IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピックの特許一覧 ▶ バイオテックマリンの特許一覧

特表2023-514303皮膚保湿用の植物ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の脱分化細胞の局所的に投与可能なライセート
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(54)【発明の名称】皮膚保湿用の植物ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の脱分化細胞の局所的に投与可能なライセート
(51)【国際特許分類】
   C12P 1/00 20060101AFI20230329BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20230329BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20230329BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20230329BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20230329BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20230329BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20230329BHJP
   C12N 5/04 20060101ALN20230329BHJP
【FI】
C12P1/00 Z
A61K8/9789
A61K8/06
A61Q1/14
A61Q5/02
A61Q17/04
A61Q19/10
C12N5/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549401
(86)(22)【出願日】2021-02-15
(85)【翻訳文提出日】2022-09-16
(86)【国際出願番号】 EP2021053646
(87)【国際公開番号】W WO2021165204
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】2001547
(32)【優先日】2020-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】398057293
【氏名又は名称】ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピック
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE D’EXPLOITATION DE PRODUITS POUR LES INDUSTRIES CHIMIQUES SEPPIC
(71)【出願人】
【識別番号】517296248
【氏名又は名称】バイオテックマリン
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ル ジェレバルト、エルワン
(72)【発明者】
【氏名】ビゼ、セシル
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C083
【Fターム(参考)】
4B064AH19
4B064CA11
4B064CE02
4B064CE08
4B064DA01
4B065AA88X
4B065AC14
4B065BC03
4B065BC18
4B065BD07
4B065BD16
4B065CA44
4B065CA50
4C083AA111
4C083AA112
4C083AB032
4C083AB232
4C083AB242
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC072
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC302
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC402
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC472
4C083AC482
4C083AC512
4C083AC532
4C083AC542
4C083AC582
4C083AC661
4C083AC712
4C083AC852
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD172
4C083AD242
4C083AD262
4C083AD392
4C083AD662
4C083BB01
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC19
4C083CC22
4C083CC23
4C083CC24
4C083CC32
4C083CC38
4C083DD08
4C083DD17
4C083DD31
4C083DD32
4C083DD33
4C083DD41
4C083EE06
4C083EE17
(57)【要約】

本発明は、皮膚及び/又は頭皮及び/又は唇の保湿を改善するための植物ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の脱分化細胞の局所的に投与可能な溶解物(Ly)に関する。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚及び/又は頭皮及び/又は唇の保湿を改善するための局所投与のために適切である形態の植物ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の脱分化細胞のライセート(Ly)。
【請求項2】
前記植物ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の脱分化細胞の培養物の高圧均質化から得られることを特徴とする、請求項1に記載のライセート(Ly)。
【請求項3】
ゲルの形態であり、且つその質量100%あたり、
- 95質量%~99.5質量%の、請求項1又は2において定義されるライセート(Ly)と、
- 0.5質量%~5質量の、少なくとも1つの増粘剤及び/又はゲル化剤と
を含む、局所使用のための組成物(C1)。
【請求項4】
前記ゲル化剤及び/又は増粘剤が、多糖類、セルロース及びセルロース誘導体、デンプン、並びにポリ電解質型の直鎖状又は分枝状又は架橋ポリマーから選択されることを特徴とする、請求項3に記載の組成物(C1)。
【請求項5】
皮膚及び/又は頭皮及び/又は唇の保湿を改善するための局所投与のために適切である形態である、請求項3又は4に記載の組成物(C1)。
【請求項6】
ゲルの形態であり、且つその質量100%あたり、
- 50質量%~80質量%の、請求項1又は2において定義されるライセート(Ly)と、
- 0.1質量%~5質量の、少なくとも1つの増粘剤及び/又はゲル化剤と、
- 15質量%~49.9質量%の少なくとも1つの溶媒と
を含む、局所使用のための組成物(C’1)。
【請求項7】
前記溶媒が、
- 式(Ia):
HO-[CH-CH(OH)-CH-O]-H (Ia)
(式中、nは、1以上及び15以下、特に1以上及び10以下、特に1以上及び6以下、特に1以上及び4以下、特に1又は2又は3又は4に等しい整数を表す)の化合物;
- 式(Ib):
Ra1-C(Rb1)(OH)-C(OH)(Rc1)(Rd1) (Ib)
(式中、基Ra1、Rb1、Rc1及びRd1のそれぞれは、互いに独立して、水素原子、又は1~5個の炭素原子を含む飽和脂肪族基を表す)、或いは式(Ib1):
Ra1-C(Rb1)(OH)-[C(Re1)(Rf1)]-C(OH)(Rc1)(Rd1) (Ib1)
(式中、tは、1、2又は3に等しく、且つ基Ra1、Rb1、Rc1、Rd1、Re1及びRf1のそれぞれは、互いに独立して、水素原子、又は1~5個の炭素原子を含む飽和脂肪族基を表し、基Ra1若しくはRb1の少なくとも1つ及び/又は基Rc1若しくはRd1の少なくとも1つは、水素原子を表さない)の化合物
からなる群の要素から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の組成物(C’1)。
【請求項8】
前記溶媒がグリセロールであることを特徴とする、請求項6又は7に記載の組成物(C’1)。
【請求項9】
皮膚及び/又は頭皮及び/又は唇の保湿を改善するための局所投与のために適切である形態である、請求項6~8のいずれか一項に記載の組成物(C’1)。
【請求項10】
請求項1又は2において定義されるライセート(Ly)を含む、油中水型のエマルジョン、又は水中油型のエマルジョンの形態である、局所使用のための組成物(C2)。
【請求項11】
油中水型エマルジョンの形態であり、且つその質量100%あたり、
- 60質量%~90質量%の、請求項3~9のいずれか一項において定義される局所使用のための組成物(C1)又は(C’1)と、
- 10質量%~40質量%の、i)少なくとも1つの油、及び任意選択的に少なくとも1つのワックス、並びにii)少なくとも1つの乳化界面活性剤を含む乳化系(S)を含む脂肪相(A)と
を含む、局所使用のための組成物(F)。
【請求項12】
前記乳化界面活性剤(S)が、アルキルポリグリコシド組成物、アルキルポリグリコシド及び脂肪アルコールの組成物、ポリグリセロールエステル、アルコキシル化ポリグリセロールエステル、ポリグリコールポリヒドロキシステアレート、ポリグリセロールポリヒドロキシステアレート及びアルコキシル化ポリグリセロールポリヒドロキシステアレートからなる群の要素から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の組成物(F)。
【請求項13】
水中油型エマルジョンの形態であり、且つその質量100%あたり、
- 50質量%~90質量%の化粧用に許容可能な水相(A1)であって、その質量100%あたり、0.5質量%~10質量%の請求項1及び2のいずれかにおいて定義されるライセート(Ly)を含む水相(A1)と、
- 10質量%~50質量%の脂肪相(G1)であって、その質量100%あたり、
● 0.5質量%~20質量%の少なくとも1つの水中油型の界面活性剤(S’1)、
● 80質量%~99.5質量%の少なくとも1つの油及び/又は1つのワックス
を含む脂肪相(G1)と
を含む、局所使用のための組成物(F’)。
【請求項14】
皮膚及び/又は頭皮及び/又は唇の保湿を改善するための局所投与のために適切である形態である、請求項10~13のいずれか一項に記載の組成物(C2)、(F)又は(F’)。
【請求項15】
湿疹などの皮膚及び/又は粘膜病態を伴う、ひび割れ及び/又はドライパッチ及び/又は亀裂及び/又はアトピー性皮膚炎及び/又は魚鱗癬及び/又は皮膚若しくは粘膜の乾燥を減少及び/又は除去及び/又は予防するための局所投与のために適切である形態である、請求項10~13のいずれか一項に記載の組成物(C2)、(F)又は(F’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトの皮膚及び/又は頭皮及び/又は唇、特に乾燥、反応性及び/又は敏感肌を保湿するための植物ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の脱分化細胞の局所的に投与可能なライセートに関する。
【背景技術】
【0002】
保湿は、現在までに全てがまだ解明されていない複雑なメカニズムを含む皮膚の特性である。これらのメカニズムは、皮膚の全ての層にある。
【0003】
皮膚は、ヒト内部媒体(又はヒトの体)と外部環境との間で界面を構成する。その結果として、そして皮膚を被覆し、皮膚に存在するフローラと共に、皮膚は、特に、不可欠である本物のバリアを形成することによって、ヒトの体の保護の任務を実行する機能を有する。特に、皮膚は、体からの水の拡散を制限することによって、脱水を防止することを可能にする。
【0004】
外部環境に対するその界面の位置のため、皮膚は、多数の日々のストレス、例えば、衣類との接触、温度の変化、日光の紫外線への曝露、湿度レベルの変化、特定の刺激性化学物質との接触、又は汚染物質と考えられる化学物質との接触を受ける。
【0005】
皮膚は、種々の組織の層:
- その最も外部の部分である角化細胞から構成される表皮と、続いて、
- 主に線維芽細胞及び細胞外基質から構成される結合組織である真皮と、
- 最も深く、且つ外部環境から最も遠い部分である脂肪細胞からなる下皮と
から構成される。
【0006】
皮膚は、皮膚が保護する系全体のために種々の機能を実行するが、中でも以下が挙げられる:
- 体の内部媒体の完全性を保証するための機械的バリア機能、
- 水、塩及び酸性排泄物に基づき汗を分泌することに向けられた、エムンクトリアル(emunctorial)機能、
- 体温調節機能(これには多数の他の調節メカニズム、例えば、紫外線放射に対する適応メカニズム及び保護メカニズム(メラニンの生成による適応可能な顔料着色)、例えば、マクロファージ又は樹枝細胞の存在による免疫モニタリングのための系が含まれる)。
【0007】
また、ヒトの皮膚は、他者によって見られる最初のイメージとなる。
【0008】
したがって、その外観を改善することは、ヒトに関する一定の懸念である。皮膚は、しばしば若さ、逆に言えば、疲労及び/又は老化状態と関連する健康状態の反映である。その結果として、皮膚の最も外部の層、すなわち、表皮の状態を維持及び改善することは、化粧品産業によって実行されている研究の主要な焦点である。
【0009】
表皮の外面には、角質層として知られる上部角化層があり、これは、外部気象状況(温度、湿度、紫外線放射、汚染物質)の変動などの外部由来のストレス、又は機械的ストレスを受ける表皮の第1の層である。
【0010】
このような理由のため、外観の改善、又はヒトの皮膚の満足のいくような外観を維持することは、特に角質層の最適且つ満足できる保湿を維持することからなる。これによって、皮膚の乾燥と関連する美的及び生理的欠点を回避することも可能となる。さらに、乾燥肌又はひどい乾燥肌は、遺伝的な機能障害に関連づけられることが可能な慢性状態である。これは肌タイプであり、他に、脂性肌タイプ、混合肌タイプなどがある。
【0011】
しかしながら、体質的な乾燥以外に、外部因子、気候的因子、環境的因子、皮膚病態(アトピー性湿疹、乾癬など)、一般疾病(甲状腺、糖尿病、栄養不足)及び/又は医学的処置によって引き起こされる皮膚乾燥状態もある。皮膚はそのバリア機能をもはや有効に果たさなくなり、脱水状態になる。したがって、皮膚乾燥は、皮膚のバリア機能の弱化又は障害によって引き起こされる。
【0012】
乾燥皮膚は、主に以下によって特徴づけられる:
- 落屑;
- 粗さの存在;
- 赤みの存在;
- ひび割れ又は微小ひび割れの外観;
- 弾力性の損失;
- わずかな緊張、うずき(tingling)、むずがゆみ(itching)及び痛み(pain)によって現れる、皮膚増感の発達。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、表皮上の層、角質層の良好な保湿を確実にすることは、以下を可能にする:
- 皮膚の弾力性の維持;
- 外部損傷に対する皮膚の保護;
- 表皮の最適再生を確実にするための落屑のメカニズムに関係する加水分解酵素の良好な機能;
- 皮膚のバリア機能に対する最適な寄与。
【0014】
敏感肌は、皮膚の特定の反応性によって定義される。
【0015】
この皮膚反応性は、多様な由来を有し得るトリガー因子との個々の接近に応じての赤みなどの不快感の徴候の発現によって因習的に反映される。
【0016】
最近、以下のように定義された:「そのような感覚を通常は引き起こさない刺激に応じた、不快な感覚(刺すような、焼けるような、痛み、かゆみ及びヒリヒリするような感覚)の存在によって定義される症候群。これらの感覚は、いかなる皮膚疾病に由来する障害によっても説明することができない。皮膚は正常に見えることも、又は紅斑を伴うこともあり得る。敏感肌は、体の全部分、特に顔に影響を及ぼす可能性がある」。
【0017】
紫外線若しくは赤外線放射線、及び/又は大気汚染、及び/又は急激な温度変動及び/又は風への曝露などの環境因子、或いはライフスタイル(食習慣若しくは皮膚表面への化粧品の適用)、ストレス若しくは内在性ホルモンなどの生理的因子が、敏感肌の症状を誘発するか、又は悪化させる可能性があることは認識されている。2つの主な理由によって敏感肌の症状を説明することができる:第1に角質層の透過性の増加、並びに第2に表層性神経の終末部による特定の神経伝達物質及び炎症誘発性サイトカインの過度の分泌。
【0018】
本発明の目的のために、「敏感肌」という用語は、過敏性肌(irritable skin)及び不耐性肌(intolerant skin)を含む。
【0019】
不耐性肌は、化粧品若しくは皮膚病学的製品又は石鹸の適用などの種々の因子に対して、熱、緊張、ヒリヒリする痛み及び/又は赤みの感覚を伴って反応する肌である。一般に、ドライパッチの有無にかかわらず、これらの徴候は紅斑、及び過剰脂漏性(hyperseborrheic)若しくはアクネ(acneic)肌、又は酒さ様(rosaceiform)肌と関連する。
【0020】
過敏性肌は、環境、感情、食品、風、摩擦、シェービング、高カルシウム濃度の硬水、温度変動、湿度又は羊毛などの種々の因子に対して、かゆみ、すなわち、むずがゆみ(itching)又は刺すような痛み(stinging)を伴って反応する肌である。
【0021】
これに基づき、生じる問題は、皮膚及び/又は頭皮を保湿する化合物を提供することのものである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明による1つの解決策は、皮膚及び/又は頭皮及び/又は唇の保湿を改善するための植物ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の脱分化細胞の局所的に投与可能なライセート(Ly)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
「局所的に投与可能である」という用語は、ライセートが局所的に投与可能であるように調製されることを意味する。
【0024】
植物ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の脱分化細胞のライセート(Ly)は、皮膚及び/又は頭皮及び/又は唇の保湿を改善する有効成分である。
【0025】
本発明の目的に関して、皮膚、特に角質層の保湿の改善は、「保湿効果」を有する化合物と接触させて皮膚を配置することによって想像され得る。
【0026】
本発明の目的に関して、「保湿効果」という用語は以下を意味する:処置される皮膚の表面への化学物質若しくは組成物の局所的適用から生じる、
- 経表皮水分損失の減少、及び/又は
- 表皮の基底層の角化細胞の間の細胞間隙の減少、及び/又は
- 角質層の厚さの増加、及び/又は
- バリア機能の復元若しくは改善、及び/又は
- 空隙領域の増加、及び/又は
- 角質層の保湿度の増加。
【0027】
特定の態様によると、本発明は、ヒト皮膚の老化の外部徴候の外観、例えば、ヒト皮膚のしわの外観、微細線、微小起伏の障害、弾力性及び/又は緊張力の欠如、並びに密度及び/又は保形性の欠如を予防するか又は遅くするための植物ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の脱分化細胞の局所的に投与可能なライセート(Ly)に関する。
【0028】
実際に、皮膚老化と保湿との間には関連がある。水分は皮膚及び頭皮の必須成分である。表皮が十分に水和して、十分な水を有する場合、それは、ふっくらした、なめらかな外観を有する。反対に、脱水はその品質に逆効果を有し、特にしわの外観、目の下の弛み及び灰色の顔色による。脱水は、老化の自然の成り行きの1つである。表皮には水分を取り込み、そして最適の保湿を維持する能力がある。しかしながら、この能力は年齢と共に減少する。したがって皮膚細胞の老化は、表皮中に水分子を「捕捉」する役割を有するヒアルロン酸の割合の減少を引き起こす。50歳頃に生じるホルモンの分泌の減少がこれに加わる。したがって、皮膚は保湿のレベルを徐々に失う。
【0029】
さらに、本発明によるライセートは、顔を剃った後の皮膚を保湿するか、或いは頭皮を洗浄及び/又は処理した後の頭皮を保湿するために局所的に投与されることができる。
【0030】
好ましくは、ライセート(Ly)は、植物ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の脱分化細胞の培養物の高圧均質化から誘導される。
【0031】
本発明による植物ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の脱分化細胞のライセートを得るためのプロセスは、好ましくは以下のステップを含む:
a)植物ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の滅菌試料の調製
b)カロゲネシス(Callogenesis)
c)懸濁
d)微細懸濁液の選択
e)バイオマス製造
f)培養物の高圧均質化
g)脱分化細胞の培養ライセートの安定化。
【0032】
細胞の生理的要求を考慮に入れるならば、バイオマスを製造するために無限に使用可能な脱分化細胞の培養物が導かれるため、ステップe)からステップa)、b)、c)及びd)が繰り返される必要はない。
【0033】
ステップb)、c)、d)及びe)は、純培養の状態下での培養を保持するために、無菌状態下で実行されなければならない。
【0034】
以下にステップを詳細に説明する。
【0035】
a)ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の滅菌試料の調製
ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)のいくつかの葉を取り外し、そしてこれらの葉を数ミリメートルの断片に切断する。葉の断片を、以下を含有する連続浴中に浸漬することによって滅菌する:
- 5分間の滅菌効果を改善するためのTween 80などの洗剤を含有する70%エタノールの混合物、次いで、
- 5分間の1質量%の次亜塩素酸ナトリウム溶液。
【0036】
次いで、そのようにして滅菌された葉の断片を、連続で3回、滅菌蒸留された水浴中に浸漬させることによってすすぐ。
【0037】
このステップa)は、植物の他のいずれかの部分(根茎、茎、分裂組織、花など)を使用して実行されてもよい。切断段階なしで、滅菌は種子に適用されてもよい。
【0038】
b)カロゲネシス
上記のステップにおいて得られた滅菌された葉の断片を固体カロゲネシス媒体(組成は表1に記載される)上に堆積する。これを次いで、明るい場所又は暗い場所で、20℃以上及び25℃以下の温度の恒温槽中で3週間培養する。
【0039】
【表1】
【0040】
a)脱分化細胞の懸濁
ステップb)の間に形成されるカルスを引き出し、液体懸濁媒体中に入れる(組成は表2に示される)。本発明の目的に関して、「カルス」という用語は、脱分化細胞のクラスターを意味する。
【0041】
懸濁液中のカルス部分を、明るい場所又は暗い場所で、20℃以上及び25℃以下の温度で、7日間~21日間、軌道型機械的撹拌下、25rpm~200rpmの撹拌回転(より特に5cmの軌道直径に関して100rpmの回転速度)で、サーモスタット制御されたチャンバーにおいて培養する。
【0042】
【表2】
【0043】
b)微細懸濁液の選択
ステップcの終了時に得られる微細懸濁液中で脱分化細胞を含有する培養物の体積の1/5~1/3を採取する。
【0044】
微細懸濁液の体積より3倍大きい新しい懸濁媒体の体積中に、微細懸濁液のこの体積を入れる。
【0045】
この新しい懸濁液を、明るい場所で、20℃以上及び25℃以下の温度で、7日間~21日間(培養期間の終了は栄養不足の観察によって示される)、軌道型機械的撹拌下、25rpm~200rpmの回転速度(より正確に5cmの軌道直径に関して100rpmの回転速度)で、サーモスタット制御されたチャンバーにおいて培養する。本発明の目的に関して、「栄養不足」という用語は、培養媒体中に最初に導入された栄養分の量の5%未満の含有量の観察を意味する。
【0046】
a)脱分化細胞及び培養媒体を含むバイオマスの製造
ステップd)の間に得られる微細懸濁液体積を引き出し、そしてステップd)終了時に得られる微細懸濁液の引き出された体積より3倍大きい、表2に記載される新しい懸濁媒体の体積中に入れる。
【0047】
この新しい懸濁液を、明るい場所又は暗い場所で、20℃以上及び-25℃以下の温度で、7日間~21日間(培養期間の終了は栄養不足によって示される)、軌道型機械的撹拌下、25rpm~200rpmの回転速度(より正確に5cmの軌道直径に関して100rpmの回転速度)で、サーモスタット制御されたチャンバーにおいて培養する。このステップは、最大5リットル以下の体積まではコニカルフラスコ中で、5リットルより大きく1000リットル以下の体積に関しては、(「ウェーブ反応器」、「撹拌タンク反応器」又はコニカルフラスコ型の)バイオリアクターで実行可能である(このリストは網羅的でない)。
【0048】
b)培養物の高圧均質化:脱分化細胞の培養ライセートの製造。
ステップe)の終了時に得られる培養物の体積の一部分を採取し、高圧ホモジナイザーを使用して溶解させる。高圧ホモジナイザーの圧力は、100バール以上及び1000バール以下の値に(本発明に関して、好ましくは、500バールに等しい圧力に)設定されてよい。高圧ホモジナイザーに通される培養物中に存在する脱分化細胞は溶解し、そしてそれらの含有物は培養媒体中に放出される。均質化効率(脱分化細胞の溶解を示す細胞残屑の観察によって反映される)は、懸濁液の顕微鏡観察によって、容易にチェックすることができる。
【0049】
c)脱分化細胞の培養ライセートの安定化
ステップf)の終了時に収集された脱分化細胞の培養ライセートを、鉱物酸又は有機酸を添加して、その色を安定化するために4以上及び4.5以下のpH値を達成することによって酸性化させる。このライセートは媒体中に不溶性であり、そして容易に沈殿する細胞断片を含有しており、これが製品の商業化に対する妨げとなる。0.1質量%以上及び2質量%以下の割合での増粘剤及び/又はゲル化剤(より優先的には、40~45%及び48~55%の質量割合で、及び0.8質量%の量のキサンタンガム及びアカシアガムの混合物、例えば、Solagum(商標)AXのブランド名で販売されているキサンタンガム及びアカシアガムの混合物)の添加によって、経時的に沈殿物を生じない懸濁液を得ることが可能となる。
【0050】
脱分化細胞のライセートは、種々の手段によって、微生物学的及び物理化学的な視点から安定化することができる:
● 低温殺菌によって(例:UHT低温殺菌)、
● pHの調節によって(例:酸性化pH<5)、
● 水分の入手可能性を減少するための薬剤の添加によって(例:グリセロール)、
● 保存剤の添加(例:安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム)。
【0051】
この場合、グリセロール、ソルビン酸カリウム及び安息香酸ナトリウムの混合物を添加することによってライセートを安定化することが好ましい。
【0052】
100質量%あたりの種々の成分の割合は以下の通りである:
● 60質量%~70質量%の、ステップfで得られたヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)脱分化細胞培養物のHPHライセート(95質量%~99.5質量%の水及び0.5質量%~5質量%の固体)
● 30質量%~40質量%のグリセロール
● 0.1質量%~2質量%のSolagum(商標)AX(アカシアガム及びキサンの混合物)
● 0.1質量%~2質量%のソルビン酸カリウム
● 0.1質量%~2質量%の安息香酸ナトリウム。
【0053】
脱分化細胞の安定化された培養ライセートを保存することができるか、又は0.1質量%~3質量%(優先的に1質量%)の量で化粧品配合物中に直接組み込むことができる。
【0054】
いずれの増粘剤も安定剤として作用することが可能であり、例えば、この場合、極性の性質の溶媒、好ましくはグリセロールが使用されるが、他のポリオールも使用可能である。
【0055】
全植物と脱分化細胞との間には多数の相違点があることに留意されたい。これらの相違点を示すために比較を行った。全植物と脱分化細胞との間の比較は、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析したエタノール抽出物を比較することによって実行可能であった。0.8ml/分のフロー速度で、Kinetex C18 1504.6mm HPLCカラム上で試料を分析する。溶媒は以下の通りである:
- A:0.05%のTFAを含有するイソプロパノール、
- B:0.05%のTFAを含有するアセトニトリル、
- C:0.05%のTFAを含有する水。
【0056】
勾配は以下の通りである。
【0057】
【表3】
【0058】
CAD(荷電化粒子検出器)型の検出によってこの分析を実行した。HPLC C18_screening法によるCAD検出を用いたヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の地上部のエタノール抽出物のクロマトグラム、及びHPLC C18_screening法によるCAD検出を用いたヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の脱分化細胞のエタノール抽出物のクロマトグラムから結果を得る。
【0059】
得られた結果は、2つのクロマトグラムの間で相違点を明確に示す。細胞抽出物のクロマトグラムは、ほとんどの無極性分子の溶出時間に相当する、25分~40分の保持時間の領域で非常により豊富である。
【0060】
本発明の主題は、ゲルの形態であり、且つその質量100%あたり、
- 95質量%~99.5質量%、好ましくは97質量%~99.5質量%、さらにより好ましくは97.5質量%~99.5質量%の、上記で定義される、好ましくは上記のステップa)~f)を含むプロセスを実行することによって得られるライセート(Ly)と、
- 0.5質量%~5質量、好ましくは、0.5質量%~3質量%、さらにより好ましくは0.5質量%~2.5質量%の、少なくとも1つの増粘剤及び/又はゲル化剤と
を含む局所使用のための組成物(C1)でもある。
【0061】
好ましくは、増粘剤及び/又はゲル化剤は、多糖類、セルロース及びセルロース誘導体、デンプン、並びにポリ電解質型の直鎖状又は分枝状又は架橋ポリマーから選択される。
【0062】
この組成物(C1)は、皮膚及び/又は頭皮及び/又は唇の保湿を改善するために局所的に投与されてよい。
【0063】
本発明に関して、「ゲル」という用語は、最初に液体の形態であり、そしてゲル化及び/又は増粘性物質の添加後、流動しない構造化された状態に変形される化学組成物を示す。定義されたゲルは、固体状態と液体状態との間の中間状態であると考えられ、化学的結合又は物理的結合の結果である液体範囲内での三次元ネットワークからなる。
【0064】
本発明の目的に関して、「ゲル化剤」という用語は、液体媒体をゲルへと変形する化合物又は化合物の混合物を意味する。
【0065】
本発明の目的に関して、「増粘剤」という用語は、それが導入される媒体の粘度を上昇させる化合物又は化合物の混合物を意味する。
【0066】
上記の組成物(C)の定義において使用された「局所使用のため」という用語は、前記組成物が皮膚、毛髪、頭皮、爪、唇、粘膜、まつげ又は眉への適用が可能となるように配合されることを意味する。これは、化粧品配合物の場合の直接的適用であるか、或いは例えば布地若しくはペーパーワイプの形態のボディケア製品、又は皮膚、毛髪、頭皮、爪、唇、粘膜、まつげ又は眉と接触することが意図される衛生製品の場合の間接的適用である。
【0067】
本発明に関して、「多糖類」という用語は糖類ポリマーを示す。糖類のIUPAC定義は、カルボニル基の還元、又は1つ若しくはそれ以上のヒドロキシ官能基の酸化、又は水素原子、アミン基、ホスフェート基若しくはスルフェート基による1つ若しくはそれ以上のヒドロキシ官能基の置換のいずれかによる、単糖類自体及びその誘導体化合物である単糖類を示す。多糖類は、グルコース、ガラクトース、マンノースなどの単糖類、又は末端炭素のヒドロキシル官能基がカルボキシル官能基へと酸化した単糖類誘導体から主になる工業食品、化粧品又は製薬組成物の調製のために最も一般に使用される。多糖類の中でも2つの別個の群が識別され得る:単糖類のみからなる多糖類(又は多単糖類)及び単糖類誘導体からなる多糖類。
【0068】
特定の態様によると、本発明の主題である水性組成物(C1)中に存在する本ゲル化剤及び/又は増粘剤は、単糖類のみからなる多糖類(又は多単糖類)から選択される。
【0069】
単糖類のみからなる多糖類の中でも、自然中で非常に豊富であるグルコースホモポリマーであるグルカン、グルコマンノグリカン、キシログリカン、及び主鎖がβ-1,4結合を介して一緒に連結したD-マンノース単位からなり、且つD-ガラクトース単位がα-1,6結合を介して横方向にグラフト化されたポリマーであるガラクトマンナンの間で区別され得る。
【0070】
ガラクトマンナンは、いくつかの植物種中、特にマメ科の種中に存在し、それらは種子のアルブミンを構成する。それらの植物由来次第で、ガラクトマンナンのD-マンノース主鎖上のD-ガラクトース単位の置換度(DS)は0~1の範囲である:
- カシアガム由来のガラクトマンナンは約1/5の置換度(DS)を有し、これは、多糖類の主鎖上で5つのD-マンノース単位あたり1つのD-ガラクトース単位の横方向のグラフト化があることを意味する;
- ローカストビーンガム由来のガラクトマンナンは約1/4の置換度(DS)を有し、これは、多糖類の主鎖上で4つのD-マンノース単位あたり1つのD-ガラクトース単位の横方向のグラフト化があることを意味する;
- タラガム由来のガラクトマンナンは約1/3の置換度(DS)を有し、これは、多糖類の主鎖上で3つのD-マンノース単位あたり1つのD-ガラクトース単位の横方向のグラフト化があることを意味する;
- グアーガム由来のガラクトマンナンは約1/2の置換度(DS)を有し、これは、多糖類の主鎖上で2つのD-マンノース単位あたり1つのD-ガラクトース単位の横方向のグラフト化があることを意味する;
- フェヌクリークガム由来のガラクトマンナンは約1/1の置換度(DS)を有し、これは、多糖類の主鎖上で1つのD-マンノース単位あたり1つのD-ガラクトース単位の横方向のグラフト化があることを意味する。
【0071】
より特定の態様によると、本発明の主題である水性組成物(C1)中に存在するゲル化剤及び/又は増粘剤は、タラガム由来のガラクトマンナン、グアーゴム由来のガラクトマンナン及びローカストビーンガム由来のガラクトマンナンからなる群に含まれる単糖類のみからなる多糖類(又は多単糖類)から選択される。
【0072】
別の特定の態様によると、本発明の主題である水性組成物(C)中に存在するゲル化剤及び/又は増粘剤は、単糖類誘導体からなる多糖類から選択される。単糖類誘導体からなる多糖類の中でも以下が識別され得る:
- カラギーナン及びアガーなどの藻類多糖類によって特に示されるペンダントスルフェート-エステル基を有し得るガラクトースのポリマーである、硫酸化されたガラクタン;
- アルギン及びペクチンなどのウロン酸のポリマーであるウロナン;
- 単糖類及びウロン酸:しばしば複合体組成物のヘテロポリマー、複合体組成物のしばしば、これらのポリマーは樹液滲出液(例えばアカシアガム滲出液及びカラヤゴム滲出液)で特に見られるが、それらは微生物によっても産生される、例えばキサンタンガム及びゲランガム;
- (2-アミノ-2-デオキシ-D-グルコース又はより単純にグルコサミンと記載される)アミンによってそのC-2ヒドロキシル基を置換することによって誘導されるグルコースから形成される多糖類であるグルコサミノグリカン。
アミン官能基はさらにアセチル化されてもよい。この分類の親水コロイドの中でも、グルコサミン単位のみから形成されるキトサン、並びにその繰り返し単位がグルコサミン及びグルクロン酸のダイマーであるヒアルロナンが挙げられる。
【0073】
キサンタンガム(G)は、ここ数十年間で、産業で最も広く使用される微生物多糖類となった。キサンタンは、キサントモナス(Xanthomonas)属の細菌によって合成される多糖類であり、そして商業的にX.カンペストリス(X.campestris)種のみが使用される。(G)の主鎖はセルロースの主鎖と同一であり、すなわち、それは炭素1及び4を介して一緒に連結されたβ-D-グルコース単位から形成される。規則的に交互になる様式で、主鎖中に2つのグルコース単位あたり1つの分枝状三糖類があり;各分枝は、β-D-Manp-(1→4)-Β-D-GlcAp-(1→2)-Α-D-Manp-(1→3)のタイプの2つのマンノース及び1つのグルクロン酸から構成される三糖類からなる(I.Capron et al.,“About the native and renaturated conformation of xanthan exopolysaccharide”,1997)。キサンタンガム(G)は、ナトリウム、カリウム又はカルシウム塩の形態で入手可能である。
【0074】
アカシアガムは、主鎖が炭素1及び3を介して一緒に連結したβ-D-ガラクトース単位からなる複合分枝状多糖類である。主鎖に分岐した鎖は、炭素1及び6を介して一緒に連結したβ-D-ガラクトース単位からなり、またα-アラビノース単位及びより少ない程度でβ-グルコロノシル単位を有する。主鎖及びペンダント鎖は両方ともα-L-アラビノシル、α-L-ラムノピラノシル、β-D-グルクロノプラノシル及び4-O-メチル-β-D-グルクロノプラノシル単位を含有する。
【0075】
より特定の態様によると、本発明の主題である水性組成物(C)中に存在するゲル化剤及び/又は増粘剤は、カラギーナン、アガー、アルギン、ペクチン、アカシアガム滲出液、カラヤゴム滲出液、キサンタンガム、ゲランガム、キトサン及びヒアルロナン及び/又はその混合物からなる群の要素から選択される単糖類誘導体からなる多糖類である。
【0076】
より特定の態様によると、本発明の主題である水性組成物(C)中に存在するゲル化剤及び/又は増粘剤は、アカシアガム滲出液、カラヤゴム滲出液及び/又はキサンタン及び/又はその混合物からなる群の要素から選択される単糖類誘導体からなる多糖類である。
【0077】
さらにより特定の態様によると、本発明の主題である水性組成物(C)中に存在するゲル化剤及び/又は増粘剤は、アカシアガム滲出液、キサンタンガム、特にSolagum(商標)AXのブランド名でSEPPIC社によって販売される、1/3以上及び3/1以下のキサンタンガム(G)とアカシアガム滲出液(G)との質量比で使用されるキサンタンガム(G)とアカシアガム滲出液(G)との混合物からなる群の要素から選択される単糖類誘導体からなる多糖類である。
【0078】
特定の態様によると、本発明の主題である水性組成物(C)中に存在するゲル化剤及び/又は増粘剤は、セルロース及びセルロース誘導体から選択される。
【0079】
本発明に関して、「セルロース」という用語は、その平均分子量が少なくとも10000g.mol-1、特に少なくとも15000g.mol-1、特に少なくとも17000g.mol-1、さらに特に少なくとも20000g.mol-1、さらに特に少なくとも25000g.mol-1であるD-グルコース分子の線形鎖からなる多糖類を示す。
【0080】
より特定の態様によると、本発明の主題である水性組成物(C)中に存在するゲル化剤及び/又は増粘剤は、セルロース誘導体から選択される。
【0081】
本発明に関して、「セルロース誘導体」という用語は、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩及びセルロースジヒドロキシプロピルエーテルからなる群の要素を示す。
【0082】
本発明に関して、「デンプン」という用語は、アミロース及びアミロペクチンの混合物、特にトウモロコシデンプン、小麦デンプン、ジャガイモデンプン及びキャッサバデンプンからなる群の要素を示す。
【0083】
特定の態様によると、本発明の目的に関して、「ポリ電解質型の直鎖状又は分枝状又は架橋ポリマー」という用語は以下を示す。
- 直接エマルジョン重合によって調製され、任意選択的に疎水性に変性される、メタクリル酸若しくはアクリル酸、又はメタクリル酸のエステル若しくはアクリル酸のエステルをベースとする架橋合成アニオンコポリマー。これらの合成アニオンコポリマーは、それぞれ、「アルカリ膨潤性エマルジョン」(又は「ASE」)及び「疎水性膨潤性エマルジョン」(又は「HASE」)の名称で当業者に知られている。HASE型の増粘剤は、国際公開第02/34793A2号パンフレットで発行された国際特許出願に記載されている;
- アクリル酸及び/又はその誘導体、メタクリル酸及び/又はその誘導体、アクリルアミド及び/又はその誘導体、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及び/又はその塩、N-ビニルピロリドン、ビニルアルコール及び/又はその誘導体などの水溶性不飽和モノマーの架橋及び/又は分枝状ホモポリマー若しくはコポリマーである架橋又は分枝状合成アニオンポリ電解質。これらの架橋又は分枝状合成アニオンポリ電解質は、反転エマルジョンラジカル重合によって得られる反転ラテックスの形態であるか、又は沈殿重合若しくは反転ラテックスの原子化によって得られる粉末の形態である。
【0084】
特定の態様によると、本発明の主題である水性組成物(C)中に存在するゲル化剤及び/又は増粘剤は、アクリル酸及び/又はそのナトリウム塩、メタクリル酸及び/又はそのナトリウム塩、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及び/又はそのナトリウム若しくはカリウム塩、N-ビニルピロリドン、式(I):
【化1】
(式中、Rは8~20個の炭素原子を含む直鎖状若しくは分枝状アルキル基を表し、且つnは0以上及び20以下の整数を表す)からなる群の要素から選択される少なくとも1つのモノマーのラジカル重合から得られる、直鎖状又は分枝状又は架橋ポリ電解質から選択される。前記ラジカル重合は、少なくとも2つのエチレン官能基を含むポリエチレンモノマーから選択され、特にエチレングリコールジメタクリレート、テトラアリルオキシエタン、エチレングリコールジアクリレート、ジアリルウレア、トリアリルアミン、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメチレンビス(アクリルアミド)又はこれらの化合物の混合物からなる群の要素から選択される架橋剤の存在下で実行される。
【0085】
特定の態様によると、本発明の主題である水性組成物(C)中に存在するゲル化剤及び/又は増粘剤は、
- トリアリルアミン及び/又はトリメチロールプロパントリアクリレート及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)によって架橋された、部分的に又は完全に塩化されたアクリル酸ホモポリマー、
- トリアリルアミン及び/又はトリメチロールプロパントリアクリレート及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)によって架橋された、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩のホモポリマー、
- トリアリルアミン及び/又はトリメチロールプロパントリアクリレート及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)によって架橋された、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩と、部分的に又は完全に塩化されたアクリル酸とのコポリマー、
- トリアリルアミン及び/又はトリメチロールプロパントリアクリレート及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)によって架橋された、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩と、2-ヒドロキシエチルアクリレートとのコポリマー、
- トリアリルアミン及び/又はトリメチロールプロパントリアクリレート及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)によって架橋された、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩と、アクリルアミドとのコポリマー、
- トリアリルアミン及び/又はトリメチロールプロパントリアクリレート及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)によって架橋された、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩と、アクリルアミドと、部分的に又は完全に塩化されたアクリル酸のターポリマー、
- トリアリルアミン及び/又はトリメチロールプロパントリアクリレート及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)によって架橋された、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩と、N,N-ジメチルアクリルアミドと、部分的に又は完全に塩化されたアクリル酸とのターポリマー、
- 60%以上及び80%未満のモル比のナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、15%以上及び39.5%以下のモル比のN,N-ジメチルアクリルアミドと、0.5%以上及び5%以下のモル比のテトラエトキシル化ラウリルメタクリレートとの、トリメチロールプロパントリアクリレート及び/又はトリアリルアミン及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)によって架橋されたターポリマー、
- 60%以上及び80%未満のモル比のナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、15%以上及び39%以下のモル比のN,N-ジメチルアクリルアミドと、0.5%以上及び2.5%以下のモル比のラウリルメタクリレートと、0.5%以上及び2.5%以下のモル比のステアリルメタクリレートとの、トリメチロールプロパントリアクリレート及び/又はトリアリルアミン及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)によって架橋されたテトラポリマー
からなる群の要素から選択される。
【0086】
より特定の態様によると、本発明の主題である水性組成物(C)中に存在するゲル化剤及び/又は増粘剤は、キサンタンガム、アカシアガム滲出液、1/3以上及び3/1以下のキサンタンガム(G)とアカシアガム滲出液(G)との質量比のキサンタンガム(G)とアカシアガム滲出液(G)との混合物、トリアリルアミン及び/又はトリメチロールプロパントリアクリレート及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)によって架橋された、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩と、2-ヒドロキシエチルアクリレートとのコポリマー、トリアリルアミン及び/又はトリメチロールプロパントリアクリレート及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)によって架橋された、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩と、アクリルアミドとのコポリマー、並びに60%以上及び80%未満のモル比のナトリウム塩又はアンモニウム塩の形態の部分的に又は完全に塩化された2-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸と、15%以上及び39.5%以下のモル比のN,N-ジメチルアクリルアミドと、0.5%以上及び5%以下のモル比のテトラエトキシル化ラウリルメタクリレートとの、トリメチロールプロパントリアクリレート及び/又はトリアリルアミン及び/又はメチレンビス(アクリルアミド)によって架橋されたターポリマーからなる群の要素から選択される。
【0087】
以前に定義された局所使用のための組成物(C)は、溶媒及び共溶媒、又は皮膚の保湿を改善するための薬剤から選択される1つ又はそれ以上の補助化合物も含み得る。
【0088】
本発明の主題は、ゲルの形態であり、且つその質量100%あたり、
- 50質量%~80質量%、好ましくは50質量%~75質量%、さらにより好ましくは60質量%~70質量%の、上記で定義されるライセート(Ly)と、
- 0.1質量%~5質量、好ましくは0.5質量%~3質量%の、少なくとも1つの増粘剤及び/又はゲル化剤と、
- 15質量%~49.9質量%、好ましくは22質量%~49.5質量%、さらにより好ましくは27質量%~39.5質量%の少なくとも1つの溶媒と
を含む、局所使用のための組成物(C’1)でもある。
【0089】
好ましくは、溶媒は、
- 式(Ia):
HO-[CH-CH(OH)-CH-O]-H (Ia)
(式中、nは、1以上及び15以下、特に1以上及び10以下、特に1以上及び6以下、特に1以上及び4以下、特に1又は2又は3又は4に等しい整数を表す)の化合物;
- 式(Ib):
Ra1-C(Rb1)(OH)-C(OH)(Rc1)(Rd1) (Ib)
(式中、基Ra1、Rb1、Rc1及びRd1のそれぞれは、互いに独立して、水素原子、又は1~5個の炭素原子を含む飽和脂肪族基を表す)、或いは式(Ib1):
Ra1-C(Rb1)(OH)-[C(Re1)(Rf1)]t-C(OH)(Rc1)(Rd1) (Ib1)
(式中、tは、1、2又は3に等しく、且つ基Ra1、Rb1、Rc1、Rd1、Re1及びRf1のそれぞれは、互いに独立して、水素原子、又は1~5個の炭素原子を含む飽和脂肪族基を表し、基Ra1若しくはRb1の少なくとも1つ及び/又は基Rc1若しくはRd1の少なくとも1つは、水素原子を表さないものと理解される)の化合物
からなる群の要素から選択される。
【0090】
より優先的には、溶媒はグリセロールである。
【0091】
この組成物(C’1)は、皮膚及び/又は頭皮及び/又は唇の保湿を改善するために局所的に投与され得る。
【0092】
以前に定義された局所使用のための組成物(C)及び(C’)は、皮膚浸透を改善するための1つ又はそれ以上の共溶媒及び薬剤を含んでもよい。
【0093】
本発明の主題である局所使用のための組成物(C)及び(C’)中に存在し得る共溶媒の例としては、水、有機溶媒、例えば、グリセロール、ジグリセロール、グリセロールオリゴマー、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、キシリトール、エリトリトール、ソルビトール、水溶性アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール又はブタノール、水と前記有機溶媒との混合物、炭酸プロピレン、酢酸エチル及びベンジルアルコールが挙げられてよい。
【0094】
本発明の主題である局所使用のための組成物(C)及び(C’)中に存在し得る皮膚浸透を改善するための薬剤の例としては、グリコールエーテル、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル及びジエチレングリコールモノ(n-ブチル)エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(又はTranscutol-P)、脂肪酸、例えば、オレイン酸、グリセロールの脂肪酸エステル、例えば、ベヘン酸グリセリル、グリセリルパルミテート/ステアレート又はベヘノイルマクログリセリド、ポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル、テルペン、例えば、D-リモネン又はエッセンシャルオイル、例えば、ユーカリノキエッセンシャルオイルが挙げられてよい。
【0095】
本発明の主題は、上記で定義され、且つ好ましくは上記のステップa)~f)を含むプロセスを実行することによって得られるライセート(Ly)を含む、油中水型のエマルジョン、又は水中油型のエマルジョンの形態である、局所使用のための組成物(C2)でもある。
【0096】
連続相が親水性の相、一般に水性相からなり、且つ分散相が親油性脂肪相からなる水中油型(O/W)エマルジョンと、連続相が親油性脂肪相からなり、且つ分散相が親水性の相、一般に水性相からなる油中水型(W/O)エマルジョンとの間で区別される。
【0097】
この組成物(C2)は、皮膚及び/又は頭皮及び/又は唇の保湿を改善するために局所投与され得る。
【0098】
組成物(C2)は、特に、湿疹などの皮膚及び/又は粘膜病態を伴う、ひび割れ及び/又はドライパッチ及び/又は亀裂及び/又はアトピー性皮膚炎及び/又は魚鱗癬及び/又は皮膚若しくは粘膜の乾燥を減少及び/又は除去及び/又は予防するために局所的に投与され得る。
【0099】
油中水型のエマルジョンの中でも、本発明の特定の主題は、油中水型エマルジョンの形態であり、且つその質量100%あたり、
- 60質量%~90質量%の、請求項3~9のいずれか一項において定義される局所使用のための組成物(C1)又は(C’1)と、
- 10質量%~40質量%の、i)少なくとも1つの油、及び任意選択的な少なくとも1つのワックス、並びにii)少なくとも1つの乳化界面活性剤を含む乳化系(S)を含む脂肪相(A)と
を含む、局所使用のための組成物(F)である。
【0100】
好ましくは、界面活性剤(S)は、アルキルポリグリコシド組成物、アルキルポリグリコシド及び脂肪アルコールの組成物、ポリグリセロールエステル、アルコキシル化ポリグリセロールエステル、ポリグリコールポリヒドロキシステアレート、ポリグリセロールポリヒドロキシステアレート及びアルコキシル化ポリグリセロールポリヒドロキシステアレートからなる群の要素から選択される。
【0101】
本発明の主題である局所使用のための配合物(F)において、「油」という用語は、25℃において液体である非水溶性化合物及び/又は化合物混合物を示し、特に以下を示す:
- 11~19個の炭素原子を含む直鎖状アルカン;
- 7~40個の炭素原子を含む分枝状アルカン、例えば、イソドデカン、イソペンタデカン、イソヘキサデカン、イソヘプタデカン、イソオクタデカン、イソノナデカン若しくはイソエイコサン、又はそれらのいくつかの混合物、例えば、下記のそれらのINCI名:C7~8イソパラフィン、C8~9イソパラフィン、C9~11イソパラフィン、C9~12イソパラフィン、C9~13イソパラフィン、C9~14イソパラフィン、C9~16イソパラフィン、C10~11イソパラフィン、C10~12イソパラフィン、C10~13イソパラフィン、C11~12イソパラフィン、C11~13イソパラフィン、C11~14イソパラフィン、C12~14イソパラフィン、C12~20イソパラフィン、C13~14イソパラフィン、C13~16イソパラフィンによって識別されるもの;
- 1つ又はそれ以上の直鎖状若しくは分枝状アルキル基によって任意選択的に置換されたシクロアルカン;
- 流動パラフィン、例えば、以下の名称:Marcol(商標)52、Marcol(商標)82、Drakeol(商標)6VR、Eolane(商標)130、Eolane(商標)150で販売されている製品;
- ヘミスクワラン(若しくは2,6,10-トリメチルドデカン;CAS番号:3891-98-3)、スクワラン(若しくは2,6,10,15,19,23-ヘキサメチルテトラコサン)、水素化ポリイソブテン又は水素化ポリデセン;
- 直鎖状アルカン、分枝状アルカン及びシクロアルカンである15~19個の炭素原子を含むアルカンの混合物、特に、その質量100%あたり、90%以上及び100%以下の質量比の分枝状アルカン、0%以上及び9%以下、特に5%未満の質量比の直鎖状アルカン、及び0%以上及び1%以下の質量比のシクロアルカンを含む混合物(M)、例えば、Emogreen(商標)L15又はEmogreen(商標)L19の名称で販売される混合物;
- 式(II):
-O-Z (II)
(式中、Z及びZは、同一であっても、又は異なってもよく、5~18個の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状アルキル基、例えば、ジオクチルエーテル、ジデシルエーテル、ジドデシルエーテル、ドデシルオクチルエーテル、ジヘキサデシルエーテル、(1,3-ジメチルブチル)テトラデシルエーテル、(1,3-ジメチルブチル)ヘキサデシルエーテル、ビス(1,3-ジメチルブチル)エーテル又はジヘキシルエーテルを表す)の脂肪アルコールエーテル;
- 式(III):
R’-(C=O)-O-R’ (III)
(式中、R’-(C=O)は、8~24個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状アシル基を表し、且つR’2は、R’から独立して、1~24個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状炭化水素をベースとする鎖を表す)の脂肪酸及びアルコールのモノエステル、例えば、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸2-ブチル、ラウリン酸ヘキシル、メチルココエート(cocoate)、エチルココエート、プロピルココエート、イソプロピルココエート、ブチルココエート、2-ブチルココエート、ヘキシルココエート、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸2-ブチル、ミリスチン酸ヘキシル、ミリスチン酸オクチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸プロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸2-ブチル、パルミチン酸ヘキシル、パルミチン酸オクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸2-ブチル、オレイン酸ヘキシル、オレイン酸オクチル、メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸プロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2-ブチル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸オクチル、イソステアリン酸メチル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸プロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸ブチル、イソステアリン酸2-ブチル、イソステアリン酸ヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル;
- 式(IV)及び式(V):
R’-(C=O)-O-CH-CH(OH)-CH2-O-(C=O)-R’ (IV)
R’-(C=O)-O-CH-CH[O-(C=O)-R’]-CH-OH (V)
(式(VI)及び(VII)中、R’-(C=O)、R’-(C=O)、R’-(C=O)及びR’-(C=O)は、同一であっても、又は異なってもよく、8~24個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状アシル基を表す)の脂肪酸及びグリセロールのジエステル;
- 式(VI):
R’-(C=O)-O-CH-CH[O-(C=O)-R”]-CH-O-(C=O)-R” (VI)
(式中、R’-(C=O)、R’-(C=O)及びR’-(C=O)は、同一であっても、又は異なってもよく、8~24個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状アシル基を表す)の脂肪酸及びグリセロールのトリエステル;
- 植物油、例えば、フィトスクワラン、スイートアーモンド油、ココナツ核油、ヒマシ油、ホホバ油、オリーブ油、菜種油、落花生油、ヒマワリ油、小麦麦芽油、トウモロコシ胚芽油、ダイズ油、綿実油、アルファルファ油、ポピーシード油、カボチャシード油、マツヨイグサ油、雑穀油、大麦油、ライ麦油、サフラワー油、ククイノキ油、トケイソウ油、ヘイゼルナッツ油、パーム油、シアバター、アプリコット核油、ビューティーリーフ油、シシンブリウム(sisymbrium)油、アボカド油、キンセンカ油、花又は野菜から誘導される油;
- エトキシル化植物油。
【0102】
好ましくは、本発明による組成物は、ヒマシ油、液体パラフィン、ココイルカプレート/カプリレート、イソプロピルミリステート及びカプリン酸/カプリル酸トリグリセリドからなる群の要素から選択される少なくとも1つの油を含む。
【0103】
脂肪相(A2)はワックスを任意選択的に含む。本発明の主題である局所使用のための配合物(F)において、「ワックス」という用語は、35℃において固体である非水溶性化合物及び/又は化合物の混合物を示す。
【0104】
そのようなワックスは、特に、蜜蝋、カルナウバワックス、カンデリラワックス、オーリクリーワックス、木蝋、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、パラフィンワックス、亜炭ワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンワックス;オゾケライト;ポリエチレンワックス;シリコーンワックス;植物ワックス;室温で固体である脂肪アルコール及び脂肪酸;室温で固体であるグリセリドから選択される。
【0105】
本発明の主題である配合物(F)の定義において、「アルキルポリグリコシド組成物」という用語は、式(VII):
-O-(G)-H (VII)
(式中、
xは1.05~5の十進数を表し、Gは還元糖残基を表し、そしてRは、12~36個の炭素原子を含み、1つ又はそれ以上のヒドロキシル基によって任意選択的に置換された、飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状脂肪族炭化水素をベースとした基を表す)によって表される組成物(A)を示す。前記組成物(A)は、式(VII)、(VII)、(VII)、(VII)及び(VII):
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
によって表される化合物の混合物からなり、それぞれのモル比a、a、a、a及びaは、
- a+a+a+a+aの合計が1と等しいようなものであり、且つ
- a+2a+3a+4a+5aの合計がxと等しいようなものである。
【0106】
「12~36個の炭素原子を含み、1つ又はそれ以上のヒドロキシル基によって任意選択的に置換された飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状脂肪族炭化水素をベースとした基」という用語は、上記で定義される式(VII)の基Rに関して、以下をいう:
- 飽和直鎖状アルキル基、例えば、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-へプタデシル、n-オクタデシル、n-ノナデシル、n-エイコシル及び-ドコシル基;
- 不飽和直鎖状ラジカル、例えば、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ドコセニル、4-ドデセニル及び5-ドデセニル基;
- 1個又は2個のヒドロキシル基によって置換された12~36個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状脂肪族基、例えば、ヒドロキシドデシル、ヒドロキシテトラデシル、ヒドロキシヘキサデシル、ヒドロキシオクタデシル、ヒドロキシエイコシル及びヒドロキシドコシル基、例えば、12-ヒドロキシオクタデシル基;
- 式(1):
(CH)(CH)CH-(CH-CH-OH (1)
(式中、rは8~20の整数を表す)のイソアルカノールから誘導される基、例えば、イソデシル、イソウンデシル、イソドデシル、イソトリデシル、イソテトラデシル、イソペンタデシル、イソヘキサデシル、イソペンタデシル、イソオクタデシル、イソノナデシル、イソエイコシル又はイソドコシル基;
- 式(2):
CH(C2s+1)(C2t+1)-CH-OH (2)
(式中、tは6~18の整数であり、sは4~18の整数であり、且つ合計s+tは10以上及び22以下である)のゲルベ(Guerbet)アルコールから誘導される分枝状アルキル基、例えば、2-ブチルオクチル、2-ブチルデシル、2-ヘキシルオクチル、2-ヘキシルデシル、2-オクチルデシル、2-ヘキシルドデシル、2-オクチルドデシル、2-デシルテトラデシル、2-ドデシルヘキサデシル又は2-テトラデシルオクタデシル基。
【0107】
特定の態様によると、上記で定義される式(VII)の定義において、Rは、12~24個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状脂肪族炭化水素をベースとする基を表す。
【0108】
上記で定義される式(VII)の定義における「還元糖」という用語は、アノマー炭素とアセタール基の酸素との間のグリコシド結合をそれらの構造中に全く有さない糖類誘導体を示す。これは、参考文献:“Biochemistry”,Daniel Voet/Judith G.Voet,page 250,John Wiley & Sons,1990に定義されている。オリゴマー構造(G)は、それが光学異性、幾何異性又は位置異性であるかどうかにかかわらず、いずれかの異性体型で存在し得;異性体の混合物を表し得る。
【0109】
上記で定義される式(VII)において、R-O-基は、糖残基のアノマー炭素を介してGに結合し、そのようにしてアセタール官能基が形成される。
【0110】
上記で定義される式(VII)の定義の特定の態様によると、Gは、グルコース、デキストロース、スクロース、フルクトース、イドース、グロース、ガラクトース、マルトース、イソマルトース、マルトトリオース、ラクトース、セロビオース、マンノース、リボース、キシロース、アラビノース、リキソース、アロース、アルトロース、デキストラン及びタロースから選択される還元糖残基を表し、特に、Gは、グルコース、キシロース及びアラビノース残基から選択される還元糖残基を表す。
【0111】
さらにより特定の態様によると、式(VII)の定義において、xは、1.05以上及び2.5以下、特に1.05以上及び2.0以下、さらに特に1.25以上及び2.0以下である十進数を表す。
【0112】
さらにより特定の態様によると、上記で定義される式(VII)の定義において、Rは、n-ドデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル、n-オクタデシル、n-エイコシル、n-ドコシル、2-ヘキシルデシル、2-オクチルデシル、2-ヘキシルドデシル、2-オクチルドデシル及び2-デシルテトラデシル基からなる群の要素の少なくとも1つから選択される基を表し、Gは、グルコース及びキシロース残基から選択される還元糖残基を表し、且つxは1.05以上及び2.5以下である十進数を表す。
【0113】
さらにより特定の態様によると、上記で定義される配合物(F)は、前記乳化系が、式(VII):
-O-(G)-H (VII)
(式中、xは1.05~2.5の十進数を表し、Gはキシロース残基を表し、且つRは2-オクチルドデシル基を表し)によって表されるアルキルポリグリコシド組成物(A)からなり、前記組成物(C)は、式(VII)、(VII)、(VII)、(VII)及び(VII):
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
によって表される化合物の混合物からなり、それぞれのモル比a、a、a、a及びaは、
- a+a+a+a+aの合計が1と等しいようなものであり、且つ
- a+2a+3a+4a+5aの合計がxと等しいようなものである
ということを特徴とする。
【0114】
本発明の主題である組成物(F)の定義において、「アルキルポリグリコシド及び脂肪アルコール組成物」という用語は、その質量100%あたり、
- 10質量%~50質量%、特に15質量%~40質量%、そしてさらに特に20質量%~30質量%の、上記で定義される式(VII)によって表される少なくとも1つの組成物(A)と、
- 90質量%~50質量%、特に85質量%~60質量%、そしてさらに特に80質量%~70質量%の、式(VIII)
R’-OH (VIII)
(式中、R’は、Rと同一であっても、又は異なってもよく、12~36個の炭素原子を含み、1つ又はそれ以上のヒドロキシル基によって任意選択的に置換された飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状脂肪族炭化水素をベースとした基を表す)の少なくとも1つの脂肪アルコールとを含む組成物(B)を示す。
【0115】
特定の態様によると、組成物(B)に含まれる組成物(A)を表す式(VII)の定義において、Rは、n-ドデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル、n-オクタデシル、n-エイコシル、n-ドコシル、2-ヘキシルデシル、2-オクチルデシル、2-ヘキシルドデシル、2-オクチルドデシル及び2-デシルテトラデシル基から選択される基を表し、Gは、グルコース及びキシロース残基から選択される還元糖残基を表し、且つxは1.05以上及び2.5以下である十進数を表す。
【0116】
特定の態様によると、組成物(B)に含まれる組成物(A)を表す式(VII)の定義において、Rは2-オクチルドデシル基を表し、Gはキシロース残基を表し、且つxは1.05以上及び2.5以下である十進数を表す。
【0117】
特定の態様によると、上記で定義される式(VIII)の脂肪アルコールの定義において、R’は、n-ドデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル、n-オクタデシル、n-エイコシル、n-ドコシル、2-ヘキシルデシル、2-オクチルデシル、2-ヘキシルドデシル、2-オクチルドデシル及び2-デシルテトラデシル基から選択される基を表し、最も特に、R’は2-オクチルドデシル基を表す。
【0118】
さらにより特定の態様によると、本発明の主題は、上記で定義される配合物(F)であって、前記乳化系が、その質量100%あたり、
- 10質量%~50質量%の、式(VII):
-O-(G)-H (VII)
(式中、xは1.05~2.5の十進数を表し、Gはキシロース残基を表し、且つRは2-オクチルドデシル基を表し)によって表される少なくとも1つのアルキルポリグリコシド組成物(A)であって、式(VII)、(VII)、(VII)、(VII)及び(VII):
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
によって表される化合物の混合物からなり、それぞれのモル比a、a、a、a及びaが、
- a+a+a+a+aの合計が1と等しいようなものであり、且つ
- a+2a+3a+4a+5aの合計がxと等しいようなものである、組成物(A)と、
- 90質量%~50質量%の、式(VIII):
R’-OH (VIII)
(式中、R’は、2-オクチルドデシル基を表す)
によって表される少なくとも1つの脂肪アルコールと
を含む組成物(B)からなることを特徴とする、配合物(F)である。
【0119】
本発明の主題である配合物(F)の定義において、「ポリグリセロールエステル」という用語は、式(IX):
【化2】
(式中、Zは式R-C(=O)-のアシル基を表し、Rは、11~35個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状脂肪族炭化水素をベースとする基、特に、ドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、エイコサノイル、ドコサノイル、オレイル、リノレイル、リノレノイル及びイソステアリル基から選択される基を表し、Z’は、Zと同一であるか、又は異なって、上記で定義される式R-C(=O)-のアシル基を表すか、又は水素原子を表し、且つyは2以上及び20以下の整数を表す)の化合物を示す。
【0120】
より特定の態様によると、式(IX)の化合物は、デカグリセリルオレエート、デカグリセリルイソステアレート、デカグリセリルモノラウレート、デカグリセリルモノリノーレート及びデカグリセリルモノミリステートからなる群の要素から選択される。
【0121】
本発明の主題である配合物(F)の定義において、「アルコキシル化ポリグリセロールエステル」という用語は、式(X):
【化3】
(式中、Zは式R’-C(=O)-のアシル基を表し、R’は、11~35個の炭素原子を含む、飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状脂肪族炭化水素をベースとする基、特に、ドデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、エイコサノイル、ドコサノイル、オレイル、リノレイル、リノレノイル及びイソステアリル基から選択される基を表し、Z’は、Zと同一であっても又は異なってよく、上記で定義される式R’-C(=O)-のアシル基を表すか、又は水素原子を表し、Rは、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、yは2以上及び20以下の整数を表し、v、v及びvは、同一であっても又は異なってよく、0以上及び50以下の整数を表し、且つ[(y.v)+(y.v)+v)]の合計は、1以上及び50以下の整数である)の化合物を示す。
【0122】
本発明の主題である組成物(F)の定義において、「ポリエチレングリコールポリヒドロキシステアレート」という用語は、式(XI):
【化4】
[式中、yは2以上及び50以下の整数を表し、Rは、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、且つZは、式(XII):
【化5】
(式中、y’は0以上及び10以下、特に1以上及び10以下の整数を表し、且つZ’は、Zと同一であっても又は異なってよく、上記で定義される式(XII)の基を表すか、又は水素原子を表す)の基を表す]の化合物を示す。
【0123】
本発明の主題である配合物(F)の定義において、「ポリグリセロールポリヒドロキシステアレート」という用語は、式(XIII):
【化6】
(式中、Zは、上記で定義される式(XII)の基を表し、Z’は、Zと同一であっても又は異なってよく、上記で定義される式(XII)の基を表すか、又は水素原子を表し、且つyは2以上及び20以下の整数を表す)の化合物を示す。
【0124】
本発明の主題である配合物(F)の定義において、「アルコキシル化ポリグリセロールポリヒドロキシステアレート」という用語は、式(XIV):
【化7】
(式中、Zは、上記で定義される式(XII)の基を表し、Z’は、Zと同一であっても又は異なってよく、上記で定義される式(XII)の基を表すか、又は水素原子を表し、yは2以上及び20以下の整数を表し、v’、v’及びv’は、同一であっても又は異なってよく、0以上及び50以下の整数を表し、且つ[(y.v’)+(y.v’)+v’)]の合計は、1以上及び50以下の整数である)の化合物を示す。
【0125】
別の特定の態様によると、本発明の主題は、上記で定義される配合物(F)であって、前記乳化系(S)が、その質量100%あたり、
15質量%~25質量%の、式(VII):
R1-O-(G)-H (VII)
(式中、xは1.05~2.5の十進数を表し、Gはキシロース残基を表し、且つR1は2-オクチルドデシル基を表し)によって表される少なくとも1つの組成物(A)であって、式(VII)、(VII)、(VII)、(VII)及び(VII):
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
-O-(G)-H (VII
によって表される化合物の混合物からなり、それぞれのモル比a、a、a、a及びaが、
- a+a+a+a+aの合計が1と等しいようなものであり、且つ
- a+2a+3a+4a+5aの合計がxと等しいようなものである、組成物(A)と、
55質量%~65質量%の、式(VIII):
R’-OH (VIII)
(式中、R’は、2-オクチルドデシル基を表す)によって表される少なくとも1つの脂肪アルコールと、
- 10質量%~30質量%の、式(XI):
【化8】
[式中、yは2以上及び50以下の整数を表し、Rは、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、且つZは、式(XII):
【化9】
(式中、y’は0以上及び10以下、特に1以上及び10以下の整数を表し、且つZ’は、Zと同一であるか又は異なる、上記で定義される式(XII)の基を表すか、又は水素原子を表す)の基を表す]によって表される少なくとも1つのポリエチレングリコールポリヒドロキシステアレートと
を含む組成物(D)からなることを特徴とする、配合物(F)である。
【0126】
別の特定の態様によると、本発明の主題は、6rpmの速度でBrookfield LVT粘度計を使用して25℃の温度で測定された配合物(F)の動粘度が500mPa.s以上及び40000mPa.s以下であることを特徴とする、上記で定義される配合物(F)である。
【0127】
本発明の主題は、水中油型エマルジョンの形態であり、且つその質量100%あたり、
- 50質量%~90質量%、好ましくは60質量%~90質量%、さらにより優先的には70質量%~90質量%の化粧用に許容可能な水相(A1)であって、その質量100%あたり、0.5質量%~10質量%の上記で定義されるライセート(Ly)を含む水相(A1)と、
- 10質量%~50質量%、好ましくは10質量%~40質量%、さらにより優先的には10質量%~30質量%の脂肪相(G1)であって、その質量100%あたり、
● 0.5質量%~20質量%、好ましくは1質量%~15質量%の少なくとも1つの水中油型の界面活性剤(S’1)、
● 80質量%~99.5質量%の少なくとも1つの油及び/又は1つのワックス
を含む脂肪相(G1)と
を含む、局所使用のための組成物(F’)でもある。
【0128】
本発明の目的に関して、上記で定義された水中油型エマルジョンの形態である組成物(F’)の脂肪相(G)中に存在する「油」という用語は、非水溶性であり、且つ25℃の温度において液体の外観を有する化学物質又は化学物質の混合物を示す。
【0129】
本発明の目的に関して、上記で定義された水中油型エマルジョンの形態である組成物(F’)の脂肪相(G)中に存在する「ワックス」という用語は、非水溶性であり、且つ45℃の温度において固体の外観を有する化学物質又は化学物質の混合物を示す。
【0130】
本発明の目的に関して、上記で定義された水中油型のエマルジョンの形態である組成物(F’)の脂肪相(G)中に存在する「水中油型の界面活性剤(S’1)」という用語は、連続水相(A)中に分散した状態で前記脂肪相(G)の液滴が安定化することを可能にする化学物質又は化学物質の混合物を示す。
【0131】
上記で定義された水中油型エマルジョン(F’)の脂肪相(G1)中に存在する水中油型の界面活性剤(S’1)としては、例えば、以下が挙げられてよい。
- 1モル当量のソルビタンエステルと、5~20モル当量のエチレンオキシドとの間、特に1モル当量のソルビタンラウレート、又はソルビタンパルミテート、又はソルビタンステアレート、又はソルビタンイソステアレート、又はソルビタンオレエートと、5~20モル当量のエチレンオキシド、より特には5又は10又は12又は15又は20モル当量のエチレンオキシドとの間でのエトキシル化反応から得られるポリソルベート;
- 1モル当量の脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸又はオレイン酸と、5~40モル当量のエチレンオキシドとの間でのエトキシル化反応から得られる生成物;
- 脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アラキジン酸又はベヘン酸と、特に4~20モル当量、より特には3~10モル当量のグリセロールとの間のエステル化反応から得られる生成物。
【0132】
本発明の目的に関して、「脂肪相(G1)」という用語は、水中及び/又は水と極性溶媒との混合物中で不溶性である脂肪物質又は脂肪物質の混合物を示す。そのような「脂肪相」は、上記で定義された通り、油及び/又はワックスを含んでもよい。
【0133】
配合物(F’)中に存在する脂肪相(G1)の成分要素の中でも、配合物(F)の調製に関して上記された脂肪相(A2)の成分オイル、並びにシリコーンオイル、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミンで変性されたシリコーン、脂肪酸で変性されたシリコーン、アルコールで変性されたシリコーン、アルコール及び脂肪酸で変性されたシリコーン、ポリエーテル基で変性されたシリコーン、変性エポキシシリコーン、フッ素化基で変性されたシリコーン、環式シリコーン及びアルキル基で変性されたシリコーンが挙げられてよい。
【0134】
配合物(F’)中に存在する脂肪相(G1)の成分要素の中でも、例えば、配合物(F)の調製に関して上記された脂肪相(A2)の成分ワックスが挙げられてよい。
【0135】
特定の態様によると、本発明の主題である配合物(F’)中、脂肪相(G1)は、その質量100%あたり、5質量%~30質量%、特に5質量%~25質量%、さらに特に10質量%~25質量%の太陽の紫外線から保護するための少なくとも1つの薬剤も含む。
【0136】
特に「太陽の紫外線から保護するための薬剤」という用語は、水中油型エマルジョンの形態であり、且つ本発明の主題である局所使用のための組成物(F’)の定義において、顔料、有機サンスクリーン及びミネラルサンスクリーンを示す。
【0137】
太陽の紫外線から保護するための薬剤として使用される顔料としては、例えば、二酸化チタン、茶色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄又は赤色酸化鉄、或いはチタンマイカなどの白色又は着色真珠光沢顔料が挙げられる。
【0138】
例えば、太陽の紫外線から保護するための薬剤として使用される有機サンスクリーンとしては、以下が挙げられる。
- 安息香酸誘導体の系統群のもの、例えば、パラアミノ安息香酸(PABA)、特にPABAのモノグリセリルエステル、N,N-プロポキシPABAのエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAのエチルエステル、N,N-ジメチルPABAのエチルエステル、N,N-ジメチルPABAのメチルエステル、N,N-ジメチルPABAのブチルエステル;
- アントラニル酸誘導体の系統群のもの、例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート;
- サリチル酸誘導体の系統群のもの、例えば、サリチル酸アミル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸p-イソプロパノールフェニル;
- ケイ皮酸誘導体の系統群のもの、例えば、ヘキシルケイ皮酸エチル、4-イソプロピルケイ皮酸エチル、2,5-ジイソプロピルケイ皮酸メチル、p-メトキシケイ皮酸プロピル、p-メトキシケイ皮酸イソプロピル、p-メトキシケイ皮酸イソアミル、p-メトキシケイ皮酸オクチル(p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル)、p-メトキシケイ皮酸2-エトキシエチル、p-メトキシケイ皮酸シクロヘキシル、α-シアノ-β-フェニルケイ皮酸エチル、α-シアノ-β-フェニルケイ皮酸2-エチルヘキシル又はモノ(2-エチルヘキサノイル)グリセリルジ(パラメトキシシンナメート);
- ベンゾフェノン誘導体の系統群のもの、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホネート、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニルベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン;3(4’-メチルベンジリデン)-D,L-カンファー、3-(ベンジリデン)-D,L-カンファー、カンファーベンザルコニウムメソスルフェート;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル;
- スルホン酸誘導体の系統群のもの、例えば、2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸及びその塩;トリアジン誘導体の系統群、例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルオキシヒドロキシフェニル-4-メトキシフェニルトリアジン、安息香酸2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2’-エチルヘキシル-1’オキシ)-1,3,5-トリアジン、4,4-((6-(((1,1-ジメチルエチル)アミノ)カルボニル)フェニル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイルジイミノ)ビス(2-エチルヘキシル)エステル、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール;ジベンザジン;ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4’’-t-ブチルベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン;2-(4-ジエチルアミノ-2ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル、2,4-ビス{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、2-エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオネート、ジフェニルアクリレート誘導体の系統群、例えば、2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート、エチル2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノエート;
- ポリシロキサンの系統群のもの、例えば、ベンジリデンシロキサンマロネート。
【0139】
太陽の紫外線から保護するための薬剤として使用されるミネラルサンスクリーンとしては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、黄色、赤色又は黒色酸化鉄及び酸化クロムが挙げられる。これらのミネラルサンスクリーンは、微粒状化されていても、又はされていなくてもよく、表面処理を受けていても、又は受けていなくてもよく、任意選択的に水性若しくは油性プレ分散体の形態であり得る。
【0140】
太陽の紫外線から保護するための薬剤は、好ましくは、二酸化チタン、2,4ジヒドロキシベンゾフェノン、2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル、2,4-ビス[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン及び2-エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオネートからなる群の要素から選択される。
【0141】
上記で定義された水中油型エマルジョンの形態の組成物(E1)の定義において使用される「局所使用」という用語は、前記組成物が皮膚、毛髪、頭皮又は粘膜への適用が可能となるように配合されることを意味する。これは、化粧品、ダーマコスメティック、皮膚薬用組成物又は薬用組成物の場合の直接的適用であるか、或いは例えば布地若しくはペーパーワイプの形態のボディ衛生製品、又は皮膚若しくは粘膜と接触することが意図される衛生製品の場合の間接的適用である。
【0142】
水中油型エマルジョンの形態の組成物(E1)の水相(A)の定義において使用される「化粧用に許容可能」という用語は、Directive No.93/35/EEC of June 14,1993によって修正された、Council of the European Economic Community Directive No.76/768/EEC of July 27,1976によると、排他的且つ主に、それらをクリーニングすること、それらに香り付けすること、その外観を変性すること及び/又はその体臭を補正すること及び/又はそれらを保護するか、若しくはそれらを良好な状態に保つことの目的のために、ヒトの体の様々な部分(表皮、体毛及び頭毛系、爪、唇及び性器)、又は歯及び口腔粘膜と接触することが意図されるいずれの物質又は調製物も意味する。
【0143】
組成物(F)及び(F’)は、皮膚及び/又は頭皮及び/又は唇の保湿を改善するために、局所的に投与されてもよい。
【0144】
組成物(F)及び(F’)は、特に、湿疹などの皮膚及び/又は粘膜病態を伴う、ひび割れ及び/又はドライパッチ及び/又は亀裂及び/又はアトピー性皮膚炎及び/又は魚鱗癬及び/又は皮膚若しくは粘膜の乾燥を減少及び/又は除去及び/又は予防するために局所的に投与されてもよい。
【実施例
【0145】
1)本発明によるライセート(Ly)の調製
植物ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の脱分化細胞のライセート(Ly)は、上記プロセスを実行することによって、特に以下を実行することによって調製される。
- ミリメートルの断片に切断され、次いで、
- 5分間、70%のエタノール及びTween(商標)80(0.05%で)の浴中、
- 5分間、1%の水性漂白剤浴中
を連続的に通過させることによって滅菌されたヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)を使用して、上記の通り、滅菌ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)試料を調製するステップa)。
【0146】
その後、3回連続して葉を滅菌蒸留水中ですすぐ。
【0147】
- 明るい場所において20~25℃の温度で3週間の期間を有するインキュベーション段階による、上記の表1に構成が記載されているカロゲネシス媒体を用いた上記のカロゲネシスのステップb)。
【0148】
- 100rpmの速度で軌道型撹拌によって撹拌して、明るい場所において20~25℃の温度で14~30日間、上記の表2に組成が記載されている培養媒体を用いて上記の脱分化細胞を懸濁するステップc)。
【0149】
- ステップc)で得られる培養物の1/6~1/4を回収することによる、上記の微細懸濁液の選択のステップd)。これに、表2に記載される懸濁液媒体の体積を、容器中で利用可能な接種原の体積に調整した体積で添加する。
【0150】
新しい懸濁液を、100rpmの速度で軌道型撹拌によって撹拌して、明るい場所において20~25℃の温度で14日間、気候制御チャンバー中で培養する。
【0151】
- ステップd)で得られる媒体の1/6~1/4を回収することによる、上記のバイオマスの製造のステップe)。これに、表2に記載される懸濁液媒体の体積を、容器中で利用可能な接種原の体積に調整した体積で添加する。
【0152】
新しい懸濁液を、25rpmの速度で軌道型撹拌によって撹拌して、明るい場所において20~25℃の温度で、5リットル~1000リットルの容量を有するウェーブバイオリアクター中で14日間、気候チャンバー中で培養する。
【0153】
- 40℃未満の温度で、パス上で500バールの圧力で、それをGEAブランド高圧ホモジナイザーを通過させることによる、ステップe)の終了時に得られた媒体の高圧力均質化のステップf)。
【0154】
- そのようにして得られたライセート(Ly)は、その質量100%あたり、
- 90~98質量%の水
- 10~2質量%の固体
を含む。
【0155】
- 60質量%のステップf)で得られた媒体と、0.8質量%の商標名Solagum(商標)AXの名称で販売される増粘剤、37.9質量%のグリセロール、0.3質量%のソルビン酸カリウム及び1質量%の安息香酸ナトリウムを混合して、5.3のpH値にすることによる、ステップf)で得られた媒体の安定化のステップg)。
【0156】
そのようにして得られた組成物Cは、その質量100%あたり、
- 60質量%のライセート(Ly)
- 37.9質量%のグリセロール
- 0.8質量%のSolagum(商標)AX
- 0.3質量%のソルビン酸カリウム
- 1質量%の安息香酸ナトリウム
を含む。
【0157】
2)本発明による植物ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の脱分化細胞のライセートの生物学的効果の試験的使用
上記の通り、上記で定義され、そして上記のステップa)~f)を含むプロセスを実行することによって得られるライセートは、良好な保湿レベルを維持し、そして乾燥、反応性及び/又は敏感肌を快適な方向に向かわせることが可能である。
【0158】
上記で定義され、そして上記のステップa)~f)を含むプロセスを実行することによって得られるライセート(Ly)の特定の技術的効果は、いくつかの生体外及び生体内研究モデル上で実証された。
【0159】
実験を2回繰り返した。
【0160】
値を平均±sd[標準偏差]として示した。
【0161】
それぞれの条件に関して、刺激又は保護のパーセンテージを以下の通りに算出した。
%回復=100×[平均(組成物C)-平均(障害のある表皮)]/[平均(健康な表皮)-平均(障害のある表皮)]
【0162】
A-保湿効果
次いで、上記で定義されるライセート(Ly)の保湿効果を示すために、試験が実行された。
【0163】
「テープ-ストリッピング」法による障害後のバリア機能の回復を研究するために、各種分析が実行された。
【0164】
この方法は、接着テープ(「D-Squame」ブランド)の一片を皮膚の表面に適用し、皮膚の表面上それを押圧して、次いでそれを除去することからなる。最初の適用によって、角質細胞の全細胞層が除去される。適用が進むと、接着テープの角質細胞の量は減少する。
【0165】
「D-Squame」接着テープを移植片に適用するが、それらが常に同じ場所で、そして同じ様式で、一定の指圧によって適用されるように注意する。その後、角質細胞の均質な除去が得られるように、接着テープをスムーズに、迅速に、そして一方向移動で取り外す。
【0166】
このモデルによって、そのバリア機能に障害のある表皮の生理学に対する化粧品配合物の影響を評価することが可能となる。
【0167】
皮膚及び/又は頭皮及び/又は唇の保湿を改善する効果の評価の種類によって、1%の組成物Cを含む配合物(F)が使用され、その質量構成は以下の通りである。
【0168】
【表4】
【0169】
A.1 経表皮水分損失(又はTEWL)測定
経表皮水分損失は、Courage & Khazaka社によってTewameter(商標)300の商標名で販売されているデバイスを使用して測定される。
【0170】
Tewameter(商標)300デバイスの円柱形測定チャンバーを、シールによって測定セルと組織との間での耐漏洩性が確実にされたインサート上に適用した。水分蒸発速度の値(g/m・時間で示される)は自動的に決定された。
【0171】
TEWL(経表皮水分損失)実験の間の環境条件は、20℃の安定な温度及び50%の相対湿度で制御された。
【0172】
35g/m・時間を超える経表皮水分損失によって特徴づけられる、(テープ-ストリッピング法による)バリア機能に障害のある移植片を、バリア機能の障害の1時間後、及び5日間毎日、1%の組成物Cを含む配合物によって処理する。これらの5日間の処理の終了時に経表皮水分損失を評価する。
【0173】
実験を3回繰り返した。
【0174】
値を平均±sd[標準偏差]として示した。
【0175】
それぞれの条件に関して、効果のパーセンテージを以下の通りに算出した。
%効果=[平均(条件)]/[平均(障害のある表皮)]×100-100
【0176】
条件を一対ずつ比較することによって、スチューデントt検定及び5%に設定された有意水準を使用して統計的分析を実行した。2つの生成物の効力の差を考慮した:
- p<0.05であれば、有意;
- 0.05≦p<0.1であれば、「有意水準」;
- そしてp>0.1であれば、有意ではない。
【0177】
結果を以下の表4に照合する。
【0178】
【表5】
【0179】
経表皮水分損失の変化
SL 0.1<p<0.05、***p<0.001
【0180】
経表皮水分損失の減少は、皮膚のバリア機能の改善を意味し、言い換えると、皮膚は、より良好に水和する。
【0181】
したがって、本発明の主題である組成物Cを含有する組合せによって障害のある移植片を処理することにより、D0とD5との間で経表皮水分損失を低下させることが可能となり、したがって、皮膚の保湿のより良好な状態を示す。
【0182】
A.2 細胞間隙の測定
「細胞間隙」という用語は、2つの隣接細胞間の隙間を指す。35g/m・時間を超える経表皮水分損失によって特徴づけられる、(「テープ-ストリッピング」法による)バリア機能に障害のある移植片を、バリア機能の障害の1時間後、及び5日間毎日、1%の組成物Cを含む配合物によって処理する。
【0183】
実験を3回繰り返した。
【0184】
角化細胞間の細胞間隙は、Hitachi HT7700顕微鏡を使用して、透過電子顕微鏡(TEM)による超微細構造研究からなる方法によって測定する。
【0185】
0.1Mソレンセンホスフェート緩衝剤(pH 7.4)中2%のグルタルアルデヒドを用いて組織を固定し、2%ウラニルアセテート水溶液を用いて着色し、次いで、乾操させて、エポキシ樹脂(Epon 812)中に包埋させた。超微細部分(50nm)を銅グリッド上に取り付けた。
【0186】
それぞれの条件に関して、表皮の基底層(表皮の最も深い層)の角化細胞間の細胞間隙を、得られるイメージに基づいて測定した。この分析は、健康な移植片上では実行しなかった。
【0187】
実験を3回繰り返した。
【0188】
値を平均±sd[標準偏差]として示した。
【0189】
それぞれの条件に関して、効果のパーセンテージを以下の通りに算出した。
%効果=[平均(条件)]/[平均(障害のある表皮)]×100-100
【0190】
条件を一対ずつ比較することによって、スチューデントt検定及び5%に設定された有意水準を使用して統計的分析を実行した。2つの生成物の効力の差を考慮した:
- p<0.05であれば、有意;
- 0.05≦p<0.1であれば、「有意水準」;
- そしてp>0.1であれば、有意ではない。
【0191】
【表6】
【0192】
障害のある移植片上での細胞間隙の測定
***p<0.001
【0193】
障害のある移植片と本発明による組成物Cとの間の組合せの後の表皮の基底層の角化細胞間の細胞間隙の-61%の値の減少は、組織のより良好な凝集及びより良好な組織を反映する。より凝集性であり、且つより良好に組織化されると、移植片の水分損失は制限され、それによって、経表皮水分損失の減少、したがって、皮膚のバリア機能の改善、及びより良好な皮膚保湿が導かれる。
【0194】
A.3 角質層の厚さの測定
「角質層の厚さ」という用語は、表皮又は角化層の最も外面の層の厚さを指す。
【0195】
35g/m・時間を超える経表皮水分損失によって特徴づけられる、(テープ-ストリッピング法による)バリア機能に障害のある移植片を、バリア機能の障害の1時間後、及び5日間毎日、1%の組成物Cを含む配合物によって処理する。
【0196】
実験を3回繰り返した。
【0197】
角質層の厚さは、Hitachi HT7700顕微鏡を使用して、透過電子顕微鏡(TEM)による超微細構造研究からなる方法によって測定した。
【0198】
0.1Mソレンセンホスフェート緩衝剤(pH 7.4)中2%のグルタルアルデヒドを用いて組織を固定し、2%ウラニルアセテート水溶液を用いて着色し、次いで、乾操させて、エポキシ樹脂(Epon 812)中に包埋させた。超微細部分(50nm)を銅グリッド上に取り付けた。
【0199】
それぞれの条件に関して、角質層の厚さは、得られるイメージに基づいて測定された(1つのイメージにつき4回測定)。この分析は、健康な移植片上では実行しなかった。
【0200】
実験を3回繰り返した。
【0201】
値を平均±sd[標準偏差]として示した。
【0202】
それぞれの条件に関して、効果のパーセンテージを以下の通りに算出した。
%効果=[平均(条件)]/[平均(障害のある表皮)]×100-100
条件を一対ずつ比較することによって、スチューデントt検定及び5%に設定された有意水準を使用して統計的分析を実行した。2つの生成物の効力の差を考慮した:
- p<0.05であれば、有意;
- 0.05≦p<0.1であれば、「有意水準」;
- そしてp>0.1であれば、有意ではない。
【0203】
【表7】
【0204】
障害のある移植片の角質層の厚さの測定
***p<0.001
【0205】
角質層は、表皮の最も外面の細胞層、皮膚の最も外面の組織である。
【0206】
本発明による組成物Cが障害のある移植片と組み合わせられる時、この層の厚さの+77%の増加によって、水分損失の制限が可能となり、より良好な皮膚保湿及びバリア機能の改善された回復がもたらされる。
【0207】
A.4 皮膚保湿を促進する生化学因子の測定
「NMF」という用語(「Natural Moisturizing Factor」の頭字語)は、表皮の角質細胞内に位置する吸湿性物質の組合せを含む天然保湿因子を指す。
【0208】
「セラミド」という用語は、皮膚の種々の要素の凝集を維持する機能を有するセラミド系統群の化合物を指す。セラミドは、皮膚が脱水を防ぐこと、外部攻撃から皮膚を保護することを補助する保護層を形成する。
【0209】
35g/m・時間を超える経表皮水分損失によって特徴づけられる、(テープ-ストリッピング法による)バリア機能に障害のある移植片を、バリア機能の障害の1時間後、及び5日間毎日、1%の組成物Cを含む配合物によって処理する。
【0210】
実験を2回繰り返した。
【0211】
値を平均±sd[標準偏差]として示した。
【0212】
それぞれの条件に関して、効果のパーセンテージを以下の通りに算出した。
%効果=[平均(条件)]/[平均(障害のある表皮)]×100-100
%回復=100×[平均(組成物C)-平均(障害のある表皮)]/[平均(健康な表皮)-平均(障害のある表皮)]
【0213】
NMFは、エレクトロスプレーイオン化を備えたMicromass Quattro Micro API質量分光計(水)と組み合わせたAgilent 1100 HPLCシステム(Agilent Technologies)を使用する、LC-MS/MSクロマトグラフィー法によって測定される。NMF測定によって得られる値は、タンパク質1ミリグラムあたりのマイクログラムで示される。
【0214】
セラミドは、大気圧化学イオン化(APCI)を備えたMSQ Plus質量分光計(ThermoScientific)と組み合わせた高圧液体クロマトグラフィー又はHPLC UltiMate 3000リキッド(ThermoScientific)からなるシステムを使用する、LC-MS/MSクロマトグラフィー法によって測定される。
【0215】
セラミド測定によって得られる値は、タンパク質1ミリグラムあたりの任意単位で示される。
【0216】
【表8】
【0217】
未処理の障害のある移植片及び本発明による組成物Cによって処理された障害のある移植片セラミド及びNMFの測定(統計なし-n=2)
【0218】
本発明による組成物Cによる障害のある移植片の処理の後のセラミドの量の24%の回復は、バリア機能の回復の改善を導いて、反映する。
【0219】
本発明による組成物Cによる障害のある移植片の処理の後のNMFの量の32%の回復は、角化細胞の分化の改善、したがって、皮膚のバリア機能の回復の改善を導き、反映する。
【0220】
皮膚のバリア機能の回復は、皮膚の脱水を防ぎ、外部攻撃から皮膚を保護することを可能にする。
【0221】
A.5 ケラトヒアリン粒子の数の測定
ケラトヒアリン粒子は、皮膚の粒状層の成分である。
【0222】
(プロフィラグリンを含有する)ケラトヒアリン粒子の数の増加は、角化細胞分化プロセスの改善を反映する。
【0223】
35g/m・時間を超える経表皮水分損失によって特徴づけられる、(テープ-ストリッピング法による)バリア機能に障害のある移植片を、バリア機能の障害の1時間後、及び5日間毎日、1%の組成物Cを含む配合物によって処理する。
【0224】
ケラトヒアリン粒子は、Hitachi HT7700顕微鏡を使用して、透過電子顕微鏡(TEM)による超微細構造研究からなる方法によって測定される。
【0225】
0.1Mソレンセンホスフェート緩衝剤(pH 7.4)中2%のグルタルアルデヒドを用いて組織を固定し、2%ウラニルアセテート水溶液を用いて着色し、次いで、乾操させて、エポキシ樹脂(Epon 812)中に包埋させた。超微細部分(50nm)を銅グリッド上に取り付けた。
【0226】
それぞれの条件に関して、ケラトヒアリン粒子の定量化は、得られるイメージに基づいて実行された。この分析は、健康な移植片上では実行しなかった。
【0227】
実験を3回繰り返した。
【0228】
値を平均±sd[標準偏差]として示した。
【0229】
それぞれの条件に関して、効果のパーセンテージを以下の通りに算出した。
%効果=[平均(条件)]/[平均(障害のある表皮)]×100-100
【0230】
条件を一対ずつ比較することによって、スチューデントt検定及び5%に設定された有意水準を使用して統計的分析を実行した。2つの生成物の効力の差を考慮した:
- p<0.05であれば、有意;
- 0.05≦p<0.1であれば、「有意水準」;
- そしてp>0.1であれば、有意ではない。
【0231】
【表9】
【0232】
本発明による組成物Cによって処理された障害のある移植片のケラトヒアリン粒子の数の測定
***p<0.001
【0233】
障害のある移植片が本発明の主題である組成物Cと組み合わせられる時のケラトヒアリン粒子の数の増加は、障害のある移植片のケラトヒアリン粒子の数と比較して、角化細胞分化プロセスの改善、したがって、角化細胞分化プロセスの改善、したがって、皮膚のバリア機能の回復の改善を反映する。
【0234】
A.6 ヒト皮膚の空隙領域の分析
保湿効果に影響を及ぼす空隙領域を研究するための分析を実行した。
【0235】
「空隙領域」という用語は、角質層に存在するコルネオデスモソームの分解から生じる親水性領域を意味し、これは、水、並びに脂肪及びタンパク質の代謝プロセスに関連する酵素を含む多数のタンパク質を含有する。
【0236】
空隙領域の分析は、Hitachi HT7700顕微鏡を使用して、透過電子顕微鏡(TEM)による超微細構造研究からなる方法によって実行される。
【0237】
0.1Mソレンセンホスフェート緩衝剤(pH 7.4)中2%のグルタルアルデヒドを用いて組織を固定し、2%ウラニルアセテート水溶液を用いて着色し、次いで、乾操させて、エポキシ樹脂(Epon 812)中に包埋させた。超微細部分(50nm)を銅グリッド上に取り付けた。
【0238】
それぞれの条件に関して、空隙領域の定量化は、得られるイメージに基づいて実行された。この分析は、健康な移植片上では実行しなかった。
【0239】
実験を3回繰り返した。
【0240】
値を平均±sd[標準偏差]として示した。
【0241】
それぞれの条件に関して、効果のパーセンテージを以下の通りに算出した。
%効果=[平均(条件)]/[平均(障害のある表皮)]×100-100
【0242】
条件を一対ずつ比較することによって、スチューデントt検定及び5%に設定された有意水準を使用して統計的分析を実行した。2つの生成物の効力の差を考慮した:
- p<0.05であれば、有意;
- 0.05≦p<0.1であれば、「有意水準」;
- そしてp>0.1であれば、有意ではない。
【0243】
【表10】
【0244】
本発明による組成物Cで処理される障害のある移植片の空隙領域の数の測定
p<0.05
【0245】
本発明による組成物Cによって処理される障害のある移植片は、組成物Cと組み合わせられない障害のある移植片より大きい空隙領域の数を有し、これは、分析された皮膚のより高い含水量、したがって、より良好な保湿を反映する。
【0246】
A.7 コルネオメトリー(corneometry)によるヒト皮膚の分析
ヒト皮膚のコルネオメトリー分析の目的は、それらの電気的特性を測定することによって、表皮(角質層)の上部層の保湿の状態を決定することである。
【0247】
コルネオメトリーによるこの分析は、誘電媒体の電気容量を測定することからなる方法によって実行される。皮膚表面の保湿のいずれの変化は、これらの誘電率の変更、したがって、電気容量測定の変更を引き起こす。コルネオメーターは、一定圧力で皮膚上で垂直に適用されるプローブを使用して、表皮の最も外面の層のこの電気容量を測定する。測定の間、電界は皮膚の上部層に浸透し、そして誘電率が測定される。測定は適用の1秒後に得られる。それは、保湿指数を示す0から125の範囲の任意単位で表される(6~10:ひどい乾燥肌-10~50:乾燥肌-50~125:水和した皮膚)。
【0248】
本研究で使用されるコルネオメーターは、CM825 Cormeometer(登録商標)(Courage & Khazaka)であった。
【0249】
したがって、プラセボに対する、及びそのグリセロール当量(0.364%)に対する組成物Cの保湿効果を評価するために女性を採用した。対象者に、1日2回、21日間、配合物(上記の配合物(F)、及び組成物Cがないことのみ(F)と異なる配合物(F’))を適用し、D0、D7及びD21に測定を行った。コルネオメトリー(角質層の含水量の測定)によって保湿を評価した。
【0250】
結果は以下の通りである。
【0251】
【表11】
【0252】
この研究によって、21日後、本発明による組成物Cの保湿性能が示される。
【0253】
一般的な結論
結論として、実験的試験によって、植物ヘリクリスム・ストエカス(Helichrysum stoechas)の脱分化細胞のライセート(Ly)を含む本発明による組成物Cが、経表皮水分損失を減少することによって、表皮の基底層の角化細胞間の細胞間隙を減少させることによって、角質層の厚さを増加させることによって、皮膚バリアの回復を促進することによって、及び空隙領域の数を増加させることによって、ヒト皮膚及び/又は頭皮、特に乾燥及び/又は敏感及び/又は反応性肌の保湿状態を増加及び/又は保持することができることが示された。
【0254】
B)配合物
以下の配合物において、パーセンテージは配合物の重量に基づいて示される。
【0255】
B.1 フェイスメイク落とし流体配合物
組成物(C) 10.00%
メチルパラベン 0.15%
フェノキシエタノール 0.80%
Sepicalm(商標)S 1.00%
香料/芳香剤 0.10%
水 qs 100.00%
【0256】
手順:
示された順番で、磁気撹拌を用いて水中で種々の成分を混合し、pHを約7まで調整する。
【0257】
B.2 幼児用ヘア及びボディーシャンプー配合物

組成物(C) 15.00%
Proteol(商標)APL 5.00%
Sepicide(商標)HB 0.50%
香料/芳香剤 0.10%

水 20.00%
Capigel(商標)98 3.50%

水 qs 100.00%
Sepicide(商標)CI 0.30%
着色剤 qs
水酸化ナトリウム qs pH=7.2
【0258】
手順:
組成物(C)をProteol(商標)APL及びSepicide(商標)HBと混合する(相A)。Capigel(商標)98を水の一部分中に希釈し、そしてこれを以前に得た相Aに添加する(相B)。相Bに残りの水を添加し、続いて、Sepicide(商標)CI及び着色剤を添加する。水酸化ナトリウムを用いて混合物のpHを約7.2に調整する。
【0259】
B.3 泡立ちがマイルドなゲル
配合物

組成物(C) 8.50%
Proteol(商標)APL 3.00%
Euxyl(商標)PE9010 1.00%
香料/芳香剤 0.10%

水 q.s. 100.00%
乳酸 qs pH=6.0
【0260】
手順:
組成物C及びProteol(商標)APLから構成される混合物中に、香料及び保存剤Euxyl(商標)PE9010を溶解する(相A)。水を添加し、そして乳酸を用いて約6.0までpHを調整する。
【0261】
B.4 頻用シャンプー
配合物

組成物(C) 12.80%
Proteol(商標)OAT 5.00%
Euxyl(商標)PE9010 1.00%
香料/芳香剤 0.30%
水 qs 100.00%

Montaline(商標)C40 8.50%
乳酸 qs pH=6.0
【0262】
手順:相Aの全ての成分を混合し、そして均質化後、Montaline(商標)C40を添加し、乳酸を用いて約6.0までpHを調整する。
【0263】
B.5 ベビークレンジング乳液
配合物

Simulsol(商標)165 2.00%
Montanov(商標)202 1.00%
Lanol(商標)99 3.00%
ジメチコン 1.00%
イソヘキサデカン 3.00%

水 qs 100.00%

Sepiplus(商標)400 0.30%

組成物(C) 6.35%

Sepicide(商標)HB 0.30%
DMDMヒダントイン 0.20%
香料/芳香剤 0.10%
【0264】
手順:種々の成分を混合することによって構成される相A及びBを別々に加熱する。相Cを熱脂肪相に添加し、そして水相に流し入れることによってエマルジョンを製造し、(ローター/ステーターターボミキサーによる)強力な撹拌によって数分間均質化する。次に、相Dを熱エマルジョンに添加し、適度に撹拌しながら、エマルジョンを室温まで冷却する。40℃で相Eを添加する。
【0265】
B.6 幼児用シャワーゲル 配合物

水 56.06%
Sepimax(商標)Zen 3.00%
Sepiplus(商標)S 0.80%

Proteol(商標)OAT 20.80%
Oramix(商標)NS 10 9.30%
Amonyl(商標)265 BA 5.10%

組成物(C) 2.00%
グリセリルグルコシド 1.00%
フェノキシエタノール及びエチルヘキシルグリセロール 1.00%
香料/芳香剤 0.90%
着色剤 0.04%
【0266】
手順:
水中にSepimax(商標)Zenを分散させ、そして完全になめらかなゲルが得られるまで、凝集防止器、逆回転インペラー及びアンカーパドルを備えた機械撹拌器を使用して撹拌する。Sepiplus(商標)Sを添加し、次いで、混合物が均質になるまで撹拌する。次に、相Bの成分を添加し、均質化し、そして相Cの添加剤を個々に添加する。pHを6.0~6.5まで調整する。
【0267】
B.7 BBクリーム
配合物

Easynov(商標) 2.30%
Lanol(商標)99 1.00%
Sepimat(商標)H10W 1.00%
エチルヘキシルメトキシシンナメート 5.00%

シクロメチコン 6.00%
トリエトキシカプリルシラン及びアルミナ-シラン及び酸化チタン 8.00%
赤色酸化鉄及びトリエトキシカプリルシラン 0.24%
黄色酸化鉄及びトリエトキシカプリルシラン 0.66%
黒色酸化鉄及びトリエトキシカプリルシラン 0.09%
香料/芳香剤 0.10%

水 qs 100%
Sepinov(商標)EMT10 1.20%

組成物(C) 2.00%
Sepitonic(商標)M3 1.00%
フェノキシエタノール及びエチルヘキシルグリセロール 1.00%
【0268】
手順:
種々の成分を混合することによって相Bを調製し、そして6分間、4500rpmのスピン速度でローター-ステーターシステムを備えた混合機を使用して均質化する。水及びグリセロールの混合物にSepinov(商標)EMT10を添加することによって相Cを調製し、そして4分間、4000rpmのスピン速度でローター-ステーターシステムを備えた混合機を使用して均質化する。相Cに相A及びBを添加し、そしてアンカーパドルを備えた機械撹拌器を使用して、2分間、30rpmの速度で、次いで、20分間の50rpmの速度で、得られた混合物を撹拌する。相の成分を一つずつ添加し、そして25分間、50rpmの速度で撹拌する。
【0269】
B.8 30より高いSPFを有する高保護アンチサンスプレー
配合物

Montanov(商標)L 1.00%
Montanov(商標)82 1.00%
C12~15アルキルベンゾエート 17.00%
ジメチコン 3.00%
オクトクリレン 6.00%
エチルヘキシルメトキシシンナメート 6.00%
ビス(エチルヘキシルオキシフェノール)メトキシフェニルトリアジン 3.00%
トコフェロール 0.05%

水 qs 100%

Simulgel(商標)INS 100 0.50%
シクロジメチコン 5.00%

組成物(C) 3.00%
フェノキシエタノール及びエチルヘキシルグリセロール 1.00%
香料/芳香剤 0.20%

メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール 10.00%
25%クエン酸 qs pH=5
【0270】
B.9 ペーパーマスク用保湿浴含浸
配合物

水 qs 100%
グリセロール 2.00%

Sepimax(商標)Zen 0.15%

フェノキシエタノール及びエチルヘキシルグリセロール 1.00%
1,2-ヘキサンジオール 1.00%

組成物(C) 1.00%
【0271】
Sepicalm(商標)S:国際公開第98/09611号パンフレットに記載されるN-ココイルアミノ酸、サルコシン、アスパラギン酸カリウム及びアスパラギン酸マグネシウムの混合物;
Proteol(商標)APL:リンゴジュースの特徴的アミノ酸のアシル化によって得られるN-ココイルアミノ酸のナトリウム塩の混合物;
Sepicide(商標)HB:フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン及びブチルパラベンの混合物(保存剤);
Capigel(商標)98:アクリレートのコポリマー;
Sepicide(商標)CI:イミダゾリン尿素(保存剤);
Sepicide(商標)HB:フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン及びイソブチルパラベンの混合物(保存剤);
Euxyl(商標)PE9010:フェノキシエタノール及びエチルヘキシルグリセロールの混合物;
Proteol(商標)OAT:国際公開第94/26694号パンフレットに記載されるオート麦タンパク質の全加水分解によって得られるN-ラウリルアミノ酸の混合物;
Montaline(商標)C40:モノエタノールアミンコカミドプロピルベタイナミドクロリド塩;
Simulsol(商標)165:PEG-100ステアレート及びグリセリルステアレートの混合物;
Sepiplus(商標)400:国際公開第2005/040230号パンフレットに記載されるポリソルベート20を含む、ポリイソブテン中のポリアクリレートの自己反転性反転ラテックス;
Sepimax(商標)Zen(INCI名:ポリアクリレートクロスポリマー-6):粉末形態の増粘性ポリマー;
Sepiplus(商標)S(INCI名:ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー)&ポリイソブテン&PEG-7トリメチロールプロパンココナッツエーテル:自己反転性反転ラテックス;
Oramix(商標)NS 10(INCI名:デシルグルコシド):化粧配合物を調製するために使用される発泡剤;
Amonyl(商標)265 BA(INCI名:ココベタイン):発泡性両性界面活性剤;
Sepinov(商標)EMT10(INCI名:ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー):粉末形態の増粘性コポリマー;
Easynov(商標)(INCI名:オクチルドデカノール及びオクチルドデシルキシロシド及びPEG-30ジポリヒドロキシステアレート):親油性を有する乳化剤;
Sepimat(商標)H10 FW(INCI名:メチルメタクリレートクロスポリマー及びスクワラン):テクスチャー剤として使用されるポリマー;
Sepitonic(商標)M3(INCI名:アスパラギン酸マグネシウム及びグルコン酸亜鉛及びグルコン酸銅):フリーラジカル捕捉剤及び細胞用エネルギー付与剤として使用される混合物;
Montanov(商標)L(INCI名:C14-22アルコール及びC12-20アルキルグルコシド):乳化剤;
Montanov(商標)82(INCI名:セテアリルアルコール及びココイルグルコシド):乳化剤;
Simulgel(商標)INS100(INCI名:ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー及びイソヘキサデカン及びポリソルベート60):ポリマー増粘剤。
【国際調査報告】