(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(54)【発明の名称】取り外し可能な圧力シール付き外科用カニューレ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20230329BHJP
【FI】
A61B17/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548554
(86)(22)【出願日】2021-02-11
(85)【翻訳文提出日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 US2021017648
(87)【国際公開番号】W WO2021163317
(87)【国際公開日】2021-08-19
(32)【優先日】2020-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521338503
【氏名又は名称】エンボディ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,クリストファー,ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】スネル,ダグラス
(72)【発明者】
【氏名】ラニング,イサック
(72)【発明者】
【氏名】チャーチル,アール.,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ケンパー,ネイサン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF46
4C160FF47
4C160FF56
4C160MM32
(57)【要約】
【課題】取り外し可能なシールを一端に有し、材料およびツールを外科的処置中に組織内に導入することを可能にする外科用カニューレを提供する。
【解決手段】外科用カニューレは、所望に応じてカニューレ本体802に着脱可能であるシール構造804を一端に含む。シール構造804は、カニューレ内の圧力を保持する1つ以上の弁807を含む。弁807は、シール構造804がカニューレの端部に取り付けられた場合であってもカニューレを通して外科用ツールを挿入してもよいように、カニューレ内の圧力を保持しつつツールが弁807を通ることを可能にするように構成されている。
【選択図】
図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの弁を含むシール構造と、カニューレ本体と、を備え、
前記カニューレ本体は、組織内に挿入されるように構成された遠位開口部を有する挿入部分と、近位開口部を有し前記シール構造を可逆的に受容するように構成された受容部分と、を含み、
前記シール構造は、前記カニューレ本体の前記近位開口部に関して取り外し可能に構成され、
前記シール構造は、前記カニューレ本体と係合したときに前記カニューレ本体内に正圧を保持するように構成され、前記シール構造は、物体が前記カニューレおよび前記シール構造を通して挿入されたときに前記カニューレ本体内に正圧を保持するように構成されている、
外科用カニューレ。
【請求項2】
前記シール構造はハウジングカバーを含み、
前記ハウジングカバーは、前記カニューレ本体から延びるラッチ構造を受容して前記カニューレ本体と係合した前記シール構造を可逆的に保持するように構成された切込みを上面上に含む、
請求項1に記載の外科用カニューレ。
【請求項3】
前記カニューレ本体は、その外面にねじ山を含み、
前記カニューレ本体は、前記受容部分から横方向外側に延びる保持突出部を含み、
前記シール構造は、前記シール構造を前記受容部分と取り外し可能に係合させたままにするように前記保持突出部と係合するように構成された切欠きを含む、
請求項1に記載の外科用カニューレ。
【請求項4】
前記カニューレ本体は、前記受容部分から横方向外側に延びる、前記近位開口部に隣接する保持リップを含み、
前記シール構造は、前記近位開口部を覆うように前記保持リップと係合するように構成されている、
請求項1に記載の外科用カニューレ。
【請求項5】
前記カニューレ本体は、
前記近位開口部に隣接して配置され、前記受容部分から横方向外側に延びる第1の保持リップと、
前記第1の保持リップよりも遠位開口部の近くに配置され、また前記受容部分から横方向外側に延びる第2の保持リップと、
前記第1の保持リップと前記第2の保持リップとの間に位置する保持溝と、を含み、
前記シール構造は、前記シール構造の側壁から横方向内側に延びる保持フック構造を含み、前記保持フック構造は、前記カニューレ本体上の前記保持溝と可逆的に係合するように構成されている、
請求項1に記載の外科用カニューレ。
【請求項6】
前記シール構造は上面を含み、前記上面は第1の直径を有する貫通孔をその中に有し、
前記シール構造は、前記上面と、キャビティ側壁と、下面とによって画定されるキャビティを含み、
前記シール構造内の前記弁は、前記上面の前記貫通孔とは前記キャビティの反対側に位置する前記キャビティの下面に配置され、
前記弁は第2の直径を有し、前記第2の直径は前記貫通孔の前記第1の直径よりも大きく、
前記シール構造、前記上面、前記側壁、前記下面、および前記弁はすべて単一材料の連続片である、
請求項1に記載の外科用カニューレ。
【請求項7】
前記カニューレ本体は、実質的に剛性であり、少なくとも部分的にポリカーボネートおよびポリプロピレンからなる群から選択される材料で形成され、
前記カニューレ本体の前記挿入部分は第1のゲージを有し、前記カニューレ本体の前記受容部分は第2のゲージを有し、前記第2のゲージは前記第1のゲージよりも大きく、
前記1つ以上の縫合糸取り付け構造は、2つのフランジを含み、各フランジは、前記カニューレ本体から横方向外側に延び、アイレット孔を含む、
請求項1に記載の外科用カニューレ。
【請求項8】
第1の弁および第2の弁を含むシール構造と、
遠位開口部を有し組織内に挿入されるように構成された挿入部分、および近位開口部を有し前記シール構造を可逆的に受容するように構成された受容部分、を含むカニューレ本体と、を備え、
前記シール構造は、前記カニューレ本体の前記近位開口部を可逆的に覆うものであり、
前記シール構造は、物体が前記カニューレを通して挿入されたときに、前記カニューレ本体内に正圧を保持するように構成されている、
外科用カニューレ。
【請求項9】
前記第1の弁は三尖弁であり、前記第2の弁は三尖弁である、請求項8に記載の外科用カニューレ。
【請求項10】
前記第1の弁は三尖弁であり、前記第2の弁はダックビル弁である、請求項8に記載の外科用カニューレ。
【請求項11】
前記カニューレ本体は、前記挿入部分が挿入された組織に前記カニューレをアンカリングするために縫合糸を保持するように構成された1つ以上の縫合糸取り付け構造をさらに含み、
前記カニューレ本体の前記挿入部分は大略的に円筒形であり、前記挿入部分はその外面にねじ山を含む、
請求項8に記載の外科用カニューレ。
【請求項12】
前記カニューレ本体は、縫合糸取り付け構造をさらに含み、
前記縫合糸取り付け構造は、2つのラッチウィングを含み、前記2つのラッチウィングはそれぞれ、前記受容部分から外側に延び、前記シール構造のラッチ受容構造に係合するように構成されたラッチ構造を一端に含む、
請求項8に記載の外科用カニューレ。
【請求項13】
前記カニューレ本体は、1つ以上の縫合糸取り付け構造をさらに含み、
各縫合糸取り付け構造は、前記カニューレ本体から横方向外側に延びるフランジを備え、前記フランジはアイレット孔を含む、
請求項8に記載の外科用カニューレ。
【請求項14】
前記シール構造、前記第1の弁、および前記第2の弁は、材料が連続した単一片である、
請求項8に記載の外科用カニューレ。
【請求項15】
少なくとも1つの弁を含むシール構造と、カニューレ本体と、を備え、
前記カニューレ本体は、遠位開口部を有し組織内に挿入されるように構成された挿入部分と、近位開口部を有し前記シール構造を可逆的に受容するように構成された受容部分と、を含み、
前記シール構造は、物体が前記カニューレおよび前記シール構造を通して挿入されたときに前記カニューレ本体内に正圧を保持するように構成され、
前記カニューレ本体は、前記挿入部分が挿入された組織に前記カニューレをアンカリングするために縫合糸を保持するように構成された1つ以上の縫合糸取り付け構造をさらに含む、外科用カニューレ。
【請求項16】
前記シール構造は、第1の弁および第2の弁を含む、請求項15に記載の外科用カニューレ。
【請求項17】
前記カニューレ本体の前記挿入部分は第1のゲージを有し、
前記カニューレ本体の前記受容部分は第2のゲージを有し、
前記第2のゲージは前記第1のゲージよりも大きい、
請求項15に記載の外科用カニューレ。
【請求項18】
前記カニューレ本体の前記挿入部分は大略的に円筒形であり、
前記挿入部分は、その外面にねじ山を含む、
請求項15に記載の外科用カニューレ。
【請求項19】
前記シール構造は、前記カニューレ本体の前記近位開口部を可逆的に覆い、
前記シール構造は、前記近位開口部から取り外し可能であるように構成され、
前記カニューレ本体は、前記受容部分から横方向外側に延びる前記近位開口部に隣接する保持リップを含み、
前記シール構造は、前記近位開口部を覆うように前記保持リップと可逆的に係合するように構成されている、
請求項15に記載の外科用カニューレ。
【請求項20】
請求項1に記載の前記手術用カニューレを患者の皮膚の切開部に挿入して、手術部位へのアクセスを提供するステップと、
前記カニューレを通してシート状インプラントを前記手術部位に送達するステップと、
前記シート状インプラントを前記手術部位の組織に固定するステップと
を備える、関節鏡手術を行う方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体組織に一時的に挿入される外科用カニューレの分野に関する。手術中にカニューレを使用して、ツールまたは基材を人または動物の体内に導入する。
【背景技術】
【0002】
外科用のカニューレ(カニューラとも言う)は一般に、関節鏡手術の分野で周知である。たとえば、流体の流入または流出を制御するため、組織内へのツールのアクセスを可能にするため、および他の機能のために、さまざまなタイプのカニューレが使用される。いくつかの種類の手術では、移植片または他の基材材料を手術部位に導入する。さらに、関節手術などの多くの関節鏡手術では、加圧潅注流体を使用して、組織を他の組織から分離した状態に保つ。特に、加圧潅注流体は、手術部位の可視化を支援するために、および、手術による切断を取り囲む脈管構造からの出血を防ぐために使用される。胃腸処置などの他の種類の手術では、加圧気体を使用して手術部位へのアクセスおよび手術部位の可視化を提供する。
【0003】
したがって、当技術分野では、関節鏡手術中にこれらのいくつかの機能を提供するために対処できるカニューレが必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様では、少なくとも1つの弁を含むシール構造と、組織内に挿入されるように構成された遠位開口部を有する挿入部分、および近位開口部を含んでシール構造を可逆的に受容するように構成された受容部分を含むカニューレ本体とを備え、シール構造が、カニューレ本体の近位開口部と取り外し可能に関連付けられるように構成され、シール構造が、カニューレ本体と係合したときにカニューレ本体内に正圧を保持するように構成され、シール構造が、物体がカニューレおよびシール構造を通して挿入されるときにカニューレ本体内に正圧を保持するように構成されている、外科用カニューレが提供される。
【0005】
別の態様では、第1の弁および第2の弁を含むシール構造と、遠位開口部を含んで組織内に挿入されるように構成された挿入部分、および近位開口部を含んでシール構造を可逆的に受容するように構成された受容部分を含むカニューレ本体とを備え、シール構造が、カニューレ本体の近位開口部を可逆的に覆い、シール構造が、物体がカニューレを通して挿入されるときにカニューレ本体内に正圧を保持するように構成されている、外科用カニューレが提供される。
【0006】
別の態様では、少なくとも1つの弁を含むシール構造と、遠位開口部を含んで組織内に挿入されるように構成された挿入部分、および近位開口部を含んでシール構造を可逆的に受容するように構成された受容部分を含むカニューレ本体とを備え、シール構造が、物体がカニューレおよびシール構造を通して挿入されるときにカニューレ本体内に正圧を保持するように構成され、カニューレ本体が、挿入部分が挿入された組織にカニューレをアンカリングするために縫合糸を保持するように構成された1つ以上の縫合糸取り付け構造をさらに含む、外科用カニューレが提供される。
【0007】
本発明の他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図面および詳細な説明を検討すれば、当業者には明らかであるか、または明らかになるであろう。そのような追加のシステム、方法、特徴、および利点はすべて、この説明およびこの概要に含まれ、開示の範囲内にあり、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、以下の図面および説明を参照することにより、よりよく理解することができる。図中の構成要素は必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を示すために強調がなされている。さらに、図において同様の参照番号は、異なる図面全体にわたって対応する部分を示す。
【
図1】外科用カニューレの第1の実施の形態を示す斜視図である。
【
図2】外科用カニューレの第1の実施の形態を示す斜視断面図である。
【
図3】外科用カニューレの第1の実施の形態を示す斜視底面図である。
【
図4】外科用カニューレの使用を伴う第1の外科的処置を示す断面図である。
【
図5】取り外し可能な頂部がカニューレ本体から分離された外科用カニューレの第1の実施の形態を示す斜視図である。
【
図6】取り外し可能な頂部がカニューレ本体から分離された外科用カニューレを示す別の斜視図である。
【
図7】外科用カニューレの使用を伴う第2の外科的処置を示す断面図である。
【
図8】外科用カニューレの第2の実施の形態を示す斜視図である。
【
図9】外科用カニューレの第2の実施の形態を構成するいくつかの副構成要素を示す分解図である。
【
図10】取り外し可能な頂部がカニューレに固定された外科用カニューレの第2の実施の形態を示す斜視図である。
【
図11】取り外し可能な頂部がカニューレに固定された外科用カニューレの第2の実施の形態を示す斜視底面図である。
【
図12】外科用カニューレの第2の実施の形態を示す第1の斜視断面図である。
【
図13】外科用カニューレの第2の実施の形態を示す第2の斜視断面図である。
【
図14】外科用カニューレの第3の実施の形態を示す斜視図である。
【
図15】外科用カニューレの第3の実施の形態を示す側面図である。
【
図16】外科用カニューレの第3の実施の形態のいくつかの副構成要素を示す第1の側面分解図である。
【
図17】外科用カニューレの第3の実施の形態のいくつかの副構成要素、およびカニューレとともに使用されるツールを示す第2の側面分解図である。
【
図18】外科用カニューレの第3の実施の形態を示す断面図である。
【
図19】外科用カニューレの第4の実施の形態を示す斜視図である。
【
図20】外科用カニューレの第4の実施の形態を示す断面図である。
【
図21】外科用カニューレの第4の実施の形態を示す斜視底面図である。
【
図22】外科用カニューレの第4の実施の形態を示す斜視断面図である。
【
図23】外科用カニューレの第5の実施の形態を示す斜視図である。
【
図24】その中にツールを有する外科用カニューレの第5の実施の形態を示す斜視図である。
【
図25】その中にツールを有する外科用カニューレの第5の実施の形態を示す斜視断面図である。
【
図26】その中にツールを有する外科用カニューレの第5の実施の形態を示す第2の斜視断面図である。
【
図27】カニューレ本体の受容部分からシール構造が取り外された外科用カニューレの第5の実施の形態を示す斜視図である。
【
図28】シール構造およびテザーがカニューレ本体から完全に取り外された外科用カニューレの第5の実施の形態を示す上面斜視図である。
【
図29】カニューレ本体からシール構造が取り外された外科用カニューレの第5の実施の形態を示す断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
カニューレ内の圧力を保持する取り外し可能なシール構造を含む外科用カニューレが広く開示されている。このようなカニューレは、関節鏡手術中に使用されてもよく、関節鏡ツール用の入口の提供と、手術部位への移植片基材の導入を可能にするポートとしての機能との両方を持つ。
【0010】
一般にカニューレは、体内に挿入できて流体または他の材料の送達または抽出に使用できるチューブを広く指してもよい。外科用カニューレは一般に、静脈内カニューレ、鼻カニューレ、または外科用カニューレを含んでいる。
【0011】
特に、この明細書の開示では、シール構造がカニューレに係合されたときに加圧流体(液体または気体)を手術部位内に保持し、同時に、カニューレを通して組織移植片などのより大きなアイテムを導入するためにシール構造を取り外すことを可能にする手術用カニューレを対象とする。
【0012】
たとえば、
図1は、この開示によるカニューレの第1の実施の形態を示す。カニューレ100は、挿入部分120、受容部分128、および2つの間のテーパ部分126を含むカニューレ本体部分102を含む。挿入部分120は、カニューレに遠位開口部124を含む。挿入部分120は、人体または動物の体などの組織に挿入されるように構成されてもよく、形状が大略的に円筒形であってもよい。挿入部分120は、その外面上にねじ山122を含んでもよい。
【0013】
ねじ山122は、カニューレ100を組織内に固定する。カニューレ100を回転させることによってカニューレが組織内に挿入される深さをユーザが増減できるようにすることによって、組織内へのカニューレ100のより正確な配置を可能にする。
【0014】
カニューレ100は、シール構造104も含んでもよい。シール構造104は、受容部分128と係合してもよい。シール構造104は、弁106を含んでもよい。いくつかの実施の形態では、弁106は
図1に示されているように三尖弁であってもよい。三尖弁は、当技術分野で一般に知られているように、一点で一緒になる3つのフラップから構成される一方向弁である。したがって、弁106はカニューレ100が外科的処置で使用されるときにカニューレ本体102内の流体圧力を保持する。
【0015】
シール構造104は、頂部108および側部110も含む。最後に、シール構造104は、シール構造が受容部分128と係合していないときにシール構造104をカニューレ本体部分102に接続するテザー114も含んでもよい。
【0016】
図2は、カニューレ100をさらに詳細に示している。
図2は、カニューレ100の断面図を示す。この図に示されるように、カニューレ本体102は、ツールまたは組織が近位端から遠位端124までカニューレ100を通って通過することを可能にするように中空である。すなわち、カニューレ本体102の挿入部分120は、第1のゲージ(直径)の中空円筒であってもよく、カニューレ本体102の受容部分128は、第1のゲージよりも大きい第2のゲージ(直径)の中空円筒であってもよく、テーパ部分126は、2つの間のゲージで傾斜していてもよい。
【0017】
シール構造104は、カニューレ本体部分102上のリップ129と係合してシール構造104とカニューレ本体部分102との間のシールを実現する側部110も含んでもよい。リップ129は、シール構造104がしっかりと、しかし可逆的に、カニューレ本体部分102に対して保持されるようにする。
【0018】
図2に示される実施の形態では、シール構造104は、第1の弁106、および第2の弁107も含んでもよい。2つのそのような弁の使用は、外科的使用中に圧力がカニューレ100内に保持されることをよりよく保証する。
【0019】
いくつかの実施の形態では、
図2に示されるように、第1の弁106は三尖弁であってもよく、第2の弁107も三尖弁であってもよい。いくつかの実施の形態では、他のタイプの弁を使用してもよい。本明細書で論じる他の実施の形態は、ダックビル弁を利用している。いくつかの場合には、そのようなダックビル弁は、
図1~
図7に示される実施の形態で利用されてもよい(たとえば、三尖弁の1つまたは両方の代用として)。
【0020】
第1の弁106および第2の弁107は、シール側壁105によって画定された空隙109によって分離されてもよい。空隙109は、テーパ部分126および挿入部分120から、第2の弁107を通過して逃げる加圧流体の一切の浸出を捕捉してもよく、一方で、第1の弁106は、依然として液体がカニューレの外側に逃げないように保証してもよい。
【0021】
また、
図2は、テザー114をより詳細に示している。すなわち、テザー114は、アーム部分116の一端でシール構造104の頂部108に接続する、当該アーム部分116を含んでもよい。そして、アーム部分116は、カニューレ本体102の挿入部分120の一端を取り囲むリング部分118に接続してもよい。このように、テザー114は、シール構造104が受容部分126と係合していない場合でも、シール構造104をカニューレ本体部分102に接続する。
【0022】
同じく
図2に示すように、シール構造104は、単一材料の連続した単一片であってもよい。いくつかの実施の形態では、シール構造104は、連続したシリコーン材料で作製されてもよい。
【0023】
図3は、斜視底面からのカニューレ100を示す。この図において、
図3は、シール構造104が受容部分128と係合しているときにカニューレ100がどのように見えるかを示している。すなわち、第2の弁107は、挿入部分120およびテーパ部分126内に上向きに流れてもよい任意の加圧流体を手術部位内に保持するように、テーパ部分126に隣接している。
【0024】
図3には、シール構造104の頂部108の側部110に接続されてもよいタブ部分112も示されている。タブ部分112により、ユーザはシール構造104をカニューレ本体部分102との係合から容易かつ好都合に取り外すことができてもよい。たとえば、外科医は、タブ112を掴んで側部110がリップ129と係合しなくなるまでタブ112を引っ張ることによって、シール構造104をカニューレ本体部分102から取り外してもよい(側部110とリップ129との間の接続については
図2を参照)。
【0025】
図4は、この開示によるカニューレが外科的処置中にどのように使用されてよいかの一実施例を示す。
図4に示される実施の形態では、外科医202は、手術部位206で患者208に挿入されたカニューレ100を通して挿入されるツール204を操作してもよい。したがってこの開示は、本明細書に開示されるカニューレデバイスを使用して関節鏡手術を行う方法も提供する。
【0026】
図4に示される手術部位206の断面は、外科的処置中にカニューレがどのように使用されるかをより詳細に示す。すなわち、カニューレ100の挿入部分120を、ねじ山122を使用して患者の組織に部分的に埋め込む。カニューレ100は、遠位端124が所望の手術部位226に隣接して配置されるように、最初に皮膚組織210および筋肉組織212内に切開220を行うことによって、組織に導入されてもよい。図示の実施の形態では、外科的処置は回旋筋腱板手術であってもよい。この実施の形態では、所望の手術部位226は、回旋腱板筋および靭帯216が肩峰下腔で上腕骨頭218に結合する場所である。
【0027】
このような手術を実施するために、加圧液体214を使用して、手術部位226を膨張させて可視化してもよい。加圧液体214は、たとえば透明生理食塩水であってもよい。潅注流体とも呼ばれる加圧液体214は、可視化を可能にし、かつ手術部位226を取り囲む血管系からの出血を防止するために使用される、等張溶液であってもよい。加圧液体214の圧力は、約20~30mmHgであってもよい。いくつかの場合には、破片または血液が加圧流体を濁らせることがある。そのような場合は、加圧流体をフラッシングしてもよい。そうすることで、流体の圧力および流れが大幅に上昇することがある。したがって、そのような高圧に耐えるために、いくつかの実施の形態では、カニューレの開示されたシールは、約140mmHgまでの圧力を維持するように構成されてもよい。
【0028】
カニューレ100は、加圧下で流体214を保持しながら、外科医202がツール204を手術部位226に導入することを可能にしてもよい。ツール204は、カニューレ100を通って延びてツール先端224で終わるツールシャフト222を含んでもよい。すなわち、ツールシャフト222は、加圧液体214の加圧230が手術部位226内、ならびにカニューレ100の挿入部分120およびテーパ部分126内に含まれるように、ツールシャフト222の周りに適合する第1の弁106および第2の弁107を通って延びる。このように、シール構造104は、ツール204がカニューレ100を通って挿入されるときに、カニューレ本体内に正圧230を保持するように構成される。
【0029】
次に
図5は、シール構造104がカニューレ本体部分102と係合していないときのカニューレ100を示している。前述のように、テザー114は、シール構造104が本体部分102と係合していない場合でも、シール構造104をカニューレ本体部分102に取り付けたままにしてもよい。
図5には、挿入部分120の遠位開口部124の反対側に位置する受容部分128の近位開口部125も示されている。近位開口部125は、上述のようにシール構造104の側部110と係合するリップ129によって取り囲まれてもよい。したがってシール構造104は、シール構造104がカニューレ本体部分102と係合するときに、近位開口部125を覆う。
【0030】
図5の実施の形態は、シール構造104と受容部分128との間の緊密な(しかし可逆的な)嵌合をさらに保証するシール側壁105上のリッジ130,132も含んでもよい。
図2、
図3および
図5に示すように、この実施の形態では、シール側壁105は、受容部分128の内面と係合する。したがって、リッジ130,132は、圧力を保持するシールを形成するために、受容部分128の内面に当接してもよい。
【0031】
図6は、シール構造104のさらなる詳細を示すために別の角度からの
図5の実施の形態を示す。すなわち、第2の弁107が受容部分128に挿入されて受容部分128の最遠位端に配置されるように、第2の弁107はシール構造104の底部側に配置される。
【0032】
図6には、テザー114も示されている。テザー114は、シール構造側部110をリング部分118と接続するアーム部分116を含んでいる。リング部分118は、挿入部分120の最も近い端部でカニューレ本体104を取り囲む。
【0033】
したがって、
図5および
図6に示すように、シール構造104は、カニューレ本体部分102と可逆的に係合されてもよく、カニューレ本体部分102との係合後に取り外されてもよい。
【0034】
図7は、別の外科的処置300、およびシール構造がカニューレ本体部分から取り外されるときにカニューレ100がどのように使用されてもよいかを示す。すなわち、この実施の形態では、外科医302は、患者の皮膚210への挿入320および手術部位を取り囲む組織312を通して、患者の膝306の手術を患者308に行う。図示された手術の段階で、移植片基材340は、手術部位326に導入される準備ができている。これは典型的には、
図4に示すように、手術部位でのツールの使用を含む1つ以上のステップを通じて手術部位226/326が準備された後に起こるであろう。このように、この開示による関節鏡手術を行う方法は、カニューレ100を通してシート状インプラント340を手術部位に送達すること、および、手術部位326で組織316にシート状インプラント340を固定することを含んでもよい。
【0035】
図7に示す手術の段階では、加圧液体314は、カニューレ100の内部全体と流体連通している。すなわち、シール構造104が取り外されているため、加圧液体314は図示のように、挿入部分120、テーパ部分126、および受容部分128内に膨張してもよい。そしてツール304を、カニューレ100の近位開口部125に取り付けて、移植片シート状基材340をカニューレ100の内部に導入して移植片基材340をカニューレ100の長さにわたって経路342に沿って手術部位326まで移動させるために使用する。ツール304は、この外科的ステップ中に加圧液体314を圧力330下に維持するための態様を含んでもよい。たとえば、ツール304は、ツール304のシャフト上に1つ以上のシール構造を含んでもよい。このようなシール構造は、移植片の挿入中にカニューレをシールしてもよい。
【0036】
このように、カニューレ100は、移植片基材340がそれを通って移動できるように構成されてもよい。すなわち、カニューレ100は、移植片基材340がその中に適合できるのに十分な大きさであってもよい。さまざまなカニューレセクションのゲージは、患者の体格およびそれを使用する手術の種類によって異なっていてもよい。さらに、カニューレの異なる部分のゲージの相対的な比率は異なっていてもよい。
【0037】
しかし、特定の実施の形態では、受容部分128の第2のゲージが挿入部分120の第1のゲージよりも大きいことは、有利には、近位開口部125から遠位開口部124までカニューレ本体部分102に沿ってそれが通過するときにシート状移植片基材340(および移植片340の代わりに役立ってもよい任意の支持構造)がそれ自体を巻き上げる(roll itself up)ことを助ける場合がある。すなわち、テーパ部分126の形状により、移植片基材340が巻き上げられてもよく、それにより、患者の組織316tへの取り付けのための配置に有利な構成となる。したがって、カニューレ本体部分102のさまざまなセクションのゲージの相対サイズは、カニューレ100が使用される目的の達成を有利に助けることがある。
【0038】
続いて、移植片基材340が首尾よく挿入された後、シール構造104は、カニューレ本体部分と再係合されてもよい。そして、
図4に示すように(移植片基材340を操作して必要な場所にそれを付着させるために)手術ツールを再び手術部位に導入してもよい。このように、単一の外科用カニューレ100は、加圧液体の下で手術部位へのツールの導入を可能にするとともに、手術部位への移植片基材の導入も可能にする。
【0039】
図8は、この開示によるカニューレ400の第2の実施の形態を示す。カニューレ400は、上述のカニューレ100の第1の実施の形態における特徴と実質的に同様のいくつかの特徴を含んでいる。すなわち、カニューレ400は、挿入部分420と受容部分428とを含むカニューレ本体部分402を含んでもよい。挿入部分420は、遠位開口部424およびねじ山422を含んでいる。受容部分428は、近位開口部425を含んでもよい。カニューレ400は、シール構造404も含んでもよい。シール構造404は、側面410、第1の弁406、およびハウジングカバー408を含んでもよい。
【0040】
図8に示される特定の実施の形態では、カニューレ400は、第1のウィング構造440および第2のウィング構造442も含んでもよい。第1のウィング構造440および第2のウィング構造442のそれぞれは、ハウジングカバー408にラッチないし係合することができるように、カニューレ本体402から横方向外側に上向きに延びてもよい。すなわち、ハウジングカバー408は、第1のウィング構造440を受容するように構成された第1のノッチ(切込み)444を含んでもよい。ハウジングカバー408は、第2のウィング構造442を受容するように構成された第2のノッチ446も含んでもよい。
【0041】
さらに、第1のウィング構造440および第2のウィング構造442は、縫合糸取り付け構造として機能してもよい。すなわち、ユーザは手術中に、カニューレ400を組織にアンカリングすることを選択してもよく、これを通じて、カニューレ400が、1つ以上の縫合糸取り付け構造を組織に縫合することによって挿入される。すなわち、縫合糸がカニューレ400を適所に保持するように、縫合糸取り付け構造の周りで、かつ組織を通して、縫合糸441で縫う。このように、この開示によるカニューレ400は、カニューレ400の挿入部分420が挿入された組織にカニューレをアンカリングするために縫合糸を保持するように構成される1つ以上の縫合糸取り付け構造を含んでもよい。
【0042】
図9は、カニューレ400を構成するいくつかの構成要素の分解図を示す。すなわち、カニューレ400は、第1のウィング構造440と第2のウィング構造442とを含むカニューレ本体部分402、下部ハウジング部分450、第1の取り付けねじ456、第2の取り付けねじ458、第1の弁406、第2の弁407、およびハウジングカバー408を含む。
【0043】
この特定の実施の形態では、下部ハウジング部分450は、シール側面410、第1のフランジ孔452、および第2のフランジ孔454を含んでもよい。
【0044】
第1の弁406は、上記の他の実施の形態に関して論じたように、三尖弁であってもよい。
【0045】
第2の弁407は、いくつかの実施の形態では、ダックビル弁であってもよい。ダックビル弁は、一般に知られているように、合わさってシールを形成する、アヒルのくちばしの形をした2つの「リップ」462を有するタイプの一方向弁である。一般に、ダックビル弁の2つのリップは、一方の方向から圧力が印加されると曲がって開いてもよいが、他方の方向からでは開かない。したがって、ダックビル弁は、自己完結型の逆止弁として機能してもよい。第2の弁407は、第2の弁407を下部ハウジング部分450とハウジングカバー408との間の適所に保持することを可能にするリム部分460も含んでもよい。
【0046】
ハウジングカバー408は、第1のカバー孔466、第2のカバー孔468、第1のノッチ444、第2のノッチ446、およびアクセス孔464を含む。第1のカバー孔466および第2のカバー孔468は、第1のノッチ444および第2のノッチ446がそうであるように、ハウジングカバーの互いに反対側に配置されている。第1のカバー孔466は第1のノッチ444に隣接してもよく、第2のカバー孔468は第2のノッチ446に隣接してもよい。
【0047】
さらに、第1の取り付けねじ456および第2の取り付けねじ458は、第1の弁406および第2の弁407がその中に含まれるように、下部ハウジング部分450をハウジングカバー408に固定する。すなわち、第1の取り付けねじ456は、下部ハウジング部分450の第1のフランジ孔452を通ってハウジングカバー408の第1のカバー孔466内に延びる。同様に、第2の取り付けねじ458は、下部ハウジング部分450の第2のフランジ孔454を通ってハウジングカバー408の第2のカバー孔468内に延びる。
【0048】
その他の実施の形態では、下部ハウジング部分450およびハウジングカバー408は、超音波溶接または他のタイプの熱結合、接着剤、または任意の他の適切な固定様式など、ねじ以外の取り付け手段によって互いに取り付けられてもよい。
【0049】
図10は、カニューレ400の別の図を示す。この図では、シール構造404がカニューレ本体402と係合している。この構成では、シール構造404は、第1のウィング構造440および第2のウィング構造442によって適所にラッチされる。すなわち、第1のウィング構造440は、カニューレ本体402から外側に近位開口部425に向かって上向きに延びる第1の斜め部分470(注:近位開口部425は
図10ではシール構造404によって覆われている)、近位開口部425に向かって上向きに延びる第1の垂直部分472、およびハウジングカバー408の第1のノッチ444と係合する第1のラッチ部分474を含んでもよい。第2のウィング構造442は同様に、第2の斜め部分476、第2の垂直部分478、およびハウジングカバー408の第2のノッチ446と係合する第2のラッチ部分480を含んでもよい。第1のウィング構造440および第2のウィング構造442は、カニューレ本体402の反対側に配置されてもよい。
【0050】
シール構造404がカニューレ本体402と係合すると、側面410は、カニューレ本体402の受容部分428の外側に配置されて、それを取り囲む。
【0051】
図11は、シール構造404がカニューレ本体402の受容部分428と係合したときのカニューレ400の底面等角図を示す。この図は、第1の取り付けねじ456および第2の取り付けねじ458がどのように下部ハウジング部分450をハウジングカバー408に固定してもよいかをさらに示す。
【0052】
図12は、カニューレ400の断面図である。この断面図は、第1の取り付けねじ456および第2の取り付けねじ458が、第1のフランジ孔452および第2のフランジ孔454を通って上に延び、第1のカバー孔466および第2のカバー孔468に入る実施の形態のさらなる詳細を示す。その結果、下部ハウジング部分450およびハウジングカバー408は、第1の弁406および第2の弁407を適所に保持する。また、第1の弁406と第2の弁407との間の空隙409も示されている。
【0053】
特に
図12は、第1のウィング構造440および第2のウィング構造442がどのようにシール構造404を適所に可逆的に保持しているかをさらに示す。すなわち、第1のウィング構造440および第2のウィング構造442は半剛性であり、シール構造404がカニューレ本体402に係合されると、ラッチ部分474,480をノッチ444,446内に保持する位置に付勢される。しかし、第1のウィング構造440および第2のウィング構造442は、矢印で示すように横方向外側において部分的に柔軟であってもよく、それにより、ラッチ部分474,480がノッチ444,446から外れることが可能になる。このように、シール構造404は、カニューレ本体402から選択的に係合解除および取り外しされてもよい。第1のウィング構造440および第2のウィング構造442は、外科医が親指と人差し指とを外向きに動かすことでシール構造404を係合解除することによって、手術中の使用を容易にできるように構成されてもよい。たとえば器具がカニューレを通して挿入されたままである場合など、いくつかの状況では、回転しない係合解除が好ましい場合がある。
【0054】
次に、
図13は、第2の弁407のさらなる構造を有する断面図を示す。すなわち、第2の弁407は、第2の弁407と第1の弁406との間に空隙409を含む、ダックビル弁であってもよい。第2の弁407は、シーム494で一緒になる第1のリップ490および第2のリップ492を含んでもよい。第1の弁406の方向から下向きに第2の弁407に圧力が加えられると、第1のリップ490および第2のリップ492は、
図13の矢印で示されるように互いに分離してもよい。しかし対照的に、挿入部分420および遠位開口部424の方向から上向きに第2の弁407に加えられる圧力は、リップ490,492を分離させないであろう。したがって、加圧液体はカニューレ本体402内に保持されるであろう。
【0055】
図8~
図13に示す実施の形態は、
図1~
図7に示された実施の形態に関して示されて議論されたようなテザーも含んでもよい。
【0056】
図14は、この開示によるカニューレ500の第3の実施の形態を示す。カニューレ500は、上述のようにカニューレ400と多くの特徴を共有しつつも、いくつかの特徴に関しては異なっている。すなわち、カニューレ500は、第1のアイレット(eyelet; 小穴)541を含む第1の縫合糸取り付けフランジ540と、第2のアイレット543を含む第2の縫合糸取り付けフランジ542とを含む。第1の縫合糸取り付けフランジ540および第2の縫合糸取り付けフランジ542は、挿入部分520と受容部分528との間で、カニューレ本体502のテーパ部分526上に配置されてもよい。フランジ540,542は、カニューレ本体502から横方向外側に延びてもよい。第1のウィング構造440および第2のウィング構造442に関して上述したように、フランジ540,542を使用して、アイレット541,542の1つ以上と切開部位に近い皮膚とに縫合糸を通すことによって、カニューレ500を切開部位で組織にアンカリングしてもよい。
【0057】
カニューレ500は、保持部分528の側部510上に保持突出部591も含んでもよい。保持突出部591は、カニューレ本体502上にシール構造504を保持するために使用されてもよい。すなわち、シール構造は、垂直カットアウト(cutout; 切欠き)593および水平カットアウト595を含んでもよい。保持突出部591は、垂直カットアウト593の幅と同じ幅を有してもよく、保持突出部591は、水平カットアウト595の高さと同じ高さを有してもよい。このように、保持突出部591は、カニューレ本体502およびシール構造504が一緒にされたときに垂直カットアウト593に沿って移動してもよい。そして、保持突出部591は、シール構造504を
図14の矢印で示すように回転させることによって、水平カットアウト595に沿って移動してもよい。このように、保持突出部591は、シールアセンブリ504をカニューレ本体502の受容部分528と取り外し可能に係合させたままにしてもよい。
【0058】
図15は、カニューレ500の特徴をさらに示している。すなわち、
図15において、シール構造504は、水平カットアウト595内に保持突出部591を配置することによってカニューレ本体502と係合する。シール構造504を時計回りまたは反時計回りに回転させて、水平カットアウト595内で保持突出部591を動かし、それにより、カニューレ本体502からシール構造504を係合解除してもよい。
【0059】
図16は、カニューレ500を構成してもよいいくつかの副構成要素の分解図を示す。すなわち、カニューレ500は、保持突出部591を含んでもよいカニューレ本体502、垂直カットアウト593および水平カットアウト595を含んでもよい下部ハウジング部分550、三尖弁であってもよい第1の弁506、ダックビル弁であってもよい第2の弁507、およびハウジングカバー508を含んでもよい。
【0060】
図17は、カニューレ500を、またツール600も構成してもよいいくつかの副構成要素の分解図を示す。ツール600は、
図4に示されるような外科的処置中にカニューレ500とともに使用されてもよい。すなわち、ツール600は、体内の手術部位に到達するように、第1の弁506および第2の弁507を通って延びてもよい。第1の弁506および第2の弁507は、ツール600が使用されている間、加圧された外科用灌注流体が手術部位内に保持されてもよいように、ツール600に対して圧力シールを保持してもよい。ツール600はオブチュレータ(obturator)として示されている。しかし、さまざまなタイプの任意の細長いツールが、開示されたカニューレとともに利用されてもよいことに留意されたい。たとえば、開示された弁がシールしてもよい長いシャフトを含む、プローブ、把持具、および他のツールが、開示されたカニューレとともに利用されてもよい。
【0061】
次に、
図18は、カニューレ500の断面図を示す。この図は、カニューレ500が第1の保持突出部591を、加えて第2の保持突出部597を、どのように含んでもよいかを示している。第1の保持突出部591は、論じられたように第1の垂直カットアウト593および第1の水平カットアウト595と整列してもよい一方で、第2の保持突出部597は、第2の垂直カットアウト599および第2の水平カットアウト(
図18には図示せず)と整列してもよい。
【0062】
第1の保持突出部591および第2の保持突出部597は、互いにカニューレ本体502の反対側に配置されてもよい。このように、2つの保持突出部591,597は、カニューレ本体502と、加圧された外科用液体を保持するシール構造504との間のぴったりとした緊密な嵌合を保証してもよい。
【0063】
図14~
図18に示される実施の形態は、
図1~
図7に示された実施の形態に関して示されて議論されたようなテザーも含んでもよい。
【0064】
この開示による外科用カニューレの第4の実施の形態が、
図19~
図22に示されている。すなわち、少なくとも
図19に示されるように、外科用カニューレ700は、カニューレ本体702およびシール構造704を含んでもよい。カニューレ本体702はいくつかの点で、上記のカニューレ本体102、カニューレ本体402、およびカニューレ本体502と実質的に同様であってもよい。しかし他の態様では、カニューレ本体702は、以下に論じるように、本明細書に開示される他の実施の形態とは異なっていてもよい。
【0065】
特にカニューレ本体702は、挿入部分720、受容部分728、および挿入部分720と受容部分728との間のテーパ部分726を含んでもよい。挿入部分720は、人体または動物の体などの組織に挿入されるように構成されてもよく、大略的に形状が円筒形であってもよい。挿入部分720は、その外面にねじ山722も含んでもよい。テーパ部分726は、上述のように、カニューレを通して挿入されると移植片を巻き上げるように構成されてもよい。
【0066】
カニューレ本体702は、第1のアイレット741を含む第1の縫合糸取り付けフランジ740と、第2のアイレット743を含む第2の縫合糸取り付けフランジ742と、も含んでもよい。第1の縫合糸取り付けフランジ740および第2の縫合糸取り付けフランジ742は、互いにカニューレ本体702の横方向反対側で、挿入部分720と受容部分728との間でカニューレ本体702のテーパ部分726上に配置されてもよい。フランジ740,742は、カニューレ本体702から横方向外側に延びてもよい。上述のように、フランジ740,742を使用して、アイレット741,742の1つ以上と、カニューレ挿入部位に近い患者の皮膚とに縫合糸を通すことによって、カニューレ700を切開部位で組織にアンカリングしてもよい。
【0067】
図19は、シール構造704のさまざまな詳細も示している。特にシール構造704は、上面708に貫通孔706を含んでもよい。貫通孔706は、(
図17に示された)オブチュレータツール600などのツールがカニューレ700を通過してカニューレ700に入ることを可能にするのに十分な大きさの第1の直径を有してもよい。たとえば、いくつかの実施の形態では、シール構造704は、貫通孔706の第1の直径がツール600の直径よりも小さいながらもツール600がカニューレ700に入ることができるように拡大して伸びてもよいように、エラストマー材料から作製されてもよい。この実施の形態では、上面708は、ツール600の周囲にシールを形成するように、上面708が貫通孔706に挿入されるときにツール600を圧迫してもよい。これにより有利に、使用中にシール構造704がカニューレ700内の圧力を保持できるようにしてもよい。
【0068】
シール構造704は、タブ部分712も含んでもよい。タブ部分712は、シール構造704の側部710に接続されてもよい。タブ部分712により、ユーザがタブ部分712を掴むことによってシール構造704をカニューレ本体部分702との係合から容易かつ便利に取り外すことができるようにしてもよい。
【0069】
シール構造704は、テザー714も含んでもよい。テザー714は、シール構造704が受容部分728と係合していないときに、シール構造704をカニューレ本体部分702に接続してもよい。すなわち、外科医などのユーザが、使用中にカニューレ本体部分702からシール構造704を取り外すときに、テザー714は、シール構造704が失われたり、または別様に遠く離れたりしないことを確実にしてもよい。テザー714は、リング718およびアーム716を含んでもよい。テザーリング718は、カニューレ本体702の挿入部分720を取り囲むように構成されてもよい。テザーアーム716は、シール構造704をカニューレ本体702から取り外して、必要な場合は外科的処置の邪魔にならないところに配置することを可能にするのに十分な長さを有してもよい。
【0070】
図20は、外科用カニューレ700の第4の実施の形態の断面図を示す。この図は、挿入部分720に巻き付くねじ山722をカニューレ本体部分702がどのように含んでもよいか、第1の縫合糸取り付けフランジ740および第2の縫合糸取り付けフランジ742がどのように互いにテーパ部分726の反対側に配置されてもよいか、および、シール構造704と係合するように構成されたいくつかの構造を受容部分728がどのように含んでもよいかを示す。
【0071】
特に、カニューレ本体702の受容部分728は、第1の保持リップ732を含んでもよい。第1の保持リップ732は、カニューレ本体702の近位開口部723に隣接して配置されてもよい。第1の保持リップ732は、傾斜した上面734も含んでもよい。したがって、傾斜した上面734は、カニューレ本体部分702から横方向外側に向かって測定すると、第1の保持リップ732の幅が徐々に増加する結果となってもよい。受容部分728は、カニューレ本体部分702の受容部分728から横方向外側に延びる第2の保持リップ736も含んでもよい。第2の保持リップは、第1の保持リップ732よりも遠位開口部724の近くに配置されてもよい。第1の保持リップ732および第2の保持リップ736は、それらの間に保持溝738を形成するように、互いからわずかな距離だけ離れて配置されてもよい。
【0072】
第1の保持リップ732、保持溝738、および第2の保持リップ736のこの構成により、シール構造704は、使用時に外科用カニューレ700内の圧力を保持するような方法でカニューレ本体部分702と可逆的に係合することが可能になってもよい。具体的には、シール構造704は、シール構造704の側壁710から横方向内側に延びる保持フック構造730を含んでもよい。特に、保持フック構造730は、側壁710の内面711から横方向内側に延びてもよい。このように、保持フック構造730は、第1の保持リップ732を越えてスライドし、係合すると第1の保持リップ732と第2の保持リップ736との間の保持溝738に引っかかってもよい。いくつかの実施の形態では、シール構造704は、ある範囲内で屈曲または伸張するエラストマー材料から構成されてもよく、そのような実施の形態では、保持フック構造730が保持溝738に可逆的に係合できるように第1の保持リップ732の上面734に沿ってスライドできるよう、側壁710が横方向外側に撓んでもよい。いくつかの実施の形態では、シール構造704は、保持フック構造730が第2の保持リップ736の下に延びるように構成されてもよい。そのような構成では、2つの保持リップを有することにより、シール構造704の内面711に2つの別個のシールを提供してもよい。
【0073】
図20は、この実施の形態においてシール構造704がどのように三尖弁707をさらに含んでもよいかも示す。三尖弁707は、貫通孔706と一直線上に配置されてもよく、それにより、ツール600は、カニューレ700が外科的処置で使用されているときに、三尖弁707および貫通孔706の両方を通して挿入されてもよい。具体的には、シール構造704は、上面708と、キャビティ側壁705と、底面717とによって形成されるキャビティ709を含んでもよい。キャビティ709は、その内部に圧力を保持し、カニューレ700が使用されているときに三尖弁707を通って来る可能性のある加圧流体の浸出を捕捉するように構成されてもよい。
【0074】
いくつかの実施の形態では、三尖弁707は、貫通孔706の第1の直径よりも大きい第2の直径を有してもよい。したがって三尖弁707は、
図4に示して上記で説明したように外科用カニューレ700を通して挿入されている間、ある程度の横方向の動きを伴ってツール600が操縦されることを可能にしてもよい。このように、貫通孔706のより小さい第1の直径は、ツール600に対する少なくとも部分的なシールを確実にしてもよい一方で、(より大きな第2の直径を有する)弁707は、必要な動きをツールがとれるようにしたままで、ツールに対する第2のシールを作成してもよい。結果として、貫通孔706および弁707は、使用時に圧力がカニューレ700内に保持されることを集合的に保証してもよい。
【0075】
次に、
図21はシール構造704の斜視底面図を示す。具体的に、
図21は、シール構造704の下側、およびシール構造704がカニューレ本体部分702(
図20)と可逆的に係合することを可能にする関連構造のさらなる詳細を示す。すなわち、
図21に示されるように、シール構造704は底面717上に三尖弁707を含んでもよい。したがって、三尖弁707は、キャビティ側壁705が(
図20に示されるように)受容部分728の内面に隣接してもよいように、受容部分728内に下向きに延びてもよい。したがって、受容部分728は、側壁710の内面711とキャビティ側壁705との間に形成される開口部713内に収容されてもよい。
【0076】
いくつかの実施の形態では、
図21に示されるように、シール構造704は、連続した単一片材料から形成されてもよい。いくつかの特定の実施の形態では、シール構造704はエラストマー材料の単一連続片であってもよい。
【0077】
また、
図21には、保持フック構造730、および、保持フック構造730が側壁710の底辺周囲の周りに円周方向にどのように延在するか、が示されている。そのような実施の形態では、保持フック構造730は、したがって、カニューレ本体部分702の受容部分728全体の周りに連続シールを形成してもよい。これにより有利に、シール構造704が外科的処置での使用時にその内部に圧力を保持できるようにしてもよい。
【0078】
図22は、カニューレ本体部分702の斜視断面図を示す。この図では、第1の保持リップ732および第2の保持リップ736のさらなる詳細が示されている。具体的には、第1の保持リップ732が受容部分728の周りに円周方向に延びる。第2の保持リップ736も同様に、受容部分728の周りに円周方向に延びてもよい。このように、保持溝738は、カニューレ本体部分702の全周の周りに延びてもよく、それにより、保持フック構造730がその中にセットされることを可能にする。再び上記のように、いくつかの実施の形態では、保持フック構造730は、シール構造がカニューレ本体部分702と係合するときに第2の保持リップ736の遠位に配置されてもよい。
【0079】
さらに、
図22は、カニューレ受容部分728の上面731を示す。上面731は
図20によれば、カニューレ本体部分702とシール構造704との間に適切なシールが形成されることをさらに確実にするように、シール構造704の内面715(
図21を参照)に寄りかかってもよい。
【0080】
次に、外科用カニューレの第5の実施の形態が
図23~
図29に示されている。
図23は、外科用カニューレ800の斜視図を示す。外科用カニューレ800は、本明細書で議論される外科用カニューレの他の実施の形態と類似性を有するさまざまな特徴を含んでもよい。
【0081】
具体的には、外科用カニューレ800は、カニューレ本体802およびシール構造804を含んでもよい。シール構造804は、テザーリング818を含むテザー814、およびタブ部分812を含んでもよい。この実施の形態では、シール構造804は、上面808に貫通孔806を含んでもよい。貫通孔806は、異なるタイプの手術器具を収容するために、たとえば貫通孔706よりも大きい直径を有してもよい。いくつかの実施の形態では、貫通孔806の直径は、上面808の直径の少なくとも50%であってもよい。貫通孔806内で、弁807はシール構造804内に含まれる。
【0082】
カニューレ本体802は、図示のようにその外面にねじ山822を含んでもよい。カニューレ本体802は、貫通孔806の反対側に配置された遠位開口部824も含んでもよい。さらに、カニューレ本体802は、第1の縫合糸取り付けフランジ840(その中に第1のアイレット841を有する)および第2の縫合糸取り付けフランジ842(その中に第2のアイレット843を有する)を含んでもよい。
【0083】
図24は、その中にツール900を有する、外科用カニューレ800の第5の実施の形態の斜視図である。
図24に示されるように、ツール900はオブチュレータであってもよい。しかし、任意のさまざまなタイプの細長い器具がカニューレ800を通して挿入されてもよいことが理解されるであろう。ツール900は、貫通孔806内に挿入され、カニューレ本体802に沿って延びてもよく、ツール900の部分906は遠位開口部824から出て延びてもよい。ツールハンドル902は、外科用カニューレ800上のシール構造804の上面808に当接してもよい。このように、ツール900は、外科用カニューレ800内に挿入されることによって外科的処置中に使用されてもよい。たとえば、カニューレ800は、組織の穿刺を容易にするためにツール(オブチュレータ)900を使用して組織を通して挿入されてもよい。
【0084】
図25は、外科用カニューレ800内に挿入されたツール900の斜視断面図である。すなわち、ツール900のシャフト904は、弁807がツールシャフト904の周りにシールを形成するように、貫通孔806内で弁807を通って延びてもよい。このように、弁807は、外科的処置の間、カニューレ本体802内に収容された流体を外気にさらされた外側領域809から分離してもよい。さらに
図25は、いくつかの実施の形態においてカニューレ本体の幅が挿入部分820に沿ってどのように変化してもよいかも示している。すなわち、挿入部分820は、挿入部分820の一端で第1の幅850を有し、挿入部分820の反対端である遠位開口部で第2の幅852を有してもよい。第1の幅850は、第2の幅852よりも大きくてもよい。
【0085】
図26は特に、ツール900のシャフト904の周囲に弁807がシールをどのように形成してもよいかを示している。この実施の形態では、弁807はダックビル弁であってもよく、外科用カニューレ500に関して上述したダックビル弁507と同様であってもよい。具体的には、弁507は、シーム894で一緒になる第1のリップ890および第2のリップ892を含んでもよい。このように、2つのリップ890,892は、部分906が遠位開口部824から外に延びるまでシャフト904がシーム894を通ってカニューレ本体802の残りの部分を通って下方に延びるときに、ツール900の周囲にシールを形成してもよい。
【0086】
図27は、シール構造804がカニューレ本体802から取り外された、外科用カニューレ800の斜視図である。シール構造804のこの下面図では、弁807の構造がより詳細に見られるかもしれない。すなわち、弁807は、シーム894で交わる第1のリップ890および第2のリップ892を含む。ツール900がカニューレ800に挿入されていないときに、弁807は、
図27に示されるようにその休止位置にあり、シール構造804がカニューレ800にインストールされたときに液体または空気が通過することを防ぐ、シールを形成する。
【0087】
図28は、シール構造804がカニューレ本体802から完全に取り外された、外科用カニューレ800の上面斜視図である。他の実施の形態に関して上述されたように、シール構造804は、シール構造804をカニューレ本体802に固定するように構成されたテザー814およびテザーリング818を含んでもよい。このように、医師は、必要に応じて外科的処置中に、シール構造804を見失うことなく、タブ部分812を使用してシール構造804をカニューレ本体802から可逆的に取り外してもよい。
【0088】
最後に、
図29は、シール構造804がカニューレ本体802から取り外された、外科用カニューレ800の断面斜視図である。この図では、弁807は、シーム894で交わる2つのリップ890,892を有するダックビル弁として再び明確に示されている。この図は、外科用カニューレ700に関して上述されたものと実質的に同じであってもよい保持リップ構造を使用して、シール構造804がどのようにカニューレ本体に可逆的に取り付けられてもよいかも示す。
【0089】
上述の任意の実施の形態に関して、この開示によるカニューレ本体部分は、実質的に剛性であってもよい。いくつかの実施の形態では、カニューレ本体部分は、少なくとも部分的にポリカーボネートおよびポリプロピレンからなる群から選択される剛性材料から形成されてもよい。
【0090】
さまざまな実施の形態が説明されるが、説明は限定ではなく例示的であることを意図しており、開示された実施の形態の範囲内にある、より多くの実施の形態および実施態様が可能であることは当業者には明らかであろう。特徴の多くの可能な組み合わせが添付の図面に示され、この詳細な説明で論じられているが、開示された特徴の多くの他の組み合わせが可能である。任意の実施の形態の任意の特徴または要素は、特に制限されない限り、任意の他の実施の形態の任意の他の特徴または要素と組み合わせて、またはそれらの代わりに使用されてもよい。さらに、別段の指定がない限り、システムの方法または機能における任意のステップは、本明細書に記載の任意の他のステップに関して任意の相対的な順序で行われてもよい。
関連出願の相互参照
この出願は、2020年2月11日に出願された米国仮特許出願第62/972,897号に基づく優先権を主張しており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの弁を含むシール構造と、カニューレ本体と、を備え、
前記カニューレ本体は、組織内に挿入されるように構成された遠位開口部を有する挿入部分と、近位開口部を有し前記シール構造を可逆的に受容するように構成された受容部分と、を含み、
前記シール構造は、前記カニューレ本体の前記近位開口部に関して取り外し可能に構成され、
前記シール構造は、前記カニューレ本体と係合したときに前記カニューレ本体内に正圧を保持するように構成され、前記シール構造は、物体が前記カニューレおよび前記シール構造を通して挿入されたときに前記カニューレ本体内に正圧を保持するように構成されている、
外科用カニューレ。
【請求項2】
前記シール構造はハウジングカバーを含み、
前記ハウジングカバーは、前記カニューレ本体から延びるラッチ構造を受容して前記カニューレ本体と係合した前記シール構造を可逆的に保持するように構成された切込みを上面上に含む、
請求項1に記載の外科用カニューレ。
【請求項3】
前記カニューレ本体は、その外面にねじ山を含み、
前記カニューレ本体は、前記受容部分から横方向外側に延びる保持突出部を含み、
前記シール構造は、前記シール構造を前記受容部分と取り外し可能に係合させたままにするように前記保持突出部と係合するように構成された切欠きを含む、
請求項1に記載の外科用カニューレ。
【請求項4】
前記カニューレ本体は、前記受容部分から横方向外側に延びる、前記近位開口部に隣接する保持リップを含み、
前記シール構造は、前記近位開口部を覆うように前記保持リップと係合するように構成されている、
請求項1に記載の外科用カニューレ。
【請求項5】
前記カニューレ本体は、
前記近位開口部に隣接して配置され、前記受容部分から横方向外側に延びる第1の保持リップと、
前記第1の保持リップよりも遠位開口部の近くに配置され、また前記受容部分から横方向外側に延びる第2の保持リップと、
前記第1の保持リップと前記第2の保持リップとの間に位置する保持溝と、を含み、
前記シール構造は、前記シール構造の側壁から横方向内側に延びる保持フック構造を含み、前記保持フック構造は、前記カニューレ本体上の前記保持溝と可逆的に係合するように構成されている、
請求項1に記載の外科用カニューレ。
【請求項6】
前記シール構造は上面を含み、前記上面は第1の直径を有する貫通孔をその中に有し、
前記シール構造は、前記上面と、キャビティ側壁と、下面とによって画定されるキャビティを含み、
前記シール構造内の前記弁は、前記上面の前記貫通孔とは前記キャビティの反対側に位置する前記キャビティの下面に配置され、
前記弁は第2の直径を有し、前記第2の直径は前記貫通孔の前記第1の直径よりも大きく、
前記シール構造、前記上面、前記側壁、前記下面、および前記弁はすべて単一材料の連続片である、
請求項1に記載の外科用カニューレ。
【請求項7】
前記カニューレ本体は、実質的に剛性であり、少なくとも部分的にポリカーボネートおよびポリプロピレンからなる群から選択される材料で形成され、
前記カニューレ本体の前記挿入部分は第1のゲージを有し、前記カニューレ本体の前記受容部分は第2のゲージを有し、前記第2のゲージは前記第1のゲージよりも大きく、
前記1つ以上の縫合糸取り付け構造は、2つのフランジを含み、各フランジは、前記カニューレ本体から横方向外側に延び、アイレット孔を含む、
請求項1に記載の外科用カニューレ。
【請求項8】
第1の弁および第2の弁を含むシール構造と、
遠位開口部を有し組織内に挿入されるように構成された挿入部分、および近位開口部を有し前記シール構造を可逆的に受容するように構成された受容部分、を含むカニューレ本体と、を備え、
前記シール構造は、前記カニューレ本体の前記近位開口部を可逆的に覆うものであり、
前記シール構造は、物体が前記カニューレを通して挿入されたときに、前記カニューレ本体内に正圧を保持するように構成されている、
外科用カニューレ。
【請求項9】
前記第1の弁は三尖弁であり、前記第2の弁は三尖弁である、請求項8に記載の外科用カニューレ。
【請求項10】
前記第1の弁は三尖弁であり、前記第2の弁はダックビル弁である、請求項8に記載の外科用カニューレ。
【請求項11】
前記カニューレ本体は、前記挿入部分が挿入された組織に前記カニューレをアンカリングするために縫合糸を保持するように構成された1つ以上の縫合糸取り付け構造をさらに含み、
前記カニューレ本体の前記挿入部分は大略的に円筒形であり、前記挿入部分はその外面にねじ山を含む、
請求項8に記載の外科用カニューレ。
【請求項12】
前記カニューレ本体は、縫合糸取り付け構造をさらに含み、
前記縫合糸取り付け構造は、2つのラッチウィングを含み、前記2つのラッチウィングはそれぞれ、前記受容部分から外側に延び、前記シール構造のラッチ受容構造に係合するように構成されたラッチ構造を一端に含む、
請求項8に記載の外科用カニューレ。
【請求項13】
前記カニューレ本体は、1つ以上の縫合糸取り付け構造をさらに含み、
各縫合糸取り付け構造は、前記カニューレ本体から横方向外側に延びるフランジを備え、前記フランジはアイレット孔を含む、
請求項8に記載の外科用カニューレ。
【請求項14】
前記シール構造、前記第1の弁、および前記第2の弁は、材料が連続した単一片である、
請求項8に記載の外科用カニューレ。
【請求項15】
少なくとも1つの弁を含むシール構造と、カニューレ本体と、を備え、
前記カニューレ本体は、遠位開口部を有し組織内に挿入されるように構成された挿入部分と、近位開口部を有し前記シール構造を可逆的に受容するように構成された受容部分と、を含み、
前記シール構造は、物体が前記カニューレおよび前記シール構造を通して挿入されたときに前記カニューレ本体内に正圧を保持するように構成され、
前記カニューレ本体は、前記挿入部分が挿入された組織に前記カニューレをアンカリングするために縫合糸を保持するように構成された1つ以上の縫合糸取り付け構造をさらに含む、外科用カニューレ。
【請求項16】
前記シール構造は、第1の弁および第2の弁を含む、請求項15に記載の外科用カニューレ。
【請求項17】
前記カニューレ本体の前記挿入部分は第1のゲージを有し、
前記カニューレ本体の前記受容部分は第2のゲージを有し、
前記第2のゲージは前記第1のゲージよりも大きい、
請求項15に記載の外科用カニューレ。
【請求項18】
前記カニューレ本体の前記挿入部分は大略的に円筒形であり、
前記挿入部分は、その外面にねじ山を含む、
請求項15に記載の外科用カニューレ。
【請求項19】
前記シール構造は、前記カニューレ本体の前記近位開口部を可逆的に覆い、
前記シール構造は、前記近位開口部から取り外し可能であるように構成され、
前記カニューレ本体は、前記受容部分から横方向外側に延びる前記近位開口部に隣接する保持リップを含み、
前記シール構造は、前記近位開口部を覆うように前記保持リップと可逆的に係合するように構成されている、
請求項15に記載の外科用カニューレ。
【国際調査報告】