(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(54)【発明の名称】インクジェットプリンティング装置、それを用いたインクジェットヘッドの検査方法
(51)【国際特許分類】
B05C 11/00 20060101AFI20230329BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20230329BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20230329BHJP
B05C 9/14 20060101ALI20230329BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20230329BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20230329BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
B05C11/00
B05C5/00 101
B05C11/10
B05C9/14
B05D1/26 Z
B05D3/00 D
B05D7/24 301M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546586
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(85)【翻訳文提出日】2022-07-29
(86)【国際出願番号】 KR2020007171
(87)【国際公開番号】W WO2021167172
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】10-2020-0019050
(32)【優先日】2020-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】イ, ビョンチョル
(72)【発明者】
【氏名】ジョン, ヒュンチョル
(72)【発明者】
【氏名】ホ, ミョンス
(72)【発明者】
【氏名】ノ, チョルレ
(72)【発明者】
【氏名】イ, ドホン
【テーマコード(参考)】
4D075
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
4D075AC06
4D075AC88
4D075AC92
4D075CA48
4D075DA06
4D075DC24
4D075EA10
4D075EA33
4D075EC01
4F041AA02
4F041AB01
4F041BA01
4F041BA13
4F041BA22
4F041BA38
4F042AA02
4F042AB00
4F042BA08
4F042BA12
4F042BA19
4F042BA22
4F042CA01
4F042CA06
4F042CB02
4F042CB20
4F042DB18
4F042DB42
4F042DF09
4F042DF22
4F042DH09
(57)【要約】
インクジェットプリンティング装置およびそれを用いたインクジェットヘッドの検査方法が提供される。インクジェットプリンティング装置は検査用基板が安着する検査ステージユニット、前記検査ステージユニット上に双極子および前記双極子が分散した溶媒を含むインクを噴射する少なくとも一つのインクジェットヘッドを含むインクジェットヘッドユニット、および前記インクジェットヘッドユニットと一方向に離隔して配置された粒子数検査ユニットを含み、前記粒子数検査ユニットは、前記検査ステージユニットの上部に配置される第1熱処理ユニット、前記検査ステージユニットの下部に配置され、前記検査用基板上に噴射された前記双極子の数を測定する第1センシングユニットを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査用基板が安着する検査ステージユニットと、
前記検査ステージユニット上に双極子および前記双極子が分散した溶媒を含むインクを噴射する少なくとも一つのインクジェットヘッドを含むインクジェットヘッドユニットと、
前記インクジェットヘッドユニットと一方向に離隔して配置された粒子数検査ユニットを含み、
前記粒子数検査ユニットは、
前記検査ステージユニットの上部に配置される第1熱処理ユニット、
前記検査ステージユニットの下部に配置され、前記検査用基板上に噴射された前記双極子の数を測定する第1センシングユニットを含む、インクジェットプリンティング装置。
【請求項2】
前記インクジェットヘッドで噴射されて前記検査用基板に塗布された第1インクの位置を測定する第2センシングユニットをさらに含む、請求項1に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項3】
前記第1センシングユニットは前記第1インクの位置に対応する領域に配置された前記双極子の数を測定する、請求項2に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項4】
前記第1センシングユニットは前記第1熱処理ユニットによって前記溶媒が除去されて前記検査用基板に残留する前記双極子の数を測定する、請求項3に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項5】
前記粒子数検査ユニットは前記検査ステージユニットの上部に配置されて前記検査ステージユニット側に光を放出する光照射部をさらに含み、
前記第1センシングユニットは前記検査用基板の下面を撮影するカメラ部を含む、請求項2に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項6】
前記カメラ部は前記第1インクの位置に対応する領域を撮影してイメージデータを生成する、請求項5に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項7】
前記第2センシングユニットは前記第1インクの面積を測定し、前記第1センシングユニットは前記イメージデータから双極子パターンを算出して前記双極子パターンの面積を測定する、請求項6に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項8】
前記粒子数検査ユニットは前記第1インクの面積と前記双極子パターンの面積を比較して前記双極子の数を測定する、請求項7に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項9】
前記粒子数検査ユニットは前記測定された双極子の数と基準設定値を比較する、請求項8に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項10】
前記インクジェットヘッドユニットにインクを供給するインク供給装置をさらに含み、前記粒子数検査ユニットは前記測定された双極子の数と前記基準設定値の比較結果に応じて前記インク供給装置を調節する、請求項9に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項11】
前記検査ステージユニットを一方向に沿って移動させるステージ移動部をさらに含む、請求項1に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項12】
前記第1熱処理ユニットは赤外線波長帯の光を照射する、請求項1に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項13】
検査用基板が安着する検査ステージユニットと、
前記検査ステージユニットと離隔して配置され、対象基板が安着するステージユニットと、
前記検査ステージユニットおよび前記ステージユニットの上部に配置され、双極子および前記双極子が分散した溶媒を含むインクを噴射する複数のインクジェットヘッドを含むインクジェットヘッドユニットと、
前記ステージユニットの上部に配置されて第1光を照射する第1熱処理ユニットと、
前記検査用基板に塗布されたインクの位置を測定する第1センシングユニットと、
前記検査用基板に塗布された前記インクに含まれた前記双極子の数を検査する粒子数検査ユニットを含み、
前記粒子数検査ユニットは、
前記検査ステージユニットの上部に配置されて第2光を照射する第2熱処理ユニット、および
前記検査ステージユニットの下部に配置されて前記検査用基板に塗布されたインクに含まれた双極子の数を測定する第2センシングユニットを含む、インクジェットプリンティング装置。
【請求項14】
前記第2センシングユニットは前記第2熱処理ユニットによって前記溶媒が除去されて前記検査用基板に残留する前記双極子の数を測定する、請求項13に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項15】
前記インクジェットヘッドユニットにインクを供給するインク供給装置をさらに含み、前記粒子数検査ユニットは前記測定された双極子の数と基準設定値の比較結果に応じて前記インク供給装置を調節する、請求項14に記載のインクジェットプリンティング装置。
【請求項16】
検査用基板上に複数の双極子および前記複数の双極子が分散した溶媒を含むインクを噴射する段階と、
前記検査用基板上に塗布されたインクの吐出量を検査する段階と、
前記検査用基板上に塗布されたインクに含まれた溶媒を除去する段階と、
前記検査用基板上に残留する前記双極子の数を測定する段階を含む、インクジェットヘッドの検査方法。
【請求項17】
前記インクの吐出量を検査する段階は前記検査用基板上に塗布されたインクの直径および面積を測定する段階を含む、請求項16に記載のインクジェットヘッドの検査方法。
【請求項18】
前記双極子数を測定する段階は前記検査用基板の下部で前記検査用基板を撮影して双極子パターンを算出して前記双極子パターンの面積を測定する段階を含む、請求項17に記載のインクジェットヘッドの検査方法。
【請求項19】
前記双極子数を測定する段階は前記測定されたインクの面積と前記測定された双極子パターンの面積を比較して測定する、請求項18に記載のインクジェットヘッドの検査方法。
【請求項20】
前記検査用基板上に残留する前記双極子は方向性なしで配列される、請求項16に記載のインクジェットヘッドの検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェットプリンティング装置、それを用いたインクジェットヘッドの検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置はマルチメディアの発達と共にその重要性が増大している。それに応えて有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display,OLED)、液晶表示装置(Liquid Crystal Display,LCD)などのような様々な種類の表示装置が使用されている。
【0003】
表示装置の画像を表示する装置としては有機発光表示パネルや液晶表示パネルのような表示パネルを含む。その中で、発光表示パネルとして発光素子を含み得るが、例えば発光ダイオード(Light Emitting Diode,LED)の場合、有機物を蛍光物質として用いる有機発光ダイオード(OLED)、無機物を蛍光物質として用いる無機発光ダイオードなどがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、インクジェットヘッド装置を用いてインクを印刷するプリンティング工程とインクジェットヘッド装置の検査工程を連結された工程として行うことができるインクジェットプリンティング装置を提供することにある。
【0005】
また、本発明は、プリンティング工程中に発生する双極子の数およびインクの量などの誤差を工程実行中に調整できるインクジェットプリンティング装置を提供することができる。
【0006】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための一実施形態によるインクジェットプリンティング装置は、検査用基板が安着する検査ステージユニット、前記検査ステージユニット上に双極子および前記双極子が分散した溶媒を含むインクを噴射する少なくとも一つのインクジェットヘッドを含むインクジェットヘッドユニット、および前記インクジェットヘッドユニットと一方向に離隔して配置された粒子数検査ユニットを含み、前記粒子数検査ユニットは、前記検査ステージユニットの上部に配置される第1熱処理ユニット、前記検査ステージユニットの下部に配置され、前記検査用基板上に噴射された前記双極子の数を測定する第1センシングユニットを含む。
【0008】
前記インクジェットヘッドで噴射されて前記検査用基板に塗布された第1インクの位置を測定する第2センシングユニットをさらに含み得る。
【0009】
前記第1センシングユニットは前記第1インクの位置に対応する領域に配置された前記双極子の数を測定し得る。
【0010】
前記第1センシングユニットは前記第1熱処理ユニットによって前記溶媒が除去されて前記検査用基板に残留する前記双極子の数を測定し得る。
【0011】
前記粒子数検査ユニットは前記検査ステージユニットの上部に配置されて前記検査ステージユニット側に光を放出する光照射部をさらに含み、前記第1センシングユニットは前記検査用基板の下面を撮影するカメラ部を含み得る。
【0012】
前記カメラ部は前記第1インクの位置に対応する領域を撮影してイメージデータを生成し得る。
【0013】
前記第2センシングユニットは前記第1インクの面積を測定し、前記第1センシングユニットは前記イメージデータから双極子パターンを算出して前記双極子パターンの面積を測定し得る。
【0014】
前記粒子数検査ユニットは前記第1インクの面積と前記双極子パターンの面積を比較して前記双極子の数を測定し得る。
【0015】
前記粒子数検査ユニットは前記測定された双極子の数と基準設定値を比較し得る。
【0016】
前記インクジェットヘッドユニットにインクを供給するインク供給装置をさらに含み、前記粒子数検査ユニットは前記測定された双極子の数と前記基準設定値の比較結果に応じて前記インク供給装置を調節し得る。
【0017】
前記検査ステージユニットを一方向に沿って移動させるステージ移動部をさらに含み得る。
【0018】
前記第1熱処理ユニットは赤外線波長帯の光を照射し得る。
【0019】
前記課題を解決するための他の実施形態によるインクジェットプリンティング装置は、検査用基板が安着する検査ステージユニット、前記検査ステージユニットと離隔して配置され、対象基板が安着するステージユニット、前記検査ステージユニットおよび前記ステージユニットの上部に配置され、双極子および前記双極子が分散した溶媒を含むインクを噴射する複数のインクジェットヘッドを含むインクジェットヘッドユニット、前記ステージユニットの上部に配置されて第1光を照射する第1熱処理ユニット、前記検査用基板に塗布されたインクの位置を測定する第1センシングユニット;および前記検査用基板に塗布された前記インクに含まれた前記双極子の数を検査する粒子数検査ユニットを含み、前記粒子数検査ユニットは、前記検査ステージユニットの上部に配置されて第2光を照射する第2熱処理ユニット、および前記検査ステージユニットの下部に配置されて前記検査用基板に塗布されたインクに含まれた双極子の数を測定する第2センシングユニットを含む。
【0020】
前記第2センシングユニットは前記第2熱処理ユニットによって前記溶媒が除去されて前記検査用基板に残留する前記双極子の数を測定し得る。
【0021】
前記インクジェットヘッドユニットにインクを供給するインク供給装置をさらに含み、前記粒子数検査ユニットは前記測定された双極子の数と基準設定値の比較結果に応じて前記インク供給装置を調節し得る。
【0022】
前記他の課題を解決するための一実施形態によるインクジェットヘッドの検査方法は、検査用基板上に複数の双極子および前記複数の双極子が分散した溶媒を含むインクを噴射する段階、前記検査用基板上に塗布されたインクの吐出量を検査する段階、前記検査用基板上に塗布されたインクに含まれた溶媒を除去する段階、前記検査用基板上に残留する前記双極子の数を測定する段階を含む。
【0023】
前記インクの吐出量を検査する段階は前記検査用基板上に塗布されたインクの直径および面積を測定する段階を含み得る。
【0024】
前記双極子数を測定する段階は前記検査用基板の下部で前記検査用基板を撮影して双極子パターンを算出して前記双極子パターンの面積を測定する段階を含み得る。
【0025】
前記双極子数を測定する段階は前記測定されたインクの面積と前記測定された双極子パターンの面積を比較して測定し得る。
【0026】
前記検査用基板上に残留する前記双極子は方向性なしで配列され得る。
【0027】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0028】
一実施形態によるインクジェットプリンティング装置は、インクジェットヘッド装置、吐出量検査ユニットおよび粒子数検査ユニットを含んで対象基板に対してプリンティング工程が行われる間、検査用基板に対して検査工程が行われることができる。そのため、検査工程に要する時間が短縮されて誤差をリアルタイムで感知してプリンティング工程を行うと同時に補完することができる。したがって、インクジェットヘッド装置の状態を高速で検査して対象基板の品質を向上させている。
【0029】
また、インクジェットプリンティング装置は粒子数検査ユニットを含んで第2熱処理ユニットを用いてインクに含まれた溶媒を乾燥させて残留する双極子の数を直接測定することができる。したがって、溶媒の特性に影響を受けず双極子数を測定できるので、測定誤差率が減少して検査信頼度が向上することができる。
【0030】
実施形態による効果は、以上で例示した内容によって制限されず、より一層多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】一実施形態によるインクジェットプリンティング装置の概略的な斜視図である。
【
図2】一実施形態によるインクジェットプリンティング装置の概略的な平面図である。
【
図3】一実施形態による検査ステージユニットの概略的な断面図である。
【
図4】一実施形態による吐出量検査ユニットと検査ステージユニットの概略的な平面配置図である。
【
図5】一実施形態による吐出量検査ユニットと検査ステージユニットの概略的な断面配置図である。
【
図6】一実施形態による検査用基板上に塗布されたインクを示す概略図である。
【
図7】一実施形態による粒子数検査ユニットと検査ステージユニットの概略的な断面配置図である。
【
図8】一実施形態によるインクジェットヘッドユニットと検査ステージユニットの概略的な平面配置図である。
【
図9】一実施形態によるインクジェットヘッドユニットの底面図である。
【
図10】一実施形態によるインクジェットヘッドからインクが吐出されることを示す概略図である。
【
図11】一実施形態によるインクジェットヘッド装置の第3センシングユニットがインクジェットヘッドユニットを検査することを示す概略的な断面図である。
【
図12】一実施形態による第1熱処理ユニットの断面図である。
【
図13】一実施形態による熱処理ユニットの駆動を示す概略図である。
【
図14】一実施形態によるステージユニットの平面図である。
【
図15】一実施形態によるインク供給装置を示す概略図である。
【
図16】一実施形態によるインクジェットプリンティング装置を用いたプリンティング方法のフローチャートである。
【
図17】
図16のS100段階の一例を詳細に示すフローチャートである。
【
図20】
図16のS200段階の一例を詳細に示すフローチャートである。
【
図25】
図16のS300段階の一例を詳細に示すフローチャートである。
【
図33】一実施形態による発光素子の概略図である。
【
図34】一実施形態による方法で製造された表示装置の平面図である。
【
図35】
図34のI-I’線を沿って切断した表示装置の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述している実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は、以下で開示する実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で実現でき、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。
【0033】
素子(elements)または層が他の素子または層の「上(on)」と称される場合は他の素子のすぐ上または中間に他の層または他の素子が介在する場合をすべて含む。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0034】
第1、第2などが多様な構成要素を叙述するために使われるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1構成要素は本発明の技術的思想内で第2構成要素でもあり得るのはもちろんである。
【0035】
以下、添付された図面を参照して実施形態について説明する。
【0036】
図1は一実施形態によるインクジェットプリンティング装置の概略的な斜視図である。
図2は一実施形態によるインクジェットプリンティング装置の概略的な平面図である。
【0037】
一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は所定のインクを対象基板上に噴射し、前記インク内に分散した粒子、例えば双極子のような粒子を前記対象基板上に整列させる。ここで、インクジェットプリンティング装置1000は前記インクを一定の量で噴射して各工程でインク内に同じ量の粒子数を維持するために、複数の検査ユニットを含み得る。前記検査ユニットはインクジェットプリンティング装置1000で噴射されたインクの量とインク内に含まれた粒子の数を検査し、その結果をフィードバックしてインクジェットプリンティング装置1000の信頼度を向上させることができる。
【0038】
図面には第1方向D1、第2方向D2および第3方向D3が定義されている。第1方向D1と第2方向D2は一平面上に位置して互いに直交する方向であり、第3方向D3は第1方向D1と第2方向D2にそれぞれ垂直な方向である。
【0039】
図1および
図2を参照すると、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000はインクジェットヘッド装置300、吐出量検査ユニット100、粒子数検査ユニット600、ステージユニット500および検査ステージユニット200を含み得る。
【0040】
ステージユニット500は対象基板SUBが配置される空間を提供する。対象基板SUBはプリンティング工程が行われる間、ステージユニット500上に配置される。
【0041】
ステージユニット500の全般的な平面形状は対象基板SUBの平面形状に従う。例えば、対象基板SUBが長方形形状の場合ステージユニット500の全般的な形状は長方形になり、対象基板SUBが円形の場合ステージユニット500の全般的な形状は円形になる。図面では長辺が第1方向D1に配置され、短辺が第2方向D2に配置された長方形形状のステージユニット500が例示されている。
【0042】
ステージユニット500はベースフレーム510、ベースフレーム510上に配置されたステージ520およびベースフレーム510上に配置されたプローブユニット550を含み得る。
【0043】
ステージユニット500の構造に係る詳細な説明は他の図面を参照して後述する。
【0044】
インクジェットヘッド装置300は対象基板SUBにインク(I、
図5参照)を印刷する役割をする。インクジェットヘッド装置300はインクジェットプリンティング装置1000の駆動時所定のインクIを対象基板SUB上に噴射し得る。
【0045】
インクジェットプリンティング装置1000はインクカートリッジのようなインク提供部をさらに含み得、インク提供部から供給されたインクIはインクジェットヘッド装置300を介して対象基板SUB側に噴射(吐出)され得る。
【0046】
インクIは溶液状態またはコロイド(colloid)状態で提供される。インクIは溶媒(SV、
図5を参照)と溶媒SV内に含まれた複数の双極子(DP,図を参照)を含み得る。例えば、溶媒SVはアセトン、水、アルコール、トルエン、プロピレングリコール(Propylene glycol,PG)またはプロピレングリコールメチルアセテート(Propylene glycol methyl acetate,PGMA)などであり得る。溶媒SVは常温または熱によって気化したり揮発する物質であり得る。複数の双極子DPは溶媒SV内に分散している。双極子DPは溶媒SVが除去された後最終的に対象基板SUBまたは検査用基板ISUB上に残留する固形物質であり得る。
【0047】
双極子DPは一端部が第1極性を帯びて、他端部が第1極性と異なる第2極性を帯びる物体であり得る。例えば、双極子DPの一端部は陽の極性を帯びて、双極子DPの他端部は陰の極性を帯びる。両端部に異なる極性を有する双極子DPは電界に置かれた時電気的な力(引力と斥力)を受けて配向方向が制御される。
【0048】
双極子DPは一方向に延びた形状を有する。双極子DPはナノロッド、ナノワイヤ、ナノチューブなどの形状を有することができる。一実施形態によるインクIに含まれる双極子DPであって、一端部が第1導電型(例えば、p型)不純物でドーピングされ、他端部が第2導電型(例えば、n型)不純物でドーピングされた半導体ナノロッドが適用されることができる。
【0049】
インクジェットヘッド装置300は第1支持台310、インクジェットヘッドユニット330および第1光(H
11,H
12,
図12参照)を照射する第1熱処理ユニット370を含み得る。インクジェットヘッドユニット330および第1熱処理ユニット370は第1支持台310上に据え置かれる。第1支持台310は第1水平支持部311および第1垂直支持部312を含み得る。インクジェットヘッドユニット330および第1熱処理ユニット370はステージユニット500から第3方向D3に所定距離離隔し得る。
【0050】
吐出量検査ユニット100は第1センシングユニット150を含んでインクジェットヘッド装置300で噴射されるインクIの液滴量および弾着位置を検査する。吐出量検査ユニット100は第2支持台110および第1センシングユニット150を含み得る。第2支持台110は第2水平支持部111および第2垂直支持部112を含み得る。
【0051】
粒子数検査ユニット600は第2センシングユニット640を含んでインクジェットヘッド装置300で噴射されたインクI内に含まれる粒子数を検査する。粒子数検査ユニット600は第3支持台610、第3支持台610上に据え置かれて第2光(H2,
図7を参照)を照射する第2熱処理ユニット630および第2熱処理ユニット630の下部に配置された第2センシングユニット640を含み得る。粒子数検査ユニット600は第3支持台610上に据え置かれる光照射部650をさらに含み得る。第3支持台610は第3水平支持部611および第3垂直支持部612を含み得る。
【0052】
検査ステージユニット200は検査用基板ISUBが配置される空間を提供する。検査用基板ISUBはインクジェットヘッド装置300で噴射されるインクIに基づいてインクジェットヘッド装置300を検査(またはテスト)できる検査対象基板であり得る。例えば、本実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は、インクジェットプリンティング装置1000を用いて対象基板SUBにプリンティング工程を行った後、対象基板SUBが移動する間、検査ステージユニット200の検査用基板ISUB上にもインクIを噴射して吐出量検査ユニット100および粒子数検査ユニット600を用いて前記検査用基板ISUB上に塗布されたインクIを検査することができる。すなわち、本実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は対象基板SUBに対するプリンティング工程を行う間検査用基板ISUBに対するプリンティングテスト工程を行うことができる。前記検査用基板ISUB上に噴射されたインクIを検査した結果をフィードバックしてインクジェットプリンティング装置1000の設定値を調節し得る。
【0053】
検査ステージユニット200の平面形状は長方形形状であり得る。図面では長辺が第1方向D1に配置され、短辺が第2方向D2に配置された長方形形状の検査ステージユニット200が例示されている。ただし、検査ステージユニット200の形状はこれに制限されず検査用基板ISUBの平面形状によって変形できる。
【0054】
インクジェットヘッド装置300は第3センシングユニット350をさらに含み得る。第3センシングユニット350は第1支持台310上に据え置かれる。第3センシングユニット350はインクジェットヘッド装置300で噴射されるインクIの整列状態および吐出されるインクIの量などを検査する。また、第3センシングユニット350は後述するインクジェットヘッドユニット330のインクジェットヘッド(335,
図8を参照)に含まれたノズルNZの詰まりの有無を検査することもできる。
【0055】
インクジェットプリンティング装置1000の粒子数検査ユニット600、吐出量検査ユニット100、インクジェットヘッド装置300は第2方向D2に沿って順次配置される。粒子数検査ユニット600、吐出量検査ユニット100およびインクジェットヘッド装置300は第2方向D2に互いに離隔して配置される。
【0056】
インクジェットプリンティング装置1000はステージユニット500および/または検査ステージユニット200を移動させるステージ移動部RRをさらに含み得る。ステージユニット500および検査ステージユニット200はステージ移動部RR上に配置される。ステージ移動部RRは第2方向D2に延びた第1レールRR1および第2レールRR2を含み、ステージユニット500および/または検査ステージユニット200を第2方向D2に往復移動させる。ステージユニット500は第2方向D2に移動しながら対象基板SUBの全領域にプリント工程を行い得る。また、検査ステージユニット200はインクジェットヘッド装置300、粒子数検査ユニット600および吐出量検査ユニット100の間を第2方向D2に移動しながらインクジェットヘッド装置300で噴射されるインクIに基づいてインクジェットヘッド装置300を検査する。
【0057】
図1および
図2に示されたインクジェットプリンティング装置1000は一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000の構成を説明するための例示的な図面であり、インクジェットプリンティング装置1000の構造および配置は
図1および
図2に制限されるものではない。インクジェットプリンティング装置1000はより多くの部材を含み得、
図1および
図2と異なる構造を有することもできる。
【0058】
図3は一実施形態による検査ステージユニットの概略的な断面図である。
【0059】
図1ないし
図3を参照すると、検査ステージユニット200は第1レールRR1および第2レールRR2上に配置される。検査ステージユニット200は第1レールRR1および第2レールRR2上で第2方向D2に移動し得、インクジェットヘッド装置300と粒子数検査ユニット600の間を往復運動し得る。
【0060】
一実施形態による検査ステージユニット200は吸着装置210および上部基板220を含み得る。
【0061】
上部基板220は第1方向D1に延びた平面形状であり得る。上部基板220上には検査用基板ISUBが配置される。例示的な実施形態で、検査用基板ISUBはガラス、フィルムなどであり得るがその種類は特に制限されない。好ましくは、検査用基板ISUBは有機物フィルムまたは透明なガラス基板であり得る。
【0062】
上部基板220は吸着装置210上に配置される。吸着装置210は上部基板220上に検査用基板ISUBが準備される場合、検査用基板ISUBを第3方向D3に移動させて上部基板220上に検査用基板ISUBを固定させる役割をする。
【0063】
上部基板220は後述する粒子数検査ユニット600の第2センシングユニット640が上部基板220の下部に配置されて検査用基板ISUBを測定できるように透明な物質を含み得る。上部基板220は少なくとも一部領域が透明な物質を含むことによって、前記透明な領域と重なる領域の下部に第2センシングユニット640が配置されて前記第2センシングユニット640の上部の検査用基板ISUBに配置された双極子DPの数を測定し得る。これに係る詳細な説明は他の図面を参照して後述する。
【0064】
吸着装置210は第1吸着装置211および第2吸着装置212を含み得る。第1吸着装置211および第2吸着装置212は上部基板220の両端部の下部に配置されて第2方向D2に延びる。第1吸着装置211および第2吸着装置212は上部基板220の外郭部の下部に配置され、第3方向D3に駆動され得る。例示的な実施形態で、吸着装置210は真空装置、クランプ装置などであり得るが、これに制限されるものではない。
【0065】
検査ステージユニット200は複数のロールWR1,WR2をさらに含み得る。検査用基板ISUBは上部基板220上で複数のロールWR1,WR2が回転することにより第1方向D1に巻かれる。したがって、検査用基板ISUBは複数のロールWR1,WR2により上部基板220上に提供および/または除去される。
【0066】
図4は一実施形態による吐出量検査ユニットと検査ステージユニットの概略的な平面配置図である。
図5は一実施形態による吐出量検査ユニットと検査ステージユニットの概略的な断面配置図である。
【0067】
図1、
図4および
図5を参照すると、吐出量検査ユニット100は第2支持台110、第1センシングユニット150を含み得る。
【0068】
吐出量検査ユニット100はインクジェットヘッド装置300から検査用基板ISUB上に噴射されて検査用基板ISUB上に塗布されたインクIを分析してインクジェットヘッド装置300で噴射されるインクIの液滴量および弾着位置を検査する。インクジェットヘッド装置300から検査用基板ISUB(または対象基板SUB)上にインクIを噴射する工程に係る詳細な説明は他の図面を参照して後述する。
【0069】
第2支持台110は水平方向に延びた第2水平支持部111および第2水平支持部111の両端部に連結されて垂直方向である第3方向D3に延びた第2垂直支持部112を含み得る。第2水平支持部111の延長方向は検査ステージユニット200の長辺方向である第1方向D1と同一であり得る。
【0070】
第1センシングユニット150は検査ステージユニット200の上部に配置される。第1センシングユニット150は第2支持台110上に据え置かれて検査ステージユニット200から所定距離離隔し得る。第1センシングユニット150は第2支持台110の第2水平支持部111上で第1方向D1に移動する。
【0071】
第1センシングユニット150と検査ステージユニット200の離隔距離は検査ステージユニット200上に検査用基板ISUBが配置された時第1センシングユニット150が検査用基板ISUBからある程度間隔を有して工程(検査)空間が確保される範囲内で調節され得る。
【0072】
吐出量検査ユニット100は複数の第1センシングユニット150を含み得る。
図1および
図4では4個の第1センシングユニット150が配置されたことを示しているが、これに制限されない。第1センシングユニット150は検査ステージユニット200と離隔して検査ステージユニット200上に配置される所定の物質を感知することができる。
【0073】
第1センシングユニット150は第2支持台110に連結され、水平方向に移動できる第1移動部151、第1移動部151の一面に配置された第1支持部153および第1支持部153上に配置される第1センサ部155を含み得る。
第1移動部151は第2支持台110の第2水平支持部111に据え置かれて第2水平支持部111の延長方向である第1方向D1に移動する。第1移動部151が第1方向D1に移動することにより、第1移動部151に据え置かれた第1支持部153も第1方向D1に移動し得る。
【0074】
第1支持部153は第1移動部151に据え置かれる。第1支持部153は第1移動部151の下面に配置され、第2方向D2に延びた形状を有する。第1支持部153の一端部は第1移動部151と連結され、第2方向D2の他端部は第1センサ部155が連結され得る。
【0075】
第1センサ部155は検査ステージユニット200の上部に配置される。第1センサ部155は第1支持部153上に据え置かれて検査ステージユニット200から所定距離離隔し得る。第1センサ部155は検査ステージユニット200の上部に配置されて検査ステージユニット200上に配置された検査用基板ISUB上に塗布された所定の物質を感知する。前記検査用基板ISUBに塗布された所定の物質は溶媒SVおよび溶媒SVに分散した双極子DPを含むインクIを含み得る。第1センサ部155は第1移動部151が第1方向D1に移動することにより、検査用基板ISUBの各領域上に塗布された所定の物質を感知または撮影することができる。
【0076】
例示的な実施形態で、第1センサ部155は高解像度カメラであり得る。第1センサ部155が高解像度カメラである場合、第1センサ部155はインクIが塗布された検査用基板ISUBの上部に配置され、下部に配置された検査用基板ISUBを撮影して検査用基板ISUB上に塗布された物質の直径や位置、およびこれらの間の誤差を測定し得る。ただし、第1センサ部155は検査用基板ISUB上に塗布された物質を感知できる装置であれば高解像度カメラに制限されない。
【0077】
図6は一実施形態による検査用基板上に塗布されたインクを示す概略図である。
【0078】
以下、
図4ないし
図6を参照して、吐出量検査ユニット100を用いて検査用基板ISUBの上面に塗布されたインクIの吐出量検査方法について説明する。
【0079】
インクジェットヘッド装置300で吐出されるインクIはプリンティング工程を数回繰り返しても対象基板SUB上に同じ量のインクIを同じ位置に噴射する必要がある。したがって、インクジェットヘッド装置300から対象基板SUB上にインクIを噴射する前に検査用基板ISUB上に同じ量のインクIを同じ位置に噴射するのかを検査する工程を行い、その結果に応じてインクジェットプリンティング装置1000の設定値を調節し得る。
【0080】
第1センシングユニット150は検査用基板ISUBの上部に配置され、検査用基板ISUBの上面に塗布されたインクIを用いて各ノズル(NZ、
図10を参照)別の液滴量(吐出量)を測定し得る。ノズルNZ別の液滴量の測定は検査用基板ISUBに塗布されたインクIの直径を感知して測定し得る。また、第1センシングユニット150は検査用基板ISUBの上部に配置され、検査用基板ISUBの上面に塗布されたインクIを用いてノズルNZ別の塗布位置を感知および測定し得る。第1センシングユニット150は基準設定値と測定されたインクIの直径および塗布位置を比較して誤差を測定し得る。
【0081】
前述したように、例示的な実施形態で、第1センシングユニット150の第1センサ部155は高解像度カメラを含み得る。第1センサ部155が高解像度カメラを含む場合、前記高解像度カメラは検査用基板ISUBの上部でインクIが塗布された検査用基板ISUBの上面を撮影してイメージデータを生成し得る。第1センシングユニット150は第1センサ部155で生成されたイメージデータを分析して検査用基板ISUBの上面に塗布されたインクIの直径および塗布位置を算出することによってインクIの直径および塗布位置を測定し得る。
【0082】
また、第1センシングユニット150は後述する粒子数検査ユニット600を用いて双極子DPの粒子数を算出するために各インクIの直径によりインクIの面積(S1,
図31を参照)を測定し得る。前記第1センシングユニット150により測定されたインクの面積データは粒子数検査ユニット600に伝達され得る。
【0083】
第1センシングユニット150は検査用基板ISUBの上面に塗布されたインクIの直径WI1,WI2および離隔して塗布された二つのインクIの間の間隔PI1,PI2を測定する。前記測定されたインクIの直径WI1,WI2および間隔PI1,PI2を基準設定値と比較し、その結果に応じてインクジェットヘッド装置300で噴射されるインクIの吐出量およびインクジェットヘッド装置300のインク吐出部材の位置を基準設定値に近接するように調節し得る。
【0084】
具体的には、第1センシングユニット150で測定されたインクIの直径WI1,WI2および間隔PI1,PI2を含む測定データをインクジェットヘッド装置300に伝達し、前記伝達された情報を基づいてインクジェットヘッド装置300のインク吐出部材を整列する。インクジェットヘッド装置300のインク吐出部材の整列方法に係る詳細な説明は他の図面を参照して後述する。
【0085】
図6のように、インクジェットヘッド装置300で吐出されて検査用基板ISUBの上面に塗布されたインクIは直径W
I1,W
I2と間隔P
I1,P
I2は互いに一致しないことがある。第1センシングユニット150はこのような誤差を感知できる。
【0086】
吐出量検査ユニット100は検査用基板ISUBの上面に塗布されたインクIの直径WI1,WI2を測定して1回吐出されるインクI内に分散した双極子DPの数を一次的に調節する。インクIの直径WI1,WI2が互いに異なる場合、インクジェットプリンティング装置1000として製造された製品の信頼度が不良になる。したがって、吐出量検査ユニット100はこのような誤差を感知してインクジェットヘッド装置300で噴射されるインクIの量を調節することによってインクIの直径WI1’,WI2’を一致させて1回吐出されたインクI内の双極子DPの数を維持することができる。
【0087】
第1センシングユニット150を用いた検査とインクジェットヘッド装置300の整列工程は各インクIの直径WI1’,WI2’と間隔PI1’,PI2’が基準設定値に一致または近接するように繰り返され得る。前記「基準設定値」はインクジェットプリンティング装置1000を駆動することにおいて双極子DPを含むインクIを噴射するインクジェットヘッド装置300に求められる「特性値」であり得る。例えば、基準設定値はインクジェットヘッド装置300の各ノズルNZで噴射されるインクIの量、インクIの塗布位置、インクIに含まれた双極子DPの数等を含み得る。
【0088】
図7は一実施形態による粒子数検査ユニットと検査ステージユニットの概略的な断面配置図である。
【0089】
図1および
図7を参照すると、粒子数検査ユニット600は第3支持台610、第2熱処理ユニット630および第2センシングユニット640を含み得る。
【0090】
粒子数検査ユニット600はインクジェットヘッド装置300から検査用基板ISUB上に噴射されて検査用基板ISUB上に塗布されたインクIに含まれた双極子DP数を検査する。
【0091】
第3支持台610は水平方向に延びた第3水平支持部611および第3水平支持部611の両端部に連結されて垂直方向である第3方向D3に延びた第3垂直支持部612を含み得る。第3水平支持部611の延長方向は検査ステージユニット200の長辺方向である第1方向D1と同一であり得る。
【0092】
第2熱処理ユニット630は検査ステージユニット200の上部に配置される。第2熱処理ユニット630は第3支持台610上に据え置かれて検査ステージユニット200から所定距離離隔し得る。第2熱処理ユニット630は第3支持台610の第3水平支持部611に据え置かれる。図示していないが、第2熱処理ユニット630は別途の移動部材を含んで第3支持台610上で第1方向D1および/または第3方向D3に移動することもできる。
【0093】
第2熱処理ユニット630と検査ステージユニット200の離隔距離は検査ステージユニット200上に検査用基板ISUBが配置された時第2熱処理ユニット630で照射される第2光H2が検査用基板ISUBからある程度の間隔を有して検査用基板ISUBの全体領域に照射されるように確保できる範囲内で調節され得る。
【0094】
第2熱処理ユニット630はインクIが塗布された検査用基板ISUB上に第2光H2を照射して熱エネルギを発生させる。第2熱処理ユニット630は熱を発生する装置を含み得る。前記熱を発生する装置は特に制限されない。例示的な実施形態で、前記第2光H2は赤外線波長帯の光を含み、第2熱処理ユニット630はIR照射装置を含み得る。第2熱処理ユニット630で検査用基板ISUB上に第2光H2を照射することによって発生する熱エネルギによって検査用基板ISUBの上面に塗布されたインクIの溶媒SVは揮発または気化して除去し得る。したがって、検査用基板ISUBには複数の双極子DPが残留し得る。
【0095】
第2センシングユニット640は検査ステージユニット200の下部に配置される。第2センシングユニット640は検査ステージユニット200の下部に配置されて検査用基板ISUBから所定距離離隔し得る。
【0096】
第2センシングユニット640はカメラを含み得る。以下では第2センシングユニット640がカメラ部640である場合を説明する。第2センシングユニット640がカメラを含む場合、第2センシングユニット640は検査用基板ISUBの下部に配置され、検査用基板ISUBの底面(下面)を撮影してイメージデータを生成し得る。検査用基板ISUBが透明な物質を含む場合、第2センシングユニット640が検査用基板ISUBの下部で撮影して生成したイメージデータは複数の双極子DPを含み得る。
【0097】
光照射部650は検査ステージユニット200の上部に配置されて検査ステージユニット200側に光を照射し得る。すなわち、光照射部650は検査用基板ISUBの上部で検査用基板ISUB上に光を照射し得る。前記光照射部650で照射する光は可視光線帯域の光であり得る。
【0098】
検査用基板ISUBの上部に配置される光照射部650で検査用基板ISUB上に光を照射すると、検査用基板ISUBの下部に配置される第2センシングユニット640は複数の双極子DPが配置された検査用基板ISUBの一部領域を撮影してイメージデータを生成し得る。前記第2センシングユニット640が生成したイメージデータは明暗で示したイメージであり得る。前記暗い領域は複数の双極子DPに対応する領域であり得る。
【0099】
粒子数検査ユニット600は前述したように第1センシングユニット150で測定されて伝達されたインクIの面積(S1,
図31を参照)とイメージデータから測定した双極子DPに対応する領域の面積(S2,
図31を参照)を比較する。粒子数検査ユニット600は前記インクIの面積S1と双極子DPに対応する面積S2に基づいて双極子の数を算出して基準設定値と比較し得る。双極子の数と基準設定値の比較した結果に応じて、後述するインク供給装置400を調節してインクジェットヘッド装置300に供給される双極子DPの数を2次的に調節し得る。
【0100】
図8は一実施形態によるインクジェットヘッドユニットと検査ステージユニットの概略的な平面配置図である。
図9は一実施形態によるインクジェットヘッドユニットの底面図である。
【0101】
図8はインクジェットヘッド装置300を第3方向D3、例えば上部から見た平面図である。
図9はインクジェットヘッドユニット330を下部から見た底面図であることに注意しなければならない。
【0102】
図1および
図8を参照すると、一実施形態によるインクジェットヘッド装置300は第1支持台310、インクジェットヘッドユニット330、第1熱処理ユニット370および第3センシングユニット350を含み得る。
【0103】
第1支持台310は水平方向に延びた第1水平支持部311および第1水平支持部311の両端部に連結されて垂直方向である第3方向D3に延びた第1垂直支持部312を含み得る。第1水平支持部311の延長方向は上述した第2水平支持部111の延長方向である第1方向D1と同一であり得る。
【0104】
インクジェットヘッドユニット330は対象基板SUBおよび/または検査用基板ISUB上に双極子DPを含むインクIを噴射する役割をする。インクジェットヘッドユニット330はステージユニット500の上部に配置される。
図8に示していないが、インクジェットヘッドユニット330は検査用基板ISUBに塗布されたインクIを検査する工程中には検査ステージユニット200の上部に配置されることもできる。
【0105】
インクジェットヘッドユニット330は第1支持台310の第1水平支持部311に据え置かれる。インクジェットヘッドユニット330は第1水平支持部311に据え置かれるが、第1水平支持部311から一側に突出して配置され得る。例えば、インクジェットヘッドユニット330は第1水平支持部311の第2方向D2の一側に突出するように配置され得る。
【0106】
第1熱処理ユニット370はインクIが塗布された対象基板SUBおよび/または検査用基板ISUB上に第1光H1を照射してインクIの溶媒SVを揮発させたり気化させて除去する役割をする。
【0107】
第1熱処理ユニット370は第1支持台310の第1水平支持部311に据え置かれる。第1熱処理ユニット370は第1水平支持部311に据え置かれるが、第1水平支持部311から一側の反対側である他側に突出して配置され得る。例えば、第1熱処理ユニット370は第1水平支持部311の第2方向D2の反対方向に突出するように配置され得る。したがって、第1支持台310の第1水平支持部311はインクジェットヘッドユニット330と第1熱処理ユニット370の間に配置され得る。
【0108】
以下、
図8ないし
図9を参照して、一実施形態によるインクジェットヘッド装置300のインクジェットヘッドユニット330について詳細に説明する。
【0109】
インクジェットヘッドユニット330は第1支持台310の第1水平支持部311に据え置かれ、ステージユニット500および/または検査ステージユニット200から所定距離離隔し得る。インクジェットヘッドユニット330とステージユニット500および/または検査ステージユニット200の離隔距離はステージユニット500上に対象基板SUBが配置されたり検査ステージユニット200上に検査用基板ISUBが配置された時インクジェットヘッドユニット330が対象基板SUBおよび/または検査用基板ISUBからある程度の間隔を有してプリンティング工程空間が確保できる範囲内で調節され得る。
【0110】
インクジェットヘッドユニット330は別途のインクストレージ(図示せず)と連結されてインクIの提供を受け、後述するインクジェットヘッド335を介してインクIを対象基板SUBおよび/または検査用基板ISUB上に噴射する。
【0111】
図面では一つのインクジェットヘッドユニット330が例示しているが、これに制限されるものではない。例えば、対象基板SUBに複数の種類のインクIを提供する工程の場合、インクIの種類と同じ数のインクジェットヘッドユニット330が配置される。
【0112】
インクジェットヘッドユニット330はヘッドベース331、ヘッドベース331の底面に配置された複数のジグ部333およびジグ部333に配置されて複数のノズルNZを含む少なくとも一つのインクジェットヘッド335を含み得る。
【0113】
インクジェットヘッドユニット330のヘッドベース331は第1支持台310の第1水平支持部311に据え置かれる。ヘッドベース331はステージユニット500から第3方向D3に一定間隔離隔する。ヘッドベース331は第1方向D1に延びた形状を有することができる。ヘッドベース331は移動部材をさらに含み、第1水平支持部311の延長方向、すなわち第1方向D1に移動することもできる。
【0114】
ヘッドベース331の一面、例えばヘッドベース331の底面には複数のジグ部333が配置される。各ジグ部333には少なくとも一つのインクジェットヘッド335が配置される。複数のジグ部333は一方向に互いに離隔して配置される。複数のジグ部333は一方向に配置されて一つの列または複数の列に配列され得る。図面ではジグ部333が2列に配置されて各列のジグ部333が互いにずれて配置された場合を示している。ただし、これに制限されず、ジグ部333はより多くの数の列に配列されることができ、互いにずれずに重なるように配置されることもできる。ジグ部333の形状は特に制限されないが、一例としてジグ部333は四角形の形状を有することができる。
【0115】
インクジェットヘッドユニット330は各ジグ部333を一方向および他方向に移動できる複数のヘッド駆動部AM1,AM2をさらに含み得る。複数のヘッド駆動部AM1,AM2は各ジグ部333の位置およびこれらの間の間隔を調整することができる。ヘッド駆動部AM1,AM2を用いてジグ部333の間の間隔を調整することによって、ジグ部333に配置されるインクジェットヘッド335で噴射されるインクIの弾着位置が調整され得る。
【0116】
インクジェットヘッド335はジグ部333に配置される。少なくとも一つのインクジェットヘッド335はジグ部333に配置される。例示的な実施形態で、2個のインクジェットヘッド335が一つのパック(pack)を形成して一つのジグ部333に配置される。ただし、一つのパックに含まれるインクジェットヘッド335の数はこれに制限されず、一例として一つのパックに含まれるインクジェットヘッド335の数は1個ないし5個であり得る。
【0117】
また、図面には一つのインクジェットヘッドユニット330が複数のジグ部333とインクジェットヘッド335を含むことを示しているが、インクジェットヘッドユニット330が含むジグ部333およびインクジェットヘッド335の数はこれに制限されない。
【0118】
図10は一実施形態によるインクジェットヘッドからインクが吐出されることを示す概略図である。
【0119】
図10を参照すると、インクジェットヘッド335は内部管IPおよび複数のノズルNZを含み得る。インクジェットヘッド335の底面に位置する各ノズルNZはインクジェットヘッド335の内部管IPに連結され得る。インクジェットヘッド335は内部管IPを介してヘッドベース331からインクIの供給を受け、供給されたインクIは内部管IPを流れて各ノズルNZを介して噴射される。前記各ノズルNZを介して噴射されたインクIは対象基板SUBおよび/または検査用基板ISUBの上面に供給される。
【0120】
ノズルNZを介したインクIの噴射量は各ノズルNZに印加される電圧に応じて調節され得る。一実施形態で、各ノズルNZで1回吐出されるインクIの量は1~50pl(picolitter)であり得るが、これに制限されるものではない。
【0121】
図11は一実施形態によるインクジェットヘッド装置の第3センシングユニットがインクジェットヘッドユニットを検査することを示す概略的な断面図である。
【0122】
図1、
図8および
図11を参照すると、第3センシングユニット350は第1支持台310に据え置かれる。第3センシングユニット350はインクジェットヘッドユニット330に含まれたインク吐出部材の整列度と吐出されるインクIの量などを検査する役割をする。また、第3センシングユニット350はインクジェットヘッド335のノズルNZの詰まりの有無を検査することもできる。
【0123】
第3センシングユニット350はセンサ移動部351、センサ移動部351の一面に配置されたセンサ支持部353およびセンサ支持部353上に配置される第3センサ部355を含み得る。
【0124】
センサ移動部351は第1水平支持部311上に据え置かれる。センサ移動部351はインクジェットヘッドユニット330の延長方向である第1方向D1に移動する。センサ移動部351は第3センサ部355をインクジェットヘッドユニット330の延長方向である第1方向D1に移動させる役割をする。
【0125】
センサ支持部353はセンサ移動部351の下部に配置されて第2方向D2に延びた形状を有することができる。センサ支持部353の一端部はセンサ移動部351と連結され、第2方向D2の他端部は上面に第3センサ部355が配置される。第3センシングユニット350は全般的に第1支持台310から第2方向D2に突出するように配置される。例えば、第3センシングユニット350はインクジェットヘッドユニット330と同様に第1水平支持部311の第2方向D2の一側に突出するように配置される。
【0126】
第3センサ部355はセンサ支持部353の上面に配置される。第3センサ部355はインクジェットヘッド335の下部でインクジェットヘッド335と対向するように配置される。
【0127】
第3センサ部355はセンサ移動部351によりインクジェットヘッドユニット330の延長方向に沿って移動する。第3センサ部355はインクジェットヘッドユニット330の下部でインクジェットヘッドユニット330の延長方向に沿って移動し、インクジェットヘッドユニット330の底面に配置されたインクジェットヘッド335の位置や整列状態を検査する。また、第3センサ部355はインクジェットヘッド335で吐出されるインクIの量、インクジェットヘッド335上に生じるムラや乾燥されたインクIなどをモニタリングすることもできる。
【0128】
図面では一つの感知部材を含む第3センサ部355が例示されているが、これに制限されるものではない。第3センサ部355はインクジェットヘッド335の整列度を検査するために多様な形状を有することができる。例えばインクジェットヘッド335が複数の列に配列される場合、第3センサ部355も複数の感知部材を含み、前記複数の感知部材は複数の列に配列されることもできる。
【0129】
以下、
図9および
図11を参照して、第3センシングユニットがインクジェットヘッドユニットを検査および前記検査結果に基づいてインクジェットヘッドユニットを駆動する方法について説明する。
【0130】
図9および
図11を参照すると、インクジェットヘッド335が対象基板SUBまたは検査用基板ISUB上にインクIを噴射する前に、第3センシングユニット350はインクジェットヘッドユニット330のインクジェットヘッド335の整列度およびインクジェットヘッド335に生じるムラなどを検査する。
【0131】
具体的には各インクジェットヘッド335はインクジェットヘッド335の下面で両側部に位置するダミーノズルDNをさらに含み得る。第3センシングユニット350は感知されたダミーノズルDNの位置によりインクジェットヘッド335の整列状態を測定し得る。例えば、第3センシングユニット350は各インクジェットヘッド335の下面で両側部に位置するダミーノズルDNの位置を感知し、隣接して配置されたインクジェットヘッド335のダミーノズルDNの位置の間の間隔HP1,HP2を測定し得る。前記測定されたダミーノズルDNの間の間隔HP1,HP2によりインクジェットヘッド335の間の整列状態を間接的に測定することができる。
【0132】
インクジェットヘッドユニット330は第1センシングユニット150および第3センシングユニット350で測定された情報に基づいてインクジェットヘッド335を整列させる。具体的には、インクジェットヘッドユニット330は吐出量検査ユニット100の第1センシングユニット150により測定された検査用基板ISUBに塗布されたインクIの直径WI1,WI2および間隔PI1,PI2とインクジェットヘッド装置300の第3センシングユニット350により測定されたインクジェットヘッド335の整列状態に基づいてヘッド駆動部AM1,AM2を駆動してジグ部333とインクジェットヘッド335を再整列させ得る。
【0133】
第1ヘッド駆動部AM1はジグ部333の第1方向D1に位置する。第1ヘッド駆動部AM1はジグ部333およびインクジェットヘッド335を整列させるために第1方向D1、またはX軸方向に移動させる駆動部であり得る。第2ヘッド駆動部AM2はジグ部333の第2方向D2に位置する。第2ヘッド駆動部AM2はジグ部333およびインクジェットヘッド335を整列させるために第2方向D2、またはY軸方向に移動させる駆動部であり得る。
【0134】
一方、第3センシングユニット350はインクジェットヘッド335の状態や噴射されるインクIの量などをモニタリングする。図面には示していないが、インクジェットヘッド装置300はインクジェットヘッド335のノズルNZを洗浄するためのクリーニングユニットをさらに含むこともできる。前記クリーニングユニットは第3センシングユニット350により感知される情報に基づいてインクジェットプリンティング装置1000の工程中にインクジェットヘッド335を洗浄する工程を行うこともできる。例えば、第3センシングユニット350がインクジェットヘッド335に生じるムラまたはノズルNZの詰まりを感知すると、クリーニングユニットはインクジェットヘッド335のノズルNZを洗浄する工程を行うことができる。
【0135】
図12は一実施形態による第1熱処理ユニットの断面図である。
図13は一実施形態による熱処理ユニットの駆動を示す概略図である。
【0136】
図1、
図8および
図12を参照すると、第1熱処理ユニット370はベース部371、第1光H1を照射する第1熱処理部373,375を含み得る。第1光H1は第1-1光H
11および第1-2光H
12を含み得、第1熱処理部373,375は第1-1光H
11を照射する第1メイン熱処理部373および第1-2光H
12を照射する第1補助熱処理部375を含み得る。
【0137】
ベース部371は第1支持台310の第1水平支持部311に据え置かれるが、第1水平支持部311の第2方向D2他側に突出するように配置される。
【0138】
ベース部371は第1方向D1に延びた形状を有し、第1メイン熱処理部373および第1補助熱処理部375が配置される空間を提供する。ベース部371は対象基板SUBの一辺、例えば第1方向D1に延びた一辺をカバーするように移動部材をさらに含み得る。
【0139】
第1メイン熱処理部373および第1補助熱処理部375はベース部371の下部に配置される。第1メイン熱処理部373および第1補助熱処理部375はベース部371の下部に配置されて対象基板SUBと所定距離離隔し得る。第1メイン熱処理部373および第1補助熱処理部375は第1メイン熱処理部373および第1補助熱処理部375から照射される第1光H1により対象基板SUB上に配置された他の部材が損傷しないように対象基板SUBから所定距離離隔し得る。
【0140】
第1メイン熱処理部373は下部に配置される対象基板SUB上に第1-1光H11を照射して熱エネルギを発生させる。第1メイン熱処理部373は熱を発生する装置を含み得る。例えば、第1メイン熱処理部373はIR照射装置を含み得る。第1-1光H11は赤外線(Infrared)を含み、第1メイン熱処理部373はIR照射装置を含み得る。第1メイン熱処理部373で対象基板SUB上に第1-1光H11を照射することによって発生する熱エネルギによって対象基板SUBの上面に塗布されたインクIの溶媒SVは除去され得る。
【0141】
第1メイン熱処理部373は遮蔽装置がさらに配置されることもできる。前記遮蔽装置は第1メイン熱処理部373で照射される第1-1光H11を部分的に遮断して対象基板SUBの損傷を防止する役割をする。
【0142】
第1補助熱処理部375は下部に配置される対象基板SUB上に第1-2光H12を照射して対象基板SUB上に配置された双極子DPに電気的な力を伝達する。例えば、第1補助熱処理部375はUVランプを含み得る。第1-2光H12は紫外線を含み、第1補助熱処理部375はUVランプを含み得る。第1補助熱処理部375で対象基板SUB上に第1-2光H12を照射することによって発生するエネルギにより対象基板SUB上に配置された双極子DPは偏向して整列することができる。
【0143】
図1、
図8および
図13を参照すると、ステージユニット500上に配置されて第2方向D2の反対方向に沿って移動してインクジェットヘッドユニット330を通過した対象基板SUBの上面には溶媒SVおよび双極子DPを含むインクIが塗布されている。インクジェットヘッドユニット330を通過した対象基板SUBは第2方向D2の反対方向に沿って移動して第1熱処理ユニット370を通過する。
【0144】
第1熱処理ユニット370を通過した対象基板SUBの上面にはインクIの溶媒SVが除去されて双極子DPのみ残留する。第1メイン熱処理部373と重なる領域に位置する対象基板SUBの上面に塗布されたインクIは溶媒SVが除去される。すなわち、ステージユニット500が第2方向D2の反対方向に移動することにより対象基板SUBの上面に塗布されたインクIに含まれた溶媒SVは前記第2方向D2に沿って順次除去され得る。
【0145】
したがって、ステージユニット500が第2方向D2の反対方向に沿って第1熱処理ユニット370を通過することにより対象基板SUB上に第1-1光H
11が第2方向DR2に沿って順次照射される。したがって、ステージユニット500が第2方向D2の反対方向に移動して第1熱処理ユニット370を通過する場合、ステージユニット500が移動することにより対象基板SUB上に塗布されたインクIの溶媒SVは順次除去され得る。したがって、
図13のように、第1熱処理ユニット370を通過した対象基板SUBの一部領域には溶媒SVが除去(点線領域)されて双極子DPが配置され得る。
【0146】
一方、図面には示していないが、ステージユニット500には対象基板SUB上部の温度を感知して前記温度を調節する制御装置をさらに含み得る。第1熱処理ユニット370で照射される第1光H1により対象基板SUBおよび対象基板SUBの周辺の温度が一定水準以上に上昇すると前記制御装置によって対象基板SUBの温度を低くするように制御することができる。
【0147】
本実施形態によるインクジェットヘッド装置300は、第1支持台310の一方向一側にはインクジェットヘッドユニット330が配置されて第1支持台310の一方向他側には第1熱処理ユニット370が配置される。ステージユニット500上に配置された対象基板SUBは一方向に沿って移動しながらインクジェットヘッドユニット330と第1熱処理ユニット370を順次通過する。したがって、インクジェットヘッドユニット330によりプリンティング工程が行われながらインクIに含まれた溶媒SVの乾燥工程が同時に行われることができる。したがって、プリンティング工程の時間が節約されて工程効率が向上することができる。
【0148】
図14は一実施形態によるステージユニットの平面図である。
【0149】
図1、
図2および
図14を参照すると、ステージユニット500はベースフレーム510、ステージ520、プローブユニット550およびアライナ580を含み得る。
【0150】
ベースフレーム510はステージユニット500に含まれる部材を支持する。例えば、ベースフレーム510上にはステージ520およびプローブユニット550が配置される。
【0151】
ベースフレーム510は第1レールRR1および第2レールRR2上に配置されてインクジェットプリンティング装置1000内で第2方向D2に移動して往復運動する。図面に示していないが、ベースフレーム510は下面には所定の移動部材が配置され、前記移動部材が第1および第2レールRR1,RR2と締結されてベースフレーム510を一方向に移動させる。インクジェットプリンティング装置1000の工程順序によりベースフレーム510が移動し、インクジェットプリンティング装置1000の工程中にベースフレーム510の移動により各ユニットまたは装置が駆動される。
【0152】
ステージ520はベースフレーム510上に配置される。ステージ520は対象基板SUBが配置される空間を提供する。また、ステージ520上にはアライナ580が配置される。
【0153】
ステージ520の全般的な平面形状は対象基板SUBの平面形状に従う。例えば対象基板SUBが平面上長方形の場合、図面に示すようにステージ520の平面形状は長方形であり得、対象基板SUBが平面上円形の場合、ステージ520も平面形状が円形であり得る。
【0154】
ステージ520上にはステージ520上に配置される対象基板SUBのアラインのためにアライナ580が設けられる。アライナ580はステージ520の各辺上に配置され、複数のアライナ580が囲む領域は対象基板SUBが配置される領域であり得る。図面ではステージ520の各辺上に2個のアライナ580が互いに離隔して配置され、ステージ520上に合計8個のアライナ580が配置されたことが示されているが、これに制限されず、アライナ580の数と配置などは対象基板SUBの形状または種類によって変わり得る。
【0155】
プローブユニット550はベースフレーム510上に配置される。プローブユニット550はステージ520に準備される対象基板SUB上に電界を形成する役割をする。プローブユニット550は第2方向D2に延びて、前記延びた長さは対象基板SUB全体をカバーする。プローブユニット550の大きさおよび形状は対象基板SUBによって変わり得る。
【0156】
プローブユニット550はプローブ駆動部553、プローブ駆動部553と連結され、対象基板SUBと接触できるプローブパッド558およびプローブパッド558に連結されて電気信号を伝達する複数のプローブジグ551,552を含み得る。
【0157】
プローブ駆動部553はベースフレーム510上に配置されてプローブパッド558を移動させる。例示的な実施形態で、プローブ駆動部553はプローブパッド558を水平方向および垂直方向、例えば水平方向である第1方向D1および垂直方向である第3方向D3に移動させる。プローブ駆動部553の駆動によってプローブパッド558は対象基板SUBと連結または分離され得る。インクジェットプリンティング装置1000の工程中に、対象基板SUBに電界を形成する段階ではプローブ駆動部553が駆動してプローブパッド558を対象基板SUBに連結させて、それ以外の段階ではプローブ駆動部553が再び駆動してプローブパッド558を対象基板SUBと分離させ得る。
【0158】
プローブパッド558はプローブジグ551から伝達される電気信号により対象基板SUB上に電界を形成する。プローブパッド558は対象基板SUBに連結されて前記電気信号を伝達して対象基板SUB上に電界を形成する。一例として、プローブパッド558は対象基板SUBの電極または電源パッドなどに接触し、プローブジグ551の電気信号は前記電極または電源パッドに伝達される。対象基板SUBに伝達された前記電気信号は対象基板SUB上に電界を形成する。
【0159】
ただし、これに制限されるものではなく、プローブパッド558はプローブジグ552から伝達された電気信号により電界を形成する部材であり得る。すなわち、プローブパッド558で前記電気信号の伝達を受けて電界を形成する場合、プローブパッド558は対象基板SUBと連結されなくてもよい。
【0160】
プローブパッド558の形状は特に制限されないが、例示的な実施形態で、プローブパッド558は対象基板SUB全体をカバーするように一方向に延びた形状を有することができる。
【0161】
プローブジグ551はプローブパッド558に連結され、別途の電圧印加装置と連結される。プローブジグ551は前記電圧印加装置から伝達される電気信号をプローブパッド558に伝達して対象基板SUB上に電界を形成する。プローブジグ551に伝達される電気信号は電界を形成するための電圧、一例として交流電圧であり得る。
【0162】
図面では2個のプローブジグ551が配置されたことを示しているが、プローブユニット550はより多くの数のプローブジグ551を含んで対象基板SUB上にさらに高い密度を有する電界を形成することもできる。
【0163】
一実施形態によるプローブユニット550はこれに制限されない。図面ではプローブユニット550がステージユニット500に含まれてベースフレーム510上に配置されたこととして示しているが、場合によってプローブユニット550は別途の装置として配置されることもできる。ステージユニット500は電界を形成できる装置を含んで対象基板SUB上に電界を形成できれば、その構造や配置は制限されない。
【0164】
図15は一実施形態によるインク供給装置を示す概略図である。
【0165】
インク供給装置400は製造されたインクIをインクジェットヘッド装置300に供給する役割をする。インクI内の双極子DPが分散した状態で製造されれば、製造されたインクIを貯蔵または運送してインクジェットプリンティング装置1000のインクジェットヘッド装置300に供給する。図面に示すように、インク供給装置400はインクジェットヘッド装置300と連結される。
【0166】
図15を参照すると、インク供給装置400はインクタンク410、インク攪拌機420、インクストレージ430および循環ポンプ450を含み得る。
【0167】
インクタンク410は製造されたインクIを貯蔵し、これをインク攪拌機420に供給する役割をする。インクタンク410の形状は特に制限されず、例示的な実施形態で、インクタンク410はインクカートリッジ、インク容器(vessel)などであり得る。図面には示していないが、インクタンク410はインク攪拌機420にインクIを供給する圧力を伝達できる空気圧形成装置をさらに含み得る。
【0168】
インク攪拌機420はインクタンク410から供給されたインクIを攪拌させ、双極子DPを再び分散させてインクストレージ430に伝達する役割をする。双極子DPは比較的比重が大きい物質を含んで製造されたインクI内で時間の経過とともに沈殿または沈降し得る。インク攪拌機420はインクIをインクストレージ430に供給する前、インクI内に沈殿した双極子DPを再び分散するようにこれを攪拌させる。
【0169】
例示的な実施形態で、インク攪拌機420は攪拌装置425を含んでインクI内の双極子DPを分散させる。攪拌装置425の種類は特に制限されない。一例として、攪拌装置425は磁力攪拌機(magnetic stirrer)、プロペラ攪拌機(propeller stirrer)などであり得る。図面では磁力攪拌機が示されており、攪拌装置425はインクタンク410から供給されたインクI内の双極子DPを再び分散させ得る。
【0170】
インクストレージ430はインク攪拌機420から供給されたインクIをインクジェットヘッド装置300に供給する。インクストレージ430は実質的にインクタンク410と同じ機能を行うが、製造されたインクIを攪拌させるインク攪拌機420を介してインクIの供給を受け得る。そのため、インクストレージ430は比較的高い分散度を有する双極子DPを含むインクIをインクジェットヘッド装置300に供給し得る。インクジェットヘッド装置300はインクタンク410から直接インクIの供給を受けず、インクストレージ430を介して供給されることによってインクジェットヘッド335で1回吐出されるインクI内に含まれた双極子DPの数または分散度を制御することができる。すなわち、インクジェットプリンティング装置1000の工程により均一なインクIの品質を維持することができる。
【0171】
循環ポンプ450は一端がインクジェットヘッド装置300と連結されて他端がインク攪拌機420と連結されてインクジェットプリンティング装置1000でインクIを循環させる。インクジェットプリンティング装置1000の工程のうち、粒子数検査ユニット600で測定された検査用基板ISUB上に塗布された双極子DPの数が基準設定値より小さい場合、循環ポンプ450を駆動してインクジェットヘッド装置300のインクIをインク攪拌機420に伝達する。すなわち、循環ポンプ450は整列度検査装置700で測定された双極子DPの数に係る情報の提供を受けてインクジェットヘッド装置300に供給されるインクIの品質を維持するために、インクIをインク攪拌機420、インクストレージ430およびインクジェットヘッド装置300内で循環させる。これにより、粒子数検査ユニット600から提供された情報をフィードバックしてインクジェットヘッド装置300にインクIを供給することができる。
【0172】
一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は、第1センシングユニット150、第2センシングユニット640および第3センシングユニット350を含み得る。第1ないし第3センシングユニット150,640,350は、対象基板SUB上にインクIを印刷するプリンティング工程が行われる間にリアルタイムで検査用基板ISUBを用いてインクジェットヘッドユニット330に含まれるインクジェットヘッド335の状態を検査してモニタリングする。具体的には、第1センシングユニット150、第2センシングユニット640および第3センシングユニット350はそれぞれが測定した情報と基準設定値と比較する段階を行い、これによりインクジェットプリンティング装置1000の部材を制御することができる。例えば、第1センシングユニット150で測定されたインクIの吐出量、第2センシングユニット640で測定された双極子DPの粒子数および第3センシングユニット350で測定されたインクジェットヘッド335の整列度に係る情報を含むデータはそれぞれインクジェットヘッド装置300に伝達される。インクジェットヘッド装置300は前記情報の提供を受けてインクIを噴射するインクジェットヘッド335の整列状態を調節したりノズルNZを洗浄し、提供されたインクI内双極子DPの分散度などを調節し得る。
【0173】
そのため、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000は少なくとも一つのセンシングユニット150,350,640を含んでインクジェットプリンティング装置1000の工程中に発生し得る誤差をリアルタイムで感知することができる。各センシングユニット150,350,640は工程中に発生する誤差および不良を感知して、工程を行うと同時にこれを補完することができる。そのためインクジェットプリンティング装置1000は工程を数回繰り返しても最終的に製造された双極子DPを含む対象基板SUBの品質を維持することができる。
【0174】
また、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000のインクジェットヘッド装置300は第1熱処理ユニット370およびインクジェットヘッドユニット330を含み、これらは一方向に沿って順次配置される。したがって、インクジェットプリンティング装置1000は対象基板SUB上にインクIを噴射してインクIの溶媒SVを除去した後工程中に対象基板SUBの移動を最小化することができる。そのためインクジェットプリンティング装置1000の工程時間を減少でき、特にインクIが対象基板SUB上に噴射された後連続して第1熱処理ユニット370を通過して溶媒SVを揮発させることによって双極子DPの整列離脱の問題を防止することができる。
【0175】
また、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000の粒子数検査ユニット600は第2熱処理ユニット630を含み、検査用基板ISUBに塗布されたインクIの溶媒SVを、第2熱処理ユニット630を用いて乾燥させて残留する双極子DPの数を直接測定する。反面、溶媒SVを除去せず基板上に塗布されたインクIの面積または体積を測定して間接的に双極子DPの数を算出する方法は、溶媒SVが揮発する特性のため測定時間差によってインクIの面積または体積が正確に算出されないこともある。したがって、粒子数検査ユニット600を用いて測定された双極子DPの数はインクIの面積または体積から間接的に算出(または測定)される双極子DPの数に比べて双極子DPの数の測定誤差率が減少して検査信頼度が向上することができる。
【0176】
以下、上述した一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000を用いたプリンティング方法について説明する。以下の実施形態で、既に説明した実施形態と同じ構成については説明を省略または簡略化して差異点を中心に説明する。
【0177】
【0178】
図16を参照すると、一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000を用いたプリンティング方法は、検査用基板上に双極子を含むインクを噴射する段階(S100)、対象基板を準備して検査用基板に塗布されたインクの吐出量を検査する段階(S200)、電界が形成された対象基板上にインクを噴射して検査用基板に配置された双極子数を検査する段階(S300)を含む。インクジェットプリンティング装置1000を用いたプリンティング方法は、電界が形成された対象基板上にインクを噴射して検査用基板に配置された双極子数を検査する段階(S300)の後に対象基板を排出する段階(S400)をさらに含み得る。
【0179】
先に、検査用基板上に双極子を含むインクを噴射する(
図16のS100)。
【0180】
図17を参照すると、検査用基板上にインクを噴射する段階(S100)は、検査ステージユニット上に検査用基板を準備する段階(S110)、検査ステージユニットをインクジェットヘッド装置に移動する段階(S120)および検査用基板上に双極子を含むインクを噴射する段階(S130)を含み得る。
【0181】
先に、検査ステージユニット200上に検査用基板を準備する(
図17のS110)。
【0182】
具体的には、
図3および
図17を参照すると、検査ステージユニット200の上部基板220上に検査用基板ISUBを配置し、吸着装置210を用いて検査用基板ISUBを上部基板220に固定させる。吸着装置210が真空装置またはクランプ装置などを含むことによって検査用基板ISUBを上部基板220に固定し得る。
【0183】
その後、検査用基板ISUBの上面を撥水処理する。撥水処理はフルオリン(Fluorine)コーティングまたはプラズマ表面処理などに行われ得る。
【0184】
次に、検査ステージユニットをインクジェットヘッド装置に移動する(
図17のS120)。
【0185】
具体的には、
図1および
図18を参照すると、検査用基板ISUBが配置された検査ステージユニット200は第1レールRR1および第2レールRR2上に配置されて第2方向D2に沿ってインクジェットヘッド装置300のインクジェットヘッドユニット330の下部に移動する。検査ステージユニット200は検査用基板ISUBとインクジェットヘッドユニット330が第3方向D3に重なるように移動し得る。
【0186】
次に、検査用基板上にインクを噴射する(
図17のS130)。
【0187】
具体的には、
図1、
図18および
図19を参照すると、インクジェットヘッドユニット330は検査用基板ISUBの上面上に双極子DPを含むインクIを噴射する。インクジェットヘッドユニット330は別途のインクストレージ(図示せず)と連結されて内部管IPにインクIの提供を受ける。インクジェットヘッド335の各ノズルNZは内部管IPと連結されてインクIは複数のノズルNZを介して検査用基板ISUBの上面上に噴射される。
【0188】
前述したように、インクIは溶媒SVと溶媒SV内に含まれた複数の双極子DPを含み得る。インクIの内部に含まれた双極子DPは外部の力が作用しない場合にランダムな配向方向を有する。したがって、検査用基板ISUBの上面に塗布されたインクIの内部の双極子DPの配向方向は特定方向に整列しない。
【0189】
次に、対象基板を準備して検査用基板に塗布されたインクの吐出量を検査する(
図16のS200)。
【0190】
図20を参照すると、対象基板を準備して検査用基板に塗布されたインクの吐出量を検査する段階(S200)は、ステージユニット上に対象基板を準備する段階(S210)および検査用基板に塗布されたインクの吐出量を検査する段階(
図20のS220)を含み得る。前記ステージユニット上に対象基板を準備する段階(S210)と検査用基板に塗布されたインクの吐出量を検査する段階(
図20のS220)はプリンティング工程上実質的にリアルタイムで行われ得る。
【0191】
図21を参照すると、対象基板SUBをステージユニット500のステージ520上に配置する(
図20のS210)。図示していないが、対象基板SUBは別途の基板搬送装置によって外部でステージユニット500のステージ520上に配置され得る。
【0192】
また、対象基板SUBをステージユニット500に配置する工程を行う間、吐出量検査ユニットは検査用基板に塗布されたインクの吐出量を検査し得る(
図20のS220)。
【0193】
検査用基板ISUBが配置された検査ステージユニット200は吐出量検査ユニット100に移動して検査用基板ISUBに塗布されたインクIの吐出量を検査する。上面にインクIが塗布された検査用基板ISUBが配置された検査ステージユニット200は第1レールRR1および第2レールRR2上に配置されて第2方向D2の反対方向に沿ってインクジェットヘッドユニット330から吐出量検査ユニット100に移動する。検査用基板ISUBが配置された検査ステージユニット200は吐出量検査ユニット100の第1センシングユニット150の下部に配置される。
【0194】
再び
図20を参照すると、ステージユニット上に対象基板を準備する段階(
図20のS210)はステージユニット上に対象基板を準備して整列する段階(
図20のS211)および対象基板上に電界を形成する段階(
図20のS212)を含み得る。
【0195】
具体的には、
図22および
図23を参照すると、プローブユニット550のプローブ駆動部553はインクジェットプリンティング装置1000の工程段階に従って動作する。プローブユニット550はプローブ駆動部553が配置されるプローブ支持台530をさらに含み得る。
【0196】
ステージユニット500に対象基板SUBが準備されていない第1状態ではプローブユニット550はプローブ支持台530上に配置されてステージ520と離隔する。プローブユニット550のプローブ駆動部553は水平方向である第1方向D1と垂直方向である第3方向D3に駆動してプローブパッド558をステージ520と離隔させる。
【0197】
次に、ステージユニット500上に対象基板SUBが配置され、対象基板SUB上に電界を形成する第2状態ではプローブユニット550のプローブ駆動部553が駆動してプローブパッド558を対象基板SUBと連結させ得る。プローブ駆動部553が垂直方向である第3方向D3と水平方向である第1方向D1に駆動してプローブパッド558は対象基板SUBと接触する。プローブユニット550のプローブジグ551,552はプローブパッド558に電気信号を伝達し、対象基板SUB上には電界が形成され得る。
【0198】
一方、図面ではステージユニット500の両側にプローブユニット550がそれぞれ一つずつ配置され、二つのプローブユニット550が同時に対象基板SUBに連結されることを示している。ただし、これに制限されるものではなく、複数のプローブユニット550はそれぞれ別個に駆動されることもできる。
【0199】
再び
図20を参照すると、検査用基板に塗布されたインクの吐出量を検査する段階(
図20のS220)は検査用基板に塗布されたインクの吐出量を検査する段階(
図20のS221)およびインクジェットヘッド装置の設定値を補正する段階(
図20のS222)を含み得る。
【0200】
具体的には、
図20、
図21および
図24を参照すると、検査用基板ISUBの上部に配置された第1センシングユニット150を用いて検査用基板ISUBの上面に塗布されたインクIの大きさおよび塗布位置を測定し得る。第1センシングユニット150を用いて測定された検査用基板ISUBに塗布されたインクIの大きさW
I1’,W
I2’および二つのインクIの間の間隔P
I1を基準設定値と比較し得る。
【0201】
前記測定されたインクIの大きさW
I1’,W
I2’および二つのインクIの間の間隔P
I1が基準設定値と相異なると、インクジェットヘッド335の位置や電圧などを調節して、基準設定値のインクIが噴射されるようにインクジェットヘッド装置の設定値を補正する。インクジェットヘッド335の位置を調節する方法は
図9を参照して上述したとおりである。このような検査方法は各インクジェットヘッド335が基準設定値に該当する大きさ(または液滴量)または位置に噴射するまで数回繰り返され得る。
【0202】
次に、電界が形成された対象基板上にインクを噴射して検査用基板に塗布されたインクの乾燥および双極子数の検査を行う(
図16のS300)。
【0203】
図25を参照すると、電界が形成された対象基板上にインクを噴射して検査用基板に塗布されたインクの乾燥および双極子数の検査を行う段階(
図16のS300)は、対象基板上にインクを噴射する段階(
図25のS310)および検査用基板に塗布されたインクの乾燥および双極子数の検査を行う段階(
図25のS320)を含み得る。
【0204】
図26を参照すると、対象基板SUBが配置されたステージユニット500は、インクジェットヘッドユニット330に移動し、インクジェットヘッドユニット330は前記対象基板SUB上にインクIを噴射する(
図25のS310)。
【0205】
対象基板SUBが配置されたステージユニット500は第1レールRR1および第2レールRR2上に配置されて第2方向D2の反対方向に沿ってインクジェットヘッド装置300のインクジェットヘッドユニット330の下部に移動する。対象基板SUBはインクジェットヘッド装置300の下部で順次にインクジェットヘッドユニット330と第1熱処理ユニット370を経て第2方向D2の反対方向に沿って移動する。したがって、対象基板SUBは第2方向D2の反対方向に移動することによりインクジェットヘッドユニット330の下部ではインクIが噴射されて対象基板SUBの上面にインクIが塗布され、第1熱処理ユニット370の下部では第1-1光H11および第1-2光H12によりインクIの溶媒SVが気化して双極子DPが整列する。
【0206】
また、検査用基板ISUBが配置された検査ステージユニット200は粒子数検査ユニット600に移動し、粒子数検査ユニット600は前記検査用基板ISUBに塗布されたインクに含まれた双極子DPの数を測定し得る(
図25のS320)。
【0207】
検査用基板ISUBが配置された検査ステージユニット200は第1レールRR1および第2レールRR2上に配置されて第2方向D2の反対方向に沿って粒子数検査ユニット600に移動する。検査ステージユニット200は検査用基板ISUBが粒子数検査ユニット600の第2熱処理ユニット630と第2センシングユニット640の間に配置されるように粒子数検査ユニット600に移動する。
【0208】
再び
図25を参照すると、対象基板上にインクを噴射する段階(
図25のS310)は電界が形成された対象基板上に双極子を含むインクを噴射する段階(
図25のS311)および対象基板上に塗布されたインクを乾燥する段階(
図25のS312)を含み得る。
【0209】
具体的には、
図26ないし
図29を参照すると、プローブユニット550により対象基板SUB上には電界が形成される。双極子DPは対象基板SUB上に形成された電界によって一方向に配向し得る。
【0210】
図27を参照すると、インクIは双極子DPを含んでインクジェットヘッド335のノズルNZから吐出される。ノズルNZで吐出されたインクIは対象基板SUBに向かって噴射され、インクIは対象基板SUB上に供給される(
図25のS311)。
【0211】
この時、対象基板SUB上に電界IELが形成されると、第1極性および第2極性を有する双極子DPはノズルNZから対象基板SUB上にインクIが供給されるまで電気的力を受ける。前記電気的力によって双極子DPは配向され得、一例として双極子DPの配向方向は電界IEL方向に向かい得る。双極子DPはノズルNZで吐出されて対象基板SUBに到達するまで電界IELにより力を受け得る。
【0212】
次に、
図28に示すように対象基板SUB上に電界Eを形成して電界Eにより双極子DPが配置される。双極子DPは誘電泳動法(Dielectrophoresis)により配置される。具体的に説明すると、プローブユニット550から第1電極21と第2電極22に電気信号を印加する。プローブユニット550は対象基板SUB上に備えられた所定のパッド(図示せず)と連結され、前記パッドと連結された第1電極21と第2電極22に電気信号を印加する。例示的な実施形態で、前記電気信号は交流電圧であり得、前記交流電圧は±(10~50)Vの電圧および10kHz~1MHzの周波数を有することができる。前記交流電圧が第1電極21と第2電極22に印加されると、これらの間には電界Eが形成され、双極子DPは電界Eによる誘電泳動力(Dielectrophoretic Force)が作用される。誘電泳動力によって双極子DPは配向方向および位置が変わって第1電極21と第2電極22上に配置される。
【0213】
次に、
図29に示すように対象基板SUBに塗布されたインクIの溶媒SVを乾燥させて除去する(
図25のS312)。
【0214】
溶媒SVを除去する段階はインクジェットヘッド装置300の第1熱処理ユニット370により行われる。前述したようにインクジェットヘッドユニット330から噴射されたインクIが塗布された対象基板SUBは第2方向D2の反対方向に移動しながら第1熱処理ユニット370の下部に位置する。
【0215】
第1熱処理ユニット370は対象基板SUB上に第1-1光H11を照射する。前述したように第1-1光H11は赤外線を含み得る。前記第1-1光H11が赤外線波長帯の光を含む場合、赤外線波長帯の光によって熱が発生して溶媒SVは揮発したり気化し得る。
【0216】
図29に示していないが、前述したように第1熱処理ユニット370は紫外線を含む第1-2光H
12をさらに照射することができる。第1熱処理ユニット370は紫外線波長帯の光を照射する場合、第1熱処理ユニット370が照射した紫外線波長帯の光によって第1電極21および第2電極22上に配置された双極子DPは偏向して整列する。第1熱処理ユニット370の第1-1光H
11および第1-2光H
12を照射する方法に係る詳細な説明は
図12で上述した内容と同一である。
【0217】
対象基板SUB上に噴射されたインクIから溶媒SVが除去されることによって双極子DPの流動が防止され、電極21,22との結合力が増加し得る。これにより双極子DPは第1電極21と第2電極22上に整列することができる。
【0218】
再び
図25を参照すると、検査用基板に塗布されたインクの乾燥および双極子数の検査を行う段階(
図25のS320)は、検査用基板に塗布されたインクを乾燥する段階(
図25のS321)および検査用基板ISUBに配置された双極子数を測定する段階(
図25のS322)を含み得る。
【0219】
具体的には、
図30および
図31を参照すると、検査用基板に塗布されたインクの乾燥および双極子数の検査を行う段階(S320)は粒子数検査ユニット600を用いて検査することができる。
【0220】
検査用基板ISUBの上部に配置された第2熱処理ユニット630を用いて検査用基板ISUBに塗布されたインクを乾燥させる(
図25のS321)。
【0221】
具体的には、検査用基板ISUBの上部に配置された第2熱処理ユニット630は検査用基板ISUB上に第2光H2を照射する。前記第2光H2は赤外線波長帯の光を含み得る。第2熱処理ユニット630で照射された第2光H2により検査用基板ISUBに塗布されたインクIの溶媒SVは気化または揮発し得る。検査用基板ISUBに塗布されたインクIの溶媒SVが乾燥されることによりインクI内に含まれた双極子DPが検査用基板ISUBに配置される。前記検査用基板ISUBに配置された双極子DPは方向性なしでランダムに配置される。
【0222】
次に、検査用基板ISUBの下部に配置された第2センシングユニット640を用いて単位面積当たりの双極子DPの数を測定する(
図25のS322)。
【0223】
具体的には、前述したように第2センシングユニット640はカメラを含み得る。前記カメラを含む第2センシングユニット640は双極子DPが配置された領域の検査用基板ISUBの底面を撮影して
図31のようなイメージデータIMGを生成し得る。第2センシングユニット640が生成したイメージデータIMGは検査用基板ISUBの上面に配置された双極子DPにより隠れたパターンを含み得る。
【0224】
粒子数検査ユニット600は第2センシングユニット640が生成したイメージデータIMGから双極子DPに対応するパターンを算出して前記双極子DPにより隠れたパターンの面積S2を測定し、測定されたパターンの面積S2と第1センシングユニット150から伝達されたインクIの面積S1を比較する。粒子数検査ユニット600は比較した結果に基づいてインクIの面積S1に対して双極子DPパターンの面積S2を比較して双極子DPの数を測定する。
【0225】
粒子数検査ユニット600は前記測定された双極子DPの数と基準設定値を比較する。双極子の数と基準設定値の比較した結果に応じて、後述するインク供給装置400を調節してインクジェットヘッド装置300に供給される双極子DPの数を調節し得る。
【0226】
【0227】
図32を参照すると、プリンティング工程が完了した対象基板SUBはステージユニット500上に配置されて第1レールRR1および第2レールRR2に沿って排出される。対象基板SUBは別途の基板搬送装置によってインクジェットプリンティング装置1000から外部に排出される。前記対象基板SUBが排出される間、検査ステージユニット200は新しい検査用基板ISUBを準備して前記検査工程を再び行うことができる。
【0228】
一実施形態によるインクジェットプリンティング装置1000を用いたプリンティング方法は、対象基板SUB上にプリンティング工程が行われる間、検査ステージユニット200上に配置された検査用基板ISUBを用いてインクジェットヘッドユニット330の整列度、液滴量および単位インクIに含まれた双極子DPの数を測定して測定データに基づいて検査する。対象基板SUBに対するプリンティング工程と検査用基板ISUBに対する検査工程は一つのインクジェットプリンティング装置1000を用いてリアルタイムで同時に行われることができる。検査用基板ISUBに対する検査結果によってリアルタイムでインクジェットヘッド装置300にフィードバックしてインクジェットヘッド装置300の状態を調節して補完することができる。したがって、インクジェットプリンティング装置1000は工程を数回繰り返しても最終的に製造された双極子DPを含む対象基板SUBの品質を維持して検査時間を短縮することによってプリンティング工程時間を減少することができる。
【0229】
【0230】
図33を参照すると、発光素子30は任意の導電型(例えば、p型またはn型)不純物でドーピングされた半導体結晶を含み得る。半導体結晶は外部の電源から印加される電気信号の伝達を受け、これを特定波長帯の光として放出することができる。
【0231】
発光素子30は発光ダイオード(Light Emitting diode)であり得、具体的に発光素子30はマイクロメータ(micro-meter)またはナノメータ(nano-meter)単位の大きさを有し、無機物からなる無機発光ダイオードであり得る。発光素子30が無機発光ダイオードである場合、互いに対向する二つの電極の間に特定方向に電界を形成すると、無機発光ダイオードは極性が形成される前記二つの電極の間に整列する。発光素子30は電極から所定の電気信号の印加を受けて特定波長帯の光を放出する。
【0232】
図33を参照すると、一実施形態による発光素子30は複数の導電型半導体31,32、活性層33、電極物質層37および絶縁膜38を含み得る。複数の導電型半導体31,32は発光素子30に伝達される電気信号を活性層33に伝達し、活性層33は特定波長帯の光を放出する。
【0233】
具体的には、発光素子30は第1導電型半導体31、第2導電型半導体32、第1導電型半導体31と第2導電型半導体32の間に配置される活性層33、第2導電型半導体32上に配置される電極物質層37と、これらの外面を囲むように配置される絶縁膜38を含み得る。
図30の発光素子30は第1導電型半導体31、活性層33、第2導電型半導体32および電極物質層37が長手方向に順次形成された構造を図示しているが、これに制限されない。電極物質層37は省略でき、いくつかの実施形態では第1導電型半導体31および第2導電型半導体32の両側面の少なくともいずれか一つに配置されることもできる。後述する発光素子30に関する説明は発光素子30が他の構造をさらに含んでも同一に適用することができる。
【0234】
第1導電型半導体31はn型半導体層であり得る。一例として、発光素子30が青色波長帯の光を放出する場合、第1導電型半導体31は、InxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)の化学式を有する半導体材料であり得る。例えば、n型にドーピングされたInAlGaN、GaN、AlGaN、InGaN、AlNおよびInNのいずれか一つ以上であり得る。第1導電型半導体31は第1導電性ドーパントがドーピングされ得、一例として第1導電性ドーパントはSi、Ge、Snなどであり得る。第1導電型半導体31の長さは1.5μm~5μmの範囲を有することができるが、これに制限されるものではない。
【0235】
第2導電型半導体32はp型半導体層であり得る。一例として、発光素子30が青色波長帯の光を放出する場合、第2導電型半導体32はInxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦x+y≦1)の化学式を有する半導体材料であり得る。例えば、p型にドーピングされたInAlGaN、GaN、AlGaN、InGaN、AlNおよびInNのいずれか一つ以上であり得る。第2導電型半導体32は第2導電性ドーパントがドーピングされ得、一例として第2導電性ドーパントはMg、Zn、Ca、Se、Baなどであり得る。第2導電型半導体32の長さは0.08μm~0.25μmの範囲を有することができるが、これに制限されるものではない。
【0236】
一方、図面では第1導電型半導体31と第2導電型半導体32が一つの層として構成されたものを示しているが、これに制限されるものではない。場合によっては後述する活性層33の物質によって第1導電型半導体31と第2導電型半導体32はより多くの数の層を含むこともできる。
【0237】
活性層33は第1導電型半導体31および第2導電型半導体32の間に配置され、単一または多重量子井戸構造の物質を含み得る。活性層33が多重量子井戸構造の物質を含む場合、量子層(Quantum layer)と井戸層(Well layer)が互いに交互に複数積層された構造でもあり得る。活性層33は第1導電型半導体31および第2導電型半導体32を介して印加される電気信号に応じて電子-正孔ペアの結合によって光を発光する。一例として、活性層33が青色波長帯の光を放出する場合、AlGaN、AlInGaNなどの物質を含み得る。特に、活性層33が多重量子井戸構造で量子層と井戸層が交互に積層された構造である場合、量子層はAlGaNまたはAlInGaN、井戸層はGaNまたはAlGaNなどのような物質を含み得る。
【0238】
ただし、これに制限されるものではなく、活性層33はバンドギャップ(Band gap)エネルギが大きい種類の半導体物質とバンドギャップエネルギが小さい半導体物質が互いに交互に積層された構造であり得、発光する光の波長帯によって異なる3族ないし5族半導体物質を含むこともできる。活性層33が放出する光は青色波長帯の光に制限されず、場合によって赤色、緑色波長帯の光を放出することもできる。活性層33の長さは0.05μm~0.25μmの範囲を有することができるが、これに制限されるものではない。
【0239】
一方、活性層33で放出される光は発光素子30の長手方向の側面および両端部に位置する側面(または底面)に放出され得る。活性層33で放出される光は一方向に方向性が制限されない。
【0240】
電極物質層37はオーミック(Ohmic)接触電極であり得る。ただし、これに制限されず、ショットキー(Schottky)接触電極でもあり得る。電極物質層37は伝導性がある金属を含み得る。例えば、電極物質層37はアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、インジウム(In)、金(Au)、銀(Ag)、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)およびITZO(Indium Tin-Zinc Oxide)の少なくともいずれか一つを含み得る。電極物質層37は同じ物質を含み得、互いに異なる物質を含むこともでき、これに制限されるものではない。
【0241】
絶縁膜38は第1導電型半導体31、第2導電型半導体32、活性層33および電極物質層37と接触してこれらの外面を包むように形成される。絶縁膜38は前記部材を保護する機能をすることができる。一例として、絶縁膜38は前記部材の側面部を囲むように形成され、発光素子30の長手方向の両端部は露出するように形成されることができる。ただし、これに制限されない。
【0242】
絶縁膜38は絶縁特性を有する物質、例えば、シリコン酸化物(Silicon oxide,SiOx)、シリコン窒化物(Silicon nitride,SiNx)、酸窒化シリコン(SiOxNy)、窒化アルミニウム(Aluminum nitride,AlN)、酸化アルミニウム(Aluminum oxide,Al2O3)などを含み得る。そのため活性層33が、発光素子30が電気信号が伝達される電極と直接接触する場合に発生し得る電気的短絡を防止することができる。また、絶縁膜38は活性層33を含んで発光素子30の外面を保護するので、発光効率の低下を防止することができる。
【0243】
図面では絶縁膜38が発光素子30の長さ方向に延びて第1導電型半導体31から電極物質層37までカバーできるように形成されたことを示しているが、これに制限されない。絶縁膜38は第1導電型半導体31、活性層33および第2導電型半導体32のみをカバーしたり、電極物質層37外面の一部のみをカバーして電極物質層37の一部外面が露出することもできる。絶縁膜38の厚さは0.5μm~1.5μmの範囲を有することができるが、これに制限されるものではない。
【0244】
図34は一実施形態による方法で製造された表示装置の平面図である。
図35は
図34のI-I’線を沿って切断した表示装置の部分断面図である。
【0245】
図34を参照すると、表示装置1は複数の画素PXを含み得る。画素PXそれぞれは特定波長帯の光を放出する発光素子30を一つ以上含んで特定色を表示する。
【0246】
複数の画素PXそれぞれは第1サブ画素SPX1、第2サブ画素SPX2および第3サブ画素SPX3を含み得る。第1サブ画素SPX1は第1色の光を発光し、第2サブ画素SPX2は第2色の光を発光し、第3サブ画素SPX3は第3色の光を発光する。第1色は赤色、第2色は緑色、第3色は青色であり得るが、これに制限されず、各サブ画素SPXnが同じ色の光を発光することもできる。また、
図34では画素SPXそれぞれが3個のサブ画素を含むことを例示したが、これに制限されず、画素PXそれぞれはより多くの数のサブ画素を含み得る。
【0247】
表示装置1の各サブ画素SPXnは発光領域と非発光領域で定義される領域を含み得る。発光領域は表示装置1に含まれる発光素子30が配置されて特定波長帯の光が放出される領域で定義される。非発光領域は発光領域以外の領域であり、発光素子30が配置されず光が放出されない領域で定義される。
【0248】
表示装置1のサブ画素SPXnは複数の隔壁41,42,43、複数の電極21,22および発光素子30を含み得る。
【0249】
複数の電極21,22は発光素子30と電気的に接続され、発光素子30が発光するように所定の電圧の印加を受ける。また、各電極21,22の少なくとも一部は発光素子30を整列するために、サブ画素SPXn内に電場を形成するために活用される。ただし、これに制限されず、場合によって前記電場は別途の整列信号印加装置によって形成されることもできる。
【0250】
複数の電極21,22は第1電極21および第2電極22を含み得る。第1電極21と第2電極22は互いに離隔して配置される。例示的な実施形態で、第1電極21は各サブ画素SPXnに分離された画素電極であり、第2電極22は各サブ画素SPXnによって共通して連結された共通電極であり得る。第1電極21と第2電極22のいずれか一つは発光素子30のアノード(Anode)電極であり、他の一つは発光素子30のカソード(Cathode)電極であり得る。ただし、これに制限されずその反対の場合であってもよい。
【0251】
第1電極21と第2電極22はそれぞれ第1方向D1に延びて配置される電極幹部21S,22Sと電極幹部21S,22Sで第4方向D4と交差する方向である第5方向D5に延びて分枝する少なくとも一つの電極枝部21B,22Bを含み得る。
【0252】
具体的には、第1電極21は第4方向D4に延びて配置される第1電極幹部21Sと第1電極幹部21Sから分枝するが、第5方向(D5,Y軸方向)に延びる少なくとも一つの第1電極枝部21Bを含み得る。
【0253】
任意の一画素の第1電極幹部21Sは両端が各サブ画素SPXnの間で離隔して終止するが、同一行に属する(例えば、第4方向D4に隣接する)隣り合うサブ画素の第1電極幹部21Sと実質的に同一直線上に置かれる。そのため、各サブ画素SPXnに配置される第1電極幹部21Sは各第1電極枝部21Bに互いに異なる電気信号を印加でき、第1電極枝部21Bはそれぞれ別個に駆動されることができる。
【0254】
第2電極22は第4方向D4に延びて第1電極幹部21Sと離隔して対向するように配置される第2電極幹部22Sと第2電極幹部22Sから分枝するが、第2方向D2に延びて配置される第2電極枝部22Bを含み得る。ただし、第2電極幹部22Sは他端部が第1方向D1に隣接する複数のサブ画素SPXnに延びる。そのため、任意の一画素第2電極幹部22Sは両端が各画素PXの間で隣画素の第2電極幹部22Sに連結される。
【0255】
複数の隔壁40は各サブ画素SPXn間の境界に配置される第3隔壁43、各電極21,22の下部に配置される第1隔壁41および第2隔壁42を含み得る。
【0256】
第3隔壁43は各サブ画素SPXn間の境界に配置される。複数のサブ画素SPXnは第3隔壁43を基準として区分される。
【0257】
第1電極枝部21Bと第2電極枝部22Bの間には複数の発光素子30が整列する。複数の発光素子30の少なくとも一部は一端部が第1電極枝部21Bと電気的に接続され、他端部が第2電極枝部22Bと電気的に接続される。
【0258】
複数の発光素子30は第5方向D5に離隔し、実質的に互いに平行するように整列する。発光素子30が離隔する間隔は特に制限されない。
【0259】
第1電極枝部21Bと第2電極枝部22B上にはそれぞれ接触電極26が配置される。接触電極26は実質的に第1絶縁層51上に配置され、接触電極26の少なくとも一部が第1電極枝部21Bおよび第2電極枝部22Bと接触したり電気的に接続される。
【0260】
図34および
図35を参照すると、表示装置1はビア層20をさらに含み、上述した複数の電極21,22、隔壁41,42,43および発光素子30などはビア層20上に配置される。ビア層20の下部には回路素子層(図示せず)がさらに配置される。ビア層20は有機絶縁物質を含んで表面平坦化機能を行うことができる。
【0261】
複数の隔壁41,42,43は各サブ画素PXn内で互いに離隔して配置される。複数の隔壁41,42,43はサブ画素PXnの中心部に隣接して配置された第1隔壁41および第2隔壁42、サブ画素PXn間の境界に配置された第3隔壁43を含み得る。
【0262】
第1隔壁41と第2隔壁42は互いに離隔して対向するように配置される。第1隔壁41上には第1電極21が、第2隔壁42上には第2電極22が配置される。
図34と
図35では第1隔壁41上には第1電極枝部21Bが、第2隔壁42上には第2電極枝部22Bが配置されたものとして理解され得る。
【0263】
複数の隔壁41,42,43はポリイミド(Polyimide,PI)を含み得る。
【0264】
複数の隔壁41,42,43はビア層20を基準として少なくとも一部が突出した構造を有する。隔壁41,42,43は発光素子30が配置された平面を基準として上部に突出し得、前記突出した部分は少なくとも一部が傾斜を有する。図面に示すように、第1隔壁41と第2隔壁42は同じ高さで突出するが、第3隔壁43はさらに高い位置に突出した形状を有することができる。
【0265】
第1隔壁41と第2隔壁42上には第1電極21および第2電極22がそれぞれ配置される。第1電極21および第2電極22は発光素子30に電気信号を伝達すると同時に発光素子30から放出された光を反射する。例示的な実施形態で、第1電極21と第2電極22は反射率が高伝導物質を含み得る。一例として、第1電極21および第2電極22はアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、ランタン(La)などを含む合金であり得る。ただしこれに制限されるものではない。
【0266】
第1絶縁層51は第1電極21と第2電極22を部分的に覆うように配置される。第1絶縁層51は第1電極21と第2電極22の一部を露出させる。第1絶縁層51は第1電極21と第2電極22が離隔した領域と、第1電極21および第2電極22の前記領域の反対側も部分的に覆うように配置される。
【0267】
第1絶縁層51は第1電極21と第2電極22を保護すると同時にこれらを相互絶縁させる。また、第1絶縁層51上に配置される発光素子30が他の部材と直接接触して損傷することを防止することもできる。
【0268】
発光素子30は第1絶縁層51上に配置される。発光素子30は第1電極21と第2電極22の間の第1絶縁層51上に少なくとも一つ配置される。
【0269】
第2絶縁層52は発光素子30上に部分的に配置される。第2絶縁層52は発光素子30を保護すると同時に表示装置1の製造工程で発光素子30を固定させる機能を行うこともできる。第2絶縁層52は発光素子30の外面を包むように配置される。すなわち、第2絶縁層52の材料の一部は発光素子30の下面と第1絶縁層51の間に配置されることもできる。
【0270】
接触電極26は各電極21,22および第2絶縁層52上に配置される。接触電極26は第1電極21上に配置される第1接触電極26aと第2電極22上に配置される第2接触電極26bを含む。第1接触電極26aと第2接触電極26bは第2絶縁層52上で互いに離隔して配置される。そのため、第2絶縁層52は第1接触電極26aと第2接触電極26bを相互絶縁させることができる。
【0271】
第1接触電極26aは少なくとも第1絶縁層51がパターニングされて露出した第1電極21および発光素子30の一端部と接触する。第2接触電極26bは少なくとも第1絶縁層51がパターニングされて露出した第2電極22および発光素子30の他端部と接触する。
【0272】
接触電極26は伝導性物質を含み得る。例えば、ITO、IZO、ITZO、アルミニウム(Al)などを含み得る。ただし、これに制限されるものではない。
【0273】
パッシベーション層55は第2絶縁層52および接触電極26の上部に形成され、ビア層20上に配置される部材を外部環境に対して保護する機能をすることができる。
【0274】
上述した第1絶縁層51、第2絶縁層52およびパッシベーション層55それぞれは無機物絶縁性物質または有機物絶縁性物質を含み得る。例示的な実施形態で、第1絶縁層51およびパッシベーション層55はシリコン酸化物(SiOx)、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸窒化物(SiOxNy)、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)などのような物質を含み得る。
【0275】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明のその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【国際調査報告】