(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-06
(54)【発明の名称】ラピダスバニオン修復法のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/17 20060101AFI20230330BHJP
A61B 17/54 20060101ALI20230330BHJP
A61B 17/15 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
A61B17/17
A61B17/54
A61B17/15
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549670
(86)(22)【出願日】2021-02-17
(85)【翻訳文提出日】2022-09-09
(86)【国際出願番号】 US2021018398
(87)【国際公開番号】W WO2021167992
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516183819
【氏名又は名称】クロスローズ エクストリミティ システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】セイガー・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ホリス・マイケル・チャド
(72)【発明者】
【氏名】スクワイヤーズ・クレイグ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL01
4C160LL07
4C160LL12
4C160LL70
(57)【要約】
ラピダスバニオン切除処置を行うためのシステム、デバイス及び方法が開示される。方法は、中足骨ピンを第1の足根中足(TMT)関節に対して第1の所定の間隔で第1の中足骨に挿入することと、第1のTMT関節に近接する第1の中足骨及び第1の楔状骨の基部を切断することによって第1のTMT関節を切除することと、楔状骨ピンを第1のTMT関節に対して第2の所定の間隔で第1の楔状骨に挿入することと、第1の中足骨の切断面が第1の楔状骨の切断面に接触するように、コンプレッサブロックを使用して第1のTMT関節を圧迫することと、骨プレート及び複数の骨ねじを使用して第1のTMT関節を固定することと、を含む。複数の骨ねじのうちの少なくとも1つは、骨プレートに対して90度未満の角度で延在するクロスねじであり得、バニオンの再発を防止するために、摘除された第1のTMT関節を第2の中足骨又は第2の楔状骨に固定し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バニオン補正キットであって、
切断ガイドであって、
本体と、
前記本体を通って平行に延在し、第1の距離で離間された複数の第1のピン孔と、
前記第1のピン孔に平行に前記本体を通って延在する複数の第2のピン孔であって、前記複数の第2のピン孔が、前記第1の距離で離間されている、複数の第2のピン孔と、
近位ピン孔と遠位ピン孔との間で前記本体から延在する関節探索パドルと、
前記関節探索パドルと前記第1のピン孔との間で前記関節探索パドルに平行に前記本体を通って延在するスロットであって、前記スロットは、前記関節探索パドルが足根中足(TMT)関節内に少なくとも部分的に配設されるときに第1の中足骨又は第1の楔状骨の基部の切断をガイドするように構成されている、スロットと、を備える、切断ガイドと、
内側フック及び外側フックを備えるリニアレデューサであって、前記内側フックと前記外側フックとの間の間隔が、前記内側フックが前記第1の中足骨の内側に対して着座され、かつ前記外側フックが第2の中足骨の外側に対して着座されるときに、横断面補正を実施するように調整可能である、リニアレデューサと、
ハンドル部分及び係合部分を備える制御ハンドルであって、前記係合部分が、前記第1の距離で離間されたピン開口部を備える、制御ハンドルと、
コンプレッサブロックであって、
上面及び底面を有する本体と、
前記上面及び前記底面に対して90度未満の第1の角度で、前記本体を通って、前記上面から前記底面まで延在する複数の近位ピン孔と、
前記上面及び前記底面に対して、前記第1の角度で、前記本体を通って、前記上面から前記底面まで延在する、複数の遠位ピン孔であって、前記遠位ピン孔は、前記近位ピン孔及び前記遠位ピン孔が前記上面に対して前記底面においてより密接して離間されるように、前記近位ピン孔に対して収束している、複数の遠位ピン孔と、を備える、コンプレッサブロックと、を備える、バニオン補正キット。
【請求項2】
再切断ガイドを更に備え、前記再切断ガイドが、
本体と、
前記本体を通って延在し、前記第1の距離で離間された複数のピン孔と、
前記本体から延在する関節探索パドルと、
前記関節探索パドルと前記ピン孔との間で前記関節探索パドルに平行に前記本体を通って延在するスロットであって、前記再切断ガイドの前記スロットが、前記切断ガイドの前記スロットと前記切断ガイドの前記第1のピン孔との間の対応する距離と比較して、前記再切断ガイドの前記ピン孔により近い、スロットと、を備える、請求項1に記載のバニオン補正キット。
【請求項3】
前記コンプレッサブロックが、前頭面再位置合わせガイドとして構成され、前記複数の近位ピン孔のうちの少なくとも2つが、前記複数の遠位ピン孔のうちの少なくとも2つに対して角度変位されている、請求項1に記載のバニオン補正キット。
【請求項4】
1つ以上の骨ねじと、前記1つ以上の骨ねじを受容するように構成された骨プレートと、を更に備え、前記骨プレートが、前記骨プレートに対して90度未満の角度で延在するクロスねじとして、前記1つ以上の骨ねじのうちの少なくとも1つを受容するように構成されている、請求項1に記載のバニオン補正キット。
【請求項5】
第1の中足骨の横断面位置合わせを調整するように構成されたリニアレデューサであって、前記リニアレデューサが、
近位端及び遠位端を有する、シャフトと、
前記遠位端において前記シャフトに結合された内側フックであって、前記内側フックの少なくとも一部分が、第1の中足骨の内側に対して着座するように形状設定された凹状湾曲面を備える、内側フックと、
前記近位端と前記遠位端との間の中間位置において前記シャフトに摺動可能に結合された外側フックであって、前記内側フックの少なくとも一部分が、前記内側フックが前記第1の中足骨の前記内側に対して着座される間に第2の中足骨の外側に対して着座するように形状設定された凹状湾曲面を備える、外側フックと、
前記外側フックの近位側に隣接する前記シャフトに結合されたハンドルであって、前記内側フックが前記第1の中足骨の内側に対して着座され、かつ前記外側フックが前記第2の中足骨の外側に対して着座されるときに、横断面補正を実施するために、前記外側フックを前記内側フックに対して移動させるように、前記ハンドルの直線位置が前記シャフトに沿って調整可能である、ハンドルと、を備える、リニアレデューサ。
【請求項6】
前記シャフトが、ねじ付き外面を備え、前記ハンドルは、前記ハンドルの前記直線位置が、前記ハンドルを前記シャフトを中心にねじることによって調整可能であるように、前記ハンドルを通って延在し、かつ前記シャフトの前記ねじ付き外面と係合する、ねじ付き開口部を備える、請求項5に記載のリニアレデューサ。
【請求項7】
前記内側フックが、1つ以上の開口部を備え、前記1つ以上の開口部が、それを通って前記第1の中足骨内に延在するピンを収容するように前記凹状湾曲面を通って延在している、請求項5に記載のリニアレデューサ。
【請求項8】
前記内側フックが、係止位置から係止解除位置に移動可能なクイックリリースカップリングによって前記シャフトに結合され、前記係止解除位置において、前記内側フックが、前記シャフトの長手方向軸に沿って摺動可能である、請求項7に記載のリニアレデューサ。
【請求項9】
前記内側フック及び前記外側フックのうちの少なくとも一方が、放射線透過性材料を含む、請求項7に記載のリニアレデューサ。
【請求項10】
前記放射線透過性材料が、炭素繊維を含む、請求項9に記載のリニアレデューサ。
【請求項11】
バニオン補正処置において、第1の中足骨及び第1の楔状骨の切断をガイドするように構成された切断ガイドであって、前記切断ガイドが、
前記切断ガイドの長手方向軸に沿って、第1の端部及び前記第1の端部と反対側の第2の端部を備える、本体と、
前記第1の端部に近接して前記本体を通って平行に延在する複数の第1のピン孔であって、前記第1のピン孔が所定の間隔で前記長手方向軸に沿って離間されている、複数の第1のピン孔と、
前記第2の端部に近接して前記本体を通って延在し、前記第1のピン孔に平行である複数の第2のピン孔であって、前記第2のピン孔が、前記所定の間隔で前記長手方向軸に沿って離間されている、複数の第2のピン孔と、
前記第1のピン孔と前記第2のピン孔との間で第1の中間位置において前記長手方向軸に垂直に前記本体を通って延在する切断スロットであって、前記切断スロットが、それを通して挿入される鋸ブレードによる骨の切断をガイドするようにサイズ設定及び形状設定されている、切断スロットと、
関節探索パドルであって、前記切断スロットが前記第1の中足骨の基部の切断をガイドする中足骨切断配向、又は前記切断スロットが前記第1の楔状骨の基部の切断をガイドする楔状骨切断配向のいずれかにおいて、前記関節探索パドルが第1の足根中足(TMT)関節内に着座された状態で、前記切断ガイドが前記第1のTMT関節にわたって配置され得るように、前記切断スロットと前記第2のピン孔との間の第2の中間位置において、前記長手方向軸に対して垂直に前記本体の骨対向面から延在する、関節検索パドルと、を備える、切断ガイド。
【請求項12】
前記切断スロットに垂直に前記本体を通って延在し、かつ前記切断スロットと交差する、1つ以上の長手方向開口部を更に備える、請求項11に記載の切断ガイド。
【請求項13】
前記切断ガイドが、第2の切断スロットを含まない、請求項11に記載の切断ガイド。
【請求項14】
前記長手方向軸に対して横方向に変位した位置において、前記本体を通って延在する、1つ以上の収束ピン孔を更に備え、各収束ピン孔が、前記長手方向軸から第1の距離で、前記骨対向面と交わり、前記長手方向軸から第2の距離で、前記骨対向面の反対側の前記本体の上面と交わり、前記第2の距離が、前記第1の距離よりも大きい、請求項11に記載の切断ガイド。
【請求項15】
前記切断スロットが、第1の幅を有する中間セクションと、前記中間セクションの両端における末端セクションと、を備え、前記末端セクションが、前記第1の幅よりも大きい第2の幅を有する、請求項11に記載の切断ガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年2月19日に出願され、「SYSTEMS AND METHODS FOR LAPIDUS REPAIR OF BUNIONS」と題する米国仮特許出願第62/978,683号、2020年5月1日に出願され、「SYSTEMS AND METHODS FOR LAPIDUS REPAIR OF BUNIONS」と題する米国仮特許出願第63/018,793号、及び2020年12月14日に出願され、「SYSTEMS AND METHODS FOR LAPIDUS REPAIR OF BUNIONS」と題する米国仮特許出願第63/125,272号の利益を主張し、これらの全ては、全ての目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、医療デバイスに関し、より具体的には、ラピダスバニオン切除技術を使用してバニオンを修復するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
バニオンは、典型的には、母趾が傾くことから始まる進行性障害であり、骨の角度を徐々に変化させ、中足骨と基節骨との関節付近の中足骨の内側に特徴部的な瘤を生じさせることがある。具体的には、バニオンは、骨質からなる隆起であり、時には炎症した滑液包である。外反母趾は、母趾が正常な位置から第2趾の方向にずれている状態である。
【0004】
バニオン補正又は修復は、米国において毎年100,000件を超える処置が行われる一般的な処置である。バニオン補正のためのラピダスバニオン切除処置では、第1の足根中足関節は、関節の更なる移動を防止するために、関節の変形を補正するように癒合される。しかしながら、既存のラピダスバニオン切除技術は、所望の精度で行うことが困難であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に記載される例示的な実施形態は、革新的な特徴部を有し、そのうちのいずれも、それらの望ましい属性に不可欠ではなく、又はそれらの望ましい属性を単独で担うものではない。特許請求の範囲を限定することなく、有利な特徴部のいくつかをここで要約する。
【0006】
第1の態様では、バニオンを補正する方法は、複数の中足骨ピンを第1の足根中足(Tarsometatarsal、TMT)関節に対して第1の所定の間隔で足の第1の中足骨に挿入することと、足の第1のTMT関節を切除することと、複数の楔状骨ピンを第1のTMT関節に対して第2の所定の間隔で第1の楔状骨に挿入することと、第1の中足骨の切断面が第1の楔状骨の切断面に接触するように、コンプレッサブロックを使用して第1のTMT関節を圧迫することと、第1のTMT関節を固定することと、を含む。切除することは、第1のTMT関節に近接する第1の中足骨の基部を切断することと、第1のTMT関節に近接する足の第1の楔状骨の基部を切断することと、を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1のTMT関節は、骨プレート及び複数の骨ねじを使用して固定され、複数の骨ねじのうちの少なくとも1つは、骨プレートに対して90度未満の角度で延在するクロスねじである。いくつかの実施形態では、クロスねじは、骨プレート、第1の中足骨、及び足の第2の中足骨又は足の第2の楔状骨の少なくとも一部分を通って延在している。
【0008】
いくつかの実施形態では、本方法は、ステープルの第1の脚部が第1の楔状骨内に着座され、ステープルの第2の脚部が第1の中足骨内に着座されるように、骨プレートを通してステープルを配置することを更に含む。いくつかの実施形態では、骨プレートは、ステープルの第2の脚部がクロスねじの配置を妨げないように、クロスねじの配置をガイドするように形状設定されたクロスねじ開口部を備える。
【0009】
いくつかの実施形態では、複数の中足骨ピンは、第1のTMT関節を切除する前に挿入される。
【0010】
いくつかの実施形態において、複数の楔状骨ピンは、第1の楔状骨の基部を切断する前に挿入される。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数の中足骨ピン及び複数の楔状骨ピンを挿入する前に、第1のTMT関節の背側にわたって切断ガイドを配置することを更に含む。切断ガイドは、本体と、本体を通って平行に延在する複数の近位ピン孔と、近位ピン孔に平行に本体を通って延在する複数の遠位ピン孔と、関節検索パドルであって、関節探索パドルが第1のTMT関節内に少なくとも部分的に配設されたときに、遠位ピン孔が、第1のTMT関節に対して第1の所定の間隔を画定し、近位ピン孔が、第1のTMT関節に対して第2の所定の間隔を画定するように、近位ピン孔と遠位ピン孔との間で本体から下方に延在する、関節探索パドルと、を備え得る。いくつかの実施形態では、切断ガイドは、本体を通って延在する近位スロットと、近位スロットに対して関節探索パドルの反対側で本体を通って延在する遠位スロットとを更に備え、遠位スロットは、第1の中足骨の基部を切断するための切断面を画定し、近位スロットは、第1の楔状骨の基部を切断するための切断面を画定する。
【0012】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1のTMT関節を圧迫する前に、複数の中足骨ピンに結合された制御ハンドルを使用して、足の前頭面内で第1の中足骨の位置合わせを調整することと、第1の中足骨の内側に配設された内側フック及び足の第2の中足骨の外側に配設された外側フックを備えるリニアレデューサを使用して足の横断面内で第1の中足骨の位置合わせを調整することであって、外側フックは、内側フックに対して調整可能な間隔を有する、調整することと、を更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、横断面内の第1の中足骨の位置合わせを調整する前に、第1の中足骨を内側フックに対して回転可能に固定するために、内側フックピンを内側フックの開口部を通して第1の中足骨に挿入することを更に含む。いくつかの実施形態では、内側フック及び外側フックのうちの少なくとも一方は、放射線透過性材料を含む。いくつかの実施形態では、制御ハンドルは、ハンドル部分及び係合部分を備え、係合部分は、中足骨ピン間の距離と同じ間隔で離間された複数のピン開口部を備える。いくつかの実施形態では、前頭面内の第1の中足骨の位置合わせを調整することは、係合部分が第1の中足骨に近接するように、中足骨ピン上でピン開口部を摺動させることと、制御ハンドルにトルクを印加することによって、第1の中足骨の長手方向軸を中心に第1の中足骨を回転させることと、を含む。いくつかの実施形態では、横断面内で第1の中足骨の位置合わせを調整することは、第1の中足骨の遠位端を第2の中足骨に近づけるために、外側フックと内側フックとの間の調整可能な間隔を低減させることを含む。いくつかの実施形態では、第1の中足骨の横断面位置合わせは、第1の中足骨がリニアレデューサの内側フックに対して回転可能に固定されている間に調整される。いくつかの実施形態では、複数の楔状骨ピンは、前頭面及び横断面における第1の中足骨の位置合わせを調整した後に挿入される。
【0013】
いくつかの実施形態では、コンプレッサブロックは、上面及び底面を備える本体と、上面及び底面に対して90度未満の第1の角度で本体を通って上面から底面まで延在する複数の近位ピン孔と、複数の遠位ピン孔であって、近位ピン孔及び遠因ピン孔が上面に対して底面においてより密接して離間されるように、上面及び底面に対して第1の角度で本体を通って上面から底面まで延在する、複数の遠位ピン孔と、を備える。いくつかの実施形態において、第1のTMT関節を圧迫することは、楔状骨ピンを底面の近位ピン孔に挿入することと、中足骨ピンを底面の遠位ピン孔に挿入することと、コンプレッサブロックを楔状骨ピン及び中足骨ピンに沿って第1のTMT関節に向かって摺動させることと、を含む。いくつかの実施形態では、コンプレッサブロックは、それを通って延在する少なくとも1つのクロスピン孔を更に備え、少なくとも1つのクロスピン孔の各々は、コンプレッサブロックが楔状骨ピン及び中足骨ピン上で第1のTMT関節に近接して位置合わせされたときに、第1のTMT関節を斜めに通過する直線経路を画定する。いくつかの実施形態では、本方法は、第1のTMT関節を圧迫した後、第1のTMT関節を一時的に固定するために、少なくとも1つのクロスピン孔を通してクロスピンを挿入することと、楔状骨ピン及び中足骨ピンを足から取り外すことと、コンプレッサブロックをクロスピンに沿って第1のTMT関節から離れるように摺動させることによって、コンプレッサブロックを取り外すことと、を更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第1のTMT関節を少なくとも部分的に固定した後、クロスピンを取り外すことを更に含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数の中足骨ピン及び複数の楔状骨ピンを挿入する前に、第1のTMT関節の背側にわたって可逆切断ガイドを配置することを更に含み、可逆切断ガイドは、本体と、本体を通って平行に延在する複数の第1のピン孔と、近位ピン孔に平行に本体を通って延在する複数の第2のピン孔と、関節探索パドルであって、関節探索パドルが第1のTMT関節内に少なくとも部分的に配設されるとき、第1のピン孔が第1のTMT関節に対して第1の所定の間隔を画定するように、近位ピン孔と遠位ピン孔との間で本体から下方に延在する、関節探索パドルと、スロットであって、スロットが第1の中足骨の基部又は第1の楔状骨の基部を切断するための切断面を画定するように、関節探索パドルの平面に平行に本体を通って延在する、スロットと、を備える。いくつかの実施形態では、第1の中足骨の基部及び第1の楔状骨の基部は、スロットを通って切断され、本方法は、第1の中足骨の基部を切断した後、かつ第1の楔状骨の基部を切断する前に、第1のTMT関節から可逆切断ガイドを取り外すことと、スロットが第1の粘膜の基部を切断するための切断面を画定するように、逆配向に第1のTMT関節の背側にわたって可逆切断ガイドを配置することと、を更に含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1のTMT関節を固定する前に、追加の組織を除去するために、第1の中足骨又は第1の楔状骨の基部を再切断することを更に含む。いくつかの実施形態では、再切断することは、中足骨ピン又は楔状骨ピン上に配設された再切断ガイドを使用して行われ、再切断ガイドは、第1のTMT関節の切除に使用される切断ガイドによって画定される所定の間隔よりも小さい所定の再切断間隔を画定する。
【0016】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1のTMT関節を固定する前に、第1の中足骨の前頭面内での追加の回転を含む前頭面再位置合わせを行うことを更に含む。いくつかの実施形態では、前頭面再位置合わせは、第1のTMT関節の圧迫と同時に行われ、コンプレッサブロックは、コンプレッサブロックを配置することが第1のTMT関節を圧迫し、追加の回転を維持するように、角度変位したピン孔を含む再位置合わせガイドとして構成されている。いくつかの実施形態では、前頭面再位置合わせは、第1のTMT関節を圧迫する前に行われ、前面再位置合わせは、再位置合わせガイドを通して、第1のTMT関節に対して第1の所定の間隔で複数の交換中足骨ピンを挿入することであって、交換中足骨ピンが、中足骨ピンに対して角度変位される、挿入することと、第1のTMT関節を圧迫する前に、交換中足骨ピンを楔状骨ピンと直線的に位置合わせすることと、を含む。
【0017】
第2の態様では、バニオンを補正する方法は、切断ガイドを足の第1の足根中足(tarsometatarsal、TMT)関節の背側にわたって配置することであって、それにより、切断ガイドの複数の第1のピン孔が足の第1の中足骨に近接して配設され、切断ガイドの複数の第2のピン孔が足の第1の楔状骨に近接して配設され、切断ガイドの関節探索パドルが少なくとも部分的に第1のTMT関節内に配設される、配置することと、複数の中足骨ピンを第1のピン孔を通して第1の中足骨に挿入することと、第1のピン孔と関節探索パドルとの間で切断ガイドを通って延在するスロットを通って第1のTMT関節に近接する第1の中足骨の基部を切断することと、切断ガイドを足から取り外すことと、中足骨ピンが第2のピン孔を通って延在する逆の構成で、第1のTMT関節の背側にわたって切断ガイドを置き換えることと、足の前頭面及び横断面のうちの少なくとも一方内の第1の中足骨の位置合わせを調整することと、複数の楔状骨ピンを第1のピン孔を通って第1の楔状骨内に挿入することと、スロットを通って第1のTMT関節に近接して第1の楔状骨の基部を切断することと、第1の中足骨の切断面が第1の楔状骨の切断面に接触するように、コンプレッサブロックを使用して第1のTMT関節を圧迫することと、第1のTMT関節を固定することと、を含む。
【0018】
第3の態様では、バニオン補正キットは、切断ガイド、リニアレデューサ、制御ハンドル、及びコンプレッサブロックを備える。切断ガイドは、本体と、本体を通って平行に延在し、第1の距離で離間された複数の第1のピン孔と、第1の距離で平行に本体を通って延在する複数の第2のピン孔であって、複数の第2のピン孔が第1の距離で離間されている、複数の第2のピン孔と、近位ピン孔と遠位ピン孔との間で本体から延在する関節探索パドルと、関節探索パドルと第1のピン孔との間で関節検索パドルに平行に本体を通って延在するスロットであって、スロットは、関節検索パドルが足根中足(TMT)関節内に少なくとも部分的に配設されるときに第1の中足骨又は第1の楔状骨の基部の切断をガイドするように構成されている、スロットと、を備える。リニアレデューサは、内側フック及び外側フックを備え、内側フックと外側フックとの間の間隔は、内側フックが第1の中足骨の内側に対して着座され、外側フックが第2の中足骨の外側に対して着座されるときに、横断面補正を実施するように調整可能である。制御ハンドルは、ハンドル部分及び係合部分を備え、係合部分は、第1の距離で離間されたピン開口部を備える。コンプレッサブロックは、上面及び底面を有する本体と、上面及び底面に対して90度未満の第1の角度で本体を通って上面から底面まで延在する複数の近位ピン孔と、上面及び底面に対して第1の角度で本体を通って上面から底面まで延在する複数の遠位ピン孔であって、遠位ピン孔は、近位ピン孔及び遠位ピン孔が上面に対して底面においてより密接して離間されるように、近位ピン孔に対して収束している、複数の遠位ピン孔と、を備える。
【0019】
いくつかの実施形態では、バニオン補正キットは、再切断ガイドを更に含み、再切断ガイドは、本体と、本体を通って延在し、第1の距離で離間された複数のピン孔と、本体から延在する関節探索パドルと、関節探索パドルとピン孔との間で関節探索パドルに平行に本体を通って延在するスロットであって、再切断ガイドのスロットが、切断ガイドのスロットと切断ガイドの第1のピン孔との間の対応する距離と比較して再切断ガイドのピン孔により近い、スロットと、を備える。
【0020】
いくつかの実施形態では、コンプレッサブロックは、前頭面再位置合わせガイドとして構成され、複数の近位ピン孔のうちの少なくとも2つは、複数の遠位ピン孔のうちの少なくとも2つに対して角度変位されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、バニオン補正キットは、1つ以上の骨ねじ及び1つ以上の骨ねじを受容するように構成された骨プレートを更に備え、骨プレートは、骨プレートに対して90度未満の角度で延在するクロスねじとして1つ以上の骨ねじのうちの少なくとも1つを受容するように構成されている。
【0022】
第4の態様では、第1の中足骨の横断面位置合わせを調整するように構成されたリニアレデューサは、近位端及び遠位端を有するシャフトと、遠位端においてシャフトに結合された内側フックであって、内側フックの少なくとも一部分が、第1の中足骨の内側に対して着座するように形状設定された凹状湾曲面を備える、内側フックと、近位端と遠位端との間の中間位置においてシャフトに摺動可能に結合された外側フックであって、内側フックの少なくとも一部分が、内側フックが第1の中足骨の内側に対して着座される間に第2の中足骨の外側に対して着座するように形状設定された凹状湾曲面を備える、外側フックと、外側フックの近位側に隣接するシャフトに結合されたハンドルであって、内側フックが第1の中足骨の内側に対して着座され、外側フックが第2の中足骨の外側に対して着座されるときに、横断面補正を実施するために、外側フックを内側フックに対して移動させるように、ハンドルの直線位置がシャフトに沿って調整可能である、ハンドルと、を備える。
【0023】
いくつかの実施形態では、シャフトは、ねじ付き外面を備え、ハンドルは、ハンドルの直線位置が、シャフトを中心に、ハンドルをねじることによって調整可能であるように、ハンドルを通って延在し、シャフトのねじ付き外面と係合するねじ付き開口部を備える。
【0024】
いくつかの実施形態では、内側フックは、1つ以上の開口部を備え、1つ以上の開口部が、それを通って第1の中足骨に延在するピンを収容するように、凹状湾曲面を通って延在している。いくつかの実施形態では、内側フックは、係止位置から係止解除位置に移動可能なクイックリリースカップリングによってシャフトに結合され、係止解除位置において、内側フックは、シャフトの長手方向軸に沿って摺動可能である。いくつかの実施形態では、内側フック及び外側フックのうちの少なくとも一方は、放射線透過性材料を含む。いくつかの実施形態では、放射線透過性材料は炭素繊維を含む。
【0025】
第5の態様では、バニオン補正処置において第1の中足骨及び第1の楔状骨の切断をガイドするように構成された切断ガイドは、切断ガイドの長手方向軸に沿って、第1の端部及び第1の端部と反対側の第2の端部を備える本体と、第1の端部に近接して本体を通って平行に延在する複数の第1のピン孔であって、第1のピン孔が所定の間隔で長手方向軸に沿って離間されている、複数の第1のピン孔と、第2の端部に近接して本体を通って延在し、第1のピン孔に平行である複数の第2のピン孔であって、第2のピン孔が、所定の間隔で長手方向軸に沿って離間されている、複数の第2のピン孔と、第1のピン孔と第2のピン孔との間で第1の中間位置において長手方向軸に垂直に本体を通って延在する切断スロットであって、切断スロットが、それを通して挿入される鋸ブレードによる骨の切断をガイドするようにサイズ設定及び形状設定されている、切断スロットと、関節探索パドルであって、第1の中足骨の基部を切断する中足骨切断配向又は切断スロットが第1の楔状骨の基部を切断する楔状骨切断配向のいずれかにおいて、関節探索パドルが第1の足根中足(TMT)関節内に着座された状態で、切断スロットが第1のTMT関節にわたって配置され得るように、切断スロットと第2のピン孔との間の第2の中間位置において長手方向軸に対して垂直に本体の骨対向面から延在する、関節検索パドルと、を備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、切断ガイドは、切断スロットに垂直に本体を通って延在し、切断スロットと交差する1つ以上の長手方向開口部を更に備える。
【0027】
いくつかの実施形態では、切断ガイドは、第2の切断スロットを含まない。
【0028】
いくつかの実施形態では、切断ガイドは、長手方向軸に対して横方向に変位された位置において本体を通って延在する1つ以上の収束ピン孔を更に備え、各収束ピン孔は、長手方向軸から第1の距離で、骨対向面と交わり、長手方向軸から第2の距離で、骨対向面の反対側の本体の上面と交わり、第2の距離は、第1の距離よりも大きい。
【0029】
いくつかの実施形態では、切断スロットは、第1の幅を有する中間セクションと、中間セクションの両端における末端セクションを備え、末端セクションは、第1の幅よりも大きい第2の幅を有する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本明細書で提供される実施形態の態様及び利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照して説明される。図面の全体を通して、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために再利用され得る。図面は、本明細書に記載される例示的な実施形態を例解するために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図2A】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な切断ガイドを描写する。
【
図2B】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な切断ガイドを描写する。
【
図2C】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な切断ガイドを描写する。
【
図2D】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な切断ガイドを描写する。
【
図2E】
図2A~
図2Dの切断ガイドが存在しない場合にピンの挿入を配向させるための例示的なフリーハンドピンガイドを描写する。
【
図2F】
図2A~
図2Dの切断ガイドが存在しない場合にピンの挿入を配向させるための例示的なフリーハンドピンガイドを描写する。
【
図2G】
図2A~
図2Dの切断ガイドが存在しない場合にピンの挿入を配向させるための例示的なフリーハンドピンガイドを描写する。
【
図2H】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な切断ガイドを描写する。
【
図2I】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な切断ガイドを描写する。
【
図2J】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な切断ガイドを描写する。
【
図2K】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な切断ガイドを描写する。
【
図2L】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な切断ガイドを描写する。
【
図2M】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な切断ガイドを描写する。
【
図2N】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な切断ガイドを描写する。
【
図3A】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的なリニアレデューサを描写する。
【
図3B】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的なリニアレデューサを描写する。
【
図3C】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的なリニアレデューサを描写する。
【
図3D】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的なリニアレデューサを描写する。
【
図3E】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的なリニアレデューサを描写する。
【
図3F】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的なリニアレデューサを描写する。
【
図3G】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的なリニアレデューサを描写する。
【
図3H】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的なリニアレデューサを描写する。
【
図4A】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な制御ハンドルを描写する。
【
図4B】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な制御ハンドルを描写する。
【
図5A】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的なコンプレッサブロックを描写する。
【
図5B】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的なコンプレッサブロックを描写する。
【
図5C】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的なコンプレッサブロックを描写する。
【
図5D】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的なコンプレッサブロックを描写する。
【
図6A】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な骨プレート及びクロスねじを描写する。
【
図6B】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な骨プレート及びクロスねじを描写する。
【
図6C】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な骨プレート及びクロスねじを描写する。
【
図6D】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な骨プレート及びクロスねじを描写する。
【
図6E】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な骨プレート及びクロスねじを描写する。
【
図6F】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な骨プレート及びクロスねじを描写する。
【
図6G】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な骨プレート及びクロスねじを描写する。
【
図7A】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な角度固定クロスねじドリルガイドを描写する。
【
図7B】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な角度固定クロスねじドリルガイドを描写する。
【
図7C】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な角度固定クロスねじドリルガイドを描写する。
【
図7D】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な角度可変クロスねじドリルガイドを描写する。
【
図7E】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な角度可変クロスねじドリルガイドを描写する。
【
図7F】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な角度可変クロスねじドリルガイドを描写する。
【
図8】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図9】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図10】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図11】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図12】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図13】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図14】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図15】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図16】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図17】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図18】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図19】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図20】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図21】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図22】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図23】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図24】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置を順次例解する。
【
図25】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置の一部分を順次例解する。
【
図26】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置の一部分を順次例解する。
【
図27】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置の一部分を順次例解する。
【
図28】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置の一部分を順次例解する。
【
図29】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置の一部分を順次例解する。
【
図30A】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための再切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な切断ガイドを描写する。
【
図30B】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための再切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な切断ガイドを描写する。
【
図30C】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための再切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な切断ガイドを描写する。
【
図31A】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置における前頭面調整のためのピンガイドとして構成された例示的な再位置合わせガイドを描写する。
【
図31B】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置における前頭面調整のためのピンガイドとして構成された例示的な再位置合わせガイドを描写する。
【
図31C】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置における前頭面調整のためのピンガイドとして構成された例示的な再位置合わせガイドを描写する。
【
図32A】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置における前頭面調整のためのピンガイドとして構成された例示的な再位置合わせガイドを描写する。
【
図32B】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置における前頭面調整のためのピンガイドとして構成された例示的な再位置合わせガイドを描写する。
【
図32C】本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置における前頭面調整のためのピンガイドとして構成された例示的な再位置合わせガイドを描写する。
【
図33】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置の再切断部分を順次例解する。
【
図34】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置の再切断部分を順次例解する。
【
図35】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置の再切断部分を順次例解する。
【
図36】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用する、例示的なラピダスバニオン切除処置の前頭面再位置合わせ部分を順次例解する。
【
図37】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用する、例示的なラピダスバニオン切除処置の前頭面再位置合わせ部分を順次例解する。
【
図38】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用する、例示的なラピダスバニオン切除処置の前頭面再位置合わせ部分を順次例解する。
【
図39】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用する、例示的なラピダスバニオン切除処置の前頭面再位置合わせ部分を順次例解する。
【
図40】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用する、例示的なラピダスバニオン切除処置の前頭面再位置合わせ部分を順次例解する。
【
図41】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用する、例示的なラピダスバニオン切除処置の前頭面再位置合わせ部分を順次例解する。
【
図42】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用する、例示的なラピダスバニオン切除処置の前頭面再位置合わせ部分を順次例解する。
【
図43】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用する、例示的なラピダスバニオン切除処置の前頭面再位置合わせ部分を順次例解する。
【
図44】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用する、例示的なラピダスバニオン切除処置の前頭面再位置合わせ部分を順次例解する。
【
図45】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用する、例示的なラピダスバニオン切除処置の前頭面再位置合わせ部分を順次例解する。
【
図46】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用する、例示的なラピダスバニオン切除処置の前頭面再位置合わせ部分を順次例解する。
【
図47】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用する、例示的なラピダスバニオン切除処置の前頭面再位置合わせ部分を順次例解する。
【
図48】足の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用する、例示的なラピダスバニオン切除処置の前頭面再位置合わせ部分を順次例解する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の説明は、本開示の革新的な態様を記載する目的のためにある特定の実装形態を対象にしている。しかしながら、当業者は、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用され得ることを容易に認識するであろう。
【0032】
概して、本明細書に記載のシステム、デバイス、及び方法は、望ましい精度でラピダスバニオン切除術を行うために使用され得る改善された方法及びツールを提供する。本明細書に記載されるツール及び/又は構成要素の一部又は全ては、キットで提供され得、バニオン切除処置時に選択され、位置決めされ、固定され、及び/又は使用され得る複数の任意選択的かつ/又は交換可能な構成要素を含むことができる。そのため、本明細書に開示されるラピダスバニオン切除術システム、デバイス、及び方法は、外科医が、従来のデバイス及び処置で可能であるよりも、より効果的、効率的、及び/又は正確に、バニオン切除術を行うことを可能にし得る。
【0033】
本明細書に記載される実施形態は、いくつかの異なる材料又は材料の組み合わせから製造することができる。ニチノール、ステンレス鋼、チタン、及び/又は他の材料は、本明細書に記載されるある特定の構成要素にとって望ましい材料特性を有し得る。ステンレス鋼及び/又はチタンは、形状記憶又は超弾性を有し得ないが、複数の構成を達成するための機械的操作から享受し得る実施形態の機械的特性を有し得る。PEEK又は他のポリマーなどの更に他の材料もまた、本明細書に記載される実施形態に有益な材料特性を有し得る。材料の組み合わせもまた、好ましい場合がある。例えば、ニチノールとチタンの組み合わせ(例えば、チタンねじを有するニチノールプレート)は、いくつかの実施形態のために選択される材料であり得る。当業者は、現在の技術に適用可能な典型的な材料及び材料の組み合わせを認識している。
【0034】
図1は、バニオン、これは外反母趾としても知られているが、を有する足10の骨の斜視図である。足10は、第1の中足骨20を含み、第1の中足骨20は、その近位端において、第1の足根中足(TMT)関節40における第1の楔状骨30(内側楔状骨としても知られる)と関節接合する。第1の中足骨20の遠位端は、母趾の指骨50と関節接合する。中足骨間角度は、解剖学的横断面において、第2の中足骨に対する1つの中足骨の軸との間の角度として画定される。回転は、解剖学的前頭面における中足骨の軸を中心とした軸方向回転として画定される。
図1に示されるバニオンは、第1のTMT関節40における第1の中足骨20の中足骨間角度及び/又は回転の増加を特徴部とし、その結果、第1の中足骨20は、足10の残りの部分から離れて、又は内側に延在している。バニオンが存在する場合、母趾の指骨50は、典型的には、他の指骨60に向かって内向き、又は横方向に角度付けされ、中足指節関節70における特徴部的な瘤をもたらすが、これは、バニオンの最も顕著な外部指標である。突出した中足指節関節70は更に、バニオンを有する人に不快感、靴の着用の困難性、及び他の不都合を引き起こし得る、膨張した滑液嚢又は骨異常と関連付けられ得る。
【0035】
図2A~
図7Fを参照すると、
図1のTMT関節変形を補正するための改善されたラピダスバニオン切除処置と共に使用するための様々なデバイス及び構成要素が提供されている。以下の説明は、ラピダスバニオン切除処置を参照して行われるが、本明細書に記載される様々なデバイス及び構成要素は、そのような処置に限定されず、当業者によって理解されるように、他の整形外科処置において等しく使用され得ることが理解されよう。
【0036】
図2A~
図2Dは、本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な切断ガイド100を描写している。
図2A及び
図2Bは、それぞれ、切断ガイド100の上部斜視図及び下部斜視図である。
図2Cは、切断ガイド100の上面図である。
図2Dは、
図2Cの線2D-2Dの周囲で取られた切断ガイド100の断面側面図である。切断ガイド100は、単一の一体的に形成された構成要素であり得、金属、プラスチック、又は他の好適な材料を含み得る。
【0037】
切断ガイド100は、概して、本体105、近位延在部110、遠位延在部115、及びパドル120を含む。パドル120は、例えば、関節の周囲の接合包などの軟部組織を除去した後に、TMT関節などの関節内に(例えば、第1の中足骨と第1の楔状骨との間に)着座するようにサイズ設定及び形状設定されている。パドル120の比較的狭い傾斜した末端部分は、パドル120の関節への挿入を容易にし得る。いくつかの実施形態では、ハンドル120は、フレーム105と一体的に形成されている。
【0038】
切断ガイド100の本体105は、遠位スロット125及び近位スロット130を含む。遠位スロット125及び近位スロット130は各々、本体105の全厚を貫通し、関節の各側での正確な鋸切断を容易にするために、鋸ブレード用の位置決めガイドとして役割を果たすようにサイズ設定及び形状設定される。例えば、遠位スロット125は、パドル120が第1のTMT関節内に位置決めされるときに第1の中足骨の基部を切断することを容易にするために、パドル120の遠位平面に対して所定の距離に位置決めされ得る。同様に、近位スロット130は、第1の楔状骨を切断することを容易にするために、パドルの反対側(近位平面)上に位置決めされ得る。遠位スロット125及び近位スロット130は、同一又は類似の形状であり得る(例えば、同じ長さ及び/又は幅を有し得る)ため、中足骨及び楔状骨の切断は、同じ又は同じタイプの鋸ブレードで行うことができる。いくつかの実施形態では、遠位スロット125及び近位スロット130は、互いに及び/若しくはパドル120に対して平行であり得、又はパドル120の平面に対して角度付けされ得る。いくつかの実施形態では、スロット125、130の端部における比較的幅広の末端セクション127は、切断ガイド100を使用するときに鋸ブレードが過度に幅広に切断を行うことを防止するために、切断中に追加のガイドワイヤを配置するために設けられ得る。
【0039】
近位ピン孔112は、切断ガイド100の全厚を貫通して延在している。近位ピン孔112の一方又は両方は、近位延在部110上又は本体105内に配設することができる。近位ピン孔112は各々、切断ガイドを足に一時的に固定するための外科用ピン又はワイヤを収容するようにサイズ設定された実質的に円形の輪郭を有することができる。近位ピン孔112は、2つの近位ピン又はワイヤが、互いに対して、かつ第1の楔状骨が近位スロット130を通って鋸ブレードによって切断される平面に対して、所定の間隔で挿入することができるように、ガイドとしての役割を果たしている。近位ピン孔112は、
図2Dに示されるように、互いに平行に垂直に延在している。
【0040】
遠位ピン孔117は、遠位延在部115の全厚を貫通して延在している。近位ピン孔112と同様に、遠位ピン孔117は各々、切断ガイドを足に一時的に固定するための外科用ピン又はワイヤを収容するようにサイズ設定された実質的に円形の輪郭を有することができ、近位ピン孔112と同じ直径を有し得る。遠位ピン孔117は、2つの遠位ピン又はワイヤが、互いに対して、かつ第1の中足骨が遠位スロット125を通って鋸ブレードによって切断される平面に対して、所定の間隔で挿入することができるように、ガイドとしての役割を果たしている。遠位ピン孔117は、
図2Dに示されるように、互いに平行に、かつ近位ピン孔112に平行に垂直に延在している。近位ピン孔112の軸と交差する平面は、遠位ピン孔117の軸と交差する平面と同一平面上にあり得る。ピン孔の組み合わせは、TMT関節にまたがる孔の直線アレイを形成する。遠位延在部115の底部又は骨対向面は、本体105及び/又は近位延在部110の底部又は骨対向面と同一平面上になくてもよく、これにより、切断ガイド100を骨のより近くに配置することが可能になり、同時に、近位中足骨及び内側楔状骨の骨解剖学的構造を離間することが可能になり得る。更なる詳細が、米国特許第10,292,713号に提供されており、参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
いくつかの実施形態では、切断ガイド100の本体105は、追加の収束ピン孔107及び/又は長手方向開口部109などの1つ以上の追加の開口部を更に含む。収束ピン孔107は、バニオン切除処置中に更なる安定性が所望される場合に、1つ以上の更なるピン又はワイヤを挿入するために利用され得る。長手方向開口部109は、スロット125、130に対して横方向に延在し、バニオン切除処置中に切断ガイドの位置合わせを確認及び/又は監視するために、X線視覚化及び/又は任意の他の好適な外科的撮像処置を容易にする開口部を提供し得る。
【0042】
図2E~
図2Gは、
図2A~
図2Dの切断ガイド100が存在しない場合にピンの挿入を配向させるためのTMT関節にわたるピン孔のアレイを含む例示的なフリーハンドピンガイド150を描写している。いくつかのバニオン切除処置では、切断ガイド100は、例えば、切断ガイド100が関節内に嵌合しない場合、外科医の選好に起因して、又は切断ガイド100を使用して切断するのではなく、フリーハンド関節切断を行わせる任意の他の理由に起因して、使用されない場合がある。フリーハンドピンガイド150は、概して、本体155及びパドル160を備える。近位ピン孔165及び遠位ピン孔170は、本体155の全厚を貫通して延在している。近位ピン孔165は、切断ガイド100の近位ピン孔112と同じ相対間隔を有し得る。同様に、遠位ピン孔170は、切断ガイド100の遠位ピン孔117と同じ相対間隔を有し得る。ハンドル取り付け開口部175は、ねじ付きであり得るが、フリーハンドピンガイド150を配置する際にユーザを補助し得る側部取り付けハンドルを取り付けるために提供される。切断ガイド100の近位ピン孔112及び遠位ピン孔117と同様に、フリーハンドピンガイド150の近位ピン孔165及び遠位ピン孔170は、互いに平行に垂直に延在している。しかしながら、フリーハンドピンガイド150の近位ピン孔165及び遠位ピン孔170のパドル160からの間隔は、切断が行われた後に適用されるフリーハンドピンガイド150を補償するために、切断ガイド100のパドル120に対する近位ピン孔112及び遠位ピン孔117の間隔よりもわずかに小さい。これにより、フリーハンドピンガイド150は、フリーハンド切断に続いて、切断ガイド100が切断を行うために使用されたかのように、第1のTMT関節に対して同じ間隔を有するピン又はワイヤを配置することを可能にする。
【0043】
図2H~
図2Kは、本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための切断ガイド及びピンガイドとして構成された例示的な可逆切断ガイド180を描写している。
図2H及び
図2Iは、それぞれ、切断ガイド180の上部斜視図及び下部斜視図である。
図2Jは、切断ガイド180の上面図である。
図2Kは、
図2Jの線分2K-2Kの周囲で取られた、切断ガイド180の断面側部立面図である。切断ガイド180は、単一の一体的に形成された構成要素であり得、金属、プラスチック、又は他の好適な材料を含み得る。切断ガイド180は、
図2A~
図2Dの切断ガイド100に類似であるが、可逆的であり得、
図2A~
図2Dの近位スロット125及び遠位スロット130ではなく単一のスロット182で構成されている。
【0044】
切断ガイド180は、概して、本体105、第1の延在部184、第2の延在部188、及びパドル120を含む。パドル120は、例えば、関節の周囲の接合包などの軟部組織を除去した後に、TMT関節などの関節内に(例えば、第1の中足骨と第1の楔状骨との間に)着座するようにサイズ設定及び形状設定されている。パドル120の比較的狭い傾斜した末端部分は、パドル120の関節への挿入を容易にし得る。いくつかの実施形態では、パドル120は、本体105と一体的に形成されている。
【0045】
切断ガイド180の本体105は、単一の切断スロット182を含む。スロット182は、本体105の全厚を貫通し、関節の各側で正確な鋸切断を容易にするために、鋸ブレード用の位置決めガイドとして役割を果たすようにサイズ設定及び形状設定されている。例えば、スロット182は、パドル120が第1のTMT関節内に位置決めされると、切断ガイド180の配向に応じて、第1の中足骨又は第1の楔状骨の基部を切断するのを容易にするために、パドル120の隣接する表面の平面に対して所定の距離に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、スロット182は、パドル120に平行であってもよく、又はパドル120の平面に対して角度付けされてもよい。いくつかの実施形態では、切断ガイド180を使用するときに鋸ブレードが過度に広く切断することを防止するために、切断中に追加のガイドワイヤを配置するための、スロット182の端部に比較的広い末端セクション127が設けられ得る。
【0046】
第1のピン孔186は、切断ガイド180の全厚を貫通して延在している。第1のピン孔186の一方又は両方は、第1の延在部184上又は本体105内に配設され得る。第1のピン孔186は各々、切断ガイドを足に一時的に固定するための外科用ピン又はワイヤを収容するようにサイズ設定された実質的に円形の輪郭を有することができる。第1のピン孔186は、2つのピン又はワイヤが互いに対して、かつ第2のピン孔190に対して所定の間隔で挿入することができるようにガイドとして役割を果たす。第1のピン孔186は、
図2Kに示されるように、互いに平行に垂直に延在している。
【0047】
第2のピン孔190は、切断ガイド180の全厚を貫通して延在している。第1のピン孔186と同様に、第2のピン孔190は各々、切断ガイド180を足に一時的に固定するための外科用ピン又はワイヤを収容するようにサイズ設定された実質的に円形の輪郭を有し得、第1のピン孔186と同じ直径を有し得る。第2のピン孔190は、2つの遠位ピン又はワイヤを、互いに対して、かつ第1の中足骨又は第1の楔状骨がスロット182を通して鋸ブレードによって切断される平面に対して、所定の間隔で挿入することができるようにガイドとして役割を果たす。第2のピン孔190は、
図2Kに示されるように、互いに平行に、かつ第1のピン孔186に平行に垂直に延在している。第1のピン孔186の軸と交差する平面は、第2のピン孔190の軸と交差する平面と同一平面上にあり得る。ピン孔の組み合わせは、TMT関節にまたがる孔の直線アレイを形成する。第2の延在部188の底部又は骨対向面は、本体105及び/又は第1の延在部184の底部又は骨対向面と同一平面又は実質的に同一平面であり得、これにより、切断ガイド180は、パドル120が関節内に着座された状態で2つの反対配向のいずれかでTMT関節にわたって配置されることが可能になり得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、切断ガイド180の本体105は、追加の収束ピン孔107及び/又は長手方向開口部109などの1つ以上の追加の開口部を更に含む。収束ピン孔107は、バニオン切除処置中に更なる安定性が所望される場合に、1つ以上の更なるピン又はワイヤを挿入するために利用され得る。長手方向開口部109は、スロット182に対して横方向に延在し、バニオン切除処置中の切断ガイドの位置合わせを確認及び/又は監視するために、開口部を提供してX線視覚化及び/又は任意の他の好適な外科撮像処置を容易にし得る。
【0049】
図2L~
図2Nは、本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための切断ガイド及びピンガイドとして構成された更なる例示的な可逆切断ガイド181を描写している。
図2L及び
図2Mは、それぞれ、切断ガイド181の上部斜視図及び下部斜視図である。
図2Nは、切断ガイド181の上面図である。切断ガイド181は、単一の一体的に形成された構成要素であり得、金属、プラスチック、又は他の好適な材料を含み得る。切断ガイド181は、
図2H~
図2Kの切断ガイド180に類似であり、単一のスロット182を有する可逆構成を含む。
【0050】
切断ガイド181は、概して、本体105、第1の延在部184、第2の延在部188、及びパドル120を含む。第1の延在部184及び第2の延在部188は、
図2H~
図2Kを参照して上述したように、第1のピン孔186及び第2のピン孔190を含むことができる。パドル120は、例えば、関節の周囲の接合包などの軟部組織を除去した後に、TMT関節などの関節内に(例えば、第1の中足骨と第1の楔状骨との間に)着座するようにサイズ設定及び形状設定されている。パドル120の比較的狭い傾斜した末端部分は、パドル120の関節への挿入を容易にし得る。いくつかの実施形態では、パドル120は、本体105と一体的に形成されている。
【0051】
図2L~
図2Nの例示的な実施形態では、切断ガイド181の本体105は、第2の延在部188を通って延在する、追加の収束ピン孔183などの1つ以上の追加の開口部を更に含む。収束ピン孔183は、バニオン切除処置中に更なる安定性が所望される場合、1つ以上の更なるピン又はワイヤを挿入するために利用され得る。
図2H~
図2Kの切断ガイド180と同様に、長手方向開口部109は、スロット182に対して横方向に延在し、バニオン切除処置中の切断ガイドの位置合わせを確認及び/又は監視するために、開口部を提供してX線視覚化及び/又は任意の他の好適な外科撮像処置を容易にし得る。
【0052】
図3A~
図3Hは、本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的なリニアレデューサ200を図示している。
図3A~
図3Cを参照すると、リニアレデューサ200は、内側フック205、ねじ付きシャフト210、外側フック215、及びハンドル220を含む。
図10~
図14を参照してより詳細に記載されるように、リニアレデューサ200は、中足骨間角度を低減させるために第1の中足骨及び第2の中足骨を互いに近づけることによって、ラピダスバニオン切除処置中に横断面内に補正を適用し、同時にピンが内側フックピン孔209内に配置されるときに前頭面の所望の補正を維持するのに好適である。
【0053】
内側フック205は、ねじ付きシャフト210の第1の端部212に結合するようにサイズ設定及び形状設定された結合開口部206を含む。いくつかの実施形態では、内側フック205は、内側フック205がねじ付きシャフト210に対して回転も並進のできないように、ねじ付きシャフト210に固定的に結合され得る。内側フック205は、足の内側にもたれかかるように構成された湾曲係合面207を含む。1つ以上の内側フックピン孔209は、ピンが内側フック205を通って配置されて内側フック205を趾に一時的に固定し得るように、係合面207から内側フック205の全厚を貫通して延在している。
【0054】
外側フック215は、それを通ってねじ付きシャフト210を受容するようにサイズ設定及び形状設定された結合開口部216を含む。外側フック215は、外側フック215が回転することなくねじ付きシャフト210に沿って並進することができるように、ねじ付きシャフト210の全直径と少なくとも同じ大きさの直径を有する滑らかな内面を有し得る。結合開口部の他の特徴部は、非円筒形輪郭を含み得、それにより、外側フック215がねじ付きシャフト210に組み立てられるときに、非円筒形輪郭が、ねじ付きシャフト210の軸を中心とした外側フック215の回転を防止する。外側フック217は、第2の中足骨などの骨の外側にもたれかかるように構成された湾曲係合面217を含む。いくつかの実施形態では、係合面217は、例えば、第2趾及び第3趾の間の切開部を通して挿入され得、それにより、係合面217は、横断面補正のために第2の中足骨の外側に対して配置され得る。
【0055】
様々な実施形態では、リニアレデューサ200の構成要素は、様々な材料を含み得る。例えば、ハンドル220、ねじ付きシャフト210、内側フック205、及び/又は外側フック205は、金属、プラスチック、又はポリマー材料などを含み得る。いくつかの実施形態では、内側フック205及び/又は外側フック215は、放射線透過性材料を含み得る。有利には、放射線透過性材料は、リニアレデューサ200が適用されている間に足の骨の撮像を容易にするために、医療撮像に関連するX線又は他の放射線に対して少なくとも部分的に透過性であり得る。内側フック205及び/又は外側フック215に好適な例示的な放射線透過性材料は、炭素繊維、ポリマー材料、及び/又は炭素繊維強化ポリマーなどの複合材料を含む。
【0056】
ハンドル220は、ハンドル220を回転させている間のユーザの把持を容易にするために、ローレット加工などの1つ以上の把持特徴部222を含む。ねじ付き開口部224は、ハンドル220を通って長手方向に延在している。ねじ付き開口部224の内部ねじ山は、ねじ付きシャフト210の外部ねじ山と噛み合うようにサイズ設定及び離間されている。いくつかの実施形態では、ねじ付き開口部224の一部分のみがねじ付きであり、例えば、ねじ付きシャフト210を明確に通過することを可能にするために、任意の残りの長さがより大きい直径に穿孔される。これにより、ねじ付き開口部224の雌ねじは、ハンドル220をねじ付きシャフト210を中心に回転させることによって、ハンドル220をねじ付きシャフト210に沿って所望の位置に並進させることを可能にする。そのため、ユーザが内側フック205と外側フック215との間の間隔を低減させることを望む場合、ユーザは、ハンドル220が外側フック215をねじ付きシャフト210に沿って内側フック205に向かって押すように、ハンドル220をねじ付きシャフト210を中心に時計回りにねじる。ねじ付き開口部224の雌ねじとねじ付きシャフト210の雄ねじとの間の摩擦は、ハンドル220がねじられない限り、外側フック215及びハンドル220が内側フック205から離れるように外側に押されることを防止する。
【0057】
図3Dは、外側フック215の代替の実施形態を例解している。
図3Dの代替の外側フック215では、係合面217は、ラピダスバニオン切除処置中に第2の中足骨の外側面上に改善された把持を提供するように構成された1つ以上の骨係合特徴部218を含む。いくつかの場合には、骨係合特徴部218は、横断面内の中足骨間角度の低減中又は低減後に、外側フック215が第2の中足骨から離れて上方に摺動する可能性を低減し得る。
【0058】
図3E~
図3Gは、リニアレデューサ200の内側フックに組み込まれ得るクイックリリース特徴部を例解している。リニアレデューサ200のクイックリリース実施形態では、
図3A~
図3Cの固定的に結合された内側フック205は、クイックリリース内側フック235によって置き換えられる。クイックリリース内側フック235は、ねじ付きシャフト210を摺動可能に収容するのに十分な大きさの開口部236を含む。クイックリリースインサート237は、クイックリリース内側フック235の上部部分内に挿入可能である。クイックリリースインサート237は、ねじ付きシャフト210の第1の端部212の近くのノッチ214と連結するように構成された係止部分238を含む結合開口部239を有する。これにより、クイックリリースインサート237が
図3Eに示される上昇位置にあるとき、係止部分238は、クイックリリース内側フック235をねじ付きシャフトに固定的に結合するためにノッチ214内に係合されている。
【0059】
リニアレデューサ200を足から取り外すことが所望される場合、クイックリリースインサート237は、方向240に沿って下方に押される。クイックリリースインサート237が下方に移動すると、係止部分238は、ねじ付きシャフト210のノッチ214から係合解除され、それにより、クイックリリース内側フック全体がねじ付きシャフト210に対して長手方向242に沿って摺動可能になる。例えば、クイックリリース内側フック235が骨にピン留めされた状態で、ねじ付きシャフト210は、外側フック215の結合開口部216を通して取り外され得、外側フック215は、足から実質的に垂直に取り外され得る。次いで、内側フック205は、ピン留め解除され、足から容易に取り外され得る。
【0060】
ここで
図3Hを参照すると、いくつかの実施形態では、肩付きピン260が、リニアレデューサ200と併せて使用され得る。任意のタイプのピンが使用され得るが、肩付きピン260は、リニアレデューサ200が使用されるときに、足の内側の皮膚への損傷を有利に防止し得る。肩付きピン260は、足に進入する先端部262と、肩付きピン260の側部から半径方向外向きに延在する肩部264と、を含む。肩部264は、好ましくは、肩付きピン260が内側フックピン孔209を通って外側に摺動するのを肩部264が防止するように、内側フックピン孔209よりも大きい。そのため、肩付きピン260が第1の中足骨の内側に挿入され、リニアレデューサ200が、足の中足骨間角度を低減させるように操作されるとき、内側フック205によって印加される横方向の力は、係合面207に沿って皮膚を通してではなく、肩部264を介して第1の中足骨に伝達され、足の皮膚に対する圧迫及び/又は損傷の確率を低減させる。いくつかの実施形態では、肩付きピン260は、
図3E~
図3Gに描写されるクイックリリース内側フック235と併せて使用され得る。
【0061】
図4A及び
図4Bは、本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な制御ハンドル300を描写している。
図11~
図14を参照してより詳細に記載されるように、リニアレデューサ200は、第1の楔状骨に対して第1の中足骨を回転させることによって、ラピダスバニオン切除処置中に前頭面又は他の平面内に補正を適用するのに好適である。制御ハンドル300は、切断ガイド100に取り付けることができるハンドルの一例に過ぎない。当業者には、本技術の範囲から逸脱することなく、制御ハンドルと切断ガイド100との間で様々な取り付けがなされ得ることを理解されよう。
【0062】
制御ハンドル300は、ハンドル305及びハンドルに接続された係合部分310を含む。係合部分310内の開口部312及び/又は開口部312内に配設されたピンガイド314は、切断ガイド100又はフリーハンドピンガイド150の遠位ピン孔117又は170の間隔に従って、第1の中足骨内に配置されたピンを受容するように離間されている。開口部312の間隔はまた、近位ピン孔112又は165の間隔に対応している。ピンガイド314内の空間316は、外科用ピン又はワイヤを受容するために好適な大きさである。
【0063】
図5A~
図5Dは、本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的なコンプレッサブロック400を描写している。
図5A及び
図5Bは、それぞれ、コンプレッサブロック400の上部斜視図及び下部斜視図である。
図5Cは、コンプレッサブロック400の上面図である。
図5Dは、
図5Cの線分5D-5Dの周囲で取られた、コンプレッサブロック400の断面側部立面図である。
図16~
図18を参照してより詳細に記載されるように、圧迫ブロック400は、フリーハンドで切断された又は切断ガイド100を使用して切断された、摘除された関節を圧迫及び固定するのを補助するように構成されている。
【0064】
コンプレッサブロック400は、それを通って延在する近位ピン孔410及び遠位ピン孔415を有する本体405を含む。近位ピン孔410は、切断ガイド100及びフリーハンドピンガイド150の近位ピン孔112、165と同じ間隔によって互いに対して離間されている。同様に、遠位ピン孔415は、切断ガイド100及びフリーハンドピンガイド150の遠位ピン孔117、170と同じ間隔だけ互いに対して離間されている。しかしながら、近位ピン孔410及び遠位ピン孔415は各々、切断ガイド100及びフリーハンドピンガイド150の近位ピン孔112、165及び遠位ピン孔117、170よりもコンプレッサブロック400の中心の近くに位置する。加えて、
図5Dの断面図に示されるように、近位ピン孔410及び遠位ピン孔415は平行ではなく、コンプレッサブロック400の底縁部407におけるそれらの間隔が比較的近くなるように収束角度で配設されている。これにより、近位開口部410及び遠位開口部415にねじ込まれた平行なピンは、
図15~
図16に示されるように、コンプレッサブロック400がピン上を下方に摺動するにつれて互いにより近くに圧迫される。ハンドル取り付け開口部425は、ねじ込まれて得るが、側部に取り付けられたハンドルを取り付けるために設けられており、側部に取り付けられたハンドルは、コンプレッサブロック400を下方に摺動させてコンプレッサブロック400を通過するピン又はワイヤを圧迫する際にユーザを補助し得る。
【0065】
コンプレッサブロック400は、クロスピン孔420を含む拡幅セクション409を更に含む。
図5A及び
図5Bに示されるように、各クロスピン孔420は、クロスピン孔420に挿入されたピン又はワイヤがコンプレッサブロック400の中心線の比較的近くでコンプレッサブロック400の底縁部407から出るように、拡幅セクション409の外側縁部から下向きかつ及び内向きに延在している。
図16~
図18に示されるように、クロスピン孔420は、位置合わせされ、それにより、コンプレッサブロック400が第1のTMT関節において切断ガイド100又はフリーハンドピンガイド150と共に使用されるときに、コンプレッサブロック400は、摘除された第1のTMT関節の切断面を互いに接触させ、いずれかのクロスピン孔420を通して挿入されたピンは、第1の楔状骨及び第1の中足骨がプレート又は他の固定構成要素によって固定することができるまで、関節面における接触を一時的に維持するように、圧迫された関節の界面を通してある角度で延在することになる。
【0066】
図6A~
図6Gは、本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置において使用されるように構成された例示的な骨プレート500及びクロスねじ530を描写している。骨プレート500及び/又はクロスねじ530は、様々な金属又は合金で形成することができる。例えば、骨プレートは、チタン、ニチノールなどの形状記憶合金から形成され得る。
【0067】
骨プレート500は、摘除された第1のTMT関節にわたって適用されるようにサイズ設定及び形状設定されている。そのため、骨プレート500は、ステープル開口部510、楔状骨ねじ開口部515、中足骨ねじ開口部520、及びクロスねじ開口部525を含む本体505を含む。ステープル開口部510は、骨ステープルの2つの脚部を収容するようにサイズ設定及び形状設定された2つの穴512を含み、それにより、脚部のうちの一方は、楔状骨ねじ開口部515の近くの第1の楔状骨内に着座され、他方の脚部は、中足骨ねじ開口部520及びクロスねじ開口部525の近くの第1の中足骨内に着座される。
【0068】
ステープル開口部510及びねじ開口部515、520、525の各々は、その中に着座されたステープル及び/又はねじの動きを低減するためにさら穴を含むように形状設定されている。加えて、さら穴は、その中に適用されるステープル又はねじが、骨プレート500の本体505の外側表面の上に著しく延在しないことを可能にし得る。クロスねじがクロスねじ開口部525に適用されなければならない角度に起因して、クロスねじ開口部525は、(例えば、クロスねじ開口部525を通るねじ経路に沿った円筒形の輪郭に対応して)骨プレート500に対して垂直に見たときに楕円形を有し、クロスねじ開口部525の周囲の約半分を占めるシェルフ527を含む。シェルフ527は、クロスねじが予め穿孔された角度に挿入されるときにクロスねじの頭部と係合するように形状設定され、それにより、クロスねじは、骨プレート500と確実に係合し、さら穴内に着座する。
【0069】
図6Dは、骨プレート500の拡大部分図であり、クロスねじ開口部525及びシェルフ527を詳細に例解している。
図6Eは、頭部532及びねじ付きシャフト534を含む、クロスねじ開口部525内に着座されるように構成された例示的なクロスねじ530を例解している。クロスねじ経路の軸に対して垂直に切り取られた
図6Dに示されるように、シェルフ527は、傾斜又はテーパ状にすることができ、それにより、シェルフ527の内縁は、シェルフ527がクロスねじ開口部525の内壁と交わる外側縁部に対して高くなる。
図6Eに示されるように、クロスねじ530の頭部532は、アンダーカットシェルフ537を有する。シェルフ537は、この実施形態では、直径が増加するにつれて下方にテーパ状になっている。そのため、
図6F及び
図6Gに示されるように、クロスねじ530がクロスねじ開口部525を通して挿入されるとき、クロスねじ530の頭部532のアンダーカットシェルフ537は、骨ねじ530が骨内に所望の角度で着座するように、骨プレート500の上向きにテーパ状のシェルフ527と係合する。
【0070】
図7A~
図7Fは、クロスねじ開口部525を通してクロスねじを適用するときに骨プレート500と共に使用されるように構成された例示的なクロスねじドリルガイドを描写している。
図7A~
図7Cは、例示的な固定角度クロスねじドリルガイド600を描写している。
図7D~
図7Fは、外科医がクロスねじを挿入するための角度範囲のうちの1つを選択することを可能にする例示的な可変角度クロスねじドリルガイド650を描写している。
【0071】
固定角度クロスねじドリルガイド600は、本体605及び先端部615を含む。長手方向開口部610は、本体605の全長にわたって延在している。長手方向開口部610の直径は、クロスねじ用のパイロット穴を穿孔するように好適にサイズ設定されたドリルビットが長手方向開口部610を通って嵌合することができるように選択され得る。いくつかの実施形態では、長手方向開口部610の直径は、kワイヤ又は他のガイド構造が長手方向開口部610を通して嵌合することができるように選択され得、それにより、ガイドは、取り外され得、カニューレ状ドリルビットが、パイロット穴を穿孔するために使用され得る。先端部615は、シェルフ係合面627及び趾629を含む。趾629及びシェルフ係合面627は、シェルフ係合面627がクロスねじ開口部525のシェルフ527に対して着座された状態で、趾629がクロスねじ開口部525内に着座することができように形状設定されている。クロスねじ開口部525の楕円形状は、固定角度クロスねじドリルガイド600の先端部615をその中に着座させるための単一の安定した配向を画定する。固定角度クロスねじドリルガイド600は、バニオン再発を防止するために、所定の好適な角度でクロスねじの一貫した再現可能な適用を容易にする。加えて、固定角度クロスねじドリルガイド600は、骨プレート500のシェルフ527の曲率半径と同心の位置でドリルビットを骨に強制的に入れることができる(例えば、穴が不正確に穿孔された場合であっても、ねじは依然として骨プレート500を通過することができるため)。更に、固定角度クロスねじドリルガイド600は、クロスねじがステープル脚部と干渉することを防止し、クロスねじがTMT関節を横切ることを防止し、クロスねじを第2の中足骨又は第2の楔状骨の基部に向かって方向付ける角度でドリルビットを確立する。
【0072】
可変角度クロスねじドリルガイド650は、同様に、本体655及び先端部665、並びに本体655を通って延在する開口部660を含む。先端部665は、シェルフ係合面677及び趾679を含む固定角度クロスねじドリルガイド600の先端部615と同じ形状を有し、それにより、クロスねじ開口部525の楕円形状が、同様に、可変角度クロスねじドリルガイド650の先端部665を着座させるための単一の安定した配向を画定する。可変角度クロスねじドリルガイド650は、開口部660と連通するくさび形スロット662を取り囲む、略くさび形の本体655を有する。くさび形スロット662は、経路が開口部660を通過する穿孔角度の範囲652を収容する。これにより、クロスねじ開口部525の楕円形状は、可変角度クロスねじドリルガイド650の単一の着座配向を画定すると同時に、くさび形スロット662は、外科医が所定の平面内の様々な角度を選択することを可能にする。利用可能な掘削経路は、骨プレート500に対して垂直又は大体垂直である第1の極限経路から、骨プレート500に対してより小さい角度である第2の極限経路までの範囲であり得る。個々の足の骨構造の幾何学的形状に応じて、可変角度クロスねじドリルガイド650は、外科医が、例えば、所望に応じて、第2の中足骨又は第2の楔状骨に進入するために、外科医がクロスねじ軌道を選択することを可能にすることができる。
【0073】
図8~
図24を参照して、本明細書に開示されるある特定のデバイスを使用した例示的なラピダスバニオン切除術が記載される。
図8~
図24の処置は、本明細書に開示されるデバイスの特定のサブセットを使用するラピダスバニオン切除術の特定の実装形態を例解しているが、
図8~
図24を参照して例解及び記載される構成要素及び工程は、バニオンを補正するために、異なる順序で、及び/又は構成要素の異なる組み合わせで等しく適用され得ることが理解されよう。
【0074】
図8~
図24は、初期にバニオンを有する足10の骨を描写している。
図1の足10と同様に、足10は、第1の中足骨20を含み、第1の中足骨20は、第1のTMT関節40において第1の楔状骨30に対して角度を付けられ、かつ回転され、それにより、母趾は、望ましくない内側突出及び増加した中足骨間角度を有する。
図8に示されるように、処置は、
図2A~
図2Dの切断ガイド100を配置し、一時的に固定することによって開始し得る。切断ガイドを配置する前に、外科医は、第1のTMT関節40を露出させるために背内側切開などの切開を行い、第1のTMT関節40を露出させ、切断ガイド100のパドル120(
図2A~
図2D)が着座することができる空間を作成するために関節包又は他の軟部組織などの関節の周囲の軟部組織を切除することによって、第1のTMT関節40を調製し得る。
【0075】
関節が調製されると、切断ガイド100は、パドル120(
図8では見えない)を第1のTMT関節40内に着座させることによって配置され、それにより、近位延在部110は、第1の楔状骨30に隣接して、又はそれに対して隣接して着座し、遠位延在部115は、第1の中足骨20に隣接して、又はそれに対して着座する。パドル120は、第1のTMT関節40に挿入され、それにより、切断ガイド100は、第1の中足骨20の軸に沿って配向される。切断ガイド100の位置合わせは、進行する前に、蛍光透視法又は他の好適な撮像技術で確認され得る。
【0076】
切断ガイド100が配置され、好適に位置合わせされると、切断ガイド100は、2つの中足骨ピン802又はワイヤを遠位延在部115の遠位ピン孔117を通して、第1の中足骨20内又は第1の中足骨20を通して挿入することによって、第1の中足骨20に対して一時的に固定される。中足骨ピン802又はワイヤ、並びに以下の説明において説明される他のピン又はワイヤのうちのいずれかは、例えば、Kirschnerワイヤ(「Kワイヤ」)、又は切断ガイド100を固定するために骨の内に配置され得る任意の他の好適なタイプのワイヤ又はピンであり得る。
【0077】
図9を続けると、中足骨ピン802又はワイヤが挿入されると、第1の中足骨20の基部は、切断ガイド100の遠位スロット125を通して挿入された鋸ブレード804を使用して切断される。
【0078】
図10を参照すると、リニアレデューサ200は、第1の中足骨20及び第2の中足骨25の周囲に暫定的に配置され得る。いくつかの実施形態では、外側フック215の挿入に対応するために、第2趾及び第3趾の間の第2の中足骨25の外側に切開が行われ、それにより、係合面217は、第2の中足骨25の外側に接触する。内側フック205の係合面207は、第1の中足骨20の内側に対して配置され、リニアレデューサ200のハンドル220は、ハンドル220が外側フォーク215に接触するまで、ねじ付きシャフト210に対して時計回りに回転され得る。リニアレデューサ200の初期配置は、仮配置であり得、内側フォーク205を通していかなるピンも初期に挿入しない。
【0079】
図11を続けると、制御ハンドル300は、制御ハンドル300のピンガイド314内の空間316を通して中足骨ピン802を挿入することによって、更に配置され得る。
図12を参照すると、制御ハンドル300は、次いで、第1の中足骨20の軸を中心とした回転を補正するために、前頭面内で回転され得る。例えば、時計回りの回転806が制御ハンドル300に付与されると、制御ハンドル300に印加されるトルクは、中足骨ピン802を介して伝達され、それにより、母趾の第1の中足骨及び指骨50が時計回り808に回転される。加えて、矢状面内の関節の任意の必要な調整は、この時点で、手動で適用され得る。いくつかの実施形態では、中足骨間角度を低減するために横断面にトルクを印加するなどの他の補正もまた、制御ハンドル300を使用して適用され得る。前頭面及び矢状面が制御ハンドル300を使用して好適に補正されたとき、外科医は、次いで、横断面において第1の中足骨20の位置を調整することに進み得る。
【0080】
図12及び
図13を併せて参照すると、横断面は、リニアレデューサ200を使用して補正され得る。いくつかの実装では、内側フックピン816は、前頭面の第1の中足骨20の回転位置を固定する(例えば、制御ハンドル300を使用して以前に適用された前頭面補正において係止する)ために、内側フックピン孔209のうちの1つを通して、又は第1の中足骨20を通して挿入される。内側フックピンは、肩付きピンであり得、それにより、内側フック205によって加えられる横方向圧力は、内側フックの係合面207に沿って皮膚を通して印加されるのではなく、ピン肩部を通して第1の中足骨20に直接印加される。
【0081】
内側フックピン816の挿入の有無にかかわらず、リニアレデューサ200のハンドル220を方向転換させることによって、横断面補正が適用され得る。例えば、ハンドル220の時計回りの回転810は、内側フォーク205と外側フォーク215との間のねじ付きシャフトに沿った距離を低減させ、内側フォーク205を外側フォーク215に対して方向812に沿って横方向に移動させる。結果として、内側フォーク205は、横断面内で第1の中足骨20に横方向の力を加え、横断面内の第1の中足骨20の対応する横方向の動き814を引き起こす。
【0082】
この段階で、第1のTMT関節40の位置ずれが対処されている。引き続き
図13を参照すると、2つの楔状骨ピン818又はワイヤが、切断ガイドの近位ピン孔112を通して、第1の楔状骨30内に、又は第1の楔状骨30を通して挿入される。楔状骨ピン818又はワイヤは、第1の楔状骨30に対して切断ガイド100を一時的に固定する。この時点で、4つのピン802及び814は、外科医の所望の補正を確立及び/又は係止するアレイを形成する。
【0083】
続いて
図14を参照すると、楔状骨ピン818又はワイヤが挿入されると、第1の切り欠き部30の基部が、切断ガイド100の近位スロット130を通して挿入される鋸ブレード820を使用して切断される。第1の楔状骨30の基部を切断することにより、第1のTMT関節40の切除が完了する。
図15を参照すると、切断ガイド100、リニアレデューサ200、及び制御ハンドル300が、足10から取り外されている。制御ハンドル300は、制御ハンドルが中足骨ピン802又はワイヤから解放されるまで、上方に摺動することによって取り外すことができる。切断ガイド100は、同様に、中足骨ピン802又はワイヤ及び楔状骨ピン818又はワイヤから解放されるまで、切断ガイド100を上向きに摺動させることによって取り外すことができる。リニアレデューサ200は、内側フックピン816を取り外し、内側フック205及び外側フック215を足10から離れるように持ち上げることによって取り外される。いくつかの実施形態では、クイックリリース内側フック235が、リニアレデューサの取り外しを容易にするために使用され得る。切断ガイド100、リニアレデューサ200、及び制御ハンドル300を取り外した後、完全に関節分離された第1のTMT関節は、中足骨ピン802又はワイヤ及び楔状骨ピン818又はワイヤが所定の位置に残ったまま残される。この時点で、外科医は、癒合に備えて、関節を伸延させ、更に調製するため、任意の所望の手段を更に使用し得る。
【0084】
ここで
図16を参照すると、コンプレッサブロック400は、中足骨ピン802又はワイヤ及び楔状骨ピン818又はワイヤの上に適用される。好ましくは、中足骨ピン802又はワイヤは、楔状骨ピン818又はワイヤよりも(例えば、
図16に示されるように、およそコンプレッサブロック400の高さだけ)短いか又は長いかのいずれかである。
図16の例では、コンプレッサブロック400は、最初に近位ピン孔410を比較的長い楔状骨ピン818又はワイヤ上にねじ込み、続いて、遠位ピン孔415を比較的短い中足骨ピン802又はワイヤにねじ込むことによって適用される。
図5A~
図5Dを参照して上で考察されるように、切断ガイド100のピン孔とは異なり、コンプレッサブロック400のピン孔は、互いにわずかに接近し、内側に向かってテーパ状になっており、それにより、4つのピン又はワイヤの全てを同時にコンプレッサブロック400に挿入しようと試みることは困難であり得る。
【0085】
遠位ピン孔415に対する近位ピン孔410の収束角度に起因して、コンプレッサブロック400を楔状骨ピン818又はワイヤの上で下方に摺動させることによって、中足骨ピン802又はワイヤは、中足骨ピン802又はワイヤを楔状骨ピン818又はワイヤのより近くに引っ張る。これにより、コンプレッサブロック400の適用によって、第1の中足骨20を、方向822に沿って第1の楔状骨30に向かって移動させ、第1の中足骨20の切断面を第1の楔状骨30の切断面と接触させる。角度付き穴は、関節の足底側が圧迫されるように、矢状面におけるピンの回転を引き起こす。これは、骨の背側面のみに対する圧迫が、いくつかの場合では、癒合に望ましくない関節の足底間隙を引き起こし得るため、望ましい場合がある。
【0086】
続いて
図17を参照すると、クロスピン824はクロスピン孔420のうちの1つを通して挿入され、それにより、クロスピン824は、関節を所定の位置に一時的に固定するために、圧迫された関節を通過する。
図18に示されるように、中足骨ピン802又はワイヤ及び楔状骨ピン818又はワイヤが取り外される。
図19に示されるように、コンプレッサブロック400は、次いで、コンプレッサブロックをクロスピン824に沿って外向きに摺動させることによって取り外され得、骨プレート500を適用することができるまで関節を固定するために所定の位置に残る。任意の数のクロスピン孔軌道が、クロスワイヤの配置のために圧迫ブロック400に適用され得る。クロスピン824は、遠位に挿入され、関節内に近位に延在するように示されているが、他の実施形態では、圧迫ブロック400は、遠位の代わりに又は遠位に加えて、近位に位置するクロスピン孔420を有し得る。そのような実施形態では、クロスピン824は、圧迫ブロック400の近位端から挿入され、関節を通って遠位に延在することになる。
【0087】
図20を参照すると、関節がクロスピン824によって所定の位置に固定されている間に、骨プレート500が、摘除された第1のTMT関節40にわたって配置される。必要に応じて、パイロット穴が穿孔される。第1の中足骨20を第1の楔状骨30に対して固定するために、ステープル826がステープル開口部510に配置され、中足骨ねじ828が中足骨ねじ開口部520に配置され、楔状骨ねじ830が楔状骨ねじ開口部515に配置される。ステープル826、中足骨ねじ828、及び楔状骨ねじ830は、任意の順序で配置することができる。しかしながら、クロスねじ834を配置する前にステープル826及び中足骨ねじ828を配置することが好ましいことがある。
図21に示されるように、第1の中足骨20及び第1の楔状骨30が骨プレート500を使用して固定されたとき、クロスピン824は不要となり、取り外すことができる。ステープル826は、形状記憶材料で作製され得る。いくつかの実施形態では、ステープル826は、変形構成で保持され、ステープル脚部は、プレート500を通して挿入される間、およそ平行である。挿入後、ステープル826は、非変形構成に向かって弛緩させることが可能になり得、脚部は、互いに向かって角度付けされる。これにより、挿入後、ステープル826は、TMT関節40にわたって圧迫力を提供する。プレート-ステープルシステムの更なる詳細は、米国特許第10,299,842号に見出され得、当該特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されるような使用に好適なステープルに関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2018/0317906号に見出すことができ、当該特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0088】
続いて
図22を参照すると、クロスねじドリルガイドが、骨プレート500のクロスねじ開口部525内に配置されている。
図7A~
図7Cの固定角度クロスねじドリルガイド600が
図22に示されているが、処置は、
図7D~
図7Fの可変角度クロスねじドリルガイド650を使用して等しく実施され得る。クロスねじドリルガイド600は、シェルフ係合面627(又は可変角度クロスねじドリルガイド650が使用される場合、シェルフ係合面677)をクロスねじ開口部525のシェルフ527に対して着座させることによって、クロスねじ開口部525内に着座される。ドリルビット832は、クロスねじドリルガイド600を通して挿入され、クロスねじ開口部525内のクロスねじのためのパイロット穴を穿孔するように方向転換される。ドリルビット832及びクロスねじドリルガイド600は取り外され、クロスねじ834がクロスねじ開口部525に配置され、ラピダスバニオン切除処置を完了する。
【0089】
図23及び
図24は、本技術による、ラピダスバニオン切除術の完了状態を示している。
図24は、足の一部分の拡大図であり、第1の中足骨20は、クロスねじ834の内部配置を例解するために透明に示されている。
図23及び
図24に示されるように、第1の中足骨20は、骨プレート500、ステープル826、中足骨ねじ828、及び楔状骨ねじ830によって、第2の中足骨25に対する中足骨間角度が低減された状態で、第1の楔状骨30に対して所望の配向に固定される。
【0090】
有利には、クロスねじ834は、バニオンの将来の再発を防止するように更に機能する。足は、バニオンを回復させ得る日々の圧力を依然として受け得るため、クロスねじ834は、足の幾何学的形状及びクロスねじ834の挿入角度に応じて、第1の中足骨20を第2の中足骨25又は第2の楔状骨35のいずれかに固定する。これにより、
図8~
図24のラピダスバニオン切除術は、有利には、再発を防止するために、中足のより横方向に配設された骨に追加の構造的接続を提供することによって、バニオンを単に修復することに留まらない。
【0091】
図25~
図29を参照して、本明細書のある特定のデバイスを使用する代替的なラピダスバニオン切除処置の一部分が記載される。
図25~
図29に例解されるラピダスバニオン切除術の一部分は、
図2H~
図2Kに例解される単一スロット付き切断ガイド180を使用して第1の中足骨及び第1の楔状骨の切断を行う代替方法を提供する。これにより、以下でより詳細に記載されるように、
図25~
図29に例解されるラピダスバニオン切除術の一部分は、
図8~
図24に例解されるラピダスバニオン切除術の一部分及び/又は他のバニオン切除処置と併せて使用され得る。
図25~
図29の処置は、本明細書に開示されるデバイスの特定のサブセットを使用するラピダスバニオン切除術の特定の実装形態を例解しているが、
図25~
図29を参照して例解及び説明される構成要素及び工程は、バニオンを補正するために、異なる順序で及び/又は構成要素の異なる組み合わせで等しく適用され得ることが理解されよう。
【0092】
図25に示されるように、処置は、
図2H~
図2Kの切断ガイド180を足10に配置し、一時的に固定することによって開始し得る。
図8の開始構成と同様に、第1のTMT関節40は、第1のTMT関節40を露出させるために背内側切開などの切開を行い、第1のTMT関節40を露出させ、切断ガイド180のパドル120(
図2H~
図2K)が着座することができる空間を作成するために関節包又は他の軟部組織などの関節の周囲の軟部組織を切除することによって調製されている場合がある。
【0093】
関節が調製されると、切断ガイド180は、パドル120(
図25では見えない)を第1のTMT関節40内に着座させることによって配置され、それにより、第1の延在部184が第1の楔状骨30に隣接して又はそれに対して隣接して着座し、第2の延在部188が第1の中足骨20に隣接して又はそれに対して着座する。パドル120は、第1のTMT関節40に挿入され、それにより、切断ガイド180は、スロット182が第1の中足骨20の上に位置決めされている状態で、第1の中足骨20の軸に沿って配向される。代替的に、いくつかの実施形態では、切断ガイド180は、スロット182が第1の楔状骨30の上に位置決めされた状態で配向され得、バニオン切除術は、第1の楔状骨30が第1の中足骨20の前に切断されるように行われ得る。切断ガイド180の位置合わせは、進行する前に、蛍光透視法又は他の好適な撮像技術で確認され得る。
【0094】
切断ガイド180が配置され、好適に位置合わせされると、切断ガイド180は、1つ以上の中足骨ピン802又はワイヤを第2の延在部188の第2のピン孔190を通して、第1の中足骨20内に又は第1の中足骨20を通して挿入することによって、第1の中足骨20に対して一時的に固定される。中足骨ピン802又はワイヤ、並びに以下の説明において説明される他のピン又はワイヤのうちのいずれかは、例えば、Kirschnerワイヤ(「Kワイヤ」)、又は切断ガイド180を固定するために骨の内に配置され得る任意の他の好適なタイプのワイヤ又はピンであり得る。この例では2つの中足骨ピン802又はワイヤが例解されているが、切断ガイド180は、パドル120及び単一の中足骨ピン802又はワイヤによって所定の位置に保持されたときに、好適に堅牢かつ安定であり得る。
【0095】
続いて
図26を参照すると、中足骨ピン802又はワイヤが挿入されると、第1の中足骨20の基部は、切断ガイド180のスロット182を通して挿入された鋸ブレード804を使用して切断される。
【0096】
図27及び
図28を参照すると、第1の中足骨20の基部が切断された後、ラピダスバニオン切除処置において後で行われる第1の楔状骨30の切断をガイドするために同じスロット182を使用することができるように、切断ガイド180を再配向することができる。切断ガイド180は、
図27に示されるように、第2のピン孔190が中足骨ピン802又はワイヤから解放されるまで、切断ガイド180を上方に摺動させることによって取り外すことができる。この段階において、第1の中足骨20から(又は第1の楔状骨30が最初に切断された場合は、第1の楔状骨30から)の骨の摘除された部分を、足10から除去することができる。次いで、切断ガイド180を反転させる(例えば、中足骨ピン802又はワイヤに平行な軸を中心に180度回転させる)ことができる。次いで、中足骨ピン802又はワイヤは、第1のピン孔186を通して挿入され得、切断ガイド180は、
図28に示されるように、パドル120が再び第1のTMT関節40内に着座されるまで、中足骨ピン802又はワイヤに沿って下方に移動され得る。いくつかの実施形態では、第1のピン孔186及び第2のピン孔190は、パドル120の中心の周りに異なる間隔を有する。例えば、第1のピン孔186は、第1の切断によって除去された骨の厚さに等しい距離だけパドル120により近くてもよく、それにより、切断ガイド180を反転させることにより、パドル120が第1の中足骨20の切断面に対してしっかりと載置される。
【0097】
図28の構成では、切断ガイド180の反転により、第2の孔190は、第1の楔状骨30の上に配設され、スロット182は、第1の中足骨20ではなく第1の楔状骨30の切断をガイドするように位置決めされる。
図28に例解される状態から、ラピダスバニオン切除処置は、前頭面及び横断面における第1の中足骨20及び指骨50の位置を補正するために、
図10~
図13を参照して示され、記載されるように実質的に進行することができる。
図13を参照して記載される同じプロセスにおいて、2つの楔状骨ピン818又はワイヤが、切断ガイド180の第2のピン孔190を通して、第1の楔状骨30内へ又はそれを通して挿入される。楔状骨ピン818又はワイヤは、切断ガイド180を第1の楔状骨30に対して一時的に固定する。この時点で、4つのピン802及び814は、外科医の所望の補正を確立及び/又は係止するアレイを形成する。
【0098】
ここで
図29を参照すると、第1の中足骨20の切断に続く切断ガイド180の反転により、スロット182は、ここで、第1のTMT関節40の楔状骨側に位置決めされる。これにより、少なくとも前頭面及び/又は横断面におけるボユニングの補正、並びに楔状骨ピン818又はワイヤの配置に続いて、スロット182は、第1の楔状骨30の切断をガイドするように位置決めされる。
【0099】
楔状骨ピン818又はワイヤが挿入されると、第1の楔状骨30の基部は、切断ガイド180のスロット182を通して挿入される鋸ブレード820を使用して切断される。第1の楔状骨30の基部を切断することにより、第1のTMT関節40の切除が完了する。次いで、切断ガイド180、リニアレデューサ200、及び制御ハンドル300は、
図15を参照して上で説明される動作と同じ又は同様の動作によって、足10から取り外され得る。切断ガイド180、リニアレデューサ200、及び制御ハンドル300の取り外し後、完全に関節分離された第1のTMT関節40は、中足骨ピン802又はワイヤ及び楔状骨ピン818又はワイヤが所定の位置に残ったまま残される。この時点で、外科医は、癒合に備えて、関節を伸延させ、更に調製するため、任意の所望の手段を更に使用し得る。次いで、ラピダスバニオン切除処置の残りが、
図16~
図24を参照して図示及び記載されるように、実質的に進行し得る。
【0100】
図30A~
図32Cを参照すると、
図1のTMT関節変形を補正するための改善されたラピダスバニオン切除処置と共に使用するための様々な追加のデバイス及び構成要素が提供される。
図30A~
図32Cのデバイス及び構成要素は、骨の追加の除去及び/又は固定前の前頭面の追加の回転補正など、本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置における追加の任意選択の工程を行うために使用され得る。以下の説明は、ラピダスバニオン切除処置を参照して行われるが、本明細書に記載される様々なデバイス及び構成要素は、そのような処置に限定されず、当業者によって理解されるように、他の整形外科処置において等しく使用され得ることが理解されよう。
【0101】
図30A~
図30Cは、本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置のための再切断ガイド及びピンガイドとして構成された切断ガイド900を描写している。いくつかのラピダスバニオン切除処置では、外科医は、処置中に第1のTMT関節において第1の中足骨及び/又は第1の楔状骨から追加の骨を除去することを所望する場合がある。例えば、TMT関節を形成する第1の中足骨及び/又は第1の楔状骨の縁部は、異なる個体において様々なレベルの凹部を有し得、それにより、いくつかの第1の中足骨及び/又は第1の楔状骨は、切断領域の完全な断面にわたって内部骨が露出される平面に到達するために、より多くの骨を切断する必要があり得る。
【0102】
図30A及び
図30Bは、それぞれ、切断ガイド900の上部斜視図及び下部斜視図である。
図30Cは、切断ガイド900の上面図である。切断ガイド900は、単一の一体的に形成された構成要素であり得、金属、プラスチック、又は他の好適な材料を含み得る。切断ガイド900は、
図2L~
図2Nの切断ガイド181などの別の切断ガイドと併せて(例えば、その後に)使用されるようにサイズ設定及び形状設定され得る。
【0103】
切断ガイド900は、概して、本体910、延在部920、及びパドル930を備える。延在部920は、切断ガイド181の第2の延在部188と類似又は同一のサイズ及び形状を有することができ、切断ガイド181の第2のピン孔190の間隔に対応する間隔を有するピン孔922を含むことができる。本体910は、スロット912を含む。パドル930は、例えば、TMT関節などの関節内に着座するようにサイズ設定及び形状設定されている。
【0104】
所望の再切断機能を達成するために、スロット912と切断ガイド900のピン孔922との間の間隔は、初期の関節切断に使用された関連付けられた切断ガイドにおける対応する間隔よりも近い。例えば、切断ガイド900及び切断ガイド181(
図2L~
図2N)を含むキットでは、スロット912とピン孔922のうちの近い方との間の距離は、スロット182と切断ガイド180の第2のピン孔190のうちの近い方との距離よりも短い。そのため、第2のピン孔190を通って延在するピンによって所定の位置に保持された切断ガイド181を使用して切断が行われた後に、切断ガイド181は取り外すことができ、切断ガイド900は、ピン孔922を通して同じピンの上に配置することができ、それにより、スロット912は再切断のためにピンにより近い切断面を画定する。再切断ガイドとしての切断ガイド900の使用は、
図33~
図35を参照してより詳細に記載される。
【0105】
図31A~
図31Cは、本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置における前頭面調整のためのピンガイドとして構成された例示的な再位置合わせガイド1000を描写している。
図31A及び
図31Bは、それぞれ、再位置合わせガイド1000の上部斜視図及び下部斜視図である。
図31Cは、
図31Bの線分31C-31Cの周囲で取られた、再位置合わせガイド100の断面側部立面図である。再位置合わせガイド1000は、それを通る2対以上のピン孔を有する本体1010を含む。本体1010は、略くさび形であり、金属、プラスチック、又は他の好適な材料から一体的に形成され得る。
【0106】
図31A~
図31Cの例示的な再位置合わせガイド1000では、本体1010は、4対のピン孔1012、1014、1016、及び1018を含む。ピン孔1012、1014、1016、1018の各対は、平行であり得、対は、収束構成で配向されている。ピン孔1012、1014、1016、1018の各対は、関連付けられた切断ガイド(例えば、切断ガイド180、181、900など)のピン孔間隔に対応する距離だけ離間され得る。これにより、ピン孔1012、1014、1016、1018は、既存の対のピンの上に配置され、既存の対に対して中足骨の周りで所定の角度オフセットで同様に離間された平行ピンの第2の対を配置するためのガイドとしての役割を果たすことによって、更なる前頭面補正を実施するために使用され得る。再位置合わせガイド100の使用は、
図39~
図48を参照してより詳細に記載される。
【0107】
図32A~
図32Cは、本明細書に記載されるラピダスバニオン切除処置における前頭面調整のためのピンガイド及び圧迫ブロックとして構成された例示的な再位置合わせガイド1020を描写している。
図32A及び
図32Bは、それぞれ、再位置合わせガイド1020の上部斜視図及び下部斜視図である。
図32Cは、再位置合わせガイド1020の上面図である。再位置合わせガイド1020は、金属、プラスチック、又は他の好適な材料から一体的に形成され得る。再位置合わせガイド1020は、コンプレッサブロック400と概して類似の形状を有し得、動作時に再位置合わせガイド及びコンプレッサブロックの両方として機能することができる。
【0108】
再位置合わせガイド1020は、2対の近位ピン孔1030、1032、及び2対の遠位ピン孔1035、1037を有する本体1025を含む。コンプレッサブロック400の近位ピン孔410及び遠位ピン孔415と同様に、近位ピン孔1030、1032及び遠位ピン孔1035、1037は、再位置合わせガイド1020の中央に向かって収束している。拡幅セクション1040は、永久固定デバイスが配置されている間、追加の安定化及び/又は一時的な固定のためのクロスピン孔1042を含むことができる。
図36~
図38を参照してより詳細に記載されるように、再位置合わせガイド1020は、骨の中への追加のピンの挿入を必要とせずに、第1の中足骨の追加の前頭面補正を実施するために使用され得る。
【0109】
図33~
図35は、足10の骨の斜視図であり、本明細書に開示される例示的なバニオン切除デバイスを使用して行われる例示的なラピダスバニオン切除処置の再切断部分を順次例解している。
図33~
図35に例解されるラピダスバニオン切除術の再切断部分は、骨の更なる除去が所望される場合、第1の中足骨20及び/又は第1の楔状骨30に初期切断が行われた後の任意の時点で行われ得る。例えば、いくつかの処置では、外科医は、第1の中足骨20及び/又は第1の楔状骨30の切断端を検査し、骨の凹面又は所望の間隔に起因して更なる骨が除去されるべきであると判定し得る。これにより、以下でより詳細に記載されるように、
図33~35に例解されるラピダスバニオン切除術の一部分は、本明細書に記載される他のラピダスバニオン切除処置のうちのいずれかと共に使用され得る。
【0110】
図33に示されるように、再切断部分は、
図15の構成と類似の構成で足10から始まり得る。
図33の構成では、切断ガイド(例えば、本明細書の他の箇所に開示されるような、切断ガイド100、切断ガイド180、切断ガイド181など)は、第1の中足骨20及び/又は第1の楔状骨30の一部分を除去するために使用されている場合がある。中足骨ピン802及び/又は楔状骨ピン818は、第1の中足骨20及び/又は第1の楔状骨30への初期切断を行うために使用された切断ガイドの取り外し後に、足10内に残り得る。
図33~
図35に例解される例示的な再切断部分では、第1のTMT関節40に面する第1の中足骨20の追加の部分を除去することが所望される。
【0111】
続いて
図34を参照すると、再切断ガイドとして構成された切断ガイド900は、中足骨ピン802を切断ガイド900のピン孔922に通して挿入し、切断ガイド900が第1の中足骨20の以前に切断された面に対して着座されるまで、切断ガイド900を中足骨ピン802上に摺動させることによって配置される。
図34のこの構成では、切断ガイド900のスロット912は、切断ガイド100、180、181の間隔に対する切断ガイド900のより近い間隔に起因して、第1の中足骨20のTMT関節に面する端部よりも中足骨ピン802の近くに位置合わせされる。切断ガイド900が配置されると、第1の中足骨20の基部は、切断ガイド900のスロット912を通して挿入された鋸ブレード836を使用して再切断することができる。ラピダスバニオン切除処置の残りは、
図16~
図24を参照して示され記載されるように、又は本明細書の他の場所で記載されるように、実質的に進行し得る。上記の再切断は、第1の中足骨20又は第1の楔状骨30に等しく適用され得ることが理解されるであろう。
【0112】
図36~
図38は、足10の骨の斜視図であり、
図32A~
図32Cに例解される再位置合わせガイド1020を使用した例示的なラピダスバニオン切除処置の前頭面再位置合わせ部分を順次例解している。
図36~
図38に例解されるラピダスバニオン切除術の前頭面再位置合わせ部分は、本明細書の他の箇所で記載されるように、第1の中足骨20及び第1の楔状骨30が切断された後であって、固定の前であればいつでも行われ得る。再位置合わせガイド1020は、ピンガイド及び前頭面再位置合わせのための圧迫ブロックの両方として構成されるため、
図36~
図38に例解される再位置合わせ部分は、
図16~
図18に例解されるようなラピダスバニオン切除術の圧迫部分の代わりに、又はそれに加えて(例えば、その前又はその後に)行われ得る。例えば、いくつかの処置では、外科医は、初期前頭面補正を行い得、その後、
図16に示されるように圧迫ブロックを初期に嵌合するときなどに、前頭面における第1の中足骨20の更なる補正又は再位置合わせが必要であると判定し得る。
【0113】
前頭面再位置合わせが、上記の
図15又は
図33に例解されるような構成で足100から始まり、中足骨ピン802が、第1の中足骨20内に残り、楔状骨ピン818が、本明細書に記載される切断ガイドを使用して骨を切断した後に第1の楔状骨30内に残る。再位置合わせ部分は、
図36に示される構成に続き、位置合わせガイド1020が、中足骨ピン802を第1の対の遠位ピン孔1035を通して挿入し、楔状骨ピン818を第1の対の近位ピン孔1030を通して挿入することによって配置される。中足骨ピン802及び楔状骨ピン818が、
図36に示されるように、再位置合わせガイド1020の同じ側にある穴の対の中に配設されるとき、再位置合わせガイド1020は、圧迫ブロック400と同様に機能し、いかなる前頭面再位置合わせも適用することなく、第1の中足骨20及び第1の楔状骨30の切断端を圧迫する。
図36に例解される段階において、外科医は、初期の前頭面調整が不十分であったこと、及び第1の中足骨20が所望の位置合わせに到達するために更に時計回りに回転することによって再位置合わせされるべきであることを判定し得る。
【0114】
図37及び
図38に示されるように、再位置合わせガイド1020は、足10(
図37)から取り外され、楔状骨ピン818及び中足骨ピン802上に置き換えられる。しかしながら、再位置合わせガイド1020を置き換える際に、楔状骨ピン818は、第1の対の近位ピン孔1030に対して角度変位された、第2の対の近位ピン孔1032を通して挿入される。中足骨ピン802は、
図36においてそれらが以前に挿入された同じ第1の対の遠位ピン孔1035を通して挿入される。これにより、再位置合わせガイド1020の置き換えは、第1の中足骨20の更なる時計回りの回転調整をもたらし、固定のためにTMT関節40を圧迫する。代替的に、反時計回りの調整は、楔状骨ピン818を同じ第1の対の近位ピン孔1030を通して再挿入し、中足骨ピン802を第2の組の遠位ピン孔1037を通して挿入することによって行われ得る。
図36~
図38に示されるような再位置合わせに続いて、ラピダスバニオン切除処置は、例えば、
図17~
図24を参照して示され記載されるように、TMT関節40の骨の固定に進むことができる。一時的な固定のためのクロスピン824は、
図18~
図20に示されるように、クロスピン孔1042のうちのいずれかを通して挿入することができる。
【0115】
図39~
図48は、足の骨の斜視図であり、
図31A~
図31Cに例解される再位置合わせガイド1000を使用した例示的なラピダスバニオン切除処置の前頭面再位置合わせ部分を順次例解している。
図39~
図48に例解されるラピダスバニオン切除術の前頭面再位置合わせ部分は、処置の様々な段階で、例えば、
図16に例解されるような圧迫ブロックを配置する前に行われ得る。いくつかの実施形態では、
図39~
図48に例解されるラピダスバニオン切除術の前頭面再位置合わせ部分は、圧迫ブロック400の初期配置が、固定前に多少の前頭面補正が必要とされることを示した後に行われ得る。より詳細に記載されるように、再位置合わせガイド1000を使用する再位置合わせは、再位置合わせガイド1000が、初期の対の中足骨ピンに対して回転変位された第2の対の中足骨ピンの配置をガイドするという点で、再位置合わせガイド1020(例えば、
図36~
図38)を使用する再位置合わせとは異なり、次いで、前頭面再位置合わせを完了するために圧迫ブロック400と組み合わせて使用され得る。
【0116】
前頭面再位置合わせが、上記の
図15又は
図33に例解されるような構成で足100から始まり、中足骨ピン802が、第1の中足骨20内に残り、楔状骨ピン818が、本明細書に記載される切断ガイドを使用して骨を切断した後に第1の楔状骨30内に残る。再位置合わせ部分は、
図39に示される構成に続き、再位置合わせガイド1000が、中足骨ピン802を再位置合わせガイド1000の第1の対のピン孔1012を通して挿入することによって配置される。この構成では、他の3対のピン孔1014、1016、1018は、時計回りの前頭面再位置合わせの3つの増加する量のためのピン配置位置を画定する。代替的に、反時計回りの前頭面再位置合わせが所望される場合、再位置合わせガイド1000は、中足骨ピン802を第4の対のピン孔1018を通して挿入することによって配置され得、それにより、他の3対のピン孔1012、1014、1016は、反時計回りの前頭面再位置合わせのためのピン配置位置を画定する。
【0117】
再位置合わせガイド1000が配置された後、プロセスは
図40に続き、第1の代替中足骨ピン803aが、一対のピン孔1016のうちの1つを通して第1の中足骨20に部分的に挿入される。第1の中足骨20内のピン孔1012、1014、1016、1018の経路の収束に起因して、中足骨ピン802が挿入されたままで代替中足骨ピンを完全に挿入することは不可能であるか又は望ましくない場合がある。そのため、第1の代替中足骨ピン803aは、第1の代替中足骨ピン803aが対応する中足骨ピン802に衝突しないように、部分的にのみ挿入され得る。好ましくは、第1の代替中足骨ピン803aは、中足骨ピン802のうちの1つが取り外される場合、第1の中足骨802に対する再位置合わせガイド1000の位置及び配向を保持するように、骨の中に十分に延在する。
【0118】
続いて
図41を参照すると、第1の代替中足骨ピン803aに対応する近位中足骨ピン802が、第1の中足骨20から取り外されている。この構成では、部分的に挿入された第1の代替中足骨ピン803a及び残りの中足骨ピン802は、第1の中足骨に対する再位置合わせガイド1000の位置及び配向を維持するのに十分である。
図42に示されるように、第1の代替中足骨ピン803aは、次いで、ピン孔1016及び第1の中足骨を通って完全に挿入された位置まで更に挿入することができ、再位置合わせガイド1000は、第1の代替中足骨ピン803aのピン配置ガイドとして役割を果たす。
【0119】
続いて
図43~
図45を参照すると、残りの中足骨ピン802に対して類似の置き換え処置が行われる。
図43に示されるように、第2の交換中足骨ピン803bは、一対のピン孔1016のおちの他のピン孔を通して部分的に挿入されている。
図44に示されるように、残りの中足骨ピン802は、第2の交換中足骨ピン803bが完全に挿入されることを可能にするために、取り外されている。
図45に示されるように、第2の交換中足骨ピン803bは、再位置合わせガイド1000を通して更に挿入される。
【0120】
続いて
図46を参照すると、再位置合わせガイド1000が足10から取り外され、それにより、交換中足骨ピン803a、803bは、第1の中足骨20内に残るが、取り外された中足骨ピン802に対して角度変位されている。
図47に示されるように、次いで、第1の中足骨20を、前頭面において第1の楔状骨30に対して回転させ、交換中足骨ピン803a、803bが、楔状骨ピン818と位置合わせされる最終配向にする。この最終的な前頭面再位置合わせプロセスに続いて、圧迫ブロック400などの圧迫ブロックが、次いで、固定のためにTMT関節40を圧迫するために、楔状骨ピン818及び交換中足骨ピン803a、803bの上に配置され得る。次いで、ラピダスバニオン切除処置は、例えば、
図17~
図24を参照して示され記載されるように、結論に進み得る。
【0121】
本明細書に記載される実施形態は、例示的である。修正、再配置、代替プロセスなどがこれらの実施形態に対して行われるが、依然として本明細書に記載のされる教示内に包含され得る。実施形態に応じて、本明細書に記載される方法のうちのいずれかのある特定の作用、イベント、又は機能は、異なる順序で行うことができ、追加し、統合し、又は完全に除外することができる(例えば、記載される行為又はイベントの全てが、方法の実施に必要であるわけではない)。更に、ある特定の実施形態では、行為又はイベントは、順次ではなく同時に行うことができる。
【0122】
「に接続される」、「に結合される」、及び「と連通する」という語句は、機械的、電気的、磁気的、電磁的、流体的、及び熱的相互作用を含む、2つ以上の実体間の任意の形態の相互作用を指す。2つの構成要素は、それらが互いに直接接触していなくても、互いに機能的に結合され得る。「当接する」という用語は、互いに直接物理的に接触している項目を指すが、項目は必ずしも共に取り付けられていなくてもよい。
【0123】
本明細書で使用される条件付き言語、中でも特に、「することができる(can)」、「することができる(could)」、「し得る(might)」、「し得る(may)」、「例えば(e.g.)」などは、別途具体的に指定されない限り、又は使用される文脈内で別様に理解されない限り、一般に、ある特定の実施形態がある特定の特徴、要素、及び/又は状態を含むが、他の実施形態は含まないことを伝達するように意図される。これにより、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、及び/又は状態が、1つ以上の実施形態に何らかの形で必要とされること、又は1つ以上の実施形態が、作成者の入力又はプロンプトの有無にかかわらず、これらの特徴、要素、及び/又は状態が任意の特定の実施形態に含まれるか、又は実行されるかどうかを判断するための論理を必然的に含むことを暗示することを意図するものではない。「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、「伴う(involving)」などの用語は同義であり、包括的に、オープンエンド方式で使用され、追加の要素、特徴、動作などを排除しない。また、「又は」という用語は、使用される場合、例えば、要素の列挙を接続するために、「又は」という用語は、列挙された要素のうちの1つ、いくつか、又は全てを意味するように、その包含的な意味で(かつその排他的な意味ではなく)使用される。
【0124】
「X、Y、又はZのうちの少なくとも1つ」という語句などの択一的言語は、別段に明記されない限り、項目、用語などがX、Y、若しくはZ、又はそれら(例えば、X、Y、及び/又はZ)の任意の組み合わせのいずれかであり得ることを提示するために一般に使用される文脈で別様に理解される。これにより、そのような択一的言語は、一般に、ある特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、又はZのうちの少なくとも1つがそれぞれ存在すること必要とすることを暗示することを意図せず、暗示すべきではない。
【0125】
別段に明記されない限り、「1つの(a)」又は「1つの(an)」などの冠詞は、一般に、1つ以上の記載された項目を含むと解釈されるべきである。そのため、「ように構成されたデバイス」などの句は、1つ以上の列挙されたデバイスを含むことが意図される。そのような1つ以上の列挙されたデバイスはまた、述べたられた列挙を実行するように集合的に構成することができる。例えば、「記録A、B、及びC」を実行するように構成されたプロセッサは、再処理B及びCを実行するように構成された第2のプロセッサと併せて、列挙Aを実行するように構成された第1のプロセッサを含むことができる。
【0126】
上記の詳細な説明は、例示的な実施形態に適用される新規の特徴を示し、記載し、指摘してきたが、例解されるデバイス又はアルゴリズムの形態及び詳細における様々な省略、置換、及び変更が、本開示の趣旨から逸脱することなく行うことができることが理解されよう。認識されるように、本明細書に記載されるある特定の実施形態は、いくつかの特徴が他の特徴とは別個に使用又は実施することができるため、本明細書に記載される特徴及び利点の全てを提供しない形態内で具現化することができる。特許請求の範囲に相当する意味及び範囲内に含まれる全ての変更が、それらの範囲内に包含されるものである。
【0127】
〔実施の態様〕
(1) バニオンを補正する方法であって、前記方法が、
複数の中足骨ピンを、第1の足根中足(TMT)関節に対して、第1の所定の間隔で、足の第1の中足骨に挿入することと、
前記足の前記第1のTMT関節を切除することであって、前記切除することが、
前記第1のTMT関節に近接する前記第1の中足骨の基部を切断することと、
前記第1のTMT関節に近接する前記足の第1の楔状骨の基部を切断することと、と含む、切除することと、
複数の楔状骨ピンを、前記第1のTMT関節に対して、第2の所定の間隔で、前記第1の楔状骨に挿入することと、
前記第1の中足骨の切断面が前記第1の楔状骨の切断面に接触するように、コンプレッサブロックを使用して、前記第1のTMT関節を圧迫することと、
前記第1のTMT関節を固定することと、を含む、方法。
(2) 前記第1のTMT関節が、骨プレート及び複数の骨ねじを使用して固定され、前記複数の骨ねじのうちの少なくとも1つが、前記骨プレートに対して90度未満の角度で延在するクロスねじ(cross screw)である、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記クロスねじが、前記骨プレート、前記第1の中足骨、及び前記足の第2の中足骨又は前記足の第2の楔状骨の少なくとも一部分を通って延在している、実施態様2に記載の方法。
(4) ステープルの第1の脚部が前記第1の楔状骨内に着座され、かつ前記ステープルの第2の脚部が前記第1の中足骨内に着座されるように、前記骨プレートを通して、前記ステープルを配置することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記骨プレートが、前記ステープルの前記第2の脚部が前記クロスねじの配置を妨げないように、前記クロスねじの配置をガイドするように形状設定されたクロスねじ開口部を備える、実施態様4に記載の方法。
【0128】
(6) 前記複数の中足骨ピンが、前記第1のTMT関節を切除する前に挿入される、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記複数の楔状骨ピンが、前記第1の楔状骨の前記基部を切断する前に挿入される、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記複数の中足骨ピン及び前記複数の楔状骨ピンを挿入する前に、前記第1のTMT関節の背側にわたって切断ガイドを配置することを更に含み、前記切断ガイドが、
本体と、
前記本体を通って平行に延在する複数の近位ピン孔と、
前記近位ピン孔に平行に前記本体を通って延在する複数の遠位ピン孔と、
関節探索パドルであって、前記関節探索パドルが前記第1のTMT関節内に少なくとも部分的に配設されたときに、前記遠位ピン孔が、前記第1のTMT関節に対して前記第1の所定の間隔を画定し、前記近位ピン孔が、前記第1のTMT関節に対して前記第2の所定の間隔を画定するように、前記近位ピン孔と前記遠位ピン孔との間で前記本体から下方に延在する、関節探索パドルと、を備える、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記切断ガイドが、前記本体を通って延在する近位スロットと、前記近位スロットに対して前記関節探索パドルの反対側で前記本体を通って延在する遠位スロットとを更に備え、前記遠位スロットが、前記第1の中足骨の前記基部を切断するための切断面を画定し、前記近位スロットが、前記第1の楔状骨の前記基部を切断するための切断面を画定する、実施態様8に記載の方法。
(10) 前記第1のTMT関節を圧迫する前に、
前記複数の中足骨ピンに結合された制御ハンドルを使用して、前記足の前頭面内で前記第1の中足骨の位置合わせを調整することと、
前記第1の中足骨の内側に配設された内側フック及び前記足の第2の中足骨の外側に配設された外側フックを備えるリニアレデューサを使用して、前記足の横断面内で前記第1の中足骨の位置合わせを調整することであって、前記外側フックが前記内側フックに対して調整可能な間隔を有する、調整することと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0129】
(11) 前記横断面内の前記第1の中足骨の前記位置合わせを調整する前に、前記第1の中足骨を前記内側フックに対して回転可能に固定するために、内側フックピンを前記内側フックの開口部を通して前記第1の中足骨に挿入することを更に含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記内側フック及び前記外側フックのうちの少なくとも一方が、放射線透過性材料を含む、実施態様10に記載の方法。
(13) 前記制御ハンドルが、ハンドル部分及び係合部分を備え、前記係合部分が、前記中足骨ピン間の距離と同じ間隔で離間された複数のピン開口部を備える、実施態様10に記載の方法。
(14) 前記前頭面内の前記第1の中足骨の前記位置合わせを調整することが、
前記係合部分が前記第1の中足骨に近接するように、前記中足骨ピン上で前記ピン開口部を摺動させることと、
前記制御ハンドルにトルクを印加することによって、前記第1の中足骨の長手方向軸を中心に前記第1の中足骨を回転させることと、を含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記横断面内で前記第1の中足骨の前記位置合わせを調整することが、前記第1の中足骨の遠位端を前記第2の中足骨に近づけるために、前記外側フックと前記内側フックとの間の前記調整可能な間隔を低減させることを含む、実施態様10に記載の方法。
【0130】
(16) 前記第1の中足骨の前記横断面位置合わせが、前記第1の中足骨が前記リニアレデューサの前記内側フックに対して回転可能に固定されている間に調整される、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記複数の楔状骨ピンが、前記前頭面及び前記横断面における前記第1の中足骨の前記位置合わせを調整した後に挿入される、実施態様10に記載の方法。
(18) 前記コンプレッサブロックが、
上面及び底面を備える本体と、
前記上面及び前記底面に対して90度未満の第1の角度で前記本体を通って前記上面から前記底面まで延在する複数の近位ピン孔と、
複数の遠位ピン孔であって、前記近位ピン孔及び前記遠位ピン孔が前記上面に対して前記底面においてより密接して離間されるように、前記上面及び前記底面に対して前記第1の角度で前記本体を通って前記上面から前記底面まで延在する、複数の遠位ピン孔と、を備える、実施態様1に記載の方法。
(19) 前記第1のTMT関節を圧迫することが、
前記楔状骨ピンを前記底面の前記近位ピン孔に挿入することと、
前記中足骨ピンを前記底面の前記遠位ピン孔に挿入することと、
前記コンプレッサブロックを前記楔状骨ピン及び前記中足骨ピンに沿って前記第1のTMT関節に向かって摺動させることと、を含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記コンプレッサブロックが、それを通って延在する少なくとも1つのクロスピン孔を更に備え、前記少なくとも1つのクロスピン孔の各々が、前記コンプレッサブロックが前記楔状骨ピン及び前記中足骨ピン上で前記第1のTMT関節に近接して位置合わせされたときに、前記第1のTMT関節を斜めに通過する直線経路を画定する、実施態様18に記載の方法。
【0131】
(21) 前記第1のTMT関節を圧迫した後、
前記第1のTMT関節を一時的に固定するために、前記少なくとも1つのクロスピン孔を通してクロスピンを挿入することと、
前記楔状骨ピン及び前記中足骨ピンを前記足から取り外すことと、
前記コンプレッサブロックを前記クロスピンに沿って前記第1のTMT関節から離れるように摺動させることによって、前記コンプレッサブロックを取り外すことと、を更に含む、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記第1のTMT関節を少なくとも部分的に固定した後に、前記クロスピンを取り外すことを更に含む、実施態様21に記載の方法。
(23) 前記複数の中足骨ピン及び前記複数の楔状骨ピンを挿入する前に、前記第1のTMT関節の背側にわたって可逆切断ガイドを配置することを更に含み、前記可逆切断ガイドが、
本体と、
前記本体を通って平行に延在する複数の第1のピン孔と、
前記近位ピン孔に平行に前記本体を通って延在する複数の第2のピン孔と、
関節探索パドルであって、前記関節探索パドルが前記第1のTMT関節内に少なくとも部分的に配設されるとき、前記第1のピン孔が前記第1のTMT関節に対して前記第1の所定の間隔を画定するように、前記近位ピン孔と前記遠位ピン孔との間で前記本体から下方に延在する、関節探索パドルと、
スロットであって、前記スロットが前記第1の中足骨の前記基部又は前記第1の楔状骨の前記基部を切断するための切断面を画定するように、前記関節探索パドルの平面に平行に前記本体を通って延在する、スロットと、を備える、実施態様1に記載の方法。
(24) 前記第1の中足骨の前記基部及び前記第1の楔状骨の前記基部が、前記スロットを通って切断され、前記方法が、前記第1の中足骨の前記基部を切断した後、かつ前記第1の楔状骨の前記基部を切断する前に、
前記第1のTMT関節から前記可逆切断ガイドを取り外すことと、
前記スロットが前記第1の楔状骨の前記基部を切断するための切断面を画定するように、逆配向に前記第1のTMT関節の前記背側にわたって前記可逆切断ガイドを配置することと、を更に含む、実施態様23に記載の方法。
(25) 前記第1のTMT関節を固定する前に、追加の組織を除去するために、前記第1の中足骨の前記基部又は前記第1の楔状骨の前記基部を再切断することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0132】
(26) 前記再切断することが、前記中足骨ピン又は前記楔状骨ピン上に配設された再切断ガイドを使用して行われ、前記再切断ガイドが、前記第1のTMT関節の前記切除に使用される切断ガイドによって画定される所定の間隔よりも小さい所定の再切断間隔を画定する、実施態様25に記載の方法。
(27) 前記第1のTMT関節を固定する前に、前記第1の中足骨の前記前頭面内での追加の回転を含む前頭面再位置合わせを行うことを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(28) 前記前頭面再位置合わせが、前記第1のTMT関節の圧迫と同時に行われ、前記コンプレッサブロックが、前記コンプレッサブロックを配置することが前記第1のTMT関節を圧迫し、前記追加の回転を維持するように、角度変位したピン孔を備える再位置合わせガイドとして構成されている、実施態様27に記載の方法。
(29) 前記前頭面再位置合わせが、前記第1のTMT関節の前記圧迫の前に行われ、前記前頭面再位置合わせが、
再位置合わせガイドを通して、前記第1のTMT関節に対して前記第1の所定の間隔で複数の交換中足骨ピンを挿入することであって、前記交換中足骨ピンが、前記中足骨ピンに対して角度変位される、挿入することと、
前記第1のTMT関節を圧迫する前に、前記交換中足骨ピンを前記楔状骨ピンと直線的に位置合わせすることと、を含む、実施態様27に記載の方法。
(30) バニオンを補正する方法であって、前記方法が、
切断ガイドを足の第1の足根中足(TMT)関節の背側にわたって配置することであって、それにより、前記切断ガイドの複数の第1のピン孔が、前記足の第1の中足骨に近接して配設され、前記切断ガイドの複数の第2のピン孔が、前記足の第1の楔状骨に近接して配設され、前記切断ガイドの関節探索パドルが、少なくとも部分的に前記第1のTMT関節内に配設される、配置することと、
複数の中足骨ピンを前記第1のピン孔を通して前記第1の中足骨に挿入することと、
前記第1のピン孔と前記関節探索パドルとの間で前記切断ガイドを通って延在するスロットを通って前記第1のTMT関節に近接する前記第1の中足骨の基部を切断することと、
前記切断ガイドを前記足から取り外すことと、
前記中足骨ピンが前記第2のピン孔を通って延在する逆の構成で、前記第1のTMT関節の前記背側にわたって前記切断ガイドを置き換えることと、
前記足の前頭面及び横断面のうちの少なくとも一方内の前記第1の中足骨の位置合わせを調整することと、
複数の楔状骨ピンを前記第1のピン孔を通して前記第1の楔状骨内に挿入することと、
前記スロットを通って前記第1のTMT関節に近接する前記第1の楔状骨の基部を切断することと、
前記第1の中足骨の切断面が前記第1の楔状骨の切断面に接触するように、コンプレッサブロックを使用して前記第1のTMT関節を圧迫することと、
前記第1のTMT関節を固定することと、を含む、方法。
【0133】
(31) バニオン補正キットであって、
切断ガイドであって、
本体と、
前記本体を通って平行に延在し、第1の距離で離間された複数の第1のピン孔と、
前記第1のピン孔に平行に前記本体を通って延在する複数の第2のピン孔であって、前記複数の第2のピン孔が、前記第1の距離で離間されている、複数の第2のピン孔と、
近位ピン孔と遠位ピン孔との間で前記本体から延在する関節探索パドルと、
前記関節探索パドルと前記第1のピン孔との間で前記関節探索パドルに平行に前記本体を通って延在するスロットであって、前記スロットは、前記関節探索パドルが足根中足(TMT)関節内に少なくとも部分的に配設されるときに第1の中足骨又は第1の楔状骨の基部の切断をガイドするように構成されている、スロットと、を備える、切断ガイドと、
内側フック及び外側フックを備えるリニアレデューサであって、前記内側フックと前記外側フックとの間の間隔が、前記内側フックが前記第1の中足骨の内側に対して着座され、かつ前記外側フックが第2の中足骨の外側に対して着座されるときに、横断面補正を実施するように調整可能である、リニアレデューサと、
ハンドル部分及び係合部分を備える制御ハンドルであって、前記係合部分が、前記第1の距離で離間されたピン開口部を備える、制御ハンドルと、
コンプレッサブロックであって、
上面及び底面を有する本体と、
前記上面及び前記底面に対して90度未満の第1の角度で、前記本体を通って、前記上面から前記底面まで延在する複数の近位ピン孔と、
前記上面及び前記底面に対して、前記第1の角度で、前記本体を通って、前記上面から前記底面まで延在する、複数の遠位ピン孔であって、前記遠位ピン孔は、前記近位ピン孔及び前記遠位ピン孔が前記上面に対して前記底面においてより密接して離間されるように、前記近位ピン孔に対して収束している、複数の遠位ピン孔と、を備える、コンプレッサブロックと、を備える、バニオン補正キット。
(32) 再切断ガイドを更に備え、前記再切断ガイドが、
本体と、
前記本体を通って延在し、前記第1の距離で離間された複数のピン孔と、
前記本体から延在する関節探索パドルと、
前記関節探索パドルと前記ピン孔との間で前記関節探索パドルに平行に前記本体を通って延在するスロットであって、前記再切断ガイドの前記スロットが、前記切断ガイドの前記スロットと前記切断ガイドの前記第1のピン孔との間の対応する距離と比較して、前記再切断ガイドの前記ピン孔により近い、スロットと、を備える、実施態様31に記載のバニオン補正キット。
(33) 前記コンプレッサブロックが、前頭面再位置合わせガイドとして構成され、前記複数の近位ピン孔のうちの少なくとも2つが、前記複数の遠位ピン孔のうちの少なくとも2つに対して角度変位されている、実施態様31に記載のバニオン補正キット。
(34) 1つ以上の骨ねじと、前記1つ以上の骨ねじを受容するように構成された骨プレートと、を更に備え、前記骨プレートが、前記骨プレートに対して90度未満の角度で延在するクロスねじとして、前記1つ以上の骨ねじのうちの少なくとも1つを受容するように構成されている、実施態様31に記載のバニオン補正キット。
(35) 第1の中足骨の横断面位置合わせを調整するように構成されたリニアレデューサであって、前記リニアレデューサが、
近位端及び遠位端を有する、シャフトと、
前記遠位端において前記シャフトに結合された内側フックであって、前記内側フックの少なくとも一部分が、第1の中足骨の内側に対して着座するように形状設定された凹状湾曲面を備える、内側フックと、
前記近位端と前記遠位端との間の中間位置において前記シャフトに摺動可能に結合された外側フックであって、前記内側フックの少なくとも一部分が、前記内側フックが前記第1の中足骨の前記内側に対して着座される間に第2の中足骨の外側に対して着座するように形状設定された凹状湾曲面を備える、外側フックと、
前記外側フックの近位側に隣接する前記シャフトに結合されたハンドルであって、前記内側フックが前記第1の中足骨の内側に対して着座され、かつ前記外側フックが前記第2の中足骨の外側に対して着座されるときに、横断面補正を実施するために、前記外側フックを前記内側フックに対して移動させるように、前記ハンドルの直線位置が前記シャフトに沿って調整可能である、ハンドルと、を備える、リニアレデューサ。
【0134】
(36) 前記シャフトが、ねじ付き外面を備え、前記ハンドルは、前記ハンドルの前記直線位置が、前記ハンドルを前記シャフトを中心にねじることによって調整可能であるように、前記ハンドルを通って延在し、かつ前記シャフトの前記ねじ付き外面と係合する、ねじ付き開口部を備える、実施態様35に記載のリニアレデューサ。
(37) 前記内側フックが、1つ以上の開口部を備え、前記1つ以上の開口部が、それを通って前記第1の中足骨内に延在するピンを収容するように前記凹状湾曲面を通って延在している、実施態様35に記載のリニアレデューサ。
(38) 前記内側フックが、係止位置から係止解除位置に移動可能なクイックリリースカップリングによって前記シャフトに結合され、前記係止解除位置において、前記内側フックが、前記シャフトの長手方向軸に沿って摺動可能である、実施態様37に記載のリニアレデューサ。
(39) 前記内側フック及び前記外側フックのうちの少なくとも一方が、放射線透過性材料を含む、実施態様37に記載のリニアレデューサ。
(40) 前記放射線透過性材料が、炭素繊維を含む、実施態様39に記載のリニアレデューサ。
【0135】
(41) バニオン補正処置において、第1の中足骨及び第1の楔状骨の切断をガイドするように構成された切断ガイドであって、前記切断ガイドが、
前記切断ガイドの長手方向軸に沿って、第1の端部及び前記第1の端部と反対側の第2の端部を備える、本体と、
前記第1の端部に近接して前記本体を通って平行に延在する複数の第1のピン孔であって、前記第1のピン孔が所定の間隔で前記長手方向軸に沿って離間されている、複数の第1のピン孔と、
前記第2の端部に近接して前記本体を通って延在し、前記第1のピン孔に平行である複数の第2のピン孔であって、前記第2のピン孔が、前記所定の間隔で前記長手方向軸に沿って離間されている、複数の第2のピン孔と、
前記第1のピン孔と前記第2のピン孔との間で第1の中間位置において前記長手方向軸に垂直に前記本体を通って延在する切断スロットであって、前記切断スロットが、それを通して挿入される鋸ブレードによる骨の切断をガイドするようにサイズ設定及び形状設定されている、切断スロットと、
関節探索パドルであって、前記切断スロットが前記第1の中足骨の基部の切断をガイドする中足骨切断配向、又は前記切断スロットが前記第1の楔状骨の基部の切断をガイドする楔状骨切断配向のいずれかにおいて、前記関節探索パドルが第1の足根中足(TMT)関節内に着座された状態で、前記切断ガイドが前記第1のTMT関節にわたって配置され得るように、前記切断スロットと前記第2のピン孔との間の第2の中間位置において、前記長手方向軸に対して垂直に前記本体の骨対向面から延在する、関節検索パドルと、を備える、切断ガイド。
(42) 前記切断スロットに垂直に前記本体を通って延在し、かつ前記切断スロットと交差する、1つ以上の長手方向開口部を更に備える、実施態様41に記載の切断ガイド。
(43) 前記切断ガイドが、第2の切断スロットを含まない、実施態様41に記載の切断ガイド。
(44) 前記長手方向軸に対して横方向に変位した位置において、前記本体を通って延在する、1つ以上の収束ピン孔を更に備え、各収束ピン孔が、前記長手方向軸から第1の距離で、前記骨対向面と交わり、前記長手方向軸から第2の距離で、前記骨対向面の反対側の前記本体の上面と交わり、前記第2の距離が、前記第1の距離よりも大きい、実施態様41に記載の切断ガイド。
(45) 前記切断スロットが、第1の幅を有する中間セクションと、前記中間セクションの両端における末端セクションと、を備え、前記末端セクションが、前記第1の幅よりも大きい第2の幅を有する、実施態様41に記載の切断ガイド。
【国際調査報告】