(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-06
(54)【発明の名称】統合されたセンシング構成要素を備えたフィルタ要素
(51)【国際特許分類】
B01D 46/42 20060101AFI20230330BHJP
B01D 46/00 20220101ALI20230330BHJP
A61L 9/20 20060101ALI20230330BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
B01D46/42 A
B01D46/00 F
A61L9/20
A61L9/16 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545349
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(85)【翻訳文提出日】2022-07-26
(86)【国際出願番号】 IB2021050742
(87)【国際公開番号】W WO2021152544
(87)【国際公開日】2021-08-05
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122563
【氏名又は名称】越柴 絵里
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
【テーマコード(参考)】
4C180
4D058
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180AA16
4C180DD03
4C180DD09
4C180HH05
4C180JJ05
4C180KK01
4C180KK05
4D058JA12
4D058JB22
4D058JB50
4D058PA01
4D058PA11
4D058QA01
4D058QA03
4D058QA11
4D058TA02
4D058TA08
(57)【要約】
空気入口、空気出口、第1のフィルタレセプタクル、および第1のフィルタレセプタクルを通って入口から出口まで延在する気流経路を画定する、ハウジングと、第1のフィルタレセプタクルにわたって第1の導電経路を画定するように構成されている、第1のフィルタレセプタクルと通信する電極の第1の対と、第1のフィルタレセプタクルにわたって第2の導電経路を画定するように構成されている、第1のフィルタレセプタクルと通信する電極の第2の対と、電極の第1の対を使用して第1のフィルタレセプタクルにわたって第1の電気的特性を、および電極の第2の対を使用して第1のフィルタレセプタクルにわたって第2の電気的特性を測定するように構成されている、電極の第1および第2の対と通信する、コントローラと、第1および第2の電気的特性に基づいてフィルタ要素の状態を報告するように構成されている、コントローラと通信する、インターフェースと、を備える、濾過システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過システムであって、
空気入口、空気出口、第1のフィルタ要素を受容するように構成された第1のフィルタレセプタクル、および前記第1のフィルタレセプタクルを通って前記空気入口から前記空気出口まで延在する気流経路を画定する、システムハウジングと、
前記第1のフィルタレセプタクルと電気的に通信する電極の第1の対であって、前記電極の第1の対が、前記第1のフィルタレセプタクルにわたって第1の導電経路を画定するように構成されている、電極の第1の対と、
前記第1のフィルタレセプタクルと電気的に通信する電極の第2の対であって、前記電極の第2の対が、前記第1のフィルタレセプタクルにわたって第2の導電経路を画定するように構成されている、電極の第2の対と、
前記電極の第1の対および前記電極の第2の対と通信する、コントローラであって、前記コントローラが、前記電極の第1の対を使用して前記第1のフィルタレセプタクルにわたって第1の電気的特性を、および前記電極の第2の対を使用して前記第1のフィルタレセプタクルにわたって第2の電気的特性を測定するように構成されている、コントローラと、
前記コントローラと通信する、インターフェースであって、前記インターフェースが、前記第1の電気的特性および前記第2の電気的特性に基づいてフィルタ要素の状態を報告するように構成されている、インターフェースと、
前記第1のフィルタレセプタクル内に配置されている、前記第1のフィルタ要素と、を備え、前記第1のフィルタ要素が、
第1の媒体繊維組成を有する、第1のフィルタ媒体であって、前記第1のフィルタ媒体が、流れ面、および前記流れ面の周りの外周部を画定し、前記外周部が、第1の縁部、および前記第1の縁部に対向する第2の縁部を備える、第1のフィルタ媒体と、
前記第1の媒体繊維組成とは異なる第1の繊維組成を有する、第1の反応性繊維ストリップであって、前記第1のフィルタ要素の前記第1の反応性繊維ストリップが、前記電極の第1の対と電気的に通信し、前記第1の反応性繊維ストリップが、第1の空気成分への曝露に基づいて変化する、第1の電気的特性を有する、第1の反応性繊維ストリップと、を備える、濾過システム。
【請求項2】
前記第1のフィルタ媒体が、媒体電気的特性を有し、前記第1の反応性繊維ストリップの前記第1の電気的特性が、前記媒体電気的特性と一般に等しくなく、前記第1の電気的特性および前記媒体電気的特性が、同じタイプの電気的特性である、請求項1に記載の濾過システム。
【請求項3】
前記第1の縁部から前記第2の縁部まで延在する第2の反応性繊維ストリップをさらに備え、前記第2の反応性繊維ストリップが、前記媒体繊維組成および前記第1の繊維組成とは異なる、第2の繊維組成を含み、前記第2の反応性繊維ストリップが、前記電極の第2の対と電気的に通信し、前記第2の反応性繊維ストリップが、前記第1の空気成分とは異なる第2の空気成分への曝露に基づいて変化する、第2の電気的特性を有する、請求項1または2に記載の濾過システム。
【請求項4】
前記第1のフィルタ媒体が、媒体電気的特性を有し、前記第2の反応性繊維ストリップの前記第2の電気的特性が、前記媒体電気的特性と一般に等しくなく、前記第2の電気的特性および前記媒体電気的特性が、同じタイプの電気的特性である、請求項3に記載の濾過システム。
【請求項5】
前記第1のフィルタ媒体が、前記第1の反応性繊維ストリップおよび前記第2の反応性繊維ストリップを分離する、請求項3または4に記載の濾過システム。
【請求項6】
前記システムハウジングが、第2のフィルタ要素を受容するように構成された第2のフィルタレセプタクルをさらに画定する、先行請求項のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項7】
前記システムハウジングが、前記気流経路と蒸気連通する液体リザーバを画定する、先行請求項のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項8】
前記システムハウジングに動作可能に結合された紫外線(ultraviolet、UV)光源をさらに備え、前記UV光源が、前記気流経路内に光を放射するように位置付けられている、先行請求項のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項9】
前記システムハウジングに動作可能に結合された紫外線(UV)光源をさらに備え、前記UV光源が、前記液体リザーバ内に光を放射するように位置付けられている、先行請求項のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項10】
前記システムハウジングに動作可能に結合された紫外線(UV)光源をさらに備え、前記UV光源が、前記第1のフィルタ要素上に光を放射するように位置付けられている、先行請求項のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項11】
前記UV光源が、多面リフレクタを備える、請求項8、9、および10のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項12】
前記システムハウジングが、前記気流経路から前記液体リザーバを離隔する透明な壁を備え、前記UV光源からの光が、前記透明な壁を通過するように構成されている、請求項8~11のいずれか一項に記載の濾過システム。
【請求項13】
部屋の空気を濾過する方法であって、
第1のフィルタ要素の第1の流れ面を通して空気を通過させて、第1の濾過された空気を得ることであって、前記第1のフィルタ要素が、媒体繊維組成を有するファイラー媒体を含む、得ることと、
第1の時間に、前記第1のフィルタ要素によって画定された第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性を測定することであって、前記第1の反応性繊維ストリップが、前記第1のフィルタ要素の前記第1の流れ面にわたって延在する第1の複数の導電性繊維を含む、細長い領域である、測定することと、
第1の時間に、前記第1のフィルタ要素によって画定された第2の反応性繊維ストリップの第2の電気的特性を測定することであって、前記第2の反応性繊維ストリップが、前記第1のフィルタ要素の前記第1の流れ面にわたって延在する第2の複数の導電性繊維を含む、細長い領域であり、前記第1の複数の導電性繊維および前記第2の複数の導電性繊維が、前記媒体繊維組成とは異なる繊維組成を有する、測定することと、を含む、方法。
【請求項14】
前記第1の電気的特性に関連する第1のフィルタ要素の状態を報告することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサ構成要素を組み込むフィルタ要素に関する。特に、フィルタ要素は、フィルタ状態検出を可能にして、フィルタを交換する必要があるかどうかを決定する、反応性繊維を組み込む。
【0002】
多くのタイプの空気クリーニング装置は、空気を濾過し、フィルタ状態を検出する機能を有する。これらのタイプの装置の多くは、フィルタ要素またはシステム全体についてのデータを収集するよう構成された様々なセンサを組み込む。例えば、一部の粒子濾過システムは、フィルタ要素にわたって差圧を測定する、圧力センサを組み込む。粒子がフィルタ要素内に蓄積すると、圧力差は、フィルタ要素を交換する必要がある点まで増加する。処理回路を使用して空気中の粒子または化学物質のタイプを識別し得るセンサを組み込む、いくつかの他の濾過システムが知られている。
【0003】
一部の濾過システムは、フィルタ要素を交換する時間にあると予測されるときにユーザに警告するタイマーを組み込む。タイマーは、例えば、特定のフィルタ要素の平均期待寿命に相関する期間、製造業者によって設定され得る。
【0004】
1つの公知の公開出願である米国特許公開第2019/262750号は、電極がフィルタアセンブリに取り付けられ、かつセンサが電極間の空間の電気的特性を測定するために使用される、システムを開示している。電気的特性は、フィルタ上に蓄積された粒子の量に依存する。システムは、フィルタ上の粒子蓄積に基づいて、フィルタアセンブリをクリーニングするか、または交換するようにユーザに促してもよい。
【0005】
別の公開出願である国際特許出願第2000/004377号は、水性またはガス状の流れからの基体によって吸収または吸着された物質の定量的および定性的な決定のためのセンサを教示している。センサは、フィルタの一部であってもよい。基体は、繊維、織布、フェルト、または半導体材料、活性炭素もしくは半導体材料および活性炭素の両方の絡まったフィラメントウェブから作製され、外部回路から通電されたときに電気抵抗加熱することができる。センサがフィルタ要素に組み込まれている場合、フィルタ要素の材料はセンサと同じ材料であることが好ましい。吸収性基体からの時限熱脱着中の電気伝導率、静電容量、および温度などの特性を監視することによって、汚染物質種を識別および定量化するためのプロセスがまた開示されている。
【0006】
本発明の態様によれば、フィルタ媒体を含むフィルタ要素が提供される。フィルタ媒体は、媒体繊維組成を含む。フィルタ媒体は、流れ面、および流れ面の周りの外周部を画定する。外周部は、第1の縁部、および第1の縁部に対向する第2の縁部を備える。フィルタ媒体は、媒体電気的特性を有する。第1の反応性繊維ストリップは、第1の縁部から第2の縁部まで延在している。第1の反応性繊維ストリップは、媒体繊維組成とは異なる第1の繊維組成を含む。第1の反応性繊維ストリップは、第1の空気成分への曝露に基づいて変化する、第1の電気的特性を有する。第1の電気的特性は、媒体電気的特性と一般に等しくなく、第1の電気的特性および媒体電気的特性は、同じタイプの電気的特性である。
【0007】
フィルタ要素は、媒体繊維組成を含み得る、フィルタ媒体を含み得る。フィルタ媒体は、流れ面、および流れ面の周りの外周部を画定し得る。外周部は、第1の縁部、および第1の縁部に対向する第2の縁部を備え得る。フィルタ媒体は、媒体電気的特性を有し得る。第1の反応性繊維ストリップは、第1の縁部から第2の縁部まで延在し得る。第1の反応性繊維ストリップは、媒体繊維組成とは異なる第1の繊維組成を含み得る。第1の反応性繊維ストリップは、第1の空気成分への曝露に基づいて変化する、第1の電気的特性を有し得る。第1の電気的特性は、媒体電気的特性と一般に等しくなくてもよく、第1の電気的特性および媒体電気的特性は、同じタイプの電気的特性である。
【0008】
上述の構成と一致する構成は、フィルタ要素の複雑さを簡素化し、したがって、センサの処理および電子構成要素を省略することによって、センサの処理または電子構成要素を含むフィルタ要素と比較して、製造コストを低減し得る。上述の説明と一致するフィルタ要素は、フィルタ要素が容量に到達すると予想される時期を予測することとは対照的に、フィルタ要素が実際に容量に到達するときに通知を提供することによって、フィルタ要素の時期尚早な交換を防止し得る。第1の反応性繊維ストリップおよび媒体の等しくない電気的特性は、媒体に対する第1の反応性繊維ストリップの個別のデータを収集することを可能にし得る。さらに、第1の反応性繊維ストリップの異なる繊維組成、および第1の空気成分への曝露に基づくその変化する電気的特性は、特定の空気成分に関する標的データを可能にし得る。例示的なデータは、経時的に収集される特定の空気成分の量、特定の空気成分の残りのフィルタ容量、または経時的に収集される特定の空気成分の量および特定の空気成分の残りのフィルタ容量の両方を含み得る。第1の反応性繊維ストリップの繊維組成は、有利には、汚染物質の捕捉を支援することによって、フィルタ媒体の濾過に寄与し得る。
【0009】
第1の反応性繊維ストリップは、二酸化炭素を吸収するように構成され得る。第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性は、二酸化炭素への曝露に基づいて変化し得る。第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性は、一酸化炭素への曝露に基づいて変化し得る。第1の電気的特性は、第1の反応性繊維ストリップ上のダスト負荷に基づいて変化し得る。
【0010】
一部の実施形態では、第1の電気的特性は、抵抗率である。一部の実施形態では、第1の電気的特性は、静電容量である。第1の反応性繊維ストリップは、導電性炭素繊維を含み得る。導電性炭素繊維は、カーボンナノチューブを含み得る。導電性炭素繊維は、グラフェンを含み得る。導電性炭素繊維は、ゼオライト系イミダゾレートフレームワークを含浸し得る。こうした構成は、有利には、二酸化炭素への曝露の量を識別するために使用され得る。導電性炭素繊維は、グルコースおよびペプトンを含浸し得る。含浸された炭素繊維上の微生物の存在は、導電性繊維の第1の電気的特性を変える反応を引き起こし得る。第1の電気的特性は、例えば、導電率とすることができる。こうした構成は、有利にも微生物への曝露を識別するために使用され得る。こうした構成は、有利にも微生物成長を識別するために使用され得る。
【0011】
第1の反応性繊維ストリップは、有機繊維を含み得る。第1の反応性繊維ストリップは、綿繊維を含み得る。第1の反応性繊維ストリップは、ポリマーテープを含み得る。第1の反応性繊維ストリップは、Sn1-xFexOyのコーティングを含み得る。一酸化炭素は、第1の反応性繊維ストリップ上のこのようなコーティングと反応して、第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性を変化させ得る。第1の電気的特性は、導電率とすることができる。こうした構成は、有利に一酸化炭素の検出を可能にし得る。
【0012】
フィルタ要素は、第1の縁部から第2の縁部まで延在する第2の反応性繊維ストリップを備え得る。第2の反応性繊維ストリップは、媒体繊維組成および第1の繊維組成とは異なる、第2の繊維組成を含んでもよく、第2の反応性繊維ストリップは、第1の空気成分とは異なる第2の空気成分への曝露に基づいて変化する、第2の電気的特性を有する。第2の反応性繊維ストリップのこうした構成は、有利なことに、第2の空気成分に関連するフィルタ容量に関連し得る、追加のデータを収集することを可能にし得る。したがって、フィルタ要素の容量は、フィルタ要素が複数の空気成分のうちの1つの容量に到達したときに交換され得るように、複数の空気成分に対して決定され得る。第2の反応性繊維ストリップの第2の電気的特性は、媒体電気的特性と一般に等しくなくてもよく、第2の電気的特性および媒体電気的特性は、同じタイプの電気的特性である。結果として、第2の反応性繊維ストリップおよびフィルタ媒体は、有利に、個別の導電流路を画定し得る。フィルタ媒体は、第1の反応性繊維ストリップおよび第2の反応性繊維ストリップを分離し得る。結果として、第2の反応性繊維ストリップおよび第1の反応性繊維ストリップは、有利に、個別の導電流路を画定し得る。
【0013】
一部の実施形態では、フィルタ要素は、第1の縁部から第2の縁部まで延在する第3の反応性繊維ストリップを備えてもよく、第3の反応性繊維ストリップは、媒体繊維組成、第1の繊維組成、および第2の繊維組成の各々とは異なる、第3の繊維組成を含み得る。第3の反応性繊維ストリップは、第1の空気成分および第2の空気成分の各々とは異なる、第3の空気成分への曝露に基づいて変化する、第3の電気的特性を有し得る。こうした構成は、有利なことに、第3の空気成分に関連するフィルタ容量に関連し得る、追加のデータを収集することを可能にし得る。したがって、フィルタ要素の容量は、複数の空気成分に対して決定され得る。第3の反応性繊維ストリップの第3の電気的特性は、媒体電気的特性と一般に等しくない場合がある。媒体電気的特性および第3の電気的特性は、同じタイプの電気的特性であってもよい。結果として、第3の反応性繊維ストリップおよびフィルタ媒体は、有利に、個別の導電流路を画定し得る。フィルタ媒体は、第3の反応性繊維ストリップおよび第1の反応性繊維ストリップ、ならびに第3の反応性繊維ストリップおよび第2の反応性繊維ストリップを分離し得る。
【0014】
本発明の別の態様によると、濾過システムが提供される。濾過システムは、空気入口、空気出口、第1のフィルタ要素を受容するように構成された第1のフィルタレセプタクルを画定する、システムハウジングを備える。気流経路は、第1のフィルタレセプタクルを通って空気入口から空気出口まで延在している。電極の第1の対は、第1のフィルタレセプタクルと電気的に通信している。電極の第1の対は、第1のフィルタレセプタクルにわたって第1の導電経路を画定するように構成されている。電極の第2の対は、第1のフィルタレセプタクルと電気的に通信している。電極の第2の対は、第1のフィルタレセプタクルにわたって第2の導電経路を画定するように構成されている。コントローラは、電極の第1の対および電極の第2の対と通信する。コントローラは、電極の第1の対を使用して第1のフィルタレセプタクルにわたって第1の電気的特性を、および電極の第2の対を使用して第1のフィルタレセプタクルにわたって第2の電気的特性を測定するように構成されている。インターフェースは、コントローラと通信する。インターフェースは、第1の電気的特性および第2の電気的特性に基づいてフィルタ要素の状態を報告するように構成されている。
【0015】
濾過システムは、空気入口、空気出口、第1のフィルタ要素を受容するように構成された第1のフィルタレセプタクルを画定する、システムハウジングを備え得る。システムは、第1のフィルタレセプタクルを通って空気入口から空気出口まで延在している、気流経路を備え得る。システムは、第1のフィルタレセプタクルと電気的に通信する、電極の第1の対を備え得る。電極の第1の対は、第1のフィルタレセプタクルにわたって第1の導電経路を画定するように構成され得る。システムは、第1のフィルタレセプタクルと電気的に通信する、電極の第2の対を備え得る。電極の第2の対は、第1のフィルタレセプタクルにわたって第2の導電経路を画定するように構成され得る。システムは、電極の第1の対および電極の第2の対と通信する、コントローラを有し得る。コントローラは、電極の第1の対を使用して、第1のフィルタレセプタクルにわたって第1の電気的特性を測定するように構成され得る。コントローラは、電極の第2の対を使用して、第1のフィルタレセプタクルにわたって第2の電気的特性を測定するように構成され得る。システムは、コントローラと通信するインターフェースを備え得る。インターフェースは、第1の電気的特性および第2の電気的特性に基づいてフィルタ要素の状態を報告するように構成され得る。
【0016】
上述のシステム構成と一致するシステム構成は、こうしたシステムで使用される対応するフィルタ要素の複雑さを単純化し得、これは、こうしたフィルタ要素の生産コストを削減し得る。システムの第1の導電経路および第2の導電経路は、有利には、複数のタイプのデータを収集することを可能にし得る。さらに、システムは、有利には、こうしたシステムで使用されるフィルタ要素の時期尚早な交換を防止し得る。
【0017】
一部の実施形態では、現在の適用と一致するシステムは、第1のフィルタレセプタクル内に配置された第1のフィルタ要素を備え得る。第1のフィルタ要素は、第1の媒体繊維組成を有する第1のフィルタ媒体を備え得る。第1のフィルタ媒体は、流れ面および流れ面の周りに外周部を画定し得る。外周部は、第1の縁部、および第1の縁部に対向する第2の縁部を備え得る。フィルタ要素は、第1の媒体繊維組成とは異なる第1の繊維組成を有する、第1の反応性繊維ストリップを備え得る。第1のフィルタ要素の第1の反応性繊維ストリップは、電極の第1の対と電気的に通信し得る。第1の反応性繊維ストリップは、第1の空気成分への曝露に基づいて変化する、第1の電気的特性を有し得る。第1のフィルタ媒体は、媒体電気的特性を有してもよく、第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性は、媒体電気的特性と一般に等しくない場合がある。第1の電気的特性および媒体電気的特性は、同じタイプの電気的特性であってもよい。第1の繊維反応性ストリップを有する第1のフィルタ媒体の構成は、本明細書で前述したこれらの利点の1つ以上と一致する利点を有し得る。
【0018】
第1のフィルタ媒体は、第1の縁部から第2の縁部まで延在する第2の反応性繊維ストリップを備え得る。第2の反応性繊維ストリップは、媒体繊維組成および第1の繊維組成とは異なる第2の繊維組成を含み得る。第2の反応性繊維ストリップは、電極の第2の対と電気的に通信し得る。第2の反応性繊維ストリップは、第1の空気成分とは異なる第2の空気成分への曝露に基づいて変化する、第2の電気的特性を有し得る。一部のこうした実施形態では、第1のフィルタ媒体は、媒体電気的特性を有し、第2の反応性繊維ストリップの第2の電気的特性は、媒体電気的特性と一般に等しくなく、第2の電気的特性および媒体電気的特性は、同じタイプの電気的特性である。第2の反応性繊維ストリップのこうした構成は、有利なことに、第2の空気成分に関連するフィルタ容量に関連し得る、追加のデータを収集することを可能にし得る。したがって、フィルタ要素の容量は、複数の空気成分に対して決定され得る。
【0019】
第1のフィルタ媒体は、第1の反応性繊維ストリップおよび第2の反応性繊維ストリップを分離し得る。こうした構成は、繊維ストリップ間の干渉を有利に防止する。システムハウジングは、第2のフィルタ要素を受容するように構成された第2のフィルタレセプタクルをさらに画定し得る。第2のフィルタ要素は、第2のフィルタレセプタクル内に配置され得る。第2のフィルタ要素は、気流経路にわたって配置される第2のフィルタ媒体を備え得る。第2のフィルタ要素は、第1のフィルタ要素の下流に位置付けられてもよい。
【0020】
気流経路は、空気入口から空気出口までの経路長さを有してもよく、気流経路は、経路長さに沿って断面流れ区域を有してもよく、ここで、断面流れ区域は、空気入口と空気出口との間で減少および増加する。システムハウジングは、気流経路と蒸気連通する液体リザーバを画定し得る。
【0021】
システムは、システムハウジングに動作可能に結合された紫外線(ultraviolet、UV)光源を備え得る。UV光源は、気流経路の光を放射するように位置付けられてもよい。こうした構成は、有利には、気流経路内の空気のさらなる精製のために、微生物の成長を中和または制限し得る。UV光源は、液体リザーバ内の光を放射するように位置付けられてもよい。こうした構成は、有利には、液体リザーバ内の流体の精製のための微生物の成長を中和または制限し得る。UV光源は、第1のフィルタ要素上に光を放射するように位置付けられてもよい。こうした構成は、有利には、第1のフィルタ要素上の微生物の成長を中和または制限し、フィルタ要素の寿命を延ばし得る。こうした構成はまた、フィルタ要素を通過する空気の空気品質をさらに改善し得る。
【0022】
UV光源は、多面リフレクタを備え得る。多面リフレクタは、有利には、UV光源からのUV光を複数の方向に方向付けてもよく、これは、システムのUV光への曝露を増加させ得る。多面リフレクタは、システムハウジングに対して移動可能であってもよい。システムハウジングは、気流経路から液体リザーバを離隔する透明な壁を備え得、UV光源からの光は、透明な壁を通過するように構成されている。こうした構成は、有利には、液体リザーバ内の流体をUV光に曝露することを可能にし、これは、流体を精製し得る。
【0023】
本発明の他の態様は、部屋の空気を濾過する方法に関する。方法は、第1のフィルタ要素の第1の流れ面を通して空気を通過させて、第1の濾過された空気を得ることを含む。第1のフィルタ要素は、媒体繊維組成を有するフィルタ媒体を備える。方法は、第1の時間に、第1のフィルタ要素によって画定された第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性を測定することを含む。第1の反応性繊維ストリップは、第1のフィルタ要素の第1の流れ面にわたって延在する第1の複数の導電性繊維を含む、細長い領域である。方法は、第1の時間に、第1のフィルタ要素によって画定された第2の反応性繊維ストリップの第2の電気的特性を測定することを含む。第2の反応性繊維ストリップは、第1のフィルタ要素の第1の流れ面にわたって延在する第2の複数の導電性繊維を含む、細長い領域である。第1の複数の導電性繊維および第2の複数の導電性繊維は、媒体繊維組成とは異なる繊維組成を有する。
【0024】
方法は、第1のフィルタ要素の第1の流れ面を通して空気を通過させて、第1の濾過された空気を得ることを含み得る。第1のフィルタ要素は、媒体繊維組成を有するフィルタ媒体を備え得る。方法は、第1の時間に、第1のフィルタ要素によって画定された第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性を測定することを含み得る。第1の反応性繊維ストリップは、第1のフィルタ要素の第1の流れ面にわたって延在する第1の複数の導電性繊維を含む、細長い領域であり得る。方法は、第1の時間に、第1のフィルタ要素によって画定された第2の反応性繊維ストリップの第2の電気的特性を測定することを含み得る。第2の反応性繊維ストリップは、第1のフィルタ要素の第1の流れ面にわたって延在する第2の複数の導電性繊維を含む、細長い領域であり得る。第1の複数の導電性繊維および第2の複数の導電性繊維は、媒体繊維組成とは異なる繊維組成を有する。
【0025】
こうした方法は、フィルタ要素の時期尚早な交換を防止することを含む、多くの利点を有し得る。さらに、フィルタ要素の容量は、複数の空気成分に対して決定され得る。
【0026】
部屋の空気を濾過するいくつかの方法は、第1の電気的特性に関連する第1のフィルタ要素の状態を報告することを含み得る。第1のフィルタ要素の状態を報告することにより、有利には、システムユーザがフィルタ要素の状態を認識することができる。第1のフィルタ要素の状態を報告することは、ユーザインターフェース上にデータを表示することを含み得る。第1のフィルタ要素の状態を報告することは、データを無線で送信することを含み得る。部屋の空気を濾過する方法は、第2の時間に、第1のフィルタ要素によって画定された第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性を測定することをさらに含み得る。第1の時間における第1の電気的特性は、第2の時間における第1の電気的特性と等しくなくてもよい。こうしたステップは、経時的な空気成分データの分析を有利に可能にし得る。こうしたステップは、経時的な空気品質の分析を有利に可能にし得る。
【0027】
方法は、第1の濾過された空気をUV光に曝露することをさらに含み得る。こうした構成は、有利には、第1の濾過された空気のさらなる精製のために、微生物の成長を中和または制限し得る。第1の濾過された空気を露出することは、多面リフレクタによってUV光を反射することを含み得る。多面リフレクタは、有利には、UV光源からのUV光を複数の方向に方向付けてもよく、これは、システムのUV光への曝露を増加させ得る。
【0028】
方法は、第1の濾過された空気を湿度源上に通過させることをさらに含み得る。ここで、湿度源は、水リザーバである。こうした構成は、有利には、さらなるエネルギー消費なしに加湿によって空気品質を改善し得る。こうした構成は、有利には、さらなる電気機械構成要素なしで加湿によって空気品質を改善し得、それによって、より効率的な製造をもたらし得る。
【0029】
本明細書で使用される用語は、本明細書に別段の定義がない限り、その一般的に受け入れられる定義を有する。
【0030】
また本明細書で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、複数形の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0031】
「好ましい」および「好ましくは」という語は特定の状況下で、特定の利点をもたらす場合がある本発明の実施形態を指す。しかしながら、同じ状況下または他の状況下で、他の実施形態もまた好ましいものである場合がある。その上、1つ以上の好ましい実施形態の列挙は、他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を除外することを意図しない。
【0032】
「上部」、「下部」、「左」、「右」、「上方」、「下方」および他の方向または向きなどの、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭性および簡潔性のために本明細書に記述されるが、実際の装置またはシステムを限定すること意図しない。本明細書に記載の装置およびシステムは、数多くの方向および配向で使用され得る。
【0033】
「収着」とは、吸収および吸着のうちの一方、またはその両方を指す。吸収は、フィルタ材料などの液体または固体材料であり得る、分子がバルク相で取り込まれる現象またはプロセスである。吸着とは、フィルタ材料の表面などの表面への分子の接着を指す。
【0034】
フィルタ要素の文脈で使用される「負荷」は、本明細書では、フィルタ媒体による1つ以上の空気成分の集合として定義される。ダスト負荷とは、例えば、フィルタ要素によって収集される粒子状物質を指す。
【0035】
「フィルタ要素の状態」は、本明細書では、フィルタ要素への最大負荷に対するフィルタ要素への現在の負荷として定義される。フィルタ要素の状態は、1つの特定の空気成分または複数の空気成分に対して決定され得、ここで、空気成分は、粒子状またはガス状であり得る。
【0036】
「微生物」は、生物の細胞に侵入し、かつ複製し得る、微生物または微生物剤として定義される。微生物には、細菌、ウイルス、原虫、古細菌および真菌が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0037】
材料の「電気的特性」は、本明細書では、材料にわたる電圧の印加に関連する特性として定義され、例として、導電率、静電容量、および抵抗を包含する。
【0038】
「カーボンナノチューブ」は、本明細書では、カーボンの細長い管として定義される。カーボンナノチューブは、典型的には、直径1ナノメートル~3ナノメートルの範囲などの、ナノメートルで測定される直径を有する。
【0039】
用語「上流」および「下流」は、流体濾過のためのフィルタ媒体、フィルタ要素、または濾過システムを通る気流の意図された方向に対する特徴の相対的位置を指す。
【0040】
「導電経路」は、本明細書では、それを通して電流を方向付けるように構成された電気回路の一部分として定義される。
【0041】
フィルタ要素の「流れ面」は、フィルタ媒体が通る流体流に対して一般に垂直であるように構成されたフィルタ媒体によって定義される平面である。流れ面は、フィルタ要素内のフィルタ媒体の平面表面であってもよく、またはフィルタ媒体の構造によって画定される仮想平面であってもよい。後者の一例は、フィルタ媒体がプリーツ加工され、フィルタ媒体が、プリーツフォールドの第1のセットとプリーツフォールドの第2のセットとの間に前後に配置されて延在することを意味する。こうした実施例では、上流流れ面は、フィルタ媒体の上流側上のプリーツフォールドのセットによって画定される仮想平面である。
【0042】
本明細書に開示される技術は、一般に、部屋内の空気品質を改善するように構成されている。本明細書に開示されるフィルタ要素は、部屋内の空気を濾過するように構成されており、本明細書に開示されるシステムは、部屋内の空気を濾過するように構成されたフィルタ要素を受容するように構成されている。本明細書に開示されるシステムは、一般に、濾過される空気成分を識別するように構成されている。システムは、最大フィルタ容量と比較して現在のフィルタ容量を含み得る、フィルタ要素の状態に関する通知をユーザに提供し得る。一部の構成では、システムは、フィルタ要素が複数のタイプの汚染物に対する容量に到達したときに通知を提供し、それにより、特定の汚染物に関して無効となるフィルタ要素のさらなる使用を防止し得る。通知は、例えば、フィルタの予想される寿命ではなく、監視されたフィルタ容量に基づいてもよいため、システムは、フィルタ要素の時期尚早な交換を防止し得る。システムは、空気品質および空気中の成分などのフィルタ要素を通って流れる空気の特徴に関する通知をユーザに提供し得る。
【0043】
本技術と一致するフィルタ要素は、フィルタ要素を通過する空気を濾過するように構成されたフィルタ媒体を有し得る。フィルタ要素は、特定の空気成分への曝露に応答して反応する、反応性繊維を組み込み得る。反応性繊維は、反応性繊維が曝露される特定の空気成分の量に基づいて変化する、電気的特性を有し得る。フィルタ要素が使用されるシステムは、反応性繊維にわたる電気的特性の変化を検出および解釈して、ユーザにシステム情報を提供するように構成され得る。
【0044】
フィルタ要素は、流れ面および流れ面の周りに外周部を画定する、フィルタ媒体を有する。流れ面は、流れ面がフィルタ要素の表面によって画定される表面積などの区域を画定することができる。外周部は、第1の縁部および第2の縁部を有してもよく、ここで、第2の縁部は、第1の縁部に対向している。フィルタ媒体は、空気中に粒子をトラップするように構成され得る。一部の実施形態では、フィルタ媒体は、高効率粒子空気濾過のために構成されている。フィルタは、抗微生物特性など、他の空気精製特性を有し得る。フィルタ媒体は、当技術分野で公知の様々な材料および材料の組み合わせから構築され得る。一部の実施形態では、フィルタ媒体は、媒体繊維組成を有する。媒体繊維組成は、セルロース、高分子、ガラス、ならびに他のタイプの繊維および繊維の組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、フィルタ媒体は、粒子状物質から構築され得る。フィルタ媒体は、異なるフィルタ媒体の層から構築され得る。フィルタ媒体は、一般に、媒体電気的特性を含む様々な公知の特性を有する。
【0045】
フィルタ要素は、第1の媒体繊維組成とは異なる第1の繊維組成を有する、第1の反応性繊維ストリップを有し得る。実施形態では、第1の反応性繊維ストリップは、フィルタ媒体の第1の縁部から第2の縁部まで延在し得る。第1の反応性繊維ストリップは、第1の空気成分への曝露に基づいて変化する、第1の電気的特性を有し得る。第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性は、フィルタ媒体の同じタイプの電気的特性と等しくない場合がある。例えば、第1の反応性繊維ストリップの電気抵抗は、フィルタ媒体の電気抵抗と等しくない場合がある。一部の実施形態では、第1の反応性繊維ストリップの電気抵抗は、フィルタ媒体の電気抵抗よりも小さくなる。こうした構成は、第1の反応性繊維ストリップの電気的特性を測定することが、フィルタ媒体の電気的特性によって影響される可能性を低減し得る。第1の反応性繊維ストリップは、フィルタ媒体よりも高い導電率を有し得る。
【0046】
第1の反応性繊維ストリップは、第1の流れ面などの、フィルタ要素の流れ面にわたって延在し得る。第1の反応性繊維ストリップは、第1の流れ面の表面積の2%~10%の範囲の表面積を有し得る。第1の反応性繊維ストリップは、第1の流れ面の表面積の3%~8%の範囲の表面積を有し得る。第1の反応性繊維ストリップは、第1の流れ面の表面積の4%~6%の範囲の表面積を有し得る。一実施例では、第1の反応性繊維ストリップは、第1の流れ面の表面積の約4%の表面積を有し得る。一実施例では、第1の反応性繊維ストリップは、第1の流れ面の表面積の約6%の表面積を有し得る。第1の反応性繊維ストリップは、様々なタイプの材料から構築され得、一般に、測定される特定の空気成分と反応する材料から構築され得る。第1の反応性繊維ストリップは、一般に繊維から構築されている。第1の反応性繊維ストリップは、織布繊維、不織布繊維、または織布繊維および不織布繊維の両方であってもよい。第1の反応性繊維ストリップは、導電性繊維を組み込み得る。一部の実施形態では、導電性繊維は、炭素繊維を含む。実施例では、導電性炭素繊維は、カーボンナノチューブおよびグラフェンのうちの1つ以上を含み得る。導電性炭素繊維は、8~19マイクロメートルまたは10~15マイクロメートルの直径を有し得る。導電性炭素繊維は、1.4~2.1グラム/立方センチメートル、または1.6~1.9グラム/立方センチメートルの密度を有し得る。
【0047】
第1の反応性繊維ストリップはまた、一部の実施形態では、導電性繊維と組み合わせた非導電性繊維を組み込むことができる。一部の実施形態では、第1の反応性繊維ストリップは、綿などの有機繊維材料を含む。綿繊維などの有機繊維は、立方センチメートル当たり約1.2~1.7グラムの密度を有し得る。綿繊維などの有機繊維は、織布または不織布であってもよい。非導電性繊維は、導電性繊維と一緒に織って、第1の反応性繊維ストリップを形成し得る。
【0048】
一部の実施形態では、第1の反応性繊維ストリップは、第1の反応性繊維ストリップ、物質、または第1の反応性繊維ストリップと物質の組み合わせが特定の空気成分に対して反応性となるように、別の物質によって修飾される。例えば、第1の反応性繊維ストリップは、物質で被覆され得る。第1の反応性繊維ストリップは、Sn1-xFexOyのコーティングを有し得る。こうした構成は、有利には、第1の反応性繊維ストリップによる一酸化炭素の検出を可能にし得る。
【0049】
別の実施例として、第1の反応性繊維ストリップは、物質を含浸し得る。物質は、濾過システムによる分析の対象となる空気成分に対して反応性であってもよい。例えば、空気成分が二酸化炭素である場合、第1の反応性繊維ストリップは、その有機構造に環カルボニル基を組み込むことを含む、ゼオライト系イミダゾレートフレームワークを含浸し得る。こうした含浸は、二酸化炭素を吸収するための第1の反応性繊維ストリップの親和性および選択性を増加させ得る。こうした含浸は、第1の反応性繊維ストリップの化学的および熱的安定性を増加させ得る。こうした含浸された第1の反応性繊維ストリップは、約500ppmを超えるレベル、好ましくは、約200ppmを超えるレベルを含む、比較的高い感度で二酸化炭素に曝露された場合に、電気的特性の変化を示し得る。
【0050】
別の実施例では、空気成分が微生物である場合、第1の反応性繊維ストリップは、グルコースおよびペプトンの媒体を含む、グルコースおよびペプトンを含浸し得る。実施例では、第1の反応性繊維ストリップは、グルコース、酵母抽出物、バクトペントン(Difco)、炭酸カルシウム、および寒天を含浸して、ゲルを形成し得る。第1の反応性繊維ストリップが、長さ約475ミリメートルであり、かつ幅15~35ミリメートルである実施例では、第1の反応性繊維ストリップは、蒸留水ベースの溶液中で、7g~12gのグルコース、8g~11gの酵母抽出物、17g~21gのバクトペプトン(Difco)、8g~12gの炭酸カルシウム(CaCO3)、および13g~21gの寒天を含浸して、ゲル形態の段階になる(約130~280mlの蒸留水)。第1の反応性繊維ストリップは、任意の他の適切な構成を有し得る。
【0051】
一部の実施形態では、フィルタ要素はまた、第2の反応性繊維ストリップを有し得る。第2の反応性繊維ストリップは、フィルタ媒体の第1の縁部から第2の縁部まで延在し得る。第2の反応性繊維ストリップは、フィルタ媒体の第1の流れ面にわたって延在し得る。第2の反応性繊維ストリップは、媒体繊維組成とは異なる第2の繊維組成を有し得る。第2の反応性繊維ストリップは、第1の繊維組成とは異なる第2の繊維組成を有し得る。しかしながら、第2の反応性繊維ストリップの構築は、第1の反応性繊維ストリップの構築に関する上記の説明と一致し得る。
【0052】
第1の反応性繊維ストリップおよび第2の反応性繊維ストリップを有する実施例では、繊維ストリップは、第1の流れ面の表面積の4%~20%の範囲の表面積を有し得る。反応性繊維ストリップは、第1の流れ面の表面積の6%~16%の範囲の表面積を有し得る。反応性繊維ストリップは、第1の流れ面の表面積の8%~12%の範囲の表面積を有し得る。一実施例では、反応性繊維ストリップは、第1の流れ面の表面積の約8%の表面積を有し得る。一実施例では、第1の反応性繊維ストリップは、第1の流れ面の表面積の約12%の表面積を有し得る。
【0053】
第2の反応性繊維ストリップは、第1の空気成分とは異なる第2の空気成分への曝露に基づいて変化する、第2の電気的特性を有する。こうした構成は、有利には、第1の反応性繊維ストリップによって検出されるように構成された第1の空気成分とは異なる、第2の空気成分の検出を可能にする。第2の反応性繊維ストリップの第2の電気的特性は、一般に、フィルタ媒体の対応する電気的特性(同じタイプの電気的特性)と等しくない。例えば、第2の反応性繊維ストリップの電気抵抗は、第1の反応性繊維ストリップを参照して上述したものと類似した、フィルタ媒体の電気抵抗よりも小さいなど、フィルタ媒体の電気抵抗と等しくない場合がある。実施形態では、第1のフィルタ媒体は、第1の反応性繊維ストリップおよび第2の反応性繊維ストリップを分離する。こうした構成は、有利には、反応性繊維ストリップのうちの1つの電気的特性を測定する際に、第1の反応性繊維ストリップと第2の反応性繊維ストリップとの間の電気的干渉を防止し得る。
【0054】
本技術と一致するフィルタ要素は、追加の反応性繊維ストリップを有し得る。フィルタ要素は、第3の反応性繊維ストリップを有し得る。フィルタ要素は、第4の反応性繊維ストリップを有し得る。反応性繊維ストリップの各々は、異なる空気成分に反応するように構成され得る。反応性繊維ストリップの各々は、フィルタ媒体とは異なる抵抗を有するように構成され得る。一部の実施形態では、反応性繊維ストリップの各々は、フィルタ媒体よりも低い電気抵抗を有し得る。
【0055】
第1の反応性繊維ストリップ、第2の反応性繊維ストリップ、および第3の反応性繊維ストリップを有する実施例では、こうした繊維ストリップは、第1の流れ面の表面積の6%~30%の範囲の表面積を有し得る。反応性繊維ストリップは、第1の流れ面の表面積の9%~24%の範囲の表面積を有し得る。反応性繊維ストリップは、第1の流れ面の表面積の12%~18%の範囲の表面積を有し得る。一実施例では、反応性繊維ストリップは、第1の流れ面の表面積の約12%または16%の表面積を有し得る。一実施例では、第1の反応性繊維ストリップは、第1の流れ面の表面積の約14%の表面積を有し得る。
【0056】
本技術と一致する濾過システムは、一般に、濾過のために、上述のフィルタ要素などの1つ以上のフィルタ要素を受容するように構成されている。濾過システムは、システムハウジングを有し得る。システムハウジングは、空気をフィルタ要素を通して方向付けて、空気を濾過するように構成されている。システムハウジングは、空気入口、空気出口、および空気入口から空気出口まで延在している気流経路を画定する。システムハウジングは、第1のフィルタ要素を受容するように構成された第1のフィルタレセプタクルを画定する。気流経路は、フィルタ要素がフィルタレセプタクル内に配置されると、気流経路がフィルタ要素を通って延在するように、第1のフィルタレセプタクルを通って延在している。気流経路は、第1のフィルタレセプタクルを通って空気入口から空気出口まで延在している。
【0057】
第1のフィルタレセプタクルは、気流経路に沿って流れる空気がフィルタ要素をバイパスすることを制限するように、フィルタ要素を密封可能に受容するように一般に構成されている。第1のフィルタレセプタクルは、気流経路にわたって延在し得る。第1のフィルタレセプタクルは、フィルタ要素の周りの気流を遮断するために、フィルタ要素の周辺部の周りのシールを受容するように構成された封止構造を有し得る。こうしたシールは、フィルタ要素とハウジングとの間に配置され得る。一部の実施形態では、上述のものなどのフィルタ要素は、第1のフィルタレセプタクル内に配置される。
【0058】
システムは、第1のフィルタレセプタクルと電気的に通信する、電極の第1の対を有し得る。電極の第1の対は、一般に、第1のフィルタレセプタクルにわたって第1の導電経路を画定するように構成されている。このように、電極の第1の対は、気流経路にわたって第1の導電経路を画定するように構成されている。第1のフィルタ要素が第1のフィルタレセプタクル内に配置されるときに、電極の第1の対は、第1のフィルタ要素を横切る第1の導電経路を画定する。第1のフィルタ要素の第1の反応性繊維ストリップは、第1のフィルタ要素が第1のフィルタレセプタクル内に配置されるときに、電極の第1の対と電気的に通信し得る。一部の実施形態では、電極の第1の対の1つの電極は、第1のフィルタレセプタクルに当接する。一部の実施形態では、電極の第1の対の各電極は、第1のフィルタレセプタクルに当接する。こうした実施形態では、電極の第1の対の各電極は、第1のフィルタ要素が第1のフィルタレセプタクル内に配置されるときに、第1のフィルタ要素と接触するように構成され得る。
【0059】
システムはまた、第1のフィルタレセプタクルと電気的に通信する、電極の第2の対を有し得る。電極の第2の対は、一般に、第1のフィルタレセプタクルにわたって第2の導電経路を画定するように構成されている。電極の第2の対は、一般に、気流経路にわたって第2の導電経路を画定するように構成されている。第1のフィルタ要素が第1のフィルタレセプタクル内に配置されるときに、電極の第2の対は、第1のフィルタ要素を横切る第2の導電経路を画定する。第2の反応性繊維ストリップは、第1のフィルタ要素が第1のフィルタレセプタクル内に配置されるときに、電極の第2の対と電気的に通信し得る。一部の実施形態では、電極の第2の対の1つの電極は、第1のフィルタレセプタクルに当接する。一部の実施形態では、電極の第2の対の各電極は、第1のフィルタレセプタクルに当接する。こうした実施形態では、電極の第2の対の各電極は、第1のフィルタ要素が第1のフィルタレセプタクル内に配置されるときに、第1のフィルタ要素と接触するように構成され得る。
【0060】
一部の実施形態では、システムハウジングは、第2のフィルタ要素を受容するように構成されている、第2のフィルタレセプタクルを画定する。第2のフィルタレセプタクルは、気流経路に沿って第1のフィルタレセプタクルの下流に画定され得る。他の実施形態では、第2のフィルタレセプタクルは、気流経路に沿って第1のフィルタレセプタクルの上流に画定され得る。第2のフィルタレセプタクルは、上記の第1のフィルタレセプタクルの説明と一致する方法で構成され得る。電極の1つ以上の対は、上述した電極の第1の対および電極の第2の対と同様に、第2のフィルタレセプタクルにわたって導電経路を画定するように構成され得る。第2のフィルタレセプタクルを含む一部の実施形態では、第2のフィルタ要素は、第2のフィルタレセプタクル内に配置され得る。第2のフィルタ要素は、上記の第1のフィルタ要素の考察と一致し得る。
【0061】
一部の実施形態では、システムハウジングは、液体リザーバを画定する。液体リザーバは、気流経路と蒸気連通するように構成されている。液体リザーバは、液体リザーバからの液体が気流経路内に蒸発することを可能にするように構成されている。有利なことに、液体リザーバは、濾過された空気への水分の導入を通して空気の空気品質を改善し得る。液体リザーバは、水または水溶液を受けるように構成され得る。一部の実施形態では、液体リザーバは、芳香を含む水溶液を受けるように構成されている。液体リザーバは、気流経路から実質的に離隔され得る。
【0062】
液体リザーバは、液体リザーバから気流経路内に延在するウィッキング材料を通じて気流経路と蒸気連通し得る。ウィッキング材料は、多孔性材料を含み得る。例えば、ウィッキング材料は、標準高保持材料(HRM)繊維系材料もしくはセラミック多孔性材料、またはそれらの組み合わせであってもよい。気流経路を通る気流は、ウィッキング材料上の液体の蒸発に寄与し得る。ウィッキング材料上の液体の蒸発は、気流経路の空気を保湿することをもたらし得る。一部のこうした実施形態では、ウィッキング材料は、気流経路におけるシステムハウジングの空気入口の下流にあってもよい。一部のこうした実施形態では、ウィッキング材料は、気流経路の第1のフィルタレセプタクルの下流にあってもよい。一部のこうした実施形態では、ウィッキング材料は、システムハウジングの空気出口に隣接し得る。
【0063】
一部の実施形態では、液体リザーバは、気流経路に隣接している液体リザーバによって画定される蒸発開口部を介して気流経路と蒸気連通し得る。一部の特定の実施形態では、気流経路は、液体リザーバの蒸発開口部にわたって延在して、気流経路への液体リザーバ内の液体の蒸発を促進するように構成されている。蒸発開口部は、気流経路に沿ってシステムハウジングの空気入口の下流にあってもよい。蒸発開口部は、気流経路に沿って第1のフィルタレセプタクルの下流にあってもよい。蒸発開口部は、気流経路に沿ってシステムハウジングの空気出口に隣接し得る。その他の構成が可能である。
【0064】
様々なシステムは、電極の第1の対および電極の第2の対と通信する、コントローラを有し得る。コントローラは、電極の関連する対に電圧を印加するように構成され得る。コントローラは、電極の第1の対を使用して第1のフィルタレセプタクルにわたって第1の電気的特性を、および電極の第2の対を使用して第1のフィルタレセプタクルにわたって第2の電気的特性を測定するように構成され得る。第1の電気的特性は、第2の電気的特性と同じタイプの電気的特性であってもよい。例えば、一部の実施形態では、第1の電気的特性および第2の電気的特性は各々、電気抵抗である。一部の他の実施形態では、第1の電気的特性は、第2の電気的特性とは異なるタイプの電気的特性であってもよい。例えば、第1の電気的特性は、電気抵抗であってもよく、第2の電気的特性は、電気静電容量であってもよい。
【0065】
様々な実施形態では、コントローラは、第1の電気的特性および第2の電気的特性に基づいてフィルタ要素の状態を決定するように構成され得る。コントローラは、第1の電気的特性を第1の点における特定のフィルタ要素の状態と相関させ、かつ第2の電気的特性を第2の点における特定のフィルタ要素の状態と相関させる、プロセッサおよびメモリを組み込み得る。例えば、第1の電気的特性は、フィルタ要素によって収集される第1の空気成分の量に相関し得る。第1の電気的特性は、第1の空気成分に対する残りのフィルタ要素容量に相関し得る。第2の電気的特性は、フィルタ要素によって収集される第2の空気成分の量に相関し得る。第2の電気的特性は、第2の空気成分に対する残りのフィルタ要素容量に相関し得る。コントローラは、フィルタ要素が特定の空気成分に対して容量に達した場合に、したがって、交換されるべき時を決定するように構成され得る。コントローラは、フィルタ要素が特定の空気成分に対して容量に近づいている場合に、したがって、すぐに交換されるべき時を決定するように構成され得る。
【0066】
コントローラは、経時的に濾過システムによって捕捉される特定の空気成分の量を決定するように構成され得る。コントローラは、第1の時間に第1の電気的特性を、そして第2の時間に第1の電気的特性を測定し、捕捉された第1の空気成分の量の変化を計算し得る。コントローラは、第1の時間に第2の電気的特性を、そして第2の時間に第2の電気的特性を測定し、捕捉された第2の空気成分の量の変化を計算し得る。一部の実施形態では、コントローラは、経時的に濾過システムによって捕捉される特定の空気成分の量の計算に基づいて、特定の空気成分に対してフィルタ要素がいつ置き換えられるべきかに関する予測を提供するように構成され得る。
【0067】
一部の実施形態では、コントローラによって収集されるデータは、空気品質の表示を提供し得る。コントローラは、収集されたデータの所定のデータまたは経験的データに対する比較に基づいて、経時的な空気品質を予測するように構成され得る。コントローラは、空気品質の偏差を検出し、空気品質の偏差が閾値に到達した場合に通知を提供し得る。
【0068】
一部の実施形態では、コントローラは、第1の電気的特性、第2の電気的特性、および媒体電気的特性のうちの1つが、特定の電気的特性に割り当てられた閾値に到達したときを決定するように構成され得る。閾値に到達した特定の電気的特性は、フィルタ要素が特定の空気成分に対して容量に近づいていることを示し得る。閾値に到達した特定の電気的特性は、フィルタ要素が特定の空気成分に対して容量に到達したことを示し得る。コントローラは、第1の電気的特性、第2の電気的特性、および媒体電気的特性のうちの2つ以上が各々、特定の電気的特性に割り当てられた閾値に到達したときを決定するように構成され得る。
【0069】
コントローラは、第1の電気的特性、第2の電気的特性、または媒体電気的特性が複数の閾値に到達しているかどうかを決定するように構成され得る。例えば、コントローラは、第1の電気的特性が、第1の電気的特性に割り当てられた警告閾値に到達したときを決定し得、また、第1の電気的特性が、第1の電気的特性に割り当てられた最大閾値に到達したときを決定し得る。警告閾値は、特定の空気成分に対する容量に近づいているフィルタ要素に対応し得る。最大閾値は、特定の空気成分に対する容量に到達するフィルタ要素に対応し得る。コントローラは、第1の電気的特性が第1の電気的特性に割り当てられた第1の警告閾値に到達したとき、および第2の電気的特性が第2の電気的特性に割り当てられた第2の警告閾値に到達したときを決定し得る。
【0070】
システムは、コントローラと通信するインターフェースを有し得る。インターフェースは、第1の電気的特性および第2の電気的特性に基づいてフィルタ要素の状態を報告するように構成され得る。インターフェースは、表示画面であってもよい。通信インターフェースは、ユーザ装置と通信するように構成された通信モジュールであってもよい。通信モジュールは、スマートフォン、ラップトップなどのユーザ装置に、またはインターネットなどのネットワークを介してユーザ装置によってアクセスされ得るデータベースにデータを送信するように構成され得る。通信モジュールは、データを無線で送信し得る。一部の実施形態では、インターフェースは、表示画面および通信モジュールを含み得る。
【0071】
一部の実施形態では、システムは、濾過に加えて、追加の空気精製機能を有し得る。一部の実施形態では、紫外線光源は、システムに組み込まれてもよい。UV光源は、システムハウジングに動作可能に結合され得る。一部の実施形態では、UV光源は、気流経路の光を放射するように位置付けられている。こうした構成は、有利には、気流経路内の微生物の成長を中和または制限し得る。UV光源は、UV-C光を放射し得る。UV光源は、240~290ナノメートル、より好ましくは、250~280ナノメートル、さらにより好ましくは、260~275ナノメートルの波長でUV光を放射し得る。
【0072】
UV光源は、液体リザーバ内の光を放射するように位置付けられてもよい。こうした構成は、有利には、液体リザーバ内の微生物の成長を中和または制限し得る。一部のこうした実施形態では、システムハウジングは、気流経路から液体リザーバを離隔する透明な壁を有してもよく、UV光源からの光は、透明な壁を通過し得る。UV光源は、第1のフィルタ要素上に光を放射するように位置付けられてもよい。こうした構成は、有利には、第1のフィルタ要素上の微生物の成長を中和または制限し得る。
【0073】
UV光源は、様々な異なる構成要素および構成要素の組み合わせであってもよい。実施形態では、UV光源は、UV電球、およびUV電球を通電するよう構成されたエネルギー源を含む。実施形態では、UV光源は、UV電球からのUV光を反射する、リフレクタを含む。リフレクタは、UV光を反射するように構成されたシステムハウジング内の1つ以上の表面であってもよい。リフレクタは、UV光が同一の電球から複数の方向に反射されるように、多面リフレクタであってもよい。リフレクタは、UV光を様々な方向に方向付けるための特定の結晶配向を有し得る。こうした構成は、有利には、単一の電球を使用して、UV光を複数の方向に方向付けることを可能にし得る。一部の実施形態では、多面リフレクタは、システムハウジングなどのシステムに対して移動可能であってもよい。一部のこうした実施形態では、多面リフレクタは、システムハウジングに対して回転可能であってもよい。こうした構成は、有利には、システムの様々な表面および構成要素にわたってUV曝露を分配し得る。こうした構成は、有利には、非回転可能な多面リフレクタと比較して、システムの様々な表面および構成要素にわたるUV露出を増加させ得る。
【0074】
本明細書に開示される技術はまた、部屋の空気を濾過する方法に関連する。空気は第1のフィルタ要素の第1の流れ面を通過し、それにより、第1の濾過された空気が得られ得る。第1のフィルタ要素は、媒体繊維組成を有するフィルタ媒体を有し得る。第1のフィルタ要素は、上記で詳細に説明されている。第1の時間における第1のフィルタ要素によって画定された第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性が、測定され得る。第1の反応性繊維ストリップは、第1のフィルタ要素の第1の流れ面にわたって延在する第1の複数の導電性繊維を有する、細長い領域であり得る。第1の反応性繊維ストリップについて、上記で詳細に論じた。方法は、第1の時間に、第1のフィルタ要素によって画定された第2の反応性繊維ストリップの第2の電気的特性を測定することを含み得る。第2の反応性繊維ストリップは、第1のフィルタ要素の第1の流れ面にわたって延在する第2の複数の導電性繊維を有する、細長い領域であり得る。上述のように、第1の複数の導電性繊維および第2の複数の導電性繊維は、媒体繊維組成とは異なる繊維組成を有し得る。方法は、第1の電気的特性に関連する第1のフィルタ要素の状態を報告することを含み得る。第1のフィルタ要素の状態は、上述したコントローラによって決定され得る。第1のフィルタ要素の状態は、また上述したインターフェースによって報告され得る。
【0075】
下記に、非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴の任意の1つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の1つ以上の特徴と組み合わされ得る。
【0076】
実施例Ex1 フィルタ要素であって、(i)媒体繊維組成を含む、フィルタ媒体であって、フィルタ媒体が、流れ面、および流れ面の周りの外周部を画定し、外周部が、第1の縁部、および第1の縁部に対向する第2の縁部を備える、フィルタ媒体と、(ii)第1の縁部から第2の縁部まで延在している、第1の反応性繊維ストリップであって、第1の反応性繊維ストリップが、媒体繊維組成とは異なる、第1の繊維組成を含み、第1の反応性繊維ストリップが、第1の空気成分への曝露に基づいて変化する、第1の電気的特性を有し、第1の電気的特性が、媒体電気的特性と一般に等しくなく、第1の電気的特性および媒体電気的特性が、同じタイプの電気的特性である、第1の反応性繊維ストリップと、を備える、フィルタ要素。
【0077】
実施例Ex2 第1の反応性繊維ストリップが、二酸化炭素を吸収するように構成されており、第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性が、二酸化炭素への曝露に基づいて変化する、実施例Ex1に記載のフィルタ要素。
【0078】
実施例Ex3 第1の電気的特性が、抵抗率である、実施例Ex1またはEx2に記載のフィルタ要素。
【0079】
実施例Ex4 第1の電気的特性が、静電容量である、実施例Ex1またはEx2に記載のフィルタ要素。
【0080】
実施例Ex5 第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性が、一酸化炭素への曝露に基づいて変化する、実施例Ex1、Ex3、またはEx4に記載のフィルタ要素。
【0081】
実施例Ex6 第1の電気的特性が、第1の反応性繊維ストリップ上のダスト負荷に基づいて変化する、実施例Ex1~Ex6のいずれか1つに記載のフィルタ要素。
【0082】
実施例Ex7 第1の反応性繊維ストリップが、導電性炭素繊維をさらに含む、実施例Ex1~Ex7のいずれか1つに記載のフィルタ要素。
【0083】
実施例Ex8 導電性炭素繊維が、カーボンナノチューブを含む、実施例Ex7に記載のフィルタ要素。
【0084】
実施例Ex9 導電性炭素繊維が、グラフェンを含む、実施例Ex7に記載のフィルタ要素。
【0085】
実施例Ex10 導電性炭素繊維が、ゼオライト系イミダゾレートフレームワークを含浸している、実施例Ex7~Ex9のいずれか1つに記載のフィルタ要素。
【0086】
実施例Ex11 導電性炭素繊維が、グルコースおよびペプトンを含浸している、実施例Ex7~Ex10のいずれか1つに記載のフィルタ要素。
【0087】
実施例Ex12 第1の反応性繊維ストリップが、有機繊維を含む、実施例Ex1~Ex11に記載のフィルタ要素。
【0088】
実施例Ex13 第1の反応性繊維ストリップが、綿繊維を含む、実施例Ex1~Ex12のいずれか1つに記載のフィルタ要素。
【0089】
実施例Ex14 第1の反応性繊維ストリップが、ポリマーテープを含む、実施例Ex1~Ex11のいずれか1つに記載のフィルタ要素。
【0090】
実施例Ex15 第1の反応性繊維ストリップが、Sn1-xFexOyのコーティングを含む、実施例Ex1~Ex11のいずれか1つに記載のフィルタ要素。
【0091】
実施例Ex16 第1の縁部から第2の縁部まで延在する第2の反応性繊維ストリップをさらに備え、第2の反応性繊維ストリップが、媒体繊維組成および第1の繊維組成とは異なる、第2の繊維組成を含み、第2の反応性繊維ストリップが、第1の空気成分とは異なる第2の空気成分への曝露に基づいて変化する、第2の電気的特性を有する、実施例Ex1~Ex15のいずれか1つに記載のフィルタ要素。
【0092】
実施例Ex17 第2の反応性繊維ストリップの第2の電気的特性が、媒体電気的特性と一般に等しくなく、第2の電気的特性および媒体電気的特性が、同じタイプの電気的特性である、実施例Ex16に記載のフィルタ要素。
【0093】
実施例Ex18 フィルタ媒体が、第1の反応性繊維ストリップおよび第2の反応性繊維ストリップを分離する、実施例Ex16またはEx17に記載のフィルタ要素。
【0094】
実施例Ex19 第1の縁部から第2の縁部まで延在する第3の反応性繊維ストリップをさらに備え、第3の反応性繊維ストリップが、媒体繊維組成、第1の繊維組成、および第2の繊維組成の各々とは異なる、第3の繊維組成を含み、第3の反応性繊維ストリップが、第1の空気成分、および第2の空気成分の各々とは異なる第3の空気成分への曝露に基づいて変化する、第3の電気的特性を有する、実施例Ex16~Ex18のうちのいずれか1つに記載のフィルタ要素。
【0095】
実施例Ex20 第3の反応性繊維ストリップの第3の電気的特性が、媒体電気的特性と一般に等しくなく、媒体電気的特性および第3の電気的特性が、同じタイプの電気的特性である、実施例Ex19に記載のフィルタ要素。
【0096】
実施例Ex21 フィルタ媒体が、第3の反応性繊維ストリップおよび第1の反応性繊維ストリップを分離し、フィルタ媒体が、第3の反応性繊維ストリップおよび第2の反応性繊維ストリップを分離する、実施例Ex19またはEx20に記載のフィルタ要素。
【0097】
実施例Ex22 濾過システムであって、(i)空気入口、空気出口、第1のフィルタ要素を受容するように構成された第1のフィルタレセプタクル、および第1のフィルタレセプタクルを通って空気入口から空気出口まで延在する気流経路を画定する、システムハウジングと、(ii)第1のフィルタレセプタクルと電気的に通信する電極の第1の対であって、電極の第1の対が、第1のフィルタレセプタクルにわたって第1の導電経路を画定するように構成されている、電極の第1の対と、(iii)第1のフィルタレセプタクルと電気的に通信する電極の第2の対であって、電極の第2の対が、第1のフィルタレセプタクルにわたって第2の導電経路を画定するように構成されている、電極の第2の対と、(iii)電極の第1の対および電極の第2の対と通信する、コントローラであって、コントローラが、電極の第1の対を使用して第1のフィルタレセプタクルにわたって第1の電気的特性を、および電極の第2の対を使用して第1のフィルタレセプタクルにわたって第2の電気的特性を測定するように構成されている、コントローラと、(iv)コントローラと通信するインターフェースであって、インターフェースが、第1の電気的特性および第2の電気的特性に基づいてフィルタ要素の状態を報告するように構成されている、インターフェースと、を備える、濾過システム。
【0098】
実施例Ex23 第1のフィルタレセプタクル内に配置されている、第1のフィルタ要素と、を備え、第1のフィルタ要素が、(i)第1の媒体繊維組成を有する、第1のフィルタ媒体であって、第1のフィルタ媒体が、流れ面、および流れ面の周りの外周部を画定し、外周部が、第1の縁部、および第1の縁部に対向する第2の縁部を備える、第1のフィルタ媒体と、(ii)第1の媒体繊維組成とは異なる第1の繊維組成を有する、第1の反応性繊維ストリップであって、第1のフィルタ要素の第1の反応性繊維ストリップが、電極の第1の対と電気的に通信し、第1の反応性繊維ストリップが、第1の空気成分への曝露に基づいて変化する、第1の電気的特性を有する、第1の反応性繊維ストリップと、を備える、実施例Ex22に記載の濾過システム。
【0099】
実施例Ex24 第1のフィルタ媒体が、媒体電気的特性を有し、第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性が、媒体電気的特性と一般に等しくなく、第1の電気的特性および媒体電気的特性が、同じタイプの電気的特性である、実施例Ex23に記載の濾過システム。
【0100】
実施例Ex25 第1の縁部から第2の縁部まで延在する第2の反応性繊維ストリップをさらに備え、第2の反応性繊維ストリップが、媒体繊維組成および第1の繊維組成とは異なる、第2の繊維組成を含み、第2の反応性繊維ストリップが、電極の第2の対と電気的に通信し、第2の反応性繊維ストリップが、第1の空気成分とは異なる第2の空気成分への曝露に基づいて変化する、第2の電気的特性を有する、実施例Ex23またはEx24に記載の濾過システム。
【0101】
実施例Ex26 第1のフィルタ媒体が、媒体電気的特性を有し、第2の反応性繊維ストリップの第2の電気的特性が、媒体電気的特性と一般に等しくなく、第2の電気的特性および媒体電気的特性が、同じタイプの電気的特性である、実施例Ex25に記載の濾過システム。
【0102】
実施例Ex27 第1のフィルタ媒体が、第1の反応性繊維ストリップ、および第2の反応性繊維ストリップを分離する、実施例Ex25またはEx26に記載の濾過システム。
【0103】
実施例Ex28 システムハウジングが、第2のフィルタ要素を受容するように構成された第2のフィルタレセプタクルをさらに画定する、実施例Ex22~Ex27のいずれか1つに記載の濾過システム。
【0104】
実施例Ex29 第2のフィルタレセプタクル内に配置されている、第2のフィルタ要素をさらに備え、第2のフィルタ要素が、気流経路にわたって配置された第2のフィルタ媒体を備え、第2のフィルタ要素が、第1のフィルタ要素の下流に位置付けられている、実施例Ex28に記載の濾過システム。
【0105】
実施例Ex30 気流経路が、空気入口から空気出口までの経路長さを有し、気流経路が、経路長さに沿って断面流れ区域を有し、断面流れ区域が、空気入口と空気出口との間で減少および増加する、実施例Ex22~Ex29のいずれか1つに記載の濾過システム。
【0106】
実施例Ex31 システムハウジングが、気流経路と蒸気連通する液体リザーバを画定する、実施例Ex22~Ex30のいずれか1つに記載の濾過システム。
【0107】
実施例Ex32 システムハウジングに動作可能に結合された紫外線(UV)光源をさらに備え、UV光源が、気流経路内に光を放射するように位置付けられている、実施例Ex22~Ex31のいずれか1つに記載の濾過システム。
【0108】
実施例Ex33 システムハウジングに動作可能に結合された紫外線(UV)光源をさらに備え、UV光源が、液体リザーバ内に光を放射するように位置付けられている、実施例Ex32に記載の濾過システム。
【0109】
実施例Ex34 システムハウジングに動作可能に結合された紫外線(UV)光源をさらに備え、UV光源が、第1のフィルタ要素上に光を放射するように位置付けられている、実施例Ex22に記載の濾過システム。
【0110】
実施例Ex35 UV光源が、多面リフレクタを備える、実施例Ex32~Ex34のいずれか1つに記載の濾過システム。
【0111】
実施例Ex36 多面リフレクタが、システムハウジングに対して移動可能である、実施例Ex35に記載の濾過システム。
【0112】
実施例Ex37 システムハウジングが、気流経路から液体リザーバを離隔する透明な壁を備え、UV光源からの光が、透明な壁を通過するように構成されている、実施例Ex32~Ex36のいずれか1つに記載の濾過システム。
【0113】
実施例Ex38 部屋の空気を濾過する方法であって、(i)第1のフィルタ要素の第1の流れ面を通して空気を通過させて、第1の濾過された空気を得ることであって、第1のフィルタ要素が、媒体繊維組成を有するファイラー媒体を含む、得ることと、(ii)第1の時間に、第1のフィルタ要素によって画定された第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性を測定することであって、第1の反応性繊維ストリップが、第1のフィルタ要素の第1の流れ面にわたって延在する第1の複数の導電性繊維を含む、細長い領域である、測定することと、(iii)第1の時間に、第1のフィルタ要素によって画定された第2の反応性繊維ストリップの第2の電気的特性を測定することであって、第2の反応性繊維ストリップが、第1のフィルタ要素の第1の流れ面にわたって延在する第2の複数の導電性繊維を含む、細長い領域であり、第1の複数の導電性繊維および第2の複数の導電性繊維が、媒体繊維組成とは異なる繊維組成を有する、測定することと、を含む、方法。
【0114】
実施例Ex39 第1の電気的特性に関連する第1のフィルタ要素の状態を報告することをさらに含む、実施例Ex38に記載の方法。
【0115】
実施例Ex40 第1のフィルタ要素の状態を報告することが、ユーザインターフェース上にデータを表示することを含む、実施例Ex39に記載の方法。
【0116】
実施例Ex41 第1のフィルタ要素の状態を報告することが、データを無線で送信することを含む、実施例Ex39に記載の方法。
【0117】
実施例Ex42 第2の時間に、第1のフィルタ要素によって画定された第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性を測定することをさらに含み、第1の時間における第1の電気的特性が、第2の時間における第1の電気的特性と等しくない、実施例Ex38~Ex41のいずれか1つに記載の濾過する方法。
【0118】
実施例Ex43 第1の濾過された空気をUV光に曝露することをさらに含む、実施例Ex38~Ex42のいずれか1つに記載の濾過する方法。
【0119】
実施例Ex44 多面リフレクタによってUV光を反射することをさらに含む、実施例Ex43に記載の濾過する方法。
【0120】
実施例Ex45 第1の濾過された空気を湿度源上に通過させることをさらに含む、実施例Ex38~Ex44のいずれか1つに記載の濾過する方法。
【0121】
実施例Ex46 湿度源が、水リザーバである、実施例Ex45に記載の濾過する方法。
【0122】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【
図1】実施形態と一致する例示的なフィルタ要素である。
【
図3】例示的なフィルタシステムの別の断面図である。
【
図4】例示的なフィルタシステムの別の断面図である。
【0124】
図1は、フィルタ要素2の実施例を示している。フィルタ要素2は、一般に空気を濾過するように構成されている。フィルタ要素2は、フィルタ要素2を通過する空気を濾過するように構成されたフィルタ媒体24を有する。フィルタ媒体は、流れ面10、および流れ面の周りの外周部11を画定する。外周部11は、第1の縁部12および第2の縁部13を有し、ここで、第2の縁部13は、第1の縁部12に対向している。一部の実施形態では、フィルタ媒体は、媒体繊維組成を有する。媒体繊維組成は、セルロース、高分子、ガラス、ならびに他のタイプの繊維および繊維の組み合わせを含み得る。一部の実施形態では、フィルタ媒体は、粒子状物質から構築され得る。フィルタ媒体は、異なるフィルタ媒体の層から構築され得る。フィルタ媒体は、一般に、媒体電気的特性を含む様々な固有特性を有する。
【0125】
フィルタ要素は、第1の媒体繊維組成とは異なる第1の繊維組成を有する、第1の反応性繊維ストリップ21を有する。第1の反応性繊維ストリップ21は、フィルタ媒体24の第1の縁部12から第2の縁部13まで延在している。第1の反応性繊維ストリップ21は、フィルタ媒体24の流れ面10にわたって延在している。第1の反応性繊維ストリップ21は、第1の空気成分への曝露に基づいて変化する、第1の電気的特性を有し得る。第1の反応性繊維ストリップの第1の電気的特性は、上記で詳細に論じた、フィルタ媒体の同じタイプの電気的特性と等しくない場合がある。この実施例では、フィルタ要素2は、第2の反応性繊維ストリップ22を有する。第2の反応性繊維ストリップ22は、フィルタ媒体の第1の縁部12から第2の縁部13まで延在している。第2の反応性繊維ストリップ22は、媒体繊維組成とは異なる第2の繊維組成を有する。第2の反応性繊維ストリップ22は、第1の反応性繊維ストリップ21の第1の繊維組成とは異なる第2の繊維組成を有する。しかしながら、第2の反応性繊維ストリップ22は、第1の反応性繊維ストリップの構築に関する上記の説明と一致する様式で構築され得る。第2の反応性繊維ストリップ22は、第1の空気成分とは異なる第2の空気成分への曝露に基づいて変化する、第2の電気的特性を有する。こうした構成は、有利には、第1の反応性繊維ストリップ21によって検出されるように構成された第1の空気成分とは異なる、第2の空気成分の検出を可能にする。
【0126】
第2の反応性繊維ストリップ22の第2の電気的特性は、一般に、フィルタ媒体24の対応する電気的特性(同じタイプの電気的特性)と等しくない。例えば、第2の反応性繊維ストリップ22の電気抵抗は、第1の反応性繊維ストリップ21を参照して上述したものと類似した、フィルタ媒体24の電気抵抗よりも小さいなど、そのフィルタ媒体の電気抵抗と等しくない場合がある。第1のフィルタ媒体24は、第1の反応性繊維ストリップ21および第2の反応性繊維ストリップ22を分離する。こうした構成は、有利には、反応性繊維ストリップのうちの1つの電気的特性を測定する際に、第1の反応性繊維ストリップ21と第2の反応性繊維ストリップ22との間の電気的干渉を防止し得る。
【0127】
ここで、フィルタ要素は、第3の反応性繊維ストリップ23を有する。第3の反応性繊維ストリップ23は、第1の空気成分および第2の空気成分とは異なる、第3の空気成分への曝露に基づいて変化する、第3の電気的特性を有する。こうした構成は、有利には、第1の反応性繊維ストリップ21によって検出されるように構成された第1の空気成分とは異なる、第3の空気成分の検出を可能にし得る。こうした構成は、有利には、第2の反応性繊維ストリップ22によって検出されるように構成された第2の空気成分とは異なる、第3の空気成分の検出を可能にし得る。
【0128】
第3の反応性繊維ストリップ23の第3の電気的特性は、一般に、フィルタ媒体24の対応する電気的特性(同じタイプの電気的特性)と等しくない。例えば、第3の反応性繊維ストリップ23の電気抵抗は、第1の反応性繊維ストリップ21を参照して上述したものと類似した、フィルタ媒体24の電気抵抗よりも小さいなど、そのフィルタ媒体の電気抵抗と等しくない場合がある。フィルタ媒体24は、第2の反応性繊維ストリップ22および第3の反応性繊維ストリップ23を分離する。上述したように、本技術と一致するフィルタ要素は、追加の反応性繊維ストリップを有し得る。一部の実施形態では、第3の反応性繊維ストリップ23は、省略され得る。反応性繊維ストリップの各々は、異なる空気成分に反応するように構成され得る。反応性繊維ストリップ21、22、23の各々は、フィルタ媒体とは異なる抵抗を有するように構成され得る。一部の実施形態では、反応性繊維ストリップの各々は、フィルタ媒体よりも低い電気抵抗を有し得る。
【0129】
一実施例では、フィルタ媒体24の流れ面10は、約475.0mmの幅、約490.1mmの高さ、および約232,787mm2の区域を有し得る。第1の反応性繊維ストリップ21は、流れ面10の約4%の表面積を有し得る。第2の反応性繊維ストリップ22は、流れ面10の約4%の表面積を有し得る。第3の反応性繊維ストリップ23は、流れ面10の約6%の表面積を有し得る。第1の反応性繊維ストリップ21、第2の反応性繊維ストリップ22、および第3の反応性繊維ストリップ23の組み合わせは、流れ面10の表面積の約14%の表面積を有し得る。
【0130】
図2は、実施形態と一致する例示的なシステム1の断面図を示している。システム1は、一般に空気を濾過するよう構成されている濾過システムである。システム1は、
図1の例示的なフィルタ要素などの第1のフィルタ要素を受容するように構成されている。濾過システム1は、システムハウジング70を有する。システムハウジング70は、空気をフィルタ要素を通して方向付けて、空気を濾過するように構成されている。
【0131】
システムハウジング70は、第1のフィルタ要素を受容するように構成された第1のフィルタレセプタクル17を画定する。第1のフィルタレセプタクルは、気流経路の一部分を画定し、これは、
図3を参照して以下で論じられるであろう。第1のフィルタレセプタクル17は、フィルタ要素の周りの気流を遮断するために、フィルタ要素の周辺部の周りのシールを受容するように構成された封止構造を有し得る。こうしたシールは、フィルタ要素とハウジング70との間に配置され得る。一部の実施形態では、上述のものなどのフィルタ要素は、第1のフィルタレセプタクル17内に配置される。
【0132】
システムは、第1のフィルタレセプタクル17と電気的に通信する、電極の第1の対71を有する。電極の第1の対71は、一般に、第1のフィルタレセプタクル17にわたって第1の導電経路を画定するように構成されている。このように、電極の第1の対71は、気流経路にわたって第1の導電経路を画定するように構成されている。フィルタ要素が、
図1のフィルタ要素などの第1のフィルタレセプタクル17内に配置されるときに、電極の第1の対は、第1のフィルタ要素2を横切る第1の導電経路を画定する。第1のフィルタ要素2の第1の反応性繊維ストリップ21は、第1のフィルタ要素2が第1のフィルタレセプタクル17内に配置されるときに、電極の第1の対71と電気的に通信するように構成されている。
【0133】
システムは、第1のフィルタレセプタクル17と電気的に通信する電極の第2の対72を有する。電極の第2の対72は、一般に、第1のフィルタレセプタクル17にわたって第2の導電経路を画定するように構成されている。電極の第2の対72は、一般に、気流経路にわたって第2の導電経路を画定するように構成されている。フィルタ要素2(
図1を参照して記載したものなど)が第1のフィルタレセプタクル17内に配置される場合、電極の第2の対72は、第1のフィルタ要素2を横切る第2の導電経路を画定する。第2の反応性繊維ストリップ22は、第1のフィルタ要素2が第1のフィルタレセプタクル17内に配置されるときに、電極の第2の対72と電気的に通信し得る。
【0134】
システムは、第1のフィルタレセプタクル17と電気的に通信する電極の第3の対73を有する。電極の第3の対73は、一般に、第1のフィルタレセプタクル17にわたって第3の導電経路を画定するように構成されている。電極の第3の対73は、一般に、気流経路にわたって第3の導電経路を画定するように構成されている。フィルタ要素2(
図1を参照して記載したものなど)が第1のフィルタレセプタクル17内に配置される場合、電極の第3の対73は、第1のフィルタ要素2を横切る第3の導電経路を画定する。第3の反応性繊維ストリップ23は、第1のフィルタ要素2が第1のフィルタレセプタクル17内に配置されるときに、電極の第3の対73と電気的に通信するように構成されている。
【0135】
目下の実施例では、システム1は、液体リザーバ26を有する。液体リザーバ26は、水または水溶液などの液体を受けるように構成されている。液体リザーバ26は、一般に、気流経路から離隔されており、これについては、
図3を参照して以下でより詳細に説明されるであろう。
【0136】
図3は、例示的なフィルタシステムの別の断面図である。システムは、
図2を参照して上記で論じたシステムと一致し得る。特に、
図3に示す断面は、
図2に見られる断面に対して垂直であり得る。
【0137】
濾過システム1は、システムハウジング70を有する。システムハウジング70は、空気をフィルタ要素を通して方向付けて、空気を濾過するように構成されている。システムハウジング70は、空気入口40、空気出口41、および空気入口40から空気出口41まで延在している気流経路43を画定する。システムハウジング70は、第1のフィルタ要素を受容するように構成された第1のフィルタレセプタクル17を画定する。気流経路43は、フィルタ要素がフィルタレセプタクル内に配置されると、気流経路43がフィルタ要素を通って延在するように、第1のフィルタレセプタクル17を通って延在している。気流経路43は、第1のフィルタレセプタクル17を通って空気入口40から空気出口41まで延在している。目下の実施例では、空気入口40および空気出口41、または空気入口40および空気出口41の両方は、スクリーン構造によって画定され得る。ファン14は、気流経路43に流体流を生成するように構成されている、ハウジングに結合される。
【0138】
第1のフィルタレセプタクル17は、気流経路43に沿って流れる空気がフィルタ要素をバイパスすることを制限するように、
図1を参照して上述したフィルタ要素2などの第1のフィルタ要素を受容するように一般に構成されている。第1のフィルタレセプタクル17は、気流経路43にわたって延在し得る。一部の実施形態では、フィルタ要素2は、第1のフィルタレセプタクル17内に配置される。システム1は、電極の対を有し得るが、これらは、現在は見えないが、
図2を参照して見られ、かつ上記で説明されている。
【0139】
この実施例では、システム1は、濾過のために2つのフィルタ要素を受容するように構成されている。このように、システムハウジング70は、第2のフィルタ要素を受容するように構成されている、第2のフィルタレセプタクル18を画定する。第2のフィルタレセプタクル18は、気流経路43に沿って第1のフィルタレセプタクル17の下流に画定され得る。第2のフィルタレセプタクル18は、上記の第1のフィルタレセプタクル17の説明と一致して構成され得る。電極の1つ以上の対は、
図2を参照して上述した電極の第1の対および電極の第2の対と同様に、第2のフィルタレセプタクル18にわたって導電経路を画定するように構成され得る。第2のフィルタレセプタクル18を含む一部の実施形態では、第2のフィルタ要素は、第2のフィルタレセプタクル18内に配置され得る。第2のフィルタ要素は、
図1を参照して上述したフィルタ要素の構造、材料、および特性と一致する構造、材料、および特性を有し得る。
【0140】
システムハウジング70は、液体リザーバ26を画定する。液体リザーバ26は、気流経路43と蒸気連通するように構成されている。液体リザーバ26は、液体リザーバ26からの液体が気流経路43内に蒸発することを可能にするように構成されている。有利なことに、液体リザーバ26は、濾過された空気への水分の導入を通して空気の空気品質を改善し得る。液体リザーバ26は、水または水溶液を受けるように構成され得る。一部の実施形態では、液体リザーバ26は、芳香を含む水溶液を受けるように構成されている。液体リザーバ26は、気流経路43から実質的に離隔され得る。
【0141】
この実施例では、液体リザーバ26は、液体リザーバ26から気流経路43内に延在するウィッキング材料20を通して気流経路43と蒸気連通する。気流経路43を通る気流は、ウィッキング材料20上の液体の蒸発に寄与してもよく、これは、気流経路43内の空気を保湿することをもたらし得る。この実施例では、ウィッキング材料20は、空気入口40、第1のフィルタレセプタクル17、および第2のフィルタレセプタクル18の下流にあるが、他の構成が予期されている。ウィッキング材料20は、システムハウジング70の空気出口41に隣接している。
【0142】
様々なシステムは、
図2を参照して上述した電極の対と通信するコントローラ19を有し得る。コントローラ19は、関連する電極の対にわたって電圧を印加し、フィルタレセプタクルにわたって対応する電気的特性を測定するように構成され得る。電気的特性によって、コントローラは、上記で詳細に論じたように、フィルタ要素の状態を決定することが可能になり得る。現在は見えないが、システム1は、コントローラ19と通信するインターフェース28を有し得る。インターフェース28は、上記で詳細に説明した第1の電気的特性および第2の電気的特性に基づいてフィルタ要素の状態を報告するように構成され得る。
【0143】
ここで、システム1は、システムに組み込まれた紫外線光源15を有する。UV光源15は、システムハウジング70に動作可能に結合されている。この実施例では、UV光源15は、2つのUV電球を有する。UV光源15は、気流経路43内の光を放射するように位置付けられている。こうした構成は、有利には、気流経路43内の微生物の成長を中和または制限し得る。ここで、UV光源15は、液体リザーバ26内の光を放射するように位置付けられている。こうした構成は、有利には、液体リザーバ26内の微生物の成長を中和または制限し得る。目下の実施例では、UV光源は、気流経路43と液体リザーバ26との間でハウジング70に結合されている。システムハウジング70は、UV光源15から液体リザーバ26を離隔する透明な壁27を有する。UV光源15からの光は、透明な壁27を通過するように構成されている。この実施例では、UV光源15はまた、第1のフィルタレセプタクル17、したがって、第1のフィルタレセプタクル17内に配置される第1のフィルタ要素内に光を放射するように位置付けられている。この実施例では、UV光源15はまた、第2のフィルタレセプタクル18、したがって、第2のフィルタレセプタクル18内に配置される第2のフィルタ要素内に光を放射するように位置付けられている。こうした構成は、有利には、関連するフィルタ要素上の微生物の成長を中和または制限し得る。
【0144】
言及したように、ここで、UV光源15は、システムによって通電されるように構成された2つのUV電球を含む。実施形態では、UV光源15は、UV電球からのUV光を反射するリフレクタを含み、これについては、
図4を参照して以下で説明されるであろう。
【0145】
図4は、実施形態と一致する別のシステム50の断面図を示している。システム50は、ここで液体リザーバ26が気流経路とUV光源4との間に位置付けられていることを除いて、
図2および
図3を参照して上述したシステムと類似している。透明な壁5は、UV光が、UV光源4から、液体リザーバ26を通って、透明な壁5を通って、かつ気流経路43内に延在するように、液体リザーバ26と気流経路43との間に位置付けられている。また、目下の実施例では、ここで、UV光源は、UV光を反射するように構成されたシステムハウジング70内の1つ以上の表面によって画定されている、リフレクタ6を含む。リフレクタ6は、UV光を追加の方向に反射するように構成されている。こうした構成は、有利には、単一の電球を使用して、UV光を複数の方向に方向付けることを可能にし得る。
【0146】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、用語「ちょうど」または「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。「約」の文脈において、数Aは、A±Aの5%以下と一般的に理解される。例えば、数Aは、A±Aの3%以下、例えば、A±Aの2%以下など、であってもよい。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むとみなされ得る。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の事例において、それによってAが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙される割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示される最大点および最小点を含み、それらの任意の中間範囲を含み、それらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。
【国際調査報告】