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特表2023-513953CMOSセンサ上の角度フィルタの構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-04
(54)【発明の名称】CMOSセンサ上の角度フィルタの構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20230328BHJP
   G01J 1/02 20060101ALI20230328BHJP
   G01J 1/06 20060101ALI20230328BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20230328BHJP
   G02B 5/22 20060101ALN20230328BHJP
【FI】
H01L27/146 D
G01J1/02 Q
G01J1/06 A
G02B3/00 A
G02B5/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549745
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(85)【翻訳文提出日】2022-10-03
(86)【国際出願番号】 EP2021053011
(87)【国際公開番号】W WO2021165089
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】2001613
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513257535
【氏名又は名称】イソルグ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ブティノン,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ピエール
(72)【発明者】
【氏名】バロ,ノエミー
【テーマコード(参考)】
2G065
2H148
4M118
【Fターム(参考)】
2G065BA06
2G065BB09
2G065BB22
2G065BB46
2G065BE07
2G065DA18
2H148CA03
2H148CA12
2H148CA17
2H148CA23
2H148CA24
2H148CA29
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA02
4M118CB20
4M118GB03
4M118GB07
4M118GC07
4M118GC11
4M118GC20
4M118GD04
4M118GD07
4M118GD09
4M118GD10
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、放射光(27)を検出すべく適合されている、MOS 技術の画像センサ(17)と、第1のアレイのレンズ(19)と、放射光を通さない壁によって画定されている第1のマトリクスの開口部で少なくとも形成されている構造体(21)と、第2のアレイのレンズ(23)とを少なくとも順番に有する積層体を備えているデバイス(1) に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射光(27)を検出すべく適合されている、MOS 技術の画像センサ(17)と、
第1のアレイのレンズ(19)と、
前記放射光を通さない壁(39)によって画定されている第1のマトリクスの開口部(41)で少なくとも形成されている構造体(21)と、
第2のアレイのレンズ(23; 23') と
を少なくとも順番に有する積層体を備えており、
前記第2のアレイのレンズ(23; 23') の数が、前記第1のアレイのレンズ(19)の数より多い、デバイス(1; 101; 102; 103; 104; 105; 106) 。
【請求項2】
前記第2のアレイのレンズ(23; 23') の数は、前記第1のアレイのレンズ(19)の数より2倍から10倍多く、好ましくは2倍多い、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記構造体(21)と前記第1のアレイのレンズ(19)との間に接着層(37)を備えている、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記構造体(21)と前記第1のアレイのレンズ(19)との間に屈折率整合層(35)を備えている、請求項1~3のいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1のマトリクスの各開口部(41)は、前記第2のアレイの1つのレンズ(23)に関連付けられており、
前記第2のアレイの各レンズの光軸は、前記第1のマトリクスの開口部(41)の中心と整列している、請求項1~4のいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項6】
前記構造体(21)は、前記第1のマトリクスの開口部(41)の下に、前記放射光(27)を通さない壁(55)によって画定された第2のマトリクスの開口部(53)を有しており、
前記第1のマトリクスの開口部の数が前記第2のマトリクスの開口部の数と同一であり、
前記第1のマトリクスの各開口部の中心が、前記第2のマトリクスの開口部の中心と整列している、請求項1~5のいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項7】
前記第2のアレイのレンズ(23)及び前記第1のアレイのレンズ(19)は平凸レンズであり、
前記第1のアレイのレンズの平面及び前記第2のアレイのレンズの平面は、前記画像センサ(17)の側にある、請求項1~6のいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項8】
前記放射光(27)を少なくとも部分的に通す材料が、前記開口部(41, 53)に充填されている、請求項1~7のいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1のアレイのレンズ(19)の直径は、前記第2のアレイのレンズ(23; 23') の直径より大きい、請求項1~8のいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項10】
前記構造体は、第3のアレイの平凸レンズ(47; 47'; 47")を有しており、
前記第2のアレイのレンズ(23; 23') の平面及び前記第3のアレイの平凸レンズの平面は互いに対向しており、
前記第3のアレイの平凸レンズは、前記第1のマトリクスの開口部(41)と前記第1のアレイのレンズ(19)との間、又は前記第1のマトリクスの開口部と前記第2のアレイのレンズとの間に配置されている、請求項1~9のいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項11】
前記第2のアレイの各レンズ(23)の光軸は、前記第3のアレイのレンズ(47; 47") の光軸と整列している、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第2のアレイのレンズ(23; 23') の画像焦点面が、前記第3のアレイのレンズ(47; 47'; 47")の対象焦点面と一致する、請求項10又は11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第3のアレイのレンズ(47; 47'; 47")の数は、前記第2のアレイのレンズ(23; 23') の数より多い、請求項10~12のいずれか1つに記載のデバイス。
【請求項14】
前記第2のアレイのレンズ(23; 23') の直径は、前記第3のアレイのレンズ(47; 47'; 47")の直径より大きい、請求項10~13のいずれか1つに記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に画像取得デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
画像取得デバイスは一般に、画像センサ及び光学系を備えている。光学系は、センサの高感度部分と撮像対象との間に配置される角度フィルタ又は一組のレンズであってもよい。
【0003】
画像センサは一般に、受けた光の強度に比例する信号を生成することが可能な光検出器のアレイを有している。
【0004】
角度フィルタは、入射放射光の入射角に応じてこの入射放射光をフィルタ処理することにより、最大入射角と称される所望の角度より大きい入射角を有する光線を遮断することができるデバイスであり、これにより、画像センサの高感度部分に撮像対象の鮮明な画像を形成することが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像取得デバイスを改善する必要がある。
【0006】
実施形態は、既知の画像取得デバイスの不利点の全て又は一部を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態は、
放射光を検出すべく適合されている、MOS 技術の画像センサと、
第1のアレイのレンズと、
前記放射光を通さない壁によって画定されている第1のマトリクスの開口部で少なくとも形成されている構造体と、
第2のアレイのレンズと
を少なくとも順番に有する積層体を備えているデバイスを提供する。
【0008】
実施形態によれば、前記第2のアレイのレンズの数が、前記第1のアレイのレンズの数より多い。
【0009】
実施形態によれば、前記第2のアレイのレンズの数は、前記第1のアレイのレンズの数より2倍から10倍多く、好ましくは2倍多い。
【0010】
実施形態によれば、前記デバイスは、前記構造体と前記第1のアレイのレンズとの間に接着層を備えている。
【0011】
実施形態によれば、前記デバイスは、前記構造体と前記第1のアレイのレンズとの間に屈折率整合層を備えている。
【0012】
実施形態によれば、前記第1のマトリクスの各開口部は、前記第2のアレイの1つのレンズに関連付けられており、
前記第2のアレイの各レンズの光軸は、前記第1のマトリクスの開口部の中心と整列している。
【0013】
実施形態によれば、前記構造体は、前記第1のマトリクスの開口部の下に、前記放射光を通さない壁によって画定された第2のマトリクスの開口部を有している。前記第1のマトリクスの開口部の数が前記第2のマトリクスの開口部の数と同一である。前記第1のマトリクスの各開口部の中心が、前記第2のマトリクスの開口部の中心と整列している。
【0014】
実施形態によれば、前記第2のアレイのレンズ及び前記第1のアレイのレンズは平凸レンズである。前記第1のアレイのレンズの平面及び前記第2のアレイのレンズの平面は、前記画像センサの側にある。
【0015】
実施形態によれば、前記放射光を少なくとも部分的に通す材料が、前記開口部に充填されている。
【0016】
実施形態によれば、前記第1のアレイのレンズの直径は、前記第2のアレイのレンズの直径より大きい。
【0017】
実施形態によれば、前記構造体は、第3のアレイの平凸レンズを有しており、前記第2のアレイのレンズの平面及び前記第3のアレイの平凸レンズの平面は互いに対向している。前記第3のアレイの平凸レンズは、前記第1のマトリクスの開口部と前記第1のアレイのレンズとの間、又は前記第1のマトリクスの開口部と前記第2のアレイのレンズとの間に配置されている。
【0018】
実施形態によれば、前記第2のアレイの各レンズの光軸は、前記第3のアレイのレンズの光軸と整列している。
【0019】
実施形態によれば、前記第2のアレイのレンズの画像焦点面が、前記第3のアレイのレンズの対象焦点面と一致する。
【0020】
実施形態によれば、前記第3のアレイのレンズの数は、前記第2のアレイのレンズの数より多い。
【0021】
実施形態によれば、前記第2のアレイのレンズの直径は、前記第3のアレイのレンズの直径より大きい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
前述及び他の特徴及び利点は、添付図面を参照して本発明を限定するものではない実例として与えられる以下の特定の実施形態に詳細に記載されている。
【0023】
図1】画像取得システムの例を示す簡略化された部分的なブロック図である。
図2】画像取得デバイスの例を示す部分的な断面略図である。
図3図2に示されている画像取得デバイスの実施形態を示す部分的な断面略図である。
図4図2に示されている画像取得デバイスの別の実施形態を示す部分的な断面略図である。
図5図2に示されている画像取得デバイスの更に別の実施形態を示す部分的な断面略図である。
図6図2に示されている画像取得デバイスの更に別の実施形態を示す部分的な断面略図である。
図7図2に示されている画像取得デバイスの更に別の実施形態を示す部分的な断面略図である。
図8図2に示されている画像取得デバイスの更に別の実施形態を示す部分的な断面略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
同様の特徴が、様々な図で同様の参照符号によって示されている。特に、様々な実施形態に共通する構造的特徴及び/又は機能的特徴は同一の参照符号を有してもよく、同一の構造特性、寸法特性及び材料特性を有してもよい。
【0025】
明瞭化のために、本明細書に記載されている実施形態の理解に有用な工程及び要素のみが示されて詳細に記載されている。特に、画像センサの構造は、本明細書では正確に詳述されない。
【0026】
特に示されていない場合、共に接続された2つの要素を参照するとき、これは、導体以外のいかなる中間要素も無しの直接接続を表し、共に連結された2つの要素を参照するとき、これは、これら2つの要素が接続され得るか、又は一若しくは複数の他の要素を介して連結され得ることを表す。
【0027】
以下の開示では、特に指定されていない場合、「前」、「後ろ」、「最上部」、「底部」、「左」、「右」などの絶対位置を限定する文言、「上方」、「下方」、「上側」、「下側」などの相対位置を限定する文言、又は「水平」、「垂直」などの向きを限定する文言を参照するとき、この文言は図面の向きを指す。
【0028】
特に指定されていない場合、「約」、「略」、「実質的に」及び「程度」という表現は、該当する値の10%の範囲内、好ましくは5%の範囲内を表す。
【0029】
以下の記載では、特に指定されていない場合、層又は膜を通る放射光の透過率が10%未満であるとき、その層又は膜は放射光を通さないとする。本開示の残り部分では、層又は膜を通る放射光の透過率が10%を超えるとき、好ましくは50%を超えるとき、その層又は膜は放射光を通すとする。実施形態によれば、同一の光学系に関して、放射光を通さない光学系の全ての要素の透過率は、前記放射光を通す光学系の要素の最も低い透過率の半分より低く、好ましくは5分の1より低く、より好ましくは10分の1より低い。本開示の残り部分では、「有用な放射光」という表現は、動作中に光学系を横切る電磁放射線を表す。
【0030】
以下の記載では、「マイクロメートルサイズの光学素子」という表現は、支持体の表面と平行に測定された最大寸法が1μmより大きく1mmより小さい前記表面に形成された光学素子を表す。
【0031】
マイクロメートルサイズの光学素子が2ジオプトリで形成されたマイクロメートルサイズのレンズ又はマイクロレンズに夫々相当する場合のマイクロメートルサイズの光学素子のアレイを備えた光学系に関して、このような光学系の実施形態を記載する。しかしながら、マイクロメートルサイズの光学素子が、例えばマイクロメートルサイズのフレネルレンズ、マイクロメートルサイズの屈折率分布型レンズ又はマイクロメートルサイズの回折格子に夫々相当してもよい、他のタイプのマイクロメートルサイズの光学素子を用いてこれらの実施形態が更に実施されてもよいことは明らかなはずである。
【0032】
以下の記載では、「可視光線」は、400 nm~700 nmの範囲内の波長を有する電磁放射線を示し、「赤外線」は、700 nm~1mmの範囲内の波長を有する電磁放射線を示す。赤外線では、700 nm~1.7 μmの範囲内の波長を有する近赤外線を特に識別することができる。
【0033】
以下の記載では、材料の屈折率は、画像センサによって取り込まれる放射光の波長領域に関する材料の屈折率に相当する。特に指定されていない場合、屈折率は、有用な放射光の波長領域に亘って実質的に一定とみなされ、例えば、画像センサによって取り込まれる放射光の波長範囲に亘る屈折率の平均と等しいとみなされる。
【0034】
図1は、画像取得システムの例を示す簡略化された部分的なブロック図である。
【0035】
図1に示されている画像取得システムは、
a.画像取得デバイス1(デバイス)、及び
b.処理部13(PU)
を備えている。
【0036】
処理部13は、図1に示されていない、デバイス1から送信される信号を処理する手段を有していることが好ましい。処理部13は、例えばマイクロプロセッサを有している。
【0037】
デバイス1及び処理部13は、リンク15によって連結されていることが好ましい。デバイス1及び処理部13は、例えば同一の回路に一体化されている。
【0038】
図2は、画像取得デバイス1の例を示す部分的な断面略図である。
【0039】
より具体的には、図2は画像取得デバイス1と放射光27を放射する放射源25とを示している。
【0040】
図2に示されている画像取得デバイス1は、下から上に、
放射光27の検出に適合された光検出器又は無機(ポリシリコン)若しくは有機フォトダイオードに連結されてもよい、相補型金属酸化物半導体(CMOS)技術の画像センサ17(センサ)と、
第1のアレイのレンズ19(レンズ1)と、
アレイ構造体21(一又は複数の層)と、
第2のアレイのレンズ23(レンズ2)と、
対象24と
を備えている。
【0041】
構造体21及び第2のアレイのレンズ23は光学フィルタ2又は角度フィルタを形成していることが好ましい。画像センサ17及び第1のアレイのレンズ19はCMOS撮像デバイス3を形成していることが好ましい。
【0042】
放射光27は、例えば可視域及び/又は赤外域内にある。放射光は、単一波長の放射光であってもよく、又は複数の波長(若しくは波長領域)の放射光であってもよい。
【0043】
光源25は、図2では対象24の上側に示されている。しかしながら、光源は、変形例として対象24とフィルタ2との間に配置されてもよい。
【0044】
指紋を決定するための用途の場合、対象24はユーザの指に相当する。
【0045】
図3は、図2に示されている画像取得デバイスの実施形態を示す部分的な断面略図である。
【0046】
より具体的には、図3は、アレイ構造体21が、前記放射光を通さない壁39を画定する第1のマトリクスの開口部41を有する層211 で形成されている画像取得デバイス101 を示す。
【0047】
図3に示されている画像取得デバイス101 は、下から上に、
- 好ましくは基板、読み出し回路、導電性トラック及びフォトダイオードで形成されている(図面に詳細に示されていない)画像センサ17と、
画像センサ17上に設けられて画像センサ17と接している第1のパッシベーション(絶縁)層29と、
第1の層29を一面で覆うカラーフィルタの機能を果たす第2の層31と、
画像センサ17側に平面を有して第3のパッシベーション層33で覆われている第1のアレイの平凸レンズ19と
で形成されているCMOS撮像デバイス3と、
- 第3のパッシベーション層33を覆う第4の光学屈折率整合層35と、
- 第4の光学屈折率整合層35上に設けられて第4の光学屈折率整合層35と接している第5の層37又は接着剤と、
- 開口部41の層211 を有し、開口部41の壁39が第5の層37上に設けられて第5の層37と接している構造体21と、
構造体21を覆う基板43と、
画像センサ側に平面を有して第6の層45で覆われている第2のアレイの平凸レンズ23と
で形成されている角度フィルタ2と
を備えている。
【0048】
第1のアレイのレンズ19により、例えば、レンズ19に入射する光線の焦点を、画像センサ17内の光検出器に合わせることが可能である。
【0049】
実施形態によれば、撮像デバイス3内のレンズ19の第1のアレイは、例えばレンズ19の表面に対応する円が内接する正方形に画素が実質的に対応する画素アレイを形成している。従って、各画素は、画素を実質的に中心とするレンズ19を有している。例えば、全てのレンズ19の直径は実質的に同一である。レンズ19の直径は、画素の側面の長さと実質的に同一であることが好ましい。
【0050】
実施形態によれば、CMOS撮像デバイス3の画素は実質的に正方形である。画素の側面の長さは、好ましくは0.7 ~50μmの範囲内であり、より好ましくは30μm程度である。
【0051】
実施形態によれば、撮像デバイス3は実質的に正方形である。撮像デバイス3の側面の長さは、好ましくは5mm~50mmの範囲内であり、より好ましくは10mm程度である。
【0052】
第2の層31は、略400 nm~600 nmの範囲内(シアン)、好ましくは470 nm~600 nmの範囲内(緑)の波長を吸収する材料で形成されていることが好ましい。
【0053】
絶縁層29は、無機材料、例えば酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN) 又はこれら2つの材料の組み合わせ(例えば多層積層体)で形成されてもよい。
【0054】
絶縁層29は、フッ素化ポリマー、特にBellexの商標名「Cytop 」で知られているフッ素化ポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP) 、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)、パリレン、ポリイミド(PI)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS) 、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET) 、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN) 、環状オレフィンポリマー(シクロオレフィンポリマー(COP) )、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、フォトリソグラフィ樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、又はこれらの化合物の少なくとも2つの混合物で形成されてもよい。
【0055】
変形例として、絶縁層29は、無機誘電体材料、特に窒化シリコン、酸化シリコン又は酸化アルミニウム(Al2O3) で形成されてもよい。
【0056】
層33は、マイクロレンズ19の形状を有して撮像デバイス3の表面を絶縁して平坦化し得るパッシベーション層であることが好ましい。層33は、無機材料、例えば酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SiN) 又はこれら2つの材料の組み合わせ(例えば多層積層体)で形成されてもよい。
【0057】
図3に示されている実施形態によれば、光学フィルタ2は、第2のアレイのレンズ23と層211 との組み合わせによって、第2のアレイのレンズ23の光軸に対する入射角に応じて入射放射光をフィルタ処理すべく適合されている。
【0058】
図3に示されている実施形態によれば、角度フィルタ2は、画像センサ17の光検出器がレンズ23の光軸に対して45°未満、好ましくは20°未満、より好ましくは5°未満、更により好ましくは3°未満の最大入射角より小さい入射角を夫々有する光線のみを受けるように適合されている。角度フィルタ2は、角度フィルタ2のレンズ23の光軸に対して最大入射角より大きい入射角を夫々有する入射放射光の光線を遮断することができる。
【0059】
図3に示されている実施形態によれば、層211 の各開口部41は第2のアレイの1つのレンズ23に関連付けられており、各レンズ23は1つの開口部41に関連付けられている。レンズ23同士は接していることが好ましい。レンズ23の光軸は開口部41の中心と整列していることが好ましい。第2のアレイのレンズ23の直径は、開口部41の(レンズ23の光軸に垂直に測定された)最大断面より大きいことが好ましい。
【0060】
壁39は、例えば放射光27を通さず、例えば放射光27を吸収する及び/又は反射する。壁39は、撮像(生体測定及び指紋撮像)に使用される400 nm~600 nmの範囲内(シアン及び緑)の波長を通さないことが好ましい。(レンズ23の光軸と平行な面で測定された)壁39の高さを「h」と称する。
【0061】
実施形態によれば、開口部41は行及び列に配置されている。開口部41の大きさは実質的に同一であってもよい。(開口部の底面、つまり基板43との界面で測定された)開口部41の直径を「w1」と称する。各レンズ23の直径は、レンズ23が関連付けられている開口部41の直径w1より大きいことが好ましい。
【0062】
実施形態によれば、開口部41は行及び列に規則的に配置されている。開口部41の繰返しピッチ、つまり、行又は列の2つの連続する開口部41の中心間の平面視での距離を「p」と称する。
【0063】
図3には、開口部41が台形状の断面で示されている。一般に、開口部41は正方形状、三角形状、矩形状、漏斗形状であってもよい。図示されている例では、層211 の上面のレベルの開口部41の幅(又は直径)が、層211 の下面のレベルの開口部41の幅(又は直径)より大きい。
【0064】
開口部41は、平面視で円形状、長円形状又は多角形状であってもよく、例えば三角形状、正方形状、矩形状又は台形状であってもよい。開口部41は平面視で円形であることが好ましい。
【0065】
断面(面XZ又は面YZ)における光学フィルタ2の分解能は、画像センサ17の分解能より大きく、好ましくは2倍から10倍大きいことが好ましい。言い換えれば、断面(面XZ又は面YZ)には、第1のアレイのレンズ19より2倍から10倍多い開口部41がある。従って、レンズ19は少なくとも4つの開口部41(面YZの2つの開口部及び面XZの2つの開口部)に関連付けられている。
【0066】
撮像デバイスの分解能と角度フィルタ2の分解能との差によって、撮像デバイス3上でのフィルタ2の位置合わせの制約を減少させ得ることが利点である。
【0067】
例えば、レンズ23の直径は実質的に同一である。従って、第1のアレイのレンズ19の直径は、第2のアレイのレンズ23の直径より大きい。
【0068】
壁39が基板43に対する十分な接合部分を有するように、幅w1は実際にはレンズ23の直径より小さいことが好ましい。幅w1は、好ましくは0.5 μm~25μmの範囲内であり、例えば略10μmである。ピッチpは1μm~25μmの範囲内であってもよく、好ましくは12μm~20 μmの範囲内であってもよい。高さhは、例えば1μm~1mmの範囲内であり、好ましくは12μm~15μmの範囲内である。
【0069】
この実施形態によれば、マイクロレンズ23及び基板43は透明又は部分的に透明な材料で形成されており、すなわち、露出中に使用される波長に対応する波長領域に亘って、目標とする分野、例えば撮像のために対象とするスペクトルの一部で透明であることが好ましい。
【0070】
基板43は、ここでは可視域及び赤外域の対象とする波長を少なくとも吸収しない透明なポリマーで形成されてもよい。ポリマーは、特にポリエチレンテレフタレートPET 、ポリ(メタクリル酸メチル)PMMA、環状オレフィンポリマー(COP)、ポリイミド(PI)又はポリカーボネート(PC)で特に形成されてもよい。基板43はPET で形成されていることが好ましい。基板43の厚さは、例えば1~100 μmであってもよく、好ましくは10~50μmであってもよい。基板43は、カラーフィルタ、偏光子、1/2波長板又は1/4波長板に相当してもよい。
【0071】
実施形態によれば、マイクロレンズ23及びマイクロレンズ19は、屈折率が1.4 ~1.7 の範囲内であり、好ましくは1.6 程度である材料で形成されている。マイクロレンズ23及びマイクロレンズ19は、シリカ、PMMA、ポジ型レジスト、PET 、ポリエチレンナフタレート(PEN) 、COP 、ポリジメチルシロキサン(PDMS)/シリコーン、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂で形成されてもよい。マイクロレンズ23及びマイクロレンズ19は、レジストブロックの変形によって形成されてもよい。マイクロレンズ19及びマイクロレンズ23は、PET 、PEN 、COP 、PDMS/シリコーン、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂の層上に成型によって更に形成されてもよい。マイクロレンズ19及びマイクロレンズ23は最終的にナノインプリントによって形成されてもよい。
【0072】
変形例として、各マイクロレンズは、別のタイプのマイクロメートルサイズの光学素子、特にマイクロメートルサイズのフレネルレンズ、マイクロメートルサイズの屈折率分布型レンズ又はマイクロメートルサイズの回折格子と置き換えられる。マイクロレンズは、焦点距離fが夫々1μm~100 μmの範囲内、好ましくは1μm~50μmの範囲内である集束レンズである。実施形態によれば、全てのマイクロレンズ19は実質的に同一であり、全てのマイクロレンズ23は実質的に同一である。
【0073】
実施形態によれば、層45はマイクロレンズ23の形状に沿う充填層である。層45は、光学透明接着剤(OCA) 、特に液状光学透明接着剤(LOCA)、又は低屈折率の材料、又はエポキシ系/アクリル系接着剤、又はガス若しくはガス状混合物、例えば空気の膜から形成されてもよい。
【0074】
層45は、マイクロレンズ23の材料の屈折率より低い低屈折率の材料で形成されていることが好ましい。例えば、レンズ23の材料の屈折率と層45の材料の屈折率との差は0.5 ~0.1 の範囲内であることが好ましい。レンズ23の材料の屈折率と層45の材料の屈折率との差は0.15程度であることがより好ましい。層45は、非粘着性の透明な材料の充填材料で形成されてもよい。
【0075】
別の実施形態によれば、層45は、アレイのマイクロレンズ23に当接する膜、例えばOCA 膜に相当する。この場合、層45とマイクロレンズ23との接触領域は減少してもよく、例えばマイクロレンズ23の最上部に限定されてもよい。
【0076】
実施形態によれば、空気、又は光検出器によって検出される放射光を少なくとも部分的に通す充填材料、例えばPDMS、エポキシ樹脂若しくはアクリル樹脂、又は商標名SU8 で知られている樹脂が開口部41に充填されている。変形例として、フィルタ2によって角度的にフィルタ処理される光線を色に関してフィルタ処理するために、部分的に吸収する材料、すなわち、目標とする分野、例えば撮像のために対象とするスペクトルの一部で吸収する材料が開口部41に充填されてもよい。変形例として、開口部41の充填材料は近赤外域の放射光を通さない。開口部41に材料が充填されている場合、壁39が下にある層37と接しないように、前記材料は、例えば壁39と下にある層37との間に層を形成してもよい。
【0077】
角度フィルタ2の厚さは50μm程度であることが好ましい。
【0078】
角度フィルタ2及び撮像デバイス3は、例えば接着層37によって組み立てられている。接着層37は、例えばアクリル系接着剤、エポキシ系接着剤又はOCA から選択された材料で形成されている。接着層37はアクリル系接着剤で形成されていることが好ましい。
【0079】
層35は屈折率整合層であり、すなわち、層35により、角度フィルタ(開口部41の充填材料)とパッシベーション層33との間の界面での反射による光線の損失を減らすことが可能である。層35は、層33の屈折率と開口部41の充填材料の屈折率との間の屈折率を有する材料で形成されていることが好ましい。
【0080】
実施モードに応じて、撮像デバイス3の製造の終了の際に印刷、膜の移動(積層)又は蒸着によって層35を撮像デバイス3の前面(図3の向きの上面)に堆積させる。
【0081】
実施モードに応じて、印刷又は膜の移動(積層)によって層37を角度フィルタ2の後面(図3の向きの下面)に堆積させる。
【0082】
変形例として、層37を撮像デバイス3の層35の前面に堆積させる。
【0083】
フィルタ2及び撮像デバイス3の組立ては、例えば、層37の堆積後にフィルタ2を撮像デバイス3の表面(より具体的には層35の表面)に積み重ねることによって行われる。
【0084】
実施モードに応じて、機械的な結合特性を最適化するために、組立て後にアニール、紫外線を用いた架橋結合、又はオートクレーブ加圧の工程を行う。
【0085】
図3に示されていない実施形態によれば、デバイス101 は、例えばフィルタ2と撮像デバイス3との間に追加の層を備えている。この層は、波長が600 nmを超える放射光をフィルタ処理し得る赤外線フィルタに相当する。この赤外線フィルタの透過率は0.1 %(OD3(光学濃度3))より小さいことが好ましい。
【0086】
対象とする材料に応じて、少なくともある層を形成する方法は、例えば、特にはソル-ゲル形態で所望の位置に層を形成する材料の直接印刷によるいわゆるアディティブ処理、例えばインクジェット印刷、グラビア印刷、シルクスクリーン、フレキソ印刷、スプレーコーティング又はドロップキャストによるアディティブ処理に相当してもよい。
【0087】
対象とする材料に応じて、少なくともある層を形成する方法は、いわゆるサブトラクティブ法に相当してもよく、この方法では、層を形成する材料を構造全体に堆積させ、その後、例えばフォトリソグラフィ又はレーザアブレーションによって未使用部分を除去する。
【0088】
対象とする材料に応じて、構造全体の堆積を、例えば液相成長法、カソードスパッタリング法又は蒸着法によって行ってもよい。スピンコーティング、スプレーコーティング、ヘリオグラフィ、スロットダイコーティング、ブレードコーティング、フレキソ印刷又はシルクスクリーンなどの方法を特に使用してもよい。層が金属製であるとき、金属を、例えば支持体全体に蒸着法又はカソードスパッタリング法によって堆積させ、金属層をエッチングによって画定する。
【0089】
層の少なくとも一部を印刷技術によって形成してもよいことが有利である。前述した層の材料を、インクジェットプリンタにより液体の形態で、例えば導電性の半導体インクの形態で堆積させてもよい。ここで、「液体の形態の材料」は、印刷技術によって堆積可能なゲル材料を更に表す。アニール工程を異なる層の堆積間に行ってもよいが、アニール温度は150 ℃を超えないことが可能であり、堆積及び場合によってアニールを大気圧で行ってもよい。
【0090】
図4は、図2に示されている画像取得デバイスの別の実施形態を示す部分的な断面略図である。
【0091】
より具体的には、図4は、第2のレンズのアレイがレンズ23(図3)より小さいレンズ23’を有する点を除いて、図3に示されている画像取得デバイス101 と同様の画像取得デバイス102 を示す。
【0092】
デバイス102 のレンズ23’の数は(面XYにおける)開口部41の数より多いことが好ましい。例として、レンズ23’の数は開口部41の数より4倍多い。レンズ23’の直径は、図4に示されている実施形態によれば、開口部41の直径w1より小さい。
【0093】
図4に示されている実施形態の利点は、第2のアレイのレンズ23’をマトリクスの開口部41に整列させる必要がないということである。
【0094】
図5は、図2に示されている画像取得デバイスの例の更に別の実施形態を示す部分的な断面略図である。
【0095】
より具体的には、図5は、アレイ構造体21が第3のアレイのレンズ47を有している点を除いて、図3に示されている画像取得デバイス101 と同様の画像取得デバイス103 を示す。
【0096】
第2のアレイのレンズ23に連結されているマトリクスの開口部41によって伝送される光を平行にするために第3のアレイの平凸レンズ47が使用される。平凸レンズ47の平面はレンズ23の平面に対向する。第3のアレイは、層211 と撮像デバイス3との間に配置されている。
【0097】
図5に示されている実施形態では、第3のアレイのレンズ47の数は第2のアレイのレンズ23の数と等しい。第3のアレイのレンズ47及び第2のアレイのレンズ23は、夫々の光軸で整列している。
【0098】
変形例として、第3のアレイのレンズ47の数は、第2のアレイのレンズ23の数よりかなり多い。
【0099】
レンズ47は接するか又は接しない。
【0100】
光線は、レンズ23に入射する光線の夫々の方向に対して角度αでレンズ23及び層211 から出る。角度αはレンズ23に特有であり、レンズ23の直径及びこのレンズ23の焦点距離に応じて決められる。
【0101】
光線が層211 から出ると、第3のアレイのレンズ47に当たる。光線がレンズ47から出るとき、光線は、レンズ47に入射する光線の夫々の方向に対して角度β逸れる。角度βはレンズ47に特有であり、レンズ47の直径及びこのレンズ47の焦点距離に応じて決められる。
【0102】
全発散角は、レンズ23及びレンズ47によって連続的に生じる偏差に相当する。第3のアレイのレンズ47は、全発散角が例えば略5°以下であるように選択されている。
【0103】
図5に示されている実施形態は、第2のアレイのレンズ23の画像焦点面が第3のアレイのレンズ47の対象焦点面と同一である理想的な構成を示している。光軸と平行になる図示されている光線は、レンズ23の画像焦点又はレンズ47の対象焦点に合わせられる。このため、レンズ47から出る光線はレンズ47の光軸と平行に伝搬する。全発散角は、この場合にはゼロである。
【0104】
第3のアレイのレンズ47は、図5では第7の層40の下に配置され、第7の層40と接している。開口部41の充填によって形成される第7の層40は壁39の後面を覆う。
【0105】
変形例として、第3のアレイのレンズ47は、壁39の後面上に配置されて壁39の後面と接している。そのため、開口部41には空気又は充填材料が充填されている。
【0106】
レンズ47及びレンズ23は、同一の組成又は異なる組成を有する。
【0107】
図5の実施形態によれば、レンズ47の後面は第8の充填層49で覆われている。層49及び層45は、同一の組成又は異なる組成を有してもよい。層49は、レンズ47の材料の屈折率より小さい屈折率を有することが好ましい。
【0108】
第3のアレイのレンズ47が設けられていない場合、発散角が大きすぎると、レンズ23から出る光線が複数の光検出器又は画素を照射するリスクがある。このため、得られる画像の質の解像度が低下する。
【0109】
第3のアレイのレンズ47が設けられているため、角度フィルタ2の出力で発散角を減少させるという利点が生じる。発散角を減少させることにより、撮像デバイス3のレベルで出る光線が交差するリスクを低下させることが可能である。
【0110】
図6は、図2に示されている画像取得デバイスの例の更に別の実施形態を示す部分的な断面略図である。
【0111】
より具体的には、図6は、レンズ47(図5)より小さいレンズ47’を備えている点を除いて、図5に示されている画像取得デバイス103 と同様の画像取得デバイス104 を示す。
【0112】
デバイス104 のレンズ47’の数は開口部41の数より多いことが好ましい。例として、レンズ47’の数は(面XYにおける)開口部41の数より4倍多い。
【0113】
図6に示されている実施形態の利点は、第3のアレイのレンズ47’をマトリクスの開口部41に整列させる必要がないということである。
【0114】
図7は、図2に示されている画像取得デバイスの例の更に別の実施形態を示す部分的な断面略図である。
【0115】
より具体的には、図7は、第3のアレイのレンズ47’’が第2のアレイのレンズ23と開口部41の層211 との間に配置されている点を除いて、図5に示されている画像取得デバイス103 と同様の画像取得デバイス105 を示す。
【0116】
図示されている例では、デバイス105 は、レンズ47の後面を覆う充填層51を備えている。充填層51は、層211 の上面に載置されている点を除いて、図5に示されているデバイス103 の層49と同様である。
【0117】
図8は、図2に示されている画像取得デバイスの例の更に別の実施形態を示す部分的な断面略図である。
【0118】
より具体的には、図8は、アレイ構造体21が、放射光27(図2)を通さない壁55を画定している第2のマトリクスの開口部53で形成された第9の層213 を有している点を除いて、図3に示されている画像取得デバイス101 と同様の画像取得デバイス106 を示す。
【0119】
図8に示されている実施形態によれば、第9の層213 は、開口部41を充填材料で充填することによって形成された第7の層40の下に配置されて第7の層40と接している。第7の層40は、壁39の後面を覆っている。
【0120】
変形例として、層213 は、壁39の後面上に配置されて壁39の後面と接している。そのため、開口部41には空気又は充填材料が充填されている。
【0121】
開口部53は、開口部41及び開口部53の大きさが異なってもよい点を除いて、開口部41の形状と実質的に同一の形状を有する。壁55は、例えば、壁39及び壁55の大きさが異なってもよい点を除いて、壁39の形状及び組成と実質的に同一の形状及び組成を有する。
【0122】
図8に示されている実施形態によれば、層213 は、層211 のマトリクスの開口部41の数と実質的に同一の数の開口部53を有している。開口部41の数は開口部53の数と同一であることが好ましい。各開口部41は開口部53と整列していることが好ましく、例えば、各開口部41の中心は開口部53の中心と整列している。
【0123】
実施形態によれば、開口部53及び開口部41は同一の大きさを有し、すなわち、開口部53は、開口部41の直径w1と実質的に同一である(開口部の底面、つまり層40との界面で測定された)直径「w2」を有する。直径w1及び直径w2は同一であることが好ましい。壁55の高さh2は、例えば壁39の高さhと実質的に同一である。高さh及び高さh2は同一であることが好ましい。
【0124】
変形例として、直径w1及び直径w2は異なる。この場合、直径w2は直径w1より小さいことが好ましい。
【0125】
別の変形例によれば、高さh及び高さh2は異なる。
【0126】
実施形態によれば、開口部53には空気が充填されており、又は好ましくは開口部41の充填材料の組成と同様の組成を有する充填材料が充填されている。充填材料は開口部53を充填して、壁55の後面に層57を形成することが更により好ましい。
【0127】
様々な実施形態及び変形例が記載されている。当業者は、これらの様々な実施形態及び変形例のある特徴を組み合わせることができると理解し、他の変形例が当業者に想起される。特に、図4~8に示されている実施形態を組み合わせてもよい。更に、記載されている実施形態及び実施モードは、例えば上述した大きさ及び材料の例に限定されない。
【0128】
最後に、記載されている実施形態及び変形例の実際の実施は、上述されている機能的な表示に基づく当業者の技能の範囲内である。
【0129】
本特許出願は、参照によって本明細書に組み込まれている仏国特許出願第2001613 号明細書の優先権を主張している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】