(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-06
(54)【発明の名称】1つまたは複数のコンテナにアイテムを割り当てる方法及び関連する電子デバイス
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20230330BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
G06Q10/083
B65G61/00 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548220
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(85)【翻訳文提出日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2021052183
(87)【国際公開番号】W WO2021160445
(87)【国際公開日】2021-08-19
(32)【優先日】2020-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522111367
【氏名又は名称】アー.ペー.ムラ-メースク アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】サジニ アナンド ピー.エス.
(72)【発明者】
【氏名】スティーファン オト ティーオド ゲリケ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
開示されるのは、アイテムを1つまたは複数のコンテナに割り当てるために、電子デバイスによって実行される方法である。本方法は、対応するアイテムに関連する複数の属性を取得することを含む。本方法は、対応するコンテナに関連付けられたコンテナパラメータのセットを取得することを含む。本方法は、1つまたは複数の制約を取得することを含み、1つまたは複数の制約は、同じコンテナ内のアイテムの割り当てを制限する。本方法は、属性、コンテナパラメータのセット、及び1つまたは複数の制約に基づいて、1つまたは複数のコンテナへのアイテムの割り当てを決定することを含む。本方法は、割り当てに基づいて、アイテムの割り当て計画を1つまたは複数のコンテナに出力することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイテムを1つまたは複数のコンテナに割り当てるための、電子デバイスによって実行される方法であって、
対応するアイテムに関連付けられた複数の属性を取得すること(S102)と、
対応するコンテナに関連付けられたコンテナパラメータのセットを取得すること(S104)と、
1つまたは複数の制約を取得すること(S106)であって、前記1つまたは複数の制約は、同じコンテナ内のアイテムの割り当てを制限する、前記取得すること(S106)と、
前記属性、前記コンテナパラメータのセット、及び前記1つまたは複数の制約に基づいて、前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの割り当てを決定すること(S108)と、
前記割り当てに基づいて、前記アイテムの割り当て計画を前記1つまたは複数のコンテナに出力すること(S110)と、
を含む方法。
【請求項2】
前記1つまたは複数の制約が前記複数の属性に関連付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの前記割り当てを決定すること(S108)は、
第1のアイテムに関連付けられた属性が前記1つまたは複数の制約に違反しているかどうかを判定すること(S108A)と、
前記第1のアイテムに関連付けられた前記属性が前記1つまたは複数の制約に違反していないと判定すると、前記第1のアイテムを第1のコンテナに割り当てること(S108B)と、を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの前記割り当てを決定すること(S108)は、
前記属性、前記コンテナパラメータのセット、及び前記制約に基づいて、出荷パフォーマンスを示すパフォーマンスパラメータのセットを最適化すること(S108C)を含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記パフォーマンスパラメータのセットを最適化すること(S108C)は、アイテムセット及びコンテナセットに、前記対応するアイテムの前記属性に課される前記対応する制約を示す複数のカウンタを備えた割り当てスキームを適用すること(S108CA)を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記パフォーマンスパラメータのセットは、前記1つまたは複数のコンテナに関連付けられたコスト、及び/または前記1つまたは複数のコンテナに関連付けられた容量を示す1つまたは複数のパフォーマンスパラメータを含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記属性は、出荷注文、購入注文、出発地の倉庫への到着日、仕出港、仕向港、プラントコード、到着予定時刻、貨物種別、在庫管理単位、ベンダ属性、前記貨物の体積、前記貨物の重量のうちの1つまたは複数を含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記コンテナパラメータのセットは、前記コンテナの体積、前記コンテナの残存容量、及び前記コンテナの最大容量のうちの1つまたは複数を含む、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの前記割り当てを決定すること(S108)は、
各アイテムについて、前記アイテムに関連付けられた前記属性に基づいて、前記制約に違反することなく、前記アイテムが前記1つまたは複数のコンテナのコンテナの残存容量に適合するかどうかを判定すること(S108D)を含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの前記割り当てを決定すること(S108)は、
前記アイテムが前記制約に違反することなく前記コンテナの前記残存容量に適合すると判定されたとき、前記アイテムを前記コンテナに割り当てること(S108E)を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの前記割り当てを決定すること(S108)は、
前記アイテムが前記制約に違反することなく前記コンテナの前記残存容量に適合すると判定されないとき、前記コンテナへの前記アイテムの前記割り当てを中止すること(S108F)を含む、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの前記割り当てを決定すること(S108)は、
コンテナ内のコンフリクトの数を決定すること(S108G)と、
前記決定されたコンフリクトの数が基準を満たすかどうかを判定すること(S108H)と、を含む、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの前記割り当てを決定すること(S108)は、
前記第1のアイテムに関連付けられた属性が前記1つまたは複数の制約に違反すると判定すると、前記第1のアイテムを前記第1のコンテナ以外のコンテナに割り当てること(S108I)を含む、請求項3~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
電子デバイスであって、記憶回路、プロセッサ回路、及びインターフェースを含み、前記電子デバイスは、請求項1~13のいずれかに記載の方法のいずれかを実行するように構成される、電子デバイス。
【請求項15】
1つまたは複数のプログラムを格納するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記1つまたは複数のプログラムは、ディスプレイ及びタッチ感知面を備えた電子デバイスによって実行されるとき、前記電子デバイスに、請求項1~13のいずれかの方法のいずれかを実行させる命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、輸送及び積荷の分野に関する。本開示は、1つまたは複数のコンテナにアイテムを割り当てる方法及び関連する電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
世界貿易統計によると、毎年、何百万もの積載済みコンテナが、主要な海上貿易ルート(太平洋横断、アジア-ヨーロッパ-アジア、大西洋横断)の港を横切るさまざまな海運会社を流れている。コンテナは、インターモーダルサプライチェーンでの貨物の保管と輸送のために設計された、標準サイズの大型の頑丈なスチール製ボックスである。最小の20フィートコンテナ換算個数(TEU)は、2014年のグローバルフローが1億2700万である。コンテナに詰められた貨物が世界中を流れる出荷ネットワークのインターモーダルサプライチェーンは、世界貿易のバックボーンであると見なされる。
【0003】
コンテナに詰められた貨物には、一般に、自動車機械の予備部品からスクラップ金属、冷凍肉、魚介類、果物、野菜などの冷蔵貨物まで、あらゆるものが含まれる。
【0004】
多くの製造業者や生産者は、個々のサプライチェーンを海運会社の物流ネットワークにリンクして、出発地(製造業者や生産者)から最終流通地点(市場や顧客)までの貨物のエンドツーエンド輸送に物流サービスプロバイダ(LSP)を利用することが多く、それにより製品の世界的なマーケティングと販売が可能となっている。LSPが受け取る予約には通常、貨物の属性のリスト(ベンダ、タイプ、関連する簿記番号など)が付属しており、コンテナに梱包する必要があり、このプロセスは、積み荷計画とも呼ばれる。利用可能なコンテナでの貨物の混載は、効率的なサプライチェーン管理のために頻繁に実行されるLSPの主要なタスクである。貨物が倉庫に到着すると、倉庫管理者は貨物をコンテナに物理的に梱包して積み荷計画を実行する必要がある。LSPの設定に応じて、積み荷計画は計画段階で実行され、倉庫によって実行されるか、倉庫によって直接実行される。
【発明の概要】
【0005】
コンテナ内の貨物やアイテムを総コストが最小となるように混載しながら、貨物とコンテナの両方に対する制約を順守する必要がある。LSPは、コンテナごとに許容されるアイテムの数を制限する、貨物の属性に課される1つまたは複数の制約を提供してもよい。1つまたは複数の制約をすべて満たすコンテナにアイテムを梱包するプロセスは、積み荷計画とも呼ばれる。実際のシナリオでは、顧客と倉庫管理者が複数の制約を課すことができる。例えば、顧客固有の制約として、異なる二つのベンダからの貨物を同じコンテナに入れることはできないこと、または限られた種類の量しか一緒に移動することができないこと、例えば、服飾品のように靴とは一緒に移動することができないなどである。さらに、異なる仕向港へのアイテムまたは貨物を同じコンテナに一緒に梱包することはできないなど、再混載プロセスを容易にするために制約を課すことができる。
【0006】
様々な属性に課せられた複数の制約に対処できる電子デバイス及び方法が必要である。したがって、既存の欠点を軽減、緩和または対処し、コンテナスペースの浪費を減らしながら、効率的な方法(例えば、時間内、例えば計算時間内)でアイテムの最適化された割り当てを提供する、アイテムを1つまたは複数のコンテナに割り当てるための電子デバイス及び方法が必要である。
【0007】
開示されるのは、アイテムを1つまたは複数のコンテナに割り当てるために、電子デバイスによって実行される方法である。本方法は、対応するアイテムに関連付けられた複数の属性を取得することを含む。本方法は、対応するコンテナに関連付けられたコンテナパラメータのセットを取得することを含む。本方法は、1つまたは複数の制約を取得することを含み、1つまたは複数の制約は、同じコンテナ内のアイテムの割り当てを制限する。本方法は、属性、コンテナパラメータのセット、及び1つまたは複数の制約に基づいて、1つまたは複数のコンテナへのアイテムの割り当てを決定することを含む。本方法は、割り当てに基づいて、アイテムの割り当て計画を1つまたは複数のコンテナに出力することを含む。
【0008】
開示されるのは、1つまたは複数のプログラムを格納するコンピュータ可読記憶媒体であり、1つまたは複数のプログラムは、ディスプレイ及びタッチ感知面を備えた電子デバイスによって実行されるとき、電子デバイスに、本明細書に開示される方法のいずれかを実行させる命令を含む。
【0009】
本開示の利点は、開示された電子デバイス及び方法が、効率的な方法で(例えば、計算時間などの時間内に)、コンテナスペースの浪費を減らしながら、アイテムの最適化された割り当てを提供することである。最適化された割り当ては、コンテナの総コストを削減しながら制約を尊重する。
【0010】
本開示の上記及び他の特徴及び利点は、添付図面を参照しながら、その例示的な実施形態の以下の詳細な説明によって当業者には容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】開示された技術が、本開示による例示的な電子デバイスによって実行されるプロセスを概略的に示す図である。
【
図2】本開示によるアイテムを1つまたは複数のコンテナに割り当てるために、電子デバイスによって実行される例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図3】本開示による例示的な電子デバイスを示すブロック図である。
【
図4】スキームとして提示された本開示による例示的な方法の例示である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
様々な例示的な実施形態及び詳細を、関連する場合の図を参照して、以下に説明する。図面は縮尺通りに描かれている場合と描かれていない場合があり、同様の構造または機能の要素は、図面全体を通して同様の参照番号によって表されていることに留意されたい。また、図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを目的としていることにも留意されたい。それらの図面は、開示の網羅的な説明として、または開示の範囲の制限として意図されたものではない。さらに、図示された実施形態は、示されたすべての態様または利点を有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されるものではなく、そのように図示されていない場合、またはそのように明示的に説明されていない場合でも、他の任意の実施形態で実施することができる。
【0013】
これらの図は、明確にするために概略的かつ簡略化されており、他の詳細は省略されているが、開示を理解するのに役立つ詳細を示しているにすぎない。全体を通して、同じ参照番号が同一または対応する部品に使用される。
【0014】
図1は、例示的なコンテナC1及びC2、サプライチェーン10(インターモーダルサプライチェーンなど)、及び本明細書に開示される方法100を実行し、例えば、本開示によるアイテムの割り当てを提供するように構成される本明細書に開示される電子デバイス(
図3の電子デバイス300など)を含む、例示的なシステム1を示す図である。
【0015】
本明細書で詳細に論じられるように、本開示は、インターモーダルサプライチェーンにおけるコンテナ積み荷計画を可能にする技術に関する。
【0016】
本明細書に開示されるコンテナは、輸送されるアイテムが輸送のために封入されるハウジングを指す。例えば、コンテナはビンと見なすことができる。コンテナという用語は、本開示においてビンと交換可能に使用されてもよい。
【0017】
本明細書に開示されるアイテムは、輸送のためにコンテナに入れられるべき物体を指す。例えば、アイテムは、貨物のアイテム、例えば積荷のアイテム、例えば出荷される物体と見なすことができる。なお、アイテムという用語は、貨物と交換可能に用いられてもよい。例えば、アイテムは、大規模な製造企業の消費者商品、靴、衣類、おもちゃなどの一般消費者商品、包装食品、飲料、洗面用品などの速動消費者商品、医薬品等の商品などのコンテナに入れられる商品を備えていてもよい。
【0018】
例えば、本明細書に開示されるアイテムは、1つまたは複数の乾燥コンテナで輸送される、例えば、可変の重量及び体積を有する長方形の積み重ね可能なカートンに梱包することができる商品と見なすことができる。
【0019】
本明細書で説明するシステム1は、例えば、方法100にしたがって充填される1つまたは複数のコンテナC1、C2を備えていてもよい。
【0020】
本開示は、貨物の混載中に物流サービスプロバイダ(LSP)が直面する技術的問題に対処していると見なすことができる。貨物の混載とは、「コンテナ積載量(LCL)未満」の貨物のグループを標準の利用可能なコンテナに混載するプロセスを指す。このプロセスは、
図1に示すように、出発地から目的地、例えば最終的な流通ポイントまでの貨物のエンドツーエンドの輸送の管理をサポートし得る。
【0021】
コンテナフレイトステーション(CFS)は、インターモーダルサプライチェーンでの輸送のために貨物をコンテナに混載及び再混載するために特別に使用される倉庫である。次に、CFSから充填されたコンテナは、コンテナヤード(CY)にトラックで運ばれ、その後、船に積み込まれ、海上に向かう。
図1は、出発地CFSでの混載と、目的地CFSでの対応する再混載プロセスを示す。
【0022】
アイテムを可能な限り最適に利用可能なコンテナに梱包することは、混載プロセスのタスクである。例えば、LSPの目的は、出荷に使用するコンテナのコストが最小となるように、アイテムの属性に関する複数の制約を考慮して貨物を梱包することであってもよい。
【0023】
混載プロセスは、アイテムとコンテナの両方の制約を処理してもよい。例えば、実際の出荷シナリオでは、顧客とLSPの両方がアイテムの属性に複数の制約を課すことができる。顧客固有の制約条件としては、例えば、異なる二つのベンダからの荷物を同一コンテナ内に入れることができないこと、同一コンテナ内で四つ以上の異なる購入注文の同一種類のアイテムを一緒に入れることができないこと、二つの異なる種類のアイテムを一緒に入れることができないこと、例えば服装品は靴と一緒に入れることができないこと等が挙げられる。同様に、再混載を容易にするためにLSPによって配置される貨物に対する制約の一部は、以下のタイプ、異なる仕向港へのアイテムを同じコンテナに一緒に梱包することはできず、同じプラントコード属性を有するアイテムを一緒にまとめることができることである。例えば、優先度の高いアイテムは、すぐに空いている出荷スロットに入る、またはそのアイテムが到着予定時刻よりも前に目的地に到着する必要があり、出荷されるコンテナは、予め定められた最小及び最大のコンテナ充填率で梱包される必要がある。コンフリクト下でのアイテムの割り当て(例えば、貨物の割り当て)は、積み荷計画プロセスの前提条件として使用できる。
【0024】
コンテナに梱包されるアイテムに制約がある(例えば、コンフリクトを避けるため)コンテナへのアイテムの割り当て(例えば、ビン梱包)は困難なNP問題である。アイテムに制約が許可される複数の属性があるという事実は、すでに難しい問題をより複雑で困難なものにする。本開示は、実用的な時間枠内で実行可能及び/または最適な解決策を見つけることを可能にする技術を提示する。
【0025】
本開示は、例えば、コンパクトな混合整数型の定式化に基づく技術を提示し、特定された欠点に対処するためのヒューリスティックに基づく技術を提案する。
【0026】
このような手法(例えば、グラフ着色問題、コンフリクトのあるビン梱包)は、アイテムのペアやセットの間で頻繁に存在する定常的なコンフリクトに着目している。例えば、混合整数法は、コンテナが同一であるため対称性があり、実用的には長い所要時間を要する。開示された技術は、積み荷計画の問題に対処するためのヒューリスティックな方法に基づいていると見なすことができる。本開示は、アイテムの複数の属性に制約を伴うコンテナ梱包(例えば、ビン梱包)を必要とするシナリオに対処するものと見なすことができる。本開示は、アイテム属性(従来技術では対処されていない)に複数の属性制約を伴うコンテナ梱包技術(例えば、ビン梱包技術)と見なすことができる。
【0027】
実際のシナリオでは、いくつかの貨物輸送業者とサプライチェーンネットワークマネージャーは、定期的に海上輸送/インターモーダルサプライチェーンで輸送するために、コンテナ/トラックへのアイテムの最適な梱包の問題に頻繁に直面する。特定の積み荷計画エンジンは、単一の属性に対する制約を処理できる標準の貪欲でヒューリスティックな方法または特定の方法を使用して、コンテナ内の充填量を最大化しようとする。単一の属性に制約がある積み荷計画問題の貪欲でヒューリスティックな方法/正確な解決方法の範囲を超える問題の解決策(複数可)が必要である。
【0028】
図2は、本開示によるアイテムを1つまたは複数のコンテナに割り当てるために、電子デバイスによって実行される例示的な方法の流れ図を示す。
【0029】
方法100は、対応するアイテムに関連付けられた複数の属性を取得すること(S102)を含む。例えば、アイテムのセットは、アイテムI_1、アイテムI_2、・・・アイテムI_Nを含み、ここで、Nは整数であり、各アイテムは属性を有し、例えば、アイテムI_1は、属性A_1_1、属性A_1_2、・・・、属性A_1_Mを含む属性を有し、ここで、Mは整数である。1つまたは複数の例示的な方法では、属性は、出荷注文、購入注文、出発地の倉庫への到着日、仕出港、仕向港、プラントコード、到着予定時刻のうちの1つまたは複数を含む。1つまたは複数の例示的な方法では、属性は、貨物種別、在庫管理単位、ベンダ属性、貨物の体積、貨物の重量のうちの1つまたは複数を含む。例えば、アイテムの予約(例えば、貨物の予約)には、アイテムに関連付けられた属性のリストが含まれていてもよい。例えば、属性は、出荷注文(SO)番号、購入注文(PO)番号、出発地の倉庫への到着日、仕出港、仕向港、プラントコード、到着予定時刻(ETA)、貨物のカテゴリと種別、在庫管理単位(SKU)、ベンダ名またはコード、貨物の体積と重量などのアイテム(例えば、貨物)に関する特定の情報を含み得る。例えば、アイテムや貨物は、当該アイテムが混載プロセスの対象となるCFSに到達したときの属性として保存される、例えば34~36フィールドの情報を有することができる。
【0030】
方法100は、対応するコンテナに関連付けられたコンテナパラメータのセットを取得すること(S104)を含む。コンテナパラメータのセットは、1つまたは複数のコンテナパラメータを含んでもよい。1つまたは複数の例示的な方法では、コンテナパラメータのセットは、コンテナの体積、コンテナの残存容量、及びコンテナの最大容量のうちの1つまたは複数を含む。
【0031】
方法100は、複数の属性の2つ以上の属性(複数の属性の少なくとも2つの属性など)に対する1つまたは複数の制約などの1つまたは複数の制約を取得する(S106)ことを含む。任意選択で、第1の制約及び第2の制約を含む複数の制約を取得することができる。1つ以上の制約により、同じコンテナ内の1つまたは複数のアイテムの割り当てが制限される。また、制約は、アイテム、及び/または、アイテムが含まれるコンテナ(例えば、コンテナにアイテムが配置されているとき)に関連付けられてもよい。言い換えれば、制約は、本開示における複数の属性にあり得る。例えば、制約は、コンテナ内のアイテム属性の許容制限と見なすことができる。
【0032】
開示された技術が制約(例えば、コンフリクトセット)の使用を実証するために適用される例示的な例では、コンテナごとの異なる在庫管理単位(SKU)の数が制限されている。次の順序で3種類のSKUに属する6つのアイテムP={p1,p2,p3、p4,p5,p6}があると想定する:SKU1={p1,p2,p3}、SKU2={p4,p5}、SKU3={p6}。2つのSKUタイプ(dsKU=2)のみに属するアイテムをコンテナに保持するように制限する梱包制約が考慮される。例えば、検討中の属性a={‘SKU’}及び一意の属性ラベルセットはCa={SKU1、SKU2、SKU3}である。アイテムセットは、以下のとおりであり、ここで、SKUはグループと呼ばれる。
【表1】
【0033】
例えば、セットCskuは、アイテムがサブセットPcに属する3つのグループで構成される。列|Pc|は、各グループのアイテム数を表す。この例では、Tに属する任意のjの数学モデルの式(6)に示される制約は、次のように表すことができる。
X1,j+X2,j+X3,j ≦3.Wc1,j
X4,j+X5,j ≦2.Wc2,j (1)
X6,j ≦1.Wc3,j
【0034】
式(7)に示す、1つのビンに許容されるグループ数の上限を設定する制約は、次のように表すことができる。
Wc1,j+Wc2,j+Wc3,j≦dSKU,∀j∈T (2)
【0035】
例えば、モデルは、コンテナごとに3つの制約を考慮して、コンテナ内の特定のSKUの割り当てと共に、コンテナに入れることができる個別のSKUの最大数(上限により、この例ではdsKU-2)を制限する追加の制約を考慮する。
【0036】
開示された方程式では、Tはコンテナのセットを示し、Rはリソースタイプを示し、Pはアイテムのセットを示し、Aはアイテムの属性のセットを示し、CaはAに属する選択された属性の一意の属性ラベルのセットを示し、Pc⊆Pは、属性aの値c∈Caを共有するアイテムのセットを示す。開示された方程式では、パラメータは以下のとおりである。Qiはコンテナjの通貨でのコストを示し、Vj、rはリソースタイプrのコンテナjの容量を示し、vi,rはアイテムiを介したリソースタイプrの使用率を示し、daは、単一のコンテナに割り当てることができる属性aのいくつかの異なる値の数の上限を示す。開示された方程式では、変数は以下のとおりである。yj∈{0,1}は、コンテナjが使用されているかどうかを示す変数を示し、xi,j∈{0,1}は、アイテムiがコンテナjに割り当てられているかどうかを示す変数を示し、wc,j∈{0,1}は、属性aの値c∈Caがコンテナjに存在するかどうかを示す変数を示す。
【0037】
本技術を適用した場合の一例としては、Pを対応するアイテムの体積(立方メートル)と対応するアイテムに対応付けられた属性のリストとを有するアイテムのセットと仮定し、Tをアイテムの梱包に利用可能なコンテナのセットと仮定し、各コンテナがコストQ(ドル)と最大容量V(立方メートル)とを有する場合について説明する。制約は、単一のコンテナ内の属性にコンフリクトセット(アイテムの異なる値の数を制限する)を提供してもよい。
【0038】
Aを関連するアイテム属性のセットとし、C_aを属性aの一意の値のセットとする。
【0039】
アイテムセットPは、各パーティションが同じの属性値cを共有するアイテムを含むように、独立サブセット{p_c}に分割される。{P_c}は、各サブセットには、属性セットAで一意に選択された属性aに属するアイテムが含まれるように、Pのサブセットへの重複しないパーティションを表してもよい。|P_c|は、属性値を共有するアイテムの数を示す。パラメータd_aは、単一のコンテナで同時に発生する可能性のある異なる属性値の数を定義する。最適化問題の目的は、アイテム間のコンフリクトが発生することがなく、かつ制約に違反することがないように、ビンの総コストを最小限に抑えながら、すべてのアイテムを1つまたは複数のコンテナに割り当てることである。
【0040】
バイナリ変数x_{i,j}は、ビンjが解決策で使用されるかどうかを示すアイテムi\inPをコンテナ(複数可)j\in Tとy_jに割り当てるために使用される。
【0041】
バイナリ変数w_{g,j}は、コンフリクトグループgの属性値のアイテムがコンテナjに存在するかどうかを示す。モデルは、例えば、以下のように定式化することができる。
【数1】
【0042】
目的関数(3)は、セットP内のすべてのアイテムを割り当てた後、使用済みコンテナの総コストを最小限に抑える。例えば、開示された技術は、混合整数計画としての最適化問題のコンパクトな定式化と見なすことができる。
【0043】
式(4)に示される制約により、各アイテムが正確に1つのコンテナに割り当てられることが確保される。
【0044】
式(5)に示される制約により、コンテナに割り当てられたアイテムの合計リソース使用率を合計することにより、リソースタイプrに関するコンテナjの容量が尊重されることが確保される。
【0045】
式(6)及び(7)に示される制約により、同じコンテナ内のアイテムの組み合わせが制限される。式(6)及び(7)に示される制約は、式(4)及び/または(5)に示される制約とコンフリクトしていると見なすことができる。
【0046】
具体的には、式(6)に示される制約により、属性値cのいずれかのアイテムがコンテナjに割り当てられる場合、指標変数w_{c,j}が1に設定される。指標変数_{c,j}は、例えば、制約付き属性を有するアイテムがビンjに割り当てられているかどうかを示す値0または1を取ることができる。
【0047】
式(7)に示される制約は、単一のコンテナに集約可能な異なる属性値の数に上限を設定する。最後に、8、9、10は、可変ドメインを定義すると見なすことができる。
【0048】
方法100は、属性(例えば、アイテムに対応する)、コンテナパラメータのセット、及び1つまたは複数の制約に基づいて、1つまたは複数のコンテナへのアイテムの割り当てを決定する(S108)ことを含む。
【0049】
1つまたは複数の例示的な方法では、1つまたは複数の制約は、複数の属性(例えば、所与のコンテナにすでに配置される1つまたは複数のアイテムの属性)に関連付けられる。例えば、1つまたは複数の制約は、コンテナに配置されるアイテムの属性に関する。例えば、1つまたは複数の制約が顧客によって属性に課されてもよい。コンテナに配置されたアイテムの属性に基づいて、積み荷計画のコンテナに多くの制約が関連付けられることがわかる。
【0050】
1つまたは複数の例示的な方法では、1つまたは複数のコンテナへのアイテムの割り当てを決定する(S108)ことは、第1のアイテムに関連付けられた属性が1つまたは複数の制約に違反するかどうかを判定する(S108A)ことを含む。例えば、判定する(S108A)ことは、アイテムの割り当てが、第1のコンテナなどのコンテナ内の属性の許容限界に関連付けられた制約のセットに違反するかどうかを判定することを含んでもよい。
【0051】
1つまたは複数の例示的な方法では、1つまたは複数のコンテナへのアイテムの割り当てを決定する(S108)ことは、第1のアイテムに関連付けられた属性(第1のアイテムに関連付けられた第1の属性として示されるなど)が1つまたは複数の制約に違反していないと判定すると、第1のアイテムを第1のコンテナ(例えば、最初に利用可能なコンテナ)に割り当てる(S108B)ことを含む。例えば、方法は、すべてのアイテムが割り当てられるまでプロセスS108を繰り返すことを含む。
【0052】
例えば、制約は、積み荷計画プロセスによって尊重(例えば、違反されていない)される必要がある条件と見なすことができる。尊重(例えば、違反されていない)される必要のある多くの制約が存在する可能性がある。例えば、同じ目的地を属性として有するアイテム(例えば、都市などで同じ目的地に行くアイテム)の割り当てを検討するとき、1つのコンテナ内の同じベンダを属性として、以下の2つの制約を課すことができる。例えば、第1の制約はコンテナごとに1つのベンダに制限され、第2の制約はコンテナごとに1つの目的地に制限されてもよい。例えば、属性として目的地が異なるアイテムが同じコンテナに割り当てられると判定されたとき、制約違反が発生する可能性がある。例えば、属性としてベンダが異なるアイテムが同じコンテナに割り当てられると判定されたとき、制約違反が発生する可能性がある。例えば、制約(例えば、コンテナごとに1つのベンダ、例えば、コンテナごとに1つの目的地)は、コンテナに割り当てられるアイテムが満たす必要のある条件と見なすことができる。
【0053】
方法100は、割り当てに基づいて、アイテムの割り当て計画を1つまたは複数のコンテナに出力する(S110)ことを含む。例えば、割り当て計画は、積み荷計画と見なすことができる。
【0054】
有利なことに、開示された方法は、アイテム間のコンフリクトが発生せず、容量の制約に違反しないように、総コンテナコストを最小限に抑えながら、すべてのアイテムをコンテナに割り当てることを可能にする。開示された技術は、実装及び構成が容易であり、例えば数秒で出力を提供する。開示された技術は、現在の出荷及び物流貨物輸送プロセスのすべての実際的なシナリオに対して、妥当な時間(例えば、30分)で実行可能な解決策を生成するために製品に実装される。
【0055】
1つまたは複数の例示的な方法では、1つまたは複数のコンテナへのアイテムの割り当てを決定する(S108)ことは、属性、コンテナパラメータのセット、及び制約に基づいて、出荷パフォーマンスを示すパフォーマンスパラメータのセットを最適化する(S108C)ことを含む。例えば、出荷パフォーマンスは、コンテナコストを含み得る。例えば、パフォーマンスパラメータのセットを最適化する(S108C)ことは、コンテナコストを削減することを含み得る。
【0056】
1つまたは複数の例示的な方法では、パフォーマンスパラメータのセットを最適化する(S108C)ことは、アイテムセット及びコンテナセットに、対応するアイテムの属性に課される対応する制約を示す複数のカウンタを備えた割り当てスキームを適用すること(S108CA)を含む。例えば、アイテムセットはアイテムを含み、コンテナセットは1つまたは複数のコンテナを含む。例えば、割り当てスキームは、近似アルゴリズム(適合減少スキームなど)及び/または戦略に基づくスキームを含み得る。例えば、割り当てスキームは、例えば、第1の適合減少スキーム、次の適合減少スキーム、最良適合減少スキームに基づくスキームを含み得る。例えば、モデルのヒューリスティックアルゴリズムに関しては、割り当てスキーム(例えば、第1の適合減少スキーム、FFD、戦略)は、最良適合減少スキーム(計算量が多く、実行時間を増やす)または次の適合減少スキーム(アイテムを順序付けせず、FFDと比較して劣った解決策を提供する)の代替スキームに置き換えることができる。FFDスキームは、体積に基づくアイテムの順序付けと、体積あたりのコストに基づくコンテナの順序付けを含み得る。FFDスキームは、すべてのアイテムがコンテナに割り当てられるまで、最大体積のアイテムを最も低いコストのコンテナに繰り返し割り当てることを含むことが理解され得る。
【0057】
例えば、割り当てスキームは、アイテムの属性(例えば、コンフリクトを伴うFFD、FFDC)に課せられた制約を尊重するために、複数のカウンタを使用した次の適合減少(NFD)アルゴリズムの一般化に基づく場合がある。
【0058】
1つまたは複数の例示的な方法では、パフォーマンスパラメータのセットは、1つまたは複数のコンテナに関連付けられたコスト、及び/または1つまたは複数のコンテナに関連付けられた容量を示す1つまたは複数のパフォーマンスパラメータを含む。例えば、容量は、各コンテナ等、1つまたは複数のコンテナに関連付けられた最大容量を含む。
【0059】
1つまたは複数の例示的な方法では、1つまたは複数のコンテナへのアイテムの割り当てを決定する(S108)ことは、各アイテムについて、アイテムに関連付けられた属性(そのアイテムなど)に基づいて、制約に違反することなく、アイテムが1つまたは複数のコンテナ(例えば、現在のコンテナ)のコンテナの残存容量に適合するかどうかを判定する(S108D)を含む。
【0060】
1つまたは複数の例示的な方法では、1つまたは複数のコンテナへのアイテムの割り当てを決定する(S108)ことは、アイテムが制約に違反することなくコンテナの残存容量に適合すると判定されたとき、アイテムをコンテナ(例えば、第1のコンテナ)に割り当てる(S108E)ことを含む。例えば、アイテムが制約に違反することなくコンテナの残存容量に適合すると判定されたとき、アイテムは現在のコンテナに割り当てられたアイテムのセットに追加される。
【0061】
1つまたは複数の例示的な方法では、1つまたは複数のコンテナへのアイテムの割り当てを決定する(S108)ことは、アイテムが制約に違反することなくコンテナの残存容量に適合すると判定されないとき、コンテナ(例えば、第1のコンテナ)へのアイテムの割り当てを中止する(S108F)(例えば、コンテナへのアイテムの割り当てを行わない、例えば、アイテムをコンテナに割り当てない)ことを含む。例えば、アイテムが制約に違反することなくコンテナの残存容量に適合すると判定されないとき、アイテムは現在のコンテナに割り当てられたアイテムのセットに追加されない。
【0062】
1つまたは複数の例示的な方法では、1つまたは複数のコンテナへのアイテムの割り当てを決定する(S108)ことは、コンテナ内のいくつかのコンフリクトを決定する(S108G)ことを含む。
【0063】
1つまたは複数の例示的な方法では、1つまたは複数のコンテナへのアイテムの割り当てを決定する(S108)ことは、決定されたコンフリクトの数が基準を満たすかどうかを決定する(S108H)ことを含む。例えば、基準は、反復割り当てのアイテムのバッファに設定された条件と見なすことができる。例えば、S108Hは式(11)で表すことができ、ここで、式11の2行目は、属性aの一意の値Caの数を合計することにより、すべての属性の上限daが成り立つことを確認する。基準は、上限daなどの閾値に基づいてもよい。例えば、決定されたコンフリクトの数が基準を満たすかどうかを決定する(S108H)ことは、決定されたコンフリクトの数が事前定義された閾値よりも少ないかどうかを決定することを含む。言い換えると、決定されたコンフリクトの数が事前定義された閾値よりも少ないときに、基準が満たされる。例えば、コンフリクトは、制約の違反に関連する。例えば、決定されたコンフリクトの数が基準を満たさないと判定されたとき、方法は、プロセスを終了することを含む。例えば、決定されたコンフリクトの数が基準を満たすと判定されたとき、方法は、アイテムを割り当て続けることを含む。
【0064】
例えば、割り当てプロセスS108は、解決策を保持するコンテナアイテムタプルのセットを初期化することによって説明することができる。例えば、コンテナTとアイテムセットPは、体積パラメータv(使用率)とV(容量)の降順でそれぞれ並べ替えられ、インデックスが付けられ、これにより、インデックスが最も低いアイテムの値が最も高くなる。例えば、アイテムの割り当て中に尊重する必要のあるコンフリクトの数に応じて、カウンタのセットが設定される。
【0065】
コンフリクトルールに違反することなく、アイテムが現在のコンテナの残存容量に適合する場合に真を返すブール関数が定義されていてもよい。制約に違反していない場合、コンテナとアイテムの割り当てが解決策に追加され、残存容量ベクトルが更新され、割り当てられたアイテムが処理されるアイテムのセットから削除される。例えば、Pのすべてのアイテムがビンに割り当てられるまで、このプロセスが繰り返される。例えば、コンテナの空き容量が少なくなり得るように、さらに積み荷計画を絞り込むように後処理を行うことができる。最も近い小さいビンがコンテナ内のすでに割り当てられたアイテム体積を収容できる場合(小さいコンテナがまだ利用可能である場合)、積み荷計画の再評価が実行される。それ以外の場合、FFDCスキームは現在の解決策を返し得る。
【0066】
1つまたは複数の例示的な方法では、1つまたは複数のコンテナへのアイテムの割り当てを決定する(S108)ことは、第1のアイテムに関連付けられた属性が第1の制約及び/または第2の制約に違反すると判定すると、第1のアイテムを第1のコンテナ以外のコンテナに割り当てる(S108I)ことを含む。
【0067】
図3は、本開示による例示的な電子デバイス300を示すブロック図である。電子デバイス300は、記憶回路301、プロセッサ回路302、及びインターフェース303を含む。電子デバイス300は、
図2に開示された方法のいずれかを実行するように構成される。言い換えると、電子デバイス300は、1つまたは複数のコンテナ(例えば、積み荷計画)へのアイテムの割り当てを提供するように構成される。
【0068】
電子デバイス300は、インターフェース303及び/またはプロセッサ回路302を介して、対応するアイテムに関連付けられた複数の属性を取得するように構成される。
【0069】
電子デバイス300は、インターフェース303及び/またはプロセッサ回路302を介して、対応するコンテナに関連付けられたコンテナパラメータのセットを取得するように構成される。
【0070】
電子デバイス300は、インターフェース303及び/またはプロセッサ回路302を介して、1つまたは複数の制約を取得するように構成される。1つまたは複数の制約により、同じコンテナ内のアイテムの割り当てが制限される。
【0071】
電子デバイス300は、プロセッサ回路302を介して、属性、コンテナパラメータのセット、及び制約に基づいて、1つまたは複数のコンテナへのアイテムの割り当てを決定するように構成される。
【0072】
電子デバイス300は、割り当てに基づいて、インターフェース303及び/またはプロセッサ回路302を介して、アイテムの割り当て計画を1つまたは複数のコンテナに出力するように構成される。
【0073】
プロセッサ回路302は、任意選択で、
図2に開示された動作のいずれか(例えば、S108A、S108B、S108C、S108CA、S108D、S108E、S108F、S108G、S108H、S108Iのいずれか1つまたは複数)を実行するように構成される。電子デバイス300の動作は、非一時的なコンピュータ可読媒体(例えば、記憶回路301)に格納され、プロセッサ回路302によって実行される実行可能な論理ルーチン(例えば、命令行、ソフトウェアプログラムなど)の形で具体化され得る。
【0074】
さらに、電子デバイス300の動作は、電子デバイス300が実行するように構成されている方法と見なすことができる。また、説明した機能及び操作はソフトウェアで実装することができるが、そのような機能は、専用のハードウェアまたはファームウェア、あるいはハードウェア、ファームウェア、及び/またはソフトウェアの何らかの組み合わせを介して実行することもできる。
【0075】
記憶回路301は、バッファ、フラッシュメモリ、ハードドライブ、リムーバブルメディア、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または他の適切なデバイスのうちの1つまたは複数であってもよい。典型的な構成では、記憶回路301は、長期データ記憶のための不揮発性メモリと、プロセッサ回路302のためのシステムメモリとして機能する揮発性メモリとを含み得る。記憶回路301は、データバスを介してプロセッサ回路302とデータを交換することができる。記憶回路301とプロセッサ回路302との間に制御線及びアドレスバスも存在してもよい(
図3には示されていない)。記憶回路301は、非一時的なコンピュータ可読媒体と見なされる。
【0076】
記憶回路301は、割り当て計画または積み荷計画をメモリの一部に格納するように構成されてもよい。
【0077】
図4は、スキームとして提示された本開示による例示的な方法の例示である。示されるスキームは、混合整数計画モデルとヒューリスティック方法FFDCに基づいており、例えば、実用的な実装のための擬似コードを使用する。
【0078】
コンテナTとアイテムセットPは、体積パラメータv(使用率)とV(容量)の降順でそれぞれ並べ替えられ、インデックスが付けられ、これにより、インデックスが最も低いアイテムの値が最も高くなる。
【0079】
4行目のwhileループは、コンテナに割り当てられるアイテムがまだある間にループする。最大のコンテナから始めて、6行目で残存容量をその合計容量とコンテナに適合する選択されたアイテムP*に初期化する。|P*|が空の場合、これは|P’|>0を意味するが、最大のコンテナに収まるアイテムはない。したがって、アルゴリズムは実行不可能な状態を返す(17行目)。次に、9行目のループは、制約が検証されていないときにアイテムを割り当てようとする。コンテナj、アイテムi、解R、及び残存容量ベクトルVRの関数constr違反(j,i,R,V
R)→{真,偽}は、次のように定義される。
【数2】
【0080】
ここで、P’’={i’:(j’,i’)∈R:j’=j}∪{i}である。アイテムiがすべてのリソースタイプrの残存容量VrRに適合し、コンフリクトセットに違反していない場合、ブール関数11は真を返す。したがって、P’’は、コンテナjに現在割り当てられているアイテムのセットを定義する。式11の2行目は、属性aの一意の値Caの数を合計することにより、すべての属性の上限daが成り立つことを確認する。コンテナP’’にすでに関連付けられたアイテムとその特性PCを有するアイテムとの共通部分が空でない場合、属性値c∈Caがコンテナjに表示される。
【0081】
制約に違反していない場合、12行目でコンテナ-アイテムの割り当てが解決策に追加され、残存容量ベクトルが更新され、処理されるアイテムからiが削除される。なお、ポップがリストのアイテムを削除するように動作すると想定している。このプロセスは、P’のすべてのアイテムがコンテナに割り当てられるまで繰り返される。すべてのアイテムをコンテナに割り当てた後、19行目で後処理が行われる。コンテナサイズ(R)を小さくする機能は、コンテナの空き容量をより小さくするために、積み荷計画を絞り込む機能である。最も近い小さなコンテナがコンテナ内のすでに割り当てられたアイテム体積を収容できる場合(小さなコンテナがまだ利用可能である場合)、積み荷計画を再評価する。それ以外の場合、FFDCアルゴリズムは現在の積み荷計画を返す。
【0082】
本発明による方法及び製品(電子デバイス)の実施形態は、以下のアイテムに記載される。
アイテム1.アイテムを1つまたは複数のコンテナに割り当てるための、電子デバイスによって実行される方法であって、
対応するアイテムに関連付けられた複数の属性を取得すること(S102)と、
対応するコンテナに関連付けられたコンテナパラメータのセットを取得すること(S104)と、
1つまたは複数の制約を取得すること(S106)であって、前記1つまたは複数の制約は、同じコンテナ内のアイテムの割り当てを制限する、前記取得すること(S106)と、
前記属性、前記コンテナパラメータのセット、及び前記1つまたは複数の制約に基づいて、前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの割り当てを決定すること(S108)と、
前記割り当てに基づいて、前記アイテムの割り当て計画を前記1つまたは複数のコンテナに出力すること(S110)と、
を含む方法。
【0083】
アイテム2.前記1つまたは複数の制約が前記複数の属性に関連付けられる、アイテム1に記載の方法。
【0084】
アイテム3.前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの前記割り当てを決定すること(S108)は、
第1のアイテムに関連付けられた属性が前記1つまたは複数の制約に違反しているかどうかを判定すること(S108A)と、
前記第1のアイテムに関連付けられた前記属性が前記1つまたは複数の制約に違反していないと判定すると、前記第1のアイテムを第1のコンテナに割り当てること(S108B)、とを含む、先行アイテムのいずれかに記載の方法。
【0085】
アイテム4.前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの前記割り当てを決定すること(S108)は、
前記属性、前記コンテナパラメータのセット、及び前記制約に基づいて、出荷パフォーマンスを示すパフォーマンスパラメータのセットを最適化すること(S108C)を含む、先行アイテムのいずれかに記載の方法。
【0086】
アイテム5.前記パフォーマンスパラメータのセットを最適化すること(S108C)は、アイテムセット及びコンテナセットに、前記対応するアイテムの前記属性に課される前記対応する制約を示す複数のカウンタを備えた割り当てスキームを適用すること(S108CA)を含む、アイテム4に記載の方法。
【0087】
アイテム6.前記パフォーマンスパラメータのセットは、前記1つまたは複数のコンテナに関連付けられたコスト、及び/または前記1つまたは複数のコンテナに関連付けられた容量を示す1つまたは複数のパフォーマンスパラメータを含む、先行アイテムのいずれかに記載の方法。
【0088】
アイテム7.前記属性は、出荷注文、購入注文、出発地の倉庫への到着日、仕出港、仕向港、プラントコード、到着予定時刻、貨物種別、在庫管理単位、ベンダ属性、前記貨物の体積、前記貨物の重量のうちの1つまたは複数を含む、先行アイテムのいずれかに記載の方法。
【0089】
アイテム8.前記コンテナパラメータのセットは、前記コンテナの体積、前記コンテナの残存容量、及び前記コンテナの最大容量のうちの1つまたは複数を含む、アイテム1~7のいずれかに記載の方法。
【0090】
アイテム9.前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの前記割り当てを決定すること(S108)は、
各アイテムについて、前記アイテムに関連付けられた前記属性に基づいて、前記制約に違反することなく、前記アイテムが前記1つまたは複数のコンテナのコンテナの残存容量に適合するかどうかを判定すること(S108D)を含む、先行アイテムのいずれかに記載の方法。
【0091】
アイテム10.前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの前記割り当てを決定すること(S108)は、
前記アイテムが前記制約に違反することなく前記コンテナの前記残存容量に適合すると判定されたとき、前記アイテムを前記コンテナに割り当てること(S108E)を含む、アイテム9に記載の方法。
【0092】
アイテム11.前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの前記割り当てを決定すること(S108)は、
前記アイテムが前記制約に違反することなく前記コンテナの前記残存容量に適合すると判定されないとき、前記コンテナへの前記アイテムの前記割り当てを中止すること(S108F)を含む、アイテム9または10に記載の方法。
【0093】
アイテム12.前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの前記割り当てを決定すること(S108)は、
コンテナ内のコンフリクトの数を決定すること(S108G)と、
前記決定されたコンフリクトの数が基準を満たすかどうかを判定すること(S108H)と、を含む、先行アイテムのいずれかに記載の方法。
【0094】
アイテム13.前記1つまたは複数のコンテナへの前記アイテムの前記割り当てを決定すること(S108)は、
前記第1のアイテムに関連付けられた属性が前記1つまたは複数の制約に違反すると判定すると、前記第1のアイテムを前記第1のコンテナ以外のコンテナに割り当てること(S108I)を含む、アイテム3~12のいずれかに記載の方法。
【0095】
アイテム14.電子デバイスであって、記憶回路、プロセッサ回路、及びインターフェースを含み、前記電子デバイスは、アイテム1~13のいずれかに記載の方法のいずれかを実行するように構成される、前記電子デバイス。
【0096】
アイテム15.1つまたは複数のプログラムを格納するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記1つまたは複数のプログラムは、ディスプレイ及びタッチ感知面を備えた電子デバイスによって実行されるとき、前記電子デバイスに、アイテム1~13のいずれかの方法のいずれかを実行させる命令を含む、前記コンピュータ可読記憶媒体。
【0097】
「第1」、「第2」、「第3」及び「第4」、「一次」、「二次」、「三次」などの用語の使用は、特定の順序を意味するものではなく、個々の要素を識別するために含まれる。さらに、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」、「一次」、「二次」、「三次」などの用語の使用は、いずれかの順序や重要性を示すものではなく、むしろ、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」、「一次」、「二次」、「三次」などの用語は、ある要素を別の要素と区別するために使用される。なお、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」、「一次」、「二次」、「三次」などの用語は、明細書中及び各所で使用され、単にラベル化のために用いられるものであり、いずれかの特定の空間的または時間的順序を示すものではない。さらに、1つまたは複数の実施形態では、第1の要素のラベリングは、第2の要素の存在を意味し得ず、逆もまた同様である。
【0098】
図1~4は、実線で示されるいくつかの回路または動作と、破線で示されるいくつかの回路または動作とを含むことが理解され得る。実線で構成される回路または動作は、最も広い例示的な実施形態に含まれる回路または動作である。破線に含まれる回路または動作は、実線の例示的な実施形態の回路または動作に加えて取られ得る、またはその一部に含まれ得る、またはさらなる回路または動作である例示的な実施形態である。これらの操作は、提示された順序で実行する必要がないことを理解されたい。さらに、すべての操作を実行する必要はないことを理解されたい。例示的な動作は、任意の順序及び任意の組み合わせで実行することができる。
【0099】
なお、「含む」とは、例示した要素やステップ以外の要素やステップの存在を必ずしも排除するものではない。
【0100】
なお、要素の前の「a」または「an」という用語は、そのような要素が複数存在することを排除するものではない。
【0101】
さらに、いずれかの符号は、特許請求の範囲を限定するものではなく、例示的な実施形態は少なくとも一部がハードウェア及びソフトウェアの両方によって実施されてもよく、複数の「手段」、「ユニット」または「デバイス」がハードウェアの同一のアイテムによって実施されてもよいことに留意されたい。
【0102】
また、本明細書で説明したさまざまな例示的な方法、デバイス、ノード及びシステムは、一般的な方法ステップまたは処理を表すものであり、ネットワーク環境においてコンピュータによって実行される、プログラムコード等のコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータ可読媒体に具体化された、コンピュータプログラム製品により一態様で実施されてもよい。コンピュータ可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)などを含むがこれらに限定されない、取り外し可能及び取り外し不可能な記憶装置を含み得る。一般に、プログラム回路は、特定のタスクを実行する、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み得る。コンピュータ実行可能命令、関連するデータ構造、及びプログラム回路は、本明細書に開示される方法のステップを実行するためのプログラムコードの例を表す。そのような実行可能命令または関連するデータ構造の特定のシーケンスは、そのようなステップまたはプロセスで説明される機能を実装するための対応する行為の例を表す。
【0103】
機能が示され、説明されているが、特許請求された開示を制限することを意図していないことが理解され、当業者には、特許請求された開示の範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正を行うことができることが明らかになる。従って、明細書及び図面は、限定する意味ではなくて例示的なものとみなされる。特許請求された開示は、すべての代替案、修正、及び同等物を網羅することを意図している。
【国際調査報告】