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特表2023-514522飛行船のグランドクリアランスを制御するための装置、およびそのような装置を統合する飛行船のためのドッキングステーション
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  • 特表-飛行船のグランドクリアランスを制御するための装置、およびそのような装置を統合する飛行船のためのドッキングステーション 図1
  • 特表-飛行船のグランドクリアランスを制御するための装置、およびそのような装置を統合する飛行船のためのドッキングステーション 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-06
(54)【発明の名称】飛行船のグランドクリアランスを制御するための装置、およびそのような装置を統合する飛行船のためのドッキングステーション
(51)【国際特許分類】
   B64F 1/14 20060101AFI20230330BHJP
【FI】
B64F1/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546672
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(85)【翻訳文提出日】2022-09-02
(86)【国際出願番号】 FR2021050175
(87)【国際公開番号】W WO2021152275
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】2001000
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520164518
【氏名又は名称】フライング・ホエールズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】オーリク,ヨヴァン
(72)【発明者】
【氏名】デュル,テオ
(57)【要約】
2つの側方係留点(212)を備えた飛行船(200)のグランドクリアランスを制御するための装置(500)であって、前記制御装置は、重り(504)が固定されるフレーム(502)と、2つの剛性アーム(506)であって、アームのそれぞれが、フレーム上に連接される近位端と呼ばれる1つの端部と、遠位端と呼ばれる1つの端部とを有する、剛性アーム(506)と、前記遠位端に関連する飛行船の前記側方係留端部と各遠位端とが接触している保持位置と、飛行船と装置との間に接触がないロック解除位置と呼ばれる位置との間で、各アームの遠位端を移動させるための手段と、前記保持位置において、それぞれのアームのそれぞれの遠位端を、関連するそれぞれの側方係留点に取り外し可能に固定するための手段とを備えた装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの側方係留点(212)を備えた飛行船(200)のグランドクリアランスを制御するための装置(500)であって、前記制御装置は、
接地接続インターフェースを備えており、重り(504)が固定されるフレーム(502)と、
2つの剛性アーム(506)であって、アームのそれぞれが、前記フレーム上に連接されるいわゆる近位端と、いわゆる遠位端とを有する、剛性アーム(506)と、
前記遠位端に関連する飛行船の前記側方係留端部のうちの1つと各遠位端とが接触している保持位置と呼ばれる位置と、前記飛行船と前記装置との間に接触がないロック解除位置と呼ばれる位置との間で、各アームの前記遠位端を移動させるための手段と、
前記保持位置において、それぞれのアームのそれぞれの前記遠位端を、関連するそれぞれの前記側方係留点に取り外し可能に固定するための手段と、
を備え、
前記接地接続インターフェースが、前記フレーム上に取り付けられてその方位を変更することができる車輪(512)を備えることを特徴とする、装置(500)。
【請求項2】
前記フレームに取り付けられた前記車輪(512)は、アイドラーホイールであることを特徴とする、請求項1に記載の装置(500)。
【請求項3】
前記フレームに取り付けられた前記車輪(512)は、その方位が制御可能な車輪であることを特徴とする、請求項1に記載の装置(500)。
【請求項4】
関連する前記側方係留具に近づくようにアームの遠位端(506s、508s)を移動させるための手段が、
前記飛行船内にて関連する前記側方係留具に配置されたウィンチと、前記ウィンチ上に巻かれたロープであって、関連する前記側方係留具および前記遠位端を通過するロープとを有することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の装置(500)。
【請求項5】
前記アーム(506、508)のそれぞれは、
A形状の側方分岐を形成し、頂点(506s、508s)において互いに接続され、Aの水平分岐を形成する第3のビーム(506c、508c)によって互いに接続された、2つの主ビーム(506a、506b)によって形成されたA形状の構成を有し、
アームの2つの近位端(506p1、506p2、508p1、508p2)は、Aの2つの前記側方分岐の底部に配置され、前記フレーム(502)上に連接され、
前記アームの前記遠位端はAの前記頂点に配置され、
それによって、両近位端から形成される方向に前記フレーム上の前記アームの回転軸を規定することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の装置(500)。
【請求項6】
前記アームのそれぞれ(506、508)の前記第3のビーム(506c、508c)には車輪(506r、508r)が備えられていることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の装置(500)。
【請求項7】
テーパ状係留点(206)および2つの側方係留点(212)を備えた飛行船(200)のためのドッキングステーション(300)であって、
前記飛行船の前記テーパ状係留具を受け入れるようにまたはそれに係留されるように配置されたレシーバを備えた係留マスト(400)と、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のクリアランス制御装置(500)であって、装置の前記アームのそれぞれにおける前記遠位端は、2つの側方係留点のそれぞれに取り外し可能に固定されるように配置される、クリアランス制御装置(500)と、
を備えることを特徴とする、ドッキングステーション(300)。
【請求項8】
本発明による前記装置は、前記飛行船の前記テーパ状係留具が前記係留マストの前記レシーバ内に受け入れられたときであって、前記遠位端のそれぞれが前記飛行船の前記側方係留点に固定されたときに、前記係留マストの周りに円弧を描くように配置された接地接続インターフェースを備えることを特徴とする、請求項7に記載のドッキングステーション。
【請求項9】
請求項7または8に記載のドッキングステーションを動作させて、テーパ状の係留点および2つの側方係留点を備えた飛行船を現場で安全に係留するための方法であって、
前記飛行船の前記船首を、前記マストの周りで前記飛行船の回転の自由をもって前記ステーションの前記マストに係留する工程と、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のクリアランス制御装置を、既に係留されている前記飛行船の前記尾部の下に位置付けるように電動移動させる工程と、
前記側方係留点に到達するまで両アームを配置する工程と、
2つの前記アームの前記遠位端をそれぞれの前記係留点に固定する工程と、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項10】
前記アームを配置する工程の前に、各アームの遠位端に固定されるように1つの自由端が備えられたケーブルを各側方係留点からほどく工程をさらに含み、
前記配置する工程は、2つのアームのそれぞれの前記遠位端がそれぞれの前記側方係留点に機械的に係合するまで、前記ケーブルを巻く工程を含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記飛行船の前記尾部が請求項1ないし6のいずれか1項に記載のクリアランス制御装置に載るように、前記飛行船を傾斜させる工程をさらに含むことを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記飛行船の前記前方に位置する第1のバラストタンクと、前記飛行船の前記後部に位置する第2のバラストタンクとを備えるバラストシステムを備えた飛行船において実施され、
前記傾斜させる工程は、前記第1の前方バラストタンクから前記第2の後部バラストタンクに水を移送する工程を含むことを特徴とする、請求項9ないし11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ノーズを備えた本体と、飛行船の本体の両側に配置された2つの側方係留点(212)を備え、船首で係留マストに係留されるように、また、船尾で請求項7または8に記載のドッキングステーションに係留されるように適合された飛行船(200)であって、
2つのケーブルを巻く/ほどくための電動式手段をさらに備え、ケーブルのそれぞれの近位端が前記電動式手段に接続されていることを特徴とする、飛行船(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行船のグランドクリアランス(地上高)(ground clearance)を制御するための装置に関する。
【0002】
本発明は、飛行船用、特に剛性構造を有する飛行船用のドッキングステーションに関する。また、本発明は、このドッキングステーションを動作させて飛行船を安全に係留するための方法、および、この安全な係留に適合された飛行船に関する。
【背景技術】
【0003】
USSロサンゼルスの裏面のナセルの下に配置された車輪、またはグッドイヤーブリンプの裏面にケーブルで固定された重り付き車輪のように、ノーズコーンによって係留された飛行船のグランドクリアランスを保証し、それが地面に接触することを防止するために、いくつかの解決策が考案されている。しかし、飛行船が上昇または下降することを防止する一方で、これらのシステムは、飛行船が反対方向に逸脱することを防止しない。
【0004】
特許文献FR 2 706 151も知られており、飛行船に備えられた着陸係留装置を開示している。本装置は、着陸装置を持たない飛行船には適していない。さらに、この装置は、飛行船がピッチアップ姿勢をとること、またはその尾翼で地面に触れることを妨げない。
【0005】
文献US1,749,065は、飛行船のノーズのための係留マストと、レール上に案内される幾つかの台車とを備え、各台車は、水平位置と、これらの可動アームの端部が飛行船と機械的に係合することができる実質的に垂直な位置との間で移動可能な一対のアームを備える、飛行船をドッキングするためのシステムを開示している。台車は、長手方向または円形のレールによって案内される車輪を有する本体を有する。本発明は、剛性飛行船のための着陸装置に関し、正面から低位または切頭マストに係留される剛性飛行船のためのグランドクリアランスを提供することを目的とする。低位のマストに係留されるとき、飛行船は、地面に当たることも急上昇することもなく、前記マストを旋回することができなければならない。本発明は、剛性飛行船の後部を支持し、それが、飛行船の構造を損傷することなく係留マストの周りを回転することを可能にすると同時に、回転の角度も制限するという追加の目的を有する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の1つの目的は特に、前述の欠点の全てまたは一部に対処することである。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、2つの側方係留点を備えた飛行船(200)のグランドクリアランスを制御するための装置が提案され、前記制御装置は、
接地接続インターフェースを備えており、重り(504)が固定されるフレームと、
2つの剛性アームであって、アームのそれぞれが、フレーム上に連接(関節接合)(articulated)されるいわゆる近位端と、いわゆる遠位端とを有する、剛性アームと、
遠位端に関連する飛行船の前記側方係留端部のうちの1つと各遠位端とが接触している保持位置と呼ばれる位置と、飛行船と装置との間に接触がないロック解除位置と呼ばれる位置との間で、各アームの遠位端を移動させるための手段と、
前記保持位置において、それぞれのアームのそれぞれの遠位端を、関連するそれぞれの側方係留点に取り外し可能に固定するための手段と、
を備え、
前記接地接続インターフェースが、フレーム上に取り付けられてその方位を変更することができる車輪を備える。
【0008】
フレームに取り付けられた車輪は、アイドラーホイール(遊び車輪)、またはその方位が制御可能な車輪とすることができる。
【0009】
関連する側方係留具(アンカー)(anchor)に近づくようにアームの遠位端を移動させるための手段は、飛行船内にて関連する側方係留具に配置されたウィンチと、当該ウィンチ上に巻かれたロープであって、関連する側方係留具および当該遠位端を通過するロープとを備えてもよい。
【0010】
アームのそれぞれは、A形状の側方分岐を形成し、頂点において互いに接続され、Aの水平分岐を形成する第3のビームによって互いに接続された、2つの主ビームによって形成されたA形状の構成を有してもよく、アームの2つの近位端は、Aの2つの側方分岐の底部に配置され、フレーム(502)上に連接(関節接合)され、アームの遠位端はAの頂点に配置され、それによって、両近位端から形成される方向にフレーム上のアームの回転軸を規定する。
【0011】
各アームの第3のビームには、車輪を備えることができる。
【0012】
本発明の別の態様によれば、テーパ状係留点および2つの側方係留点を備えた飛行船のためのドッキングステーションが提案され、ドッキングステーションは、
飛行船のテーパ状係留具を受け入れるようにまたはそれに係留されるように配置されたレシーバを備えた係留マストと、
先行する請求項のいずれか1項に記載のクリアランス制御装置であって、装置のアームのそれぞれにおける遠位端は、2つの側方係留点のそれぞれに取り外し可能に固定されるように配置される、クリアランス制御装置と、
を備える。
【0013】
本発明による装置は、飛行船のテーパ状係留具が係留マストのレシーバ内に受け入れられたときであって、遠位端のそれぞれが飛行船の側方係留点に固定されたときに、係留マストの周りに円弧を描くように配置された接地接続インターフェースを備えてもよい。
【0014】
本発明のさらに別の態様によれば、本発明によるドッキングステーションを動作させて、テーパ状の係留点および2つの側方係留点を備えた飛行船を現場で安全に係留するための方法が提案され、この方法は、
前記飛行船の船首を、前記マストの周りで飛行船の回転の自由をもって前記ステーションのマストに係留する工程と、
本発明によるクリアランス制御装置を、既に係留されている飛行船の尾部の下に位置付けるように電動移動させる工程と、
側方係留点に到達するまで両アームを配置(展開)(deploy)する工程と、
2つのアームの遠位端をそれぞれの係留点に固定する工程と、
を含む。
【0015】
本発明による方法は、アームを配置する工程の前に、各アームの遠位端に固定されるように1つの自由端が備えられたケーブルを各側方係留点からほどく工程をさらに含むことができ、配置する工程は、2つのアームのそれぞれの遠位端がそれぞれの側方係留点に機械的に係合するまで、前記ケーブルを巻く工程を含む。
【0016】
本発明による方法は、飛行船の尾部が本発明によるクリアランス制御装置に載るように、飛行船を傾斜させる工程をさらに含むことができる。本発明による方法が、前記飛行船の前方に位置する第1のバラストタンクと、前記飛行船の後部に位置する第2のバラストタンクとを備えるバラストシステムを備える飛行船において実施される場合、傾斜させる工程は、前記第1の前方バラストタンクから前記第2の後部バラストタンクに水を移送する工程を含む。
【0017】
本発明のさらに別の態様によれば、ノーズを備えた本体と、飛行船の本体の両側に配置された2つの側方係留点を備え、船首で係留マストに係留されるように、また、船尾で本発明によるドッキングステーションに係留されるように適合された飛行船が提案され、2つのケーブルを巻く/ほどくための電動式手段をさらに備え、ケーブルのそれぞれの近位端が前記電動式手段に接続されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の他の利点および特殊性は、添付の図面を参照して、決して限定するものではない実施形態および実施形態の詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による飛行船のためのドッキングステーションの第1の実施形態を示す。
図2図1のドッキングステーションにおける飛行船のグランドクリアランス制御装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に記載される実施形態は本質的に限定的ではないので、特に、記載される特徴の選択のみを含む本発明の変形形態を考慮することは、この特徴の選択が技術的利点を与えるか、または本発明を従来技術と区別するのに十分であれば可能である。この選択は少なくとも1つの好ましくは機能的な特徴を、構造的な詳細なしに、またはこの部分のみで技術的な利点を付与するのに十分であるかまたは本発明を先行技術と区別するのに十分である場合には構造的な詳細の一部のみを伴って、含む。
【0021】
図において、複数の図に現れる要素は、同じ参照符号を保持する。
【0022】
図1を参照すると、飛行船200を、本発明の一実施形態によるドッキングステーション300と地面またはトラックSとに係留するための、本発明の一実施形態によるシステム1が、このシステムで実施される方法と同時に説明される。
【0023】
示した例では、飛行船200は、推進ユニット202、204を備える。
【0024】
飛行船はまた、バラストを形成するコンデンサC1およびC2を備え、バラスト回路206からコンデンサを充填するまたは空にすることによって、飛行船200の安定性および/または姿勢の変更を可能にする。
【0025】
長手方向において、飛行船200の船首は前方であると言われ、飛行船の船尾は後部であると言われる。飛行船はまた、その船首に配置されたテーパ状の係留点206を有する。飛行船はまた、自由端を有する係留ケーブル210をドッキングステーション300からまたはそこへ、巻くかまたはほどく、船首に配置されたドラム208を備えることができる。
【0026】
飛行船は重心Gを有する。
【0027】
本実施形態によれば、飛行船200はまた、長手方向に沿って重心Gの後方に位置する飛行船の長手方向を横断する平面に、そのヨー軸の両側に対称的に配置された2つの側方係留点212、214(図示せず)を有する。左舷の係留点208のみが図に示されている。
【0028】
ドッキングステーション300は、係留マストとも呼ばれる船首レシーバ装置400を公知の方法で備えることができ、船首レシーバ装置400は、地面またはトラックS上に載る、場合によっては自走式の基部402と、その垂直軸がモータ408によって駆動されるような巻きドラム406を含めてウィンチがその上端部に配置されたパイロン404と、を備える。ドラム406には、係留ケーブル210の自由端を受け入れるように配置されたスロット410が備えられている。
【0029】
飛行船200が船首レシーバ装置400に接近しているとき、パイロットは係留手順を開始する。飛行船の巻きドラム208は、地面に向かってほどくことによってケーブルを解放するために、フリーホイールモードで制御される。次いで、ケーブルの自由端は、ドラム406の受け入れスロット410に挿入される。いったん受け入れスロット内に捕捉されると、飛行船とスロットとの間、したがって飛行船とグランドSとの間の距離は、自由ケーブル長によって制限される。
【0030】
逆に、離陸相の間、係留ケーブル210の端部は解放され、ドラム406はフリーホイールモードに制御され、一方、巻きドラム208は、解放された係留ケーブルを巻く。
【0031】
本発明による係留システムはまた、参照により本明細書に組み込まれる出願WO2018/099870に記載されているように、飛行船を船首レシーバ装置に結合するための機械的結合システムと関連付けることができる。
【0032】
飛行船の姿勢を安定させることができるようにするために、ドッキングステーション300は、気球尾部受け入れステーションとも呼ばれるグランドクリアランス制御装置500をさらに備える。グランドクリアランス制御装置500は、重り504が固定されるフレーム502を有する。
【0033】
装置500は、2つの剛性アーム506、508をさらに備える(図2)。
【0034】
各アーム506、508は、A形状の側方分岐を形成する2本の主ビーム506aと506b、508aと508bによりそれぞれ形成されたAの形状をそれぞれ有している。
【0035】
2本の主ビーム506aと506b、508aと508bは、それぞれ頂点506s、508sにおいて互いに接続され、それぞれ、Aの水平分岐を形成する第3のビーム506c、508cにおいて互いに接続されている。
【0036】
各アーム506、508はそれぞれ、A形状の側方分岐の底部に配置されてフレーム(502)上に連接(関節接合)されている2つの近位端506p1、506p2、508p1、508p2を有し、アームの遠位端はそれぞれAの頂点506s、508sに配置され、それによって、2つの近位端によって形成される方向にフレーム上のアームの回転軸を規定する。
【0037】
装置500は、接地接続インターフェース510をさらに備える。接続インターフェース510は、フレーム502に取り付けられた車輪512を備え、その方位は、変更することができ、例えばいわゆるアイドラーホイール(遊び車輪)であり、または、制御することができ、例えば指向性列車(directional train)に取り付けられる。
【0038】
図示された例では、接続インターフェースはさらに、それぞれ第3のビーム506c、508cに取り付けられたアイドラーホイール506r、508rを備える。ビームに取り付けられたアイドラーホイールはオプションである。
【0039】
装置500は、アーム506、508のそれぞれの遠位端506s、508sを、それぞれ飛行船200の関連する側方係留具212、214に向かって移動させる手段(図示せず)をさらに含む。
【0040】
移動させる手段は、それぞれが飛行船200内にて側方係留具に配置された2つのウィンチ216、218(図示せず)と、ウィンチのそれぞれに巻かれて側方係留具を通過するロープとを備えることができる。
【0041】
別の可能性によれば、前述の国際出願に記載されているように、ドローンを使用することが計画される。
【0042】
これにより、飛行船の関連する側方係留具に近づくようにアームの遠位端を移動させる手段と、係留ケーブルの自由端をドッキングステーションまたは飛行船に固定する手段とを、飛行船200から制御することができる。固定は、カラビナ、またはScharfenberg型結合システムを使用して行うことができる。
【0043】
係留相では、2本のケーブルを後部側方係留具から取り外して自由にすることができる。地上のチームは、これらのケーブルを、本発明による装置の車台のA字形フレームの各端部に固定する。
【0044】
次いで、ケーブルがウィンチ216、218上で係留点まで再び巻かれ、A字形フレームの両端を、当該両端が係留点に到達して所定の位置にロックされるまで持ち上げる。
【0045】
次いで、パイロットは本発明に特有の別の工程を実施することができ、これは、できるだけ多くの水を、後部バラストタンクに向かって、例えばコンデンサC1からコンデンサC2に移動させることを含み、これにより、飛行船は、本発明の後部車台上に載ることができる。この場合、捕捉は完全であると考えることができ、飛行船は、尾部が後部車台に載った状態で空中に置いておくことができる。
【0046】
容易に理解されるように、本発明は、記載された実施例に限定されず、本発明の範囲から逸脱することなく、これらの実施例に多くの変更を加えることができる。加えて、本発明の様々な特徴、形態、変形、および実施形態は、それらが不適合または相互排他的でない限り、様々な組み合わせで一緒にグループ化され得る。
【0047】
飛行船は例えば、3つを超える係留点を有することができ、例えば、船首点および3つまたは4つの側方係留点を有することができる。その結果、ドッキングステーションは、2つを超えるアーム、例えば3つまたは4つのアームを有することができ、または、いくつかの点で飛行船に取り付けられる遠位端を有するアームを有することさえできる。
図1
図2
【国際調査報告】