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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(54)【発明の名称】大環状化合物およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 498/22 20060101AFI20230327BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230327BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230327BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230327BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20230327BHJP
   C07D 513/22 20060101ALI20230327BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20230327BHJP
   A61K 31/541 20060101ALI20230327BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20230327BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20230327BHJP
【FI】
C07D498/22 CSP
A61P11/00
A61P35/00
A61P43/00 111
A61K31/519
C07D513/22
A61K31/5377
A61K31/541
C07D519/00 301
A61K31/55
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022575300
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(85)【翻訳文提出日】2022-10-03
(86)【国際出願番号】 US2021018520
(87)【国際公開番号】W WO2021168074
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】62/978,202
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522327544
【氏名又は名称】テーセウス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ファン, ウェイ-シェン
(72)【発明者】
【氏名】シェイクスピア, ウィリアム シー.
(72)【発明者】
【氏名】アイアーマン, チャールズ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ダルガーノ, デイビッド シー.
【テーマコード(参考)】
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C072AA03
4C072BB04
4C072CC06
4C072CC11
4C072CC16
4C072DD10
4C072EE09
4C072EE19
4C072FF04
4C072GG01
4C072GG06
4C072GG08
4C072GG09
4C072HH01
4C072HH02
4C072HH05
4C072HH07
4C072HH08
4C072JJ02
4C072MM10
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB22
4C086CB26
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZB26
4C086ZC41
(57)【要約】
本明細書では、T790M EGFR変異体などの変異型を含む、EGFRなどのキナーゼを阻害することができる式(I)の大環状化合物が記載されている。式(I)の化合物を含む医薬組成物、またはその任意の薬学的に許容される形態、その調製のための方法、および癌の防止または治療のための療法における使用も本明細書に記載される。特に、本明細書に記載される化合物は、非小細胞肺癌(NSCLC)を含むEGFR駆動癌の治療に有効であり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、
【化183】
またはその薬学的に許容される塩であって、
式中、
Aは、C6-10アリーレン、5~12員のヘテロアリーレン、または5~12員のヘテロシクロアルキレンであり、
はNまたはCRであり、
はNまたはCRであり、
はNまたはCRであり、
はNまたはCRであり、
はNまたはCR’であり、
はNまたはCRX’であり、
------は、XおよびXまたはXおよびXとの間の任意の二重結合を表し、式中、唯一の二重結合が存在し、
は、共有結合、CH、O、NR、C(O)NR、またはNRC(O)であり、
は、共有結合またはC(Rであり、LはC1-4アルキレンであり、またはLおよびLは結合してC3-6シクロアルキルまたは4~6員のヘテロシクロアルキルを形成し、
は、ハロゲン、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、3~10員のヘテロシクロアルキル、CN、NR、NRC(O)R、NRC(O)NH、OR、またはC(O)NRであり、
は、存在しない、H、C1-6アルキル、ハロゲン、CN、またはC1-6アルコキシであり、
各Rは、存在する場合、独立してOH、CN、ハロゲン、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり、
nは、0、1、または2であり、
各Rは、独立してH、ORX1、CN、ハロゲン、またはC1-6アルキルであり、式中、RX1はHまたはC1-6アルキルであり、
各RX’は、独立してH、ORX1、CN、ハロゲン、またはC1-6アルキルであり、式中、RX1は、HまたはC1-6アルキルであり、またはRX’は、それが結合される炭素が二重結合の一部である場合には存在せず、
各RおよびRは、独立してHまたはC1-6アルキルであり、
各RおよびRは、独立してH、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、または3~10員のヘテロシクロアルキルであり、またはRおよびRはそれらが結合する窒素原子と共に3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成し、
は、独立してH、C1-6アルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルである、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
式I’の構造を有する請求項1に記載の化合物、
【化184】
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
nが0である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
がCHである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
がNまたはCHである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
がNまたはCHである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
またはXのいずれか一方がNであり、他方がCHである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
がNまたはCHである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
がCHRであり、RがH、CH、またはCHCHである、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
がC(CHまたはCHCHである、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
が、非置換C1-4アルキレン、または非置換C1-3アルキルで置換されたC1-4アルキレンである、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
が、(CH、(CH、CH(CH)CH、またはCHCH(CH)である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
およびLが、結合してシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルを形成する、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
がOまたはNRである、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
がO、NH、またはNCHである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
AがC6-10アリーレンまたは5~12員のヘテロアリーレンである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
Aが5~12員のヘテロアリーレンまたは5~12員のヘテロシクロアルキレンである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
Aが、ピリジル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダジオリル、
【化185】
であり、式中、各X、X、およびX10がCHまたはNである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
Aがメチルにより任意に置換されるピラゾリルである、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
Aがフェニルである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
が、存在しない、H、非置換C1-3アルキル、または非置換C3-6シクロアルキルで置換されたC1-3アルキルである、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
が、F、CN、NH、O-(オキセタン-3-イル)、NH-(オキセタン-3-イル)、O-(テトラヒドロフラン-3-イル)、O-(1-N、N-ジメチルアミノシクロヘキサン-4-イル)、NH-(テトラヒドロフラン-3-イル)、NH(C1-6アルキル)、NCH(C1-6アルキル)であり、前記C1-6アルキルが、OH、NH、ピペリジニル、およびCONHから選択される一つまたは二つの置換基を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
が、アゼチジン、ピロリジン、ピリロリル、またはピペラジニルであるN結合基であり、前記N結合基が、非置換であるか、またはOH、CN、オキソ、C1-4アルキル、‐NR1A1B、または-C(O)NR1A1Bである置換基で置換され、
前記C1-4アルキルは、非置換であるか、またはOH、CN、NH、NHCH3、N(CH2、N-メチルピペラジニル、C(O)NH、C(O)NHCH、C(O)N(CHである少なくとも一つの基で置換され、
各R1AおよびR1Bは、独立してH、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、または3~10員のヘテロシクロアルキルであるか、またはR1AおよびR1Bは、それらが結合する窒素原子と共に3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成し、前記C1-6アルキルが、非置換であるか、またはアルコキシである基で置換される、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
がC(O)NHRで、かつRがシクロペンチル、シクロヘキシルである環式基であり、
前記環式基は、非置換であるか、またはCN、OH、オキソ、C1-4アルキル、-NR1A1Bまたは-C(O)NR1A1Bである基によって置換され、
前記C1-4アルキルは、非置換であるか、またはOH、NH、NHCH、N(CH、N-メチルピペラジニル、C(O)NH、C(O)NHCH、C(O)N(CHである基で置換され、
各R1AおよびR1Bは、独立してH、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、または3~10員のヘテロシクロアルキルであり、またはR1AおよびR1Bは、それらが結合される窒素原子と共に3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成する、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
がNRであり、
は独立してHまたは非置換C1-3アルキルであり、かつ
は独立してC1-6アルキルであり、前記C1-6アルキルは非置換であるか、または-OHおよび-C(O)NHから選択される一つまたは二つの置換基を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
が、置換または非置換の5または6員のヘテロアリーレン、置換または非置換の5または6員のヘテロシクロアルキル、置換または非置換の5または6員のヘテロアリーレンで置換されたC1-6アルキル、または置換または非置換である5または6員のヘテロシクロアルキルで置換されたC1-6アルキル、もしくは置換フェニルである、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
式(I-A)の構造を有する請求項1に記載の化合物、
【化186】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
は、非置換C1-6アルキルまたは非置換C3-6シクロアルキルである基で置換されたC1-6アルキルであり、かつ
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化187】
である、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
が、CHまたは非置換C3-6シクロアルキルで置換されたC1-3アルキルである、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
-L-Xが、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、または(CH-Oである、請求項27または28に記載の化合物。
【請求項30】
式(I-A-1)の構造を有する請求項27~29のいずれか一項に記載の化合物、
【化188】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
c1が、2または3である、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
式(I-A-1’)の構造を有する請求項30に記載の化合物、
【化189】
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
式(I-A-1”)の構造を有する請求項30に記載の化合物、
【化190】
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
式(I-A-2)の構造を有する請求項27~29のいずれか一項に記載の化合物、
【化191】
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項34】
式(I-A-3)の構造を有する請求項27~29のいずれか一項に記載の化合物、
【化192】
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項35】
式(I-B)の構造を有する請求項1に記載の化合物、
【化193】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
は、非置換C1-6アルキルまたは非置換C3-6シクロアルキルである基で置換されたC1-6アルキルであり、
はOであり、および
cは、0、1、2、または3である、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項36】
がCHである、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
式(I-B-1)の構造を有する請求項35または36に記載の化合物、
【化194】
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項38】
式(I-B-2)の構造を有する請求項35または36に記載の化合物、
【化195】
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項39】
式(I-B-3)の構造を有する請求項35または36に記載の化合物、
【化196】
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項40】
式(I-C)の構造を有する請求項1に記載の化合物、
【化197】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
は、H、非置換C1-6アルキル、または非置換C3-6シクロアルキルである基で置換されたC1-6アルキルであり、
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、CH(CH)-(CH、CH(CH)-(CH-NHC(O)、CH(CH)-(CH-NCHC(O)、CH(CH)-(CH-NHC(O)、CH(CH)-(CH-NCHC(O)、CH(CH)-(CH-C(O)NH、CH(CH)-(CH-C(O)NCH、CH(CH)-(CH-C(O)NH、またはCH(CH)-(CH-C(O)NCHであり、または
-L-Xは、
【化198】
である、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項41】
がHまたはCHである、請求項40に記載の化合物。
【請求項42】
-L-Xが、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、(CH-O、CH(CH)-(CH-NHC(O)、CH(CH)-(CH-NCHC(O)、CH(CH)-(CH-NHC(O)、CH(CH)-(CH-NCHC(O)、CH(CH)-(CH-C(O)NH、CH(CH)-(CH-C(O)NCH、CH(CH)-(CH-C(O)NH、またはCH(CH)-(CH-C(O)NCHである、請求項41に記載の化合物。
【請求項43】
式(I-C-1)の構造を有する請求項40~42のいずれか一項に記載の化合物、
【化199】
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項44】
式(I-C-2)の構造を有する請求項40~42のいずれか一項に記載の化合物、
【化200】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
がHまたはCHである、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項45】
式(I-C-3)の構造を有する請求項40~42のいずれか一項に記載の化合物、
【化201】
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項46】
式(I-C-4)の構造を有する請求項40~42のいずれか一項に記載の化合物、
【化202】
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項47】
式(I-D)の構造を有する請求項1に記載の化合物、
【化203】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
はHまたは非置換C1-6アルキルであり、かつ
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化204】
である、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項48】
がHまたはCHである、請求項47に記載の化合物。
【請求項49】
-L-Xが、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、またはCH(CH)-(CH-NCHである、請求項47または48に記載の化合物。
【請求項50】
式(I-D-1)の構造を有する請求項47~49のいずれか一項に記載の化合物、
【化205】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
はHまたはCHであり、
はHまたはCHであり、
oは1または2である、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項51】
式(I-E)の構造を有する請求項1に記載の化合物、
【化206】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
はHまたは非置換C1-6アルキルであり、かつ
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化207】
である、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項52】
がHまたはCHである、請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
-L-Xが、CH(CH)-(CHまたはCH(CH)-(CHである、請求項51または52に記載の化合物。
【請求項54】
式(I-E-1)の構造を有する請求項51~53のいずれか一項に記載の化合物、
【化208】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
oは2または3である、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項55】
式(I-F)の構造を有する請求項1に記載の化合物、
【化209】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
はHまたは非置換C1-6アルキルであり、かつ
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化210】
である、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項56】
がHまたはCHである、請求項55に記載の化合物。
【請求項57】
-L-XがCH(CH)-(CHまたはCH(CH)-(CHである、請求項55または56に記載の化合物。
【請求項58】
式(I-F-1)の構造を有する請求項55~57のいずれか一項に記載の化合物、
【化211】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
oは1または2である、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項59】
式(I-G)の構造を有する請求項1に記載の化合物、
【化212】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
は、非置換C1-6アルキルまたは非置換C3-6シクロアルキルである基で置換されたC1-6アルキルであり、かつ
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化213】
である、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項60】
がHまたはCHである、請求項59に記載の化合物。
【請求項61】
-L-Xが、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、または(CH-Oである、請求項59または60に記載の化合物。
【請求項62】
式(I-G-1)の構造を有する請求項59~61のいずれか一項に記載の化合物、
【化214】
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項63】
式(I-H)の構造を有する請求項1に記載の化合物、
【化215】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
はCHまたはNであり、
は、非置換C1-6アルキルまたは非置換C3-6シクロアルキルである基で置換されたC1-6アルキルであり、かつ
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化216】
である、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項64】
がHまたはCHである、請求項63に記載の化合物。
【請求項65】
-L-Xが、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、または(CH-Oである、請求項63または64に記載の化合物。
【請求項66】
式(I-H-1)の構造を有する請求項63~65のいずれか一項に記載の化合物、
【化217】
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項67】
式(I-I)の構造を有する請求項1に記載の化合物、
【化218】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
はHまたは非置換C1-6アルキルであり、
各XおよびXは、CHまたはNであり、
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CHCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化219】
である、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項68】
がHまたはCHである、請求項67に記載の化合物。
【請求項69】
-L-Xが、CHCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである、請求項67または68に記載の化合物。
【請求項70】
式(I-I-1)の構造を有する請求項67~69のいずれか一項に記載の化合物、
【化220】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
各XおよびXは、CHまたはNである、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項71】
式(I-J)の構造を有する請求項1に記載の化合物、
【化221】
またはその薬学的に許容される塩であって、式中
はHまたは非置換C1-6アルキルであり、
10はCHまたはNであり、
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CHCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化222】
である、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項72】
がHまたはCHである、請求項71に記載の化合物。
【請求項73】
-L-Xが、CHCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである、請求項71または72に記載の化合物。
【請求項74】
式(I-J-1)の構造を有する請求項71~73のいずれか一項に記載の化合物、
【化223-1】

またはその薬学的に許容される塩であって、式中
10はNまたはCHである、化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項75】
が、F、CN、またはNHである、請求項1~21および27~74のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項76】
が、サブ構造1の構造を有し、
【化223-2】

式中、
は、NH、NCH3、またはOであり、
は、3~6員の酸素含有または窒素含有のヘテロシクロアルキル、C3-7シクロアルキル、またはC1-6アルキルであり、前記C3-7シクロアルキルまたはC1-6アルキルは、OH、NH、NMe、ピペリジニル、およびCONHから選択される一つまたは二つの置換基を含む、請求項1~21および27~74のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項77】
が、以下のとおりである、請求項76に記載の化合物。
【化223-3】
【請求項78】
が、サブ構造2の構造を有し、
【化224-1】
式中、
10は、H、OH、C1-6アルキル、またはCONR10A10Bであり、前記C1-6アルキルは、OHおよびCNから選択される一つまたは二つの置換基を含み、
各R10AおよびR10Bは、独立してH、非置換C1-6アルキル、アルコキシで置換されたC1-6アルキルであり、またはR10AおよびR10Bは、それらが結合される窒素原子と共に、非置換の3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成する、請求項1~21および27~74のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項79】
が以下のとおりである、請求項78に記載の化合物。
【化224-2】
【請求項80】
が、サブ構造3の構造を有し、
【化225-1】
式中、
11は、H、OH、アミノ、モノ(C1-6アルキル)アミノ、ジ(C1-6アルキル)アミノ、-CH-[ジ(C1-6アルキル)アミノ]、CN、C1-6アルキル、CONH2、CONHMe、COOH、COMe、またはCONR11A11Bであり、前記C1-6アルキルは、OH、F、およびNR11A11Bから選択される一つまたは二つの置換基を含み、
各R11AおよびR11Bは、独立して非置換C1-6アルキルであるか、またはR11AおよびR11Bは、それらが結合される窒素原子と共に、メチルまたはイソプロピルで置換された3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成する、請求項1~21および27~74のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項81】
が以下のとおりである、請求項80に記載の化合物。
【化225-2】
【化225-3】
【化225-4】
【請求項82】
が、サブ構造4の構造を有し、
【化226-1】
式中、
は、N、O、S、SO、またはSOであり、
各R12は、存在する場合、オキソ、メチル、またはシクロプロピルであり、
pは0または1であり、
qは、0、1、または2であり、
uは0または1である、請求項1~21および27~74のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項83】
が以下のとおりである、請求項82に記載の化合物。
【化226-2】
【請求項84】
が、サブ構造5の構造を有し、
【化227-1】
式中、
rは1または2であり、および
各R13AおよびR13Bは、独立して非置換なC1-6アルキルであるか、またはR13AおよびR13Bが、それらが結合される窒素原子と共に、N-メチル3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成する、請求項1~21および27~74のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項85】
が以下のとおりである、請求項84に記載の化合物。
【化227-2】
【請求項86】
が、サブ構造6の構造を有し、
【化228】
式中、
各R14AおよびR14Bは、独立してH、非置換C1-6アルキル、またはCNで置換された5~6員のシクロアルキル環である、請求項1~21および27~74のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項87】
が、
【化229】
である、請求項86に記載の化合物。
【請求項88】
が、サブ構造7の構造を有し、
【化230】
式中、
sは、0、1、2、または3であり、
vは、0、1、2、または3であり、
A1は、フェニル、5~6員のヘテロアリーレン、または5~6員のヘテロシクロアルキルであり、
15は、独立して
ハロゲン
非置換C1-6アルキル、
3-6シクロアルキル、
OHまたはOMeで置換されたC1-6アルキル、
ハロ、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノで置換されたC1-6アルキル、
ハロ、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノで置換されたC1-6アルコキシル、
8~9員のヘテロシクロアルキル、
-(CH-(5~6員のヘテロシクロアルキル)、
-(CH-(5~6員のヘテロアリール)、
-(CO)-(5~6員のヘテロシクロアルキル)、
-(CO)-(5~6員のヘテロアリール)、
-O-(5~6員のヘテロシクロアルキル)、
-O-(5~6員のヘテロアリール)、
-(CH-NH-(ハロ、OH、OMe、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノで置換されたC1-6アルキル)、
-(CH-NMe-(ハロ、OH、OMe、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノで置換されたC1-6アルキル)である、請求項1~21および27~74のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項89】
A1が、フラン、ピラゾール、ピロール、チアゾール、オキサゾール、フェニル、ピリジル、または二環式の窒素含有8~9員のヘテロシクロアルキルである、請求項88に記載の化合物。
【請求項90】
サブ構造7が、
【化231】
【化232】
である、請求項88または89に記載の化合物。
【請求項91】
各R15が、独立して
-F、-Cl、-CH、-CHCH、-CH(CH
【化233】
【化234】
である、請求項88~90のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項92】
化合物(1)~(58)、(61)~(71)、(73)~(80)、および(82)~(193)のいずれか一つからなる群から選択される構造を有する、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項93】
請求項1~92のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物。
【請求項94】
それを必要とするヒトに、医薬組成物に含まれた有効な量の請求項1~92のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、癌の治療方法。
【請求項95】
前記癌が肺癌である、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記癌が非小細胞肺癌である、請求項94または95に記載の方法。
【請求項97】
前記癌がEGFR駆動癌である、請求項94~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記癌がEGFR変異によって特徴付けられる、請求項94~97のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月18日出願の米国仮出願第62/978,202号の恩典を主張し、当該出願の全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書では、キナーゼ阻害剤として使用することができる大環状化合物が記載されている。特に、本明細書に記載される化合物は、EGFRの変異型を含む上皮成長因子受容体(EGFR)を阻害することができる。本明細書に記載される化合物は、EGFR駆動癌(例えば、変異EGFRによって特徴付けられる非小細胞肺癌(NSCLC)などの癌を含む様々な障害の治療に有効であり得る。
【背景技術】
【0003】
シグナル伝達は、細胞内および細胞内への刺激または阻害シグナルの伝達を指し、しばしばシグナル伝達事象のカスケードを介して、細胞内の生物学的応答を引き起こす。シグナル伝達経路の様々な構成要素における欠陥は、多数の形態の癌、炎症性障害、代謝障害、血管疾患および神経疾患を含む、多数の疾患の原因となることが見出されている。
【0004】
シグナル伝達は、多くの場合、キナーゼと呼ばれる特定のタンパク質によって媒介される。キナーゼは一般に、タンパク質キナーゼおよび脂質キナーゼに分類することができ、特定のキナーゼは二重特異性を呈する。例えば、上皮成長因子受容体(EGFR)は、EGFR/ERBB1、HER2/ERBB2/NEU、HER3/ERBB3、およびHER4/ERBB4を含む受容体チロシンキナーゼ(RTK)ファミリーに属する。上皮成長因子(EGF)などのリガンドの結合は、受容体のホモまたはヘテロ二量体形成を促進するEGFRの立体構造変化を誘導し、その結果、EGFRチロシンキナーゼ活動の活性化をもたらす。活性化されたEGFRはその後その基質をリン酸化し、細胞生存に関与するPI3K-AKT-mTOR経路、および細胞増殖に関与するRAS-RAF-MEK-ERK経路を含む、細胞内の複数の下流経路の活性化をもたらす。(Chong et al.Nature Med.2013;19(11):1389-1400)
【0005】
特定の癌は、EGFRの突然変異を特徴とし、これは細胞増殖の増加をもたらす。EGFRを阻害するチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)療法は、臨床応答をもたらす可能性があるが、EGFRの変異は、そのような療法に対する耐性も与える可能性がある。
そのため、EGFR駆動癌を含む、欠陥のあるシグナル伝達経路に関連するがんの治療には、新しい治療方法が依然必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Chong et al.Nature Med.2013;19(11):1389-1400
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では、EGFRの有効な阻害剤となり得る新しい化合物が記載されている。かかる化合物は、変異EGFRによって特徴付けられる非小細胞肺癌(NSCLC)などのEGFR駆動癌を含む、様々な疾患および障害の治療に有用であり得る。
【0008】
従って、一つの態様では、本発明は、以下の構造を有する化合物、
【化1】

またはその薬学的に許容される塩を特徴とし、
式中、
Aは、C6-10アリーレン、5~12員のヘテロアリーレン、または5~12員のヘテロシクロアルキレンであり、
はNまたはCRであり、
はNまたはCRであり、
はNまたはCRであり、
はNまたはCRであり、
はNまたはCRX’であり、
はNまたはCRX’であり、
------は、XおよびXまたはXおよびXとの間の任意の二重結合を表し、式中、唯一の二重結合が存在し、
は、共有結合、CH、O、NR、C(O)NR、またはNRC(O)であり、
は、共有結合またはC(Rであり、LはC1-4アルキレンであり、またはLおよびLは結合してC3-6シクロアルキルまたは4~6員のヘテロシクロアルキルを形成し、
は、ハロゲン、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、3~10員のヘテロシクロアルキル、CN、NR、NRC(O)R、NRC(O)NH、OR、またはC(O)NRであり、
は、存在しない、H、C1-6アルキル、ハロゲン、CN、またはC1-6アルコキシであり、
各Rは、存在する場合、独立してOH、CN、ハロゲン、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり、
nは、0、1、または2であり、
各Rは、独立してH、ORX1、CN、ハロゲン、またはC1-6アルキルであり、式中、RX1はHまたはC1-6アルキルであり、
各RX’は、独立してH、ORX1、CN、ハロゲン、またはC1-6アルキルであり、式中、RX1は、HまたはC1-6アルキルであり、またはRX’は、それが結合される炭素が二重結合の一部である場合には存在せず、
各RおよびRは、独立してHまたはC1-6アルキルであり、
各RおよびRは、独立してH、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、または3~10員のヘテロシクロアルキルであり、またはRおよびRはそれらが結合する窒素原子と共に3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成し、
は、独立してH、C1-6アルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルである。
【0009】
複数の実施形態では、化合物は、式I’の構造、
【化2】

またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0010】
複数の実施形態では、nは0である。
【0011】
複数の実施形態では、XはCHである。
【0012】
複数の実施形態では、XはNまたはCHである。
【0013】
複数の実施形態では、XはNまたはCHである。
【0014】
複数の実施形態では、XおよびXのうちの一つはNであり、他方はCHである。
【0015】
複数の実施形態では、XはNまたはCHである。
【0016】
複数の実施形態では、LはCHRであり、RはH、CH、またはCHCHである。
【0017】
複数の実施形態では、LはC(CHである。
【0018】
複数の実施形態では、LはCHCHである。
【0019】
複数の実施形態では、Lは、非置換C1-4アルキレン、または非置換C1-3アルキルで置換されたC1-4アルキレンである。
【0020】
複数の実施形態では、Lは、(CH、(CH、CH(CH)CH、またはCHCH(CH)である。
【0021】
複数の実施形態では、LおよびLは結合して、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルを形成する。
【0022】
複数の実施形態では、Xは、OまたはNRである。
【0023】
複数の実施形態では、Xは、O、NH、またはNCHである。
【0024】
複数の実施形態では、Aは、C6-10アリーレンまたは5~12員のヘテロアリーレンである。
【0025】
複数の実施形態では、Aは、5~12員のヘテロアリーレンまたは5~12員のヘテロシクロアルキレンである。
【0026】
複数の実施形態では、Aは、ピリジル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダジオリル、
【化3】
であり、各X、X、およびX10は、CHまたはNである。
【0027】
複数の実施形態では、Aは、メチルで任意に置換されるピラゾリルである。
【0028】
複数の実施形態では、Aは、フェニルである。
【0029】
複数の実施形態では、Rは存在しない、H、非置換C1-3アルキル、または非置換C3-6シクロアルキルで置換されたC1-3アルキルである。
【0030】
複数の実施形態では、Rは、F、CN、NH、O-(オキセタン-3-イル)、NH-(オキセタン-3-イル)、O-(テトラヒドロフラン-3-イル)、O-(1-N、N-ジメチルアミノシクロヘキサン-4-イル)、NH-(テトラヒドロフラン-3-イル)、NH(C1-6アルキル)、NCH(C1-6アルキル)であり、前述のC1-6アルキルは、OH、NH、ピペリジニル、CONHから選択される一つまたは二つの置換基を含む。
【0031】
複数の実施形態では、Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピリロリル、またはピペラジニルであるN結合基であり、前述のN結合基は、非置換であるか、またはOH、CN、オキソ、C1-4アルキル、‐NR1A1B、または-C(O)NR1A1Bである置換基で置換され、
前述のC1-4アルキルは、非置換であるか、またはOH、CN、NH、NHCH3、N(CH2、N-メチルピペラジニル、C(O)NH、C(O)NHCH、C(O)N(CHである少なくとも一つの基で置換され、
各R1AおよびR1Bは、独立してH、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、または3~10員のヘテロシクロアルキルであるか、またはR1AおよびR1Bは、それらが結合する窒素原子と共に3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成し、前述のC1-6アルキルが、非置換であるか、またはアルコキシである基で置換される。
【0032】
複数の実施形態では、RはC(O)NHRであり、Rはシクロペンチル、シクロヘキシルである環式基であり、
前述の環式基は、非置換であるか、またはCN、OH、オキソ、C1-4アルキル、-NR1A1Bまたは-C(O)NR1A1Bである基によって置換され、
前述のC1-4アルキルは、非置換であるか、またはOH、NH、NHCH、N(CH、N-メチルピペラジニル、C(O)NH、C(O)NHCH、C(O)N(CHである基で置換され、
各R1AおよびR1Bは、独立してH、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、または3~10員のヘテロシクロアルキルであり、またはR1AおよびR1Bは、それらが結合される窒素原子と共に3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0033】
複数の実施形態では、RはNRであり、
は独立してHまたは非置換C1-3アルキルであり、かつ
は独立してC1-6アルキルであり、前述のC1-6アルキルは非置換であるか、または-OHおよび-C(O)NHから選択される一つまたは二つの置換基を含む。
【0034】
複数の実施形態では、Rは、置換または非置換の5または6員のヘテロアリーレン、置換または非置換の5または6員のヘテロシクロアルキル、置換または非置換の5または6員のヘテロアリーレンで置換されたC1-6アルキル、または置換または非置換の5または6員のヘテロシクロアルキルで置換されたC1-6アルキル、もしくは置換フェニルである。
【0035】
複数の実施形態では、Rは、置換されたC1-6アルキル(例えば、-CHCH(ピペリジニル)などのピペリジニル置換C1-6アルキル)である。
【0036】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-A)の構造、
【化4】

またはその薬学的に許容される塩を有し、式中
は、非置換C1-6アルキルまたは非置換C3-6シクロアルキルである基で置換されたC1-6アルキルであり、かつ
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化5】
である。
【0037】
複数の実施形態では、Rは、CHまたは非置換C3-6シクロアルキルで置換されるC1-3アルキルである。
【0038】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、または(CH-Oである。
【0039】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-A-1)の構造、
【化6】
またはその薬学的に許容される塩を有し、c1は2または3である。
【0040】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-A-1’)の構造、
【化7】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0041】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-A-1”)の構造、
【化8】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0042】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-A-2)の構造、
【化9】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0043】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-A-3)の構造、
【化10】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0044】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-B)の構造、
【化11】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、Rは、非置換C1-6アルキル、または非置換C3-6シクロアルキルである基によって置換されるC1-6アルキルであり、XはOであり、cは、0、1、2、または3である。
【0045】
複数の実施形態では、RはCHである。
【0046】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-B-1)の構造、
【化12】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0047】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-B-2)の構造、
【化13】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0048】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-B-3)の構造、
【化14】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0049】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-C)の構造、
【化15】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中
は、H、非置換C1-6アルキル、または非置換C3-6シクロアルキルである基で置換されたC1-6アルキルであり、
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、CH(CH)-(CH、CH(CH)-(CH-NHC(O)、CH(CH)-(CH-NCHC(O)、CH(CH)-(CH-NHC(O)、CH(CH)-(CH-NCHC(O)、CH(CH)-(CH-C(O)NH、CH(CH)-(CH-C(O)NCH、CH(CH)-(CH-C(O)NH、またはCH(CH)-(CH-C(O)NCHであり、または
-L-Xは、
【化16】
である。
【0050】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0051】
複数の実施形態では、L-L-XはCH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、(CH-O、CH(CH)-(CH-NHC(O)、CH(CH)-(CH-NCHC(O)、CH(CH)-(CH-NHC(O)、CH(CH)-(CH-NCHC(O)、CH(CH)-(CH-C(O)NH、CH(CH)-(CH-C(O)NCH、CH(CH)-(CH-C(O)NH、またはCH(CH)-(CH-C(O)NCHである。
【0052】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-C-1)の構造、
【化17】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0053】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-C-2)の構造、
【化18】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、RはHまたはCHである。
【0054】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-C-3)の構造、
【化19】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0055】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-C-4)の構造、
【化20】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0056】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-D)の構造、
【化21】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中
はHまたは非置換C1-6アルキルであり、かつ
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化22】
である。
【0057】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0058】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、またはCH(CH)-(CH-NCHである。
【0059】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-D-1)の構造、
【化23】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、RはHまたはCHであり、RはHまたはCHであり、oは1または2である。
【0060】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-DE)の構造、
【化24】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中
はHまたは非置換C1-6アルキルであり、かつ
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化25】
である。
【0061】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0062】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0063】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-E-1)の構造、
【化26】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中
oは2または3である。
【0064】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-F)の構造、
【化27】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中
はHまたは非置換C1-6アルキルであり、かつ
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化28】
である。
【0065】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0066】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0067】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-F-1)の構造、
【化29】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、oは1または2である。
【0068】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-G)の構造、
【化30】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中
は、非置換C1-6アルキルまたは非置換C3-6シクロアルキルである基で置換されたC1-6アルキルであり、かつ
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化31】
である。
【0069】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0070】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、または(CH-Oである。
【0071】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-G-1)の構造、
【化32】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0072】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-H)の構造、
【化33】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中
はCHまたはNであり、
は、非置換C1-6アルキルまたは非置換C3-6シクロアルキルである基で置換されたC1-6アルキルであり、かつ
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化34】
である。
【0073】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0074】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、または(CH-Oである。
【0075】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-H-1)の構造、
【化35】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0076】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-I)による構造、
【化36】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中
はHまたは非置換C1-6アルキルであり、
各XおよびXは、CHまたはNであり、
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CHCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化37】
である。
【0077】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0078】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CHCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0079】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-I-1)の構造、
【化38】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、各XおよびXはCHまたはNである。
【0080】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-J)の構造、
【化39】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中
はHまたは非置換C1-6アルキルであり、
10はCHまたはNであり、
-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O、CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CHCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHであり、または
-L-Xは、
【化40】
である。
【0081】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0082】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CHCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0083】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-J-1)の構造、
【化41】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、X10はCHまたはNである。
【0084】
複数の実施形態では、RはF、CN、またはNHである。
【0085】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造1の構造を有し、
【化42】
式中、
は、NH、NCH、またはOであり、Rは、3~6員の酸素含有または窒素含有のヘテロシクロアルキル、C3-7シクロアルキル、またはC1-6アルキルであり、前述のC3-7シクロアルキルまたはC1-6アルキルは、OH、NH、NMe、ピペリジニル、およびCONHから選択される一つまたは二つの置換基を含む。
【0086】
複数の実施形態では、Rは、以下のとおりである。
【化43】
【0087】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造2の構造を有し、
【化44】
式中、
10は、H、OH、C1-6アルキル、またはCONR10A10Bであり、前述のC1-6アルキルは、OHおよびCNから選択される一つまたは二つの置換基を含み、
各R10AおよびR10Bは、独立してH、非置換C1-6アルキル、アルコキシで置換されたC1-6アルキルであり、またはR10AおよびR10Bは、それらが結合される窒素原子と共に、非置換の3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0088】
複数の実施形態では、Rは、以下のとおりである。
【化45】
【0089】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造3の構造を有し、
【化46】
式中、
11は、H、OH、アミノ、モノ(C1-6アルキル)アミノ、ジ(C1-6アルキル)アミノ、-CH-[ジ(C1-6アルキル)アミノ]、CN、C1-6アルキル、CONH2、CONHMe、COOH、COMe、またはCONR11A11Bであり、前述のC1-6アルキルは、OH、F、およびNR11A11Bから選択される一つまたは二つの置換基を含み、
各R11AおよびR11Bは、独立して非置換C1-6アルキルであるか、またはR11AおよびR11Bは、それらが結合される窒素原子と共に、メチルまたはイソプロピルで置換された3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0090】
複数の実施形態では、Rは、以下のとおりである。
【化47】
【0091】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造4の構造を有し、
【化48】
式中、
は、N、O、S、SO、またはSOであり、各R12は、存在する場合、オキソ、メチル、またはシクロプロピルであり、pは0または1であり、qは0、1、または2であり、uは0または1である。
【0092】
複数の実施形態では、Rは、以下のとおりである。
【化49】
【0093】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造5の構造を有し、
【化50】
式中、
rは1または2であり、各R13AおよびR13Bは、独立して非置換C1-6アルキルであり、またはR13AおよびR13Bは、それらが結合される窒素原子と共に、N-メチル3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0094】
複数の実施形態では、Rは、以下のとおりである。
【化51】
【0095】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造6の構造を有し、
【化52】
式中、
各R14AおよびR14Bは、独立してH、非置換C1-6アルキル、またはCNで置換された5~6員のシクロアルキル環である。
【0096】
複数の実施形態では、Rは、
【化53】
である。
【0097】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造7の構造を有し、
【化54】
式中、
sは、0、1、2、または3であり、
vは、0、1、2、または3であり、
A1は、フェニル、5~6員のヘテロアリーレン、または5~6員のヘテロシクロアルキルであり、
15は、独立して
ハロゲン
非置換C1-6アルキル、
3-6シクロアルキル、
OHまたはOMeで置換されたC1-6アルキル、
ハロ、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノで置換されたC1-6アルキル、
ハロ、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノで置換されたC1-6アルコキシル、
8~9員のヘテロシクロアルキル、
-(CH-(5~6員のヘテロシクロアルキル)、
-(CH-(5~6員のヘテロアリール)、
-(CO)-(5~6員のヘテロシクロアルキル)、
-(CO)-(5~6員のヘテロアリール)、
-O-(5~6員のヘテロシクロアルキル)、
-O-(5~6員のヘテロアリール)、
-(CH-NH-(ハロ、OH、OMe、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノで置換されたC1-6アルキル)、
-(CH-NMe-(ハロ、OH、OMe、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノで置換されたC1-6アルキル)である。
【0098】
複数の実施形態では、A1は、フラン、ピラゾール、ピロール、チアゾール、オキサゾール、フェニル、ピリジル、または二環式の窒素を含む8~9員のヘテロシクロアルキルである。
【0099】
複数の実施形態では、サブ構造7は以下のとおりである。
【化55-1】
【化55-2】
【0100】
複数の実施形態では、各R15は独立して、-F、-Cl、-CH、-CHCH、-CH(CH2、
【化56-1】
【化56-2】
である。
【0101】
複数の実施形態では、化合物は、化合物(1)-(58)、(61)-(71)、(73)-(80)、および(82)-(193)のうちのいずれか一つからなる群から選択されるか、またはその薬学的に許容される塩である。
【0102】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載される任意の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を特徴とする。
【0103】
別の態様では、本発明は、有効量の本明細書に記載される任意の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物を、それを必要とするヒトに投与することを含む、癌の治療方法を特徴とする。
【0104】
複数の実施形態では、癌は肺癌である。
【0105】
複数の実施形態では、癌は、非小細胞肺癌である。
【0106】
複数の実施形態では、癌(例えば、非小細胞肺癌などの肺癌)は、EGFR駆動癌である。
【0107】
複数の実施形態では、癌(例えば、非小細胞肺癌などの肺癌)は、EGFR変異によって特徴付けられる。
【発明を実施するための形態】
【0108】
定義
本発明がより容易に理解されるように、ある特定の用語が以下で最初に定義される。以下の用語および他の用語の追加の定義は、本明細書全体に記載される。本発明の背景を説明し、かつその実施に関するさらなる詳細を提供するために本明細書で参照される刊行物および他の参考資料は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0109】
動物:本明細書で使用される「動物」という用語は、動物界の任意のメンバーを指す。いくつかの実施形態では、「動物」とは、任意の発育段階のヒトを指す。いくつかの実施形態では、「動物」とは、任意の発育段階の非ヒト動物を指す。ある特定の実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類、および/またはブタ)である。いくつかの実施形態では、動物には、哺乳動物、鳥、爬虫類、両生類、魚、昆虫、および/または寄生虫が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子操作された動物、および/またはクローンであり得る。
【0110】
およそまたは約:本明細書で使用される場合、目的とする一つ以上の値に適用される「およそ」または「約」という用語は、明記された参照値と同様の値を指す。ある特定の実施形態では、「およそ」または「約」という用語は、別途提示されない限り、または文脈から明らかではない限り(かかる数が可能な値の100%を超える場合を除く)、提示される参照値のいずれか(それよりも大きいまたは小さい)の方向で25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ未満内に収まる値の範囲を指す。
【0111】
本明細書および付属の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「当該(the)」は、文脈による別段の明確な定めがない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「組成物」という用語は、二つ以上のこうした組成物の混合物を含む。
【0112】
本明細書の説明および特許請求の範囲全体を通して、「含む(comprise)」という単語、ならびに「含む(comprising)」および「含む(comprises)」などの他の形態の単語は、含むを意味するが、これに限定されず、例えば、他の添加物、構成要素、整数、または工程を除外することを意図しない。
【0113】
「任意の」または「任意に」は、その後に記載された事象または状況が発生する可能性があるかないか、および説明には事象または状況が発生する場合および発生しない場合が含まれることを意味する。
【0114】
改善する、増加する、または低減する:本明細書で使用される「改善する」、「増加する」、もしくは「減少する」、または文法的同義語は、ベースライン測定、例えば、本明細書に記載される治療の開始前の同じ個体における測定、または本明細書に記載される治療の不在下での対照対象(または複数の対照対象)における測定と比較した値を示す。「対照対象」は、治療されている対象と同じ疾患形態に罹患しており、治療されている対象とほぼ同じ年齢である対象である。
【0115】
インビトロ:本明細書で使用される「インビトロ」という用語は、多細胞生命体内ではなく、例えば試験管内または反応容器内、細胞培養液中などの人工的な環境で生じる事象を指す。
【0116】
インビボ:本明細書で使用される「インビボ」という用語は、ヒトおよび非ヒト動物などの多細胞生物内で生じる事象を指す。細胞ベースの系の文脈において、この用語は、(例えば、インビトロ系とは対照的に)生細胞内で生じる事象を指すために使用され得る。
【0117】
患者:本明細書で使用される「患者」または「対象」という用語は、提供される組成物が、例えば、実験、診断、予防、美容、および/または治療目的のために投与され得る任意の生物体を意味する。典型的な患者には、動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、および/またはヒトなどの哺乳動物)が含まれる。いくつかの実施形態では、患者は、ヒトである。ヒトには、出生前形態および出生後形態が含まれる。
【0118】
薬学的に許容される:「薬学的に許容される」という用語は、本明細書で使用される場合、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を伴うことなくヒトおよび動物の組織と接触した状態での使用に好適であり、合理的な利益/リスク比に見合う物質を指す。従って、薬学的に許容されるとは、生物学的にまたはそれ以外で望ましくなくない物質に関連し、すなわち、材料は、臨床的に許容できない生物学的効果を引き起こすことなく、またはそれが含有される医薬組成物の他の成分のいずれかと有害な方法で相互作用することなく、関連する活性化合物と共に個人に投与されてもよい。
【0119】
薬学的に許容される塩:薬学的に許容される塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、薬学的に許容される塩についてJ.Pharmaceutical Sciences(1977)66:1-19で詳細に説明している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、好適な無機酸および有機酸ならびに無機塩基および有機塩基に由来するものが含まれる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などの無機酸を用いて、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸などの有機酸を用いて、またはイオン交換などの当該技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されたアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基に由来する塩には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、およびN(C1-4-アルキル)塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを含む。さらなる薬学的に許容される塩には、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、およびアリールスルホン酸塩等の対イオンを使用して形成された非毒性アンモニウムカチオン、四級アンモニウムカチオン、およびアミンカチオンが挙げられる。さらなる薬学的に許容される塩には、適切な求電子剤、例えば、ハロゲン化アルキルを使用して四級化アルキル化アミノ塩を形成する、アミンの四級化から形成される塩が挙げられる。
【0120】
対象:本明細書で使用される「対象」という用語は、ヒトまたは任意の非ヒト動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマ、または霊長類)を指す。ヒトには、出生前形態および出生後形態が含まれる。多くの実施形態では、対象は、ヒトである。対象は、患者であり得、疾患の診断または治療のために医療提供者を受診するヒトを指す。「対象」という用語は、本明細書で「個体」または「患者」と互換的に使用される。対象は、疾患または障害に罹患し得るか、またはそれに罹り易いが、疾患または障害の症状を呈する場合も呈さない場合もある。
【0121】
実質的に:本明細書で使用される「実質的に」という用語は、目的とする特徴または特性の全またはほぼ全範囲または程度を呈する質的状態を指す。生物学分野の当業者であれば、生物学的および化学的現象が、完了すること、および/または完了に至ること、または絶対的結果を達成もしくは回避することが、仮にあったとしてもめったにないことを理解するであろう。したがって、「実質的に」という用語は本明細書において、多くの生物学的および化学的現象に固有の完了の潜在的な欠如を捉えるために使用される。
【0122】
治療有効量:本明細書で使用される場合、治療薬の「治療有効量」という用語は、疾患、障害、および/または状態に罹患しているか、またはそれに罹り易い対象に投与されたときに、その疾患、障害、および/または状態の症状を治療する、診断する、予防する、および/またはその発症を遅延させるのに十分な量を意味する。当業者であれば、治療有効量が、典型的には、少なくとも一つの単位用量を含む投薬レジメンにより投与されることを理解する。
【0123】
治療すること:本明細書で使用される「治療する」、「治療」、または「治療すること」という用語は、特定の疾患、障害、および/もしくは状態の一つ以上の症状もしくは特徴を部分的にまたは完全に緩和する、改善する、軽減する、抑制する、予防する、その発症を遅延させる、その重症度を低減する、および/またはその発生率を低減するために使用される任意の方法を指す。治療は、疾患の徴候を呈していない対象、および/または疾患の初期の徴候のみを呈している対象に、その疾患に関連する病態を発症させるリスクを減少させることを目的として施され得る。
【0124】
用語(例えば、アルキルまたはアリール)またはそのいずれかの接頭辞語根(例えばアルキ-(alk)またはアリ-(ar))が置換基の名称にある場合、その名称は、常に、本明細書に提供される制限を含むと解釈されるべきである。例えば、接尾辞「-エン(ene)」を基に付加すると、基が二価の部分であることを示し、例えばアリーレンは、アリールの二価部分であり、ヘテロアリーレンは、ヘテロアリールの二価部分であり、ヘテロシクロアルキレンは、ヘテロシクロアルキルの二価部分である。同様に、接尾辞「-オキシ」を基に付加すると、基が酸素原子(-O-)を介して親分子構造に結合されていることを示す。
【0125】
アルキル:本明細書で使用される「アルキル」という用語は、非環状直鎖状および分岐状炭化水素基を意味し、例えば、「C-C20アルキル」は、1-20個の炭素を有するアルキル基を指し、「C-Cアルキル」は、1-4個の炭素を有するアルキル基を指す。アルキル基には、C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、C-Cアルキル、およびC-Cアルキル)が含まれる。複数の実施形態では、アルキル基は、C-Cアルキルである。アルキル基は、直鎖状または分岐状であり得る。アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチルヘキシル、イソヘキシル等が挙げられるが、これらに限定されない。用語「低級アルキル」は、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルのアルキル基を意味する。他のアルキル基は、本開示の利益を考慮して、当業者に容易に明らかである。アルキル基は、非置換であり得るか、または本明細書に記載される一つ以上の置換基で置換され得る。例えば、アルキル基は、ハロゲン、-COR’、-COH、-COR’、-CN、-OH、-OR’、-OCOR’、-OCOR’、-NH、-NHR’、-N(R’)、-SR’、または-SOR’のうちの一つ以上(例えば、1、2、3、4、5、または6つの、独立して選択される置換基)で置換され、式中、R’の各例は、独立してC-C20脂肪族(例えば、C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、C-Cアルキル、またはC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は、独立して非置換アルキル(例えば、非置換C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、またはC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は、独立して非置換C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、アルキルは、(例えば、本明細書に記載される1、2、3、4、5、または6つの置換基で)置換されている。いくつかの実施形態では、アルキル基は、-OH基で置換され、本明細書で「ヒドロキシアルキル」基とも称され得、ここで、接頭辞は、-OH基を示し、「アルキル」は、本明細書に記載されるとおりである。いくつかの実施形態では、アルキル基は、a-OR’基で置換される。
【0126】
アルキレン:本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、飽和二価直鎖または分岐鎖炭化水素基を表し、メチレン、エチレン、イソプロピレンなどによって例示される。同様に、本明細書で使用される「アルケニレン」という用語は、鎖に沿って任意の安定した点で生じ得る一つ以上の不飽和炭素-炭素二重結合を有する不飽和二価直鎖または分岐鎖炭化水素基を表し、本明細書における「アルキニレン」という用語は、鎖に沿って任意の安定した点で生じ得る一つ以上の不飽和炭素-炭素三重結合を有する不飽和二価直鎖または分岐鎖炭化水素基を表す。ある特定の実施形態では、アルキレン基、アルケニレン基、またはアルキニレン基は、一つ以上の環状脂肪族および/または酸素、窒素、もしくは硫黄などの一つ以上のヘテロ原子を含み得、アルキル、ハロ、アルコキシル、ヒドロキシ、アミノ、アリール、エーテル、エステル、またはアミドなどの一つ以上の置換基で任意選択的に置換され得る。例えば、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンは、ハロゲン、-COR’、-COH、-COR’、-CN、-OH、-OR’、-OCOR’、-OCOR’、-NH、-NHR’、-N(R’)、-SR’、または-SOR’のうちの一つ以上(例えば、1、2、3、4、5、または6つの、独立して選択される置換基)で置換され得、式中、R’の各例は独立して、C-C20脂肪族(例えば、C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、またはC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は、独立して非置換アルキル(例えば、非置換C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、またはC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は、独立して非置換C-Cアルキルである。ある特定の実施形態では、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンは、非置換である。ある特定の実施形態では、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンは、いずれのヘテロ原子も含まない。
【0127】
アルケニル:本明細書で使用される「アルケニル」は、鎖に沿って任意の安定した点で生じ得る一つ以上の不飽和炭素-炭素二重結合を有する任意の直鎖状または分岐状炭化水素鎖を意味し、例えば、「C-C20アルケニル」は、2-20個の炭素を有するアルケニル基を指す。例えば、アルケニル基には、プロプ-2-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-3-エニル、2-メチルプロプ-2-エニル、ヘキサ-2-エニル、ヘキサ-5-エニル、2,3-ジメチルブタ-2-エニルなどが含まれる。いくつかの実施形態では、アルケニルは、1、2、または3つの炭素-炭素二重結合を含む。いくつかの実施形態では、アルケニルは、単一の炭素-炭素二重結合を含む。いくつかの実施形態では、複数の二重結合(例えば、2つまたは3つ)が共役している。アルケニル基は、非置換であり得るか、または本明細書に記載される一つ以上の置換基で置換され得る。例えば、アルケニル基は、ハロゲン、-COR’、-COH、-COR’、-CN、-OH、-OR’、-OCOR’、-OCOR’、-NH、-NHR’、-N(R’)、-SR’、または-SOR’のうちの一つ以上(例えば、1、2、3、4、5、または6つの、独立して選択される置換基)で置換され得、式中、R’の各例は独立して、C-C20脂肪族(例えば、C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、またはC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は、独立して非置換アルキル(例えば、非置換C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、またはC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は、独立して非置換C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、アルケニルは、非置換である。いくつかの実施形態では、アルケニルは、(例えば、本明細書に記載される1、2、3、4、5、または6つの置換基で)置換されている。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、-OH基で置換され、本明細書で「ヒドロキシアルケニル」基とも称され得、ここで、接頭辞は、-OH基を示し、「アルケニル」は、本明細書に記載されるとおりである。
【0128】
アルキニル:本明細書で使用される「アルキニル」とは、鎖に沿って任意の安定した点で生じる一つ以上の炭素-炭素三重結合を有する直鎖状配置または分岐状配置のいずれかの任意の炭化水素鎖を意味し、例えば、「C-C20アルキニル」は、2-20個の炭素を有するアルキニル基を指す。アルキニル基の例には、プロプ-2-イニル、ブタ-2-イニル、ブタ-3-イニル、ペンタ-2-イニル、3-メチルペンタ-4-イニル、ヘキサ-2-イニル、ヘキサ-5-イニル等が挙げられる。いくつかの実施形態では、アルキニルは、一つの炭素-炭素三重結合を含む。アルキニル基は、非置換であり得るか、または本明細書に記載される一つ以上の置換基で置換され得る。例えば、アルキニル基は、ハロゲン、-COR’、-COH、-COR’、-CN、-OH、-OR’、-OCOR’、-OCOR’、-NH、-NHR’、-N(R’)、-SR’、または-SOR’のうちの一つ以上(例えば、1、2、3、4、5、または6つの、独立して選択される置換基)で置換され得、式中、R’の各例は独立して、C-C20脂肪族(例えば、C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、またはC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は、独立して非置換アルキル(例えば、非置換C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、またはC-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、R’は、独立して非置換C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、アルキニルは、非置換である。いくつかの実施形態では、アルキニルは、(例えば、本明細書に記載される1、2、3、4、5、または6つの置換基で)置換されている。
【0129】
アルコキシ:用語「アルコキシ」は、酸素を介して親分子構造に結合される、直線状、分岐状、飽和環状構成およびそれらの組み合わせの1~10個の炭素原子を含む、-O-アルキル基を指す。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t-ブトキシ、ペントキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。「低級アルコキシ」は、一から六個の炭素を含むアルコキシ基を指す。いくつかの実施形態では、C1-4アルコキシは、1~4個の炭素原子の直鎖および分岐鎖アルキルの両方を包含するアルコキシ基である。本明細書に別段の記載がない限り、アルコキシ基は、一つ以上の置換基(例えば、アルキルについて本明細書に記載されるように)によって任意に置換され得る。用語「アルケノキシ」および「アルキノキシ」は、上記の「アルコキシ」の記述によく似ており、接頭辞「alk」は「alken」または「alkyn」でそれぞれ置換され、親「アルケニル」または「アルキニル」の用語は本明細書に記載されるとおりである。
【0130】
アミド:用語「アミド」または「アミド」は、式-C(O)N(R’)、-C(O)N(R’)-、-NR’C(O)R’、または-NR’C(O)-を有する化学部分を指し、各R’は、独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル(鎖炭素を介して結合)、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール(環炭素を介して結合)、ヘテロアリールアルキル、またはヘテロシクロアルキル(環炭素を介して結合)から選択され、本明細書に別段の記載がない限り、その各部分自体は、本明細書に記載されるように任意で置換されてもよく、または二つのR’は窒素原子と結合して、3、4、5、6、または7員の環を形成してもよい。
【0131】
アミノ:用語“アミノ”または“アミン”は、-N(R’)基を指し、各R’は、独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル(鎖炭素を介して結合)、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール(環炭素を介して結合)、ヘテロアリールアルキル、またはヘテロシクロアルキル(環炭素を介して結合)から選択され、本明細書に別段の記載がない限り、その各部分自体は、本明細書に記載されるように任意で置換されてもよく、または二つのR’は窒素原子と結合して、3、4、5、6、または7員の環を形成してもよい。複数の実施形態では、アミノ基は、-NHR’であり、R’はアリール(アリールアミノ)、ヘテロアリール(ヘテロアリールアリールアミノ)、またはアルキル(アルキルアミノ)である。
【0132】
アリール: 「アラルキル」の場合と同様に、単独でまたはより大きい部分の一部として使用される「アリール」という用語は、合計六から十四個の環部材を持つ単環式、二環式、または三環式炭素環構造を意味し、ここにおいて、前述の環構造は、分子の残りと単一の結合点を有し、システム内の少なくとも一つの環は芳香族であり、およびここにおいて、システム内の各環は4~7個の環部材を含む。いくつかの実施形態では、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「Cアリール」、例えば、フェニル)。いくつかの実施形態では、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、1-ナフチルおよび2-ナフチルなどのナフチル)。いくつかの実施形態では、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」;例えば、アントラシル(anthracyl))。「アリール」は環系も含み、この場合において上記に定義されるようにアリール環は一つ以上の炭素環基またはヘテロシクリル基と縮合され、この場合において結合ラジカルまたは結合点はアリール環上にあり、そうした例では、炭素原子数は続いてアリール環系の炭素数を指定する。アリールの例としては、フェニル、ナフチル、およびアントラセンが挙げられる。
【0133】
アリールアルキル:用語「アリールアルキル」は、アリールおよびアルキレンが本明細書に開示される通りであり、本明細書に記載される例示的置換基のうちの一つ以上によって任意に置換される、-(アルキレン)-アリールラジカルを指す。「アリールアルキル」基は、アルキレン部分を介して親分子構造に結合される。用語「アリールアルコキシ」は、酸素を介して親分子構造に結合される-O-[アリールアルキル]ラジカル(-O-[(アルキレン)-アリール])を指す。
【0134】
アリーレン:本明細書で使用される用語「アリーレン」は、二価のアリール基を指す(すなわち、分子に対し、二つの結合点を有する)。アリーレンの例としては、フェニレン(例えば、非置換フェニレンまたは置換フェニレン)が挙げられる。
【0135】
環状:本明細書で使用される用語「環状」は、任意の共有結合で閉ざされた構造を指す。環状部分は、例えば、炭素環(例えば、アリールおよびシクロアルキル)、複素環(例えば、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキル)、芳香族(例えば、アリールおよびヘテロアリール)、および非芳香族(例えば、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル)を含む。いくつかの実施形態では、環状部分は、任意に置換されている。いくつかの実施形態では、環状部分は環系の一部を形成する。
【0136】
脂環式:用語「脂環式」は、炭素および水素のみを含み、飽和または部分不飽和であり得る単環式または多環式ラジカルを指す。完全に飽和した脂環式は、「シクロアルキル」と呼んでもよい。部分的に不飽和なシクロアルキル基は、炭素環が少なくとも一つの二重結合を含む場合、「シクロアルケニル」と呼んでもよく、または炭素環が少なくとも一つの三重結合を含有する場合、「シクロアルキニル」と呼んでよい。脂環式基は、3~13個の環原子(例えば、C3-13シクロアルキル)を有する基を含む。本明細書で現れる時はいつでも、例えば、「3~10」などの数値範囲は、所与の範囲の各整数を指し、例えば、「3~10個の炭素原子」は、脂環式基(例えば、シクロアルキル)が、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子など、10個の炭素原子を上限として、それらを含むことができることを意味する。用語「脂環式」はまた、ヘテロ原子を含有しない架橋およびスピロ縮合環状構造を含む。この用語はまた、単環式または融合環式多環式(すなわち、環原子の隣接する対を共有する環)基を含む。多環式脂環式基には、二環、三環、四環などが含まれる。いくつかの実施形態では、「シクロアルキル」は、C3-8シクロアルキル基であってもよい。いくつかの実施形態では、「シクロアルキル」は、C3-5シクロアルキル基であってもよい。脂環式基の例には、限定されないが、以下の部分が含まれる。C3-6脂環式基には、シクロプロピル(C)、シクロブチル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)などが含まれるが、これらに限定されない。C3-7脂環式基の例としては、ノルボルニル(C)が挙げられる。C3-8脂環式基の例としては、前述のC3-7カルボシクリル基、ならびにシクロヘプチル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプト-アトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニルなどが挙げられる。C3-13脂環式基の例としては、前述のC3-8カルボシクリル基、ならびにオクタヒドロ-1Hインデニル、デカヒドロナフタレニル、スピロ[4.5]デカニルなどが挙げられる。
【0137】
シアノ:用語「シアノ」は、-CN基を指す。
【0138】
重水素:用語「重水素」は、重水素とも呼ばれる。重水素は、一つのプロトンおよび一つの中性子からなる核を有する水素の同位体であり、これは、通常の水素の核の質量(一つのプロトン)の二倍である。複数の実施形態では、重水素はまた、Hとして識別されてもよい。
【0139】
エステル:用語「エステル」は、式-C(O)OR’または-R’OC(O)-の基を指し、R’は、本明細書に記載されるアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル(鎖炭素を介して結合)、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、またはヘテロシクロアルキルから選択される。
【0140】
ハロゲンまたはハロ:本明細書で使用される場合、用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。
【0141】
ヘテロアルキル:「ヘテロアルキル」という用語は、N、O、S、およびPからなる群から独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子に加え、1~14の炭素原子を有する、分枝鎖または非分枝状アルキル、アルケニル、またはアルキニル基を意味する。ヘテロアルキルは、三次アミン、二次アミン、エーテル、チオエーテル、アミド、チオアミド、カルバメート、チオカルバメート、ヒドラゾン、イミン、ホスホジエステル、ホスホルアミデート、スルホンアミド、およびジスルフィドを含む。ヘテロアルキル基は、任意で、単環式、二環式、または三環式環を含む場合があり、各環は望ましくは三から六員を有する。ヘテロアルキルの例には、メトキシメチルおよびエトキシエチルなどのポリエーテルが含まれる。したがって、用語「ヘテロアルコキシ」は、基-O-ヘテロアルキルを指し、基は酸素を介して親分子構造に結合される。
【0142】
ヘテロアルキレン:本明細書で使用される「ヘテロアルキレン」という用語は、本明細書に記載されるヘテロアルキル基の二価形態を表す。
【0143】
ヘテロアリール:本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、合計六から十四個の環メンバーを有する単環式、二環式、または三環式炭素環系を指し、前述の環系は、残りの分子と単一の付着点を有し、系における少なくとも一つの環は芳香族であり、系の各環は4~7つの環員を含み、少なくとも一つの環原子は、窒素および酸素などであるがこれらに限定されない、ヘテロ原子である。ヘテロアリール基の例としては、ピリジニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピラゾリル、トリアゾリル,ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル,イソキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンジミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、およびフロピリジニルが挙げられる。したがって、用語「ヘテロアリールオキシ」は、基-O-ヘテロアリールを指し、基は酸素を介して親分子構造に結合される。
【0144】
ヘテロアリールアルキル:用語「ヘテロアリールアルキル」は、ヘテロアリールおよびアルキレンが本明細書に開示される通りであり、本明細書に記載される例示的置換基のうちの一つ以上によって任意に置換される、-(アルキレン)-ヘテロアリールラジカルを指す。「ヘテロアリールアルキル」基は、アルキレン部分を介して親分子構造に結合される。用語「ヘテロアリールアルコキシ」は、酸素を介して親分子構造に結合される-O-[ヘテロアリールアルキル]ラジカル(-O-[(アルキレン)-ヘテロアリール])を指す。
【0145】
ヘテロシクロアルキル:本明細書で使用される「ヘテロシクロアルキル」という用語は、少なくとも一つの原子が窒素、酸素、硫黄、またはリンなどであるがこれらに限定されない、ヘテロ原子であり、残りの原子が炭素である、非芳香族環である。ヘテロシクロアルキル基の例としては、ピロリジニル、 テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、インドリニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル,ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、3H-インドリルおよびキノリジニル、が挙げられる。ヘテロシクロアルキル基は、置換または非置換であり得る。
【0146】
複素環:用語「複素環」は、本明細書で使用されるヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルを指し、各O、SおよびNから選択される一から四個のヘテロ原子を含む基を指し、前述の基の環は二個の隣接するOまたはS原子を含有しないという条件で、各複素環基はその環系に4~10個の原子を有する。本明細書では、複素環中の炭素原子の数が示されるたびに(例えば、C1--複素環)、少なくとも一つの他の原子(複素原子)が環内に存在しなければならない。「C-C-複素環」などの指定は、環中の炭素原子の数のみを指し、環中の原子の総数を指すものではない。いくつかの実施形態では、複素環は、環内に追加のヘテロ原子を有することが理解される。「4~6員の複素環」などの指定は、環(すなわち、少なくとも一つの原子が炭素原子であり、少なくとも一つの原子が複素原子であり、残りの二から四個の原子が炭素原子またはヘテロ原子のいずれかである、四、五、または六員の環)に含まれる原子の総数を指す。いくつかの実施形態では、二つ以上のヘテロ原子を有する複素環において、それらの二つ以上のヘテロ原子は、互いに同一であるか、または異なっている。いくつかの実施形態では、複素環は、置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、複素環との結合は、複素原子において、または炭素原子を介してである。ヘテロシクロアルキル基は、その環系に4個の原子のみを有する基を含むが、ヘテロアリール基は、その環系に少なくとも5個の原子を有する必要がある。複素環基は、ベンゾ融合環系を含む。4員の複素環基の例は、アゼチジニル(アゼチジン由来)である。5員の複素環基の例は、チアゾリルである。6員複素環基の例はピリジルであり、10員複素環基の例はキノリニルである。いくつかの実施形態では、上述の群は、上記に列挙された群に由来するため、それらが可能な場合、C結合またはN結合である。例えば、いくつかの実施形態では、ピロールに由来する基は、ピロール-1-イル(N-付着)またはピロール-3-イル(C-付着)である。さらに、いくつかの実施形態では、イミダゾールに由来する基は、イミダゾール-1-イルまたはイミダゾール-3-イル(両方ともN-付着)またはイミダゾール-2-イル、イミダゾール-4-イルまたはイミダゾール-5-イル(すべてC-付着)である。複素環基には、ベンゾ融合環系およびピロリジン-2-オンなどの一つまたは二つのオキソ(=O)部分で置換された環系が含まれる。いくつかの実施形態では、構造に応じて、複素環基は、モノラジカルまたはジラジカル(すなわち、ヘテロシクレン基)である。本明細書に記載される複素環は、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルキル、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルチオ、アルキルチオアルキル、アルニル、カルボキシ、シアノ、ホルミル、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキレン、メルカプト、ニトロ、アミノ、およびアミド部分から独立して選択される、0、1、2、3、または4個の置換基で置換される。
【0147】
同位体:用語「アイソトープ」は、中性子数、ひいては核子数が異なる特定の化学元素のバリアントを指す。所与の構成部分のすべての同位体は、同じ数のプロトンを有するが、各原子において異なる数の中性子を有する。
【0148】
ニトロ:用語「ニトロ」は、-NO基を指す。
【0149】
スルホンアミド:用語「スルホンアミド(sulfonamide)」または「スルホンアミド(sulfonamido)」は、以下の群を指す。-S(=O)-(R’)、-N(R’)-S(=O)-R’、-S(=O)-N(R’)-、または-N(R’)-S(=O)-、各Rは、独立して水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル(鎖炭素を介して結合)、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール(環炭素を介して結合)、ヘテロアリールアルキル、またはヘテロシクロアルキル(環炭素を介して結合)から選択され、本明細書に別段の記載がない限り、その各部分自体は、本明細書に記載されるように任意で置換されてもよく、または二つのR’は窒素原子と組み合わせて、3、4、5、6、または7員の環を形成する。
【0150】
部分:用語「部分」は、分子の特定のセグメントまたは官能基を指す。化学部分は、しばしば、分子内に埋め込まれた、または分子に付加された、化学実体として認識される。
【0151】
本明細書の分子基は、置換または非置換(例えば、本明細書に記載されるように)であってもよい。用語「置換された」は、指定された基または部分が一つ以上の置換基を有することを意味し、基原子上に存在する少なくとも一つの水素(例えば、炭素または窒素原子)は、許容可能な置換基、例えば、水素の置換時に安定した化合物、例えば、再構成、環化、除去、または他の反応などによって自発的に形質転換されない化合物、をもたらす置換基で置換される。用語「非置換」は、指定された基が置換基を有しないことを意味する。用語「任意に置換された」は、指定された基が非置換であるか、または一つ以上の置換基によって置換されることを意味する。用語「置換された」が構造システムを記述するために使用される場合、置換は、システム上の任意の原子価により許容される位置で起こることを意味する。複数の実施形態では、本明細書に記載される基は置換される。複数の実施形態では、本明細書に記載される基は非置換である。特定の部分または基が、任意に置換されるか、または任意の特定された置換基で置換されると明示的に記述されない場合、かかる部分または基は、非置換であることが意図されると理解される。
【0152】
幅広い置換基が周知であり、その形成および様々な親基への導入の方法も周知である。代表的な置換基としては、限定されるものではないが、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アルキルアリール、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールアルキル、アミノアルキル、ハロアルキル、チオアルキル、アルキルチオアルキル、カルボキシアルキル、イミダゾリルアルキル、インドリルアルキル、モノ-、ジ-およびトリハロアルキル、モノ-、ジ-およびトリハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ(例えば、-Clおよび-Br)、ニトロ、オキシミノ、-COOR50、-COR50、-SO0-250、-SONR5051、-NR52SO50、=C(R5051)、=N-OR50、=N-CN、=C(ハロ)、=S、=O、-CON(R5051)、-OCOR50、-OCON(R5051)、-N(R52)CO(R50)、-N(R52)COOR50、-N(R52)CON(R50(R51)、-P(OR50、-P(O)R5051、および-P(O)OR50OR51が挙げられ、R50、R51およびR52は、独立して以下から選択され得る、水素原子、および置換基を有するまたは有さない、分岐鎖または直鎖C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C4-6-ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびアリール基。許容される場合、R50およびR51は一緒に結合されて、炭素環式または複素環式環系を形成することができる。
【0153】
好ましい実施形態では、置換基は、ハロゲン、-COR’、-COH、-COR’、-CN、-OH、-OR’、-OCOR’、-OCOR’、-NH、-NHR’、-N(R’)、-SR’、および-SOR’から選択され、R’の各例は、独立的にC-C20脂肪族(例えば、C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、またはC-Cアルキル)である。ある特定の実施形態では、R’は、独立的に非置換アルキル(例えば、非置換C-C20アルキル、C-C15アルキル、C-C10アルキル、またはC-Cアルキル)である。好ましくは、R’は独立的に、非置換C-Cアルキルである。
【0154】
本明細書に与えられる任意の式は、構造式によって示される構造を有する化合物ならびに特定の変形または形態を表すことが意図される。特に、本明細書に与えられた任意の式の化合物は、非対称な中心を有してもよく、したがって、異なるエナンチオマー形態で存在する。一般式の化合物、およびそれらの混合物のすべての光学異性体および立体異性体は、式の範囲内で考慮される。ゆえに本明細書に与えられる任意の式は、ラセミ体、一つ以上のエナンチオマー形態、一つ以上のジアステレオマー形態、一つ以上のアトロプ異性体形態、およびそれらの混合物を表すことが意図される。さらに、特定の構造は、幾何学的異性体(すなわち、シスおよびトランス異性体)として、互変異性体として、またはアトプ異性体として存在し得る。さらに、本明細書に与えられる任意の式は、水和物、溶媒和物、およびこのような化合物の多形体、ならびにそれらの混合物を包含することが意図される。

式(I)および(I’)の化合物
【0155】
例示的な化合物を本明細書に記載する。
【0156】
本明細書に記載される任意の構造的特徴(例えば、本明細書に記載される任意の例示的な式に対して)は、本明細書に記載される任意の例示的式に対して記載される任意の他の構造的特徴と組み合わせて使用することができる。
【0157】
一つの態様では、本発明は、以下の式(I)の構造を有する化合物、
【化57】
またはその薬学的に許容される塩を特徴とし、
式中、
Aは、C6-10アリーレン、5~12員のヘテロアリーレン、または5~12員のヘテロシクロアルキレンであり、
はNまたはCRであり、
はNまたはCRであり、
はNまたはCRであり、
はNまたはCRであり、
はNまたはCRX’であり、
はNまたはCRX’であり、
------は、XおよびXまたはXおよびXとの間の任意の二重結合を表し、式中、唯一の二重結合が存在し、
は、共有結合、CH、O、NR、C(O)NR、またはNRC(O)であり、
は、共有結合またはC(Rであり、LはC1-4アルキレンであり、またはLおよびLは結合してC3-6シクロアルキルまたは4~6員のヘテロシクロアルキルを形成し、
は、ハロゲン、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、3~10員のヘテロシクロアルキル、CN、NR、NRC(O)R、NRC(O)NH、OR、またはC(O)NRであり、
は、存在しない、H、C1-6アルキル、ハロゲン、CN、またはC1-6アルコキシであり、
各Rは、存在する場合、独立してOH、CN、ハロゲン、C1-6アルキル、またはC1-6アルコキシであり、
nは、0、1、または2であり、
各Rは、独立してH、ORX1、CN、ハロゲン、またはC1-6アルキルであり、式中、RX1はHまたはC1-6アルキルであり、
各RX’は、独立してH、ORX1、CN、ハロゲン、またはC1-6アルキルであり、式中、RX1は、HまたはC1-6アルキルであり、またはRX’は、それが結合される炭素が二重結合の一部である場合には存在せず、
各RおよびRは、独立してHまたはC1-6アルキルであり、
各RおよびRは、独立してH、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、または3~10員のヘテロシクロアルキルであり、またはRおよびRはそれらが結合する窒素原子と共に3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成し、
は、独立してH、C1-6アルキル、または4~6員のヘテロシクロアルキルである。
【0158】
特定の例示的な構造特徴を本明細書に記載する。例示的な構造式および化合物は、本明細書に記載される特徴の任意の組み合わせを特徴とし得る。
【0159】
複数の実施形態では、------は、XとXとの間の二重結合を表し、XとXとの間には単結合がある。複数の実施形態では、XはNであり、XはCRである。複数の実施形態では、XはCであり、XはCRである。複数の実施形態では、XはNであり、XはNである。複数の実施形態では、XはNである。複数の実施形態では、XはCR(例えば、C-H)である。
【0160】
複数の実施形態では、------は、XとXとの間の二重結合を表し、XとXとの間には単結合がある。複数の実施形態では、XはCであり、XはCRである。複数の実施形態では、XはCであり、XはNである。複数の実施形態では、XはNである。複数の実施形態では、XはCR(例えば、C-H)である。
【0161】
複数の実施形態では、Aは、C6-10アリーレンである。複数の実施形態では、Aは、非置換C6-10アリーレンである。複数の実施形態では、Aは、置換C6-10アリーレン(例えば、本明細書に記載される1、2、3、または4個の置換基を含む)である。
【0162】
複数の実施形態では、Aは、5~12員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Aは、非置換の5~12員ヘテロアリーレンである。複数の実施形態では、Aは、置換された5~12員ヘテロアリーレン(例えば、本明細書に記載される1、2、3、または4個の置換基を含む)である。
【0163】
複数の実施形態では、Aは、5~12員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Aは、非置換の5~12員ヘテロシクロアルキレンである。複数の実施形態では、Aは、置換された5~12員ヘテロシクロアルキレン(例えば、本明細書に記載される1、2、3、または4個の置換基を含む)である。
【0164】
複数の実施形態では、XはNである。複数の実施形態では、XはCR(例えば、C-HまたはC-CH)である。
【0165】
複数の実施形態では、XはNである。複数の実施形態では、XはCR(例えば、C-HまたはC-CH)である。
【0166】
複数の実施形態では、XはNである。複数の実施形態では、XはCR(例えば、C-HまたはC-CH)である。
【0167】
複数の実施形態では、XはNである。複数の実施形態では、XはCR(例えば、C-HまたはC-CH)である。
【0168】
複数の実施形態では、XはNである。複数の実施形態では、XはCR(例えば、C-HまたはC-CH)である。
【0169】
複数の実施形態では、XはNである。複数の実施形態では、XはCR(例えば、C-HまたはC-CH)である。
【0170】
複数の実施形態では、Xは共有結合である。複数の実施形態では、XはCHである。複数の実施形態では、XはOである。複数の実施形態では、XはNR(例えば、NHまたはNCH)である。複数の実施形態では、Xは、C(O)NR(例えば、C(O)NHまたはC(O)CH)である。複数の実施形態では、Xは、NRC(O)(例えば、NHC(O)またはNCHC(O))である。
【0171】
複数の実施形態では、式Iの化合物は、式Iの構造、
【化58】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0172】
複数の実施形態では、Lは共有結合またはC(Rであり、かつLはC1-4アルキレンである。複数の実施形態では、Lは、共有結合である。複数の実施形態では、LはC(R(例えば、CH、CHCH3、CH(CHCH)、またはC(CH)である。複数の実施形態では、Lは、非置換C1-4アルキレン(例えば、CH、(CH、(CH、または(CH)である。複数の実施形態では、Lは、置換C1-4アルキレン(例えば、OH、オキソ(=O)、または非置換C1-3アルキルで置換されるC1-4アルキレン)である。
【0173】
複数の実施形態では、LおよびLは結合して、C3-6シクロアルキルまたは4~6員のヘテロシクロアルキルを形成する。複数の実施形態では、LおよびLは結合して、C3-6シクロアルキルを形成する。複数の実施形態では、LおよびLは結合して、シクロプロピルを形成する。複数の実施形態では、LおよびLは結合して、シクロブチルを形成する。複数の実施形態では、LおよびLは結合して、シクロペンチルを形成する。複数の実施形態では、LおよびLは結合して、シクロヘキシルを形成する。複数の実施形態では、LおよびLは結合して、非置換C4-6シクロアルキルを形成する。複数の実施形態では、LおよびLは結合して、置換されたC4-6シクロアルキル(例えば、本明細書に記載される1、2、または3個の置換基を含む)を形成する。複数の実施形態では、LおよびLは結合して、4~6員のヘテロシクロアルキルを形成する。複数の実施形態では、LおよびLは結合して、テトラヒドロピラニルを形成するる。複数の実施形態では、LおよびLは結合して、非置換4~6員のヘテロシクロアルキルを形成する。複数の実施形態では、LおよびLは結合して、置換された4~6員のヘテロシクロアルキル(例えば、本明細書に記載されるように1、2または3個の置換基を含む)を形成する。
【0174】
複数の実施形態では、Rはハロゲンである。複数の実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、C3-7シクロアルキルである。複数の実施形態では、Rは、C6-10アリールである。複数の実施形態では、Rは、5~10員のヘテロアリール(例えば、単環式または二環式ヘテロアリール)である。複数の実施形態では、Rは、3~10員のヘテロシクロアルキル(例えば、単環式または二環式ヘテロシクロアルキル)である。複数の実施形態では、RはCNである。複数の実施形態では、RはNRである。複数の実施形態では、RはNRC(O)Rである。複数の実施形態では、RはNRC(O)NHである。複数の実施形態では、RはORである。複数の実施形態では、RはC(O)NRである。
【0175】
複数の実施形態では、Rは非置換C1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは非置換C3-7シクロアルキルである。複数の実施形態では、Rは非置換C6-10アリールである。複数の実施形態では、Rは、非置換5~10員のヘテロアリール(例えば、非置換単環式または二環式ヘテロアリール)である。複数の実施形態では、Rは、非置換3~10員のヘテロシクロアルキル(例えば、非置換単環式または二環式ヘテロシクロアルキル)である。
【0176】
複数の実施形態では、Rは置換されたC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは置換されたC3-7シクロアルキルである。複数の実施形態では、Rは置換されたC6-10アリールである。複数の実施形態では、Rは、置換された5~10員のヘテロアリール(例えば、置換された単環式または二環式ヘテロアリール)である。複数の実施形態では、Rは、置換された3~10員のヘテロシクロアルキル(例えば、置換された単環式または二環式ヘテロシクロアルキル)である。複数の実施形態では、置換された基は、本明細書に記載のとおり、1、2、または3個の置換基を含む。
【0177】
複数の実施形態では、Rは、置換または非置換の5または6員のヘテロアリーレン、置換または非置換の5または6員のヘテロシクロアルキル、置換または非置換の5または6員のヘテロアリーレンで置換されたC1-6アルキル、または置換または非置換の5または6員のヘテロシクロアルキルで置換されたC1-6アルキル、もしくは置換フェニルである。
【0178】
複数の実施形態では、Rは存在しない。複数の実施形態では、RはHである。複数の実施形態では、RはC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rはハロゲンである。複数の実施形態では、RはCNである。複数の実施形態では、Rは、C1-6アルコキシである。複数の実施形態では、Rは、非置換のC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、置換されたC1-6アルキル(例えば、本明細書に記載される1、2、または3つの置換基を含む)である。複数の実施形態では、Rは、非置換のC1-6アルコキシである。複数の実施形態では、Rは、置換されたC1-6アルコキシ(例えば、本明細書に記載される1、2、または3つの置換基を含む)である。
【0179】
複数の実施形態では、Rは存在しない。複数の実施形態では、Rは存在する。複数の実施形態では、RはOHである。複数の実施形態では、RはCNである。複数の実施形態では、Rはハロゲンである。複数の実施形態では、RはC1-6アルキルである。複数の実施形態では、RはC1-6アルコキシである。複数の実施形態では、Rは、非置換のC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、置換されたC1-6アルキル(例えば、本明細書に記載される1、2、または3つの置換基を含む)である。複数の実施形態では、Rは、非置換のC1-6アルコキシである。複数の実施形態では、Rは、置換されたC1-6アルコキシ(例えば、本明細書に記載される1、2、または3つの置換基を含む)である。
【0180】
複数の実施形態では、nは0である。複数の実施形態では、nは1である。複数の実施形態では、nは2である。
【0181】
複数の実施形態では、RはHである。複数の実施形態では、RはORX1である。複数の実施形態では、RはCNである。複数の実施形態では、Rはハロゲンである。複数の実施形態では、RはC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、非置換のC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、置換されたC1-6アルキル(例えば、本明細書に記載される1、2、または3つの置換基を含む)である。
【0182】
複数の実施形態では、RX’はHである。複数の実施形態では、RX’はORX1である。複数の実施形態では、RX’はCNである。複数の実施形態では、RX’はハロゲンである。複数の実施形態では、RX’はC1-6アルキルである。複数の実施形態では、RX’は、それが結合される炭素が二重結合の一部である場合、存在しない。
【0183】
複数の実施形態では、RX1はHである。複数の実施形態では、RX1はC1-6アルキルである。複数の実施形態では、RX1は、非置換のC1-6アルキルである。複数の実施形態では、RX1は、置換されたC1-6アルキル(例えば、本明細書に記載される1、2、または3つの置換基を含む)である。
【0184】
複数の実施形態では、RはHである。複数の実施形態では、RはC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、非置換のC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、置換されたC1-6アルキル(例えば、本明細書に記載される1、2、または3つの置換基を含む)である。
【0185】
複数の実施形態では、RはHである。複数の実施形態では、RはC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、非置換のC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、置換されたC1-6アルキル(例えば、本明細書に記載される1、2、または3つの置換基を含む)である。
【0186】
複数の実施形態では、RはHである。複数の実施形態では、RはC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、C3-7シクロアルキルである。複数の実施形態では、Rは、3~10員のヘテロシクロアルキル(例えば、単環式または二環式ヘテロシクロアルキル)である。複数の実施形態では、Rは、非置換のC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは非置換のC3-7シクロアルキルである。複数の実施形態では、Rは、非置換の3~10員のヘテロシクロアルキル(例えば、単環式または二環式ヘテロシクロアルキル)である。複数の実施形態では、Rは、置換されたC1-6アルキル(例えば、本明細書に記載される1、2、または3つの置換基を含む)である。複数の実施形態では、Rは、置換されたC3-7シクロアルキル(例えば、本明細書に記載される1、2、または3つの置換基を含む)である。複数の実施形態では、Rは、置換された3~10員のヘテロシクロアルキル(例えば、本明細書に記載される1、2、または3個の置換基を含む単環式または二環式ヘテロシクロアルキル)である。
【0187】
複数の実施形態では、RはHである。複数の実施形態では、RはC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、C3-7シクロアルキルである。複数の実施形態では、Rは、3~10員のヘテロシクロアルキル(例えば、単環式または二環式ヘテロシクロアルキル)である。複数の実施形態では、Rは、非置換のC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、非置換のC3-7シクロアルキルである。複数の実施形態では、Rは、非置換の3~10員のヘテロシクロアルキル(例えば、単環式または二環式ヘテロシクロアルキル)である。複数の実施形態では、Rは、置換されたC1-6アルキル(例えば、本明細書に記載される1、2、または3つの置換基を含む)である。複数の実施形態では、Rは、置換されたC3-7シクロアルキル(例えば、本明細書に記載される1、2、または3つの置換基を含む)である。複数の実施形態では、Rは、置換された3~10員のヘテロシクロアルキル(例えば、本明細書に記載される1、2、または3つの置換基を含む単環式または二環式ヘテロシクロアルキル)である。
【0188】
複数の実施形態では、RおよびRは、それらが結合する窒素原子と共に、3~8員のヘテロシクロアルキル環(例えば、単環式または二環式ヘテロシクロアルキル)を形成する。
【0189】
複数の実施形態では、RはHである。複数の実施形態では、RはC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、4~6員のヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Rは、非置換のC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、置換されたC1-6アルキル(例えば、本明細書に記載される1、2、または3つの置換基を含む)である。複数の実施形態では、Rは、ピペリジニル置換されたC1-6アルキル(例えば、-CHCH(ピペリジニル))である置換されたC1-6アルキルである。複数の実施形態では、Rは、非置換の4~6員のヘテロシクロアルキルである。複数の実施形態では、Rは、置換された4~6員のヘテロシクロアルキル(例えば、本明細書に記載される1、2、または3つの置換基を含む)である。
【0190】
複数の実施形態では、nは0である。
【0191】
複数の実施形態では、XはCHである。
【0192】
複数の実施形態では、XはNである。複数の実施形態では、XはCHである。
【0193】
複数の実施形態では、XはNである。複数の実施形態では、XはCHである。
【0194】
複数の実施形態では、XおよびXのうちの一つはNであり、他方はCHである。
【0195】
複数の実施形態では、XはNまたはCHである。
【0196】
複数の実施形態では、LはCHRであり、RはH、CH、またはCHCHである。
【0197】
複数の実施形態では、LはC(CHである。
【0198】
複数の実施形態では、LはCHCHである。
【0199】
複数の実施形態では、Lは、非置換C1-4アルキレン、または非置換C1-3アルキルで置換されたC1-4アルキレンである。
【0200】
複数の実施形態では、Lは、(CH、(CH、CH(CH)CH、またはCHCH(CH)である。
【0201】
複数の実施形態では、LおよびLは結合して、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルを形成する。
【0202】
複数の実施形態では、Xは、OまたはNRである。
【0203】
複数の実施形態では、Xは、O、NH、またはNCHである。
【0204】
複数の実施形態では、Aは、C6-10アリーレンまたは5~12員のヘテロアリーレンである。
【0205】
複数の実施形態では、Aは、5~12員のヘテロアリーレンまたは5~12員のヘテロシクロアルキレンである。
【0206】
複数の実施形態では、Aは、ピリジル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダジオリル、
【化59】
であり、各X、X、およびX10は、CHまたはNである。
【0207】
複数の実施形態では、Aは、メチルで任意に置換されるピラゾリルである。
【0208】
複数の実施形態では、Aはメチルで置換されたピラゾリルである。
【0209】
複数の実施形態では、Aは1-メチルピラゾリルである。
【0210】
複数の実施形態では、Aは、フェニルである。
【0211】
複数の実施形態では、Rは存在しない、H、非置換C1-3アルキル、または非置換C3-6シクロアルキルで置換されたC1-3アルキルである。
【0212】
複数の実施形態では、Rは、F、CN、NH、O-(オキセタン-3-イル)、NH-(オキセタン-3-イル)、O-(テトラヒドロフラン-3-イル)、O-(1-N、N-ジメチルアミノシクロヘキサン-4-イル)、NH-(テトラヒドロフラン-3-イル)、NH(C1-6アルキル)、NCH(C1-6アルキル)であり、前述のC1-6アルキルは、OH、NH、ピペリジニル、およびCONHから選択される一つまたは二つの置換基を含む。
【0213】
複数の実施形態では、Rは、アゼチジン、ピロリジン、ピリロリル、またはピペラジニルであるN結合基であり、前述のN結合基は、非置換であるか、またはOH、CN、オキソ、C1-4アルキル、NR1A1B、またはC(O)NR1A1Bである置換基で置換される。
前述のC1-4アルキルは、非置換であるか、またはOH、CN、NH、NHCH3、N(CH2、N-メチルピペラジニル、C(O)NH、C(O)NHCH、C(O)N(CHである少なくとも一つの基で置換され、
各R1AおよびR1Bは、独立してH、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、または3~10員のヘテロシクロアルキルであるか、またはR1AおよびR1Bは、それらが結合する窒素原子と共に3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成し、前述のC1-6アルキルが、非置換であるか、またはアルコキシである基で置換される。
【0214】
複数の実施形態では、RはC(O)NHRであり、Rはシクロペンチル、シクロヘキシルである環式基であり、
前述の環式基は、非置換であるか、またはCN、OH、オキソ、C1-4アルキル、-NR1A1Bまたは-C(O)NR1A1Bである基によって置換され、
前述のC1-4アルキルは、非置換であるか、またはOH、NH、NHCH、N(CH、N-メチルピペラジニル、C(O)NH、C(O)NHCH、C(O)N(CHである基で置換され、
各R1AおよびR1Bは、独立してH、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、または3~10員のヘテロシクロアルキルであり、またはR1AおよびR1Bは、それらが結合される窒素原子と共に3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0215】
複数の実施形態では、RはNRであり、
は独立してHまたは非置換C1-3アルキルであり、かつ
は独立してC1-6アルキルであり、前述のC1-6アルキルは非置換であるか、または-OHおよび-C(O)NHから選択される一つまたは二つの置換基を含む。
【0216】
複数の実施形態では、Rは、置換または非置換の5または6員のヘテロアリーレン、置換または非置換の5または6員のヘテロシクロアルキル、置換または非置換の5または6員のヘテロアリーレンで置換されたC1-6アルキル、または置換または非置換の5または6員のヘテロシクロアルキルで置換されたC1-6アルキル、もしくは置換フェニルである。

式(I-A)の化合物
【0217】
複数の実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-A)の構造、
【化60】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0218】
複数の実施形態では、R、L、L、X、およびRは、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0219】
複数の実施形態では、Rは、非置換C1-6アルキルまたは非置換のC3-6シクロアルキルである基によって置換されるC1-6アルキルである。
【0220】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O,CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0221】
複数の実施形態では、L-L-X
【化61】
である。
【0222】
複数の実施形態では、Rは、CHまたは非置換C3-6シクロアルキルで置換されるC1-3アルキルである。
【0223】
複数の実施形態では、RはCHである。
【0224】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)(CH-O、または(CH-Oである。
【0225】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-A-1)の構造、
【化62】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0226】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0227】
複数の実施形態では、c1は2または3である。複数の実施形態では、c1は2である。複数の実施形態では、c1は3である。
【0228】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-A-1’)の構造、
【化63】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0229】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0230】
複数の実施形態では、c1は2または3である。複数の実施形態では、c1は2である。複数の実施形態では、c1は3である。
【0231】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-A-1”)の構造、
【化64】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0232】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0233】
複数の実施形態では、c1は2または3である。複数の実施形態では、c1は2である。複数の実施形態では、c1は3である。
【0234】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-A-2)の構造、
【化65】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0235】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0236】
複数の実施形態では、Etで置換されたsp炭素は、(R)-配置を有する。
【0237】
複数の実施形態では、Etで置換されたsp炭素は、(S)-配置を有する。
【0238】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-A-3)の構造、
【化66】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0239】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
式(I-B)の化合物
【0240】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-B)の構造、
【化67】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、Rは、非置換C1-6アルキル、または非置換C3-6シクロアルキルである基によって置換されるC1-6アルキルであり、XはOであり、cは、0、1、2、または3である。
【0241】
複数の実施形態では、R、c、X、およびRの各々は、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0242】
複数の実施形態では、RはCHである。
【0243】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-B-1)の構造、
【化68】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0244】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0245】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-B-2)の構造、
【化69】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0246】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0247】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-B-3)の構造、
【化70】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0248】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
式(I-C)の化合物
【0249】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-C)の構造、
【化71】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0250】
複数の実施形態では、R、L、L、X、およびRの各々は、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0251】
複数の実施形態では、Rは、H、非置換C1-6アルキルまたは非置換のC3-6シクロアルキルである基で置換されるC1-6アルキルである。
【0252】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O,CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0253】
複数の実施形態では、L-L-X
【化72】
である。
【0254】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0255】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)(CH-O、(CH-O、CH(CH)-(CH-NHC(O)、CH(CH)-(CH-NCHC(O)、CH(CH)-(CH-NHC(O)、CH(CH)-(CH-NCHC(O)、CH(CH)-(CH-C(O)NH、CH(CH)-(CH-C(O)NCH、CH(CH)-(CH-C(O)NH、またはCH(CH)-(CH-C(O)NCHである。
【0256】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-C-1)の構造、
【化73】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0257】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0258】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(R)-配置を有する。
【0259】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(S)-配置を有する。
【0260】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-C-2)の構造、
【化74】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、RはHまたはCHである。
【0261】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0262】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(R)-配置を有する。
【0263】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(S)-配置を有する。
【0264】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-C-3)の構造、
【化75】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0265】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0266】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(R)-配置を有する。
【0267】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(S)-配置を有する。
【0268】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-C-4)の構造、
【化76】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0269】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0270】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(R)-配置を有する。
【0271】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(S)-配置を有する。
式(I-D)の化合物
【0272】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-D)の構造、
【化77】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0273】
複数の実施形態では、R、L、L、X、およびRの各々は、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0274】
複数の実施形態では、Rは、Hまたは非置換C1-6アルキルである。
【0275】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O,CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0276】
複数の実施形態では、L-L-X
【化78】
である。
【0277】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0278】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、またはCH(CH)-(CH-NCHである。
【0279】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-D-1)の構造、
【化79】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、RはHまたはCHであり、RはHまたはCHであり、oは1または2である。
【0280】
複数の実施形態では、Rの各々は、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0281】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(R)-配置を有する。
【0282】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(S)-配置を有する。

式(I-E)の化合物
【0283】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-DE)の構造、
【化80】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0284】
複数の実施形態では、R、L、L、X、およびRの各々は、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0285】
複数の実施形態では、Rは、Hまたは非置換C1-6アルキルである。
【0286】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O,CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0287】
複数の実施形態では、L-L-X
【化81】
である。
【0288】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0289】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0290】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-E-1)の構造、
【化82】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中
oは2または3である。
【0291】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0292】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(R)-配置を有する。
【0293】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(S)-配置を有する。
式(I-F)の化合物
【0294】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-F)の構造、
【化83】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0295】
複数の実施形態では、R、L、L、X、およびRの各々は、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0296】
複数の実施形態では、Rは、Hまたは非置換C1-6アルキルである。
【0297】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O,CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0298】
複数の実施形態では、L-L-X
【化84】
である。
【0299】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0300】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0301】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-F-1)の構造、
【化85】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、oは1または2である。
【0302】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。

一般式(I-G)の化合物
【0303】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-G)の構造、
【化86】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0304】
複数の実施形態では、R、L、L、X、およびRの各々は、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0305】
複数の実施形態では、Rは、非置換C1-6アルキルまたは非置換のC3-6シクロアルキルである基によって置換されるC1-6アルキルである。
【0306】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O,CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0307】
複数の実施形態では、L-L-X
【化87】
である。
【0308】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0309】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)(CH-O、または(CH-Oである。
【0310】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-G-1)の構造、
【化88】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0311】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0312】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(R)-配置を有する。
【0313】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(S)-配置を有する。

一般式(I-H)の化合物
【0314】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-H)の構造、
【化89】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0315】
複数の実施形態では、R、L、L、X、およびRの各々は、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0316】
複数の実施形態では、XはCHまたはNである。
【0317】
複数の実施形態では、Rは、非置換C1-6アルキルまたは非置換のC3-6シクロアルキルである基によって置換されるC1-6アルキルである。
【0318】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O,CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0319】
複数の実施形態では、L-L-X
【化90】
である。
【0320】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0321】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)(CH-O、または(CH-Oである。
【0322】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-H-1)の構造、
【化91】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0323】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0324】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(R)-配置を有する。
【0325】
複数の実施形態では、Meで置換されたsp炭素は、(S)-配置を有する。

一般式(I-I)の化合物
【0326】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-I)による構造、
【化92】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0327】
複数の実施形態では、R、L、L、X、X、X、およびRの各々は、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0328】
複数の実施形態では、Rは、Hまたは非置換C1-6アルキルである。
【0329】
複数の実施形態では、各XおよびXは、CHまたはNである。
【0330】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O,CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0331】
複数の実施形態では、L-L-X
【化93】
である。
【0332】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0333】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CHCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0334】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-I-1)の構造、
【化94】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、各XおよびXはCHまたはNである。
【0335】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。

一般式(I-J)の化合物
【0336】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-J)の構造、
【化95】
またはその薬学的に許容される塩を有する。
【0337】
複数の実施形態では、R、L、L、X、R、およびX10の各々は、本明細書に記載される任意の実施形態に従う。
【0338】
複数の実施形態では、Rは、Hまたは非置換C1-6アルキルである。
【0339】
複数の実施形態では、X10は、CHまたはNである。
【0340】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CH(CH)-(CH-O、CH(CH)-(CH-O、CH(CHCH)-(CH-O、C(CH-(CH-O、(CH-O,CH-CH(CH)CH-O、CH-CHCH(CH)-O、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH-NH、CH(CH)-(CH-NCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0341】
複数の実施形態では、L-L-X
【化96】
である。
【0342】
複数の実施形態では、Rは、HまたはCHである。
【0343】
複数の実施形態では、L-L-Xは、CHCH、CH(CH)-(CH、またはCH(CH)-(CHである。
【0344】
複数の実施形態では、化合物は、式(I-J-1)の構造、
【化97】
またはその薬学的に許容される塩を有し、式中、X10はCHまたはNである。
【0345】
複数の実施形態では、Rは本明細書に記載される任意の実施形態に従う。

例示的なR
【0346】
さらにさらなる例示的なR基が本明細書に記載される。すなわち、式(I)の化合物(例えば、式(I-A)、(I-B)、(I-C)、(I-D)、(I-E)、(I-F)、(I-H)、(I-I)、および/または(I-J)、ならびにその部分式の任意の化合物)の実施形態は、本明細書に記載される任意のR基を特徴とし得る。
【0347】
複数の実施形態では、Rは、置換されたまたは非置換の5または6員のヘテロアリーレンである。
【0348】
複数の実施形態では、Rは、置換されたまたは非置換の5または6員のヘテロシクロアルキルである。
【0349】
複数の実施形態では、Rは、置換されたまたは非置換の5または6員のヘテロアリーレンでで置換されたC1-6アルキルである。
【0350】
複数の実施形態では、Rは、置換されたまたは非置換の5または6員のヘテロシクロアルキルで置換されたC1-6アルキルである。
【0351】
複数の実施形態では、Rは置換されたフェニルである。
【0352】
本明細書に記載される任意の式の複数の実施形態では、Rは、F、CN、またはNHである。
サブ構造1
【0353】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造1の構造を有し、
【化98】
式中、
は、NH、NCH、またはOであり、Rは、3~6員の酸素含有または窒素含有のヘテロシクロアルキル、C3-7シクロアルキル、またはC1-6アルキルであり、前述のC3-7シクロアルキルまたはC1-6アルキルは、OH、NH、NMe、ピペリジニル、およびCONHから選択される一つまたは二つの置換基を任意に含む。
【0354】
複数の実施形態では、XはNHである。複数の実施形態では、XはNCHである。複数の実施形態では、XはOである。
【0355】
複数の実施形態では、Rは、3~6員の酸素含有ヘテロシクロアルキルである。
【0356】
複数の実施形態では、Rは、3~6員の窒素含有ヘテロシクロアルキルである。
【0357】
複数の実施形態では、Rは、OH、NH2、NMe、ピペリジニル、およびCONHから選択される一つまたは二つの置換基を任意で含むC3-7シクロアルキルである。
【0358】
複数の実施形態では、Rは、OH、NH2、NMe、ピペリジニル、およびCONHから選択される一つまたは二つの置換基を任意に含むC1-6アルキルである。
【0359】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造(a1)-(a10)の任意の一つである。
【化99】
サブ構造2
【0360】
本明細書に記載される任意の式の複数の実施形態では、Rは、サブ構造2の構造を有し、
【化100】
式中、
10は、H、OH、C1-6アルキル、またはCONR10A10Bであり、前述のC1-6アルキルは、OHおよびCNから選択される一つまたは二つの置換基を任意に含み、
各R10AおよびR10Bは、独立してH、非置換C1-6アルキル、アルコキシで置換されたC1-6アルキルであり、またはR10AおよびR10Bは、それらが結合される窒素原子と共に、非置換の3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0361】
複数の実施形態では、R10はHまたはOHである。
【0362】
複数の実施形態では、R10は、OHおよびCNから選択される一つまたは二つの置換基を任意で含むC1-6アルキルである。
【0363】
複数の実施形態では、R10はCONR10A10Bである。
【0364】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造(b1)-(b11)の任意の一つである。
【化101】
サブ構造3
【0365】
本明細書に記載される任意の式の複数の実施形態では、Rは、サブ構造3の構造を有し、
【化102】
式中、
11は、H、OH、アミノ、モノ(C1-6アルキル)アミノ、ジ(C1-6アルキル)アミノ、-CH-[ジ(C1-6アルキル)アミノ]、CN、C1-6アルキル、CONH2、CONHMe、COOH、COMe、またはCONR11A11Bであり、前述のC1-6アルキルは、OH、F、およびNR11A11Bから選択される一つまたは二つの置換基を任意に含む。
各R11AおよびR11Bは、独立して非置換C1-6アルキルであるか、またはR11AおよびR11Bは、それらが結合される窒素原子と共に、メチルまたはイソプロピルで置換された3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0366】
複数の実施形態では、R11はH、CN、またはOHである。
【0367】
複数の実施形態では、R11は、アミノ、モノ(C1-6アルキル)アミノ、ジ(C1-6アルキル)アミノ、または-CH-[ジ(C1-6アルキル)アミノ]であり、前述のC1-6アルキルは、OH、F、およびNR11A11Bから選択される一つまたは二つの置換基を任意に含む。
【0368】
複数の実施形態では、R11は、C1-6アルキルであり、前述のC1-6アルキルは、OH、F、およびNR11A11Bから選択される一つまたは二つの置換基を任意に含む。
【0369】
複数の実施形態では、R11は、CONH、CONHMe、またはCONR11A11Bである。
【0370】
複数の実施形態では、R11は、COOHまたはCOMeである。
【0371】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造(c1)-(c28)のうちのいずれか一つである。
【化103】
サブ構造4
【0372】
本明細書に記載される任意の式の複数の実施形態では、Rは、サブ構造4の構造を有し、
【化104】
式中、
は、N、O、S、SO、またはSOであり、各R12は、存在する場合、オキソ、メチル、またはシクロプロピルであり、pは0または1であり、qは0、1、または2であり、uは0または1である。
【0373】
複数の実施形態では、XはNである。複数の実施形態では、pは0である。複数の実施形態では、pは1である。複数の実施形態では、qは0である。複数の実施形態では、qは1であり、R12はオキソである。
【0374】
複数の実施形態では、XはOである。複数の実施形態では、pは0である。複数の実施形態では、pは1である。複数の実施形態では、qは0である。複数の実施形態では、qは1であり、R12はオキソである。複数の実施形態では、qは1であり、R12はメチルである。複数の実施形態では、qは1であり、R12はシクロプロピルである。
【0375】
複数の実施形態では、XはSOである。
【0376】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造(d1)-(d6)のうちのいずれか一つである。
【化105】
サブ構造5
【0377】
本明細書に記載される任意の式の複数の実施形態では、Rは、サブ構造5の構造を有し、
【化106】
式中、
rは1または2であり、各R13AおよびR13Bは、独立して非置換C1-6アルキルであり、またはR13AおよびR13Bは、それらが結合される窒素原子と共に、メチルで任意に置換される3~8員のヘテロシクロアルキル環(例えば、N-メチル3~8員のヘテロシクロアルキル環)を形成する。
【0378】
複数の実施形態では、rは1である。複数の実施形態では、rは2である。
【0379】
複数の実施形態では、R13AおよびR13Bは両方とも非置換C1-6アルキルである。
【0380】
複数の実施形態では、R13AおよびR13Bは、それらが結合する窒素原子と共に、メチルで任意で置換される3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成する。複数の実施形態では、R13AおよびR13Bは、それらが結合する窒素原子と共に、N-メチル3~8員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0381】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造(e1)または(e2)である。
【化107】
サブ構造6
【0382】
本明細書に記載される任意の式の複数の実施形態では、Rは、サブ構造6の構造を有し、
【化108】
式中、
各R14AおよびR14Bは、独立してH、非置換C1-6アルキル、またはCNで任意に置換された5~6員のシクロアルキル環である。
【0383】
複数の実施形態では、R14AはHである。複数の実施形態では、R14Bは、非置換のC1-6アルキル、またはCNで任意に置換された5~6員のシクロアルキル環である。
【0384】
複数の実施形態では、Rは、
【化109】
である。
サブ構造7および8
【0385】
本明細書に記載される任意の式の複数の実施形態では、Rは、サブ構造7の構造を有し、
【化110】
または
サブ構造8、
【化111】
式中、
sは、0、1、2、または3であり、
tは1-6の整数であり、
vは、0、1、2、または3であり、
A1は、フェニル、5~6員のヘテロアリーレン、または5~6員のヘテロシクロアルキルであり、
15は、独立して
ハロゲン
非置換C1-6アルキル、
3-6シクロアルキル、
OHまたはOMeで置換されたC1-6アルキル、
ハロ、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノで置換されたC1-6アルキル、
ハロ、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノで置換されたC1-6アルコキシル、
8~9員のヘテロシクロアルキル、
-(CH-(5~6員のヘテロシクロアルキル)、
-(CH-(5~6員のヘテロアリール)、
-(CO)-(5~6員のヘテロシクロアルキル)、
-(CO)-(5~6員のヘテロアリール)、
-O-(5~6員のヘテロシクロアルキル)、
-O-(5~6員のヘテロアリール)、
-(CH-NH-(ハロ、OH、OMe、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノで置換されたC1-6アルキル)、
-(CH-NMe-(ハロ、OH、OMe、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノで置換されたC1-6アルキル)である。
【0386】
複数の実施形態では、tは、1または2である。
【0387】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造7の構造である。
【0388】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造8の構造である。
【0389】
複数の実施形態では、sは1である。複数の実施形態では、sは2である。
【0390】
複数の実施形態では、R15はハロゲンである。
【0391】
複数の実施形態では、R15は、非置換C1-6アルキルである。
【0392】
複数の実施形態では、R15は、C3-6シクロアルキルである。
【0393】
複数の実施形態では、R15は、OHまたはOMeで置換されるC1-6アルキルである。
【0394】
複数の実施形態では、R15は、ハロ、アミノ、モノアルキルアミノ(例えば、NHMeまたはNHEt)、またはジアルキルアミノ(例えば、NMe、NMeEt、またはNEt)で置換されるC1-6アルキルである。
【0395】
複数の実施形態では、R15は、ハロ、アミノ、モノアルキルアミノ(例えば、NHMeまたはNHEt)、またはジアルキルアミノ(例えば、NMe、NMeEt、またはNEt)で置換されるC1-6アルコキシルである。
【0396】
複数の実施形態では、R15は、8~9員のヘテロシクロアルキルである。
【0397】
複数の実施形態では、R15は、-(CH-(5~6員ヘテロシクロアルキル)である。複数の実施形態では、vは0である。複数の実施形態では、vは1である。複数の実施形態では、vは2である。
【0398】
複数の実施形態では、R15は、-(CH-(5~6員ヘテロアリール)である。複数の実施形態では、vは0である。複数の実施形態では、vは1である。複数の実施形態では、vは2である。
【0399】
複数の実施形態では、R15は、-(CO)-(5~6員ヘテロシクロアルキル)である。
【0400】
複数の実施形態では、R15は、-(CO)-(5~6員ヘテロアリール)である。
【0401】
複数の実施形態では、R15は、-O-(5~6員ヘテロシクロアルキル)である。
【0402】
複数の実施形態では、R15は、-O-(5~6員ヘテロアリール)である。
【0403】
複数の実施形態では、R15は、-(CH-NH-(ハロ、OH、OMe、アミノ、モノアルキルアミノ(例えば、NHMeまたはNHEt)、またはジアルキルアミノ(例えば、NMe、NMeEt、またはNEt)で置換されるC1-6アルキル)である。複数の実施形態では、vは0である。複数の実施形態では、vは1である。複数の実施形態では、vは2である。
【0404】
複数の実施形態では、R15は、-(CH-NMe-(ハロ、OH、OMe、アミノ、モノアルキルアミノ(例えば、NHMeまたはNHEt)、またはジアルキルアミノ(例えば、NMe、NMeEt、またはNEt)で置換されるC1-6アルキル)である。複数の実施形態では、vは0である。複数の実施形態では、vは1である。複数の実施形態では、vは2である。
【0405】
複数の実施形態では、A1は、フラン、ピラゾール、ピロール、チアゾール、オキサゾール、フェニル、ピリジル、または二環式の窒素を含む8~9員のヘテロシクロアルキルである。
【0406】
複数の実施形態では、Rは、サブ構造(g1)-(g48)のうちのいずれか一つである。
【化112-1】
【化112-2】
【0407】
複数の実施形態では、各R15は、独立して、
-F、-Cl、-CH、-CHCH、-CH(CH
【化113-1】
【化113-2】
である。
例示的な化合物
【0408】
例示的化合物(例えば、式Iまたは本明細書に記載される任意の他の式の)は、以下の化合物のいずれか一つを含む。したがって、例示的化合物は、化合物(1)~(58)、(61)~(71)、(73)~(80)、および(82)~(193)、またはその薬学的に許容される塩のいずれかを含む。
【化114-1】
【化114-2】
【化114-3】
【化114-4】
【化114-5】
【化114-6】
【化114-7】
【化114-8】
【化114-9】
【化114-10】
【化114-11】
【化114-12】
【化114-13】
【化114-14】
【化114-15】
【化114-16】
【化114-17】
【化114-18】
【化114-19】
【化114-20】
【化114-21】
【化114-22】
【化114-23】
【化114-24】
【化114-25】
【化114-26】
【化114-27】
【化114-28】
【化114-29】
【化114-30】
【化114-31】
【化114-32】
【化114-33】
【化114-34】
【化114-35】
【化114-36】
またはその薬学的に許容される塩。

重水素化化合物
【0409】
本明細書に記載される化合物は、その天然同位体存在量を示す原子、または同じ原子番号を有するが、自然界で主に見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量もしくは質量数を有する特定の同位体において人工的に富化され得る一つ以上の原子、を含むことができる。「同位体置換体」という用語は、同位体置換の位置および/または一つ以上の位置での同位体濃縮のレベル、例えば水素対重水素、を除いて、本明細書に提供される特定の化合物と同じ化学構造および式を有する種を指す。本発明は、本明細書に記載される化合物の全ての適切な同位体変動を含むことが意図される。例えば、水素(H)の異なる同位体形態は、プロチウム(H)、重水素(H)、およびトリチウム(H)、ならびに本明細書に記載される任意の化合物の同位体に富む組成物を含む。
【0410】
複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物の水素の一つ以上は、重水素によって置換される。位置が「H」または「水素」と指定される場合、その位置は、その天然存在量の同位体組成で水素を有すると理解される。位置が「H」または「重水素」と指定される場合、その位置は、重水素の天然存在量の少なくとも3340倍の大きさ、すなわち0.015%である(すなわち、用語「H」または「重水素」は、重水素の少なくとも50.1%の組み込みを示す)重水素を有すると理解される。したがって、本発明はまた、重水素化化合物に富む組成物を特徴とする。
【0411】
複数の実施形態では、本明細書に提供される任意の化合物の組成物は、少なくとも3500(52.5%重水素組み込み)、少なくとも4000(60%重水素組み込み)、少なくとも4500(67.5%重水素組み込み)、少なくとも5000(重水素75%)、少なくとも5500(82.5%重水素組み込み)、少なくとも6000(90%重水素組み込み)、少なくとも6333.3(95%重水素組み込み)、少なくとも6466.7(97%重水素組み込み)、少なくとも6600(99%重水素組み込み)、または少なくとも6633.3(99.5%重水素組み込み)の、化合物の重水素化のための潜在的な場所として指定された場所に存在する各重水素のための同位体濃縮係数を有してもよい。

合成法
【0412】
本明細書に記載される化合物は、当該技術分野で既知の方法に従って調製され得る。例えば、本発明の本実施例に記載される例示的な合成方法を使用して、本発明のさらに他の化合物を調製することができる。
【0413】
したがって、開示された化合物は、広く周知の合成方法の適切な組み合わせによって通常合成することができる。これらの化学実体を合成するのに有用な技術は、本開示に基づいて、当業者にとって容易に明らかであり、かつアクセス可能である。任意に置換される開始化合物および他の反応物の多くは、例えば、Aldrich Chemical Company(Milwaukee,Wis.)から市販されているか、または一般的に用いられる合成方法論を使用して当業者によって容易に調製され得る。
【0414】
本発明による特定の化合物を調製するための例示的な合成スキームは、スキーム1に提供されている。
スキーム1.化合物I-A(X=O)の合成に関する全般的手順
【化115】
【0415】
以下の表Aは、本明細書に記載される特定の化合物を調製するために使用された合成手順の例を要約する。
【表1-1】
【表1-2】
医薬組成物
【0416】
別の例示的態様では、本発明は、本明細書に記載される任意の化合物またはその薬学的に許容される形態を含む医薬組成物を特徴とする。複数の実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意の化合物、またはその任意の薬学的に許容される形態の治療有効量を含む。
【0417】
複数の実施形態では、薬学的に許容される形態の化合物は、その薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、異性体、プロドラッグ、および同位体標識誘導体を含む。
【0418】
複数の実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される任意の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0419】
複数の実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0420】
本発明では、「賦形剤」および「担体」という用語は、本発明の説明全体を通して互換的に使用され、当該用語は、本明細書では「安全かつ効果的な医薬組成物の製剤化の実践に使用される成分」として定義される。
【0421】
調合者は、賦形剤を使用することで、まずは安全、安定で、機能的な医薬品の送達に役立ち、送達用のビヒクル全体の一部としてのみならず、活性成分を受容者に効果的に吸収させる手段として役立つことも理解している。賦形剤は、不活性充填剤がそうであるように簡単で直接的な役割を果たすことができるか、または本明細書で使用される場合、賦形剤は、部分的に、pH安定化手段となるかもしくはコーティングとなって、成分を胃に安全に確実に送達させるものとなり得る。調合者はまた、本発明の化合物が、改善された細胞効能、薬物動態特性、さらには改善された経口バイオアベイラビリティを持つという点を利用することができる。
【0422】
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される一つ以上の化合物を含む医薬組成物、またはその薬学的に許容される形態(例えば、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、異性体、プロドラッグ、および同位体標識誘導体)、および一つ以上の薬学的に許容される賦形剤、不活性固体希釈剤および充填剤を含む担体、滅菌水溶液および様々な有機溶媒を含む希釈剤、透過促進剤、可溶化剤およびアジュバント、が本明細書に提供されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、追加の治療剤(例えば、化学療法剤)などの第二の活性薬剤を含む。
【0423】
従って、本教示は、本明細書に記載される少なくとも一つの化合物、またはその任意の薬学的に許容できる塩、および一つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤、を含む医薬組成物も提供する。こうした担体の例は、当業者に周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th edition,ed.Alfonoso R.Gennaro,Mack Publishing Company,Easton,PA(1985)に記載されている手順など、許容できる薬学的手順に従って調製されてもよく、この文献の開示全体は、参照により全ての目的に対し本明細書に組み込まれる。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」とは、毒性学的観点から医薬品用途で使用するのに許容され、かつ、活性成分に悪影響をもたらさない物質を指す。したがって、薬学的に許容できる担体は、組成物に含まれる他の成分との適合性があり、かつ、生物学的に許容可能な担体である。補助的な活性成分も医薬組成物に組み込まれ得る。
【0424】
本教示の化合物は、経口的もしくは非経口的に、そのままで、または従来の医薬担体と組み合わせて、投与することができる。適用可能な固体担体には、香味剤、潤滑剤、可溶化剤、懸濁剤、充填剤、滑沢剤、圧縮助剤、結合剤もしくは錠剤崩壊剤、または封入材料としても機能することができる一つ以上の物質が含まれ得る。化合物は、従来的な方法で、例えば、既知の5-ヒドロキシトリプタミン受容体7活性調節因子に使用される方法と類似した方法で、製剤化することができる。本明細書に開示される化合物を含む経口製剤の形態の医薬組成物には、錠剤、カプセル剤、バッカル形態、トローチ剤、ロゼンジ剤、および経口液体、懸濁液または溶液を含めた、従来から使用されている任意の経口形態が含まれ得る。散剤の場合、担体は、細かく分割された固形物であってもよく、細かく分割された化合物との混合物となる。錠剤の場合、本明細書に開示される化合物を、必要な圧縮特性を有する担体と適切な比率で混合し、望ましい形状およびサイズに圧縮することができる。散剤および錠剤は最大99%の化合物を含むことができる。
【0425】
カプセル剤は、本明細書で開示されている一つ以上の化合物と、不活性充填剤および/または希釈剤、例えば薬学的に許容できるデンプン(例えば、トウモロコシ、ジャガイモまたはタピオカのデンプン)、糖類、人工甘味剤、粉末セルロース(例えば、結晶性セルロースおよび微結晶性セルロース)、小麦粉、ゼラチン、ガムなど、との混合物を含み得る。
【0426】
有用な錠剤製剤は、従来的な圧縮方法、湿式造粒法または乾式造粒法によって作製でき、薬学的に許容できる希釈剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、表面修飾剤(界面活性剤を含む)、懸濁剤または安定剤を使用し得るが、これらの例として、以下に限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、糖類、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリジン、アルギン酸、アカシアゴム、キサンタンガム、クエン酸ナトリウム、複合ケイ酸塩、炭酸カルシウム、グリシン、スクロース、ソルビトール、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、低融点ワックス、およびイオン交換樹脂が挙げられる。表面修飾剤には、非イオン性およびアニオン性の表面修飾剤が含まれる。表面修飾剤の代表的な例には、ポロキサマー188、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアールアルコール(cetostearl alcohol)、セトマクロゴール乳化ろう、ソルビタンエステル、コロイド状二酸化ケイ素、リン酸塩、ドデシル硫酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、およびトリエタノールアミンが含まれるがこれらに限定されない。本明細書に記載される経口製剤は、標準的な遅延放出性または徐放性の製剤を利用して、化合物の吸収を変化させることができる。経口製剤はまた、必要に応じて適切な可溶化剤または乳化剤を含む、水または果汁中で本明細書に開示の化合物を投与することからなり得る。
【0427】
液体担体は、溶液、懸濁液、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤を調製するのに使用でき、また吸入送達用に使用できる。本教示の化合物は、水、有機溶媒、もしくはそれら両方の混合物、または薬学的に許容できる油もしくは脂肪などの薬学的に許容できる液体担体中に、溶解または懸濁され得る。液体担体には、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味料、香味剤、懸濁剤、増粘剤、着色剤、粘性調節剤、安定剤、および浸透圧調節剤などの他の適切な医薬添加剤が含まれ得る。経口投与および非経口投与用の液体担体の例としては、以下に限定されないが、水(特に、本明細書に記載される添加剤、例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム溶液などのセルロース誘導体を含む)、アルコール類(一価アルコールおよびグリコール類などの多価アルコールを含む)およびその誘導体、ならびに油類(例えば、ヤシ分別油およびラッカセイ油)が挙げられる。非経口投与については、担体は、オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルなどの油性エステルであり得る。滅菌液体担体は、非経口投与のための滅菌液体形態組成物で使用される。加圧組成物用の液体担体は、ハロゲン化炭化水素、または他の薬学的に許容できる噴霧剤であり得る。
【0428】
滅菌溶液または懸濁液である液体医薬組成物は、例えば、筋肉内、腹腔内、または皮下の注射に利用され得る。滅菌溶液は静脈内投与することもできる。経口投与用の組成物は、液体または固体のどちらの形態でもよい。
【0429】
複数の実施形態では、医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、溶液、懸濁液、乳剤、顆粒剤、または坐剤などの単位剤形である。こうした剤形では、医薬組成物は、適切な量の化合物を含む単位用量にさらに分割され得る。単位剤形は、例えば、小包に入った散剤、バイアル、アンプル、予め充填された注射器、または液体を含むサシェなどの、包装された組成物であり得る。あるいは、単位剤形は、カプセル剤または錠剤自体であってもよく、包装された形態の適切な数の任意の組成物であってもよい。かかる単位剤形は、約1mg/kgの化合物~約500mg/kgの化合物を含むことができ、単回用量または二回以上の用量で与えることができる。かかる用量は、例えば経口的に、植込みを介して、非経口的に(静脈内注射、腹腔内注射、および皮下注射を含む)、直腸的に、経膣的に、および経皮的に、受容者の血流に化合物を導くのに有用な任意の方法で投与され得る。
【0430】
特定の疾患状態または障害の治療または抑制のために投与された場合、有効な投薬量は、使用する特定の化合物、投与方法、および治療される症状の重症度、ならびに治療される個体に関連する様々な身体的因子に応じて変わり得ることが理解される。治療用途では、疾患に既に罹患している患者に、本教示の化合物を、その疾患およびその合併症の症状を治癒するかまたは少なくとも部分的に改善するのに十分な量で提供することができる。特定の個体の治療で使用されるべき投与量は通例、主治医によって主観的に決定されなければならない。関与する変動要素には、特定の症状およびその状態、ならびに患者のサイズ、年齢、反応パターンが含まれる。
【0431】
ある場合には、以下に限定されないが、定量吸入器、呼吸作動式吸入器、多用量乾燥粉末吸入器、ポンプ、圧搾作動により噴霧される噴霧ディスペンサー、エアロゾルディスペンサー、およびエアロゾルネブライザーなどのデバイスを使用して、患者の気道に化合物を直接投与することが望ましいこともある。鼻腔内または気管支内の吸入によって投与するために、本教示の化合物は、液体組成物、固体組成物、またはエアロゾル組成物に製剤化され得る。液体組成物は、例証として、一つ以上の薬学的に許容できる溶媒中に溶解されたか、部分的に溶解されたか、または懸濁された、本教示の一つ以上の化合物を含み得、そして例えば、ポンプを用いてまたは圧搾作動により噴霧される噴霧ディスペンサーを用いて投与され得る。溶媒は、例えば、等張食塩水または静菌水であり得る。固体組成物は、例証として、本教示の一つ以上の化合物を含む散剤調製物であってもよく、この調製物は気管支内で使用可能なラクトースまたは他の不活性散剤と混合されている。また該固体組成物は、例えば、エアロゾルディスペンサーによって、または固体組成物を包み込むカプセル剤を破壊するかもしくは該カプセル剤に穴を開け、固体組成物を吸入のために送達するデバイスによって、投与することができる。エアロゾル組成物は、例証として、本教示の一つ以上の化合物、噴霧剤、界面活性剤、および共溶媒を含んでもよく、そして例えば定量デバイスを用いて、投与することができる。噴霧剤は、クロロフルオロカーボン(CFC)、ヒドロフルオロアルカン(HFA)、または生理学的および環境的に許容できる他の噴霧剤であり得る。]
【0432】
本明細書に記載される化合物は、非経口的にまたは腹腔内に投与され得る。これらの化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくはエステルの溶液または懸濁液を、ヒドロキシルプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合して水溶液として調製することができる。また、分散液を、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、および油剤中のこれらの混合物で調製することができる。通常の保管および使用条件下で、これらの調製物は通例、微生物の成長を阻害するための防腐剤を含む。
【0433】
注射に適した医薬品形態には、滅菌水溶液または分散液、および滅菌注射溶液または分散液を即時調製するための滅菌散剤が含まれ得る。いくつかの実施形態では、当該剤形は滅菌でき、またその粘性によって、シリンジを通って流れることができる。該剤形は、製造および保存の条件下で安定であり、また細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護できることが好ましい。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、それらの適切な混合物、および植物油を含む溶媒または分散媒であり得る。
【0434】
本明細書に記載される化合物は、経皮的に投与する、すなわち身体表面を越えて、また上皮組織および粘膜組織を含めた身体の管の内層を越えて、投与することができる。こうした投与は、本教示の化合物であって、その薬学的に許容される塩、水和物、またはエステルが含まれるものである本教示の化合物を、ローション、クリーム、泡、パッチ、懸濁液、溶液、および坐剤(直腸および膣の)の状態で使用して実施することができる。
【0435】
経皮投与は、本明細書に開示される化合物などの化合物を含む経皮パッチと、該化合物に不活性であり得、皮膚に対して無害であり得、また皮膚を介して全身吸収のために該化合物を血流内に送達させることができる担体とを使用することによって実施できる。担体は、クリームおよび軟膏、ペースト、ゲル、および閉塞器具などの任意の数の形態をとり得る。クリームおよび軟膏は、水中油型または油中水型のいずれかの粘性液体または半流動性の乳剤であり得る。化合物を含む、石油または親水性石油中に分散された吸収性散剤から構成されるペーストも好適であり得る。担体を含むかもしくは担体を含まない化合物の入った貯蔵部を覆う半透過性膜、または化合物を含む基材など、様々な閉塞器具を使用して、化合物を血流中に放出することができる。その他の閉塞器具は文献で公知である。
【0436】
本明細書に記載される化合物は、従来的な坐剤の形態で直腸または膣に投与することができる。坐剤製剤は、坐剤の融点を変えるワックス、およびグリセリンを添加して、または添加することなしに、ココアバターをはじめとする従来の材料から作製できる。様々な分子量のポリエチレングリコールなどの水溶性坐剤基剤も使用できる。
【0437】
脂質製剤またはナノカプセルを使用して、本教示の化合物を宿主細胞にin vitroまたはin vivoで導入することができる。脂質製剤およびナノカプセルは、当技術分野で公知の方法により調製することができる。
【0438】
本教示の化合物の有効性を高めるために、化合物を、標的疾患の治療に有効な他の薬剤と組み合わせることが望ましいことがある。例えば、標的疾患の治療に有効な他の活性化合物(すなわち、他の活性成分または薬剤)を、本教示の化合物と共に投与することができる。当該他の薬剤は、本明細書に開示される化合物と同時にまたは異なる時点で投与することができる。
キット
【0439】
いくつかの実施形態では、キットが本明細書において提供される。キットには、適切な包装に、化合物もしくはその薬学的に許容される形態、または本明細書に記載される医薬組成物、ならびに使用指示、臨床試験の考察、副作用のリストなどを含みうる書面による材料が含まれ得る。キットは、錠剤またはカプセルなどの固形経口剤形の送達に良好に適している。こうしたキットには、医薬組成物の活性および/または利点を標示または確立し、および/または投薬、投与、副作用、薬物相互作用、または医療従事者に有用なその他の情報を記述する、科学文献の参考文献、添付文書、臨床試験結果、および/またはこれらおよび類似のものの要約などの情報も含まれうる。こうした情報は、例えば、インビボモデルを含む実験動物を使用した研究およびヒト臨床試験に基づく研究など、様々な研究の結果に基づいてもよい。
治療方法
【0440】
本教示の化合物は、哺乳動物、例えばヒト対象の病状または障害の治療または抑制に有用であり得る。したがって、本教示は、本教示の化合物(薬学的に許容される塩を含む)、または薬学的に許容できる担体と併用もしくは会合させた本教示の一つ以上の化合物を含む医薬組成物を、哺乳動物に与えることにより、病状または障害を治療または抑制する方法を提供する。本教示の化合物は、単独で、または他の治療上有効な化合物と、もしくはその病状もしくは障害を治療もしくは抑制するための治療方法と組み合わせて、投与できる。
【0441】
したがって、本明細書に記載される化合物は、シグナル伝達経路の様々な構成要素の欠陥に関連し、かつタンパク質キナーゼの調節(例えば、阻害)に応答する疾患または障害の治療に特に有用であり得る。複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、abl、Akt、bcr-abl、Blk、Brk、c-kit、c-met、c-src、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、cRaf1、CSK、EGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4、Erk、Pak、fes、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR5、Fgr、flt-1、Fps、Frk、Fyn、Hck、IGF-1R、INS-R、Jak、KDR、Lck、Lyn、MEK、p38、PDGFR、PIK、PKC、PYK2、ros、tie、tie2、TRKまたはZap70であるタンパク質キナーゼを調整(例えば、阻害剤)する。複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、野生型のキナーゼ(例えば、EGFR)を調節(例えば、阻害)する。複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、変異型のキナーゼ(例えば、EGFR)を調節(例えば、阻害)する。
【0442】
複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩などの任意の薬学的に許容される形態は、チロシンキナーゼ(例えば、KIT、erb2、PDGFR、EGFR、VEGFR、src、またはabl)であるキナーゼを調節する(例えば、阻害する)。
【0443】
複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩などの任意の薬学的に許容される形態は、チロシンキナーゼ(例えば、mTorC1、mTorC2、ATM、ATR、DNA-PK、またはAkt)であるキナーゼを調節する(例えば、阻害する)。
【0444】
複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物またはその薬学的に許容される塩などのその薬学的に許容される形態は、タンパク質キナーゼ(abl、Akt、bcr-abl、Blk、Brk、c-kit、c-met、c-src、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、cRaf1、CSK、EGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4、Erk、Pak、fes、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR5、Fgr、flt-1、Fps、Frk、Fyn、Hck、IGF-1R、INS-R、Jak、KDR、Lck、Lyn、MEK、p38、PDGFR、PIK、PKC、PYK2、ros、tie、tie2、TRKまたはZap70)の調整(例えば、阻害)に応答する疾患または障害の治療または予防のために用いられる。
【0445】
複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩などの任意の薬学的に許容される形態は、チロシンキナーゼ(例えば、KIT、erb2、PDGFR、EGFR、VEGFR、src、またはabl)の調整(例えば、阻害)に応答する疾患または障害の治療または予防のために用いられる。
【0446】
複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩などの任意の薬学的に許容される形態は、セリン/トリオ二ンキナーゼ(例えば、mTorC1、mTorC2、ATM、TR、DNA-PK、またはAkt)の調整(例えば、阻害)に応答する疾患または障害の治療または予防のために用いられる。
【0447】
複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、野生型のキナーゼ(例えば、EGFR)を調節(例えば、阻害)する。複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、変異型のキナーゼ(例えば、EGFR)を調節(例えば、阻害)する。
キナーゼの選択的阻害
【0448】
生物活性薬剤に適用される場合の「選択的阻害」または「選択的に阻害する」という用語は、標的との直接的または非直接的な相互作用を介して、オフターゲットシグナル伝達活性と比較して、標的シグナル伝達活性を選択的に減少させる薬剤の能力を指す。
【0449】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物、または任意のその薬学的に許容される塩は、他のキナーゼまたは他のキナーゼ形態よりもキナーゼまたはキナーゼ形態を選択的に阻害する。複数の実施形態では、化合物は、同じキナーゼの野生型よりも変異型キナーゼ形態を選択的に阻害する。
【0450】
複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物、または任意のその薬学的に許容される塩は、他のキナーゼよりもキナーゼ(例えば、EGFR)を選択的に阻害する。
【0451】
複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物、または任意のその薬学的に許容される塩は、他のキナーゼ形態(例えば、野生型EGFR)よりもキナーゼ形態(例えば、変異EGFR)を選択的に阻害する。
【0452】
非限定的な例として、選択性の比率は、約10倍より大きくてもよく、約20倍より大きくてもよく、約30倍より大きくてもよく、約40倍より大きくてもよく、約50倍より大きくてもよく、約60倍より大きくてもよく、約70倍より大きくてもよく、約80倍より大きくてもよく、約100倍より大きくてもよく、約120倍より大きくてもよく、または約150倍より大きくてもよく、選択性は、当該技術分野で公知のインビトロアッセイによって測定され得る。選択性を測定するアッセイの非限定的な例としては、酵素アッセイ、細胞増殖アッセイ、およびEGFRリン酸化アッセイが挙げられる。一実施形態では、選択性は、細胞増殖アッセイによって決定され得る。別の実施形態では、選択性は、EGFRリン酸化アッセイによって決定され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物の変異型EGFR阻害活性は、約1000nM未満、約100nM未満、約50nM未満、約30nM未満、または約10nM未満であり得る。
【0453】
複数の実施形態では、キナーゼ阻害剤化合物のIC50は、約100nM未満、約50nM未満、約10nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満、または約1pM未満であり得る。
【0454】
IC50値の決定は、当該技術分野で既知の方法に従って実施することができる。
【0455】
複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される塩などの任意の薬学的に許容される形態は、癌、炎症性障害、代謝障害、血管疾患、または神経疾患である疾患もしくは障害を治療または予防するために使用され得る。
【0456】
本明細書に記載される化合物、またはその任意の薬学的に許容される形態、またはその任意の医薬組成物は、異常な細胞増殖に関連する疾患および障害の治療に有用であり得る。
【0457】
複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物、またはその薬学的に許容される形態(例えば、その薬学的に許容される塩)、またはその医薬組成物を使用して、癌を治療することができる。
【0458】
本明細書に提供される組成物および方法は、星状細胞、乳房、子宮頸部、結腸直腸、子宮内膜、食道、胃、頭頸部、肝細胞、喉頭部、肺、経口、卵巣、前立腺、および甲状腺の癌および肉腫などの腫瘍を含む癌の治療に潜在的に有用であり得る。
【0459】
複数の実施形態では、癌は、肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、または奇形腫などの心臓癌である。
【0460】
複数の実施形態では、癌は、気管支原癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨腫、または中皮腫などの肺癌である。
【0461】
複数の実施形態では、癌は、食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、ビロース腺腫、過誤腫、平滑筋腫)などの消化管癌である。
【0462】
複数の実施形態では、癌は、腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胚性癌腫、奇形癌腫、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫)などの尿生殖器の癌である。
【0463】
複数の実施形態では、癌は、肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫などの肝癌である。
【0464】
複数の実施形態では、癌は、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、骨様骨腫および 巨細胞腫瘍などの骨癌である。
【0465】
複数の実施形態では、癌は、頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫)、脳(星細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)などの中枢神経系(CNS)の癌である。
【0466】
複数の実施形態では、癌は、子宮(子宮内膜癌)、子宮頸部(子宮頸癌、前腫瘍子宮頸部異形成)、卵巣(卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類の癌)、顆粒膜-髄膜細胞腫瘍、セルトリ-ライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ボトリオイド肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管(癌腫)などの婦人科癌である。
【0467】
複数の実施形態では、癌は、血液(骨髄性白血病(急性および慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)などの血液癌である。
【0468】
複数の実施形態では、癌は、悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬などの皮膚癌である。
【0469】
複数の実施形態では、癌は、神経芽腫などの副腎の癌である。したがって、本明細書に提供される用語「癌細胞」は、上記に特定された状態のうちのいずれか一つに罹患するか、または関連する細胞を含む。
【0470】
複数の実施形態では、癌は、EGFR駆動癌(例えば、本明細書に記載される)である。複数の実施形態では、EGFR駆動癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、扁平上皮癌、腺癌、細気管支肺胞癌(BAC)、局性浸潤を伴うBAC、BACの特徴を伴う腺癌、および大細胞癌、神経膠芽腫などの神経腫瘍、膵癌、頭頸部癌(例えば、扁平上皮癌)、乳癌、結腸直腸癌、扁平上皮癌を含む上皮癌、卵巣癌、前立腺癌、または腺癌である。
【0471】
複数の実施形態では、癌は、EGFR変異癌(例えば、本明細書に記載される)である。複数の実施形態では、EGFR変異癌は、非小細胞肺癌(NSCLC)、扁平上皮癌、腺癌、細気管支肺胞癌(BAC)、局性浸潤を伴うBAC、BACの特徴を伴う腺癌、および大細胞癌、膠芽腫などの神経腫瘍、膵癌、頭頸部癌(例えば、扁平上皮癌)、乳癌、結腸直腸癌、扁平上皮癌を含む上皮癌、卵巣癌、前立腺癌、または腺癌である。
【0472】
一実施形態では、本明細書に提供される組成物および方法は、肺癌および膵癌、特に非小細胞肺癌(NSCLC)の治療に有用である。
【0473】
複数の実施形態では、癌は、TKI療法(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ダコミチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ)に対して難治性である。
肺癌
【0474】
複数の実施形態では、癌は肺癌である。
【0475】
肺がんは、世界的にがんの死亡率の最も一般的な原因であり、男性と女性の両方で二番目に多いがんである。すべての新規がんの約14%が肺がんである。米国(US)では、2017年に肺がんの新規症例は22万2,500人(男性116,990人、女性105,510人)、肺がんによる死亡は15万5,870人(男性84,590人、女性71,280人)と予測されています。
【0476】
肺がんの二つの主要な形態は、非小細胞肺癌(NSCLC)および小細胞肺がんである。NSCLCは、腺癌、大細胞癌、および扁平上皮癌(sqNSCLC)からなる異種疾患であり、全肺がんの約80%~85%を含む。肺の扁平上皮癌は、NSCLCの20~30%を占める。早期発見と標準治療の進歩にもかかわらず、NSCLCはしばしば進行段階で診断され、予後不良であり、世界中でがんによる死亡の主な原因となっている。
【0477】
プラチナベースのダブレット療法、維持化学療法、および化学療法と組み合わせた血管新生阻害剤は、進行NSCLCにおける患者転帰の改善に寄与してきた。
【0478】
複数の実施形態では、進行肺癌は、ステージIII癌またはステージIV癌である。複数の実施形態では、進行肺癌は、ステージIII癌である。複数の実施形態では、進行肺癌は、ステージIV癌である。複数の実施形態では、進行肺癌は局所的に進行する。複数の実施形態では、進行肺癌は、転移性である。
【0479】
複数の実施形態では、肺癌は、小細胞肺癌(SCLC)である。
【0480】
複数の実施形態では、肺癌は、腺癌、大細胞癌、または扁平上皮癌(sqNSCLC)などの非小細胞肺癌(NSCLC)である。複数の実施形態では、NSCLCは肺腺癌である。複数の実施形態では、NSCLCは肺の大細胞癌である。複数の実施形態では、NSCLCは肺の扁平上皮癌(sqNSCLC)である。
【0481】
複数の実施形態では、肺癌(例えば、NSCLC)は、EGFR変異肺がん(例えば、EGFR変異NSCLC)である。複数の実施形態では、癌は、特定されたEGFR変異を有するNSCLC(例えば、進行NSCLC)である。
EGFR駆動およびEGFR変異癌
【0482】
本発明は、式(I)の化合物を対象に投与することによって、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ダコミチニブ、アファチニブ、オシメルチニブに対して難治性のまたは難治性となった癌、または本明細書に特定されたEGFR変異を有する癌である癌を含む、EGFR駆動癌を有する患者の治療に有用であり得る化合物を特徴とする。
【0483】
本発明の組成物および方法を使用して治療できるEGFR駆動癌には、例えば、EGFRのアミノ酸配列もしくはヌクレオチド配列、またはその断片における一つ以上の欠失、置換、または付加を含む、EGFR変異体が含まれる。
【0484】
EGFR駆動癌は、EGFR融合から生じ得る。例えば、EGFRのN末端は、RAD51などの様々な融合パートナーと連結することができる。EGFR融合(例えば、EGFR-RAD51融合)によって特徴付けられる癌(例えば、肺癌)は、本本明細書に記載される任意の化合物、またはその任意の薬学的に許容される形態(例えば、薬学的に許容される塩)を使用した療法に特に好適であり得る。
【0485】
EGFRの突然変異は、EGFR配列の任意の部分で発生する可能性がある。一般的に、EGFR変異体は、キナーゼドメイン(すなわち、EGFR配列中のエクソン18-24)または細胞外ドメイン(すなわち、EGFR配列中のエクソン2-16)の変異から生じる。
【0486】
EGFRの変異は、活性化突然変異であってもよく、これは、TK活性のリガンド非依存性活性化をもたらす。EGFRの変異はまた、耐性突然変異であってもよく、これは、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ダコミチニブ、アファチニブ、またはオシメルチニブのうちの一つ以上に対する耐性などのTKI療法に対する耐性を付与し得る。
【0487】
例えば、変異は典型的には、エクソン18中の一つ以上の点変異(例えば、L688P、V689M、P694L/S、N700D、L703V、E709K/Q/A/G/V、I715S、L718P、G719C/A/S/R、またはS720P/F)、挿入を含むまたは含み得ないエクソン19中の欠失(例えば、delG719、delE746_E749、delE746_A750、delE746_A750insRP、delE746_A750insQP、delE746_T751、delE746_T751insA/I/V、delE746_T751insVA、delE746_S752、delE746_S752insA/V/D、delE746_P53insLS、delL747_E749、delL747_A750、delL747_A750insP、delL747_T751、delL747_T751insP/S/Q、delL747_T751insPI、delL747_S752、delL747_S752insQ、delL747_P753、delL747_P753insS/Q、delL747_L754insSR、delE749_A750、delE749_A750insRP、delE749_T751、delT751_I759、delT751_I759insS/N、またはdelS752_I759)、エクソン19中の複製(例えば、K739_I44dupKIPVAI)、エクソン19中の点変異(例えば、L730F、W731Stop、P733L、G735S、V742A、E746V/K、A750P、T751I、S752Y、P753S、A754P、またはD761Y)、エクソン20中のインフレーム挿入(例えば、D761_E762insSEAFQ、A767_S768insTLA、V769_D770insY、V769_D770insCV、V769_D770insASV、D770_N771insD/G、D770_N771insNPG、D770_N771insSVQ、P772_H773insN/V、P772_H773insYNP、またはV774_C775insHV)、挿入を含むまたは含み得ないエクソン20中の欠失(例えば、delM766_A767、delM766_A767insAl、delA767_V769、delD770、またはdelP772_H773insNP)、エクソン20中の複製(例えば、S768_D770dupSVD、A767_V769dupASV、またはH773dupH)、エクソン20中の点変異(例えば、D761N、A763V、V765A/M、S768I、V769L/M、S768I、P772R、N771T、H773R/Y/L、V774M、R776G/H/C、G779S/F、T783A、T784F、L792P、L798H/F、T790M、R803W、K806E、またはL814P)、またはエクソン21中の点変異(例えば、G810S、N826S、L833V、H835L、L838V、A839T、K846R、T847I、H850N、V851I/A、I853T、L858M/R、A859T、L861Q/R、G863D、A864T、E866K、またはG873E)を含む、キナーゼドメインで起こる。
【0488】
肺がんでは、活性化変異体が典型的である。
【0489】
複数の実施形態では、変異は耐性突然変異である。特に、50%の肺がんにおける薬剤耐性は、T790M点変異から生じる。他の例示的な耐性突然変異としては、例えば、C797X(例えば、C797S、C797G、またはC797N)、G796X(例えば、G796R、G796S、またはG796D)、L792X(例えば、L792H、L792F、L792R、またはL792Y)、G724S、L718X(例えば、L718P、L718Q、またはL718V)、S768I、またはG719A、などの点変異が挙げられる。
【0490】
膠芽腫では、変異は通常は、限定するものではないが、細胞外ドメインを欠き、v-erbBオンコタンパク質に類似するEGFRバリアントI(EGFRvI)、ドメインIVからの83アミノ酸を欠くEGFRvII、およびドメインIおよびIIからのアミノ酸30-297を欠くEGFRvIIIを含む細胞外ドメインに発生し、これは最もよく見られる増幅であり、30-50%の膠芽腫および5%の扁平上皮癌で報告されている。膠芽腫に対する他の変異としては、エクソン2(例えば、D46NまたはG63R)、エクソン3(例えば、ドメインIのR108K)、エクソン7(例えば、ドメインIIのT263PまたはA289D/T/V)、エクソン8(例えば、R324LまたはE330K)、エクソン15(例えば、ドメインIVのP596LまたはG598V)、またはエクソン21(キナーゼドメインのL861Q)の一つ以上の点変異が挙げられる。
【0491】
本明細書に記載されるように、EGFR変異体には、二つ以上の変異の組み合わせを有するものも含まれる。例示的な組み合わせには、S768IおよびG719A、S768IおよびV769L、H773RおよびW731Stop、R776GおよびL858R、R776HおよびL861Q、T790MおよびL858R、T790MおよびdelE746_A750、R803WおよびdelE746_T751InsVA、delL747_EE749およびA750P、delL747_S752およびE746V、delL747_S752およびP753S、P772_H773insYNPおよびH773Y、P772_H773insNPおよびH773Y、およびD770_N771insGおよびN771T、が挙げられる。他の例示的な組み合わせには、T790M(例えば、T790MおよびL858RまたはT790MおよびdelE746_A750)が挙げられる。
【0492】
EGFR変異体は、活性化変異体または耐性変異体のいずれかであり得る。活性化変異体には、薬剤感受性を増加させる置換を有するもの(例えば、G719C/S/A、delE746_A750、またはL858R)が含まれる。耐性変異体には、薬剤耐性を増加させる置換を有するもの(例えば、T790MまたはT790Mを含む任意の組み合わせ)が含まれる。
【0493】
複数の実施形態では、EGFR変異は、エクソン19(del19)の欠失である。複数の実施形態では、EGFR変異は、T790M変異である。複数の実施形態では、EGFR変異は、L858R変異である。複数の実施形態では、EGFR変異は、C797S変異である。複数の実施形態では、EGFR駆動癌(例えば、非小細胞肺癌)は、これらの変異のうちの少なくとも一つによって特徴付けられる。複数の実施形態では、EGFR駆動癌(例えば、非小細胞肺癌)は、これらの変異のうちの少なくとも二つによって特徴付けられる。複数の実施形態では、EGFR駆動癌(例えば、非小細胞肺癌)は、これらの変異のうちの少なくとも三つによって特徴付けられる。
【0494】
EGFR駆動癌には、本明細書に記載される任意の変異体を有する癌が含まれる。例えば、EGFRvIIIは、神経膠芽腫に一般的に見られ、また、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、および肺がんにも報告されている。例示的なEGFR駆動癌は、膠芽腫、肺癌(例えば、扁平上皮癌、非小細胞肺癌、腺癌、細気管支肺胞癌(BAC)、局性浸潤を伴うBAC、BACの特徴を伴う腺癌、および大細胞癌)、膵癌、頭頸部癌(例えば、扁平上皮癌)、乳癌、結腸直腸癌、上皮癌(例えば、扁平上皮癌)、卵巣癌、および前立腺癌である。
【0495】
特に、本明細書に記載される本発明は、TKI耐性突然変異のリスクが高い患者集団に利益をもたらすであろう。年間約8,000~16,000件の新規症例が、以下に基づいて推定されることができる。 非小細胞肺癌の発生数(米国での新規症例は約160,000)、一般集団におけるエルロチニブに対する反応(約10%、感受性集団16,000)、活性化突然変異の存在(白人は10-20%、アジア人は30-40%で、その結果、感受性集団16,000-32,000)、二次耐性の獲得(全患者ではないとしても、ほとんどで、その結果、感受性集団16,000-32,000)、およびT790M点変異を保有する患者の割合(約50%、その結果、感受性集団8,000-16,000)。TKI耐性突然変異を有する患者には、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ダコミチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、CL-387,785、BIBW2992(CAS Reg.番号439081-18-2)、CI-1033、ネラチニブ(HKI-272)、MP-412(AV-412)、PF-299804、AEE78、およびXL64のうちの一つ以上に対する耐性がある癌を有する患者が挙げられる。
【0496】
特に、本発明は、T790M点変異を有するEGFR駆動癌の治療に関する。一般的に、不可逆的阻害剤(例えば、CI-1033、ネラチニブ(HKI-272)、およびPF-299804)は、T790M変異を有する細胞株ではあまり強力ではなく、臨床的に達成可能な濃度ではT790Mを阻害しない。T790MおよびWTのATP Kmは近似しているため、変異体を阻害する濃度はWTを阻害し、胃腸および皮膚の事象をもたらす。
【0497】
EGFR変異体はまた、チロシンキナーゼまたはリン酸化活性を保持または増加させる、一つ以上の欠失、置換、または点変異などの付加を有する、EGFRの他のアミノ酸配列およびヌクレオチド配列を含む。変異体がタンパク質またはポリペプチドである場合、好ましい置換は保存的置換であり、これは構造、電気、極性、または疎水性特性などの特性において類似したアミノ酸間の置換である。例えば、置換は、塩基性アミノ酸(例えば、Lys、Arg、およびHis)間、または酸性アミノ酸(例えば、AspおよびGlu)間、または非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、Gly、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr、およびCys)間、または疎水性側鎖を有するアミノ酸(例えば、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、およびMet)間、または分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、Thr、Val、Leu、およびIle)間、または芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、Tyr、Trp、Phe、およびHis)間で、行われ得る。
【0498】
変異体が核酸である場合、EGFR変異タンパク質をコードするDNAは、厳しい条件下で、本明細書に定義される通り、EGFR変異体をコードするヌクレオチド配列の補体配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を含んでもよい。本明細書で使用される場合、厳しい条件には、低、中、または高の厳しい条件が含まれる。厳しい条件の一例は、およそ2-6×SSC中、およそ42-55℃でのハイブリダイゼーションを含み、その後、およそ0.1-0.2%のSDSを含有する、およそ0.1-1×SSC中、およそ50-65℃で洗浄され、1×SSCは、0.15MのNaClおよびpH7.0の0.015Mのクエン酸ナトリウムを含有する溶液である。洗浄は一回以上実施することができる。一般に、厳密な条件は、定義されたイオン強度およびpHで、特定のヌクレオチド配列の融解温度(Tm)よりも約5℃低い温度に設定されうる。
【0499】
EGFRおよびそれらをコードするDNAのアミノ酸配列およびヌクレオチド配列は、NCBI GenBank(米国)、EMBL(欧州)などの公知のデータベースから入手可能である。例えば、EGFRのGenBank登録番号[ホモサピエンス]には、MIM131550、AAI28420、NM_005228、NP_005219.2、およびGeneID:1956である。
EGFR選択性阻害
【0500】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物、またはその任意の薬学的に許容される塩は、他のキナーゼよりもEGFR(本明細書に記載される任意の変異型EGFRを含む)を選択的に阻害する。
【0501】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される化合物、またはその任意の薬学的に許容される塩は、野生型EGFRよりも変異型EGFR(本明細書に記載される任意の変異型EGFRを含む)を選択的に阻害する。複数の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、エクソン19欠失(del19)、T790M変異、L858R変異、および/またはC797S変異、またはそれらの任意の組み合わせである変異によって特徴付けられるEGFRを選択的に阻害する。こうした阻害剤は、変異型EGFR活性に関連する疾患および障害の改善に有効であり得る。
【0502】
非限定的な例として、選択性の比率は、約10倍より大きくてもよく、約20倍より大きくてもよく、約30倍より大きくてもよく、約40倍より大きくてもよく、約50倍より大きくてもよく、約60倍より大きくてもよく、約70倍より大きくてもよく、約80倍より大きくてもよく、約100倍より大きくてもよく、約120倍より大きくてもよく、または約150倍より大きくてもよく、選択性は、当該技術分野で公知のインビトロアッセイによって測定され得る。選択性を測定するアッセイの非限定的な例としては、酵素アッセイ、細胞増殖アッセイ、およびEGFRリン酸化アッセイが挙げられる。一実施形態では、選択性は、細胞増殖アッセイによって決定され得る。別の実施形態では、選択性は、EGFRリン酸化アッセイによって決定され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される化合物の変異型EGFR阻害活性は、約1000nM未満、約100nM未満、約50nM未満、約30nM未満、または約10nM未満であり得る。
【0503】
複数の実施形態では、変異型EGFR阻害のための対象化合物のIC50は、約100nM未満、約50nM未満、約10nM未満、約1nM未満、約0.5nM未満、または約1pM未満であり得る。
EGFR駆動癌の特徴付け
【0504】
本発明の組成物および方法は、EGFR駆動癌(すなわち、EGFR変異体発現または過剰発現によって特徴付けられる癌)を有する対象を治療するために使用することができる。EGFR変異体の発現または過剰発現は、生体試料中または細胞からの分泌物(例えば、抗EGFR抗体または抗p-EGFR抗体を使用した免疫組織化学アッセイ、FACS分析などを介して)中のEGFR変異体のレベルを評価することによって、診断アッセイまたは予後アッセイで決定することができる。あるいは、またはさらに、例えば、EGFR変異体をコードする核酸またはその補体に対応する核酸ベースのプローブを使用する蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH;WO98/45479、1998年10月公開参照)、サザンブロッティング、ノーザンブロッティング、または例えばリアルタイム定量的PCR(RT-PCR)などのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を介して、EGFR変異体をコードする細胞中の核酸またはmRNAのレベルを測定することができる。EGFR変異体発現は、例えば、抗体ベースのアッセイを用いることにより(例えば、1990年6月12日に発行された米国特許第4,933,294号、1991年4月18日に発行されたWO91/05264号、1995年3月28日に発行された米国特許第5,401,638号、およびSias et al.,J.Immunol.方法132:73(1990)を参照のこと)、血清などの生体試料中のshed抗原を測定することにより研究できる。上記アッセイとは別に、様々なインビボアッセイが当業者に利用可能である。例えば、哺乳類の体内の細胞を、任意に検出可能な標識、例えば放射性同位元素で標識された抗体に曝露することができ、哺乳類の細胞への抗体の結合は、例えば、外部からの放射能の走査によって、または以前に抗体に曝露された哺乳類から採取された生検を分析することによって、評価することができる。
【0505】
単離細胞で測定できる生物学的特性の例としては、mRNA発現、タンパク質発現、およびDNA定量が挙げられる。さらに、本発明の方法によって単離された細胞のDNAを配列決定することができ、または特定の配列特性(例えば、多型および染色体異常)を、標準的な技術、例えば、FISHまたはPCRを使用して特定することができる。細胞の化学成分、および他の分析物も、単離後にアッセイされてもよい。細胞はまた、例えば、細胞外または細胞内の染色を使用して、または例えば、様々な培地の形態または成長特性などの他の観察によって、溶解することなくアッセイされてもよい。
【0506】
任意のハイブリダイゼーション技術を使用して遺伝子再構成を検出することができるが、一つの好ましい技術は蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)である。FISHは、染色体上の特定のDNAまたはRNA配列の有無を検出し、局在化するために使用できる細胞遺伝学的手法である。FISHは、蛍光標識された核酸プローブの使用を組み込み、このプローブは、それらが高度な配列類似性を示す染色体の部分にのみ結合する。蛍光顕微鏡を使用して、蛍光プローブが染色体に結合した場所を見つけることができる。FISHの基本的な工程を以下に概説する。例示的なFISHプローブには、バンド7p12にハイブリダイズするVysis EGFR SpectrumOrange/CEP SpectrumGreen Probe(Abbott,Downers Grove,IL)、および染色体7のセントロメアのアルファサテライト配列にハイブリダイズするZytoLight SPEC EGFR/CEN 7 Dual Color Probe(ZytoVision)が含まれる。
【0507】
FISHについては、その標的(ゲノム内の類似の配列にではなく)に特異的にハイブリダイズするのに十分な長さであるが、ハイブリダイゼーションプロセスを妨げるには大きすぎないプローブが構築される。プローブは一般に、蛍光色素分子、抗体の標的、ビオチン、またはそれらの任意の組み合わせで標識される。これは、例えば、ランダムプライミング、ニック翻訳、およびタグ付きヌクレオチドを使用したPCRを使用して、様々な方法で行うことができる。
【0508】
一般的に、細胞集団のサンプルまたはアリコートが、FISH分析に使用される。 例えば、一つの調製方法では、細胞はトリプシン化されて単一の細胞に分散され、ガラススライド上にサイトスパンされ、次いで70%エタノールに貯蔵する前にパラホルムアルデヒドで固定される。 FISH用の染色体の調製のために、染色体は、基体、通常はガラスにしっかりと付着している。調製後、プローブを染色体RNAに適用し、ハイブリダイズを開始する。いくつかの洗浄工程では、すべての非ハイブリッド化または部分的にハイブリタイズされたプローブが洗浄される。シグナル増幅が、顕微鏡の検出閾値(プローブの標識効率、プローブの種類、蛍光染料などの多くの要因に依存する)を超える必要がある場合、蛍光タグ抗体またはストレパビジンは、タグ分子に結合され、蛍光を増幅する。
【0509】
エピ蛍光顕微鏡は、ハイブリダイズされた配列の観察に使用することができる。光源ランプの白色光は、蛍光分子の励起に関連する波長のみが試料上に到着するようにフィルターされる。蛍光色素の放射は、概して、より大きな波長で発生し、これにより、別の光学フィルターによって励起光と放射光を区別することができる。より洗練されたフィルターセットでは、複数の励起バンドと放射バンド、すなわち複数の蛍光色素を区別することができ、これにより、同じストランド上の多くの異なるプローブの観察が可能になる。
【0510】
使用されるプローブに応じて、FISHは、巨大な染色体または小さな(約100キロベース)配列にわたる解像度を有することができる。プローブは、単にドットを数えるか、または色を比較することによって定量化することができる。
【0511】
アレル特異的定量的リアルタイムPCRはまた、変異型EGFRタンパク質をコードする核酸を特定するために使用されてもよい(例えば、Diagnostic Innovations DxS BCR-ABL T3151 Mutation Test Kit、およびSinger et al.,Methods in Molec.Biol.181:145(2001)を参照)。この技術は、Taq DNAポリメラーゼを利用するが、これは、プライマーの3’末端のマッチとミスマッチ(3’塩基がミスマッチの場合、効率的な増幅は発生しない)を区別するのに非常に効果的である。この技術を使用して、プライマーの3’末端は、本明細書に記載されるように、EGFR変異体中の変異アミノ酸をコードするコドンに対応する核酸配列に特異的にハイブリダイズするように設計され得る。このようにして、特異的変異配列は、患者サンプルにおいて選択的に増幅され得る。この技術はさらに、PCRプライマー、蛍光色素分子、およびクエンチャーを含有する二官能性分子である、スコーピオン(Scorpion)プローブ分子を利用する。プローブ内の蛍光色素分子は、蛍光を減少させるクエンチャーと相互作用する。PCR反応中、スコーピオン(Scorpion)プローブがアンプリコンに結合すると、スコーピオン(Scorpion)プローブ内の蛍光色素分子とクエンチャーが分離され、これが反応管からの蛍光の増加につながる。本明細書に記載されるプライマーのいずれかは、アレル特異的定量的リアルタイムPCRで使用され得る。
【0512】
生体試料は、当技術分野で公知の方法によって、EGFR遺伝子、またはEGFR遺伝子の発現レベルの変異を検出するために分析され得る。例えば、直接核酸配列決定、改変ハイブリダイゼーション、異常な電気泳動ゲル移動、ミスマッチ結合タンパク質によって媒介される結合または切断、一本鎖立体構造多型(SSCP)解析、または患者サンプルに由来するPCR産物の制限断片長多型(RFLP)解析などの方法を使用して、EGFR遺伝子の変異を検出することができ、ELISAを使用して、EGFRポリペプチドのレベルを測定することができ、およびPCRを使用して、EGFR核酸分子のレベルを測定することができる。
【0513】
これらの技術のいずれかを使用して、候補遺伝子中の変異の検出を容易にすることができ、各々は当該技術分野で周知であり、特定の技術の例が,Orita et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2766(1989))およびSheffield et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:232(1989))以下にて説明されるが、これに限定されるものではない。さらに、生体試料(例えば、生検)中の候補遺伝子の発現は、標準的なノーザンブロット分析によって監視されてもよく、またはPCRによって支援されてもよい(例えば、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York,NY(1995);PCR Technology:Principles and Applications for DNA Amplification,H.A.Ehrlich,Ed.,Stockton Press et al.Nucl.Acids.Res.19:4294(1991)を参照)。
【0514】
当業者は、多数の配列アライメントソフトウェアプログラム(例えば、NCBI BLASTウェブサイト)を使用して、野生型EGFRまたはEGFR変異体中の残基またはコドンに対応する残基(例えば、アミノ酸またはヌクレオチド)またはコドンを、核酸またはタンパク質配列で特定し得る。こうしたソフトウェアプログラムは、比較された配列のアライメントにおけるギャップを許容しうる。こうしたソフトウェアを使用して、当業者は特定のヌクレオチド、アミノ酸、または野生型EGFRおよびEGFR変異体中の特定のヌクレオチド、アミノ酸、またはコドンに対応するアミノ酸を識別し得る。
【0515】
生体試料中のEGFR発現のレベル(例えば、DNA、mRNA、またはタンパク質)は、当技術分野で周知であるか、または本明細書に記載される多くの標準技術のいずれかを使用して決定することができる。例示的な生体試料としては、血漿、血液、たん、胸水、気管支肺胞洗浄、または肺生検およびリンパ節生検などの生検が挙げられる。例えば、患者由来の生体試料(例えば、血液または組織サンプル)中のEGFR発現は、標準的なノーザンブロット分析または定量的PCR(例えば、Ausubel et al.,supra;PCR Technology:Principles and Applications for DNA Amplification,H.A.Ehrlich,Ed.,Stockton Press,NY;Yap et al.,Nucl.Acids.Res.19:4294(1991)参照)により監視される。
併用療法
【0516】
いくつかの実施形態では、他の経路、または同じ経路の他の構成要素を調節することが知られている薬剤、または標的酵素の重複セットが、本明細書に提供される化合物、またはその薬学的に許容される形態(例えば、薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、異性体、プロドラッグ、および同位体標識誘導体)と組み合わせて使用される、併用療法のための方法が、本明細書に記載される。一態様では、こうした療法は、限定されないが、化学療法剤、治療抗体、および放射線療法と対象化合物を組み合わせて、相乗的または相加的な治療効果を提供することを含む。
【0517】
組み合わせて投与されるとき、治療剤は、同時に、または異なる時間に順次投与される別個の組成物として製剤化されてもよく、または治療剤は、単一の組成物として投与されてもよい。開示された化合物を別の医薬品と共に使用することに言及する場合の「併用療法」という語句は、いずれの場合でも、薬剤併用の有益な効果をもたらすレジメンでの、実質的に同時に各薬剤の併用投与、ならびに各薬剤の順次的な投与を意味する。併用投与には、特に、例えば、これらの活性薬剤の固定比を有する単一の錠剤、カプセル、注射剤、または他の剤形における同時送達、ならびに各薬剤に対する複数の別個の剤形での同時送達が含まれる。したがって、開示された化合物の投与は、癌の症状またはいずれかの薬物の副作用を改善するために、放射線療法または細胞増殖抑制剤、細胞毒性剤、他の抗癌剤および他の薬物などの癌の予防または治療において当業者に公知の追加的療法と併せて行うことができる。
【0518】
いくつかの実施形態では、治療は、一つ以上の他のがん療法と組み合わせて提供することができ、これには手術、放射線療法(例えば、ガンマ線照射、中性子線放射線療法、電子線放射線療法、プロトン療法、小線源治療、および全身放射性同位元素など)、内分泌療法、生物学的応答修飾剤(例えば、インターフェロン、インターロイキン、および腫瘍壊死因子(TNF)、温熱療法、凍結療法、あらゆる悪影響を軽減する薬剤(例えば、制吐薬)、および他のがん化学療法薬などが含まれる。他の薬剤は、本明細書に提供される化合物で使用されるものとは同一であるか、または異なる製剤、投与経路、および投与スケジュールを使用して投与することができる。
【0519】
複数の実施形態では、併用療法は、本明細書に記載される化合物、またはその任意の薬学的に許容される形態(例えば、その任意の薬学的に許容される塩)、またはその医薬組成物を、抗癌剤(例えば、抗増殖剤、血管新生阻害剤、および他の化学療法剤)と組み合わせた投与を含む。
複数の実施形態では、併用療法は、本明細書に記載される化合物、またはその任意の薬学的に許容される形態(例えば、その任意の薬学的に許容される塩)、またはその医薬組成物を、ある量の抗癌剤(例えば、化学療法剤)と組み合わせた投与を含む。
【実施例
【0520】
実施例:1 化合物の調製(33)
17-(アゼチジン-1-イル)-20,27-ジメチル-30-オキサ-21,22,23,24,25,26,27,28-オクタザペンタシクロペンタコサ-2,4(14),5(22),6(23),12(24),13(15),16(18),17(25),19(21)-ノナエン(nonaene)(化合物(33))の合成
【化116】
工程1:tert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-(2-クロロピリミジン-4-イル)カルバメートの合成
【化117】
【0521】
THF(20mL)中の2-クロロピリミジン-4-アミン(2g、15.4mmol、1当量)およびDMAP(188.6mg、1.54mmol、0.1当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージし、TEA(6.25g、61.8mmol、4当量)およびBocO(10.11g、46.3mmol、3当量)を添加した。混合物を、窒素雰囲気下、15℃で16時間攪拌した。反応混合物をHO(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、12gのSepaFlash(登録商標)Silica FlashColumn、0~20%のEtOAc濃度の石油エーテル/EtOAc、流量=20mL/分)により精製し、オフホワイト固体としてtert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-(2-クロロピリミジン-4-イル)カルバメート(4.5g、収率85.7%、純度97%)を得た。
【0522】
H NMR(400MHz、DMSO)δ8.72(d、J=6.0Hz、1H)、7.73(d、J=6.0Hz、1H)、1.52(s、18H)。
工程2:2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オンの合成
【化118】
【0523】
MeCN(20mL)中の2-メチルピラゾール-3-オール(3g、30.6mmol、1当量)の溶液に、SEMCl(11mL、62.2mmol、2.03当量)およびKCO(18.0g、0.130mol、4.26当量)を添加した。混合物を20℃で12時間攪拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、40gのSepaFlash(登録商標)Silica FlashColumn、0~8%のMeOHを含むDCM/MeOH、流量=40mL/分)により精製し、白色固体として2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(6.2g、収率70.1%、純度79%)を得た。
【0524】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ、7.30(d、J=3.6Hz、1H)、5.49(d、J=3.6Hz、1H)、4.98(s、2H)、3.43-3.47(m、5H)、0.87(t、J=8.0Hz、2H)、-0.02(s、9H)。
工程3:4-ブロモ-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オンの合成
【化119】
【0525】
MeCN(20mL)中の2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(1.7g、7.44mmol、1当量)の混合物に、窒素下で0℃でNBS(1.99g、11.2mmol、1.5当量)を加え、混合物を窒素雰囲気下で15℃で1時間攪拌した。反応混合物を飽和Na水溶液液(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、12gのSepaFlash(登録商標)Silica FlashColumn、50~100%のEtOAc濃度の石油エーテル/EtOAc、流量=30mL/分)により精製し、黄色固体として4-ブロモ-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(1.2g、収率48.8%、純度93%)を得た。
【0526】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ7.42(s、1H)、4.97(s、2H)、3.48-3.52(m、5H)、0.89(t、J=8.0Hz、2H)、-0.01(s、9H)。
工程4:tert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-[2-[2-メチル-3-オキソ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-4-イル]ピリミジン-4-イル]カルバメートの合成
【化120】
【0527】
MeCN(25mL)およびHO(2.5mL)中のtert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-(2-クロロピリミジン-4-イル)カルバメート(2.68g、8.14mmol、5当量)、4-ブロモ-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(500mg、1.63mmol、1当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(2.07g、8.14mmol、5当量)、4-ジtert-ブチルホスファニル-N、N-ジメチル-アニリン;ジクロロパラジウム(230.4mg、0.325mmol、0.2当量)およびNaCO(862.4mg、8.14mmol、5当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージし、次いで、混合物を、窒素雰囲気下で100℃で4時間攪拌した。反応混合物をHO(100mL)で希釈し、EtOAc(150mL×2)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、40gのSepaFlash(登録商標)Silica FlashColumn、0~10%のMeOHを含むDCM/MeOH、流量=30mL/分)により精製し、褐色油としてtert-ブチル N-tert-ブトキシカルボニル-N-[2-[2-メチル-3-オキソ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-4-イル]ピリミジン-4-イル]カルバメート(2g、収率55.4%、純度47%)を得た。
【0528】
LCMS[M+H] m/z:計算値522.3、実測値522.4。
工程5:4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オンの合成
【化121】
【0529】
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン-2-オール(10mL)中のtert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-[2-[2-メチル-3-オキソ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-4-イル]ピリミジン-4-イル]カルバメート(500mg、0.958mmol、1当量)の溶液に、TFA(1mL、13.5mmol、14.09当量)を添加した。混合物を15℃で3時間攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、分取TLC(シリカ、DCM/MeOH=10/1、254nm)により精製し、赤色固体として4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(150mg、収率46.7%、純度96%)を得た。
【0530】
H NMR(400MHz、メタノール-d)δ8.38(br s、1H)、8.02(br s、1H)、6.34(br s、1H)、5.40(s、2H)、3.52-3.62(m、5H)、0.92(t、J=8.0Hz、2H)、-0.00(s、9H)。
工程6:4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタン-2-オールの合成
【化122】
【0531】
DCM(80mL)中のブタン-1,3-ジオール(5g、55.5mmol、1当量)およびイミダゾール(4.15g、61.0mmol、1.1当量)の溶液に、TBDMSCl(8.36g、55.5mmol、1当量)を0℃で加えた。混合物を、20℃で15時間攪拌した。反応混合物をHO(100mL)で希釈し、DCM(100mL×2)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル/EtOAc=50/1~20/1)により精製し、無色油として4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタン-2-オール(9.7g、収率85.5%)を得た。
【0532】
H NMR(400MHz、DMSO-d)4.30(d、J=4.4Hz、1H)、3.62-3.67(m、2H)、1.44-1.55(m、2H)、1.50(d、J=6.4Hz、3H)、0.86(s、9H)、0.02(s、6H)。
工程7:3-ブロモブトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シランの合成
【化123】
【0533】
DCM(80mL)中のPPh(7.70g、29.4mmol、1.2当量)の混合物に、Br(1.5mL、29.4mmol、1.2当量)を0℃でゆっくりと加えた。30分間攪拌した後、この混合物を、0°CのDCM(50mL)中の4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタン-2-オール(5g、24.5mmol、1当量)およびイミダゾール(3.33g、48.9mmol、2当量)の混合物に加えた。混合物を、15℃で15時間攪拌した。反応混合物をHO(100mL)で希釈し、DCM(100mL×2)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(150mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル/EtOAc=50/1~20/1)により精製し、無色油として3-ブロモブトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(4.7g、収率71.9%)を得た。
【0534】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ4.28-4.37(m、1H)、3.74-3.80(m、2H)、1.99(q、J=6.4Hz、2H)、1.75(d、J=6.4Hz、3H)、0.91(s、9H)、0.08(s、6H)。
工程8:tert-ブチル-[3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)ブトキシ]-ジメチル-シランの合成
【化124】
【0535】
DMF(20mL)中の6-クロロ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(2g、7.16mmol、1当量)、3-ブロモブトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(5.74g、21.5mmol、3当量)およびKOH(1.20g、21.5mmol、3当量)の混合物を、60℃で16時間攪拌した。反応混合物をHO(50mL)で希釈し、EtOAc(100mL×2)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(100mL×2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、12gのSepaFlash(登録商標)Silica FlashColumn、0~30%のEtOAc濃度の石油エーテル/EtOAc、流量=20mL/分)により精製し、白色固体としてtert-ブチル-[3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]-ジメチル-シラン(2.2g、収率64.0%、純度97%)を得た。
【0536】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ8.56(s、1H)、7.36(s、1H)、4.83-4.91(m、1H)、3.56-3.61(m、1H)、3.07-3.13(m、1H)、2.17-2.21(m、1H)、2.00-2.05(m、1H)、1.60(d、J=6.4Hz、3Hz)、0.88(s、9H)、-0.03(s、H)、-0.07(s、3H)。
【0537】
LCMS[M+H] m/z 計算値466.1、実測値466.0。
【0538】
位置化学はNOEによって確認された。
工程9:3-[3-(アゼチジン-1-イル)-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シランの合成
【化125】
【0539】
DMF(30mL)中のtert-ブチル-[3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)ブトキシ]-ジメチル-シラン(2.2g、4.72mmol、1当量)、アゼチジン、塩酸塩(1.77g、18.9mmol、4当量)、CuI(1.44g、7.56mmol、1.6当量)、L-プロリン(978.7mg、8.50mmol、1.8当量)、およびKCO(4.57g、33.1mmol、7当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージし、次いで、混合物を窒素雰囲気下で90℃で16時間攪拌した。反応混合物をHO(100mL)で希釈し、EtOAc(150mL×2)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(100mL×2)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、12gのSepaFlash(登録商標)Silica FlashColumn、0~30%のEtOAc濃度の石油エーテル/EtOAc、流量=20mL/分)により精製し、黄色固体として3-[3-(アゼチジン-1-イル)-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ-tert-ジメチル-シラン(950mg、収率40.2%、純度79%)を得た。
【0540】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ8.53(s、1H)、7.13(s、1H)、4.62-4.65(m、1H)、4.18-4.23(m、4H)、3.51-3.55(m、1H)、3.12-3.18(m、1H)、2.49-2.55(m、2H)、2.13-2.17(m、1H)、1.91-1.95(m、1H)、1.50(d、J=6.8Hz、3H)、0.89(s、9H)、-0.03(s、3H)、-0.06(s、3H)。
工程10:4-[4-[[3-(アゼチジン-1-イル)-1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オンの合成
【化126】
【0541】
ジオキサン(2ml)中の3-[3-(アゼチジン-1-イル)-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(294.9mg、0.747mmol、2当量)、4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(120mg、0.373mmol、1当量)、Pd(dba)(68.4mg、74.7μmol、0.2当量)、キサントホス(43.2mg、74.7μmol、0.2当量)およびCsCO(364.9mg、1.12mmol、3当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージし、次いで、混合物を、窒素雰囲気下で130度で1時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取TLC(シリカ、DCM/MeOH=10:1、254nm)により精製して、4-[4-[[3-(アゼチジン-1-イル)-1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(180mg、収率65.2%、純度92%)を得た。
【0542】
LCMS[M+H] m/z 計算値680.4、実測値680.6。
工程11:4-[4-[[3-(アゼチジン-1-イル)-1-(3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル)ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1H-ピラゾール-3-オンの合成
【化127】
【0543】
THF(3mL)中の4-[4-[[3-(アゼチジン-1-イル)-1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(70mg、0.103mmol、1当量)の混合物を、1M TABF/THF(210μL、0.210mmol、2当量)に0℃で加え、混合物を15℃で1時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、黄色油として4-[4-[[3-(アゼチジン-1-イル)-1-(3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル)ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1H-ピラゾール-3-オン(60mg、粗)を得た。
工程12:17-(アゼチジン-1-イル)-20,27-ジメチル-30-オキサ-21,22,23,24,25,26,27,28-オクタザペンタシクロペンタコサ-2,4(14),5(22),6(23),12(24),13(15),16(18),17(25),19(21)-ノナエン(nonaene)(化合物(33))の合成
【化128】
【0544】
THF(2mL)中の4-[4-[[3-(アゼチジン-1-イル)-1-(3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル)ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1H-ピラゾール-3-オン(60.0mg、0.138mmol、1当量)およびPPh(108.4mg、0.414mmol、3当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージし、次いで0°Cまで冷却した。DIAD(83.6mg、0.414mmol、3当量)を0℃で滴下し、混合物を窒素雰囲気下で20℃で2時間攪拌した。反応混合物をHO(10mL)で希釈し、EtOAc(15mL×2)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(10mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、分取TLC(シリカ、DCM/MeOH=10/1、254nm)により精製し、分取HPLC(Welch Xtimate C18 150×25mm×5μm、移動相:[水(0.05%NH-HO)-MeCN]、B%:33%-63%、7.8分)で精製された粗産物を与え、オフホワイトの個体として、17(アゼチジン-1-イル)-20,27-ジメチル-30-オキサ-21,22,23,24,25,26,27,28-オクタザペンタシクロペンタコサ-2,4(14),5(22),6(23),12(24),13(15),16(18),17(25),19(21)-ノナエン(nonaene)(3.3mg、収率5.4%、純度94%)を得た。
【0545】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ8.87(s、1H)、8.47(s、1H)、8.33(d、J=6.4Hz、1H)、8.13(s、1H)、7.13(s、1H)、7.66(br s、1H)、6.40(d、J=6.4Hz、1H)、5.01-5.09(m、1H)、4.55-4.62(m、1H)、4.18-4.28(m、4H)、3.80-4.19(m、4H)、2.48-2.56(m、2H)、2.31-2.35(m、1H)、2.18-2.22(m、1H)、1.80(d、J=7.2Hz、3H)。
【0546】
LCMS[M+H] m/z 計算値418.1、実測値418.1。

実施例2:化合物(4)の調製
19-(アゼチジン-1-イル)-11,16,16-トリメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)(化合物(4))の合成
【化129】
工程1:3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-3-メチル-ブタン-2-オンの合成
【化130】
【0547】
DMF(30.0mL)中の6-クロロ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(2g、7.16mmol、1.0当量)KOH(1.2g、21.4mmol、3.0当量)および3-ブロモ-3-メチル-ブタン-2-オン(3.5g、21.2mmol、3.0当量)の混合物を、60℃で2.5時間攪拌した。反応混合物を、HO(50mL)およびEtOAc(80mL)との間で分配した。有機層を分離し、ブライン(80mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、および減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/EtOAc=50/1~10/1、254nm)により精製し、無色油として3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-3-メチル-ブタン-2-オン(1.3g、収率49.0%、純度98%)を得た。
【0548】
LCMS[M+H] m/z 計算値364.0、実測値363.8。
【0549】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δppm8.63(d、J=0.8Hz、1H)、7.17(d、J=0.8Hz、1H)、1.96(s、3H)、1.87(s、6H)。
【0550】
位置化学はNOEによって確認された。
工程2:3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-1-ヒドロキシ-3-メチル-ブタン-2-オンの合成
【化131】
【0551】
MeOH(15.0mL)中の3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-3-メチル-ブタン-2-オン(1.3g、3.58mmol、1.0当量)およびKOH(1.08g、19.31mmol、5.4当量)の混合物を、0℃で15分間攪拌した。次いで、[フェニル-(2,2,2-トリフルオロアセチル)オキシ-λ3-イオダニル]2,2,2-トリフルオロアセテート(3.12g、7.26mmol、2.0当量)を加え、混合物を0℃で1.5時間攪拌した。反応混合物を、HSO(20mL)の5重量%の水溶液の添加によりクエンチし、0℃で90分間攪拌し、EtOAc(20mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(20mL×3)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/EtOAc=10/1~1/1、254nm)により精製し、無色油として3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-1-ヒドロキシ-3-メチル-ブタン-2-オン(800mg、収率55.4%、純度94%)を得た。
【0552】
LCMS[M+H]m/z計算値380.0、実測値379.8。
【0553】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δppm8.63(d、J=0.8Hz、1H)、7.21(d、J=1.0Hz、1H)、4.14(s、2H)、2.80(br s、1H)、1.96(s、6H)。
工程3:1-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-3-メチル-ブタン-2-オンの合成
【化132】
【0554】
THF(20.0mL)中の3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-1-ヒドロキシ-3-メチル-ブタン-2-オン(800mg、2.11mmol、1.0当量)、TBDMSCl(660mg、4.38mmol、2.1当量)およびイミダゾール(400mg、5.88mmol、2.8当量)の混合物を、20℃で1時間攪拌した。反応混合物を、EtOAc(50mL)とHO(30mL)との間で分配した。有機層を分離し、ブライン(30mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、および減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/EtOAc=80/1~10/1、254nm)により精製し、無色油として1-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-3-メチル-ブタン-2-オン(1g、収率96.1%、純度100%)を得た。
【0555】
LCMS[M+H] m/z 計算値494.0、実測値493.9。
【0556】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δppm8.61(d、J=0.8Hz、1H)、7.23(d、J=0.8Hz、1H)、4.24(s、2H)、1.91(s、6H)、0.80(s、9H)、-0.07(s、6H)。
工程4:1-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-3-メチル-ブタン-2-オールの合成
【化133】
【0557】
EtOH(15.0mL)中の1-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-3-メチル-ブタン-2-オン(1g、2.02mmol、1.0当量)およびNaBH(160mg、4.23mmol、2.1当量)の混合物を、0℃で50分間攪拌した。反応混合物をHO(25mL)でクエンチし、EtOAc(20mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/EtOAc=50/1~3/1、254nm)により精製し、無色油として1-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-3-メチル-ブタン-2-オール(270mg、収率26.1%、純度97%)を得た。
【0558】
LCMS[M+H] m/z 計算値496.1、実測値495.9。
【0559】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δppm 8.55(s、1H)、7.72(s、1H)、4.02-3.95(m、1H)、3.65(dd、J=3.8、10.2Hz、1H)、3.35(dd、J=7.9、9.6Hz、1H)、2.99(br d、J=3.0Hz、1H)、1.83(s、6H)、0.84(d、J=1.1Hz、9H)、0.01(d、J=7.1Hz、6H)。
工程5:3-[3-(アゼチジン-1-イル)-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]-1-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-メチル-ブタン-2-オールの合成
【化134】
【0560】
DMF(10.0mL)中の1-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)-3-メチル-ブタン-2-オール(270mg、0.54mmol、1.0当量)、アゼチジン、塩酸塩(160mg、1.71mmol、3.1当量)、L-プロリン(100mg、0.87mmol、1.6当量)、KCO(400mg、2.89mmol、5.3当量)およびCul(155 mg、0.81mmol、1.5当量)を脱気し、次いで窒素化で90℃で4時間で加熱した。反応物を室温まで冷却し、濾過して、EtOAc(20mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機相をブライン(30mL×3)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残渣を、分取TLC(SiO、石油エーテル/EtOAc=3/1、254nm)により精製し、黄色油として3-[3-(アゼチジン-1-イル)-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]-1-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-メチル-ブタン-2-オール(130mg、収率45.5%、純度81%)を得た。
【0561】
LCMS[M+H] m/z:計算値 425.2、実測値425.1。
工程6:O-[2-[3-(アゼチジン-1-イル)-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]-1-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-2-メチル-プロピル]イミダゾール-1-カルボチオエートの合成
【化135】
【0562】
DCM(10.0mL)中の3-[3-(アゼチジン-1-イル)-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]-1-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-3-メチル-ブタン-2-オール(130mg、0.306mmol、1.0当量)、TCDI(130mg、0.729mmol、2.4当量)およびDMAP(40mg、0.327umol、1.1当量)の混合物を、40°Cの窒素下で36時間撹拌した。反応混合物を、DCM(20mL)とHO(20mL)との間で分配した。有機相を分離し、ブライン(20mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、O-[2-[3-(アゼチジン-1-イル)-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]-1-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-2-メチル-プロピル]イミダゾール-1-カルボチオエート(500mg、粗)を固体黄色として得た。
【0563】
LCMS[M+H] m/z:計算値 535.2、実測値535.1。
工程7:[3-[3-(アゼチジン-1-イル)-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]-3-メチル-ブトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シランの合成
【化136】
【0564】
トルエン(8.0mL)中のO-[2-[3-(アゼチジン-1-イル)-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]-1-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシメチル]-2-メチル-プロピル]イミダゾール-1-カルボチオエート(500mg、0.934mmol、1.0当量)、AIBN(160mg、0.974mmol、1.0当量)、およびトリブチルスタンナン(1mL、3.78mmol、4.1当量)の混合物を、窒素化で、1時間、120℃で攪拌した。反応混合物を、HO(15mL)の添加によってクエンチし、EtOAc(20mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(30mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、分取TLC(SiO、石油エーテル/EtOAc=5/1、254nm)により精製し、黄色油として3-[3-(アゼチジン-1-イル)-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]-3-メチル-ブトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(140mg、収率34.4%、純度94%)を得た。
【0565】
LCMS[M+H] m/z:計算値409.2、実測値409.1。
【0566】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δppm8.53(s、1H)、7.35(s、1H)、4.18(t、J=7.4Hz、4H)、3.49(t、J=6.8Hz、2H)、2.50(quin、J=7.4Hz、2H)、2.19(t、J=6.8Hz、2H)、1.71(s、6H)、0.84(s、9H)、-0.04(s、6H)。
工程8:4-[4-[[3-(アゼチジン-1-イル)-1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1,1-ジメチル-プロピル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オンの合成
【化137】
【0567】
[3-[3-(アゼチジン-1-イル)-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]-3-メチル-ブトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(140mg、0.342mmol、1.0当量)、4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(110mg、0.342mmol、1.0当量)、XantPhos(20mg、0.035mmol、0.1m当量)、CsCO(230mg、0.706 mmol、2.1当量)およびPd(dba)(33mg、0.036mmol、0.1当量)が、吸い上げられ、ジオキサン(5.0mL)中のマイクロ波管中に入れられた。密封された管を、窒素下で、マイクロ波下で、130℃で2時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取TLC(SiO、DCM/MeOH=10/1、254nm)により精製して、4-[4-[[3-(アゼチジン-1-イル)-1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1,1-ジメチル-プロピル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(160mg、収率49.2%、純度73%)を得た。
【0568】
LCMS[M+H] m/z:計算値694.4、実測値694.3。
工程9:4-[4-[[3-(アゼチジン-1-イル)-1-(3-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-プロピル)ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オールの合成
【化138】
【0569】
THF(10.0mL)中の4-[4-[[3-(アゼチジン-1-イル)-1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1,1-ジメチル-プロピル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(160mg、0.230mmol、1.0当量)および1M TBAF(0.7mL、0.7mmol、3.0当量)の混合物を70℃で1時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage(登録商標)、カラム:SepaFlash(登録商標)球面C18、40g、40-60μm、120A 40g、40-60μm、120Å、SepaFlash(登録商標)球状C18カラム、0~43%のMeCN濃度のMeCN/水(0.05%NH3-O)、30mL/分、254nm)、により精製して、黄色固体として、4-[4-[[3-(アゼチジン-1-イル)-1-(3-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-プロピル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オン(90mg、収率79.9%、純度92%)を得た。
【0570】
LCMS[M+H] m/z:計算値450.2、実測値450.1。
【0571】
H NMR(400MHz、メタノール-d)δ ppm 8.63(br s、1H)、8.01(br s、1H)、7.82(s、2H)、5.99(s、1H)、4.20(t、J=7.4Hz、4H)、3.49(s、3H)、3.48-3.44(m、2H)、2.53-2.46(m、2H)、2.30(t、J=7.4Hz、2H)、1.76(s、6H)。
工程10:19-(アゼチジン-1-イル)-11,16,16-トリメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)の合成
【化139】
【0572】
トルエン(20.0mL)中の4-[4-[[3-(アゼチジン-1-イル)-1-(3-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-プロピル)ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(90mg、0.20mmol、1.0当量)および2-(トリブチル-λ-ホスファニリデン(phosphanylidene))アセトニトリル(270mg、1.12mmol、5.6当量)の混合物を、窒素化で17時間120℃で、攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。純粋でない所望の生成物を得るために、分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm、移動相:[水(0.05%NH-HO+10mM NHHCO)-ACN]、B%:34~64%、9.5分、カラム温度:30℃)によりさらに精製される粗生成物を得るために、残渣を、分取TLC(SiO2、DCM:MeOH=10:1、254nm)により精製した。この生成物を、白色個体として、19-(アゼチジン-1-yl)-11,16,16-トリメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)(8.4mg、収率9.6%、純度99%)を得るために、分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150×25mm×5μm、移動相:[水(0.05%NHO+10mM NHHCO)-ACN]、B%:36~66%、7.8分、カラム温度:30℃)により精製した。
【0573】
LCMS[M+H] m/z:計算値432.2、実測値432.1。
【0574】
H NMR(400MHz、メタノール-d)δppm 8.85(s、1H)、8.50(s、1H)、8.24(d、J=6.0Hz、1H)、7.94(s、1H)、6.71(d、J=6.0Hz、1H)、4.64-4.61(m、2H)、4.18(t、J=7.4Hz、4H)、3.82(s、3H)、2.67(t、J=7.0Hz、2H)、2.49(quin、J=7.4Hz、2H)、1.76(s、6H)。
実施例3:化合物の調製(12)
2-[2-(11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaen)-19-イル)ピロール-1-イル]-N,N-ジメチル-エタンアミン(化合物(12))の合成
【化140】
工程1:2-[1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]ピロール-1-カルボキシレートの合成
【化141】
【0575】
ジオキサン(24.0mL)およびHO(4.0 mL)中のtert-ブチル-[3-(6-クロロ-3-ヨード-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)ブトキシ]-ジメチル-シラン(1.5g、3.22mmol、1.0当量)、(1-tert-ブトキシカルボニルピロール-2-イル)ボロン酸(750mg、3.55mmol、1.10当量)、Pd(dppf)Cl(500mg、0.68mmol、0.2当量)、およびKCO(1.3g、9.41mmoL、2.92当量)の溶液を、窒素で3回かき乱し、80℃で1時間攪拌した。反応混合物を、水(30.0mL)で希釈し、EtOAc(50.0mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(50.0mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮し、残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、80gのSepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、0~10%のEtOAc濃度の石油エーテル/EtOAc、流れ=60mL/分)で精製し、tert-ブチル2-[1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]ピロール-1-カルボキシレート(1.1g、収率60.9%、純度90%)を無色油として得た。
【0576】
LCMS[M+H] m/z:計算値505.2、実測値505.1。
【0577】
H NMR(400MHz、CDCl)δ8.63(s、1H)、7.49(dd、J=1.8、3.2Hz、1H)、7.39(s、1H)、6.51(dd、J=1.8、3.3Hz、1H)、6.34(t、J=3.6、1H)、4.95-4.83(m、1H)、3.64-3.55(m、1H)、3.22(dt、J=3.6、10.0Hz、1H)、3.29-3.17(m、1H)、2.31-2.20(m、1H)、2.04(tdd、J=4.8、9.6、14.1Hz、1H)、1.63(d、J=6.8Hz、3H)、1.32-1.23(m、9H)、0.94-0.86(m、9H)、-0.03(d、J=15.2Hz、6H)。
工程2:3-[6-クロロ-3-(1H-ピロール-2-イル)ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブタン-1-オールの合成
【化142】
【0578】
HFIPA(15.0mL)中のter-ブチル2-[1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]ピロール-1-カルボキシレート(1.1g、2.18mmol、1.0当量)の溶液に、TFA(1.5mL、20.3mmol、9.30当量)を0°Cで加えた。次いで、混合物を20℃で4時間攪拌した。反応混合物を、飽和NaHCO水溶液でpH=8にクエンチし、DCM(50.0mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機層をブライン(50.0mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を濃縮して、3-[6-クロロ-3-(1H-ピロール-2-イル)ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブタン-1-オール(800mg、粗)を白色固体として得た。

工程3:tert-ブチル-[3-[6-クロロ-3-(1H-ピロール-2-イル)ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-ジフェニル-シランの合成
【化143】
【0579】
THF(10.0mL)中の3-[6-クロロ-3-(1H-ピロール-2-イル)ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブタン-1-オール(800mg、2.75mmol、1.0当量)の溶液に、イミダゾール(450mg、6.61mmol、2.40当量)およびTBDPSCl(0.75mL、2.92mmol、1.06当量)を15℃で加えた。添加後、混合物を15℃で3時間攪拌した。反応混合物を水(30.0mL)で希釈し、EtOAc(50.0mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機層をブライン(50.0mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカ、石油エーテル/EtOAc=1/0~15/1、254nm)により精製して、無色油としてtert-ブチル-[3-[6-クロロ-3-(1H-ピロール-2-イル)ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-ジフェニル-シラン(820mg、収率54.6%、純度97%)を得た。
【0580】
LCMS[M+H] m/z:計算値529.2、実測値529.1。
【0581】
H NMR(400MHz、CDCl)δ9.04(s、1H)、7.60(dd、J=1.6、8.0Hz、2H)、7.49-7.45(m、2H)、7.45-7.40(m、1H)、7.39-7.32(m、4H)、7.27-7.22(m、3H)、6.96-6.91(m、1H)、6.83(br s、1H)、6.38(q、J=2.8、1H)、5.02-4.84(m、1H)、3.71-3.50(m、1H)、3.28(dt、J=4.0、10.2Hz、1H)、2.33-2.19(m、1H)、2.11-2.01(m、1H)、1.59(s、3H)、1.06(s、9H)。
工程4:tert-ブチル-[3-[6-クロロ-3-(1H-ピロール-2-イル)ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-ジフェニル-シランの合成
【化144】
【0582】
DMF(8.0mL)中のtert-ブチル-[3-[6-クロロ-3-(1H-ピロール-2-イル)ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-ジフェニル-シラン(400mg、0.76mmol、1.0当量)の溶液に、CsCO(700mg、2.15mmol、2.84当量)および1-ブロモ-2-クロロ-エタン(0.4mL、4.83mmol、6.38当量)を添加した。次いで、混合物を、60℃で12時間攪拌した。反応混合物を水(30.0mL)で希釈し、EtOAc(50.0mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(50.0mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を分取TLC(シリカ、石油エーテル/EtOAc=5/1、254nm)により精製して、白色固体としてtert-ブチル-[3-[6-クロロ-3-[1-(2-クロロエチル)ピロール-2-イル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-ジフェニル-シラン(150mg、収率30.2%、純度90%)を得た。
【0583】
LCMS[M+H] m/z:計算値591.2、実測値591.1。
工程5:2-[2-[1-[3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]ピロール-1-イル]-N,N-ジメチル-エタンアミンの合成
【化145】
【0584】
DMF(15.0mL)中のTert-ブチル-[3-[6-クロロ-3-[1-(2-クロロエチル)ピロール-2-イル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-ジフェニル-シラン(150mg、0.25mmol、1.0当量)、N-メチルメタンアミン/HO(1.33g、11.8mmol、1.5mL、40重量%、46.7当量)およびKI(120mg、0.72mmol、2.85当量)を120℃で12時間加熱した。反応混合物を水(15.0mL)で希釈し、EtOAc(20.0mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(20mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残渣を分取TLC(シリカ、100%EtOAc、254nm)により精製して、褐色油として、2-[2[1-[3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]ピロール-1-イル]-N,N-ジメチル-エタンアミン(120mg、収率74.9%、純度95%)を得た。
【0585】
LCMS[M+H]+ m/z:計算値600.3、実測値600.1。
工程6:4-[4-[[1-[3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-3-[1-[2-(ジメチルアミノ)エチル]ピロール-2-イル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オンの合成
【化146】
【0586】
ジオキサン(3.0mL)中の4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(85mg、0.26mmol、1.13当量)、2-[2-[1-[3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]ピロール-1-イル]-N,N-ジメチル-エタンアミン(140mg、0.23mmol、1.0当量)、Pd(dba)(50mg、0.05mmol、0.2当量)、XantPhos(60mg、0.1mmol、0.4当量)およびCsCO(230mg、0.7mmol、3.0当量)、を吸い上げ、マイクロ波管中に入れた。混合物を、窒素で2分間かき乱した。密封された管を、マイクロ波下で130℃で1時間加熱した。反応混合物を、水(20.0mL)で希釈し、DCM(30.0mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機層を、NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を分取TLC(シリカ、DCM/MeOH/NH-HO=10/1/0.25)により精製し、4-[4-[[1-[3-[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-3-[1-[2-(ジメチルアミノ)エチル]ピロール-2-イル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(90mg、収率41.9%、純度96%)を褐色油として得た。
【0587】
LCMS [M+H] m/z:計算値885.5、実測値885.4。
工程7:4-[4-[[3-[1-[2-(ジメチルアミノ)エチル]ピロール-2-イル]-1-(3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル)ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オールの合成
【化147】
【0588】
THF(5.0mL)中の4-[4-[[1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-3-[1-[2-(ジメチルアミノ)エチル]ピロール-2-イル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(130mg、0.15mmol、1.0当量)の溶液に1M TBAF(0.3mL、0.3mmol、2.04当量)を添加した。混合物を、70℃で1時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage(登録商標)、25g SepaFlash(登録商標)球面C18、40-60μm、120Å、0-40%のMeCN濃度のMeCN/水(0.5v%NH-HO)、25mL/分、254nm)により精製して、黄色固体として、4-[4-[[3-[1-[2-(ジメチルアミノ)エチル]ピロール-2-イル]-1-(3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(60mg、75.1%収率、95%純度)を得た。
【0589】
LCMS[M+H]m/z:計算値517.3、実測値517.2。
【0590】
1H NMR(400MHz、CDCl)δ8.89(s、1H)、8.55(br s、1H)、8.32(br s、1H)、7.94(s、1H)、7.78(d、J=6.8Hz、1H)、6.91-6.84(m、1H)、6.72(dd、J=1.6,3.6Hz、1H)、6.40(br s、1H)、6.34-6.25(m、1H)、5.07-4.95(m、1H)、4.59-4.42(m、2H)、3.68-3.56(m、4H)、3.37(dt、J=4.8、10.0Hz、1H)、2.69(br d、J=5.6Hz、1H)、2.48-2.38(m、1H)、2.29(s、6H)、2.21(dt、J=5.2、9.2Hz、1H)、1.71(d、J=6.8Hz、3H)。
工程8:2-[2-(11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaen)-19-イル)ピロール-1-イル]-N,N-ジメチル-エタンアミン(化合物(12))の合成
【化148】
【0591】
トルエン(10.0mL)中の4-[4-[[3-[1-[2-(ジメチルアミノ)エチル]ピロール-2-イル]-1-(3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル)ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(65mg、0.13mmol、1.0当量)の溶液に、2-(トリブチル-λ5-ホスファニリデン(phosphanylidene))アセトニトリル(200mg、0.82mmol、6.6当量)を加えた。混合物を窒素で3回かき乱し、130℃で12時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を分取TLC(シリカ、DCM/MeOH=9/1、254nm)により精製して、粗生成物(55mg、収率78.9%、純度90%)を得、これを別のバッチと組み合わせて生成物(62mg)を得た。この生成物を、分取HPLC(カラム:WelchXtimate C18 150×25mm×5μm、移動相A:水(0.04%NHO+10mM NHHCO)、移動相MeCN、B%:39%-69%、7.8分、温度:30℃)で精製し、白色固体として、2-[2-(11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaen)-19-イル)ピロール-1-イル]-N,N-ジメチル-エタンアミン(20.9mg、収率33.4%、純度99%)、を得た。
【0592】
LCMS[M+H]m/z:計算値499.3、実測値499.1。
【0593】
H NMR(400MHz、CDCl)δ9.11(s、1H)、8.92(d、J=0.8Hz、1H)、8.34(d、J=5.8Hz、1H)、8.15(s、1H)、8.05(br s、1H)、6.93-6.86(m、1H)、6.76(dd、J=2.0,4.0Hz、1H)、6.43(d、J=6.0Hz、1H)、6.31(dd、J=2.8,3.6Hz、1H)、5.32-5.20(m、1H)、4.72-4.64(m、1H)、4.63-4.46(m、2H)、3.85-3.77(m、4H)、2.76(br d、J=3.2Hz、2H)、2.54-2.43(m、1H)、2.32(s、6H)、2.22-2.11(m、1H)、1.92(d、J=6.8Hz、3H)。

実施例4:化合物(14)の調製-化合物I-C-1を作製するための典型的な手順
【0594】
これらの化合物を、3-ブロモ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピリジン-4-オン(A)を4-ブロモ-2-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,2-ジヒドロ-3H-ピラゾール-3-オンに置換することによって、実施例1に記載の手順によって調製した。中間体(A)の合成を以下に示した。
3-ブロモ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピリジン-4-オンの合成
【化149】
【0595】
MeCN(20.0mL)中の3-ブロモピリジン-4-オール(500mg、2.87mmol、1.0当量)、2-(クロロメトキシ)エチル-トリメチル-シラン(8.62mmol、1.5mL、3.0当量)およびKCO(1.99g、14.4mmol、5.0当量)の混合物を、15℃で15時間攪拌した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、残渣を、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、25gのSepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、0~10%のMeOHを含むEtOAc/MeOH、流量=30mL/分、254nm)により精製し、黄色固体として3-ブロモ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピリジン-4-オン(A)(600mg、収率62.5%、純度91%)を得た。
【0596】
LCMS[M+H] m/z 計算値304.0、実測値303.8。
【0597】
H NMR(400MHz、CDCl)δ7.86(d、J=2.4Hz、1H)、7.42(dd、J=2.4、7.2Hz、1H)、6.50(d、J=7.6Hz、1H)、5.07(s、2H)、3.59-3.53(m、2H)、0.98-0.94(m、2H)、0.03(s、9H)。
【0598】
位置化学はNOEによって確認された。
20-(アゼチジン-1-イル)-17-メチル-14-オキサ-2,6,10,18,19,23,26-ヘプタザペンタシクロ[16.5.2.13,7.08,13.021,25]ヘキサコサ-1(23),3,5,7(26),8(13),9,11,19,21,24-デカセン(化合物(14))
【0599】
LCMS[M+H]m/z:計算値415.2、実測値415.1。
【0600】
H NMR(400MHz,CDCl)δ9.57(s、1H)、9.47(s、1H)、8.58(be d、J=5.2Hz、1H)、8.54-8.49(m、2H)、7.63(s、1H)、7.04(d、J=6.0Hz、1H)、6.61(d、J=5.6Hz、1H)、4.69-4.61(m、1H)、4.37(t、J=9.2Hz、1H)、4.28-4.18(m、4H)、4.09-4.02(m、1H)、2.52(quin、J=7.2Hz、2H)、2.45-2.36(m、1H)、2.25-2.12(m、1H)、1.81(d、J=6.8Hz、3H)。

実施例5:化合物(145)の調製 - 化合物I-A-1(R=置換フェニルまたは一般ヘテロアリール)を作製するための典型的な手順
(16S)-11,16-ジメチル-19-[3-(2-モルホリノエトキシ)フェニル]-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)(化合物(145))の合成
【化150】

工程1:4-[2-(3-ブロモフェノキシ)エチル]モルホリンの合成
【化151】
【0601】
THF(10.0mL)中の3-ブロモフェノール(600mg、3.47mmol、1.0当量)、2-モルホリノエタノール(700mg、5.34mmol、1.5当量およびPPh3(1.5g、5.72mmol、1.7当量)の混合物に、DIAD(1.14g、5.66mmol、1.6当量)を0℃で添加し、混合物を、N下で20℃で12時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、40gのSepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、0~100%のEtOAc濃度の石油エーテル/EtOAc、100mL/分、254nm)により精製し、無色油として4-[2-(3-ブロモフェノキシ)エチル]モルホリン(1g、収率87.7%、純度87%)を得た。
【0602】
LCMS [M+H] m/z 計算値286.0、実測値285.8。
【0603】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δppm7.17-7.11(m、1H)、7.11-7.06(m、2H)、6.88-6.81(m、1H)、4.09(t、J=5.8Hz、2H)、3.77-3.72(m、4H)、2.80(t、J=5.6Hz、2H4H)、2.61-2.54(m、1H)、2.61-2.54(m、4H)。
工程2:4-[2-[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ]エチル]モルホリンの合成
【化152】
【0604】
ジオキサン(15.0mL)中の4-[2-(3-ブロモフェノキシ)エチル]モルホリン(1g、3.49mmol、1.0当量)、Pin(1.1g、4.33mmol、1.2当量)、Pd(dppf)Cl-DCM(300mg、0.37mmol、0.1当量)およびKOAc(700mg、7.13mmol、2.0当量)を脱気し、次いで、N下で90℃まで12時間加熱した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、4-[2-[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ]エチル]モルホリン(2.3g、収率84.9%、純度43%)を褐色油として得た。
【0605】
LCMS [M+H] m/z:計算値334.2、実測値334.0。
工程3:tert-ブチル-[(3S)-3-[6-クロロ-3-[3-(2-モルホリノエトキシ)フェニル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-ジメチル-シランの合成
【化153】
【0606】
ジオキサン(20.0mg)およびHO(4.0mL)中の[(3S)-3-(3-ブロモ-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)ブトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(700mg、1.67mmol、1.0当量)、4-[2-[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ]エチル]モルモリン(2.3g、2.97mmol、43%の純度、1.8当量)、Pd(dppf)Cl(130mg、0.18mmol、0.1当量)およびKCO(600mg、4.34mmol、2.6当量)を脱気し、N下で3時間80℃で加熱した。結果として得た混合物を濾過し、EtOAc(20mL×3)で洗浄した。一つにまとめた濾液を、飽和NaCO水溶液(30mL)および水(30mL)で希釈し、次いでEtOAc(60mL)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(60mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、40gのSepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、0~100%のEtOAc濃度の石油エーテル/EtOAc、100mL/分、254nm)により精製し、黄色油として、tert-ブチル-[(3S)-3-[6-クロロ-3-[3-(2-モルホリノエトキシ)フェニル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-ジメチル-シラン(1.1%、収率91.8%、純度76%)を得た。
【0607】
LCMS[M+H] m/z:計算値545.3、実測値545.1。
【0608】
H NMR(400Hz、クロロホルム-d)δppm9.07(s、1H)、7.56-7.50(m、2H)、7.45(br d、J=8.1Hz、1H)、7.42(s、1H)、7.01(br d、J=5.8Hz、1H)、4.91(br t、J=10.4Hz、1H)、4.22(t、J=5.7Hz、2H)、3.77-3.74(m、4H)、3.64-3.55(m、1H)、3.16(dt、J=3.3、10.1Hz、1H)、2.87(t、J=5.6Hz、2H)、2.61(br t、J=4.6Hz、4H)、2.33-2.20(m、1H)、2.11-2.02(m、1H)、1.65(d、J=6.8Hz、3H)、0.89(s、9H)、-0.04(d、J=15.3Hz、6H)。
工程4:4-[4-[[1-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-3-[3-(2-モルホリノエトキシ)フェニル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オンの合成
【化154】
【0609】
tert-ブチル-[(3S)-3-[6-クロロ-3-[3-(2-モルホリノエトキシ)フェニル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-ジメチル-シラン(350mg、0.64mmol、1.5当量)、4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(140mg、0.44mmol、1.0当量)、XantPhos(26mg、0.045mmol、0.1m当量)、CsCO(280mg、0.86mmol、2.0当量)およびPd(dba)(40mg、0.044mmol、0.1当量)が、吸い上げられ、ジオキサン(15.0mL)中のマイクロ波管中に入れられた。密封された管を、N下で、マイクロ波下で、130℃で2時間加熱した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20gのSepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、MeOH(0.05% TEA)を0~10%g含有DCM/MeOH(0.05%TEA)、80mL/分、254nm)により精製し、黄色固体として、4-[4-[[1-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-3-[3-(2-モルホリノエトキシエトキシ)フェニル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(330mg、収率76.7%、純度84%)を得た。
【0610】
LCMS [M+H] m/z:計算値830.5、実測値830.5。
【0611】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δppm9.23(br s、1H)、8.99(s、1H)、8.32(d、J=5.8Hz、1H)、8.20(s、1H)、7.80(br s、1H)、7.61-7.55(m、2H)、7.43(br t、J=7.8Hz、1H)、6.98(br d、J=8.1Hz、1H)、6.67(br d、J=5.3Hz、1H)、5.53(br d、J=7.5Hz、1H)、5.18(s、2H)、4.24(br t、J=5.6Hz、2H)、3.79-3.75(m、4H)、3.62(br t、J=6.4Hz、2H)、3.57(s、3H)、3.56-3.52(m,2H)、2.87(br t、J=5.5Hz、2H)、2.63(br s、4h)、2.53-2.41(m、1H)、2.27-2.12(m、1H)、1.67(br d、J=6.4Hz、3H)、0.94(br t、J=8.0Hz、2H)、0.80(s、9H)、-0.08(d、J=11.6Hz、6H)。
工程5:4-[4-[[1-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル]-3-[3-(2-モルホリノエトキシ)-フェニル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オールの合成
【化155】
【0612】
THF(10.0mL)中の4-[4-[[1-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-3[3-(2-モルホリノ)フェニル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(330mg、0.40mmol、1.0当量)および1M TBAF/THF(0.6mL、0.6mmol)の混合物を70℃で1時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、SepaFlash(登録商標)球状C18カラム、40g、40-60μm、120Å、0~36%のACN/HO(0.05% NH-HO)勾配@50mL/分の溶離剤、254nm)により精製して、黄色固体として、4-[4[[1-(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル]-3-[3-(2-モルホリノエトキシ)フェニル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(170mg、収率71.6%、純度98%)を得た。
【0613】
LCMS[M+H] m/z:計算値586.3、実測値586.2。
工程6:(16S)-11,16-ジメチル-19-[3-(2-モルホリノエトキシ)フェニル]-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)(化合物(145))の合成
【化156】
【0614】
トルエン(15.0mL)中の4-[4-[[1-(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル]-3-[3-(2-モルホリノエトキシ)フェニル]-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(170mg、0.29mmol、1.0当量)および2-(トリブチル-λ-ホスファニリデン(phosphanylidene))アセトニトリル(400mg、1.66mmol、5.7当量)の混合物を、N下で12時間130℃で、攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX80×40mm×3μm、移動相:[水(0.05%NHO+10mM NHHCO)-ACN]、B%:34%-64%、7.8分、カラム温度:30℃、254nm)により精製し、白色固体として(16S)-11,16-ジメチル-19-[3-(2-モルホリノエトキシ)フェニル]-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)(54.6mg、収率33.1%)を得るために、残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、20gのSepaFlash(登録商標)SilicaFlash Column、MeOH 0~15%含有のDCM/MeOH(0.05 v% TEA)、80mL/分、254nm)により精製し、粗生成物を得た。
【0615】
H NMR(400MHz、メタノール-d)δppm9.08(s、1H)、9.01(s、1H)、8.24(d、J=6.0Hz、1H)、8.02(s、1H)、7.63-7.56(m、2H)、7.45(t、J=7.9Hz、1H)、7.04(dd、J=2.3,7.8Hz、1H)、6.69(d、J=6.0Hz、1H)、5.25(br d、J=7.5,10.0Hz、1H)、4.57-4.50(m、1H)、4.26(t、J=5.4Hz、2H)、3.94(br d、J=10.3Hz、1H)、3.82(s、3H)、3.78-3.72(m、4H)、2.90((t、J=5.3Hz、2H)、2.68(br s、4H)、2.64-2.55(m、1H)、2.20-2.11(m、1H)、1.91(d、J=6.8Hz、3H)。
【0616】
LCMS[M+H] m/z:計算値568.3、実測値568.1。

実施例6:化合物の調製(63)
【0617】
本実施例の例示的な合成手順は、化合物I-A-1(R1=置換フラン、1,2,4-三置換ピロール)を作製するための典型的な手順である。
11,16-ジメチル-19-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-2-フリル]-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)(化合物(63))の合成
【化157】
工程1:5-[1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]フラン-2-カルボアルデヒドの合成
【化158-1】
【0618】
ジオキサン(15.0mL)およびHO(3.0mL)中の3-(3-ブロモ-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)ブトキシ-tert-ブチル-ジメチル-シラン(500mg、1.19mmol、1.0当量)、(5-ホルミル-2-フリル)ボロン酸(350mg、2.50mmol、2.1当量)、Pd(dppf)Cl(100mg、0.137mmol、0.1当量)およびKCO3(350mg、2.53mmol、2.1当量)を、脱気し、次いで窒素化で80℃で12時間加熱した。反応物を濾過し、濾過ケーキをDCM(15mL×3)で洗浄した。一つにした濾液を、減圧下で濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/EtOAc=30:1~3/1、254nm)により精製し、黄色油として5-[1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]フラン-2-カルボアルデヒド(400mg、収率75.7%、純度98%)を得た。
【0619】
LCMS [M+H] m/z:計算値434.2、実測値434.0。
【0620】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δppm9.79(s、1H)、9.31(d、J=0.8Hz、1H)、7.45(d、J=1.0Hz、1H)、7.41(d、J=3.5Hz、1H)、7.15(d、J=3.8Hz、1H)、5.00-4.90(m、1H)、3.65-3.55(m、1H)、3.14(dt、J=3.5、10.3Hz、1H)、2.31-2.21(m、1H)、2.07(tdd、J=4.7、9.5、14.1Hz、1H)、1.65(d、J=6.8Hz、3H)、0.89(s、9H)、-0.02(s、3H)、-0.06(s、3H)。
工程2:tert-ブチル-[3-[6-クロロ-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-2-フリル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-ジメチル-シランの合成
【化158-2】
【0621】
DCE(15.0mL)中の5-[1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]フラン-2-カルボアルデヒド(400mg、0.922mmol、1.0当量)、1-メチルピペラジン(300mg、3.00mmol、3.3当量)およびAcOH(300mg、5.0mmol、5.4当量)の混合物を、20℃で16.5時間攪拌した。次いで、NaBHCN(400mg、6.37mmol、6.9当量)を0℃で加え、混合物を0°Cで30分間攪拌した。反応混合物を、HO(20mL)の添加によってクエンチし、DCM(20mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(30mL×3)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、分取TLC(シリカ、DCM/MeOH=10:1、254nm)により精製し、黄色油としてtert-ブチル[3-[6-クロロ-3-[5-(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-2-フリル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-ジメチル-シラン(300mg、収率62.8%、純度100%)を得た。
【0622】
LCMS [M+H] m/z:計算値518.3、実測値518.1。
【0623】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δppm9.16(d、J=0.8Hz、1H)、7.37(d、J=0.8Hz、1H)、6.90(d、J=3.3Hz、1H)、6.40(d、J=3.3Hz、1H)、4.93-4.85(m、1H)、3.73(s、2H)、3.62-3.54(m、1H)、3.13(dt、J=3.3、10.2Hz、1H)、2.73-2.40(m、7H)、2.31(s、3H)、2.29-2.19(m、2H)、2.04(tdd、J=4.7、9.5、14.1Hz、1H)、1.62(d、J=6.8Hz、3H)、0.89(s、9H)、-0.02(s、3H)、-0.06(s、3H)。
工程3:4-[4-[[1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-2-フリル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オンの合成
【化158-3】
【0624】
tert-ブチル-[3-[6-クロロ-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-2-フリル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-ジメチル-シラン(300mg、0.579mmol、1.0当量)、4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(200mg、0.622mmol、1.1当量)、XantPhos(34mg、0.0587mg、0.1mg当量)、CsCO(400mg、1.23mmol、2.1当量)およびPd(dba)(51mg、0.0557mmol、0.1当量)を、吸い上げ、ジオキサン(15.0mL)中のマイクロ波管中に入れた。密封された管を、マイクロ波および窒素下で130℃で2時間加熱した。反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(シリカ、DCM/MeOH=5:1、254nm)により精製し、黄色油として、4-[4-[[1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-2-フリル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(260mg、収率48.1%、純度86%)を得た。
【0625】
LCMS[M+H]m/z:計算値803.5、実測値803.4。
【0626】
H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δppm9.08(br s、1H)、9.05(s、1H)、8.32(d、J=5.8Hz、1H)、8.20(s、1H)、7.89(br s、1H)、6.88(d、J=3.3Hz、1H)、6.74(br d、J=5.8Hz、1H)、6.39(d、J=3.3Hz、1H)、5.45(br s、1H)、3.72(s、2H)、3.60-3.54(m、6H)、2.71-2.39(m、9H)、2.31(s、3H)、2.23-2.11(m、1H)、1.64(br d、J=6.5Hz、6H)、0.96-0.91(m、2H)、0.80(s、9H)、0.01(s、9H)、-0.07(s、3H)、-0.10(s、3H)。
工程4:4-[4-[[1-(3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル)-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-2-フリル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オールの合成
【化159】
【0627】
THF(10.0mL)中の4-[4-[[1-[3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-2-フリル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(320mg、0.398mmol、1.0当量)および1M TBAF/THF(0.8mL、0.8mmol、2.0当量)の混合物を、70℃で3時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(カラム:SepaFlash(登録商標)球面C18、40g、40-60μm、120Å、0-45%のMeCN濃度のMeCN/水(0.5%NH-HO)、30mL/分、254nm)により精製して、黄色固体として、4-[4-[[1-(3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル)-3-[5-[4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-2-フリル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(220mg、収率96.9%、純度98%)を得た。
【0628】
LCMS [M+H] m/z:計算値559.3、実測値559.1。
【0629】
H NMR(400MHz、メタノール-d)δppm9.11(s、1H)、8.06(br d、J=6.0Hz、1H)、7.85(s、1H)、6.98(d、J=3.3Hz、1H)、6.64(br d、J=5.3Hz、1H)、6.52(d、J=3.3Hz、1H)、5.41(br d、J=4.8Hz、1H)、3.75(s、2H)、3.61-3.54(m、1H)、3.53(s、2H)、3.45(ddd、J=4.0、8.0、11.5Hz、1H)、2.76-2.44(m、6H)、2.40-2.31(m、1H)、2.28(s、3H)、2.16-2.06(m、1H)、1.68-1.64(m、4H)、1.61-1.58(m、3H)。
工程5:11,16-ジメチル-19-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-2-フリル]-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)の合成
【化160】
【0630】
トルエン(20.0mg)中の4-[4-[[1-(3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル)-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-2-フリル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(120mg、0.215mmol、1.0当量)および2-(トリブチル-λ5-ホスファニリデン(phosphanylidene))アセトニトリル(260mg、1.08mmol、5.0当量)の混合物を、窒素下で120℃で17時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、分取HPLC(カラム:WatersXbridge 150×25mm×5μm、移動相:[水(0.05%NH-HO)-ACN]、B% 32%-62%、7.8分、カラム温度:30℃)でさらに精製して、11,16-ジメチル-19-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-2-フリル]-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)(29mg、収率25.0%、純度100%)を白色固体として得るために、分取TLC(シリカ、DCM:MeOH=5:1、254nm)で精製し、粗生成物を得た。
【0631】
LCMS [M+H] m/z:計算値541.3、実測値541.1。
【0632】
1H NMR(400MHz、メタノール-d)δ9.06(s、1H)、9.00(s、1H)、8.20(d、J=6.0Hz、1H)、8.00(s、1H)、6.96(d、J=3.4Hz、1H)、6.64(d、J=5.9Hz、1H)、6.51(d、J=3.3Hz、1H)、5.21-5.13(m、1H)、4.47(br t、J=11.1Hz、1H)、3.91-3.83(m、1H)、3.78(s、3H)、3.73(s、2H)、2.78-2.39(m、9H)、2.28(s、3H)、2.14-2.04(m、1H)、1.84(d、J=6.9Hz、3H)。

実施例7:化合物(101)の調製 - 化合物I-A-1(R=置換ピラゾールおよび1,2,5-三置換ピロール)を作製するための典型的な手順
(16S)-11,16-ジメチル-19-[1-メチル-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]-2-イル]-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)(化合物(101))の合成
【化161】
工程1:(2R)-4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタン-2-オールの合成
【化162】
【0633】
DCM(80.0mL)中の(3R)-ブタン-1,3-ジオール(5g、55.5mmol、1.0当量)およびイミダゾール(4.15g、61.0mmol、1.1当量)の溶液に、TBDMSCl(8.36g、55.5mmol、1.0当量)を0°Cで加えた。混合物を、15℃で3時間攪拌した。反応混合物を、HO(100mL)で希釈し、DCM(100mL×2)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(100mL×1)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、80gのSepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、0~30%のEtOAc濃度の石油エーテル/EtOA、100mL/分、PMA)により精製し、無色油として(2R)-4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタン-2-オール(9.4g、収率82.9%)を得た。
【0634】
H NMR(400MHz、CDCl)δppm4.08-3.96(m、1H)、3.93-3.86(m、1H)、3.85-3.78(m、1H)、3.41(s、1H)、1.72-1.58(m、2H)、1.19(d、J=6.4Hz、3H)、0.92-0.88(m、9H)、0.08(s、6H)。
工程2:[(1R)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-4-メチルベンゼンスルホネートの合成
【化163】
【0635】
ピリジン(60.0mL)中の(2R)-4-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシブタン-2-オール(6g、29.4mmol、1.0当量)の溶液に、4-メチルベンゼンスルホニルクロリド(12.31g、64.6mmol、2.2当量)およびDMAP(1.08g、8.81mmol、0.3当量)を0℃で加えた。混合物を、15℃で16時間攪拌した。反応混合物をHO(100mL)で希釈し、DCM(100mL×2)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(100mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、25gのSepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、0~30%のEtOAc濃度の石油エーテル/EtOAc、30mL/分、254nm)により精製し、無色油として[(1R)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-4-メチルベンゼンスルホネート(3.4g、収率31.0%)を得た。
【0636】
LCMS [M+H] m/z:計算値359.2、実測値359.0。
【0637】
H NMR(400MHz、CDCl)δppm7.86-7.76(m、2H)、7.33(br d、J=7.6Hz、2H)、4.83-4.72(m、1H)、3.58-3.45(m、2H)、2.44(s、3H)、1.89-1.80(m、1H)、1.71-1.62(m、1H)、1.32(dd、J=1.2,6.4Hz、3H)、0.85(d、J=1.6Hz、9H)、0.03- -0.05(m、6H)。
工程3:[(3S)-3-(3-ブロモ-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)ブトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シランの合成
【化164】
【0638】
DMF(20.0mL)中の3-ブロモ-6-クロロ-1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン(1.24g、5.33mmol、1.0当量)、[(1R)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-4-メチルベンゼンスルホネート(2.10g、5.87mmol、1.1当量)、KOH(599mg、10.7mmol、2.0当量)の混合物を、60℃で12時間攪拌した。反応混合物をHO(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、25gのSepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、0~10%のEtOAc濃度の石油エーテル/EtOAc、30mL/分、254nm)により精製し、黄色油として、[(3S)-3-(3-ブロモ-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(1.28g、収率39.5%)を得た。
【0639】
LCMS [M+H] m/z:計算値418.1、実測値419.7。
H NMR(400MHz、CDCl)δppm8.71(d、J=0.8Hz、1H)、7.39(d、J=0.8Hz、1H)、4.91-4.80(m、1H)、3.63-3.55(m、1H)、3.15-3.06(m、1H)、2.24-2.14(m、1H1H)、2.06-1.96(m、1.61(m)、1.61-1.59(m、3H)、0.88(s、9H)、-0.04(d、J=17.2Hz、6H)。
【0640】
位置化学はNOEによって確認された。
工程4:メチル1-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピロール-2-カルボキシレートの合成
【化165】
【0641】
ジオキサン(30.0mL)中の5-ブロモ-1-メチル-ピロール-2-カルボキシレート(3.0g、13.8mmol、1.0当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(10.0g、39.4mmol、2.9当量)、KOAc(3.0g、30.6mmol、2.2当量)およびPd(dppf)Cl(1.2g、1.64mmol、0.1当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージし、次いで、混合物を窒素雰囲気下で、90℃で12時間攪拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(20mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、40gのSepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、0~4%のEtOAc/石油エーテル勾配@50mL/分の溶離液、254nm)により精製し、白色固体としてメチル1-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピロール-2-カルボキシレート(7.8g、粗)を得た。
【0642】
LCMS [M+H] m/z:計算値266.2、実測値265.9。
【0643】
H NMR(400MHz、CDCl)δppm6.91-6.85(m、1H)、6.65(d、J=4.0Hz、1H)、4.13-4.06(m、3H)、3.77(s、3H)、1.28(s、12H)。
工程5:メチル5-[1-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]-1-メチル-ピロール-2-カルボキシレートの合成
【化166】
【0644】
ジオキサン(10.0mL)およびHO(2.0mL)中の[(3S)-3-(3-ブロモ-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)ブトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(500mg、1.19mmol、1.0当量)、メチル1-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピロール-2-カルボキシレート(2.0g、4.0mmol、3.4当量)、KCO(500mg、3.62mmol、3.0当量)およびPd(dppf)Cl(150mg、0.205mmol、0.2当量)の混合物を脱気し、窒素で3回パージし、次いで、混合物を窒素雰囲気下で80℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、分取TLC(SiO、石油エーテル/EtOAc=5:1、254nm)により精製し、白色固体として、5-[1-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]-1-メチル-ピロール-2-カルボキシレ-ト(1.2g、粗)を得た。LCMS [M+H] m/z:計算値477.2、実測値477.1。
工程6:メチル5-[1-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]-1-メチル-ピロール-2-カルボキシレートの合成
【化167】
【0645】
ジオキサン(10.0mL)中の5-[1-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]-1-メチル-ピロール-2-カルボキシレート(550mg、1.15mmol、1.9当量)、4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(200mg、0.622mmol、1.0当量)、CsCO(500mg、1.53mmol、2.5当量)、XantPhos(70mg、0.121mmol、0.2当量)およびPd(dba)(70mg、0.0764mmol、0.1当量)の混合物を、吸い上げ、マイクロ波管中に入れた(二つの平行したバッチを設定)。密封された管を、マイクロ波下で、130℃で2時間加熱した。二つのバッチをまとめ、反応混合物を濾過し、次に水(20mL)で希釈し、EtOAc(20mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機層を、NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を分取TLC(SiO、DCM/MeOH=10/1、254nm)により精製し、白色固体として、5-[1-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-[[2-[2-メチル-3-オキソ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-4-イル]ピリミジン-4-イル]アミノ]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]-1-メチル-ピロール-2-カルボキシレート(630mg、収率66.4%)を茶色油として得た。LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値762.4、実測値762.3。
工程7:5-[1-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル]-6-[[2-(5-ヒドロキシ-1-メチル-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル]アミノ]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]-1-メチル-ピロール-2-カルボキシレートの合成
【化168】
【0646】
MeOH(5.0mL)中の5-[1-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-[[2-[2-メチル-3-オキソ-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-4-イル]ピリミジン-4-イル]アミノ]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]-1-メチル-ピロール-2-カルボキシレート(560mg、0.735mmol、1.0当量)の溶液に、4M HCI/MeOH(5.0mL、20mmol)を添加した。混合物を20℃で12時間攪拌した。反応混合物を、0℃で飽和NaCO水溶液の添加によってpH約8までクエンチし、次いでDCM(20mL)で希釈し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(Biotage(登録商標)、カラム:SepaFlash(登録商標)球面C18、40g、40-60μm、120Å、0~36%のMeCN濃度のMeCN/水(0.05%NH-HO)、50mL/分、254nm)により精製して、白色固体として、5-[1-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル]-6-[2-(5-ヒドロキシ-1-メチル-ピラゾール-4-イル)ピリミジン]-4-イル]アミノ]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]-1-メチル-ピラゾール-2-カルボキシレート(200mg、収率52.6%)を得た。LCMS(ESI)[M+H] m/z:計算値518.2、実測値518.1。
工程8:メチル5-[(16S)-11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22)、3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaen)-19-イル]-1-メチル-ピロール-2-カルボキシレートの合成
【化169】
【0647】
トルエン(10.0mg)中の5-[1-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル)-6-[[2-(5-ヒドロキシ-1-メチル-ピラゾール-4-イル)ピリミジン-4-イル]アミノ]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]-1-メチル-ピロール-2-カルボキシレート(200mg、0.386mmol、1.0当量)、2-(トリブチル-λ-ホスファニリデン(phosphanylidene))アセトニトリル(500mg、2.07mmol、5.4当量)の混合物を、脱気し、3回窒素でパージし、次いで、混合物を窒素下で130℃で12時間攪拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、40gのSepaFlash(登録商標)Silica Flash Column、0~10%のMeOH/DCM@50mL/分の溶離液、254nm)により精製し、白色固体として、メチル5-[(16S)-11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaen)-19-イル]-1-メチル-ピロール-2-カルボキシレート(900mg、粗)を得た。LCMS(ESI)[M+H]m/z:計算値500.2、実測値500.1。
工程9:[5-[(16S)-11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24 ]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaen)-19イル]-1-メチル-ピロール-2-イル]メタノールの合成
【化170】
【0648】
THF(10.0mL)中のメチル5-[(16S)-11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaen)-19]-1-メチル-ピロール-2-カルボキシレート(800mg、1.60mmol、1.0当量)の溶液に、LiAlH(80mg、2.11mmol、1.32当量)を添加した。混合物を、0℃で1時間攪拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、白色固体として、[5-[(16S)-11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22)3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaen)-19-イル]-1-メチル-ピロール-2-イル]メタノール(700mg、粗)を得た。LCMS(ESI)[M+H]m/z:計算値472.2、実測値472.1。
工程10:5-[(16S)-11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaen)-19-イル]-1-メチル-ピロール-2-カルボアルデヒドの合成
【化171】
【0649】
DCM(8.0mL)中の[5-[(16S)-11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaen)-19-イル]-1-メチル-ピロール-2-イル]メタノール(650mg、1.38mmol、1.0当量)の溶液に、Dess-Martin(250mg、0.589mmol、0.4当量)を添加した。混合物を、20℃で1時間攪拌した。反応混合物を、飽和NaCO水溶液(20mL)でクエンチし、DCM(20mL×3)で抽出した。一つにまとめた有機層を、ブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、低圧化で濃縮した。残渣を、分取TLC(SiO、EtOAc/DCM=2/3、254nm)により精製し、白色固体として、5-[(16S)-11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaen)-19-イル]-1-メチル-ピロール-2-カルボアルデヒド(130mg、収率17.2%、純度86%)を得た。LCMS(ESI)[M+H]m/z:計算値470.2、実測値470.1。
工程11:(16S)-11,16-ジメチル-19-[1-メチル-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]ピロール-2-イル]-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)の合成
【化172】
【0650】
THF(5.0mL)中の5-[(16S)-11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaen)-19-イル]-1-メチル-ピロール-2-カルボアルデヒド(130mg、0.277mmol、1.0当量)、1-メチルピペラジン(100mg、0.998mmol、3.6当量)およびTi(OEt)(440mg、1.93mmol、7.0当量)の混合物を脱気し、3回窒素でパージし、次に、混合物を窒素雰囲気下で80℃で12時間攪拌した。次いで、NaBH(CN)(100mg、1.59mmol、5.8当量)を加え、混合物を20℃で2時間攪拌した。反応混合物をHO(0.2mL)でクエンチし、次にEtOAc(30mL)で希釈した。次いで、シリカ粉末(約2g)を加え、混合物を20℃で30分間攪拌した。混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150×25 mm×10μm、移動相:[水(0.05%NH-HO+10mM NHHCO)-ACN]、B%:23%-53%、9.5分、カラム温度:20℃)で精製し、白色固体として、(16S)-11,16-ジメチル-19-[1-メチル-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]ピロール-2-イル]-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)(16.5mg、収率10.4%、純度97%)。
【0651】
LCMS(ESI)[M+H]m/z:計算値554.3、実測値554.1。
【0652】
H NMR(400MHz、CDOD)δppm9.02(s、1H)、8.81(s、1H)、8.21(d、J=6.0Hz、1H)、8.00(s、1H)、6.66(d、J=6.0Hz、1H)、6.61(d、J=3.6Hz、1H)、6.16(d、J=3.6H、1H)、5.22-5.11(m、1H)、4.57-4.46(m、2H)、3.95(s、3H)、3.92-3.85(m、1H)、3.80(s、3H)、3.58(s、2H)、2.74-2.37(m、8H)、2.33(s、3H)、2.14-2.01(m、1H)、1.85(d、J=6.8Hz、3H)。

実施例8:化合物(184)の調製 - 化合物I-A-1(R=置換ピロール)を作製するための典型的な手順
【0653】
本実施例に記載される合成手順はまた、本発明のさらにさらなる化合物の調製にも適合される。
【0654】
【化173】
工程1:(16S)-19-[5-(クロロメチル)-1-メチル-ピロール-2-イル]-11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)
【化174】
【0655】
DCM(3.0mL)中の[5-[(16S)-11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaen)-19]-1-メチル-ピロール-2-イル]メタノール(15mg、0.03mmol、1.0当量)の溶液に、SOCl(30mg、0.25mmol、8.0当量)を添加した。混合物を、0℃で1時間攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮して、精製せずに直接次の工程で使用できる黄色固体として、(16S)-19-[5-(クロロメチル)-1-メチル-ピロール-2-イル]-11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)(16mg、粗)、を得た。
工程2:(16S)-11,16-ジメチル-19-[1-メチル-5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]ピロール-2-イル]-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)(化合物(184))
【化175】
【0656】
DCM(2.0mL)中の(16S)-19-[5-(クロロメチル)-1-メチル-ピロール-2-イル]-11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)(15mg、0.03mmol、1.0当量)および2-フルオロ-N-メチル-エタンアミン;ヒドロクロライド(40mg、0.35mmol、11.5当量)の溶液に、TEA(31.0mg、0.31mmol、10.0当量)を0℃で添加した。混合物を、20℃で5時間攪拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、残渣を、分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini-NX 80×40mm×3μm、移動相:[水(10mM NHHCO)-ACN]、B%:33%-63%、9.5分、254nm)により精製し、オフホワイトの個体として、N-[5-[(16S)-11,16-ジメチル-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaen)-19-イル]-1-メチル-ピロール-2-イル]メチル]-2-フルオロ-N-メチル-エタンアミン(9mg、収率53.2%)を得た。
【0657】
H NMR(400MHz、CDOD)δppm9.07(br s、1H)、8.85(br s、1H)、8.25(d、J=5.8Hz、1H)、8.03(s、1H)、6.77-6.59(m、2H)、6.27(d、J=3.3Hz、1H)、5.29-5.20(m、1H)、4.70(t、J=4.6Hz、1H)、4.62-4.58(m、2H)、3.99(s、3H)、3.93(br d、J=10.3Hz、1H)、3.83(s、5H)、3.00-2.89(m、2H)、2.60(br t、J=11.9Hz、1H)、2.46(s、3H)、2.20-2.08(m、1H)、1.89(d、J=6.8Hz、3H)。
【0658】
LCMS [M+H] m/z :計算値531.2、実測値531.0。

実施例9:化合物(107)の調製 - 化合物I-A-1(R=置換チアゾール)を作製するための典型的な手順
(16S)-11,16-ジメチル-19-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]チアゾール-2-イル]-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)(化合物(107))
【化176】
工程1:tert-ブチル-[(3S)-3-(6-クロロ-3-トリメチルスタニル-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)ブトキシ]-ジメチル-シランの合成
【化177】
【0659】
ジオキシン(30.0mL)中の[(3S)-3-(3-ブロモ-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)ブトキシ]-tert-ブチル-ジメチル-シラン(2.5g、5.97mmol、1.0当量)、Pd(PPhCl(420mg、0.598mmol、0.1当量)およびトリメチル(トリメチルスタニル)スタンナン(5.35g、16.3mmol、2.7当量)の混合物を、脱気し、窒素で3回パージし、次いで、窒素雰囲気下で、110℃で2時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(50mL×2)で洗浄した。一つにまとめた濾液をブライン(40mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、および減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、40gのSepaFlash(登録商標)Silica FlashColumn、0~3%のEtOAc含有石油エーテル/EtOAc、流量=80mL/分、254nm)により精製し、黄色油として、tert-ブチル-[(3S)-3-(6-クロロ-3-トリメチルスタニル-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ-ジメチル-シラン(2.0g、収率45.9%、純度69%)を得た。
【0660】
LCMS [M+H]m/z 計算値504.1、実測値504.0。
【0661】
H NMR(400MHz、CDCl)δppm8.75(d、J=0.8Hz、1H)、7.36(s、1H)、4.91-4.82(m、1H)、3.58-3.52(m、1H)、3.15(dt、J=4.0、9.8Hz、1H)、2.31-2.22(m、1H)、2.07-2.00(m、1H)、1.60(d、J=6.8Hz、3H)、0.88(s、9H)、0.47(s、9H)、-0.05(d、J=12.0Hz、6H)。
工程2:2-[1-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]チアゾール-5-カルボアルデヒドの合成
【化178】
【0662】
ジオキサン(10.0mL)中のtert-ブチル-[(3S)-3-(6-クロロ-3-トリメチルスタニル-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル)ブトキシ]-ジメチル-シラン(500mg、0.995mmol、1.0当量)、2-ブロモチアゾール-5-カルボアルデヒド(300mg、1.56mmol、1.6当量)、Pd(PPhCl(75mg、0.107mmol、0.1当量)およびトリス(2-フリル)ホスファン(25mg、0.108mmol、0.1当量)の混合物を、脱気し、窒素で3回パージし、次いで、混合物を窒素雰囲気下で100℃で15時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをDCM(40mL)で洗浄した。一つにまとめた濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、25gのSepaFlash(登録商標)Silica FlashColumn、0~4%のEtOAc濃度の石油エーテル/EtOAc、流量=50mL/分、254nm)により精製し、白色固体として、2-[1-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]チアゾール-5-カルボアルデヒド(110mg、収率22.3%、純度91%)を得た。
【0663】
LCMS [M+H]m/z 計算値451.1、実測値451.0。
【0664】
H NMR(400MHz、CDCl)δppm10.12(s、1H)、9.53(d、J=0.8Hz、1H)、8.54(s、1H)、7.48(d、J=0.8Hz、1H)、5.01-4.92(m、1H)、3.66-3.58(m、1H)、3.16(dt、J=3.4、10.2Hz、1H)、2.32-2.23(m、1H)、2.13-2.05(m、1H)、1.67(d、J=6.8Hz、3H)、0.89(s、9H)、-0.03(d、J=16.8Hz、6H)。

工程3:tert-ブチル-[(3S)-3-[6-クロロ-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]チアゾール-2-イル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-ジメチル-シランの合成
【化179】
【0665】
THF(5.0mL)中、2-[1-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-6-クロロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル]チアゾール-5-カルボアルデヒド(110mg、0.244mmol、1.0当量)、1-メチルピペラジン(80mg、0.799mmol、3.3当量)およびTi(OEt)(170mg、0.745mmol、3.1当量)の混合物を、80℃で15時間攪拌し、次いでNaBHCN(400mg、6.37mmol、26.1当量)を添加した。混合物を25℃で2時間攪拌した。反応混合物を、0℃で添加水(2mL)によりクエンチし、次いでシリカ粉末(3g)を添加した。混合物を濾過し、DCM/MeOH(30mL、v/v=10/1)の混合物で洗浄した。減圧下で濃縮された一つにまとめた濾液および残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO(登録商標)、25gのSepaFlash(登録商標) Silica Flash Column、0~15%のMeOHを有するDCM/MeOH、流量=40mL/分、254nm)により精製し、黄色油として、tert-ブチル-[(3S)-3-[6-クロロ-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]チアゾール-2-イル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-ジメチル-シラン(150mg、粗)を得た。
【0666】
LCMS [M+H]m/z:計算値535.2、実測値535.1。
【0667】
H NMR(400MHz、CDCl)δppm9.47(s、1H)、7.75(s、1H)、7.41(s、1H)、4.91(br s、1H)、3.80(s、2H)、3.64-3.57(m、1H)、3.17(dt、J=3.2、10.2Hz、1H)、2.48(br s、2H)、2.30(s、3H)、2.25(br dd、J=4.2、9.8Hz、2H)、2.06(dt、J=4.8、9.4Hz、2H)、1.64(br s、3H)、0.89(s、9H)、0.63-0.57(m、4H)、-0.04(d、J=15.4Hz、6H)。
工程4:4-[4-[[1-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]チアゾール-2-イル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オンの合成
【化180】
【0668】
Tert-ブチル-[(3S)-3-[6-クロロ-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]チアゾール-2-イル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-1-イル]ブトキシ]-ジメチル-シラン(90mg、0.168mmol、1.0当量)、4-(4-アミノピリミジン-2-イル)-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(70mg、0.218mmol、1.3当量)、Pd(dba)(20mg、0.0218mmol、0.1当量)、XantPhos(10mg、0.0173mmol、0.1当量)およびCsCO(180mg、0.552mmol、3.3当量)を吸い上げ、ジオキサン(3.0mL)中のマイクロ波管に入れた。密封された管を、マイクロ波下、130℃で6時間加熱した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをDCM(50mL)で洗浄した。減圧下で濃縮された一つにまとめた濾液と残渣を、分取TLC(シリカ、DCM/MeOH=10/1、254nm)により精製し、黄色固体として、4-[4-[[1-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]チアゾール-2-イル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(50mg、収率26.1%、純度72%)を得た。
【0669】
LCMS[M+H]m/z:計算値820.4、実測値820.4。
工程5:4-[4-[[1-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル]-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]チアゾール-2-イル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オールの合成
【化181】
【0670】
THF(5.0mL)中の4-[4-[[1-[(1S)-3-[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-メチル-プロピル]-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]チアゾール-2-イル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-1-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピラゾール-3-オン(50mg、0.0610mmol、1.0当量)の混合物に、1M TBAF/THF(0.2mL、0.2mmol、3.3当量)を添加した。混合物を70℃で2時間攪拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(カラム:SepaFlash(登録商標)球面C18、40g、40~60μm、120Å、0~35%のMeCN濃度のMeCN/水(0.05%NH-HO)、50mL/分、254nm)、により精製し、黄色固体として、4-[4-[[1-(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル]-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]チアゾール-2-イル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-yl]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(20mg、収率56.9%、純度100%)を得た。
【0671】
LCMS [M+H] m/z:計算値576.2、実測値576.1。
工程6:(16S)-11,16-ジメチル-19-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]チアゾール-2-イル]-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)の合成
【化182】
【0672】
トルエン(5.0mL)中の4-[4-[[1-[(1S)-3-ヒドロキシ-1-メチル-プロピル]-3-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]チアゾール-2-イル]ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-2-イル]-2-メチル-ピラゾール-3-オール(20mg、0.0347mmol、1.0当量)および2-(トリブチル-λ5-ホスファニリデン(phosphanylidene))アセトニトリル(50mg、0.207mmol、6.0当量)の混合物を、脱気し、窒素で3回パージし、次に混合物を窒素雰囲気下で、130℃で12時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150×25mm×10μm、移動相:[水(0.05%NH-HO+10mM NHHCO)-ACN]、B%:27%-57%、7.8分、カラム温度:30℃、254nm)により精製し、オフホワイト固体として(16S)-11,16-ジメチル-19-[5-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]チアゾール-2-イル]-13-オキサ-2,6,10,11,17,18,22,25-オクタザペンタシクロ[15.5.2.13,7.08,12.020,24]ペンタコサ-1(22),3,5,7(25),8(12),9,18,20,23-ノナエン(nonaene)(5.0mg、収率25.8%、 純度100%)を生成するために、残基を分取TLC(シリカ、DCM/MeOH=10/1、254nm)により精製し、粗生成物を得た。
【0673】
LCMS [M+H] m/z:計算値558.2、実測値558.1。
【0674】
H NMR(400MHz、CDOD)δppm 9.27(d、J=1.0Hz、1H)、9.16(s、1H)、8.26(d、J=6.0Hz、1H)、8.03(s、1H)、7.81(s、1H)、6.72(d、J=6.0Hz、1H)、5.35-5.23(m、2H)、4.54(s、2H)、3.96(br d、J=10.4Hz、1H)、3.87(s、2H)、3.83(s、3H)、2.72-2.50(m、7H)、2.32(s、3H)、2.22-2.11(m、1H)、1.91(d、J=6.8Hz、3H)。
実施例10:インビトロアッセイ
【0675】
本明細書に記載される化合物の生物活性は、当該技術分野で公知の標準的な方法に従って研究することができる。方法は、L858R、T790M、C797S、および/またはDel19変異、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、L858R単一、二重、または三重変異体)を含むEGFRの変異型を含む、EGFRの阻害を研究するために使用することができる。例示的な非限定的な方法を本明細書に記載する。
キナーゼアッセイ
【0676】
インヴィトロキナーゼアッセイキット(HTRF KinEASE-TKキット)を使用したアッセイを用いて、EGFRL858R、EGFRL858R/T790M、およびEGFRL858R/T790M/C797SなどのEGFR変異体に関して本明細書に記載される化合物の阻害活性を研究することができる。
Ba/F3生存率アッセイ
【0677】
細胞増殖の阻害は、Promega CellTiter-Glo細胞生存率アッセイを含むBa/F3生存率アッセイを使用して研究することができる。このアッセイを使用して、以下のアッセイにおいて本明細書に記載される化合物の効果を研究することができる。(1)Ba/F3ペアレンタル、(2)Ba/F3 EGFR-Del19/T790M、(3)Ba/F3 EGFR-Del19/C797S、および(4)Ba/F3 EGFR-Del19/T790M/C797S。
P-EGFRシグナル伝達アッセイ
【0678】
EGFRのリン酸化は、Phospho-EGFR(Tyr1068) Total EGFR MULTI-SPOT(登録商標)96 HB 4-Spot Custom EGFR Duplex ANALYTESアッセイなどのマルチプレックス免疫アッセイキットを使用して研究することができる。
【0679】
例示的なキナーゼ阻害(キナーゼ)および抗増殖活性(Ba/F3)のデータは、本明細書に記載される本発明の特定の化合物について表1に示される。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【0680】
上述の説明から、当業者は、本発明の必須特性を容易に確認することができ、その趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な使用および条件に適合するために本発明の様々な変更および改変を行うことができる。
【0681】
本出願に引用される米国または外国のすべての参照、特許、または出願は、本明細書に記載されているものとして、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。いかなる矛盾が生じる場合にも、本明細書に文献的に開示される材料が優先する。
【国際調査報告】