン、-O-、-NR-、または-S-であり;
およびAは、それぞれ独立して、炭素環または複素炭素環(heterocarbocycle)(例えば、アリールまたはヘテロアリール)であり;
各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-OR31、-SR31、-S(=O)R32、-S(=O)32、-NO、-NR3334、-NR31S(=O)32、-S(=O)NR3334、-C(=O)R32、-OC(=O)R32、-C(=O)C(=O)R32、-C(=O)OR31、-C(=O)NR31OR31、-OC(=O)OR31、-C(=O)NR3334、-OC(=O)NR3334、-NR31C(=O)NR3334、-NR31S(=O)NR3334、-NR31C(=O)R32、-NR31C(=O)OR31、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR30で独立して任意選択で置換されており;
各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-OR41、-SR41、-S(=O)R42、-S(=O)42、-NO、-NR4344、-NR41S(=O)42、-S(=O)NR4344、-C(=O)R42、-OC(=O)R42、-C(=O)C(=O)R42、-C(=O)OR41、-C(=O)NR41OR41、-OC(=O)OR41、-C(=O)NR4344、-OC(=O)NR4344、-NR41C(=O)NR4344、-NR41S(=O)NR4344、-NR41C(=O)R42、-NR41C(=O)OR41、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR40で独立して任意選択で置換されており;
各Rは、独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR50で独立して任意選択で置換されており;
Lは、3~12個の原子の鎖であり、鎖は、アルキレン鎖またはヘテロアルキレン鎖であり、ヘテロアルキレン鎖中の各原子は、-CR-、-NR-、-O-、または-S-から独立して選択され;
各RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR60で独立して任意選択で置換されており;
あるいは、RおよびRは、それらが結合している炭素と一緒になって、1つもしくは複数のR60で任意選択で置換されたシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを形成するか;
あるいは、RおよびRが一緒になってオキソを形成するか、あるいは、隣接するRが一緒になって二重結合を形成するか、あるいはRが、鎖中の異なる原子からのRまたはRと結合して、1つもしくは複数のR60で任意選択で置換されたシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルを形成し;
各Rは、独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR80で独立して任意選択で置換されており;
あるいは、Rが、鎖中の異なる原子からのRまたはRと結合して、1つもしくは複数のR80で任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し;
各R10は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各R20は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各R21は、独立して、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つのR1aで独立して任意選択で置換されており;
22は、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1bで独立して任意選択で置換されており;
23およびR24は、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1cで独立して任意選択で置換されている。
あるいは、R23およびR24は、それらが結合している窒素原子と一緒になって1つもしくは複数のR1dで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し;
各R30は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各R31は、独立して、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1aで独立して任意選択で置換されており;
各R32は、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1bで独立して任意選択で置換されており;
各R33およびR34は、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1cで独立して任意選択で置換されており;
あるいは、R33およびR34は、それらが結合している窒素原子と一緒になって1つもしくは複数のR1dで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し;
各R40は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各R41は、独立して、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1aで独立して任意選択で置換されており;
42は、水素、-CN、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1bで独立して任意選択で置換されており;
43およびR44は、それぞれ独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR1cで独立して任意選択で置換されており;
あるいは、R43およびR44は、それらが結合している窒素原子と一緒になって1つもしくは複数のR1dで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し;
各R50は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各R60は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各R80は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各R1a、R1b、R1c、およびR1dは独立して、オキソ、ハロゲン、-CN、-OR、-S(=O)、-NR、-S(=O)NR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NR、-OC(=O)NR、-NRC(=O)NR、-NRC(=O)R、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルであり;
各Rは、独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のハロゲン、-OH、-NH、またはC~Cアルキルで独立して任意選択で置換されており;
各Rは、独立して、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のハロゲン、-OH、-NH、またはC~Cアルキルで独立して任意選択で置換されており;
各RおよびRは、独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のハロゲン、-OH、-NH、またはC~Cアルキルで独立して任意選択で置換されており;
あるいは、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1つもしくは複数のハロゲン、-OH、-NH、C~Cアルキルで任意選択で置換されたヘテロシクロアルキルを形成し;
nは、0~4の整数であり;ならびに
mは、0~4の整数である。
【0084】
いくつかの実施形態では、Rは、水素またはハロゲンである。いくつかの実施形態では、Rは、水素またはフッ素である。いくつかの実施形態では、Rは、水素である。
【0085】
いくつかの実施形態では、各R10は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。いくつかの実施形態では、R10は、ハロゲン、-CN、-OH、-OMe、または-NHである。いくつかの実施形態では、各R10は、独立して、ハロゲン、-CN、または-OHである。
【0086】
いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、-CN、-S(=O)R22、-S(=O)22、-NO、-S(=O)NR2324、-C(=O)R22、-C(=O)OR21、-C(=O)NR21OR21、-C(=O)NR2324、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR20で独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、-CN、-NO、またはC~Cアルキルであり、ここで、アルキルは、1つもしくは複数のR20で任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、Rは、ハロゲン、-CN、または-CFである。いくつかの実施形態では、Rは、Br、Cl、または-CFである。いくつかの実施形態では、Rは、-CFである。
【0087】
いくつかの実施形態では、各R20は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。いくつかの実施形態では、各R20は、独立して、ハロゲン、-CN、または-OHである。
【0088】
いくつかの実施形態では、Aは、アリールまたはヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Aは、n個のR置換基で置換されたフェニルまたはピリジルである。いくつかの実施形態では、Aは、n個のR置換基で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、Aは、n個のR置換基で置換された6員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Aは、n個のR置換基で置換されたピリジルである。いくつかの実施形態では、Aは、
【化9】
である。
【0089】
いくつかの実施形態では、nは0、1、または2である。いくつかの実施形態では、nは、1または2である。いくつかの実施形態では、nは1である。いくつかの実施形態では、nは、0または1である。いくつかの実施形態では、nは0である。
【0090】
いくつかの実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-OR41、-S(=O)R42、-S(=O)42、-NR41S(=O)42、-S(=O)NR4344、-C(=O)R42、-OC(=O)R42、-C(=O)OR41、-C(=O)NR4344、-NR41S(=O)NR4344、-NR41C(=O)R42、C~Cアルキル、またはシクロアルキルであり;ここで、アルキル、およびシクロアルキルは、1つもしくは複数のR40で独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-S(=O)42、-NR41S(=O)42、-S(=O)NR4344、-C(=O)NR4344、C~Cアルキル、またはシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、フッ素、-C(=O)NR4344、-O(C~Cアルキル)、またはC~Cアルキルである。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、フッ素、-C(=O)NR4344、またはC~Cアルキルである。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、-C(=O)NHR43、またはC~Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、
【化10】
である。
【0091】
いくつかの実施形態では、nは、1であり、Rは、-C(=O)NH(C~Cアルキル)である。
【0092】
いくつかの実施形態では、各R40は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。いくつかの実施形態では、各R40は、独立して、ハロゲン、-CN、または-OHである。
【0093】
いくつかの実施形態では、Aは、
【化11】
である。
【0094】
いくつかの実施形態では、Aは、アリールまたはヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Aは、m個のR置換基で置換されたフェニルまたはピリジルである。いくつかの実施形態では、Aは、m個のR置換基で置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、Aは、m個のR置換基で置換されたピリジルである。いくつかの実施形態では、Aは、m個のR置換基で置換された6員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Aは、
【化12】
である。
【0095】
いくつかの実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-OR31、-SR31、-NO、-NR3334、-S(=O)NR3334、-OC(=O)R32、-C(=O)OR31、-OC(=O)OR31、-C(=O)NR3334、-OC(=O)NR3334、-NR31C(=O)NR3334、-NR31C(=O)R32、-NR31C(=O)OR31、C~Cアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1つもしくは複数のR30で独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-OR31、-SR31、-NR3334、-OC(=O)R32、-C(=O)NR3334、-NR31C(=O)R32、-NR31C(=O)OR31、C~Cアルキル、シクロアルキル、またはアリールであり;ここで、アルキル、シクロアルキルおよびアリールは、1つもしくは複数のR30で独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、-OR31、-NR3334、-OC(=O)R32、-NR31C(=O)R32、-NR31C(=O)OR31、またはC~Cアルキルである。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、フッ素、塩素、臭素、-O(C~Cアルキル)、-OH、-NH、またはC~Cアルキルである。いくつかの実施形態では、各Rは独立して、フッ素、塩素、臭素、または-OMeである。いくつかの実施形態では、各Rは、-OMeである。
【0096】
いくつかの実施形態では、mは0、1または2である。いくつかの実施形態では、mは1または2である。いくつかの実施形態では、mは0または1である。いくつかの実施形態では、mは1である。いくつかの実施形態では、mは0である。
【0097】
いくつかの実施形態では、各R30は独立して、ハロゲン、-CN、-OR、NR、-C(=O)R、-C(=O)OR、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはフェニルである。いくつかの実施形態では、各R30は、独立して、ハロゲン、-CN、または-OHである。いくつかの実施形態では、Aは、
【化13】
である。
【0098】
いくつかの実施形態では、Xは、-S- -O-または-NR-である。いくつかの実施形態では、Xは、-O-または-NR-である。いくつかの実施形態では、Xは、-NH-または-N(Me)-である。いくつかの実施形態では、Xは、-NH-である。いくつかの実施形態では、Xは、-O-である。いくつかの実施形態では、Xは、存在していない。いくつかの実施形態では、Xは、アルキレンである。
【0099】
いくつかの実施形態では、Xは、-S-、-O-または-NR-である。いくつかの実施形態では、Xは、-O-または-NR-である。いくつかの実施形態では、Xは、-NH-または-N(Me)-である。いくつかの実施形態では、Xは、-NH-である。いくつかの実施形態では、Xは、-O-である。いくつかの実施形態では、Xは、存在していない。いくつかの実施形態では、Xは、アルキレンである。
【0100】
いくつかの実施形態では、Xは、-S-、-O-または-NR-である。いくつかの実施形態では、Xは、-O-または-NR-である。いくつかの実施形態では、Xは、-O-または-NH-である。いくつかの実施形態では、Xは、-O-である。いくつかの実施形態では、Xは、存在していない。いくつかの実施形態では、Xは、アルキレンである。
【0101】
いくつかの実施形態では、Xは、-S-、-O-または-NR-である。いくつかの実施形態では、Xは、-O-または-NR-である。いくつかの実施形態では、Xは、-O-または-NH-である。いくつかの実施形態では、Xは、-O-である。いくつかの実施形態では、Xは、存在していない。いくつかの実施形態では、Xは、アルキレンである。
【0102】
いくつかの実施形態では、Lは、3~12個の原子の鎖である。いくつかの実施形態では、Lは、3~12個の原子の鎖であり、鎖中の各原子は、-CR-または-O-から独立して選択される。いくつかの実施形態では、Lは、3~8個の原子の鎖であり、鎖中の各原子は、-CR-または-O-から独立して選択される。いくつかの実施形態では、Lは、3~8個の原子のアルキレン鎖である。いくつかの実施形態では、Lは、3~6個の原子の鎖であり、鎖中の各原子は、-CR-または-O-から独立して選択される。いくつかの実施形態では、Lは、3~6個の原子のアルキレン鎖である。いくつかの実施形態では、Lは、単一の二重結合を含有する3~8個の原子のアルキレン鎖である。いくつかの実施形態では、Lは、単一の二重結合を任意選択で含有する3~8個の原子のアルキレン鎖である。
【0103】
いくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して、水素、C~Cアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり;ここで、アルキル、シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、1つもしくは複数のR60で独立して任意選択で置換されており;あるいは隣接するRが一緒になって二重結合を形成する。いくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して、水素、C~Cアルキル、もしくはシクロアルキルであるか;または隣接するRが一緒になって二重結合を形成する。いくつかの実施形態では、各RおよびRは、独立して、水素であるか;または隣接するRが一緒になって二重結合を形成する。
【0104】
いくつかの実施形態では、Lは、(置換または非置換)
【化14】
から選択される。
【0105】
特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、式(Ia):
【化15】
の構造を有する式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0106】
いくつかの実施形態では、
は、水素、ハロゲン、またはハロアルキル(例えば、-CF)であり;
は、水素、ハロゲン、-CN、-NO、-C(=O)R、-C(=O)C(=O)R、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換ヘテロアルキルであり;
は、-O-、-NR-、または-S-であり;
各RおよびRは独立して、ハロゲン、-CN、-OR、-SR、-NO、-NRS(=O)R、-S(=O)NRR、-C(=O)R、-OC(=O)R、-C(=O)OR、-OC(=O)OR、-C(=O)NRR、-OC(=O)NRR、-NRC(=O)NRR、-NRS(=O)NRR、-NRC(=O)R、-NRC(=O)OR、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換ヘテロアルキルであり;
は、置換もしくは非置換アルキル、または置換もしくは非置換ヘテロアルキルであり;
Lは、C~C鎖置換または非置換アルキレンであり;
各Rは独立して、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
nは、0~4の整数であり;ならびに
mは、0~4の整数である。
【0107】
ある特定の実施形態では、Rは、水素またはハロゲンである。
【0108】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、-CF、-CN、-NO、-C(=O)(C~Cアルキル)、-C(=O)C(=O)(C~Cアルキル)、-C~Cアルキル、またはシクロアルキルであり;ここで、アルキルまたはシクロアルキルは、1つもしくは複数のR20で独立して任意選択で置換されている。いくつかの実施形態では、各R20は独立して、-OH、-O(C~Cアルキル)、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはC~Cアルキルである。
【0109】
ある特定の実施形態では、Xは、-O-、-NR-、または-S-である。いくつかの実施形態では、Rは、C~CアルキルまたはC~Cハロアルキルである。
【0110】
ある特定の実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-OR31、-SR31、-NO、-S(=O)NR3334、-C(=O)R32、-OC(=O)R32、-C(=O)OR31、-OC(=O)OR31、-C(=O)NR3334、-OC(=O)NR3334、-NR31C(=O)NR3334、-NR31S(=O)NR3334、-NR31C(=O)R32、-NR31C(=O)OR31、C~Cアルキル、またはシクロアルキルである。
【0111】
いくつかの実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、-CN、-OR41、-SR41、-NO、-S(=O)NR4344、-C(=O)R42、-OC(=O)R42、-C(=O)OR41、-OC(=O)OR41、-C(=O)NR4344、-OC(=O)NR4344、-NR41C(=O)NR4344、-NR41S(=O)NR4344、-NR41C(=O)R42、-NR41C(=O)OR41、C~Cアルキル、またはシクロアルキルである。
【0112】
ある特定の実施形態では、各R31、R32、R33、R34、R41、R42、R43、およびR44は独立して、水素、C~Cハロアルキル、C~Cヒドロキシアルキル、またはC~Cアルキルである。
【0113】
いくつかの実施形態では、Lは、C~Cアルキレン鎖である。
【0114】
ある特定の実施形態では、mは、0、1、または2である。いくつかの実施形態では、nは0、1、または2である。
【0115】
特定の実施形態では、化合物は、式(Ia)の化合物の薬学的に許容される塩である。
【0116】
いくつかの実施形態では、化合物、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、または立体異性体であって、化合物は、
【化16-1】
【化16-2】
【化16-3】
【化16-4】
から選択される。
【0117】
本明細書では、種々の変数について上述した基の任意の組み合わせが企図される。本明細書全体にわたって、当業者は、安定な部分および化合物を提供するために、基およびそれらの置換基を選択する。
【0118】
例示的な化合物を表1に示す(ULK1阻害アッセイについてのそれぞれのIC50値とともに)。
【0119】
ADP-Gloアッセイによって測定されたIC50はnMで提示され、AはIC50<20nMを表し、BはIC50>20nMを表す。NTは、化合物が試験されていないことを示す。ULK1阻害アッセイは、25uM ATP(Sigma-Aldrich A7699)の存在下で、2ug/mL組換えヒトULK1タンパク質(1-649、SignalChem #U01-11G)および80ug/mLミエリン塩基性タンパク質(MBP、Sigma-Aldrich #M1891)を含有する5uLの反応量で実施した。1時間後にULK1阻害を評価した。化合物は、3倍連続希釈および30μMの開始用量を用いて、16用量IC50モードで3回試験した。非選択的タンパク質キナーゼ阻害剤であるスタウロスポリンを、陽性対照としてアッセイに使用した。3つの別々の実験を行った。
【0120】
IC50は、以下のプロトコルに従ってULK1 NanoBRETアッセイによっても測定した。ヒト胎児腎細胞(HEK293T)に、jetPRIMEトランスフェクション試薬(Polyplus Transfection #114-15)を使用して、NanoLuc(登録商標)-ULK1 Fusion Vector(Promega#NV2211)をトランスフェクトした。24時間後、細胞をトリプシン処理し、Opti-MEM(登録商標)I(1X)、還元血清培地(Gibco、#11058-021)に再懸濁した。約7,000細胞/ウェル(総量34μL)を非結合表面384ウェルプレートに、再プレーティングした。完全NanoBRET 20X Tracer
【0121】
K-5試薬を製造元の指示に従って調製し、2μLを384プレート(アッセイプレート)の各ウェルに加えた。アッセイプレートを、オービタルシェーカーで15秒間、700rpmで混合した。化合物を、100%DMSOで最終濃度200倍に連続希釈し、次いでアッセイ培地(Opti-MEM(登録商標)I、血清低減培地)で最終濃度10倍に希釈した。次に、4μLの10×試験化合物を、アッセイプレートの各ウェルに加え、続いて700rpmで15秒間混合した。アッセイプレートを、37Cインキュベーターで5%CO2により2時間インキュベートし、RTで15分間平衡化した。3×完全Substrate plus Inhibitor溶液は、製造元の指示に従って、濃度60μMのExtracellular NanoLuc(登録商標)Inhibitorで調製し、使用濃度20μMで使用した。3×完全Substrate plus Inhibitor溶液を混合し、ウェルあたり20μLをアッセイプレートに加え、RTで2~3分間インキュベートした。ドナー発光波長(450nm)およびアクセプター発光波長(610nm)は、アッセイ準拠ルミノメーターを使用して測定した(製造元の仕様を参照のこと)。
【0122】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【0123】
本発明は、本明細書に記載の化合物のいずれか1つの塩を提供する。薬学的に許容される塩には、例えば、酸付加塩および塩基付加塩が含まれる。いくつかの実施形態では、酸付加塩を形成するために化合物に付加される酸は、有機酸または無機酸である。いくつかの実施形態では、塩基付加塩を形成するために化合物に付加される塩基は、有機塩基または無機塩基である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は金属塩である。
【0124】
いくつかの実施形態では、金属塩は、本発明の化合物への無機塩基の付加から生じる。無機塩基は、例えば、水酸化物イオン、炭酸イオン、重炭酸イオン、またはリン酸イオンなどの塩基性対イオンと対になった金属カチオンからなる。いくつかの実施形態では、金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、または典型金属である。いくつかの実施形態では、金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、セリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、カルシウム、ストロンチウム、コバルト、チタン、アルミニウム、銅、カドミウム、または亜鉛である。
【0125】
いくつかの実施形態では、金属塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、セリウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、鉄塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、コバルト塩、チタン塩、アルミニウム塩、銅塩、カドミウム塩、または亜鉛塩である。
【0126】
いくつかの実施形態では、アンモニウム塩は、本発明の化合物へのアンモニアまたは有機アミンの付加から生じる。いくつかの実施形態では、有機アミンは、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ピペリジン、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジン、ジベンジルアミン、ピペラジン、ピリジン、ピラゾール(pyrrazole)、ピピラゾール(pipyrrazole)、イミダゾール、ピラジン、またはピピラジン(pipyrazine)である。
【0127】
いくつかの実施形態では、アンモニウム塩は、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、N-メチルモルホリン塩、ピペリジン塩、N-メチルピペリジン塩、N-エチルピペリジン塩、ジベンジルアミン塩、ピペラジン塩、ピリジン塩、ピラゾール(pyrrazole)塩、イミダゾール塩、またはピラジン塩である。
【0128】
いくつかの実施形態では、酸付加塩は、本発明の化合物への酸の付加から生じる。いくつかの実施形態では、酸は有機物である。いくつかの実施形態では、酸は無機物である。いくつかの実施形態では、酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、イソニコチン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、アスコルビン酸、ゲンチジン酸(gentisinic acid)、グルコン酸、グルクロン酸(glucaronic acid)、サッカリン(saccaric)酸、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、パントテン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、フマル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、シュウ酸、またはマレイン酸である。
【0129】
いくつかの実施形態では、塩は、塩酸塩、臭化水素塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、ゲンチジン酸(gentisinate)塩、グルコン酸塩、グルクロン酸(glucaronate)塩、サッカリン酸(saccarate)塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、パントテン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、またはマレイン酸塩である。
【0130】
本明細書に記載の化合物は、場合によっては、ジアステレオマー、エナンチオマー、または他の立体異性体形態として存在し得る。本明細書に示される化合物および塩は、すべてのジアステレオマー、エナンチオマー、およびエピマー形態、ならびにそれらの適切な混合物を含む。立体異性体の分離は、クロマトグラフィーによって、またはジアステレオマーを形成し、再結晶、もしくはクロマトグラフィー、もしくはそれらの任意の組み合わせによって分離することによって行うことができる。(Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resolutions”, John Wiley And Sons, Inc., 1981年、本開示のために参照により本明細書に組み込まれる)。立体異性体は、立体選択的合成によっても得ることができる。
【0131】
別の実施形態によれば、本開示は、上で定義した化合物を生成する方法を提供する。化合物は、任意の好適な技術を使用して合成することができる。有利には、これらの化合物は、容易に入手可能な出発物質から、簡便に合成される。本明細書に記載の化合物を合成するのに有用な合成化学変換および方法論は、当技術分野で公知であり、例えば、R. Larock, Comprehensive Organic Transformations (1989);T. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 2d. Ed. (1991);L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis (1994);およびL. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis (1995)に記載されているものが挙げられる。一般に、本明細書に記載の化合物の合成およびULK1阻害活性の測定は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、PCT国際出願第PCT/US2015/046777号に以前に記載された方法と類似の方法を使用して実施した。
【0132】
医薬製剤(pharmaceutical formulations)
本発明の化合物は、本明細書に詳述されるものを含む種々の形態で投与され得る。化合物による処置は、併用療法または補助療法の構成成分であってもよく、すなわち、薬物を必要とする対象または患者は、本化合物の1つまたは複数と組み合わせて、疾患のための別の薬物で処置されるかまたは別の薬物が与えられる。いくつかの実施形態では、この併用療法は、患者が最初に一方の薬物で処置され、次に他方の薬物で処置されるか、または2つの薬物が同時に与えられる逐次療法である。いくつかの実施形態では、これらは、使用される剤形に応じて、同じ投与経路によって、または2つ以上の異なる投与経路によって独立して投与される。
【0133】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」は、本化合物を動物またはヒトに送達するための薬学的に許容される溶媒、懸濁化剤またはビヒクルである。担体は、液体であってもまたは固体であってもよく、計画された投与様式を念頭に置いて選択される。リポソームも薬学的に許容される担体である。
【0134】
処置において投与される化合物の投薬量は、特定の化学療法剤の薬力学的特性、およびその投与様式および経路;レシピエントの年齢、性別、代謝率、吸収効率、健康状態および体重;症状の性質および程度;投与される同時処置の種類;処置の頻度;および所望の治療効果などの要因によって異なる。
【0135】
本発明の方法で使用される化合物の投薬単位は、単一の化合物または追加の薬剤とのそれらの混合物を含み得る。いくつかの実施形態では、化合物は、錠剤、カプセル剤、丸薬、粉末、顆粒、エリキシル、チンキ剤、懸濁液、シロップ、およびエマルジョンとして経
口投薬形態で投与される。化合物は、すべて、製薬技術の当業者に周知の剤形を使用して、静脈内(ボーラスまたは注入)、腹腔内、皮下、または筋肉内の形態で投与することもでき、または、例えば、感染部位内への、もしくは感染部位への注射、局所適用、もしくはその他の方法により、直接導入することもできる。
【0136】
本発明の方法で使用される化合物は、意図する投与形態に関して、従来の薬務と一致して好適に選択された好適な医薬希釈剤、増量剤、賦形剤、または担体(本明細書ではまとめて薬学的に許容される担体と呼ばれる)との混合体で投与することができる。単位は、経口、直腸、局所、静脈内もしくは直接注射または非経口投与に好適な形態である。いくつかの実施形態では、化合物は、単独で、または薬学的に許容される担体と混合して投与される。いくつかの実施形態では、この担体は固体または液体であり、担体のタイプは、一般に、使用される投与のタイプに基づいて選択される。いくつかの実施形態では、活性剤は、錠剤またはカプセル剤、リポソームの形態で、凝集粉末として、または液体形態で同時投与される。好適な固体担体の例には、ラクトース、スクロース、ゼラチンおよび寒天が含まれる。カプセル剤または錠剤は容易に製剤化され、嚥下または咀嚼がしやすくなっており;他の固体形態には、顆粒、および原末が含まれる。錠剤は、好適な結合剤、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、流動誘発剤(flow-inducing agents)、および溶融助剤(melting agents)を含有してもよい。好適な液体剤形の例としては、水、薬学的に許容される油脂、アルコールまたは他の有機溶媒中の溶液または懸濁液、例としてエステル、エマルジョン、シロップまたはエリキシル、懸濁液、非発泡性顆粒から再構成された溶液および/または懸濁液および発泡性顆粒から再構成された発泡性製剤が挙げられる。このような液体剤形は、例えば、好適な溶媒、防腐剤、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味剤、増粘剤、および溶融助剤を含有してもよい。経口投薬形態は、任意選択で香味剤および着色剤を含有する。非経口形態および静脈内形態には、選択されたタイプの注射または送達系に適合するように、ミネラルおよびその他の材料も含めてもよい。
【0137】
本発明の態様には、本明細書に記載の活性剤を含む製造物品またはキット、およびその処方、ならびに使用説明書が含まれる。製造物品またはキットには、少なくとも1つの追加の試薬、例えば化学療法薬などをさらに含めることができる。製造物品およびキットには通常、内容物の使用目的を示すラベルが含まれている。本明細書で使用される「ラベル」という用語は、キット上またはキットと共に提供される、または別様にキットに付随する任意の書き込みまたは記録された材料を含む。
【0138】
本発明において有用な剤形を作製するための技術および組成は、以下の参考文献に記載されている:7 Modern Pharmaceutics、第9および10章(Banker & Rhodes編、1979年);Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets (Liebermanら、1981年);Ansel, Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms 第2版(1976);Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版(Mack Publishing Company、Easton, Pa.、1985年);Advances in Pharmaceutical Sciences (David Ganderton、Trevor Jones編、1992年);Advances in Pharmaceutical Sciences 第7巻(David Ganderton, Trevor Jones, James McGinity編1995年);Aqueous Polymeric Coatings for Pharmaceutical Dosage Forms (Drugs and the Pharmaceutical Sciences, Series 36 (James McGinity編、1989年);Pharmaceutical Particulate Carriers: Therapeutic Applications: Drugs and the Pharmaceutical Sciences、第61巻(Alain Rolland編、1993年);Drug Delivery to the Gastrointestinal Tract (Ellis Horwood Books in the Biological Sciences. Series in Pharmaceutical Technology; J. G. Hardy, S. S. Davis, Clive G. Wilson編);Modem Pharmaceutics Drugs and the Pharmaceutical Sciences、第40巻(Gilbert S. Banker、Christopher T. Rhodes編)。前述の出版物はすべて、参照により本明細書に組み込まれる。
【0139】
本発明の方法で使用される化合物は、小さな単層ベシクル、大きな単層ベシクル、および多層ベシクルなどのリポソーム送達系の形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンなどのさまざまなリン脂質から形成することができる。化合物は、組織標的エマルジョンの構成成分として投与することができる。
【0140】
本発明の方法で使用される化合物はまた、標的化可能な薬物担体としてまたはプロドラッグとして可溶性ポリマーに結合させてもよい。そのようなポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシルプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド-ポリリジンが挙げられる。さらに、化合物を、薬物の制御放出を達成するのに有用なクラスの生分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸とのコポリマー、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアシレート、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーに、結合させてもよい。
【0141】
非経口形態および静脈内形態には、選択されたタイプの注射または送達系に適合するように、ミネラルおよびその他の材料も含めてもよい。
【0142】
本明細書に開示される各実施形態は、他の開示される実施形態のそれぞれに適用可能であることが企図される。したがって、本明細書に記載された種々の要素のすべての組み合わせは、本発明の範囲内にある。
【0143】
本開示の方法
場合によっては、ULK阻害剤は、がんおよび/またはULK媒介障害の処置に使用される、および/または有用である。驚くべきことに、ある特定の場合には、ULK阻害剤は単剤療法として効果的である。場合によっては、ULK阻害剤はULK1を阻害する。場合によっては、ULK阻害剤はULK1特異的阻害剤である。場合によっては、ULK阻害剤はULK1およびULK2の両方を阻害する。その他の場合、ULK阻害剤が標準治療薬の増強または改善に使用される/有用であることも、驚くべきことである。
【0144】
単剤療法(monotherapy)
一態様では、本明細書で提供されるのは、ULK阻害剤を用いて疾患または障害を処置する方法である。種々の実施形態では、ULK阻害剤は、疾患または障害を処置するために単独で投与される。いくつかの実施形態では、この方法は、それを必要とする対象に治療有効量のULK阻害剤を投与することを含む。場合によっては、ULK阻害剤はULK1を阻害する。場合によっては、ULK阻害剤はULK1特異的阻害剤である。場合によっては、ULK阻害剤はULK1およびULK2の両方を阻害する。
【0145】
いくつかの実施形態では、ULK阻害剤は単剤療法として投与される。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤は、疾患または障害の処置のために患者に投与される唯一の治療剤である。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤は、患者に投与される唯一の抗がん剤である。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤は、医薬製剤の一部として追加の不活性成分と共に単剤療法として投与される。場合によっては、ULK阻害剤はULK1を阻害する。場合によっては、ULK阻害剤はULK1特異的阻害剤である。場合によっては、ULK阻害剤はULK1およびULK2の両方を阻害する。
【0146】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、異常なオートファジーを特徴とする。いくつかの実施形態では、異常なオートファジーは、治療的に誘発される。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、抵抗性である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、非ULK阻害剤治療剤による処置に抵抗性である。実施形態では、疾患または障害は、非ULK阻害剤治療剤による処置に耐性がある。
【0147】
いくつかの実施形態では、単剤療法としてULK阻害剤で処置される疾患または障害はがんである。場合によっては、ULK阻害剤はULK1を阻害する。場合によっては、ULK阻害剤はULK1特異的阻害剤である。場合によっては、ULK阻害剤はULK1およびULK2の両方を阻害する。いくつかの実施形態では、がんは肺がんである。特定の実施形態では、肺がんはNSCLCである。いくつかの実施形態では、がんは進行期のNSCLCである。いくつかの実施形態では、がんは腫瘍を含む。いくつかの実施形態では、NSCLCは腫瘍を含む。いくつかの実施形態では、NSCLCは、異常なオートファジーを特徴とする。いくつかの実施形態では、肺がんは抵抗性である。いくつかの実施形態では、肺がんは、カルボプラチンによる処置に抵抗性である。いくつかの実施形態では、NSCLCは抵抗性である。いくつかの実施形態では、NSCLCは、カルボプラチンによる処置に抵抗性である。いくつかの実施形態では、肺がんは、細胞増殖抑制を特徴とする。
【0148】
いくつかの実施形態では、がんは膵臓がんである。いくつかの実施形態では、膵臓がんは腫瘍を含む。いくつかの実施形態では、膵臓がんは、異常なオートファジーを特徴とする。いくつかの実施形態では、膵臓がんは抵抗性である。いくつかの実施形態では、膵臓がんは、細胞増殖抑制を特徴とする。いくつかの実施形態では、膵臓がんはPDACである。
【0149】
いくつかの実施形態では、がんは乳がんである。いくつかの実施形態では、がんは腫瘍を含む。いくつかの実施形態では、乳がんは、異常なオートファジーを特徴とする。いくつかの実施形態では、乳がんは抵抗性である。いくつかの実施形態では、乳がんは、細胞増殖抑制を特徴とする。いくつかの実施形態では、乳がんはTNBCである。
【0150】
いくつかの実施形態では、単剤療法としてULK阻害剤で処置される疾患または障害は、LAMである。いくつかの実施形態では、単剤療法としてULK阻害剤で処置される疾患または障害は、TSCである。場合によっては、ULK阻害剤はULK1を阻害する。場合によっては、ULK阻害剤はULK1特異的阻害剤である。場合によっては、ULK阻害剤はULK1およびULK2の両方を阻害する。
【0151】
いくつかの実施形態では、ULK阻害剤を投与することにより、疾患または障害の進行が遅くなる。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤を投与することにより、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%ほど、疾患または障害の進行が遅くなる。いくつかの実施形態では、進行は、腫瘍増殖によって測定される。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤を投与することにより、がん細胞の増殖が停止する。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤を投与することにより、腫瘍体積が減少する。場合によっては、ULK阻害剤はULK1特異的阻害剤である。場合によっては、ULK阻害剤はULK1およびULK2の両方を阻害する。
【0152】
いくつかの実施形態では、処置方法は、対象におけるATG13のリン酸化を減少させることを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、対象の罹患組織においてATG13を分解することを含む。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤を投与することにより、ATG13を分解する。
【0153】
いくつかの実施形態では、対象は、KRAS、PTEN、TSC1、TSC2、PIk3CA、P53、STK11(別名LKB1)、KEAP1、NRF2、ALK4、GNAS、またはEGFRのうちの少なくとも1つに突然変異を含む。いくつかの実施形態では、対象は、SMAD4、p16/CDKM2A、またはBRCA2のうちの少なくとも1つに突然変異を含む。
【0154】
併用療法(combination therapy)
本明細書で提供される化合物またはその薬学的に許容される塩は、1つまたは複数の治療剤と組み合わせて投与することができる。
【0155】
併用療法もまた、本明細書に記載されている。場合によっては、本発明の併用療法は、ULK阻害剤および追加の治療剤を含む。場合によっては、ULK阻害剤はULK1を阻害する。場合によっては、ULK阻害剤はULK1特異的阻害剤である。場合によっては、ULK阻害剤はULK1およびULK2の両方を阻害する。いくつかの実施形態では、追加の治療剤のみによる処置と比較した場合、追加の治療的利益がある。場合によっては、ULK阻害剤と追加の治療剤の組み合わせは、オートファジーの経路を遮断する。ULK阻害剤で経路が遮断されると、罹患細胞は生存のためにオートファジープロセスに頼ることができなくなるため、これにより、罹患組織の細胞死が促進される。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤の追加により、そうでなければ追加の治療剤単独での処置に抵抗性である疾患の処置を成功させることができる。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤の追加により、追加の治療剤の有効性が増強する。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤の追加により、追加の治療剤との相乗効果がある。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、標準治療薬である。
【0156】
一態様では、本明細書で提供されるのは、ULK阻害剤および追加の治療剤を用いて疾患または障害を処置する方法である。いくつかの実施形態では、この方法は、それを必要とする対象に治療有効量のULK阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、それを必要とする対象に、治療有効量のULK阻害剤および治療有効量の追加の治療剤を投与することを含む。場合によっては、ULK阻害剤はULK1を阻害する。場合によっては、ULK阻害剤はULK1特異的阻害剤である。場合によっては、ULK阻害剤はULK1およびULK2の両方を阻害する。
【0157】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、LAMである。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、TSCである。
【0158】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、がんである。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、抵抗性のがんである。いくつかの実施形態では、がんは腫瘍を含む。いくつかの実施形態では、がんは、カルボプラチンによる処置に抵抗性である。いくつかの実施形態では、がんは、トラメチニブに抵抗性である。いくつかの実施形態では、がんはMEK阻害剤に抵抗性である。いくつかの実施形態では、がんは膵臓がんである。いくつかの実施形態では、がんは肺がんである。いくつかの実施形態では、肺がんはNSCLCである。いくつかの実施形態では、がんはmTOR阻害剤に抵抗性である。いくつかの実施形態では、がんは、ラパマイシンに抵抗性である。いくつかの実施形態では、がんは、ラパマイシン類似体による処置に抵抗性である。
【0159】
いくつかの実施形態では、がんは膵臓がんであり、追加の治療剤はトラメチニブである。いくつかの実施形態では、がんは膵臓がんであり、追加の治療剤はMEK阻害剤である。いくつかの実施形態では、MEK阻害剤は、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、またはセルメチニブである。いくつかの実施形態では、がんは膵臓がんであり、追加の治療剤はゲムシタビンである。いくつかの実施形態では、がんは膵臓がんであり、追加の治療剤はヌクレオシド類似体である。いくつかの実施形態では、がんは膵臓がんであり、追加の治療剤はゲムシタビン、エベロリムス、エルロチニブ、またはスニチニブである。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、フォルフィリノックス(FOLFIRINOX)(5-フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、およびオキサリプラチン)、ゲムシタビン、またはゲムシタビン/アブラキサンである。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、カペシタビン(capeditabine)、ロイコボリン、nab-パクリタキセル、ナノリポソームイリノテカン、ゲムシタビン/nab-パクリタキセル、ペンブロリズマブ、またはシスプラチンである。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、カペシタビン(capeditabine)、ロイコボリン、nab-パクリタキセル、ナノリポソームイリノテカン、ゲムシタビン/nab-パクリタキセル、ペンブロリズマブ、またはシスプラチンである。いくつかの実施形態では、膵臓がんはPDACである。いくつかの実施形態では、膵臓がんを有する対象は、SMAD4、p16/CDKM2A、またはBRCA2のうちの少なくとも1つに突然変異を含む。いくつかの実施形態では、がんは膵臓がんであり、追加の治療剤は、標準治療薬である。
【0160】
いくつかの実施形態では、がんは乳がんである。いくつかの実施形態では、がんは乳がんであり、追加の治療剤は、標準治療薬である。いくつかの実施形態では、がんは乳がんであり、追加の治療剤は、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、またはタモキシフェンである。いくつかの実施形態では、がんは乳がんであり、追加の治療剤は、PARP阻害剤である。いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、またはタラゾパリブである。いくつかの実施形態では、乳がんはトリプルネガティブ乳がん(TNBC)である。
【0161】
いくつかの実施形態では、がんは肺がんであり、追加の治療剤はカルボプラチンである。いくつかの実施形態では、がんは肺がんであり、追加の治療剤はカルボプラチン類似体である。いくつかの実施形態では、がんはNSCLCであり、追加の治療剤はカルボプラチンである。いくつかの実施形態では、がんはNSCLCであり、追加の治療剤はカルボプラチン類似体である。いくつかの実施形態では、カルボプラチン類似体はシスプラチンまたはジシクロプラチンである。いくつかの実施形態では、がんは肺がんであり、追加の治療剤はエルロチニブ、ゲフィチニブ、オシメルチニブ、またはクリゾチニブである。いくつかの実施形態では、がんはNSCLCであり、追加の治療剤はエルロチニブ、ゲフィチニブ、オシメルチニブ、またはクリゾチニブである。いくつかの実施形態では、がんは肺がんであり、追加の治療剤はペメトレキセド、ドセタキソール(docetaxol)、またはペムブロリズマブ(pembroluzimab)である。いくつかの実施形態では、がんはNSCLCであり、追加の治療剤はペメトレキセド、ドセタキソール(docetaxol)、またはペムブロリズマブ(pembroluzimab)である。いくつかの実施形態では、がんは肺がんであり、追加の治療剤は、ゲムシタビン、ボルテゾミブ(bortexomib)、トラスツズマブ、ビノレルビン、ドキソルビシン、イリノテカン、テムシロリムス、スニチニブ、ニボルマブ、またはベバシズマブである。いくつかの実施形態では、がんは肺がんであり、追加の治療剤は、カルボプラチン/ゲムシタビン、カルボプラチン/パクリタキセル/セツキシムア(cetuximua)、シスプラチン/ペメトレキセド、シスプラチン/ドセタキセル、シスプラチン/ドセタキセル/ベバシズマブ、エベロリムス/nab-パクリタキセル、またはトレメリムマブ/デュルバルマブである。いくつかの実施形態では、がんはNSCLCであり、追加の治療剤は、ゲムシタビン、ボルテゾミブ(bortexomib)、トラスツズマブ、ビノレルビン、ドキソルビシン、イリノテカン、テムシロリムス、スニチニブ、ニボルマブ、またはベバシズマブである。いくつかの実施形態では、がんはNSCLCであり、追加の治療剤は、カルボプラチン/ゲムシタビン、カルボプラチン/パクリタキセル/セツキシムア(cetuximua)、シスプラチン/ペメトレキセド、シスプラチン/ドセタキセル、シスプラチン/ドセタキセル/ベバシズマブ、エベロリムス/nab-パクリタキセル、またはトレメリムマブ/デュルバルマブである。いくつかの実施形態では、肺がんを有する対象は、KRAS、PTEN、TSC1、TSC2、PIk3CA、P53、STK11(別名LKB1)、KEAP1、NRF2、ALK4、GNAS、またはEGFRに突然変異を含む。
【0162】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、カルボプラチンである。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、カルボプラチンまたはカルボプラチン類似体である。いくつかの実施形態では、カルボプラチン類似体はシスプラチンまたはジシクロプラチンである。
【0163】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、エルロチニブ、ゲフィチニブ、オシメルチニブ、またはクリゾチニブである。いくつかの実施形態では、追加の治療剤はペメトレキセド、ドセタキセル(docetaxol)、またはペムブロリズマブ(pembroluzimab)である。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、カルボプラチン/ゲムシタビン、カルボプラチン/パクリタキセル/セツキシマブ(cetuximua)、シスプラチン/ペメトレキセド、シスプラチン/ドセタキセル、シスプラチン/ドセタキセル/ベバシズマブ、エベロリムス/nab-パクリタキセル、またはトレメリムマブ/デュルバルマブである。
【0164】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、またはタモキシフェンである。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、PARP阻害剤である。いくつかの実施形態では、PARP阻害剤は、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、またはタラゾパリブである。
【0165】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、ゲムシタビン、エベロリムス、エルロチニブ、またはスニチニブである。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、ヌクレオシド類似体である。いくつかの実施形態では、フォルフィリノックス(FOLFIRINOX)、ゲムシタビン、またはゲムシタビン/アブラキサンである。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、カペシタビン(capeditabine)、ロイコボリン、nab-パクリタキセル、ナノリポソームイリノテカン、ゲムシタビン/nab-パクリタキセル、ペンブロリズマブ、またはシスプラチンである。
【0166】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、MEK阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、トラメチニブである。いくつかの実施形態では、MEK阻害剤は、トラメチニブ、コビメチニブ、ビニメチニブ、またはセルメチニブである。
【0167】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、ゲムシタビンである。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、ヌクレオシド類似体である。
【0168】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、mTOR阻害剤である。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、ラパマイシンである。いくつかの実施形態では、mTOR阻害剤は、ラパマイシン、シロリムス、テムシロリムス、エベロリムス、リダフォロリムス、NVPBEZ235、BGT226、XL765、GDC0980、SF1 126、PKI587、PFO4691502、GSK2126458、INK128、TORKiCC223、OSI027、AZD8055、AZD2014、およびパロミド(Palomid)529、メトホルミン、またはAICAR(5-アミノ-1-β-D-リボフラノシル-イミダゾール-4-カルボキサミド)(5-amino-l-P-D-ribofuranosy1-imidazole-4-carboxamide)である。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、ラパマイシン類似体である。
【0169】
いくつかの実施形態では、疾患または障害はリンパ管筋腫症(lymphoangiomyoleiomatosis)であり、追加の治療剤は、mTOR阻害剤である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は結節性硬化症であり、追加の治療剤は、mTOR阻害剤である。
【0170】
いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、ULK阻害剤を伴わないで対象に以前に投与された。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、細胞増殖抑制応答を誘発する。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、ULK阻害剤を伴わないで投与された場合、細胞増殖抑制応答を誘発する。いくつかの実施形態では、追加の治療剤は、疾患組織において、細胞増殖抑制応答を誘発する。いくつかの実施形態では、追加の治療剤がULK阻害剤を伴わないで投与された場合、追加の治療剤は、疾患組織において細胞増殖抑制応答を誘発する。場合によっては、ULK阻害剤はULK1を阻害する。場合によっては、ULK阻害剤はULK1特異的阻害剤である。場合によっては、ULK阻害剤はULK1およびULK2の両方を阻害する。
【0171】
いくつかの実施形態では、対象は、ULK阻害剤による処置の前に、追加の治療剤で処置される。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤の投与前に、追加の治療剤による処置を中止する。いくつかの実施形態では、追加の治療剤による処置によって、罹患組織において細胞増殖抑制応答が生じる。
【0172】
いくつかの実施形態では、ULK阻害剤および追加の治療剤は、付随的に投与される。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤および追加の治療剤は、処置の開始時に一緒に投与される。場合によっては、ULK阻害剤はULK1を阻害する。場合によっては、ULK阻害剤はULK1特異的阻害剤である。場合によっては、ULK阻害剤はULK1およびULK2の両方を阻害する。
【0173】
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、異常なオートファジーを特徴とする。いくつかの実施形態では、異常なオートファジーは、治療的に誘発される。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、抵抗性である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、追加の治療剤による処置に抵抗性である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、追加の治療剤による処置に耐性がある。
【0174】
いくつかの実施形態では、ULK阻害剤を投与することにより、疾患または障害の進行が遅くなる。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤と共に追加の治療剤を投与する場合と比較して、ULK阻害剤を投与することにより、疾患または障害の進行が遅くなる。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤を投与することにより、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%ほど、疾患または障害の進行が遅くなる。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤を伴わずに追加の治療剤を投与する場合と比較して、ULKを投与することにより、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%ほど、疾患または障害の進行が遅くなる。いくつかの実施形態では、疾患または障害の進行は、腫瘍の増殖を含む。いくつかの実施形態では、進行は、腫瘍増殖によって測定される。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤を投与することにより、がん細胞の増殖が停止する。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤を投与することにより、腫瘍体積が減少する。場合によっては、ULK阻害剤はULK1を阻害する。場合によっては、ULK阻害剤はULK1特異的阻害剤である。場合によっては、ULK阻害剤はULK1およびULK2の両方を阻害する。
【0175】
いくつかの実施形態では、ULK阻害剤を投与することにより、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%ほど、追加の治療剤の有効性が増強される。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤と共に追加の治療剤を投与する場合と比較して、ULK阻害剤を投与することにより、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%ほど、追加の治療剤の有効性が増強される。いくつかの実施形態では、有効性は、腫瘍増殖速度の変化によって測定される。いくつかの実施形態では、有効性は、腫瘍体積の減少によって測定される。場合によっては、ULK阻害剤はULK1を阻害する。場合によっては、ULK阻害剤はULK1特異的阻害剤である。場合によっては、ULK阻害剤はULK1およびULK2の両方を阻害する。
【0176】
いくつかの実施形態では、処置方法は、対象におけるATG13のリン酸化を減少させることを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、対象の罹患組織においてATG13を分解することを含む。いくつかの実施形態では、ULK阻害剤を投与することにより、ATG13の分解がもたらされる。
【0177】
いくつかの実施形態では、対象は、KRAS、PTEN、TSC1、TSC2、PIk3CA、P53、STK11(別名LKB1)、KEAP1、NRF2、ALK4、GNAS、またはEGFRのうちの少なくとも1つに突然変異を含む。いくつかの実施形態では、対象は、SMAD4、p16/CDKM2A、またはBRCA2のうちの少なくとも1つに突然変異を含む。
【0178】
ULK1阻害剤が有用であるさらなる適応症は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、PCT国際出願第PCT/US2015/046777号に記載されている。
【実施例
【0179】
化学合成
反応は、オーブンで乾燥させたガラス器具内で、窒素雰囲気下にて磁気撹拌しながら実施した。すべての溶媒および化学物質は商業的供給元から購入し、特に指定がない限り、さらに精製することなく使用した。マイクロ波照射下で行った反応は、10mL反応容器を使用して、CEM Discoverマイクロ波反応器で実施した。反応の進行を、逆相HPLCおよび/または薄層クロマトグラフィー(TLC)によって監視した。クロマトグラフィー精製を、充填済みシリカまたはC18カートリッジ(RediSepおよびLuknova製)を使用して行い、ISCO Companionシステムを使用して溶出した。逆相精製は、水および0.1%ギ酸をドープしたアセトニトリルまたはメタノールを使用して行った。化合物の純度および特性評価を、液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)、および核磁気共鳴(NMR)分析技術の組み合わせによって確立した。HPLC-MS分析を、以下の条件を使用してShimadzu 2010EV LCMSで実施した:Kromisil C18カラム(逆相、4.6mm_50mm);10%アセトニトリルおよび90%水~95%アセトニトリルおよび5%水の4.5分にわたる直線勾配;1mL/分の流速;200~300nmのUVフォトダイオードアレイ検出。プロトン(1H)および炭素(13C)NMRスペクトルは、それぞれ400MHzおよび101MHzでJoel 400分光計において得た。化学シフトを、δ(ppm)で報告し、重水素化溶媒シグナルを内部的に参照した。1H-NMRのデータを、化学シフト(δppm)、多重度、結合定数(Hz)、およびプロトン積分に関して報告する。13C-NMRのデータを、化学シフト(δppm)および結合定数(Hz)に関して報告する。
【0180】
使用した略語:質量分析法(MS)、パラジウム炭素(Pd-C)、アセトニトリル(MeCN)、ジクロロメタン(DCM)、ジエチルエーテル(EtO)、酢酸エチル(EtOAc)、エタノール(EtOH)、メタノール(MeOH)、テトラヒドロフラン(THF)。
【0181】
以下の略語および用語は、全体を通して示された意味を有する:
BOCまたはBoc=tert-ブトキシカルボニル
DCM=ジクロロメタン
DIPEAまたはDIEA=N,N-ジイソプロピルエチルアミン
EDCI.HCl=1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
eq.=当量
Et=エチル
EtOAcまたはEA=酢酸エチル
EtOH=エタノール
g=グラム
hまたはhr=時間
HOBt=ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC=高速液体クロマトグラフィー
kgまたはKg=キログラム
Lまたはl=リットル
LC/MS=LCMS=液体クロマトグラフィー-質量分析法
LRMS=低分解能質量分析法
m/z=質量電荷比
Me=メチル
MeOH=メタノール
mg=ミリグラム
min=分
mL=ミリリットル
mmol=ミリモル
RP-HPLC=逆相高速液体クロマトグラフィー
rtまたはRT=室温
THF=テトラヒドロフラン
TLC=薄層クロマトグラフィー
UV=紫外線
【0182】
(実施例1)
一般的合成スキームおよび共通中間体の合成
【0183】
【化17】
一般的スキーム1:アルケニル-メトキシ置換アニリン中間体の合成。
【0184】
方法1 アルケニル-メトキシ置換アニリン誘導体の合成のための一般的手順(一般的スキーム1に示した)。tert-ブチル(ヒドロキシ-メトキシフェニル)カルバメート(1.0当量)のアセトニトリル溶液に、炭酸カリウム(3.0当量)および臭化アリル(1.2当量)を加え、80℃で撹拌した。反応混合物を冷却し、濾過し、次いで真空で濃縮した。粗生成物(tert-ブチル((アリルオキシ)-メトキシフェニル)カルバメート)を、自動順相クロマトグラフィーにより精製した(方法1a)。置換アニリンのBocアミノ保護基(tert-ブチル((アリルオキシ)-メトキシフェニル)カルバメート)を、塩酸のジオキサン溶液(4M)で室温にて1時間処理することにより除去し、次いで真空で濃縮した。対応する塩酸塩を飽和NaHCO水溶液(10mL)で処理し、20分間撹拌した。水性反応混合物を酢酸エチル(4×15mL)で抽出し、NaSOで脱水し、濃縮して、表題化合物を得た(方法1b)。
【0185】
【化18】
一般的スキーム2:アルケニル-メチルアミド置換アニリン中間体の合成。
【0186】
方法2 アルケニル-メチルアミド置換アニリン誘導体の合成のための一般的手順(一般的スキーム2に示した)。メチル2-アミノ-ヒドロキシベンゾエート(1.0当量)のTHF溶液に、トリフェニルホスフィン(1.5当量)および対応するアルケニルアルコール(1.5当量)を加え、室温で撹拌した。ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)(1.5当量)を滴下添加し、反応物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、自動順相クロマトグラフィーにより精製した(方法2a)。
密封ガラス容器中メチルアミン(33%エタノール溶液)で85℃にて24~72時間処理することにより、エステルを対応するアミドに変換した。反応混合物を濃縮し、自動順相クロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た(方法2b)。
【0187】
【化19】
一般的スキーム3:大環状ULK阻害剤の合成。
【0188】
【化20】
【0189】
方法3 4-クロロ-5-トリフルオロメチル-N-アリールピリミジン-2-アミン誘導体の合成のための一般的手順(一般的スキーム3Aに示した)。2,4-ジクロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(1.0当量)の1,2-ジクロロエタン:t-ブタノール(1:1)溶液に、0℃で塩化亜鉛(1.2当量)を加えた。1時間後、1,2-ジクロロエタン:t-ブタノール(1:1、10mL)中の適切なアルケニル-メトキシ置換アニリン(1.0当量)およびトリエチルアミン(1.2当量)を反応混合物に加えた。3時間後、反応混合物を真空で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を自動順相クロマトグラフィーにより精製して、所望の4-クロロ-5-トリフルオロメチル-N-アリールピリミジン-2-アミン誘導体を得た。
【0190】
【化21】
【0191】
方法4 N,N-ジアリール-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン誘導体の合成のための一般的手順(一般的スキーム3Bに示した、反応条件4aおよび4bを使用)。4-クロロ-5-トリフルオロメチル-N-アリールピリミジン-2-アミン誘導体(1.0当量)および適切なアルケニル-メチルアミド置換アニリン(1.1当量)の酢酸(2mL)溶液を、120℃で10分間マイクロ波処理し、次いで真空で濃縮した。粗生成物を自動順相クロマトグラフィーにより精製した(方法4a)。4-クロロ-5-トリフルオロメチル-N-アリールピリミジン-2-アミン誘導体(1.0当量)および適切なアミドアニリン(1.1当量)の酢酸溶液を60℃で加熱した。次いで反応混合物を真空で濃縮し、粗生成物を自動順相クロマトグラフィーにより精製して、所望のN,N-ジアリール-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン誘導体を得た(方法4b)。
【0192】
【化22】
【0193】
方法5 Grubbs媒介閉環メタセシスを使用するtrans-およびcis-(E/Z)不飽和ピリミジニル大環状誘導体の合成のための一般的手順(一般的スキーム3Cに示した)。N,N-ジアリール-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン誘導体(1.0当量)のジクロロメタン(10mL)溶液を、45℃でGrubbs I触媒(0.10当量)のジクロロメタン中還流溶液(0.50mM)に滴下添加した。16時間後、追加のGrubbs I触媒(0.10当量)を反応混合物に加えた。追加の8時間後、反応混合物を室温に冷却し、真空で濃縮した。E/Z異性体を分離し、自動順相クロマトグラフィーにより精製して、所望の不飽和ピリミジニル大環状誘導体を得た。
【0194】
【化23】
【0195】
方法6 飽和ピリミジニル大環状誘導体の合成のための一般的手順(一般的スキーム3Dに示した)。E/Z不飽和ピリミジニル大環状誘導体(1.0当量)のメタノール溶液に、炭素担持パラジウム(Pd/C)を加え、水素の雰囲気下室温で2時間撹拌した。反応混合物をセライトに通して濾過し、その後メタノールで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、粗生成物を自動順相クロマトグラフィーにより精製して、所望の飽和ピリミジニル大環状誘導体を得た。
【0196】
【化24】
【0197】
4-(アリルオキシ)-3-メトキシアニリン。方法1aに従い、tert-ブチル(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)カルバメート(1.300g、5.43mmol)、臭化アリル(0.56mL、6.52mmol)および炭酸カリウム(2.253g、16.3mmol)をアセトニトリル(30mL)中で20時間反応させることによりBoc保護化アニリン中間体を調製して、tert-ブチル(4-(アリルオキシ)-3-メトキシフェニル)カルバメートを白色固体として得た(1.490g、98%)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.13(s,1H)、7.20(s,1H)、6.88(s,1H)、6.83(d,J=8.7Hz,1H)、6.01(ddt,J=17.3,10.6,5.4Hz,1H)、5.35(dq,J=17.3,1.7Hz,1H)、5.21(dq,J=10.6,1.9,1.4Hz,1H)、4.45(dt,J=5.4,1.5Hz,2H)、3.71(s,3H)、1.46(s,9H)。
【0198】
方法2bに従い、Boc保護化アニリン中間体tert-ブチル(4-(アリルオキシ)-3-メトキシフェニル)カルバメート(1.490g、5.33mmol)および塩酸(10mL、40mmol、ジオキサン中4M)を1時間反応させ、処理することにより表題化合物を調製して、表題化合物を白色固体として得た(868mg、91%)。C1014NO[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:180.10;実測値:180.40。
【0199】
【化25】
【0200】
3-(アリルオキシ)-4-メトキシアニリン。方法1aに従い、tert-ブチル(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)カルバメート(4.401g、18.4mmol)、臭化アリル(2.39mL、27.6mmol)および炭酸カリウム(7.626g、55.2mmol)をアセトニトリル(100mL)中で3時間反応させることによりBoc保護化アニリン中間体を調製して、tert-ブチル(3-(アリルオキシ)-4-メトキシフェニル)カルバメートを白色固体として得た(3.397g、66%)。C1114NO[(M-Bu)+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:224.09;実測値:224.35。
【0201】
方法2bに従い、Boc保護化アニリン中間体tert-ブチル(3-(アリルオキシ)-4-メトキシフェニル)カルバメート(3.387g、12.13mmol)および塩酸(8.0mL、32mmol、ジオキサン中4M)を1時間反応させ、処理することにより塩酸塩を調製して、表題化合物の塩酸塩を茶褐色固体として得た(2.384mg、91%)。C1014NO[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:180.10;実測値:180.40。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.18(s,2H)、7.05(d,J=8.6Hz,1H)、7.00(t,J=1.9Hz,1H)、6.93(dd,J=8.3,2.4Hz,1H)、6.04(ddt,J=17.3,10.6,5.4Hz,1H)、5.41(dq,J=17.3,1.6Hz,1H)、5.28(dq,J=10.5,1.5Hz,1H)、4.54(dt,J=5.4,1.3Hz,2H)、3.77(s,3H)。
【0202】
方法2bに従い、塩酸塩(257mg、1.19mmol)を中和することにより表題化合物を調製して、粘着性茶褐色固体(209mg、98%)を得た。C1014NO[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:180.10;実測値:180.00。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ6.66(d,J=8.5Hz,1H)、6.28(d,J=2.6Hz,1H)、6.10(dd,J=8.5,2.5Hz,1H)、6.08~5.96(m,1H)、5.37(dq,J=17.3,1.7Hz,1H)、5.23(dq,J=10.4,1.7Hz,1H)、4.65(s,2H)、4.44(dt,J=5.2,1.7Hz,2H)、3.62(s,3H)。
【0203】
【化26】
【0204】
2-アミノ-5-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-N-メチルベンズアミド。方法2aに従い、メチル2-アミノ-5-ヒドロキシベンゾエート(1.200g、7.18mmol)、ブタ-3-エン-1-オール(0.93mL、10.8mmol)、トリフェニルホスフィン(2.824mg、10.8mmol)およびDEAD(1.70mL、10.8mmol)をTHF(10mL)中で反応させることによりメチルエステル中間体を調製して、メチル2-アミノ-5-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゾエートを黄色固体として得た(1.204g、76%)。C1216NO[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:222.11;実測値:222.40。H NMR(400MHz,CDCl-d)δ7.35(d,J=3.1Hz,1H)、6.95(dd,J=8.7,2.8Hz,1H)、6.61(d,J=8.7Hz,1H)、5.89(ddt,J=17.0,10.2,6.7Hz,1H)、5.21~5.05(m,2H)、3.95(t,J=6.7Hz,2H)、3.86(s,3H)、2.52(dt,J=6.9,1.5Hz,1H)、2.48(dt,J=6.7,1.7Hz,1H)。
【0205】
方法2bに従い、メチルエステル中間体メチル2-アミノ-5-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゾエート(1.062g、4.80mmol)およびメチルアミン溶液(10mL、81.6mmol、エタノール中33%)を24時間反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を黄褐色固体として得た(747mg、71%)。C1217[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:221.13;実測値:221.40。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.17(q,J=4.6Hz,1H)、7.04(d,J=2.8Hz,1H)、6.82(dd,J=8.7,2.8Hz,1H)、6.63(d,J=8.8Hz,1H)、6.01(s,2H)、5.88(ddt,J=17.0,10.2,6.6Hz,1H)、5.15(dq,J=17.4,1.6Hz,1H)、5.10~5.03(m,1H)、3.92(t,J=6.7Hz,2H)、2.71(d,J=4.5Hz,3H)、2.45(dt,J=6.5,1.5Hz,1H)、2.41(dt,J=6.7,1.5Hz,1H)。
【0206】
【化27】
【0207】
2-アミノ-N-メチル-5-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンズアミド。方法2aに従い、メチル2-アミノ-5-ヒドロキシベンゾエート(500mg、2.99mmol)、ペンタ-4-エン-1-オール(0.46mL、4.49mmol)、トリフェニルホスフィン(1.185mg、4.52mmol)およびDEAD(0.71mL、4.49mmol)をTHF(5mL)中で反応させることによりメチルエステル中間体を調製して、メチル2-アミノ-5-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンゾエートを白色固体として得た(570mg、81%)。C1318NO[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:236.13;実測値:236.45。
【0208】
方法2bに従い、メチルエステル中間体メチル2-アミノ-5-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンゾエート(560mg、2.38mmol)およびメチルアミン溶液(5mL、40mmol、エタノール中33%)を48時間反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を白色固体として得た(286mg、51%)。C1319[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:235.14;実測値:235.45。
【0209】
【化28】
【0210】
2-アミノ-4-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-N-メチルベンズアミド。方法2aに従い、メチル2-アミノ-4-ヒドロキシベンゾエート(1.200g、7.18mmol)、ブタ-3-エン-1-オール(0.93mL、10.8mmol)、トリフェニルホスフィン(2.824mg、10.8mmol)およびDEAD(1.70mL、10.8mmol)をTHF(12mL)中で反応させることによりメチルエステル中間体を調製して、メチル2-アミノ-4-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゾエートを白色固体として得た(1.374mg、87%)。C1216NO[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:222.11;実測値:222.40。H NMR(400MHz,CDCl-d)δ7.74(d,J=8.8Hz,1H)、6.18(dd,J=8.9,2.5Hz,1H)、6.05(d,J=2.4Hz,1H)、5.89~5.77(m,1H)、5.17~5.03(m,2H)、3.90(t,J=6.7Hz,2H)、3.78(s,3H)、2.56~2.40(m,2H)。
【0211】
方法2bに従い、メチルエステル中間体メチル2-アミノ-4-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)ベンゾエート(1.187g、5.37mmol)およびメチルアミン溶液(8mL、64.4mmol、エタノール中33%)を72時間反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を白色固体として得た(446mg、38%)。C1217[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:221.13;実測値:221.40。H NMR(400MHz,CDCl-d)δ7.18(d,J=9.3Hz,1H)、6.56(q,J=4.8Hz,1H)、6.04(dq,J=5.3,2.4Hz,2H)、5.86~5.70(m,1H)、5.10~4.97(m,2H)、3.83(t,J=6.7Hz,2H)、2.77(d,J=4.6Hz,3H)、2.48~2.33(m,2H)。
【0212】
【化29】
【0213】
2-アミノ-N-メチル-4-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンズアミド。方法2aに従い、メチル2-アミノ-4-ヒドロキシベンゾエート(1.100g、6.58mmol)、ペンタ-4-エン-1-オール(1.0mL、9.87mmol)、トリフェニルホスフィン(2.598mg、9.87mmol)およびDEAD(1.55mL、9.87mmol)をTHF(11mL)中で反応させることによりメチルエステル中間体を調製して、メチル2-アミノ-4-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンゾエートを黄色固体として得た(1.302mg、84%)。C1318NO[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:236.13;実測値:236.45。
【0214】
方法2bに従い、メチルエステル中間体メチル2-アミノ-4-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンゾエート(1.291g、5.49mmol)およびメチルアミン溶液(8mL、64.2mmol、エタノール中33%)を72時間反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を黄色固体として得た(319mg、25%)。C1319[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:235.14;実測値:235.45。H NMR(400MHz,CDCl-d)δ7.20(d,J=8.4Hz,1H)、6.42(d,J=4.8Hz,1H)、6.12~6.07(m,2H)、5.79(ddt,J=16.9,10.3,6.6Hz,1H)、5.04~4.92(m,2H)、3.83(t,J=6.4Hz,2H)、2.82(d,J=4.7Hz,3H)、2.15(q,J=7.0Hz,2H)、1.78(p,J=6.6Hz,2H)。
【0215】
【化30】
【0216】
N-(4-(アリルオキシ)-3-メトキシフェニル)-4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン。方法3に従い、2,4-ジクロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(628mg、2.90mmol)、4-(アリルオキシ)-3-メトキシアニリン(540mg、3.01mmol)、塩化亜鉛(474mg、3.48mmol)およびトリエチルアミン(0.48mL、3.48mmol)を1,2-ジクロロエタン:t-ブタノール(1:1、30mL)中で反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を黄色固体として得た(939mg、90%)。C1514ClF[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:360.07;実測値:360.10。H NMR(400MHz,CDOD-d)δ8.58(s,1H)、7.39(s,1H)、7.13(dd,J=8.7,2.5Hz,1H)、6.98~6.86(m,1H)、6.07(ddt,J=17.6,10.7,5.4Hz,1H)、5.38(dq,J=17.2,1.8Hz,1H)、5.24(dq,J=10.4,1.6Hz,1H)、4.59~4.51(m,2H)、3.85(s,3H)。
【0217】
【化31】
【0218】
N-(3-(アリルオキシ)-4-メトキシフェニル)-4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン。方法3に従い、2,4-ジクロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン(1.316g、6.07mmol)、3-(アリルオキシ)-4-メトキシアニリン(1.130g、6.31mmol)、塩化亜鉛(0.992g、7.28mmol)およびトリエチルアミン(1.0mL、7.28mmol)を1,2-ジクロロエタン:t-ブタノール(1:1、60mL)中で反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を黄色固体として得た(1.985g、91%)。C1514ClF[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:360.07;実測値:360.40。H NMR(400MHz,CDOD-d)δ10.48(s,1H)、8.74(s,1H)、7.38(s,1H)、7.19(d,J=8.9Hz,1H)、6.95(d,J=8.8Hz,1H)、6.05(ddt,J=16.0,10.6,5.4Hz,1H)、5.42(dq,J=17.0,1.8Hz,1H)、5.27(dd,J=10.5,1.8Hz,1H)、4.52(d,J=5.5Hz,2H)、3.75(s,3H)。
【0219】
(実施例2)
化合物2の合成
【0220】
【化32】
【0221】
2-((2-((4-(アリルオキシ)-3-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-5-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-N-メチルベンズアミド(化合物2)。方法4aに従い、N-(4-(アリルオキシ)-3-メトキシフェニル)-4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン(240mg、0.67mmol)および2-アミノ-5-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-N-メチルベンズアミド(169mg、0.77mmol)を酢酸(2mL)中で反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を黄色固体として得た(339mg、94%)。C2729[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:544.22;実測値:544.80。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.03(s,1H)、9.19(s,1H)、8.73(q,J=4.6Hz,1H)、8.50(d,J=7.6Hz,1H)、8.20(s,1H)、7.28(d,J=3.0Hz,1H)、7.26~7.10(m,2H)、7.00(dd,J=9.2,2.9Hz,1H)、6.85(d,J=8.7Hz,1H)、6.03(ddt,J=17.3,10.5,5.3Hz,1H)、5.91(ddt,J=17.0,10.3,6.6Hz,1H)、5.42~5.32(m,1H)、5.26~5.06(m,3H)、4.56~4.43(m,2H)、4.07(t,J=6.6Hz,2H)、3.64(s,3H)、2.79(d,J=4.5Hz,3H)、2.55~2.46(m,1H)。
【0222】
【化33】
【0223】
(実施例3)
化合物5の合成
2-((2-((4-(アリルオキシ)-3-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-N-メチル-5-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンズアミド(化合物5)。方法4aに従い、N-(4-(アリルオキシ)-3-メトキシフェニル)-4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン(183mg、0.51mmol)および2-アミノ-N-メチル-5-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンズアミド(137mg、0.58mmol)を酢酸(2mL)中で反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を黄色固体として得た(82mg、29%)。C2831[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:558.23;実測値:558.75。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.94(s,1H)、9.57(s,1H)、8.71(q,J=4.7Hz,1H)、8.40(s,1H)、8.36(s,1H)、7.25(d,J=3.0Hz,1H)、7.17(d,J=32.6Hz,2H)、6.96(s,1H)、6.86(d,J=8.6Hz,1H)、6.04(ddt,J=16.9,10.7,5.7Hz,1H)、5.88(ddt,J=16.8,10.2,6.5Hz,1H)、5.38(dq,J=17.6,1.9Hz,1H)、5.24(dq,J=10.7,1.7Hz,1H)、5.07(dq,J=17.2,1.8Hz,1H)、5.05~4.97(m,1H)、4.51(dt,J=5.4,1.5,1.3Hz,2H)、4.02(t,J=6.4Hz,2H)、3.60(s,3H)、2.77(d,J=4.4Hz,3H)、2.20(q,J=7.1Hz,2H)、1.83(p,J=6.5Hz,2H)。
【0224】
【化34】
【0225】
2-((2-((4-(アリルオキシ)-3-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-4-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-N-メチルベンズアミド。方法4bに従い、N-(4-(アリルオキシ)-3-メトキシフェニル)-4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン(158mg、0.44mmol)および2-アミノ-4-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-N-メチルベンズアミド(111mg、0.50mmol)を酢酸(5mL)中で4時間反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を黄色固体として得た(113mg、47%)。C2729[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:544.22;実測値:545.00。
【0226】
【化35】
【0227】
2-((2-((4-(アリルオキシ)-3-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-N-メチル-4-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンズアミド。方法4bに従い、N-(4-(アリルオキシ)-3-メトキシフェニル)-4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン(215mg、0.60mmol)および2-アミノ-N-メチル-4-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンズアミド(154mg、0.66mmol)を酢酸(2mL)中で4時間反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を白色固体として得た(279mg、84%)。C2831[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:558.23;実測値:559.15。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.94(s,1H)、9.78(s,1H)、8.61(q,J=4.4Hz,1H)、8.43(s,1H)、7.98(s,1H)、7.69(d,J=8.8Hz,1H)、7.27(s,1H)、7.04(d,J=6.4Hz,1H)、6.84(d,J=8.6Hz,1H)、6.68(dd,J=9.0,2.6Hz,1H)、6.03(ddt,J=22.4,10.5,5.4Hz,1H)、5.78(ddt,J=16.8,10.8,6.5Hz,1H)、5.37(dd,J=17.9,1.6Hz,1H)、5.24(dd,J=10.5,1.6Hz,1H)、5.03~4.90(m,2H)、4.47(d,J=5.2Hz,2H)、3.49(s,3H)、2.76(d,J=4.4Hz,3H)、2.03~1.99(m,2H)、1.67~1.63(m,2H)。
【0228】
(実施例4)
化合物8の合成
【化36】
【0229】
2-((2-((3-(アリルオキシ)-4-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-5-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-N-メチルベンズアミド(化合物8)。方法4bに従い、N-(3-(アリルオキシ)-4-メトキシフェニル)-4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン(284mg、0.79mmol)および2-アミノ-5-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-N-メチルベンズアミド(200mg、0.91mmol)を酢酸(2mL)中で1時間反応させることにより表題化合物を調製した。粗製の反応混合物をジエチルエーテル/ジクロロメタン(9:1)を使用して結晶化して、表題化合物を黄色固体として得た(401mg、93%)。C2729[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:544.22;実測値:544.80。
【0230】
【化37】
【0231】
2-((2-((3-(アリルオキシ)-4-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-N-メチル-5-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンズアミド。方法4bに従い、N-(3-(アリルオキシ)-4-メトキシフェニル)-4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン(183mg、0.51mmol)および2-アミノ-N-メチル-5-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンズアミド(131mg、0.56mmol)を酢酸(2mL)中で45℃にて2時間反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を黄色固体として得た(143mg、51%)。C2831[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:558.23;実測値:558.70。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.00(s,1H)、9.56(s,1H)、8.71(q,J=4.6Hz,1H)、8.35(s,1H)、7.26(d,J=3.1Hz,1H)、7.15~7.11(m,1H)、6.99~6.94(m,1H)、6.86(d,J=8.7Hz,1H)、6.05~5.81(m,2H)、5.33(d,J=17.2Hz,1H)、5.21(d,J=10.5Hz,1H)、5.07(dq,J=17.4,1.8Hz,1H)、5.05~4.96(m,1H)、4.35~4.31(m,2H)、4.01(t,J=6.3Hz,2H)、3.74(s,3H)、2.77(d,J=4.5Hz,3H)、2.20(qd,J=6.5,1.5Hz,2H)、1.84(dt,J=8.5,6.5Hz,2H)。
【0232】
【化38】
【0233】
2-((2-((3-(アリルオキシ)-4-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-4-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-N-メチルベンズアミド。方法4bに従い、N-(3-(アリルオキシ)-4-メトキシフェニル)-4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン(378mg、1.05mmol)および2-アミノ-4-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-N-メチルベンズアミド(153mg、0.70mmol)を酢酸(2mL)中で50℃にて4時間反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を黄褐色固体として得た(146mg、39%)。C2729[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:544.22;実測値:545.00。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.94(s,1H)、9.72(s,1H)、8.59(q,J=4.5Hz,1H)、8.42(s,1H)、8.01(s,1H)、7.69(d,J=9.0Hz,1H)、7.26(s,1H)、7.08(d,J=11.2Hz,1H)、6.84(d,J=8.7Hz,1H)、6.67(dd,J=8.7,2.5Hz,1H)、5.94~5.89(m,1H)、5.75~5.70(m,1H)、5.26(d,J=12.3Hz,1H)、5.17(d,J=10.3Hz,1H)、5.07(d,J=17.3Hz,1H)、5.01(d,J=10.2Hz,1H)、4.23(s,3H)、3.75(d,J=3.4Hz,1H)、2.76(d,J=4.4Hz,3H)、2.33(s,2H)。
【0234】
【化39】
【0235】
2-((2-((3-(アリルオキシ)-4-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-N-メチル-4-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンズアミド。方法4bに従い、N-(3-(アリルオキシ)-4-メトキシフェニル)-4-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン(215mg、0.60mmol)および2-アミノ-N-メチル-4-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンズアミド(154mg、0.66mmol)を酢酸(2mL)中で85℃にて5時間反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を白色固体として得た(254mg、76%)。C2831[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:558.23;実測値:558.75。
【0236】
(実施例5)
化合物3および4の合成
【化40】
【0237】
(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,4)-ジベンゼナシクロドデカファン-9-エン-5-カルボキサミド(化合物3および4)。方法5に従い、2-((2-((4-(アリルオキシ)-3-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-5-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-N-メチルベンズアミド(73.5mg、135μmol)を触媒のGrubbs I触媒(11mg、14μmol)を用いジクロロメタン(270mL)中で合計36時間反応させることにより表題化合物を調製して、以下を得た:(E)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,4)-ジベンゼナシクロドデカファン-9-エン-5-カルボキサミド(白色固体、16mg、23%)、C2525[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:516.19;実測値:516.65(保持時間1.8分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ9.58(s,1H)、9.38(s,1H)、8.42(q,J=4.6Hz,1H)、8.28(s,1H)、7.51(d,J=8.9Hz,1H)、7.15(d,J=2.9Hz,1H)、7.00(dd,J=8.9,2.9Hz,1H)、6.86(dd,J=8.8,2.4Hz,1H)、6.75~6.64(m,2H)、5.90(dt,J=14.4,6.8Hz,1H)、5.59(dt,J=15.7,5.6Hz,1H)、4.60(d,J=5.5Hz,2H)、4.20(t,J=5.3Hz,2H)、3.66(s,3H)、2.70(d,J=4.4Hz,3H)、2.40(q,J=5.9Hz,2H);および(Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,4)-ジベンゼナシクロドデカファン-9-エン-5-カルボキサミド(白色固体、16mg、22%)。C2525[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:516.19;実測値:516.65(保持時間1.9分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.10(s,1H)、9.46(s,1H)、8.49(q,J=4.5Hz,1H)、8.29(s,1H)、7.65(d,J=9.1Hz,1H)、7.17(d,J=2.8Hz,1H)、6.90(dd,J=8.7,2.4Hz,1H)、6.84(dd,J=9.1,2.9Hz,1H)、6.79(d,J=2.4Hz,1H)、6.73(d,J=8.7Hz,1H)、5.86~5.71(m,2H)、4.53(d,J=6.0Hz,2H)、4.26(t,J=7.3Hz,2H)、3.66(s,3H)、2.70(d,J=4.5Hz,3H)、2.56~2.52(m,2H)。
【0238】
(実施例6)
化合物1の合成
【化41】
【0239】
-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,4)-ジベンゼナシクロドデカファン-5-カルボキサミド(化合物1)。方法6に従い、(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,4)-ジベンゼナシクロドデカファン-9-エン-5-カルボキサミド(41mg、80μmol)を触媒のPd/C(5mg、47μmol)を用いメタノール(5mL)中で反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を白色固体として得た(26mg、63%)。C2527[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:518.20;実測値:518.60(保持時間1.9分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.07(s,1H)、9.39(s,1H)、8.50(q,J=4.5Hz,1H)、8.29(s,1H)、7.66(d,J=9.0Hz,1H)、7.13(d,J=2.8Hz,1H)、6.92~6.79(m,2H)、6.75(s,2H)、4.13~4.06(m,2H)、4.04~3.99(m,2H)、3.73(s,3H)、2.70(d,J=4.5Hz,3H)、1.63~1.58(m,2H)、1.56~1.53(m,4H)。
【0240】
(実施例7)
化合物6の合成
【化42】
【0241】
(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,4)-ジベンゼナシクロトリデカファン-10-エン-5-カルボキサミド(化合物6)。方法5に従い、2-((2-((4-(アリルオキシ)-3-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-N-メチル-5-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンズアミド(70mg、125μmol)を触媒のGrubbs I触媒(10mg、13μmol)を用いジクロロメタン(250mL)中で合計22時間反応させることにより表題化合物を調製して、以下を得た:(E)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,4)-ジベンゼナシクロトリデカファン-10-エン-5-カルボキサミド(白色固体、12mg、19%)、C2627[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:530.20;実測値:530.75(保持時間2.0分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.29(s,1H)、9.49(s,1H)、8.58(q,J=4.6Hz,1H)、8.31(s,1H)、7.97(d,J=9.0Hz,1H)、7.19(d,J=2.8Hz,1H)、7.11(dd,J=8.7,2.4Hz,1H)、7.03(dd,J=9.2,2.8Hz,1H)、6.84(d,J=8.8Hz,1H)、6.77(d,J=2.5Hz,1H)、5.86(dt,J=14.4,6.7Hz,1H)、5.59(dt,J=15.9,5.5Hz,1H)、4.62(d,J=5.5Hz,2H)、4.12(t,J=6.7Hz,2H)、3.67(s,3H)、2.72(d,J=4.5Hz,3H)、2.15(q,J=6.6,6.2Hz,2H)、1.79(p,J=6.3Hz,2H);および異性体の混合物(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,4)-ジベンゼナシクロトリデカファン-10-エン-5-カルボキサミド(白色固体、30mg、46%)。
【0242】
(実施例8)
化合物7の合成
【化43】
【0243】
-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,4)-ジベンゼナシクロトリデカファン-5-カルボキサミド(化合物7)。方法6に従い、(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,4)-ジベンゼナシクロトリデカファン-10-エン-5-カルボキサミド(30mg、57μmol)をPd/C(10mg、94μmol)を用いメタノール(10mL)中で反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を黄色固体として得た(20mg、67%)。C2629[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:532.22;実測値:532.30(保持時間2.0分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.49(s,1H)、9.52(s,1H)、8.63(q,J=4.6Hz,1H)、8.32(s,1H)、8.01(d,J=9.0Hz,1H)、7.18(d,J=2.8Hz,1H)、7.15(dd,J=8.7,2.4Hz,1H)、7.04(dd,J=9.2,2.8Hz,1H)、6.90~6.82(m,2H)、4.16(t,J=7.1Hz,2H)、4.09(t,J=6.4Hz,2H)、3.65(s,3H)、2.72(d,J=4.5Hz,3H)、1.71~1.56(m,4H)、1.48~1.43(m,4H)。
【0244】
(実施例9)
化合物15および16の合成
【化44】
【0245】
(E/Z)-5-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(4,2)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロトリデカファン-8-エン-1-カルボキサミド(化合物15および16)。方法5に従い、2-((2-((4-(アリルオキシ)-3-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-N-メチル-4-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンズアミド(100mg、179μmol)を触媒のGrubbs I触媒(15mg、18μmol)を用いジクロロメタン(359mL)中で合計40時間反応させることにより表題化合物を調製して、以下を得た:(E)-5-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(4,2)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロ-トリデカファン-8-エン-1-カルボキサミド(白色固体、12mg、13%)、C2627[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:530.20;実測値:530.60(保持時間2.4分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.92(s,1H)、9.85(s,1H)、8.60(q,J=4.6Hz,1H)、8.44(s,1H)、7.86(d,J=2.6Hz,1H)、7.64(d,J=8.8Hz,1H)、7.24(d,J=2.5Hz,1H)、7.17(dd,J=8.7,2.4Hz,1H)、6.73(d,J=8.7Hz,1H)、6.64(dd,J=8.9,2.5Hz,1H)、5.52(dt,J=15.4,5.7Hz,1H)、5.33(dt,J=15.0,7.0Hz,1H)、4.51(d,J=5.8Hz,2H)、3.42(s,3H)、3.38(t,J=5.5Hz,2H)、2.76(d,J=4.5Hz,3H)、2.17(q,J=6.9Hz,2H)、1.64~1.54(m,1H);(Z)-5-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(4,2)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロ-トリデカファン-8-エン-1-カルボキサミド(白色固体、6mg、6%)、C2627[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:530.20;実測値:530.65(保持時間2.3分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.85(s,1H)、9.78(s,1H)、8.60(q,J=4.4Hz,1H)、8.41(s,1H)、7.93(d,J=2.3Hz,1H)、7.68(d,J=8.9Hz,1H)、7.20(d,J=2.4Hz,1H)、7.06(dd,J=8.7,2.4Hz,1H)、6.81(d,J=8.5Hz,1H)、6.71(dd,J=8.8,2.4Hz,1H)、5.60(t,J=4.5Hz,2H)、4.58(d,J=4.5Hz,2H)、3.76(t,J=5.0Hz,2H)、3.46(s,3H)、2.76(d,J=4.4Hz,3H)、2.16(q,J=6.5Hz,2H)、1.70(p,J=6.3Hz,2Hf)。;および異性体の混合物(E/Z)-5-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(4,2)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロトリデカファン-8-エン-1-カルボキサミド(白色固体、73mg、77%)。
【0246】
(実施例10)
化合物17の合成
【化45】
【0247】
-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(4,2)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロトリデカファン-1-カルボキサミド(化合物17)。方法6に従い、(E/Z)-5-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(4,2)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロトリデカファン-8-エン-1-カルボキサミド(68mg、129μmol)を触媒のPd/C(5mg、50μmol)を用いメタノール(10mL)中で反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を黄色固体として得た(58mg、84%)。C2629[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:532.22;実測値:532.20(保持時間2.3分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.93(s,1H)、9.79(s,1H)、8.60(q,J=4.6Hz,1H)、8.41(s,1H)、7.90(d,J=2.6Hz,1H)、7.69(d,J=8.7Hz,1H)、7.28(d,J=2.2Hz,1H)、6.95~6.84(m,2H)、6.69(dd,J=8.8,2.5Hz,1H)、4.16(t,J=4.9Hz,2H)、3.71(t,J=5.5Hz,2H)、3.35(s,3H)、2.76(d,J=4.5Hz,3H)、1.67~1.52(m,4H)、1.48~1.35(m,4H)。
【0248】
(実施例11)
化合物18および19の合成
【化46】
【0249】
(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロトリデカファン-10-エン-5-カルボキサミド(化合物18および19)。方法5に従い、2-((2-((3-(アリルオキシ)-4-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-N-メチル-5-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンズアミド(61mg、110μmol)を触媒のGrubbs I触媒(9mg、11μmol)を用いジクロロメタン(220mL)中で反応させることにより表題化合物を調製して、以下を得た:(E)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロトリデカファン-10-エン-5-カルボキサミド(黄色固体、12mg、21%)、C2627[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:530.20;実測値:530.70(保持時間2.3分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.77(s,1H)、9.71(s,1H)、8.72(q,J=4.6Hz,1H)、8.32(s,1H)、7.87(d,J=9.1Hz,1H)、7.74(d,J=2.6Hz,1H)、7.16(d,J=2.8Hz,1H)、6.87(d,J=8.7Hz,1H)、6.84(dd,J=9.0,2.9Hz,1H)、6.76(dd,J=8.7,2.7Hz,1H)、5.72(dt,J=15.1,7.4Hz,1H)、5.35(dt,J=15.5,5.4Hz,1H)、4.11(t,J=4.8Hz,2H)、3.98(dd,J=5.1,1.7Hz,2H)、3.70(s,3H)、2.75(d,J=4.5Hz,3H)、2.19(q,J=6.5Hz,2H)、1.83(dq,J=9.6,5.1Hz,2H);および(Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロトリデカファン-10-エン-5-カルボキサミド(黄色固体、3mg、5%)、C2627[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:530.20;実測値:530.65(保持時間2.2分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.77(s,1H)、9.69(s,1H)、8.72(q,J=4.9Hz,1H)、8.36(s,1H)、7.89(d,J=8.8Hz,1H)、7.49(d,J=2.4Hz,1H)、7.29(d,J=2.8Hz,1H)、6.97(dd,J=9.1,2.7Hz,1H)、6.89(d,J=8.8Hz,1H)、6.76(dd,J=8.7,2.6Hz,1H)、5.61(q,J=7.4,6.7Hz,2H)、4.14(t,J=5.1Hz,2H)、3.99(d,J=5.7Hz,2H)、3.71(s,3H)、2.77(d,J=4.5Hz,3H)、2.20(d,J=7.1Hz,2H)、1.75(d,J=6.4Hz,2H)。;ならびに異性体の混合物(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロトリデカファン-10-エン-5-カルボキサミド(黄色固体、42mg、72%)。
【0250】
(実施例12)
化合物20の合成
【化47】
【0251】
-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロトリデカファン-5-カルボキサミド(化合物20)。方法6に従い、(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロトリデカファン-10-エン-5-カルボキサミド(42mg、79μmol)を触媒のPd/C(4mg、40μmol)を用いメタノール(10mL)中で6時間反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を白色固体として得た(22mg、52%)。C2629[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:532.22;実測値:532.20(保持時間2.3分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.19(s,1H)、9.71(s,1H)、8.77(q,J=4.5Hz,1H)、8.36(s,1H)、8.09(d,J=9.1Hz,1H)、7.49(d,J=2.4Hz,1H)、7.35(d,J=2.8Hz,1H)、6.88(d,J=8.7Hz,1H)、6.84(dd,J=9.1,2.8Hz,1H)、6.70(dd,J=8.6,2.4Hz,1H)、4.28(t,J=5.2Hz,2H)、3.73(s,3H)、3.36(t,J=5.7Hz,2H)、2.80(d,J=4.4Hz,3H)、1.69~1.61(m,2H)、1.60~1.51(m,2H)、1.50~1.37(m,4H)。
【0252】
(実施例13)
化合物9の合成
【化48】
【0253】
(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロドデカファン-9-エン-5-カルボキサミド(化合物9)。方法5に従い、2-((2-((3-(アリルオキシ)-4-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-5-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-N-メチルベンズアミド(102mg、188μmol)を触媒のGrubbs I触媒(15mg、19μmol)を用いジクロロメタン(375mL)中で反応させることにより表題化合物を調製して、以下を得た:(E)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロドデカファン-9-エン-5-カルボキサミド(白色固体、32mg、33%)、C2525[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:516.19;実測値:516.70(保持時間2.2分)H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.71(s,1H)、9.79(s,1H)、8.74(q,J=4.7Hz,1H)、8.36(s,1H)、7.94(d,J=2.6Hz,1H)、7.89(d,J=8.8Hz,1H)、7.26(d,J=2.8Hz,1H)、7.09(dd,J=9.0,2.9Hz,1H)、6.99~6.87(m,2H)、5.74(dt,J=15.2,7.4Hz,1H)、5.53(dt,J=15.5,5.2Hz,1H)、4.37(t,J=5.2Hz,2H)、4.28(d,J=5.0Hz,2H)、3.74(s,3H)、2.77(d,J=4.4Hz,3H)、2.49~2.40(m,2H);および(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロドデカファン-9-エン-5-カルボキサミド(白色固体、47mg、48%)。
【0254】
(実施例14)
化合物10の合成
【化49】
【0255】
-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロドデカファン-5-カルボキサミド(化合物10)。方法6に従い、(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロドデカファン-9-エン-5-カルボキサミド(30mg、58μmol)を触媒のPd/C(5mg、45μmol)を用いメタノール(10mL)中で反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を白色固体として得た(10mg、33%)。C2527[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:518.20;実測値:518.15(保持時間2.1分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.76(s,1H)、9.65(s,1H)、8.73(d,J=4.7Hz,1H)、8.35(s,1H)、7.83(d,J=8.8Hz,1H)、7.36(dd,J=5.2,2.7Hz,2H)、6.91(d,J=9.0Hz,1H)、6.89(d,J=8.5Hz,1H)、6.74(dd,J=8.7,2.4Hz,1H)、4.28(t,J=5.2Hz,2H)、3.74(s,3H)、3.38(t,J=5.0Hz,2H)、2.78(d,J=4.5Hz,3H)、1.66~1.56(m,6H)。
【0256】
(実施例15)
化合物24の合成
【化50】
【0257】
(E/Z)-5-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(4,2)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロドデカファン-8-エン-1-カルボキサミド(化合物24)。方法5に従い、2-((2-((4-(アリルオキシ)-3-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-4-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-N-メチルベンズアミド(40mg、74μmol)を触媒のGrubbs I触媒(6mg、7.4μmol)を用いジクロロメタン(147mL)中で反応させることにより表題化合物を調製して、以下を得た:(E)-5-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(4,2)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロドデカファン-8-エン-1-カルボキサミド(白色固体、33mg、87%)、C2525[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:516.19;実測値:516.15(保持時間2.1分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.02(s,1H)、9.68(s,1H)、8.57(d,J=4.7Hz,1H)、8.36(s,1H)、8.09(d,J=2.6Hz,1H)、7.70(d,J=8.8Hz,1H)、7.30(dd,J=8.7,2.4Hz,1H)、6.93(d,J=2.5Hz,1H)、6.79(d,J=8.7Hz,1H)、6.73(dd,J=8.8,2.6Hz,1H)、5.78(dt,J=14.1,6.3Hz,1H)、5.43(td,J=15.1,6.1Hz,1H)、4.63(d,J=5.6Hz,2H)、4.07(q,J=5.3Hz,1H)、4.01(t,J=5.3Hz,2H)、3.59(s,2H)、3.13(d,J=5.2Hz,2H)、2.73(d,J=4.4Hz,3H);および(Z)-5-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(4,2)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロドデカファン-8-エン-1-カルボキサミド(白色固体、1mg、2%)。
【0258】
(実施例16)
化合物25の合成
【化51】
【0259】
-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(4,2)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロドデカファン-1-カルボキサミド(化合物25)。方法6に従い、(E/Z)-5-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(4,2)-ピリミジナ-1(1,3),5(1,4)-ジベンゼナシクロドデカファン-8-エン-1-カルボキサミド(21mg、41μmol)を触媒のPd/C(3mg、20μmol)を用いメタノール(5mL)中で反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を白色固体として得た(10mg、47%)。C2527[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:518.20;実測値:518.65(保持時間2.1分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.08(s,1H)、9.68(s,1H)、8.57(q,J=4.9Hz,1H)、8.39(s,1H)、8.15(d,J=2.4Hz,1H)、7.69(d,J=8.8Hz,1H)、7.02(d,J=1.9Hz,1H)、7.01~6.92(m,2H)、6.66(dd,J=8.8,2.6Hz,1H)、4.20(t,J=5.2Hz,2H)、3.77(t,J=5.0Hz,2H)、3.54(s,3H)、2.76(d,J=4.4Hz,3H)、1.70~1.59(m,4H)、1.56~1.48(m,2H)。
【0260】
(実施例17)
化合物12および13の合成
【化52】
【0261】
(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,3)-ジベンゼナシクロトリデカファン-10-エン-5-カルボキサミド(化合物12および13)。方法5に従い、2-((2-((3-(アリルオキシ)-4-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-N-メチル-4-(ペンタ-4-エン-1-イルオキシ)ベンズアミド(100mg、179μmol)を触媒のGrubbs I触媒(15mg、18μmol)を用いジクロロメタン(359mL)中で40時間反応させることにより表題化合物を調製して、以下を得た:(E)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,3)-ジベンゼナシクロトリデカファン-10-エン-5-カルボキサミド(白色固体、7mg、7%)、C2627[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:530.20;実測値:530.25(保持時間2.2分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.74(s,1H)、9.55(s,1H)、8.53(q,J=4.6Hz,1H)、8.39(s,1H)、7.88(d,J=2.4Hz,1H)、7.64(d,J=8.8Hz,1H)、7.20(d,J=2.4Hz,1H)、6.85(d,J=8.5Hz,1H)、6.73(d,J=8.6Hz,1H)、6.67(dd,J=8.8,2.6Hz,1H)、5.86~5.76(m,1H)、5.65(dt,J=11.1,8.1Hz,1H)、4.50(d,J=6.9Hz,2H)、3.90(t,J=5.8Hz,2H)、3.71(s,3H)、2.73(d,J=4.5Hz,3H)、2.17(q,J=7.0,6.4Hz,2H)、1.72(p,J=5.8Hz,2H);および(Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,3)-ジベンゼナシクロトリデカファン-10-エン-5-カルボキサミド(白色固体、6mg、6%)、C2627[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:530.20;実測値:530.60(保持時間2.3分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.89(s,1H)、9.63(s,1H)、8.55(q,J=4.3Hz,1H)、8.42(s,1H)、7.78(d,J=2.6Hz,1H)、7.60(d,J=8.8Hz,1H)、7.22(dd,J=8.8,2.5Hz,1H)、6.85(d,J=2.5Hz,1H)、6.68(d,J=8.8Hz,1H)、6.58(dd,J=8.7,2.6Hz,1H)、5.58~5.39(m,2H)、4.59(d,J=5.8Hz,2H)、3.71(s,3H)、3.21~3.18(m,2H)、2.76(d,J=4.5Hz,3H)、2.03~1.99(m,2H)、1.69~1.65(m,2H);ならびに(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,3)-ジベンゼナシクロトリデカファン-10-エン-5-カルボキサミドの混合物(白色固体、62mg、65%)。
【0262】
(実施例18)
化合物14の合成
【化53】
【0263】
-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,3)-ジベンゼナシクロトリデカファン-5-カルボキサミド(化合物14)。方法6に従い、(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,13-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,3)-ジベンゼナシクロトリデカファン-10-エン-5-カルボキサミド(62mg、117μmol)を触媒のPd/C(6mg、58μmol)を用いメタノール(10mL)中で反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を白色固体として得た(48mg、77%)。C2629[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:532.22;実測値:532.70(保持時間2.3分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.00(s,1H)、9.53(s,1H)、8.53(q,J=4.5Hz,1H)、8.38(s,1H)、7.97(d,J=2.5Hz,1H)、7.64(d,J=8.9Hz,1H)、7.06(d,J=2.2Hz,1H)、6.89~6.78(m,2H)、6.62(dd,J=8.7,2.6Hz,1H)、4.04(t,J=5.5Hz,2H)、3.83(t,J=6.2Hz,2H)、3.74(s,3H)、2.75(d,J=4.5Hz,3H)、1.70~1.56(m,4H)、1.50(p,J=6.5Hz,2H)、1.26(p,J=6.7Hz,2H)。
【0264】
(実施例19)
化合物21および22の合成
【化54】
【0265】
(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,3)-ジベンゼナシクロドデカファン-9-エン-5-カルボキサミド(化合物21および22)。
方法5に従い、2-((2-((3-(アリルオキシ)-4-メトキシフェニル)アミノ)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)アミノ)-4-(ブタ-3-エン-1-イルオキシ)-N-メチルベンズアミド(98mg、181μmol)を触媒のGrubbs I触媒(15mg、18μmol)を用いジクロロメタン(362mL)中で反応させることにより表題化合物を調製して、以下を得た:(E)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,3)-ジベンゼナシクロドデカファン-9-エン-5-カルボキサミド(白色固体、16mg、17%)、C2525[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:516.19;実測値:516.55(保持時間2.1分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.92(s,1H)、9.51(s,1H)、8.56(d,J=4.8Hz,1H)、8.40(s,1H)、7.96(d,J=2.4Hz,1H)、7.65(d,J=8.7Hz,1H)、6.97~6.88(m,2H)、6.78(d,J=8.7Hz,1H)、6.60(dd,J=8.7,2.6Hz,1H)、5.58(dt,J=15.5,6.7Hz,1H)、5.47(dt,J=15.2,6.3Hz,1H)、4.62(d,J=6.4Hz,2H)、3.72(s,3H)、3.66(t,J=6.0Hz,2H)、2.76(d,J=4.5Hz,3H)、2.28(q,J=6.1Hz,2H);および(Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,3)-ジベンゼナシクロドデカファン-9-エン-5-カルボキサミド(白色固体、10mg、11%)、C2525[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:516.19;実測値:516.60(保持時間2.2分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.90(s,1H)、9.61(s,1H)、8.54(d,J=5.2Hz,1H)、8.41(s,1H)、7.96(d,J=2.6Hz,1H)、7.61(d,J=8.8Hz,1H)、7.05(dd,J=8.7,2.7Hz,1H)、6.79(d,J=9.1Hz,1H)、6.69(d,J=2.7Hz,1H)、6.55(dd,J=8.8,2.6Hz,1H)、5.74(dt,J=11.0,7.6Hz,1H)、5.65(dt,J=11.1,7.8Hz,1H)、4.61(d,J=7.7Hz,2H)、3.77(s,3H)、2.83(t,J=7.8Hz,2H)、2.76(d,J=4.4Hz,3H)、2.28(q,J=7.8Hz,2H);ならびに(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,3)-ジベンゼナシクロドデカファン-9-エン-5-カルボキサミドの混合物(白色固体、32mg、34%)。
【0266】
(実施例20)
化合物23の合成
【化55】
【0267】
-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,3)-ジベンゼナシクロドデカファン-5-カルボキサミド(化合物23)。方法6に従い、(E/Z)-1-メトキシ-N-メチル-3-(トリフルオロメチル)-6,12-ジオキサ-2,4-ジアザ-3(2,4)-ピリミジナ-1,5(1,3)-ジベンゼナシクロドデカファン-9-エン-5-カルボキサミド(31mg、60μmol)を触媒のPd/C(3mg、30μmol)を用いメタノール(5mL)中で反応させることにより表題化合物を調製して、表題化合物を白色固体として得た(29mg、93%)。C2527[M+H]としてのLC-MS(ESI)計算値:518.20;実測値:518.25(保持時間2.1分)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ11.75(s,1H)、9.50(s,1H)、8.52(q,J=4.5Hz,1H)、8.38(s,1H)、7.81(d,J=2.6Hz,1H)、7.63(d,J=8.8Hz,1H)、7.14(d,J=2.5Hz,1H)、6.85(d,J=8.7Hz,1H)、6.69(dd,J=8.7,2.4Hz,1H)、6.62(dd,J=8.9,2.5Hz,1H)、4.12(t,J=5.5Hz,2H)、3.80(t,J=5.6Hz,2H)、3.72(s,3H)、2.74(d,J=4.4Hz,3H)、1.83~1.73(m,2H)、1.73~1.66(m,2H)、1.65~1.58(m,2H)。
【0268】
合成プロトコルが提供されていない化合物は、上記の方法と類似の方法を使用して調製した。
【0269】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され且つ記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されるものであることは、当業者に明らかであろう。多数の変形、変化および置換は、本発明から逸脱することなく、当業者によって現在想到される。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用されるかもしれないことを理解すべきである。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内の方法および構成は、それによって包含されることが、意図される。
【国際調査報告】