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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-06
(54)【発明の名称】自転車等の車両用のサドル
(51)【国際特許分類】
   B62J 1/00 20060101AFI20230330BHJP
   B62J 1/18 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
B62J1/00 B
B62J1/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545123
(86)(22)【出願日】2021-01-21
(85)【翻訳文提出日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 IB2021050447
(87)【国際公開番号】W WO2021152429
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】102020000001699
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504265868
【氏名又は名称】ブルックス イングランド リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルファッティ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ビゴリン,バーバラ
(57)【要約】
本発明は、ユーザのための支持面(2a)を画定するシート構成要素(2)と、フォーク構成要素(3)とを備えてなる、自転車、オートバイなどの車両のためのサドル(1)に関する。本発明のサドルは、硬質材料で作られたシェル(7)を更に備える。
このシェル(7)は、シート構成要素(2)と共加硫されて当該シート構成要素(2)に取り付けられており、その結果、シート構成要素(2)と共に共加硫による単一の構成要素を形成している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車、オートバイなどの車両用のサドルであって、
ユーザのための支持面(2a)を画定するシート構成要素(2)と、フォーク構成要素(3)と、前記フォーク構成要素(3)を前記シート構成要素(2)に対して拘束するための少なくとも1つの前部拘束構成要素(4)と、前記フォーク構成要素(3)を前記シート構成要素(2)に対して拘束するための少なくとも1つの後部拘束構成要素(5)と、前記前部拘束構成要素(4)及び前記後部拘束構成要素(5)を前記シート構成要素(2)に接続するように設計された接続手段(6)とを備えてなるサドルにおいて、
当該サドルは、硬質材料で作られたシェル(7)を備え、当該シェル(7)は、前記シート構成要素(2)と共加硫され、したがって前記シート構成要素(2)に取り付けられており、それにより、前記シート構成要素(2)と共に共加硫による単一の構成要素を形成することを特徴とする、サドル。
【請求項2】
前記シェル(7)がプラスチック又は複合材料で作られている、請求項1に記載のサドル。
【請求項3】
前記シェル(7)は、当該サドルの先端から背部まで延在するとともに、拡大された後部(7a)と、前記シート構成要素(2)の幅にほぼ等しい幅を有するテーパ状先端部(7b)とを有する、請求項1に記載のサドル。
【請求項4】
使用時に、前記シート構成要素(2)の下面(2e)は、前記シェル(7)を収容するための凹状ゾーン(RZ)を画定し、前記シェル(7)は、前記下面(2e)に対してほぼ相補的な形態を有する、請求項3に記載のサドル。
【請求項5】
前記シート構成要素(2)が加硫ゴム又は他のポリマー材料で作られている、請求項1、2、3又は4に記載のサドル。
【請求項6】
前記フォーク構成要素(3)は、前記後部拘束構成要素(5)に嵌合される一対の後端部(3b)を有する一つの尖叉または一対の尖叉(3a)を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のサドル。
【請求項7】
前記後部拘束構成要素(5)は、主要セクション(5a)と2つの翼セクション(5b,5c)とを備え、各翼セクション(5b,5c)は、前記主要セクション(5a)の近位にあって前記主要セクション(5a)を拘束する第1の端部(5b1,5c1)と、前記主要セクション(5a)よりも遠位にある第2の端部(5b2,5c2)とを有し、
前記翼セクション(5b,5c)の第2の端部(5b2,5c2)のそれぞれは、前記フォーク構成要素(3)の一つの尖叉または一対の尖叉(3a)のそれぞれの後端部(3b)の係合着座部を画定する、請求項6に記載のサドル。
【請求項8】
前記シート構成要素(2)は複数の第1の貫通穴(8)を画定し、
これら第1の貫通穴(8)の各々は、前記シェル(7)によって画定されるそれぞれの第2の穴(9)と位置が合うように、且つ、
前記前部拘束構成要素(4)によって画定される少なくとも1つの第3の穴(10)と、又は、前記後部拘束構成要素(5)によって画定される少なくとも1つの第4の穴(10a)と位置が合うように、設計されており、
前記接続手段(6)は、前記前部拘束構成要素(4)及び前記後部拘束構成要素(5)を前記シート構成要素(2)に接続するために位置合わせされる前記穴(8,9,10,10a)に挿入可能である、請求項1~7のいずれか一項に記載のサドル。
【請求項9】
前記フォーク構成要素(3)はその中央位置でシートポストに接続可能である、請求項1~8のいずれか一項に記載のサドル。
【請求項10】
前記前部拘束構成要素(4)は、前記フォーク構成要素(3)の前端部(3c)を前記シート構成要素(2)上にクランプするように設計された先端部材(4a)からなり、
任意選択的には、前記先端部材(4a)は金属又はプラスチックで作られている、請求項1~9のいずれか一項に記載のサドル。
【請求項11】
前記前部拘束構成要素(4)は、前記シェル(7)の先端部に当接し且つ前記フォーク構成要素(3)の前端部(3c)を収容するように設計されたクレードル部材(4b)を備えており、前記前端部(3c)が前記先端部材(4a)と前記クレードル部材(4b)との間でクランプされる、請求項10に記載のサドル。
【請求項12】
当該サドル(1)の前記後部拘束構成要素(5)は、前記シート構成要素(2)の背部又は背部の一部にほぼ対応する形状を有する弓状部材からなり、
任意選択的には、前記弓状部材は金属又はプラスチックで作られている、請求項1~11のいずれか一項に記載のサドル。
【請求項13】
前記接続手段(6)は、ねじ又はリベットを備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のサドル。
【請求項14】
前記シェル(7)は、複数のスポーク(11)を有するようにサンバースト形状の後部を備え、前記複数のスポーク(11)は、それぞれに中間部又は中央部(7c)から突出するとともに、各スポークが、少なくとも2つの端部(11a,11b)、すなわち、前記中央部(7c)から突出する第1の端部(11a)、及び、前記シェル(7)の背部に開口する又は前記シェル(7)の背部で終わる第2の端部(11b)を有している、
請求項1~13のいずれか一項に記載のサドル。
【請求項15】
前記シェル(7)は、その後部において2つ以上の開口領域又は貫通領域を画定している、請求項14に記載のサドル。
【請求項16】
前記シェル(7)は、当該サドルの長手方向対称面に対して対称に6つの開口領域又は貫通領域を画定している、請求項14又は15に記載のサドル。
【請求項17】
フレームと、前記フレームによって支持されるシートポストと、請求項1~16のいずれか一項に記載のサドルとを備えた自転車であって、
前記フォーク構成要素(3)は、前記フォーク構成要素(3)の中央位置でシートポストに接続され、前記フォーク構成要素(3)の両方の尖叉が前記シートポストの構成要素間又はプレート間でクランプされている、自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車、オートバイなどの車両のためのサドルに関する。
【背景技術】
【0002】
自転車のサドルなどに関する従来技術は、主に、シートポストに接続するためのフォーク又は他の同様の要素から構成されるシートを備えており、一般的には適時に崩れて磨滅し得る材料から形成されているところの、シートを支持するための硬質要素が、シートと関連付けられている。
【0003】
WO2014/203165の番号で公表されている国際出願(特許文献1)は、自転車のサドル用のシートを教示しており、このシートは、フォークに対して又はより良好にはそれぞれの後部締結構成要素及び前部締結構成要素に対して締結されるべき審美目的のための外部被覆布地を伴う加硫ゴムトップを備える。更に、自転車のサドル用のシートは、後部金属補強材、前部金属補強材、及び、サドルの牽引抵抗を高めるように設計されたPA/PE布地を含む。
【0004】
上記金属補強材及びPA/PE布地はいずれも、それぞれのゴムの加硫前にトップに配置され、加硫後にゴムに埋め込まれる。
【0005】
しかしながら、一定期間の使用後、この解決策は、フォークと補強インサートとの間の位置ずれの問題をもたらす場合がある。更に、ゆっくり時間をかけてPA/PEから形成される構造布地は、サドルの摩耗及び使用期間に起因して、サドルの牽引に対するより低い抵抗を受ける場合がある。更に、2つの金属補強材、及びゴムに埋め込まれるPA/PE布地の両方によって行なわれるようになっているトップの加硫プロセスは、その実現に長時間を必要とする複雑なプロセスである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開WO2014/203165号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の技術的課題は、従来技術を改善することである。
【0008】
そのような課題に鑑み、本発明の目的は、トップの加硫プロセスを簡略化してその加硫プロセスに要する時間を短縮することができ、したがって、プロセスの効率を向上させることができる、自転車等の車両のためのサドルを考え出すことである。
【0009】
本発明の更なる目的は、所定の使用期間後に、サドルのフォークと構成要素との間の緩みの問題を回避又は低減することである。
【0010】
本発明の別の目的は、サドルの長期間の使用後のサドルの気密性及び強度を向上させることである。
【0011】
本発明の更なる目的は、シェルを形成するために使用される形状、厚さ及び材料に基づいてサドルの可撓性(又は柔軟性)を制御することである。
【0012】
本発明の別の目的は、特に必要に応じて差別化され得る圧縮(ゾーン)、したがって快適ゾーンを伴う、従来のものよりも良好なサドルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題及びこれらの目的は全て、添付の特許請求の範囲の請求項1に従う、自転車などの車両のためのサドルによって達成される。
【0014】
従属請求項は、本発明の好ましく且つ有利な実施形態に言及する。
【0015】
本発明の更なる態様及び利点は、添付図面に単なる非限定的な例として示される、本発明に係るサドルの一実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るサドルをやや上方から見た斜視図である。
図2】本発明に係るサドルをやや下方から見た斜視図である。
図3図1のサドルの底面図である。
図4図3のIV-IV線に沿う断面図である。
図5】本発明に係るサドルのためのシェルの斜視図である。
図6】本発明に係るサドルのためのシェルの底面図である。
図7図1のサドルのそれぞれの側から見た分解図である。
図8図1のサドルのそれぞれの側から見た分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付図面を参照すると、本発明に係る自転車、オートバイなどの車両のためのサドル1が示される。
【0018】
そのようなサドル1は、ユーザのための支持面2aを画定するシート構成要素2と、フォーク構成要素3と、フォーク構成要素3をシート構成要素2に拘束するための少なくとも1つの前部構成要素4と、フォーク構成要素3をシート構成要素2に拘束するための少なくとも1つの後部構成要素5とを備える。拘束(のための)構成要素は、サドル1の前部及び後部にそれぞれ、特にその下方位置に位置される。
【0019】
シート構成要素2は、射出成形又は圧縮成形によって得られる加硫ゴム又は他のポリマー材料から形成され得る。
【0020】
この構成要素2は、例えば、拡大された後部2bと、テーパ状先端(部)2cと、後部からテーパ状先端2cまでの通路に先細りの幅を伴う中間部2dとを伴う任意の適切な形態を有することができる。
【0021】
更に、構成要素2は、平坦な又は僅かに湾曲した主壁20aと、使用時に平坦な主壁20aの縁部から下方に延在する側壁20bとを伴うシート状要素を有する。好ましくは、側壁20bは環状である。
【0022】
より具体的には、使用時に、シート構成要素2の下面2eは、シェル7を収容するための凹状ゾーンRZを画定し、シェル7は、下面2eに対してほぼ相補的な形態を成す。凹状ゾーンRZは、好ましくは、平坦な主壁20aの内面と側壁20bの内面との間に画定される。
【0023】
この場合、前部拘束構成要素4及び後部拘束構成要素5をシート構成要素2に接続するために、ねじ又はリベットなどの接続手段6が設けられる。
【0024】
更に、サドル1は、硬質材料、例えばプラスチック又は複合材料から形成されるシェル7も備える。
【0025】
本発明の他の実施形態によれば、シェル7は、生分解性及び/又はエコ持続可能材料、又は金属或いは他の適切な材料から形成され得る。
【0026】
好ましくは、シェル7は、サドル1の先端又は前部Fから後部Rまで延在するとともに、拡大された後部7aと、シート構成要素2の幅とほぼ等しい幅を伴うテーパ状先端(部)7bとを有する。明らかに、シェル7は、シェル7の幅(実際には平面幅)が後部7aの幅から先端7bの幅へと徐々に移行するように、拡大された後部7aと先端7bとを接続する中間部又は中央部7cも備える。
【0027】
より詳細には、シェル7は、凹状ゾーンRZ内に収容されるとともに、下面2eに対して又はより良好には使用時に主平坦壁20aの下側内面に対してほぼ相補的な形態を有する。
【0028】
シェル7の拡大された後部7aは、複数のスポーク11を有するようにサンバースト形状(sunburst-shaped)となることができ、複数のスポーク11は、それぞれの中間部又は中央部7cから突出するとともに、それぞれが、少なくとも2つの端部11a、11b、すなわち、中央部7cから突出する第1の端部11aと、シェル7の後部で開口する又は終わる第2の端部11bとを有する。
【0029】
本発明の他の実施形態によれば、シェル7は、異なる圧縮(要件)、したがって快適性要件を満たすことができるように異なる形状を有することができる。
【0030】
シェル7は、それぞれの後部に2つ以上の開口領域又は貫通領域を画定することができ、各領域は2つのそれぞれのスポーク11間に画定される。必要に応じて、複数の開口、例えば2つ、4つ、6つ又は8つの開口領域又は貫通領域TOが設けられ、必要に応じ、そのような開口はサドル1の長手対称面に対して対称に配置される。
【0031】
本発明の別の実施形態によれば、シェル7は、貫通開口を含むこともできず、したがって、その延在部全体にわたって閉鎖され得る或いは穴又は開口を伴わない。
【0032】
必要に応じて、サンバースト形状の後部7aは、シェル7の長手方向延在部の1/3~1/2にわたって延在する。
【0033】
スポーク11は、明らかに、運転者によってシート構成要素2上に伝えられる重量を最小限の変形で吸収できなければならず、同時に、安定性及び経時的な持続抵抗を保証しなければならない。
【0034】
シェル7は、前述のように、適切に穿孔された又は開口を伴う僅かに湾曲したプレートを備えることができる。
【0035】
更に、シェル7は、必要に応じて、穴又は開口の周りに隆起セクション7dを有することもでき、隆起セクション7dは、補強領域を或いは更にはシート構成要素2との正確な組み立て又は位置合わせのための基準も構成することができ、それにより、隆起セクションを収容するのに適した領域が低くされ又はシェル7内の低くされた領域に挿入するために逆に隆起セクションが低くされる。
【0036】
本発明の一実施形態(図には示されない)によれば、シェル7はシート構成要素2と共加硫される(be co-vulcanized)こともできる。この実施形態において、シェル7は、シート構成要素2に取り付けられ、それにより、共加硫によってシート構成要素2と共に単一の構成要素を形成する。この変形例によれば、必要に応じて、シェル7は、加硫ステップ中にプライマー又は他の相溶化親和力(相溶化親和剤)によってもシート構成要素2に付着できる。
【0037】
勿論、この場合であっても、前部及び後部拘束構成要素4、5が設けられ、シェル7は、使用時にはシート構成要素2よりも低い位置にあり、必要に応じて、シート構成要素2と前部及び後部拘束構成要素4、5との間の位置にある。
【0038】
好適には、シート構成要素2とシェル7との間の密着性を向上させるために、シェル7の表面は、シート構成要素2のゴム又はポリマー材料と適合させるべく適切に調製される。これに関して、調製ステップは、シェル7を溶媒又は他の化学的又は機械的物質で(例えばサンドブラストによって)洗浄することを含むことができ、その後、シェル7とシート構成要素2のゴム又はポリマー材料との間に適合する界面を生成するためにプライマーがこのように処理されたシェル7の表面に塗布される。
【0039】
詳細には、フォーク構成要素3に関し、該構成要素は、後部拘束構成要素5に嵌合される一対の後端部3bを有する尖叉又は一対の尖叉3aを有することができる。フォーク構成要素3の前端部は、代わりに、同じC字形のフォーク構成要素(図に示される解決策)の湾曲セクション、又は、2つの尖叉の2つの前端部から成ることができる。
【0040】
したがって、図に示される非限定的な実施形態によれば、フォーク構成要素3は単一の適切な屈曲ロッドによって形成される。
【0041】
後部拘束構成要素5は、代わりに、主要セクション5aと、2つの翼セクション5b、5cとを備えることができ、各翼セクション5b、5cは、主要セクション5aの近位にあって主要セクション5aに拘束される第1の端部5b1、5c1と、主要セクション5aよりも遠位にある第2の端部5b2、5c2とを有する。翼セクション5b、5cの第2の端部5b2、5c2はそれぞれ、フォーク構成要素3のそれぞれの尖叉又は一対の尖叉3aのそれぞれの後端部3bにサイズが適合する又は強制的に嵌合するためのシート(着座部)を画定する。
【0042】
好適には、サドル1の後部拘束構成要素5は、必要に応じて、シート構成要素2の後部又は後部2bにほぼ対応する形状を有する金属又はプラスチックから形成される弓状部材から成る。
【0043】
好ましくは、後部拘束構成要素5は単一部品で形成される。
【0044】
必要に応じて、シート構成要素2は、複数の第1の貫通穴又はスロット8を画定し、これらの第1の貫通穴又はスロット8はそれぞれ、シェル7によって画定されるそれぞれの第2の穴又はスロット9と、前部拘束構成要素4によって画定される少なくとも1つの第3の穴又はスロット10とに位置合わせされる、或いは、後部拘束構成要素5によって画定される少なくとも1つの第4の穴又はスロット10aと位置合わせされるように設計される。この場合、接続手段6は、前部拘束構成要素4及び後部拘束構成要素5をシート構成要素2に接続するために、及びこれらの構成要素間でのシェル7の(結果として生じる)締め付けのために、位置合わせされた穴及び/又はスロット8、9、10、10aに挿入され得る。
【0045】
明らかに、フォーク構成要素3は、例えば任意の適切な手段によって、それぞれの中央位置でシートポスト(図示せず)に接続され得る。
【0046】
より具体的には、フォーク構成要素3の全長に対する中央位置で結合又は接続が行なわれ、それにより、とりわけ、運転者による可能な限り個人化された調整の可能性が許容される。
【0047】
前部拘束構成要素4に関し、該構成要素は、必要に応じて、フォーク構成要素3の前端部3cをシェル7に対して及びより詳細にはシート構成要素2に対してクランプするように設計された、金属又はプラスチックから形成される先端部材4aによって構成され得る。
【0048】
必要に応じて、前部拘束構成要素4は、シェル7の先端に当接するとともにフォーク構成要素3の前端部3cを収容するように設計されるクレードル部材4bも備え、この場合、前端部3cは、先端部材4aとクレードル部材4bとの間でクランプされる。
【0049】
この場合、先端部材4a及びクレードル部材4bはいずれも、ねじ、ボルト又はリベットを挿入するためのそれぞれの穴又はスロットを有する。
【0050】
また、本発明は、フレームと、フレームによって支持されたシートポストと、サドル1とを備える自転車にも関連する。
【0051】
この場合、フォーク構成要素3は、フォーク構成要素3の中央位置又は中間位置でシートポストに接続又は拘束される。これに関して、フォーク構成要素3の両方の尖叉は、好ましくは、シートポストの構成要素又はプレートの間にクランプされ、好適には調整可能にクランプされる。
【0052】
確認できるように、本発明のおかげで、トップのゴム内に埋め込まれた2つの金属インサート、並びに上記で言及された従来技術に従って提供された構造布地は、好ましくはプラスチックで、単一構成要素に置き換えられる。
【0053】
このようにして、所望のモデルの指定に従ってサドルの可撓性(又は柔軟性)を調整すること、例えばレーシング自転車の場合にはより剛性にし、トレッキング自転車の場合にはより柔軟にすることが可能である。
【0054】
これは、とりわけ、加硫前にトップ又はシート構成要素上にインサート及び布地層を調製する必要がもはやなくなるため、トップ又はシート構成要素の加硫プロセスのより高い効率を確保する。
【0055】
更に、プラスチックシェルのサイジング(寸法付け)は、モデル及び所望の剛性/屈曲に基づいて実行するのが簡単で迅速である。
【0056】
更に、このシェルは、特定の使用期間後にフォークと補強インサートとの間の任意の位置ずれ問題を回避又は低減できるようにする。これは、シェルの取得に使用される材料(特にプラスチック)よりも大きなクリープをゴムが受けることから、経時的な張力下でのシートの直線的な伸びを制限できるからである。この条件は、フォークとフォークを収容する構成要素との間の遊びの増大を回避する。
【0057】
更に、確認できるように、シェルの存在は、製造プロセスを単純化することに加えて、シェルのために選択された設計及び形状に応じて、差別化されて他に対して異なるものを使用するのに適した圧縮(ゾーン)、したがって快適ゾーンを得ることができるようにするため、従来のものよりも良好なサドルを得られるようにする。
【0058】
このようにして考えられた本発明は、多数の修正及び変形を受け入れる余地があり、その多数の修正及び変形の全てが本発明の概念の範囲内に入る。
【0059】
実際には、使用される材料、並びに、条件付き形状及び寸法は、以下の特許請求の範囲から外れることなく、必要に応じて任意となり得る。
【符号の説明】
【0060】
1 サドル
2 シート構成要素
3 フォーク構成要素,3a 尖叉,3b 後端部,3c 前端部
4 前部拘束構成要素,4a 先端部材,4b クレードル部材
5 後部拘束構成要素,5a 主要セクション,5b&5c 翼セクション
6 接続手段
7 シェル,7a 拡大された後部,7b テーパ状先端部,7c 中間部又は中央部
8 第1の貫通穴又はスロット
9 第2の穴又はスロット
10 第3の穴又はスロット
10a 第4の穴又はスロット
11 スポーク
RZ 凹状ゾーン
TO 開口領域又は貫通領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】