(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(54)【発明の名称】昇降歩行器椅子及び部品
(51)【国際特許分類】
A61H 3/04 20060101AFI20230329BHJP
A61G 5/12 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
A61H3/04
A61G5/12 701
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548748
(86)(22)【出願日】2021-02-11
(85)【翻訳文提出日】2022-10-05
(86)【国際出願番号】 US2021017703
(87)【国際公開番号】W WO2021163360
(87)【国際公開日】2021-08-19
(32)【優先日】2020-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520376074
【氏名又は名称】エクソキネティクス,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】ギャレット ダブリュ.ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】ライアン クリストファー ミーズ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル リチャード ルフェーブル
(72)【発明者】
【氏名】ステファン マイケル ローソン
【テーマコード(参考)】
4C046
【Fターム(参考)】
4C046AA24
4C046BB08
4C046CC01
4C046CC04
4C046DD08
4C046DD27
4C046DD29
4C046DD35
4C046DD41
4C046DD46
(57)【要約】
高さ調節機構及び高さ制限装置を有する折り畳み式昇降歩行器椅子が開示される。昇降歩行器椅子は、モーターなしで椅子を容易に昇降させることができる独特の昇降機構を有する。昇降歩行器椅子の重量は、革新的な支柱を使用することによって最適化され得る。折り畳み機構は、昇降歩行器椅子がコンパクトな構成を達成することを可能にする。回転シート、ヒンジ、シートベルト、伸縮自在の車輪取り付け部、高さ調節装置及び安全機構のような革新的な構成要素を昇降歩行器椅子に含めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの車輪を有するフレームと、
前記フレームに取り付けられたシートと、
前記シートに取り付けられた調節可能な昇降機構と、
4つの枢着されたリンクを有する平行四辺形構造であって、平行四辺形が4つの枢動部のうちの少なくとも2つにおいて前記フレームに接続された、平行四辺形構造と、
前記平行四辺形の第1リンクから前記平行四辺形の第2リンク上の調節可能な終端点まで旋回可能に延在して、前記平行四辺形の第1枢動部から変位するばねと、
前記第1枢動部に対するばね終端点の位置を調節するように構成された持ち上げ力調節機構と、
を備える、昇降歩行器椅子。
【請求項2】
前記持ち上げ力調整機構は、選択されたノッチで、ばねピンと係合するように構成されたノッチを有する円弧状スロットを更に備え、前記スロットの半径は、前記ばねが完全に伸長されたときに、前記ばねの対向する端部の枢動半径と一致する、請求項1に記載の昇降歩行器椅子。
【請求項3】
前記シートがサドルの形成である、請求項1に記載の昇降歩行器椅子。
【請求項4】
高さ調節支柱内で長手方向に延びる内部交差ウェブを有する、前記高さ調節支柱と、
一連の孔を有する前記高さ調節支柱の壁であって、前記交差ウェブが、前記高さ調節支柱の壁孔に位置合わせされる、一連の孔を有する、前記壁と、
最大高さ制限ピンと、
前記最大高さ制限ピンの周りに配置された圧縮ばねと、を有する最大高さ調節機構をさらに備える、請求項1に記載の昇降歩行器椅子であって、
前記最大高さ制限ピンは、選択された高さ調節支柱の壁孔と、位置合わせされた交差ウェブ孔とを貫通して、シートの最大高さで固定するように延び、
前記最大高さ制限ピンは、前記選択された孔から引き出され、他の選択された孔に挿入されて、前記シートの最大高さを調整することができる、昇降歩行器椅子。
【請求項5】
前記高さ調節機構は、
高さ調節支柱と、
一連の孔を有する前記高さ調節支柱の壁と、
平行四辺形リンクに関連し、円弧状に移動する高さ調節ピンと、
前記高さ調節ピンの周りに配置された圧縮ばねと、を備える、請求項1に記載の昇降歩行器椅子であって、
前記高さ調節ピンは、選択された高さ調節支柱の壁孔を通って延び、シートの選択された高さに固定し、前記高さ調節ピンは、前記選択された孔から引き出され、別の選択された孔に挿入されるように移動されて、前記シートの高さを調整することができる、昇降歩行器椅子。
【請求項6】
前記高さ調節ピンと前記高さ調節支柱の壁孔との間の摩擦が、前記シートが占有されていないときに前記高さ調節ピンを定位置に保つように構成された高さロック安全機構と、
前記シートが前記昇降機構によって平衡状態又は略平衡状態であるときに前記摩擦が低減され、それによって前記高さ調節が引き込まれるように解放される、高さロック安全機構と、をさらに備える、請求項5に記載の昇降歩行器椅子。
【請求項7】
昇降歩行器椅子が更に、
前記シートを前記フレームにシートの外側で連結し、前記シートが垂直位置に向かって回転することを可能にするように構成されたヒンジと、
クロスアーム枢動部で旋回可能に連結され、各クロスアームが前記フレームにそれぞれ接続された2つのクロスアームと、
前記2つのクロスアームのそれぞれが、互いに回転可能に接続された2つのヒンジ結合されたセクションを備え、
前記2つのクロスアームが、前記フレームの両側が互いに向かい、前記2つのクロスアームの前記2つのヒンジ結合されたセクションが前記ヒンジで下方に折り畳まれるにつれて、互いに整列するように回転するように構成され、
第1シート支持体枢動部ではさみ状にヒンジ結合された2つのセクションを有するシート支持部と、
第2シート支持体枢動部でシート底部上の前記シートにさらにヒンジ結合と、備える、請求項1に記載の昇降歩行器椅子。
【請求項8】
前記昇降歩行器椅子は回転可能なハンドルバーを有し、前記ハンドルバーは、前方位置から後方位置まで回転する請求項1に記載の昇降歩行器椅子。
【請求項9】
前記昇降歩行器椅子において、
前記シートは回転し、前記回転シートは、
頂部シートセクション及び底部シートセクションと、
前記シートの下側から延びる支柱の形態のシート枢動部と、
1つ又は複数の重量支持ローラ装置と、を備え、
前記1つ又は複数のローラ装置の各々は、前記頂部シートセクション又は前記底部シートセクションのいずれかにおいて前記シート枢動部から半径方向距離に配置された湾曲トラックを有し、前記シート枢動部を前記トラックの枢動部の中心として有し、
前記頂部セクション又は前記底部セクションのいずれかに配置された前記トラックに相補的なローラと、を備え、
前記ローラは、前記トラックに嵌合する、請求項1に記載の昇降歩行器椅子。
【請求項10】
前側の車輪は、キャスタ装置の一部であり、
前記昇降歩行器椅子は、更に、前記キャスタの車軸に確実に結合された踏板を備え、前記踏板は、前記昇降歩行器椅子を操縦するように構成されている、請求項1に記載の昇降歩行器椅子。
【請求項11】
ユーザの脚に対してクリアランスを設けて、ユーザが自然な歩行を使用して昇降歩行器椅子を推進することを可能にするように構成されている、請求項1に記載の昇降歩行器椅子。
【請求項12】
前記昇降歩行器椅子は、更に、シートベルトを備え、
前記シートベルトは、
ユーザの背中の周囲に配置され、ユーザの前面に延びるように構成されたベルト部であって、前記ベルト部を前記ユーザに適合させるように構成されたベルト部の調整装置に、各端部で取り付けられる、前記ベルト部と、
ベルトバックル部分に接続された第1前ベルト部分と、
相補的なベルトバックルに接続された第2前ベルト部分と、前記前ベルト部分は、伸縮可能なベルト部の調整装置に通され、前記前ベルト部分は、さらにベルト調整部に通され、
前記ベルトの調整装置に取り付けられ、さらに前記フレームに固定される、ベルトの固定部と、を有する、請求項1に記載の昇降歩行器椅子。
【請求項13】
前記ベルトの調整装置は、2つのカムバックルを備え、各カムバックルは、カムバックル基部と、カムバックル枢動部にヒンジで取り付けられたカムバックルレバーとを有し、
各カムバックルは、そのヒンジで取り付けられた端部が昇降歩行器椅子の前方に向けて配置され、
前記シートベルトの左右の各側面において、前記カムバックル基部と前記カムバックルレバーとの間に、前ベルト部分が通され、
各前ベルト部分は、更に、カムバックルレバースロットに通され、カムバックルから後方に延在する前ベルト部分のベルト調整部分が残り、それによって、ベルト調整部分を後方に引っ張ることによって、選択されたベルトの寸法が所定の位置に係止され、
前記カムバックルレバーは、閉位置まで回転すると、ユーザが前方に傾いているとき等、前ベルト部分がカムバックルの前記ヒンジで取り付けられた端部で前方に引っ張られたときに、閉じたままになるか、又は強制的に閉じられるように構成されている、請求項12に記載の昇降歩行器椅子。
【請求項14】
前記スロット内の前記ばねピンの調節を容易にする補助圧縮ばねをさらに備える、請求項2に記載の昇降歩行器椅子。
【請求項15】
シートベルトであって、
ユーザの背中の周りに配置され、ユーザの正面まで延長するように構成されたベルト部であって、前記ベルト部を前記ユーザに適合させるように構成されたベルト部の調整装置に各端部で取り付けられた前記ベルト部と、
ベルトバックル部分に接続された第1前ベルト部分と、
相補的なベルトバックルに接続された第2前ベルト部分と、前記前ベルト部分は、前記ベルト部の調整装置に通され、前記前ベルト部分は、さらにベルト調整部に通され、
前記ベルトの調整装置に取り付けられ、さらにフレームに固定される、ベルトの固定部と、を有する、シートベルト。
【請求項16】
前記シートベルトは、更に、
2つのカムバックルであって、前記カムバックルのそれぞれは、カムバックル基部と、カムバックル枢動部にヒンジで取り付けられたカムバックルレバーとを有し、
各カムバックルは、そのヒンジで取り付けられた端部がユーザの前方に向けて配置され、
前記シートベルトの左右の各側面において、前ベルト部分は、カムバックル基部と前記カムバックルレバーとの間に通され、
前ベルト部分は、それぞれ、カムバックルレバースロットを通され、カムバックルから後方に延在する前ベルト部分のベルト調節部分が残り、それによって、ベルト調節部分を後方に引っ張ることによって、選択されたベルトの寸法が所定の位置に係止され、
前記カムバックルレバーは、閉位置に回転されると、ユーザが前方に傾いているとき等、前ベルト部分がカムバックルの前記ヒンジで取り付けられた端部で前方に引っ張られたときに、閉じたままであるか、又は強制的に閉じられるように構成されている、請求項15に記載のシートベルト。
【請求項17】
調節機構であって、前記調節機構は、
中空の支持支柱を備え、
前記支柱は、前記支柱の長さを延長する内部交差ウェブを有し、
前記中空支柱は壁を有し、前記壁は任意に厚くなった領域を有し、前記支柱の壁は一連の孔を有し、
前記交差ウェブは、前記支柱の壁孔と整列した一連の孔を有し、
前記調節機構は、前記支柱の壁孔内及び前記交差ウェブの孔内に延在可能なピンと、を備え、所望の設定/調整を選択する、調節機構。
【請求項18】
前記中空支柱は、支持支柱である、請求項17に記載の調節機構。
【請求項19】
回転シートであって、
頂部シートセクション及び底部シートセクションと、
前記シートの下側から延びる支柱の形態のシート枢動部と、
1つ又は複数のローラ装置と、を備え、
前記1つ又は複数のローラ装置の各々は、前記頂部シートセクション又は底部シートセクションのいずれかにおいて前記シート枢動部から半径方向距離に配置された湾曲トラックを有し、前記シート枢動部を前記トラック枢動部として有し、
前記頂部セクション又は底部セクションのいずれかに配置された前記トラックに相補的なローラと、を備え、
前記ローラは、前記トラックに嵌合する、回転シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
移動が困難な個人を支援する従来の装置は、歩行器、車椅子、の2つの大きなカテゴリに分類され、更に、ユーザが立ち上がって移動するのを支援するいくつかの中間的な組み合わせもある。
【背景技術】
【0002】
従来の歩行器では、支えや安定性はあるものの、手や腕を使うため、移動中に何かを運んだり操作したりすることはできない。また、4輪の歩行器にはシートが付属しているものもあるが、ユーザが立ち止まって、向きを変えない限り、それらを使用することができない。
【0003】
歩行器は、低速であり、孤立しており、座るために脇に置かれる場合、本質的に危険である。
【0004】
ほとんどの非電動式及び電動式の車椅子のユーザは、筋肉、循環器、心臓の健康を犠牲にして、延々と座ったままになる。
【0005】
昇降車椅子は、ベルトで固定されたユーザを立位姿勢まで起こすのに大型モーターを使用しており、その一部は、直立した状態で、しかし歩行能力を強化することなく、或いは何らかの筋肉の負担を必要とせずに、ユーザがあちらこちらに移動する動力を付与することができる。
【0006】
支援装置の別の中間カテゴリには、ユーザを幾分持ち上げて降ろし、ユーザに歩くことを促す「起立式」歩行器を含む。
【0007】
不都合にも、既存の起立式歩行器は、前方及び後方入口への大きな構造を有することによって、又は不格好で居心地の悪い折り畳みシート、手順、及び拘束を有することによって、世間とユーザとのやりとりを抑制している。また、ユーザは、座った姿勢から立った姿勢へと立ち上がるためには、依然として体重のかなりの割合を脚及び腕で持ち上げなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【0009】
待ち望まれているのは、歩行制限のある個人が、全く望ましい高さで、自分自身のエネルギー及び元の運動能力のうちの少なくともわずかな部分だけを用いて、意のままに座ったり足ったりすること、比較的自然な歩行で歩行すること、及び周囲と安全かつ容易に触れ合えること、すなわち、調理し、清潔にし、洗濯し、服を着て、自分自身を運ぶための手段である。
【発明の概要】
【0010】
折り畳み式の昇降歩行器椅子が開示されており、これは高さ調節機構を有し、高さ制限装置を含んでもよい。昇降歩行器椅子は、椅子のユーザをモーターなしで容易に昇降可能な昇降機構を有する。
【0011】
昇降歩行器椅子の重量は、革新的な支柱を使用することによって最適化され得る。
【0012】
伸縮自在の車輪取り付け部は、高さの調整範囲を広げることができる。
【0013】
昇降歩行器椅子がコンパクトな構成を実現することを可能にする折り畳み機構が提供されてもよい。折り畳まれたとき、それはまた、歩行支援体として使用され得る。
【0014】
回転シート、ヒンジ、シートベルト、高さ調節機構及び安全機構等の革新的な構成要素を昇降歩行器椅子に含めることができる。
【0015】
全ての図面は、昇降歩行器椅子及びその構成要素の例示的な実施形態のものである。様々な態様に組み込まれ得る様々な構成要素が示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、着席モードの昇降歩行器椅子の側面図を示す。
【0017】
【
図2】
図2は、ハンドルバーが後方に折り畳まれた、立位モード又は歩行モードにおける昇降歩行器椅子の側面図を描写する。
【0018】
【
図3】
図3は、「バースツール(barstool)」モードにおける昇降歩行器椅子の側面図を示す。
【0019】
【
図4】
図4は、着席モードにおける昇降歩行器椅子の等角斜視図である。
【0020】
【
図5】
図5は、立位モード又は歩行モードにおける昇降歩行器椅子の等角斜視図を示す。
【0021】
【
図6】
図6は、ハンドルバーが後方に折り畳まれた「バースツール」モードの昇降歩行器椅子の等角斜視図を示す。
【0022】
【
図7】
図7は、最大高さ制限装置及び高さ調節機構を備えた昇降歩行器椅子の側面図、及びそれらの拡大図を示す。
【0023】
【
図8】
図8は、昇降歩行器椅子が完全に持ち上げられた時にばねピンを係合したままにすることにより、持ち上げ力の強さ(lifting strength)の調整を容易にするばね構成を描いている。
【0024】
【
図9】
図9は、最大高さ制限装置と高さ調節機構とを備えた昇降歩行器椅子の正面図、及びそのさらなる断面拡大図を示す。ここで、高さ調節ピンは高さ調節支柱(height adjustment strut)に係合されている。
【0025】
【
図10】
図10は、最大高さ制限装置と高さ調節機構とを備えた昇降歩行器椅子の正面図、及びその断面拡大図であり、高さ制限ピンは、高さ調節支柱と係合解除されている。
【0026】
【
図11】
図11は、楕円形の管状の高さ調節支柱及び横断面図を示す。
【0027】
【0028】
【
図13】
図13は、昇降歩行器椅子の正面図及び昇降機構の構成要素の詳細な図を示す。
【0029】
【
図14】
図14は、昇降歩行器椅子の正面図及び昇降機構の構成要素の断面図を示す。
【0030】
【
図15】
図15は、拡張モードのハンドルバーを有する昇降歩行器椅子の正面図及び側面図、ならびにハンドルバー枢動部の詳細な断面図を示す。
【0031】
【
図16】
図16は、後方に折り畳まれたハンドルバーを有する昇降歩行器椅子の正面図及び側面図、ならびにハンドルバー枢動部のクローズアップ断面図を示す。
【0032】
【
図17B】
図17Bは、折り畳みモードにおけるハンドルバー枢動部の断面図を示す。
【0033】
【0034】
【
図19】
図19は、昇降歩行器椅子用の回転シートの分解図を示す。
【0035】
【0036】
【
図21】
図21は、回転シートの下側の詳細を示す分解図である。
【0037】
【
図22】
図22は、回転シートの下側からの図、及び切り欠き断面図である。
【0038】
【
図23】
図23は、シートリリースレバー部分を拡大した、昇降歩行器椅子の等角図を示す。
【0039】
【
図24】
図24は、昇降歩行器椅子の底面図及び正面図、ならびにロック位置にあるシートリリースレバー部分の断面図を示す。
【0040】
【
図25】
図25は、昇降歩行器椅子の底面図及び正面図、ならびにロック解除位置におけるシート解除レバー部分の断面図を示す。
【0041】
【
図26】
図26は、部分的に折り畳まれた昇降歩行器椅子の正面図を示す。
【0042】
【
図27】
図27は、折り畳まれた昇降歩行器椅子の側面図を描写する。
【0043】
【
図28】
図28は、
図27の図とは反対側から見た、折り畳まれた昇降歩行器椅子の側面図を描写する。
【0044】
【
図29】
図29は、折り畳まれた昇降歩行器椅子の正面図である。
【0045】
【
図30】
図30は、折り畳まれた昇降歩行器椅子の背面図である。
【0046】
【
図31】
図31は、ブレース及び折り畳み機構の交差する腕木(cross-arm)を示す、昇降歩行器椅子の正面図を描写する。
【0047】
【
図32】
図32は、キャスタステアリング踏板を示す昇降歩行器椅子の等角図である。
【0048】
【
図33】
図33は、キャスタステアリング踏板を角度のある位置で示す、昇降歩行器椅子の上面図である。
【0049】
【
図34】
図34は、前方位置におけるキャスタステアリング踏板を示す、昇降歩行器椅子の上面図である。
【0050】
【
図35A】
図35Aは、垂直方向へ延長された延長されていない構成におけるキャスタを示す。
【0051】
【
図36】
図36は、2つの背もたれを有する昇降歩行器椅子の正面図を示す。
【0052】
【
図37】
図37は、シート高さロック安全機構の切り欠き図を示す。
【0053】
【
図38】
図38は、シート高さロック安全機構の付加的な構成要素を示す。
【0054】
【
図39】
図39は、昇降歩行器椅子と共に使用するためのシートベルトの上面図を描写する。
【0055】
【
図40】
図40は、昇降歩行器椅子と共に使用するためのシートベルトの斜視図を描写する。
【0056】
【
図41C】
図41Cは、帯ひも(webbing)が通された、カムバックルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図面は、左右の構成要素など、図示された装置において複製されるいくつかの部品を含む。このような部品は、部品の番号に続く文字によって個々に識別することができる。簡潔にするために、部品の番号は、文字なしで使用され得るが、部品が複数個使用されている場合に適用されることが意図され得る。
【0058】
参照番号の後に文字が続く場合、「a」は椅子ユーザの右側を指し、「b」は椅子ユーザの左側を指す。参照番号の後に文字a、b、c又はdが続く場合、「a」及び「b」は、装置の前方を指し、「c」及び「d」は、装置の後方を指し、「c」は、椅子ユーザの右側を指し、「d」は、椅子ユーザの左側を指す。いくつかの事例では、特に、複数の構成要素のうちの1つのみが示されるとき、文字は省略され得る。構成要素は、対向する右側及び左辺で互いに鏡像であってもよいことに留意されたい。
【0059】
図1~
図6は、昇降機構102が組み込まれた例示的な昇降歩行器椅子100を示す。
図1~
図3は、昇降歩行器椅子100の側面図を示し、
図4~
図6は、等角図を示す。昇降歩行器椅子100は、シート104が
図1及び
図4に示すような下降位置にある座位モードを有する。昇降歩行器椅子100はまた、
図2及び
図5に示されるように、ユーザが昇降歩行器椅子によって支持されている間に歩行することを可能にするためにシート104が持ち上げられる、立位モード又は歩行モードを有する。立位モード又は歩行モードでは、ハンドルバー140a、104bは、例えば、ブレーキハンドル142a、142bを介してブレーキを作動させることによって、ユーザが昇降歩行器椅子100を制御できるように伸ばすことができる。昇降歩行器椅子100は、1つ又は複数のブレーキハンドル142を有することができる。
【0060】
図3及び
図6は、バースツール・モードにおける昇降歩行器椅子100を示している。このモードは、バー140a、140bを後方に折り畳んで、ユーザがテーブル、バー又はカウンター等の近くに昇降歩行器椅子100を位置付けることを可能にするような起立ポジションである。着席モードにおけるシート104の高さと歩行モードとの間で、様々なシートの高さを選択することもできる。ハンドルバー140a、140bは、着席モード又は昇降歩行器椅子100の任意の持ち上げられたシート位置で後方に折り畳むことができる。これにより、ユーザは、昇降歩行器椅子をテーブル又は机又は他の道具に対してより近くに位置付けることができる。
【0061】
シート104は、昇降歩行器椅子に有利であり得るサドルとして描かれているが、シート104は、昇降歩行器椅子100の使用に適合する他の構成を有してもよい。例えば
図4に見られるように、昇降歩行器椅子100の前部のクリアランスに留意されたい。これは、ユーザが、自身の脚に邪魔されることなく、又はほとんど邪魔されることなく、通常の歩行の足取りで、周囲とやりとりすることを可能にする。
【0062】
図1~
図3は、片側に見えるばね106を有する昇降機構102を示す。しかし、ばね106を備えた昇降機構102を昇降歩行器椅子100の対向側に組み込むこともできる。また、昇降機構102がシート104の中央下に配置されてもよい。昇降椅子100には、単一ユニット又は複数ユニットのいずれかとして、他の昇降機構の構造を組み込むことができる。
【0063】
図3に見られるように、例えば、昇降機構102は、平行四辺形枢動部110、112、114、116を備える平行四辺形構造108を備える。平行四辺形枢動部110、112、114、116を結ぶ仮想的な直線は、平行四辺形を形成する。したがって、「平行四辺形」という用語は、実際の構造リンクが直線状でなくても、例えば「平行四辺形構造」という語句で使用される。端部ブロック126の一部は、平行四辺形枢動部114、116間に平行四辺形リンクを形成する。フレーム118の一部は、枢動部110、112間に平行四辺形リンクを形成する。平行四辺形リンク128は、平行四辺形枢動部112、114間の仮想線に対応する。平行四辺形リンク130は、平行四辺形枢動部110、116間の仮想線に対応する。
【0064】
様々な構成要素が、直接的又は間接的に、又はそれらと一体的に、フレーム118に取り付けられる。
図4に示すように、フレーム118は、車輪122a~122dが取り付けられる下部フレーム部品120a、120bを備えることができる。フレーム118は、下部フレーム部品120a、120bから上方に延在し、それに取り付けられてもよく、又はそれと一体化されてもよい背面部品124a、124bを含んでもよい。
【0065】
アームレスト132a、132bはフレーム118に取り付けられている。任意のフットレスト134a、134bはフットレスト枢動部136a、136bでフレーム118に取り付けられている。フットレスト134a、134bは、フレーム118に対して静止していてもよく、又は車輪122a、122bと共に自由に回転してもよく、したがって、以下でさらに説明するように、昇降歩行器椅子100を操縦するために使用される。
【0066】
ステアリング機構は、フットレスト134a、134bの一方又は両方、車輪122a、122bの一方又は両方、又は両方のフットレスト枢動部136a、136bを含んでもよい。フットレスト134a、134bは、フットレスト134a、134bの回転が車輪122a、122bを回転させるように、車輪122a、122bに直接又は間接的に取り付けることができる。ユーザは、フットレスト134a、134bに足を掛けて片足又は両足を移動させ、フットレスト134a、134bの方向を変え、このようにして、車輪122a、122bの方向を変えることができる。フットレスト134a、134bは、例えば、座っている間のユーザの足を収容するために折り込まれて内側に旋回される、2つ以上の標準的な位置を有してもよい。フットレスト134a、134bの回転を枢動部136a、136にて制限するためのフットレストの回転機構は、例えば2つ以上の位置において回転制限停止部等を使用することができる。位置の追加的な選択を提供する他のフットレストの回転機構が含まれてもよい。以下の
図32~
図34及び関連する説明も参照されたい。
【0067】
車輪122a、122b、122c、122dの1つ以上は、引用文献1(PCT/US2017/060163)(2017年11月7日出願)に記載されているような、従来の又は二重状態(dual-state)のキャスタによって、昇降歩行器椅子100に組み込むことができ、ここに参照して組み込むことができる。
【0068】
図7及び
図7の詳細Lは、例えば、ユーザの立位モード又は歩行モードの高さに設定され得る最大高さ制限装置138を有する昇降歩行器椅子100を示す。
図7はまた、最大高さ以下の様々な高さを選択するための高さ調節機構144を示す。また、最大高さ制限装置138及び高さ調節機構144の一部Lの拡大も示されている。座高解放レバーアーム186a、186bは、シート104上のユーザの重さで押し下げられたとき、昇降歩行器椅子100を、着席モード、立位モード/歩行モード、又はバースツール・モードなどの所望モードに調整することを可能にする。
【0069】
図7に描かれた例示的な実施形態では、最大高さ制限装置138は、その壁154に一連の孔148を有する支柱及び高さ調節支柱146を含む(
図11及び12も参照)。高さ調節バー146は、最大高さ制限装置138及び高さ調節機構144の一部として機能し、これについては以下により詳細に説明する。
【0070】
図9~10は、最大高さ制限装置138及び高さ調節機構144を通る断面を示す。
図9は、T-T線を通る断面詳細を示しており、その両方は、最大高さ制限ピン150と、高さ調節支柱146の孔148、160に係合された高さ調節ピン152とを描いている。
図10は、高さ調節支柱146内の最大高さ制限ピン150の係脱孔160を示す。
【0071】
支柱及び高さ調節支柱146の詳細を
図11及び
図12に示す。
図11は、高さ調節支柱146を、横断面F-F及び横断面Gの拡大図とともに示す。
図12は、高さ調節支柱146及びK-Kを通る縦断面を示す。
【0072】
図11に示す例示的な実施形態では、高さ調節支柱146は、楕円形の断面を有する管である。調整支柱146は、湾曲部材として示されているが、代替の実施形態では、本明細書で説明する機能を果たすことができるならば、直線状であってもよい。例示的な実施形態において、高さ調節ピン152は、平行四辺形リンクと関連しており、円弧状に移動する。高さ調節機構144及び最大高さ制限装置138が、それぞれ、高さを調整及び制限する機能を実行するように形状と協調するように構成されていれば、他の断面形状が使用されてもよい。高さ調節支柱146の支柱壁154は、高さ調節ピン152及び最大高さ制限ピン150からの損耗を抑制するために、支柱壁の領域156内で厚くすることができる。高さ調節支柱146は、交差ウェブ158を有していてもよい。前述のように、高さ調節支柱146は、その壁154に孔148を有する。高さ調節支柱146も交差ウェブ158に孔160を有する。交差ウェブ孔160は、支柱の壁孔148と整列されている。
【0073】
有利には、調整支柱146は、本明細書に開示される昇降歩行器椅子構成で使用されるとき、支持支柱とすることができる。これにより、追加の、より重い、又はより大型の昇降機構の使用が回避され得るので、より軽量な昇降歩行器椅子を可能にする。
【0074】
図8及び
図9に示すように、高さ調節ピン152は、高さ調節支柱の壁154の孔148内に延在するが、交差ウェブ孔160を通って延在しない。例示的な実施形態において、高さ調節ピン152は、高さ調節支柱の壁154の厚さ程度に係合する。しかしながら、最大高さ制限ピン150は、高さ調節支柱の壁孔148を貫通し、交差ウェブ孔160を貫通して延在する。この構成は、最大高さ制限ピン150の安定化に役立つ可能性がある。
【0075】
最大高さ制限装置138は、
図9及び
図10の断面図に示すように、最大高さ制限ピン150の周囲に配置された圧縮ばね162を有する。把持部164を最大高さ制限ピン150に取り付けて、ユーザが交差ウェブ孔160及び高さ調節支柱の壁孔148から最大高さ制限ピン150を引き出すこと、及び、ユーザが最大高さ制限を変更するために高さ調節支柱に沿って最大高さ制限装置138をスライドすることを容易にしてもよい。一旦、最大高さ制限ピン150が高さ調節支柱孔148に位置合わせされると(したがって、交差ウェブ孔160にも自動的に位置合わせされると)、圧縮ばね162は、最大高さ制限ピン150にバイアスをかけて、孔148、160内に延ばして残す。最大高さ制限ハウジング166は、圧縮ばね162及び最大高さ制限ピン150を取り囲んでいる。最大高さ制限ハウジング166は、高さ調節支柱と摺動可能に係合される。把持部164は、最大高さ制限ハウジング166の外側に配置される。最大高さ制限ピン150は、最大高さ制限ハウジング166の第1端部の開口部を通って延在し、圧縮ばね162が延在されると、最大高さ制限ハウジング166の対向する開口部を通って延在する。
【0076】
高さ調節機構144は、高さ調節機構ハウジング168を有する。高さ調節ピン152は、その伸長位置にあるとき、高さ調節機構ハウジング168の開口部を通り、且つ高さ調節支柱の壁孔148を通って伸びる。
【0077】
図37及び38は、シート高さロック安全機構の一部断面を示す。
図37の切り欠きは、B-Bに沿った図に見られる昇降歩行器椅子100の一部分の拡大である詳細Cとして識別される。延伸方向ばね192は、シート高さ解放レバー186に接続され、シート高さ調節レバー186の圧縮によって、延伸方向ばね192が一定の条件下で伸びるようになるが、これについては以下にさらに説明する。
図38に見られるように、ケーブル194は、高さ調節ピン152から延び、延伸方向ばね192にも接続されているシート高さ調節レバー186で終わる。シート高さ調節レバー186が圧縮されると、高さ調節ピン152と高さ調節支柱の孔148との間の摩擦が大きすぎない限り、高さ調節ピン152を高さ調節支柱孔148から取り外すことができる。高さロック安全機構は、高さ調節ピン152と高さ調節支柱の壁孔148との間の摩擦が、シート104に重量がないとき、すなわちシートが着座されていないときに、高さ調節ピン152を所定の位置に保つように構成される。ユーザが着座し、昇降歩行器椅子100がユーザの体重に合わせて調整されるとき、シートの上方又は下方への偏りはないか、又はほとんどない、すなわちシートは平衡状態又はそれに近い。このバランスは、摩擦が最小限に抑えられるので、高さ調節ピン152が引き込まれるように解放する。シートの平衡状態化及び付勢は、例えば、
図3に例示されているように、例えば、ばね106及び平行四辺形構造108によって達成されてもよい。一旦、ユーザが昇降歩行器椅子100から降りると、シートに偏りが生じ、それによって、高さ調節ピン152とそれが挿入される高さ調節支柱の壁孔148との間に摩擦力が生じる。従って、昇降歩行器椅子100が占有されていない場合、高さ調節ピン152は所定の位置に残る。
【0078】
図9及び
図10に戻ると、高さ調節機構ハウジング168は、平行四辺形リンク128に固定して取り付けられる。したがって、高さ調節機構ハウジング168が高さ調節支柱に沿って移動すると、平行四辺形構造108内の角度が変化し、それによってシート104を上昇又は下降させる。
【0079】
最大高さ制限装置138が高さ調節支柱に係合されると、高さ調節支柱に沿った高さ調節機構ハウジング168の可動域が制限される。
【0080】
最大高さ制限置ハウジング166は、高さ調節支柱の周りの全スリーブとして示されている。高さ調節機構ハウジング168は、高さ調節支柱を部分的にのみ囲むように示されている。どちらのハウジングも、高さ調節支柱に対して摺動可能であり、それらのそれぞれのピンが、交差ウェブ孔160及び高さ調節支柱の壁孔148と適切に係合することができ、昇降歩行器椅子100の他の構成要素と干渉しないのであれば、どちらのハウジングも、高さ調節支柱を完全に又は部分的に取り囲むように構成してよい。高さ調節支柱に沿ってハウジングが摺動しやすくするために、例えば、ローラ、ボールベアリング及び低摩擦材料、又はこのような機構の組合せなど、種々の機構を含むことができる。
【0081】
最大高さ制限装置138及び高さ調節機構144に関して説明した「高さ制限」及び「高さ調節」は、以下でより詳細に説明する昇降機構102によって提供されるリフト力調整とは異なることに留意されたい。最大高さ制限装置138は、着席モードから立位モードへの昇降機構によって生成される可動域の範囲を定める最大高さ制限を提供する。高さ調節機構144は、ユーザが着席モードと立位モードとの間でシートの高さを選択することを可能にする。昇降機構102は、様々な体重のユーザがシート104の高さを時々刻々に簡単に変更することを容易にする。高さ制限装置及び高さ調節機構の他の構成は、昇降歩行器椅子100とともに使用されてもよい。
【0082】
図13は、昇降歩行器椅子100の正面図及び昇降機構102の構成要素を示すU-U線を通る断面図を示す。
図14は、昇降歩行器椅子100の正面図と、昇降機構102の構成要素の切り欠き断面を示すV-V線を通る断面図とを示す。昇降機構102は、例えば、平行四辺形構造108(部分的に示される)及びガススプリング等のばね106を含む。ばね106は、第1のばね端部で平行四辺形リンク128に取り付けられ、第2のばね端部で端部ブロック126に取り付けられる。ばね106は、枢動部172で平行四辺形リンク128に回転可能に取り付けられる。この例示的な実施形態では、ばね106は、その第1端部にクレビス182を有し、これは、平行四辺形リンク128に固定して取り付けられたタブ184と係合する。ばね106の第2端部は、ばね終端点174と称される。ばね終端点174は、枢動部として機能する。
【0083】
持ち上げ動力機構(lifting power mechanism)を採用してもよい。例えば、ばね106は、ばね終端点174で端部ブロック126に調節可能に取り付けられてもよい。端部ブロックは、この例示的な実施形態では、スカラップ状(scalloped)の内側スロット縁部として現れるノッチ(notch)178を有するスロット176を有する。ばね終端点174は、スロット176と係合し、ノッチ178のうちの1つに留まるばねピン180を有する。ノッチ178は、ばね枢動部172から伸びる半径を有する円弧を形成する。スロット176の半径は、ばね106が完全に伸長されたときに、ばね106の第2端部の枢動半径と一致してもよい。昇降機構102の持ち上げ力は、ばねピン180がどのノッチに係合されているかによって変わるであろう。適切な持ち上げ力、したがってノッチ位置は、以下でより詳細に説明されるように、昇降歩行器椅子100に乗ったユーザの重量に基づいて選択されるべきである。ばねピン180は、高さ調節ピン152及び最大高さ制限ピン150が高さ調節支柱の壁孔148から外れ、ばね106が完全に伸びるように最大高さを超えて移動するまで、ノッチ178に係合されたままである。次いで、ばね106を手動で係合解除することができる。一旦、ばねピン180がノッチ178から引き出されると、それは、昇降機構102の持ち上げ力の強さを調整するために、異なるノッチ178内に再配置されてもよい。昇降調整機能の詳細については、以下を参照されたい。
【0084】
ノッチ178からのばねピン180の引き抜きを容易にするために、補助圧縮ばね216を採用してもよい。
図8は、昇降歩行器椅子が完全に持ち上げられたときに、スロット176のノッチ178内にばねピン180を維持することを容易にする補助ばね機構を描いている。補助圧縮ばね機構は、
図13に示すような端部領域224内に収容されてもよい。ばね106の一部は、ねじを切った取り付け部220を有するばね本体218を含むことが示されている。延長シリンダ226は、ばね本体218から延在する。延長シリンダ226は、概ねばね端部領域224である受けカップ228に摺動可能に係合されている。補助ばね216は、ばね106と同軸である。本質的に、補助ばね216は、昇降歩行器椅子のシートが最大高さに達したときに伸びることによって、ばね106の移動を延長するか、又はばね106が完全に延長されたときに引き継ぐ。この拡張は、ばねピン180をスロット176内に保持するのに十分な力を提供するが、様々なノッチ178間で調整することを可能にするように構成される。
【0085】
ばね終端点174の位置の調整は、昇降機構102の一部を形成するリフティング三角形の一辺を短くするか又は長くする。このリフティング三角形の一辺は、ばね終端点174から平行四辺形枢動部114までの距離である(枢動部114の位置については、
図3を参照)。リフティング三角形の他の2つの辺は、ばね枢動部172からばね終端点174までのばね106の長さ、及びばね枢動部172から平行四辺形枢動部114までの距離である。ばね終端点174から平行四辺形枢動部114までの距離は、「レバーアーム」とみなすことができ、レバーアームの長さが長くなるにつれて、昇降機構102の有効な上昇力は増大する。
【0086】
この例示的な実施形態では、昇降歩行器椅子100は、持ち上げ力の強さの調整を行うために、その最も高い位置にある必要がある。最も下の位置では、ばね106は圧縮され、ノッチ178と容易には再度位置合わせできないように位置決めされる。ばね106は、昇降歩行器椅子100がその最高位置にあり、ノッチ178と位置合わせするときに伸長される。したがって、180は、選択されたノッチ178内により容易に再配置することができる。
【0087】
図15及び
図16に示すように、昇降歩行器椅子100は、ハンドルバー140a、140b(
図5及び
図6も参照)を有する。ハンドルバー140a、140bは、1つ以上のセクションを構成することができる。例えば、
図15に示すように、ハンドルバー140a、140bは、締結具190a、190bで接合された2つの構成要素を有する。ハンドルバー140a、140bは、ハンドルバー枢動部202a、202bによって端部ブロック126a、126bに回動可能に取り付けられている。ハンドルバー140a、140bは、起立ポジションで昇降歩行器椅子を使用して立ち上がり又は歩行する際に、快適かつ支持するようにユーザに適応することができる。例示の実施形態において、ハンドルバー140a、140bは、昇降用歩行器椅子100を上昇させた後に伸びるように任意に構成される。代わりに、又は、ハンドルバー140a、140bを手動で展開するように設定してもよい。
【0088】
図15は、伸長された位置にハンドルバー140を備えた昇降歩行器椅子100の正面図及び側面図を示す。
図15は、AA-AAを通る断面を含む。断面AA-AAは、ハンドルバー枢動部202を示す。
図2と同一の昇降歩行器椅子100の側面図が、参照のために再び示される。
図15の断面ACの拡大が
図17Aに示されている。断面ACは、ハンドルバー140が伸長位置にあるときのハンドルバー枢動部202を描いている。
【0089】
図16は、折り畳まれた位置にハンドルバー140を備えた昇降歩行器椅子100の正面図を示す。
図16は、AB-ABを通る断面を含む。断面AB-ABは、ハンドルバー140が折り畳まれた位置にあるときに構成されるようなハンドルバー枢動部202を示す。
図3と同一の昇降歩行器椅子100の側面図が、参照のために再び示される。
図16の断面ADの拡大図を
図17Bに示す。断面ACは、ハンドルバー140が折り畳まれた位置にあるときのハンドルバー枢動部202を描いている。
【0090】
図17Aは、ハンドルバー140が延長されたときのハンドルバー枢動部202を示す。ハンドルバー枢動部202は、第1枢動ピン204及び第2枢動ピン206を含んでもよく、各枢動ピンは端部ブロック126から延びている。枢動要素208は、ハンドルバー140に取り付けられるか、又は一体化される。枢動要素208は、枢動ノッチ210及び枢動スロット212を含む。ハンドルバー140が延長されると、第1枢動ピン204が枢動スロット212の外側部分に向かって位置決めされ、第2枢動ピン206がノッチ210に係合する。ハンドルバー枢動部202の近くのハンドルバー140に力214が加えられた場合、その力は、有意な上方ベクトル成分を有し、枢動要素208も上方に移動させ、それによって、枢動スロット212を再位置決めし、第1枢動ピン204が枢動スロット212の内側部分に向かうようにする。また、力214は、第2枢動ピンを枢動ノッチ210から外す。得られた構成を
図17Bに示す。ハンドルバー140は、第1枢動ピン204の周りを依然として旋回するが、第2枢動ピン206によって、もはや適所にロックされない。これにより、ハンドルバー140が昇降歩行器椅子100の後方に向かって旋回することができる。このようにハンドルバー140が上方又は後方に折り畳まれた状態で、ユーザは、例えば、歩行器椅子をテーブル又はカウンターのより近くに位置付けることができる。ハンドルバー140に沿って、すなわちユーザから離れてさらに力214が加えられると、ハンドルバー140は、枢動ノッチ210から外れることなく、第1枢動ピン204を中心として回転する。
【0091】
枢動要素208の枢動ノッチ210と枢動スロット212の組み合わせの代わりに、従来のラッチ又は同様の機構を使用してもよいことに留意されたい。
【0092】
昇降歩行器椅子100は、異なるタイプのシート104を有することができる。
図18~22は、後部が広いサドル形状の回転シート302を示す。また、回転シート302の特徴は、他の形状のシートと共に使用されてもよい。
【0093】
図18は、回転シート302の底面図である。
図19は、互いに接続するように構成された頂部セクション304及び底部セクション306を含む分解図を示す。
図20は、回転シート302の上面図を示す。
図21は、回転シート302の下側の詳細を示す分解図である。
図22は、AE-AEを通る断面を有する回転シート302の下側からの図である。様々な構造的フランジ又は構成要素が描かれているが、回転シート302の材料及び寸法、ならびにその用途に応じて省略してもよい。
【0094】
回転シート302は、シート枢動部308の周りを旋回する。シート枢動部308は、支柱(post)が内部に配置された孔、又は他の枢動機構を備えることができる。回転シート302は、主に、単一の枢動部のみで支持される回転シートと比較して構造の捻じれを低減し得る付加的な構造的支持のために、1つ又は複数のローラ装置310を有してもよい。この可能性のある低減は、複数の接触点又は接触領域を有する回転シート302によって得られる。
【0095】
ローラ装置310は、底部シートセクション306内のシート枢動部308から半径方向の距離に配置された湾曲トラック又は開口312を含む。各トラック312の円弧の中心は、シート枢動部308である。トラック312と相補的なローラ314は、頂部セクション304上に配置される。頂部セクション304が底部セクション306と係合すると、ローラ314はトラック312に嵌合する。ローラ314とトラック312との間の接触は、シート302の支持を提供し、一方、シート302がシート枢動部308を中心として自由に旋回することを可能にする。ローラ314及びトラック312の位置は、頂部セクション304及び底部セクション306上に収容されるように反転されてもよい。トラック312の長さは、様々であってもよく、例えば、シートに組み込まれるトラックの数、シートの重量、及び意図されるユーザの重量範囲に依存してもよい。
【0096】
また、
図18及び
図22において見られるのは、シート302(又は他のシート104)を解放するための解放レバー402であり、それによって昇降歩行器椅子100は、そのように設計されたように折り畳まれてもよい。「折り畳み可能」とは、昇降歩行器椅子が折り畳み可能であることを意味し、折り畳み以外の方法で折りたたまれる部品を含むことができる。回転シート302は、昇降歩行器椅子に加えて他の装置で使用されてもよいことに留意されたい。
【0097】
図23~
図30は、昇降歩行器椅子100の折り畳み機構を示し、折り畳みプロセスの様々な段階における昇降歩行器椅子を示す。
【0098】
図23は、昇降歩行器椅子100の等角図を示し、セクションAが拡大されている。レバー402は、底部シートセクション306に取り付けられている。
図24は、昇降歩行器椅子100の底面図及び正面図、ならびにD-Dを通して見た断面図を示す。レバー402は、フック404と係合する。フック404は、端部ブロック126上に配置される。従って、レバー402がフック404に係合すると、シート104が所定の位置にロックされる。
【0099】
図25は、昇降歩行器椅子100の底面図及び正面図、ならびにG-Gを通して見た断面図を示す。レバー402は、レバー枢動部406を中心とした回転によって、フック404から外れるように示されている。レバーとフックの位置が逆になる可能性があることに注意されたい。加えて、リリースレバー402は、意図されたように機能するという条件で、他の場所に配置されてもよい。また、フック404は、昇降歩行器椅子の構成に応じて、端部ブロック126以外の構成要素上にあってもよい。例えば、フック404は、フレーム118の一部分に配置されてもよい。ラッチ機構は、レバー402が押下されると、シート104が回転することを可能にし、係合されると、所定の位置にロックされるべきである。この機能を達成し、昇降歩行器椅子100の他の構成要素と互換性があるならば、他のシートラッチ機構を使用してもよい。
【0100】
図26は、シート104が、シートヒンジ408を中心として部分的に回転された場合の昇降歩行器椅子100の正面図を示し、シートヒンジ408の位置及び部分は
図20に示されている。シートヒンジ408のシートヒンジ部410は、例えば、端部ブロック126に取り付けられ得る相補的なヒンジ部と係合する。シートヒンジ408と反対側では、シート104は、バー414と係合するシートキャッチ412を有する。バー414は、シートフック414に取り付けられてもよく、又は一体化されてもよい。シートキャッチ412がバー414に係合されると、シート104は、立位モード又は歩行モードのためのシート又はユーザサポートとして使用するために、水平位置又は水平位置近くで支持される。シート104は、昇降歩行器椅子100を使用するときに、安定化機構がシートを適所に保持し、座っている間、立っている間、及び歩いている間、ユーザを適切に支持し、昇降歩行器椅子100の他の構成要素及び機能を妨げない、すなわち、他の構成要素及び機能と互換性がある場合、他の安定化機構によって安定化され得る。
【0101】
図27~30は、折り畳まれた構成における歩行器椅子の上昇を示す。昇降歩行器椅子100は、折り畳まれた位置にロックされてもよい。図示の例示的な実施形態では、昇降歩行器椅子100は、好ましくは、その最も低い(座っている)位置にあるときに折り畳まれる。
図27及び
図28は、折り畳まれた昇降歩行器椅子100の対向する側面図である。
図27は、バー414が配置される側からの図を示す。
図28は、シートヒンジ408が配置されている側からの図を示す。
図27、28から分かるように、シート104は、比較的に横軸を中心に回転するため、シート104の座面は、実質的に垂直である。これにより、
図29、30の折り畳まれた昇降歩行器椅子100の正面図及び背面図によってそれぞれ示されるように、端部ブロック126a、126bを互いに向かって移動させることができるように、フレーム118を倒すことができる。
【0102】
図31は、昇降歩行器椅子の折り畳み機構の一部であるクロスアーム502a、502bを示す。クロスアーム502a、502bは、クロスアーム枢動部504で旋回する。クロスアーム502a、502bの各々は、2つのヒンジ結合されたセクション506a、b、508a、bからなる。ヒンジ結合されたセクションを結合する「ヒンジ」は、クロスアーム502a、502bが必要に応じて折り畳まれることを可能にする任意の回転機構であってもよい。「ヒンジ」は、例えば、従来の枢動部であってもよい。通常の使用において展開された場合、クロスアームセクション506a、506b、508a、508bはフレーム118に取り付けられており、複数の端部ブロック126を互いに四角形(square)に保持するよう機能することができる。クロスアーム502a、502bは、はさみのように、互いに一列に整列する方向に回転しており、フレーム118の右側と左辺が互いに近づいてくる。クロスアームセクション506a、506bは、クロスアームセクション508a、508bに対して下向きに折り畳み、フレーム118の左右の部分ができるだけ近づくことを可能にする。クロスアーム502a、502bは、コンパクトにするため、互いに入れ子になってもよい。
【0103】
図23、
図24、断面D-D及び
図25、断面G-Gに戻ると、折り畳み式シート支持体510が見える。折り畳み可能なシート支持体510は、第1シート支持体枢動部516においてはさみ状にヒンジ結合された2つのセクション512、514を備える。第1シート支持部512は、また、第2シート支持枢動部518において、シート底部セクション306にヒンジ結合される。フレーム118の左右が合流することにより、シート支持部514は下方に折り畳まれ、シート支持部512と合流する。シート支持セクション512、514は、互いに入れ子になり、シート底部セクション306の周りに折り畳まれる。第2シート枢動部518は、折り畳み構成においてシート104を支持する折り畳み可能なシート支持を可能にする。
【0104】
参照できるように、例えば、
図27、
図28の例示的な実施形態では、昇降歩行器椅子100は、折り畳まれたときに、シート・リリース-キャッチ412が、ユーザが歩行支援を提供する装置を把持できるように位置付けられるように構成され得る。車輪122a、122b、122c、122dは地上に位置したままであり、ユーザがシートヒンジ部410を把持しながら歩く間、昇降歩行器椅子を回転できるようにする。異なる「ハンドル」構成が、昇降歩行器椅子100に組み込まれてもよい。この実施形態では、昇降歩行器椅子100は、それが歩行支援として使用されることを可能にするように、折り畳まれた位置でバランスがとられている。これは、ユーザが支持のためにハンドル410に重みを移動するとき、昇降歩行器椅子100は、転倒することなく、又は転倒する可能性がより少ない状態で地面上に置かれた状態であることを意味する。これは、車輪122a、122b、122c、122dを互いに同じ高さにして、十分間隔を空けて離間させることにより可能となる。さらに、ハンドル410は、ユーザの体重で昇降歩行器椅子100がひっくり返らないように配置されてもよい。
【0105】
説明される構成は、ユーザが屈曲することなく、又はユーザが最小限に屈曲することで、昇降歩行器椅子100を折り畳むことを可能にし得る。しかしながら、他の折り畳み機構を昇降歩行器椅子100に組み込んでもよい。
【0106】
図32~34は、キャスタステアリング踏板602a、602bを示す。踏板602a、602bは、前部キャスタ606a、606bの車軸604a、604bに確実に結合されている。したがって、踏板602a、602bの回転は、前側キャスタ606a、606bを回転させる。
図32及び
図33は、まっすぐな前方位置から離れて斜めに角度付けされた踏板602a、602bを示す、昇降歩行器椅子100の等角図及び平面図である。
図32に見られるように、キャスタ606a、606bも回転している。
図34は、前方配向の踏板602a、602b及びキャスタ606a、606bを示す、昇降歩行器椅子100の上面図である。これらの特定の踏板は、楕円形として示されている。フットレスト602a、602bは、ユーザが、足でキャスタ606a、606bを回転させて、前記椅子を所望の経路に進ませることによって、昇降歩行器椅子100を操縦することを可能にする。踏板は、ユーザの足/靴に係合して操縦を可能にするのに十分な摩擦を有することが好ましい。
【0107】
図35A、35Bは、それぞれ、延張されていない構成及び垂直方向へ延長された構成におけるキャスタ606b、606aを示す。車軸604a、604dは、それぞれスリーブ608a、608bから延長することができる。リリースピン610は、選択された延伸方向においてキャスタ606b、606aを固定するために設けられている。スリーブ608の下面からキャスタ606の距離を長くするために、他の機構を採用してもよい。
【0108】
図31に関連して見た
図36を参照すると、昇降歩行器椅子100が2つの背もたれ702、704を有し得る実施形態が示されている。背もたれ702は、シート104が上下に動かされるにつれて上昇し、下降するように、端部ブロック126に取り付けられる。昇降歩行器椅子100の設計及び機能に適合する構成を有するものであれば、背もたれ702は、シート104と共に上昇及び下降する任意の他の構成要素に固定することができる。背もたれ704は、シート104が下降又はレベルするとき、地面からの高さに対して静止したままであるように、フレーム118に取り付けることができる。
【0109】
図39及び
図40は、それぞれ、昇降歩行器椅子100とともに使用され得るシートベルト800の上面図及び等角図を描写する。シートベルト800は、例えば、弾性又は他の伸縮性の布又は材料であり得る伸縮性ベルト部802を有する。延長可能なベルト部802は、ユーザの背中に位置し、ユーザの正面まで延長され、各端部に延長可能なベルト部の調整装置804a、804bに取り付けられる。伸縮可能なベルト部の調整装置804a、804bは、伸縮可能なベルト部802をユーザに適合させるために使用することができる。シートベルト800のこの部分の弾性特性は、ユーザが、例えば、シートの前部からスライドして後部に座るときに起こり得る、従来のシートベルトの不要なたるみ及び垂れを低減又は排除することによって、着席モード、立位モード/歩行モード、及びバースツール・モードなどの、昇降歩行器椅子のモード間を、より容易かつ快適に移行することを可能にし得る。
【0110】
代替として、又は伸縮可能な材料及び調整装置に加えて、シートベルト800は、リトラクタ(retractor)を使用してもよい。シートベルトの材料は、リトラクタから延び出るであろう。従来のシートベルトリトラクタは、例えば、突然の移動又は衝撃で、ユーザを所定の位置に固定するようにロックアップするように構成された機構を含む。
【0111】
ユーザの周囲に完全なループを形成するために、シートベルト800は前ベルト部分806a、806bを備えている。前ベルト部分806aはベルトバックル部分808に接続され、前ベルト部分806bは相補的なベルトバックル部分810に接続される。一緒に、ベルトバックル部分808と相補的なベルトバックル部分810は、シートベルト800をユーザの周囲に固定するベルトバックル820を形成する。ベルトバックル820は、バックル留めを容易にするために、ユーザの前方の中央に配置されてもよい。
【0112】
また、前ベルト部分806a、806bは、伸縮可能なベルト部の調整装置804a、804bに通される。伸縮可能なベルト部の調整装置804a、804bは、例えば、トリグライドバックル-ストラップの調整装置であってもよい。伸縮可能なベルト部分806a、806bは、シートベルトの用途、ユーザのサイズ、及び他のユーザニーズに応じて、種々の程度の伸縮性を有する材料であってもよい。
【0113】
前ベルト部分806a、806bは、さらに、ベルト調整部812a、812bに通される。固定部814a、814bは、ベルト調整装置812a、812bに取り付けられている。固定部814a、814bは、フレーム取付具816a、816bでフレーム118において昇降歩行器椅子100に固定される。固定部814a、814bは、例えば、非伸縮性の帯ひも等、半硬質であってもよく、ユーザの要求及び快適性に任意の望まれる柔軟性を与えつつ、必要に応じて所定の位置にユーザを確保するのに必要な耐久性及び特性を有する他の材料で作製することができる。ループ818a、818bは、任意に固定部814a、814bを適所に保持するために提供されることができる。
【0114】
図41A~Cは、カムバックル(cam buckle)840の形態のベルト調整装置812を示す。
図41Aは、閉位置におけるカムバックル840を示す。
図41Bは、開位置にあるカムバックル840を示す。
図41Cは、前ベルト部分806のようなストラップの一部が通されているカムバックル840を示す。各カムバックル840a、840bは、カムバックル基部のスロット830の固定部814a、814bに取り付けられる。
【0115】
カムバックル840は、カムバックル基部834と、カムバックル枢動部832にヒンジで取り付けられたカムバックルレバー822とを有する。各カムバックル840は、そのヒンジ付き端部を昇降歩行器椅子100の前方に向けて配置される。シートベルト800の左右の各側面には、カムバックル基部834とカムバックルレバー822との間に前ベルト部分806が通され、一方、カムバックルレバー822は開位置まで回転される。次いで、前ベルト部分806は、カムバックルレバースロット824から通される。このため、カムバックル840から後方に延びる前ベルト部分806の一部が残る。この部分をベルト調整部分826と呼ぶ。ユーザは、ベルト調整部分826を前側に引いて、カムバックルレバー822をカムバックル基部834から離れるように回転させ、このようにして、前ベルト部分806がカムバックル基部834とカムバックルレバー822との間をスライドして、シートベルト800を締め付けるか、又は緩めることができる。ベルト調整部分を後方に引くことにより、選択されたベルトの寸法が所定の位置にロックされる。
図41Bに示される例示的なカムバックル840は、前ベルト部分806を適所に固定し、滑りを阻止するための歯828を有する。十分な圧力又は滑り止め原料、滑りを抑制するための他の手段が実装されてもよい。カムバックルレバー822は、閉位置まで回転すると、ユーザが前方に傾いている等の時に、前ベルト部分806がカムバックル802のヒンジ付き端部で前方に引っ張られたときに、閉じたままになるか、又は強制的に閉じられるように構成される。前ベルト部分806は、非伸縮性であってもよく、又は、例えば、シートベルトの用途及びユーザの他の必要性に応じて、様々な程度の伸縮性を有する材料であってもよい。
【0116】
シートベルト800は、固定機構を変更し得るように、他の装置で使用され得ることに留意されたい。加えて、調節機構は変化してもよい。
【0117】
昇降歩行器椅子及びその構成要素の様々な実施形態が説明されてきた。本発明は、開示された特定の実施形態又は要素の組み合わせに限定されない。本発明は、要素の異なる組み合わせ、いくつかの要素の省略、又はそのような構造の当量による要素の置換を含むことができる。例えば、昇降歩行器椅子は、折り畳み可能であっても、折り畳み不可能であってもよい
【0118】
例示的な実施形態を説明してきたが、追加の利点及び修正が当業者には想起されるであろう。したがって、本発明は、そのより広い態様において、本明細書に示され、説明される特定の詳細に限定されない。したがって、本発明は、特定の例示的な実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲及びそれらの当量の完全な精神及び範囲内で解釈されることが意図される。
【国際調査報告】