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特表2023-513893半田ペースト及び他の粘性材料を高解像度で印刷するためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-04
(54)【発明の名称】半田ペースト及び他の粘性材料を高解像度で印刷するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 15/08 20060101AFI20230328BHJP
   B41M 1/12 20060101ALI20230328BHJP
   B41M 3/00 20060101ALI20230328BHJP
   B41F 3/20 20060101ALI20230328BHJP
   B41M 1/42 20060101ALI20230328BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20230328BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20230328BHJP
   B05C 1/06 20060101ALI20230328BHJP
   B05C 1/08 20060101ALI20230328BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20230328BHJP
   B05C 5/02 20060101ALI20230328BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20230328BHJP
   B05C 11/02 20060101ALI20230328BHJP
   B05C 13/02 20060101ALI20230328BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20230328BHJP
   B05D 1/30 20060101ALI20230328BHJP
   B05D 3/06 20060101ALI20230328BHJP
【FI】
B41F15/08 303E
B41M1/12
B41M3/00 Z
B41F3/20 D
B41M1/42
B41J2/01 501
H05K3/34 505B
B05C1/06
B05C1/08
B05C5/00 101
B05C5/02
B05C11/10
B05C11/02
B05C13/02
B05C11/00
B05D1/30
B05D3/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022547142
(86)(22)【出願日】2021-01-05
(85)【翻訳文提出日】2022-08-02
(86)【国際出願番号】 IB2021050025
(87)【国際公開番号】W WO2021156682
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】62/969,233
(32)【優先日】2020-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/807,489
(32)【優先日】2020-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519016549
【氏名又は名称】アイオー テック グループ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】ゼノウ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ジラン ジブ
(72)【発明者】
【氏名】ネシェル ガイ
【テーマコード(参考)】
2C035
2C056
2H113
4D075
4F040
4F041
4F042
5E319
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FD01
2C056FA02
2C056FB05
2C056FC01
2C056FD10
2H113AA01
2H113AA05
2H113BA03
2H113BA09
2H113BB22
2H113BC12
2H113CA17
2H113CA46
2H113FA29
2H113FA43
4D075AC02
4D075AC06
4D075AC11
4D075AC23
4D075AC25
4D075AC44
4D075AC45
4D075BB42Z
4D075BB46Z
4D075BB48X
4D075BB48Y
4D075BB91Y
4D075CA22
4D075DA06
4D075DC22
4D075EA14
4D075EB01
4F040AA22
4F040AB04
4F040AB20
4F040AC01
4F040BA06
4F040BA12
4F040BA24
4F040BA25
4F040BA26
4F040BA28
4F040BA29
4F040CA15
4F040CB05
4F040CB12
4F040CB14
4F040CB19
4F040CB26
4F040CB27
4F040CB28
4F040CB31
4F040DA12
4F040DA13
4F040DA14
4F040DB12
4F040DB16
4F041AA12
4F041AB01
4F041BA01
4F041BA10
4F041BA13
4F041BA22
4F041BA34
4F041BA46
4F041CA02
4F042AA22
4F042AB00
4F042BA08
4F042BA25
4F042CB11
4F042DB01
4F042DB41
4F042DF23
4F042DH09
5E319BB05
5E319CD26
5E319GG20
(57)【要約】
【課題】スクリーン印刷プロセスに起因する問題を回避しながら噴射不良に対処するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】材料(例えば、半田ペーストなどの粘性材料)のドット状部分を第1印刷ユニットにおいて中間基材の上に印刷又は別の方法で転写し、材料のドット状部分が印刷された中間基材を第2印刷ユニットに移動させ、次いで、材料のドット状部分を第2印刷ユニットで中間基材から最終基材に転写する、システム及び方法。任意選択的に、第1印刷ユニットは、ドナー基材上に材料の均一層を生成するコーティングシステムを含み、材料は、第1印刷ユニットにおいて、ドナー基材から中間基材の上に個別的ドット状部分で転写される。第1及び第2の印刷ユニットの各々は、様々な印刷技術又は他の転写技術を使用することができる。また、本システムは、プロセス全体を支援するために、材料の硬化ユニット及び撮像ユニットを含むことができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム(20a、20b、60、92、110、120)であって、
中間基材(36)上に材料(62)の個別的ドット状部分(40)を印刷するように構成された第1印刷ユニット(32)と、
前記材料(62)のドット状部分(40)を印刷させた前記中間基材(36)を受け入れて、前記材料(62)のドット状部分(40)を前記中間基材(36)から最終基材(38)へ転写するように構成された第2印刷ユニット(44)と、
を備え、
前記第1印刷ユニット(32)は、ドナー基材(28)上に前記材料(62)の均一層(26)を生成するように構成されたコーティングシステム(22)を含み、
前記コーティングシステム(22)は、
(a)前記材料(62)のシリンジ(64)、及び前記材料を前記ドナー基材(28)の上に駆動するように配置された空気又は機械ポンプであって、前記コーティングシステム(22)が更に、前記材料(62)を備えたドナー基材(28)をローラ又はナイフ(72)間の第1のギャップ(70)の方へ搬送して通過させ、第1のギャップ(70)により定められる厚みを有する材料(62)の均一層(26)をドナー基材(28)上に生成するように構成される、シリンジ(64)及び空気又は機械ポンプ、
(b)明確に定められた孔(140)を有するフィルムのスクリーン(130)又はステンシルを前記材料(62)で被覆するように構成されたスクリーン印刷モジュールであって、前記コーティングシステム(22)が更に、ブレード(136)又はスキージを用いて前記フィルムのスクリーン(130)又はステンシルから前記中間基材(36)へ前記材料(62)を転写するように構成される、スクリーン印刷モジュール、
(c)前記材料(62)を前記ドナー基材(28)の上に印刷するように構成されたディスペンサ又はインクジェットヘッド、
(d)前記材料(62)の均一層(26)で前記ドナー基材(28)を被覆するように構成されたグラビア又はマイクログラビアシステム、
(e)前記ドナー基材(28)を前記材料(62)の均一層(26)で被覆するように構成されたスロットダイシステム、
又は、
(f)前記ドナー基材(28)を前記材料(62)の均一層(26)で被覆するように構成されたローラコーティングシステム、
を含み、
前記第1印刷ユニット(32)は、前記個別的ドット状部分(40)の前記材料(62)を前記ドナー基材(28)から前記中間基材(36)の上に転写するように更に構成され、
前記第1印刷ユニット(32)及び/又は前記第2印刷ユニット(44)の何れか又は両方は、前記第1印刷ユニット(32)及び/又は前記第2印刷ユニット(44)が位置する重力場の主軸から0~90度又は90~180度だけ回転させたレーザアシスト堆積/レーザ分注システムである、
ことを特徴とする、システム(20a、20b、60、92、110、120)。
【請求項2】
前記コーティングシステム(22)は、制御された環境(34)に閉じ込められる、請求項1に記載のシステム(20a、20b、60、92、110、120)。
【請求項3】
前記コーティングシステム(22)は、複数の印刷手順で2以上の材料を前記ドナー基材(28)に塗布するように構成される、請求項1又は2に記載のシステム(20a、20b、60、92、110、120)。
【請求項4】
前記材料(62)は、プリンテッドエレクトロニクスに使用される半田ペースト又は他の金属ペースト、金属ペースト、セラミックペースト、高粘性材料、ワックス材料、ポリマー材料又はポリマーとモノマー材料との混合物、敏感な低粘性材料、紫外線(UV)光又は加熱により硬化可能な材料、又は乾燥可能な材料を含む、請求項1~3の何れか一項に記載のシステム(20a、20b、60、92、110、120)。
【請求項5】
前記第1印刷ユニット(32)及び/又は前記第2印刷ユニット(44)の何れか又は両方は、1つの基材から別の基材へ前記材料(62)のドット状部分(40)を噴射するように構成された高周波レーザを含むレーザベースのシステムを備える、請求項1~4の何れか一項に記載のシステム(20a、20b、60、92、110、120)。
【請求項6】
前記第1印刷ユニット(32)は、前記材料(62)のドット状部分(40)を前記中間基材(36)に直接噴射するように構成されたインクジェットヘッドシステム;前記材料(62)のドット状部分(40)を前記中間基材(36)に直接印刷するように構成されたディスペンサヘッドシステム;又は前記材料(62)のドット状部分(40)を前記中間基材(36)に直接印刷するように構成されたオフセット印刷モジュール、グラビア印刷モジュール又は他の印刷モジュールのうちの1つを備える、請求項1に記載のシステム(20a、20b、60、92、110、120)。
【請求項7】
前記第1印刷ユニット(32)は、前記ドナー基材(28)と前記中間基材(36)との間に第2ギャップ(112)を維持するように構成される、請求項1~6の何れか一項に記載のシステム(20a、20b、60、92、110、120)。
【請求項8】
前記中間基材(36)は連続フィルム基材であり、前記システム(20a、20b、60、92、110、120)は、前記第1印刷ユニット(32)にて前記中間基材(36)上に印刷された前記材料(62)のドット状部分(40)を前記第2印刷ユニット(44)に送達するローラを含む、請求項1~7の何れか一項に記載のシステム(20a、20b、60、92、110、120)。
【請求項9】
前記中間基材(36)は透明な固体基材(124)であり、前記システム(20a、20b、60、92、110、120)は、前記第1印刷ユニット(32)にて前記中間基材(36)上に印刷された前記材料(62)のドット状部分(40)を前記第2印刷ユニット(44)に送達するためのロボットアームを含む、請求項1~7の何れか一項に記載のシステム(20a、20b、60、92、110、120)。
【請求項10】
前記システム(20a、20b、60、92、110、120)は、(i)前記第1印刷ユニット(32)から前記第2印刷ユニット(44)への前記中間基材(36)の移動中に前記中間基材(36)上に印刷された前記材料(62)のドット状部分(40)を硬化させる、(ii)前記材料(62)のドット状部分(40)を前記最終基材(38)へ転写させた後で前記最終基材(38)を硬化させる、又は(iii)この両方を行う、ように配置された紫外線(UV)光(116)及び/又はヒータ(116)を更に備える、請求項1~9の何れか一項に記載のシステム(20a、20b、60、92、110、120)。
【請求項11】
前記システム(20a、20b、60、92、110、120)は、(i)前記第1印刷ユニット(32)から前記第2印刷ユニット(44)への前記中間基材(36)の移動中に前記中間基材(36)上に印刷された前記材料(62)のドット状部分(40)、(ii)前記材料(62)のドット状部分(40)が前記最終基材(38)に転写された後の前記材料(62)のドット状部分(40)、又は(iii)この両方、を撮像するように配置された1又は2以上の撮像システム(50)を更に備える、請求項1~10の何れか一項に記載のシステム(20a、20b、60、92、110、120)。
【請求項12】
前記撮像システム(50)の少なくとも1つは、(i)前記中間基材(36)が前記第1印刷ユニット(32)から前記第2印刷ユニット(44)へ移動する間に、前記中間基材(36)上に印刷された前記材料(62)のドット状部分(40)を2次元又は3次元で測定し、(ii)前記材料(62)のドット状部分(40)を前記最終基材(38)の上に転写する際に用いるため、前記測定により収集されたデータを前記第2印刷ユニット(44)へ転送するように構成される、請求項11に記載のシステム(20a、20b、60、92、110、120)。
【請求項13】
第1印刷ユニット(32)によって材料(62)の個別的ドット状部分(40)を中間基材(36)上に印刷するステップと、
前記材料(62)のドット状部分(40)が印刷された前記中間基材(36)を受け取るように構成された第2印刷ユニット(44)によって前記材料(62)のドット状部分(40)を最終基材(38)へ転写するステップと、
を含む、方法であって、
前記第1印刷ユニット(32)は、ドナー基材(28)上に前記材料(62)の均一層(26)を生成するコーティングシステム(22)を含み、
前記コーティングシステム(22)は、
(a)前記材料(62)のシリンジ(64)、及び前記材料を前記ドナー基材(28)の上に駆動するように配置された空気又は機械ポンプであって、前記コーティングシステム(22)が更に、前記材料(62)を備えたドナー基材(28)をローラ又はナイフ(72)間の第1のギャップ(70)の方へ搬送して通過させ、第1のギャップ(70)により定められる厚みを有する材料(62)の均一層(26)をドナー基材(28)上に生成するように構成される、シリンジ(64)及び空気又は機械ポンプ、
(b)明確に定められた孔(140)を有するフィルムのスクリーン(130)又はステンシルを前記材料(62)で被覆するように構成されたスクリーン印刷モジュールであって、前記コーティングシステム(22)が更に、ブレード(136)又はスキージを用いて前記フィルムのスクリーン(130)又はステンシルから前記中間基材(36)へ前記材料(62)を転写するように構成される、スクリーン印刷モジュール、
(c)前記材料(62)を前記ドナー基材(28)の上に印刷するように構成されたディスペンサ又はインクジェットヘッド、
(d)前記材料(62)の均一層(26)で前記ドナー基材(28)を被覆するように構成されたグラビア又はマイクログラビアシステム、
(e)前記ドナー基材(28)を前記材料(62)の均一層(26)で被覆するように構成されたスロットダイシステム、
又は、
(f)前記ドナー基材(28)を前記材料(62)の均一層(26)で被覆するように構成されたローラコーティングシステム、
を含み、
前記第1印刷ユニット(32)は、前記個別的ドット状部分(40)の前記材料(62)を前記ドナー基材(28)から前記中間基材(36)の上に転写し、
前記第1印刷ユニット(32)及び/又は前記第2印刷ユニット(44)の何れか又は両方は、前記第1印刷ユニット(32)及び/又は前記第2印刷ユニット(44)が位置する重力場の主軸から0~90度又は90~180度回転させたレーザアシスト堆積/レーザ分注システムである、方法。
【請求項14】
前記コーティングシステム(22)は、複数の印刷手順で2以上の材料を前記ドナー基材(28)の上に塗布する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記中間基材(36)上に印刷された材料(62)のドット状部分(40)、前記材料(62)のドット状部分(40)を転写した後の前記最終基材(38)、又はこれらの両方を、(i)紫外線(UV)及び/又は熱を用いて硬化する、(ii)1又は2以上の撮像システム(50)を用いて撮像する、又は(iii)この両方を行う、請求項13又は14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年2月3日出願の米国特許仮出願第62/969233号、及び2020年3月3日出願の米国特許出願第16/807489号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
(技術分野)
本発明は、半田ペーストなどの粘性材料を印刷するシステム及び方法に関し、フィルムに対する粘性材料の初期印刷を適度な印刷品質で行い、引き続き、フィルムから基材への印刷済み粘性材料の転写をレーザアシスト堆積/レーザ分注システムにより高解像度且つ高速で行うものである。
【背景技術】
【0003】
表面実装技術(SMT)とは、従来の組み立てのように電子部品をPCB内の孔に挿入するのとは対照的に、プリント回路基板(PCB)の表面に構成部品を実装するために使用される電子組立の分野である。SMTは、製造コストを削減し、PCBスペースを効率的に使用できるように開発された。表面実装技術の導入と絶え間なく向上する自動化レベルの結果として、今では、非常に複雑な電子回路を、再現性よく、ますます小さな組立体に仕上げることが可能となっている。
【0004】
表面実装の半田付けプロセスは、電子部品又は基板の電気接点、少量の半田ペースト及び半田濡れ性パッドを互いに近接させて配置するステップを伴う。次いで、半田がリフローするまで材料を加熱して、半田濡れ性パッドと電子部品の電気接点の間に電気接続を形成する。ひとたび半田がリフローすると、電子部品とプリント回路基板との間に電気的及び機械的な接続が形成される。このプロセスは、構成部品を同時に相互接続することができ、再現性があり、低コストであり、そして大量生産に適合させやすいため、他の相互接続方法に勝る多くの利点を有する。
【0005】
表面実装組立プロセスの最も重要な部分の1つは、プリント回路基板に半田ペーストを塗布することである。このプロセスの目的は、半田付けされる各パッドの上に正しい量の半田を正確に堆積させることである。これは一般的に、ステンシル又は箔を通して半田ペーストをスクリーン印刷することで行われるが、ジェット印刷によって行われる場合もある。プロセスのこの部分は、正しく制御されなければ大部分の組立不良の原因になると広く考えられている。
【0006】
半田ペースト自体は、フラックス組成物と粉末状半田金属合金の混合物であり、電子産業で広く使用されている。室温では、半田ペーストは十分に順応性があるので、事実上あらゆる形状に適合させることができる。同時に、半田ペーストは十分に「粘着性」であるため、接触するどのような表面にも粘着する傾向がある。これらの特質により、半田ペーストは、表面実装の半田付けにも、ボールグリッドアレイパッケージなどの電子部品上又はプリント回路基板上の半田バンプ形成にも有用である。
【0007】
半田ペーストの印刷は、現行の表面実装組立プロセスにおいて非常に重要な段階である。印刷にステンシル又はフィルムを使用する場合、その手順に悪影響を与えて最終製品に不良をもたらす可能性のある項目がいくつか存在する。例えば、ステンシル自体は、非常に精密である必要がある:厚すぎるステンシルは半田のブリッジ短絡を引き起こすことになり、一方で薄すぎるステンシルは、不十分な半田の塗布をもたらすことになる。同様に、ステンシルの開口サイズが大きすぎると半田のブリッジ短絡が発生するが、小さすぎると半田ペーストが十分に塗布されない。一般に、PCBのパッドサイズより僅かに小さい円形状のステンシル開口を使用して、リフロー時のブリッジング不良を防止することが最良と考えられている。それでもなお、ステンシルの製作で不良が発生する場合がある。
【0008】
スクリーン印刷に使用するブレードも最適化する必要がある:ブレード角は、半田ペーストに加わる鉛直方向力に影響を与える。その角度が小さすぎると、半田ペーストは、ステンシルの開口内に押し込まれることになる。ブレード圧が小さすぎると、半田ペーストのステンシルへのきれいな塗布が妨げられ、高すぎると、ペーストの漏出をもたらすことになる。
【0009】
もう1つの重要なポイントは、印刷速度が高いほど、ステンシル開口面を介した半田ペーストの塗布に費やされる時間が短くなるため、印刷速度が高いと半田の塗布が不十分となる可能性があることである。現行のプロセスでは、印刷速度をおよそ20~40mm/sに制御する必要があり、従って、最大速度は、印刷プロセスによって制限されているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許仮出願第62/969233号明細書
【特許文献2】米国特許出願第16/807489号明細書
【特許文献3】国際公開第2007/084888(A2)号
【特許文献4】米国公開特許公報第2011/0017841(A1)号明細書
【特許文献5】米国特許第9808822(B2)号明細書
【特許文献6】米国特許第8740040(B2)号明細書
【特許文献7】米国公開特許公報第2005/109734(A1)号明細書
【特許文献8】米国特許第6122036(A)号明細書
【特許文献9】国際公開第2016/198291号
【特許文献10】欧州特許第3219412(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
半田ペーストが高粘度のチクソトロピー性材料であり、ひいては噴射が非常に複雑なものとなるため、印刷プロセスへのジェット印刷の使用は制限されているが、それは、ほとんどの噴射ヘッドが低粘度材料用に設計され、非常に目詰まりしやすいからである。しかしながら、噴射及び分注は、この分野における広範な研究から分かるように、非常に有望な手法である。例えば、国際公開第2007/084888(A2)号、米国公開特許公報第2011/0017841(A1)号、米国特許第9808822(B2)号、及び米国特許第8740040(B2)号を参照されたい。有望ではあるが、粘性材料の噴射は、或る程度の望まれないデブリと共に、最終組立品内の欠陥を生み出す。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、半田ペースト材料(又は何れか他の粘性材料)をジェット印刷することが望ましいが、最終組立品に欠陥を生じさせない方法でそれを行うことが望ましいと認識している。そのために、本発明者らは、噴射プロセスと塗布プロセスを分離し、それによってスクリーン印刷プロセスに起因する問題を回避しながら噴射不良に対処するシステム及び方法を開発した。本発明の一実施形態では、半田ペースト印刷システムは、中間基材への初期印刷と、最終基材への二次的な高精度、デブリの少ない~無い印刷とを含む。このシステムは、様々なプロセスの監視及び制御のために1又は2以上の撮像装置を含むことができる。また、最終製品と共に中間材料に対する硬化装置も、含むことができる。
【0013】
本発明の一部の実施形態では、印刷システムは、基材上に印刷材料の均一層を生成するコーティングシステムを含む。存在する場合に、コーティングシステムは、印刷材料のシリンジと、材料をドナー又はキャリア基材の上に駆動する空気又は機械式ポンプとを含むことができる。次にドナー基材を、ローラ間又はナイフ間に明確に定められたギャップの方へ移動させて通過させ、ギャップによって定められる厚さを備えた印刷材料の均一層を生成する。代わりに、コーティングシステムはスクリーン印刷モジュールを含むことができ、その場合、明確に定められた孔を備えたフィルムのスクリーン又はステンシル上に材料を被覆させ、ブレード又はスキージを用いて、材料をソフト又はハードな係合でドナー基材に転写する。 本発明の更に別の実施形態では、コーティングシステムは、材料を基材の上に印刷するディスペンサ又はインクジェットヘッド、グラビア又はマイクログラビアシステム、スロットダイシステム、又は印刷すべき材料の高均一層で基材を被覆するローラコーティングシステムを含むことができる。制御された環境(低温又は高温)を備えた閉鎖区画内にコーティングシステムを収容して、印刷材料からの溶剤の蒸発を防ぎ又は材料の酸化を防ぎ、それによって材料のポットライフを延ばすことができる。また、コーティングシステムは2つ以上の材料を含むことができ、それによって、制御された順序で中間基材の上に複数の材料を印刷する可能性が生み出され、最終基材に2つ以上の材料を印刷することが可能となる。コーティングシステム内で、ドナー基材は、制御された方法で、例えばコータローラ間のギャップを広げながら、両方向に又は別様に並進可能であり、ローラの汚染なしにドナー基材の同じ領域を印刷材料で再被覆する可能性を生み出し、初期印刷プロセス中に消費される基材の量を低減又は排除し、それによって浪費を防止することができる。
【0014】
本発明の様々な実施形態では、印刷材料は、プリンテッドエレクトロニクスに使用される半田ペースト又は他の金属ペースト(複数可)、金属ペースト又はセラミックペースト、高粘性材料、ワックス材料、ポリマー材料又はポリマー材料とモノマー材料の混合物、敏感な低粘性材料、紫外(UV)光又は可視光で或いは加熱で硬化可能な材料、又は乾燥可能な材料である。
【0015】
第1及び/又は第2の印刷プロセス(複数可)の何れか又は両方は、1つの基材から別の基材への材料噴射を可能にするために、高周波レーザを収容するレーザベースのシステムを用いることができる。印刷プロセスのどちらでも、それが位置する重力場の主軸から0~90度又は90~180度だけ回転させて、印刷品質を低下させることなく、より簡単な機構を可能にしたレーザアシスト堆積/レーザ分注システムを用いることができる。
【0016】
場合により、第1印刷プロセスは、中間基材に直接材料を噴射することを可能にするインクジェットヘッドシステム、中間基材に直接材料を印刷することを可能にするディスペンサヘッドシステム、又は中間基材に直接材料を印刷することを可能にするオフセット印刷機モジュール、グラビア印刷モジュール、又は別の印刷機モジュールを用いることができる。代わりに、第1印刷プロセスは、スクリーン印刷モジュールを用いることができ、その場合、明確に定められた孔を備えたフィルムのスクリーン又はステンシル上に材料を被覆させ、ブレード又はスキージを使用して、その材料をソフト又はハードな係合で基材に転写し、基材上にドットを作り出す。本発明の一部の実施形態では、第1印刷ユニットにて中間基材へ印刷した後、印刷された中間基材を更にUV光で硬化させて又はヒータで乾燥させて、第2の(又は付加的な)層印刷のために第1印刷ユニットに戻す。
【0017】
本発明の一部の実施形態では、第1印刷ユニットは、ドナー基材と中間基材の間に極めて明確に定められるギャップを維持するように構成されたギャップ制御ユニットを含む。例えば、被覆された基材と中間基材の間に極めて明確に定められるギャップは、米国公開特許公報第2005/109734(A1)号、米国特許第6122036(A)号、国際公開第2016/198291号、及び欧州特許第3219412(A1)号に記載されるように、並進と回転の両方を可能にする制御ユニットの角部にある3つのアクチュエータから成る平面で維持することができる。このようなアクチュエータを被覆基材と中間基材の両方に対する制御ユニットの角部で用いて、2つの平面における並進と回転の両方を可能にすることができ、その場合、2つの平面は互いに独立している又は重なり合っている。
【0018】
本発明の別の実施形態では、ドナー基材と中間基材の間に極めて明確に定められるギャップは、コーティングシステム構成の一部である中間基材の下方に固定支持体を設けることによって達成される。或いは、中間基材としてフィルムの代わりに透明な固体基材を用いることによって、被覆基材と中間基材の間に極めて明確に定められるギャップを達成することができる。
【0019】
本発明の一部の実施形態では、中間基材は、連続した透明フィルム基材、金属層によって又は金属層及び誘電体層によって被覆された透明フィルム基材、或いは透明固体基材とすることができる。
【0020】
本発明の一部の実施形態では、第1印刷の後、中間基材をモータで、第1印刷ユニットから第2印刷ユニットに向かって移動させる。従って、中間基板は、転動によって、第1印刷ユニットで印刷された材料を第2印刷ユニットに送達することのできる連続フィルム基材とすることができる。或いは、中間基材は、ロボットアームにより任意の方向転換(複数可)を伴って、第1印刷ユニットにて印刷された材料を第2印刷ユニットへ送達することのできる透明な固体基材とすることができる。
【0021】
本発明の一部の実施形態では、第1印刷ユニットから第2印刷ユニットへの中間基材の移動中、印刷された材料をUV光で硬化させる、又はヒータで乾燥させる。更に、印刷された画像を撮像システムで処理することができる。このような撮像システムは、中間基材上に印刷された材料ドットの写真を撮影し、そのドットを2次元で測定する顕微鏡又は電荷結合素子(CCD)とすることができ、測定データはその後、最終基板上への正確な堆積のために第2印刷ユニットに転送される。代わりに、撮像システムは、中間基材上に印刷された材料ドットの写真を撮影し、そのドットを3次元で測定する3次元(3D)顕微鏡とすることができ、測定データはその後、最終基板上への正確な堆積のために第2印刷ユニットに転送される。本発明の更に別の実施形態では、撮像システムは、一方が中間基材上の印刷された材料ドットを撮像し、そのドットを2次元(例えば、長さと幅)で測定するのに対し、他方がドットを第3の次元(例えば、高さ)で測定するように配置された2つの顕微鏡又はCCDであり、測定データの全てはその後、最終基材上への正確な堆積のために第2印刷ユニットに転送される。何れにしても、撮像システムは、第2印刷ユニットの前方及び/又は後方に含まれるとすることができ、中間基材、最終基材、又はこの両方から画像を取り込むことができる。本発明の一実施形態では、第2印刷ユニットにある撮像システムは、中間基材の表面から画像を得るためのミラー、及び/又は第2印刷ユニットの主レーザチャネルを用いて、ドットの寸法と最終基材の標的領域の両方を同時に撮像することができる。
【0022】
本発明の一部の実施形態では、第2印刷ユニットは、レーザジェット放出によって中間基材から最終基材へのドット噴射を可能にする高周波レーザを収容するレーザベースのシステム、1次元又は2次元(2D)配列走査レーザを備えたレーザジェット放出システムとすることができる。代わりに、場合によっては、第2印刷ユニットは、中間基材が最終基材と直接係合する堆積位置だけを含むとすることができる。何れにしても、第2印刷ユニットで(又は別の方法で)最終基材へ印刷した後で、印刷された最終基材を更にUV光で硬化させる、又はヒータで乾燥させることができる。
【0023】
以下、本発明のこれら及び更なる実施形態について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明は、限定ではなく例示として、添付図面の図に示される。
図1】半田ペーストなどの粘性材料に関する高解像度且つ高速の印刷を提供するために、狭ギャップ又はコンタクトギャップ印刷システム(又は非デジタル印刷システムさえも)、印刷前の処理及び/又は検査、並びにデジタルの高ギャップ印刷を使用する、本発明の実施形態に従って構成されるシステムを概念的に示す図である。
図2a図1に提示した概念的全体像に従って構成されたシステムの態様を概略的に示す図である。
図2b図1に提示した概念的全体像に従って構成されたシステムの態様を概略的に示す図である。
図3a図2に示した概略図に従って構成されたシステムの代替配置であって、第1印刷ユニットでのレーザアシスト堆積に基づくそのようなシステム例を示す図である。
図3b図2に示した概略図に従って構成されたシステムの代替配置であって、第1印刷ユニット内のグラビア非デジタル印刷システムに基づく同様のシステム例を示す図である。
図3c図2に示した概略図に従って構成されたシステムの代替配置であって、本システムに対する構成例の付加的な詳細を示す図である。
図3d図2に示した概略図に従って構成されたシステムの代替配置であって、重力による制約を示さないシステムに対する別の構成例の付加的な詳細を示す図である。
図3e図2に示した概略図に従って構成されたシステムの代替配置であって、透明な固体基材の並進移動を備えたシステムの更に別の構成を示す図である。
図4a】本発明の一部の実施形態に従って、フィルム基材上にシリンジで材料を載せることによる均一フィルムの作製を示す図である。
図4b】本発明の一部の実施形態に従って、明確に定められたギャップに材料を通して均一層を生成することによる均一フィルムの作製を示す図である。
図5a】本発明の一部の実施形態に従って、フィルム基材に直接スクリーン印刷する例を示す図である。
図5b】本発明の一部の実施形態に従って、フィルム基材に直接スクリーン印刷する例を示す図である。
図6】本発明の一部の実施形態に従って、レーザアシスト堆積/レーザ分注システムを用いて格子基材から材料を印刷する例を示す図である。
図7】本発明の一部の実施形態に従って、レーザジェット放出システムを用いてフィルム基材からドット状の材料を印刷する例を示す
図8】本発明の一部の実施形態に従って、主レーザチャネル又はミラーを用いて固体又はフィルム基材上のドットを撮像する態様を示す図である。
図9図9は、本発明の一部の実施形態に従って、UV硬化システム又は乾燥機を追加した、複数の印刷層を用いてスタンプを印刷する態様を示す図である。
図10】本発明の一部の実施形態に従って、UV硬化システム又は乾燥機を追加した場合に、同じ層内に複数の材料を印刷する態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明を詳しく説明する前に、本発明の実施形態に従って、半田ペーストなどの粘性材料に関する高解像度且つ高速の印刷を提供するために、狭ギャップ又はコンタクトギャップ印刷システム(又は非デジタル印刷システムさえも)12、印刷前の処理及び/又は検査14a,14b、並びにデジタルの高ギャップ印刷16を使用するシステム10の概念的全体像を与える図1を参照することが役に立つ。以下で更に説明するように、狭ギャップ又はコンタクトギャップ印刷システム12は、中間基材への粘性材料の初期印刷を実行する。印刷前の処理及び/又は検査14a,14bの一部として、中間基材を1又は2以上の撮像装置で観察して、初期及び後続の印刷プロセスを監視及び制御することができる。次に、粘性材料の、最終基材に対する第2の高ギャップ印刷16の一部として、中間基材を使用することができる。この第2の印刷手順もまた、1又は2以上の撮像装置で観察されるとすることができ、高精度であり、もしあるとしてもデブリをほとんど形成しない。この2段階印刷手順の一実施態様では、粘性材料は、第1の印刷プロセスによって中間基材上にドット(例えば、小さな、概ね丸いスポット又は液滴)として分配され、次に撮像システムを通って第2の印刷プロセスに移動し、ドット(又は少なくともその一部)が最終基材上に堆積する。
【0026】
第1印刷プロセスは、レーザアシスト堆積又は他のレーザ分注印刷とすることができ、その場合、粘性材料のドットは、被覆された基材(例えば、ドナー基材)上のその均一層から、高周波レーザを用いて中間基材の上に(又はその中に)射出される。材料の噴射は、ドットサイズのばらつきを最小限に抑えるために、明確に定められた堅牢な方法で行われることが好ましい。ドナー基材上への粘性材料の均一な被覆を確実にするために、任意のコーティングシステム18を用いてドナー基材を被覆した後で、それをレーザアシスト堆積又は他のレーザ分注印刷が実行される第1の印刷ユニットに供給することができる。このコーティングシステムは、マイクログラビア又はスロットダイコータ又はローラコーティングシステムに基づくコーティングシステムなど、従来のコーティングシステムとすることができる。代わりに、コーティングシステムは、スクリーン印刷に基づくコーティングシステム、ディスペンサ、又はインクジェットシステムとすることができる。更に別の実施形態では、コーティングシステムは、シリンジ及びギャップシステムに基づくことができ、その場合、粘性材料がシリンジからドナー基材に分注され、次いでその基材が、例えば他種障壁のブレード、或いは1対のローラ又はシリンダによって形成される、明確に定められたギャップを通過する。ギャップを通過した後には、粘性材料の均一層がドナー基材上に存在することになり、レーザアシスト堆積/レーザ分注システムは、被覆されたドナー基材から中間基材に材料のドットを噴射することができる。第1印刷プロセスでの印刷用に粘性材料の均一層を供給した後、ドナー基材を(コーティングシステムに戻し(例えば、ループを成して又は直線的並進移動によって)、第1印刷プロセスによる次の印刷のためにドナー基材上に新たな均一被覆層を作り出すことができる。ドナー基材は、金属(又は他の)皮膜の有無を問わず、透明フィルム又は他の基材とすることができる。
【0027】
本発明の実施形態に従って構成されたシステムを用いて、多種多様な液体及び/又はペースト材料を印刷することができる。しかしながら、本発明は、他の方法では高解像度にうまく印刷できない高粘性材料の印刷に対して特に利点を提供する。 例えば、本発明の実施形態に従って構成されたシステムは、半田ペースト及び他の金属ペーストと共に、アクリル、エポキシ、及びウレタンベースの接着剤、ペースト又はワックスなどの高粘性ポリマーの印刷に特定の用途を見出す。本発明はまた、印刷する材料の溶媒蒸発又は酸化を回避するために、第1印刷プロセスに先立って、被覆されたドナー基材を制御された環境に維持することができるので、敏感な材料の印刷に関して使用することができる。このような空間は、温度感受性材料のために制御された領域を提供することもできる。
【0028】
第1印刷プロセスは、必ずしもレーザアシスト堆積/レーザ分注システムを使用する必要はない。一部の実施形態では、第1印刷プロセスは、ディスペンサ又はインクジェットヘッドを使用することができ、或いはオフセット印刷、グラビア印刷、又は他の印刷技法など、従来の2D印刷技法を使用することができる。第1印刷プロセスはまた、スクリーン印刷又はこれらの技法の組み合わせを用いて実行することができる。
【0029】
粘性材料を中間基材から最終基材に転写する第2の印刷プロセスは、レーザジェット放出システムを利用することができる。例えば、粘性材料が中間基材上にドットの形態で存在する場合、レーザジェット放出システム形態の印刷ヘッドを用いて、粘性材料のドットの一部又は全部を中間基材から最終基材に選択的に転写することができる。レーザジェット放出システムは、中間基材を2次元で走査して中間基材から最終基材にドットを噴射するように配置された高周波レーザを含むことができる。代わりに、中間基材が最終基材と直接係合してその間で粘性材料のドットを転写する、直接転写システムを用いることができる。最終基材への印刷後、粘性材料を紫外線又は赤外線で硬化させる、或いはヒータで乾燥させることができる。
【0030】
図2a及び図2bは、図1に提示した概念的全体像に従って構成されたシステム20a,20bの態様を概略的に示す。これらのシステムの各々は、粘性材料の噴射プロセスを塗布プロセスから分離し、それによって、従来の印刷プロセスに起因する問題を回避しつつ、噴射不良に対処する。それぞれのシステムは、噴射及び塗布プロセスを監視し制御するために1又は2以上の撮像装置を含む。図2bにおいて、印刷システム20bは、ドナー基材28上に、印刷すべき材料(例えば、印刷電子機器に用いられる半田ペースト又は他の金属ペースト(複数可)などの高粘性材料、セラミックペースト、ワックス材料、ポリマー材料又はポリマー材料とモノマー材料との混合物、或いは敏感な低粘性材料)の均一層26を形成するコーティングシステム22を含む。
【0031】
本発明の一実施形態では、コーティングシステム22は、印刷すべき材料のシリンジと、その材料をドナー基材28の上に駆動する空気又は機械式ポンプとを含む。次に、モータを用いて、ローラ間又はナイフ間の明確に定められたギャップの方へドナー基材28を移動させ、ギャップによって定められる厚さを備えた印刷すべき材料の均一層26を作り出す。本発明の一部の実施形態では、ドナー基材28は、制御された方法で両方向に並進移動する一方で、コータローラ間のギャップを広げ、ローラへの汚染なしにドナー基材の同じ領域を印刷すべき材料で再被覆する可能性を生み出し、初期印刷プロセス中に消費される基材の量を低減又は排除し、それによって浪費を防止することができる。
【0032】
別の実施形態では、コーティングシステム22はスクリーン印刷モジュールを含むことができ、その場合、明確に定められた孔を備えたスクリーン又はステンシルを用いてドナー基材28が被覆され、ブレード又はスキージを用いて粘性材料がそこに塗布され、後でソフト又はハードな係合で粘性材料がドナー基材28に転写される。代わりに、コーティングシステム22は、粘性材料をドナー基材28に印刷するためのディスペンサ又はインクジェットヘッドを含むことができる。或いは、コーティングシステム22は、印刷すべき材料の高度に均一な層26でドナー基材28を被覆するグラビア又はマイクログラビアシステムとすることができる。本発明の一実施形態では、コーティングシステム22は、印刷すべき材料の高度に均一な層26でドナー基材28を被覆するスロットダイシステムである。本発明の別の実施形態では、コーティングシステム22は、印刷すべき材料の高度に均一な層26でドナー基材28を被覆するローラコーティングシステムである。詳細には示さないが、図2aの印刷システム20aはまた、上述の第1印刷プロセスを形成する狭ギャップ/コンタクト印刷プロセス30の一部として、コーティングシステムを含むこともできる。
【0033】
図2aに示すように、本発明の一実施形態では、第1印刷ユニット32と、任意選択的にコーティングシステム22とを含むことのできる狭ギャップ/コンタクト印刷プロセス30は、印刷すべき材料からの溶剤の蒸発を防ぐため、又は材料の酸化を防ぐために、制御された環境34(低温又は高温)を備えた閉鎖区画内に収容され、それによって材料のポットライフが延びる。本発明の一部の実施形態では、コーティングシステム22は2つ以上の材料を収容し、それによって、制御された順序で中間基材36の上に複数の材料を印刷する可能性が生み出され、最終基材38に2つ以上の材料を印刷することが可能となる。
【0034】
第1印刷ユニット32は、印刷すべき材料の領域24を中間基材36上に作り出す。本発明の一実施形態では、システムの中間基材36として、連続した透明フィルム基材を使用する。代わりに、金属層で、又は金属層と誘電体層で被覆された透明フィルム基材を本システム用の中間基材36として使用することができる。
【0035】
狭ギャップ/コンタクト印刷プロセス30で使用される第1印刷ユニット32は、レーザアシスト堆積/レーザ分注システムによってドナー基材28から中間基材36に被覆材料26の層の一部を噴射するように構成された高周波レーザを収容する、レーザベースのシステムを含むことができる。レーザアシスト堆積/レーザ分注システムは、それが位置する重力場の主軸から0~90度又は90~180度だけ回転させることができ、印刷品質を低下させることなく、より簡単な機構が可能となる。
【0036】
代わりに、コーティングシステムを使用しない場合には、第1の(例えば、狭ギャップ/コンタクト)印刷プロセス30は、印刷すべき材料を中間基材36に直接噴射できるようにするインクジェットヘッドシステムを用いることができる。代わりに、第1印刷プロセスは、材料を中間基材36に直接材料を印刷できるようにするディスペンサヘッドシステムを使用することができる。或いは、第1印刷プロセスは、オフセット印刷機モジュール、グラビア印刷モジュール、又は何れかの従来型印刷技法を使用して、中間基材36に直接材料を印刷することができる。例えば、第1印刷プロセスは、スクリーン印刷モジュールを使用することができ、その場合、明確に定められた孔を備えたフィルムのスクリーン又はステンシル上に印刷すべき材料を被覆させ、ブレード又はスキージを使用して、その材料を中間基材36にソフト又はハードな係合で転写させ、中間基材36上に印刷すべき材料のドット配列40を作り出す。
【0037】
本発明の一部の実施形態では、狭ギャップ印刷プロセス30で使用される第1印刷ユニット32は、ドナー基材28と中間基材36の間に極めて明確に定められるギャップ制御ユニットを含む。一例では、ドナー基材28と中間基材36の間に極めて明確に定められるギャップは、参照により本明細書に組み込まれる米国公開特許公報第2005/109734(A1)号、米国特許第6122036(A)号、国際公開第2016/198291号、及び欧州特許第3219412(A1)号に記載されるように、並進と回転の両方を可能にする制御ユニットの角部にある3つのアクチュエータの組を用いて維持される。3つのアクチュエータユニットの組をドナー基材と中間基材の両方に対する制御ユニットの角部で用いて、両平面における並進と回転の両方を可能にすることができ、その場合、2つの平面は互いに独立している又は重なり合っている。代わりに、ドナー基材28と中間基材36の間に極めて明確に定められるギャップは、ドナー基材及び/又は中間基材の下方に固定支持体を設けることで維持することができる。或いは、中間基材36としてフィルムの代わりに透明な固体基材を用いることによって、ドナー基材28と中間基材36の間に極めて明確に定められるギャップを維持することができる。
【0038】
本発明の一部の実施形態では、第1印刷ユニット32で中間基材36に印刷した後、印刷された中間基材は、粘性材料の第2の(又は付加的な)層印刷のために第1印刷ユニット32に戻される。何れにしても、粘性材料を用いて(ドット40又は他の領域24の形で)印刷された後、中間基材36は、第1印刷ユニット32から第2印刷ユニット44に向かって移動する。場合により、第2印刷ユニットは、インライン検査ユニット48を備えた選択的放出システム46(例えば、レーザベースのシステム)とすることができる。中間基材は、例えば中間システムがフィルム又は類似の基材である場合、モータで移動させることができ、或いは、中間基材が連続フィルム基材である場合には、第1印刷ユニットにて印刷された材料を第2印刷ユニットに送達する転動で移動させることができる。本発明の一実施形態では、中間基材36は、ロボットアームを用いて、第1印刷ユニットにて印刷された材料を第2印刷ユニットへ、その間に任意の方向転換(複数可)を伴って送達することのできる透明な固体基材である。
【0039】
本発明の一部の実施形態では、第1印刷ユニット32から第2印刷ユニット44への中間基材36の移動中、中間基材上に印刷された材料(紫外(UV)光で又は加熱によって硬化させられる材料とすることができる)を紫外線で硬化させる、又はヒータで乾燥させることができる。更に、中間基材36が第1印刷ユニット32から第2印刷ユニット44へ移動する間に、中間基材に印刷された材料を撮像システム50で処理することができる。
【0040】
このような撮像システム50は、中間基材36上に印刷された材料のドット40の写真(複数可)を撮影してドットを2次元又は3次元で測定する、1又は2以上の顕微鏡、電荷結合素子(CCD)、及び/又は他の撮像部品とすることができる。例えば、撮像システム50は、一方が中間基材上に印刷されたドットを撮像し、ドットを2次元(例えば、長さ及び幅)で測定するのに対して、他方がドットを第3の次元(例えば、高さ)で測定するように配置された2つの顕微鏡又はCCDを含むことができる。この測定データを引き続き第2印刷ユニット44に転送して、最終基材38上への粘性材料の正確な堆積を確保するようにすることができる。例えば、そしてまた図2Aに示すように、光学的な又は他の撮像検査により、ドット40の多くは最終基材38への転写に適している(例えば、図中にチェックマークで示す)が、ドット40の一部が形状不良である、又は最終基材38への転写にはその他の点で適さない(例えば、図中に「X」で示す)ということが明らかになる可能性がある。その場合、このデータにアクセスできるコントローラ(図示せず)は、第2印刷ユニットを操作して、ドット40の内、適さないものの最終基材への転写を省略するようにすることができる。撮像システムは、第2印刷ユニット44の材料転写領域の前方及び/又は後方に含まれるとすることができて、中間基材36、最終基材38、又はこの両方から画像を取り込むことができる。本発明の一実施形態では、撮像システムは第2印刷ユニット44に位置決めされ、中間基材36の表面から画像を得るために使用されるミラー又は他の光学要素及び/又は第2印刷ユニット44のレーザチャネル52を用いて、同時にインライン検査システム48を使用しながらドットの寸法と最終基材の印刷領域との両方を撮像することができる。
【0041】
上述したように、第2印刷ユニット44は、例えば、レーザジェット放出によって材料のドット40の適したものを中間基材36から最終基材38に(コントローラの制御下で)噴射するように構成された高周波レーザを収容する、レーザベースのシステムとすることができる。本発明の一部の実施形態では、第2印刷ユニットは、標的領域を通過する際に中間基材36の上方でレーザビームをラスタ状パターンで走査して、材料のドット40の適したものを最終基材38の上に放出するように構成された2次元(2D)配列走査レーザを備えたレーザジェット放出システムとすることができる。このようなレーザジェット放出システムは、それが位置する重力場の主軸から0~90度又は90~180度だけ回転させることができ、印刷品質を低下させることなく、より簡単な機構が可能となる。
【0042】
本発明の一部の実施形態では、第2印刷ユニット自体は存在しないが、中間基材36が最終基材38と直接係合し、そのような接触を通して材料のドット40が中間基材36と最終基材38の間で転写される堆積位置だけが存在する。何れの例(レーザ転写又は直接的接触転写)でも、最終基材への印刷後、印刷された材料を更に、UV光で硬化させる、又はヒータで乾燥させることができる。
【0043】
図3Aは、本発明に従って構成されたシステム60の一例を示している。システム60は、上述したシステム20a及び20bの態様を例示したものである。特に、システム60は、リザーバ、例えばシリンジ64からドナー基材28の上に材料62を駆動するために、空気又は機械式ポンプ(図示せず)を用いてドナー基材28上に印刷すべき材料の均一層26を作り出すコーティングシステム22を含む。次いで、ローラ又はギヤ66を用いて、ローラ又はナイフ72間に明確に定められたギャップ70に向かってドナー基材28を移動させ、ドナー基材28上にギャップ70で規定される厚さで、印刷すべき材料の均一層26を作り出す
【0044】
システム60はまた、中間基材36上に材料62のドット40を生成するように構成された第1印刷ユニット32を含む。この例では、ドナー基材28は透明フィルムとすることができ、第1印刷ユニット32は、ドナー基材28から被覆材料の層26の一部を噴射して、材料の層26と中間基材36との界面にレーザビームを集束させることによって中間基材36の上にドット40を形成するように配置された高周波レーザを収容する第1レーザモジュール74を含んでいる。入射レーザビームは、相変化と高い局所圧力とを伴う局所加熱を引き起こし、これにより、中間基材36上への印刷材料の噴射が駆動される。第1印刷ユニット32における中間基材36への印刷後、印刷された中間基材は、ローラ又はギヤ66の方向を反転させるか、又はループ状プロセスでコーティングシステム22を通り抜ける中間基材36の移動を継続することによって、材料62の第2の(又は付加的な)層印刷のために戻されるとすることができる。
【0045】
代わりに、ドナー基材26は、コータ72によって材料62がスクリーンの孔に導入されるスクリーン又は格子とすることができ、コータ72はローラ又はブレードでもよい。このような場合、レーザモジュール74からの入射レーザビームは、印刷材料をスクリーンの孔から中間基材36の上に移す。
【0046】
ひとたびドット40が中間基材36上に印刷されると、ドットは、例えば、ローラ又はギヤ78を用いて中間基材36を動かすことにより、第2印刷ユニット44に向かって移動する。この図面には示さないが、中間基材は、連続ループ状方式で移動するフィルム基材とすることができるので、材料のドットを第1印刷ユニット32でその上に印刷し、続いて第2印刷ユニット44で最終基材38に転写し、今やむき出しの中間基材を第1印刷ユニット32の転写領域に戻して材料の新しいドット40を受け取ることができる。
【0047】
第1印刷ユニット32から第2印刷ユニット44への中間基材36の移動中、材料のドット40をUV光で硬化させる、又はヒータで乾燥させることができる。 更に、中間基材36が第1印刷ユニット32から第2印刷ユニット44へ移動する間に、中間基材に印刷された材料のドットを撮像システム50で処理することができる。それは、材料の印刷されたドット40の写真を撮影してドットを2次元又は3次元で測定する、1又は2以上の3D(80)及び/又は2D(82)の撮像部品を含む。この測定データを第2印刷ユニット44で用いて、最終基材38上への粘性材料の正確な堆積を確保するようにすることができる。
【0048】
第2印刷ユニット44は、インライン検査ユニット48を備えたレーザモジュール84を含むことができる。中間基材36を第2印刷ユニット44の標的領域86に移動させると、第1印刷ユニットにて印刷された材料を最終基材38に送達するために、レーザモジュール84を作動させて、中間基材36に入射するレーザビームを放射する。第2印刷ユニット44に位置決めされたインライン検査ユニット48は、中間基材36の表面から画像を取得して、2次元又は3次元で移動する構成されたステージ90を介して標的領域86の下方にある最終基材の位置合わせを助けると共に、中間基材36上の材料のドット40が標的領域86にある時にレーザモジュール84のパルス動作をt回同期させる助けとなるように使用される、ミラー88又は他の光学素子を含む。本発明の一部の実施形態では、第2印刷ユニット44のレーザモジュール84は、中間基材が標的領域86を通過する際にラスタ状パターンで中間基材36の上方へレーザビームを走査し、材料のドット40の適したものを最終基材38の上に放出するように構成することができる。材料は、第2印刷ユニット44へ向かう途中でUV硬化システム及び/又は乾燥システムを通過することができ、及び/又は、材料が最終基材38に印刷された後でUV硬化及び/又は乾燥を用いることができる。
【0049】
第1印刷ユニット32の代替配置を図3bに示す。この例では、本発明に従って構成されたシステム92はコーティングシステム22を含み、ここでは、空気又は機械式ポンプ(図示せず)を用いてリザーバ、例えばシリンジ64からローラ94の上に材料62が駆動される。ローラ94を窪ませて又は別の方法で凹部を備えて形成して、印刷すべき材料の規定量を収容することができ、この量が、材料転写領域100で2つのローラが互いに接触する時に印刷ローラ96に転写される。代わりに、ローラ94は、材料62が導入される孔を備えたスクリーン又は格子状表面を有することができる。ローラ96はスクリーンと接触して、それへの材料転写を達成することができる。ローラ96は、印刷領域102を通過する回転を完了すると、中間基材36の上にドット40の形態で材料を転写する。材料がローラ94から転写された後、そのローラは検査領域104を通過し、新たな材料層を塗布する前に、ナイフ106又は他の器具を用いて残りの材料を除去することができる。システム92の残りの要素は、図3aに示すシステム60に関して上述したとおりである。
【0050】
図3cは、本発明の更に別の実施形態を示している。このシステム110では、コーティングシステム22が、例えば上述した技法の内の1つを用いて、印刷すべき材料の均一層をドナー基材28上に作り出す。次いで第1印刷ユニット32が、ドナー基材28上の均一層から中間基材36の上に材料を印刷する。この例では、第1印刷ユニット32の近傍で中間基材36の下にある固定支持体114を用いることで、被覆されたドナー基材28と中間基材36の間に極めて明確に定められたギャップ112を維持することができる。システム110の残りの要素は前述のとおりであり、この例では、第2印刷ユニット44に向かう途中で中間基材上の材料を硬化させるための紫外線硬化システム及び/又は乾燥システム116の位置決めを示している。更にまた示すのは、中間基材36のための第2印刷後撮像システム118であり、これを用いて、第2印刷ユニット44による中間基材から最終基材38への材料の適切な転写を確実にすることができる。
【0051】
図3dは、この構成では第1印刷ユニットが位置する重力場に対して90度(又は何れか他の向き)で印刷ユニット32による第1印刷がなされることを除いて、図3cに示すシステム110と実質的に同様に構成されたシステム120を示す。例として、この説明図では、重力場をページの上から下へと仮定し、第1印刷ユニットは、その重力場に直交する角度でドナー基材28から中間基材36へ材料を印刷するように構成される。この配置は、レーザアシスト堆積/レーザ分注システムの印刷ヘッドと共に、上述した他の印刷システムの一部を用いて可能な構成よりも、小型で簡単な構成を提供する。
【0052】
前述したとおり、中間基材36はフィルムとすることができるが、他の実施例では、第1及び第2の印刷ユニット間でより良い位置合わせ及び同期を確保するために、透明固体基材124とすることができる。図3eは、被覆されたドナー基材28から透明固体基材124の上へ印刷し(左側の図)、次にそれを裏返して、最終基材上への印刷に使用される第2印刷ユニット44の標的を作り出す(右側の図)様子を示している。
【0053】
図4a及び4bは更に、本発明の一部の実施形態に従って、フィルム基材28上にシリンジ64で或る量の材料62を載せ(図4a)、明確に定められたギャップに材料を通して材料の均一層26を作り出す(図4b)ことによる、ドナー基材28上への材料の均一層26の生成を示す。明確に定められたギャップ126は、適切な制御ユニット(例えば、ステッパモータ又はピエゾトランスデューサ)を用いて1対のローラ128a、128b又はナイフを互いに近づけることによって作り出される。
【0054】
図5a及び5bは、本発明の一部の実施形態に従って、フィルム基材(中間基材36など)に直接スクリーン印刷する例を示す。この技法では、高粘度材料の液滴132をスクリーン又は格子130から印刷して、フィルム134などの受け基材上に2D及び/又は3D構造を形成する。初めに、粘性材料の実質的に均一な層をメッシュ状の搬送スクリーン130上に被覆させ、メッシュ表面への密着力及び表面張力によってその空所140内に保持する。次に、材料を被覆させたメッシュ130を作業領域に持ってきて、メッシュの孔の上方を通されるブレード136と接触させ、小ギャップ142を横切ってフィルム基材134の上に液滴132を射出させる。代わりに、液滴140をメッシュ状の搬送スクリーン130と接触させることによって、基材134の上に直接印刷することができる。どちらの印刷技法でも、印刷は一度に1つの液滴、又は一度に1つの層で行われることすることができる。
【0055】
スクリーン130の開口部140は、好ましくは均一なサイズ(又はほぼ均一)であり、規則的な(例えば、円形、正方形、長方形、長円形、三角形など)又は不規則な形状とすることができる。スクリーン130は、一般的に金属(例えば、金属箔)でできているが、プラスチック、ナイロン、ガラス、石英などを非限定的に含む、他の材料から製作することもできる。一部の実施形態では、スクリーンは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、又はポリイミド(例えば、Kapton(商標)などのプラスチック箔で作製することができる。スクリーンのメッシュ構造をレーザ穿孔で形づくることができ、この方法で、スクリーンの厚さ及びスクリーンの開口部寸法を互いに独立して制御することができる。好ましくは、スクリーン130は、ループ状コンベアの上に収容できるように可撓性材料でできているが、他の実施形態では、より剛性のあるスクリーンを用いることができ、そのスクリーンを収容する搬送機構を使用することができる(例えば、スクリーン全体を一度に平面内の1次元又は2次元で移動させるアクチュエータ)。従って、スクリーン130は、2つの平面次元の各々における開口部140の規則的配列であり、開口部の形状及び容積と共に、開口部を満たす材料の粘度及び組成に従って粘性材料の放出を助けるために、適切なアクチュエータ138を介して引張状態に維持される。
【0056】
図6は、本発明の一部の実施形態に従って、レーザアシスト堆積/レーザ分注システム150を用いて格子又はメッシュ状基材152から材料を印刷する例を示す。この実施形態では、レーザ152を用いて高粘度材料の液滴154を作り出し、この液滴は、凝集体に固化すると、受け基材(この図には示されない)の上に2D及び/又は3D構造を形成する。この技法では、粘性材料の実質的に均一な層をメッシュ状の搬送スクリーン156上に被覆させ、メッシュ表面への密着力及び表面張力によってその空所内に保持する。次に、材料を被覆させたメッシュを作業領域に持ってきて、レーザ152を用いてメッシュの孔内の材料を加熱し、液滴を射出させる。より詳細には、集束させたレーザビームを小作業領域で粘性材料の薄層に入射させ、この材料の薄層を、その中に小孔又は他の開口部が周期的に配置されたメッシュ状のスクリーン156を用いて、作業領域内に搬送する。上記のように、スクリーンの開口部は、用途に応じて所望のサイズで、規則的な(例えば、円形、正方形、長方形、長円形、三角形など)又は不規則な形状とすることができる。スクリーンは、金属(例えば、金属箔)、又はプラスチック、ナイロン、ガラス、石英などを非限定的に含む、他の材料で作製することができる。好ましくは、スクリーンは可撓性材料でできているが、他の実施形態では、より剛性のあるスクリーンを用いることができ、そのスクリーンを収容する搬送機構を使用することができる(例えば、スクリーン全体を一度に平面内の1次元又は2次元で移動させるアクチュエータ)。レーザが、透明な(少なくとも対象となるレーザ波長(複数可)において)基材158を通してスクリーン156の開口部(又は開口部に隣接する領域)に集束すると、開口部内の材料が加熱されて、液滴154が基材(この図には示されない)に向かって噴射される。液滴154は、スクリーン156の開口部とほぼ同じサイズであり、開口部内に含まれる材料の体積とほぼ等しい体積を有している。メッシュスクリーン156は、1又は2以上のアクチュエータによって作業領域を通って搬送される時、張力(例えば、スクリーンの平面に対して横方向の張り)160の下に保持される。一部の実施態様では、スクリーン搬送及び張力付与機構は、順方向と逆方向の両方で動作するように構成することができる。
【0057】
図7は、本発明の一部の実施形態に従って、レーザジェット放出システム170を用いてフィルム基材から点状の材料を印刷する例を示す。この実施形態では、レーザ172を用いて高粘度材料の液滴174を作り出し、この液滴は、凝集体に固化すると、受け基材(この図には示されない)の上に2D及び/又は3D構造を形成する。この技術では、粘性材料の実質的に規則的なパターン(例えば、ドット176)を透明基材178(例えば、上記から中間基材36)の上に印刷し又は他の方法で塗布し、次いで作業領域に持ってくる。レーザ172を用いて透明基板178と材料176の界面を加熱し、液滴174を射出させる。基材178は、少なくとも対象となるレーザ波長(複数可)で透明であり、レーザ172による加熱で、液滴174を受け材(この図には示されない)に向かって噴射させる。基材178は、1又は2以上のアクチュエータによって作業領域を通って搬送される時、張力(例えば、スクリーンの平面に対して横方向の張り)180の下に保持される。場合により、張力付与機構は、順方向と逆方向の両方で動作するように構成することができる。材料は、ドット176又は何れか他の形状又は形態の層として、基材178に印刷又は塗布されるとすることができる。
【0058】
図8は、本発明の一部の実施形態に従って、主レーザチャネルを用いて固体又はフィルム基材上のドットを撮像する態様を示す。この例では、材料のドット192を固体基材194(例えば、プリント基板などの最終基材38)上に印刷し、カメラ196を用いて、主レーザチャネルによりドットを撮像する。代わりに、カメラ196を主レーザチャネルからずらして、そこに半透明ミラー198を挿入し、ドット192の画像をカメラに向かって反射させるようにすることができる。この種の撮像を用いて、最終基材上への材料ドットの最適な配置を確実にすることができる。同じ撮像システムを用いて、最終基材上の材料を上から及び/又は横から監視することができる。
【0059】
上記の議論は主に、高粘度材料を高解像度で基材の上へ高速に印刷するシステム及び方法に関するものであった。しかしながら、同じシステム及び方法をスタンプ生産に、又は同じ層に複数の材料を印刷するために用いることができる。例えば、図9は、このようなシステムによるスタンプ製造の態様を示す。第1段階200において、UV硬化性材料の成形層202(必ずしもドット状マトリックスではない)を中間基材204の上に印刷する。次に、この層をUV光源の光に曝し、硬化させて硬化層206を形成する。その後、材料の硬化層を備えた中間基材を第1印刷ユニットに戻し、材料の第2の(又は付加的な)層208を被覆された基材上に分注し、第1印刷ユニットにて印刷する。次に、この第2の/付加的な層をUV光源に曝して、材料の第2の/付加的な硬化層210を作り出す。このようにして、同じ又は異なる材料の複数層を中間基材の上に印刷することができる。
【0060】
図10は、複数の材料を同じ層に印刷する態様を示す。第1材料212の1又は2以上の区画を上で説明した方法でフィルム基材214上に印刷するが、次に、中間基材を第1印刷ユニットに戻し、異なる材料の第2(又は3以上)の区画(複数可)216を被覆済み基材の上に分注して均一層を形成する。この手法を用いると、複数の材料を最終基材の上に同時に印刷することができる。
【0061】
中間基材から最終基材へ複数の材料を印刷する例の1つは、接着剤印刷である。このような事例では、2つの材料の混合で材料間の反応を開始することができる(例えば、エポキシ-アミンの場合又はシラノール-白金触媒の場合)。中間基材で材料を混合するのではなく、最終基材で一度だけ印刷する。そうすることで、目詰まり又は他の望まれない副作用が回避され、混合は所望の場所でだけ行われる。
【0062】
このように、半田ペーストなどの粘性材料を印刷するためのシステム及び方法を開発した。様々な実施形態では、これらのシステム及び方法は、粘性材料がドナー基材上に分注され、次に中間基材上に印刷された後で、最終的に第2印刷プロセス又は最終基材への直接塗布プロセスの何れかで転写されるという多段階手順を採用している。材料は、印刷プロセス全体の様々な段階を進むにつれて、硬化システム、乾燥システム、及び/又は撮像システムの内の1又は2以上の段階を通過する可能性がある。中間基材への印刷において非常に狭いドットサイズ分布を達成するために、被覆されたドナー基材と中間基材の間で極めて明確に定められた距離制御を行うことが重要である。そのために、いくつかの機械的な解決策の何れかを使用することができる。例えば、被覆されたドナー基材(フィルム又は箔とすることができる)と中間フィルムの距離は、両方を同じ機械部品上に配置することによって決定論的に規定することができる。代わりに、機械的な、明確に定められた箔又は互いに隣接する2つのローラを用いることで、その距離を制御することができる。更にまた、各基材に対する並進及び回転の両方を可能にする支持ユニットの角部に3つのアクチュエータから成る平面を用いて、両方を1つのユニットに結合させることによって、距離を制御することができる。
【0063】
印刷中の噴射配置及び解像度を高めるために、撮像システムを加えて、中間基材上及び最終基材上に印刷されたドットの寸法及び配置を監視することができる。そのために、1又は2以上の撮像システムを加えて、中間基材を監視すると共に、最終基材を監視することができる。中間基材用の撮像システムは、CCD、顕微鏡、又は3D顕微鏡とコンピュータソフトウェアとを用いて、中間基材平面上のドットサイズ、及び/又は中間基材平面に垂直な角度でのドット高さを監視することができる。この監視は、最終基材へ材料を転写する役割のある第2印刷ユニットの前方及び/又は後方で行うこともできる。同じ撮像システムを用いて、最終基材上の材料を上から及び/又は横から監視することができる。種々の画像処理ソリューションは、配置の成功率を高め、再処理の必要性を低減して、信頼性と再現性の高い結果をもたらすことを目的とする。
【0064】
詳細には図示していないが、本明細書に記載した印刷システムの様々な構成要素は、1又は2以上のコントローラの制御下で動作し、このコントローラは、好ましくは、有形の機械可読媒体に格納された機械実行可能な命令の指示で動作するプロセッサベースのコントローラであることを理解されたい。このようなコントローラは、情報を伝達するためのバス又は他の通信機構によって互いに通信可能に接続されたマイクロプロセッサ及びメモリを含むことができる。メモリは、読出し専用メモリ(ROM)又は他の静的記憶デバイスなどのプログラム格納メモリと共に、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶デバイスなどの動的メモリを含むことができ、各々をバスに繋いで、マイクロプロセッサが実行する情報及び命令を提供し格納することができる。また、動的メモリを用いて、マイクロプロセッサによる命令の実行中に一時的な変数又は他の中間情報を格納することができる。代わりに、又はこれに加えて、固体メモリ、磁気ディスク、又は光ディスクなどの記憶デバイスを設けてバスに繋ぎ、情報及び命令を格納することができる。コントローラはまた、印刷システムに対するユーザインタフェースの一部として、情報をユーザに表示するためのディスプレイと共に、英数字キーボード、マウス及び/又はトラックパッドなどのカーソル制御デバイスを含めて、様々な入力デバイスを含むことができる。更に、印刷システムとの間で両方向データ通信を提供するために、1又は2以上の通信インタフェースを含むことができる。例えば、有線及び/又は無線モデムを含むネットワークインタフェースを用いて、そのような通信を提供することができる。
【0065】
次に、様々な実施形態において、本発明は以下を提供する:
【0066】
1. 高解像度且つ高速で粘性材料の印刷を可能にするシステム及び方法であって、2つの印刷ユニットと、2つの印刷ユニット間で粘性材料を伝達する中間基材とを含むシステム及び方法。
【0067】
2. 任意選択的にコーティングユニットを組み込み、中間基材上に材料を印刷する第1印刷ユニットと、中間基材を受け入れ、そこから最終基材の上に材料を印刷する第2印刷ユニットとを含むシステム又は方法。
【0068】
3. 第1印刷ユニットが、ドナー基材上に材料の均一層を生成するように構成された任意のコーティングシステムを含む、実施形態2に記載のシステム又は方法。
【0069】
4. ドナー基材が可撓性基材である、実施形態2又は3の何れかに記載のシステム又は方法。
【0070】
5. コーティングシステムが、
(a)材料のシリンジと、材料をドナー基材の上に駆動する空気又は機械式ポンプであって、その後で、当該材料がローラ又はナイフ間に明確に定められたギャップに向かって搬送され、ギャップによって定められる厚さを備えた材料の均一層を生成する、シリンジ及びポンプ;(b)明確に定められた孔を備えたフィルムのスクリーン又はステンシル上に材料を被覆させ、ブレード又はスキージを用いて、材料をソフト又はハードな係合でドナー基材に転写するスクリーン印刷モジュール;(c)材料をドナー基材の上に印刷するディスペンサ又はインクジェットヘッド;(d)材料の高均一層でドナー基材を被覆するグラビア又はマイクログラビアシステム;(e)高均一層でドナー基材を被覆するスロットダイシステム;又は(f)高均一層でドナー基材を被覆するローラコーティングシステムを含む、実施形態2~4の何れかに記載のシステム又は方法。
【0071】
6. 材料のポットライフを延ばすために、制御された環境を備えた閉鎖区画内にコーティングシステムを含む、実施形態2~5の何れかに記載のシステム又は方法。
【0072】
7. コーティングシステムが2つ以上の材料を収容して、制御された順序で中間基材の上に複数の材料を印刷する可能性を生み出し、最終基材に2つ以上の材料を印刷することを可能にする、実施形態2~6の何れかに記載のシステム又は方法。
【0073】
8. 中間基材は、例えばコータローラ間のギャップを広げることにより、制御された方法でコーティングシステムを通って両方向に並進可能であり、それによって、ローラへの汚染なしに中間基材の同じ領域を材料で再被覆して、廃棄物を低減することを実現する、実施形態2~7の何れかに記載のシステム又は方法。
【0074】
9. 材料が、(a)プリンテッドエレクトロニクスに使用される半田ペースト又は他の金属ペースト、(b)金属ペースト又はセラミックペースト、(c)高粘性材料、(d)ワックス材料、(e)ポリマー材料又はポリマー材料とモノマー材料の混合物、(f)敏感な低粘性材料、(g)UV光又は加熱により硬化可能、及び/又は(h)乾燥可能なもの、である、実施形態2~8の何れかに記載のシステム又は方法。
【0075】
10. 第1印刷ユニットが、(a)ドナー基材から中間基材への材料の噴射を可能にする高周波レーザを収容するレーザベースシステム、(b)中間基材に直接材料を噴射するように構成されたインクジェットヘッドシステム、(c)中間基板に直接材料を印刷するディスペンサヘッドシステム、(d)中間基材に直接材料を印刷するオフセット印刷機モジュール、グラビア印刷モジュール、又は他の印刷モジュール、である、或いは(e)明確に定められた孔を備えたフィルムのスクリーン又はステンシル上に材料を被覆させて、中間基材に転写するスクリーン印刷モジュールを含む、実施形態2~9の何れかに記載のシステム又は方法。
【0076】
11. 第1印刷ユニットは、それが位置する重力場の主軸から0~90度又は90~180度だけ回転させたレーザアシスト堆積/レーザ分注システムである、実施形態2~10の何れかに記載のシステム又は方法。
【0077】
12. ブレード又はスキージを用いて、ソフト又はハードな係合で中間基材に材料を転写し、中間基材上に直接ドットの配列を生成する、実施形態2~11の何れかに記載のシステム又は方法。
【0078】
13. 第1印刷ユニットが、ドナー基材と中間基材の間に明確に定められたギャップを維持するように構成されたギャップ制御ユニットを含む、実施形態2~11の何れかに記載のシステム又は方法。
【0079】
14. ギャップ制御ユニットが、(a)並進と回転の両方を可能にする3つのアクチュエータから成る平面、(b)ドナー基材と中間基材両方の角部にあり、ドナー基材と中間基材両方の並進と回転の両方を可能にする3つのアクチュエータから成る平面、(c)中間基材下方の固定支持体、又は(d)中間基材としての透明固体基材を備える、実施形態2~13の何れかのシステム又は方法。
【0080】
15. ドナー基材と中間基材の平面が互いに独立している又は重なり合っている、実施形態2~14の何れかに記載のシステム又は方法。
【0081】
16. 中間基材が、(a)連続した透明フィルム基材、(b)金属層によって、又は金属及び誘電体層によって被覆された透明フィルム基材、(c)透明固体基材、(e)第1印刷ユニットにて印刷された材料を、転動によって第2印刷ユニットに送達することのできる連続フィルム基材、又は(f)第1印刷ユニットにて印刷された材料をロボットアームにより、任意の方向転換(複数可)を伴って第2印刷ユニットに送達することのできる透明固体基材である、実施形態2~15の何れかのシステム又は方法。
【0082】
17. 第1印刷ユニットにて印刷した後の中間基材を、モータによって第2印刷ユニットに向かって移動させる、実施形態2~16の何れかに記載のシステム又は方法。
【0083】
18. 中間基材が第1印刷ユニットから第2印刷ユニットへ移動する間に、材料をUV光で硬化させ又はヒータで乾燥させ、及び/又は撮像システムで処理する、実施形態2~17の何れかに記載のシステム又は方法。
【0084】
18. 撮像システムが、(a)中間基材上の材料の印刷ドットを写真撮影し、ドットを2次元で測定する顕微鏡又はCCD、(b)中間基材上の材料の印刷ドットを写真撮影し、ドットを3次元で測定する3D顕微鏡、或いは(c)一方が中間基材上の材料の印刷ドットを写真撮影して2次元で測定し、他方がその2次元と直交する方向でドットを測定するように配置された2つの顕微鏡又はCCDである、実施形態2~17の何れかに記載のシステム又は方法。
【0085】
19. 撮像システムが収集したデータを第2印刷ユニットに転送して、最終基材の上に材料のドットを正確に堆積させるようにする、実施形態2~18の何れかに記載のシステム又は方法。
【0086】
20. 撮像システムが、中間基材上の材料の移動経路に沿って第2の印刷ユニットの前方及び/又は後方に位置決めされた構成要素を含む、実施形態2~19の何れかに記載のシステム又は方法。
【0087】
21. 撮像システムが、中間基材、最終基材、又はこの両方を撮像するように構成される、実施形態2~20の何れかに記載のシステム又は方法。
【0088】
22. 第2印刷ユニットに位置する撮像システムの少なくとも一部が、中間基材の表面を撮像すること、或いは、第2印刷ユニットの主レーザチャネルを用いることによって材料のドット寸法と最終基材の標的領域とを同時に撮像すること、を可能にするように配置されたミラーを含む、実施形態2~21の何れかに記載のシステム又は方法。
【0089】
23. 第2印刷ユニットが、(a)中間基材から最終基材への材料ドットの噴射を可能にする高周波レーザを収容するレーザベースのシステム、(b)レーザジェット放出システム、(c)2D配列走査レーザを備えたレーザジェット放出システム、(d)それが位置する重力場の主軸から0~90度又は90~180度回転させたレーザジェット放出システム、及び/又は(e)中間基材が最終基材と直接係合する堆積位置である、実施形態2~22の何れかに記載のシステム又は方法。
【0090】
24. 第2印刷ユニットで最終基材へ材料を印刷した後、印刷された最終基材をUV光で硬化させる又はヒータで乾燥させる、実施形態2~23の何れかに記載のシステム又は方法。
【0091】
25. 第1印刷ユニットにて中間基材へ材料を印刷した後で、印刷された中間基材をUV光で硬化させて又はヒータで乾燥させて第1印刷ユニットに戻し、その材料とは異なる場合のある第2材料の第2の(又は付加的な)層を印刷するようにする、実施形態2~23の何れかに記載のシステム又は方法。
【符号の説明】
【0092】
22 コーティングシステム
26 印刷すべき材料の均一層
28 ドナー基材
32 第1印刷ユニット
36 中間基材
38 PCB基板
40 印刷すべき材料のドット配列
44 第2印刷ユニット
48 インライン検査ユニット(検査2)
50 撮像システム
60 本発明に従って構成されたシステム
62 材料
64 シリンジ
66 ローラ又はギヤ
70 明確に定められたギャップ
72 コータ(ローラ又はナイフ)
74 レーザモジュール1
76 レーザビーム
78 ローラ又はギヤ
80 3D撮像部品(3D検査)
82 2D撮像部品(検査1)
84 レーザモジュール2
86 標的領域
88 ミラー
90 2Dステージ
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】