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特表2023-514575レーザスペックル信号を処理するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-06
(54)【発明の名称】レーザスペックル信号を処理するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20230330BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20230330BHJP
   A61B 5/026 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
A61B10/00 E
A61B1/00 510
A61B5/026 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548909
(86)(22)【出願日】2021-02-12
(85)【翻訳文提出日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 US2021018008
(87)【国際公開番号】W WO2021163603
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】62/976,669
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/021,914
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/022,147
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521025762
【氏名又は名称】アクティブ サージカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】オバーリン, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】デマイオ, エマニュエル
【テーマコード(参考)】
4C017
4C161
【Fターム(参考)】
4C017AA11
4C017AC26
4C161AA24
4C161BB08
4C161HH53
4C161WW02
(57)【要約】
本開示は、レーザスペックル信号を処理するためのシステムおよび方法を提供する。本方法は、対象の組織領域に向かって指向される、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生される、レーザスペックルパターンからのレーザスペックル信号と、対象の身体のまたはその中の生物学的物質の移動に対応する、参照信号とを取得するステップを含んでもよい。本方法は、少なくともレーザスペックル信号に対応する、第1の関数と、参照信号に対応する、第2の関数とを使用して、1つまたはそれを上回る測定値を算出するステップを含んでもよい。本方法は、部分的に、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値に基づいて、出力信号を発生させるステップと、出力信号を使用して、対象の組織領域上またはその近傍での外科手術手技を補助するステップとを含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号処理のための方法であって、前記方法は、
(a)(1)対象の組織領域に向かって指向される少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生されるレーザスペックルパターンからのレーザスペックル信号と、(2)前記対象の身体のまたはその中の生物学的物質の移動に対応する参照信号とを取得するステップと、
(b)少なくとも部分的に、少なくとも前記レーザスペックル信号に対応する第1の関数に基づいて、関数空間を定義するステップと、
(c)前記関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値を算出するステップであって、前記1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、前記参照信号に対応する第2の関数に基づいて定義される、ステップと、
(d)部分的に、前記関数空間に関する前記1つまたはそれを上回る測定値に基づいて、出力信号を発生させるステップと、
(e)前記出力信号を使用して、前記対象の組織領域上またはその近傍での外科手術手技を補助するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記関数空間は、前記少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生されたレーザスペックル信号のセットと関連付けられる関数のセットに対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記レーザスペックル信号のセットは、前記レーザスペックル信号を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記レーザスペックルパターンは、異なる波長を有する複数のレーザビームまたはパルスを発生させるように構成される複数のレーザ光源を使用して発生される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のレーザビームまたはパルスは、約100ナノメートル(nm)~約1ミリメートル(mm)の波長を有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記関数空間は、Lebesgue関数空間を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の関数または前記第2の関数のうちの少なくとも1つは、無限次元ベクトル空間内にある出力値のセットを備える無限次元ベクトル関数を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記レーザスペックル信号は、前記複数のフレームがリアルタイムで受信または処理されるにつれて、複数のフレームにわたって取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記関数空間に関する前記1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、前記第1の関数および前記第2の関数を比較することによって導出される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の関数および前記第2の関数を比較するステップは、前記レーザスペックル信号を前記参照信号上に投影し、または前記参照信号を前記レーザスペックル信号上に投影し、前記レーザスペックル信号と関連付けられる第1のピクセル値のセットを前記参照信号と関連付けられる第2のピクセル値のセットに対して比較するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の関数および前記第2の関数を比較するステップは、前記第1の関数および前記第2の関数を使用して、内積、ドット積、相互相関、自己相関、正規化された相互相関、または加重された測定積分のうちの少なくとも1つを算出するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の関数および前記第2の関数を比較するステップは、1つまたはそれを上回る信号または時系列比較器を使用して、前記第1の関数と前記第2の関数との間の相関の量または程度を決定するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の関数および前記第2の関数の比較は、時間ドメインまたは周波数ドメイン内で実施される、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の関数および前記第2の関数の比較は、前記レーザスペックルパターンを備えるレーザスペックル画像の少なくとも一部にわたって生じ、前記部分は、前記対象の組織領域内またはその近傍の1つまたはそれを上回る着目領域に対応する、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の関数および前記第2の関数の比較は、前記レーザスペックルパターンを備えるレーザスペックル画像に関して捕捉される新しいフレーム毎に、実質的にリアルタイムで、かつフレームごとに実施される、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記参照信号は、前記対象のパルスと関連付けられるパルス信号を使用して、取得または発生される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記パルス信号は、外部デバイスを使用して取得される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記外部デバイスは、パルスオキシメータを備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記パルス信号を使用して、前記レーザスペックルパターンの1つまたはそれを上回る特徴が流体流動または物理的運動に起因するかどうかを決定するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記関数空間に関する前記1つまたはそれを上回る測定値は、前記レーザスペックル信号と前記パルス信号との間の相関の量または程度に対応する、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記出力信号は、灌流フローマップを発生させるために使用可能である流動信号を備える、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記流動信号は、前記灌流フローマップ内の1つまたはそれを上回る誤検出を排除するために使用可能であり、前記1つまたはそれを上回る誤検出は、移動を示すが、前記1つまたはそれを上回る面積を通して流動する流体を有しない前記灌流フローマップ内の1つまたはそれを上回る面積に対応する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記参照信号は、異なる周波数でスピンするように構成される2つまたはそれを上回るモータの振動と関連付けられる複数の波形を使用して、取得または発生される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記2つまたはそれを上回るモータは、前記外科手術手技の1つまたはそれを上回るステップを実施するために使用される外科手術用ツールに結合されるトランスデューサ内に格納される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記複数の波形は、第1の周波数を伴う第1の波形と、前記第1の周波数と異なる第2の周波数を伴う第2の波形の重畳を備える、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の波形と前記第2の波形の重畳は、パルス状波形を発生させる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の波形は、搬送波を備える、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記搬送波は、固定または一定波形を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記搬送波は、可変波形を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記レーザスペックル信号は、前記外科手術用ツールが前記対象の組織領域と接触して設置されるときに発生される変調されたレーザスペックル信号を備える、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記関数空間に関する前記1つまたはそれを上回る測定値は、時間ドメインまたは周波数ドメインにおける前記変調されたレーザスペックル信号と前記参照信号との間の相関の量または程度に対応する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記出力信号は、灌流フローマップを発生させ、前記灌流フローマップの1つまたはそれを上回る特徴が流体流動または物理的運動に起因するかどうかを決定するために使用可能である流動信号を備える、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
前記出力信号は、前記外科手術用ツールが前記対象の組織領域に触れているかどうかを決定するために使用可能である力信号を備える、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
前記出力信号は、前記外科手術用ツールが前記対象の組織領域と接触して設置されるとき、前記外科手術用ツールによって、前記対象の組織領域内またはその近傍の組織上に付与される力の量を決定するために使用可能である力信号を備える、請求項24に記載の方法。
【請求項35】
前記生物学的物質は、流体を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記流体は、血液、リンパ液、組織流体、母乳、唾液、精液、胆汁、細胞内流体、細胞外流体、血管内流体、間質液、リンパ液、または細胞間流体を備える、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記生物学的物質は、組織を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記組織は、前記組織領域内またはその近傍にある、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
灌流フローマップを発生させるための方法であって、前記方法は、
(a)対象の組織領域に向かって指向される少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生されるレーザスペックルパターンからのレーザスペックル信号を取得するステップと、
(b)前記対象のパルスと関連付けられるパルス信号から、参照信号を発生させるステップと、
(c)前記レーザスペックル信号と前記参照信号を比較するステップと、
(d)部分的に、前記レーザスペックル信号と前記参照信号の比較に基づいて、前記灌流フローマップを発生させるステップと
を含む、方法。
【請求項40】
前記レーザスペックル信号と前記参照信号の比較を使用して、前記レーザスペックルパターンの1つまたはそれを上回る特徴が流体流動または物理的運動に起因するかどうかを決定するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記レーザスペックル信号と前記参照信号の比較を使用して、前記灌流フローマップ内の1つまたはそれを上回る誤検出を排除するステップをさらに含み、前記1つまたはそれを上回る誤検出は、移動を示すが、前記1つまたはそれを上回る面積を通して流動する流体を有しない前記灌流フローマップ内の1つまたはそれを上回る面積に対応する、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記レーザスペックル信号と前記参照信号を比較するステップは、
(c1)少なくとも部分的に、少なくとも前記レーザスペックル信号に対応する第1の関数に基づいて、関数空間を定義するステップと、
(c2)前記関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値を算出するステップであって、前記1つまたはそれを上回る測定値は、(i)部分的に、前記参照信号に対応する第2の関数に基づいて定義され、(ii)前記灌流フローマップを発生させるために使用される、ステップと
を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記関数空間は、前記少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生されたレーザスペックル信号のセットと関連付けられる関数のセットに対応する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記レーザスペックル信号のセットは、前記レーザスペックル信号を備える、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記関数空間は、Lebesgue関数空間を備える、請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の関数または前記第2の関数のうちの少なくとも1つは、無限次元ベクトル空間内にある出力値のセットを備える無限次元ベクトル関数を備える、請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記関数空間に関する前記1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、前記第1の関数および前記第2の関数を比較することによって導出される、請求項42に記載の方法。
【請求項48】
前記レーザスペックル信号と前記参照信号を比較するステップは、前記レーザスペックル信号を前記参照信号上に投影し、または前記参照信号を前記レーザスペックル信号上に投影し、前記レーザスペックル信号と関連付けられる第1のピクセル値のセットを前記参照信号と関連付けられる第2のピクセル値のセットに対して比較するステップを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項49】
前記第1の関数および前記第2の関数を比較するステップは、前記第1の関数および前記第2の関数を使用して、内積、ドット積、相互相関、自己相関、正規化された相互相関、または加重された測定積分のうちの少なくとも1つを算出するステップを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記第1の関数および前記第2の関数を比較するステップは、1つまたはそれを上回る信号または時系列比較器を使用して、前記第1の関数と前記第2の関数との間の相関の量または程度を決定するステップを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
前記第1の関数および前記第2の関数の比較は、時間ドメインまたは周波数ドメイン内で実施される、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
前記第1の関数および前記第2の関数の比較は、レーザスペックル画像の少なくとも一部にわたって生じ、前記部分は、前記レーザスペックル画像内の1つまたはそれを上回る着目領域を備える、請求項47に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の関数および前記第2の関数の比較は、前記レーザスペックルパターンを備えるレーザスペックル画像に関して捕捉される新しいフレーム毎に、実質的にリアルタイムで、かつフレームごとに実施される、請求項47に記載の方法。
【請求項54】
前記関数空間に関する前記1つまたはそれを上回る測定値は、前記レーザスペックル信号と前記パルス信号との間の相関の量または程度に対応する、請求項42に記載の方法。
【請求項55】
前記レーザスペックル信号は、前記複数のフレームがリアルタイムで受信または処理されるにつれて、複数のフレームにわたって取得される、請求項39に記載の方法。
【請求項56】
前記レーザスペックルパターンは、異なる波長または周波数を有する複数のレーザビームまたはパルスを発生させるように構成される複数のレーザ光源を使用して発生される、請求項39に記載の方法。
【請求項57】
前記複数のレーザビームまたはパルスは、約100ナノメートル(nm)~約1ミリメートル(mm)の波長を有する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記灌流フローマップを使用して、前記組織領域が、血流を受容する生体組織を備えるかどうかを決定するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項59】
前記灌流フローマップを使用して、不可視である1つまたはそれを上回る重要構造を検出するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項60】
対象の組織領域内またはその近傍にある組織上に付与される力を決定するための方法であって、前記方法は、
(a)前記対象の組織領域に向かって指向される少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生されるレーザスペックルパターンから、レーザスペックル信号を取得するステップと、
(b)異なる周波数でスピンするように構成される2つまたはそれを上回るモータの振動と関連付けられる複数の波形を使用して、参照信号を発生させるステップと、
(c)前記参照信号を使用して、前記レーザスペックル信号を変調させるステップと、
(d)前記変調されたレーザスペックル信号と前記参照信号を比較するステップと、
(e)部分的に、前記変調されたレーザスペックル信号と前記参照信号の比較に基づいて、力信号を発生させるステップと
を含む、方法。
【請求項61】
前記2つまたはそれを上回るモータは、外科手術手技の1つまたはそれを上回るステップを実施するために使用される外科手術用ツールに結合されるトランスデューサ内に格納される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記変調されたレーザスペックル信号は、前記外科手術用ツールが前記対象の組織領域と接触して設置されるときに発生される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記複数の波形は、第1の周波数を伴う第1の波形と、前記第1の周波数と異なる第2の周波数を伴う第2の波形の重畳を備える、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記第1の波形と前記第2の波形の重畳は、パルス状波形を発生させる、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記第1の波形は、搬送波形を備える、請求項63に記載の方法。
【請求項66】
前記力信号は、前記外科手術用ツールが、前記対象の組織領域内またはその近傍にある組織に触れているかどうかを決定するために使用可能である、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
前記力信号は、前記外科手術用ツールが前記対象の組織領域と接触して設置されるとき、前記外科手術用ツールによって、前記対象の組織領域内またはその近傍にある組織上に付与される力の量を決定するために使用可能である、請求項61に記載の方法。
【請求項68】
前記変調されたレーザスペックル信号と前記参照信号を比較するステップは、
(d1)少なくとも部分的に、少なくとも前記変調されたレーザスペックル信号に対応する第1の関数に基づいて、関数空間を定義するステップと、
(d2)前記関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値を算出するステップであって、前記1つまたはそれを上回る測定値は、(i)部分的に、前記参照信号に対応する第2の関数に基づいて定義され、(ii)前記力信号を発生させるために使用される、ステップと
を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項69】
前記関数空間は、前記少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生されたレーザスペックル信号のセットと関連付けられる関数のセットに対応する、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記レーザスペックル信号のセットは、前記変調されたレーザスペックル信号を備える、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記関数空間は、Lebesgue関数空間を備える、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記第1の関数または前記第2の関数のうちの少なくとも1つは、無限次元ベクトル空間内にある出力値のセットを備える無限次元ベクトル関数を備える、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
前記関数空間に関する前記1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、前記第1の関数および前記第2の関数を比較することによって導出される、請求項68に記載の方法。
【請求項74】
前記変調されたレーザスペックル信号と前記参照信号を比較するステップは、前記変調されたレーザスペックル信号を前記参照信号上に投影し、または前記参照信号を前記変調されたレーザスペックル信号上に投影し、前記変調されたレーザスペックル信号と関連付けられる第1のピクセル値のセットを前記参照信号と関連付けられる第2のピクセル値のセットに対して比較するステップを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項75】
前記第1の関数および前記第2の関数を比較するステップは、前記第1の関数および前記第2の関数を使用して、内積、ドット積、相互相関、自己相関、正規化された相互相関、または加重された測定積分のうちの少なくとも1つを算出するステップを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項76】
前記第1の関数および前記第2の関数を比較するステップは、1つまたはそれを上回る信号または時系列比較器を使用して、前記第1の関数と前記第2の関数との間の相関の量または程度を決定するステップを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項77】
前記第1の関数および前記第2の関数の比較は、時間ドメインまたは周波数ドメイン内で実施される、請求項68に記載の方法。
【請求項78】
前記第1の関数および前記第2の関数の比較は、前記レーザスペックルパターンを備えるレーザスペックル画像の少なくとも一部にわたって生じ、前記部分は、前記対象の組織領域内またはその近傍の1つまたはそれを上回る着目領域に対応する、請求項68に記載の方法。
【請求項79】
前記第1の関数および前記第2の関数の比較は、前記レーザスペックルパターンを備えるレーザスペックル画像に関して捕捉される新しいフレーム毎に、実質的にリアルタイムで、かつフレームごとに実施される、請求項68に記載の方法。
【請求項80】
前記関数空間に関する前記1つまたはそれを上回る測定値は、時間ドメインまたは周波数ドメインにおける前記変調されたレーザスペックル信号と前記参照信号との間の相関の量または程度に対応する、請求項68に記載の方法。
【請求項81】
前記レーザスペックル信号は、前記複数のフレームがリアルタイムで受信または処理されるにつれて、複数のフレームにわたって取得される、請求項60に記載の方法。
【請求項82】
前記レーザスペックルパターンは、異なる波長または周波数を有する複数のレーザビームまたはパルスを発生させるように構成される複数のレーザ光源を使用して発生される、請求項60に記載の方法。
【請求項83】
前記複数のレーザビームまたはパルスは、約100ナノメートル(nm)~約1ミリメートル(mm)の波長を有する、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記搬送波は、固定または一定波形を有する、請求項65に記載の方法。
【請求項85】
前記搬送波は、可変波形を有する、請求項65に記載の方法。
【請求項86】
レーザスペックルコントラスト撮像のための方法であって、
レーザ光を標的領域にスペックルパターンとして照射するステップと、
一連のスペックル画像フレームを捕捉するステップであって、前記一連のスペックル画像フレームは、それぞれが、前記レーザ光によって照明された前記標的領域の散乱された光から取得されるスペックル信号を備える、ステップと、
無限インパルスアルゴリズムを前記一連のスペックル画像フレームに適用することによって、1つまたはそれを上回るレーザスペックルコントラストマップを発生させるステップと
を含む、方法。
【請求項87】
前記一連のスペックル画像フレームは、光信号検出ユニットによって捕捉される、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記光信号検出ユニットは、CCDカメラまたはCMOSカメラを備える、請求項86に記載の方法。
【請求項89】
前記無限インパルスアルゴリズムを適用するステップは、無限インパルス積分を使用して、時間ドメイン、空間ドメイン、または時空間ドメイン内の前記スペックル信号を積分することによって、ピクセル毎に、局所スペックルコントラスト値を算出するステップを含む、請求項86に記載の方法。
【請求項90】
所与のピクセルに関する前記局所スペックルコントラスト値は、先行スペックル画像フレーム内の前記スペックル信号を再帰的に総和することによって推定される統計値に基づいて計算される、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記無限インパルスアルゴリズムは、空間無限インパルスアルゴリズム、時間無限インパルスアルゴリズム、および時空間無限インパルスアルゴリズムから成る群から選択される、請求項86に記載の方法。
【請求項92】
前記無限インパルスアルゴリズムは、構成可能パラメータを備える、請求項86に記載の方法。
【請求項93】
前記標的領域の性質に基づいて、前記構成可能パラメータを動的に調節するステップをさらに含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記標的領域の性質は、前記標的領域内の粒子の移動度を備える、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記標的領域は、組織構造を含み、前記性質は、前記組織のタイプを備える、請求項93に記載の方法。
【請求項96】
前記局所スペックルコントラスト値は、除算演算を伴わずに算出される、請求項89に記載の方法。
【請求項97】
前記空間ドメイン内の前記スペックル信号を積分するステップは、スペックル画像フレーム内の近傍ピクセルにわたって、スペックル信号の再帰和を算出するステップを含む、請求項89に記載の方法。
【請求項98】
前記近傍ピクセルは、3×3カーネル内にある、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記近傍ピクセルにわたってスペックル信号の再帰和を算出するステップは、累算器を使用するステップを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
レーザスペックルコントラスト撮像(LSCI)のためのシステムであって、
光を標的領域に照射するように構成される光源と、
一連のスペックル画像フレームを捕捉するように構成される光信号検出ユニットであって、前記一連のスペックル画像フレームは、それぞれが、前記レーザ光によって照明された前記標的領域の散乱された光から取得されるスペックル信号を備える、光信号検出ユニットと、
1つまたはそれを上回るプロセッサであって、前記1つまたはそれを上回るプロセッサは、無限インパルスアルゴリズムを前記一連のスペックル画像フレームに適用することによって、1つまたはそれを上回るレーザスペックルコントラストマップを発生させるように構成される、1つまたはそれを上回るプロセッサと
を備える、システム。
【請求項101】
前記光信号検出ユニットは、CCDカメラまたはCMOSカメラを備える、請求項100に記載のシステム。
【請求項102】
前記無限インパルスアルゴリズムを適用するステップは、無限インパルス積分を使用して、時間ドメイン、空間ドメイン、または時空間ドメイン内の前記スペックル信号を積分することによって、ピクセル毎に、局所スペックルコントラスト値を算出するステップを含む、請求項100に記載のシステム。
【請求項103】
所与のピクセルに関する前記局所スペックルコントラスト値は、先行スペックル画像フレーム内の前記スペックル信号を再帰的に総和することによって推定される統計値に基づいて計算される、請求項102に記載のシステム。
【請求項104】
前記無限インパルスアルゴリズムは、空間無限インパルスアルゴリズム、時間無限インパルスアルゴリズム、および時空間無限インパルスアルゴリズムから成る群から選択される、請求項100に記載のシステム。
【請求項105】
前記無限インパルスアルゴリズムは、構成可能パラメータを備える、請求項100に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、それぞれ、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2020年2月14日に出願された、米国仮出願第62/976,669号、2020年5月8日に出願された、米国仮出願第63/021,914号、および2020年5月8日に出願された、米国仮出願第63/022,147号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
レーザスペックルコントラスト撮像(LSCI)は、レーザ光を使用して、拡散表面を照明し、スペックルパターンとして知られる、視覚的効果を生成する、光学技法である。スペックルパターンを含有する、画像フレームは、標的領域または表面の動的かつ構造的量を算出するために分析されてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
レーザスペックルパターンの画像が、いくつかのフレームにわたって分析され、標的領域の1つまたはそれを上回る物理的、化学的、構造的、形態学的、生理学的、または病理学的特徴および/または性質を定量化および/または観察してもよい。レーザスペックル撮像処理のための従来のシステムおよび方法は、有限数のフレームにわたって、レーザスペックル信号を分析し得、これは、コンピュータ的に集約的であり得る。本開示のシステムおよび方法は、標的領域の種々の物理的、化学的、構造的、形態学的、生理学的、または病理学的特徴および/または性質を定量化および/または観察するために、無限数のフレームにわたって取得されるレーザスペックル信号を処理するために実装されてもよい。無限数のフレームにわたる処理は、算出オーバーヘッドを低減させ得、異なる算出可能値の加重および優先順位を動的に調節することによって、処理スペックル画像フレームを処理するより正確なリアルタイム方法を提供し得る。本開示のシステムおよび方法はまた、標的領域の異なる定量化可能または観察可能な特徴および/または性質を照合および/または向上させるために実装されてもよい。本明細書に開示されるレーザスペックル処理システムおよび方法は、部分的に、信号と1つまたはそれを上回る参照信号を比較することによって、レーザスペックル信号を分析または処理してもよい。本開示のシステムおよび方法は、医療オペレータが、生物学的物質の移動に起因する、レーザスペックルパターン内の特徴と、必ずしも、そのような生物学的物質のそのような移動と関連付けられない、外部物理的移動に起因する、レーザスペックルパターン内の特徴とを決定することを可能にし得る。本開示のシステムおよび方法は、医療オペレータが、種々の物質および/または物体によって引き起こされる異なる移動を区別し、レーザスペックルパターン、信号、または画像の異なる部分または特徴をフィルタリングまたは向上させ、標的領域の特徴または性質のより正確な査定または観察を行うことを可能にし得る。本開示のシステムおよび方法は、レーザスペックルパターン、画像、および/または信号を処理または分析するように試みるときに発生され得る、1つまたはそれを上回る誤検出または未検出を排除するために使用されてもよい。本開示のシステムおよび方法はまた、レーザスペックルパターン、画像、および/または信号をより正確に解釈し、レーザスペックルパターンまたは外科手術場面の他の画像内で不可視または容易に検出不能である、重要構造を検出するために使用されてもよい。追加される利益として、本開示のシステムおよび方法は、医療器具または外科手術用ツールが標的領域に触れているかどうかを決定する、ツールが標的領域に触れているときに付与される、力の量を推定する、または外科医またはロボットによって取り扱われている、糸の張力の量を算出するために実装されてもよい。
【0004】
ある側面では、本開示は、レーザスペックル信号を処理するための方法を提供する。本方法は、(a)(1)対象の組織領域に向かって指向される、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生される、レーザスペックルパターンからのレーザスペックル信号と、(2)対象の身体のまたはその中の生物学的物質の移動に対応する、参照信号とを取得するステップと、(b)少なくとも部分的に、少なくともレーザスペックル信号に対応する、第1の関数に基づいて、関数空間を定義するステップと、(c)関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値を算出するステップであって、1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、参照信号に対応する、第2の関数に基づいて定義される、ステップと、(d)部分的に、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値に基づいて、出力信号を発生させるステップと、(e)出力信号を使用して、対象の組織領域上またはその近傍での外科手術手技を補助するステップとを含んでもよい。
【0005】
いくつかの実施形態では、関数空間は、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生されたレーザスペックル信号のセットと関連付けられる、関数のセットに対応する。いくつかの実施形態では、レーザスペックル信号のセットは、レーザスペックル信号を備える。いくつかの実施形態では、レーザスペックルパターンは、異なる波長を有する、複数のレーザビームまたはパルスを発生させるように構成される、複数のレーザ光源を使用して発生される。いくつかの実施形態では、複数のレーザビームまたはパルスは、約100ナノメートル(nm)~約1ミリメートル(mm)の波長を有する。
【0006】
いくつかの実施形態では、関数空間は、Lebesgue関数空間を備える。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数のうちの少なくとも1つは、無限次元ベクトル空間内にある、出力値のセットを備える、無限次元ベクトル関数を備える。
【0007】
いくつかの実施形態では、レーザスペックル信号は、複数のフレームがリアルタイムで受信または処理されるにつれて、複数のフレームにわたって取得される。
【0008】
いくつかの実施形態では、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、第1の関数および第2の関数を比較することによって導出される。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数を比較するステップは、レーザスペックル信号を参照信号上に投影し、または参照信号をレーザスペックル信号上に投影し、レーザスペックル信号と関連付けられる第1のピクセル値のセットを参照信号と関連付けられる第2のピクセル値のセットに対して比較するステップを含む。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数を比較するステップは、第1の関数および第2の関数を使用して、内積、ドット積、相互相関、自己相関、正規化された相互相関、または加重された測定積分のうちの少なくとも1つを算出するステップを含む。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数を比較するステップは、1つまたはそれを上回る信号または時系列比較器を使用して、第1の関数と第2の関数との間の相関の量または程度を決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数の比較は、時間ドメインまたは周波数ドメイン内で実施される。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数の比較は、レーザスペックルパターンを備える、レーザスペックル画像の少なくとも一部にわたって生じ、部分は、対象の組織領域内またはその近傍の1つまたはそれを上回る着目領域に対応する。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数の比較は、レーザスペックルパターンを備える、レーザスペックル画像に関して捕捉される、新しいフレーム毎に、実質的にリアルタイムで、かつフレームごとに実施される。
【0009】
いくつかの実施形態では、参照信号は、対象のパルスと関連付けられる、パルス信号を使用して、取得または発生される。いくつかの実施形態では、パルス信号は、外部デバイスを使用して取得される。いくつかの実施形態では、外部デバイスは、パルスオキシメータを備える。
【0010】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、パルス信号を使用して、レーザスペックルパターンの1つまたはそれを上回る特徴が流体流動または物理的運動に起因するかどうかを決定するステップを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、レーザスペックル信号とパルス信号との間の相関の量または程度に対応する。
【0012】
いくつかの実施形態では、出力信号は、灌流フローマップを発生させるために使用可能である、流動信号を備える。いくつかの実施形態では、流動信号は、灌流フローマップ内の1つまたはそれを上回る誤検出を排除するために使用可能である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る誤検出は、移動を示すが、1つまたはそれを上回る面積を通して流動する流体を有しない、灌流フローマップ内の1つまたはそれを上回る面積に対応する。
【0013】
いくつかの実施形態では、参照信号は、異なる周波数でスピンするように構成される、2つまたはそれを上回るモータの振動と関連付けられる、複数の波形を使用して、取得または発生される。いくつかの実施形態では、2つまたはそれを上回るモータは、外科手術手技の1つまたはそれを上回るステップを実施するために使用される、外科手術用ツールに結合される、トランスデューサ内に格納される。いくつかの実施形態では、複数の波形は、第1の周波数を伴う、第1の波形と、第1の周波数と異なる、第2の周波数を伴う、第2の波形の重畳を備える。いくつかの実施形態では、第1の波形と第2の波形の重畳は、パルス状波形を発生させる。いくつかの実施形態では、第1の波形は、搬送波を備える。いくつかの実施形態では、搬送波は、固定または一定波形を有する。いくつかの実施形態では、搬送波は、可変波形を有する。
【0014】
いくつかの実施形態では、レーザスペックル信号は、外科手術用ツールが対象の組織領域と接触して設置されるときに発生される、変調されたレーザスペックル信号を備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、時間ドメインまたは周波数ドメインにおける変調されたレーザスペックル信号と参照信号との間の相関の量または程度に対応する。
【0016】
いくつかの実施形態では、出力信号は、灌流フローマップを発生させるために使用可能である、流動信号を備え、灌流フローマップの1つまたはそれを上回る特徴が流体流動または物理的運動に起因するかどうかを決定する。
【0017】
いくつかの実施形態では、出力信号は、外科手術用ツールが対象の組織領域に触れているかどうかを決定するために使用可能である、力信号を備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、出力信号は、外科手術用ツールが対象の組織領域と接触して設置されるとき、外科手術用ツールによって、対象の組織領域内またはその近傍の組織上に付与される、力の量を決定するために使用可能である、力信号を備える。
【0019】
いくつかの実施形態では、生物学的物質は、流体を備える。いくつかの実施形態では、流体は、血液、リンパ液、組織流体、母乳、唾液、精液、胆汁、細胞内流体、細胞外流体、血管内流体、間質液、リンパ液、または細胞間流体を備える。いくつかの実施形態では、生物学的物質は、組織を備える。いくつかの実施形態では、組織は、組織領域内またはその近傍にある。
【0020】
別の側面では、本開示は、灌流フローマップを発生させるための方法であって、(a)対象の組織領域に向かって指向される、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生される、レーザスペックルパターンからのレーザスペックル信号を取得するステップと、(b)対象のパルスと関連付けられるパルス信号から、参照信号を発生させるステップと、(c)レーザスペックル信号と参照信号を比較するステップと、(d)部分的に、レーザスペックル信号と参照信号の比較に基づいて、灌流フローマップを発生させるステップとを含む、方法を提供する。
【0021】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、レーザスペックル信号と参照信号の比較を使用して、レーザスペックルパターンの1つまたはそれを上回る特徴が流体流動または物理的運動に起因するかどうかを決定するステップを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、レーザスペックル信号と参照信号の比較を使用して、灌流フローマップ内の1つまたはそれを上回る誤検出を排除するステップを含む。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る誤検出は、移動を示すが、1つまたはそれを上回る面積を通して流動する流体を有しない、灌流フローマップ内の1つまたはそれを上回る面積に対応する。
【0023】
いくつかの実施形態では、レーザスペックル信号と参照信号を比較するステップは、(c1)少なくとも部分的に、少なくともレーザスペックル信号に対応する、第1の関数に基づいて、関数空間を定義するステップと、(c2)関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値を算出するステップであって、いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る測定値は、(i)部分的に、参照信号に対応する、第2の関数に基づいて定義され、(ii)灌流フローマップを発生させるために使用される、ステップとを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、関数空間は、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生されたレーザスペックル信号のセットと関連付けられる、関数のセットに対応する。いくつかの実施形態では、レーザスペックル信号のセットは、レーザスペックル信号を備える。
【0025】
いくつかの実施形態では、関数空間は、Lebesgue関数空間を備える。いくつかの実施形態では、第1の関数または第2の関数のうちの少なくとも1つは、無限次元ベクトル空間内にある、出力値のセットを備える、無限次元ベクトル関数を備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、第1の関数および第2の関数を比較することによって導出される。いくつかの実施形態では、レーザスペックル信号と参照信号を比較するステップは、レーザスペックル信号を参照信号上に投影し、または参照信号をレーザスペックル信号上に投影し、レーザスペックル信号と関連付けられる第1のピクセル値のセットを参照信号と関連付けられる第2のピクセル値のセットに対して比較するステップを含む。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数を比較するステップは、第1の関数および第2の関数を使用して、内積、ドット積、相互相関、自己相関、正規化された相互相関、または加重された測定積分のうちの少なくとも1つを算出するステップを含む。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数を比較するステップは、1つまたはそれを上回る信号または時系列比較器を使用して、第1の関数と第2の関数との間の相関の量または程度を決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数の比較は、時間ドメインまたは周波数ドメイン内で実施される。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数の比較は、レーザスペックル画像の少なくとも一部にわたって生じ、部分は、レーザスペックル画像内の1つまたはそれを上回る着目領域を備える。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数の比較は、レーザスペックルパターンを備える、レーザスペックル画像に関して捕捉される、新しいフレーム毎に、実質的にリアルタイムで、かつフレームごとに実施される。
【0027】
いくつかの実施形態では、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、レーザスペックル信号とパルス信号との間の相関の量または程度に対応する。いくつかの実施形態では、レーザスペックル信号は、複数のフレームがリアルタイムで受信または処理されるにつれて、複数のフレームにわたって取得される。いくつかの実施形態では、レーザスペックルパターンは、異なる波長または周波数を有する、複数のレーザビームまたはパルスを発生させるように構成される、複数のレーザ光源を使用して発生される。いくつかの実施形態では、複数のレーザビームまたはパルスは、約100ナノメートル(nm)~約1ミリメートル(mm)の波長を有する。
【0028】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、灌流フローマップを使用して、組織領域が、血流を受容する、生体組織を備えるかどうかを決定するステップを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、灌流フローマップを使用して、不可視である、1つまたはそれを上回る重要構造を検出するステップを含む。
【0030】
別の側面では、本開示は、対象の組織領域内またはその近傍にある、組織上に付与される、力を決定するための方法であって、(a)対象の組織領域に向かって指向される、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生される、レーザスペックルパターンから、レーザスペックル信号を取得するステップと、(b)異なる周波数でスピンするように構成される、2つまたはそれを上回るモータの振動と関連付けられる、複数の波形を使用して、参照信号を発生させるステップと、(c)参照信号を使用して、レーザスペックル信号を変調させるステップと、(d)変調されたレーザスペックル信号と参照信号を比較するステップと、(e)部分的に、変調されたレーザスペックル信号と参照信号の比較に基づいて、力信号を発生させるステップとを含む、方法を提供する。
【0031】
いくつかの実施形態では、2つまたはそれを上回るモータは、外科手術手技の1つまたはそれを上回るステップを実施するために使用される、外科手術用ツールに結合される、トランスデューサ内に格納される。
【0032】
いくつかの実施形態では、変調されたレーザスペックル信号は、外科手術用ツールが対象の組織領域と接触して設置されるときに発生される。
【0033】
いくつかの実施形態では、複数の波形は、第1の周波数を伴う、第1の波形と、第1の周波数と異なる、第2の周波数を伴う、第2の波形の重畳を備える。いくつかの実施形態では、第1の波形と第2の波形の重畳は、パルス状波形を発生させる。いくつかの実施形態では、第1の波形は、搬送波形を備える。いくつかの実施形態では、搬送波は、固定または一定波形を有する。いくつかの実施形態では、搬送波は、可変波形を有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、力信号は、外科手術用ツールが、対象の組織領域内またはその近傍にある、組織に触れているかどうかを決定するために使用可能である。いくつかの実施形態では、力信号は、外科手術用ツールが対象の組織領域と接触して設置されるとき、外科手術用ツールによって、対象の組織領域内またはその近傍にある、組織上に付与される、力の量を決定するために使用可能である。
【0035】
いくつかの実施形態では、変調されたレーザスペックル信号と参照信号を比較するステップは、(d1)少なくとも部分的に、少なくとも変調されたレーザスペックル信号に対応する、第1の関数に基づいて、関数空間を定義するステップと、(d2)関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値を算出するステップであって、1つまたはそれを上回る測定値は、(i)部分的に、参照信号に対応する、第2の関数に基づいて定義され、(ii)力信号を発生させるために使用される、ステップとを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、関数空間は、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生されたレーザスペックル信号のセットと関連付けられる、関数のセットに対応する。いくつかの実施形態では、レーザスペックル信号のセットは、変調されたレーザスペックル信号を備える。
【0037】
いくつかの実施形態では、関数空間は、Lebesgue関数空間を備える。いくつかの実施形態では、第1の関数または第2の関数のうちの少なくとも1つは、無限次元ベクトル空間内にある、出力値のセットを備える、無限次元ベクトル関数を備える。
【0038】
いくつかの実施形態では、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、第1の関数および第2の関数を比較することによって導出される。いくつかの実施形態では、変調されたレーザスペックル信号と参照信号を比較するステップは、変調されたレーザスペックル信号を参照信号上に投影し、または参照信号を変調されたレーザスペックル信号上に投影し、変調されたレーザスペックル信号を参照信号上に投影し、または参照信号を変調されたレーザスペックル信号上に投影し、変調されたレーザスペックル信号と関連付けられる第1のピクセル値のセットを参照信号と関連付けられる第2のピクセル値のセットに対して比較するステップを含む。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数を比較するステップは、第1の関数および第2の関数を使用して、内積、ドット積、相互相関、自己相関、正規化された相互相関、または加重された測定積分のうちの少なくとも1つを算出するステップを含む。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数を比較するステップは、1つまたはそれを上回る信号または時系列比較器を使用して、第1の関数と第2の関数との間の相関の量または程度を決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数の比較は、時間ドメインまたは周波数ドメイン内で実施される。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数の比較は、レーザスペックルパターンを備える、レーザスペックル画像の少なくとも一部にわたって生じ、部分は、対象の組織領域内またはその近傍の1つまたはそれを上回る着目領域に対応する。いくつかの実施形態では、第1の関数および第2の関数の比較は、レーザスペックルパターンを備える、レーザスペックル画像に関して捕捉される、新しいフレーム毎に、実質的にリアルタイムで、かつフレームごとに実施される。
【0039】
いくつかの実施形態では、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、時間ドメインまたは周波数ドメインにおける変調されたレーザスペックル信号と参照信号との間の相関の量または程度に対応する。いくつかの実施形態では、レーザスペックル信号は、複数のフレームがリアルタイムで受信または処理されるにつれて、複数のフレームにわたって取得される。いくつかの実施形態では、レーザスペックルパターンは、異なる波長または周波数を有する、複数のレーザビームまたはパルスを発生させるように構成される、複数のレーザ光源を使用して発生される。いくつかの実施形態では、複数のレーザビームまたはパルスは、約100ナノメートル(nm)~約1ミリメートル(mm)の波長を有する。
【0040】
本開示の別の側面は、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサによる実行に応じて、上記もしくは本明細書の別の場所の方法のうちのいずれかを実装する、機械実行可能コードを備える、非一過性コンピュータ可読媒体を提供する。
【0041】
本開示の別の側面は、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサと、それに結合されるコンピュータメモリとを備える、システムを提供する。コンピュータメモリは、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサによる実行に応じて、上記もしくは本明細書の別の場所の方法のうちのいずれかを実装する、機械実行可能コードを備える。
【0042】
本開示の付加的側面および利益が、本開示の例証的実施形態のみが示され、説明される、以下の詳細な説明から、当業者に容易に明白となるであろう。認識されるであろうように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、全て本開示から逸脱することなく、種々の明白な点において修正が可能である。故に、図面および説明は、制限的ではなく、本質的に例証的と見なされるものである。
【0043】
本明細書に言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個々に参照することによって組み込まれることが示される場合と同程度に、参照することによって本明細書に組み込まれる。参照することによって組み込まれる刊行物および特許または特許出願が、本明細書に含有される開示と矛盾する範囲で、本明細書は、任意のそのような矛盾する資料に優先ならびに/もしくは先行することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明の新規の特徴は、添付される請求項に具体的に記載される。本発明の特徴および利点のより深い理解が、本発明の原理が利用される例証的実施形態を記載する、以下の詳細な説明、ならびに付随の図面(また、本明細書では、「図(Figure)」および「図(FIG.)」)を参照することによって取得されるであろう。
【0045】
図1図1は、いくつかの実施形態による、レーザスペックルを処理するためのシステムを図式的に図示する。
【0046】
図2図2は、いくつかの実施形態による、外科手術のためのレーザスペックルを処理するためのシステムを図式的に図示する。
【0047】
図3図3は、いくつかの実施形態による、外科医がロボットを監督または動作させることを含む、外科手術のためのレーザスペックルを処理するためのシステムを図式的に図示する。
【0048】
図4図4は、いくつかの実施形態による、外科医がロボットと協働することを含む、外科手術のためのレーザスペックルを処理するためのシステムを図式的に図示する。
【0049】
図5図5は、いくつかの実施形態による、信号処理のための方法を図式的に図示する。
【0050】
図6図6は、いくつかの実施形態による、灌流フローマップを発生させるための方法を図式的に図示する。
【0051】
図7図7は、いくつかの実施形態による、組織上に付与される力を推定するための方法を図式的に図示する。
【0052】
図8図8は、本明細書に提供される方法を実装するようにプログラムまたは別様に構成される、コンピュータシステムを図式的に図示する。
【0053】
図9図9は、従来のアルゴリズムを使用して生成される、未加工スペックル画像と、レーザスペックルコントラスト画像との実施例を示す。
【0054】
図10図10は、本開示のいくつかの実施形態による、それぞれ、時間無限インパルス積分(III)アルゴリズム、空間IIIアルゴリズム、および時空間IIIアルゴリズムを使用して生成される、未加工スペックル画像と、レーザスペックルコントラスト画像との実施例を示す。
【0055】
図11図11は、本開示のいくつかの実施形態による、レーザスペックルコントラスト画像またはフローマップを生成するための方法の実施例を示す。
【0056】
図12図12は、本開示のいくつかの実施形態による、本明細書に説明される方法およびアルゴリズムを実装する、システムを図式的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0057】
詳細な説明
本発明の種々の実施形態が、本明細書に示され、説明されているが、そのような実施形態が、実施例としてのみ提供されることが、当業者に明白であろう。多数の変動、変更、および代用が、本発明から逸脱することなく、当業者に想起され得る。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替が、採用され得ることを理解されたい。
【0058】
本明細書で使用されるような用語「リアルタイム」は、概して、第2の事象または作用の発生に対する、第1の事象または作用の同時または実質的に同時の発生を指す。リアルタイム作用または事象は、少なくとも別の事象または作用に対して、以下、すなわち、10秒、5秒、1秒、1/10秒、1/100秒、ミリ秒、またはそれ未満のうちの1つまたはそれを上回るもの未満の応答時間内で実施され得る。リアルタイム作用は、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサによって実施されてもよい。
【0059】
用語「少なくとも~」、「~を上回る」、もしくは「~を上回る、またはそれに等しい」が、一連の2つまたはそれを上回る数値における第1の数値に先行するときは常に、用語「少なくとも~」、「~を上回る」、もしくは「~を上回る、またはそれに等しい」は、その一連の数値における数値のそれぞれに適用される。例えば、1、2、もしくは3を上回る、またはそれに等しいは、1を上回る、またはそれに等しい、2を上回る、またはそれに等しい、もしくは3を上回る、またはそれに等しいと同等である。
【0060】
用語「~以下」、「~未満」、もしくは「未満またはそれに等しい」が、一連の2つまたはそれを上回る数値における第1の数値に先行するときは常に、用語「~以下」、「~未満」、もしくは「~未満またはそれに等しい」は、その一連の数値における数値のそれぞれに適用される。例えば、「3、2、または1未満またはそれに等しい」は、「3未満またはそれに等しい」、「2未満またはそれに等しい」、もしくは「1未満またはそれに等しい」と同等である。
【0061】
ある側面では、本開示は、レーザスペックル画像を処理するための方法およびシステムを提供する。いくつかの実施形態では、レーザ光で照明された場面の一連のフレームF_1、F_2、…、F_Nが、カメラを使用して収集されてもよい。カメラは、例えば、USB技術を使用して、データを転送する、ユニバーサルシリアルバス(USB)カメラを含んでもよい。レーザ光のコヒーレンスは、スペックルパターンを場面上に現れさせる。本スペックルパターンは、観察者の場所およびカメラの固有のパラメータに依存し得る。例えば、異なる場所における2つのカメラは、異なるスペックルパターンを捕捉し得、場面を観察する2人のユーザ(カメラ対眼)は、スペックルの場所に関して合意し得ない。撮像されている物体が、偶発的に移動する場合、その表面上のスペックルパターンは、フレーム毎に、ランダム「閃光」において変化し得、これは、物体の運動に伴って流動するパターンに類似せず、容易に「追跡」され得ない。近傍ピクセルの群を調べ(空間内またはフレーム毎のいずれかにおいて)、それらの近傍ピクセルの平均値(μ)および分散値(σ)を算出することによって、各ピクセルにおいて撮像されている物体の速度は、近似的に、σ/μとして算出されることができる。検出された運動は、物体の物理的運動に起因する、または下層組織の血流に起因し得る。撮像の間、運動の全ての非血流源を最小に保つことが好ましい。
【0062】
本開示は、少なくとも部分的に、構造化された総和(すなわち、積分)に基づいて、スペックルコントラストマップにおいて使用される、統計を算出するための方法およびシステムを提供する。本開示は、時間および空間における修正された無限和アルゴリズムを提供する。ある側面では、本開示は、無限インパルスレーザスペックルコントラスト撮像(LSCI)と、レーザスペックルコントラスト画像処理のための無限インパルスレーザスペックルコントラスト分析(LASCA)アルゴリズムとを提供する。
【0063】
本開示はまた、時間および空間を通したスペックル信号の加重された積分、すなわち、ガウスLASCAのための方法およびシステムを提供する。本開示は、パルスマップを発生させ、処理するための方法およびシステムを提供する。本開示は、時間および空間における無限インパルスフィルタリングのための方法およびシステムを提供する。
【0064】
従来の有限和方法は、空間内の、かつ時間を通した、各ピクセルの周囲の和を用いて、μおよびσを推定し得る。これらの和における各項は、同じように取り扱われ得、これは、アーチファクトを画像内に導入する。対照的に、本明細書に開示される方法およびシステムは、総和および除算の間、加重された和を使用して、統計をフィルタリングすることによって、より鮮明な画像を提供することができる。故に、本明細書に開示される方法およびシステムは、最初に、統計の比率を算出し、次いで、フィルタリングする、有限和方法より改良された性能を提供することができる。
【0065】
本明細書に開示される方法およびシステムは、各ピクセルの統計的量(μ/σ)を導出することによって実装されてもよい。これらの量は、実験的に推定されてもよい。
【0066】
例えば、フレーム{i=1,…, n}にわたって、μ~\sum p_iを推定する代わりに、μは、本開示では、μ_t=(1-α)×p_t+α×m_(t-1)によって推定されることができる。同様に、平方和xi_t=(1-α)×(p_t)+α×xi_(t-1)も、推定されることができる。μ_tおよびxi_tは、時間tにおける「計数」に対応し得る。σ_t=xi_t-(μ_t)である。その結果、μ/σは、より少ない除算演算を使用し、それによって、算出性能を最適化する、表現に簡略化されることができる。
【0067】
本開示は、移動平均(αを伴う)に基づいて、無限インパルススペックル時間積分を最適化および実施するための方法およびシステムを提供する。
【0068】
本開示また、いったん「計数」が算出されると、μ/σの導出および/または算出を最適化および簡略化するための方法およびシステムを提供する。
【0069】
「計数」は、時間の代わりに、空間を通して加重された平均を反復することによって、算出されることができる。本明細書に開示される方法およびシステムは、以下の表現を使用して実装されてもよい。
A_11,t=(1/9)×[α×A_(11,t-1)+(1-α)(A_(00,t-1)+A_(10,t-1)+A_(20,t-1)+A_(01,t-1)+A_(21,t-1)+A_(02,t-1)+A_(12,t-1)+A_(22,t-1))]
【0070】
各ピクセルにおいて本和を実施することは、各ピクセルをそれ自体およびその近傍の平均にさせ得る。和を2回目として実施することは、各ピクセルをまたその近傍の近傍の平均にさせ得る。和モデルを反復することは、その固有関数がガウスである、熱拡散プロセスを含み、限界内において、本プロセスがガウスカーネル総和に匹敵することを意味し得る。
【0071】
これらの技法は、同時に、空間および時間を通した和に組み合わせられ、各ピクセルに、その独自およびその近傍の履歴を使用して、近接度に従って加重される、計数を算出させることができる。
【0072】
本開示はまた、時間および周波数ドメインにおける参照信号に対して加重された積分のための方法およびシステムを提供する。ある場合には、本明細書に開示される方法およびシステムは、カーネル積分の1つまたはそれを上回る側面を備えてもよい。スペックル参照信号L測定値は、タッチセンサの目的のために使用されることができる。スペックル参照信号L測定値は、拍動性マップまたはパルスマップを発生させるために使用されてもよい。Lは、Lebesgue空間に対応し得る。Lは、それらの関数を測定および比較するために使用される、ノルムおよび内積とともに、可積分関数の1つまたはそれを上回る空間を備えてもよい。Lは、有限次元ベクトル空間のためのp-ノルムの自然一般化を使用して定義される、関数空間を備えてもよい。例えば、Lは、通常のユークリッドノルムとともに、自乗可積分関数の空間を備えてもよく、内積は、ベクトルの典型的ドット積の無限次元類似物に対応し得る。いくつかの実施形態では、Lは、p-ノルムが、無限数の成分を有する、ベクトルまで延在され得る場合、l空間と相関され得る。ある場合には、lは、本開示の1つまたはそれを上回る側面を実装するために使用されてもよい。
【0073】
有限インパルス方法では、流動信号は、有限数のフレームにわたって記録され、参照信号と比較され得る。本比較は、ドット積、正規化された相互相関、加重された測定積分、または任意の他の類似信号/時系列比較器によって実施されることができる。本比較は、画像全体(完全フィールド)にわたって、または着目領域にわたって、生じ得る。
【0074】
本明細書に開示される無限インパルス方法は、指数関数的移動平均を使用して、オンラインで、フレーム毎に、直近の過去に向かってより加重される、積分を算出してもよい。これは、算出の間、時間およびメモリ空間を節約し得る。
【0075】
患者のパルスは、周期的方法において、血液の流動および組織の灌流を変調させ得る。本パルスは、全体的画像から検出され、直接、使用される、または適切な周波数および位相の純参照パルス信号を合成するための基礎として使用されることができる。パルス信号に伴って変動する、流動は、血流に起因して生じ得る一方、信号に伴って変動しない、流動は、物理的運動、例えば、蠕動、呼吸、またはカメラ運動に起因して生じ得る。組織は、検出可能パルスを有する場合、かつ検出可能パルスに伴って、組織の近位にあって、非閉塞性様式において、それに付着される場合、生存している。したがって、本明細書に開示されるパルス参照は、ある要因に起因する「誤検出流動」を事実上フィルタ除去することができる。
【0076】
ある側面では、本開示はまた、合成参照信号に基づく、接触感知のための方法およびシステムを提供する。2つのモータが、異なる率(例えば、200Hzおよび212Hz)でスピンし得、ヘテロダイン干渉が、約200Hz振動の周囲に12Hzエンベロープを作成する。モータは、外科手術用ツールに取り付けられる、トランスデューサ内に格納されてもよい。ツールが、組織と接触する場合、振動が、組織の中に伝達され得、観察(算出)されたスペックルコントラスト信号を変調させ得る。本変調は、周波数ドメインにおける参照信号比較を通して検出されることができる。参照信号への適合度は、組織にかかるツール圧力に伴って増加し、したがって、相対的「組織上の力」が、算出されることができる。本「組織上の力」は、ツール-組織接触を決定するために使用されることができる。例示的使用は、ロボット外科手術の間の「糸張力」におけるものであり得る。
【0077】
ある側面では、本開示はまた、同時マルチバンドスペックル撮像のための方法およびシステムを提供する。HbおよびHbO吸収スペクトルは、等吸収点として知られる、点において交差する。そのような点が、808nmの近傍に存在する。そのような点におけるスペックル撮像は、理論上、酸素化に非依存し、したがって、流動のみに基づいて応答するはずである。したがって、類似サイズおよび流動の小静脈および動脈は、同一に現れるはずであって(構造上、これらの小胞が、より大きいそのような脈管より類似するため)、非灌流組織は、酸素の残りのレベルによってバイアスされず、これは、経時的に変化するであろう。同時に、慎重に選定された強度比率を用いて、785nmおよび852nmにおいて照明することによって、場面は、HbおよびHbOを横断して、分散値を維持しながら、撮像されることができる。これは、光学システムが、その波長を遮断する必要性に起因して、特定の波長を支援し得ない場合でも、等吸収点下の撮像の利益を提供することができ、これは、ICG励起のために使用されてもよい。
【0078】
ある側面では、本開示はまた、レーザスペックルスペクトル逆畳み込みのための方法およびシステムを提供する。スペクトル逆畳み込みは、異なる波長下で展開されたスペックルマップに適用されることができる。本技法は、本明細書では、「ハイパースペックル」と称され得る。本明細書に開示される方法およびシステムは、任意の数の波長を使用して実装されてもよい。本明細書に開示される方法およびシステムは、一般的分光法の任意の1つまたはそれを上回る側面を使用して実装されてもよい。本明細書に開示される方法およびシステムは、Hb対実質濃度決定の目的のために実装されてもよい。本明細書に開示される方法およびシステムは、2つまたはそれを上回る波長下のスペックルから酸素化/SpOを評価するために実装されてもよい。
【0079】
ある側面では、本開示はまた、ディスクベースの光学位相変調のための方法およびシステムを提供する。これは、本明細書では、「ディスクコンボビュレータ」と称され得る。本明細書に開示される方法およびシステムは、異なる厚さの平坦アクリル透明窓のアレイを伴う、スピンディスクを使用する、技法を実装してもよく、これは、スペックル信号上の数学的に分析可能な反響を有する、カメラ捕捉と同期される、レーザビームの位相変調を実行する。それぞれ、異なる厚さの埋設されたガラスプレートを伴う、スピンディスクは、順次、ガラスプレートをコリメートされたレーザのビームラインの中に挿入し、これは、(拡散される)レーザ光によって照明される場面の画像を捕捉する、カメラのフレームに伴って、固定した方式において、ビームの有効経路長を変化させる。上記に説明される位相変調を伴わない場合、スペックル画像の任意のシーケンスは、相関スペックルパターンを有し、これは、統計が経時的に収集されるとき、バイアスを算出されたコントラスト画像に生じさせ得る。特に、LSCIは、スペックルパターンが、分散値推定が非常に低くバイアスされる、フレーム間で非常に相関するため、低流量条件下、高流量を錯覚するであろう。本明細書に説明される位相変調の導入は、時間積分を使用して、正確な流動が算出されることを可能にすることができ、低流量側における「錯覚される流動」アーチファクトを除去することができる。
【0080】
別の側面では、本開示はまた、2つ(またはそれを上回る)異なる位置合わせされたカメラにおいて、未加工レーザフレームを収集するための方法およびシステムを提供し、これは、レーザスペックルの能力を拡張させ得る。最初に、フレーム内のスペックルが、独立して算出される。視差と組み合わせられた脈管の正中線は、脈管の深度を与えることができる。いったん対応が、確立されると、全てのカメラからのスペックルサンプルは、アルゴリズムにおいて組み合わせられることができ、これは、流動および深度をともに推定する。
【0081】
別の側面では、本開示はまた、異なる波長下で展開された複数のコントラスト画像を平均することによって、コントラスト算出ならびにコントラストマップの組み合わせに先立ったマルチサンプリング統計のための方法およびシステムを提供する。マルチサンプリングのための方法およびシステムは、「ディスクコンボビュレータ」および/または「ステレオジョイントアルゴリズム」を実装してもよい。
【0082】
本開示の側面は、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサと、そこに結合される、コンピュータメモリとを備える、システムを提供する。コンピュータメモリは、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサによる実行に応じて、本明細書に説明される方法のいずれかを実装する、機械実行可能コードを備える。
【0083】
本開示は、本開示の方法を実装するようにプログラムされる、コンピュータシステムを提供する。コンピュータシステムは、無限インパルスレーザスペックルコントラスト撮像(LSCI)のための1つまたはそれを上回る方法および/またはレーザスペックルコントラスト画像処理のための1つまたはそれを上回る無限インパルスレーザスペックルコントラスト分析(LASCA)アルゴリズムを実装するようにプログラムまたは別様に構成されてもよい。
【0084】
レーザスペックル信号処理
【0085】
ある側面では、本開示は、レーザスペックル信号を処理するための方法を提供する。本方法は、(a)(1)対象の組織領域に向かって指向される、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生される、レーザスペックルパターンからのレーザスペックル信号と、(2)対象の身体のまたはその中の生物学的物質の移動に対応する、参照信号とを取得するステップとを含んでもよい。本方法はさらに、(b)少なくとも部分的に、少なくともレーザスペックル信号に対応する、第1の関数に基づいて、関数空間を定義するステップを含んでもよい。本方法はさらに、(c)関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値を算出するステップを含んでもよい。1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、参照信号に対応する、第2の関数に基づいて、定義されてもよい。本方法はさらに、(d)部分的に、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値に基づいて、出力信号を発生させるステップを含んでもよい。本方法はさらに、(e)出力信号を使用して、対象の組織領域上またはその近傍での外科手術手技を補助するステップを含んでもよい。
【0086】
本方法は、(a)(1)レーザスペックル信号を少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生されたレーザスペックルパターンから取得するステップを含んでもよい。少なくとも1つのレーザ光源は、対象の組織領域に向かって指向されてもよい。
【0087】
レーザスペックル信号は、レーザスペックルパターンと関連付けられる、信号を備えてもよい。レーザスペックルパターンは、物質が1つまたはそれを上回るレーザ光ビームまたはパルスに暴露される(すなわち、それによって照明される)とき、物質上で発生される、パターンを備えてもよい。物質は、対象の組織領域を備えてもよい。物質は、生物学的物質を備えてもよい。ある場合には、生物学的物質は、患者の器官の一部または患者の身体内の解剖学的特徴もしくは構造を備えてもよい。ある場合には、生物学的物質は、患者の身体の組織または組織の表面を備えてもよい。組織は、上皮組織、結合組織、器官組織、および/または筋肉組織(例えば、骨格筋組織、平滑筋組織、および/または心筋組織)を備えてもよい。
【0088】
レーザスペックルパターンは、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生されてもよい。少なくとも1つのレーザ光源は、1つまたはそれを上回るレーザ光ビームまたはパルスを発生させるように構成されてもよい。1つまたはそれを上回るレーザビームまたはパルスは、約100ナノメートル(nm)~約1ミリメートル(mm)の波長を有してもよい。ある場合には、レーザスペックルパターンは、異なる波長を有する、複数のレーザビームまたはパルスを発生させるように構成される、複数のレーザ光源を使用して発生されてもよい。複数のレーザビームまたはパルスは、約100ナノメートル(nm)~約1ミリメートル(mm)の波長を有してもよい。ある場合には、少なくとも1つのレーザ光源は、レーザダイオード等のコヒーレント光源を備えてもよい。ある場合には、少なくとも1つのレーザ光源は、近赤外線スペクトル範囲内の光を発生させるように構成されてもよい。近赤外線スペクトル範囲内の光は、約980ナノメートル(nm)の波長を有してもよい。
【0089】
スペックルパターンは、標的部位または標的領域(例えば、サンプル、組織、人体内の器官等)を照明するとき、コヒーレント光源(例えば、レーザ)によって引き起こされる、光ビームまたは光線の干渉に起因して、生成されてもよい。光ビームまたは光線が、標的部位/領域(例えば、組織表面)に衝突するとき、それらは、標的部位/領域の異なる部分または標的部位/領域内の異なる特徴から後方散乱および/または反射され得る。標的部位/領域の構造またはトポロジ内の変動もしくは標的部位/領域内またはその近傍の1つまたはそれを上回る散乱粒子(例えば、生物学的物質)の位置または移動における変動に起因して、光ビームまたは光線は、散乱された光ビームまたは光線が位相および/または振幅においてランダム変動を受けるように、異なる距離を進行し得る。これは、建設的および/または破壊的干渉のパターンをもたらし得、これは、異なる特徴の位置および/または1つまたはそれを上回る散乱粒子の移動に応じて、経時的に変化し得る。散乱された光は、スペックルパターンとして知られる、ランダムに変動する強度パターンを生成し得る。散乱粒子が、移動している場合、これは、干渉に変動を生じさせ得、これは、強度変動として現れ得る。そのようなスペックルパターンの時間および空間統計は、撮像されている1つまたはそれを上回る下層物体、特徴、または生物学的物質の運動についての情報を提供し得る。
【0090】
1つまたはそれを上回る撮像デバイスが、スペックルパターンを撮像するために使用されてもよい。1つまたはそれを上回る撮像デバイスは、標的部位/領域の異なる部分または標的部位/領域内の異なる特徴から反射される、散乱された光を受信するように構成される、光検出器を備えてもよい。レーザスペックルパターンは、1つまたはそれを上回る撮像デバイスを使用して取得されてもよい。ある場合には、レーザスペックルパターンは、1つまたはそれを上回る撮像デバイスによって、複数のフレームがリアルタイムで受信または処理されるにつれて、複数のフレームにわたって取得されてもよい。1つまたはそれを上回る撮像デバイスは、カメラ、ビデオカメラ、赤緑青深度(RGB-D)カメラ、赤外線カメラ、近赤外線カメラ、電荷結合素子(CCD)画像センサ、相補的金属酸化物半導体(CMOS)画像センサ、線形画像センサ、アレイシリコンタイプ画像センサ、および/またはInGaAs(インジウムガリウムヒ素)センサを備えてもよい。1つまたはそれを上回る撮像デバイスは、画像フレームまたは画像フレームのシーケンスを捕捉するように構成されてもよい。画像フレームまたは画像フレームのシーケンスは、少なくとも1つのレーザ光源を使用して組織表面上で発生される、1つまたはそれを上回るレーザスペックルパターンを備えてもよい。
【0091】
画像フレームまたは画像フレームのシーケンスは、画像処理モジュールに提供されてもよい。画像処理モジュールは、1つまたはそれを上回るレーザスペックル信号を、1つまたはそれを上回る撮像デバイスを使用して捕捉される、画像フレームまたは画像フレームのシーケンスから導出するように構成されてもよい。ある場合には、画像処理モジュールは、捕捉されたスペックル画像を処理し、画像フレームまたは画像フレームのシーケンス内の散乱された光の強度をデジタル信号に変換するように構成されてもよい。デジタル信号は、本明細書に説明されるように、レーザスペックル信号に対応し得る。ある場合には、デジタル信号は、1つまたはそれを上回るレーザスペックルコントラスト画像を発生させ、および/または対象の身体の組織領域内の生物学的プロセスについての情報を提供するために使用されてもよい。ある場合には、生物学的プロセスは、組織領域内またはその近傍にある、生物学的物質の移動または生物学的流体の流動を備えてもよい。
【0092】
画像処理モジュールは、1つまたはそれを上回るスペックルパターンを備える、1つまたはそれを上回る未加工スペックル画像を処理し、レーザスペックルコントラスト画像を発生させるように構成されてもよい。レーザスペックルコントラスト画像は、未加工スペックル画像内のレーザスペックルパターンの1つまたはそれを上回る特徴と関連付けられる、スペックルコントラストに関する情報を備えてもよい。スペックルコントラストは、スペックルパターンと関連付けられる、局所空間コントラスト値の測定値を備えてもよい。スペックルコントラストは、散乱された光の強度の標準偏差と散乱された光の強度の平均値との間の比率の関数であってもよい。スペックルパターン内に多くの移動が存在する場合、スペックルパターン内のスペックルのぼけが、増加し得、強度の標準偏差は、減少し得る。その結果、スペックルコントラストは、より低くなり得る。
【0093】
1つまたはそれを上回るレーザスペックルコントラスト画像が、直接、1つまたはそれを上回るレーザスペックルコントラスト撮像(LSCI)と、レーザスペックルコントラスト分析(LASCA)アルゴリズムとを使用して、未加工スペックル画像または画像ストリームのシーケンスから算出されてもよい。ある場合には、1つまたはそれを上回るレーザスペックルコントラスト撮像(LSCI)およびレーザスペックルコントラスト分析(LASCA)アルゴリズムは、無限インパルス積分アルゴリズムを備えてもよい。無限インパルス積分アルゴリズムは、無限インパルス積分または指数関数的移動平均(EMA)フィルタを利用して、1つまたはそれを上回るレーザスペックルパターンを備える、1つまたはそれを上回る未加工レーザスペックル画像を処理するように構成されてもよい。有限和がコントラスト値のために算出される、従来の方法と異なり、再帰フィルタ(例えば、EMA)を利用することは、有益なこととして、算出オーバーヘッドを低減させ、リアルタイム撮像を達成または可能にし得る。指数関数的移動平均フィルタは、以前の推定値(出力)と最も新しい入力データの加重された組み合わせであってもよく、加重の和は、出力が定常状態において入力に合致するように、1に等しい。無限インパルス積分アルゴリズムは、有益なこととして、コンピュータ的に集約的除算演算を最小限にする、再帰実装を使用して、時間および/または空間統計の算出を可能にし得る。無限インパルス積分アルゴリズムは、空間ドメイン、時間ドメイン、および/または時空間ドメインにおいて、無限インパルス積分を利用するように構成されてもよい。無限インパルス積分アルゴリズムは、従来のLSCIまたはLASCAアルゴリズムと比較して、より少ない算出リソースを要求し得、かつ画像フレームを記憶するためのより少ないメモリを要求し得る。
【0094】
ある場合には、レーザスペックル画像、レーザスペックルパターン、および/またはレーザスペックルコントラスト画像は、組織領域内またはその近傍において移動および/または存在する、1つまたはそれを上回る流体に関する流体流動情報を取得するために処理されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、血液、汗、精液、唾液、膿、尿、空気、粘液、母乳、胆汁、ホルモン、および/またはそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。いくつかの実施形態では、標的組織内の流体流率は、捕捉されたスペックル画像および/または捕捉されたスペックル画像から導出される1つまたはそれを上回るレーザスペックル信号を使用して発生される、コントラストマップまたはコントラスト画像によって決定されてもよい。
【0095】
ある場合には、本方法は、(a)(2)対象の身体のまたはその中の生物学的物質の移動に対応する、参照信号を取得するステップを含んでもよい。参照信号は、対象の身体のまたはその中の生物学的物質の移動に対応する、1つまたはそれを上回る信号を備えてもよい。移動は、対象の身体のまたはその中の生物学的物質の位置、速度、および/または加速の変化を備えてもよい。ある場合には、移動は、組織領域の1つまたはそれを上回る部分の位置の経時的変化を備えてもよい。
【0096】
生物学的物質は、対象の身体内にあってもよい。ある場合には、生物学的物質は、対象の身体の一部であってもよい。ある場合には、生物学的物質は、組織を備えてもよい。組織は、上皮組織、結合組織、器官組織、および/または筋肉組織(例えば、骨格筋組織、平滑筋組織、および/または心筋組織)を備えてもよい。ある場合には、生物学的物質は、対象の皮膚を備えてもよい。ある場合には、生物学的物質は、流体を備えてもよい。流体は、血液、リンパ液、組織流体、母乳、唾液、精液、胆汁、細胞内流体、細胞外流体、血管内流体、間質液、リンパ液、および/または細胞間流体を備えてもよい。
【0097】
ある場合には、参照信号は、対象のパルスに対応し得る。そのような場合、参照信号は、対象のパルスと関連付けられる、パルス信号を使用して、取得または発生されてもよい。ある場合には、パルス信号は、外部デバイスを使用して取得されてもよい。ある場合には、外部デバイスは、パルスオキシメータを備えてもよい。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、流体流動と関連付けられない、パルス信号を使用して、レーザスペックルパターンの1つまたはそれを上回る特徴が流体流動または物理的運動に起因するかどうかを決定するステップを含んでもよい。
【0098】
他の場合には、参照信号は、対象の身体の組織領域の移動に対応し得る。移動は、組織領域の近位にある、またはそれに隣接する、対象の身体の組織領域または別の部分(例えば、別の組織領域)と接触する、外科手術用ツールの振動によって誘発され得る。ある場合には、参照信号は、異なる周波数でスピンするように構成される、2つまたはそれを上回るモータによって誘発される、振動と関連付けられる複数の波形を使用して、取得または発生されてもよい。ある場合には、2つまたはそれを上回るモータは、外科手術手技の1つまたはそれを上回るステップを実施するために使用される、外科手術用ツールに結合される、トランスデューサ内に格納されてもよい。複数の波形は、第1の周波数を伴う、第1の波形と、第1の周波数と異なる、第2の周波数を伴う、第2の波形の重畳を備えてもよい。第1の波形は、第1の周波数でスピンする第1のモータと関連付けられる、振動によって発生されてもよい。第2の波形は、第2の周波数でスピンする第2のモータと関連付けられる、振動によって発生されてもよい。ある場合には、第1の波形は、搬送波を備えてもよい。搬送波は、固定または一定波形を有してもよい。代替として、搬送波は、可変波形を有してもよい。
【0099】
ある場合には、第1の波形と第2の波形の重畳は、パルス状波形を発生させ得る。パルス状波形は、2つの波形(すなわち、第1の波形および第2の波形)の重畳から発生される、波形を備えてもよく、これは、ヘテロダイン干渉に従って、第3の波形をもたらし得る。第3の波形は、波束においてオンおよびオフに変調される、干渉波形を備えてもよい。2つの一定波形間の干渉効果は、パルス状波形を生じさせ得る。2つまたはそれを上回るモータはそれぞれ、単一一定波形を生成してもよく、パルス化は、2つまたはそれを上回るモータが変換している、生物学的物質内で生じ得る。
【0100】
本方法はさらに、(b)少なくとも部分的に、少なくともレーザスペックル信号に対応する、第1の関数に基づいて、関数空間を定義するステップを含んでもよい。関数空間は、その点が関数である、トポロジベクトル空間を備えてもよい。ある場合には、関数空間は、Banach空間であってもよい。Banach空間は、完全なノルム化ベクトル空間を備え得る。Banach空間は、ベクトル長さおよびベクトル間の距離の算出を可能にし、ベクトルのCauchyシーケンスが、常時、空間内にある、明確に定義された限界に収束するという意味において、完全である、計測値を伴う、ベクトル空間を備え得る。ある場合には、関数空間は、Hilbert空間であってもよい。Hilbert空間は、Banach空間であってもよく、そのノルムは、内積によって決定される。ある場合には、関数空間は、Lebesgue空間またはL空間であってもよい。L空間は、それに関して各関数の絶対値のp乗が、Lebesgue可積分である、測定可能関数の空間を備え得る。L空間は、それらの関数を測定および比較するために使用可能である、ノルムおよび内積とともに、可積分関数の1つまたはそれを上回る空間を備え得る。L空間は、無限次元ベクトル空間に関するp-ノルムの自然一般化を使用して定義される、関数空間を備え得る。ある場合には、L空間は、p-ノルムが、無限数の成分を有する、ベクトルに延在され得る場合、l空間と相関され得る。本明細書に開示されるシステムおよび方法は、L空間および/またはl空間を使用して実装されてもよい。
【0101】
ある場合には、関数空間は、少なくとも部分的に、少なくともレーザスペックル信号に対応する、第1の関数に基づいて、定義されてもよい。ある場合には、第1の関数は、無限次元ベクトル関数を備えてもよい。無限次元ベクトル関数は、無限次元ベクトル空間内にある、出力値のセットを備えてもよい。ある場合には、関数空間は、レーザスペックル信号のセットと関連付けられる、関数のセットに対応し得る。関数のセットは、1つまたはそれを上回る無限次元ベクトル関数を備えてもよい。レーザスペックル信号のセットは、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生される、1つまたはそれを上回るレーザスペックル信号を備えてもよい。レーザスペックル信号のセットは、1つまたはそれを上回るレーザ光源を使用して発生される、1つまたはそれを上回る可能性として考えられるレーザスペックル信号を備えてもよい。
【0102】
本方法はさらに、(c)関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値を算出するステップを含んでもよい。1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、参照信号に対応する、第2の関数に基づいて、定義されてもよい。上記に説明されるように、参照信号は、対象のパルス、または対象の組織領域と接触する外科手術用器具またはツールに結合される、複数のモータの振動と関連付けられてもよい。ある場合には、第2の関数は、無限次元ベクトル関数を備えてもよい。無限次元ベクトル関数は、無限次元ベクトル空間内にある、出力値のセットを備えてもよい。
【0103】
ある場合には、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、第1の関数および第2の関数を比較することによって導出されてもよい。第1の関数および第2の関数を比較するステップは、レーザスペックル信号を参照信号上に投影し、または参照信号をレーザスペックル信号上に投影し、レーザスペックル信号と関連付けられる第1のピクセル値のセットを参照信号と関連付けられる第2のピクセル値のセットに対して比較するステップを含んでもよい。ある場合には、第1の関数および第2の関数を比較するステップは、第1の関数および第2の関数を使用して、内積、ドット積、相互相関、自己相関、正規化された相互相関、または加重された測定積分のうちの少なくとも1つを算出するステップを含んでもよい。ある場合には、第1の関数および第2の関数を比較するステップは、1つまたはそれを上回る信号または時系列比較器を使用して、第1の関数と第2の関数との間の相関の量または程度を決定するステップを含んでもよい。
【0104】
ある場合には、第1の関数および第2の関数の比較は、時間ドメインおよび/または周波数ドメインにおいて実施されてもよい。ある場合には、第1の関数および第2の関数の比較は、レーザスペックルパターンを備える、レーザスペックル画像の少なくとも一部にわたって生じてもよい。ある場合には、レーザスペックル画像の部分は、対象の組織領域内またはその近傍の1つまたはそれを上回る着目領域に対応し得る。ある場合には、第1の関数および第2の関数の比較は、レーザスペックルパターンに関して取得される新しい画像フレーム毎に、実質的にリアルタイムで、かつフレームごとに、実施されてもよい。
【0105】
ある場合には、レーザスペックル信号は、外科手術用ツールが対象の組織領域と接触して設置されるときに発生される、変調されたレーザスペックル信号を備えてもよい。外科手術用ツールは、振動し得る、2つまたはそれを上回るモータを備える、またはそれに結合されてもよい。そのような場合、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、変調されたレーザスペックル信号と、時間ドメインおよび/または周波数ドメインにおいて異なる周波数でスピンする2つまたはそれを上回るモータにおいて誘発される振動と関連付けられる、複数の波形との間の相関の量または程度に対応し得る。
【0106】
ある場合には、本方法はさらに、(d)部分的に、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値に基づいて、出力信号を発生させるステップを含んでもよい。
【0107】
上記に説明されるように、ある場合には、参照信号は、対象のパルスと関連付けられる、パルス信号を使用して、取得または発生されてもよい。そのような場合、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、レーザスペックル信号とパルス信号との間の相関の量または程度に対応し得る。そのような場合、出力信号は、灌流フローマップを発生させるために使用可能である、流動信号を備えてもよい。灌流フローマップは、対象の身体の1つまたはそれを上回る領域(例えば、1つまたはそれを上回る組織領域)を通した生物学的物質の流動の可視化を備えてもよい。ある場合には、流動信号は、灌流フローマップ内の1つまたはそれを上回る誤検出を排除するために使用可能であってもよい。1つまたはそれを上回る誤検出は、1つまたはそれを上回る面積を通して流動する流体が実際には存在しない場合でも、流体の移動を示す、灌流フローマップ内の1つまたはそれを上回る面積に対応し得る。ある場合には、パルス信号および/またはパルス信号を使用して導出される流動信号が、レーザスペックルパターンの1つまたはそれを上回る特徴が、流体流動、または必ずしも流体流動に起因しない、外部物理的運動に起因するかどうかを決定するために使用されてもよい。
【0108】
上記に説明されるように、ある場合には、参照信号が、異なる周波数でスピンするように構成される、2つまたはそれを上回るモータによって誘発される振動と関連付けられる、複数の波形を使用して、取得または発生されてもよい。2つまたはそれを上回るモータは、外科手術用ツールに結合される、トランスデューサ内に格納されてもよい。そのような場合、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、レーザスペックル信号と、2つまたはそれを上回るモータによって誘発される振動と関連付けられる、複数の波形との間の相関の量または程度に対応し得る。そのような場合、出力信号は、灌流フローマップを発生させ、灌流フローマップの1つまたはそれを上回る特徴が、流体流動、または必ずしも流体流動に起因しない、外部物理的運動に起因するかどうかを決定するために使用可能である、流動信号を備えてもよい。代替として、出力信号は、外科手術用ツールが対象の組織領域に触れているかどうかを決定するために使用可能である、力信号を備えてもよい。ある場合には、出力信号は、外科手術用ツールが対象の組織領域と接触して設置されるとき、外科手術用ツールによって、対象の組織領域内またはその近傍の組織上に付与される、力の量を決定するために使用可能である、力信号を備えてもよい。他の場合には、出力信号は、外科医またはロボット縫合デバイスによって取り扱われている、糸の張力の量を決定するために使用可能である、力信号を備えてもよい。ロボット縫合デバイスは、自律的または半自律的であってもよい。
【0109】
ある場合には、レーザスペックル信号は、外科手術用ツールが対象の組織領域と接触して設置されるときに発生される、変調されたレーザスペックル信号を備えてもよい。そのような場合、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、変調されたレーザスペックル信号と、時間ドメインおよび/または周波数ドメインにおいて2つまたはそれを上回るモータによって誘発される振動によって発生された複数の波形と関連付けられる、参照信号との間の相関の量または程度に対応し得る。そのような場合、出力信号は、灌流フローマップを発生させ、灌流フローマップの1つまたはそれを上回る特徴が、流体流動、または必ずしも流体流動に起因しない、外部物理的運動に起因するかどうかを決定するために使用可能である、流動信号を備えてもよい。代替として、出力信号は、外科手術用ツールが対象の組織領域に触れているかどうかを決定するために使用可能である、力信号を備えてもよい。ある場合には、出力信号は、外科手術用ツールが対象の組織領域と接触して設置されるとき、外科手術用ツールによって、対象の組織領域内またはその近傍の組織上に付与される、力の量を決定するために使用可能である、力信号を備えてもよい。他の場合には、出力信号は、外科医またはロボット縫合デバイスによって取り扱われている、糸の張力の量を決定するために使用可能である、力信号を備えてもよい。
【0110】
本方法はさらに、(e)出力信号を使用して、対象の組織領域上またはその近傍での外科手術手技を補助するステップを含んでもよい。外科手術手技は、1つまたはそれを上回る医療ツールまたは器具を使用して実施され得る、1つまたはそれを上回る外科手術手技を備えてもよい。1つまたはそれを上回る医療ツールまたは器具は、内視鏡または腹腔鏡を備えてもよい。ある場合には、1つまたはそれを上回る外科手術手技は、1つまたはそれを上回るロボットデバイスを使用して実施されてもよい。1つまたはそれを上回るロボットデバイスは、自律的および/または半自律的外科手術のために構成されてもよい。ある場合には、外科手術手技は、1つまたはそれを上回る一般的外科手術手技、神経外科手術手技、整形外科手技、および/または脊椎手技を備えてもよい。ある場合には、1つまたはそれを上回る外科手術手技は、結腸切除術、胆嚢摘出術、虫垂切除術、子宮摘出術、甲状腺摘出術、および/または胃切除術を備えてもよい。ある場合には、1つまたはそれを上回る外科手術手技は、ヘルニア修復および/または1つまたはそれを上回る縫合手術を備えてもよい。ある場合には、1つまたはそれを上回る外科手術手技は、肥満外科手術、大または小腸外科手術、結腸外科手術、痔外科手術、および/または生検(例えば、肝臓生検、乳房生検、腫瘍または癌生検等)を備えてもよい。
【0111】
出力信号は、外科手術手技を補助するために使用されてもよい。ある場合には、出力信号は、灌流フローマップを発生させるために使用され得る、流動信号を備えてもよい。流動信号は、外科手術用オペレータが、対象の身体の1つまたはそれを上回る領域(例えば、1つまたはそれを上回る組織領域)を通して、生物学的物質の流動を可視化することに役立てるために使用されてもよい。流動信号はまた、灌流フローマップ内の1つまたはそれを上回る誤検出を排除するために使用されてもよい。1つまたはそれを上回る誤検出は、1つまたはそれを上回る面積を通して流動する流体が実際には存在しない場合でも、流体の移動を示す、灌流フローマップ内の1つまたはそれを上回る面積に対応し得る。他の場合には、出力信号は、外科手術用ツールが対象の組織領域に触れているかどうかを決定するために使用され得る、力信号を備えてもよい。力信号は、外科手術用オペレータによって、外科手術用ツールが対象の組織領域と接触して設置されるとき、外科手術用ツールによって、対象の組織領域内またはその近傍の組織上に付与される、力の量を決定するために使用されてもよい。ある場合には、力信号は、外科医またはロボット縫合デバイスによって取り扱われている、糸の張力の量を決定するために使用されてもよい。ロボット縫合デバイスは、自律的または半自律的であってもよい。
【0112】
別の側面では、本開示は、灌流フローマップを発生させるための方法を提供する。本方法は、(a)対象の組織領域に向かって指向される、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生される、レーザスペックルパターンからのレーザスペックル信号を取得するステップと、(b)対象のパルスと関連付けられるパルス信号から、参照信号を発生させるステップと、(c)レーザスペックル信号と参照信号を比較するステップと、(d)部分的に、レーザスペックル信号と参照信号の比較に基づいて、灌流フローマップを発生させるステップとを含んでもよい。
【0113】
ある場合には、レーザスペックル信号は、複数のフレームがリアルタイムで受信または処理されるにつれて、複数のフレームにわたって取得されてもよい。ある場合には、レーザスペックルパターンは、異なる波長または周波数を有する、複数のレーザビームまたはパルスを発生させるように構成される、複数のレーザ光源を使用して発生されてもよい。複数のレーザビームまたはパルスは、約100ナノメートル(nm)~約1ミリメートル(mm)の波長を有してもよい。
【0114】
ある場合には、レーザスペックル信号と参照信号を比較するステップは、少なくとも部分的に、少なくともレーザスペックル信号に対応する、第1の関数に基づいて、関数空間を定義するステップを含んでもよい。関数空間は、Lebesgue関数空間を備えてもよい。ある場合には、第1の関数は、無限次元ベクトル空間内にある、出力値のセットを伴う、無限次元ベクトル関数を備えてもよい。
【0115】
ある場合には、関数空間は、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生されたレーザスペックル信号のセットと関連付けられる、関数のセットに対応し得る。関数のセットは、無限次元ベクトル空間内にある、出力値のセットを伴う、1つまたはそれを上回る無限次元ベクトル関数を備えてもよい。レーザスペックル信号のセットは、1つまたはそれを上回るレーザ光源を使用して発生される、1つまたはそれを上回るレーザスペックル信号を備えてもよい。
【0116】
ある場合には、レーザスペックル信号と参照信号を比較するステップは、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値を算出するステップを含んでもよい。1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、参照信号に対応する、第2の関数に基づいて、定義されてもよい。第2の関数は、無限次元ベクトル空間内にある、出力値のセットを伴う、無限次元ベクトル関数を備えてもよい。1つまたはそれを上回る測定値は、灌流フローマップを発生させるために使用されてもよい。関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、レーザスペックル信号とパルス信号との間の相関の量または程度に対応し得る。
【0117】
ある場合には、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、第1の関数および第2の関数を比較することによって導出されてもよい。ある場合には、第1の関数および第2の関数を比較するステップは、第1の関数および第2の関数を使用して、内積、ドット積、相互相関、自己相関、正規化された相互相関、または加重された測定積分のうちの少なくとも1つを算出するステップを含んでもよい。ある場合には、第1の関数および第2の関数を比較するステップは、1つまたはそれを上回る信号または時系列比較器を使用して、第1の関数と第2の関数との間の相関の量または程度を決定するステップを含んでもよい。ある場合には、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、部分的にレーザスペックル信号と参照信号を比較することによって、導出されてもよい。レーザスペックル信号と参照信号を比較するステップは、レーザスペックル信号を参照信号上に投影し、または参照信号をレーザスペックル信号上に投影し、レーザスペックル信号と関連付けられる第1のピクセル値のセットを参照信号と関連付けられる第2のピクセル値のセットに対して比較するステップを含んでもよい。
【0118】
ある場合には、第1の関数および第2の関数の比較は、時間ドメインおよび/または周波数ドメインにおいて、実施されてもよい。ある場合には、第1の関数および第2の関数の比較は、レーザスペックル画像の少なくとも一部にわたって生じてもよく、部分は、レーザスペックル画像内の1つまたはそれを上回る着目領域を備える。ある場合には、第1の関数および第2の関数の比較は、レーザスペックルパターンに関して捕捉された新しい画像フレーム毎に、実質的にリアルタイムで、かつフレームごとに、実施されてもよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、レーザスペックル信号と参照信号の比較を使用して、レーザスペックルパターンの1つまたはそれを上回る特徴が流体流動または物理的運動に起因するかどうかを決定するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、レーザスペックル信号と参照信号の比較を使用して、灌流フローマップ内の1つまたはそれを上回る誤検出を排除するステップを含んでもよい。1つまたはそれを上回る誤検出は、移動を示すが、1つまたはそれを上回る面積を通して流動する流体を有しない、灌流フローマップ内の1つまたはそれを上回る面積に対応し得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、灌流フローマップを使用して、組織領域が、血流を受容または受容することが可能である、生体組織を備えるかどうかを決定するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本方法はさらに、灌流フローマップを使用して、従来の撮像技法を使用して不可視である、1つまたはそれを上回る重要構造を検出するステップを含んでもよい。
【0121】
別の側面では、本開示は、対象の組織領域内またはその近傍にある、組織上に付与される、力を決定するための方法を提供する。本方法は、(a)対象の組織領域に向かって指向される、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生される、レーザスペックルパターンから、レーザスペックル信号を取得するステップと、(b)異なる周波数でスピンするように構成される、2つまたはそれを上回るモータの振動と関連付けられる、複数の波形を使用して、参照信号を発生させるステップと、(c)参照信号を使用して、レーザスペックル信号を変調させるステップと、(d)変調されたレーザスペックル信号と参照信号を比較するステップと、(e)部分的に、変調されたレーザスペックル信号と参照信号の比較に基づいて、力信号を発生させるステップとを含んでもよい。
【0122】
レーザスペックル信号は、対象の組織領域に向かって指向される、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生される、レーザスペックルパターンから取得されてもよい。ある場合には、レーザスペックルパターンは、異なる波長または周波数を有する、複数のレーザビームまたはパルスを発生させるように構成される、複数のレーザ光源を使用して発生されてもよい。複数のレーザビームまたはパルスは、約100ナノメートル(nm)~約1ミリメートル(mm)の波長を有してもよい。ある場合には、レーザスペックル信号は、複数の画像フレームがリアルタイムで受信または処理されるにつれて、複数の画像フレームにわたって取得されてもよい。
【0123】
参照信号は、異なる周波数でスピンするように構成される、2つまたはそれを上回るモータの振動と関連付けられる、複数の波形を使用して発生されてもよい。2つまたはそれを上回るモータは、であってもよい外科手術手技の1つまたはそれを上回るステップを実施するために使用される、外科手術用ツールに結合される、トランスデューサ内に格納される。複数の波形は、第1の周波数を伴う、第1の波形と、第1の周波数と異なる、第2の周波数を伴う、第2の波形の重畳を備えてもよい。第1の波形は、2つまたはそれを上回るモータの第1のモータと関連付けられてもよい。第2の波形は、2つまたはそれを上回るモータの第2のモータと関連付けられてもよい。第1の波形と第2の波形の重畳は、パルス状波形を発生させてもよい。第1の波形は、搬送波形を備えてもよい。ある場合には、搬送波は、固定または一定波形を有してもよい。ある場合には、搬送波は、可変波形を有してもよい。
【0124】
参照信号は、外科手術用ツールが、対象の身体の一部と接触して設置されるとき、発生されてもよい。対象の身体の部分は、対象の身体の組織領域を備えてもよい。参照信号は、レーザ光源がレーザスペックルパターンを発生させるように指向される、または外科手術手技が実施されている、第2の組織領域から遠隔にある、第1の組織領域において誘発される、振動に基づいて発生されてもよい。第1の組織領域および第2の組織領域は、相互に隣接してもよい。
【0125】
ある場合には、外科手術用ツールは、レーザスペックル信号を変調させるために使用されてもよい。変調されたレーザスペックル信号は、外科手術用ツールが対象の組織領域と接触して設置されるとき、発生されてもよい。外科手術用ツールに結合される、2つまたはそれを上回るモータによって誘発される、振動は、レーザ光源を使用して対象の組織領域上に発生される、レーザスペックルパターンを変調させ得る。
【0126】
力信号は、部分的に、変調されたレーザスペックル信号と参照信号の比較に基づいて、発生されてもよい。変調されたレーザスペックル信号と参照信号を比較するステップは、変調されたレーザスペックル信号を参照信号上に投影し、または参照信号を変調されたレーザスペックル信号上に投影し、変調されたレーザスペックル信号を参照信号上に投影し、または参照信号を変調されたレーザスペックル信号上に投影し、変調されたレーザスペックル信号と関連付けられる第1のピクセル値のセットを参照信号と関連付けられる第2のピクセル値のセットに対して比較するステップを含んでもよい。ある場合には、変調されたレーザスペックル信号と参照信号を比較するステップは、(i)少なくとも部分的に、少なくとも変調されたレーザスペックル信号に対応する、第1の関数に基づいて、関数空間を定義するステップと、(ii)関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値を算出するステップとを含んでもよい。1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、参照信号に対応する、第2の関数に基づいて、定義されてもよい。1つまたはそれを上回る測定値は、力信号を発生させるために使用されてもよい。ある場合には、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、時間ドメインまたは周波数ドメインにおける変調されたレーザスペックル信号と参照信号との間の相関の量または程度に対応し得る。
【0127】
ある場合には、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、第1の関数および第2の関数を比較することによって導出されてもよい。ある場合には、第1の関数および第2の関数を比較するステップは、第1の関数および第2の関数を使用して、内積、ドット積、相互相関、自己相関、正規化された相互相関、または加重された測定積分のうちの少なくとも1つを算出するステップを含んでもよい。ある場合には、第1の関数および第2の関数を比較するステップは、1つまたはそれを上回る信号または時系列比較器を使用して、第1の関数と第2の関数との間の相関の量または程度を決定するステップを含んでもよい。第1の関数および第2の関数の比較は、時間ドメインまたは周波数ドメイン内で実施されてもよい。ある場合には、第1の関数および第2の関数の比較は、レーザスペックルパターンを備える、レーザスペックル画像の少なくとも一部にわたって生じてもよい。部分は、対象の組織領域内またはその近傍の1つまたはそれを上回る着目領域に対応し得る。ある場合には、第1の関数および第2の関数の比較は、レーザスペックルパターンに関して捕捉された新しい画像フレーム毎に、実質的にリアルタイムで、かつフレームごとに、実施されてもよい。
【0128】
ある場合には、関数空間は、Lebesgue関数空間を備えてもよい。関数空間は、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生されたレーザスペックル信号のセットと関連付けられる、関数のセットに対応し得る。ある場合には、レーザスペックル信号のセットは、変調されたレーザスペックル信号を備えてもよい。ある場合には、関数のセットは、1つまたはそれを上回る無限次元ベクトル空間内にある、出力値のセットを備える、無限次元ベクトル関数を備えてもよい。
【0129】
上記に説明されるように、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値は、力信号を発生させるために使用されてもよい。力信号は、外科手術用ツールが、対象の組織領域内またはその近傍にある、組織に触れているかどうかを決定するために使用されてもよい。力信号は、外科手術用ツールが対象の組織領域と接触して設置されるとき、外科手術用ツールによって、対象の組織領域内またはその近傍にある、組織上に付与される、力の量を決定するために使用されてもよい。力信号は、外科医またはロボット縫合デバイスによって取り扱われている、糸の張力の量を決定するために使用されてもよい。
【0130】
別の側面では、本開示は、本明細書に開示される方法のいずれかを実装するように構成され得る、システムを提供する。図1は、レーザスペックル信号を処理するための例示的システムを図示する。本システムは、外科手術場面の1つまたはそれを上回る画像を捕捉するように構成される、画像入手モジュール10を備えてもよい。1つまたはそれを上回る画像は、RGB画像および/またはレーザスペックル画像を備えてもよい。画像入手モジュール10は、外科手術場面の1つまたはそれを上回る画像を画像処理および信号分析モジュール11に提供するように構成されてもよい。画像処理および信号分析モジュール11は、外科手術場面の1つまたはそれを上回る画像を処理し、1つまたはそれを上回る出力信号12を発生させるように構成されてもよい。外科手術場面の1つまたはそれを上回る画像を処理するステップは、1つまたはそれを上回るレーザスペックル信号をレーザスペックル画像から抽出するステップと、1つまたはそれを上回るレーザスペックル信号を参照信号に対して比較し、1つまたはそれを上回る出力信号12を導出するステップとを含んでもよい。1つまたはそれを上回る出力信号12は、例えば、灌流フローマップ、力信号、糸張力値、および/または持針器圧力値を備えてもよい。
【0131】
図2図3、および図4は、1つまたはそれを上回るレーザスペックル信号を処理し、患者の外科手術標的101上またはその近傍における外科手術手技を補助するように構成され得る、システムを図示する。外科手術手技は、外科医102によって実施されてもよい。本システムは、外科手術手技の1つまたはそれを上回るステップの外科医による実施を補助するために、1つまたはそれを上回るレーザスペックル信号を参照信号に対して比較するように構成されてもよい。
【0132】
本システムは、1つまたはそれを上回るレーザ光ビームを発生させるように構成される、1つまたはそれを上回るレーザ光源201を備えてもよい。1つまたはそれを上回るレーザ光ビームは、外科手術標的101上で少なくとも1つのレーザスペックルパターンを発生させるために使用されてもよい。ある場合には、本システムは、ICG励起光ビームを発生させるように構成される、インドシアニングリーン(ICG)励起光源202を備えてもよい。ある場合には、本システムは、1つまたはそれを上回る白色光ビームを発生させるように構成される、白色光源203を備えてもよい。本システムは、光組み合わせモジュール205を備えてもよい。光組み合わせモジュール205は、1つまたはそれを上回るレーザ光ビーム、ICG励起光ビーム、および1つまたはそれを上回る白色光ビームを組み合わせるように構成されてもよい。ある場合には、光組み合わせモジュール205は、カメラフレーム同期器を備えてもよい。カメラフレーム同期器は、レーザ源201、ICG励起光源202、および白色光源203の暴露をカメラまたは撮像センサのフレーム捕捉率に対して制御するように構成されてもよい。光組み合わせモジュール205は、1つまたはそれを上回るレーザ光ビーム、励起光ビーム、および1つまたはそれを上回る白色光ビームを備える、組み合わせられた光ビームを発生させるように構成されてもよい。組み合わせられた光ビームは、内視鏡310に提供されてもよい。内視鏡310は、組み合わせられた光ビームを外科手術標的101に指向するように構成されてもよい。内視鏡310は、反射された画像光ビームを受信し、反射された画像光ビームをビームスプリッタ320に指向するように構成されてもよい。反射された画像光ビームは、組み合わせられた光ビームが外科手術標的101の一部から反射されるときに発生されてもよい。反射された画像光ビームは、組み合わせられた光ビームの少なくとも一部を備えてもよい。ビームスプリッタ320は、ダイクロイックミラーを備えてもよい。ビームスプリッタ320は、反射された画像光ビームの第1の部分をカメラ330と、反射された画像光ビームの第1の部分を処理するように構成される、カメラ制御ユニット340とに指向するように構成されてもよい。反射された画像光ビームの第1の部分は、白色光ビームの少なくとも一部を備えてもよい。ビームスプリッタ320は、反射された画像光ビームの第2の部分をICG励起帯域阻止フィルタ321および画像センサ322に指向するように構成されてもよい。画像センサ322は、電荷結合素子(CCD)センサまたは相補的金属酸化物半導体(CMOS)センサを備えてもよい。反射された画像光ビームの第2の部分は、ICG励起光ビームおよび/または1つまたはそれを上回るレーザ光ビームの少なくとも一部を備えてもよい。カメラ制御ユニット340は、反射された画像光ビームの第1の部分を使用して、外科手術標的101の1つまたはそれを上回るRGB画像を発生させるように構成されてもよい。画像センサ322は、反射された画像光ビームの第2の部分を使用して、1つまたはそれを上回る近赤外線画像を発生させるように構成されてもよい。カメラ制御ユニット340は、1つまたはそれを上回るRGB画像を画像入手ユニット350に提供するように構成されてもよい。画像センサ322は、1つまたはそれを上回る近赤外線画像を画像入手ユニット350に提供するように構成されてもよい。画像入手ユニット350は、1つまたはそれを上回るRGB画像および/または1つまたはそれを上回る近赤外線画像を、RGB画像および/または近赤外線画像を外科医102に表示するように構成される、モニタ370に提供するように構成されてもよい。
【0133】
ある場合には、画像入手ユニット350は、1つまたはそれを上回るRGB画像および/または1つまたはそれを上回る近赤外線画像をオーバーレイおよび視覚的フィードバックアグリゲータ360に提供するように構成されてもよい。オーバーレイおよび視覚的フィードバックアグリゲータ360は、1つまたはそれを上回るRGB画像および/または1つまたはそれを上回る近赤外線画像を使用して、1つまたはそれを上回るオーバーレイされた画像を発生させるように構成されてもよい。1つまたはそれを上回るオーバーレイされた画像は、外科医102が外科手術標的101を視認し得るように、モニタ370に提供されてもよい。
【0134】
ある場合には、オーバーレイおよび視覚的フィードバックアグリゲータ360は、レーザスペックル処理モジュール410を使用して発生される、フローマップを受信するように構成されてもよい。レーザスペックル処理モジュール410は、レーザスペックルアルゴリズムを使用して、1つまたはそれを上回るレーザスペックルパターンまたはレーザスペックル信号を処理することによって、フローマップを発生させるように構成されてもよい。1つまたはそれを上回るレーザスペックルパターンまたはレーザスペックル信号は、1つまたはそれを上回るレーザ光源201を使用して発生されてもよい。オーバーレイおよび視覚的フィードバックアグリゲータ360は、フローマップを1つまたはそれを上回るRGB画像および/または1つまたはそれを上回る近赤外線画像上にオーバーレイし、モニタ370を介して、増強されたフローマップを外科医102に提供するように構成されてもよい。
【0135】
ある場合には、レーザスペックル処理モジュール410は、フローマップを参照信号処理ユニット420に提供するように構成されてもよい。参照信号処理ユニット420は、患者パルスモニタ405を使用して取得される、参照パルス信号を受信するように構成されてもよい。患者パルスモニタ405は、患者101のパルスの測定または検出に基づいて、参照パルス信号を発生させるように構成されてもよい。ある場合には、患者パルスモニタは、パルスオキシメータを備えてもよい。参照信号処理ユニット420は、参照パルス信号およびフローマップを処理し、パルス補正されたフローマップを発生させるように構成されてもよい。パルス補正されたフローマップは、オーバーレイおよび視覚的フィードバックアグリゲータ360に伝送されてもよく、これは、パルス補正されたフローマップを外科医102が視認するためのモニタ370に提供するように構成されてもよい。
【0136】
ある場合には、参照信号処理ユニット420は、ツール波形トランスデューサ430を使用して発生される、ツール波形参照信号を受信するように構成されてもよい。ツール波形トランスデューサ430は、少なくとも部分的に、医療ツール520に結合される、2つまたはそれを上回るモータの振動に基づいて、ツール波形参照信号を発生させるように構成されてもよい。ある場合には、医療ツール520は、外科手術標的101上で縫合手術を実施するための持針ツール備えてもよい。ある場合には、参照信号処理ユニット420は、ツール波形参照信号を処理し、糸張力値および/または持針器圧力値を決定するように構成されてもよい。糸張力値および/または持針器圧力値は、オーバーレイおよび視覚的フィードバックアグリゲータ360に提供されてもよい。オーバーレイおよび視覚的フィードバックアグリゲータ360は、糸張力値および/または持針器圧力値を、1つまたはそれを上回るRGB画像、1つまたはそれを上回る近赤外線画像、フローマップ、パルス補正されたフローマップ、および/またはそのような画像またはフローマップを備える、任意のオーバーレイ上または内に表示するように構成されてもよい。糸張力値および/または持針器圧力値は、モニタ370を介して視認するために、外科医102に提供されてもよい。ある場合には、糸張力値および/または持針器圧力値は、外科医102によって、医療ツール520の使用、移動、動作、位置、および/または配向を調節するために使用されてもよい。ある場合には、糸張力値および/または持針器圧力値は、外科医102によって、医療ツール520の動作の間、医療ツール520によって外科手術標的101上に付与される圧力を調節するために使用されてもよい。
【0137】
図3は、外科医102が外科手術用ロボット510の動作を監督する実施形態による、図2に示されるシステムを図示する。図3に示されるように、ある場合には、ツール波形トランスデューサ430は、少なくとも部分的に、ロボット持針ツール520および/またはロボット糸架張ツール530の移動に基づいて、ツール波形参照信号を発生させるように構成されてもよい。ある場合には、移動は、ロボット持針ツール520および/またはロボット糸架張ツール530に結合される、2つまたはそれを上回るモータの振動によって誘発される、組織領域の移動を備えてもよい。ある場合には、参照信号処理ユニット420は、ツール波形参照信号を処理し、ロボット持針ツール520および/またはロボット糸架張ツール530の使用と関連付けられる、糸張力値および/または持針器圧力値を決定するように構成されてもよい。ある場合には、糸張力値および/または持針器圧力値は、オーバーレイおよび視覚的フィードバックアグリゲータ360を介して、ロボット制御ループ500に提供されてもよい。ロボット制御ループ500は、糸張力値および/または持針器圧力値を外科手術用ロボット510に提供するように構成されてもよく、これは、糸張力値および/または持針器圧力値を使用して、ロボット持針ツール520および/またはロボット糸架張ツール530の使用、移動、動作、位置、および/または配向を調節するように構成されてもよい。ある場合には、外科手術用ロボット510は、糸張力値および/または持針器圧力値を使用して、ロボット持針ツール520および/またはロボット糸架張ツールの動作の間、ロボット持針ツール520および/またはロボット糸架張ツールによって、外科手術標的101上に付与される、圧力を調節するように構成されてもよい。
【0138】
図4は、外科医102が外科手術用ロボット510と協働して作業する実施形態による、図3に示されるシステムを図示する。図4に示されるように、ある場合には、外科医102は、モニタ370を介して外科医102に表示される、糸張力値および/または持針器圧力値を使用して、外科手術用ロボット510の動作を調節してもよい。外科手術用ロボット510の動作を調節するステップは、ロボット持針ツール520および/またはロボット糸架張ツール530の使用、移動、動作、位置、および/または配向を調節するステップを含んでもよい。ある場合には、外科手術用ロボット510の動作を調節するステップは、ロボット持針ツール520および/またはロボット糸架張ツールの動作の間、ロボット持針ツール520および/またはロボット糸架張ツールによって、外科手術標的101上に付与される、圧力を調節するステップを含んでもよい。
【0139】
図5は、例示的信号処理のための方法を図示する。本方法は、(1)対象の組織領域に向かって指向される、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生される、レーザスペックルパターンからのレーザスペックル信号と、(2)対象の身体のまたはその中の生物学的物質の移動に対応する、参照信号とを取得するステップを含む、ステップ1510を含んでもよい。本方法は、少なくとも部分的に、少なくともレーザスペックル信号に対応する、第1の関数に基づいて、関数空間を定義するステップを含む、別のステップ1520を含んでもよい。本方法は、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値を算出するステップであって、1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、参照信号に対応する、第2の関数に基づいて定義される、ステップを含む、別のステップ1530を含んでもよい。本方法は、部分的に、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値に基づいて、出力信号を発生させるステップを含む、別のステップ1540を含んでもよい。本方法は、出力信号を使用して、対象の組織領域上またはその近傍での外科手術手技を補助するステップを含む、別のステップ1550を含んでもよい。
【0140】
図6は、例示的灌流フローマップを発生させるための方法を図示する。本方法は、対象の組織領域に向かって指向される、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生される、レーザスペックルパターンからのレーザスペックル信号を取得するステップを含む、ステップ1610を含んでもよい。本方法は、対象のパルスと関連付けられるパルス信号から、参照信号を発生させるステップを含む、別のステップ1620を含んでもよい。本方法は、レーザスペックル信号と参照信号を比較するステップを含む、別のステップ1630を含んでもよい。本方法は、部分的に、レーザスペックル信号と参照信号の比較に基づいて、灌流フローマップを発生させるステップを含む、別のステップ1640を含んでもよい。
【0141】
図7は、対象の組織領域内またはその近傍にある、組織上に付与される力を推定するための例示的方法を図示する。本方法は、対象の組織領域に向かって指向される、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生される、レーザスペックルパターンから、レーザスペックル信号を取得するステップを含む、ステップ1710を含んでもよい。本方法は、異なる周波数でスピンするように構成される、2つまたはそれを上回るモータの振動と関連付けられる、複数の波形を使用して、参照信号を発生させるステップを含む、別のステップ1720を含んでもよい。本方法は、参照信号を使用して、レーザスペックル信号を変調させるステップを含む、別のステップ1730を含んでもよい。本方法は、変調されたレーザスペックル信号と参照信号を比較するステップを含む、別のステップ1740を含んでもよい。本方法は、部分的に、変調されたレーザスペックル信号と参照信号の比較に基づいて、力信号を発生させるステップを含む、別のステップ1750を含んでもよい。
【0142】
本開示の別の側面は、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサによる実行に応じて、上記または本明細書のいずれかの場所における方法のいずれかを実装する、機械実行可能コードを備える、非一過性コンピュータ可読媒体を提供する。
【0143】
本開示の別の側面は、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサと、そこに結合される、コンピュータメモリとを備える、システムを提供する。コンピュータメモリは、1つまたはそれを上回るコンピュータプロセッサによる実行に応じて、上記または本明細書のいずれかの場所における方法のいずれかを実装する、機械実行可能コードを備える。
【0144】
別の側面では、本開示は、本開示の方法を実装するようにプログラムまたは別様に構成される、コンピュータシステムを提供する。図8は、レーザスペックル信号を処理するための方法を実装するようにプログラムまたは別様に構成される、コンピュータシステム2001を示す。本方法は、(a)(1)対象の組織領域に向かって指向される、少なくとも1つのレーザ光源を使用して発生される、レーザスペックルパターンからのレーザスペックル信号と、(2)対象の身体のまたはその中の生物学的物質の移動に対応する、参照信号とを取得するステップと、(b)少なくとも部分的に、少なくともレーザスペックル信号に対応する、第1の関数に基づいて、関数空間を定義するステップと、(c)関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値を算出するステップであって、1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、参照信号に対応する、第2の関数に基づいて定義される、ステップと、(d)部分的に、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値に基づいて、出力信号を発生させるステップと、(e)出力信号を使用して、対象の組織領域上またはその近傍での外科手術手技を補助するステップとを含んでもよい。コンピュータシステム2001は、ユーザの電子デバイスまたは電子デバイスに対して遠隔で位置するコンピュータシステムであり得る。電子デバイスは、モバイル電子デバイスであり得る。
【0145】
コンピュータシステム2001は、シングルコアまたはマルチコアプロセッサ、もしくは並列処理のための複数のプロセッサであり得る、中央処理ユニット(CPU、また、本明細書では、「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」)2005を含んでもよい。コンピュータシステム2001はまた、メモリまたはメモリ場所2010(例えば、ランダムアクセスメモリ、読取専用メモリ、フラッシュメモリ)と、電子記憶ユニット2015(例えば、ハードディスク)と、1つまたはそれを上回る他のシステムと通信するための通信インターフェース2020(例えば、ネットワークアダプタ)と、キャッシュ、他のメモリ、データ記憶装置、および/または電子ディスプレイアダプタ等の周辺デバイス2025とを含む。メモリ2010、記憶ユニット2015、インターフェース2020、および周辺デバイス2025は、マザーボード等の通信バス(実線)を通してCPU2005と通信する。記憶ユニット2015は、データを記憶するためのデータ記憶ユニット(またはデータリポジトリ)であり得る。コンピュータシステム2001は、通信インターフェース2020を用いてコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)2030に動作的に結合されることができる。ネットワーク2030は、インターネット、イントラネット、および/またはエクストラネット、もしくはインターネットと通信するイントラネットおよび/またはエクストラネットであり得る。ネットワーク2030は、ある場合には、電気通信および/またはデータネットワークである。ネットワーク2030は、クラウドコンピューティング等の分散コンピューティングを可能にし得る、1つまたはそれを上回るコンピュータサーバを含むことができる。ネットワーク2030は、ある場合には、コンピュータシステム2001を用いて、コンピュータシステム2001に結合されるデバイスが、クライアントまたはサーバとして挙動することを可能にし得る、ピアツーピアネットワークを実装することができる。
【0146】
CPU2005は、プログラムまたはソフトウェアにおいて具現化され得る、機械可読命令のシーケンスを実行することができる。命令は、メモリ2010等のメモリ場所内に記憶されてもよい。命令は、CPU2005にダイレクトされることができ、これは、続けて、本開示の方法を実装するようにCPU2005をプログラムまたは別様に構成することができる。CPU2005によって実施される動作の実施例は、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックを含むことができる。
【0147】
CPU2005は、集積回路等の回路の一部であり得る。システム2001の1つまたはそれを上回る他のコンポーネントが、回路内に含まれることができる。ある場合には、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0148】
記憶ユニット2015は、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラム等のファイルを記憶することができる。記憶ユニット2015は、ユーザデータ、例えば、ユーザ選好およびユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム2001は、ある場合には、コンピュータシステム2001の外部に(例えば、イントラネットもしくはインターネットを通してコンピュータシステム2001と通信する遠隔サーバ上に)位置する、1つまたはそれを上回る付加的データ記憶ユニットを含むことができる。
【0149】
コンピュータシステム2001は、ネットワーク2030を通して1つまたはそれを上回る遠隔コンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム2001は、ユーザ(例えば、医師、外科医、医療提供者、医療スタッフメンバー、外科手術用ロボットのオペレータ等)の遠隔コンピュータシステムと通信することができる。遠隔コンピュータシステムの実施例は、パーソナルコンピュータ(例えば、ポータブルPC)、スレートまたはタブレットPC(例えば、Apple(R) iPad(登録商標)、Samsung(R) Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(R) iPhone(登録商標)、Android(登録商標)対応デバイス、Blackberry(登録商標))、もしくは携帯情報端末を含む。ユーザは、ネットワーク2030を介してコンピュータシステム2001にアクセスすることができる。
【0150】
本明細書に説明されるような方法は、例えば、メモリ2010または電子記憶ユニット2015上等のコンピュータシステム2001の電子記憶場所上に記憶される、機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードを用いて実装されることができる。機械実行可能または機械可読コードは、ソフトウェアの形態において提供されることができる。使用の間、コードは、プロセッサ2005によって実行されることができる。ある場合には、コードは、記憶ユニット2015から読み出され、プロセッサ2005による迅速なアクセスのためにメモリ2010上に記憶されることができる。いくつかの状況では、電子記憶ユニット2015は、除外されることができ、機械実行可能命令は、メモリ2010上に記憶される。
【0151】
コードは、事前コンパイルされ、コードを実行するように適合されるプロセッサを有する機械との併用のために構成されることができる、またはランタイムの間にコンパイルされることができる。コードは、コードが事前コンパイルまたはアズコンパイルされた方式で実行されることを可能にするように選択され得る、プログラミング言語で供給されることができる。
【0152】
コンピュータシステム2001等の本明細書に提供されるシステムおよび方法の側面は、プログラミングにおいて具現化されることができる。本技術の種々の側面は、典型的には、あるタイプの機械可読媒体上で搬送される、またはそれにおいて具現化される機械(もしくはプロセッサ)実行可能コードおよび/または関連付けられるデータの形態における「製品」もしくは「製造品」と考えられ得る。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読取専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスク等の電子記憶ユニット上に記憶されることができる。「記憶」タイプ媒体は、ソフトウェアプログラミングのために任意の時点で非一過性記憶を提供し得る、コンピュータ、プロセッサ、または同等物の有形メモリ、もしくは種々の半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブ、および同等物等のその関連付けられるモジュールのうちのいずれかまたは全てを含むことができる。ソフトウェアの全てまたは一部は、随時、インターネットまたは種々の他の電気通信ネットワークを通して通信されてもよい。そのような通信は、例えば、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のものへの、例えば、管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を搭載し得る別のタイプの媒体は、ローカルデバイスの間の物理的インターフェースを横断して、有線および光学固定ネットワークを通して、ならびに種々のエアリンクを経由して使用される等、光学、電気、および電磁波を含む。有線または無線リンク、光学リンク、もしくは同等物等のそのような波を搬送する物理的要素はまた、ソフトウェアを搭載する媒体と見なされてもよい。本明細書に使用されるように、非一過性有形「記憶」媒体に制限されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」等の用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。
【0153】
したがって、コンピュータ実行可能コード等の機械可読媒体は、限定ではないが、有形記憶媒体、搬送波媒体、または物理的伝送媒体を含む、多くの形態をとってもよい。例えば、光学または磁気ディスク、もしくは任意のコンピュータまたは同等物内の任意の記憶デバイスを含む、不揮発性記憶媒体が、図面に示されるデータベース等を実装するために使用されてもよい。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームの主要メモリ等のダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体は、同軸ケーブル、すなわち、コンピュータシステム内のバスを構成するワイヤを含む、銅ワイヤおよび光ファイバを含む。搬送波伝送媒体は、電気または電磁信号、もしくは無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信の間に発生されるもの等の音響または光波の形態をとってもよい。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、したがって、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVDまたはDVD-ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを伴う任意の他の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、データまたは命令を転送する搬送波、そのような搬送波を転送するケーブルまたはリンク、もしくはそれからコンピュータがプログラミングコードおよび/またはデータを読み取り得る任意の他の媒体を含む。コンピュータ可読媒体のこれらの形態のうちの多くは、1つまたはそれを上回る命令の1つまたはそれを上回るシーケンスを実行のためにプロセッサに搬送することに関与してもよい。
【0154】
コンピュータシステム2001は、例えば、外科手術オペレータが1つまたはそれを上回るRGB画像、赤外線画像、フローマップ、および/または医療画像オーバーレイを可視化するためのポータルを提供するためのユーザインターフェース(UI)2040を備える、電子ディスプレイ2035を含む、またはそれと通信することができる。ある場合には、1つまたはそれを上回る画像、フローマップ、および/または画像オーバーレイは、1つまたはそれを上回る医療ツールの動作に関する情報(例えば、糸張力値および/または持針器圧力値)を備えてもよい。ポータルは、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を通して提供されてもよい。ユーザまたはエンティティはまた、UIを介してポータル内の種々の要素と相互作用することができる。UIの実施例は、限定ではないが、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインターフェースを含む。
【0155】
本開示の方法およびシステムは、1つまたはそれを上回るアルゴリズムを用いて実装されることができる。アルゴリズムは、中央処理ユニット2005による実行に応じて、ソフトウェアを用いて実装されることができる。アルゴリズムは、少なくとも部分的に、少なくとも1つのレーザスペックル信号に対応する、第1の関数に基づいて、関数空間を定義するように構成されてもよい。ある場合には、アルゴリズムはさらに、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値を算出するように構成されてもよい。1つまたはそれを上回る測定値は、部分的に、参照信号に対応する、第2の関数に基づいて、定義されてもよい。ある場合には、アルゴリズムはさらに、部分的に、関数空間に関する1つまたはそれを上回る測定値に基づいて、出力信号を発生させるように構成されてもよい。出力信号は、対象の組織領域上またはその近傍での外科手術手技を補助するために使用されてもよい。
【0156】
レーザスペックルコントラスト撮像
【0157】
別の側面では、本開示は、レーザスペックルコントラスト撮像(LSCI)のためのシステムおよび方法を提供する。LSCIは、血流を撮像するため等の広範囲の用途において利用される、非走査式広視野光学技法である。レーザ光が、拡散表面を照明すると、光の高コヒーレンスが、スペックルとして知られる、ランダム粒状効果を生成する。スペックルパターンは、散乱粒子の移動に起因して空間的にぼける、光干渉に起因して、標的上に発生される。スペックルパターンを含有する、画像フレームは、標的の動的および構造的量を算出するために分析されることができる。しかしながら、従来のレーザスペックルコントラスト分析(LASCA)方法は、コンピュータ的に集約的であって、および/または画像フレームを記憶するための大メモリ空間を要求し得る。
【0158】
本開示は、算出速度およびメモリ消費における改良された性能を伴う、LSCIのためのシステムおよび方法を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるLSCIシステムおよび方法は、高空間および時間分解能を伴って、生体内の生物学的組織の流体(例えば、血液)流動を描写する、画像を発生させるために使用されることができる。特に、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、スペックル画像フレームを処理する、動的リアルタイム方法を提供することができる。本方法は、低減された算出オーバーヘッドおよび/または低減されたメモリ消費を伴う、スペックル画像の統計を算出するためのアルゴリズムを採用することができる。アルゴリズムは、未加工スペックル画像に適用され、リアルタイムで、仲介/中間画像フレームを記憶するためのメモリ空間を要求せずに、それらをレーザスペックルコントラスト画像に変換することができる。
【0159】
ある側面では、レーザスペックルコントラスト撮像を改良するための方法が、提供される。本方法は、レーザ光を標的領域にスペックルパターンとして照射するステップと、それぞれ、レーザ光によって照明された標的領域の散乱された光から取得される、スペックル信号を備える、一連のスペックル画像フレームを捕捉するステップと、無限インパルスアルゴリズムを一連のスペックル画像フレームに適用することによって、1つまたはそれを上回るレーザスペックルコントラストマップを発生させるステップとを含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、一連のスペックル画像フレームは、光信号検出ユニットによって捕捉される。いくつかの実施形態では、光信号検出ユニットは、CCDカメラまたはCMOSカメラを備える。いくつかの実施形態では、無限インパルスアルゴリズムを適用するステップは、無限インパルス積分を使用して、時間ドメイン、空間ドメイン、または時空間ドメイン内のスペックル信号を積分することによって、ピクセル毎に、局所スペックルコントラスト値を算出するステップを含む。ある場合には、所与のピクセルに関する局所スペックルコントラスト値は、先行スペックル画像フレーム内のスペックル信号を再帰的に総和することによって推定される、統計値に基づいて計算される。
【0161】
いくつかの実施形態では、無限インパルスアルゴリズムは、空間無限インパルスアルゴリズム、時間無限インパルスアルゴリズム、および時空間無限インパルスアルゴリズムから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、無限インパルスアルゴリズムは、構成可能パラメータを備える。ある場合には、本方法はさらに、標的領域の性質に基づいて、構成可能パラメータを動的に調節するステップを含む。いくつかの事例では、標的領域の性質は、標的領域内の粒子の移動度を備える、または標的領域は、組織構造を含み、性質は、組織のタイプを備える。
【0162】
ある場合には、局所スペックルコントラスト値は、除算演算を伴わずに算出される。ある場合には、空間ドメイン内のスペックル信号を積分するステップは、スペックル画像フレーム内の近傍ピクセルにわたって、スペックル信号の再帰和を算出するステップを含む。いくつかの事例では、近傍ピクセルは、3×3カーネル内にある。ある場合には、近傍ピクセルにわたるスペックル信号の再帰和を算出するステップは、累算器を使用するステップを含む。
【0163】
別の側面では、レーザスペックルコントラスト撮像(LSCI)のためのシステムが、提供される。本システムは、光を標的領域に照射するように構成される、光源と、それぞれ、レーザ光によって照明された標的領域の散乱された光から取得される、スペックル信号を備える、一連のスペックル画像フレームを捕捉するように構成される、光信号検出ユニットと、無限インパルスアルゴリズムを一連のスペックル画像フレームに適用することによって、1つまたはそれを上回るレーザスペックルコントラストマップを発生させるように構成される、1つまたはそれを上回るプロセッサとを備える。
【0164】
いくつかの実施形態では、光信号検出ユニットは、CCDカメラまたはCMOSカメラを備える。いくつかの実施形態では、無限インパルスアルゴリズムを適用するステップは、無限インパルス積分を使用して、時間ドメイン、空間ドメイン、または時空間ドメイン内のスペックル信号を積分することによって、ピクセル毎に、局所スペックルコントラスト値を算出するステップを含む。ある場合には、所与のピクセルに関する局所スペックルコントラスト値は、先行スペックル画像フレーム内のスペックル信号を再帰的に総和することによって推定される、統計値に基づいて計算される。
【0165】
いくつかの実施形態では、無限インパルスアルゴリズムは、空間無限インパルスアルゴリズム、時間無限インパルスアルゴリズム、および時空間無限インパルスアルゴリズムから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、無限インパルスアルゴリズムは、構成可能パラメータを備える。
【0166】
本明細書に説明されるように、本開示は、レーザスペックルコントラスト撮像(LSCI)のためのシステムおよび方法を提供する。特に、提供されるシステムおよび方法は、改良された速度およびより少ない算出オーバーヘッドを伴う、レーザスペックルコントラスト画像を生成することが可能であって、それによって、流体流動、散乱粒子の運動、または1つまたはそれを上回る下層物体の速度のリアルタイム撮像を可能にし得る。本開示のシステムおよび方法は、網膜撮像、皮膚灌流の撮像、神経生理学および種々の非臨床場の撮像等の種々の領域に適用されることができる。
【0167】
レーザスペックルコントラスト撮像(LSCI)は、高空間および時間分解能を伴う、散乱粒子動態の特性評価のために有用な光学技法である。いくつかの実施形態では、LSCIは、高空間および時間分解能を伴って、生体内の生物学的組織の血流を描写する、画像を発生させるために使用されることができる。未加工スペックル画像を処理し、それらをレーザスペックルコントラスト画像に変換するための従来の方法およびアルゴリズムが存在する。しかしながら、そのような従来の方法は、コンピュータ的に集約的であり得、リアルタイム撮像のために好適ではあり得ない。
【0168】
いくつかの実施形態では、撮像されている物体の流体流動または速度が、標的部位のスペックルパターンを処理することによって取得されることができる。スペックルパターンは、コヒーレント光(例えば、レーザ)のランダム干渉から生じ得る。レーザスペックルコントラスト画像を収集するとき、コヒーレント光が、標的部位/領域(例えば、サンプル、組織、人体内の器官等)を照明するために使用され、光検出器が、次いで、標的部位/領域内の変動する位置から散乱している、光を受信するために使用される。光は、ある距離の分布を進行し、散乱粒子の配列に伴って変動する、建設的および破壊的干渉を、光検出器に対してもたらし得る。本散乱された光が、カメラ上で撮像されるとき、スペックルとして知られる、ランダムに変動する強度パターンを生成する。散乱粒子が、移動している場合、これは、干渉に変動を引き起こし、これは、強度変動として光検出器に現れるであろう。本スペックルパターンの時間および空間統計は、撮像されている下層物体の運動についての情報を提供する。
【0169】
従来のレーザスペックルコントラスト分析(LASCA)方法は、コンピュータ的に拡張的であって、および/または画像フレームを記憶するための大メモリ空間を要求し得る。流体速度は、スペックルコントラスト値によって算出されることができ、これは、(直接または間接的に)撮像されている標的または下層物体の速度に比例する。スペックルコントラストは、従来、ピクセル窓にわたる、標準偏差と強度の平均値の比率として算出され得る。ピクセル窓は、空間窓(例えば、単一画像からのピクセルの正方形領域)、時間窓(時間的に複数のフレームにわたる同一ピクセル)、または両方の組み合わせである、時空間(例えば、複数のフレームにわたるピクセルの正方形領域)であることができる。例えば、空間的に局在化されるスペックルコントラストを算出するために使用される、2つの従来のレーザスペックルコントラスト分析(LASCA)方法である、空間LASCAおよび時間LASCAが存在する。空間LASCA方法は、局所平均のために使用される近傍面積のサイズ(例えば、5×5ピクセルのサイズ)によって、元々のものに関して粗化される、コントラストマップを取得するステップを伴う。スペックルコントラスト値は、局所近傍内のピクセル毎の標準偏差と強度の平均値の比率の通常のパラメータによって定量化される。時間LASCA方法は、画像フレームのシーケンスの場所から得られたピクセルの時間シーケンスを利用する。スペックルコントラスト値は、時間ピクセル窓にわたって、平均時間積分強度によって除算される、時間積分強度の標準偏差として算出される。しかしながら、これらの従来のLASCA方法は、コンピュータ的に拡張的であって、および/または中間フレームを記憶するための大メモリ空間を要求し得る。
【0170】
図9は、従来のアルゴリズムを使用して生成される、未加工スペックル画像1000と、レーザスペックルコントラスト画像1010、1030、1050との実施例を示す。図9に示される未加工スペックル画像1000は、スペックルパターンの粒状外観を図示する。未加工スペックル画像1000では、より顕著スペックルは、より低速を示し得る(例えば、血流が殆どない)。
【0171】
レーザスペックルコントラスト画像1010、1030、1050は、直接、未加工スペックル画像または画像ストリームのシーケンスから、異なるピクセル窓サイズを伴う、従来のLSCIおよびLASCAアルゴリズムを使用して、算出され、血流の2-Dマップを表す。例えば、大脈管等のより高いベースライン流動の面積は、より低いスペックルコントラスト値を有し、スペックルコントラスト画像内でより暗く現れる。
【0172】
未加工スペックル画像1000または未加工スペックル画像ストリームは、カメラ等の撮像デバイスによって捕捉されることができる。撮像デバイスは、デジタルカメラ、ビデオカメラ、電荷結合素子(CCD)画像センサ、または相補的金属酸化物半導体(CMOS)画像センサであってもよい。
【0173】
図9に図示されるようなスペックルは、レーザ等のコヒーレント光のランダム干渉から生じる。撮像デバイスによって発生された未加工スペックル画像データは、1つまたはそれを上回る画像を含むことができ、これは、動的画像(例えば、ビデオ)であってもよい。画像データは、多色(例えば、RGB、CMYK、HSV)または単色(例えば、グレースケール、白黒、セピア)であることができる。画像データは、画像フレーム分解能に応じて、種々のサイズを有してもよい。画像フレーム分解能は、フレーム内のピクセルの数によって定義されてもよい。いくつかの実施例では、画像分解能は、約128×128ピクセル、32×32ピクセル、64×64ピクセル、88×72ピクセル、352×420ピクセル、480×320ピクセル、720×480ピクセル、1,280×720ピクセル、1,440×1,080ピクセル、1,920×1,080ピクセル、2,048×1,080ピクセル、3,840×2,160ピクセル、4,096×2,160ピクセル、7,680×4,320ピクセル、または15,360×8,640ピクセルを上回るまたはそれに等しくてもよい。未加工スペックル画像データは、あるフレームレートで捕捉されることができる。図示される実施例では、未加工スペックル画像100は、120フレーム/秒のフレームレートで捕捉される、画像フレームである。
【0174】
スペックルコントラストは、スペックルパターン内の局所空間コントラストの測定値である。典型的には、より高いコントラスト値は、より高い流動または運動を示し、より低い値は、より少ない流動または運動を示す。スペックルコントラストは、カメラの露光時間の関数であってもよい。
【0175】
スペックルコントラスト画像1030、1050等の局所スペックルコントラストの空間的に分解されたマップが、窓または空間近傍面積と称される、画像内のピクセルの局所近傍にわたって、画像内の各点における本比率をピクセルから算出することによって、1つの未加工スペックル画像または未加工スペックル画像のシーケンスから計算されることができる。
【0176】
スペックルコントラスト画像1030、1050は、従来の空間LASCAアルゴリズムを使用して、未加工スペックル画像1000を処理することによって生成される。ピクセル内の窓の長さは、Mによって表される(窓が正方形であると仮定する)。Mは、5~20等の自然数である。スペックルコントラスト画像1030は、5に等しいMを用いて生成され、スペックルコントラスト画像1050は、10に等しいMを用いて生成される。ピクセル内の未加工スペックル画像の幅および高さは、それぞれ、W(列)およびH(行)によって表される。空間コントラスト画像1030、1050は、下記の方程式を使用して発生されることができる。
【化1】
【0177】
式中、I(x,y)は、空間コントラスト画像1030、1050内のピクセル(x,y)に関する強度を表し、C LASCA(x,y)は、ピクセル(x,y)に関する空間コントラスト値を表す。統計平均値μ LASCAおよび分散値ξ LASCAが、局所近傍面積(M×M)に関して算出され、空間コントラスト値が、平均値を標準偏差によって除算することによって算出される。
【0178】
スペックルコントラスト画像1010は、従来の時間LSCIアルゴリズムを使用して、未加工スペックル画像1000を処理することによって生成される。実施例では、時間ドメインにおける窓の長さは、M(M個の数のフレーム)によって表されるであろう。Mは、それにわたって局所コントラストの統計が算出される、フレームの数を表す(例えば、10~20の数)。図示されるスペックルコントラスト画像1010は、15に等しいMを用いて生成される。ピクセル内の未加工スペックル画像の幅および高さは、それぞれ、W(列)およびH(行)によって表される。時間コントラスト画像1010は、下記の方程式を使用して発生されることができる。
【化2】
【0179】
式中、I(x,y)は、時間コントラスト画像1010内のピクセル(x,y)に関する強度を表し、C LSCI(x,y)は、ピクセル(x,y)に関する時間コントラスト値を表す。統計平均値μ LSCIおよび分散値ξ LSCIが、時間窓にわたって算出され(例えば、フレームiを中心とするM個のフレーム)、時間コントラスト値が、平均値を標準偏差によって除算することによって算出される。
【0180】
上記に述べられるように、本開示は、未加工スペックル画像からのレーザスペックルコントラスト画像の算出のためのレーザスペックルコントラストアルゴリズムを提供する。特に、本明細書に開示されるレーザスペックルコントラストアルゴリズムは、無限インパルス積分または指数関数的移動平均(EMA)フィルタを利用して、未加工スペックル画像を処理する。有限和がコントラスト値のために算出される、従来の方法と異なり、本明細書に開示されるような再帰フィルタ(例えば、EMA)を利用することは、有益なこととして、算出オーバーヘッドを低減させ、リアルタイム撮像を達成/可能にし得る。本明細書に説明される指数関数的移動平均フィルタは、以前の推定値(出力)と最も新しい入力データの加重された組み合わせであって加重の和は、出力が定常状態における入力に合致するように、1に等しい。無限インパルス積分方法は、有益なこととして、コンピュータ的に集約的除算演算が回避され得るように、統計が再帰実装を使用して算出されることを可能にし得る。さらに、本明細書に説明されるEMAフィルタは、異なるシナリオまたはリアルタイム条件に適合するように動的に調節されることができる。
【0181】
本開示は、空間ドメイン、時間ドメイン、および時空間ドメインにおいて、無限インパルス積分を実施する、いくつかのレーザスペックルコントラストアルゴリズムを提供する。本明細書に開示されるレーザスペックルコントラストアルゴリズムは、図9を参照して前述で説明される従来のアルゴリズムと比較して、より少ない算出リソースを要求し、および/または画像フレームを記憶するためのより少ないメモリ空間を要求し得る。本開示の実施形態による、各アルゴリズムの説明は、下記に説明される。
【0182】
時間無限インパルス積分(III)アルゴリズムは、従来の時間LSCIアルゴリズムと比較して、中間未加工スペックル画像を記憶するための有意な算出オーバーヘッド(例えば、CPUキャッシュ)を要求せずに、統計μおよびσをリアルタイムで推定することが可能であり得る。統計μおよびσは、低減された待ち時間を伴って、新しいスペックル画像ストリーム毎に算出されることができる。時間ドメインにおけるEMAフィルタはまた、低域通過フィルタを未加工スペックル画像ストリームにかけ、これは、全てのフレームに均一に加重することによってかけられるボックス窓フィルタに起因する、フレームを横断した「リンギング」時間アーチファクトを有する、従来の(例えば、有限積分)LSCIアルゴリズムと比較して、結果における改良された正確度を有する。
【0183】
時間無限インパルス積分アルゴリズムは、指数関数的移動平均(EMA)フィルタを未加工スペックル画像に適用してもよい。
【0184】
EMAフィルタは、時定数α(減衰率として知られる)を含み、これは、0~1の値である。時定数αの値は、平滑化効果に対応し得る。より小さい値(例えば、α=0.65)は、より多くの加重が直近の過去の画像フレームに割り当てられることを示し得る一方、より大きい値(例えば、α=0.8)は、それにわたって平均が推定される、有効時間が増加することを示す。時定数αの値は、実験的データに基づいて事前に定義される、またはユーザによって設定されることができる。代替として、または加えて、時定数αの値は、撮像されている物体または撮像されている標的領域の性質(例えば、標的領域内の粒子の移動度または速度、組織構造、組織のタイプ)もしくは所望のビデオ/画質(例えば、雑音、ぼけ等のアーチファクトを緩和する)に基づいて調整されてもよい。
【0185】
コントラスト値は、下記の方程式を使用して算出されることができる。
【化3】
【0186】
式中、平均値μ TIIIおよび分散値ξ TIIIは、それぞれ、再帰方程式を使用して推定される。コントラスト値が、次いで、平均値と標準偏差の比率として算出される。上記の再帰方程式を使用することは、有益なこととして、コンピュータ的に集約的除算演算の使用を回避し得る。例えば、サンプルの数が増加するにつれて、コントラスト値
【化4】
は、
【化5】
に接近し、これは、従来の方法と比較して、算出複雑性を簡略化する。
【0187】
空間無限インパルス積分(III)アルゴリズムは、熱拡散プロセスと同様に、単一未加工スペックル画像フレームに反復的に適用され、コントラスト画像を発生させる。熱拡散状プロセスは、コントラスト画像全体にわたって拡散するまで、各ピクセルの情報/影響がピクセルからピクセルに拡散するように、未加工スペックル画像フレーム全体に反復的に適用され、所与のピクセルに近接するピクセルは、統計の推定値(例えば、平均値μおよび分散値ξ)においてより加重される。
【0188】
空間IIIアルゴリズムは、拡散の率を制御する、空間定数βを含んでもよい。空間定数βのより大きい値は、考慮されている先行ピクセルのより大きい影響、したがって、より大きい拡散率を示し得る。空間定数βの値は、実験的データに基づいて、またはユーザによって、事前に定義されることができる。代替として、またはそれに加え、空間定数βの値は、撮像されている物体または標的領域の性質(例えば、組織のタイプ)、所望の画像処理性能(例えば、算出速度等)、または所望のビデオ/画質(例えば、雑音、ぼけ等のアーチファクトを緩和する)に基づい調整されてもよい。
【0189】
空間無限インパルス積分アルゴリズムは、従来の空間LASCA方法よりコンピュータ的に効率的であり得る。空間無限インパルス積分アルゴリズムは、累算器Aまたは仮想フレームバッファを利用して、計数を経時的に累算してもよい。例えば、累算器Aμおよび累算器Aξが、それぞれ、平均値μおよび分散値ξに関する計数を保持するために使用されてもよい。μSIII=A μおよびξSIII=A ξとする。Mは、拡散が生じることを可能にする、反復の数を制御する、自然数であって、空間定数βは、拡散の率を制御する。実施例として、Mは、10~20の範囲内であってもよい。反復Mの数が、増加するにつれて、インパルス応答は、ガウスプロファイルに接近し得、各ピクセルは、より近傍のピクセルによって影響される。少数の反復Mは、より多くのアーチファクトをもたらす傾向にある。スペックル画像の統計は、下記の方程式を使用して算出されることができる。
【化6】
【0190】
空間無限インパルス積分アルゴリズムは、単一未加工スペックル画像の統計が前述の熱拡散状プロセスを介して拡散することを可能にすることによって、単一コントラスト画像を単一未加工スペックル画像から発生させることが可能であり得る。これは、有益なこととして、従来の方法のために要求される除算演算に取って代わり得、これは、算出複雑性を簡略化する。
【0191】
時空間無限インパルス積分(III)アルゴリズムは、時間IIIと空間IIIアルゴリズムの組み合わせである。本プロセスは、時空間無限インパルス積分アルゴリズムを一連のスペックル画像Iに適用し、コントラスト画像Cのシーケンスを発生させ得る。各コントラスト画像Cは、先行スペックル画像I(j≦i)を使用して発生され得る。時空間無限インパルス積分アルゴリズムもまた、累算器Aμおよび累算器Aξを使用して、それぞれ、平均値μおよび分散値ξに関する計数を保持してもよい。例示的プロセスでは、本方法は、時定数αが規定された時間IIIアルゴリズムを使用して、μTIIIを算出するステップから開始し得る。次に、平均値μS-TIIIが、空間および時間ドメインの両方における再帰和として算出される。例えば、累算器A μは、μ TIIIおよびAi-1 μを空間定数βが規定されたA μの中に取り込むことによって算出される。平均値μS-TIIIは、下記の方程式に従って算出されることができる。
【化7】
【0192】
統計値ξS-TIIIは、上記と類似プロセスにおいて計算されることができる。上記の方法は、有益なこととして、従来の方法のために要求される除算演算を置換し、これは、算出複雑性を簡略化する。
【0193】
本明細書に開示される、空間IIIアルゴリズム、時間IIIアルゴリズム、および時空間IIIアルゴリズムは、これらのアルゴリズムが、中間画像フレームを記憶するための大メモリ空間を要求する必要がないため、改良された性能を可能にし得る(例えば、メモリ消費において)。本明細書に開示される上記のアルゴリズムを使用して、データは、著しく少ないキャッシュの使用およびメインメモリにアクセスする必要性の有意に低い尤度を伴って、プロセッサのレジスタ、算術論理ユニット、浮動小数点ユニット、および他のデジタル回路間で効率的に流動することができる(キャッシュおよびメインメモリへの著しい依拠およびその使用は、算出時間における負担を実質的に増加させ得ることに留意されたい)。空間IIIアルゴリズムまたは時空間IIIアルゴリズムを実装することは、累算器を要求するが、メモリ消費は、依然として、従来の方法と比較してはるかに低い。例えば、累算器のサイズは、単一画像のサイズである一方、従来の方法のためのメモリ消費は、累算器を伴わずに、約数十~数百の画像であって、空間要件に比例する付加的処理時間が要求される。メモリユニットは、任意の好適なRAMであることができ、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、同期動的ランダムアクセスメモリ(SDRAM)、ダブルデータレート(DDR)、ダブルデータレート同期動的ランダムアクセスメモリ(DDR SDRAM)、DDR、DDR2、DDR3、T-RAM、Z-RAM等を含む。
【0194】
本明細書に開示される、無限インパルス積分アルゴリズムは、広範囲の用途において利用されることができる。ある場合には、時間IIIアルゴリズムは、既知の標的との相関を測定するために、参照信号(例えば、心拍動または合成されたヘテロダイン振動に起因する運動を検出するためのヒトのパルス)と組み合わせて使用されてもよい。これは、真下の流体流動によって引き起こされる撮像される場面内の運動または組織の運動(例えば、呼吸および心臓鼓動)を区別するために有利であり得る。例えば、参照信号Rに対するコントラスト値Cの参照測定値Pが、下記の方程式を使用して計算されることができる。
【化8】
【0195】
いくつかの実施形態では、本開示は、時間IIIアルゴリズム、空間IIIアルゴリズム、または時空間IIIアルゴリズムを実装することによって、スペックルコントラスト画像を発生させるための方法を提供する。本明細書に開示される方法は、有益なこととして、スペックルコントラスト画質を改良し、アーチファクト(例えば、雑音、ぼけ)を緩和し、および/または時間/空間分解能を改良し得る。例えば、時間IIIアルゴリズムを使用して、未加工スペックル画像を処理する方法は、有利なこととして、未加工スペックル画像を入手するためのフレームレートと同一(または類似する)である率でコントラスト画像を発生させる一方、空間雑音または運動ぼけによって引き起こされる、アーチファクトを低減させ得る。生成されるコントラスト画像は、より多くの画像フレームが、統計を推定するために使用され得、画像フレームの影響が、より多くの加重をより近い画像フレーム(例えば、所与のフレームの直前の画像フレーム)に適用することによって最適化されるため、従来の方法を使用して発生されたコントラスト画像と比較して、低減された空間雑音および/または低減された運動ぼけを有し得る。別の実施例では、空間IIIアルゴリズムを使用して、未加工スペックル画像を処理する方法は、有利なこととして、コントラスト画像が、単一未加工スペックル画像を使用して発生され得、空間雑音が、フレームからフレームにわたって搬送され得ないことを前提として、改良された時間分解能および/または低減された空間雑音を伴って、コントラスト画像を発生させ得る。さらなる実施例では、時空間IIIアルゴリズムを使用して、未加工スペックル画像を処理する方法は、有利なこととして、改良された時間分解能、空間分解能、ならびに低減された時間雑音および空間雑音を伴って、コントラスト画像を発生させ得る。いくつかの状況では、時空間IIIアルゴリズムを利用する、方法は、空間IIIアルゴリズムまたは時間IIIアルゴリズムのいずれか単独を使用する方法より改良されたコントラスト画質を有し得る。
【0196】
図10は、それぞれ、時間IIIアルゴリズム、空間IIIアルゴリズム、および時空間IIIアルゴリズムを使用して生成される、未加工スペックル画像1000と、レーザスペックルコントラスト画像20100、20300、20500との実施例を示す。未加工スペックル画像1000は、図9に示されるものと同一スペックル画像である。レーザスペックルコントラスト画像20100、20300、20500は、上記に説明されるように、時間IIIアルゴリズム、空間IIIアルゴリズム、および時空間IIIアルゴリズムを使用して、直接、未加工スペックル画像および未加工スペックル画像のシーケンスから算出される。
【0197】
スペックルコントラスト画像20100は、時間IIIアルゴリズムを、所与の未加工スペックル画像(例えば、未加工スペックル画像1000)に先行する、未加工スペックル画像のシーケンスに適用することによって発生されてもよい。スペックルコントラスト画像が、所与の未加工スペックル画像を中心とする時間窓内の画像フレームのシーケンス(例えば、先行画像フレームおよび後続画像フレームの両方を要求する)を使用して発生される、従来の方法と異なり、スペックルコントラスト画像20100は、捕捉されている未加工スペックル画像1000上で発生され、それによって、撮像待ち時間を排除することができる。これは、有益なこととして、スペックルコントラスト画像20100が未加工スペックル画像が捕捉されている率と同一である(または類似する)率で生成されることを可能にし得る。さらに、実施例に示されるように、スペックルコントラスト画像20100は、従来の時間LSCIアルゴリズムを使用して発生されたスペックルコントラスト画像(例えば、M=15を伴う、コントラスト画像1010)と比較して、より少ない空間雑音および/または運動ぼけ等、より高い画質を呈し得る。これは、より多くの画像フレーム(全ての先行画像フレーム)が、統計を推定するために時間IIIアルゴリズムにおいて使用され、画像フレームの影響が、より多くの加重をより近い画像フレーム(例えば、所与のフレームの直前の画像フレーム)に適用することによって最適化されるためである。
【0198】
スペックルコントラスト画像20300は、空間IIIアルゴリズムを所与の未加工スペックル画像(例えば、未加工スペックル画像1000)に適用することによって発生されてもよい。実施例に示されるように、スペックルコントラスト画像20300は、従来の空間LASCAアルゴリズムを使用して発生されたスペックルコントラスト画像(例えば、M=5を伴うコントラスト画像1030、M=10を伴うコントラスト画像1050)と比較して、より高い画質を呈し得る。時間IIIアルゴリズムによって生成される、時間コントラスト画像20100と比較して、スペックルコントラスト画像20300は、より少ない空間雑音ならびにより少ない空間詳細(例えば、脈管は、知覚することが困難であり得る)を実証する。時間分解能は、時間IIIアルゴリズムより改良され得る(信号のコントラスト20200、20400によって経時的に定量化される)。しかしながら、雑音の変動もまた、より大きい、すなわち、より大きい時間雑音となり得る。
【0199】
スペックルコントラスト画像20500は、時空間IIIアルゴリズムを所与の未加工スペックル画像(例えば、未加工スペックル画像1000)に先行する未加工スペックル画像のシーケンスに適用することによって発生されてもよい。実施例に示されるように、スペックルコントラスト画像20500は、時間IIIアルゴリズムまたは空間IIIアルゴリズムのいずれかを使用して発生されたコントラスト画像より改良された画質を呈し得る。実施例に示されるように、時間分解能は、空間IIIアルゴリズムを使用する場合と同程度に高い一方、時間雑音は、空間IIIアルゴリズムより低い。加えて、空間分解能は、より多くの空間詳細が可視のまま維持される一方、空間雑音は、時間積分によって導入される平滑度に起因して、低減される。
【0200】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、リアルタイム条件に適応的であり得る。例えば、本明細書に開示されるアルゴリズムの1つまたはそれを上回るパラメータは、動的に調節されることができる。例えば、時定数および/または空間定数は、所望のビデオ/画質(例えば、平滑化要件)、撮像されている標的領域または物体の性質(例えば、粒子の移動度、物体の速度、組織のタイプ、組織構造等)、撮像パラメータ(例えば、フレームレート)、または種々の他の条件(例えば、算出電力消費、ハードウェア要件等)に基づいて、動的に決定されてもよい。ある場合には、時定数αの初期値は、実験的データに基づいて決定され、またはユーザによって事前に定義され、撮像されている標的領域または物体の性質(例えば、撮像されている物体の移動度または速度)または所望のビデオ/画質(例えば、雑音、ぼけ等のアーチファクトを緩和する)に基づいて、リアルタイムで調整されてもよい。
【0201】
図11は、いくつかの実施形態による、レーザスペックルコントラスト画像またはフローマップ3000を生成するためのプロセスの実施例を示す。プロセスは、未加工レーザスペックル画像を取得するステップ(ステップ3100)から開始してもよい。次に、レーザスペックルコントラスト画像発生スキームが、レーザコントラスト画像を発生させるために決定されてもよい(ステップ3200)。例えば、レーザスペックルコントラスト画像発生スキームは、時間無限インパルス積分(例えば、時間III)スキーム、空間無限インパルス積分(例えば、空間III)スキーム、および時空間無限インパルス積分(例えば、時空間III)スキームから選択されてもよい。レーザスペックルコントラスト画像発生スキームは、未加工スペックル画像を処理するためのアルゴリズム(例えば、時間IIIアルゴリズム、空間IIIアルゴリズム、時空間IIIアルゴリズム)および1つまたはそれを上回るパラメータ(例えば、時定数、空間定数等)の初期/デフォルト値を規定してもよい。
【0202】
ある場合には、1つまたはそれを上回るパラメータの値が、レーザスペックルコントラスト画像発生スキームのために決定されてもよい(ステップ3300)。例えば、時定数または空間定数の値が、所望の平滑化効果または画像処理速度に関して、ユーザによって規定され、および/またはユーザ介入を伴わずに、捕捉された未加工スペックル画像の性質に基づいて、動的に調節されてもよい。選択されたレーザスペックルコントラスト画像発生スキームと関連付けられる、時定数および/または空間定数を決定することに応じて、レーザスペックルコントラスト画像が、発生され(ステップ3400)、ディスプレイデバイスに出力されてもよい。
【0203】
例えば、未加工スペックル画像内に存在する物体の移動度が、決定されてもよく(例えば、リアルタイムで検出される、組織タイプに基づいて推定される等)、移動度状態(例えば、速度、定常、および同等物)に基づいて、時定数値が、決定されてもよい。例えば、撮像されている物体が、静止している傾向にある場合、より大きい値が、より良好な平滑化結果(例えば、より少ない空間雑音)を達成するために、時定数に関して設定され得る一方、物体が、運動する、または運動することが可能である場合、より小さい値が、運動ぼけを低減させるために、時定数に関して設定されてもよい。空間定数の値はまた、捕捉された未加工画像データの雑音分布性質および/または所望の処理速度に基づいて、調節されてもよい。そのような調節または減衰は、ユーザ介入を伴わずに、自動的に実施されてもよい。例えば、時/空間定数と未加工スペックル画像性質または標的領域性質との間の関係が、時/空間定数が自動的に調節され得るように、事前決定されてもよい(例えば、実験的データを使用して)。
【0204】
ある場合には、ユーザは、レーザスペックルコントラスト画像発生スキームを半自律的方式において定義することを可能にされ得る。ユーザは、選択されたレーザスペックルコントラスト画像発生スキームの1つまたはそれを上回るパラメータを規定してもよい。ある場合には、レーザスペックルコントラスト画像発生スキームを受信することに応答して、コントラスト画像が、発生され、ユーザが可視化するためのディスプレイに出力されてもよい。ユーザは、出力画像の品質または他の特性を変更するように、レーザスペックルコントラスト画像発生スキームをさらに調節する場合とそうではない場合がある。いくつかの事例では、ユーザは、システム推奨調節を提供されてもよい。いくつかの事例では、ユーザは、ディスプレイ上の出力画像を視認することに応じて、1つまたはそれを上回るパラメータを手動で調節してもよい。例えば、ユーザは、リアルタイム出力コントラスト画像と、システム推奨されるパラメータ下で達成され得る、推奨される(例えば、シミュレートされる)より高い品質画像とを提示されてもよい。ある場合には、リアルタイム出力コントラスト画像またはシミュレートされた画像は、ユーザがレーザスペックルコントラスト画像発生スキームの1つまたはそれを上回るパラメータを調節する間、動的に更新されてもよい。
【0205】
図11は、いくつかの実施形態による、方法を示すが、当業者は、種々の実施形態のための多くの適合が存在することを認識するであろう。例えば、動作は、任意の順序において、実施されることができる。動作のうちのいくつかは、除外されてもよく、動作のうちのいくつかは、1つのステップにおいて、並行して実施されてもよく、動作のうちのいくつかは、繰り返され、動作のうちのいくつかは、他の動作のサブステップを含んでもよい。例えば、レーザスペックルコントラスト画像発生スキームを決定する動作3200は、未加工レーザスペックルを捕捉するステップに先立って、または相互に並行して実施される、もしくは新しい画像入手セッションに関して繰り返されることができる。別の実施例では、時定数および/または空間定数を選択するの動作は、未加工レーザスペックルを捕捉するステップに先立って実施される、または新しい画像入手セッションに関して繰り返されてもよい。
【0206】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による、本明細書に説明される方法およびアルゴリズムを実装する、システム4000を図式的に図示する。システム4000は、レーザスペックルコントラスト撮像のために相互に動作可能に結合される、発光モジュール4100と、検出器モジュール4200と、画像発生モジュール4300とを備えてもよい。いくつかの実施形態では、システム4000は、標的部位4210内の流体流率を決定することが可能であり得る。
【0207】
検出器モジュール4200は、標的部位の1つまたはそれを上回るスペックル画像を取得するように構成されてもよい。標的部位4210は、患者の器官の一部または患者の身体内の解剖学的特徴もしくは構造を備えてもよい。標的部位4210は、患者の身体の組織の表面を備えてもよい。組織の表面は、上皮組織、結合組織、筋肉組織(例えば、骨格筋組織、平滑筋組織、および/または心筋組織)、網膜、大脳皮質、および/または神経組織を備えてもよい。捕捉された画像は、標的部位4210の流体流動情報を取得するために処理されてもよい。いくつかの実施形態では、流体は、血液、汗、精液、唾液、膿、尿、空気、粘液、母乳、胆汁、ホルモン、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、標的組織内の流体流率は、上記に説明される方法を使用して発生される、コントラストマップまたはコントラスト画像によって決定される。
【0208】
発光モジュール4100は、レーザダイオード等のコヒーレント光源を備えてもよく、そのビームは、標的部位4210を照明するように拡張および調節され、これは、数ミリメートル~数センチメートルまで変動し得る。入射光の角度は、略直角入射から45°程度までの範囲であってもよい。光源は、持続的モードまたはパルスモードで動作するように構成されてもよい。ある場合には、動作モードまたは光の波長は、標的部位までの距離、撮像されるべき物体、および標的部位の他の性質に依存し得る。例えば、発光モジュールは、近赤外線スペクトル範囲内の光を発生させる、デバイスであってもよい。可視光範囲内のレーザと比較して、近赤外線範囲内(約980nmの波長の周囲)のレーザは、赤血球によって実質的に散乱され、外側層からの雑音散乱は、殆ど生じない。したがって、近赤外線スペクトル範囲内の光を使用することによって、検出器モジュール4200は、皮膚または毛細管より深くに位置する血管内の血流についての情報を正確に受信し得、皮膚または毛細管によって殆ど影響され得ない。
【0209】
検出器モジュール4200は、標的部位の1つまたはそれを上回るスペックル画像を取得するように構成されてもよい。捕捉されたスペックル画像は、改良された時間および/または空間分解能を伴って、画像発生モジュールによって処理され、コントラスト画像を発生させる、または標的部位内の流体流動についての情報を提供し得る。検出器モジュール4200は、光学センサを含んでもよい。光学センサは、限定ではないが、例えば、電荷結合素子(CCD)、相補的金属酸化物半導体(CMOS)、線形画像センサ、アレイシリコンタイプ画像センサ、またはInAsGaセンサであってもよい。検出器モジュール4200は、散乱された光の強度をデジタル信号に変換してもよい。検出器モジュールは、上記に説明されるように、撮像デバイスを含んでもよい。例えば、撮像デバイスは、カメラ、ビデオカメラ、赤緑青深度(RGB-D)カメラ、赤外線カメラ、近赤外線カメラ、電荷結合素子(CCD)画像センサ、または相補的金属酸化物半導体(CMOS)画像センサを備えてもよい。
【0210】
撮像センサは、具体的画像分解能において、画像フレームまたは画像フレームのシーケンスを捕捉することが可能であり得る。画像フレーム分解能は、フレーム内のピクセルの数によって定義されてもよい。画像分解能は、約352×420ピクセル、480×320ピクセル、720×480ピクセル、1,280×720ピクセル、1,440×1,080ピクセル、1,920×1,080ピクセル、2,048×1,080ピクセル、3,840×2,160ピクセル、4,096×2,160ピクセル、7,680×4,320ピクセル、1,536×1,536、または1,536×8,640ピクセルを上回るまたはそれに等しくてもよい。撮像デバイスは、例えば、4Kカメラまたはより高い分解能を伴うカメラであってもよい。
【0211】
撮像センサは、具体的捕捉率において、未加工スペックル画像のシーケンスを捕捉してもよい。ある場合には、画像のシーケンスは、標準的ビデオフレームレートで捕捉されてもよい。提供されるシステム4000は、最小限の待ち時間を伴って、リアルタイムレーザスペックルコントラスト撮像を達成し得る。例えば、未加工画像データが、処理されてもよく、コントラストマップは、約352×420ピクセル、480×320ピクセル、720×480ピクセル、1,280×720ピクセル、1,440×1,080ピクセル、1,920×1,080ピクセル、2,008×1,508ピクセル2,048×1,080ピクセル、3,840×2,160ピクセル、4,096×2,160ピクセル、7,680×4,320ピクセル、または1,5360×8,640ピクセルを上回るまたはそれに等しい分解能において、20fps、30fps、40fps、50fps、100fps、150fps、200fpsを上回るまたはそれに等しい速度で、リアルタイムで発生されてもよい。
【0212】
ある場合には、画像センサは、回路基板上に提供されてもよい。回路基板は、撮像印刷回路基板(PCB)であってもよい。PCBは、画像信号を処理するための複数の電子要素を備えてもよい。例えば、CCDセンサのための回路は、A/Dコンバータと、増幅器とを備え、CCDセンサによって提供されるアナログ信号を増幅および変換してもよい。随意に、画像センサは、回路基板が要求され得ないように、増幅器およびコンバータと統合され、アナログ信号をデジタル信号に変換してもよい。ある場合には、画像センサまたは回路基板の出力は、カメラ回路またはカメラのプロセッサによってさらに処理され得る、画像データ(デジタル信号)であってもよい。ある場合には、画像センサは、光学センサのアレイを備えてもよい。
【0213】
ある場合には、検出器モジュール4200は、捕捉された未加工スペックル画像データの前処理を実施してもよい。ある実施形態では、前処理アルゴリズムは、センサ雑音の影響を緩和するための画像平滑化またはピクセル強度値を向上させるための画像ヒストグラム等化等の画像処理アルゴリズムを含むことができる。
【0214】
画像発生モジュール4300は、本明細書に開示される方法と一貫する、1つまたはそれを上回るアルゴリズムを実行し、コントラスト画像またはフローマップを発生させてもよい。いくつかの実施形態では、画像発生モジュール4300は、本明細書に説明される無限インパルス積分アルゴリズム(例えば、空間IIIアルゴリズム、時間IIIアルゴリズム、時空間IIIアルゴリズム)を実装し、レーザスペックルコントラスト画像を発生させる、無限インパルスLSCI発生器4310を備えてもよい。アルゴリズムのうちの1つまたはそれを上回るものが、リアルタイムスペックル画像データに適用され、所望の流体流動情報を生成してもよい。画像発生モジュール4300はまた、無限インパルス積分アルゴリズムと関連付けられる、1つまたはそれを上回るパラメータを決定するために、適応パラメータ選択器4330を備えてもよい。
【0215】
例えば、適応パラメータ選択器4330は、上記に説明されるように、時間IIIアルゴリズムまたは時空間IIIアルゴリズムのための時定数に関する値、空間IIIアルゴリズムまたは時空間IIIアルゴリズムのための空間定数に関する値を決定することが可能であり得る。適応パラメータ選択器4330は、本明細書のいずれかの場所におけるように、ユーザ介入を伴わずに、時定数または空間定数の値を自動的に決定または調節するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、適応パラメータ選択器4330は、ユーザが1つまたはそれを上回るパラメータの値を決定することを可能にする、ユーザインターフェースに動作可能に結合されてもよい。
【0216】
ユーザインターフェースは、ユーザ入力を受信し、出力情報をユーザに表示するように構成されてもよい。ユーザ入力は、レーザスペックルコントラスト画像発生スキームまたは1つまたはそれを上回るパラメータを制御または設定することに関連し得る。例えば、ユーザ入力は、時定数、空間定数の値、レーザスペックルコントラスト画像発生スキームの選択、および同等物を示してもよい。ある場合には、ユーザインターフェースはまた、ユーザが、画像入手パラメータを規定することを可能にしてもよい。例えば、ユーザ入力は、フレームレート、入手/起動毎の光源動作モード、および同等物を示してもよい。
【0217】
ある場合には、ユーザインターフェースは、ユーザが、画像入手の任意の段階において、1つまたはそれを上回るパラメータを調節することを可能にしてもよい。ユーザは、画像入手に先立って、またはその間、パラメータを設定してもよい。ある場合には、レーザスペックルコントラスト画像発生スキームを受信することに応答して、画像発生モジュール4300は、コントラスト画像を生成し、表示のために、コントラスト画像をユーザインターフェースに出力してもよい。ユーザは、出力画像の品質または他の特性を変更するように、レーザスペックルコントラスト画像発生スキームをさらに調節する場合とそうではない場合がある。いくつかの事例では、ユーザは、システム推奨される調節をユーザインターフェース上に提供されてもよい。いくつかの事例では、ユーザは、出力画像をディスプレイ上に可視化することに応じて、1つまたはそれを上回るパラメータを手動で調節してもよい。例えば、ユーザは、リアルタイムコントラスト画像と、システム推奨パラメータ下で達成され得る、推奨される(シミュレートされる)より高い品質画像とを提示されてもよい。ある場合には、リアルタイム出力コントラスト画像またはシミュレートされた画像は、ユーザがレーザスペックルコントラスト画像発生スキームの1つまたはそれを上回るパラメータを調節する間、動的に更新されてもよい。
【0218】
ある場合には、リアルタイムコントラスト画像は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)上にレンダリングされてもよい。GUIは、ディスプレイ上に提供されてもよい。ディスプレイは、タッチスクリーンである場合とそうではない場合がある。ディスプレイは、発光ダイオード(LED)画面、有機発光ダイオード(OLED)画面、液晶ディスプレイ(LCD)画面、血漿画面、または任意の他のタイプの画面であってもよい。ディスプレイは、ソフトウェアアプリケーションを通して(例えば、システム上で実行されるアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して)レンダリングされる、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供するように構成されてもよい。これは、タッチスクリーンモニタ、ジョイスティック、キーボード、および他の双方向デバイス等の種々のデバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ユーザは、ユーザ入力デバイスを使用して、アルゴリズムを選択する、1つまたはそれを上回るパラメータもしくは画像入手スキームを規定することについてのユーザ入力を提供することが可能であり得る。ユーザ入力デバイスは、ボタン、マウス、ジョイスティック、トラックボール、タッチパッド、ペン、画像捕捉デバイス、運動捕捉デバイス、マイクロホン、タッチスクリーン、ハンドヘルド手首ジンバル、外骨格グローブ、または仮想現実システム、拡張現実システム、および同等物等の他のユーザ相互作用システム等の任意のタイプのユーザ双方向構成要素を有することができる。
【0219】
画像発生モジュール4300は、コントローラまたは1つまたはそれを上回るプロセッサとして実装されてもよい。画像発生モジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、または両方の組み合わせ内に実装されてもよい。画像発生モジュールは、検出器モジュール4200、ユーザコンソール(例えば、UIを提供する、ディスプレイデバイス)と通信する、または他の外部デバイスと通信してもよい。通信は、有線通信、無線通信、または両方の組み合わせであってもよい。ある場合には、通信は、無線通信であってもよい。例えば、無線通信は、Wi-Fi、無線通信、Bluetooth(登録商標)、IR通信、または他のタイプの直接通信を含んでもよい。
【0220】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され、説明されているが、そのような実施形態が、実施例としてのみ提供されることが当業者に明白であろう。本発明は、本明細書内に提供される具体的実施例によって限定されることを意図していない。本発明は、前述の本明細書を参照して説明されているが、本明細書の実施形態の説明および例証は、限定的意味で解釈されることを意味していない。多数の変動、変更、および代用が、ここで、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。さらに、本発明の全ての側面が、種々の条件および変数に依存する、本明細書に記載される具体的描写、構成、または相対的割合に限定されないことを理解されたい。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替が、本発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。したがって、本発明はまた、任意のそのような代替、修正、変動、または均等物を網羅することとすることが想定される。以下の請求項は、本発明の範囲を定義し、これらの請求項の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物が、それによって網羅されることを意図している。
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【国際調査報告】