(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-07
(54)【発明の名称】免疫原性が低下した修飾インターフェロン-アルファ-2
(51)【国際特許分類】
C12N 15/20 20060101AFI20230331BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20230331BHJP
C07K 14/555 20060101ALI20230331BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20230331BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20230331BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20230331BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230331BHJP
C07K 1/22 20060101ALI20230331BHJP
A61K 38/21 20060101ALI20230331BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20230331BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230331BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20230331BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20230331BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230331BHJP
A61P 31/22 20060101ALI20230331BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230331BHJP
A61P 31/16 20060101ALI20230331BHJP
【FI】
C12N15/20 ZNA
C12N15/63 Z
C07K14/555
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C07K1/22
A61K38/21
A61K48/00
A61P35/00
A61P31/14
A61P31/20
A61P25/00
A61P31/22
A61P35/02
A61P31/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537837
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(85)【翻訳文提出日】2022-08-15
(86)【国際出願番号】 US2020065246
(87)【国際公開番号】W WO2021126929
(87)【国際公開日】2021-06-24
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522242133
【氏名又は名称】エピバックス・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】EPIVAX,INC.
(71)【出願人】
【識別番号】522242144
【氏名又は名称】ウニベルシダッ・ナシオナル・デル・リトラル
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSIDAD NACIONAL DEL LITORAL
(71)【出願人】
【識別番号】519456538
【氏名又は名称】コンセホ、ナシオナル、デ、インベスティガシオネス、シエンティフィカス、イェ、テクニカス
【氏名又は名称原語表記】CONSEJO NACIONAL DE INVESTIGACIONES CIENTIFICAS Y TECNICAS
(71)【出願人】
【識別番号】522242155
【氏名又は名称】ムファレーヘ・エドゥアルド・フェデリコ
【氏名又は名称原語表記】MUFARREGE,Eduardo Federico
(71)【出願人】
【識別番号】522242166
【氏名又は名称】ジョルゲッティ・ソフィア・イネス
【氏名又は名称原語表記】GIORGETTI,Sofia Ines
(71)【出願人】
【識別番号】522242177
【氏名又は名称】エチェヴェリガライ・マリナ
【氏名又は名称原語表記】ETCHEVERRIGARAY,Marina
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【氏名又は名称】笹沼 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100187469
【氏名又は名称】藤原 由子
(74)【代理人】
【識別番号】100225026
【氏名又は名称】古後 亜紀
(72)【発明者】
【氏名】ムファレーヘ・エドゥアルド・フェデリコ
(72)【発明者】
【氏名】ジョルゲッティ・ソフィア・イネス
(72)【発明者】
【氏名】エチェヴェリガライ・マリナ
(72)【発明者】
【氏名】デ・グルート・アンネ・サールス
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・ウィリアム・ディー
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA87X
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA44
4C084AA02
4C084AA07
4C084AA13
4C084BA02
4C084CA53
4C084DA22
4C084NA05
4C084ZA02
4C084ZB26
4C084ZB27
4C084ZB33
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045DA15
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
【課題】本開示は、インターフェロン-α2活性および低減された免疫原性を有する修飾インターフェロン-α2ポリペプチドを含む組成物に向けられる。複数の態様において、前記遺伝子修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、複数のO-グリコシル化部位を有するGM-CSF由来のペプチド配列の付加など、高グリコシル化されている。さらに、本開示は、前記修飾インターフェロン-α2をコードする核酸分子を含む組成物を提供する。本開示はまた、前記修飾インターフェロン-α2をコードする前記核酸分子を含む組換えタンパク質発現細胞株を含む組成物;ここで、前記組換えタンパク質発現細胞は、前記核酸分子を含むプラスミドまたはベクターを含んでいることを含む組成物を提供する。また、免疫原性が低下したインターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2を含む医薬組成物、ならびに対象における医学的状態の処置のための前記医薬製剤の使用方法も開示される。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2ポリペプチドであって、該ポリペプチドは、配列番号12に対して少なくとも80%の相同性を含むアミノ酸配列を含み、さらに9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に1または複数のアミノ酸置換を含み、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含む、ポリペプチド。
【請求項2】
インターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2ポリペプチドであって、該ポリペプチドは、配列番号12に対して少なくとも80%の相同性を含むアミノ酸配列を含み、さらに、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置において少なくとも5つのアミノ酸置換を含み、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含む、ポリペプチド。
【請求項3】
インターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2ポリペプチドであって、該ポリペプチドは、配列番号12と少なくとも90%の相同性を含むアミノ酸配列を含み、さらに9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置において1以上のアミノ酸置換を含み、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含む、ポリペプチド。
【請求項4】
インターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2ポリペプチドであって、該ポリペプチドは、配列番号12と少なくとも90%の相同性を含むアミノ酸配列を含み、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置において少なくとも5つのアミノ酸置換を含み、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含む、ポリペプチド。
【請求項5】
変異L9A、F47A、L117A、F123A、およびL128Aを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項6】
変異147TおよびL157Aをさらに含む、請求項5記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。I。
【請求項7】
変異N65AおよびL66Aをさらに含む、請求項5記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項8】
変異L17A、I147T、およびL157Aをさらに含む、請求項7に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項9】
該ポリペプチドが、配列番号12の野生型インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して低下した免疫原性を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項10】
該ポリペプチドが、配列番号12の野生型インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して、5%~95%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項11】
該ポリペプチドが、配列番号12の野生型インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して、10%~90%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項12】
該ポリペプチドが、配列番号12の野生型インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して、20%~80%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項13】
インターフェロン-α2活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号10と少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変更することを含む、修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項14】
インターフェロン-α2活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号10の少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変更することを含む、修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項15】
インターフェロン-α2活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号10に対して少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変更することを含む、修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項16】
インターフェロン-α2活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号10に対して少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変更することを含む、修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項17】
変異L23A、F61A、L131A、F137A、およびL142Aを含む、請求項13~16のいずれか1項に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項18】
変異I161TおよびL171Aをさらに含む、請求項17に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項19】
変異N79AおよびL80Aをさらに含む、請求項17に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項20】
変異L31A、I161T、およびL171Aをさらに含む、請求項19に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項21】
該ポリペプチドが、配列番号10の野生型GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して低下した免疫原性を有する、請求項13~20のいずれか一項に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項22】
該ポリペプチドが、配列番号10の野生型GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して、5%~95%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項13~21のいずれか一項に記載の改変されたGMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項23】
該ポリペプチドが、配列番号10の野生型GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して、10%~90%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項13~22のいずれか一項に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項24】
該ポリペプチドが、配列番号10の野生型GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して、20%~80%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項13~23のいずれか一項に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項25】
インターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号22に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変更することを含む、修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項26】
インターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号22に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変えることを含む、修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項27】
インターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号22に対して少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変更することを含む、修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項28】
インターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号22に対して少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変えることを含む、修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項29】
変異L9A、F47A、L117A、F123A、およびL128Aを含む、請求項25~28のいずれか一項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項30】
変異I147TおよびL157Aをさらに含む、請求項29に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項31】
変異N65AおよびL66Aをさらに含む、請求項29に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項32】
変異L17A、I147T、およびL157Aをさらに含む、請求項31に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項33】
該ポリペプチドが、配列番号22の野生型インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して低下した免疫原性を有する、請求項25~32のいずれか一項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項34】
該ポリペプチドが、配列番号22の野生型インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して、5%~95%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項25~33のいずれか一項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項35】
該ポリペプチドが、配列番号22の野生型インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して、10%~90%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項25~34のいずれか一項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項36】
該ポリペプチドが、配列番号22の野生型インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して、20%~80%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項25~35のいずれか一項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項37】
インターフェロン-α2活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号21に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含む、修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項38】
インターフェロン-α2活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号21に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変えることを含む、ポリペプチド。
【請求項39】
インターフェロン-α2活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号21に対して少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変更することを含む、修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項40】
インターフェロン-α2活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号21に対して少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変えることを含む、修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項41】
変異L23A、F61A、L131A、F137A、およびL142Aを含む、請求項37~40のいずれか1項に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項42】
変異I161TおよびL171Aをさらに含む、請求項41に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項43】
変異N79AおよびL80Aをさらに含む、請求項41に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項44】
変異L31A、I161T、およびL171Aをさらに含む、請求項43に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項45】
該ポリペプチドが、配列番号21の野生型GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して低下した免疫原性を有する、請求項37~44のいずれか一項に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項46】
該ポリペプチドが、配列番号21の野生型GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して、5%~95%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項37~45のいずれか一項に記載の改変されたGMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項47】
該ポリペプチドが、配列番号21の野生型GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して、10%~90%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項37~46のいずれか一項に記載の改変されたGMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項48】
該ポリペプチドが、配列番号21の野生型GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して、20%~80%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項37~47のいずれか一項に記載の改変されたGMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項49】
インターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号24に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変更することを含む、修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項50】
インターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号24に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変えることを含む、修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項51】
インターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号24に対して少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変更することを含む、修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項52】
インターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号24に対して少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変えることを含む、修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項53】
変異L9A、F47A、L117A、F123A、およびL128Aを含む、請求項49~52のいずれか一項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項54】
変異I147TおよびL157Aをさらに含む、請求項53に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項55】
変異N65AおよびL66Aをさらに含む、請求項53に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項56】
変異L17A、I147T、およびL157Aをさらに含む、請求項55に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項57】
該ポリペプチドが、配列番号24の野生型インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して低下した免疫原性を有する、請求項49~56のいずれか一項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項58】
該ポリペプチドが、配列番号24の野生型インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して、5%~95%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項49~57のいずれか一項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項59】
該ポリペプチドが、配列番号24の野生型インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して、10%~90%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項49~58のいずれか一項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項60】
該ポリペプチドが、配列番号24の野生型インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して、20%~80%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項49~59のいずれか一項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項61】
インターフェロン-α2活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号23に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変更することを含む、修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項62】
インターフェロン-α2活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号23に対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変更することを含む、ポリペプチド。
【請求項63】
インターフェロン-α2活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号23に対して少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変更することを含む、修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項64】
インターフェロン-α2活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチドであって、配列番号23に対して少なくとも90%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、該ポリペプチドが、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンに変えることを含む、修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項65】
変異L23A、F61A、L131A、F137A、およびL142Aを含む、請求項61~64のいずれか1項に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項66】
変異I161TおよびL171Aをさらに含む、請求項65に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項67】
変異N79AおよびL80Aをさらに含む、請求項65に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項68】
変異L31A、I161T、およびL171Aをさらに含む、請求項67に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項69】
該ポリペプチドが、配列番号23の野生型GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して低下した免疫原性を有する、請求項61~68のいずれか一項に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項70】
該ポリペプチドが、配列番号23の野生型GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して、5%~95%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項61~69のいずれか一項に記載の改変されたGMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項71】
該ポリペプチドが、配列番号23の野生型GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して、10%~90%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項61~70のいずれか一項に記載の改変されたGMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項72】
該ポリペプチドが、配列番号23の野生型GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して、20%~80%の相対的抗ウイルス活性を有する、請求項61~71のいずれか一項に記載の改変されたGMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項73】
該ポリペプチドが20%未満のパーセント抗増殖生物活性を有する、請求項1~72のいずれか1項に記載の修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項74】
該ポリペプチドが10%未満のパーセント抗増殖生物活性を有する、請求項1~73のいずれか一項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項75】
該ポリペプチドが5%未満のパーセント抗増殖生物活性を有する、請求項1~74のいずれか1項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項76】
該ポリペプチドが115mL/h未満の見かけの血漿クリアランス速度(Cl
app)を有している、請求項1~75のいずれか1項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項77】
該ポリペプチドが50mL/h未満の見かけの血漿クリアランス速度(Cl
app)を有している、請求項1~76のいずれか1項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項78】
該ポリペプチドが高グリコシル化されている、請求項1~77のいずれか1項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド。
【請求項79】
請求項1~78のいずれか1項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの1つまたは複数をコードする核酸。
【請求項80】
配列番号1の核酸配列を含む、請求項79に記載の核酸。
【請求項81】
配列番号3の核酸配列を含む請求項79に記載の核酸。
【請求項82】
配列番号5の核酸配列を含む、請求項79に記載の核酸。
【請求項83】
配列番号7の核酸配列を含む、請求項79に記載の核酸。
【請求項84】
配列番号13の核酸配列を含む、請求項79に記載の核酸。
【請求項85】
配列番号15の核酸配列を含む、請求項79に記載の核酸。
【請求項86】
配列番号17の核酸配列を含む、請求項79に記載の核酸。
【請求項87】
配列番号19の核酸配列を含む、請求項79に記載の核酸。
【請求項88】
請求項79~87のいずれか1項に記載の核酸の1つ以上の核酸配列を含むプラスミド。
【請求項89】
請求項1~78のいずれか1項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの1つまたは複数をコードするプラスミド。
【請求項90】
請求項79~87のいずれか1項に記載の核酸配列の1つまたは複数を含むベクター。
【請求項91】
請求項1~78のいずれか1項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの1つまたは複数をコードするベクター。
【請求項92】
請求項79~87のいずれか1項に記載の核酸配列を含む、細胞株。
【請求項93】
請求項88~89のいずれか1項に記載のプラスミドを含む、細胞株。
【請求項94】
請求項90~91のいずれか1項に記載のベクターを含む、細胞株。
【請求項95】
細胞株が、請求項1~77のいずれか1項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの1つまたは複数の生産に適している、請求項92~94のいずれか1項に記載の細胞株。
【請求項96】
細胞株が、CHO-K1、HEK293、NS0、BHK、Sp2/0、CAP、およびCAP/Tからなる群から選択される、請求項92~95のいずれか1項に記載の細胞株。
【請求項97】
細胞株がCHO-K1である、請求項92~96のいずれか1項に記載の細胞株。
【請求項98】
請求項1~78のいずれか1項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドを精製する方法であって、前記遺伝子修飾インターフェロン-α2ポリペプチドをイムノアフィニティークロマトグラフィーによって精製することを含む、方法。
【請求項99】
イムノアフィニティークロマトグラフィーによる前記精製が、抗非グリコシル化rhIFN-α2b mAb CA5E6抗体の使用を含んでなる、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
イムノアフィニティークロマトグラフィーによる前記精製が、抗hGM-CSFモノクローナル抗体の使用を含む、請求項98~99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
請求項1~78のいずれか1項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの1つまたは複数の治療有効量を含む、医薬組成物。
【請求項102】
請求項79~87のいずれか1項に記載の1つまたは複数の核酸の治療有効量を含む医薬組成物。
【請求項103】
請求項88~89のいずれか1項に記載の1つ以上のプラスミドの治療的有効量を含む、医薬組成物。
【請求項104】
請求項90~91のいずれか1項に記載の1つ以上のベクターの治療的有効量を含む、医薬組成物。
【請求項105】
請求項1~78のいずれか1項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの1つ以上の、1つ以上の疾患の治療のための使用方法。
【請求項106】
1つ以上の疾患が、メラノーマ(悪性黒色腫を含む)、急性及び慢性C型肝炎(代償性肝疾患の患者を含む)、急性及び慢性B型肝炎、急性及び慢性非A、非B型肝炎、カポジ肉腫(AIDS関連カポジ肉腫を含む)、多発性硬化症、性器いぼ、白血病(有毛細胞白血病を含む)、リンパ腫(濾胞性リンパ腫を含む)、尖圭コンジローム、SARS-COV-2感染、ZIKV感染、CHIKV感染又はインフルエンザA感染を含む、請求項105に記載の使用方法。
【請求項107】
請求項1~78のいずれか1項に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの1または複数を治療有効量で投与し、投与する前記ステップによって対象における医学的状態を治療することを含む、対象における医学的状態を治療する方法。
【請求項108】
前記状態が、メラノーマ(悪性黒色腫を含む)、急性及び慢性C型肝炎(代償性肝疾患の患者を含む)、急性および慢性B型肝炎、急性および慢性非A、非B型肝炎、カポジ肉腫(AIDS関連カポジ肉腫を含む)、多発性硬化症、性器いぼ、白血病(有毛細胞白血病を含む)、リンパ腫(濾胞性リンパ腫を含む)、尖圭コンジローム、SARS-COV-2感染、ZIKV感染、CHIKV感染又はインフルエンザA感染を含む、請求項107に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本出願は、「Hyperglycosylated Inteferon with Reduced Immunogencity(免疫原性が低下した、糖鎖を多く含むインターフェロン)」と題し、2019年12月17日に出願されたアルゼンチン仮出願番号:20190103715に基づき、その優先権を主張し、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
(電子的に提出した配列表の参照)
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照により本出願に組み込まれる。2020年12月11日に作成された前記ASCIIコピーは、「EPV0027WO Sequence Patent-In_ST25」と名付けられ、サイズは54KBバイトである。
【技術分野】
【0003】
本開示は、一般に、ヒトに適用するための医薬的な利益を有する治療用分子の開発に関する。より詳細には、本開示は、修飾(modified)IFNα-2ポリペプチド(修飾IFNα-2a、修飾IFNα-2bおよび修飾IFNα-2cポリペプチドを含む)、ならびに関連化合物および組成物に関連する。これらの修飾IFNα-2ポリペプチドは、証明された抗ウイルス生物学的活性、市販のサイトカインに関する改善された薬物動態パラメータ、および低減された免疫原性を示す。これらの修飾IFNα-2ポリペプチド、ならびに関連する化合物および組成物は、抗ウイルス療法を含むヒトの治療および処置に使用することができる。
【背景技術】
【0004】
治療用組換えタンパク質は、日常診療の一部であり、さまざまな疾患の治療に使用されている。治療用組換えタンパク質は、医薬品市場の20%以上を占め、その成長率は低分子医薬品の2倍に達している。タンパク質治療薬は、一般的に副作用が少なく、高い有効性を有している。実際、微生物感染症から各種癌、関節炎、自己免疫疾患まで、多くのヒトの疾病の治療において、他のタイプの薬剤では不可能であった医療介入の可能性をバイオ医薬品は提供している。
【0005】
しかし、タンパク質治療薬の臨床応用には、運用や製造の面から、また製品の臨床的限界の面から、多くの課題を克服する必要がある。例えば、そのような課題としては、タンパク質を治療薬として投与する場合、溶解性が悪い、安定性が悪い、循環中の半減期(half-life in circulation)が短い、生物学的機能の保持に問題がある、などが挙げられる。また、純粋なタンパク質を含む組成物を高い収率で製造することは、多くの課題を伴うため、容易に投与可能な治療薬を実現することは困難である場合がある。このように、長期にわたって有効かつ持続的な生物学的反応を引き起こすことができるバイオ医薬品の開発に対して、取り組みがなされていることは驚くべきことではない。
【0006】
これらのタンパク質(サイトカイン、成長因子、モノクローナル抗体など)は、ほとんどの場合、人体で作られるものとほぼ同じ分子で構成されているが、これらの薬剤を投与した結果、免疫反応が発現した例が多数報告されている。これらの薬剤に対して発現した抗体(ADAs)はタンパク質の活性に影響を与え、薬剤の種類、循環期間、中和活性などの要因によって、様々な複雑かつ深刻な影響をもたらす。最も一般的な影響には、治療効果の低下や過敏症反応が含まれるが、アナフィラキシーや自己免疫疾患を誘発することもある。誘発される抗体の陽性率は、組織プラスミノーゲン活性化因子(Activase)のような薬剤では1%未満、OKT3(IgG2aモノクローナル抗体)のような薬剤では70%と、幅がある。
【0007】
治療用タンパク質の投与に応じた中和抗体の生成は、様々な要因の結果として起こり得る。これらの要因は、投与経路、用量、製剤、凝集体および/または汚染物質の存在、および/またはグリコシル化の存在および/またはタイプなどの外因性要因と、タンパク質中の免疫原性エピトープの存在などの内因性要因に大別される。
【0008】
外来因子は、基本的に製造工程の設計と品質に関係する。この意味で、LPS(バクテリア・リポポリサッカライド)のような炎症促進物質や変異原性の非特異的化合物の製品への混入や、製品中の凝集体の生成は、免疫反応の誘発に重要なシグナルを発生させる可能性がある。さらに、製剤化中に起こりうる治療薬の変性は、Bリンパ球に認識される可能性のある新しいエピトープの存在により、無傷のものよりも免疫原性の高い製品をもたらし、ADAの誘発を伴う免疫反応の刺激につながる可能性がある。多くの場合、これらの要因は、薬剤を製造する前の段階と、製品を精製する最終段階の両方において、慎重な製造プロセスを開発することによって回避することに成功している。さらに、バイオ治療薬を安定化させる賦形剤を取り入れることで、良好な結果が得られている。
【0009】
しかし、治療薬が自己のタンパク質とほとんど同じである場合でも、Bリンパ球の活性化が抗体の発現に寄与するため、内在性因子の制御は非常に困難である。Bリンパ球の活性化は、T細胞の協力によって媒介される場合とされない場合があり、それぞれT細胞依存性反応またはT細胞非依存性反応となる。T細胞非依存的反応は、特定のグループのBリンパ球が活性化された結果によって発現するものであり、ポリマー反復などのある分子の特定の構造的特徴によって刺激されるものである。このT細胞非依存的活性化の結果として生じる抗体は、主に低親和性IgM型である。
【0010】
一方、T細胞依存性の活性化は、主にタンパク質の一次配列に関連している。T細胞依存性の活性化では、分子がエンドサイトーシスされ、処理され、得られたペプチドがクラスII主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子と関連して抗原提示細胞(樹状細胞、マクロファージまたはBリンパ球)の表面に提示されると、いくつかの配列はT細胞「ヘルパー」(Th)によって(TCR(T細胞受容体)という細胞表面の受容体を介して)認識され得る。これらの特異的なリンパ球は、いったん活性化されると、Bリンパ球の活性化とそれに伴うADAの産生につながる免疫反応を引き起こす。T細胞依存性の反応では、生成される抗体はIgGタイプであり、親和性が高く、T細胞が関与しない場合に比べ、生成も長期間持続する。現在、タンパク質治療薬の免疫原性を評価する方法論は、計算機による、またはin silicoでの免疫原性予測技術、インビトロおよびエクスビボ細胞での増殖戦略、動物モデルの使用など、多岐にわたる。これらはすべて、最も中心的な治療用タンパク質に対する免疫反応がT細胞に依存することを前提としている。
【0011】
T細胞依存性Bリンパ球の活性化は、Bリンパ球の一群が細胞表面の抗原受容体(IgM/IgD)を介して特定のタンパク質エピトープと相互作用することから始まり、Bリンパ球の活性化の最初の兆候を構成している。このシグナルはタンパク質の内在化を促進し、その後小さなペプチドエピトープに加工され、最終的にはBリンパ球の表面にあるクラスII MHC分子の「溝」内に露出されることになる。B細胞はまた、その表面にCD40分子を共発現している。Th(ヘルパーT)リンパ球がTCRとCD40分子のリガンド(CD154)を介して複合エピトープMHCクラスIIおよびCD40(Bリンパ球の表面)と相互作用すると、第2の活性化シグナルが発動される。このシグナルは最終的にBリンパ球を活性化し、T細胞はサイトカインIL-4(Thリンパ球2型の反応)またはインターフェロンγ(Thリンパ球1型)などを産生して免疫反応を成熟させる。注意すべきは、第二のシグナルを提供するT細胞の関与がなければ、Bリンパ球は予定された細胞死(アポトーシス)を被るということである。このため、T細胞を介した免疫反応の減衰が、治療目的の組換えタンパク質の「脱免疫」と呼ばれるプロセスで注目されるようになった。
【0012】
特に、IFNαやIFN-βによる治療の場合、自己由来のサイトカインであるにもかかわらず、一部の患者では自己の抗原に対する免疫寛容が破綻し、抗IFN抗体の産生が観察されている。これらの抗体は、IFN分子に結合してもほとんど効果を発揮しないか、あるいはサイトカインの薬物動態を変化させ、標的細胞表面の特異的受容体への結合ドメインを阻害することにより、その活性を中和させる可能性がある。実際、IFNα-2aまたはIFNα-2bによる治療を受けたC型慢性肝炎や腫瘍性疾患の患者において、抗IFN-α抗体の発現が見られることが、数多くの臨床研究によって確認されている。
【0013】
IFNα-2(IFNα-2bを含む)をバイオ治療薬として使用する際のもう一つの大きな制限は、循環中の半減期が短いことであり、このため長期の治療が必要となり、結果として前述のような副作用の発生が予想される。この意味で、分子のPEG化により、血漿中の半減期が長くなり、本来の分子と比較して、週1回の投与が可能になり、効率も改善されている。PEG化は、抗原提示をしばしば低下させるエリック障害(erric impairment)を起こすため、組換えタンパク質の免疫原性を低下させる戦略としてしばしば取り入れられる。しかし、PEG化IFNα-2およびリバビリン療法に反応しないC型慢性肝炎患者の8%が抗IFN中和抗体を有しており、IFNによる治療後にHCVウイルスを排除した患者では、これらの抗体が検出できるレベルを示したものはなかったというデータもある。
【0014】
血漿中半減期を改善するためのいくつかの戦略では、腎臓からの排泄が主な速やかな経路であることから、腎クリアランスをターゲットとしている。糸球体関門は、タンパク質の電荷とサイズに応じてろ過するため、血漿クリアランスを減少させるための出発点は、その流体力学的容積を変化させることであった。そのため、様々なバイオ治療薬の薬物動態を改善する目的で、近年、N-およびO-グリコシル化エンジニアリング戦略が実施されており、糸球体ろ過率が非常に低い糖タンパク質を生成することが可能になってきている。この結果は、糖鎖の存在により流体力学的半径が大きくなることと、糖鎖の末端シアル酸が負電荷を帯び、糸球体孔の負電荷グリコサミノグリカンと反発し合うことによるものである。
【0015】
しかしながら、この戦略の実施により、半減期の増加という好ましい結果が得られたにもかかわらず、N-グリコシル化のコンセンサス部位やO-グリコシル化に必要なSer/Treに富む大きな領域(コンセンサス部位がない)を作り出すために、タンパク質のコード配列に一連の変異を導入すると、通常は治療薬の生物活性にマイナスの影響を与えることになった。この例として、野生型IFNα-2bに4つのN-グリコシル化部位を組み込んだ高グリコシル化バージョンの開発があり、野生型タンパク質と比較して修飾サイトカイン(IFN-2b-4N)の半減期を25倍増加させることが達成された。しかし、インビトロでの生物活性は野生型タンパク質と比較して80%未満であった。
【0016】
したがって、薬物動態パラメータが改善され、および/または免疫原性が低減され、それにより患者集団間の安全性が向上するだけでなく、抗ウイルス活性などの生物活性および治療効果を保持し、製造および精製が容易なインターフェロン由来のタンパク質治療薬に対する当技術分野のニーズが存在する。
【発明の概要】
【0017】
したがって、本開示は、証明された抗ウイルス生物学的活性を示し、野生型IFNα-2および入手可能な市販サイトカインに関して低減された免疫原性および改善された薬物動態パラメータを有する、修飾IFNα-2ポリペプチドおよび関連組成物を提供する。修飾IFNα-2ポリペプチドでは、患者集団間のより良い安全性、製造および精製の容易さ、低減された免疫原性、改善された薬物動態学的プロファイル、高い相対的抗ウイルス活性、および低い抗増殖生物活性などの種々の理由のために、ヒトを対象とした治療としての使用が見出される。
【0018】
複数の態様において、本開示は、免疫原性が低下した修飾インターフェロン-α2ポリペプチドを提供する。複数の態様において、前記修飾インターフェロン-α2は、修飾された、インターフェロン-α2bポリペプチド、インターフェロン-α2aポリペプチド、またはインターフェロン-α2cポリペプチドである。複数の態様において、前記修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドは、天然のヒトインターフェロン-α2における以下の位置:9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなる群より選択される位置を占める1つまたは複数のアミノ酸の置換を含んでなり、ここでその置換には、その位置のアミノ酸から、アラニン、グリシンまたはトレオニンからなる群より選択されるアミノ酸に変更することが含まれている。複数の態様において、前記修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、天然のヒトインターフェロン-α2における以下の位置:9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157から成る群より選択される位置を占める1つまたは複数のアミノ酸の置換を含んでなり、そのような変異は天然のヒトインターフェロン-α2と比較して修飾インターフェロン-α2の免疫原性を低下させる。上記のポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、単離、合成、または組換えであり得る。
【0019】
複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2はまた、NまたはOグリコシル化された1つ以上の部位を含むアミノ酸の付加を含んでなる。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2はまた、NまたはOグリコシル化された1つ以上の部位を含むアミノ酸の付加を含んでなり、これらの付加されたアミノ酸は、APARSPSTQPWEまたはその断片に対して、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%の相同性を有する配列を含む。複数の態様において、付加されたアミノ酸は、アミノ酸配列APARSPSTQPWE(配列番号26)またはその断片の付加を含む。複数の態様において、APARSPSTQPWEの断片は、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、および/または少なくとも10のアミノ酸長である。このようなアミノ酸付加は、本願で開示される修飾インターフェロン-α2ポリペプチドのN末端および/またはC末端に付加されてもよい。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0020】
複数の態様において、本開示は、インターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドに向けられ、該ポリペプチドは、配列番号12に対して少なくとも60、70、80、90、または95%の相同性を含むアミノ酸配列を含み、さらに、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択したいずれかの位置において少なくとも5つのアミノ酸置換を含んでいる。ここで、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含んでいる。複数の態様において、前記置換は、変異L9A、F47A、L117A、F123A、およびL128Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、以下の変異L9A、F47A、L117A、F123A、L128A、I147T、およびL157Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、以下の変異L9A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、およびL128Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、変異L9A、L17A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、L128A、I147TおよびL157Aを含んでなる。
【0021】
複数の態様において、本開示は、インターフェロン-α2活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドに向けられ、該ポリペプチドは、配列番号10に対して少なくとも60、70、80、90、または95%の相同性を含むアミノ酸配列を含み、さらに23、31、61、79、80、131、137、142、161および171からなるセットから選択されるいずれかの位置において少なくとも5つのアミノ酸置換を含んでいる。ここで、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含んでいる。複数の態様において、前記置換は、変異L23A、F61A、L131A、F137A、およびL142Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、以下の変異L23A、F61A、L131A、F137A、L142A、I161TおよびL171Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、以下の変異L23A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137AおよびL142Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、変異L23A、L31A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137A、L142A、I161TおよびL171Aを含んでなる。
【0022】
複数の態様において、本開示は、インターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドに向けられ、該ポリペプチドは、配列番号22に対して少なくとも60、70、80、90、または95%の相同性を含むアミノ酸配列を含み、さらに9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択される少なくとも5つのアミノ酸置換を含み、ここで前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含む。複数の態様において、前記置換は、変異L9A、F47A、L117A、F123A、およびL128Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、以下の変異L9A、F47A、L117A、F123A、L128A、I147T、およびL157Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、以下の変異L9A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、L128Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、変異L9A、L17A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、L128A、I147TおよびL157Aを含んでなる。
【0023】
複数の態様において、本開示は、インターフェロン-α2活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドに向けられ、該ポリペプチドは、配列番号21に対して少なくとも60、70、80、90、または95%の相同性を含むアミノ酸配列を含み、さらに以下からなるセットから選択されるいずれかの位置23、31、61、79、80、131、137、142、161および171において少なくとも5つのアミノ酸置換を含んでいる。ここで、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含んでいる。複数の態様において、前記置換は、変異L23A、F61A、L131A、F137AおよびL142A.を含んでなる。複数の態様において、前記置換は、以下の変異L23A、F61A、L131A、F137A、L142A、I161TおよびL171A.を含んでなる。複数の態様において、前記置換は、以下の変異L23A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137AおよびL142Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、変異L23A、L31A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137A、L142A、I161TおよびL171Aを含んでなる。
【0024】
複数の態様において、本開示は、インターフェロン-α2活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドに向けられ、該ポリペプチドは、配列番号24に対して少なくとも60、70、80、90、または95%の相同性を含むアミノ酸配列を含み、さらに、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および 157からなるセットから選択したいずれかの位置において少なくとも5つのアミノ酸置換を含んでなる。ここで、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含んでいる。複数の態様において、前記置換は、変異L9A、F47A、L117A、F123A、およびL128Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、以下の変異L9A、F47A、L117A、F123A、L128A、I147T、およびL157Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、以下の変異L9A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、L128Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、変異L9A、L17A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、L128A、I147TおよびL157Aを含んでなる。
【0025】
複数の態様において、本開示は、インターフェロン-α2活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2ポリペプチドに向けられ、該ポリペプチドは、配列番号23に対して少なくとも60、70、80、90、または95%の相同性を含むアミノ酸配列を含み、さらに23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を含む。ここで、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含んでいる。複数の態様において、前記置換は、変異L23A、F61A、L131A、F137A、およびL142Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、以下の変異L23A、F61A、L131A、F137A、L142A、I161T、およびL171Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、以下の変異L23A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137A、およびL142Aを含んでなる。複数の態様において、前記置換は、変異L23A、L31A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137A、L142A、I161T、およびL171Aを含んでなる。
【0026】
複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドは、配列番号14、配列番号16、配列番号18、および配列番号20からなる群から選択される。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、および配列番号8からなる群より選択される。複数の態様において、前記遺伝的に修飾されたインターフェロン-α2は、配列番号4および配列番号6からなる群より選択される。
【0027】
複数の態様において、本願で開示される修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、天然のヒトインターフェロン-α2の抗ウイルス活性に匹敵する抗ウイルス活性を有する。複数の態様において、前記修飾インターフェロン-α2は、天然のヒトインターフェロン-α2の抗ウイルス活性と比較して、10~90%の相対的な抗ウイルス活性を有する。
【0028】
複数の態様において、本開示は、本開示の修飾ポリペプチドの1つ以上をコードするポリヌクレオチド(例えば、DNAまたはRNA)に向けられる。本願で開示されるポリヌクレオチドの態様では、ポリヌクレオチドは、単離、合成、または組換えであってよい。複数の態様において、そのようなポリヌクレオチドを含む発現カセット、プラスミド、発現ベクター、および組換えウイルスが提供される。複数の態様において、本開示の発現カセット、プラスミド、ベクター、または組換えウイルスを含んでなる微生物または細胞が提供される。複数の態様において、本開示は、1つ以上の本発明の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドをコードする核酸を含む、特徴付けられた細胞株に向けられ、これはまた、低減した免疫原性を提示する。複数の態様において、この細胞株は、低減された免疫原性を有する修飾インターフェロン-α2の産生に適している。好ましくは、この細胞株は、CHO-K1、HEK293、NS0、BHK、Sp2/0、CAP、およびCAP/Tからなる群から選択される。
【0029】
複数の態様において、本願の開示は、医薬組成物に向けられており、医薬組成物は、本明細書に開示される1つ以上の修飾IFN-α2ポリペプチド、核酸、細胞、および/またはベクターと、任意に薬学的に許容される賦形剤および/または担体とを含む。複数の態様において、少なくとも1つ以上の修飾IFN-α2ポリペプチド、核酸、細胞、及び/又はベクターを含む、本願で開示される医薬組成物は、疾患、例えば、メラノーマ(悪性黒色腫を含む)、慢性C型肝炎(肝臓代償疾患の患者を含む)、急性及び慢性B型肝炎、急性及び慢性非A・非B型肝炎、カポジ肉腫(AIDS関連カポジ肉腫を含む)、多発性硬化症、性器いぼ、白血病(有毛細胞白血病を含む)、リンパ腫(濾胞性リンパ腫を含む)、尖圭コンジローム、ウイルス感染(SARS-COV-2感染、ZIKV感染、CHIKV感染、A型インフルエンザ感染を含む)など、さまざまな疾患の治療に使用できる。
【0030】
複数の態様において、本開示は、1つまたは複数の本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物を投与することを含む、対象(subject)における1つまたは複数の医学的状態を予防または治療する方法、および本開示の1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物を投与する前記ステップによって、対象における医学的状態を予防または治療する方法に直接関するものである。医学的状態は、例えば、メラノーマ、黒色腫(悪性黒色腫を含む)、慢性C型肝炎(代償性肝疾患の患者を含む)、急性および慢性B型肝炎、急性および慢性非A、非B肝炎、カポジ肉腫(AIDS関連カポジ肉腫を含む)多発性硬化症、性器いぼ、白血病(有毛細胞白血病を含む)、リンパ腫(濾胞性リンパ腫を含む)、尖圭コンジローム、その他のウイルス感染症(SARS-CoV-2感染、ZIKV感染、CHIKV感染、インフルエンザA感染を含む)などがある。
【0031】
複数の態様において、本開示は、メラノーマ(悪性黒色腫を含む)、慢性C型肝炎(代償性肝疾患の患者を含む)、急性および慢性B型肝炎、急性及び慢性非A非B肝炎、カポジ肉腫(AIDS関連カポジ肉腫を含む)、多発性硬化症、性器いぼ、白血病(有毛細胞白血病を含む)、リンパ腫(濾胞性リンパ腫を含む)、尖圭コンジローム、ウイルス感染症(SARS-COV-2感染ZIKV感染、CHIKV感染又はインフルエンザA感染を含む)の治療のための医薬品の製造のための、本開示の1以上の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物の使用、および、本開示に記載の組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本開示は、以下の図を参照することで、よりよく理解され得る。
【
図1A】
図1Aは、GMOP-IFNα-2bのin silicoでの免疫原性解析の様子を示している。8つの一般的なHLAクラスII対立遺伝子に対するEpiMatrix予測9量体ヒットは、GMOP-IFN2b配列に沿って整列される。EpiMatrixの「Z」スコアで1.64以上得点したペプチド(上位5%)は、潜在的エピトープと考えられる(灰色の棒グラフ)。スコアで2.32以上(上位1%)のスコアのペプチドは、MHCと結合する可能性が極めて高い(黒い棒グラフ)。EpiMatrixによって同定されたクラスターを枠で囲んでいるのは、上記のそれぞれのスコアである。実験的手法によって決定された公開エピトープ(地図の下のバー)は、ここで定義されたものと重複している。
図1Aは、EpiMatrixによって予測されたGMOP-IFNの予測されたMHCクラスII結合クラスターを示す。合計6つの結合クラスターが予測された。
【
図1B】
図1Bは、GMOP-IFNα-2bのin silico免疫原性解析の様子を示している。8つの一般的なHLAクラスII対立遺伝子に対するEpiMatrix予測9量体ヒットは、GMOP-IFN2b配列に沿って整列される。EpiMatrixの「Z」スコアで1.64以上得点したペプチド(上位5%)は、潜在的エピトープと考えられる(灰色の棒グラフ)。スコアで2.32以上(上位1%)のスコアのペプチドは、MHCと結合する可能性が極めて高い(黒い棒グラフ)。EpiMatrixによって同定されたクラスターを枠で囲んでいるのは、上記のそれぞれのスコアである。実験的手法によって決定された公開エピトープ(地図の下のバー)は、ここで定義されたものと重複している。
図1Bは、GMOP-IFNの全体的な潜在的免疫原性に対する、10個の選択された変異の影響を示す図である。
【
図2】
図2は、EpiMatrix MHC結合クラスター免疫原性スコアを示す。GMOP-IFN-2b及びそれらの脱免疫化変異体(GMOP-IFN-VAR1、GMOP-IFN-VAR2、GMOP-IFN-VAR3、及びGMOP-IFN-VAR4)は、それらの個別のEpiMatrixスコアに従ってクラスタ免疫原性スコア上にマッピングされる。EpiMatrix クラスター免疫原性スコアは、ランダムペプチド標準に基づくベースライン期待値からの推定エピトープ含有量の偏差を表す。MHC 結合クラスターのスコアが+10 以上であれば、免疫原性の可能性があると考えられ、スコアが低ければ、免疫原性の可能性が低いと考えられる。いくつかのポジティブコントロールペプチドとタンパク質も、免疫原性のEpiMatrixスコアによって、最高(+80)から最低(-50)へと並べられている。
【
図3】
図3は、ワンステップイムノアフィニティークロマトグラフィー後の変性SDS-PAGEゲルによる、異なる修飾GMOP-IFNα-2bポリペプチドの純度評価を示す図である。94%を超える純度が達成された。レーン1は、タンパク質分子量マーカーを含む。レーン2は、非グリコシル化IFN-α2bを含んでいる。レーン3は、野生型IFN-α2bを含む。レーン4は、GMOP-IFN-α2bを含む。レーン5は、GMOP-IFN-α2b-VAR1を含む。レーン6は、GMOP-IFN-α2b-VAR2を含む。レーン7は、GMOP-IFN-α2b-VAR3が含まれている。レーン8は、GMOP-IFN-α2b-VAR4を含む。
【
図4】
図4は、等電点集束アッセイを描いている。修飾GMOP-IFN変異体の電荷不均一性(charge-based heterogeneity)は、IEFに続いてクーマシーブルー染色(Coomasie blue staining)によって分析された。各タンパク質変異体について異なるシアリル化形態が区別され、GMOP-IFNについては7つのアイソフォームが、GMOP-IFN-VAR2および3については11の電気泳動バンドが明らかにされた。GMOP-IFNの脱免疫化変異体は、O-グリコシル化部位に結合した糖鎖構造の含有率が高いことが示された。レーン1には野生型IFN-α2bが含まれる。レーン2は、GMOP-IFN-α2Bを含む。レーン3は、GMOP-IFN-α2B-VAR2。レーン4はGMOP-IFN-α2B-VAR3である。シアル酸の含有量は、ゲルの上部から下部へ向かって増加している。
【
図5-1】
図5-1は、IFNパルスされた樹状細胞とインキュベートした後のT細胞によるIFN-γの分泌を測定したサンドイッチELISAを描いている。データは、20人のドナーから得られた。刺激指数(SI)は、タンパク質を付与したサンプル(protein challenged samples)からのサイトカイン濃度を賦形剤で処理したサンプル(excipient treated samples)からのサイトカイン濃度で割った比率として定義された。処理間の差は、一元配置分散分析(ANOVA)により評価した。p<0.05のとき、差は統計的に有意であるとみなされた。その後、ポストホックのTukeyの多重比較検定を適用した。修飾GMOP-IFN-α分子は、オリジナルの分子と比較して、免疫原性が低下していることが示された。
【
図5-2】
図5-2は、IFNパルスされた樹状細胞とインキュベートした後のT細胞によるIFN-γの分泌を測定したサンドイッチELISAを描いている。データは、20人のドナーから得られた。刺激指数(SI)は、タンパク質を付与したサンプル(protein challenged samples)からのサイトカイン濃度を賦形剤で処理したサンプル(excipient treated samples)からのサイトカイン濃度で割った比率として定義された。処理間の差は、一元配置分散分析(ANOVA)により評価した。p<0.05のとき、差は統計的に有意であるとみなされた。その後、ポストホックのTukeyの多重比較検定を適用した。修飾GMOP-IFN-α分子は、オリジナルの分子と比較して、免疫原性が低下していることが示された。
【
図6】
図6は、DCによるIFN由来ペプチド提示のHLA制限を研究するためのHLA-DR抗体ブロッキングアッセイを示す。2つの異なるブロッキングAb濃度を評価したとき、IFN-γ刺激指数(SI)の連続的な減少が観察された。SIは未処理のコントロール(賦形剤)に対して正規化した。IFN由来ペプチドは、HLA-DR分子との関連で提示されている。
【
図7】
図7は、Wistarラットの皮下注射後の異なる時間におけるIFN-α2の薬物動態血漿プロファイルを描いたグラフである。血漿タンパク質濃度は、時間に対してプロットされた。データポイントは、各グループの4匹の動物の平均±SEMを表す。
【
図8】
図8は、GMOP-IFN-α2bの各変異体の製造ラインの上清を用いて行ったサンドウィッチELISA試験を示す。GMOP-IFN-α2b-VAR1およびGMOP-IFN-α2b-VAR4に対応する上清は純粋であり、GMOP-IFN-?2b-VAR2およびGMOP-IFN-?2b-VAR3に対応するものは各タンパク質の予備定量を行うために1/20に希釈されたものである。上清はすべて、目的のサイトカインの存在を示していた。
【
図9】
図9は、GMOP-IFN-α2bの異なる脱免疫化変異体を産生する細胞株培養上清に対して行った予備的抗ウイルス活性試験からのデータを示す図である。吸光度データを、IFN-α2b(標準)の対応する活性値および試料の希釈値の関数として対数スケールでプロットし、生物学的活性値(AB)を比較により各分子について計算した。すべての上清は、異なる大きさで抗ウイルス活性を示した。
【
図10】
図10は、精製されたGMOP-IFN-2bおよび精製されたその脱免疫化変異体2種GMOP-IFN-2b-VAR1およびGMOP-IFN-2b-VAR4の抗ウイルス生物学的評価試験を示す図である。各分子の比活性の定量は、国際標準(NIBSC)との比較から決定された。パーセントでの相対的な抗ウイルス活性値を算出した。
【
図11】
図11は、GMOP-IFN-2bの精製された脱免疫化変異体2種GMOP-IFN-2b-VAR2およびGMOP-IFN-2b-VAR3の抗ウイルス生物学的評価試験を示す図である。各分子の特異的活性の定量は、国際標準(NIBSC)との比較から決定された。パーセントでの相対的な抗ウイルス活性値を算出した。
【発明の詳細な説明】
【0033】
[一般的事項]
特定の態様に関する以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示の範囲、その適用、または用途を限定することを決して意図しておらず、当然ながら、これらは変化し得る。本開示は、本明細書に含まれる非限定的な定義及び用語に関連して説明される。これらの定義及び用語は、本開示の範囲又は実施に対する制限として機能するように作成されておらず、例示的及び説明的な目的のためにのみ提示されている。 プロセス及び組成物は、個々のステップの特定の順序又は特定の材料を使用するものとして記載されているが、当業者によって容易に理解されるように、本開示の記載が多くの方法で配置された複数のステップ又は部品を含むことができるように、ステップ又は材料が交換可能であり得ることが理解される。
【0034】
次に、実証された抗ウイルス生物学的活性、市販のサイトカインに関する改善された薬物動態パラメータ、および低減された免疫原性を有する、本願で開示される修飾IFNα-2ポリペプチド(修飾IFNα-2b、IFN-α2a、およびIFN-α2cポリペプチドを含む)、そのような修飾IFNα-2ポリペプチドをコードする核酸、発現カセット、プラスミド、発現ベクター、組換えウイルス、またはそのような核酸を含む細胞、ならびに修飾IFNα-2ポリペプチド医薬組成物および製剤の種々の実施形態について詳細に言及する。記載されるように、これらの種々の化合物および組成物では、慢性B型肝炎、慢性C型肝炎、および尖圭コンジローマ、ならびに有毛細胞白血病、悪性黒色腫、AIDS関連カポジ肉腫、濾胞性非ホジキンリンパ腫などの種々のウイルス感染症の治療における使用が見いだされる。
【0035】
本明細書に記載されたものと類似又は同等の任意の方法及び材料を本開示の実施又は試験に用いることができるが、好ましい方法及び材料が記載されている。本開示の他の特徴、目的、及び利点は、本明細書及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形は、文脈上明らかに他に指示されない限り、複数形の参照語を含む。本明細書で引用されたすべての文献は、個々の刊行物、特許、または特許出願が、すべての目的のためにその全体が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
[定義]
本開示の理解をさらに容易にするために、多数の用語および語句を以下に定義する。特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本開示が属する技術分野における通常の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されるような用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されないことがさらに理解されよう。
【0037】
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態/態様を説明するためのものであり、限定することを意図するものではない。本書で使用される場合、単数形の“a”、“an”、“the”は、内容が明確に示していない限り、“at least one(少なくとも1つ)”を含む複数形を含むことを意図している。“または”とは、“および/または”を意味する。本明細書で使用される場合、用語「及び/又は」は、関連する列挙された項目の1つ又は複数の任意の及び全ての組合せを含む。本明細書で使用される場合、用語「comprise(で構成される)」及び/又は「comprising(で構成されている)」、又は「includes(含む)」及び/又は「including(含んでいる)」は、述べられた特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は成分の存在を規定するが、1以上の他の特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、成分、並びにそれらの群の存在又は追加を排除しないことが更に理解されるであろう。用語「又はその組合せ」は、前述の要素の少なくとも1つを含む組合せを意味する。
【0038】
本明細書で使用する場合、「生体試料」という用語は、生物の組織、細胞、分泌物などの試料を指す。
【0039】
本明細書で使用する場合、「医学的状態」という用語は、治療および/または予防が望ましい1つ以上の身体的および/または心理的症状として現れるあらゆる状態または疾患を含むが、これに限定されるものではなく、以前に確認された疾患および新たに確認されたその他の障害も含まれる。
【0040】
本明細書で使用する場合、「免疫反応(免疫反応)」という用語は、リンパ球、抗原提示細胞、食細胞、顆粒球、および上記細胞または肝臓で産生される可溶性高分子(抗体、サイトカイン、補体を含む)の協奏的作用を指し、選択的に、癌細胞、転移性腫瘍細胞、悪性黒色腫、侵入した病原体、病原体に感染した細胞または組織、あるいは自己免疫または病的炎症の場合には正常なヒト細胞または組織を選択的に損傷、破壊、または人体から排除することにつながる。
【0041】
本明細書で使用する場合、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物を含む組成物の「有効量」、「治療有効量」等の用語は、所望の治療および/または予防効果、例えば、治療されている疾患と関連する症状の予防、または減少をもたらす量を達成するのに十分な量をいう。対象に投与される本開示の化合物または組成物の量は、疾患の種類および重症度、ならびに個体の特性、例えば一般的な健康、年齢、性別、体重および薬物に対する耐性に依存することになる。また、疾患の程度、重症度、および種類に依存するだろう。当業者は、これらおよび他の要因に応じて、適切な投与量を決定することができるであろう。本開示の化合物及び組成物はまた、互いに組み合わせて、又は1つ以上の追加の治療用化合物と組み合わせて投与することができる。
【0042】
本明細書で使用する場合、「T細胞エピトープ」という用語は、7~30アミノ酸の長さで、ヒト白血球抗原(HLA)分子に特異的に結合し、特定のT細胞受容体(TCR)と相互作用できるMHCリガンドまたはタンパク質決定因子を意味する。一般に、T細胞エピトープは直線的であり、特異的な三次元的特性を発現することはない。T細胞エピトープは、変性溶媒(denaturing solvents)の存在によって影響を受けることはない。T細胞エピトープと相互作用する能力は、in silico法によって予測することができる(De Groot AS et al., (1997), AIDS Res Hum Retroviruses,
13(7):539-41; Schafer JR et al., (1998), Vaccine, 16(19):1880-4; De Groot AS et al., (2001),
30 Vaccine, 19(31):4385-95; De Groot AR et al.,(2003), Vaccine, 21(27-30):4486-504)これらは全て、参照によりその全体をここに組み入れられる。
【0043】
本明細書で使用する場合、用語「T細胞エピトープクラスター」は、約4種~約40種の間のMHC結合モチーフを含むポリペプチドを指す。特定の実施形態では、T細胞エピトープクラスターは、約5種~約35種の間のMHC結合モチーフ、約8種~約30種の間のMHC結合モチーフ;及び約10種~約20種の間のMHC結合モチーフを含む。
【0044】
本明細書で使用する場合、用語「免疫刺激性T細胞エピトープポリペプチド」は、免疫反応、例えば、体液性免疫反応、T細胞による免疫反応、または自然免疫反応を誘導することができる分子を指す。
【0045】
本明細書で使用する場合、「B細胞エピトープ」という用語は、抗体と特異的に結合することができるタンパク質決定基を意味する。B細胞エピトープは、通常、アミノ酸や糖の側鎖のような分子で構成される化学的に活性な表面集団(chemically active surface groupings)からなり、通常、特定の三次元構造特性、および特定の電荷特性を有する。コンフォメーション型エピトープとノンコンフォメーション型エピトープは、変性溶媒の存在下で前者への結合は失われるが後者への結合は失われないという点で区別される。
【0046】
本明細書で使用する「対象(被験体)」という用語は、免疫反応が惹起される任意の生体を意味する。被験体という用語は、ヒト、チンパンジー、他の類人猿、サル類などの非ヒト霊長類;ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマなどの家畜、イヌ、ネコなどの家畜哺乳類、マウス、ラット、モルモットなどのげっ歯類を含む実験動物などを含むが、それだけに限定されるものではない。なお、本用語は、特定の年齢や性別を示すものではない。従って、成人、新生児、雌雄を問わず、胎児も対象とすることを意図している。
【0047】
本明細書で使用する場合、「MHC複合体」という用語は、HLAリガンドとして知られるポリペプチドの特定のレパートリーと結合し、当該リガンドを細胞表面に輸送することができるタンパク質複合体をさす。
【0048】
本明細書で使用する場合、「MHCリガンド」という用語は、1つ以上の特定のMHC対立遺伝子に結合することができるポリペプチドを意味する。用語「HLAリガンド」は、用語「MHCリガンド」と交換可能である。MHC/リガンド複合体を表面に発現している細胞は、「抗原提示細胞」(APC)と呼ばれる。
【0049】
本明細書で使用する場合、「T細胞受容体」または「TCR」という用語は、APCの表面に提示されるMHC/リガンド複合体の特定のレパートリーに関与することができるT細胞によって発現されるタンパク質複合体を意味する。
【0050】
本明細書で使用する場合、「MHC結合モチーフ」という用語は、特定のMHC対立遺伝子への結合を予測するタンパク質配列中のアミノ酸のパターンを意味する。
【0051】
本明細書で使用する場合、「エピバー(EpiBar)(登録商標)」という用語は、少なくとも4つの異なるHLA対立遺伝子に反応すると予測される9量体ペプチドを指す。
【0052】
本明細書で使用する場合、「免疫シナプス」という用語は、所定のT細胞エピトープが細胞表面MHC複合体とTCRの両方に同時に結合することによって形成されるタンパク質複合体を意味する。
【0053】
「ポリペプチド」という用語は、アミノ酸のポリマーを意味し、特定の長さを意味するものではない。したがって、ペプチド、オリゴペプチドおよびタンパク質は、ポリペプチドの定義に含まれる。本明細書で使用する場合、ポリペプチドは、組換え細胞および非組換え細胞から単離された場合には細胞性物質を実質的に含まないとき、または化学的に合成された場合には化学前駆体または他の化学物質を含まないときに「単離」または「精製」されていると言われる。しかしながら、本開示のポリペプチド(例えば、修飾IFNα-2ポリペプチド)は、それが細胞内で通常会合していない別のポリペプチド(例えば、異種ポリペプチド)に接合、連結、または挿入され得、そして依然として“単離”または“精製”され得る。ポリペプチドが組換え生産される場合、それはまた、培養液を実質的に含まないことができ、例えば、培養液は、ポリペプチド調製物の体積の約20%未満、約10%未満、または約5%未満を表す。
【0054】
「ポリヌクレオチド」および「核酸配列」という用語は、一本鎖または二本鎖のいずれかの形態のデオキシリボヌクレオチドポリマーまたはリボヌクレオチドポリマーを指すために交換可能に用いられ、他に限定されない限り、天然由来のヌクレオチドと同様に一本鎖の核酸にハイブリッド化するという、天然のヌクレオチドの本質を有する既知の類似体(例えば、ペプチド核酸)が包含される。「ポリヌクレオチド」という用語は、本発明をDNAからなるポリヌクレオチドに限定することを意図していない。当業者であれば、ポリヌクレオチドが、リボヌクレオチド、およびリボヌクレオチドとデオキシリボヌクレオチドとの組み合わせからなり得ることを認識するであろう。そのようなデオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドは、天然に存在する分子および合成類似物の両方を含む。本発明のポリヌクレオチドはまた、一本鎖形態、二本鎖形態などを含むがこれらに限定されない、あらゆる形態の配列を包含する。本明細書で使用する場合、「コードする」または「コードされた」という用語は、特定のポリヌクレオチドの文脈で使用する場合にポリヌクレオチド配列の特定のポリペプチドへの翻訳を指示するために必要な情報を含んでいることを意味する。ポリペプチドがコードされる情報は、コドンの使用によって特定される。ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、核酸の翻訳領域内に非翻訳配列(例えば、イントロン)を含んでいてもよいし、そのような非翻訳配列が介在していなくてもよい(例えば、cDNA)。
【0055】
本明細書で使用する場合、用語「天然インターフェロン」、「天然ヒトインターフェロン-α2b」(hIFN-α2b)、「天然ヒトインターフェロン-α2a」(hIFN-α2a)、「天然ヒトインターフェロン-α2c」(hIFN-α2c)、「野生型インターフェロン」、「ネイティブインターフェロン」、またはそれらの変異体とは、人為的な修飾や変異を受けず、自然界に存在するままの状態(すなわち、野生型)であるようなサイトカイン(例えば、ポリペプチド、核酸など)を指す。
【0056】
本明細書で使用する場合、「アミノ酸置換」という用語は、hIFN-α2などの天然(すなわち、野生型)タンパク質の一次配列における1つのアミノ酸を、別のアミノ酸に変更することを意味する。
【0057】
本明細書で使用する場合、用語「修飾インターフェロン-α2」、「修飾インターフェロン-α2」、「グリコシル化修飾インターフェロン-α2」、「免疫原性が低下したヒト修飾インターフェロン-α2」、「修飾GMOP-インターフェロン-α2」、「修飾IFN-α2」、「修飾GMOP-IFN-α2」、「修飾インターフェロン-α2」、「修飾GMOP-インターフェロン-α2」、「修飾IFN-α-2」、「修飾GMOP-IFN-α2」、「修飾インターフェロン-2」、「修飾GMOP-インターフェロン-2」、「修飾IFN-2」、「修飾GMOP-IFN-2」、またはそれらの変異体は、適切な天然インターフェロンと比較した場合にアミノ酸または核酸配列に変更を含む、修飾インターフェロンα2分子のことを指し、態様では少なくとも一つのグリコシル化サイトを含み、GMOPアミノ酸配列は付いていてもいなくても構わない。複数の態様において、前記分子は、天然のヒトインターフェロンと比較して、低減した免疫原性を有する。
【0058】
本明細書で使用する場合、用語「GMOP」は、4つの潜在的O-グリコシル化部位を含むヒト顆粒球およびマクロファージ-コロニー刺激因子(GM-CSF)由来のペプチドのアミノ酸配列(配列番号26)、およびGMOPペプチドをコードする核酸配列(配列番号25)を意味する。「GMOP」は、GMOPアミノ酸および/または核酸配列そのものを指す場合もあれば、より大きなアミノ酸および/または核酸配列の構成要素として指す場合もある。
【0059】
本明細書で使用する場合、「高グリコシル化(hyperglycosylated)」という用語は、ネイティブインターフェロン-α2のものに対して4つ以上の追加のグリコシル化を含む分子を意味する。好ましくは、本開示のグリコシル化修飾インターフェロン-α2は、高グリコシル化されており、ネイティブインターフェロンに存在するよりも4~6個の追加のグリコシル化からなる。
【0060】
本明細書で使用する場合、「O-グリコシル化部位」という用語は、O-グリコシル化に感受性があるアミノ酸配列内のセリンまたはトレオニン残基を指す。「O-グリコシル化部位」の「位置」は、アミノ酸配列中のO-グリコシル化感受性を有するセリンまたはトレオニン残基の位置によって示される。前記配列中の前記SerまたはThr残基は、O-グリコシルトランスフェラーゼによるようなO型酵素によるグリコシル化が施されていてもよい。特定のタンパク質に対するいくつかのO-グリコシル化部位は知られているが、O-グリコシルトランスフェラーゼに対する既知のコンセンサス認識配列は存在しないことが理解される。
【0061】
本明細書で使用する場合、「N-グリコシル化部位」という用語は、Asn-Xaa-Ser/Thrトリペプチドを指し、ここでXはプロリン残基を除く任意の残基であり得る。「N-グリコシル化部位」の「位置」は、Asnによって置換される、天然のヒトインターフェロン-アルファ2bのアミノ酸配列においてアミノ酸残基によって占められる位置によって示され、またはそれは、前記コンセンサス配列のアスパラギンである。前記コンセンサス配列の前記Asn残基は、N型酵素によるグリコシル化が施されていてもよい。
【0062】
本明細書で使用する場合、「PEG化」という用語は、分子(例えば、ポリペプチド)への、1以上のPEG(ポリエチレングリコール)ポリマー鎖の付加を意味する。PEG化は、分子へのPEGポリマー鎖の共有結合および/または非共有結合による付着、および/または共有結合および/または非共有結合によるアマルガム化によって達成され得る。「PEG化」は、PEG化を受けた(すなわち、1以上のPEGポリマー鎖が分子に付加された)分子を指す。
【0063】
本明細書で使用する場合、「Zスコア」という用語は、ある要素が平均からどの程度の標準偏差であるかを示す。Zスコアは、以下の式から計算できる。Z=(X-μ)/σ
ここで、Zは、Zスコア、Xはある要素の値、μは母平均、σは標準偏差である。
【0064】
本願では、以下の略語および/または頭字語が使用されている。
【0065】
ADA 開発した抗体(antibody developed against)
APC 抗原提示細胞
DMSO ジメチルスルホキシド
DR抗体 抗原D関連抗体
EDTA エチレンジアミンテトラ酢酸
ELISA 酵素結合免疫吸着アッセイ
HLA ヒト白血球抗原
IFN インターフェロン
MHC 主要組織適合性複合体
PBMC 末梢血単核細胞
RPMI ロズウェル・パーク・メモリアル研究所培地
TCR T細胞受容体
Teff エフェクターT細胞
Th ヘルパーT細胞
TReg 制御性T細胞
【0066】
[修飾IFN-α2ポリペプチドおよび核酸]
複数の態様において、本開示は、証明された抗ウイルス生物学的活性、野生型および市販のIFNα-2サイトカイン(例えば、INTRON-A、PEGINTRON、SYLATRON)よりも向上した薬物動態パラメータ、および低減した免疫原性を有しており、したがってヒト抗ウイルス治療を含むヒト治療において使用される修飾IFNα-2ポリペプチド(修飾IFNα-2bポリペプチド、修飾IFNα-2aポリペプチドおよびIFNα-2cポリペプチドを含む)を提供する。
【0067】
複数の態様において、本開示は、インターフェロン-α2活性(例えば、抗ウイルス活性)および低減された免疫原性を有する修飾インターフェロン-α2ポリペプチドまたは核酸を提供する。複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2を得るためにヒトインターフェロン-α2の天然アミノ酸配列において実施される修飾は、天然ヒトインターフェロンをコードするアミノ酸の修飾、または天然ヒトインターフェロン(例えばhIFN-α2a、hIFN-α2b、およびhIFN-α2cなど)をコードする遺伝子の修飾の結果として起こる。複数の態様において、本開示の遺伝子組換えGMOP-インターフェロン-α2を得るために、ヒトインターフェロン-α2の配列のN末端および/またはC末端にGMOPペプチド配列(またはその断片)が任意に付加されたヒトインターフェロン-α2の天然のアミノ酸配列において行われる修飾は、天然ヒトインターフェロンをコードするアミノ酸の修飾、またはそれをコードする遺伝子の修飾の結果であり、例えば野生型GMOP-IFN-α2a、野生型GMOP-IFN-α2b、および野生型GMOP-IFN-α2cのような修飾が挙げられる。さらに、前記修飾は、その生物活性(抗ウイルス生物活性など)を維持しつつ、天然ヒトインターフェロンと比較してアミノ酸配列の免疫原性を低下させるような方法で導入される。
【0068】
複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドおよび関連する修飾インターフェロン-α2化合物および組成物は、天然インターフェロン-α2と比較して、低減した免疫原性を有する。天然インターフェロン-α2と比較して修飾インターフェロン-α2の免疫原性を低下させる変異を、EpiMatrix(登録商標)分析によって同定した。EpiMatrix(登録商標)は、EpiVax(Providence, Rhode Island)が開発した独自のコンピューターアルゴリズムで、推定T細胞エピトープの存在について、タンパク質配列をスクリーニングするために使用されている。入力配列は、各フレームが最後のフレームと8個のアミノ酸で重複している9量体フレームに解析される。得られた各フレームは、8つの一般的なクラスII HLA対立遺伝子(DRB1*0101、DRB1*0301、DRB1*0401、DRB1*0701、DRB1*0801、DRB1*1101、DRB1*1301、DRB1*1501)のパネルに対する予測結合親和性についてスコアリングされる。生のスコアは、ランダムに生成されたペプチドの大規模なサンプルのスコアに対して正規化される。その結果、「Z」スコアが報告される。側面では、理論的には任意のサンプルの上位5%である1.64を超える対立遺伝子特異的EpiMatrix(登録商標)Zスコアを持つ任意の9量体ペプチドが、推定T細胞エピトープとみなされる。
【0069】
推定T細胞エピトープのクラスターを含むペプチドは、インビトロおよびインビボのアッセイの検証で陽性となる可能性がより高くなる。最初のEpiMatrix(登録商標)分析の結果は、Clustimer(登録商標)アルゴリズムとして知られる第2の独自のアルゴリズムを使用して、推定T細胞エピトープ「クラスター」の存在についてさらにスクリーニングされる。Clustimer(登録商標)アルゴリズムは、任意のアミノ酸配列内に含まれ、統計的に異常に多くの推定T細胞エピトープを含むサブ領域を特定する。典型的なT細胞エピトープの「クラスター」は、長さが約9から約30アミノ酸であり、複数の対立遺伝子に対する親和性や複数の9量体フレームに対する親和性を考慮すると、約4から約40の推定T細胞エピトープを含むことができる。各エピトープクラスターは、推定T細胞エピトープのスコアを合計し、候補エピトープクラスターの長さと同じ長さのランダムに生成されたクラスターの期待スコアに基づく補正係数を減算して、EpiMatrix(登録商標)スコアの集計が計算される。EpiMatrix(登録商標)クラスタースコアが+10を超えると有意とみなされる。複数の態様において、本願で開示の修飾インターフェロン-α2分子は、T細胞エピトープクラスターにおける1つ以上の修飾(例えば、変化、置換、または変異)を含み、それらの免疫原性を低下させる。例えば、本願で開示される修飾インターフェロンα2分子のための修飾インターフェロンα2変異は、分子の免疫原性を低減するだけでなく、その抗ウイルス活性などの生物活性を著しく低減せず、および/またはインターフェロンの生物活性に関与する受容体への結合に影響を与えないものが選択される。複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2分子のためのそのような修飾は、天然インターフェロンの構造または機能を破壊しないものを選択し、天然ヒトインターフェロン-α2中の選択された位置を占める1つまたは複数のアミノ酸を、アラニン、トレオニン、またはグリシンに置換することを含む。
【0070】
最も反応性の高いT細胞エピトープクラスターの多くには、「エピバー(EpiBar)(登録商標)」と呼ばれる特徴がある。前述のように、エピバー(登録商標)は、少なくとも4つの異なるHLA対立遺伝子に反応性であると予測される単一の9量体フレームである。複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2分子は、天然インターフェロン-α2のエピバー(登録商標)内に1つまたは複数の修飾(例えば、変化、置換、または変異)を含み得る。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2分子の前記修飾は、天然IFN-α2と比較して、修飾インターフェロン-α2分子の免疫原性を低下させる。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2分子の前記修飾は、さらに、天然のインターフェロン-α2活性の構造または機能を崩壊させない。例えば、修飾されたインターフェロン-α2変異は、その抗ウイルス活性のようなその生物学的活性を著しく低下させない、および/またはインターフェロンの生物学的活性に関与する受容体への結合に影響を与えないものが選択される。複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2分子に対するそのような修飾は、天然インターフェロンの構造または機能を破壊しないものが選択され、天然ヒトインターフェロン-α2中の選択された位置を占める1つ以上のアミノ酸の、アラニン、トレオニンまたはグリシンへの置換を含む。
【0071】
複数の態様において、これらの特定されたクラスター領域の各アミノ酸のHLA結合への寄与が、OptiMatrixツール(EpiVax ISPRI 脱免疫用ツールキットの一部)を使用して評価された。OptiMatrixはまず、複数の9量体フレームと複数のHLA対立遺伝子にわたってMHC結合親和性に最も寄与する「重要な」残基を調べる。次に、このプログラムは、タンパク質配列の任意の位置にある19個の代替アミノ酸をすべて繰り返し置換し(オペレーターが定義した入力により、リストを自然に保存された変異体に限定することができる)、その変更後の配列の予測免疫原性を再分析する。タンパク質の構造、ひいては生物学的活性への悪影響を避けるために、重要な残基を文献で包括的に検索し、修飾の候補とならないアミノ酸を特定することも行われた。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2分子の前記修飾は、天然のIFN-α2と比較して、修飾されたインターフェロン-α2分子の免疫原性を低下させる。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2分子の前記修飾は、さらに、天然のインターフェロン-α2活性の構造または機能を崩壊させない。例えば、修飾されたインターフェロン-α2変異は、その抗ウイルス活性のようなその生物学的活性を著しく低下させないもの、および/またはインターフェロンの生物学的活性に関与する受容体へのその結合に影響を与えないものを選択する。複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2分子に対するそのような修飾は、天然インターフェロンの構造または機能を破壊しないものが選択され、天然ヒトインターフェロン-α2中の選択された位置を占める1つ以上のアミノ酸のアラニン、トレオニンまたはグリシンへの置換を含む。
【0072】
複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、天然のヒトインターフェロン-α2(インターフェロン-α2b(配列番号12)、インターフェロン-α2a(配列番号22)、およびインターフェロン-α2c(配列番号24)を含む)における以下の位置9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなる群より選択される位置を占める1つ以上のアミノ酸の置換を含む。である。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、天然のヒトインターフェロン-α2(インターフェロン-α2b(配列番号12)、インターフェロン-α2a(配列番号22)、およびインターフェロン-α2c(配列番号24)を含む)における以下の位置9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなる群から選ばれる位置を占める1または複数のアミノ酸の置換を含んでいる。ここでその置換は、その位置から、アラニン、グリシン、またはトレオニンからなる群から選択されるアミノ酸に変更することを含む。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、天然のヒトインターフェロン-α2(インターフェロン-α2b(配列番号12)、インターフェロン-α2a(配列番号22)およびインターフェロン-α2c(配列番号24)を含む)中の以下の位置9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなる群から選択される位置を占める1つ以上のアミノ酸の置換を含む。ここでそのような変異は、天然のヒトインターフェロン-α-2と比較して、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの免疫原性を減少させる。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2分子は、修飾されたインターフェロン-α-2bポリペプチドである。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドは、修飾されたIFN-α2aポリペプチドである。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドは、修飾されたIFN-α2cポリペプチドである。複数の態様において、本明細書に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、高グリコシル化されている。上述のポリペプチドの態様において、修飾型インターフェロン-α2ポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0073】
複数の態様において、本明細書に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、高グリコシル化されている。ある種の真核生物タンパク質のグリコシル化は、ポリペプチド骨格の特定の位置で起こり、一般に、2つのタイプのグリコシル化が存在する。O型グリコシル化は、セリンまたはトレオニン残基の“-OH”(ヒドロキシル)基にオリゴ糖が結合するもので、N型グリコシル化は、アスパラギン残基にオリゴ糖が結合するものである。特に、N型グリコシル化はAsn-X-Ser/Thrというコンセンサス配列で行われ、Xはプロリンとは異なる任意のアミノ酸である。N型結合でタンパク質に結合するオリゴ糖はすべて、3つのマンノース残基と2つのN-アセチルグルコサミン残基からなる5糖の核を共通に持つ。この5糖の核に結合する糖は、実に多様なオリゴ糖のパターンを獲得することができる。このオリゴ糖の有無は、タンパク質の物理的性質に影響を与え、その機能、安定性、分泌、および細胞内の位置において重要であると考えられる。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、N型またはO型グリコシル化の1つ以上の部位を含むアミノ酸の付加を含む。
複数の態様において、本明細書に記載されるような修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、修飾インターフェロン-α2配列に結合したGMOP、配列APARSPSTQPWE(配列番号26)というペプチド配列またはその断片を含んでいる。複数の態様において、前記配列APARSPSTQPWEの断片は、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、および/または少なくとも10のアミノ酸の長さを有する。GMOPは、14アミノ酸長のペプチド(配列番号26)のN末端領域から誘導され、顆粒球コロニーとヒトマクロファージの刺激因子(hGM-CSF)、様々な細胞系列の造血前駆細胞の増殖と成熟の刺激成長因子、特定のシグナルに応答して多種類の細胞(内皮細胞、繊維芽細胞、マクロファージ、T細胞、マスト細胞)により分泌されて、パラクライン様式で作用するものである。hGM-CSFは単量体の糖タンパク質で、成熟型では127個のアミノ酸からなり、14.5から32 kDaの間の分子量を示す。この分子量の不均一性は、N44とN54の2つのN-グリコシル化部位と、N-末端領域のS22、S24、S26、T27(それぞれhGM-CSFの成熟型のS5、S7、S9、T10に対応する)の4つのO-グリコシル化部位に起因している。成熟型hGM-CSFの最初の7つのアミノ酸(APARSPS)は、抗hGM-CSFモノクローナル抗体(mAb CC1H7と呼ばれる)によって認識可能な線状エピトープである。このエピトープと対応するパラトープとの相互作用は、イオン強度の変化により親和性が変化する特性を持ち、特に後者は酵素免疫吸着測定法(ELISA)、免疫親和クロマトグラフィー、ウェスタンブロットなどの免疫化学技術の開発の上で操作上の利点を有する(Perotti、 Oggero、Etcheverrigaray、Kratje、AR057215A1)。
【0074】
前記GMOP配列の付加により、本発明の分子に4~6個のO-グリコシル化部位が追加される。このようにして、1つ以上のGMOPペプチド配列(APARSPSTQPWE)またはその断片が付加された修飾インターフェロン-α2を、修飾GMOP-インターフェロン-α2と呼ぶ(例えば、GMOP-IFN-α2等と呼ぶこともできる)。このペプチド配列の付加は、当業界で公知の技術のいずれかを用いて行われる。実施形態において、前記GMOPペプチド配列または標識(APARSPSTQPWE)またはその断片は、修飾インターフェロン-α2ポリペプチド配列の末端アミノ末端および/または修飾インターフェロン-α2配列の末端カルボキシル末端に配置することが可能である。複数の態様において、APARSPSTQPWEの前記断片は、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、および/または少なくとも10のアミノ酸の長さである。好ましい実施形態において、GMOPペプチド配列(配列番号26)は、修飾インターフェロン-α2配列のN末端上に付加される。
【0075】
複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2はまた、NまたはOグリコシル化の1つ以上の部位を含むアミノ酸の付加を含み、これらの付加されたアミノ酸は、APARSPSTQPWEまたはその断片に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有する1または複数の配列から構成されている。複数の態様において、本明細書に開示される修飾インターフェロン-α2は、アミノ酸配列APARSPSTQPWE(配列番号26)またはその断片の1つまたはそれ以上の付加を含む。複数の態様において、前記修飾インターフェロン-α2は、NまたはOグリコシル化の1つ以上の部位を含むアミノ酸の付加を含み、これらの付加されたアミノ酸は、APARSPSTQPWE(配列番号26)またはその断片に対して少なくとも70%、80%または90%の相同性を有する1つ以上の配列からなり、ここで、配列番号26の配列の5位、7位、9位および10位のアミノ酸が置換されていないことを特徴とする。複数の態様において、NまたはOグリコシル化の1つ以上の部位を含む上記のアミノ酸(例えば、APARSPSTQPWEまたはその断片に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有する上記の1つ以上の配列)は、本願で開示される修飾インターフェロン-α2ポリペプチドのN末端および/またはC末端に付加されてもよい。複数の態様において、APARSPSTQPWEの前記断片は、少なくとも7、少なくと 8、少なくとも9、および/または少なくとも10アミノ酸の長さである。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0076】
[修飾インターフェロン-α2bポリペプチドおよび核酸]
複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、配列番号12の野生型インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して、インターフェロン-α2b活性、および低下した免疫原性または免疫反応の誘発が低下した傾向を有する、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドである。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2b(配列番号12)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸の置換を有する。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2b(配列番号12)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有し、前記置換は、前記位置のアミノ酸のアラニン、グリシン、またはトレオニンへの変化を含んでなる。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2b(配列番号12)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を有する。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2b(配列番号12)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を有し、ここで前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含んでなる。上記ポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2bポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0077】
複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2b(配列番号12)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、47、117、123、および128位においてアミノ酸置換を有しており、前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンへ変更することからなる。複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2b(配列番号12)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L9A、F47A、L117A、F123A、およびL128Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、配列番号12の野生型インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発を減少する傾向を有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは単離、合成または組換であってもよい。
【0078】
複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2b(配列番号12)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、47、117、123、128、147および157位においてアミノ酸置換を有しており、前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンへ変更することからなる。複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2b(配列番号12)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L9A、F47A、L117A、F123A、L128A、I147T、およびL157Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、配列番号12の野生型インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発を減少する傾向を有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは単離、合成または組換えのいずれであってもよい。
【0079】
複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2b(配列番号12)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、47、65、66、117、123および128位においてアミノ酸置換を有しており、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンへ変更することからなる。複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2b(配列番号12)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L9A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、およびL128Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、配列番号12の野生型インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発を減少する傾向を有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、単離、合成または組換えのいずれでもあり得る。
【0080】
複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2b(配列番号12)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、17、47、65、66、117、123、128、147および157位においてアミノ酸置換を有しており、前記置換が前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンへ変更することからなる。複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2b(配列番号12)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L9A、L17A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、L128A、I147T、およびL157Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2bポリペプチドは、配列番号12の野生型インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発を減少する傾向を有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2bポリペプチドは、単離、合成または組換であってもよい。
【0081】
複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、配列番号14、配列番号16、配列番号18、および配列番号20からなる群から選択される。複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、配列番号16および配列番号18からなる群から選択される。
複数の態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは配列番号14のアミノ酸配列を含み、態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは配列番号20のアミノ酸配列を含む。好ましい実施形態においては、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは配列番号16のアミノ酸配列を含む。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは配列番号18のアミノ酸配列を含む。上記ポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2bポリペプチドは、配列番号12の野生型インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して、免疫原性または免疫反応を誘発する傾向が低減されている。上記ポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2bポリペプチドは、単離、合成または組換であってもよい。
【0082】
複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2bポリペプチドのような、インターフェロン-α2b活性を有する本願で開示される修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、配列番号12の野生型インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して、5%と95%との間の相対的抗ウイルス活性を有している。複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2bポリペプチドのような、インターフェロン-α2b活性を有する本願で開示される修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、配列番号12の野生型インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して、10%と90%との間の相対的抗ウイルス活性を有している。複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する本願で開示された修飾インターフェロン-α2bポリペプチド、例えば上記の修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、配列番号12の野生型インターフェロン-α2bポリペプチドと比較して、20%~80%の間の相対的抗ウイルス活性を有している。
【0083】
複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2bポリペプチドのような、インターフェロン-α2b活性を有する本願で開示される修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、0%から50%の間の抗増殖性生物活性率を有している。複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2bポリペプチドのような、インターフェロン-α2b活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、10%未満の抗増殖性生物活性率を有している。複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2bポリペプチドのような、インターフェロン-α2b活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、5%未満の抗増殖性生物活性率を有する。
【0084】
複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2bポリペプチドのようなインターフェロン-α2b活性を有する本願で開示される修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、5mL/h~200mL/hの間の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2bポリペプチドのような、インターフェロン-α2b活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、115mL/h未満の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2bポリペプチドのような、インターフェロン-α2b活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、50mL/h未満の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。
【0085】
複数の態様において、本開示は、上記の修飾インターフェロン-α2bポリペプチドなどの、インターフェロン-α2b活性を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたは核酸(例えば、cDNAを含むDNA、またはmRNAを含むRNA)を提供する。例えば、態様において、本開示は、配列番号14、配列番号16、配列番号18、および配列番号20を含む群から選択される1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸を提供する。複数の態様において、本開示は、配列番号16および配列番号18を含む群から選択される1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸を提供する。複数の態様において、1つまたは複数の1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸は、配列番号13、配列番号15、配列番号17、および配列番号19を含む群より選択される1つまたは複数の核酸配列を含む。複数の態様において、1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸は、配列番号15および配列番号17を含む群より選択される1つまたは複数の核酸配列を含む。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸は、配列番号13の核酸配列を含む。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸は、配列番号19の核酸配列を含む。好ましい実施形態では、修飾型インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸は、配列番号15の核酸配列を含む。好ましい実施形態では、修飾型インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸は、配列番号17の核酸配列を含む。
【0086】
複数の態様において、修飾インターフェロン-α2bは、1つ以上のNまたはOグリコシル化部位を含むアミノ酸の付加を含み、これらの付加されたアミノ酸は、APARSPSTQPWEまたはその断片に対して少なくとも60%、70%、80%、90%または95%の相同性を有する1つ以上の配列含む。複数の態様において、本明細書に開示される修飾インターフェロン-α2bは、アミノ酸配列APARSPSTQPWE(配列番号26)またはその断片の1つまたは複数の付加を含む。複数の態様において、前記修飾インターフェロン-α2bは、1つ以上のNまたはOグリコシル化部位を含むアミノ酸の付加を含み、これらの付加されたアミノ酸は、APARSPSTQPWE(配列番号26)またはその断片に対して少なくとも70%、80%または90%の相同性を有する1つ以上の配列を含み、ここで前記アミノ酸の配列番号26の5、7、9および10位は、置換されていない。
態様において、1つ以上のNまたはOグリコシル化部位を含む前記アミノ酸(例えば、配列APARSPSTQPWEに対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有する配列)またはその断片は、本発明に開示される修飾インターフェロン-α2bポリペプチドのNおよび/またはC末端に付加されてもよい。複数の態様において、APARSPSTQPWEの前記断片は、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9および/または少なくとも10アミノ酸長である。上記のポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、単離、合成、または組換えであってもよい。
【0087】
複数の態様において、本開示の1つ以上の修飾インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする本開示の核酸、例えば、限定されるものではないが、1以上の、配列番号13、配列番号15、配列番号17、および配列番号19を含む(本質的にからなる、または配列のみからなる)の配列を有する修飾インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸(例えば、DNAまたはRNA)を含むベクターまたはプラスミドはが提供される。複数の態様において、本開示は、本開示のベクターまたはプラスミドを含む細胞に向けられている。
【0088】
[修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドおよび核酸]
複数の態様において、上記の修飾IFNα-2bポリペプチドを含む本開示の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2bポリペプチド(配列番号12)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)と比較して、インターフェロン-α2b活性および低減した免疫原性または免疫反応を誘発する低減した性向を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドである。複数の態様において、修飾IFNα-2bポリペプチドは、NまたはOグリコシル化の1つ以上の部位を含むアミノ酸の付加を含み、これらの付加アミノ酸は、APARSPSTQPWEまたはその断片に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有する1つ以上の配列を含む。複数の態様において、本明細書に開示されるような修飾IFNα-2bは、アミノ酸配列APARSPSTQPWE(配列番号26)またはその断片の1つ以上の付加を含む。複数の態様において、修飾IFNα-2bは、1つ以上のNまたはOグリコシル化部位を含むアミノ酸の付加を含み、これらの付加アミノ酸は、APARSPSTQPWE(配列番号26)またはその断片に対して少なくとも70%、80%または90%の相同性を有する1つ以上の配列からなり、配列番号26の5、7、9および10位のアミノ酸が置換されていない。複数の態様において、1つ以上のNまたはOグリコシル化部位を含む前記上述のアミノ酸(例えば、APARSPSTQPWEに対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有する前記1つ以上の配列)またはその断片は、本願で開示した修飾IFNα-2bポリペプチドのN末端および/またはC末端に付加されてもよい。複数の態様において、前記配列APARSPSTQPWEの断片は、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、および/または少なくとも10のアミノ酸の長さを有する。
【0089】
複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有する。複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2b(配列番号10)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有し、ここで前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含む。複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を有する。複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を有し、前記置換が、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含む。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0090】
複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、61、131、137および142からなるセットから選択されるいずれかの位置に1以上のアミノ酸の置換を有している。ここで、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含んでいる。複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L23A、F61A、L131A、F137A、およびL142Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2bポリペプチド(配列番号12)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に比べて、低減した免疫原性または免疫反応の誘発が低減した傾向を有している。上記のポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2bポリペプチドは、単離されたもの、合成されたもの、または組換えられたものであってもよい。
【0091】
複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、61、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有し、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含む。複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L23A、F61A、L131A、F137A、L142A、I161T、およびL171Aを有している。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2bポリペプチド(配列番号12)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に比べて、低減した免疫原性または免疫反応の誘発が低減した傾向を有している。上記ポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2bポリペプチドは、単離、合成、または組換えであってもよい。
【0092】
複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、61、79,80、131、137および142からなるセットから選ばれるいずれかの位置に1または複数のアミノ酸の置換を有してなる。ここで、前記置換は、前記位置のアミノ酸のアラニン、グリシン、またはトレオニンへの変更を含んでなる。複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L23A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137A、およびL142Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2bポリペプチド(配列番号12)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に比べて、低減した免疫原性または免疫反応の誘発が低減した傾向を有している。上記ポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2bポリペプチドは、単離、合成、または組換えであってもよい。
【0093】
複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有し、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含んでいる。複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L23A、L31A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137A、L142A、I161T、およびL171Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2bポリペプチド(配列番号12)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に比べて、低減した免疫原性または免疫反応の誘発を減少する傾向を有する。上記のポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2bポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0094】
複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、および配列番号8からなる群から選択される。複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、配列番号4および配列番号6からなる群より選択される。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは配列番号2のアミノ酸配列からなる。
複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは配列番号8のアミノ酸配列からなる。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは配列番号4のアミノ酸配列からなる。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、配列番号6のアミノ酸配列を含んでなる。 上記のポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2bポリペプチド(配列番号12)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に比べて、低減した免疫原性および免疫反応を誘発する傾向が減少したものである。上記ポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2bポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0095】
複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドのような、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2bポリペプチド(配列番号12)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)に比べて5%~95%の相対的抗ウイルス活性を有している。複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチド、例えば上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2bポリペプチド(配列番号12)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)と比較して10%と90%の間の相対抗ウィルス活性を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドのような、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2bポリペプチド(配列番号12)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2b(配列番号10)と比較して20%と80%の間の相対抗ウィルス活性を有している。
【0096】
複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドのような、インターフェロン-α2b活性を有する本願で開示される修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、0%から50%の間の抗増殖性生物活性率を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドのような、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、10%未満の抗増殖性生物活性率を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドのような、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、5%未満の抗増殖性生物活性率を有している。
【0097】
複数の態様において、インターフェロン-α2b活性を有する、本願で開示される修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチド、例えば上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、5mL/h~200mL/hの間の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドのようなインターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、115mL/h未満の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドのような、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドは、50mL/h未満の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。
【0098】
複数の態様において、本開示は、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドなどの、インターフェロン-α2b活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたは核酸(例えば、cDNAを含むDNAまたはmRNAを含むRNA)を提供する。例えば、態様において、本開示は、配列番号2、配列番号4、配列番号6、および配列番号8からなる群から選択される1つまたは複数の修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸を提供する。複数の態様において、本開示は、配列番号4および配列番号6からなる群から選択される1つまたは複数の修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸を提供する。複数の態様において、1つまたは複数の1つまたは複数の修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、および配列番号7を含む群から選択される1つまたは複数の核酸配列を含む。1つまたは複数の修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸は、配列番号3および配列番号5を含む群より選択される1つまたは複数の核酸配列を含む。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸は、配列番号1の核酸配列を含んでなる。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸は、配列番号7の核酸配列を含む。好ましい実施形態において、修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸は、配列番号3の核酸配列を含む。好ましい実施形態では、修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸は、配列番号5の核酸配列を含む。
【0099】
複数の態様において、本開示の1つ以上の修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする本発明の核酸、例えば、限定されるものではないが、1つ以上の配列番号1、配列番号3、配列番号5、および配列番号7を含む(本質的にからなる)配列を有する、少なくとも一つの修飾GMOP-インターフェロン-α2bポリペプチドをコードする核酸(例えば、DNAまたはRNA)を含むベクターまたはプラスミドが提供される。複数の態様において、本開示は、本開示のベクターまたはプラスミドを含む細胞に向けられている。
【0100】
[修飾されたインターフェロン-α2aポリペプチドおよび核酸]
複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、配列番号22の野生型インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して、インターフェロン-α2a活性および低下した免疫原性または免疫反応の誘発が低下した傾向を有する、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドである。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2a(配列番号22)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有する。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2a(配列番号22)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有し、ここで前記置換は、前記位置のアミノ酸のアラニン、グリシン、またはトレオニンへの変化を含んでなる。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2a(配列番号22)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を有する。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2a(配列番号22)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を有し、ここで前記置換は、前記位置のアミノ酸のアラニン、グリシン、またはトレオニンへの変化を含んでいる。上記ポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2aポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0101】
複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2a(配列番号22)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、47、117、123および128位においてアミノ酸置換を有しており、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンへ変更することからなる。複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2a(配列番号22)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L9A、F47A、L117A、F123A、およびL128Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、配列番号22の野生型インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して、免疫原性が低下しているか、または免疫反応を誘発する傾向が低下している。 上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、単離されたもの、合成のもの、または組換えのものでありうる。
【0102】
複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2a(配列番号22)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、47、117、123、128、147、および157位でアミノ酸置換を有し、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンへ変更することからなる。複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2a(配列番号22)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L9A、F47A、L117A、F123A、L128A、I147T、およびL157Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、配列番号22の野生型インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して、免疫原性が低下しているか、または免疫反応を誘発する傾向が低下している。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、単離されたもの、合成のものまたは組換えのものでありえる。
【0103】
複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2a(配列番号22)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、47、65、66、117、123および128位においてアミノ酸置換を有しており、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンへ変更することからなる。複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2a(配列番号22)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L9A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、およびL128Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、配列番号22の野生型インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して、低減した免疫原性または免疫反応を誘発する傾向が減少している。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、単離、合成または組換えのいずれであってもよい。
【0104】
複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2a(配列番号22)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、47、117、123、128、147、および157位でアミノ酸置換を有し、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンへ変更することからなる。複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2a(配列番号22)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L9A、L17A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、L128A、I147T、およびL157Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2aポリペプチドは、配列番号22の野生型インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して、免疫原性が低下しているか、または免疫反応を誘発する傾向が低下している。 上記ポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2aポリペプチドは単離されてもよく、合成されてもよく、または組換えされてもよい。
【0105】
複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、配列番号31-34からなる群から選択される。複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、配列番号32および配列番号33を含む群から選択される。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは配列番号31のアミノ酸配列を含む。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは配列番号34のアミノ酸配列を含む。好ましい実施形態においては、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは配列番号32のアミノ酸配列を含む。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2aポリペプチドは、配列番号33のアミノ酸配列を含む。上記のポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2aポリペプチドは、配列番号22の野生型インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して、免疫原性が低減し、または免疫反応を誘発する傾向が減少している。上記のポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2aポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0106】
複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2aポリペプチドのような、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、配列番号22の野生型インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して、5%と95%の間の相対的抗ウィルス活性を有している。複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチド、例えば上記の修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、配列番号22の野生型インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して、10%~90%の間の相対的な抗ウイルス活性を有している。複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2aポリペプチドのような、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、配列番号22の野生型インターフェロン-α2aポリペプチドと比較して、20%~80%の間の相対的抗ウイルス活性を有している。
【0107】
複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2aポリペプチドのような、インターフェロン-α2a活性を有する本願で開示される修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、0%から50%の間の抗増殖性生物活性率を有している。複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2aポリペプチドのような、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、10%未満の抗増殖性生物活性率を有している。複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2aポリペプチドのような、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、5%未満の抗増殖性生物活性率を有する。
【0108】
複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2aポリペプチドのような、インターフェロン-α2a活性を有する本願で開示される修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、5mL/h~200mL/hの間の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2aポリペプチドのような、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、115mL/h未満の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2aポリペプチドのような、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、50mL/h未満の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。
【0109】
複数の態様において、本開示は、上記の修飾インターフェロン-α2aポリペプチドなどの、インターフェロン-α2a活性を有する修飾インターフェロン-α2aポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたは核酸(例えば、cDNAを含むDNA、またはmRNAを含むRNA)を提供する。例えば、態様において、本開示は、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドをコードする核酸を提供し、ここで、ポリペプチドは、配列番号22のアミノ酸配列を含み、L9A、F47A、L117A、F123A、およびL128Aのアミノ酸置換を有している。複数の態様において、本開示は、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドをコードする核酸を提供し、ここで、該ポリペプチドは、配列番号22のアミノ酸配列を含み、L9A、F47A、L117A、F123A、L128A、I147T、およびL157Aのアミノ酸置換を有している。である。複数の態様において、本開示は、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドをコードする核酸を提供し、ここで、ポリペプチドは、配列番号22のアミノ酸配列を含んでなり、L9A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、およびL128Aのアミノ酸置換を有する。複数の態様において、本開示は、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドをコードする核酸を提供し、ここで、ポリペプチドは、配列番号22のアミノ酸配列を含み、L9A、L17A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、L128A、I147T、およびL157Aのアミノ酸置換を有している。
【0110】
複数の態様において、修飾インターフェロン-α2aは、1つ以上のNまたはOグリコシル化部位を含むアミノ酸の付加を含み、これらの付加されたアミノ酸は、APARSPSTQPWEまたはその断片に対して少なくとも60%、70%、80%、90%または95%の相同性を有する1つ以上の配列を含む。複数の態様において、本明細書に開示される修飾インターフェロン-α2aは、アミノ酸配列APARSPSTQPWE(配列番号26)またはその断片の1つまたはそれ以上の付加を含む。複数の態様において、前記修飾インターフェロン-α2aは、1つ以上のNまたはOグリコシル化部位を含むアミノ酸の付加を含み、これらの付加アミノ酸は、APARSPSTQPWE(配列番号26)またはその断片に対して少なくとも70%、80%または90%の相同性を有する1つ以上の配列を含み、ここで配列番号26の5、7、9および10位のアミノ酸が置換されていない。複数の態様において、NまたはOグリコシル化部位を1つ以上含む前記アミノ酸(例えば、APARSPSTQPWEに対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有する前記1つ以上の配列)またはその断片は、本願に開示される修飾インターフェロン-α2aポリペプチドのNおよび/またはC末端に付加されてもよい。複数の態様において、APARSPSTQPWEの前記断片は、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9および/または少なくとも10アミノ酸の長さである。上記のポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2aポリペプチドは、単離、合成、または組換えであってもよい。
【0111】
複数の態様において、本開示の1つ以上の修飾インターフェロン-α2aポリペプチドをコードする本開示の核酸、限定はされないが、例えば、少なくとも1つの修飾インターフェロン-α2aポリペプチドをコードする核酸(例えば、DNAまたはRNA)を含むベクターまたはプラスミドが、提供される。複数の態様において、本開示は、本開示のベクターまたはプラスミドを含む細胞に向けられている。
【0112】
[修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドおよび核酸]
複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、インターフェロン-α2a活性を有しており、野生型インターフェロン-α2aポリペプチド(配列番号22)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)と比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発が低下した傾向を有する、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドである。複数の態様において、修飾IFNα-2aポリペプチドは、1つ以上のNまたはOグリコシル化部位を含むアミノ酸の付加を含み、ここで、これらの付加アミノ酸は、APARSPSTQPWEまたはその断片に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有する1つ以上の配列を含む。複数の態様において、本明細書に開示される修飾IFNα-2aは、アミノ酸配列APARSPSTQPWE(配列番号26)またはその断片の1つまたはそれ以上の付加を含む。複数の態様において、修飾IFNα-2aはまた、1つ以上のNまたはOグリコシル化部位を含むアミノ酸の付加を含み、これらの付加されたアミノ酸は、APARSPSTQPWE(配列番号26)またはその断片に対して少なくとも70%、80%、または90%の相同性を有する1以上の配列を構成し、配列番号26の5、7、9および10位のアミノ酸が置換されない。複数の態様において、1つ以上のNまたはOグリコシル化部位を含む前記上述のアミノ酸(例えば、APARSPSTQPWEまたはその断片に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有する前記1つ以上の配列)は、本願で開示した修飾IFNα-2aポリペプチドのN末端および/またはC末端に付加されてもよい。複数の態様において、APARSPSTQPWEの前記断片は、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、および/または少なくとも10のアミノ酸の長さを有する。
【0113】
複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有する。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有し、ここで前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することからなる。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を有する。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)と少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%相同性のアミノ酸配列を含む。23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を有し、前記置換が、前記位置のアミノ酸のアラニン、グリシン、またはトレオニンへの変化を含んでなる。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0114】
複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、61、131、137および142からなるセットから選択されるいずれかの位置に1または複数のアミノ酸の置換を有する。ここで、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含んでいる。複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L23A、F61A、L131A、F137A、およびL142Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2aポリペプチド(配列番号22)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)に比べて、低減した免疫原性または免疫反応の誘発を減少する傾向を有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、単離、合成、または組換えであってもよい。
【0115】
複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、61、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有し、ここで前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含んで成る。複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L23A、F61A、L131A、F137A、L142A、I161T、およびL171Aを有している。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2aポリペプチド(配列番号22)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)と比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発を減少する傾向を有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、単離、合成、または組換えであってもよい。
【0116】
複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、61、79、80、131、137、および142からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有し、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含んでいる。複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L23A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137A、およびL142Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2aポリペプチド(配列番号22)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)と比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発を減少する傾向を有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、単離、合成、または組換えであってもよい。
【0117】
複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有し、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含んで成る。複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)に対して少なくとも70%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L23A、L31A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137A、L142A、I161T、及びL171Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2aポリペプチド(配列番号22)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)と比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発を減少する傾向を有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、単離、合成、または組換えであってもよい。
【0118】
複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、配列番号27-30を含む群から選択される。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは配列番号28および配列番号29のアミノ酸配列を含む。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは配列番号27のアミノ酸配列を含む。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは配列番号30のアミノ酸配列を含む。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、配列番号28のアミノ酸配列を含んでなる。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、配列番号29のアミノ酸配列を含んでなる。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2aポリペプチド(配列番号22)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2a(配列番号21)と比較して、免疫原性または免疫反応を誘発する傾向が低減されている。上記のポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2aポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0119】
複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドのような、インターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2aポリペプチド(配列番号22)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチド(配列番号21)に比べて5%~95%の相対的抗ウイルス活性を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドのようなインターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2aポリペプチド(配列番号22)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチド(配列番号21)に比べて10%と90%の間の相対的抗ウイルス活性を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドのような、インターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2aポリペプチド(配列番号22)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチド(配列番号21)と比較して20%と80%の間の相対抗ウィルス活性を有している。
【0120】
複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドのような、インターフェロン-α2a活性を有する本願で開示される修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、0%から50%の間の抗増殖性生物活性率を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドのような、インターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、10%未満の抗増殖性生物活性率を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドのような、インターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、5%未満の抗増殖性生物活性率を有している。
【0121】
複数の態様において、インターフェロン-α2a活性を有する本願で開示される修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチド、例えば上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、5mL/h~200mL/hの間の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドのようなインターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、115mL/h未満の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドのようなインターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドは、50mL/h未満の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。
【0122】
複数の態様において、本開示は、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドなどの、インターフェロン-α2a活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたは核酸(例えば、cDNAを含むDNA、またはmRNAを含むRNA)を提供する。例えば、態様において、本開示は、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドをコードする核酸であって、該ポリペプチドが配列番号21のアミノ酸配列を含み、L23A、F61A、L131A、F137A、およびL142Aのアミノ酸置換を有する核酸を提供する。複数の態様において、本開示は、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドをコードする核酸を提供し、ここで、ポリペプチドは、配列番号21のアミノ酸配列を含み、L23A、F61A、L131A、F137A、L142A、I161T、およびL171Aのアミノ酸置換を有している。複数の態様において、本開示は、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドをコードする核酸であって、ポリペプチドが配列番号21のアミノ酸配列を含み、L23A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137A、およびL142Aのアミノ酸置換を有する核酸を提供する。複数の態様において、本開示は、修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドをコードする核酸であって、ポリペプチドが配列番号21のアミノ酸配列を含み、L23A、L31A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137A、L142A、I161T、およびL171Aのアミノ酸置換を有する核酸を提供する。
【0123】
複数の態様において、本開示の1つ以上の修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドをコードする本発明の核酸、限定ではないが、例えば、少なくとも1つの修飾GMOP-インターフェロン-α2aポリペプチドをコードする核酸(例えば、DNAまたはRNA)を含むベクターまたはプラスミドが提供される。複数の態様において、本開示は、本開示のベクターまたはプラスミドを含む細胞に向けられている。
【0124】
[修飾されたインターフェロン-α2cポリペプチドおよび核酸]
複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、インターフェロン-α2c活性を有し、配列番号24の野生型インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して、および低下した免疫原性または免疫反応の誘発が低下した傾向を有する、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドである。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2c(配列番号24)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有する。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2c(配列番号24)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有し、ここで前記置換は、前記位置のアミノ酸のアラニン、グリシン、またはトレオニンへの変化を含んで成る。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2c(配列番号24)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を有する。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2c(配列番号24)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を有し、ここで前記置換は、前記位置のアミノ酸のアラニン、グリシン、またはトレオニンへの変化を含んでいる。上記ポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2cポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0125】
複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2c(配列番号24)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、47、117、123および128位においてアミノ酸置換を有しており、前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンへ変更することからなる。複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2c(配列番号24)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L9A、F47A、L117A、F123A、およびL128Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号24の野生型インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発が低下した傾向を有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0126】
複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2c(配列番号24)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、47、117、123、128、147、および157位においてアミノ酸置換を有しており、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンへ変更することからなる。複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2c(配列番号24)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L9A、F47A、L117A、F123A、L128A、I147T、およびL157Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号24の野生型インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発が低下した傾向を有する。上記のポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2cポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0127】
複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2c(配列番号24)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、47、65、66、117、123および128位においてアミノ酸置換を有しており、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンへ変更することからなる。複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2c(配列番号24)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L9A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、およびL128Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号24の野生型インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発が低下した傾向を有する。上記のポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2cポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0128】
複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2c(配列番号24)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、9、17、47、65、66、117、123、128、147、および157においてアミノ酸置換を有しており、ここで前記置換は前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシンまたはトレオニンへ変更することからなる。複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2c(配列番号24)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L9A、L17A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、L128A、I147T、およびL157Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号24の野生型インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発が低下した傾向を有する。上記のポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2cポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0129】
複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号39-42からなる群から選択される。複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号40および配列番号41からなる群から選択される。複数の態様において、修飾型インターフェロン-α2cポリペプチドは配列番号39のアミノ酸配列を含む。複数の態様において、修飾型インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号42のアミノ酸配列を含む。好ましい実施形態では、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号40のアミノ酸配列を含んでなる。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号41のアミノ酸配列を含んでなる。上記のポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号24の野生型インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して、免疫原性または免疫反応を誘発する傾向が減少している。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0130】
複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2cポリペプチドのような、インターフェロン-α2c活性を有する本願で開示される修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号24の野生型インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して、5%と95%との間の相対的抗ウイルス活性を有している。複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチド、例えば上記の修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号24の野生型インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して、10%~90%の間の相対的な抗ウイルス活性を有している。複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2cポリペプチドのような、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号24の野生型インターフェロン-α2cポリペプチドと比較して、20%~80%の間の相対的抗ウイルス活性を有している。
【0131】
複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2cポリペプチドのような、インターフェロン-α2c活性を有する本願で開示される修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、0%から50%の間の抗増殖性生物活性率を有している。複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2cポリペプチドのような、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、10%未満の抗増殖性生物活性率を有している。複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2cポリペプチドのような、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、5%未満の抗増殖性生物活性率を有する。
【0132】
複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2cポリペプチドのような、インターフェロン-α2c活性を有する本願で開示される修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、5mL/h~200mL/hの間の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2cポリペプチドのような、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、115mL/h未満の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有する。複数の態様において、上記の修飾インターフェロン-α2cポリペプチドのような、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、50mL/h未満の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。
【0133】
複数の態様において、本開示は、上記の修飾インターフェロン-α2cポリペプチドなどの、インターフェロン-α2c活性を有する修飾インターフェロン-α2cポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたは核酸(例えば、cDNAを含むDNA、またはmRNAを含むRNA)を提供する。例えば、態様において、本開示は、γ修飾(γ-modified)インターフェロン-α2cポリペプチドをコードする核酸を提供し、ここで、このポリペプチドは、配列番号24のアミノ酸配列を含み、L9A、F47A、L117A、F123A、およびL128Aのアミノ酸置換を有している。複数の態様において、本開示は、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドをコードする核酸を提供し、ここで、該ポリペプチドは、配列番号24のアミノ酸配列を含み、L9A、F47A、L117A、F123A、L128A、I147T、およびL157Aのアミノ酸置換を有している。複数の態様において、本開示は、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドをコードする核酸を提供し、ここで、ポリペプチドは、配列番号24のアミノ酸配列を含んでなり、L9A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、およびL128Aのアミノ酸置換を有している。複数の態様において、本開示は、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドをコードする核酸を提供し、ここで、ポリペプチドは、配列番号24のアミノ酸配列を含み、L9A、L17A、F47A、N65A、L66A、L117A、F123A、L128A、I147T、およびL157Aのアミノ酸置換を有している。
【0134】
複数の態様において、修飾インターフェロン-α2cはまた、1つ以上のNまたはOグリコシル化部位を含むアミノ酸の付加を含み、これらの付加されたアミノ酸は、APARSPSTQPWEまたはその断片に対して少なくとも60%、70%、80%、90%または95%の相同性を有する1つ以上の配列を含む。複数の態様において、本明細書に開示される修飾インターフェロン-α2cは、アミノ酸配列APARSPSTQPWE(配列番号26)またはその断片の1つまたはそれ以上の付加を含む。複数の態様において、前記修飾インターフェロン-α2cは、1つ以上のNまたはOグリコシル化部位を含むアミノ酸の付加を含み、これらの付加アミノ酸は、APARSPSTQPWE(配列番号26)またはその断片に対して少なくとも70%、80%または90%の相同性を有する1つ以上の配列を含み、配列番号26の5、7、9および10位のアミノ酸は置換されていない。複数の態様において、NまたはOグリコシル化部位を1つ以上含む前記アミノ酸(例えば、APARSPSTQPWEに対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有する前記1つ以上の配列)またはその断片は、本願で開示される修飾インターフェロン-α2cポリペプチドのN末端および/またはC末端に付加されてもよい。複数の態様において、APARSPSTQPWEの前記断片は、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9および/または少なくとも10アミノ酸の長さである。上述のポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、単離、合成、または組換えであってもよい。
【0135】
複数の態様において、本開示の1つ以上の修飾インターフェロン-α2cポリペプチドをコードする本開示の核酸、限定はされないが、例えば、少なくとも1つの修飾インターフェロン-α2cポリペプチドをコードする核酸(例えば、DNAまたはRNA)を含むベクターまたはプラスミドが提供される。複数の態様において、本開示は、本開示のベクターまたはプラスミドを含む細胞に向けられている。
【0136】
[修飾GMOP-Interferon-α2cポリペプチドおよび核酸]
複数の態様において、上記のものを含む本開示の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、インターフェロン-α2c活性を有し、野生型インターフェロン-α2cポリペプチド(配列番号24)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)と比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発が低減した傾向を有する、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドである。複数の態様において、前記修飾IFN-α2cポリペプチドは、1つ以上のNまたはOグリコシル化部位を含むアミノ酸の付加を含み、これらの付加アミノ酸は、APARSPSTQPWEまたはその断片に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有する1つ以上の配列を含む。複数の態様において、本明細書に開示される修飾IFNα-2cは、アミノ酸配列APARSPSTQPWE(配列番号26)またはその断片の1つまたはそれ以上の付加を含む。複数の態様において、修飾IFNα-2cは、1つ以上のNまたはOグリコシル化部位を含むアミノ酸の付加を含み、これらの付加されたアミノ酸は、APARSPSTQPWE(配列番号26)またはその断片に対して少なくとも70%、80%または90%の相同性を有する1つ以上の配列を含み、配列番号26の5、7、9および10位のアミノ酸が置換されていない。複数の態様において、1つ以上のNまたはOグリコシル化部位を含む前記上述のアミノ酸(例えば、APARSPSTQPWEまたはその断片に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有する前記1つ以上の配列)は、本願で開示した修飾IFN-α2cポリペプチドのN末端および/またはC末端に付加されてもよい。複数の態様において、前記配列APARSPSTQPWEの断片は、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、および/または少なくとも10のアミノ酸の長さを有する。
【0137】
複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有する。複数の態様において修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2c(配列番号23)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に1つ以上のアミノ酸置換を有し、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含む。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置に少なくとも5つのアミノ酸置換を有する。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、31、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置において少なくとも5つのアミノ酸置換を有し、前記置換が、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含む。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0138】
複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、61、131、137および142からなるセットから選ばれるいずれかの位置に1または複数のアミノ酸の置換を有してなる。ここで、前記置換は、前記位置のアミノ酸のアラニン、グリシン、またはトレオニンへの変更を含んでなる。複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L23A、F61A、L131A、F137A、およびL142Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2cポリペプチド(配列番号24)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)に比べて、低減した免疫原性または免疫反応の誘発が低減した傾向を有している。上記ポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2cポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0139】
複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、61、131、137、142、161、および171からなるセットから選択される任意の位置に1つ以上のアミノ酸置換を有し、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含む。複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L23A、F61A、L131A、F137A、L142A、I161T、およびL171Aを有している。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2cポリペプチド(配列番号24)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)と比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発が低下する傾向を有している。上記のポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2cポリペプチドは、単離されたもの、合成されたもの、または組換えられたものであってもよい。
【0140】
複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)と少なくとも60%、70%、80%、90%または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、61、79、80、131、137、および142からなるセットから選択される任意の位置に1つ以上のアミノ酸置換を有し、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含む。複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L23A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137A、およびL142Aを有する。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2cポリペプチド(配列番号24)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)と比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発が低下する傾向を有している。上記ポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2cポリペプチドは、単離、合成、または組換えされていてもよい。
【0141】
複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、23、61、79、80、131、137、142、161、および171からなるセットから選択されるいずれかの位置において1つ以上のアミノ酸置換を有し、前記置換は、前記位置のアミノ酸をアラニン、グリシン、またはトレオニンに変更することを含んで成る。複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)に対して少なくとも60%、70%、80%、90%、または95%の相同性を有するアミノ酸配列を含み、変異L23A、L31A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137A、L142A、I161TおよびL171Aを有してなる。上記ポリペプチドの態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2cポリペプチド(配列番号24)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)と比較して、低減した免疫原性または免疫反応の誘発が低下する傾向したものを有している。上記のポリペプチドの態様において、修飾されたインターフェロン-α2cポリペプチドは、単離されたもの、合成されたもの、または組換えられたものであってもよい。
【0142】
複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号35-38からなる群から選択される。複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号35および36からなる群から選択される。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号35のアミノ酸配列を含んでなる。複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号38のアミノ酸配列からなる。
複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号36のアミノ酸配列からなる。
複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、配列番号37のアミノ酸配列からなる。上記ポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2cポリペプチド(配列番号24)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)に比べて、免疫原性が低下しているか、または免疫反応を誘発する傾向が低下している。上記のポリペプチドの態様において、修飾インターフェロン-α2cポリペプチドは、単離、合成、または組換えであってよい。
【0143】
複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチド、例えば上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2cポリペプチド(配列番号24)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)と比較して5%と95%の間の相対的抗ウイルス活性を有している。複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチド、例えば上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2cポリペプチド(配列番号24)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)に比べて10%から90%の間の相対的抗ウイルス活性を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドのようなインターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、野生型インターフェロン-α2cポリペプチド(配列番号24)および/または野生型GMOP-インターフェロン-α2c(配列番号23)に比べて20%と80%の間の相対抗ウィルス活性を有している。
【0144】
複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドのような、インターフェロン-α2c活性を有する本願で開示される修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、0%から50%の間の抗増殖性生物活性率を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドのような、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、10%未満の抗増殖性生物活性率を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドのような、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、5%未満の抗増殖性生物活性率を有している。
【0145】
複数の態様において、インターフェロン-α2c活性を有する本願で開示される修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチド、例えば上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、5mL/h~200mL/hの間の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドのような、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、115mL/h未満の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。複数の態様において、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドのようなインターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドは、50mL/h未満の見かけの血漿クリアランス速度(Clapp)を有している。
【0146】
複数の態様において、本開示は、上記の修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドなどの、インターフェロン-α2c活性を有する修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたは核酸(例えば、cDNAを含むDNA、またはmRNAを含むRNA)を提供する。例えば、態様において、本開示は、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドをコードする核酸であって、該ポリペプチドが配列番号23のアミノ酸配列を含み、L23A、F61A、L131A、F137A、およびL142Aのアミノ酸置換を有する核酸を提供する。複数の態様において、本開示は、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドをコードする核酸を提供し、ここで、ポリペプチドは、配列番号23のアミノ酸配列を含み、L23A、F61A、L131A、F137A、L142A、I161T、およびL171Aのアミノ酸置換を有している。複数の態様において、本開示は、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドをコードする核酸であって、ポリペプチドが配列番号23のアミノ酸配列を含み、L23A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137A、およびL142Aのアミノ酸置換を有する核酸を提供する。複数の態様において、本開示は、修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドをコードする核酸であって、ポリペプチドが配列番号23のアミノ酸配列を含み、L23A、L31A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137A、L142A、I161T、およびL171Aのアミノ酸置換を有する核酸を提供する。
【0147】
複数の態様において、本開示の1つ以上の修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドをコードする本発明の核酸、限定されないが、例えば、少なくとも1つの修飾GMOP-インターフェロン-α2cポリペプチドをコードする核酸(例えば、DNAまたはRNA)を含むベクターまたはプラスミドが提供される。複数の態様において、本開示は、本開示のベクターまたはプラスミドを含む細胞に向けられている。
【0148】
複数の態様において、本明細書に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、異種ポリペプチドに接合または連結(例えば、インフレームで融合、化学的に連結、または他の方法で結合)される。本願の開示の1つ以上の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドに関して、用語「異種ポリペプチド」は、本願の開示の1つ以上の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドが、異種ポリペプチドに対して異種である、または自然には含まれないことを意味することが意図される。複数の態様において、本発明の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの1つ以上は、異種ポリペプチドの、C末端に(当技術分野で知られているように、リンカーを使用してまたは使用せずに)付加されてもよく、および/またはN末端に(当技術分野で知られているように、リンカーを使用してまたは使用せずに)付加されてもよい。
【0149】
本開示はまた、本願で開示される1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドがその一部であるキメラまたは融合ポリペプチド(態様において、単離、合成、または組換えであってもよい)を提供する。複数の態様において、本開示の1つ以上の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、低分子、薬物、またはドラッグ断片(限定されないが、例えば、定義された受容体に高い親和性で結合する薬物またはドラッグ断片)に接合または連結(例えば、インフレームで融合、化学的に連結、または他の方法で結合)され得る。
【0150】
本明細書で使用する場合、2つのポリペプチド(またはポリペプチドの領域)は、アミノ酸配列がある割合以上の同一性を有する場合、実質的に相同または同一であり、例えば、以下の通りである。少なくとも約45%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性、通常少なくとも約70~75%、より通常少なくとも約80~85%、より通常約90%以上、より通常95%以上の相同性または同一の同一性を有する場合である。相同性パーセントは、当技術分野で知られているように決定することができる。例えば、2つのアミノ酸配列、または2つの核酸配列の相同性または同一性のパーセントを決定するために、配列を最適な比較目的のために整列させる(例えば、一方のポリペプチドまたは核酸分子の配列に、他方のポリペプチドまたは核酸分子との最適な整列のためのギャップを導入することができる)。次に、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置のアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第1の配列の位置が第2の配列の対応する位置と同じアミノ酸残基によって占められている場合、分子はその位置で同一である(本明細書で用いるアミノ酸「同一性」はアミノ酸「相同性」と等価である)。当技術分野で知られているように、2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適なアラインメントのために導入される必要がある、ギャップの数および各ギャップの長さを考慮に入れた、配列によって共有される同一の位置の数の関数である。ポリペプチドの配列相同性は、通常、配列解析ソフトウェアを用いて測定される。
【0151】
複数の態様において、本開示はまた、より低い同一性の程度を有するが、本発明の核酸分子によってコードされるポリペプチドによって行われる1つ以上の同じ機能を実現する十分な類似性を有するポリペプチド(例えば、本明細書に開示される修飾インターフェロン-α2ポリペプチド及び修飾インターフェロン-α2組成物)を包含する。類似性は保存されたアミノ酸置換によって決定される。このような置換は、ポリペプチド中の所定のアミノ酸を、同様の特性を有する別のアミノ酸で置換するものである。保存的置換は、表現型的に沈黙している可能性が高い。典型的な保存的置換としては、脂肪族アミノ酸であるAla、Val、Leu、Met、Ileの1個ずつの置換、水酸基残基SerとThrの交換、酸性残基AspとGluの交換、アミド残基AsnとGln間の置換、塩基残基LysとArgの交換、芳香族残基Phe、Trp、Tyr間の交換が見られる。どのアミノ酸の変化が表現型的に沈黙している可能性が高いかに関するガイダンスが見出される(Bowie JUら , (1990), Science, 247(4948):130610,これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。例えば、インターフェロンの機能を有するアミノ酸配列は、これらのタンパク質のアミノ酸配列をクエリとして用いて、非冗長タンパク質配列(non-redundant protein sequences)データベースに対してタンパク質-タンパク質BLAST(blastp)検索を行うことにより同定することが可能である。検索は、National Center for Biotechnology Information (NCBI)のウェブサイト(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov)で、デフォルトのパラメータで行うことができる。
【0152】
開示された修飾IFNα-2ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの断片および変異体もまた、本開示によって包含される。“断片”は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドの一部を意味することが意図される。本明細書に開示されるポリペプチドまたはヌクレオチド配列の断片は、本願で開示のポリペプチドの生物活性を保持し、したがって野生型インターフェロン-α2と比較して免疫原性を低減したインターフェロン-α2活性(例えば、抗ウイルス生物活性)を保持するポリペプチド断片をコードし得る。複数の態様において、本開示はまた、本明細書に記載のポリペプチドおよびポリヌクレオチドの変異体の断片を包含する。
【0153】
複数の態様において、変異体ポリペプチド(例えば、本開示の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの変異体)は、1つ以上の置換、欠失、挿入、逆位、融合、および切断、またはこれらのいずれかの組み合わせによってアミノ酸配列において異なり得る。変異体ポリペプチドは、完全に機能的であり得(例えば、抗ウイルス生物活性などのインターフェロン-α2活性を保持する)、または1つ以上の活性において機能を欠くことができる。完全に機能的な変異体は、典型的には、保存的変異または非重要残基または非重要領域における変異のみを含む。機能的変異体はまた、機能において変化なしまたは重要でない変化をもたらす類似のアミノ酸の置換を含むことができる(例えば、免疫原性を低下させて抗ウイルス生物活性を保持する)。あるいは、このような置換は、機能にある程度正または負の影響を与えることができる。非機能的な変異体は、典型的には、1つ以上の非保存的なアミノ酸の置換、欠失、挿入、逆位、もしくは切断、または重要な残基もしくは重要な領域における置換、挿入、逆位、もしくは欠失を含む。複数の態様において、本願で開示の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、1つ以上の置換、欠失、挿入、逆位、融合、および切断、またはこれらのいずれかの組み合わせによってアミノ酸配列が異なり得るが、前記変異体が生物活性(例えば、抗ウイルス活性などのIFNα2活性)を保持して、(野生型インターフェロン-α2と比較して)免疫原性が低下していることが条件とされる。
【0154】
複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2の完全に機能的な変異体は、1つまたは複数の重要な残基または領域において変異を含んでいない。複数の態様において、変異されるべきではない修飾インターフェロン-α2の前記1つ以上の重要な残基は、以下を含む:生物活性に関与する残基、種々の野生型インターフェロン対立遺伝子間で(種間など)保存性が高い機能的ホットスポットの残基、インターフェロンの天然受容体に結合に関与する残基、天然インターフェロンの構造の完全性に重要である構造相互作用に関わる残基、天然インターフェロンのジスルフィド結合(例えば、インビボの自然環境において適切なフォールディングの際に天然インターフェロンにおいて生じる分子内ジスルフィド結合)に関与する残基、および/または天然の野生型インターフェロンにおけるグリコシル化部位である残基(Nグリコシル化部位およびOグリコシル化部位を含む)。
【0155】
複数の態様において、開示された修飾インターフェロン-α2の完全に機能的な変異体を含む本願で開示された修飾IFNα-2ポリペプチドは、1つ以上の重要な残基または領域に変異を含まず、ここで、前記1つ以上の重要な残基または領域は、以下からなる群から選択される:機能的ホットスポットの残基、種々の野生型インターフェロン対立遺伝子間で(種間など)保存性が高い残基、天然のインターフェロンのジスルフィド結合(例えば、インビボの自然環境において適切なフォールディングの際に天然インターフェロンにおいて生じる分子内ジスルフィド結合)に関与する残基、および/または天然の野生型インターフェロンにおけるグリコシル化部位である残基(Nグリコシル化部位およびOグリコシル化部位を含む)。
【0156】
複数の態様において、開示された修飾インターフェロン-α2(例えば、IFNα-2b変異体、IFNα-2a変異体、IFNα-2c変異体、GMOP-IFNα-2b変異体、GMOP-IFNα-2a変異体、およびGMOP-IFNα-2c変異体)の完全に機能する変異体を含む、本願で開示されたポリペプチドの機能にとって必須ではないと考えられるアミノ酸残基は、保存的または非保存的に置換されてよく、かかるアミノ酸置換はポリペプチドの機能特性を大きく低下させないだろう。複数の態様において、開示された修飾インターフェロン-α2(例えば、IFNα-2b変異体、IFNα-2a変異体、IFNα-2c変異体、GMOP-IFNα-2b変異体、GMOP-IFNα-2a変異体、およびGMOP-IFNα-2c変異体)の完全に機能的な変異体を含む、本願で開示されたポリペプチドの機能にとって必須であると考えられるアミノ酸残基は、保存的または非保存的に置換されてはならず、かかるアミノ酸置換はポリペプチドの機能特性を大きく低下させる可能性があるため、保存的であってはならない。複数の態様において、開示された修飾インターフェロン-α2の完全に機能的な変異体(例えば、IFNα-2b変異体、IFNα-2a変異体、IFNα-2c変異体、GMOP-IFNα-2b変異体、GMOP-IFNα-2a変異体およびGMOP-IFNα-2c変異体)を含む本願で開示されたIFNα2ポリペプチドは、WT天然ヒトIFN-α2の一つまたは複数の決定的残基または領域に変異を含まない(保存的置換もしくは非保存的置換のいずれかであってもよい)。複数の態様において、WT天然ヒトIFN-α2の前記1つ以上の重要な残基または領域は、以下からなる群から選択される:生物活性に関与する残基、機能的ホットスポットの残基、種々の野生型インターフェロン対立遺伝子間で(種間など)保存が高い残基、インターフェロンの天然受容体への結合に関与する残基、天然インターフェロンの構造完全性に対して重要である構造相互作用に関わる残基、天然インターフェロンのジスルフィド結合(例えば、インビボでのその自然環境における適切な折り畳み時に天然インターフェロンにおいて生じる分子内ジスルフィド結合)に関与する残基、および/または天然の野生型インターフェロンにおけるグリコシル化部位である残基(Nグリコシル化部位およびOグリコシル化部位を含む)である。複数の態様において、hIFN-α2の生物学的活性に関与するWT天然hIFN-α2の前記1つまたは複数の重要な残基または領域は、22、26、27、30、31、33、34、36、68、79、85、120、121、122、124、129、131、132、144、および146からなる群から選択される。かかるアミノ酸残基に対する最も保存的および非保存的アミノ酸置換は、ポリペプチドの機能特性(例えば、抗ウイルス作用を含むIFNα2活性)を減少させる可能性がある。複数の態様において、機能的ホットスポットであるWT天然hIFN-α2の前記1つまたは複数の重要な残基または領域は、30、33、144、145、148、および149からなる群から選択される。そのようなアミノ酸残基に対するほとんどの保存的および非保存的アミノ酸置換は、ポリペプチドの機能特性(例えば、抗ウイルス活性を含むIFNα2活性)を減少させる可能性が高い。複数の態様において、様々な野生型IFN-α2対立遺伝子間(種間など)で高度に保存されているWT天然hIFN-α2の前記1つ以上の重要な残基または領域は、91、122、150、および154(さらに:30、33、144、145、148、および149を含んでいてもよい)からなる群から選択される。そのようなアミノ酸残基に対するほとんどの保存的および非保存的アミノ酸置換は、おそらくポリペプチドの機能特性(例えば、抗ウイルス作用を含むIFNα2活性)を減少させるであろう。複数の態様において、hIFN-α2の天然受容体への結合に関与するWT天然hIFN-α2の前記1つまたは複数の重要な残基または領域は、5、6、12、13、15、16、19、20、22、26、27、30~37、39~41、46、68、76、77、79、80、82、83、85、86、89、90、93、94、97、118、120、121、124、125、127、131~136、144~146、148、149、15および153からなる群から選択される。そのようなアミノ酸残基のほとんどの保存的および非保存的アミノ酸置換によっておそらく機能特性(例えば、,抗ウイルス活性を含む、IFNα-2活性)を低下させる可能性が高い。複数の態様において、hIFN-α2の構造的完全性に重要な構造的相互作用に関与するWT天然hIFN-α2の前記1つ以上の重要な残基または領域は、33、34、35、36、38、40、41、42、43、44、45、91、114、115、118、121,122、125、132、150、および154からなる群から選択される。このようなアミノ酸残基のほとんどの保存的および非保存的アミノ酸置換は、ポリペプチドの機能特性(例えば、抗ウイルス作用を含むIFNα2活性)を減少させる可能性が高い。複数の態様において、WT天然hIFN-α2の、hIFN-α2の構造的完全性に重要な構造的相互作用に関与する前記1つ以上の重要な残基または領域は、36、41、42、91、122、129、150、および154からなる群から選択される。そのようなアミノ酸残基に対するほとんどの保存的および非保存的アミノ酸置換は、ポリペプチドの機能特性(例えば、抗ウイルス活性を含むIFNα2活性)を減少させる可能性が高い。複数の態様において、天然のhIFN-α2のジスルフィド結合(例えば、インビボでのその天然環境での適切なフォールディング時にhIFN-α2に生じる分子内ジスルフィド結合)に関与するWT天然のhIFN-α2の前記1以上の臨界残基または領域は、1、29、98、および138からなる群から選択される。そのようなアミノ酸残基に対するほとんどの保存的および非保存的アミノ酸置換は、ポリペプチドの機能特性(例えば、抗ウイルス活性を含むIFNα-2活性)を低下させる可能性が高い。複数の態様において、天然の野生型hIFN-α2におけるグリコシル化の部位である前記1つ以上の重要な残基または領域(N-グリコシル化部位およびO-グリコシル化部位を含む)は、106からなる群から選択される。記載された改変/置換を有する本願で開示されるポリペプチドは、所望の活性(例えば、抗ウイルス活性を含むIFNα-2活性)を与えるだろうと考えられている。別の言い方をすれば、本明細書に記載されたアミノ酸置換は、本願で開示されたポリペプチドの機能的特性を著しく低下させないだろうと信じられている。
【0157】
複数の態様において、修飾インターフェロン-α2(例えば、開示された修飾インターフェロン-α2の完全機能的変異体(例えば、IFNα-2b変異体、IFNα-2a変異体、IFNα-2c変異体、GMOP-IFNα-2b変異体、GMOP-IFNα-2a変異体、GMOP-IFNα-2c変異体))は変異(例えば、アミノ酸置換)を、hIFN-α2における4、23、70、および77からなる群より選択される位置を占有する1つ以上のアミノ酸において含まない。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2(例えば、開示された修飾インターフェロン-α2の完全機能的変異体(例えば、IFNα-2b変異体、IFNα-2a変異体、およびIFNα-2c変異体))が、1つまたは複数のアミノ酸におけるAsn残基のアミノ酸置換を、HIFN-α2において、4、23、70、および77からなる群から選択される位置を占める1つまたは複数のアミノ酸において含まない。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2は、hIFN-α2における4、23、70、および77からなる群から選択されるアミノ酸の位置に1つまたは複数のアミノ酸置換を含まない。
【0158】
複数の態様において、修飾GMOP-インターフェロン-α2(例えば、開示された修飾GMOP-IFNα-2b変異体、GMOP-IFNα-2a変異体、およびGMOP-IFNα-2c変異体の完全機能性変異体)は、GMOP-hIFN-α2の18、37、84および91からなる群より選ばれる位置を占める1つまたは複数のアミノ酸における変異(例えば、アミノ酸置換)を含まない。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2(例えば、開示された修飾GMOP-IFNα-2b変異体、GMOP-IFNα-2a変異体、およびGMOP-IFNα-2c変異体の完全機能型変異体))は、GMOP-hIFN-α2:18,37,84,91において、以下の位置から成るグループから選択される位置を占有している1つまたは複数のアミノ酸におけるAsn残基のアミノ酸の置換を含まない。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2(例えば、開示された修飾GMOP-IFNα-2b変異体、GMOP-IFNα-2a変異体、およびGMOP-IFNα-2c変異体の完全機能型変異体)は、GMOP-hIFN-α2中の18、37、84、および91の位置からなる群から選択されるアミノ酸位置において1以上のアミノ酸の置換を含まない。
【0159】
複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2は、その対立遺伝子もしくは配列の変異体(「変異体」)またはアナログを含み得るか、または化学修飾(例えば、ペギル化、グリコシル化)を含み得る。複数の態様において、本明細書に記載の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、高グリコシル化されている。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2は、本開示の核酸分子によってコードされるインターフェロンポリペプチドによって行われる同じ機能、特に維持された生物学的活性および低減された免疫原性を保持する。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2は、高い相対的な抗ウイルス活性を提供することができる。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2は、免疫原性の低減をもたらし得る。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2は、低い抗増殖生物学的活性をもたらし得る。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2は、改善された薬物動態学的プロファイルをもたらし得る。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2は、タンパク質合成および修飾されたインターフェロン-α2の精製における改善をもたらし得る。
【0160】
本願の開示のポリペプチドは、アミノ酸置換、欠失、切断、および挿入を含む様々な方法で変更することができる。そのような操作のための方法は、当技術分野で一般に知られている。例えば、即席開示のポリペプチドのアミノ酸配列変異体および断片は、DNAの変異によって調製することができる。変異誘発およびポリヌクレオチド改変のための方法は、当技術分野でよく知られている。例えば、Kunkel (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488-492; Kunkelら (1987) Methods in Enzymol.154:367-382;U.S. Pat.No.4,873,192; Walker and Gaastra, eds. (1983) Techniques in Molecular Biology (MacMillan Publishing Company, New York) およびそこに引用された文献を参照されたい。目的のタンパク質の生物学的活性に影響を与えない適切なアミノ酸置換に関する指針は、参照により本明細書に組み込まれるDayhoffら(1978) Atlas of Protein Sequence and Structure (Natl. Biomed. Res. Found., Washington, D.C.) のモデルにおいて見出され得る。あるアミノ酸を類似の特性を有する別のアミノ酸と交換するような保存的置換が最適である場合がある。典型的に保存的置換として見られるのは、脂肪族アミノ酸であるAla、Val、LeuおよびIle間の1つの置換、水酸基残基SerおよびThrの交換、酸性残基AspおよびGluの交換、アミド残基AsnおよびGln間の置換、塩基残基LysおよびArgの交換および芳香族残基PheおよびTyr間の交換である。どのアミノ酸の変化が表現型的に沈黙している可能性が高いかに関する指針がある(Bowie JUら, (1990), Science, 247 (4948):130610,これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。本開示の目的のために、ポリペプチドは、例えば、D-立体異性体などの天然に存在するアミノ酸の修飾形態、非天然に存在するアミノ酸;アミノ酸類似体;および模倣体を含み得る。
【0161】
GMOP-IFNα-2の脱免疫化変異体によって提示される修飾/置換は、サイトカインの生物学的構造または機能に関与しないアミノ酸に対応することを明確にすべきである。すなわち、これらの変異は、以下のインターフェロン変異体、すなわちIFN-α2b、GMOP-IFN-α2b、またはIFN-α2の任意の他の変異体(IFN-α2a、GMOP-IFN-α2A、IFN-α2c、およびGMOP-IFN-α2cを含む)のいずれに対しても行うことができる。
【0162】
本開示の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの製造方法は、分子を構成する様々な要素の性質に依存して、広く変化するだろう。例えば、単離されたポリペプチド(例えば、単離された修飾インターフェロン-α2ポリペプチド)は、それを天然に発現する細胞から精製されるか、それを発現するように改変された細胞から精製されるか(組み換え)、または既知のタンパク質合成方法を使用して合成され得る。合成手順は、単純であり、高い収率を提供し、高度に精製された安定な生成物を得ることができるように選択され得る。例えば、本願で開示のポリペプチドは、本明細書に開示される核酸から、または組換え技術、変異誘発、もしくは当該技術分野において他の既知の手段などの標準分子生物学技術の使用のいずれかによって製造することができる。単離されたポリペプチドは、それを天然に発現する細胞から精製するか、それを発現するように改変された細胞から精製する(組換え)か、または既知のタンパク質合成技術を使用して合成され得る。複数の態様において、本願で開示のポリペプチドは、組換えDNAまたはRNA技術によって製造される。複数の態様において、本願で開示のポリペプチドは、適切な宿主細胞における本願で開示の組換え核酸の発現によって産生され得る。例えば、ポリペプチドをコードする核酸分子を発現カセットまたは発現ベクターにクローニングし、発現カセットまたは発現ベクターを宿主細胞に導入し、ポリペプチドを宿主細胞で発現させる。その後、標準的なタンパク質精製技術を用いた適切な精製スキームにより、ポリペプチドを細胞から単離することができる。あるいは、ポリペプチドは、プロテアーゼ消化および精製などのエクスビボ手順の組み合わせによって製造することができる。さらに、本願で開示のポリペプチドは、部位特異的変異誘発技術、または当該技術分野で公知の他の変異誘発技術を使用して製造することができる(例えば、James A. Brannigan and Anthony J. Wilkinson.、2002、Protein engineering 20 years on.Nature Reviews Molecular Cell Biology 3, 964-970; Turanli-Yildiz B. et al., 2012, Protein Engineering Methods and Applications, intechopen.comを参照でき、これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれている)。
【0163】
複数の態様において、本開示はまた、修飾インターフェロン-α2(例えば、修飾IFNα-2bポリペプチド、修飾IFNα-2aポリペプチド、修飾IFNα-2cポリペプチド、修飾GMOP-IFNα-2bポリペプチド、修飾GMOP-IFNα-2aポリペプチド、および修飾GMOP-IFNα-2cポリペプチド)を合成する方法に向けられている。改善された特性(例えば、免疫原性が低下した)を有する本願で開示される修飾インターフェロン-α2ポリペプチドは、本明細書に記載される種々の方法のうちの1つにおける遺伝子改変によって作成することができる。本明細書で使用される用語「修飾インターフェロン-α2」は、意図的に改変されたアミノ酸配列、すなわち「非野生型」アミノ酸配列を有する本願で開示される修飾インターフェロン-α2の群、または本明細書に記載される特定の、修飾インターフェロン-α2分子に関して(少なくとも)意図的に改変されているゲノムを有する微生物生物(いずれかの用語を形容詞として置くことに依存して)、または両方を指すことができる。このような改変は、1つまたは複数の遺伝子が第2の異なる微生物生物から標的微生物生物に移入される、組換え技術によって達成され得る。組換え技術は、従来の方法を用いて標的微生物生物に導入される完全合成DNAを用いて達成することができる。このような改変は、工学的技術によっても達成することができ、標的微生物生物内の核酸は、一般に部位特異的変異誘発を介して改変され、その結果、少なくとも1つの核酸が異なる核酸に変換され、したがって1つまたは複数の酵素が修飾される。上記の方法のいずれか、及び本出願を通じて記載される方法の組み合わせも採用され得る。したがって、本願で開示される修飾インターフェロン-α2分子は、インビボ、すなわち遺伝子改変微生物によって、またはインビトロのいずれかで産生され得ることが理解されよう。
【0164】
複数の態様において、本開示は、免疫原性を低下させるために前記アミノ酸置換を生成する方法を提供する。前記方法は、ヒト天然インターフェロン(例えば、天然IFN-α2、天然GMOP-IFN-α2)をコードする遺伝子のヌクレオチド配列における点変異を、前記遺伝子における部位特異的変異誘発技術によって生成することを含んでいる。本方法は、以下の工程を含む。1.天然ヒトインターフェロン(例えば、天然IFN-α2、天然GMOP-IFN-α2)をコードする遺伝子を適切なプラスミド中でクローニングすること;2.部位特異的変異誘発技術を用いて、本開示の修飾インターフェロン-α2を生成するために必要な変異を生成すること;および3.ステップ2からの改変型遺伝子を、適切な発現ベクターにクローニングすること。複数の態様において、発現ベクターは、本開示の遺伝子を担持することができ、真核細胞において目的の遺伝子を発現させるために必要な要素をさらに含むベクターの群から選択される。
【0165】
複数の態様において、本開示の部位特異的変異誘発技術は、その目的のために特別に設計されたオリゴヌクレオチドの使用を含む。この技術は、2つの段階からなる。第1段階では、適当なベクターにクローニングされた断片の末端にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドと、変異を導入しようとする遺伝子の内部領域にハイブリダイズする、免疫原性を低減するアミノ酸置換(ここに記載)に対応する点変異を有するオリゴヌクレオチドを用いて、別々に2つのPCR反応が行われる。逆方向の外部オリゴヌクレオチドと直接オリゴヌクレオチドmut aを用いてチューブaに反応混合物を得、直接外部オリゴヌクレオチドと逆方向オリゴヌクレオチドmut bを用いてチューブbに別の反応混合物を得、両方の反応からのPCR生成物をアガロースゲル電気泳動で精製し、第2段階のテンプレートとして使用する。この第2段階は、直接および逆方向の外部オリゴヌクレオチドを用いた第2PCR反応からなる。最初の3サイクルはプライマーを加えずに行い、完全な産物のハイブリダイゼーションと伸長を可能にし(フィルイン)、最後にこれらを加えて増幅を行う。
【0166】
複数の態様において、本願で開示の修飾インターフェロン-α2内で免疫原性を低下させる複数のアミノ酸置換部位を得るために、前記修飾インターフェロン-α2を以下のように順次構築する:まず、部位特異的変異誘発法を用いて、アミノ酸置換部位を有する修飾インターフェロン-α2を生成し、次に前記改変型インターフェース-α2を新しいアミノ酸置換部位生成用の開始テンプレートとして使用する。
【0167】
複数の態様において、本開示は、以下のステップを含む、修飾インターフェロン-α2を製造する方法に向けられている。a)原核細胞を、修飾型インターフェロン-α2をコードする遺伝子を含む適切な原核生物発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトすること;b)修飾型インターフェロン-α2のポリペプチドを発現するクローンを選択すること;c)前記クローンを適切な培養液中で培養すること;d)生成物を精製すること;e)工程c)のクローンが発現した修飾型インターフェロン-α2ポリペプチドをインビトロでグリコシル化すること;およびf)修飾型インターフェロン-α2を精製すること;を含む。複数の態様において、前記方法のステップe)におけるグリコシル化は、修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドの高グリコシル化である。
【0168】
複数の態様において、本開示はまた、本開示の1つ以上の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドおよび/または本開示のキメラもしくは融合ポリペプチド組成物の全体または一部をコードする核酸(例えば、DNA、RNA、ベクター、ウイルス、またはそれらのハイブリッド、これらはすべて、分離、合成、または組換えの可能性がある)を提供する。複数の態様において、核酸は、発現カセット、プラスミド、および発現ベクター、または組換えウイルスをさらに含むか、またはその中に含まれ、任意に、核酸、または発現カセット、プラスミド、発現ベクター、または組換えウイルスは、細胞、任意にヒト細胞または非ヒト細胞内に含まれ、任意に、細胞は核酸、または発現カセット、プラスミド、発現ベクター、または組換えウイルスで形質導入される。複数の態様において、細胞は、例えば、本開示の1つまたはそれ以上ポリペプチド(修飾インターフェロン-α2ポリペプチド);本明細書に開示される単離、合成、または組換え核酸、発現カセット、プラスミド、発現ベクター、または組換えウイルス;および/または本明細書に開示される単離、合成、または組換えキメラまたは融合ポリペプチド組成物を内に含むように、形質転換、トランスフェクトまたは他の方法で操作される。複数の態様において、細胞は、哺乳類細胞、細菌細胞、昆虫細胞、または酵母細胞であり得る。複数の態様において、本開示の核酸分子は、ベクターに挿入され、例えば、発現ベクターまたは遺伝子治療ベクターとして使用することができる。遺伝子治療ベクターは、例えば 、静脈内注射、局所投与(米国特許第5,328,470号)または定位注射(Chen SH et al.、(1994)、Proc Natl Acad Sci USA、91(8):3054-7、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれている)により対象に送達することができる。遺伝子治療ベクターの医薬製剤は、許容される希釈剤中に遺伝子治療ベクターを含むことができ、または遺伝子送達ビヒクルが埋め込まれている徐放性マトリックスからなることができる。あるいは、完全な遺伝子送達ベクターが組換え細胞、例えば 、レトロウイルスベクターからそのまま生産され得る場合、医薬製剤は、遺伝子送達システムを生産する1つ以上の細胞を含むことができる。そのような医薬組成物は、投与のための指示書とともに、容器、パック、またはディスペンサーに含まれ得る。複数の態様において、本開示は、本開示のベクターを含む細胞に向けられている。複数の態様において、細胞は、哺乳類細胞、細菌細胞、昆虫細胞、または酵母細胞であり得る。
【0169】
ポリヌクレオチドについて、「変異体」は、本願の開示のポリヌクレオチド配列内の1つまたは複数の内部部位における1つまたは複数のヌクレオチドの欠失および/または付加、および/または本願の開示のポリヌクレオチド配列内の1つまたは複数の部位における1つまたは複数のヌクレオチドの置換を含む。当業者であれば、本発明のポリヌクレオチドの変異体は、オープンリーディングフレームが維持されるように構築されることを認識するであろう。ポリヌクレオチドについて、保存的変異体は、遺伝コードの縮退のために、本発明のポリペプチドの1つのアミノ酸配列をコードする配列を含む。これらのような天然に存在する対立遺伝子変異体は、例えば、以下に概説するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびハイブリダイゼーション技術のように、周知の分子生物学技術の使用により同定することができる。変異体ポリヌクレオチドはまた、例えば部位特異的変異誘発法を用いて生成されたものなどの合成的に得られたポリヌクレオチドも含むが、それでも本発明の所望の活性を有するポリヌクレオチド(すなわち、本明細書に記載されている所望の生物活性、すなわち抗病原性活性、抗真菌活性、抗藻活性(antialgal activity)、および/またはキチンおよび/もしくはポリグルクロン酸に対する酵素活性を有するポリペプチドをコードしている、)をコードしているものである。一般に、本発明の特定のポリヌクレオチドの変異体は、本明細書の他の箇所に記載の配列アラインメントプログラムおよびパラメータによって決定されるように、その特定のポリヌクレオチドに対して少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列類似度を有するであろう。
【0170】
本開示の特定のポリヌクレオチド(すなわち、参照ポリヌクレオチド)の変異体はまた、変異体ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドと参照ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの間の配列同一性のパーセントを比較することによって評価することができる。任意の2つのポリペプチド間の配列同一性パーセントは、本明細書の他の箇所に記載されている配列アラインメントプログラムおよびパラメータを使用して計算することができる。本発明のポリヌクレオチドの任意の所定の対が、それらがコードする2つのポリペプチドによって共有されるパーセント配列同一性の比較によって評価される場合、2つのコードされたポリペプチド間のパーセント配列同一性は、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれより多い配列同一性を有している。
【0171】
本開示の1つ以上のポリペプチドの全部または一部をコードする、本明細書に提供されるポリヌクレオチド(RNA、DNA、発現カセット、ベクター、ウイルスまたはそれらのハイブリッドにかかわらず)は、種々の供給源から分離し、遺伝子工学的に生産し、増幅し、合成的に生産し、および/または組換え発現/作製することが可能である。これらの核酸から生成された組換えポリペプチドは、個々に単離またはクローン化され、所望の活性について試験することができる。任意の組換え発現系を使用することができ、例えば、インビトロ、細菌、真菌、哺乳類、酵母、昆虫または植物細胞発現系を含む。複数の態様において、本明細書で提供されるポリヌクレオチドは、周知の化学合成技術によってインビトロで合成される(例えば、Adams(1983)J. Am.Chem.Soc. 105:661; Belousov (1997) Nucleic Acids Res. 25:3440-3444; Frenkel (1995) Free Radic.Biol.Med.19:373-380; Blommers (1994) Biochemistry 33:7886-7896; Narang (1979) Meth.Enzymol.68:90;Brown(1979)Meth.Enzymol.Enzymol.68:109; Beaucage (1981) Tetra.Lett.22:1859;米国特許No.第4,458,066号、これらの全ては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。さらに、本明細書で提供されるポリヌクレオチドの操作のための技術、例えば、サブクローニング、標識プローブ(例えば、Klenowポリメラーゼを用いたランダムプライマー標識、ニック翻訳、増幅)、配列決定、ハイブリッド化などは、科学および特許文献によく記載されている(例えば、Sambrook、編、Molecular Cloning:A Laboratory Manual (2ND ED.), Vols.1~3、Cold Spring Harbor Laboratory、(1989);Current Protocols In Molecular Biology、Ausubel、ed.John Wiley & Sons, Inc., New York (1997); Laboratory Techniques In Biochemistry And Molecular Biology: Hybridization With Nucleic Acid Probes, Part I. Theory and Nucleic Acid Preparation, Tijssen, ed., New York (1997).Elsevier, N.Y. (1993), これらはすべて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
【0172】
複数の態様において、本開示は、本明細書に開示されるような修飾インターフェロン-α2をコードする核酸を含む特徴付けられた細胞株に向けられる。複数の態様において、前記細胞株は、本明細書に開示されるような修飾インターフェロン-α2を生産するのに適している。好ましい実施形態において、本明細書に開示されるような修飾インターフェロン-α2の産生に適した細胞株は、CHO-K1、HEK293、NS0、BHK、Sp2/0、CAP、およびCAP/Tのセットから選択される。複数の態様において、本開示はまた、真核細胞株を得るための方法であって、適切な発現ベクターに挿入された、本明細書に開示されるような修飾インターフェロン-α2をコードする前記遺伝子を含む細胞株の形質転換またはトランスフェクションによって、本明細書に開示される修飾インターフェロンα2を製造するための方法に向けられる。好ましくは、真核生物細胞株は、CHO-K1細胞株である。複数の態様において、本開示は、本明細書に開示されるような修飾インターフェロン-α2を製造する方法に向けられており、前記方法は、a)本明細書に開示されるような修飾インターフェロン-α2ポリペプチドをコードする遺伝子を含む発現ベクターで前記形質転換またはトランスフェクトした真核細胞株を培養するステップ、およびb)培養液から発現および分泌された修飾インターフェロン-α2ポリペプチドを単離するステップ、を包含する。
【0173】
複数の態様において、本開示は、本明細書に開示されるような修飾インターフェロン-α2ポリペプチドを精製するための方法に向けられている。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの精製の前記工程は、イムノアフィニティークロマトグラフィーによる精製を含む。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの精製の工程は、イムノアフィニティークロマトグラフィーによる精製を含み、イムノアフィニティークロマトグラフィーによる精製は、抗非グリコシル化rhIFN-α2b mAb CA5E6抗体の使用を含んで成る。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの精製の工程は、イムノアフィニティークロマトグラフィーによる精製を含み、イムノアフィニティークロマトグラフィーによる精製は、抗hGM-CSFモノクローナル抗体(呼び名、mAb CC1H7)の使用を含んでいる。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの精製工程は、精製(例えば、イムノアフィニティークロマトグラフィーによる)の後、精製された修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの濃度を決定する工程をさらに含む。好ましい実施形態において、精製された修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの濃度の前記決定は、分光光度定量によって決定される。
【0174】
複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物(本開示の、1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド、ポリヌクレオチド、1つまたは複数のポリペプチドまたはポリヌクレオチドを発現する微生物、発現カセット、プラスミド、発現ベクター、キメラまたは融合ポリペプチド、組換えウイルスおよび/または医薬組成物など)は、均一に精製することができ、部分精製することも可能である。しかしながら、修飾されたインターフェロン-α2組成物が均質性まで精製されない調製物が有用であることが理解される。重要な特徴は、調製物が、相当量の他の成分の存在下でも、修飾されたインターフェロン-α2の所望の機能を可能にすることである。したがって、本開示は、様々な程度の純度を包含する。一実施形態では、「細胞性物質を実質的に含まない」という言葉は、約30%未満(乾燥重量で)の他のタンパク質(例えば、汚染タンパク質)、約20%未満の他のタンパク質、約10%未満の他のタンパク質、約5%未満の他のタンパク質、約4%未満の他のタンパク質、約3%未満の他のタンパク質、約2%未満の他のタンパク質、約1%未満の他のタンパク質、またはその間の任意の値もしくは範囲を有する修飾インターフェロンα2の調製物を含む。
【0175】
複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物は組換え生産され、前記修飾インターフェロン-α2組成物はまた、培養液を実質的に含まないことができ、例えば、培養液は修飾インターフェロン-α2ポリペプチド、核酸、またはキメラもしくは融合ポリペプチドの調製物の容量の約20%未満、約10%未満、または約5%未満を表わす。「化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」という表現は、修飾インターフェロン-α2の合成に関与する化学前駆体または他の化学物質から分離された、ポリペプチド、核酸、またはキメラもしくは融合ポリペプチドの調製物を含む。「化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」という文言は、例えば、約30%未満(乾燥重量で)の化学前駆体または他の化学物質、約20%未満の化学前駆体または他の化学物質、約10%未満の化学前駆体または他の化学物質、約5%未満の化学前駆体または他の化学物質、約4%未満の化学前駆体または他の化学物質、約3%未満の化学前駆体または他の化学物質、約2%未満の化学前駆体または他の化学物質、または約1%未満の化学前駆体または他の化学物質を有する、修飾インターフェロン-α2ポリペプチド、核酸、またはキメラもしくは融合ポリペプチドの調製物を含む。
【0176】
複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド化合物または組成物は、当技術分野で知られているような標準的な組換えDNAまたはRNA技術によって製造することができる。例えば、異なるポリペプチド配列をコードするDNAまたはRNA断片は、従来の技術に従って、インフレームで一緒にライゲーションされ得る。別の実施形態では、融合遺伝子は、自動DNA合成機を含む従来の技術によって合成され得る。あるいは、核酸断片のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅は、キメラ核酸配列を生成するために続いてアニールされ再増幅され得る2つの連続する核酸断片の間の相補的オーバーハングを生じさせるアンカープライマーを使用して実施することができる(Short Protocols in Molecular Biology:A Compendium of Methods from Current Protocols in Molecular Biology, (2ND , 1992), FM Asubel et al. (eds), Green Publication Associates, New York, NY (Publ), ISBN: 9780471566355,これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれている)。さらに、本開示(例えば、配列番号2、4、6、8、14、16、18、20および27-42からなる1つまたは複数の配列を含む、で本質的に構成される、またはのみからなる、本開示の1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド)の1つまたは複数のポリペプチド(例えば、修飾インターフェロン-α2ポリペプチド)は、組み換え技術、合成重合技術、変異誘発、または当該技術分野において知られている他の標準的技術を通じて、異種ポリペプチドに挿入することができ、またはポリペプチドの非自然発生位置へ挿入することができる。例えば、変異誘発によるタンパク質工学は、部位特異的変異誘発技術、または当技術分野で公知の他の変異誘発技術を用いて行うことができる(例えば、James A. Brannigan and Anthony J. Wilkinson.、2002、Protein engineering 20 years on.Nature Reviews Molecular Cell Biology 3, 964-970; Turanli-Yildiz B. et al., 2012, Protein Engineering Methods and Applications, intechopen.com, これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれている)。
【0177】
さらに、多くの発現ベクターは、既に融合部分(例えば、GSTタンパク質)をコードしている市販のものである。本発明の修飾インターフェロン-α2をコードする核酸分子は、融合部分が少なくとも1つの修飾インターフェロン-α2にインフレームで連結されるように、このような発現ベクターにクローニングされ得る。融合部分のこのような連結は、例えば、タンパク質の精製収率を向上させるために行われ得る。
【0178】
[医薬組成物および製剤]
複数の態様において、本開示の1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド、キメラポリペプチド、ポリヌクレオチド、1つまたは複数のポリペプチドまたはポリヌクレオチドを発現する微生物、発現カセット、プラスミド、発現ベクター、および/または組み換えウイルス(以下「本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物」等という)は、医薬組成物または製剤に含まれうる。複数の態様において、医薬組成物または製剤は、一般に、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物と、薬学的に許容される担体および/または賦形剤とを含んでいる。複数の態様において、前記薬学的組成物は、投与に適している。薬学的に許容される担体および/または賦形剤は、部分的には、投与される特定の組成物、ならびに組成物を投与するために使用される特定の方法によって決定される。従って、本願で開示される修飾インターフェロン-α2組成物を投与するための薬学的組成物の適切な処方は、多種多様である(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, (18TH Ed, 1990), Mack Publishing Co., Easton, PA Publ)参照されたい)。複数の態様において、医薬組成物は、一般に、無菌、実質的に等張、および米国食品医薬品局のすべての適正製造基準(GMP)規制を完全に遵守して処方される。
【0179】
組成物、担体、賦形剤、および試薬を指す「薬学的に許容できる」、「生理学的に許容できる」、およびそれらの文法的変形は、互換的に用いられ、材料が、組成物の投与を禁止する程度の望ましくない生理作用の生成なしに、対象へのまたは対象に投与できることを表わす。例えば、「薬学的に許容される賦形剤」とは、例えば、一般に安全で、無毒で、望ましい医薬組成物の調製に有用な賦形剤を意味し、ヒトの医薬用途と同様に獣医用途にも許容される賦形剤が含まれる。そのような賦形剤は、固体、液体、半固体、またはエアゾール組成物の場合には気体であり得る。当業者であれば、本開示の修飾インターフェロン-α2組成物の適切な投与のタイミング、順序及び投与量を決定することができるであろう。
【0180】
複数の態様において、そのような担体または希釈剤の好ましい例には、水、生理食塩水、リンゲル液、ブドウ糖液、および5%ヒト血清アルブミンが含まれるが、これらに限定されるものではない。リポソームおよび固定油などの非水性ビヒクルもまた使用することができる。薬学的活性物質に対するこのような媒体および化合物の使用は、当技術分野でよく知られている。任意の従来の媒体または化合物が、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物と不適合(incompatible)である限り、および前述のように、組成物におけるそれらの使用が企図される。補足的な活性化合物もまた、組成物に組み込むことができる。
【0181】
複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物は、その意図された投与経路に適合するように製剤化される。本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物は、非経口、局所、静脈内、経口、皮下、動脈内、皮内、経皮、直腸、頭蓋内、髄腔内、腹膜内、経鼻;膣内;筋肉内経路によって投与することができる、または吸入剤として投与することができる。複数の態様において、本開示の修飾されたインターフェロン-α2化合物または組成物は、沈着物が蓄積した特定の組織に直接注入することができる。他の局面では、筋肉内注射または静脈内注入が、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物の投与のために使用され得る。いくつかの方法において、本開示の修飾型インターフェロン-α2化合物または組成物は、Medipad(登録商標)デバイスなどの徐放性組成物またはデバイスとして投与されるが、これらに限定されるものではない。
【0182】
複数の態様において、本開示の修飾型インターフェロン-α2化合物または組成物は、任意に、本明細書に記載されるような様々な医学的状態の治療に少なくとも部分的に有効な他の薬剤と組み合わせて投与することができる。例えば、本開示の修飾型インターフェロン-α2化合物または組成物は、免疫系の抗ウイルス活性を刺激する、組成物の薬物動態パラメータを改善する、インターフェロン-α2の天然生物活性を増強および/または補完する、および/または組成物の免疫原性を低減する他の薬剤と組み合わせて投与することも可能である。
【0183】
複数の態様において、非経口、皮内、または皮下適用に使用される溶液または懸濁液は、以下の成分を含むことができるが、これらに限定されるものではない。注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒などの無菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌化合物;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのキレート化合物;アセテート、クエン酸またはリン酸などの緩衝剤および塩化ナトリウムまたはブドウ糖などの緊張度調整のための化合物を含むことができる。pHは、塩酸や水酸化ナトリウムなどの酸または塩基で調整することができる。賦形剤の例としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、水、エタノール、DMSO、グリコール、プロピレン、乾燥スキムミルクなどを挙げることができる。組成物はまた、pH緩衝化試薬、および湿潤剤または乳化剤を含むことができる。複数の態様において、非経口製剤は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器または多回投与バイアルに封入することができる。
【0184】
複数の態様において、注射可能な使用に適した医薬組成物または製剤は、滅菌水溶液(水溶性の場合)または分散液および滅菌注射可能溶液または分散液の即席の調製のための滅菌粉末を含む。静脈内投与のために、適切な担体は、生理食塩水、静菌水、Cremophor ELTM(BASF, Parsippany,N,J)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)である。いずれの場合も、組成物は無菌であり、そして容易な注入性(syringeability)が存在する程度に流動性であるべきである。これは、製造および貯蔵の条件下で安定であり、細菌および真菌のような微生物の汚染行為に対して保護される。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2製剤は、凝集体、断片、分解物および翻訳後修飾を、これらの不純物が免疫原性の低下および純粋な修飾インターフェロン-α2と同様の高い相対的抗ウイルス活性を有する程度に、含んでもよい。担体は、例えば、 、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの適切な混合物を含む溶媒または分散媒体とすることができる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用、分散液の場合には必要な粒子径の維持、界面活性剤の使用などによって維持することができる。微生物の作用の防止は、種々の抗菌・抗カビ化合物、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等によって達成することができる。多くの場合、組成物中に等張化合物、例えば 、糖類、マンニトール、ソルビトールのような多価アルコール、塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。注射用組成物の長時間の吸収は、吸収を遅延させる化合物、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを組成物中に含むことによってもたらされ得る。
【0185】
複数の態様において、無菌注射液は、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物を、必要に応じて、上記に列挙された成分の1つまたは組み合わせとともに適切な溶媒中に必要量組み込み、次いで、濾過滅菌することにより調製され得る。一般に、分散液は、結合剤を、基本的な分散媒体および上記に列挙したものからの必要な他の成分を含む無菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。無菌注射液の調製のための無菌粉末の場合、調製方法は、あらかじめ無菌濾過したその溶液から活性成分+任意の追加所望成分の粉末をもたらす真空乾燥および凍結乾燥である。さらに、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物は、活性成分の持続的または脈動的な放出を可能にするような方法で調合することができるデポ注射剤またはインプラント製剤の形態で投与することが可能である。
【0186】
複数の態様において、医薬組成物または製剤の溶液または懸濁液は、修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドがその天然の構造コンフォメーションにあるpHで維持される。複数の態様において、前記pHは、pH10以下に維持される。複数の態様において、前記pHは、pH7以下に維持される。複数の態様において、前記pHは、pH3~10の間に維持される。複数の態様において、前記pHは、pH4~9の間に維持される。複数の態様において、前記pHは、pH5~8の間に維持される。複数の態様において、前記pHは、pH6~7.5の間に維持される。複数の態様において、pHを所望のレベルに維持するために、緩衝剤が提供される。複数の態様において、前記緩衝剤は、リン酸緩衝剤である。複数の態様において、前記バッファーは、酢酸バッファーである。
【0187】
複数の態様において、医薬組成物または製剤の溶液または懸濁液は、表面吸着阻害剤を含む。複数の態様において、前記表面吸着阻害剤は、組成物または製剤を封入する表面(ガラスまたはプラスチック製のアンプル、シリンジ、またはバイアルなど)による、医薬組成物または製剤の成分の吸着を阻害するものが提供される。好ましい実施形態において、前記表面吸着阻害剤は、組成物または製剤を封入するガラス表面による1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの吸着を阻害するものが提供される。複数の態様において、医薬組成物または製剤は、ホウケイ酸ガラス製のアンプル、シリンジ、またはバイアルに封入され、医薬組成物または製剤は、表面吸着阻害剤(例えば、ホウケイ酸ガラス表面による1つまたは複数の遺伝子組み換えインターフェロン-α2ポリペプチドの吸着を阻害する表面吸着阻害剤)を含む。複数の態様において、前記表面吸着抑制剤は、ポリソルベート80である。複数の態様において、前記表面吸着抑制剤は、アルブミンである。
【0188】
複数の態様において、医薬組成物または製剤の溶液または懸濁液は、分解阻害剤を含む。複数の態様において、分解阻害剤は、修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドの分解を阻害するものが提供される。複数の態様において、分解阻害剤は、修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドの酸化的分解を阻害するものが提供される。複数の態様において、前記分解阻害剤がベンジルアルコールである、修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドの酸化的分解を阻害する分解阻害剤が提供される。
【0189】
複数の態様において、医薬組成物または製剤は、無菌注射液または分散液の即席調製のための無菌粉末を含み、前記無菌粉末は:1つ以上の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの乾燥粉末製剤、増量剤、および表面吸着阻害剤、を含む。複数の態様において、前記増量剤はグリシンである。複数の態様において、前記表面吸着阻害剤は、アルブミンである。複数の態様において、前記無菌粉末は、1つまたは複数の抗菌防腐剤をさらに含む。複数の態様において、前記1つ以上の抗菌防腐剤は、以下からなる群から選択される:m-クレゾール、ベンジルアルコール、およびフェノール。複数の態様において、前記無菌粉末は、二塩基性リン酸ナトリウムおよび一塩基性リン酸ナトリウムをさらに含む。複数の態様において、前記無菌粉末は、全体として錠剤様固体、断片、および/または緩い粉末として提供される。複数の態様において、1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの前記乾燥粉末製剤は、凍結乾燥粉末である。複数の態様において、前記1つまたは複数の修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドは、所望の特異的活性を有するものが提供される。複数の態様において、前記無菌粉末は、対象への投与前に低温で保存される。複数の態様において、前記無菌粉末は、対象への投与の前に、2℃~8℃の範囲の温度で保存される。複数の態様において、対象への投与の前に、前記滅菌粉末は、希釈剤と再構成されて滅菌溶液を提供する。複数の態様において、前記再構成は、滅菌粉末を希釈剤に溶解して(例えば、撹拌、旋回、反転、振盪、ボルテックス、または当技術分野で知られ理解されている他の手段によって)、滅菌溶液を生成することによって達成される。複数の態様において、前記希釈剤は、以下からなる群から選択される1つ以上の成分を含む:滅菌水、塩化ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、EDTA、ポリソルベート80、およびm-クレゾール。複数の態様において、前記再懸濁は、単回使用のバイアル、アンプル、またはシリンジで行われる。複数の態様において、前記無菌溶液は、所望の濃度で1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドを提供する。複数の態様において、遺伝的に修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドの前記所望の濃度は、1×106~100×106IU/mLである。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの前記所望の濃度は、10×106~50×106IU/mLである。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドの前記所望の濃度は、1×106~10×106IU/mLである。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの前記所望の濃度は、被験体における状態の維持治療中の維持用量に対して減少される。複数の態様において、前記無菌溶液は、対象への投与前に低温で保存される。複数の態様において、前記無菌溶液は、対象への投与に先立って、2℃~8℃の範囲の温度で保存される。
【0190】
複数の態様において、医薬組成物または製剤は、1つ以上の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドおよび1つ以上の成分を含む溶液または懸濁液を含み、ここで前記成分は、以下からなる群から選択される:滅菌水、塩化ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、EDTA、1つ以上の表面吸着阻害剤(例えば、,ポリソルベート80)、1つ以上の抗菌防腐剤(例えば、m-クレゾール)、1つ以上の増量剤、及び1つ以上の分解抑制剤。複数の態様において、前記溶液または懸濁液は、以下を含む:1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド、滅菌水、塩化ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、EDTA、ポリソルベート80、およびm-クレゾールを含む。複数の態様において、前記1つ以上の修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドは、所望の特異的活性を有するものが提供される。複数の態様において、前記溶液または懸濁液は、所望の濃度で前記1つまたは複数の修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドを提供する。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの前記所望の濃度は、1×106~100×106IU/mLである。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの前記所望の濃度は、10×106~50×106IU/mLである。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドの前記所望の濃度は、1×106~10×106IU/mLである。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの前記所望の濃度は、対象における状態の維持治療中の維持用量に対して減少される。複数の態様において、前記溶液または懸濁液は、対象への投与前に低温で保存される。複数の態様において、前記溶液または懸濁液は、対象への投与の前に、2℃~8℃の範囲の温度で保存される。
【0191】
複数の態様において、医薬組成物または製剤の溶液または懸濁液は:1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド、塩、および緩衝剤を含む。複数の態様において、前記緩衝液は、pHを所望のレベルに維持するために提供される。複数の態様において、前記緩衝液はリン酸緩衝液であり、前記塩は塩化ナトリウムである。
複数の態様において、医薬組成物または製剤は、無菌注射液または分散液の即席調製のための無菌粉末を含み、前記無菌粉末は、1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの乾燥粉末製剤を含んでいる。複数の態様において、前記無菌粉末は、以下からなる群から選択される1つ以上の成分をさらに含む:無水二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム二水和物、スクロース、およびポリソルベート80。複数の態様において、前記無菌粉末は、全体的に錠剤様固体、断片、および/または緩い粉末として提供される。複数の態様において、1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの前記乾燥粉末製剤は、凍結乾燥粉末である。複数の態様において、前記1つまたは複数の修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドは、所望の特異的活性を有するものが提供される。複数の態様において、前記無菌粉末は、対象への投与前に低温で保存される。複数の態様において、前記無菌粉末は、対象への投与の前に、2℃~8℃の範囲の温度で保存される。複数の態様において、前記滅菌粉末は、再懸濁の前に室温で保管される。複数の態様において、前記無菌粉末は、再懸濁の前に15℃~30℃の範囲の温度で保管される。複数の態様において、対象への投与の前に、前記滅菌粉末は、滅菌溶液を提供するために希釈剤と再構成される。複数の態様において、前記再構成は、滅菌粉末を希釈剤に溶解して(例えば、撹拌、旋回、反転、振盪、ボルテックス、または当技術分野で知られ理解されている他の手段によって)、滅菌溶液を生成することによって達成される。複数の態様において、前記希釈剤は、滅菌水からなる。複数の態様において、前記再懸濁は、単回使用バイアル、アンプル、またはシリンジ内で行われる。複数の態様において、前記再懸濁は、二重室カートリッジにおいて行われ、第1の室は前記無菌粉末を含み、第2の室は前記希釈剤を含み、注射の前に、2つの室の成分は、無菌溶液を生成するために組み合わされる。複数の態様において、前記デュアルチャンバーカートリッジは、デュアルチャンバーカートリッジの一部である注入器具を介して前記無菌溶液を被験者に注入するために使用される。複数の態様において、前記無菌溶液は、前記1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2ポリペプチドを所望の濃度で提供する。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの前記所望の濃度は、50~500mcg/mLである。複数の態様において、修飾インターフェロン-α2ポリペプチドの前記所望の濃度は、100~300mcg/mLである。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドの前記所望の濃度は、100~2000mcg/mLである。複数の態様において、修飾されたインターフェロン-α2ポリペプチドの前記所望の濃度は、400~1200mcg/mLである。複数の態様において、前記無菌溶液は、対象への投与前に低温で保存される。複数の態様において、前記無菌溶液は、対象への投与の前に、2℃~8℃の範囲の温度で保存される。
【0192】
複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物の医薬組成物または製剤は、1つまたは複数の他の医薬組成物の製剤と共投与される。複数の態様において、前記1つ以上の他の医薬組成物または製剤は、リバビリン(例えば、REBETOL(登録商標))、PegIntron(登録商標)、およびINTRON-A(登録商標)からなる群から選択される。
【0193】
複数の態様において、経口組成物は一般に不活性希釈剤または食用担体を含み、ゼラチンカプセルに封入されるか、または錠剤に圧縮されることができる。複数の態様において、経口治療投与の目的のために、結合剤は賦形剤と共に組み込まれ、錠剤、トローチ、またはカプセルの形態で使用することができる。経口組成物はまた、洗口剤として使用するための流体担体を用いて調製することができ、流体担体中の化合物は、経口的に適用され、スワッシュして去痰するかまたは飲み込まれる。薬学的に適合する結合化合物、および/またはアジュバント材料は、組成物の一部として含まれ得る。複数の態様において、錠剤、ピル、カプセル、トローチなどは、以下の成分のいずれか、または類似の性質の化合物を含むことができる。微結晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチンなどの結合剤;デンプンまたは乳糖などの賦形剤、アルギン酸、Primogelまたはコーンスターチなどの崩壊性化合物;ステアリン酸マグネシウムまたはSterotesなどの潤滑剤;コロイド性二酸化ケイ素などの滑剤;スクロースまたはサッカリンなどの甘味化合物;またはペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ香料などの香味剤化合物など。
【0194】
吸入による投与のために、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物は、適切な推進剤、例えば、二酸化炭素のようなガスを含む加圧容器またはディスペンサー、またはネブライザーからエアゾールスプレーの形態で送達することが可能である。
【0195】
複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物の全身投与はまた、経粘膜的または経皮的手段によることができる。経粘膜または経皮投与のために、浸透させるべき障壁に適切な浸透剤が、製剤中に使用される。このような浸透剤は、一般に当該技術分野において知られており、例えば、経粘膜投与の場合、洗浄剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体が含まれる。経粘膜投与は、鼻腔用スプレーまたは坐薬の使用により達成することができる。経皮投与のために、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物は、硬質軟膏(ointment)、軟膏(salve)、ゲル、またはクリームへと製剤化し、当該技術分野において一般に知られているように、局所的にまたは経皮パッチ技術を通じて適用することができる。
【0196】
複数の態様において、本開示の修飾されたインターフェロン-α2化合物または組成物はまた、直腸送達のための坐剤(例えば、ココアバターおよび他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を用いて)または保持浣腸の形態で調製することが可能である。
【0197】
複数の態様において、本開示の修飾されたインターフェロン-α2化合物または組成物は、インプラントおよびマイクロカプセル化送達システムを含む制御放出製剤など、身体からの急速な排除に対して修飾されたインターフェロン-α2組成物を保護する担体とともに調製される。生分解性、生体適合性ポリマーは、例えば、エチレンビニル酢酸、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸のようなものを使用することができる。このような製剤の調製方法は、当業者には明らかであろう。材料はまた、商業的に、例えば、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals, Inc.から入手することができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を有する感染細胞に標的化されたリポソームを含む)もまた、薬学的に許容される担体として使用することができる。これらは、当業者に公知の方法に従って調製することができる(米国特許第4,522,811号、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。複数の態様において、本開示の修飾されたインターフェロン-α2化合物または組成物は、所望の部位への修飾されたインターフェロン-α2組成物の徐放を可能にするバイオポリマー固体支持体内に移植可能であり、または前記固体支持体に連結され得る。
【0198】
複数の態様において、投与の容易さおよび投与量の均一性のために、経口または非経口組成物を投与単位形態で製剤化することが特に有利である。本明細書で使用される用量単位形態は、治療される対象に対する単位用量として適した物理的に離散した単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と関連して所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の結合剤を含有する。本願の開示の投薬単位形態の仕様は、結合剤の固有の特性および達成されるべき特定の治療効果、ならびに対象の治療のための本開示のそのような修飾インターフェロン-α2化合物または組成物を配合する技術に固有の制限によって規定され、それに直接依存している。
【0199】
[使用方法]
本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物(1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2ポリペプチド、ポリヌクレオチド、1つまたは複数のポリペプチドまたはポリヌクレオチドを発現する微生物、発現カセット、プラスミド、発現ベクター、キメラまたは融合ポリペプチド、組換えウイルスおよび/または本開示の医薬組成物など)は、メラノーマ、黒色腫(悪性黒色腫を含む)、急性および慢性C型肝炎(代償性肝疾患を有する患者におけるものを含む)、急性および慢性B型肝炎、急性および慢性非A、非B型肝炎、カポジ肉腫(AIDS関連カポジ肉腫を含む)、多発性硬化症、性器いぼ、白血病(有毛細胞白血病を含む)、リンパ腫(濾胞性リンパ腫を含む)、尖圭コンジローム、及び他のウイルス感染(SARS-CoV-2感染ZIKV感染、CHIKV感染、又はインフルエンザA感染を含む)に対する保護/治療における使用を見出している。複数の態様において、本開示は、メラノーマ、黒色腫(悪性黒色腫を含む)、急性および慢性C型肝炎(代償性肝疾患の患者を含む)、急性および慢性B型肝炎、急性および慢性非A、非B型肝炎、カポジ肉腫(AIDS関連カポジ肉腫を含む)、多発性硬化症、性器いぼ、白血病(有毛細胞白血病を含む)、リンパ腫(濾胞性リンパ腫を含む)、尖圭コンジローム、その他のウイルス性感染症(SARS-COV-2感染症、ZIKV感染症、CHIKV感染症、又はインフルエンザA感染を含む)等に対する治療のための医薬品を製造するための、ここに開示されるような本開示の化合物または組成物、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物の使用を提供する。
【0200】
複数の態様において、本開示は、1つまたは複数の本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物を投与することを含む、対象における1つまたは複数の医学的状態を予防または治療する方法、および本開示の1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物を投与する前記ステップによって対象における医学的状態を予防または治療することに向けられている。医学的状態は、例えば、メラノーマ、黒色腫(悪性黒色腫を含む)、急性および慢性C型肝炎(代償性肝疾患の患者を含む)、急性および慢性B型肝炎、急性および慢性非A、非B肝炎、カポジ肉腫(AIDS関連カポジ肉腫を含む)、多発性硬化症、性器いぼ、白血病(有毛細胞白血病を含む)、リンパ腫(濾胞性リンパ腫を含む)、尖圭コンジローム、および他のウイルス感染(SARS-CoV-2感染、ZIKV感染、CHIKV感染、またはA型インフルエンザ感染を含む)などが挙げられる。複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物は、有害事象を低減するため、または共投与化合物の効力を高めるために、病状を有する対象を治療するために用いられる他のタンパク質または化合物と組み合わせて使用することができる。
【0201】
特定の態様において、本開示は、例えば、C型慢性肝炎を治療する方法に向けられており、前記方法は、本開示の1つ以上の修飾型インターフェロン-α2化合物または組成物を投与する工程、および本開示の前記1つ以上の修飾型インターフェロン-α2化合物または組成物を投与する前記ステップによって対象中のC型慢性肝炎を予防または治療する工程を含む。本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物は、有害事象を低減するため、または共投与化合物の有効性を高めるために、C型慢性肝炎の対象を治療するために用いられる他のタンパク質または化合物と併用して使用されることができる。複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物(例えば、GMOP-IFN-α2変異体、IFN-α2変異体など)は、抗ウイルス活性を維持しながら抗増殖特性を欠いており、慢性C型肝炎治療のための興味深い治療代替物を表している。複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物は、慢性C型肝炎治療において、免疫原性を低下させつつ、高い相対的な抗ウイルス活性を示す。
【0202】
複数の態様において、本開示は、例えば、慢性B型肝炎を治療する方法に向けられ、前記方法は、本開示の1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物を投与する工程、および本開示の1つまたは複数の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物を投与する前記ステップによって対象中の慢性B型肝炎を予防または治療する工程を含む。本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物は、有害事象を低減するため、または共投与化合物の有効性を高めるために、慢性B型肝炎の対象を治療するために用いられる他のタンパク質または化合物と一緒に使用することができる。複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2組成物(例えば、GMOP-IFN-α2変異体、IFN-α2変異体)は、抗ウイルス活性を維持しながら抗増殖特性を欠いており、慢性B型肝炎治療のための興味深い治療代替案を表している。複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物は、慢性B型肝炎治療において免疫原性を低下させつつ、高い相対的な抗ウイルス活性を示す。
【0203】
SARS-CoV-2、ZIKV、CHIKV、A型インフルエンザなどの新興ウイルス感染症は、世界的な公衆衛生上の関心事となっている。これは、それらの病因物質の新しい地域への急速な広がり、ヒト感染の増加、および新しい治療法および/または有効なワクチンの不足のためである。複数の態様において、本開示は、例えば、SARS-CoV-2感染(および/またはCOVID-19を含むSARS-CoV-2に起因する関連疾患)、ZIKV、CHIKVまたはインフルエンザAを治療する方法、前記方法は、1つまたは複数の本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物を投与するステップ、ならびに1つまたは複数の本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物を投与する前記ステップにより対象において前記感染または疾患を予防または治療するステップに向けられる。複数の態様において、本開示の修飾型インターフェロン-α2化合物または組成物は、有害事象を低減するため、または共投与化合物の効力を増強するために、病状を有する対象を治療するために使用される他のタンパク質または化合物と併用して使用することができる。複数の態様において、本開示の修飾インターフェロン-α2化合物または組成物(例えば、GMOP-IFN-α2変異体、IFN-α2変異体)は、抗ウイルス活性を維持しながら抗増殖特性を欠いており、SARS-COV-2(および/またはCOVID-19を含むSARS-COV-2に起因する関連疾患)、ZIKV、CHIKVまたはインフルエンザA治療に対する興味深い治療代替物を表している。複数の態様において、先に記載したような本開示の1つ以上の化合物または組成物は、ZIKV、CHIKV、またはインフルエンザAの治療において、免疫原性を低下させつつ、高い相対的な抗ウイルス活性を示す。
【0204】
上述の方法の態様において、本開示の前記修飾インターフェロン-α2化合物または組成物は、1つまたは複数の他の医薬組成物または製剤と共投与される。複数の態様において、前記1つ以上の他の医薬組成物または製剤は、リバビリン(例えば、REBETOL(登録商標))、PegIntron (登録商標)、およびINTRON-A(登録商標)からなる群から選択される。
【0205】
本明細書に記載の方法は、例えば、本明細書に記載の疾患(メラノーマまたはウイルス感染症および/または関連疾患を含む)の治療および/または予防のための少なくとも1種の医薬製剤または組成物を含む、予めパッケージされたキットを利用することによって行うことができ、これは、例えば、臨床設定において本明細書に記載の、病状又は家族歴を示す対象を治療するために便利に使用することができる。一実施形態では、キットは、本明細書に記載の、医学的状態の症状または家族歴を示す対象を治療するための、本願の開示の少なくとも1つの修飾インターフェロン-α2組成物の使用説明書を更に含む。
【実施例】
【0206】
以下に示す実施例は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものと解釈されるものではない。本開示に照らして、特許請求の範囲の範囲内の多数の実施形態は、当業者には明らかであろう。
【0207】
(1)治療薬の免疫原性部位のin silicoによる同定
T細胞は、抗原提示細胞(APC)から提示されたエピトープを、MHC(主要組織適合性複合体)クラスII分子との関連で特異的に認識する。これらのT-ヘルパーエピトープは、MHCクラスII結合溝に適合する7~30個の連続したアミノ酸からなる線形配列として表現することができる。様々な起源のタンパク質分子内のクラスIIエピトープを検出するために、多くのコンピュータアルゴリズムが開発され、使用されてきた(De Groot AS et al,(1997), AIDS Res Hum Retroviruses,13(7):539-41; Schafer JR et al., (1998), Vaccine,16(19):1880-4; De Groot AS et al., (2001), Vaccine, 19(31):4385-95; De Groot AS et al., (2003), Vaccine, 21(27-30):4486-504)。T-ヘルパーエピトープのこれらの「in silico」予測は、ワクチンの設計および治療タンパク質、すなわち抗体ベースの薬剤、Fc融合タンパク質、抗凝固剤、血液因子、骨形成タンパク質、人工タンパク質足場、酵素、成長因子、ホルモン、インターフェロン、インターロイキンおよび血栓溶解剤の脱免疫にうまく適用されている(Dimitrov DS, (2012), Methods Mol Biol, 899:1-26).
EpiMatrix(登録商標)システム(EpiVax,Providence,Rhode・Island)は、クラスIおよびクラスIIHLAリガンドとT細胞エピトープの予測に有用なコンピュータープログラムにコード化された一連の予測アルゴリズムである。EpiMatrix(登録商標)システムは、特定のアミノ酸(20)とHLA分子内の結合位置(9)の間の相互作用をモデル化するために、20x9の係数行列を使用する。任意の入力タンパク質に存在する推定T細胞エピトープを特定するため、EpiMatrix(登録商標)システムではまず、入力タンパク質を解析して、各フレームが最後のアミノ酸と8個ずつ重なる9量体フレームの集合を作成する。次に、各フレームは、ヒトHLA分子の1つまたは複数の共通対立遺伝子に対する予測される親和性についてスコア化される。通常、DRB1*0101、DRB1*0301、DRB1*0401、DRB1*0701、DRB1*0801、DRB1*1101、DRB1*1301、およびDRB1*1501である(Mackら、(2013)、Tiss Antig、81(4):194~203)。簡単に言うと、任意の9量体ペプチドについて、特定のアミノ酸コード(20個の天然に存在するアミノ酸のそれぞれについて1つ)および相対的結合位置(1-9)を使用して、予測行列から係数を選択する。個々の係数は、Sturniolo(Sturniolo T et al., 1999, Nat Biotechnol, 17(6):555-61)が最初に開発したポケットプロファイル法と類似するが同一ではない独自の方法を使用して導き出される。次に、個々の係数が合計され、生のスコアが生成される。EpiMatrix(登録商標)の生のスコアは、次に、非常に大規模なランダムに生成されたペプチド配列のセットから得られたスコア分布に関して正規化される。結果として得られる「Z」スコアは正規分布であり、対立遺伝子間で直接比較することができる。
【0208】
EpiMatrix(登録商標)ペプチドスコアリング
EpiMatrix(登録商標)の「Z」スコアで1.64以上のスコア(任意のペプチドセットの上位5%程度)を持つペプチドは、予測されたMHC分子に結合する可能性が有意に高く、「ヒット」と呼ばれることが決定された。スコアで2.32以上のスコア(上位1%)のペプチドは、結合する可能性が極めて高く、発表されているほとんどのT細胞エピトープは、このスコアの範囲に入る。以前の研究では、EpiMatrix(登録商標)が公表されているMHCリガンドとT細胞エピトープを正確に予測することも実証されている。
【0209】
T細胞エピトープクラスターの同定。T細胞エピトープの候補は、タンパク質配列中にランダムに分布しているのではなく、「クラスター」化する傾向がある。T細胞エピトープ「クラスター」の長さは9~約30アミノ酸で、複数の対立遺伝子や複数のフレームに対する親和性を考慮すると、4~40の結合モチーフを含んでいることになる。エピトープマッピングの後、EpiMatrix(登録商標)アルゴリズムによって生成された結果セットは、Clustimer(登録商標)として知られる独自のアルゴリズムを使用して、T細胞エピトープクラスターおよびエピバー(登録商標)の存在についてスクリーニングされた。簡単に説明すると、分析された各9量体ペプチドのEpiMatrix(登録商標)スコアが集約され、統計的に導き出された閾値と照合される。次に、スコアの高い9量体ペプチドは、一度に 1 アミノ酸ずつ拡張される。伸長された配列のスコアは、再度集計され、修正された閾値と比較される。このプロセスは、提案された拡張がクラスターの全体的なスコアをもはや向上させないまで繰り返される。10以上のスコア(多くの異なるHLA DR対立遺伝子に対する複数の「ヒット」を含む)を有すると定義される高い免疫原性の領域が、T細胞エピトープクラスターとして同定された。これらの領域には、相当数の推定T細胞エピトープと、MHC結合とT細胞反応性の高い可能性を示すエピバー(登録商標)が含まれている。
【0210】
[HLA結合に関与するアミノ酸の予測]
これらの領域の各アミノ酸のHLA結合への寄与は、OptiMatrixツール(脱免疫のためのEpiVax ISPRIツールキットの一部)を使って評価された。OptiMatrixはまず、複数の9量体フレームと複数のHLA対立遺伝子にわたってMHC結合親和性に最も寄与する「重要な」残基を調べることから始める。次に、このプログラムは、タンパク質配列の任意の位置にある19個の代替アミノ酸をすべて反復して置換し(オペレーターが定義した入力により、リストを自然保存された変異体に限定することができる)、その変更後の配列の予測免疫原性を再解析する。タンパク質の構造、ひいては生物学的活性への悪影響を避けるため、重要な残基を文献から総合的に検索し、改変の候補とならないアミノ酸を特定した。
【0211】
[実施例1.in silico免疫原性予測および脱免疫化タンパク質設計]
ペプチドとHLA分子との結合は、T細胞反応に必要な重要な最初のステップである。実際、タンパク質の免疫原性の最も重要な決定要因の1つは、ペプチドのMHC分子への結合の強さである(Lazarski CA et al, (2005) Immunity.23: 29-40)。GMOP-IFN(配列番号10)の潜在的な免疫原性を分析するために、EpiMatrixを用いて完全なアミノ酸配列がスクリーニングされた。この研究により、タンパク質配列中のT細胞エピトープの高い含量が明らかになった(
図1A)。ClustiMerアルゴリズムを用いた更なる分析により、推定9量体MHC結合ペプチドの同定およびそれらのクラスター領域への結合が可能となった。GMOP-IFN(配列番号10)の以下20-43,58-72,70-89,121-141,131-154,158-179の残基にまたがる、合計6つのクラスタが定義された。予測された6つのMHC結合クラスターのうち5つは、以前に報告されたT細胞エピトープと重なっていた。
【0212】
次に、OptiMatrixを用いて、MHCIIの結合親和性を阻害したり低下させたりする重要な残基を同定した。OptiMatrixによって示唆された変化の中から、生物学的活性や受容体結合に重要であると同定されなかった修飾が選択された。これらの結果は、ClustiMerのMHC結合クラスター予測と共に検討された。この比較に基づいて、GMOP-IFN-α2b(配列番号10)における修飾のための10部位が選択され、これらはアミノ酸配列における以下の位置に対応する:23、31、61、79、80、131、142、137、161および171であった。これらの10個の変異を、異なる組み合わせでGMOP-IFN-α2b配列(配列番号10)に導入して、変異体を作製した。各アミノ酸をアラニンに変異させる修飾を行った(アミノ酸をトレオニンに変異させた161位の改変を除く)。これら全ての変異を導入してGMOP-IFN-VAR1(配列番号2)を生成し、T細胞エピトープ含量に対する変異の影響を(
図1B)に示す。
【0213】
hIFN-α2b分子(配列番号12)のL9A、F47A、L117A、F123AおよびL128Aの修飾が、特定のHLA分子との結合に重要であることが発見された。そのため、これらの修飾(配列番号10のGMOP-IFN-α2bの位置L23A、F61A、L131A、F137A、及びL142Aに相当する)を変異させて、GMOP-IFN-VAR2(配列番号4)を開発した。クラスター158~179および70~89の抗原性をそれぞれ低下させるために、7つの変異を有する2つの追加のタンパク質変異体、GMOP-IFN-VAR3(配列番号6)およびGMOP-IFN-VAR4(配列番号8)も作製された。GMOP-IFN-VAR3(配列番号6)を製造するための改変は、以下の通りであった。L23A、F61A、L131A、F137A、L142A、I161T、およびL171Aである。GMOP-IFN-VAR4(配列番号8)を製造するための改変は、以下の通りであった。L23A、F61A、N79A、L80A、L131A、F137A、およびL142Aである。表1は、作成されたGMOP-IFN-α2b変異体をまとめたものである。
【0214】
各変異体に対する免疫原性スコアは、上述したように、EpiMatrixを用いて算出した。
図2に示すように、各変異体のEpiMatrix免疫原性グローバルスコアは、元の分子と比較して顕著に低下している。
【0215】
【表1】
GMOP-IFN-2bの脱免疫化変異体によって提示される修飾/置換は、先に詳細に説明したように、サイトカインの生物学的構造または機能に関与しないアミノ酸に対応することが明確にされるべきであると考えられる。すなわち、この実験およびこれらの変異は、例えば以下の変異体を含む、本明細書に開示されるような修飾IFN-α2ポリペプチド(または関連する修飾IFN-α2化合物および組成物)のいずれに対しても実施することが可能であり、IFN-α2b、GMOP-IFN-α2b、または1つ以上のGMOP配列が付加され、又は付加されていないIFN-α2(IFN-α2a、GMOP-IFN-α2a、IFN-α2c、およびGMOP-IFN-α2cを含む)の任意の他の変異体が含まれる。
【0216】
(2)遺伝子発現、およびタンパク質の生産、精製、特性評価
(細胞培養)
細胞培養チャイニーズハムスター卵巣(CHO-K1)細胞を、以前に記載された基礎培養培地(Kratje RB、Wagner R、(1992)、Biotechnol.Bioeng.39: 233-242)に5%(v/v)子牛胎児血清(FCS)(PAA、アルゼンチン)を補充した培地で培養した。ヒト胚性腎臓(HEK293T)細胞は、10%(v/v)FCSおよび2mMグルタミンを添加したDMEM中で培養した。Madine Darby bovine kidney(MDBK)細胞は、10%(v/v)FCSを添加した最小必須培地(MEM;Gibco、米国)中で培養した。バイオアッセイは,2%(v/v)FCS添加MEM(アッセイ培地)を用いて実施した.ヒトDaudi細胞株は、RPMI1640培地(Gibco)+10%(v/v)FCSで維持した。すべての細胞は、加湿した5%CO2中、37℃でインキュベートした。
【0217】
(レンチウイルスベクターの構築とレンチウイルス粒子の組み立て)
hIFN-α2bコード配列を有するプラスミド(GeneWiz、米国)をSalIおよびXbaI酵素で消化し、各GMOP-IFN変異体に対応する放出DNA断片をレンチウイルスプラスミド(pLV)にクローニングした(A:Oberbek A. (2011) BiotechnolBioeng 108(3):600-610., B:Chusainow J. (2009) BiotechnolBioeng 102(4):1182-1196)。すべての構築物の同一性は、DNA配列決定によって検証された。3つのhIFN-α2bアナログ導入遺伝子を含む研究グレードのHIVベースLV粒子を、Naldiniら(1996, Science, 272: 263-267)およびDullら(1998, J. Virol. 72: 8463-71)が示唆するプロトコルに従って生産した。付着HEK293T細胞を10cmプレートで培養し、4つのプラスミドで同時に共トランスフェクトした:パッケージングプラスミド(pMDLg/pRRE)(Dullら(1998)、J. Virol.72:8463-71)、Rev発現プラスミド(pRSV-Rev)(Naldiniら(1996)、Science、272:263-267)、VSV-Gを発現するエンヘ゛ローフ゜フ゜ラスミト゛(pMD2.G)(Dullら(1998)、J.Virol.72: 8463-71)、および導入遺伝子を含む対応するトランスファーベクター(pLVs)である。すべてのプラスミドは、LipofectAMINE 2000 Reagent (Invitrogen, USA)を用いて、供給者の指示に従って、リポソーム媒介遺伝子導入により細胞内に導入された。レンチウイルス粒子(LVP)を含む上清をトランスフェクション後72時間後に採取した。
(レンチウイルス導入)
1ウェルあたり6.0×104個で6ウェルプレート(Greiner)に播種した細胞とLVPを含む上清1mlとをインキュベートすることにより、導入が行われた。導入後24時間で培地を新しい培地に交換した。残存する野生型細胞を排除するために、導入後96時間から、上清を10μg-ml-1ピューロマイシン(Sigma Aldrich, USA)を含む新鮮な成長培地に交換することにより選択圧工程を開始した。選択培地は、対照細胞が死滅するまで、ピューロマイシン濃度を上げながら3-4日ごとに交換した。
【0218】
(GMOP-IFN変異体の生産と精製)
GMOP-IFN変異体産生のために形質転換細胞を拡大し、rhIFN-α2b濃度の測定と細胞計数により、各細胞株の生産性を評価した。細胞は、成長培地を用いて500cm2の三つ口フラスコでコンフルエントになるまで成長させた。その後、培地を0.5%(v/v)FCSを添加した基底培地(生産培地)に変更した。48時間または72時間ごとに、調整培地を回収し、新鮮な生産培地と交換した。収穫物は遠心分離により清澄化し、-20℃で保存した。タンパク質を、以前に記載されたように、CNBr活性化Sepharose4B(GEヘルスケア)に結合した抗非糖化rhIFN-α2b mAb CA5E6(これは、種々のIFN変異体と有効に結合することが証明されている)を用いる免疫親和性クロマトグラフィーによって精製した(セアリオNら、(2008)、バイオキミー、90:437-449)。精製されたGMOP-IFN変異体の濃度は、分光光度定量によって決定された。
【0219】
(rhIFN-αサンドイッチELISA)
培養上清からのGMOP-IFN変異体収量を、Ceaglioら(2008, Biochimie. 90: 437-449)によって記載された特異的サンドイッチELISAアッセイによって定量化した。サンドイッチELISAアッセイは、ポリスチレンプレート上に固定化されたモノクローナル抗体(mAb)CA5E6によるIFN-a2b(その異なるバージョン)の捕捉、およびウサギ抗IFN-2bポリクローナル血清(C7)に存在する免疫グロブリン(Igs)によるその後の認識に基づくものである。
【0220】
96ウェルの平底ポリスチレンプレート(Greiner社製)に、Na2CO3/NaHCO350mMpH9.6溶液で希釈したmAbCA5E61g.ml-1(100ng/ウェル)を100リットル感作した(感作溶液)。これを37℃で1時間、4℃で終夜インキュベートした。
【0221】
非特異的相互作用部位のブロッキングは、ウシ血清アルブミン溶液(BSA、シグマ社製)1%(P/V)PBS中(ブロッキング溶液)を1ウェルあたり200L添加したものを使用した。これを37℃で1時間インキュベートした。
【0222】
最初のインキュベーションは、細菌由来のifn-2b標準物質(Gema Biotech, Argentina)を10ng.ml-1から0.078ng.ml-1の1:2の連続希釈で、100μlを加え、分析する試料から行われた。そのために、PBSにTween20を0.05%(V/V)で加えた0.1%BSA(P/V)溶液を使用した(希釈液)。検体は、曲線の直線性範囲内で標準品と比較できるように、培地に連続希釈して試験した。37℃で1時間インキュベートした。試薬の可能な非特異的結合を評価するために、IFN-2bを添加せずにチェックを行った(ネガティブコントロール)。これを行うために、この段階の間、IFNを100Lの希釈液で置き換えた。
【0223】
2回目のインキュベーションは、希釈液で1:1,000に希釈したウサギ血清C7抗IFN-2bを100l添加することにより行った。37℃で1時間インキュベートした。
【0224】
第3のインキュベーションは、酵素ペルオキシダーゼを結合させたウサギ抗免疫グロブリンヤギ抗体(DAKO、デンマーク)を100Lを希釈液で1:2,000希釈で添加することにより行った。37℃で1時間インキュベートした。
【0225】
明らかにする反応は、基質としてH2O2(0.015容量)をクエン酸/リン酸ナトリウム溶液50mM,pH5.3で希釈したもの(明らかにする溶液)に、o-フェニレンジアミン発色剤(OPD,Sigma)を0.5mg.ml-1の濃度で加えて酵素反応によって明らかにした。当該溶液を1ウェルあたり100L入れ、暗所、室温で15分インキュベートしたところ、酵素が基質の還元を触媒し、同時に発色剤の酸化を行うため、発色の様子が観察された。反応は50LのH2OS42Nの添加により停止し、マイクロタイティングプレートリーダー(Labsystems Multiskan MCC/340、フィンランド)でa.492nmで検色を実施した。
【0226】
定量は、標準として用いたIFN-2bの濃度とサンプルの希釈率に基づいて吸光度の値をプロットし、いずれも対数スケールで表示した。試料の濃度は、平行直線試験(D: Milano, F. (2001) Bachelor's Thesis in Biotechnology.を用いて決定した。薬剤のインビトロの生物学的評価のためのバイオアッセイの設計と検証。Faculty of Biochemistry and Biological Sciences, UNL, Santa Fe, Argentina.).
(SDS-PAGEとウェスタンブロッティング)
SDS-PAGE分析は、15%(w/v)ポリアクリルアミド分解ゲルおよび5%(w/v)スタッキングゲルを用いて標準法に従って実施した。タンパク質はポリビニリデン・ジフルオリド(PVDF)メンブレン(BioRad)に転写した。ブロットをトリス緩衝生理食塩水(TBS)中の5%(w/v)無脂肪乳で1時間ブロッキングし、ウサギ抗rhIFN-α2bポリクローナル抗体でプローブした。1時間後、ブロットを、ELISAで記載したのと同じペルオキシダーゼ標識でインキュベートした。免疫反応性バンドはECL(登録商標)Chemiluminescent Western Blotting Analysis System (GEヘルスケア)を用いて可視化した。ステップ間の洗浄は、0.05%(v/v)Tween20を含むTBS(TBS-T)で実施した。希釈液は0.5%(w/v)脱脂乳を含むTBS-Tで調製した。
【0227】
[実施例2.GMOP-IFN脱免疫化変異体:製造及び精製]
GMOP-IFN変異体を合成し、第3世代のレンチウイルスベクターにクローニングした後、CHO細胞で発現させた。ピューロマイシン(300μg/ml)を用いて細胞を選択後、安定な細胞株からの培養上清を、サンドイッチELISAおよび抗ウイルスアッセイによってそれぞれrhIFN-α2b産生および生物学的効力を予備的にスクリーニングした。
【0228】
タンパク質の精製には、CNBr活性化Sepharoseにモノクローナル抗体(CA5E6)をリガンドとして吸着させた、一段階の免疫アフィニティークロマトグラフィーを行った。上清に含まれるタンパク質の変異体は、理論容量の40%を超えることなくマトリックスにロードされた。フロースルーや洗浄工程でも、サイトカインの損失は観察されなかった。タンパク質濃度は、λ=280nmの波長での分光光度によって測定された(
図8)。
【0229】
タンパク質の純度は、SDS-PAGEの後にクーマシーブルー染色を行うことで分析した(
図3)。すべてのタンパク質調製物は、SDS-PAGEにおいて同様の移動度シフトを示した。しかしながら、すべての試料についての非グリコシル化rhIFN-α2bも検出され、これは、より効率的に占有されていないO-グリコシル化コンセンサス配列の存在を反映していた。GMOP-IFN-VAR2およびGMOP-IFN-VAR3のデンシトメトリープロファイルでは、ウシ血清アルブミン(BSA)を主な汚染物質として94%以上の純度を示した。一方、GMOP-IFN-VAR1およびGMOP-IFN-VAR4タンパク質の純度レベルは約80%で、これはCA5E6 mAbへのタンパク質結合が低いことに起因すると思われる。
【0230】
GMOP-IFN-2bの脱免疫化変異体によって提示される修飾/置換は、サイトカインの生物学的構造または機能に関与しないアミノ酸に対応することが明確にされるべきであろう。すなわち、この実験およびこれらの変異は、例えば以下の変異体を含む、本明細書に開示されるような修飾IFN-α2ポリペプチド(または関連する修飾IFN-α2化合物および組成物)のいずれに対しても実施することが可能である。たとえば、IFN-α2b、GMOP-IFN-α2b、または1つ以上のGMOP配列が付加しまたは付加していないIFN-α2(IFN-α2a、GMOP-IFN-α2a、IFN-α2c、およびGMOP-IFN-α2cを含む)の任意の他の変異体が含まれる。
【0231】
(3)インビトロの活性測定法
(抗ウイルスアッセイ)
インターフェロンのための抗ウイルス生物学的滴定アッセイは、これらのサイトカインがウイルスの伝播または複製に及ぼす阻害活性を定量する(Familletti Gら、(1981)、Methods Enzymology 78: 387-394)。最も単純で最も便利な手順は、サイトカインの濃度範囲について、溶解性ウイルスの細胞障害効果から感受性細胞を保護するインターフェロンの能力を測定することである。
【0232】
rhIFN-α2bの生物学的抗ウイルス活性は、MDBK細胞上の水疱性口内炎ウイルス(VSV)によって引き起こされる細胞病理効果を阻害する能力によって決定した(Familletti PCら、(1981)、Methods Enzymol.78: 387-394; Rubinstein Sら、(1981 J. Virol. 37: 755-8)。GMOP-IFN変異体の抗ウイルス活性に対する修飾の影響を評価するために、MDBK細胞を、成長培地媒体[10%SFB(V/V)で補充したMEM]中の培養マイクロタイタープレートに播種し(ウェル当たり2.5×104細胞)、37℃で一晩インキュベートした。
【0233】
培養上清を除去した後、rhIFN-a2bWHO国際標準(NIBSC95/566)の20Uml-1から0.16Uml-1の1:2の連続希釈液、または各GMOP-IFN変異体の試験サンプルの1:2連続希釈液を測定用培地に添加した。その後、プレートを37℃で6時間インキュベートし、上清を除去した後、単層で1細胞あたり1.6PFUのVSVウイルスを感染させた。ウイルス複製は、コントロールウェル(rhIFN-α2bなし)で細胞障害作用が明確に観察できるようになるまで進行させた。培地を捨て、細胞を固定し、40%(v/v)メタノール(Merck)中の0.75%(w/v)クリスタルバイオレットの溶液で同時に染色した。37℃で15分後,プレートを蒸留水で洗浄して色素を除去し,固定した色素を20%(v/v)酢酸に可溶化させた。読み取り前にプレートをホモジナイズできるマイクロタイタープレートリーダーを用いてλ=540nmで読み取り,各希釈のシグナル強度を5ウェルで測定した吸光度の平均値として報告した。
【0234】
吸光度データを、IFN-α2b(標準)の活性値およびサンプルの希釈値の関数として対数スケールでプロットし、平行線の検定を用いて標準と比較して、各分子の生物活性値(AB)を計算した。これらの結果から、AB値と試料中の分子濃度の商を算出し、各タンパク質の比生物活性値(ABE)を求めた。
【0235】
最後に、IFN-α2b-WT分子のABE(180±50IU/ng)とGMOP-IFN-α2b変異体のそれぞれのABEの商を作ることによって、パーセントによる相対的抗ウイルス活性値を決定した。
【0236】
(抗増殖性アッセイ)
細胞増殖を阻害するrhIFN-α2b能力を測定するために、Daudi細胞を用いてインビトロのバイオアッセイを実施した(Nederman Tら、(1990)、Biologicals.18: 29-34)。rhIFN-a2bWHO国際標準の50U/mlから0.02U/mlの1:2の連続希釈液、または各GMOP-IFN変異体の試験サンプルの1:2の連続希釈液をマイクロタイタープレートのウェルに配置した。次に、あらかじめ洗浄したDaudi細胞を加え(1ウェルあたり5×103細胞)、プレートを37℃で96時間インキュベートした。細胞増殖は、CellTiter 96TM AQueous Non-Radioactive Cell Proliferation Assay(Promega)を使用して、2つの試薬(MTS[3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カリボキシメトキシ-フェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム)]濃度2mg.ml-1およびPMS[フェナジンメトスルフェート(phenazine methosulfate)]濃度0.92mg.ml-1)を用いて決定した。WHO国際標準:大腸菌産生rhIFN-2b(NIBSC95/566)を使用した。
【0237】
96ウエルからなる滅菌済み平底プレートに、10%SFB(V/V)添加RPMI培地(増殖培地)中のrhIFN-a2b標準品を、活性濃度50UI.ml-1から0.39UI.ml-1まで1:2で連続希釈したウェルあたり50μl配置した。各タンパク質について、用量反応曲線の直線範囲内で標準品と比較できるように、それぞれ適切な初期希釈を行い、同じ条件で分析を行った。
【0238】
Daudi細胞株は、増殖途中のものを培養した。試験には、1.105cellml-1の懸濁液を調製し、そのうちの50μlを各ウェルに加え、37℃のストーブで96時間インキュベートした。
【0239】
試験を明らかにするために、プレート1枚当たり2mLのMTS溶液と100LのPMS溶液を混合してその時に調製した発色試薬を1ウェル当たり20μl添加した。37℃で5時間インキュベートした。この比色法は、代謝的に活発な細胞に見られるデヒドロゲナーゼ酵素の存在を強調し、その活性が培養中に存在する生存細胞の数に直接関係することで、細胞増殖を測定するものである。デヒドロゲナーゼ酵素は、MTSの生物的還元を触媒して、波長490nmを吸収する可溶性の(青色の)ホルマザン発色剤に変化させる。PmSは、酸化還元反応において電子供与体として作用する。生成物の生成量は、crop中の代謝活性細胞の数に正比例する。発色剤の吸光度は、マイクロプレートリーダーを使用して、690nmのプレートバックグラウンドの読み取りに対して492nmで測定された。このアッセイは3反復で再現された。
【0240】
吸光度の値は、対応する標準活性データと対数スケールのサンプル希釈値を基にプロットした。各新規分子の抗増殖生物活性値は、平行線比較法を用いて標準品を用いて算出した。
【0241】
最後に、体積活性とタンパク質濃度の比を作ることで、比抗増殖生物活性値を決定した。
【0242】
[実施例3A.GMOP-IFN-VAR2およびGMOP-IFN-VAR3は、高い残存抗ウイルス活性および無効化した抗増殖性(null antiproliferative properties)を呈した]
抗ウイルス活性に直接関与する残基を変更することなく、最も免疫原性の高いアミノ酸を変更することを目的として、脱免疫化戦略が用いられた。これらの改変がサイトカインの生物学的活性に及ぼす影響をインビトロの抗ウイルス活性測定で評価した。欧州薬局方で推奨されているため、MDBK細胞がVSVウイルスによりウイルス感染のターゲットとして使用された。GMOP-IFN-α2b(190±50UI/ml)に対するGMOP-IFN-2b変異体の相対的な抗ウイルス活性は、MDBK細胞上の水疱性口内炎ウイルスによって引き起こされる細胞病理効果を阻害する能力によって決定し、GMOP-IFN-α2bの活性に対して正規化した(
図9、10、及び11)。GMOP-IFN-α2bの各変異体の生産株の細胞株培養上清を用いて、予備的な抗ウイルス活性試験を行った。全ての上清は、異なる大きさで抗ウイルス活性を示した(
図9)。
【0243】
次いで、精製GMOP-IFN-α2b及びGMOP-IFN-α2b変異体を用いて、GMOP-IFN-α2b(190±50 UI/ml)に対するGMOP-IFN-α2b変異体の相対的な抗ウイルス活性を、上記のように決定した(
図10及び
図11)。GMOP-IFN-VAR1およびGMOP-IFN-VAR4について、残留する抗ウイルス活性の著しい減少が観察された(それぞれ、0.06%および0.17%)(
図10)。その結果、両タンパク質は、さらなる研究から廃棄された。一方、表2に示すように、GMOP-IFN-VAR2およびGMOP-IFN-VAR3は、元の抗ウイルス活性のほとんどを保持していた(それぞれ、72%および35%)(
図11)。これは、免疫原性残基の選択を生物学的活性に直接関与しないものに限定したにもかかわらず、IFN-受容体相互作用の部分的な低下が依然として明らかであったことを反映している。
【0244】
【表2】
rhIFN-αによる抗ウイルス療法中、最も一般的な副作用の1つは好中球数の減少、すなわち好中球減少症であり、これは用量調節または早期の中止と頻繁に関連している(Saleh MI and Hindi NN, (2018), Naunyn. Schmiedebergs. Pharmacol.391: 953-963)。このため、GMOP-IFN-VAR2及びGMOP-IFN-VAR3の抗増殖活性をさらに特徴付けるために、インビトロバイオアッセイを使用して、Daudi細胞の細胞増殖を阻害する能力を測定した。タンパク質の生物学的活性に直接関与する残基を変更していないにもかかわらず、両方のタンパク質変異体について、それらの特異的な抗増殖活性の著しい低下が観察された。表3に示すように、GMOP-IFN-VAR2およびGMOP-IFN-VAR3の両方は、元の抗増殖力の1%未満を示した(GMOP-IFN-VAR2については0.5±0.2Ung-
1、およびGMOP-IFN-VAR3について0.4±0.1Ung-
1)。これらの結果を総合すると、同じ細胞受容体が両方のhIFN-α2bの生物学的活性に関与していることを考えると、これは、サイトカイン構造の変化に対するIFN抗増殖活性の感受性がより高いことを示すものである。一般に、高い抗増殖活性は、重篤な感染症(細菌、ウイルス、真菌など)に対する感受性を生み出す好中球減少など、IFN-2b療法の望ましくない副作用と関連していることを考えると、これらの結果は極めてポジティブである。
【0245】
【表3】
GMOP-IFN-2bの脱免疫化変異体によって提示される修飾/置換は、サイトカインの生物学的構造または機能に関与しないアミノ酸に対応することが明確にされるべきであろう。すなわち、この実験およびこれらの変異は、例えば以下の変異体を含む、本明細書に開示されるような修飾IFN-α2ポリペプチド(または関連する修飾IFN-α2化合物および組成物)のいずれに対しても実施することが可能である。IFN-α2b、GMOP-IFN-α2b、または1つ以上のGMOP配列が付加しまたは付加していないIFN-α2(IFN-α2a、GMOP-IFN-α2a、IFN-α2c、およびGMOP-IFN-α2cを含む)の任意の他の変異体である。
【0246】
[実施例3B.他のインターフェロンと比較した、IFN-α変異体の比較残留抗ウイルス活性および抗増殖特性]
IFN-α2bサイトカインの生物学的活性に対する様々な修飾の影響は、インビトロの抗ウイルス活性アッセイによって評価される。欧州薬局方で推奨されているため、MDBK細胞がVSVウイルスによりウイルス感染のターゲットとして使用されている。GMOP-IFN-α2b(190±50UI/ml)に対する高グリコシル化GMOP-IFN変異体1~4(それぞれ配列番号2、4、6、及び8)の相対的な抗ウイルス活性は、MDBK細胞上の水疱性口内炎ウイルスによって引き起こされる細胞障害効果を阻害するそれらの能力によって決定し、GMOP-IFN-α2bの活性に対して正規化される。
【0247】
高グリコシル化GMOP-IFN変異体と生物活性を比較するために、他のいくつかの精製IFN-α2b変異体も作製された。これらの変異体には、以下が含まれる。PEG化IFN-α2b、非グリコシル化IFN-α2b、非グリコシル化GMOP-IFN変異体1~4(それぞれ配列番号2、4、6、および8)、ならびに4N-IFN。4N-IFNは、高グリコシル化IFN-α2b変異体であり、ここで、変異は、Asn-Xaa-Ser/ThrトリペプチドからなるコンセンサスNグリコシル化部位を提供するためにアミノ酸をAsnで置換することによって天然のhIFN-α2bに導入されており、Xはプロリン残基以外の任意の残基でありうる。4Nは、hIFN-α2bの4、23、70、77の位置のAsnへの変異を含む。
【0248】
高グリコシル化GMOP-IFN-VAR1および高グリコシル化GMOP-IFN-VAR4は、残存する抗ウイルス活性の低下が予想される。さらに、PEG化IFN-α2b、非グリコシル化IFN-α2b、非グリコシル化GMOP-IFN変異体1-4、および4N-IFNでは、残存する抗ウイルス活性の低下が予想される。一方、高グリコシル化GMOP-IFN-VAR2および高グリコシル化GMOP-IFN-VAR3は、元の抗ウイルス活性の大部分を保持しているか、または保持すると予想される。このことは、免疫原性残基の選択を生物学的活性に直接関与しないものに限定したにもかかわらず、IFN-受容体相互作用の部分的な減少が依然として明らかであることを反映している。
【0249】
rhIFN-αによる抗ウイルス療法中、最も一般的な副作用の1つは好中球数の減少、すなわち好中球減少症であり、これは用量調節または早期の中止と頻繁に関連している(Saleh MI and Hindi NN, (2018), Naunyn. Schmiedebergs. Pharmacol.391: 953-963).このため、高グリコシル化GMOP-IFN-VAR2及び高グリコシル化GMOP-IFN-VAR3の抗増殖活性を、PEG化IFN-α2b、非グリコシル化IFN-α2b、非グリコシル化GMOP-IFN変異体1~4、及び4N-IFNとさらに比較するために、インビトロバイオアッセイが用いられ、Daudi細胞の細胞増殖抑制能力が測定されている。タンパク質の生物学的活性に直接関与する残基を変更していないにもかかわらず、高グリコシル化GMOP-IFN-VAR2および高グリコシル化GMOP-IFN-VAR3では、いずれも特異的な抗増殖活性が著しく低下していることが観察された。逆に、PEG化IFN-α2b、非グリコシル化IFN-α2b、非グリコシル化GMOP-IFN変異体1~4、及び4N-IFNについては、特異的な抗増殖活性が著しく低下することはないと予想される。これらの結果を総合すると、同じ細胞受容体が両方のhIFN-α2bの生物学的活性に関与していることを考えると、IFN抗増殖活性がサイトカイン構造の変化に対してより敏感であることが示される。一般に、高い抗増殖活性は、重篤な感染症(細菌、ウイルス、真菌など)に対する感受性を生み出す好中球減少など、IFN-2b療法の望ましくない副作用と関連していることを考えると、これらの結果は極めてポジティブであると言える。
【0250】
GMOP-IFN-2bの脱免疫化変異体によって提示される修飾/置換は、サイトカインの生物学的構造または機能に関与しないアミノ酸に対応することが明確にされるべきであろう。すなわち、この実験およびこれらの変異は、例えば以下の変異体を含む、本明細書に開示されるような修飾IFN-α2ポリペプチド(または関連する修飾IFN-α2化合物および組成物)のいずれに対しても実施することが可能であり、例えば、IFN-α2b、GMOP-IFN-α2b、または1つ以上のGMOP配列が付加しまたは付加していないIFN-α2(IFN-α2a、GMOP-IFN-α2a、IFN-α2c、およびGMOP-IFN-α2cを含む)の任意の他の変異体である。
【0251】
(4)物理化学的特性評価
(等電点電気泳動)
IEF(等電点電気泳動)は、7M尿素を含む1mm厚の8%(w/v)ポリアクリルアミドゲルで行い、pH範囲を確定するために、30%(w/v)の両性電解質(5-7)、70%(w/v)の両性電解質(2-4)(Pharmalyte、GEヘルスケア)が混合された。このゲルを10W、2000V、100mAで30分間プレフォーカスした。その後、5~20μlの試料をカソードから1cmの位置に塗布し、プレフォーカス工程と同条件で90分間電気泳動を行った。IEF分離された成分は、クーマシーブルー染色により検出した。
【0252】
[GMOP-IFNとその変異体における適切なO-グリコシル化部位の評価]
O-グリコシルトランスフェラーゼの既知のコンセンサス認識配列がないことから、NetOGlyc 3.1 Serverソフトウェア(Julenius K et al., (2005), Glycobiology. 15: 153-164)を用いてムチン型GalNAc O-グリコシル化部位のニューラルネットワーク予測を行なった。
【0253】
[実施例4.GMOP-IFN脱免疫化変異体は特徴的な電気泳動プロフィールを示した]
各タンパク質変異体の電荷ベースの不均一性をさらに特徴付けるために、等電点電気泳動(IEF)アッセイを行った。CHO-K1細胞で生産されたWT-IFN、rhIFN-α2bでは、4つの電気泳動バンドが観察され、天然のThr106 O-グリコシル化部位に結合したシアル酸の含有量が異なるO-グリカン構造を持つアイソフォームを表していた。
【0254】
GMOP-IFNのO-グリコシル化部位に結合した糖鎖構造の含有率が高いことは、ゲルの最も酸性な領域に位置する約7個のアイソフォームの存在によって証明された。興味深いことに、両方の脱免疫化変異体は、オリジナル分子と比較して異なる電気泳動プロファイルを示した。両タンパク質で合計11本の電気泳動バンドが検出され、そのうちの3本はゲルの最も酸性側の端に位置していた。さらに、GMOP-IFN-VAR3では、最も塩基性の高いアイソフォームの含量が低いことも確認された(
図4)。これらの結果は、NetOGlyc 3.1サーバーソフトウェアを用いてムチンタイプのGalNAc O-グリコシル化部位を解析したデータと一致する。このアルゴリズムでは、GMOP-IFNでは5つ、GMOP-IFN-VAR2とGMOP-IFN-VAR3では6つのO-グリコシル化部位の発生が予測された。
【0255】
GMOP-IFN-2bの脱免疫化変異体によって提示される修飾/置換は、サイトカインの生物学的構造または機能に関与しないアミノ酸に対応することが明確にされるべきであろう。すなわち、この実験およびこれらの変異は、例えば以下の変異体を含む、本明細書に開示されるような修飾IFN-α2ポリペプチド(または関連する修飾IFN-α2化合物および組成物)のいずれに対しても実施することが可能である。例えば、IFN-α2b、GMOP-IFN-α2b、または1つ以上のGMOP配列が付加しまたは付加していないIFN-α2(IFN-α2a、GMOP-IFN-α2a、IFN-α2c、およびGMOP-IFN-α2cを含む)の任意の他の変異体である。
【0256】
(5)免疫原性評価
[ヒトPBMCの調製とHLA-DRタイピング]
血液の抽出と取り扱いはすべてUniversidad Nacional del Litoral Research Ethics Committee (Santa Fe, AR)の承認を受けた。血液サンプルは、インフォームドコンセントを得た後、18歳から60歳の健康なドナーから静脈穿刺により採取した。
【0257】
PBMCはFicoll-Paque(登録商標)PLUS(GEヘルスケアバイオサイエンス、SE)密度勾配分離により製造者の指示に従い分離し、バフィーコートを回収してPBSで2回洗浄した。PBMCは1-3×107細胞/mlの濃度で液体窒素中に凍結保存した。前もって一定分量の血液を分離し、ルミナックス配列技術(Luminex Sequencing Technology) (PRICAI, Buenos Aires, AR)によってHLA-DRアロタイプを決定した。タイピング結果は、Allele Frequency Net Database (The Royal Liverpool and Broadgreen University Hospitals, NHS Trust website: www.allelefrequencies.net)で公開されている世界人口におけるHLA-DR頻度と比較された。
【0258】
[エクスビボT細胞アッセイ]
エクスビボT細胞アッセイについては、JaberおよびBaker((2007), J. Pharm. Biomed. Anal. 43: 1256-1261))を改変して実施した。単球は、プラスチックへの差動付着によって各ドナー血液サンプルのPBMCから単離された(Elkord E et al., (2005), Immunology. 114: 204-12)。付着細胞は分化のために保持し、非付着細胞はさらなる使用のために回収し、凍結保存した。単球由来DCの未熟な表現型を誘導するために、単球を、ヒトIL-4(Millipore、USA)および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF、GemaBiotech、AR)をそれぞれ1000U/ml含む増殖培地で、3日目に培地を交換して6日間インキュベートした。6日目に、未熟な樹状細胞を集め、数え、rhIFN-α2b変異体または非抗原(培地または賦形剤)と共にインキュベートした。この研究に含まれる試験抗原は、GMOP-IFNおよびその脱免疫化変異体であった。一晩のインキュベーション後、DCを洗浄して外来抗原を除去し、組換えヒト腫瘍壊死因子(rhTNF、ProsPec、米国)α、GM-CSFおよびIL-4を含む増殖培地に4日間再懸濁し、DC成熟を誘発させた。その後、AgパルスDCを、2ng/mlのヒトIL-2(Thermo, USA)を含む培地で48時間、自己細胞とインキュベートした。上清を回収し、サンドイッチELISAによってIFN-γおよびIL-4の定量を評価した。ネガティブコントロール(培地または賦形剤)、およびポジティブコントロール(フィトヘマグルチニン、Sigma Aldrich、USA)もまた含まれた。
【0259】
[IFN-γサンドイッチELISA]
96ウェルプレートに濃度2μg/mlの一次hIFN-γ mAb(クローンNIB42、BD、米国)を100μlコーティングし、まず37℃で1時間、次に4℃で一晩培養した。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の1%(w/v)BSAで37℃で1時間ブロッキングした後、培養上清を加え、37℃で2時間インキュベートした。また、1ng/mlからのrhIFN-γ(BD、USA)の連続1:2希釈液も含まれている。次に、500ngml-1の濃度のビオチン化hIFN-γmAb(クローン4S.B3,BD,USA)を100μl/ウェルでプレートに加え、37℃で1時間インキュベートした。そして、プレートを1:5000に希釈したホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(Horseradish peroxidase; HRP)標識ストレプトアビジン(Streptavidin)(RPN4401-AMDEX,USA)と共にインキュベートした。1時間後、プレートを基質溶液 (0.5 mg/mlの o-フェニレンジアミン、in 50 mM リン酸クエン酸緩衝液中、0.015% (v/v) H2O2)でインキュベートした。反応を2NのH2SO4の添加で停止させ、吸光度はマイクロタイタープレートリーダーL(Labsystems Multiskan MCC/340,Finland)を用いて492nmで測定した。各工程の間に、0.05%(v/v)Tween20を含むPBS(PBS-T)でプレートを洗浄した。希釈液は0.1%(w/v)BSAを含むPBS-Tで調製した。アッセイは3反復で行った。刺激指数(SI)は、タンパク質を付与したサンプルからのサイトカイン濃度を賦形剤で処理したサンプルからのサイトカイン濃度で割った比率として定義された。
【0260】
[統計解析]
処理間の差は一元配置分散分析(ANOVA)で評価した。ANOVAで有意差が出た場合(p<0.05)、さらにポストホックのTukeyの多重比較検定を適用した。
【0261】
[実施例5.免疫原性解析]
エクスビボヒトPBMCアッセイは、治療薬候補にさらされた後の免疫細胞の活性化を測定することに基づいている。これにより、T細胞の抗原特異的な活性化を解析し、治療薬が提示する免疫反応の誘導能を決定することができる。これらの試料の構成は、Tリンパ球のようないくつかの関連する免疫細胞だけでなく、抗原提示細胞(例えば、単球、樹状細胞、B細胞)を含んでいる。治療薬への曝露の結果、免疫反応が生じた場合、活性化した協力なT細胞によって分泌される特定のサイトカイン、例えばIFN-γ、IL-4、IL-6、TNF-αなどを定量化することによって測定することができる。その結果、治療用タンパク質に潜在的に存在する免疫原性T細胞エピトープに関連するリスクを評価するのに適した実験プラットフォームが構成される。
【0262】
(ドナーサンプル)
ヒト免疫細胞ベースのアッセイは、タンパク質の免疫原性リスク評価として広く利用されている(Jaber A and Baker M, (2007), J. Pharm.Biomed.Anal.43: 1256-1261; Mazor R et al, (2012), Proc.Natl. Acad.Sci. U. S. A. 109:E3597-603; Lamberth K, et al., (2017), Sci. Transl.Med.9: 1-12).これらの実験は、多様なHLA遺伝子型のドナープールで実施され、世界的な人口におけるHLAの発生を代表する場合に、より信頼性が高いことが今や非常に明確になっている。この研究では、18歳から60歳までの健康なドナー20人から血液を採取した。各ドナーから一定量の血液を採取し、ルミナックス配列テクノロジー(Luminex Sequencing Technology)によってHLA-DRアロタイプを決定した。簡単に説明すると、この技術はDRB1遺伝子の抽出物2をPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)で増幅し、オロクロムを付けたポリスチレン球に付着させた特異的プローブとハイブリダイゼーションさせるものである。これらの球はLuminexチームによって読み取られ、PCR産物が球に付着した痕跡にハイブリダイズした場合に検出される。ドナーによって発現されたHLA-DRB1対立遺伝子は高い異質性を示し、表4に示されている。
【0263】
【0264】
[T細胞活性化反応]
T細胞に対する内因性hIFN-α2bの抗増殖作用は、PBMCサンプルとの直接インキュベーションを制限している。この問題を回避するために、単球由来DC(moDC)の生成のための前段階を含む代替プロトコルが適応された。未熟なDCを短いインキュベーション時間、高濃度で異なるGMOP-IFN変異体でパルスし、その後、細胞を洗浄した。このステップの間、未熟なDCは抗原をエンドサイトーシスして処理することができる。成熟すると、DCはMHCクラスIIに結合したGMOP-IFN由来のペプチドを細胞表面に提示することができ、そこでT細胞応答を刺激することができるようになるだろう。血液サンプルは健康なドナーから入手し、世界の人口に発現する主要なHLA-DRアロタイプが含まれるように選択した。これにより、特定のHLA-DRアロタイプに限定されたhIFN-α2b特異的なT細胞反応を検出することができる。エクスビボT細胞アッセイおよびIFN-γサンドイッチELISAを、上記のように、IFN-γおよびIL-4の濃度を評価するために実施した。分析するタンパク質とインキュベートしたサンプルの培養上清中のこれらのサイトカインの濃度を、ネガティブコントロール(PBSまたは賦形剤とインキュベートし、リンパ球と遭遇した樹状細胞)の濃度と比較した。最後に、ネガティブコントロールに対するサンプル中のIFN-γレベルの比から刺激率を算出した。そこから、上清中のIFN-γレベルが低下したドナーの割合を、p≦0.05のときサンプル間の有意差を考慮して、オリジナルのGMOP-IFN-2bを基準として、各変異体について評価した。
【0265】
図5に示すように、ネガティブコントロールと比較した場合、IFN-γ産生の増加によって判断されるように、ほぼ全てのドナーがGMOP-IFNタンパク質に応答した。この結果は、計算上の予測とよく一致する。また、EpiMatrixアルゴリズムを用いた知見と一致し、免疫原性の顕著な低下が、GMOP-IFN-VAR2について63%のドナー、及びGMOP-IFN-VAR3について42%のドナーにおけるIFN-γ応答の割合の低下によって証明されるように、両方のGMOP-IFN脱免疫化変異体について観察された。
【0266】
しかし、IL-4分泌(Th2プロファイル)を分析すると、測定可能なレベルのサイトカインは検出されなかった。ただし、レクチンとインキュベートした細胞は、明らかなT細胞の活性化を示した。
【0267】
[抗原提示のためのHLA-DR制限]
抗原提示がHLA-DR分子に関して媒介されることを確認するために、3人の応答性ドナー由来のGMOP-IFNパルスした樹状細胞を、自己T細胞とのインキュベーションの前に抗DR抗体(2種類の濃度で)で処理した。IFN-γ刺激指数(SI)の減少によって判断されるように、DCが抗DR抗体で事前に処理された場合、より低いT細胞活性化が観察された(
図6)。さらに、この効果は抗体の添加量を増やすとさらに顕著になり、HLA-DR分子がIFN由来のペプチド提示とそれに伴うT細胞の活性化に不可欠な役割を担っていることが示された。
【0268】
GMOP-IFN-2bの脱免疫化変異体によって提示される修飾/置換は、サイトカインの生物学的構造または機能に関与しないアミノ酸に対応することが明確にされるべきであろう。すなわち、この実験およびこれらの変異は、例えば以下の変異体を含む、本明細書に開示されるような修飾IFN-α2ポリペプチド(または関連する修飾IFN-α2化合物および組成物)のいずれに対しても実施することが可能である。例えば、IFN-α2b、GMOP-IFN-α2b、または1つ以上のGMOP配列が付加しまたは付加していないIFN-α2(IFN-α2a、GMOP-IFN-α2a、IFN-α2c、およびGMOP-IFN-α2cを含む)の任意の他の変異体である。
【0269】
(6)薬物動態プロファイル
バイオ医薬品の生物活性を測定して薬物動態を評価することは、採取した生体液中の活性を有するタンパク質画分を具体的に定量することができるため、貴重な情報を得ることができる。
【0270】
[実施例6A.ラットにおけるIFN-α変異体の比較薬物動態プロファイル]
GMOP-IFN-α2bの配列に導入された脱免疫化変異がインビボでのタンパク質特性に及ぼす影響を評価するために、GMOP-IFN-α2bとその脱免疫化変異体の薬物動態パラメータを解析した。
【0271】
生後2ヶ月、平均体重200gの雌Wistarラット(Center for Biological Experimentations and Bioterio, FCV-UNL)を用い、バイオリウム内で温度24℃、明暗光周期12時間に制御し、水と餌を無制限に与えて飼育した。ラットを8匹ずつのバッチに分け、GMOP-IFN-α2b、GMOP-IFN-α2b(VAR2)またはGMOP-IFN-α2b(VAR3)の単回投与(同じ質量単位)を皮下接種した。ラット血漿試料中のIFN-αの存在は、残存する抗ウイルス生物活性を評価することにより、異なる注入後時間に血液試料を採取することによってモニターした。試料を室温で100×gで10分間遠心分離し、血漿を分離し、さらなる分析のために-20℃で保存した。次いで、血漿タンパク質濃度を時間に対してプロットした(
図7)。
【0272】
皮下接種後に調べたタンパク質の挙動は、一次過程として仮定できる吸収と排泄の過程を示した。このため、サイトカインの挙動を記述するために、全体の吸収速度と排泄速度の両方が一次過程として扱えるような数理モデルを作成する作業を行った。このようにして、実験データを、それを特徴づける定数の計算が可能な曲線に調整し、最終的に、表5に示す薬物動態学的パラメータを決定することができた。
【0273】
データは、一次吸収・排泄動態を仮定したワンコンパートメントモデルを用いて解析した。ここで考慮した薬物動態パラメータは、最大血漿タンパク濃度(Cmax)、最大血漿タンパク濃度到達に要する時間(Tmax)、血漿タンパク濃度が初期値の50%となる時間を指す終末半減期時間(t1/2)、薬物クリアランス速度(ラット体内での薬物のバイオアベイラビリティを考慮しない)である見かけの血漿クリアランス(Clapp)であった。投与群間の差はANOVA(p≦0.05)およびターキー検定により評価した。
【0274】
表5に示すように、すべてのIFN-α2変異体は、同様の吸収および分布相を示し、それらの間に有意差はなかった。各タンパク質アナログが血漿中で最大の生物学的活性を達成した時間(Tmax)に有意差は示されず、サイトカインの初期分布段階は、サイトカイン野生型で記録された最大Tvalue(0.6±0.3h)より上で同様だろうということが示された。
【0275】
排泄期に関しては、IFN-α2の変異体間でt1/2の差は検出されず、いずれもIFN-2b-WTについて記述したもの(0.9±0.2h)よりはるかに高い値であった。
【0276】
しかし、GMOP-IFN-α2b-VAR3では、GMOP-IFN-α2bと比較して血漿クリアランス速度(Cl
app)の著しい低下が観察された。これらのタンパク質の違いは、等電点アッセイ(
図4)で証明された、タンパク質に付着したグリコシド構造の多様性に関連している可能性がある。
【0277】
これらの結果から、糖鎖リッチペプチドをIFN-α2b分子に結合させた結果得られた改善された薬物動態特性は、脱免疫化変異体にも維持されていることが示された。さらに、GMOP-IFN-α2b-VAR3では、血漿クリアランス率のさらなる向上が検出された。
【0278】
【0279】
GMOP-IFN-2bの脱免疫化変異体によって提示される修飾/置換は、サイトカインの生物学的構造または機能に関与しないアミノ酸に対応することが明確にされるべきであろう。すなわち、この実験およびこれらの変異は、例えば以下の変異体を含む、本明細書に開示されるような修飾IFN-α2ポリペプチド(または関連する修飾IFN-α2化合物および組成物)のいずれに対しても実施することが可能である。例えば、IFN-α2b、GMOP-IFN-α2b、または1つ以上のGMOP配列が付加しまたは付加していないIFN-α2(IFN-α2a、GMOP-IFN-α2a、IFN-α2c、およびGMOP-IFN-α2cを含む)の任意の他の変異体である。
【0280】
[実施例6B.他のインターフェロンと比較した、ラットにおけるIFN-α変異体の比較薬物動態プロファイル]
GMOP-IFN-α2b配列に導入された脱免疫化変異がインビボのタンパク質特性に及ぼす影響を評価するために、高グリコシル化GMOP-IFN-α2bおよびその高グリコシル化脱免疫化変異体の薬物動態パラメータを分析する。PEG化IFN-α2b、非グリコシル化IFN-α2b、非グリコシル化GMOP-IFN変異体1~4(それぞれ配列番号2、4、6、および8)、非グリコシル化GMOP-IFN-α2b、および4N-IFNに関する薬物動態パラメータも分析される。
【0281】
生後2ヶ月、平均体重200gの雌Wistarラット(Center for Biological Experimentations and Bioterio, FCV-UNL)を用い、バイオリウム内で温度24℃、明暗光周期12時間に制御し、水と餌を無制限に与えて飼育する。このラットを8匹ずつのバッチに分け、高グリコシル化GMOP-IFN-α2b、高グリコシル化GMOP-IFN-α2b(VAR2),高グリコシル化GMOP-IFN-α2b(VAR3)、PEG化IFN-α2b、非グリコシル化IFN-α2b、非グリコシル化GMOP-IFN変異体1~4、非グリコシル化GMOP-IFN-α2b、および4N-IFNを単回投与(同一質量単位)で皮下接種した。ラット血漿試料中のIFN-αの存在は、残存する抗ウイルス生物活性を評価することにより、異なる注射後時間に血液試料を採取することによってモニターされる。サンプルは、室温で100xgで10分間遠心分離し、血漿を分離し、さらなる分析のために-20℃で保存する。次に、血漿タンパク質濃度を、時間に対してプロットする。
【0282】
血漿中のタンパク質の定量は、その生物活性の評価によって行われる。得られたデータを用いて、各サンプルの生物活性を分子接種からの経過時間に従ってプロットする。皮下接種後に調べたタンパク質の挙動は、一次過程と仮定できる吸収と排泄の過程を示している。そこで、サイトカインの挙動を記述するために、全体の吸収速度と排泄速度がともに一次過程として扱えるような数理モデルを構築している。このようにして、実験データを、それを特徴づける定数の計算が可能な曲線に調整し、最終的に薬物動態パラメータを決定する。
【0283】
データは、一次吸収・排泄の動態を仮定したワンコンパートメントモデルを用いて解析している。ここで考慮した薬物動態パラメータは、最大血漿タンパク濃度(Cmax)、最大血漿タンパク濃度到達に要する時間(Tmax)、血漿タンパク濃度が初期値の50%となる時間を指す終末半減期時間(t1/2)、薬物クリアランス速度(ラット体内での薬物バイオアベイラビリティを考慮せず)である見かけの血漿クリアランス(Clapp)である。治療法間の差はANOVA(p≦0.05)の後ターキー検定により評価した。
【0284】
高グリコシル化GMOP-IFN-α2b(VAR2)と高グリコシル化GMOP-IFN-α2b(VAR3)は、同様の吸収・分布相を示し、両者に有意差はない。各タンパク質アナログが血漿中で最大の生物学的活性を獲得した時間(Tmax)に有意差は認められず、サイトカインの初期分布段階は、サイトカイン野生型で記録される最大Tvalue以上で同様となることが示されている。逆に、PEG化IFN-α2b、非グリコシル化IFN-α2b、非グリコシル化GMOP-IFN変異体1-4、非グリコシル化GMOP-IFN-α2b、および4N-IFNは減少した最大Tvalueを示すことが予想される。
【0285】
排泄期に関しては、高グリコシル化GMOP-IFN-α2b(VAR2)と高グリコシル化GMOP-IFN-α2b(VAR3)にはt1/2の差が認められず、いずれもIFN-2b-WTについて述べたものよりはるかに高い値を示している。逆に、PEG化IFN-α2b、非グリコシル化IFN-α2b、非グリコシル化GMOP-IFN変異体1~4、非グリコシル化GMOP-IFN-α2b、及び4N-IFNは、IFN-2b-WTに関して記述されたものより有意に低いt1/2を示すと期待される。
【0286】
しかし、GMOP-IFN-α2b-VAR3では、GMOP-IFN-α2bと比較して血漿クリアランス速度(Clapp)の著しい低下が観察されている。これらのタンパク質の違いは、タンパク質に結合している糖鎖構造の多様性に関連していると思われる。一方、PEG化IFN-α2b、非グリコシル化IFN-α2b、非グリコシル化GMOP-IFN変異体1-4、非グリコシル化GMOP-IFN-α2b、4N-IFNでは高い血漿クリアランス速度(Clapp)が予想される。
【0287】
これらの結果から、糖鎖リッチペプチドをIFN-α2b分子に結合させた結果得られる薬物動態の改善効果は、脱免疫化変異体にも維持され得ることが示されている。さらに、GMOP-IFN-α2b-VAR3では、血漿クリアランス率のさらなる向上が検出された。逆に、脱免疫化変異体の薬物動態特性の改善は、PEG化IFN-α2b、非グリコシル化IFN-α2b、非グリコシル化GMOP-IFN変異体1~4、非グリコシル化GMOP-IFN-α2b、および4N-IFNでは期待できないことが判明した。
【0288】
GMOP-IFN-2bの脱免疫化変異体によって提示される修飾/置換は、サイトカインの生物学的構造または機能に関与しないアミノ酸に対応することが明確にされるべきであろう。すなわち、この実験およびこれらの変異は、例えば以下の変異体を含む、本明細書に開示されるような修飾IFN-α2ポリペプチド(または関連する修飾IFN-α2化合物および組成物)のいずれに対しても実施することが可能である。例えば、IFN-α2b、GMOP-IFN-α2b、または1つ以上のGMOP配列が付加しまたは付加していないIFN-α2(IFN-α2a、GMOP-IFN-α2a、IFN-α2c、およびGMOP-IFN-α2cを含む)の任意の他の変異体である。
【0289】
[同等品]
本願の開示は、その特定の態様に関連して説明されてきたが、それはさらなる変更が可能であることが理解されるであろう。さらに、本出願は、開示が関係する技術分野において公知または慣例的な実施に含まれ、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るような本開示からの逸脱を含む、本発明の任意の変形、使用、または適応を対象とすることを意図している。
【配列表】
【国際調査報告】