(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(54)【発明の名称】カロリー制限および飽食効果のための膨張乾燥製品、その使用およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
A23K 10/30 20160101AFI20230329BHJP
A23K 40/25 20160101ALI20230329BHJP
A23K 50/40 20160101ALI20230329BHJP
【FI】
A23K10/30
A23K40/25
A23K50/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545080
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(85)【翻訳文提出日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 US2021070134
(87)【国際公開番号】W WO2021163719
(87)【国際公開日】2021-08-19
(32)【優先日】2020-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390037914
【氏名又は名称】マース インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】MARS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】トラッシー,ローラ
(72)【発明者】
【氏名】ドゥブリ-ブヌア,ナディア
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
【Fターム(参考)】
2B005AA02
2B150AA06
2B150AB03
2B150AE09
2B150AE29
2B150AE34
2B150BD01
2B150BD06
2B150BE02
2B150BE04
2B150CJ01
2B150CJ02
2B150CJ07
(57)【要約】
本開示は、乾燥食品組成物であって、約500kCal/L~約900kCal/L(約2.092kJ/m3~約3.766kJ/m3)の範囲のカロリー密度を有し、かつ該組成物の総質量に対してa.約20質量%~約36質量%の範囲の量のタンパク質と、b.約15質量%~約30質量%の範囲の量の総食物繊維と、c.約15質量%~約32質量%の範囲の量のデンプンとを少なくとも含む、乾燥食品組成物に関する。本開示はまた、開示された組成物を用いて体重および食物摂取量を管理するための使用方法、ならびに該組成物の製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約500kCal/L~約900kCal/L(約2.092kJ/m
3~約3.766kJ/m
3)の範囲のカロリー密度を有する乾燥食品組成物であって、前記食品組成物は、前記組成物の総質量に対して
a.約20質量%~約36質量%の範囲の量のタンパク質と、
b.約15質量%~約30質量%の範囲の量の総食物繊維と、
c.約15質量%~約32質量%の範囲の量のデンプンと
を含む、乾燥食品組成物において、前記食品組成物は、約40%~約70%の範囲の空隙率を有することを特徴とする、乾燥食品組成物。
【請求項2】
前記乾燥食品組成物は、個別の要素から構成されており、各個別の要素は、総体積を定め、かつ前記総体積内に少なくとも1つの開口部を含む少なくとも1つの空のキャビティを含み、前記キャビティは、前記総体積の少なくとも約20%の体積を表す、請求項1記載の乾燥食品組成物。
【請求項3】
前記組成物の前記個別の要素は、キブルであり、好ましくは、中央または実質的に中央の円筒状の空のキャビティを含む円筒状のキブルである、請求項2記載の乾燥食品組成物。
【請求項4】
前記乾燥食品組成物は、少なくとも部分的に加水分解されたタンパク質、好ましくは完全に加水分解されたタンパク質を含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物。
【請求項5】
前記デンプンは、アミロース対アミロペクチンの比が約30:70を超えない、優先的には約25:75を超えない、さらに優先的には約20:80を超えない、より好ましくは約15:85であるデンプンから選択される、請求項1から4までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物。
【請求項6】
前記乾燥食品組成物は、約500kCal/L~約900kCal/L(約2.092kJ/m
3~約3.766kJ/m
3)、好ましくは約510kCal/L~約850kCal/L(約2.134kJ/m
3~約3.556kJ/m
3)、好ましくは約525kCal/L~約825kCal/L(約2.197kJ/m
3~約3.452kJ/m
3)、好ましくは約530kCal/L~約800kCal/L(約2.218kJ/m
3~約3.347kJ/m
3)、より好ましくは約550kCal/L~約770kCal/L(約2.301kJ/m
3~約3.222kJ/m
3)の範囲のカロリー密度を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物。
【請求項7】
前記乾燥食品組成物は、約150g/L~約300g/L(約150kg/m
3~約300kg/m
3)、好ましくは約160g/L~約270g/L(約160kg/m
3~約270kg/m
3)、好ましくは約180g/L~約250g/L(約180kg/m
3~約250kg/m
3)、より好ましくは約190g/L~約240g/L(約190kg/m
3~約240kg/m
3)の範囲の体積密度を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物。
【請求項8】
前記乾燥食品組成物は、栄養的に完全な食品または機能性補助品からなる、請求項1から7までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物を含む、キブル。
【請求項10】
過体重および/または肥満の予防および/または処置を、それを必要とする動物において行うための治療的方法において使用するための、請求項1から8までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物または請求項9記載のキブル。
【請求項11】
動物の食物摂取量の減少に適した、請求項1から8までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物または請求項9記載のキブル。
【請求項12】
動物の食物摂取量を減少させるための、請求項1から8までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物または請求項9記載のキブルの使用。
【請求項13】
体重の管理または制御を、それを必要とする動物において行うための方法であって、前記動物に、請求項1から8までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物または請求項9記載のキブルを与える少なくとも1つのステップを有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、低密度食品組成物、特に空のキャビティまたは孔を有する低密度膨張食品組成物、および体重管理のためのその使用に関する。また本開示は、該低密度食品組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家畜、特に犬や猫における体重の問題に可能な限り早期に取り組むことがますます重要となっている。ペットの飼い主、獣医およびペット用食品メーカーにとって、過体重および肥満の管理は優先事項となっている。
【0003】
体重の問題を管理すべく、特に過体重または肥満の動物の体重を管理すべく、動物による食物摂取量、特にカロリー摂取量を制御するために様々な戦略を実施することができる。カロリー摂取量は、低カロリーのペットフードを与えるか、または通常のカロリーのペットフードをより少量与えることによって制御することができる。低カロリーのペットフードは、飼料中の繊維の量を増加させ、脂肪の量を減少させることによって低エネルギー密度を実現しており、多くの場合、あまり好まれない食品となる。また、ペットはこうした製品をあまり消費しないため、飼い主はその分ペットにおやつを多く与える必要があると感じることが多い。このおやつがさらなるカロリーとなり、結果として体重が増え続ける。さらに、給餌指示を遵守することで体重が減少することはよくあるが、体脂肪の減少とともに除脂肪体重が減少する危険性がある。カロリー摂取量を減少させるための別の可能な戦略は、膨張食品組成物や膨化食品組成物のように、その構造内部に空気を埋め込んで体積を増加させることにより食材のカロリー密度を減少させることである。食材を低密度とすることで、動物が摂取するカロリーを減少させることができる。実際に、嚥下される食品の体積、したがって食品の1杯分の体積の増加は、飽食効果をもたらすとともに、食物摂取速度、したがって1日の摂取カロリーを低下させるのに役立つ。
【0004】
特許文献1には、体積密度が240kg/m3より低く、高アミロースデンプンおよび長鎖アミロースを含む、低エネルギー密度の動物用膨張食品が記載されている。しかし、この食材は、体重管理に大きく貢献することができるほど、または過体重や肥満を抑制することができるほど、十分な量のタンパク質および繊維を含んでいない。このような高アミロースデンプンおよび長鎖アミロースは、一般には非天然デンプンであり、より一般には化学的に加工されたデンプン(予備糊化デンプン)である。この予備糊化デンプンは、そのテクスチャ特性を付与するために、調理または酸加水分解によって製造することができる。押出機で2回目の調理を行うと、材料の劣化や潜在的に危険で不利な望ましくない分子の出現といった影響を伴う過加工が行われるおそれがある。
【0005】
一方で、タンパク質や繊維は膨張性の点で不利であり、配合量が多すぎると組成物の膨張が妨げられる、あるいは極端に低減されることがあり、十分な低密度体積でかつ低カロリー密度の膨張食を得ることができないことが知られている。
【0006】
従来の膨張食品の製造では、ペットフードの原料をプレコンディショニング工程で水和、加熱および混合して生地が形成される。このプレコンディショニングステップでは、油、脂肪および着色料などの追加の液体を加えることもできる。プレコンディショニング装置は、材料を水和および混合しながらデンプンの糊化を開始するのに十分なレベルの蒸気や水を利用することができる。このような従来のシステムでは、生地はプレコンディショニング装置の排出口から押出機に入り、押出機に押し通されてダイプレートのオリフィスを通じて押し出される。この段階でさらに湿分を加えて、生地をさらに水和させ、最終生成物のテクスチャを制御することができる。また、この工程で蒸気を加えて、生地をさらに調理し、かつ/または密度制御を行うこともできる。生地をダイプレートのオリフィスに通す際に、押出物が形成される。押出機とダイプレートの出口との間の圧力差により、押出物が膨張する。通常、押出物は多量の湿分を含んでおり、消費に安全な組成を得るためには、個別の乾燥機でさらに乾燥させる必要がある。本開示の新規組成物には、特定の量のタンパク質および繊維、ならびに比較的少量のデンプンが含まれるため、膨張食品組成物を得るためのそのような従来のプロセスは、こうした新規組成物には適合しないものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,678,406号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、多量のタンパク質および/または繊維を含む、低体積密度の、例えば膨張した食品組成物を提供する必要性がある。多量のタンパク質および/または繊維を含む低カロリー密度の食品組成物を提供する必要性がある。低体積密度でかつ低カロリー密度の食品組成物を提供する必要性がある。
【0009】
高含気(高空隙率)食品組成物を提供する必要性がある。
【0010】
動物による食物摂取量を減少させることができ、特に動物による過度の食物摂取を予防することができる低体積密度の食品組成物を提供する必要性がある。
【0011】
摂取カロリーを低下させつつ、完全な飽食効果を得ることができる低体積密度の食品組成物を提供する必要性がある。
【0012】
動物の体重を管理または制御するための方法、特に動物の過体重を予防するための方法に使用することができる低体積密度の食品組成物を提供する必要性がある。適切な飽食効果を提供することができる低カロリー密度の食品組成物を提供する必要性がある。
【0013】
壊れにくく、したがって取扱いおよび保管がより容易な低密度食品組成物を提供する必要性がある。
【0014】
動物およびペットの飼い主にとって食欲をそそる様相を維持する低密度食品組成物を提供する必要性がある。
【0015】
低密度食品組成物、特に低密度食品キブルを得ることを可能にする製造方法を提供する必要性がある。
【0016】
多量のタンパク質および繊維、ならびに比較的少量のデンプンを含む、膨張低密度食品組成物を得ることを可能にする製造方法を提供する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本開示は、これらのニーズのすべてまたは一部を満たすことを目的とする。
【0018】
開示された主題の目的および利点は、以下の説明に記載され、そこから明らかとなるとともに、開示された主題の実施によって知られることとなる。開示された主題の追加の利点は、本明細書および特許請求の範囲において特に指摘された実施形態によって実現および達成されるであろう。
【0019】
一実施形態によれば、本開示は、乾燥食品組成物であって、約500kCal/L~約900kCal/L(約2.092kJ/m3~約3.766kJ/m3)の範囲のカロリー密度を有し、かつ該組成物の総質量に対して
a.約20質量%~約36質量%の範囲の量のタンパク質と、
b.約15質量%~約30質量%の範囲の量の総食物繊維と、
c.約15質量%~約32質量%の範囲の量のデンプンと
を含む、乾燥食品組成物に関する。
【0020】
本開示の低密度食品組成物は、膨張組成物である。
【0021】
実施例に示すように、本明細書で開示されるのは、低体積密度と、生成物の審美上および健康上の利点との適切な両立を提供することができる、低体積密度でかつ低カロリー密度の膨張乾燥食品組成物の新規配合物である。驚くべきことに、処方、形状およびプロセスという3つの異なる軸について取り組むことによって、本開示は、膨張可能であり体積密度を最小限に抑えることが可能である状態を維持しつつ、高水準の繊維およびタンパク質を含むことができる食品組成物の有利な処方を含む。さらに、実施例に示すように、本開示は、体積密度をさらに減少させるような特定の形状を食品組成物に含む。特定の実施形態では、該形状は、有利に体積効果を高める中空円筒状のキブルである。
【0022】
有利には、本開示の食品組成物は、低カロリー密度の組成物である。有利には、本開示の食品組成物は、低体積密度の組成物である。別の利点によれば、本開示の組成物は、効率的な低体積密度、低カロリー密度、高体積組成物となるように膨張可能である。
【0023】
別の利点によれば、本開示の食品組成物は、動物の食物摂取量を管理または制御するために使用することができる。さらに、本開示の食品組成物は、動物のカロリー摂取量を減少させるために使用することができる。本開示の食品組成物は、動物による過度の食物摂取を予防または低減するために特に有用であり得る。さらに、本開示の食品組成物は、過体重または肥満の予防または処置を、それを必要とする動物において行うのに特に有用であり得る。一利点によれば、本開示の食品組成物は、カロリー摂取量を減少させつつ完全な飽食効果を生じさせることができる。
【0024】
別の利点によれば、本開示の食品組成物は、食欲をそそる様相を呈することができる。さらに、食品組成物は、動物にボウル1杯分として提示された際に、その高体積の態様によって、カロリー摂取量が減少した部分を含みつつも、そのボウルで満腹であるという快適な感覚を動物に与えることができる。別の利点によれば、本開示の食品組成物は、動物が低カロリーの食事療法に従い、それを遵守することを支援するのに特に有用であり得る。
【0025】
さらに、別の利点によれば、本開示の食品組成物は、特に破断に対する抵抗性を示し、それにより、食欲をそそる視覚的様相を付与および維持することを可能にする。さらに、その破断に対する抵抗性により、本開示の食品組成物は、取扱いおよび保存を容易に行うことができる。この利点は、より具体的には高い空隙率と高体積のキャビティとの双方を考慮すると、このような低密度のコンパウンドにとって特に驚くべきことであった。キブルなどの本開示の組成物の破断に対する抵抗性によって、改善された耐久性および保管、ならびにより容易な取扱いが可能となる。キブルなどの本開示の組成物は、組成物またはキブルの総量に対して約7%以下、好ましくは約6%以下、好ましくは約5%以下、好ましくは約4%以下、好ましくは約3%以下、好ましくは約2%以下、好ましくは約1%以下、最も好ましくは約0.5~約0.7%の範囲の破断率を有する。
【0026】
実施形態によれば、本開示の乾燥食品組成物は、組成物の総体積に対して約40%~約85%、優先的には約40%~約70%、優先的には約49%~約68%、優先的には約45%~約65%、より有利には約55%~約65%の範囲の空隙率を有することができる。
【0027】
一実施形態によれば、本開示は、約500kCal/L~約900kCal/L(約2.092kJ/m3~約3.766kJ/m3)の範囲のカロリー密度を有する乾燥食品組成物であって、該食品組成物は、該組成物の総質量に対して
a.約20質量%~約36質量%の範囲の量のタンパク質と、
b.約15質量%~約30質量%の範囲の量の総食物繊維と、
c.約15質量%~約32質量%の範囲の量のデンプンと
を含む、乾燥食品組成物において、該食品組成物は、約40%~約70%の範囲の空隙率を有することを特徴とする、乾燥食品組成物に関する。
【0028】
実施形態によれば、本開示の乾燥食品組成物は、個別の要素から構成されていてよく、各個別の要素は、総体積を定め、かつ該総体積内に少なくとも1つの開口部を含む少なくとも1つの空のキャビティを含み、該キャビティは、個別の要素の総体積の少なくとも約20%、好ましくは少なくとも約25%の体積を表す。
【0029】
一実施形態によれば、各個別の要素のキャビティの体積は、該個別の要素の総体積の約20%~約70%、好ましくは約25%~約65%、好ましくは約30%~約60%、より好ましくは約40%~約50%を表すことができる。
【0030】
一実施形態によれば、キャビティは、少なくとも2つの開口部を含み、好ましくは2つ以下の開口部を含む。
【0031】
一実施形態によれば、個別の要素は、実質的に円形または楕円形の横断面を有する形状を有することができる。
【0032】
一実施形態によれば、個別の要素は、円筒状の形状を有することができ、該形状は、該円筒体の各端部に2つの開口を含む中央の孔を有し、該孔は、各個別の要素の総体積の約20~約70%の体積を表す。
【0033】
一実施形態によれば、個別の要素はキブルであり、好ましくは、中央または実質的に中央の円筒状の空のキャビティを含む円筒状のキブルである。
【0034】
一実施形態によれば、個別の要素は、外径および内径を有する実質的に円形または楕円形の断面形状を有することができ、該外径は、約8mm~約25mm、好ましくは約10mm~約20mm、より好ましくは約11mm~約18mmの範囲であり、該内径は、約2mm~約15mm、好ましくは約2mm~約12mmの範囲である。
【0035】
一実施形態によれば、個別の要素は、約1.5~約4、好ましくは約2~約3の範囲の、内径に対する外径の比を有することができる。
【0036】
一実施形態によれば、個別の要素は、約5mm~約22mm、好ましくは約7mm~約20mm、より好ましくは約9mm~約17mmの範囲の長手方向寸法を有することができる。
【0037】
一実施形態によれば、個別の要素は、約1.0~約1.5、好ましくは約1.1~約1.3の範囲の、より好ましくは約1.2の、幅に対する長さの比を有することができる。
【0038】
別の実施形態によれば、本開示の乾燥食品組成物は、植物性タンパク質を含むことができる。
【0039】
別の実施形態によれば、本開示の乾燥食品組成物は、少なくとも部分的に加水分解されたタンパク質、好ましくは完全に加水分解されたタンパク質を含むことができる。
【0040】
一実施形態によれば、本開示の乾燥食品組成物は、唯一のタンパク源として、部分的または完全に加水分解された植物性タンパク質、好ましくは完全に加水分解された植物性タンパク質を含むことができる。
【0041】
一実施形態によれば、植物性タンパク質は、ダイズタンパク質である。
【0042】
別の実施形態によれば、本開示の乾燥食品組成物は、小麦、大麦、小麦粉、トウモロコシ粉、米、ジャガイモ、エンドウ、およびオート麦から選択されるデンプンを含むことができる。
【0043】
一実施形態によれば、デンプンは、穀物デンプンであってよい。
【0044】
一実施形態によれば、穀物デンプンは、天然穀物デンプンであってよい。
【0045】
一実施形態によれば、デンプンは、アミロース対アミロペクチンの比が約30:70を超えない、優先的には約25:75を超えない、さらに優先的には約20:80を超えない、より好ましくは約15:85であるデンプン、好ましくは穀物デンプンであってよい。
【0046】
別の実施形態によれば、本開示の乾燥食品組成物は、該組成物の総質量に対して約5質量%~約15質量%、優先的には約8質量%~約12.5質量%の範囲の量の脂肪を有することができる。
【0047】
別の実施形態によれば、本開示の乾燥食品組成物は、組成物の総質量に対して約15%未満の量の水または湿分、好ましくは組成物の総質量に対して約10%未満の量の水または湿分、好ましくは約6%~約10%、より好ましくは約5%~約9%の量の水または湿分の湿分含量を有することができる。
【0048】
別の実施形態によれば、本開示の乾燥食品組成物は、約500kCal/L~約900kCal/L(約2.092kJ/m3~約3.766kJ/m3)、好ましくは約510kCal/L~約850kCal/L(約2.134kJ/m3~約3.556kJ/m3)、好ましくは約525kCal/L~約825kCal/L(約2.197kJ/m3~約3.452kJ/m3)、好ましくは約530kCal/L~約800kCal/L(約2.218kJ/m3~約3.347kJ/m3)、より好ましくは約550kCal/L~約770kCal/L(約2.301kJ/m3~約3.222kJ/m3)の範囲のカロリー密度を有することができる。
【0049】
別の実施形態によれば、本開示の乾燥食品組成物は、約150g/L~約300g/L(約150kg/m3~約300kg/m3)、より好ましくは約160g/L~約270g/L(約160kg/m3~約270kg/m3)、より好ましくは約180g/L~約250g/L(約180kg/m3~約250kg/m3)、より好ましくは約190g/L~約240g/L(約190kg/m3~約240kg/m3)の範囲の体積密度を有することができる。
【0050】
別の実施形態によれば、本開示の乾燥食品組成物は、栄養的に完全な食品または機能性補助品である。
【0051】
本開示の別の態様は、本開示の乾燥食品組成物を含むキブルに関する。
【0052】
別の態様によれば、本開示の乾燥食品組成物または本開示のキブルは、過体重の予防を、それを必要とする動物において行うための治療的方法において使用するためのものであってよい。
【0053】
別の態様によれば、本開示の乾燥食品組成物または本開示のキブルは、過体重および/または肥満の予防および/または処置を、それを必要とする動物において行うための治療的方法において使用するためのものであってよい。
【0054】
別の態様によれば、本開示の乾燥食品組成物または本開示のキブルは、体重管理または体重制御を、それを必要とする動物において行うための治療的方法において使用するためのものであってよい。
【0055】
本開示の別の態様は、動物の食物摂取量を減少させるための、本開示の乾燥食品組成物または本開示のキブルの使用に関する。
【0056】
本開示の別の態様は、体重の管理または制御を、それを必要とする動物において行うための方法であって、該動物に本開示の乾燥食品組成物または本開示のキブルを与える少なくとも1つのステップを有する、方法に関する。
【0057】
別の実施形態によれば、本開示の乾燥食品組成物、本開示による組成物の使用、または本開示の方法は、動物向けものであってよく、該動物は、ペットであり、優先的には猫または犬である。
【0058】
別の態様によれば、本開示は、食品組成物の製造方法であって、
a.生地を押出機チャンバから押出機のオリフィスに通して押し出して、第1の圧力で押出物を形成するステップであって、該オリフィスは、閉塞部によって部分的に閉塞されて、該押出物中に少なくとも1つの開口部を含む少なくとも1つの空のキャビティが形成されるように構成されているものとするステップと、
b.該オリフィスの出口で、該第1の圧力よりも低い第2の圧力で該押出物を膨張させて、該押出物内に細孔を形成するステップと、
c.膨張した押出物を各ピースに切断するステップと、
d.該各ピースを、湿分が該各ピースの総質量に対して約10質量%以下、優先的には約8.5質量%以下となるまで乾燥させるステップと
を少なくとも含む、方法に関する。
【0059】
一実施形態によれば、閉塞部は、該押出機の該オリフィス内の圧力を増加させるように構成されている。
【0060】
一実施形態によれば、該閉塞部は、該オリフィス内の中央に配置されるように構成されている。
【0061】
一実施形態によれば、該オリフィスおよび該閉塞部は、該生地の押出のための環状リングを画定するように構成されている。
【0062】
一実施形態によれば、閉塞部は、ピンである。
【0063】
一実施形態によれば、ダイのオリフィスおよび閉塞部は、円筒状のキャビティを有する円筒状の押出物が押し出されるように構成されている。
【0064】
一実施形態によれば、オリフィスは、約130mm2/T/h~約300mm2/T/hの範囲、好ましくは約150mm2/T/h~約250mm2/T/hの範囲、好ましくは約160mm2/T/h~約230mm2/T/hの範囲の開放面積を有する。
【0065】
一実施形態によれば、ダイオリフィス全体(または「オリフィスの合計」)は、約1000mm2~約3000mm2の範囲、好ましくは約1100mm2~約2800mm2の範囲、好ましくは約1200mm2~約2500mm2の範囲の面積を有することができる。
【0066】
一実施形態によれば、閉塞部全体(または「閉塞部の合計」)は、約50mm2~約2200mm2、好ましくは約100mm2~約1800mm2、好ましくは150mm2~1600mm2の範囲の面積を有することができる。
【0067】
一実施形態によれば、オリフィスおよび閉塞部は、約1~約10の範囲、好ましくは約1.5~約9.0の範囲、好ましくは約2.0~約8.0の範囲のオリフィス:閉塞部の面積比を有することができる。
【0068】
実施形態によれば、本方法は、約120℃~約180℃、好ましくは約130℃~約170℃、好ましくは約140℃~約155℃の範囲の温度で該オリフィスを通る該押出物を加熱するステップを含むことができる。
【0069】
別の実施形態によれば、生地を、約2T/h~約12T/h、好ましくは約3T/h~約10T/h、好ましくは約3.5T/h~約8T/h、好ましくは約4T/h~約7T/hの範囲の速度で押出機のオリフィスに通すことができる。
【0070】
別の実施形態によれば、本方法は、ステップa.の前に、第2の押出機ダイの第2のオリフィスに該生地を通すステップを少なくとも含むことができる。
【0071】
別の実施形態によれば、本方法は、粉砕組成物であって、該組成物の総質量に対して
a.約20質量%~約36質量%の範囲の量のタンパク質と、
b.約15質量%~約30質量%の範囲の量の総食物繊維と、
c.約15質量%~約32質量%の範囲の量のデンプンと
を少なくとも有する粉砕組成物を水和および加熱することによって、コンディショニング装置で生地を製造するステップを含むことができる。
【0072】
別の実施形態によれば、本方法は、各ピースをコーティングするステップをさらに含むことができる。
【0073】
別の実施形態によれば、本方法は、本開示の組成物または本明細書に記載のキブルを製造するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図1】実験の開始時および終了時の体重を示す図である。
【
図2】本開示による組成物を与えた各犬の体重の推移を示す図である。黒線は、犬に本発明の組成物2を与えた期間に相当し、灰色線は、犬に古典的な低カロリー食を与えた後の期間に対応する。データは、中央値(範囲)である。
***p<0.001実験終了時対実験開始時。
【
図3】本開示による組成物を与えた各犬の体重減少の推移のパーセンテージを示す図である。黒線は、犬に本発明の組成物2を与えた期間に対応し、灰色線は、犬に古典的な低カロリー食を与えた後の期間に対応する。データは、中央値(範囲)である。
***p<0.001実験終了時対実験開始時。
【
図4】乾燥ドッグフードを食べ終えるまでの時間を示す図である。図中の黒色の棒は、対照として使用した現在の食品で得られた結果に対応し、灰色線は、本発明の組成物4で得られた結果に対応する。
【発明を実施するための形態】
【0075】
定義
本明細書で使用される用語は、総じて、本開示の文脈において、および各用語が使用される特定の文脈において、当該技術分野における通常の意味を有する。特定の用語は、本開示の組成物および方法ならびにその製造方法および使用方法を説明する際に追加の手引きを提供するために、以下に、または本明細書の他の場所で論じられる。以下の定義は、特許請求の範囲を含む本明細書に対して提供される。
【0076】
「約」または「およそ」という用語は、当業者によって決定される、特定の値に対する許容誤差範囲内を意味し、これは、値がどのように測定または決定されるか、すなわち、測定システムの限界に部分的に依存することになる。例えば、「約」は、当業者の慣例により、3以内または4以上の標準偏差を意味し得る。あるいは「約」は、所与の値の最大20%、好ましくは最大10%、より好ましくは最大5%、より好ましくはさらには最大1%の範囲を意味し得る。また、特にシステムまたはプロセスに関して、この用語は、ある値の10倍以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味し得る。
【0077】
「含気」(または「起泡」)とは、食品材料へのガスの取込みを指す。本明細書において、ガスは特に限定されず、例えば、空気、窒素、二酸化炭素、およびこれらのガスの組み合わせである。ガスは、添加することも可能であるし、製造方法の生成物であってもよい。好ましくは、本開示によれば、ガスは、「フラッシュ蒸発」から生じる空気から構成され、これはすなわち、生地の液体、ここでは水の一部が、加熱および圧力が低下したチャンバの通過後に瞬時に沸騰、すなわちフラッシュするプロセスを意味する。押出機の内部と出口の大気圧との間での圧力低下によって、液体の一部が気化する。この現象により、キブル内に多数の小さな空気キャビティが生じる。含気とは、内部に多数の気泡を有する膨張したキブルを意味し、空隙率(前述)を測定することで、内部の「含気」(テクスチャ自体)が測定される。嵩密度(前述)の測定により、ボウル中でキブルが取り得る体積全体(これは、いわゆる「フルボウル効果」をもたらす)が測定され、内部含気(気泡がより多い、空隙率がより高い)および特定の形状(中央の孔=「空気」も)により、嵩密度がより小さく、キブルは軽いものとみなされる。
【0078】
本明細書で使用する場合、「動物」または「ペット」という用語は、飼われている犬、猫、馬、牛、フェレット、ウサギ、豚、ラット、マウス、アレチネズミ、ハムスター、馬などを含むがこれらに限定されない家畜を意味する。飼い犬および飼い猫は、ペットの特定の例である。
【0079】
本明細書で使用する場合、「動物飼料」、「動物飼料組成物」、「動物飼料キブル」、「ペットフード」、または「ペットフード組成物」という用語はすべて、ペットによる摂取を意図した組成物を意味する。ペットフードには、これに限定されないが、キブルなどの毎日の給餌に適した栄養的にバランスがとれた組成物、ならびに栄養的にバランスがとれていてもいなくてもよいサプリメントおよび/またはおやつが含まれ得る。
【0080】
キブルなどの本開示の組成物に関する「カロリー密度」という表現は、食品組成物1リットル(0.001m3)当たりのカロリーの量を指すことを意図するものである。本開示の食品組成物のカロリー密度は、当該技術分野で既知の任意の方法により測定可能である。カロリー密度は、kg/L(g/cm3)単位で表される体積密度に生成物のエネルギー(kcal/kg)を乗じることにより算出可能である。単位は、kcal/L(0.001kJ/m3)である。
【0081】
「包含する」、「有する」または「含む」という用語は、記載された特徴、整数、ステップもしくは構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップもしくは構成要素、またはそれらの群の存在を排除するものではないと解釈されるべきである。また、これは、記載された特徴、整数、ステップまたは構成要素を厳密に指定する場合もあり、したがって、そのような場合には、これを「からなる」と置き換えることができる。
【0082】
本明細書で使用する場合、「コーティング」という用語は、典型的にはコア上の、表面、例えばコアの表面の少なくとも一部を覆う部分的または完全な被覆を意味する。一例では、コアは、コアの一部のみが覆われ、コアの一部は覆われておらず、したがって露出しているように、コーティングで部分的に覆われていてよい。別の例では、コアは、コア全体が覆われ、したがって露出しないように、コーティングで完全に覆われていてよい。したがって、コーティングはごくわずかな量から表面全体まで覆うことができる。コーティングは、コーティングの積層が存在し得るように、他のコーティングの上にコーティングされることも可能である。例えば、コアをコーティングAで完全に被覆することができ、コーティングAをコーティングBで完全に被覆することができ、その結果、コーティングAおよびコーティングBはそれぞれ層を形成する。
【0083】
本明細書で使用する場合、「コア」、または「コアマトリックス」という用語は、キブルの粒状ペレットを意味し、典型的には、成分のコアマトリックスから形成され、12質量%未満の湿分含量、すなわち水分含量を有する。粒状ペレットをコーティングしてコア上にコーティングを形成してもよく、これはコーティングされたキブルであってもよい。コアは、コーティングなしでもよく、部分的なコーティング付きでもよい。コーティングなしの実施形態では、粒状ペレットは、キブル全体を構成することができる。コアは、タンパク様材料、繊維材料、デンプン、ならびにそれらの混合物および組み合わせを含むことができる。一実施形態では、コアは、タンパク質、繊維、およびデンプンのコアマトリックスを含むことができる。
【0084】
「乾燥食品組成物」または「乾燥食品」という表現は、通常は、組成物/食品の総質量に対して約20%または約20%未満の湿分含量、好ましくは組成物の総質量に対して約14%または約14%未満の湿分含量を有する食品または組成物を指す。総じて、そのような乾燥食品または乾燥組成物は、組成物の総質量に対して約14%よりもはるかに少ない湿分含量、例えば、約1~約14%の湿分含量を含む場合さえある。この定義は、特定の一提示形態に限定されるものではないが、乾燥食品または乾燥組成物は、総じて(ビスケット状の)キブル、および/または乾燥コア成分の形態で提示される。例えば、乾燥組成物は、調理可能な安定した生地を製造するために、各成分を混ぜ合わせて混練することによって製造することができる。乾燥ペットフードの製造方法は、通常、焼成および/または押出によって行われる。生地は通常、エキスパンダおよび/または押出機と呼ばれる機械に投入され、この機械では、加圧蒸気または熱水を用いて各成分が調理される。押出機内では、生地は極度の圧力および高温に曝される。その後、生地はダイ(特定のサイズおよび形状の孔)に押し込まれ、次いでナイフで切り落とされる。膨らんだ生地片を乾燥機に通してキブルなどの乾燥生成物とし、湿分を所定の目標値まで低下させることで、消費まで食品の安定性が確保される。その後、生成物/キブルに、脂肪、油、ミネラル類、ビタミン類、天然抽出物カクテル、フレーバーをコーティングし、任意にパッケージに封入することができる。
【0085】
食品組成物、特にキブルなどの乾燥食品組成物の水分含量の分析は、当業者に周知の単純な3ステップの方法に基づいて実施することができる。本方法は、分析試料の秤量、次いで前述の試料のオーブン内での乾燥、および最後に乾燥後の試料の秤量を含む。本開示による試料は、個々のキブルである。動物飼料中の湿分の測定に使用できる要件、仕様、ガイドラインまたは特性を詳述した様々なISO規格が発行されている(例えば、参照により本明細書に援用されるISO規格6496:1999参照)。
【0086】
本開示の組成物、特にキブルに関して、「空のキャビティ」という用語は、組成物中に含まれ、かつ組成物の体積の相当量である少なくとも約20%を画定する空の空間を指すために用いられる。したがって、空のキャビティは、そのサイズおよび構成によって、1つまたは一連の細孔とは区別される。空のキャビティは、キャビティの内部と外部とを連通させる1つ以上の開口部を必然的に含む。空のキャビティの内部は、組成物の内部である。空のキャピビティの外側は、組成物の外側である。したがって、空のキャビティは、組成物の物質における孔を画定する。
【0087】
本開示の意味での「膨張生成物」とは、空気で満たされたエアセルが生成物の体積の少なくとも約40%、好ましくは少なくとも約50%、必要に応じて該体積の少なくとも約65%、または該体積の少なくとも約80%、さらには組成物の体積に対して最大で約85%に相当する、胞状の生成物を意味する。この膨張構造は、本開示による生成物に、消費者が好むカリカリした性質を与え、これは、必要に応じて、特に破断力(Nで表される)の測定により定量化可能である。
【0088】
本明細書で使用する場合、「押出」という用語は、押出機を通して送られるなどして加工された動物飼料を意味する。押出の一実施形態では、キブルは、押出プロセスによって形成され、該プロセスでは、デンプンを含む原料を熱および圧力下で押し出して、コアとなり得るペレット化キブルの形態を形成することができる。任意のタイプの押出機を使用することができ、その非限定的な例としては、単軸押出機および二軸押出機が挙げられる。
【0089】
本開示内では、キブルなどの本開示の組成物に関する「高体積の含気」という表現は、多孔質マトリックスを有する組成物を指すことを意図するものである。このような組成物は、組成物の総体積に対して約40%~約85%、好ましくは約40%~約70%、優先的には約49%~約68%の範囲の空隙率を有する。
【0090】
また、嵩密度(前述)の測定により、ボウル中でキブルを収容する体積全体(これは、いわゆる「フルボウル効果」をもたらす)も測定され、内部含気(気泡がより多い、空隙率がより高い)および特定の形状(中央の孔=「空気」も)により、嵩密度がより小さく、キブルは軽いものとみなされる。
【0091】
本明細書で使用する場合、「キブル」という用語は、犬および猫の飼料などの動物飼料の粒状ペレット様成分を含み、これは、典型的には、キブルの総質量に対して約20質量%未満の湿分含量、すなわち水分含量を有する。キブルは、硬質のものから軟質のものまで様々なテクスチャであってよい。キブルの内部構造は、膨張したものから密なものまで様々であってよい。キブルは、押出プロセスにより形成可能である。例えば、キブルは、コアおよびコーティングから形成されて、コーティングされたキブルを形成することができ、これはコーティングキブルとも呼ばれる。「キブル」という用語が使用される場合、それは未コーティングキブルまたはコーティングキブルを指し得るものと理解されるべきである。
【0092】
本開示内では、「低カロリー密度の食品組成物」という表現は、そのカロリー密度が約500kCal/L~約900kCal/L(約2.092kJ/m3~約3.766kJ/m3)である組成物を指すことを意図するものである。
【0093】
本開示内では、「低密度食品組成物」という表現は、その体積密度が約300g/L(約300kg/m3)以下であり、好ましくは約270g/L(約270kg/m3)以下である組成物を指すことを意図するものである。低密度と低体積密度とは、互換的に用いられる。
【0094】
本明細書で使用する場合、「主要栄養素」という用語は、タンパク質、繊維、デンプン、脂肪、炭水化物ならびに/またはそれらの組み合わせおよび/もしくは混合物の1つ以上の供給源を意味する。
【0095】
本明細書で使用する場合、「栄養的にバランスがとれた」という用語は、ペットフードなどの組成物が、追加で必要となる水を除いて、これに限定されないが、米国食品医薬品局動物用医薬品センター、American Feed Control Officials Incorporatedなどの政府機関を含むペット栄養の分野の公認当局の勧告に基づいて、生命維持に必要な既知の栄養素を適切な量および割合で有することを意味する。
【0096】
本開示内では、「開放面積」という用語は、押出機の出口で生地が通過する表面積を指すことを意図するものであり、(mm2/T単位ではなく)mm2/T/h単位で表される。これは、出口の総面積(1つのダイの面積にダイの数を乗じたもの、単位はmm2)をプレコンディショニング装置の流量(単位はT/h)で除すことによって算出される。
【0097】
本開示内では、キブルなどの本開示の組成物に関する「多孔質」または「空隙率」という用語は、組成物中のボイド(すなわち「空の」)空間の尺度を指すことを意図するものである。これは、総体積に対するボイド体積の割合として0~1で、または組成物の総体積の0%~100%のパーセンテージとして表される。本開示の組成物の空隙率は、当該技術分野において既知の任意の方法により測定可能である。空隙率は、X線により測定可能である。空隙率は、キブル内のボイド(すなわち「空の」)空間の尺度であり、キブルの総体積に対するボイド体積の割合として(パーセンテージとして)表される。
【0098】
本明細書で使用する場合、ある事象と関連して用いられる「予防」または「予防する」という用語は、当該事象の発生の危険性または尤度の低減を意味することを意図するものである。「予防する」という用語は、事象の発生の可能性または尤度を100%排除することを要しない。この用語は、本明細書に記載の食品組成物または方法の存在下で、事象の発生の尤度が低減されたことを表す。例えば、「過体重」または「肥満」に関して、「予防する」または「予防」という用語は、過体重もしくは肥満、または関連する症状の発生の危険性または尤度の低減を意味することを意図するものである。
【0099】
本開示内では、変化に関して使用される「顕著に」という用語は、観察された変化が注目に値することおよび/またはそれが統計的に有意であることを意味することを意図するものである。
【0100】
本開示内では、本開示の特徴と関連して用いられる「実質的に」いう用語は、この特徴に概ね類似しているが完全には類似していない、この特徴に関連する一連の実施形態を定めることを意図するものである。例えば、「実質的に円形の断面」とは、厳密な円形の断面だけでなく、厳密な円形ではないが円形の外観から大きく逸脱していない断面をも指すことを意図するものである。このような断面は、総体的に円形であると認定することができる。
【0101】
本明細書における「処置する」もしくは「処置」または「治療」という用語は、本開示による障害、病態の症状を矯正、治癒、緩和、軽減、変更、救済、好転、改善もしくはそれに影響を与える、または症状、合併症の発症を予防もしくは遅延させる、または障害のさらなる発症を統計的に有意に阻止もしくは抑制する目的で本開示による組成物を投与または摂取することを指す。
【0102】
本開示内では、「体積密度」または「嵩密度」という用語は互換的に用いられ、ある物質のコンパクトさの程度を意味することを意図するものである。本開示の食品組成物の密度は、当該技術分野で既知の任意の方法により測定可能である。好適な方法の一例として、体積密度は、キブルで満たされた10リットル(0.01m3)のポットを使用して測定され、次いで秤量され、よってこれはg/L(kg/m3)単位で表される。
【0103】
以下の方法を、本開示による乾燥食品組成物(キブル)の密度の測定に使用することができる。1グラム以上の分解能を有する較正済みの秤を清浄にし、水平にする。清浄で乾燥した較正済みの10リットルカップ(10L(0.01m3))を用いて秤を風袋引きする。試験するキブルを自由に流動させるのに十分な最小径と、同一の箇所でキブルを10L(0.01m3)カップまたは容器に流せる最大径とを有する漏斗を、漏斗の底部(出口)を塞いだ状態で10L(0.01m3)カップの上部からおよそ2インチ(約50.8mm)の高さに設置する。漏斗に、試験するキブルを10L(0.01m3)よりやや多めにゆっくりと入れる。10L(0.01m3)カップが漏斗の下方にある状態で、漏斗の栓を外し、キブルを10L(0.01m3)カップに流入させる。直定規(例えば、定規または打用スティック)を使用して、10L(0.01m3)カップの上部に直定規を滑らかに滑らせて余分なキブルを取り除く。キブルが、10L(0.01m3)カップの縁部と同じ高さにならないようにする。10L(0.01m3)カップを風袋引きした秤の上に置き、結果を記録する。密度は、目盛りの読み(グラム単位)を10L(0.01m3)で除したものである。平均値を算出するには、測定を繰り返さなければならない。
【0104】
以下に記載される供給源、成分および構成要素の列挙は、それらの組み合わせおよび混合物もまた企図され、かつ本明細書の範囲に包含されるように列挙されたものである。
【0105】
本明細書を通じて与えられるすべての最大の数値限度には、あたかもそのような数値下限が本明細書に明示されているかのように、すべての数値下限が包含されることが理解されるべきである。本明細書を通じて与えられるすべての最小の数値限度には、あたかもそのような数値上限が本明細書に明示されているかのように、すべての数値上限が包含される。本明細書を通じて与えられるすべての数値範囲には、そのようなより広い数値範囲に含まれるすべてのより狭い数値範囲が、あたかもそのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明示されているかのように包含される。
【0106】
例えば、成分の列挙のような項目のすべての列挙は、マーカッシュ群として意図され、解釈されるべきである。したがって、すべての列挙は、・・・項目の列挙・・・「ならびにそれらの組み合わせおよび混合物からなる群から選択される」項目と読み、解釈することができる。
【0107】
本明細書において、本開示で利用される様々な成分を含む構成要素の商品名が参照される場合がある。本明細書における本発明者らは、特定の商品名の材料に限定することを意図していない。商品名により参照される材料と同等の材料(例えば、異なる名称または参照番号で異なる供給源から得られるもの)を、本明細書の記載において代替し、利用することができる。
【0108】
本開示の様々な実施形態の説明において、様々な実施形態または個々の特徴が開示される。通常の当業者には明らかなように、そのような実施形態および特徴のすべての組み合わせが可能であり、本開示の好ましい実施をもたらし得る。本開示の様々な実施形態および個々の特徴を例示および説明してきたが、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な他の変更および修正を行うことができる。また、明らかになるように、前述の開示で教示された実施形態および特徴のすべての組み合わせが可能であり、本開示の好ましい実施をもたらし得る。
【0109】
組成物
いくつかの態様では、本開示の乾燥食品組成物は、約500kCal/L~約900kCal/L(約2.092kJ/m3~約3.766kJ/m3)の範囲のカロリー密度を有し、かつ該組成物の総質量に対して
a.約20質量%~約36質量%の範囲の量のタンパク質と、
b.約15質量%~約30質量%の範囲の量の総食物繊維と、
c.約15質量%~約32質量%の範囲の量のデンプンと
を少なくとも含む。
【0110】
いくつかの態様では、本開示の乾燥食品組成物は、約500kCal/L~約900kCal/L(約2.092kJ/m3~約3.766kJ/m3)の範囲のカロリー密度を有し、かつ該組成物の総質量に対して
a.約20質量%~約36質量%の範囲の量のタンパク質と、
b.約15質量%~約30質量%の範囲の量の総食物繊維と、
c.約15質量%~約32質量%の範囲の量のデンプンと
を少なくとも含み、該食品組成物は、約40%~約70%の範囲の空隙率を有する。
【0111】
いくつかの実施形態では、本開示の乾燥食品組成物は、膨張食品組成物である。
【0112】
別の実施形態では、本開示の乾燥食品組成物は、約150g/L~約300g/L(約150kg/m3~約300kg/m3)の範囲の体積密度を有し、かつ該組成物の総質量に対して
a.約20質量%~約36質量%の範囲の量のタンパク質と、
b.約15質量%~約30質量%の範囲の量の総食物繊維と、
c.約15質量%~約32質量%の範囲の量のデンプンと
を少なくとも含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、本開示の乾燥食品組成物は、低カロリー密度の食品組成物である。
【0114】
さらに別の実施形態では、本開示の乾燥食品組成物は、低体積密度の食品組成物である。
【0115】
さらになおも別の実施形態では、本開示の低カロリー密度の組成物は、低体積密度の組成物である。
【0116】
いくつかの態様では、本開示の食品組成物は、多孔質マトリックスを含む。組成物の多孔質マトリックスは、大きな表面積を提供する。これは、低体積密度の多孔質マトリックスであって、均一またはランダムな大きさで多孔質マトリックスおよびその表面全体に分散している細孔を、複数の相互連通した細孔として画定する骨格構造を含むマトリックスによって達成される。
【0117】
乾燥食品組成物は、組成物の総体積に対して約40%~約85%、優先的には約40%~約70%、優先的には約49%~約68%、優先的には約45%~約65%、より好ましくは約55%~約65%の範囲の空隙率を有することができる。
【0118】
別の実施形態によれば、本開示の乾燥食品組成物は、約500kCal/L~約900kCal/L(約2.092kJ/m3~約3.766kJ/m3)、好ましくは約510kCal/L~約850kCal/L(約2.134kJ/m3~約3.556kJ/m3)、好ましくは約525kCal/L~約825kCal/L(約2.197kJ/m3~約3.452kJ/m3)、好ましくは約530kCal/L~約800kCal/L(約2.218kJ/m3~約3.347kJ/m3)、より好ましくは約550kCal/L~約770kCal/L(約2.301kJ/m3~約3.222kJ/m3)の範囲のカロリー密度を有することができる。
【0119】
低体積密度の組成物は、300g/L(300kg/m3)以下、好ましくは270g/L(270kg/m3)以下の体積密度を有することができる。実施形態では、本開示の低密度の乾燥食品組成物は、約150g/L~約300g/L(約150kg/m3~約300kg/m3)、より好ましくは約160g/L~約270g/L(約160kg/m3~約270kg/m3)、より好ましくは約180g/L~約250g/L(約180kg/m3~約250kg/m3)、より好ましくは約190g/L~約240g/L(約190kg/m3~約240kg/m3)の範囲の体積密度を有することができる。
【0120】
本開示の低カロリー密度でかつ低体積密度の食品組成物は、特定の範囲の量の特定の成分と、空隙率と、形状との組み合わせにより得られる。
【0121】
実施形態によれば、本開示の食品組成物は、低体積密度、低カロリー密度、含気、または膨張した食品組成物である。好ましくは、これは、低体積密度、低カロリー密度、高体積の含気食品組成物である。より好ましくは、本開示の食品組成物は、低体積密度、低カロリー密度のキブルである。好ましくは、これは、低体積密度、低カロリー密度の含気キブルである。好ましくは、これは、低体積密度、低カロリー密度、高体積の含気キブルである。
【0122】
本開示の膨張食品組成物は、任意の三次元形状、例えば、球または球状、楕円形(最大3以上の直径を有する)、円筒状、ディスク状、または任意の他の三次元幾何学的形状であってよい。好ましくは、本開示の食品組成物は、円筒状である。
【0123】
本開示の食品組成物は、空のキャビティを有する。このキャビティのサイズまたは体積は、組成物の総体積の少なくとも約20%でかつ最大で約70%、優先的には約30%~約60%、より優先的には約40%~約50%であり得る。
【0124】
本開示の乾燥食品組成物は、個別の要素またはピースから構成可能であるようなものであってよい。ここで、「個別の要素」および「ピース」という用語は、互換的に用いられる。各個別の要素またはピースは、総体積を定め、かつ該総体積内に少なくとも1つの開口部を含む少なくとも1つの空のキャビティを含む。キャビティは、総体積の少なくとも20%、好ましくは少なくとも25%の体積を表すことができる。
【0125】
一実施形態では、本開示の組成物の1ピースの空のキャビティは、該個別の要素の総体積の約20%~約70%、優先的には約25%~約65%、好ましくは約30%~約60%、より好ましくは約40%~約50%の体積を表すことができる。
【0126】
空のキャビティは、本開示の食品組成物のピースまたは要素によって構成される体積のほぼ中央付近に配置されている。
【0127】
空のキャビティは、少なくとも2つの開口部を含むことができ、好ましくは2つ以下の開口部を含むことができる。
【0128】
本開示の食品組成物を構成する個別の要素またはピースは、任意の横断面形状を有する任意の三次元形状のものであってよい。本開示の組成物の個別の要素またはピースは、円形もしくは楕円形の横断面を有する形状、または実質的に円形もしくは楕円形の横断面を有する形状、正方形、長方形もしくは菱形などの平行六面体の横断面を有する形状、または実質的に平行六面体の横断面を有する形状から選択される形状を有することができる。本開示の組成物のピースまたは個別の要素の横断面形状は、花、ハート、ボウル、犬もしくは猫などの物体、植物もしくは動物の形状、または任意の他の可能な形状を表す輪郭を示すこともできる。好ましくは、個別の要素は、円形もしくは楕円形の横断面を有する形状、または実質的に円形もしくは楕円形の横断面を有する形状を有することができる。
【0129】
好ましくは、本開示の食品組成物を構成する要素またはピースは、正方形、長方形もしくは菱形などの平行六面体の縦断面を有する細長い形状、または実質的に平行六面体の縦断面を有する細長い形状を有することができる。
【0130】
一実施形態では、個別の要素またはピースは、円筒状の形状を有することができ、該形状は、該円筒体の各端部に2つの開口を含む中央の孔、すなわち空のキャビティを有する。この孔は、各個別の要素またはピースの総体積の約20%~約70%の体積を表すことができる。
【0131】
本開示の組成物の個別の要素またはピースは、キブルであってよい。キブルは、中央または実質的に中央の円筒状の空のキャビティ、すなわち孔を有する円筒状のキブルであってよい。
【0132】
本開示の食品組成物の個別の要素またはピースは、ピースまたは要素によって構成される体積のほぼ中央付近に配置されている中央の空のキャビティを有することができるため、それらの要素またはピースを外径および内径により特徴付けることが可能である。ピースまたは要素は、ピースまたは要素によって構成される体積のほぼ中央付近に配置されている空のキャビティを含むため、内径および外径の寸法の取り方の起点は、空のキャビティのほぼ中央にある。
【0133】
外径とは、ピースまたは要素の中央またはほぼ中央を起点とし、ピースまたは要素の外周に至る寸法を表す。ピースまたは要素が不定形な三次元形状を有する場合には、可能な限り長い寸法を外径とする。
【0134】
内径とは、ピースまたは要素の中央またはほぼ中央を起点とし、空のキャビティの内壁に至る寸法を表す。
【0135】
個別の要素またはピースは、外径および内径を有することができ、該外径は、約8mm~約25mm、好ましくは約10mm~約20mm、より好ましくは約11mm~約18mmの範囲であり、該内径は、約2mm~約15mm、好ましくは約2mm~約12mmの範囲である。
【0136】
本開示の組成物の個別の要素またはピースは、約1.5~約4.0、好ましくは約2.0~約3.8、より好ましくは約2.1~約3.6の範囲の外径:内径の比を有することができる。
【0137】
一実施形態では、個別の要素は、約5mm~約22mm、好ましくは約7mm~約18mm、より好ましくは約9mm~約16mmの範囲の長手方向寸法を有する。本開示の組成物の個別の要素またはピースは、約1.0~約1.5、好ましくは約1.1~約1.3、より好ましくは約1.2の範囲の長さに対する幅の比(または外径:高さ)を有することができる。
【0138】
上記に示したように、本開示の組成物のピースまたは要素、およびここに含まれる空のキャビティは、任意の形状またはサイズのものであってよい。空のキャビティの断面のサイズおよび形状は、個別の要素の断面のサイズおよび形状と同様または実質的に同様であってよい。好ましくは、空のキャビティは、円形もしくは楕円形の断面形状、または実質的に円形もしくは楕円形の断面形状を有することができる。キャビティは、少なくとも2つの開口部を有することができる。好ましくは、キャビティは、2つ以下の開口部を有する。開口部は、任意の形状またはサイズのものであってよい。好ましくは、開口部は、組成物または組成物を構成する個別の要素の断面の形状と同様または実質的に同様の形状を有することができる。好ましくは、開口部は、円形もしくは楕円形の断面形状、または実質的に円形もしくは楕円形の断面形状を有することができる。
【0139】
膨張食品組成物のサイズは、ペットが容易に咀嚼し、嚥下することができるサイズである。本開示の食品組成物のサイズは、押出機オリフィス、押出温度および圧力条件、ならびに押出物中の湿分量のいずれか1つ以上を変更することによって、非限定的な例よりも大きくまたは小さくすることができる。
【0140】
本開示の組成物は、乾燥組成物である。乾燥組成物は、組成物の総質量に対して、好ましくは約20質量%以下、好ましくは15質量%以下、好ましくは12質量%以下、好ましくは10質量%以下、好ましくは約3質量%~約10質量%、より好ましくは約4質量%~約9質量%、より好ましくは約5質量%~約8.5質量%の範囲の水を含むことができる。
【0141】
湿分または水の含量の分析は、当該技術分野における既知の任意の方法により行うことができる。例えば、分析は、以下の3段階、すなわち、1.分析試料の秤量、2.103℃±2℃で4時間±5分間のオーブン乾燥、3.乾燥後の試料の秤量により行うことができる。
【0142】
実施形態では、本開示の食品組成物は、栄養的に完全な食品または機能性補助品であってよい。完全な食品は、動物用の栄養的に十分な飼料であり、唯一の食料として与えることができ、(水を除いて)追加の食品なしで生命を維持することが可能である。
【0143】
機能性補助品は、動物に特定の効果をもたらすための機能性成分を含むことができる。様々な機能性成分が含まれていてよい。機能性成分は、ビタミン、ミネラル、共役リノール酸、抗酸化物質、微生物、例示的にプロバイオティクス、代謝産物もしくはそのような微生物の培養の上澄みなどの部分、上記のいずれかを含むことができる植物由来の抽出物、栄養補助食品、または上記の組み合わせおよび混合物を含むことができる。例示的に、機能性成分、またはその混合物は、体重管理食におけるその特性のために選択される。
【0144】
先に記載されかつ実施例に示されるような本開示の組成物の他の多数の利点に加えて、本発明者らは、驚くべきことに、本開示の組成物の破断に対する抵抗性の改善を観察した。この改善された抵抗性は、含気構造(多孔性)および少なくとも20%の体積の空キャビティの存在が、従来どおりに製造されたまたは従来どおりに配合された組成物と比較して、抵抗性の低減をもたらし得たため、驚くべきことである。
【0145】
破断に対する抵抗性は、当該技術分野において既知の任意の方法により測定可能である。特に適した方法は、包装後のパック内のキブルの総量に対する破断したキブルの量の測定である。
【0146】
従来どおりに製造および/または従来どおりに配合された組成物と比較して、本開示の組成物は、包装された組成物またはキブルの総量に対して、約7%以下、好ましくは約6%以下、好ましくは約5%以下、好ましくは約4%以下、好ましくは約3%以下、好ましくは約2%以下、好ましくは約1%以下、最も好ましくは約0.5~約0.7%の範囲の破断率を有する。
【0147】
本開示の組成物の破断に対する抵抗性によって、改善された耐久性および保管、ならびにより容易な取扱いが可能となる。
【0148】
さらに、この破断に対する抵抗性ゆえに、本開示の食品組成物は、食欲をそそる様相を維持するとともに、さらにキブルの大きな寸法を維持し、それにより、高体積効果および低体積密度の利点を維持することが可能となる。
【0149】
タンパク質
本開示による食品組成物は、1つ以上の個別のタンパク源を含むことができる。総じて、本明細書に記載されるペットフード組成物は、複数のタンパク源を含む。
【0150】
実施形態では、低密度乾燥組成物は、組成物の総質量に対して約20質量%~約36質量%の範囲の量のタンパク質を含む。
【0151】
本開示の組成物のタンパク質含有量は、除脂肪体重の維持が保証されるように、高くなければならない。いくつかの実施形態では、本開示による組成物は、加水分解されたまたは加水分解されていないタンパク質を、組成物の総質量に対して約20質量%~約36質量%の範囲の量で含むことができる。
【0152】
本明細書で使用する場合、約20質量%~約36質量%の範囲のタンパク質の含有量は、組成物の総質量に対して21質量%、22質量%、23質量%、24質量%、25質量%、26質量%、27質量%、28質量%、29質量%、30質量%、31質量%、32質量%、33質量%、34質量%、35質量%のタンパク質含有量を含む。
【0153】
一実施形態では、犬用に設計された食品組成物は、好ましくは、組成物の総質量に対して約25~約30質量%、より好ましくは約26~約28質量%の範囲の量のタンパク質を含むことができる。
【0154】
一実施形態では、猫用に設計された食品組成物は、好ましくは、組成物の総質量に対して約30~約35質量%、より好ましくは約32~約35質量%の範囲の量のタンパク質を含むことができる。
【0155】
本開示の組成物に好適なタンパク質は、植物性タンパク質または動物性タンパク質であり得る。好ましくは、植物性タンパク質が使用される。
【0156】
動物性タンパク質として、家禽肉、牛肉、鶏肉、チキンミール、子羊肉、ラムミール、乾燥卵、魚、魚粉、肉骨粉、肉副産物、肉粉、七面鳥、血漿、昆虫または骨髄由来の動物性タンパク質を選択することができる。好ましい動物性タンパク質は、家禽肉である。
【0157】
植物性タンパク質として、ダイズ、ヒヨコマメ、エンドウ、コーングルテン、米、レンズマメ、または大麦由来の植物性タンパク質を選択することができる。好ましい植物性タンパク質は、ダイズタンパクまたはコーングルテンタンパクであり、好ましくはダイズタンパクである。
【0158】
一実施形態では、本開示の組成物は、小麦グルテン、乾燥卵、牛肉およびエンドウタンパク由来のタンパク質を含まない。
【0159】
本開示の組成物は、動物性タンパク質および植物性タンパク質を、約1:4~約3:1、好ましくは約1:3~約2:1、好ましくは約1:2~約1:1の範囲の動物性タンパク質/植物性タンパク質の比で含むことができる。
【0160】
実施形態によれば、タンパク質は、加水分解されたタンパク質であってよい。加水分解されたタンパク質は、部分的に加水分解されていてもよいし、完全に加水分解されていてもよい。部分的に加水分解されたタンパク質は、加水分解されたタンパク質を少なくとも約95%、好ましくは少なくとも約98%、より好ましくは少なくとも約99%含むことができる。
【0161】
実施形態では、加水分解されたタンパク質が使用される。好ましくは、加水分解された植物性タンパク質が使用される。好ましい一実施形態では、加水分解されたタンパク質は、本開示の組成物における唯一のタンパク源である。
【0162】
実施形態によれば、本開示の組成物は、唯一のタンパク源として、部分的または完全に加水分解された植物性タンパク質、好ましくは完全に加水分解された植物性タンパク質を含むことができる。
【0163】
タンパク質を部分的または完全に加水分解する方法は、周知である。加水分解物は、任意の既知の化学的または酵素的方法、例えば、非限定的な例では、米国特許第5,589,357号明細書、米国特許第4,879,131号明細書、米国特許第5,039,532号明細書、または欧州特許第1236405号明細書(参照により本明細書に援用)に開示される方法により製造可能である。
【0164】
いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に加水分解されたタンパク質は、約1,000Da~約11,000Da(約1,000~約11,000×約1.66×10-27kg)の範囲の分子量を有する。
【0165】
本明細書で使用する場合、約1,000Da~約11,000Da(約1,000~約11,000×約1.66×10-27kg)の範囲には、1,250Da(1,250×約1.66×10-27kg)、1,500Da(1,500×約1.66×10-27kg)、1,750Da(1,750×約1.66×10-27kg)、2,000Da(2,000×約1.66×10-27kg)、2,250Da(2,250×約1.66×10-27kg)、2,500Da(2,500×約1.66×10-27kg)、2,750Da(2,750×約1.66×10-27kg)、3,000Da(3,000×約1.66×10-27kg)、3,250Da(3,250×約1.66×10-27kg)、3,500Da(3,500×約1.66×10-27kg)、3,750Da(3,750×約1.66×10-27kg)、4,000Da(4,000×約1.66×10-27kg)、4,250Da(4,250×約1.66×10-27kg)、4,500Da(4,500×約1.66×10-27kg)、4,750Da(4,750×約1.66×10-27kg)、5,000Da(5,000×約1.66×10-27kg)、5,250Da(5,250×約1.66×10-27kg)、5,500Da(5,500×約1.66×10-27kg)、5,750Da(5,750×約1.66×10-27kg)、6,000Da(6,000×約1.66×10-27kg)、6,250Da(6,250×約1.66×10-27kg)、6,500Da(6,500×約1.66×10-27kg)、6,750Da(6,750×約1.66×10-27kg)、7,000Da(7,000×約1.66×10-27kg)、7,250Da(7,250×約1.66×10-27kg)、7,500Da(7,500×約1.66×10-27kg)、7,750Da(7,750×約1.66×10-27kg)、8,000Da(8,000×約1.66×10-27kg)、8,250Da(8,250×約1.66×10-27kg)、8,500Da(8,500×約1.66×10-27kg)、8,750Da(8,750×約1.66×10-27kg)、9,000Da(9,000×約1.66×10-27kg)、9,250Da(9,250×約1.66×10-27kg)、9,500Da(9,500×約1.66×10-27kg)、9,750Da(9,750×約1.66×10-27kg)、10,000Da(10,000×約1.66×10-27kg)、10,250Da(10,250×約1.66×10-27kg)、10,500Da(10,500×約1.66×10-27kg)、10,750Da(10,750×約1.66×10-27kg)が含まれる。
【0166】
いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に加水分解されたタンパク質は、約2,000Da~約5,000Da(約2,000~約5,000×約1.66×10-27kg)の範囲の分子量を有する。
【0167】
繊維
本開示による食品組成物は、1つ以上の個別の繊維源および繊維の種類を含むことができる。総じて、本明細書に記載のペットフード組成物は、複数の繊維源を含む。
【0168】
実施形態では、低密度乾燥組成物は、組成物の総質量に対して約13質量%~約30質量%の範囲の量の総食物繊維を含む。
【0169】
総食物繊維(total dietary fiber、TDF)は、食用植物細胞壁多糖類、リグニン、およびヒト消化管酵素による加水分解に耐性のある関連物質の残存物である。本明細書で使用する場合、食物繊維は、植物性食品の難消化性部分を表す。TDFの公式定義は、Trowell H, Southgate DA, Wolever TM, Leeds AR, Gassull MA, Jenkins DJ. Letter: Dietary fibre redefined. Lancet. 1976;1(7966):967. doi:10.1016/s0140-6736(76)92750-1(参照により本明細書に援用)により公開された。
【0170】
TDFは、Prosky L, Asp NG, Furda I, DeVries JW, Schweizer TF, Harland BF.Determination of total dietary fiber in foods and food products: collaborative study. J Assoc Off Anal Chem. 1985;68(4):677-679(参照により本明細書に援用)により記載された方法により分析可能である。
【0171】
最も一般的な食物繊維は、リグニン、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、ガム、およびレジスタントスターチ(β-グルカンとも呼ばれる)である。
【0172】
例示的に、本開示による組成物を実施するのに適した食物繊維の供給源には、もみ殻、トウモロコシおよびトウモロコシ副産物、ダイズ皮、ビートパルプ、乾燥ジャガイモ生成物、セルロース、ふすま、ピーナッツ殻、ペクチンおよびそれらの混合物が含まれる。
【0173】
本明細書で使用する場合、総食物繊維には、可溶性繊維(発酵性繊維とも呼ばれる)および不溶性繊維(非発酵性繊維とも呼ばれる)が含まれる。可溶性繊維は、小腸で消化吸収されにくく、大腸で完全または部分的に発酵するものと定義することができる。不溶性繊維は、小腸での消化吸収に耐性があり、大腸での発酵にも耐性がある非デンプン多糖類と定義することができる。
【0174】
実際には、本開示の目的に適した可溶性繊維源は、ビートパルプ、グアーガム、チコリパルプ、チコリ根、サイリウム、ペクチン、ブルーベリー、クランベリー、カボチャ、リンゴ、オート麦、マメ、シトラス、大麦、およびエンドウから選択することができる。
【0175】
例示的に、本開示の目的に適した不溶性繊維源は、セルロース、全粒小麦生成物、オート麦、コーンブラン、亜麻仁、ブドウ、セロリ、インゲン、カリフラワー、ジャガイモ皮、果実皮、野菜皮、ピーナッツ殻、およびダイズ繊維から選択することができる。
【0176】
本開示による組成物の総食物繊維含有量は、減量プログラム、または体重安定化プログラムを受けているペットにおいて、食事のエネルギー密度の減少を支援し、満腹感を促進するように高くなければならない。
【0177】
いくつかの実施形態では、本開示による組成物は、組成物の総質量に対して約15質量%~約30質量%の範囲の量の総食物繊維、好ましくは組成物の総質量に対して約15質量%~約28質量%、より好ましくは約20質量%~約28質量%の範囲の量の総食物繊維を含む。
【0178】
本明細書で使用する場合、約15質量%~約30質量%の総食物繊維には、組成物の総質量に対して16質量%、17質量%、18質量%、19質量%、20質量%、21質量%、22質量%、23質量%、24質量%、25質量%、26質量%、27質量%、28質量%および29質量%の総食物繊維が含まれる。
【0179】
いくつかの実施形態では、本開示による組成物は、組成物の総質量に対して約22質量%~約30質量%の範囲の量の総食物繊維を含む。
【0180】
いくつかの実施形態では、本開示による組成物は、組成物の総質量に対して約1質量%~約10質量%の範囲の量の可溶性繊維、好ましくは組成物の総質量に対して約1質量%~約7質量%、より好ましくは約1質量%~約4質量%の範囲の量の可溶性繊維を含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、本開示による組成物は、組成物の総質量に対して約15質量%~約28質量%の範囲の量の不溶性繊維、好ましくは組成物の総質量に対して約18質量%~約25質量%、より好ましくは約20質量%~約25質量%の範囲の量の不溶性繊維を含む。
【0182】
本開示の範囲内で、「粗繊維」(crude fiber、CFIB)という表現は、食品が希酸およびアルカリによる標準的な実験室処理を受けた後に残留物として残る食物繊維の一種を指すことを意図するものである。この処理により、食品中のすべての可溶性繊維および一部の不溶性繊維が溶解する。残留物または粗繊維は、主にセルロースおよびリグニンから構成されている。CFIBは、Henneberg, Wilhelm and Friedrich Stohmann, Beitrage Zur Begrundung einer RationelIen Futterung Der Wiederkauer, Vol. I, II, Schwetschke U. Sohn, Brunswick, 1860, 1865(参照により本明細書に援用)により記載される方法により分析可能である。
【0183】
いくつかの実施形態では、本開示による組成物は、組成物の総質量に対して約6質量%~約18質量%の範囲の量の粗繊維、好ましくは組成物の総質量に対して約8質量%~約16質量%の粗繊維の範囲の量の粗繊維を含む。
【0184】
本明細書で使用する場合、約6質量%~約18質量%の粗繊維には、7質量%、8質量%、9質量%、10質量%、11質量%、12質量%、13質量%、14質量%、15質量%、16質量%、および17質量%が含まれる。
【0185】
炭水化物またはNFE
本明細書で使用する場合、また当技術分野で従来から認められているように、可溶無窒素物(Nitrogen Free Extract、NFE)は、本明細書に開示される食品組成物中に存在する可溶性炭水化物画分からなる。
【0186】
NFEには、当該食品組成物中に存在する場合、可溶性多糖類、デンプン、ガム、粘質物およびペクチンが包含される。
【0187】
したがって、当技術分野で従来から認められているように、NFEは、いくつかの実施形態では当該食品組成物中に存在し得る粗繊維材料中に不溶性炭水化物画分を含まない。
【0188】
典型的には、食品組成物中の可溶無窒素物の含有量は、当該食品組成物の全乾物から他の各成分(タンパク質、脂肪、粗繊維、灰分)の含有量を差し引くことによって求められる。
【0189】
NFE、または炭水化物は、当技術分野で知られているように、任意の適切な供給源から供給可能である。NFEの好適な供給源は、オート麦繊維、セルロース、ピーナッツ殻、ビートパルプ、パーボイルド米、コーンスターチ、コーングルテンミール、およびそれらの供給源の任意の組み合わせから選択することができる。炭水化物を供給する穀物には、これらに限定されないが、小麦、トウモロコシ、大麦、および米が含まれる。
【0190】
いくつかの実施形態では、本開示による組成物中のNFE含有量は、組成物の乾物の総質量に対して約28質量%~約50質量%、特に約30質量%~約45質量%、好ましくは約32質量%~約37質量%の範囲である。
【0191】
本明細書で使用する場合、約28質量%~約50質量%のNFEには、組成物の乾物の総質量に対して29質量%、30質量%、31質量%、32質量%、33質量%、34質量%、35質量%、36質量%、37質量%、38質量%、39質量%、40質量%、41質量%、42質量%、43質量%、44質量%、45質量%、46質量%、47質量%、48質量%および49質量%のNFEが含まれる。
【0192】
デンプン
本開示の組成物は、組成物の総質量に対して最高で約32質量%の量のデンプン、特に、組成物の総質量に対して約15質量%~約32質量%、好ましくは約18質量%~約28質量%、好ましくは約20質量%~約25質量%の範囲の量のデンプンをさらに含む。
【0193】
使用される配合によって膨張食品の所望の特性が発揮される限り、様々な種類および供給源のデンプンを使用することができる。
【0194】
全粒穀物、砕いた穀物、粉、根、および塊茎を、多孔質マトリックスを製造するために使用するデンプンの供給源として使用することができる。好適なデンプン源の例としては、米、醸造用米、トウモロコシ、大麦、オート麦、小麦、ジャガイモ、マメ科植物および/または他のバイオポリマーが挙げられる。所望であれば、純粋または実質的に純粋なデンプンを使用してもよい。これらおよび他のデンプン源を使用して、多孔質マトリックスを形成することができる。既知のアミロースおよびアミロペクチン含分を有するデンプンの選択は、当技術分野における従来の知識を用いて選択することができる。一例として、ワキシーコーン、米、およびソルガムデンプンは、ほぼ約100%のアミロペクチンを含むことが知られている。逆に、多くの高アミロースデンプン、例えば高アミロースコーンスターチは、約75%以上のアミロース含分を含む。アミロースおよびアミロペクチンの割合は、選択された割合でデンプンを有する出発材料を使用することによって、様々な出発材料からの様々なデンプンを混合することによって、または天然源由来のデンプンに酸薄化デンプン、高アミロペクチンデンプンもしくは高アミロースデンプンなどの加工デンプンを補うことによって選択することができる。デンプンは、水分、タンパク質および脂肪などの他の成分を含むことができる。
【0195】
一実施形態によれば、デンプンは天然デンプンであってよい。天然デンプンは、非加工デンプンである。一実施形態によれば、デンプンは穀物デンプンであってよい。好ましい天然デンプンは、非加工穀物デンプンであり得る。
【0196】
本開示に適したデンプンは、約30:70を超えない、優先的には約25:75を超えない、さらにより優先的には約20:80を超えない、より好ましくは約15:85であるアミロース対アミロペクチンの比を有するデンプン、好ましくは穀物デンプンから選択することができる。
【0197】
実施形態によれば、本開示の組成物は、デンプン、好ましくは非加工または天然デンプンであって、小麦、大麦、小麦粉、トウモロコシ粉、米、ジャガイモ、エンドウ、またはオート麦由来のものを含むことができる。
【0198】
好ましいデンプンは、大麦、小麦粉、トウモロコシ粉、または米由来の、好ましくは非加工または天然デンプンである。
【0199】
実施形態によれば、本開示の組成物は、高アミロースデンプンまたは予備糊化デンプンを含まない。高アミロース含有デンプンは、少なくとも40:60、より好ましくは約50:50のアミロース対アミロペクチンの比を有する。
【0200】
実施形態によれば、本開示の組成物は、タピオカ由来のデンプンを含まない。
【0201】
脂肪
いくつかの実施形態では、本開示による組成物は、組成物の総質量に対して約5質量%~約15質量%、好ましくは組成物の総質量に対して約8質量%~約12.5質量%、好ましくは約7質量%~約12質量%、好ましくは約7質量%~約10質量%の範囲の量の脂肪を含むことができる。
【0202】
本明細書で使用する場合、約5質量%~約15質量%の脂肪には、組成物の乾物の総質量に対して6.0質量%、6.5質量%、7.0質量%、7.5質量%、8.0質量%、8.5質量%、9.0質量%、9.5質量%、10.0質量%、10.5質量%、11.0質量%、11.5質量%、12.0質量%、12.5質量%、13.0質量%、13.5質量%、14.0質量%、14.5質量%の脂肪が含まれる。
【0203】
本明細書で使用する場合、「脂肪」、「粗脂肪」、または「脂肪源」という表現は、食品に許容される任意の脂肪および/または油を指すことを意図するものである。本開示による脂肪は、流体形態および/または固体形態であって構わない。本開示による組成物は、動物起源および/または植物起源の脂肪を含むことができる。脂肪は、当業者に知られている任意の適切な供給源によって供給可能である。
【0204】
本開示の目的に適した植物性脂肪源には、これに限定されないが、小麦、ヒマワリ、ベニバナ、菜種、オリーブ、ルリヂサ、亜麻仁、ピーナッツ、クロスグリ種子、綿実、小麦、胚芽、トウモロコシ胚芽、ならびにこれらおよび他の植物性脂肪源から得られる油が含まれ得る。
【0205】
本開示の目的に適した動物性脂肪源には、これに限定されないが、例えば、肉、鶏脂、七面鳥脂、牛脂、鴨脂、豚脂、羊脂などの肉副産物、魚油、海産物、乳製品、卵が含まれ得る。本開示による食品組成物の脂肪含有量は、当該技術分野で既知の任意の方法により測定可能である。
【0206】
例示的に、粗脂肪含分には、リノール酸、α-リノール酸、アラキドン酸、ω-6脂肪酸、ω-3脂肪酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)およびそれらの混合物の供給源が含まれ得る。
【0207】
本開示の目的の範囲内で、EPA/DHAの含分は、代謝状態を改善し、抗炎症効果を生じさせることができる。優先的には、食品組成物は、組成物の乾物の総質量に対して約0.05質量%~約0.75質量%、より優先的には約0.10質量%~約0.50質量%のEPA/DHAを含む。
【0208】
本明細書で使用する場合、約0.05質量%~約0.75質量%のEPA/DHAには、組成物の乾燥物の総質量に対して0.01質量%、0.15質量%、0.20質量%、0.25質量%、0.30質量%、0.35質量%、0.40質量%、0.45質量%、0.50質量%、0.55質量%、0.60質量%、0.65質量%、0.70質量%のEPA/DHAが含まれる。
【0209】
灰分
いくつかの実施形態では、本開示による組成物は、組成物の総質量に対して約5質量%~約9質量%の灰分、好ましくは組成物の総質量に対して約4質量%~約8質量%、好ましくは約4質量%~約9質量%の灰分の範囲の量の粗灰分を含むことができる。
【0210】
本開示の範囲内では、灰分は、カルシウム、リン、ナトリウム、塩化物、カリウム、およびマグネシウムなどのミネラルを指すことを意図するものである。
【0211】
本明細書で使用する場合、約5質量%~約9質量%の灰分には、組成物の総質量に対して5.5質量%、6.0質量%、6.5質量%、7.0質量%、7.5質量%、8.0質量%、および8.5質量%、および11.5質量%の灰分が含まれる。
【0212】
他の成分
本開示による組成物は、1つ以上の微量元素、特に、鉄、銅、マンガン、亜鉛、ヨウ素およびセレンから選択される微量元素をさらに含むことができる。
【0213】
本開示による組成物は、1つ以上のビタミン、特に、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、アスコルビン酸、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、パントテン酸、ナイアシン、ピリドキシン、葉酸、ビオチン、ビタミンB12およびコリンから選択されるビタミンをさらに含むことができる。
【0214】
いくつかの実施形態では、本開示による食品組成物は、抗酸化物質の供給源をさらに含むことができる。
【0215】
本明細書で使用する場合、「抗酸化物質」という表現は、フリーラジカルと反応してそれらを中和することができる物質を指すことを意図するものである。そのような物質の例としては、これに限定されないが、カロテノイド、例えば、β-カロテン、リコピンおよびルテイン、セレン、コエンザイムQ10(ユビキノン)、トコトリエノール、ダイズイソフラボン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオン、タウリン、N-アセチルシステイン、ビタミンE、ビタミンC、リポ酸、およびL-カルニチンが挙げられる。
【0216】
いくつかの実施形態では、食品組成物は、組成物の乾物の総質量に対して約1質量%~約4質量%のアルギニンを含む。
【0217】
本明細書で使用する場合、約1質量%~約4質量%のアルギニンには、組成物の乾物の総質量に対して1.25質量%、1.50質量%、1.75質量%、2.00質量%、2.25質量%、2.50質量%、2.75質量%、3.00質量%、3.25質量%、3.50質量%、3.75質量%のアルギニンが含まれる。
【0218】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つのフレーバー、特に天然フレーバーをさらに含む。
【0219】
いくつかの実施形態では、フレーバーは、タンパク質由来のものである。
【0220】
製造方法
本開示の食品組成物は、様々な方法によって製造することができる。様々な製造方法の詳細は異なっていてよく、所望の最終組成の範囲に達するように変更することができるが、方法全体は、以下のステップを含む。
【0221】
1)十分な温度、せん断および圧力条件下でプレコンディショニング装置(またはコンディショニング装置、ここでは双方の用語を互換的に使用する)内で生地を製造するステップであって、それによって、生地が、タンパク質、繊維、デンプン(粒度分析で1.2mm以下に粉砕したもの)および水と、生地中のタンパク質、繊維、デンプンおよび水と混じり合った任意の液体添加物および/または乾燥添加物とを含むものとするステップ、
2)生地を(i)第1の一連の条件(圧力、温度、オリフィスの閉塞)下で押出機チャンバのダイのオリフィスに通して、少なくとも1つの開口部を含む1つの空のキャビティを有する押出物を形成し、次に(ii)第2の一連の条件(圧力および温度)下で押出物を膨張させることにより、生地内に保持されている湿分から水蒸気(蒸気)への急速な膨張を生じさせるとともに、押出物内に細孔を形成するステップ、
3)膨張した押出物を切断して、各ピースに分割するステップ、
4)各ピースを所望の湿分含量まで、好ましくは水が各ピースの組成物の総質量に対して少なくとも15質量%以下となるまで(周囲空気温度で、または加熱工程により)乾燥および/または(冷却工程により)冷却するステップ、ならびに
5)各ピースを、脂肪、乾燥パラタント、湿潤パラタントおよび/または香気などの追加の流動性成分でコーティングするステップ。
【0222】
生地の製造は、生地塊を生成するために使用される成分、例えば、少なくともタンパク質、繊維、デンプンおよび水を組み合わせるステップと、次に、プレコンディショニング装置内で混合しながら各成分の組み合わせを十分に加熱して生地の水和および調理を開始し、デンプンを十分に予備糊化させるステップとを少なくとも含む。このデンプンの部分を圧力および高温下に押出機に通し、この押出機によりデンプンの糊化を完了させる。
【0223】
プレコンディショニング装置は、押出機に入る前の原料の調理工程を開始する。生地を予備調理もしくは予備加熱するため、すべての成分を生地に混合するため、および/または押出調理中の所望の条件に向けて生地を(例えば、水和によって)準備するために、生地または生地の各成分を、制御条件下にプレコンディショニング装置内で蒸気および/または水と混合することができる。ここで、油/脂肪や着色料などの追加の液体を加えることができる。プレコンディショニング装置は、材料を水和および混合しながら糊化プロセスを開始するために、高流量の蒸気および水を利用することができる。
【0224】
重要だと思われるのは、押出物が押出機のダイのオリフィスを出て部分的に生地中の湿分の蒸発および圧力低下により膨張した後に押出物を乾燥および/または冷却させる際に、タンパク質、特に加水分解されたタンパク質およびデンプンの十分な部分、例えば、約25質量%~約35質量%のタンパク質および約15%~約30%のデンプンが結合することで、多孔質マトリックスの骨格構造が形成されることである。
【0225】
さらに、処理条件は、表面細孔の形成および押出物中のキャビティの形成に影響を与えることができ、前記処理条件には、押出機速度、1つ以上の加熱ゾーンにおける押出機温度、バッチ成分とブレンドされる処理水の量、押出機に供給されるバッチ成分の量、生成物の単位当たりの押出機によって生成される比機械エネルギー(SME)量、押出機から出る押出物の温度(例えば、生成物出口温度)が含まれ得る。配合物を構成する成分も、表面細孔の形成に影響を与えることができ、前記成分には、米、トウモロコシ、小麦などのデンプンの選択、植物性または動物性、加水分解または非加水分解などのタンパク質の選択、家禽脂肪、獣脂、ホワイトグリースなどの脂肪の選択、および水の添加が含まれ得る。各成分のレベルも、多孔質マトリックスの表面細孔の形成を達成する上で重要となり得る。
【0226】
本方法を開始するために、各成分、例えば、タンパク質、繊維、デンプン、ならびに他の任意の乾燥添加物および/または湿潤添加物、例えば、保存料(BHA)を水と組み合わせ、プレコンディショニング装置で十分に混合して生地を形成する。
【0227】
一実施形態では、各成分を、別々に、または組成物として組み合わせて、ミル(例えば、ハンマーミルまたは他の粉砕装置)により少なくとも1回、所望の大きさに粉砕してから水と組み合わせる。この操作は、グラインダで行ってもよい。好ましくは、各成分を粒子にまで小さくし、該粒子のサイズは1.2mm以下であってよい。
【0228】
粉砕された成分を、別々に、または組成物として組み合わせて、乾燥材料用ホッパーまたは導管によってコンディショニング装置(またはプレコンディショニング装置)へ所定の供給速度で供給する。水を、水または蒸気用導管によってコンディショニング装置に所定の流量で供給することができる。供給速度および流量は、押出条件下での生地および押出後の膨張した多孔質マトリックスの所望の湿分に達するように較正することができる。
【0229】
各成分に加える水の量は、押出および膨張を行う生地の所望の湿分含量によって決定される。水は、水道水、濾過水、または他の種類の飲用水であってよい。押出時の溶融生地の目標湿分量は、生地の質量に対して約30質量%までとすることができる。
【0230】
コンディショニング装置に加える水の量は、例えば、生地の質量に対して約3質量%~約20質量%、好ましくは約5質量%~約17質量%と変化させることができる。
【0231】
コンディショニング装置に加える水蒸気の量は、例えば、生地の質量に対して約2質量%~約25質量%、好ましくは約4質量%~約17質量%と変化させることができる。
【0232】
コンディショニング装置における混合率は、例えば約70~約90%の範囲であってよく、好ましくは約80%であってよい。タンパク質、繊維、デンプン、水および他の任意の成分の混合物を混合および加熱するために使用される装置は、重要ではなく、そのような操作を達成することができる実質的に任意の装置を使用することができる。高粘性材料の混合および加熱操作を行うために設計された装置を使用することができる。一例として、生地は、その構成要素を混合し、得られた混合物を、利用可能な多種多様なコンディショニング装置(例えば、Wenger)のいずれかで加圧下に加熱することによって製造することができる。
【0233】
非限定的な一実施形態では、生地は、約50~約110℃、好ましくは約60~100℃、好ましくは約80~約95℃の範囲の温度でコンディショニング装置内にて加熱される。
【0234】
生地は、製造後に押出機のチャンバに移される。一実施形態によれば、コンディショニング装置と押出機とは同一の装置であってよく、生地の製造は、押出機のチャンバで行われる。
【0235】
プレコンディショニング工程からの生地はプレコンディショニング装置から排出され、押出機に入る。ここで、生地が押出機を通ってダイに向かって押し出されることで押出物が形成され、これはさらにダイによってキブルに成形される。この段階で、染料、油、水、および蒸気を押出機に加えることができる。これに限定されないが、単軸押出機や二軸押出機などの押出機は、高温、圧力およびせん断を加えてデンプン分子の糊化を誘発する。
【0236】
押出物の形成には、中を通過する材料の制御が可能な押出機が適している。例えば、好適な押出機は、押出中に十分な量の高ないし低せん断(例えば、摩擦)を生じさせるために、高または低フライト構成を有する二軸スクリュとすることができる。単軸押出機も使用することができ、また混合物を混合し、加熱し、溶融生地へと形成し、次いでダイまたは他のオリフィスを通して生地を押し出すのに有用な任意の装置または装置の組み合わせも使用することができる。当然のことながら、例えばリボンブレンダなど、他の形態の押出機およびスクリュ構成を使用することもできる。
【0237】
生地が押出機を通過する際に追加の水および蒸気を加えることで、生地をダイのオリフィスに押し通すことができるような適切なコンシステンシーを得ることができる。
【0238】
押出機に加える水の量は、例えば、生地の質量に対して約0質量%~約10質量%、好ましくは約0質量%~約8質量%、好ましくは約0質量%~約5.5質量%と変化させることができる。
【0239】
押出機に加える水蒸気の量は、例えば、生地の質量に対して約0質量%~約8質量%、好ましくは約1質量%~約6.5質量%、好ましくは約1.5質量%~約4.5質量%と変化させることができる。
【0240】
押出の間に、混合物をせん断、圧力および温度の条件下に押出機で機械的にせん断することで、デンプンを好ましい質量パーセンテージの量に糊化させる。押出機は、約50℃~約140℃の範囲の温度、またはデンプンの糊化に適した他の温度に設定することができる。押出機内の生地の処理温度は、生地に加えられるせん断ゆえに、より高くなり得る。押出機によって溶融生地に加えられる比機械的仕事(SME)の量は、所望の特性を有する多孔質マトリックスを形成することができる溶融生地を生成するのに十分でなければならない。
【0241】
押出機によって生地に加えられる比機械的仕事(SME)の量は、約15kWh/t~約80kWh/t(約54MJ/t~約288MJ/t)、好ましくは約25kWh/t~約70kWh/t(約90MJ/t~約252MJ/t)、好ましくは約35kWh/t~約65kWh/t(約126MJ/t~約234MJ/t)、または所望の特性を有する多孔質マトリックスを形成するために用いられる溶融生地の生成に十分な他のSMEであってよい。
【0242】
本明細書で使用する場合、比機械エネルギー(SME)は、生地がダイプレートを通じて押し出される際に生地に加えられるエネルギーを指す。SMEは、プロセス速度または処理量を制御するために、意図せずにまたは間接的に調整可能である。特定の実施形態では、SMEは、スクリュ速度を高めることによって、またはスクリュ自体を変更することによって、例えば、スクリュの周期性を高めることによって、または押出機のオリフィスの開放面積を減少させることによって、または押出機を通る流量を減少させることによって、または背圧弁を閉鎖することによって、またはコンディショニング装置および/もしくは押出機に加える水含分の合計を減少させることによって、増加させることができる。
【0243】
好ましくは、生地が押出機内でダイのオリフィスに向かって押される際に一連の漸増温度に供されるように、押出機内で加えられる熱を順次増加させることができる。一連の漸増温度は、少なくとも2段階、好ましくは少なくとも3段階、好ましくは少なくとも4段階、より好ましくは少なくとも5段階を含むことができる。第1の温度段階は、生地が押出機に導入される際の温度である。
【0244】
単軸押出機では、有用なスクリュ速度は、約350rpm~約600rpm(約350/min~約600/min)の範囲とすることができる。SMEを操作することで、少なくとも2つの様式でテクスチャの改善に寄与することができる。第一に、高いSMEは、デンプン顆粒の分解を補助することができ、これにより、アミロースがデンプンから浸出し、アミロペクチンまたはデンプン顆粒からの他の分子がより迅速に膨張することが可能となる。第二に、高いSMEは、生地がダイプレートを通じて押し出される前の最後の瞬間に生地を完全に混合し水和させるのを補助することができ、これにより、デンプンの糊化が促進されるとともに、押出時の生地の膨張が準備される。第三に、高いSMEによってフラッシュ蒸発を促進することができ、その結果、膨張が良好となる。
【0245】
コンディショニング装置(またはプレコンディショニング装置)と押出機とが同一の装置であり、かつ生地の製造が押出機チャンバで行われる場合、第1の温度段階は、生地が製造された際の温度である。
【0246】
一実施形態では、一連の漸増温度は、2~7段階、好ましくは3~6段階、好ましくは4~5段階、好ましくは5段階の温度を含むことができる。
【0247】
一連の漸増温度は、約50℃で開始し、約140℃で終了することができ、好ましくは約60℃で開始し、約130℃で終了することができる。各温度段階の間で、温度を約10~40℃、好ましくは約15~約30℃、好ましくは約20℃上昇させることができる。
【0248】
押出機内で加圧される溶融生地の温度は、押出機内で溶融生地に加えられた圧力が、生地が押出機から出る際に解放されるときに生地内の水の蒸発が期待できるように、押し出される生地中に存在する水の沸点を超えることができる。生地は、所定の押出速度で押し出すことができる。
【0249】
押出機内では、生地は、生地内の圧力を増加させて押出物を膨張させるように適合された速度で、1つ以上のスクリュ、例えば少なくとも2つのスクリュまたは2つ以下のスクリュによって搬送することができる。例として、押出機内の処理速度は、好適には、約300~約600rpm(約300~約600/min)の範囲、好ましくは約400~約500rpm(約400~約500/min)の範囲のスクリュ速度で得ることができる。
【0250】
調理された生地は、成形ダイを通じて押し出されて切断され、これにより、押出機と直近の外部環境との間の温度差および圧力差ゆえに押出物が膨張する。これにより、フラッシュオフ、すなわち外部環境の周囲温度と押出物の温度との差によって生じる蒸気の形態の湿分減少がさらに促進される。
【0251】
押出機から溶融生地がダイプレート、ノズルまたはチューブのオリフィスを通じて押し出されることで、周囲空気圧で成形押出物が形成される。一実施形態では、オリフィスは、ダイプレート内にある。別の実施形態では、ダイプレートは、少なくとも1つのオリフィス、好ましくは最大5つまたは6つのオリフィスを有することができる。オリフィスの数は、押出機のチャンバ内および生地内で十分な圧力が維持されるように調整される。
【0252】
オリフィスは、閉塞部によって部分的に閉塞されて、押出物中に少なくとも1つの開口部を含む少なくとも1つの空のキャビティが形成されるように構成されている。
【0253】
オリフィスは、押出物の所望のサイズおよび形状に応じて設定することができる。例えば、オリフィスは、長方形、円形、正方形、三角形、楕円形、または他の対称もしくは非対称の形状などの任意の形状であってよい。
【0254】
オリフィスの閉塞部は、押出物およびキャビティの所望のサイズおよび形状に応じて設定することもできる。例えば、閉塞部は、長方形、円形、正方形、三角形、楕円形、または他の対称もしくは非対称の形状などの任意の形状であってよい。
【0255】
一実施形態では、閉塞部は、該押出機の該オリフィス内の圧力を増加させるように構成されている。閉塞部は、オリフィスの任意の部分内に配置されていてよい。好ましくは、閉塞部は、オリフィス内の中央または実質的に中央に配置されている。
【0256】
一実施形態では、閉塞部は、ピンである。
【0257】
閉塞部を有するオリフィスのサイズは、多孔質マトリックスおよびキャビティを製造するのに十分な任意のサイズであってよい。
【0258】
一実施形態では、閉塞部およびオリフィスは、生地の押出のための環状リングのように構成されている。環状リングにより、押出物が円筒状のキャビティ(または円筒状の孔)を含む円筒状の形状に成形される。
【0259】
一実施形態によれば、オリフィスは、約130mm2/T/h~約300mm2/T/hの範囲、好ましくは約150mm2/T/h~約250mm2/T/hの範囲、好ましくは約160mm2/T/h~約230mm2/T/hの範囲の開放面積を有する。
【0260】
非限定的な一実施形態では、ダイオリフィス全体(または「オリフィスの合計」)は、約1000mm2~約3000mm2の範囲、好ましくは約1100mm2~約2800mm2の範囲、好ましくは約1200mm2~約2500mm2の範囲の面積を有することができる。
【0261】
非限定的な一実施形態では、閉塞部全体(または「閉塞部の合計」)は、約50mm2~約2200mm2、好ましくは約100mm2~約1800mm2、好ましくは150mm2~1600mm2の範囲の面積を有することができる。
【0262】
実施形態では、オリフィスが円形または実質的に円形の横断面を有する場合、該横断面は、約4mm~約15mm、好ましくは約5.5mm~約14mmの範囲の直径を有することができる。
【0263】
実施形態では、ピンが円形または実質的に円形の横断面を有する場合、該横断面は、約1mm~約11mm、好ましくは約1.5mm~約10mmの範囲の直径を有することができる。
【0264】
一実施形態によれば、オリフィスおよび閉塞部は、約1~約10の範囲、好ましくは約1.5~約9.0の範囲、好ましくは約2.0~約8.0の範囲のオリフィス:閉塞部の面積比を有することができる。
【0265】
ダイプレートのオリフィスには、閉塞部またはピンの端部とオリフィスの端部との間に一定の空の空間を維持して生地を押し出せるようにするため、閉塞部またはピンが配置されることが好ましい。この空間の長さは、約1.6mm~約2.6mmの範囲であってよく、好ましくは約1.8mm~約2.4mmであり、好ましくは約2mmである。
【0266】
実施形態では、オリフィスおよびピンがそれぞれ円形または実質的に円形の横断面を有する場合、該横断面は、約1.0~約3.5、好ましくは約1.2~約3.0の範囲のオリフィス直径:ピン直径の比を有することができる。
【0267】
別の非限定的な実施形態では、本方法は、押出機のオリフィスを通る押出物を加熱するステップをさらに含むことができる。押出機のオリフィスにおける温度は、出口温度である。一実施形態では、この温度は、約120℃~約180℃、好ましくは約130℃~約170℃、好ましくは約140℃~約155℃の範囲であってよい。
【0268】
押出物が押出機から周囲空気および大気条件下に出ると、押出物は、(押出機内の圧力から押出機外の大気圧への)圧力の急激な低下および溶融塊内に保持された湿分からの水蒸気(蒸気)のフラッシュ沸騰により直ちにかつ急速に膨張する。この押出物の膨張により多孔質マトリックスが形成され、該多孔質マトリックスは、該多孔質マトリックスの骨格構造内に複数の細孔を含み、いくつかの細孔がその表面に開口している場合がある。気化のレベルは、押出機内で十分な温度および圧力を維持することによって、押出機のオリフィスを生地が通過する前に脱気することによって、またはこれらの組み合わせによって制御することができる。フラッシュの結果、生地の湿分含量は、その膨張形態で約30質量%以下となり得る。
【0269】
細孔の他に閉塞部が存在することにより、膨張した押出物は、閉塞部の周囲に強制的に押されて、キャビティをさらに含むことができる。押出物内のキャビティのサイズ、形状および位置は、オリフィス内の閉塞部のサイズ、形状および位置に依存する。
【0270】
キャビティは、押出物の一端において開口している。一実施形態では、キャビティは、押出物の長手方向の壁内に長手方向の開口を有することができる。
【0271】
好ましくは、閉塞部は、オリフィス内に中央にまたは実質的に中央に配置されたピンである。このような構成で得られる押出物は、押出物内に中央にまたは実質的に中央に配置された円筒状のキャビティを有する円筒状または管状となる。
【0272】
押出後、膨張した押出物は、押出機のオリフィスを出た直後に切断装置(例えば、ナイフ、ギロチン、回転ナイフなど)により、長さ、幅および高さを有する押出物(例えば、ペレット、キブルなど)の三次元のピースに分割することが可能である。例えば、本開示の組成物のピースまたは要素の長さは、押出の速度および切断の速度を適合させることによって調整される。
【0273】
この段階で、押し出された生成物を押出後の操作に移行させることができる。これらには、圧着、細断、型押、搬送、乾燥、冷却および/またはコーティングを、任意の組み合わせまたは複数のプロセスフローで行うことが含まれ得る。圧着は、食品を挟み潰す任意のプロセスである。細断は、押出時に食品のサイズを好ましくは引裂きによって減少させる任意のプロセスである。型押は、表面にエンボス加工を施す、または食品に切り込みを入れる任意のプロセスである。搬送は、食品をある作業から別の作業へ輸送するために用いられ、輸送中に食品の状態を変化または維持することができ、このプロセスは、機械的または空気圧的であることが多い。乾燥は、プロセスの湿分、つまり水を、完成生成物の保存性に適した水準まで低下させるために用いることができる。キブルなどの膨張した湿ったペレットとして、ペレットを、搬送システム、空気コンベヤシステム、またはオーガーコンベヤシステムによって、押出機出口から乾燥機オーブンなどの乾燥機へ輸送することができる。
【0274】
押出物を各ピースに分割した後、各ピースを、各ピースを所望の湿分含量まで脱水する乾燥工程に供することができる。乾燥工程は、加熱装置(例えば、オーブン、ドラム乾燥機、食品乾燥機)において各ピースを熱に曝すことを含むことができる。熱には、赤外線放射、マイクロ波放射、高周波放射、直接熱風、直接火炎、蒸気、電熱源、または他のタイプの熱源が含まれ得る。非限定的な実施形態では、約80℃~約100℃で約1分~約5分にわたって熱を加えることができる。
【0275】
この各ピースを加熱すると、多孔質マトリックスの骨格構造内に閉じ込められた湿分がある場合はその量に応じて、各ピースが乾燥および硬化し、さらに膨張する。
【0276】
熱を加えることにより、組成物の総質量に対して好ましくは約20質量%以下、好ましくは15質量%以下、好ましくは12質量%以下、好ましくは10質量%以下、好ましくは約3質量%~約10質量%、より好ましくは約4質量%~約9質量%、より好ましくは約5質量%~約8.5質量%の範囲の水の最終湿分まで各ピースを脱水することができる。
【0277】
これらの湿分レベルでは、ピースまたはキブルの体積密度は、300g/L(300kg/m3)未満、好ましくは約150g/L~約300g/L(約150kg/m3~約300kg/m3)の範囲となり得る。
【0278】
乾燥した押出物の各ピースは、適切な保管条件で無期限に保管することも、流動性成分を多孔質マトリックスに真空注入する工程および/または流動性成分でコーティングする工程に直ちに移行させることもできる。あるいは周囲空気への曝露により各ピースを乾燥させることもできる。
【0279】
加熱乾燥を行わない場合、押出物の各ピースは、所望の体積密度および湿分含量に達した後に冷却工程に曝すことができる。冷却工程は、押出物の各ピースを冷却チャンバに通すことによって、押出物の各ピースの押出後温度を所望の温度まで下げるために使用される。冷却された押出物の各ピースについても、適切な保管条件で無期限に保管することも、真空注入工程に輸送して流動性成分を注入および/または流動性成分でコーティングすることもできる。
【0280】
さらなる一実施形態では、押出物の各ピースを乾燥工程(加熱または周囲空気のいずれか)および次いで冷却工程に供して、押出物の各ピースが真空注入および/またはコーティング工程または保管のために所望の体積密度および温度に達することができるようにすることが可能である。
【0281】
さらなる一実施形態では、押出物の各ピースを、コーティングのステップに供することができる。
【0282】
コーティングは、炭水化物、タンパク質、脂肪、水、ビタミン類、ミネラル類、および栄養または健康上有益な他の成分を食品に添加して、中間生成物または最終生成物を製造するために行うことができる。
【0283】
コーティング操作は、当技術分野で周知である。コーティング操作は、例えば、国際公開第2011/091111号(その内容は参照により本明細書に援用される)に記載されるように実施することができる。
【0284】
例えば、押出物またはコアペレットの各ピースは、コーティングされたキブルなどの食品ペレットの製造におけるコーティングの施与のために、流動化ミキサーに供給することができる。一実施形態では、コアペレットは、流動化ミキサーに入る前にホッパーを経由することができる。コーティングされたキブルは、流動化ミキサー内でコアをコーティングと接触させることによって形成することができる。一実施形態では、流動化ミキサーは、軸が水平に配向されていてよくパドルが逆回転軸に取り付けられている逆回転式二軸パドルミキサーであってよい。適切な逆回転式二軸パドルミキサーは、Forberg International AS, Larvik, Norway;Eirich Machines, Inc, Gurnee, 111, USA、およびDynamic Air Inc., St.Paul, Minn, USAから入手することができる。シャフト間のパドルの動きは収束流域を構成し、これにより、ミキサーの中心で粒子の実質的な流動化が生み出される。ミキサーの運転中、各シャフト上のパドルの傾きによって、軸方向に向かい合う対流場を生じさせることができ、これによって収束流域に追加のせん断場が生じる。シャフトの外側にあるパドルの下降軌道は、下向きの対流を構成する。一実施形態では、流動化ミキサーは、逆回転パドル軸の間に位置する収束流域を有することができる。一態様では、この逆回転パドル軸の押退け量は、収束流域内で重なる。本明細書で使用する場合、「押退け量」という用語は、回転シャフトに取り付けられた混合具がシャフトのフル回転中に交差する体積を意味する。一態様では、逆回転パドル軸の押退け量は、収束流域内で重ならない。一態様では、収束流域内に、逆回転パドル軸の押退け量の間に隙間が存在し得る。
【0285】
組成物の方法および使用
別の態様として、本開示の乾燥食品組成物またはキブルは、過体重の予防を、それを必要とする動物において行うための治療的方法において使用するためのものであってよい。
【0286】
実施形態によれば、本開示の乾燥食品組成物またはキブルは、体重の管理または体重制御を、それを必要とする動物において行うための治療的方法において使用するためのものであってよい。
【0287】
一実施形態によれば、本開示は、動物の食物摂取量を減少させるための、本開示の乾燥食品組成物またはキブルの使用に関する。
【0288】
本開示はまた、動物の食物摂取量を減少させるのに適した本開示の乾燥食品組成物またはキブルに関する。
【0289】
一実施形態によれば、本開示は、体重の管理または制御を、それを必要とする動物において行うための方法であって、該動物に本開示の乾燥食品組成物またはキブルを与える少なくとも1つのステップを有する、方法に関する。
【0290】
一実施形態によれば、本開示は、体重の管理または制御を、それを必要とする動物において行うための非治療的方法であって、該動物に本開示の乾燥食品組成物またはキブルを与える少なくとも1つのステップを有する、方法に関する。
【0291】
一実施形態によれば、本開示の低密度乾燥食品組成物、本開示の使用、または本開示の方法は、動物向けものであり、該動物は、ペットであり、優先的には猫または犬である。
【0292】
本開示の乾燥食品組成物は、完全食品または補助品として使用することができる。
【0293】
本開示の乾燥食品組成物は、低カロリー食として使用することができる。本開示の食品組成物は、過体重予防のための「標準的な」/毎日の食事として使用することができる。
【0294】
あるいは本開示の乾燥食品組成物は、過体重または肥満の予防、処置および/または管理を、それを必要とする動物において行うべく食事療法を支援するための補助食品として使用することができる。
【0295】
本開示の乾燥食品組成物は、減量プログラムに従う過体重/肥満のペットを処置するための体重管理処方物として使用することもできる。本開示の乾燥食品組成物は、ペット、好ましくは小型犬および中型犬に対して高い飽食効果を誘発することができる。
【0296】
本開示の乾燥食品組成物は、ペットの1食当たりの平均随意的摂取量を減少させるために使用することもできる。
【0297】
本開示の乾燥食品組成物は、ペットの摂食速度を低下させるために使用することもできる。
【0298】
本開示の乾燥食品組成物は、非膨張食と比較して、ペット、特に小型犬および中型犬の1食当たりの平均随意的摂取量を少なくとも約10%、好ましくは約10%~約35%、好ましくは約15%~約30%減少させることができる。
【0299】
本開示の乾燥食品組成物は、非膨張食と比較して、ペット、特に小型犬および中型犬の摂食速度を、少なくとも約20%、好ましくは約30%~約60%、好ましくは約40%~約55%低下させることができる。
【0300】
以下の実施例は、本開示の説明のためにのみ提供されるものである。通常の当業者には明らかなように、本開示の趣旨から逸脱することなく、そのような実施形態のすべての変形形態および組み合わせが可能である。
【0301】
以下の実施例において、先の図面が参照される。
【実施例】
【0302】
実施例1
製造方法
本開示による犬用食品組成物(「本発明」と称する)および比較の犬用組成物(「比較」と称する)を、押出ステップを除いて同一の一般工程で製造した。この押出ステップでは、本開示の組成物について、押出機の各オリフィスが、中にねじ込まれたピンによって部分的に閉塞されていた。コンディショニング装置および押出機内の適用パラメータは、表1に記載されている。
【0303】
本実施例のパラメータは、パイロットスケール用のものである。これらのパラメータを適合させて本方法を任意の工業的規模に変換することは、当業者の一般的知識の範囲内である。
【0304】
本発明の組成物1および2ならびに比較組成物1および2の配合は、実施例4の表7に記載されている。
【0305】
乾燥成分をグラインダで粉砕して、1.2mm以下の粒子を得た。粉砕された成分をコンディショニング装置に導入し、添加された水および蒸気と混合して、生地を形成した。
【0306】
次に、この生地を押出機に移し、次いで加圧下で加熱した。加熱された生地を、次いでダイプレートで押し出して、膨張した押出物を得た。これを、次いで切断してキブルとした。
【0307】
本発明による方法は、当業者が利用可能な任意の押出機を用いて実現することができる。非限定的な例として、押出機WENGER X115、X165もしくはX185、または類似の任意の押出機を使用することができる。
【0308】
キブルを、乾燥させ、冷却し、コーティングする。
【0309】
本発明の組成物および比較組成物のプロセスパラメータは、パイロットスケール(表1)および工業用工場規模(表2)で以下のとおりであった。
【0310】
【0311】
【0312】
実施例2
食品組成物の形状が密度に及ぼす影響
以下の組成(比較)のキブルを、表3にしたがって、従来の丸みのある形状のキブルとして、または本開示の円筒状の形状のキブルとして製造した。
【0313】
【0314】
直径4.8mmのオリフィスダイを有する押出機を用いて、実施例1に記載のとおりに第1のセットのキブルを従来どおりに製造し、丸い形状(丸みのある形状のキブル)を得た。
【0315】
直径9.8mmの押出機および直径5.5mmのピンを用いて、本開示の製造方法にしたがって実施例1に記載のとおりに第2のセットのキブルを製造して、空のキャビティ内部(中央の孔)がキブルの2つの端部に開口した、直径(外径)約15mm、長さ約12mmの円筒状のキブル(円筒状の形状のキブル)を得た。
【0316】
各キブルの空のキャビティの体積は、各キブルの総体積の約12%である。
【0317】
これら2つのセットのキブルの密度を、次のように測定した:10リットル(0.01m3)の金属製ジャーをキブルで満杯に満たし、次に数値秤(1グラム精度)を使用してこれを秤量し、それをg/L(kg/m3)単位で表す。
【0318】
丸みのある形状のキブルが、約255g/L(約255kg/m3)の体積密度を有し、食欲をそそらない様相を呈していたのに対して、円筒状の形状のキブルは、約205g/L(約205kg/m3)の密度を有し、心地よい好まれる様相を呈していた。得られた密度の減少は、約19%であった。
【0319】
本実施例は、キブルの体積内に空のキャビティを有するキブルとして製造された組成物によって、キブルの密度を劇的に減少させることが可能となることを示している。
【0320】
このことにより、有利には、同一の体積であるがより少量の食品組成物で動物用食品のボウルを満たすことが可能となり、これによって、ボウルが、従来どおりに製造された丸みのある形状のキブルと同一の量の食品を含むという快適な視覚的印象を与えることが可能となる。これにより、動物が、過体重の動物の体重を減少させるために提案された食事療法、または体重を制御および管理するために提案された食事療法を好んで遵守し、それに従うようになる。
【0321】
実施例3
密度を減少させた配合物
本開示の食品組成物の密度をさらに減少させるために、処方に入れる成分の組み合わせおよび性質について研究することとした。
【0322】
本発明の組成物1、2および3の配合は、実施例4の表7に記載されている。これらの組成物を、実施例1に記載した本開示の方法で製造した。異なる組成物に使用した押出機およびピンの直径を、動物のサイズに適合した円筒状の孔を有する円筒状のキブルの製造に適合させ、これは以下の表4のとおりであった。
【0323】
【0324】
キブルの目標の密度および寸法(キブル全体の直径、および全体の直径から孔の直径を減じた壁の厚さ)は、以下の表5のとおりであった。
【0325】
【0326】
明確にするために記すと、ここでは、厚さは高さに相当する。
【0327】
キブルの密度を、次のように測定した:10リットル(0.01m3)の金属製ジャーをキブルで満杯に満たし、次に数値秤(1グラム精度)を使用してこれを秤量し、それをg/L(kg/m3)単位で表す。以下の表6の密度結果が得られた。
【0328】
【0329】
本開示の組成物によれば、目標密度に対する、得られた密度の減少は、20~30%の範囲である。したがって、少なくとも10%の密度の減少を大きく上回り、予想を超えるものであった。
【0330】
実施例4
密度を減少させた配合物
猫または犬に対する栄養学的な勧告を満たすだけでなく、体積密度に及ぼす影響をさらに低減し、かつ密度のさらなる減少が得られるようにタンパク質および総繊維の量を調整したキブルとして、食品組成物の一連の配合物を製造した(表7参照)。目標は、約10%の密度の減少を得ることであった。
【0331】
実施例1に示した本開示にしたがって、本発明の組成物1、2および3を製造して、中央の孔を有する円筒状の形状のキブルを得た。
【0332】
比較組成物1、2および3を、ピンを備えていない押出機で実施例1に記載のとおりに製造して、丸みのある形状のキブルを得た。
【0333】
本開示による方法は、当業者が利用可能な任意の押出機を用いて実現することができる。非限定的な例として、押出機WENGER X165またはX185を使用することができる。
【0334】
【0335】
本発明の組成物1、2および3、ならびに比較組成物1、2および3を、それぞれ小型犬用、中型犬用、および猫用に設計した。
【0336】
キブルの密度を、キブルで満たした10リットル(0.01m3)のポットを用いて測定し、次にこれを秤量し、それをg/L(kg/m3)単位で表す。
【0337】
パイロットスケール(表8)および工業用工場規模(表9)で、以下の体積密度の結果が得られた。
【0338】
【0339】
【0340】
本発明の組成物と比較組成物との差は、パイロットスケールで約30%~約42%の範囲であり(表8参照)、工業用工場規模で約25%~約32%の範囲であり(表9参照)、期待値および目標値を大きく超えていた。
【0341】
また、パイロットスケール(表10)および工業用工場規模(表11)で、以下のカロリー密度結果も得られた。
【0342】
【0343】
【0344】
本発明の組成物と比較組成物との差は、パイロットスケールで約30%~約42%の範囲であり(表10参照)、工業用工場規模で約25%~約32%の範囲であり(表11参照)、期待値および目標値を大きく超えていた。
【0345】
実施例5
配合および形状が体積密度減少に及ぼす影響
第1に、体積密度をさらに減少させるためにデンプンの量を最適に調整した猫用食品組成物の配合物を製造した。
【0346】
新規の配合の影響を測定するために、実施例1に記載したように、ピンを備えていない押出機により本発明の組成物および比較組成物を製造して、丸みのある形状のキブルを得た。乾燥前に、押出機の出口で体積密度を測定した。
【0347】
実施例4に記載の組成物3を、実施例1に記載の製造方法にしたがって製造した。
【0348】
得られた結果は、以下の表12に示すとおりであった。
【0349】
【0350】
本発明の組成物3は、同一の方法およびパラメータを用いたキブル製造用の比較組成物に対して、約14%の密度の減少をもたらした。
【0351】
第2に、同一の配合の組成物について、形状が体積密度に及ぼす影響を評価した。
【0352】
同一の本発明の組成物3を、実施例1に記載したように、丸みのある形状のキブルとして、または円筒状の孔を有する円筒状の形状のキブルとして製造した。
【0353】
乾燥前に、押出機の出口で体積密度を測定した。
【0354】
得られた結果は、以下の表13に示すとおりであった。
【0355】
【0356】
同一の配合であるが形状が異なる(丸みがある対円筒状+孔)場合、密度の約25%のさらなる減少が観察された。
【0357】
本発明の組成物および比較組成物を、それぞれ実施例4および実施例1に記載したように、円筒状の孔を有する円筒状の形状のキブルとして、または丸みのある形状のキブルとして製造した。密度を比較するために、本発明の組成物1、2および3を、比較組成物と同一の条件(同一の日、同一のバッチの原料など)で比較した。
【0358】
各組成物の体積密度を、上述したように測定した。
【0359】
得られた体積密度を、ボウル内でキブルが占める有効体積に変換した。
【0360】
有効体積により、嵩密度をボウル内の飼料配給量の実際の体積に変換することが可能となる。これは、生成物のエネルギー(kcal/kg)を用いて、嵩密度(g/L(kg/m3))を所定の1日当たりのカロリー配給量(kcal)に対応する体積(L単位)に変換することで定義される。
【0361】
パイロットスケール(表14)および工業用工場規模(表15)で得られた結果は、以下のとおりであった。
【0362】
【0363】
【0364】
このデータは、本発明の組成物と比較組成物との間の視覚的な顕著な差異を示しており、これは、動物およびその飼い主に満杯のボウルの「効果」を提供するものである。
【0365】
さらに、この体積の差異は、特にキブルの飲み込みや食べ過ぎの現象を予防することにより、食行動に有益な影響を及ぼすことができる。その結果、これはカロリー摂取量の減少につながる。
【0366】
実施例6
飽食効果試験 本発明対比較の丸い形状対比較の十字形状
比較組成物1および2、ならびに本発明の組成物1および2を、それぞれ実施例1および実施例3に記載の方法にしたがって製造した。本実施例の目的は、本発明の組成物が犬の随意的エネルギー摂取量に及ぼす効果を調査することであった。1食当たりの平均随意的摂取量および最初の2食の摂食速度を測定することによって、組成物の飽食効果を評価した。
【0367】
健康で成熟した雌のコロニー犬(小型犬10頭(6.53±0.34kg)および中型犬10頭(13.46±2.16kg))を14dクロスオーバー設計で2群にランダムに分け、本発明の飼料または比較飼料(2700kcal/kg(約11297kJ/kg);605kcal/L(約2.531kJ/m3)対870kcal/L(約3.640kJ/m3))を与えた。プロトコールを、連続しない3日間で実施した(最初の2食で100%MERを提供し、残りの2食で300%MERを提供)。他の日は食物摂取量を80%MERに減少させた。試験日には、随意的食物摂取量(kcal/kg0.75)および食事速度(kcal/kg0.75/min)を測定した。生成物、食事および相互作用を固定効果とし、犬、週数およびそれらの食事との相互作用をランダム項とする線形混合モデル手順を用いて、非変換データを解析した。
【0368】
本発明の組成物による1食当たりの平均随意的摂取量は、丸い形状の比較組成物1および2と比較して、本発明の組成物1および2についてそれぞれ29%および16%有意に減少した(p<0.01)(組成物1:31.3±33.7対44±35.6kcal/kg0.75(約131±141対184±149kJ/kg0.75)、組成物2:34.9±30.7対41.7±33.6kcal/kg0.75(約146±128対174±141kJ/kg0.75))。最初の2食の摂食速度は、組成物1および2についてそれぞれ40%および52%有意に減少した(p<0.001)(組成物1:8.0±2.7対13.3±3.4kcal/kg0.75/min(約33±11対56±14kJ/kg0.75/min)、組成物2:8.0±2.2対16.7±7.3kcal/kg0.75/min(約33±9対70±31kJ/kg0.75/min))。
【0369】
本実施例からわかるように、高い飽食効果により、本開示による本発明の組成物により、ペットの1食当たりの平均随意的摂取量を減少させ、かつペットの摂食速度を低下させることが可能となる。したがって、本開示の本発明の組成物は、動物の体重管理または体重制御を行うために、より具体的には、過体重または肥満の予防および/または処置を、それを必要とする動物において行うために、栄養的にバランスがとれた完全食品としてまたは機能性補助品として特に有用であることが実証された。結論として、本発明の組成物2におけるカロリー密度の減少により、小型犬および中型犬の平均随意的摂取量および摂食速度が低下する。
【0370】
同一の実験を同一の中型犬10頭(13.46±2.16kg)で行い、膨張していない十字形状の比較食2対本発明の組成物2が犬の随意的エネルギー摂取量に及ぼす効果を検証した。本発明の組成物2による1食当たりの平均随意的摂取量は、膨張していない十字形状の比較組成物2と比較して14.6%減少した(46.9±47.5対54.9±58.1kcal/kg0.75(約196±199対230±243kJ/kg0.75))。最初の食事時の摂食速度は、29.3%減少した(17.8±10.5対25.2±13.8kcal/kg0.75/min(約74±44対107±58kJ/kg0.75/min))。
【0371】
結論として、十字形状によって平均随意的摂取量および摂食速度が低下するものの、本発明の組成物2は、これら2つのパラメータにより大きな影響を及ぼした。
【0372】
実施例7
体重減少のための動物モデル
7.7±0.2歳の雌のビーグル犬12頭および雄のビーグル犬2頭を本プロトコールに参加させた。いずれの犬も、そのボディ・コンディション・スコア(BCS9点満点で7点)によれば体重過多(体重(BW):14.6±0.6kg)であり、臨床検査、血球数、および血清生化学検査により健康であることが確認された。動物は、社会的適合性に基づいてペアで、シェルター付きの寝床を備えた屋外の囲い(2.0×5.0m)に収容されていた。犬には、年2回のワクチン接種および駆虫処置を受けさせ、少なくとも週1回体重を測定した。
【0373】
試験前に、いずれの犬も、対照食(脂肪14.0%、タンパク質25.0%、ME:3910kcal/kg(約16359kJ/kg))を食べた。試験の際に、体重減少(1週間当たり約1.5%)を誘発するために、本発明の組成物2を犬に与えた。初期BCS(7)および最適BCS(5)を用いて、次式により各犬の最適体重を求めた:最適体重=5×初期体重/7。体重の変化に応じて、配給量を週2回調整した(3%以上の体重減少で配給量を10%増加させた)。犬は、1日1回(朝)食べ、水は自由に飲めるようにした。BWは週2回、ICCは1回実施した。各犬が4~5歳の最適体重またはBCS=4~5に達したら(
図2および
図3の黒字)、本発明の組成物2を古典的な食事に置き換えた(
図2および
図3の灰色)。
【0374】
犬に本発明の組成物2を与えた期間の後、犬の体重は試験開始時と比較して著しく減少した(終了時:12.35(9.780~14.60)kg対開始時:14.80(11.14~17.24);p<0.001)(
図1)。理想体重を得るまでの平均期間は、5.8±0.5週間であった(
図2)。平均体重減少率は、15.58±1.021%であった(
図3)。また、犬に古典的な食事を与えると、犬は本発明の組成物2を用いた以前の療法に比べて体重が減少しなくなり、さらにいずれの犬も体重が増加していないことにも言及することができる。
【0375】
これは、本開示による組成物がi)動物に給餌する期間中の体重減少に影響を及ぼすこと、およびii)この影響が少なくとも7週間の期間後にも継続することを明確に示している。
【0376】
実施例8
過体重予防を目的とする新規の本発明の組成物
第1の実施形態では、本発明の組成物は、病気で肥満の動物を対象とする。第2の実施形態(「肥満の処置」)では、開示された組成物を使用して、体重増加を予防する目的で、やや過体重の動物(「肥満の予防」)用の食品も開発した。表16にしたがって、犬用(本発明4)および猫用(本発明5)の新規組成物を開発した。
【0377】
【0378】
本発明の組成物(4および5)および比較組成物(4および5)を、それぞれ実施例4および実施例1に記載したように、円筒状の孔を有する円筒状の形状のキブルとして、または丸みのある形状のキブルとして製造した。以下の表17は、これらの組成物のそれぞれの密度に関するデータを再編成したものである。
【0379】
【0380】
猫が本開示による組成物を食べることを確認するために、最初の試験を猫で行った。この目的で、本発明の組成物5を比較組成物5と比較した。猫について得られた結果(本発明の組成物5および比較組成物5)を、以下の表18にまとめた。
【0381】
これらの結果によれば、本発明の組成物5の体積が猫に多くの咀嚼を強いるにもかかわらず、本発明の組成物5は、比較組成物5よりも有意により多く消費されるようである。
【0382】
【0383】
同一の目的で、犬が食事を食べ終えるのに必要な時間を評価するために、第2の試験を行った。英国で小型犬(4~12kg)の飼い主104名を対象に、本発明の組成物4を用いたCTI調査(「Consumer Technical Insights」)を行った。人々に、「あなたの犬が乾燥ドッグフードを食べ終わるのに通常どれくらいかかりますか?」および「あなたの犬がこの新規の食品で同一の配給量を食べ終わるのにどれくらいかかりますか?」という2つの質問をした。
【0384】
その結果を、表19および
図4に示す。平均して、人々は、犬が食べ終わるまでにより多くの時間がかかったと回答しており、ここから、本発明の組成物は摂取速度を低下させる傾向があるため、過体重になりやすい犬の体重増加を予防できることがわかる。
【0385】
【0386】
実施例9
機能性補助品の目的での新規の本発明の組成物
体重増加を誘発することなく栄養上の利点をもたらすペット用の非常に低カロリーのおやつを製造する目的で、本開示を用いて新規の機能性補助品も開発した。本発明の組成物6は、以下の栄養組成を有する(表20)。
【0387】
【0388】
本発明の組成物6を、実施例4および実施例1に記載したように、円筒状の孔を有する十字形状のキブルとして製造した。比較組成物6は、既存の参考品(ロイヤルカナン)である。
【0389】
本発明の組成物6および比較組成物6の体積密度の差を、以下の表21に示す。
【0390】
【0391】
本発明の組成物6および比較組成物6のカロリー密度の差を、以下の表22に示す。
【0392】
【0393】
このカロリー密度の差により、本発明6では、キブル1つ当たりのカロリー数を減少させることができるため、飼い主はペットにより多くのおやつを与えることができる。犬で嗜好性を評価したところ、低カロリー分であるにもかかわらず、非常に良好に受け入れられている(データは示さず)。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0393
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0393】
このカロリー密度の差により、本発明6では、キブル1つ当たりのカロリー数を減少させることができるため、飼い主はペットにより多くのおやつを与えることができる。犬で嗜好性を評価したところ、低カロリー分であるにもかかわらず、非常に良好に受け入れられている(データは示さず)。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
約500kCal/L~約900kCal/L(約2.092kJ/m
3
~約3.766kJ/m
3
)の範囲のカロリー密度を有する乾燥食品組成物であって、前記食品組成物は、前記組成物の総質量に対して
a.約20質量%~約36質量%の範囲の量のタンパク質と、
b.約15質量%~約30質量%の範囲の量の総食物繊維と、
c.約15質量%~約32質量%の範囲の量のデンプンと
を含む、乾燥食品組成物において、前記食品組成物は、約40%~約70%の範囲の空隙率を有することを特徴とする、乾燥食品組成物。
実施形態2
前記乾燥食品組成物は、個別の要素から構成されており、各個別の要素は、総体積を定め、かつ前記総体積内に少なくとも1つの開口部を含む少なくとも1つの空のキャビティを含み、前記キャビティは、前記総体積の少なくとも約20%の体積を表す、実施形態1に記載の乾燥食品組成物。
実施形態3
前記組成物の前記個別の要素は、キブルであり、好ましくは、中央または実質的に中央の円筒状の空のキャビティを含む円筒状のキブルである、実施形態2に記載の乾燥食品組成物。
実施形態4
前記乾燥食品組成物は、少なくとも部分的に加水分解されたタンパク質、好ましくは完全に加水分解されたタンパク質を含む、実施形態1から3までのいずれか1つに記載の乾燥食品組成物。
実施形態5
前記デンプンは、アミロース対アミロペクチンの比が約30:70を超えない、優先的には約25:75を超えない、さらに優先的には約20:80を超えない、より好ましくは約15:85であるデンプンから選択される、実施形態1から4までのいずれか1つに記載の乾燥食品組成物。
実施形態6
前記乾燥食品組成物は、約500kCal/L~約900kCal/L(約2.092kJ/m
3
~約3.766kJ/m
3
)、好ましくは約510kCal/L~約850kCal/L(約2.134kJ/m
3
~約3.556kJ/m
3
)、好ましくは約525kCal/L~約825kCal/L(約2.197kJ/m
3
~約3.452kJ/m
3
)、好ましくは約530kCal/L~約800kCal/L(約2.218kJ/m
3
~約3.347kJ/m
3
)、より好ましくは約550kCal/L~約770kCal/L(約2.301kJ/m
3
~約3.222kJ/m
3
)の範囲のカロリー密度を有する、実施形態1から5までのいずれか1つに記載の乾燥食品組成物。
実施形態7
前記乾燥食品組成物は、約150g/L~約300g/L(約150kg/m
3
~約300kg/m
3
)、好ましくは約160g/L~約270g/L(約160kg/m
3
~約270kg/m
3
)、好ましくは約180g/L~約250g/L(約180kg/m
3
~約250kg/m
3
)、より好ましくは約190g/L~約240g/L(約190kg/m
3
~約240kg/m
3
)の範囲の体積密度を有する、実施形態1から6までのいずれか1つに記載の乾燥食品組成物。
実施形態8
前記乾燥食品組成物は、栄養的に完全な食品または機能性補助品からなる、実施形態1から7までのいずれか1つに記載の乾燥食品組成物。
実施形態9
実施形態1から8までのいずれか1つに記載の乾燥食品組成物を含む、キブル。
実施形態10
過体重および/または肥満の予防および/または処置を、それを必要とする動物において行うための治療的方法において使用するための、実施形態1から8までのいずれか1つに記載の乾燥食品組成物または実施形態9に記載のキブル。
実施形態11
動物の食物摂取量の減少に適した、実施形態1から8までのいずれか1つに記載の乾燥食品組成物または実施形態9に記載のキブル。
実施形態12
動物の食物摂取量を減少させるための、実施形態1から8までのいずれか1つに記載の乾燥食品組成物または実施形態9に記載のキブルの使用。
実施形態13
体重の管理または制御を、それを必要とする動物において行うための方法であって、前記動物に、実施形態1から8までのいずれか1つに記載の乾燥食品組成物または実施形態9に記載のキブルを与える少なくとも1つのステップを有する、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約500kCal/L~約900kCal/L(約2.092kJ/m
3~約3.766kJ/m
3)の範囲のカロリー密度を有する乾燥食品組成物であって、前記食品組成物は、前記組成物の総質量に対して
a.約20質量%~約36質量%の範囲の量のタンパク質と、
b.約15質量%~約30質量%の範囲の量の総食物繊維と、
c.約15質量%~約32質量%の範囲の量のデンプンと
を含む、乾燥食品組成物において、前記食品組成物は、約40%~約70%の範囲の空隙率を有することを特徴とする、乾燥食品組成物。
【請求項2】
前記乾燥食品組成物は、個別の要素から構成されており、各個別の要素は、総体積を定め、かつ前記総体積内に少なくとも1つの開口部を含む少なくとも1つの空のキャビティを含み、前記キャビティは、前記総体積の少なくとも約20%の体積を表す、請求項1記載の乾燥食品組成物。
【請求項3】
前記組成物の前記個別の要素は、キブルであり、好ましくは、中央または実質的に中央の円筒状の空のキャビティを含む円筒状のキブルである、請求項2記載の乾燥食品組成物。
【請求項4】
前記乾燥食品組成物は、少なくとも部分的に加水分解されたタンパク
質を含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物。
【請求項5】
前記デンプンは、アミロース対アミロペクチンの比が約30:70を超えな
いデンプンから選択される、請求項1から4までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物。
【請求項6】
前記乾燥食品組成物は、約500kCal/L~約900kCal/L(約2.092kJ/m
3~約3.766kJ/m
3
)の範囲のカロリー密度を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物。
【請求項7】
前記乾燥食品組成物は、約150g/L~約300g/L(約150kg/m
3~約300kg/m
3
)の範囲の体積密度を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物。
【請求項8】
前記乾燥食品組成物は、栄養的に完全な食品または機能性補助品からなる、請求項1から7までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物。
【請求項9】
過体重および/または肥満の予防および/または処置を、それを必要とする動物において行うための治療的方法において使用するための、請求項1から8までのいずれか1項記載の乾燥食品組成
物。
【請求項10】
動物の食物摂取量の減少に適した、請求項1から8までのいずれか1項記載の乾燥食品組成
物。
【請求項11】
請求項1から8までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物を含む、キブル。
【請求項12】
過体重および/または肥満の予防および/または処置を、それを必要とする動物において行うための治療的方法において使用するための
、請求項11記載のキブル。
【請求項13】
動物の食物摂取量の減少に適した
、請求項11記載のキブル。
【請求項14】
体重の管理または制御を、それを必要とする動物において行うための方法であって、前記動物に、請求項1から8までのいずれか1項記載の乾燥食品組成物または
請求項11記載のキブルを与える少なくとも1つのステップを有する、方法。
【国際調査報告】