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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-06
(54)【発明の名称】状態メッセージングプロトコル
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20230330BHJP
   H04W 88/08 20090101ALI20230330BHJP
   H04L 7/04 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
H04W56/00 110
H04W88/08
H04L7/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547238
(86)(22)【出願日】2021-02-03
(85)【翻訳文提出日】2022-10-03
(86)【国際出願番号】 US2021016417
(87)【国際公開番号】W WO2021158665
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】16/781,833
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】512299576
【氏名又は名称】アルティオスター ネットワークス, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Altiostar Networks, Inc.
【住所又は居所原語表記】200 Ames Pond Drive, Tewksbury, MA 01876, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エム ラマナ レッディ
(72)【発明者】
【氏名】サンカルシャン セン
(72)【発明者】
【氏名】パルヴェズ ムニル カーン
【テーマコード(参考)】
5K047
5K067
【Fターム(参考)】
5K047AA01
5K047AA18
5K047BB01
5K067AA33
5K067DD11
5K067DD17
5K067DD30
5K067EE10
5K067FF05
5K067HH22
5K067JJ13
(57)【要約】
無線通信システムにおける通信ユニット間の無線同期状態メッセージングのための方法、装置、システム、およびコンピュータプログラム製品。状態イベントの変化が1つまたは複数の第1の通信デバイス装置によって検出される。検出された状態イベントの変化を示すメッセージが生成される。生成されたメッセージが、1つまたは複数の第2の通信デバイスに送信される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより実装される方法であって、前記方法は、
1つまたは複数の第1の通信デバイスによって状態イベントの変化を検出するステップと、
検出された前記状態イベントの変化を示すメッセージを生成するステップと、
生成された前記メッセージを1つまたは複数の第2の通信デバイスに送信するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数の第1および第2の通信デバイスは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、基地局、gNodeB基地局、eNodeB基地局、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数の第1および第2の通信デバイスは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の無線ユニット、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項2記載の方法。
【請求項4】
1つまたは複数のリモートユニットは、前記メッセージを生成し、前記生成されたメッセージを前記1つまたは複数の分散型ユニットに送信する、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記1つまたは複数の分散型ユニットは、前記メッセージを生成し、前記生成されたメッセージを前記1つまたは複数のリモートユニットに送信する、
請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記メッセージは、前記1つまたは複数の第1の通信デバイスの1つまたは複数のレイヤ2コンポーネントから前記1つまたは複数の第2の通信デバイスの1つまたは複数のレイヤ2コンポーネントに送信されるように構成されたレイヤ2メッセージフレームである、
請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記レイヤ2メッセージは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、前記レイヤ2メッセージの発信元の識別子、前記レイヤ2メッセージの前記発信元のタイプの識別子、前記レイヤ2メッセージの宛先の識別子、前記レイヤ2メッセージの前記宛先のタイプの識別子、前記レイヤ2メッセージのタイプの識別子、前記状態イベントの変化に対応するデータ、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記状態イベントの変化に対応する前記データは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、精度タイミングプロトコルクロック状態、同期イーサネットクロック状態、時間誤差状態、精度タイミングプロトコル設定、同期イーサネット構成、1つまたは複数のコマンド、1つまたは複数の構成、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記状態イベントの前記変化に対応する前記データは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、状態イベントの先行する変化の検出以降の経過時間、位相オフセット構成、周波数オフセット構成、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、前記1つまたは複数の第2の通信デバイスによって、受信された前記メッセージに基づき1つまたは複数の措置を実行するステップをさらに含む、
請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記メッセージは、前記1つまたは複数の第2の通信デバイスによってリアルタイムで受信されるように構成されたマルチキャストメッセージである、
請求項1記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのプログラマブルプロセッサと、
非一時的機械可読媒体と、
を含む装置であって、
前記非一時的機械可読媒体は、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサによって実行されるときに、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに以下のこと、すなわち、
1つまたは複数の第1の通信デバイスによって状態イベントの変化を検出することと、
検出された前記状態イベントの変化を示すメッセージを生成することと、
生成された前記メッセージを1つまたは複数の第2の通信デバイスに送信することと、
を含む動作を実行させる命令が記憶されている、
装置。
【請求項13】
前記1つまたは複数の第1および第2の通信デバイスは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、基地局、gNodeB基地局、eNodeB基地局、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記1つまたは複数の第1および第2の通信デバイスは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の無線ユニット、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項13記載の装置。
【請求項15】
1つまたは複数のリモートユニットは、前記メッセージを生成し、前記生成されたメッセージを前記1つまたは複数の分散型ユニットに送信する、
請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記1つまたは複数の分散型ユニットは、前記メッセージを生成し、前記生成されたメッセージを前記1つまたは複数のリモートユニットに送信する、
請求項14記載の装置。
【請求項17】
前記メッセージは、前記1つまたは複数の第1の通信デバイスの1つまたは複数のレイヤ2コンポーネントから前記1つまたは複数の第2の通信デバイスの1つまたは複数のレイヤ2コンポーネントに送信されるように構成されたレイヤ2メッセージフレームである、
請求項12記載の装置。
【請求項18】
前記レイヤ2メッセージは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、前記レイヤ2メッセージの発信元の識別子、前記レイヤ2メッセージの前記発信元のタイプの識別子、前記レイヤ2メッセージの宛先の識別子、前記レイヤ2メッセージの前記宛先のタイプの識別子、前記レイヤ2メッセージのタイプの識別子、前記状態イベントの変化に対応するデータ、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記状態イベントの前記変化に対応する前記データは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、精度タイミングプロトコルクロック状態、同期イーサネットクロック状態、時間誤差状態、精度タイミングプロトコル設定、同期イーサネット構成、1つまたは複数のコマンド、1つまたは複数の構成、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項18記載の装置。
【請求項20】
前記状態イベントの前記変化に対応する前記データは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、状態イベントの先行する変化の検出以降の経過時間、位相オフセット構成、周波数オフセット構成、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項19記載の装置。
【請求項21】
前記動作は、前記1つまたは複数の第2の通信デバイスによって、受信された前記メッセージに基づき1つまたは複数の措置を実行することをさらに含む、
請求項12記載の装置。
【請求項22】
前記メッセージは、前記1つまたは複数の第2の通信デバイスによってリアルタイムで受信されるように構成されたマルチキャストメッセージである、
請求項12記載の装置。
【請求項23】
コンピュータプログラム製品であって、
少なくとも1つのプログラマブルプロセッサによって実行されるときに、前記少なくとも1つのプログラマブルプロセッサに以下のこと、すなわち、
1つまたは複数の第1の通信デバイスによって状態イベントの変化を検出することと、
検出された前記状態イベントの変化を示すメッセージを生成することと、
生成された前記メッセージを1つまたは複数の第2の通信デバイスに送信することと、
を含む動作を実行させる命令が記憶されている非一時的機械可読媒体を含む、
コンピュータプログラム製品。
【請求項24】
前記1つまたは複数の第1および第2の通信デバイスは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、基地局、gNodeB基地局、eNodeB基地局、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項23記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項25】
前記1つまたは複数の第1および第2の通信デバイスは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の無線ユニット、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項24記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項26】
1つまたは複数のリモートユニットは、前記メッセージを生成し、前記生成されたメッセージを前記1つまたは複数の分散型ユニットに送信する、
請求項25記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項27】
前記1つまたは複数の分散型ユニットは、前記メッセージを生成し、前記生成されたメッセージを前記1つまたは複数のリモートユニットに送信する、
請求項25記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項28】
前記メッセージは、前記1つまたは複数の第1の通信デバイスの1つまたは複数のレイヤ2コンポーネントから前記1つまたは複数の第2の通信デバイスの1つまたは複数のレイヤ2コンポーネントに送信されるように構成されたレイヤ2メッセージフレームである、
請求項23記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項29】
前記レイヤ2メッセージは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、前記レイヤ2メッセージの発信元の識別子、前記レイヤ2メッセージの前記発信元のタイプの識別子、前記レイヤ2メッセージの宛先の識別子、前記レイヤ2メッセージの前記宛先のタイプの識別子、前記レイヤ2メッセージのタイプの識別子、前記状態イベントの変化に対応するデータ、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項28記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項30】
前記状態イベントの前記変化に対応する前記データは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、精度タイミングプロトコルクロック状態、同期イーサネットクロック状態、時間誤差状態、精度タイミングプロトコル設定、同期イーサネット構成、1つまたは複数のコマンド、1つまたは複数の構成、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項29記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項31】
前記状態イベントの前記変化に対応する前記データは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、状態イベントの先行する変化の検出以降の経過時間、位相オフセット構成、周波数オフセット構成、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
請求項30記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項32】
前記動作は、前記1つまたは複数の第2の通信デバイスによって、受信された前記メッセージに基づき1つまたは複数の措置を実行することをさらに含む、
請求項23記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項33】
前記メッセージは、前記1つまたは複数の第2の通信デバイスによってリアルタイムで受信されるように構成されたマルチキャストメッセージである、
請求項23記載のコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
いくつかの実施形態において、本保護対象は、電気通信システムに関し、特に、例えば5Gの新規無線(「NR」)などの無線通信システムにおけるさまざまな通信ユニット(例えば分散型ユニット、無線ユニットなどの)間の無線同期状態メッセージングプロトコルに関する。
【背景技術】
【0002】
今日の世界では、セルラネットワークは、個人および事業体にオンデマンド通信機能を提供する。典型的には、セルラネットワークは、セルと称される複数の陸上領域にわたって分散可能な無線ネットワークである。そのような各セルは、セルサイトまたは基地局と称される少なくとも1つの固定位置トランシーバによってサービスを提供されている。各セルは、干渉を回避し、各セル内で改善されたサービスを提供するために、隣接セルとは異なる周波数のセットを使用することができる。複数のセルが一緒に結合されると、これらのセルは、広範な地理的領域にわたって無線カバレッジを提供し、これにより、多数の携帯電話、および/または他の無線デバイスもしくは携帯可能なトランシーバは、相互に通信したりネットワーク内の任意の場所の固定トランシーバや電話と通信したりすることが可能になる。そのような通信は、基地局を介して行われ、モバイルトランシーバが送信中に2つ以上のセルを通って移動している場合でも達成される。主要な無線通信プロバイダは、世界中にそのようなセルサイトを展開し、これによって、通信用携帯電話やモバイルコンピューティングデバイスが、公衆交換電話網や公衆インターネットに接続することが可能になっている。
【0003】
携帯電話とは、これらの携帯電話間で信号を転送するために電波を使用することにより、セルサイトまたは送信塔を介して電話および/またはデータ呼を受信および/または発信することができる携帯可能な電話のことである。多数の携帯電話ユーザを考慮して、現在の携帯電話ネットワークは、限られた共有リソースを提供している。これに関して、セルサイトおよびハンドセットは、より少ない干渉で多くの発呼者によるネットワークの同時使用を可能にするために周波数を変更し、低電力の送信機を使用することができる。セルサイトによるカバレッジは、特定の地理的場所および/またはネットワークを潜在的に使用できるユーザの数に依存し得る。例えば、都市部では、セルサイトは、最大約1/2マイルの範囲を有することができ、農村部では、距離は5マイルにもなり得る。また一部の地域では、ユーザは、25マイル離れたセルサイトからの信号を受信することができる。
【0004】
通信プロバイダによって使用されているいくつかのデジタルセルラ技術の例は以下のとおりである。:Global System for Mobile Communications(「GSM」)、General Packet Radio Service(「GPRS」)、cdmaOne、CDMA2000、Evolution-Data Optimized(「EV-DO」)、Enhanced Data Rates for GSM Evolution(「EDGE」)、Universal Mobile Telecommunications System(「UMTS」)、Digital Enhanced Cordless Telecommunications(「DECT」)、Digital AMPS(「IS-136/TDMA」、およびIntegrated Digital Enhanced Network(「iDEN」)。第3世代パートナーシッププロジェクト(「3GPP」)標準化団体によって策定されたロングタームエボリューションまたは4G LTEは、携帯電話およびデータ端末用の高速データの無線通信のための標準規格である。現在では5G LTE標準規格が策定され、展開されている。LTEは、GSM/EDGEおよびUMTS/HSPAデジタルセルラ技術に基づいており、コアネットワークの改善とともに異なる無線インタフェースを使用することによって、容量および速度の増加を考慮している。
【0005】
モバイルデバイスは、音声データ(例えば通話)、Eメール、テキストメッセージ、インターネットブラウジング、ビデオデータ(例えばビデオ、ビデオ通話、拡張/仮想現実など)、オーディオデータ(例えば曲のストリーミング)などのさまざまなタイプのデータを受信および送信するために使用される。異なるタイプのデータは、異なる送信帯域幅を要求し得る。例えば、良好な品質を有するモバイルデバイスで高品位ビデオを再生するためには、モバイルデバイスへの電子メールまたはテキストメッセージの送信に比べて、より高い帯域幅を要求される場合がある。
【0006】
エアインタフェースの適切な効率および適切な機能を保証するために、5G NRネットワークは、さまざまな周波数およびタイミング要件を実現する。しかしながら、現在実現されているプロトコルは、効果的なタイミングの同期を基地局に提供することができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態では、本保護対象は、無線通信システムにおける通信ユニット間の無線同期状態メッセージングのためのコンピュータ実装方法に関する。本方法は、1つまたは複数の第1の通信デバイスによって状態イベントの変化を検出するステップと、検出された状態イベントの変化を示すメッセージを生成するステップと、生成されたメッセージを1つまたは複数の第2の通信デバイスに送信するステップと、を含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、本保護対象は、以下の任意選択的な特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。通信デバイスは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、基地局、gNodeB基地局、eNodeB基地局、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。特に、通信デバイスは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の無線ユニット、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、リモートユニットは、メッセージを生成し、生成されたメッセージを1つまたは複数の分散型ユニットに送信することができる。代替的または付加的に、分散型ユニットは、メッセージを生成し、生成されたメッセージを1つまたは複数のリモートユニットに送信することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、メッセージは、1つまたは複数の第1の通信デバイスの1つまたは複数のレイヤ2コンポーネントから1つまたは複数の第2の通信デバイスの1つまたは複数のレイヤ2コンポーネントに送信されるように構成されたレイヤ2メッセージフレームであり得る。レイヤ2メッセージは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、レイヤ2メッセージの発信元の識別子、レイヤ2メッセージの発信元のタイプの識別子、レイヤ2メッセージの宛先の識別子、レイヤ2メッセージの宛先のタイプの識別子、レイヤ2メッセージのタイプの識別子、状態イベントの変化に対応するデータ、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。さらに、状態イベントの変化に対応するデータは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、精度タイミングプロトコルクロック状態、同期イーサネットクロック状態、時間誤差状態、精度タイミングプロトコル設定、同期イーサネット設定、1つまたは複数のコマンド、1つまたは複数の設定、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。状態イベントの変化に対応するデータは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、状態イベントの先行する変化の検出以降の経過時間、位相オフセット設定、周波数オフセット設定、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、本方法は、第2の通信デバイスによって、受信されたメッセージに基づき1つまたは複数の措置を実行するステップを含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、メッセージは、1つまたは複数の第2の通信デバイスによって実質的にリアルタイムで受信されるように構成されたマルチキャストメッセージであり得る。
【0012】
命令が1つまたは複数のコンピューティングシステムの1つまたは複数のデータプロセッサによって実行されるときに少なくとも1つのデータプロセッサに本明細書の動作を実行させる命令が記憶されている、非一時的コンピュータプログラム製品(すなわち、物理的に具現化されたコンピュータプログラム製品)も記載されている。同様に、コンピュータシステムが、1つまたは複数のデータプロセッサと、これらの1つまたは複数のデータプロセッサに結合されたメモリと、を含み得ることも説明されている。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに本明細書に記載の動作の1つまたは複数を実行させる命令を、一時的または永続的に記憶することができる。付加的に、本方法は、1つまたは複数のデータプロセッサによって、単一のコンピューティングシステム内で実施されるか、または2つまたはそれ以上のコンピューティングシステムに分散されて実施され得る。そのようなコンピューティングシステムは、接続可能であり、1つ以上の接続を介してデータおよび/またはコマンドあるいは他の命令などを交換することができる。この接続には、ネットワーク(例えばインターネット、ワイヤレスワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、有線ネットワークなど)を介した接続が含まれるがこれらに限定されない。
【0013】
本明細書に記載される保護対象の1つまたは複数の変形形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。本明細書に記載された保護対象の他の特徴および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0014】
本明細書に組み込まれて本明細書の一部を成している添付の図面は、本明細書で開示される保護対象の特定の態様を示し、その記述とともに、開示される実施形態に関連するいくつかの原理の説明を補っている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1a】例示的な従来のロングタームエボリューション(「LTE」)通信システムを示した図である。
図1b図1aに示されている例示的なLTEシステムのさらなる詳細を示した図である。
図1c図1aに示されている例示的なLTEシステムの発展型パケットコアの付加的な詳細を示した図である。
図1d図1aに示されている例示的なLTEシステムの例示的な発展型ノードBを示した図である。
図2図1a~図1dに示されている発展型ノードBのさらなる詳細を示した図である。
図3】本保護対象のいくつかの実施形態による、例示的な仮想無線アクセスネットワークを示した図である。
図4】より高い周波数帯域の使用をユーザに提供するための例示的な3GPP分割アーキテクチャを示した図である。
図5】例示的な5G無線通信システムを示した図である。
図6】本保護対象のいくつかの実施形態による、5G無線通信システムを示した図である。
図7a】ユーザプレーンプロトコルスタックを示した図である。
図7b】制御プレーンプロトコルスタックを示した図である。
図8】本保護対象のいくつかの実施形態による、例示的な無線同期状態メッセージングプロトコルシステムを示した図である。
図9】NETCONF/YANG通知プロトコルを実装するように構成することができる例示的な通信システムを示した図である。
図10】本保護対象のいくつかの実施形態による、無線同期メッセージングプロトコルを実装するように構成することができる例示的な通信システムを示した図である。
図11】本保護対象のいくつかの実施形態による、無線同期メッセージングのための例示的なプロセス1100を示した図である。
図12】本保護対象のいくつかの実施形態による、例示的なシステムを示した図である。
図13】本保護対象のいくつかの実施形態による、例示的な方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本保護対象は、無線通信システムのための下位レイヤ分割アーキテクチャにおいて実現可能なシステムおよび方法を提供することができる。そのようなシステムは、5Gの新規無線通信システム(New Radio communications system)、ロングタームエボリューション通信システムなどを含むさまざまな無線通信システムを含むことができる。
【0017】
本保護対象の1つまたは複数の態様は、そのような通信システムにおける基地局(例えばgNodeB、eNodeBなど)の送信機および/または受信機のコンポーネント内に組み込むことができる。以下は、ロングタームエボリューション通信システムと5G新規通信システムとについての一般的な議論である。
【0018】
I.ロングタームエボリューション通信システム
図1a~図1cおよび図2は、例示的な従来のロングタームエボリューション(「LTE」)通信システム100を、そのさまざまなコンポーネントとともに示す。LTEシステムまたは4G LTEは、商業的に公知のように、携帯電話およびデータ端末用の高速データの無線通信のための標準規格によって管理されている。この標準規格は、GSM/EDGE(「Global System for Mobile Communications」/「Enhanced Data rates for GSM Evolution」)ならびにUMTS/HSPA(「Universal Mobile Telecommunications System」/「High Speed Packet Access」)ネットワーク技術に基づいている。この標準規格は3GPP(「3rd Generation Partnership Project」)によって策定された。
【0019】
図1aに示されているように、システム100は、発展型汎用地上波無線アクセスネットワーク(「EUTRAN」)102、発展型パケットコア(「EPC」)108、およびパケットデータネットワーク(「PDN」)101を含むことができ、ここで、EUTRAN102およびEPC108は、ユーザ機器104とPDN101との間の通信を提供する。EUTRAN102は、複数のユーザ機器104(a,b,c)に通信能力を提供する、複数の発展型ノードB(「eNodeB」または「ENODEB」または「enodeb」または「eNB」)または基地局106(a,b,c)(図1bに示されている)を含むことができる。ユーザ機器104は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(「PDA」)、サーバ、データ端末、および/または任意の他のタイプのユーザ機器、および/またはこれらの任意の組み合わせであり得る。ユーザ機器104は、任意のeNodeB106を介して、EPC108、最終的にはPDN101に接続することができる。典型的には、ユーザ機器104は、距離の点で最も近いeNodeB106に接続することができる。LTEシステム100では、EUTRAN102およびEPC108は、ユーザ機器104に対して接続性、モビリティ、およびサービスを提供するために協働している。
【0020】
図1bは、図1aに示されているネットワーク100のさらなる詳細を示す。上述したように、EUTRAN102は、セルサイトとしても既知である複数のeNodeB106を含む。eNodeB106は、無線機能を提供し、エアーリンクリソースまたは無線リソース管理のスケジューリング、アクティブモードモビリティもしくはハンドオーバ、およびサービスのためのアドミッション制御を含むキー制御機能を実行する。eNodeB106は、どのモビリティ管理エンティティ(図1cに示されているようなMME)がユーザ機器104にサービスを提供するかを選択することと、ヘッダ圧縮および暗号化などのプロトコル機能とを担っている。EUTRAN102を構成するeNodeB106は、無線リソース管理およびハンドオーバのために相互に協働する。
【0021】
ユーザ機器104とeNodeB106との間の通信は、(「LTE-Uu」インタフェースとしても既知の)エアインタフェース122を介して行われる。図1bに示されているように、エアインタフェース122は、ユーザ機器104bとeNodeB106aとの間の通信を提供する。エアインタフェース122は、ダウンリンクおよびアップリンクにおいて、それぞれ直交周波数分割多元接続(「OFDMA」)およびOFDMAの変形形態であるシングルキャリア周波数分割多元接続(「SC-FDMA」)を使用する。OFDMAでは、マルチ入力マルチ出力(「MIMO」)などの複数の既知のアンテナ技術を使用することができる。
【0022】
エアインタフェース122は、ユーザ機器104とeNodeB106との間のシグナリングのための無線リソース制御(「RRC」)と、(図1cに示されているような)ユーザ機器104とMMEとの間のシグナリングのための非アクセス層(「NAS」)とを含んでいるさまざまなプロトコルを使用する。シグナリングに加えて、ユーザトラフィックが、ユーザ機器104とeNodeB106との間で転送される。システム100におけるシグナリングおよびトラフィックの両方は、物理層(「PHY」)チャネルによって搬送される。
【0023】
複数のeNodeB106は、X2インタフェース130(a,b,c)を使用して互いに相互接続することができる。図1bに示されているように、X2インタフェース130aは、eNodeB106aとeNodeB106bとの間の相互接続を提供し、X2インタフェース130bは、eNodeB106aとeNodeB106cとの間の相互接続を提供し、X2インタフェース130cは、eNodeB106bとeNodeB106cとの間の相互接続を提供する。X2インタフェースは、負荷または干渉に関する情報ならびにハンドオーバに関する情報を含むことができる信号の交換を提供するために、2つのeNodeB間で確立することができる。eNodeB106は、S1インタフェース124(a,b,c)を介して、発展型パケットコア108と通信する。S1インタフェース124は、2つのインタフェースに、すなわち、一方は(図1cにおいて制御プレーンインタフェース(S1-MMEインタフェース)128として示されている)制御プレーンに分割可能であり、他方は(図1cにおいてユーザプレーンインタフェース(S1-Uインタフェース)125として示されている)ユーザプレーンに分割可能である。
【0024】
EPC108は、ユーザサービスのためのサービス品質(「QoS」)を確立して強化し、ユーザ機器104が移動中に一貫したインターネットプロトコル(「IP」)アドレスを維持することを可能にさせる。ネットワーク100内の各ノードは、独自のIPアドレスを有することに留意すべきである。EPC108は、レガシー無線ネットワークと相互作用するように設計されている。EPC108は、コアネットワークアーキテクチャにおける制御プレーン(すなわちシグナリング)とユーザプレーン(すなわちトラフィック)とを分離するようにも設計されており、これによって、実装におけるより高いフレキシビリティと、制御およびユーザデータ機能の独立したスケーラビリティと、が可能となる。
【0025】
EPC108アーキテクチャは、パケットデータ専用であり、図1cにより詳細に示されている。EPC108は、サービングゲートウェイ(S-GW)110、PDNゲートウェイ(P-GW)112、モビリティ管理エンティティ(「MME」)114、ホーム加入者サーバ(「HSS」)116(EPC108用の加入者データベース)、およびポリシー制御および課金規則機能(「PCRF」)118を含む。これらのいくつか(S-GW、P-GW、MME、およびHSSなど)は、メーカの実装に従って複数のノードに組み合わされることが多い。
【0026】
S-GW110は、IPパケットデータルータとして機能し、EPC108内のユーザ機器のベアラパスアンカーである。したがって、ユーザ機器がモビリティ動作中に一方のeNodeB106から他方のeNodeB106へ移動する際に、S-GW110は同じまま、EUTRAN102に向かうベアラパスが、ユーザ機器104にサービスを提供する新たなeNodeB106との通話に切り替えられる。ユーザ機器104が別のS-GW110のドメインに移動した場合は、MME114は、ユーザ機器のベアラパスのすべてを新たなS-GWに転送する。このS-GW110は、1つまたは複数のP-GW112に対するユーザ機器のためのベアラパスを確立する。ダウンストリームデータがアイドル状態のユーザ機器のために受信された場合、S-GW110は、ダウンストリームパケットをバッファリングし、MME114に、EUTRAN102へのおよびEUTRAN102を介したベアラパスの位置特定と再確立とを要求する。
【0027】
P-GW112は、EPC108(およびユーザ機器104およびEUTRAN102)と(図1aに示されている)PDN101との間のゲートウェイである。P-GW112は、ユーザトラフィックのルータとして機能するとともに、ユーザ機器に代わって機能を実行する。これには、ユーザ機器に対するIPアドレス割り当て、適切なベアラパス上に配置されることを保証するためのダウンストリームユーザトラフィックのパケットフィルタリング、データレートを含むダウンストリームQoSの強制が含まれる。加入者が使用しているサービスに依存して、ユーザ機器104とP-GW112との間に複数のユーザデータベアラパスが存在していてよい。加入者は、異なるP-GWによってサービスを提供されるPDN上のサービスを使用することができ、この場合、ユーザ機器は、各P-GW112に対して確立された少なくとも1つのベアラパスを有する。一方のeNodeBから他方のeNodeBへのユーザ機器のハンドオーバ中に、S-GW110も変更される場合には、P-GW112からのベアラパスは、新たなS-GWに切り替わる。
【0028】
MME114は、加入者認証を管理すること、認証されたユーザ機器104についてのコンテキストを維持すること、ユーザトラフィックのためのネットワーク内のデータベアラパスを確立すること、およびネットワークから切り離されていないアイドル状態のモバイルの位置の追跡を維持することを含めてEPC108内のユーザ機器104を管理している。ダウンストリームデータを受信するためにアクセスネットワークへの再接続が必要なアイドル状態のユーザ機器104に対しては、MME114は、ユーザ機器の位置特定のためにページングを開始し、EUTRAN102へのおよびEUTRAN102を介したベアラパスを再確立する。特定のユーザ機器104に対するMME114は、ユーザ機器104がシステムアクセスを開始するeNodeB106によって選択される。このMMEは、典型的には、負荷分割および冗長化の目的のためのEPC108におけるMMEコレクションの一部である。ユーザのデータベアラパスの確立の際には、MME114が、EPC108によるデータパスの終端を構成するP-GW112およびS-GW110の選択を担う。
【0029】
PCRF118は、ポリシー制御の意思決定ならびにP-GW110に常駐するポリシー制御強制機能(「PCEF」)におけるフローベースの課金機能の制御を担う。PCRF118は、PCEFにおいて特定のデータフローをどのように処理するかを決定し、これによりユーザの加入プロファイルに従っていることを保証するQoS認証(QoSクラス識別子(「QCI」)およびビットレート)を提供している。
【0030】
上述したように、IPサービス119は、(図1aに示されているように)PDN101によって提供される。
【0031】
図1dは、eNodeB106の例示的な構造を示す。eNodeB106は、少なくとも1つのリモート無線ヘッド(「RRH」)132(典型的には、3つのRRH132が存在し得る)とベースバンドユニット(「BBU」)134とを含み得る。RRH132は、アンテナ136に接続することができる。RRH132およびBBU134は、共通の公衆無線インタフェース(「CPRI」)142の標準仕様に準拠する光学的インタフェースを使用して接続可能である。eNodeB106の動作は、以下の標準パラメータ(および仕様)、すなわち、無線周波数帯域(Band4,Band9,Band17)、帯域幅(5,10,15,20MHz)、アクセススキーム(ダウンリンク:OFDMA;アップリンク:SC-OFDMA)、アンテナ技術(ダウンリンク:2x2のMIMO;アップリンク:1x2の単一入力多重出力(「SIMO」)、セクタの数(最大6つ)、最大送信電力(60W)、最大伝送率(ダウンリンク:150Mb/s;アップリンク:50Mb/s)、S1/X2インタフェース(1000Base-SX,1000Base-T)、およびモバイル環境(350km/hまで)を用いて特徴付け可能である。BBU134は、デジタルベースバンド信号処理、S1回線の終端、X2回線の終端、呼処理および監視制御処理を担うことができる。(図1dには示されていない)EPC108から受信されるIPパケットは、デジタルベースバンド信号に変調され、RRH132に送信可能である。裏返して言えば、RRH132から受信されたデジタルベースバンド信号は、EPC108への送信のためにIPパケットに復調することができる。
【0032】
RRH132は、アンテナ136を使用して無線信号を送受信することができる。RRH132は、(コンバータ(「CONV」)140を使用して)BBU134からのデジタルベースバンド信号を無線周波数(「RF」)信号に変換することができ、それらを(増幅器(「AMP」)138を使用して)(図1dには示されていない)ユーザ機器104への送信のために電力増幅することができる。裏返して言えば、ユーザ機器104から受信されたRF信号は、(AMP138を使用して)増幅され、(CONV140を使用して)BBU134への送信のためにデジタルベースバンド信号に変換される。
【0033】
図2には、例示的なeNodeB106の付加的な詳細が示されている。このeNodeB106は、複数の層、すなわち、LTEレイヤ1 202、LTEレイヤ2 204、およびLTEレイヤ3 206を含んでいる。LTEレイヤ1は、物理層(「PHY」)を含む。LTEレイヤ2は、メディアアクセス制御(「MAC」)、無線リンク制御(「RLC」)、パケットデータコンバージェンスプロトコル(「PDCP」)を含む。LTEレイヤ3は、無線リソース制御(「RRC」)、動的リソース割り当て、eNodeB測定設定および提供、無線アドミッション制御、接続モビリティ制御、および無線リソース管理(「RRM」)を含んださまざまな機能およびプロトコルを含む。RLCプロトコルは、セルラエアインタフェースを介して使用される自動再送要求(「ARQ」)フラグメンテーションプロトコルである。RRCプロトコルは、ユーザ機器とEUTRANとの間でLTEレイヤ3の制御プレーンシグナリングの処理をする。RRCは、コネクション確立と解放、システム情報の同報通信、無線ベアラ確立/再設定および解放、RRC接続モビリティ手順、ページング通知および解放、ならびに外部ループ電力制御のための機能を含む。PDCPは、無線ベアラのためのIPヘッダ圧縮および解凍、ユーザデータの転送およびシーケンス番号のメンテナンスを実行する。図1dに示されているBBU134は、LTEレイヤL1~L3を含むことができる。
【0034】
eNodeB106の主要な機能のうちの1つは、無線リソース管理であり、この無線リソース管理には、ユーザ機器104のためのアップリンクエアインタフェースリソースとダウンリンクエアインタフェースリソースの両方のスケジューリング、ベアラリソースの制御、およびアドミッション制御が含まれる。eNodeB106は、EPC108のためのエージェントとして、それらがアイドル状態にあるモバイルの位置特定のために使用されるページングメッセージの転送を担っている。eNodeB106は、空中を介して共通の制御チャネル情報も通信し、ヘッダ圧縮、空中を介して送信されるユーザデータの暗号化および復号化を行い、ハンドオーバ報告およびトリガ基準を確立する。上述したように、eNodeB106は、ハンドオーバおよび干渉管理の目的のために、X2インタフェースを介して、他のeNodeB106と協働することができる。eNodeB106は、S1-MMEインタフェースを介してEPCのMMEと通信し、S1-Uインタフェースを有するS-GWと通信する。さらに、eNodeB106は、S1-Uインタフェースを介してS-GWとユーザデータを交換する。eNodeB106およびEPC108は、複数のMMEおよびS-GWの間の負荷分割および冗長化を支援するための多対多の関係を有する。eNodeB106は、MMEのグループから1つのMMEを選択するので、輻輳を回避すべく負荷を複数のMMEによって分割できる。
【0035】
II.5G NR無線通信ネットワーク
いくつかの実施形態では、本保護対象は、5Gの新規無線(「NR」)通信システムに関する。この5G NRは、4G/IMT-Advanced標準規格を超える次世代通信の標準規格である。5Gネットワークは、現在の4Gよりも高い容量を提供し、エリア単位ごとのモバイルブロードバンドユーザの数を増やすことができ、月およびユーザごとにギガバイト単位でより多くのかつ/または無制限のデータ量の消費を可能にする。これにより、ユーザは、たとえWi-Fiネットワークがない場合でも、モバイルデバイスを使用して、1日に何時間も高精細メディアをストリーミングすることができる。5Gネットワークは、デバイス間通信の改善された支援、より低いコスト、4G機器よりも低いレイテンシ、およびより低いバッテリ消費量などを有する。そのようなネットワークは、多数のユーザに対して数十メガビット/秒のデータレート、大都市圏に対して100Mb/秒のデータレート、限られたエリア(例えばオフィスフロアなど)内のユーザに対して1Gb/秒の同時接続、無線センサネットワークの多数の同時接続、向上されたスペクトル効率、改善されたカバレッジ、向上されたシグナリング効率、1~10msのレイテンシ、既存のシステムに比べて低減されたレイテンシを有する。
【0036】
図3は、例示的な仮想無線アクセスネットワーク300を示す。このネットワーク300は、基地局(例えばeNodeB、gNodeB)301、無線機器307、集中型ユニット302、デジタルユニット304、および無線デバイス306を含むさまざまなコンポーネント間の通信を提供することができる。システム300内のコンポーネントは、バックホールリンク305を使用してコアに通信可能に結合することができる。集中型ユニット(「CU」)302は、ミッドホール接続308を使用して分散型ユニット(「DU」)304に通信可能に結合することができる。無線周波数(「RU」)コンポーネント306は、フロントホール接続310を使用してDU304に通信可能に結合することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、CU302は、1つまたは複数のDUユニット304にインテリジェント通信機能を提供することができる。ユニット302,304は、1つまたは複数の基地局、マクロ基地局、マイクロ基地局、リモート無線ヘッドなど、および/またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0038】
下位レイヤの分割アーキテクチャ環境では、NRに対するCPRI帯域幅要件が数100Gb/秒であり得る。CPRI圧縮は、(図3に示されているように)DUおよびRU内で実現可能である。5G通信システムでは、イーサネットフレームにわたって圧縮されたCPRIは、eCPRIと称され、推奨されるフロントホールインタフェースである。このアーキテクチャは、より高い層の分割(例えばオプション2またはオプション3~1(上位/下位RLC分割アーキテクチャ))およびL1分割アーキテクチャを備えたフロントホール(オプション7)を含むことができるフロントホール/ミッドホールの標準化を可能にすることができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、下位レイヤ分割アーキテクチャ(例えばオプション7)には、アップリンク内の受信機、DL/UL両方に対する複数の伝送ポイント(TP)にわたる共同処理、ならびに展開を容易にするためのトランスポート帯域幅およびレイテンシ要件を含めることができる。さらに、本保護対象の下位レイヤ分割アーキテクチャは、セルレベル処理とユーザレベル処理との間の分割を含むことができ、この分割は、リモートユニット(「RU」)におけるセルレベル処理と、DUにおけるユーザレベル処理と、を含むことができる。さらに、本保護対象の下位レイヤ分割アーキテクチャを使用することによって、周波数ドメインサンプルを、イーサネットフロントホールを介して転送することができ、ここで、周波数ドメインサンプルは、低減されたフロントホール帯域幅のために圧縮することができる。
【0040】
図4は、5G技術を実現することができ、より高い(例えば10GHzを超える)周波数帯域の使用をユーザに提供することができる、例示的な通信システム400を示す。このシステム400は、マクロセル402とスモールセル404および406とを含むことができる。
【0041】
モバイルデバイス408は、スモールセル404,406のうちの1つまたは複数と通信するように構成することができる。このシステム400は、マクロセル402とスモールセル404,406との間で制御プレーン(Cプレーン)およびユーザプレーン(Uプレーン)の分割を可能にすることができ、ここで、CプレーンおよびUプレーンは、異なる周波数帯域を利用している。特に、スモールセル402,406は、モバイルデバイス408と通信する場合に、より高い周波数帯域を利用するように構成することができる。マクロセル402は、Cプレーンの通信のために既存のセルラ帯域を利用することができる。モバイルデバイス408は、Uプレーン412を介して通信可能に結合することができ、ここで、スモールセル(例えばスモールセル406)は、より高いデータレートと、よりフレキシブルな/コスト効率/エネルギー効率の高い動作と、を提供することができる。マクロセル402は、Cプレーン410を介して、良好な接続性およびモビリティを維持することができる。さらに、いくつかのケースでは、LTE PUCCHおよびNR PUCCHは、同じ周波数で送信することができる。
【0042】
図5は、本保護対象のいくつかの実施形態による例示的な5G無線通信システム500を示す。このシステム500は、オプション7~2に従い、下位レイヤ分割アーキテクチャを有するように構成することができる。システム500は、コアネットワーク502(例えば5Gコア)と、1つまたは複数のgNodeB(またはgNB)と、を含むことができ、これらのgNBは、集中型ユニットgNB-CUを有することができる。このgNB-CUは、制御プレーン部分gNB-CU-CP504と、1つまたは複数のユーザプレーン部分gNB-CU-UP506とに論理的に分割可能である。制御プレーン部分504およびユーザプレーン部分506は、(3GPP標準規格で指定されているように)E1通信インタフェース514を使用して通信可能に結合されるように構成することができる。制御プレーン部分504は、無線スタックのRRCおよびPDCPプロトコルの実行を担うように構成されてもよい。
【0043】
gNBの集中型ユニットの制御プレーン部分504およびユーザプレーン部分506は、下層分割アーキテクチャに従って、1つまたは複数の分散型ユニット(DU)508,510と通信可能に結合されるように構成することができる。この分散型ユニット508,510は、無線スタックのRLC、MAC、およびPHY層プロトコルの上位部分を実行するように構成することができる。制御プレーン部分504は、F1-C通信インタフェース516を使用して分散型ユニット508,510に通信可能に結合されるように構成することができ、ユーザプレーン部分506は、F1-U通信インタフェース518を使用して分散型ユニット508,510に通信可能に結合されるように構成することができる。分散型ユニット508,510は、フロントホールインタフェース520を介して1つまたは複数のリモート無線ユニット(RU)512に結合可能であり、次にこれらは、(図5には示されていない)1つまたは複数のユーザ機器と通信する。リモート無線ユニット512は、PHY層プロトコルの下位部分を実行し、ならびに(図1a~図2に関連する上記議論と同様に)ユーザ機器と通信するためのアンテナ機能をリモートユニットに提供するように構成することができる。
【0044】
図6は、本保護対象のいくつかの実施形態による5G無線通信システム600を示す。このシステム600は、図5に示されているシステム500の一部であり得る。システム600は、1つまたは複数の集中型ユニット(CU)602、1つまたは複数の分散型ユニット(DU)604(a,b)、1つまたは複数の無線ユニット(RU)606(a,b,c)、および1つまたは複数のリモート無線ヘッド(RRH)608(a,b,c,d,e,f)を含むように構成することができる。これらのユニット602~608は、上述した1つまたは複数のインタフェースを使用して通信可能に結合することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、CU602は、DU604aおよびDU604bと通信可能に結合することができる。次に、分散型ユニット604aは、リモートユニット606aおよび606bに通信可能に結合することができ、これにより、ユニット606aは、2つのリモート無線ヘッド608aおよび608bに結合することができ、ユニット606bは、1つのリモート無線ヘッド608cに結合することができる。分散型ユニット604bは、リモートユニット606cに結合することができ、次に、このリモートユニット606cは、3つのリモート無線ヘッド608d、608e、および608fに結合されている。図6に示されているシステム600は、仮想化され個別化された無線アクセスネットワーク(RAN)アーキテクチャとして構成されてもよく、これによって、レイヤL1,L2,L3および無線処理は、集中型ユニット、分散型ユニット、および無線ユニットにおいて仮想化され個別化され得る。
【0046】
図7a~図7bは、5G無線通信システムにおける例示的なプロトコルスタックのさらなる詳細を示す。特に、図7aは、ユーザプレーンプロトコルスタック700を示し、図7bは、制御プレーンプロトコルスタック710を示す。プロトコルスタックの部分は、例示的なユーザ機器702と、基地局(またはその一部)、例えばgNodeBもしくはgNB,704との両方について示されている。ユーザプレーンプロトコルスタック700は、PHY、MAC、RLC、およびPDCPレイヤを含むことができる。制御プレーンプロトコルスタック710は、PHY、MAC、RLC、PDCP、RRC、ならびにNAS(非アクセス層、この一部が図7bに示されているように5Gコア制御ネットワーク706内に組み込まれていてもよい)を含むことができる。
【0047】
プロトコルスタックは、レイヤ1、レイヤ2およびレイヤ3を含むことができる。レイヤ1は、物理層(PHY)である。レイヤ2は、MAC、RLC、およびPDCPを含むことができる。レイヤ3は、図7a~図7bに示されているようなRRC層である。
【0048】
5G通信ネットワークにおけるPHY層の機能のいくつかは、トランスポートチャネルでのエラー検出および上位層への指示、トランスポートチャネルのFEC符号化/復号化、ハイブリッドARQソフト結合、物理チャネルに対する符号化されたトランスポートチャネルのレートマッチング、物理チャネルへの符号化されたトランスポートチャネルのマッピング、物理チャネルの電力重み付け、物理チャネルの変調および復調、周波数および時間同期、無線特性の測定および上位層への指示、MIMOアンテナ処理、デジタルおよびアナログのビーム形成、RF処理、ならびに他の機能を含むことができる。
【0049】
レイヤ2のMACサブレイヤは、ビーム管理、ランダムアクセス手順、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のマッピング、1つの論理チャネルに属する複数のMACサービスデータユニット(SDU)のトランスポートブロック(TB)への連結、論理チャネルに属するSDUの、トランスポートチャネル上の物理層に/から配信されるTBへの/からの多重化/逆多重化、スケジューリング情報の報告、HARQによる誤り訂正、1つのUEの論理チャネル間の優先処理、動的スケジューリングを用いたUE間の優先処理、トランスポートフォーマットの選択、および他の機能を実行することができる。RLCサブレイヤの機能は、上位レイヤパケットデータユニット(PDU)の転送、ARQによる誤り訂正、データPDUの並び替え、重複およびプロトコルエラー検出、再確立などを含むことができる。PDCPサブレイヤは、ユーザデータの転送、再確立手順中のさまざまな機能、SDUの再送信、アップリンクにおけるSDUの廃棄、制御プレーンデータの転送などを担っていてもよい。
【0050】
レイヤ3のRRCサブレイヤは、NASおよびASに対するシステム情報のブロードキャスト、RRC接続の確立、維持および解放、ポイントツーポイント無線ベアラのセキュリティ、確立、設定、維持および解放、モビリティ機能、レポートおよびその他の機能を実行することができる。
【0051】
III.メッセージングプロトコル
いくつかの実施形態では、本保護対象は、図6に示されている通信システム600が効率的かつ効果的に動作することを保証するために、例えば周波数、タイミング同期などのイベントに関して、DUとRUとの間のリアルタイムメッセージング通信プロトコルシステムを提供するように構成することができる。そのようなタイミングおよび同期プロトコルシステムは、さまざまな展開モデルで動作するように構成することでき、ここで、RU内のさまざまな無線周波数(RF)機能を有効化/無効化するために、複数のDUが、単一のRUと通信し、複数のRUが、単一のDUと通信し、さらにDUが、接続されたRUを制御および/または監視している。機能および能力の適切な制御がDUによって実行されることを保証するために、DUは、RUからリアルタイムタイミング、同期などの状態情報を取得するように構成することができる。リアルタイム周波数およびタイミング情報によって、基地局は、(例えば、スペクトル効率を最大化するためにガード周波数/時間を最小化し、キャリアアグリゲーション(CA)およびMIMO/CoMPとして帯域幅ブースト技術を利用することによって)データレートを最大化し、ならびに(例えば、スムーズなハンドオーバの実行、遅延の低減、位置ベースサービス(LBS)の提供などによって)ユーザ体験を最適化可能にすることができる。その上さらに、RUは、リアルタイムタイミング、同期などの状態の変化に応じてリアルタイムの状態をDUに提供/更新するように構成することができる。これにより、DUは、上述したように、RUによって報告された時間のタイプ、同期/などの状態イベント/変化に基づき、所定のRF機能を有効化/無効化することを含むがこれらに限定されないRU機能に関するさまざまな決定を実行可能にすることができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、本保護対象は、タイミング/同期/などの状態の変化のイベント/RUの変更(例えば、精密時間プロトコル(PTP)ロック状態、クロック品質の変化、位相/周波数精度の更新など)を、イーサネット層を介してDUに通信するようにさらに構成することができる。さらに、DUは、RUのどの機能を有効化/無効化するべきかを決定するために、さまざまな設定/監視/などの情報をRUに通信するように構成することができる。いくつかの例示的な実施形態では、DUとRUとの間のこの情報/メッセージは、本明細書に記載されるように、無線同期状態メッセージング(RSSM)プロトコルを使用することができる。
【0053】
図8は、本保護対象のいくつかの実施形態による例示的な無線同期状態メッセージングプロトコルシステム800を示す。このシステム800は、5G無線通信システムの一部であり得る。システム800は、1つまたは複数のリモートユニット(RU)806(a,b,c)と通信可能に結合された1つまたは複数の分散型ユニット(DU)804(a,b)を含むことができる。図8に示されているように、DU804aは、RU806aおよび806bに通信可能に結合することができる。DU804bは、RU806bおよび806cと通信可能に結合することができる。システム800は、システム内のネットワークセグメントごとに選択可能な1つまたは複数の同期マスタを含むこともでき、ここで、ルートタイミング基準は、グランドマスタ(例えばGM802a,802b)と称される。グランドマスタは、自身のネットワークセグメント上に常駐するクロックに同期情報を送信することができ、これによって、グランドマスタが選択されると、他のすべてのクロックは、このグランドマスタに直接同期させることができる。(IEEE1588-2002標準規格で最初に定義されているように)精密時間プロトコル(PTP)は、システム800全体にわたってクロックを同期させるために使用することができる。PTPは、サブマイクロ秒範囲におけるクロック精度を達成するために使用することができる。図8に示されているように、DU804およびRU806の両方は、(タイミング/同期プレーン810(a,b)を介して)クロック同期の目的のためにPTPプロトコルを使用するように構成することができる。しかしながら、状態の変化/イベントに関連するクロックを同期させるために、本明細書に記載されているような無線同期状態メッセージングプロトコルは、DU804とRU806との間で使用することができる。
【0054】
本保護対象の通信プロトコルの使用は、NETCONF/YANGプロトコル(またはアプリケーション層の通信モード)を実装する従来のシステムに関連するさまざまな問題を解決する。NETCONF/YANGは、RFC4741およびRFC6241標準規格のもとでインターネットエンジニアリングタスクフォース(IETF)によって策定され、標準化されたネットワーク管理プロトコルである。このプロトコルは、ネットワークデバイスの設定をインストール、操作、および削除するためのメカニズムを提供する。しかしながら、このプロトコルに基づく通信は、すべてのタイミングと同期のイベント/変化/状態に対するイベント/アラートを定義するものではない。特に、プロトコルベースの通信では、PTP/SyncE(同期イーサネット)の情報交換、例えば、PTPクロッククラス変更、SyncEクロック品質変更、位相/周波数オフセット、RUがロックされるかもしれないグランドマスタ情報、RUの視点から見たRUが動作しているモード(例えばGPS、PTPなど)などに対する拡張は定義されない。DUの視点からは、このプロトコルは、RUでプログラミングされるべき位相/周波数オフセット閾値、プログラミングされるべきPTPクロッククラス/SyncEクロック品質閾値などを含むがこれらに限定されないさまざまなタイミングおよび同期設定のための拡張を定義しない。
【0055】
図9は、NETCONF/YANG通知プロトコルを実装するように構成することができる例示的な通信システム900を示す。このシステム900は、リモートユニット(RU)902および分散型ユニット(DU)904を含むことができる。RU902とDU904との間の通信は、各々が通信のさまざまな態様を担うさまざまなレイヤを使用して達成することができる。特に、これらのレイヤは、レイヤ1(PHY)906、レイヤ2(データリンク)908、レイヤ3(ネットワーク)910、レイヤ4(トランスポート)912およびアプリケーション層(例えばレイヤ5~7)を含んでいる。
【0056】
アプリケーション層914は、タイミング/同期コンポーネント916を組み込むように構成することができ、ここで、RU902は、自身のタイミング/同期コンポーネント916aを含むことができ、DU904も対応するコンポーネント916bを含むことができる。さらに、アプリケーション層914は、運用、管理、および保守(OAM)、単純ネットワーク管理プロトコル(SNMP)、ならびにNETCONF/YANGプロトコルのさまざまな他の態様を含むことができ、ここで、RU902およびDU904の各々は、これらの各々の一部を含むように構成することができる(例えば、RU902は、部分918aを含むことができ、DU904は、部分918bを含むことができる)。アプリケーション層コンポーネント918aおよび918bは、NETCONF/YANGプロトコルに従って、状態情報に関するさまざまな通知を交換するように構成することができる。コンポーネント916aおよび916bは、図9に示されているように、レイヤ1/レイヤ2のハードウェア内に組み込むことができる精度時間プロトコル認識コンポーネント920a,920bそれぞれに通信可能に結合されるように構成することができる。
【0057】
システム900は、以下のように動作するように構成することができる。タイミング状態の変化のイベント930は、ハードウェアコンポーネント920(例えばコンポーネント920a)内で検出されてもよい。イベント930の情報は、ソフトウェアコンポーネント916aに送信されてもよい。例えば、この情報は、クロッククラス変更イベントによるホールドオーバー状態への移行を示すものであってもよい。次いで、ソフトウェアコンポーネント916aは、932において、この情報をコンポーネント918aと通信するように構成されてもよい。コンポーネント918aは、自身のピアノード、すなわちDU904内のコンポーネント918bに状態の変化を示すOAM層通知934を生成し送信するように構成されてもよい。この通知は、NETCONF/SNMPメッセージを使用して送信することができる。次いで、コンポーネント918bは、936において、コンポーネント916bが適切なタイミング補正を実行できるように、コンポーネント916bに通知することができる。
【0058】
従来のシステム(図9に示されているシステム900など)は、時間/同期イベント/変化/状態のDUへのリアルタイムでの報告を提供することができない。しかしながら、タイミングの精度は、任意のタイミング/同期イベント/変化/などに関連して、RUからDUへのリアルタイムフィードバックを提供するために重要である(例えば、RUがネットワーク内の顕著なパケット遅延変動(PDV)によるロック状態(ホールドオーバー状態)から転出する、PTPグランドマスタ(GM)のクロック品質が破損する、SyncEのクロック品質が破損する、かつ/または上流側マスタがアクセス不能に陥るなど)。また、データパケットの正確なタイムスタンプ、さまざまなPTPイベントおよび/またはメッセージの生成/処理、イベント変更のタイミングなどのためにも重要である。その上さらに、そのようなタイミングの精度は、リアルタイム方式で処理すべきRUからDUへの即時の報告目的のためにも重要である。しかしながら、NETCONF/YANGプロトコルを使用する従来のシステムでは、そのようなシステムがアプリケーションベースの報告を使用するため実行することができない。ここでは、ハードウェア(例えばPTP920)において検出された任意の時間/同期/状態イベントは、図9に関連して上記で論じたように、RUからDUへの報告のためにNETCONF/YANGプロトコルを使用するソフトウェア層(例えばコンポーネント916,918)に通信される。アプリケーション層への依存性のために、報告プロセスは、複雑で時間がかかり、リアルタイムで実行されないことになり(これは、一連のPTPの状態の変化が存在するシナリオでは特に問題となり得る)、これにより、典型的には、DUはRUの古いもしくは「古参の」データを処理するはめになる。RUの状態についてリアルタイムでDUに報告できないことも、予期せぬ/未定義の結果につながる可能性がある。例えば、DUは、RUがホールドオーバーに移行する際に(オフセットが大きいため)RUの放射を望まない場合がある。さらに、この情報をDUに提供するのが遅れると、最終的に呼ハンドオーバの問題、遅延、およびその他の問題につながる可能性もある。
【0059】
本保護対象は、以下に記載されている無線同期メッセージングプロトコルを使用して、上記の問題を解決する。特に、本保護対象は、レイヤ2においてリアルタイムで起こり得るDUとRUとの間の通信プロトコルを提供するように構成することができる。本保護対象は、予め定められた宛先マルチキャストアドレス、予め定められたプロトコルタイプ、種々な時間同期データタイプ、ペイロードオプション(ここでは、例えば、ペイロードはデータ交換のタイプに基づいて可変である)、およびこれらの任意の組み合わせを使用してレイヤ2高速パスメカニズムを実装するように構成することができる。
【0060】
図10は、本保護対象のいくつかの実施形態による無線同期メッセージングプロトコルを実装するように構成することができる例示的な通信システム1000を示す。このシステム1000は、リモートユニット(RU)1002および分散型ユニット(DU)1004を含むことができる。図9と同様に、RU1002とDU1004との間の通信は、さまざまなレイヤを使用して実行することができる。これらのレイヤは、レイヤ1(PHY)1006、レイヤ2(データリンク)1008、レイヤ3(ネットワーク)1010、レイヤ4(トランスポート)1012、およびアプリケーション層(例えばレイヤ5~7)を含むことができる。
【0061】
システム1000では、アプリケーション層1014は、タイミング/同期コンポーネント1016を組み込むように構成することができ、ここで、RU1002は、コンポーネント1016aを含むことができ、DU1004は、コンポーネント1016bを含むことができる。これらのコンポーネント1016aおよび1016bは、図10に示されているようにレイヤ1/レイヤ2のハードウェアに組み込み可能である精密時間プロトコル認識コンポーネント1020a,1020bにそれぞれに通信可能に結合されるように構成することができる。さらに、各PTPコンポーネント1020は、それぞれ無線同期状態メッセージングモジュール(RSSMモジュール)1022(a,b)を含むことができる。RU1002およびDU1004のモジュール1022は、図10に示されているように、通信可能に結合することができる。
【0062】
システム1000は、以下のように動作するように構成することができる。タイミング状態の変化のイベント1030(例えばクロッククラス変更イベントによるホールドオーバー状態への移行)は、ハードウェアコンポーネント1020(例えばコンポーネント1020a)において検出されてもよい。これらのイベント1030情報は、ソフトウェアコンポーネント1016aに送信されてよいし、RSSMモジュール1022aに提供されてもよい。次いで、RSSMモジュール1022は、レイヤ2のメッセージを介して、1032において、DU1004のRSSMモジュール1022bに、状態の変化の情報についての通知を通信することができる。次いで、コンポーネント1020bは、RSSMモジュール1022bによって受信された情報を送信し、通知1034をコンポーネント1016bに送信することができ、それによって、コンポーネント1016bは、DU1004のアプリケーション層1012の部分において適切なタイミング補正および/または任意の他の機能を実行できるようになる。
【0063】
さらに、任意のRU1002からDU1004への通信において、任意の時間同期/状態/イベント変化のために、予め定められたプロトコルタイプ(例えば、以下で論じるようなRSSMプロトコル)を有するレイヤ2フレームを生成することができ、報告のためのデータのタイプ(例えばPTPクロッククラス変更など)を含むように構成することができる。フレームは、異なる時間同期/状態/イベントデータタイプ(例えば、以下で論じるようなRSSMメッセージタイプ)、発信元および/または宛先情報、任意選択的なペイロード情報、および/または任意の他の情報も含むことができる。発信元情報(例えばSource_Info)は、データパケット起源の発信元を識別するために使用することができ、発信元タイプ(例えばSource_Type)および発信元識別子(例えばSource_id)を含むことができる。Source_Typeは、メッセージがRUまたはDUから送信されているかどうかを識別するようにさらに構成することができる。Source_Idは、DUに接続されてもよい複数のRUにおける特定のRUを識別するために使用することができるリモートユニット識別子(例えばRU_ID)を示すことができる。宛先情報(例えばDestination_Info)は、宛先を識別するために使用することができ、特定のDUおよび/またはRUを識別することができる宛先タイプ(例えばDestination_Type)と、特定のDUおよび/またはRUを識別することができる宛先識別子(例えばDest_Id)と、を有することができる(DUであるならば、その宛先識別子はDU_IDであり得る)。以下の表1は、(図10に示されているように)モジュール1022aと1022bとの間で送信することができる例示的なイーサネットフレームフォーマットを上述の議論に従って示す。
【0064】
表1.イーサネットフレームフォーマット
【表1】
【0065】
表1に示されている例示的なイーサネットフレームフォーマットでは、DST_MC_MAC_ADDRフィールドは、予め定められたマルチキャストMACアドレスを参照することができる。SRC_MAC_ADDRフィールドは、レイヤ2発信元のMACアドレスを参照することができる(例えばRUが発信元である)。ETHER_TYPEフィールドは、伝送されているフレームのタイプを示すことができるレイヤ2プロトコルのEtherタイプを参照することができる。フレームのPAYLOADフィールドは、検出された時間同期/状態/イベントに関する情報を含むことができる。特に、PAYLOADフィールドは、以下の表2に示されているRSSMプロトコルメッセージを含むことができる。上記のイーサネットフレームのPREAMBLEおよびFCS(フレームチェックシーケンス)フィールドは、イーサネットフレームの標準的なコンポーネントを参照することができる。このイーサネットフレームの上記の各部分は、さまざまなサイズを有することができる(それらのいくつかは、標準的なイーサネットフレームの典型であってもよい)。上述したように、表2は、例示的なRSSMプロトコルメッセージフォーマットを示す。
【0066】
表2.RSSMプロトコルメッセージ
【表2】
【0067】
上記の表2に示されているように、VersionRSSMは、RSSMプロトコルバージョンを示すフィールド(例えば3ビット)であり得る。DST_IDENTIFIERフィールドは、宛先タイプおよび宛先識別子に関する情報を含むことができる。特に、以下の表3によって示されているように、これには以下の2つのフィールドDestination Type(DU/RU)およびDestination_Idを含むことができる。
【0068】
表3.宛先情報フィールド
【表3】
【0069】
同様に、SRC_IDENTIFIERフィールドは、発信元タイプおよび発信元識別子に関する情報を含むことができる。特に、以下の表4によって示されているように、これには以下の2つのフィールドSource Type(DU/RU)およびSource_Idを含むことができる。
【0070】
表4.発信元情報フィールド
【表4】
【0071】
表2に戻って参照すると、RSSM_MSG_TYPEフィールドは、送信されているRSSMメッセージのタイプを示すことができる。いくつかの例示的なRSSMメッセージタイプには、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、0-未定義、1-PTP_CLOCK_STATUS(例えばPTPロック状態を示すために使用することができる)、2-SYNCE_CLOCK_STATUS(例えばSyncEロック状態を示すために使用することができる)、3-TIME_ERR_STATUS(例えば位相/周波数誤差/オフセットを示すために使用することができる)、4-PTP_CFG(例えばRUで設定されるオフセット閾値などのPTP設定を参照することができる)、5-SYNCE_CFG(例えばRUで設定されるオフセット閾値などの周波数設定を参照することができる)、6-任意選択的なcmd/config、および7~255-さまざまな使用のための予備を含めることができる。
【0072】
RSSMメッセージの長さフィールドは、ヘッダおよびペイロード部分を含む、RSSMメッセージの長さ(例えばバイト)を示してもよい。ペイロードフィールドは、上記の各RSSM_MSG_TYPEに基づいて、同期/時間/状態の変化における任意の変化に関する関連データを含むことができる。例えば、RU1002が、PTPクロッククラス変更によりHOLDOVER状態に移行すると、RU1004は、上記の表1~4に示されているフォーマットに従って、レイヤ2フレームを生成し、DU1002にRU1004に関する状態の変化を通知することができる。特に、表1に示されているイーサネットフレームは、そのフィールド内に以下の情報を含むことができる。DST_MC_MAC_ADDRは、DU1004のMACアドレスを参照することができる。SRC_MAC_ADDRは、RU1002のMACアドレスを参照することができる。ETHER_TYPEは、RSSMプロトコルフレームが送信されていることを示すことができるRSSMプロトコルタイプを含むことができる。ペイロード部分は、上記の表2~4に従って定義することができる。これには、DST_IDENTIFIER(例えばDU1004の識別子)、SRC_IDENTIFIER(例えばRU1002の識別子)、RSSM_MSG_TYPEメッセージタイプ(例えばPTPクロック状態メッセージ)、および任意選択的なRSSMペイロードを含めることができる。さらに、DST_IDENTIFIERは、メッセージの宛先を示すことができるDU_ID(例えばDU1004)識別子として、DU1004のDestination_TypeおよびDestination_Identifierを含むことができる。さらに、SRC_IDENTIFIERは、メッセージの起点(すなわちRU1002)に対応するRU_IDとして、RU1002のSource_Type(例えばRU)およびSource_Identifierを含むことができる。メッセージのRSSM_MSG_TYPEフィールドは、メッセージがPTPクロック状態メッセージであることを示すことができる。RSSMメッセージのペイロードフィールドは、以下とすることができる。
PTPロック状態:LOCKED/HOLDOVER/FREE-RUN(例えば、PTPステータスを示すことができる)
以降の状態(秒単位):xx(例えば状態の最後の変化以降の時間を示すことができる)
PTP受信クロック品質:7(例えば、この値は1~255からの任意の値を含むことができる)
GM Info(GM Clk id):64バイト値(例えばグランドマスタクロック情報およびそのクロック識別子を示すことができる)
【0073】
上記の情報を使用して、RU1002内のRSSMモジュール1022aは、RSSMメッセージ1032を生成し、このメッセージをDU1004内のRSSMモジュール1022bに送信するように構成することができる。受信されたメッセージに基づき、DU1004は、任意のさらなる措置のためにRU1002を選択的に制御/監視/設定するように構成することができる。
【0074】
同様に、DU1004からRU1002への通信は、表1~4に関して上述したレイヤ2イーサネットフレームを実現することもできる。特に、任意の時間同期設定に対して、DU1004は、予め定められたプロトコルタイプ(例えば、RSSMプロトコル)を有している(例えば表1に示されているような)レイヤ2フレームと、報告、設定などのためのデータ(例えば、RU1002に構成される位相/周波数閾値)とを生成することができる。DU1004からRU1002へのRSSMメッセージの送信のために、異なる時間同期イベントデータタイプ(例えばRSSMメッセージタイプ)、発信元および宛先情報、および任意選択的なペイロード情報を使用することができる(例えばRU1002からDU1004へ送信されているイーサネットフレームにおいて使用されるものとは異なる)。例えば、DU1004は、位相/周波数誤差が設定された位相/周波数閾値内にある限り、RU1002がロックされたまま放射し続けることができるように、RU1002が特定の位相/周波数閾値で構成されることを望む。そうするために、DU1004は、以下の情報を使用して(上記の表1~4に定められているような)レイヤ2イーサネットフレームを生成し、それをRU1002に意図した値の設定のために送信するように構成することができる。
【0075】
特に、表1に示されているイーサネットフレームは、そのフィールドに以下の情報を含むことができる。DST_MC_MAC_ADDRは、RU1002のMACアドレスを参照することができる。SRC_MAC_ADDRは、DU1004のMACアドレスを参照することができる。ETHER_TYPEは、RSSMプロトコルフレームが送信されていることを示すことができるRSSMプロトコルタイプを含むことができる。ペイロード部分は、上記の表2~4に従って定義することができる。これには、DST_IDENTIFIER(例えばRU1002の識別子)、SRC_IDENTIFIER(例えばDU1004の識別子)、RSSM_MSG_TYPEメッセージタイプ(例えば位相/周波数閾値設定メッセージ)、および任意選択的なRSSMペイロードを含むことができる。さらに、DST_IDENTIFIERは、メッセージの宛先を示すことができるRU_ID(例えばRU1002)識別子として、RU1002のDestination_TypeおよびDestination_Identifierを含むことができる。さらに、SRC_IDENTIFIERは、メッセージの起点(すなわちDU1004)に対応するDU_IDとして、DU1004のSource_Type(すなわちDU)およびSource_Identifierを含むことができる。メッセージのRSSM_MSG_TYPEフィールドは、メッセージがPTP_CFG設定メッセージであることを示すことができる。RSSMメッセージのペイロードフィールドは、以下とすることができる。
Clock Class:設定可能なクロッククラス閾値
Phase_Offset_cfg:設定可能な位相オフセット閾値(例えば100ns)
Freq_Offset_cfg:設定な周波数オフセット閾値(ppm)(例えば11ppm)
任意選択的にペイロードを追加することもできる。
【0076】
上述したように、上記のデータを使用して、DU1004は、RU1002宛てのレイヤ2イーサネットメッセージを生成することができ、それによって、意図された設定は、生成されたRSSMメッセージ内で送信された内容を使用してRU1002で適用することができるようになる。
【0077】
いくつかの実施形態では、個別化されたRANアーキテクチャにおいて、1つまたは複数のDU1004は、単一のRU1002に通信可能に結合することができ、かつ/または1つまたは複数のRU1002は、単一のDU1004に通信可能に結合することができる。動作中、RU1002は、(例えば、時間/周波数などにおいて)同期するように構成することができ、DU1004は、RSSMプロトコル機構を使用して接続されたDU1004に同期状態を報告するようにRU1002をプログラミングすることにより、RU1002の時間同期状態を監視するように構成することができる。この報告は、適切な要求を受信したときの自動的なもの、周期的なもの、手動によるものであってもよく、かつ/または任意の他の所望の時間に実行されてもよく、かつ/または周期的に実行されてもよい。例えば、DU1004へのそのような報告が発生するレート/頻度は、プログラミングすることができる。
【0078】
各RU1002は、(上記の表1~4に従って)レイヤ2イーサネットフレームを生成しているDU1004に時間同期状態を報告するように構成することができる。フレームは、PTPモジュール1020aのデータを含むことができ、ここで、PTPモジュール機能は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはその両方に実装することができる。図10に示され、上記で論じられたように、PTPモジュール1020aは、RSSMプロトコルモジュール1022aの機能および/または手順を組み込むことができる。
【0079】
RU1002における状態の変化のイベントにおいて(例えばRU1002が、例えばRU/PTPでのSプレーン通信の喪失、クロッククラスが許容範囲内にない、SyncE SSM品質が許容範囲を超えているなどに起因してロック/同期状態を失い、LOCKED/SYNCED状態からHOLDOVER/FREE-RUNに移行する場合)、そのPTPモジュール1020aは、そのような変化を検出し、適切な通知をRSSMモジュール1022aに提供するように構成することができ、ここで、この通知は、ロック状態データとともにロック状態における変化を示すデータを含むことができる。RSSMモジュール1022aは、受信された情報を表示/イベントのタイプを決定するために使用することができ、上記の表1~4に従ってレイヤ2イーサネットフレームメッセージを生成することができる。次いで、RSSMモジュール1022aは、生成されたメッセージを、RU1002に通信可能に結合されてもよいすべての上流側DU1004に送信することができる。
【0080】
RSSMモジュール1022を統合するDU1004の組み込みPTPモジュール1020は、受信されたレイヤ2イーサネットメッセージを検出し、時間同期の状態の変化を決定するように構成することができる。次いで、DU1004は、受信された情報に基づき、そのような変化に応じるか否かを決定することができる。この反応は、リアルタイム方式であり得る。DU1004のRSSMモジュール1022bは、(上記の表1~4に従って生成された)レイヤ2イーサネットフレームに含ませるための適切なRSSMメッセージを生成することができ、それをRU1002に通信可能に結合することができるすべての関連するDU1004に送信することができる。
【0081】
時間状態の変化の(DU/RUによる)上記の検出、反応、および通知は、DU/RUのハードウェア部分内で(例えば「ワイヤ」の近傍で)起こり得る。したがって、これらのプロセスにより、上位レイヤにおいて発生し得るソフトウェアモジュールの相互作用を回避することができ、それゆえソフトウェアレイヤに関連するかもしれないDUへの時間に影響されやすいイベントの報告における遅延を回避することができる。それゆえDUとRUとの間の通信は、実質的にリアルタイムであり得る。
【0082】
さらに、いくつかの実施形態では、DUにロック状態を報告するRUは、宛先MACアドレスとして予め定められたマルチキャストアドレスを選択するように構成することができる。これにより、特定のRUが通信可能に結合することができるすべてのユニキャストDUが追跡され続けること、ならびにユニキャスト宛先MACアドレスを用いて複数のロック状態レポートが生成されることを回避することができる。その代わりに、1つのマルチキャスト宛先MACアドレスRSSMフレームが複製されると同時にすべての上流側DUに送信することが可能になる。これにより、RU状態がすべてのマルチキャストDUにリアルタイムでブロードキャストされることを保証することができ、それにより、DUは、RUに(例えば呼欠落/呼遅延につながり得る)遅延が生じる前に、無線周波数(RF)機能を有効化/無効化するための適切な措置を適時に実行することが可能になる。
【0083】
図11は、本保護対象のいくつかの実施形態による無線同期メッセージングのための例示的なプロセス1100を示す。このプロセス1100は、図10に示されているシステム1000によって実行することができる。1102では、タイミング状態の変化(例えば同期状態における変化、タイミング変化イベント、PTPクロッククラスの変化、位相/周波数閾値の変化など)が監視され検出され得る。タイミング状態の変化は、図10に示されているように、分散型ユニット(DU)1004および/または無線ユニット(RU)1002によって監視/検出することができる。特に、PTPモジュール1020は、そのような変化を検出するように構成することができる。
【0084】
1104では、レイヤ2が(例えばRUによってRUからDUへの通信のために;DUによってDUからRUへの通信のために)生成され得る。レイヤ2フレームは、RSSMメッセージを含むことができるペイロード情報とともに、発信元および宛先データ/情報を含むことができる。1104aでは、発信元データ/情報は、(例えばDUおよび/またはRUを識別する)発信元タイプ、発信元識別子などを含むことができ、1104bでは、宛先データ/情報は、(例えばRUおよび/またはDUを識別する)宛先タイプ、宛先識別子などを含むことができる。1104cでは、フレームは、同期状態における通信変化、タイミング変化イベントなどとして特にこのフレームのタイプを識別するEtherタイプを含むこともできる。1104dでは、レイヤ2フレームは、上記で論じたように検出された変化を示すことができるRSSMメッセージを含むこともできる。
【0085】
1106では、生成されたレイヤ2フレームを、適用可能なまたは「関連する」すべての通信ユニット(例えばRU、DUなど)に送信することができる。適用可能なまたは「関連する」すべての通信ユニットへの送信は、マルチキャストMACアドレッシングの使用によって達成することができ、これにより、生成されたフレームは、複数のコピーを用いて複製され、送信することができる。レイヤ2フレームは、フレームの意図された受信側(例えば図10に示されているようにフレームがRU1002によって送信される場合のDU1004)のPTPハードウェア(特にRSSMモジュール1022)によって受信することができる。
【0086】
既存のシステムにわたる本保護対象のいくつかの利点は、(ユニキャスト通信を実装する従来のプロトコルに対して)DUとRUとの間のマルチキャストベースの通信を使用する能力を含み、これによって、DUとRUとの間の個別のメッセージ通信の必要性がなくなる。さらに、上述したように、本保護対象では、(イベントが検出されてからメッセージを生成しかつRUからDUに報告するまで典型的には最大で約1秒費やしていた従来のシステムに比べて)実質的にリアルタイムでの変化の検出、ならびにDUに対するRSSMメッセージの生成および報告が可能になる。付加的に、従来のシステムは、典型的には、すべてのタイプのイベント/通知(例えば、Sプレーン、Uプレーン、Cプレーン)についてのDUとRUとの間の情報交換のための汎用的な機構を提供するが、本保護対象のRSSMプロトコルは、時間同期状態の交換(例えばSプレーン)、DUとDUとの間の時間同期閾値/パラメータの設定について、電気通信事業者によって望まれ得る明示的な通信手法を定義することができる。
【0087】
表2に戻って参照すると、以下は、送信されているRSSMメッセージのタイプ(例えば、0-未定義、1-PTP_CLOCK_STATUS、2-SYNCE_CLOCK_STATUS、3-TIME_ERR_STATUS、4-PTP_CFG、5-SYNCE_CFG、6-任意選択的なcmd/config、および7~255-さまざまな使用のための予備)を示すことができるさまざまなRSSM_MSG_TYPEフィールドのいくつかの例示的なフォーマットの議論である。(上記の表2に示されている)RSSMメッセージのタイプは、ペイロードに含ませることのできる特定のデータを決定することができる。
【0088】
いくつかの例示的な実施形態では、PTP_CLOCK_STATUSメッセージは、以下の表5に示されているように以下のフォーマットを有することができる。
【0089】
表5.PTP_CLOCK_STATUSメッセージ
【表5】
【0090】
上記のメッセージは、RSSMメッセージタイプがPTOクロック状態であることを示すことができる(例えばRSSM_MSG_TYPE=PTP_CLOCK_STATUS(1))。これには、バイト単位(例えばN)でのRSSMメッセージヘッダおよびペイロードの長さの指標を含むこともできる。さらに、PTPロック状態は、RUおよび/またはDUのタイミング状態を示すことができる(例えばPTP_Lock_Status=RU/DUのタイミング状態)。非限定的な例として、一部のPTP_Lock_Status値は、LOCKED、HOLDOVER、FREE-RUNなどを含むことができる。上述のメッセージにおける別のフィールドは、特定のDU/RUが現在のロック状態にあった期間の指標(例えばState_Since;秒単位)を含むことができる。Clock_Classフィールドは、上流側マスタから受信できるクロッククラス(例えばグランドマスタクロッククラス)を示すことができる。GM Idフィールドは、他の利用可能なグランドマスタの中から最良のマスタクロックアルゴリズム(BMCA)に従って受信および選択され得るグランドマスタ識別子を示すことができる。拡張可能ペイロードフィールドは、任意の付加的データを含むことができる。
【0091】
SYNCE_CLOCK_STATUSメッセージ(例えばRSSMメッセージのタイプ2)は、表6に示されているように以下のフォーマットを有することができる。
【0092】
表6.SYNC_CLOCK_STATUSメッセージ
【表6】
【0093】
このメッセージの最初の2つのフィールドは、表5に示されているメッセージと同様であり得る。SyncE_Lock_Statusフィールドは、RU/DUのSyncEロック状態を示すことができる。いくつかの例示的な非限定的値は、LOCKED,HOLDOVER,FREE-RUNなどを含むことができる。State_Sinceフィールドは、上記の表5に示されているそれぞれのフィールドと同様である。Received_SSM_Levelフィールドは、物理的クロック品質レベルを示す受信されたSSM品質を示すことができる。拡張可能ペイロードは、表5と同様に任意の付加的データを含むことができる。
【0094】
TIME_ERR_STATUSメッセージは、表7に示されているように以下のフォーマットを有することができる。
【0095】
表7.TIME_ERR_STATUSメッセージ
【表7】
【0096】
(それぞれの情報を含む)上記のメッセージの最初の2つのフィールドは、上記で論じた表5および表6におけるフィールドと同様である。特に、RSSM_MSG_TYPEフィールドは、デバイスの時間誤差(例えばオフセット)状態(例えばTIME_ERR_STATUS)を含むことができる。Nのフィールドは、上述したように、RSSMメッセージヘッダおよびペイロードの長さに対応することができる。(ナノ秒単位で測定されるように)TIME_ERRフィールドは、デバイス(例えばRU,DUなど)上で累積される時間誤差(例えば位相オフセット)に対応することができる。FREQ_ERRは、(例えばppm単位で測定されるように)デバイス上で累積された周波数誤差(例えばオフセット)に対応することができる。ペイロードは、任意のさらなる情報を含むことができる。
【0097】
PTP設定メッセージ(すなわちPTP_CFG)は、表8に示されている以下のフォーマットを有することができる。
【0098】
表8.PTP設定メッセージ
【表8】
【0099】
最初の2つのフィールドは、表5~7に関して上述した情報のタイプを含んでいる。PTP_Clock_Classフィールドは、設定可能なクロッククラス値(例えば1~255)に対応することができる。PHASE_OFFSET_CFGフィールドは、(例えばns単位で測定されるように)設定可能な位相オフセット値を含むことができる。FREQ_OFFSET_CFGフィールドは、(例えばppm単位で測定されるように)設定可能な周波数オフセット値を含むことができる。ここでも、ペイロードフィールドは、任意の他の情報を含むことができる。
【0100】
SyncE設定メッセージ(例えばSYNCE_CFG)は、以下の表9に示されているように以下のフォーマットを有することができる。
【0101】
表9.SyncE設定メッセージ
【表9】
【0102】
表5~9に関して既に論じたフィールドに対して付加的に、SSM_CLK_LEVELフィールドは、設定可能なSSM品質レベルに関する情報を含むことができる。FREQ_OFFSET_CFGフィールドは、(ppb単位で測定されるように)設定可能な周波数オフセットに関するデータを含むことができる。最後に、ペイロードは、任意の付加的データを含むことができる。
【0103】
図12に示されているように、いくつかの実施形態では、本保護対象は、システム1200内に実装されるように構成することができる。このシステム1200は、1つまたは複数のプロセッサ1210、メモリ1220、記憶デバイス1230、および入/出力デバイス1240を含むことができる。これらのコンポーネント1210、1220,1230、および1240の各々は、システムバス1250を使用して相互接続することができる。プロセッサ1210は、システム600内での実行のための命令を処理するように構成することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサ1210は、シングルスレッドプロセッサであり得る。代替的な実施形態では、プロセッサ1210は、マルチスレッドプロセッサであり得る。プロセッサ1210は、入/出力デバイス1240による情報の受信または送信を含めて、メモリ1220内または記憶デバイス1230上に記憶された命令を処理するようにさらに構成することができる。メモリ1220は、システム1200内に情報を記憶することができる。いくつかの実施形態では、メモリ1220は、コンピュータ可読媒体であり得る。代替的な実施形態では、メモリ1220は、揮発性メモリユニットであり得る。さらにいくつかの実施形態では、メモリ1220は不揮発性メモリユニットであり得る。記憶デバイス1230は、システム1200のための大容量記憶デバイスを提供することができる。いくつかの実施形態では、記憶デバイス1230は、コンピュータ可読媒体であり得る。代替的な実施形態では、記憶デバイス1230は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光学的ディスクデバイス、テープデバイス、不揮発性ソリッドステートメモリ、または任意の他のタイプの記憶デバイスであり得る。入/出力デバイス1240は、システム1200のための入/出力動作を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、入/出力デバイス1240は、キーボードおよび/またはポインティングデバイスを含むことができる。代替的な実施形態では、入/出力デバイス1240は、グラフィカルユーザインタフェースを表示するためのディスプレイユニットを含むことができる。
【0104】
図13は、本保護対象のいくつかの実施形態による例示的な方法1300を示す。1302では、状態イベントの変化が、1つまたは複数の第1の通信デバイス(例えばRU、DUなど)によって検出可能である。ステップ1304では、検出された状態イベントの変化を示すメッセージを生成することができる。1306では、生成されたメッセージが、1つまたは複数の第2の通信デバイス(例えばDU、RUなど)に送信可能である。
【0105】
いくつかの実施形態では、本保護対象は、以下の任意選択的な特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。通信デバイスは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、基地局、gNodeB基地局、eNodeB基地局、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。特に、通信デバイスは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、1つまたは複数の分散型ユニット、1つまたは複数の無線ユニット、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、リモートユニットは、メッセージを生成し、生成されたメッセージを1つまたは複数の分散型ユニットに送信することができる。代替的または付加的に、分散型ユニットは、メッセージを生成し、生成されたメッセージを1つまたは複数のリモートユニットに送信することができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、メッセージは、1つまたは複数の第1の通信デバイスの1つまたは複数のレイヤ2コンポーネントから1つまたは複数の第2の通信デバイスの1つまたは複数のレイヤ2コンポーネントに送信されるように構成されたレイヤ2メッセージフレームであり得る。レイヤ2メッセージは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、レイヤ2メッセージの発信元の識別子、レイヤ2メッセージの発信元のタイプの識別子、レイヤ2メッセージの宛先の識別子、レイヤ2メッセージの宛先のタイプの識別子、レイヤ2メッセージのタイプの識別子、状態イベントの変化に対応するデータ、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。さらに、状態イベントの変化に対応するデータは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、精度タイミングプロトコルクロック状態、同期イーサネットクロック状態、時間誤差状態、精度タイミングプロトコル設定、同期イーサネット設定、1つまたは複数のコマンド、1つまたは複数の設定、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。状態イベントの変化に対応するデータは、以下のうちの少なくとも1つ、すなわち、状態イベントの先行する変化の検出以降の経過時間、位相オフセット設定、周波数オフセット設定、およびこれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、本方法は、第2の通信デバイスによって、受信されたメッセージに基づき1つまたは複数の措置を実行するステップを含むことができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、メッセージは、1つまたは複数の第2の通信デバイスによって実質的にリアルタイムで受信されるように構成されたマルチキャストメッセージであり得る。
【0109】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、例えば、データベース、デジタル電子回路、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせも含むコンピュータなどのデータプロセッサを含むさまざまな形態で具現化することができる。その上さらに、上述した特徴、および本開示の実施形態の他の態様および原理は、さまざまな環境で実施することができる。そのような環境および関連するアプリケーションは、開示された実施形態によるさまざまなプロセスおよび動作を実行するように特別に構築可能であるか、または必要な機能を提供するためにコードにより選択的に起動または再構成される汎用コンピュータまたはコンピューティングプラットフォームを含むことができる。本明細書で開示されるプロセスは、いずれかの特定のコンピュータ、ネットワーク、アーキテクチャ、環境、または他の装置に本質的に関連するものではなく、ハードウェア、ソフトウェアおよび/またはファームウェアの適切な組み合わせによって実施することができる。例えば、開示された実施形態の教示に従って記述されたプログラムを用いてさまざまな汎用機械を使用するができ、あるいは必要な方法および技術を実行するための専用の装置もしくはシステムを構築することがより好適な可能性もある。
【0110】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、コンピュータプログラム製品として、すなわち、データ処理装置、例えばプログラマブルプロセッサ、コンピュータ、または複数のコンピュータによる実行またはそれらの動作の制御のために、情報担体内で、例えば機械可読記憶デバイスまたは伝搬信号内で有形に具現化されるコンピュータプログラムとして実装することができる。コンピュータプログラムは、コンパイル言語またはインタプリタ言語を含む任意の形態のプログラミング言語で記述することができ、スタンドアロン型プログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとしてなどを含めた任意の形態で展開することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータで実行されるか、または1つのサイトにおける複数のコンピュータで実行されるか、または複数のサイトにわたって分割され、通信ネットワークによって相互接続されるように展開することができる。
【0111】
本明細書で使用される用語「ユーザ」は、人またはコンピュータを含む任意のエンティティを指すことができる。
【0112】
第1の、第2のなどの序数は、状況によっては順序に関係するが、本明細書で使用される序数は、必ずしも順序を意味するものではない。例えば、序数は、単に1つのアイテムを他のアイテムから区別するために使用することができる。例えば、第1のイベントを第2のイベントから区別するためであっても、必ずしも任意の時系列順序または固定的参照系の意味を含ませる必要はない(そのため説明のある段落における第1のイベントは、説明の別の段落における第1のイベントとは異なる可能性がある)。
【0113】
前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲の説明を意図したものであってその限定を意図したものではない。他の実施形態は、添付の請求項の範囲内にある。
【0114】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、またはコードとも称され得るこれらのコンピュータプログラムは、プログラマブルプロセッサ用の機械命令を含み、高水準の手続き型および/またはオブジェクト指向プログラミング言語および/またはアセンブリ/機械語で実現することができる。本明細書で使用される「機械可読媒体」という用語は、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体も含めて、プログラマブルプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される、例えば、磁気的ディスク、光学的ディスク、メモリ、およびプログラマブルロジックデバイス(PLD)などの任意のコンピュータプログラム製品、装置、および/またはデバイスを指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。機械可読媒体は、例えば、非一時的ソリッドステートメモリまたは磁気的ハードドライブまたは任意の同等の記憶媒体のように、そのような機械命令を非一時的に記憶することができる。機械可読媒体は、代替的または付加的に、そのような機械命令を、例えばプロセッサキャッシュか、あるいは1つまたは複数の物理的プロセッサコアに関連付けられた他のランダムアクセスメモリなどの一時的な方式で記憶することができる。
【0115】
ユーザとの対話を提供するために、本明細書に記載された保護対象は、ユーザに情報を表示するための、例えば、陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)モニタなどの表示デバイスと、ユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボードや例えばマウスもしくはトラックボールなどのポインティングデバイスと、を有するコンピュータに実装することができる。同様にユーザとの対話を提供するために、他の種類のデバイスを使用することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック、または触覚的フィードバックなどの任意の形態の感覚的フィードバックであり得る。また、ユーザからの入力は、音響的、音声的、または触覚的入力を含むがこれらに限定されない任意の形態で受信することができる。
【0116】
本明細書に記載される保護対象は、例えば1つまたは複数のデータサーバなどのバックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステムにおいて、あるいは例えば1つまたは複数のアプリケーションサーバなどのミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステムにおいて、あるいは例えばユーザが本明細書に記載された保護対象の実施形態と対話できるグラフィカルユーザインタフェースまたはウェブブラウザを有する1つまたは複数のクライアントコンピュータなどのフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステムにおいて、あるいはそのようなバックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムにおいて実装することができる。システムのこれらのコンポーネントは、例えば通信ネットワークなどのデジタルデータ通信の任意の形態または媒体によって相互接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、およびインターネットが含まれるが、これらに限定されない。
【0117】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、一般に(ただし非排他的に)相互に離れており、典型的には通信ネットワークを介して対話する。クライアントおよびサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、相互にクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって発生する。
【0118】
前述の説明に記載された実施形態は、本明細書に記述された保護対象に一致するすべての実施形態を表すものではない。その代わりに、それらは、記載された保護対象に関連する態様と一致するいくつかの例に過ぎない。いくつかの変形形態は、上記で詳細に説明してきたが、他の修正または追加も可能である。特に、さらなる特徴および/または変形形態は、本明細書に記載された事項に対して付加的に提供することができる。例えば、上述の実施形態は、開示された特徴のさまざまな組み合わせまたは部分的な組み合わせに向けることができ、かつ/または上記の複数のさらなる特徴の組み合わせまたは部分的な組み合わせに向けることができる。付加的に、添付の図面に示され、かつ/または本明細書に記載された論理フローは、所望の結果を達成するために、必ずしも、ここに示されている特定の順序または順次連続する順序を要件とするものではない。他の実施形態は、従属請求項の範囲内にあり得る。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】