(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(54)【発明の名称】画像を処理するための方法およびその記憶媒体、デバイス
(51)【国際特許分類】
H04N 1/60 20060101AFI20230329BHJP
H04N 1/56 20060101ALI20230329BHJP
H04N 1/405 20060101ALI20230329BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
H04N1/60
H04N1/60 020
H04N1/56
H04N1/405 510A
G06T1/00 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568078
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(85)【翻訳文提出日】2021-11-12
(86)【国際出願番号】 CN2019126632
(87)【国際公開番号】W WO2021120105
(87)【国際公開日】2021-06-24
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲艷▼▲紅▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 瀚文
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 冠男
【テーマコード(参考)】
5B057
5C077
5C079
【Fターム(参考)】
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB07
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE17
5B057CE18
5B057DA17
5B057DB02
5B057DB06
5B057DB08
5B057DC25
5C077LL19
5C077NN11
5C077PP35
5C077PP37
5C077PQ08
5C077SS06
5C079HA13
5C079HB01
5C079HB06
5C079HB11
5C079KA15
5C079LA02
5C079LA10
5C079LA31
5C079LB11
5C079LC09
5C079MA17
5C079NA06
5C079PA05
(57)【要約】
当該方法は、画像における画素の初期色に基づいて、ターゲット色に使用される代替色に対応する重み付けを確定することと、重み付けに基づいて代替色から画素のターゲット色を選択することと、画素の初期色をターゲット色に変換することにより、ターゲット画像を取得することと、を含む。本開示の実施例によれば、代替色の重み付けを確定することにより、画像を代替色のみを含むターゲット画像に変換し、ターゲット画像を限られた数の代替色で表すことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を処理するための方法であって、
前記画像における画素の初期色に基づいて、ターゲット色に使用される代替色に対応する重み付けを確定することと、
前記重み付けに基づいて前記代替色から前記画素のターゲット色を選択することと、
前記画素の前記初期色を前記ターゲット色に変換することにより、ターゲット画像を取得することと、
を含む、
画像を処理するための方法。
【請求項2】
前記画素の前記ターゲット色を選択することは、
前記重み付けのうち最大値を持つ重み付けを確定することと、
前記最大値を持つ重み付けに対応する前記代替色を前記ターゲット色として選択することと、
を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記重み付けを確定することは、
前記代替色に基づいて、HSV色空間で色変換空間を確立することと、
前記色変換空間で、前記代替色に対応する前記重み付けを確定することと、
を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記代替色は、色調を有する色、白色または黒色を含み、前記重み付けは、前記色調を有する色に対応する第1重み付け、白色に対応する第2重み付け、黒色に対応する第3重み付けを含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記色変換空間は、次のように確立され、即ち、
S成分とV成分が最大値である場合、H成分は、複数の端点を有し、前記端点は、白色を表す第1端点および第2端点と、前記色調を有する色を表す第3端点と、黒色または白色を表す奇数個の付加的な端点と、を含み、ここで、前記第1端点および前記第2端点は、 H成分全体を互いに連続する第1区間および第2区間に分割し、前記第3端点は、前記第1区間にあり、前記付加的な端点は、前記第2区間にあり、前記付加的な端点の数が1である場合、前記付加的な端点は、黒色を表し、前記付加的な端点の数が1より大きい場合、互いに最も隣接する2つの付加的な端点のうちの一方は、白色を表し、他方は、黒色を表し、前記第1端点および前記第2端点にそれぞれ最も隣接する2つの付加的な端点は、黒色を表し、ここで、互いに最も隣接する任意の2つの端点間の色は、2つの端点を表す色の漸進的な変換であり、
S成分が徐々に小さくなる場合、前記色変換空間における色は、徐々に白色に変換され、
V成分が徐々に小さくなる場合、前記色変換空間における色は、徐々に黒色に変換される、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記重み付けを確定することは、
S成分とV成分が最大値である場合、H成分に基づいて、前記代替色の第1比率を確定し、ここで、前記代替色の前記第1比率の和は、1であることと、
前記第1比率とS成分に基づいて、前記代替色の第2比率を確定し、ここで、前記代替色の前記第2比率の和は、1であることと、
前記第2比率とV成分に基づいて、前記代替色の前記重み付けを確定し、ここで、前記代替色の前記重み付けの和は、1であることと、
を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記色調を有する色のHSV空間における色調は、以下の式で表され、即ち、
H=N×60°であり、
ここで、Nは、整数であり、且つ0≦N≦5である、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記端点は、6つの端点を含み、前記端点のH座標は、それぞれ、0°、60°、120°、180°、240°、300°である請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記色調を有する色の色調は、0°であり、ここで、赤色に対応する前記第1比率r
11、白色に対応する前記第1比率r
21、および黒色に対応する前記第1比率r
31は、以下の式
【数1】
で表され、ここで、赤色に対応する前記第2比率r
12、白色に対応する前記第2比率r
22、黒色に対応する前記第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数2】
であり、
ここで、赤色に対応する前記第1重み付けr
13、白色に対応する前記第2重み付けr
23、黒色に対応する前記第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数3】
であり、
ここで、前記S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記色調を有する色の色調は、60°であり、ここで、黄色に対応する前記第1比率r
11、白色に対応する前記第1比率r
21、および黒色に対応する前記第1比率r
31は、以下の式
【数4】
で表され、ここで、黄色に対応する前記第2比率r
12、白色に対応する前記第2比率r
22、黒色に対応する前記第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数5】
であり、
ここで、黄色に対応する前記第1重み付けr
13、白色に対応する前記第2重み付けr
23、黒色に対応する前記第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数6】
であり、
ここで、前記S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記色調を有する色の色調は、120°であり、ここで、緑色に対応する前記第1比率r
11、白色に対応する前記第1比率r
21、および黒色に対応する前記第1比率r
31は、以下の式
【数7】
で表され、ここで、緑色に対応する前記第2比率r
12、白色に対応する前記第2比率r
22、黒色に対応する前記第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数8】
であり、
ここで、緑色に対応する前記第1重み付けr
13、白色に対応する前記第2重み付けr
23、黒色に対応する前記第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数9】
であり、
ここで、前記S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す、
請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記色調を有する色の色調は、180°であり、ここで、シアンに対応する前記第1比率r
11、白色に対応する前記第1比率r
21、および黒色に対応する前記第1比率r
31は、以下の式
【数10】
で表され、ここで、シアンに対応する前記第2比率r
12、白色に対応する前記第2比率r
22、黒色に対応する前記第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数11】
であり、
ここで、シアンに対応する前記第1重み付けr
13、白色に対応する前記第2重み付けr
23、黒色に対応する前記第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数12】
であり、
ここで、前記S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記色調を有する色の色調は、240°であり、ここで、青色に対応する前記第1比率r
11、白色に対応する前記第1比率r
21、および黒色に対応する前記第1比率r
31は、以下の式
【数13】
で表され、ここで、青色に対応する前記第2比率r
12、白色に対応する前記第2比率r
22、黒色に対応する前記第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数14】
であり、
ここで、青色に対応する前記第1重み付けr
13、白色に対応する前記第2重み付けr
23、黒色に対応する前記第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数15】
であり、
ここで、前記S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す、
請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記色調を有する色の色調は、300°であり、ここで、マゼンタに対応する前記第1比率r
11、白色に対応する前記第1比率r
21、および黒色に対応する前記第1比率r
31は、以下の式
【数16】
で表され、ここで、マゼンタに対応する前記第2比率r
12、白色に対応する前記第2比率r
22、黒色に対応する前記第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数17】
であり、
ここで、マゼンタに対応する前記第1重み付けr
13、白色に対応する前記第2重み付けr
23、黒色に対応する前記第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数18】
であり、
ここで、前記S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す、
請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記画素の前記ターゲット色を確定した後、前記画素に対して誤差拡散を行うことをさらに含む、
請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記誤差拡散は、Floyd-Steinbergフィルタに基づいて行われる請求項15に記載の方法。
【請求項17】
コンピュータ指令が記憶された記憶媒体であって、前記コンピュータ指令がプロセッサによって実行されるとき、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の方法を実行する記憶媒体。
【請求項18】
1つ以上のプロセッサを含み、前記プロセッサは、コンピュータ指令を実行することにより、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されているデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理の分野に関し、具体的に画像を処理するための方法およびその記憶媒体、デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インクスクリーンは、表示領域に広く使われている。電子書籍(例えば、アマゾンのキンドル)、電子ペーパー、電子ラベル、電子テーブルカードなどにインクスクリーンが使われている。従来の液晶ディスプレイとは異なり、インクスクリーンは、いくつかの色しか表示できない(例えば、黒色と白色のみを表示する)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施例は、画像を処理するための方法およびその記憶媒体、デバイスを提供する。
【0004】
本開示の第1側面によると、画像を処理するための方法を提供する。当該方法は、画像における画素の初期色に基づいて、ターゲット色に使用される代替色に対応する重み付けを確定することと、重み付けに基づいて代替色から画素のターゲット色を選択することと、画素の初期色をターゲット色に変換することにより、ターゲット画像を取得することと、を含む。
【0005】
本開示の実施例において、画素のターゲット色を選択することは、重み付けのうち最大値を持つ重み付けを確定することと、最大値を持つ重み付けに対応する代替色をターゲット色として選択することを含む。
本開示の実施例において、重み付けを確定することは、代替色に基づいて、HSV色空間で色変換空間を確立することと、色変換空間で、代替色に対応する重み付けを確定することと、を含む。
【0006】
本開示の実施例において、代替色は、色調を有する色、白色または黒色を含み、重み付けは、色調を有する色に対応する第1重み付け、白色に対応する第2重み付け、黒色に対応する第3重み付けを含む。
【0007】
本開示の実施例において、色変換空間は、次のように確立され、即ち、S成分とV成分が最大値である場合、H成分は、複数の端点を有し、端点は、白色を表す第1端点および第2端点と、色調を有する色を表す第3端点と、黒色または白色を表す奇数個の付加的な端点と、を含み、ここで、第1端点および第2端点は、H成分全体を互いに連続する第1区間および第2区間に分割し、第3端点は、第1区間にあり、付加的な端点は、第2区間にあり、付加的な端点の数が1である場合、付加的な端点は、黒色を表し、付加的な端点の数が1より大きい場合、互いに最も隣接する2つの付加的な端点のうちの一方は、白色を表し、他方は、黒色を表し、第1端点および第2端点にそれぞれ最も隣接する2つの付加的な端点は、黒色を表し、ここで、互いに最も隣接する任意の2つの端点間の色は、2つの端点を表す色の漸進的な変換であり、S成分が徐々に小さくなる場合、色変換空間における色は、徐々に白色に変換され、V成分が徐々に小さくなる場合、色変換空間における色は、徐々に黒色に変換される。
【0008】
本開示の実施例において、重み付けを確定することは、S成分とV成分が最大値である場合、H成分に基づいて、代替色の第1比率を確定し、ここで、代替色の第1比率の和は、1であることと、第1比率とS成分に基づいて、代替色の第2比率を確定し、ここで、代替色の第2比率の和は、1であることと、第2比率とV成分に基づいて、代替色の重み付けを確定し、ここで、代替色の重み付けの和は、1であることと、を含む。
本開示の実施例において、色調を有する色のHSV空間における色調は、以下の式で表され、即ち、
H=N×60°であり、
ここで、Nは、整数であり、且つ0≦N≦5である。
【0009】
本開示の実施例において、端点は、6つの端点を含み、端点のH座標は、それぞれ、0°、60°、120°、180°、240°、300°である。
色調を有する色の色調は、0°であり、ここで、赤色に対応する第1比率r
11、白色に対応する第1比率r
21、および黒色に対応する第1比率r
31は、以下の式
【数1】
で表され、ここで、赤色に対応する第2比率r
12、白色に対応する第2比率r
22、黒色に対応する第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数2】
であり、
ここで、赤色に対応する第1重み付けr
13、白色に対応する第2重み付けr
23、黒色に対応する第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数3】
であり、
ここで、Smaxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す。
色調を有する色の色調は、60°であり、ここで、黄色に対応する第1比率r
11、白色に対応する第1比率r
21、および黒色に対応する第1比率r
31は、以下の式
【数4】
で表され、ここで、黄色に対応する第2比率r
12、白色に対応する第2比率r
22、黒色に対応する第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数5】
であり、
ここで、黄色に対応する第1重み付けr
13、白色に対応する第2重み付けr
23、黒色に対応する第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数6】
であり、
ここで、S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す。
色調を有する色の色調は、120°であり、ここで、緑色に対応する第1比率r
11、白色に対応する第1比率r
21、および黒色に対応する第1比率r
31は、以下の式
【数7】
で表され、ここで、緑色に対応する第2比率r
12、白色に対応する第2比率r
22、黒色に対応する第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数8】
であり、
ここで、緑色に対応する第1重み付けr
13、白色に対応する第2重み付けr
23、黒色に対応する第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数9】
であり、
ここで、S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す。
色調を有する色の色調は、180°であり、ここで、シアンに対応する第1比率r
11、白色に対応する第1比率r
21、および黒色に対応する第1比率r
31は、以下の式
【数10】
で表され、ここで、シアンに対応する第2比率r
12、白色に対応する第2比率r
22、黒色に対応する第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数11】
であり、
ここで、シアンに対応する第1重み付けr
13、白色に対応する第2重み付けr
23、黒色に対応する第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数12】
であり、
ここで、S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す。
色調を有する色の色調は、240°であり、ここで、青色に対応する第1比率r
11、白色に対応する第1比率r
21、および黒色に対応する第1比率r
31は、以下の式
【数13】
で表され、ここで、青色に対応する第2比率r
12、白色に対応する第2比率r
22、黒色に対応する第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数14】
であり、
ここで、青色に対応する第1重み付けr
13、白色に対応する第2重み付けr
23、黒色に対応する第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数15】
であり、
ここで、S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す。
色調を有する色の色調は、300°であり、ここで、マゼンタに対応する第1比率r
11、白色に対応する第1比率r
21、および黒色に対応する第1比率r
31は、以下の式
【数16】
で表され、ここで、マゼンタに対応する第2比率r
12、白色に対応する第2比率r
22、黒色に対応する第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数17】
であり、
ここで、マゼンタに対応する第1重み付けr
13、白色に対応する第2重み付けr
23、黒色に対応する第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数18】
であり、
ここで、S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す。
本開示の実施例において、当該方法は、画素のターゲット色を確定した後、画素に対して誤差拡散を行うことをさらに含む。
本開示の実施例において、誤差拡散は、Floyd-Steinbergフィルタに基づいて行われる。
【0010】
本開示の第2側面によると、記憶媒体を提供する。当該記憶媒体にコンピュータ指令が記憶され、ここで、コンピュータ指令がプロセッサによって実行されるとき、本開示の第1側面による方法を実行する。
【0011】
本開示の第3側面によると、デバイスを提供する。当該デバイスは、1つ以上のプロセッサを含み、プロセッサは、コンピュータ指令を実行することにより、本開示の第1側面による方法を実行するように構成されている。
本開示の実施例によれば、代替色の重み付けを確定することにより、画像を代替色のみを含むターゲット画像に変換し、ターゲット画像を限られた数の代替色で表すことができる。
【0012】
適応性のさらなる態様と範囲は、本明細書で提供される説明から明らかになる。本願の様々な態様は、単独でまたは1つ以上の他の態様と組み合わせて実施することができることを理解すべきである。本明細書における説明および特定の実施例は、説明の目的を意図しており、本願の範囲を制限することを意図していないことも理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本明細書に記載された図面は、すべての可能な実施形態ではなく、選択された実施例のみを説明する目的ためのものであり、本願の範囲を限定することを意図しない。
【
図1】本開示の実施例による画像を処理するための方法の概略フローチャートである。
【
図2】本開示の一実施例による色変換空間の概略図である。
【
図3】本開示の別の実施例による色変換空間の概略図である。
【
図4】本開示の実施例による1つの画素から周辺画素への誤差拡散の概略図である。
【
図5a】本開示の実施例による、画像をターゲット画像に変換する方法を示す。
【
図5b】本開示の実施例による、画像をターゲット画像に変換する方法を示す。
【
図5c】本開示の実施例による、画像をターゲット画像に変換する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施例の目的、技術案および利点をより明確にするために、以下、本開示の実施例の図面を参照して本開示の実施例の技術案を明確かつ完全に説明する。説明された実施例は、全ての実施例ではなく、本開示の一部の実施例にすぎないことは明らかである。説明された本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で取得した他のすべての実施例は、本開示の保護の範囲に属する。以下、図面および実施例を参照し、本開示の実施例を詳細に説明する。なお、矛盾しない場合、本開示の実施例における特徴を互いに組み合わせることができる。
【0015】
通常、インクスクリーンは、いくつかの色しか表示できない。カラー画像をインクスクリーンに表示させるためには、カラー画像をインクスクリーンがサポートする色を含むターゲット画像に変換する必要がある。
【0016】
図1は、本開示の実施例による画像を処理するための方法の概略フローチャートである。
図1に示すように、まず、ステップ102において、画像における画素の初期色に基づいて、ターゲット色に使用される代替色に対応する重み付けを確定し、この後、ステップ104において、代替色の重み付けに基づいて、代替色から画素のターゲット色を選択し、最後に、ステップ106において、画素の初期色をターゲット色に変換することにより、ターゲット画像を取得する。
【0017】
以上から分かるように、本開示の実施例による方法を採用すると、各代替色の重み付けを確定することにより、画像を代替色のみを含むターゲット画像に変換し、ターゲット画像を限られた数の代替色で表すことができる。
【0018】
ステップ104において、画素のターゲット色を選択するプロセスは、以下の2つのステップを含む。まず、代替色の重み付けのうち最大値を持つ重み付けを確定し、この後、最大値を持つ重み付けに対応する代替色を当該画素のターゲット色として選択する。最大値を持つ重み付けを選択することにより、当該画素のターゲット色をその初期色により近づけることができる。
【0019】
本開示の実施例において、画素の初期色は、色空間の成分で表されてもよい。例えば、画素の初期色は、RGB色空間におけるR、GおよびBこの3つの成分で表されてもよい。あるいは、画素の初期色は、HSV色空間におけるH、SおよびVこの3つの成分で表されてもよい。
【0020】
当業者は、画素の初期色をRGB色空間におけるR、GおよびB成分からHSV色空間におけるH、SおよびV成分に変換することができることを理解すべきである。
ステップ102において、代替色に対応する重み付けを確定するプロセスは、以下の2つのステップを含む。まず、代替色に基づいて、HSV色空間で色変換空間を確立する。この後、当該色変換空間で、代替色に対応する重み付けを確定する。
【0021】
本開示の実施例において、代替色は、色調を有する色、白色および黒色を含み得る。当該実施例において、代替色に対応する重み付けは、色調を有する色に対応する第1重み付け、白色に対応する第2重み付けおよび黒色に対応する第3重み付けを含む。以下の実施例では、代替色の数が3つであることを例に挙げて説明する。
【0022】
代替色の数は、上記の3つに限定されず、例えば、4つ(異なる色調を有する2つの色、白色および黒色)であってもよいことを理解すべきである。また、色調を有する色は、HSV色空間におけるH成分上の任意の色であってもよく、例えば、赤色、黄色、緑色、シアン、青色またはマゼンタであってもよい。
【0023】
以下、色変換空間を確立するプロセスを詳細に説明する。
図2は、本開示の一実施例による色変換空間の概略図であり、当該色変換空間の確立は、以下の3つのステップを含む。まず、S成分とV成分が最大値である場合(即ち、
図2に示された円錐に対応する頂面における円周上)、H成分は、複数の端点を有する。複数の端点は、白色を表す第1端点P
1および第2端点P
2と、色調を有する色を表す第3端点P
3と、黒色または白色を表す奇数個の付加的な端点P’
1、P’
2…P’
2n+1(nは、0以上の整数である)。
図2に示すように、第1端点P
1および第2端点P
2は、H成分全体を互いに連続する第1区間および第2区間に分割し、第3端点P
3は、第1区間にあり、付加的な端点P’
1、P’
2…P’
2n+1は、第2区間にある。付加的な端点の数が1である場合(即ち、nが0に等しい場合)、当該付加的な端点は、黒色を表し、付加的な端点の数が1より大きい場合(即ち、nが0より大きい整数である場合)、互いに最も隣接する2つの付加的な端点のうちの一方は、白色を表し、他方は、黒色を表し、第1端点P
1および第2端点P
2にそれぞれ最も隣接する2つの付加的な端点は、黒色を表す。
図2に示すように、第1端点P
1に最も隣接する付加的な端点P’
2n+1は、黒色を表し、第2端点P
2に最も隣接する付加的な端点P’
1は、黒色を表す。上記の各端点で表された色を限定した後、互いに最も隣接する2つの端点間の任意の色は、2つの端点を表す色の漸進的な変換である。具体的に、第1端点P
1と第3端点P
3との間の色は、白色から色調を有する色への漸進的な変換であってもよく、第3端点P
3と第2端点P
2との間の色は、色調を有する色から白色への漸進的な変換であってもよく、第2端点P
2と付加的な端点P’
1との間の色は、白色から黒色への漸進的な変換であってもよく、付加的な端点P’
1と付加的な端点P’
2との間の色は、黒色から白への漸進的な変換であってもよく、これをもとに類推して、付加的な端点P’
2nと付加的な端点P’
2n+1との間の色は、白色から黒色への漸進的な変換であってもよく、付加的な端点P’
2n+1と第1端点P
1との間の色は、黒色から白への漸進的な変換であってもよい。これまで、色変換空間を確立する最初のステップを説明した。
【0024】
この後、S成分が徐々に小さくなる場合(即ち、
図2に示されたS成分の矢印の逆方向に沿って)、色変換空間における色は、徐々に白色に変換される。これは、HSV色空間で、S成分が、色がスペクトル色に近い度合いを表し、ここで、S成分が大きいほど、色がスペクトル色に近くなり(即ち、白色光成分が小さい)、S成分が小さいほど、色が白色に近くなる(即ち、白色光成分が大きい)からである。
【0025】
最後に、V成分が徐々に小さくなる場合(即ち、
図2に示されたV成分の矢印の逆方向に沿って)、色変換空間における色は、徐々に黒色に変換される。これは、HSV色空間で、V成分が、色の明るさを表し、ここで、V成分が小さいほど、色が黒色に近くなり、V成分が大きいほど、色が白色に近くなるからである。
【0026】
これまで、HSV色空間から色変換空間への確立プロセスを説明した。
【0027】
次に、確立された色変換空間で、代替色に対応する重み付けをどのように確定するかを検討する。まず、S成分とV成分が最大値である場合、H成分に基づいて、代替色の第1比率を確定し、ここで、代替色の第1比率の和は、1であり、例えば、色調を有する色の第1比率、白色の第1比率および黒色の第1比率の和は、1である。この後、確定された第1比率およびS成分に基づいて、代替色の第2比率を確定し、ここで、代替色の第2比率の和は、1であり、例えば、色調を有する色の第2比率、白色の第2比率および黒色の第2比率の和は、1である。最後に、確定された第2比率およびV成分に基づいて、代替色に対応する重み付けを確定し、ここで、代替色の重み付けの和は、1であり、例えば、色調を有する色に対応する第1重み付け、白色に対応する第2重み付けおよび黒色に対応する第3重み付けの和は、1である。
【0028】
本開示の実施例において、色調を有する色のHSV空間における色調は、以下の式で表されてもよく、即ち、
H=N×60°であり、
ここで、Nは、整数であり、且つ0≦N≦5である。具体的に、Hが0°(即ち、N=0)である場合、赤色を表し、Hが60°(即ち、N=1)である場合、黄色を表し、Hが120°(即ち、N=2)である場合、緑色を表し、Hが180°(即ち、N=3)である場合、シアンを表し、Hが240°(即ち、N=4)である場合、青色を表し、Hが300°である場合、マゼンタを表す。
【0029】
本開示の実施例において、端点は、6つの端点(例えば、P1、P2、P3、P’1、P’2、P’3)を含み得て、6つの端点のH座標は、0°、60°、120°、180°、240°、300°であってもよい。以下、端点が6つの端点を含むことを例に挙げて詳細に説明する。
【0030】
本開示の一実施例において、色調を有する色の色調は、0°であり、即ち色調を有する色は、赤色である。当該実施例において、
図3に示された色変換空間を確立することができる。具体的に、S成分とV成分が最大値である場合、白色を表す第1端点P
1および第2端点P
2のH座標は、それぞれ、300°および60°であり、赤色を表す第3端点P
3のH座標は、0°であり、黒色を表す付加的な端点P’
1のH座標は、120°であり、白色を表す付加的な端点P’
2のH座標は、180°であり、黒色を表す付加的な端点P’
3のH座標は、240°であり、互いに最も隣接する任意の2つの端点間の色は、2つの端点を表す色の漸進的な変換である。S成分が徐々に小さくなる場合、当該色変換空間における色は、徐々に白色に変換される。V成分が徐々に小さくなる場合、当該色変換空間における色は、徐々に黒色に変換される。
【0031】
当該実施例において、赤色に対応する第1比率r
11、白色に対応する第1比率r
21、および黒色に対応する第1比率r
31は、以下の式
【数19】
で表され、ここで、赤色に対応する第2比率r
12、白色に対応する第2比率r
22、黒色に対応する第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数20】
であり、
ここで、赤色に対応する第1重み付けr
13、白色に対応する第2重み付けr
23、黒色に対応する第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数21】
であり、
ここで、S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す。
【0032】
これまで、当該実施例によって、代替色が赤色、白色および黒色である場合の第1重み付け、第2重み付けおよび第3重み付けを得ることができる。
【0033】
本開示の別の実施例において、色調を有する色の色調は、60°であり、即ち色調を有する色は、黄色である。当該実施例において、色変換空間は、次のように確立されることができる。S成分とV成分が最大値である場合、白色を表す第1端点P1および第2端点P2のH座標は、それぞれ、0°および120°であり、黄色を表す第3端点P3のH座標は、60°であり、黒色を表す付加的な端点P’1のH座標は、180°であり、白色を表す付加的な端点P’2のH座標は、240°であり、黒色を表す付加的な端点P’3のH座標は、300°であり、互いに最も隣接する任意の2つの端点間の色は、2つの端点を表す色の漸進的な変換である。S成分が徐々に小さくなる場合、当該色変換空間における色は、徐々に白色に変換される。V成分が徐々に小さくなる場合、当該色変換空間における色は、徐々に黒色に変換される。
【0034】
当該実施例において、黄色に対応する第1比率r
11、白色に対応する第1比率r
21、および黒色に対応する第1比率r
31は、以下の式
【数22】
で表され、ここで、黄色に対応する第2比率r
12、白色に対応する第2比率r
22、黒色に対応する第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数23】
であり、
ここで、黄色に対応する第1重み付けr
13、白色に対応する第2重み付けr
23、黒色に対応する第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数24】
であり、
ここで、S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す。
【0035】
これまで、当該実施例によって、代替色が黄色、白色および黒色である場合の第1重み付け、第2重み付けおよび第3重み付けを得ることができる。
【0036】
本開示のまた別の実施例において、色調を有する色の色調は、120°であり、即ち色調を有する色は、緑色である。当該実施例において、色変換空間は、次のように確立されることができる。S成分とV成分が最大値である場合、白色を表す第1端点P1および第2端点P2のH座標は、それぞれ、60°および180°であり、緑色を表す第3端点P3のH座標は、120°であり、黒色を表す付加的な端点P’1のH座標は、240°であり、白色を表す付加的な端点P’2のH座標は、300°であり、黒色を表す付加的な端点P’3のH座標は、0°であり、互いに最も隣接する任意の2つの端点間の色は、2つの端点を表す色の漸進的な変換である。S成分が徐々に小さくなる場合、当該色変換空間における色は、徐々に白色に変換される。V成分が徐々に小さくなる場合、当該色変換空間における色は、徐々に黒色に変換される。
【0037】
当該実施例において、緑色に対応する第1比率r
11、白色に対応する第1比率r
21、および黒色に対応する第1比率r
31は、以下の式
【数25】
で表され、ここで、緑色に対応する第2比率r
12、白色に対応する第2比率r
22、黒色に対応する第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数26】
であり、
ここで、緑色に対応する第1重み付けr
13、白色に対応する第2重み付けr
23、黒色に対応する第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数27】
であり、
ここで、S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す。
【0038】
これまで、当該実施例によって、代替色が緑色、白色および黒色である場合の第1重み付け、第2重み付けおよび第3重み付けを得ることができる。
【0039】
本開示のさらに別の実施例において、色調を有する色の色調は、180°であり、即ち色調を有する色は、シアンである。当該実施例において、色変換空間は、次のように確立されることができる。S成分とV成分が最大値である場合、白色を表す第1端点P1および第2端点P2のH座標は、それぞれ、120°および240°であり、緑色を表す第3端点P3のH座標は、180°であり、黒色を表す付加的な端点P’1のH座標は、300°であり、白色を表す付加的な端点P’2のH座標は、0°であり、黒色を表す付加的な端点P’3のH座標は、60°であり、互いに最も隣接する任意の2つの端点間の色は、2つの端点を表す色の漸進的な変換である。S成分が徐々に小さくなる場合、当該色変換空間における色は、徐々に白色に変換される。V成分が徐々に小さくなる場合、当該色変換空間における色は、徐々に黒色に変換される。
【0040】
当該実施例において、シアンに対応する第1比率r
11、白色に対応する第1比率r
21、および黒色に対応する第1比率r
31は、以下の式
【数28】
で表され、ここで、シアンに対応する第2比率r
12、白色に対応する第2比率r
22、黒色に対応する第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数29】
であり、
ここで、シアンに対応する第1重み付けr
13、白色に対応する第2重み付けr
23、黒色に対応する第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数30】
であり、
ここで、S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す。
【0041】
これまで、当該実施例によって、代替色がシアン、白色および黒色である場合の第1重み付け、第2重み付けおよび第3重み付けを得ることができる。
【0042】
本開示のさらに別の実施例において、色調を有する色の色調は、240°であり、即ち色調を有する色は、青色である。当該実施例において、色変換空間は、次のように確立されることができる。S成分とV成分が最大値である場合、白色を表す第1端点P1および第2端点P2のH座標は、それぞれ、180°および300°であり、青色を表す第3端点P3のH座標は、240°であり、黒色を表す付加的な端点P’1のH座標は、0°であり、白色を表す付加的な端点P’2のH座標は、60°であり、黒色を表す付加的な端点P’3のH座標は、120°であり、互いに最も隣接する任意の2つの端点間の色は、2つの端点を表す色の漸進的な変換である。S成分が徐々に小さくなる場合、当該色変換空間における色は、徐々に白色に変換される。V成分が徐々に小さくなる場合、当該色変換空間における色は、徐々に黒色に変換される。
【0043】
当該実施例において、青色に対応する第1比率r
11、白色に対応する第1比率r
21、および黒色に対応する第1比率r
31は、以下の式
【数31】
で表され、ここで、青色に対応する第2比率r
12、白色に対応する第2比率r
22、黒色に対応する第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数32】
であり、
ここで、青色に対応する第1重み付けr
13、白色に対応する第2重み付けr
23、黒色に対応する第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数33】
であり、
ここで、S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す。
【0044】
これまで、当該実施例によって、代替色が青色、白色および黒色である場合の第1重み付け、第2重み付けおよび第3重み付けを得ることができる。
【0045】
本開示のさらに別の実施例において、色調を有する色の色調は、300°であり、即ち色調を有する色は、マゼンタである。当該実施例において、色変換空間は、次のように確立されることができる。S成分とV成分が最大値である場合、白色を表す第1端点P1および第2端点P2のH座標は、それぞれ、0°および240°であり、マゼンタを表す第3端点P3のH座標は、300°であり、黒色を表す付加的な端点P’1のH座標は、60°であり、白色を表す付加的な端点P’2のH座標は、120°であり、黒色を表す付加的な端点P’3のH座標は、180°であり、互いに最も隣接する任意の2つの端点間の色は、2つの端点を表す色の漸進的な変換である。S成分が徐々に小さくなる場合、当該色変換空間における色は、徐々に白色に変換される。V成分が徐々に小さくなる場合、当該色変換空間における色は、徐々に黒色に変換される。
【0046】
当該実施例において、マゼンタに対応する第1比率r
11、白色に対応する第1比率r
21、および黒色に対応する第1比率r
31は、以下の式
【数34】
で表され、ここで、マゼンタに対応する第2比率r
12、白色に対応する第2比率r
22、黒色に対応する第2比率r
32は、以下の式で表され、即ち、
【数35】
であり、
ここで、マゼンタに対応する第1重み付けr
13、白色に対応する第2重み付けr
23、黒色に対応する第3重み付けr
33は、以下の式で表され、即ち、
【数36】
であり、
ここで、S
maxは、S成分の最大値を表し、V
maxは、V成分の最大値を表す。
【0047】
これまで、当該実施例によって、代替色がマゼンタ、白色および黒色である場合の第1重み付け、第2重み付けおよび第3重み付けを得ることができる。
【0048】
HSV色空間について、上記実施例におけるSmaxおよびVmaxの値は、いずれも1であってもよいことを理解すべきである。
【0049】
第1重み付け、第2重み付けおよび第3重み付けを取得した後、そのうち最大値を持つ重み付けを確定し、最大値を持つ重み付けに対応する代替色をターゲット色として選択する。画素のターゲット色を確定した後、当該画素のRGB成分の値をターゲット色に対応するRGB成分の値に設定できることを理解すべきである。例えば、代替色が赤色、白色および黒色である実施例において、赤色に対応する第1重み付けの値が最大である場合、赤色を画素のターゲット色として選択し、当該画素のRGB成分の値を(255、0、0)に設定する。
【0050】
本開示の実施例において、画素のターゲット色を確定した後、当該画素に対して誤差拡散を行う。
図4は、本開示の実施例による1つの画素から周辺画素への誤差拡散の概略図であり、当該誤差拡散は、Floyd-Steinbergフィルタに基づくものである。
図4に示すように、当該画素110の初期色とターゲット色との誤差値を周辺画素112、114、116、118、120、122、124、126、128、130、132および134へ拡散する。
図4に示すように、画素112は、画素110から誤差値の7/48を受信し、画素114は、画素110から誤差値の5/48を受信し、画素116は、画素110から誤差値の3/48を受信し、画素118は、画素110から誤差値の5/48を受信し、画素120は、画素110から誤差値の7/48を受信し、画素122は、画素110から誤差値の5/48を受信し、画素124は、画素110から誤差値の3/48を受信し、画素126は、画素110から誤差値の1/48を受信し、画素128は、画素110から誤差値の3/48を受信し、画素130は、画素110から誤差値の5/48を受信し、画素132は、画素110から誤差値の3/48を受信し、画素134は、画素110から誤差値の1/48を受信する。画素に対して誤差拡散を行うことにより、ターゲット画像がより良い視覚効果を持つ。なお、誤差拡散を行う場合、本開示において以上で説明された各画素の初期色は、周辺画素からの拡散誤差を考慮した初期色であり、例えば、処理待ちの画素のターゲット色を確定する前に、誤差拡散を利用して処理待ちの画素の初期色を修正する。
【0051】
また、当業者は、JF Jarvisフィルタ、BurkesフィルタまたはStuckiフィルタに基づいて誤差拡散を行うこともできることを理解すべきである。
【0052】
図5aから
図5cは、本開示の実施例による、画像をターゲット画像に変換する方法を示す。
図5aから
図5cの左側は、処理する前の画像であり、右側は、処理した後のターゲット画像である。ターゲット画像の色は、赤色、黒色および白色を含み、当該ターゲット画像における画素は、Floyd-Steinbergフィルタに基づいて誤差拡散を行う。
図5aから
図5cに示すように、ターゲット画像を限られた数の代替色で表すことにより、ターゲット画像が、視覚的に連続的なトーン効果を得ることができ、この結果、よい視覚効果を得ることができる。
【0053】
本開示の他の実施例において、記憶媒体をさらに提供する。当該記憶媒体にコンピュータ指令が記憶され、ここで、コンピュータ指令がプロセッサによって実行されるとき、本開示による画像を処理するための方法を実行する。
【0054】
本開示の他の実施例において、デバイスをさらに提供する。当該デバイスは、1つ以上のプロセッサを含み得て、ここで、プロセッサは、コンピュータ指令を実行することにより、本開示による画像を処理するための方法を実行するように構成されている。
【0055】
以上、本開示の具体的な実施例について説明したが、本開示の範囲はこれに限定されない。当業者にとって、本開示は様々な修正および変更が可能である。本開示の精神および原則内でなされた任意の変更、等効な置換、改善などは、本開示の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0056】
P1 第1端点
P2 第2端点
P3 第3端点
H HSV色空間におけるH成分
S HSV色空間におけるS成分
V HSV色空間におけるV成分
【国際調査報告】