(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(54)【発明の名称】操向装置及びそれを備える船舶
(51)【国際特許分類】
B63H 25/38 20060101AFI20230329BHJP
【FI】
B63H25/38 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546057
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(85)【翻訳文提出日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 KR2020007787
(87)【国際公開番号】W WO2021153857
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】10-2020-0011398
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520387760
【氏名又は名称】ヒュンダイ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ ウォン チュン
(72)【発明者】
【氏名】ソン ソク ホ
(72)【発明者】
【氏名】コ ソク チョン
(57)【要約】
本発明の一実施例による操向装置は、プロペラに隣接して設けられるラダーと、上記ラダーに設けられるバルブと、上記バルブから上下方向にそれぞれ延長され、上記バルブにおいて上記ラダーのリーディングエッジから突出した部分に結合されて、流体の流れをガイドするガイド部と、を含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロペラに隣接して設けられるラダーと、
上記ラダーに設けられるバルブと、
上記バルブから上下方向にそれぞれ延長され、上記バルブにおいて上記ラダーのリーディングエッジから突出した部分に結合されて、流体の流れをガイドするガイド部と、を含むことを特徴とする操向装置。
【請求項2】
上記ガイド部は、
上部方向に延長される第1延長部材と、
下部方向に延長される第2延長部材と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の操向装置。
【請求項3】
上記第1延長部材と上記第2延長部材は、
少なくとも何れか一面が鉛直に形成されることを特徴とする請求項2に記載の操向装置。
【請求項4】
上記第1延長部材と上記第2延長部材は、
少なくとも何れか一面が傾斜を有することを特徴とする請求項2に記載の操向装置。
【請求項5】
上記第1延長部材と上記第2延長部材は、
上記バルブから端部に向かうほど断面積が減少することを特徴とする請求項2に記載の操向装置。
【請求項6】
上記第1延長部材と上記第2延長部材は、
左右非対称に形成されることを特徴とする請求項2に記載の操向装置。
【請求項7】
上記ラダーは、
リーディングエッジが上記プロペラの軸と左右方向に並んで鉛直に形成されることを特徴とする請求項1に記載の操向装置。
【請求項8】
上記ガイド部は、
曲げ加工が省略されるように2つの平板が接点 ラウンド処理されて形成されることを特徴とする請求項1に記載の操向装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の上記操向装置を含むことを特徴とする船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は操向装置及びそれを備える船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、大型船舶の場合、船体の後部に取り付けられているプロペラの回転時に発生する流体の流れを利用して前進する方式が用いられる。このとき、プロペラの後方にはラダーが取り付けられ、ラダーが左右に回転することによって流体の流れる方向を調整することで航海の方向を変える。
【0003】
このようにプロペラの回転により一定速度を出すためにはディーゼルなどのオイルを使用してエンジンを駆動する必要があるが、この場合、大量のオイルが消費され、温室効果ガスが排出されることにより、環境破壊などの問題を引き起こすことになる。
【0004】
従って、最近では、船舶の推進時に消費されるエネルギーを削減して燃料使用量を減縮するために様々な努力がなされている。特に、IMOでは2010年に船舶の運航時の温室効果ガス削減対策について議論しており、燃費規制に対する基準及び方向の確定に関する議論を進めている。
【0005】
このような動きに海運会社も加わるにつれて、海運会社は燃料費に対する負担が軽減できる燃料節減型船舶に関心を持ち始めた。このような海運会社のニーズにより、造船会社は燃料消費量を減らし、温室効果ガスの排出を減らすことができる燃料節減型技術について持続的に研究及び開発している。
【0006】
燃料節減型技術の一例として、船舶の後尾、プロペラ、ラダーなどの形状を改良したり、別途の付加物を付着することで推進効率を高めるとともに燃料を節減する省エネ付加装置(ESD:Energy Saving Device)に関心が集まっており、当該省エネ付加装置は大半の船舶に既に適用されて使用されている。
【0007】
ところが、従来使用されているバルブは抵抗の増加を招く恐れがあり、操向性能の向上または推進効率の増大に限界があるため、改善が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような従来技術の問題点を解決すべく創出されたものであり、本発明の目的はバルブを備えるが、抵抗を減らすとともにハブボルテックス(Hub Vortex)低減効果が確保できる操向装置及びそれを備える船舶を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例による操向装置は、プロペラに隣接して設けられるラダーと、上記ラダーに設けられるバルブと、上記バルブから上下方向にそれぞれ延長され、上記バルブにおいて上記ラダーのリーディングエッジから突出した部分に結合されて、流体の流れをガイドするガイド部と、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の他の実施例による船舶は、上記操向装置を含むことを特徴とする。
【0011】
具体的には、上記ガイド部は、上部方向に延長される第1延長部材と、下部方向に延長される第2延長部材と、を含んでもよい。
【0012】
具体的には、上記第1延長部材と上記第2延長部材は少なくとも何れか一面が鉛直に形成されてもよい。
【0013】
具体的には、上記第1延長部材と上記第2延長部材は少なくとも何れか一面が傾斜を有してもよい。
【0014】
具体的には、上記第1延長部材と上記第2延長部材は上記バルブから端部に向かうほど断面積が減少してもよい。
【0015】
具体的には、上記第1延長部材と上記第2延長部材は左右非対称に形成されてもよい。
【0016】
具体的には、上記ラダーは、リーディングエッジが上記プロペラの軸と左右方向に並んで鉛直に形成されてもよい。
【0017】
具体的には、上記ガイド部は、曲げ加工が省略されるように2つの平板が接点 ラウンド処理されて形成されてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明による操向装置及びそれを備える船舶は、ハブボルテックスの回転エネルギーの減少によってラダー流入流の直進性を改善することができ、比較的簡単な形状の付加物であるガイド部を通してラダーに作用する流体力の追加を改善することができ、ラダー抵抗の減少によって推進効率の改善及び構造の安定性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施例による操向装置を示す図である。
【
図2】本発明の第2実施例による操向装置を示す図である。
【
図3】本発明の第3実施例による操向装置を示す図である。
【
図4】本発明の第4実施例による操向装置を示す図である。
【
図5】本発明の第5実施例による操向装置を示す図である。
【
図6a】本発明の第6実施例による操向装置の正面を示す図である。
【
図6b】本発明の第6実施例による操向装置の一側を詳細に示す図である。
【
図6c】本発明の第6実施例による操向装置の他側を詳細に示す図である。
【
図6d】本発明の第6実施例による操向装置の側面を示す図である。
【
図7】従来技術と本発明の第6実施例による操向装置が設けられる船舶の左舷部分を比較して示す図である。
【
図8】従来技術と本発明の第6実施例による操向装置が設けられる船舶の右舷部分を比較して示す図である。
【
図9】従来技術と本発明の第6実施例による操向装置が設けられる船舶の運用に必要な伝達馬力の改善度合いを比較した図である。
【
図10】バルブのみが備えられる船舶と本発明の実施例によるガイド部が備えられる船舶を比較するために示す図である。
【
図12】
図10に示す船舶のCFD解析結果を比較して示したものである。
【
図13】
図10に示す船舶の模型試験結果を比較して示したものである。
【
図14】
図10に開示される船舶に対する解析結果を比較して示したものである。
【
図16】
図15に開示される船舶に対して改善度合いを比較した図である。
【
図17】
図15に開示される船舶に対して改善度合いを比較した図である。
【
図18】本発明の実施例による船舶において曲げ加工が変形された他の形態を示す図である。
【
図20】本発明の実施例による船舶におけるガイド部のスペックを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的、特定の利点及び新規な特徴は添付の図面に係わる以下の詳細な説明及び好ましい実施例よりさらに明らかになるであろう。本明細書において各図面の構成要素に参照番号を付するに当たり、同じ構成要素に限っては他の図面に表示されても可能な限り同じ番号を付したことに留意すべきである。また、本発明の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0021】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の第1実施例による操向装置を示す図であり、
図2は本発明の第2実施例による操向装置を示す図であり、
図3は本発明の第3実施例による操向装置を示す図であり、
図4は本発明の第4実施例による操向装置を示す図であり、
図5は本発明の第5実施例による操向装置を示す図であり、
図6は本発明の第6実施例による操向装置を示す図である。
【0023】
そして、
図7及び
図8は従来技術と本発明の第6実施例による操向装置が設けられる船舶を比較して示す図であり、
図9は従来技術と本発明の第6実施例による操向装置が設けられる船舶の運用に必要な伝達馬力の改善度合いを比較した図である。
【0024】
さらに、
図10と
図11はバルブのみが備えられる船舶と本発明の実施例によるガイド部が備えられる船舶を比較するために示す図であり、
図12~
図14は
図10に示す船舶に対して比較したデータを示すものである。
【0025】
【0026】
また、
図18は本発明の実施例による船舶において曲げ加工が変形された他の形態を示す図であり、
図19は
図18とは異なる形態の船舶を示す図である。
【0027】
図20は本発明の実施例による船舶におけるガイド部のスペックを説明するための図である。
【0028】
図1~
図20を参照すると、本発明の一実施例による船舶10は、エンジンシステム(不図示)及び操向装置100などを含んでもよい。
【0029】
そして、操向装置100はラダー110、バルブ120及びガイド部130を含んでもよく、説明及び理解の便宜上、図面を基準として左側及び右側などと方向などを表現することがあるが、これに限定されない。
【0030】
なお、第1実施例~第6実施例は、後述するように実施例によって同じ技術が適用されたり、異なる技術が適用されたり、組み合わせたりすることができ、多様な変形例を有することができるため、同じ名称の構成に同じ符号を使用したとしても特定の実施例に限定されない。
【0031】
ラダー110は、プロペラ(符号不図示)に隣接して設けられてもよく、船体のホーンまたはスケグに連結れれてもよく、ラダー軸(不図示)が挿入されてもよい。このとき、ラダー軸は上下鉛直方向に形成されてもよく、ラダー110の前端にはリーディングエッジ101が形成され、後端にはトレーリングエッジ102が形成されてもよい。
【0032】
本実施例のラダー110は、ツイストラダー(Twist Rudder)とは異なり、リーディングエッジ101とトレーリングエッジ102が連続的に設けられてもよい。例えば、ラダー110は、リーディングエッジ101がプロペラの軸と左右方向に並んで鉛直に形成されてもよい。
【0033】
ただし、リーディングエッジ101は、上下方向に鉛直に形成されるが、前後方向に対して上部から下部に傾斜を有してもよく、上端から下端に向かうほど後方に傾斜した形状であってもよい。
【0034】
そして、トレーリングエッジ102は、上下鉛直方向に形成されて水線面と垂直な線であってもよい。無論、本実施例はリーディングエッジ101とトレーリングエッジ102が上記のように限定されるものではなく、逆にリーディングエッジ101が水線面と垂直であり、トレーリングエッジ102は傾斜した形状であってもよい。
【0035】
また、ラダー110の断面は前端であるリーディングエッジ101が曲面であり、後端であるトレーリングエッジ102が尖った形状であってもよく、具体的には翼型であってもよい。また、ラダー110の断面は上部から下部に向かうほど面積が減少する形状であってもよい。このとき、断面が減少する割合は一定であってもよく、下部に向かうほどトレーリングエッジ102を基準として左右の幅及び前後の幅が減少することができる。
【0036】
バルブ120はラダー110に設けられてもよく、例えば、ラダー110の前端から突出する。バルブ120はラダー110のリーディングエッジ101を基準として前方に一定の長さだけ突出してもよく、また、リーディングエッジ101の後方からラダー110の左右に突出する形状であってもよい。
【0037】
ガイド部130はバルブ120から上下方向にそれぞれ延長され、バルブ120においてラダー110のリーディングエッジ101から突出した部分に結合されて、流体の流れをガイドすることができる。
【0038】
ここで、ガイド部130は第1延長部材131及び第2延長部材132を含んでもよい。
【0039】
第1延長部材131は上部方向に延長され、第2延長部材132は下部方向に延長されてもよい。
【0040】
例えば、
図1、
図3、
図5のように、第1延長部材131と第2延長部材132は少なくとも何れか一面が鉛直に形成されてもよい。
【0041】
ここで、
図1及び
図3のように、第1延長部材131及び第2延長部材132のそれぞれは、左右側(図面基準)が平行に形成され、板状からなってもよい。
図1のように、バルブ120の中心から上部に向かってまたは下部に向かって鉛直に延長された形状であってもよい。または、
図3のように、バルブ120の左側(図面基準)または右側(図面基準)のそれぞれから上部方向または下部方向に鉛直に延長された形状であってもよい。
【0042】
また、
図5のように、第1延長部材131及び第2延長部材132のそれぞれは、内部に中空が形成される立体構造であってもよく、左側または右側は鉛直に形成され、これと対向する右側または左側は傾斜を有してもよい。
【0043】
これは、
図5のように、第1延長部材131の左側はバルブ120の上部の中心から鉛直方向に延長され、第1延長部材131の右側は傾斜を有することができるため、バルブ120右側端部から第1延長部材131の左側端部まで延長される形状に備えられることで、バルブ120から上部に向かって第1延長部材131の断面積が徐々に減少する構造を有することができる。このとき、第2延長部材132の右側はバルブ120の下部の中心から鉛直に延長され、第2延長部材132の左側はバルブ120の左側端部から第2延長部材132の右側端部まで延長される形状に備えられる。
【0044】
そして、
図2、4、6のように、第1延長部材131と第2延長部材132の全体が傾斜した形状であってもよい。
【0045】
これは、
図2及び
図6のように、第1延長部材131がバルブ120の中心から図面を基準として右方向に傾斜し、第2延長部材132が図面を基準として左方向に傾斜した形状からなり、
図2のように板の構造であるか、または
図6のように立体構造に形成されることができる。さらに、
図6のように、第1延長部材131及び第2延長部材132のそれぞれは、第5実施例と同一/類似するように端部に向かうほど断面積が減少する立体構造であってもよい。ただし、
図6aの実施例には、第1延長部材131及び第2延長部材132のそれぞれの端部がラダー110の左右側から内側方向に離隔して設けられていることが示されているが、好ましくは、ラダー110の右側の線に沿って第1延長部材131の右側が設けられ、ラダー110の左側の線に沿って第2延長部材132の左側が設けられて海水の流れをより容易にガイドすることができる。
【0046】
なお、本実施例の第1延長部材131及び第2延長部材132は、
図2などの第2実施例などのように左右非対称に形成されてもよい。
【0047】
このように、第1実施例~第6実施例は、実施例によって重複する技術が適用されるか(第2実施例及び第4実施例はともに傾斜した構造)、少なくとも一部が相違する技術(第1実施例は鉛直であり、第2実施例は傾斜、第2実施例と第4実施例の傾斜方向の相違など)が適用されてもよいが、これはそれぞれの実施例においてプロペラの構造、作動などのようにプロペラ後流の流れを考慮して様々な構造のプロペラのそれぞれに最適な実施例を考慮するためである(例えば、プロペラの回転に因るハブボルテックスは、右回転プロペラの場合、プロペラ軸を基準として上部は左舷から右舷方向に流入)。
【0048】
そして、上記実施例のうち第6実施例は、以下のように従来技術と相違することが実験データから確認することができ、それは
図7~
図9の通りである。
【0049】
まず、
図7及び
図8を参照すると、本実施例の
図7のBと
図8のBは、
図7のAと
図8のAの従来技術とは違ってガイド部130が設けられており、
図7及び
図8の円及び矢印の幅を参照すると、ハブボルテックスの領域が減少して直進性が向上することが分かる。
【0050】
また、
図9を参照すると、ガイド部130がなくバルブ120のみが設けられる従来(existing)(表示A)に比べて、本実施例(表示B)のようにガイド部130が付加されると、抵抗R、推力T、トルクQなどにおいて全て改善効果が確保でき、最終的には船舶の運用に必要な伝達馬力が従来技術対比で改善されることが分かる(Self-Propulsion、契約速度に基づいて実証)。
【0051】
ここで、
図9の数値は、比較のために従来技術を100%として本実施例を比率で示したものである。
【0052】
また、
図10~
図17を参照して説明すると、以下の通りである。
【0053】
ここで、
図10及び
図11に開示される船舶は、例えば、低速肥大船(Tanker)であってもよく、これに対応する模型船と模型プロペラを適用して試験が行われ、試験及び解析の種類はSelf-Propulsion及び設計速度が適用され、実証方法はCFD及び模型試験で行われた。
【0054】
これに対して解析したデータから、
図12(CFDの解析結果)及び
図13(模型試験の結果)のように、
図10及び
図11の(A)のバルブのみを備える船舶に比べて
図10及び
図11の(B)、(C)に示すようにガイド部130を備える船舶において伝達馬力(power)が改善されることが分かる。
【0055】
そして、
図14を参照すると、(A)と表示されるバルブのみを備える船舶に比べて、ガイド部130が開示される船舶を表示する(B)が伝達馬力(power)とetaD(推進効率)が全て改善されることが分かる。
【0056】
また、
図15に開示されるように、
図10に開示される船舶と違う船種/模型船舶に対して異なる形状のプロペラを適用する場合、上述と同様/類似するようにSelf-Propulsionが適用され、設計速度が適用され、実証方法は模型試験で行われる。
【0057】
このとき、
図15の(A)はバルブは設けられるが、ガイド部が省略される船舶であり、(B)はバルブにガイド部が付加された船舶である。これらの船舶を比較した
図16及び
図17を参照すると、伝達馬力とetaD(推進効率)はガイド部が備えられる船舶において共に改善されることが分かる。
【0058】
また、
図18(Symmetric Rudder Typeであってもよい)及び
図19(Asymmetric Rudder Typeであってもよい)を参照すると、ガイド部130は曲げ加工が省略される構造であってもよい。例えば、
図18及び
図19の(A)に比べて、
図18及び
図19の(B)のように平板2つと接点ラウンド処理によりガイド部を形成して曲げ加工を最小化し、生産性の向上及び品質検査を簡略化することができる。
【0059】
これと係わり、
図20を参照すると、対称及び非対称のラダータイプに関わらず、ガイド部130はバルブ120の上部及び下端のそれぞれに2つの平板が当接してなる構造で製造されてもよく、このとき、2つの平板が当接する接線はラウンド処理されてもよい。
【0060】
このようなガイド部130の高さ(Height)はバルブ120のセンターを中心としてバルブ120の長さ(Bulb length)の30~50%であってもよく、ガイド部130の傾きは設定された高さから下方20度~55度であってもよく、ガイド部130の接線の曲率は20.0~60φであってもよい。
【0061】
このように本実施例は、ハブボルテックスの回転エネルギーの減少によってラダー流入流の直進性を改善することができ、比較的単純な形状の付加物であるガイド部130を通してラダー110に作用する流体力の追加を改善することができ、ラダー110の抵抗減少によって推進効率の改善及び構造の安定性を改善することができるが、ボルテックス強度はラダー110に設けられた球状のバルブ120によって一次減衰し、ガイド部130によって二次減衰することができる。
【0062】
本発明は上記で説明した実施例に限定されず、上記実施例の組み合わせまたは上記実施例の少なくとも何れか1つと公知技術の組み合わせをさらに他の実施例として含むことができる。
【0063】
以上、本発明を具体的な実施例をもって詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者によりその変形や改良が可能であることは明らかである。
【0064】
本発明の単なる変形及び変更はすべて本発明の範囲に属し、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲によって明らかになる。
【国際調査報告】