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特表2023-513861透明矯正装置遠隔モニタリングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-04
(54)【発明の名称】透明矯正装置遠隔モニタリングシステム
(51)【国際特許分類】
   A61C 7/00 20060101AFI20230328BHJP
   A61C 7/08 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
A61C7/00
A61C7/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022515097
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(85)【翻訳文提出日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 KR2021010971
(87)【国際公開番号】W WO2022158673
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0007795
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520404193
【氏名又は名称】ジーエヌアイ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ドグ ス
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052JJ10
(57)【要約】
透明矯正装置遠隔モニタリングシステムは、歯牙の矯正のために歯牙に着用されるクリアアライナー(100)と、前記クリアアライナー(100)の内部に設けられ、歯牙に対するクリアアライナー(100)の着用を接触式で感知する接触センサーモジュール(200)と、前記接触センサーモジュール(200)からの信号を受信し、アプリケーションを用いて前記受信された信号から前記クリアアライナー(100)の着用時間を計算する使用者端末機(300)と、前記使用者端末機(300)で計算された情報を担当クリニックと共有するためのコンピュータ(400)とを含み、前記クリアアライナー(100)は歯牙が挿入される歯牙挿入溝(120)を内部に有し、前記歯牙挿入溝(120)の内面には、前記接触センサーモジュール(200)を装着するための装着溝(140)が形成され、前記装着溝は歯牙のうち矯正後の変位が最も小さい歯牙に対応するように形成される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯牙の矯正のために歯牙に着用されるクリアアライナー(100)と、
前記クリアアライナー(100)の内部に設けられ、前記歯牙に対する前記クリアアライナー(100)の着用を接触式で感知する接触センサーモジュール(200)と、
前記接触センサーモジュール(200)からの信号を受信し、アプリケーションを用いて受信された前記信号から前記クリアアライナー(100)の着用時間を計算する使用者端末機(300)と、
前記使用者端末機(300)で計算された情報を担当クリニックと共有するためのコンピュータ(400)とを含み、
前記クリアアライナー(100)は前記歯牙が挿入される歯牙挿入溝(120)を内部に有し、
前記歯牙挿入溝(120)の内面には、前記接触センサーモジュール(200)を装着するための装着溝(140)が形成され、
前記装着溝は前記歯牙のうち矯正後の変位が最も小さい歯牙に対応するように形成されることを特徴とする、透明矯正装置遠隔モニタリングシステム。
【請求項2】
前記接触センサーモジュール(200)は、機械的刺激を感知するセンサー(220)と、前記センサー(220)を封止し、前記クリアアライナー(100)より大きい弾性を有する材料からモールディング成形された封止部(240)とを含み、前記封止部(240)が前記歯牙に押されて前記センサー(220)を変形させ、前記センサー(220)は変形によって前記クリアアライナー(100)の着用を感知することを特徴とする、請求項1に記載の透明矯正装置遠隔モニタリングシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の透明矯正装置遠隔モニタリングシステムの適用方法であって、
前記接触センサーモジュール(200)が前記クリアアライナー(100)の着用を感知すれば、前記クリアアライナー(100)の着用時間をカウントする段階と、
前記クリアアライナー(100)が口腔から分離されれば、前記クリアアライナー(100)を1回着用した時間を計算する段階と、
予め保存されたセット時間から一日が経過されれば、前記クリアアライナーの一日着用時間を計算する段階と、
計算された前記クリアアライナー(100)の実際の一日着用時間と予め設定された基準着用時間とを比較し、前記実際の一日着用時間が前記基準着用時間より小さい場合、アラームを生成し、翌日のクリアアライナー着用時間をカウントする段階とを含むことを特徴とする、透明矯正装置遠隔モニタリングシステムの適用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は透明矯正装置遠隔モニタリングシステムに関し、特にクリアアライナーとクリアアライナーに設けられたセンサーとを用いる透明矯正装置遠隔モニタリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
不正咬合を改善するために多様な歯牙矯正方式が用いられている。不正咬合は、歯牙の配列が整っていないか上下顎の歯牙の咬合状態が正常範囲を外れて審美的または機能的に問題が発生した咬合関係を意味する。不正咬合の場合、審美的または機能的な問題とともに、歯牙の配列が整っていなくて歯間に飲食物くずが残りやすいから、歯磨きでも歯牙を清潔に管理することが難しく、多様な歯科疾患または歯ぐき疾患を引き起こすおそれが大きい。このような不正咬合を治療することが歯牙矯正治療である。歯牙の矯正治療は、歯牙が外部から持続的な力を受ければ移動する性質を用いる。歯牙矯正のための装置の中で現在最も多く用いられるものは、歯牙に付着するブラケットとブラケットとの間を連結するワイヤとを含むものである。このような装置は、ブラケットの間を連結するワイヤが引っ張る力を用いて歯牙を持続的に移動させることにより不正咬合を治療する。しかし、このような装置は、長い不正咬合治療期間の間にいつも歯牙に装着されているブラケットとワイヤによって不便さを感じることになり、視覚的にはブラケットとワイヤが他人にもそのまま見えるので、美容の側面でも欠点となる。
【0003】
このような欠点を解決するために、クリアアライナー(clear aligner)を用いた矯正方法が提案されたことがある。クリアアライナーを用いた透明矯正方法は、矯正前の歯牙状態から矯正後の歯牙状態に段階別に変化する歯牙に相応するクリアアライナーを製作し、クリアアライナーを取り替えながら歯並びを矯正する方式である。クリアアライナーは患者が容易に着脱することができるので不便さが少なく、さらに透明プラスチック材から製作されるので審美感が優れるという利点がある。
【0004】
しかし、自由に着脱可能なクリアアライナーを用いた歯牙矯正方法は、医師が注文したクリアアライナー装着時間を患者が守らない場合が多くて効果が落ちる場合が多かった。例えば、医師がクリアアライナーを一日8時間以上装着することを指示したが、患者がそれに遠く及ばない時間の間のみ装着した場合、歯牙矯正がうまくできないしかない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、医師が注文したクリアアライナー着用時間を患者が守らないことによって歯牙矯正がうまくできないか遅延される問題点を解決することができるシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面による透明矯正装置遠隔モニタリングシステムは、歯牙の矯正のために歯牙に着用されるクリアアライナー(100)と、前記クリアアライナー(100)の内部に設けられ、歯牙に対するクリアアライナー(100)の着用を接触式で感知する接触センサーモジュール(200)と、前記接触センサーモジュール(200)からの信号を受信し、アプリケーションを用いて前記受信された信号から前記クリアアライナー(100)の着用時間を計算する使用者端末機(300)と、前記使用者端末機(300)で計算された情報を担当クリニックと共有するためのコンピュータ(400)とを含み、前記クリアアライナー(100)は歯牙が挿入される歯牙挿入溝(120)を内部に有し、前記歯牙挿入溝(120)の内面には、前記接触センサーモジュール(200)を装着するための装着溝(140)が形成され、前記装着溝は歯牙のうち矯正後の変位が最も小さい歯牙に対応するように形成される。
【0007】
一実施例によると、前記接触センサーモジュール(200)は、機械的刺激を感知するセンサー(220)と、前記センサー(220)を封止し、前記クリアアライナー(100)より大きい弾性を有する材料からモールディング成形された封止部(240)とを含み、前記封止部(240)が歯牙に押されて前記センサー(220)を変形させ、前記センサー(220)は前記変形によって前記クリアアライナー(100)の着用を感知することを特徴とする。
【0008】
一実施例によると、前記透明矯正装置遠隔モニタリングシステムの適用方法は、前記接触センサーモジュール(200)が前記クリアアライナー(100)の着用を感知すれば、前記クリアアライナー(100)の着用時間をカウントする段階と、前記クリアアライナー(100)が口腔から分離されれば、前記クリアアライナー(100)を1回着用した時間を計算する段階と、予め保存されたセット時間から一日が経過されれば、前記クリアアライナーの一日着用時間を計算する段階と、前記計算されたクリアアライナー(100)の実際の一日着用時間と予め設定された基準着用時間とを比較し、前記実際の一日着用時間が前記基準着用時間より小さい場合、アラームを生成し、翌日のクリアアライナー着用時間をカウントする段階とを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、医師が注文したクリアアライナー着用時間を患者が守らないことによって歯牙矯正がうまくできないか遅延される問題点を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施例による透明矯正装置遠隔モニタリングシステムを説明するための構成図である。
図2図1に示した透明矯正装置遠隔モニタリングシステムに備えられたクリアアライナー及び接触センサーモジュールを示した断面図である。
図3図1及び図2に示した透明矯正装置遠隔モニタリングシステムの適用方法を説明するための図である。
図4】クリアアライナー、ブラケット及びワイヤが一緒に適用されたパワーアライナに有利な装着溝及び接触センサーモジュールの位置を説明するための図である。
図5】クリアアライナー及び接触センサーモジュールの他の例を説明するための図である。
図6】本発明の他の実施例による透明矯正装置遠隔モニタリングシステムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面に基づき、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明の実施例について詳細に説明する。本発明は様々な相異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0012】
本発明を明らかに説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全般にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付ける。
【0013】
また、いくつかの実施例において、同じ構成を有する構成要素に対しては同じ符号を使って代表的な実施例のみを説明し、その他の実施例では代表的な実施例と違う構成のみについて説明する。
【0014】
明細書全般で、ある部分が他の部分と“連結”されていると言うとき、これは“直接的に連結”されている場合だけでなく、他の部材を挟んで“間接的に連結”されているものも含む。また、ある部分がある構成要素を“含む”と言うとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含むことを意味することができる。
【0015】
図1は本発明の一実施例による透明矯正装置遠隔モニタリングシステムを説明するための構成図、図2図1に示した透明矯正装置遠隔モニタリングシステムに備えられたクリアアライナー及び接触センサーモジュールを示した断面図である。
【0016】
図1及び図2に示したように、本発明の一実施例による透明矯正装置遠隔モニタリングシステムは、歯牙の矯正のために歯牙に着用されるクリアアライナー100と、前記クリアアライナー100の内部に設けられ、歯牙に対するクリアアライナー100の着用を接触式で感知する接触センサーモジュール200と、前記接触センサーモジュール200からの信号を受信し、アプリケーションを用いて前記受信された信号からクリアアライナー100の着用時間などを計算する使用者端末機300と、使用者端末機300で計算された情報を担当クリニックと共有するための(サーバー)コンピュータ400とを含む。
【0017】
前記クリアアライナー100は、矯正すべき上顎または下顎の歯牙の形状に相応する形状を有するように形成される。前記クリアアライナー100は、歯牙のそれぞれに相応する形状を内部に有するように透明樹脂材からモールディング成形される。前記クリアアライナー100は、患者の上顎または下顎の歯牙が挿入される歯牙挿入溝120を内部に有する。また、前記クリアアライナー100の前記歯牙挿入溝120の内面には、前記接触センサーモジュール200を装着するための装着溝140が形成される。装着溝140は、矯正計画の際、矯正後に変位がないかまたは変位が最も少ない歯牙の最大豊隆部に対応するように形成される。これは、矯正後に変位がほとんどない歯牙に対応するように接触センサーモジュール200を設ければ、接触センサーモジュール200と接触する歯牙が変位して接触センサーモジュール200が歯牙を感知することができない問題点を解決する。
【0018】
前記接触センサーモジュール200は、機械的刺激を感知するセンサー220と、前記センサー220を封止するようにモールディング成形された軟性封止部240とを含む。前記センサー220は、外形変化が最小化した薄膜(thin film)センサーであることが好ましい。また、前記センサー220は、前記使用者端末機300との無線通信のための無線通信部を含むことができる。そして、前記無線通信部は、例えば近距離無線通信(NFC)方式を用いることができる。また、前記センサー220は、無線充電可能なバッテリーを含むことができる。前記封止部240は、前記クリアアライナー100の材料より軟質であり、より高い(粘)弾性を有する材料(例えば、シリコン材など)から形成されることができる。前記封止部240は前方凸面242を有し、前記前方凸面242を除いた残りの部分は前記装着溝140に完全に収容される。患者の歯牙がクリアアライナー100の歯牙挿入溝120に挿入されるとき、前記前方凸面242が押されて後方に後退しながら変形し、センサー220が後方に押され、前記センサー220はこの押される力を感知し、クリアアライナー100が患者の歯牙に装着されたという情報の信号を前記使用者端末機300に提供する。前述したように、装着溝140は、矯正計画の際、矯正後に変位がないかまたは変位が最も少ない歯牙の最大豊隆部に形成され、前記接触センサーモジュール200はそのような装着溝140に挿設され、最も安定した歯牙の最大豊隆部によって押される。より好ましくは、前記装着溝140は舌側最大豊隆部に対応して形成され、接触センサーモジュール200は最も安定的な歯牙の舌側最大豊隆部と接触するように配置される。
【0019】
本実施例で、クリアアライナー100はブラケット及び矯正ワイヤを歯牙の舌側に設けた舌側ワイヤ矯正装置と共に有利に適用することができる。このようなワイヤ矯正装置とクリアアライナー100とを含む矯正装置を“パワークライナ”と定義する。パワークライナの適用の際、舌側にはワイヤ矯正装置が適用されるので、図4に示したように、該当歯牙の歯先に対応するように装着溝を形成し、その装着溝に接触センサーモジュール200を設けることが有利である。
【0020】
使用者端末機300はスマートフォンまたはタブレットPCなどのような移動通信端末機であることが好ましい。前記使用者端末機300は、接触センサーモジュール200の信号を受けて患者のクリアアライナー100着用時間を計算する。前記着用時間の計算は、日間(1日)着用時間と、該当クリニックに対する患者の来訪時点から次の来訪時点までの累積装着時間とを含む。
【0021】
使用者端末機300のアプリケーションを介して患者のクリアアライナー100着用時間が計算及び保存され、該当クリニックのコンピュータ400に伝送される。該当クリニックの担当医者は、担当医者が指示したクリアアライナー100の最小着用時間(基準累積着用時間)と実際患者がクリアアライナーを着用した累積着用時間とを比較し、その情報を患者に提供するとともに歯牙矯正治療に活用する。また、前記使用者端末機300は、アプリケーションを介して、患者の実際1日着用時間と医師が注文した基準1日着用時間とを比較し、実際1日着用時間が基準1日装着時間より小さい場合、視覚的または聴覚的なアラーム音を発生させる。
【0022】
また、使用者端末機300は、ディスプレイ部を介して前日の1日着用時間と医師が指示した基準1日着用時間とを一画面に比較して表す。また、使用者端末機300は、ディスプレイ部を介して現在までの累積着用時間と基準累積着用時間とを比較し、一画面に表示する。該当クリニックの外部コンピュータ400は使用者端末機300で処理、保存及び表示された装着時間情報をそのまま共有する。よって、前記外部コンピュータ400はディスプレイ部を介して該当患者の1日着用時間と累積着用時間とを表示する。この際、当該患者に指示した基準着用時間と基準累積着用時間も一緒に表示する。
【0023】
接触センサーモジュール200と使用者端末機300とはブルートゥース(登録商標)通信のような無線通信を介して信号を交換することができ、これにより、接触センサーモジュール200が測定したセンサー変位情報、すなわちクリアアライナー100の着用有無情報は使用者端末機300に実時間で提供される。前記使用者端末機300は、前記接触センサーモジュール200から提供された情報に基づいて患者のクリアアライナー100の1日着用時間及び累積着用時間を計算し、その計算された情報を保存及び表示するとともに、その情報を遠距離の該当クリニックのコンピュータ400に伝送する。
【0024】
前述した透明矯正装置遠隔モニタリングシステムの適用方法を説明すると図3に示したようである。
【0025】
図1及び図3を一緒に参照すると、接触センサーモジュール200が作動した状態で、アライナ、すなわちクリアアライナー100を歯牙に着用すれば、接触センサーモジュール200がクリアアライナー100の着用を感知し、接触センサーモジュール200と無線通信する使用者端末機300はクリアアライナー100の着用時間をカウントする。患者がクリアアライナー100を口腔から分離すれば、使用者端末機300は、接触センサーモジュール200からの信号によってその分離を判断し、患者がクリアアライナー100を1回着用した時間を計算する。このような方式で患者がクリアアライナー100を着用するか分離する度に着用時間を計算する。また、使用者端末機300は、アプリケーションを介して予め保存されたセット時間から1日が経過したかを判断し、1日が経過すると、クリアアライナー100の1日着用時間、すなわち患者が一日間にクリアアライナー100を着用した総累積時間を計算する。計算されたクリアアライナー100の実際着用時間と基準着用時間とを比較し、実際1日着用時間が基準着用時間より小さい場合、アラームを生成し、2日目のクリアアライナーの着用時間をカウントする。ここで、使用者端末機300がディスプレイ部を介して実際1日着用時間と基準1日着用時間とを比較して表す。一方、実際1日着用時間が基準着用時間と同じかそれより大きい場合、アラームの生成なしに2日目のクリアアライナーの着用時間をカウントする。アラームは、音または振動を周期的に発生させて提供することができる。そして、次回のクリニック来訪の際、使用者端末機300は全体累積着用時間と基準累積着用時間とを比較し、その比較結果を該当クリニックのコンピュータ400のモニターを介して表示する。
【0026】
図5はクリアアライナー及び接触センサーモジュールの他の例を示す図である。
【0027】
図5を参照すると、クリアアライナー100は、歯牙挿入溝120を限定するように互いに向き合う第1壁(または、前方壁)102と第2壁(または、後方壁)104とを含み、第2壁102の内面にセンサーモジュールの装着のための装着溝140が形成される。
【0028】
前述した実施例と同様に、前記接触センサーモジュール200は、機械的刺激を感知するセンサー220と、前記センサー220を封止するようにモールディング成形された軟性封止部240とを含む。前記センサー220は外形変化が最小化した薄膜(thin film)センサーであることが好ましい。また、前記センサー220は、前記使用者端末機との無線通信のための無線通信部を含むことができる。そして、前記無線通信部は、例えば近距離無線通信(NFC)方式で構成されることができる。また、前記センサー220は、無線充電可能なバッテリーを含むことができる。前記封止部240は、前記クリアアライナー100の材料より軟質、及びより高い(粘)弾性を有する材料(例えば、シリコン材料など)から形成されることができる。前記封止部240は前方凸面242を備え、前記前方凸面242を除いた残りの部分は前記装着溝140に完全に収容される。患者の歯牙がクリアアライナー100の歯牙挿入溝120に挿入されるとき、前記前方凸面242が押されて後方に後退するとともに変形され、センサー220が後方に押され、前記センサー220はこの押される力を感知して、クリアアライナー100が患者の歯牙に装着されたという情報の信号を前記使用者端末機に提供する。前述したように、装着溝140は、矯正計画の際、矯正後に変位がないかまたは変位が最も少ない歯牙の最大豊隆部に形成され、前記接触センサーモジュール200は前記装着溝140に挿設され、最も安定的な歯牙の最大豊隆部によって押される。
【0029】
一方、前記クリアアライナー100の第2壁104には、歯牙挿入溝120の外部から前記装着溝140と連通するようにピンホール150が形成される。このピンホール150は、ピンの挿入によって容易に除去可能な軟質樹脂材の詰め物160によって詰まっている。接触センサーモジュール200の交替または無線充電のために、クリアアライナー100から接触センサーモジュール200を分離する必要がある。この場合、前記詰め物160を貫くことができる剛性のピンを前記ピンホール150に挿入して前記詰め物160を貫き、前記ピンをさらに前進させることにより、前記装着溝140の外に前記接触センサーモジュール200を押し出すことができる。
【0030】
図6は本発明のよった実施例によるクリアアライナーを用いた透明矯正装置遠隔モニタリングシステムを説明するための構成図である。
【0031】
図6のように、本実施例による透明矯正装置遠隔モニタリングシステムは、歯牙の矯正のために歯牙に被せられるクリアアライナー100と、前記クリアアライナー100の内面に設けられ、歯牙に対するクリアアライナー100の装着を接触式で感知する接触センサーモジュール200と、前記クリアアライナー100が装着された歯牙のうち特定の歯牙の変位を感知する変位測定センサーモジュール200’と、前記接触センサーモジュール200からの信号と前記変位測定センサーモジュール200’からの信号とを受信し、アプリケーションを用いて前記受信された信号からクリアアライナー100の装着時間及び特定の歯牙の変位を計算する使用者端末機300と、前記使用者端末機300で計算された情報を担当クリニックと共有するための(サーバー)コンピュータ400とを含む。
【0032】
前述した実施例と同様に、前記クリアアライナー100は矯正すべき上顎または下顎の歯牙の形状に相応する形状を有するように形成される。前記クリアアライナー100は、歯牙のそれぞれに相応する形状を内部に有するように、透明樹脂材料からモールディング成形される。前記クリアアライナー100は、患者の上顎または下顎の歯牙が挿入される歯牙挿入溝を内部に備える。前記クリアアライナー100の内面には第1装着溝及び第2装着溝が形成され、前記接触センサーモジュール200は第1装着溝に挿入装着され、前記変位測定センサーモジュール200’は第2装着溝に挿着される。前記変位測定センサーモジュール200’は歯牙矯正によって最大変位が発生する歯牙に対応する位置に設けられる。前記使用者端末機300は、アプリケーションを介してクリアアライナー100の着用時間に対する歯牙変位量を計算することができる。
【0033】
本発明は前述した実施例によって制限されず、多様に変形されて実施されることができるという点に気をつける。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】