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  • 特表-治療剤ナノ粒子および調製方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-06
(54)【発明の名称】治療剤ナノ粒子および調製方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/14 20060101AFI20230330BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230330BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230330BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20230330BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20230330BHJP
   A61K 9/72 20060101ALI20230330BHJP
   A61K 31/12 20060101ALI20230330BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20230330BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20230330BHJP
   A61K 31/4422 20060101ALI20230330BHJP
   A61K 31/5415 20060101ALI20230330BHJP
   A61K 31/277 20060101ALI20230330BHJP
   A61K 31/122 20060101ALI20230330BHJP
   A61K 31/381 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
A61K9/14
A61K45/00
A61K47/26
A61K47/38
A61K47/32
A61K9/72
A61K31/12
A61K31/55
A61K31/192
A61K31/4422
A61K31/5415
A61K31/277
A61K31/122
A61K31/381
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022549677
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(85)【翻訳文提出日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 US2021018466
(87)【国際公開番号】W WO2021168043
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】62/978,773
(32)【優先日】2020-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522327522
【氏名又は名称】ナノ ファーマソリューションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】オルムステッド, ケイ
(72)【発明者】
【氏名】リ, セヨン
(72)【発明者】
【氏名】コ, ソク-クン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA32
4C076AA93
4C076BB01
4C076BB24
4C076BB26
4C076BB31
4C076DD38
4C076DD67
4C076EE16
4C076EE32
4C076FF04
4C076GG16
4C084AA17
4C084MA13
4C084MA41
4C084MA52
4C084MA55
4C084MA58
4C084MA63
4C086AA01
4C086AA02
4C086BB03
4C086BC25
4C086BC32
4C086BC90
4C086GA08
4C086GA10
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA13
4C086MA41
4C086MA52
4C086MA55
4C086MA58
4C086MA63
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA19
4C206CB28
4C206DA24
4C206HA13
4C206KA01
4C206MA02
4C206MA05
4C206MA13
4C206MA41
4C206MA52
4C206MA55
4C206MA58
4C206MA63
(57)【要約】
被覆粒子であって、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み、ここで、前述のマイクロ粒子の表面が前述のナノ粒子で被覆されている、被覆粒子を本明細書中に提供する。被覆粒子を含む医薬組成物も本明細書中に提供する。さらに、その調製方法を本明細書中に提供する。低水溶性は、依然として小分子薬物開発における大きな障害である。本開示は、治療に適用するための低溶解性小分子を製剤化する有効かつ頑強なテクノロジーを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆粒子であって、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)ナノ粒子であって、各々が治療剤を含む、ナノ粒子を含み;ここで、前記マイクロ粒子の表面が、前記ナノ粒子で被覆されている、被覆粒子。
【請求項2】
前記マイクロ粒子の表面が、前記ナノ粒子の層で被覆されている、請求項1に記載の被覆粒子。
【請求項3】
前記マイクロ粒子の表面が、前記ナノ粒子の単層で被覆されている、請求項1または2に記載の被覆粒子。
【請求項4】
前記被覆粒子が、
a.前記治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前記マイクロ粒子の表面上に前記ナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前記所定の真空圧力下で前記マイクロ粒子の表面上に前記蒸気を堆積させる工程であって、それにより前記被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製された、請求項1~3のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項5】
前記第1の所定の温度が、約50~約500℃、約100~約400℃、約50~約300℃、約100~約300℃、約100~約250℃、約150~約300℃、または約200~約300℃の範囲である、請求項4に記載の被覆粒子。
【請求項6】
前記第1の所定の温度が、約50~約250℃の範囲である、請求項4または5に記載の被覆粒子。
【請求項7】
前記所定の真空圧力が、約10-1torr以下、約10-2torr以下、約10-3torr以下、約10-4torr以下、約10-5torr以下、約10-6torr以下、約10-7torr以下、約10-8torr以下、または約10-9torr以下である、請求項4~6のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項8】
前記所定の真空圧力が、約10-3~約10-9torrの範囲である、請求項4~7のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項9】
前記所定の撹拌速度が、約10~約200rpm、約20~約150rpm、約20~約120rpm、約50~約100rpm、または約80~約100rpmの範囲である、請求項4~8のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項10】
前記所定の撹拌速度が、約50~約100rpmの範囲である、請求項4~9のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項11】
前記第2の所定の温度が、約100℃以下、約50℃以下、約40℃以下、約35℃以下、約30℃以下、または約25℃以下である、請求項4~10のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項12】
前記第2の所定の温度が約100℃以下である、請求項4~11のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項13】
前記薬学的に許容され得る賦形剤が親水性賦形剤である、請求項1~12のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項14】
前記薬学的に許容され得る賦形剤が糖アルコールである、請求項1~13のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項15】
前記薬学的に許容され得る賦形剤が、アラビトール、エリスリトール、フシトール、ガラクチトール、イジトール、イノシトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マルトトリイトール、マンニトール、リビトール、ソルビトール、トレイトール、ボレミトール、キシリトール、またはこれらの混合物である、請求項1~14のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項16】
前記薬学的に許容され得る賦形剤が、エリスリトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、またはこれらの混合物である、請求項1~15のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項17】
前記薬学的に許容され得る賦形剤が、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、またはこれらの混合物である、請求項1~16のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項18】
前記薬学的に許容され得る賦形剤がマンニトールである、請求項1~17のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項19】
前記薬学的に許容され得る賦形剤が糖である、請求項1~13のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項20】
前記薬学的に許容され得る賦形剤が、デキストロース、フルクトース、グルコース、ラクトース、マルトース、糖蜜、スクロース、トレハロース、またはこれらの混合物である、請求項1~13および19のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項21】
前記薬学的に許容され得る賦形剤がデキストロースである、請求項1~13、20、および21のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項22】
前記薬学的に許容され得る賦形剤がD-デキストロースである、請求項21に記載の被覆粒子。
【請求項23】
前記薬学的に許容され得る賦形剤が、グルコース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ラクトース、マンニトール、またはポリビニルピロリドン(PVP)である、請求項1~12のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項24】
前記マイクロ粒子の平均粒径が、約1~約1,000μm、約10~約500μm、約20~約500μm、約50~約300μm、または約100~約300μmの範囲である、請求項1~23のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項25】
前記マイクロ粒子の平均粒径が、約1~約100μm、約1~約50μm、または約1~約25μmの範囲である、請求項1~23のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項26】
前記治療剤がBCSクラスII化合物である、請求項1~25のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項27】
前記治療剤がBCSクラスIV化合物である、請求項1~25のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項28】
前記治療剤の融点が約300℃以下である、請求項1~27のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項29】
前記ナノ粒子の平均粒径が、約1~約500nm、約1~約200nm、約2~約200nm、約5~約200nm、約10~約200nm、または約10~約100nmの範囲である、請求項1~28のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項30】
前記ナノ粒子の平均粒径が約10~約500nmの範囲である、請求項1~29のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項31】
前記被覆粒子が、約0.1~約25重量%、約0.2~約20重量%、約0.5~約10重量%、または約1~約10重量%の範囲の量の前記ナノ粒子を含む、請求項1~30のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項32】
前記被覆粒子が、約0.1~約10重量%の範囲の量の前記ナノ粒子を含む、請求項1~31のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項33】
前記被覆粒子の平均粒径が、約1~約1,000μm、約10~約500μm、約20~約500μm、約50~約300μm、または約100~約300μmの範囲である、請求項1~32のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項34】
前記被覆粒子の平均粒径が、約1~約100μm、約1~約50μm、または約1~約25μmの範囲である、請求項1~32のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項35】
前記治療剤が、カンナビジオール、カルバマゼピン、イブプロフェン、ニフェジピン、ピロキシカム、プルンバギン、ベラパミル、またはジロートンである、請求項1~34のいずれか1項に記載の被覆粒子。
【請求項36】
請求項1~35のいずれか1項に記載の被覆粒子を含む医薬組成物。
【請求項37】
前記医薬組成物が、経口投与、非経口投与、または局所投与のために製剤化されている、請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記医薬組成物が、眼もしくは耳への投与、または吸入による投与のために製剤化されている、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項39】
前記医薬組成物が、吸入による投与のために製剤化されている、請求項37に記載の医薬組成物。
【請求項40】
被覆粒子を調製する方法であって、各々の粒子が、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み、
a.前記治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前記マイクロ粒子の表面上に前記ナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前記所定の真空圧力下で前記マイクロ粒子の表面上に前記蒸気を堆積させる工程であって、それにより前記被覆粒子を形成させる工程
を含む、方法。
【請求項41】
前記第1の所定の温度が、約50~約500℃、約100~約400℃、約50~約300℃、約100~約300℃、約100~約250℃、約150~約300℃、または約200~約300℃の範囲である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の所定の温度が約50~約250℃の範囲である、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記所定の真空圧力が、約10-1torr以下、約10-2torr以下、約10-3torr以下、約10-4torr以下、約10-5torr以下、約10-6torr以下、約10-7torr以下、約10-8torr以下、または約10-9torr以下である、請求項40~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記所定の真空圧力が約10-3~約10-9torrの範囲である、請求項40~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記所定の撹拌速度が、約10~約200rpm、約20~約150rpm、約20~約120rpm、約50~約100rpm、または約80~約100rpmの範囲である、請求項40~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記所定の撹拌速度が約50~約100rpmの範囲である、請求項40~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記第2の所定の温度が、約100℃以下、約50℃以下、約40℃以下、約35℃以下、約30℃以下、または約25℃以下である、請求項40~46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記第2の所定の温度が約100℃以下である、請求項40~47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記薬学的に許容され得る賦形剤が親水性賦形剤である、請求項40~48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
前記薬学的に許容され得る賦形剤が糖アルコールである、請求項40~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記薬学的に許容され得る賦形剤が、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、またはこれらの混合物である、請求項40~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記薬学的に許容され得る賦形剤がマンニトールである、請求項40~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記薬学的に許容され得る賦形剤が糖である、請求項40~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記薬学的に許容され得る賦形剤がデキストロースである、請求項40~49および53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記薬学的に許容され得る賦形剤がD-デキストロースである、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記マイクロ粒子の平均粒径が、約1~約1,000μm、約10~約500μm、約20~約500μm、約50~約300μm、または約100~約300μmの範囲である、請求項40~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記マイクロ粒子の平均粒径が、約1~約100μm、約1~約50μm、または約1~約25μmの範囲である、請求項40~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記治療剤がBCSクラスII化合物である、請求項40~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記治療剤がBCSクラスIV化合物である、請求項40~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記治療剤の融点が約300℃以下である、請求項40~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記ナノ粒子の平均粒径が、約1~約500nm、約1~約200nm、約2~約200nm、約5~約200nm、約10~約200nm、または約10~約100nmの範囲である、請求項40~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記ナノ粒子の平均粒径が、約10~約500nmの範囲である、請求項40~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記被覆粒子が、約0.1~約25重量%、約0.2~約20重量%、約0.5~約10重量%、または約1~約10重量%の範囲の量の前記ナノ粒子を含む、請求項40~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記被覆粒子が、約0.1~約10重量%の範囲の量の前記ナノ粒子を含む、請求項40~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記被覆粒子の平均粒径が、約1~約1,000μm、約10~約500μm、約20~約500μm、約50~約300μm、または約100~約300μmの範囲である、請求項40~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記被覆粒子の平均粒径が、約1~約100μm、約1~約50μm、または約1~約25μmの範囲である、請求項40~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記治療剤が、カンナビジオール、カルバマゼピン、イブプロフェン、ニフェジピン、ピロキシカム、プルンバギン、ベラパミル、またはジロートンである、請求項40~66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
治療剤のナノ粒子を調製する方法であって、
a.前記治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前記マイクロ粒子の表面上に前記ナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前記所定の真空圧力下で、薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子の表面上に前記蒸気を堆積させる工程
を含む、方法。
【請求項69】
治療剤のナノ粒子であって、
a.前記治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前記マイクロ粒子の表面上に前記ナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前記所定の真空圧力下で、薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子の表面上に前記蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子。
【請求項70】
被覆粒子のバッチであって、各々の前記粒子が、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前記被覆粒子が、
a.前記治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前記マイクロ粒子の表面上に前記ナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前記所定の真空圧力下で前記マイクロ粒子の表面上に前記蒸気を堆積させる工程であって、それにより前記被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子のバッチ。
【請求項71】
治療剤のナノ粒子のバッチであって、
a.前記治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前記マイクロ粒子の表面上に前記ナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前記所定の真空圧力下で、薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子の表面上に前記蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子のバッチ。
【請求項72】
被覆粒子を含む医薬組成物のバッチであって、各々の前記粒子が、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前記被覆粒子が、
a.前記治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前記マイクロ粒子の表面上に前記ナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前記所定の真空圧力下で前記マイクロ粒子の表面上に前記蒸気を堆積させる工程であって、それにより前記被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子を含む医薬組成物のバッチ。
【請求項73】
治療剤のナノ粒子および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物のバッチであって、前記ナノ粒子が、
a.前記治療剤を所定の温度にて第1の所定の真空圧力下で気化させる工程であって蒸気を形成させる工程;および
b.前記マイクロ粒子の表面上に前記ナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前記所定の真空圧力下で、前記薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子の表面上に前記蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物のバッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年2月19日出願の米国仮出願62/978,773号(その開示全体が本明細書中で参考として援用される)の優先権の利益を主張する。
分野
被覆粒子であって、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み、ここで、前述のマイクロ粒子の表面が前述のナノ粒子で被覆されている、被覆粒子を本明細書中に提供する。被覆粒子を含む医薬組成物も本明細書中に提供する。さらに、その調製方法を本明細書中に提供する。
【背景技術】
【0002】
背景
水溶性の低さは、製剤における大きな課題である。Savjani et al.,ISRN Pharm.2012,2012,195727。70%を超える小分子の新規化学物質(NCE)および現在市販されている薬物の約40%の水溶性が低い。Kollipara and Gandhi,Acta Pharm.Sin.B 2014,4,333-349。低溶解性薬の溶解性を向上させるために種々の技術が開発されており、これらの技術としては、粒径の減少、結晶工学、塩形成、固体分散、界面活性剤の使用、および錯体形成が挙げられる。例えば、同上;Challa et al.,AAPS PharmSciTech 2005,6,E329-E357;Salama,Drug Deliv.Transl.Res.2020,10,1-12を参照のこと。製剤テクノロジーは進歩しているが、低水溶性は、依然として小分子薬物開発における大きな障害である。したがって、治療に適用するための低溶解性小分子を製剤化する有効かつ頑強なテクノロジーが必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Savjani et al.,ISRN Pharm.2012,2012,195727
【非特許文献2】Kollipara and Gandhi,Acta Pharm.Sin.B 2014,4,333-349
【非特許文献3】Challa et al.,AAPS PharmSciTech 2005,6,E329-E357
【非特許文献4】Salama,Drug Deliv.Transl.Res.2020,10,1-12
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示の概要
被覆粒子であって、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)ナノ粒子であって、各々が治療剤を含む、ナノ粒子を含み;前述のマイクロ粒子が前述のナノ粒子で表面被覆されている、被覆粒子を本明細書中に提供する。
【0005】
被覆粒子を含む医薬組成物であって、各々の粒子が、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み、前述のマイクロ粒子が、前述のナノ粒子で表面被覆されている、医薬組成物も本明細書中に提供する。
【0006】
さらに、被覆粒子を調製する方法であって、各々の前述の粒子が、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む、方法を本明細書中に提供する。
【0007】
さらに、治療剤のナノ粒子を調製する方法であって、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で、薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む、方法を本明細書中に提供する。
【0008】
被覆粒子であって、各々の前述の粒子が、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子を本明細書中に提供する。
【0009】
治療剤のナノ粒子であって、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で、薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子を本明細書中に提供する。
【0010】
被覆粒子を含む医薬組成物であって、各々の前述の粒子が、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子を含む医薬組成物を本明細書中に提供する。
【0011】
治療剤のナノ粒子を含む医薬組成物であって、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で、薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子を含む医薬組成物を本明細書中に提供する。
【0012】
被覆粒子のバッチであって、各々の前述の粒子が、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子のバッチを本明細書中に提供する。
【0013】
治療剤のナノ粒子のバッチであって、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で、薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子のバッチを本明細書中に提供する。
【0014】
被覆粒子を含む医薬組成物のバッチであって、各々の前述の粒子が、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子を含む医薬組成物のバッチを本明細書中に提供する。
【0015】
治療剤のナノ粒子および薬学的に許容され得る(pharmaceutical acceptable)賦形剤を含む医薬組成物のバッチであって、前述のナノ粒子が、
a.前述の治療剤を所定の温度にて第1の所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で、前述の薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物のバッチを本明細書中に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、マイクロ粒子を治療剤の蒸気と接触させることによる、親水性賦形剤のマイクロ粒子の表面上の治療剤のナノ粒子の形成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
本明細書中に記載の開示の理解を助けるために、いくつかの用語を以下に定義する。
【0018】
一般に、本明細書中で使用した命名法、ならびに本明細書中に記載の有機化学、医薬品化学、および薬理学の実験手順は、当該分野で周知であり、一般的に使用されているものである。別段の定義がない限り、本明細書中で使用した全ての技術用語および科学用語は、一般に、本開示に属する当業者によって一般的に理解されている意味を有する。
【0019】
用語「薬学的に許容され得る担体」、「薬学的に許容され得る賦形剤」、「生理学的に許容され得る担体」、または「生理学的に許容され得る賦形剤」は、薬学的に許容され得る材料、組成物、またはビヒクル(液体または固体の充填剤、希釈剤、溶媒、または封入材料など)を指す。1つの実施形態では、各構成要素は、医薬製剤の他の成分と適合し、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、または他の問題もしくは合併症を伴わずに被験体(例えば、ヒトまたは動物)の組織または臓器と接触させた使用に好適であり、妥当な利益/リスク比に見合うという意味で、「薬学的に許容され得る」。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,22nd ed.;Allen Ed.;Pharmaceutical Press:London,2012;Handbook of Pharmaceutical Excipients,8th ed.;Sheskey et al.,Eds.;Pharmaceutical Press:London,2017;Handbook of Pharmaceutical Additives,3rd ed.;Ash and Ash Eds.;Synapse Information Resources:2007;Pharmaceutical Preformulation and Formulation,2nd ed.;Gibson Ed.;Drugs and the Pharmaceutical Sciences 199;Informa Healthcare:New York,NY,2009を参照のこと。
【0020】
用語「約」または「およそ」は、当業者によって決定された特定の値についての許容され得る誤差を意味し、この誤差は、値が測定または決定される方法に一部依存する。ある特定の実施形態では、用語「約」または「およそ」は、1、2、または3標準偏差内を意味する。ある特定の実施形態では、用語「約」または「およそ」は、所与の値または範囲の25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、または0.05%以内を意味する。
【0021】
用語「バッチ」は、指定された限度内で均質であるように、1つのプロセスまたは一連のプロセスで加工された規定量の化合物、材料、または医薬品を指す。ある特定の製造段階を完了するために、バッチをいくつかのサブバッチに分割することが必要な場合があり、その後にサブバッチを合わせて最終的な均質なバッチを形成する。連続製造の場合、バッチは、その意図する均質性を特徴とする生産の規定部分に相当する。医薬品製造では、合成中間体および医薬品を、バッチ番号によってそれぞれ識別する。
【0022】
被覆粒子およびナノ粒子
1つの実施形態では、被覆粒子であって、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)ナノ粒子であって、各々が治療剤を含む、ナノ粒子を含み;ここで、前述のマイクロ粒子の表面が、前述のナノ粒子で被覆されている、被覆粒子を本明細書中に提供する。
【0023】
ある特定の実施形態では、マイクロ粒子の表面を、ナノ粒子の層で被覆する。ある特定の実施形態では、マイクロ粒子の表面を、ナノ粒子の層で実質的に被覆する。ある特定の実施形態では、マイクロ粒子の表面を、ナノ粒子の薄層で被覆する。ある特定の実施形態では、マイクロ粒子の表面を、ナノ粒子の薄層で実質的に被覆する。ある特定の実施形態では、マイクロ粒子の表面を、ナノ粒子の単層で被覆する。ある特定の実施形態では、マイクロ粒子の表面を、ナノ粒子の単層で実質的に被覆する。
【0024】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、親水性である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、水溶性である。
【0025】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、糖である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、デキストロース、フルクトース、グルコース、ラクトース、マルトース、糖蜜、スクロース、トレハロース、またはこれらの混合物である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、デキストロース、グルコース、ラクトース、スクラロース、スクロース、またはこれらの混合物である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、デキストロースである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、D-デキストロースである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、フルクトースである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、グルコースである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、ラクトースである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、マルトースである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、糖蜜である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、スクロースである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、トレハロースである。
【0026】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、糖アルコールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、アラビトール、エリスリトール、フシトール、ガラクチトール、イジトール、イノシトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マルトトリイトール(maltotritol)、マンニトール、リビトール、ソルビトール、トレイトール、ボレミトール、キシリトール、またはこれらの混合物である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、エリスリトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、またはこれらの混合物である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、アラビトールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、エリスリトールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、フシトールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、ガラクチトールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、イジトールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、イノシトールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、イソマルトである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、ラクチトールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、マルチトールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、マルトトリイトール(maltotritol)である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、マンニトールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、リビトールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、ソルビトールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、トレイトールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、ボレミトールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、キシリトールである。
【0027】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、グルコース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ラクトース、マンニトール、またはポリビニルピロリドン(PVP)である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、グルコースまたはマンニトールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、グルコースである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、HPCである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、HPMCである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、ラクトースである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、マンニトールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の薬学的に許容され得る賦形剤は、PVPである。
【0028】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子は、種々の形状(球体、楕円体、小板、小繊維、または繊維が挙げられるが、これらに限定されない)を有する。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子は、実質的に球体である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子は、球体である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子は、楕円体である。
【0029】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子の平均粒径(D50)は、約1~約1,000μm、約10~約500μm、約20~約500μm、約50~約300μm、または約100~約300μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約1,000μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子の平均粒径は、約10~約500μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子の平均粒径は、約20~約500μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子の平均粒径は、約50~約300μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子の平均粒径は、約100~約300μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子の平均粒径は、約50、約100、約150、約200、約250、約300、約350、約400、約450、または約500μmである。
【0030】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約100μm、約1~約50μm、または約1~約25μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約100μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約50μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約25μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマイクロ粒子の平均粒径は、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、または約50μmである。
【0031】
別の実施形態では、被覆粒子であって、(i)マンニトールを含むマイクロ粒子および(ii)ナノ粒子であって、各々が治療剤を含む、ナノ粒子を含み;前述のマンニトールマイクロ粒子の表面が、前述のナノ粒子で被覆されている、被覆粒子を本明細書中に提供する。
【0032】
ある特定の実施形態では、マンニトールマイクロ粒子の表面を、ナノ粒子の層で被覆する。ある特定の実施形態では、マンニトールマイクロ粒子の表面を、ナノ粒子の層で実質的に被覆する。ある特定の実施形態では、マンニトールマイクロ粒子の表面を、ナノ粒子の単層で被覆する。ある特定の実施形態では、マンニトールマイクロ粒子の表面を、ナノ粒子の単層で実質的に被覆する。
【0033】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子は、種々の形状(球体、楕円体、小板、小繊維、または繊維が挙げられるが、これらに限定されない)を有する。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子は、実質的に球体である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子は、球体である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子は、楕円体である。
【0034】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約1,000μm、約10~約500μm、約20~約500μm、約50~約300μm、または約100~約300μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約1,000μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子の平均粒径は、約10~約500μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子の平均粒径は、約20~約500μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子の平均粒径は、約50~約300μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子の平均粒径は、約100~約300μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子の平均粒径は、約50、約100、約150、約200、約250、約300、約350、約400、約450、または約500μmである。
【0035】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約100μm、約1~約50μm、または約1~約25μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約100μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約50μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約25μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のマンニトールマイクロ粒子の平均粒径は、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、または約50μmである。
【0036】
さらに別の実施形態では、被覆粒子であって、(i)D-デキストロースを含むマイクロ粒子および(ii)ナノ粒子であって、各々が治療剤を含む、ナノ粒子を含み;前述のD-デキストロースマイクロ粒子の表面が、前述のナノ粒子で被覆されている、被覆粒子を本明細書中に提供する。
【0037】
ある特定の実施形態では、D-デキストロースマイクロ粒子の表面を、ナノ粒子の層で被覆する。ある特定の実施形態では、D-デキストロースマイクロ粒子の表面を、ナノ粒子の層で実質的に被覆する。ある特定の実施形態では、D-デキストロースマイクロ粒子の表面を、ナノ粒子の単層で被覆する。ある特定の実施形態では、D-デキストロースマイクロ粒子の表面を、ナノ粒子の単層で実質的に被覆する。
【0038】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子は、種々の形状(球体、楕円体、小板、小繊維、または繊維が挙げられるが、これらに限定されない)を有する。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子は、実質的に球体である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子は、球体である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子は、楕円体である。
【0039】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約1,000μm、約10~約500μm、約20~約500μm、約50~約300μm、または約100~約300μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約1,000μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子の平均粒径は、約10~約500μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子の平均粒径は、約20~約500μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子の平均粒径は、約50~約300μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子の平均粒径は、約100~約300μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子の平均粒径は、約50、約100、約150、約200、約250、約300、約350、約400、約450、または約500μmである。
【0040】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約100μm、約1~約50μm、または約1~約25μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約100μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約50μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子の平均粒径は、約1~約25μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のD-デキストロースマイクロ粒子の平均粒径は、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、または約50μmである。
【0041】
ある特定の実施形態では、D-デキストロースを含む被覆粒子を、再構成のための無菌固体として製剤化する。
【0042】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、生物薬剤学分類システム(BCS)よるとクラスII化合物(すなわち、BCSクラスII化合物)である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、BCSクラスIII化合物である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、BCSクラスIV化合物である。
【0043】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、生物薬剤学分類システムによると溶解性が低い。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、生物薬剤学分類システムによると透過性が低い。
【0044】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は固体である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤の融点は、約50~約500℃、約100~約400℃、約100~約300℃、または約150~約300℃の範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤の融点は、約50~約500℃の範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤の融点は、約100~約400℃の範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤の融点は、約100~約300℃の範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤の融点は、約150~約300℃の範囲である。
【0045】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、アミオダロン、アトルバスタチン、アジスロマイシン、カルバマゼピン、カルベジロール、クロルプロマジン、シサプリド、シプロフロキサシン、クロキサシリン、シクロスポリン、ダナゾール、ダプソン、ジクロフェナック、ジフルニサル、ジゴキシン、エリスロマイシン、フェノフィブラート、フルルビプロフェン、グリピジド、グリブリド、グリセオフルビン、ヒドロキシジン、イブプロフェン、インジナビル、インドメタシン、イトラコナゾール、イベルメクチン、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ランソプラゾール、ロバスタチン、メベンダゾール、ミダゾラム、ナプロキセン、ネルフィナビル、ニクロサミド、オフロキサシン、オキサプロジン、フェナゾピリジン、フェニトイン、ピロキシカム、プランジカンテル、ラロキシフェン、リトナビル、サキナビル、シロリムス、スピロノラクトン、タクロリムス、タリノロール、タモキシフェン、テルフェナジン、またはワルファリンである。
【0046】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、アムロジピン、アモキシシリン、シメチジン、シプロフロキサシン、エトスクシミド、メトロニダゾール、モルヒネ、パラセタノール、フェノキシメチルペニシリン、またはプロカインアミドである。
【0047】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、アモキシシリン、アンホテリシンB、セファレキシン、クロラムフェニコール、クロルタリドン、クロロチアジド、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、コリスチン、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、メベンダゾール、メロキシカム、メトトレキサート、ネオマイシン、ニトロフラントイン、オキサムニキン、フェノバルビタール、プレドニゾロン、スルファメトキサゾール、またはトリメトプリムである。
【0048】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、アルホルモテロール、アセナピン、ダビガトラン、デソニド、デクスランソプラゾール、ジクロフェナック、エファビレンツ、エムトリシタビン、エルロチニブ、フェソテロジン、ホルモテロール、イソトレチノイン、ラコサミド、レナリドミド、ルビプロストン、マラビロック、メサラミン、ネビボロール、ポサコナゾール、ロフルミラスト、シタグリプチン、スニチニブ、テノホビル、チカグレロール、バレニクリン、またはビラゾドンである。
【0049】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、カンナビジオール、カルバマゼピン、イブプロフェン、ニフェジピン、ピロキシカム、プルンバギン、ベラパミル、またはジロートンである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、カンナビジオール、イブプロフェン、またはニフェジピンである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、カンナビジオールである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、カルバマゼピンである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、イブプロフェンである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、ニフェジピンである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、ピロキシカムである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、プルンバギンである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、ベラパミルである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中の治療剤は、ジロートンである。
【0050】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子の平均粒径は、約1~約500nm、約1~約200nm、約2~約200nm、約5~約200nm、約10~約200nm、または約10~約100nmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子の平均粒径は、約1~約500nmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子の平均粒径は、約1~約200nmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子の平均粒径は、約1~約50nmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子の平均粒径は、約2~約200nmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子の平均粒径は、約5~約200nmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子の平均粒径は、約10~約200nmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子の平均粒径は、約10~約100nmの範囲である。
【0051】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子の平均粒径は、約10~約500nm、約10~約200nm、または約20~約200nmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子の平均粒径は、約10~約500nmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子の平均粒径は、約10~約200nmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子の平均粒径は、約20~約200nmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子の平均粒径は、約10、約20、約30、約40、または約50nmである。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子の平均粒径は、約100、約150、約200、約250、約300、約350、約400、約450、または約500nmである。
【0052】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子を、マイクロ粒子の表面上に形成させる。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子中のナノ粒子を、有機気相成長法によってマイクロ粒子の表面上に形成させる。例えば、Baldo et al.,Adv.Mater.1998,10,1505-1514を参照のこと。
【0053】
ある特定の実施形態では、被覆粒子中のナノ粒子の百分率は、約0.1~約25重量%、約0.2~約20重量%、約0.5~約10重量%、または約1~約10重量%の範囲である。ある特定の実施形態では、被覆粒子中のナノ粒子の百分率は、約0.1~約25重量%の範囲である。ある特定の実施形態では、被覆粒子中のナノ粒子の百分率は、約0.2~約20重量%の範囲である。ある特定の実施形態では、被覆粒子中のナノ粒子の百分率は、約0.5~約10重量%の範囲である。ある特定の実施形態では、被覆粒子中のナノ粒子の百分率は、約1~約10重量%の範囲である。ある特定の実施形態では、被覆粒子中のナノ粒子の百分率は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10重量%である。
【0054】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子の平均粒径は、約1~約1,000μm、約10~約500μm、約20~約500μm、約50~約300μm、または約100~約300μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子の平均粒径は、約1~約1,000μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子の平均粒径は、約10~約500μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子の平均粒径は、約20~約500μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子の平均粒径は、約50~約300μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子の平均粒径は、約100~約300μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子の平均粒径は、約50、約100、約150、約200、約250、約300、約350、約400、約450、または約500μmである。
【0055】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子の平均粒径は、約1~約100μm、約1~約50μm、または約1~約25μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子の平均粒径は、約1~約100μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子の平均粒径は、約1~約50μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子の平均粒径は、約1~約25μmの範囲である。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した被覆粒子の平均粒径は、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、または約50μmである。
【0056】
調製方法
1つの実施形態では、被覆粒子を調製する方法であって、各々の前述の粒子が、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む、方法を本明細書中に提供する。
【0057】
別の実施形態では、治療剤のナノ粒子を調製する方法であって、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で、薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を前堆積させる工程
を含む、方法を本明細書中に提供する。
【0058】
ある特定の実施形態では、第1の所定の温度は、約50~約500℃、約100~約400℃、約50~約300℃、約100~約300℃、約100~約250℃、約150~約300℃、または約200~約300℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第1の所定の温度は、約50~約500℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第1の所定の温度は、約100~約400℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第1の所定の温度は、約50~約300℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第1の所定の温度は、約100~約300℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第1の所定の温度は、約100~約250℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第1の所定の温度は、約150~約300℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第1の所定の温度は、約200~約300℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第1の所定の温度は、約150、約175、約200、約250、約250、約275、または約300℃である。
【0059】
ある特定の実施形態では、第1の所定の温度は、約50~約250℃、約80~約250℃、または約100~約250℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第1の所定の温度は、約50~約250℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第1の所定の温度は、約80~約250℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第1の所定の温度は、約100~約250℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第1の所定の温度は、約80、約90、約100、約125、約150、約175、約200、約225、または約250℃である。
【0060】
ある特定の実施形態では、所定の真空圧力は、約10-1torr以下、約10-2torr以下、約10-3torr以下、約10-4torr以下、約10-5torr以下、約10-6torr以下、約10-7torr以下、約10-8torr以下、または約10-9torr以下である。ある特定の実施形態では、第1の所定の真空圧力は、約10-1torr以下である。ある特定の実施形態では、所定の真空圧力は、約10-2torr以下である。ある特定の実施形態では、所定の真空圧力は、約10-3torr以下である。ある特定の実施形態では、第1の所定の真空圧力は、約10-4torr以下である。ある特定の実施形態では、所定の真空圧力は、約10-5torr以下である。ある特定の実施形態では、所定の真空圧力は、約10-6torr以下である。ある特定の実施形態では、第1の所定の真空圧力は、約10-7torr以下である。ある特定の実施形態では、所定の真空圧力は、約10-8torr以下である。ある特定の実施形態では、所定の真空圧力は、約10-9torr以下である。ある特定の実施形態では、所定の真空圧力は、約10-3、約10-4、約10-5、約10-6、約10-7、約10-8、または約10-9torrである。
【0061】
ある特定の実施形態では、所定の真空圧力は、約10-3~約10-9torrの範囲である。ある特定の実施形態では、所定の真空圧力は、約10-3~約10-6torrの範囲である。ある特定の実施形態では、所定の真空圧力は、約10-3~約10-4torrの範囲である。ある特定の実施形態では、所定の真空圧力は、約10-4~約10-8torrの範囲である。ある特定の実施形態では、所定の真空圧力は、約10-4~約10-7torrの範囲である。ある特定の実施形態では、所定の真空圧力は、約10-4~約10-6torrの範囲である。
【0062】
ある特定の実施形態では、所定の撹拌速度は、約10~約200回転/分(rpm)、約20~約150rpm、約20~約120rpm、約20~約100rpm、約50~約100rpm、または約80~約100rpmの範囲である。ある特定の実施形態では、所定の撹拌速度は、約10~約200rpmの範囲である。ある特定の実施形態では、所定の撹拌速度は、約20~約150rpmの範囲である。ある特定の実施形態では、所定の撹拌速度は、約20~約120rpmの範囲である。ある特定の実施形態では、所定の撹拌速度は、約20~約100rpmの範囲である。ある特定の実施形態では、所定の撹拌速度は、約50~約100rpmの範囲である。ある特定の実施形態では、所定の撹拌速度は、約80~約100rpmの範囲である。ある特定の実施形態では、所定の撹拌速度は、約80、約85、約90、約95、または約100rpmである。
【0063】
薬学的に許容され得る賦形剤のマイクロ粒子の表面上の治療剤の蒸気を効率的に堆積させるために、第2の所定の温度を、第1の所定の温度未満に設定する。したがって、第2の所定の温度は、第1の所定の温度より約10℃以上低いか、約20℃以上低いか、約50℃以上低いか、または約100℃以上低い。
【0064】
ある特定の実施形態では、第2の所定の温度は、約100℃以下、約50℃以下、約40℃以下、約35℃以下、約30℃以下、または約25℃以下である。ある特定の実施形態では、第2の所定の温度は、約100℃以下である。ある特定の実施形態では、第2の所定の温度は、約50℃以下である。ある特定の実施形態では、第2の所定の温度は、約40℃以下である。ある特定の実施形態では、第2の所定の温度は、約35℃以下である。ある特定の実施形態では、第2の所定の温度は、約30℃以下である。ある特定の実施形態では、第2の所定の温度は、約25℃以下である。
【0065】
ある特定の実施形態では、第2の所定の温度は、約10~約100℃、約15~約50℃、または約20~約40℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第2の所定の温度は、約10~約100℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第2の所定の温度は、約15~約50℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第2の所定の温度は、約20~約40℃の範囲である。ある特定の実施形態では、第2の所定の温度は、約20、約25、約30、約35、または約40℃である。ある特定の実施形態では、第2の所定の温度は、周囲温度である。
【0066】
したがって、1つの実施形態では、被覆粒子であって、各々の前述の粒子が、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述の治療剤を前述の第1の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で気化させて蒸気を形成させる、気化させる工程;および
b.所定の撹拌速度および前述の第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させて、前述のマイクロ粒子の表面上にナノ粒子を形成させ、それにより前述の被覆粒子を形成させる、堆積させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子を本明細書中に提供する。
【0067】
別の実施形態では、治療剤のナノ粒子であって、
a.前述の治療剤を前述の第1の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために、前述の所定の撹拌速度および前述の第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で、薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子を本明細書中に提供する。
【0068】
さらに別の実施形態では、被覆粒子のバッチであって、各々の前述の粒子が、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述の治療剤を前述の第1の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および前述の第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子のバッチを本明細書中に提供する。
【0069】
さらに別の実施形態では、治療剤のナノ粒子のバッチであって、
a.前述の治療剤を前述の第1の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために前述の所定の撹拌速度および前述の第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で、薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子のバッチを本明細書中に提供する。
【0070】
1つの実施形態では、被覆粒子であって、各々の前述の粒子が、(i)マンニトールマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述の治療剤を前述の第1の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために前述の所定の撹拌速度および前述の第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子を本明細書中に提供する。
【0071】
別の実施形態では、治療剤のナノ粒子であって、
a.前述の治療剤を前述の第1の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために前述の所定の撹拌速度および前述の第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下でマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子を本明細書中に提供する。
【0072】
さらに別の実施形態では、被覆粒子のバッチであって、各々の前述の粒子が、(i)マンニトールマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述の治療剤を前述の第1の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために前述の所定の撹拌速度および前述の第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子のバッチを本明細書中に提供する。
【0073】
さらに別の実施形態では、治療剤のナノ粒子のバッチであって、
a.前述の治療剤を前述の第1の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で気化させる工程であって蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために前述の所定の撹拌速度および前述の第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下でマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子のバッチを本明細書中に提供する。
【0074】
1つの実施形態では、被覆粒子であって、各々の前述の粒子が、(i)D-デキストロースマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述の治療剤を前述の第1の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために前述の所定の撹拌速度および前述の第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子を本明細書中に提供する。
【0075】
別の実施形態では、治療剤のナノ粒子であって、
a.前述の治療剤を前述の第1の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために前述の所定の撹拌速度および前述の第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下でD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子を本明細書中に提供する。
【0076】
さらに別の実施形態では、被覆粒子のバッチであって、各々の前述の粒子が、(i)D-デキストロースマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述の治療剤を前述の第1の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために前述の所定の撹拌速度および前述の第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子のバッチを本明細書中に提供する。
【0077】
さらに別の実施形態では、治療剤のナノ粒子のバッチであって、
a.前述の治療剤を前述の第1の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために前述の所定の撹拌速度および前述の第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下でD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子のバッチを本明細書中に提供する。
【0078】
医薬組成物
1つの実施形態では、被覆粒子を含む医薬組成物であって、各々の前述の粒子が、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み、ここで、前述のマイクロ粒子の表面が、前述のナノ粒子で被覆されている、被覆粒子を含む医薬組成物を本明細書中に提供する。
【0079】
別の実施形態では、被覆粒子を含む医薬組成物であって、各々の前述の粒子が、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させ、それにより前述の被覆粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子を含む医薬組成物を本明細書中に提供する。
【0080】
さらに別の実施形態では、治療剤のナノ粒子を含む医薬組成物であって、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で、薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子を含む医薬組成物を本明細書中に提供する。
【0081】
さらに別の実施形態では、被覆粒子を含む医薬組成物のバッチであって、各々の前述の粒子が、(i)薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子を含む医薬組成物のバッチを本明細書中に提供する。
【0082】
さらに別の実施形態では、治療剤のナノ粒子および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物のバッチであって、前述のナノ粒子が、
a.前述の治療剤を所定の温度にて第1の所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で、前述の薬学的に許容され得る賦形剤を含むマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物のバッチを本明細書中に提供する。
【0083】
1つの実施形態では、被覆粒子を含む医薬組成物であって、各々の前述の粒子が、(i)マンニトールマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み、ここで、前述のマンニトールマイクロ粒子の表面が、前述のナノ粒子で被覆されている、被覆粒子を含む医薬組成物を本明細書中に提供する。
【0084】
別の実施形態では、被覆粒子を含む医薬組成物であって、各々の前述の粒子が、(i)マンニトールマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子を含む医薬組成物を本明細書中に提供する。
【0085】
さらに別の実施形態では、治療剤のナノ粒子を含む医薬組成物であって、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で、薬学的に許容され得る賦形剤を含むマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を、堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子を含む医薬組成物を本明細書中に提供する。
【0086】
さらに別の実施形態では、被覆粒子を含む医薬組成物のバッチであって、各々の前述の粒子が、(i)マンニトールマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子を含む医薬組成物のバッチを本明細書中に提供する。
【0087】
さらに別の実施形態では、治療剤のナノ粒子および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物のバッチであって、前述のナノ粒子が、
a.前述の治療剤を所定の温度にて第1の所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で、前述の薬学的に許容され得る賦形剤を含むマンニトールマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物のバッチを本明細書中に提供する。
【0088】
1つの実施形態では、被覆粒子を含む医薬組成物であって、各々の前述の粒子が、(i)D-デキストロースマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み、ここで、前述のD-デキストロースマイクロ粒子の表面が、前述のナノ粒子で被覆されている、被覆粒子を含む医薬組成物を本明細書中に提供する。
【0089】
別の実施形態では、被覆粒子を含む医薬組成物であって、各々の前述の粒子が、(i)D-デキストロースマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述のD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子を含む医薬組成物を本明細書中に提供する。
【0090】
さらに別の実施形態では、治療剤のナノ粒子を含む医薬組成物であって、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で、薬学的に許容され得る賦形剤を含むD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子を含む医薬組成物を本明細書中に提供する。
【0091】
さらに別の実施形態では、被覆粒子を含む医薬組成物のバッチであって、各々の前述の粒子が、(i)D-デキストロースマイクロ粒子および(ii)治療剤のナノ粒子を含み;ここで、前述の被覆粒子が、
a.前述の治療剤を第1の所定の温度にて所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で前述のD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程であって、それにより前述の被覆粒子を形成させる工程
を含む方法によって調製される、被覆粒子を含む医薬組成物のバッチを本明細書中に提供する。
【0092】
さらに別の実施形態では、治療剤のナノ粒子および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物のバッチであって、前述のナノ粒子が、
a.前述の治療剤を所定の温度にて第1の所定の真空圧力下で気化させる工程であって、蒸気を形成させる工程;および
b.前述のD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述のナノ粒子を形成させるために所定の撹拌速度および第2の所定の温度にて前述の所定の真空圧力下で、前述の薬学的に許容され得る賦形剤を含むD-デキストロースマイクロ粒子の表面上に前述の蒸気を堆積させる工程
を含む方法によって調製される、治療剤のナノ粒子および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物のバッチを本明細書中に提供する。
【0093】
本明細書中に提供した医薬組成物を、種々の投薬形態(経口、非経口、および局所投与のための投薬形態が挙げられるが、これらに限定されない)で各々独立して製剤化することができる。また、医薬組成物を、調整放出投薬形態(遅延放出、長期放出、延長放出、徐放、拍動放出、制御放出、加速放出、即時放出、標的化放出、プログラム化放出、および胃貯留投薬形態が挙げられる)として各々独立して製剤化することができる。これらの投薬形態は、当業者に公知の従来の方法および技術にしたがって調製することができる。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,前出;Modified-Release Drug Delivery Technology,2nd ed.;Rathbone et al.,Eds.;Drugs and the Pharmaceutical Sciences 184;CRC Press:Boca Raton,FL,2008を参照のこと。
【0094】
1つの実施形態では、本明細書中に提供した医薬組成物を、経口投与のための投薬形態で製剤化する。別の実施形態では、本明細書中に提供した医薬組成物を、非経口投与のための投薬形態で製剤化する。さらに別の実施形態では、本明細書中に提供した医薬組成物を、局所投与のための投薬形態で製剤化する。
【0095】
1つの実施形態では、本明細書中に提供した医薬組成物を、非経口投与のための再構成用の無菌固体投薬形態で製剤化する。別の実施形態では、本明細書中に提供した医薬組成物を、静脈内投与のための再構成用の固体投薬形態で製剤化する。さらに別の実施形態では、本明細書中に提供した医薬組成物を、筋肉内投与のための再構成用の固体投薬形態で製剤化する。さらに別の実施形態では、本明細書中に提供した医薬組成物を、皮下投与のための再構成用の固体投薬形態で製剤化する。
【0096】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した医薬組成物を、非無菌固体投薬形態で製剤化する。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した医薬組成物を、耳、皮膚、歯肉、鼻、眼、口腔、頬粘膜、直腸、経皮、もしくは膣への投与、または吸入による投与のための非無菌固体投薬形態で製剤化する。ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した医薬組成物を、眼もしくは口腔への投与、または吸入による投与のための非無菌固体投薬形態で製剤化する。
【0097】
本明細書中に提供した医薬組成物を、単位投薬形態または反復投薬形態で各々独立して提供することができる。単位投薬形態は、本明細書中で使用される場合、被験体への投与に好適な物理的に別個の単位を指し、当該分野で公知のように個別に包装されている。各々の単位用量は、所望の治療効果を得るために十分な所定量の有効成分(単数または複数)(例えば、本明細書中に提供した化合物)を、必要な医薬賦形剤(単数または複数)と共に含む。単位投薬形態の例としては、アンプル、シリンジ、および個別包装された錠剤およびカプセルが挙げられるが、これらに限定されない。単位投薬形態を、分割して投与するか、複数を投与してよい。反復投薬形態は、単位投薬形態を都度投与するために、複数の同一の単位投薬形態を包装した単一の容器である。反復投薬形態の例としては、バイアル、錠剤もしくはカプセルのボトル、またはパイントもしくはガロンのボトルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
本明細書中に提供した医薬組成物を、各々独立して、1回で、または間隔をあけて複数回投与することができる。正確な投薬量および処置期間は、処置される被験体の年齢、体重、および症状によって変動し得ること、および公知の試験プロトコールまたはin vivoもしくはin vitroでの試験もしくは診断データの外挿を使用して経験的に決定し得ると理解される。任意の特定の個体について、特異的な投薬レジメンが、被験体の要求および医薬組成物を投与する者または投与の監督者の専門的判断に従って経時的に調整されるべきであることがさらに理解される。
【0099】
A.経口投与
経口投与のために本明細書中に提供した医薬組成物を、経口投与のための固体、半固体、または液体の投薬形態で提供することができる。本明細書中で使用される場合、経口投与としては、頬粘膜投与、舌投与、および舌下投与も挙げられる。好適な経口投薬形態としては、錠剤、ファストメルト、咀嚼錠、カプセル、丸薬、ストリップ、トローチ、ロゼンジ、香剤、カシェ、ペレット、薬用チューインガム、混合散剤、発泡性もしくは非発泡性の散剤または顆粒、口腔ミスト、液剤、乳剤、懸濁剤、オブラート、スプリンクル、エリキシル、およびシロップが挙げられるが、これらに限定されない。有効成分(単数または複数)に加えて、医薬組成物は、1またはそれを超える薬学的に許容され得る担体または賦形剤(結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑択剤、流動促進剤、着色剤、色素移行阻害剤、甘味剤、香味物質、乳化剤、懸濁剤および分散剤、防腐剤、溶媒、非水性液体、有機酸、および二酸化炭素源.が挙げられるが、これらに限定されない)を含むことができる。
【0100】
結合剤または造粒剤は、打錠後の錠剤の完全性の維持を保証するために錠剤に接着性を付与する。好適な結合剤または造粒剤としては、デンプン(トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、およびアルファ化デンプン(例えば、STARCH1500(登録商標))など);ゼラチン;糖(スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜、およびラクトースなど);天然ゴムおよび合成ゴム(アカシア、アルギン酸、アルギナート、アイリッシュ・モスの抽出物、パンウォーゴム、ガッチゴム、イソブゴル・フスクの粘質物、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、VEEGUM(登録商標)、カラマツアラボガラクタン、トラガカント末、およびグアールガムなど);セルロース(エチルセルロース、セルロースアセタート、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)など);および微結晶性セルロース(AVICEL(登録商標)PH-101、AVICEL(登録商標)PH-103、AVICEL(登録商標)PH-105、およびAVICEL(登録商標)RC-581など)が挙げられるが、これらに限定されない。好適な充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストラート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、およびアルファ化デンプンが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中に提供した医薬組成物中の結合剤または充填剤の量は、製剤のタイプに応じて変動し、この量を当業者は容易に認識することができる。結合剤または充填剤は、本明細書中に提供した医薬組成物中に約50~約99重量%存在し得る。
【0101】
好適な希釈剤としては、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、および粉糖が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の希釈剤(マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース、およびイノシトールなど)は、十分な量で存在する場合、口腔内で咀嚼によって崩壊させる性質をいくつかの圧縮錠に付与することができる。かかる圧縮錠を、咀嚼錠として使用することができる。本明細書中に提供した医薬組成物中の希釈剤の量は、製剤のタイプに応じて変動し、この量を当業者は容易に認識することができる。
【0102】
好適な崩壊剤としては、寒天;ベントナイト;セルロース(メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなど);木製品;海綿;陽イオン交換樹脂;アルギン酸;ゴム(グアールガムおよびVEEGUM(登録商標)HVなど);シトラスパルプ;架橋セルロース(クロスカルメロースなど);架橋ポリマー(クロスポビドンなど);架橋デンプン;炭酸カルシウム;微結晶性セルロース(グリコール酸デンプンナトリウムなど);ポラクリンカリウム;デンプン(トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、およびアルファ化デンプンなど);クレイ;およびアルギンが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中に提供した医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤のタイプに応じて変動し、この量を当業者は容易に認識することができる。本明細書中に提供した医薬組成物は、約0.5~約15重量%または約1~約5重量%の崩壊剤を含み得る。
【0103】
好適な滑択剤としては、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;グリコール(グリセロールベヘナートおよびポリエチレングリコール(PEG)など);ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;硬化植物油(ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびダイズ油など);ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;エチルラルレアート;寒天;デンプン;セキショウシ(lycopodium);およびシリカまたはシリカゲル(AEROSIL(登録商標)200およびCAB-O-SIL(登録商標)など)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中に提供した医薬組成物中の滑択剤の量は、製剤のタイプに応じて変動し、この量を当業者は容易に認識することができる。本明細書中に提供した医薬組成物は、約0.1~約5重量%の滑択剤を含み得る。
【0104】
好適な流動促進剤としては、コロイド状二酸化ケイ素、CAB-O-SIL(登録商標)、および無アスベストタルクが挙げられるが、これらに限定されない。好適な着色剤としては、承認、認証された水溶性FD&C色素、およびアルミナ水和物に懸濁した水不溶性FD&C色素、および染料レーキのうちのいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。染料レーキは、水溶性染料を重金属の水和酸化物に吸着させることによって染料を不溶性形態にした組み合わせである。好適な香味物質としては、果物などの植物から抽出した天然フレーバー、および好ましい味覚が得られる化合物の合成ブレンド(ペパーミントおよびサリチル酸メチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好適な甘味剤としては、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ、グリセリン、および人工甘味料(サッカリンおよびアスパルテームなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好適な乳化剤としては、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、および界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80(TWEEN(登録商標)80)、およびトリエタノールアミンオレアートなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好適な懸濁剤および分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、VEEGUM(登録商標)、アカシア、カルボキシメチルセルロースナトリウム(sodium carbomethylcellulose)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンが挙げられるが、これらに限定されない。好適な防腐剤としては、グリセリン、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、安息香酸(benzoic add)および安息香酸ナトリウム、ならびにアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。好適な湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアラート、ソルビタンモノオレアート、ジエチレングリコールモノラウラート、およびポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。好適な溶媒としては、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、およびシロップが挙げられるが、これらに限定されない。乳剤で利用される好適な非水性液体としては、鉱油および綿実油が挙げられるが、これらに限定されない。好適な有機酸としては、クエン酸及び酒石酸が挙げられるが、これらに限定されない。好適な二酸化炭素源としては、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
多くの担体および賦形剤が同一の製剤内でさえもいくつかの機能を果たし得ると理解すべきである。
【0106】
経口投与のための本明細書中に提供した医薬組成物を、圧縮錠、粉薬製剤、咀嚼ロゼンジ、速溶錠、多重圧縮錠、または腸溶コーティング錠、糖衣錠、またはフィルムコート錠として提供することができる。腸溶コーティング錠は、胃酸の作用に耐えるが、腸内で溶解するか崩壊し、それにより、有効成分(単数または複数)が胃の酸性環境から保護される物質で被覆された圧縮錠である。腸溶コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、シェラック、アンモニア処理されたシェラック、およびセルロースアセタートフタラートが挙げられるが、これらに限定されない。糖衣錠は、不快な味または臭いを隠すことおよび錠剤の酸化からの保護において有益であり得る糖衣で取り囲まれた圧縮錠である。フィルムコート錠は、水溶性材料の薄い層またはフィルムで被覆された圧縮錠である。フィルムコーティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、およびセルロースアセタートフタラートが挙げられるが、これらに限定されない。フィルムコーティングは、糖衣と同一の一般的な特徴を付与する。多重圧縮錠は、1回を超える圧縮サイクルによって作製された圧縮錠(層状の錠剤、およびプレスコーティングまたはドライコーティングした錠剤が挙げられる)である。
【0107】
錠剤投薬形態を、粉末、結晶、または顆粒の形態の有効成分(単数または複数)のみから、または1またはそれを超える本明細書中に記載の担体または賦形剤(結合剤、崩壊剤、制御放出ポリマー、滑択剤、希釈剤、および/または着色剤が挙げられる)単独、または組み合わせから調製することができる。香味物質および甘味剤は、咀嚼錠およびロゼンジの製剤化で特に有用である。
【0108】
経口投与のための本明細書中に提供した医薬組成物を、軟カプセルまたは硬カプセルとして提供することができ、これらのカプセルを、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、またはアルギン酸カルシウムから作製することができる。ドライフィルドカプセル(DFC)としても公知の硬ゼラチンカプセルは、一方が他方に覆いかぶさることにより、有効成分(単数または複数)が完全に閉じられる2つの区分からなる。軟カプセル剤(SEC)は、グリセリン、ソルビトール、または類似のポリオールの添加によって可塑化したゼラチンシェルなどの柔らかい球状のシェルである。軟ゼラチンシェルは、微生物の生育を防止する防腐剤を含み得る。好適な防腐剤は、本明細書中に記載の防腐剤(メチル-およびプロピル-パラベン、ならびにソルビン酸が挙げられる)である。本明細書中に提供した液体、半固体、および固体の投薬形態を、カプセル中にカプセル化してもよい。好適な液体および半固体の投薬形態としては、プロピレンカルボナート、植物油、またはトリグリセリドの液剤および懸濁剤が挙げられる。かかる液剤を含むカプセルを、米国特許第4,328,245号;同第4,409,239号;および同第4,410,545号に記載のように調製することができる。また、カプセルを、有効成分(単数または複数)の溶解を改変するか維持するために、当業者に公知のように被覆してもよい。
【0109】
経口投与のための本明細書中に提供した医薬組成物を、液体および半固体の投薬形態(乳剤、液剤、懸濁剤、エリキシル、およびシロップが挙げられる)で提供することができる。乳剤は、一方の液体が他方の液体の全体に小球の形態で分散された二相系であり、水中油滴型または油中水滴型であり得る。乳剤は、薬学的に許容され得る非水性の液体または溶媒、乳化剤、および防腐剤を含み得る。懸濁剤は、薬学的に許容され得る懸濁剤および防腐剤を含み得る。アルコール水溶液は、薬学的に許容され得るアセタール(低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタールなど);および1またはそれを超えるヒドロキシル基を有する水混和性溶媒(プロピレングリコールおよびエタノールなど)を含み得る。エリキシルは、透明な加糖含水アルコール溶液である。シロップは、糖(例えば、スクロース)の濃縮水溶液であり、防腐剤も含み得る。液体投薬形態について、例えば、ポリエチレングリコール中溶液を、投与のための測定で都合が良いように、十分な量の薬学的に許容され得る液体担体(例えば、水)で希釈してよい。
【0110】
他の有用な液体および半固体の投薬形態としては、有効成分(単数または複数)、およびジアルキル化モノ-またはポリ-アルキレングリコール(1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテル(ここで、350、550、および750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す)が挙げられる)を含むものが挙げられるが、これらに限定されない。これらの投薬形態は、1またはそれを超える抗酸化剤(ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、ケファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸およびそのエステル、ならびにジチオカルバマートなど)をさらに含むことができる。
【0111】
また、経口投与のための本明細書中に提供した医薬組成物を、リポソーム、ミセル、ミクロスフェア、またはナノシステムの形態で提供することができる。ミセル投薬形態を、米国特許第6,350,458号に記載のように調製することができる。
【0112】
経口投与のための本明細書中に提供した医薬組成物を、液体投薬形態に再構成するための非発泡性または発泡性の顆粒および散剤として提供することができる。非発泡性の顆粒または散剤中で使用される薬学的に許容され得る担体および賦形剤としては、希釈剤、甘味料、および湿潤剤が挙げられ得る。発泡性の顆粒または散剤中で使用される薬学的に許容され得る担体および賦形剤としては、有機酸および二酸化炭素源が挙げられ得る。
【0113】
着色剤および香味物質を、本明細書中に記載の全ての投薬形態で使用することができる。
【0114】
経口投与のための本明細書中に提供した医薬組成物を、即放または調整放出投薬形態(遅延放出、徐放、パルス放出、制御放出、標的化放出、およびプログラム化放出の形態が挙げられる)として製剤化することができる。
【0115】
B.非経口投与
本明細書中に提供した医薬組成物を、局所投与または全身投与のための注射、注入、または植え込みによって非経口投与することができる。非経口投与としては、本明細書中で使用される場合、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液嚢内、膀胱内、および皮下への投与が挙げられる。
【0116】
非経口投与のための本明細書中に提供した医薬組成物を、非経口投与に好適な任意の投薬形態(液剤、懸濁剤、乳剤、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノシステム、および注射前に液体によって液剤または懸濁剤にするのに好適な固体の形態が挙げられるが、これらに限定されない)で製剤化することができる。かかる投薬形態を、薬科学分野の当業者に公知の従来の方法にしたがって調製することができる。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,前出を参照のこと。
【0117】
非経口投与のための本明細書中に提供した医薬組成物は、1またはそれを超える薬学的に許容され得る担体および賦形剤(水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の生育に対する抗菌剤または防腐剤、安定剤、溶解増強剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤および分散剤、湿潤剤または乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤またはキレート剤、抗凍結剤、凍結乾燥保護剤、増粘剤、pH調整剤、および不活性ガスが挙げられるが、これらに限定されない)を含むことができる。
【0118】
好適な水性ビヒクルとしては、水、食塩液、生理食塩液、またはリン酸緩衝生理食塩液(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロース、および乳酸加リンゲル注射液が挙げられるが、これらに限定されない。好適な非水性ビヒクルとしては、植物起源の固定油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ピーナッツ油、ペパーミント油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、硬化植物油、硬化ダイズ油、ならびにココナッツ油およびパーム種子油の中鎖トリグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない。好適な水混和性ビヒクルとしては、エタノール、1,3-ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300およびポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0119】
好適な抗菌剤または防腐剤としては、フェノール、クレゾール、水銀、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルおよびプロピルp-ヒドロキシベンゾアート、チロメサール、塩化ベンザルコニウム(例えば、塩化ベンゼトニウム)、メチル-およびプロピル-パラベン、ならびにソルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。好適な等張剤としては、塩化ナトリウム、グリセリン、およびデキストロースが挙げられるが、これらに限定されない。好適な緩衝剤としては、リン酸緩衝剤およびクエン酸緩衝剤が挙げられるが、これらに限定されない。好適な抗酸化剤としては、亜硫酸水素塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムなどの本明細書中に記載の抗酸化剤が挙げられる。好適な局所麻酔薬としては、塩酸プロカインが挙げられるが、これに限定されない。好適な懸濁剤および分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンなどの本明細書中に記載の懸濁剤および分散剤が挙げられる。好適な乳化剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80、およびトリエタノールアミンオレアートなどの本明細書中に記載の乳化剤が挙げられる。好適な金属イオン封鎖剤またはキレート剤としては、EDTAが挙げられるが、これに限定されない。好適なpH調整剤としては、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、および乳酸が挙げられるが、これらに限定されない。好適な錯化剤としては、シクロデキストリン(α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンが挙げられる)、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル7-β-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0120】
本明細書中に提供した医薬組成物を反復投薬のために製剤化する場合、反復投薬量を含む非経口製剤は、抗菌剤を静菌濃度または静真菌濃度で含まなければならない。全ての非経口製剤は、当該分野で公知であり、かつ実施されているように、無菌でなければならい。
【0121】
1つの実施形態では、非経口投与のための医薬組成物を、既製の無菌液剤として提供する。別の実施形態では、医薬組成物を、使用前にビヒクルを用いて再構成される無菌の可溶性乾燥製品(凍結乾燥粉末および皮下注射用錠剤が挙げられる)として提供する。さらに別の実施形態では、医薬組成物を、既製の無菌懸濁剤として提供する。さらに別の実施形態では、医薬組成物を、使用前にビヒクルを用いて再構成される無菌の不溶性乾燥製品として提供する。さらに別の実施形態では、医薬組成物を、既製の無菌乳剤として提供する。
【0122】
非経口投与のための本明細書中に提供した医薬組成物を、即放または調整放出投薬形態(遅延放出、徐放、パルス放出、制御放出、標的化放出、およびプログラム化放出の形態が挙げられる)として製剤化することができる。
【0123】
非経口投与のための本明細書中に提供した医薬組成物を、植込み型デポーとしての投与のための懸濁剤、固体、半固体、または揺変性液体として製剤化することができる。1つの実施形態では、本明細書中に提供した医薬組成物を、体液に不溶であるが、医薬組成物中の有効成分(単数または複数)を通過させて拡散させることが可能なポリマー外膜に囲まれた固体内部マトリックス中に分散させる。
【0124】
好適な内部マトリックスとしては、ポリメチルメタクリラート、ポリブチル-メタクリラート、可塑化または無可塑化ポリビニルクロリド、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタラート、天然のゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-ビニルアセタートコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカルボナートコポリマー、親水性ポリマー(アクリル酸とメタクリル酸のエステルのヒドロゲルなど)、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、および部分的に加水分解された架橋ポリ酢酸ビニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0125】
好適なポリマー外膜としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリラートコポリマー、エチレン/ビニルアセタートコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩化ポリエチレン、ポリビニルクロリド、塩化ビニルの、ビニルアセタート、ビニリデンクロリド、エチレン、およびプロピレンとのコポリマー、アイオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴム エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/ビニルアセタート/ビニルアルコールターポリマー、ならびにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0126】
C.局所投与
本明細書中に提供した医薬組成物を、皮膚、開口部、または粘膜に局所投与することができる。局所投与としては、本明細書中で使用される場合、皮膚(皮内)、結膜、角膜内、眼内、眼、耳、経皮、鼻、膣、尿道、呼吸器、および直腸への投与が挙げられる。
【0127】
本明細書中に提供した医薬組成物を、局所または全身に影響を及ぼすための局所投与に好適な任意の投薬形態で製剤化することができる(乳剤、液剤、懸濁剤、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、軟膏、散布粉剤、包帯剤、エリキシル、ローション剤、懸濁剤、チンキ、ペースト、フォーム、フィルム、エアロゾル、灌注剤、スプレー、坐剤、包帯、および皮膚パッチが挙げられるが、これらに限定されない)。また、本明細書中に提供した医薬組成物の局所製剤は、リポソーム、ミセル、ミクロスフェア、およびナノシステムを含むことができる。
【0128】
局所製剤での使用に好適な薬学的に許容され得る担体および賦形剤としては、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の生育に対する抗菌剤または防腐剤、安定剤、溶解増強剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁剤および分散剤、湿潤剤または乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤またはキレート剤、浸透増強剤、抗凍結剤、凍結乾燥保護剤、増粘剤、および不活性ガスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0129】
また、医薬組成物を、エレクトロポレーション、イオン導入法、フォノフォレシス、ソノフォレシス、またはマイクロニードルもしくは無針注射(POWDERJECT(商標)およびBIOJECT(商標)など)によって局所投与することができる。
【0130】
本明細書中に提供した医薬組成物を、軟膏、クリーム、およびゲルの形態で提供することができる。好適な軟膏ビヒクルとしては、油性または炭化水素のビヒクル(豚脂、安息香豚脂、オリーブ油、綿実油、および他の油、白色ワセリンが挙げられる);乳化性または吸収性のビヒクル(親水性ペトロラタム、硫酸ヒドロキシステアリン、および脱水ラノリンなど);水分除去性ビヒクル(親水性軟膏など);水溶性軟膏ビヒクル(種々の分子量のポリエチレングリコールが挙げられる);油中水滴型(W/O)エマルションまたは水中油滴型(O/W)エマルションのいずれかのエマルションビヒクル(セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラノリン、およびステアリン酸が挙げられる)が挙げられる。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,前出を参照のこと。これらのビヒクルは、皮膚軟化性を示すが、一般に、抗酸化剤および防腐剤を添加する必要がある。
【0131】
好適なクリーム基剤は、水中油滴型または油中水滴型であり得る。好適なクリームビヒクルは、水洗性を示す場合があり、油相、乳化剤、および水相を含み得る。また、油相は、「内」相とも呼ばれ、一般に、ペトロラタムおよび脂肪アルコール(セチルアルコールまたはステアリルアルコールなど)から構成される。水相は、通常、必ずではないが、体積が油相を超え、一般に、湿潤剤を含む。クリーム製剤中の乳化剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、または両性の界面活性剤であり得る。
【0132】
ゲルは、半固体の懸濁液型の系である。単相ゲルは、液体の担体中に実質的に均一に分布する有機高分子を含む。好適なゲル化剤としては、架橋アクリル酸ポリマー(カルボマー、カルボキシポリアルキレン、およびCARBOPOL(登録商標)など);親水性ポリマー(ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー、およびポリビニルアルコールなど);セルロース系ポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、およびメチルセルロースなど);ゴム(トラガカントガムおよびキサンタンガムなど);アルギン酸ナトリウム;およびゼラチンが挙げられるが、これらに限定されない。均一なゲルを調製するために、分散剤(アルコールまたはグリセリンなど)を添加することができるか、ゲル化剤を、粉砕、機械的混合、および/または撹拌によって分散させることができる。
【0133】
本明細書中に提供した医薬組成物を、直腸、尿道、膣、または膣周囲に、坐剤、ペッサリー、ブジー、湿布もしくはハップ、ペースト、散剤、包帯剤、クリーム、硬膏、避妊薬、軟膏、液剤、乳剤、懸濁剤、タンポン、ゲル、フォーム、スプレー、または浣腸の形態で投与することができる。これらの投薬形態を、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,前出に記載の従来のプロセスを使用して製造することができる。
【0134】
直腸、尿道、および膣用の坐剤は、身体の開口部に挿入するための固体であり、これは、常温で固体であるが、体温で溶融するか軟化して有効成分(単数または複数)を開口部内に放出する。直腸坐剤および膣坐剤で利用される薬学的に許容され得る担体としては、基剤またはビヒクル(有効成分(単数または複数)と共に製剤化した場合に融点を体温付近にする硬化剤;および本明細書中に記載の抗酸化剤(亜硫酸水素塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムが挙げられる)など)が挙げられる。好適なビヒクルとしては、カカオバター(カカオ脂)、グリセリン-ゼラチン、カルボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨蝋、パラフィン、白蝋および黄蝋、ならびに脂肪酸のモノ-、ジ-、およびトリグリセリドの適切な混合物、ならびにヒドロゲル(ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリラート、およびポリアクリル酸など)が挙げられるが、これらに限定されない。また、種々のビヒクルの組み合わせを使用することができる。直腸用および膣用の坐剤を、圧縮または鋳造によって調製してよい。直腸用および膣用の坐剤の典型的な重量は、約2~約3gである。
【0135】
本明細書中に提供した医薬組成物を、液剤、懸濁剤、軟膏、乳剤、ゲル形成溶剤、溶剤にするための散剤、ゲル、眼球インサート、および埋没物の形態で眼に投与することができる。
【0136】
本明細書中に提供した医薬組成物を、鼻腔内に投与するか、吸入によって気道に投与することができる。医薬組成物を、圧縮容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(霧状ミストを生成するために電気流体力学を使用するアトマイザーなど)、またはネブライザーを使用した送達のためのエアロゾルまたは溶剤の形態で、単独または好適な噴射剤(1,1,1,2-テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンなど)と組み合わせて提供することができる。また、医薬組成物を、単独で、または不活性担体(ラクトースまたはリン脂質など)と組み合わせた吹入のためのドライパウダー;および点鼻薬として提供することができる。鼻腔内使用のために、散剤は、生体接着剤(キトサンまたはシクロデキストリンが挙げられる)を含むことができる。
【0137】
圧縮容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーで使用するための液剤または懸濁剤を、エタノール、エタノール水溶液、または有効成分(単数または複数)の分散、溶解、もしくは放出拡大に好適な代替薬;溶媒としての噴射剤;ならびに/または界面活性剤(ソルビタントリオレアート、オレイン酸、またはオリゴ乳酸など)を含めるように製剤化することができる。
【0138】
本明細書中に提供した医薬組成物を、吸入による送達に好適なサイズ(約50マイクロメートルもしくはそれ未満、または約10マイクロメートルもしくはそれ未満など)に微粒子化することができる。かかるサイズの粒子を、当業者に公知の粉砕方法(スパイラルジェットミリング、流動床ジェットミリング、ナノ粒子を形成するための超臨界流体加工、高圧均質化、または噴霧乾燥など)を使用して調製することができる。
【0139】
吸入器または吹入れ器で使用するためのカプセル、ブリスター、およびカートリッジを、本明細書中に提供した医薬組成物;好適な粉末基剤(ラクトースまたはデンプンなど);および性能調整剤(I-ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムなど)の粉末混合物を含めるように製剤化することができる。ラクトースは、無水物または一水和物の形態であってよい。他の好適な賦形剤または担体としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースが挙げられるが、これらに限定されない。吸入/鼻腔内投与のための本明細書中に提供した医薬組成物は、好適なフレーバー(メントールおよびレボメントールなど);および/または甘味料(サッカリンおよびサッカリンナトリウムなど)をさらに含むことができる。
【0140】
局所投与のための本明細書中に提供した医薬組成物を、即放または調整放出(遅延放出、徐放、パルス放出、制御放出、標的化放出、およびプログラム化放出が挙げられる)されるように製剤化することができる。
【0141】
D.調整放出
本明細書中に提供した医薬組成物を、調整放出投薬形態として製剤化することができる。本明細書中で使用される場合、用語「調整放出」は、同一経路によって投与された場合に、有効成分(単数または複数)の放出速度または放出場所が即放投薬形態と異なる投薬形態を指す。調整放出投薬形態としては、遅延放出、長期放出、延長放出、徐放、拍動放出、制御放出、加速放出および即時放出、標的化放出、プログラム化放出、ならびに胃貯留投薬形態が挙げられるが、これらに限定されない。調整放出投薬形態の医薬組成物を、当業者に公知の種々の調整放出のためのデバイスおよび方法(マトリックス-制御放出デバイス、浸透圧制御放出デバイス、多粒子制御放出デバイス、イオン交換樹脂、腸溶コーティング、多層コーティング、ミクロスフェア、リポソーム、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)を使用して調製することができる。また、有効成分(単数または複数)の放出速度を、有効成分(単数または複数)の粒径および多形性(polymorphorism)を変更することによって調整することができる。
【0142】
1.マトリックス制御放出デバイス
調整放出投薬形態の本明細書中に提供した医薬組成物を、当業者に公知のマトリックス-制御放出デバイスを使用して作製することができる。例えば、Takada et al.in Encyclopedia of Controlled Drug Delivery,Mathiowitz Ed.;Wiley,1999;Vol.2を参照のこと。
【0143】
ある特定の実施形態では、調整放出投薬形態の本明細書中に提供した医薬組成物を、水に対して膨潤性、浸食性、または可溶性を示すポリマー(合成ポリマーおよび天然に存在するポリマーならびにその誘導体(ポリサッカリドおよびタンパク質など)が挙げられるが、これらに限定されない)である浸食性マトリックスデバイスを使用して製剤化する。
【0144】
浸食性マトリックスの形成で有用な材料としては、キチン、キトサン、デキストラン、およびプルラン;ゴムアガー、アラビアゴム、カラヤゴム、イナゴマメゴム、トラガカントゴム、カラギーナン、ガムガッチ、グアールガム、キサンタンガム、およびスクレログルカン;デンプン(デキストリンおよびマルトデキストリンなど);親水コロイド(ペクチンなど);ホスファチド(レシチンなど);アルギナート;プロピレングリコールアルギナート;ゼラチン;コラーゲン;セルロース誘導体(エチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、セルロースアセタート(CA)、セルロースプロピオナート(CP)、セルロースブチラート(CB)、セルロースアセタートブチラート(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセタートトリメリタート(HPMCAT)、およびエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)など);ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニル;グリセロール脂肪酸エステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;アクリル酸(ethacrylic acid)またはメタクリル酸のコポリマー(EUDRAGIT(登録商標));ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリラート);ポリラクチド;L-グルタミン酸およびエチル-L-グルタマートのコポリマー;分解性乳酸-グリコール酸コポリマー;ポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸;および他のアクリル酸誘導体(ブチルメタクリラート、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、エチルアクリラート、(2-ジメチルアミノエチル)メタクリラート、および(トリメチルアミノエチル)メタクリラートクロリドのホモポリマーおよびコポリマーなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0145】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した医薬組成物を、非浸食性マトリックスデバイスを用いて製剤化する。有効成分(単数または複数)を、不活性マトリックス中に溶解するか分散させ、有効成分は、主に、投与した時点で不活性マトリックスを通して拡散することによって放出される。非浸食性マトリックスデバイスとしての使用に好適な材料としては、不溶性プラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリラート、ポリブチルメタクリラート、塩化ポリエチレン、ポリビニルクロリド、メチルアクリラート-メチルメタクリラートコポリマー、エチレン-ビニルアセタートコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリラートコポリマー、塩化ビニルの、ビニルアセタート、ビニリデンクロリド、エチレン、およびプロピレンとのコポリマー、アイオノマーポリエチレンテレフタラート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/ビニルアセタート/ビニルアルコールターポリマー、エチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー、ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタラート、天然のゴム、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、およびシリコーンカルボナートコポリマーなど);親水性ポリマー(エチルセルロース、セルロースアセタート、クロスポビドン、および部分的に加水分解された架橋ポリ酢酸ビニルなど);および脂肪性化合物(カルナウバ蝋、微結晶蝋、およびトリグリセリドなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0146】
マトリックス-制御放出系では、所望の放出動態を、例えば、使用したポリマーのタイプ、ポリマーの粘性、ポリマーおよび/または有効成分(単数または複数)の粒径、有効成分(単数または複数)のポリマーに対する比、ならびに組成物中の他の賦形剤またはキャリアを介して制御することができる。
【0147】
調整放出投薬形態の本明細書中に提供した医薬組成物を、当業者に公知の方法(直接圧縮、乾式または湿式造粒とその後の圧縮、および溶融造粒とその後の圧縮が挙げられる)によって調製することができる。
【0148】
2.浸透圧制御放出デバイス
調整放出投薬形態の本明細書中に提供した医薬組成物を、浸透圧制御放出デバイス(一室システム、二室システム、非対称膜テクノロジー(AMT)、および押出コアシステム(ECS)が挙げられるが、これらに限定されない)を使用して作製することができる。一般に、かかるデバイスは、以下の少なくとも2つの構成要素を含む:(a)有効成分を含むコア;および(b)少なくとも1つの送達ポートを有し、前述のコアをカプセル化する半透膜。半透膜は、送達ポート(単数または複数)を通した押出によって薬物を放出させるために、水性の使用環境からコアへの水の流入を制御する。
【0149】
有効成分(単数または複数)に加えて、浸透圧デバイスのコアは、浸透圧性の薬剤を必要に応じて含み、この薬剤は、使用環境からデバイスのコア中に水を輸送するための駆動力を生み出す。浸透圧性の薬剤の1つのクラスは、水膨潤性親水性ポリマーであり、「オスモポリマー」および「ヒドロゲル」とも称される。浸透圧性の薬剤としての好適な水膨潤性親水性ポリマーとしては、親水性のビニルポリマーおよびアクリルポリマー、ポリサッカリド(アルギン酸カルシウムなど)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋PVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVPコポリマー、疎水性モノマー(メチルメタクリラートおよびビニルアセタートなど)を有するPVA/PVPコポリマー、巨大なPEOブロックを含む親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびカルボキシエチルセルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンガム、ならびにグリコール酸デンプンナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0150】
浸透圧性の薬剤の他のクラスは、オスモゲンであり、これは、吸水膨潤することにより、周囲のコーティングのバリアを通過する浸透圧勾配に影響を及ぼすことができる。好適なオスモゲンとしては、無機塩(硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウム、および硫酸ナトリウムなど);糖(デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、ラクトース、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、スクロース、トレハロース、およびキシリトールなど);有機酸(アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p-トルエンスルホン酸、コハク酸、および酒石酸など);尿素;およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0151】
溶解速度が異なる浸透圧性の薬剤を使用して、有効成分(単数または複数)が投薬形態から最初に送達される速度に影響を及ぼすことができる。例えば、非晶質糖(MANNOGEM(商標)EZなど)を使用して、最初の数時間においてはより迅速に送達させて所望の治療効果を迅速に発揮し、残りを徐々に継続して放出させて長期間にわたって治療効果または予防効果の所望のレベルを維持することができる。この場合、有効成分(単数または複数)は、有効成分の代謝および排泄量に代わる速度で放出される。
【0152】
また、コアは、投薬形態の性能を増強するか、安定性または加工性を助長するために、本明細書中に記載の多種多様の他の賦形剤および担体を含むことができる。
【0153】
半透膜の形成に有用な材料としては、生理学的に関連するpHで透水性もしくは水不溶性を示すか、架橋などの化学的変化によって水不溶性になりやすい種々のグレードのアクリル、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステル、およびセルロース誘導体が挙げられる。コーティング形成に有用な好適なポリマーの例としては、可塑化、無可塑化、および強化されたセルロースアセタート(CA)、セルロースジアセタート、セルローストリアセタート、CAプロピオナート、セルロースニトラート、セルロースアセタートブチラート(CAB)、CAエチルカルバマート、CAP、CAメチルカルバマート、CAスクシナート、セルロースアセタートトリメリタート(CAT)、CAジメチルアミノアセタート、CAエチルカルボナート、CAクロロアセタート、CAエチルオキサラート、CAメチルスルホナート、CAブチルスルホナート、CAp-トルエンスルホナート、寒天アセタート、アミローストリアセタート、ベータグルカンアセタート、ベータグルカントリアセタート、アセトアルデヒドジメチルアセタート、イナゴマメゴムのトリアセタート、ヒドロキシル化エチレン-ビニルアセタート、EC、PEG、PPG、PEG/PPGコポリマー、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸およびそのエステルならびにポリ-(メタクリル)酸およびそのエステルおよびコポリマー、デンプン、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリビニルエステルおよびエーテル、天然ワックス、および合成ワックスが挙げられる。
【0154】
また、半透膜は、疎水性微孔質膜であり得、ここで、米国特許第5,798,119号に開示のように、細孔は、気体で実質的に満たされており、水性媒体によって湿らされることはないが、水蒸気は透過する。かかる疎水性であるが水蒸気透過性の膜は、典型的には、疎水性ポリマー(ポリアルケン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニルエステルおよびエーテル、天然ワックス、ならびに合成ワックスなど)から構成される。
【0155】
半透膜上の送達ポート(単数または複数)を、機械的ドリル加工またはレーザードリル加工によってコーティング後に形成することができる。また、送達ポート(単数または複数)を、水溶性材料の栓の浸食またはコア中の窪みの上の膜のより薄い部分を破壊することによってその場所に形成することができる。さらに、米国特許第5,612,059号および同第5,698,220号に開示のタイプの非対称膜コーティングの場合のように、送達ポートをコーティングプロセス中に形成させることができる。
【0156】
有効成分(単数または複数)の総放出量、および放出速度を、半透膜の厚さおよび多孔度、コアの組成、ならびに送達ポートの数、サイズ、および位置によって実質的に調整することができる。
【0157】
浸透圧制御放出投薬形態の医薬組成物は、製剤の性能または加工性を助長させるための本明細書中に記載のさらなる従来の賦形剤または担体をさらに含むことができる。
【0158】
浸透圧制御放出投薬形態を、当業者に公知の従来の方法および技術にしたがって調整することができる。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,前出;Santus and Baker,J.Controlled Release,1995,35,1-21;Verma et al.,Drug Dev.Ind.Pharm.,2000,26,695-708;Verma et al.,J.Controlled Release,2002,79,7-27を参照のこと。
【0159】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した医薬組成物を、有効成分(単数または複数)および他の薬学的に許容され得る賦形剤または担体を含むコアを被覆する非対称浸透圧膜を含む、AMT制御放出投薬形態として製剤化する。例えば、米国特許第5,612,059号およびWO2002/17918号を参照のこと。AMT制御放出投薬形態を、当業者に公知の従来の方法および技術(直接圧縮、乾式造粒法、湿式造粒法、および浸漬被覆法が挙げられる)にしたがって調製することができる。
【0160】
ある特定の実施形態では、本明細書中に提供した医薬組成物を、有効成分(単数または複数)、ヒドロキシルエチルセルロース、および他の薬学的に許容され得る賦形剤または担体を含むコアを被覆する浸透圧膜を含む、ESC制御放出投薬形態として製剤化する。
【0161】
3.多粒子制御放出デバイス
調整放出投薬形態の本明細書中に提供した医薬組成物を、直径が約10μm~約3mm、約50μm~約2.5mm、または約100μm~約1mmの範囲の非常に多数の粒子、顆粒、またはペレットを含む多粒子制御放出デバイスとして作製することができる。かかる多粒子を、当業者に公知のプロセス(湿式および乾式の造粒法、押出/球形化、ローラー圧縮、溶融凝固、およびシードコアの噴霧コーティングが挙げられる)によって作製することができる。例えば、Multiparticulate Oral Drug Delivery;Ghebre-Sellassie Eds.;Drugs and the Pharmaceutical Sciences 65;CRC Press:1994;およびPharmaceutical Pelletization Technology;Ghebre-Sellassie Eds.;Drugs and the Pharmaceutical Sciences 37;CRC Press:1989を参照のこと。
【0162】
本明細書中に記載の他の賦形剤または担体を、多粒子の加工および形成を補助するために医薬組成物とブレンドすることができる。得られた粒子自体は、多粒子デバイスを構成することができるか、種々のフィルム形成材料(腸溶性ポリマー、水膨潤性ポリマー、および水溶性ポリマーなど)によって被覆することができる。多粒子を、カプセルまたは錠剤としてさらに加工することができる。
【0163】
4.標的化送達
また、本明細書中に提供した医薬組成物を、処置すべき被験体の特定の組織、受容体、または他の身体領域に標的にされるように製剤化することができる(リポソーム、再封赤血球、および抗体をベースにした送達系が挙げられる)。例としては、米国特許第6,316,652号;同第6,274,552号;同第6,271,359号;同第6,253,872号;同第6,139,865号;同第6,131,570号;同第6,120,751号;同第6,071,495号;同第6,060,082号;同第6,048,736号;同第6,039,975号;同第6,004,534号;同第5,985,307号;同第5,972,366号;同第5,900,252号;同第5,840,674号;同第5,759,542号;および同第5,709,874号に開示のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0164】
本開示は、以下の非限定的な実施例によってさらに理解されるであろう。
【実施例
【0165】
本明細書中で使用される場合、これらのプロセス、スキーム、および例で使用される記号および慣習は、特定の略語を具体的に定義しているかどうかと無関係に、現代の科学論文(例えば、the Journal of the American Chemical Society、the Journal of Medicinal Chemistry、またはthe Journal of Biological Chemistry)で使用されるものと一致する。具体的には、制限されないが、以下の略語を、実施例中および明細書全体で使用してよい:g(グラム);mg(ミリグラム);mL(ミリリットル);μL(マイクロリットル);nm(ナノメートル);h(時間);min(分);rpm(回転/分);およびHPLC(高速液体クロマトグラフィ)。
【0166】
別段の指示がない限り、全ての温度を℃(セ氏温度)で表している。別段の指定が無い限り、全ての手順を室温で行う。本明細書中に示した方法は、具体例の使用を通して適用可能なテクノロジーを例示することを意図し、本開示の範囲を示すものではない。
【0167】
実施例1
イブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子の調製
イブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子を、有機気相成長法(OVPD)テクノロジーを使用して調製した。例えば、Baldo et al.,Adv.Mater.1998,10,1505-1514;KR 100644219B1を参照のこと。イブプロフェン(25g)をナノサイザーの試料供給容器にロードし、マンニトール(1,000g)をコーティングパン上にロードした。ナノサイザーを、真空ポンプを使用して、0.0001torr以下の真空圧力に調節した。ナノサイザーの内側の試料供給室を、100℃で1時間、150℃で1時間、次いで、200℃で2時間、真空下で連続的に加熱してイブプロフェンを気化させ、一方で、コーティングパンを積極的に加熱せずに周囲温度にて90rpmで撹拌した。イブプロフェンの蒸気を撹拌マンニトールマイクロ粒子の表面上に接触させることによって被覆して、イブプロフェンナノ粒子を形成させた。完了時にナノサイザーを大気圧に加圧し、コーティングパンを取り出して、イブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子を回収した。このようにして調製されたイブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子の薬物装荷量の計算値は、2重量%である。
【0168】
実施例2
イブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子の調製
イブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子を、OVPDテクノロジーを使用して調製した。同上。イブプロフェン(30g)をナノサイザーの試料供給容器にロードし、マンニトール(1,000g)をコーティングパン上にロードした。ナノサイザーを、真空ポンプを使用して、0.001torr以下の真空圧力に調節した。ナノサイザーの内側の供給室を、100℃で1時間、150℃で1時間、次いで、200℃で1時間、真空下で連続的に加熱してイブプロフェンを気化させ、一方で、コーティングパンを積極的に加熱せずに周囲温度にて90rpmで撹拌した。イブプロフェンの蒸気を撹拌マンニトールマイクロ粒子の表面上に接触させることによって被覆して、イブプロフェンナノ粒子を形成させた。完了時にナノサイザーを大気圧に加圧し、コーティングパンを取り出して、イブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子を回収した。このようにして調製されたイブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子の薬物装荷量の計算値は、2重量%である。
【0169】
実施例3
イブプロフェンナノ粒子のin vitro溶解
イブプロフェンナノ粒子のin-vitro溶解を、各々がイブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子(555mg)を含む6個のサイズ00号の硬ゼラチンカプセルの平均溶解プロフィールを、イブプロフェンのUSPモノグラフ法(USP31)を使用して測定することによって判定する。溶解プロフィールを、pH7.2のリン酸緩衝液(900mL)中にて、50rpmでの装置タイプ2(バスケット)を使用し、5、10、15、30、45、および60分後に試料採取して測定する。
【0170】
実施例4
ウサギにおけるイブプロフェンナノ粒子の薬物動態学
イブプロフェンナノ粒子の薬物動態学プロフィールを、ウサギにおいて、イブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子(合計555mg)としてイブプロフェンナノ粒子(50mg)を含むサイズ00号硬ゼラチンカプセルを使用して判定する。カプセルを経口投与し、投与から0、0.5、1、2、3、4、6、8、12、および24時間後に採血する。ウサギ血漿試料(20μL/注射)を、UV検出器(223nm)、SPHERISORB(登録商標)ODS2カラムを取り付けたC18逆相HPLCによって、アセトニトリルおよびリン酸緩衝液(50:50(v:v)、pH4.16)を用いて周囲温度にて流速1.0mL/分で溶離することによって分析した。
【0171】
実施例5
光回折によるイブプロフェンナノ粒子の粒径分布の判定
イブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子(1g)を、水(1mL)に溶解する。得られたイブプロフェンナノ粒子を含む均質化された水溶液を、Malvern MASTERSIZER3000粒径分析器を使用して粒径分布について分析する。3つの異なる試料を、個別に分析する。
【0172】
実施例6
SEMによるイブプロフェンナノ粒子の粒径分析
イブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子(1g)を、水(1mL)に溶解する。得られたイブプロフェンナノ粒子を含む均質化された水溶液を、走査型電子顕微鏡法(SEM)を使用して分析する。3つの異なる試料を、個別に分析する。
【0173】
実施例7
イブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたグルコースマイクロ粒子の調製
イブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたグルコース(D-デキストロース)マイクロ粒子を、OVPDテクノロジーを使用して調製した。同上。イブプロフェン(71g)をナノサイザーの試料供給容器にロードし、グルコース(915g)をコーティングパン上にロードした。ナノサイザーの内側の供給室を10-3torr下にて150~200℃に加熱してイブプロフェンを蒸発させ、一方で、コーティングパンを積極的に加熱せずに周囲温度にて120rpmで撹拌した。イブプロフェンの蒸気を撹拌グルコースマイクロ粒子の表面上に接触させることによって被覆して、イブプロフェンナノ粒子を形成させた。完了時にナノサイザーを大気圧に加圧し、コーティングパンを取り出して、イブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたグルコースマイクロ粒子を回収した。イブプロフェンについてのUSPモノグラフ法(USP31)によって測定したアッセイ値を使用して、このようにして調製されたイブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたグルコースマイクロ粒子の薬物装荷量の計算値は5重量%であった。
【0174】
実施例8
グルコース上のイブプロフェンナノ粒子の粒径分布の判定
実施例7で調製されたイブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたグルコースマイクロ粒子(250mg)を水に溶解して、透明な懸濁液を得た。懸濁液を、粒径判定のための2%酢酸ウラニルでのネガティブ染色のために直ちに使用した。
【0175】
ネガティブ染色のために、100メッシュのCuフォルムバール/カーボン被覆グリッドを、5分間グロー放電処理した。新たに調製した懸濁液(5μL)をグリッド上でインキュベートし、10分間接着させた。過剰な懸濁液を、濾紙で吸い取った。グリッドを直ちにそれぞれ2回、2%酢酸ウラニル(20μL)で10秒間染色し、ステップの間の過剰量を吸い取った。グリッドを、観察前に、表面を下にして最低15分間濾紙上で乾燥させた。グリッドを、AMTカメラを具備したFEI TECNAI(商標)T12 TEMで画像化した。AMTカメラソフトウェアを含むAMT定量パッケージを使用して測定した。グルコース上のイブプロフェンナノ粒子を、その粒径について2回判定した。イブプロフェンナノ粒子の平均粒径は、156±26nmまたは174±22nmであると判定された。
【0176】
実施例9
イブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子の調製
イブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子を、OVPDテクノロジーを使用して調製した。同上。イブプロフェン(26.7g)をナノサイザーの試料供給容器にロードし、マンニトール(1197g)をコーティングパン上にロードした。ナノサイザーの内側の供給室を10-5torr下で90~130℃に加熱してイブプロフェンを気化させ、一方で、コーティングパンを積極的に加熱せずに周囲温度にて145rpmで撹拌した。イブプロフェンの蒸気を撹拌マンニトールマイクロ粒子の表面上に接触させることによって被覆して、イブプロフェンナノ粒子を形成させた。完了時にナノサイザーを大気圧に加圧し、コーティングパンを取り出して、イブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子を回収した。イブプロフェンについてのUSPモノグラフ法(USP31)によって測定したアッセイ値を使用して、このようにして調製されたイブプロフェンナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子の薬物装荷量の計算値は2重量%であった。実施例8に記載のTEM法を使用して、マンニトール上のイブプロフェンナノ粒子を、その粒径について2回判定した。イブプロフェンナノ粒子の平均粒径は、21±4nmまたは18±3nmであると判定された。
【0177】
実施例10
ニフェジピンナノ粒子で表面被覆されたグルコースマイクロ粒子の調製
ニフェジピンナノ粒子で表面被覆されたグルコースマイクロ粒子を、OVPDテクノロジーを使用して調製した。同上。ニフェジピン(80g)をナノサイザーの試料供給容器にロードし、グルコース(1,600g)をコーティングパン上にロードした。ナノサイザーの内側の供給室を10-3torr下で250℃に加熱してニフェジピンを蒸発させ、一方、コーティングパンを積極的に加熱せずに周囲温度にて120rpmで撹拌した。ニフェジピンの蒸気を撹拌グルコースマイクロ粒子の表面上に接触させることによって被覆して、ニフェジピンナノ粒子を形成させた。完了時にナノサイザーを大気圧に加圧し、コーティングパンを取り出して、ニフェジピンナノ粒子で表面被覆されたグルコースマイクロ粒子を回収した。ニフェジピンについてのUSPモノグラフ法によって測定したアッセイ値を使用して、このようにして調製されたニフェジピンナノ粒子で表面被覆されたグルコースマイクロ粒子の薬物装荷量の計算値は3重量%であった。実施例8に記載のTEM法を使用して、グルコース上のニフェジピンナノ粒子を、その粒径について2回判定した。ニフェジピンナノ粒子の平均粒径は、487±33nmまたは513±27nmであると判定された。
【0178】
実施例11
カンナビジオールナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子の調製
カンナビジオールナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子を、OVPDテクノロジーを使用して調製した。同上。カンナビジオール(26.7g)をナノサイザーの試料供給容器にロードし、マンニトール(1,197g)をコーティングパン上にロードした。ナノサイザーの内側の供給室を10-5torr下で97~99℃に加熱してカンナビジオールを気化させ、一方、コーティングパンを積極的に加熱せずに周囲温度にて145rpmで撹拌した。カンナビジオールの蒸気を撹拌マンニトールマイクロ粒子の表面上に接触させることによって被覆して、カンナビジオールナノ粒子を形成させた。完了時にナノサイザーを大気圧に加圧し、コーティングパンを取り出して、カンナビジオールナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子を回収した。カンナビジオールについてHPLCによって測定したアッセイ値を使用して、このようにして調製されたカンナビジオールナノ粒子で表面被覆されたマンニトールマイクロ粒子の薬物装荷量の計算値は2重量%であった。実施例8に記載のTEM法を使用して、マンニトール上のカンナビジオールナノ粒子を、その粒径について2回判定した。カンナビジオールナノ粒子の平均粒径は、196±23nmまたは163±17nmであると判定された。
【0179】
実施例12
プルンバギンナノ粒子で表面被覆されたMCCマイクロ粒子の調製
プルンバギンナノ粒子で表面被覆された微結晶性セルロース(MCC)マイクロ粒子を、OVPDテクノロジーを使用して調製する。同上。プルンバギン(6g)をナノサイザーの試料供給容器にロードし、MCC(62g)をコーティングパン上にロードする。ナノサイザーの内側の供給室を10-6torr下で85~87℃に加熱してプルンバギンを気化させ、一方、コーティングパンを積極的に加熱せずに周囲温度にて133rpmで撹拌する。プルンバギンの蒸気を撹拌MCCマイクロ粒子の表面上に接触させることによって被覆して、プルンバギンナノ粒子を形成させる。完了時にナノサイザーを大気圧に加圧し、コーティングパンを取り出して、プルンバギンナノ粒子で表面被覆されたMCCマイクロ粒子を回収する。
【0180】
実施例13
ピロキシカムナノ粒子で表面被覆されたラクトースマイクロ粒子の調製
ピロキシカムナノ粒子で表面被覆されたラクトースマイクロ粒子を、OVPDテクノロジーを使用して調製する。同上。ピロキシカム(5g)をナノサイザーの試料供給容器にロードし、ラクトース(120g)をコーティングパン上にロードする。ナノサイザーの内側の供給室を10-6torr下で120~130℃に加熱してピロキシカムを気化させ、一方、コーティングパンを70℃にて120rpmで撹拌する。ピロキシカムの蒸気を撹拌ラクトースマイクロ粒子の表面上に接触させることによって被覆して、ピロキシカムナノ粒子を形成させる。完了時にナノサイザーを大気圧に加圧し、コーティングパンを取り出して、ピロキシカムナノ粒子で表面被覆されたラクトースマイクロ粒子を回収する。
【0181】
実施例14
ジロートンナノ粒子で表面被覆されたPVPマイクロ粒子の調製
ジロートンナノ粒子で表面被覆されたポリビニルピロリドン(PVP)マイクロ粒子を、OVPDテクノロジーを使用して調製する。同上。ジロートン(7g)をナノサイザーの試料供給容器にロードし、PVP(50g)をコーティングパン上にロードする。ナノサイザーの内側の供給室を10-5torr下で135~147℃に加熱してジロートンを気化させ、一方、コーティングパンを70℃にて120rpmで撹拌する。ジロートンの蒸気を撹拌PVPマイクロ粒子の表面上に接触させることによって被覆して、ジロートンナノ粒子を形成させる。完了時にナノサイザーを大気圧に加圧し、コーティングパンを取り出して、ジロートンナノ粒子で表面被覆されたPVPマイクロ粒子を回収する。
【0182】
実施例15
カルバマゼピンナノ粒子で表面被覆されたHPCマイクロ粒子の調製
カルバマゼピンナノ粒子で表面被覆されたヒドロキシプロピルセルロース(HPC)マイクロ粒子を、OVPDテクノロジーを使用して調製する。同上。カルバマゼピン(8g)をナノサイザーの試料供給容器にロードし、HPC(100g)をコーティングパン上にロードする。ナノサイザーの内側の供給室を10-6torr下で189~192℃に加熱してカルバマゼピンを気化させ、一方、コーティングパンを70℃にて145rpmで撹拌する。カルバマゼピンの蒸気を撹拌HPCマイクロ粒子の表面上に接触させることによって被覆して、カルバマゼピンナノ粒子を形成させる。完了時にナノサイザーを大気圧に加圧し、コーティングパンを取り出して、カルバマゼピンナノ粒子で表面被覆されたHPCマイクロ粒子を回収する。
【0183】
実施例16
ベラパミルナノ粒子で表面被覆されたHPMCマイクロ粒子の調製
ベラパミルナノ粒子で表面被覆されたヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)マイクロ粒子を、OVPDテクノロジーを使用して調製する。同上。ベラパミル(8g)をナノサイザーの試料供給容器にロードし、HPMC(100g)をコーティングパン上にロードする。ナノサイザーの内側の供給室を10-6torr下で130~143℃に加熱してベラパミルを気化させ、一方、コーティングパンを70℃にて145rpmで撹拌する。ベラパミルの蒸気を撹拌HPMCマイクロ粒子の表面上に接触させることによって被覆して、ベラパミルナノ粒子を形成させる。完了時にナノサイザーを大気圧に加圧し、コーティングパンを取り出して、ベラパミルナノ粒子で表面被覆されたHPMCマイクロ粒子を回収する。
【0184】
上記の実施例は、主張した実施形態を作製し、使用する方法を完全に開示および説明するために当業者に提供しており、本明細書中に開示の範囲に本発明が制限されることを意図しない。当業者に自明の修正が、以下の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。本明細書中に引用された全ての刊行物、特許、および特許出願は、各々のかかる刊行物、特許、または特許出願が本明細書中で参考として援用されることを具体的かつ個別に示されているかのように、本明細書中で参考として援用される。
図1
【国際調査報告】