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特表2023-513811第1の基板から第2の基板へのRFIDインレの移動
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(54)【発明の名称】第1の基板から第2の基板へのRFIDインレの移動
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20230327BHJP
   G09F 3/00 20060101ALN20230327BHJP
【FI】
G06K19/077 136
G06K19/077 200
G09F3/00 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549188
(86)(22)【出願日】2021-02-11
(85)【翻訳文提出日】2022-10-05
(86)【国際出願番号】 US2021017650
(87)【国際公開番号】W WO2021163318
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】62/975,398
(32)【優先日】2020-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518000176
【氏名又は名称】エイヴェリー デニソン リテール インフォメーション サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON RETAIL INFORMATION SERVICES LLC
【住所又は居所原語表記】8080 Norton Parkway, Mentor, Ohio 44060 Uni-ted States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【弁理士】
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【弁理士】
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】マクギニス,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】キャラハン,キャロル
(72)【発明者】
【氏名】コッカレル,ピーター
(57)【要約】
第1の基板から第2の基板へ遠隔周波数識別(RFID)インレを移動させるためのシステム及び方法が提供される。RFIDインレは、第1の接着剤で第1の基板に固定される。RFIDインレを第2の基板の近くに移動させ、第2の接着剤で第2の基板に固定する。その後、RFIDインレが第1の基板から分離される。RFIDインレは、熱の適用又は軟化物質の適用等によって第1の接着剤を軟化させることによって、第1の基板から分離され得る。代案として、RFIDインレは、第1の接着剤を軟化させることなく、差動剥離によって第1の基板から分離されることによって、2つの基板の間に剥離力が加えられ、前記剥離力は、第1の接着剤の剥離強度よりも大きいが、第2の接着剤の剥離強度よりは小さい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDインレを第1の接着剤で第1の基板に固定するステップと、
前記RFIDインレを第2の基板の近くに移動させるステップと、
前記RFIDインレを第2の接着剤で前記第2の基板に固定するステップと、
前記第1の基板から前記RFIDインレを分離するステップと、を含む、RFIDインレの移動方法。
【請求項2】
前記RFIDインレを前記第1の基板から分離するステップは、前記第1の接着剤を軟化させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
熱を加えて前記第1の接着剤を軟化させる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
軟化物質を適用して前記第1の接着剤を軟化させる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記RFIDインレは、前記第1の接着剤を軟化させることなく、前記第1の基板から分離される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の接着剤は、前記第1の接着剤よりも大きな剥離強度を有し、
前記RFIDインレは、前記RFIDインレを第2の基板から分離することなく、前記RFIDインレを前記第1の基板から分離するように、前記第1の基板と前記第2の基板との間に剥離力を加えることによって、第1の基板から分離される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記RFIDインレが前記第2の基板と前記第3の基板との間に位置する状態で、前記RFIDインレが前記第1の基板から分離された後、前記第3の基板を前記RFIDインレに固定するステップをさらに含む、請求項1~6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の基板からライナーを取り除いて前記第2の接着剤を露出させるステップをさらに含む、請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記RFIDインレを前記第2の基板の近くに移動させるステップは、前記第1の基板及び前記第2の基板の一方を前記第1の基板及び前記第2の基板の他方に向かって移動させるように、タンプを作動させるステップを含む、請求項1~8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の基板は、材料のウェブを含み、
前記RFIDインレは、前記第1のリールから前記第1の基板を巻き出すことによって、前記第2の基板の近くに移動する、請求項1~9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記RFIDインレを前記第1の基板から分離した後、再使用のために前記第1の基板を第2のリールに巻き取るステップをさらに含む、請求項1~10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の基板は、材料のウェブを含み、
前記RFIDインレは、リールから前記第2の基板を巻き出すことによって前記第2の基板の近くに移動する、請求項1~11の何れか1項に記載の方法。
【請求項13】
複数のRFIDインレが前記第1の基板に適用され、
前記第1の基板及び前記第2の基板が各々のリールから巻き出されると、連続するRFIDインレが前記第1の基板から順次分離される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記RFIDインレを前記第1の基板から分離した後、前記第2の基板を完成品リールに巻き取るステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
各々のRFIDインレを前記第1の基板から分離した後、前記第2の基板を切断して、連続するRFIDインレを分離するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記RFIDインレを前記第1の基板から分離するステップは、前記第1の基板及び前記第2の基板を異なる方向に向けるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の基板及び前記第3基板のいずれも、同じリールから巻き出され、
前記RFIDインレが前記第2の基板と前記第3の基板との間に位置する状態で、前記RFIDインレが前記第1の基板から分離された後、前記第3の基板が前記RFIDインレに固定される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の基板は、前記第2の基板が導かれる経路と前記第3基板が導かれる経路との間に位置する経路を通して導かれる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第3の基板は、ライナーを含み、
同じリールから前記第2の基板及び前記第3の基板を巻き出して、前記第2の接着剤を露出させる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記リールから前記第2の基板を巻き出した後、前記第2の接着剤を前記第2の基板に塗布することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年2月12日に出願された米国仮特許出願第62/975,398号の利益を主張し、その全体が本願に参考として組み込まれている。
【0002】
本発明は、無線周波数識別(「RFID」)装置に関する。より具体的には、本発明は、RFIDインレを一方の基板から他方の基板に移動させるためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
RFIDタグ及びラベル(本明細書では、まとめて「装置」と呼ぶ)は、物体を識別コードと関連させるために広く用いられる。RFID装置は、一般に、アンテナと、例えば、通信電子機器、データメモリ、及び制御ロジックを含み得るアナログ及び/又はデジタル電子機器と、を含む。RFID装置は、自動車のセキュリティロック、建物へのアクセス制御、在庫及び荷物の追跡等、多様な用途に用い得る。
【0004】
RFID装置と関連する1つの問題は、機能構成要素(つまり、RFIDチップ及び関連アンテナ)又は「RFIDインレ」を従来の技術を用いて超軟質織物、超薄膜材料、又は新種の/従来とは異なる材料等の特定の材料に固定することである。そのような材料にRFIDインレを固定するアプローチの提供は、特にこのようなアプローチが製造コストの削減及び持続可能性の促進(つまり、製造工程中に用いられる選択された材料の再使用)を可能にする場合に有利である。
【発明の概要】
【0005】
以下に説明及び請求される装置及びシステムにおいて、個別に又は共に実施できる本発明の様々な態様が存在する。これらの態様は、単独で、又は本明細書に記載の発明の他の態様と組み合わせて用いることができ、これらの態様を共に説明することは、これらの態様を個別に用いたり、又はこのような態様を本明細書に添付の特許請求の範囲に記載しているように個別に又は異なる組み合わせで請求することを排除することを意図するものではない。
【0006】
RFIDインレを移動する方法が本明細書に記載されている。一部の実施形態において、RFIDインレは、アンテナに電気的に結合されたチップを含む。チップは、当技術分野で公知の技術を用いてアンテナに電気的に結合され得る。一部の実施形態において、チップは、導電性接着剤を用いてアンテナに電気的に導通される。一部の実施形態において、チップは、「直接取り付け」プロセス又は「ストラップ取り付け」プロセスを用いて取り付けられ得る。一部の実施形態において、アンテナは、当技術分野で公知の材料で形成され得る。一部の実施形態において、アンテナは、アルミニウム、銅、若しくはニッケル等の金属又は金属材料で形成される。一部の実施形態において、金属材料は、金属箔である。他の実施形態において、アンテナは、導電性インクを用いて形成される。
【0007】
一部の実施形態において、上記方法は、RFIDインレを第1の基板に固定することを含む。一部の実施形態において、第1の基板は、従来の材料、例えば、ポリマー(例えば、PET)材料、セルロース系材料(例えば、紙)、繊維、織物、編物等である。一部の実施形態において、上記インレは、当技術分野で公知の技術を用いて固定され得る。一部の実施形態において、上記インレは、接着剤を用いて基板に固定される。一部の実施形態において、接着剤は、任意の所望のパターン又は構成で塗布される。一部の実施形態において、接着剤は、アンテナに所望{しょもう}の形状又はパターンで塗布される。一部の実施形態において、第1の接着剤は、導電性接着剤である。
【0008】
一部の実施形態において、RFIDインレは、第2の基板の近くに移動し、第2の接着剤で第2の基板に固定される。一部の実施形態において、第2の基板は、上述のような従来の基板である。他の実施形態において、第2の基板は、従来とは異なる材料、例えば、超軟質織物、超薄膜材料、又は新種の材料である。一部の実施形態において、RFIDインレは、第1の基板から分離される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の基板に固定されたRFIDインレの例示的な実施形態の概略断面図である。
図2】第1の基板及び第2の基板の両方に一時的に固定された、図1のRFIDインレの概略断面図である。
図3】第1の基板から分離された後に第2の基板に固定された、図2のRFIDインレの概略断面図である。
図4】第1の基板に固定されたRFIDインレの他の例示的な実施形態の概略断面図である。
図5】第1の基板及び第2の基板の両方に一時的に固定された、図4のRFIDインレの概略断面図である。
図6】RFIDインレを第1の基板から第2の基板に移動させるためのシステムの例示的な実施形態の概略図である。
図7】RFIDインレを第1の基板から第2の基板に移動させるためのシステムの別の例示的な実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態が本明細書に開示されているが、開示された実施形態は、多様な形態で実施され得る本発明の例示に過ぎないことが理解されるべきである。従って、本明細書に開示されている特定の詳細は、限定的であると解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基準として、且つ事実上任意の適切な方法で本発明を様々に用いることを当業者に教示するための代表的な基準として解釈されるべきである。
【0011】
図1は、本発明による例示的なRFIDインレ10を示す。図1のRFIDインレ10は、(本発明の範囲から逸脱することなく、様々に構成され得る)アンテナ14に電気的に結合された(本発明の範囲から逸脱することなく、様々に構成され得る)RFIDチップ12を含む。図示の実施形態において、RFIDチップ12は、導電性接着剤16によってアンテナ14に結合されるが、RFIDチップ12をアンテナ14に結合するための様々な手段が本発明の範囲から逸脱することなく用いられ得る。
【0012】
RFIDインレ10は、接着剤20によって(例えば、紙又はポリエチレンテレフタレート材料で形成される)通常の基板18に固定される。RFIDインレ10が組み立てられ、基板18に固定される方法は、本発明の範囲から逸脱することなく、変更され得る。一実施形態において、基板18は、リールから巻き出される材料のウェブとして提供される。基板18がリールから巻き出される際に接着剤20が基板18に塗布されるか、代案として、接着剤20が基板18上に既に存在する場合、基板18がリールから巻き出される際に接着剤20を露出させるためにライナーが取り除かれる。一実施形態において、接着剤20は、RFIDインレ10のアンテナ14に所望の形状で塗布されるが、接着剤20は、本発明の範囲から逸脱することなく、別の方法で適用又は構成され得る。
【0013】
導電性材料が接着剤20の少なくとも一部に適用された状態で、露出した接着剤20を有する基板18がリールから巻き出され続ける。導電性材料が本発明の範囲から逸脱することなく、任意の適切なアプローチによって、且つ任意のパターンで適用されるが、例示的な一実施形態によれば、導電性材料がリールから巻き出され、接着剤20と接触しながら、導電性材料のウェブ(例えば、アルミニウム箔)が提供される。(最終構成で提供されない場合)導電性材料がアンテナの形状に(例えば、ダイ又はレーザ切断手順を用いて)形成され、その後、任意の適切なアプローチによって任意の過剰の材料が取り除かれる。例示的な一実施形態において、接着剤20は、アンテナ24に所望の形状で提供され、この場合、導電性材料が基板18から剥離され得るが、これは、アンテナ14としてパターン化された接着剤20と接触する導電性材料の部分のみを残す。続けて、(アンテナ14形状の導電性材料を有する)基板18は、第2のリールに巻き取られる。このようなリールツーリールプロセスを用いることによって、複数のRFIDインレ10の効率的な生成を可能にする複数のアンテナ14を基板18に順次適用し得る。
【0014】
(複数のアンテナ14を有する)基板18がその後リールから巻き出され、チップ接着剤16が各アンテナ14に順次塗布される。続いて、(例えば、「直接チップ取り付け」アプローチ又は「ストラップ取り付け」アプローチを用いて)RFIDチップ12がチップ接着剤16に適用され、RFIDチップ12を関連アンテナ14に電気的に連結する。これは、圧力及び/又は熱を加えてチップ接着剤16を硬化させ、RFIDチップ12をアンテナ14に接合させることによって、RFIDインレを形成することを含み得る。上記形成に続いて、(複数のRFIDインレ10を有する)基板18が別のリールに巻き付けられた状態で、各々のRFIDインレ10が試験され得る。さらに、RFIDインレ10を組み立て、RFIDインレ10を第1の基板18に固定するための前述のアプローチは、単なる例示であり、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の他の適切なアプローチが用いられ得ることが理解されるべきである。
【0015】
RFIDインレ10が基板18に固定された状態で、図2のように、第2の基板22が第2の接着剤24を用いてRFIDインレに固定される。上述のように、第1の基板18は、従来の基板材料で形成される。また、第2の基板22は、従来の基板材料で形成され得るが、その代わりにRFIDインレを基板に適用する従来のアプローチ(例えば、RFIDインレ10を第1の基板18に適用するための上述のアプローチ)に適していない従来とは異なる材料(例えば、超軟質織物、超薄膜材料、又は新種の材料)で形成され得る。
【0016】
RFIDインレ10が第2の基板22に固定されると、第1の基板18は、RFIDインレ10から分離され、RFIDインレ10は、図3のように第2の基板22のみに固定される。続いて、さらなる又は第3の基板(例えば、ライナー)をRFIDインレ10に適用することができ、RFIDインレ10は、第2の基板22と第3の基板との間に位置する。第1の基板18は、多様な異なるアプローチ及びシステムのいずれか1つを用いてRFIDインレ10から分離され得、例示的なアプローチ及びシステムは、本明細書でより詳細に説明される。
【0017】
図1及び図2は、単なる例示であり、本発明の範囲から逸脱することなく、他のRFIDインレ/第1の基板の構成が用いられ得ることが理解されるべきである。例えば、代案的な実施形態において、さらなる層26(例えば、熱移動接着層)が第1の基板18と第1の接着剤20との間に備えられる(図4)。図4のアセンブリは、上述のタイプのアプローチを含む、任意の適切なアプローチに従って製造され得る。上述のアプローチが用いられる場合、第1の接着剤20が塗布される前に、第1の基板18にさらなる層26を適用するさらなるステップが提供され、第1の接着剤20は、第1の基板18に直接塗布されるのではなく、さらなる層26に塗布される。続いて、第2の基板22は、(上述のアプローチを含む)任意の適切なアプローチに従ってRFIDインレ10に固定され得、図5のアセンブリが得られる。最後に、RFIDインレ10は、本発明による方法及び/又はシステムを用いて第1の基板18から分離され、図3のアセンブリが得られる。
【0018】
図6及び図7は、RFIDインレ10を第1の基板18から第2の基板22へ移動するための例示的なシステム28,30を示す。図示のシステム28,30及び関連する移動方法は、単なる例示であり、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる構成のシステム及び方法が用いられ得ることが理解されるべきである。
【0019】
図6のシステム28において、(例えば、図1又は図4のように)複数のRFIDインレ10が固定された第1の基板18がリール32上に提供される。図6の実施形態において、第2の基板22もリール34上に提供される。基板18,22のいずれも、任意の適切な機構(例えば、図示の実施形態におけるローラ36)によって各々のリール32,34から巻き出される。第2の基板22に接着剤24の層及びライナー38が提供されると、ライナー38は、第2の基板22からリール40に巻き出されて接着剤24を露出させる。一方、第2の基板22が接着剤を含まない場合、第2の基板22がリール34から巻き出される際に、接着剤24を(例えば、スプレーの形態で)塗布するために、接着剤塗布器42が提供され得る。
【0020】
接着剤24が第2の基板22に塗布される方法に関係なく、RFIDインレイ10は、第2の基板22上の接着剤24が第1の基板18上のRFIDインレ10に面するように、第2の基板22の近くに移動する。(図6の44に示す位置のように)RFIDインレ10が第2の基板22の近くにあると、RFIDインレ10は、第2の基板22上の接着剤24を用いて第2の基板22に固定される。これは、例えば、RFIDチップ12が第2の基板22上の接着剤24と接触し、アンテナ14が第1の基板18上の接着剤20と接触する、図2又は図4に示す構成が得られる。
【0021】
RFIDインレ10が第2の基板22に固定されると、RFIDインレ10が第1の基板18から分離される。これは、RFIDインレ10を第1の基板18から分離する前、又は第1の基板22上の接着剤20をまず最初に軟化させることなく、第1の基板18からRFIDインレ10を分離する代わりに、第1の基板18上の接着剤20をまず最初に軟化させるステップを含む。第1の基板18上の接着剤20は、接着剤20の性質によるいくつかの可能なアプローチのいずれかによって軟化され得る。一実施形態において、(図6の46で示すように)第1の基板18上の接着剤20を軟化させるために熱が加えられる。他の実施形態において、軟化物質又は軟化剤(例えば、溶媒)は、第1の基板18上の接着剤20を軟化させるために適用される。一旦、第1の基板18上の接着剤20が軟化すると、2つの基板18,22は、(例えば、図6のように、第1の基板18を第2の基板22から離れる方向に向けることによって)互いに離れて移動する。基板18,22を互いに離すと、第2の基板からRFIDインレ10を分離することなく、第1の基板18上の軟化した接着剤20の剥離強度を圧倒する剥離力が加えられる(その結果、RFIDインレ10を第1の基板18から分離する。)。これにより、例えば、RFIDインレ10が第2の基板22のみに固定された、図3に示す構成が得られる。
【0022】
RFIDインレ10を第1の基板18から分離する前に、第1の基板18上の接着剤20がまず最初に軟化しない場合、適切な接着剤20及び24を選択する際に注意を払わなければならない。特に、第1の基板18上の接着剤20がまず最初に軟化しないと、その剥離強度は、第2の基板22上の接着剤24の剥離強度よりも小さくなければならない。このような構成により、基板18及び22を互いに離すと(又は基板18,22のうちの1つを他の基板18,22から離すことによって)、基板18,22の間に剥離強度が適用され得る。第2の基板22上の接着剤20の剥離強度が第2の基板22上の接着剤の剥離強度よりも低いと、RFIDインレ10と第1の基板18上の接着剤20との結合を圧倒することにより、RFIDインレ10を第2の基板22から分離することなく、RFIDインレ10を第1の基板18から分離することができる。これにより、例えば、RFIDインレ10が第2の基板22のみに固定された、図3に示す構成が得られる。RFIDインレ10を第1の基板18から分離するこのようなアプローチは、接着剤20,24の剥離強度の差によるため、「差動剥離」と呼ぶことができる。
【0023】
RFIDインレ10が第1の基板18から分離された後、第1の基板10は、再使用のために(例えば、本明細書に記載しているように、さらなるRFIDインレを受け入れた後、さらなるRFIDインレを別の基板に移動させるために)、第2のリール48に巻き取られ得る。第1の基板18を廃棄するのではなく再使用することは、持続可能性を促進するとともに、(材料コストを削減することによって)RFIDインレ10が組み込まれるRFID装置の製造コストを削減する。
【0024】
RFIDインレ10が第2の基板22のみに固定された状態で、アセンブリは、さらなる処理が実施され得る。これは、本発明の範囲から逸脱することなく、任意のさらなる処理を含み得る。図6の実施形態において、(材料のウェブとして提供されるライナー又は裏面であり得る)第3の基板50がRFIDインレ10に(例えば、接着剤を用いて)固定され、FRIDインレ10は、第2の基板22と第3の基板50との間に位置する。また、図6は、個々のRFIDタグ又はラベルを規定するために、隣接するRFIDインレ10の間で(例えば、ダイカット又はレーザカットによって)切断される第2の基板22を(位置52で)示す。第3の基板50がまだ無傷の状態で、(例えば、図6の54で示しているように)個々のRFIDタグ又はラベルが試験され得、続いて個々のRFIDタグ又はラベルが第3の基板50から取り除かれ、物品若しくは商品の一部に取り付ける又は組み込む準備ができた状態で、第3の基板50が完成品リール56に巻き取られる。代案として、第3の基板50が隣接するRFIDインレ10の間で切断され、個々のRFIDタグ又はラベルを規定する場合も、個々のRFIDタグ又はラベルは、その後の物品若しくは商品の一部への取り付け又は組み込みのために収集され得る。さらに、上述し、且つ図6に示す分離後の処理ステップは、単なる例示であり、他の及び/又はさらなる処理ステップが本発明の範囲から逸脱することなく、用いられ得ることが理解されるべきである。
【0025】
図7は、RFIDインレ10を第1の基板18から第2の基板22に移動させるために用いられ得る別の例示的なシステム30(「超密着ピッチ」の構成を有すると記載し得る)を示す。図6のシステム28と同様に、図7は、第1の基板18及び第2の基板22のいずれもがリール58,60に各々提供されるシステム30を示す。基板18,22のいずれも、任意の適切な機構(例えば、図示の実施形態におけるローラ62)によって各々のリール58,60から巻き出される。図示の実施形態において、第2の基板22に接着剤24の層及びライナー64が提供され、ライナー64は、第2の基板から巻き出されて接着剤24を露出させる。図7のシステム30は、本明細書でより詳細に説明するように、ライナー64が第2のリールに直ちに巻き取られるのではなく、RFIDインレ10に取り付けられるために第2の基板22の近くに戻される前に、第2の基板から離れる経路に沿って(第1の基板18が第2の基板18とライナー64の分岐経路の間に位置する経路に沿って)導かれるので、図6のシステム28とは異なる。
【0026】
RFIDインレイ10は、第2の基板22上の接着剤24が第1の基板18上のRFIDインレ10に面するように、第2の基板22の近くに移動する。(図7の66に示す位置のように)第2の基板22の近くのRFIDインレ10に対して、RFIDインレ10は、第2の基板22上の接着剤24を用いて第2の基板22に固定される。図7は、第1の基板18を第2の基板22に向かって移動させるために用いられるタンプ68を示すが、本発明の範囲から逸脱することなく、他のアプローチが用いられ得る。RFIDインレ10を第2の基板22に固定すると、例えば、RFIDチップ12が第2の基板22上の接着剤24と接触し、アンテナ14が第1の基板18上の接着剤と接触する、図2又は図4に示す構成が得られる。
【0027】
RFIDインレ10が第2の基板22に固定されると、続いてRFIDインレ10は、第1の基板18から分離される。図6のシステム28に関してより詳細に上述したように、これは、RFIDインレ10と第1の基板18を分離する前、又は第1の基板18上の接着剤20をまず最初に軟化させることなく、第1の基板18からRFIDインレを分離する代わりに、第1の基板18上の接着剤20をまず最初に軟化させることを含み得る。RFIDインレ10を第1の基板18から分離するために用いられる特定のアプローチに関係なく、例えば、RFIDインレ10が第2の基板22のみに固定された、図3に示す構成が得られる。RFIDインレ10が第1の基板18から分離された後、第1の基板18は、再使用のために第2のリール70に巻き取られ、それにより、持続可能性を促進し、製造コストを削減することができる。
【0028】
RFIDインレ10が第2の基板22のみに固定された状態で、アセンブリは、さらなる処理が実施され得る。図7の実施形態において、まず最初に第2の基板22から分離されたライナー64は、第2の基板22の近くに再び戻され、(例えば、ライナー6が第2の基板22から分離され、続いて第2の基板22の近くに再び戻される間、ライナー64に塗布され得る接着剤を用いて)RFIDインレに固定され、RFIDインレ10は、第2の基板22とライナー64との間に位置する。また、図7は、個々のRFIDタグ又はラベルを規定するために、隣接するRFIDインレ10の間で(例えば、ダイカット又はレーザーカットによって)切断される第2の基板22を(位置72で)示す。ライナー64がまだ無傷の状態で、(例えば、図7の74に示すように)個々のRFIDタグ又はラベルが試験され得、続いて個々のRFIDタグ又はラベルがライナーから取り除かれ、物品又は商品の一部に取り付ける又は組み込む準備ができた状態で、ライナー64が完成品リール76に巻き取られる。代案として、ライナー64が隣接するRFIDインレ10の間で切断され、個々のRFIDタグ又はラベルを規定する場合も、個々のRFIDタグ又はラベルは、その後の物品若しくは商品の一部への取り付け又は組み込みのために収集され得る。上述し、且つ図7に示す分離後の処理ステップは、単なる例示であり、他の及び/又はさらなる処理ステップが本発明の範囲から逸脱することなく、用いられ得ることが理解されるべきである。
【0029】
上述の実施形態は、本発明の原理の一部が適用された例示であることが理解されるであろう。本明細書に個別に開示又は請求される特徴の組み合わせを含む、請求される主題の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって多数の変更が行われ得る。これらの理由により、本発明の範囲は、上述の説明に限定されず、以下の特許請求の範囲に記載される通りであり、特許請求の範囲は、本明細書に個別に開示又は請求される特徴の組み合わせを含む、本発明の特徴を対象とし得ることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】