(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-04
(54)【発明の名称】身体照射装置
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20230328BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20230328BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20230328BHJP
【FI】
A61N5/06 Z
H01L33/00 L
H01L33/58
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546636
(86)(22)【出願日】2021-02-12
(85)【翻訳文提出日】2022-09-12
(86)【国際出願番号】 DE2021100143
(87)【国際公開番号】W WO2021160223
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】202020100756.4
(32)【優先日】2020-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512069599
【氏名又は名称】ジェイケイ-ホールディング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ゲルステンマイヤー, ユルゲン
【テーマコード(参考)】
4C082
5F142
【Fターム(参考)】
4C082PA01
4C082PA02
4C082PA03
4C082PC09
4C082PE09
4C082PG12
4C082PJ03
5F142AA22
5F142BA32
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5F142CD45
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5F142DB20
5F142EA32
5F142GA40
5F142HA01
(57)【要約】
本発明は、特に、人の身体または人の身体の一部に、特に美容的および衛生的に有用な放射線を照射するための身体照射装置であって、基部(61a)と、第1の放射線ピークを有する第1の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第1のLEDチップ(51)と、第1の放射線ピークとは異なる第2の放射線ピークを有する第2の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第2のLEDチップ(52)とを備える放射線源(50)を備える、身体照射装置に関する。第1のLEDチップ(51)および第2のLEDチップ(52)が、LEDパッケージ(60)内に共通のレンズ(53)の下に配置され、別々に制御することができるという点で、2つ以上のLEDチップの放射線スペクトルを組み合わせて人体に均一に供給することを可能にする身体照射装置が、達成される。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に美容的および衛生的に有用な放射線を人の身体または人の身体の一部に照射するための身体照射装置であって、
基部(61a)と、第1の放射線ピークを有する第1の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第1のLEDチップ(51)と、前記第1の放射線ピークとは異なる第2の放射線ピークを有する第2の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第2のLEDチップ(52)とを有する放射線源(50)を備える、身体照射装置において、
前記第1のLEDチップ(51)および前記第2のLEDチップ(52)が、LEDパッケージ(60)内に共通のレンズ(53)の下に配置され、別々に制御することができることを特徴とする、身体照射装置。
【請求項2】
少なくとも1つの放射線ピークが、可視光のスペクトル外の波長を有することを特徴とする、請求項1に記載の身体照射装置。
【請求項3】
可視光のスペクトル外にある前記少なくとも1つの放射線ピークが、380nm未満の波長を有することを特徴とする、請求項2に記載の身体照射装置。
【請求項4】
可視光のスペクトル外にある前記少なくとも1つの放射線ピークが、290nm+/-2nm、297nm+/-2nm、310nm+/-5nm、365nm+/-10nmを含む群から選択される波長を有することを特徴とする、請求項3に記載の身体照射装置。
【請求項5】
可視光のスペクトル外にある前記少なくとも1つの放射線ピークが、780nmを超える波長を有することを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項6】
可視光のスペクトル外にある前記少なくとも1つの放射線ピークが、840nm+/-20nmを含む群から選択される波長を有することを特徴とする、請求項5に記載の身体照射装置。
【請求項7】
前記放射線源が、前記第1の放射線ピークおよび前記第2の放射線ピークとは異なる第3の放射線ピークを有する第3の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第3のLEDチップを備え、前記第3のLEDチップは、前記LEDパッケージ(60)内に前記共通のレンズ(53)の下に前記少なくとも1つの第1のLEDチップ(51)および前記少なくとも1つの第2のLEDチップ(52)と共に配置され、前記第1のLEDチップおよび前記第2のLEDチップとは別々に制御することができることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項8】
前記放射線源(50)が、前記第1の放射線ピークおよび前記第2の放射線ピークおよび前記第3の放射線ピークとは異なる第4の放射線ピークを有する第4の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第4のLEDチップを備え、前記第4のLEDチップは、前記LEDパッケージ(60)内に前記共通のレンズ(53)の下に前記少なくとも1つの第1のLEDチップ(51)および前記少なくとも1つの第2のLEDチップ(52)および前記少なくとも1つの第3のLEDチップと共に配置され、前記第1のLEDチップおよび前記第2のLEDチップおよび前記第3のLEDチップとは別々に制御することができることを特徴とする、請求項7に記載の身体照射装置。
【請求項9】
前記放射線源(50)が、前記第1の放射線ピークおよび前記第2の放射線ピークおよび前記第3の放射線ピークおよび前記第4の放射線ピークとは異なる第5の放射線ピークを有する第5の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第5のLEDチップを備え、前記第5のLEDチップは、前記LEDパッケージ(60)内に前記共通のレンズ(53)の下に前記少なくとも1つの第1のLEDチップ(51)および前記少なくとも1つの第2のLEDチップ(52)および前記少なくとも1つの第3のLEDチップおよび前記少なくとも1つの第4のLEDチップと共に配置され、前記第1のLEDチップおよび前記第2のLEDチップおよび前記第3のLEDチップおよび前記第4のLEDチップとは別々に制御することができることを特徴とする、請求項8に記載の身体照射装置。
【請求項10】
前記LEDチップ(51、52)が、前記基部(61a)上に配置され、第1の一次レンズを形成するレンズ(53)によって覆われることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項11】
フィルタ層(55)が、前記LEDチップ(51、52)と前記レンズ(53)との間に配置されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項12】
前記レンズ(53)が、一体型フィルタ機構(55a)を有することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項13】
前記LEDチップ(51、52)の前記放射線ピークが波長によって定義され、前記LEDチップの前記スペクトルが、+/-波長xFの帯域幅内に2/3超、好ましくは3/4超、より好ましくは9/10超あり、0.005<F<0.05が前記放射線ピークの付近であることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項14】
前記LEDチップ(51、52)が、波長290nm+/-2nm、297nm+/-2nm、310nm+/-5nm、365nm+/-10nm、620nm+/-15nm、660nm+/-15nm、465nm+/-20nm、840nm+/-20nm、および740nm+/-20nmの放射線ピークを含む群から選択されることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項15】
前記放射線をコリメートするためのコリメーションリフレクタ(44)が、前記レンズ(53)の下流に配置され、すべてのLEDチップ(51、52)の前記放射線を均一にコリメートすることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項16】
前記LEDチップ(51、52)の半分超が、前記基部(61a)への前記レンズ(53)の頂点の投影によって規定される中心点に対して偏心して配置されることを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項17】
3つ以上のLEDチップの場合、前記LEDチップのうちの1つが、前記基部(61a)への前記レンズ(53)の頂点の投影によって規定される中心点上に配置されることを特徴とする、請求項16に記載の身体照射装置。
【請求項18】
すべてのLEDチップ(51、52)が、前記基部(61a)への前記レンズ(53)の頂点の投影によって規定される中心点に対して偏心して配置されることを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項19】
前記LEDチップ(51、52)の少なくとも1つが、パルス状に放射線を放出することを特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項20】
各々が複数のLEDチップ(51、52)を覆う複数の放射線源(50)が配置されたキャリア(41)をさらに備える、請求項1~19のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項21】
20個の放射線源(50)またはその整数倍の放射線源(50)が、前記キャリア(41)上に配置されることを特徴とする、請求項20に記載の身体照射装置。
【請求項22】
前記放射線源(50)の前記基部(61a)が、いずれの場合も前記キャリア(41)上に配置されることを特徴とする、請求項20または21に記載の身体照射装置。
【請求項23】
前記キャリア(41)上のすべての放射線源(50)が同一に設計されることを特徴とする、請求項20~22のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項24】
前記キャリア(41)上の前記放射線源(50)が、異なるように設計されることを特徴とする、請求項20~23のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項25】
被照射者(10)のためのトンネル状の照射空間(2)を少なくとも部分的に取り囲み、前記放射線源(50)のための少なくとも1つの収容空間を有するハウジングをさらに備え、前記収容空間と前記照射空間との間の前記ハウジングの隔壁が、前記放射線源の前記放射線に対して透明な材料で作製され、前記放射線源(50)の前記放射線は、前記収容空間から前記照射空間へと導かれる、請求項1~24のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項26】
スタンドを備え、前記放射線源、および/または複数の放射線源を有する照射モジュールが、前記スタンドに高さ調整可能および/または旋回可能に配置される、請求項1~24のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項27】
前記第1の放射線ピークが、290nm+/-2nmであり、前記第2の放射線ピークが、297nm+/-2nmである、請求項1~26のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項28】
前記第1の放射線ピークが、310nm+/-5nmであり、前記第2の放射線ピークが、365nm+/-10nmである、請求項1~26のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項29】
前記第1の放射線ピークが、620nm+/-15nmであり、前記第2の放射線ピークが、660nm+/-15nmである、請求項1~26のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項30】
前記第3の放射線ピークが740nm+/-20nmであり、前記第4の放射線ピークが840nm+/-20nmである、請求項29に記載の身体照射装置。
【請求項31】
前記第5の放射線ピークが465nm+/-20nmである、請求項30に記載の身体照射装置。
【請求項32】
前記第1の放射線ピークが、465nm+/-20nmであり、前記第2の放射線ピークが、660nm+/-20nmであり、前記第3の放射線ピークが、840nm+/-20nmである、請求項1~26のいずれか一項に記載の身体照射装置。
【請求項33】
美容、医療、心理、健康、および再生治療のための、請求項1~32のいずれか一項に記載の身体照射装置の使用。
【請求項34】
美容的および衛生的に有用な放射線を近距離から人に非治療的に照射するための、請求項1~32のいずれか一項に記載の身体照射装置の使用。
【請求項35】
美容的および衛生的に有用な放射線を人に非治療的に照射するための方法であって、基部(61a)と、第1の放射線ピークを有する第1の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第1のLEDチップ(51)と、前記第1の放射線ピークとは異なる第2の放射線ピークを有する第2の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第2のLEDチップ(52)とを備える、特に請求項1~32のいずれか一項に記載の、放射線源(50)を備える、方法において、
前記第1のLEDチップ(51)および前記第2のLEDチップ(52)が、LEDパッケージ(60)内に共通のレンズ(53)の下に配置され、別々に制御されることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体用の身体照射装置であって、基部と、第1の放射線ピークを有する放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第1のLEDチップと、第1の放射線ピークとは異なる第2の放射線ピークを有する第2の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第2のLEDチップとを有する放射線源を備える、人体用の身体照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体のための身体照射装置は、特に、横たわり表面を有するソラリウムの形態の照射装置、または立位日焼け装置、または人体もしくは人体の一部が人体の幸福度、健康、または再生に影響を及ぼすために特定の波長範囲の放射線スペクトルに曝される赤外線治療ベッドとして設計されていることが、実際から知られている。既知の身体照射装置は、部分的に低圧放射線チューブおよび部分的に高圧放射線チューブを使用し、これらは広い放射線スペクトルを放出し、有害な放射線が人体の表面に到達するのを防ぐためにフィルタを配置する必要があり得る。低圧または高圧チューブを有する身体照射装置の欠点は、特に、放射線強度が広い放射線スペクトルにわたって大きく変化するため、放射線の正確な投与および所望の、特に好ましい放射線ピークの施与が達成されないか、または高い放射線損失を伴うことである。特に、特定の放射線ピークが組み合わせて身体に適用される組み合わせ治療は、ほとんどランダムであり、それらの相対強度に関してほとんど影響を受けることができない。
【0003】
実際には、いずれの場合も1つのLEDチップがレンズの下に配置され、比較的定義された放射線ピークを有する比較的狭い放射線スペクトルを放出する身体照射装置が提案されており、ここでの困難は、人体の表面全体にわたる均一な施与が達成されるように、異なる波長の均質な放射線を人体に施与することである。
【0004】
欧州特許第2800605号明細書は、ビタミンDの形成を支援するための身体照射装置を記載しており、この装置では、放射線スペクトルを放出することができる複数のLEDを含む異なる光源が明記され、光源は凹面鏡として設計されたリフレクタ内に配置され、光源によって放出された放射線は、所定の帯域幅の放射線が通過することを可能にするフィルタ層を通過する前にリフレクタによってコリメートされる。ここでの欠点は、放射線スペクトル内のいくつかのピークの定義された配位による均一な照射が不可能であることである。さらなる欠点は、大きな設置スペースが必要とされることである。さらに、フィルタ層による特定の波長の消滅は、エネルギーの一部を未使用のままにする。
【0005】
米国特許第20050065579号明細書は、人の身体または人の身体の一部に放射線、特に赤外線を照射することを可能にする身体照射装置を示し、装置は、手動操作装置として設計され、回路基板を有する。照明配置が、導体トラックを介して回路基板に接続され、この照明配置は、1つまたは複数の交換可能な発光素子、特にLEDを備える。この発光配置は、本質的に基部を有し、LED、したがって各交換可能な発光素子のチップも備える放射線源を表し、LEDチップは、放射線ピークを有する放射線スペクトルを放出することができる。さらなる発光素子が発光配置内に配置され、その各々も1つの放射線ピークを有し、その放射線スペクトルは、第1のLEDチップの放射線スペクトルとは異なる。発光配置全体は、光学レンズではなく、透明カバーを構成するレンズ102によって覆われている。
【0006】
米国特許第20200001105号明細書は、詳細に指定された波長の放射線を人の身体または人の身体の一部に照射するように設計された日焼け装置として設計された身体照射装置を示しており、複数のLEDを有する放射線源が設けられ、LEDは、異なる放射線スペクトルを放出することができ、LEDの外観の設計および構造的配置は、従来通りに設計されている。
【0007】
米国特許第20120043907号明細書は、植物を照射するための照射装置を記載しており、この照射装置は、少なくとも1つの第1のLEDチップおよび第2のLEDチップの基部を有する放射線源を備え、第1のLEDチップは、第2のLEDチップとは異なり、可視スペクトルにおいて400nmより大きい、具体的には、例えば、赤色および青色の放射線スペクトルを放出し、それにより、それらのかなり広帯域の放射線ピークは、それぞれ異なる。第1のLEDチップおよび第2のLEDチップは、LEDパッケージ内に共通のレンズの下に配置され、別々に制御することもできる。照射装置は、植物と比較して比較的長い間隔にわたって相応に低い強度の長時間の照射が行われるため、人体または人体の一部を照射するようには設計されておらず、または適していない。照射装置を照射対象に近づけると、日陰線領域が生じる。
【0008】
米国特許第20150097200号明細書は、LEDと蛍光材料との組み合わせで、特に可視光を生成するための照射装置を記載しており、その放射線スペクトルは、それに対応して広く、比較的均一であることが判明している。照射装置は、放射線スペクトルを異なるように設計することができる第1のLEDチップ、第2のLEDチップ、第3のLEDチップ、および第4のLEDチップが配置された基部を有し、LEDチップは、LEDパッケージLEDパッケージ内に共通のレンズの下に配置され、LEDチップは別々に制御することができる。第1のLEDチップによって生成される第1の放射線ピークは430nmから455nmまたは479nmの間であり、第2のLEDチップによって生成される第2の放射線ピークは、456nmから469nmまたは600nmから650nmの間であり、第3のLEDチップによって生成される第1の放射線ピークは、第1の代案では600nmから650nmの間である。この場合、蛍光または励起可能な材料は、500nmから555nmの間の放射線ピークを有する放射線を放出し、LEDの放射線と蛍光材料の放射線とは重なり合う。蛍光物質を含まないLEDのみの使用は、提供されない。照射装置は、例えばテーブルランプ等として使用され、人体への照射には用いられない。また、照射装置を製造するための方法が、説明されている。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、2つ以上のLEDチップの放射線スペクトルを組み合わせて人体に均一に施与することができる身体照射装置を明記することである。
【0010】
この目的は、本発明により、独立請求項の特徴を有する身体照射装置によって達成される。
【0011】
本発明の一態様によれば、身体照射装置であって、基部と、第1の放射線ピークを有する第1の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第1のLEDチップと、第1の放射線ピークとは異なる第2の放射線ピークを有する第2の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第2のLEDチップとを有する放射線源を備え、第1のLEDチップおよび第2のLEDチップがLEDパッケージ内に共通のレンズの下に配置され、別々に制御することができることが相違点である、身体照射装置が提供される。第1のLEDチップおよび第2のLEDチップを共通のレンズの下に配置することによって、第1の放射線ピークを有する放射線および第2の放射線ピークを有する放射線を、好ましくは第1の放射線スペクトルおよび第2の放射線スペクトルをコリメートするための下流コリメーションリフレクタを用いて、共通のレンズを通して均一に放出することができ、それにより、人体が横たわることができる下流領域は、第1の放射線スペクトルおよび第2の放射線スペクトルで均一に照明される。これにより、放射線の特に均質な分布が達成される。特に、これは、強度ピークが人体に到達するのを防ぐ。さらに、第1のLEDチップおよび第2のLEDチップを別々に制御することができる結果として、第1の放射線スペクトルおよび第2の放射線スペクトルの放射線強度を個別に調整および調節することができ、これにより、第1の放射線スペクトルおよび第2の放射線スペクトルによる同時照射だけでなく、所望の結果に対して強度ピークを互いに調整することができる。LEDチップの別々の調節は、特に好ましくは、異なるLEDチップの放射線の強度を個別にかつ互いに独立して個別に調整する可能性を含み、それによって同時にエネルギー消費を低減するのが有効である好ましいピーク比を設定することができる。さらに、LEDチップを別々に接触させることもできるものとすることができる。
【0012】
ここで、LEDパッケージとは、LEDチップを収容するハウジングである。したがって、これは、実際にはLEDチップパッケージである。LEDパッケージは、LEDパッケージ内に収容されるLEDチップをそれら自体が含む、1つまたは複数のLEDが内部に収容されるハウジングを意味すると理解されるものではない。LEDパッケージは、個々のLEDチップに接触するための接点を備える。LEDパッケージを覆うレンズは、LEDパッケージ内に収容されたLEDチップを外部に閉鎖するので、結果として得られるLEDをそれに応じて使用することができる。
【0013】
身体照射装置は、人の人体または人の人体の一部、すなわち、すべての四肢および表面領域を含む生物または個体の身体に、特に美容的および衛生的に有用な放射線を照射するように設計される。その結果、放射線を対象物に向け、例えば線量および放射線スペクトルに関する健康上の制約を観察する必要がない照射装置とは異なる。したがって、特に、ヒトまたは場合によっては別の哺乳動物の個々のまたはすべての肢を身体と見なすことができる。
【0014】
放射線源は、好ましくは、第1の放射線ピークおよび第2の放射線ピークとは異なる第3の放射線ピークを有する第3の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第3のLEDチップを備え、第3のLEDチップは、LEDパッケージ内に共通のレンズの下に少なくとも1つの第1のLEDチップおよび少なくとも1つの第2のLEDチップと共に配置され、それらとは別々に制御することができる。その結果、好適には、第3の放射線ピークを有する第3の放射線スペクトルを均質かつ均一に、他の2つの放射線ピークの強度とは無関係に人体に向け、したがって、3つの異なる放射線ピークを有する3つの放射線スペクトルを均一に、強度が一致するように使用して人体に照射することも可能である。これにより、特に、例えば、身体再生の異なる態様に同時に対処することができるように、放射線スペクトルを同時に、重複しておよび/または連続的にまたはパルス状に制御することができる複雑な組み合わせ治療を実行することが可能になる。
【0015】
放射線源は、好ましくは、第1の放射線ピークおよび第2の放射線ピークおよび第3の放射線ピークとは異なる第4の放射線ピークを有する第4の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第4のLEDチップを備え、第4のLEDチップは、LEDパッケージ内に共通のレンズの下に少なくとも1つの第1のLEDチップおよび少なくとも1つの第2のLEDチップおよび少なくとも1つの第3のLEDチップと共に配置され、それらとは別々に制御することができる。別々の調節により、少なくとも1つの第1、第2、第3、および第4のLEDチップのすべての個別の制御が可能になり、それにより、交互のまたは組み合わされた活性化放射線ピークを有する複雑な治療パターンであっても設定することができる。
【0016】
放射線源は、好ましくは、第1の放射線ピークおよび第2の放射線ピークおよび第3の放射線ピークおよび第4の放射線ピークとは異なる第5の放射線ピークを有する第5の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第5のLEDチップを備え、第5のLEDチップは、LEDパッケージ内に共通のレンズの下に少なくとも1つの第1のLEDチップおよび少なくとも1つの第2のLEDチップおよび少なくとも1つの第3のLEDチップおよび少なくとも1つの第4のLEDチップと共に配置され、それらとは別々に制御することができる。別々の調節により、少なくとも1つの第1、第2、第3、第4、および第5のLEDチップのすべての個別の制御が可能になり、それにより、交互のまたは組み合わされた活性化放射線ピークを有する複雑な治療パターンであっても設定することができる。
【0017】
したがって、身体照射装置は、同じ放射線治療に使用されないが1つの装置(組み合わせ装置)で異なる治療を実行することを可能にするLEDチップを共通のレンズの下に配置することもできるため、汎用的に使用することもできる。したがって、例えば、身体照射装置は、同じレンズの下に、プレビタミンD3の複合生成に使用される2つのLEDチップ、および/または日焼けに使用される2つ以上のLEDチップ、および/または皮膚および創傷再生に使用される2つ以上のLEDチップ、および/または座瘡の(美容)治療に使用される2つ以上のLEDチップを有することができ、その結果、好適には、製造、購入、および操作がそれにいしたがって安価な多目的装置が得られる。
【0018】
放射線源内に2つ以上の第1、第2などのLEDチップ、例えば、第1の放射線ピークを有する2つのLEDチップおよび第2の放射線ピークを有するLEDチップを設けることも可能である。別の実施形態では、例えば、第2のLEDチップよりも1つ多い第1のLEDチップが存在するものとすることができる。さらに別の実施形態では、第3のLEDチップよりも1つ多い第2のLEDチップを設けることができ、それにより、このような実施形態では合計6個のLED、すなわち3つの第1のLEDチップ、2つの第2のLEDチップ、および1つの第3のLEDチップが存在するものとすることができる。好都合には、6つ以下のLEDチップが共通のレンズの下に配置され、同様のタイプのLEDチップを一緒に制御して接触させることもできる。
【0019】
第1の放射線ピーク、第2の放射線ピークなどの放射線ピークは異なるが、これは、関連する放射線スペクトルが部分的に重複する可能性を排除するものではない。しかし、得られる重複領域の強度および放射線密度は、好都合には、個々の放射線ピークの各々よりも小さい。
【0020】
LEDチップを備えた放射線源に加えて、身体照射装置は、例えば低圧チューブまたは高圧ランプなどのさらなる放射線発生手段を有することもできる。
【0021】
異なるLEDチップを装備することができるユニバーサル基部を提供することが可能であり、提供されるLEDチップに応じて制御が行われる。
【0022】
LEDチップは、好都合には、基部上に配置され、第1の一次レンズを形成するレンズによって覆われる。レンズは、フォーカスレンズのように凸状の外側輪郭および凹状の内側輪郭を有することができ、レンズの直径は、LEDチップの最大の対角線の少なくとも3倍、好ましくは少なくとも4倍である。レンズがLEDチップからの投影内にある距離、すなわち、好都合には、対応するチップの対角線と少なくとも同じ大きさである距離により、LEDチップがレンズの下に中央に配置されていなくても、LEDチップの放射線の良好な分配がもたらされる。
【0023】
好ましい実施形態によれば、フィルタ層がLEDチップとレンズとの間に配置されるものとする。フィルタ層は、ショートパスおよび/またはロングパスフィルタを有するフィルタガラスとして設計することができ、特に、閾値として定義された波長を下回るおよび/または上回る臨界放射線波長を有する放射線を除去するのに役立つ。高圧および/または低圧ランプの広い放射線スペクトルの場合、そのようなフィルタ層は、好都合である。対応して狭い放射線スペクトルを有するLEDチップの場合、特定の状況下ではこれらを省くことができる。比較的小さい波長の場合および/または互いに近いピークに対して、フィルタが特に好都合である。
【0024】
別の好適な実施形態によれば、レンズは、望ましくない放射線スペクトルが通過するのを防止し、したがってそれらを排除する一体型フィルタ機構を有するものとする。フィルタ機構は、好都合には、所望のスペクトル外にある放射線が通過するのを防止し、したがってそれを排除する、ショートパスおよび/またはロングパスフィルタを有するフィルタである。
【0025】
しかしフィルタが必要とされないように、LEDチップの放射線スペクトルが制限される実施形態が、好ましい。これはまた、好適には、放射線源の有益な温度発展をもたらし、その理由は、そうでなければ、フィルタリングされた波は温度の上昇を引き起こし、したがって冷却努力の増加および効率の低下を引き起こすためである。
【0026】
LEDチップの放射線ピークが波長によって定義されるとき、また、LEDチップのスペクトルが、波長(nm)と係数F(すなわち、波長xF)との積によって計算することができる帯域幅内に2/3超、好ましくは4分の3超、特に好ましくは9/10超ある場合、特に有益な照射結果が生じ、係数Fは、1+/-0.005から1+/-0.05との間であるように選択され、したがって両側から放射線ピークを取り囲む。その結果、放射線スペクトルは、ピークの両側で略等しいサイズの幅内に実質的に集中し、それにより、規定の放射線ピークによる人体の特に効果的な治療が、達成される。それと同時に、放射線ピーク付近の非常に狭い偏差は、有害な放射線が最大でもわずかな量でしか放出されないことを保証する。特に好ましくは、99%、好ましくは99.9%、特に好ましくは99.99%の割合でさえ、指定された制限内にある。
【0027】
好ましくは、LEDチップの放射線ピーク、すなわち、例えば、第1、第2、第3、第4、および第5のLEDチップの放射線ピークは、290nm+/-2nm、297nm+/-2nm、310nm+/-5nm、365nm+/-10nm、620nm+/-15nm、660nm+/-15nm、465nm+/-20nm、740nm+/-20nm、および840nm+/-20nmを含む群から選択される。この場合、特定の波長を組み合わせて、一致した放射線強度を有する治療的および/または美容的に有益な組み合わせを形成することができ、それによって照射される体内で生理学的効果を達成する。特定の放射線ピークの選択は、照射を低減し、したがって、効果的ではない、または最適に効果的ではない放射線から人体に起こり得る損傷またはストレスを低減し、したがって、身体が損傷されることが防止される。いずれの場合も示される公差は、それぞれのLEDチップの放射線ピークを正確にかつ常に同一に再現することはできないが、狭い範囲内で変化し得るという事実を反映している。
【0028】
前述の放射線ピークは、同時に存在し得る医学的効果に関係なく、美容的および衛生的に有用な放射線の群に属する。特に、美容的および衛生的に有用な放射線は、照射された個体に対する光生物学的効果を有する。美容的および衛生的に有用な放射線は、個体の皮膚に当たるが、特定の波長に応じて、体のより深い領域に浸透することもできる。効果は、例えば、肌の日焼けを含むが、さらなる生理学的および心理学的効果も照射から生じる。美容的および衛生的に有用な放射線は、UV-Cスペクトル外の紫外線(UV)放射線、可視(VIS)放射線、および近赤外(nIR)放射線のスペクトルを含む。この場合、UV-Cスペクトル外のUV放射線は、約280nmから約380nmの間のスペクトルの波長を有し、VIS放射線は、約380nmから約780nmの間のスペクトルの波長を有し、nIR放射線は、約780nmから約1400nmの間のスペクトルの波長を有する。明記されたスペクトルは互いに融合する。美容的または衛生的用途に応じて、記載されたスペクトルの部分スペクトルに照射を集中させることができる。この目的のために、美容的および衛生的に有用な放射線を放出する配置はまた、個々の波長、例えばUV放射線専用にすることができる。LEDチップの上記で明記した好ましい放射線ピークはすべて、美容的および衛生的に有用な放射線の範囲内にあることが分かる。しかし、本明細書に本開示の一部であると明示的に言及されている、LEDチップの具体的に言及された放射線ピークおよび/または2つ以上の放射線ピークのそれらの任意の組み合わせのリストは、網羅的ではない。
【0029】
さらに、興味深い態様は、組み合わせ治療が、ヒトまたは動物の体を対応する波長の放射線に曝露することだけでなく、これらの放射線ピークを標的化された様式で相関させることも可能にすることである。したがって、放射線の強度は、照射の持続時間および/または順序と同様に、互いに対して調整することができる。
【0030】
好ましくは、LEDチップのうちの1つ、例えば第1のLEDチップまたはさらなるLEDチップによって放出される少なくとも1つの放射線ピークが、可視光のスペクトル外にある波長を有するものとする。広いスペクトルの可視光のみを放出する身体照射装置とは対照的に、ここでは、UV-Cスペクトル外の紫外線(UV)放射線および/または近赤外(nIR)放射線の範囲内の波長を有する少なくとも1つの放射線ピークも有する身体照射装置が、提供される。さらなる放射線ピークが、可視(VIS)放射線のスペクトルの範囲内および/またはその外側の波長を有することが可能である。このようにして、不可視範囲の放射線を提供する照射モードも好都合に設定することができる。
【0031】
好ましくは、可視光のスペクトル外にある少なくとも1つの放射線ピークは、380nm未満の波長を有し、したがって、UV-Cスペクトル外の紫外線(UV)放射線のスペクトルの範囲内にある。このスペクトルからいくつかの放射線ピークを提供することが可能である。可視光のスペクトル外にある少なくとも1つの放射線ピークは、例えば、290nm+/-2nm、297nm+/-2nm、310nm+/-5nm、および365nm+/-10nmを含む群から選択される波長を有する。
【0032】
可視光のスペクトル外にある少なくとも1つの放射線ピークは、代替的に780nmを超える波長を有し、したがって近赤外(nIR)放射線のスペクトルの範囲内にある。このスペクトルからいくつかの放射線ピークを提供することが可能である。可視光のスペクトル外にある少なくとも1つの放射線ピークは、例えば、840nm+/-20nmを含む群から選択される波長を有する。
【0033】
可視光のスペクトル外にある前述の放射線ピークは、他のLEDチップによって放出され、可視光のスペクトル内に含まれるさらなる放射線ピークと組み合わせることもできる。
【0034】
好ましくは、放射線をコリメートするためのコリメーションリフレクタが、一次レンズを形成するレンズの下流に配置され、すべてのLEDチップの放射線を均一にコリメートし、したがって二次レンズを形成する。この目的のために、コリメーションリフレクタは、好ましくは、例えばアルミニウムで作られた強く反射する内周を有する、端部で切り取られた円錐台または回転放物面のように設計され、その結果、レンズを通って出る放射線は均質化され、特に、照射された表面の領域内に相対強度ピークは生じない。ここで、最大2倍異なる波長範囲に対しても同じコリメーションリフレクタを使用することができ、それにもかかわらず、放出された放射線は人体にほぼ均質に当たることは特に驚くべきことである。衝突強度を調節するために、それに応じてLEDチップを制御することができ、これは、身体照射装置を較正することによって容易に達成することができる。
【0035】
コリメーティングリフレクタは、好都合には、レンズに面する側に小さな開口部を有し、レンズから外方に面する側により大きな開口部を有し、この開口部は、好都合には円形である。レンズを通過する放射線は、小さな開口部を通って入り、コリメートされた放射線は、大きな開口部を通って出る。したがって、コリメーティングリフレクタは、LEDパッケージおよびレンズの完全に上流に配置される。
【0036】
有益な態様によれば、LEDチップの半分以上が、基部へのレンズの頂部の投影によって規定される中心点に対して偏心して配置されるものとする。驚くべきことに、第1のLEDチップも第2のLEDチップも正確に中心点上に配置されず、いずれの場合も中心点から離れて配置される場合、均一な放出を有する少なくとも2つのLEDチップを基部上に特に有益な様式で配置することができることが分かった。これは、最初、特に下流のコリメーションリフレクタによってほぼ完全に補償されるが均質性が低い照明をもたらす一方で、中心点上のLEDチップのうちの1つの配置は、下流のコリメーションリフレクタによってより不十分に均質化される。
【0037】
好ましくは、3つ以上のLEDチップの場合、LEDチップのうちの1つは、基部へのレンズの頂点の投影によって規定される中心点上に配置され、この場合、好ましくは、放射線強度が低く、したがって強度を増大させる場合にエネルギー消費が高いチップが、選択される。
【0038】
しかし、好都合には、すべてのLEDチップが、基部へのレンズの頂点の投影によって規定される中心点に対して偏心して配置されるものとし、その結果、特に下流コリメーションリフレクタによって確立される均一な照明を、すべてのLEDチップおよびそれらのそれぞれの放射線スペクトルについて達成することができる。
【0039】
好ましい実施形態によれば、LEDチップの少なくとも1つは、パルス状に放射線を放出することができるものとする。好ましくは280nmを超える、好ましくは700nmを超える波長の波長に応じて、パルス放射線は、特に人体の治療において有益な効果を達成することができ、この場合、特に刺激することができる。一方のLEDチップのパルス化を他方のLEDチップのパルス化と同時にまたは交互に提供することが可能である。パルス化されたLEDチップは、好都合には、可視光および近赤外スペクトルの範囲で使用される。しかし、UV-AおよびUV-Bスペクトルの範囲内でLEDチップをパルス化することも可能である。
【0040】
LEDチップのパルス化中、第1の好適な実施形態では、「パルス幅比」パラメータ、すなわち、オン/オフ比または放射線非放出の持続時間に対する放射線放出の持続時間の比は、広い制限内で設定することができる。第1の好ましい実施形態では、オン持続時間は、オフ持続時間に等しい。第2の好ましい実施形態では、オン持続時間は、オフ持続時間よりも25%から200%長い。驚くべきことに、LEDチップを上述のパルス幅比でパルス化することによって、連続照射よりも著しく良好な照射効果が達成されるようである。
【0041】
LEDチップのパルス化中、周波数パラメータ、すなわち単位時間当たりのON/OFFパルスの数は、第1の実施形態と同時に任意選択的に実施することができる第2の好適な実施形態において広い制限内で設定することができる。特に有効な周波数は、0.25Hzから500Hzの間、好ましくは1Hzから100Hzの間、特に好ましくは8Hzから15Hzの間、好ましくは10Hzで選択される。さらに有益な波数は、人間の目によって断続的であると知覚される周波数以上、すなわち、例えば50Hzを超える周波数帯域にある。ここでは、例えば、60Hz、120Hz、240Hzの周波数を考える。
【0042】
互いに独立した第1のLEDチップ、第2のLEDチップなどの別々のパルス化は、場合によっては互いに調整されるが、LEDチップの別々の調節によっても実現され、これらのさらなる特徴をすべての実施形態に設ける必要はない。
【0043】
好都合には、複数のレンズがキャリア上に配置され、その各々は、いずれの場合も1つのLEDパッケージ内の複数のLEDチップを覆う。好ましい発展によれば、そのようにしてキャリア上に形成されたすべての放射線源は同じ設計であり、その結果、各レンズは同じLEDチップで同じ数をカバーする。しかし、照射システムに設けられる放射線源は、様々な方法で設計することが可能である。
【0044】
有益な発展によれば、身体照射装置は、共通のレンズの下に複数のLEDチップをそれぞれが有する複数の放射線源が配置されたキャリアをさらに備えるものとする。ここでは、好都合には、同じLEDチップをキャリア上で均一に制御するものとする。
【0045】
有益な実施形態は、好適には、20個の放射線源またはその整数倍の放射線源がキャリア上に配置されるものとする。その結果、キャリアには、いずれの場合も、身体照射装置内にモジュール式に配置および動作させることができるが容易に交換することができる、複数のLEDチップを有する20個の放射線源を装備することができる。
【0046】
好適には、放射線源の基部は、いずれの場合もキャリア上に配置されるものとする。基部は、例えば、キャリア上に凹部として一体的に設けることができ、または、例えば、この目的のために設けられた凹部内で、キャリア上に接着、クランプ、または配置することができる。基部は、好ましくは、環状壁をさらに有し、したがって一種のチャンバまたはレセプタクルを形成するLEDパッケージの基礎である。基部から外方に面する下面は、好ましくは平坦であり、キャリア41の平坦な側面に固定することができる。
【0047】
別の好適な実施形態によれば、それぞれのLEDチップを一緒に、並列に、または直列に制御することができるように、キャリア上のすべての放射線源が同一に設計されるものとする。したがって、第1のLEDチップは一緒に作動され、第2のLEDチップは一緒に作動されるなどとなる。あるいは、キャリア上の放射線源は、異なるように設計することができる。この場合、LEDチップを個別に制御しなければならない。両方の実施形態の組み合わせ、すなわち、例えば、同一に設計された第1の放射線源のアレイ、および追加的に、それとは異なるように設計された個々の第2の放射線源も可能である。
【0048】
身体照射装置は、好都合には、照射される人体がトンネルのように包囲される照射空間を有し、トンネルは、可動壁要素を有する垂直に整列したトンネルとして、または旋回可能なカバー要素を有するベッドとして設計することができる。照射トンネルには放熱のための空気流を当てることができ、この空気流によってトンネル内部が冷却される。
【0049】
この場合、身体照射装置は、好ましくは、被照射者のためのトンネル状の照射空間を少なくとも部分的に囲み、かつ光源のための少なくとも1つの収容空間を有する、ハウジングを備える。収容空間と照射空間との間のハウジングの隔壁は、好適には、放射線源の放射線に対して透過性である材料で作製される。放射線源の放射線は、ここでは、収容空間から照射空間に向けられる。
【0050】
1つの好適な実施形態は、第1の放射線ピークが290nm+/-2nmであり、第2の放射線ピークが297nm+/-2nmであるものとする。UV-Bスペクトル内のこの組み合わせにより、プロビタミンD3を都合よく製造することができ、同時に、治療された個体のDNAに対する損傷は、特に低い。
【0051】
別の好適な実施形態は、第1の放射線ピークが310nm+/-5nmであり、第2の放射線ピークが365nm+/-10nmであるものとする。UV-Bスペクトルからの波長とUV-Aスペクトルからの波長とをこうして組み合わせることにより、色素の退色によって人の皮膚の日焼けを達成できることが好ましい。
【0052】
別の好適な実施形態は、第1の放射線ピークが620nm+/-15nmであり、第2の放射線ピークが660nm+/-15nmであるものとする。可視(VIS)スペクトルからの波長のこの組み合わせにより、美容効果、皮膚若返り、および/または創傷治癒を達成および/または促進することができる。
【0053】
好適な開発では、次いで、第3の放射線ピークが740nm+/-20であり、第4の放射線ピークが840nm+/-20nmであるものとする。加えて、それによってウエルネス効果ならびに腱、筋膜および筋肉の再生が、促進および/または達成される。
【0054】
さらなる発展では、第5の放射線ピークが465nm+/-20nmであるものとする。これはまた、照射された皮膚の座瘡を低減する。
【0055】
さらに別の好適な実施形態は、第1の放射線ピークが465nm+/-20nmであり、第2の放射線ピークが660nm+/-20nmであり、第3の放射線ピークが840nm+/-20nmであるものとする。これは、好適には、特に皮膚の座瘡がやわらぐのを助ける。
【0056】
本発明の一態様によれば、上記で説明した身体照射装置の使用は、美容、医療、心理、ウエルネス、および再生治療のために提供される。特に、身体照射装置は、例えば、心理的治療または美容的治療のための、ヒトおよび/または動物の体の非治療的治療のために提供することができる。
【0057】
本発明の一態様によれば、美容的および衛生的に有用な放射線を人に好ましくは非治療的に照射するための方法であって、基部と、第1の放射線ピークを有する放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第1のLEDチップと、第1の放射線ピークとは異なる第2の放射線ピークを有する第2の放射線スペクトルを放出することができる少なくとも1つの第2のLEDチップとを有する放射線源を備え、方法は、第1のLEDチップおよび第2のLEDチップが共通のレンズの下に配置され、別々に制御されることが相違点である、方法が提供される。その結果、好適には、第1のLEDチップおよび第2のLEDチップの放射線スペクトルの強度を一致させると同時に、放射線源によって放出された放射線が照射される個体に均質に当たることを確実にすることが可能である。上記で説明した身体照射装置は、その任意のさらなる発展のすべてを含めて、本方法のために提供することができる。好ましくは、上記の説明によれば、共通のレンズの下に配置され、別々に制御される第3、第4、および第5のLEDチップも可能である。方法は、好適には、人の人体または人の人体の一部の照射を実現する。その結果、放射線を対象物に向け、線量および放射線スペクトルに関する健康上の制約を観察する必要がない照射方法とは異なる。1つのLEDパッケージ内にいくつかのLEDチップを収容することによって、身体照射装置を被照射体の近くに配置することが可能であるが、それにもかかわらず、狭い空間内にすべての放射線ピークを有する均質な施与を達成することが可能である。身体照射装置が体の近くに配置されているため、放射線はより集中的に作用し、治療の持続時間は、好適には、短縮される。
【0058】
本発明のさらなる利点、発展、および特性は、好ましい例示的な実施形態の以下の説明および従属請求項から明らかになる。
【0059】
本発明は、好ましい例示的な実施形態を使用して添付の図面を参照して以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】本発明による身体照射装置の好ましい例示的な実施形態の概略側面図である。
【
図2】
図1の身体照射装置内に設置された照射モジュールの分解図である。
【
図3A】
図2の照射モジュールからの放射線源を通る断面図である。
【
図4A】
図2の照射モジュールからの別の放射線源の断面図である。
【
図5】実施例1による放射線源における2つのLEDチップの放射線の強度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1は、美容的および衛生的に有用な放射線を人体10で概略的に示されている人に照射するための身体照射装置1を示しており、装置は、軸線Aに沿って互いに関節式に接続された下側ハウジング部20および上側ハウジング部30を備える。上側ハウジング部30は、ユーザ10のアクセスを妨げないように上方向に旋回させることができ、ユーザ10が横たわるトンネル状のチューブ2をハウジング部20、30が囲むように下方に旋回させることができる。
【0062】
ハウジング部20、30はアクリルガラス内に封入されており、アクリルガラス製の横たわり表面21が下側ハウジング部20内に形成されている。横たわり表面にシリコーンマットを装備することが可能であり、シリコーンマットは、横たわり表面10に接続され、可撓性であり、人10に快適な表面感を提供する。アクリルガラスおよびシリコーンマットはそれぞれ、美容的および衛生的に有用な放射線の少なくとも一部に対して透過性である。
【0063】
ハウジング部20、30内のチューブ2に向けられた照射モジュール40は、いずれの場合も下側ハウジング部20および上側ハウジング部30内に配置される。照射モジュール40は長方形であり、互いに隣接して配置され、下側ハウジング部20内では、横たわり表面21に平行である。さらに、個体10を照射することができる照射モジュール40はまた、横たわり表面21に対して略垂直である下側ハウジング部20の垂直部分22に設けられている。上側ハウジング部30内には、複数の照射モジュール40が一列に配置され、いずれの場合も互いに当接し、一列に配置された照射モジュールは、ハウジング部30内の上側ハウジング部30の半円状の輪郭に追従することができるように、隣接する列に対して角度をつけて傾斜している。照射モジュールの半径およびサイズに応じて、角度は、5°から25°の間、好ましくは約10°である。
【0064】
肩部日焼け装置50が、チューブ2の1つの前端に配置され、この肩部日焼け装置は、特にユーザ10の頭部および肩部を照射し、2つのさらなる照射モジュール40が、肩部日焼け装置50内に配置される。
【0065】
照射モジュール40は、装置1のコントローラSに接続されている。
【0066】
身体照射装置1はまた、照射経験を改善する一連のさらなる構成要素を有する。接触感知フラットスクリーンが、個体10と通信するための第1のインターフェースとして、上側ハウジング部30の内側に設けられ、このフラットスクリーンは、個体10による入力を可能にし、娯楽プログラムの再生も可能にする。さらに、個体10の頭部領域内にスピーカが配置され、これにより、例えば背景音楽などの音響体験が可能になり、場合によっては視覚娯楽プログラムとの相互作用において、照射体験が向上する。上側ハウジング部30の外側には、個体10と通信するための第2のインターフェースが設けられており、これを介してプログラムを選択することができる。個体10と通信するための第3のインターフェースとして音声制御装置が設けられており、音声制御装置は、ハウジング部の少なくとも1つに取り付けられたスピーカを介した音声入力を検出し、コンピュータ支援によって音声入力を評価し、これらを身体照射装置1の制御コマンドに変換する。さらに、身体照射装置1は、チューブ2の換気を含み、換気は、新鮮な空気を供給し、チューブ内の加熱された空気を排出する。さらに、身体照射装置1は、複数の香りのうちの1つを新鮮な空気に香り付けすることを可能にする香り付け装置を有する。最後に、身体照射装置1はまた、動作に必要なすべての電気および電子構成要素を備える。
【0067】
図2は、照射モジュール40の分解図を示す。キャリア41を介して電気エネルギー供給源と接触する少なくとも1つの第1のLEDチップ51および1つの第2のLEDチップ52をそれぞれが備える合計で20個の複数の放射線源50が、キャリア41のそれぞれの領域41aに取り付けられていることが分かる。4×5アレイ配置に存在するものとは異なる数および/または配置のLEDチップを提供することも可能である。
【0068】
図2において、1つの共通のレンズ53が、合計6つのLED51、52用にキャリア41上に示されており、このレンズは、表面41aに固定され、外向きに湾曲した形状を有し、LEDチップ51、52の放射に対して透過性であることが分かる。
【0069】
20個の同一に形成されたコリメーションリフレクタ44aを有する構造ユニット44は、LED42、43を有するキャリア41の上流に設けられ、コリメーションリフレクタ44aの穴の大きさは、レンズ53と一致している。この目的のために、リフレクタ44aは、構造ユニット44を部品のように取り扱うことができるように、コリメーションリフレクタ44aのための開口部を有するディスク44bと、LED42、43から離間した領域内で接続される。
【0070】
環状ディスク45が、構造ユニット44の上流に配置され、この環状ディスクは、その内周において蛍光材料でコーティングされたプレート本体内に、コリメーションリフレクタ44aの数に対応する数の円形凹部45aを有する。LED51、52に放射線を放出させると、この放射線はリング45aの蛍光材料を励起し、可視範囲内で行われるリング45aの照明により、LED51、52も放射線を放出することが分かる。
【0071】
伝熱プレート46は、キャリア41のLED51、52とは反対側に配置され、伝熱プレートはプレート体として設計され、LED42、43の動作中に生成される熱を放散するように意図されている。この目的のために、伝熱プレート46は、第1の冷却ライン47および第2の冷却ライン47を介して熱交換器として設計されたヒートシンク48に接続され、キャビティが形成された伝熱プレート46と、第1の冷却ライン47と、ヒートシンク48と、第2の冷却ライン47との間に、循環冷却流体が供給される。伝熱プレート46の冷却は、特に、一方では伝熱プレート46と他方ではヒートシンク48との間の冷却流体の相変態によって行うことができる。
【0072】
ハウジング部20またはハウジング部30内に設置される照射モジュール40は、すべて同一に構築されている。しかし、照射モジュールは、ユーザ10の特定の身体領域の光感度に応じて、異なるように構築および/または制御することもできることが理解される。
【0073】
第1のセンサ61が上側ハウジング部30内に設けられ、これは、ユーザ10の身体の特性、特に、身長、幅、周囲、および腕、脚の位置を決定する。放射モジュール40は、検出された身体の特性に応じてその放射強度が調整される。したがって、例えば、ユーザの脚部がもはやこの照射モジュール40を覆っていないとき、頭端部とは反対側を向いている照射モジュール40を完全にオフにすることができる。
【0074】
センサ61は、代替的または追加的に、ユーザ10の身体の特定の皮膚特性、例えば、刺青、火傷、創傷、ほくろ、瘢痕、白色点、色素障害、現在の日焼け、および皮膚の種類の存在を検出することができる。この第2のセンサは、カメラとして設計することもでき、評価論理ユニットが接続され、上述の身体の特徴を決定するために、皮膚の色およびコントラストを高解像度で検出し、取得された画像を評価する。次いで、皮膚の特徴に応じて、検出された皮膚の特徴に基づいて通常の照射および曝露中に皮膚が燃える可能性があるリスクがある場合、照射モジュール40は、低減された電力で動作される。
【0075】
最後に、第2のセンサ62が上側ハウジング部30内に配置され、照射モジュール40または関連するLED51、52の放射線を検出する。第2のセンサ62またはその評価ユニットは、検出された放射線と、例えばコントローラSに記憶された目標値とを比較し、目標値からの検出値のずれに応じて、コントローラが照射モジュール40の動作パラメータを目標値に設定するように調整する。
【0076】
図3Aおよび
図3Bは、放射線源50の構造を概略的に説明するが、縮尺通りではない、放射線源50の第1の実施形態の断面図および平面図を示す。放射線源50は、プラスチックまたはセラミックなどの電気絶縁体で作製されたLEDパッケージ60内に収容されており、このLEDパッケージは、長方形であり、この場合は正方形であるレイアウトを有し、基部61を有し、基部61の下面61uは、例えばアルミニウム製の高熱伝導性プレートなどのキャリア41の表面に接続、例えば接着することができる。あるいは、LEDパッケージ60は、キャリア41に取り付けられたソケットに取り付けることもできる。さらに、キャリア41には電線が敷設されている。典型的には、キャリア41は、5×4アレイに配置された約20個のLEDパッケージ60を有する。
【0077】
第1のLEDチップ51および第2のLEDチップ52は、リング領域62に囲まれた略円形の下面とは反対側の基部61a上に、それぞれ基部61aの中心点に対して偏心して配置されている。2つのLEDチップ51、52は、対応する導体トラック63を介して基部61a上に接触される。放射線源50の電気的接続は、64で示されている。基部61aはくぼみを形成し、くぼみの上方ではフィルタ層55が、環状領域62の環状肩部62a上に配置される。LEDパッケージ60は、一方向にのみ開口部を有するくぼみを形成し、そのいくつかは、キャリア41上に配置され得る。
【0078】
フィルタ層55は、LEDチップ51、52によって放出された放射線を所定の波長制限内でフィルタリングし、これは、例えば、健康上の理由から予め指定されてもよい。レンズ53は、基部61aからさらに外側に離れて配置される環状フランジ領域62b上にクランプされた状態で円周方向に支持され、保持される。加えて、レンズを環状フランジ領域に接着することもできる。さらなるLEDチップを置くことができるさらなる基部領域が、基部61a上に設けられていることが分かる。フィルタ層55を通ってフィルタリングされた放射線のみが、レンズ53を出ることができることが分かる。
【0079】
図4Aおよび
図4Bは、放射線源50の別の実施形態の断面図および平面図を示す。
図3Aおよび
図3Bによる実施形態とは対照的に、ここではフィルタ層55は設けられていない。しかし、LEDチップ51、52によって放出された放射線を所定の波長制限内でフィルタリングするフィルタ機構55aが、レンズ53に組み込まれている。放射線源50において、フィルタ層55とフィルタ機構55aを組み合わせて設けることが可能である。別の実施形態では、放射線のフィルタリングは実行されない。
【0080】
実施例1
身体照射装置1の放射線源50は、290nmの第1の放射線ピークを有する第1のLEDチップ51と、297nmの第2の放射線ピークを有する第2のLEDチップ52とを備える。第1の放射線ピークと第2の放射線ピークの強度比(レベル)は、1:5である。この治療は、プロビタミンD3を産生するのに役立ち、この場合、個体10の照射された身体に対するDNA損傷は、最小限である。
【0081】
図5は、上述の放射線ピークを有する第1のLEDチップ51の第1の放射線スペクトルおよび第2のLEDチップ52の第2の放射線スペクトルの強度プロファイルを波長の上方の図に示す。得られた曲線も示す。
【0082】
実施例2
身体照射装置1の放射線源50は、310nmの第1の放射線ピークを有する第1のLEDチップ51と、365nmの第2の放射線ピークを有する第2のLEDチップ52とを備える。第1の放射線ピークと第2の放射線ピークの強度比(レベル)は3:1であるが、所望に応じて変更することができる。この治療は、一般に日焼けとも呼ばれる個体10の皮膚の色素沈着を励起するのに役立つ。
【0083】
実施例3
身体照射装置1の放射線源50は、620nmの第1の放射線ピークを有する第1のLEDチップ51と、660nmの第2の放射線ピークを有する第2のLEDチップ52とを備える。第2の放射線ピークに対する第1の放射線ピークの強度比(レベル)は、2:1であり、広い制限内で調整が可能である。治療は、皮膚の若返り、創傷治癒、および美容目的に役立つ。
【0084】
実施例4
身体照射装置1の放射線源50は、465nmの第1の放射線ピークを有する第1のLEDチップ51と、660nmの第2の放射線ピークを有する第2のLEDチップ52と、840nmの第3の放射線ピークを有する第3のLEDチップ(図示せず)とを備える。第1の放射線ピーク対第2の放射線ピーク対第3の放射線ピークの強度比(レベル)は、1:2:1であり、広い制限内で調整が可能である。治療は、人10の皮膚の座瘡予防および座瘡減少に役立つ。
【0085】
実施例5
身体照射装置1の放射線源50は、620nmの第1の放射線ピークを有する第1のLEDチップ51と、660nmの第2の放射線ピークを有する第2のLEDチップ52と、740nmの第3の放射線ピークを有する第3のLEDチップ(図示せず)と、840nmの第4の放射線ピークを有する第4のLEDチップ(図示せず)とを備える。第1の放射線ピーク対第2の放射線ピーク対第3の放射線ピーク対第4の放射線ピークの強度比(レベル)は、2:1:1:2であり、広い制限内で調整が可能である。治療は、皮膚の若返り、創傷治癒、および美容目的、特に人10の腱、筋膜、および筋肉の再生に役立つ。
【0086】
実施例6
身体照射装置1の放射線源50は、465nmの第1の放射線ピークを有する第1のLEDチップ51と、620nmの第2の放射線ピークを有する第2のLEDチップ52と、660nmの第3の放射線ピークを有する第3のLEDチップ(図示せず)と、740nmの第4の放射線ピークを有する第4のLEDチップ(図示せず)と、840nmの第5の放射線ピークを有する第5のLEDチップ(図示せず)とを備える。第1の放射線ピーク対第2の放射線ピーク対第3の放射線ピーク対第4の放射線ピーク対第5の放射線ピークの強度比(レベル)は、1:1:1:1:1であり、広い制限内で調整が可能である。治療は、皮膚の若返り、創傷治癒、および美容目的、特に腱、筋膜、および筋肉の再生、ならびに人10の皮膚の座瘡予防および軽減に役立つ。
【0087】
上記にあげられたすべての例において、LEDチップのうちの1つによる照射は、連続的および断続的に、例えばパルス方式で行うことができる。パルス照射の場合、照射持続時間は、好適には、2つの連続する照射間の休止の2倍の長さである。
【0088】
上記の例は、特定の波長の放射線による身体の標的化治療が非常に好適な効果を達成できることを示している。しかし、個体が治療成功を強制したい場合、過量投与のリスクがある。したがって、好適な実施形態では、実施例2からの2つのLEDチップの少なくとも一方、好ましくは両方が放射線源50に追加で設置されるものとし、それにより、日焼けの開始が誤用を防止する。
【0089】
上記の例から、例えば5つの専用LEDチップを有する放射線源50の場合、所望の結果に応じて、必ずしもすべてのLEDチップが使用されるわけではない複数の照射組み合わせを提供することができることが分かる。したがって、実施例6からの放射線源50は、実施例3、4、および5の照射パターンを生成することもできる。
【0090】
LEDチップは、いずれの場合も増加する波長にしたがって上記で番号が付けられている。いくつかのLEDチップの第1、第2などへの割り当ては、所望の任意の方法で行うことができることが理解される。例えば、実施例4、5、または6では、可視スペクトル外にある840nmの放射線ピークを第1または第2のLEDチップに割り当てることができる。2つのLEDチップを有する例では、例えば、順序がランダムであるため、放射線ピークへの割り当てを交換することができる。
【0091】
本発明は、照射ピークが特定の波長を有する群から選択されている例示的な実施形態を参照して上記で説明されてきた。他の波長に照射ピークを有するさらなるLEDチップをグループに容易に追加できることを理解されたい。
【0092】
本発明は、LEDチップ51、52とレンズ53との間にフィルタ層55が設けられるか、またはレンズ53が一体型フィルタ構成56を有する例示的な実施形態を参照して上記で説明されてきた。LEDチップによって生成される放射の狭いスペクトルの場合、フィルタ層および/またはフィルタ機構を省くことができることを理解されたい。同じことが、その放射線スペクトルが可視範囲または近赤外範囲にあるLEDチップにも当てはまる。
【0093】
本発明は、特定の放射線ピークを有する1つのLEDチップのみが放射線源内に設けられる例示的な実施形態を参照して上記で説明されてきた。他の放射線ピークを有するさらなるLEDチップに関係なく、特定の放射線ピークを有する2つ以上のLEDチップを設けることもできることを理解されたい。
【0094】
本発明は、照射モジュール40のキャリア41が略長方形であり、4×5の放射線源50のアレイを有する例示的な実施形態を参照して上記で説明されてきた。キャリア41はまた、異なる形状、例えば正方形または六角形または直線形状を有することができ、放射線源50をキャリア41上に異なるように配置することもできることを理解されたい。
【0095】
本発明は、冷却ライン47を介して熱交換器に接続された伝熱プレート46にキャリア41が接続されている例示的な実施形態を参照して上記で説明されてきた。熱交換器48は、同時に、さらなる冷却ラインを介してさらなるキャリア41に接続することができ、接続ラインを介していくつかの伝熱プレートを熱交換器48に接続して閉鎖系を形成することも可能であることを理解されたい。
【0096】
本発明は、装置1内のすべての照射モジュール40が同じように設計されている例示的な実施形態を参照して上記で説明されてきた。肩部および頭部領域用の照射モジュール40、下側ハウジング部20内の照射モジュール、および上側ハウジング部30内の照射モジュールも、異なるように設計することができ、特に異なる数のLEDを有することもできることを理解されたい。
【0097】
本発明は、照射モジュール40がハウジング部20、30内に固定式に配置され、第1のセンサ61および第2のセンサ62によって取得されたデータに実質的に応答して制御される例示的な実施形態を参照して上記で説明されてきた。照射モジュール40は、電気的に制御される代わりに、例えば、空気圧式、油圧式、機械式、または電気式の調整装置を介して、ユーザ10の身体までの距離に関して調整可能とすることができることを理解されたい。
【0098】
本発明は、装置1が固定式下側部20と、下側部20上に下方に旋回可能な上側ハウジング部30とを有し、ユーザ10は下側ハウジング部20の横たわり表面21上に載っている、例示的な実施形態を参照して上記で説明されてきた。装置はまた、2つのハウジング部が略垂直に配置され、ユーザが照射中に本質的に床に立っており、ハウジング部によって囲まれている立位日焼け器の形態で設計することもできることを理解されたい。装置はまた、好ましくは可動スタンド上に配置され、例えばユーザが横たわるベッドの上方に配置され得る垂直照射装置または照射モジュールの形態で設計できることをさらに理解されたい。そのような照射装置は、例えば、顔または別の身体部分を日焼けさせるために、または他の美容的および衛生的用途のために使用することができる。
【0099】
本発明は、センサ61、62が装置1または個体10の特性を検出する例示的な実施形態を参照して上記で説明されてきた。この目的のためにいくつかのセンサを設けることもでき、デバイスの適切な調整を記録するためにセンサによって取得されたデータを記憶することもできることを理解されたい。
【0100】
本発明は、放射線源50がそれらの基部61aと組み合わされて照射モジュール40を形成している例示的な実施形態を参照して上記で説明されてきた。いくつかの個々の放射線源50を有する照射モジュールが共通のキャリア上にある必要はなく、各放射線源50を別個のキャリア上に配置することもでき、これにより、特に上側ハウジング部30の湾曲形状により容易に追従することができることを理解されたい。したがって、放射線源50は、その後、身体照射装置1に直接接続される。
【国際調査報告】