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  • 特表-真空システムを作動させる方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-06
(54)【発明の名称】真空システムを作動させる方法
(51)【国際特許分類】
   F04B 49/02 20060101AFI20230330BHJP
   F04D 19/04 20060101ALI20230330BHJP
【FI】
F04B49/02 331B
F04D19/04 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022550962
(86)(22)【出願日】2021-02-22
(85)【翻訳文提出日】2022-10-19
(86)【国際出願番号】 EP2021054319
(87)【国際公開番号】W WO2021170534
(87)【国際公開日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】BE2020/5119
(32)【優先日】2020-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】カンドリース シモン
【テーマコード(参考)】
3H131
3H145
【Fターム(参考)】
3H131AA02
3H131BA11
3H131CA37
3H145AA05
3H145AA06
3H145AA15
3H145AA26
3H145AA38
3H145BA03
3H145DA05
3H145DA40
3H145EA13
3H145EA17
(57)【要約】
少なくとも第1の真空ポンプと第2の真空ポンプを備える真空システムを作動させる方法であって、第1の真空ポンプ及び第2の真空ポンプは、真空チャンバ内の設定圧力を維持するために真空チャンバに接続可能である。第1の真空ポンプは可変速駆動ポンプであり、第1の真空ポンプ及び第2の真空ポンプは直列接続される。本方法は、第1の真空ポンプの性能を制御するステップを含み、第1の真空ポンプの性能は、真空チャンバ内の設定圧力を維持しながら、第2の真空ポンプの性能に等しいか又はそれよりも高いように制御される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の真空ポンプ及び第2の真空ポンプを備える真空システムを作動させる方法であって、前記第1の真空ポンプ及び前記第2の真空ポンプは、設定圧力を維持するために真空チャンバに接続可能であり、前記第1の真空ポンプは可変速駆動ポンプ、VSDであり、前記第1の真空ポンプ及び前記第2の真空ポンプは直列に接続されており、前記第1の真空ポンプの最大ポンプ速度は前記第2の真空ポンプの最大ポンプ速度より1.25倍から4倍だけ大きくなっており、前記方法は、
前記第1の真空ポンプの性能を制御するステップを含み、
前記第1の真空ポンプの性能は、前記真空チャンバ内の前記設定圧力を維持しながら、前記第2の真空ポンプの性能に等しいか又はそれよりも高いように制御される、方法。
【請求項2】
前記第2の真空ポンプはVSDであり、前記第2の真空ポンプの性能は、前記設定圧力を維持しながら低減されるように制御される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の真空ポンプ及び/又は前記第2の真空ポンプは、好ましくは並列に接続された2以上の真空ポンプを備える、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記設定圧力を維持しながら、前記第1の真空ポンプの性能は最大にされ、前記第2の真空ポンプの性能は最小にされる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記真空チャンバ内の前記圧力が前記設定圧力を越える場合、前記第1の真空ポンプは最大性能で作動し、好ましくは、前記第2の真空ポンプは前記圧力に依存して作動する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記真空チャンバ内の前記圧力が前記設定圧力以下である場合、前記第2の真空ポンプは最小性能で作動し、好ましくは、前記第1の真空ポンプは前記圧力に依存して作動する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の真空ポンプの前記最大ポンプ速度は、前記第2の真空ポンプの前記最大ポンプ速度の2倍から4倍だけ大きい、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の真空ポンプの前記最大ポンプ速度は、前記第2の真空ポンプの前記最大ポンプ速度の1.25倍から1.5倍だけ大きい、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の真空ポンプ又は前記第2の真空ポンプが閾値より低い性能で所定時間動作する場合、前記第1の真空ポンプ及び/又は第2の真空ポンプの性能は、少なくとも閾値を越えて増大される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
真空チャンバと接続可能な第1の真空ポンプ及び第2の真空ポンプを備える真空システムであって、前記第1の真空ポンプ及び好ましくは前記第2の真空ポンプは、制御ユニットに接続され、前記制御ユニットは、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行するようになっている、真空システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空システムを作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真空技術は様々な技術に広く普及し、多くの用途に利用できるようになっている。通常、これらの用途では、真空システムは、排気される真空チャンバに接続される。その際、通常、真空システムによって真空チャンバ内の圧力は所定の設定値を下回ることが必要である。
【0003】
通常、真空システムは真空ポンプを備える。しかしながら、真空システムが2台の真空ポンプを備えることはよく知られており、第1の真空ポンプは低圧又は高真空を実現するように構成されている。第1の真空ポンプは、第2の真空ポンプ又はバッキングポンプと共に作動する。バッキングポンプは高質量流を供給して、粗真空を達成できるように構成されている。真空チャンバを真空にする際、通常、最初にバッキングポンプが真空チャンバをある真空まで、つまりある圧力に至るまで排気する。その後、第1の真空ポンプが所定の設定値以下の必要な低圧を発生し始める。通常、両方の真空ポンプは、常に最高速度で作動して、可能な限り大きな体積流量を供給する。結果として、与えられるポンプ性能により真空チャンバの迅速な排気を保証しながら、真空チャンバ内の圧力を設定値より低く維持することができる。しかしながら、この構成では、真空システムの電力消費量が高くなる。
【0004】
さらに、真空ポンプの性能を制御するために回転速度を調整できる真空ポンプに関する可変速駆動ポンプ(VSD)が知られている。その際、VSDの性能は、最大性能と最小性能との間で制御することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、真空チャンバ内の真空を維持するために、エネルギ効率の良い方法で作動させることができる真空システム及びそのような真空システムを作動させる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題に対する解決策は、請求項1による真空システムを作動させる方法、並びに請求項11による真空システムによって提供される。
【0007】
本発明によれば、真空システムは、少なくとも第1の真空ポンプ及び第2の真空ポンプを備え、第1の真空ポンプ及び第2の真空ポンプは、設定圧力を維持するために真空チャンバに接続可能である。第1の真空ポンプは、可変速駆動ポンプ(VSD)である。第1の真空ポンプ及び第2の真空ポンプは直列に接続される。第1の真空ポンプの入口は真空チャンバに接続可能であり、第1の真空ポンプの出口は、第2の真空ポンプの入口に接続される。第2の真空ポンプの出口は、大気又はさらなるバッキングポンプに接続される場合がある。第1の真空ポンプの最大ポンプ速度は、第2の真空ポンプの最大ポンプ速度の1.25倍から4倍である。
【0008】
好ましくは上記のように真空システムを作動させる本発明の方法は、第1の真空ポンプの性能を制御するステップを含み、第1の真空ポンプの性能は、真空チャンバ内の設定圧力を維持しながら第2の真空ポンプの性能に等しいか又はそれよりも高くなるように制御される。第1の真空ポンプは、真空チャンバに直接接続される真空ポンプと定義される。さらに、性能は、それぞれの真空ポンプを通る実際の質量流量と、それぞれの真空ポンプを通る最大質量流量との間の比率として定義することができる。もしくは、性能は、真空ポンプの体積流量又は相対体積流量として、すなわち、それぞれの真空ポンプの実際の体積流量と最大体積流量との間の比率として定義することができる。もしくは、性能は、それぞれの真空ポンプの実際の回転速度とそれぞれの真空ポンプの最大回転速度との間の比率として定義することができる。
【0009】
真空ポンプの電力消費量は、回転数と入口圧力に関連することが知られている。従って、真空ポンプの電力消費量は、設定入口圧力に対して、真空ポンプの回転数を低減することで減少させることができる。さらに、本発明によって、バッキングポンプ、すなわち第2の真空ポンプは、通常、このような真空システムにおいて最大のエネルギ消費者であることが知られている。これは、第2の真空ポンプが、通常、真空チャンバを高速排気できるように構成されており、その結果、第2の真空ポンプを流れる質量流量が大きくなるためである。しかし、本発明では、第1の真空ポンプは第2の真空ポンプよりも高い性能で作動するように制御され、一方で、第1の真空ポンプと第2の真空ポンプの複合作用により、真空チャンバ内の圧力は設定圧力に等しいかそれ以下に維持される。従って、第2の真空ポンプの入口圧力は高くなり、その一方で第2の真空ポンプの回転数は減少し、その結果、第2の真空ポンプの電力消費量が減少する。本発明によれば、設定圧力を維持するという仮定の下で、いずれか一方の真空ポンプに負荷をかけずに電力消費量を最小にする本発明の効果を得るために、第2の真空ポンプの入口圧力は最大にされながら、第2の真空ポンプの回転数は最小にされる。
【0010】
詳細には、第1の真空ポンプは、ルーツポンプ、分子ドラッグポンプ、又はターボ分子ポンプである。
【0011】
詳細には、第2の真空ポンプは、スクリューポンプ、スクロールポンプ、ロータリベーンポンプ、クローポンプ等である。
【0012】
詳細には、第2の真空ポンプは、VSDであり、第2の真空ポンプの性能は、設定圧力を維持しながら低くなるように制御される。従って、通常、第1の真空ポンプの性能が高くなるように制御すると、圧力室内の圧力が低下することになる。しかしながら、真空システムのエネルギ消費量をさらに減少させるために、第2の真空ポンプの性能は、設定圧力を維持しながら低くして、第1の真空ポンプの性能の上昇を補うように制御することができる。
【0013】
詳細には、第1の真空ポンプ及び/又は第2の真空ポンプは、好ましくは並列に接続された2以上の真空ポンプを備える。このように、第1の真空ポンプ及び/又は第2の真空ポンプは、一緒に作動する1又は2以上の真空ポンプとして構築される。並列に接続された各真空ポンプは、共通入口及び共通出口を備える。その際、第1の真空ポンプの少なくとも1つの真空ポンプ、又は第2の真空ポンプの少なくとも1つの真空ポンプは、VSDとして構築される。従って、例えば第1の真空ポンプが2つの真空ポンプで構成される場合、これら2つの真空ポンプのうちの一方を常に最大性能で作動させ、第1の真空ポンプの他の真空ポンプを上述した方法で作動させることができる。第2の真空ポンプも同様である。もちろん、第1の真空ポンプのすべての真空ポンプ及び/又は第2の真空ポンプのすべての真空ポンプを同じ方法で制御することも可能である。
【0014】
詳細には、設定圧力を維持しながら、第1の真空ポンプの性能は最大にされ、第2の真空ポンプの性能は最小にされる。真空チャンバが排気され、真空システムが真空チャンバの設定圧力を維持する作動状態にある場合、第1の真空ポンプは最大性能で作動し、第2の真空ポンプは最小性能で作動する。従って、第2の真空ポンプの電力消費量を大幅に低減でき、真空システム全体の電力消費量が低減される。
【0015】
詳細には、真空チャンバ内の圧力が設定圧力を越える場合、第1の真空ポンプは最大性能で作動し、好ましくは第2の真空ポンプは圧力に依存して作動する。従って、第2の真空ポンプは、真空チャンバ内の設定圧力を下回る所望の真空を十分に高速で実現するために、用途の要件を満たすように作動する。
【0016】
詳細には、真空チャンバ内の圧力が設定圧力以下である場合、第2の真空ポンプは最小性能で作動する。従って、真空システムのエネルギ消費量を最小にすることができる。好ましくは、真空ポンプは、真空チャンバ内の圧力に依存して作動する。従って、真空チャンバ内の圧力が設定圧力以下である場合、第1の真空ポンプは、用途の要件を満たし、真空チャンバ内の所望の圧力を維持するために、真空チャンバ内の圧力に依存して作動する。
【0017】
詳細には、第1の真空ポンプの最大ポンプ速度は、第2の真空ポンプの最大ポンプ速度の2倍から4倍だけ大きい。従って、第1の真空ポンプの最大ポンプ速度は、第2の真空ポンプの最大ポンプ速度よりも大きいので、真空チャンバの十分な高速排気時間が提供される。
【0018】
もしくは、第1の真空ポンプの最大ポンプ速度は、第2の真空ポンプの最大ポンプ速度の1.25倍から1.5倍だけ大きい。従って、第1の真空ポンプの最大ポンプ速度が第2の真空ポンプの最大ポンプ速度と同程度か又はやや上回ることにより、第1の真空ポンプの性能を第2の真空ポンプの性能よりも高く選択した作動状態を容易に維持することができる。従って、第1の真空ポンプを常時稼働させることで第2の真空ポンプの電力消費量が低減し、真空システム全体の電力消費量が低減する。
【0019】
詳細には、第1の真空ポンプ及び/又は第2の真空ポンプが閾値を下回る速度で所定時間動作する場合、第1の真空ポンプ及び/又は第2の真空ポンプの性能は、少なくとも閾値を越えて高くされる。第1の真空ポンプ又は第2の真空ポンプが閾値を下回る速度で動作する場合、第1の真空ポンプ又は第2の真空ポンプの軸受の潤滑が十分でない可能性がある。従って、第1の真空ポンプ又は第2の真空ポンプの軸受の大きな摩耗又は破損が生じる可能性がある。このような状況を回避するために、それぞれの真空ポンプの軸受の十分な潤滑を保証する目的で第1の真空ポンプ又は第2の真空ポンプの速度、すなわち性能が閾値より高くされる。
【0020】
さらに、本発明は、上述のような真空システムに関する。詳細には、第1の真空ポンプと、好ましくは第2の真空ポンプも、制御ユニットに接続され、制御ユニットは、上述のような方法を実行するようになっている。
【0021】
以下では、本発明の実施形態を添付図面と共に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明による真空システムの概略図である。
図2】本発明による方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明による真空システムは、排気されかつ設定圧力に維持される真空チャンバ12を備える。真空チャンバ12は、第1の真空ポンプ16の入口14と接続される。第1の真空チャンバ16の出口18は、第2の真空ポンプ22の入口20に接続される。従って、第1の真空ポンプ16の出口圧力は、第2の真空ポンプ22の入口圧力と等しい。第2の真空ポンプ22の出口24は、大気又は他のバッキングポンプに接続される。第1の真空ポンプ16は、一緒に作動する直列又は並列に接続された1又は2以上の真空ポンプとして構築することができる。また、第2の真空ポンプ22は、一緒に作動する直列又は並列に接続された1又は2以上の真空ポンプとして構築することができる。第1の真空ポンプ16は、制御ユニット26に接続される。さらに、第2の真空ポンプ22も、制御ユニット26に接続される。本実施形態では、制御ユニット26は、真空チャンバ12の内部の圧力計28に接続される。制御ユニット26によって、第1の真空ポンプ16及び/又は第2の真空ポンプ22の性能、すなわち体積流量を制御することができる。その際、第1の真空ポンプ16は、常に、真空チャンバ12の内部の圧力が維持される最大の性能で稼働するように制御される。真空チャンバ12内の圧力が設定圧力を下回る場合、第2の真空ポンプの性能は低くされる。詳細には、第1の真空ポンプ16は、常に、第2の真空ポンプ22よりも高い性能で稼働するように制御される。従って、第1の真空ポンプ16の高い性能により、第2の真空ポンプ22の入口20の圧力が上昇し、第2の真空ポンプ22のエネルギ消費量が低減する。さらに、第2の真空ポンプ22の入口圧力の増大により、真空チャンバの真空を失うことなく、第2の真空ポンプ22の回転速度を低下させることができる。従って、第1の真空ポンプ16は、性能の向上、すなわち体積流量の増加によって、第2の真空ポンプ22の入口圧力を最大にするように制御される。さらに、第2の真空ポンプ22は、真空チャンバ内の設定圧力を維持しながら、最小のエネルギ消費量を達成するために最小の回転速度で作動するように制御される。しかしながら、最大入口圧力は、第1の真空ポンプ16によって制限される。第1の真空ポンプ16の入口と出口との間の許容圧力差を超えると、第1の真空ポンプ16に過負荷がかかることになる。従って、第2の真空ポンプの最大ポンプ速度よりも大きな最大ポンプ速度を有する第1の真空ポンプ16を実装することが好ましい。
【0024】
図2は、図1の真空システムのフロー図である。
【0025】
ステップS01において、システムをオンにする。次に、ステップS02において、真空チャンバ12内の圧力P1が設定圧力Psetより大きいか又は等しいかをチェックする。真空チャンバ12内の圧力P1が設定圧力Psetより大きいか等しい場合、ステップS03において、第1の真空ポンプ16を最大性能で作動するように制御する。この最大値は、入口圧力及び出口圧力に依存するので、第2ポンプの回転数にも依存する。第2の真空ポンプ22は、真空チャンバ12内の圧力P1に依存して作動するように制御される。
【0026】
真空チャンバ12内の圧力が設定圧力より低い場合、ステップS04において、停止レベルに達したか否か、すなわちP1がPsetからStoplevelを差し引いた値以上であるか否かをチェックする。真空チャンバ12内の圧力が停止レベルより低い場合、ステップS06において、第1の真空ポンプ16及び第2の真空ポンプ22の両方を最小性能で作動させる。
【0027】
真空チャンバ12内の圧力が設定圧力Psetより低いが停止レベルを越える場合、ステップS05において、第2の真空ポンプ22が最小性能で作動しているか否かをチェックする。第2の真空ポンプ22が最小性能で作動していない場合、ステップS03に戻り、ここでは、第1の真空ポンプ16が最大性能で作動するように制御されながら、第2の真空ポンプ22は、真空チャンバ12内の圧力P1に依存して作動するように制御される。第2の真空ポンプ22が最小性能で作動する場合、ステップS09において、第2の真空ポンプ22は最小性能で作動するように制御されながら、第1の真空ポンプ16が真空チャンバ12内の圧力P1に依存して作動するように制御される。
【0028】
両方の真空ポンプが最小性能で作動する場合、ステップS07において、第1の真空ポンプ16又は第2の真空ポンプ22が最小性能で所定時間動作しているか否かをチェックする。所定時間に達すると、ステップS08において、真空システムはオフになる。
【0029】
上記の方法は、真空チャンバ12内の圧力の変化に依存して、繰り返し適用される。
【0030】
従って、本発明による方法により、通常、第1の真空ポンプは、第2の真空ポンプよりも高い性能で作動する。この構成により、第2の真空ポンプの入口圧力は最大になる。従って、第2の真空ポンプの所要の電力消費量は減少し、それによって、真空システムの全体的な電力消費量が減少する。
【符号の説明】
【0031】
12 真空チャンバ
14 入口
16 第1の真空ポンプ
18 出口
20 入口
22 第2の真空ポンプ
24 出口
26 制御ユニット
28 圧力計
図1
図2
【国際調査報告】