(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(54)【発明の名称】加熱ユニットの制御方法、加熱ユニット及び冷蔵冷凍装置
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20230329BHJP
F25D 23/12 20060101ALI20230329BHJP
F25D 19/00 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
A47J27/00 109L
F25D23/12 S
F25D19/00 550B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547676
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(85)【翻訳文提出日】2022-09-15
(86)【国際出願番号】 CN2021076240
(87)【国際公開番号】W WO2021164648
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】202010099918.1
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020180615.8
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520514425
【氏名又は名称】青島海尓電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(71)【出願人】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】戚 斐斐
(72)【発明者】
【氏名】宋 向鵬
(72)【発明者】
【氏名】崔 展鵬
(72)【発明者】
【氏名】韓 志強
(72)【発明者】
【氏名】薛 文超
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA50
4B055BA22
4B055CA73
4B055CD60
4B055DB14
4B055GB50
4B055GD02
(57)【要約】
加熱ユニット(100)の制御方法、加熱ユニット(100)及び冷蔵冷凍装置(200)を提供する。制御方法は、電磁波発生モジュール(120)によって出力された順電力信号と電磁波発生モジュール(120)に戻る逆電力信号とを取得するステップ(S702)と、順電力信号及び逆電力信号から処理対象物の電磁波吸収率を計算するステップ(S704)と、順電力信号の電力値及び電磁波吸収率に基づいて放熱ファン(190)の回転数を調整するステップ(S706)を含む。電磁波発生モジュール(120)によって出力された順電力信号の電力値及び処理対象物の電磁波吸収率に基づいて電磁波発生モジュール(120)を放熱する放熱ファン(190)の回転数を調整することにより、電磁波発生モジュール(120)の温度に基づいて放熱ファン(190)の回転数を調整する場合と比較して、追加の温度感知装置を設ける必要がなく、電磁波発生モジュール(120)によって発生した熱をより正確に反映することができ、電磁波発生モジュール(120)を十分に放熱しつつ、望ましくないエネルギーの浪費や騒音被害を回避する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱ユニットの制御方法であって、
前記加熱ユニットは、
処理対象物を収容するためのシリンダと、
少なくとも一部が前記シリンダ内に設けられるか又は前記シリンダ内にアクセス可能な、電磁波信号を発生させるための電磁波発生モジュール及び前記電磁波発生モジュールを放熱する放熱ファンを含む電磁波発生システムと、を含み、
前記電磁波発生モジュールによって出力された順電力信号と、前記電磁波発生モジュールに戻る逆電力信号と、を取得するステップと、
前記順電力信号及び前記逆電力信号から処理対象物の電磁波吸収率を計算するステップと、
前記順電力信号の電力値及び前記電磁波吸収率に基づいて前記放熱ファンの回転数を調整するステップと、を含む、
加熱ユニットの制御方法。
【請求項2】
前記順電力信号の電力値及び前記電磁波吸収率に基づいて前記放熱ファンの回転数を調整する前記ステップは、
前記順電力信号の電力値及び前記電磁波吸収率に基づいて、予め設定された回転数対照関係に従って前記放熱ファンの回転数を整合させるステップを含み、
前記回転数対照関係には、各範囲の電力値及び各範囲の電磁波吸収率に対応する回転数が記憶されており、
前記順電力信号の電力値が同じである場合、前記放熱ファンの回転数は各範囲の電磁波吸収率の平均値と負の相関を示し、前記電磁波吸収率が同じである場合、前記放熱ファンの回転数は各範囲の電力値の平均値と正の相関を示す、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記電磁波発生モジュールは、周波数源と、電力増幅器と、処理ユニットと、を含み、
前記処理ユニットの温度を取得するステップと、
前記処理ユニットの温度が所定の温度閾値以上である場合、前記周波数源及び電力増幅器を制御して作動を停止させるステップと、をさらに含む、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】
前記周波数源及び電力増幅器を制御して作動を停止させる前記ステップの後に、
前記放熱ファンを制御して、定格回転数で第1の所定時間だけ作動させ、前記第1の所定時間後に作動を停止させるステップをさらに含む、
請求項3に記載の制御方法。
【請求項5】
加熱ユニットであって、
処理対象物を収容するためのシリンダと、
少なくとも一部が前記シリンダ内に設けられるか又は前記シリンダ内にアクセス可能な、前記シリンダ内で電磁波を発生させて処理対象物を加熱し、電磁波信号を発生させるための電磁波発生モジュール及び前記電磁波発生モジュールを放熱する放熱ファンを含む電磁波発生システムと、
請求項1~4のいずれか1項に記載の制御方法を実行するように構成されたコントローラと、を含む、
加熱ユニット。
【請求項6】
前記電磁波発生システムは、
前記シリンダ内に設けられ、前記電磁波発生モジュールに電気的に接続され、前記シリンダ内で電磁波を放射する放射アンテナと、
前記電磁波発生モジュールと前記放射アンテナとの間に直列接続され、前記順電力信号及び前記逆電力信号を監視するように構成された双方向カプラと、をさらに含み、
前記シリンダは、処理対象物を収容するための加熱室が画定されており、
前記電磁波発生モジュールは前記加熱室の外側に設けられる、
請求項5に記載の加熱ユニット。
【請求項7】
冷蔵冷凍装置であって、
少なくとも1つの貯蔵室が画定されている箱体と、
請求項5又は6に記載の加熱ユニットと、を含み、
前記シリンダは1つの前記貯蔵室内に設けられ、前記電磁波発生モジュールは前記箱体の断熱層の外側に設けられる、
冷蔵冷凍装置。
【請求項8】
前記電磁波発生モジュール及び前記放熱ファンを内部に収容するように構成されたハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、前記放熱ファンの前記電磁波発生モジュールから離れた側に位置し、前記ハウジング内の空間を空気入口エリアと空気出口エリアに仕切るセパレータと、をさらに含み、
前記放熱ファン及び前記電磁波発生モジュールは、前記空気出口エリアに設けられ、
前記空気入口エリア及び前記空気出口エリアにはそれぞれ、前記放熱ファンの周方向に少なくとも1つの空気入口と少なくとも1つの空気出口とが設けられ、前記セパレータは前記放熱ファンに対応する位置に少なくとも1つの換気口が設けられ、
前記少なくとも1つの空気入口のそれぞれから前記少なくとも1つの換気口までの気流の流動方向は、前記少なくとも1つの換気口から各前記空気出口までの空気の流動方向に対して垂直である、
請求項7に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項9】
前記電磁波発生システムは、
前記電磁波発生モジュールに電気エネルギーを供給するように構成された給電モジュールをさらに含み、
前記給電モジュールは、前記空気出口エリアに設けられ、前記少なくとも1つの換気口から各前記空気出口までの空気の流動方向に対して垂直な前記電磁波発生モジュールの側方に位置し、
前記給電モジュールには前記セパレータに熱的に接続された熱伝導性材料が設けられている、
請求項8に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項10】
箱体と、加熱ユニットと、を含む冷蔵冷凍装置であって、
前記加熱ユニットは、
前記箱体内に設けられ、処理対象物を収容するためのシリンダと、
少なくとも一部が前記シリンダ内に設けられるか又は前記シリンダ内にアクセス可能な、前記シリンダ内で電磁波を発生させて処理対象物を加熱する電磁波発生システムと、を含み、
前記電磁波発生システムは、
電磁波信号を発生させるように構成された電磁波発生モジュールと、
前記電磁波発生モジュールに電気エネルギーを供給するように構成された給電モジュールと、を含み、
さらに、前記加熱ユニットは、
前記電磁波発生モジュール及び前記給電モジュールを放熱するように構成された少なくとも1つの放熱ファンをさらに含む、
ことを特徴とする冷蔵冷凍装置。
【請求項11】
前記電磁波発生モジュールに垂直であり、前記電磁波発生モジュールに熱的に接続された複数のリブを含む放熱フィンをさらに含み、
前記少なくとも1つの放熱ファンは、前記放熱フィンの前記電磁波発生モジュールから離れた側に設けられ、前記電磁波発生モジュールへ気流を吹き出すように構成され、
前記電磁波発生モジュール及び前記給電モジュールは、前記箱体の断熱層の外側に設けられ、及び/又は
前記少なくとも1つの放熱ファンは、前記電磁波発生モジュールの上方に設けられる、
請求項10に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項12】
前記複数のリブの延伸方向は、前記電磁波発生モジュールの前記給電モジュールへの接近方向に垂直であるように構成され、
前記電磁波発生モジュールの中央部に熱的に接続された少なくとも1つの前記リブには、前記電磁波発生モジュールへ接近する方向へ窪んだ収容部が設けられ、
前記少なくとも1つの放熱ファンは、前記収容部に設けられ、前記複数のリブの延伸方向に垂直な方向の突出部が、少なくとも1つの前記リブ内にある、
請求項11に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの放熱ファンは、前記給電モジュールを介して空気を吸い込み、前記電磁波発生モジュールへの空気の吹き出しを促進するように構成された、
請求項10に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項14】
前記電磁波発生モジュール、前記給電モジュール及び前記少なくとも1つの放熱ファンを内部に収納するように構成されたハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、前記少なくとも1つの放熱ファンの前記電磁波発生モジュールから離れた側に位置し、前記ハウジング内の空間を空気入口エリアと空気出口エリアに仕切るセパレータと、をさらに含み、
前記少なくとも1つの放熱ファン及び前記電磁波発生モジュールは、前記空気出口エリアに設けられ、
前記空気入口エリア及び前記空気出口エリアにはそれぞれ、前記少なくとも1つの放熱ファンの周方向に少なくとも1つの空気入口及び少なくとも1つの空気出口が設けられ、前記セパレータには、前記少なくとも1つの放熱ファンに対応する位置に少なくとも1つの換気口が設けられた、
請求項10に記載の冷蔵冷凍装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つの空気入口のそれぞれから前記少なくとも1つの換気口までの空気の流動方向は、前記少なくとも1つの換気口から各前記空気出口までの気流の流動方向に対して垂直であり、
前記給電モジュールは、前記空気出口エリアに設けられ、前記少なくとも1つの換気口から各前記空気出口までの気流の流動方向に対して垂直な前記電磁波発生モジュールの側方に位置し、
前記給電モジュール及び前記セパレータに熱的に接続されるように構成された熱伝導性材料をさらに含む、
請求項14に記載の冷蔵冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品処理の分野に関し、特に加熱ユニットの制御方法、加熱ユニット及び冷蔵冷凍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品を冷凍することにより、食品の品質が保持されるが、冷凍後の食品は加工したり食べたりする前に加熱を必要とする。ユーザが食品を簡便に冷凍、加熱できるように、従来技術では、冷蔵庫などの冷蔵冷凍装置に食品を解凍するための電磁波加熱ユニットが設けられるのが一般的である。
【0003】
しかし、加熱ユニットの電磁波発生システムは、作動過程で大量の熱を発生させ、貯蔵室の温度変動を引き起こし、貯蔵室内の食材の保存品質に悪影響を与えるだけでなく、電磁波発生システム自体の作動効率を低下させ、電気機器が長期間高温状態に晒されると、その耐用年数が大幅に短縮される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の第1の態様の目的は、従来技術の少なくとも1つの技術的欠点を解決し、電磁波加熱ユニットの制御方法を提供することである。
【0005】
本発明の第1の態様のさらなる目的は、エネルギー消費量を低下させることである。
【0006】
本発明の第2の態様の目的は、加熱ユニットを提供することである。
【0007】
本発明の第3の態様の目的は、加熱ユニットを備えた冷蔵冷凍装置を提供することである。
【0008】
本発明の第3の態様のさらなる目的は、電磁波発生システムの放熱効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、
加熱ユニットの制御方法であって、
前記加熱ユニットは、処理対象物を収容するためのシリンダと、少なくとも一部が前記シリンダ内に設けられるか又は前記シリンダ内にアクセス可能な、電磁波信号を発生させるための電磁波発生モジュール及び前記電磁波発生モジュールを放熱する放熱ファンを含む電磁波発生システムと、を含み、
前記電磁波発生モジュールによって出力された順電力信号と、前記電磁波発生モジュールに戻る逆電力信号と、を取得するステップと、
前記順電力信号及び前記逆電力信号から処理対象物の電磁波吸収率を計算するステップと、
前記順電力信号の電力値及び前記電磁波吸収率に基づいて前記放熱ファンの回転数を調整するステップと、を含む、加熱ユニットの制御方法を提供する。
【0010】
好ましくは、前記順電力信号の電力値及び前記電磁波吸収率に基づいて前記放熱ファンの回転数を調整する前記ステップは、
前記順電力信号の電力値及び前記電磁波吸収率に基づいて、予め設定された回転数対照関係に従って前記放熱ファンの回転数を整合させるステップを含み、
前記回転数対照関係には各範囲の電力値及び各範囲の電磁波吸収率に対応する回転数が記憶されており、かつ
前記順電力信号の電力値が同じである場合、前記放熱ファンの回転数は各範囲の電磁波吸収率の平均値と負の相関を示し、前記電磁波吸収率が同じである場合、前記放熱ファンの回転数は各範囲の電力値の平均値と正の相関を示す。
【0011】
好ましくは、前記電磁波発生モジュールは、周波数源と、電力増幅器と、処理ユニットを含み、
前記制御方法は、前記処理ユニットの温度を取得するステップと、
前記処理ユニットの温度が所定の温度閾値以上である場合、前記周波数源及び電力増幅器を制御して作動を停止させるステップと、をさらに含む。
【0012】
好ましくは、前記周波数源及び電力増幅器を制御して作動を停止させる前記ステップの後に、
前記放熱ファンを制御して、定格回転数で第1の所定時間だけ作動させ、前記第1の所定時間後に作動を停止させるステップをさらに含む。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、
処理対象物を収容するためのシリンダと、
少なくとも一部が前記シリンダ内に設けられるか又は前記シリンダ内にアクセス可能な、前記シリンダ内で電磁波を発生させて処理対象物を加熱し、電磁波信号を発生させるための電磁波発生モジュール及び前記電磁波発生モジュールを放熱する放熱ファンを含む電磁波発生システムと、
上記のいずれか1つに記載の制御方法を実行するように構成されたコントローラと、を含む、加熱ユニットを提供する。
【0014】
好ましくは、前記電磁波発生システムは、
前記シリンダ内に設けられ、前記電磁波発生モジュールに電気的に接続され、前記シリンダ内で電磁波を放射する放射アンテナと、
前記電磁波発生モジュールと前記放射アンテナとの間に直列接続され、前記順電力信号及び前記逆電力信号を監視するように構成された双方向カプラと、をさらに含む。
【0015】
好ましくは、前記シリンダは、処理対象物を収容するための加熱室が画定されており、かつ
前記電磁波発生モジュールは前記加熱室の外側に設けられる。
【0016】
本発明の第3の態様によれば、
少なくとも1つの貯蔵室が画定されている箱体と、
上記のいずれか1つに記載の加熱ユニットと、を含み、
前記シリンダは1つの前記貯蔵室内に設けられ、かつ前記電磁波発生モジュールは前記箱体の断熱層の外側に設けられる、冷蔵冷凍装置を提供する。
【0017】
好ましくは、前記冷蔵冷凍装置は、
前記電磁波発生モジュール及び前記放熱ファンを内部に収容するように構成されたハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、かつ前記放熱ファンの前記電磁波発生モジュールから離れた側に位置し、前記ハウジング内の空間を空気入口エリアと空気出口エリアに仕切るセパレータと、をさらに含み、
前記放熱ファン及び前記電磁波発生モジュールは、前記空気出口エリアに設けられ、
前記空気入口エリア及び前記空気出口エリアにはそれぞれ、前記放熱ファンの周方向に少なくとも1つの空気入口と少なくとも1つの空気出口が設けられ、前記セパレータは前記放熱ファンに対応する位置に少なくとも1つの換気口が設けられ、
前記少なくとも1つの空気入口のそれぞれから前記少なくとも1つの換気口までの空気の流動方向は、前記少なくとも1つの換気口から各前記空気出口までの空気の流動方向に対して垂直である。
【0018】
好ましくは、前記電磁波発生システムは、
前記電磁波発生モジュールに電気エネルギーを供給するように構成された給電モジュールをさらに含み、
前記給電モジュールは、前記空気出口エリアに設けられ、前記少なくとも1つの換気口から各前記空気出口までの空気の流動方向に対して垂直な前記電磁波発生モジュールの側方に位置し、
前記給電モジュールには、前記セパレータに熱的に接続された熱伝導性材料が設けられている。
【0019】
本発明では、電磁波発生モジュールによって出力された順電力信号の電力値及び処理対象物の電磁波吸収率に基づいて、電磁波発生モジュールを放熱する放熱ファンの回転数を調整している。これにより、電磁波発生モジュールの温度に基づいて放熱ファンの回転数を調整する場合と比較して、追加の温度感知装置を設ける必要がなく、電磁波発生モジュールによって発生した熱をより正確に反映することができ、電磁波発生モジュールを十分に放熱しつつ、望ましくないエネルギーの浪費や騒音被害を回避し、ユーザのエクスペリエンスを向上させる。
【0020】
さらに、本発明では、電磁波発生モジュールは、箱体の断熱層の外側に設けられ、ハウジングは、空気入口エリアと空気出口エリアに仕切られ、電磁波発生モジュール及び放熱ファンは、空気出口エリアに設けられ、いずれか1つの空気入口から換気口までの空気の流動方向が、当該換気口から各空気出口までの空気の流動方向に対して垂直である。これにより、電磁波発生システムによって発生した熱の箱体の貯蔵室への影響を低減させ、貯蔵室内の食材の保存品質を向上させるだけでなく、放熱ファンの風の抵抗を低下させ、さらに放熱効率を向上させる。加えて、水や埃が空気入口及び空気出口を介してハウジング内に侵入し、電磁波発生モジュール及び放熱ファンへの湿気や埃の蓄積を引き起こすことを回避し、安全上のリスクを回避する。
【0021】
さらに、本発明では、給電モジュールは、空気出口エリアのうち少なくとも1つの換気口から各空気出口までの気流の流動方向に対して垂直な電磁波発生モジュールの側方に位置し、セパレータと給電モジュールを接続するための熱伝導性材料を設けている。これにより、放熱ファンは、気流の吹込み及び空気出口において給電モジュール及び電磁波発生モジュールをそれぞれ放熱することで、構造をよりコンパクトにしている。また、全体として電磁波発生モジュール及び給電モジュールの放熱効率を向上させ、処理対象物の加熱効率を確保し、電磁波発生モジュール及び給電モジュールの耐用年数を延ばす。
【0022】
本発明の別の態様によれば、
箱体と、加熱ユニットと、を含む冷蔵冷凍装置であって、
前記加熱ユニットは、
前記箱体内に設けられ、処理対象物を収容するためのシリンダと、
少なくとも一部が前記シリンダ内に設けられるか又は前記シリンダ内にアクセス可能な、前記シリンダ内で電磁波を発生させて処理対象物を加熱する電磁波発生システムと、を含み、
前記電磁波発生システムは、
電磁波信号を発生させるように構成された電磁波発生モジュールと、
前記電磁波発生モジュールに電気エネルギーを供給するように構成された給電モジュールと、を含み、
前記加熱ユニットは、
前記電磁波発生モジュール及び前記給電モジュールを放熱するように構成された少なくとも1つの放熱ファンをさらに含む、ことを特徴とする冷蔵冷凍装置をさらに提供する。
【0023】
好ましくは、前記冷蔵冷凍装置は、
前記電磁波発生モジュールに垂直であり、前記電磁波発生モジュールに熱的に接続された複数のリブを含む放熱フィンをさらに含み、
前記少なくとも1つの放熱ファンは前記放熱フィンの前記電磁波発生モジュールから離れた側に設けられ、前記電磁波発生モジュールへ空気を吹き出すように構成され、
前記電磁波発生モジュール及び前記給電モジュールは前記箱体の断熱層の外側に設けられ、及び/又は
前記少なくとも1つの放熱ファンは前記電磁波発生モジュールの上方に設けられる。
【0024】
好ましくは、前記複数のリブの延伸方向は、前記電磁波発生モジュールの前記給電モジュールへの接近方向に垂直であるように構成され、
前記電磁波発生モジュールの中央部に熱的に接続された少なくとも1つの前記リブには、前記電磁波発生モジュールへ接近する方向へ窪んだ収容部が設けられ、かつ
前記少なくとも1つの放熱ファンは、前記収容部に設けられ、前記複数のリブの延伸方向に垂直な方向の突出部が、少なくとも1つの前記リブ内にある。
【0025】
好ましくは、前記少なくとも1つの放熱ファンは、前記給電モジュールを介して空気を吸い込んで、前記電磁波発生モジュールへの空気の排出を促進するように構成される。
【0026】
好ましくは、前記冷蔵冷凍装置は、
前記電磁波発生モジュール、前記給電モジュール及び前記少なくとも1つの放熱ファンを内部に収納するように構成されたハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、前記少なくとも1つの放熱ファンの前記電磁波発生モジュールから離れた側に位置し、前記ハウジング内の空間を空気入口エリアと空気出口エリアに仕切るセパレータとをさらに含み、
前記少なくとも1つの放熱ファン及び前記電磁波発生モジュールは前記空気出口エリアに設けられ、かつ
前記空気入口エリア及び前記空気出口エリアにはそれぞれ、前記少なくとも1つの放熱ファンの周方向に少なくとも1つの空気入口及び少なくとも1つの空気出口が設けられ、前記セパレータには、前記少なくとも1つの放熱ファンに対応する位置に少なくとも1つの換気口が設けられる。
【0027】
好ましくは、前記少なくとも1つの空気入口のそれぞれから前記少なくとも1つの換気口までの空気の流動方向は、前記少なくとも1つの換気口から各前記空気出口までの気流の流動方向に対して垂直であり、
前記給電モジュールは、前記空気出口エリアに設けられ、前記少なくとも1つの換気口から各前記空気出口までの気流の流動方向に対して垂直な前記電磁波発生モジュールの側方に位置し、
前記冷蔵冷凍装置は、前記給電モジュール及び前記セパレータに熱的に接続されるように構成された熱伝導性材料をさらに含む。
【0028】
本発明では、放熱ファンは電磁波発生モジュール及び給電モジュールを同時に放熱することによって、電磁波発生モジュール及び給電モジュールに対する効率的な冷却が図られるだけでなく、占有空間が少なくなり、冷蔵冷凍装置の貯蔵空間が増大する。
【0029】
さらに、本発明では、ハウジングは、空気入口エリアと空気出口エリアに仕切られ、電磁波発生モジュール、給電モジュール及び放熱ファンは全て空気出口エリアに設けられ、放熱ファンは空気の吸い込み及び空気出口において給電モジュール及び電磁波発生モジュールをそれぞれ放熱している。これにより、構造をよりコンパクトにし、全体として電磁波発生モジュール及び給電モジュールの放熱効率を向上させ、処理対象物の加熱効率を確保し、電磁波発生モジュール及び給電モジュールの耐用年数を延ばす。
【0030】
さらに、本発明では、電磁波発生モジュール及び給電モジュールは箱体の断熱層の上方に設けられ、いずれか1つの空気入口から換気口までの空気の流動方向が、当該換気口から各空気出口までの空気の流動方向に対して垂直であることによって、電磁波発生システムによって発生した熱の箱体の貯蔵室への影響を低減させ、貯蔵室内の食材の保存品質を向上させるだけでなく、放熱ファンの風の抵抗を低下させ、さらに放熱効率を向上させ、さらに、水や埃が空気入口及び空気出口を介してハウジング内に侵入し、電磁波発生モジュール及び放熱ファンへの湿気や埃の蓄積を引き起こすことを回避し、安全上のリスクを回避する。
【0031】
以下、図面を参照した本発明の具体的な実施例の詳細な説明によって、当業者は本発明の上記及び他の目的、利点及び特徴をより理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
以下、図面を参照して本発明のいくつかの具体的な実施例を限定的ではなく例示的に詳細に説明する。図中の同じ符号は同一又は類似の部材又は部分を表す。当業者にとって明らかなように、これらの図面は必ずしも実際の縮尺で作成されている訳ではない。
【
図1】本発明の一実施例に係る冷蔵冷凍装置の模式的な分解図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る加熱ユニットの構造模式図である。
【
図4】
図2の電磁波発生モジュールの構造模式図である。
【
図5】
図1に示す冷蔵冷凍装置の模式的な部分断面図である。
【
図6】
図5の空気出口エリアの模式的な上面図である。
【
図7】本発明の一実施例に係る加熱ユニットの制御方法の模式的なフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施例に係る加熱ユニットの制御方法の詳細なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は本発明の一実施例に係る冷蔵冷凍装置200の模式的な分解図であり、
図2は本発明の一実施例に係る加熱ユニット100の構造模式図である。
図1及び
図2に示すように、冷蔵冷凍装置200は、少なくとも1つの貯蔵室が画定されている箱体210と、少なくとも1つの貯蔵室を開閉する少なくとも1つのドアと、加熱ユニット100と、コントローラを含む。本発明では、冷蔵冷凍装置200は、冷蔵庫、冷凍庫、冷凍ショーケース、ワインクーラなど、冷蔵又は冷凍機能を有する装置であってもよい。
【0034】
箱体210は、少なくとも1つの貯蔵室が画定されている内箱と、外箱と、内箱と外箱との間に設けられた断熱層を含む。
【0035】
加熱ユニット100は、箱体210の1つの貯蔵室内に設けられたシリンダ110と、ドアと、電磁波発生システムと、を含む。
【0036】
具体的には、シリンダ110は、処理対象物170を収容するための加熱室が形成され、かつその前壁に、処理対象物170を出し入れするための出し入れ口が設けられる。
【0037】
ドアは、出し入れ口を開閉するために、例えば、スライドレール接続、ヒンジ連結など適切な方法によってシリンダ110に取り付けられる。
【0038】
電磁波発生システムは、少なくとも一部がシリンダ110内に設けられるか、又は、シリンダ110内にアクセスして、シリンダ110内で電磁波を発生させて処理対象物170を加熱する。
【0039】
シリンダ110及びドアのそれぞれは、電磁シールド機能が設けられる。これにより、ドアは閉じた状態でシリンダ110に導電可能に接続され、電磁漏れを防止する。
【0040】
図3は
図2のコントローラの構造模式図である。
図3に示すように、コントローラ140は、処理ユニット141と記憶ユニット142とを含む。これらのうち、記憶ユニット142にはコンピュータプログラム143が記憶されており、コンピュータプログラム143は処理ユニット141によって実行されることで、本発明の実施例における制御方法を実現する。
【0041】
いくつかの実施例では、電磁波発生システムは、電磁波発生モジュール120と、給電モジュール180と、放射アンテナ150と、マッチングモジュール160と、を含む。
【0042】
電磁波発生モジュール120は、電磁波信号を発生させるように構成される。
図4は、
図2の電磁波発生モジュール120の構造模式図である。
図4に示すように、いくつかの実施例では、電磁波発生モジュール120は、周波数源121と、電力増幅器122と、処理ユニット123と、を含む。
【0043】
給電モジュール180は、電磁波発生モジュール120に電気的に接続され、電磁波発生モジュール120に電気エネルギーを供給し、電磁波発生モジュール120に電磁波信号を発生させるように構成される。
【0044】
放射アンテナ150は、シリンダ110内に設けられ、電磁波発生モジュール120に電気的に接続される。これにより、電磁波信号に基づいて対応する周波数の電磁波が発生し、シリンダ110内の処理対象物170を加熱する。
【0045】
マッチングモジュール160は、電磁波発生モジュール120と放射アンテナ150との間に直列接続され、自身のインピーダンスを調整することで、電磁波発生モジュール120の負荷インピーダンスを調整可能に構成される。これにより、負荷整合が図られ、加熱効率が向上する。
【0046】
いくつかのさらなる実施例では、シリンダ110は金属で製造され、放射アンテナ150の受信極として機能してもよい。本実施例では、シリンダ110自体はシリンダ110の電磁シールドとして機能する。
【0047】
別のいくつかのさらなる実施例では、電磁波発生システムは、放射アンテナ150に対向して配置されるとともに、電磁波発生モジュール120に電気的に接続された受信極板をさらに含む。本実施例では、シリンダ110の電磁シールド機能として、シリンダ110の内側壁に金属コーティングが塗布されたり、金属メッシュが貼り付けられたりしてもよい。
【0048】
図5は、
図1に示す冷蔵冷凍装置200の模式的な部分断面図である。
図5に示すように、特に、加熱ユニット100は、電磁波発生モジュール120及び給電モジュール180を放熱するための少なくとも1つの放熱ファン190をさらに含む。本発明では、放熱ファン190は、電磁波発生モジュール120及び給電モジュール180を同時に放熱することによって、電磁波発生モジュール120及び給電モジュール180の両方を効率的に冷却でき、占有空間を減少させるだけでなく、冷蔵冷凍装置200の貯蔵空間を増大する。
【0049】
本発明では、放熱ファン190の数は、1つ又は2つ以上であってもよい。本発明を理解しやすくするために、以下、放熱ファン190の数が1つである場合を例として本発明について説明する。
【0050】
いくつかの実施例では、冷蔵冷凍装置200は、電磁波発生モジュール120に熱的に接続された放熱フィン240をさらに含む。これによって、電磁波発生モジュール120の放熱面積を増大し、電磁波発生モジュール120の放熱効率を向上させる。
【0051】
放熱フィン240は、電磁波発生モジュール120に垂直な複数のリブを含む。すなわち、各リブは、それぞれ電磁波発生モジュール120から離れるように延伸し、また、電磁波発生モジュール120のリブの取り付け面に垂直である。
【0052】
放熱フィン240は、電磁波発生モジュール120に熱的に接続されるために、複数のリブが一体成形されたベースプレートをさらに含んでもよい。
【0053】
放熱ファン190は、放熱フィン240の電磁波発生モジュール120から離れた側に設けられ、電磁波発生モジュール120へ気流を吹き出すように構成される。即ち、電磁波発生モジュール120は、放熱ファン190の下流に設けられることで、風の抵抗を低下させ、電磁波発生モジュール120の放熱効率を向上させる。
【0054】
複数のリブの延伸方向は、さらに、電磁波発生モジュール120の給電モジュール180への接近方向に垂直となるように構成されてもよい。これによって、電磁波発生モジュール120によって発生した熱の給電モジュール180への影響が低減される。
【0055】
電磁波発生モジュール120の中央部に熱的に接続された少なくとも1つのリブには、電磁波発生モジュール120への接近方向に窪んだ収容部がさらに設けられる。
【0056】
放熱ファン190は、収容部に設けられ、放熱ファン190の複数のリブの延伸方向に垂直な方向への突出部が、少なくとも1つのリブ内にあり、これによって、熱の給電モジュール180への影響がさらに低減され、電磁波発生モジュール120の放熱効率がさらに向上する。
【0057】
放熱ファン190は、給電モジュール180を介して空気を吸入し、電磁波発生モジュール120への空気の吹き出しを促進するように構成される。これによって、構造のコンパクト性を向上させるとともに、電磁波発生モジュール120及び給電モジュール180の放熱効率を全体的に向上させる。
【0058】
冷蔵冷凍装置200は、ハウジング220とセパレータとをさらに含む。ハウジング220は、電磁波発生モジュール120、給電モジュール180及び放熱ファン190を内部に収納する。
【0059】
セパレータは、ハウジング220内に設けられ、放熱ファン190の電磁波発生モジュール120から離れた側に位置する。これにより、ハウジング220内の空間は、空気入口エリアと空気出口エリアとに仕切られる。放熱ファン190及び電磁波発生モジュール120は空気出口エリアに設けることができる。
【0060】
図6は、
図5の空気出口エリアの模式的な上面図である。
図5及び
図6に示すように、空気入口エリア及び空気出口エリアには、それぞれ、放熱ファン190の周方向に少なくとも1つの空気入口221及び少なくとも1つの空気出口222が設けられる。少なくとも1つの放熱ファン190に対応するセパレータの位置には、少なくとも1つの換気口231が設けられる。これによって、水や埃が空気入口221及び空気出口222を介してハウジング220内に侵入し、電磁波発生モジュール120及び放熱ファン180への湿気や埃の蓄積を引き起こすことを回避し、安全上のリスクを回避する。
【0061】
少なくとも1つの空気入口221のそれぞれから少なくとも1つの換気口231までの空気の流動方向が、少なくとも1つの換気口231から各空気出口222までの空気の流動方向に対して垂直であり、これによって、風の抵抗がさらに低下し、放熱効率が向上する。
【0062】
給電モジュール180は、空気出口エリアに設けられ、少なくとも1つの換気口231から各空気出口222までの空気の流動方向に対して垂直な電磁波発生モジュール120の側方に位置する。これによって、放熱ファン190は、空気の吸い込み及び吹き出す過程で、給電モジュール180及び電磁波発生モジュール120をそれぞれ放熱し、熱の給電モジュール180への影響をさらに低減させ、放熱効率を向上させる。
【0063】
さらに、冷蔵冷凍装置200は、給電モジュール180及びセパレータに熱的に接続された熱伝導性材料250をさらに含む。これによって、給電モジュール180の放熱効率を向上させる。
【0064】
電磁波発生モジュール120、給電モジュール180、放熱ファン190及びハウジング220は、加熱室の外側に設けられる。これによって、電磁波発生モジュール120及び給電モジュール180による熱の加熱室内の処理対象物170への影響が低減される。さらに、電磁波発生モジュール120などは箱体210の断熱層の外側に設けられてもよい。
【0065】
放熱ファン190は、電磁波発生モジュール120の上方に設けられてもよく、即ち、電磁波発生モジュール120は断熱層の上方に設けられてもよい。これによって、電磁波発生モジュール120及び放熱ファン190の安定性が向上する。
【0066】
処理ユニット141は、電磁波発生モジュール120が作動する際に、電磁波発生モジュール120によって出力された順電力信号と、電磁波発生モジュール120に戻る逆電力信号と、を取得し、順電力信号及び逆電力信号から処理対象物170の電磁波吸収率を計算し、次に、順電力信号の電力値(即ち電磁波発生モジュール120の出力電力)及び電磁波吸収率に基づいて放熱ファン190の回転数を調整するよう構成される。
【0067】
電磁波発生モジュール120と放射アンテナ150との間には、双方向カプラ130が直列に接続されて、電磁波発生モジュール120によって出力された順電力信号と、電磁波発生モジュール120に戻る逆電力信号と、を監視する。
【0068】
本発明の加熱ユニット100は、電磁波発生モジュール120によって出力された順電力信号の電力値及び処理対象物170の電磁波吸収率に基づいて、電磁波発生モジュール120を放熱する放熱ファン190の回転数を調整している。このため、電磁波発生モジュール120の温度に基づいて放熱ファン190の回転数を調整する場合と比較して、追加の温度感知装置を設ける必要がなく、電磁波発生モジュール120によって発生した熱をより正確に反映することができ、電磁波発生モジュール120を十分に放熱しつつ、望ましくないエネルギーの浪費や騒音被害を回避し、ユーザのエクスペリエンスを向上させる。
【0069】
いくつかのさらなる実施例では、処理ユニット141は、順電力信号の電力値及び電磁波吸収率に基づいて、予め設定された回転数対照関係に従って放熱ファン190の回転数を整合させるように構成されてもよい。ここで、回転数対照関係には、各範囲の電力値及び各範囲の電磁波吸収率に対応する回転数が記録されている。
【0070】
順電力信号の電力値が同じである場合には、放熱ファン190の回転数は、各範囲の電磁波吸収率の平均値と負の相関を示す。電磁波吸収率が同じである場合、放熱ファン190の回転数は、各範囲の電力値の平均値と正の相関を示す。これにより、電磁波発生モジュール120の放熱の効率化、省エネ化が図られる。
【0071】
回転数対照関係には、異なる電力値、電磁波吸収率及び回転数の式が記載されていてもよい。
【0072】
処理ユニット141は、電磁波発生モジュール120が作動するときに、電磁波発生モジュール120自体の処理ユニット123の温度をリアルタイムで取得し、処理ユニット123の温度が所定の温度閾値以上である場合、周波数源121及び電力増幅器122を制御して作動を停止させるように構成される。これによって、処理ユニット123の耐用年数が確保される。
【0073】
処理ユニット141は、さらに、周波数源121及び電力増幅器122を制御して作動を停止させた後、放熱ファン190を制御して定格回転数で第1の所定時間だけ作動させてから作動を停止させる。これによって、ハウジング220内の熱が効率的に放散され、熱の蓄積が回避される。
【0074】
図7は、本発明の一実施例に係る加熱ユニット100の制御方法の模式的なフローチャートである。
図7に示すように、本発明において、上記の実施例の何れかに記載のコントローラ140で実行される加熱ユニット100の制御方法は、ステップS702~ステップS706を含んでもよい。
【0075】
ステップS702:電磁波発生モジュール120によって出力された順電力信号と、電磁波発生モジュール120に戻る逆電力信号と、を取得する。
【0076】
ステップS704:順電力信号及び逆電力信号から処理対象物170の電磁波吸収率を計算する。
【0077】
ステップS706:順電力信号の電力値及び電磁波吸収率に基づいて放熱ファン190の回転数を調整する。
【0078】
本発明の制御方法では、電磁波発生モジュール120によって出力された順電力信号の電力値及び処理対象物170の電磁波吸収率に基づいて電磁波発生モジュール120を放熱する放熱ファン190の回転数を調整することにより、電磁波発生モジュール120の温度に基づいて放熱ファン190の回転数を調整する場合と比較して、追加の温度感知装置を設ける必要がなく、電磁波発生モジュール120によって発生した熱をより正確に反映することができ、電磁波発生モジュール120を十分に放熱しつつ、望ましくないエネルギーの浪費や騒音被害を回避し、ユーザのエクスペリエンスを向上させる。
【0079】
図8は、本発明の一実施例に係る加熱ユニット100の制御方法の詳細なフローチャートである。
図8に示すように、本発明の加熱ユニット100の制御方法は、ステップS802~ステップS812を含んでもよい。
【0080】
ステップS802:電磁波発生モジュール120の処理ユニットの温度を取得する。
【0081】
ステップS804:電磁波発生モジュール120自体の処理ユニット123の温度が所定の温度閾値以上であるか否かを判断する。所定の温度閾値以上である場合、ステップS806を実行し、それ以外の場合、ステップS808を実行する。
【0082】
ステップS806:周波数源121及び電力増幅器122を制御して作動を停止させ、放熱ファン190を制御して定格回転数で第1の所定時間だけ作動させて、第1の所定時間後作動を停止させる。これによって、処理ユニット123の耐用年数を確保し、ハウジング220内への熱の蓄積を回避する。
【0083】
ステップS808:電磁波発生モジュール120によって出力された順電力信号と、電磁波発生モジュール120に戻る逆電力信号と、を取得する。このステップでは、順電力信号及び逆電力信号は、電磁波発生モジュール120と放射アンテナ150との間に直列接続された双方向カプラ130により監視、取得されてもよい。続いて、ステップS810を実行する。
【0084】
ステップS810:順電力信号及び逆電力信号から処理対象物170の電磁波吸収率を計算する。続いて、ステップS812を実行する。
【0085】
ステップS812:順電力信号の電力値及び電磁波吸収率に基づいて、予め設定された回転数対照関係に従って放熱ファン190の回転数を整合させる。ここで、順電力信号の電力値が同じである場合、放熱ファン190の回転数は各範囲の電磁波吸収率の平均値と負の相関を示し、電磁波吸収率が同じである場合、放熱ファン190の回転数は各範囲の電力値の平均値と正の相関を示す。これによって、電磁波発生モジュール120の放熱の効率化、省エネ化が図られる。ステップS802に戻る。
【0086】
以上より、当業者が分かるように、以上は本発明の複数の例示的な実施例を詳細に例示して説明したが、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、本発明で開示された内容から本発明の原理に合致する多くの他の変形や修正が直接決定又は導出されてもよい。したがって、本発明の範囲は、これらの変形や修正を全て含むものとして理解又は認定すべきである。
【国際調査報告】