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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(54)【発明の名称】非円筒形ネックを有する化粧品用瓶
(51)【国際特許分類】
   A45D 33/00 20060101AFI20230329BHJP
   B65D 43/08 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
A45D33/00 610F
B65D43/08 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549864
(86)(22)【出願日】2021-02-17
(85)【翻訳文提出日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 FR2021050277
(87)【国際公開番号】W WO2021165613
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】2001734
(32)【優先日】2020-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506273087
【氏名又は名称】シャネル パルファン ボーテ
【氏名又は名称原語表記】CHANEL PARFUMS BEAUTE
【住所又は居所原語表記】135,avenue Charles de Gaulle,F-92200 Neuilly sur Seine,France
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォゲテイロ,パウロ
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA14
3E084AA24
3E084AA32
3E084AB09
3E084BA01
3E084CA03
3E084CC03
3E084DA03
3E084DB13
3E084DC03
3E084FA09
3E084FC09
3E084GA02
3E084GB02
3E084HA02
3E084HB09
3E084HD01
(57)【要約】
ネック部(201)および蓋(3)によって覆われたベース(2)を備え、ネック部(201)は非円形断面を有し、リム(204)を備える、化粧品用ジャーが開示される。ネック部は、少なくとも1つの第1のアセンブリ要素(205)を備え、蓋(3)は、少なくとも1つの第2のアセンブリ要素を備える。蓋(3)は、次のように構成される。閉位置にあるとき、少なくとも1つの第2のアセンブリ要素は、リム(204)の下に配置される。-少なくとも1つの第2のアセンブリ要素及び少なくとも1つの第1のアセンブリ要素(205)は、互いに入れ子にされ、開位置にあるとき、少なくとも1つの第2のアセンブリ要素(205)は、少なくとも1つの第1のアセンブリ要素及びリム(204)から外れる。蓋(3)は、ネック部(201)の周りの回転によって一方の位置から他方の位置へと通過するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部(202)を画定するネック部(201)と、前記開口部(202)を閉じるように構成された蓋(3)とによって覆われたベース(2)を備える化粧品ポットであって、前記ネック部(201)は、非円形断面を有し、前記ネック部(201)は、前記ネック部(201)の周囲にわたってビードを形成するリム(204)を備え、前記ネック部(201)は、前記リム(204)の下の前記ネック部(201)の外側壁面(203)に形成された、少なくとも1つの第1の組立部材(205)を備え、前記蓋(3)は、前記蓋(3)が開位置または前記開口部(202)を閉じる閉位置に前記ネック部(201)上に位置付けられたときに前記ネック部(201)を囲むように構成された輪郭壁面(302)を備え、前記蓋(3)は、前記輪郭壁面(302)に形成され、前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材(205)と相補的な形状を有する少なくとも一つの第2のアセンブリ部材を備え、挿入により前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材(205)を前記少なくとも1つの第2のアセンブリ部材(304)と一緒に嵌合することが可能であり、
・前記蓋(3)が閉位置にあるとき、
- 蓋(3)の前記少なくとも1つの第2のアセンブリ部材(304)は、ネック部(201)のリム(204)の下に配置され、ネック部(201)に対する蓋(3)の垂直引き出しを防止し、
- 前記少なくとも1つの第2のアセンブリ部材(304)および前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材(205)は、蓋(3)およびネック(201)の相対回転に対する抵抗を作り出すように挿入によって一緒に嵌合され、
・蓋(3)が開位置にあるとき、前記少なくとも1つの第2のアセンブリ部材(304)は、ネック部(201)に対する蓋の垂直引き出しを可能にするように、前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材(205)およびネック部(201)のリム(204)から離れており、
前記蓋(3)は、ネック部(201)周りの蓋の回転によって、前記開位置から前記閉位置に、およびその逆に、移動する、
ことを特徴とするポット。
【請求項2】
蓋(3)の輪郭壁面は、蓋(3)に設けられた空洞(303)を画定し、その断面は、第1の位置におけるネック部(201)の断面と、第1の位置に対して所定の角度だけ回転した第2の位置におけるネック部(201)の断面との重ね合わせに対応する、請求項1に記載のポット。
【請求項3】
前記所定の角度は、45°未満、厳密には0°より大きく、好ましくは22°に等しい、請求項2に記載のポット。
【請求項4】
前記ネック部(201)は、多角形形状の基部を有する、または丸みを帯びた角部および/または側面を有する多角形形状の角形断面を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のポット。
【請求項5】
前記ネック部(201)は、正方形の断面、または角部および/または側面が丸みを帯びた正方形の断面を有する、請求項4に記載のポット。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材(205)は、前記ネックの断面の1つ以上のコーナーの位置に形成される、請求項4または請求項5に記載のポット。
【請求項7】
前記ネック部(201)は、前記多角形の辺の数に等しい数の第1のアセンブリ部材(205)を備える、請求項4~6のいずれか一項に記載のポット。
【請求項8】
前記ネック部(201)は楕円形の断面を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のポット。
【請求項9】
前記蓋(3)は、前記ネック部(201)の第1の組立部材(205)の数に等しい数の第2の組立部材(304)を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のポット。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材(205)は、ネック部(201)の外壁面(203)の起伏箇所に突起(208)を備え、前記少なくとも1つの第2のアセンブリ部材(304)は、対応する形状の凹部(306)を備えるか、またはその逆である、請求項1~9のいずれか一項に記載のポット。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材(205)は、ネック部(201)に形成されたノッチ(207)を備え、前記少なくとも1つの第2のアセンブリ部材(304)は、対応する形状のラグ(305)を備えるか、またはその逆である、請求項1~10のいずれか一項に記載のポット。
【請求項12】
前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材(205)は、回転止め(206)を備え、回転止め(206)は、前記少なくとも1つの第2のアセンブリ部材(304)を当接して止めるように形成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のポット。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第2のアセンブリ部材(304)および/または前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材(205)は弾性を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のポット。
【請求項14】
前記蓋(3)は、前記少なくとも1つの第2のアセンブリ部材(304)に、前記第2のアセンブリ部材(304)の弾性を増大させる切り欠き部(307)を備える、請求項13に記載のポット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポットの分野、特に化粧品用ポットの分野に関する。化粧品とは、特に、口唇を含む、皮膚をメイクアップするための全ての製品、および身体への適用のために提供される全ての組成物を意味し、保湿クリーム、クレンジング製品、または日光から皮膚を保護することを目的とする製品などのケア製品と呼ばれるものを含む。
【背景技術】
【0002】
化粧品用のポットは、一般に、開口部を画定するネック部によって覆われた、化粧品を収容するように構成されたリザーバを形成する基部を備える。ベースは、蓋によって閉じられている。
【0003】
既知の方法では、ネック部は略円筒形である。言い換えれば、ネックの断面は円形であるか、またはネック部によって画定される開口部は円形である。ネック部の円筒形状は、ポットの簡単な閉鎖および開放を可能にし、特に、蓋をベース上およびベースからねじ込んだり、ねじ外したりすることによって可能になる。そのために、ネック部には、一般に、ねじ山が設けられているか、または、ねじランプが設けられている。
【0004】
しかしながら、異なる形状のネック部を製造することが望ましい場合がある。これに関連して、非円形断面のネック部、特に正方形の開口部を画定する正方形の断面を有するポットが知られている。そのようなポットの閉鎖および開放を可能にするために、従来技術のいくつかの解決策は、ベースを蓋に連結するヒンジシステムを提供する。文献仏国特許発明第1551009号明細書に記載されているような他の代替的な閉鎖および開放システムが存在し、これは、複雑で実施が困難な機構を追加することからなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】仏国特許発明第1551009号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、非円筒形ネック部のための既存の解決策は、複雑かつ/またはポットのベース上の蓋を回転させることによって閉鎖および開放するための、通常の操作形態を必要とするという欠点を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の欠点の少なくとも1つを解決することを目的とする。特に、本発明は、非円筒形ネックを有し、簡単で自然な操作形態を維持しながら、容易な開閉を可能にする化粧品用ポットを提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、開口部を画定するネック部によって覆われたベースと、前記開口部を閉鎖するように構成された蓋とを備える化粧品ポットに関し、前記ネック部は、非円形断面を有し、前記ネックは、ネック部の周囲を覆うビードを形成するリムを備える。
【0009】
本発明によれば、ネック部は、リムの下のネックの外側壁面に形成された、少なくとも1つの第一の組立部材を備え、蓋は、蓋が開口位置又は蓋が開口を閉鎖する閉鎖位置でネック部上に位置決めされたときに、ネック部を囲むように構成された輪郭壁面を備え、蓋は、輪郭壁面に形成され、少なくとも1つの第一の組立部材と相補的な形状の、少なくとも1つの第二の組立部材を備え、少なくとも1つの第一の組立部材と少なくとも1つの第二の組立部材との一緒の挿入を介した嵌合を可能にし、
蓋は、以下のように構成されている、すなわち、
蓋が閉位置にあるとき、蓋の前記少なくとも1つの第2の組立部材は、ネック部のリムの下に配置され、ネック部に対する蓋の垂直方向の抜き取りを防止し、
前記少なくとも1つの第2の組立部材および前記少なくとも1つの第1の組立部材は、蓋およびネック部の回転に対する抵抗を生じさせるように挿入によって互いに嵌合され、
蓋が開口位置にあるとき、前記少なくとも1つの第2の組立部材は、前記少なくとも1つの第1の組立部材およびネック部のリムから外れ、ネック部に対する蓋の垂直方向の抜き取りを可能にし、
蓋は、ネック部の周りの蓋の回転によって、開口位置から閉鎖位置へ、およびその逆へ通過するように構成される。
【0010】
非円筒形ネック部を有する、このようなポットは、従来のポットと同様の開閉動作を行うことが可能であり、その開閉動作は円筒形ネックを有し、その蓋がベースにねじ込まれ、すなわち、例えば反時計回り方向に回転してポットを開放し、時計回り方向に回転して閉鎖する。
【0011】
更に、挿入を介して第1のアセンブリ部材と第2のアセンブリ部材とを一緒に嵌合させることによって回転を停止させることにより、ユーザは、いつ蓋が適切に閉じられているか又はベース上で締め付けられているかを知ることができる。これにより、ポットの磨耗を招くような過度の締め付け、特に蓋とベースとの間に配置されたシールのつぶれを回避することができる。これにより、ポット上の蓋の締め付け不足を回避することができ、これによりポットの適正な密封が確保される。
【0012】
特徴によれば、蓋の輪郭壁面は、蓋内に設けられたキャビティを区画し、その断面は、第1の位置におけるネック部の断面の重ね合わせに対応し、第1の位置に対して所定の角度を介して回転した第2の位置におけるネック部の断面の重ね合わせに対応する。
【0013】
したがって、蓋は、ネック部の形状に密接に適合することができるように寸法決めされた空洞を備える。
【0014】
特徴によれば、所定の角度は45°未満であり、厳密には0°より大きく、好ましくは22°に等しい。
【0015】
特徴によれば、ネック部は、丸みを帯びた角及び/又は側面を有する多角形形状又は多角形形状の基部を有する角柱状断面を有する。
【0016】
特徴によれば、ネック部は、正方形の断面、又は丸い角及び/又は側面を有する正方形の断面を有する。
【0017】
1つの特徴によれば、前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材は、ネックの断面の1つ以上のコーナーの位置に形成される。
【0018】
これは、ポットの閉鎖および開放のための前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材の位置を識別することを容易にする。
【0019】
特徴によれば、ネック部は、前記多角形の辺の数に等しい数の第1のアセンブリ部材を備える。
【0020】
特徴によれば、ネック部は、楕円形の断面を有する。
【0021】
特徴によれば、蓋は、ネック部の第1のアセンブリ部材の数に等しい数の第2のアセンブリ部材を備える。
【0022】
特徴によれば、前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材は、ネック部の外壁面のレリーフに突出部を備え、前記少なくとも1つの第2のアセンブリ部材は、対応する形状の凹部を備えるか、またはその逆である。
【0023】
特徴によれば、前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材は、ネック部に形成されたノッチを備え、前記少なくとも1つの第2のアセンブリ部材は、対応する形状のラグを備えるか、またはその逆である。
【0024】
1つの特徴によれば、前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材は、前記少なくとも1つの第2のアセンブリ部材を停止させるように成形された回転停止部を備える。
【0025】
特に回り止めにより、開位置から閉位置まで蓋が通過した時にネック部回りの蓋の回りを止めることができる。
【0026】
1つの特徴によれば、前記少なくとも1つの第2のアセンブリ部材および/または前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材は、弾性である。
【0027】
1つの特徴によれば、蓋は、第2のアセンブリ部材の弾性を増大させる切り欠きを含む。
【0028】
本発明のさらに他の特殊性および利点は、非限定的な例として与えられる添付の図面を参照して、以下の説明に現れるであろう:
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明の実施形態に係る化粧品ポットの斜視図である。
図2図2図1の分解図である。
図3図3は、図1のポットの基部を第一の視野角から見た斜視図である。
図4図4は、第2の視野角からのポットの基部の斜視図である。
図5図5は、図1の鍋の蓋の斜視図である。
図6図5の蓋の下から見た図である。
図7図7は、蓋が開封位置にある図1のポットの横断面の断面図である。
図8】蓋が閉鎖位置にある図1のポットの前記横断面上の断面図である。
図9】閉鎖位置にある図1のポットの垂直面上の断面図である。
【0030】
図1および図2は、一実施形態によるポット1を示す。
【0031】
図示の例示的な実施形態では、ポット1は、ユーザが直接アクセス可能な製品を収容するように構成され、製品が、例えば指によって、またはヘラによって取られるように提供される容器である。それにもかかわらず、本発明によるポットは、任意のタイプの容器または容器とすることができる。非限定的な例として、ポットは、容器に収容された製品を取り出すことを可能にする、ポンプまたはピペットが設けられた容器であってもよい。
【0032】
ポット1は、ベース2と、ポット1を開閉可能にする蓋3とを備える。この例では、ポット1はまた、ベース2と蓋3との間に配置されたシール4を備える。
【0033】
これらの図に示されるポットは、正方形の輪郭を有するポットである。「正方形の輪郭」とは、正方形の底部を有する略平行六面体の形状を有する基部を有するポットを意味し、これは、膨らんだ輪郭を有するポット、またはその一般的な形状に対する、任意の他のわずかな変更を除外しない。さらに、本明細書は、正方形の輪郭を有するポット1について作成されるが、基部の外側の一般的な形状に関わらず、いかなるポットについても必要な変更を加えることが有効である。
【0034】
本明細書において、横断面とは、ポットの基部の底部に平行な平面を意味し、垂直面とは、横断面に対して直交する平面を意味する。
【0035】
ポット1は、ここでは垂直面に対して対称に形成されている。
【0036】
基部2は、例えば、2つの異なる視野角から図3および図4に個別に示されている。基部2は、容器200と、容器200を覆うネック部201とを備える。ネック部201は、容器200内に収容された製品へのアクセスを可能にする開口部202を画定する。ネック部201および開口部202の寸法は、基部2の断面寸法に近い。どんな場合でも、ここに示される例では、ポット1の開口部202は、片手の少なくとも1本の指の通過を可能にするのに十分な幅であり、すなわち、断面において、約25ミリメートル以上の横断寸法を有する。
【0037】
ネック部201は、外壁面203と、外壁面203に形成されたリム204とを備える。リム204は、ネック部201の周囲にビードを形成する。
【0038】
外壁面203は、ここではリム204の下に位置する部分において略凸状である。これにより、ネック部201上での蓋3の回転運動を容易にすることができる。
【0039】
好ましくは、リム204の上部は、シール4がネック部に対して垂直に動かされるとき、シール4と共にランプ効果を発生させるように丸みを帯びている、又は斜めになっている。
【0040】
ネック部201は、非円形の(横断)断面を有する。この例示的な実施形態では、ネック部201は、略正方形の断面を有する。ネック部21は、ここでは、ベースの輪郭と略同様の形状の断面を有する。より具体的には、ネック部201は、基部が略正方形である平行六面体の側面を一緒に形成する、4つの同一の部分、すなわち同じ形状および同じ寸法の部分を備える。部分間の交差部は、丸みを帯びた角部を有する。丸みを帯びた角部は、ベースの周りの蓋の回転を容易にする。
【0041】
もちろん、本発明は、他のネック部形状にも適用される。特に、本発明は、非円形断面のネック部を有する任意のポットに適用される。一例として、ネック部は、略多角形または略楕円形の断面を有してもよい。言い換えれば、ネック部は、その基部が多角形である角柱形状、または、例えば、その基部が非円形、例えば楕円形である円筒形状を有してもよい。
【0042】
ネック部201は、少なくとも1つの第1のアセンブリ部材205を備える。前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材205は、外壁面203に形成される。前記少なくとも1つの第1のアセンブリ部材205は、ここではリム204の下に形成される。
【0043】
図示の例では、ネック部201は、4つの第1のアセンブリ部材205を備える。「第1のアセンブリ部材」は、蓋3によって担持される第2のアセンブリ部材と協働するように構成されるネック部201の一部を、概して指すために使用される。第1のアセンブリ部材と第2のアセンブリ部材との間の協働は、以下に記載されるように、ポットの閉鎖を提供するか、またはそれに関与する。第1のアセンブリ部材205は、ネック部201の角部の位置に形成されることが有利である。これは、それらの位置を識別することを容易にする。
【0044】
もちろん、第1のアセンブリ部材205の数および位置は変化してもよい。
【0045】
ここでは、第1の組立部材205は全て同一であるので、それらのうちの1つについてのみ説明する。
【0046】
第1のアセンブリ部材205は、止め部206を備える。この止め部206は、蓋3が開位置から閉位置へ通過したときに、蓋3の回転をネック部201周りで停止させることができるようにした回転止め部である。
【0047】
止め部206は、例えばここでは、ネック部201の外側壁面203に設けられた肩部によって形成される。より具体的には、ノッチ207が外壁面203に設けられ、ネック201が局所的に減少した厚さを有するようにする。次いで、ノッチ207に対して、接線方向のネック部201の面が、肩部または止め部206lを形成する
【0048】
ここで、ネック201の第1のアセンブリ部材205はまた、突起208を備える。突起208は、ネック部201の外壁面203に対して浮き彫りになっている。ここでの突起208は、半円筒形状を有する。突起208は、ノッチ207に対して接線方向である。
【0049】
基部2は、任意の適切な材料、特にガラスまたはプラスチック材料から形成される。それは透明であっても不透明であってもよい。基部2は、化粧品を収容する添加のタブ又はリフィルを受け入れるように設けられてもよい。
【0050】
図5及び図6には、蓋3が個別に示されている。蓋は、上面300と、上面300の背面にある下壁面301と、輪郭壁面302とを備える。
【0051】
ここで、符号3は、正方形の輪郭を有し、すなわち、上面300は、正方形の形状を有する。有利には、蓋3は、ベース2と実質的に(または正確に)同じ輪郭寸法および形状を有する。
【0052】
上面300は、ここでは、例えば、ポット1が蓋3で閉じられたときに、ユーザに見えるように設けられた外面を構成する。
【0053】
蓋3は、下壁面301に設けられたキャビティ303を備える。空洞303は、蓋3が開口部202を閉じるとき、使用者には見えない蓋3の内側部分を形成する。
【0054】
輪郭壁面302は、外側輪郭面302aと内側輪郭面302bとを備える。
【0055】
外側輪郭面302aは、上面300の周縁部で延在している。換言すれば、外側輪郭面302aは、上面300のエッジに接している。外側の輪郭面302aは、蓋3が開口部202を閉じるときにユーザに視認される。
【0056】
内側輪郭表面302bは、キャビティ303の周囲を画定する。内側輪郭面302bは、蓋3の内側部分内に延在している。このように、蓋3が開口部202を閉塞すると、内側の輪郭面302bは使用者からは見えなくなる。
【0057】
内側輪郭面302bは、首部201の丸みを帯びた角部に相補的な形状の丸みを帯びた角部を有する。
【0058】
蓋3は、ネック201の第1のアセンブリ部材205と相補的な形状の、少なくとも1つの第2のアセンブリ部材304を備える。図示の例では、蓋3は、4つの第2のアセンブリ部材304を備える。蓋3の各第2のアセンブリ部材304は、それと協働するように構成された、ネック部201の対応する第1のアセンブリ部材205を有する。
【0059】
図示の例では、4つの第2のアセンブリ部材304は、輪郭壁面302の丸みを帯びた角部の位置に形成されている。
【0060】
もちろん、第2の組立部材の数及び位置は変動し得る。
【0061】
ここでは、第2のアセンブリ部材304はすべて同一であるので、説明は、それらのうちの1つについてのみ与えられるが、もちろん、他のすべてに適用される。
【0062】
第2の組立部材304は、輪郭壁面302内に形成されている。第2の組立部材304は、蓋が開口部202を閉じるときに使用者に見えないように蓋3の内側部分に延在している。これにより、ポット1の美観を向上させることができる。
【0063】
第2のアセンブリ部材304は、ここでは、突起またはラグ305と、凹部306とを備える。ラグ305と凹部306とは、互いに隣接している。ラグ305は、ネック部201に形成されたノッチ207と相補的な形状を有する。凹部306は、また、突起208に対して相補的な形状を有する。第2の組立部材304のラグ305は、止め部206と突起208との間の第1の組立部材205のノッチ207に挿入するように構成されている。第2の組立部材304の凹部306は、第1の組立部材205の突起208を収容するように構成されている。
【0064】
ここで、第2のアセンブリ部材304は、ネック201の第1のアセンブリ部材205の高さと最大で等しい高さを有する。好ましくは、第2のアセンブリ部材304は、ネック部201の第1のアセンブリ部材205の高さよりも低いか、または知覚可能に低い高さを有する。
【0065】
高さとは、垂直方向の寸法を意味する。ネック部201の高さは、リム204の高さと、同じ垂直面で取られた第1のアセンブリ部材205の高さとの合計に対応する。
【0066】
図示の例では、リムおよび第1のアセンブリ部材のそれぞれの高さは、あらゆる場所で同じではない。ネック201は、リム204と第1のアセンブリ部材205との間の辺縁部に形成された、少なくとも1つのスロープ又は傾斜を有する。ここでは、ネック部201の各部分に傾斜が形成される。
【0067】
第2のアセンブリ部材304は、有利には、弾性材料から形成される。例えば、蓋3を構成する材料(一般にプラスチック材料から作られる)の柔軟性は、第2のアセンブリ部材によって利用されてもよい。これにより、挿入を通じて第1の組立部材205と第2の組立部材304との間の単純な嵌合が可能になる。
【0068】
図6に示される例示的な実施形態では、第2のアセンブリ部材は、輪郭壁面302に形成された裂け目307を備える。前記裂け目は、第2のアセンブリ部材304により多くの柔軟性を与え、それによって、挿入による第1のアセンブリ部材205との嵌合をより容易にする。
【0069】
一実施形態によれば、蓋3は、全体的に弾性材料から作製されてもよい。
蓋3は、所望の形状を与えるように、成形または射出によって製造することができる。
【0070】
一般的に言えば、第1のアセンブリ部材および第2のアセンブリ部材のうちの少なくとも1つは、可撓性および弾性を有し、それによって、前記アセンブリ部材が挿入によって互いに嵌合されることが可能になる。
【0071】
内側輪郭面302bは、開口部202を閉じるようにネック部201を囲むことを可能にする形状及び寸法を有する。言い換えれば、空洞303の断面は、蓋3がベース2のネック201を取り囲み、その周りを回転することができるように、ネック201の断面と少なくとも同じ大きさである。
【0072】
蓋体3は、蓋体3が、開口位置と、開口部202を閉鎖する閉鎖位置とをとるように構成されている。蓋3が開閉位置にあるとき、輪郭壁面302、特に内側輪郭面302bは、ネック201を取り囲む。
【0073】
蓋3の開放位置は、第2のアセンブリ部材304が第1のアセンブリ部材205およびネック201のリム204から離れている位置に対応する。
この位置では、蓋は、ネック部201に対して自由に回転し、垂直に引き出すことができる。蓋3の閉鎖位置は、第2の組立部材304がネック部201のリム204の下に配置される位置に対応する。この位置では、蓋の回転は、組立部材の協働によって停止され(挿入による組立部材の嵌合によって生じる抵抗に打ち勝つのに十分な力が蓋に加えられる場合を除く)、ネック部201に対する蓋3の垂直方向の引き抜きは、第1の組立部材と、以下に詳述されるビード204との間の相互作用によって防止される。
【0074】
図7は、開口位置において、ネック201の周りに配置された蓋3を示す。図8および図9は、閉鎖位置において、ネック201の周りに配置された蓋を示す。
【0075】
有利には、空洞303の断面は、第1の位置に対して所定の角度だけ回転した第2の位置における、ネック部201の断面の第1の位置におけるネック部201の断面の1つの重ね合わせに対応する。言い換えれば、空洞303の断面は、ネック部201の断面と、所定の角度を通る前記断面の中心(または重心)の周りの回転によって得られるその画像との重ね合わせに対応する。
【0076】
所定の角度は、蓋3が、極端な開口位置から閉鎖位置へ、またはその逆に通過するときに、それを通過する角度を構成する。
【0077】
所定の角度は、45°未満であってもよい。好ましい実施形態では、所定の角度は22°程度である。
【0078】
したがって、空洞303は、蓋3が、ネック部201の第1のアセンブリ部材205の数と同じ数の第2のアセンブリ部材304を備えるときに形成される。
【0079】
別の実施形態では、蓋3は、ネック部201の第1のアセンブリ部材205の数よりも少ない数の第2のアセンブリ部材304を備えてもよい。略正方形の断面を有し、4つの第1のアセンブリ部材205を有するネック201の例では、蓋3は、単一の、2つの、または3つの第2のアセンブリ部材304を備えてもよい。
【0080】
もちろん、逆も完全によく想定できる。蓋3は、ネック部201の第1のアセンブリ部材205の数よりも多い数の第2のアセンブリ部材304を備えてもよい。
【0081】
どのような場合でも、空洞303は、蓋3が開口部202を、特に開閉位置で閉じるときに、蓋3がネック部201を囲むことを可能にする断面を有する。さらに、空洞303は、蓋3が開口位置にあるときに、蓋3がネック部201から垂直に引き出され、ネック部201を周回することができるような断面を有し、蓋3が閉鎖位置にあるときに、ネック部201に対する蓋3の回転に対する抵抗が生成され、ネック部201に対する蓋3の垂直方向の引き出しが防止される。
【0082】
ユーザがポット1を閉じたいとき、彼は、図7のように、蓋3を開位置に位置決めする。この位置において、蓋3は、ネック部201に対して所定の角度を通して回される。ここで、蓋3の丸みを帯びた角部は、ネック部201の丸みを帯びた角部の反対側に面する。
【0083】
ポット1を閉じるために、ユーザは、蓋3を、例えば時計回りに回す。蓋3は、ネック201の第1のアセンブリ部材205と蓋3の第2のアセンブリ部材304とが協働するまで、ネック部201の周りを回転する。言い換えれば、蓋3は、第2のアセンブリ部材304がネック部201の止め部206に当接するまで、ネック部201の周りを回転する。このように止め部206は、蓋3のための回転止め部を形成する。説明した例では、蓋3が閉鎖位置にあるとき、ラグ305は、ネック部201のノッチ207に挿入され、突起208は、凹部305に挿入される。この位置では、第2の組立部材304は、リム204の下に延在する。次いで、蓋3は、ビード204によって垂直に停止される。言い換えれば、蓋3は、ネック部201に対して垂直に引き出すことができない。
【0084】
ポット1を開けるために、使用者は、蓋3を、例えば反時計回りに、閉じる方向とは逆方向に回す。ユーザは、第1のアセンブリ部材と第2のアセンブリ部材との間の協働によって生じる抵抗を克服する。蓋の第2のアセンブリ部材304は、ネック部304の第1のアセンブリ部材204から離れている。次いで、蓋3の第2のアセンブリ部材304は、ネック部201の止め部206から離れる。ラグ305は、ノッチ207から離れている。突起208も凹部205からはっきりしている。次いで、ベース2に対する蓋3の自由な回転が再び可能である。蓋3の第2のアセンブリ部材304も、ネック201のリム204から離れている。次いで、蓋3は、ビード204によってもはや停止されないので、ネック201に対して垂直に引き出すことができる。
【0085】
当然のことながら、本発明は、説明され図示された実施形態に限定されない。
【0086】
本発明は、正方形、別の形態の多角形、およびより一般的には円形ではない多数の形態などの、その幾何学的形状のために、これを可能にすることが期待されない、ネックにねじ留めするための操作の形態を維持することを可能にする。
【0087】
そのような蓋3は、少なくとも1つの第1のアセンブリ部材205およびリム204を有するネック部201を備える、化粧品を収容するように構成された任意のベース2に容易に適合可能である。蓋3のみが、簡単かつ直観的な操作形態によってポットの開閉を可能にするように変更される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】