(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(54)【発明の名称】個人に振動運動を提供するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61H 23/02 20060101AFI20230329BHJP
A61H 1/00 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
A61H23/02 330
A61H1/00 311Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549904
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(85)【翻訳文提出日】2022-09-12
(86)【国際出願番号】 US2021018612
(87)【国際公開番号】W WO2021168139
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522329179
【氏名又は名称】インナウェーブ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】INNAWAVE INC
【住所又は居所原語表記】Steven Patrick Stone, L.Ac, DNBAO 2001 S. Barrington Ave. Ste. 111 Los Angeles, California 90025 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ストーン, スティーブン パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ペルトラ, エリック リチャード
【テーマコード(参考)】
4C046
4C074
【Fターム(参考)】
4C046AA02
4C046AA32
4C046DD01
4C046EE10
4C074BB05
4C074CC01
4C074DD01
(57)【要約】
個人に振動運動を与えるための医療装置が提供される。医療装置は、個人の1つ以上の身体部位を保持することができるホルダと、ホルダに振動力を伝達することができる振動機構を含む。医療装置は、個人の運動に関する情報を提供する1つ以上のセンサと、揺動の動きから逸脱する1つ以上の身体部位の動きを可能にするように構成される1つ以上のコンプライアント部を含む。振動機構は、個人の運動に関する情報を提供する装置に組み込まれたセンサからのフィードバックに基づいて、振動の頻度を動的に変化させることができる。また、振動機構は、フィードバックに基づいて、振動の振幅を動的に変化させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機器であって、前記医療機器は、
個人の1つ以上の身体部位を保持可能なホルダと、
振動力を前記ホルダに伝達可能な振動機構と、
前記個人に関する情報を提供する1つ以上のセンサと、
振動の動きから逸脱する前記1つ以上の身体部位の動きを可能にするように構成される1つ以上のコンプライアント部を備え、
前記振動機構は、前記1つ以上のセンサからのフィードバックに基づいて振動の頻度を動的に変更可能であり、
前記振動機構は、前記1つ以上のセンサからのフィードバックに基づいて前記振動の振幅を動的に変更可能である、
医療機器。
【請求項2】
請求項1に記載の医療機器であって、
前記1つ以上のコンプライアント部は、前記1つ以上の身体部位が振動の動きに垂直な方向に前記振動の動きから逸脱できるように構成される、
医療機器。
【請求項3】
請求項2に記載の医療機器であって、
前記1つ以上のコンプライアント部の少なくとも1つが、前記ホルダを前記振動機構に連結する1つ以上のロッドを備え、
前記1つ以上のロッドは可撓性を有する、
医療機器。
【請求項4】
請求項1に記載の医療機器であって、
前記振動機構は、前記フィードバックに基づいて、前記振動機構の前記頻度を前記個人の最適な頻度に調整するように構成される、
医療機器。
【請求項5】
請求項4に記載の医療機器であって、
前記1つ以上のセンサからの前記フィードバックは、前記個人と前記振動機構との間の接触の力であり、
前記振動機構は、前記個人と前記振動機構との間の接触の力を最小にすることによって、前記振動の頻度を前記最適な頻度に調整するように構成される、
医療機器。
【請求項6】
請求項4に記載の医療機器であって、
前記フィードバックは、1つ以上の医療センサからの、1つ以上の前記個人の生理学的測定値を含む、
医療機器。
【請求項7】
請求項5に記載の医療機器であって、
前記1つ以上のコンプライアント部の少なくとも1つは、前記1つ又は2つの足の踵に圧力を加え、前記1つ又は2つの足が、前記1つ又は2つの足の足首のまわりを自由に回転可能にするように形成される踵ホルダを備える、
医療機器。
【請求項8】
医療機器であって、前記医療機器は、
個人の1つ以上の身体部位に対して接するように形成されるパッドと、
前記個人に関する情報を提供する1つ以上のセンサと、
振動する際に、振動力を前記パッドに伝達可能な振動機構を備え、
前記振動機構は、振動の頻度を自動的に調整することができる、
医療機器。
【請求項9】
請求項8に記載の医療機器であって、
前記振動機構は、振動の振幅を自動的に調整することができる、
医療機器。
【請求項10】
請求項9に記載の医療機器であって、
前記振動機構は、前記1つ以上のセンサから測定される力を最小にするために、前記振動の頻度を調整するように構成される、
医療機器。
【請求項11】
請求項8に記載の医療機器であって、
前記振動機構は、前記振動機構が振動する際に、前記個人との接触を維持するために、振動の振幅を自動的に調整する、
医療機器。
【請求項12】
請求項8に記載の医療機器であって、
前記パッドは、1つ又は2つの足の踵部分を支持するようにさらに形成され、
前記パッドは、前記1つ又は2つの足が前記パッドにより支持される間、前記1つ又は2つの足の足が、前記1つ又は2つの足の足首のまわりを自由に回転できるようにする、
医療機器。
【請求項13】
請求項12に記載の医療機器であって、
ホルダを前記振動機構に連結する1つ以上のコンプライアントロッドをさらに備え、
前記1つ以上のコンプライアントロッドは、前記足が振動の動きから逸脱することを可能にするように構成される、
医療機器。
【請求項14】
請求項13に記載の医療機器であって、
前記振動機構はリニアアクチュエータであり、
前記リニアアクチュエータ上に力のフィードバックセンサをさらに備え、
前記個人の生理学的反応を測定する1つ以上の医療センサをさらに備える、
医療機器。
【請求項15】
個人に往復運動を提供する方法であって、前記方法は、
振動機構によって個人の身体部位と接触するパッドを振動させる工程を備え、
前記振動機構は、機器に埋め込まれた1つ以上のセンサからのフィードバックに基づいて前記振動の頻度を動的に変更可能であり、
前記振動機構は、前記フィードバックに基づいて前記振動の振幅を動的に変更可能であり、
前記パッドは、前記身体部位が前記振動の方法から逸脱する方向に限定的に動くことを可能にするように構成される、
方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記パッドは、前記個人の1つ又は2つの足を支持するようにさらに構成される、
方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記振動機構から伝達される力は、前記個人の1つ又は2つの足から前記個人の重心を通る方向に向けられる、
方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、
前記振動機構は、前記フィードバックに基づいて、前記振動機構の振動の頻度を、前記個人の最適な頻度に調整するように構成される、
方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記フィードバックは、1つ以上の医療センサからの、前記個人の1つ以上の生理学的測定値を含む、
方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記フィードバックは、前記個人と前記振動機構との間の接触の力を含み、
前記振動機構は、前記個人と前記振動機構との間の前記接触の力を最小にすることによって、前記振動の頻度を、前記個人の固有頻度に調整するように構成され、
前記振動機構は、前記1つ以上の生理学的測定値に基づいて、前記振動の頻度を、前記固有頻度から前記最適な頻度にさらに調整するようにさらに構成され、
ホルダは、前記1つ又は2つの足の踵に圧力を加え、前記1つ又は2つの足が、前記1つ又は2つの足の足首のまわりを自由に回転可能にするように形成される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年2月19日に出願された"Systems And Methods For Providing Oscillatory Motion To An Individual"と題する米国仮特許出願第62/978,774号の利益を主張する。なお、この特許出願は、その全文が参照により本願に援用される。
【0002】
本開示は、個人に往復運動を伝達する医療機器に関するものである。
【背景技術】
【0003】
呼吸や心拍など、規則的な周期パターンに従う生理現象は数多く存在する。このような生理的プロセスは、しばしば振動的な刺激に反応する。人間の健康従事者は、長い間、ポジティブな生理学的結果を提供するために、身体の様々な部位に往復の圧力と運動を適用してきた。他の形態の往復運動は、生理学的結果を刺激することが知られている。例えば、優しく揺らすと赤ちゃんが落ち着くことが昔から知られている。別の例では、心臓は振動運動に反応することが知られている。強化体外式カウンターパルセーションは、心拍に一致する振動リズムで四肢を圧迫することにより狭心症を治療する技術である。別の例では、早生児の高頻度振動換気法は肺の損傷を防止可能であることが示されている。
【0004】
自動化された装置やシステムは、どんなに効率的でも、しばしば人間の施術者の触感や多用性にはかなわないことがある。人間の施術者は、患者からの様々なフィードバックに基づいて、患者への往復運動の頻度や圧力を調整し得る。痛みと炎症の軽減、免疫システムの強化、および副交感神経系反応の刺激を含む生理学的効果を誘発するために、振動運動を個人に伝達するためのより良いシステムに対する当技術分野のニーズが存在する。当技術分野では、人間の施術者の触感と多用途性を模倣した装置に対する更なるニーズが存在する。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、個人に往復運動を提供するための医療装置を含む。例示的な一実施形態では、医療装置は、個人の1つ以上の身体部位を保持可能なホルダと、振動力をホルダに伝達可能な振動機構を含む。医療装置は、個人に関する情報を提供する1つ以上のセンサと、揺動の動きから逸脱する1つ以上の身体部位の動きを可能にするように構成される1つ以上のコンプライアント部を含む。振動機構は、1つ以上のセンサからのフィードバックに基づいて、振動の頻度を動的に変化させることができる。揺動機構は、1つ又は複数のセンサからのフィードバックに基づいて、揺動の振幅を動的に変化させることができる。1つ以上のコンプライアント部は、1つ以上の身体部位が、振動の動きから、振動の動きに垂直な方向に逸脱することを可能にするように構成されてもよい。1つ以上のコンプライアント部の少なくとも1つは、ホルダを揺動機構に連結する1つ以上の可撓性ロッドを含んでもよい。振動機構は、フィードバックに基づいて、振動機構の振動頻度を個人の最適な頻度に調整するように構成されてもよい。1つ以上のセンサからのフィードバックは、個人と振動機構との間の接触の力であってもよく、振動機構は、個人と振動機構との間の接触の力を最小にすることによって、振動頻度を個人の最適な頻度に調整するように構成されている。フィードバックは、1つ以上の医療用センサからの個人の1つ以上の生理学的測定値を含んでもよい。1つ以上のコンプライアント部の少なくとも1つは、1つ又は2つの足の踵に圧力を加え、1つ又は2つの足が、1つ又は2つの足首のまわりで自由に回転できるように形成される踵ホルダを含んでもよい。
【0006】
例示的な一実施形態では、医療装置は、個人の1つ以上の身体部位に対して静止するように形成されるパッドと、個人に関する情報を提供する1つ以上のセンサを含む。医療装置は振動機構を含み、振動機構が振動すると、パッドに振動力を伝達することができる。振動機構は、振動の頻度を自動的に調整してもよい。揺動機構は、揺動の振幅を自動的に調整してもよい。振動機構は、1つ以上のセンサからの力のフィードバックを最小にするために、振動の頻度を調整するように構成されてもよい。振動機構は、振動機構が振動する際に個人との接触を維持するために、振動の振幅を自動的に調整してもよい。パッドは、1つ又は2つの足の踵部分を支持するようにさらに形成されてもよく、1つ又は2つの足がパッドによって支持されている間、パッドは、1つ又は2つの足が、足首のまわりを自由に回転することを可能にする。医療装置は、ホルダを振動機構に連結する1つ以上のコンプライアントロッドをさらに含んでもよく、1つ以上のコンプライアントロッドは、足が振動の動きから逸脱することを可能にするように構成される。振動機構は、力のフィードバックセンサを含むリニアアクチュエータであってもよい。医療機器は、個人の生理的反応を測定する1つ以上の医療用センサをさらに含んでもよい。
【0007】
別の一般的な態様は、個人に対して往復運動を提供する方法である。この方法は、振動機構によって振動する工程と個人の身体部位に接触するパッドを含む。振動機構は、個人に関する情報を提供する装置に埋め込まれた1つ以上のセンサからのフィードバックに基づいて、振動の頻度を動的に変化させることができる。振動機構は、フィードバックに基づいて、振動の振幅を動的に変化させることができる。パッドは、身体の一部が振動の方向から逸脱する方向へ限定的に動くことを可能にするように構成される。パッドは、さらに、個人の1つ又は2つの足を支持するように構成されてもよい。振動機構から伝達される力は、個人の1つ又は2つの足から個人の重心を通る方向に向けられてもよい。振動機構は、フィードバックに基づいて、振動機構の振動の頻度を個人の最適な頻度に調整するように構成されてもよい。フィードバックは、1つ以上の医療用センサからの個人の1つ以上の生理学的測定値を含んでもよい。フィードバックは、個人と振動機構との間の接触の力をさらに含んでもよく、振動機構は、個人と振動機構との間の接触の力を最小にすることによって、振動の頻度を個人の固有頻度に調整するように構成される。振動機構は、1つ以上の生理学的測定値に基づいて、振動の頻度を固有頻度から最適頻度にさらに調整するように構成されてもよい。ホルダは、1つ又は2つ以上の足の踵に対して圧力を加え、1つ又は2つ以上の足が1つ又は2つ以上の足首のまわりを自由に回転することを可能にするように形成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、開示された主題の一実施形態において使用され得る構成要素を示す往復動医療装置の概略図である。
【0009】
【
図2】
図2は、本発明の往復動医療装置の振動機構を示す概略図である。
【0010】
【
図3】
図3は、往復動医療装置のホルダの説明図である。
【0011】
【
図4】
図4は、組織内の細胞間にある間質液の説明図である。
【0012】
【
図5】
図5は、間質液と毛細血管及びリンパ系との相互接続性の説明図である。
【0013】
【0014】
【
図7A】
図7Aは、個人に往復運動を提供する工程に関するフロー図である。
【0015】
【
図7B】
図7Bは、往復運動を個人の最適な頻度に調整する工程に関するフロー図である。
【0016】
【
図8】
図8は、往復動医療装置のホルダに静置している個人の足の説明図である。
【0017】
【
図9】
図9は、2つの足を保持する往復動医療装置のホルダの実施形態の説明図である。
【0018】
【
図10】
図10は、個人に往復運動を伝達可能な往復動医療装置の説明図である。
【0019】
【
図11】
図11は、往復動医療装置のコントローラの様々な実施形態において実装され得るコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
開示された主題は、往復運動を個人に伝達する装置を記述している。往復運動は、場合によっては、個人において生理学的な反応をもたらすことがある。熟練した人間の施術者の往復運動は、一般に、優れた生理学的結果をもたらす。往復動医療装置の1つの目標は、最適な生理学的結果を達成するために、熟練した人間の施術者の運動を正確に再現することである。往復動医療装置の別の目標は、熟練した人間の施術者の能力を超える正確な往復運動を実現することである。往復動医療装置は、往復動医療装置によって感知されるフィードバックに基づいて、往復運動の振幅、頻度及びベクトルに対して微妙な調整を行ってもよい。
【0021】
ある患者が他の患者と異なる動きをする方法を説明し得る様々な要因には、個人の質量、振動の振幅、及び振動の頻度が含まれる。往復動医療装置は、それらの要因に基づいて、その動きを調整してもよい。往復動装置は、個人が、個人の踵をコンプライアントロッドによって往復動医療装置に取り付けられたフットホルダ内で静止させた状態でベッドに横たわっているときに、往復動装置がベッドの足元に位置することができるように携帯可能であってもよい。
【0022】
往復動医療装置は、緩やかな押し付け振動が個人に伝わるように、ホルダを振動させてもよい。各押し付け振動において、ホルダは押し出され、個人の頭部が約0~2.5cm動くように、個人は足から重心又は頭部への方向に穏やかに押される。幾つかの別の実施形態において、可動範囲は、2.5cmより大きくてもよい。例えば、可動範囲は、0~3.0cm又は0~3.5cmであってもよい。往復動医療装置は、個々の患者及び患者の状態に基づいて範囲を調整するように構成されてもよい。例えば、手術直後のような脆弱な状態にある患者に対しては、往復動医療装置は、低頻度かつ低可動域に設定されてもよい。
【0023】
臨床的な証拠によると、往復動医療機器の使用は、炎症に対して大きな影響を与え、血液凝固因子の働き方を変えることが示されている。往復動医療機器の配置、並びに運動の頻度及び振幅の調整は、粘膜組織に対する創傷や手術の位置に依存し得る。様々な場合において、血管は表面に近い可能性があるので、出血を防ぐために異なる方法で処置をする必要がある。
【0024】
ホルダが押し出された後、ホルダは引っ込められ、個人は元の位置へ戻る。幾つかの別の実施形態において、ホルダは、個人を押すことのみを行うように構成されてもよい。例示的な一実施形態では、ホルダは、個人を押したり引いたりするように構成される。例示的な一実施形態では、ホルダは、個人を引っ張ることのみを行うように構成される。個人が滑らないように個人が穏やかに押されると、個人の皮膚の部分が、個人が横たわっている表面との接触を維持するので、個人は元の位置に戻り得る。このように、ホルダが引っ込められるときに、個人は元の位置に戻る。
【0025】
往復動医療装置における振動の頻度及び振幅は、調整されてもよい。幾つかの別の実施形態において、頻度及び/又は振幅は、個人の最適な頻度に一致するように自動的に調整される。いくつかの場合において、個人の最適な頻度は、維持するために最小限の力を必要とする個人の運動の頻度である。他の場合において、維持するために最小限の力を必要とする頻度から逸脱することによって、最良の結果が得られる可能性がある。例示的な一実施形態において、往復動医療装置は、維持するために最小の力を必要とする頻度を感知してもよく、これを使用して、身体が所定の運動の振幅で固有に動く基本頻度を確立してもよい。それから、往復動医療機器は、最適な生理学的結果をもたらすために、基本頻度から逸脱してもよい。
【0026】
往復動医療装置は、個人の運動に関する情報を提供する装置に埋め込まれたセンサからのフィードバックに基づいて、振動の頻度を個人の最適な頻度に自動的に調整するように構成されてもよい。センサはまた、個人の生理的反応に基づく情報を提供してもよい。例えば、センサは、心拍数又は血中酸素濃度を測定してもよい。センサは、身体のある部位の腫れの量を測定してもよい。
【0027】
頻度と同様に、振動の振幅も個人の固有の可動範囲に合うように調整されてもよい。固有の可動範囲は、様々な方法で定義されてもよい。一実施形態において、固有の可動範囲は、個人が滑らずに快適に押され得る長さである。振動の頻度と同様に、往復動医療装置は、フィードバックに基づいて振動の振幅を自動的に調節してもよい。フィードバックは、ホルダと個人との間の接触の力など、個人が往復動医療機器に対して押し返す力であってもよい。
【0028】
幾つかの別の実施形態において、固有の可動範囲以外の要因は、運動の振幅、頻度及びベクトルを設定するために用いられてもよい。要因は、患者の状態に関する往復動医療装置のオペレータからの入力を含んでもよい。患者の好みもまた、運動の振幅、頻度及びベクトルの設定における要因であってもよい。
【0029】
運動の振幅に影響を与え得る要因には、個人の質量、個人が乗っている表面の摩擦、及び運動の所望の頻度が含まれてもよい。例示的な一実施形態において、変数(V)は、(式1)「V=FαAβMγ」に基づいて、個人に対して決定される。ここで、Vは、個人の頻度(F)、振幅(A)及び質量(M)の積となるように決定される。一定の指数α、β、γは実験を通じて決定されてもよい。一度固有振幅及び頻度が決定されると、例示的な式1に基づいて振幅及び頻度が調整されてもよい。
【0030】
往復動医療装置のホルダは、運動の大きな自由度を維持しながら、身体の一部をホルダ内で快適に静止し得るように形成されてもよい。ホルダの一実施形態において、ホルダは、個人の踵がホルダ内で静止することを可能にするように形成される。ホルダは、往復力が足に伝達されるときに足が自由に動き回ることを可能にする1つ又は複数のコンプライアント部を含んでもよい。例示的な一実施形態では、足はホルダ内で拘束されず、往復運動が個人に伝達される間、足は足首のまわりを自由に回転してもよい。幾つかの別の実施形態において、コンプライアントロッドは、足に対して、限定的な自由度の動きを可能にするように撓んでもよい。
【0031】
図1を参照すると、
図1は、開示された主題の一実施形態において使用され得る構成要素を示す往復動医療装置102の概略
図100である。往復動医療装置102は、患者をマッサージしている人間の施術者の療法に類似した、個人103に対する療法を提供するために用いられてもよい。人間の施術者は、センサからのフィードバックに基づいて、マッサージの頻度及び可動域を調整してもよい。同様に、人間の施術者は、個人103が自由に動けるように位置を移動させてもよい。
【0032】
人間の施術者と同様に、往復動医療装置102は、センサからのフィードバックに基づき、個人103に順応する。往復動医療装置102は、振動の頻度及び振幅を調整してもよい。往復動医療装置は、往復動医療装置102が個人103の踵を保持しているときに、個人103の足首が自由に回転することを可能にすることによって、個人103にある程度の運動の自由を与えてもよい。可撓性のあるコンプライアントロッドもまた、個人の足に限定的な運動の自由を与えてもよい。
【0033】
往復動医療装置102は、振動機構104と、ホルダ120を含む。振動機構104は、個人103に伝達される往復運動124を引き起こす。振動機構104は、往復運動124の頻度及び振幅の制御を有していてもよい。振動機構104は、振動機構104がフィードバックに基づいて往復運動124の頻度及び/又は振幅を調整することができるように、フィードバックを受けてもよい。
【0034】
振動機構104は、コントローラ106とアクチュエータ108を含んでもよい。コントローラ106は、実行されると振動機構104の往復運動124を制御する命令を送信することが可能なコンピュータシステムである。コントローラ106は、単一のコンピュータシステム、モノのインターネット(IoT)装置、同居型コンピュータ、クラウドベースのコンピュータ等であってもよい。コントローラ106は、振幅制御モジュール110及び頻度制御モジュール112を含んでもよい。
【0035】
振幅制御モジュール110は、振動機構104によって生成される往復運動124の振幅を決定する。振幅制御モジュール110は、センサからのフィードバックに基づいて往復運動124の振幅を調整するように構成されてもよい。振幅を決定するために、振幅制御モジュール110によって様々な基準が用いられてもよい。往復運動124の振幅は、頂上と谷とに区分けすることができる。頂上は、振動機構104が個人103を押し得る最も遠い点である。谷は、頂上と反対側にあり、振動機構104が個人103から最も遠く離れて引っ込む点に存在する。
【0036】
幾つかの別の実施形態において、振幅制御モジュール110は、個人103の運動及び/又は個人の生理的反応に関する情報を提供する、装置に埋め込まれたセンサからのフィードバックに基づいて、頂上及び谷を設定してもよい。一実施形態において、フィードバックは、個人103が往復動医療装置102に対して及ぼす力である。幾つかの別の実施形態において、フィードバックは、個人における炎症を測定するセンサなど、個人の生理学的測定である。例示的な一実施形態において、振幅制御モジュール110は、前進ストロークで個人103が往復動医療装置102に対して及ぼす力が最大力以下に留まるように、頂点を設定するように構成されてもよい。振幅制御モジュール110は、個人103によって及ぼされる力が最小の力より上に留まるように、谷を設定するように構成されてもよい。幾つかの別の実施形態において、振幅制御モジュール110は、個人によって及ぼされる力以外の測定値に基づいて、頂上及び谷を設定するように構成されてもよい。例示的な一実施形態において、個人103によって及ぼされた力に基づいて頂上及び谷を設定した後、振幅制御モジュール110は、個人からの生理学的応答を測定するセンサに基づいて頂上及び谷をさらに調整してもよい。
【0037】
頻度制御モジュール112は、振動機構104の往復運動124の頻度を決定する。頻度制御モジュール112は、センサからのフィードバックに基づいて振動の頻度を設定するように構成されてもよい。頻度を決定するために、頻度制御モジュール112によって様々な形態のフィードバックが用いられてもよい。一実施形態において、頻度制御モジュール112は、振幅制御モジュール110と同様に、個人103が往復動医療装置102に対して押す力に基づいて頻度を決定してもよい。頻度制御モジュール112は、振動機構104の周期にわたって個人103によって最小の力が及ぼされるように、頻度を設定してもよい。幾つかの別の実施形態において、頻度制御モジュール112は、最小の力又は抵抗の頻度以外の頻度を決定してもよい。一例では、頻度制御モジュールは、最小の力又は抵抗の頻度を決定し、それから、個人からの生理学的応答に基づいて頻度を修正してもよい。例えば、頻度制御モジュール112は、個人から生理学的測定値を受信してもよい。生理学的測定値の例は、個人の心拍数、呼吸数及び血中酸素濃度であってもよい。幾つかの別の実施形態において、頻度制御モジュール112は、個人における炎症と相関する測定値を受信してもよい。炎症に相関する測定の一例は、皮膚の炎症領域の色を送信するカラーセンサであってもよい。頻度制御モジュール112は、有益な生理的反応を最大化するために、又は有害な生理的反応を最小化するために、頻度を調整する。例えば、頻度は、個人103における炎症を低減するように調整されてもよい。
【0038】
アクチュエータ108は、振動機構104に往復運動124を引き起こす。アクチュエータ108は、モータ114と、フィードバックセンサ116とを有していてもよい。モータ114は、任意の形態のエネルギーを機械的エネルギーに変換する様々な機械であってもよい。幾つかの別の実施形態において、モータ114は、モータ114によって生成される出力の位置を正確に制御するサーボモータである。アクチュエータ108は、アクチュエータロッド118を介してホルダ120に接続されてもよい。アクチュエータ108は、コントローラ106によって設定される振幅及び頻度に基づいて、往復運動124においてホルダ120を動かす。
【0039】
フィードバックセンサ116は、ホルダ120と個人103との間の相互作用に基づくフィードバック力を感知する。フィードバックセンサ116によって測定されたデータは、往復運動124の最適な振幅及び頻度を決定するために、コントローラ106に送信されてもよい。フィードバックセンサ116は、ホルダ120と個人103との間の相互作用に基づいて、様々な形態のデータを収集してもよい。
【0040】
一実施形態において、フィードバックセンサ116は、個人103に対してホルダ120が及ぼす力を測定してもよい。幾つかの別の実施形態において、フィードバックセンサ116は、力計によって、個人103に対してホルダが及ぼす力を測定してもよい。力計によって測定される力は、振幅制御モジュール110及び頻度制御モジュール112によって用いられてもよい。一例では、振幅制御モジュール110は、フィードバックセンサが最小の力を測定するアクチュエータ108の位置に谷を設定する。同様に、振幅制御モジュール110は、フィードバックセンサが最大の力を測定するアクチュエータ108の位置で頂上を設定してもよい。最小及び最大の力は、手動又は自動で決定されてもよい。幾つかの別の実施形態において、フィードバックセンサは、電流、すなわちモータ114によって及ぼされるトルクを測定する電流センサであってもよい。モータ114によって及ぼされるトルクは、個人103に対してホルダ120が及ぼす力に正比例する。
【0041】
ホルダ120は、個人103に接触する往復動医療装置102の一部である。アクチュエータ108によって生じる往復運動124は、アクチュエータロッド118を介してホルダ120に伝達され、ホルダ120は往復運動124を個人103に伝達する。幾つかの別の実施形態において、フィードバックセンサ116は、ホルダ120に埋め込まれてもよい。幾つかの別の実施形態において、フィードバックセンサ116は、アクチュエータ108又はアクチュエータロッド118に埋め込まれてもよい。一実施形態において、ホルダ120は、ホルダ120が個人103を引っ張るのではなく押すことによって往復運動124を伝達し得るように形成されてもよい。例示的な一実施形態において、ホルダ120は、個人103を押し引きするように構成されてもよい。
【0042】
一実施形態において、ホルダ120は、個人103の1つ又は2つの足を保持するように形成される。ホルダ120の形状は、個人103の1つ又は2つの足が、足首のまわりを自由に回転しながら、ホルダ120に留まることを可能にし得る。この運動の自由により、個人103は快適になり、その結果、往復運動124から最も多くの利益が得られる可能性がある。ホルダ120が許容し得るように、個人103が位置を移動する場合、振動機構104のコントローラ106は、個人103の新しい位置に基づいて頻度及び振幅を調整してもよい。往復動医療装置102は、振動運動が足に伝達される際に、個人の足が自由に回転するとともに移動できるように、さらに構成されてもよい。
【0043】
幾つかの別の実施形態において、往復動医療装置102は、往復運動124が個人103に伝達される際に往復動医療装置102を安定させるために個人103に対向して配置されるブレース122を必要としてもよい。幾つかの別の実施形態において、往復動医療装置102は軽量で携帯可能であってもよいので、動作中に往復動医療装置102を固定させるためのブレース122に対するニーズが存在する。ブレース122は、アクチュエータ108が個人103を押し付ける際に、固定された状態を保つのに十分な強度及び/又は重量のある様々な物体であってもよい。
【0044】
幾つかの別の実施形態において、往復動医療装置102は、医療用センサ130を含んでもよい。医療用センサ130は、個人103における様々な生理学的測定値を検出するように構成されてもよい。医療用センサの例には、心拍センサ、呼吸センサ、血中酸素濃度センサ、体温計及び発汗センサが含まれるが、これらに限定されるものではない。例示的な一実施形態において、医療用センサ130は、炎症の指標を測定してよい。例えば、医療用センサ130は、個人103の領域における炎症を測定するように構成されるカメラを含んでもよい。カメラは、腫れや色の変化などの炎症の指標を認識することによって、炎症を測定してもよい。一例では、コントローラ106は、炎症を認識するために機械学習されたアルゴリズムで、カメラ画像を処理してもよく、又はカメラは画像を処理するコントローラを含んでもよい。機械学習されたアルゴリズムは、ニューラルネットワークなどの様々な機械学習アルゴリズムによって教示されてもよい。機械学習アルゴリズムは、個人103の炎症を認識する機械学習されたアルゴリズムを訓練するために、炎症を起こしている身体部位の訓練画像を用いてもよい。
【0045】
図2を参照すると、
図2は、往復動医療装置102の振動機構200の概略図である。振動機構200は、個人103に運動を伝達できる様々な機構であってもよい。振動機構200のモータ114は、電動式、ガス式、空圧式、油圧式を含む様々なタイプのものであってもよい。
図2に示される一実施形態において、振動機構200は、回転運動を直線運動に変換する。
【0046】
モータ114は、ロータ202を回転させる。ロータ202は、様々なサイズであってもよい。ロータ202が往復運動124を引き起こすために全周回転するように構成される一実施形態において、ロータ202の半径が往復運動124の振幅を決定してもよい。ロータ202がモータ114によって回転させられると、回転ジョイント204がロータ202をアクチュエータロッド208に連結させてもよい。アクチュエータロッド208は、直線経路を移動するように、アクチュエータロッド208の一端を固定するスライド210によってガイドされてもよい。回転ジョイント204がロータ202に対して回転する半径は、ロータ202が全周回転する場合、往復運動124の振幅を決定してもよい。幾つかの別の実施形態において、モータ114は、ロータ202の回転位置に対する微細な制御を有するサーボモータである。サーボモータは、往復運動124を引き起こすように、完全な円未満で往復振動するように構成されてもよい。サーボモータの振幅は、モータ114が開始位置と終了位置との間で振動する際に、ロータ202の開始位置と終了位置とに基づいてもよい。
【0047】
振動機構200は、回転ジョイント204の半径を修正できる半径調整部206を有していてもよい。幾つかの別の実施形態において、ロータ202は、往復運動124を引き起こすために一方向に全周回転される。半径調整部206は、回転ジョイント204の半径を変更することによって、振動の振幅を調整してもよい。頻度は、ロータ202の回転速度を修正することによって調整されてもよい。幾つかの別の実施形態において、往復運動124は、サーボロータの正確な往復運動によって引き起こされる。頻度は、往復運動がサーボモータによって引き起こされる速度によって決定される。
【0048】
図3を参照すると、
図3は、往復動医療装置102のホルダ300の説明図である。ホルダ300は、身体の様々な部位を保持または支持するように形成されてもよい。
図3に示されるホルダ300は、足の踵を支持するように形成される。幾つかの別の実施形態において、ホルダ300は、手、頭、肩などの他の身体の部位を支持するように形成されてもよい。複数のホルダ300は、1つの往復動医療装置102で一緒に用いられてもよい。
図9に示される図は、1つの往復動医療装置102において2つのホルダ300が用いられている様子を示している。
【0049】
図3に示す実施形態において、ホルダ300は、四分の一のパイプの形状を有する踵置き310に足の踵を預けることができるように形成される。一対の隆起部320が、踵置き310上に立設されている。一対の隆起部320及び踵置き310は、足が足首のまわりを回転することを可能にしながら、足の踵に対する支持を提供する。一対の隆起部320は、踵が踵置き310に乗っているときに、足に面するホルダ300の側面に並ぶ。一対の隆起部320は足の側面を完全に包まないため、足が横方向に自由に動くことができる。
【0050】
踵置き310は、踵がホルダ内で静止するとき、足の踵に対する支持を重力に抗して提供する。ホルダ300の湾曲した踵止め340の部分は、重力に抗して支持を提供し、往復動医療装置102からの往復運動124を伝達するように湾曲する。往復動医療装置102は、足の往復運動124を個人103の方向の重心に伝達する。湾曲した踵止め340の部分の下部は重力に対して踵を支持し、一方で、湾曲した踵止め340の上部は往復運動124を足に伝達する。湾曲した踵止め340の上方には、中足支持部330がある。
【0051】
中足支持部330は、往復運動124の力を往復動医療装置102から足に伝達する。四分の一のパイプと一対の隆起部320は、足が自由に動きまわることができるようにしながら、足をホルダ300に乗せるための窪みを提供する。一対の隆起部320は、踵置き310から中足支持部330の湾曲した踵止めまで、ホルダ300の側面に並んでいる。ホルダ300の四分の一のパイプの形状は、踵置き、湾曲した踵止め、中足支持部、若しくはこれらの任意の組み合わせか、又は
図3に示すように、足と向かい合うホルダ300の側面全体であってもよい。
【0052】
ホルダ300は、足以外の身体部位を支持するように形成されてもよい。一実施形態において、ホルダ300は、個人103の背中に往復運動124を適応するように形成されてもよい。背中を支持するホルダ300は、ホルダ300が背中から胸への方向に往復運動124を伝達する間、個人103がホルダ300に対して座り得るように形成されてもよい。例示的な一実施形態において、ホルダ300は、手を支持するように形成されてもよい。ホルダ300が足の踵を介して往復運動を伝達する、
図3に示されるホルダ300の形状と同様に、ホルダ300は、手のひらを介して往復運動124を伝達してもよい。
【0053】
図4を参照すると、
図4は、個人の組織における細胞404の間にある間質液402の説明
図400である。間質液402は、細胞404の間に存在する流体である。間質液402は、血流を通じて送り出され、毛細血管406の毛細血管壁408を通過する流体に由来する。
【0054】
間質液402は、細胞404に栄養を届け、老廃物を除去する。間質液402の流れを通じて、身体は自浄作用を発揮する。さらに、マクロファージ、Bリンパ球、及び樹状細胞のような免疫細胞は、間質液402を介して移動し、外来タンパク質、細菌、及びウイルスを発見する。炎症反応は、毛細血管壁408の透過性を変化させ、より多くの流体が毛細血管壁を通じて組織へ浸み込むようにする。これには、外傷、感染症、又はアレルギー反応などの炎症反応に起因する過剰な流体が含まれる。
【0055】
炎症は、組織内の間質液402が過剰になった状態である。したがって、間質液402の移動は、炎症に影響を与えることになる。原因が外傷又は感染のどちらに起因するにしても、損傷した組織は、身体の残りの部分に信号としてタンパク質を放出し、炎症反応を開始させる。炎症反応は、振動運動に反応する迷走神経によって制限される。特に、迷走神経の刺激は炎症を抑制することが示されている。したがって、往復動医療装置102によって身体に伝達される振動運動は、迷走神経を刺激し、その結果、炎症を低減する可能性がある。往復動医療装置102は、炎症を制御するために迷走神経への影響を最適化するように、医療用センサ130からのフィードバックに基づいて振動運動をさらに調整してもよい。また、副交感神経反応の刺激を最適化するように、医療用センサ130からのフィードバックに基づいて振動運動を調整してもよい。
【0056】
図5を参照すると、
図5は、間質液502と毛細血管516及びリンパ系との相互接続性の説明
図500である。血液は、動脈512を介して循環系で送り出される。血液が毛細血管516を通じて流れるとき、流体は毛細血管516を離れる。ここで、流体は組織や細胞間に移動し、間質液と呼称される。残りの血液は、静脈514を通じて送り出される。
【0057】
上述したように、間質液は、組織内の細胞510を維持する。それから、間質液502はリンパ毛細血管504とリンパ管506に排出され、リンパと呼称される。間質液502は、組織内や細胞間にあるときは、心臓又は血管の筋壁の収縮によってリンパ系に押し出されない。その代わりに、間質液は、筋肉の収縮や体の動きに応じて循環してもよい。
【0058】
往復動医療装置102は、間質液502がより激しくリンパ系に循環することを促進するように、間質液502に振動力を与える。間質液502を動かすことによって、往復動医療装置102は、炎症反射を開始するタンパク質を一掃し、それに関連する炎症を軽減する可能性がある。さらに、損傷した組織からのタンパク質の一部は、近くの細胞と通信する信号を作り、それらの細胞が分裂を始めるきっかけとなる。これにより、損傷した組織の治癒が始まる。治癒を始めるこれらのタンパク質は、振動運動に応じて、より迅速に循環させられる可能性がある。往復動医療装置102を用いた臨床研究では、頻度と振幅の特定の組み合わせで患者を動かすと、治癒が加速されることが示されている。
【0059】
図6を参照すると、
図6は、個人におけるリンパ系の説明
図600である。間質液は、リンパ系を流れるので、リンパと称される。リンパは、免疫細胞、アポトーシス細胞、タンパク質、感染性生物、及び抗原を含んでもよい。圧力勾配は、リンパ管602及びリンパ管604を通るリンパの動きを制御する。さらに、筋肉の収縮及び身体の動きは、リンパの流れを促進する可能性がある。リンパ系の様々な弁は、リンパの逆流を防ぎ、血液循環に対してリンパの順流を促進する。
【0060】
鼠と犬の研究により、リンパのポンプがリンパの流れを増加させることが示されている。リンパのポンプは、特定の身体部位の手動の圧縮を含んでもよい。例えば、リンパのポンプは、2~5分間、20~30回の割合で身体部位を圧迫することを含んでもよい。人間に対するリンパのポンプによる治療は、感染症との戦いに良い結果をもたらすことが示されている。
【0061】
往復動医療装置102は、同様に、リンパ系におけるリンパの流れを促進してもよい。リンパのポンプと同様に、往復動医療装置102の振動運動は、リンパ系を通るリンパの移動を促進し、治癒を助け、感染と戦うのを助ける可能性がある。さらに、好適な頻度及び振幅に調整することによって、往復動医療装置102は、最良の結果を促進するために、振動運動を自動的に最適化する。
【0062】
図7Aを参照すると、
図7Aは、往復運動124を個人103の最適な頻度に調整する処理のフロー
図700である。個人103の最適な頻度は、維持するために最小の力が必要とされる前後運動の頻度であってもよい。幾つかの別の実施形態において、最適頻度は、個人からの生理学的反応に基づいており、維持するために最小の力を必要とする頻度から逸脱する。ステップ705において、往復動医療装置102は、振動機構104によって、個人103の身体部分と接触しているパッドを振動させてもよい。パッドは、
図3に示されるホルダ300であってもよい。揺動機構104は、パッドと身体部分とを介して往復運動124を個人103の残りの部分に伝達してもよい。往復運動124は、マッサージセラピストなどの人間の施術者によって誘発される動きをシミュレートしてもよい。人間の施術者が個人103に対する施術を調整するように、往復動医療装置102は、個人103を振動させる往復運動124を、個人103に基づいて調整する。
【0063】
ステップ710において、往復動医療装置102は、振動機構104によって、センサからのフィードバックに基づいて、振動の頻度を動的に変化させてもよい。振動機構104は、頻度を、個人103の前後運動の最適な頻度に調整してもよい。前後運動の最適な頻度は、個人103が前後に振動させられる際に、センサからのフィードバックを測定することによって発見されてもよい。フィードバックセンサ116は、個人103に対してホルダ120が及ぼす力を測定してもよい。同様に、医療用センサ130は、個人における生理学的応答を測定してもよい。頻度制御モジュール112は、フィードバックセンサ116及び1つ以上の医療用センサ130からの測定に基づいて最適な頻度を決定してもよい。
【0064】
ステップ715において、往復動医療装置102は、センサからのフィードバックに基づいて、振動機構104によって振動の振幅を動的に変化させてもよい。振動の頻度と同様に、振動機構104は、センサからのフィードバックに基づいて振動の振幅を修正してもよい。振幅制御モジュール110は、フィードバックセンサ116及び1つ以上の医療用センサ130からの測定に基づいて振幅を調整してもよい。
【0065】
図7Bを参照すると、
図7Bは、往復運動124を個人103の最適な頻度に調整する処理のフロー
図750である。ステップ755において、往復動医療装置102は、個人103上の1つ以上の身体部分を振動させてもよい。一実施形態において、往復動医療装置102は、個人103の2つの足を振動させてもよい。個人103の脚が伸ばされている場合、身体全体が運動させられるので、振動は、足と固定された膝を通して腰へ、最終的には頭部へ伝達されてもよい。幾つかの別の実施形態において、往復動医療装置102は、足以外の個人103の身体部位を振動させてもよい。
【0066】
ステップ760において、往復動医療装置102は、1つ以上の身体部分への圧力をある範囲で維持するために、振動の振幅を調整してもよい。1つ以上の身体部分への圧力は、力計などであってもよいフィードバックセンサ116によって測定されてもよい。一実施形態において、振動機構104の振幅制御モジュール110は、振幅の頂上と谷を別々に調整してもよい。頂上は、個人103に向かって最も遠くにある振動の点である。谷は、個人103から最も遠くにある振動の点である。幾つかの別の実施形態において、頂上及び谷は、単一の機構によって共に修正される。
【0067】
頂上は個人103に向かって最も遠い点であるため、個人103が振動されていないときにフィードバックセンサ116によって測定されるように、頂上は最も高い圧力の点である可能性が高い。しかしながら、振動の様々な頻度が異なる結果をもたらし得るため、頂上は、振動の全ての点の中で常に最も高い圧力を有するとは限らない。頂上は、幾つかの別の方法で設定されてもよい。ある実施態様において、頂上は、フィードバックセンサが最大圧力を測定するポイントに設定される。同様に、谷は、個人103が振動されていないときにフィードバックセンサ116によって測定される、最も低い圧力の点であると考えられる。谷は、フィードバックセンサ116が最小圧力を測定する点に設定されてもよい。最大圧力及び最小圧力は、幾つかの別の方法で設定されてもよい。一実施態様において、最大圧力は、個人103が振動なしで1cm押されるときに及ぼされる平均圧力として設定される。最小圧力は、最大圧力の半分として設定されてもよい。
【0068】
ステップ765において、往復動医療装置102は、1つ以上の身体部分に及ぼされる圧力の変化を最小にするために、振動の頻度を調整してもよい。振幅と同様に、振動の頻度は、フィードバックセンサ116からの測定に基づいて調整されてもよい。フィードバックセンサ116は、バネの変位など様々な方法で圧力を測定してもよい。振動頻度は、個人103の最適な振動頻度を見つけるための様々な基準に基づいて調整されてもよい。一実施形態において、頻度は、フィードバックセンサによる圧力測定の偏差によって測定される、1回の振動を通じた圧力の変化が最も小さくなる頻度に調整されてもよい。例示的な一実施形態において、振動の頻度は、1つの振動にわたる全体の圧力が最も低くなる頻度に調整される。幾つかの別の実施形態において、往復動医療装置102は、個人が固有に振動する頻度及び振幅を決定してもよく、その後、1つ又は複数の医療センサ130からの測定値に基づいてその頻度及び振幅をさらに調整してもよい。
【0069】
図8を参照すると、
図8は、個人103の足802が往復動医療装置102のホルダ805内で静止している様子の説明
図800である。ホルダ805は、様々な身体部位を保持するように形成されてもよい。
図8に示されるホルダ805は、足802の後足及び中足を保持するように形成される。中足の底面は中足支持部810と接触する。中足支持部810は、足802の底面を押すことにより、往復運動870を足802に伝達する。踵置き820は、足802の踵が地面を向いているときに、足802の重さを支える。
【0070】
幾つかの別の実施形態において、個人103は横になり、一対のホルダ805に踵を預ける。各ホルダ805は足802の側面を部分的にのみ覆い、足802が足首のまわりを回転することによって自由に左右に回転することを可能にする。個人103がホルダ805に片足または両足を乗せて横たわる際に、ホルダ805は前後方向の往復運動870において振動してもよい。往復運動870は、押し運動と引き運動に分けられてもよい。ホルダ805は、押し運動の力830を、足裏を通じて伝達する。押し運動は、身体が足から頭への方向に押されることを引き起こしてもよい。水平面に接触している個人103の皮膚は、身体の残りの部分が動くと、動きに抵抗する可能性がある。幾つかの別の実施形態において、引き運動は、足802に如何なる力をも伝達しない。しかしながら、身体の力860は、引き運動の間、足802がホルダ805に接触している状態を保つようにしてもよい。引き運動中にホルダ805が身体から引っ張られる際に、ホルダ805が足802に引張り力を伝達しないにもかかわらず、身体はホルダ805に追従する可能性がある。
【0071】
重力の力850は、踵置き820から押し上げる力840に対してバランスをとってもよい。重力の力850は、個人103の体が横たわっている水平面に対して身体の摩擦を生じさせるために、身体の残りの部分を押してもよい。摩擦は、押し運動の力830の結果として、個人103が滑ることを防止してもよい。身体が滑ることを防ぐ摩擦の結果として、身体の力860は、押し運動に抵抗し、引き運動の間に身体をホルダ805に向かって推進させる。
【0072】
すべての身体が異なるので、引き運動の間に身体がホルダ805に向かって推進され得る力及び距離は、異なってもよい。同様に、ある身体は、押し運動の間、他の身体よりも動きに抵抗してもよい。このため、往復運動870の理想的な頻度及び振幅は、全ての個人103に対して異なってもよい。往復動医療装置102は、足802とホルダ805との接触の力830を測定し、その接触の力に基づいて頻度及び振幅を調整することにより、理想的な頻度及び振幅を決定してもよい。
【0073】
図9を参照すると、
図9は、2つの足902を保持する往復動医療装置のホルダ900の実施形態の説明図である。幾つかの別の実施形態において、ホルダ900は、身体部位がホルダ900内で静止することを可能にすることによって、身体部位を保持してもよい。例示的な一実施形態において、ホルダ900は、身体部位に対して押圧するパッドであってもよい。
図9に示す実施形態において、ホルダ900は、ホルダ900の踵置き310に足の踵を置くことによって、2つの足を休ませることを可能にするように形成される。幾つかの別の実施形態において、ホルダ900は、個人103がホルダ900に対して座る際に、個人103の背中を支えるように形成されてもよい。
【0074】
ホルダ900は、往復運動124をホルダ900に伝達するアクチュエータロッド118に取り付けられてもよい。
図9に示すように、ホルダ900のより完全な図を示すために
図9において透明であるプラットフォーム908は、フットホルダ904のための連結点を提供する。また、アクチュエータロッド118は、プラットフォーム908に連結されてもよい。アクチュエータロッド118は、往復運動124のために押す力と引く力を提供するアクチュエータ108の一部である。
【0075】
振動機構104がアクチュエータロッド118を通じてホルダ900に往復運動124を伝達する際に、ホルダ900はアクチュエータロッド118とともに往復運動をしてもよい。プラットフォーム908は、アクチュエータロッド208の動きを、プラットフォーム908に連結される物体に伝達することを可能にする。
図9に示すように、プラットフォーム908は、2つの足ホルダ204に連結されている。足ホルダ904は、コンプライアントロッド906によってプラットフォーム908に連結される。コンプライアントロッド906は、プラットフォーム908の角度に関係なく、様々な角度で足ホルダ904を連結するように構成されてもよい。例えば、コンプライアントロッド906は、足ホルダ904で静止している足902が、個人103にとって快適な方向につま先を向け得るように、足ホルダ904をプラットフォーム908に連結してもよい。コンプライアントロッド906は、可撓性であってもよく、アクチュエータロッドの動きから逸脱する限定的な動きを許容する。幾つかの別の実施形態において、コンプライアントロッド906は、アクチュエータロッドの動きに垂直な偏位のみを許容する。アクチュエータが振動するときの偏差は、フットホルダ904が直線運動ではなく楕円運動で動くという結果をもたらす可能性がある。
【0076】
例示的な一実施形態において、コンプライアントロッド906は、コンプライアントロッド906が直線的にのみ撓むことを可能にする材料で作られてもよい。例えば、コンプライアントロッド906は、コンプライアントロッド906の長さに沿って進む軸に沿ってのみ撓んでもよい。さらに、コンプライアントロッド906の可撓性は、個々のコンプライアントロッド906の間で変化してもよい。したがって、コンプライアントロッド906の許容偏差は、個々のコンプライアントロッド906の配置及び可撓性に基づいて制約されてもよい。
【0077】
図9に示すように、足ホルダ904は、個人103の足が自由に左右に動き、足ホルダ904から引き離されることを可能にする。足ホルダ904は、個人103に安定性を与えるために、足902の側面を部分的に包んでもよい。しかしながら、足ホルダ904の側面が足902の側面を部分的に包んでいるにもかかわらず、個人103の足902は依然として自由に左右に移動してもよい。
【0078】
フットホルダ904は、足902に往復の押し付け力を快適に与えるように構成される。アクチュエータロッド118は、足902から頭部への方向に押し付け力が伝達されるように、プラットフォーム908を押してもよい。また、アクチュエータロッド118は、足ホルダ904が足902から引き離されるように、プラットフォームを引っ張ってもよい。しかしながら、足902は、足ホルダ904によって引っ張られない。その代わりに、個人103が水平面上に横たわる際に個人103の身体が一箇所に留まる傾向によって、足ホルダ904が足902から引き離される際に、足902が足ホルダ904に追従するようにしてもよい。
【0079】
ホルダ900は、足902以外の様々な身体部位を保持するように形成されてもよい。例えば、ホルダ900は、個人103が座位にいる際に、個人103の臀部の後ろ側に往復運動124を提供するように形成されてもよい。実施例において、ホルダ900は、個人103の臀部に心地よく押し動作を提供する平坦なパッドであってもよい。足ホルダ904が足902から引き離される際に個人103の足902が足ホルダ904に従うのと同様に、ホルダ900が臀部から引き離される際に個人103の臀部はホルダ900に従ってもよい。
【0080】
図10を参照すると、
図10は、往復運動124を個人1002に伝達できる往復動医療装置102の説明
図1000である。往復動医療装置102は、個人1002に往復運動1012を生じさせるために振動する振動機構1004を有していてもよい。振動機構1004は、振動回転を直線振動に変換してもよい。振動機構は、振動を直線方向1010に伝達するアクチュエータロッド1006に連結されてもよい。
図10に示すように、アクチュエータロッド1006は、個人1002が水平面1014に横たわっている際に、個人1002の足から頭に向かう方向1010に振動を伝達する。
【0081】
アクチュエータロッド1006は、往復運動1012をホルダ1008に伝達する。ホルダ1008は、身体の様々な部位を支持してもよい。
図10に示すように、ホルダ1008は、個人1002の足を支持している。ホルダ1008が個人1002の足元から頭部へ向かう方向1010に個人1002を押す際に、往復動医療機器102からの力が個人1002の足に伝達される。
図10に示すように、個人1002の膝が固定されている場合、ホルダ1008からの押し付け力は、個人1002の頭部を、足から頭部への方向1010に押すように、個人1002の身体を伝播してもよい。
【0082】
フィードバックセンサ116は、往復動医療装置102の様々な部分に存在してもよい。フィードバックセンサ116は、ホルダ1008内の力計であってもよく、それにより、フィードバックセンサ116は、足とホルダ1008との間の接触の力を測定することができる。あるいは、フィードバックセンサ116は、振動機構704内にあってもよく、それにより、フィードバックセンサは、アクチュエータロッド1006がホルダ1008を押す力を測定することができる。幾つかの別の実施形態において、1つ以上の医療センサ130は、個人1002の生理学的測定値を往復動医療装置102に提供する。
【0083】
コントローラ106は、フィードバックセンサ116及び/又は医療センサ130の測定値に基づいて、振動機構1004の振幅及び頻度を調整してもよい。幾つかの別の実施形態において、振動機構1004は、ロータ202を一方向に繰り返し回転させることによって往復運動1012を引き起こす。例示的な一実施形態において、振動機構1004は、ロータ202の回転を繰り返し反転させることにより、ロータ202を前後に回転させることによって、往復運動1012を引き起こす。コントローラ106は、1回の振動の過程にわたってフィードバックセンサ116によって測定される力を最小化するように頻度を調整してもよい。コントローラ106は、フィードバックセンサ116により測定される力を、1回の振動の過程にわたって最小及び最大の範囲内に保つように振幅を調整してもよい。往復運動1012の頻度及び振幅を調整するために、1つ以上の医療用センサ130からの生理学的測定値などの異なる他の基準が、コントローラ106によって用いられてもよい。
【0084】
水平面1014は、様々な物体又は材料であってもよい。理想的には、水平面1014は、往復運動1012が個人1002に伝達される際に、個人1002が横になるのに快適である。水平面は、往復動医療装置120が個人1002を押した後に個人1002が元の位置に戻ることを可能にする摩擦を提供するので、個人1002の最適な頻度に影響を与える可能性がある。
【0085】
図11を参照すると、
図11は、往復動医療装置102に関するコントローラ106の様々な実施形態において実装され得るコンピュータシステム1100のブロック図である。コントローラ106は、フィードバックセンサ1112からの測定値に基づいて、振動機構1110の振幅及び頻度を決定する。コントローラ106は、単一のコンピュータシステム1100であってもよいし、併設されてもよいし、クラウドベースのコンピュータシステム1100等であってもよい。
【0086】
コンピュータシステム1100は、バス1102を含んでもよい。バス1102は、様々な構成要素が互いに通信し得るように、コンピュータシステム1100の様々な構成要素を接続する。コンピュータシステム1100は、バス1102に接続されるプロセッサ1104を含んでもよい。プロセッサ1104は、計算を実行し、プロセッサ1104に伝達される命令を実行する。プロセッサ1104は、中央処理装置("CPU")等の集積回路であってもよい。命令は、バス1102を通じてメモリ1106によりプロセッサ1104に伝達される。プロセッサ1104が命令を実行した後、実行された命令はメモリ1106に戻って渡される。このように、メモリ1106は、プロセッサ1104との間で受け渡しされる全てのデータを取り扱う。メモリ1106の種類としては、ランダムアクセスメモリ("RAM")、リードオンリーメモリ("ROM")などがある。
【0087】
メモリ1106は、実行される際に、振動機構1110を動作させる命令を送信してもよい。メモリ1106が振動機構1110に送る命令は、プロセッサ1104によって処理されていてもよい。振動機構1110は、振動機構1110によって生成される往復運動124の開始、停止、頻度の変化、及び振幅の変化を行ってもよい。また、メモリ1106は、フィードバックセンサ1112から測定値を受信してもよい。メモリ1106は、フィードバックセンサ1112からの測定値をプロセッサ1104に送信してもよい。プロセッサ1104は、測定値を処理し、メモリ1106に送り返される命令を作り出してもよい。メモリ1106は、振動機構1110の動作を修正するために、又は振動機構1110の動作を不変にするために、処理された命令を振動機構1110に送信してもよい。メモリ1106及びプロセッサ1104は、フィードバックセンサ1112からの測定値に基づいて、個人103の最適な頻度を求めるプログラムを実行してもよい。同様に、メモリ1106及びプロセッサ1104は、個人103の理想的な振幅を決定するプログラムを実行してもよい。コンピュータシステム1100は、個人103が頻度及び振幅を手動で設定できるように構成されてもよい。あるいは、個人103は、振動機構1110が動作し得る頻度及び振幅を制限してもよい。
【0088】
本明細書に開示された主題の様々な実施形態がなされ得る。様々な実施形態の全ては、開示された主題の範囲に含まれるように意図される。本明細書に記載された様々な実施形態は、多くの方法で実施され得る。様々な実施形態の説明は、開示された主題を制限するものとして解釈されるべきではない。その代わりに、開示された主題の範囲は、添付の特許請求の範囲に従って解釈されるべきである。
【国際調査報告】