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特表2023-514434共融体に基づく麻酔組成物およびその適用
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  • 特表-共融体に基づく麻酔組成物およびその適用 図1
  • 特表-共融体に基づく麻酔組成物およびその適用 図2A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(54)【発明の名称】共融体に基づく麻酔組成物およびその適用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/245 20060101AFI20230329BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20230329BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230329BHJP
   A61P 23/02 20060101ALI20230329BHJP
   A61P 23/00 20060101ALI20230329BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20230329BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20230329BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20230329BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
A61K31/245
A61K31/167
A61P43/00 121
A61P23/02
A61P23/00
A61K9/107
A61K47/10
A61P1/02
A61P17/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550789
(86)(22)【出願日】2021-02-24
(85)【翻訳文提出日】2022-10-17
(86)【国際出願番号】 US2021019354
(87)【国際公開番号】W WO2021173624
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】62/981,273
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PLURONIC
2.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】501345323
【氏名又は名称】ザ ユニバーシティ オブ ノース カロライナ アット チャペル ヒル
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF NORTH CAROLINA AT CHAPEL HILL
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ、 マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ゼルデス、 ベン
(72)【発明者】
【氏名】マーチン、 ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】マクミラン、 ステファン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA17
4C076BB22
4C076BB23
4C076CC01
4C076CC19
4C076DD09E
4C076DD37Q
4C076DD37T
4C076DD49
4C076EE23E
4C076EE23P
4C076EE32P
4C076FF15
4C076FF35
4C206AA01
4C206FA36
4C206GA19
4C206GA31
4C206KA01
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA42
4C206NA05
4C206NA10
4C206NA14
4C206ZA04
4C206ZA21
4C206ZC75
(57)【要約】
オピエートに関連する健康上のリスクおよび嗜癖リスクの観点から、本明細書において、局所麻酔薬の共融混合物を含む麻酔エマルションを記載する。いくつかの実施形態において、前記麻酔エマルションは、連続疼痛緩和のため、数日の期間に渡って、1つ以上の局所麻酔薬を放出する。麻酔エマルションは、いくつかの実施形態において、リドカインとベンゾカインとの共融混合物を含む分散相と、ブピバカインを含む水性または水性に基づく連続相とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リドカインとベンゾカインとの共融混合物を含む分散相と、
ブピバカインを含む水性または水性に基づく連続相と
を含む麻酔エマルション。
【請求項2】
リドカインのベンゾカインに対する比が1.5~3の範囲である、請求項1に記載の麻酔エマルション。
【請求項3】
前記水性相が1つ以上のゲル化剤をさらに含む、請求項1に記載の麻酔エマルション。
【請求項4】
前記共融混合物がメントールをさらに含む、請求項1に記載の麻酔エマルション。
【請求項5】
前記リドカインが、前記麻酔エマルションの10~20重量パーセントの量で存在する、請求項1に記載の麻酔エマルション。
【請求項6】
前記ベンゾカインが、前記麻酔エマルションの3~8重量パーセントの量で存在する、請求項1に記載の麻酔エマルション。
【請求項7】
前記メントールが、前記麻酔エマルションの0.5~2重量パーセントの量で存在する、請求項4に記載の麻酔エマルション。
【請求項8】
前記1つ以上のゲル化剤が、前記麻酔エマルションの15~25重量パーセントの総量で存在する、請求項3に記載の麻酔エマルション。
【請求項9】
30℃および500/sのずり速度で3~5Pa・sの粘度を有する、請求項1に記載の麻酔エマルション。
【請求項10】
前記1つ以上のゲル化剤が、疎水性ブロックおよび親水性ブロックを含むブロックコポリマーを含む、請求項3に記載の麻酔エマルション。
【請求項11】
前記ブピバカインが、前記麻酔エマルションの最大5重量パーセントの量で存在する、請求項1に記載の麻酔エマルション。
【請求項12】
損傷を受けた組織部位を治療する方法であって、
前記損傷を受けた組織部位に麻酔エマルションを適用することを含み、前記麻酔エマルションが、リドカインとベンゾカインとの共融混合物を含む分散相と、ブピバカインを含む水性または水性に基づく連続相とを含む、
前記方法。
【請求項13】
少なくとも3日間の期間に渡って、前記損傷を受けた組織部位に、前記リドカイン、ベンゾカイン、およびブピバカインの少なくとも1つを放出させることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記損傷を受けた組織部位が手術部位である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記手術部位が患者の口中にある、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記手術部位が歯槽である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記損傷を受けた組織部位が傷害部位である、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記傷害部位が1つ以上の裂傷を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
リドカインのベンゾカインに対する比が、1.5~3の範囲である、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記共融混合物がさらにメントールを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記水性相が1つ以上のゲル化剤をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
前記麻酔エマルションが、30℃および500/sのずり速度で3~5Pa・sの粘度を有する、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月25日出願の米国仮特許出願第62/981,273号に基づく優先権を主張する。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究に関する言及
本発明は、National Institutes of Healthによって授与された助成金番号DE028208号のもとに、政府支援を受けて行われた。政府は本発明に特定の権利を有する。
【0003】
分野
本開示は、麻酔組成物に、特に共融(eutectic)混合物を含む非オピエート(non-opiate)麻酔エマルション(anesthetic emulsions)に関する。
【背景技術】
【0004】
歯科および/または他の手術疼痛に対処するため、中程度の長さの疼痛管理オプションに関する必要性が存在する。局部および注射局所麻酔薬は、処置中および処置のすぐ後に、疼痛を管理するには非常に有効であり、大部分の場合、続く疼痛は穏やかである。しかし、抜歯は、特に「ドライソケット」の場合、長期の疼痛を生じる可能性があり、歯槽(歯)ソケットから血餅(blood clot)が失われることによって引き起こされる、強烈で、時には放散する疼痛を生じ得る。ドライソケット疼痛は、抜歯後の1~3日間存在し、最大10日間続く可能性があり、かなりの数の第三大臼歯(親知らず)の抜歯で起こるが、いかなる抜歯もある程度のリスクを持つ。現在、第三大臼歯抜歯後、術後ケア戦略として、急性疼痛を管理するために、オピオイドが頻繁に処方される。さらに、第三大臼歯は、典型的には、思春期または若年成人期に除去されるため、多くの患者にとってはこれが最初のオピオイドへの曝露であり、持続性のオピオイド使用および乱用の危険の増加を生じる。
【0005】
Centers for Disease Control and Prevention(CDC)は、2018年、米国において67,367例の薬剤過剰摂取による死亡が起こっており、大部分(70%)は、合成オピオイドによって引き起こされたことを報告している。歯科医師は、オピオイドを処方する主要な処方者に含まれ、口腔外科医の85%は、急性疼痛を減少させるため、第三大臼歯抜歯後、ほぼ常にオピエートを処方することを示している。米国では、毎年、1000万人の患者に対して、およそ2100万例の外科的抜歯が行われている(Survey of Dental Services Rendered、American Dental Association)。
【発明の概要】
【0006】
オピエートに関連する深刻な健康上のリスクおよび嗜癖リスクの観点から、本明細書において、共融混合物を含む麻酔エマルションを記載する。いくつかの実施形態において、麻酔エマルションは、持続(continuous)疼痛緩和のため、数日の期間に渡って、1つ以上の局所麻酔薬を放出する。麻酔エマルションは、いくつかの実施形態において、リドカインとベンゾカインとの共融混合物を含む分散相と、ブピバカインを含む水性または水性ベースの連続相とを含む。リドカインのベンゾカインに対する比(ratio of lidocaine to benzocaine)は、いくつかの実施形態において、1.5~3の範囲である。さらに、いくつかの実施形態において、リドカインは、麻酔エマルションの10~20重量パーセントの量で存在し得る一方、ベンゾカインは、麻酔エマルションの3~8重量パーセントの量で存在し得る。さらに、いくつかの実施形態において、ブピバカインは、麻酔エマルションの最大5重量パーセントの量で存在する。ブピバカインは、例えば、いくつかの実施形態において、0.5~3.0重量パーセントの量で存在し得る。
【0007】
いくつかの実施形態において、共融混合物は、メントールをさらに含む。メントールは、本明細書記載の技術的目的と一致する、任意の望ましい量で存在し得る。例えば、メントールは、いくつかの実施形態において、麻酔エマルションの0.5~2重量パーセントの量で存在し得る。水性または水性ベースの連続相は、1つ以上のゲル化剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のゲル化剤は、麻酔エマルションの15~25重量パーセントの総量で存在する。ゲル化剤は、いくつかの実施形態において、疎水性ブロックと親水性ブロックとを含むブロックコポリマーを含み得る。ゲル化剤を使用して、麻酔エマルションの粘度を調節してもよい。麻酔エマルションは、例えば、30℃、500/sのずり速度(shear rate)で、3~5Pa・sの粘度を有し得る。
【0008】
別の態様において、損傷を受けた組織部位を治療する方法を本明細書に記載する。方法は、損傷を受けた組織部位に麻酔エマルションを適用することを含み、麻酔エマルションは、リドカインとベンゾカインとの共融混合物を含む分散相と、ブピバカインを含む水性または水性に基づく連続相とを含む。いくつかの実施形態において、方法は、リドカイン、ベンゾカイン、およびブピバカインの少なくとも1つを、少なくとも3日間の期間に渡って、損傷を受けた組織部位に放出することをさらに含む。損傷を受けた組織部位は、手術部位であり得る。いくつかの実施形態において、手術部位は、患者の口中にあり、例えば抜歯処置(例えば大臼歯抜歯)後に形成される歯槽である。方法は、抜歯後、および/または手術部位が治癒する際に、歯槽を治療するために実施され得る。例えば、ドライソケット形成の可能性を減少させるため、方法を予防的に使用してもよいし、および/またはドライソケットが形成された場合、手術部位での治療として使用してもよい。あるいは、損傷を受けた組織部位は、傷害(injury)部位である。傷害部位には、例えば、1つ以上の切り傷/裂傷が含まれ得る。損傷を受けた組織部位を治療する方法で使用される麻酔エマルションは、本明細書記載の任意の組成および/または特性を有し得る。
【0009】
これらの実施形態および他の実施形態は、ともに提出される図を参照しながら、以下の詳細な説明にさらに記載される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、ある温度範囲に渡る、異なるリドカイン-ベンゾカイン混合物例のヒートフロー測定を示す一連のグラフ示す。
【0011】
図2A図2Aは、リドカイン-ベンゾカイン系の例に関する温度対リドカイン重量分率を示すグラフを例示する。
【0012】
図2B図2Bは、ベンゾカイン-メントール系の例に関する温度対ベンゾカイン重量分率を示すグラフを例示する。
【0013】
図3図3は、リドカイン-ベンゾカイン-メントール系に関する三元相図を示す。
【0014】
図4A図4Aは、系の例に関する粘度対ずり速度を示すグラフを例示する。
【0015】
図4B図4Bは、系の例に関する粘度対温度を示すグラフを例示する。
【0016】
図5A図5Aは、異なる条件下でのベンゾカイン(上部)、リドカイン(中央)、およびブピバカインHCl(下部)の可溶性薬剤安定性を示す一連のグラフを例示する。
【0017】
図5B図5Bは、異なる条件下でのベンゾカイン(上部)、リドカイン(中央)、およびブピバカインHCl(下部)の製剤薬剤安定性を示す一連のグラフを例示する。
【0018】
図6図6は、本開示にしたがった組成物例に関する、長期に渡る(over time)薬剤放出を示すグラフを例示する。
【0019】
図7図7は、本開示の製剤例にしたがった組成物例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書記載の実施形態は、以下の詳細な説明および実施例、ならびにこれらの先の説明および以下の説明を参照することによって、より容易に理解され得る。しかし、本明細書記載の要素、装置および方法は、詳細な説明および実施例に提示される特定の実施形態に限定されない。これらの実施形態が、本開示の原理の単なる例示であることが認識されなければならない。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、多くの修飾および適用が、当業者には容易に明らかであろう。
【0021】
1つの態様において、さらに、本明細書に開示されるすべての範囲は、そこに包含されるあらゆる部分範囲を含むと理解されるものとする。例えば、「1.0~10.0」と言及される範囲は、1.0以上の最小値から始まり、10.0以下の最大値で終わるあらゆる部分範囲、例えば1.0~5.3、または4.7~10.0、または3.6~7.9を含むと見なされなければならない。
【0022】
本明細書に開示されるすべての範囲はまた、明らかに別に言及されない限り、範囲の終点を含むと見なされるものとする。例えば、「5~10の間」または「5から10まで」または「5~10」は、一般的に、終点5および10を含むと見なされなければならない。
【0023】
さらに、句「最大」は、量または含量と関連して使用された場合、量が少なくとも検出可能な量または含量であると理解されるものとする。例えば、「最大」の明記される量で存在する物質は、検出可能な量から最大で明記される量まで、かつその明記される量を含めて、存在し得る。
【0024】
本明細書で記載される場合、麻酔エマルションは、いくつかの実施形態において、リドカインとベンゾカインの共融混合物を含む分散相と、ブピバカインを含む水性または水性に基づく連続相とを含む。リドカインのベンゾカインに対する比は、いくつかの実施形態において、1.5~3の範囲である。さらに、いくつかの実施形態において、リドカインは、麻酔エマルションの10~20重量パーセントの量で存在し得る一方、ベンゾカインは、麻酔エマルションの3~8重量パーセントの量で存在し得る。さらに、いくつかの実施形態において、ブピバカインは、麻酔エマルションの最大5重量パーセントの量で存在する。ブピバカインは、例えば、いくつかの実施形態において、0.5~3.0重量パーセントの量で存在し得る。
【0025】
本出願によって意図される麻酔エマルションは、以下の限定されない実施例によってさらに例示される。
【実施例
【0026】
実施例1-麻酔エマルション
水中油(oil-in-water)エマルションである1つの製剤において、油相には、3つの固形材料(solid materials):2つの主麻酔薬(リドカインおよびベンゾカイン)およびメントールの共融混合物が含まれる。
【0027】
共融混合物は、通常は相互作用して新規化学化合物を形成することはないが、特定の比で、互いに結晶化プロセスを阻害して、成分のいずれよりもより低い融点を有する系を生じる2つ以上の成分の混合物と定義される。
【0028】
本油性共融混合物は、2つの主麻酔薬、リドカイン(油相の67.5重量%)およびベンゾカイン(油相の27.5重量%)、ならびに少量のメントール(油相の5重量%)を含む。LiBeMeと称されるこの3成分共融体(three-component eutectic)は、最終製剤の20重量%を構成し、ゲル化剤、界面活性剤、保存剤、および可溶性麻酔剤(ブピバカイン塩酸塩)を含む水性相中で乳化される。製剤の別の成分(component)、Pluronic F127(Poloxamer-407)は、ユニークな感熱ゲル化(thermogelling)特性および界面活性剤特性を所持するゲル化剤である。Pluronicの低い毒性および吸収可能特性は、これらが「骨ろう」(非吸収性止血剤)の代わりに臨床的に使用可能であり、この場合、これらは骨形成に干渉しないことが見出されてきている。歯槽は、治癒するにつれて、次第に骨で充填される必要があるため、骨形成は、潜在的な歯槽充填に重要である。
【0029】
製剤の組成を表1に提供する。
【表1】
【0030】
LBB-111は、油相が2つの固形(solid)麻酔薬、リドカイン(油相の67.5重量%)およびベンゾカイン(油相の27.5重量%)ならびに少量のメントール(油相の5重量%)の共融混合物を含む、水中油エマルションである(図1)。LiBeMeと称される、この3成分共融体は、最終製剤の重量20%を構成し、ゲル化剤、界面活性剤、保存剤、および第三の可溶性麻酔薬(ブピバカイン塩酸塩)を含有する水性相中で乳化される。製剤の別の成分、Pluronic F127(Poloxamer-407)は、長期に渡る(over time)麻酔剤の持続放出特性を与える。
【0031】
メントールは、共融体の安定性維持を補助するとともに、フレーバー増進を補助する。融点を低下させることはなく、むしろ核形成を防止し、測定される凍結温度以下でも油相が十分に過冷却液体のままであり続けることを可能にする。Polysorbate 80およびカルボキシメチルセルロース(CMC)は、特にエマルションがより低温で長期間保存された際の、分離およびクリーム化(creaming)の防止を補助する。3つの麻酔薬の特性を表2に列挙する。
【表2】
【0032】
製剤の調製
麻酔エマルションには、(重量で)20% LiBeMe共融体、16% Pluronic F127、2% CMC、1%ブピバカインHCl、0.5% Tween 80、0.05% Na-EDTAが含まれ、残りは水で構成された。ストック溶液は、40℃のインキュベーター中で融解された液体LiBeMe(67.5%リドカイン、27.5%ベンゾカイン、5%メントール)、フリーザー中で液化された、1.1% Tweenで2.2%ブピバカインHClをすでに有する、水に添加された35% F127、ボルテックスによって部分的に混合され、次いでシリンジ混合によってホモジナイズされた水中の10% CMC、および10M NaOHを使用して水中で7.5にpH調整された5% Na-EDTAからなった。すべてのストック溶液の適切な量(Pluronic F127溶液を最終重量の60%まで、CMCおよびLiBeMeは各20%)をUnguator瓶に測り入れた。混合シャフトを瓶の蓋を通じて挿入し、使い捨て混合ブレードを取り付けた。蓋をゆるく瓶にねじ込み、過剰な空気を除去した。瓶をUnguatorに取り付け、混合全体を通じて、一定に上下させながら、推奨されるエマルションセッティング(600 rpmで30秒、その後、1900 rpmで30秒)を3サイクル使用して混合した。最終麻酔エマルションは、図7に例示するように、白色クリームであった。
【0033】
材料:Spectrum Chemicalより:Pluronic F127(P1166)、リドカイン(LI102)、ベンゾカイン(BE130)、メントール(ME110)、ブピバカインHCl一水和物(B1391)、Polysorbate 80(PO138)。Sigma Aldrichより:カルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウム塩(C9481)。Acros Organicsより:エチレンジアミン四酢酸、二ナトリウム塩二水和物(EDTA)(147850010)。
【0034】
共融体特性
共融系の融点は、視覚的に特徴付けされ得るが、示差走査熱量測定(DSC)は、融点のはるかにより正確な決定を提供し、より複雑な相図を決定するために使用され得る。共融系は、DSC上で、純粋な成分ピーク(pure component peak)に類似のシャープな融解ピーク(図1(c))として現れる、均一な融解混合物を形成する2つの成分の特定の比である、単一共融点を有するであろう(図1(a)および1(c))。成分の比が正確な共融比と異なる場合、共融ピークは、なお現れる(かつ同じ温度で融解する)であろうが、共融にない成分が次第に融解し始めるため、第二の非対称なピークが続くであろう。成分の比が共融比から離れれば離れるほど、第二の「液相(liquidus)」ピークの融解温度はより高くなる(図1(b))。この系はまた、いくつかの混合物では、共融の前に見られる、分解溶融固相も示す(図1(d))。これらの点をTxy図上でグラフ化すると、2成分系の相図が生じる。純粋な成分および共融体に関して、Tは融解開始(T開始)である一方、液相に関しては、頂点の温度(Tピーク)である。
【0035】
ここで図1を参照すると、図は、リドカイン:ベンゾカイン共融系の測定に関するDSCサーモグラムを例示する:a)単一融解ピークを持つ純粋リドカイン;b)80%リドカイン、20%ベンゾカイン、左のピークは共融体の融解であり、右は液相である;c)単一のピークのみを示すリドカイン:ベンゾカイン共融体(65%リドカイン);d)分解溶融固体、その後、共融体および(小さい)液相融解ピークを示す、リドカインおよびベンゾカインの等量混合物;およびe)純粋ベンゾカイン融解ピーク。Y軸は、各実行に合わせてスケーリングし、すべてのピークが可視であることを確実にし、したがって、ピークサイズは実行間で比較不能である。
【0036】
固体の特定の結晶またはガラス状状態は、その融解温度に影響を及ぼしうるため、DSC中の最適の実施は、単一試料を用いた反復融解/解凍サイクルを伴い、この場合、おそらく凍結および融解ピークは同じ温度であり、同等のサイズであろう(反対の符号であるだけで、融解または凍結いずれでも融合のエンタルピーは同じである)。しかし、核形成点が存在しない場合、本明細書で研究する共融融液のいくつかは、過冷却液を形成し得る。例えば、共融点に近いリドカイン:ベンゾカインの組み合わせ(65:35、T~22℃)は、4℃で数週間または-20℃で数日間、液体のままであり得る。
【0037】
過冷却液の安定性を克服するため、成分を多様な比で混合し、透明な液体が形成されるまで、より高い融解成分の融点を超えて加熱し、次いで、結晶化が始まるように-80℃で一晩フラッシュ凍結した後、-20℃に1週間移して、完全な凍結を可能にした。生じた固体を、冷却した乳鉢と乳棒で細かい粉末に粉砕し、~10mgを冷却Tzero気密試料パン(TA)内に測り入れるまで、-20℃に保存した。パンを迅速にDSCに移し、0℃未満まで、迅速に冷却(20℃/分)し、2分間保持し、次いで、最高融点を超えるまで、10℃/分で徐々に上昇させた。密封した空のパンを参照として用いた。この方法は、リドカイン:メントール系を特徴付けるために使用されたものに基づいた。この前融解および迅速凍結法は、動力学的限界のため、真の安定結晶状態ではなく、「準安定」相図しか決定できないことに注目されたい。安心のため、リドカイン:メントール系に関しては、準安定および「真の」安定相の両方が、共融点を同定し、大部分の不一致は、この比から離れた相図に限定された。
【0038】
粘度測定
個々の成分および完全製剤の粘度を、RC3-25-1コーンを備えたBrookfield RS-Plusレオメーター(AMETEK Brookfield、マサチューセッツ州ミドルボロ)上で測定した。およそ300μLの試料をステージ上に置いた後、コーンを下げ、過剰な試料をコーンの側面からこすり取った。ある範囲の温度(5~37℃)に渡って測定を行い、温度依存性Pluronicゲル化を検出した。試料がCMCまたはPluronicを含有する場合、ポリマーのずり減粘特性のため、粘度を多数のずり速度(5、50、500、および2000s-1)で測定した。測定には低すぎる粘度を持つ試料は、RC3-25-1測定系(0.06Pa・s)の下限として報告される。適切な場合、より濃縮したストックを代用して、粘度を測定可能な範囲内にし、例えば、ずり減粘分析において、2%の代わりに5%CMCを使用した。
【0039】
共融混合物
リドカイン:ベンゾカイン共融点は、65:35の比で起こり、22℃で融解する(図2a)。共融ピークおよび液相ピークのみが存在する最も単純な共融系とは対照的に、この系では、リドカインが65%未満である場合には、第三のピークが現れ、分解溶融固相の存在が示される。
【0040】
ここで、図2を参照すると、この図は、a)リドカイン:ベンゾカインおよびb)ベンゾカイン:メントール共融系の相図を例示する。ドットは、DSCサーモグラム上のピーク(データ)を示し、線はおよその相境界(内挿)を示す。
【0041】
この融解した共融体は、明らかなニュートン液体であり、水と不混和性で、水よりわずかに密度が高く、数百倍より粘性である(25℃で180mPa・s)。共融体および水を等体積で混合し、分離を可能にすると、薬剤飽和水相はアルカリ性になり、ベンゾカインよりもおよそ2倍多いリドカインを含有する(溶解度がより高いため)。水飽和共融体は、乾燥共融体よりも減少した粘度(25℃で80mPa・s)及びより低い融点(14℃)を示す。0.5g/Lブピバカイン-HCl、5g/Lクロロブタノール、および25g/Lベンジルアルコールがすべて、共融体と10分間混合した後、水相では検出不能になる程度まで、疎水性小分子は、優先的に油性共融体内に分配される。液体共融体は、リドカイン又はベンゾカインの水溶液よりもより安定であるようであるが、明るい光に長時間曝露すると、黄褐色が現れはじめ得る。
【0042】
ベンゾカイン:メントールの共融点は、10:90および34℃で生じる(図2b)。したがって、この共融体は、大部分メントールであり、純粋なメントール(42℃)よりわずかに低温で融解し、したがって、これをメントールが融解し、次いでベンゾカインがそこに溶解する溶媒-溶質系として扱うことが直感的に理解できる。
【0043】
リドカインおよびベンゾカインは、互いに共融体を形成し、どちらもまた、メントールとも共融体を形成し(リドカイン:メントール共融点は30:70、T=26℃である)、3つの間の3構成要素共融点もまた存在する。3成分混合物のDSC実行は、さらなるピークを含有し、これらは常に分類が容易であるわけではなく、共融体、液相、及び多様な分解溶融成分の多数の線のグラフ化は三次元では困難である。典型的には、単相遷移、例えば完全に融解した均一な液体を示す最終液相線は、同じ温度で融解する点を連結する線として示され得る。これらの等温線(図3中の点線)は、各々、単一温度での三次元系を通じたスライスを示す。
【0044】
予期されるように、三元相図は、個々の2成分共融点(図3中の黒線)間の「溝(trough)」に沿って低い融解温度を示し、リドカイン:ベンゾカインおよびリドカイン:メントール二元共融点の間を走る、30℃未満で融解する混合物の広い領域がある。3成分系は22℃のリドカイン:ベンゾカイン共融点未満で融解するいかなる点も持たない一方、系にメントールを含めると、麻酔薬比の範囲は、室温融解が可能な範囲に広がる。少量のメントールは、結晶形成を阻害し、67.5:27.5:5%のLiBeMe混合物は、4℃で無期限に液体のままである(これは、LBB-111製剤で使用される比である)。水飽和LiBeMeは、2成分リドカイン:ベンゾカイン系と同じ減少した粘度およびより低い融点を示す。
【0045】
ここで図3を参照すると、図3は、リドカイン:ベンゾカイン:メントール三元系の相図を例示する。三角形内の(および縁に沿った)黒い数字は、所定の混合物の液相点を℃で示す(実データ)。着色破線は、測定融点に基づいて概算される等温線である。黒い実線は、軸に沿った2成分共融値間の低融解「溝」の概算である。
製剤粘度
【0046】
Pluronic F127の水溶液は、低温ではニュートン液体として挙動するが、溶液のゲル温度(T、濃度とともに変化する)を超えて加熱すると、ミセルが形成され始め、粘性のずり減粘ゲルが生成される。カルボキシメチルセルロース溶液もまた、ずり減粘挙動を示すが、温度が増加すると粘度は減少する。純粋な共融融液の粘度は、ニュートン的であり、温度の増加とともに低下する。Pluronic F127およびCMC中で乳化された共融体を含有する最終麻酔製剤は、あり得る貯蔵温度(5~37℃)の広い範囲に渡って比較的一定のままであるが、ずり速度で有意に変化する粘度を有する(図4A)。
【0047】
ここで図4を参照すると、図4は、成分および最終麻酔製剤の粘度を示すグラフを例示する。a)ポリマー添加物およびLBB-111製剤の粘度に対する異なるずり速度の影響、すべて37℃。b)多様な成分ならびにLBB-111製剤の粘度に対する温度の影響、すべて500/sのずり速度で測定。LBB-111製剤は、重量16%のF127、2%のCMC、20%の共融体(67.5%リドカイン、27.5%ベンゾカイン、5%メントール)、ならびに0.5% Tween 80および0.05% EDTAを含有する。
【0048】
溶液中および麻酔製剤中の薬剤の安定性
【0049】
溶液中の3つの薬剤の安定性を試験するため、3つすべてをともに、0.5x唾液類似緩衝剤に、緩衝剤1リットル中1gの製剤の完全溶解と同等の最終濃度まで(0.124g/Lリドカイン、0.053g/Lベンゾカイン、および0.009g/LブピバカインHCl)溶解し、次いで、アリコットを4℃冷蔵庫(冷蔵)、40℃インキュベーター(熱)中、または光に曝露された室温のベンチトップ上(光)で保存した。同一試料を、保存剤として添加された0.5g/L EDTAを含めて調製した。これらのアリコットを、同じ方式で処理した製剤(EDTAを含むものおよび含まないもの両方)のアリコットとともに、HPLCによって定量化し、これらを定量化直前にエタノール中に溶解した。
【0050】
リドカイン、ベンゾカインおよびブピバカインを、DGU-20Aインライン脱気装置、SIL-20A HTオートサンプラー、CTO-20ACカラムオーブン、SPD-M20A PDA検出装置、およびCBM-20Aシステムコントローラを備えたLC-20AT溶媒送達装置からなる島津HPLC系上で検出した。カラムはYMC-Pack Pro C18カラム(3μm粒子サイズ、120Å孔サイズ、4.6x150mm)であり、可動相は、リン酸でpH4.9に調整された30mMリン酸カリウム、0.16%トリメチルアミン、30%アセトニトリルであった。
【0051】
溶液中の薬剤に関する結果(図5a)は、ベンゾカインが実質的に他の2つの薬剤よりも不安定であり、光または熱条件下で10日以内に検出不能になるが、EDTAはこの分解を完全に排除し得ることを示す(EDTA溶液の最初の添加によって引き起こされるわずかな希釈もまた見られる)。分解は、リドカインおよびベンゾカインの両方に関してはほぼ検出不能であるが、EDTAを含む熱試料は、1ヶ月以上後にある程度のリドカイン分解を示した。HPLC法がリドカインおよびベンゾカインの分解物を検出可能であることを確認するため、強制分解研究を行った。リドカインおよびベンゾカインは、光、熱、および酸の存在下では非常に安定であるが、酸化条件(3%過酸化水素)下では分解されることが確認された。
【0052】
製剤データはよりノイズが多かった(おそらくエタノール可溶化工程での変動を反映する)が、3つすべての薬剤が、EDTAの添加に関わらず、製剤中で安定であることを示す(図5b)。EDTAを含まなくても製剤中でベンゾカイン分解が見られないのは、おそらく、エマルションの油(共融)相で隔離された際の安定性改善の結果である。エマルションが不透明であるという事実もまた、光分解に対する保護となり得る。
【0053】
ここで図5を参照すると、図5は、a)唾液類似緩衝剤中、b)共融エマルション製剤中に溶解された、薬剤例(例えばベンゾカイン、リドカイン、およびブピバカインHCl)の安定性を示す一連のグラフを例示する。「冷蔵」試料は4℃で、「熱」は40℃で、「光」は透明なバイアル中、ベンチ上で保存された。保存条件の後の「E」は、保存剤として添加された5g/L EDTAを含む試料を示す。
【0054】
局所麻酔薬の共融融液は、製剤の観点から多様な利点を示し得るが、問題の化学物質の生得的な共融点によって限定され得る。例えば、リドカイン:メントール共融体は、80%メントール含量が最小限の麻酔効果しか提供せず、一方で潜在的に対処しがたい味および匂いを提供するため、有用性が減少する。したがって、65%リドカインからなるリドカイン:ベンゾカイン系の天然共融点は、より強力な製剤を可能にするため、好適である。
【0055】
カルボキシメチルセルロースは、有効な止血剤であり、この大部分は物理的影響(水の吸収、ゲル粘性)に起因し得るが、また、凝血を加速する際にも役割を果たし得る。ドライソケットを避けるため、安定な血餅を維持する重要性を考慮すると、製剤中に凝血補助を含むことは重要である。
【0056】
動物およびヒトにおいて、これらの局所麻酔共融系の有効性の研究に関する1つの課題は、医薬等級の試薬の不足であった。この種類の薬剤の多くは、遊離塩基およびイオン性塩の両方として存在するが、純粋な塩基のみが共融体を形成し得る。リドカイン-テトラカイン共融製剤は、医薬等級の遊離プリロカインが商業的に入手不能であるため、EMLAの社内代替物として開発された。同様に医薬等級のブピバカインは、HCl塩としてのみ購入可能であり、したがって、遊離塩基が必要である場合、アルカリ抽出によって塩から精製しなければならない。
【0057】
本開示の多様な実施形態が、本開示の多様な目的の実現において記載されてきている。これらの実施形態は、本開示の原理の単なる例示であることが認識されるべきである。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、その多くの修飾および適応が、当業者には容易に明らかであろう。
【0058】
実施例2-放出特性
LBB-111の放出特性を概算する第一の工程として、本発明者らは、多様な条件下で、in vitro溶解試験を行った。1L丸底蓋つきバイアルを備えたVision Elite 8溶解装置中で、溶解試験を行った。より小さい「ミニ」スピンパドルを59rpmで使用して、混合を達成した。実行開始前に、溶解媒体(900mLリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、pH7.4)を37℃で一晩平衡化した。ヒト大臼歯ソケットを模倣するため、ソケット重量および安定性を生じる、内寸およそ高さ1cmおよび直径1cmで、高い充填物ベースを含む筒状チャンバーを、Ultimaker 3を使用して、UNC BeAM Makerspaceで3Dプリントした。18g針を使用して、ソケットの縁まで製剤を充填し、製剤重量(これらのソケットに関してはおよそ0.8g)を記録した。ソケットの平らなベースを各溶解チャンバーの底に置き、混合を開始した。2ミリリットルの試料を定期的な間隔で120時間まで採取し、リドカイン、ベンゾカイン、およびブピバカインの濃度をHPLCによって決定した。これらの研究は、(i)3つすべての麻酔剤は、最長5日間(120時間)まで溶解媒体内に放出され、(ii)個々の薬剤は、わずかに異なる速度で放出され、ベンゾカインが最速で、そのすぐ後にリドカインが続き、ブピバカインは最も遅いことを示した(図6)。この順序は、おおまかに、各薬剤の予期される開始および相対期間とマッチし、(iii)用量ダンピングは観察されず、(iv)第5日までに、各薬剤の60%未満が媒体に放出され、LBB-111からの薬剤放出はこれらの実験条件では、さらに2~3日間延長され得ることが示唆される。
【0059】
ここで図6を参照すると、グラフは、開始時に製剤中に存在した総量の割合としてプロットされた、PBS媒体内に放出された薬剤を例示する(放出%)。各製剤は、3つの薬剤、リドカイン、ベンゾカインおよびブピバカインを含有した。製剤試料をその重量の19倍の(最終濃度5重量%)200プルーフエタノールに溶解し、エタノール溶解試料を次いで、蒸留水に5倍希釈し、この希釈の10μLを注入した。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
【国際調査報告】