(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-04
(54)【発明の名称】光学的干渉断層検査を用いたレンズフィッティング計測法
(51)【国際特許分類】
A61B 3/10 20060101AFI20230328BHJP
【FI】
A61B3/10 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534183
(86)(22)【出願日】2021-01-09
(85)【翻訳文提出日】2022-07-26
(86)【国際出願番号】 US2021012855
(87)【国際公開番号】W WO2021167713
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】シャーマ, ロビン
(72)【発明者】
【氏名】チエン, ルオピン
(72)【発明者】
【氏名】エル-ハダド, モハメド ターレク
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA01
4C316AA03
4C316AA25
4C316AA27
4C316AA28
4C316AB03
4C316AB04
4C316AB11
4C316AB16
4C316FA09
4C316FC21
4C316FZ02
(57)【要約】
センサ(1065)を用いてセンサデータが取り込まれる。センサデータは、光学的干渉断層検査(OCT)システム(200、1000)の参照点に対する処方レンズ(270、621A)のレンズ位置を含む。OCTシステム(200、1000)の参照アーム(203)のミラー(260)が、センサデータに少なくとも部分的に基づいて、目領域と処方レンズ(270、621A)との間の光路長(461)に位置決めされる。光路長(461)にミラー(260)が位置決めされている間にOCT信号(213、413)が生成される。処方レンズ(621A)と目領域とを含む少なくとも1つの深度プロファイル(440、450、523)が生成される。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサを用いてセンサデータを取り込むことであって、前記センサデータは光学的干渉断層検査(OCT)システムの参照点に対する処方レンズのレンズ位置を含む、センサデータを取り込むことと、
前記センサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記OCTシステムの参照アームのミラーを目領域と前記処方レンズとの間の光路長に位置決めすることと、
前記参照アームの前記ミラーが前記光路長に位置決めされている間に前記OCTシステムを用いてOCT信号を生成することと、
前記処方レンズおよび前記目領域を含む深度プロファイルを生成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記OCTシステムを用いて準備的OCT信号を取り込むことであって、前記参照アームの前記ミラーを前記光路長に前記位置決めすることは前記準備的OCT信号にも基づいている、準備的OCT信号を取り込むこと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記OCTシステムによって生成された前記準備的OCT信号から生成された準備的フーリエ変換データの第1のピークを識別することであって、前記第1のピークは前記処方レンズと関連付けられている、第1のピークを識別することと、
前記準備的フーリエ変換データの第2のピークを識別することであって、前記第2のピークは使用者の目と関連付けられている、第2のピークを識別することと、
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記準備的OCT信号は前記センサデータを取り込んだ後で取り込まれる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記センサは、画像センサ、構造化光深度センサ、ステレオカメラ、飛行時間型(TOF)カメラ、浅い被写界深度を有する低Fナンバカメラ、またはLIDARシステムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記深度プロファイルと前記参照アームの前記ミラーが前記光路長に位置決めされている間に前記OCTシステムによって取り込まれる複数の後続の深度プロファイルとを集約することに基づいて三次元測定眼深度画像を生成することであって、前記三次元測定眼深度画像は使用者の目および使用者が着用する前記処方レンズを含む、三次元測定眼深度画像を生成すること、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記三次元測定眼深度画像は、(1)前記処方レンズに対する射出ひとみ距離、(2)レンズ-角膜距離、(3)前記使用者の第2の目に対する前記目の瞳孔間距離、(4)前記目の瞳孔サイズ、または(5)前記目の角膜トポグラフィのうちの少なくとも1つを含み、
前記射出ひとみ距離は前記処方レンズの裏側表面から前記目の角膜までである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記三次元測定眼深度画像は、前記処方レンズの表側表面のベースカーブと、前記処方レンズの裏側表面のバックカーブと、を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記OCTシステムは、前記目と前記処方レンズと前記参照アームの前記ミラーとを照射するための光源を含むフーリエドメインOCTシステムである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
処理ロジックによって実行されると前記処理ロジックに請求項1から9のいずれか一項に記載の動作を実行させる命令を提供する、非一時的機械アクセス可能記憶媒体。
【請求項11】
処方レンズの表側表面、前記処方レンズの裏側表面、および目領域を含む三次元測定眼深度画像を取り込むように構成されている光学的干渉断層検査(OCT)デバイスと、
前記OCTデバイスの参照点に対する前記処方レンズのレンズ位置を含むセンサデータを生成するように構成されているセンサと、
命令を記憶しているメモリと、
前記OCTデバイスから前記三次元測定眼深度画像を受信するように構成されている処理ロジックであって、前記処理ロジックはまた、前記処理ロジックによって実行されると前記処理ロジックに、
前記センサを用いてセンサデータを取り込むこと、
前記センサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記OCTデバイスの参照アームのミラーを前記目領域と前記処方レンズとの間の光路長に位置決めすること、
前記参照アームの前記ミラーが前記光路長に位置決めされている間にOCTシステムを用いてOCT信号を生成すること、および
前記OCT信号に基づいて三次元測定眼深度画像を生成すること、を含む動作を実行させる前記命令にアクセスするようにも構成されている、処理ロジックと、
を備える、システム。
【請求項12】
前記処理ロジックは、
前記OCTデバイスを用いて準備的OCT信号を取り込むことであって、前記参照アームの前記ミラーを前記光路長に前記位置決めすることは前記準備的OCT信号にも基づいている、準備的OCT信号を取り込むこと、を含む更なる動作を実行するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記処理ロジックは、
前記OCTデバイスによって生成された前記準備的OCT信号から生成された準備的フーリエ変換データの第1のピークを識別することであって、前記第1のピークは前記処方レンズと関連付けられている、第1のピークを識別することと、
前記準備的フーリエ変換データの第2のピークを識別することであって、前記第2のピークは使用者の目と関連付けられている、第2のピークを識別することと、を含む更なる動作を実行するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記OCTデバイスの使用者の頭部を受けるための顔支持部
を更に備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記OCTデバイスは、前記目領域と前記処方レンズと前記参照アームの前記ミラーとを照射するための光源を含むフーリエドメインOCTシステムである、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は2020年2月20日出願の米国仮出願第62/979,337号に対する優先権を主張し、同仮出願は参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
処方メガネを得ることは典型的には、メガネ処方箋を眼鏡技師または他の眼科専門家に提出することと、矯正レンズを保持するためのメガネフレームを選択することを含む。しかしながら、顔に対する処方レンズおよびメガネフレームの一意的なフィットならびに目に対する位置決めは、非常に多様である。このおよび他の文脈において、目および/または顔に対して処方レンズを画像化することが有用である。
【発明の概要】
【0003】
本発明のある態様では、センサを用いてセンサデータを取り込むことであって、センサデータは光学的干渉断層検査(OCT)システムの参照点に対する処方レンズのレンズ位置を含む、センサデータを取り込むことと、センサデータに少なくとも部分的に基づいて、OCTシステムの参照アームのミラーを目領域と処方レンズとの間の光路長に位置決めすることと、参照アームのミラーが光路長に位置決めされている間にOCTシステムを用いてOCT信号を生成することと、処方レンズおよび目領域を含む深度プロファイルを生成することと、を含む方法が提供される。
【0004】
方法は、OCTシステムを用いて準備的OCT信号を取り込むことであって、参照アームのミラーを光路長に位置決めすることは準備的OCT信号にも基づいている、準備的OCT信号を取り込むこと、を更に含み得る。
【0005】
方法は、OCTシステムによって生成された準備的OCT信号から生成された準備的フーリエ変換データの第1のピークを識別することであって、第1のピークは処方レンズと関連付けられ得る、第1のピークを識別することと、準備的フーリエ変換データの第2のピークを識別することであって、第2のピークは使用者の目と関連付けられ得る、第2のピークを識別することと、を更に含み得る。
【0006】
準備的OCT信号はセンサデータを取り込んだ後で取り込まれ得る。
【0007】
センサは、画像センサ、構造化光深度センサ、ステレオカメラ、飛行時間型(TOF)カメラ、浅い被写界深度を有する低Fナンバカメラ、またはLIDARシステムのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0008】
方法は、深度プロファイルと参照アームのミラーが光路長に位置決めされ得る間にOCTシステムによって取り込まれる複数の後続の深度プロファイルとを集約することに基づいて三次元測定眼深度画像(volumetric ocular depth image)を生成することであって、三次元測定眼深度画像は使用者の目および使用者が着用する処方レンズを含む、三次元測定眼深度画像を生成すること、を更に含み得る。
【0009】
三次元測定眼深度画像は、(1)処方レンズに対する射出ひとみ距離、(2)レンズ-角膜距離、(3)使用者の第2の目に対する目の瞳孔間距離、(4)目の瞳孔サイズ、または(5)目の角膜トポグラフィのうちの少なくとも1つを含み得、射出ひとみ距離は処方レンズの裏側表面から目の角膜までであり得る。
【0010】
三次元測定眼深度画像は、処方レンズの表側表面のベースカーブと、処方レンズの裏側表面のバックカーブと、を含み得る。
【0011】
OCTシステムは、目と処方レンズと参照アームのミラーとを照射するための光源を含むフーリエドメインOCTシステムであり得る。
【0012】
本発明のある態様では、処理ロジックによって実行されると、処理ロジックにセンサを用いてセンサデータを取り込むことであって、センサデータは光学的干渉断層検査(OCT)システムの参照点に対する処方レンズのレンズ位置を含む、センサデータを取り込むことと、センサデータに少なくとも部分的に基づいて、OCTシステムの参照アームのミラーを目領域と処方レンズとの間の光路長に位置決めすることと、参照アームのミラーが光路長に位置決めされている間にOCTシステムを用いてOCT信号を生成することと、処方レンズおよび目領域を含む深度プロファイルを生成することと、を含む動作を実行させる命令を提供する、非一時的機械アクセス可能記憶媒体が提供される。
【0013】
処理ロジックは、OCTシステムを用いて準備的OCT信号を取り込むことであって、参照アームのミラーを光路長に位置決めすることは準備的OCT信号にも基づき得る、準備的OCT信号を取り込むこと、を含む、更なる動作を実行し得る。
【0014】
処理ロジックは、OCTシステムによって生成された準備的OCT信号から生成された準備的フーリエ変換データの第1のピークを識別することであって、第1のピークは処方レンズと関連付けられ得る、第1のピークを識別することと、準備的フーリエ変換データの第2のピークを識別することであって、第2のピークは使用者の目と関連付けられ得る、第2のピークを識別することと、を含む、更なる動作を実行し得る。
【0015】
準備的OCT信号はセンサデータを取り込んだ後で取り込まれ得る。
【0016】
センサは、画像センサ、構造化光深度センサ、ステレオカメラ、飛行時間型(TOF)カメラ、浅い被写界深度を有する低FナンバカメラもしくはFナンバのないカメラ、またはLIDARシステムのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0017】
処理ロジックは、深度プロファイルと参照アームのミラーが光路長に位置決めされ得る間にOCTシステムによって取り込まれる複数の後続の深度プロファイルとを集約することに基づいて三次元測定眼深度画像を生成することであって、三次元測定眼深度画像は使用者の目および使用者が着用する処方レンズを含み得る、三次元測定眼深度画像を生成すること、を含む、更なる動作を実行し得る。
【0018】
本発明のある態様では、処方レンズの表側表面、処方レンズの裏側表面、および目領域を含む三次元測定眼深度画像を取り込むように構成されている光学的干渉断層検査(OCT)デバイスと、OCTデバイスの参照点に対する処方レンズのレンズ位置を含むセンサデータを生成するように構成されているセンサと、命令を記憶しているメモリと、OCTデバイスから三次元測定眼深度画像を受信するように構成されている処理ロジックであって、処理ロジックはまた、処理ロジックによって実行されると処理ロジックに、センサを用いてセンサデータを取り込むこと、センサデータに少なくとも部分的に基づいて、OCTデバイスの参照アームのミラーを目領域と処方レンズとの間の光路長に位置決めすること、参照アームのミラーが光路長に位置決めされている間にOCTシステムを用いてOCT信号を生成すること、およびOCT信号に基づいて三次元測定眼深度画像を生成すること、を含む動作を実行させる命令にアクセスするようにも構成されている、処理ロジックと、を備えるシステムが提供される。
【0019】
処理ロジックは、OCTデバイスを用いて準備的OCT信号を取り込むことであって、参照アームのミラーを光路長に位置決めすることは準備的OCT信号にも基づき得る、準備的OCT信号を取り込むこと、を含む、更なる動作を実行するように構成され得る。
【0020】
処理ロジックは、OCTデバイスによって生成された準備的OCT信号から生成された準備的フーリエ変換データの第1のピークを識別することであって、第1のピークは処方レンズと関連付けられ得る、第1のピークを識別することと、準備的フーリエ変換データの第2のピークを識別することであって、第2のピークは使用者の目と関連付けられ得る、第2のピークを識別することと、を含む、更なる動作を実行するように構成され得る。
【0021】
システムは、OCTデバイスの使用者の頭部を受けるための顔支持部を更に備え得る。
【0022】
OCTデバイスは、目領域と処方レンズと参照アームのミラーとを照射するための光源を含むフーリエドメインOCTシステムであり得る。
【0023】
本発明の非限定的かつ非網羅的な実施形態について以下の図を参照して記載するが、これらの図において同様の参照符号は、そうではないと明記されない限りは同様の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示の態様に係る、矯正レンズを有するメガネを着用している使用者の三次元測定眼深度画像に基づいて製作される矯正レンズを含み得る例示の頭部装着型デバイスを示す図である。
【
図2】本開示の態様に係る、処方レンズおよび処方レンズの着用者の目を含む三次元測定眼深度画像を取り込むために利用され得る光学的干渉断層検査(OCT)デバイスを含む例示のシステムを示す図である。
【
図3A】本開示の態様に係る、処方レンズおよび処方レンズの着用者の目を含む三次元測定眼深度画像を取り込むために利用され得るスキャナを含む光学的干渉断層検査(OCT)デバイスを含む、別の例示のシステムを示す図である。
【
図3B】本開示の態様に係る、処方レンズおよび処方レンズの着用者の目を含む三次元測定眼深度画像を取り込むために利用され得るスキャナを含む光学的干渉断層検査(OCT)デバイスを含む、別の例示のシステムを示す図である。
【
図4A】本開示の態様に係る、OCT信号のフーリエ変換によって深度プロファイルが生成されること、および、深度プロファイルのピークがサンプルの後方散乱表面を表すことを示す図である。
【
図4B】本開示の態様に係る、OCTシステムの参照アームのミラーが使用者の目と使用者が着用する処方レンズとの間の光路長に位置決めされている間にOCTシステムのOCT信号から生成される、例示の深度プロファイルを示す図である。
【
図5】本開示の態様に係る、処方レンズの着用者の顔の所定位置に処方レンズを保持するように構成されているフレームを含むメガネを着用している人の、例示のスキャンを示す図である。
【
図6A】本開示の態様に係る、水平面を通る三次元測定眼深度画像のスライスを示す図である。
【
図6B】本開示の態様に係る、水平面を通る三次元測定眼深度画像のスライスを示す図である。
【
図7】本開示の態様に係る、垂直面を通る三次元測定眼深度画像のスライスを示す図である。
【
図8A-8C】本開示の態様に係る、三次元測定眼深度画像からの様々な測定値を示す図である。
【
図9】本開示の態様に係る、深度プロファイルの生成の例示の工程のフローチャートである。
【
図10】本開示の実施形態に係る、参照アームのミラーを調整するための光路長を決定するための例示のOCTシステムを示す図である。
【
図11】本開示の態様に係る、深度プロファイルの生成の例示の工程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
光学的干渉断層検査(OCT)を用いたレンズフィッティング計測法に関する実施形態について本明細書に記載する。以下の説明には、実施形態の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細が明記されている。しかしながら、それら具体的な詳細のうちの1つもしくは複数が無くても、または、他の方法、構成要素、材料、等によって、本明細書に記載される技法を実施できることを、当業者は認識するであろう。他の場合には、特定の態様が曖昧になるのを回避するために、よく知られている構造、材料、または動作は、詳細に図示または記載されていない。
【0026】
本明細書の全体に見られる「一実施形態」または「ある実施形態」への言及は、その実施形態と関連させて記載される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、「一実施形態において」または「ある実施形態において」という句が本明細書の全体にわたって様々な場所で登場するが、これらは必ずしも全て同じ実施形態を指す訳ではない。また更に、それら特定の特徴、構造、または特性を、1つまたは複数の実施形態において任意の好適な様式で組み合わせてもよい。
【0027】
本開示の実施形態は、光学的干渉断層検査を用いたレンズフィッティング計測法に向けられている。例示の実装形態では、システム中のセンサが処方レンズのレンズ位置のセンサデータを取り込む。センサデータに従ってOCTシステムの参照アームのミラーが位置決めされる。参照アームのミラーが光路長に位置決めされている間に、OCTシステムを用いて1つまたは複数のOCT信号が生成される。光路長は、使用者の目の目領域と使用者が着用する処方レンズとの間であり得る。OCT信号から1つまたは複数の深度プロファイルが生成され、深度プロファイルを使用して三次元測定眼深度画像が生成され得る。三次元測定眼深度画像は、処方レンズに対する目領域の様々な測定値を含み得る。例えば、三次元測定眼深度画像は、処方レンズに対する射出ひとみ距離、レンズ-角膜距離、使用者の第2の目に対する目の瞳孔間距離、目の瞳孔サイズ、および/または目の角膜トポグラフィを含み得る。人が着用する処方レンズに対する目領域のこれらの測定値によって、追加の処方レンズを特定の使用者により個別的な様式でフィットさせることが可能になり得る。
【0028】
本開示に記載されている技法、デバイス、およびシステムは、頭部装着型デバイス、頭部装着型ディスプレイ、ヘルメット装着型光学システム、および使用者の頭部にまたはその周辺に着用されることになる他の光学システム用の、処方レンズまたは他の構成要素の生成を補助するために使用され得る。本明細書に記載する技法、デバイス、およびシステムはまた、使用者の顔に対してデバイスの様々な光学構成要素を測定するためにも使用され得る。また更に、本開示に記載されているデバイスおよびシステムは、コンタクトレンズの表面曲率ならびに角膜および眼表面のプロファイルを抽出およびエクスポートすることができる。これらのおよび他の実施形態が
図1~
図11と関連させてより詳細に記載されている。
【0029】
図1は、本開示の態様に係る、矯正レンズを有するメガネを着用している使用者の三次元測定眼深度画像に基づいて製作される矯正レンズ121を含み得る例示の頭部装着型デバイス100を示す。頭部装着型デバイス100は、本開示のいくつかの態様では、ARまたは複合現実(MR)頭部装着型ディスプレイと見なすことができる。いくつかの態様では、頭部装着型デバイス100はディスプレイを必ずしも含まないが、何らかの種類の電子機器、例えば、1つまたは複数のカメラ、スピーカ、目追跡センサモジュール、他のセンサ、プロセッサ、および/またはメモリを含む。
【0030】
図1では、例示の頭部装着型デバイス100は、アーム111Aおよび111Bに連結されているフレーム114を含む。レンズ121Aおよび121Bはフレーム114に装着されている。レンズ121は、頭部装着型デバイス100の特定の着用者に合わせた屈折力を含み得る。示されている頭部装着型デバイス100は、使用者の頭部またはその周囲に着用されるように構成されている。
【0031】
各レンズ121は、ディスプレイ130によって生成された画像光を頭部装着型デバイス100の着用者に見えるようにアイボックスエリアに導く導波路150を任意選択的に含み得る。ディスプレイ130は、画像光を頭部装着型デバイス100の着用者に導くための、LCD、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ、量子ドットディスプレイ、ピコプロジェクタ、またはリキッドクリスタルオンシリコン(LCOS)ディスプレイを含み得る。
【0032】
頭部装着型デバイス100のフレーム114およびアーム111は、頭部装着型デバイス100の支持ハードウェアを含み得る。頭部装着型デバイス100は、処理ロジック、データ送受信用の有線および/またはワイヤレスデータインターフェース、グラフィックプロセッサ、ならびにデータおよびコンピュータ実行可能命令を記憶するための1つまたは複数のメモリのうちの、任意のものを含み得る。一実施形態では、頭部装着型デバイス100は有線で電力を受けるように構成され得る。一実施形態では、頭部装着型デバイス100は1つまたは複数のバッテリによって電源供給されるように構成されている。一実施形態では、頭部装着型デバイス100は、ビデオデータを含む有線データを有線通信チャネルを介して受信するように構成され得る。一実施形態では、頭部装着型デバイス100は、ビデオデータを含むワイヤレスデータをワイヤレス通信チャネルを介して受信するように構成されている。
【0033】
レンズ121は拡張現実または複合現実が容易になるように使用者には透明に見えてもよく、その場合、使用者が自身の周囲の環境からの場の光を見ることができ、同時に導波路150によってその使用者の目へと導かれた画像光も受け取ることができる。この結果、レンズ121は光結合器と見なす(またはこれを含む)ことができる。いくつかの実施形態では、画像光は頭部装着型デバイス100の着用者の一方の目の中にのみ導かれる。ある実施形態では、画像光を導波路150Aおよび150B内にそれぞれ導くために、ディスプレイ130Aおよび130Bの両方が含まれている。レンズ121は使用者にとって個別的な処方光学要素を含む場合があり、この場合それら処方光学要素の設計は、使用者の目および/または顔に対する処方レンズを含む三次元測定眼深度画像から便益を得られる場合がある。
【0034】
図2は、本開示の態様に係る、処方レンズおよび処方レンズの着用者の目を含む三次元測定眼深度画像を取り込むために利用され得る光学的干渉断層検査(OCT)デバイス201を含む、例示のシステム200を示す。示されているOCTシステム200は、タイムドメインOCTシステムではなくフーリエドメインOCTシステムである。タイムドメインOCTシステムでは参照アームの参照ミラーは信号取得中に軸線方向に移動され、一方フーリエドメインOCTシステムでは参照ミラーは不動に保たれる。フーリエドメインOCTシステム200は、スペクトルドメインOCTシステムまたはスウェプトソースOCTシステムであり得る。システム200がスペクトルドメインOCTシステムである場合、光源210は広帯域光源を含み、検出器290は分光器を含む。システム200がスウェプトソースOCTシステムである場合、光源210は掃引レーザ源を含み、検出器290は光検出器を含む。OCTシステム200は、処方レンズおよび処方レンズの着用者の目を含む三次元測定眼深度画像を取り込み得る、画像化システムの一例である。
【0035】
システム200は、光源210と、参照アーム203と、サンプルアーム207と、ファイバカプラ220と、検出器290と、OCTロジック295と、を含む、OCTデバイス201を含む。システム200はまた、メモリ298を含む処理ロジック297も含む。いくつかの実施形態では、メモリ298は処理ロジック297の外部にあってもよく、処理ロジック297は外部メモリに対して読み出しおよび/または書き込みを行うように構成されている。
【0036】
OCTデバイス201は、処方レンズ270および目250の少なくとも一部の画像化を含む三次元測定眼深度画像296を取り込むように構成されている。処方レンズ270の着用者の目250に加えて、三次元測定眼深度画像296はまた、三次元測定眼深度画像296によって処方レンズ270の着用者の顔および/または目に対する処方レンズ270の三次元画像が取り込まれるように、処方レンズ270の着用者の顔の目領域の複数の部分も含み得る。
【0037】
光源210は、ファイバカプラ220に到達する照射光で光ファイバ223を照射する不可視光源を含み得る。不可視光は紫外光および赤外光などの可視光範囲外にある波長を有する光と定義され得る。本開示の複数の態様では、可視光は約380nm~700nmの波長範囲を有するものとして定義され得る。約700nm~1mmの波長範囲を有する赤外光は近赤外光を含む。本開示の複数の態様では、近赤外光は約700nm~1.4μmの波長範囲を有するものとして定義され得る。赤外光を使用することによって、皮膚または目の下の深度が画像化され得るようなサンプル内への浅い侵入が可能になる。この結果、システム200によって取り込まれる三次元測定眼深度画像296は、角膜の表面を越えて目の中に至る深度を含み得る。例示のスペクトルドメインOCTの実施形態では、光源210は、840nmを中心とする不可視照射光を発する広帯域光源である。例示のスウェプトソースOCT実施形態では、光源210はスウェプトソースレーザである。ファイバカプラ220は、参照アーム203とサンプルアーム207との間で照射光を分割する2×2ファイバカプラであり得る。参照アーム203は、参照光204を参照ミラー260に収束させるための光学要素235および237を含み得る。サンプルアーム207は、サンプル光208をサンプル(示されている例では処方レンズ270および目250)に収束させるための、光学要素245および247を含み得る。参照ミラー260は処方レンズ270と目250との間の光路長に位置決めされ得る。
【0038】
処方レンズ270および目250または顔(図示せず)からの後方散乱光がファイバカプラ220で干渉して光学干渉信号211が生成され、この信号が検出器290によって受信される。検出器290は、光学干渉信号211からOCT信号213を生成する。かなりの量の光を後方散乱するサンプルの表面によって、より強度の高い干渉が引き起こされることになる。例示のスペクトルドメインOCTの実施形態では、検出器290は250kHz分光器である。例示のスウェプトソースOCT実施形態では、検出器290は光ダイオードである。
【0039】
図4Aは、OCT信号413のフーリエ変換423によって深度プロファイル440が生成されること、および、深度プロファイル440のピーク441および443がサンプルの後方散乱表面を表すことを示す。
図4Aでは例えば、ピーク441は処方レンズ270の第1の表面の後方散乱によって生成される場合があり、ピーク443は処方レンズ270の第2の表面の後方散乱によって生成される場合がある。角膜、角膜縁、虹彩/瞳孔、および/または水晶体などの他の表面サンプルもまた、深度プロファイルに寄与する後方散乱光を生成し得る。したがって、深度プロファイルは、OCTデバイス(例えばOCTデバイス201)によって生成された各OCT信号(OCT信号(例えば213)から生成され得る。
【0040】
図5は、処方レンズ521Aおよび521Bの着用者の顔の所定位置に処方レンズ521Aおよび521Bを保持するように構成されているフレーム514を含むメガネを着用している人の、例示のスキャン500を示す。三次元測定眼深度画像を取得するためのスキャン500では、例示の走査野540にわたって三次元測定眼深度画像を生成するために、複数の深度プロファイル523が取得される。例示の走査野540は処方レンズ521Aおよび521Bならびに目250Aおよび250Bの両方を含むが、走査野はいくつかの実施形態では
図5の走査野540よりも大きくても小さくてもよい。
図5では目250は虹彩551および瞳孔522を含む。三次元測定眼深度画像を取り込むことは、走査野540にわたって深度プロファイル523の線をスキャンすることを含み得る。例示の線524は例えば、24個の深度プロファイル523を含む。いくつかの線(例えば線524)は250個の深度プロファイル523を含んでもよく、左から右に進むスキャン500において500本の線が取り込まれ得る。結果として、三次元測定眼深度画像(例えば三次元測定眼深度画像296)を生成することは、この例では125,000個の深度プロファイル523を取り込むことを含み得る。各深度プロファイル523の取り込みには約4psを要する。他の横方向位置およびスキャン速度も利用され得る。OCTロジック295は、深度プロファイル523ごとにOCT信号213を受信し、受信された各OCT信号213に対してフーリエ変換を行ってOCT信号ごとに深度プロファイルを生成し、次いでそれらの深度プロファイルを集約して走査野全体の三次元測定眼深度画像296を生成することができる。
図2では、三次元測定眼深度画像296は処理ロジック297に与えられて更に処理される。
【0041】
図6Aは、本開示の態様に係る、
図5の点線580によって示されている水平面を通る三次元測定眼深度画像のスライス600を示す。スライス600は複数の深度プロファイル623によって生成され得る。スライス600は、メガネ610が、処方レンズ621Aおよび621Bを固定するためにメガネフレーム614に取り付けられたアーム611Aおよび611Bを含むことを示している。処方レンズ621Aは着用者601の目650Aの視力を矯正し、処方レンズ621Bは着用者601の目650Bの視力を矯正する。
【0042】
図6Bは、本開示の態様に係るスライス600の拡大した部分699を示す。メガネ610の処方レンズ621Aは表側表面622Aと裏側表面624Aとを含む。射出ひとみ距離測定値607は、目650Aの角膜の表側表面641およびレンズ621Aの裏側表面624A上の点から決定され得る。角膜の表側表面641、角膜の裏側表面642、眼水晶体660の表側表面661、眼水晶体660の裏側表面662、および虹彩670もまた、三次元測定眼深度画像において画像化されるのに十分な影響力を有する後方散乱光を生じさせる場合がある。目650Aの他の特徴もまた、OCTデバイス201などのOCTデバイスによって画像化され得る後方散乱光を生成し得る。
図6Bは、着用者601の目の周囲の皮膚および鼻もまた、OCTデバイスによって画像化され得る後方散乱光を生成し得ることを示す。目650Aの瞳孔675は虹彩670の間の空間によって決定され得る。
図6Bには示されていないが、三次元測定眼深度画像には目650Aの網膜が含まれてもよい。
【0043】
図7は、本開示の態様に係る、
図5の点線590によって示されている垂直面を通る三次元測定眼深度画像のスライス700を示す。スライス700は複数の深度プロファイル723によって生成され得る。スライス700は上まぶたと下まぶたとを含む。三次元測定眼深度画像はまつげ777さえも含み得る。
【0044】
スライス700およびスライス600は、三次元測定眼深度画像が、処方レンズならびにメガネ610の着用者601の目および顔の欠落のない(full)三次元画像を含み得ることを示す。このようにして、目650に対する処方レンズの測定値を含む、レンズ対目のデータを生成することができる。
図6Bおよび
図7は、レンズ対目データの一例としての射出ひとみ距離測定値607を示す。加えて、レンズ621Aが三次元測定眼深度画像において三次元で欠落なく(fully)画像化されるので、処方レンズ621Aの表側表面622Aのベースカーブおよび裏側表面624Aのバックカーブも生成され得る。本開示の目的に関して、用語「ベースカーブ」は処方レンズの表側表面(例えば622A)のプロファイルと関連付けられ、用語「バックカーブ」は処方レンズの裏側表面(例えば624A)のプロファイルと関連付けられる。
【0045】
図8Aは、目650Aおよび650Bの両方が三次元測定眼深度画像に含まれるとき、目650Aの第1の瞳孔675Aと目650Bの第2の瞳孔675Bとの間の距離から、瞳孔間距離(IPD)817もまた導出可能であることを示す。瞳孔675の瞳孔サイズ(例えば直径)はまた、三次元測定眼深度画像から測定されてもよい。
【0046】
図8Bは、三次元測定眼深度画像からの射出ひとみ距離測定値807を、目の角膜の任意の点からレンズ821の裏側表面上の任意の点まで測定できることを示す。
図8Cは、メガネフレーム(図示せず)が処方レンズ821を保持する垂直面に対する角度を導出するために、三次元測定眼深度画像からフレーム傾斜角度809を測定できることを示す。
【0047】
図3Aは、本開示の態様に係る、処方レンズおよび処方レンズの着用者の目を含む三次元測定眼深度画像を取り込むために利用され得る光学的干渉断層検査(OCT)デバイス301を含む、別の例示のシステム300を示す。示されているOCTシステム300は、サンプルアーム307に二次元スキャナ309およびスキャンまたは接眼レンズ347が含まれている、OCTシステム200と類似のフーリエドメインOCTシステムである。スキャナ309は、目250の走査野(例えば走査野540)の様々な領域に光308を素早く導くための、微小電気機械システム(MEMS)マイクロミラーを備えて実装され得る。
【0048】
図3Bは、光308をスキャナ309の出口点353から特定の深度プロファイルの特定の焦点まで分散させるように構成されている、例示のスキャンレンズ357を示す。言い換えれば、スキャナ309は異なる深度プロファイル523を取り込むときに光308を走査野を覆うように様々な角度で導いてもよく、スキャンレンズ357は、光308をサンプルに導き、サンプルからスキャナ309に戻る後方散乱光を収束させて、反射によって光ファイバ323を介してファイバカプラ220へと戻るようにすべく構成される。
【0049】
OCTデバイス301は、処方レンズ270および目250の少なくとも一部を含む三次元測定眼深度画像396を取り込むように構成されている。処方レンズ270の着用者の目250に加えて、三次元測定眼深度画像396はまた、三次元測定眼深度画像396によって処方レンズ270の着用者の顔および/または目250に対する処方レンズ270の三次元画像が取り込まれるように、処方レンズ270の着用者の顔の複数の部分も含み得る。システム300はまた、メモリ398を含む処理ロジック397も含む。いくつかの実施形態では、メモリ398は処理ロジック397の外部にあってもよく、処理ロジック397は外部メモリに対して読み出しおよび/または書き込みを行うように構成されている。システム200におけるように、システム300の参照ミラー260は、処方レンズ270と目250との間の光路長に位置決めされ得る。
【0050】
処方レンズ270および目250または顔(図示せず)からの後方散乱光がファイバカプラ220で干渉して光学干渉信号311が生成され、この信号が検出器290によって受信される。検出器290は光学干渉信号311からOCT信号313を生成する。
図3Aでは、三次元測定眼深度画像396を生成するために、複数の深度プロファイルに関する複数のOCT信号313が集約され得る。
【0051】
三次元測定眼深度画像(例えば画像296または396)は、処方レンズに対する着用者の目および/または顔の緻密な(dense)3D画像を提供する。このことにより処方レンズの処方表面プロファイルの再構築が可能になり、この結果処方レンズの屈折力、処方レンズのベースカーブおよびバックカーブが既知となり得る。
【0052】
図4Bは、本開示の態様に係る、OCTシステムの参照アームのミラーが使用者の目と使用者が着用する処方レンズとの間の光路長に位置決めされている間にOCTシステムのOCT信号から生成される、例示の深度プロファイル450を示す図である。OCTシステム200または300などのOCTシステムは、参照アーム203のミラー260が使用者の目250と使用者が着用する処方レンズ270との間の光路長Z1 461に位置決めされている間にOCT信号414を生成する。
【0053】
OCT信号414のフーリエ変換424によって、深度プロファイル450、ならびに、サンプルの後方散乱表面を表す深度プロファイル450のピーク446、447、448、および449が生成される。
図4Bでは例えば、ピーク447は処方レンズ270の後方散乱によって生成される場合があり、ピーク449は目250の後方散乱によって生成される場合がある。この例では、ピーク446はピーク449の鏡像であり、ピークおよびピーク448はピーク447の鏡像であるが、これらは(虚数成分を含む信号と対比される)「実数(real)」信号に対してフーリエ変換を行うことの副産物である。したがって画像化深度Z4 464は、ミラー260の光路長Z1 461を越える第1の画像化深度Z2 462、およびミラー260の光路長Z1 461の手前の第2の画像化深度Z3 463の両方を含み得る。表面が二重に画像化されないように、鏡像と関連付けられたピークをフィルタ処理によって深度プロファイル450から除去する必要のある場合がある。
図4Bの例では、ピーク448およびピーク446は、それぞれピーク447およびピーク449の複製(鏡像)であるため、フィルタ処理されて深度プロファイルから除去され得る。
【0054】
深度プロファイル450に含まれているピークを生成する目250の表面は、角膜、角膜縁、虹彩/瞳孔、および/または水晶体を含み得る。深度プロファイルはOCTシステムによって生成された各OCT信号(例えば213)から生成され得る。
【0055】
ある実施形態では、画像化深度Z4 464は16mmよりも大きい。ある実施形態では、画像化深度Z4 464は20mmよりも大きい。ある実施形態では、画像化深度Z4 464は約24mmである。第1の画像化深度Z2 462は第2の画像化深度Z3 463と等しくてもよい。
【0056】
図9は、本開示の態様に係る、深度プロファイルの生成の例示の工程のフローチャートを示す。工程900において工程ブロックのうちのいくつかまたは全てが現れる順序は、限定的なものと見なすべきではない。むしろ、本開示の利益を受ける当業者は、工程ブロックのうちのいくつかが図示されていない様々な順序で、または場合によっては並行して、実行され得ることを理解するであろう。
【0057】
工程ブロック905において、OCTシステムの参照アームのミラーが使用者の目と使用者が着用する処方レンズとの間の光路長に位置決めされる。
【0058】
工程ブロック910において、参照アームのミラーが目と処方レンズとの間である光路長に位置決めされている間にOCTシステムを用いてOCT信号(例えばOCT信号213または414)が生成される。一実装形態では、OCT信号は、少なくとも処方レンズの表側表面、処方レンズの裏側表面、および目の角膜からの反射によって生成される。
【0059】
工程ブロック915において、OCT信号に対してフーリエ変換を行うことによって深度プロファイルが生成される。深度プロファイルは処方レンズおよび使用者の目の少なくとも一部を含む。工程900の実装形態において、深度プロファイルの画像化深度は16mmよりも大きい。深度プロファイルの画像化深度は20mmより大きくてもよい。ある実施形態では、画像化深度は約24mmである。
【0060】
工程900は、深度プロファイルと参照アームのミラーが光路長に位置決めされている間にOCTシステムによって取り込まれる複数の後続の深度プロファイルとを集約することに基づいて三次元測定眼深度画像を生成することであって、三次元測定眼深度画像は使用者の目および使用者が着用する処方レンズを含む、三次元測定眼深度画像を生成すること、を更に含み得る。この実装形態では、本開示の
図5に示すように、後続の深度プロファイルがOCTシステムによって様々な位置で取り込まれる。例えば、深度プロファイル523の線521は、参照アームのミラーが処方レンズと目との間の光経路に位置決めされている間に、三次元測定眼深度画像をスライスごとに生成するように生成され得る。いくつかの実装形態では、三次元測定眼深度画像は、処方レンズに対する射出ひとみ距離、レンズ-角膜距離、使用者の第2の目に対する目の瞳孔間距離、目の瞳孔サイズ、または目の角膜トポグラフィのうちの少なくとも1つを含み得る。射出ひとみ距離は処方レンズの裏側表面から目の角膜までとして定義され得る。三次元測定眼深度画像は、処方レンズの表側表面のベースカーブと処方レンズの裏側表面のバックカーブとを含み得る。
【0061】
工程900の実装形態において、参照アームのミラーを光路長に位置決めする前に、参照アームのミラーを位置決めするための光路長が決定される。当然ながらこの実装形態では、ミラーを光路長へと位置決めすることは、光路長を決定した後で行われる。
【0062】
図10は、本開示の態様に係る、参照アームのミラーを調整するための光路長を決定するための例示のOCTシステム1000を示す。OCTシステム1000は、OCTシステム1000の参照点に対するレンズ位置を含むセンサデータを取り込むためのセンサ1065を含む。
図10はセンサ1065が様々な場所に位置決めされ得ることを示す。センサ1065は、OCTシステム1000に含まれているOCTシステム200/300にセンサデータを提供するように構成されている。OCTシステム1000は、深度プロファイルの生成中に使用者の頭部/目を比較的不動に保つのを補助するための、顔支持装置1055を含む。顔支持装置1055は示されている実施形態では使用者の額に係合するが、顔支持装置1055はいくつかの実施形態では使用者の下顎または頬のエリアに係合してもよい。センサ1065は、センサ1065がOCTシステム1000のサンプルアームの既知の参照点に位置決めされるように、顔支持装置1055に対して固定された場所に位置決めされ得る。センサ1065は、構造化光深度センサ、ステレオカメラ、飛行時間型(TOF)カメラ、浅い被写界深度を有する低FナンバカメラまたはFナンバのないカメラ、LIDAR、その他として実装され得る。センサ1065がカメラである場合、カメラはレンズ621Aと目202とを含む画像を取り込み得る。ミラーがレンズ621Aと目250との間に位置決めされるように、画像中のレンズ621Aおよび目250の位置に基づいてミラー260の光路長Z1 461を調整することができ、この結果、OCTシステム1000によって生成される深度プロファイルに処方レンズ621Aおよび目250の少なくとも一部が含まれるようになる。
【0063】
工程900のいくつかの実装形態では、参照アームのミラーに関する光路長を決定することは、センサ(例えばセンサ1065)を用いてセンサデータを取り込むことを含む。センサデータはOCTシステムの参照点に対する処方レンズのレンズ位置を含む。参照アームのミラーを使用者の目と処方レンズとの間の光路長に位置決めすることは、これらの実装形態では、センサデータに少なくとも部分的に基づいている。
【0064】
工程900の実装形態において、光路長を決定することは、OCTシステムによって生成された準備的OCT信号から生成された準備的フーリエ変換データの第1のピークおよび第2のピークを識別することであって、第1のピークは処方レンズと関連付けられ、第2のピークは使用者の目と関連付けられる、第1のピークおよび第2のピークを識別すること、を含む。例えば、ミラー260の光路長Z1 461は、準備的フーリエ変換からの準備的深度プロファイルに、処方レンズと関連付けられた第1のピーク(例えば447)および目と関連付けられた第2のピーク(例えば449)が含まれるまで調整され得る。第1のピークおよび第2のピークが準備的深度プロファイルに含まれる(ミラー260が目と処方レンズとの間の光路長にあったことを示す)と、スキャン(例えばスキャン500)は複数の深度プロファイルの取り込みを開始し得る。
【0065】
図11は、本開示の態様に係る、深度プロファイルの生成の例示の工程のフローチャートを示す。工程900において工程ブロックのうちのいくつかまたは全てが現れる順序は、限定的なものと見なすべきではない。むしろ、本開示の利益を受ける当業者は、工程ブロックのうちのいくつかが図示されていない様々な順序で、または場合によっては並行して、実行され得ることを理解するであろう。
【0066】
工程ブロック1105において、センサ(例えばセンサ1065)によってセンサデータが取り込まれる。センサデータはOCTシステム(例えばOCTシステム1000)の参照点に対する処方レンズのレンズ位置を含む。センサは、画像センサ、構造化光深度センサ、ステレオカメラ、飛行時間型(TOF)カメラ、浅い被写界深度を有する低FナンバカメラもしくはFナンバのないカメラ、またはLIDARシステムのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0067】
工程ブロック1110において、OCTシステムの参照アームのミラーが、センサデータに少なくとも部分的に基づいて、目領域と処方レンズとの間の光路長に位置決めされる。
【0068】
工程ブロック1115において、参照アームのミラーが光路長に位置決めされている間に、OCTシステムを用いてOCT信号が生成される。
【0069】
処理ブロック1120において、処方レンズと目領域とを含む深度プロファイルが生成される。
【0070】
工程1100は、OCTシステムを用いて準備的OCT信号を取り込むことを更に含み得る。参照アームのミラーを光路長に位置決めすることは、準備的OCT信号にも基づいている。準備的OCT信号はセンサデータを取り込んだ後で取り込まれ得る。いくつかの実施形態では、工程1100は、準備的OCT信号から生成された準備的フーリエ変換データの第1のピークを識別することと、準備的フーリエ変換データの第2のピークを識別することと、を更に含み得る。第1のピークは処方レンズと関連付けられ、第2のピークは使用者の目と関連付けられる。
【0071】
工程1100の実装形態では、深度プロファイルと参照アームのミラーが光路長に位置決めされている間にOCTシステムによって取り込まれる複数の後続の深度プロファイルとを集約することに基づいて、三次元測定眼深度画像が生成され得る。三次元測定深度画像は使用者の目と使用者が着用する処方レンズとを含む。三次元測定眼深度画像は、(1)処方レンズに対する射出ひとみ距離、(2)レンズ-角膜距離、(3)使用者の第2の目に対する目の瞳孔間距離、(4)目の瞳孔サイズ、または(5)目の角膜トポグラフィのうちの少なくとも1つを含み得る。射出ひとみ距離は処方レンズの裏側表面から目の角膜までである。三次元測定眼深度画像は、処方レンズの表側表面のベースカーブと、処方レンズの裏側表面のベースカーブと、を含み得る。
【0072】
本発明の実施形態は、人工現実システムを含み得るかまたは人工現実システムと連携して実施され得る。人工現実は、使用者への提示前に何らかの様式で調整されている現実感の一形態であり、これには例えば、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)、ハイブリッド現実、またはこれらの何らかの組合せおよび/または派生形を含めることができる。人工現実コンテンツは、完全に生成されたコンテンツ、または、生成されたコンテンツを取り込まれた(例えば現実世界)コンテンツと組み合わせたものを含み得る。人工現実コンテンツはビデオ、オーディオ、触覚フィードバック、またはこれらの何らかの組合せを含んでもよく、これらはいずれも単一のチャネルでまたは複数のチャネルで提示され得る(視聴者への三次元効果を生むステレオビデオなど)。更に、いくつかの実施形態では、人工現実はまた、例えば人工現実のコンテンツを作成するために使用される、および/または人工現実においてそれ以外で使用される(例えば人工現実内で活動を行う)アプリケーション、製品、アクセサリ、サービス、またはこれらの何らかの組合せと関連付けられてもよい。人工現実コンテンツを提供する人工現実システムは、ホストコンピュータシステムに接続された頭部装着型ディスプレイ(HMD)、スタンドアロンのHMD、モバイルデバイス、もしくはコンピューティングシステム、または1人もしくは複数の視聴者に人工現実コンテンツを提供できる任意の他のハードウェアプラットフォームを含む、様々なプラットフォーム上で実装され得る。
【0073】
用語「ロジック」または「処理ロジック」は本開示では、本明細書で開示する動作を実行するための、1つまたは複数のプロセッサ、マイクロプロセッサ、マルチコアプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含み得る。いくつかの実施形態では、動作を実行するおよび/またはデータを記憶するための命令を記憶するために、処理ロジックにメモリ(図示せず)が組み込まれている。処理ロジックはまた、本開示の実施形態に従う動作を実行するためのアナログまたはデジタル回路構成も含み得る。
【0074】
本開示に記載されている「メモリ(単数)」または「メモリ(複数)」は、1つまたは複数の揮発性または不揮発性メモリアーキテクチャを含み得る。「メモリ(単数)」または「メモリ(複数)」は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装される、取り外し可能なおよび取り外し不可能な媒体であり得る。例示のメモリ技術としては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、高精細マルチメディア/データストレージディスク、もしくは他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、またはコンピューティングデバイスによってアクセスされる情報を記憶するために使用できる任意の他の非伝送媒体を挙げることができる。
【0075】
コンピューティングデバイスは、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、ファブレット、スマートフォン、フィーチャフォン、サーバコンピュータ、その他を含み得る。サーバコンピュータはリモートのデータセンタ内に配置され得るか、またはローカルに格納され得る。
【0076】
上で説明した工程はコンピュータソフトウェアおよびハードウェアの観点で記載されている。記載されている技法は、機械によって実行されるとその機械に記載した動作を実行させる、有形のまたは非一時的な機械(例えばコンピュータ)可読記憶媒体内で具現化される機械実行可能命令を構成し得る。更に、工程は、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、その他などのハードウェア内で具現化され得る。
【0077】
有形の非一時的機械可読記憶媒体は、機械(例えばコンピュータ、ネットワークデバイス、携帯情報端末、製造ツール、1つまたは複数のプロセッサの組を有する任意のデバイス、等)によってアクセス可能な形態の情報を提供(すなわち記憶)する任意の機構を含む。例えば、機械可読記憶媒体は、記録可能/記録不可能媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、等)を含む。
【0078】
要約書に記載されている内容を含め、本発明の示された実施形態の上記の説明は、網羅的であることまたは本発明を開示されている正確な形態に限定することを意図していない。本発明の特定の実施形態および例が本明細書に例示の目的で記載されているが、本発明の範囲内で様々な修正が可能であり、このことは当業者には認識されるであろう。
【0079】
上記の詳細な説明に照らして、本発明に対してそれらの修正を行うことができる。続く特許請求の範囲で使用されている用語は、本発明を本明細書で開示されている特定の実施形態に限定するものと解釈されるべきではない。むしろ本発明の範囲は専ら以下の特許請求の範囲によって決定されるものであり、それらは請求項解釈についての確立された原則に従って解釈されることになる。
【国際調査報告】