(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(54)【発明の名称】ロボット補修システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B05B 12/00 20180101AFI20230329BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20230329BHJP
B05C 11/00 20060101ALI20230329BHJP
B05D 1/02 20060101ALI20230329BHJP
B05D 7/14 20060101ALI20230329BHJP
B25J 19/00 20060101ALI20230329BHJP
【FI】
B05B12/00 A
B05C11/10
B05C11/00
B05D1/02 B
B05D7/14 S
B25J19/00 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550878
(86)(22)【出願日】2021-02-19
(85)【翻訳文提出日】2022-08-24
(86)【国際出願番号】 IB2021051441
(87)【国際公開番号】W WO2021171155
(87)【国際公開日】2021-09-02
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ニーナバー,アーロン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴィタル,クリスティー エル.
(72)【発明者】
【氏名】ラルキング,ポール
(72)【発明者】
【氏名】アルサー,ジョナサン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ハーブスト,ナサン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヘメス,ブレット アール.
(72)【発明者】
【氏名】ストレイ,トーマス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】グリックス,スコット ディー.
【テーマコード(参考)】
3C707
4D075
4F035
4F042
【Fターム(参考)】
3C707AS13
3C707AS23
3C707BS09
3C707CY05
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4D075AA37
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4F035BB04
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4F035BC02
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4F042AA09
4F042AB00
4F042AB03
4F042BA02
4F042BA09
4F042CA01
4F042CB02
4F042CB18
4F042DH09
(57)【要約】
流体容器を含む、ロボット補修ユニットのための流体分配システム。システムはまた、ロボット補修ユニットに関連付けられた流体ディスペンサを含む。システムはまた、ポリッシュ剤容器をポリッシュディスペンサに接続する流体カプラを含む。システムはまた、ポリッシュ剤容器をロボット補修ユニットに結合するように構成された装着機構を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボット補修ユニットのための流体分配システムであって、
流体容器と、
ロボット補修ユニットに関連付けられた流体ディスペンサと、
前記流体容器を前記ディスペンサに接続する流体カプラと、
前記流体容器をロボット補修ユニットに結合するように構成された装着機構と、
を備える、流体分配システム。
【請求項2】
前記流体分配システムは、前記ロボット補修ユニット上において自給式である、請求項1に記載の流体分配システム。
【請求項3】
ポンプを更に備える、請求項1又は2に記載の流体分配システム。
【請求項4】
前記流体容器及び前記流体カプラは、使い捨てである、請求項1~3のいずれか一項に記載の流体分配システム。
【請求項5】
前記流体容器は、ライナーであり、前記ライナーは、使い捨てである、請求項4に記載の流体分配システム。
【請求項6】
流体が前記流体容器から前記流体ディスペンサに流れるのに必要な圧力の一部を重力が提供するように、前記流体分配システムが装着されている、請求項5に記載の流体分配システム。
【請求項7】
流体が前記流体容器から前記流体ディスペンサに流れるのに必要な前記圧力の全てを重力が提供するように、前記流体分配システムが装着されている、請求項6に記載の流体分配システム。
【請求項8】
前記流体容器は、圧縮空気源を受け入れるように構成されたポートを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の流体分配システム。
【請求項9】
前記流体分配システムは、前記流体ディスペンサに結合する使い捨てノズルを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の流体分配システム。
【請求項10】
前記流体カプラは、流体ラインを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の流体分配システム。
【請求項11】
前記流体容器は、力制御部のツール側に装着されるように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の流体分配システム。
【請求項12】
低流体レベルを検出するためのセンサを更に備え、前記センサは、重量センサ、光学センサ、又は体積センサを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の流体分配システム。
【請求項13】
ロボット補修システム上の流体源を交換する方法であって、
第1のセンサを使用して、使用済み流体源における交換流体レベルを検出することと、
前記使用済み流体源を除去することと、
新しい流体源を設置することと、
第2のセンサを使用して、前記新しい流体源を検出することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記新しい流体源を設置することは、前記ロボット補修システムに装着された容器内に新しい流体源を設置することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記新しい流体源を設置することは、前記ロボット補修システムに装着された流体ディスペンサに前記新しい流体源を接続することを含む、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記新しい流体源は、流体ラインを介して前記流体ディスペンサに接続されている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記流体ラインは、可撓性流体ラインである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
可撓性流体ライン及び前記新しい流体源は、単回使用の材料を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記新しい流体源は、前記ロボット補修システムのツール側に装着されている、請求項13~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のセンサは、前記交換流体レベルを示す、前記使用済み流体源の重量を検出する、重量センサである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
第1のセンサ又は前記第2のセンサはそれぞれ、重量センサ、体積センサ、又は光学センサから選択される、請求項13~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記新しい流体源内の流体タイプを検出することと、検出された前記流体タイプをロボット補修ユニットに関連付けられたコントローラに提供することと、を更に含む、請求項13~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
研磨ツールを含むエンドエフェクタに結合された力制御部を有するロボットアームと、
作業表面上に流体を分配するように構成された自給式流体分配システムと、
を備える、ロボット補修ユニットであって、前記自給式流体分配システムは、
流体ディスペンサと、
前記流体ディスペンサに結合された流体容器であって、前記ロボット補修ユニットに装着されている、流体容器と、を備える、ロボット補修ユニット。
【請求項24】
前記流体容器は、分配される流体を収容するように構成された流体ライナーを備える、請求項23に記載のロボット補修ユニット。
【請求項25】
流体ライナーを前記流体ディスペンサに結合する流体ラインを更に備える、請求項23に記載のロボット補修ユニット。
【請求項26】
前記流体ライナー及び前記流体ラインは、単回使用の物品である、請求項25に記載のロボット補修ユニット。
【請求項27】
単回使用のポンプを更に備える、請求項25に記載のロボット補修ユニット。
【請求項28】
前記ディスペンサは、使い捨てノズルを備える、請求項23~27のいずれか一項に記載のロボット補修ユニット。
【請求項29】
前記流体容器は、前記ロボットアームの力制御ユニットのツール側に装着されている、請求項28に記載のロボット補修ユニット。
【請求項30】
前記力制御部は、低流体レベルに対応する前記流体容器の重量の変化を検出する、請求項29に記載のロボット補修ユニット。
【請求項31】
流体容器内の流体タイプを特定するように構成された検出器を更に備える、請求項23~30のいずれか一項に記載のロボット補修ユニット。
【請求項32】
前記検出器は、前記流体容器上の表示に基づいて前記流体タイプを特定するように構成されている、請求項31に記載のロボット補修ユニット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
クリアコート補修は、自動車及び乗物の相手先商標製品製造(original equipment manufacturing;OEM)部門で自動化されるべき、最終作業のうちの1つである。このプロセスのみならず、研磨材並びに/又はロボット検査及びロボット補修の使用に適している、他の塗装適用(例えば、プライマーサンディング、クリアコート欠陥除去、クリアコートポリッシングなど)を、自動化するための技術が所望されている。
【0002】
塗装欠陥の検出及び補修を自動化するための従来の取り組みとしては、乗物本体上の塗装欠陥を検出及び補修するための、電子撮像の使用を開示している、米国特許出願公開第2003/0139836号で説明されているシステムが挙げられる。このシステムは、乗物の撮像データを、乗物のCADデータと比較照合することにより、各塗装欠陥に関する三次元塗装欠陥場所座標を作成する。これらの塗装欠陥データ(例えば、欠陥タイプ、欠陥タイプ等)及び塗装欠陥場所座標は、塗装欠陥のサンディング及びポリッシングを含む様々なタスクを実行する、複数の自動ロボットを使用する自動補修に関する補修計画を策定するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図面では、必ずしも正確な縮尺では描かれていないが、異なる図において、同様の数字は同様の構成要素を説明し得る。図面は、本文書で論じられる様々な実施形態を、例示的にではあるが、限定することなく、全般的に示す。
【0004】
【
図1】本発明の実施形態が有用である、ロボット塗装補修システムの概略図である。
【0005】
【
図2A】本発明の実施形態において有用であり得る、塗装補修ロボットの概略図である。
【
図2B】本発明の実施形態において有用であり得る、塗装補修ロボットの概略図である。
【0006】
【
図3】本明細書の実施形態による、自給式流体分配システムの異なる構成を示す。
【
図4】本明細書の実施形態による、自給式流体分配システムの異なる構成を示す。
【
図5】本明細書の実施形態による、自給式流体分配システムの異なる構成を示す。
【
図6】本明細書の実施形態による、自給式流体分配システムの異なる構成を示す。
【0007】
【
図7】本明細書のいくつかの実施形態による、自動ディスペンサを示す。
【0008】
【
図8】本明細書の実施形態による、自給式流体分配システムを使用する方法を示す。
【0009】
【
図9】本明細書の実施形態による、自給式流体分配システムの構成要素を交換する方法を示す。
【0010】
【
図10】本明細書の実施形態による、ロボット補修ユニットを示す。
【0011】
【
図11】本明細書の実施形態による、自給式流体分配システムの交換キットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
撮像技術及び計算システムの近年の進歩は、生産速度でのクリアコート検査のプロセスを実現可能にしている。具体的には、ステレオ偏向計測は、後続の自動スポット補修を可能にするべく、塗装欠陥及びクリアコート欠陥の画像と場所とを、(座標位置情報及び欠陥分類を提供する)空間情報と共に適切な解像度で提供することが可能である点が、近年示されている。
【0013】
欠陥の検出及び分類技術が向上すると、検出された欠陥の補修を自動化する能力が可能になる。自動補修プロセスは、サンディング又はポリッシング用の研磨物品などの材料、ウェットサンディング又はポリッシング用の水などの流体を供給すること、並びに使用済み材料及び廃棄物を乗物表面から除去することを含む、新しい課題を提示する。流体を補修領域に供給するためのいくつかの解決策を本明細書に記載する。自動補修には、検出された欠陥領域上又はその近くに分配される流体が役立ち得る。しかしながら、塗料噴霧ではたくさんの量が用いられ、供給源からディスペンサまで延びる、より長い加圧ラインを必要とするが、欠陥補修で使用される流体は遥かに少ない量で使用される。より小量の流体を使用する場合、長い流体ライン及び専用機械の存在は、流体がライン内に留まり乾燥して、詰まりが発生する可能性を高める。長いラインはまた、廃棄物を生じさせ、洗浄するための溶剤と、圧力を印加して流体をラインに通すための専用ポンプとを必要とする。加えて、いくつかのポリッシュ剤は、ある金属との接触が生じると、濃縮、凝集、又は凝固する可能性がある。自動ロボット補修ユニットでは、少量の流体を使用するための解決策が望まれる。
【0014】
本明細書で使用する場合、用語「乗物」とは、塗料による塗装又はクリアコートを製造時に少なくとも1回施される、広範囲の移動構造体を包含することを意図している。本明細書の多くの実施例は、自動車に関わるものであるが、本明細書で説明される方法及びシステムはまた、トラック、列車、ボート(モータの有無を問わない)、飛行機、ヘリコプター、モータサイクルなどにも適用可能であることが明示的に想到される。
【0015】
本明細書で使用する場合、「ロボット補修ユニット」という用語は、表面と相互作用して欠陥を除去するロボット補修システムを指す。いくつかの実施形態では、ロボット補修ユニットは、静止面上で動作する固定ユニットであってもよい。他の実施形態では、ロボット補修ユニットは、レール、トラック、又は他の機構に沿って移動することができ、それにより移動する表面上の欠陥に対処することができる移動型補修ユニットである。ロボット補修ユニットは、2019年11月2日に出願された米国特許仮出願第62/940950号、及び2019年11月2日に出願された同第62/940960号に記載されているものなどの、1つ以上のツールを有する1つ以上のエンドエフェクタを有してもよい。しかしながら、他のロボット補修ユニット構造もまた明示的に想到される。
【0016】
塗装補修は、乗物製造プロセスにおける、最後に残された依然として大部分が手作業であるステップのうちの1つである。歴史的に見て、このことは、十分な自動検査が欠如していることと、補修プロセス自体の自動化が困難であることとの、2つの主要因によるものである。
【0017】
2019年11月27日に出願された米国特許仮出願第62/941286号に記載されているように、検査部分に対して、及び視覚的に許容可能な形で欠陥に対処するために表面を研磨する問題に関して進展してきた。しかしながら、自動化が進展するにつれて、研磨物品を含む研磨材料、及び研磨プロセスに必要な流体をどのように供給(分配)するか、及び使用済み研磨材料を表面からどのように除去又は交換するか、を含む追加の問題が生じている。
【0018】
図1は、本発明の実施形態が有用である、ロボット塗装補修システムの概略図である。システム100は一般に、目視検査システム110と、欠陥補修システム120との、2つのユニットを含む。双方のシステムは、モーションコントローラ112、122によってそれぞれ制御することができ、これらのモーションコントローラは、1つ以上のアプリケーションコントローラ150から命令を受信することができる。アプリケーションコントローラは、ユーザインタフェース160から入力を受信する、又はユーザインタフェース160に出力を提供することができる。補修ユニット120は、エンドエフェクタ126と連携させることが可能な、力制御ユニット124を含む。
図1に示すように、エンドエフェクタ126は、一実施形態では、どちらも2019年11月2日に出願された米国仮特許出願第62/940950号及び同第62/940960号に更に記載されているように配置することができる2つのツール128を含む。しかしながら、他の配置構成もまた明示的に想到される。目視検査ユニット110が、乗物表面130上の欠陥を検出することができ、これを補修ユニット120により補修することができる。
【0019】
十分な能力の検査システム110が存在していることは、補修ユニット120によって補修する欠陥を特定するため及び欠陥に対処するために重要である。乗物塗装補修における現行の最新技術は、(例えば、クリアコートにおける鏡面性に匹敵する)望ましい仕上げを維持しつつ、目の細かい研磨材及び/又はポリッシュシステムを使用して、電動ツールの支援の有無に関わらず、最後まで手作業で欠陥をサンディング/ポリッシングすることである。そのような補修を実行する熟練者は、長時間の訓練を活用すると同時に、自身の感覚を利用して、補修の進捗を監視し、適宜に変更を加える。そのような高度な技術は、感知が制限されているロボットによる解決策においては、取り込むことが困難である。
【0020】
更には、研磨材料の除去は、圧力駆動プロセスである一方で、多くの工業用マニピュレータは、一般に、位置追跡/制御レジームにおいてネイティブに動作するものであり、位置精度を念頭に置いて最適化されている。その結果、力制御(すなわち、関節トルク及び/又は直交力)が本質的に不得手な、極めて硬直した誤り応答曲線(すなわち、小さい位置ずれが、極めて大きい補正力をもたらすもの)を有する、極度に厳密なシステムがもたらされる。閉ループ力制御手法が、敏感な力/圧力駆動処理に遥かに適している柔軟な(すなわち、硬直していない)変位曲線を提供する、より最近の(かつ、より成功した)力制御式フランジと共に、後者に対処するために(限られた有用性を伴って)使用されてきた。
【0021】
いくつかの補修プロセスは、研磨剤除去プロセスを容易にするために流体を使用する。例えば、流体は、削り屑除去を支援し、研磨剤の目詰まりを低減させ、使用中の切削の均一性を向上させながら、研磨物品の寿命を延ばすことができる。例えば、いくつかのサンディング作業は、研磨作業の前又はその最中に補修領域上に水又は別の流体を分散させることを必要とするウェットサンディング作業である。加えて、ポリッシングは、多くの場合、ポリッシング作業の前又はその最中に、ポリッシュ剤が分配されることを必要とする。補修が完了した後、水又は別の除去溶剤も分配して、破片を除去してもよい。
【0022】
現在、
図1に示すような自動ロボットシステムに必要な流体は、流体ライン180に結合された流体源170を含み、流体ライン180は、流体源170からディスペンサ(例えば、ツール128、又はツール128の近くに配置された)まで延びている。しかしながら、流体ライン180がより長くなければならないほど、供給源170から分配場所に流体を輸送するのに必要な圧力差が大きくなる。これにより、供給源170の近く又は分配点の近くに位置する専用のポンプが必要となる、又は材料容器における背圧が必要となる場合がある。加えて、ロボット補修ユニット120は、
図2Aに関して後述のいくらかの自由度を有するので、ライン180はまた、ツール128が表面130の様々な点にある欠陥と相互作用するために必要な様々な構成に適応するために、可撓性である必要がある。流体は、第1の欠陥192に、次いで第2の欠陥194に分配される必要があり得る。欠陥192、194は、流体源170から異なる距離及び高さにあるので、これにより、供給源170及び/又はディスペンサにあるポンプにより提供される動的圧力制御が必要になる場合がある。作業表面上の補修領域に流体を供給するための、専用機械の必要性を低減し、低コストの選択肢を提供する解決策が望まれる。
【0023】
加えて、補修プロセスの異なる部分には、異なる流体が必要である。例えば、ウェットサンディングは、水供給源170を必要とする。ポリッシング作業は、第1のポリッシング作業のための、第1のポリッシュ剤源170からの第1のポリッシュ剤と、それに続く、第2のポリッシング作業のための、第2のポリッシュ剤源170を必要とする第2のポリッシュ剤とを使用してもよい。これにより、分配される流体の汚染又は混合を回避するために、各々が流体ライン180を有するいくつかの流体源170が必要になる。これらの流体の多くは、所与の補修作業について比較的小量で使用されるので、その結果、使用されていないときに流体が流体ライン180内に留まることになり、その結果、乾燥、分離、又は詰まりが生じる可能性がある。これにより、場合によっては基準に満たない分配流体が供給されることに加えて、ライン180に、及び供給源170の下流に位置する任意の関連付けられたポンプ、ディスペンサ、又はノズルに損傷をもたらす可能性がある。現在、このリスクは、新しい流体源170に接続する前に、ライン180、ディスペンサ及びノズル、並びに任意のポンピング機構に溶剤を通して流体経路内に何もないことを確実にすることにより軽減されている。しかしながら、これは多くの場合、環境に配慮していない溶剤の使用を必要とし、その結果、ライン180から洗い流されるポリッシュ剤又は他の流体の廃棄物につながる。研磨作業に必要な流体の安定した供給源を提供しながら、専用の流体送達機械の必要性を低減させ、ロボット補修ユニット120又は関連付けられた構成要素への損傷の可能性を低減させる解決策が望ましい。
【0024】
図2Aは、本発明の実施形態において有用であり得る、塗装補修ロボットの概略図である。ロボット補修ユニット200は、いくつかの実施形態では、固定式とすることが可能な基底部210を有する。他の実施形態では、基底部210は、並進、又はx軸、y軸、及び/若しくはz軸を中心とする回転のいずれかにおいて移動することができる。例えば、ロボット200は、補修されている乗物と共に移動するように構成されているレールシステムに固定された、基底部210を有し得る。欠陥場所に応じて、ロボット200は、乗物により接近すること、又は乗物から遠ざかることが必要な場合もあり、あるいは、乗物に対して、より高く又はより低くなるよう移動することが必要な場合もある。移動式基底部200は、欠陥に到達することが困難な補修を、より容易にすることができる。
【0025】
ロボット補修ユニット200は、作業表面と相互作用することが可能な、1つ以上のツール240を有する。ツール240は、一実施形態ではバックアップパッドを含んでもよく、又は別の好適な研磨ツールを含んでもよい。研磨動作の間、ツール240は、接着剤、フックアンドループ、クリップシステム、真空、若しくは他の好適な取り付けシステムを使用して取り付けられている、研磨ディスク又は他の好適な研磨物品を有し得る。ツール240は、ロボット補修ユニット200に装着されているので、ロボット補修ユニット200によって提供される自由度(殆どの場合、6自由度)の範囲内、並びに、その基準座標系を有する任意の他の自由度(例えば、コンプライアント力制御230ユニット)の範囲内で位置決めされる能力を有する。
【0026】
ロボット補修ユニット260は、
図2Aに示すように、いくつかの接合部260を有し、接合部260の各々が、x及びy方向に可動であり得る。加えて、接合部260がボールジョイントであるいくつかの実施形態では、それら各々がz方向へ可動であり得る。ロボット補修ユニットの可動能力は、補修される乗物上の異なる位置にある欠陥へのアクセスを可能にするため、重要である。しかしながら、外部供給源からの流体の供給を設計する場合に困難が存在する。
【0027】
流体が流体源から分配場所へ移動するのに必要な距離を減らす能力が望まれる。加えて、有害な又は環境に配慮していない溶剤の使用が低減される解決策が望まれる。加えて、流体分配に対する制御の改善につながる解決策が望まれる。本明細書で提供される実施形態は、ロボット補修ユニットに装着することができ、有害な溶剤を必要とせずに容易に交換することができる、自給式分配システムを提供する。
【0028】
図2Bは、自給式流体分配システムを装着するためのいくつかの可能な配置を示す。ディスペンサは、分配位置290の近くに配置されてもよい。ディスペンサは、空気圧式ガンを含んでもよく、空気圧式ガンは、空気源(図示せず)を使用して、流入した流体流を霧化し、ノズルを通して流体流を分配する。自給式システムの多くの構成要素は、使い捨てであってもよく、又は容易に交換可能であってもよい。例えば、流体ライン、流体容器(又は容器ライナー)、及びノズルのいずれかが容易に交換可能であってもよい。いくつかの実施形態では、交換可能な構成要素は、分配される流体に対して不活性であるプラスチックから作製される。
【0029】
図2Bに示すように、ロボット補修ユニット200は、任意の好適な場所に位置する自給式流体分配システムを有することができる。例えば、流体が分配場所290に到達する前に、ライン286のみを通って移動するように、流体容器285が、力コントローラ上に又はその下流に位置していてもよい。この位置は、例えば、容器285の現在の重量が空に近づいていること又は空に到達したことを感知することにより、流体量が少ないことを自動検出することを可能にする。
【0030】
別の実施形態では、流体が分配場所290に到達する前に、ライン部分281及びライン部分286を通って移動するように、流体容器280が第3のアーム部分上に位置している。ライン281は、幾分柔軟である必要があり得るが、流体容器を位置280に配置することにより、流体が移動する垂直移動距離が、比較的一定に維持される。
【0031】
別の実施形態では、流体容器は、第2のアーム部分上の位置275に配置されてもよい。第2のアーム部分と第3のアーム部分との間の接合部の存在により、ライン部分276が幾分の柔軟性を有することが必要になる場合がある、又は乗物表面上の欠陥の補修中にロボットユニット200の動作に適応するための幾分の作り込まれた弛みが必要になる場合がある。
【0032】
別の実施形態では、流体が流体ライン272を通って分配場所290へと流れるように、流体容器270を第1のアーム部分上に配置することができる。この位置は、流体容器270からの流体出口点よりも低い位置に分配場所290が配置される補修欠陥場所に流体を分配できることを確実にするために、追加の圧力制御を必要とする場合がある。
【0033】
図2Bに示すように、流体容器が分配場所290から更に離れて配置されているので、必要な流体ラインの長さは増加し、同様に流体を分配場所290に輸送するために必要な圧力の量は増加する。
【0034】
図2Bは、ロボット補修ユニット200の構成要素に直接装着された流体容器270、275、280、及び285を示す。しかしながら、これは理解のみを目的としている。流体容器はまた、例えば、第1、第2、又は第3のアーム部分から延びる構成要素の上に装着されて、重力を利用して流体の分配を助けることができる。
【0035】
図3は、自給式流体分配システムの一実施形態を示す。システム300は、流体ライン320に結合されたディスペンサ310を含み、流体ライン320は、流体容器340に結合されている。システム300はまた、ポンプ330を有してもよく、ポンプ330は、ポート332を使用してモータ(図示せず)に結合してもよい。モータは、空気モータ又はサーボモータであってもよく、流体の計量を制御してもよい。ポンプ330がライン320を通る流体の流れを体積測定で制御することができるので、制御された計量はまた、いつ容器340が空に近づいたかの指標として機能することができる。
【0036】
ディスペンサ310は、霧状の流体を矢印314で示す方向に分配するノズル312を含む。ディスペンサ310は、加圧空気供給部に結合する1つ以上の空気取り入れポート316を有してもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、ディスペンサ310は、空気源なしで流体を噴霧する。
【0037】
流体容器340は、いくつかの実施形態では、圧縮可能である。
図3に示すように、流体容器340は、満たされているときに拡張構成を有することができ、空のときに圧縮構成を有することができる、圧縮可能なバッグである。いくつかの実施形態では、光学センサを使用して、容器340が空になりかけていることを検出することができる。いくつかの実施形態では、流体容器340は、
図2Bに記載されるようなアーム構成要素上、又は別の好適な位置のいずれかにおいてロボット補修アセンブリに装着される、より高い剛性の装着容器内に配置される。
【0038】
図4は、自給式分配システム400の別の実施形態を示す。トリガを有する分配ガン410を
図4に示すが、
図4に示すようなトリガが、自動システム内に存在してもしなくてもよい。分配ガン410は、ノズル450を通して流体を噴霧するために、圧縮空気源に結合され得る空気圧式空気取り入れ口430を含む。流体源420は、ガン410とノズル450との間に嵌合するカプラ440により分配ガン410に直接結合される。
図4の実施形態では、カプラ440、ノズル450、及び/又は流体容器420は、使い捨ての材料から作製されてもよい。カプラ440は、容器420内に存在する流体とは異なる流体が補修作業に必要な場合に、カプラ440を分配ガン410から容易に分離できるように設計されてもよい。
【0039】
図5は、自給式分配システム500の別の実施形態を示す。分配ガン520は、カプラ540を介して流体容器510に直接結合されている。空気がライン550を通して供給され、流体がノズル530を通して霧状のスプレーで分配される。流体容器510は、剛性容器であり、流体容器内に含まれる流体ライナーを有してもよく、それにより、容器510は交換される必要がないが、分配される流体を含む新しいライナーを受け入れることができる。
【0040】
図6は、流体ライン630を介してディスペンサ620に結合された流体源610を含む、自給式流体分配システム600の別の実施形態を示す。流体ライン630は、第1のカプラ640を介しディスペンサ620に結合する。流体源610は、第2のカプラ650を介して流体ライン630に結合する。一実施形態では、流体ライン630は可撓性であり、それにより、補修中に、ロボット補修ユニットのアーム構成要素の動作に適応することができる。
図6には示していないが、いくつかの実施形態では、流体容器610は、ロボット補修ユニットに装着された剛性の流体容器によって所定位置に保持された流体ライナーである。
【0041】
図7は、自動補修ユニット用の空気圧式ディスペンサを示す。しかしながら、本明細書では、空気圧式ディスペンサが、1つの可能な流体ディスペンサとして説明されているが、流体スプレーノズル、又は供給源において直接、材料を加圧する圧力ポットなどの、他の構成も可能である。空気圧式ディスペンサ700は、空気入口702及び流体入口704を含む。流体分配制御部706が、例えば与えられる流体圧力を増加又は低減させることにより、ファンスプレー幅の調整を可能にしてもよい。空気圧式ディスペンサ700はまた、空気圧を低減又は増加させることを可能にする空気流制御部708を含んでもよい。ディスペンサ700は、ロボット補修ユニットのツール又はエンドエフェクタへの装着を可能にする装着機構710を含んでもよい。いくつかの実施形態では、システムはまた、流体針調整部712を有してもよい。
【0042】
図8は、本発明の一実施形態による、ロボット欠陥補修の方法を示す。方法800は、ロボット補修システムが、本明細書に記載される少なくともいくつかの実施形態に従って、どのように欠陥を補修するかの概要である。
【0043】
ブロック810において、欠陥を検出し、欠陥場所及び特性を特定する。続いて、例えば
図1のアプリケーションコントローラ150などのロボットコントローラからの、検出された欠陥に関連する命令が、補修ユニットにより受信される。本明細書で論じられる実施形態に限定されるものではないが、欠陥領域は、表面の画像802によって検出することができる、又は欠陥特性が特定された、乗物804上の位置に関連付けることができる。
【0044】
ブロック820、830、及び840は、検出された欠陥を補修するステップに関する。欠陥は、1つ以上の研磨作業で補修されてもよい。例えば、欠陥領域が、最初にサンディングされ、次いでポリッシングされてもよい。サンディングステップとポリッシュステップとの間で欠陥が検査されてもよく、欠陥が正常に補修されたかどうかに応じて、サンディング及び/又はポリッシングステップが繰り返されてもよい。
【0045】
ブロック820において、流体を補修領域上に分配する。流体は、例えば、ウェットサンディング又はウェットポリッシング作業用の水812であってもよい。流体はまた、ポリッシング作業用のポリッシュ剤814であってもよい。ポリッシュ剤814は、実際には、様々な作業に有用な様々なポリッシュ剤を指してもよい。異なるポリッシュ剤814が、異なる粘度及び異なる研磨特性を有してもよい。補修作業に応じて、他の流体816もまた分配されてもよい。流体は、例えば、本明細書の実施形態に記載される自給式流体分配システム、又は任意の他の好適な自給式流体分配システム、を使用して分配されてもよい。
【0046】
ブロック830において、欠陥を研磨する。欠陥を研磨することは、サンディング作業822、デニビング(denibbing)作業824、ポリッシング作業826、又は別の作業828を含んでもよい。欠陥を研磨することは、ツールを欠陥領域と接触させることを含む。研磨は、ブロック820の流体分配の前、後、又は分配と同時に起きてもよい。
【0047】
ブロック840において、流体及び/又は廃棄物を作業表面から除去する。流体を除去することはまた、クリアコート又は塗料の「削り屑」を含む、研磨作業から生成された廃棄物を除去することを含んでもよい。流体を除去することは、人間による検査作業中に手作業で行われてもよい、又は補修ユニット上のツールにより又は別のロボットユニットにより全て自動的に行われてもよい。流体除去は、吸収性物品による物理的拭き取り作業832を含んでもよく、吹き付け作業834、真空作業836、又は別の好適な作業838の使用を含んでもよい。
【0048】
図9は、自給式流体分配システムを交換する方法を示す。システムは、例えば、
図4~
図6に関して説明したものと同様の構成要素、又は別の好適な自給式システムを含んでもよい。本明細書で想到される少なくともいくつかのシステムは、ポリッシュ剤を分配するために設計されており、ポリッシュ剤は、炭素鋼に接触すると凝集又は凝固する場合がある。その理由で、ポリッシュ剤は、ロボット補修ユニットの金属構成要素に接触することなく、交換することができるように収容されていることが望まれる。
【0049】
ブロック910において、流体を流体システムにより分配する。関連付けられたモータ904を有し得るポンプ902を使用して、流体を分配してもよい。しかしながら、ブロック906に示されるような他の流体移動機構もまた想到される。例えば、流体の粘度が十分に低く、重力が十分な圧力を提供するように流体容器が配置される場合、流体システムが、流体を分配するためのポンプを必要としない場合がある。加えて、流体容器が圧縮空気源に結合されてもよく、圧縮空気源は、流体をディスペンサに流すのに十分な圧力で圧縮空気を供給してもよい。
【0050】
ブロック920において、流体容器が空であること又は空になりかけていることが検出される。低流体レベルは、体積、時間、重量、光学又は接触スイッチなどの、ブロック912に示すようなパラメータベースのトラッキングを使用して検出することができる。例えば、ポンプ又はモータシステムが、流体源を出た流体を体積測定でトラッキングできてもよい。例えば、流体容器が力制御部のツール側に装着されている一実施形態では、低流体レベルは、重量感知部914を使用して検出することもできる。力制御部は、重量を感知し、流体容器を出る流体の大部分(又は全て)に対応する重量の変化を正確に測定できる、又は現在の重量が低流体レベルに相当することを検出できる。別の実施形態では、低流体レベルは、光学センサ916で検出することができる。例えば、ポリッシュ剤は、光学的に透明ではない場合がある。
図5に示すような一実施形態では、光学センサが、現在の流体レベルを検出でき、現在の流体レベルが、いつ交換レベルまで落ちるか又は交換レベルを下回るかを検出できる場合がある。例えば、
図3及び
図4に示すような別の実施形態では、光学センサは、バッグタイプの流体容器の体積が減少したこと、又はそれが十分に圧縮されて、低流体レベルに到達したことを、検出できる。
【0051】
ブロック930において、流体源を交換する。自給式流体分配システムは、ディスペンサ、流体容器、流体容器内の流体ライナー、容器をディスペンサに接続するライン、及びノズルを含んでもよい。流体源を交換することは、これら構成要素のいくつか又は全て交換することを含んでもよい。発癌性の可能性のある溶剤又は他の有害な溶剤の使用を回避するために、分配される流体と相互作用する構成要素は、流体が変更されるたびに交換されることが好ましい場合がある。例えば、使用済み流体ライナー及び使用済み流体ラインは、分配される流体で満たされた新しい流体ライナー及び流体ライナーと交換されてもよい。いくつかの実施形態では、ノズルもまた交換可能であってもよい。流体が容器から直接分配される実施形態では、使用済み容器は、新しい容器に交換される。いくつかの実施形態では、
図11に示すように、新しい構成要素は、キットで提供されてもよく、新しい流体で満たされたライナー又は流体で満たされた容器は、所定量の所与の流体で満たされている。
【0052】
ブロック922に示すように、流体の交換は、いくつかの手作業の介入を必要とする場合がある。例えば、低流体レベル又は空の流体レベルが検出された場合、ロボット補修ユニットは、視覚的に、聴覚的に、又は別の好適な警報のいずれかを介してのいずれかで、交換が必要であることを示してもよい。次いで、人間のオペレータが、使用済み構成要素を除去し、それらを新しい構成要素と交換してもよい。別の実施形態では、ブロック924に示すように、交換の少なくともいくつかの部分は自動である。例えば、ロボット補修ユニット又は別のロボットユニットは、使用済み構成要素を回収し、使用済み構成要素を処分し、新しい構成要素を取り出し、及び/又は新しい構成要素を装着してもよい。
【0053】
ブロック940において、交換された流体源を検出する。いくつかの実施形態では、ロボット補修ユニットは、流体源が交換されたことを検出してもよい。交換は、例えば、ブロック932に示すように、オペレータが流体カウンタを手動でリセットすることにより検出されてもよい。例えば、自給式流体分配システムが、分配された流体の体積を測定することができるサーボモータを含む実施形態では、手動リセットは、カウントをゼロにリセットすることを含んでもよい。流体容器がロボット補修ユニットの一部分に装着されている、重量感知が実現可能な実施形態では、新しい流体源ユニットを検出することはまた、ブロック934に示すように、ツール側の重量が、満たされている流体容器に相当することを重量センサが検出することを含んでもよい。交換された流体源ユニットを検出することはまた、光学的感知、例えば、新しい流体容器が再設置されたことを光学センサが検出すること、を含んでもよい。他の実施形態では、他の好適な感知システムも実現可能であり得る。
【0054】
ブロック950において、ロボット補修ユニットに設置された流体のタイプが記録される。例えば、新しい構成要素がキットの一部である実施形態では、新しい流体容器又はライナーは、バーコード/QRコード又は内容物の他の表示(signifier)を含んでもよい。設置された流体のパラメータに応じて、コントローラは、研磨ツールの補修軌道又は力プロファイルを変更してもよい。新しい構成要素が表示を含む実施形態では、流体パラメータは、ブロック944に示すように自動的に検出され、コントローラに通信されてもよい。しかしながら、ブロック942に示すように手動での記録が行われ得ることもまた想到される。ロボット補修ユニットでは、プロセスで使用される材料の知識又は制御の欠如が、補修機器においてエラー又は不具合をももたらす可能性があり、その結果、補修機器又は補修されている乗物への損傷をもたらす可能性があることに留意することが重要である。
【0055】
自給式流体分配システムの構成要素は、いくつかの実施形態では、好ましくない有害で環境的に腐食性の化学薬品の必要性を低減させるために、使い捨てであるように設計されている。いくつかの実施形態では、交換されない唯一の構成要素は、ディスペンサ自体である。ライナー、容器、流体ライン、及びノズルを含む交換可能な構成要素は全て、流体構成要素を換えるごとに交換するのに十分に安価なプラスチック材料で作製されてもよい。ノズルが、交換される構成要素の一部である実施形態では、交換には本質的に溶剤を伴わない。
【0056】
図10は、本明細書で論じられる実施形態によるロボット補修ユニット1000を示す。ロボット1000は、例えば補修されている乗物に対して、ロボット1000が移動することを可能にし得るロボット移動機構1008を有してもよい。ロボット1000はまた、手動入力又はセンサ1002から受信した入力のいずれかに基づいて、ロボット1000及びその構成要素の動作を制御することができるコントローラ1030を含む。ロボット1000はまた、自給式流体分配システム1020に固有のセンサ、例えば流体レベル検出器1004及び流体交換検出器1006、を含んでもよい。しかしながら、これらのセンサは、ロボット1000とは別個に、ロボットアーム1010上に、又は自給式流体分配アセンブリ1020の一部として、装着されてもよい。
【0057】
ロボット補修ユニット1000は、ロボットアーム1010を含む。ロボットアーム1010は、力制御部1012に装着されたエンドエフェクタ(図示せず)上に1つ以上のツールを含む。流体ライン1028を通して流体をディスペンサ1026へと流すために圧縮空気が必要な実施形態では、ロボットアーム1010にはまた、空気ライン1014が装着されていてもよい。ロボットアーム1010は、補修されている表面に対するアーム構成要素の配置及びツール(図示せず)の配置を容易にする、それ自体の移動機構1016を有してもよい。
【0058】
自給式流体分配システムは、ロボットアーム1010上に装着されている。上述したように、自給式流体分配システムは、ロボットアーム1010の任意の好適なアーム構成要素に装着されていてもよい。しかしながら、重量感知を利用するために、流体源1022を力制御部1012のツール側に装着することが有益な場合がある。しかしながら、他の配置もまた明示的に想到される。自給式流体分配システムは、補修領域において有害な溶剤の使用を低減するために、単回使用後に処分されることを意図した構成要素を含む。流体ライン1028は、流体源1022から流体ディスペンサ1026に流体を輸送する。分配される流体の粘度、及びディスペンサ1026に対する流体源の相対的な配置に応じて、流体の流れを促進するためにポンプ1024が必要な場合がある。いくつかの実施形態では、流体源1022に空気ライン1014が設けられて、分配される流体に追加の圧力源を提供し、均一な流れが促進される。
【0059】
流体源1022が空であるか又は交換を示す十分に低いレベルに到達したときに、交換構成要素が、交換構成要素源1040から取り出される。流体ライン1028、流体源1022、及び/又はポンプ1024の交換は、手動で、半自動的に、又は自動的に行うことができる。
【0060】
図11は、自給式流体分配システムの交換キットを示す。交換キット1100は、流体1112を収容する流体容器1110を含む。流体は、水、ポリッシュ剤、ワックス、又は乗物補修作業用の別の流体であってもよい。流体容器1110は、流体1112が使用された後に交換されることを意図した単回使用の容器である。流体容器1110は、圧縮空気源に結合することができる開口部1113を含んでもよく、圧縮空気源は、流体1112を分配するための追加の圧力を提供する。しかしながら、流体1112がそれ自体だけで流れるのに十分に低い粘度を有する実施形態では、又は流体の流れを促進するためにポンプ1130が存在する実施形態では、開口部1113は、必要でない場合がある。
【0061】
交換キット1100はまた、流体容器1110を、ディスペンサに直接、又は流体ライン1114に直接、結合するための接続部1116を含んでもよい。いくつかの実施形態では、交換キット1100はまた、ノズル1120も含む。接続部1116は、流体ライン1114が必要ないように、流体容器1110をノズル1120に直接結合してもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、流体容器1110は、流体を補充する必要があるたびに交換する必要がない別個の容器を介して流体ライン1114に結合されたライナーであってもよい。
【0063】
ロボット補修ユニットのための流体分配システムが提示される。システムは、流体容器と、ロボット補修ユニットに関連付けられた流体ディスペンサと、流体容器をディスペンサに接続する流体カプラと、流体容器をロボット補修ユニットに結合するように構成された装着機構と、を含む。
【0064】
流体分配システムは、流体分配システムがロボット補修ユニット上において自給式であるように実装されてもよい。
【0065】
流体分配システムは、ポンプを含むように実装されてもよい。
【0066】
流体分配システムは、モータを含むように実装されてもよい。
【0067】
流体分配システムは、空気源を含むように実装されてもよい。
【0068】
流体分配システムは、ディスペンサが空気圧式ディスペンサであるように実装されてもよい。
【0069】
流体分配システムは、流体容器及び流体カプラが使い捨てであるように実装されてもよい。
【0070】
流体分配システムは、流体容器及び流体カプラがプラスチックを含むように実装されてもよい。
【0071】
流体分配システムは、流体容器が使い捨てであるライナーであるように実装されてもよい。
【0072】
流体分配システムは、流体ライナーが、流体が分配されるにつれて体積が圧縮される圧縮可能ライナーであるように実装されてもよい。
【0073】
流体が流体容器から流体ディスペンサに流れるのに必要な圧力の一部を重力が提供するよう、流体分配システムが装着されるように、流体分配システムが実装されてもよい。
【0074】
流体が流体容器から流体ディスペンサに流れるのに必要な圧力の全てを重力が提供するよう、流体分配システムが装着されるように、流体分配システムが実装されてもよい。
【0075】
流体分配システムは、ポンプが使い捨てであるように実装されてもよい。
【0076】
流体分配システムは、流体容器が圧縮空気源を受け入れるように構成されたポートを含むように実装されてもよい。
【0077】
流体分配システムは、流体分配システムが流体ディスペンサに結合する使い捨てノズルを含むように実装されてもよい。
【0078】
流体分配システムは、流体容器及び流体カプラが単回使用の構成要素であるように実装されてもよい。
【0079】
流体分配システムは、流体容器及び流体カプラがプラスチックを含むように実装されてもよい。
【0080】
流体分配システムは、流体容器が流体容器内の流体を識別する表示を含むように実装されてもよい。
【0081】
流体分配システムは、流体分配システムが溶剤を伴わないシステムであるように実装されてもよい。
【0082】
流体分配システムは、流体カプラが、流体容器をディスペンサに直接接続するコネクタを含むように実装されてもよい。
【0083】
流体分配システムは、流体カプラが流体ラインを含むように実装されてもよい。
【0084】
流体分配システムは、流体ラインが可撓性であるように実装されてもよい。
【0085】
流体分配システムは、流体容器が力制御部のツール側に装着されるように構成されるように実装されてもよい。
【0086】
流体分配システムは、低流体レベルを検出するためのセンサを含むように実装されてもよい。センサは、重量センサ、光学センサ、又は体積センサであってもよい。
【0087】
ディスペンサを補修領域に近接して配置することと、流体を補修領域にディスペンサから自動的に分配することとを含む、補修作業のための流体を供給する方法が提示される。ディスペンサは、ロボット補修ユニットに装着された自給式流体分配システムから流体を受け取る。自給式流体分配システムは、ディスペンサに結合された流体容器を含む。
【0088】
本方法は、流体容器が、流体を収容する使い捨てライナーを含むように実装されてもよい。
【0089】
本方法は、流体容器が圧縮空気を受け取る空気ポートを含むように実装されてもよい。
【0090】
本方法は、分配された流体を計量することも含むように実装されてもよい。
【0091】
本方法は、使い捨てライナーが、流体が分配されるにつれて圧縮するバッグ型ライナーであるように実装されてもよい。
【0092】
本方法は、使い捨てライナーがプラスチックであるように実装されてもよい。
【0093】
本方法は、流体容器がカプラを使用してディスペンサに結合されるように実装されてもよい。流体容器は、単回使用の容器である。
【0094】
本方法は、カプラが流体ラインであるように実装されてもよい。流体ラインは、単回使用の流体ラインである。
【0095】
本方法は、カプラが単回使用のカプラであるように実装されてもよい。
【0096】
本方法は、ディスペンサがノズルに結合するように実装されてもよい。
【0097】
本方法は、ノズルが単回使用のノズルであるように実装されてもよい。
【0098】
本方法は、自給式流体分配システムが溶剤なしで交換されるように構成されるように実装されてもよい。
【0099】
本方法は、補修領域から流体を除去することも含むように実装されてもよい。
【0100】
本方法は、補修領域が欠陥を含むように実装されてもよい。
【0101】
本方法は、欠陥が乗物上にあるように実装されてもよい。
【0102】
本方法は、乗物及びロボット補修ユニットが、流体を補修領域に自動的に分配するステップ中に移動するように実装されてもよい。
【0103】
本方法は、自動的に流体を分配することが、絶え間なく流れる流体を分配することを含むように実装されてもよい。
【0104】
本方法は、自動的に流体を分配することが、計量された量の流体を分配することを含むように実装されてもよい。
【0105】
本方法は、計測された量が、ロボット補修ユニットに関連付けられたコントローラによって制御されるように実装されてもよい。
【0106】
本方法は、流体が水又はポリッシュ剤であるように実装されてもよい。
【0107】
ロボット補修システム上の流体源を交換する方法が提示される。本方法は、第1のセンサを使用して、使用済み流体源における交換流体レベルを検出することを含む。この方法はまた、使用済み流体源を除去することを含む。この方法はまた、新しい流体源を設置することを含む。この方法はまた、第2のセンサを使用して、新しい流体源を検出することを含む。
【0108】
本方法は、新しい流体源を設置することが、ロボット補修システムに装着された容器内に新しい流体源を設置することを含むように実装されてもよい。
【0109】
本方法は、新しい流体源を設置することが、ロボット補修システムに装着された流体ディスペンサに新しい流体源を接続することを含むように実装されてもよい。
【0110】
本方法は、新しい流体源が流体ラインを介して流体ディスペンサに接続されるように実装されてもよい。
【0111】
本方法は、流体ラインが可撓性流体ラインであるように実装されてもよい。
【0112】
本方法は、可撓性流体ライン及び新しい流体源が単回使用の材料を含むように実装されてもよい。
【0113】
本方法は、流体ディスペンサがロボット補修システムに装着されるように実装されてもよい。
【0114】
本方法は、新しい流体源がロボット補修システムのツール側に装着されるように実装されてもよい。
【0115】
本方法は、第1のセンサが、交換流体レベルを示す、使用済み流体源の重量を検出する、重量センサであるように実装されてもよい。
【0116】
本方法は、交換流体レベルが空であるように実装されてもよい。
【0117】
本方法は、交換流体レベルが低流体レベルであるように実装されてもよい。
【0118】
本方法は、第1のセンサ又は第2のセンサがそれぞれ、重量センサ、体積センサ、又は光学センサから選択されるように実装されてもよい。
【0119】
本方法は、新しい流体源内の流体タイプを検出することと、検出された流体タイプをロボット補修ユニットに関連付けられたコントローラに提供することと、を更に含むように実装されてもよい。
【0120】
本方法は、使用済み流体源を除去することが、自給式流体分配システムの使い捨て構成要素を除去することを含むように実装されてもよい。
【0121】
本方法は、自給式流体分配システムが、使用済み流体容器をディスペンサに結合する流体ラインを含むように実装されてもよい。
【0122】
本方法は、自給式流体分配システムが、流体ラインを通して流体を分配することを促進するポンプを含むように実装されてもよい。
【0123】
本方法は、使用済み流体容器が使用済み流体ライナーであるように実装されてもよい。
【0124】
研磨ツールを含むエンドエフェクタに結合された力制御部を有するロボットアームと、作業表面上に流体を分配するように構成された自給式流体分配システムと、を含むロボット補修ユニットが提示される。自給式流体分配システムは、流体ディスペンサと、流体ディスペンサに結合された流体容器と、を含む。流体容器は、ロボット補修ユニットに装着されている。
【0125】
本方法は、流体容器の交換が溶剤を伴わないように実装されてもよい。
【0126】
本方法は、流体ディスペンサが空気圧式流体ディスペンサであるように実装されてもよい。
【0127】
本方法は、流体容器が、分配される流体を収容するように構成された流体ライナーを含むように実装されてもよい。
【0128】
本方法は、流体容器が、圧縮空気源に結合するように構成された空気ポートを含むように実装されてもよい。
【0129】
本方法は、流体ライナーを流体ディスペンサに結合する流体ラインを更に含むように実装されてもよい。
【0130】
本方法は、流体ライナー及び流体ラインが単回使用の物品であるように実装されてもよい。
【0131】
本方法は、単回使用のポンプも含むように実装されてもよい。
【0132】
本方法は、単回使用の流体ライナー及び単回使用流体ラインの交換が溶剤剤を伴わないように実装されてもよい。
【0133】
本方法は、ディスペンサが使い捨てノズルを含むように実装されてもよい。
【0134】
本方法は、流体容器がロボットアームの力制御ユニットのツール側に装着されるように実装されてもよい。
【0135】
本方法は、力制御部が、低流体レベルに対応する流体容器の重量の変化を検出するように実装されてもよい。
【0136】
本方法は、流体が水又はポリッシュ剤であるように実装されてもよい。
【0137】
本方法は、流体容器内の流体タイプを特定するように構成された検出器を更に含むように実装されてもよい。
【0138】
本方法は、検出器が、流体容器上の表示に基づいて流体タイプを特定するように構成されるように実装されてもよい。
【0139】
本明細書全体を通して、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」、又は「ある実施形態」に対する言及は、「実施形態」という用語の前に、「例示的な」という用語が含まれているか否かに関わらず、その実施形態に関連して説明される具体的な特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の特定の例示的な実施形態のうちの少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して、様々な箇所における「1つ以上の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「一実施形態において」、又は「ある実施形態において」などの表現の出現は、必ずしも本開示の特定の例示的な実施形態のうちの同一の実施形態に言及するものとは限らない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わされてもよい。
【国際調査報告】