(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-06
(54)【発明の名称】マルチコンピュータネットワークにおけるリソースへのアクセスを制御するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06F 9/50 20060101AFI20230330BHJP
【FI】
G06F9/50 120Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550675
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(85)【翻訳文提出日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 US2021016696
(87)【国際公開番号】W WO2021167800
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522331079
【氏名又は名称】ゲルフォント,ロバート
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】ゲルフォント,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ノボタルスキー,マーク,エス.
(57)【要約】
ネットワークリソースマネージャは、実行のためにプログラムデータ及び/又は実行命令をクラウドサービスプロバイダのコンピュータ利用リソースに転送する要求を繰延可能インスタンスから読み込むように構成される。クラウドサービスプロバイダへの負荷が高い場合には、マネージャは、元の繰延可能インスタンスと付加的な繰延可能インスタンスの両方がリソースに対する要求をすることができない繰延期間を受け入れる場合には、付加的な繰延可能インスタンスを元の繰延可能インスタンスに割り当てるように要求するクエリを繰延可能インスタンスに送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)時間ステップ中の実行のために、プログラムデータ及び/又は実行命令を1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに転送する1以上の要求を現時点で1以上のコンピュータ利用インスタンスから読み込み、
i)前記時間ステップは、単位期間の長さを有し、
ii)前記コンピュータ利用インスタンスのうち少なくとも1つは、繰延可能インスタンスであり、
iii)前記繰延可能インスタンスは、第1のユーザに割り当てられ、
iv)前記繰延可能インスタンスは、
1)前記繰延可能インスタンスが確立されたときに前記第1のユーザにより選択された元の物理的又は仮想コンピュータ利用リソースの技術的仕様及び性能メトリクスに実質的に合致する技術的仕様及び性能メトリクスと、
2)前記単位期間に等しい期間と
を有し、
v)前記繰延可能インスタンスは、
1)前記リソースマネージャから
a)前記現時点に対する繰延期間と、
b)付加的な繰延可能インスタンスであって、
i)前記繰延可能インスタンスと実質的に同一の技術的仕様、性能メトリクス及び期間を有し、
ii)前記繰延期間後にのみ開始し得る
付加的な繰延可能インスタンス4の前記第1のユーザへの割当と
を含むクエリを受け取り、
2)繰延閾値に対する前記繰延期間に基づいて前記クエリを受け入れ又は拒否し、
3)前記クエリを受け入れる際に、前記繰延期間後まで、前記プログラムデータ及び/又は実行命令を前記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに転送する前記繰延可能インスタンスによる前記要求を繰り延べる
ように構成され、
b)前記時間ステップ中の前記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに対する前記要求の総相対的負荷を決定し、
c)前記総相対的負荷が負荷閾値よりも大きい場合に、
i)前記クエリを前記繰延可能インスタンスに送り、
ii)前記繰延可能インスタンスから前記クエリの受け入れ又は拒否を受け取り、
iii)前記クエリの受け入れを受け取った際に、
1)前記第1のユーザに前記付加的な繰延可能インスタンスを割り当て、
2)前記繰延可能インスタンスから前記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースへの前記プログラムデータ及び/又は実行命令の前記転送を前記繰延期間後まで繰り延べる
ステップを実行し、
iv)前記クエリの拒否を受け取った際に、
1)前記時間ステップ中の実行のために前記プログラムデータ及び/又は実行命令を前記繰延可能インスタンスから前記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに転送する
ステップを実行する
ステップを実行し、
d)前記総相対的負荷が前記負荷閾値以下である場合に、
i)前記時間ステップ中の実行のために前記プログラムデータ及び/又は実行命令を前記繰延可能インスタンスから前記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに転送する
ステップを実行する
ステップを実行するように構成される、コンピュータ利用ネットワークリソースマネージャ。
【請求項2】
さらに、
a)前記クエリの前記拒否を受け取った際に、
i)前記カレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースの前記技術的仕様及び性能メトリクスのいずれか1つが、前記繰延可能インスタンスの前記技術的仕様及び性能メトリクスと実質的に合致するか否かを決定し、
ii)前記カレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースの前記技術的仕様及び性能メトリクスのいずれも前記繰延可能インスタンスの前記技術的仕様及び性能メトリクスに合致しない場合に、
1)前記繰延可能インスタンスの前記技術的仕様及び性能メトリクスを満たす又はこれを超える集合技術的仕様及び性能メトリクスを有する前記コンピュータ利用リソースのうち1つ以上からなるグループを特定し、
2)前記時間ステップ中の実行のために、前記繰延可能インスタンスから前記プログラムデータ及び/又は実行命令を前記コンピュータ利用リソースのうち1つ以上からなる前記グループに転送する
ステップを実行する
ステップを実行するように構成される、
請求項1に記載のネットワークリソースマネージャ。
【請求項3】
a)前記繰延可能インスタンスの前記性能メトリクスは、
i)CPUのクロック速度と、
ii)CPUのMFLOP速度と、
iii)CPUに対するSPEC INT 2006ベンチマークと、
iv)稼働時間率と、
v)メモリ容量と
のうちの1以上を含む、
請求項2に記載のネットワークリソースマネージャ。
【請求項4】
前記ステップは、さらに、
a)上記プログラムデータ及び/又は実行命令がマルチスレッドプログラムを含むか否かを判断し、
b)上記プログラムデータ及び/又は実行命令がマルチスレッドプログラムを含む場合に、
i)1以上のコンピュータ利用リソースの前記グループを複数のコアを含むグループに限定し、
ii)上記複数のコアの集合性能に少なくとも部分的に基づいて上記グループの上記集合技術的仕様及び性能メトリクスを決定し、
c)上記プログラムデータ及び/又は実行命令がマルチスレッドプログラムを含まない場合に、
i)最も高い適切な技術的仕様及び性能メトリクスを有する上記グループ内でコア又はCPUを決定し、上記最も高い適切な技術的仕様及び性能メトリクスは、
1)上記コア又はCPUの前記クロック速度と、
2)上記コア又はCPUの前記MFLOP速度と、
3)上記コア又はCPUに対する前記SPEC INT 2006ベンチマークと
のうちの1以上を含み、
ii)上記最も高い適切な技術的仕様及び性能メトリクスを有する上記コア又はCPUに少なくとも部分的に基づいてグループの上記集合技術的仕様及び性能メトリクスを決定する
ステップを含む、
請求項3に記載のネットワークリソースマネージャ。
【請求項5】
a)前記プログラムデータ及び/又は実行命令は、
i)制御ボリュームに対する1組の初期条件と、
ii)上記制御ボリュームに対する1組の境界条件と、
iii)上記制御ボリュームに対する予報期間と、
iv)上記初期条件及び上記境界条件に基づいて一連の前記期間にわたって上記制御ボリュームにおける流れ場を上記コンピュータ利用リソースのうち1つ以上からなるグループに決定させる計算流体力学コンピュータコードと
を含み、
b)上記繰延可能インスタンスは、
i)上記予報期間の最後において必要とされる最低限の正確性と、
ii)前記必要とされる最低限の正確性を満たすことができる前記グループの前記技術的仕様及び性能メトリクスと
に少なくとも部分的に基づいて前記繰延閾値を設定するように構成される、
請求項3に記載のネットワークリソースマネージャ。
【請求項6】
a)前記流れ場は天候パターンであり、
b)前記予報期間は10日以上である、
請求項5に記載のネットワークリソースマネージャ。
【請求項7】
a)前記プログラムデータ及び/又は実行命令は、
i)物体検出のための1組のグランドトルースデータと、
ii)複数のノード重み付けパラメータを含むニューラルネットワークと、
iii)上記コンピュータ利用リソースのうちの1つ以上からなるグループに上記ノード重み付けパラメータの最適値を決定させるニューラルネットワーク訓練コンピュータコードと
を含み、
b)上記繰延可能インスタンスは、
i)上記ニューラルネットワークに必要とされる最小限の正確性と、
ii)上記必要とされる最小限の正確性を満足することが可能な上記グループの技術的仕様及び性能メトリクスと
に少なくとも部分的に基づいて繰延閾値を設定するように構成される、
請求項3に記載のネットワークリソースマネージャ。
【請求項8】
a)前記プログラムデータ及び/又は実行命令は、
i)ブロックチェーンのブロック内容と、
ii)上記ブロックチェーンに関連付けられた現在の難易度及び所望の検証期間と、
iii)上記コンピュータ利用リソースのうち1つ以上からなるグループに、ナンスのハッシュと上記ブロック内容に基づいて上記ハッシュが上記難易度以下となるように上記ナンスを決定させるプルーフ・オブ・ワークコンピュータコードと
を含み、
b)上記繰延可能インスタンスは、
i)上記所望の検証期間において上記ナンスを発見するのに必要とされるハッシュごとの最短実行時間と、
ii)上記所望の検証期間において上記ナンスを発見することができる上記グループの技術的仕様及び性能メトリクスと
に少なくとも部分的に基づいて前記繰延閾値を設定するように構成される、
請求項3に記載のネットワークリソースマネージャ。
【請求項9】
a)前記プルーフ・オブ・ワークコンピューティングコードは、複数のスレッドを有するマルチスレッドプログラムを含み、
b)前記グループは、複数の副次的リソースマネージャを含み、
c)前記副次的リソースマネージャのそれぞれは、前記複数のスレッドのうち少なくとも1つを実行可能なコンピュータ利用リソースからなる副次的グループを特定するように構成され、
d)コンピュータ利用リソースの上記副次的グループのそれぞれは、副次的技術的仕様及び性能メトリクスにより記述され、
e)前記グループの前記技術的仕様及び性能メトリクスは、前記副次的グループの前記副次的技術的仕様及び性能メトリクスの集合に少なくとも部分的に基づく、
請求項8に記載のネットワークリソースマネージャ。
【請求項10】
ユーザに割り当てられるコンピュータ利用繰延可能インスタンスの固定記憶装置であって、
a)上記繰延可能インスタンスが確立されたときに第1のユーザにより選択された元の物理的又は仮想コンピュータ利用リソースの技術的仕様及び性能メトリクスに実質的に合致する技術的仕様及び性能メトリクスと、
b)期間と、
c)前記繰延可能インスタンスのマイクロプロセッサにより実行された際に、前記繰延可能インスタンスに、
i)時間ステップ中の実行のために、プログラムデータ及び/又は実行命令を1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに転送する要求を現時点でコンピュータ利用ネットワークリソースマネージャに送り、
1)前記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースは、前記繰延可能インスタンスの前記技術的仕様及び性能メトリクスを満たす又はこれを超える技術的仕様及び性能メトリクスを有し、
2)上記時間ステップは、単位期間の長さを有し、
ii)前記コンピュータ利用リソースマネージャから
1)現時点に対する繰延期間と、
2)付加的な繰延可能インスタンスであって、
a)上記繰延可能インスタンスと実質的に同一の技術的仕様、性能メトリクス及び期間を有し、
b)上記繰延期間後にのみ開始し得る
付加的な繰延可能インスタンスの前記ユーザへの割当と
を含むクエリを受け取り、
iii)繰延閾値に対する上記繰延期間に基づいて上記クエリを受け入れ又は拒否し、
iv)上記クエリを受け入れる際に、
1)前記プログラムデータ及び/又は実行命令を上記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに転送する上記繰延可能インスタンスによる上記要求を上記繰延期間後まで繰り延べ、
2)前記ユーザへの前記付加的な繰延可能インスタンスの割当を受け入れ、
v)前記クエリを拒否する際に、前記時間ステップ中の実行のために、前記プログラムデータ及び/又は実行命令を前記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに転送する
ステップを実行させる1組の命令と
を備える、固定記憶装置。
【請求項11】
a)前記コンピュータ利用繰延可能インスタンスの前記固定記憶装置に保存される前記性能メトリクスは、
i)CPUのクロック速度と、
ii)CPUのMFLOP速度と、
iii)CPUに対するSPEC INT 2006ベンチマークと、
iv)稼働時間率と、
v)メモリ容量と
のうち1以上を含む、
請求項10に記載の前記コンピュータ利用繰延可能インスタンスの固定記憶装置。
【請求項12】
前記繰延可能インスタンスの一意な識別番号をさらに備える、請求項10に記載の前記コンピュータ利用繰延可能インスタンスの固定記憶装置。
【請求項13】
物理トークンをさらに備え、前記物理トークンは、前記繰延可能インスタンスの前記一意な識別番号をさらに有する、請求項12に記載の前記コンピュータ利用繰延可能インスタンスの固定記憶装置。
【請求項14】
前記ユーザ及び前記第1のユーザは異なるユーザである、請求項10に記載の前記コンピュータ利用繰延可能インスタンスの固定記憶装置。
【請求項15】
前記プログラムデータ及び/又は実行命令をさらに備える、請求項10に記載の前記コンピュータ利用繰延可能インスタンスの固定記憶装置。
【請求項16】
a)前記プログラムデータ及び/又は実行命令は、
i)制御ボリュームに対する1組の初期条件と、
ii)上記制御ボリュームに対する1組の境界条件と、
iii)上記制御ボリュームに対する予報期間と、
iv)上記初期条件及び上記境界条件に基づいて一連の前記予報期間にわたって上記制御ボリュームにおける流れ場を上記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに決定させる計算流体力学コンピュータコードと
を含み、
b)上記繰延可能インスタンスは、
i)上記予報期間の最後において必要とされる最低限の正確性と、
ii)前記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースの前記技術的仕様及び性能メトリクスと
に少なくとも部分的に基づいて前記繰延閾値を設定するように構成される、
請求項15に記載の前記コンピュータ利用繰延可能インスタンスの固定記憶装置。
【請求項17】
a)前記流れ場は天候パターンであり、
b)前記予報期間は10日以上である、
請求項16に記載の前記コンピュータ利用繰延可能インスタンスの固定記憶装置。
【請求項18】
a)前記プログラムデータ及び/又は実行命令は、
i)物体検出のための1組のグランドトルースデータと、
ii)複数のノード重み付けパラメータを含むニューラルネットワークと、
を含み、
b)上記繰延可能インスタンスは、
i)上記ニューラルネットワークに必要とされる最小限の正確性と、
ii)前記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースの前記技術的仕様及び性能メトリクスと
に少なくとも部分的に基づいて繰延閾値を設定するように構成される、
請求項15に記載の前記コンピュータ利用繰延可能インスタンスの固定記憶装置。
【請求項19】
a)前記プログラムデータ及び/又は実行命令は、
i)ブロックチェーンのブロック内容と、
ii)上記ブロックチェーンに関連付けられた現在の難易度及び所望の検証期間と、
iii)上記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに、ナンスのハッシュと上記ブロック内容に基づいて上記ハッシュが上記難易度以下となるように上記ナンスを決定させるプルーフ・オブ・ワークコンピュータコードと
を含み、
b)上記繰延可能インスタンスは、
i)上記所望の検証期間において上記ナンスを発見するのに必要とされるハッシュごとの最短実行時間と、
ii)上記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースの前記技術的仕様及び性能メトリクスと
に少なくとも部分的に基づいて前記繰延閾値を設定するように構成される、
請求項15に記載の前記コンピュータ利用繰延可能インスタンスの固定記憶装置。
【請求項20】
a)固定記憶装置に、
i)第1のユーザに割り当てられた第1の記録IDと、
ii)上記第1の記録IDに関連付けられた上記繰延可能インスタンスの第1の数と、
iii)第2のユーザに割り当てられた第2の記録IDと、
iv)上記第2の記録IDに関連付けられた上記繰延可能インスタンスの第2の数と、
v)対価に対する繰延可能インスタンスの交換レートを含むデータベースと
を保存し、
b)前記第1のユーザから前記第2のユーザへの前記対価の転送の確認を受け取り、
c)前記対価と等価な前記繰延可能インスタンスの量を前記交換レートにより決定し、
d)繰延可能インスタンスの上記第1の数を上記量だけ増やし、
e)繰延可能インスタンスの上記第2の数を上記量だけ減らす
ステップを実行するように構成され、
前記繰延可能インスタンスのそれぞれは、固定記憶装置であって、
f)上記繰延可能インスタンスが確立されたときに選択された元の物理的又は仮想コンピュータ利用リソースの技術的仕様及び性能メトリクスに実質的に合致する技術的仕様及び性能メトリクスと、
g)期間と、
h)前記繰延可能インスタンスのマイクロプロセッサにより実行された際に、前記繰延可能インスタンスに、
i)時間ステップ中の実行のために、プログラムデータ及び/又は実行命令を1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに転送する要求を現時点でのカレントユーザから前記コンピュータ利用ネットワークリソースマネージャに送り、
1)前記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースは、前記繰延可能インスタンスの前記技術的仕様及び性能メトリクスを満たす又はこれを超える技術的仕様及び性能メトリクスを有し、
2)上記時間ステップは、単位期間の長さを有し、
ii)前記コンピュータ利用リソースマネージャから
1)現時点に対する繰延期間と、
2)付加的な繰延可能インスタンスであって、
a)上記繰延可能インスタンスと実質的に同一の技術的仕様、性能メトリクス及び期間を有し、
b)上記繰延期間後にのみ開始し得る
付加的な繰延可能インスタンスの前記カレントユーザへの割当と
を含むクエリを受け取り、
iii)繰延閾値に対する上記繰延期間に基づいて上記クエリを受け入れ又は拒否し、
iv)上記クエリを受け入れる際に、
1)前記プログラムデータ及び/又は実行命令を上記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに転送する上記繰延可能インスタンスによる上記要求を上記繰延期間後まで繰り延べ、
2)前記カレントユーザへの前記付加的な繰延可能インスタンスの割当を受け入れ、
v)前記クエリを拒否する際に、前記時間ステップ中の実行のために、前記プログラムデータ及び/又は実行命令を前記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに転送する
ステップを実行させる1組の命令と
を備える固定記憶装置を有する、
コンピュータ利用ネットワークリソースマネージャ。
【請求項21】
a)前記第2のユーザは、前記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースを所有又は制御し、
b)前記コンピュータ利用ネットワークリソースマネージャは、
i)数多くのユーザが無期限に繰延可能インスタンスを保持することを選択するように、前記繰延可能インスタンスが開始される頻度及び条件に基づいて前記交換レートを決定する
ステップを実行するように構成される、
請求項20に記載のコンピュータ利用ネットワークリソースマネージャ。
【請求項22】
前記第2の記録IDに関連する前記繰延可能インスタンスの第2の数を前記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースの現在の能力より多い数に設定するようにさらに構成される、請求項21に記載のコンピュータ利用ネットワークリソースマネージャ。
【請求項23】
前記交換レートは、市場において前記第1のユーザと前記第2のユーザとによって交渉される、請求項20に記載のコンピュータ利用ネットワークリソースマネージャ。
【請求項24】
a)前記量だけの繰延可能インスタンスの前記第1の数の増加と、
b)前記量だけの繰延可能インスタンスの前記第2の数の減少とがブロックチェーン内のブロックに保存される、
請求項20に記載のコンピュータ利用ネットワークリソースマネージャ。
【請求項25】
前記ブロックチェーンは、イーサリアムブロックチェーンである、請求項24に記載のコンピュータ利用ネットワークリソースマネージャ。
【請求項26】
前記対価は、法律上の通貨、暗号通貨、株、又は1以上の他の繰延可能インスタンスのうち1つ以上である、請求項20に記載のコンピュータ利用ネットワークリソースマネージャ。
【請求項27】
a)それぞれの前記繰延可能インスタンスは、一意なIDに関連付けられ、
b)前記コンピュータ利用ネットワークリソースマネージャは、
i)前記第1のユーザに割り当てられた前記繰延可能インスタンスの前記第1の数を前記第1のユーザに割り当てられた前記繰延可能インスタンスに関連付けられた前記一意なIDのリストとして保存し、
ii)前記第1のユーザに割り当てられた前記繰延可能インスタンスの前記第2の数を前記第2のユーザに割り当てられた前記繰延可能インスタンスに関連付けられた前記一意なIDのリストとして保存し、
iii)転送された繰延可能インスタンスの量の前記一意なIDを第1の記録において記録することにより繰延可能インスタンスの前記第1の数の前記増加を実行し、
iv)転送された繰延可能インスタンスの量の前記一意なIDを第2の記録において削除することにより繰延可能インスタンスの前記第3の数の前記減少を実行する
ように構成される、
請求項20に記載のコンピュータ利用ネットワークリソースマネージャ。
【請求項28】
a)前記コンピュータリソースマネージャは、物理トークンを生成する機械を含み、
b)物理メモリの前記第1の記録は、前記一意なIDのうち少なくとも1つを特定する前記物理トークンを含み、
c)繰延可能インスタンスの前記第1の数を増加させるステップは、前記機械により前記物理トークンを生成することを含む、
請求項27に記載のコンピュータ利用ネットワークリソースマネージャ。
【請求項29】
a)前記物理トークンは、ホログラムを有する紙幣である、
請求項28に記載のコンピュータ利用ネットワークリソースマネージャ。
【請求項30】
前記機械は、内部に格納された前記物理トークンを有し、前記物理トークンを調合することにより前記物理トークンを生成する、請求項28に記載のコンピュータ利用ネットワークリソースマネージャ。
【請求項31】
a)前記コンピュータリソースマネージャは、物理トークンの預入を受け取るための機械を含み、
b)前記物理メモリの前記第2の記録は、前記一意なIDのうち少なくとも1つを特定する前記物理トークンを含み、
c)繰延可能インスタンスの前記第2の数を減らすステップは、前記機械への前記物理トークンの預入を受け入れることを含む、
請求項27に記載のコンピュータ利用ネットワークリソースマネージャ。
【請求項32】
前記物理トークンは前記機械の内部に保管される、請求項31に記載のコンピュータ利用ネットワークリソースマネージャ。
【発明の詳細な説明】
【著作権及び商標表示】
【0001】
本特許文書における開示の一部は、著作権の主張がなされる題材を含んでいる。著作権者は、いずれかの者による本特許文書又は本特許の開示のファクシミリによる複製に対しては、米国特許商標庁における特許ファイル又は記録に掲載されているので異議を唱えることはないが、他のすべての著作権についてはどのようなものであってもこれを留保する。
【関連出願】
【0002】
本発明の実施形態は、マルチコンピュータネットワークにおけるリソースへのアクセスへのアクセスを制御するためのシステム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
図1は、カレントインスタンスリソース管理のための従来技術のシステム100の模式図である。このシステムは、
・コンピュータにより実現される1以上のカレントインスタンス112,114,116と、
・コンピュータにより実現されるリソースマネージャ130と、
・コンピュータにより実現されるカレントリソース142,144,146と
を備える。
【0004】
システムは、Amazon EC2、Google Cloud又はMicrosoft Azureのようなクラウドコンピューティングサービスプロバイダ148により所有又は制御され得る。
【0005】
カレントインスタンス
インスタンスは、およそそれが開始されるときに確立されるという意味において「カレント」である。インスタンスが確立されると、ユーザは、クラウドサービスプロバイダから価格を受け取り、ユーザがこの価格を受け入れると、クラウドサービスプロバイダに対して支払が行われるか、あるいは支払に対する確約がなされる。そして、ユーザは、カレントリソースの使用に対する要求がなされるという意味においてカレントインスタンスを開始する。リソースを使用することは、ある時間ステップ中にプログラムデータ及び/又は実行命令を実行のために上記リソースに転送する工程を含み得る。開始は、確立直後あるいは比較的短い期間(例えば3ヶ月)内でなされ得る。利用可能なカレントリソースに実質的な変化がなかった場合には、確立と開始との間の期間は短いと考えられる。実質的な変化は、顕著な能力拡張(例えば5%を超える)又はカレントリソースの性能に対する顕著なアップグレード(例えばより高速なCPUへのアップグレード)であり得る。
【0006】
それぞれのカレントインスタンスは、仕様122,124,126により記述され得る。仕様は、1以上の所望のリソース、性能メトリクス、サービス水準合意(SLA)及び/又は保証サービス水準目標(SLO)の記述を含み得る。例示的な所望のリソースは、CPU又はvCPUの種類、上記CPU又はvCPUのコアの数、メモリ割当、及びオペレーティングシステムのうちの1つ以上を含み得る。所望のリソースは、物理的リソース又は仮想リソースであり得る。本明細書で使用される場合には、仮想リソースは、第1の種類の物理的リソースと、その物理的リソースを第2の種類の物理的リソースであるかのように機能させるエミュレーションソフトウェアとの組み合わせである。
【0007】
性能メトリクスは、性能を定量的に示すものである。CPU又はvCPUに好適な性能メトリクスは、クロック速度、MFLOP速度、SPEC INT 2006ベンチマークのうちの1つ以上、及び/又は稼働時間率を含む。
【0008】
それぞれのインスタンスは期間110により記述され得る。この期間は、時間ステップ104の整数個分であり得る。この期間は、開始時間102で始まり、終了時間106で終わり得る。時間ステップは、1秒、1分又はこれより長い又は短い時間単位のようなシステムにとって適切な任意の単位時間であり得る。1分のような最短期間が特定され得る。最短期間は、60秒のような整数個の時間ステップであり得る。
【0009】
インスタンスの期間の種類は、可変期間112、固定期間114、又は割込可能期間116であり得る。可変期間、固定期間、及び割込可能期間の組み合わせのような他の種類の期間も提供され得る。
【0010】
可変期間インスタンス112は、ユーザの裁量で開始及び終了する。可変期間インスタンスは、他の種類のインスタンスに対して高い優先度108を有する傾向がある。高い優先度とは、固定期間インスタンス又は割込可能期間インスタンスのような他のインスタンスの前に可変インスタンスがカレントリソースに割り当てられることを意味している。また、可変期間インスタンスは、これに対応してそれらの期間の時間当たりのコストが高くなり得る。
【0011】
固定期間インスタンス114は、ユーザの裁量による開始時間を有しているが、その期間は予め規定された固定された期間である。予め規定された期間は、1年、3年又は他の期間であり得る。ユーザは、インスタンスが実際にカレントリソースを使用しているか否かにかかわらず、固定期間インスタンスに対する固定料率で課金される。しかしながら、これらの期間の単位時間当たりの価格は、概して、可変期間インスタンスに対するものよりも低い。固定期間インスタンスがこれらの期間にわたって継続的にカレントリソースを使用しないことが多いという事実は、割込可能期間インスタンスのような他のインスタンスによる使用に対して時折カレントリソースが利用可能になり得ることを意味している。
【0012】
割込可能期間インスタンス116は、ユーザの裁量による開始時間を有しているが、リソースマネージャ130の裁量による終了時間を有し得る。リソースマネージャは、カレントリソースの相対的利用可能性128を割込可能インスタンスに提供し得る。相対的利用可能性は、所与の時間ステップ104の間のカレントリソースの使用に対するスポット価格として表現され得る。割込可能期間インスタンスは、このスポット価格を受信し得る。スポット価格が、割込可能インスタンスが支払うことを受け入れている閾値価格よりも低い場合には、割込可能インスタンスが開始する。スポット価格が、割込可能インスタンスが支払うことを受け入れている閾値価格よりも高い場合には、割込可能期間インスタンスは、開始しない場合があるか、あるいは、以前から開始している場合には、その期間を終了し得る。このように、リソースマネージャは、スポット価格の変動を通じて割込可能期間インスタンスの期間の長さを効果的に制御することができる。これは、次に、リソースマネージャがより優先度の高いインスタンスに対するカレントリソースの利用可能性を制御することを可能にする。
【0013】
カレントリソース
それぞれのカレントリソース142,144,146は、その能力を規定している仕様152,154,156により記述され得る。仕様は、性能メトリクス、CPUの種類、上記CPUのコアの数、メモリ割当、及びオペレーティングシステムのうち1つ以上を列挙し得る。カレントリソースは、物理的リソース(例えばCPU)又は仮想リソース(例えばvCPU)であり得る。性能メトリクスは、CPUクロック速度、MFLOP速度、SPEC INT 2006ベンチマークのうちの1つ以上、稼働時間率、又はメモリ容量のような性能を定量的に示すものであり得る。
【0014】
リソースマネージャによるカレントリソースの割当
リソースマネージャ130は、所与の時間ステップ104の開始時に1以上のカレントインスタンス112,114,116から1以上の要求122,124,126を受け得る。そして、リソースマネージャは、合致した仕様でインスタンスをカレントリソースに割り当てる(132,134,136)。割当は、仮想リソースがインスタンスの仕様に合致するように所与の物理的リソース上で仮想リソースを立ち上げるステップを含み得る。
【0015】
割当前に、リソースマネージャは、カレントインスタンスの要求に対してカレントリソースがどの程度適切なものかを予測し得る。リソースが適切なものでない場合には、リソースマネージャは、割込可能期間インスタンスに対するカレントリソースの利用可能性128を減少させる(例えば、スポット価格を上げる)。適切なリソースが可変期間インスタンス及び固定期間インスタンスに対して利用可能となるように、割込可能インスタンスの一部が停止し得る。あるいは、カレントリソースの供給過多がある場合には、リソースマネージャは、割込可能インスタンスのより多くが作動してカレントリソースの利用を増加させるように、割込可能期間インスタンスに対するカレントリソースの利用可能性を増加させる(例えば、スポット価格を下げる)。
【0016】
所与の時間ステップにおいて、リソースマネージャが、可変期間インスタンス及び固定期間インスタンスのすべての要求を満たすことができない場合には、臨時の休止期間が生じ得て、それらのそれぞれのサービス水準合意(SLA)に違反することになり得る。そして、クラウドサービスプロバイダ148は、SLA違反のペナルティの責任を負うことになり得る。SLA違反のペナルティは、カレントリソースを拒否されたカレントインスタンスのユーザに与えられる金銭的クレジットの形態であり得る。SLAの遵守は、カレントインスタンス又はリソースマネージャによりモニタリングされ、グラフィカルユーザインタフェイスでそれぞれのユーザに出力が提供され得る。
【0017】
カレントリソースの過少利用
上述したように構成されるリソースマネージャを用いても、クラウドサービスプロバイダにおけるカレントリソースの合計使用率はたった40%程度であり得ることが報告されている。このため、SLA違反のペナルティを生じさせることなく、より高い合計使用率を実現する改良されたリソースマネージャに対する需要が存在する。また、使用リソースの割合を改善することが主として求められているが、クラウドサービスプロバイダは、ピーク需要に対応可能なことについても気にしている。これは、使用されているリソースの平均的割合を増加させることよりも重要であり得る。したがって、カレントリソースに対するインスタンスの需要をピーク負荷期間からユーザが選択した将来の期間に繰り延べることができる信頼できる能力をユーザに提供する改良されたリソースマネージャに対するさらなる需要が存在する。そして、クラウドサービスプロバイダは、繰延可能インスタンスが実際に履行されることなくほぼ100%の使用率で稼働しているかのようにこれらの繰延可能インスタンスを販売することができ得る。
【発明の概要】
【0018】
本発明を理解するためのガイドとして発明の概要が提供される。これは、本発明の最も包括的な実施形態又は最も広い範囲の別の実施形態を必ずしも述べているわけではない。
【0019】
図2は、繰延可能インスタンスリソース管理のためのシステム200の模式図である。このシステムは、従来技術のシステム100に関して先に述べたカレントインスタンス112,114,116及びカレントリソース142,144,146のうち1つ以上を含んでいる。インスタンスのリソースへの割当は、コンピュータにより実現される繰延可能インスタンスリソースマネージャ230により制御される。従来技術のリソースマネージャ130の機能に加えて、繰延可能インスタンスリソースマネージャは、1以上の繰延可能インスタンス212のリソース要求222を管理するように構成されている。
【0020】
繰延可能インスタンス
繰延可能インスタンスは、第1のユーザにより前回の時点202で現時点102までに確立される。第1のユーザの裁量により開始(例えば、リソース222に対する要求)を後の時点206に繰り延べることができる(208)。繰延可能インスタンスを確立するステップは、クラウドサービスプロバイダから価格を受け取り、クラウドサービスプロバイダに支払又は支払に対する確約を送信することを含み得る。支払は、法律上の通貨(例えばドル)、他の通貨(例えば暗号通貨)又は他の対価(例えば、株又は他の種類の繰延可能インスタンス)の形態でなされ得る。支払又は支払の確約は、ある期間にわたる融資のような互いに合意可能な期間によりなされ得る。
【0021】
それぞれの繰延可能インスタンス212は仕様252により規定され得る。仕様は、1以上の所望の物理的リソース又は仮想リソース、性能メトリクス、サービス水準合意(SLA)、保証サービス水準目標(SLO)、及び/又は期間を含み得る。例示的な所望のリソースは、CPU又はvCPUの種類、上記CPU又はvCPUのコアの数、メモリ割当、及び/又はオペレーティングシステムのうちの1つ以上を含み得る。
【0022】
性能メトリクスは、性能を定量的に示すものであり得る。CPU、vCPU、又はそのそれぞれのコアに好適な性能メトリクスは、クロック速度、MFLOP速度、SPEC INT 2006ベンチマークのうちの1つ以上、及び/又は稼働時間率を含む。また、性能メトリクスは、メモリ容量を含み得る。
【0023】
サービス水準合意及びサービス水準目標は、上記で述べた他のインスタンスと同様のものであり得る。SLAが、繰延可能インスタンスが優先度を有していることを示していることがある。優先度は、上記の可変期間インスタンスの優先度を超えるものから割込可能期間インスタンスの優先度を下回るものまで任意のレベルであり得る。本明細書で使用される場合には、「可変期間インスタンスの優先度を超える」優先度レベルは、繰延可能インスタンスを自由に事前の通知なく開始する絶対的権利を含み得る。本明細書で使用される場合には、「任意の時間に」開始することは、確立直後に開始することを含んでいる。また、これは、将来における不定時間に開始することを含み得る。以下でより詳細に述べられるように、優先度は、SLA違反の過度なペナルティを生じさせることなくリソースの使用率を上げるように設定され得る。
【0024】
繰延可能インスタンスの期間210は、固定的なものであるか、あるいは可変なものであり得る。この期間は、時間ステップ204の整数個分であり得る。繰延可能インスタンスの時間ステップ204は、リソースマネージャの時間ステップ104の整数個分であるか、あるいはその逆であり得る。繰延可能インスタンスは、類似又は同一の仕様を有する複数の固定期間の繰延可能インスタンスが順次開始されて可変期間インスタンスをエミュレートするように構成され得る。
【0025】
繰延可能インスタンスに対して係属期間220が特定され得る。この係属期間は、繰延可能インスタンスが開始され得る期間である。係属期間は、有限であってもよく(例えば10年)、無限であってもよい。以下でより詳細に述べられるように、繰延可能インスタンスが将来の拡大又はアップグレードにアクセスできるように、カレントリソースの能力の著しい拡大及び/又はカレントリソースの性能における著しいアップグレードがあり得るという意味において係属期間が長いものであってもよい。
【0026】
カレントリソースの繰延可能インスタンスへの割当
1以上の繰延可能インスタンスとカレントインスタンスの組み合わせにカレントリソースを割り当てる方法が
図2に示されている。リソースマネージャ230は、現時点102で又は現時点102の前に開始されている(206)1以上のカレントインスタンス112,114,116及び/又は繰延可能インスタンス212から1以上の要求122,124,126,222を受け得る。これらの要求は、所与の時間ステップ104の開始時になされる。その後、リソースマネージャは、インスタンスの仕様に合致する仕様を有するカレントリソースにインスタンスを割り当てる(132,134,136)。
【0027】
割当前に、リソースマネージャは、カレントインスタンス及び繰延可能インスタンスの要求に対してカレントリソースがどの程度適切なものかを予測し得る。上述したように、リソースが適切なものでない場合には、リソースマネージャは、SLA違反のペナルティを避けるために割込可能期間インスタンスに対するカレントリソースの利用可能性128を減少させる(例えば、スポット価格を上げる)。さらに、必要であれば、リソースを自由に使えるようにするために繰延可能インスタンスの期間を中断できるように繰延可能インスタンスの優先度を低い値に設定することによりリソース制御を得ることができる。低い優先度を補うために、ユーザがカレントリソースの供給又は性能における将来の上昇を見越してこれを購入するように繰延可能インスタンスの価格を十分に低く設定することができる。このように、カレントリソースの全体的な使用率を上げることができる。あるいは、繰延可能インスタンスを保持している者は、その実行を繰り延べること又はインスタンスを使用する権利に対して支払を受け得る。支払は、追加の繰延可能インスタンス、期間、又は他の形態の補償をユーザに与えることによる本質的な利払いであるものを含む任意の形態であり得る。別の実施形態においては、繰延に対する価格は市場が厳格に決定する。極端な例では、リソースマネージャは、未決済の繰延可能インスタンスを(市場価格で)買い戻し、さらに/あるいは他のプロバイダからカレントインスタンスを買うだけであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、カレントインスタンスリソース管理のための従来技術のシステムの模式図である。
【
図2】
図2は、繰延可能インスタンスリソース管理のためのシステムの模式図である。
【
図3】
図3は、付加的な繰延可能インスタンスリソース管理のためのシステムの模式図である。
【
図4】
図4は、代替リソースを用いた繰延可能インスタンスリソース管理のためのシステムの模式図である。
【
図5】
図5は、付加的な繰延可能インスタンスを管理するための方法のフローチャートである。
【詳細な説明】
【0029】
この詳細な説明は、非制限的な代表的実施形態を述べている。少なくとも本明細書で述べられる利点のために異なる用途により必要とされる場合には、いずれの個々の特徴も他の特徴と組み合わせることができる。本明細書で使用される場合には、「約」という用語は、特にそうでないことが示されていない限り、与えられた値のプラスマイナス10%を意味する。本明細書で使用される場合には、「実質的同一」という用語は、2つのものが90%以上同一であることを意味する。
【0030】
本明細書で使用される場合には、「コンピュータを利用したシステム」、「コンピュータを利用したリソース」、「コンピュータにより実現されるシステム」、「コンピュータにより実現されるリソース」などは、データを受けるための入力デバイス、データを有形の形で出力するための出力デバイス(例えば、コンピュータスクリーン上に印刷又は表示する)、データに加えてコンピュータコードを格納するための固定記憶装置、及びコンピュータコードを実行するためのマイクロプロセッサを含んでいる。上記固定記憶装置に存在する上記コンピュータコードは、上記入力デバイスを介してデータを読む込み、上記データを上記マイクロプロセッサ内で処理し、上記出力デバイスを介して上記処理されたデータを出力すること上記マイクロプロセッサに物理的にさせるものである。
【0031】
本明細書で使用される場合には、「ように構成される」という表現又はこれに類する表現は、コンピュータを利用したシステムが特定の動作を行うようにプログラムされるか、あるいは物理的に修正されている(例えば、入力デバイス及び/又は出力デバイスの設置)ことを意味する。
【0032】
本明細書で使用される場合には、「形状の」という用語は、あるものが、与えられた形状の純粋な形態から重要ではない程度の変更はあったとしても、全体的な外観が与えられた形状を有することを意味する。
【0033】
本明細書で使用される場合には、形状を述べるときの「略」という用語は、その形状から重要でない程度の変更はあったとしても、通常の観察者が物体がその形状を有すると知覚することを意味する。
【0034】
本明細書で使用される場合には、コンピュータを利用したリソースを「使用」することは、時間ステップ中の実行のためにプログラムデータ及び/又は実行命令を上記コンピュータを利用したリソースに転送するステップを含み得る。また、これは、コンピュータを利用したリソースが適したプログラム又は他の利用を実行するステップも含み得る。
【0035】
本明細書で使用される場合には、「上」、「下」、「上部」、「底部」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「遠位」及び「近位」のような相対的方向用語は、物体の最初の説明に対して定義されており、そうではないと言及されていない限り、その後にその物体が別の方向で説明されている場合であってもその物体の同一部分を指し続けるものである。
【0036】
本明細書で使用される場合には、そうでないと言及されていない限り、単一の要素の開示は複数の要素の開示でもあり、その逆も当てはまる。
【0037】
付加的な繰延可能インスタンス
図3は、付加的な繰延可能インスタンスリソース管理のためのシステム300の模式図である。SLA違反の過度なペナルティを生じさせることなくリソース使用率を上げるために、リソースマネージャ230は、上記第1のユーザが現時点102で繰延可能インスタンス212からリソース222に対する要求を撤回するか、これを開始しないことと引き換えに、1つ以上又は一部の付加的な繰延可能インスタンス214を第1のユーザに提供するように構成され得る。リソースマネージャは、SLA違反のペナルティを引き起こし得るカレントリソースの高い使用率を見越してこれを行うことができる。
【0038】
この提供は、リソースマネージャから繰延可能インスタンスに送られるクエリ224の形態であり得る。このクエリは、繰延可能インスタンス及び/又は付加的な繰延可能インスタンスがペナルティなしでは開始することができない又は全く開始することができない繰延期間216を含み得る。コンピュータにより実現される繰延可能インスタンスは、クエリの期間(例えば、付加的な繰延可能インスタンスの量及び繰延期間)を1以上の繰延閾値と比較し、自動的にそのクエリを受け入れるか(226)拒否するように構成され得る。クエリが受け入れられた(226)場合には、リソースマネージャは、付加的な繰延可能インスタンスを第1のユーザに割り当ててもよいし(228)、繰延可能インスタンス及び付加的な繰延可能インスタンスに関連する繰延期間を記録してもよい。
【0039】
リソースに対して要求を行うことを認められているインスタンス112,114,116,212のすべては、識別番号又は識別コードによって識別され得る。また、インスタンスは、関連する認証コードを有し得る。インスタンスがリソースに対して要求を行う場合には、その要求は、識別番号及び認証コードを含み得る。任意の安全な認証手段が用いられる。
【0040】
付加的なものであるにしても、そうでないものであるにしても、繰延可能インスタンスがリソースに対して要求を行う場合には、リソースマネージャは、その記録をチェックし、上記繰延可能インスタンスの識別番号に基づいて、要求を行っている繰延可能インスタンスに対して以前に割り当てられた繰延期間中に要求がなされていないことを確認し得る。繰延期間中である場合には、リソースマネージャは、リソースに対する要求を断るか、あるいは、第1のユーザに対して以前に特定されたペナルティを評価し得る。このペナルティは、金銭的なペナルティや第1のユーザに対して以前に発行された繰延可能インスタンスの量の剥奪など、任意の種類のペナルティであり得る。
【0041】
繰延期間216は、この繰延期間中に新しいリソース348の顕著な追加302があり得るという意味において「長期間」であり得る。この新しいリソースは、与えられた仕様358を有し得る。新しいリソースがオンライン218である場合には、リソースマネージャ230は、これらを要求に割り当てることができる(304)。3ヶ月以上の繰延期間は長いと考えることができる。このため、第1のユーザは、長い繰延期間と引き換えに付加的な繰延可能インスタンスを受け入れることにより、クラウドサービスプロバイダの予想される能力増加に参加することができる。しかしながら、いずれの繰延期間も好適なものとなり得る。
【0042】
付加的な繰延可能インスタンスは、第1のユーザに利用可能な計算時間が時間とともに長くなるように繰延期間にわたって第1のユーザに定期的に付与され得る。与えられた時点で付与される繰延可能インスタンスの量は、付加的なものであるにしても、そうでないものであるにしても、第1のユーザを有する繰り延べられたインスタンスの総量に比例し得る。このため、成長は時間とともに折り合いがつくことがある。
【0043】
その一部についてのクラウドサービスプロバイダは、クエリにおいて特定された付加的な繰延可能インスタンスの量及びそれらの関連する繰延期間を調整して事実上将来の能力拡大に対して出資をし得る。
【0044】
別の実施形態においては、繰延可能インスタンスは、他のユーザに受け渡し可能なものである。リソースに対する需要に対するリソースの利用可能性のような市場の影響力に応じて変化する繰延可能インスタンスの価格により市場が形成され得る。このため、繰延可能インスタンスは、特に法律上の通貨に対する信頼の喪失のような金融危機において財産を貯蓄及び移動するための手段として役立ち得る。
【0045】
リソースの割当及び付加的な繰延可能インスタンスを管理するための方法
図5は、リソースの割当及び付加的な繰延可能インスタンスを管理するための例示的方法500のフローチャートである。
図3及び
図5を参照すると、コンピュータ利用ネットワークリソースマネージャ230は、
a)時間ステップ104中の実行のために、必要に応じてプログラムデータ及び/又は実行命令を転送することを含む1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソース142,144,146の使用のための1以上の要求222,122,124,126を現時点502で1以上のコンピュータ利用インスタンス212,112,114,116から読み込み(504)、
i)上記時間ステップは、単位期間の長さを有し、
ii)上記コンピュータ利用インスタンスのうち少なくとも1つは、繰延可能インスタンス212であり、
iii)上記繰延可能インスタンスは、第1のユーザに割り当てられ、
iv)上記繰延可能インスタンスは、
1)上記繰延可能インスタンスが確立されたとき(202)に上記第1のユーザにより選択された元の物理的又は仮想コンピュータ利用リソースの技術的仕様及び性能メトリクスに実質的に合致する技術的仕様及び性能メトリクス252と、
2)上記単位期間に等しい期間210と
を有し、
v)上記繰延可能インスタンス212は、
1)上記リソースマネージャから
a)上記現時点に対する繰延期間216と、
b)付加的な繰延可能インスタンス214であって、
i)上記繰延可能インスタンスと実質的に同一の(252)技術的仕様、性能メトリクス及び期間を有し、
ii)上記繰延期間後にのみ開始し得る
付加的な繰延可能インスタンス214の前記第1のユーザへの割当と
を含むクエリを受け取り(224)、
2)繰延閾値に対する上記繰延期間に基づいて上記クエリを受け入れ(226)又は拒否し、
3)上記クエリを受け入れる際に、上記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースの使用に対する上記繰延可能インスタンスによる上記要求を上記繰延期間後まで繰り延べる(例えば、上記プログラムデータ及び/又は実行命令を上記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに転送する上記繰延可能インスタンスによる上記要求を繰り延べる)
ように構成され、
b)上記時間ステップ中の上記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソース142,144,146に対する上記要求の総相対的負荷を決定し(506)、
c)上記総相対的負荷が負荷閾値よりも大きい場合に(509)、
i)上記クエリを上記繰延可能インスタンスに送り(512)、
ii)上記繰延可能インスタンスから上記クエリの受け入れ又は拒否を受け取り(514)、
iii)上記クエリの受け入れ(516)を受け取った際に、
1)上記第1のユーザに上記付加的な繰延可能インスタンスを割り当て(518)、
2)上記時間ステップ中に、上記要求に応じて上記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースを上記コンピュータ利用インスタンスに割り当てる(522)が、上記繰延可能インスタンスから上記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースへの上記プログラムデータ及び/又は実行命令の上記転送を上記繰延期間後まで繰り延べる
ステップを実行し、
iv)上記クエリの拒否(517)を受け取った際に、
1)上記時間ステップ中の実行のために上記プログラムデータ及び/又は実行命令を上記繰延可能インスタンスから上記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに転送する(524)
ステップを実行する
ステップを実行し、
d)上記総相対的負荷が上記負荷閾値以下である場合に(508)、
i)上記時間ステップ中の実行のために上記プログラムデータ及び/又は実行命令を上記繰延可能インスタンスから上記1以上のカレント物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに転送する(524)
ステップを実行する
ステップを実行するように構成される。
【0046】
時間ステップの最後526では、リソースマネージャ230が、次の時間ステップ中に再び方法500を開始(502)し得る。
【0047】
以前の時間ステップ中に、繰延可能インスタンスがコンピュータ利用リソース上のプログラムを開始している場合には、繰延期間と引き換えに付加的な繰延可能インスタンスを提供するクエリの拒否は、単に現在実行中のプログラムに対する中断命令がないことを上記コンピュータ利用リソースに転送される「実行命令」が含み得ることを意味し得る。反対に、クエリが受け入れられる場合には、「実行命令の転送の繰延」は、以前に開始されたプログラムを実行した上記コンピュータ利用リソースに上記中断命令を実際に転送することを含み得る。
【0048】
別の方法
付加的な繰延可能インスタンスは、必ずしも繰延可能インスタンスと実質的に同一の技術的仕様及び性能メトリクスを有していなければならないわけではない。例えば、繰延可能インスタンスが確立されたとき以降にクラウドサービスプロバイダがリソースをアップグレードしている場合には、付加的な繰延可能インスタンスは、繰延可能インスタンスが確立されたときに繰延可能インスタンスに当初割り当てられた技術的仕様及び性能メトリクスと同程度又はこれよりも良い技術的仕様及び性能メトリクスを有し得る。リソースのアップグレードは、
図4に関して以下でより詳細に述べられる。
【0049】
クエリにおいて提供される付加的な繰延可能インスタンスの期間は、必ずしもクエリを受け取る繰延可能インスタンスの期間と同一でなければならないわけではない。
【0050】
クエリにおいて提供される付加的な繰延可能インスタンスの繰延期間は、必ずしもクエリを受け取る繰延可能インスタンスの繰延期間と同一でなければならないわけではない。例えば、クエリは、要求に応じた短期間のスパイクに対応するために数時間の繰延可能インスタンスに対する繰延可能な期間を特定し得る。クエリにおいて提供される付加的な繰延可能インスタンスの繰延期間は、カレントリソースが多用される期間中に提供され得る潜在的に数多くの付加的な繰延可能インスタンスに対応する能力をクラウドサービスプロバイダが増やせるように数ヶ月又は数年にもなり得る。
【0051】
付加的な繰延可能インスタンスは、第1のユーザ以外の第三者に割り当てることが可能である。
【0052】
他のユーザへの繰延可能インスタンスの転送に対して制限がある場合がある。
【0053】
繰延可能インスタンスGUI
コンピュータにより実現される繰延可能インスタンスは、グラフィカルユーザインタフェイスを有するスクリーンを含み得る。コンピュータにより実現される繰延可能インスタンスは、第1のユーザがクエリを受け入れるか拒否するかを決めることができるように、上記グラフィカルユーザインタフェイス上でリソースマネージャからの上記クエリを上記第1のユーザに提示するように構成され得る。
【0054】
コンピュータにより実現される繰延可能インスタンスは、クエリを受け入れるか拒否するかの決定を第1のユーザから受け取るために、マウス、タッチスクリーン、キーボード又はマイクのような入力デバイスを付加的に含み得る。
【0055】
コンピュータにより実現される繰延可能インスタンスは、付加的な繰延可能インスタンスを含むクエリの受け入れ又は拒否に対する繰延閾値の値を入力デバイスを介して第1のユーザから受け入れるように構成され得る。コンピュータにより実現される繰延可能インスタンスは、付加的な繰延可能インスタンスを含むクエリの受け入れ又は拒否に対する繰延閾値を第1のユーザが設定するために、市場データのような外部データを第1のユーザに提示するように構成され得る。例えば、第1のユーザが暗号通貨マイニングを行うためにコンピュータ利用リソースを要求している場合には、繰延可能インスタンスは、GUI上で与えられた暗号通貨単位に対する現在の市場価格を提示し得る。これに代えて、あるいはこれに加えて、繰延可能インスタンスは、市場データのような外部データの現在値に基づいてクエリの受け入れに対する閾値を自動的に調整するように構成され得る。
【0056】
カレントインスタンスへの付加的な繰延可能インスタンスの提供
リソースマネージャは、繰延可能インスタンスだけではなく、付加的な繰延可能インスタンスをカレントインスタンスに提供するように構成され得る。例えば、第1のユーザが、固定期間インスタンスをその期間にわたって継続的に使用する必要がない場合がある。固定期間インスタンスが、その期間中にリソースに対する要求を行う場合には、リソースマネージャは、第1のユーザがリソースに対する要求をその期間中の後の時点に延期するのと引き換えに、付加的な繰延可能インスタンスを提供し得る。同様に、割込可能期間インスタンスに対するスポット価格を上げる代わりに、リソースマネージャは、割込可能期間インスタンスがリソースに対する要求を撤回するのと引き換えに、付加的な繰延可能インスタンスを提供し得る。
【0057】
代替リソース
図4は、代替リソースを用いた繰延可能インスタンスリソース管理のためのシステム400の模式図である。第1のユーザは、繰延可能インスタンスの確立202後、非常に長い時間234の間、繰延可能インスタンスの開始を遅延させ得る。本明細書で使用される場合には、「非常に長い時間」は、繰延可能インスタンスが当初確立されたときに利用可能であったカレントリソース142,144,146が、対応して改良された技術的仕様及び性能メトリクス472,474,476を有する次世代のリソース402,404,406に実質的に置き換わるのにかかる時間であり得る。非常に後の時点234でリソースに対する要求を受け取ると、リソースマネージャ230は、
i)上記現在カレントの次世代の物理的又は仮想コンピュータ利用リソース402,404,406の上記技術的仕様及び性能メトリクス472,474,476のいずれか1つが、上記繰延可能インスタンスの上記技術的仕様及び性能メトリクス252と合致するか否かを決定し、
ii)上記現在カレントの物理的又は仮想コンピュータ利用リソースの上記技術的仕様及び性能メトリクスのいずれも上記繰延可能インスタンスの上記技術的仕様及び性能メトリクスに合致しない場合に、
1)上記繰延可能インスタンスの上記技術的仕様及び性能メトリクスを満たす又はこれを超える集合技術的仕様及び性能メトリクスを有する上記コンピュータ利用リソースのうち1つ以上からなるグループを特定し、
2)上記時間ステップ中の実行のために、上記繰延可能インスタンスからプログラムデータ及び/又は実行命令を上記コンピュータ利用リソースのうち1つ以上からなる上記グループに転送する
ステップを実行する
ステップを実行し得る。
【0058】
この代替リソースの方法の技術的な効果は、繰延可能インスタンスが、事実上、次世代のリソースへのアップグレード及び繰延可能インスタンスが当初確立されたときに特定された現在使用されなくなっているリソースの退役以降に利用可能となっている新しい技術的仕様及び性能メトリクス272に自動的にアップグレードされることにある。
【0059】
次世代リソースがインストールされる前に同一の方法がリソースマネージャによって使用され得る。例えば、リソースマネージャは、グリッド連合体又はクラウド割当などにおいて第三者により所有又は制御されるリソースにカレントインスタンスを割り当てることができる場合がある。そして、リソースマネージャは、繰延可能インスタンスの要件を満たすかこれを超える第三者リソースのグループを選択することができる。
【0060】
性能メトリクスは、最低限のCPUクロック速度、最低限のMFLOP速度、SPEC INT 2006ベンチマークのうちの1つ以上、稼働時間率、メモリ容量、又は繰延可能インスタンスの用途に好適な他のメトリクスのうち1つ以上であり得る。性能メトリクスは、マルチスレッドプログラム用のマルチコアCPU又は一群CPUに適用でき、単一スレッドプログラム用の個々のCPU又はマルチコアCPUのコアに適用できる。
【0061】
マルチスレッドプログラム
繰延可能インスタンスが物理的又は仮想コンピュータ利用リソースに転送し得るプログラムデータは、マルチスレッドプログラムを含み得る。上記繰延可能インスタンスの技術的仕様及び性能メトリクスを満たす又はこれを超える集合技術的仕様及び性能メトリクスを有するコンピュータ利用リソースのうち1つ以上からなるグループを特定する際に、リソースマネージャ230は、
a)上記プログラムデータ及び/又は実行命令がマルチスレッドプログラムを含むか否かを判断し、
b)上記プログラムデータ及び/又は実行命令がマルチスレッドプログラムを含む場合に、
i)1以上のコンピュータ利用リソースの前記グループを複数のコアを含むグループに限定し、
ii)上記複数のコアの集合性能に少なくとも部分的に基づいて上記グループの上記集合技術的仕様及び性能メトリクスを決定し、
c)上記プログラムデータ及び/又は実行命令がマルチスレッドプログラムを含まない場合に、
i)最も高い適切な技術的仕様及び性能メトリクスを有する上記グループ内でコア又はCPUを決定し、上記最も高い適切な技術的仕様及び性能メトリクスは、
1)上記コア又はCPUのクロック速度と、
2)上記コア又はCPUのMFLOP速度と、
3)上記コア又はCPUに対するSPEC INT 2006ベンチマークと
のうちの1以上を含み、
ii)上記最も高い適切な技術的仕様及び性能メトリクスを有する上記コア又はCPUに少なくとも部分的に基づいてグループの上記集合技術的仕様及び性能メトリクスを決定する
ステップを実行するようにさらに構成され得る。
【0062】
コンピュータ利用リソースに転送されるプログラムデータ及び/又は実行命令は、転送の要求がなされたときに決定され得る。このため、決定されるリソースのグループは、要求時にマルチスレッドプログラムがプログラムデータにおいて特定されているか否かに依存し得る。異なるアプリケーションのマルチスレッド処理において進歩があるので、繰延可能インスタンスにリソースを提供するクラウドサービスプロバイダのコストが減少し得る。リソースマネージャは、ある繰延期間と引き換えにどれだけの数の付加的な繰延可能インスタンスを提供するのかを決定する際にこれを考慮することができる。そして、これにより、スレッド処理ができないアプリケーションの所有者に対して繰延可能インスタンスの数を大きくすることができるようになる。
【0063】
アプリケーション
任意のアプリケーションのためのプログラムデータ及び/又は実行命令に対して繰延可能インスタンスを使用することができる。好適なアプリケーションとしては以下の実施例が挙げられるか、これらの例に限定されるものではない。
【0064】
実施例1:天気予報
天気予報は、絶えず増加する計算リソースに対して競争的な需要が存在する用途の例である。最も正確な長期間の気象予報士を有する者は誰でも、不釣り合いな程に大きな市場シェアを持つ。予報の正確性が徐々に高まることで、最良のシステムを有する予報士に対して相当な価値が生じる。現在のところ、10日が天気予報の現実的な上限であると考えられている。その限界を少しでも、例えば1日でも増やすことで、例えば嵐の追跡(例えばハリケーン)の分野においては、重要な経済的結果が生じ得る。このため、ユーザは、利用可能な計算リソースにおいて性能が改善されるとともに相対的な計算能力が高くなる繰延可能インスタンスのポートフォリオに投資したいと思うと考えられる。したがって、天気予報に適用される繰延可能インスタンスのプログラムデータ及び/又は実行命令は、
i)制御ボリュームに対する1組の初期条件と、
ii)上記制御ボリュームに対する1組の境界条件と、
iii)上記制御ボリュームに対する予報期間と、
iv)上記初期条件及び上記境界条件に基づいて一連の期間にわたって上記制御ボリュームにおける流れ場を上記コンピュータ利用リソースのうち1つ以上からなるグループに決定させる計算流体力学コンピュータコードと
を含み得る。
【0065】
上記繰延可能インスタンスは、
i)上記予報期間の最後において必要とされる最低限の正確性と、
ii)上記必要とされる最低限の正確性を満たすことができるコンピュータ利用リソースのグループに対する上記技術的仕様及び性能メトリクスと
に少なくとも部分的に基づいて上記繰延閾値を設定するように構成され得る。
【0066】
そのグループに対する技術的仕様及び性能メトリクスが比較的低い場合には、現時点で天気予報プログラムを実行することに対して競争面での利点がほとんどないので、繰延可能インスタンスは低い繰延閾値を設定し得る。そのグループの技術的仕様及び性能メトリクスが比較的高い場合には、ユーザに割り当てられるであろう付加的な繰延可能インスタンスと引き換えに、繰延可能インスタンスが現在の競争面での利点を犠牲にしているであろうから、繰延可能インスタンスは高い繰延閾値を設定し得る。
【0067】
上記繰延可能インスタンスを計算流体力学の用途に適用することができる。これは、翼周りの流れ、筐体内の流れ、超音速流れ、遷音速流れ、及び3次元乱流を含んでいる。これらはすべて最良の能力を有するという競争面での利点がある分野である。
【0068】
上記繰延可能インスタンスは、さらに、高度な非線形の複雑な力学のモデリング/シミュレーション、例えば、医薬発見/生物学的プロセスに好適なものであり得る。これは、単なる研究を超えるものであり、特定の治療/医薬に対する患者の反応をリアルタイムで予測する必要のある救急医療用でもあり得る。救急室は、これらの種類の利用をスケジュールできる能力を有することを必要とされているが、スケジュールすることができない。準備のために、救急事態が生じたときに病院内にAIが待機していることも考えられる。
【0069】
実施例2:機械学習
機械学習(例えばAI)は、絶えず増加する計算リソースに対して競争的な需要が存在する他の例である。機械学習の特に重要な用途は、ニューラルネットワークを用いた物体検出である。物体検出のためのニューラルネットワークを訓練する繰延可能インスタンスのためのプログラムデータ及び/又は実行命令は、
i)物体検出のための1組のグランドトルースデータと、
ii)複数のノード重み付けパラメータを含むニューラルネットワークと、
iii)上記コンピュータ利用リソースのうちの1つ以上からなるグループに上記ノード重み付けパラメータの最適値を決定させるニューラルネットワーク訓練コンピュータコードと
を含み得る。
【0070】
上記繰延可能インスタンスは、
i)上記ニューラルネットワークに必要とされる最小限の正確性と、
ii)上記必要とされる最小限の正確性を満足することが可能な上記グループの技術的仕様及び性能メトリクスと
に少なくとも部分的に基づいて繰延閾値を設定するように構成され得る。
【0071】
実施例1と同様に、グループの技術的仕様及び性能メトリクスが比較的低い場合には、低い繰延閾値が設定され得る。反対に、グループの技術的仕様及び性能メトリクスが比較的高い場合には、高い繰延閾値が設定され得る。
【0072】
実施例3:プルーフ・オブ・ワーク
ブロックチェーンのブロック内容のためのプルーフ・オブ・ワークは、絶えず増加する計算リソースに対して競争的な需要が存在する他の例である。プルーフ・オブ・ワークに向けられたプログラムデータを有する繰延可能インスタンスのためのプログラムデータ及び/又は実行命令は、
i)ブロックチェーンのブロック内容と、
ii)上記ブロックチェーンに関連付けられた現在の難易度及び所望の検証期間と、
iii)上記コンピュータ利用リソースのうち1つ以上からなるグループに、ナンスのハッシュと上記ブロック内容に基づいて上記ハッシュが上記難易度以下となるように上記ナンスを決定させるプルーフ・オブ・ワークコンピュータコードと
を含み得る。
【0073】
上記繰延可能インスタンスは、
i)上記所望の検証期間において上記ナンスを発見するのに必要とされるハッシュごとの最短実行時間と、
ii)上記所望の検証期間において上記ナンスを発見することができる上記グループの技術的仕様及び性能メトリクスと
に少なくとも部分的に基づいて上記繰延閾値を設定するように構成され得る。
【0074】
副次的グループからなるグループ
プログラムデータが、上述したプルーフ・オブ・ワークコンピュータコードのようなマルチスレッドプログラムを含む場合、リソースマネージャは、複数の副次的リソースマネージャを含むグループを構築し得る。副次的リソースマネージャのそれぞれは、マルチスレッドプログラムのスレットのうち少なくとも1つを実行可能なコンピュータ利用リソースからなる副次的グループを特定するように構成され得る。コンピュータ利用リソースの上記副次的グループのそれぞれは、副次的技術的仕様及び性能メトリクスにより記述され得る。このグループの技術的仕様及び性能メトリクスは全体として、副次的グループの副次的技術的仕様及び性能メトリクスの集合に少なくとも部分的に基づいたものであり得る。
【0075】
繰延可能インスタンスの所有権及び移転
繰延可能インスタンスは、ユーザ間で所有及び移転され得る。所有権は、リソースマネージャ230の固定記憶装置のようなコンピュータにより実現されるデータベースに記録され得る。第1の記録ID番号が第1のユーザに割り当てられ得る。データベース内の記録は、記録ID番号と、第1のユーザにより所有され、記録ID番号に割り当てられた所与の種類の繰延可能インスタンスの数とを含み得る。
【0076】
繰延可能インスタンスの「種類」は、繰延可能インスタンスの技術的仕様及び性能メトリクス252と期間210により定義され得る。繰延可能インスタンスが開始されるときに、リソースマネージャは、上記第1のユーザの記録における繰延可能インスタンスの数を1だけ減らすことができる。これは、例えば、繰延可能インスタンスが付加的な繰延可能インスタンスに対するクエリを拒否し、リソースマネージャがカレントリソースを繰延可能インスタンスに割り当てた後に生じ得る。繰延可能インスタンスが使用され、そのユーザが利用可能な繰延可能インスタンスの数が1だけ減らされる。
【0077】
繰延可能インスタンスは、第1の記録IDを有する第1のユーザによって第2の記録IDを有する第2のユーザに販売され得る。繰延可能インスタンスは、法律上の通貨、暗号通貨又は他の対価により販売され得る。販売は、交渉取引又は予め決められた交換レートによる取引であり得る。リソースマネージャにより実行される販売のステップは、
a)上記固定記憶装置に、
i)第1のユーザに割り当てられた第1の記録IDと、
ii)上記第1の記録IDに関連付けられた上記繰延可能インスタンスの第1の数と、
iii)第2のユーザに割り当てられた第2の記録IDと、
iv)上記第2の記録IDに関連付けられた上記繰延可能インスタンスの第2の数と、
v)法律上の通貨に対する繰延可能インスタンスの交換レートを含むデータベースと
を保存し、
b)上記第1のユーザから上記第2のユーザへの上記法律上の通貨の支払の確認を受け取り、
c)上記法律上の通貨の支払額と等価な上記繰延可能インスタンスの量を上記交換レートにより決定し、
d)繰延可能インスタンスの上記第1の数を上記量だけ増やし、
e)繰延可能インスタンスの上記第2の数を上記量だけ減らす
ことを含み得る。
【0078】
交換レートは、第1のユーザと第2のユーザとにより市場で交渉され得る。また、交換レートは、公表された数値であってもよい。公表される数値は市場での複数の取引に基づくものであり得る。交換レートは、1秒ごとなど定期的に更新され得る。任意の更新期間が用いられ得る。
【0079】
固定記憶装置に格納されたデータは、ブロックチェーン台帳から取得され得る。繰延可能インスタンスの所有権に関する独立して検証可能な現在の記録を提供するために、実行された後の取引の記録がブロックチェーン台帳内のブロックとして格納され得る。ブロックチェーン台帳は、イーサリアムのような任意のブロックチェーンプラットフォーム上に存在し得る。
【0080】
リソースの予約超過
クラウドサービスプロバイダ148は第2のユーザであり得る。クラウドサービスプロバイダは、現在利用可能であるか、あるいは将来利用可能となる得る現在及び将来のリソースの数に基づいて、繰り延べたインスタンスの第2の数の値を第2の記録IDに設定し得る。
【0081】
第2の数は、現在利用可能なカレントリソースの実際の数よりも大きくてもよい。これは予約超過として知られている。許容可能なレベルの予約超過は、ユーザが繰延可能インスタンスを開始する頻度及び条件の予測を基礎とし得る。クラウドサービスプロバイダは、繰延可能インスタンスの現在の所有者に付加的な繰延可能インスタンスが提供される速度によって、ユーザが繰延可能インスタンスを開始する速度をある程度制御することができる。速度が十分に高い場合、及び将来においてユーザが繰延可能インスタンスを開始した際にクラウドサービスプロバイダがリソースを提供できることに関する信頼をユーザが維持している場合には、数多くのユーザが、無期限に繰延可能インスタンスを保持することを選択し得る。無期限に保持されている繰延可能インスタンスは、ユーザが繰延可能インスタンスを他の商品やサービスと交換するような通貨の一種として使用され得る。このため、繰延可能インスタンスの価値は、ユーザが任意の時点で開始可能な特定のコンピュータ利用リソースによって補足される。
【0082】
繰延可能インスタンストークン
繰延可能インスタンスを使って商品やサービスを購入するために、リソースマネージャは、少なくとも法律上の通貨紙幣の物性、不変性、及び複製不可能性のレベルまで物理的に変更できず複製できない形態で、一意な識別番号と繰延可能インスタンスの数量及び/又は種類の表示とを含む第1の物理的トークンを生成するように適合されたプリンタのような機器を含み得る。上記トークンを生成するための例示的な方法は、米国特許第5,393,099号「偽造防止ラミネート通貨及びこれを製造する方法」に述べられている。上記特許は、特にそこに述べられているホログラフィック手法に関して参照により本明細書に組み込まれる。トークンの他の好適な形態は、磁気ストライプ又はスマートカード(例えば、クレジットカード又はデビットカード)又は法律上の通貨の価値を保管又は移動するのに好適な他のトークンを含んでいる。
【0083】
それぞれの物理トークンは、与えられた種類の繰延可能インスタンスの量を表し得る。繰延可能インスタンスの「種類」は、その技術的仕様及び性能メトリクスにより定義され得る。物理トークンを生成するための方法は、
i)第1のユーザから
1)上記第1の物理トークンを生成する要求と、
2)繰延可能インスタンスの数量の入力と、
3)繰延可能インスタンスの第1の数に関連付けられた記録IDと
を受け取り、
ii)上記第1の記録IDに関連付けられた上記第1の数が上記数量よりも大きいことを検証し、
iii)上記一意な識別番号及び上記数量の上記表示を含む上記物理トークンを生成し、
iv)上記第1の記録IDに関連付けられた上記繰延可能インスタンスの上記第1の数を上記数量だけ減らす
ことを含み得る。
【0084】
一意な識別番号、繰延可能インスタンスの量、及び種類のうち1つ以上は、物理的に変更できず複製できない形態で物理トークン内に具現化され得る。物理トークンの種類は、繰り延べられるインスタンスを提供するクラウドサービスプロバイダの表示を含み得る。このため、異なるクラウドサービスプロバイダにより発行された物理トークンを交換するための市場及び交換レートが存在し得る。
【0085】
本明細書で使用される場合には、「物理的に変更できず複製できない」は、その表示が、法律上の通貨、価値を格納したカード(例えばデビットカード)、暗号通貨(例えばビットコイン)又は電子通貨(例えば携帯電話ウォレット)のうち1つ以上における表示と少なくとも同じくらい物理的に変更できず複製できないことを意味する。例えば、ホログラムは、標準的なコピー機で複製できないものと現在考えられている。これらは、偽造できないようにするために法律上の通貨紙幣に貼り付けられている。したがって、法律上の通貨、価値を格納したカード、暗号通貨又は電子通貨に好適な技術を繰延可能インスタンストークンに使用することができる。
【0086】
リソースマネージャ230は、これに代えて、あるいはこれに加えて、トークンの預入を受け取るための機械を含み得る。この機械は、
i)レセプタクルに
1)第1の記録IDと、
2)一意な識別番号、量及び種類を含む物理トークンと
を受け入れ、
ii)
1)上記第1の記録IDと、
2)上記トークン上に示された上記一意な識別番号と、
3)上記トークン上に示された上記数量と、
4)上記トークン上に示された所雪種類と
を検証し、
iii)上記物理トークンを安全に保管又は破壊し、
iv)上記第1の記録IDに関連付けられた上記第1の数を上記数量だけ増やす
ステップを実行するように適合され得る。
【0087】
通貨預金を自動預金支払機に受け入れるのに好適な技術は、繰延可能インスタンストークンを受け入れるのに好適である。
【0088】
繰り延べられるインスタンストークン取引に関連する記録は、ブロックチェーン台帳内のブロックのような安全な手段により保存することができる。また、繰延可能インスタンス用のSLAもブロックチェーンのブロックに保存することができる。SLAは、実行可能コードを含むスマート契約を含み得る。実行可能コードは、例えば、上述したような付加的な繰延可能インスタンスに対するクエリの受け入れ又は拒否を決定し得る。
【0089】
取引及び/又はSLAを保存する手段は、法律上の通貨の取引を保存する手段と少なくとも同じくらいに安全であれば安全であると考えられる。
【0090】
別の実施形態
本明細書で提示される繰延可能インスタンスの実施形態は、デジタルコンピュータ利用リソースの割当に関して述べられてきた。同一の実施形態は、他の物理的及びサービス利用リソースの割当に適用され得る。これらは、量子コンピュータ利用リソース、分子コンピュータ利用リソース、電気通信リソース、エネルギーリソース、及び労働リソース又は将来開発され得る他のリソースを含んでいる。
【0091】
本明細書で述べられているリソースマネージャの機能は、別個の物理デバイスに割り当ててもよい。例えば、リソースマネージャは、繰延可能インスタンスをカレントリソースに割り当てるための方法を実行するためのサーバと、物理トークンを生成するための別個の機械とを含んでいてもよい。すべての別個の物理デバイスは、プリンタとデジタル通信可能なサーバのように互いにデジタル通信可能であり得る。このため、複数の別個の物理デバイスが単一のデバイスとして動作し得る。
【0092】
結論
1以上の異なる例示的な実施形態を参照しつつ本開示を述べてきたが、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、その要素を均等物に置き換えることができることを当業者は理解するであろう。さらに、その本質的な範囲又は教示から逸脱することなく、特定の状況に適応させるために多くの改良を行うことができる。したがって、本開示は、本発明を実施するために考えられた最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されることを意図しているものではない。
【国際調査報告】